内閣委員会 第3号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/12/07
会議録
○委員長(荒木正三郎君) 只今から内閣委員会を開催いたします。 人権委員会設置法案につきましては、今期国会としてはその審査を行う機会がなく、審査を終了するに至らなかつたのでありますが、本件は人権の保障を一層確実にし、又人権侵犯事件の処理の公正を確保することを狙いとする重要な法律案であり、行政機構改革問題の一環としても慎重審議いたすべき事案でもありますので、衆議院解散のこともなく、次の通常国会に議案が継続することができまするならば、継続して行きたいと存じますので、本院規則第五十三条に基き、閉会中もこれが審査を行うため継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木正三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。なお要求書の案文等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木正三郎君) 御異議ないと認め、さよう取計らいます。 ―――――――――――――
○委員長(荒木正三郎君) 次に当委員会に付託になつております請願三十五件を議題といたします。請願の趣旨について杉田専門員より説明をさせます。
○専門員(杉田正三郎君) 当委員会に付託になつておりまする請願は三十五件ございまして、その三十五件を一応分類いたしますると、お手許に配付しておりまする表のごとくに四つの分類になるのでありまして、そのうちの三つは恩給に関する問題でございます。そこでそのうちの第一の問題は、恩給改訂に関する請願という問題でございまして、この趣旨は二十九年一月一日以降から一般の公務員に対しましては、元の給与ベース一万三千円が一万五千円に上りまして、それによつて支給せられておるのでありまするが、恩給におきましては依然として元の一万三千円ベースを基準にした仮定俸給によつて恩給が支給せられておる、現在の公務員が一万五千円ベースで支給せられておる。そこでその二千円ベースに差があるのでありまして、本来ならば恩給は現在の給与ベースに基いて支給せられるべき筋であるのに、そのままになつておる。従来公務員の給与が改訂せられる都度、恩給法におきましても基準が改訂され来たつたのでございまするが、今年の一月一日以降に基準が一万五千円ベースに上りました後においては、恩給増額の手配ができていないのでありまして、これは当委員会におきまして政府当局の説明によりますると、結局財政の面において恩給の増額をすることができないという現状になつておるのであります。そこでこの恩給に関する請願におきましては、恩給においても一万五千円給与ベースに改訂してもらいたいという趣旨のものでありまして、恩給当局もこの趣旨は私どもの聞くところによれば趣旨には賛成しておられる、ただこれがために要する予算が約六十億乃至七十億ぐらいかかるということでありまするので、その点において二十九年の一月に給与が改訂せられましても、恩給法の改正がないという状況になつておるのであります。この趣旨の請願が三十一件ございます。それが第一であります。 それから第二の問題は二件ありまして、恩給法中一部改正に関する請願というのでございまして、これは旧軍人、軍属の恩給と一般の公務員の恩給との間に著しい不権衡がある。その不権衡を是正してもらいたいという趣旨が主でありまして、この請願で申すところでは二つの点に触れております。一つは旧軍人、軍属の恩給の基礎在職年数も一般の公務員と同じように一年以上の勤務年数を当然通算されるようにして欲しいという趣旨でありまするが、現在どうなつておるかと申しますると、旧軍人の恩給が復活いたしまして、とにかく在職年数につきましては、七年以上引続いて在職しておる勤務のみが通算されるということになつておりまして、七年未満の在職年数は切捨てて通算しないということになつておるのであります。これを一般の公務員と同じように一年以上の勤務年数を従来の在職年数に通算して欲しいというのが第一点でございます。 それから第二点は加算の問題でありまして、新らしく軍人恩給が復活いたしまして、現行恩給法におきましては従来旧軍人に認められておりました加算制度は一切認めないこととなつておるのであります、例えば従軍加算のごとく戦地に行つておつて、戦地で一年勤務しておつたのが数年に加算せられるという制度は認めないことになつておるのでありまするが、この加算制度を旧軍人、軍属の恩給に認めて欲しいという趣旨でありまして、これが第二点であります。この二つの趣旨を、第二の恩給法中の一部改正に関する請願で求めておるのであります。これが二件ございます。 それから次には第三の恩給不均衡是正に関する請願でありまして、この請願におきましては要求するところが四点ありまして、その第一点は先と同じでありまして、旧軍人、軍属の恩給年額を一般公務員と同じにして欲しい、現在の軍人、軍属の恩給基準は一万円ベースによつているのであります。現在の一般公務員の給与の基準は一万三千円ベースによつておるのでありまして、その基準におきましては大体三千円の開きがありまするが、このアンバランスを一般公務員並みに改訂して欲しいというのが第一点、それから第二点は公務扶助料、公務扶助料の額を一般公務員の公務扶助料の額にして欲しい、これもやはり先に申しました第一点と同じ趣旨でございます。それから第三点は今申しました通算の問題、旧軍人の在職年を現在七年未満は切捨てておるのを一般公務員並に一年以上の在職年を通算するようにしてもらいたいというのが第三点、第四点は今申しました加算制度でございまして、この旧軍人に昔認められておつたところの加算制度を認めて欲しいというのが第四点であります。なおここに御参考までに申しておきまするが、先の第二点と今申しました第三のこの加算の問題につきましては、当委員会におきまして第十九国会におきまして請願を審査いたしましたときには、この加算制度については研究を要する点があるからというので、直ちに採択せられずにそのまま留保するという御決定になつておつたのであります。 それから最後の請願はこれは恩給でなくして、岩手山麓に自衛隊演習地設置反対の請願であります。岩手県の滝沢村にある岩手山麓の最高千二百万坪、最低八百万坪、これを、防衛庁に聞きますると約二千万坪ということでありまするが、その二千万坪の土地を自衛隊の演習地とする計画の下に、今年の三月から防衛庁が県の当局と折衝しておるが、これらの地域はすでに五百戸の開拓者が入つておりまして、この地域は岩手山麓の開発計画の国営事業地域であると同時に又酪農の集団地域でもあり、盛岡市ほか四カ村の放牧の共有地であるために、演習地としてこれが接収された場合においては、これらの地帯に住んでおる又これらの地域に関係のある農家と開拓者の生活を破壊することになるからこれに反対である、国会においてよろしく御善処願いたいという趣旨のものでございます。これもちよつと御参考までに申しておきますが、第十九国会におきましては、この同じ地域に演習地を設けて欲しいというこれと正反対の設置誘致の請願が出ておりまして、その請願につきましては、当委員会におきましては、これを将来研究するという趣旨で留保に御決定になつておるのでございます。 以上でこの請願三十五件の説明は終ります。
○委員長(荒木正三郎君) それでは専門員から説明いたしました請願のことにつきまして御意見を伺いたいと思います。
○野本品吉君 第一の恩給改訂に関する請願でありますが、この請願の趣旨は前国会におきましても、この委員会で認められ、又本会議におきましては、全会一致で採択されて内閣へ送付されておる案件でありますから、論議の余地は私はあるまいと考えておるのでありますが、念のためにこの問題について私の所見を申し上げまして、更に皆さんの御考慮を煩わしたいと思うのであります。 この問題は公務員の恩給の内部的なアンバランスを調整して頂きたいという趣旨であろうと思つております。この公務員の内部における恩給のアンバランスの実態を端的に申しますと、終戦後昭和二十一年、二年当時幾度か行われた給与改訂或いはその一部分としての凸凹調整というようなときに、当時在職されました者につきましては、家族手当であるとか勤務地手当であるとか諸種の手当が古い本俸に合算されましたものが本俸となり、その合算された本俸が恩給裁定の計算の基礎額になつておるわけです。古い二十三年の六月三十日以前に退職されました恩給受給者に対しましては、大体そういう事柄が考慮されずに、古い退職当時の本俸だけが、恩給裁定の基礎額になつておるというところに問題のよつて来る一番大きな原因があろうと思います。 もう一つは、専門員から御説明のありましたように、現職者のベース改訂に伴つて改訂措置が十分とられておらない。こういうような結果といたしまして現在非常な恩給のアンバランスがあるわけであります。これを具体的に申しますというと、これは山形県の県の恩給の係長からの公文的な資料として提供されたものでありますが、一つの例を申しますというと、教育職員についてこれを言いますと、二十三年の六月三十日以前の退職者の一人平均額は四万五千九百二十円、これに対しまして二十三年の七月一日以後の退職者の平均額は十二万六千四百十三円、警察、監獄職員について見ますと、旧退職者の平均額が三万七百三十二円、二十三年の七月一日以後の退職者の平均額が七万八千七百四十八円、いろいろな職種を平均いたしまして旧退職者の平均額が四万二千六百七十八円に対しまして、新しいその後の退職者の平均額が十一万七千二百七十六円、こういうことになつておるわけです。三十府県に及びますこの種の調査を平均いたしてみますというと、旧退職者の平均額が四万八千百八十二円に対しまして、その後の新らしい退職者の平均額が十一万三千三百九十五円、こういう数字になつておるのでありまして、このアンバランスというものが如何に大きいかということがこれによつて明確であろうと思います。更に現職者の給与改訂に伴いましての恩給改訂措置がとられないために、その後に退職されたものがどのくらいな不利益を受けておるかと申しますというと、昭和二十七年の十一月の一万三千円ベースの適用が十一カ月遅れておりまして、そうして二十九年の一月から施行されました一万五千円の給与改訂に伴う恩給の改訂が、現在まで行われておらない。この十カ月分のその後の退職者の不利益がどれくらいであるかということを計算してみますというと、俸給号俸の最低ともいうべき二十六号の人たちは、合計いたしまして、ベース改訂が遅れましたために二万八千三百五十円の不利益を受けております。それから五十号のものは八万三千円、それから七十号のものが十八万三千七百円、これが現職者のベース改訂に伴つて恩給の改訂措置がとられないために受けております最近の退職者の不利益であります。この恩給額の改訂の問題はかように見て参りますというと、古くやめた人にも新らしくやめた人にも共通の問題でありまして、十分これは考えてやらなければならんことだと思います。この問題の経過を振り返つてみますというと、二十三年の七月に三千七百円ベース改訂が行われた。現職者は七月一日から実施されましたが、恩給の受給者は十月からであります。それからその次の六千円ベースのときは一カ年ほどずらされております。それから八千円ベースと一万円ベースのときは、政府の発案によりまして、現職者の給与改訂と同時に恩給の改訂措置がとられております。その後財政の事情によりまして一年遅れ、更に十カ月遅れるというような状態であるわけであります。従つて八千円ベースのときと一万円ベースのときに、政府の発意によつて同時に改訂措置がとられたということは、政府も国会もこの措置の正当性と申しますか、そういうことを確認されてのことだと思つております。最近に至りまして、この恩給受給者からかような声が非常に強く上つて来るのも私は当然のことと考えておるわけであります。この委員会におきまして是非採択されまして、この問題についての検討と多数の者の要望が実現されますように、政府に通告されますようにということを希望いたしまして、私は本件の採択されますことに賛意を表します。
○委員長(荒木正三郎君) それではお諮りいたしますが、恩給改訂に関する請願については、これを採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木正三郎君) 御異議ないものと認めまして、第一号、第十五号、六十二号、六十三号、六十四号、八十一号、百二号、百四号、百五号、百四十三号、百四十四号、百四十五号、百四十六号、百五十三号、百五十四号、百六十七号、百六十八号、百七十一号、百七十二号、百七十三号、百七十四号、百七十五号、百七十六号、百八十三号、百八十四号、百九十三号、百九十四号、二百二号、二百三号、二百四号、二百九号、以上を採択することに決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(荒木正三郎君) 次に恩給法一部改正に関する請願について御意見ございませんか。 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(荒木正三郎君) 速記を始めて。恩給法の一部改正に関する請願とそれから恩給不均衡是正に関する請願は、なお検討を要する部面もありますのでこの際は保留にしておきたいと思いますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木正三郎君) 御異議ないものと認めます。 ―――――――――――――
○委員長(荒木正三郎君) 次に岩手山麓に自衛隊演習地設置反対の請願の件について御意見を伺いたいと思います。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(荒木正三郎君) 速記を始めて。この件につきましては小笠原二三男君より委員外発言の要求がございます。ついてはこれを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木正三郎君) 御異議ないものと認めます。
○委員外議員(小笠原二三男君) 只今議題になつております岩手山麓に自衛隊演習地設置反対の請願でございますが、この件については地元側で現段階における事情がわからんので、関係者一同不安におののいておるところでありますので、事態を明確にして頂いて請願の趣旨について審査を願いたいと存じます。それでどなたが今のところ御出席になつておられるか委員長からお知らせ願いたいと思います。
○委員長(荒木正三郎君) 農林省農地局長の平川君とそれから農林省事務官調査課長渡辺君、それから防衛庁からは施設管理課長高田賢造君、関係者としては今のところ三人であります。
○委員外議員(小笠原二三男君) では先ず防衛庁のかたに伺いますが、この問題が起つたのは防衛庁がこの岩手山麓を適地と認めて県側と交渉をしたのか、県側の要請があつて考慮をするというふうに受けて立つたのか、どつちなのかお伺いいたしたい。
○説明員(高田賢造君) 経緯をちよつと御説明申上げます。防衛庁といたしましては、施設部隊と特科部隊を東北方面に置きたいということで計画を立てたわけでありますが、その際必要な演習場のことを考慮いたしまして岩手山麓一本木原の問題を調査いたしたわけでありますが、調査の結果一応適当であるというので県の当局にも御相談をいたしたのでございますが、その結果県としても正式に書面をもらいたいというので、この七月に防衛庁のほうから正式に書面を以て用地の取得に御協力方をお願いするという趣旨の文書を出しております。正式には承諾というような知事さんのお話はございませんが、地元におきましては県会等でも賛成の御決議もあつたやに伺つておりまして、県の当局並びに地元の関係のかたがたの協力を得まして地元と話合いを進めているという段階でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) それで県側のほうが協力するということで、計画を防衛庁へたしか御提出になつておると思うのですが、どういう計画になつておるのかお聞かせ願いたい。
○説明員(高田賢造君) 県のほうのですか。
○委員外議員(小笠原二三男君) 県のほうの。
○説明員(高田賢造君) 問題は二つございまして、一つは演習場の問題でございます。防衛庁といたしましては施設部隊を配置する前提として、むしろ演習場のほうが先決問題であるということで、今話しておりまするのは演習場の問題でございまするが、防衛庁側といたしましては大よそ八百万坪の旧陸軍の演習場でございますが、それを欲しいということを申入れております。それに対して県側並びに地元におきましては、それに代るものを欲しいと、つまり要約いたしますと現在八百四十頭の馬が問題の旧陸軍演習場の中に入つておりますので、その始末をつけなければならん。で、八百四十五頭の馬を放牧する場所としてどうするかということで十分計画を立てられておりまして、一応の要望とされましては、ほぼ同面積の土地を欲しいということを申入れて来ておられるような状況であります。
○委員外議員(小笠原二三男君) それでそのことがいわゆる盛岡市ほか大更、玉山、田頭、滝沢村四カ村の共有になつておるこの放牧地の代替地を欲しいということが条件になつているというふうに、まあ考えられますが、そうなれば関係各省に防衛庁もいろいろな折衝をなされなければならんと思うのですが、過去において公式に防衛庁から関係各省にこれが交渉を始めたのはいつなのか、お伺いしたい。
○説明員(高田賢造君) 県のほうの具体的な計画が出ますと同時に、関係の、主として農林省関係になりまするが、そのほうにお話を申上げております。日にちはちよつと今記憶しておりませんが、県の計画ができ次第、話を持ち込んだように記憶しております。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうしますと、農林省においても公式の問題になつて検討をしておるという段階だと防衛庁でもお考えになつておられますか。
○説明員(高田賢造君) この問題につきましては、県、防衛庁一緒になりまして、林野庁のほうと御相談申上げております。で、すでに相当話合いが進みまして、一応国として県の希望に応え得る限度というものがどこであるかということを、話合いを今進めておりますわけで、あとは県側の正式な御回答があるべき時期ではなかろうかと思つておるような状況でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) それでは農地局長や畜産局長を長くお引とめしておくのは申訳ございませんから、もう簡単なところをお尋ねしておきます。
○委員長(荒木正三郎君) 小笠原君に申しますが、林野庁林政部長の奥原君が見えております。
○委員外議員(小笠原二三男君) 今の防衛庁の計画は、農地局のほうの関係でいいますと、開拓地が相当広汎にございますが、何ら開拓地には影響がないというふうに御検討になつておられますかどうか、又ここは総合開発の地域でありますし、山麓の集約酪農の指定もせられ、重要な一つの国策に基いて計画を進められておる地域ですが、放牧地を演習地にするしないの適否の論議は別といたしまして、その開発推進に支障を来たさないかどうか、検討せられているところをお聞かせ願いたい。
○説明員(平川守君) この地帯はお話の通り開拓の予定地になつておるわけでございますが、従いましてこれが演習場になるということになれば、勿論その程度において開拓に支障を来たすわけでございます。現在入植しております五百戸余りの農家にいたしましても、将来その地帯を放牧、採草に利用するということを期待しておるわけでございます。その程度において勿論影響があるわけであります。従つて、開拓農民の立場からいたしましても、その調整をどうするかということは、当然考えなければならんと考えております。
○委員外議員(小笠原二三男君) もつと突きつめて、局長は或いは細かいことをご承知あるかどうかわかりませんが、お伺いしますが、例えば今懸案になつている林野を払下げられますと、その近くの部落なり開拓地が、水源の問題とか或いは演習地拡大で農地取上げの問題とかで、差当つて直接困つて来るという事態が起るのではないかと心配している向きもあります。その地域は大川開拓、上郷の開拓と、こういう二つの地域でございますか、キャンプのほうに関係しますと巣子の開拓地というものが問題になつておりますが、少くともこの大川、上郷の開拓地はどういう演習地ができようとも開拓地の取上げはさせない、適用させない、将来もそういうことは心配がないということが局長から言明ができますでしようか、お伺いいたします。
○説明員(平川守君) この案件につきましては、只今農地事務局から県のほうに連絡をとりまして、具体的な調整の話合いをいたしておるわけであります。只今御指摘の具体的な開拓地に対する影響についての報告をまだよく受けておりませんけれども、非常に抽象的な話で申訳ありませんが、現在ありまする開拓地に対して、いろいろなそういう角度から悪影響のないような措置を講ずるということを大前提にいたして立案をいたしておるわけであります。ただ、例えばキャンプのほうの敷地になりますと、若干の開拓地、その中には開拓された農地もどうしても若干含まれるようであります。従いましてこの演習地に対する要求というものが、これがやはり国の事業として必要であるといたしますると、最小限度において全然開拓地に影響がないという措置はどうしてもできないだろうと思います。どうしても若干の影響はある。その影響を仮にこの演習場の設置というものが政府の政策として必要であるといたしますならば、その影響を最小限度ならしめるということに、例えば面積も最小限度に圧縮をするとか、場所も成るべくこの農地のようなものは避けるというような、最小限度にこれを絞りまして、そして而も若干影響を受けるものに対しては或いは補償の途を講ずる或いは代るべき農地、開拓地の斡旋をするとかいうような方法によつて、それらの開拓者に対する措置を講じて参りたいというふうに考えておるのでありまして、現在、御指摘の具体的のこれについてどういう策が講ぜられつつあるかをよく存じませんが、仮に或いは放牧地を取られる、採草地を取られる、或いはそれに対する代替地としての山林を伐ることが悪影響があるかないかということは、具体的にその場所について検討いたしまして、只今申上げましたような最小限度の影響にとどまるような方策を立てるということで研究をいたしておるわけであります。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうすると、農地局のほうとしては、あなたのほうの直接の所管の関係から十分今後も検討せられて、農家或いは開拓地、こういうものに影響を及ぼさないということを前提にして、極力この農家、農民のため、その地域の農地の確保に努められるというふうに了解しておいてよろしうございますか。
○説明員(平川守君) その通りでございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) そこで防衛庁のほうに伺いますが、あなたのほうの八百万坪、この計画は、今においても一切変更にはなつておらんのでございますか。なつておらんとすれば、この開拓農地その他の接収という問題がその範囲においては起るのか、起らないのか。この点をはつきりして頂きたい。
○説明員(高田賢造君) 先ほど御説明申上げました八百万坪と申しますのは、おおむね原野でございまして、或いはその一部に若干の将来開拓されるという予定の土地があつたかも知れませんが、現在、私どもの承知いたしておりますところでは、大部分が原野の部分であると承知いたしております。御質問がございましたのは、おおむねキャンプ敷地の予定地として考えておりましたものがございますが、通称一本木原の村落の増反地というふうに地元では言つておる部分であります。その部分は、演習場の外になつておるわけであります。演習場の部分につきましては、先ほど申しましたように、主として現在問題になりますのは、馬を放牧しておるという関係の問題を今後一体どうするかということでございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) ですから、主としてですが、あなたのほうの計画では、開拓地にかかる部分があるのか、ないのか。
○説明員(高田賢造君) 私どもの承知しておりますところでは、開拓地には入つておりません。元の旧陸軍演習場といたしまして、大部分原野でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) 元の旧陸軍演習場というのが開拓されて大川開拓団その他があるのですよ。そこで、そういうものにかからないと、そう言明できますか。今日の計画においても将来の計画においてもそういうものには手を着けないと……。
○説明員(高田賢造君) 今申上げましたのは、現在予定しておりますところの、地図で御覧を願うとわかると思いますが、正確に申しますと、八百二万五千坪と承知しておりますが、この中味は、牧野、それから採草地でございまして、現在のところ、私どものほうにはその中に農家が入つておるということは、現在の予定地としては考えておらんように承知いたしております。
○委員外議員(小笠原二三男君) それでは畜産局のほうに……。
○委員長(荒木正三郎君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(荒木正三郎君) 速記を始めて。
○委員外議員(小笠原二三男君) それでは林野庁のほうにお尋ねいたしますが、県で代替地としていろいろ要請して計画を持つて来た。それが公式にも林野庁のほうにも折衝の段階になつておるらしいのですが、その県が持つて来た案というのは、どういうものですか。
○政府委員(奥原日出男君) 県が代替地の約二千五百町歩の国有林をもらいたいというふうな案を林野庁に持つて参りましたのは割合に新しいのでございます。と申しますのは、県の態度としては、防衛庁にそれをぶつつけて、そして、防衛庁をして林野庁の国有林地を取得させるというふうな態度をとつておられたようであります。併し、林野庁といたしましては、これはもう飽くまでもその関係の行政責任者が一緒に話合うと、そういうクツシヨンを間におつて話をするということでは円満な解決はできないと、こういう考え方から、三者寄り合つて話合う機会を積極的に林野庁のほうから防衛庁のほうにお願いして持ちましたのが九月の末でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) それで聞くところによると、県の計画という二千五百町歩というのが又変つて、千八百町歩かの牧野改良の計画を持つて来て、特定の具体的な国有林をそれぞれ指定して払下げを要請して来ているというのですが、それは真実ですか。
○政府委員(奥原日出男君) 最近におきまして、県は二千五百町歩という案の代りに、約千八百町歩の国有林地をもらつて、それを牧野として経営したいという意見を提示いたして参つております。それは事実でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) あなたのほうでは防衛庁がどう言おうと、誰が何を言おうと、法律に基いて払下をするという段取りになれば、立木を伐り払つて牧野にするという払下は、法の建前から許されますか、許されませんか。
○政府委員(奥原日出男君) 只今先生の御指摘がありました点につきまして、二つの点に分けてお答えを申上げたいと思います。 先ずその一番前提になりますのは、こういう際の代替地というものについて、国有林が提供できるかということでございますが、これは現在の法規の上におきましては、そういう途は全然ございません。のみならず、曾て牧野の開放等をやつて参りましたああいう実績から考えましても、林業政策論としましてそれに応ずべきではないと、我々はかように考えております。併しこの点はいろいろ御意見が皆さんおありだろうと存じますが、そこで現在馬の放牧を八百数十頭いたしておる。これにつきましては、国有林の上に利用権を設定いたしまして、そして、その馬を移すということにいたさないと……。ただ同時に、その周辺においては、民有の牧野で相当粗放に経営されているということもこれは事実でございますので、そこで国と民とそれぞれ歩み寄りまして、民有の牧野の改良をして、それに吸収すると共に、国のほうでも現在の林地を或る程度抜き伐りをいたしまして、そして牧野として利用できるような形にして利用権を設定して行く、こういう考え方を持つている次第でございます。 それからもう一つの問題は、林地の所有権が欲しいという問題でございまますが、これに対しましては、国有林野整備臨時措置法という法律がございまして、この三年間実行いたして参つたのでありますが、これは孤立した小団地或いは境界錯綜地等で、国有林の経営上必要でないものを町村の基本財産として売払い又は交換をする、こういう趣旨の法律でございます。従つて、これは勿論、局部的にはその中で或いは採草地に利用する所も出て来ると存じますが、飽くまでも趣旨は基本財産として、林地としてずつと経営をしてもらうと、こういう趣旨でございます。その範囲に該当するものにつきましてはその法律に従つて処理をいたしたいと、かように考えておりますが、併しこれは只今も御指摘になりましたように、これを牧野として経営させるという趣旨ではございません。又あの附近にありまする国有林の孤立小団地等は、むしろ牧野としては地形的に適当であるとも我々考えておらない次第でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうすると、千八百町歩要求されて来ているうち、それは全部が全部林野庁としては拒否する建前になりますか。
○政府委員(奥原日出男君) 実は一応中央での話合いを終りまして、現地の営林局との間に具体的な話合いを今さしておりまする段階でございます。従つて、どの程度の面積が林野整備で出せるかということは、今ここではつきりとは申上げかねまするが、大体四百町歩見当のところは国有林野整備臨時措置法によつて売払うことは可能ではないかと、こういう程度に考えております。
○委員外議員(小笠原二三男君) ではちよつと具体的にお伺いしますが、滝沢村の一本木山百六十町歩という要請については、これは整備法によつて売払い可能の国有林でございますか。
○政府委員(奥原日出男君) 理論的には整備法によつて売払うことが可能でございます。併しながら我々は、林野整備によつて国有林の売払いをいたします際に、その地元の部落に対して不安を与えないということを非常に大事な前提として考えておる次第でございます。最近地元の部落において、これが林野整備で売払われるということによつて薪炭林の薪炭原木の取得が困難になるとか、或いはその山が伐採をされて治山治水のみならず地元の潅漑水源としての効用を失うのではないかというふうな不安を抱いておるようでございます。我々が林野整備で売払います際には、只今申上げましたように、山としての経営をやらせると、こういう趣旨でございまして、経営計画を立てまして、それをその通り実行して行くという誓約の下にこれを売払いをいたすのでございます。併しながら、村政が必ずしも円満に行つておらないようでありまして、そういう誓約をしても信用できないと、こういうことを地元の部落において不安を抱いておるような様子でございます。そこで県当局との間の話合いにおきましても、両者の間を県が円満に取りまとめるということが、この林地を林野整備で売払うかどうかということについての一つの前提として我々は考えておるということを、県当局にも我々はつきりと申上げておる次第であります。
○委員外議員(小笠原二三男君) これは一例ですから、今の問題伺つておくのですが、そうすると、県のほうで地元側とこの紛議が解決されたという場合には、林野庁としては払下げるとなれば、払下も可能であるという地域とみなしておる、こう考えてよろしうございますか。
○政府委員(奥原日出男君) お話の通りでございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) それから営林局長に任せてあるということは、営林局長においてもう始末をつける、中央の林野庁はこれにもう関与しないでも、事務的にもう済むということの一任なのでございますか、どういう一任なのでございますか。
○政府委員(奥原日出男君) 例えば、先ほど申上げました牧野として国有林の林地をどの程度に利用させるか、これは国有林自身のその林地の経営のし方も関連を持つて参るわけであります。そういうふうな線をはつきりさせると、こういうふうな段階でございますので、現地で一応話合いをせよと、こういうことにいたしたのであります。林野庁といたしましては、決してこの問題を円満に解決することについての責任を現地にはねかけた、こういうわけではございません。飽くまでも林野庁自身も責任があり、同時に現地の第一線をあずかつている営林局長は局長としての立場においての責任があると、こういうふうに考えておる次第でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) 私も三年前に国有林野整備臨時措置法を参議院先議で議員立法で出したはずで、速記に載つてはうまくないけれども、私も発議者になれとそちら側のほうから言われてなつて出したので承知しておりますが、今県側が千八百町歩なりの牧野改良計画を持つて代替地にするということを公式に持出しておるものを、それをそうはさせないと、飽くまでも造林地として経営させるのだと、この演習地問題の目的に関連なしに、法の建前で払下げるのだということでやつても、払下げられた途端に、立木は伐採する。形式上は牧野に金をかけるかかけないかはわからんでやつたということでも、この演習地を作るということに対して地元はかかつて来ることでしよう。そういうことは当然なことなんです。そういうことを目の前に見ておつても、向うから計画が出て来たら、まあそれを信用してやるよりほかないという建前か、そういうものにちよつとでもするならばその計画は破棄をするとか、売渡したものを取上げるとか、そういう措置ができるのか。そういう危いものだつたら、インチキを前以てわかりながら、法の体裁だけ作つて払下げるというのは私はおかしいと思うのですが、この点確乎たる御信念を伺つておきたい。
○政府委員(奥原日出男君) 我々が林野整備法で国有林の売払をいたしまする場合におきましては、単なる紙上計画だけでなしに、その町村の計画に従つて施業をして行きまする能力と誠意というふうなものを見届けて、そうして処分をいたすことに努めておる次第でございます。併しながら、万が一町村において経営計画を踏みにじり、非常に乱暴にもらつた山の経営が行われるというふうな場合におきましては、我々は契約の条項の一つといたしまして、そういう場合においては契約を解除し得る権能を留保して契約をいたしておる次第でございまして、まあ今日までまだその条項を発動いたしたことはございませんが、その事後におきまする監督ということについても、実際問題として相当なる発言力を国は持つておりまする次第であります。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうすると、具体的に仮に諸条件が整備されて払下げたとなつて、案の定思つた通りこれが演習地との代替の問題にからんで、放牧地として立木を伐採するというようなことになつたら、我々が要請し或いは要請する前にも、林野庁としてはそれを解除し、そうして元に還す、こういう措置をとられますかどうか。
○政府委員(奥原日出男君) 一般問題としての御回答で御容赦を頂きたいと思いますが、一般的にそういうふうな場合におきましては、事後の監督について相当なる発言力を国として行使をいたしております。又そういう不当な行為が行われました場合におきましては、只今申上げましたような権能は契約の条項の中において国として保留をいたしております。
○委員外議員(小笠原二三男君) そういう状態であるにもかかわらず、防衛庁としては飽くまでもこの林野を払下げさせて、而も立木を伐つてしまつて、牧野として代替地とせしめ、そうしてこの演習地はやり得る、そういうお考えを持つておられますかどうか、持つておるならその根拠は何か。お示し願いたい。
○説明員(高田賢造君) 防衛庁といたしましては、今お話の中にございましたような払下げた土地の立木を伐採させるということまでは考えておりませんが、ただ恐らくその林地の中に多少放牧し得る可能性も全然ないことはないのじやないか、払下を受けた土地の中にも若干は、それは単なる牧野とは違いましようけれども、やはり若干のものは収容できるのじやなかろうかというふうに見ておるわけでございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうすると、防衛庁としても、仮にそれが払下になつても、その立木を伐採し、手を着けさせるというようなことはさせないと了解してよろしうございますか。
○説明員(高田賢造君) 払下を受けました林野をどう扱うかという問題は、一つはこれはやはり今林政部長からお話がございました通りで、防衛庁自体といたしましては直接これを監督するというような立場にはございませんので、今お話がございましたような林政部長のお考えのようなことで払下を受けたあとの林野を処理するということではなかろうかと思います。
○委員外議員(小笠原二三男君) それは法の建前では林野庁の監督でありますけれども、こういう事情で払下げることに防衛庁も協力して払下げたものが、それが法の建前を無視するような行為が出て来る場合には、防衛庁としてはやはり道義的な責任はありますよ。ないとは言われない。そういうことはいたさせないから、法の通り施行させるようにするから払下のことを協力してもらいたいということでなければならんと思う、防衛庁の態度としては……。
○説明員(高田賢造君) 今お話がございました通りでございまして、先ほど私が申上げましたところも、今お話がございました通りの考えでございまして、別に変つたことはございません。
○委員外議員(小笠原二三男君) 畜産局長がおいでになつたから、そつちのほうに今度はお尋ねしますが、確かにここは酪農の地域でございますが、併しこの放牧地は馬のほうの関係で、酪農とは直接の関係はない。それは先ほど来私の申しておる通りですが、この放牧地の代替を国有林に求めなければ、滝沢村、田頭村等において過去の払下げ或いは過去以来持つておる他の牧野のそれによつてやり得ないかどうか、この放牧関係をどういうふうに畜産局長は見ておるのか、御所見を承わつておきたい。
○説明員(大坪藤市君) 只今問題になつておりまする演習地の場所でありまするが、その場所に伴いましての馬の放牧地、これはもう只今御指摘の通りであります。私どもといたしましては、演習地になることが畜産にどういう支障があるかという点につきましていろいろ県当局に尋ねたのでありまするが、国有林等の払下げを受けて、そこに代替地を求めたいと思つているので、支障はないという話でありまするし、又当該地域は酪農地帯として近く正式に指定するつもりでありまするが、相当放牧地もそのほかにありまするので、集約酪農地域としての指定にも別段只今のところでは支障はないと、かように考えております。
○委員外議員(小笠原二三男君) 全然支障がないと言い切られるならば、私小さいことだろうけれどもお尋ねしますが、大川なり、上郷なり、この演習地そのものに接続する開拓地におけるジヤージー等は、乳の問題として、この演習地と何の関係も生じないとおつしやいますか。
○説明員(大坪藤市君) 勿論現在ある土地を演習地として利用いたしまするから、これは只今お話のように全然支障がないということは、これは申上げられないだろうと思うのであります。ただできるだけその弊害を除去するために代替地等についてできるだけ一つ考えて行くから、その被害と申しますか、これを最小限度に食いとめると、こういう県当局の意見でありまするので、別段強いてこれに反対するということはないかと、かように考えておるわけであります。
○委員外議員(小笠原二三男君) 私は、他の地域で体験しておるように、やはり乳の生産量にも影響して来ますししますが、まあそれはそれとして、ともかくここの放牧地は酸性土壌として非常に強度のものである。従つて、放牧地或いは採草地として適不適という議論も生じますけれども、現にあなたも多分行つて御覧になつたはずですが、上郷の開拓地等におけるクローバーその他の牧草というものは、すばらしいものなんです。それでこの開拓地のそれは、この放牧地が共有地でございますから、将来この酸性土壌を改良して濃厚飼料を入れることができる、それに希望をつなぐ、開拓の附帯地その他の余りに少い地域としては、どうしても手放せないのだという陳情を私は受けております。それであなたのほうでこの集約酪農の指定を近くやられるというこの地域であれば、望ましい形はそういうことであつてはならないと私は考えるのですが、如何ですか。
○説明員(大坪藤市君) 当該の地域は、只今御指摘がありました通りに、勿論技術者ではありませんので詳しいことはわかりませんが、相当酸性の強い地帯ということは御指摘の通りであります。従いまして、現在のところ草生等は極めて貧弱なる状態にあるのでありまするが、これに技術と相当の投資をいたしますれば、勿論これはいい草が生えるだろうと、かように考えるわけであります。ただ集約酪農地域に指定いたしましても、昨年度より我々のほうで濠州、ニユージーランド、アメリカ等からジヤージー種をあの地帯に導入いたしまして、現在までのところ五百頭見当になつているかと思います。大体五カ年後に二千頭程度になるかと存じまするが、勿論これが一万頭を超えるというような状態になりますれば、当然あの地帯にも手をつけるべきだとかように考えます。ただそれは家畜の自然的な増殖の度合から考えまして、相当先の問題になるのでありまして、ここ五、六年の間はせいぜい二千頭程度にとどまるというような見込みでありますので、遠い将来のことはさておきまして、近い当面の問題といたしましては大して支障はないのじやなかろうか、かように考えておるのです。ただ只今もお話がありましたように、いろいろ大砲の音がすると乳の出方が少くなるというような御意見もあるのでありますが、このことにつきましては技術者の中におきましても意見が分れておるのでありまして、強くそういうふうな意見を立てるかたと、二、三回で馴れちやつてその後は大した支障はないという意見を持たれるかたがあるのでありまして、その点につきましてはまだ確乎たるあれもないのでございますが、非常に支障があるとも断言いたしかねるような皆の意見でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうするとキャンプ予定地になつておる今度は紫野の鳥獣試験地の問題でございますが、これは林野のほうですが、ここにも二十三町歩が、行政整理でやめられた元公務員に払下げられた開拓地があります。これは先ほど農地局長が言われる接収さるべき開拓地になるわけでございますが、この紫野の試験場のことについてはもう防衛庁との間には了解があつて、他に場所を求めるということになつておりますか。又そうなつておる場合には、この開拓地は土地収用法で強制収用するのですか、どういうやり方でやつて行くのか、これは防衛庁のほうに伺いたい。
○政府委員(奥原日出男君) 只今御指摘がありました紫野の約百七十町の見当だと記憶しておりますが、国有林の団地につきましては、防衛庁もあそこを是非ともその施設に使いたい、こういうお申出もありまするので、そのうちの約百町歩見当でいいというお話でありますから、百町歩見当のものを防衛庁へ所管替えするということに相成ろうかと存じます。で残りの面積は約七十町歩ほど残りまするが、そこに現在あそこに勤めておりました職員が国有林の林地の貸付を受けて開墾をいたしております。そこで防衛庁と私のほうとの話合いは、その連中はあそこを立退かさない、引続きあそこで耕作をさせる、こういう話合いに相成つておるのであります。なおその以外に恐らく、まあ四十町歩くらいになるのかとも思いますが、これはいわゆる林野整備でなしに未墾地開墾の方式によりまして勤労農民にこれを開墾させる、こういうことに持つてゆきたい、かように考えております。
○委員外議員(小笠原二三男君) 最後にはどうしても防衛庁に伺わなければなりませんが、だんだんにこうして聞いてみますと、どうも払下問題にからんでどうせ払下を受けたらどんなふうにでももうやつてしまうのだという計画が濃厚のように思われる、例えば、畜産局長に伺いますが、千八百町歩を牧野として改良して行くのだということですが、仮にそうなつたとしたところで、千八百町歩の牧野改良というものの経費等を考えにて県なりあの地域の町村の負担においてそれが可能であるとして、畜産局として責任を持つて指導ができると、そういうふうにお考えになつておられますか。
○説明員(大坪藤市君) 牧野改良の問題でありまするが、これは御承知の通りに、今酪農というものが我が国畜産の中心になりつつあるのでありまして、食生活の改善或いは国民体位の向上、又農家経済の安定という意味から、どうしても今後この振興を図つて参りたい、殊にそのうちで東北の岩手の当該地帯はいわゆる常習冷害地帯であるのでありまして、この農家の経済の安定のためにはどうしても家畜、特に酪農を中心として再建をして行かなければならんということが明瞭になつておるのであります。従いまして先年より集約酪農地域として指定することにいたしまして、只今も申上げました通りに外国から乳牛を導入いたしておるのでありますが、だんだんと家畜が、特に乳牛が増加するに従いまして、今までいわゆる草の質というものを考えないで、面積だけを牧野として広く取つておつたのでありますが、酪農中心ということになりますと、面積は勿論問題になりますが、面積よりもその牧野の中にありまする草の質と量の問題であるのでありまして、家畜の増殖に比例いたしまして、これはその主原料としての飼料でありまするから、どうしても国といたしましても量といたしましても、又地元の酪農家といたしましても、これは改良して行かなくちやならん問題だと思うのであります。従前のように酪農をやりまする場合に濃厚飼料、特にほかから餌を購入して酪農をやつておつたのでは、今まででも外国の酪農製品よりも非常な割高なものになりまするし、又濃厚飼料としての給源は内地に多く望めませんし、外国から持つて来ることは実際問題として極めて困難であるのでありまして、そういう関係の下に、酪農を東北の常習冷害地帯の農家の再建という意味からやりまする場合には、どうしてもあの辺の牧野というものを質的に改善してゆくということが必要になつて参るのではなかろうかと思います。従いましてこれは宿命的にそういうようなことを行なつて行かなくちやならないという運命をもうすでに負わされておるというふうに考えるのでありまして、責任を持つかというお話でありますが、これは責任を持つ持たんという問題よりも、当該地域の開発の問題といたしまして、当然これは国も県も地元もやつてゆかなくちやならん問題じやないか、かように考えております。
○委員外議員(小笠原二三男君) いや、やることはいいのですよ、賛成なんです。併し現にある放牧地を、牧野改良の計画を以て努力することをやめて、これは演習地として防衛庁に渡して、別に立派な美林のある国有林を払下を受けるには金がかかります。而もその立木は伐る、そしてなお牧野に改良して行く、こういうやり方にどれだけの金がかかるか、そういうことは負担に堪えられるか、而もそれが千八百町歩も必要であるということで、これから計画を立ててやつて行くのだ、こういうことが空理空論としてでなくて、実際的に可能であると御検討になつておられるかどうかということを尋ねているのです。私は牧野改良そのものはこの地域に絶対賛成なのです。是非やつて頂きたいけれども、今のような廻り廻つた形で余計金がかかるものをやつて行けるか。防衛庁はあとで聞きますが、防衛庁はこの国有林を代替地として払下げるだけの金を放牧地の買収ということで肩替りして金を出すことができるかどうか。そういうことは恐らく到底できないと思うのです。そんなインチキはできないと思うのです。そうすると、地元の負担は非常に莫大なものになつて行くのだが、そういうことも具体的な問題としてやり得るとお考えになつているかどうか、こう聞いているのです。
○説明員(大坪藤市君) まあこれは一度に千八百町歩もやるというようなことは、これは勿論できもしませんし、又その必要もないわけでありますが、家畜の頭数の増加に比例いたしまして順次これを改良して行く、その必要の度合だけ改良して行くという問題になつて来るのでありまして、私どもといたしましても、補助金等も三十年度におきましては相当要求いたしておるのであります。併し何と申しましてもあの地帯におきましてはできるだけ速かに家畜を増加いたしまして、それに応ずる牧野の改良というものは、これは是非ともやつて行かなくちやならん問題ではないか、かように考えておるのであります。
○委員外議員(小笠原二三男君) これ以上畜産局長に答弁は求めません。が、確かにあの集約酪農の指定を受けた暁においても、仮に演習地ができても将来支障がないというふうに極力責任を持つておやり頂かなければならんと考えますが、その点については地元側の意向というものもあるでしようから、十分な検討を加えられることを私は希望しておきます。なるならないは別ですが、仮に私の立場から言つたら、最悪の場合になるというときは、そういう場合にあの地域の農民を見捨ててもらつては困る、この点だけはあなたが御承認になる限りは責任を持つて頂きたい、強くこの点は申上げておきます。 もう時間が時間ですから大変御迷惑だと思うのですが、最後にお尋ねしますが、防衛庁はこの代替地を地元取得が容易になるために、放牧地の買収費はこの代替地払下に見合う金を以てやるというだけの好意を持たれておるかどうか、やはり原野は原野としての価格で買上げるということで、あと代替地を求めるということは地元の負担でやつてもらいたい、こういうことになるのかどうか、この点お伺いしておきたい。
○説明員(高田賢造君) 買収のお尋ねがございましたが、買収の価格につきましては目下のところまだ資料が出揃つておりませんので、今お話がございましたような御懸念の点がどうなるか、まだ県のほうにおきましても無論出ていないように伺つておりますし、防衛庁でもまだそこまでの計算をいたしておりません。ただ土地を取得して補償を支払いますからには、これは申上げるまでもなく現在のところ政府で今までやつております土地の取得の際の一般の原則に従うわけでございます。従いまして、やはり例えば収用の際に基準となりますところの相当な価格で買うという建前で行くわけでございます。その結果がどうなりますか、県におきましても私どもといたしましても、お尋ねがございました点につきましては、まだ計算をいたしておりませんが、建前といたしましては、やはり国の補償の一般の原則を崩すわけに参りませんので、その範囲内において極力地元と話合いをいたしまして円満に妥結いたしたい、かように考えておるのでございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうするとあなたのほうは、足りる足りないという如何ような要望があろうとも、そういうことは問題にはならない、客観的に政府が他の補償問題でやつている方式でやつて出て来た価格だけで始末をするのだ、余分な特殊な支出というものはないのだ、こういう御返事ですか。 それから林野庁のほうに伺いますが、払下の場合、こういう事情で金が足りない、従つて安い価格で払下げてくれという、そういう特殊な事情をお認めになりますか。
○説明員(高田賢造君) 御懸念がございました点につきましては、実は従来県なり地元とも話合いをいたしておりまするが、お尋ねのような結果になるという点についての心配があるというような話は、まだ実は伺つておりませんものですから、大体県といたしましては、防衛庁の従来の原則で補償を払うという建前は、これは申してありまするけれども、その結果果してどうなるか、御懸念のような点が細かく計算してありますかどうか、今まで私どものところで話合いをいたしました段階では、実はその問題は出ておりません。存外その点からいたしますと、従来の防衛庁の払つております一般の原則に従いましても、そう地元におきまして心配をしておられんような状況ではなかろうかと推察をいたしておる段階でございます。
○政府委員(奥原日出男君) 放牧の問題につきましては、先ほども申上げましたように、林野庁といたしましては、国有林野の上に利用権を設定して、そして民有牧野の改良等とも睨み合せながらその範囲をきめて行くと、こういうことにいたしたい考えでございますから、その場合の利用料というものは、これは利用しましたその年に徴収をする、こういう建前でございまして、且つ国有林野法の規定によりまして、農業経営上必要であれば時価によらざることもあり得ることに相成つておるのでございます。それから林野整備法によりまして町村の基本財産として国有林の売払をいたします場合の評価は、これは定まりました基準と申しますれば、市場価格から逆算をいたしました林木の価格によりまして売払をいたすのでありまして、人為的な加減はできない建前に相成つております。但し十カ年の延納を許す建前にいたしておりますので、それによつて地元の希望に応じたい、かように考えております。
○委員外議員(小笠原二三男君) だんだんにこういう話を聞いて来ると、どうしても表面上は林野整備法で払下げる形で、最後には牧野に直すことを認めて行くというような、何というかインチキな建前でしかこの演習地の収得はできない。それで払下がそういうことではできないということは今はつきりしておる。そうすれば代替地のない場合には演習地には出さないということは各関係町村は言つておる。或いは関係部落も反対しておる。それでもなお且つこの形式上合法的な粧いをして、実際はインチキな法の悪用によつてこの演習地を作るということを防衛庁は飽くまでも主張されますか。これは取りやめにしようかどうかというような話合いもなくして、推し進めるというお考えでおられますか。おられるとするなら必ずもうこの国有林の払下問題と真向から衝突してしまうことは明らかなんですが……。
○説明員(高田賢造君) 従来演習場の取得につきましては、岩手県以外にも取得についていろいろ折衝をいたしておりますが、それらの場合の経験並びに今回の岩手山麓の一本木原の取得の場合におきましても御懸念がございましたような法を曲げるというようなこと、段階、そういうようなことまでいたさなければ演習場が取得できんというところまでは行つていないような感じを受けております。岩手山の問題におきましても、先般来林政務部長からお話がございましたように、現行法の示すところに従つて払下をなさる。而もそれがたまたま地元の要望にも沿うという結果になる傾向にございます。まだ正式な折衝に入つておりませんが、大体そういう空気に運んでおるように私ども受取つております。従いまして御懸念がございました点は、或いは将来の問題はこれはわかりませんが、今までのところにおきましてはいずれも比較的円満に、いろいろ問題がありますけれども、今日の情勢でございますから十分それぞれの立場を主張し合うということはございまするけれども、結果においてほぼ妥結をいたしておりまして、この問題の岩手山麓の場合におきましても恐らく地元との折合いもつきまして妥結できるのでなかろうかと、そういうふうに観測をしておるような次第でございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうするとこれはあなたのほうの計画としてはいつ頃からキャンプの建設に取掛り、いつ頃までには演習地としての使用ができるようにしたいという予定で折衝を進めておられますか。
○説明員(高田賢造君) 一本木の問題は実はできるだけ早くいたしたいと思つております。と申しますのは、キャンプをあすこに設けます際に、演習場がないということは全くそのキャンプを設置する意味がございませんので、そこで先決問題といたしまして演習場を速かに取得いたしたい、これはまあできるだけ早く、一日でも早ければいいというふうに思つております。でそれがきまりましたらばキャンプのほうにすぐ着手いたし、或いはできますれば並行してでもやりたいと思つておりますが、その見通しがつき次第、確定いたし次第、速かにキャンプの設置をいたしたい、演習場も勿論取得でき次第これを使いたいというような希望でございます。現在のところでは早いほうがよろしい、できるだけ早いほうがよろしいというわけで急いでおるようなわけであります。
○委員外議員(小笠原二三男君) そうするとですね、地元のほうの紛議がまとまらない、又林野整備法にも合うかどうか、或いは地元に紛議があるということで払下がないというようなことになれば、これはどうしても意見はまとまらんところですが、そういう場合でもあなたのほうでは何らかの方法でまとめさせて、この演習地を求めるという方策があるわけなんですか。
○説明員(高田賢造君) 先ほども一言申上げましたのですが、この問題につきましては、県の当局並びに地元の関係のかたといろいろ話合つておりますが、まあ十中八、九までは大体地元の御協力を願えるというふうに見通しをつけておりますので、今のところそういう見通しでやつておるわけでございまして、まあ従来いろいろの例から考えましても、恐らくこの問題も多少いざこざはあると思いますけれども、ほぼ取得し得るのではなかろうかというふうに見ております。これはまあ成るべく今までの方針といたしましても、円満に地元と……、地元におきましても、先ほど申しました通り県会等においても賛成の御決議を願つておりますし、県の当局も熱心に応接をしてくれておりますので、多少は時間はかかりましても、是非取得いたしたい、又取得し得るというふうに見ておるわけであります。できなければどうするか、どうもできるという見通しの下にいろいろ折衝いたしておるようなわけでございます。
○委員外議員(小笠原二三男君) もうこれ以上質問はいたしませんが、事情は内閣委員においても質疑の経過でおわかりでございましようが、この地域の開拓農家、既存農家、或いは酪農指定を受ける地域としては、演習地を持つより以上にこの地域の農民の生活条件を高めて行くということが大きな問題でもあり、又総合開発の上で国策としても取上げられている問題であるので、私は慎重御検討の上、御採択になるように心からお願いしてやみません。
○野本品吉君 林野庁のかたにお伺いいたしますが、この問題について従来町村会とかその他の公的な機関を通して反対の陳情、要請等がありましたか、なかつたか、その点を一つお伺いしておきたい。
○政府委員(奥原日出男君) 林野庁の接触いたしておりまする範囲におきましては、地元の、部落民代表として一本木山の林野整備、滝沢村に対する売払ということに対して水源林涵養及び薪炭原木確保という観点から不安に堪えないという陳情を承つております。県或いは地元の村長というふうな立場のかたからは、まあ県のほうからはその反対の紛争をできる限り取りまとめたい、円満に収めたいと、こういうふうな趣旨のお話を承わつております。
○説明員(高田賢造君) 防衛庁関係におきましては、先ほど林政部長からお話がありました点以外には、問題になつております演習地につきましては、少くとも真正面から反対ということはございません。代替地なりそういう希望で、一種の条件付と申しますか、或る程度希望が容れられればということで申しておりますので、その意味において反対ということでなくて、むしろ賛成の方向に来ておるのではなかろうか、正式な議決等で反対ということは私どものほうは承知いたしておりませんので、御了承願いたいと思います。
○内村清次君 ちよつとお尋ねいたしますが、防衛庁関係は、これは第何管区の自衛隊関係でやろうというのですか、或いは又駐留関係ですか。
○説明員(高田賢造君) 問題になつております一本木原は第六管区であります。管区の附属の施設部隊、あそこに、盛岡の近郊に、施設部隊と特科部隊、その特科部隊が主に一本木原で訓練をするということでございます。
○内村清次君 特科部隊といえば、これは先ほど、大坪畜産局長も来ていらつしやるのですが、これは相当畜産関係には大きなもので相当影響する問題ですが、従来演習地に対して地元から強力な反対が起る、これはどちらかといいますと、政府の方針に対しましても非常に疑義を持つておる。政府の機関であるところの、特にこれに関係した畜産関係或いは林野関係或いは農地関係そういうような方面においては、今例えば防衛庁なら防衛庁の計画された演習地の問題に対して、非常に全面的な協力態勢というのが起きておるのですね、私たちはどうもこの態勢につきましては不可解な考えを持つておるのですが、これは又一面におきましては農地関係につきましては、非常に、たとえ地元関係の意向をとり入れるというような気持も政府部内にも確かにあつたのですが、最近におきまして非常に協力態勢が強過ぎはせんか、ここに林野関係の人が来ていらつしやるのですが、町村合併の問題の林野払下には非常に非協力だ、こういう問題に対しては非常に協力態勢だというような形が見えておるようですけれども、これはあなたがた関係者の間では、絶対的なものであるというような感じで当つておられるのか、この点もう一遍意思を表明して頂きたいと思うのです。
○政府委員(奥原日出男君) 林野庁といたしましては、法規及びその運用の筋を曲げて特別な配慮をするという意思は全然ございません。例えば林野整備で売払います林地の認定というものにつきましても、これは国有林野整備臨時措置法及び町村合併というふうな際に認定いたしまするその大体の基準の範囲内でやつておりまするつもりでございます。それから又地元の家畜のために、国有林の林地を利用させるということ自体も、これは国有林の持つておりまする総合的な土地利用に協力して行く当然の使命の現われではないかというふうに実は考えておる次第でございます。ただ地元のほうでは代替地としてそつくり立派な国有林の林地をもらいたい、こういう要請でございますが、これに対しましては、全然林野庁としても、その要請に直接に応ずる法規的な根拠も持ちませんし、又林業政策、或いは広く資源政策という観点から、そういう代替地として林地の所有権を渡してしまうというふうな意思は全然持つておらない次第でございます。
○内村清次君 局長はどうですか。
○説明員(大坪藤市君) 勿論私どものほうといたしまして、或いは国、地方の試験場でありますとか、或いは試験場とか直接そういうふうな土地に利用されておる土地でなくいたしましても、牧野の中心でありますとか、そういうふうに畜産にとつて代えがたい土地というようなことであれば、これは私どもといたしまして、断乎として反対するということになると思うのですが、当該地帯はその周辺になお相当牧野もあるようでありますし、特に林野庁の計い等で、林野整備等でも、成る程度の代替地的なものもできるということでありますので、強いてこれは反対するということは如何かと考えております。
○内村清次君 これは只今畜産局長が言われましたが、或いは林野関係の人も言われましたが、方針としてはやはり自分たちの立場は堅持して行くんだ、同時に直接地元関係の気持も十分参酌して行くんだという御信念には変りないと、併し先ほどからどうも御答弁を聞いておりますと、この問題につきまして、防衛庁関係はもうすでに県当局も或いは九分八厘だけは納得しておるのだ、或いは県会が賛成しておるのだとか、こういうふうな話で、いとも簡単な考え方で見通しについても楽観しておられるようですけれども、これはもう少し防衛庁関係は、私は慎重に考えてもらいたいと思うのです。今までのとつた政府の措置、或いは防衛庁の考え方は、この方針に従つてやつておられるかも知れませんけれども、これは実際地元の農村のかたがたや関係者のかたがたは、ただ一片の、補償が幾らか上つたからというような問題ではないと思うのだ、これを形式的な問題、或いは県議員その他のごく少数のかたがたの考え方でこの問題に接しておられると、私たちは、あなた方の、役人としての務めはつとめられるかも知れませんけれども、これは大きな問題だと思うのです。而もこうやつて国会のほうに陳情が来たということは、見逃すことのできない大きな問題ですね、だからこの点をやはり十分考えて、ほかに演習地の適地があるというようなことをお考えになつたならば、その点をやはり考えてもらわないと、どこまでもそれを強権的な発動までもふところに持つて折衝して行くというようなことでは、問題の解決はなされないと思うのですが、防衛庁関係はどういうふうにお考えですか。
○説明員(高田賢造君) 防衛庁といたしましては、従来も同様でございますが、特に最近注意をいたしておりますのは、農地或いは今度の問題の牧野の関係でございますけれども、極力地元事情というものを考慮いたしまして、そういう所は避ける。それから又どうしても止むを得ん場合には、成る程度防衛庁として使う場合の方法等も考えまして、地元のほうの要望にも応える。まあ例えば最近ございましたのは阪神飛行場等であります。これ又かなり地元の要望も容れております。その辺気持といたしましては、お話の通り、先ほど私が丁度一本木原の問題をやや楽観的に申上げたので、その点がやや別なようにお考えになつたかも知れませんが、必ずしもそういうことではなくつて、相当慎重に、又今日の段階でございますから、そう無理というほどのものでもございません。相当槙重にやるようにいたしておる、その程度でございます。
○内村清次君 私たちが先ほどから質疑を聞いておりますと、あなたの御答弁が非常にもう楽観的に考えられる。そうすると、私たちは残念ながらその地元の現地その他を見ておらないという弱点があるのですね。そうしますると、やはり重大なこういう請願問題を取扱う上につきまして、やはりその現地関係を、実情を見ておらない私たちといたしましては、大方これ又今までの慣習的に取扱うということもないとも限らないと思うですんよ。だからして、あなたがたに、お忙しくつても来て頂いて、よくまあ一応はお話を聞こうということは、これは委員会といたしましても相当慎重な審議をするための請願の取扱ですよ。それに先ほどから聞いておると、もう九分八厘ほどは見通しがついておると、こう言つていらつしやれば何も私たちはそういつた見通しについて、地元も納得しておるという問題に対して時間をとる必要はないかも知れないが、併し現にやはりこの請願が出ておるということ、県会ではこれは可決になつておるかも知れませんけれども、現に頼るべき国会の最高機関に請願が出ておるという経路というものは、これはその間において相当なやはり反対の要素というのが多分に含まつておるのだと、而も非常に簡単な経路ではなくしてやはり相当思い詰めた経路によつて反対の請願が来ておるとこうしか私たちは見れないのですね。
○説明員(高田賢造君) 実は先ほど来問題になつておりましたものは、一本木原のほうの演習場が問題になつております。特に請願がございましたのは、私承知いたしますところでは、たまたまここで論議いたしました演習場の外の問題だと承知いたしております。その旨、実は先ほど小笠原議員からお話がございましたので、御答弁申上げたわけでございます。この問題のほうは実は私が申上げた点と、多少附近ではございまするけれども問題が違つておりますので、私が申上げました所は元の陸軍の演習場で、こちらが取得をいたしたいというふうに考えております牧野並びに採草地の部分でございます。その点について私が申上げましたのは実際の現状で、今地元の県と話合いをいたしまして、かなりございまするけれども、結果を実は申上げたわけでございますが、ここで請願になつております部分の問題につきましては、申上げたわけじやございませんので、その点ちよつと一つ釈明させて頂きたいと思います。
○内村清次君 それでは岩手山麓のこの請願の本旨に対してのあなたのお考えをちよつと聞かせて下さい、私はちよつと遅れましたので。
○説明員(高田賢造君) 恐らく、これは地図で按じたわけじやございませんが、先ほどの小笠原議員との話で承知いたしておりますのは、一本木原の増反地という部分があるのでございます。その部分が約十万坪ですが、十万坪がキャンプの敷地の予定地として防衛庁も考え、又それに対して県側でも大体斡旋をしようと言つておつた部分でございます。この点については、まだ必ずしも計画がはつきり立つたというわけではございません。一応の見当をつけておるというところでございまして、或いは場合によりましては、ほかのほうに移る可能性もあるようなわけでございます。当面政府としまして県と話合いをいたしておりますのは、実はそのほかの部分の、演習場のほうの部分でございまして、まだ問題の請願の部分につきましては、具体的にまだ話が進んでおらんのでございます。この点については従来まだ、今小笠原先生からお話がございませんでしたから詳しくお話し申上げませんでしたけれども、従来県としては、大体私どものほうには強いて御反対がなかつた所でございます、そういう状況でございまして一応の見当はつけておりますが、まだ具体的の交渉を始めたという所ではないのでございます。
○内村清次君 わかりました。
○委員長(荒木正三郎君) ちよつと速記をやめて。 午後一時十七分速記中止 ―――――・――――― 午後一時三十二分速記開始
○委員長(荒木正三郎君) それじや速記を始めて。 第二百二十一号の岩手山ろくに自衛隊演習地設置反対の請願の件、これの取扱について御意見を伺います。
○内村清次君 この請願の件に対しましては、請願理由といたしまして、その関係する農地保存の農民関係及びその他住民関係におきまして相当な反対がございますし、生活の困窮の点も将来考えなくてはなりませんからして、この請願を是非採択をして頂きますることに私は希望いたします。
○委員長(荒木正三郎君) 御異議ありませんか……。 それでは採択をすることに決定いたします。ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(荒木正三郎君) それでは速記を始めて。 この際お諮りしますが、行政機構等整備に関する調査をいたしますことを当委員会として決定をしておきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(荒木正三郎君) 御異議ないものと認めます。 本日の委員会はこれで終ります。 午後一時三十五分散会