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20回国会参議院1954/12/06

通商産業委員会 第3号

発言数
99
登壇者
13
会派数
6
開催日
1954/12/06

会議録

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) これより通産委員会を開会いたします。  先ず三日に行いました委員長理事打合会におきまして、前国会から継続審査になつておりまする四法案、即ち技術士法案、砂利採取法案、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律の施行に関する法律案、この四法律案につきましては、今国会は臨時国会でもあり、又会期も短いので再び継続審査にいたしたいとの決定があつたのであります。さよう決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないようでありまするからさように決定いたします。これに要する手続その他は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 次に本日の議題になつておりまする昭和二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案でありまするが、本法案は一昨四日に衆議院本会議で原案通り可決、従つて本日より本審査に入るわけであります。これより直ちに質疑を続行いたしたいと思います。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 金曜日に一応の趣旨説明がございまして大体わかつておりますが、特にここで二、三の点を伺つておきたいと思いますことは、この措置法案によりますると、地域の指定は決定していないそうでありますが、その指定基準としては昨年の当初の法律の場合に準ずることになると思うのでありますが、昨年の基準につきまして、簡単に一つどんなようになつておるかを御説明頂きたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 昨年は第一の点は、都道府県の公共事業の復旧費が昨年度即ち二十八年度の標準税収を超える都道府県については、その都道府県を指定することということに相成りました。右の標準に該当しない都道府県につきましては、公共事業の復旧費が二十八年度標準税収を超える市町村、又災害救助法に基く救助費の支出額が、当該市町村の昭和二十八年度の標準税収の百分の一を超える市町村、これを指定することに相成つております。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 そうすると、昨年の基準で実施いたしまするならば、北海道には当然適用されると思いますが、その点如何でしよう。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 今年の災害は、幸いにいたしまして北海道のような非常に大きな災害がありましても、北海道全地域でなくて一部の地域に限られておりまして、従いまして第一の点の北海道の事業復旧費ということになりますと、税収入は相当多い関係上、北海道自身を指定することはいささか困難になるかと思う次第でございます。  第二の、市町村を指定するかという問題になつて参りますが、市町村につきましては、一部の市町村についてはこれを当然適用になる場合もありますけれども、場合によりましては適用を受けられないというふうな面もございます。殊に商工業関係の、中小企業関係の問題になりますと、去年の例を見ましても、市町村を指定するということよりも、府県別に指定したいというふうな動きにもなつておりますので、そうなりますと、北海道あたりが若干疑問が出て来る面もあるわけでございます。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 今のお話からいたしまして、昨年の事情は各種の法律に共通に適用されるということを考えたものであるから、商工業に関しては事情の異なる場合が少くないのでありまして、商工業独自の基準を決定されまして、北海道のごとき今年非常に大きな災害の起きておるところに対しましては、是非この適用地域とするように特別な御配慮を頂きたいということを私はお願いをいたす次第であります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 今の西川委員のおつしやつたことは非常に重要なんですが、それは全般としてはお願い申上げて可能なんですか、可能でないでしよう、この法律から言えば。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 今年の災害は全般的に去年と比べまして、全面的な災害という問題でございませんので、部分的な災害が比較的多かつたというふうな関係で、去年の災害地域としても、指定の基準そのものでは動かないのじやないかということは、各省とも大体認めておるように思われるわけでございまして、ただ昨年の前例がございますのでどうしても前例に引張られ勝ちになります。我々といたしましては関係の皆さんがたと十分御連絡の上で、できるだけ今西川委員からお話のありましたような方向で進んで参りたいというふうに考えておる次第でありまして、衆議院の本法案に対する審議の際にも同じような御質問があり、又同じような強い御要望がありましたので、その線に沿つて善処したいということを御答弁申上げた次第でございます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 念押しをいたしておきますが、実はこの法案を通過せしむるに当つて、本委員会の中で附帯決議を附そうという意見が出ておつて、それによれば「災害法律の適用地域については、昨年度の基準にかかわることなく、商工業関係の被害額を基準として決定すること。」こういう一項目があるのです。これは前後した質問ですが、そうした一つの附帯決議を附けた場合に、従来の例からいたしますならば大方、扱いを以て多少ゆとりのある扱い方ができる、こういう場合に附帯決議がなされておつたわけですけれども、法律的には全くできないものを附帯決議を附けても、又附けられてもこれは処置に困るわけであつて、その点がありますから私念押しお伺いたしておるわけです。それから今のような具体的に言えば「昨年度の基準にかかわることなく、商工業関係の被害額を基準として」この「基準として」扱い上やり得るものかどうか、念のために更にお伺いいたします。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) この法律案におきましては、ただ政令で指定する地域ということになつておりまして、どういう基準でこれを指定するかは、専ら政令の規定に待つということになつておりますので、従いましてその余地は、裁量の余地はまだ残つておるわけでございます。

三輪貞治日本社会党(第四控室・左)

○三輪貞治君 今までの質問は、私もこの前質問いたしましたが、要は非常に甚大な被害を受けた北海道五十三億九千、宮崎二十億、岡六億七千、こういうふうに甚大な被害を受けた地域が、ややもすると昨年度の基準にこだわれば、地域指定から脱落するかも知れないというところに問題があるのです。なお法律においては政令によつて地域指定はなされたのであります。これは昨年度の基準にかかわることなく、そういう処置ができると、こういうふうに我々は解釈していいですね。又そうしてもらわなければ意味がないわけです。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) できるだけ御趣旨に副うような方向で運用して参りたい、指定して参りたいというふうに考えております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ほかに……。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。なお念のため申上げます。附帯決議のおありのかたは討論中にお述べを願います。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 私は只今提案されておりますこの法律案に対しましては、賛成の意を表するものでありまするが、私は前述の質問にもありまするように、昨年のこの種の法律の実施状況を考えて見ますと、どうも徹底をしておらない点があるように数字の上に現われておるのでありますので、その趣旨と、只今私が商工業者に対する被害の基準に対する御質問を申上げましたが、この二つの問題を附帯決議といたしまして、その附帯決議の文句を私は次のように考えておる。   一、災害法律の趣旨及び内容については、末端まで十分に徹底すよう万般の措置を講ずること。   二、災害法律の適用地域については、昨年度の基準にかかわることなく、商工業関係の被害額を基準として決定すること。  この二つの附帯決議案を私は皆さんにお諮りを申上げまして、賛成をするものであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 私は社会党第二控室を代表して本法律案並びに西川委員のお述べになりましたような附帯決議案、共に賛成を申上げます。中小企業に対する施策は、未だすべての面において十分ではございません。而も近年災害が頻発いたしまして、かような場合にも特段の庇護を与えておらなかつたのでございますが、資金融通等については、昨年来若干の考慮がなされて参つたわけであります。今次この提案されました法律案につきましては、その趣旨から、更に中小企業の金融を円滑ならしめるという趣旨で御提案になつたのでありまして、内容といたしましては、十分ではないにいたしましても、これがきつかけとなつて、更に中小企業の育成が助長されまするならば、幸いこれに過ぐるものはないのであります。ただ私はあえて附帯決議を附するまでには至りませんけれども、一つの要望といたしましては、幾たびか本委員会でも論議されたことは、こうした金融措置が政府によつてなされる場合、当初の意図と違つてすべての職種を同列に置きまするために、とかく奢侈的な面、奢侈的な業種にこれが流れるという傾向なきにしもあらずであります。こういう点を十分御注意頂きたいことと、更にもう一つは、工業及び商業を常に同列に置いておる、これは他の問題と共に私は問題があろうと思うのであります。というのは、商業におきましては生産業と違つて、若干の従業員等に差がついておりますけれども、殊に極端な例を挙げまするならば、貴金属商等であれば二、三人の人を使つても数十億のものを扱う場合もあるのでありまして、そういうものを果して中小企業の中に包含して同じように、生産を図つて社会に大きく寄与しておる職種と同列に扱うということは如何かと存じております。従つて将来は私は当然に同じ中小企業という言葉の中に、工業及び商業は別個に考うべきものだ。こういうふうに考えておりますが、このことは先に申しましたように、この際附帯決議という固い態度をとることなしに、政府側においてこれらも十分御検討あらんことを要望いたします。  以上によつて私は本法律案及び附帯決議に賛成の趣旨を明らかにいたしたのであります。以上で終ります。

三輪貞治日本社会党(第四控室・左)

○三輪貞治君 私は社会党第四控室を代表いたしまして只今の法律案に賛成いたします。なお西川君より提出せられました附帯決議にも賛成の意を表したいと思います。  本法案は今年の八月及び九月の風水害によつて甚大な被害を受けました小企業者の損害の復旧の促進と経営の安定に資するために、復旧事業資金の融通について特別措置を講ぜられるものでありますが、これは今次の災害が過去の災害と比べまして非常に中小企業面に与えておる影響が甚大であるということを考えますならば、適切な処置であるということを言わなければならんのであります。デフレ政策の断行によりまして、いわゆる輸出増というのでかなり喧伝をされておりますけれども、併し必ずしも中小企業の面にそれが潤いを与えておるということは断言できない面がたくさんあるのであります。なおそれ以上にデフレ政策のしわ寄せによつて、中小企業はさなきだに非常な困窮に陥れられておるのでありますが、そこに以て来て、この数次の風水害は非常な性格の違つた形においてこれらの企業者に非常に影響を与えております。私が現実に目で見、資料を集めて調査いたしましたところによりましても、工場の倒潰、或いは商業面におきましては、売掛金の回収不能、或いは更に次の商品がいろいろな交通機関の崩壊その他で出廻らないというようないろいろな状況によりまして、二重にも三重にも非常に大きな被害を受けておる実情であります。まだまだこの種の特別措置だけでこれを完全に復旧せしめるということは期待できないのでありまするが、併しこれも一つの一貫した中小企業の災害復旧の一部として、私たちはこれに賛意を表したいのであります。ただ天田委員からも申されましたように、過去においてこれが奢侈的な業種に流れる虞れも多分にありまするし、又本法によりますると、中小企業等協同組合もその対象になるのでありまするが、この場合には必ずしもその適用が法の目的に合致するものばかりではなかつたように考えるのであります。どうぞそういう点は、今後におきましては法の目的とするところに合致いたしまするように適正に施行されるように要望いたすものであります。  なお附帯決議につきましては、先ほどの質問でも申上げましたように非常に甚大な被害を受けた地域が過去の基準等にとらわれるために脱落をするということでありましては、本法の目的に反すること甚だしいものがありまするから、これらを救済するためにこの決議を附帯されることは最も妥当であろうと思いまするので、本法案並びに附帯決議案に賛成をいたすものであります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ほかに御発言ございませんか……ほかに御意見もないようでございまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。昭和二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に只今討論中にございました西川君提出の附帯決議案について採決いたします。念のため附帯決議案を朗読いたします。    附帯決議案   政府は昨年度の中小企業関係の災害法律の実施状況に鑑み本年度の法律の実施に当つては、左記の点に特に注意すること。    記   一、災害法律の趣旨及び内容については、末端まで十分に徹底するよう万般の措置を講ずること。   二、災害法律の適用地域については、昨年度の基準にかかわることなく、商工業関係の被害額を基準として決定すること。  西川君提出の附帯決議案に賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 全会一致でございます。よつて附帯決議を附することに決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続については委員長に御一任を願います。  それから委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりまするので、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     中川 幸平  栗山 良夫     西川彌平治  深水 六郎     三輪 貞治  天田 勝正     加藤 正人  山川 良一     小野 義夫  青木 一男     石川 清一  小松 正雄     酒井 利雄  高橋  衛

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 署名漏れはございませんか……署名漏れはないと認めます。   —————————————

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 次に去る四日衆議院に提出され、昨日参議院で本委員会に予備付託されました大西禎夫君ほか八十八名提出にかかわる昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案を日程に追加して議題といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それでは先ず提案者の説明を求めます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○衆議院議員(永井勝次郎君) 昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案の提案理由を御説明申上げたいと存じます。  本年八月及び九月におきまして我が国を襲いました十五号を初めとする台風は、中小企業者にとりまして少なからぬ損害を与えたのでありますが、このうち、商工業関係におきましては約百二十億円の巨額に上つております。言うまでもなく、我が国経済に占める中小企業の地位は極めて重いのでありまして、これが育成強化は非常に急を要する事柄であります。特に最近における中小企業の窮迫は、甚だしく大きいものであります関係上、中小企業金融の円滑化は強く推進されなければならないと考えるのであります。中小企業信用保険制度は、このような中小企業に対する融資の促進を目的として強力な役割を果たしているのでありますが、先に述べました本年八月及び九月の台風による中小企業者の損失に対処するには、特にこの信用保険制度を活用して行かなければならないと存ずるのであります。  次にこの法案の概要を御説明申上げます。  この法律におきましては、被害中小企業者がその再建資金につきまして、金融機関から融資を受けた場合、或いは信用保証協会の保証を受けた場合におきまして、金融機関又は保証協会がその貸付金の保険価額に対する割合を一般の保険の場合に比して、一〇%引上げると共に保険料率を三分の一引下げるようにいたしたいと考える次第でございます。又、この場合におきまして、都道府県は、保険料の額の二分の一以上の額を金融機関又は保証協会に補給するようにすると共に、この特例法によりまして赤字が生じた場合には一般会計から中小企業信用保険特別会計に繰入れを行うことといたしたのであります。  以上がこの法律案の提案の理由とその概要でございます。  なお、御承知のごとく本法案は自由党大西禎夫君ほか八十八名による各労共同提案でありまして、昨五日衆議院通産常任委員会で全会一致を以て可決いたしたのでございます。何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことをお願い申上げる次第であります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 質疑は午後の委員会においていたしたいと思います。  それではこれで暫時休憩いたします。    午後一時四分休憩    —————・—————    午後四時十九分開会

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それでは午前に引続きまして、これより通産委員会を再開いたします。  午前中予備審査になつていました昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案は、先刻衆議院を通過したようでありまするから、当委員会におきましても本審査になつたわけであります。午前中提案理由の説明がありましたが、午前中配られましたこの資料につきまして引続き若干の御説明を願いたい、殊に昨年の実績であるとか、そういう問題について若干御説明一願いたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 御手許に昨年の風水害に関連いたしました信用保険の特例法が制定、公布、実施に相成つておりますが、その実施概況をお配りいたしてございます。それを御説明申上げます。  昨年八月十五日から本年三月三十一日までの保険利用の実績は、件数にして千六十四件、付保金額は九億二千八百余万円に達しております。これを保険種別に見ますと、融資保険と申しまして、金融機関が融資をいたしました際に、国との間に直接信用保険契約を結ぶその件数がここにございますように、総計三百一件、五億四千二百余力円ということに相成つております。  それから指定法人を相手とする保証保険、これは例の各府県に大体一つできておりまする信用保証協会を相手といたしまする保証保険ということでございまして、これは金融機関が融資をいたします際に、信用保証協会がこれに保証人のような立場で支払保証をいたすわけでございます。その際に、信用保証協会の保証に対しまして、国が一種の再保険のような形で信用保険をするということに相成ります。これがいずれも小口でございまして七百十六件、二億六千四百万円ということに相成つております。  更に第三は、金融機関を相手方とする保証保険、即ち、国民金融公庫等の金を融資いたしますと、代理店はその八割を支払保証をしなければならないのであります。中小企業金融公庫の代理店が公庫の金を貸付けます際に、代理店である金融機関は、中小企業金融公庫に対しまして、八割までの支払を保証することに相成ります。その保証責任を国に対して信用保険をつけてもらう一種の保証保険でございます。こういう建前のものが四十七件、総計いたしまして千六十四件、九億二千八百余万円ということに相成つております。  なお、本年十一月末現在における保険金の請求状況は、次の通りでございまして、即ち件数にして二件、それの保険をつけられたものが合計三十万円、支払いました保険金額が十三万八千円ということに相成つております。  なお、件数がこういう状況でございますが、実は去年信用保険の特例に関する法律が施行には相成りましたが、地域の指定が大分遅れて参りました。それで、現実に保険された時期が、保険の対象になりました融資の時期が大分遅れて参りました。自然、実際の融資の件数としては比較的多額に上らなかつたという関係に相成つておりますことを附加えて申上げる次第でございます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 質疑のあるかたは、どうぞ質疑を願います。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 この中小企業信用保険法の特例に関する法律案の第一条に、「その事業の再建に必要な資金(以下「再建資金」という。)というのがございますが、この再建資金ということと、先に議決をいたしました、やはり、二十九年の八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案の中に、これは、やはり、第一条に、「復旧事業資金の融通「ということが出ておるのでありますが、このいわゆる再建に必要なる資金ということと、復旧事業資金と、この両者の差が一体どこにあるのだか、それから再建という場合に、単に復旧と異なつて、再建でございまするので、或いは一部改良をするといようなことが考えられるのでありまするが、そういう設備改良等のことも考慮に入れられるのであるかないかということを第一に伺つて見たいと思うのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○衆議院議員(永井勝次郎君) 只今のお尋ねでありますが、復旧事業資金と再建資金の区別はどうかと、こういうお尋ねであつたと思うのであります。これは別に区別はございません。ただ、前年の特例法を実施された場合の用語をそのまま本年の場合に持つて来たというだけでございまして、内容は同様でございます。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 どうも、私は誠に自分の意見がましいことを申上げて、ちよつとどうかと思いますが、お聞かせを願いたいと思います。先に可決をいたしました小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案と、この中小企業信用保険法の特例に関する法律案、この二つを私は見比べて見ますと、その最後の目的は殆んど違いがないようでありますが、これを特に議員立法に持つて行かれました何かそこにお考えがおありになるのじやないかと思いますが、ちよつと伺つておきたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 御承知の通り昨年の災害は、全国的に非常に大大きかつた関係もございますが、当初この災害立法は結局におきましては、この利子補給の法律と、信用保険の特例に関する法律と、この二つに相成つたわけでございますが、いずれも当初におきましては議員立法によりまして六月、七月の災害に対する対策として立法された次第でございますが、その後引続きまして八月、九月と災害が続きました関係上、その八月、九月の分につきましては政府の提案で以てすでにできておりました災害立法の期間を延長いたしまして、即ち八月、九月の分も同様に利子補給なり損失補償なりの信用保険の特例なりの対策を講ずるということにいたした次第でございます。で今年の分につきましては当初通産省といたしましても昨年の議員立法の趣旨に鑑み去年と今年との災害者に対する救済費ということも同様に考えるべきじやないかという考え方の下に大蔵省に対しまして何と申しますか予算的な関係もございますので、それぞれの要求をいたして参つた次第でございますが、その際におきまする政府全般の考え方といたしまして、この種の災害に対する立法もできるだけこれをその範囲において縮小して参りたい、先般利子補給の際にも申上げましたように、三十人の事業者の数を十五人に減らすということを、漸次範囲を絞るというふうな恰好にして参りたい。従つて今年度におきましては政府全般の扱いといたしまして災害の立法としては利子補給を原則的にする、それ以外は取りやめようというふうな空気にも相成りました。従つてまあ政府全般の意向に従いましてその方針に順応しまして政府提案を取りやめたというふうな関係に相成つておる次第でございます。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 私の意見がましいことを申上げて誠に申訳がないのでありますが、私は今提案になつておるこの信用保険法というのが非常にすつきりとした、非常に実情に即したような私は気持を持つておりまするので、まあそういう考えの下に一つ二、三の質問をして見たいと思うのであります。この保険料についてでございますが、保険料が二%ということになつておりまするが、その半分即ち一%を地方公共団体の負担とすることになつておるのであります。それではその残りの一%を業者と金融機関が分担するのであるか、それとも業者だけであとの一%を負担するのでありますか伺いたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 昨年の例の法律に全く同じでございまするので、こういうふうにきまりました場合の取扱い法というものにつきまして私のほうからお答えを申上げたいと思いますが、保険料は従来から三分ということになつておりますが、そのうち三分の二を業者に転嫁できるという建前に相成つております。従いまして今度保険料が二分になり、そのうちの一分が補助金、地方公共団体からの交付金というふうな形になつて参りますと、結局民間の保険料の負担は一分になりますが、その一分につきまして三分の二は転嫁できるということに相成ります。従いまして何と申しますか一分の三分の二は業者の負担になり、一分の三分の一、三厘三毛が金融機関の負担になる、こういう恰好に相成ります。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 よくわかりましたが、それではこの場合の公共団体というその公共団体は都道府県だけでありまするか、市町村も含むと思いますが、その点はどうでございましよう。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 市町村も含んでおります。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 それではこの法律を実施するに当りまして、国庫の負担は本年度は起らないと私は承知をしておりまするけれども、今後来年度以降にどのくらいが国庫負担として見越さわるか、又昨年の実績は、参考にはならないと思いますが、その昨年の実績はどんなでありまするかをお知らせ頂きたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 昨年の実績でございますが、先ほど御配付申上げました資料で御覧頂きますとおわかりのように、昨年の付保額が九億二千八百万円ということに相成りまして、その後約一年を経過しておりますので、現在までの保険金の支払額は十三万八千円ということに相成ります。件数として二件ということに相成ります。その間におきまする九億二千八百万円に対する保険料収入が千二百万円というふうに相成つております。従いましてこれからの事故の発生がどういうふうに相成つて参りますか、まだ未決定でございますが、今までの経験からいたしまして、そう大きな負担にはならないのじやないかというふうに考えておる次第でございます。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 よくわかりましたが、この保険には契約の限度があるのでありましようかどうですか、若しこの保険をつけるならば幾らでも貸すことができるというわけなのでありましようか、その辺はどうでありますか。又普通の信用保険には政府が契約を締結し得る限度が毎年度定められると私は思つておりますが、この特例の限度は別に定めていないようでありますが、その点はどうであるか、普通の保険の契約限度の中に含むのでありますかどうか、若しその中に含むといたしますれば、限度というものはそれで間に合うのでありましようかどうか、こういうことを一つ最後に伺つておきたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 若しこのような原案で法律が実施に相成りまするというと、利子補給の画と異なりまして最高限は利子補給のほうは二十万円ということに相成つておりますが、本法では去年も同様でございますが、最高限が謳つてございませんから形式的には一千万円までできることに相成つております。併し実際問題といたしましてはおのずから災害ということに制約いたされますので、実際の金高といたしますとずつと小さくなつて参る。この資料でもおわかりのように、例えば融資保険が一指番、金融機関と政府との面接の保険契約が一番大きいのでございますが、これが三百件につきまして五億四千万円、約一件当り百五、六十万円ということに相成るわけでございます。その次の指定法人を相手方とする保証保険ということになりますると、これが七百件に対して二億六千万円ということになるのでございまして、平均三十万ちよつとというふうなことに相成るわけでございます。従いましてそれと同時に保険のかける時期が来年の三月三十一日までということにも相成りまするので、両方相待ちまして自然に調節がついて参るというふうに考えておる次第でございます。  なお、現在信用保険の保証契約の総額につきましては大約五百六十四億の資金の枠が現在予算総則で定められておりまして、相当まだ枠の余裕を持つております。従いましてこの法律が成立いたしましたといたしましても、予算総則の変更というところまで行う必要がないのでないかというふうに考えておる次第でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 風水害という定義なんですが、殊に北海道で風水害に関連して大火がありましたね。岩内ですか、ああいうような大火の被害に対してはこれは直接適用されるのですか。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) ほかの例から申しましても風水害による火災ということで適用に相成る建前であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 そういたしますと、私実は二、三日前に非常に大火で困つている鳥取市を見て来たのです。鳥取市は御承知のようにあの大火があつてから建築法の非常に厳しい制限を受けまして、そして着工をするのに多額の負債を持つてこのデフレ経済に遭遇したために、鳥取市の目抜き通りの中小業者というものですら非常に経営上難航しているらしいのです。私具体的な数字は持つておりませんですが、そういう場合やはり若干の保護措置を講じないと、国全体としては非常に私不公平ではないかと思うのですが、この点について通商産業省はどういう考えでおられるかちよつとお伺いしたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) この鳥取市の大火というふうな場合におきましては、まあ極く局部的な災害の面でございまして、風水害のような相当広範囲に亙る場合のとは異なつて参りますので、扱い方も自然若干の相違が出て参るということに相成るかと思うのでございますが、なお鳥取の災害の復旧につきましては、例えば中小企業金融公庫或いは国民公庫というふうな方面からこれは一割程度の資金を相当出しておるというふうなことで、いわゆる国家資金の融通によりまして毒後措置を講じて参るというふうなことを考えており、現に実施もいたしておりまするし、今後とも考えて行きたいというふうに考えておる次第でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 これは恐らく今後もこういう問題は災害のあるたびに私は出て来ることだと思うのです。従つて答弁は要りませんが、今後中小企業者の立上りを助けるという意味においては、やはりいろいろな場合を一つ想定せられて、そうして中小企業者を本当に救えるような建前でいろいろなものを一つ進捗するように、中小企業庁でこれは面倒を見て行くようにして頂きたいと考えております。そうしませんと、被害者その人は企業の大小はあろうと災害は同じなのだが、それが不公平になる虞れがあるのじやないかと考えますので、そういう工合にして頂きたいと思います。特に先ほど、どうして議員立法にしたのだという西川君の質問に対して、提案者である議員のかたから答弁がなくて、中小企業庁のほうから答弁がありましたが、その点は私非常におかしなことだと思うのですね。従つて中小企業庁は若しそうでなければやはり政府部内を説いて、政府提案として午前中に可決になつた法律案と一諸に提出すべきもので、そういう点を一つもう少し中小企業庁自信を以ておやりになつて頂きたい、こう考えるわけです。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ほかに。

石川清一無所属クラブ

○石川清一君 この法律の第三条の二項に「地方公共団体は、前項の保険料の額の二分の一以上の額を金融機関又は指定法人に補給するものとする。」こう書いてありますが、この地域或いは市町村というようなものをやはり政令か何かで指定をされるのでありますか。

永井勝次郎日本社会党(左)

○衆議院議員(永井勝次郎君) 政令で指定することになります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 先刻西川委員から出しました、なお栗山君からもちよつとお話がありましたが、政府提案でなしに議員立法になつたという趣旨について、重ねて僕ももう一遍質しておきたいのですが、先ほど記内長官は予算の関係等もあるというようなことでありましたが、融資に関する法律も若干の予算を、これは現実に百二十万円か幾らか計上しているわけでありますが、この信用保険のほうは本年度は差当りはやらないことにする、それから先ほど資料を元にして御説明を承わつたのでありますが、これによつても殆んど極めて微々たるものであり、むしろ保険料収入のほうで保険金額に比しますると非常に莫大なもののように私は思う。こういう状況から考えまして、而も融資をすれば当然裏打ちの信用保険等の強化があつて初めて融資の実も挙つて行くというふうに我々は考えられるのに、これが一つ落されておつたということは、まあやや納得しかねる点があるのです。この点もう一度何か……。

永井勝次郎日本社会党(左)

○衆議院議員(永井勝次郎君) 只今委員長からお話のありました通りに、先刻本委員会を通過させて頂きました融資措置に対する立法と、只今御審議頂いております信用保険の問題とは、これは二つであつて一つである、そういう内容を持つておるものでありますから、我々といたしましては当然二つの法案が並んで政府提案せらるべきものであると考え、期待していたのでありますが、期日が迫つてこれが政府提案にならないということになつたのであります。併しもう少し臨時国会が時間がありまして、そうして政府部内の意見を事務的に折衝する時間的な余裕がありますならば、これは当然政府提案になるべき筋合のものであると思うのでありますが、そういう非常に短い期間の中で更に意見の調整をして省議にかけ、閣議にかけて政府提案というような事務的な手続を履みますと本国会には間に合わないということになりますので、内容的に政府提案にふさわしいものでないということで政府提案がなされないのではなくて、時間的な余裕がないためにその余裕がない、こういうように我々は了解いたしまして、それではその事務的処理を省略いたしまして、そうして議員立法として本案を提出する。前回御審議頂きました融資措置に対する一つの裏打ちをこの法案によつてして頂きたい、こういうことで提案をいたしました次第でありまして、別に非常齟齬なというものは私はないと存ずるのであります。非常に臨時国会が作間的に制約を受けているという、こういう事情の下における特殊議員立法であると御了解を頂きたい、このように存じます。

加藤正人緑風会

○加藤正人君 さつきの提案理由の説明に、「都道府県」と書いてあるが、並びに市町村ということにもなるのですか。

永井勝次郎日本社会党(左)

○衆議院議員(永井勝次郎君) 地方公共団体と謳つてありまして、都道府県及び市町村がそれに該当するわけでありまして、二分の一は公共団体の負担、こういうことになつております。

加藤正人緑風会

○加藤正人君 結局地方公共団体というものの最後の負担になるような場合は、どういう場合にどのくらいな負担になるのでしようか。

永井勝次郎日本社会党(左)

○衆議院議員(永井勝次郎君) 提案説明に、只今の御質問の点が抜けておりましたのでこれを是正させて頂きたいと存じますが、都道府県又は市町村と、こういうことに提案説明を修正をして頂きたいと存じます。従つて本法の第一条に「政令で指定する地域内に事業所を有し、」とこうありますので、政令で都道府県が指定されますと、この二分の一の負担は都道府県になります。市町村が指定されますと市町村がその負担者になる。こういう関係にありますことを御了承願います。

加藤正人緑風会

○加藤正人君 そこで、その点はわかりましたが、「保険料の額の二分の一以上の額を金融機関又は保証協会に補給するようにすると共に、この特例法によりまして赤字が生じた場合には一般会計から中小企業信用保険特別会計に繰入れ」と、こういうように、これはその年度末に一度に繰入れることになるのでしようか。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 保険料の都道府県の負担がどうなるかというお話でございますが、御承知の通り保険料が二分以内になり、そのうちの半分、一分を地方公共団体が負担するということに相成ります。昨年の例で申上げますと、九億何がしの融資に対しまして、一千二百万円の政府の収入でございますから、これの半分といたしますと、六百万円が地方公共団体の負担になつておるということでございます。これは融資、保険金額の変動によりましてこれが左右されて参るということに相成るわけであります。それから、国からの填補はいつやるかという問題でございますが、実はこの特別会計の、大体融資の期間が五年以内で融資されることに相成つております。従いまして、その頃までたたなければ保険料と実際の支払とにバランスがどうなるかということが見分けがつかないということに相成るわけでございます。併しながら、御案内の通り、信用保険特別会計といたしましては、この事業は極く一部でございまして、もつと大きな世帯を持つてやつております。従いまして、その間の赤字が出ましても、別の一般の方面から補填をいたして辻褄を合せまして、最後の二年なり五年なりたつたあとで締めくくりをいたしまして、赤字が出ればその分について国庫から補填をして頂くということに相成るわけでございます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ほかに御質問ございませんか……他に御発言もないようでありますから質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて。  この際お諮りいたしますが、豊田議員より委員外発言を求められておりますが、許すことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それではさように取計らいます。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) それでは委員外質問をさして順きたいと思います。  独禁法の改正の際に、合理化カルテルだけは認めるけれども、不況カルテルについてはこれを認めないというふうに当時通産大臣或いは公取のほうからも固くお答えがあつたように思うのでありますが、その後もそのお考えについては何ら変りはないかどうか。この点について通産当局と公取委員長とに伺いたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○説明員(横田正俊君) 昨年の独禁法改正の際に、御承知のように不況カルテルを或る範囲内におきまして認める改正が行われたのでございますが、御承知のようにあの規定はかなりカルテルの弊害を未然に防止すると申しますか、そういう点に相当の力点がございまして、不況カルテルを認めます条件等はかなり厳格になつております。従いまして公正取引委員会といたしましては結局あの法律の精神によりましてカルテルの認否を決して参るつもりでおりましたし、現在もその方針の下に処理をいたしておるつもりであります。

徳永久次通商産業省企業局長

○説明員(徳永久次君) 通産省といたしましても今公取委員長からお話がありました通り法律はシビアの形において認める途は開かれておるわけであります。具体的に法の適用としてそのケースが持上つてもいないのです。その法律をすぐ改正しなければならないとか何とかいうことは全然議論していないのであります。と申しまするのは、いわゆる不況カルテルに対しては現行法でいいのではないかという見方をいたしておるわけであります。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) 言うまでもなく不況カルテルは消費者、中小企業等に対するしわ寄せが当然来るのでありまして、先ほど申します通り独禁法改正の際も随分論議せられ、そしてカルテルについては合理化カルテルはこれは止むを得ないけれども、不況カルテルについてはこれはやらす考えはないということで私も賛成したのでありまして、只今の御答弁でも当時と事情或或いは考え方は変らないようでありますが、この点は今後も是非従来法案審議の際に明らかにされた通産省並びに公取の意見通り今後もこれを堅持してもらいたいというふうに考えるのであります。この点について改めて一つ御意見を伺いたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○説明員(横田正俊君) 現在いろいろ例えば新聞紙等におきまして不況カルテルというような問題が取上げられているようでございますし、又いろいろな業界におきましてそういう多小の動きがあるようでございます。で、公取といたしましては先ほど申しました線によりまして処理をいたすつもりでおりまするし、ただ業界のいろいろな事情は十分に聞くつもりでおりまするが、併しカルテルを認可するかしないかという点につきましては法律の規定に従つてやる所存でごいます。

徳永久次通商産業省企業局長

○説明員(徳永久次君) 先ほどお答え申上げましたように不況カルテルを現在の法律よりも緩和した条件で認めなければならない事情があるとは考えられないわけであります。現行法の法律そのままでこれで対処し得るのではないかというふうに考えております。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) 法律の文句は文句としまして当時の審議の過程から見ましてその運用方針が今申すように不況カルテルの行き方によることは関係業界に大きな不当な影響を与えるという見地からこれについては消極的に進んで行くという当時答弁がはつきりしておるのであります。そういう経過というものは私は運用の一つの方針として当時明らかにされている以上これで進むべきものだと思う。只今の御趣旨もそういうように解釈していいのだと思うのでありますが、今後十分その点は御留意になりまして当時の審議の経過に関連しての運用方針通り進んでもらうように重ねて希望を申上げておきます。  第二点として伺いたいのは、大企業の下請に対する未払の認定基準、これは当時公取が非常に御苦労の結果設定されたのでありますが、これの施行状況について簡単で結構でありますから伺いたいと思います。

横田正俊公正取引委員会委員長

○説明員(横田正俊君) この認定基準につきましては非常に苦労いたしまして昨年三月に発表いたしましたが、その後どうもこの趣旨が一般に親企業側にも或いは下請企業側にも徹底しておらない憾みがございましたので、この認定基準につきまして詳細な内容の解説をいたしましたパンフレツトを作りましてこれを各地の通産局、各都道府県庁、それから各都市の商工会議所、それから豊田さんも御存知でありましようが、中小企業の団体等に送付いたしましてこの趣旨の徹底を図つたのでございます。なお一方におきましては昨年の五月と思いますが、中小企業庁と密接な連絡をとりまして、親会社につきましては百三十一社、それから下請工場につきましては千二百の工場につきまして通産省と公取で手分けをいたしましてこの認定基準に副うた処理がなされているかどうかを引続き調査をいたしまして、その調査が非常に手間取りまして、遂に十月まで引続き調査が続いたわけであります。その調査の結果のいろいろな具体的なことは数字にして申上げますといろいろございまするが、その点は御質疑に応じまして申上げたいと思いますが、極くかいつまんで結論を申上げますと、実は昨年の暮にも同様の調査をやや小規模でございましたが、暮の押迫りました中小企業の不況を打開する意味におきまして昨年の暮にもいたしたのでございまするが、その暮のときと今年の調査との結果を対比して見ますると、大体非常に結果の悪い親企業の数は減つております。それは昨年の暮に相当成績の悪い親企業に対しましてはかなりの指導をいたしました結果、且つそれに引続きまして今年に至りましてもその企業については特に監視をいたしました結果、それらの企業の支払状況が今年は相当よくなつているというような点がございます。従いまして六カ月或いは十カ月分も支払を怠つているというような著しい例は減少しております。その半面一般的に申しまして、全般的にやや支払の状況が悪化しているということと、それから例えば現金払が減りまして手形の支払が殖えているというようなこと、それからその手形も九十日というような通常の域を越えまして百二十日或いはそれ以上というようなものが相当見られまして、これは形式的に申しますと明らかに認定基準に違反するものでございます。それからただこの認定基準にもございまするように、親企業の支払能力というものがやはり支払遅延が違法になるかどうかの一つの基準になつておりますが、その支払能力という点が非常に全般的に申しまして悪くなつております。これはいわゆる金融引締の影響或いは親企業の売掛代金の回収が甚だ悪いとかその他の事情がございまして、支払能力の点がかなり前回にも増して悪くなつて来ているようでございます。なお、細かな点につきましては、後ほど御質問がございますればお答えいたしますが、そこで、その調査の結果に基きまして、実は明日予定しておりますが、この結果を委員会に事務局から報告をいたしまして、大体十四の親会社につきましては、特に支払状況が悪いものとしまして、極めて精密な調査を加えたのでございますが、大体この十四の会社を中心にいたしまして、今後の措置を委員会で検討いたしたいというふうに考えております。  なお、今回調査の対象といたしましたものは、昨年の暮に対象といたしましたものと大体業種は同じでございまして、取引所に上場されまする会社のうち、いわゆる造船、造機に関するもののうち、下請に依存する度の多いと思われまする百三十一社を選んだ次第でございます。併し、これは、むしろ、会社としては相当上等な会社でございまして、この業種におきましてもその以下の二流、三流というものは定めしもつと悪い状況ではないかと思いますので、これらの点につきましては、今後又公取としていろいろ対策を考えて見たいと思つております。なお、この以外の業種につきましても、曽つて、豊田委員からも御指摘がございまして、同様に調べをいたすべきでございますが、何分にも公取は手不足でございまして、この調査をいたしますにも、実は中小企業庁から有能なかたを四人借りまして、公取の陣営の中に加わつて頂きましてやつと調査をいたしたというような事情もございますので、甚だ手不足で困つておりますが、なお、この調査をほかの業種にも拡げて参りたいと考えておる次第でございます。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) 今、調査をせられたと言われるのは、未払認定基準を設定せられている武器、兵器、その他機械、器具製造業の下請に対してお調べになつたのでありましようか、或いはその他のものもお調べになつたのでしようか。要するに、未払基準の設定になつておる適用業種の武器、兵器、或いは機械、器具等の下請については、他のものと比べて見ると支払遅延の緩和といいますか、未払認定基準設定の効果というものがはつきり現われておるかどうか、そういう点を伺いたいと思います。それと同時に、やはり、それの設定しただけの効果があるということになるならば、お話にも出ておりますように、他の業種、特に繊維業であるとか、或いは土建業であるとか、こういうものにも拡大して御適用になるように至急調査、立案せられることを希望したいと思うのであります。これに対しての御意見はどうでしようか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○説明員(横田正俊君) 今回調べましたのは、認定基準にはつきりと上つております業種、つまり、自動車、自転車、車両、産業諸機械、紡織機、原動機、ミシン、電気機械、通信機、電線、時計、計器、光学精密機械、兵器というような業種でございまして、その他の業種には調査が及んでおりません。但し、この認定基準の解説につきましては、その点を特に考えまして、一応、認定基準はこれこれの業種について認めてあるが、併し、なお、ほかの業種についてもだんだんこういうものを作る。併し、それが、作るまでは他の業種の支払遅延が独禁法上の違反にならないということではないので、大体、これに準じて公取は考えるから、そういうふうに了解して頂きたいということを、先ほど申上げました解説書の中にも相当丁寧に書きまして、これを一般に流布いたしておるわけであります。ただ、こう書きましても、公取が事実取上げませんければ、やはり、その業種においては他人のことのような顔をして、まだ自分のほうに廻つて来ないというふうな気分もあろうと思います。この点は、今後公取といたしましてもその処理の方法について、もう少し考えて行きたいと思いまするし、ただ、こうやりましても、実はまだその他の業種については公取へいろいろ困るということを申出て来ているものがないそうでございまして、指定業種ではございますが、ほかから申出がないのでございまして、これは一つ、やはり、我々の認定基準に対する考え方が余りはつきり一般に知られていないせいもあろうかと思いますが、かたがたその他の業種につきまして適当な措置を考えたいと思つております。それからなお認定基準を作つて今回調査の結果、それが果して中小企業のために役に立つているかどうかという点につきましては、先ほども申しましたように、或る面におきましては相当改善されておる点がございます。これは認定基準と、それから公正取引委員会、或いは中小企業庁の指導と申しますか、調査の結果が相待ちまして、或る程度の改善を日夜立てているようでございますが、ただ悲しいことに、御承知のような、こういう経済状況でございまして、むしろ、いわゆる親企業の支払能力というものが非常に全般的に見まして弱つて来ております。先ほど申しましたように、売掛代金がとれない、或いは親企業自体のほかからの受注が非常に減つておる。従いまして、或る意味におきましては、支払遅延というよりも、下請に対する受注の量が非常に減つておる、これはまあ非常に由々しい問題だと思うのでございますが、そういうふうな段階に至つておるのでございまして、従いまして、やはり、この認定基準を作りまして、公正取引委員会がいろいろいたしますだけでは、やはり、中小企業の不況というものは救済できないというような、極めて深刻な段階に立至つているように思います。この点は、中小企業庁なりその他政府におきまして適当な手を打たれることと確信はいたしますが、実はそういう状況にございまする結果、認定基準の遵守ということが必ずしも我々が希望いたしたような結果になつておりません。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) その適用業種の拡大の問題はどうでしようか。この点中小企業庁としての御意見も聞いておきたいと思います。

記内角一中小企業庁長官

○政府委員(記内角一君) 私どもといたしましては、その支払遅延の問題は、単に機械、金属だけではございませんで、やはり、それ以外のものについても是非同じような趣旨で拡大して頂きたい。又我々もその分につきましては、十分協力いたしまして、実態の調査又個々の企業に対する督励というふうな面についても御協力申上げたいというふうに考えておる次第でございます。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) 未払の認定基準設定に伴つて他の業種との間にアンバランスができるということは、これは、やはり、考えなけりやならんと思うのであります。それだけに未払の著しい業種、業態については、現在の機械、器具、武器、兵器の行き方と同じような行き方を速かにやられるように希望いたしておきます。  最後にもう一点伺いたいと思いますが、これは百貨店法の問題でありますが、御承知のように、前に阪急が大井の駅前に進出しまして、更に又その後大丸が東京駅に進出したことは、御承知の通りでありますが、更に東横が渋谷に非常に大きく大拡張をやつておるということも御承知の通りであります。ところが更に百貨店側では、百貨店法が近く制定になるのではないかという見通しの下に、早く既成事実を作つておかなければならんというような気配が濃厚のようであります。具体的に言いますと、例えば高島屋が新宿に進出計画を持つておるとか、或いは三越本店においても本店の一部増築計画を持つておるとか、或いは更に池袋にまで進出する計画があるとか、伊勢丹も同じく池袋に進出するとか、更に十合が有楽町方面に進出するというようなことが伝えられ、又これは伝えられておるだけではなくて、関係者は今のうちに進出しておかなければ損だというようなことをはつきり明言をしておる事実があるのであります。かような状態で参りますと、百貨店法を将来制定せられても、その際にはもうすでにあとの祭であつて、却つて既存百貨店の利益を擁護するというような結果にのみ終るというようなことになることが非常に懸念せられるのでありまして、只今申すような現状、或いは将来の見通しから言つて、百貨店法を速かに制定すべきで、一方独禁法によりまして百貨店関係の問題の特殊指定などをやられるようでありますが、これは主として問屋との関係であります。今申すような百貨店の新らしい進出、新築、増築、こういうようなものは百貨店法の制定によらなければ防止し得ない問題だと思うのでありまして、そういう点から百貨店法の制定について通産当局はどういうふうに考えておるか、その点を伺いたいのであります。

徳永久次通商産業省企業局長

○説明員(徳永久次君) 百貨店の支店、出張所等の拡張とか、或いは売場面積の拡張とかいうような問題につきまして、それをどういう工合に役所として考えたらよいかという一つの問題は大いにあると思うのでありますが、ただ私ども実際問題として見まして、極く最近になりまして今御指摘がございましたようなものが新規にできたり、殖えたりしたということは確かでございますが、今後に続きます問題として、具体性を持つたものがどの程度あるかということにつきましては、必ずしもそう大したあれはないのじやないかというふうに私見ておるわけであります。それは経済全般が御承知のごとくデフレの線になりまして、百貨店の売上げ全体にそうひと頃のような増加が見込まれないことになり、或いは百貨店自身の資金問題といたしまして、必ずしも建設資金等についての協力が得られないこと等から、現実問題として将来更に小売商との摩擦面を拡大する問題として大きな意味を持つようなものにならないのではなかろうかというふうに私どもは一応見ておるわけでございまして、百貨店問題が中小業者との問題で、最近の中小業者の窮迫の状況に鑑み大きく問題にされておるわけでありますが、その中における売場面積等の問題は、現実問題としては、理論上ありながら実際問題としてはそう大きな問題ではないのじやなかろうかというような気が私どもはしておるわけであります。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) そうすると、百貨店法案制定の意思は通産当局にはないというふうに考えるべきですか。

徳永久次通商産業省企業局長

○説明員(徳永久次君) この百貨店の問題につきまして、法律をどうするかという問題と実際問題と考えて見まして、私ども百貨店の売場面積に関連する問題は今のようなふうに現実を見ておるわけでありますが、あとその営業のし振りに関する規制の仕方につきましては、これは仮に百貨店法を作りましても、現在ありまする独禁法でカバーしておるもの以上のものは実質的にそう期待できないというふうなことが考えられますので、そういたしますると、その点は暫らく現にありまする独禁法によりまする運用の充実といいますか、線にエネルギーを注ぎ込んだほうがより実際的ではなかろうかということ、それから更に若しそれを補完するといたしまするならば百貨店の発足につきまして、独禁法の特殊指定その他による運用上の問題のほかに、まあ事が商事的なケースでございますので、小売商と百貨店との間の独禁法の運用に至らない前の問題もいろいろと摩擦面というものがございましようし、或いはこの法律の運用ではデリケートできちんと捕捉しにくいというようなケースもございましようし、そこの問題を実際的に処理するような裏付を何か考えるのも一案ではないかと、例えばこれを商工会議所に一つの小売商対百貨店の問題を主としました商事仲裁的な機関を設けてもらいまして、そこで独禁法の運用で行く面と、それからそれの補完的な面とそのほうに期待するというようなことも一つの実際上のこの問題の解決になるのではなかろうかというので、私ども商工会議所にもそういうことの問題の取上方について検討を願つておるわけでありまして、これは商工会議所に限るわけではありませんで、或いは役所が直接やるのも一案ではありますが、役所がやるよりも、事の性質がより商工会議所向な仕事のように思いますので、そういうことを考えてもらうことをお願いしておるわけでありますが、まあそういうことで片付くかと思うわけであります。法律ができるできないよりも、現にある法律及び行政的なそういう措置のほうがより実際的であり、より効果的である。その面に関係者が現実的な努力を注ぎ込んで問題を実際的に手取早く解決して行くということのほうがより適当ではないだろうかということで私どもいたしておるわけであります。  それからもう一つ法律事項で規律できない問題として、常業時間の問題が問題になつておるわけでありますが、これも法律はないわけでありますが、事の解決上ややともいたしますと、法律的な背景がなければ一〇〇%できないということも言い得るかとも思うのでありますが、ただこの点につきましては御承知のように従来或る程度の、営業時間につきまして百貨店のはつきりした申合せとか協定とかいうことでございませんが、戦時中からの百貨店法がありました規約を中心とした、いわば既成事実としての或る秩序というものができておりますが、従前のそれからはみ出すことが、中小企業の立場から見てはいわば百貨店の攻勢というふうに受取られて問題にされておりましたのですが、そのことは百貨店側としても、そういう大企業としてのおのずからの良識といいますか、自粛といいますか、そういう精神で調節して然るべき問題でもあると思いまするし、幸いに過去におきまして或る秩序のあつたことでもありまするし、その秩序の範囲の線に調節して行くということが、問題を実際的に解決することになるのじやなかろうかということで、今百貨店協会にそういう線に沿つた措置振りを私ども勧告いしておるわけです。まだ問題がセツツルいたしていないわけでありますが、私どもそういう線でセツツルすることを期待いたしておるわけでありまして、これが先般も商工会議所で問題になつたのですが、商工会議所としてもこのことを問題にしておりまして、場合によりましては商工会議所がその問題にも立入ろうというようなこともありまして、おのずから解決するような方向に向うことを期待しておるわけであります。まあそういたしますれば問題になる点が現実に実際的に解決されて行く、そうしますると、新たなる法律となつてこれ以上の問題がなさそうにも思われますので、私ども結論的に見ますと法律を用意するという段階には来ておりませんが、ただ問題を現行法なり或いはその他の行政的措置によりまして、事態のより円満な解決、妥当な解決のほうに前進せしめるだけの措置はとりたいというふうに考えておるわけであります。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) 大企業の良識に訴えるとか、或いは商工会議所あたりに調整をさせるとかいう考えのようなことを伺つたのですけれども、そういう甘いことでこれが解決のつくような問題じやないのですね。そうして一方通産省のほうで百貨店法案を出さなかつたならば議員立法でどこからかこれが出て来る、そして又それが通る可能性が私は相当強くあると思います。而うして通産省は大企業に非常に遠慮をし、大企業擁護の殿堂であるかのごとき感を与えるということは私は面白くない、むしろ議員立法で通るくらいの情勢ならば、政府でちやんと自信のある案をお出しになつたほうがいいと思うのですが、この点を特に私は申しておきますと同時に、これは公取に伺いたいのでありますけれども、独禁法の関係で百貨店法、百貨店問題をお扱いになるということは、これは要するに公正ならざる取引というものの範囲内で抑えて行こうというのでありますから、百貨店対問屋との間の問題はこれはもう十分に抑え得るだろうと思うのでありますが、小売商との間の問題に向つて行くというと、余り徹底したことがやれない、却つて徹底したことがやれないがために、独禁法で行くこと自身が一面において徹底した百貨店法案の制定を阻止しておるというような結果にもなつておると私は思うのでありますが、そういう点から見て独禁法による特殊指定というものは百貨店対問屋の関係にむしろ限定する、而うして小売商との関係はこれは別個の法制に委ぬべきものであるというような見解も成立とうかと思うのでありますが、そういう点について公取委員長としては如何にお考えになつておりますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○説明員(横田正俊君) 御承知のように只今不公正な取引方法に関する特殊指定といたしまして、百貨店業者の不公正な取引方法の是正ということに公取が相当力を入れておりまするが、これは飽くまでも独占禁止法の線の中のことでございまして、これは東京或いは大阪におきまする公聴会の際にも私から特に申上げたのでございますが、この特殊指定を以て何も百貨店問題の全般を解決するというものではない、公取は独占禁止法の範囲内で処理するということをはつきり申上げたわけでございます。  それからなお今回指定になりました第一から第七項でございますが、そのうちの殆んど大部分が最後の一項を除きまして、すべてそれは問屋と百貨店業者との間の関係を規律しております。これはそれを規律することによりまして、延いては百貨店と小売業者とを或る意味の対等な競争の範囲内に置くという面におきまして、小売業者の保護にもなるわけでございます。大体直接の対象といたしておりますものはお話の通り卸売業でございます。あとは景品付販売等の問題はこれはやや小売店に関係ございます。従いまして若しこの公取の線のほかにいろいろ規制する必要があるといたしますれば、これは勿論他の方法による必要があるわけでございまして、これは行政措置で足るという見解も成立つでございましようし、或いはそれでは足りないから特殊な立法をするということにもなろうかと思います。我々といたしましてはこの特殊指定をいたしますことによつて、その他の手段が必要でないというようなことは決して申上げておりません。ただ拝見しておりまする百貨店法案のいろいろな中には、今回我々が指定をいたしまして取締をいたそうと思つておりますような面についてまでいろいろ重複して規定してございますので、その点は或いは一つの法制といたしましてそういう重複は必要がないのではないかというふうに考えておりますが、その他の点につきましては、公取といたしましては別に特別な考えは持つておりません。

豊田雅孝緑風会

○委員外議員(豊田雅孝君) 一つ希望だけ言つておきますが、要するに公取と通産省との間で百貨店問題を持つて廻られて、そうしてお互いに責任を転嫁し合うというか、悪く言えばなすりつけ合うようなことになつて、そのうちに徹底した制度というものはできないで、事態はどんどん進んで行く、あとでは取返しがつかん、世間の指弾を受けるというようなことにならんように、政府部内で、具体的に言えば通産省と公取の間で徹底して御検討になつて、それぞれのやり得る分野というものはきまつておるのでしようから、それを限界をはつきりさして、それぞれの分野で万全を尽す、政府としての良識のある行き方をせられるように強く希望して質問を終ります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それではこれで暫時休憩したいと思いますが、先ほどの信用保険の特例に関する法律案につきましては各派の御意向を成るべく早く確かめて下さるようにお願いいたします。  暫時休憩いたします。    午後五時四十一分休憩    —————・—————    午後六時二十八分開会

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 休憩前に引続きまして只今から委員会を再開いたします。  先ず請願が六件付託されております。十二号、百二十七号、百五十八号、十一号、二十五号、百三十五号、只今いろいろ御審議を願いましたが、二十五号電気料金改訂反対に関する請願はすでに事案が済んでおりまするので、これは保留いたしまして、他の五件は願意適当と認められますので採択することに決定、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないようでありまするから採択することに決します。   —————————————

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) なお引続いて昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案について御審議を願います。  先刻質疑も終了いたしましたので、それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べ願いたいと存じます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○栗山良夫君 私は社会党第四控室を代表いたしまして、昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案、これに賛成をいたします。只今採択になりました同僚議員藤野繁雄君が紹介せられておりまする石炭産業等の不況に伴う関連中小企業の金融難打開の請願、更に新谷寅三郎君の紹介せられておりまする中小企業の危機打開に関する請願、こういうような請願の趣旨を見ましても、今日政府の行なつておりまするデフレ経済政策のはね返りが広く中小企業に及びまして、或る意味においては中小企業の困難が随所に起きておることは、私どもは現実の問題として確認をいたしておるのであります。従いましてそういうような中小企業の困難な経営状態を今日の政治並びに経済形態の中において可能な限度において最大限に救済するということは何人も異存のないところであろうと思います。一つ間違いまするならば、炭鉱の不況等を契機として社会問題化するのではないかという虞れすらすでに世論として普遍化しておる現況でありまするから、特に慎重を期さなければならんと思うのであります。只今参議院の本会議を通過いたしまして、可決決定をいたしました二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案のごときも、その意味においては一つの足がかりになるものであろうと思います。こういうわけでありまするから、従つてできまするならばこの法律案は特例でなくして、広く全企業者に及ぼすべき私は性質のものであろう、この程度の救済措置というものは全企業に及ぼすべきものであろう、こういう工合に考えるのであります。併し政府部内におけるいろいろな意見の調整等もまだ全きを得ない状況であるようでございます。従いましてこの際は本年度の風水害によりまして特に困難を極めておりまする中小企業の救済のために、先ほど可決決定を見ました資金の融通に関する特別措置法と共に、この法律案が早く成立しまして、そうして当面の中小企業の苦しみの中でも特に格別の風水害等の天災を受けて困つておられる中小企業の救済に充てられる、こういうことでありまするならば、誠に時宜に適した法律案であろう、こういう工合に私は考えるわけであります。この際要望申上げておきますが、この法律案の出て参りました経過等を見まするというと、政府部内における中小企業の困難度に対する認識が必ずしも意見の一致を見ておるとは私ども考えられないのであります。併し中小企業は御承知のように全企業の九〇%を超えるような企業主を持つておるのであります。これに従事する従業員諸君の数も又八〇%に近い従業員を持つておるのであります。従つていろいろそこに紆余曲折はありましようけれども、政府は一丸となつて中小企業対策に当るべきものであると私は考えるのであります。若干意見を附加えまして賛成の討論とする次第であります。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 私は自由党を代表いたしまして、昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案に賛成の意を表するものであります。この法律案は先に可決をいたしました昭和二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案と全く同一の趣旨の下に立つておる、いわゆる相共にこれが実施をしなければならないものであると私は考えまするが故に、先ほどの法律案に対しまして附帯決議を附加えておきましたのでありまするが、それと同様の附帯決議を……。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 私は先ほど可決になりました昭和二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案に附きました附帯決議の趣旨が本法律案に対しましても同様な精神でこれが行われるものということを私は深く信じましてこれに賛成するものであります。

小松正雄日本社会党(第二控室・右)

○小松正雄君 私は社会党第二控室を代表いたしまして、本法案に賛成するものでありますが、ただ一言希望を申上げておきたいことは、先に縷々栗山先生よりもその状況についてお話がありました通り中小企業と申しましても、中小炭鉱の風水害は相当大きな被害を受けておることは申上げるまでもありません。併しこの法案から参りますると、中小炭鉱に対するその影響がどうかということも考えられるのでありますが、いずれにいたしましても、この法案が提出され超党派的に賛成され、この決議にまで参りましたことについては、私といたしましては非常に喜びに堪えません。又その意味におきまして、中小企業の線にある企業、小々炭鉱も風水害を受けているが、これらに対して何ら触れていない、よつてこの炭鉱の被害状況に鑑み、速かにこれら受けた小々炭鉱にもこのたびの運営資金が廻るようなことになるように当局においても特に御努力をして頂きたいということを申上げまして賛成するものであります。

石川清一無所属クラブ

○石川清一君 私は無所属でありますが、昭和二十九年八月及び九月の風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案に賛成するものであります。本法律案の特例は、単に昭和二十九年八月及び九月の甚大な風水害の地域に限定されるばかりではなく、進んで政府がデフレの政策を強行し、縮小均衡をとろうとしておる間は当然こうしたことを基本的に考えるべきものでありまして、そのデフレの政策が功を奏しまして、拡大均衡の方向に向つたときにこそ本法に戻るべきであつて、これを単に風水害にとどめるというだけでは、今日のデフレ下において苦悶をしておる中小企業者の経済活動を活溌にしなきやならんという立場に立つて非常に弱い、遺憾に思うんでありますが、それにしましても年末を控えまして風水害に非常に苦労しておる中小企業者のためにこの法案が制定せられ、而も迅速に経済活動の再建に向い、自信を持つて復興に努力するように希望いたしまして本法案に賛成をいたします。

加藤正人緑風会

○加藤正人君 私は只今まで同僚諸君の賛成せられた趣意即ち中小企業の育成強化ということの一日もゆるがせにできない現段階においては最も適切な法案と存じまして、これに賛成するものであります。併しながらこの法律案の提案の手続或いは形式という点については必ずしも満足はできないのであります。従つてこういう点に相当の議論が多い緑風会を代表して私は賛成するわけには参りません。一応私個人として賛成いたします。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 他に御発言はございませんか。他に御意見もないようでありまするから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと確定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続については委員長に御一任願います。  それから委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、本案を可とされたかたは順次御署名願います。   多数意見者署名     河野 謙三  西川彌平治     加藤 正人  石川 清一     小松 正雄  森田 義衞     高橋  衛  中川 幸平     深水 六郎  栗山 良夫

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 署名漏れはございませんか……署名漏れはないと認めます。  それではこれで本日は散会いたします。    午後六時四十四分散会

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