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20回国会参議院1954/12/06

大蔵委員会 第3号

発言数
202
登壇者
28
会派数
6
開催日
1954/12/06

会議録

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より大蔵委員会を開会いたします。  昨日、一昨日、衆議院から六件通過いたしまして本審査に付せられておりますが、今朝ほど各党の理事とお打合せいたしまして、本日は最初に政府提案の三件を扱いまして、その後に議員提案の法案を扱つて参るつもりでおりますので、御了承をお願いいたします。  最初に農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、これにつきましては、去る一昨日土曜日質疑をいたしましたが、なお質疑のおありの方は御質疑をお願いいたしまして、質疑終了次第、討論採決に入りたいと思います。御質疑をお願いいたします。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 二十九年度は終戦以来最も災害が少い年であつた、こういうふうな話でありますが、この最も災害の少い年に当つて、今回更に十二億の繰入をしなければできない、こういうふうになつているということは、これは二十八年度の結果がこういうふうになつたのであるか。これだけのものを繰入れたならば、昭和二十九年度分としては更に繰入れする必要がないようになつている見込であるかどうか。その点をお伺いしたいと思います。

村上孝太郎大蔵省主計局法規課長

○政府委員(村上孝太郎君) お答え申上げます。只今御質問の十二億円というのは、昭和二十八年度に起りました百八十三億の損失を補填するわけであります。昭和二十九年度の災害も或る程度ございまして、現在のところは正確な数字は上つておりませんけれども、十月の作報によりますというと、大体五、六十億円のやはり赤字が出るのではなかろうかという予想を立てております。これにつきましては、昭和三十年度の予算において繰入れる、こういうことに相成るかと存じます。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 この再保険特別会計に最も重大な影響を及ぼすのは、異常災害の調査如何による。私は先般も申上げたように、現在の異常災害の調査方法は適当じやない、こう考えておるのでありますが、政府においてはどういうふうなお考えを持つておられるのであるか。又政府においても同感であるとしたならば、如何なる方法によつて如何なる状態にこれを変更しよう、改善しようというお考えであるか。その点お伺いしたいと思います。

久宗高農林省農林経済局農業保険課長

○説明員(久宗高君) 補償制度を進めて参ります場合に一番問題になりますのは、只今御指摘のございました損害評価でありますが、この問題につきましては、先般来衆参両院におきまして小委員会が作られまして、現在、制度の根本改正を問題として取上げておられるわけであります。両院のそれぞれの委員会におきまして問題になりました点は、結局客観的な資料を使つて損害の評価を合理化しようという考え方でございます。結局現在の段階におきましては、作物報告事務所の資料をどうこれに利用するかという点でございます。この問題につきましては、両院とも町村段階で査定のできるようにしろという強い要求があるわけでありますが、資料の関係でなかなかそこまでは参りかねるのではないかと思います。現在の段階では県段階で査定をいたしておりまするが、どうも必ずしもまだそれが合理的に運用できませんので、具体的には郡段階まで査定を下してやることを検討中でございます。政府におきましては、農林省に補償制度の協議会が設けられまして、近く中間的な答申が出る予定であります。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 保険課長にお伺いするのでございますが、今、藤野委員からも御質問がございましたように、異常災害と通常災害の問題でありますが、確かに今御指摘になつたような問題が残されておるわけであります。前年度あたりにおきましては、広島と鹿児島でしたか、二つの県が異常災害の県になつておつたと思うのですが、そういう点で、これから異常災害に対する制度並びに評価等に対しましては調査をして期待に副うようにするというお答はわかるのですけれども、私はむしろそれよりは、異常災害、通常災害にかかわらず、この保険金が末端に流れるまでに、どうもその間の費用の配賦状況と言いますか、資金の配賦状況が往々非常に疑問を持たれておりますので、この際どういうふうにして流しておるかということを一応お開きしてみたいと思います。

久宗高農林省農林経済局農業保険課長

○説明員(久宗高君) 末端まで金が流れる、その方法につきましてのお尋ねでございますが、一つは、御承知の通り末端の各町村に共済組合がございまして、ここまでの問題と、それから村内でどう配分されるかという、二つの問題になるかと思います。私どもも二十八年度は非常な災害でございましたので、特に完全支払いということを非常に重要視いたしまして、各段階において配分する金を公表するというやり方をとつたわけでございます。その経過から見ますと、中央から県、県から町村というところまでの金の動きは非常に規正されたというふうに思うわけでありますが、残念ながら町村に参りましてから各農家に配られますところで、つまり正規の支払いが若干ゆがめられておる事例も相当出て来たわけであります。この点は会計検査院或いは行政管理庁あたりからも最近いろいろな御調査で御指摘を受けておりますので、末端の支払いのところを徹底的な完全支払いのできるようにいたしたいと思うわけでありますが、主としてこれがゆがめられて参ります理由といたしましては、中間でいろいろ問題があるというふうに御指摘があつたのでありますが、これは主として、掛金がうまく集まらないために、相殺といつたような関係が相当入つて来ております。併し、金額の上で特に誤りがあるといつたような問題は、私は殆んどないと考えております。ただ末端におきましては、いろいろ供出その他の問題も関連いたしまして、各損害農家の内訳通りに支払うということが、いろいろな各部落の関係その他でゆがめられる事例も出て来ておりますので、これらにつきましては、別途掛金の掛け方なり或いは共済金額のきめ方というものをもう少し各個人に密着したようなやり方で処理して参るというやり方で調整して参りたいと考えております。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 多分まあそんなようなことが問題になつておるのではないかと思うのですが、そこでこの営農資金の問題なども、今保険課長のお話になつたような内容と揆を同じくしておるのですが、たまたま協同組合費或いは農業手形等々の掛金の問題と相殺をしたために問題を残されておる。今お話を聞いていると、この農業保険などの問題についても、掛金及び組合等と相殺した点があるというお話のようでございますが、こういう点は一体相殺すべきものであるかないか、私は相殺すべきものじやないと思うのですが、この点はどういうふうにお考えになつておるのでございますか。

久宗高農林省農林経済局農業保険課長

○説明員(久宗高君) 勿論御指摘の通り、当然これは掛金を先ずかけまして、払うものは払うというように処理をしなければならんのでございますが、当然加入というような形をとつておりますのが、一つのまあ欠陥と申しますれば欠陥でございまして、それとの関連で、又掛金を取ります時期にたまたま農家の金が非常に少い時期というような問題になつておりますので、実は掛金の徴収が余り制度で期待しておりますような形に運用されてないわけでございます。その結果、末端で共済金を支払うときに相殺するというような事例が出て来ておりますので、昨年あたりも、そういうことでは非常にまずいので、徹底的に指導をしてみたのでございますが、結果におきましては、必ずしもこれはまだ十分矯正されておらないということでございます。従いまして、処置といたしましては、掛金の取り方なり、取る時期の問題を一つ再考しなければならんだろうということと、それから止むを得ず相殺というような形になります場合においても、どういう形でそういうようなことになるかという問題を各人に徹底いたしますような措置をいたしたいと思つております。従来貯金の付替えというような形で、経理上はそれでよろしいのでございますが、各個人が十分そういうことを承知してないで相殺されておるという例もあるわけでございます。そういう点を矯正いたしたいと思つております。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 保険課長はお開きになつたと思いますが、先般営農資金の問題が本委員会において問題になつたのであります。その際、局長の見解といたしまして、さような性質の違うものを相殺するということはよくないと思う、併し納得できてやるものなら、これはいたし方ないが、納得できないという場合においては、そういう性質のものじやないから、具体的にわかればそれを取り消すということが言明されまして、内容のわかつたものに対しましては、それぞれ処置したのでございますが、この農業保険の問題も、私は性質が違うのでございますから、こういうものを相殺するというようなことは成るべく避ける。例えばこれが事実上できても、私はそうするのは原則じやないと思う。ですから、そういう点については御注意を願いたいと思う。それからなお、保険金だの営農資金を要求するという農民の気持になりまするというと、御承知の通り深刻でございますから、来ると思うものが手に入らんと、これはもう非常なる不満なんですから、そういう人間の琴線といいますか、農民の心の琴線というものを十分御承知願つて執行に当つてもらいたいと思います。  それからいま一つは、相殺する場合は、今お話になつたように、あらかじめ前に十分納得せしむるようにしておいて、例えば今度こういう制度ができて保険金がこのくらい、通常災害がどのくらい、普通災害がどのくらい、例えば稲についてどのくらい、或いは養蚕でどう、或いは麦についてどうということになりますが、その際に、若しその掛金が納まつてない場合は、災害になつてもこういう場合があり得るからということを、あらかじめ前に私は、災害になる前から、年度の当初から、よく徹底するように、それぞれの団体、系統等を通しまして示達願いたいと思つております。  以上を以て私は質問を打切ります。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑  ございませんか。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 先ほどの評価の問題で、作報の数字、これは問題はすべて郡までこれを延ばす、こういうようなお話ですが、郡まで延ばされても、今の作報の損金をとつてそうしてやつてゆくあのやり方では、大まかな情勢はわかると思うのですけれども、農業共済の関係には非常にこれをとられることは迷惑なんだ、こういうふうに考えるのですが、それで農業共済の場合に考えられる数字として基本になるのは私は三つあると思うのです。今の作報の数字と、それから食糧事務所が調べる数字があるわけです。それからもう一つは、町村を通して都道府県でもつて調べる数字があるわけですが、この三つがあるうち、都道府県で調べるものは、平年作或いはその他のときには割合にいい数字が出ますが、冷害だの凶作の場合には、供出関係がありますので、ポリテイカルに数字が出て参ります。それでこれは私は余り信憑するに足りないと思うのですが、この場合どうしてもとつて頂きたいのは食糧事務所で集めた数字ですね。これはどういうことになるかというと、食糧事務所では出廻り数量というものがこれはもうはつきりわかる。それから、それに農家の保有量を加えた数字が結局その年の生産量になるわけです。これを基本にしますとそんなに大きな間違いがない。従つてこの関係のものは町村によりまして相当小さな分も入つておりますから、それで郡よりももつと小さなところでもつて数字がはつきりします。ですから私はこれを基本にして農業共済関係はやるべきじやないか、こういう考え方を持つておりますが、これは在来の作報の関係で参りますと、大まかな、国連の食糧農業機構、FAOの関係なんかに報告をするくらいの数字はこれはいいかも知れませんけれども、実際に当つてこれをとられると、最後の段階で末端の農家に共済金を支払う場合には非常に困難を来す。又不都合なものが出て来る。殊に共済関係でもつて皆無作のものと、それから或る程度とれたものが平均をされたり、いろいろな形でもつて、実際には適当な形で配分をされないという形が出て参ります。そんな点で、私は評価の点はもつとお考えになつて、そうして郡に延ばすというのじやなくて、根本的にお考えになるべきものと思う。こういう考え方を持つておりますが如何ですか。

久宗高農林省農林経済局農業保険課長

○説明員(久宗高君) 只今御指摘のございましたような作報の資料と共済関係の資料をいきなり突き合すことに無理があるのじやないかという点は、私ども確かにそういう点があると考えております。たださつき郡までと申しましたのは、現在突き合せております段階が、県段階で県の総枠を検討するような形になつておりまして、郡別までの内訳が入つておりませんので、仮に県単位にやや合理的な数字が出ても、その郡別配分の際にいろいろ問題が出て参りますので、その方法としてはむしろ郡段階までゆきたいということを申上げたわけでありますが、ただ御指摘になりましたように、作報だけの数字でやることは勿論現在でもそれはやつておらないので、郡段階におきまして、実際には食糧事務所でございますとかあらゆる農業関係の数字を持寄つて、実際には検討しておるわけでございます。ただ制度の上でそれをすぐ直結してしまいますかどうかにつきましては、いろいろ方法があると考えますし、又御指摘のありましたような供出の関係が先行いたしますので、それの影響を共済が非常に受けるわけでありますので、非常に歪んだ影響を受けますので、その点をどう調整すべきか、今協議会においても重要な議題になりまして検討しておるわけでございます。まだはつきりしたきめ手が出ておらないわけでございます。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑  ございませんか。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 この農林関係はこの程度でいいのでございますが、これに関係しまして大蔵当局に意見を聞いておきたいと思いますから、主計局長をこの際招いて頂きたいと思います。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 今手配いたしましたからすぐ参ります。政府委員を呼んでおりますが、他に御質疑がございましたら……、それでは速記をとめて。    〔速記中止〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 速記を始めて。  それでは政府委員がまだ参りませんので、一時に再開いたします。  それまで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩    ―――――・―――――    午後二時十九分開会

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を再開いたします。午前中に農業共済再保険特別会計のこの案件につきまして質疑をいたしておりまするが、他に御質疑ございますか。ございましたらばこの際お願いいたします。なければ野溝君の質問が残つておりますから、これを一時留保いたしまして、次に漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたしまして、これにつきまして御質疑をお願いいたします。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 拿捕又は抑留せられたところの漁船の数がどのくらいであるか。そうしてその漁船は、拿捕せられたうちでどのくらいの船及び人が帰つて来たか。先ずそれを伺いたいと思います。

中村正路水産庁漁政部漁船保険課長

○説明員(中村正路君) 拿捕されました漁船につきましては、講和後昭和二十一年頃からぼつぼつ拿捕がございますが、特殊保険制度が始まりまして漁船の拿捕の場合の保険をいたすことになりましたのは昭和二十六年からでございます。只今の状況は、中共に拿捕せられております漁船は、先般三十艘ばかり大量に帰つて参りましたが、なお百四隻残つております。この残つております船は相当古い拿捕でございまして、保険関係の始まる前のものが相当ございます。韓国のほうは帰つて来ている船が割合に少いのでございますが、韓国につきましては、韓国に拿捕されました船は、大体さば釣船とか或いは、さばの巻網、一部底曳もございますが、かなり小さい船が多いのでございます。こういう船は危険区域に行く虞れも少いというような関係もありまして、保険に入つております率が割合に低くなつております。  それからソ連関係でございますが、このほうは殆んど帰つておりまして、残つております船は、保険関係では数隻まだ残つておりますが、これも北海道のごく沿岸でやつております小漁業が多い関係上、それから又割合早く帰つて来るものでございますから、そういう関係から特殊保険に加入しているものが割合に少いというような状況でございます。昨年頃からの拿捕漁船につきましては、中共関係は全部入つております。大体そういつた関係でございます。  保険の始まりました二十六年から二十九年までの間の拿捕隻数で言いますと、二十六年は総隻数が百四十二隻、そのうち保険に入つておりましたのは五十四隻。二十七年は九十八隻拿捕がございまして、そのうち三十七隻が保険に入つております。それから二十八年は、この前、私が百二十九隻と申上げましたが、百二十八隻拿捕がございまして、そのうち四十六隻が保険に入つております。それから今年になりましては六十七隻の拿捕が今までに起つておりますが、そのうち保険関係では四十四隻、こういう関係になつております。  それから人のほうでございますが、人のほうは、中共関係は先般の三十隻の船に乗つて帰つたので、全部帰還しております。韓国はまだ百四十名程度残つておるように聞いております。ソ連は大体五十名ぐらい残つております。  我々のほうの保険関係といたしましては、韓国関係二十名程度、それから最近二三艘、三隻ですか拿捕がありまして、それの乗組員が三十九名ですか、保険関係に入つております。そういつたものを合せまして、現在残つておる人の中で、保険関係が、給与保険の関係がございますのは大体百人ぐらいの方に毎月給与保険金を支払つております。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 そうすると、この保険に加入していない者が拿捕されたということになつておりますが、保険に加入していないのはどういうふうな理由で加入していないのですか。

中村正路水産庁漁政部漁船保険課長

○説明員(中村正路君) 我々のほうといたしましては、例えば北海道の北のほうとか或いは千島海峡とか黄海方面に出る船につきましては、極力保険に入つて出るように勧めておるのでございます。漁船の一部には、保険料の関係もあると思いますが、保険にしましても普通の損害保険に入りそれから特殊の漁船の保険のほうへ入る、そうして更に給与保険までつけるということになりますと、相当これがかさむのでありますが、そういつた関係で、不漁で困つている人の中には、まあ大体この船は、つかまらんだろうというようなところから、一部は保険に入らない人が出るのじやないかと、こういうふうに考えます。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 そうすると、保険に加入していないのは保険金が高いからというのが主なる原因になるのですね。若しそういうようなことであつたならば、そういう方面について何とか保険に入れる方法を考えなければいけないと思つておりますが、それについて政務次官はどういうふうにお考えですか。

羽田武嗣郎自由党農林政務次官

○政府委員(羽田武嗣郎君) 保険に加入したほうが有利な事情をよく業者に徹底をいたしまして、勧奨というか、奨励をするというような方法をもつと強化したいと考えます。

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 次に長崎市の五島町の山田屋漁業部所属の漁船山田丸二隻が、十一月二十二日に東支那海において国籍不明の軍艦から砲撃された。そして結果は乗組員の二人が死んで、負傷した者が五名あつた。これは誠に未だ曾つてない不祥事件であつて遺憾に堪えないのであります。こういうような事件が起つておるのでありますが、政府においては、死んだ者とその遺族に対してはどういうような措置をとられようとするお考えであるか、又負傷した者に対してどういうふうにしようというお考えであるか、船に対してはどういうような損害補償をしようというお考えであるか、又将来こういうふうな事件が起らないためにはどういうような対策を講じようとするお考えであるか、この点を伺います。

羽田武嗣郎自由党農林政務次官

○政府委員(羽田武嗣郎君) 御承知のように山田丸事件は誠に遺憾なる状態で、心を悲しましむるものでございます。実は十月の初旬に東支那海の大陳島近海におきまして、国府並びに中共の双方において作戦の行為が行われておりまして、そのときに日本の漁船が約六十隻ばかりその附近において漁業をいたしておりました。そのうちの一つの第十真盛丸というのが国府の艦艇によりまして臨検を受けたのでございます。向うから、これは両方で作戦行為をやつておるから危険である、近づかないようにということを警告を発し、その後、芳沢大使を通じまして日本政府にもその旨の連絡がありましたので、外務省の連絡によつて、農林省といたしましてはそれぞれの船会社、関係漁業者に連絡をいたして、かくのごときことのないようにということをいたしておつたのでございます。然るところ、只今御指摘のように、十一月の二十二日の真暗闇の中において日本の漁船が、山田丸が撃沈をされた。ところがこれについては、果して中共側か国府側か、どつちの軍艦がこれを沈めたかどうかということがはつきりいたしておらないのでありまして、実はそういう意味で、ただあのときに新聞にも伝えておりましたように、国府側では、とにかく船を撃沈した事実はある、併し暗夜であるから日本船か漁船か何か一切不明であるというようなことを当時の新聞などに伝えておつたのでございますが、いずれにいたしましても、果して国府側か中共側かどつちかのものによつて撃沈されたのかどうか。ただ山田丸が撃沈され、二人の者が死傷をいたし、なおたくさんの者が負傷を受けたという事実はございまするが、その加害者がいずれの国なりや否やということが実は不明になつておるのでございまして、当方といたしましては、この事実の真相を掴むということに、今、力をいたしておるのでございまして、この証明がつきますという前提ができないと、ただ言つてみましても証拠不十分のことで権威を持ちません。ここで今あらゆる角度から証拠を集めることをいたしておるのでありまして、その確証を得ました上で、賠償を加害国に対して要求をいたすべく外務省と連絡を農林省としてはとつておるような実情でございまして、そういうような情勢になつておることをお知りを頂きまして、続いて、然らば先ずこれらの二人の死んだ方や傷ついた方に対してどういうふうな賠償の方法があるかと申しますれば、只今も御論議を頂いておりまする漁船損害賠償法による漁船の特殊保険によりまして、これは船に対しましては保険が全額支払われると、こういうことに先ず国内的にはなるわけであります。それからなお恐らく山田屋は、この点は詳細に調べておりませんで恐縮でございますが、山田屋は相当大きな水産業者でございまするから恐らく労災保険には入つておると存ずるのでございます。労災保険に入つておりますれば、労働省の労災保険によりまして、死傷者に対しては、死んだ者に対しては死んだ者だけの規定に従うところの労災保険をもらえるし、それから又、傷を受けた者については、傷を受けた程度によりましての正式な労働省の査定によりまして、第一線の労働基準局の調査によりましての労災保険というものが支払われると存ずるのでございます。こういうようなふうにいたしまして船の損害……それから死傷者のはただ労災保険ばかりでなく、こうした一種の撃沈をされたということによつて生じておりまするから、前段の証明が明瞭に把握ができました節に当該国に対して損害賠償の要求をいたす、こういうような手順で行くべきではないかと考えておるのでございます。それから最後の御質問のございましたこういうふうなものが再び起らないようにどうするのかという将来の対策についての御質問がございましたが、こういうふうな点につきましては、先ほども申すようなふうに、作戦の地域或いは又水爆の実験の地域というようなことについては、できるだけ向うのやつておるところの国の水域をはつきりさせまして、そうしてこれを関係業者に通じまして、危きに近寄らざるように督励をいたしてやつて行く、こういうような考え方で、将来殊にこういうことに鑑みまして、東支那海については特にこういう点を十分に業者に対して、あまり冒険をしないように、危きに近寄らないようによく連絡をいたしたい、こう考えております。実は今回のものもいたしておつたのでございまするが、これはあまり外には、外国には知らしたくございませんが、知らしておつたのでございまするが、やはり日本の漁業家の方が非常に勇猛果敢に海域に進出をせらるるというような結果がかくのごとき事態を起したのでございまして、これはあまり外には言いたくない、こういうように考えておるのでございまして、どうぞ御了承を頂きたいと思います。

土田國太郎緑風会

○土田國太郎君 ソヴイエトあたりの平和攻勢以来、北海方面へ出る漁船の拿捕というようなものについて大分緩和して来ましたか、如何ですか。

羽田武嗣郎自由党農林政務次官

○政府委員(羽田武嗣郎君) 平和攻勢かどうかはわかりませんが、最近割合に北の方面においては事案がないようでございます。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私は少し外れるかも知れませんが、政務次官もおいでになりますからお聞きしますが、この拿捕されたり抑留されたりしておるものは、これは日本における水産関係からいえば、沿岸漁業或いは一本釣りというようなものを保護するために沖合に出、或いは遠洋漁業、こういうような形で以て出ておるわけです。それでこれは国家が相当保護を与えなければならんものではないか、こう一応考える。その場合に、こういうような不幸なことにそれがぶつかつた場合に、これをなくするためには国交の修復をやるよりほかに方法はないと思うんですが、国交の修復をやることと、それから国交の修復ができるまでは国家が全面的にこれに対して補償その他をやる、こういう体制がとられて然るべきものだと思うんですが、特に法律をこしらえて、そうしてやつておりますけれども、私は普通の漁船損害補償法によるものを延長して、それらの船に対して国家が全面的に補償をする、こういう体制を作るべきじやないかと、こう考えるわけです。国交が修復されるまではそういうふうに考えますが、この点はどういうふうにお考えですか。

羽田武嗣郎自由党農林政務次官

○政府委員(羽田武嗣郎君) お説誠に御尤もでございまして、十分研究いたしたいと存じます。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。御質疑がなければ討論採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 本案には賛成をいたしますけれども、一言申し加えまして賛成をするものであります。たびたび本特別会計の問題が本委員会に議題となつて出るのでございますが、大体かようなことが今後たびたび起ると思うのでございます。併したびたび起るのを予定して一応作定されたものとは思いますが、大体私は、こういう特別会計が短期の資金に待つておるのでございまして短期資金のこういう保険制度というものでは、こうした将来たびたび起ることを予想しての特別会計としては、いつも赤字の連続といいましようか、不安の連続といいましようか、こういうことが続くと思うのです。何とかこれを根本的に建直す方法乃至は制度が勘案されておるかどうかということについて、私は本委員会でお伺いしたかつたのでございますが、もうすでに討論採決の段階に入つておりますから、これ以上は申上げませんが、これは農業共済の保険制度と同じような内容を持つておる、この点が一番問題なんでございます。こういう点を十分今後留意されまして、特に次回におきましては、かような点につきまして、長期金融の点について特に御配慮を願いたいということを申し述べて本案に賛成するものであります。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。御発言がなければ討論は終局したものと認めまして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案を、衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて本法案は可決すべきものと決定いたしました。なお諸般の手続は前例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。  多数意見者の御署名をお願いを申上げます。   多数意見者署名     藤野 繁雄  土田國太郎     小酒井義男  東   隆     青柳 秀夫  杉山 昌作     豊田 雅孝  野溝  勝     平林  剛  森下 政一     石坂 豊一   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 次に先ほど野溝委員の御質疑が留保しておりましたので、先ほどの農業共済再保険特別会計関係の法案に戻ります。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 先ほど委員長の了解を得まして私が大蔵主計当局の出席を願つたのでございまするが、この際簡単に御質問しておきます。農業共済に対する特別会計の歳入不足補填の法律案が出たのでございますが、この法律案の内容を見まするというと、一応十二億の資金によりましてどうかこうか辻褄を合せたように見えますけれども、この資料によりまする通常標準被害額六十三億一千八百五十五万円、これは県の段階における赤字部分だと思うのでございますが、これが現在の制度の下におきましては、いつもこれが殖えて、減るということがなくて年々殖えて行くと思います。御承知のごとく二十八年度におきましては、この基金制度ができる前でございましたが、二十八億円の赤字があつたのでございます。それが二十九年度におきましては、驚くなかれ倍以上になつておる。特に日本の国におきましては災害の非常に多い国であります。府県は財政上非常に苦しんでおります。こういうようなことで、私は、このいわば基金事情というものは永久に問題の点となつて行くのでありまして、今にしてこれを何とか処理するとか、何とか解決するの制度なり方針を樹立しないと、結局は勘定合つて銭足らずということになるのじやないかと思います。この内容は言うまでもなく保険料率の問題、或いは災害の数量等の問題によつていろいろのこうしたことになつたと思うのでございますが、これらについて農林当局と大蔵当局の間には、この基金制度の問題、県負担の段階に対する問題について何とか考え、或いは折衝したことがありますかどうか。この際お承わりしておきたいと思います。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。  御指摘の通りに過去におきまして或る程度の赤字が生じておりましたのでありますが、これを如何に処理するかという問題が懸案として残つておるのでございます。  実はこの農業共済保険制度につきましては、これはまあ農村における一種の農民に対する最低補償的な非常に重要な制度といたしまして、大蔵省におきましてもこの点は極めて深い関心を持つておることは申上げるまでもございません。只今野溝先生から御指摘のように、共済保険の健全なる運営を図つて行きますためには、基金の適正な規模というものがどうしても確保されなければならんのでございますが、お言葉にもございました通り、一番望ましいことは、年々の災害が極めて少くなりまして、農村の方々にも大してその被害の補填をする必要がないという事態が最も望ましいことは申上げるまでもございません。併し本年のごときは終戦後災害最少の年と言われておるのでありますが、すでに御承知の通りに或る程度の保険金の支払は必至の状況でございます。そこで、この過去からございますところの赤字、又将来に備えまする基金の規模というものにつきましては、農林当局におきましてはもとよりのこと、大蔵省におきましても十分慎重に検討をいたしたい、かような心組みでおるのでございます。たまたまこれらの点につきましては、只今農林省におきましても小委員会を設けられまして、国会の専門の先生方にも御参画を頂きまして、鋭意御研究のように承わつておるのであります。大蔵省は予算その他の機会におきまして農林省とも十分この問題につきましては意見を交換いたし、冒頭申上げましたような極めて大切な制度でございますから、過去の懸案並びに将来に備える点につきましてはなお一層慎重に検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 今、正示次長からお答えがありましたが、まあ慎重に考えることは勿論でございましようが、災害が二十九年度は少かつたと言われますけれども、日本ほど世界で地震を初め災害の多い国は少いのですが、まあ日本、イタリーくらいで、御承知の通りです。まあ災害の多い国柄といたしまして、本年は少かつたからというようなことで私は軽く見てはいかんと思います。特に農村の状態というものは、大蔵当局から見ると、中小企業或いは労働者よりよくなつたというが、これはとんでもない見当違いであります。農民というものは文化生活をしておらないのですよ。ですから豚のような生活をして我慢をしている。貯金が僅かばかりできたからと言つてそれで農村がいいとか農村はどうも優遇されておるとか、こういう認識は根本的に変えて行かなきやならん。私は大蔵委員会の命によりまして九州方面に財政金融の調査に参つたのですが、その際、国税局並びに財務局は口を揃えて農村はいいいいと言う。それはどういう意味で農村はいいと言うのか私はよくわからん。若し農村が近代人のような生活様式をやつておるならば、とてもそれは農村などやつて行けるものじやないのです。そういう点を十分私は分析してもらわなければならない。その上に立つて特に農民が災害を受けますならば、これは一家の経済を挙げても、とてもこれは解決ができる問題じやないのです。特に自然的条件と四つに組んで生活しておるのは農民でございますから、自然的条件と戦つておるのは農民以外にないのです。ですからこの苦闘というものを考えますというと、この農業の保険制度の確立というものは絶対必要なんです。私はそういう意味において、今の農村で、農家が四、それから国庫が六という比率も、私は反対です。むしろ私は殆んど大部分が国家補償くらいやるという方針を持たなきや嘘だと思うのです。その代り生産、増産については責任を持たせるというようなことをして行くくらいに、農業共済制度というものを完全な保険制度に確立したいというふうに私は思つています。そこで、今非常に慎重な態度で行くと言つておりますが、本年度は青森県、或いは長野県、或いは広島、愛媛等は、本年度でも相当の痛手をこうむつている。青森のごときは、先般私は視察に参つたのですが、農作物は冷害、果樹、リンゴはだめという、全く踏んだり蹴たりという状態でございました。特に農業共済制度の確立、それから特にこの資金の長期化というようなことにつきまして強く叫ばれておつたのでございますから、そういう点を十分御理解を願いまして、特に農林当局との折衝におきましてはリベートはありません、これには。(笑声)リベートはありませんが、是非一つ真剣になつて御配慮を願いたいと思います。  以上を以つて私は質疑を打切ります。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか。御質疑がなければ討論採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」「省略」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べをお願いいたします。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)

藤野繁雄自由党

○藤野繁雄君 私はこの農業共済制度の完璧を期するためには、どうしても異常災害の調査の完璧を期せなければいけない。でありますから、これを目下検討中でありますから改めるようにする。又掛金の額及び徴収方法についても、今後改善の余地があると思うのでありますから、こういうふうなものも改善するというような希望を付して賛成いたします。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは討論は終つたものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。  よつて本法案は可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は前例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。  なお多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     藤野 繁雄  土田國太郎     小酒井義男  東   隆     青柳 秀夫  杉山 昌作     豊田 雅孝  前田 久吉     野溝  勝  平林  剛     森下 政一  石坂 豊一   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 次に交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題に供します。この法案につきまして御質疑をお願いいたします。  なお小酒井委員より御希望の、自治庁の政府委員は、財政課長がやがて参ります。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 ちよつと大蔵省のほうに御質問いたしますが、地方財政における赤字がたくさんあるということは私ども承知をいたしておりまして、地方財政の健全をいつも希望いたしておるわけでありますが、今回の場合におきまして関係をいたしますから、念のために現在の地方財政の赤字につきましてお聞かせを願いたいと思います。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) 只今平林先生から御質問のように、地方財政は誠に只今一般に赤字を出しまして、而もそれが年々増加の趨勢にありますために、国会におきましても極めて重要な問題として、いわゆる再建整備の方途につきまして特別の立法措置すらも只今懸案となつておるような次第であります。二十八年度までの決算によりますと、いわゆる形式的な赤字と実質的な赤字があるのでありますが、大体実質的な赤字で申上げますと、二十七年度が三百億くらい、これが約五割くらい殖えまして四百数十億というものが二十八年度に生じておるように私ども伺つておるのであります。この問題につきましては、従つて先ほど申上げましたような再建整備ということが極めて重要な問題になりまして、たしか国会におきましても議員の方の御提案になりました再建整備法案を継続御審議に相成つておるのであります。まあこれに対しまして私どもとしましては、本国会におきましても、国費極めて多端の折からでございますが、警察費につきましてはその算定に或る程度の過小見積りがあつたということを卒直に認めまして、今回の補正予算におきまして、他の経費は殆んど既定経費の節約等によつて支弁いたしておるのでございますが、この警察費の不足に関しまする限り、法人税の自然増収に対しまして一定の比率、即ち国会ですでにおきめになりました一九・六六%を今回特に一九・八七四%に改訂をいたしまして、その率によつて算定いたしました四十億円というものを警察費不足の補填に充てることにいたしておるのであります。なお、この法人税の一九・八七四%のほかに、地方におきまする警察の活動に対しまして補助をいたしますために、二億二千七百万円を補助金の増加として計上いたしておるような次第であります。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 地方財政の赤字が大体実質的にも四百数十億円もあるということはよくわかりましたが、その内訳についてちよつとお聞かせ願いたいと思います。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 四百二十六億の赤字が地方団体全体についてあるのでありますが、その内訳は細かくはわからんのでありまして、各地方団体によりまして事情が非常に異なつております。一応大まかに申しますと、原因は三つか四つの点になると思いますけれども、個別的に何が幾らというふうなことは、はつきり私どももわかりかねるのでありまして、大きな点を申しますと、結局ベース・アツプが毎年ありましたために、財源振替が十分に行われない、その尻が赤字になつておる、これが第一の理由であります。第二は災害関係の仕越工事が最近非常に多くなつて参りまして、昨年度だけで、府県だけを拾つてみましても四十二、三億の仕越工事がございます。これが大体赤になつておる。第三は、国の補助単価、国の補助基本額が非常に低いために持出し単独事業がございます。いつも例に挙げますのは、小校学の校舎は現在二万七千円という単価になつております。これは二万七千円ではできません。三万円くらいかかります。従つて、足りない分が持出しの単独になつております。こういうのが施設にもございますし、普通補助金の単価にもございます。例えば、地方補助金で申しますと、農業改良普及員の経費が足りない。これも現実には相当持出しをしております。それから保健所のお医者さんの単価が非常に低い。これは現実に非常に高い単価のものを雇つております。そういう普通補助金の過小であるということから出てくるもの、そういうものが大きいのでありまして、そのほか国のいろいろな、昨年で申しますと、義務教育関係で二分の一の補助が国のほうで措置ができなくて本年度に持越した、こういうものがあります。社会保障、失対等につきましてもやはり同じような事情があります。そういうものがやはり赤字の原因として我々考えられます。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 今度出された警察制度の改正によるものもやはり赤字の原因になつておるのですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 警察法の関係のものは本年度のものでありまして、本年度まだ途中でありますので、それが私どもすぐ赤字の原因になるとは考えておりません。財源振替が可能であれば赤字の原因にならないとも考えておるのでありまして、全体として財源措置が過小であつたということを考えて、新らしく増額措置を講じて頂いたのであります。それをすぐ赤字に持つて行くのはちよつと飛躍した議論ではないか。かように地方国体にも申しております。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 今ベース・アツプの財源とか、災害関係、国の補助が不足であるとか、義務教育の経費が不足であるとか、そのために地方財政の赤字が出ているということ、この責任がどこにあるかということは別にいたしまして、私のほうでちよつと調べたところによりますと、警察法の制度を変えるために出した財源が、大体今回提案をされたような四十億円程度ではなくて、もつとたくさんあるというように聞いたのでありますが、それについてお答えを願いたいと思います。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 府県の現計予算、それから、これから追加されるものを合せまして大体現在の我々の財政計画とその差額が百億ぐらいございますが、併しそのうち現在の予算のほうで足りないものが七十億ぐらいございます。これを、交付団体と非交付団体がございまして、交付税の行く団体と行かない団体というものを考えて参りますと、この百億の額がうんと減つて参ります。それから百億の中には不確定な要素が相当ございます。これは警察側の予算を全然査定しないで入れている額がございます。概算で組んでおるところがございます。いろいろなやり方を以てやつておりますので、百億全部が私ども足りないとは考えておりません。従つて、相当査定を要するものがある。各府県の予算の内容を見ますと、単価がまちまちでございまして、その中であるべき財政需要をどの程度にきめるかということが大蔵省との最後の話合いであつたのであります。それをいろいろ検討いたしました結果四十億ということにいたしたのであります。四十億を計上いたしますると、百億の差が交付団体だけで二十二、三億になります。交付団体だけで計算しますと、二十二、三億になります。大体二十三億いくらでございますが、そのうちで更に検討いたして参りますと、警察行政費などは国の補助と大体同額のものを地方負担、こういうことになつております。二分の一負担であります。これを国の補助を非常に大きく見て組んでいるものが相当ございます。そういうものをどんどん落して参りますと、十億ぐらいの差になるのではないか、かように考えております。それから地方団体の中で、個々に見ますると、単価の非常に高い県と低い県がございます。まじめな県を中心にして考えてみますと、大体四十億で本年度やれるのではないかと私ども考えておる次第であります。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 地方交付税の趣旨から見まして、今回政府が組みましたものの大体五十六億円、百億円程度のものをだんだんにこういうふうにしぼつて来たということになりますと、そうでなくても窮屈な地方財政に対してこれだけでは十分ではないというように思うのであります。それについて大蔵省としての見解をお聞かせ願いたいと思うのであります。それからもう一つは、今回の交付税の対象が主として警察費の不足を補填するということのみに重点が置かれておるのでありますが、先ほど私の質問にお答えになつた通り、他の部面においても相当政府の政策として補わねばならんような点があるように思うのであります。こういう点についてどういう御配慮をなさるか、その点をお伺いいたしたいと思います。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 赤字の原因につきましてはいろいろあるのでありまして、大きく分けまして、過去の赤字につきましては、来年は、再建整備促進法を国会に提出いたしまして過去の赤字を消す方法を講ずると同時に、将来の赤字を出さないところの方法をいろいろ政府に対して我々として要求しておるわけであります。それが認められますれば、将来の赤字も私は出ないじやないか、それが保障されない限りは、やはり赤字が出る、こういうふうに大体考えておる次第であります。警察費の問題につきましても、よく、百億不足しておるのに四十億では足りないじやないか、こういう議論をしておられるのでありますが、百億のやつを百億全部埋めますと、却つてこれは不公平なことになるのであります。財政を余り考えないで出しておりますところ、単価を非常に高くしておりますところにたくさん交付税が参りまして、そうしてまじめなところに行かない、こういうことになつて参りまして、却つて不公平になる。従つて、その差額のどの辺に線を引くか。その場合に、現在の国の警察庁の単価もございます。過去の自治警の時代の単価、それを比較いたしまして、あるべきところの単価を出して行くという考え方に立つて参りますので、自然に額が下つて参ります。そういうところで将来の平年度の警察費というものを査定し、それを基礎として地方予算を組んで行くというのが、私は当然の地方財政の方向ではないか、かように考えておるのであります。差額があるから直ぐ赤字になる、こういう結論を出すのは私はおかしいじやないか。それは出してもいいのでありますが、各府県へ出してもよろしいが、その場合には他の事業を縮小してそちらに持つて行く、全体の財政の中でやり繰りをするという考え方に立たなければならないというふうに私ども考えておる次第であります。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 今回の四十億円の補正をすることの内容については、大体酒税と、法人税と、所得税のことでありますが、このうちで例えば酒税につきましては、これは決算が終りまして三十一年になりますれば或る程度地方団体に配付されるというような仕組みになつているように私は聞いたのでありますが、若しそうなりますと、何かこれは先食いをしてしまつているというだけの措置としか解釈できないのでありますが、そういう点についてちよつと政府の考え方をお聞かせ願いたいと思います。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) 只今の御質問は、法人税の増収に対しましてこれを財源にして交付税率を乗じたのではないか。決算的に当然もらえるものを先に食うことになるのじやないかという御趣旨だと拝聴いたすのでありますが、交付税が府県に創設されましたいきさつを少し申上げて御了解を得たいと思うのであります。御承知のように地方財政平衡交付金制度がシヤウプ勧告以来実施されて来たのでありますが、この制度にはいろいろの弊害がございます。そこで昨年内閣に地方制度調査会、これは国会の先生方も多数御参画になつたのでありますが、朝野の権威が参集されまして、長い時日を費して御答申になりましたのが、その中の一つが交付税制度でございます。そこで二十九年度から所得税、法人税、酒税の一定割合を交付税として法律で定めまして、これを交付するということに相成つたのであります。これによりまして、将来、地方は国税の大宗であります三つの税の一定割合を保証されたのでありまするから、従来の財政平衡交付金時代のような、いわば政治的にきまるというような不安な要素がなくなりまして、はつきりと法律によりまして保証された財源を以て自主的に財政計画を立てられるという建前に切替つたのであります。併しながら二十九年度はいわば切替えの過渡的な年度でございまして、二十九年度の率も、従いまして、平年度は所得税、法人税、酒税の二二%と法律にはつきりなつておるのでありますが、二十九年度に関する限りは、酒税は二〇%、所得税と法人税は一九・六六%というふうな極めて端数のある変な率になつておるのであります。これはどうしてそんなことになつたのかと申しますと、二十九年度には、只今の警察費等もその一つでございますが、一応従来の平衡交付金制度の下におけると同じように地方の財政計画というものを作りまして、そのうち国から財源措置を必要とするものがどれだけであるのかということを見比べまして、一方、酒税、所得税、法人税の税収入とこの所要額との間に只今のような率を求めたのであります。先ず酒税の二〇%というものをきめまして、残り不足額を、法人税、所得税の何割になるかというふうに逆算をして実は出したのであります。そこで、いわばその率を出しますときに、警察費のほうにも過小見積りがある、法人税のほうにも過小見積りがあつたのであります。若しこの過小見積りがなかつたならば、初めから一九・六六%という率で当然事は済んでおつた。併し人間は過ちを犯すのでありまして、止むを得ず、過小見積りがございましたから、過ちは直ちに直すに如くはない、速かに訂正いたしましようということで、今回両方の見積りを訂正いたしたのであります。従いまして平年度におきまして二二%という問題がございますと、これは法律の中にも、軽々にこれを変えてはいけない、引続きまして財政計画に対しまして交付税額が不足するとか、或いは超過するというふうな事態が引続いて起つた場合に初めて率を改訂するのであるということは、国会がはつきりとおきめになつておるのであります。併し本年度はいわば過渡的な年でございまして、二つの要素の間にはつきりした過ちがございましたので、これを変えました。本年度限り、本来ならば一九・六六%でも済んだのではないかという御議論もあるのでありますが、一九・八七四というふうに改訂をいたしたのであります。これは従いまして私どもは、現在先行きそういうふうな御議論によつて左右されるものではないと、かように考えております。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 私の質問はこれで終りますが、地方財政の赤字の原因につきましては、私どもの判断では、やはり政府の財政政策の不手際によるようなものが多いように思いますし、地方からもそういう希望が非常に上つて来ているのであります。ところが今回の政府のこの法律案を見ますと、何となくそれらのことにつきましては軽視をしておられて、いろいろ政府の政策もありましようけれども、そちらを全く放置をしておられるように見受けます。又それだけなら別でありますが、今回のこの法律案の措置は、主として警察制度改正後の補正に向けられておりまして、印象的には警察の制度をしつかりさせるということにのみ重点が置かれておられるような印象を受けるわけであります。私どもといたしましては、先ほど申上げた四十億が足りないのじやないかというのは、つまりそちらのほうに金を廻すというのではなくて、むしろ地方の財政の中で、特に一般的に私どもの立場から見ますと、人件費の不足であるとか、或いはそれが地方財政の赤字が即労働者諸君の首切りに繋がつておつたり、或いは昇給制度が停止をせられているという窮屈な中で生きていることに鑑みまして、できればそういうことについての特別措置を政府においても急いで立てるべきではないか、こういうことを申上げたいのであります。これを以て質問を打ち切ります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 只今の平林委員の質問に関連をして、自治庁へお尋ねをしたいと思いますが、答弁を聞いておりますと、警察費の不足は四十億で、足りないということは事実のようですが、そうですが。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 各府県の希望の額は先ほど申しましたような額でありまして、四十億では十分であるとは私どもは言えないかも知れませんが、併し現在の警察活動をやつて行きますのに、この額があれば私どもはやつて行けるのじやないか。警察庁のほうもさよう申しておりますので、大体これで満足すべきものではないかというふうに考えている次第であります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 そうしますと、この警察費の足りない分は若干既定の事業をこれを幾分繰延べるとか、いろいろなことによつて赤字としないで処理して行くべきものと考えるというような先ほど答弁があつたのですが、若干そういう面が出て来るということは自治庁でもお認めになつているのかどうか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 私が先ほど申上げましたのは、警察費を四十億出して参りました場合に、それで警察費で赤字が出るということを言うのは少し飛躍した議論ではないか。警察費を県によつては我々が考えておりますより以上に出したいという県があれば財源の振替えをして出したらよろしい。これでは併し財源の振替えをして出すのでありますから赤字にならんのでありますが、財源振替えができるかできんかという問題になつて来るのであります。すぐ赤字がそこから出るというふうには考えておりません。純粋な単独事業もございますし、経費の節約をする面もあります。これは県によりましていろいろありまして、先ほどもちよつと申上げましたように、足りないとする額が府県によつてまもまちでございます。その内容の単価もまちまちでございます。従つてまあ大まかに申しますと、富裕の県と言いますか、少し財源の豊富な県においては多少財政需要額を高く見ております。それから貧乏な県はきちきちに見ております。大体貧乏な県に参りますと、このくらいでやつて行けば大体まあ警察の要求も足りますし、我々のほうから見ましても赤字もそう出ないんじやないか、そういうふうに考えておるのであります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 問答をするようですが、赤字もそう出ないんじやないかと思つておると言われますが、これだけあれば全然地方財政にしわが寄つて行くというようなことは他の面にはないという確信を持つておられるのかどうか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 四十億あれば警察費から赤字が生ずるということは言えないんじやないかというふうに私どもは考えております。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 それは自治庁として、地方財政の警察費の赤字は出ない、こういうふうにおつしやつておりますが、これだけで、実際将来、今後ですよ、地方にいろいろな問題ができて来るようなことはないと責任を持つて、自治庁としては、この四十億で地方財政を賄つて行けるという保証ができますか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 四十億の措置は本年の特例の措置でありまして、これを平年度にどういうふうに、現在の二二%という率を、どういうふうに直して行くかという問題が出て参ります。これは三十年度の予算のときに平年度化いたしますので、その場合に私どもは大蔵省に要求いたしたいと考えております。一応差当つての二十九年度の措置としては、四十億の交付税で大体赤字が出ない、こういうふうに考えておる次第であります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 それではこの根本的な問題として、平年度における現在きめられておる率というもので、将来もこの率を変更することなしに地方におけるところの財政が維持でき得るというふうにお考えになつておるか。やはりこの交付の率を根本的に変える必要があるんじやないかということをお考えになつておらないかどうか。この点はどうですか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 交付税の警察費の問題と全体の問題と二つお話にあると思いますが、警察費の問題につきましては、この四十億のうち平年度に持つて行くべき額がどの程度であるかという点についてまだ議論がございます。従つて平年度に移す場合に、どれだけ平年度の率の上に加えて行くかという議論を三十年度の予算のときにやるわけでありまして、それによつて警察費について財源措置をしたい、こういうことが言えるかと思うのでありますが、それがきまつておりませんので一応仮定の議論になりますが、私ども三十年度の交付税につきましては本年度の四十億を基礎にいたしましたもので交付税の率の増額をお願いいたしておるのであります。  それから全体の問題といたしまして赤字の解消の方法というのは勿論ございます。それは現在の交付税の建前からいたしまして、交付税にすぐ持つて行つて従来の赤字の穴を埋めてくれというのは、交付税制度の建前からいたしますと、これはちよつと飛躍した議論になりますので、一応地方団体自体としては、来年の財政規模はこういうふうになつて、財源的にはこういうふうになる。従つてその場合には国の補助関係の予算を落して行くか、それから地方税で増税をするか、節約をするか、この三者しか方法はない。それが不可能であればその場合には交付税の増率も考えられる、こういう考え方で以て三十年度のときも財政計画を立てて大蔵省に出しておるわけでございます。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) 只今の小酒井先生の御質問に対しまして、ちよつと大蔵省の考えを申上げます。自治庁の立場から後藤部長の御発言は或る程度やむを得ないと思うのでありますが、実は先ほど平林先生にお答えを申上げた通りに、今年のこの税の見積り、警察費の見積りというものは二つとも誤りでありましたが、これを直したのであります。この誤りを直しますと、あとは正しく行くわけでありまして、来年度からは正しい見積りをいたすことに相成るのであります。そこで見積りを直しましたあと、どういうことかと申しますと本年四十億の不足のうち三十億は経常的な不足でございます。そこで百五十億に対しまして三十億でございますから、まあ二十九億幾らになりまして、これは率を変えなくてもよかつた、一九・六六%で大体間に合つたわけでございます。ところがさつき平林先生に申上げましたように、今年はまあ暫定的な率であるということが一つ。もう一つは三十億弱のほかに十億くらいの臨時的な不足があつたわけでございます。これは主に国警から自治警に移りまして退職する方々の退職金その他臨時的な経費の不足が十億ございますが、それを合せますと四十億でございます。そこで四十億ということになりますと、一九・六六という従来の率では、はみ出るものがございますので、十億を加えました四十億に対しまして、自然増収を見込んだあとの法人税、それに更に所得税を加えまして算定した率が一九・八七四、こういう率になつたわけでございます。従いまして私としては、経常的な経費の不足に関する限り、即ち平年度の問題でございますが、一応正しい見積りをいたしますれば率を変える必要はない。かように現在の段階では考えております。  それからもう一つ、先ほど平林先生に申上げましたように、地方交付税法第六条の三の二項でございますが、「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き第十条第二項本文の規定によつて各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなつた場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする、」こういうことに、はつきり書いてあります。これは、大体まだおきめになつたほやほやでございます。これはやはり平衡交付金の制度ではなく交付税の制度というものは、自主的にその財源を保障するという制度から申しまして当然のことかと思われますが、その規定から申しましても、引続き事態が繰返し起りますというふうな場合に初めて改訂の問題が起つて来るのではないか。先ほど申上げましたように、見積りに誤りがあつて、これを直して経常的な経費は賄えるという今日の事態でございますので、これを従らに率の変更を直ちにやるという考え方は、折角この交付税制度をお作り頂きました趣旨からいいましても如何でございましようか、こういうふうにむしろ考えております。それで、先ほど御質問のような赤字対策は、財政再建整備その他の適切な措置を考究すべきではないか。これが私どもの考え方でございまするので、一応御了解を得たいと思います。

安井謙自由党

○安井謙君 今のお話で大体わかつたんですが、そうすると、警察費の赤字というやつは幾らになるのですか。今の四十億の中で。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) 人件費、それから物件費でございますので、経常的なものは三十億でございます。それから退職金、派遣旅費とか臨時的なものが十億、それらを合せて四十億、こういうことになつております。

安井謙自由党

○安井謙君 そうすると、三十億というものは今度の恒常的なものとなつて来る、こう考えていいのですか。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) さようでございます。

安井謙自由党

○安井謙君 そうすると、実は地方のほうでは、交付税なり譲与税というものは財政一般の赤字を補填すべきものとみる性質のものである。警察費の額というやつは、これは特別の制度改正により生じた特殊のものであつて、これはこれとして一本の項目ではつきり見るべきではないかという議論を立てておるのですが、同時に他の赤字も相当実は考えてくれと、こういう要求になるのだと思うのですが、こいつが一般の交付税なり譲与税というものは含めて行かんでも、全体の赤字に融通ができるような形でこの予算の補正がなされておるということは、これは少し法律上の理窟に合わぬというような行き方をしているように思うのですが、その点は自治庁はどういうふうにお考えでしようか。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 交付税でございまするので、勿論一般財源であります。併し普通交付税の中に入れますると、もう一度計算のし直しをしなければなりません。従つて計算のし直しをして、現在交付税の行つている市町村に多いのでありますが、行つている市町村から交付税を取上げなければならない結果になるわけでありますから、そういうことにならないように、特別交付税に一本入れまして、警察費の計算をし直しまして、大体警察費に全部参りますような措置を特別交付税の形においていたしたい、かように考えております。併し財源そのものは交付税でありますから、一般財源であります。併し特別税の特別交付税の計算の際に、紐付きに近いような恰好で出して行きたい、かように考えております。

安井謙自由党

○安井謙君 少し扱い方として割り切れないものがあるように思うのですがね。差支えありませんかね。

後藤博自治庁財政部長

○政府委員(後藤博君) 本来ならば、交付税全体に千二百十六億に四十億足しまして、千二百五十六億、それの普通交付税に当るところの九二%というものを配付するのが筋でありますが、そういたしますると交付税の全体が府県市町村に両方に行くことになります。で、この四十億は市町村に流れて参ります。従つてそういう恰好になりますし、市町村によりましては、今度、税のほうも変つておりますので、返さなければならんような団体がたくさん出て来る。できるだけ市町村から返すのをやめまして、そして府県にこれを持つて行くという恰好にやりますのには、普通交付税の中に入りますと、却つて面倒になるのであります。特別交付税の中に入れたほうが合理的な配分ができるという考え方に立ちまして、特別交付税に入れて操作をするように、かような考え方をいたしておるわけであります。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。それでは御質疑は終了したものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それでは討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

平林剛日本社会党(第四控室・左)

○平林剛君 私どもといたしましては、この政府の法律案に対しましては、賛意を表しますが、ただ私どもとしての希望があるわけです。先ほど指摘しましたように、地方の財政は四百数十億円というような赤字になつていることは御承知の通りであります。私どもの立場から言えば、これは政府の財政政策の欠陥の結果生まれて来たものが、かなりあるように思つているのであります。そういう意味で、今後政府は地方財政につきまして特別な措置をとることを強く要望いたしたいと思うのであります。又この法律案の説明の中で、警察制度に要する経費の不足が、百億円を段々しぼつて、五十六億円になり、四十億円になつたというような芸当については、ちよつと理解しがたいところがまだあると思いますが、ただ私どもがこの警察費の資金不足に反対をいたしてしまうと、地方財政になお迷惑をかけるということに相成つては誠に相済まんという見地から、私どもはこれに賛成をするわけでありますが、そういう意味で、先ほど申上げました地方財政に対する特別措置については特に希望いたしておきたいと思うのであります。希望条件を附しまして賛成をいたします。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。御発言がなければ討論は終局したものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは御異議ないと認めます。これより採決に入ります。交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案に対しまして、衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて本法案は可決すべきものと決定いたしました。なお諸般の手続は前例によりまして、委員長に御一任願います。なお多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     藤野 繁雄  土田國太郎     小酒井義男  東   隆     青柳 秀夫  安井  謙     杉山 昌作  豊田 雅孝     前田 久吉  平林  剛     森下 政一  石坂 豊一

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 以上を以て政府提案の諸法案は終りました。   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 次に衆議院議員提案の三法案について順次提案理由を伺つて参りたいと思いますが、第一に国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案につきまして御説明を伺います前に、この法案の印刷に誤りがございますので、先ずその印刷の誤りの点につきまして木村専門員より説明いたさせます。

木村常次郎参議院事務局常任委員会専門員

○専門員(木村常次郎君) この法案の第一ページの終りから三行目でございます。「減額した対価で譲渡し、又は貸し付けるものとする。」と「ものとする。」となつておるのは、「ことができる。」という誤りでございます。「貸し付けることができる。」それだけであります。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それではこの法案につきまして提案者の伊藤卯四郎衆議院議員より御説明を伺いたいと思いまするが、この際申上げておきますが、最初の御提案の内容が多少今回変つたように思いますので、そういう点につきましても説明の際に言及して頂きます。伊藤卯四郎君。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○衆議院議員(伊藤卯四郎君) すでに御存じを頂いておりますように、この法律案は先の第十九国会の会期末頃提案をいたしましたために、衆参両大蔵委員会等で十分の御審議を頂くことができないまま継続審議ということになつていたのでございます。その際、法律案の提案の趣旨等を含めまして、経過の大略については御説明を申上げておいたのでございますから、それらの点に対する重複を避けまして、要点のみを申上げまして、御説明を補足し、なお又御疑問の点につきましては、質疑等もあろうかと存じますので、その際御説明申上げたいと存じておるのであります。  大体現在この種の病院、診療所等が、北海道から天草に至ります各関連地区に三十五カ所設置されておるわけでございます。この目的は説明のときにも申上げたのでございますが、中小炭鉱はみずから病院、診療所等の施設を持つておりませんために、そこに働いております炭鉱労働者約二十万近くが完全な医療、衛生、そういうものの恩恵を受けることだできない。而も危険作業にさらされたまま、非常な不安の状態にあるというような見地から、何とかこれらの人々に医療衛生等の施設を与えなければならんというところから、そういう目的で作られたのでございます。なおその附近に住いますところの人々は、いずれも炭鉱地区でございますから、衛生的にも又地理的にも恵まれていない。そういう人々にも恩恵を与えようという意味で大体約百万近くの人々を対象として現にその診療をやつておるのでございますが、この建物を作りつつありますときに、この機関の引受け団体でございます炭鉱労働者のための福利協会というものがございます。ところが当時占領軍司令部が何を誤つたか存じませんが、この労働者の福利施設の機関に解散を命じてしまつたのでございます。そこで当時司令部にも抗議を申込んだのでございますが、これは全くの誤りであつたということを申しておりましたけれども、解散をいたしてしまつたものですから、何ともできなくなりました。そこでこの建物を作つておりました産業復興公団は、建物ができたが、これを受取つてくれる機関がないということになりまして、そこで産業復興公団では炭鉱地区の県知事に向いまして、当時関係四局長の名を以て何とかこれを引受けてくれという依頼をしたのでございます。それで知事側としましては誠にいい機関でございますから、これを引受けたのでございますけれども、県みずから経営することはできませんので、例えばその施設のある市町村に、これを引受けて病院なり、診療所を開設をしてくれという依頼をしたわけでございます。そこで引受けました全国関係の市町村若しくは社会保険若しくは健康保険の組合等は、当時ああいう資材の少い頃、バラツク式に建てられた建物でございますから全くお粗末でございまして、建ち腐れにならんとするようなものでありましたけれども、折角のそういう社会医療施設の機関でございますからこれを引受けて、まあ非常な腐蝕、修理というか、そういうものを加えまして、一応まあ何とか恰好のつくものにしまして、医療その他の内部設備をすることになつたわけであります。当時知事側としては、市町村に、そういう機関に引受けさせますときに、いずれこれはこういう機関であるから無償で払下げられるだろうというような意見等もありまして、市町村や社会保険機関ではまあ国からただもらえるものなら、市町村村費或いは補助などをして完全なものにしようということでやつたのでありますけれども、ところがさてその後いよいよ契約をするということになりましたところが、大蔵省の所管になりましたために、大蔵省と引受け市町村並びに社会保険、健康保険組合などが契約をしなきやならんということになりました。そこで大蔵省は所管の規定に基きまして契約をするということになりまして、それで産業復興公団で当時この建物の評価を、たしか三億何千万円でなかつたかと思いますが、そういう価格で引受けさした、契約をさしたわけでございますが、ところが大蔵省側でもこれは高過ぎるということがあとでおわかりになつたようでございます。更に市町村や県ではみずからそういうものを十分査定する機関等も持つておりますので、査定いたしてみましたところが、大体当時の原価と称するものは、今日においてはその三分の一ぐらいな価格であろうということを建築関係などでもその計算を出しておるようでございます。けれども一心大蔵省は産業復興公団からそういう形で引受けましたものですから、そういう価格で契約をさしておるわけでございます。そこでまあ非常に高い使用料を払わなきやならん、或いは補修は自分でやらなきやならん、火災保険は自分で掛けなきやならんということになつておりますので、いよいよ以てとにかく大蔵省に対する契約の保険料、使用料なり、或いは買取りの年賦償還なりができないというような窮状に陥つてしまつておるわけでございます。  それで御参考までに申上げますと、大体この診療する保険患者の現状を見ますと、健康保険の患者が四四%、国民健康保険のものが一一%、労働災害のものが一〇%、生活保護法によるものが三一%、自費を以て来るものは僅かに四%という状態でございます。全く社会保障による医療奉仕の事業と申すべき性質のものであることは申上げるまでもないことでございます。この種のものは御存じのように当然国としては厚生省の所管として国有のものとしてそれぞれの機関には無償でこれを与えて医療奉仕事業をやらしているのでございます。ところがたまたまこれが大蔵省所管になつておりますために、以上申上げたような負担をしなければならないという非常に矛盾に陥つているわけでございます。これを産業復興公団が建物を造りましたときに、大蔵省が引き受けるのでなく厚生省が引き受けまして、そうして厚生省と大蔵省との間に話合いがつけられてありますならば、これは当然厚生省の所管として無償で使用さす、一般国立病院と同等の形でこの医療社会奉仕というか、そういう形で行わるべき性質のものでありますけれども、たまたま大蔵省所管になつておるために、そういうことになつておるという点から、関係市町村健康保険或いは社会保険等などが、これに堪えられなくなりまして、何とか使用料を安くしてもらいたい。本来ならば無償払下げを願うところであるが、併し一概にそういう我儘も言えないからというので、現在のこの評価についても先ほど申上げましたように非常に高い評価になつておる。これを政令の定めるところによつて時価評価にし、そうして六割引きにしてもらいたい、こういうことで法律案として盛つておるわけでございます。勿論六割と申しますのは医療法人、若しくは地方自治体等が手続きをいたしますれば、その価格の五割引きに法律の定めるところによつてなるわけでございます。併し五割には引いてもらえるけれども、なお六割引きにしてもらいたい。それから社会保険、健康保険などはその医療法人的性格を持たない、恩恵を受け得ないもの等もあるから、やはりこれも同じ六割引きにして、そうして一つ使用料なり買取りの年賦償還という形で買取らしてもらいたい。こういう形で法案を作りまして御審議を願つておるわけでございます。  大体以上のような内容等を前回説明を申上げたのでございますが、更に以上の点を補足を申上げたいと思うのでございます。衆議院の大蔵委員会等でも御審議を頂きまして、契約当時に遡及して六割引きにしてもらいたい。この点につきましては、遡及ということはどうも如何かというような点から、遡及の点は削除をいたしまして、この法律が今御審議を願いますような支払い期日の到来する二十九年度からということになります。この法律の施行される日以後の支払い期日の到来するものについて六割引きをするというような形で満場一致で御決定を願つたようでございます。そうして衆議院で議決をして頂きまして、参議院のほうで御審議を願うということになつておるのでございます。なお、そのいきさつ等につきましては、衆議院の大蔵委員会等の関係の委員のかたから経緯を御説明預けるものと存じますので、私は大体以上の点等を前回の説明に補足する意味で御説明申上げまして、御審議をお願い申上げたいと思うのでございます。  大変会期の短い、而も切迫をいたしてしまつておりますこの際、御審議を願うことを甚だ御迷惑と存ずるのでございますが、何とぞ以上のような社会保障の医療奉仕の事業等に関係することでございますので、よろしく一つ御審議を頂きますよう切にこの機会にお願い申上げておきます。   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 大平さんから御説明はありませんか。

大平正芳自由党

○衆議院議員(大平正芳君) 只今議題になつておりまする法案のうち、衆議院の修正部分につきましては、大体伊藤議員から御説明がございましたところで尽きておりまするが、ただ一点、もう一つの修正点は、普通国有財産の地方団体に対する払下げにつきましては、通例五割引ということになつておりますが、本法律案はその特例法案でございまして、六割になつております。従つて非常な特点を与えることになるわけでございますので、その炭鉱医療施設を譲り受けたあとで、それが他に転売されたり転用されたりすることがないような保障をしようというわけで、主として炭鉱医療用に使うという用途指定をいたした点と、先ほど伊藤委員から説明がございました、今までまじめに納めて来ておつたものと、今まで納めていないものとの不均衡を是正して行くのだ、交付後において支払い期日が到来するものから六割引いた恩典を与えるということにいたしたい、この第二点が修正の趣旨でございます。全会一致でございますので御審議の上御賛成をお願いいたしたいと思います。   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それではこの法案の審議に入ります前に、他の二法案の説明だけを聴取いたすことにいたします。  次に衆議院議員内藤友明君外二十二名提案にかかります昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、内藤君より提案の理由等を御説明願います。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 只今議題になりました、今年度の米の超過供出並びに早期供出奨励金の所得税に関する法律案でありますが、これは昭和二十六年からこのことをやつておりますので、端境期における食いつなぎの円滑を図るために、又割当られました後において少しでも余計に供出させようという配慮から、超過供出奨励金が出ておるのでありますが、こういうことに関して免税の措置をとりまして十分に供出せしめたいということから、この法律が前年来、毎年出されたのであります。どうぞよろしく御審議を願いたいと思うのであります。   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは次に同じく衆議院議員内藤友明君外二十四名提案にかかります租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして内藤衆議院議員より御説明をお願いいたします。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 只今議題になりました租税特別措置法の一部を改正する法律案でございますが、これは医師及び歯科医師の社会診療報酬よりなる所得に対しまする所得税につきまして、所得税法第十条第二項の規定にかかわらず、一定率即ち百分の七十二を以て必要経費とすることができるようにしたいというのであります。そうしてこれを昭和二十九年分所得から適用しようというのであります。又法人税につきましても同様の措置を講じようというのであります。この必要経費を法定しようという特段の措置は、昭和二十六、二十七年分所得について政府が閣議できめられまして行政措置で実行せられましたことと同じことなのであります。ただ従来のごとく行政措置で実行しますることは法律上いろいろ問題がありまして、又こういう問題をひきおこす根底には医療報酬の決定が必ずしも適正を得ていないということがありまして、数年来いざこざが絶えなかつたのでありまして、こういう事情の下におきましては差当り経費率を法定することがいざこざをなくするための最適切且つやむを得ない措置だと存じまして、この法律を作りましたのであります。  併しながら、この特段の措置は所得税などの体系から見て好ましくないのでありまして、従いまして、社会保険診療報酬の適正化が行われましたならば、こういう特別措置は必ずしも必要としないのでありまして、従つて社会保険診療報酬が速やかに適正化されることを望まれるので、それまでの過渡的暫定措置として実行しようというのであります。こういう考え方からいたしまして、衆議院の大蔵委員会におきましてはこういう附帯決議を行いました。全文を読み上げますと、   本法律案は、社会診療報酬の適正化の実現までの暫定措置であるから、政府は速に之が実現をはかるよう善処せられたい。 というのであります。  何とぞ御審議の上速やかに御賛成をお願いいたします。  なお、この法律の中に二八%が課税対象になつているのでありますが、この根拠について一言申添えておきたいと思うのであります。  これは先に自由党の総務会におきましておきめになつたのでありますが、それはこの課税対象は二四%乃至二八%程度の範囲内で定めるということを自由党の総務会でこの春きめられまして、閣議でこれを決定せられたいきさつがありましたので、その最高の二八%を今回取上げまして、この法律の中へ入れたのでありますので、さようお含みおき頂きたいと思うのであります。   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 以上を以ちまして衆議院提案の三案の説明を受けましたので、最初の国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案につきまして質疑をお願いいたします。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 内藤さん、ちよつとお尋ねします。  最初に、炭鉱労働者の医療施設の用に供するために産業復興公団が建設した、そういつた施設を地方公共団体或いは健康保険組合等に貸付をするという、そこでなんとかこれを運営してもらうということになつたときに、ゆくゆくは、ことの性質上無償で譲渡されることになるだろう、こういうふうな話があつた。恐らくまあ常識的にそういうことが考えられる。そうだつたと私は思うのですが、ところがたまたま大蔵省の所管になつて国有財産ということになつたために、そう簡単にいかなくなつたというお話があつたが、大蔵省とは何か折衝した事実があるのですか、無償でこれを一つ渡してくれたらどうだというようなことについて。それは御存じないですか。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 当時、先ほど説明を申しましたように、引受けさせられるときは、知事のほうからいずれ無償になるであろうからというようなことを、正式な文書ではありませんけれども、引受けさすときに各関係市町村なり社会保険機関などにそういうことがよく言われておるのでありまして、そこでまあこれを無償でもらえるものなら市町村費、そういうものを注ぎ込んで完全なものにしてやつてもいいじやないかというところから引受けてやつたことは事実でございます。例えばこれは福岡県の一例になりますが、福岡県でもそれを修理するために五百五十万円からの県費を出し、市町村もそれにやや該当するくらいの額をいろいろな形で寄附をしまして、そうしてこの経営をしておるのでありまして、これが大蔵省の所管として所定の使用料をとられるものとするなら、その当時からこれを引受けるが、補修はこれくらいかかるが、これをどうしてくれるとか、或いはこれを経営するためにはいろいろこういう補修費なり、そういう赤字が出て来るが、こういうものについてどうしてくれるかというような交渉も多分持たれたであろうと思うのでありますけれども、まあ建物を無償で払下げられるものであるなら、やつぱり自分らのほうでも或る程度そういう市町村費、そういうものを投じてやはりすべきであるということが常識的に自然に行われたのじやないかと、こう思つておるのでありますが、ところが産業復興公団から大蔵省に引継がれて、これで契約をしなければならんというときには、もうそれぞれ終了してしまつて、それぞれの病院診療所が経営をされていたのでございまして、今更大蔵省で契約をしろと言われて、そんならやめましたというわけにもいかんし、そうかといつて高い使用料であるから払わないというわけにいかんかとかいうことをやつたり、いろいろの我が儘を言うことになりますと、市町村自治体やそういうところは大蔵省がかなりこわいのでありますから、起債とかそういう場合にどうも睨まれたら又困るというような弱味もありまして、やはり大蔵省の言うことにはまあ仕方がない、あとで又何とかしてもらえるだろう、又あとで何とか交渉しよう、こういうことで少し無理な契約がなされておる。併し時日がたちまして、今申上げましたように、もう辛抱ができないというところから、今のような請願書もずつと出し、陳情も随分しておるのでございます。けれどもなかなか大蔵省も又一遍自分のものとすれば、他との関係もありましようから、やはり大蔵省だけでは如何ともすることができないのでございます。よく地方管財局では自分らも経営経理を監査していて、実際これは無理だから本省と話してくれ、或いは本省とも無理であるから法律でも作つてもらつて何とかしてもらわなければならんから、そういうようにやられたらどうかというような意味の同情ある指示を受けつつあつたことが今日の法案となつて来ておるというような経過でございます。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 丁度大蔵省管財局長が見えておりますので、管財局としてはどうなんですか、今伊藤さんの話を、先刻の説明によつて了解しますと、この施設を利用しておる人の、つまり患者といいますか、の状態を見ても、相当困窮しておる人ばかりだということが考えられるが、こういつた施設を地方公共団体等に無償で譲渡する、そうして経営するというふうなことに何か大蔵省としては強いオブジエクシヨンを持つているわけでございますか。

窪谷直光大蔵省管財局長

○説明員(窪谷直光君) この炭鉱の医療施設につきましては、大蔵省が引継ぎましたときに、すでにもう公団との間に売払なり貸付なりの契約が殆んど全部できておつたのでございます。今伊藤先生から、大蔵省では引継いで新らしく契約をしたようにとれるようなお話がございましたけれども、これは二十六年の三月に公団の解散を命ぜられまして、その清算事務といたしまして、今まで未契約状態に相成つておりましたものを、早急に正式のものにしなければならないということから契約をいたしたのであります。契約の日付は、それぞれ二十六年の十一月の二十日にその契約を大蔵省が引継いだということに相成つておりますので、その点は御了解願いたいと思いますが。  それからなお、これの減額の割合についてどう考えるかというお話でありますが、現行の国有財産の特別措置法によりますと、市町村経営の病院、それから社会福祉法人の経営の病院というものの施設の用に供します場合には、時価から五割以内を減額した価格で売払い又貸付ができるということに相成つております。その五割以内の減額につきましては、この問題になつております分につきましても売払いにつきましては可能なのであります。現実にこの法律案の附則にも出ておりますように、国有財産の特別措置法で、五割を減額いたしまして処分をいたしましたものが四カ所ばかりございます。ただこの現行の特別措置法にも乗せ得ないというのが若干ございます。それはこの特別措置法によりますと、先ほど申上げましたように、公共団体の直営であるのが一つ、それから社会福祉法人の経営であるのが一つと、まあどちらかということに相成りますが、問題になつております炭鉱の医療施設の中には、その両者のいずれでもない経営のものがあるのでございます。一つは健康保険組合でございます。それから一つは財団法人でありますけれども、社会福祉法人の認可を経ていないというものがございます。この二つの団体につきましては、従来大蔵省の態度といたしましては、町村乃至市町村の直営に切替えて頂くか、或いは社会福祉法人の認可をして頂ければ、特別措置法によつて五割以内の減額譲渡ができるというお話を申上げておつたのでありますが、なかなか組織替ということはそう簡単に言うべくして行われがたいという面もございます。従いましてこの両団体につきましては、何とか特別措置法の線まで持つて行かなければなるまいと、これはもう無理からぬことだろうということは従来共に考えておつたのであります。それ以上に今度の法案のように、一割更に減額の歩合を上げるかどうかという問題につきましては、実は衆議院の大蔵委員会でも政府の見解はどうかというお尋ねがございました。そのときの御回答といたしましては、この第一案といたしましては、何と申しますか、両団体の分だけを五割の減額まで持つて行ける途を開いて頂くというのが第一の考え方でございます。併しながらそれではどうも実情にそぐわないということでありますれば、第二案としてはこういうことが考えられましよう。いずれ大蔵省としてはその程度のことは止むを得ないというように考えております。それは又伊藤先生からお話しになりましたように、初めに無償で何といいますか、譲渡してもらえるのだというお話があつたということでございますが、これは私は引継いでいる書類の中から、どうもそういうお話があつたのかなかつたのか、非常に明確でございません。それで一般の場合におきましては五割までの減額はできる、併しながらこの場合におきましては、そういう過去の経緯もあつたということも、これはやはり考慮の中に入れなければなるまいというふうなことから、一割の減額歩合の増加ということは止むを得なかろうというふうな御意見を申上げたのでありますが、衆議院の大蔵委員会では、御審議の結果、第二案のほうが実情に即して適当であろうというようなことから、その線に沿つて御決定がされたというふうに了承している次第であります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 先ほど産業復興公団が設備せられたというお話があつたのでありますが、当時産業復興公団はこれにどの程度の資金を投じたのか。それから大蔵省が引取つたのは幾らで引取つたのか。更に補修額が相当かかつたようでありますが、それが全国でどれくらいかかつておつたのか。その点伺います。

窪谷直光大蔵省管財局長

○説明員(窪谷直光君) 産業復興公団でこれに使いました費用は三億六千四百万円ということに相成つております。建設は大体昭和二十三年から四年、五年にかけて行われたようであります。その使つた費用を合計いたしますと三億六千四百万円ということに相成ります。ところが公団の清算を命ぜられましたときまでには、建設のときから若干の時間の経過がございますので、そのときに更に鑑定人を依頼いたしまして鑑定をいたしたのであります。これは現状の価格で鑑定をいたしたのであります。それによりますと二億四千四百万円ということに相成つております。公団の清算といたしましてはこの差額を特別償却をいたしたわけであります。従いまして現在各公共団体等との間の契約の基礎になつております数字は二億四千四百万円という数字が基礎になつておるわけであります。なお、この貸付料等につきましては、これは補修費等は相手方で負担するという建前で貸付料の契約ができております。従いまして大蔵省ではその補修費がどれくらいかかつたかというようなことは、一々調査はまとめたものがございませんのであります。各地の財務局ではそれぞれ適宜この貸付料等の支払いについて若干期限が経過したりなんかいたしましたりすると、その実情を調べます際に補修費がどれだけかかつたから差当り金繰りはつかんというふうなお話は伺つておると思うのでありますが、全国的に取りまとめました数字を今手許に持合せておりませんので御了承願いたいと思いますが、ただ貸付料等は、補修費なり保険料というのは相手方のほうで持つて頂くという建前でできておるのでございます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 先ほど伊藤さんからの御説明にあつたのでありますが、三億三千万円に評価しておるというようなお話がありましたが、そうすると大蔵省が引継がれたときには二億四千四百万円、これを評価して三億三千万円というふうに考えていいのでありましようか。

窪谷直光大蔵省管財局長

○説明員(窪谷直光君) ちよつと私が申上げました数字を逆におとりになつたようでありますが、建設費は三億六千四百万円でございます。公団から大蔵省に引継ぎましたときの財産価格が二億四千四百万円ということに相成つております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 先ほど伊藤さんの御説明の中には評価をしたのが三億三千万円ばかりだと、大蔵省のほうで……。そういうふうに言われたのでありますが、今管財局長からの説明によりますと、三億六千四百万円かかつたのであるけれども、産業復興公団から大蔵省が引継いだ際には二億四千四百万円になつておるというのですが、先ほど伊藤さんの言われた三億三千万円と管財局長の言われる二億四千四百万円の相互関係はどうなつておるのか、こういう質問です。

伊藤卯四郎日本社会党(右)

○衆議院議員(伊藤卯四郎君) 先ほど私の説明の場合に言葉が少し足らなかつたかとも存じますが、今管財局長が申されておりましたように、産業復興公団で建設費としてこれだけのものであるということを示されたのが三億幾らでございます。それではそれは高いというところから、今管財局長が言われたような価格になつて契約になつているわけでございます。  それから更に先ほど申しましたように、それを県やら、市町村で評価いたして見ましたところが、それは一億幾らであるというような、一億八百万円くらいであるという、県やら、市町村の建築家などで評価を出しているのでございます。そこで、二億幾らで契約をいたしているわけでございますから、従つてそれに伴うところの使用料並びに買取り料を償還しつつあるわけでございますが、先ほど管財局長の申しましたように、契約がそうなつているからいたしかたないのでございますが、使用料を払い、補修費というのが今お尋ねになりましたように、細かくわかりませんけれども、大体において大蔵省に支払いする使用料額の金額くらいが年々の補修費にかかつているということは大体間違いがないような計算が出ているのでございます。で、使用料を払い、それと同額くらいの補修費を使用人が払う。それで今度火災保険料を払うと、こういう形になりまするし、地元で評価する倍額以上の評価額の使用料を払つているところに、辛棒ができないから安くしてもらいたいというようなことが今御審議を願つている趣旨でございます。  それから市町村や社会保険、健康保険組合などが大蔵省から借りている建物の設備だけではいよいよ以て赤字に堪えられないし、なお御承知のように非常にテーベ患者などが多いわけでございますから、大蔵省から借りました建物についてはベツトは五百五十ベツトができるわけでございます。それを借入金など、いわゆる自費を以て千八百十二ベツトに増加をいたしているわけでございます。なおまだこれでも経営が困難であるから、もつと自己資金――借りて拡充しなければ、なかなか経営ができないのじやないかということになつているわけでございますが、申上げましたように、三倍以上のベツト数など拡充いたしましても、なお且つ赤字経営という状態でございます。而も三十五カ所の中に土地を市町村が無償で提供したのが十三カ所ございます。炭鉱側が無償で提供しましたのが四カ所でございます。市町村はみずから市町村費を出し、県費を出して、辛うじてこの事業をやつているというのが今日の姿であります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 この案に対する大蔵省の結論的な御意見はどうなんですか。

窪谷直光大蔵省管財局長

○説明員(窪谷直光君) ちよつとその前に一言言わして頂きたいと思いますが、伊藤先生から、現在で評価しますと一億ちよつと程度の評価だということでございますが、この評価はどういう評価か私どもは承知いたしておりません。従いましてそれがそういうことであるかどうかはちよつと私どもとしては何とも申上げかねるのでありますが、ただ現実に処分いたしました二、三の例について申上げますと、北海道で大蔵省に引継ぎました財産価格は二千六百万円のものでありますが、一千三百万円で売払いを大蔵省に来ましてからやつております。これは特別措置法で五割減額いたしておりますので、ちようど倍にいたしますと二千六百万円、従つて引継いだ大体同様の価値があるという認定ができたのでございます。  それから同じく北海道でございますが、これは千五百三十万円で引継いでいるのでありますが、売払いのときに更に再評価をいたしまして、千二百六十万円、約三百万円ばかり減額に相成つております。これはいずれも、両者ともに契約の時期は二十八年の三月でございます。二年、一年半ばかりの開きがあるわけでありますが……。  それから更に東北地方に一カ所でございますが、これは百五十万円で引継ぎました財産でありますが、それを五十一万円で譲渡しております。これもやはり五割減額でございますので、倍額いたしますと、約百万円ということに相成ります。五十万円程度の減額に相成つております。従いまして再評価を個々にやりますと、施設の状況によりまして、何とも言いかねるかと思うのでありますが、或いは総体的には若干下がるんではなかろうかということは言えると思いますが、果して一億になるかどうかという点につきましては更にこの法案の執行に当りまして再評価をいたしてみないと、大蔵省としては現在の段階では何とも言えないというような状況でございますので、御了解を賜りたいと思います。  それからなお御質問のこの法案に対する意見はどうかということでございますが、先ほど申上げましたように、案といたしましては、両案を衆議院の大蔵委員会に審議の御参考までに申上げたのでありますが、第二条のほうを御採用に相成つたのであります。いろいろ考え方のあるところだと思います。今日の段階におきましては、大蔵省といたしましても、この案で法律の成立いたすことは結構なことであるということに考えております。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 この公団から大蔵省に引継ぎを受けた時期はいつですか。

窪谷直光大蔵省管財局長

○説明員(窪谷直光君) これは二十七年の三月でございます。二十六年度末であります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 引継ぎを受けた価額はわかつたのですが、この法律の第一条の終りにある「時価からその六割」というその「時価」という表現がしてあるのですが、時価ということになると、この価格は幾らくらいになるのですか。

窪谷直光大蔵省管財局長

○説明員(窪谷直光君) それが伊藤先生から総額では約一億くらいだろうというお話がございましたが、これは個々についての評価をいたしておりませんので、何ともちよつと申上げかねるのであります。二、三の例を申上げましたが、これは約一年ばかり前に処分をいたしましたものと、大蔵省に引継ぎました当時の財産価格と比較して見ますと若干減額に相成つておる。その間の調整の問題といたしましては、若干二十六年から物価が上つておりますが、併しながら時間の経過がございまするので、建物の償却を見なければならない。それから単純な償却だけでなくして、或いは一つ特に考慮いたさなければならないかと考えられますのは、戦後における急造の建物でございますので、いたみが相当早いということも又考えられます。その辺の実情に即しまして、十分に勘案いたしませんと、どうも総額どの程度になるだろうということを申上げかねるような状況でございます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 それから最後に、六割減額するという特例ができたことによつて、他に影響を及ぼすような問題は起つて来ないですか。

窪谷直光大蔵省管財局長

○説明員(窪谷直光君) 国有施設を預つておりますものとしては、当然そのことを考えなければならんことでございまして、私どもといたしましては、望み得べくんば、特別措置法の五割以内ということでやつて頂たいということを考えておつたのでありますが、併しながらこの事件につきましては、先ほども伊藤先生からお話がございましたように、若干その当事者間に誤解があつたのではなかろうか。片方のほうでは何と申しますか、無償乃至は無償に近い価格を期待しておられたのではなかろうかというような事情もやはり考慮しなければなるまい。これは勿論行政措置ではできませんけれども、御立法願うということでありますれば、その辺の事情も御勘案願つて止むを得ないというふうに考えますので、そういうような特別の事由のないものに減額して、減額の割合を高くするというような影響は先ず先ずないのではなかろうかというようなことから、修正の考え方といたしましても、過去に全部遡及するということだけは一つ御容赦願いたい、減額の五割だけは御同意申上げるのもどうも止むを得ないというように考えました次第でございます。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。それではこの程度で休憩いたしたいと思いますが……。速記を止めて下さい。    〔速記中止]

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 速記を始めて。  それでは只今の法案につきましては大体終了いたしました。   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 次に内藤友明君提案によります昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案につきまして御質疑をお願いいたします。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案、内藤さんが見えておりますが、民主党の内藤さんですから、それで次期の政権がどこへ行くかわかりませんが、一つこの際お聞きしておきたいのです。これは三つほど続いてこの関係の法案が出ているわけですが、私は政府が供出の割当を実は例年少い数字を割当てて、そうして超過供出によつて数字を得ようとしておる。そこに問題があると思う。それで若し統制をもう少し強化して、超過供出割当をもう少し強く割当する。こういうようなことを考えた場合には、却つて割当をしたものに対して免税の措置をする。こういう方法がこれが日本の食糧問題を解決する上において正しいやり方でないか、こう考えるのです。それでこのやり方は今までも政府が何とかして統制を外そう、こういうような考え方が中心になつておるために、今のような割当をやつておるわけですから、私は次の政権を担当されるかどうかそいつはわかりませんけれども、内藤さんにこの際これは逆ではないかと、それで却つて割当をしたものに対して免税をする、そういう措置をすべきじやないかと、こう考えるのですが、これは内藤さんの御意見を承わつておきたい。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 只今東さんのお話でありますが、それは確かに一つの見方だろうと思います。但し今日の供出量の決定は東さん御承知の通りでありまして、全生産量から自家保有量、それは種もみも含まれておるのでありますが、残りましたものを全部政府に出すという形になつております。そこで超過供出なんかの内容は、これはまあ自家食糧でありまして、これを雑穀或いはその他の馬鈴薯であるとか、甘藷であるとか、そういうもので補つてできるだけ節約して、節約し、たものを一つ供出しよう、そういうのが今日の超過供出だろうと思うのであります。従いまして少しそういうものに対して手厚い保護を加えてやりますれば、多勢の農家はやはりいろいろ食糧生産を、米以外の食糧生産をやつておるのでありますから、自家食糧を節約してそこへ出そう、こういうことになるというのは、これはまあ東さんよく御存じなんでありまして、従つてやはり超過供出に対しての奨励金の免税ぐらいしてやると、よく節米するのではないかと、こう思うのでありまして、東さんの見方は一つの見方であると思うのでありますが、今日やはりこういうふうなことにして行けばいいのではないか、こう考えておるのであります。

東隆日本社会党(第二控室・右)

○東隆君 私はこの際におけるこのやり方はいいと思うのです。併し今までの自由党政府の下における供出制度、これはその背後に私はやはり何とかして統制を外そう、こういう問題であるとか、或いは都道府県知事その他の働き、そういう圧力、そういうようなものがあつて、そうして割当が非常に政治的にゆがめられている面もあつて、そういうものが却つて基本になつておる割当量に対するところの免税の措置が行われておらないから、そういう問題が大きく出て来るので、このやり方で行けば常にその問題が解決されないのじやないか、こういう考え方を持つので、この法案そのものについてこの機会においては私は別に問題はないですが、次の場合においてこの問題について如何ように考えるか、こういうことをお聞きをしておるわけです。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 只今の問題は、結局は基本米価が安いということから出て来ることだと思います。でありますから基本米価が正常な価格になりますれば、私は今の東さんの御心配はなくなるものだと考えておるのでありまして、結局基本米価の問題だと思います。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質問はございませんか。それでは内藤衆議院議員に対する御質疑は終了したものと認めまして次に移ります。   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして内藤君に対する御質疑をお願いいたします。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 先刻の内藤さんの御説明を聞きますと、衆議院の大蔵委員会の考え方としては、本案のごとき特別措置法の一部を改正するという事柄自体は税制の体系を乱すものであるから、もとより好ましくないということを承知しておるようである、その好ましからざることを犯してまでもなお且つかような措置が必要だと考えられることは、社会保険診療報酬の適正化ということが行われていない、その行われていないのを税法のほうで救済しよう、而もそれは他日、恐らく近き将来において社会保険診療報酬の適正化が行われることを期待されて、これが行われたら立ちどころに税法のほうの好ましくない措置というものが直ちに解消して行くんだ、だからその不合理というか、或いは税制の体系を乱すという大きな罪を犯してまで、かようなことをやろう、こういうことにきまつたんだと、こう私は了解したのですが、そこで大蔵委員会の担当事項ではなかつたと思うのですが、恐らく厚生委員会が担当したことだと思いますが、政府との社会保険診療報酬の適正化の問題についてどういう折衝が行われたか、又政府の意図はどうだつたか、例えば適正化しなければならんということは、厚生省は認める。言い換えると、現状は妥当でないということを考えるけれども、財政的に措置することができない、財政が許さんのだ、こういう見解なのか、或いは適正化が現に行われておるのだ、これ以上の適正化というものはないというふうな考え方を厚生省当局が持つておつたのか、その辺のことは御存じないでしようか。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 先にお尋ねの、これは所得税の体系を変えるので好ましくないということについてのお話でございますが、まさにそれはその通りであります。併し税の体系から見て好ましくないものは、主としてこれは特別措置法という名前を使つておるのでありまして、特別措置法にはいろんなものが中にあります。これは主税局長がここにおられますからお聞き頂いてもいいのでありますが、特別措置法によりまして減税されておるものは、恐らく六百億以上もあろうかと思うのであります。でありますから、好ましくないのは好ましくないのでありますけれども、これはもう仕方がない。今までのいろんないきさつから見て、もうこうしなければならんのだ、こういうことになりまして、所得税法そのものを改正せずして、特別措置法というところへ持つて行つた、これは一つ御了承頂きたいと思うのであります。  それから一点単価の問題でありますが、これは実は私どもの委員会で取扱うべき問題でございませんけれども、確か、あれは三月でございました。この問題が私どもの委員会の問題になりましたときに、厚生大臣の草葉先生を委員会へおでまし頂きまして、いろいろこのことをお尋ねいたしました。過去のいきさつ、これは皆様のところへも資料が参つていると思うのでございますが、いろんな資料につきましていろいろと厚生大臣にお尋ねしたのです。そこで一点単価を引上げるということは、今日の一兆財政ではどうしてもできないというふうなことになつたのであります。そこで、それでもやはり本筋はそこを考えなければならんのだから、それは一兆円予算というものは守らなければならんものであるか知らんけれども、それでこれを抑えておくという手はないというので、委員会におきましてもこの問題は論議せられたのであります。そこで実は、やはりこれは政府もいろいろ御事情があつてのことだと思うのでありますが、昭和二十六年に一点単価をおきめになるときの条件として、その当時の大蔵大臣と厚生大臣とが、それじやそれは所得税で一つ面倒を見ようということになりまして、この三〇%というものは出て参つたのであります。昭和二十六年、二十七年、両年、これをおやりになつたのでありますが、行政処置としましておやりになつたのでありますが、会計検査院のほうから、これはどうも法的に見て面白くないではないかという御指摘があつて、二十八年度のものにつきしましては、従来の行政処置はやめると、こうなつて、又問題が新らしく起きまして、それで衆議院の大蔵委員会におきましては、二度ばかりこの問題を取上げて決議いたしておるのであります。そういうことは面白くないじやないか、政府はこの問題について慎重にお考えなさらなければならんではないかということで、いろいろと申したのであります。そうして休会になりまして、夏になりましてから衆議院の大蔵委員会が全員四班に分れまして、全国に出まして国勢調査をいたしました。それでいろいろと地方へ参りまして、実情を伺つて見ますると、もう各県、各税務署管内ばらばらになつている、率直に申しますと、お医者さんの力の強いところは三〇近いものになつておりまするし、お医者さんが少しのろのろしておりますところは甚だしきにいたつては五二、五三・六ですかのものもありまするし、併しその間不均衡がありまして、問題が非情に深刻なものになつて来たのであります。そこでこの国勢調査いたしまして、みんなが帰りました後において、これは何とかしなければならんということになり、十月頃から実はこの作業を始めたのでありますが、社会党の皆さんのほうから、これは当然無税にすべきだという、なかなか威勢のいいお話も出たのでありますが、最後に、いや、まあそうも行くまい、結局これは大蔵省が行政処置としてやつておられたのを法的に認めるという態度でどうだろう、この頃議員提出の法律がややもしますると、いろいろと収入、支出に関係のある、そういうことをさつさとやつて行くという非難を受けておるのであるから、収入、支出に関係のないようにして、プラス、マイナスのないようにして行くということが、そうして而もごたごたのないようにして行くということが立法府としての行き方じやないかということにいろいろなりまして、社会党の皆様も無税にするという勢いのいいのを、よしそれじやわかつたというので、実は二八%としたのであります。二八%というのは、先ほど申上げましたように、自由党の総務会においておきめになつた二四%乃至二八%という、その数字の一番最高の二八%というものを実は根拠にするということになるのでありまして、私どもの気持はそういうことなのでありまして、よろしくお願いしたいと思います。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 只今の御説明で、こういうふうに了承していいでしようか。私は草葉厚生大臣に親しく医療報酬の適正化なんという問題について厚生大臣の所見を質したことはないのです。只今伺つておりまして、一兆円予算の枠の中ではどうにも仕方がない、こういう厚生大臣の意見だつたということですが、そうすると、そのことは直ちにこう解釈していいでしようか。診療報酬の適正であるかということについては、厚生大臣も必ずしも適正とは考えていないが、これが是正を一兆億の予算の範囲内でやれと言われると、これは到底財政的の措置が困難だ、だからどうにもしようがない、こう厚生大臣が答えたかのように私には今とれたのですが、そうでございますか、そう承知してよろしうございますか。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 私ども委員会を通じて厚生大臣からお聞きしました印象は、さようなことになつております。従つて、この法律を作りました根拠もそこに置いたのであります。従つてこれは極めて漸定的な措置とこう考えておりまして、わざわざこの法律に対しまして附帯決議までつけたのであります。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 私はこれ以上は、政府側から聞きたいのですから、提案者に対する質疑はこれで打切ります。

木内四郎自由党

○木内四郎君 私からも内藤さんに一言だけ、あなたお忙しいようだから伺つておきますが、なにか自由党の総務会でパーセンテージをきめたからというお話だけれども、私ははつきり実はそれを承知しておらないのですが、何か資料があつたら私どものほうに配付して頂きたい。  それから、さつきあなたがどういう説明をなさつたか、私ここにおらなかつたものだから聞かなかつたけれども、なにか租税の体系を著しく乱すということは甚だ遺憾だけれどもということを言われたらしいのだが、若しそうだとすれば、なにかそんなことをしないで、ほかに方法はなかつたものかどうか。それは前に収税官庁がやつておつたことをジヤステフアイする根拠を与える、こういうことで足りるものなら、私がここにおらない間に表明された、甚だしく租税体系を乱していかんなどというような方法をとらないで、他にこれをジヤステフアイする方法はなかつたのか。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 木内先生のお話御尤もなのでありまして、実は所得税の体系からみて好ましくないことだという御説明を申上げたのであります。実はまあこれは先生のほうが御専門なんでありますが、こういう税の体系から好ましくないものは特別措置法というものへ今まで大蔵省は持込んでおられるようでありまして、実は私どももそういう考え方で特別措置法の中に持込んだ、まあ、こう考えておるのでありまして、従つて特別措置法というやり方は、好ましくないものは皆そこへ持込む、こういうふうに実は了承しておるのでありまして、併し先生のおつしやるように、なにか法律にないやり方でなにかうまい手がなかつたろうかというお話でありますが……。

木内四郎自由党

○木内四郎君 いやいや、法律に基いてもいいのですよ。あなたの言われるような非常にまずいという点を避けて、廻り道して、うまい方法はなかつたろうかというのです。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) いろいろ考えたのですが、結局はそこへ落ちついたのでございまして、それは私よりも木内先生からもつと教えて頂かなきやならんことなのでございますが、まあ木内先生もおわかりでありましようが、よろしくお願いしたいのでございます。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はございませんか。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 一点だけ提案者にお尋ねをしますが、衆議院の大蔵委員会で、この超過供出に対する問題と、この租税特別措置法の只今説明になつておる法律とが可決されておるようですが、まだそのほかにこの一般給与所得者の年末手当に対する減税の問題がかかつておるようなんですけれども、これをまだ衆議院では結論が出ておらんようですが、こういうふうに税金が重いということは我々は同感なんです。今日中小企業にしても或いは給与所得者なども非常に重税に悩んでおるということに対しては異議はないのですが、こういうふうにやられるというと一方的な措置だけがとられるという結果が出て来るのじやないかと思うのです。やはり減税をするというなら全体に税の軽減が図れるような措置を考えるべきじやないかと思うのですが、そういう点について提案者はどうお考えになつておられますか。

内藤友明日本民主党

○衆議院議員(内藤友明君) 只今の小酒井先生のお尋ね、御尤もなのでありますが、実は今提案申上げております二つの法律案は税収入には実はプラス、マイナスがないのでありまして、供米の早場米奨励金、超過供出奨励金を前年と同じ、それからお医者さんのほうは大体行政的処置でやつておられたのでありますから、これは税については関係ない。そこで今お話の年末ボーナスに対する免税処置でありますが、これは今実は私のほうの大蔵委員会で皆さんお待ち願つて主税局長のお出ましを頂こうと思うのですが、実はこれは少くとも今社会党の皆さんからお出し頂いた法律では八十五億ほどの財源が必要になるのでありまして、これは私どもの民主党も、又自由党の皆さんもそうですが、八十五億の財源が何とかならないだろうかということを実は渡辺さんに責めつけておるのでありますが、政府としても財源が八十五億のが六十億、五十億と、こういうことでありますれば、それをもとにして立法処置をとつてさつと行こう、こういう実は態勢でおるのでありまして、その財源は何とかございませんかということを、この頃渡辺さんにえらく御迷惑をかけて、それが実は今大蔵委員会の皆さんがいろいろ懇談しておるわけなんでありまして、何とか小酒井先生のおつしやるように、今日税金の一番重いのは実はサラリーマンで、これはお医者さんのほうの社会診療報酬もこれはごまかすわけにいきませんけれども、このほうもごまかせない、而も非常にたくさん負担しておるというのでありますから、何とかこれはしなければならんと思つて、私のほうの党でも松村さん初め今みな一生懸命になつておられるのでありますが、今日はその財源を一つひねり出すのに渡辺さんを責めつけておるのでありますから、小酒井先生からも渡辺さんにその点をおつしやつておいて頂きたいと思うのでありますが、どうも私たちだけではなかなか口が開けんので、実は当惑しておるのでありまして、その点はよろしくお願いしたいと思うのであります。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) ほかに御質疑ございませんか。ないようでございますから、これで休憩いたしたいと思います。一応六時まで休憩いたします。    午後四時五十五分休憩    ―――――・―――――    午後七時十一分開会

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を再会いたします。  最初に、国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案に対しまして質疑をお願いいたします。……御質疑がございませんければ、終了いたしたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) ちよつと今緑風会のかたがそとに出られましたので、ちよつとお待ち下さい。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 速記を始めて下さい。  それではちよつと只今休憩をいたします。本会議の予算が済み次第再開いたします。    午後七時十三分休憩    ―――――・―――――    午後七時二十九分開会

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) それでは休憩前に引続いて委員会を再会いたします。  国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案につきましては重ねてもう一度質疑はございませんか。  質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。……別段御発言もなければ討論は終局したものと認めまして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決をいたします。国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案を衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて本法案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続は前例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     藤野 繁雄  小酒井義男     東   隆  青柳 秀夫     井上 清一  安井  謙     杉山 昌作  豊田 雅孝     前田 久吉  平林  剛     森下 政一  石坂 豊一     有馬 英二   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 次には、昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案につきまして御質疑をお願いいたします。御質疑はございませんか。……御質疑は終了したものと認めまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 私はこの案には賛成をいたします。実は政府から支払われる金が少いから払うほうの税金をまけろというようなことはこれは誠に筋道の通らんことでありまして、従つて供出米についても同じ考えから、そういうふうなものはあるべきものではないと実は考えております。ただ併し今度の案によりますと、これは基本米価については税金は納めるんだ、早場米奨励金と超過供出奨励金だけのもので、これは本年の偶発的或いは附加的な収入だけを免税するので、基本収入についてはこれは免税さるべきではない。昨年はそのほかのものも免税にいたしておりましたが、本年はそれだけに幅を狭めるということになつております。従いまして根本的に今私が申上げましたような考えは持つておりますけれども、昨年より漸次改善して行くという跡が窺われるのと、更にこれが偶発的附加的なものだけだという精神をはつきりしておりますので、まあまあこれならという意味で賛成をいたします。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。……なければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案に対しまして衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君の挙手を願いたいと思います。    〔賛成者挙手〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 全会一致と認めます。よつて本法案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続は前例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。  多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名      藤野 繁雄  土田國太郎      小酒井義男  東   隆      青柳 秀夫  井上 清一      入交 太藏  安井  謙      杉山 昌作  豊田 雅孝      前田 久吉  平林  剛      森下 政一  石坂 豊一      有馬 英二   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対しまして御質疑のおありのかたはお願いいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) この際、大蔵大臣として意見を述べてよろしうございますか。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 速記を始めて下さい。杉山君にお願いいたします。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 今度のこの提案の理由を拝見いたしますと、医師の診料報酬の単価の問題ですが、点数が非常に安く二十六年度にきめられた。それでそれの引上げを要求したけれども、その引上げがいろいろな事情でできなかつた。そこで二十六年、二十七年におきましては、政府の行政措置として健康保険の診料収入については三割だけを収入として七割を必要経費として認定するというようなことをやつた。ところが二十八年度にはそういうものをしてもらえないので普通のやり方になつた。そうしたところが健康保険医の収入が非常に少いので過重な負担になつている。そこで今度もやはり二十六年度、二十七年度にやつたような方法をやつてもらいたいと思うが、それができないから、むしろこの法律をこしらえてこの法律でそこをはつきりして置くと、こういうふうなことであるようであります。併しこれは今私は米の供出代金に対する租税の減免についての討論で申上げたことと同じことなんでありますが、一体政府から支払われるものが少いから反対給付と言うか、相殺の意味で税金をまけるというようなことを一体やつて、それは税の制度或いは税の本質から言つていいものかどうかということは、これは非常に私は疑問を持つているものであります。提案者は、提案理由に見ましても「差当り経費率を法定することがいざこざを避けるための最適且つ、やむを得ない措置だと存ずるのであります」と言つて、提案者自身この方法があまりいい方法でないということは認めておられるようであります。若しもこういう前例を開きますると、提案者も認め又私も更に輪をかけて、これはべらぼうな方法だと思つておりますが、この方法を前例を一回開きますと、その波及するところは大きくはないかと思います。現に私が一番よく承知いたしておりまする葉たばこの供出をしている農民は、葉たばこの供出価格が非常に安い、或いは葉たばこ耕作組合調べが生産費をも割つているだけでなしに、専売公社の調べた生産費をも実は割つていることは、これは調書ではつきりいたしておりますが、従つて同じ大蔵省でやつていることだからして、葉たばこの供出代金の値上げをしてくれないならば、税金をまけてくれということは数年来言い続けていることであります。更にもつと広く言つたらば、国家公務員が今日ベース・アツプがしてもらえない、非常に困る、何とかしてベース・アツプをしてもらいたいという要望が非常なものであることは御承知の通りだと思いまするが、若しも政府から支払うものが少いからその場合は税金でやるという前例を作りましたら、国家公務員全部が、初めには或いは超過勤務手当或いは年末賞与というような偶発的な給与についての免税を要望し、それができれば本俸についてもその何割かを免税してくれというようなことに若しも万一拡つて行くことになりますと、これは由々しき問題じやないかと私は非常に心配しております。国家公務員の諸君はこれをやるというのじやありませんが、前例を開けば今日の社会情勢はそこまでに至るやも知れないということを一応心配をいたすのであります。そういう問題でありますから、この制度は私は非常に悪例じやないかと思う、悪法じやないかと思うのでありますが、これについて政府の御見解を伺いたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 私は御承知のごとくに、今杉山委員がお話になつたように二十七年度の所得につきましては閣議の決定で三〇%ということにしたのでありましたが、併しそれは会計検査院が調査した結果、これは法律に背いているものであるから今後こういうことをしてはいかんということで、二十七年所得に限つてそれはやるということを、限つてと書いてあつたのであります。それが二十八年のときはできるだけ経費を余計見るというような、見方においてはありましたが、そういうようなことができないことになつたことは御承知の通りであります。又今こういうことに一つ例を開けば、お話のごとくに幾つもだんだんだんだんこういう例が出てしまつて、所得税体系というものは全部乱れて来ると思うのであります。私はこういう所得税の建前をくずすものには反対をいたします。所得が幾らになるかということは、これは調査の結果きまるものでありまして、従つて収入金に対する経費の割合が何%となるかということは人によつても違いまするし、地域によつても違いまするし、年によつても違う、これは当然のことでありまして、これを一律に七十何パーセントだと全国場所も構わず、人も構わず、ところも構わず、年も構わずにきめるというようなことは、これは所得税の建前を本当に崩すものであつて、所得税の建前に反するものだと思います。  それから昭和二十八年度分について調査の結果を申しますると、地域によつては違つておりまするが、平均では三五%程度となつておるのであります。これを仮に二八%と法定しますというと、医師のみについて特別の減税をすることとなつて、ほかの納税者に悪影響を及ぼすこととなることは御説明するまでもないところであります。又社会保険診療報酬の一点単価が低いので税によつて減税措置を講ずるというようなことは、これはどうも只今杉山委員のお話に出ましたように、これは私ども公務員給与が低いから公務員の給与に特別な減税をせよと、こういうのと何も理窟は選ぶところがないと思うのであります。一点単価が高いか低いか、こういうものは別個に検討して解決すべきものだと思うのであります。一体一点単価が高いのか低いのかという点につきまして、その検討がまだ十分とは私は言えないと思うのです。どのように一点単価を改訂するかというような問題は、これは今後に残された問題でありまするが、併しこの問題がきまらん間は、場所もかまわず、人もかまわず、年もかまわず、一律に法定して、こうやつて而も所得税体系を紊るということは、政府としては反対でございます。なお現在の一点単価を念のために申上げれば、昭和二十六年にこれは決定されたのでありまするが、その後お医者さんの収入は相当増加を示しておるのでありまして、医療総収入が六割の増加となつておることは、今までの私どもの、これは御参考に差上げていいのでありますが、調査で示している通りでございます。これは政府としての意向でございます。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 この措置は政府としてもやりたくないというような、こういうふうな前例を開くことは租税の体系上おもしろくないということははつきりいたしたわけでありますが、併し幾らそういうふうなことが悪いということが言われても、そのときのいろんな情勢でやらなければならん場合もこれは政治ですからあるかと思いますが、一体そこでこれをやらなければならないかどうかという問題になるわけでありますが、一点単価が一体今まで安いのか高いのかというふうな問題を政府はどう見ておられますか。この問題が出たのは今日昨日の問題じやないので、昭和二十六年からの問題であることははつきりいたしております。もう三年もたちまして、一体政府においては報酬単価を引上げることが必要であるということで考えて措置をとつて来たのか、何もしないのか、或いは現在まだ研究中であるのか、又問題は大蔵大臣の言つているように、いやな前例を開くのでありますから、前例を開く以上は今日絶対必要である、而もその必要は止むを得ない、殆んど全体に近いような理由からその必要が生じたということであれば、まあまあ政治だからということになりましようが、その必要性がはつきりしないのに悪い前例を開くということはどうかと思いますので、政府が今の一点単価の問題につきまして今日までの折衝なり研究なり、或いは最近のお考えなりを承わりたいと思います。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 一点単価の問題は政府では高いとも安いとも別に現在は結論を出しておりません。それは臨時医療保険審議会でございましたか、その方面でこの問題は大分前から問題になつておりますので、諮問をいたしております。その諮問をすでに長らく検討いたしておりまするが、なかなか時日を要しておりますから、この夏以来更に一つ急いで結論を出してもらうように督促をいたしておるような次第であります。いろいろあらゆる点から検討しなければならないので、諮問に対しましては委員会は急ぎながらも慎重にやつております。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 まあこれはちよつと私から言いますると、政府は甚だ怠慢だと申上げたいと思います。三年もかかつている問題を、そうして医師会等でも非常な要望のある問題を、まだ今となつてもそういうふうなことしか進んでないということは、非常に私は怠慢であるのじやないかと思います。と同時にそういうふうなあやふやな、必要性があるかないかが政府でもわかつていないというようなものを根拠にしている。そうしてこの悪例を開くということになるならば、これはどうしたつてこの悪例は開けないんじやないかということを言わざるを得ないと思うのでありますが、まあそれは私の意見ですからいいです。仮に何らかの事情でこの法律を通す、通さざるを得ないということになつたときには、今申上げました通り非常に悪例でありますから、これは一刻も早く元の姿に直すということをしなければならんと思う。悪例だがやはり絶対必要だという、悪例だからその必要を成るべく一日も早く変えて、一日も早く元に返すという努力が付いて来なければならないと思いますが、今の厚生大臣のお話ですと、仮にこの悪例を通したときに、これを元へ返す唯一の正道は、一点単価の引上げが必要であるならば引上げをする。必要でないならば医師会のほうの要望が如何ようであろうとも、それは説得をして、説明をして、我慢をして頂くという、どつちかをしなければならんと思うのですが、その我慢をしてもらうということは、別問題として、引上げをするというふうなことが、仮にこの法案が通つたとき、直ぐ引続いてこれは悪法だから、一年の間におれのほうで研究してそういうことをやるからこの悪法をやめるというのか、半年の間でやるというのか、そういうことに対して政府側としては若しこれが通つたときにはどういうふうな心がまえを以て対しようとせられるのか、その点を承わりたい。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 私は途中から参りましたので、実は前のほうからの大臣の答弁と違うかも知れません。この点一つお許しを頂きたい。実際上の問題を申上げますると、昭和二十六年の十二月の七日でございます。閣議におきましていろいろ当時問題があつて、一点単価をたしか一円五十銭の値上げをする、いろいろ問題があつたが、甲地においては十二円五十銭、乙地においては十一円五十銭と決定した。決定したときには課税を大体三〇%日程度するということが基礎になつてその決定をした。従つてその後におきまするやり方におきましては、多分お答えがあつたと存じまするが、大体三〇%程度ということを課税の対象にして来た。ところがこれは当時の便宜措置でありまして、法律の根拠がないやり方であるから、私参りましたときに大蔵大臣が答弁いたしておりましたように、これは適当でないという会計検査院等の意見等もあり、従つて本年二月に、閣議におきましても大体前年度の踏襲でやつて行こう、併し実際上には従来のような通牒等を出すということがいわゆる法律的に正しくないという、従つて法律的な根拠をどこかに求めなければならんという問題になつて来たわけであります。私どもは実はこの社会保険の収入に対しましては違つた意味から、社会保険そのものが一種の国家の一つの法的な意味を含んだ事業と考え、又今後さようにいたして行くべきものだと考えるのであります。従つてこれらに対する課税の問題、或いはこれらの社会保険医の待遇の問題、そういう点につきましては、国家が普通の所得以外において考えて行く余地があると考え、そういう意味において従来三〇%以内というのはやつておつたと存じます。従つてそういう点から考えて参りますると、今回のこの法律が出たあとにおける問題はどうするかというのでございまするが、二十六年等のこの状態から考えまして、引続いて参つておりまする課税の問題はこの法律の根拠、その法律の形そのものが或いは不十分かも知れません、不十分かも知れませんが、実情に合わせるためにはそういう方法をとることも、又今杉山さんのお話のように止むを得ざる場合もあろうと思う。そういうことを考えますると、とにかく一応この課税の問題は法律の根拠ということによつて従来の違法というのはなくなる。而も社会保険に対する法的な意味というのが強く打ち出されて来て、今後社会保険の伸展には私は大変な裨益することが多いと思います。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 私今伺おうと思つたことと多少的が外れた御答弁なんですが、それよりも先に厚生大臣に私は申上げておきたいのですが、この方法が前の制度から言つてよくないということをさつき私が申上げたところが、大蔵大臣はその通りだというお話があつたのです。只今社会保険というものが、健康保険というものが公的な性格があるから、これには税に対しても或る程度の斟酌があつたほうがよくはないかというお考えを持つておるが、国家公務員なり議員なりというものは、これは社会保険の医者よりももつと公的な仕事をしておる。社会保険のお医者さんは若干公的であるが、だからと言つて税でそれを何とかするというのは、一体国家公務員なり議員なんというものはもつと税を負けてくれということを言つて来なければならないと思う。同じ政府部内でも、税を担当しておる大蔵大臣は、税の制度からいかんということをはつきりおつしやつておりますので、その点は厚生大臣にも私は念のために申上げておきます。それで私は税のことは大蔵大臣から伺つたのでいいのです。悪税法だということもはつきりしたのです。その悪税法をもあえてやらなければならん場合も或いはあり得るだろうと思う。これが通る或いは通すというふうなことになつたときに、悪税法だから一日も早くこの税法を元にするということについての御努力があつて然るべきじやないか。その見通しがつかないならば、悪税法がいつまでたつてものんべんだらりとやつて行くということになつては、税の根本を覆すものじやないか。だから私は診療単価の引上げを実行するか、或いは診療単価が今のでいいというのならいいように医師会等でお話をして了承をしてもらうか、どつちかを早くしなければならんというときに、厚生大臣は今までは通牒で違法のようなことを言つていたけれども、今度は法律になるから違法性がなくなると、非常に形式的なことなんです。それは悪いことでも何でも法律でそれをきめた以上は違法ということはそれはなくなりましようけれども、一体そういうふうな法律を作ること自身が税の制度から言つて、税の精神から言つていいか悪いかということを、実は私はそれを問題にしているので、それを作れば違法性がなくなるというような答弁を伺おうと思つているのじやない。そういうふうな違法性の問題じやなしに、税の制度のよこしまな法律をなぜ作らなければならなかつたのか。若し作つた場合にはどうして如何に早くそれをやめるかということについて、これは厚生大臣の御管轄であろうと思うから、それを伺つているわけなんです。

草葉隆圓自由党厚生大臣

○国務大臣(草葉隆圓君) 結局一点単価の問題によつて、この処置を考えるかどうかという問題になつて来ると思います。そこでこれはもう私先に申上げた、諮問機関に諮つておりまするが、諮問機関自身においても結論をなかなか出し得ない問題だと、実は心ひそかに思つております。それは一方におきましては政府負担、政府のこの負担がありますと同時に、或いは国民健康保険その他健康保険等の一般の負担が相当殖えて参ります。それらの方面におきましては私のほうには絶対に単価の引上げは反対だという強い意思表示が現在も盛んに参つております。従いまして一点単価を今手をつけますることは、答申が強く出て参りまするときは別に考えまするが、今私の心境といたしましては簡単にはできないと考えます。

安井謙自由党

○安井謙君 私今いろいろ時間もありますので、極く簡単な点を大蔵省にちよつと伺いたいのですが、税制上好ましからん立法であるというような御意見があるのですが、これは実際上手続の問題として好ましくないのであつて、その内容についてはまあ過年度において閣議決定で実施はしておるものである。それを法律化しないで実施をするのが手続上好ましくないということになれば、その精神を或る程度生かすということ自体が果して好ましくないことかどうか、その点について……。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) お答え申上げます。私の見解としましては、結局先ほど厚生大臣のお話もございましたように、まあいわば一種の政治的妥協として行政的に二十六年度分、二十七年度分についてこういう措置がなされた。それでこれは二つの問題があるわけでございます。一つはこういうことを行政的にやることが違法じやないか、これは会計検査院に指摘されたところです。もう一つは税の建前からしてこういうことがいいか悪いか、これはまあ法律として作れば一応先ほどの違法性はなくなりますが、税の建前としてこれがいいか悪いか、こういう問題がもう一つあるわけです。そうしてその面につきましては平田国税庁長官もここに出席していますから、いろいろ御説明申上げていいと思いますが、一つはまあ法律によらない点もありますが、例えば実際の問題としまして、産婆さんの税金がお医者さんの税金よりも高い、一体どういうわけだろうか、こういつたようないろいろな不権衡な面がそこにあるようですが、或いはいろいろな中小企業者のかたがたのお話を伺いましても、どうもお医者の税が安いじやないか、そういう意味におきまして我々としましては実質的にその権衡を考えないというと、やはり所得税といたしましてはその建前からしまして、所得のあるところ税金を、所得税をその負担力に応じて払つて頂く、そういう本来の建前を通すような税制でなければおかしいじやないか。それが何らかの理由によりまして、これは臨時租税措置法でいろいろやつておる。確かにやれ輸出所得の特別控除とかいろいろやつておるが、併しその全体としてやはりそこに負担の権衡という問題が法律以前の問題としてありまして、一応税としてはそれが要請されるのではないか。そういう意味におきまして、只今杉山委員から、こういうことをやるといろいろな悪税法が出て来るのじやないかという御指摘は我々も同じような感じを持つておるのであります。

安井謙自由党

○安井謙君 先ほど杉山委員もおつしやつたのですが、国家公務員とかその他のものとの不均衡になる。私はその問題については、これは医者というものはこれは自由職業であつて、初めからそういう国家から契約して雇われているという性質のものとは違いますので、その点では必ずしも同一に論じられないと思うのですが、その結果大蔵省としてはどういう意味ですか、昭和二十六、七年には必要経費差引の必要を認めて、これは内閣で方針がきまつた。それから会計検査院から併し手続上の違法性を咎められて、二十八年度にはそれはやらなかつたのですが、一体必要経費を保険費から引くので必要はないというお考えなんですか、その点はどうなんですか。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) これは今更安井委員に申上げるのも如何かと思いますが、所得の計算は、収入金額から必要経費を差引く、こういうことになつておりまして、実際見て参りますとその必要経費の額は、先ほども大蔵大臣がちよつと触れましたが、人により地域により、或いは経営の規模により非常に違います。例えば収入金額の五割六分くらいの人もあれば、或いは例えば人を雇つている給料を払う人、そういう人はそんな意味におきまして必要経費が非常に多くなりまして、一点単価例えば二割くらいになつておるような人もございます。従いまして我々として課税の実際に当りまして一番遺憾に感じまするというか、やりにくい問題にぶつかります場合は、そういうふうに非常に経費の率が多い場合も、まあそれほど多くならない場合も同じようにその七割二分くらいが必要経費だと法定することは、その意味においてそこに又不権衡が出て来る。実は申し落しましたが、二十八年度分につきましてそういう標準率課税は困るという意味は、一つは会計検査院のほうから何もございましたが、税の執行に当りまして而もその点においてはいろいろな負担の不権衡が出て来て、これはお医者さんの仲同士でやはり問題が出て来るわけでございます。そういうふうな考え方は面白くないのじやないか。で、二十八年にやりましたことは、従来の課税においてお医者さんの必要経費としましていろいろ見て参りました経費の中にどうもまだ見足りない分がある。研究費であるとか、或いは医師の会合に出かける費用であるとか、いろいろ見足りない分がある。そういつたような点がどうも従来の課税では少しから過ぎるのじやないか、こういうようなこともございましたので、そういう点で一応お話を伺いまして、成るほど御尤もと思うものにつきましてはできるだけこれを見て行く。即ち考え方としましては、従来の課税について大蔵省としましても相当反省し、負担の過重にならないようには大いに心掛けております。併し例えば一率に所得率が三割とか、そういうような考え方は、所得税の税制として面白くないのじやないか、こういう考え方で以て二十八年にはその線で施行することにいたしたわけでございます。今度はそれを、最初の問題は今言つたように二つあるわけでございますが、会計検査院が指摘されております問題と、私が先ほど申しましたように税法の建前としましてもう一つの問題、より根本的な問題がここにあつて、結局お医者さんの仲同士でやはりいろいろな不権衡の問題が出て来る。こういう考え方は法律としましても面白くないのじやないか、かように考えております。

安井謙自由党

○安井謙君 もう一言だけ。大変こう意地の悪いような質問になつて恐縮なんですが、そうすると閣議決定事項があれは大体おかしいのだという見解になるわけですな。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) まあ税の執行官庁としますと、これは一応閣議決定のものでございますから、我々もそれに縛られたわけでございますが、そのもの自身が非常に実行の面に移して見ますとおかしい。そこで二十七年のときはちよつと最後に問題が残つちやいまして止むを得ない。併しこれは早急に今の一点単価問題と結び付いています問題でもあつたんですが、それと併せて御承知のようにこういう執行のやり方はやめようという一応の閣議決定があつたわけでございますが、それがなかなかやはりその問題がいろいろな点にぶつかつたと思いますが、うまく解決できなかつたのでありますが、まあ租税のほうとしましては、昨年、二十八年分につきましては別の面でその一点単価問題というものを一応頭に全然入れなかつたわけではないのでして、従来の課税の経費の見方というものについてもう少し見れるものがあればこれはできるだけ見て行こう、こういつた観点で二十八年については執行したわけでございます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 先ほど来これは悪法である、又提案者も説明の際に、望ましい措置じやないということをはつきり言われたのでありますが、なお且つこれをやらなければならんということについてちよつと伺いたいと思うのですが、医師の一人当りの平均収入、これは普通の医師と歯科医師に分けてどのくらいになりますか。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) お答え申上げます。これは二十八年度分、昨年度でございますね、それの課税の実績としまして国税庁で出ております集計でございますが、普通医が課税になつております人員数が三万六千五百十一人、この所得、一人当り平均でございますが、それが五十万三千円、それから歯科医が一万七千四十八人、その一人当りの所得が三十一万九千三百円、人員の合計が五万三千五百五十九人、一人当りの所得が四十四万四千六百七十円、こういう数字になつております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 曾つて三〇%に抑えておつたのを今回二八%にしようということは、これはお尋ねするのは少し筋違いかも知れませんが、過去において三〇%にせられたその理由と、今回二八%にせられたその理の、推測の説明でもいいのでありますが、一つ御説明願いたいと思います。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) 実はこれは非常に恐縮な申し様ですが、今度の二八%にどうしてしたかというのは、私も実は伺いたいところなんでありますが、過去において三〇%に……、その当時どのくらいの数字になつていたかはつきり存じませんが、四十五くらいの数字になつていたんじやないかというように想像いたします。それを二十五乃至三十に落したという点でいろいろ問題が出て来たわけであります。ただ当時四十五と見ました点につきましては、二十八年分の施行の場合にいろいろ検討して見ますと、相当まあ経費としてもう少し取入れてもいい事項が相当あるんじやないだろうか、こういうふうな感じがございまして、昨年先ほど申しましたようないわゆる標準率的な考え方でなしに、まあ必要経費をはつきり出せば、一応理窟がつくものはできるだけこれを入れるといつた考え方でやりました結果は、これはいろいろ見て参りますと、やはり非常にまちまちでございます。多い人ですと所得率が四十五くらいになつておりますし、それから少い人ですと、先ほども言つたような人を雇つたりしておりますと、一八から二十近くになつております。まあ申上げられますのは、全体アベレージしたところは三十四という数字が出ております。ただ我々の気持といたしましては、そういうふうに四十五の人もあれば十八、二十の人もあると、それが二十八になつてしまうと、今度の法案を拝見いたしますと、この適用を希望しなければ希望しないでそれで済むということになりますから、恐らく二十八以下に所得率のなる人は適用を希望されないということに恐らく出て来るのじやないかと思います。それにしても所得率が二十八から四十程度、或いはそれをちよつと超える程度の人まで収入金が同じなら結局所得は同じになつてしまうと、こういうことになるんじやないかと、さように考えられます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 先ほどすでに問題にはなつておりましたが、かような行き方を認めるということになりますと、一面においてすでに事業税においても特殊な扱いがありますし、若しもこの行き方がきまるということになると、特に中小企業者とのバランスが非常に問題になつて来ると思うのであります。特に青色申告をやつている中小企業者とのバランスというものは説明がつかないことになるのではないか、これについて主税局長、国税庁長官の端的な御意見を伺つておきたい。

平田敬一郎国税庁長官

○説明員(平田敬一郎君) 私は特に、今豊田さんからお話がございました青色申告との関係につきまして、実はこの問題は相当重要な影響性があるだろうということを最も深刻に心配しているのでございまして、と申しますのは、所得は申すまでもなく、収入から経費を引いて各人ごとに適正な所得を出す。それが私どもの立場から率直に申しまして、個人の所得税を担当している役人が全国に相当多くおりますが、それらの連中が一番一生懸命にやつておる。納税者に対しましてもできるだけ正確に記帳してもらつて、各人の正確な所得を見るということに努力しているのでありますが、それがお医者様の中には、率直に申しまして、青色申告をしているかたが三割くらいあります。一方中小企業者には正確な青色申告の方法をお奨めしているのでございまして、大体順調に行つているのであります。それがこういうことで簡単にきまるのなら、おれたちのほうももう少し低目なところで適当にやつてくれという議論が恐らくあつちこつちから盛んに出て来るのではないか。と申しますのは、昨年から本年にかけまして、私は地方に出かけまして、各方面の各界の人と一堂に会しまして、実はいろいろ意見を聞いているのでありますが、その際にやはりこの問題が一昨年、昨年、これをやつていた時代には実に非難が出て来た。殊に青色申告者のほうからそういう特例ができるのならおれたちもなぜやらないか、こういう七面倒くさいことをやらしてけしからんじやないか、課税の公平を失するじやないか、こういう声を大分聞かされるのですが、これは私大分尤もだと思うので、実は二十六年、七年やりました行政措置が法律的にも面白くないし、又実際面からいいましても面白くないので、この措置はやめたい、やめるということで、実はこの問題は昨年夏から今年の初めにかけまして、半年以上かかりまして関係方面とも非常にいろいろな折衝を重ねまして二十八年のような扱いにいたしたわけであります。そう申上げましても、私どもとしては決して健康保険に辛く当るつもりは全然ない。むしろ実情に鑑みましてできる限り、収入がはつきりしているのであるから、経費のほうにつきましては理窟の付く限り認めて行くということで、いろいろな特殊経費についても認めるように地方に流しましてやつたわけであります。それと今まで行政上やつていました関係上、急激に殖えてはこれ又非常に実際上酷だというのでいろいろやりました結果が、主税局長申しましたように総体の積重ねた計算の平均が三四、五%ということになつております。従いましてお医者さんによりましては二十、三十を割つている人もあります。それから四十近くになつているのもございます。それは個々の実情によつてきまる、それが又所得税としては公平なゆえんである、こういう考え方でやつておるわけでありまして、ただ個別といたしまして、私ども更に昨年度やりました特殊経費を付けるとか、お医者さんの実情を更に一層考えまして引くべき理由のある人は十分引くと、率直に申上げまして、或いは地方によつて十分徹底しなかつた点があるかも知れません。そういうところにつきましては私ども更に徹底を図りまして、お医者様各人の実情に合うような課税をしようというような考え方で、今年は折角勉強するつもりでおりましたのでございますが、こういう法案が出ますというとちよつと実は戸迷いしておる状況なんでありまして、その点私ども実情を申上げまして慎重な御審議を煩わしたいと実は考えておる次第であります。

土田國太郎緑風会

○土田國太郎君 この現在におきまして或いは営業、仕事をするという立場の者は殆んど申告納税によつて今処理されておるわけであるから、医師に限り一定の定率を用いるということは、今の税制の根本原則に照して、私は素人でありまするが、少し何といいますか、原則的に納得できないような感じを持つておるのですが、こういうことでいいということになりまするというとほかの業態からもこうしてやつてくれ、皆定率を以てやつてくれと、こういうふうに私出て来ると思いますが、そのときに大蔵省としてはこれを認めてほかのものを認めんということはできないだろうと思います。この点大蔵省はどうお考えになるか、即ち原則としてこれでいいと思うかどうかという点と、それからこれが仮に通過した場合に、ほかの業態から我々の業態も医師と同様に取扱つてくれといつたようなときに政府はどう処理するか、この二点についてお伺いしたい。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) 税の原則として考えて参りますと、特に所得税におきましては、所得のあるところに負担力があり、従つて税を負担して頂く、その意味におきましてその原則をやはり貫いて行くべきではないか。従いましてやはりこの法案が通る通らないということが問題になりますが、まあこの法案が通つた場合は、一体そうしたこの基本原則というものが、これは提案者のかたも一応お話になつているようでございますし、まあ結局どういう理由でそういう原則を認めながら、なおそこにこういう例外が通つたかという点は、そこはまあ問題だろうと思いますが、それがまあ結局提案者のお話でございますと、一点単価の問題に結付くわけです。それが一点単価に無理があるからどうしてもこうせざるを得なかつたのだということが、どこまで世間に納得して頂けますかどうか。そこが結局土田委員の御心配になつておる点じやないかと思います。又そんな意味におきまして、我々としましても、一点単価でそういう問題があるということになりますと、これはまあほかの点と違いますところは、一応二十六年、二十七年にやつたのじやないか、この点だけが残ると思います。ただ安いか高いかということだけになりますれば、まあ企業の問題は別としましても、例えば杉山委員のお挙げになりましたたばこの収納価格の問題とか何とかというものについては当然同じような議論が出て来るでございましようし、或いは米の供出価格の問題などにつきましても、まあ早場米供出、超過米供出の問題はまあこれは別の議論でございますが、今のような政府の買上程度であるならば、これは基本米価が高いから云々という、安いから云々という、こういつたような問題が出て来るのじやないか。又その場合、この問題とそういう問題との唯一の違いは、二十六年、二十七年に一点単価をきめた際にそういうことをやつたのじやないか、この点だけが残るのでございまして、それが果して他のかたがたに、まあそれだから医師は特別な扱いでいいのだということが御納得頂けるかどうか、これがまあ疑問だという点を心配しているわけでございます。

土田國太郎緑風会

○土田國太郎君 まあ二十六年に三十でやつたというから、今度はそれの例に倣つてやるというらしいですが、前例があるからというようなふうに解釈されるのだが、それは、それを一応是認するとして、私の聞かんといたしまするところは、他の業態がこの医師のごとく申出た場合に政府のほうはどう処置するか、医師に許して、ほかの業態に許さんという手は私はあるまいと思います。特に中小企業のごときは今日もう悲惨のどん底に陥つております。それについてもあらゆる面から、この点についてはもう大蔵当局についていろいろ折衝しておるが、なかなかよくしてくれんというのが今日の実情である。そういうような今のデフレの時代に、惨澹たる営業を続けておる人間もあるのだから、その救済方を申出たときに、主税局、国税庁としては、それはまかりならんということは私は言い得ないように思うが、それはどうですか。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) 私も実はその点非常に心配しておるわけでございますが、こういうふうに立法の問題と同時に、行政の執行の面におきましてもやはり同じような問題が出て来るのじやないかということを心配しております。なかなかそれぞれの業態におきましてはそれぞれの理由が違いますけれども、やはりいろいろな言い分があるわけでございまして、この業態だけに許されるとすれば、我々のほうにもこういう問題があるといつたようなことが又いろいろ出て来る問題じやないかということで、まあ実は我々のほうがこれを提案して御審議願うのですと、こういう対策がある、考え方をしているということが言えるのですが、我々としましては、この提案に賛成していないわけでございまして、そんな意味におきまして非常に窮地に陥るのじやないか。なお国税庁長官からも一言お答えさせて頂きたいと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○説明員(平田敬一郎君) この問題、私も実は最初から研究しておりますので、いきさつもよく知つておるつもりでございますが、どうも私は昨年のこれを改める頃から単価の問題とは切離されたものと思つている。そのことは厚生委員会の小委員会がありまして、先般参議院でその際詳細に論議されておるわけでございます。速記録に残つております。で、当面しますのは、最初きまりましたときには如何にもその通りの、事情といたしましては首肯いたしますが、薬剤が急激に上りまして、単価がなかなか直らん、こういう事情があつたようであります。ところがその後におきまして単価自体も、いろいろ収入の基本的事情が変つておるようでございますし、それから私どももそういう事情もあるからというので、実情止むを得ず行政的措置としてやるということをやつたのでございます。その後実情を調べますと、必ずしもその通り行つておるかどうか同じような結果が出て参りません。大分違つた結果が出て参りまして、従いまして我々としましては昨年の夏以来厚生省が単価を引上げられる、この問題を未解決にしてもらつちや困るということで、強硬に実は話しまして、この問題を昨年やつとあそこまで持つて行つたわけでございます。それにつきましても、これは私ども実際問題としまして先ほど申上げましたように、お医者さんは収入が社会保険ではつきりしている。それだけに我々の経費の見方は、これは課税上一般の方針として許され得ることでございますから、そういう限度において、そういう方向においてできるだけ考える、こういうことはたばこにつきましても或る程度やつておりますが、そういう方向なら行政措置でやりましても弊害はないだろうということでやつておるわけでございまして、この問題を今ここで更に単価の問題と関連して行きますということは、どうも問題が唐突過ぎる感じが私いたすわけでございます。  それから徴税につきまするいろいろな悪影響の問題は先ほどから申上げたのでございますが、私ども率直に申上げまして、例えば青色申告をしておられるかたなんかにおきましてもすぐ戸惑いしてしまう。ほかの農業者の場合におきましても問いつめられるとどうにも行かない。私はこの問題、率直に申上げまして、地方の懇談会に大分出まして、お医者様の代表者に来てもらつて話したのであります。お医者様の所得税を何が故に特別に軽減する必要があるか、その理由について納得行けるような理由があれば、これは私どもも何か適当な方法で軽減するということが合理的であると思います。併しどういう理由が立つか。例えば夜間診療が義務付けられている、それが十分なこの理由になるかどうか、そういう類似のものはたくさんあると思います。そういういろいろな理由がある、それで議論して、これを低くする理由があるならこれは何か特別の軽減措置を講ずるということになつている。これはいいと思うのですけれども、その点につきましてはつきりした納得の行く説明がつかん限りは特別な考慮をするということには賛成しがたいのじやないかということで、まあ私ども始終いたして来ているわけでございますが、従いまして、而もこのまけ方というのは、どうも実に所得税の所得計算の根本を実はこわすものでございまして、出て来た所得の何割を控除するとか軽減するとかいうようなことについて又何か一つの理由があるとすればそれも方法だと思います。これも理由があるかどうか問題だと思います。所得のあるなしじやございませんが、実際の所得が違うにかかわらず、例えば仮に四〇%出て来た人も二八%に見る、三〇%出て来た人も二八%に見る、三五%出て来た人も二八%に見る、なおこの二八%以下が救われるようになつておりますが、どうも所得税といたしましては私ども腑に落ちん。こういう法律は執行上やつて見ますと恐らく各方面から又問題が出て来る。即刻これをやめてくれというかたが他の納税者のほうから相当出て来るのじやないかということを心配しております。それがひいては私ども所得税行政全体に相当な影響があるのじやないかということを心配しますので、どうもこの法律は遺憾ながら執行当局といたしまして賛成いたしがたいと実は申上げるよりない状態でございます。

土田國太郎緑風会

○土田國太郎君 一体この大蔵省がこの申告納税を取扱うについて所得税率というようなものがあつて、甲、乙、丙、丁、必ず所得というものは同じ業態であつても違うのが私は原則じやないかと思うんです。それを所得率というものを大蔵省が使つていることがそもそも私には大蔵省の意思が那辺にあるか、まだ実は了解に苦しんでおるのだが、実際この大蔵省の所得率というものは何ぞやということについては私わからないのですが、その点はどういうふうにお考えになつて処理しているか。

平田敬一郎国税庁長官

○説明員(平田敬一郎君) お話のごとく、例えば帳面がないという納税者の場合におきましては、まあ大体収入を推定で調べまして、それに対しまして帳面のあるほかの所得者につきまして調べました所得率というものを出しまして、それによつて帳面のない或いは調査の十分できなかつた納税者の所得を推定して調査をするという場合が、これは行政上止むを得ざる方法として実はやつておることはこれは事実でございます。でございますが、この場合におきましても必ずしもこれは釘付けいたしておりません。平均的なところから、或る場合にはそれより高い率を適用する。或る場合にはそれより低いところを適用する。それより高い率を適用する場合におきましても、個々の事情を調べましてやつており、而も家賃その他はこの中から、雇人の給料と家賃なんというものは、特別に別額にしてある。ところがこういう事情でありますと、これは雇人の給料が幾らであろうと、家賃を払つていようといまいとみんな一律の所得率になつておる。行政上止むを得ずやつているものよりももつと悪い効果があると思う。而も又行政上の措置としては、私ども執行当局として率直に言つて甚だ面白くないのですが、できるだけ巾を縮めまして、そのためには青色申告をできるだけ普及いたしまして、個々の納税者の所得、収入支出を調べまして査定する。そうでなければ本当の所得じやないのだということで、私は鳴物入りで一生懸命青色申告の普及を図つておると、こういうことでございまして、どうもそういうことで真正面にぶつかりますので、実は私先ほど申上げましたように困惑すると申しますか、困る立場に置かされるということだけを一つ申上げて御参考にいたしたいと思います。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 私はさつきから大蔵大臣の御意見を聞き、更に厚生大臣の御意見を聞いて、これはまさしく閣内不統一だと私印象を受けるのですが、もう今の政府は明日か明後日つぶれてしまいそうな状態のときにこんなことを言うてもしようがないですが、すでに提案者自身もこういう法律を設けるということが望ましいことでないということははつきり提案理由の中に謳つておるわけですが、先刻ここに来ていた内藤代議士もその点は理解しておる。そこであなたがた税務当局としては、特に事務をお扱いになるあなたがたとしては、只今のような御所見を抱かれることは当然だと思うのです。私も同感です。その点は同じなんです。だからこういう法律を作るということは望ましいことだとは決して思いません。提案者自身もそれは認めておる。ところが禍根はどこにあるかと言えば、二十六年度とか七年度の所得について政府が閣議決定で行政的の措置をするということを認めて実際やつて来た、ここにあると私は思うのですね。そういうふうな税法の規定があるにかかわらず、行政措置をやるという閣議決定をやつたということ自体がすでに私は一つの大きな禍根を成しておると思うのです。それは法律じやない。法律じやないけれども行政的にそういう措置ができることをやつた。そうすると先刻来杉山さんから、或いは土田さんも指摘しておいでになるけれども、法律じやないけれども、閣議決定でこういう行政措置でやつておるじやないか、税法を無視したことをやつておるじやないか、そうすれば我々が要求すれば同様な閣議決定をやつて、同じような扱いをしてくれるかということを中小企業者なりその他の者がどんどん陳情をして来る。そういうことになつたら同じように私は政府は行き詰つて来ると思うのです。ですから税法で規定しておつたにかかわらず、便宜なそういうような行政措置ができるようにきめられることは困るじやないか。これは大蔵事務当局としては、そんな閣議決定をなさつたらむちやだ、我々を殺すようなものじやないかという強い要望をなすつてもいいはずじやなかつたかと私は考えるのですね。  そこで私、この提案者にしてみれば、二十六年なり七年なりやつておつたことをそのまま違法性がなしにやれるように、こういうふうな措置法の改正をやつてですね、法的にどこからも攻められることのないようにしようじやないか、併しこれはいいことではないから一日も早くそういうような法律は廃止したいから、廃止できるように政府が措置すればいいというのが提案者の精神のように思うのです。而も厚生大臣の意見を聞くと、その違法性をなくすることは望ましいことだというふうに、厚生大臣の言うことが私にはこういうふうに取れたのです。だから大蔵大臣は税の正面からの理論を指摘して望ましいことではないと今になつて言われるが、恐らくそのときに閣議の決定にも大蔵大臣は参加しておつたのだと思うのですが、行政措置としてこういうような税法に仮にこんなことをやることを認めると言つた。そして今日税の理論から行くと、こんな改正をやるということはこれは望ましいことではないということを開き直つて言われるのです。それは当然そうあるべきだと私は思うが、同じ内閣の厚生大臣は、税の見地から違法性がないようにしてそういう措置を講ずることが望ましいと思うというふうなことを言うておられるということは、如何にも私は閣内がしつくりしておらんという印象を受けるのです。もう内閣がつぶれても、大臣のほうはいいけれども、税をおあずかりしている大蔵当局はたまつたものではない。これは一つあなたがたの力でこういうむちやなことをやらんようにしてくれと、こういうふうに私には取れるのだ。これはちよつと御注文が無理だ、我々のほうにしわを寄せて、肝心のおやじさんがやつたことを黙つておつて、そうして正面から今日は税の理論だけを掲げるということはどうもぱつとしないのみならず、私はそういうことは感情的になつて甚だ相済まんと思うけれども、税務当局に私は非常に失望を感ずるのですね。というのは、例えば昨年あたりでも税制審議会というのですか、何かをお作りになつていろいろ日本の現下の税制を解剖してこうあるべきだという一つの結論を設けられた。これには私は主税局長でも或いは国税庁長官でも大体においてこれは望ましい改正だというような意見を持つておられたと思うのですが、政府がいろいろ陳情を受けたり何かして政治的な動きを始めて、そうして折角長い間かかつて朝野の権威が集つて、これが望ましい税制だというような結論を打出したものを全的に採用しないのだから、どこかがくずれたらすつかり台なしになつてしまうというようなことが今現に行われておる。そういう点で例えは遊興飲食税の国税移管はいかんとか、入場税だけはよろしいとか等々、最近には新聞等を見ると、某々代議士はそれで収賄しておつたというようなことまではつきりして来て醜態を暴露しているが、ああいうときに大蔵省の事務当局は敢然としてその結論を貫くという態度をとるべきだと思う。そうかと思うと自由党の政調会長の池田さんがちよつと言つたらがたがたとつぶれてしまうというようなことではそれは実に残念なんだ。私はあなたがたをバツク・アツプしておる。こうあるべきじやないかと……。例えば社会党の党議が間違うた党議をやつたら、私は社会党の議員だけれども、社会党と闘うても、なぜそれに賛成しないかと言いたいのだな。それぐらいの気慨を私どもが持つておるときに、肝腎要のあなたがたが簡単にくずれてしまうのでは……。そうしてこういうことになつて来ると、明日か明後日つぶれる内閣はこれはしようがないけれども、我々は困るのだというようなことで、そうおつしやるのは、これはちと虫がよすぎる、便宜主義だと思うな。

平田敬一郎国税庁長官

○説明員(平田敬一郎君) 森下さんから大変御鞭撻を頂いて誠に有難く恐縮に存ずる次第でございますが、実は最初設けましたときは、私覚えておりますが、そのときは私主税局におりまして、国税庁ではございませんでしたが、一点単価の問題が非常に混み入つたことであり、それに関連してこの問題が出て来たことはこれは事実であります。その当時一応は薬代が非常に上つて所得の中が縮まつた、この一般的な状況は成るほどそうじやなかろうかと推測しておりました。そういう事情がありましたので、まあ地方的の標準率で計算したお医者さんもその当時おりましたものですから、そういうお医者さんについてはこの際所得の標準率は二十五乃至三十という線で行きましようということでやつたわけです。その後、併しこれは私は如何にもどうも行政措置としてもおかしい、それから先ほど言つた実際もおかしい、この二つの面からいたしまして早く直したいというので、一生懸命やりまして、やつと三年目に或る程度名誉を回復したのです。昨年度、二十八年度分でやりましたことは、先ず会計検査院に対してもこれなら言い開きができる。一般の納税者に対してもこれならお医者の特殊事情を考慮しているのだということで言い開きができるということでやつて来た。ところが今度は又元に戻りまして、而も法律的措置できちつとやつたということになりますと、これは今まで悪かつたこと、或いは努力が足りなかつたことも率直に言つてあると思いますが、又ここに非常に大きな不手際を重ねるということは本当にどうもこれは困るということでございまして、その辺の事情は更に一つ御斟酌下さいますようにお願いいたしたいと思つておるのであります。

有馬英二日本民主党

○有馬英二君 先ほどからいろいろ意見を承わつておるのですが、特に大蔵当局のお話は、大蔵大臣初めこれに反対の意見を表明されておるようであります。併しこの問題は非常に長い問題であるのです。最近に起つた問題ではないので、私はずつと前からのことを知つておりますから、一言だけ申上げておきたいと思うのですが、それは一点単価と関係がないようなことをさつき主税局長や長官が言われたようですが、やはりこの法案の提出者が言つているように、やはり一点単価とこれは関連があるのです。一点単価が正常に認められて、適正に認められておらないということは、さつき厚生大臣はいい加減なことを言つて逃げて行つたのですが、(笑声)厚生大臣も厚生委員会では認めておる。それであればこそ、協議会にこの問題が付議されておるわけです。二十六年春の日本医師会から提出した一点単価は、一点が十八円だつたのです。それにもかかわらず、その当時大蔵大臣がそれを抑え付けて、それはやはり予算がないということであつたのです。今日では一兆億の予算外にはみ出るからという口実ができたのですが、その当時は一兆億ではなかつたけれども、その当時の大蔵大臣は池田さんです。が、どうも上げられない。だからして先ほどからいろいろお話がありましたように税のほうで何とか加減をしてやるというような話であつた。  それでその次に起つた問題が、やはり一点単価も少し上げなければならんようになつて、当時の厚生大臣である橋本龍伍君が一点単価を十一円五十銭と十二円五十銭に上げたのですけれども、医師会の要求と非常に開きが多かつた。そこで医師会がそれを承認できなくて、そうしてやはり先ほどからいろいろお話がありましたように税のほうで加減をするということで、二十七年になりまして、先ほどお話がありましたように三〇%というところへ落着いたのです。そういう何といいますか、大蔵大臣とそれから厚生大臣と両方がいろいろ工夫をして、そうして医師会側をやつとこすつとこ納めたのですけれども、それで一点単価の問題が解決しているのではないのです。今日一点単価の問題が解決できないために、先立つて来いろいろ問題があつた医薬分業問題までがそれに引掛りまして、遂に解決できなかつた。そういうところもやはり一点単価にこれが起因しているということを思わなければならない。この法案は勿論さつきからいろいろお話がありましたし、提出者も言いましたように、税をいろいろいじくるということは思わしくないのだということを言われておるのですから、これはただ一点単価の問題が厚生省が解決できないために、それのまあ何といいますか、コンペンゼートするために、それをばそういうことで、一点単価をば私どもから言うとごまかしているようだつたのです。決してこれが最善の方法だと私どもは考えておらない。ですから附帯条項がついておつて、そうしてできるだけ速かに一点単価を適正にして、そうしてこの法律はそのときにはもう廃止してしまうべきであるということが謳われてあるべきである。勿論法というものの措置としては、私はどうも余り感心したものではないと私も思います。先ほどから森下委員にしてもそれから杉山委員にしても、いろいろそれについての非難があつたようですが、ただこれが、先ほど大蔵当局も言われたように、一点単価の是正ができなくて、そうして政府が苦心をした余りこういうまあ押付けた、税で以て加減したということが、これが森下委員の言われた通りに禍根を今日に残している。それの尻ぬぐいを今日しなければならんというところへ来ていると私は思うのです。尻ぬぐいと言うと変ですけれども、結局この案によつて一点単価の問題が速かに解決するように、まあ促進されるというようなふうにも私は考えております。これは税の問題と一点単価とは別であるというさつきお話がありましたから、これは決して別ではない。物そのものは別でありましようけれども、非常な関連を持つておるということを私は言つておきます。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) 只今一点単価の問題につきましてお話がございましたが、この点につきましては、予算をあずかる者といたしまして、一言申上げたいと思います。  先ほど厚生大臣から一点単価の問題につきまして諮問機関に諮問をしておるというようなお話もございましたが、実は大蔵省におきましてはこの一点単価の実情というものにつきまして、厚生省が責任を以て先ず実情を御調査なさることを要求いたしておるのであります。お話にもございましたが、或いは一点単価が低過ぎるのではないかという御意見もございます。又先ほど国税庁長官からお話のように、二十六年の当時とは、薬剤その他におきまして、今日新らしい薬がどんどんできておりまして、相当価格が低下いたしておることは御承知の通りでありまするから、それらにつきましては一点単価をむしろ是正すべきではないかというふうな御意見もあるのであります。又一点単価のみならず、このいわゆる稼働点数というものは非常に殖えておるのでありまして、これはお話もあつたかと存じますが、四千九百点くらいの見込が、今日は七、八千点になつておるというふうなこともございます。併しこれらはいずれも仮説でございまして、本当に実情を把握されていないのが誠に遺憾だと思つております。私どもといたしましては、税法の建前等もございまするから、すべからく社会保険診療の実情を正確に把握いたしまして、単価を是正すべきであるならば、高過ぎるものは引き下げ、低きものは上げる、こういうことを当然なさるべきものではないかというのが我々の考え方でございます。これにつきましてたびたび御要求を申上げておるのでありますが、まだその妥当なる結論に達しないというのが今日の実情でございますので、お言葉にございましたように、一兆予算だから無理やり予算の中に押し込めているのだと若しお考え頂いておるとすれば、大蔵省はさように怠慢ではございませんので、この点は責任ある御折衝に対しまして、常に実情の把握方をお願いをいたしておるのでありますが、まだはつきりした御要求もないのでございます。これは委員のかたがたも御承知と思うのでありますが、要するに厚生省としてはその実情の把握ということにつきまして目下御努力に相成つておるのだと思うのでありますが、私どもに対して具体的の御要求がないのであります。従いまして一兆予算の範囲に無理に抑え込んでおるということは、これは実情に副いません。殊に御承知のように昨年十一月には入院その他につきましては点数の是正を図つております。私どもは明確なる具体的な資料がはつきりいたしますれば、それによつて点数等の是正をやつておるのでありまするから、その点はよろしく御了解を願いたいと思います。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑はありませんか。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 これちよつと小さい問題ですけれども、条文について伺いますが、七条の十には医業を営む個人の所得について書いてあります。それから七条の十一には、医療法人の所得についてはこうすると書いてある、これらは、まああなたがたは提案者じやないから御存じないと思いますが、個人と医療法人はいいが、株式会社組織等で医業を営んでいるかたも、僕の知つているのにあると思うが、この法律が通つたとき、株式会社或いは合資会社というようなそういう人についてはこの法律は適用されないということになりますが、実際お取扱いをなさるかたはそれをどういたしますか。

渡辺喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡辺喜久造君) ここに書いてありますのは、医療法人についてでございますが、現在医業を営んでおりますものには、株式会社で以て事業を営んでいるものがございます。結核療養所で三十四、一般病院で三百十六、それからそのほかに農業協同組合で医療を営んでいるもの、これは組合数で、単協関係が病院数で十一、診療所数で百四十九、関係の組合が百四十九、それから連合会で営んでいるものが、病院数で百五十三、診療所数で百三十九、組合で以て三十七でございます。これは連合会でございます。まあこの点は国税庁長官の所管でございますが、一応ここに書いてございますのは医療法人だけの限定になつております。恐らくそうした会社或いは組合のものはこの法文の適用は受けない。こういう結果になるのではないかと思つております。

平田敬一郎国税庁長官

○説明員(平田敬一郎君) 先ほど私が単価の問題は解決しておるというふうにお答えしたように受取られたのですが、私は解決しておるという意味で申上げたのではありませんので、その問題と切離して進行するように二十八年度からしておるという意味でございますので御了承願いたいと思います。  それから更に法律実施上の問題について私どもも大分検討いたしておるのでありますが、細目になりますと、又いろいろと問題が実はあるのじやなかろうか。特に扱いでやつている場合におきましては仮に便宜をする場合もございますので、或る程度適当なところでやつても止むを得なかろう、この程度で我慢して下さいということもあるのですが、法律ではつきりきまりますと、青色申告などの場合におきまして、特別控除を一体どういうふうにするのか、それから必要経費の、自由診療分と兼業しておられるかたも大分ございます。これをどうするか、これはなかなか厳密に言いますと非常にむずかしい問題が出て来る。この法案の実施につきましては相当私どもは、仮にこれが通りますと、又大分技術的にも難点があるのじやないかという、勿論それにつきましては通りましたらよく検討いたしますつもりでございますが、そういう点も併せて問題があるということを申上げさして頂きます。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御質疑がなければ質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 私はこの法案に反対いたします。先ほど来質疑で明らかになりましたところは、大蔵大臣の御答弁乃至は大蔵省の政府委員の御答弁を拝聴いたしましても、この種法案が税制或いは税の理論という点から言つて誠に適切なものでない。間違つたものであるというふうなことがはつきりいたしておりまして、更に仮にこれが通りましたときに医者の間においても今の一律二八%では不公平が起きるかも知れんというような問題を包蔵いたしておりますし、又、今最後に指摘がありましたように、株式会社その他の法人で医業を営んでおるかたが相当たくさんあるけれども、それらの人々は一律一体においてこの法律の適用から排除されるというようなことになると、医業に従事しておるかたがたの間においてこの法律が非常な不公平をわざわざかもし出すような結果になるのじやないか。更に又青色申告の関係或いはその他の業者との関係等から言つて、税務行政上も非常に不便があるというふうに拝聴いたしておるのでありまして、それやこれやを併せまして、この法律は悪法であると断ぜざるを得ないと存じます。併しながら、悪法であつてもそのときの事態を解決するためには絶対に必要であるというならばこれ又一時の便法として認めることが政治的に必要であろうと思いますが、一体この法律がそれほど必要であるかどうかという問題、これにつきましては先ほど来話が出ておりますように、一点単価が低いからそれをコンペンゼートするためだということが大きな理由になつておりますが、一体この一点単価は低いのか高いのかということにつきまして、政府の当事者である厚生大臣はわからんということを言つております。三年来研究しておりますのにまだ結論が出ていないと言つている。それならばそれを主管しておる厚生省が現在の一点単価が低いということでもはつきり認めているなら、それをコンペンゼートすることがあるとも言えましようが、低いか高いかわからんと本当の責任者が言つている以上は、コンペンゼートするためにはこの法律が必要であるという緊要性は認められないと思います。  更にもう一つ、仮にそれを認めても、悪法だから一日も速やかに元に戻すという段取りの心がまえがあるかと思えば、これ又厚生大臣の説明によりますと、今後も研究しますというような非常に呑気なことを言つている。悪法だから一日も早く直すためには一点単価の問題を解決して正道に戻すべきという強い考えを持つて熱心にやるということであればですが、それもないということであれば、一体この悪法を何のためにやるのか、それだけの悪法をやらなければならん緊要性がないのではないか。やつた場合にもこれを速やかに直そうという政府に心意気がないのじやないかということを認めざるを得ないので、そういうような法案に我々は賛成いたしかねますので、残念ながら反対いたします。  併しながら私は申添えますが、一点単価が安いか高いかは今の厚生大臣のお話で私も疑問に思つておりますが、この問題は数年来の問題なんです。そして医師会のかたがた、歯科医師会のかたがたは死活の問題として非常な熱心な陳情をされております。私どもは一点単価が低いのではないかと思います。一点単価が低いのにもかかわらずこの法律をつぶすということになると、医師のかたがたには非常にお気の毒な結果を招来することになりますけれども、これは一にかかつて政府がその問題を解決しようという肚もなければ熱心さもないということに私は帰すべき問題だと思いますので、お医者さんのかたがたには、誠にしわ寄せがお医者さんのかたがたの肩にかかりますのでお気の毒でありますけれども、我々としては政府の心がまえがここにないことを認めて賛成いたしかねることを申上げます。

安井謙自由党

○安井謙君 本員は原案に賛成の意を表するものでございます。  本案につきましていろいろ異論のありますことは先ほどの質疑応答で明らかになつておりますが、これはその賛成する理由と申しますれば、第一に、これは政府がすでに過年度において実施をして来ておつたものであります。そうしてそれは実情上実施をやらなければいけなかつたものを今回法制化しようとしているという点、更に一点単価の問題については非常に内容が複雑であり、いろいろ研究も進められておるが、今直ちに結論が下されない。そこでそれに代るべき手段として暫定措置としてこれを取上げておるという意味で、我が党の国会対策委員会ではこれに賛成すべきものと決定をいたしましたので、それによつて賛意を表する次第でございます。

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 他に御発言ございませんか。……御発言がなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。租税特別措置法の一部を改正する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 多数と認めます。よつて本法案は可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般の手続は、先例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。  それから多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     藤野 繁雄  小酒井義男     東   隆  青柳 秀夫     井上 清一  入交 太藏     安井  謙  平林  剛     森下 政一  石坂 豊一     有馬 英二   ―――――――――――――

西郷吉之助自由党

○委員長(西郷吉之助君) 本日はこの程度にいたしまして、明日は請願、陳情その他継続案件等もございますから、午前十時に開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時五十六分散会

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