図書館運営委員会 第1号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/12/03
会議録
○委員長(杉山昌作君) それでは只今から会議を開きます。 第一に、理事の辞任及び補欠互選の件を議題といたします。先般各派の御協議によりまして、本委員会の理事二名は自由党から推薦されるということになつておりますので、本日現在の理事の野本品吉君から理事を辞任いたしたい旨のお申出がございますが、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。よつて野本君の辞任は許可いたすことに決定いたします。 つきましては欠員となりました理事二名の補欠を互選いたしたいと存じますが、互選の方法等につきましては、前例によりまして委員長にその指名を御一任願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認めます。それでは私から理事に井上清一君と大谷瑩潤君を指名いたします。 —————————————
○委員長(杉山昌作君) 次に、昭和二十九年度国立国会図書館予定経費補正要求に関する件を議題といたします。先ず金森国立国会図書館長から説明をお願いしたいと思いまする
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 昭和二十九年度の予算の補正は、この予算が初め成立いたしまする際においておおよそその方針が三党共同修正というものによつて作られたのでありまして、従つてその趣旨に基く行政費の節約が問題になるのでありまするが、物件費及び施設費等の一〇%、その他不要不急経費の節約という一般の方針に従いまして算出をしたものであります。国立国会図書館の補正要求額はお手許に差出しておりまする印刷物に出ておりまするように修正の減少額は千八百五十万六千円でありまして、これを前に成立いたしました昭和二十九年度予算額の三億七千十八万六千円から差引いたしますると三億五千百六十八万円になるのであります。 そこで次にその修正額の内容を事柄に分けて説明をいたしますると、国立国会図書館の項の減少額千二百十九万九千円が先ず一つ立てられるのでありますが、この内訳は、節約によりまするところの既定経費の減少が七百七十八万円でございまするし、そのほかに不用による既定経費の減少というものが四百四十一万九千円であります。この不用による既定経費の減少と申しまするのは、お金を予算で頂いておりましたが、実際これを使用する事実がない見込でありまして、要するに年度末になりますれば不用として解決さるるものを見込んでの額であります。それから次に国立国会図書館施設費の項で節約によりまする既定経費の減少が六百三十万七千円ありまして、これも大体天引の精神を中心としてできておる減少額でございます。この双方を合わせますると千八百五十万六千円となるのであります。なおこれらの経費の修正を各科目別に分けまするとお手許に差上げてありまするような数字になるのでございます。 何とぞよろしく御審議をお願いいたしたいと存じます。
○委員長(杉山昌作君) 只今の館長の御説明に対して質疑なり意見の開陳なりということがありましたらお願いいたします。
○羽仁五郎君 これは私の了解するところではすでに決定されておるものと思いますが、そうでございますか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 仰せの通り、まあ私どものほうから見れば事実上もう決定されて進行しておるものと存じております。
○羽仁五郎君 若しすでに決定されているものであれば、これを承認するかしないかという問題が起らないのですが、仮に決定されておるのでないとすれば、私としてはこういうような減額の必要を認めないという意見を持つております。で仮に決定したものだとすれば今更そういう意見を申述べても仕方がないのですが、今後こういうふうなことが若し起る場合を考えまして、図書館に対して、それから又本委員会委員各位に対しまして、簡単に私の反対理由をお聞き取り願いたいと思うのです。 第一は、この国立国会図書館が成立してまだ多年ということではないので、基礎は確立をしておりません。従つてその経費の節約というよう余地があるはずがないということで。ございます。 それから第二は、この経費の節約が一般行政面においてなされなければならないという必要は一般国民の認めるところでありますけれども、特に新らしく創立された国立国会図書館のその任務の特殊性ということも考慮して、この図書館関係の経費が一般行政費と一律に節約されなければならないものかどうかということについては十分の議論の余地があるように思うのであります。然るに只今御説明のように一般行政経費の節約ということと一律に節約をしなければならんというような先例ができてしもうことは甚だ困ると考えます。と申しますのは、国立国会図書館が中央図書館である関係から、国立国会図書館で経費を節約しますと、国立図書館としての意味においては各県の県立図書館、一般公共図書館においての経費が増大する。国全体の経費としては却つて不経済になる。むしろ一般公共図書館を国立図書館がお助けになるという意味においても十分の活動がおできになるような予算をお持ちになつていることが、全国の一般公共図書館の経費の節約という面で得るところが非常に多いだろうと思います。従つて国立国会図書館の経費を少しばかり節約することによつて得るところと、全国の公共図書館の経費がそれによつて膨脹することによつて失うところと考えてみれば、質から申しましても量から申しましても不経済極まることであります。そういう二つの点から、今回のは仮にすでに決定されたものだとすれば、今更意見を申しても仕方がないのでありますが、今後こういうようなことが繰返されませんように図書館のほうにもお願いいたしますし、本委員会に向つてもお願いをする次第でございます。
○委員長(杉山昌作君) どなたかほかに……。
○野本品吉君 只今羽仁さんから御意見がございましたが、私も大体それと共通した考え方を実は持つております。と申しますのは、国会図書館の主要な任務が各方面に対するサービスにある、こういうことを考えますと、経費の節約ということが同時にサービスの低下ということになるのではないかということを考えさせられます。それからもう一つは、人件費の問題ですが、これも将来必要であるということは明確な問題です。これはもう明確に予想されているものがやはり機械的に減額されるというようなことは、これはちよつと納得が行かない点でもありますので、将来そういうようなことについてお互いに気を付けて考えて行きたいと思つております。
○藤野繁雄君 今の野本さんのお話のように新営費の節約と言われたが、一体どんなことを節約するのですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 実は先ほどから皆さまがたから仰せがございましたように、図書館としては経費を節約するということはもう事実ぎりぎりでやつておりまして、ぎりぎりというよりも、これをやらなければ物事ができないのでありますから、節約したつて時を延ばす以外には意味がない。或いは節約いたしましても結局どこかで困るところができて来る。こういう二点でありまして、この中でまあ吐き出していいという分量は、実は俸給予算なんというものは一般のこみで取つてございますけれども、まだ私のほうの職員の配置の関係で、恐らくその予算全部を年度末に使い尽すということはなくつて、幾らかそこに予算の使用できない額が残るかと思います。それはまあ今日の予算のやり繰りの関係から、筋としてお返ししてもいい、こういうことになりますが、ほかのところは非常に困るのでありまして、殊に露骨に困りますのは、図書館の書物を買う金を一般の事務費と同じように一割天引と、こういうふうにやられますと、本というものはあとから買えるかといいますと、そうなかなか便利には行きません。主としてこれは外国の本でありまして、国内の本は義務的に買つておりますけれども、外国の本は或いは調査研究に特別に必要な特殊な資料というものを買いませんと、これは動きがつかんものでありますが、こういうところに一般の事務並みにやられたということは誠に困るわけでありまして、そういうところはいろいろと話合いをいたしまして、幾分その部分には軽減と申しますか、費用の減少率を少くして何とか話をつけておるわけであります。そこで迷惑でございますけれども、何と申しますか、一般の風潮にできるだけ順応しようという、涙をふるつた覚悟でございます。 そこで建築費のほうをどうするかという点でございますが、これは露骨に言うだけのはつきりした今まだ勇気はございません。勇気がないと申しますのは、いろいろ物事がきまつて行きますには順序がございますので、予定通りに建築費を使つて一日も早く図書館の建物ができるようにというようにいたしたいと思うのでありまして、又そうでなければならんわけであります。ところが建築というものは口でできるものではなくて、実際の設計が熟し、技術者も完備するということによつてだんだんでき上つて行くのでありますが、幸か不幸か、まあ不幸には相違ございませんが、建築の設計をいたしましたときにいろいろな事情で懸賞募集の期間を延長することになりまして、そういうことが原因になつて、自然工事の計画が遅れつつあるのであります。でありますから、まあ今年は少し工事を遅らして進行させる、併しあとでこれを取戻すというような見込も立ちますので、そういう点を考えまして予算の全額がなくなるという意味ではございませんが、今年度はこれを我慢して、次の年度等にそれを補充して行こう、こんな気持で減らしたわけであります。
○委員長(杉山昌作君) 別にあと御質疑、御意見の開陳がなければ、本件に対しまして勧告を付するかどうかについて御協議願いたいと思いますが……。
○羽仁五郎君 只今各位の御発言を伺つておりますと、大体一致した御見解があるようなので、やはり願えればこういう際に勧告をして頂いたほうがよいのじやないかと思います。 どうも少し言い過ぎになるかも知れませんが、図書館の問題については一般の御理解ということが不十分で、特に国立国会図書館で一冊本を買えば、全国で買わなくても済むし、或いは議員各位におかれてもその通りで、国立国会図書館で節約をしたために、議員各位がそれだけ余分の御努力をお一人お一人でなさらなければならん。それから全国の公共図書館でそれだけの努力をしなければならないというふうに、国立国会図書館の経費を節約することは議員各位において、それから又公共図書館においてそれだけ余計のあれをしなければならんということになりますので、そういう点もありますから、願えればやはり勧告を付されたいと思います。
○委員長(杉山昌作君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止]
○委員長(杉山昌作君) 速記を始めて。それでは只今羽仁君からの御提案で、本件には勧告を付することに決定いたしますが、勧告文につきましては先程羽仁君その他から述べられました趣旨によることとして委員長に御一任を願いたいと存じますが、如何でございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。それでは昭和二十九年度予定経費補正要求書を問題といたしますが、これにつきましては、只今御決定の通り、勧告を付しまして議長に提出するということに御賛成のかたがたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕 —————————————
○委員長(杉山昌作君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て決定いたしました。
○委員長(杉山昌作君) 次に昭和三十一年度予算概算要求についてこれを議題にいたします。 これは只今のところではまだ正式の予定経費要求書ということの段階にまではなつておりませんが、もう間もなくそういうふうな形式でまとめなければならないと思いますので、図書館のほうでいろいろ御調査中のようでありまするので、館長から大体の御調査の結果等につきましてこの際御説明を頂きたいと存じます。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 昭和三十年度の予算もだんだん本格的に手続をふまなければならんことになつておりますが、先ずその下ごしらえの相談といたしまして、図書館から大蔵省のほうに相談をいたしておりまするところの昭和三十年度の予算概算について御説明申上げます。 大体総額は十三億四千四百四十一万六千円というふうに数を定めております。でいろいろのことが出ておりまするが、先ず大掴みに分けて申しますると、国立国会図書館の一般の事業、正確に言うと管理運営に必要な経費、これが七億一千四百三十四万円になつております。それに建築等を主として包含しておりまするところの営繕工事に必要な経費が六億三千七万六千円でございまして、今年度成立予算に比べますると、管理運営の経費の面におきましては三億九千四百十五万四千円だけ殖えております。又営繕工事費におきましては五億八千七万六千円というものがいずれも増加しておるのであります。 で、この昭和三十年度におきまして新規に増加したものの主要なものについて申述べますると、従来この図書館側で強く財務当局に主張をしておりまする大きな問題が二つございまして、一つは立法考査業務を拡充するということであります。元来図書館は国会で必要な調査立法考査業務というものを非常に重大視しておるのでございまして、曾つて五年くらい前になりまするか、委員会及び本会議等におきましてその調査立法考査業務を拡充しなければならない、こういうようなふうの御決定もあつたように存じております。それは議員団がアメリカなどを御覧になりましたときの結論であつたと思つております。そこで今までもかねがね機会を得るに従つてこの調査立法考査業務の拡充のことを努力しておりましたけれども、遺憾ながらその当時或る程度拡充をいたしましたけれども、その後はそのままになつておる姿であります。併しこの調査立法考査局の仕事というものは、結局国会の活動を実質において充実する、こういう意味を持つておりまして、信用のできる調査を国会みずからお持ちになるということが狙いであろうと存じまするが、図書館のほうも甚だ手不足でありまして、材料等も思うように任せません。と申しまするのは、なかなか古いものを拾つて調べるということならば次第に充実するのでございますけれども、何しろ新しい資料を持たなければなりませんので、全世界にくもの巣のごとくに舞台を拡げまして、適切な資料を積極的に呼び集めるというような努力をいたしまして而も外国でできたものは前後の関係がなかなかわかりませんので、これに対しまして優秀な調査員がくつついていなければならないというのでございますが、口ではいろいろな主張をいたしておりましても、お恥かしい次第でありますけれども、なかなか思うように任せませんので、或るときには資料を求められましても資料を持合せず、こう残念なお答えをしなければならないような場合もあるのであります。そこで、かような調査力を増強いたしまして、立法調査の業務拡充を図ろうということでございます。これは経費といたしましては前年度に比しまして六千八百八十三万四千円余の増額という建前でございます。 その次に、この数の中に露骨には現われておりませんけれども、私ども従来たびたび主張し、大蔵省なんかにも強く求めておりますのは、図書館は資料を充実しなければならない、先ほど調立の関係におきまして資料の必要なことを申しましたが、ひとり調立資料だけではなく、いろいろな関係において資料がなければ、ひとり図書館ばかりではございません、一国全体の文化面において非常に欠くるところがあるのてございます。国会図書館が一冊の書物を持つておりますれば、専門の書物はそんなにたくさん日本では買えるものじやございませんから、どこの地域のどこの大学であろうと、どこの自治体であろうと、直ちに資料を御使用になれるように貸付その他の方法で努力すべきはずのものでありまして、例えば都市計画その他におきましても、各地方の都市が全部お買いになる必要はないので、先ず中心部に揃える。或いは産業その他についての発明に関する資料のごときも、一々外国の資料を直接買う必要はない。一つ所に買つておきましてそれを全国で利用いたしますれば、日本全体の産業の上に影響するというふうに私どもは存じておりますが、その面につきましては従来いろいろ努力をいたしましたけれども思うように行きません。要するに図書館が従来日本に発達いたしましたような、ありふれた書物、古本屋の蔵払いというものを集めるとか、新刊の図書だけを集めるということであつては本当の研究の意味を持ちません。いわば研究図書館として、教育図書館とか何かでなくて本当の意味の研究図書館として伸びて行く面におきまして、今のような方法をとつておりますと、図書館は自滅するよりほかに途はないというような、少し言葉は強うございますけれども、私平素からそれを心配しておるのでありますが、今回もそれに関しまする或る程度の図書購入費の増額を願いたいということがこの希望になつております。そのほか、そういうことを中心といたしまして、結局調査と資料という二点を中心といたしまして、いろいろ細かい補充的な問題がございました。そういうことを考えまして、相当の経費が計上せられたわけであります。 その次に別に考えます大きな問題は、図書館の本建築に要する経費でございまして、これもかねがね図書館運営委員会等におきまして縷々申上げ、又いろいろ御骨折を願つておるものでございまするが、これも言葉多くして実が挙らないという点におきまして私ども当局者は常に恥じ入つておる次第でございます。本年度はだんだんと進行して参りまして、懸賞設計によつて当選いたしたものもはつきりいたしました。そこでその懸賞設計によつて当選したるものを基本といたしまして、先ず千八坪を建設することにいたしまして、すでに昭和二十九年度において敷地工事、その他実施をいたしております。昭和三十年度におきましては基礎工事、鉄骨工事、それから地下一、二階のコンクリート工事を実施するに必要な経費を要求しております。資料の第一の(ロ)にこれが出ております。 右のほか、前後いたしまするが、図書購入費の額は、これは八千五百九十二万六千円に増加計上をしておりまするのであります。又ちよつと傍系的なもののようになりまするけれども、図書館で従来P・Bレポートと原子力関係資料整備充実というためにいろいろ努力をしておりまして、品物は相当手に入れたのでありまするが、これは品物だけ手に入れましても直ちに利用し得るようにはなかなかなりません。いろいろあとからこれを整理しなければなりませんし、更に又新らしきものをも買入れることに努力しなければなりませんので、職員二十名を要求しておるのであります。それらを加えまして、このP・Bレポートと原子力関係におきまして三千八百五十三万八千円を計上しております。そのほかになりまするといろいろ細かくなりまして、お手許に配付いたしてある資料に記載してあるように、各種の増額要求をいたしておりまするが、これらは御質問によりましてお答えを申上げたいと存じております。 今後この我々の希望しておる予算がどういうことになるか、今までの類例から申しましても心配でございますが、皆様方の格別なる御援助を頂いて、何とかして昭和三十年度の予算を目的に適うようにでき上らせたいという希望を持つております。以上御説明を申上げました。
○委員長(杉山昌作君) 只今の説明に対しまして御質疑等のあるかたは御質疑を願います。
○羽仁五郎君 質問というよりもむしろ意見なんですが、私実はお許しを頂いて一昨年から昨年まで八カ月ばかりヨーロツパの各議会図書館を視察して参つたのですが、その際に、実はいつも日本では図書館の予算というものがなかなか大蔵省の了解を得られないということがあつて、これがまあ館長の一番の御苦心のことで、御同情申上げていたので、この予算の面についていろいろ調べてみたのですが、非常に驚いたことには、これはいわゆる西欧、西ヨーロツパのほう、或いは東ヨーロッパ、ソヴイエトなどあらゆるところで図書館から出した予算がそのまま通らないというところはない事実を発見したのです。これはどうも日本だけが図書館の予算というものを削るという習慣があるのじやないかということを発見して甚だ実は赤面の至りといいますか、驚いたのでありますが、どういうわけで日本は図書館予算を削るかという逆の質問を各地で頂戴しちやつて、どうもこれには返答に窮した。幸い来年度予算においては館長並びに委員長の絶大の御尽力で、一つ日本でも文化国家としてのよい例を開いて頂いて、図書館から要求した予算は全面的支持を以て国がこれを支持するという例を開いて頂きたい、これを心からお願いして、各委員の御賛同を頂きたいと思います。やはり図書館の予算を削るということは、一般的にその国の文化の尺度ということとも関係して来ることでありますし、而も図書館をおやりになつておるかたがたが特にこの予算の面で余り苦心をされるというふうであつては、なかなか議会図書館としての任務も、又国立図書館の中央図書館としての任務も遂行できない。先ほども申上げたのですが、要するに中央図書館にして経費を節約することは、あらゆる面で国全体の経費としては非常な浪費となる。今お話になりました、館長からも御説明がありましたが、最近は随分各県立図書館などでも産業関係の図書の閲覧者が殖えて、図書館を試験勉強の学生が主に占領しているというふうな面もまだ残つてはいますけれども、併し他面随分地方産業開発のために図書館が利用されている面も甚だ多いのです。それらの各県立図書館は御承知のように、地方財政が甚だ困難の際に十分の資料の購入ということが、私も地方を歩いてみたのですが、できておりませんで、それらの面から願えれば、やはり国立図書館からの、先ほど野本委員からもお話がありましたようなサービスによつて補われる面も多かろうと思います。カードなども各県図書館で一々作成しておられる。そういう費用というものの節約を、国全体の費用の節約ということが、国立国会図書館の予算が適当な十分な予算を持つことによつて全国において国の経費の節約において得るところ多大である。この点が第一に是非一つ大蔵省なり政府の方面でも十分御理解があればセントラル・ライブラリーの予算を削るという諸外国にも類例のないような暴挙をされるということがなくなるのじやないか、この点どうか一つ委員長並びに館長に十分御努力願いますように各委員の御賛成を頂きたいと思います。
○委員長(杉山昌作君) ちよつと私から館長にお伺いいたしますが、この建築の関係でございますがね、本年度は四億六千二百二十三万一千円ですが、先ほどのお話ですと、これで一、二階までできるというようなことのようでしたが、大体これが何年間でどんなふうになるのかという大体の見込といいますか、計画といいますか、ちよつとお話し願いたいと思います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 図書館の建築のほうは随分遅れて誠に残念に思つておりまするが、なかなか衆智を集めて、抵抗の少いように持つて行くということに止むを得ない事情もあるのではないかと、自分で弁護をしておるわけであります。当初から、もう数年前から大蔵省に交渉しておりましたのは、終極は一万五千坪の図書館を作りたい。それから腹案としては四万五千坪の図書館を作りたい。併しながら実行上は更に譲歩をいたしまして、約八千坪の図書館を作りたいと、まあこういうふうにずつと話を進めておりまして、このうち四万五千坪の計画というものはただ胸の中に抱いておる計画であつて、はつきりした同意は得ておりませんでしたけれども、この一万五千坪の計画を以て差当り八千坪の図書館の建築をするという点につきましては大蔵省の当局者も委員会においても承認せられたわけであります。大体政治的にはきまつていないにしても、事務的交渉の経過から申しますると一万五千坪を理想とする、現実には先ず第一次的に八千坪の建築、こういうふうな話合いでございます。 そこで建築の設計を公募いたしますときに一万五千坪の設計を募集いたしました。そういたしましたら、今年の初めに非常な建築家の支持を得まして、ずいぶん立派な応募作品が出て参りまして、百以上も集まつて参りました。その中から一等、二等、三等、その他を又最も公平な方法で、主に日本の建築界の元老を総動員してきめて頂いたのであります。そのできました応募作品は、その当時も発表いたしましたが、そのうち上のほうの一等、二等、三等というようなものはその模型がちやんとできておりましてその模型も当時からお示しをしましたし、この国会において皆様方に見て頂きたいという準備をしているのでありますが、そんなふうにして一万五千坪の設計はできました。これらの当選の中のどれを使つて行くかということは、まだ確定したとは言い切れませんけれども、自然の情勢から一等のほうのものが主に取入れられるという見込を以て物事を進行しております。 ところで先ほど申しました大蔵当局がほぼ具体的に方針について同意しておりますのは八千坪であります。一万五千坪のものではございません。そこで一万五千坪の設計をもとにして八千坪の図書館を作るということは建築上なかなかむずかしいのであります。そう縦切りにするわけにも行かない。横切りにするわけにも行かない。機能を失つてもいけない。この三つの角度から考えてみますと、よほど複雑な工程をとらなければなりません。やつと大体の計画はつきました。形は初めは見たらおかしいかも知れません。八千坪の建築をする。その次に第二期の事業によりましてこれを一万五千坪に補つて行きますと、初めて理想通りの、或いは当初期待したような完備した格好の図書館ができ上るという方法で進行しております。 ところで最初の八千坪のものはどういうふうに実行して行くかというと、結局目算といたしましては、来年度から本当に具体的に入つて行きたいような気がいたします。もう今年度からすでに一般的計画とそれから整地事業を現にやつておりまして、高い所を削つて地盤のよりよき所に建物ができるように、これは現実の仕事を加えておりまするが、せつかく作るものを、先ず今のなにでは一万五千坪にふさわしい基本的な工事をいたしまして、つまり基礎工事は一万五千坪にふさわしいものをいたしまして、そうしてその上に建てる建物は先ず八千坪のものを作る。非常に不経済な不合理な方法でございますが、諸般の事情止むを得ないとしてその準備をしております。次の八千坪をどんな方法で行くか、これからこの予算の問題にだんだんふみ込んで来るわけでございまして、これから、つまり来年から算えまして三年間にこの第一期工事はできるだけ努力して仕上げたいという計画を持つておりますが、なかなか一方的に行く世の中ではございませんので、相当の困難もあろうかと思います。その第一期の計画が明年から始めて三年間で終り、結局三十一、三十二年度において一応終るのでございまして、いろいろな費用を計算してみますると、今の算定では建物及びその附属のものにつきまして二十五億見当必要であろうという考えを持つているのです。そのうちの来年度に用うべき金額というものは結局今日御説明を申上げました金額になりまして、いろいろほかのものも加えておりまするので六億以上のものになつたわけでありまして細かいことは数字によつて明らかにすることができます。その第一期工作が済みますとそのあとで第二期工作、つまり七千坪のものを附加えるということになりますが、このときはもう基礎工事が、例えば電気のための基礎工事、煖房のための基礎工事、そういうふうなものがすでにできておりまするので、幾分経費が少くてできるのではなかろうかと存じまして、それが今のところの予想では十六億八千万円ぐらい要ると思います。両方寄せますると四十一億ぐらいかかるものであろうと思つております。 なおこのほかにいろいろフアニテユアーのようなものもございまして、なかなか大事業であつて、これを一般の社会に持ち出しますると、このぐらいの金額は実業家のほうでは直ちに集りまして立派な建築ができるということは非常にうらやましいように聞いておりますが、国の施設としますとこれはなかなかでございまして、私ども骨を削つて努力をしなければならんものと存じております。まあこういうことは実際やつてみますると、何か日本人というものは人のすることに邪魔をしようというような考えが多い、故意ではないかも知れません。結果において邪魔をするような結果もできて来るのではないかと思いまして、なかなか僅かばかりの進め方をしようといたしましても容易なことではございませんで、だんだん計画が具体化されるに従いまして、かねて御相談をしてできておりまする図書館の建築協議会という会合もございまするので、そういうところへ御相談をして、それらの御研究を得て、一層具体的な実行案を得たいと思つております。以上であります。
○野本品吉君 昭和二十九年度の図書館の建築に関する既定経費の消化といいますか、その状況はどうですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今までいろいろな順序によりまして今年度図書館建築に充てる予算を相当頂いておるのであります。これが年度内に使い切れるかどうかという問題がございます。それは七千万円というのが……、昨年から今までの累積されたと申しまするか、予算がございまして、そこの中でこの二十九年度には九千二百万円を使つて行きたいというふうな考え方を持ちまして今専ら努力をしておるのでございまするが、本来この予算をたとえ繰越をいたしましてもこれは使つてしまいたい、使うといつても故意に使うわけではございませんが、それに該当するだけの仕事をしたいというので、現在の計画が、今申しました約九千万円というものを本年度の実行の計画の中に取入れております。これからの問題になつて来るものと思つております。
○野本品吉君 それともう一つお尋ねしたいのですが、建設省の実施設計の話合いはその後どういう状態になつておりますか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 図書館を建築いたしまするときに、私どもは素人でございまするからして基本計画、実施計画と、こういうふうに簡単に分けまして、そこにはつきりした境界線があつて、もう法律の文句のようにどこまでが基本計画、どこまでが実施計画ということがきまつておるがごとき、今から見ると少し愚かしいことでございましたが、簡単に考えておつたわけであります。大体その線に沿いまして基本の計画は図書館側が中心になり、そして建設省と御相談をしてやつて行く。それから実施の段階になりまするとその設計も又実行も主として建設省が中心になられてそうしてまあ図書館がこれを外から注意して行くというふうなことで行こうというふうにして、協議会のほうでおきめを願つておりまして、その線に沿つて動いております。ただ併しやつてみますると、基本設計と実施設計は、基本設計に基く行動と実施設計に基く行動とかなり入り組んでおりまして、かなりその時の関係におきまして同じ時に両方のものが入りまじるということになりまして、相当混み入つているもののように存じますけれども、図書館側といたしましては、技術的なものは肚の中では全部建設省に信頼をしてそのほうの御援助を得たい、自分のほうは責任を避けるわけではございませんけれども、まあそちらのほうの力を信頼しておりまして、今日まで来ておりまするところでは非常に円満に進行しております。例えば今の整地をいたしまする仕事でも、勿論これは図書館のほうの責任でございまするけれども、相当建設省の御援助を得ておりまして、それによつて滑らかに動いております。
○野本品吉君 もう一つ、まあ一般的に言えば人員を減らすということに非常に苦心しておるときに百九十四名という多数の増員の要求をなされておるのですが、まあ事情を知らない者から見れば、これは図書館は何を考えておるんだと、こういう感じを受けると思うのです。私はこの際館長さんからその人員の増員を必要とする点についてはつきりと御説明を願つておくほうがよろしいと思つております。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) この百数十人を要求するということは、ちよつと見ますると如何にもこのときに図書館が無用な人を置くんじやないかというふうにも思われますけれども、実はそうではございませんで、今まで殖やさなければならんもの、どんなことがあつたつて人間にはエネルギーの限度がございまするから、人を殖やさなければやれない。又質の問題におきましても、こう非常な専門的なものでございまするから、甲の人を以て乙の人に替えるわけには行かない、こういうのでございまするが、それが大体非常に圧縮せられておりまして、で今日に至りましては図書館の機能が十分に動いていないという判断ができるわけであります。一体役人の世界におきましては、外に向つてはどうも自分のやつてることは如何にもどこから突つついても完全に行つているように説明はいたしまするけれども、私どもはそういうことは好かんのであります。自分の良心に尋ねて到底我慢ができないことでありまして、なぜできないかというと、結局人が少くて経費がなくて、図書館の目的に適わないということになつて行くのでありまして、先ほど九十数人を調立に加えると申しましたのは、これは先ほども申しましたようにいろいろな分野に亙つて専門の知識を持つということをできるだけ充実させて行くには、ただタイプを叩いたりガリ版を書いたりする人でなくて、学識経験が豊かで、十分の仕事のできるという人を殖やさなければならんということで計画しておりましたのですが、これはもう細目に至るまで種類を分けて大蔵省に前々から要求しておる点でございます。それは数字によつて明かになつておるのであります。そのほかは一つにまとまつたというのでございませんので、あとのたくさんの人がいろいろのところにばらばらに分れて行きまして、何といいまするか、小さいものを集めて大きな数になるのでございまするから、その一つ一つについてはまあルーズのような感じもするのでありますが、その中に自然に大きな項目がございまして、いわば図書館の表芸とでもいいまするか、台所の仕事というものは、これは我慢に我慢を重ねて、どんなに見苦しい方法でやつてもよいのでございますが、表側の芸に至つては俗つぽい言葉で申しますと、仮に民間の業者に例えれば、図書館の商売をやるというか、図書館の本当の公けの仕事をやるという面に行きますと、これはどうしても何をおいても充実しなければならんのでございますが、そのうちの大きなものは書物を集め、そしてこれに応じて書庫を整備するという点でございますが、これはまあ私どもも図書館に素人でございまして、今まで六年ばかりたつておりますが、初めの頃は、図書館というものはただ少し人間が努力すればうまく行くものだ、図書館人が怠けておるから日本の図書館は発達しないのだという気持を心のどこかに持つておりましたが、併し大きな組織というものはそういうことでは行くものではございませんで、無理をすればその結果が必ず具体的に現われて来ます。私が中の悪口を言うことは館長としての責任もあり、容易なことでは言えないのでありますが、併し例えば書物が入つて来た、これをきちんと整理して棚に出して、すぐ何人も利用できるようになつておるかと言うと、甚だ理想に遠いのであります。日本の新刊の図書などはこれは何をおいてもやらなければならんから、これはほどよい期間の間に棚に上げて閲覧者の目に触れるのでございますけれども、かたまつた書物、つまりコレクシヨン、何万というものをかためて買いますときには、到底これを整理して完全に書架に載せるということは不可能でございまして、自然これが手遅れになる、手遅れになると又あとから同じようなものが入つて来ますために、進退きわまるというような姿も起ります。或いは又新しくP・Bレポートというようなものを買つて手に入れまして、それから又原子力資料を集めるということをしておりますが、原子力資料と言えば何か物騒なものばかりのような気もいたしますが、私どもの研究によりますと、原子力というものはひとり物理や化学ばかりでございませんで、法律も関係する、外交上の問題も関係する、経済は最もこれに関係をするというわけで、いろいろ各方面の書物を集めて来ておりまするけれども、これが使えるか、読めるかと言うと甚だ厄介でございまして、買つたは買つたけれども、これを整備することができませんので、大きな棚に置いて、誰でもインデックスに従つて内容が探れるということにいたしますためには、相当人数を充実しなければならんし、専門の人も充実しなければならない。私は学術会議の関係のかたがたに御相談をいたしまして、何とかしてこれが経済的にうまく行く方法がないか、いろいろ御相談を持ちかけましたが、結局最後は何らかの人を充実し、これに専門に、まじめに、図書館ではこれを書物の整備と言つておりますが、整備しなければならんということになるのであります。そんな関係で書庫及びその資料に関しまする人数を四一八人ぐらい置かなければならないということになろうと思います。 それからいま一つかたまつた問題は、上野の図書館に夜間開館ということを始めましたけれども、それはあれだけの設備があり、書物があり、日本の有数の図書館でありながら昼間だけしか使えないということは、物の面から言つても非常に不経済で、宝を山に埋めておくというようなことにもなりますし、のみならず、図書を必要とする人の中には夜にならなければ暇はないという人もございますので、何とかして夜間開館をやりたい。これは数年間の宿願でございましてなかなか気運は恵まれて来なかつたわけであります。やつと今年度に至りまして、とにかく夜間開館をしようということで着手いたしましたけれども、それに対しましての人員等は非常に不足でありまして、正規の職員は一人も増加されておりません。ごく軽い地位の人がそれにごく僅かだけ増加されておりまして、これを今までおつた職員と組合せまして理想的に言えば一日に三時間ぐらい余計に夜間開館をしなければなりませんけれども、併しそこに人間の勤労を集める方法というものが考えられておりませんので、一口に言えば、昔の封建時代の人は何でも無限の働きをする、こういうような仮定を前提にしなければ説明はできないというようになつております。そういうふうにしたのが悪いのじやなくて、私どもの責任でございますけれども、なかなか一足飛びに各方面の了解を得られませんので、それが今年は何とかして無理矢理にやつて参りましたけれども、まあ来年あたりはそう無理なこともできないということになりますと、どうしても若干の増員が必要となるというようなわけであります。そのほかまだ各方面に二人、三人と必要になつて、それが集まつてこういう数になつております。
○羽仁五郎君 今館長が御説明になりました中の、野本委員からの御質問の人員の増加ですが、これは立法考査の人員の殖えるということは、従来、さつきも館長が御説明になつたように、両院の御要求ということもあつて、その御要求が十分果されていない現状から見て、他もむろん幾分足りないのじやないかと思いますが、特に上野の図書館の、今の御説明においては、館長自身がお思いになるのですか、この司書二名、主事七名、主事補三名、合わせて十二名、これだけの増員で東京都民のかたがた、或いは専門家のかたがた……上野図書館を夜あけて、それで上野図書館でも非常な犠牲であつて、出血状態ではないかと思うのですが、非常な犠牲を自発的かよんどころないか知れんが、堪え忍んで今年夜お開きになつたわけですが、今御要求になつておる十二名で夜図書館を開いて一般の期待に副うて仕事ができるというふうにお考えなんでしようか。或いはこれでは足りないのじやないでしようか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) その御質問は非常に辛い御質問でありまして、どつちにでも答えられるのであります。と申しますのは、私は一体図書館に休みがあるのはおかしいと思います。人間が本を読みたいというときは、それはいつ読みたいか知れません。とにかくよほど合理的にやつて行かなければなりませんので、例えば普通の人には休日があつても、図書館にはむやみに休日をやらないで、いわゆる社会の通念に従つて、絶対欠くべからざるときだけは仕方がありませんけれども、先ず日曜でも祭日でも、年末年始でも開いておくというようなことにありたいと思う。外国の事情を調べてもどうもそうなつているところがありますから、そこに持つて行きたい。私どもの図書館が先ず第一番に、私どもとしてはそれに密接な関係がございまして、何とかしてこれを完全にしたいと思つておりましたけれども、今年の予算の取り工合でこうなつてみますと、実に何とも言いようのない情ない姿でございまして、不平はひどく高まつているというのでございましたが、これをどういうふうにやつて行くかというときに、それから先は理想を高くすれば十二人ではとてもやつて行けませんが、併しいろいろ細かく計算してみますと、先ずこれくらいならば必要を充たせるのではなかろうかという結論に到達いたしまして、結局理想とは言い切れないのであります。もう一歩この次の機会に進めて行かなければ、本当の働きをし得ないものと私は信じております。
○羽仁五郎君 これは裁判所のほうでも来年度から簡易裁判所なり家庭裁判所なりをやはり夜開くということが是非必要だ。一般の国民の便宜、民主主義の原則からやはり裁判所も夜開かなければならんというお考えで進んでおられますし、国立図書館が夜開かんというようなことは、実際国の体面としても誠に恥かしい。上野図書館の夜開かれるということは幸い非常な御努力で今年から実現されたわけですから、併し今は図書館員は非常な犠牲なんです。よくあれで辛抱しておられる。坐り込みなりストライキなりもされないというふうに、私はよそから拝見しているのですが、館長もそれだけ非常にお苦しみのことですし、上野図書館だけをとつてみましても、決して十分な人員とは館長の御説明を伺つても考えられませんし、立法考査、一般考査でも議員のかたがたの御要求にどうも十分副い得ておいでになるということでもないので、人員の点も十分、只今野本委員からの御支援もありましたように、一般の了解を得られ、そうして又大蔵省方面のなかなか理解のむずかしい点もございましようけれども、上野図書館の例など十分御説明になつて、夜開いて行くことによつて、それだけさつきお話のように立派な設備が活用され、そうして社会的に活動しておられるかたが使えば十分に調査がおできになるが、併し現状においては図書館員の非常な出血の犠牲によつてやつているのだ。そういう点で今ここで御要求になつた人員が決して過大ではない、むしろ不足である。従つてこれだけは是非削らないでやつて頂きたい。 それからなおもう一つ、いろいろ書物について私の希望があるのですが、実は国際図書の交換などにつきましても、外国の本を買うということになると随分な経費が要るわけです。従つて日本で出ている本を向うへ送つて、それで向うからの欲しいという本をこちらで頂くということになれば、或る意味で日本の図書の輸出ということにもなりますし、外貨を使わないで貴重な外国の図書が入るということになりますので、私がヨーロツパにおります間も極力努力をいたしまして、その後図書館の御尽力によつて著々その実績が挙つているようでありますが、これも全く外貨を使わないで貴重な外国の書物を手に入れ、且つ日本で作られております価値の高い書物を外国の主要な図書館に送つて、それで国際的にそれを使つて頂き、又それを評価して頂くという非常に有益な事業であります。これも併し図書購入費全体の枠が削られますと、そういう有意義な仕事もやはり不自由なことになりますので、図書購入費の全額も、これでやはり御質問申上げるならば、必ずやこれは甚だ苦しい予算だという御説明があることだと思うのですが、せめてここに御要求になつた程度のことは是非実現せられるようにお願いをしたいのです。 それから最後に本建築の件ですが、事実さつき館長もおつしやいましたように、必ずしも人の仕事を邪魔しようというわけではないでしようけれども、図書館に関する一般の認識が不十分である。殊に不幸にして朝日、毎日、読売などの大新聞さえも、議会図書館が立派になるということについて、何で乱闘している議員にあの図書館が要るのだということを書く新聞などもあつて、むしろ立派な図書館がないのでよんどころなく乱闘というような手段に訴えられるという点もあるので、(笑声)立派な国会図書館ができれば乱闘というような方法によらないということにもなるのだということも館長からも絶えず啓蒙宣伝をお願いしたいのでありますが、特に私としては敗戦後日本が世界に或る意味で見て頂くに足るような記念碑的な建築というものが事実ない。いろいろ新らしく建築ができますけれども、享楽的なものが多くて、実際誇るに足る建築というものがない。江戸時代から、それぞれの時代にはそれぞれの時代を表わすような代表的な、モニユメンタルな建築というものがございますが、現在新らしい憲法の下で、新らしく文化国家、平和主義で出発しております日本のシンボルとしての国立国会図書館というものが建築されるのはできるだけ立派に願わしい。従つて先ほど御説明のありましたような立派な計画をお持ちのことであると思いますし、是非現在御要求になつておりますものは全く最小限度のものであつて、考えようによつては十分これでも苦しい。或いは場合によつてはみじめなところもあるのだけれども、国全体の経済ということも考えて、最小限度の要求をお出しになつていることと確信をいたしますので、館長御自身はもとより、どうかこの委員会を代表して委員長からも格段の努力を頂戴して、実現せられますようお願いしたいと思います。
○委員長(杉山昌作君) それでは只今の三十年度の予算概算要求の問題につきましては、只今館長からお話のありました線を承認し、それに各委員の御熱心な御発言も参照して更に作業を進め折衝する、こういうふうなことに取扱うということに決定してよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) さように決定して取り進めることにいたします。 —————————————
○委員長(杉山昌作君) もう一つ議題がございまして、派遣議員の報告に関する件でありますが、これは先に国会が閉会中に国立国会図書館の一般公衆並びに他図書館に対する奉仕の実情調査のために高橋道男君、竹中勝男君、野本品吉君及び藤野繁雄君の四君に大阪、岡山、島根、香川、愛媛の五府県に亙つて調査を煩わしました。ここに議員派遣報告書が提出されておりまするが、四委員のうちで高橋、竹中両君はすでに委員を辞任されておりますような関係もありますので、慣例によりまする口頭報告はこの際これを省略いたして、便宜只今御提出になつている報告書を会議録に掲載し、これを委員各位に御覧願うということにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認めましてさよう取計らうことにいたします。 本日は予定いたしました議題全部を終了いたしましたのでこれを以て散会いたします。 午後二時三十八分散会