厚生委員会 第2号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/12/07
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) それでは只今から厚生委員会を開会いたします。 初めに委員の異動を御報告申上げます。十二月の六日付を以ちまして榊原亨委員が辞任され、後任として同日付で井上知治さんが選任されましたことを、御報告申上げます。 —————————————
○委員長(加藤シヅエ君) 最初に、昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害地域に行われる国民健康保険事業に対する資金の貸付に関する特別措置法案を議題といたします。提案理由の説明をお願いいたします。衆議院議員青柳一郎君。
○衆議院議員(青柳一郎君) 只今議題となりました、昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害地域に行われる国民健康保険事業に対する資金の貸付に関する特別措置法案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。 御承知の通り、国民健康保険は、昭和十三年に実施されまして以来、次第にその重要性を認められて今日に至り、現在保険者数約五千余、被保険者数約二千五百万を超えており、民生安定の上に多大の貢献をなしているところであります。 然るに、本年八月から九月にかけまして、九州、四国、中国並びに北海道に襲来しました台風十二号、十五号等により、これらの各地におきましては、人畜並びに農作物に甚大なる被害を受けたのであります。又、七月全国各地に発生致しました大雨は、局部的ではありましたが、これ又相当なる被害をもたらしたのであり、更に八月には、北海道等においては、異常の低温のため農作物の著しい減収を来たしたのであります。 これらの相続く天災のため、人畜並びに農作物の被害は直ちに国民健康保険事業の運営上多大の支障を及ぼすものでありまして、その被害地域につきましては各方面から復旧を図られつつある現状でありますが、国民健康保険におきましては保険料並びに一部負担金の徴収が甚だ困難のため、減免又はその徴収を猶予せざるを得ない実情にあるように見受けられるのであります。収入の大宗である保険料及び一部負担金の減収は、直接国民健康保険の保険財政に多大の影響を及ぼすものでありまして、このまま放置せんか、これらの被害地域における国民健康保険事業は重大な危機に瀕するものと憂慮されるのであります。以上申し上げましたように被害地域における国民健康保険の危機を回避し、これの再建確立を図ることを目途と致しまして、この法律案を提案する次第であります。 この法案の要点は、第一に、被害地域に行われる国民健康保険事業に対し保険料及び一部負担金の減免額の八割を貸し付けますと共に、その徴収を猶予した額につきましても八割相当を貸し付けるものとすることであります。 第二点は、貸付けの要件でありますが、保険料減免額及び徴収猶予額が調定額の一割以上であり、且つ二十万円以上であることを要し、なお冷害以外の被害地域につきましては災害救助法適用地であることも要件としております。 第三点は、貸付条件でありますが、貸付期限は保険料及び一部負担金の減免額に関する貸付金につきましては、五年の据置期間を含みまして十五年以内、その徴収猶予に関する貸付金につきましては、据置期間、年を含みまして三年以内といたし、それぞれ年利五分五厘の元利均等年賦の方法により償還することといたしております。 以上が、この法律案の要点であります。何とぞ慎重御審議のうえ、速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○委員長(加藤シヅエ君) 御質疑をお願いいたします。
○山下義信君 ついでに逐条説明をして頂けませんか。それからこの原案によりましての該当地域ですね、それから今の、資料が出ておりませんが、徴収猶予しておりまする、或いは減免をしておりまする額、そういつたようなものの数学の資料を一つ御配付願いたいと思います。で、逐条説明を伺いましたあとで、今申上げました点を明らかにして頂きたい。
○衆議院議員(青柳一郎君) 第一条は、この法律の目的を定めたものであります。昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風による災害又は同年の冷害を受けた被害地域における健康保険事業の円滑且つ健全な運営に資するために、保険者に対しまして貸付金の貸付けを行うものであります。なお被害地域の指定につきましては政令に任すことにいたしております。 第二条、これは貸付金の貸付要件を規定したものでございます。災害を受けた日の属する月の初日から六カ月間に保険料を減免又は徴収猶予した額が、年間保険料調定額の一割以上であり、而も二十万円以上であること、それと冷害以外の被害地域におきましては災害救助法の適用を受けているものであること、それらにつきまして貸付金を貸し付けることといたしました。なおこの要件を満たすものが一部負担金を減免している場合には、その額につきましても貸付金を貸し付けることといたしております。 第三条、これは貸付金の額につきまして規定いたしております。即ち、保険料及び一部負担金の減免額並びに保険料の徴収猶予額につきまして、それぞれその百分の八十相当額以内といたしたのでございます。 第四条の一項は、貸付金の貸付条件を規定したものでございます。貸付期限は、保険料及び一部負担金の減免額に係る貸付金につきましては、五年間の据置期間を含みまして十五年以内といたし、保険料徴収猶予額に係る貸付金につきましては、一年間の据置期間を含みまして三年以内といたしまして、いずれも年利五分五厘の元利均等年賦償還の方法によることといたしたのでございます。第二項は、据置期間につきまして規定いたしております。即ち保険料及び一部負担金の減免額に係る貸付金につきましては、貸付けを受けた年度における貸付けの期間及びその翌年度から五年間といたし、保険料徴収猶予額に係る貸付金につきましては、その性格上これを短縮いたしまして、貸付けを受けた年度における貸付の期間及びその翌年度一カ年とするにとどめました。なお据置期間中はいずれも無利子といたしております。 第五条は、貸付金の貸付を受けけた保健者が、災害その他特別の事由によりまして、年賦金の支払に著しく困難を来たしました場合には、国はこれを猶予することができることといたしております。 第六条は、貸付金の一時償還に関する規定でございます。貸付金の貸付けは、申請書に虚偽の記載があつたなど、ここに掲げました第一号から第五号までの事由に該当した場合は、国は貸付金の全部又は一部につきまして一時償還を命ずることができることといたしております。 第七条は、貸付けの当事者でありまする厚生大臣は、必要な場合には貸付けを受けた保険者に対しまして報告を求め、又はその職員をして立入検査をさせることができることを規定いたしております。 第八条は、適用除外に関する規定でございます。国民健康保険法第二十六条第二項及び第三十七条ノ六第二項の規定によりますれば、国民健康保険組合又は国民健康保険を行う社団法人が組合債又は貸付金を行う場合には、都道府県知事の認可を受けなければならないこととなつておりますが、この法律による貸付金は、国民健康保険事業の健全な運営を図るためのものでありますので、事務手続を簡単にいたしまする必要からも、都道府県知事の認可を必要としないことといたしております。 第九条は、厚生大臣の権限の委任に関する規定でございます。厚生大臣の権限に属する事務のうち、貸付金額の決定等に関係しない単なる手続的なものにつきましては、政令の定めるところによりまして都道府知事に委任しようとするものでございます。 第十条は、政令への委任に関する規定でございます。この法律に規定するもののほか、貸付金の貸付けに関する申請手続など必要事項につきましては、政令に委ねることとするものでございます。 以上がこの法案の逐条説明でございます。 更に貸付所要額につきましては、各市町村に対して貸し付けられるのでございまするが、現在のところ、大体の大枠と申しまするか、各府県別の枠を一応概算したものがございますので、それを御紹介するにとどめたいと思います。それを申上げます。全部合計いたしまして北海道には一億一千六百十一万円、広島県七十万円、山口県百十六万円、香川県二千四万六千円、愛媛県二百三十四万八千円、高知県九十万一千円、熊本県二百三十四万四千円、大分県百六十万三千円、宮崎県一千八百十九万七千円、鹿児島県四十万七千円、以上でありまして、総計一億四千四百一万六千円ということを概算いたしております。
○山下義信君 私は大体におきまして、別にこの法案そのものには異議を持つておるわけではないのでありますが、国民健康保険に関しまするいろいろ制度に手を入れて行くということは、非常に重大なことだと考えますので、その意味において若干質疑をいたしたいと思いますが、よろしうございますか。
○委員長(加藤シヅエ君) 差支えございません。
○山下義信君 それで、まあ条文のほうから伺つておきたいと思うのですが、第一条の一番最後にあります被害地域の指定については政令に委ねるということになつておりますね。これは条件が、まあ二十九年の七月とか、八月とか、九月とか、又その事故も災害とか台風とかきめられておつて、或いは又、災害救助法の発動というような、いろいろなこともあつたりして、これはもう機械的に、自動的に被害地域の指定というものは、ぴしやつときまつているのでしようね。ですから、政府が考えて取捨選択指定する余地はないでしよう。ですから、この本法の適用を受ける地域は、もうこの法律でぴしやつと条件が付いているから、きまつているから、政府のほうで詮議する余地はない。政令に委ねないも委ねるもない。この委ねるというのは、ただその指定の形式的な手続を委ねる程度ですか、これはどうです。多少取捨選択の余地はあるのですか。幅はあるのですか。
○説明員(管野周光君) 昨年の例で申しますと、建設省及び社会局のほうの災害調査によりまして、この要件に該当するものを機械的に選ぶということにしたのであります。今回の場合も、立法趣旨について私ども完全にまあ理解しておりませんのでございますけれども、やはりこの要件に合うようなものを機械的に指定して行くということになるんじやないかと思います。
○山下義信君 それで、今提案者がお読みになりました関係府県ですね、而も貸付け得る全額の限度、総計一億四千四百万円、それはこれに間違いありませんか。それ以上増加することはありませんか。その該当する地域というものは、今お挙げになりました中で該当しないものが含まれておりませんか。今のお話になりましたのは、正確なんですか。
○衆議院議員(青柳一郎君) 私どもが思つておりますところによりますと、この出入りがありましても、極く少額の程度だと存じております。併し一応概算ということにいたしておる次第でございます。余り出入りはないと思います。一億四千万円程度と思います。
○山下義信君 第二条ですね、この徴収猶予の額、或いは減免の額を、保険料の額の一割以上として、それから二十万円を限度で頭打ちにいたしましたが、この二十万円という線を引きましたのやら一割以上にするというこの二条の貸付の条件は、どういう基準で定められたのですか。
○衆議院議員(青柳一郎君) 大体前例によりまして、こういうことにいたしております。
○山下義信君 何の例がありますか。前の台風のですか、何の例……。
○衆議院議員(青柳一郎君) 昨年、たしか昨年でございましたか、台風の例だつたと思います。
○山下義信君 同じですか、同一条件ですか。
○衆議院議員(青柳一郎君) 同一条件だと思つております。
○山下義信君 それから第五条ですがね。ですから大体は前のルース台風のあれに準じたのでしようね。中身はそうだろうと思います。第五条の年賦金を支払猶予する場合があるのですね。これはどういう手続で猶予しまか。いつまで猶予しますか。全額を猶予するのですか、一部分を猶予するのですか。この猶予する手続の規定は何によるのですか。
○説明員(管野周光君) これはまあ運用の面になろうかと思いますが、私のほうからお答えを申上げます。一部の場合も全部の場合も、その実情を勘案して、猶予するというような申請が出て来まして、それを審査の上で考えてきめる、こういうことになると考えます。
○山下義信君 貸付けの場合だけ厳しい条件を法律に書いて、それでまあ猶予する場合は実は漠然として、こんな不体裁な法律はないと思う。猶予する規定は何によるのですか。猶予する場合は、法律の中に少しも規定されていない。法律が規定しなければ、猶予に関する事項については政府に責任を持たせて、政令に委ねるとかなんとかはつきりしなければ、勝手に行政官が、法律で貸付けを許可した金額もちやんと押えて貸付方法もきめてあるものを、法律によらない。又法律以外の法令にもよらない。法的根拠なしで、当面の行政官が勝手に認定してから、猶予する。それも一年猶予するのか、百年猶予するのか、年限も何も規定してない。この猶予は無期限も含みますね、こういう条文にしておきますと。こんな雑駁な、国の金を、税金を相手がなんであろうと貸して、その取立てが困難になつたときに、猶予することの猶予規定がそんなに雑駁なことでは、私はいかんと思う。提案者はどう考えられますか。少し無責任のように思うのですが。
○衆議院議員(青柳一郎君) 御尤もなお話でございます。実は先生御存じのように、今回の国会で各種の災害立法が出ました。その例によりましてここに規定いたした点でございまして、実行上につきましては、先生の御意見を十分に尊重いたして、余りルーズにならないように考えなければならんと存じております。
○委員長(加藤シヅエ君) 只今山下委員の御質問に対しまして、大蔵当局から説明を求めておりますから、発言を許します。
○政府委員(正示啓次郎君) 只今の、山下先生の御質問と関連いたしまして、大蔵省に関係のある事柄でございますので、一言御説明申上げたいと思います。 提案者の青柳先生からお話がありましたように、衆議院におかれまして、いろいろの災害特別措置法が御提案になつておることは、御承知の通りでございます。私どもといたしましては、国民の血税を使うことの管理の責任を負わされておる立場といたしまして、この問題につきましては重大な関心を払わざるを得ないのでございます。 で、実情を申しますと、終戦後の災害でございますが、実は昨年二十八年が一番大きな災害のあつた年でございます。これを復旧事業費の額で申上げますと、二十八年は二千二百一億四千四百万円、実に二千二百億に上つておるのでございます。その次に戦後多かつたのは昭和二十三年度でございまして、これは千九百三十七億、やはり二千億近くになつております。併し、何と申しましても二十八年度が戦後の最高でございましたので、御承知の通り、昨年は衆参両院におかれまして各般の災害特別立法が行われたのであります。この点につきましては、政府といたしましても最善の努力をいたしまして、国会のお定めになりました特別立法の誠実なる履行につとめたのでございます。これはもつぱら昨年のような異常な災害という事態に考えまして、特別立法が内外各方面から是認せられたものというふうに承知をいたしておるのであります。然るに今年はどうかと申しますと、これは逆に戦後最少の年でございます。只今まで昭和二十七年度が災害が少いと言われておつたのでございますが、昭和二十七年度は五百五十二億、先ほどの復旧事業費で申しまして。二十八年の二千二百億に対して、五百五十二億でございました。それに対して本年は、私どもの手許に各省から頂いております資料によりますと、五百四十八億でございまして、二十七年を更に下廻る、まあいわば災害という誠に歎かわしい、我が国にとつて免かれ難いいわゆる非常ないやなことでございますが、それが本年は五百四十八億ということで、まあまあよかつたということで済んでおるのであります。 まあ一兆予算につきましては、いろいろ御見解もございましようが、私どもといたしましては、災害がこの程度で済みましたので、今回の補正予算におきまして、できる限り緊縮を旨といたしまして、折角年度当初から努力をいたしました、いわゆるデフレーシヨン政策、これによる物価の引下げを更に推進いたしまして、勤労者その他の実質的な給与の改善ということに、更に努力をいたしたい。こういう建前を以て予算を組みましたのでございます。予算につきましては、いろいろ御意見がございましたのでありますが、今回の予算におきましては、従がいまして、これらの特別立法関係の経費は一切計上されておらないのであります。予算は昨日すでに参議院におきまして議決をみまして成立をいたしておるのでありますが、いわば只今申上げましたように、戦後最も少い災害の年に、戦後最も災害の大きかつた二十八年度の例を以ちまして、かような特別立法をなさるということは、その御意向は那辺にあるか、誠に私どもとしては了解に苦しむのでございまして、若しかようなことが先例となりますならば、将来、一方におきましては予算が国会ですでに成立する、その予算に全然計上されておらないような経費を立法される。私は立法の権威のために誠にこれは歎かわしいことではないか。国会の先生方の深甚なる一つ御検討をお願いしたい、かように実は考えるのでございます。 特別立法の現在の状況でございますが、先ほど来お話がございましたように、この問題は建設省なり、農林省の被害の状況によつて本法を適用して行くのだという御答弁がございましたが、これはその建設省、農林省の、本体となるべき公共土木施設の災害復旧に関する特別措置、農林水産業災害復旧に関する特別措置自体が、只今衆議院において慎重に御審議中でございます。さすがにこれらの問題につきましては、一部の先生方から非常な何と申しますか、疑義が持たれまして、御審議に時間がかかつておるものというふうに拝察されるのでございます。そのいわば本体となるべき法律がさような段階にあるときに、私はかような、まあ健康保険、誠に重要でございますが、被害の程度をきめる基準となるべき法律自体が今そういう状態のときにありまして、この法律を御審議頂くのでありますから、その点につきましても十分御慎重な御審議を願いたい、かように考えるのでございます。 なお只今山下先生が、御指摘になりました点は、誠に私どもとしても先生のおつしやられた通りに考えております。国民の血税を預かる私どもといたしまして、出すときの条件を法律によつて厳重にお定めになるならば、これを減免する或いは微収を猶予するときの条件も、厳重に法律を以て御規定になるのが当然だと、かように考えるのでございまして、とかく予算を作るとか或いは法律を作るときには、慎重に御審議を賜わるのでございますが、その実施につきまして非常に多くの御非難があるのでございまして、最近も会計検査院の小峰局長が衆議院の予算委員会におきまして、農林関係その他の災害の復旧費が如何にルーズに使われているかということを御指摘になつたのでございます。大蔵省におきまして予算を頂かる私どもといたしましては、誠に胸を抉られるような感じがいたします。私どもといたしましては、力が足りませんので、国民の血税の使い方につきまして先生方からしよつちゆうお叱りを受けるのでございますが、併しできる限りの努力をいたしまして少しでも改善をして参りたいと考えているのであります。どうかこういう立法の機会におきまして、私どもの苦衷をお察し下さいまして、やはり役人として責任が持てるようなしつかりした御規定を願いたい。又予算その他を十分御検討になられた上で立法されるように、是非ともお願いいたしたい、こういうことを大蔵省の立場といたしましてここに率直に申上げまして、皆様の先生方の御慎重なる御審議の御参考に供したい、かように考えている次第であります。
○山下義信君 正宗君が、私への答弁の機会に、なかなか勇敢に所信を披瀝されまして、傾聴しておりました。国会に対する御批判は別として、言うまでもなく、私たちといたしましても、如何なる必要な法律でもルーズにならないように気をつけて審議をするつもりでいるのであります。そういう意味でやつているわけであります。 第六条のこの「申請書に虚偽の記載があつたとき」等ということなんですが、それでその申請書は別に規定で作るらしいのですが、どの程度までが虚偽なのか、或いは徴収額や猶予額、そういうものの数字の間違いのあつたものも虚偽になる虞れがあるだろうと思うが、併しその虚偽の記載というのが、第一号から第五号までに当つた場合と、こう限定してありますが、この規定は一体本法のどこにあるのですが。貸付金の一時償還に関する規定というのはどの規定を使うのですか。第一号から第五号までというのは、この本法の中のどこにあるのですか。
○衆議院議員(青柳一郎君) 大変失礼でございますが、もう一度御質問を……。
○山下義信君 「貸付の申請書に虚偽の記載があつたとき」という、その「虚偽の記載があつたとき」というのはどういう場合をいうのですか。どういう虚偽の記載をしたことをいうのですか、それがわからない。 なお質問を補足いたしますが、第二号以下はこれは貸付けの申請書には関係がない。第六条の一号だけなんですね。併し同じことが書いてあるのですよ。この第六条の第一号の「貸付の申請書に虚偽の記載があつた」という、その「虚偽の記載」とはどういうことをいうのですか。どういう記載をしたら虚偽になるのか、それを限定しておかにやいかんですね。はつきりしておかなければ……。
○衆議院議員(青柳一郎君) 私はこう思つておりますが、災害の実情についての虚偽の記載があつた、或いはその保険事業の財力の面におきまして虚偽の記載があつた場合、そういうことを指すものと私は解釈をいたしております。
○山下義信君 わかりました。わかりましたが、災害については、災害がないのに災害があつたというわけには行かないのです。厚生大臣が諸条件によつて指定をするのですから、指定を受けた該当者が貸付けの申請をするのですから、災害のないものがあつたというような、そういうことの虚偽記載はできない。今度は調停額の十分の一以上で二十万円という金額の線を引いて、そうして減免の八割でしたか、それから徴収猶予の八割というようなことに線が引いてあるのですから、虚偽のことを書くと言つたらどういうことが予想されますか。申請書に虚偽を書くということは……。
○衆議院議員(青柳一郎君) そういうことは余りないと思いますが、災害の程度につきましても、いろいろ具体的に記載する場合に虚偽の記載があり得るかとも存じますし、又只今お示しになりました保険料の調定額などにつきましても、虚偽の記載があり得る場合もあると存じます。又更にその保険者の資産などにつきましても、虚偽の記載があるというようなものがあり得ると、こう存ずるのであります。
○湯山勇君 今山下委員から御質問になつた点、私も問題があると思いますのでお尋ねいたしたいと思いますが、財力について虚偽というのはよくわかります。災害の実情についての虚偽の記載というのは、これは大蔵省なり建設省なりで査定されますから、査定されたものは必らずしも災害の実情ではない場合が、むしろ現在の段階では多いと思うのです。建設省、大蔵省とで、厚生省ですか、協議してきめられる場合、一体その地元の実際の被害ですね、それをやつたものは今の本省のほうとは違つている、そういう場合には虚偽になるかならないか、どういうふうにお考えでございましようか。
○衆議院議員(青柳一郎君) 地方の役所のほうで認めた災害の額と申しますか、量と申しますか、それと実際と違つておる点、実際のほうを記載した場合に虚偽になるかと、こういうお尋ねだと思います。私どもとしてはできるならば実情に即しておるほうを正確なものといたしたいと、こう存じております。併しながら役所の手続の上から、現在実際上に行われておるそうでない面もあると思います。従いまして、そのとき、そのときで判断をして頂きたいと、こう存じております。
○山下義信君 いま一点は、この第八条に、都道府県知事の認可をこれが排除してあるのです。今提案者が説明なさつた逐条説明のこの御説明では、私ちよつと納得が行かないのですが、これは都道府県知事の認可を受けることになつておるが、この法律による貸付金は国民健康保険事業の健全な運営を図るためのものであるので、事務の手続を簡単にする上からこうするのだと、こういう御説明ですね。私はこの理由では工合が悪いと思うのですね。これでは都道府県知事の認可を受けたのじや国民健康保険の運営を阻害することになるようですな、知事の認可を除外するというと国保の健全な運営が図られる、知事の認可を受けたのじや健全な運営の邪魔になるというふうに、この説明ではとれるのですね。何かほかに御理由があるのでしようか。それではもう知事の認可というのは全部国保に関する限りはやめたほうが、スピード・アツプにもなるし、邪魔になるものだつたらば一切排除したらいいのですね。何かぴたつとした理由があるのでしようかね。私は極めて大切だと思う。 これは言うまでもなく、国保の運営を、提案者も御承知のように、一体経営主体をどうするかということは非常に大きな問題で、都道府県知事の国保との関係の立場というものは、私はただ申請書が一日二日早く行けばよろしい、知事の認可などとつていたひには遅くなる、今日その貸付けをしなければもうすぐにその避難民が困るのだという場合と違つて、これは後始末で、急ぐのは急ぐけれども、他の食糧を輸送しなきやならないというような一分一秒を争う場合とは違うのでありまして、同じ急を要しても、急を要する場合が違うのですが、国保の監督者であるところの都道府県知事、これは私は非常に国保の制度の上では大切な立場をとつていると思うのですが、その都道府県知事の認可をかかる場合に必要としないというこの理由ですね。都道府県が今のように市町村単位になつておりまするような場合における知事の、その所管区域の国保と知事との関係は非常に私は大切だと思う。こういう場合にこそ知事に世話させて、認可ということは知事が世話するということなんだ。その都道府県知事の認可ということを排除するということを、国保の運営の上にこういう建前をとることは、国保というものの制度の上に、提案者はこの道の権威者であられますが、これは大変だと思うのですね。これはどういうわけで排除しますか。それ一日二日の急を争うて、知事の認可権を国保に関する限りオミツトする建前というものは、非常に私は国保の制度に大きな影響を与えると思うのですがね、考え方というものは。
○衆議院議員(青柳一郎君) 只今山下先生お示しのように、ひたすらに認可を早くするという意味からこういう規定をいたした次第でございます。そのほかに特別な理由は発見することができないと、私ども思つております。
○山下義信君 私は冒頭に申上げましたように、本案に反対する意味で質疑を決してやつているわけじやないのでありまして、非常にこの国保の関係を、国保というものを重大視しますために、入念しておるわけなんでありますが、今の御答辨では納得し難いのですね。実は、それで而もこの法律の施行その他の厚生大臣の権限に属することは知事に、その次の第九条でやらしておいて、これは都道府県知事をもてあそぶものですよ。私はこの建前はいかんと思うのです。恐らくこの政令に関することや、厚生大臣の権限を知事が委任を受けたるこの貸付金のその後の状況等についても、第七条で認めておる。立入れ検査なども、恐らくこれは知事が委任を受けてやることもできるのでしよう。その貸付けを受けるときには当然知事が心配するのが本筋でありまして、こういう非常災害の貸付けを受けるのに、その申請書を一カ月も二カ月も知事の机の上に置いておくようなのは、そんな知事はいないと思うのですね。それで、一方では勧告とか本法の実施は知事にやらしておいて、貸付金の世話は一切知事にタツチさせないというのは、私は筋が通らんと思う。 これは知事というものの事務や立場を言うのではなしに、前段申上げましたように、将来国保というものの経営主体を都道府県単位にしようかという、若し社会保障制度を前進させようとするならば、そうでなければいけないというのは、多年お互いに議論しているところなんです。それで国保には知事に力瘤を入れさせなければならない、各府県においては補助も出しているくらい力を入れているのだ。その知事をこういう場合に排除するというのは、私は建前として面白くないと思うのです。法律としてはその後、本法の施行の上においては知事が厚生大臣の権限を代行していろいろなことに勧告や干渉ができるようになつておるが、肝心の貸付金を申請するときにには、当然監督官庁である知事を経由するのが、如何なる場合であろうとも……。それでは非常災害の場合には全部知事をオミツトしなければならん。これは災害救助法でもそんなことは認めておらない。急を要して直ちにバラツクを建て、直ちに握り飯を配給しなければならんような場合に、災害救助法でもこの知事の立場を排際できるような規定は、私はなかつたと思う。どういうわけでここで知事を押しのけて行くか。これならば、国保は将来は都道府県の世話にならんということを、国会はその前提に立つのか立たないのかということを明確にしておかなければ、我が国の国保は崩壊すると思う。それは提案者もその道の権威者であられるので、是非その点お考え願いたい。これは今言つたように、ただ事務の手続をスピーデイにするということだけでは、私は理由が少し納得し難いように思われるが、一つこれは是非お考えを願わなければ、将来の国保の発達の上に非常に私は大きな陰翳を与える、こう思うのでありますが、如何でありましようか。
○衆議院議員(青柳一郎君) お話誠に御尤もに承わつておりました。ただこの法律を作りますときに、昨年の同種の法律にならいました次第でございます。昨年御審議頂きました法律をそのまま踏襲いたしたことが、実際の骨格でございます。
○山下義信君 私はもう一つ伺つておきますことは、これは提案者は、私が今お尋ねしたいと思うことが実は非常に自分で重要に考えるのでありますが、その法律は二十九年七月の大雨、八月九月の台風並びに冷害、そして諸条件を一つの線をきめて、この該当の地域並びに対象をはつきり限定されてある。それで私の伺いたいのは、将来この種の風水害、冷害等が起きたときには、すべてこの規定を適用するという方針をここで確立するのかどうするのか、今年この度一回限りに限る法律であるか、将来国民健度保険に対してはこの種の風水害、冷害の場合にはもろもろこの方針を実行して行こうという考えであるかどうかということを、私は提案者に伺つておきたい。つまりこの法律の性格ですね、根本的立法の目的です。で、この度はこれに限つて、成る一部の国保にこういう措置をするのか、この方法は将来一般的に同一ケースの場合にはこれはことごとく適用しようとするのであるかということを基本的な方針を伺つておきたい。
○衆議院議員(青柳一郎君) 私の考え方といたしましては、御存じのような国民健康保険の財政事情でもございますし、そのうち殊に臨時の災害を受けた国民健康保険につきましては、かかる天災の際にはこれは相当な温情を以て力を与えてやる必要があると存じております。即ち私の気持を申上げますれば、こういう事態が起りますときにはすべてかかる措置を必要とすると存じておるのでございます。ただ現在の各種の災害立法の立て方から申しまして、今までの例といたしまして、その時々に制定されておりまする故を以ちまして、今回もかかる形になつたものでございます。
○山下義信君 そうすると、今の提案者の御説明では、これは一般的に適用する、将来もその考えでやるのだ。この地方の該当地域の、この本法の対象になるこのたびのその限られたる特定の対象者のみにやろうとするのではない、こういうお考え方。私は実はその御趣旨は困るのです。それでむしろ逆に、今正示次長は我々国会に対して御忠告があつたが、我々はそのとき限りの特別のケースの立法は、幾らしてもいい。これはお土産議案だとかなんだとかいろいろなことを言うが、これはアメリカやその他にもやつている立法例で、日本の立法は言うまでもなくいつも一般的規定をやるのですが、特殊のケースを、その一時的の立法は、私は或る意味においては何百、何千出ても弊害は知れたもの。その一年きりなら、一遍きりなら、そのときの情勢によりまして、同情であろうと何であろうと、必要があつてやる。そのとき限りの立法というものは、何の何がしが何の何がしと結婚をする、民法にないので許してやる、アメリカのああいう式のことは幾らやつても差支えない。我々が問題にしているのは、これは原則としてやるという建前になるから、私は重大だ。それならば、一部に臨時に行われるような立法程度でなくして、国民健康保険の上においては、かかる風水害、或いは冷害の場合においては、こういう再建整備の方法をとるということを、国策として確立しておかないと、いかない。国策というと大袈裟であるけれども、国民健康保険法の建前の上において、従つてこれは国民健康保険法の中にはつきりと、一般的の場合として、こういう場合にはその再建整備のために国はこれだけの補助をする、これだけの援助をするのだということをはつきりする必要がある。そういう場合には法律もよく練つて、そうして恐らくその年に予想されるだけのものの予算の確保は或る程度まで準備もして、一般の国民健康保険の関係者にも周知徹底させて、風水害のあるときも意を安んじて国保も運営して、費用も充てられるように心構えをして、こういう立法をしておく。一般法と申すかにしておく。そうしないと、その都度その都度に運動が、性格によつてはこういうことが行われる。で、そういう必要のないように、私は一般法としてちやんとはつきり立法をしておくのが筋だと思う。 で、私は政府に伺いますが、国民健康保険において、この種の台風或いは大雨等によりまして、或いは冷害等によりまして、国保の保険財政に若干運営上難儀を来たしたような場合には、現在の国民健康保険法或いは又その運営上においての何か対策が、制度の上に、或いは法規の上に、できておるかどうか。或いは又将来それをやるお考えがあるかどうか。そういう法律は作らなくても、それに代るべき措置がとられておるかどうか。そういうことについて、厚生省当局の一つ御所見を述べておいてもらいたい。
○説明員(管野周光君) 山下委員のお叱り、私ども全く申訳ないのでありまして、実は災害に対する国民健康保険の対策というものは恒久的に確定しておかなくちやならないという点につきましては、私も実は考えておるのであります。それについての準備研究がまだ熟さなかつたので、いろいろ助成交付金とか、再建整備資金、貸付金とか、それの予算措置ということで、現実に私どもの能力がそこまで及ばなかつたのでありまして、実は私本当に申訳ない、私の立場といたしましてもそういうふうに思つておる次第でございますが、今後の問題といたしましては、やはりこういう制度をはつきりと確定する必要があるのじやないかと思つております。
○山下義信君 大蔵省は従来こういう場合における措置としまして、どういう一体方針を持つておりますか。又先ほど正示次長は一般論としては述べられましたが、特に国保の再建と言いますか、助成のために、こういう種類の事態に対しては何かとる途があるのですか、全然ないのですか。つまり法律を作らなければこの種の国保の運営上必要な資金というものの金繰りの途というものは、一体我が国にはないのですか、どうなんですか。或いは大蔵省が斡旋して他の金融機関からどうするとか、いろいろな何か方法があるのですか、若干あなたのほうからでも心配するという途があるのですか、どうなんですか。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。この国保の重要性は先ほど来縷々、山下先生、又提案者の青柳先生からお話しになりました通りであります。大蔵省といたしましても、その点は十分認識いたしております。すでに給付金の二割を補助いたすというようなこともやつておりまするし、お話もございましたような再建整備の貸付金等もやつておるのであります。なお只今厚生省からお話のございました災害の場合におきましての貸付けにつきまして、寄り寄り実は協議をいたしておるのであります。で、私はやはり、この国保のような長い一つの制度でございまするから、先ほど来お話のように臨時の措置というふうなことで、而も予算の裏付けのないような措置は、実はこの制度自体を健全にするゆえんではないというように、先生とやはり同じように私ども考えるのでございまして、この点につきましては只今のところは、実はまつすぐこの要望に応える制度は、厚生省からお話がございましたようにございません。併し間接的には、御承知の通りに、地方公共団体の財政が非常に困窮いたしておりまするので、これに対しましてすでに本年年末も四十億の預金部資金を融資いたしたことは、先般新聞にも出ておりました通りでございます。私どもとしては地方財政に対しまして、今日この窮乏を救うために、是非とも短期の融資、或いは今回の災害に伴いましては復旧事業に対する長期の融資というふうなことをして、是非ともこれは最優先的にやらなければならんというふうに存じておるのであります。併しそれでは地方財政の根本的な改善にはなりませんので、これは是非とも多年国会において御検討になりました再建整備法というふうな考え方を、地方公共団体の財政全般につきまして確立して、又現実に立法をして頂きまして、その立法によつて法律に従いまして再建を図つて参らなければならん、かように考えるのであります。そういう同じような考え方がやはり国保につきましても講ぜられるべきであると思うのでありまして、この点につきましては、折角国会の多年の厚生委員会等の御検討の成果もあるのでございまするから、それらも十分重要な参考にいたしまして、将来この国保の再建或いはこういう災害の場合における貸付けその他の措置につきまして、適切な、一方におきましては合理的な保険計算ということが是非必要でございまするから、そういうものを十分検討いたしまして、永久的な制度を考究いたしたい。この点につきましては厚生省から只今御答弁になりました通りに、政府部内におきましても十分慎重に研究いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○山下義信君 どうも只今の御答弁では、差当つてはこの対象者に対して必要な資金を世話をしてやるという方法はないのですね。今差当つてはないのですね。それでこれはなんですか、先ほど提案者から御説明を受けましたのには、該当都府県でも皆、まあ金額が二十万円とか、九十万円とか、百万円とか、二百万円、非常に少い。北海道だけ一億一千万円。大きいですね。端的に言うと、この法律は北海道のためにあるといつても過言でない。私どもはこれは政治的に考えると、私は筋としてはやはり恒久立法というものを考えて、国保の本当の制度上からこういう災害時におけるところの措置というものを十分に練つて考えてやる。それまでに差当つて北海道が一億一千万円もその国保の資金に困つておるということになれば、これは何とか世話をする。法律によらずして、何とか世話をする方法というものはないものですかね。官民のいろいろな金融機関から低利の融資を斡旋してやるとか、税金でなくてもほかの工面をしてやるとか、一時しのぎに都合してやるとか、助けてやる工夫というものは何かないのですか。例えば再建整備法の資金の中で不用額かなにかあつて、或いは償還額かなにかあつて、それを一時大蔵省が、やはり国保の再建整備のために使うのですから、そのほうに資金を回すということを認めてやれば、北海道に一億一千万円使わしてやつたら、何もあわてて今日法律を作らなくても、今現地に持つて行けば、法律を明後日に延ばしてもいいと私は思うのですがね。何かその辺に大蔵省のほうで御心配になる途があるならば、無理な法律を作らんでも、要は金ですから……。私は提案者に聞きますが、法律が必要なんですか、金が必要なんですか。(笑声)
○衆議院議員(青柳一郎君) それはもうお答えするまでもなく、金が必要でございます。
○山下義信君 大蔵省はどうですか、一つ御心配下さつて……。
○高良とみ君 関連して……。大蔵省に同時に伺いたいのですが、農業協同組合やその他のいろいろな組合が、いろいろ使い込んだりして、いろいろな困難があるというときに、やはりその再建整備法で以て国におんぶして片付けているということが多いように最近伺うのでありますが、そういう点からいつても、この八条にありますような財団法人或いはその他のものが組合を持ち、或いはやはり再建整備法によつてそれを整備して行くような方法が、或いはあるのだろうと思いますが、その点御一緒にお答え願いたい。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。山下先生のおつしやられました通りに、今回の二十九年は幸いに災害が非常に少かつたのであります。北海道はそのうち一番大きな被害を受けておられる。実はこの法案の提案者であられる青柳先生から、さつき北海道の一億何千万という、一千万ですかのお話を伺つて、実は私ども愕然としたのでありますが、実は昭和二十八年度のあの大災害で全国で一億二千万円の予算を組んだのであります。実際の条件に該当して出ましたのは、僅か七千五百万でございます。同じ国保の貸付けがあるのですから、あの先ほど読み上げました二千二百億の大災害のときにそうなんでございます。どういうわけで北海道の一億一千万という数字が出たのか。今年は先ほど申上げましたように復旧事業から申しますと五百四十億でございますから、四分の一にも足りないようなときに、なぜ北海道だけ一億一千万というのが出たのか、どうしても私どもには合点が行きません。この法律は先ほども率直に申しましたように、一度も事務的に検討の時間を与えて頂いておりませんので、本当にどれだけの金がかかるのか、どれだけのお金をお出しすればよいのか、全然研究の時間を与えて頂けなかつたのであります。従いまして、只今とつさに先生の御要望の御質問に対しまして、ぴたりとした答弁はできないのでございますが、私どもとしては、災害をお受けになつた地方、公共団体或いは国保の保険者のお立場というものは十分わかつておりますから、何とか既定予算の範囲内、或いは預金部資金その他の融資の際におきましては、そういう被害をお受けになつた団体に対しまして、重点的に乏しいながらも資金を配付して行くことを十分考えなければならんと思うのであります。又役人はどうせこせこせしたことしかできないのでありますか、時間を与えて頂きまして研究さして頂けば、私は以とか智慧が出ると考えております。今ここですぐどれだけのものということは、数字自体が私は愕然としたわけで、二十八年度と比較いたしまして、到底こういう額にはならんのじやないかという気がいたしますが、これは十分厚生省とも相談をいたしまして出したいと、実はかように考えております。今すぐ申上げかねるのは、実は今朝ほど、この法案がこちらで御審議になるということをはつきり伺つたようなわけで、研究のいとまがございませんので、その点悪しからず御了承願いたいと思います。 なお再建整備につきましては、現在まですでにやつておるところで、これは大体順調に進んでおると思つております。若しこの制度自体に改善を要する点がございますれば、これは又厚生省当局と十分お打合せいたしまして、所要の改正をいたしたいと、かように考えております。
○高良とみ君 只今のお話で、この法案については、衆議院で審議されたときに、大蔵省との御相談はなかつたのですか、その点。
○衆議院議員(青柳一郎君) 御存じだろうと思いますが、かかる種類の災害立法に関しましては、衆議院におきまして、四派と申しますか、もつとかも知れませんが、各政党が集まりまして態度をきめたのであります。それがきまりまして、すぐに私どもの手許に参りました。現在の国会の状況から申しまして、非常に急ぐという意味から、昨日衆議院の厚生委員会で審議をいたしました。大蔵省とどの程度の交渉が各政党と行われましたかにつきましては、私はつぶさにはいたしておりません。併しながら大蔵省当局も、各政党がこういう種類の災害立法を検討しておるということについては、御存じであつたはずであると思うだけであります。従いまして金額などにつきまして、正確に具体的にお話合いがあつたかどうかということは、私は存じておらんのであります。 なお立ちましたついでに、先ほど申上げました数字につきまして、もう少し附加えたいと思います。実は先ほど御紹介申しましたのは、これは減免額並びに徴収猶予額の総計でございます。これの八〇%が問題になるのでございまして、その点につきましては私、修正をさして頂きます。或いは北海道の例に見ますると、先ほど申上げましたのは一億一千六百十一万円、これの八〇%、九千二百八十八万八千円、そういうふうな次第に相成るのであります。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。実は全然御相談を受けなかつたのであります。それで厚生省御当局もよく御存じなくて、厚生省御当局が御存じになりますれば、早速私のほうへ、金がかかるからこれだけの金を用意してもらいたいというお話があるのでございますが、全然ございません。 これは私から申上げるのは如何かと思いますが、特別立法措置につきまして、たしかどの党か存じませんが協定がございまして、先ほど申しました公共土木施設等災害復旧に関する特別措置、農林水産業施設災害復旧に関する特別措置、それから被災農家に対する米麦の売渡、又は貸与に関する特別措置、地方公共団体の起債の特例に関する措置、水稲健苗育成に関する特別措置、たしかこの五本だと思うのですが、これはどうしても今回、二十九年の災害は比較的規模は小さいけれども、昨年と相当違つた条件の下に、或る程度の特別立法をするということを前に伺つたのでありますが、これにつきましては、それぞれ私どもの意見を申上げまして、又閣議におきまして政府の見解も十分徹底されたのであります。然るにその後、右以外のいろいろの法律が御提案になつておるのでありますが、これらにつきましては、政府におきましては正式に何らの御協議を受けておりませんものですから、只今のような数字等につきましても、私どもは事前に検討するひまが実はなかつたのであります。この点は悪しからず御了承頂きたいと思います。
○高野一夫君 私、正示次長に伺いたい。先ほどから伺いたいことが、山下委員、高良委員のお話の中ではつきりして参つたわけでありますが、私もその点を伺いたかつたが、第二条に「予算の範囲内において貸付金を貸し付ける」ということになつて、第四条に「年利五分五厘の元利均等年賦の方法により、政令の定めるところにより償還する」ことになつておるわけであります。そこでこの問題について今お話を伺うと、大蔵当局が何らの相談も受けていない、こういう御説明でありますが、今青柳さんのお話では、一億四千四百万余りの金を大体想定をしておられるということであるわけでありますが、そこで予算に関する問題がとかく議員立法で出されるということは、原則的に私は反対です。ただ災害みたような特別緊急の場合においては、止むを得ないこともありましようけれども、例えば税金の減免とかいうようなことも昨日大蔵委員会を通過したが、私はあんなのはよくないことだと思いますが、それはともかくとして、ともかくここで議員立法として、「予算の範囲において貸付金を貸し付ける」ということになつて、政府当局はこれを知らん。「年利五分五厘の元利均等年賦の方法により、政令の定めるところにより償還する」ということについても、何ら御承知なかつたわけであります。而もその「予算の範囲内」というのは、提案者の説明によれば、一億四千四百万、こういうことになつておる。そこで若しもこの法律が国会を通過したということになつた場合には、この一億四千四百万と想定されておる金は、一体どういうようなところから出せるわけでしようか。何かまだ研究をしていないというお話ですけれども、そこで大蔵省も研究していない、出せるか出せないかわからないということになれば、我々はここでそう軽々に審議を進めるわけにも行かないのであります。そこで、そう思うわけですが、まあそういう数字の内容については、金額も初めて聞いた、こういうお話であるならば、予算のどの款項目からどういうふうにして出すかということについての見当も、おつけになつていないと思いますが、この点について正示次長から御答弁願いたい。
○政府委員(正示啓次郎君) 全く高野委員のおつしやる通りでありまして、私は実は昨日要綱というものを初めて拝見いたしまして、「予算の範囲内において貸付金を貸し付けることができる。」とございますが、これは第二条のほうにございますが、この予算というものが、昨日参議院におきまして御議決を願いました補正予算のどこにもございません。又先般、これは自然成立でございますが、二十九年度の本予算のどこにも、この二十九年度災に対する貸付金の予算というものはないのであります。まあ役人は、どうしても国会でお定めになりました通りの予算を施行いたす以外には、国会で御議決にならなかつた項や目に予算を使うわけには参らないのでありますから、これは非常に私どもといたしましては当惑いたすわけであります。目下のところ、予算には何らの備えが実はないのでございます。そこで今度は金額を聞きまして、更に愕然としたのであります。私はやはり災害をお受けになりました公共団体に対しましては、先ほど山下先生に申上げました通りに、我々に与えられました権限の範囲内におきまして、最善を尽す以外にはないかと思うのであります。従いましてまあ今後におきましては、既定予算の中で、例えば再建整備の貸付等に当りましても、特に北海道のようなところは、この理窟がつく限り十分見て行く、或いは地方公共団体への融資に当りまして、災害を受けた団体に対しましては特に優先的に見て行く。それから特別交付税、地方交付税の中に特別交付税というのがございますが、これは災害をお受けになつたような団体は税収入その他が減収いたすのでございまするから、特別交付税の配分に当りましても十分そういう財源的にお苦しいところを考えてやつて行く、こういう別途の方式で最善を尽すということが、私どもに課せられた任務であるというふうに考えておるのであります。この法案に真正面からお答えする途は、実は国会から何ら権限を与えられておらない。法律をお作りになつて義務を課せられるのでありますが、一体予算の面においては何らの権限も実は与えられておらないというのが、率直に申上げまして現在の私どもの立場でございます。
○高野一夫君 そこで青柳さんにお伺いしたいのですが、只今正示次長のかような説明であるわけなんですが、そこで提案者としてあなたがたのほうではどういうようなふうにお考えになるわけですか。予算の執行する義務を負わされても、その途はない、こういうようなふうに端的な結論になつた場合に、これは両院を通過して施行したところで意味をなさないことになる。その辺については、どういうようにお考えですか。
○衆議院議員(青柳一郎君) 従前の予算面の国民健康保険事業費と申しますか、その名目の名称は忘れましたが、それには災害の場合の補助金というものが、極く少額でありまするが、計上せられておつたのでございます。本年の予算にはそれが全部落ちて、ゼロになつております。従いしまて大蔵省当局の御意図を推察いたしますのに、従前は必要であつたが、災害の場合にどういう形式でございましたか、従前は出すことが必要であつたが、今度はゼロになつておる。こういう現象があるのでございます。これは私どもの考えによりますると、予備費、予備金等で以て支出すべきものというお考えで削られたものと思つております。従いましてその理窟を、筋を推して参りまして、この場合には予備金支出を仰ぎたい、そういう気持でおる次第でございます。
○高野一夫君 正示次長に伺いますが、只今青柳さんからのお話のごとくでありますが、予備金からこれだけの金は出せる余裕があり、又出せましようか。
○政府委員(正示啓次郎君) この本年の予備金は、すでに補正予算の際に予算委員会におきまして十分御説明申したと思うのでありますが、実はぎりぎりの予算になつております。すでに最初に御承知のように、百三十億の予備金を計上しておりましたが、三派修正によりまして、そのうち五十億を吐き出しております。その後に今回の補正予算におきましては、八十億は増額はいたしておりません。従いまして先般来非常に各方面から災害の復旧その他につきまして強い御要望もございましたが、私どもとしてはやはり今年は、先ほどはつきり申上げましたように、異常な災害の少い年であり、これは誠に喜ぶべきことである。従いましてここは一つ真向からこういう特別措置的な施策ではなくて、いわば経常的な施策を被害地に重点的に回す。全国で一律にと申しますか、万遍なく使いますと、金は非常に薄いものになりますが、被害地に限られておりますから、被害地に重点的に回せば、特別措置を講じなくても、相当程度の被害地の要望に応え得る、こういう考え方を以ちまして、先ほど申したようなことをやりたいと思つておるのであります。 従つて、只今青柳先生から予備金は出すべきものだというお話でございますが、これは実は今朝初めて伺つたのでありまして、又国民健康保険の各被害地における実情等も十分調査いたさなければなりません。目下のところ予備金にはさような余裕はなかなかないということだけは申上げられるのでありますが、まあそれじや法律を作つてもお前は何もしないつもりかと、こういうふうに国会がお叱りになる場合におきましては、これは役人として、若し法律をお作りになるならば、それは我々としては与えられた権限の範囲で忠実に法律を履行いたすべく努力いたさなければならんのでありますから、又財布の底をはたきまして、いろいろ工面をしなければならんのであります。そこまで私はしないということを、これは国会に対して私は申上げるわけには参りません。国会が法律をお作りになれば、我々としてはどこかほかのほうを削つてでも、やはり法律を履行すべく努力をいたさなければならんことは当然でございます。従つてさような努力はする考えでございますが、併しそれ以外に方法はないかとおつしやれば、先ほど申したような方法もあるのでございまするから、私はやはり本年は特に災害の少い年であつたのだから、当初考えておつたようないろいろなことを、極めて局限された被害地に重点的に回すことによつて、被害地の要望に応えるべく、お前たちは努力すべきであるというふうに国会からおつしやつて頂けば、私どもも努力をいたしたい、かように存じております。
○高野一夫君 正示次長にもう一度重ねて伺いますが、そうすると、予算の範囲内で貸し付ける。その予算の範囲内というものは、金がないから予備金から出してもらいたい、こういう提案者の考え方であり、そうしてあなたの、今の次長のお話では、予備金にもその余裕はない、こういうのです。併し法律できめれば何とか、どつか財布の底をはたかなければならんということになるわけなんです。そうすると、財布の底をはたけば、こういう金がどつかから出て来ますか。現在の予算の編成で、あつちこつちを切り詰めて、足りない足りないとやつている予算の中では、予備金を減らすわけには行かない。どんどん予備金を更にいろいろ使わなければならん。そうしてここで法律でまだきめないのですから、法律できまつた場合に、きめるとするならば、どつか財布の底をはたかなければならん状態で、一億四千四百万円余りの金を捻出することが、工面することが確信が持てますか、現在の予算機構から考えて。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。確信が持てるかというお話に対しましては、私どもは実は確信がないのであります。ただ国会のほうから、我々が法律を作つたからお前たちはそれに対して何らかの努力をし、その法律を守るように工面するかという御質問に対しましては、私どもはいたしますというふうにをあ最前を尽しますということをお啓えするのが当然だと思つておるのであります。そこで、じやどうするのかということになりますと、やはり結局その、与えられましたのは八十億の予備金の面も残りはたしか四十億ぐらいでございまして、これが大部分予定があるわけでございまするから、義務的な、すでにできました法律の履行その他、義務的な経費でございますから、又そつちのほうを我慢をして頂いて、こちらに成る程度回すということになるのでありますから、結局限られた金でございますから、まあどこかで減らしましてどこかに回すという以外には手はないわけでございます。別途に殖やすわけには参らないというのが、実は率直な申上げかたでございます。で、そういうことならば、既定予算で何かできないか、法律なしでできないかという御質問に対しましては、私どもは被害地の実情に即応してできる限りの努力をいたしたい、こういうことをまあ申上げたい。
○高野一夫君 私が申上げるまでもなく、緊縮予算でぎりぎりで、どの款項目も足りない足りないで、ぶつぶつ言われて予算が編成されている。それでそんなようなところからいろいろの無理をして工面することになるならば、又そちらのほうでいろいろの問題が起つて来なければならんと思うのです。そういうふうなことを考えますと、これはここで何らか貸付金の方法ができれば結構だと思うのだけれども、どうも非常にこれは私はむずかしいことになつてしまうのじやないか知らん、面倒なことになつてしまうのじやないか知らんと、こう私は思うのでありまして、まあこれ以上あなたの答弁を求めるのもお気の毒なような気がしますので、もう少しこれは慎重に私は審議を進めて行くべきものではないか、こういうふうに考えておりますから、一応私の質問はこれでやめます。ほかのかたに、あとで又……。
○湯山勇君 次長にお尋ねいたします。この法律を通さなくても、何とかなる、何とかできる途があるというお話ですが、それはそういう途を開いてこの一億四千四百万円が出せるというわけですか。そうではなくて、それだけは出せないというのですか。
○政府委員(正示啓次郎君) 湯山先生は先ほどおいでにならなかつたと思うのでありますが、実はこの数字をたつた今朝、この場だけでございまして、実は前から全然伺つていないのです。先ほども申上げましたように、昨年のあの災害が二千二百億に上りました。被害二千二百億の場合の予算額は一億二千万円。これは二十八年度予算でございますが、国会を通りまして、すでに決算もやつておるのでありますが、その一億二千万の予算を組みましたところが、現実に条件に該当しまして出ました金が七千五百万でございました。まあ二千二百億の被害のときにそういう状況でございました。然るに今回は、先ほど申上げましたように、同じ被害額で比較いたしますと、五百四十億にしかなつておりません、全国で。それに一億四千万と、去年より多いということです。全く愕然としておるのでございます。どこからそういう数字が出て来るのか、実は愕然としております。まあこれはみんな国民の血税なんです。私はどうも理解ができません。 従いまして、何とか一億四千四百万円で出されるのかという御質問に対しましては、私どもは到底そういう金額はこれは出ないということを申上げておるのでございます。然らば何にもしないのかとおつしやられますと、それはそうではございませんで、被害地に対しましては、すでに先般、年末の地方公共団体に対する融資というもので、四十億預金部資金から出しました。それらの場合におきましても、被害地に重点的に回しております。それから今日与えられております交付税、今度警察費の補足四十億を追加をお願いいたしたのでございますが、この交付税は特別交付税として二月に全国に配られるわけでございますが、その場合に被害を受けた公共団体に対しましては、いろいろの出費がかかるでしよう。併し一方では税金その他の財源は入らないということを考えますと、交付税の配分に当りまして、できる限り考えるわけであります。その他いろいろとなお、災害の起債の特例というふうなものも昨日地方行政委員会を通過いたしまして、これは七月の大雨という、この同じ法文の中の七月のというのが削られます。御承知のように、地方公共団体は不断は赤字の起債はできないのでありますが、災害を受けた場合だけは赤字の起債をしてもいい、但し昭和二十九年度のように元利補給はしないというふうに、はつきりとけじめをおつけになりまして、昨日同じ参議院の地方行政委員会を通つたのであります。参議院の地方行政委員会におきまして御修正になつたのは、「七月の大雨」ということをお削りになつたのであります。それによつて昨年と扱いは違うのだから、地方公共団体が赤字を出した場合のその起債ぐらいは認めて当然ではないか。これは参議院の御良識もそういうような御判断で、昨年とはつきり区別をおつけになつて、元利補給はしない、ただ赤字の枠だけを認めるのだというふうに、はつきり区別をおつけになつてお通しになつた点、私は誠に敬服いたしておるのでありますが、そういうようなやり方で、今のような需要に対しまして、我々はできるだけお応えする途はある。併し一億四千四百万というのは、私は数字的にも信用できませんし、それだけのものをひつ下げて十分満たすというようなことは到底できないというふうに率直に申上げます。
○湯山勇君 今のお話は、大変よくわかりました。そうすると、一億四千四百万という数字は問題だ。昨年の実績から見ると、これは相当程度に、実際にやる場合には縮小するという見通しが、今の話からできるわけでございます。そこで予備費から出るか出ないか。予備費からこういうものを出すということの当否は別といたしまして、昨日明かになつたところでは、予備費は三十六億残つている。若干使途の明確のものもあるけれども、併し総選挙にでもなれば、その中から十五億は出るというようなお話で、私はまあいろいろ、今のお話では予備費はきゆうきゆうでどうにもならないというようなことですけれども、又解散でもあれば十五億くらいぽつと出るというようなところもあるので、やはり予備費の中からも相当は出せる見込みもあると思うのですが、法律がきまれば、そして又予備費から出すということが確認されれば、予備費から、今のように一億四千四百万じやなくても、昨年の実績に徴してそれに該当する程度のものは出し得ると私は思うのですが、如何でしようか。
○政府委員(正示啓次郎君) 実は予備費はそういうふうに余裕はないのでございます。又総選挙等がある場合に出すというのは、これは止むを得ないのでありまして、それは結局早く次の内閣がおできになつて、我々としてはあとの始末をして頂かなければ金が足りないという事態を、非常に心配をしておるのであります。併し我々の立場として、解散その他を予定して予備費を組むというわけには行きません。それですから、一応四十億足らずの残りしかございません。併しそれは止むを得ずそこから出すわけですか、これによつてきつとほかのほうに或る程度窮屈になつて来るというふうなことも考えなければならんと思うのでありますが、併しそれはそういう事態でございますので、誠に止むを得ない。一億四千四百万円と言われた数字を内輪にしたものぐらいは、何とか出るんじやないかというお言葉に対しましては、これは私はそれだけの余裕はございません、何かほかのほうからやはり削つて出す以外にない、例えば同じ予備費で出すほかの費目をそれだけ圧縮せざるを得ないという事態に、やはりなつて来るということを率直に申上げます。
○湯山勇君 今の問題での第三点ですけれども、第二条の「予算の範囲内」ということについての先ほどの説明は、若干納得できない点があります。と申しますのは、従来の「予算の範囲内」という用語の内容は、必らずしも現在組まれておる予算という意味ではないはずです。現在予算措置がなされていなくても、この法律のために特に予算措置がなされた場合も同様に「予算の範囲内」という用語で使つているのですから、先ほど次長が言われましたように、予算の範囲内と言われますけれどもそういうものはないのだというのではなくて、当然これが通れば、若しどうしても出ないという段階においては、予算の範囲内から出せるような予算措置をしなくてはならない、補正なり何なり。だから、第二条の「予算の範囲内」ということが、不可能だという先ほどの御説明は私は的らないと思うのですが、これは如何でしようか、御見解を伺いたい。
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申上げます。湯山先生のおつしやいます通りに法律論としては、国会で法律をお作りになれば、政府はそれに対して予算措置をすべきであるという御議論は、その通りだと思います。ただ現実の問題といたしまして、昨日でございますか、参議院において御議決になりました予算並びにその前に自然成立をいたしました予算、即ち二十九年度予算の中にはこの金額はございません。従つて今予算法律との間に一つの乖離の状態になつておるということを、率直に申上げた。それでは、この法律が通つてもお前たちは何もしないのかとおつしやられれば、進んで私どもはほかの費目を削つてでも、全体として圧縮してやつて、国会のお作りになつた法律の忠実なる履行に努めなければならん、ということを申上げたわけであります。 併しそれではそういう事態は間々あるじやないかという更に御質問でございますが、これに対しまして、昨年でございますか、補助金整理の法律のときに、随分お叱りを受けたのであります。私どもとしてはそういうことのできるだけないように、先ほど山下先生のおつしやいましたように、国民健康保険制度のごとき、公共的な制度でございますから、これらの制度の改変その他財源措置等につきましては、十分事前に政府部内におきましてお打合せをいたしまして、法律と予算とがぴたりと合つたようなものでないと、本当の臨時な制度は別といたしまして、こういう恒久的な面も全国民の何割という非常に大多数のものが恩恵を受けております制度の財源の裏付けというものは、かくも非常に不確かなものでは、これは非常に歎かわしいことである、確実な裏付けがあつてこそ初めて保険制度が健全に成立つものである、かように実は考えておるわけであります。
○湯山勇君 私も実際はこういう法律を作ることをいいとは思つておりませんけれども、国民健康保険が当然赤字になる、圧迫されておる、そういう実情においては、少くとも二割負担、それではまだ足らないのだというような状態において、而も昨年大きな傷を受けた、その傷のあとへ小さい傷が来てもやはり痛みが大きい、そういう実情からこういう法律があるのじやないかというようなふうに考えますが、そういう点については、政府としてはどういうお考えでしようか。
○政府委員(正示啓次郎君) この点、厚生省から先ずお答えを頂くのが順序かと思いますが、先ほど所管課長からお答えがあつたようでありまするから私から申上げますが、私どもといたしましても、先ほど申上げましたように、国保の制度の重要性ということは十分承知いたしておるつもりでございます。従つて、只今私どもとしては貸付要綱その他も一応検討いたしておるのであります。それらの制度につきましては、十分一つこの次の予算その他におきましても検討を加えて参りたい。このまま放置しておくということは、これは今日の地方財政、その中の重要な一環でありますところの国保経済というものを放置しておくことは、そのままでは許されないというふうに実は考えて、厚生省御当局と十分今後打合せいたしたい。先ほど山下委員にお答え申上げた通りであります。放任しておくというようなつもりはございません。ただ二割の国庫補助を上げて、国会のほうからのあれで我々としては進んでいたしたのでありますが、この点につきましては、私どもとしては、いささかやはりほかのほうよりも、国保に最優先にその措置を講じたということにおいて、只今申上げますように、熱心に研究しているということも本当であるということは御確認願えると思うのであります。将来やはり社会保障制度の大きな柱は、こういう合理的な保険制度を中心にしてやつて行かなければならんということは、門外漢の我々としてもさように考えておりまするので、それらの保険制度が、一方におきましては医療給付その他の合理化によりまして、又他方におきましては保険料収入等の一層の合理化、その両方を合理化して、なお不足するような部分については適当な国家の補助その他の制度というものにつきまして、貸付けその他の制度につきましても一層今後研究を進めて参りたい、かように考えておるのであります。
○委員長(加藤シヅエ君) ちよつとお諮り申上げますが、本会議のベルも鳴つておりますので、この辺で一旦休憩いたしまして、本案につきましての取扱いは、非常に解散等の噂もございますので急を要することかと存じますので、誠に恐れ入りますけれども、このまま委員の皆様にお残り頂きまして秘密会といたしまして、この本案件をどう取扱うべきかということをちよつと御相談申上げたいと思うのでございますが、如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) それではその前に、休憩に入ります前に、ちよつと御報告申上げますが、七日付で榊原亨委員が又厚生委員会にお帰りになりまして、井上知治委員とお代りになりましたことを、御報告申上げます。 それでは只今から休憩に入りたいと存じます。 午後零時十四分休憩 〔休憩後開会に至らなかつた〕