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20回国会衆議院1954/12/03

労働委員会 第2号

発言数
65
登壇者
13
会派数
4
開催日
1954/12/03

会議録

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 これより会議を開きます。  まず理事の補欠選任についてお諮りいたします。去る十一月二十七日、理事の池田清君、鈴木正文君及び稻葉修君がいずれも委員を辞任されましたので、理事の補欠選任を行わなければなりません。これは前例によりまして選挙の手続を省略し、委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 御異議なしと認め、それでは池田清君、稻葉修君及び河本敏夫君を理事に指名いたします。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 失業対策、労使関係及び労働基準に関する件を議題として調査を進めます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 この際お諮りいたします。公共企業体関係の給与に関する問題につきまして、柴谷要君、全専売労働組合調査部長佐藤惟恭君、全逓信従業員組合横川正市君及び遺族連合会の代表として若山三峯を参考人として本委員会で意見を述べていただきたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 御異議なければ、さよう決します。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 なお当労働委員会に第六回全国戦没者遺族大会よりの決議に基きまして陳情がございます。  陳情の要旨は、当委員会に関する事項に限つて申し上げますならば、戦没者の遺児、未亡人の就職に関して、強制雇用の制度を確立し実施してもらいたい、こういう要旨でございます。  その理由は、戦没者の遺児が中学校、高等学校あるいは大学を卒業しても、父のないため、身元保証が弱いため就職ができなかたり、戦没者の未亡人か一家をささえるため働きたいと願つても、容易に職場を得ることができない状況である。遺児及び未亡人の就職に関して、各種業界の実態に即し適当なる員数を強制的に雇用するよう立法化上、すみやかに家施せられたい。また各都道府県、市町村に対し、遺児及び未亡人の就職あつせんにつき方策を立て実施するよう指導されたい、こういう御要望がございました。  この際若山参考人の御意見を承りたいと思います。若山参考人。

若山三峯大分県遺族会連合会主幹

○若山参考人 お願いいたします筋は、ただいま委員長さんからお読上げくだされましたのでございます。これは現実の問題といたしまして――私は大分県の遺族会の相談部長をいたしておりまして、朝夕夫亡人や遺児の就職を頼まれておるのでありますが、なかなかこの未亡人、遺児の就職は狭いものであります。それはどういうわけであるかと申しますと、第一は、未亡人にはこぶがついておるから雇わないというわけであります。また遺児は、片親がないから、ひねくれておるのではないかというような、要するに白眼視されるということでございますが、先刻赤松先生から承りますと、西ドイツあたりでは、国の法律をもつて強制雇用をやる。さように承りましたので、どうかひとつ、戦争の犠牲者は、国のために主人や父をなくしたのでございますから、これに対しては国家にごめんどうを見ていただくというようなあたたかいお気持で、これはどうしても法制化していただきませんことにはいろいろの会社や商店は雇つてくれないという現状でございますから、いろいろ長く述べましても御迷惑ですから、ごく簡単ですがぜひお願いいたしたいと思います。

稻葉修日本民主党

○稻葉委員 ただいまの決議につきまして、労働省の御見解を承つておきたいと思います。参考人の御趣旨の説明にもちよつと出ましたが、わが国の遺族援護の問題について従来政府のとつて来た態度は、ややもすれば、わが国の財政難に籍口してその援護がきわめておざなりである。私は今日の日本経済の復興の遅れている現状とドイツの状態を比べると、やるべきことをがつちりやつて出発しないから、経済自立がかえつて遅れるのではないか。長くなりますから、きわめて簡単に申し上げますが、ドイツはすでにヨーロツパ第二の再建国であり、しかの通貨価値る安定度は世界第三位であるという今日の復興ぶりは、国家の犠牲となつた者に対する国家の援護が、すでに一九四九年に三十五億Dマルクという莫大な金を投じて国民に不平を持たせないというところに、働く力が出て来て、今日の復興を来したのだと私は見ている。一九五一年に、六箇月現地においてつぶさにその状況を見て、そう感じております。今日ただいま、この労働委員会におきまして、遅ればせながら戦残者の遺児未亡人の就職あつせんに関して、現下の情勢にかんがみまして特別なる考慮を払い、優先雇用の実現につき有効なる措置を講ずるという決議がなされるわけでありますが、労働省は、この決議案文にある使先雇用の実現につき、有効なる措置としていかなることをお考えになつておられるか、その御熱意のほどを承つておきたいと存じます。

江下孝労働事務官(職業安定局長)

○江下説明員 戦残者の未亡人あるいは遺児の方々の生活安定の問題につきましては、政府といたしましても、従来から非常に苦慮いたしております。皆様方の気の毒な実情に対しまして、あらゆる方面からいろいろと施策をして来たのでございますが、最近の雇用情勢が実は非常に悪くなつて参りました。こういう事態になりますと、お話のような未亡人の方、あるいは遺児の方の就職が、従来以上に困難になるということが予想されましたので、労働省といたしましては関係省と十分緊密な連絡をとりまして、未亡人の生活安定対策及び戦残者の遺児の就職対策につきましてすでに一案を得ておるのでございます。未亡人の方々の問題につきましては、先ほど稻葉委員がおつしやいましたように、お子さんがおられるという関係から、なかなか外に出て働くということが、一般の職業婦人のようには参らぬ点がございますので、従つてこれらの方々に対しましての内職のあつせん、あるいは指導という点について、さらに従来の就職あつせんのほかに、新たな対策を講ずることに実はいたしております。近く大蔵省とも話がつきますれば、そういう未亡人の方々の内職相談所というものを設置いたしまして、あたたかい相談相手になつてあげるというつもりにいたしております。  さらに、職業安定所におきましては、これは全国に五百数十箇所ございまして、全部の安定所で現在やつておるわけではございませんが、大都市の安定所におきましては、いわゆるパート・タイムと申しますか、未亡人向きの臨時の就職のあつせんということも今始めておるのでございます。  さらに遺児の方々でございますが、これは先ほどお話がございましたように、片親あるいは両親がないということによつて、現在就職いたします際に求人者の方がなかなかこれを好まないということは事実でございます。この点につきまして、私ども深く考えまして、実はまず身元保証をどうするかということにつきまして適切な万策を考えて参る、身元保証の確立を一方において行いますとともに、求人者あるいは事業主の方々に対しまして、遺児に対しては、従来差別扱いをしておつたのを差別扱いしないで、むしろ遺児なるがゆえに、因つておるがゆえに、できるだけ優先的に雇用をしてもらいたいということを、実は呼びかけることにいたしております。すでに来年度新規学校の卒業省につきましては、実は先般全国の担当官の会議を開きまして、その際にもこの遺児の方々の就職問題につきましては、特別なはからいをするようにということを指示をいたしておるのでございます。  全般的にいたしまして、雇用情勢が非常に苦しいのでございますので、この点については、なかなかこれらの方々に対して十分行き届くだけの措置があるいはできないかと思いますけれども、政府としましてはとにかくあらゆる方策を講じてこれらの万々の生活安定、就職安定、就職による生活安定ということをやつておりますが、今後さらに本決議によりまして、できるだけひとつ優先的な雇用という画について至急に検討を重ねて、さらにこの問題を推進して参りたいというふうに考えております。

稻葉修日本民主党

○稻葉委員 了承いたしました。

辻文雄日本社会党(右)

○辻(文)委員 ただいまのお答えで、大体趣旨はわかつたようでありますけれども、私も画をかえてちよつと考えてみると、これはあなた方の担当ではないのですけれども、全体的に経済は苦しくなる、苦しくなれば失業者も多くなる、こういう場合に、遺児あるいは未亡人が就職するのに、一般さえ困るのになおさらただいまのような実情で困る、こういうことが言われたようでありますけれども、私、そういう場合に、防衛の意味から申し上げても、防衛にいかなる考えを持つておるか、私どもの方から考えると、おかしいと思う。これはあなたの担当じやないが、一応申し上げなければならぬ。たとえば兵隊をつくる、この科学戦の時代に、人海戦術に必要だから人数もたくさんつくるとか、あるいはアメリカからこういう示唆を受けたからこんなものをつくるとか、数字はいまさら私が申し上げなくてもおわかりだろうと思うが、それだけの巨額のものをやつて、どうなるか。そういうものを、もし今後、平和産業に対してどういうことをするかという計画的な理念があつて、そのことを実行する予算として組むなら、失業者も自然少くなる。と同時に、もつと大切なことは、これに関連して、たとえば夫亡人の方とか、あるいはその遺児の方々とかいう人々は、たとい間違つた、誤つた軍国主義であろうとも、そういうことで引きずつて行つた東条を初めわずかな戦争主義者の犠牲になつておる。ひつぱられて行つた人たちをわれわれが送るときは、一億総理起だとかいつて、日の丸の旗を持つて万歳と言つて送つた。その当時の青年の人たちの気持を聞いても、帰つて来て何を言つているか。生き残つて帰つて来た人さえも、ほんとうに敗戦をするなんということは頭に置かず、向こうに行つて誤つた戦争で敗M戦して、しかも帰つて来たらもぬけのからだというような精神的欠除を得ただけであつた。こういう大きなシヨツクを受けている上に、しかも御主人あるいは御兄弟の方々をなくされた遺族が、もし就職もされない、あるいは働くところもない、こういうことになつたら、今ごろ雇いの兵隊をたくさん雇つて、給料をくれて、お前たちは日本魂を持てなんと言つたつてこれでは私はとうてい防衛になり得るものではないと思う。その人たちが国家のために、あるいは民族のためになくなつたという意識を持たせてそうして今後も必ずやれるということを考えさせるのには、まずそういう人たちが物に両面の生活に、ある程度でも安心のできるような行き方にならなければ、国家の基盤はできない、私はこういうふうに常々考えておる。しかも今の山さんは、私の郷土の方でございませんが、長いお交わりをしております。この方はジャーナリストですけれども、非常に村夫子然とした気性の持主で、言いかえれば純情そのままの人です。事業に対してあるいはうまく行かなかつたとか、いろいろなことがおありになるかもしれませんが、その人が、非常に短時間であつたけれども――というのは、かようなことの運営などを心得た人だから短時間に済ましたが、あの短かい言葉の中にも、まことに涙ぐましい気持の反映を受けたので、あります。  かような次第でございますので、どうか委員長の非常な御理解とお力添えをお願いいただくことになりますけれども、労働省の方も各関係省にもお働きくだすつて、万全な措置ができるように御要望申し上げると同時に、これに対して、一口でけつこうでございますから御答弁をいただきたいと思います。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ただいま日本民主党を代表して稻葉修君から、右派社会党を代表して辻文雄君から御意見がございました。この際、日本自由党の御発言の通告もあります上、左派社会党の方からも御要望がありますので、それぞれ御意見を述べていただいて、決議をした後に一括して政府の方から答弁を願いたい、こう思います。御了承願います。  それでは日本自由党の大橋武夫君。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 私は自由党を代表いたしまして、この問題につきまして、政府の御見解を承りたいと存ずるのでございます。  ただいま若山参考人から、遺族ことに未亡人並びに遺児の諸君の就職の問題につきまして、切々たるお言葉をもつて当委員会に訴えられました。私どもはえりを正してこれを拝聴いたした次第でございます。  政府当局が、従来この問題についておとりになつておりましたお取扱いというものを振り返つてみますると、なるほど終戦直後におきまして、特に日本の軍国主義が再び芽ばえることを根本的に抑えなければならぬ、こういう連合国の方針に従いまして、不当に遺於に対する処遇が圧迫されておつたということは、私ども今日振り返つてそう感ぜざるを得ない次第なのであります。従いまして、そういう状況のもとにおきまして、政府当局としてこの遺族対策をお取扱いになるにあたりましては、われわれの希望に沿うような十分なる措置ができ得なかつたという事情は、十分に察し得るところでございます。  しかしながら、すでに講和独立いたしまして、遺族に対する恩給制度も、きわめて不満足な状態ではありますが、一応その形をつくつて参つたのでございます。今日なお他の遺族に対するいろいろな処遇の面におきましては、従来の惰性によりまして、政府の各省におかれましてきわめて消極的な方向へ引きずられるような傾向があるのではないかということをおそれる次第なのでございます。率直に申しますると、この問題についての政府のやり方というものは、あるいは不当に遠慮し過ぎておる点がありはしないか。この点を、今後当局といたしましては十分に御反省をいただくことが必要ではないかというのが、私ともの考えでございます。これは党派を越えた各派の諸君の一致した御見解であろうと推察をいたしておるところであります。  先ほど稻葉君に対しまする当局の御答弁を承りますと、特に未亡人の方々に対しまして内職のありせんについて今後できるだけ努力をするということでありました。この点は非常に感謝をする次第でございますが、しかし、思うに今日遺族の方々、特に未亡人の方々といたされましは、内職を要望される方もございましよう。しかしそれだけではないということが考えられるのであります。それは、すでに夫亡人のお育てになつておられまするお子様方も、終戦後満九年もう十歳以上になり、そろそろある時間は親の手を離れ得るような状況になつておる。従つて、夫亡人の方々といたされましては、内職というよりは、むしろ進んで一人前の就職をしようという御希望が相当あるのではないかと、こう思われるのでございまして、こうした実情に対しまして、就職のあつせんをされるということは、今日最も必要なことと存ずるのであります。  今日の若山参考人の御要望の重点は、遺児並びに未亡人に対する就職のあつせん、特に強制雇用についての法制化という点でございますが、解散を目前にいたしました今国会において、この法制化を実現することは、あるいは時間的に余裕がないかもしれません。従いまして当面の対策といたしまして、行政措置によつてこの際有効な措置を要望するということにつきまして、私どもも全国的に賛成いたす次第であります。しかし、この決議に私どもが賛成をいたします趣旨は、これによつて法制化の問題のたな上げをはかろうという意味ではないのでございまして、どうぞ今後法制化問題につきましては、当局として真剣にお取上げ、御検討をいただきたい、そうしてできるだけ最近の国会において、この問題の具体化をはかつていただきたいということを要望いたして、御意向をお漏らしいただきたいと存ずる次第であります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 山花秀雄君。

山花秀雄日本社会党(左)

○山花委員 ただいま各党の代表から、この参考人の御意見に対し、あるいは政府当局の御答弁に対し、賛成の御意見が述べられました。私は重複する必要はございませんので、ただ一言だけこの問題の取扱いに関して、特に今日は職安局長がおいでになつておりますが、おおむねただいまの仕事の実際的扱いは職安関係でやられると思うのでございます。遺族代表の切々たる訴えの声、各党代表意見、これらを十分身に体して職安行政を全うしていただきたいことを強くお願いいたしまして、私の意見にかえたい次第であります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 この際お諮りいたします。戦没者の遺児、未亡人の就職あつせんに関し決議を行いたいと存じますが、まずその案文を読み上げます。    決議案   戦没者の遺児、未亡人の就職あつ旋に関しては、現下の状勢に鑑み特別なる考慮を払い、優先雇用の実現につき有効なる措置を講ぜられたい。   右決議する。  この決議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 御異議なければ満場一致これを決定いたします。  なお本決議案は内閣総理大臣及び労働大臣に送付したいと思いますのでその、手続は委員長に御一任を願います。この全会一致の決議に対し、政府当局の御所見をお伺いしたいと思います。

江下孝労働事務官(職業安定局長)

○江下説明員 先ほどお答え申し上げましたように、本決議は、趣旨といたしまして政府も賛成でございます。ただ法理化の問題につきましては、種々他の身体障害者その他の方々との関連もありますので、これにつきましては、慎重に検討をいたしたいと思つております。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 この決議の趣旨に対して、可及的すみやかに行政措置を講ぜられたい、法制化につきましても、本委員会におきまして、またいろいろ政府と打合せをしたいと思います。近い機会に一応政府の方でも本決議にこたえる何らかの方針を立てられて、委員会に報告せられんことを要望いたします。  なお遺族の皆さんに申し上げますが、ただいま若山参考人の御意見、それぞれ各党の代表の政府に対する質問でよく御了承だと思います。本委員会といたしましては、若山参考人の御意見に全画的に賛同いたしまして、遺族会の皆さんの御陳情は生かして行きたい、その実現のために努力したい、こう思いますので、今後とも御協力をお願いしたいと思います。     ―――――――――――――

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは引続き公共企業体関係の給与に関する件につきまして柴谷参考人より御意見をお伺いしたいと思います。

柴谷要

○柴谷参考人 国鉄労働組合委員の柴谷でございます。国鉄労働組合が、今日給与問題で紛争いたしておりますさ中に、本労働委員会が、私どもを参考人としてお呼びをいただき、私どもの実情をお聞取りいただくことを、まずもつて皆さん方に厚くお礼を申し上げておきます。本年六月以来、私どもは新賃金の要求を提出いたしまして、当局と再三にわたつて交渉を続けて参りました。もとより、賃金要求につきましては、前年度の給与体系から参りまする矛盾、これを、あらゆる資料を検討いたしまして、新賃金として要求いたしました。その要求の額は、平均賃金ではなしに、新たな賃金要求として個別賃金要求をいたしました。再三にわたります当局との交渉も、何ら結論を見ることなく、労使双方の紛争としてこれを調停委員会に委託をお願いいたしたわけでございます。  従来、私どもが賃金矛盾の点を指摘しておりますことは、二千九百二十円ベース改訂にあたりまして、当時国鉄職員は、特に国鉄職員の特異性を考慮されまして、三千二三百円というベースを決定していただいております。爾来数回にわたりまして賃金改訂を行いましたが、当時の私ども国鉄職員の特殊性を考慮されました二千九百二十円ベースで三千二百円という差額が、順次改訂されるにつきまして、この差額というものがなくなり、今日私どもが不満といたしておる点が一つここにあるのであります。私どもは、調停委員会にこれらの実情を十分訴え、労使双方の御解決を求めるべく鋭意努力いたしましたが、遺憾ながら、当局との間に妥結を見ることなく、調停委員会に持ち込んだ次第でございます。調停委員会といたしましても、鋭意私どもの実情を審理いただきして、十一月二十四日に調停案の提示と相なりました。  私どもは、この調停案を十分に検討いたしましたが、私どもが要求をいたしております賃金の内容については何ら触れることなく、漠とした調停案が出されましたので、十一月二十七日に、組合同答といたしましては拒否という態度を決定いたしました。しかし調停案の内容に盛られております問題は、従来私どもが団体交渉をやつて来ております項目が含まれておりますので、内容の団体交渉を継続中のものは、今後も団体交渉を続けて参りたい、こういう但書をつけまして回答をいたしました。  二十七日に調停委員会に回答いたすると同時に、二十八日に当局に団交の出入れをいたしました。その後二回にわたりまして当局と団交を行つたのでありますが、国鉄当局の態度といたしましては、組合が調停案を受諾しておらないからと、こういう理由で団体交渉に応じない態度を示したけれども、私どものいろいろの実情を話し、その後団体交渉が一応軌道に乗つて、今日団体交渉を継続しておるのが実情でございます。しかし、調停案の内容が非常に幅が広いものですから、受諾した当局の意向といたしましては、非常に幅を狭く考えましてこれを処理しようという考え方、それから私どもの考え方は、この内容を検討いたしますると、いわゆる幅が非常にあるようにも考えられますので、この点を団体交渉の中におきましてできる限り反映をして行きたいというのが、今日国鉄労働組合がとつておりまする態度でございます。  調停委員会は、双方が回答いたしましたあと、二回程度委員会を開いたようでありますが、今日の情勢から判断をいたしまして、今後も調停案の内容に基いて再あつせんという形でございますか、これらを継続するというような御意思が十分あるように私ども承知をいたしております。組合は、現状においては、回答書にも書いてありますように、前文の趣旨が、主文を中心として交渉において生かされるならば、できる限り私どもの要求をこの中に織り込んで行きたい、こういう気持で今日おります。ただ私どもが心配しておりますことは、労使の見解は、いつまでたつても平行線が予想されておりますので、この平行線の中における調停委員会の役割を強く希望いたしておるのが現状でございます。  かつて本委員会におきまして調停委員会に対して決議をしていただき、その後私ども調停委員会の動きも見ておるわけでありますが、これらの問題が進展をする過程において、調停委員会が熱意をもつて、しかも私どものこの問題の紛争解決のために、再あつせんの労を積極的にとられんことを私どもは強く希望いたしておるのでございます。本委員会の決議の推進のためにも、ぜひこの点を本委員会として十分にお取上げいただきたいことを重ねてお願いいたしたいのであります。  今日の段階におきましては、主文を生かすために鋭意交渉を続けておりますが、やはり何と申しましても、予算のわくを広げていただかないことには、現実に私どもの問題は解決をしない、こういうことが考えられますので、本委員会においては、おのずとその線で御決定をいただけるように、ぜひ私どもの立場を御理解くださるようお願いいたしたいと思います。目下のところ、私どもは、労使双方の対立関係を団体交渉によつて解決する、こういう熱意をもつて交渉を続けておりますが、ただいま申し上げましたように、懸念されますことは、平行線をたどらざるを得ない。こういう中におきまして、調停委員会が十分なあつせんをされることを望むと同時に、この中から発生をして参ります予算のふくらましということについて、本委員会の、段の御協力をお願いいたしたいと思います。  まことに簡単ではございますが、現状の国鉄当局と組合、調停委員会との三者関係を陳述いたしまして、参考に供する次第でございます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 全逓信従業員組合委員長横川正市参考人。

横川正市全逓信従業員組合中央執行委員長

○横川参考人 横川でございます。先ほど柴谷委員長から申上げましたように、当面私どもと郵政当局の中で起つております紛争の問題について、意見を述べる機会を与えてもらつたことを御礼申し上げます。  調停案の内容が、私どもには非常に理解しにくい内容で提示されておりますので、その内容についてこの機会に簡単に御説明申し上げたいと思ます。たとえば勤続年数に見合つた賃金あるいは年齢によつて保障されなければならない生活水準、こういう二つの建前から、エンゲル係数の中で、現在の私どもの生活水準を基準として要求したのが、今度の要求であつたわけでありますが、この内容に対しまして、調停委員会ではいろいろな理由をつけて、大体賛成しがたいという態度を提示して参つておるわけであります。その提示したあとに、それぞれその企業内におけるところの特殊な事例があるのだから、その特殊な事例に見合つたところの賃金体系をつくつてはどうだろうか。それから長い歴史の中で、十年、十五年というふうに勤続して行くうちには、非常に不合理な、あるいは不均衡な状態が出て来ると思われるので、それをこの際一挙に修正してはどうか。それから、去年の調停案あるいは仲裁案の実施に従いまして、本年一月以降私どもは新しいベースに切りかわつたわけでありますが、そのべースの実施されたときに、大蔵当局との折衛の中で、昇給原資が非常にきゆうくつに規定されておりました。結果的には、従業員の日常当然もらうべき超勤あるいは特殊勤務手当というようなものを相当日数引延ばして、その中からある程度の財源を見つけて一時的に昇給をさせる、こういうような態度が当局にありましたので、それらの点はすみやかに予算の措置を講じて是正する、こういうような内容が三項目として出されたわけであります。  この調停案を受け取つたときに、一体これはどういう意味で今全逓と郵政省との間で起つておる紛争を調停しようとしたのか、こういう点について疑問に思つたわけであります。と申しますのは、まず第一に、民間賃金との比較で、いろいろ資料を提出をいたしましたところが、調停委員会はその前文の中で、その差は非常に嘆少であつて、ほぼ同一水準と認められる、こういうような文字を使われておるわけであります。ところがその項をかえて、後段では、十分なる民間賃金との比較、その他実態調査を遂げ、郵政省の実態に即応する適正なる賃金の確立を期することが必要であるというふうにいわれておるが、同じ前文の中に、二つの意味を持たせる民賃金との比較の問題からいつでも、この前文ではどうしても私ども受取れないように考えておるわけであります。  実情を簡単に申しますと、大体郵政省の貯金、保険あるいは為替等を受持つておるところは、これは民間でいえば、金融業あるいは民間保険事業、こういうものに匹敵する事業であります。これらの現行平均べースは一万九千八円であります。それに対する労働時間はどの程度かといいますと、一八〇・五時間、これが労働時間として出て来ておるわけです。私どもの労働時間は、これよりはいささか上まわつておりまして、一九三・六時間というのが私どもの平均労働時間でありますので、これをこの民間金融業の賃金に直しますと、二万三百八十七円ということになるのであります。私どもの現行ベース、これは附加給とされておる全部を入れたものでありますが、一万八千四十三円でありますので、その差はトータルの上で二千三百四十四円というふうに、はつきりと出て来ております。もう一つは、郵便事業でありますが、これは運輸、通信、その他公益事業と匹敵するものであります。これも現行ベースとその勤務時間との差を計算してみますと、その差は二千三百八十六円というふうに、明確に賃金差というものが出ておるわけであります。この点を前文では同一水準、ただ後文ではよく調査をして実態に即応するというふうに書かれた原因ではなかろうかと思つておるわけであります。  それともう一つは、先ほど申し上げましたような趣旨で、私ども賃金を要求いたしましたのにかかわらず、調停委員会は、その趣旨とは全然別個の形で、抽象的な文字で三つ程度のものを並べて、これの受取り方の問題で今郵政省と全逓との間には非常に大きな開きを来しておるわけであります。この出された趣旨は、少くとも水準を引上げる、ベースをスライドさせる、こういうわけです。現行としては見合せてほしいということと、いま一つは、現行の生活水準を維持して行けなくなつておる現状については、これは是正しなければならない。その現行の生活水準を維持して行けない点を、この主文の三項目に盛られております内容でもつて是正する、こういうふうに私どもはとつておるわけでありましてそれを実施するとすれば明らかに本年度の給与総額はふくらまつて参りますし、三十年度には、この点が影響して参るであろうというふうに、組合側は考えておるのでありますが、当局側は、いわゆる給与総額のわくの中でこの問題を一切処理して行こう、というふうに考えておるわけでありまして、その開きというのは、とうてい組合側と一致する内容にはなつておらないわけであります。私どもの仕事は、これから一年のうちの最繁忙期を迎えるわけでありますから、紛争を早期に解決いたしまして、できるだけすみやかに正常な業労を運行いたしたいというのが従業員の一致した念願でありまして、こういう平行線の中にあつて解決の遅れることを、非常に憂慮いたしておるわけであります。  当委員会が、非常に熱意を持たれまして、さきには調停委員会に対して全会一致の決議文を出されて、その調停の促進をはかられたと同じような形で、この際ぜひこの紛争解決のための適切な方法をとつていただきたいということをお願いいたしまして、簡単でありますけれども陳述にかえる次第であります。     ―――――――――――――

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 この際お諮りいたします。ただいま法務委員長の方から私のところへ、連合審査を多少遅らしてもらいたいという連絡がありました。私どもも希望いたしますので、二時から連合審査をいたしたいと思います。これは鉄道公安官の争議介入の問題につきまして、特に公安官に対する法律ができました当時、国鉄の公安局長をやつておりました調所という人を参考人に呼んでおりますので、二時より始めたいと思います。従つて、あとは全専売の佐藤参考人に御発言を願つて、本日は終りたいと思います。引続き全電通労働組合、国鉄機関車労働組合、全印刷労働組合、全造幣労働組合、アルコール専売労働組合、それから全林野労働組合、これらの組合より参考人を呼んで意見を徴したいと思います。その手続、日時等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ではそのように決します。     ―――――――――――――

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは全専売の調査部長佐藤惟恭君。

佐藤惟恭全専売労働組合中央執行委員調査部長

○佐藤参考人 私は全専売労働組合の調査部長を担当いたしております佐藤でございます。本委員会が、御多忙中のところ、私どもの問題につきまして、調停案に対する意見を開陳する機会を与えてくださいましたことに対しまして、冒頭厚く感謝の意を表明いたします。  私ども全専売労働組合が、二十九年四号以降の賃金要求として、専売公社当局に対して要求を行いましたのは、賃金の体系変更に伴います点と、二十九年度の賃金の改訂、この二つでございました。私どもが賃金の体系の変更と申しますのは、現行の賃金体系は、基準内給与と基準外給与の二つにわかれておりまして、基準内給与は本俸、扶養手当、勤務地手当の三つで構成されております。しかし、私どもがこの現行の賃金体系についていろいろ考えてみますと、この本俸そのものの中には、いろいろな要素が含まれておるのではなかろうかと思われるのであります。特にこの本俸というものは、ただ本給の形を現わしておりますが、この中には年齢による給与部分、あるいは職務による給与部分、あるいは経験あるいは学歴、そういう部分が多分に含まれておる。そういうふうに非常に不明朗な本俸というような形を、この際生活を保障する部分とさらに職務能力に応ずる部分という二つの部分に明確にわけたならば、もつと生産に対する意欲あるいは生活に対する安定感のもとに、専売企業の遂行に大きな努力が傾注できるのではないか、このように考えまして、賃金体系の変更を年齢給と職務給の二本建にわけることの要求を行いました。  この年齢給の設定に関しましては、最低生計費を基準にいたしまして、満十五才から四十才にわたりましてそれぞれ算出を行いました。もちろん最低生計費を算出する方法には、理論生計費によるものとか、あるいは実態上の生計費によるものなどのいろいろな方法がありますが、しかし私どもが今回採用いたしましたのは、二十七年に労働科学研究所が調査を行いました最低生計費の研究という資料で、それによつて要求を行いました。  この資料を簡単に申し述べますと、大体東京都におきます三十七年四月の実態調査、三百八世帯の世帯数をランダム方式によつて選びまして、そうしてそれを千円刻みの一万円までの階層別に十ランクにわけまして、そうしてそれを消費単位当りの生活水準から、その生活水準を中心にいたしまして、それが人間の心身、能力に及ぼす影響、そういうものを科学的にいろいろ検討を行いました、それらのこまかいデータによりますと、大体消費単位当り七千円のところに一つの転換点が現われるのではないか。それからさらに消費単位当り四千円を下まわるような点に至りますと、そこに一つの危機的な転換点が現われて参ります。いわゆる消費単位当り四千円を下まわるようになれば、これは知能とかあるいは精神能力の発育状況とか、あるいは生活の内容、そういうものが非常に下まわりまして、人間としての労働力も十分なる姿で発揮できないような、一つの危機的な転換点が出て参ります。そこで、私どもが要求いたします賃金というのを、大体この消費単位当りの七千円に求めまして、そこで賃金のアウト・ラインを算出いたしました。そうしてそれを一応標準生計費といたしまして、その中で四千円の部分を年齢給部分といたしまして、その部分を標準生計費の中から差引き、さらに残る部分を職務給という形にわけまして、そうして年齢給と職務給というような二本建の要求を行つて参りました。  それを本年の二月二十日に公社側に提示いたしまして、七月九日まで団体交渉を続けて参りましたが、公社側は、現段階においては賃金の体系を変更することはできない、専売公社の給与というものは、専売公社法の二十一条による職務と責任に応ずる賃金でなければならない、かつまた賃金改訂いわゆるベース・アツプについては、諸般の事情からこれに応ずることはできない、こういう回答書が出されまして、全面的に対立いたしました。  そこで私どもは七月二十一日に調停委員会に調停申請の手続を行いました。調停委員会では十月五日に調停案第十四号が提示されましたが、その間に九回にわたりましての事情・審理が続けられて参りました。十月五日に提示せられました調停案は、その主文の第一項で組合側が要求いたしました賃金体系の変更及び賃金の改訂というのは現段階においては適当ではない、次に第二項として、勤務地手当は現行の五段階を四段階に改めるものとする、その実施細目は両当事者の団体交渉によつて決定すること、主文の三項、労働の生産性を一層高めることを目的として特別の賞与制度をすみやかに確立すること、以上の三点にわたる調停案が提示されました。  この調停委員会が出されました調停案の主文の第一順にあるような、賃金体系の変更及び賃金の改訂は現段階においては適当ではないという結論が、調停案の理由書の中からはどうしても見出し得ないような気がいたします。特に調停委員会がベース・アツプを否定いたしました大きな理由といたしまして、最近の労働経済諸統計の動きを見ると、給与に関係の深い諸指標において、長期傾向線の起点及び比較基準時のとり方によつて、統計の動きに多少の相違はあるけれども、専売公社職員の現行給与体系切りかえ月である今年一月以降においては、従来の上昇の傾向はとみに鈍化し、または横ばい状態である。そういうような点から、いわゆる毎勤の長期傾向線の上昇傾向とか、あるいは物価指教の動き、こういうふうな問題から見ても、専売の賃金を上げる要素は何も存在していない。さらに昭和二十八年の八月実施いたしました民間の類似企業と、専売公社職員の賃金か比較いたしてみましても、僅少の差はありますけれども、民間の実態調査から見ても、専売の賃金水準をこれ以上、高める要素は出ていないのだというのが、賃金改訂を否定する大きな理由になつております。  しかし、その後、調停委員会がこのような結論を出しました労働経済誌統計、特にこの中の毎勤の統計とCPIの統計につきましていろいろ検討を加えて参りました、この中で最も大きな点は、調停委員会が長期傾向線をひつぱる際に、その起点を二十八年の八月を起点にいたしまして、昭和二十九年の一月を比較いたしております。これによりますと、今年九月、十月の平均におきまして、大体一〇三・二%というふうな上昇傾向を示しております。しかし私どもは昭和二十九年の一月を比較起点にし、さらに二十八年の八月を起点にいたしておるこの調停委員会の資料のとり方につきまして、いろいろ疑点を感ずるのであります。私どもの承知いたしますのは、この賃金改訂の一つの労働経済諸指標の比較起点は、昭和二十八年の八月にすべきであるというふうに考えております。この理由につきましては、現在私どもが受けております賃金は、昭和二十八年の八月に仲裁委員会がいろいろな資料によりまして、二十八年八月以降の実施といたしまして一万四千八百五十円を裁定いたしております。その後いろいろな都合によりまして、国会におきまして、昭和二十九年一月以降の実施になりましたけれども、少くとも賃金の計算あるい賃金の算出方法といたしまして、仲裁委員会がいろいろ資料を求めて、どうしても専売の賃金は二十八年の八月以降にすべきである、こういうふうな裁定を示しております。従つてその後政府の都合とか、あるいは国会の都合とかいうようなものによりまして、一月以降の実施にはなつておりますが、少くとも比較起点は二十八年の八月にいたすべきものと考えておるものでございます。そこで二十八年の八月を比較起点にいたしまして、それを中心にいたしまして長期傾向線をひつぱつて参りますならば、それの基準起点と申しますのは、少くとも半年前に置くのが妥当であろうと考えております。そういうふうな点から、CPIを再度計算いたしますと、少くとも今年の九月、十月の平均におきまして、一〇八・六%の上昇値を見出すことになるのでございます。従つて、これによりまして私どもの賃金を計算いたしましても、一万六千円程度にはなりまして、これによつて調停委員会が専売の賃金改訂の要素がないというふうに指摘した点は、明らかにこれはベース・アツプを否定する段階に立つての、こういうふうな経済諸統計をいじつたものである、そういうふうに考えざるを得ないのであります。  さらに毎勤の統計につきましても、以上のような観点から、今年の九月、十月におきます平均殖を算出いたしますと、一〇八・七%の上昇値を示しております。これをもつて算出いたしましても、一万六千円以上の金額にはなつて参りまして、調停委員会がべース・アツプを否定した理由は、何ら見出し得ないと考えておるものでございます。  それから、さらに民間の類似産業の実態調査を中心にいたしまして、専売の賃金は民間の類似企業とあわせてみても上げる必要はないのだ、こういうふうに指摘をいたしておりますが、少くとも調停委員会は昭和二十七年の八月に、第一回の類似企業の実態調査を行つております。それからさらに二十八年の八月に第二回の類似企業の実態調査を行つておる。少くとも二十七年に類似企業の実態調査を行い、それの金額が三十八年の八月において下まわつておるということは、私どもには絶対考えられないのでございます。そこで二十七年の類似産業の実態調査と、さらに二十八年の実態調査を比較いたしてみますと二十八年八月におきましては、はるかに二十七年の絶対額をオーバーする金額を示して参つております。かような点を考えてみましても、調停委員会がこれを理由にしてわれわれのベース・アツプを否定する根拠は何もないと考えざるを得ないのであります。  さらに、二十七年の調停案におきましては、民間の類似企業の実態調査からそれを毎勤で修正し、さらにその当時私どもが要求しておりました理論生計費による最低生計費、そういうようなものを勘案とたしまして最低水準というような試算表をつくりまして、調停案に添付してわれわれに提示いたして参りました。少くともそのような形のものを今回取り入れますならば、現在のわれわれの賃金を一千円上もオーバーするような金額が得られなければならないことになつて参ります。こういうふうな点につきまして、調停委員会が今次賃金の算出資料として提示されましたいろいろなものは、これはベース・アツプはしない、そういうような前提に立つていろいろ統計資料のとり方を意識的に歪曲したものであるとわれわれは考えざるを得ないのであります。  それからさらに調停委員会は、専売公社とわれわれ労働組合の紛争のポイントを故意にはずして調停を進めている。すなわち私どもは、労研の資料を中心にいたしまして最低水準、そういうようなものの合理的決定につきまして、今日まで論争を展開して参りました。しかるに調停委員会は、このわれわれの要求の根拠になりました労研の資料につきましては一向触れることなく、ただ現在政府の方においてもこいうふうな資料を今後用いることはないから、あるいはこういうふうな資料についての形成は疑わざるを得ないから、これについては手がけなかつた、こういうふうな答弁をしております。こういうふうな点から考えてみまして、調停委員会が労使の紛争を本来の形から調停するというふうな機能に若干欠けるのではないかというふうな点につきましても、いろいろな疑惑を感ずるのでございます。  そこで私どもは調停委員会に丸しまして公開の質問状を行いました。まず、調停委員会は労使の紛争を具体的に処理する立場にあるにもかかわらず、今次われわれの紛争に対してその問題をはずしたのにいかなる理由であるか。さらに民間の類似産業の実態調査について、第一回と第二回とは相当大きく食い違つている、少くとも同一の調停委員会が責任を持つて公表する資料が、そういうふうに年次別に違つてもよろしいものであるか、そういうふうな点について明らかにしてもらいたい、このような質問状を提示いたしました。それに関しましての高木調停委員長の答弁は、民間の類似産業実態調査のとり方については、以前の二十七年度の調査の方法、あるいはそれの対象のとり方が誤つておつたから、今回はそれを直したのだというふうな抽象的な答弁にとどまつておりまして、何ら具体的な資料を提示することはいたしませんでした。さらに労使間の紛争に関する調停委員会の扱い方につきましても、これは今次専売を初め企業体、単産の調停案を見てもおわかりになりますがごとく、ことごとく問題のポイントをはずしまして、漠然とした調停案を提示しております。こういうふうな立場につきまして、私は今後調停委員会のあり方そのものにつきましても、十分なる反省をお願いいたしたいと考えているものでございます。  大体この調停委員会の今次の調停案に対します理由の中からは、以上指摘いたしましたような点を考えて見ましても、われわれのベース・アツプを否定する根拠は何も出て来ない。それからさらに、調停案主文の第二項になつております勤務地手当の改訂の問題につきましても、これは労使間の紛争のポイントになつておりません。労使間の紛争の焦点になつていないものをことさらに取上げて来たものは、主文第一項のべース・アツプを否定したそのものを紛飾する以外の何もの何ものでもないと考えております。さらに調停案の主文第三項になつております特別の賞与制度につきましても、これは絵にかいたもちのようなものでございまして、これはやはり法律改正の手続なりあるいは予算上の問題がこの中に織り込められなくては、この主文の第三項は何ら生きて来ないものであると考えておるわけでございます。  大体以上の点を指摘いたしまして、私どもはこの調停案を拒否することに態度をきめました。そうして現在私どもの賃金問題は、仲裁委員会におきまして、ベース改訂の問題について、今日まで仲裁審理の段階に来ておりますが、少くとも勤務地手当の問題とか特別賞与の問題は、ことさらに紛争の対象になつていない事項でございますので、企業の内部におきましてある程度の結論は得られるものと考えておるものでございます。しかしながら、せつかく本委員会におきましては、そのように私どもが自主的に問題の紛争を解決する努力を認めて、いただきまして、調停委員会に対しまして、二項三項については、できるならばもう一度予算上の点を明らかにするとか、あるいは勤務地手当の段階変更につきましても、もう少し細部的な指示を与えていただけるように御配慮をお願いいたしたいと考えておるものでございます。  大体私どもの問題につきましては、本委員会が二度にわたり取り上げていただきまして、しさいな説明は十月の十九日に本委員会におきましてるる説明いたしてありますので、今回は統計資材の取り方、民間類似産業の実態調査の取り方、それを中心にわれわれの見解を述べますと、べース・アツプを否定する根拠はないというふうな点を申し上げまして私の陳述を終りたいと思います。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 次に、ただいま理事の日野吉夫君より理事辞任の申出がありましたが、これを認めるに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 御異議なしと認めさように決します。  次に補欠選任についてお諮りいたします。ただいまの日野吉夫君の理事辞任に伴い理事一名欠員になりましたので、理事の補欠選任を行わなければなりませんが、前例によつて選挙の手続を省略し、委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは井堀繁雄君を理事に指名いたします。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 参考人に対する質疑を許します。多賀谷君。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 まず国鉄の労働組合の委員長にお尋ねいたしますが、公共企業体等中央調停委員会が国鉄一般単位関係職員の昭和三十九年度の賃金改定に関する斡旋案というものの前文の中に「国鉄職員の現行賃金は、」といろいろ条件をあげておりますが、とにかく「いずれより見ても国家公務員、そり他政府関係機関職員、並びに民間類似企業従事員の賃金に比較して実質的低位にあり、必ずしも妥当なものでないことは、否定し得ない事実であろう。」あるいはまた続いて「国鉄が公共企業体として発足以来、今日までその賃金の動向をみるに、発足当初は、一応他との均衡が保たれていたにもかかわらず、逐年その均衡度を失い、次第にその傾向を大にしつつ現在に至つているのであつて」云々と書いてある。さらに次には「国鉄職員の休職者の率、就中結核罹病率の高いことは、勤務が不規則かつ不健康であつて、労働に対する疲労の回復が、充分になし得ない結果の一つの表われとも見られるであろう。」こういうことが書いてある。さらに「これらの核心点が是正されない限り、国鉄の賃金問題は、容易に解決することのできない段階に到達しているものといわなければならない。」さらに「本委員会は、もとよりかかる問題の解決に任ずる立場にあるものではないが、」とあつて、その次に「ことここに至つては重夫な関心を表明せざるを得ない。」中央調停委員会としては実に珍しい決意を示しておるのです。  ところが、主文に行きますと、それらの給与ベースの点について何ら触れていない。しかし私が推察するのに、それだけの決意を示し、一項から三項までのあつせん案を出しておりますが、これは当然私は給与総額その他を上げるべきである、こういう前提の上に立つてあつせん案は書かれておると考えるわけですが、組合の方ではどういうように理解されておるのですか。

柴谷要

○柴谷参考人 お答えいたします。ただいま御質問がございましたように、調停委員会は重大な関心を表明せざるを得ないというように、まことに私どもにとりまして、この前文は、調停委員会としては非常な決意をされて出されたものと思つております。ところが、今先生の御指摘がありましたように、主文に参りますと、非常に幅か広く、かつ、とりようによりましては、極端な例でございますが、齢与総額のわく内で全額使わなくても、わずかな予算でもつて消化し得るという考え方も一応できる。そうかといつて、組合流に考えましたならば、青天井だ、どこまで大きな要求を出してもかちとれるような内容が盛られておるというふうに考えております。特に私どもの調停をするにあたりまして調停委員会がおもにとりましたのは、民間の類似産業であります。類似産業といたしましては、私鉄を対象にいたしまして調停委員会はいろいろと調査をされた模様でありますが、私鉄と現行の国鉄給与との差額というものは、非常に差がある、こういう結論が出ております。特に私鉄と国鉄との関連性は、地方におきましては比較的差が少いのでありますが、中央に及ぶに至つてその差が多くなる。平均賃金におきましては千四百四十円という一応の差があるということが、調停委員会で調査の結果現われおるわけであります。このような点から考えまして、ただいまの先生の御質問にありました通り、民間産業、ひいては当時二千九百二十円ベース改訂のときに、三千二百円が国鉄の平均賃金でございました。この差が今日あるかといいますと、今日国家公務員あるいは一般の企業とほとんど差がない、こういう実情に、改訂をするにつれて、なくなつて参りました。今日私どもがこれらの点を指摘いたしまして、いろいろやつておりますけれども、この点は依然としてこの主文の中からは現われて来ておりません。特に私ども今回団体交渉の過程で当局にお願いしておりますことは、とにもかくにも、与えられた予算のわく内で消化するという考え方でなしに、何としても、予算を増額してもらわないことには解決しないということを前提に押し出しまして、目下交渉を続けております。本日も十時から交渉に入りまして、現在交渉をやつておる次第でございますが、特に私どもが強く主張いたしておりますことは、一項、二項、三項の主文にございますこの内容を、当局はいかなる考え方をもつて今日紛争を解決しようとしておるか、また組合はこの一項、二項、三項の中でこういう考え方を持つておるということを、今日団体交渉で御披露をいたしておるわけでありますが、一項、二項、三項を総体いたしまして、基本賃金をまず上げること、ひいてはこの第一項にございます私どもの調停案は、現行職群制度の再検討をお願いする。現行職群制度の再検討を行います場合には、年内の解決ということは困難でございます。よつて私どもといたしましては、この主文の第一項にありますようなものは専門委員貝会等を設置いたしまして十分に検討して参りたい、こういうふうに現在では考えておりますけれども、当面私どもの年末におけるところのすべてを解決をして参りたいという建前から申しまして、本格賃金の増額ということを主に置きまして、今日交渉に入つておるのが実情でございます。しかしながら、今申し上げましたように、当局では、これらの問題につきましては、与えられた予算のわく内で消化をしようという考え方に立つておりますので、依然として平行線をたどつておるというのが、今日の実情であります。いろいろ民間との比較賃金もございましたが、以上のような情勢で今日団体交渉の途上であるということで、こまかい数字につきまして今日お答えすることができませんのは、遺憾でございます。以上、簡単でございますがお答えいたします。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 参考人に委員長よりお願いしておきたいと思うのですが、公労協関係の資料の問題ですが、今山村君から資料提示の要求がありましたが、ないわけです。それで、たとえば再売などは資料をたくさん提供していただいておりますので、ひとつ関係の各組合は、単に調停案だけをぽつと、委員会側に出すのではなくて、私どもわからないことがたくさんありますから、ひとついろいろな組合の申立てだとか、あるいは調停案に対する見解だとかいろいろなものがあると思うのです。そういうものを各組合一そろえそろえていただいて、委員各位に配付できるように御協力をお願いしたいと思います。特に山村君の場合は、日本民主党の国会対策副委員長をやつておりますので、この人の考え方というものが相当大きく左右いたします。また前には労働政務次官の要職をやつておられました非常に有力な人でありますので、特に資料の提示は必要だと思いますから、ぜひひとつ御協力をお願いしたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 私は意見を申し上げる前に、まず当局はこのあつせん案をのんでいるわけですか。受諾しているのですか。その点は、どうなんです。

柴谷要

○柴谷参考人 当局は受諾をしております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 私は次の機会に委員長から当局を呼んでいただきたいと思うのですが、ここに前文から主文、さらに理由が書いてあります。このあつせん案をのんでおるということになると、これは当然ベース・アツプも考えておるのだろう、そうしなければ、これをのむということはあり得ないと私は考えるわけです。と申しますのは、理由の中にも、幾多の予算措置を講じなければならぬという点が指摘されております。たとえば「主文第二項について」というところに「その源資に関しては、政府及び国鉄当局において考慮勘案すべき理由と方途があると考える。」とありますが、これはのんでおるということならば、今度の補正予算には必ず国鉄当局としては入れておかなければならない。額はいろいろありましようけれども、やはりこれを入れるべきであると、かように考えておるわけであります。まだのまぬということならば、話もわかるのですが、のんでおるということならば、かなりの大幅な額を当然計上しなければならぬ、かように考えるわけです。これは当局が来ましたら、ぜひひとつ委員長からも聞いていただきたいと思いますし、われわれも開きますが、その点ひとつ希望しておきます。  次に、私は時間があまりありませんので、郵政関係について一言聞いておきたいと思います。先ほど横川委員長からも指摘がありましたが、この調停案の前文なるものに、私はどうも矛盾を感ずるのであります。「民間賃金との比較を行つても、その差は僅少でほぼ同一水準にある」と書いてある。ところがその次には「充分なる民間賃金との比較」云々ということが書いてある。そうしますと、私はやはり何らかここに政治的な圧力が加わつてはいないか、かように考えるわけです。先ほども申しました国鉄関係におきましては、公共企業体となつてから悪いというのですから、大体争議権を奪つてからだんだん悪くなつたということを認めておる。そういうことになれば、調停委員会や仲裁委員会はいらないわけであります。この点、私は今度は労働大臣に来ていただいて、ぜひ質問したいと思うのですが、争議権を奪つておいて、そうして公労法が発足してだんだん給与が悪くなつた、こういうことは考えられない。しかるに、調停委員会は認めておるのであります。この点もぜひ質問しておきたいと思いますけれども、次の機会に譲ります。  そこで、例のあなたの方からも指摘がありましたが、この点を組合の方ではどういうふうに理解されておるか、さらに郵政省ではどういうように理解されておるか、その点がわかりましたらお聞かせ願いたい。

横川正市全逓信従業員組合中央執行委員長

○横川参考人 ただいまの点を簡単に申し上げますと、類似産業との比較の問題について、調停委員会に私の方から、資料の要求をいたしましたところが、調停委員会としては資料を出してくれない段階なんです。出さないとはおそらく言わないと思うのですが、なかなかこれを提示してくれない。私の方で調べた資料によると、後段の方に書かれている内容が的確に当てはまるわけです。前段のほぼ同一水準というふうには考えられない。これは調停委員会が資料を提示してくれれば、その内容ははつきりして来るのじやないかと思つております。  それから郵政当局は、明らかに前文に対して、大体政府の代弁をするように拒否の態度をとつておりますが、その拒否の態度の中に、私どもが期待する内容というものがあるかどうかという点については、団体交渉の中では、ほとんど明確にされておりません。  それから主文の第一項にあります郵政業務の実態に応ずるように賃金体系を改訂せよという項目に対しては、省側は、先ほど私が申し上げましたように、給与予算の総わくの中でてきる範囲内と理解しているようでございます。  それから第二項の不合理、不均衡の問題については、これは少し条件をつけまして、二千九百三十円ベース実施当時の一応の体系を是正いたしました内容、それからそれ以来折に触れて修正して来た内容から考えてみると、こういう不合理、不均衡というようなものはほんとうに微々たるものだという解釈をとつているようでありますが、この点について、組合側は、御存じのように、郵政省の給与の一番悪かつた時代は昭和十年ぐらいのころで、特定局いわゆる昔の三等局ですが、これは局長さんに渡し切り経費をやつて、局長さんが縁戚だろうが、あるいは子飼いの人だろうが、雇つて来て握り給与をやつておつた当時なんですですから、その当時の金額が一瞬悪かつたのじやなかろうかと思いますが、そのときの不合理がまだ今ずつと尾を引いて職員の中に出て来ております。それからもう一つは、昭和三十四年から五年にかけて、私の方の外務職員に対する給与が、普通一般内務職に対して二号俸の調整号俸を持つておつたのですが、これを削られてしまいました。それからいろいろ復活要求をいたしまして、半分だけ復活いたしましたけれども、そのとき削られた一号俸はまだ返つて来ておらない。役職であるとか、あるいは昇給昇格等が原資の関係で遅れているという状態で、本年度はまだ昇格をやつておりません。例年二万二千程度昇格するのですが、本年度はそれを全然やつておりません。こういうような内容をしさいに検討すると、給与予算の総わくでこれがまかなわれるなどということは、およそできない内容だと組合は考えておる。それに対して当局は、予算の総わくでやるのだ、調停案は受諾いたします、こういうふうに言つておりますので、非常に見解の相違というものが現実に出て来ておる、こういうことになつております。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは多賀谷君、前に専売の問題で調停の小委員長を呼びましたね。その際資料の提供を要求しておいたのですが、専売だけでなくて、調停案の出ました関係のもの全部の資料を要求しますか。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 ことに郵政あたりは、先ほども御指摘があり、また調停委員会自体も指摘しておりますが、多種の業務にわたつており、だれが常識的に考えましても、郵政関係の保険を扱つている人あるいは貯金を扱つている人と銀行員との給与が同じだなどということは、どう考えてもあり得ないと思う。そういう点、どういう資料を持つて来ておるのか、私はぜひ聞いてみたいと思いますから、ひとつ資料の要求をお願いいたしたい。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それから当局の方というお話ですが、この点につきましては、あとでまたいろいろ私検討しましてそうしてどこのだれを呼ぶかということを後ほど御相談したいと思いますから、おまかせを願います。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 もう少し具体的にお聞きしたいと思いますが、この調停案によりますと、昇格適格者についてもそれを停止しておる、こういうことが書いてあるが、実態はどういうようになつておりますか。また昇格というのは、やはり昇給を伴うのではないかと思うのですが、これは私がしろうとで考えるのですが、そういう場合には財源はどのくらいいるものか、その財源の捻出をどういうように当局は考えておるのか、こういう点もお聞かせ願いたいと思います。

横川正市全逓信従業員組合中央執行委員長

○横川参考人 この昇格とか昇給というのは、従業員にとつては一番作業能率に響く問題でありまして、昇給が遅れるとか、あるいは昇格が遅れるということになりますと、一つの事業場内であつても、非常に物議をかもす問題であるわけなんで、公平にこれを行い、しかも的確に操作しないと、非常に問題を起す内容を持つておりますので、組合としては、日常の正常な不平不満等を取上げるときには、一番多く出て来る内容であるわけであります。そこで、郵政省の場合には、一年大体二万二千人程度が昇格することになつておるわけでありますが、その昇格するる場合には、一応一号上位になるわけでありまして、普通で行けば一号俸昇給したと同じ形が昇格の場合にとられる。財源としては約二万二千人を昇格させることによつて、四億程度の財源が必要になつて来る、こういうふうになつておりますが、本年度は、先ほど申しあげましたように財源がないために、本年四月に当然行うべき昇格をまだ行つておらない、しかもこれはなかなか行えそうのないというような現状になつております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 先ほど聞くのを忘れましたが、当局の方は、この調停案をのんでおるわけですか。

横川正市全逓信従業員組合中央執行委員長

○横川参考人 先ほど言いましたように主文第二項の不合理、不均衡の問題は、私どもは昭和十年当事の、特定局の請負当時のものまでも考えておるわけですが、これは二千九百二十円べースの当時と、その後の給与の是正を行つたこということを抜いて、この調停案は受諾いたします、こういうような回答を出しております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 昇格も行つてないということは、調停委員会の方も指摘しておりますが、今聞きますと、四月から全然やつていない、しかも四億程度いる。こういうことで、昇給につきましてもその財源がないので、一億五千万円という金を、特殊勤務手当等を一箇月半ほど遅払いにして、やつと捻出しておるという状態であることをわれわれは知つたわけですが、昇給とか昇格とかいうのは、何も給与全体のべースが上るということでなくて、これは当然同じ労働をした者が、また同じ労働をすべき者が、そのところに行けば、当然それだけの賃金が上つて行くということで、もし昇給、昇格がなければ、同一労働に対する実質賃金は下つておるというよう考えざるを得ない。これはインフレ時におけるべース・アツプと同じでありまして、ベースが上つたからといつて賃金が上つておるわけじやない、実質賃金が下るのを防いでおるという状態である。そういう点で、やはり日本の経営者にも、政府にも認識が足らない。どうもベース・アツプしたら実質賃金を上げてやつたような錯覚に陥つておる。この点われわれ労働委員としては、ぜひひとつ注意をしなければなりませんし、啓蒙もする必要があると思うのです。  そこで、私はもう一度横川参考人にお尋ねいたしたいのですが、先ほどからも専売の万で言われましたが、調停委員会がいろいろデータをとる場合の起点、これをいつからとつておるか、この点について郵政関係ではどういうようになつており、あなたの方はどういうようなお考えであるか、お聞かせ願いたい。

横川正市全逓信従業員組合中央執行委員長

○横川参考人 調停委員会が提示した内容で行きますと、三十九年の一月から九月までという内容でとつておるようであります。しかし組合側とすれば、これは二十八年の八月を起点とすべきであつて、ことにこの資料のとり方から行きますと、物価の上昇率の動きというのは、大体二十六生を起点にしてその後日ずつとあまり急激なインフレ状態の中でとられた資料が、一番的確に出された資料ではなかろうかというように思つております。ただ本年の一月に実施いたしましたベースの関係等については、ここに貸料がありませんのでちよつと御説明できませんが、私の方で二十八年に起点を置いて現在どの程度に上つておるかという実情を調べてみますと、住宅費、衣料費、主食費等については、主食の場合は、やみ値が昨年から今年にかけてずつと下つております。住宅関係もやや横ばい状態で、光熱費は少し上りぎみですが、あまり上つておらない。それと衣料関係が非常に大きく響いて来ておるだろうと思います。衣料は投売りをされておるというような状態を資料にとつて、調停委員会としても約三%程度の値上りは認めておるように言われておるが、私どもの資料で行けば、約九%程度上つておるというような実情が出来ておる。労働省から二十九年の十一月に出されましたデフレ経済が労働関係にどう影響を及ぼしたかという資料があるのでありますが、それからいつても、約七%程度は上昇しておるということをその資料の中で認めておるわけです。これは一般の総合した平均ですが、ただ資料のとり方としては、住宅費、衣料費、主食費、光熱費といつたものを主点にとつておる関係で、日常の必需物資についてはほとんど触れておらないというのが、実情ではなかろうかと考えております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 私の記憶に誤りがないとするならば、この前の仲裁が出ましたその基礎は、その前の調停案に基礎を置いておる。その調停案は大体人事院の勧告と見合つておる。今横川参考人は八月というお話をされましたが、なるほど仲裁が出した起点は八月であるが、むしろその統計は二十八年の三月三十一日というのが起点ではなかつたかと記憶するわけであります。ましてや調停委員会は同じ調停を扱つておるのであります。同じ委員会がやつておるのですから、そういう間を置いて資料をとるべきでない。金額が出せる、出せないということは別として、統計とか資料を扱う場合には、厳格に引続き同じ調停委員会がやつておるのですから、やはり間隔を置いて都合のよいところばかりをとつてやるべきでないと考えるわけであります。これも調停委員会の方々が見えた場合にお聞かせ願いたいと思います。  続いて専売について一言お尋ねいたしたいと思います。この専売の調停案には前文がないのですが、これはどういうわけで前文がないのですか。あなたは調停委員会の委員長ではないのですけれども、この専売にだけ前文がないということに疑問を持つわけですが、わかりましたらお聞かせ願いたい。

佐藤惟恭全専売労働組合中央執行委員調査部長

○佐藤参考人 その点私も疑問に思つておるわけでありますが、よくわかりません。

横川正市全逓信従業員組合中央執行委員長

○横川参考人 調停委員会と折衛した内容からいつて、私どもはこういうふうに理解しているわけです。組合側の要求した個別賃金方式によるところの方式で、ベース・アツプを認めないという言い方を、どのように調停委員会としては出したらよいか、ということで苦心をされたようです。それで専売の場合には、主文第一項にその内容をはつきりとうたつたわけです。ところが、それに対して組合側が猛烈な反撃を加えた。そこで、今年の七月十九日に出されました人事院の勧告の内容から考えてみても、調停委員会はあまりにも芸がなさ過ぎるというふうに反省をしたとみえて、その次から出される内容については、前文の中にくどくどと理由を述べて、それで調停した内容とは全然別個な主文になつて現われ来た、こう現うふうに私どもは理解をしておるわけです。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 日野君。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 国鉄の柴谷さんにちよつと伺いますが、当局はこの調停案をのんで、組合側はこれを受諾しない、それで団交に入つた。団交二回の結果、大体組合の見通し――団交である程度の獲得ができるのかどうか、それらの見通しをちよつと伺いたい。

柴谷要

○柴谷参考人 お答えいたします。二回と申し上げましたが、本日まで――詳細に申上げますと、本日が第四回目の団体交渉でありますが、第三回目のときに、交渉の内容についての両者の意見調整をいたしました。その意見調整の第一項といたしましては、主文一、二、三項に基きまして、当局の考え方、組合の考え方を、第四回の団体交渉で明白に打出し合う、こういうことが第三回によつて打出されました。但し、私どもがお互いに両者の立場をはつきり団体交渉の場に出そうというのが、本日十時から行われておりますので、内容につきまして今お答えできませんのは遺憾でございますが、そういうようなルールを立てまして、本日第四回目の団体交渉に入つております。ただ、当局はそういう考え方を持つておりますけれども、実はこの考え方の中には、当画いたしております国鉄給与総額のわく内によつて処理したい、こういう考え方で当局は臨んでおるだけに、組合側の考え方とは非常な平行線がある。そこで私どもは、調停委員会の使用者側の代表であります三輪先生にお願いいたしまして、当局の意向をある程度打診をしていただきましたが、調停委員会の委員の人にも、当局はまだ真意を伝えていないようで、私どもは回答をもらつておりません。調停委員の先生方の御意向といたしましては、国鉄の団体交渉が、いわゆる調停案でなしに、私どもの方は斡旋案でございますから、今後この平行線に対するあつせんというものがつけられるかどうかということについて、今日まで調停委員会において折衝いたしましたが、調停委員会としては紛争解決までひとつあつせんをやろう、こういう決意を昨日示していただきましたので、私どもは労使双方の対立する問題は、やはりあつせんによつて解決して行きたい、こういう考え方でおりますが、本日第四回目の団体交渉で、両者の見解を率直に表明し合う、こういうことになつておりますので、見通しにつきましては、もちろん組合側では年内解決ということを主眼にいたしまして、できる限り努力をいたしたいと思いますが、当局の出方によるものと考えておるわけであります。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 これは非常に不可思議ななぞのような調停、聞けば聞くほどくさいようなものがある。今三人の参考人からいろいろ聞いているうちに考えてみたのだが、共通した点を拾つてみると、まず結論においてゼロである、いずれの組合もこれはのんでいないで当局はのんでおるという点、専売だけは前文がないといつておるけれども、あとのものはみんな前文がついて、非常にあいまいな文章で濁しておる、ここに解釈の相違が出て来ておるという点。もう一つは、資料のとり方が両方で食い違つて、いずれも調停委員会でゼロという結論を出すのに都合のいい資料だけをとつて来ておるのじやないか。そのほか明確な結論を出すのではなく、いずれは団交にまかせるというようなことで逃げておる、これらの点が大体この調停案全体に通ずる点じやなかろうか。  一致点を捨つてみると、いずれもこの調停案文に対する当局と組合の解釈が違つておる、資料のとり方がまた違つておる、こういうことになる。これは故意にこういう調停をつくつたのか、あるいは善意であるが資料のとり方が間違つた、過失であるのか、それぞれのあれが究明の対象になると思うのですが、大体故意と思われるか、過失たと思われるか、この点ひとつ伺つてみたい。

柴谷要

○柴谷参考人 ただいまの御質問ですが、私どもの見解といたしましては、故意にこのようなものが出ておるというふうに解釈をいたしております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 そういたしますと、いずれはこの相違点を明らかにし、一致をはからなければ、この問題の解決はできない。解釈は、ここでいろいろやることで、できると思いますが、資料のとり方が両方違うということで、過般専売の調査をしたときも、類似産業という一つの資料も、前年度とつた資料をそのまま使うごとに組合の力は了解しておるが、調停委員会の方はこれを拡大して、去年使つた資料からさらに小さな産業の資料を入れてはじき出した結論で、両者のそろばんが約千円違う、こういうことで過般大分議論になつて、その類似産業の資料の拡大を組合が認めるか認めないかということが議論になり、両方が資料を出し合うということになつておるのですが、これは結局両方がとつた根拠になつたところの資料をここに出し合つて、いずれをとることか妥当であるかということの検討がされないと、ここに結論が出て来ない。これは専売の方には要求していたがまだ出ていないようで、私たちも今この審議をするのに、この資料がほとんど手に入つていないので、この審議にあたつて両方から第三者が出て判断のできるような資料をお出上願つて、その資料を中心に討議をしないと結論が出て来ないと思うのです。当局の使つた資料と組合側が拠出した資料と、できれば両方をひとつここに御提出願つてこれによつて審議を進めたいと思うので、委員長からこの点を特に両方にお手配願いたい、こう思うわけであります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 わかりました。

黒澤幸一日本社会党(左)

○黒澤委員 ちよつと全専売の参考人にお尋ねしたいのであります。組合におきましては、全専売の生産か昨年度よりは五%程度上昇しているんではないかというようなことを聞いてはおるのでありますが、その通りでありますかどうか、また公社当局はそれをお認めになつているかどうか。また調停委員会におきましてはどういうお取扱いをしておりますか、わかつておりましたらお伺いしたいと思います。

佐藤惟恭全専売労働組合中央執行委員調査部長

○佐藤参考人 全専売におきます労働生産性でございますが、これは御指摘の通り一〇五%ないし一〇六%ぐらいまで現在高まつております。この労働生産性に関する一つの見方といたしまして公社側では、機械の改善部分とか、あるいは労働環境のその後のかわつた点、あるいは設備、施設、そういうふうな点がかわつたから、これは当然労働に帰属すべき生産性ではないこういうふうな主張をいたしておるのであります。しかし、私どもが今日まで年産性を検討いたしまして、二十七年の十一月におきまして仲裁裁定の第九号が提示されましたが、その際におきましても、私どもがとりましたような算出の方式によるところの労働生産性の比較がそのまま採用されて来ております。そういうふうな経過から見まして、今日公社側の専売の労働生産性はゼロだというふうな主張――これはやはり機械の改善部分とかあるいは施設、環境の度合いというふうなものを厳密に評価することは非常に困難であると考えますが、少くとも今日までの傾向から見ますと、五%ないし六%上つておる。但し、調停委員会のこれに対する考え方といたしましては、この生産性について、組合側と公社側との資料をそれぞれとりまして、それについての結論は出しておりません。ただ調停案の主文の第三のところでは、今後労働生産性を高めるために適当な特別賞与制度をつくるのだ――今後の労働生産性を期待するような形でもつて出されて来ておりまして組合側の提出資料、さらに公社側の提出資料の可否については、何ら結論らしきものは出されておりません。

黒澤幸一日本社会党(左)

○黒澤委員 もう一点続いてお尋ねしたいと思いますが、この調停案の作成にあたりまして、民間企業の実態調査の資料が非常に重大な要素を含んでおると思うのであります。この点につきましては、先ほど他の参考人もお述べになりましたように、調停委員会においては何らそうした資料が提示されていない。それで委員長の方からそうした資料の御提示を求めるわけでありますが、私のちよつと聞きましたところにおきましては、昨年度までは、民間企業のうち千名以上の従業員を持つているところを主体にして実態調査をしたようであるが、今年の調停案については、五百名以上を調査の対象にしたというようなことをちよつと聞いておるのでありますが、その点どうでございましようか、そういうようなことになつておりましようか。

佐藤惟恭全専売労働組合中央執行委員調査部長

○佐藤参考人 類似産業のとり方でありますが、二十七年の八月に第一回の実態調査を行いました。そのときには調停委員会と私どもと専売公社側、この三者の協議によりまして、規模、対象、事業所、そういうふうなものにつきましていろいろ検討を加えまして、そうしてその結論の一致したところにおきまして調査を行いました。そのときは、大体五百名以上千名ぐらいの規模を中心にとつて参りました。しかるに第二回の実態調査を二十八年の七月に行いましたときには、われわれはその規模、対象、事業所というようなものについても何ら協議には参画いたしませんでした。そこでそういうふうに規模のとり方が違つておつたといたしましても、少くとも昭和二十八年の実態調査の金額が、その前年に行いました二十七年の八月の金額よりも下まわつておることは、私どもとても納得の行かないところでございます。そうしてそれが比較表におきましても、二十七年の八月には、これは年齢別に一時間当りの賃金を算出いたしておりますが、二十八年に至りましては、これは勤続年数別に一時間当りの賃金を算出しておる。そこで勤続年数別と年齢別との対比を行いましたところが……。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 佐藤参考人、発言中でありますが、五百人の対象とか千人とかいう、ことだけでいいんです。その前のことは前にずいぶん聞きましたから、要点だけでけつこうです。

佐藤惟恭全専売労働組合中央執行委員調査部長

○佐藤参考人 それを対比してみましても、調停委員会が使いました資料が、本年度の調査が昨年よりも下まわつておるようになつておりますが、少くともこの資料を対比いたしますと本年度は上つて来ておる、そういうような結果になつて来ております。これは資料のとり方の重大な欠陥であろうと思いますから、私ども調停委員会におきましていろいろ質疑を行いましたが、明確な資料の提示を受けておりません。従いまして、その点につきましては、本委員会で、調停委員会から詳しく事情を説明していただいた方が、かなり明確になるんじやないかと考えております。

黒澤幸一日本社会党(左)

○黒澤委員 いろいろ参考人からお聞きしたのでありますが、その中で、調停委員会がかような調停案をおつくりになりましたいろいろな資料その他について、疑問の点がたくさんあるのであります。それで委員長の方から、調停委員を本委員会にお呼び願いまして、その真実を開きたいと思うのでありますが、その取扱いをひとつお願いしたいと思います。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 たいへんけつこうなことだと思います。前にも調停委員会の小委員長の上山さんに御出席を願いましていろいろ聞いたわけでございます。今黒澤君の御質問の点は実は、上山調停委員も十分説明ができなかつたわけなんです。そこで十分に説明してもらえるような準備と資料をそろえて再び委員会に来ていただく、こういうことになつておりますので、黒澤君の御希望の線に沿うて努力したいと思います。  ただ、申し上げておきたいことは先般この労働委員会におきまして、紛争解決のためにあつせんをずつと続けてそうして円満解決するように努力しろというところの申入れを行つておるわけなんです。それで、もしこの労働委員会の満場一致の決議の申入れを無視したり軽視をしたり、するような態度が見えた場合は、むろん私も考えておりますが、今のところ非常にこちらの決議を尊重されて、そうしてあつせんに努力しようという方向に向つておるというように私聞いておりますので、時期等につきましてはこれは、慎重を期さなければならぬと思いますから、その点ひとつ私におまかせを願いまして、適当なる機会に黒澤君の御指摘の疑問の点を本委員会で解明していただくように努力をしたい、こう思つておりますから、ひとつ御了承願いたいと思います。  それでは引続き先ほど御承認願いました関係組合の参考人を呼びたいその人名等につきましては私に御一任を願いたいと思います。   それでは暫時休憩いたします。     午後一時三十一分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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