法務委員会労働委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/12/03
会議録
○小林委員長 これより法務委員会、労働委員会連合審査会を開会いたします。 私が調査案件を所管しております法務委員会の委員長であります関係上、先例によりまして本連合審査会の委員長の職務を行います。 ただいまより検察行政及び交通輸送犯罪に関する件について議事を進めます。発言の通告がありますから順次これを許します。猪俣浩三君。
○猪俣委員 近時国鉄労働組合におきまするいろいろの問題が起っておりまして、労組がピケを張ったり何かすることに対しまして、鉄道公安官がこれの取締りの第一線に出ておって相当活発に活動しておるということが全国的にわれわれに報道されるのであります。そこでこの鉄道公安官の問題につきまして、私は運輸大臣に質問したいのですが、運輸大臣は見えられない。そうするとこの問題について政府委員としてはどなたが来ていらっしゃるのですか。
○小林委員長 今鉄道監督局長がすぐ来るそうですが、今出ておられるのは井本刑事局長、久留国鉄公安本部長、調所国鉄中央鉄道教習所長、中西労働省労政局長であります。
○猪俣委員 実は正式な政府委員がまだおそろいにならぬようでありますが、一応この鉄道公安官に関するいろいろの問題につきましては、当法務委員会は非常に関係が深いのでありまして、これは御存じのように議員立法であります。鉄道公安職員の職務に関する法律なるものは昭和二十五年八月できたものでありますが、これは当法務委員会の小委員会におきまして立案し、国会を通過したものでありまして、いわば法務委員会はこの公安官の生みの親に相なっておるのであります。そこで公安官がいかなる性格を持ち、いかなる権限を有するものであるかは、この鉄道公安官の職務に関する法律を一つくる際に、相当長時間にわたりまして論議が出たのであります。そしてこれには二つの支障がありまして、一つは時の駐留軍からの支障、一つは一般国家警察からの抗議、この二つの抗議の中にこの立案が進められたものでありまするがゆえに、鉄道公安官がいかなる職責を持っておるかは練りに練ったはずであります。その趣旨からいたしまするならば、現在のごとき労働運動弾圧の第一線に公安官が出動するがごときはまつたく立法当時の精神ではなかったと思いまするが、この鉄道公安職員の職務に関する法律の成立の経過につきまして、私は当法務委員会において審議の事務的中心をなしました小木専門員から説明をお願いしたいと思うのであります。もちろん私ども委員として参画いたしておりまするけれども、委員の主観を交えないで、事務当局から、当時いかなる事情のもとにこの法律の制定が要望せられ、いかなる点に対しまして論議が重ねられ、ことに労働争議について公安官はいかなる立場をとるべきものであるかが委員会において審議せられ、よってもってこの法律ができて来たのであるかを一応説明していただきたい。もちろん法律の解釈は法律できまするならばいろいろの行政解釈あるいは裁判所の解釈ができましょう。しかし有力な解釈の一つの方法として、立法精神、立法当時の審議の状況ということは、解釈にあたりまする有力な材料であることは申すまでもないことであります。そこで今この法律に現れまする公安官の性格につきましては、一応小木氏から説明していただきまして、その当時鉄道側としてその衝に当られました当時の調所公安局長に対しまして、主として質問いたしたい思います。その間なるべく――今調所さんはこういう解釈の責任ある地位にはおいでにならぬのじゃないかと思われまするので、責任ある運輸省の役人に私は出てもらいたいと思う。そこでまず小木専門員に対する経過の説得をお許し願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○小林委員長 よろしうございます。猪俣君の御要求によりまして、法務委員会専門員の小木貞一君より説明のため同君の発言を許します。小木君。
○小木専門員 この法案はたしか、昭和二十四年の七月ごろから、調査研究に着手したように記憶しております。それからこの法案は今お話の通り二十五年の八月十日に公布になっております。それより前、昭和二十四年の一月一日から御承知のように新しい刑事訴訟法が施行になっておるのであります。この刑事訴訟法の精神とするところとこの公安官の法律というものは非常に関連がございますから、その点から私どもが考えた立案の過程をまず申し上げます。 申すまでもなく、現行の刑事訴訟法は起訴状の一本主義をとっておる。言いかえるならば、捜査記録や証拠というようなものは公判で初めて出して、裁判官には予断を与えない。また原告官である検察官と被告というものは対立する当事者として第一審に重点を置いて攻防の最前を尽す。それからまた被告人は有罪判決があるまでは無罪の推定を受けて当事者としての地位を十分に認めてやる。従いまして被告人には黙秘権も認める。あるいは自由を唯一の証拠とすることは禁止するというようなことでございますから、結局はその精神を貫くためには、科学捜査の十分な裏づけ保障というものが必要になって来るわけであります。 さて、この法律案の調査研究に着手した昭和二十四年の七月ごろのことでございますが、当時は一般の犯罪も非常にたくさんな事件がございまして、鉄道の犯罪も大小合せまして当時四十二万件くらいあったということでありました。抜き荷とかあるいは通知書の偽変造による貨物の犯罪、ことに大規模な車票のさしかえということによって、貨車ごとに貨物をとって行くというような非常に悪質な犯罪も当時横行しておった状況でございました。従いましてこの種の鉄道犯罪に対する捜査といたしましては、どうしてもこれは鉄道の輸送の知識なり経験なりを持って、また職場の事情にも通じておる者が、この種の犯罪の検挙なり捜査に当るということが、一般の警察よりも一層その効果を期待することができると考えられていたわけであります。結局これは当時の法務委員会といたしましては、科学捜査の一環としてこれを考えて行く、これが基本的態度であったのであります。こういうような構想からいたしまして、この法律の第一条では犯罪の種類を限定したのであります。それは法律の第一条にありますが、要するに犯罪は「列車、停車場その他輸送に直接必要な鉄道施設内における犯罪」と、それから国鉄の「輸送業務に対する犯罪」、こういうふうに限定して行ったわけであります。これはなぜかと申しますと、私どもが考えた科学捜査という一つの考え方と同時に国鉄職員の職務の本来の性格、これはサービス機関でありますから、警察のように捜査を本来の職務とするものでないという、そういう職務の性格並びにそこから来る能力というようなことも勘案いたしまして、その犯罪は一一この場合犯罪を列挙しないで――列挙するという考え方もあったのでありますが――今育ったような事情からいたしまして、要するに貨車や旅客の所持品、施設等に対する犯罪というようなものが、この対象となるということはおのずから明らかになるのではないか。こういうふうなことから第一条の犯罪を考えて行ったのであります。このことはまた第二条におきまして、この公安職員のやる仕事の捜査の場所的制限ということの中にもこれはうかがわれるところであります。要するに公安職員は一般の警察と違いまして鉄道本来の任務がございますから、この捜査の仕事をやる場合にも、鉄道の輸送に直接必要な鉄道の施設以外の場所においてその捜査をすることはできないというような制限を加えて参ったのであります。なお先ほど猪俣委員が触れられたところでありますが、この場所的制限につきましては、こういう規定を置いたのは、大体本法のような権限を与えること自体について警察側から一つのオブジエクションと申しますか、強い反対意見が出ていたのでございます。私ども当時聞いたところによりますと、鉄道側と内務省側とこの問題について長い間争われて来たところであるということであつたのであります。そういうこともございましたので、こういう捜査の職務は、これはそういうふうに場所的に制限して行くというふうにしたのであります。 ところで問題になっております国鉄労組のスト行為に対する公安職員の捜査についてでございますが、この問題に対するお答えは以上私が申しましたような本法の立法趣旨並びに立法の経過、それから第一条の罪種の制限、第二条の捜査の場所の制限、第三条の公安職員の捜査権の内容、これは第三条にございますが、公安職員は強制権としては逮捕権と引致権しか持っていない、こういう制限等々の諸規定の立法精神を総合して判断いたしますと、この問題に対する答えというものの大体の輪廓というものは出て来るだろうと思うのであります。第一条に先ほど申しましたように「列車、停車場そ他輸送に直接必要な鉄道施設内における犯罪」こう規定しておりまして、犯罪の種類がそこに限定されてないというような字句の末節によってこの問題を解決するというようなことであってはならないのだろうと思います。 ただこの際御参考に申し上げますが、当時の古い書類の中に本法の立案についての考え方、まあ原案の原案とでもいうようなものが当時の国鉄の担当の責任者から出されておるのであります。それによりますと、第十五条におきまして鉄道保安官、鉄道副保安官は労働組合の正当な行為を妨害してはならない、こういうふうに書いておるのであります。この条文は他の数過剰とともにこれは当然明瞭な事柄であるというような意味で削除いたしたのであります。しかしながらその趣旨は十分委員会において了承の上、したことでございます。この点を一言つけ加えておきます。申すまでもなく、公安職員の捜査は他の国鉄の一般従業員の友好的な協力がなくてはその効果をあげることはとうていできない。他の国鉄一般職員――を言葉はまずいのでありますが、向うにまわして本法所期の目的を造成することができるものではないというふうに思われる次第であります。 簡単でございますが、以上大体立法の経過を御説明申し上げました。
○猪俣委員 今あらましの説明を小木専門員から説明されまして、私も当時小委員としてこの法律の作成に参画いたしたことをいろいろ思い出して来たのであります。そこで鉄道側の責任者として当時公安局の肩書きを有せられた調所さんが、しょっちゅうその説明に当られた、あるいは了解に当られ、われわれとともにこの法案の審議に多大に尽されたのであって、鉄道側の生みの親であります。その調所さんがここにお見えになっておられますので、私は当時のことを思い出して伺い、あなたも思い出してお答え願いたいと思うことがあるのです。 第一にこの法案をなぜ政府の提出案にしないのかというわれわれの質問に対しまして、こういう事情で政府案としてはなかなか出せないのだとい説明があったはずであります。この点について思い出していただきたい。 それから第二は当時駐留軍がこの鉄道公安官のことには目を光らせていて、相当やかましい注文をつけている。なぜなら当時警察官の員数というものは駐留軍がきめておりました定員があった。この鉄道公安官に司警察職員としての権限を与えるということは、警察官の権限を脱法的に踏み越えようという魂胆じゃないかという疑いが、どうも駐留軍方面にあるということを調所さんは説明されたはずであります。それを思い出していただいてその実情をお話願いたい。 第三点は、なおここにおいでになっている斎藤長官をかしらといたしまする警察官僚――一体役人というものはなわ張り根性が強いのでありますが、この警察方面から鉄道公安官の権限につきまして、これは本来の警察の権限を侵すものではないかという抗議が相当あった。これは相当調所さんも悩まれたはずであり、われわれ小委員会におきましてもこの鉄道側及び、察側両方から、責任者に出ていただきまして、その権限の問題につきまして相当論議したはずであります。そこで一般のいわゆる刑法犯罪、そういうふうな犯罪の権限はもちろん警察にあるが、この鉄道公安官というのはほんとうにいわゆる鉄道車内における荷物の抜取りとかあるいはレールに石ころを置いて列車の運行をとめるとか、そういう鉄道運輸に関する直接の特殊なる犯罪だけに限るのであるということを、両者話合いの上で妥協ができたと記憶しておるのでありますが、その当時両者の間において相当困難な道を歩かれておりました調書さんのその苦心談をひとつお聞かせ願いたい。その苦心談の中から鉄道公安官というものにいかなる性格を持っておるものかか浮び出て参ります。 以上の点につきまして立法当時にさかのぼりまして思い出していただきたいし、なお当時当法務委員会の小委員会の中には共産党出身の加藤充代議士がありました。加藤君はこの法律に対しては反対でありまして、始終社会党も同調せいということを私に迫っておりました。その理由は、今鉄道当局はああいって七重のひざを八重に折ってこの法案の立案をお願いしておるけれども、一旦でき上ると必ず彼らは鉄道労組の争議にこれを使って、自分たちの手兵としてこの鉄道公安官を使うに違いない、それだからその点についてかたく言質をとっておかぬとこれは危い、まず反対しておった方が安心だということで彼らは反対いたしました。そこで私は調所さんにその点くどく申し上げたはずだ、そうしないと共産党からすぐデマが飛びまして私ども困るのであります。労働組合の基盤に立っている社会党としては困難になりますから、労働組合の争議を弾圧するような方向にこの公安官を使うというなら重大問題だ、さようなことは絶対にないはずだと思うがどうだと言いましたところが、さようなことは絶対にありませんということをあなたは確約したはずなんだ。それだから私たちは相談しておる。共産党はなおそれにあきたらずして最後までその点を懸念して反対しておりまして、本会議に出た昭和二十五年七月二十三日の本会議におきまして、共産党の江崎一治君がその意味において反対いたしております。「政府は、いかにして国鉄の労働者を、今後激増するであろうところの軍事的輸送や低賃金と奴隷的労働条件に隷属させるかという命題を解決するために本法律案を上程したのであります。」こう言われておる。私どもはこれでは困るのであるからあなたに再三再四この点は念を押したはずなんだ。今になってみるならば共産党先見の明ありといって私は頭を下げなければならぬようなことに相なりましては、社会党議員としては面目次第もありません。しかしあなたがさようなことを確約した覚えがないというならば、当時われわれを偽った、ペテンにかけてこの法律をつくったことになるのです。これはあなた責任を持って答弁してもらわなければならぬ、そういう労働争議に使う、今日のごとくピケ・ラインの第一線に鉄道公安官を並べるというようなことがありますならば、これは容易ならぬことだ、のみならずこれはあなたも御記憶がありましょう。先ほど小木専門員が説明されましたように、科学捜査のことからこの鉄道公安官の問題が出て来た、鉄道職員から公安官を出すならば、いわゆる鉄道に関する技術に詳しいから、従って技術的に科学的に犯罪捜査に貢献するところ多大であろうということが、一般の司法警察官と別に、鉄道職員から司法警察権を行使する者を出した一つの理由であり、いま一つはなお労働組合その他の現地で働いている人たちの仲間から司法警察権を持つ者が出るのであるから、この鉄道公安官がこれらの現地に働く人たちの協力を得て犯罪の検挙に非常にいい働きをするであろうことが第二の特長としてこれができ上った。これをあなたは思い出していただきたい。現場においていきなり外部から一般の警察官が飛び込んで来るよりも、しょつちゆう顔を合せている仲間から出した特殊の技能を持っておる職員に司法権を持たした方が、鉄道に関する特殊な犯罪の検挙には科学的にしてしかも合理的な捜査が行われるということが、この鉄道公安官なるものを特別につくり出したところの法の根本精神だ、これをあなたは思い出していただきたい。そういう線から鉄道公安官の性格というものが規制されて来るのであります。しかしあなたは、現在法律はできてしまったし、今やはり国有鉄道の役人でいらっしゃるから、お歴々の前でちよつと困難か知りませんが、それはあなた勇気をもって育っていただきたい。そうでなければわれわれが賛成する道理がありません。私どもは双手をあげてこれに賛成して、極力この法律の成立に尽力した一人であることはあなたもお認めくださることだと思う。そうすると今日私どもが立つ瀬がなくなる。そこで今申しました諸点についてあなたの忌憚なき御意見を承りたいと存じます。
○調所説明員 猪俣委員の御質問に対してお答え申し上げます。第一の点につきましては、大分期間もたちますので、相当記憶を失っておりまして、正確なお答えを申し上げることはできないかと存じますが、先ほど小木専門員よりもいろいろ当時の事情についてお話がございましたように、国鉄部内におきましてその当時非常に重要な犯罪が多数集団的に、また輸送知識を利用する大規模な悪質知能犯が続出しておりました。それまでの鉄道公安職員として応急措置法による単なる現行犯だけの権限では、鉄道輸送を全うすることができないというような緊急な場合に逢着しておったわけであります。たまたまそれ以前にも政府提案として法律案が出されたことがあったのですが、何を申しましても、鉄道の犯罪に関する関係は、政府の各機関、省に関係することが非常に多いわけであります。かたがた当時は駐留軍の占領下でありまして、しかも駐留軍の関係におきましても、各セクションがみなそれぞれ関係があるというようなことで、当時政府提案といたしましても、その審議に非常に時間を要する、うっかりしますと一年、二年を要するというような状態、しかも緊急な状態にありまして、幸いといいますか、当時衆議院の法務委員会におかれましても、科学捜再の見地からいろいろそういう点について御研究をされておられた。それで法務委員会の非常な御努力によりまして議員立法としてこの法律が出されまして、二十五年の七月に成立したようなわけであります。 それから国家警察との関係につきまして、何かいろいろ苦心談について申し述べろというようなお話でございましたが、当時のいろいろな点につきましてすでに記憶も失っております。この鉄道の特有の犯罪につきましては、非常にこまかいものが集まって大きな犯罪になるわけでございます。もちろん国家警察あるいは自治体警察にありましては非常な協力を得ておったわけでございまするが、何と申しましても特殊な知識を要する問題が多く、しかも大きな何千万円もする当時の荷物、あるいは特殊な凶悪的な列車に対するいろいろな妨害の犯罪等につきまして一向検挙の実績が上らない。鉄道輸送のサービスの全きを期して国民に仕えるという点から見ますと、とうていその責任を全うすることができない状態でありまして、そういう意味からやはり鉄道公安職員が相当活躍する素地ができておったわけであります。これにさらに権限を与えまして十分なる輸送の安全を全うするという意味から、この権限の拡張につきまして非常な御尽力を願ったわけであります。もちろん警察との関係につきましてはその後国家警察と協力を結びまして、しかもこの法律にはお互いに協力をするという一条が入っております。相互の協定を結びまして、その後は非常にスムースに警察と鉄道公安職員とが相協力して、鉄道犯罪の撲滅に大いに成果を発揮することができた次第でございます。 それから最後にお話がございました点は、先ほど小木専門員からもお話がございましたが、これはもちろん当時といたしましては、提案理由にもございますように、主たる目的は輸送に関する犯罪ということを目的としておったわけでございます。ただ鉄道施設内におけるもろもろの犯罪は、単に荷物とかあるいは旅客に対する犯罪であるとか、また鉄道の器物あるいは輸送を妨害するような列車妨害の犯罪も多数あったわけでございます。それで先ほどお話がございましたか、実際のこの鉄道公安職員の犯罪の捜査権の問題につきまして、ただいまご質問のような特に労働争議の場合において、これに関しまして鉄道犯罪があった場合にこの権限を制限するような申合せとかあるいはお話はなかったように私の記憶するところでは存じておるわけであります。それでやはり鉄道施設内あるいは列車内あるいは停車場におきまして暴行傷害あるいは公務執行妨害というようなものが生じまして、しかもこれが輸送を杜絶しまして、そのために多数の旅客や貨物というようなものを数時間も数日間も阻害する、ひいては国の大きな経済面に支障を来すというような場合、こういうものかかりにあったといたしましても、あるいは労働問題に関係しておったといたしましても、その個々の行為としましてすでにもう多数の職員が暴行あるいは傷を受けたというような場合には、もはやこれは労働問題の域をすっかり脱したものではないかと存じておるわけであります。当時私は三箇年保安局長の任にございましたが、その当時は鉄道職員の労働争議もあるにはございましたが、その行為が国鉄の輸送の安全をはなはだしく阻害し、その行為が犯罪行為を発生する、そして鉄道公安職員の犯罪捜査権の行使が問題となるというようなことは、ほとんどなかったように記憶しておるわけであります。以上記憶をたどりましてたいへん漫然としたお答えでございまが、お答えいたします。
○猪俣委員 あなたの説明はさっぱりわけがわからぬ。私の三点につきまして何も答弁なさっておらぬ。はなはだ遺憾であります。ことにかんじんな労働争議の点なんかにつきましては、あのくらいあなたは私どもと約束されたのです。それは今小木専門員が育ったようにあなた方から十四だか十五の項目が出て来た際、中に正当な労働争議なんかには関係しない、これを弾圧するというようなことは絶対にないというような項目があったのを、こんなことはとんでもないことで、こんなことを書くことは頭の中に労働争議弾圧の頭があるからこんな項目を書いて来るのでとんでもないことだ、こんなものは当然過ぎるほど当然のことだということで委員会で削除してしまった。その当時労働争議に公安官が出て来るなんということは想像もしなかった。その点はそれではっきりわかっておるのだが、今それに対して何をおっしゃっているのだかさっぱりわからぬ。しかしあなたの立場もありますので、今その地位にあらざるあなたに対しまして過去のことをどうだこうだといって責めましても罪なことだと存じますが、由来役人とかあるいは鉄道職員とかいう方々の言うことはどうも信用がならぬ。われわれとあれだけ約束したことが今日あなたは証言さえできない。弱い立場においでになるかも存じませんが、はなはだ遺憾に存じます。しかしこれ以上あなたに言うてもむだだと思いますけれども、当時公安官制度を設けまするについてどんなに鉄道公安官というものは特殊な犯罪だけに限るものであるかを力説したか、あなたは良心に手をあててみればよくわかるはずである。そうして警察との調和をはかり、なお進駐軍から一般警察官の脱法的な増員ではないかということに対しても弁解をし、ほんとうの特殊のものだということになっていた。それを労働争議に対して一般の司法警察官さえ遠慮しておる今日、かかる特殊な内容を持ちます公安官がピケの先頭に立つとは何事だ。いわんや鶴見において行われたごとく、鉄道公女官が労組の先まわりをしてピケを張つている。そういうような行動をやるなんということは想像もしなかったことです。またそういうことをやれば、鉄道公安官なる特殊な制度を設けたことは、趣旨の大半がなくなる。先ほど言ったように、特殊の技能があるということと、いわゆる現場に働く人たちの協力を得るということ、その精神に基いて、協力を得るという意味において、鉄道の職員から司法警察権を持つ者を出した方が、犯罪の捜査には有利であるという見解だった。しかるにその協力を得べき鉄道労組員と敵味方になるというようなことになりましたならば、これはこの法律を設けましたる大半の特色は失われたことでありまするがゆえに、われわれはこの廃止の法律を考えなければならぬ。もう意味がなくなって来る。そうしてその同じ仲間から出た公安官と労組員とが、現場において血みどろの対立をするようなことに相なった際にどういうことになるか。これは想像するだにたいへんだ。かようなことがあってはいけないから、念には念を入れたはずなんだ。そんなことは一般の司法警察官にまかすべきだ。一般の司法警察でも、この労働組合のピケなんというものに対しては、今までおっかなびっくりであった。今度労働大臣の通牒が出て大いに勢い込んで来ております。しかしこれさえ私どもは違法なことだと考える。いわんや鉄道公安官がこういう方向に興味を持つなんということはとんでもない。おそらく鉄道犯罪なんというものは非常に減ったのではないかと私は思う。そこでエネルギーが過剰になって、こういう労働運動なんというものに顔を出して来たのじゃないかと思います。この統計からいうと相当にあるように出ておる。またこれが相当出ておることが事実だとするならば、ほかの方に手出しするひまがない。もっと一生懸命に本来の商売をやるべきだ。いずれにしてもひまがあるか、またひまがないほど件数が多いならば、なぜそんなおせっかいをするか。同じ仲間のピケ張つているなんということにおせっかいを出さぬ方がいい。出した結果は捜査の方面を渋滞せしめるのみならず、これは鉄道構内の治安維持上非常にまずいことに相なります。これはあなた方よくお考えになればわかることだ。同じ仲間から出た公安官と労組というものが対立したら一体どういうことになりますか。これはお考えになればわかるはずだ。しかしこれ以上あなたを責めても答弁ができないと思います。 そこで私は今度は指揮命令系統につきまして、運輸省及び法務省、警察庁長官等にお尋ねいたします。この鉄道公安官の指揮権は一体だれが持っておるのですそれを御説明願いたい。これは運輸省の局長、あなたから御説明願いたい。
○植田説明員 お尋ねの指揮命令権でございますが、この法律に「捜査に関する職務は、運輸大臣が監督する。」とございます。ございますが、ここに申します監督といいますのは一般的な監督でございまして、いわゆる公安官に対する指揮、個々の各件につきましての指揮は含んでおらない、かように考えておるわけであります。
○猪俣委員 しからば公安官に対する指揮権はだれが持っておるのですか。これは鉄道公安本部長にお尋ねいたします。
○久留説明員 ちよつと前置きに職務内容を御説明申し上げます。そうしないとちよつと指揮権の点について誤解を招くおそれがありますので申し上げます。鉄道公安職員は、先ほどの御説明からも想像できるかと思いますが、すでに昭和二十二年の四月から発足したのでありまして、国鉄職員にして、鉄道部内における輸送秩序の確保になり、あるいは一般的な地域内における警備あるいは荷物事故の防止といったような施設、地域内における秩序の維持を中心にいたしました任務を持っておったのであります。その当時は当然国鉄職員でございますし、部内の数百種の職種と同様に、法律を要する事項を除きましては、管理者といたしまして、施設地域内の秩序維持あるいは営業的な運輸的な事故の防止等の活動に当りますることは、当然総裁として国鉄職員に命令することができますので、司法警察権を付与せられるに至るまでは、通常の業務組織のもとに命令が行われるのであります。そこで昭和二十五年の八月に衆議院の御提案によりまする法律二百四十一号では特にこの法律の第一条におきまして、鉄道施設内におきまして公安維持に専従しておる職員があるということを前提として認められ、そのものに対しまして列車、停車場その他鉄道施設におきまする犯罪並びに運輸に対する犯罪につきまして、犯罪捜査の権限を付与したのであります。そこで先ほど申しました、国有鉄道職員として、法令に反しない範囲におきまして、当然施設の管理事項といたしましてやりまする警備活動なり、営業事故防止活動なり、施設の警備活動というようなものは、先ほど申しましたように本来の業務組織、すなわち総裁を頂点といたしまして管理局長、それから現場長に至る、こういう本来の業務組織によるのでございます。二百四十一号によりまする犯罪の捜査、これの職務につきましては、ただいま申し上げました二百四十一号の第六条によりまして運輸大臣が監督をされる、こういうことになっております。なおその運輸大臣の監督の点につきましては、同じく二十五年の九月に運輸省告示が出ておるのでございます。それによりますると、運輸大臣は鉄道公安本部長を監督する、それから鉄道公安本部長は鉄道公安部長を指揮監督する、そして鉄道公安部長は鉄道公文部の支部というものを置くことができるということ、並びに鉄道公安部というものはどういうものであるかということが別表に出ておるのであります。すなわち鉄道公安部長というものは全国七つであったと思うのでありますが、管理局の公安の主管課長、それからそれ以外の管理局の主管課長あるいは管理局におきまして公安事務の衝に当りまする鉄道局営業部総務課長等が公安支部長ということに指名されたのであります。従いましてこの犯罪の捜査の職務につきましては、法律上は運輸大臣が監督するということになっておるのでありまするが、鉄道部内におきましては、ただいまの告示によりまして鉄道公安本部長が運輸大臣の監督のもとに鉄道公安部長たる公安課長を指揮監督する。それから鉄道公安部長は鉄道公安支部長たるその他の課長を指揮監督する、こういうふうに、最初に申し上げました本来の鉄道職員の通常の業務組織とは異なった組織ということに告示では表わされておるのであります。
○猪俣委員 そうすると、今あなたがおっしゃった鉄道公安職員の捜査及び鉄道司法警察の組織に関する告示の三条によると、本部長が公安部長を指揮監督する。ところが本部長の上の運輸大臣はただ監督する。それで局長の話によると、その監督というものも何だか漠としたものである。普通の監督とは何か違う。ただ形式的なもののように聞える。そうすると、全国の公安官というものを指揮し、これを監督する第一次の責任者はこの公安本部長ということになりますが、そういうことになりますか。
○久留説明員 先ほど申し上げましたように、非常に御理解の行くような説明ができないので残念でございますが、どうしても二つにわけて考えなければならない。二十二年からずっと依然としてあった公安職員の職務、すなわち極端な例を申しますと、守衛的な、警備的な、あるいは普通の事務員、事故防止に権力なりあるいは相手方に義務を課さない、こういう営業事故の防止、こういうような任務は、総裁といたしまして部内の職員において適切なるものを付与する。これは他の所長なり駅長に対する職務の区分並びにその服務内容を定めることと同様であるということであります。しかし犯罪の捜査――おそらく本日は犯罪の捜査の問題と思うのでございますが、犯罪捜査につきましては、先ほど申したことと、それから申し落したのでございますが、一たびこの犯罪捜査の資格、捜査する職権というものを与えられますると、司法警察職員もしくは司法警察職員に相当する職務を行うものという公の資格者になるわけでございます。従いまして、それとまた第二百四十一号に捜査に関する刑事訴訟法の準用がございますので、一般の司法警察職員ないしは特別司法警察職員と同様に、捜査につきましては刑事訴訟法の規定が私の方には準用されますので、刑訴の個々の司法警察職員たる者は、犯罪がある場合に――これは百八十九条二項でございますが、個々の職員としても犯罪につきまして、発生したということでありますれば、だれからの指揮を受けなくとも一応現行犯を逮捕するということができるのでございます。なおまた刑訴百九十三条でございますが、検察官の司法警察職員に対する関係を規定した条項がございますが、検察官におかれての一般的な指示その他同条項に書いておりまする要件にかなう指示というものにつきましては、私どもは司法警察職員たる身分におきましてこれに従うのは当然でございます。それで今回各地におきまして不幸な事態が出たのでございまするが、それはいずれも暴行なり障害なりあるいは公務執行妨害なり、こういうような型でありまして、それに対しまして現地におきまする公安職員の上席者、あるいはたまたまそこにおった公安職員であっても、これはその当時における状況としては現行犯として逮捕し得るし、また逮捕の手続が、犯罪が成立しておる以上はできるのであります。
○猪俣委員 あなたは、一般の職員の職階制による指揮命令なんていうことを私は聞いておるのではないので、そういうことをごっちゃに説明されるとわけがわからぬ。いわゆるこの鉄道公安官と称する特別に司法警察権を持たせた人たちに対する指揮命令のことを言っている。運輸省設置法の四条を見れば、運輸大臣が監督するということだけ書いてあって、指揮ということは書いてない。ところが鉄道公安職員の捜査及び鉄道司法警察の組織に関する運輸省の告示を見ると、その三条に運輸大臣は監督し、本部長が公安部長を指揮監督する、こうなっておるから、結局いわゆる刑事訴訟法の百八十九条なんというものは問題じゃないのですよ。そんな問題じゃないのだ。指揮命令系統を聞いておるのです。この指揮命令系統の最高の指揮官はいわゆる公安本部長という国有鉄道の役員なのであるか、それをお尋ねしておる。あなたはそうならそうとおっしゃればそれでいいので、長い説明はいらぬのです。長い説明は法務委員はみな十分知っておるのだ。いわゆる全国の公安部長を指揮命令する最高の責任は何人にありや、それで答弁してくれればいいのです。
○久留説明員 司法警察職員ないしは特別司法警察職員――私どもの方では司法警察職員に相当する職務を行うものという表現でお扱いを受けておるとうのでありまして、運輸大臣の監督に服しておるのでございますが、そのような司法警察の職務を行うものとしての上下の命令関係というものにつきましては、私が先ほど申し上げました通りでございまするが、これはわれわれのみならず、広く一般の特別司法警察職員の上下関係、指揮命令関係、こういうようなものについての法務省の御見解を聞かれるようにお願いしたいと思います。
○猪俣委員 しっかり答弁しなさい。この鉄道公安職員の捜査及び鉄道司法警察の組織に関する告示の第三条に、公安本部長は公安部長を指揮監督するという規定があるのだ。だからこの規定通り全国の公安部長なるものは、いわゆる本部長たるあなたが指揮監督するのかどうか、これを聞いておるのだが、そんなことを言ったってわけがわからぬ。この文言通り解釈をすればあなたは指揮監督する。ところが運輸省設置法の四条によれば運輸大臣が監督するという。この監督の内容というのをもう一ぺんあなたはおっしゃってください。どういうことを監督するのか。いやしくも司法権を持っている、捜査権を持っている人のいわゆる指揮命令系統です。これをはっきりさせなければ人権蹂躙が起る。そこで聞いている。捜査権というのは刑罰請求権から出ているのです。国政機関にあらざる者が指揮命令をするような捜査権というものが一体あるのであるかどうか。あるとすればそれは特殊のものでなければならない。もう指揮命令系統からも公安官の性格、特徴というものは出て来ているじゃないですか。一体国有鉄道の公安本部長というものはどういう資格の人ですか。国家の公務員ですか。刑罰請求権から出ておるところの捜査権、引致権、そういうものを一体公安企業体の職員が指揮監督をするのですか。だから、ぼくはこれは運輸大臣でなければならぬと思っている。そこで、あなたにその監督というものの内容を聞くのです。そのように答弁してください。
○植田説明員 公安企業体の職務に、特別に、この法律によりまして捜査権が与えられておるということは申すまでもないことであります。運輸大臣が監督するその監督の内容につきましては、必ずしも明瞭ではございませんが、検察庁法におきまするところの法務大臣と検事総長との関係におきましても、いわゆる監督ということと指揮ということとが使いわけがございまして、監督とはどういうものであるか、指揮とはどういうものであるか、これは必ずしも明確ではないと思いますが、少くとも監督という言葉には、いわゆる指揮というものは入らないのじゃないか。従いまして、個々の件についてのいわゆる指揮権というものは入らない、全般的ないわゆる監督である、かように考えておるわけであります。
○猪俣委員 個々についての指揮は入らない。全般的な監督だ。それも何だかわからぬ。個々の監督、全般の監督、個々の指揮、全般の指揮、そうわけられて、全般の監督はやるが個々の指揮はやらぬというのは、どういう意味だかわからない。個々の指揮をしないものが、全般の監督をどうして負うのです。そういう不明確な指揮命令系統で国家の刑罰権を行使せられては困る。そこでこの鉄道公安官に関する法律というものの制定事項が非常に大事になって来るのです。なぜこういう特殊なものができて来たか、立法目的が大事になって来るので、さっきから立案者であるわれわれが説明をしているのです。あなた方はそれに服さぬからいけない。われわれは、そんなストライキを弾圧するようなことのために法律をつくったのじゃない。なおこれは法務省も出ていますから、はっきりさせていただきたい。たとえば捜査機関というものには、検察官、検査事務官があります。司法警察職員がある。これは本筋だ。その司法検察職員の中に、一般司法警察職員と特別司法警察職員がある。これは申すまでもない。ところがこの特別司法警察職員のうちの、麻薬取締法とか海上保安庁法とかいうものの中には、麻薬取締りに関する官憲、あるいは海上保安庁の官憲、みんな指揮監督するとある。そういう責任者があるのです。その責任者が指揮し、監督する。海上保安庁は海上保安庁の長が指揮監督するとなっています。麻薬取締りの方もそうです。ただ鉄道公安官に関しては、運輸省設置法を見ても、ただ監督とだけなっておって、鉄道の中の告示みたいなもので、本部長が全国の公安部長を指揮監督するというようなことが書いてあるだけです。そこでこれははっきりしないのだ。久留さんは一体いかなる権限に基いて指揮監督するのであるか。法律的根拠がないじゃないですか。運輸大臣がやるというならばまだわかる。一体こんなあいまいなことで労働争議なんか弾圧する指揮をされては、たまったものじゃない。指揮命令系統を明らかにしてもらわなければいかぬ。いやしくも人権に関することです。憲法の労働基本権に関する問題、それと関連のある機能を発揮せんとする場合において、その指揮命令系統もはっきりしない。国家公務員でも何でもないものが指揮命令しておる。そんなばかな話はないと思う。久留さんは本部長であるとともに鉄道公安官でありますか。
○久留説明員 鉄道公安職員として指名を受けております。
○猪俣委員 それからもう一つ、指揮命令系統で、刑事訴訟法の百九十三条、いわゆる検察庁との関係であります。先ほど私どもは鉄道へ参りまして、天坊副総裁、それにここにいられる久留さんにもお目にかかりましてあれしたら、どうも自分たち鉄道公安官がまごまごしていると、検察庁や警察から何ぐずぐずしているのだと言われる、こういうことを言われたのです。そこで井本さんにお尋ねいたしますが、一体検察庁では鉄道公安官に指揮命令したことがありやいなや。
○井本政府委員 今回各地に起きておりまするストライキの関係事件について指揮命令をしたという報告は受けておりません。但し、刑事訴訟法の百九十三条によれば、場合によつては指揮命令することもあり得るということは申し上げます。
○猪俣委員 この百九十三条もそういうことになると、公安官との問題になりまするといろいろめんどうな問題がある。しかしきょうは時間がありませんから、あなたも研究してください、私どもももっとこれを研究します。研究する問題がたくさんある鉄道公安官と検察官の指揮命令権――この百九十三条なるものがはなはだあいまいな規定なんだ、一般的指示をするとかなんとかいう文句でもってあいまいです。鉄道公安官に対して検事がいかなる指揮権があるかということが問題であります。問題でありますが、まだ今まで指揮命令したことがないといりことだけ承っておきます。 ときに、警察庁長官でありますあなたの方は、いかなる権限をもって指揮命令するのですか、あるいは協力するのですか、それを明らかにしてもらいたい。
○斎藤説明員 警察は、鉄道公安官を指揮命令するということは絶対にございません。お互いに捜査については協力し合いますけれども、指揮命令の関係に立つというようなことは絶対にございません。
○猪俣委員 それでわかりました。
○井本政府委員 ちよつと私の言葉が足りなかったので、誤解があるといけませんから申し添えますが、ただいま各地に発生しておりまするストライキの関係の違法事件について指揮をしたという報告は聞いていないので、一般的な犯罪事件につきましては、この百九十三条で、検察官が鉄道公安官や司法警察職員に対して命令をしておるということはたびたび例がございます。
○猪俣委員 その、検察官が鉄道公安官に一般的指揮をしたというのは、百九十三条の第何項に当るのですか。
○井本政府委員 百九十三条の一項の一般的指示ですか、それから二項が一般的指揮。三項が、御承知の通り、普通の具体的事件の指揮でございます。
○猪俣委員 そこで、今お尋ねした鉄道公安官に対して、実際上この百九十三条を発動して指揮なされたことはないと承るのですが、あるのですか。
○井本政府委員 具体的事件につきまして、犯罪を検挙して検察官の方に渡すというような場合に、なお捜査が足りないというような場合には、この点を調べてほしいというような指揮をすることは間々あるように聞いております。
○猪俣委員 そうすると、今回の労働争議に対し、国鉄の不穏なる形勢に対して、鉄道公安官に活動を指示したようなことはないと承ってよろしいか。
○井本政府委員 今まで、指揮をしたということは報告を受けておりません。
○猪俣委員 なお、ただいま問題になった運輸省設置法第四条には、運輸大臣はただ監督ということになっている。ところが、鉄道内部の告示みたいなもので本部長というものがあって、それが公安部長なるものを指揮監督する、こういうことになっておる。ほかの麻薬取締法、海上保安庁その他のこういう特殊なる司法職員の地位を規定いたしましたもの、あるいは労働基準監督官、こういうものには必ず指揮、監督ということがついておる。ところがこの運輸省設置法だけは監督であり、また告示にも運輸大臣はただ監督となって、指揮監督というのは本部長というものの職務になっておる。この辺がはなはだわからぬのであるが、それは百八十九条であるとするならば、個々の公安官が――それは久留さんにしても公安官であるから百八十九条の適用はありましょう。しかしいわゆる検事一体の原則のように、上から下までずっと組織化された本来的な捜査機構というものになっていないわけなんです。これはあなたに聞いたってわからぬかもしれぬ。ぼくらがそういう意味で法律をつくったんだから、あなたに聞くのは逆かもしれぬが、ここにその特色がある。一般の犯罪ではない荷物の抜取りなんという列車内に起るようなものだけに限る意味において、こういうものができている。それを公安本部長といういかめしい名前をつけて、全国の公安官を指揮監督するというような権限は一体どこから出て来るか。そして労働争議にこれを動員して、敵と対決するなんということは大それたことです。生みの親はそんなことは承知しておらぬ。不肖の子と申さなければならぬ。どこからそんな権限があなたにできたか。あなたは実際は指揮監督しているだろうと思うのだが、そんな権限は運輸省がかつてに告示で出しておるだけで、法律に根拠がない。指揮監督という根拠を置かぬところに公安官の性格が浮び出ておる。あなたはそれに対してどう思いますか。
○久留説明員 先ほどの告示は国鉄だけの告示のようでございますが、これは運輸省の告示でございます。 それからその告示によりますれば、私は職務管轄に属しまする犯罪の捜査の面については指揮監督するということになっておるのでございます。これは、先ほど申しました別表に公安部とか公安部長とかいう事務所の配置がございまするが、公安部、公安支部の所在地が高等検察庁所在地になっております。これは、全国的に捜査について指揮をされるという場合、先ほどの刑事訴訟法による検察官の指揮なり指示のある場合のこちらとしての受け方、流し方のためのものであります。このたび各地で起きた犯罪につきましては、これはその場その場における司法警察職員の行動であり、逮捕を指揮するとかということは私はやっておりません。ただ先ほど冒頭に御説明申し上げました、鉄道として固有の職務、法律事項を要しない職務といたしまして警備をする夜番あるいは倉庫番的なもの、あるいは荷物事故防止とか、あるいは旋律の誘導であるとか、あるいは法に触れない範囲におきまする防犯行動というようなことは、これは明治五年営業開始以来、専従職員こそおりませんが、鉄道警備員がやっておったことであります。この非法律的と申しますか、権限として必ずしも法律によらぬ、あるいは常業法に基く鉄道警備員としての営造物の管理的な行為、こういうものにつきましては、先ほども申しましたように、鉄道固有の組織に従うのでございます。たとえば今回のごとく組合の闘争指令により多数の組合職員が代替配置要員に対してその意に反して引きずりおろす、あるいは信号機の取扱いに従事しておる者を暴力をもってもこれを引出そう、こういうおそれのあるような場合に、営造物管理、あるいは国有鉄道総裁として、組合活動というのではなく、こういう施設管理者の業務的な指示に従わず、また犯罪の――犯罪というか阻害事実のおそれがあるという場合に、こういう施設管理者としての警備活動――平生のプラットホームの警備とか、トンネルの警備からそれらの点に重点が行くということ、警備の重点を法令に反しない程度において運営を妨げることのないようにする処置を、管理者として、総裁として本来の業務組織に従って命令する場合があるのだろうと思います。そのことを第一の固有の仕事について申し上げたのでございます。従いましてただいまのような場合に、そういう警備的な活動に対して総裁がはっきりとした指令はもちろん出しておりませんが、所在の管理局長あるいは管理局長の補助者が公安職員に対して、司法警察職員としてでなく、公安職員としての警備に重点を置いて、本来の業務組織の権限者が要請もし、また指揮をしたということはあったと思います。
○猪俣委員 あなたの考え方は混迷している。私どもは本来の職階制による鉄道職員を総裁が動かすことを何も問題にしておるのではない。その本来の職員の中から法律の規定によって法務大臣と運輸大臣が会議の上国鉄総裁が任命するという非常に厳重な任命方式によって鉄道公安官ができている。そういう特殊な国家の権能を付与したものを、そういう司法警察権を持っておらざる一般の職員と同じような意味で総裁は使ってはいけないということが私の質問なんだ。そういう意味で言って来たんではないんだ。あなたの方は鉄道公安官かもしれぬが、本来は鉄道の職員であるから、国有鉄道総裁がかつてに使っていい、こういう見地に立つている。そうなると国有鉄道の私兵になる。司法警察権を持った鉄道公安官を国有鉄道総裁は動かすことができる。これは警察庁長官と同じような地位に立ってしまう。こういう司法警察権を持ったような長官がたくさんできるということは困るんだ。いわんや国家機関にあらざる国有鉄道――公共営造物かもしれぬが、その総裁がいわゆる刑罰請求権の一つである捜査権を持っている鉄道公女官をかつてに指揮命令するということは困る。これは大体刑罰権の本質から違っている。それだから法律は監督という言葉だけで、指揮という言葉は置いてない。しかも今鉄道監督局長の説明によれば、その監督もはっきりしていない。漠とした監督で、個々の監督はしないというようなことを言っている。要するに、人権蹂躙に最も関係の深いこの司法警察権を行使するものの最高の責任者がきまらないということ、国会に対してだれが責任を負うか。国会に対して責任を負わざるものが国家司法権の捜査権を行使するということは、国家の刑罰権の系統を乱すものです。それは公安官かもしれぬが、元をただせば鉄道職員で、鉄道職員ならば、鉄道職員の規定があるから、その規定で総裁が動かすのだ、あなたはいつもその答弁をやるのだ。そんな便宜の解釈をされてはたまったものではない。ピストルを持つているのだ。これはやはりずっと国家の刑罰請求権の行使の機構の中に考慮しなければならぬのです。一国有鉄道の総裁がかような権限を行使するということは、国家の刑罰権の本体を乱すものです。その意味であなたの考え方というものは根本的に間違っている。鉄道職員とした場合と、その職員の中から法務大臣と運輸大臣が協議をして、そうして国有鉄道の総裁が任命するというような選抜をして、特殊な、ピストルを持たしておる人間を、国家機関にもあらざる国有鉄道の総裁が指揮命令する、そういうことがあり得ないから、法律がそういうことを書いてない、それをあなた方がかつてにそういうふうに解釈しておる。だから鉄道職員、一般職員をどこに配置なさろうが、それはあなた方のかつてであるが、あのピストルを持っておる人間だけは、これはそうしちゃいかぬ。そんな道理はあなたはわからぬ道理はないではないか。それをごっちゃに説明していては際限もないことだ。そこで結局においてこの法律というものは、特殊の法律なんだ。列車の中に起った犯罪だけということのためにそういう一般の犯罪の刑罰請求権のような取扱いをしないことが、ここに法律の中に現われている。それをあなた方がかつてに公安本部長という名前によって全国に指揮命令するなんということをやらかしておる。そこに問題が出ておる。そうすれば、一体この現地において個々の公安官がやった行為に対して、だれが一体国会に責任を負うのです。これは運輸大臣にお開きします。公安官の人権侵害に対する最高の責任者は何人であるか、それをお伺いします。運輸大臣が来ておらぬから、運輸省から来ていらっしゃる局長さんに……。
○植田説明員 公安職員が法律の規定に基きまして行動すべきものでありますことは、言うまでもございません。それにつきましてこの法律の規定を逸脱したとかなんというような問題につきましては、もちろん運輸大臣はその処置といたしましては指名を取消すという処置をとりまして、監督の責任を明らかにする、かように考えております。
○小林委員長 猪俣君、大分時間がたちまして、質問者が多いですから、なるべくひとつお進めを願います。
○猪俣委員 それならば私はこれでやめます。
○佐瀬委員 時間の関係がありますから、関連して一、二の点だけ伺っておきます。われわれ鉄道職員等に関する法律を、先ほど小木専門員から説明された通り議員立法といたしたのでございまして、もしその法律の適用の結果弊害が多いということであれば、猪俣君を含め、われわれも大いに責任を感じたければならぬのですが、そこでこの法律の適正な運用ということをわれわれは切に当局に期待するわけであります。この意味において若干ここに明らかにしておきたいと思いまするが、公安調査官の捜査の対象は一般犯罪と鉄道業務に関する犯罪と、大体かように類別はしておりまするけれども、その終局の目的は、鉄道の占める経済的、社会的の影響の大きいのにかんがみて、鉄道交通の秩序を維持する。そのために生ずる犯罪を科学的に、また特殊的な技能を持っておる鉄道公安官に捜査させるという意味において、そういう根本趣旨に基いてこの制度が生れたわけであります。そこで、いわゆる国鉄ストについて鉄道公安官が捜査の対象として取上げることができるかどうかということがここに問題となるわけでありますが、元来公共企業体等労働関係法十七条に基いて国鉄の従業員はストができないということになっております。もしストをすれば、それはその法の違反であるばかりでなく、やがては刑法上の業務妨害とか、そういったような、当然交通秩序の破壊をする一般犯罪ということにこれは転化するわけであります。従って公安官はそういう意味においては当然これは捜査の対象にでざる案件であります。私どもは、それを公安官諸君が運用の上においてどう扱われておるか、また将来どう扱うべきであるかということを、国鉄側と法務省側とに、検察関係の面からと、ひとつ方針をここで承っておきたいと思います。
○久留説明員 今次の、特に第三波以後の闘争につきまして、鉄道公安職員も、その闘争行為というものが争議権なしとされておりまする国鉄労組におきましてなされたのでありますが、個個の現象におきましてはそれぞれ暴行あるいは傷害、公務執行妨害と、犯罪構成要件を満たし、責任性のあるというものに対しては、先ほどお話のございましたように、地域内において犯罪には何らの除外もありませんし、法令に従いまして、他のいかなる職種あるいはいかなる身分の上下を問わないのと同様、刑事犯罪その他法律に違反した場合に捜査の職権を行使せざるを得ないというのが私どもの考えでございます。
○井本政府委員 お話の通り公共企業体等労働関係法十七条は、刑罰になっておりません。しかしながら、この許されざるストに関連いたしまして暴行、脅迫、傷害、公務執行妨害というような犯罪がありますれば、この鉄道公安職員の職務に関する法律の第一条の条件に当るものにつきましたは、鉄道公安職員の犯罪の検挙ということも当然あり得ると思いますし、われわれといたしましては、さような犯罪行為を招致いたしますれば、それについてはその犯罪に適応した処分方法をとりたいと考えている次第でございます。
○佐瀬委員 そこで捜査の問題でありますが、国鉄当局の説明の監督指揮の不明確さは、われわれもこれは認めるわけでありますが、元来鉄道公安官の仕事については国鉄が握っておる、身分については運輸省が握っておるという、二つの矛盾した、一貫せざるところからこの監督指揮という問題が出て来るのでありまして、先ほど指摘のような麻薬関係の厚生技官ですか、ああいうものの捜査権については、これは身分と仕事が厚生大臣のもとに統一されておるから、そういう問題は起らずに済むわけであります。そこで刑訴法百九十三条に基いて捜査の方の指揮命令は検察庁に移行するということになっておるのであって、私どもの解釈については、運輸大臣が公安官の犯罪捜査について指揮権を持つというふうに理解いたすことができないのであります。従って先ほど井本局長が言われたように、一般犯罪について鉄道公安官に指揮されることしばしばあるとはいうことでありましたが、これが当然であって、そういう国鉄ストがいわゆる遵法闘争とかいうものの域を突破して、そして先ほどの説明のように一般犯罪に繰り込まれるようなものをあえて犯すという場合には、当然検察の指揮系統に属すべきものとして、検察庁なりまた検察法に基いて法務大臣なりが一般指揮権を持つというふうにわれわれは考えるのであります。従って今まではなかったそうでありますけれども、将来はそういう点に対する検事総長なり、場合によればまた検察法に基いて法務大臣なりのそれに対する一般指揮ということはあり行るというふうに私は解釈するのでありますが、この点に対する法務当局の見解を承りたいと思います。
○井本政府委員 佐瀬さんの御見解と私は全然同じ考えでおります。
○小林委員長 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 まず公安本部長にお尋ねいたしたいと思います。あなたのお話によると、ピケの際に――あなたは逆ピケとかいう言葉をお使いになりましたが、この逆ピケというのは営造物管理すなわち警備とか守衛とかそういうようないわば国鉄管理の面からこれを行ったのである、こういうふうにお話になったが、その通りに解してよろしいでしょうか。
○久留説明員 逆ピケという言葉の使い方はあるいは不穏当であったかと思いますが、あらかじめ緊要な詰所その他業務機関に対しまして用のない者が入る形勢がある場合に、これを阻止し警備するという点は基本規定によりましてやったのでございます。
○多賀谷委員 それから犯罪の捜査の職務を付与するということは、具体的にはどういうようになされるのですか。
○久留説明員 これは単純なる国鉄職員であった者が三百四十一号で資格を認められ、その場合にその地域内における犯罪あるいは運転に対する犯罪について刑事訴訟法の捜査の職権が個々に与えられ為、そういう刑事訴訟法上の資格が付与せられる、こう解しております。
○多賀谷委員 それは一つの行為の間いつの時期に与えられるのですか。
○久留説明員 これは二百四十一号の一条に「日本国有鉄道の施設内において公安維持の職務を掌る日本国有鉄道の役員又は職員で、法務総裁と運輸大臣が協議をして定めるところに従い、日本国有鉄道総裁の推せんに基き運輸大臣が指名した者は、」とありますので、指名したときその資格が生じます。
○多賀谷委員 わかりました。要するに別に時間的にここからここまでがいわゆる総裁の業務内容による警備の任にあたる、ここからここまでが捜査であるということでなくて、同じ人間が二つの職務を持っておる、こういうように理解してよろしいわけですか。
○久留説明員 身分法上の地位といたしましては、公共企業体日本国有鉄道の役員もしくは職員である、そういう者のうち、先ほど申しました第一条の職権に従いまして、管轄区域に管轄職務の司法警察職員として職務を行う者としての資格が付与されておる、こういうように解しております。
○多賀谷委員 人間が違うのですか。ちょっとお尋ねしますが、一つ人間で二つの性格を持っているのでしょう。人間が違うのではないでしょう。
○久留説明員 同一人であります。同一人でそういう二つの機能を持っている。
○多賀谷委員 そういたしますと、これは二つのわらじをはいたばくち打ち岡つ引みたいなものです。労働争議ではありませんが、二つの紛争の形態で、スト権はなくても団体交渉権がある。そこで団体交渉権を行っているときに、いわば会社側の管理の職務に任じている男が、いよいよばくちで負けそうになると岡つ引になるというのと同じで、要するに逆ピケを張っている。あなた自体が逆ピケと言われた。逆ピケを張っておって、いよいよ衝突をして来る、そうすると今度は捜査権を発動して手錠をはめて行く、こういうことが一体許されますか。いやしくも同じ人間で、そして国家権力というのは争議に対しては不介入の原則が確立されているのに、その不介入の原則が確立されている国家権力を持つ司法職員が逆ピケと称して会社側の方に立つている。そのこと自体が悪いと私は言うのではない。民間あたりではあるいは守衛がピケ隊と衝突をしてやつさもつさすることはある。しかしこの場合は司法職員の性格を持つた者、その人間が逆ピケをやつて、そうしていよいよ負けそうになるといいますか、立場が困るとすぐに司法権を発動する。こういつたことは国家権力の介入にはなりませんか。これは労働省にお尋ねいたしたい。
○石黒説明員 お答え申し上げます。労働組合の正当な団体交渉につきましして、司法検察官あるいは鉄道公安職員が介入いたすということは、もとより詐されないことであると存じます。しかしながら、正当な団体行動権、労働組合の正当な行為の範囲を逸脱した行為につきましては、御承知の通り刑事上の免責もございませんし、犯罪に、刑法上の構成要件に該当いたします場合には、それを犯罪捜査の対象とされるということは当然であると考えております。
○多賀谷委員 そんなことを聞いているのではないのですよ。応じ人間が一方においては司法権の性格を持っている。そこでその人間が今度は会社の管理の間から労働組合と反対の立場においで反対の行為を行っておる。そうしてその反対の行為を行いながら、今度は司法権の権力を発動する。これはとにかく国家権力の介入ではないですか。そういう面がありましょう。
○石黒説明員 鉄道公安職員は先ほどから明らかにされておりますように、二軍の性格を持っているわけでございます。従いましてその機能に基いてそれぞれの機能をそれぞれ正当な範囲で発揮することは当然であると考えます。
○多賀谷委員 いやしくも一つの司法職員の性格を持っている者は、たとい平常時においてそういう性格を持っておっても、争議の場合には介入すべきではない。これはできないのです。平常においては特別な問題ですから、そういう性格を持っておっても、いやしくも国家権力を背景としておる者がピケに使われ、あるいは雇われて会社側の守衛になるということが許されますか。
○石黒説明員 たとえば労働組合の正当なデモのごときに対してそういうことをやることははなはだ穏当でないと考えますが、お話にございましたように、公労法によって禁止されておりまする争議行為をなす、あるいはその実効を確保するためのピケというものは、もちろん正当の範囲を逸脱しておるものでございます。そういうものに対しまして鉄連公安職員が、その職分を発揮する、それは当然であると考えます。
○多賀谷委員 あなたの前提は、違法争議であるからという一点で逃げられておりますが、その行為自体の場合は、違法争議であるかないかはっきりしないのですよ。そのこと自体がはっきりしていたいのに一方では待機しておるのです。まだ違法争議が起つたというのではなく、違法争議が起るか起らないかわからない。そういう可能性はあるかもしれないが、事案はまだ起つてないのです。しかも組合の方は生々堂々と全然静穏にやっておる。不穏な空気はないのに、逆ピケを張って待っている。逆ピケを張って待っているということは、二重の性格であって、いやその場合は警備の任に当つておるのだといっても、いやしくも国家権力を背景としておる同一人です。従ってそのこと自体は当然私は争議不介入あるいは紛争不介入の原則に反すると思いますがどうですか。
○石黒説明員 私ども今回の国鉄の職責のなしております行為及びこれに対する鉄道公安職員のなしました行為につきまして、大よその情報は受取っておりますが、きわめて正確、詳細なものはいまだつまびらかにしておりませんが、私どもの承知しておる限りにおきましては、暴行あるいは傷害という事犯が起つて、そこで公安職員がこれを逮捕するということをなしておるということでありますので、お話のごときことはないと思います。
○多賀谷委員 今の点に対する公安本部長の考え方をお尋ねしたい。
○久留説明員 先ほど申しましたことと同じでございますが、ただいまの御見解の通りでございます。今次の闘争におきまして、ある見方をもっていたしますれば、正々堂々と闘争部隊としての統制はとられておられましようとも、この正々と統制をとられたその仕事が、代務として列車に乗務しなければ列車を出発せしめ得ないという車掌の乗車を阻害し、信号所におきまして信号てこを扱わなければならない。また扱おうとしておる職員を無理やりにひっぱり出す。いかに統制的に行われようとも、暴行なり損害なりそういった事犯の発生に対しては、これは法に照し、犯罪の成立する限り職権を行わざるを得なかったのであります。
○多賀谷委員 犯罪が行われたのなら別ですが、犯罪は行われていないのですよ。暴行、傷害といいましても、それは衝突したから暴行が行われた、傷害が起つたのです。公安職員が出なければ起らなかったのです。公安職員が出て行つたのは、これは会社の、要するに国鉄の管理機構から出ておる、営造物あるいはその他の防御のためあるいは警備のための守衛的役割だと言っておる。その守衛的役割を演ずる人と組合とが衝突して、そうして行われた行為です。一方公安職員というのは犯罪を誘致した方の側に立っておるわけですよ。自分が犯罪を誘致した側に立って、あるいは挑発したかもしれません。少くとも公安職員が出なければ行われなかったのであろう犯罪です。あなたの言う犯罪は、列車がとまるという犯罪じゃないでしよう。暴行とか傷害でしょう。公務執行妨害でしょう。これは列車がとまるという事態じゃないのです。人間と人間との衝突ですから、列車がとまるという事態とは違うのです。ところが捜査権を発動するというのは泰行傷害でしょう。暴行傷害が起るその相手方が公安職員である、こういったべらぼうな話がありますか。だれがお聞きになってもわかると思う。公安職員が出なければ暴行傷害の事態は起らなかった。そこで普通の場合あるいは会社側の守衛と組合側が衝突してそこに何か事件が起つてここへ出て来るということはわかる。ところが守衛と警察官の両方の役目を兼ねておる。これこそ私は司法職員であるという権限を濫用しての話である、かように考えますが、どうですか。
○久留説明員 今次の闘争におきまして、職制を麻酔し、あるいは輸送を阻害するという意図をもちまして、業務遂行の確保上不必要な、その地点におきまする構内の管理者の再三再四にわたる警告、そして説得にかかわらず数百名の集団が入るということ、操車場等の施設内におきましてその行為をすること、これは明らかに阻害せんとする意思のあることが客観的に明瞭であります。のみならずそれ以前の闘争におきましても、何かと輸送を阻害する、組合員あるいは非組合員等による乗務員に対して威力を振い、そして代務的な仕事の遂行を阻害したという実績が多いのであります。従いましてそのような運転機能の阻害されるような緊要な個所あるいは人員、あるいは組織に対する警備をしておったのであります。今のお話で、通常の団体交渉その他組合活動の場合に何か積極的に介入しているようなお話でありますが、そのようなことはありません。
○多賀谷委員 それは建造物侵入とかあるいは業務妨害でひっぱるというのならまだ少しはわかる。全然公安官がいなくてもそういう事態が起るかもしれない。ところが公安官が出たために起つておることですが、あなたには暴行傷害公務執行妨害と言われる。公務執行妨害というのは列車がとまることですか。
○久留説明員 信号機を取扱わなければならない職員の職務を妨害するというような場合にも、公務執行妨害が成立いたすと思うのであります。その意味におきまして、たとえば新潟管理局におきまする某駅信号所等におきまして、代務配置の、信号所に詰めておりました職員を無理やりにけ落したという事犯については、暴行傷害及び公務執行妨害の容疑で逮捕いたし、警察官に引致をいたしたということを聞いております。
○多賀谷委員 国鉄は公社でしよう。国鉄の業務は公務ですか。
○久留説明員 日本国有鉄道第三十四条一項でございます。
○多賀谷委員 どうも根本的な二つの性格を持ったものが一方の方を隠しながら一つだけ有利な方を行い、他の場合には一つの面を隠して有利な面だけを行う、こういうことは国家権力を背景にし、刑罰請求権から出ておる捜査権を背景にしておるものがすべき行為ではないと思う。私はこの点はさらに今後研究し、追究して行きたい、かように考えまして質問を終ります。
○古屋(貞)委員 関連ですが、今の点がはっきりしないのです。今多賀谷委員から質問しておりますのは、一応国鉄の職員が団体交渉をしたり、あるいは団体交渉をするために行進をするような場合に、反対ピケと称して公安職員が反対の立場に立っておりまする場合に、二つの使いわけをする場合が労働千歳の介入ではないか、こういう質問の趣旨なんです。その点の答弁が出ていない。だからいわゆる同一人であつて国鉄職員の資格と、公安職員という二つの資格を持っておるのだ。一応国鉄職員として、労働組合の諸君が団体交渉をするのに行進をして来た、その場合にこれに対して対応する立場に立っておったのだが、今度は使いわけをして、その行進について自己の判断に基いて、あれは労働争議の逸脱行為であるからというて司法権を発動するということが行われておるのだが、この点については、使いわけをするということについて一方においては労働争議の介入であると考えるが、どうかという質問です。その場合どうなんです。
○久留説明員 私は労働運動の介入という点につきまして、これは単純なる非組合員という立場にあって、そして業務命令の指示に従って配置するということにつきまして、一応法規的には正しいと思っております。ただこの公安職員にはそのような公の資格がありますので非常な慎重な態度をとるべきだと思うのでありますが、すでに昨今の実績に現われておりまするように、多数の職員が争議権がないのに何ゆえにこの構内に入って来るか、それに対しまして業務管理者として警告を発してもどうしても警告に応じないという場合に、その警告あるいは説得に際して相手方から暴行傷害を受ける、こういう事態が発生したのであります。
○古屋(貞)委員 どうも事実だけでは答弁にならないのですが、それではまず刑事局長に伺います。公務を執行する立場における公務員あるいはただいまの国鉄の職員が、自己の判断を誤って違法行為、逸脱行為をやるという場合には、労働組合なり相手の方にはこれに対する正当防衛行為、緊急避難行為というものがあるかどうか、認めるのか認めないのか、その点どうなのか。
○井本政府委員 争議が正当な争議行為であれば、場合によつては緊急避難事項も考えられると思いますが、違法の争議の場合にはさようなことは考えられないと思います。 なおよけいなことであるかもしれませんが、警備関係の公務を行っておる者が司法警察権を持っておる場合に、警備の公務の執行を妨害されて、司法警察官としてこれを検挙するということは法規的には考えられると私は思っておるのであります。
○古屋(貞)委員 そこで国鉄の方にお尋ねするのですが、具体的なことで伺いますと、鶴見におけるこの間の検挙はどういう犯罪の嫌疑で検挙したのでありますか。私どもの方の事実によりますると、単なる休暇をとった者が団結をして行進をしておったにすぎない。しかるに公安職員何百人かが先まわりをして、そうして行進に対して突貫をして泰行を加えた。これを称して公務執行妨害ということで三人を検挙しておるのですが、これはいかなる具体的事実に基く犯罪で検挙したのか。
○久留説明員 お尋ねの件は二十六日の新鶴見操車場における逮捕の模様だと思うのでありますが、午前九時五十七分ごろ一職員が公安職員に対して――これはその当時の状況は矢向というところがございますが、矢向というところに集まりまして五百名ばかりの多数の集団が来たという場合に、所在の駅長及びその上級業務監督者でありまする輸送長、その他出場しておりました東京鉄道管理局の幹部等の意図による無用の者はこの構内に入ってはいけない、こういうのを突破して入ろうとするときに公安職員がおりましたので、これに対しまして――もつとも公安職員はこのような前日の模様あるいは各地における形勢からいたしまして説得、制止の時間その辺におったのでございますが、これに対しまして九時五十七分ごろ、一名は公安職員に対して左手指擦過傷、他の者は腹部をけり上げられまして公務執行妨害及び傷害で、それから他の一名もやはり同様に公安職員に対して傷害を与えたというので、午前九時五十七分前後に二名逮捕されたということを聞いております。以上でございます。
○小林委員長 関連はなるべく短かくしてください。労働委員の方に少し聞いてもらいたいと思うので、できるだけ簡単にしてください。
○古屋(貞)委員 もう一つあと指揮権の問題がありますが、一応ただいま問題になるのが多賀谷君が質問したことです。この場合、正々堂々と国鉄職員は国鉄の職務をやっております方に進んで行くというだけでそれを阻止しようとする、それは正当行為ではないのだ。われわれの方は正々堂々と進んで行く正当行為である。こういう自分の自由に対する相手方の力を持った暴行に対する問題の衝突なのです。この問題は、現行犯であるならば現行犯らしくそれを検挙して行けばいいのです。それを域を脱して、たとえば棒でなぐつたり、あるいは十人も二十人もの人が一人の者を強力にひつぱり出す。そいつを突き倒してなぐる、こういうことになりますから、そういう場合に一体なぐられる方に正当防衛権、緊急避難権もあると思うのです。こういう複雑な問題があるから先刻多賀谷君から、一人の人間で二つの資格を持った使いわけという問題の責任はだれが負うかという問題を出した。そういう場合においてはだれが責任を負うのですか。もっとはっきり申しますと、鉄道職員であり、特別職である公安職員であるという立場の人が、自分が二つの使いわけをして、そうして行動を起した場合のそのときについて、一方においては自分の正当防衛、緊急避難権によって行動した場合に、それをしもあなたの方では公務執行妨害ということで検挙する勇気があるかどうか、その点承りたい。
○久留説明員 私の方の事実では向うから押して来て、そうしてけ上げられたり、あるいは傷をつけられたりというかっこうの情報でございますが、まあ違法性阻却事由があるかどうかにつきましては、私どもの見解としましては、公共企業体労働関係法等によりまして、公共企業体職員には争議権がないというような点から労組法一条二項の正当行為ではないんだという見方でございます。
○古屋(貞)委員 私が質問しておりますのは、争議行為に入っていないことが前提なんですよ。国鉄の職員が自分の勤めておる、あるいは国鉄のステーションの方に歩いて行くというのは自由なんだ。人間に与えられた当然の権利です。それを来たからけしからぬというので、何百人もの人がつかまえる、ぶんなぐる、そういう場合にはなぐられる方に正当防衛権があると思うが、そういう場合にはあなたの方では正当防衛権とお認めになるのかならぬのか、その点だけを承りたい。
○久留説明員 私どもの管理者といたしまして、鉄道の施設地域内なり何なり、そのような場所に正当性を持って入つておるという者はあり得ない。数次の説得をし、しかもその日の計画された輸送をするために、つまり作業を正当に遂行するために入るのではなく、そのような輸送上重要な施設地域内にみだりに立ち入りまして、そうして結果において阻害されるおそれがあるというのでありまして、私の方としては当然法に許された、つまり管理権者として基本規定による職務を有する者は、そのような職務を行う意思がない、あるいは阻害するおそれのあるという者に対して、十分そのいわれを警告し、しかもなお入つて来る者に対しまして、管理者として非組合員その他これが説得行為というものにつきまして、ある程度の集団に固まる、その中には相当数公安職員も入る場合があると思うのであります。そのような管理者が強い意思を持ちまして、みずから管理いたしまする施設地域内に、決して鉄道の輸送を計画通りやる意思でなく、しかもまたその意思のあるなしにかかわらず、管理者は管理上の必要からして入ってはならぬ、このような線路の多数ある構内、しかも輸送計画がたくさん集まつており、この現在の情勢上、絶対に輸送を確保しなければならぬという決意をしておる場合に、全然何にもしてはいけないんだ――単に公安職員だけでなく、施設の管理者もそり多数の集団の中にどの程度どこの所属員がおるか、これはわからないのが常であります。あるいは部外者も入っておるかもしれませんが、多分部内者が大分多いのだろうとは思いますが、その施設管理者が管理責任を有しまするその地域内において、通常の業務命令によりまして本来のそれぞれの職種に応じた遂行をするべき者以外の者が多数集団して入ることは、管理者としてこれは法令上許される阻止、退去の要求ということができるのは当然だと思っております。
○古屋(貞)委員 そういうことを聞いておるのではありません。それではこう聞きましょう。あなたの方の公安職員も神様でないですから、行き過ぎのあった場合には相手に正当防衛権を認めるか認めぬかという、そのことの結論だけでいいです。
○久留説明員 私の聞きました範囲では、公安職員の行き過ぎのあつたような事実は聞いておりません。
○古屋(貞)委員 あったらということを聞いておるのですよ。
○久留説明員 正当防衛権はないと見ております。 〔「何を言っておるのだ」と呼び、その他発言する者あり〕
○小林委員長 古屋君、あまり関連質問を長くやられるとあとの質問に差障りますから……。
○古屋(貞)委員 簡単にもう一言だけ……。それでは今の場合正当防衛権なしということで、そういうお考えで公安職員が職務に従事しておるのだ、こういうことになるから、それはそれでけっこうです。 そこで以後に聞きますが、さっきの猪俣委員に対する指揮者の問題については、一体鉄道公安官に対しては指揮者があるのですか、ないのですか。指揮命令系統はどうなっておるのですか。もしあるとすれば最高指揮者はだれか、その点について簡単に結論だけ育ってください。
○久留説明員 一番最初にお話しましたように、警備的出動については本来の業務上の管理者、それから犯罪行為が発生した場合には個々の司法警察職員、一人しかおらない場合には、その職員が司法検察職員としてみずからの判断により現行犯は逮捕する。しかしながら多数集団の場合、つまり公安職員が多数いる場合には当然公安室長あるいは公安課長といった先ほどの告示による線の実際上の指示といいますか、そのようなことを受けるのであります。今回の場合につきましては刑事訴訟法上に基く全国的な指示、指揮をしたのではなく、現地における種々な情勢判断により所在の公安責任者の指揮に入っております。
○古屋(貞)委員 私が聞いておるのは、そういうような具体的な問題ではなくして、鉄道公安官に対する指揮者はだれか、それでその責任者があるとするならばだれかということだけの答弁でけっこうです。今までの答弁ではだれが最高責任者かということははっきりしないから、それを聞きたい。
○久留説明員 犯罪の捜査に関する職務の指揮監督権は、先ほど申しました運輸省告示には公安本部長となっております。
○古屋(貞)委員 それでは運輸省からその点間違いないか、確認してもらいましょう。
○植田説明員 先ほどもお話申し上げましたように、監督といい指揮といい、非常に明確でない点がございますが、運輸省告示では、公安本部長が公安部長を監督するということになっております。
○小林委員長 日野吉夫君。
○日野委員 久留本部長に伺いますが、本件は特別なケースとして、法務委員会との合同審査を労働委員会から求めた、こういうことですが、ある特定の権限が付与された特別の鉄道公安官が、今問題になっております重大な争議介入、しかもこれを積極的に、一般司法警察官以上の行動をやった、こういう事実であり、しかも本委員会で応明らかにされましたところは、公共企業体の職員がはたしてそういう一つの権限を持つのであるかどうかというのは非常に疑問であるのですが、こういう特別なケースのうちの、さらにまた特別の身分を持った諸君によって過般の事態がかもされた、こういう一つの案件であるが、この特別の司法権でこの重大な事態に介入するということは違法ではないか、われわれはこう言つておるのである。先刻来いろいろ答弁を聞いたが、明確になっていない。本件において違法阻却になる一つの法的根拠をどこに求めておられるか、違法でない、当然そこまでやれるのだという一つの法的根拠をどこに求めておられるか、その点を承りたい。
○久留説明員 ちょっと今よく聞きとれなかったのですが、御質問はこういうことでございますか。公安職員の出動なり行動というものについてでございますか。
○日野委員 もう一度言いましょう。鉄道公安設置法という法律が出て、鉄道部内にある限られた一つの司法権が付与された。その司法権を持って、しかもこの公共企業体の職員であるところの本部長なり、そのものが、この司法権で今大きく問題になっている争議に対する警察権の介入というような大きい事態をここに引起した。このことについてわれわれは、鉄道公安官というものは、そういう争議介入まで予定もされていなかったし、その権限が付与されていないと考えておるのに、これが正当なる行為である、違法ではないとする何かの法的根拠があるのか、その法的根拠をどこに求めておられるか、こういうことです。
○久留説明員 鉄道公安職員の管轄する施設、地域内において犯罪成立ありと認めたのでありまして、私としては二百四十号の法律成文通りであると思うのであります。
○日野委員 成分の表面から解釈して、争議介入までは許された権限の範囲でないとわれわれは考えるが、その他に、何かそうした場合に出動し得るという法律なり命令なり、そうしたものがあるかないか、この法律の表面解釈だけでは、われわれはどうもそこまでの権限が付与されていないと解釈するが、それに対する意見はどうか。
○久留説明員 争議権ありという立場で争議行為であるというのであれば、これは介入云々の議論になるのは、一般の企業等においていろいろ話題になっていることのように聞いているのでありますが、今次の事件につきましては、もはや通常の労働行為としての集団行動というようなものでなく、単純な鉄道施設内における業務の指示に違反してその際に犯罪が成立した、こういう見方でございます。
○日野委員 そうすると、今の解釈は、もちろん公共企業体の関係であるから争議行為は許されない。しからば一切の団結権による合法範囲内の闘争をも全部これを違法なりとするかどうか、その見解を伺います。
○久留説明員 警備的な配置、そして業務管理者の指示、そのようなために重要な施設の防護に当るとか、あるいはそういうことを阻止するために配置をするということは、先ほども言いましたように、固有の基本規定による行動でございますが、やはり鉄道公安職員というのは、そのような重要な機能を阻害することを阻止することを、部内の規定としては当然の職務としておりますので、そのような場合に、たとえば代替配置の職員がぜひとも乗車しなければならぬという場合に、これを護衛するとか、あるいは重要な運転施設の箇所を阻害されないために警備をするということは、先ほどの基本規定で国有鉄道職員として当然の使命でありまして、この指示に従いまして、あるいはこの配置に対して、何ら変事なくただそばを通るというような場合は別でございますが、そのような場合に無理に逆に押し入ろうとしたり、あるいは代替配置の職員を引きおろそうとしているような場合に、暴行傷害等が行われる場合に、これは労働争議の介入とかいうものではなく、地域内における犯罪が発生した、こういうふうに見ているのであります。
○日野委員 このことは大分具体的な事実に当って調査しなければなりませんから、継続審査の上で明らかにしたいと思いますが、それならば先刻来論議されている鉄道にも運営上に当然正当防衛、緊急避難は認められる、こういうことが明らかにされているが、しかし今回の場合公安官が出動している。これは事業上の正当防衛、緊急避難の行為と解することができるかどうか。もしそのように緊急避難、正当防衛があり得るとすれば、当然ここに過剰防衛の問題が残るはずであります。たとえば具体的に、過般の場合、逆ピケというようなことが本部長の口から言われておる。そして今報告されるところを開けば、ここに暴力行為等いろいろの問題が起っておるのであるが、これは当然正当防衛で緊急避難が認められる、こういたしますならば、過剰防衛の問題も当然残る、こう解してよろしいかどうか、この見解を伺いたい。
○久留説明員 それは刑法上の正当防御とか過剰防衛ではなくて、鉄道の管理者がみずから、たとえばたつた一人でもそこで重要な施設を守るということ、あるいはそれぞれの本来の職務のある非組合員なりあるいはその他の業務命令上の分担を受けた者が、その職場で職務を遂行するためにこれを妨害する者に対して対処する、これは事業を営むあるいは公共企業体職員でそれぞれ職分のある者、あるいは特に管理権者におきまして、当然の行為だと思うのであります。
○日野委員 これは具体的な実例に対しての判断になるのであるが、過般の公安官が出動した場合は、もうすでにそういう事態を予想して出動した、いわゆる逆ピケという言葉で表現されているように、一つの予防的な観点から出動された、こう判断されるのであるが、放置すれば当然違法な一つの行為によって事業の運行が阻害されるという判断の上に立って出動されたのかどうか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。
○久留説明員 そのような集団が用のないところ――業務管理者の管理する施設地域内に入ろうとする場合、管理権者の警告を十分聞かれれば、もとより何事もないわけでありますが、そのような警告を発しましても聞かないというような場合に、重要な施設に業務運営の確保に必要な限度で弊備的な配置をするとか、あるいは乗務員を護衛しまして、そうして所定の列車の乗務をさせるということは、当然な行為だと思うのであります。
○日野委員 当然な行為だと言っておられるけれども、あなたは当然そうした事態が起るであろうという判断を下す何かの根拠、そういう予想し得る事態が発生していたのか、当時の事情を御説明願いたい。
○久留説明員 たとえば十一月十七日から十九日まて三日間にわたって遵法闘争及び職場大会が開催せられまして、この場合一部地区において列車の運休や遅延が誘発され、列車の運行に相当高度の支障を生ずるに至ったのであります。これはいわゆる組合側で言われております第三波闘争でありますが、多数の組合員の威力のもとに現場長に職場要求事項について交渉を行い、駅長をして確認書に調印せしめたり、あるいは助役、運転係の列車の出発合図を妨害する、あるいは操車係というものが手旗信号で列車の操車に当るのでありますが、この手旗信号の妨害をするなり、あるいはスクラムを組んで入れかえ機関車の進路を妨害する。それから鉄道では点呼というものをやっておるのでありますが、そういう場合に構内作業員を拘束したりした。これが第三波でありますが、さらにその後に続きました、四波闘争におきましてはもっと強度のこと、すなわち三割休暇闘争を実施いたしまして、その目的達成のために多数のピケ隊を動員して、そうして乗ろうとする車掌の出動阻止あるいは暴行を加えるというようなことがあったのであります。最も顕著なのは、たとえば新潟におきましては十月二十六日でございますが、新津におきまして、乗務しようとした車道の乗務を妨害してここにトラブルが起ったのでありますが、その際に公安職員等も負傷しておるのであります。 なお東京付近におきましては、新鶴見の車掌区等において暴力を振るわれ、この三波あるいは四波の闘争の結果は無数の列車の遅延を生じ、あるいは列車の運行休止のやむなきに至った、このような状態に対しまして、鉄道の事務運営は一日も運休させることは許されないし、目下旅客列車には比較的被害がないと言っておりますが、貨物列車の町については、先ほどのような膨大な数の遅延列車、あるいは運休列車を生ぜしめたのでありまして、これがために管理者は、何としてもこの阻害ということのないように、ある場合には警察側に要請をしたところもあります。また非組合員あるいは公安職員に可能な限りの防護措置というようなことが要請され、あるいはそのような指導を命ぜざるを得ないというこのような客観情勢は、すでにトラブルがあったといわれております二十六日以前の各位の闘争において、十二分に予見されるのみならず、それらの実績でそれ以上の闘争というか、阻害が行われるという態度であったのであります。
○日野委員 具体的な問題は労働委員会で詳しく調査することにしまして、ここではこれ以上聞きません。ただ問題は、この法律をその範囲まで拡張して解釈することができるかどうかであります。先刻来論議しているところによりますと、この法律の制定当時は争議に介入しないという条項がくっついていたのを法務委員会で削除した、こういうことが伝えられているようであります。その真偽は、当時から参画している諸君がおられるので明らかであろうと思うのでありますが、大体法の拡張解釈については、私たちは、この法律はそこまで拡張すべきものではないという一つの信念を持っておるのであります。民主主義社会における法の建前としては、それが人権の擁護伸張のためならば、ある程度の拡張解釈は許されるでありましょう。今度のように、根拠のきわめて薄弱なる司法警察官が、少くとも法規で許されたる人権をはなはだしく圧迫し制限するような場合、これは法の解釈上十分に考慮しなければならぬのじゃないか。法の不遡及の原則というようなものも、刑事法の場合はこれは人権の圧迫になるから、こういうものは絶対許されないが、最近の立法例から見れば人権の擁護伸張の場合は、これは当然ある程度の遡及が認められるという建前がつくられておる。国会議員の会期中の不逮捕の問題等も、これは人権の擁護伸張という建前で特別にきめられてあるが、こういう特別刑事のこの法律、しかもこれを扱うところの司法警察が、きわめて薄弱な根拠のもとに、かくのごとき重大なる人権圧迫に関するところまで拡張解釈するということは非常に危険である。われわれはこう考えておるが、鉄道の今回の衡に当つた諸君は、これに対していかなる見解と意見を持つておられるかを一応伺って、私はきょうの質問を終ることにいたします。
○久留説明員 今回の件につきましては人権圧迫はなく、われわれとしては法令に従つてやったと信じております。 なお一般的に申しますと、一般国有鉄道職員はもとよりでありますが、先ほど申しましたような公安職員の特性上、人権の尊重については特に留意もし、教育もし、また今後も指導して行くつもりであります。
○日野委員 自己の健全な成長のためには正当防衛、緊急避難を主張するのならば、他人の侵害に対しても慎重であるべきである。あと具体的な事実については労働委員会でお伺いいたしますから、これで終ります。
○小林委員長 山花秀雄君。
○山花委員 同僚の委員諸君からいろいろ質問がありまして、それに答弁もありまして、大体私の質問しようと思う点は消えて参りましたが、なお釈然としない問題が二、三ございますので、二、三の点について質問をいたしたいと思います。先ほど猪俣委員からいろいろ質問がございましたときに、公安官設置に関するいきさつについて大体性格を述べられておりました。その性格につきましては、ただいま日野委員からも質問がございましたように、公安官の職務は運輸関係の万全を期すという点に限られて、これは国鉄当局と職員との間の労働紛争議に関しては介入しないものだということが――一応字句の上には表現されておりませんが、精神としては確認された、こう承ったのでありますが、今後の鶴見倉庫ですか、操車場ですか、ここに起きた一つの紛議に関しまして公安官が大挙出動したという点であります。また先ほど指揮命令系統についていろいろ議論がありましたが、これは具体論的にひとつお尋ねしたいが、今度の出勤に関して一体どなたが指揮をされたか、あるいは出勤の要請がどういうところからなされたか、この点はもう明らかになっておると思いますので、ひとつお答えを願いたいと思います。
○久留説明員 一般的な出動は、鶴見の問題につきましては東京鉄道管理局長であります。
○山花委員 私が今問うておりますのは、一般的指導というような意味ではないのです。今度公安官が出動したのは、だれが命令をしてかように大挙公安官が鶴見の操車場に出動したのか、こういうことであります。この指揮をするにあたって、これは国鉄当局すなわち管理者の方から要請があったのか、あるいは公安官自体の組織として出動する必要を認めて出動されたのか。そして今度の問題の出勤に関しての命令系統と申しましょうか、その最終の責任者と申しましょうか、それはどこにあるか、具体的に聞いておるのですから、どうかひとつ具体的に御答弁を願いたい。
○久留説明員 警備的出動要請は先ほどの管理局長でありますが、現地に出動した公安職員の司法活動的事務についての最高責任者は東京鉄道管理公安課長であります。
○山花委員 これを指揮命令したのは東京鉄道局の公安課長、こういうように言われましたが、ここで公安官がおのれに与えられた職務責任に――俗に申しますと越権行為をした場合に、その責任を問う場所、あるいは問われる場所はどこにあるかという点をお聞きしたいのです。
○久留説明員 司法警察職員については懲戒に関する法律等もありまするが、今の警備出動の行き過ぎ等につきましては、本来鉄道部内としての懲戒により、それから司法警察権の行き過ぎというような面につきましては、法律的な懲戒――司法警察職員としての懲戒につきましては、先ほど申しました法律があると思うのでありますが、それの監督的なものといいますか、それぞれの程度によって、先ほど申しました犯罪捜査に関する職務の指揮監督の系統に従って上級者が判断する、その監督の面における責任者は運輸大臣であります。
○山花委員 ただいまの御答弁によりますと、かりに公安官が非常に越権行為をした、その責任を問われる場合には個々の公安官は、それぞれの系統別の一つの形において責任を問われる、しかし最終的に大きな責任ということになると運輸大臣だ、こういうように今の答弁では即解いたしましたが、間違いないでございましょうか。
○植田説明員 運輸大臣が最終的に監督責任を持っていることは事実でございます。ただその監督という意味が、先ほど来問題になっておりますように、一般的監督ということでありまして、個々の指揮権を持っておらぬといふうに解釈いたしておりますが、最終的な監督責任は運輸大臣が持つものと思います。
○山花委員 ただいまの答弁を聞いておりますと、最終的には運輸大臣が責任を持つのであるけれども、これは単なる監督というような形で、はたして責任があるのかないのかちょっと、というような、きわめてあいまいな答弁で、その答弁ではわれわれ理解できません。形式的な監督権が運輸大臣にあるがゆえに、たとえば指揮権を持っておる公安本部長に最終的責任があるならある、あるいは運輸大臣にあるということを、やはりどっちかはっきりしてもらわないと、田舎でわれわれが議論をする上におきましても非常に戸惑いをいたしますから、われわれの戸惑いしないように責任の所在だけはひとつはっきりしていただきたいと思います。
○植田説明員 たとえば個々の件につきまして公安官が非常に逸脱行為があったとかなんとかいうような場合には、先ほども申し上げましたように、運輸大臣は個々の問題の処理としましては罷免をする、使命の解除をするというような道も規定されております。ただ全般的な監督の最終責任者ということになりますと、やはり運輸大臣にあると考えます。
○山花委員 個々の問題に関しては運輸大臣が免責をするが、しかし総体の最終的な責任をとる者は運輸大臣である、こういうようにはっきり御答弁をされたと思いますが、その通り理解してよろしゆうございますね。
○植田説明員 個々の具体的な事柄についての問題につきましては、先ほども申しますように、指揮権はないものと解釈いたしておりますが、公安職員についての一般的な監督という面におきましては運輸大臣に監督責任がある、かように考えております。
○山花委員 もう一点お伺いしたいのですが、先ほど公安本部長の答弁を聞いておりますと、何か鉄道職員が非常に行き過ぎをやって、たとえば鉄道乗車、あるいはそれぞれの職務につくのを集団的に妨害をした、これが一つの行き過ぎの行為である、こういうようなことを言われましたが、その反対のこともわれわれは非常に伺っておるのであります。たとえば本人はやはり労働組合員の一員として、また自分の都合によって休暇をしたい、ところがたまたま休暇がたくさん重なって乗ってもらいたいと言われても、自分はきょうはからだの都合なんかで休暇をとりたい、そういう本人の意思を曲げて公安官の諸君がただいま、護衛というようなことを言われておりましたが、それに反して、悪く申し上げますと、何か威喝をしながら連行して強制乗務をせしめたという、もしこういり事例がございましたならば、これは公安官の責任者としてどのようにお考えになっておるか、この際ひとつ承りたいものであります。
○久留説明員 ただいま例でおあげになりました休みたい者を休ませない、このようなことは私、それから国有鉄道のそれぞれの段階における管理責任者としてあり得ないと思うのであります。ほんとうに一身上の都合で休暇をする者を各級の現場管理者が圧迫しておるというようなことはありません。また公安職員がそのようなことのお手伝いにまわって威圧を加えるというようなことはございません。
○山花委員 そういう点がなければこれはないに越したことは無いと思いますが、私どもはあるような報告も承つておりますので、これは後ほどよく調べてまた申し上げたいと思います。先ほどあなたの答弁の中で公安職員がたまたまその辺にいたというような一言がございましたが、今度の鶴見の操車場の関係においては、たまたまいたという形でなくして、計画的、組織的に終結をしていたというふうにわれわれは判断をするのでありますが、あなたの言葉のあやの誤りかどうか知りませんが、逆ピケを張ったというようなことも一言漏らされておるのであります。それらを考えて参りますと、やはり計画的に一つの集団をつくって、たまたま挑発をしたという形あるいは誘導をしたという形、そこに今度の不祥事件が突発をしたというふうにわれわれは理解をするのでございますが、さような集団的に公安官がお集まりになつたかならなかつたかという一点だけをはつきりさせておきたいと思いますので、当時の実情をお聞かせを願いたいと思います。
○久留説明員 場所により時によりそのような集団的に警戒あるいは阻止線を築いたこともあります。
○山花委員 他の委員からも質問の通告が出ておるそうでございますから、私の質問はこれで終りたいと思います。
○小林委員長 多賀谷君。
○多賀谷委員 実は立法経緯についてですが、先ほど調所さんの話と猪俣委員の当時の模様の話と食い違いがあって、われわれ非常に判断に困るわけですが、この公安職員について争議行為に対しては妨害しないように、またこれは争議行為の弾圧にはならない、こういうことを強調され、わが党も賛成した。但し共産党だけがこれは将来やはり争議行為を妨害して来るからということで反対をした、こういう経緯を聞いたわけです。そこで私は、猪俣委員は過去の長い社会運動の経験も持つておられるし、弾圧の憂き目も自分自身が受けておるから、この点は人よりも非常に鋭敏であろうと思います。そこでおそらく猪俣委員はそういうことを強調され、念を押されたであろうことは私は疑いの余地がないと思うのであります。またわが党としましても、そういう点を十分やはり考慮し、問いただして行つたものであろうと考えるわけです。そこで私は調所さんに質問いたしたいと思いますが、そのことについて、あなたはどうもお言葉が不明確でありましたが、一体どういう事情であったかお聞かせ願いたい。
○調所説明員 先ほどのお答えが、あるいは言葉が足りませんで納得が行かれなかったかもしれませんが、猪俣委員が指摘されましたように、労働争議に介入しないという何か書類があったということをおつしやいましたが、私が記憶する範囲ではずっと前の法案に――これは運輸省時代に政府提案として提出された草案の中に、そういう文句があったのではないかと存じておる次第であります。そういう書類その他で証拠というものはないと思います。また、その当時鉄道公安職員の犯罪捜査権限を制限するというような、お話をしたことは絶対にありません。それが労働運動に関係したか、あるいはそうでないといなとにかかわらず、それによって鉄道公安職員の犯罪捜査権限を制限する、そういうような点についてお話をしたということはございません。
○多賀谷委員 猪俣さんは事実にあったという話をしてないですよ。草案にあつたというのは、これは小木専門員がお話になつたのであって、猪俣さんはその話をしていない。あるいはあなたはそういう証拠がないだろうというお話ですが、今お読みになつたのですから、これは確実にあるわけです。事実をそう曲げておつしやつては困るのですよ。私が聞いておるのはそれではなくて、猪俣さんはあなたに対し念を押したとこう言っている。おそらく彼であるから念を押したのであろうということは私は十分推察できる。当時警察官の権限を持つものが出て来て、そうして階級政党がこれは争議行為に介入しはせぬかということを聞くのは、だれでも私は常に開くだろう、こういうことは考えられるわけです。ましてや猪俣氏なら聞くだろう、かように考えるわけです。そこで小委員会のことですから速記録がないので、あなたはごまかそうとされておるけれども、猪俣氏はそういうことを育ってあなたに念を押した、しかしあなたはそのことは一向に知らない、こういうようにお話になっておる。しかしながら共産党はそれを理由に反対をしておる、だから党としてもそれに対して念を押したであろう。これは確実に私は念を押したであろうと考えられます。そこでその件について、あなたは知らぬ存ぜぬと言われるが、そういうことがあったでしよう。やはりあなたは、いやこれは争議行為には介入しません。こういうことをおつしやつておつたと思うのですが、どうですか。明確にお答え願いたい。
○調所説明員 当時のことでありますが、私どもとしては現在記憶する範囲ではそういうことはございません。
○多賀谷委員 あなたの先ほどの話とは食い違いがあるのですよ、この速記録だけでも。なぜかというと、先ほどはあなたはこれは労働争議であっても今度の事件は暴行または傷害である、こういう話をなさつておるのであるから、あなたの考え方は争議行為に介入してないんだ、なるほどこれは労働問題であるけれども、正当な争議行為でない、こういうような前提でお話になつておる、今は全然そういうことは言っておりません。この速記録だけでも私は明白に食い違いを見出すことができるわけです。もし猪俣委員以外の委員でそういうことが当然その論議の中にあった、あなたはそうおつしやつてた、こう言う人が出たらどうしますか。どういう責任をとれます。
○調所説明員 先ほど申し上げましたように、いわゆる鉄道公安職員の犯罪捜査権を制限するというようなお話をしたことがない、こう申し上げたのです。正当なる労働運動、それを不当に抑圧するというようなことは考えたこともございませんし、そういうことはありません。
○多賀谷委員 言つたか言わないかという話をしているのですよ。現在の考え方じゃないのですよ、その当時言いましたかどうですか、こういうことです。
○調所説明員 たいへんおそれ入りますが、もう一ぺん。
○多賀谷委員 公安職員は労働争議に介入しない、こういうことをあなたは言明されたと猪俣委員は言っておる、しかしあなたはそういったことを言った覚えはないとおつしやておる。あなたはほんとうにそういう論議もなく、あなたが言明されたこともありませんかと、もし猪俣委員以外の委員の方から当時そういう経緯があったと、こういうお話が出ましたらあなたはどういう責任をおとりになりますか。こういうことです。
○調所説明員 それは申し上げましたように、当時のことであるので十分な記憶を蔵しておりません。しかし鉄道公安職員の行為が正当な労働運動に対して非常な弾圧をする、そういうようなことは当然考えないということはあるいはお話したかもしれませんが、今記憶はございません。この目的は大体先ほど申し上げましたように、鉄道公安職員の法律の趣旨は、さきほどお話がございましたように、その提案理由その他に、明らかになつておるわけです。
○多賀谷委員 あなたもこの法案を責任を持って、今あなたの役職でおつくりになったということはそう多くないと思うのです。しかもこれに二十五年ですから、二十四年ごろから始まつて、二十五年に法案をつくられておるから、あなたはかなりこれについては信念を持って行われ、かつそのときの事情はかなり詳細に今でも記憶があると思う。それは何十という法案をつくつて、そしてさあそれはいつだつたかというようなことではない。しかもあなたはその後幾度も法案に関係されてはいないと思う。しかもあなたの役職から言えば、それを忘れるというようなことはあり得ないと思う。いやしくもここは国会ですよ。忘れたということでは私は済まないと思う。もう一人の人が出て、かなり長い間論議をしたということになりますれば、私たちは責任を追究したいと思いますが、私はこの問題については保留いたしまして、また再び別個の機会にあるいは来ていただくかもしれません。これは保留いたします。
○小林委員長 これにて通告のありました御発言は全部終りましたので、本連合審査会はこれをもつて終了することといたします。御苦労様でした。 午後五時四十一分散会