P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
20回国会衆議院1954/12/03

内閣委員会 第2号

発言数
133
登壇者
13
会派数
6
開催日
1954/12/03

会議録

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 これより内閣委員会を開きます。  この際お諮りいたします。理事四名が欠員になつていますので、その補欠選任につきましては、中井義一君、八木一郎君、前田正男君及び鈴木義男君をそれぞれ理事に御指名いたしたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 御異議なければさよう決定いたします。     ―――――――――――――

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 次に自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますのでこれを許します。中村高一君。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 ただいま審議をされております自衛隊法の一部を改正する法律案について二、三お尋ねをしておきたいのであります。すでに二つの管区隊が増設をされておりまして、この機会に承認を求めようというようでありますが、御承知のように今議会はきわめて短期でありまして、場合によつたならば、われわれの質問があるいは終了をいたさないかもしれませんし、十分な審議をいたすのには多少日時が不足のように思われるのでありますが、この国会で承認をされない、あるいは審議が未了になるという場合においては、政府ではどういうふうな御処置をおとりになるのか。それは次の通常国会でよろしいというのか、あるいはどうしてもこの国会でこれを通してもらわなければならぬというのか、お尋ねをいたす必要があると思うのであります。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 申すまでもなく、この二管区はもうすでに設置されておるのであります。その承認を求めるために御審議を願つておるのでありまして、事はきわめて簡単だと私は考えております。ぜひともこの国会で御審議を願つて通過をはかりたい、こう考えております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 そうしますと、この短かい期間に審議を終れというのでありますが、たくさんの質問者があるようでありますから、私一人が終つてしまつたからといつたつて、それでできるかどうかその辺のところはわかりませんが、国会の承認を経るに至らずして、閉会中に増設をせなければならないのには、やはりそれ相応の必要があつたのだと思うのでありますが、この計画はあらかじめ承認を受けておる計画でありますか、それともこの閉会中に計画をされて、そしてここに承認を求められておるのか。言いかえまするならば、漸増計画の中に入つておつたものでありますか、新たなる計画でできたものでありますか、その辺の説明を願いたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 これはあらかじめわれわれは設置したいと考えておりました。増強計画の一部に入つておるものであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 そうしますると、こういうふうに閉会中でも二つの管区を増設するというのでありまするから、おそらく今後もこの種のことが行われるかもしれないのでありますが、今後一体どういうふうな具体的な計画があるのか。来年度においてはやはり増置の計画があるのかどうか。何管区を来年度はつくるのか、またどこにつくるのか、三十年度について、先般予算の説明と計画が発表されており幸したが、管区の増設などはどういうふうな計画になつておるのか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 御承知の通り、今御審議を願つておりまする管区の増設につきましては、前国会におきまして、この増設するということについて委員会で説明しておるのであります。その説明に基いてこの管区を増設する計画を立てたわけであります。従いまして三十年度におきましても、われわれは自衛隊の増強というものを計画しております。すでに申し上げましたように、陸上自衛隊二万はぜひとも増強したいと考えております。この増強につきましてさらに管区隊を設置いたしたい。その管区隊の設置等につきましては、来るべき委員会で十分御説明申し上げたい、こう考えております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 その来年度の具体的なものはあらためて説明をする機会がある、こういうのですね。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 まさにその通りであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 それでは、わざわざきようは行政管理庁と会計検査院とに出て来てもらつておりますから、自衛隊に関することで質問をいたしまして、その間にこの取扱い方法は御決定があるものだと思うのであります。  お尋ねをいたしておきたいのは、一つは先般もちよつと新聞に出ておりましたが、保安庁買入れのジープに関することであります。ひとつ先に保安庁の方からお答えを願つて、あとはそれぞれの係官から御答弁を願いたいのでありますが、保安庁で昭和二十八年から昭和二十九年にかけましてアメリカのウイリス社からジープの購入をいたしておるのであります。第一回が五百台、第二回が二千百三十六両、第三次二千百六両、合計四千七百四十二両の購買をいたしておるようでありまして、金額にしますると相当多額でありまして、総額四十四億二千万円という金額に達するのでありまするが、これはどの程度もうすでに入つておりますか、現在までに保安庁に受領いたしておる分量はどのくらいになつておりますか、今日現在でひとつ御答弁願いたいと思います。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 お答えいたします。そのうち第一次分の五百両はもちろん納了しております。それから第二次分の約二千百台はことしの三月三十一日に完納いたしております。それから現在第三次契約の分、昨年十一月三十日に契約した分が大半入つておりまして、ちよつと正確な数字はなんでございますが、約六百両前後今後三月三十一日までに入る予定になつております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 そうしますと六百両を残してでありますから大体四千両くらいは入つておるようでありますが、当初の計画では国産のジープをつくるという計画もあつたようであります。もし調達ができるならば、おそらく防衛庁におきましても、そういうようなものを国産でつくらせるということは考えられたものだと思うのでありますが、どういう経過で国産品を排除してアメリカのジープを買わなければならないのか。日本の技術上の問題ももちろんあるのだろうと思うのですけれども、これだけの多数の車両でありまして、日本の車両工場でできないこともないものだと思うのでありますが、あえてこの多量な買付をいたしておりまするのには根拠があることだと思いますので、この点をひとつ御説明願いたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 私から概括的に説明いたします。もとよりわれわれといたしましては国産品をつくりたいのであります。できる限り国産品を使用いたす考えであります。ところでこのジープは、申すまでもなくアメリカにおきましてもウイリス社が一社だけであります。ここでアメリカのジープがほとんど専属的につくられておる。ほかの自動車会社はたくさんありまするが、ジープについてはこの一社のみであります。日本におきましてもこのウイルス社に従つてつくる希望は従来からあつたように聞き及んでおりまするが、なかなか思うようにできません。そこでわれわれといたしましては、できるだけ日本で製造したものを使いたいと思つていろいろ考えております。性能の点がまず第一にとうていウイリス社に及びません。また価格の点においても及ばないのであります。従いましていろいろな観点から、このウイリス社のジープを買い入れることに決定したわけであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 アメリカのウイリス社から買い入れるについて、倉敷フレザーという会社に独占的に買入れを保安庁の方ではまかせておるようであります。これは相当日本にもたくさんの貿易商社もあるし、ほかの物品、たとえば米につきましてもあるいは石油などについても多数の貿易商社などが取扱いをしておるのでありますが、ジープに関しては倉敷フレザーという会社にのみ全部まかせておつて、そうして相当多額の利益をこの会社に与えておる。手数料についても相当の手数料を渡しておるばかりでなく、その後アメリカの軍需景気の後退でこのジープが相当価格値下りをいたしておりまして、そのために値下りによる利益も相当多額なものを倉敷フレザーがもうけているというのでありますが、一体倉敷フレザーを独占的に相手として契約いたさなければならなかつた理由をひとつ御説明願いたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 何がゆえに倉敷フレザー・モータース株式会社を経て買い入れたかという御質問であります。この倉敷フレザー・モータース株式会社はいわゆるウイリス会社の一手販売をしておる会社であります。ほかの会社の手を経て入れることはできないのであります。いわゆる一手販売会社であるので、やむを得ずこの会社を指定して入れたわけであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 この倉敷フレザーが一手販売でやるというのは、防衛庁で多数のジープを買うということになつてからできたのか、あるいは前にこの会社ができておつて、そうして防衛庁との間の取引ができたのか。おそらく防衛庁から多数のものを買うというので急造されたのではないかと思われるのでありますが、これはどちらが先でありますか。

増原恵吉防衛庁次長

○増原説明員 これは防衛庁がジープをウイリスのものを買うということを決定いたします前に、この倉敷フレザー・モータースがウイリスの日本における一手販売を契約いたしておるのであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 その辺のところは私もわかりませんから、よく調査してまた質問をいたしますが、倉敷フレザーに対して防衛庁は一体一台についてどれだけの手数料を渡すことになつておるのか。また輸入についての税金などはどういうことになるのか。その手数料の中に入るのか。――手数料は一台について一体どのくらい払うことになつておるのか。このジープが全部入つたとするならば、手数料の総額はどのくらいになるのか。あわせてひとつ御説明願いたい。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 倉敷フレザーと製作を担当しました新三菱との関係でありますが、実は第一回と第二回は倉敷フレザーとこちらが契約いたしまして、フレザーが新三菱と下請契約をいたしました。それから第三回目からは、新三菱と倉敷フレザーとの話合いによりまして、倉敷フレザーは単なる販売代行店、こういうことになつております。従つて販売上の実質的な交渉は、一、二回は倉敷フレザー、三回目以降は新三菱といたしております。御参考までに申し上げておきます。  取扱い手数料は〇、〇二五%、二パーセント半でございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 私のお尋ねしておるのは、二パーセント半なら二パーセント半で、一体金額にしたならば一台についてどれだけの手数料をとつて、総額にして何億になるのかということであります。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 今の手数料だけについて申し上げますと、二パーセント半でございますから、四十億に対して約一千万円前後の金になります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 一台について百六十九ドル、約六万円くらいの利益を得ておる計算になるのではありませんか。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 ただいま私が申し上げましたのは、正式の手数料と申しますか、コミツシヨンということでございまして、今おつしやいました一台ごとの差額と申しますのは、実は私どもの契約は確定契約といいますか、五百両ないしは二千百両の契約につきまして、全額確定契約で、一町九十何万円ということで契約いたしました。ところが倉敷フレザーと本元のウイリス・オーバーランドとの契約は、各船積みごとに先方で仕切つた値段で買うという契約になつておりました。それが私どもの契約後米国内の経済事情その他で値下りという事実が起りまして、その結果一回目、二回目、三回目でそれぞれ値下りの率は違いますが、今おつしやつた通り、一台につき平均約六万近い差額が生じたわけであります。これにつきましてはすでに御承知のように、後に判明いたしました事情に基きまして、第二回分につきましては八千八百万円、今日進行中の第三回目につきましては五千五百万円、契約を更改いたしまして輸入させるという手続をとつております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 今のお答えは値下りによる差額の問題のようでありますが、これは平均したら一台について六万くらいの値下りによる利益が出て来るのであります。そのほかに値下りによらなくとも、当然とれる手数料というものは一台について、第一次について何ぼ、第二次について幾ら、第三次について幾らという計算が出ると思いますけれども、値下りを計算に入れないで当然とれる利益というものはどのくらいになるか、それをお答え願いたいと思います。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 先ほど申し上げましたように、二パーセント半でありますから、一回、二回、三回の各輸入の分の単価にこれをかけると出るわけでありまして、第一回分によりますと一台について約一万二千円、第二回分については約一万円、第三回も約一万円、こういうことになつております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 このジープの購入契約について正当な利潤を得るということは、あるいはこれは責めるわけには行かぬかもしれませんけれども、この値下りによる非常な差額が出て参りまして、これについてあらためて返還を要求するとかいう問題も出て来ておるのですが、おそらくこれは防衛庁の買入れについての契約に何か欠陥があるがために、そういう問題が出て来ておるのだと思います。行政管理庁の方と会計検査院の方では、一応どういうことからそういうような不当な利益を倉敷フレザーに与えるというような結果になつておるか、その点について御調査になつておるはずでありますから御説明を願いたいと思います。

上村照昌会計検査院事務官(検査第二局長)

○上村会計検査院説明員 ただいまの問題は検査院の事務局で現在検討中でありまして、検査会官議を経ておりませんので、検査院の意見としては申し上げるわけに参りませんが、検査を担当しておる者として現在まで調べました結果を申し上げます。ただいまお話のように、結果的に相当の利益を与えたことになつたという事実はもちろん間違いございません。その原因につきまして大体私どもで現在考えておりますのは、物価の変動あるいは車種その他の変動によつて相当値下りをしておるだろうという点と、それから一定の業者と契約をしなければなりませんが、その場合に必ずしも業者の言いなりになるわけにも参りませんから、契約するにあたりましては、はたしてそういう価格が妥当であるか、適正利潤を与えた価格であるかどうかということを検討すべきであろうと思うわけであります。その点について予定価格が妥当にできておつたかどうかという点について疑問を持つて調査いたしておるわけでございます。さようの関係でただいま調べておる現状を申し上げておきます。

岡松進次郎総理府事務官(行政管理庁監察部長)

○岡松説明員 行政管理庁といたしましての監察した結果に基きましては、ただいま会計検査院より御説明がありました点と大体同様でございます。ただいま防衛庁から説明がありましたように、輸入価格によつてきめるというような問題につきまして、価格に非常に浮動性があります。従いまして契約条項にも多少の弾力条項を入れなければならぬのじやないかというふうな意見も今研究中でございます。なお防衛庁といたしましても今後海外の物価の変動という点についてなお一層慎重に検討されまして、原価計算的な、確実性を高めるというふうな御研究が必要ではないかというような点を考えておる次第でございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 今調査をせられておるところによれば防衛庁でジープの購入については輸入価格というものを標準にして長期にわたつて多量のものを一ぺんに契約をしておるために、価格の変動などに対処する用意がなかつた、こういう点について、おそらく購入方法が不適当だつたということを婉曲に言われておるようでありますが、こんなことをして特殊な民間の会社にその値下りだけ一台について六万円も七万円も不当な利益を得られるというようなことは、これは明らかに購入方法について欠陥があるだろうと思うのです。こんなことをして国費をかつてに使われるというようなことはまことに心外なことでありまして、そういう点については会計検査院などももつと購入方法などについて十分な調査をしてもらわなければならぬと思うのであります。一会社が何億というような多額な利益を得て、防衛庁の方ではずさんな購入をやる、こういうようなことでは、これからいろいろな物資を購入する防衛庁として、われわれは注意をしてもらわなければならぬ点が多々あると思うのであります。たとえばジープのことはその一つで、あとも尋ねたいのでありますけれども、今日はジープについて主としてお尋ねいたしまするが、この購入契約については今後防衛庁ではどういうふうに対処して行こうというのでありまするか、それをお尋ねしておきます。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 当時の実情といたしまして、私どもは輸入物資につきまして可能な範囲で最大の努力をいたしたつもりでありますが、結果においてそういうことが出たわけでありまして、今後につきましてはたとえば契約の方法、弾力条項を入れるというようなこと――と申しましても予算で制約を受けておる仕事でありまする関係上、下る方は取上げる、上る方は知らぬ顔をするというようなことも実際問題として容易でありませんので、そんな点もいろいろ検討したのでありまするが、しかし予算の制約を頭に置きまして――ことに輸入品につきましてはこういつた問題も起り得るということを一応考えまして、現に最近契約いたしました航空機につきましても、ある程度以上輸入品の価格が上るような場合には双方協議の上考えようというような弾力条項を入れるようなことにいたしました。また輸入品の価格の査定につきましても、やはり年一年と資料の入手につきましていろいろとルートがふえて参ります。当時は三年前でございますから、現在よりもいろいろと資料の入手いたしにくかつた点も確かにあつたのであります。そういつたいろいろの点から考慮いたしまして、こういつた事態のないように努めたいと存じております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 倉敷フレザーに対しては不当な利益は返還を求めるという協定をいまいたしておるというさきの御答弁でありましたが、それは倉敷の方と話合いができて、その利益は返還ができるということに確定をしておりますか。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 先ほど申し上げましたように、第二次分の八千八百万円はすでに三月三十一日、前年度末で契約改訂いたしまして戻入が終りました。それから第三次分は今日まだ契約は進行中でありますが、すでに今日までの実績を見まして先ほど申し上げました五千五百万円減額の契約改訂はいたしました。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 今後の問題については何かジープに関する技術援助契約というものをアメリカのウイリス社と取結びまして、今度は国産品で向うの特殊の権利を譲り受ける協定か何かが結ばれたというのでありますが、それはどういうふうになつておりますか。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 ウイリスの技術援助につきましては、昨年の九月に新三菱とウイリスとの間に技術援助契約が結ばれて外資委員会を通過いたしまして、それ以来年々国産化の割合をふやしております。今日では大体国産部分が四割程度、輸入品が六割、来年度は五割々々くらいで、その次くらいは特殊部品以外は大体八、九制は国産品でまかなう、そういつた手順で国産化を進めております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 それではあまりこまかくなりますので、ジープの購入については一応保留をいたしまして、その次に、これは防衛庁で買い入れました乾電池に関するものでありますが、無線通信用の乾電池で二十八年度に購入をされましたものは、数も非常に多いし、金額も非常に多いのでありますが、これがほとんど九割以上も不用品になつてしまつて、在庫のまま使用ができない乾電池を購入しておる。二十八年度だけで十五万個も購入をし、二十七年度に在庫しておるものる二十九万個もあつて、しかもこれがいずれも乾電池としての使用能力の保証されます六箇月以上をほとんど経過して、九割以上ももう不良品になつてしまつて、これを廃物にしなければならないという非常な損失をいたしておるというのでありますが、これに対します御説明を願いたいと思います。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 ただいま御指摘の乾電池の購入の件でございますが、特に行政管理庁、会計検査院から御指摘を受けましたものは、乾電池の中でもJBAの三十八と申す乾電池でございまして、これが二十七年度中に六万個購入契約をいたしました。そのうちに若干不良が出たということでございますが、新聞にございます九割と申します数字は、購入の金額ということではございませんで、事実の経過だけを一応申し上げますと、二十八年の一月に五万個発注いたしまして、それが三月末までに納入されておりますが、この消耗の状態を申し上げますと、一月から八月までに約三万個ばかり使いまして、八月に約二万個足らず残つておつたということでございますが、それをさらに使いまして、十月末で補給処に残つておりましたのは約三千五百ばかりでありまして、そのうちの九割、三千三百というものが不良品ということで一部廃棄いたしました。また一部はメーカーと話し合いまして、そのうちの大部分をとりかえをいたしました。結局六万個の消耗を大体終つたわけであります。ただいま申し上げましたように、そういつた不良品の出ましたのは若干、結果から申しますと、当時の購入数量六万個というものが、私どもの計算では当時の米軍の消費実績の四分の一といつたような、かなり控え目な計算を実はいたしたのでありますが、そういつた数字で、なお消化状況が若干こういつた不良になるまで残る、こういう結果を起したのでありまして、必ずしも新聞紙上にございますような購入数の九割が不良というのは、これはちよつと見当が実は違つておるのであります。ただいま申し上げましたような経過でございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 二十八年度の十月の検査では九割以上不良品があつて、それを六万個処分したとかいうのでありまするが、それ以前にも購入したもので不良になつて廃棄しておるものがたくさんあるのではないですか。二十八年の十月検査、それ以前にもそういうような例はあるのではないですか。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保説明員 昭和二十七年中までは、主として米軍から供与を受けた乾電池を使つておりまして、この中にも若干不良品はございましたが、六万個は初めての購入でございまして、ただいま申し上げました三千数百個のほかの五万数百個というのは、数千個は部隊で払い出し、使つたものであります。もちろんその中に、たとえば十時間もつものが九時間しかもたなかつたというものも絶無ではなかつたと思いまして、正規に使用いたしたと存じております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 どうもこういうような一定の時期を過ぎると使用できなくなるようなものを、しかも一年分などを一括して購入するというような調達方法をわれわれは理解できないのでありまするが、おそらくこれは年度末になつて年間の予算を使つちまわないと、来年になると使えないから、かまわないから年度末に一ぺんに買つてしまえというような予算の使方用法がどの役所にもあるのです。今の役所の経理の上には、もうまぎわになると使つちまえという悪弊がありまして、防衛庁にもこの悪弊の一つがここに現われて来て、もう今のうちに買つてしまわなければ、来年度は予算が残つちまうというので、なんでもかんでもかまわないから乾電池を買つちまえというような、それほどのことかどうかわかりませんけれども、そういう疑いを受ける点が多分にあると思うのでありまして、これは防衛庁ばかりでなく、どこの役所でもそういう不都合なことをやるのでありまするが、一年分も一括購入するというようなことが、しかも年度末になつて買つているというようなことがこういう結果を来したのだと思うのですけれども、こういうものは何も分割して購入することは不可能でないのに、なぜ一括して多量のものを買わなければならぬのですか。

増原恵吉防衛庁次長

○増原説明員 結果的に見まして御指摘のようなことになりました点はまことに遺憾でございますが、装備局長から申し上げましたように、これを贈入いたしました際は保安庁としても最初のことでありましたので、実はどれぐらいのものがいるかという実績がありませんので、米軍の使用の際の四分の一という十分控え目な数字ということで査定をいたしまして、六箇月分ということで購入をいたしたわけでございます。ところが実際に使つてみますると、その後の無線機の装備計画、その演習使用の計画等が当初の予想よりも少くてよかつたということになりまして、三月に購入したのを十月末ごろまで使うようになつたということでございます。従いまして爾後はこの半年分というようなことをやめまして、三箇月の契約、そうして三箇月で契約いたしますものを必要に応じて時々納めさせるというふうなやり方をいたしております。最初の場合の使用数の一応の算定というところに十分でなかつた点があつたわけでございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 今後は調達方法についていろいろ研究されるというのでありますが、購入の単価が、一般の民間の取引の価格よりは、どうも防衛庁で買うのは、たとえば今の乾電池についても高いが、石炭などについても他の役所が買つておるのと比べて、同じカロリーでありながら防衛庁のものは高いということも聞いておるのでありますが、なぜ一体、乾電池にしても石炭にしてもそうでありますが、他の役所より高く買わなければならぬのか。これは行政管理庁の方でもお調べになつておるはずだと思いますが、他の役所に比較して防衛庁の調達金が単価が商い事実があるかどうか。あるとしますならば、一体どんなものを他の役所より防衛庁は甘く買うのか、そういう点を御調査なすつておると思いまするから、行政管理庁の方からお答えを願いたいと思います。

岡松進次郎総理府事務官(行政管理庁監察部長)

○岡松説明員 御指摘のありました乾電池につきましては、これは特殊の規格でございますので、他の官庁の購入価格と比較することはできないのでございます。私の方の意見といたしましては、JPAつまり米軍に納めておる価格に比較いたしまして多少高価であるというような点につきまして意見を出しておるのでございます。しかしこれにはいろいろ事情がありまして、ただちに米軍の価格が正当なものだということを言つているのではございません。ただ非常に開きがあるので、今後その点の開きを縮めるくふうが必要ではないかという点に意見を述べておるのでございます。それから石炭につきましては、これも私の方の意見といたしましては、大手筋十八社だけの契約で今までやつておられたようでありますが、中小炭鉱も加えた、競争も加えた価格で契約されれば安くなるのではないか。これはやはり他官庁で購入いたしております石炭価格も参考にいたしまして、なお値下げする余地があるのではないかという意見を出したのでございます。防衛庁もその線に沿つてすでに契約方法を改正されまして、たしか一割程度の低下した価格で購入しておるように承知しておるのであります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 平井君から関連質問の通告がございます。平井君。

平井義一自由党

○平井委員 増厚次長にお尋ねしたいと思いますが、昨年の今ごろ練馬部隊の隊員が隊の米を盗んで酒を飲んだという汚職事件が起きてそれがために吉田総監が責任をとられたのでありますが、その後そうした汚職事件はなくなつたかどうか。またどの程度になつたか。たとえば大津事件などというものは保安隊にやはり関係がある新聞には自衛隊がどうだということが小さい記事はありますがちよいちよい載つておる。これも一々追究するわけではございませんが、昨年から今日まで汚職事件はどの濃度に減つて来ておるかこれもひとつお伺いしたい。

増原恵吉防衛庁次長

○増原説明員 昨年の練馬におきまする米の不法搬出と申しまするかそうした汚職事件は当委員会でも糾明をいただいてまことに恐縮に存じております。関係瀞はそれぞれ長官の手元におかれまして適切な処分をお願いしたのであります。当時委員会でも事後に御報告をし止したように、全面的な監察を陸と海それぞれの幕僚監部で、これは教育訓練、そうした面を広く取入れまして、単に調達あるいは物品の経理というようなことだけでなく行いまして、全体の規律を振粛することに努めて、成果を収め得たと感じております。その後、従いましてそうした不正事件というものは大いに減少をいたしておるのでありますが、まことに遺憾ながら絶無というわけに参りません。新聞等で御承知のような事件が若干出ておるのであります。こうした点は努力をさらに続けまして、一瞬焼津の振粛をはかりまして、こうした不法不当事項の絶無になりまするように一層各幕僚長等においても努力を続けておるところでございます。

平井義一自由党

○平井委員 大体わかりましたが、中村委員がいろいろ質問をされるのも、防衛庁に汚職事件が起らぬように御心配をして質問をされておると思うのでありますから、再びこの委員会で防衛庁の汚職事件などを追究されないように、特に木村長官並びに各幹部の方にお願いをいたします。これで私の関連質問を終ります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 辻政信君。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 竹島におきまして十一月二十一日の朝、海上保安庁の巡視船へくらが撃たれたという記事を新聞で見ましたが、このことについて山口海上保安庁長官からまずその景況を簡単に御説明願います。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 竹島につきましては、すでに御承知のように、今お示しの十一月二十一日より前におきまして、八月にも一回射撃事件が起きておりますが、御質問の十一月二十一日の状況を簡単に御説明いたします。  当日巡視船おき、へくら二はいが午前六時ごろ竹島の南西方十二海里の地点に到着をいたしました際両、船はそこで二つにわかれまして、南北両側より調査をいたしたのでございますが、六時五十八分ごろへくらは西島の北西方約三・二五海里程度に達しましたときに、突然五発の砲撃を受けまして、砲弾はいずれも船から約一海里離れた海上に落下したため、被害は別段なかつたのであります。その際、東島の方の中央部分に無線柱が立つておりまして、その付近に十四、五名の警備員らしき者が認められた、またその東側の無線柱には韓国旗が掲げられておつたのを認めました。さような状況でございます。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 今の問題を木村保安庁長官は武力によつて日本の領土が侵犯をされて不法の侵略を受けたとお考えになりますかなりませんか、それを承ります。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 武力によつて不法侵略を受けたかどうか、これはちよつと疑問であろうと考えております。どういう状態において彼らが侵入して来たか。これは私どもの方でまだはつきり調査をいたしておりません。従いましてこの問題の処理については国内法に基いてやるべきであるか。国内法といいましても、自衛隊法を別にしてのことであります。申すまでもなく自衛隊法七十六条におきましては、外部からの不当武力に対しては、わが国を防衛するために、内閣総理大臣は国会の承認を得てこれに対処することになつております。すなわちこのときには自衛隊が防衛出動することがあり得る。こういう場合に該当しないということは明瞭であります。もうすでに何らか隠密の手段によつて彼らは上陸しておるのであります。前述の不当侵略には該当しない、こう私は考えております。しかし、これをどう処置するかということについては、今後に残されておる問題であろうと考えております。すなわちこれを自衛隊法を別にした国内法的の方法によつて処置する。もちろん自衛隊に属するいわゆる自衛権は、不当に攻撃を受けた場合に対処するのは当然であります。隠密に上つて来て、今海上保安庁から説明のありましたように、すでにさような施設をした場合どう処置するかということについては、これは研究を要する問題だろう、こう考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 ただいまの説明を聞いておりますと、竹島が日本の領土であるかないかわからぬような感じを受けるのですが、竹島が日本の領土であるということは、あなたははつきりお認めになりますか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 もとより竹島は日本領土であります。疑わないのであります。それでありまするから、不当の、つまり隠密な上陸、こう私は言つておるのであります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 領土であるということを確信をもつて認めておりながらその手段方法がいかようであろうとも、現実の問題は竹島に他国の砲台が築かれ、それに接近した日本の船が五発の射撃を受けておる。これだけはつきりした事態を認めてもなお政府は侵略されたということをお考えにならないのですか。調査するとおつしやつておりますが、どういう方法で調査を進めておられますか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 これは国警において調査を進めております。私の方の直接の管轄ではありません。私の方の部隊の手においては調査を進めておりません。しかし、申すまでもなく、今後われわれの国に対して不当な力をもつて侵略しようとするものについては、これに対処することはもちろん当然のことである。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 現実の事態は明らかに不当な力によつて侵されておるのであります。そうお認めになりませんか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 これは先ほど申し上げたように、不当に侵入して来ておるということは明らかな事実なんです。国民だれも見るところであります。

大久保武雄自由党

○大久保委員 今の点にちよつと関連してお尋ねいたしますが、不当に侵入して来ておる、侵略とは認められない、そういたしますと、すでに隠密の間に上つて来ているということでありましたならば、これは不当入国と考えるべき筋合いでありますかどうか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 もうすでに御研究になつておることと思いますが、自衛隊法七十六条の場合は不当な外部からの侵略行為があつた際に、日本の国を防衛するために、いわゆる防衛出勤をするのであります。従いまして隠密の間に上陸をした、これは不当な行為であることはもとより当然であります。これを排除するということと、現実に起つて、これから防遏の処置をとらなくちやならぬということとは、私は明らかに相違しておると考えております。

大久保武雄自由党

○大久保委員 そういたしますと、この問題は木村防衛庁長官の問題であるか、あるいは山口海上保安庁長官の問題であるか。防衛出動の問題であつたならば木村長官の問題である。もし密入国を排除するならば山口長官の問題である。一体どちらの所管であるのか、どちらが正面立つてこの問題を解決されるのか、この点をお尋ねいたしたい。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 韓国が単に漁業のみならず、警備員を駐在させ、あるいは燈台を建てたり旗を掲げたりする、かようなことになつて参りますると、そういうふうな既成事実をつくつて、韓国としては自分の領土権の主張を確保するために実力を使つておると見なければならぬのであります。さような現状におきまして、わが方としては同島に対する従来からの主張である日本の領土権を保全するためにはいろいろの手段を講じなければならないのでありますが、現在の段階におきましては、同島の帰属問題を平和裡に、円満に解決するためには、まずもつて現状の確認が前提条件であります。そのことにつきましては海上保安庁として随時同島に巡視船を派遣しまして推移を確認し、でき得ることであれば、そこに不法に上つておる者を退去せしめる措置もとらなければなりませんし、また不法なる施設も撤去するのが建前でありまするが、現在のところ、さような向うの出方が実力行使式にやつておりまするので、結果的には事実の確認、それを根拠といたしまして、現在ではあらゆる外交的な手段は、外務省としていろいろのくふうをしていただいておる段階であります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 山口さんにお伺いしますが、あなたの方の二そうの巡視船が行かれるときに、すでに竹島には韓国の砲台があるという情報を知つて行かれましたかどうか。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 燈台らしきものがあるやに認めたのは、十月二日、本年度における十数回目の――ちようど十一月二十一日のもう一つ前の警戒に行きました際に発見をいたしております。その当時、「おき」「ながら」という二船が行きましたが、このときの調査では東方の突端に新しくすえつけられたと思われる砲らしきものがあるということが判明いたしました。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 そうしますと、砲台があるということ、危険があるということを予想されれば出さないはずであります。まる裸の巡視船が、相手が大砲を持つておるというところに出て行くときに、万一のことを考えて防衛庁に連絡をして行かれたか、それともあなたが独断で出させたか、それを伺います。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 こららとしては厳重にそのことを伝えて警戒させながら、危険を冒して突入するような指令はいたしておりませんが、さような危険があることは百も承知の上で十分気をつけて調査をして来いということを言つてあります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 その際、出発の前にあなたが木村長官にこういう状況で行くということを連絡なさつたかどうかということを聞いておる。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 竹島の状況につきましては、その都度善後策についても防衛庁とは連絡をとつております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 木村長官にお伺いしますが、その際に相手が大砲を持つてむちやをやるかもしれぬというところに山口保安庁長官のまる裸の巡視船を偵察に出して、軍艦で、大砲を持つた、自衛力を持つたフリゲートを、横須賀の港につないでおいて出さないという理由を承ります。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 山口長官の言われた実情に対して私の方に対し、船を出すから、護衛を頼むというような連絡は私の手元には来ておりません。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 そういうことは言わなくても、あなたは危険に対して武力を持つた、武力を統率される人なんだ。山口さんはまる裸なんですよ。まる裸の船を危険なところにやるというときに、相手が言つて来ても知らぬ顔をしているということが、防衛庁長官として許されるかどうかということなんです。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 私はその当時はまだ大砲がすえつけられておるとか何とかいうことは聞き及んでおりません。どういう状況にあるかわかつておりません。従いまして、海上保安庁の方からおそらく私の方へ向つて、いわゆる護衛を依頼するようなことはなかつたのだ、こう考えます。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 今の山口長官の御答弁では十月二日に大砲らしいものがあるということを確認をして、そのことは防衛庁に連絡をなさつておるという御答弁に承つております。そうすれば十一月の二十一日に、その状況確認に行くということも当然御連絡があるべきであり、またそれがないとしても防衛庁としてはそれに対して何らかの手を打たなければならぬのではございませんか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 どういう状況になつておるかまず判断しなくちやならぬのであります。しかしその当時においてはさような判断すべき資料はございません。従いましてわれわれとしてはフリゲートを出動させなかつたのであります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 それではあなたは砲弾によつて日本の公船が撃たれたという事実を御認識になつておりますか。防衛庁としては日本の領土が侵犯されたかどうかというはつきりした判断の根拠にしなければならぬのですが、最近の機会において防衛庁自体がそれを確認されるという御用意はありますか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 すでにその事実は認めております。不法にもわが方の巡視船に対して発砲したということ、これに対しては将来大いに注意をしなければならぬと考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 将来注意するだけでは済まされない問題でありまして、安保条約の第一条には、在日米軍は大規模の内乱鎮圧に対する援助をも含めて、外部からする武力攻撃に対する日本国の安全に寄与するために使用するとはつきり書いてあります。そうするとすでに現実の事態は外部からの武力攻撃にさらされておる。これを解決するためにこの安保条約の第一条を適用されて、アメリカにその協力なりないしは調停なりを御依頼なさつた事実がありますか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 私の手元ではアメリカに対して協力を頼んでおりません。私は万一の場合はみずからの手によつてやろうと考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 みずからの手によつてやるという御趣旨でありますが、すでに侵されておる現実の事態をいつまで黙つて見ておかれるのですか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 ただいま外交交渉によつてまず解決をしたいと考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 日本の政府は、国際裁判に訴えて黒白をきめようといたしましたが、御承知の通りこれは韓国の拒否にあつて不可能となつております。そこでやむを得ず朝鮮が出した郵便切手を拒むということしかできておらない。郵便切手を拒むということで竹島問題の結末をつけようとなさるのでしようか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 郵便切手だけで解決しようとは毛頭考えておりません。あらゆる外交手段によつて外務省で現実にやつておるのであります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 自衛隊の任務は、自衛隊法の第三条によりますと、「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛するを主たる任務とし」と書いてあります。そうしますと、今目前に起つておる竹島問題はその直接侵略の対象とお考えになりませんか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 現在は自衛隊法によつて、現実の武力攻撃があつた場合に、日本の国を防衛する必要ありと認めた場合においては、内閣総理大臣が国会の承認を得てこの防衛に出勤する建前になつております。そこでまず直接に防衛する必要があるかどうかということの判断をしなければならぬのであります。今後外部からの不当侵略があつて、日本の国を直接に防衛する必要が差迫つたという場合においては、第七十六条の規定によつて処置をすべきであろうと考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 今後ではありません。もう現実において、過去において日本の領土が侵されておる。韓国の軍艦によつて大砲が撃たれ、占領されているという過去の事実です。将来ではありません。これを見のがすのか見のがさないのか。手続きをとつて国会に要求されるかされぬか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 ただいまのところでは、国会に対して防衛出動を要求する意思はありません。まず外交交渉によつて問題を解決したいと考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 長官は、直接侵略に対して日本を守る自衛隊の最高責任者である。それが竹島の現状をみずから視察をするか、少くとも有力なる責任ある幕僚をもつて確認なさるべきであります。この手段をおとりになるかどうか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 現在のところではその情報収集に努めておるだけであります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 情報収集を、はだかの海上保安庁にやらせて自衛力を持つた軍艦がやろうとしないのですか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 時期が来ればやります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 その時期はいつですか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 それは今はつきり申し上げることができません。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 国民がこの苦しい生活の財布の中から一千億円に近い税金を出して保安隊を養つておるのは、自分の国を守つてくれるというその気持から出しておるのでございませんか。そういうことをやらないで――明らかに侵された国土に対してその国土を守ろうというためにつくつたものではないのですか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 もとより自衛隊はわが国を防衛し、国民の自由と平和を守るためにある。しかしそのときの情勢いかんによつていつでも出勤するということであります。私は自衛隊が出動するときは、ほんとうに国民が決心すべきときである。そういうことがなければただちに自衛隊が防衛出動に出かけるというようなことがあつてはならぬと考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 私はこの竹島問題に関連をして起るものは対馬の防衛だと思うのであります。朝鮮ははつきり対馬は朝鮮の領土であると宣言しておるのであります。この対馬問題につきまして、私が昨年視察をした直後に長官も行かれまして、帰つて来られてからこの部屋の中で私の質問に対してお答えになつたことがあります。これは二月二十五日の速記録であります。「お説ごもつともであります。私も親しく対馬の島民諸君と接触いたしまして、その人々の切々たる様子を涙をもつて見て参りました。まことにもつともです。不幸にして東京付近に住んでおる人たちはあの地方の情勢を知らない、同情がないのです。私は不敏ながらかの島民たちの気持がまことによくわかつて参りました。そこで今辻委員の仰せになりましたような幾多の方法がありましよう」以下略しまして、「これは知事も賛成の意を表しており、この人は熱心な人であります。おそらくわれわれの希望に沿うてある程度の援助はされるものと確信いたします。私は警備隊、保安隊につきましても、今対馬に対してどう配置し、またどういうぐあいにすべきかということについて、幕僚と相談いたしまして、この問題の早急の解決をはかるように努力いたしたい、こう考えております。」このお答えは今もかわりございませんか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 もとよりかわりはありません。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 しからばこの前のこの委員会で問題になりました昭和三十年度の配置予算の際に私が念を押しております。あなたがごらんになつた通り対馬は今日本の直接侵略の可能性の最も多い地点であり、住民がおちおち眠れない。この不安を除くということが自衛隊の大きな任務であろう。そうすればほかのところに兵隊をふやすよりも、この島民の不安にこたえる意味におきまして、あなたがお答えになつたことをなぜ誠意をもつて少くとも三十年度の計画にお入れにならないのであるか、これをお伺いいたします。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 いろいろの点からわれわれは研究しなければならないのであります。そこに陸上の自衛隊を配置することがいいか、海の方で守らせるのがいいかということを研究しなければならない。そこでわれわれといたしましては、さしあたり海の方でもつて十分守ることができると思います。御承知の通り対馬は道路も完全にできておりません。これらの点からにらみ合せて、われわれは十二分の手当をすることを考えております。しかし三十年度においては、とりあえず海上自衛隊の連絡場所を設置し、終始佐世保の総監部と連絡をとつて、海上からの防衛に努めたい、こうさしあたり考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 私は今日の日本の防衛の上におきまして、一番大事な点は対馬である。対馬にすきをつくつたならば竹島問題がやがて対馬において再燃をするのであります。発生するのであります。対馬に事が起りましたら、これは救うことのできないような大事件になります。今のうちに一石を打つて相手にばかにされないだけの態勢をおつくりになることが、日韓の紛争を竹島以上に拡大しない最も賢明な策ではないかと思うのであります。そういうことに目をおおうて、三十年度においては海上自衛隊の無線機一機を対馬に出す、こういうことでごまかされようとしておりますが、ほかのところに置くよりも、向うの島民はあげて来てくれといつて頼んでおるのではありませんか。経費の点からも、気候の点から申しましても、北海道あたりと比べてよほど安上りになる。兵力も少くてよろしい。しかも三十年度におきましては、二万の陸上自衛隊を増そうとしておられる。その戦闘団を北海道と九州に置こうとしておられる。なぜその一部をもつて対馬の不安をまじめになくするような御努力をなさらぬかというのであります。もう一度承ります。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 われわれは決して対馬を閑却しておるのではございません。今仰せの通り対馬はわが国の防衛上最も必要な場所と考えております。そこでどういう手を打つかということについては、慎重にわれわれも研究いたしておるのであります。そこでさしあたり海の方でもつてまずこれを固めるということを先決問題に考えて幸い来年度において増強されれば、そのときにわれわれはまたひとつ考えを新たにして計画を立ててみたいとも考えておるのであります。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 これはまだ民主党の党としての意見はまとめる段階に至つておりませんが、そのところはつきり責任をお持ちにならない限り、私はただいま提出されている法案は民主党といたしましては保留いたします。個人としては大反対であります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 川上君。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 さつきから政府の答弁を聞いておると、木村長官は、竹島は完全に日本の領土である、こう言われたのでありますが、海上保安庁長官は、この帰属が明らかでないので、これを解決しなければ根本的に解決しないという意味の答弁をされた。これは非常に重大だと思う。私はこの点が最初から問題になつておる点だと考える。前国会においてもこの点をたびたび質問したことがあるのです。きようの答弁も食い違つておりますから、その点について正確にひとつ御答弁願いたい。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 先ほど私が申し上げました言葉が誤解を招いたかもしれませんが、私も竹島は絶対日本のものであるという確信の上に立つておるわけです。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 その考えの下に立つておるということと、現実的に日本の領土であるということとは別です。そうじやない。いかにそれがしの閣僚その他の者が主観的に日本のものであろうと言つても、国際的に日本のものであるということが決定されない限りは、国の領土というものは確定しないのだ。その点について木村長官が完全に日本の領土と言うなら、海上保安庁長官はこの帰属を解決しなければならぬという問題が起きて来るのです。ここが問題なんです。この帰属を解決するというのはどういうことなんですか。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 日本政府としてはたびたび声明してあるように竹島は日本の領土であると考えておる。但しただいま申し上げましたように、向うの不法なる侵入を受け、妙な形になつておりますから、これを既成事実として韓国がいろいろ宣伝されては困りますので、こちらとしては、帰属問題を解決するためにも、いろいろの調査をしてそれぞれ適時に外交的な折衝もしなければならないし、中外にもその事実を明らかにして不当なものだというために、いろいろ苦心してはつきりしなければいけないのだということを申し上げておるのであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 これはやはり重大です。不法侵入だとはつきり言われた。木村保安庁長官は、侵入、侵略とは認めていない、こういうことを言うておる。不法侵入、侵略ということになれば、この紛争をあとで解決するとか、帰属問題を話合いによつてどうするとかいう問題も起つて来ない。ところがこれを不法侵入でないとか侵略でないとかということを言わなければならないところに、この島の帰属問題がはつきりしておらぬ点があるのではないか。そのために、実は木村保安庁長官でも、海上保安庁長官も、ほんとうのところは困つておるのではないか。辻君が幾ら追究しても、鉄砲が放せぬというのを話したつてしようがないと思うのです。というのは、この問題が解決しておらぬから困つておるのじやないか。この点ははつきりと国会で言う必要がある。非常にあいまいでありますからもう一度だけ聞きたい。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 竹島は日本の帰属に属することは明瞭であります。ただこの竹島に不法侵入して来たに対する処置をどうすべきかということが今の問題であります。私は今防衛出動をすべき時期でないということだけは言つておる。しかし繰返して申してみまするが、竹島に対しての韓国の不法侵入に対して、われわれはどう手を打つべきか、さしあたりのところは外交交渉によつてこれを解決して行きたい、こういうことを申し上げているものであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 そうすれば海上保安庁長官の帰属問題について云々は、あれは間違いであつて、取消されますか。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 先ほどから申し上げるように、竹島については私の方はもう日本の領土だという信念の上に立つております。それだけであります。

川上貫一小会派クラブ

○川上委員 わからない。日本の領土だということと、適当な交渉によつて解決したいという問題が残つているということと、二つあるのです。ここを私は附いておる。帰属問題が決定するならば、これを適当に解決するという問題もないはずだ。帰属問題が決定しておらぬから、適当にこれを解決しなければならぬということを木村保安庁長官が言わなければならぬ。(「帰属は決定しているじやないか」「わかつているじやないか」と呼ぶ者あり)ちよつと冷静に聞きなさい。大事なことだから、耳にさわつてもそう興奮してはいけない。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 先ほども申し上げるように、日本政府としては従来から声明しているように竹島が日本の領土だという考えに立つております。その上で妙なことがあるのでいろいろとその措置をどうしようかと考えておるわけであります。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 私も関連しましてごく簡単に。竹島の帰属問題自体がまだはつきりしないというお話が川上委員からありました。今わが党は一応これは常識的に日本の領土だと思つておるのでありますが、この竹島に何か韓国の砲台ができておるという話です。これに対して辻さんは何とか勇ましく実力でおつぱらつてしまえという御意見であります。わが党はそういうことは考えない。その一点におきましては木村防衛庁長官のきわめて慎重な態度はけつこうだと思います。ただいま長官は外交交渉によつてこれを片づけたいというお説でありますが、一体その外交交渉をやるについて外務省を通じてどういうふうな努力をされたか。防衛庁長官としては所管外のようでありますが、しかし国務大臣でありますから、やはり内閣一体の原則に基いて内閣を代表して、外交交渉についての努力、あるいは今まですでに行われておるならば、その経過を御説明願いたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 直接に韓国に対して交渉を開始することを今申し出ておるようであります。これに対して韓国側はどう出て来るかという目下は瀬踏みの状態にございます。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 それはいつそういう具体的な申入れをしたのか、具体的な経過を伺いたい。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 私はまだこの点について聞き及んでおりません。主として外務大臣がやつておるわけであります。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 しかしそれはやはり閣議でも問題になつたと思うのであります。国務大臣として閣議でどういうふうな話合いがあつたか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 閣議では私は聞いておりません。外務大臣に一任いたしております。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 それはどうもあまり熱心じやないと思う。これは不信任に値すると思う。もう少し真剣に、大分時日も経過しておりますから、一刻も早く猶予しないで進めていただきたいと思う。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 竹島問題についての外交交渉のお話で私ちよつと補足させていただきたいと思うのでありますが、昨年の六月に問題発生以来、特殊の事件があるごとにその都度外務省から口上書なり抗議書が出ております。再々それは出ておりますが、まだいい返事が来ないのであります、その交渉は常にやつております。直接にやられることも外務省としてお考えのようでありますし、先ほどお話が出たように、国際司法裁判所ででもひとつやろうか。そのことも長い間研究された結果提案されたのですけれども、これは韓国側でやはり受付けない。なおその他につきましても、いろいろの方法で事実の鮮明と外交的にはいろいろなくふうをしていただいてずつと参つておるわけであります。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 この機会に関連しまして御質問したい。漁船の不当拿捕その他の問題が黄海の方でも行われておる。これは中国との関係であります。また李承晩ラインの関係で韓国との間にも起つておることは、御承知の通りであります。中国との間の漁船問題についての紛争は、この間中国側から誠意ある回答が出まして、両国の漁業団体の代表者が交渉して、そうして最終的な解決策を講じる、こういうことになつておりますから、私は、これは問題はだんだんなくなると思います。ただ韓国との間には、この問題は全然未解決でありますが、今の辻さんのような論法で参りますと、今後韓国側が日本の漁船を不当に拿捕したというような場合には、実力でこれに対して対処せよという理論になる。今竹島問題につきましても、長官は慎重な態度をとるというので、私はそれはけつこうだと思うのでありますが、韓国との漁船に関する紛争が今後また再発いたしましたような場合に、やはり同様に慎重な態度をとつていただいて、海上自衛隊の実力をもつてその紛争を解決するというようなことはしないか、この際ひとつその点念を押してお尋ねしておきたいと思います。それについての長官の御所見を伺います。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 われわれといたしましては、決して武力の行使を容易にやるべきものじやないと考えております。ただ、この李承晩ラインは、私は、これは国際法規を無視した不当なものであるという信念にかわりはありません。この李承晩ラインにおいて日本の漁船が不法に攻撃を受けたような場合においては、これは私は見のがすことができぬと思います。相当の処置が、これは自衛隊法第八十二条によつても、わが国の国民の人命、財産を保護し、また公の海上の秩序を維持するために必要な行動をとれることになつております。ただなすがままに、日本の漁船が不法に拿捕され、攻撃されることを見ておることもどうかと思います。しかし、そのときの場合によらなければならぬ。できるだけ慎重な考慮を払つて事を起さないようにはしたいと考えております。そのときのいかんによりましては、われわれもまた相当考えなければならぬと考えております。

田中稔男日本社会党(左)

○田中(稔)委員 私はこの場合にこれを傍観しておれというのでは決してないのでありまして、外交交渉をもつと活発にして、外交的に問題を処理する――これは長官の責任というよりも外務大臣の責任でありますが、長官は長官として、また軽卒な実力行使はしない、そして外務大臣と協力して外交交渉によつて処理する、こういうふうに指導をお願いしたいと思います。

大久保武雄自由党

○大久保委員 関連して。私は、先ほどの辻委員の質問要旨の中に、ちよつと今後の海上保安庁の行動の面において若干規制される点があると思いますから、この点について明確にしておきたいと思います。  先ほど辻委員から、裸の海上保安庁の巡視船は調査すべきじやないのじやないか、こういう質問がありましたが、私は、海上保安庁は、たとい裸であつても、そこに危険が予想されておつても、調査すべきじやないかと思う。それが海上保安庁の任務であると思う。この点についての海上保安庁長官の明確な答弁をいただきたい。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 ただいま大久保委員の御質問の、かりに巡視船が裸であつても、今後の調査は継続すべきじやないか、危険があろうともすべきじやないかということ、その通りに私も考えております。

大久保武雄自由党

○大久保委員 先ほど田中君の御質問の中に、李承晩ライン等で漁船に対して不当なる攻撃があつたときでも、できるだけ外交措置でやれという御質問がありましたが、漁船に対する攻撃の中には、ナシヨナル・フラグを掲げていない攻撃がある。先般の東支那海における漁船の撃沈の問題について、あの攻撃船はナシヨナル・フラグを掲げておつたかどうか、この点を私は海上保安庁長官もしくは木村長官にお尋ねいたしたい。

山口伝海上保安庁長官

○山口説明員 先般の第三十一山田丸及び第三十二山田丸の沈没事件でありますが、当時、実は都合三回攻撃を受けて沈没いたしたのでありますが、最初の攻撃は、たしかまだまつ暗な暗やみの中からいきなり撃たれたのであります。二回目がまだ暗くて、三回目がどうにか姿が見える程度でありまして、いろいろその当時の状況を調査いたしましたが、当時の乗組員は、非常な射撃を受けて危険にさらされたのでおびえておりまして、みな物陰に隠れたような状況で、実は、その船がどこの国の船であるか、どういうものであるかという確認が十分できなかつたのが残念であります。記号とか、あるいは型とか、そういうものをよく認めておりません。船型についてもうすぼんやりしたような報告であります。

大久保武雄自由党

○大久保委員 木村長官にお尋ねしますが、内閣としても、攻撃国はまだ明確になつていないのでありますか。

木村篤太郎純無所属クラブ防衛庁長官

○木村国務大臣 まだはつきりわかつておりません。調査中であります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 この際委員長より申し上げますが、政府に対して、戦没者の遺児、未亡人の就職あつせんについて要望する決議をしたいと存じますので、委員長提案といたしまして、次のごとき決議案を提出したいと存じます。すなわち、    決議案  戦没者の遺児、未亡人の就職あつ旋に関しては、現下の状勢に鑑み特別なる考慮を払い、優先雇用の実現につき有効なる措置を講ぜられたい。   右決議する。  以上の決議案に対して、その趣旨は明瞭でありますが、一言申し上げますと、戦没者の遺児、未亡人の就職あつせんについては特に政府は意を用いて施策を講ずべきところ、いまだ見るべきものがありませんので、早急にその措置を講ずべきであるというのであります。  なお、質疑、討論はこれを省略し、ただちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 御異議なければこれより採決いたします。以上の決議案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 起立全員。よつて本決議案は成立いたしました。  本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。    午後零時三十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗