大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/12/04
会議録
○内藤委員長代理 これより会議を開きます。 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案の三法律案を一括議題とし、質疑を続行いたします。井上良二君。
○井上委員 政府提案の交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案中、警察費の是正に伴う経費について、新しく地方交付税を変更しよう、こういうことでございますが、この内容について資料をいただいたのでありますが、この点を一応御説明願いたいと思います。
○正示政府委員 お手元にお配りいたしました交付税特別会計法の改正を必要といたしますに至りました警察費の是正に伴う経費の増加に関する資料につきまして御説明申し上げます。 御承知の通りに、先般国会におきまして警察制度の改正に関する法律案が成立をいたしまして、従来の国家地方警察と自治体警察が解消されまして、府県警察の組織に一元化されたのでありますが、これに伴いまして、国家地方警察に必要でありました国の経費並びに自治体警察のために従来市町村財政において支弁して参りましたものが、合せて府県の警察を支弁することに相なつたのであります。その際政府といたしましては、従来の実績等から勘案いたしまして、お手元に配りました通りに、その資料のまん中の欄に既定額というのがございますが、合計で二百四十九億八千五百万円というものを新しく財源措置をいたしたのであります。しかるに本制度の改正につきまして、当時国会におかれましても、警察費の算定につきまして過小の見積りがあるという意が御指摘になつておつたのであります。そこで政府といたしましてはただちに大蔵省、自治庁、警察庁三者共同の実態調査をいたしました結果、この算定につきまして一部算定漏れ等を認めましたので、今回これを変更いたすことにいたしました。その結果修正額——この既定額の左の欄にございますが、修正額というものを認めまして、これに必要なる財源措置を講じたのであります。修正額につきまして一番上の「1、制度改正に伴う増減額」、その次に「イ」といたしまして、給与費庁費等道府県単独負担の分、これが既定額において二百一億四千九百万円でありましたのを、今回の改正におきましては二百五十五億六千七百万円、差引五十四億一千八百万円の増加になつております。このうち特別待命者の退職手当が八億一千二百万円含まれておるわけでございます。 次に「口」の給与調整手当でございますが、これは既定額におきましては八億二千万円を見積つておりましたが、実際には五億一千万円でよろしいわけでございまして、これは逆に三億一千万円の減少に相なつておるのであります。 第三に警察行政費、これは国庫補助金を伴う分でございますが、既定額におきましては三十七億四千八百万円でございましたが、修正額におきましては四十二億二百万円、差引四億五千四百万円の増加に相なつております。以上が制度改正に伴う増減でございまして、その合計におきまして既定額二百四十七億一千七百万円が三百二億七千九百万円、差引五十五億六千二百万円の増になつておりますが、これは御承知の通りに交付税を配付いたさない、いわゆる富裕団体の分も含んでおりますので、このうち交付税を配付いたしましたところの、いわゆる交付団体分は四十一億二千三百万円ということに相なつております。 次に、第二の行政整理に伴う増減額でございますが、これは既定額におきましては、まず「イ」の普通庁費等の不要額を十億二千九百万円の減少と見ておつたのでありますが、現実には二億六千九百万円の減でございましたので、差引七億六千万円の増加に相なつております。次は「ロ」の退職手当及び恩給費の所要額でございますが、これは既定額におきまして十二億九千七百万円と算定をいたしたのでございますが、現実には五億九千九百万円でまかなつております。従いまして、これは逆に六億九千八百万円の減少に相なつております。この行政整理に伴う増減額の合計額は、既定額二億六千八百万円に対しまして、三億三千万円でございます。全国的に六千二百万円の増でございますが、これまた交付団体の分は四千六百万円でございます。 以上の、制度改正に伴う増減並びに行政整理に伴う増減を合計いたしまして、既定額二百四十九億八千五百万円が、三百六億九百万円と修正をされました。その結果五十六億二千四百万円の増に相なるのでございますが、このうち交付団体の分は四十一億六千九百万円でございます。これに対しまする財源措置でございますが、いわゆる国庫補助金といたしまして当初十八億七千四百万円を措置いたしましたのを、今回二億二千七百万円増加計上いたしましたために、二十一億百万円となり、このうち交付団体の分が一億六千九百万円と相なりました。 それからそのほかに交付税におきまして、当初二百三十一億一千百万円でございましたのを、二百八十億八百万円と算定がえをいたしましたので、差引五十三億九千七百万円増加いたしまして、このうち交付団体の分が四十億ということに相なつております。政府といたしましてはこの四十億円の交付税の総額に関しまして、先般当委員会において御審議をお願いいたしましたように、交付税特別会計法におきまして所要の改正をお願いいたしたような次第であります。
○井上委員 問題はこの新しく生じて参りました交付税の交付額の四十億の問題でございますが、この四十億というのは三十年及び三十一年に地方にそれぞれ交付します交付税でないかと考えますが、今回これを三十年度、三十一年度に支払います分を、二十九年度に繰上げ支給をしておる措置を講じておるようであります。 〔内藤委員長代理退席、委員長着席〕 そうしますと、三十年及び三十一年度の交付税については、どういう措置をおとりになつておりますか、その点をお聞きしたい。
○正示政府委員 お答え申し上げます。御承知の通りに、従来の平衡交付金制度が二十九年度以来、交付税制度に根本的に切りかえられたのであります。しかしながら、二十九年度は年度でございましたので、最初にこの交付税の算定をいたしまする場合に、従来の平衡交付金方式の場合と大体同じような算定をいたしまして、まず地方財政計画のうちで、いわゆる交付団体の分がどのくらいであるかということを算定をいたしまして、この交付税をもつて財源措置をすべき額をきめまして、これを所得税、法人税、酒税について一定の率を求めたのであります。その結果、まず酒税につきまして二〇%という率をきめまして、所得税と法人税につきましてはそれぞれ一九・六六%、これは非常に端数のある変な率でございますが、そういう暫定率を設けまして二十九年度の交付税の千二百十六億を算定いたしたのであります。しかるにただいま申し上げましたように、警察費につきまして財源措置の不足があるということでございましたので、すみやかに実態を調査いたしまして算定がえをしまして、四十億という交付税の増額の提案を申し上げたのであります。一方歳入の面でございますが、これまた今回提案をいたしましたような補正予算におきまして、法人税の税収の見積りが、上半期の実績に徴しまして、百五十億の増収を計上することが確実に見込まれるということに相なりましたので、これを自然増収として計上いたしたのであります。そこでただいま申し上げました警察費の不足額を百五十億円の自然増収、その他の財源をもつてまかなうわけでありますが、交付税の対象になるのは法人税だけでございまするので、法人税に対しまして従来の一九・六六%をもつて算定いたしますと、大体三十億という数字が出て参るのであります。たまたま警察費の不足のうち三十億は経常的な経費であります。十億は先ほど申し上げましたように待命職員の退職金というような臨時的な経費でございます。そこで政府の部内におきましては、この際交付税の率は改変することなく、自然増収に対する従来の率で算定して三十億を計上し、その他の十億は臨時の補給という形で計上すべきであるというふうな意見もございましたが、二十九年度の一九・六六%というこの率は、最初申し上げましたように、きわめて暫定的な率でございましたから、この際この暫定的な率を二十九年度限り改訂をするということは、さして議論の余地もないのではないかという判断に基きまして、今申し上げました経常的な不足三十億に、臨時的な不足十億を合せまして四十億円を、自然増収を見込んだ法人税並びに従来の見込みの所得税等の間に率を求めまして、その結果一九・八七四%という、これまた端数のある変な数字でございますが、暫定的な率に改訂をすることにいたしまして、御提案を申し上げておる次第であります。従いまして三十年度の交付税の額には何らの影響もありません。率にも影響がありません。ただその率を改訂いたしました結果、三十一年度におきまして決算的に地方に交付される金額は、この率の改訂額だけは増加いたすことに相なるのであります。
○井上委員 次に伺いますのは譲与税の配付金の問題であります。御承知の通り、前国会で入場税の税率を政府提案から引下げまして、本院を通過したのでありますが、この入場税率の引下げによりまする減収は、譲与税の場合において、一体これがどういうふうに増減となつて現われておるかということをついでに伺いたいと思います。私ども、当初政府原案による分と、その後本委員会で修正いたしました税率によります分と比較いたしますと、地方への譲与税としての減収額は、大体六十億前後になりはせぬかということをわれわれは計算しておるのでありますが、さような手荒い減収にはならぬということでございましようか。この税率の変更に伴います譲与税の増減の見込み額について御説明を願いたいのであります。
○渡辺政府委員 税の関係について私からお答えいたします。政府原案におきましては、御承知のように、百九十二億で一応予算を組みまして、その一割相当部分を特別会計から一般会計の方へ繰入れる。従いまして百九十二億から十九億を差引きました百七十三億円、そういう案で行つたわけでございます。その後国会の方で税率の引下げの問題が出まして、これによつて減収になるかならぬか、ずいぶんいろいろ当委員会でも御議論があつたことだと思います。われわれの方はこれで相当大きな減収になるのじやないかということを、一応われわれの意見として申し上げたわけでございますが、いやこれによつても減収にならぬという御意見のあつたことも事実でございます。その後におきまして、一つは施行が遅れた−五月十八日から施行されたわけでございますが、その五月十八日に国税に切りかわるその間におきましては、地方税としてそれが入つておつた、そういうことを考えましたので、とにかく百七十三億入場税として一応地方財政の方には確保さるべきだ、これをまず最初の命題に立てまして、同時に今申しました施行が遅れた、その施行の遅れた期間は地方財政の方に従来の形で入場税が入つて行くから、それは百七十三億の方から減らしていいじやないか、結局百五十五億という金額、これは少くとも地方に確保しないと地方財政計画が成り立たない、こういうことになりまして、地方入場税の税収の結果がどうあろうと、とにかく百五十五億だけは地方財政に確保できる、こういう措置を——譲与税の方で国会修正でやりましたが、一応措置を願つたわけであります。従いまして入場税の収入が百五十五億を越えますれば、あるいは百五十五億確保できますれば、国の方から特に措置することはないのでありますが、百五十五億以下になりますと、国の方から特別会計の方へ繰入れましてそれだけ確保する、こういう措置になつております。施行の結果を見て参りますと、これは先般井上委員の御質問で私がお答えしたところでございますが、人員とか金額におきましては相当の増加を示しておりますが、何と申しましても税率の引下げの効果が相当強く響いております。従いましてなかなか月十億の線が確保できない、少くとも今までにおいてはちよつとそれを切る、十月におきましては十億をちよつと越えましたが、そういうような姿であります。この正月がどんな結果になりますか、これが実は例年の例を見ましても、例月とかなり大きく違つた数字を出しております。九箇月半ということになるのですが、正月が実は普通の月でありません。そこでもう少しこの正月の姿を見ませんと、われわれの方も実は正直な話、しつかりした見通しがつかないわけであります。そこでとにかくこの際としまして、三十五億だけ一般会計から繰入れておいたらどうか、こういう実は見通しを立てまして、そうすると入場税が百二十億という問題になるのでございますが、この点につきましては実はもう少し参りませんと、私の方もはつきりした見通しはつきかねます。ただ借入金の制度などいろいろございまして、百五十五億を譲与税として配付するにつきましては、支障のないような施策を一応講じてあるつもりであります。
○有田(二)委員 関連……。主税局長と主計局長にお尋ねいたしますが、今の入場税の問題ですが、あれは義務教育費国庫負担法から出て参りまして、東京都が四十億、大阪府が二十六億六千万円、神奈川が数億を出でず、そういうアンバランスを是正するために、入場税が国税移行になつたのでありますが、入場税問題は地方税の当時にはなかなかいろいろ問題があつたので、地方税で完全にとれておつた税金とは私は考えていないのです。従いましてこの五月から国税にかわりまして、その運営については主税局なり国税庁の方で十分手心を加えておやりになつておるというように、われわれも仄聞いたしております。この入場税が国税移管になりまして、そうして義務教育費国庫負担法によるところのこの問題の数字がどのようになつておるか、今一部御説明がありましたけれども、この義務教育費国庫負担法による、東京、大阪その他に特別に行つておつた金が、今度はこれによつてどのように数字的にアンバランスがなくなつておるかということの、詳しい御説明が願えれば幸いであります。
○渡辺政府委員 有田委員の御質問は、こういう点ではないかと思います。政府の一応の案としては、義務教育費の国庫負担の関係で、東京、大阪のような富裕府県には国庫負担の一部をやらなくていいじやないか、それによつて一応国の財政を小さくしようと努力したじやないか、それができないので入場税を国の方へ移し、それを人口割で配ることをそのかわりにやつたわけだ、それで義務教育費をああいうふうにした場合と、入場税の場合と、どつちが国のふところとして改善されたことになるか、そういう御質問だと思いますが、結局義務教育費国庫負担を、そういうふうに一部削減するという前提に立つた場合の問題が一つあります。もう一つは、入場税を現行のように全部渡して、入場税の方でもつてそのかわりの措置をした、その二つでどつちが国が云々、ということじやないかと思います。実はこれはなかなか計算がむずかしゆうございますし、今案はちよつと手元に資料がないのですが、大体の考え方としましてはこういうことが言えると思います。結局入場税の税率が下り、従いまして税収が非常に減つたということで、国、地方を通じての税の入り方がそれだけ減つたわけでございます。ところが地方の方に対しましては、先ほど言いましたように、従来と同じ程度の税収を確保する。そうすると税収の減つただけは結局国の方に全部しわが寄つておるわけであります。その額と、義務教育費国庫負担を東京、大阪で切つた場合と、一体どれだけどうなるという問題になるのだと思いますが、われわれの方でもって、その場合に入場税が大阪にあつた、東京にあつたということによりまして、あつた額と、現在のように人口割でわけた場合とで、それだけ東京の入り方が減つた分——これをわれわれはロス率と呼んでおります。要するに富裕府県にそれだけ余分に行つておるのではないかという観念で、一応ロス率と言つておりますが、その額は東京都におきましては二割八分、大阪においては一割三分——私が御説明申し上げておりましても、有田委員がこういうことを知りたいという数字的な御説明は実はちよつといたしかねるのでございますが、これはお話の趣旨をもう少しよく聞きまして、別途数学的にはじき出してみることをひとつお許し願いたいと思います。実はいろいろな関係が相当ごちゃごちゃになつておる問題もございますので、今ここですぐ数字的に御満足の行くような御説明を申し上げることはちよつとお許し願いたいと思います。
○有田(二)委員 主計局次長に伺いますが、地方税の税率の下らなかつた当時の入場税の実際の全国的な収入と、税率が下りましてからの今の予定額では、どのくらい減収になりますか。実際地方税では、入場税の税金がそう完全に国税のようには入つていなかつたのではないかと私は考えるのです。従いまして国の予定では、あるいは百九十二億とか、百七十何億とかいう予定があつても、現実地方税に入つた当時は、はたしてそれだけの税収があつたものかどうか。同時に国税になつてから入場税の税率を引下げましたけれども、それによる収入とそう大した開きがないのではないかと私は思うのですが、ひとつ御意見を承りたい。
○渡辺政府委員 私の方から便宜申し上げさせていただきます。地方財政計画で見ます歳入の数字と、実際の決算の数字とのお話でございますが、これはあのとき議論になりました入場税、遊興飲食税の二つ——遊興飲食税の方は毎年の例ですが、一応当時の予算額に比べまして、決算の方はお話のように、相当歳入の率が落ちておるのであります。入場税の方は、全国的に見ますと、割合に予算の額だけとれておりました。国税に移しまして、大分いろいろな違いが出て来たのではないかということですが、これは実はお話の通りでございます。あの当時も申し上げたと思いますが、東京の中央地区のようなところは、地方税時分から割合まともに税金が納まつておりまして、従いましてこれが国税にかわりましても、そのことによつてあまり大きな変化はありませんでした。ただ東京におきましても、周辺地区になりますと、必ずしもそうではない。府県によりますとそれが相当大きく違いが出て来ております。井上委員に前回御説明申し上げたものですから、先ほどはちよつと省略させていただきましたが、人員と入場料金が両方とも大体五割程度はふえております。ところが税率はあの当時は普通全部五割でありまして、純音楽とか純何とかいう幾つかのものには二割の税率のものもありまして、実際の税率といたしますと四割九分ということになつておりました。最近のものは、実績を調べてみますと二割二分七、八厘、従いまして金額的につかまえておる金額は相当ふえたのでありますが、その税率が半分以下に減つた、これは平均税率であります。そのことのゆえによりまして、歳入がやはりおのずから減らざるを得なかつた、こういう結論になつておるようであります。
○有田(二)委員 希望だけ言つておきます。国税庁長官にお願いしたいのですが、あのときも長官のお話があつた通りに、地方の興行主その他との摩擦も考慮に入れて、入場税は一年間くらいはそうせつかちにやらないというお話でありましたが、来年の五月以降は完全におとりになることはけつこうですが、摩擦のないように希望いたしまして、私の関連質問を終ります。
○井上委員 ただいまの説明を聞きますと、入場税を地方税から国税に吸い上げて、これを譲与税に切りかえるということによつて、地方財政にもさほど大きな変動を与えないし、かつ不均衡を是正することができるということで、この法律案が政府提案で出て来た。ところが減収のあとがはなはだ大きいですね。政府は最初説明をされました当時は、国税にいたしまして税率を下げれば相当入場者もふえる、従つて税収の上においては地方税に置いておつたときよりも決して減収にはならぬ、こういう説明を政府みずからがしておる。またわれわれは当時さようなことに相ならぬということからこれの国税移管に反対をいたしたものでございますが、国税に移管をして多数の力においてこの税率が引下げられ、そして実施した約五、六箇月の実績を見、さらに—来年一月の増収を予想しておるようでありますけれども、おそらく一月には一割か二割くらい増収になりましても、そんなに大きくふくれ上ることはあり得ないと考えます。そういたしますと、この年度間において全体が百億から百十億という収入が予定されるのではないかとわれわれは見込んでおります。ただいまあなたの御説明によると、ここに地方税として地方に交付する譲与税は百五十五億を予定しなければならぬ。そうしますと、ここに約四、五十億というものの穴が現実に明くわけです。これはまつたく政府の税制じりの欠陥がここに現われていることをお考えになりませんか。政府みずから不均衡を是正して地方に迷惑をかけないようにするということであつたじやありませんか。それが逆に一般会計から繰入れなければならぬ状態になつているじやありませんか。一体このずさんなやり方をどうお考えになりますか。われわれは当時かくのごときことにならぬということを指摘して、この案の撤回方を要求した。しかるに政府は強引にこれを押し切ろうとした。それに協力したのは与党です。そしてこれに協力した興連が問題を起している。忌まわしい事件さえ起つているのです。一体かような醜態を演じた責任をどうするのです。大蔵政務次官はこの事態をどう考えになります。どう責任をおとりになります。
○山本政府委員 当初入場税を地方税から国税に移管するという場合に、従来の地方税当時におきましては十分に徴収されてなかつたということは認められる、従つて国税に移管した場合には、若干税率を下げても従来同様の収入があるだろうということは確かに言われておつたのでございますが、国会におきましてこの問題が、四月になりましても、予算通過後もまだこの法案が通らなくて非常にもんだことは御承知の通りでありますが、そのもみにもみ上げた結果予想以上に税率を下げた。それから期間も非常に遅れました。こういうことによりまして予想しなかつた状態ができたのでございまして、一般的にいわれた国税に移管したならば、少し税率を下げても従来と同じ程度の税収があるだろうということには今でもかわりはないと思つております。
○井上委員 私はそういう経過的なことを聞いておるのじやありません。要するにかくのごとき事態に至つた責任をどうするのかということです。問題は政府みずからさようにならぬ、最も税の公正を期す、みずから不均衡を是正するということでこれをやられたのです。結果的には地方に大きな財政的負担を負わすことになるじやありませんか。一方においては税収はそれだけ入らぬということになりますれば、国庫からそれだけの負担をしなければならぬということが現実に起つておるじやありませんか。この責任をどうするかということを私は聞いているのです。
○山本政府委員 いろいろな経過で時間が遅れ、税率が減りました結果、地方に対しまして百五十五億五千万円は今年度限り補償する、こういう措置がとつてございまして、それに対して不足するであろう金額は、今度の補正予算に計上しておるわけでございますから、政府はこれに対する十分な措置をとつておると考えております。
○井上委員 それは予算的措置であつて、政府の責任はちつとも感じておりません。あなた個人の金を出したわけではない。大蔵大臣個人の金を出したわけではない。これによるところの不足は一般会計から繰入れられることになる。一般会計から繰入れられるのは国民の負担です。政府の施策よろしきを得ない結果不当な負担が国民にかかつていることをあなたはお考えになりませんか。そんなべらぼうなことをしておいて、予算を組みかえたらいいじやないかということで事が済みますか。
○山本政府委員 今回補助しました三十五億は国の税金でございますが、また一方映画を見られたりする方の負担は軽くなつております。 〔発言する者多し〕
○千葉委員長 静粛に願います。
○井上委員 そういたしますと、大体これから先の国民経済の動向にもこれは重大な関係を持つて来ますが、大体今日立つております政治的な諸勢力の一つの方針は、依然としてデフレを強行して行くという一つの政策が打出されており、これを一般は支持して行かなければならぬという一つの動向が現われております。そういう一つの経済の動向を見通しました場合、特に入場税のごとき経済に非常に左右されます税収におきましては、この経済の動向に合致し得る計画が立てられなければなりません。そうなつて参りますと、ただいまはさようなことで補正予算その他でつじつまを合すことは終りましても、来年度は一体どういたすのでありますか。来年度はこの一年間の実績に基いて、やむにやまれぬから一般会計からその点を補填いたすつもりでありますか。それともまた税率を改正する方針でありますか。どういう処置をおとりになるつもりでありますか。それを伺います。 〔委員長退席、坊委員長代理着席〕
○渡辺政府委員 便宜私からお答えさせていただきますが、井上さんの言葉ではございますが、興行収入というものはデフレの影響を受け方が一番軽いといいますか、一番受けにくいものじやないだろうかという意味におきまして、われわれは入場税の収入がデフレのゆえに非常に大きく減るというふうには実に思つておりません。ただいずれにしましても、当初予想しましたものに比べまして税率の引下げが一番大きく響いておると思いますが、ある程度減収になつて来ておる。従つてそれを明年度以降どうするか、この問題につきましては、税率をもう少し元にもどすかという意見も実は中にございます。しかし現行の税率自身も前の五割ということを前提として考えますと、ずいぶん低いわけでございますが、しかし実質的に考えればそうべらぼうに低い税率でないかもしれません。従つてその場合におきましては、別途やはり地方財政の方に対しましては、それによつて特別なマイナスを生じないような措置は講じなければならない。税率の方で収入を確保するように考えて参りますか、あるいは他の方法によつてそれをまかなうようにいたしますか、実は目下内部的に検討しておりますので、結論としましてはもう少しお待ちを願いたいと思います。
○井上委員 もう一点。ただいまの御説明によると、まだ来年度の譲与税に関する入場税をどうするかという問題については、検討中であるというお話でございますが、大体一度下げました税率を引上げるということは、なかなかこれは困難であろうとわれわれは考えます。国の立つております平和的な文化国家をつくるという国是に照らして、入場税のごときは全廃をするという方向を打出すことが、当然とられなければならぬことでありまして、かような税収を当てにして、地方財政の確立の一環にこれを充てるということの不堅実さを、政府の方に私は強く申し入れておきたいと思います。地方財政に充てますものは、もう少し確実な税収を充てて行つて、年間を通してさほど大きな変動を生じないような政策を立ててもらいたい。もちろんこの入場税のそう大きな変動はないと言われることは言われるでしようが、しかしこれは行く行くは税率をどんどん引下げまして、将来はこれは減税してしまうというところに持つて行く税収ではないかと考えますから、他のもつと確実な税収によるものを充てるという方法によつて、地方財政の確立の一環に資すということの方が、私は当を得たものではないか、こう考えます。そうでないと、これにこだわつておりますと、今主税局長からのお話がありますように、当然来年は少くとも年間百七十三億をこれによつて譲与税として見込みます以上は、税率を引上げなければならぬことになつて参りますから、税率の引上げということについてはおそらく国会は賛成をいたしますまい。そういう現実から考えて、いま少し他に地方財政の確立の方途を講じるということが、私はこの際必要ではないかと考えますから、幸い政府も検討中ということでありますので、この点十分織り込んで御考慮を願いたいということを申し上げて、私の質問を終ります。
○渡辺政府委員 先ほど私ちよつとお答えするのに間違つた点がありますから、それだけ補正さしていただきます。と申しますのは、明年度以降におきましては、政府の当初の提案は交付税の率が主税にわたりまして二割高となります。それを地方行政委員会でずいぶん議論になりまして、結局二割五分が二割二分に引下げられましたあの機会に、実は政府としましては地方税がおそらくこの税率引下げによつて相当減収になるだろうということを見込みまして、あの二割二分の引下げのときに、それが相当加味してございます。従いましてあとの問題はそのときの考え方と、現実はさらにどうかという点は残りますが、一応はそこに税率が織り込んであるということを先ほど申し上げることを残しましたので、それだけ申し上げさしていただきます。
○内藤委員 動議を提出いたしたいと思うのであります。すなわちただいま一括議題となつておりまする三法律案につきまして、質疑も大体尽されたと存じまするので、この程度で質疑を打切られんことを望みます。
○坊委員長代理 ただいまの内藤委員の動議に御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 御異議なしと認めます。よつて三法律案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 討論の通告がありますのでこれを許します。井上良二君。
○井上委員 ただいま議題となりました政府提出の三法案は、いずれもやむを得ない緊急な措置の法案でございまして、各法案の内容につきましては、なおかついろいろ申し上げたい点も多数ございますが、時間の関係で省略をいたしまして、ただ一つ農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、これに対して附帯決議案を上程いたしまして、三案とも賛成をいたしたいと思うのであります。 附帯決議案 昭和二十九年度に予想される農業共済再保険特別会計の農業勘定における不足金に対する差当りの補てん措置としては、できる限り政府資金の導入によることとして極力金融機関からの融資を避けるとともに、今後の恒久的措置としては農業共済基金の大幅の拡充を図り、その運営の適正化を期せられたい。 右決議する。 この附帯決議をつけて三案に賛成の意見を申し述べたいと思います。
○坊委員長代理 これにて討論は終結いたしました。 引続き三法律案を一括議題として採決いたします。三法律案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて三法律案はいずれも全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。 次に井上良二君提出の農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて本附帯決議は決定いたしました。 —————————————
○坊委員長代理 次に国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案を議題として質疑を続行いたします。
○内藤委員 動議を提出いたします。ただいま議題となりました国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案につきましては、質疑も大体尽されましたので、この程度にて質疑を打切られんことを望みます。
○坊委員長代理 ただいまの内藤君の動議に御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 異議なきものと認めます。よつて本法案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 本案に対しましては大平正芳君より修正案が委員長の手元まで提出されておりますので、この際修正案の提出者より趣旨弁明を聴取いたします。大平正芳君。
○大平委員 ただいま議題となりました法律案に対する修正案の趣旨弁明を行いたいと思います。修正案の案文はお手元に印刷して差上げてございますから、この際朗読を省略さしていただきます。 修正の要点を申し上げますと、第一点は第一条の修正でございまして、これはこの法案の目的を明確にいたしまして、炭鉱医療施設の譲渡または貸付を受けたものをして、その施設を炭鉱医療施設の用途に供することを義務づける、従つて他の用途に転用したり、また転売したりすることを避けたいということでございます。 第二点は、附則に関するものでございまして、原案では法律上または事実上の既成事実をくつがえすこととなり、適切とは考えられませんので、この法律案が成立いたしました場合において、この法律施行前に公団から譲渡を受けたものと、この法律の規定により減額譲渡を受けましたものとの間の権衡を考慮し、その法律施行前に譲渡を受けたものの買受代金にかかる債務のうち、この法律施行の日以降支払い期日の到来いたしますものにつきまして、軽減措置を講ずるものであります。 以上、提案の趣旨を御説明申し上げましたが、何とぞ御賛成あらんことを望みます。
○坊委員長代理 これにて修正案の趣旨弁明は終りました。本修正案について何か御発言はございませんか。 別に御発言もないようでありますからお諮りいたしますが、本案及び修正案につきましては討論を省略してただちに採決いたしたいと存じますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 御異議なしと認めます。よつて討論を省略してただちに採決いたします。 まず大平君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて本修正案は可決いたしました。 次にただいま議決されました修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて本法案は全会一致をもつて大平君提出の修正案のごとく修正議決いたしました。 —————————————
○坊委員長代理 次に、本日当委員会に審査を付託されました昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案を議題として審査に入ります。まず提案者より提案理由の説明を聴取いたします。内藤友明君。
○内藤委員 本法案は、現下の食糧事情にかんがみまして、前年来引続きまして供出米の奨励金について免税の措置をとろうとするのであります。皆さん全員の御提出でありますので、すみやかに御決定願いたいと思うのであります。
○坊委員長代理 これにて提案理由の説明は終りました。引続き質疑に入ります。井上良二君。
○井上委員 この際本法案に関連いたしまして政府当局の方に質問をいたしたいと思いますが、ただいま説明されました二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案、この法律案によりますと、本年の早期供出奨励金、それから超過供出奨励金、これに相当する部分について所得税を免税しようというのでありますが、この超過供出奨励金、それから早期供出奨励金に該当いたします全体の農業所得は当局ではどのくらいと抑えておりますか。そうしてそれの税の免税額はどのくらいの金額を予想しておりますか。これは本年の収穫とにらみ合せて政府の早期供出の石数と超過供出の石数とを予想して、大体計数を出されてると思いますから御説明を願いたいと思います。
○渡辺政府委員 超過供出の大体現在予想されております奨励金の額が七十億、それから早期供出奨励金の関係が六十億、これの関係におきまして大体百三十億というのが奨励金の総額でございます。従いましてこの二つを減免いたします場合の税収の減でございますが、二十億ないし三十億、これは上積み税率になりますから、どういうことになりますか、正確な計算はちよつと今持ち合せがございません。二十億ないし三十億の負担、ただ本年の予算にすぐ響きます額は一部でございまして、実は一部は特に超過供出などは来年になりまして農業者のふところに入つて参ります。これはむしろ来年度の予算の際にそれを頭に入れて計算すべきである、こういうふうに考えます。
○井上委員 昨年度はどうなつておりますか。
○渡辺政府委員 昨年度はただいま申し上げました百三十億に相当する金額が四百三十億、それから税額にしまして六十億程度と存じます。
○井上委員 その数字はどういう根拠から出しておりましようか。私ども昨年の米の作柄と、今年の米の作柄とは大分違う。今年の作柄は非常に悪く、昨年の作柄は数字の上では非常によいという結果が出ておるのでございますが、どういう根拠でそういうことになつておりますか。
○渡辺政府委員 昨年からいろいろそういう議論があつたのでありますが、本来超過供出は井上さん御承知のように、大体出し得るマキシマムの分量を一応きめて、それ以上出したものを超過供出というのが、超過供出の本来の性格ではないかと思います。昨年におきましては供出量は幾ら、そのうち義務供出量は幾ら、超過供出量は幾らというふうな話になりまして、供出可能量と思われます額に比べて、超過供出の量というのが非常に多かつたのであります。それから同時に超過供出奨励金の額自身も、昨年は相当な額になつたわけであります。そういつた関係から本年におきましては大分是正されまして、超過供出の出す量も減らし、同時に金額も大分減りました。そういつたような関係からしまして、現在農林省で予想しております数量を前提として計算しますと、先ほど申し上げましたような数字になるわけであります。
○井上委員 ちよつと私の頭が悪いのかもしれませんが、ただいま説明しておられますことで、どうも数字的にはつきりいたしません。と言いますのは、今年政府は早期供出奨励金を出しまして買入れます石数の大体の予想は、千二、三百万石じやないかと私は想定している。そうして超過供出は少くとも二、三百万石を予想しているのではないかと思う。その早期供出奨励金に該当する千二、三百万石と、それから超過供出に該当する二、三百万石とを考えまして、所得にかけますと、そんなに低い数字ではないと見ているのですが、そんなに低い数字を抑えておるのですか。
○渡辺政府委員 超過供出の量と、それから早期供出の量は大体井上先生のおつしやつた程度の数字をわれわれは基礎数字としております。一応この点を御注意願いたいと思いますが、昨年の超過供出奨励金の額は一石当り二千七百円でございます。今年はそれが千二百八十円に一応減額されております。それから早場米の奨励金は大体昨年通りでございます。ただこれが数量的に一応時期が繰上つております。しかし大体見ております数字は、井上先生のおつしやいました三百万石程度、われわれの方は二百七十六万石、大体三百万石程度というふうに計算はしております。御疑問の点は、主としてそうした一石あたりの超過供出の奨励金が、一部基本米価に入つたということでありますが、相当減額になつているというところに大きな原因があるのじやないか、かように考えております。
○井上委員 この際ついでに伺いますが、本年度の全体の農業所得の税収はどのくらいを見込んでおりますか。そのうち主食の米麦等による所得はどのくらいに押えておりますか、それを御説明願いたいと思います。
○渡辺政府委員 当初予算で見込みました農業所得の額は八十億程度でございまして、その後基本米価が相当上つたということが主たる原因で、百三十億程度くらいになるのじやないだろうかというふうに思つておりますが、これはもう少し検討を加える必要がある、こう思います。五十億くらいふえたわけです。
○井上委員 これは農業全体の総合所得ですか。
○渡辺政府委員 農業全体です。
○井上委員 昨年はどうなつていますか。
○渡辺政府委員 昨年は、御承知のように、災害で非常に減りましたものですから、四十五億です。
○井上委員 そこで、ただいま御説明をいただきました昨年度の農業所得と本年度の農業所得を比べてみますと、大体昨年に比べてことしは倍以上に飛び上つており、はなはだしきは三倍になるということが予想され得るのであります。この内容は、御承知の通り、本年は全体的に霜冷害その他減収になる要素がなくて、大体平年作であるということがいわれておることもありますが、それよりも、昨年は、御承知の通り、超過供出奨励金、早場奨励金のほかに完遂奨励金が八百円ありまして、その完遂奨励金八百円が免税になつておる。ところが本年度は完遂奨励金をやめてしまつて、その八百円をそのまま基本米価へ繰入れておる。こういうことから総合所得が非常に大きくなつて来ておることの事実をわれわれ見のがすわけに行きません。 そこで提案者に伺うのでありますが、この昨年行われておりました完遂奨励金は、一体どういうわけでことしはこの特例案に除いたのですか。これはやむを得ずほおかむりして行こうというのですか。
○内藤委員 井上君のお尋ねでありますが、私ども当初考えましたのは、前年八百円という奨励金が免税になつておりました。それが基本米価へ繰入れられたことによつて税金がとられるのでありまして、その点につきましてはいろいろ考えたのでありますけれども、政府並びにその他の人の話によりますと、その税金の部分だけは基本米価で二百円上げたのであるからという説明でありましたので、涙をのんで八百円の問題は引下つたことになつております。
○井上委員 提案者が政府当局の御心中をお察しして、せつかく最初考えました案を修正いたしまして、ただいま説明されたような法案で提案をされておりますが、しかしかりにこの法案通り国会を通過するといたしましても、現実に農家の負担は昨年の三倍に上るのでありますから、この点に対して徴税上相当の考慮を払いませんと、納税の円滑は期せられないということが私ども考えられますので、この点に対しては格段と政府の方で農家の必要経費その他について勘案を加えまして、苛酷なる徴税旋風を巻き起さないように、十分な配慮を望みまして私の質問を終ります。
○内藤委員 動議を提出いたします。ただいまの法案の質疑も大体尽されたと思いますので、この程度で質疑を打切られんことを望みます。
○坊委員長代理 内藤君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 御異議なしと認めます。 討論の通告がありまするので、これを許します。内藤友明君。
○内藤委員 ただいまの法案につきまして附帯決議をつけたいのであります。読み上げます。 昭和二十九年度農業所得税については、前年に比較して急激なる増加 となる場合があることが認められるので、政府は課税上特段の考慮を払われたい。 こういう附帯決議をつけたいのであります。
○坊委員長代理 これにて討論は終局いたしました。 引続き本案について採決いたします。本法律案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて本法律案は全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。 次に、内藤君提出の本案に対する附帯決議について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて本附帯決議は決定いたしました。 この際お諮りいたします。本日審査を終了いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成、提出等につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。 —————————————
○坊委員長代理 次に、本日当委員会に審査を付託されました租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題として審査に入ります。 まず提案者より提案理由の説明を聴取いたします。内藤友明君。 ————————————— 租税特別措置法の一部を改正する法律案 租税特別措置法の一部を改正する法律 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。 第七条の九の次に次の二条を加える。 第七条の十 医業または歯科医業を営む個人が、各年において、左の各号に掲げる給付又は医療若しくは助産につき支払を受けるべき金額がある場合においては、その年分の事業所得の計算上当該給付又は医療若しくは助産に係る経費として必要な経費に算入する金額は、所得税法第十条第二項の規定にかかわらず、当該支払を受けるべき金額の百分の七十二に相当する金額とする。 一 健康保険法、日雇労働者健康保険法、国民健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法(日本専売公社法第五十一条、日本国有鉄道法第五十七条及び日本電信電話公社法第八十条において準用する場合を含む。以下本号において同じ。)、市町村職員共済組合法、私立学校教職員共済組合法、未帰還者留守家族等援護法、身体障害者福祉法、戦傷病者戦没者遺族等援護法又は児童福祉法の規定に基く療養の給付(健康保険法、日雇労働者健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、市町村職員共済組合法又は私立学校教職員共済組合法の規定によつて家族療養費を支給し、負担し、又は支払うべき被扶養者に係る療養を含むものとする。)、助産の給付、更正医療の給付又は育成医療の給付 二 生活保護法の規定に基く医療扶助のための医療又は出産扶助のための助産 三 精神衛生法又は結核予防法の規定に基く医療 第五条の五第二項の規定は、前項の場合について、これを準用する。 第七条の十一 医療法人が、各事業年度において、前条第一項各号に掲げる給付又は医療若しくは助産につき支払を受けるべき金額がある場合においては、当該事業年度の所得の計算上当該給付又は医療若しくは助産に係る経費として損金に算入する金額は、当該支払を受けるべき金額の百分の七十二に相当する金額とする。 第七条の七第八項の規定は、前項の場合について、これを準用する。 附則 1 この法律は、公布の日から施行する。 2 改正後の租税特別措置法第七条の十の規定は、個人の昭和二十九年分の所得税から適用し、改正後の同法第七条の十一の規定は、医療法人のこの法律の施行の日以降に終了する事業年度分の法人税から適用し、個人の昭和二十八年分以前の所得税又は医療法人の同日前に終了した事業年度分の法人税については、なお従前の例による。 —————————————
○内藤委員 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨と内容を御説明申し上げます。 この改正の内容は、医師及び歯科医師の社会診料報酬よりなる所得に対する所得税については、所得税法第十条第二項の規定にかかわらず一定率、すなわち百分の七十二をもつて必要経費とすることができるようにしようというのであります。しこうしてこれは昭和二十九年分所得から適用しようというのであります。また法人税につきましても同様の措置を講じようというのであります。この必要経費を法定しようというのは、昭和二十六年、二十七年、所得税につきまして、政府が閣議決定をもつて行政措置で実行したこととほぼ同様であります。ただ従来のごとく行政措置をもつて実行することが法律上いろいろ問題があり、またこういう問題を引起す根底には、医療報酬の決定が必ずしも適正を得ていないということがありまして、数年来いざこざが絶えないのでありまして、こういう事情のもとにおきまして、さしあたり経費率を法定することがいざこざを避けるための最も適切かつやむを得ざる処置と存ずるのであります。これが本案を提出する理由であります。 何とぞすみやかに御決定あらんことを望みます。
○坊委員長代理 これにて提案理由の説明は終りました。 本法案に対する質疑は後刻に譲りまして、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後二時五十六分開議
○坊委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本法律案については政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺主税局長。◇渡辺政府委員 お医者さんの税金の問題につきましてはいろいろ問題がありまして、前国会におきまして相当御論議があつたことをわれわれも伺つておりました。従いまして、われわれにおきましても、その御論議の線に沿いましてできるだけ適正な課税をやつて行きたいということで実は努力して参つたのでございます。それで今度のこの案を拝見いたしますると、かつて政府におきまして一応閣議の決定によつて標準率二十五ないし三十ということで執行して参つたのであります。ところがこの執行につきましては実は非常にお医者さん以外の方から相当な批判があつたわけでございます。たとえば産婆さんの所得がお医者さんの所得より多い、医者の方が税金が少いのはどういうわけだ、こういう批判を大分受けまして、われわれの方としましては、やはり一点単価の問題とこの問題がいろいろからみ合つていることは一応承知しておりますが、税の方においてこういう措置をとるということは非常におもしろくない、そういう結論を一応得まして、そうして閣議でもいろいろ議論していただきました。そこで二十八年度の所得決定におきましても、一応できるだけ必要経費なら必要経費につきましてこれを適正に見て行くということにつきましての努力はいたしましたが、とにかく標準率一本でもつて云々ということは、これはもうぜひやめたいということで努力して参つたわけでございます。その結果としまして、実績も見て参りますと非常にまちまちでございます。収入金に対する所得の割合を比較して、いわゆる所得率でございますが、これを見て参りましても、たとえば二割程度のところもあれば、あるいは四割程度のところもある、やはり所得課税である限りにおきましては、収入金額から必要経費を差引いたその実際の所得というものによつて税を課して行くというのが、本来のあるべき姿ではないかというふうにわれわれは思つております。従いまして、今度御提案になりましたような行き方で、たとえば収入金額がどのくらいあろうが、また必要経費がどのくらいあろうが、それにかかわらず一応所得に二割八分、経費は七割二分、こういうような立法をなされようとしておられるのでございますが、われわれの方で見ますと、所得が二割八分である人はたまたまかまいませんで、そこはちようど税法通りになるわけでありますが、三割の人、四割の人がありましても、それも二割八分、(「ゼロの人があるだろう」と呼ぶ者あり)ゼロの人につきましては、それは二割八分ということになつていると、われわれもそれはとんでもないことだと思つたのですが、これはやはり一応これの適用を受けることは納税者の申請にまかせてあるというような立法になつているのでございますから、ゼロの方はおそらく申請をなさらないだろうということで問題は済むと思いますが、結局全体として見ますと、やはり所得の多い人も、少い人も同じような率でもつて課税して行こう、いわば収入金額課税ということになるわけでございまして、そんな意味からしますと、どうも現在の税制の行き方といいますか、課税というものを進めて行く行き方と、いささか逆の方に行くのではないか、こういう意味におきまして非常におかしい。それから特に法人の場合でございますが、法人の場合におきましては、われわれの方で調べてみますと、みんな給料を払つておりますので、経費の方は割合に多いのです。従つてこれはこういう規定をつくりましても、あまりこの適用を受ける場合もないでしようし、また政府の従来やつて参りましたのにも、法人につきまして標準率を使つて来たということはないわけですが、今度の法案におきましてはどういうお気持か、われわれにはよく了解できかねますが、入つている。大体全体としまして申し上げたいことは、所得税はどこまでも所得に対する課税であるべきではないか、われわれはその方の筋を全体として通して行くべきではないか。それを収入金額に対しまして一応の所得率を法定して、それより所得の率が高かろうが、低かろうが、とにかく持つて行く、結局収入金課税ということになります。そういうことになりますと、昔営業税などで収入金課税をやつて、ずいぶん非難を受けたことがありまして、大分問題が起きたのですから、その意味におきまして、われわれはどうもこの案には賛成しかねるということだけ申し上げておきます。
○内藤委員 動議を提出いたします。ただいま議題となりました法案について質疑を省略せられんことを望みます。
○坊委員長代理 内藤君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 御異議なしと認めます。よつて質疑を省略することに決しました。 討論の通告があります。これを許します。内藤友明君。
○内藤委員 この暫定措置の法律に附帯決議をつけたいと思うのであります。きわめて簡単でありますので、全部読みます。 附帯決議 本法律案は、社会診療報酬の適正化の実現までの暫定措置であるから、政府は速に之が実現をはかるよう善処せられたい。 以上であります。
○坊委員長代理 これにて討論は終局いたしました。 採決いたします。本法案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて本法律案は全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。(拍手) 次に内藤君提出の本法案に対する附帯決議について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○坊委員長代理 起立総員。よつて本附帯決議は決定いたしました。 この際お諮りいたします。本法律案に関する委員会の報告書の作成、提出等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坊委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。 —————————————
○坊委員長代理 決に本日当委員会に審査を付託されました昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案及び外資に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括議題として審査に入ります。まず提案者より両案についてそれぞれ提案理由の説明を聴取いたします。井上良二君。
○井上委員 ただ今議題になりました昭和二十九年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案について両社会党を代表してその提案の趣旨と内容について御説明申し上げます。 まずこの法律案の趣旨について申しますと、現下の経済事情のもとにおいて俸給賃金はストップの傾向にあり、一般給与生活者の生活事情はますます窮迫しており、特に低額給与生活者の生活は非常に苦しいのでありますが、これら低額給与生活者の年末越年に特に経費のかさむ事情にかんがみ、かつは年末賞与の性格をあわせ考慮し、賞与額二万円以下のものについては、特に減免税を行い、わずかの賞与のうちからさらに税金を引去られるごときことを免れしめようとするものであります。 すなわちその内容を申しますと、賞与額が一万五千円以下の場合には、その受ける賞与の全額を非課税とするとともに、一万五千円を越え二万円までのものについてはそれぞれ減税の措置を講じ手取り大よそ一万五千円が残り得るよう措置するものであります。 なお、二万円を越えるものにつきましてもでき得ればさらに軽減を行いたいのでありますが、財政的考慮もあり、さしあたりはこの程度にとどめようというのであります。 この法律案による税収減についてはいろいろ推算もありますが、おおむね六十億円前後であり、これに対する措置としては法律が成立しましたならば、政府において所要の措置を講ぜらるべきであり、この程度は何とか切り抜ける道もあると思うのであります。 以上が本法律案を提出しました理由であります。 何とぞ御審議の上至急御賛成あらんことをお願いするものであります。
○坊委員長代理 柴田義男君
○柴田委員 ただいま議題となりました外資に関する法律の一部を改正する法律案について、両社会党を代表してその提案の趣旨を御説明いたします。外資に関する法律は御案内のごとく日本経済の自主性を確立するのが目的でありまして、外資の導入によりわが国特有の中小企業を著しく圧迫すべきでないことはもちろんであります。従つて同法第八桑中に、認可の消極的基準として明確に中小企業を圧迫せざるよう措置しなければならないと存じまして、同条第二項中第三号の「日本経済の復興に悪影響を及ぼす」云々とはありますが、これをより具体的に明確にする意味をもちまして、第四号として「中小企業を著しく圧迫するおそれがあると認められる場合」と入れていただき、現在の第四号を第五号といたさんとするものであります。 何とぞ本案の主旨に御理解を願つて御賛成あらんことを望みます。
○坊委員長代理 これにて提案理由の説明を終りました。両法律案に対する質疑は後刻に譲ることといたします。 —————————————
○坊委員長代理 次に税制に関する件、専売事業に関する件の両件を一括議題として調査に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。春日一幸君。
○春日委員 専売公社の経理に関する問題について質問をいたしたいと思います。 今回の補正予算の中に専売公社の納付金を五十二億三千万円にわたつて削減をせんといたしておるのでありますが、これは一体どういう理由に基いてこういうような必要を生じたものであるか、その理由についてまずもつて御説明を願いたいと思うのであります。
○宮川説明員 今回専売公社予算につきまして補正をいたしました趣旨を申し上げます。 収入の大宗をなしておりますタバコ販売代金におきまして、年度当初よりピース、光等の売れ行きが前年同期に比べて相当低下して参りまして、とうてい予算に計上いたしましたような販売収入をあげることができない見通しが確実になつたのであります。その積算をいたしたのでございますが、収入のうちタバコ販売代金におきまして百二十三億三千三百万円、塩売渡し代金におきまして八億三千百万円、その他におきまして五億四千六百万円、合計百三十七億一千万円の収入減を来す見通しが確実になつたのでございます。これに対しまして支出におきましては上級品より下級品への振りかえあるいは物価下落によります材料品の購入価格の引下げその他節約等によりまして、タバコ製造費におきまして二十六億五千八百万円、塩購入費におきまして五億三千六百万円の節約を見込まれますほか、歳入減に伴いましてできるだけ国庫約付金の減少を防止いたしますために、建設及び材料費におきまして節約をいたしまして、三十億四千二百万円を節約し、その他タバコ消費税におきまして、タバコ売上げ減に伴います府県並びに市町村に対しますタバコ消費税十五億八百万円の減少を見込みましたので、予備費を、年度も終りに近づきましたので、必要最小限度計上することといたしまして、十七億七千万円を減じ、その他九千万円を減じましてこれに対処し、予備費からの振りかえ等によりまして補助金及び交付金、これは、主として塩田災害対策費でございますが、六億六千百万円を計上することといたしまして、支出におきまして総計八十九億四千三百万円の減少をいたすこととしたのであります。従いまして予算上に対しまして、当補正予算におきましては収支差額四十七億六千七百万円になるのでありますが、前年度よりの繰越金の使用五十億一千四百万円を見ることといたしまして、実際上の収支差額は九十七億八千二百万円に相なるのであります。これに対しまして資産増加額等の調整をいたしまして、結局国庫納付金といたしまして五十二億三千九百万円の減少をすることといたした次第でございます。
○春日委員 ただいまの御説明によりましておおむねその原因がつまびらかにされたと思うのでありますが、これはその専売公社当局の事業計画並びに大蔵省の監督が、いかに本年度の当初予算においてずさんきわまるものであつたかということが、ここに暴露されたものであろうと思うのでございます。少くともその主たる収入でありますタバコの国内販売において、実に百三十億になんなんとするこの厖大な収入減を来すというようなことは、一体推算にどういう狂いを生じたものか、私はそのあまりにもずさんなことに驚かざるを得ないのでございます。この責任はまことに重大であらねばなりませんが、それにいたしましてもこのような減収を来し、違算を来しましたこの中身について、この機会にわれわれはこれを分析いたしまして、そうしてその原因が那辺にあるかということをよくつきとめて行かなければならぬと思うのでございます。 そこでわれわれが資料によつていろいろ研究したところによりますと、まずこの問題の原因の第一は、ピースの値上りによるものではないかと思われるのでございます。本年度われわれ社会党両派の猛烈な反対を多数の暴力によつて押し切りまして、ピースを一箇四十円のものを四十五円に値上げいたしました。この五円の値上りからどういう結果がもたらされたかと申しますと、政府並びに公社は、二十八年度の実績に比べてわずかな販売減の見通しを立てたのでございますが、結果的にこれを批判してみますと、二十八年度のピースが四十円であつた当時の販売実績は実に百三十八億五千五百万本、これをあなた方は五円値上りすればわずかに八、九パーセントの減であると見て、これを百二十九億本に見ておつたのでありますが、はたせるかなわれわれ社会党両派が推算をいたしました通り、激減をいたしておるのでございまして、補正予算案に示されております数量は八十二億本、率にいたしまして実に六二%の激減を来しておるのでございます。一〇%や二〇%の見込み違いということはあり得るでございましようけれども、少くともこの六二%というような厖大な見込み違いということは、これは断じて許されては相なりません。そこでさような大きな見込み違いが現実の上に現われて参りましたからには、当然大蔵当局においても、公社においても、これに対して何らかの大修正をいたさなければならない事柄と考えられるのでありますが、これに対して大蔵省並びに専売公社はどういうような対策を講ぜんとしておるのであるか、まずこの一点についてお伺いをいたしたいのであります。
○宮川説明員 当初予算を編成いたしましたときの、ピースの値上げによります影響の見方が、実際運営して参りまして予想に反し非常に影響が大きいという点は、まことに御指摘の通りでございまして、かかる見込みをしたことにつきましては、大蔵省といたしましても、専売公社といたしましても、遺憾に存じておるのでございます。ただ申し上げたいことは、このような影響が現われましたことは、単に値段を五円上げただけが原因ではございませんで、たまたま新聞紙上等においてもよく喧伝されましたように、アメリカを主といたしまして肺臓がんとタバコの影響というようなことが相当とりざたされまして、そういう関係から味が比較的軽く考えられます新生等に非常に人気が移行いたしましたのと、その他一般的に政府の財政金融引締め政策の浸透によりまして、経済界一般がデフレ的な様相を来しておるというようなことが、からみ合つたために起つて来た現象と思われるのでございまして、先般の国会におきましても、当委員会において御質問がございまして、政府におきましても、公社におきましても、値下げの問題を慎重に検討いたしたのでございますが、ただ本年四月以降のピースの新生への移行割合が毎月増加しているような現象をも考えますときは、どうもここで五円値下げをいたしますことは、かえつて減収を来すのではないか、非常に端的に申し上げますと、現在ピース、光の差が十五円でございますが、これを五円引下げまして十円にいたしますと、光の半分がピースにかわらねばならぬというような数字になるのでございまして、先ほど申しましたような、光よりもむしろ新生に人気が移行しておるというようなところから見まして、新生、バットからピースに消費者の嗜好が移るとも思われませんので、第三・四半期も終りに近づきました今日におきまして、歳入計画に非常に重大な影響を及ぼすおそれのあるような、ピースの値下げはいたすべきではないという考え方をとつておる次第でございます。
○春日委員 監理官はただいま遺憾に思つておると言つておられるのでありますが、これはただ遺憾というような事柄では済まされないのでありまして、いろいろな関係法令の保護を与えて、とにもかくにもこれだけの収入が上げられるから、こういうことで一般会計の繰入れ等につきましてもそれだけの予算措置が講ぜられておる。今回五十三億何千万という歳入欠陥を来すの余儀なきに至つたということは、結局それは一般の税収入をもつてこれに充てるか、あるいは五十三億のそれぞれの事業を中止するか、これは一般行財政に大きな影響を与えて参つたのでございまして、この責任は一にかかつて監理官並びに専売公社がずさんきわまるかくのごとき推算を立てたところに起因するのでありまして、遺憾などのごとき言葉によつてこれは許さるべきではない。すべからく監理官は責任をとつて辞職し、並びに専売公社関係のそれぞれの責任者は、当然国民の前に責任をとるの態度がなければならぬのでとる。五億や三億の間違いではない。実に五十三億何千万という巨大な違算を生じて来るということについては当然責任の表明のあり方があると思うのであります。それはそれとして後日論ずるといたしまして、問題はあなたは今結論的にピースがこういうような売れ行きの減を来したのは、これはアメリカの肺臓がんの宣伝等が悪影響をもたらしたと言つておるけれども、それは事実を曲げるもはなはだしきものである。なぜかならば、同じ高級タバコの中においても光のごときは、二十八年度の実績は二百三十二万一千五百万本、ところが光はこの補正によりますと、二百十二万本、これはわずかに一〇%の相違しか来しておりません。従いまして高級タバコに肺臓がんの心配があつて、みんなが新生に回避したといたしますならば、これは当然このパーセンテージは、同じ六二%か、これから隔たるところのパーセンテージというものは現われては参らないと思うのであります。光においてはわずかに一〇%内外の収入減であり、ピースにおいては同じ高級タバコとして六二%の販売の激減を来しておる。こういうことは明らかにピースの値上りがよつてもたらしたところの影響であると、これはありのままにその判断を下さなければならぬと思うのであります。自説に固執するというのは、たわけ者のかたくなな姿でありまして、実際間違つておるということであるならば、これはいつ何どきでも悔い改めるにはばかることはない。自分がこういう推算を立てたから、そのような恐るべき激減を来してもなおその原因が値上げによるものでないというような詭弁を弄して、そうして問題の責任を他に転嫁せんとするがごときは卑怯、未練、(笑声)ちよつと変かな。いずれにしてもまことにけしからぬ判断であるのでございまして、これは私は結局値上げがその原因であるとするならば、こういうような結果を招いた事柄については、これは即刻修正を必要とすると思うのであります。 そこで私はこの際あわせてお伺いをいたしたいことは、ピースのコスト並びにその販売価格との間の差益金、それから新生のコスト並びに販売価格との差益金、これが一体どういう形になるのであるか。いずれにいたしましてもこのことは、一方新生にうんと消費数量がふえても、これは結局結果においてその収入額がうんと減つておることによりまして収入減を来しておるということは、この補正予算の説明の中で明らかにされておりまするけれども、参考のために一つ伺つておきたいと思うのは、ピースは一箱について幾らもうかるのか、新生は十本単位で幾らもうかるのか、これも一応参考のために伺つて次の質問に入りたいと思います。
○宮川説明員 製造コストと差引利益金と申しますか、まずピースについて申し上げますと、二十八年度の実績におきましては、総原価は八円十六銭、売渡し金額は三十六円八十銭、差引二十八円六十四銭の利益金と相なつております。二十九年度の予定金額によりますと、総原価は九円五十九銭二厘、売渡し金額は四十一円四十銭でございまして、差引利益金は三十一円八十銭八厘、これに対しまして新生は二十八年度の実績におきまして、総原価は四円十九銭七厘、売渡し金額が十八円四十銭でございまして、差引十四円二十銭三厘の利益金と相なつております。新生の二十九年度の予定金額におきましては、総原価が四円八十一銭四厘、売渡し金額が十八円四十銭、差引十三円五十八銭六厘の利益と見込んでおります。
○春日委員 いずれにいたしましても、ただいま監理官の御説明によりますと、まあ高級タバコが比較的ニコチン毒が少いかと思われる新生に寄せられたので減つて来た、こう言うのでありますが、そういうような説明は、この資料によりますると実際には当つていないのでございまして、現実に光なんかは昨二十八年度の実績と比べてそんなに激減はしていない。こういうことから考えますと、この四十五円という価格そのものにいろいろとなじみの少いものがある。つりをもらう上においても、実際売買をする上においても、さらにまた本質的にはそれだけの価格が高くなつたということ等がいろいろ錯綜いたしまして、こういう恐るべき激減をいたしておるのでございます。今お示しになりましたように、ピースが一箱売れば二十八円六十四銭というような大きな利益が納まるのであつて、これは四十円の場合にいたしましても二十八円六十四銭という利益が収まるのであります。これが新生に転換されました場合、その半額以下に下つてしまうということ等から考えまして、政府は値を高くしてなおかつ専売益金の収入が減つて来る、こういうような結果を得たといたしましたならば、ひとつ大いに考えていただかなければならない。これば単なる専売公社の採算ばかりの問題ではないのであつて、専売公社が損をしながらなおかつ国民大衆は五円も高いピースを買わされておるというこの事柄は、これは重大な事柄であります。少くともこれは三十五円に下がるということならば、専売公社の経理内答は悪くなつても、一般国民が安いタバコでその福利を受けておるというのならば、これは埋め合わせもつく面があるわけでありますけれども、国民が高いタバコを吸わされて、専売公社は恐るべき損害を現実に来しておる。だれもいい結果を得ていないのでございまするから、この際行きがかりに拘泥するというような態度を捨てて、専売公社の経理内容をよくするためにも、さらにはまた、消費大衆の負担を軽減する立場からも、当然これはもとに復していただかなければならない事柄であろうと思うのであります。どの点から考えても、またしろうとが考えてみても、私が今申し上げたことは正しい主張であると考えられるのでありますが、ただいま監理官の御答弁によると、速急に値下げをする意思はないように申されておりますが、少くとも国民を納得せしめるに足るような御理論でもあればともかく、ただいまおつしやつた程度の事柄では、ただせつかく値を上げたのだから、にわかに下げるというわけには参らぬというような、体面というようなものに、ただ単にこだわつておる愚論でありまして、何人もこれは納得が行かないと思うのでございます。この点についていま一応値下げに対する責任者たちの考え方はどういうぐあいになつておるのであるか、御意見を承りたい。
○宮川説明員 ただいま春日先生の申されましたことは、まことに大所、高所からごらんになつての御意見であります。私ども考えさせられる点が多いのでございます。ただこの値下げにつきましては、さしあたつての本年度の予算執行を適正に行いまする関係から申しまして、今ここで五円値下げいたしますことは、予算執行上に相当な影響を来すおそれがあるかと思うのでございます。先々、今回は専売事業合理化審議会におきましても、予定原価と定価との差額を明らかにする書類を経理関係書類に付しまして、当国会においても御審議願うことになつておりまして、定価の定め方については、税金部分としてとるべき金額をいかにするかというようなことも念頭に置いて御審議願うこと思われまするので、私どもといたしましても、タバコの価格のきめ方につきましては、必ずしも過去の数字にとらわれず、仰せられましたような点も勘案して検討はいたしたいと思いますが、ただいまのところ値下げする意思はないものと政府自身も考えております。
○春日委員 それではこの過去数箇月の実績にかんがみまして、このような欠損を生じたということは深く検討が行われると思うのでございまして、いろいろな関係上、最もすみやかな機会にこの販売価格の改訂等について、政府並びに公社において再検討されるという事柄でございまするので、そのことも強く期待をいたします。 ただ最後に申し上げたいことは、とにかくあなた方の責任は重いのです。こういう値上げをすれば、八十八億の専売益金の増収がある、こういう責任ある説明に基いて、われわれは四十五円に値上げを承認して来た。ところが現実にはかくのごとき大違算を生じて来た以上は、われわれが当時四十五円の値上げに承認を与えた事柄が、これはあなた方が虚構を弄してわれわれを瞞着したという形になつて来ているんですよ。だからわれわれに対してあやまてる判断をせしめたというこの責任について、あなた方はもう少し責任を負つてもらわなければならない。われわれは当時あなた方がピースを四十五円に値上げすれば、こういう六二%も販売が激減するのだ、こういうようなことをあなた方が提案して来れば、こんな四十五円の値上げに対して、だれ一人、どんなばかやろうでもこんなものに承認を与えるはずはない、ところがあなた方は五円上げればわずかに一割、ここには九%の販売減ということが見込まれておりますが、その程度のことならばよろしかろう、こういうことで一部の人々は承認を与えたのだが、与党といえども六十何パーセントも激減するということなら、いくら自由党がノーテンホワイラのばかものだつて、そんな法律に承認を与えるはずがない。どうかそういう意味において、あなた方の資料はこれに賛成したものに対してあやまてる資料だ、これを作為的に出したという事柄であれば、政治責任は重大である、そこであなた方が出した資料が結果的に現実に間違つておるということがあなた方自体がわかつたならば、すみやかにこの前出した資料は間違つておつて、あなた方にたいへん間違つた判断をさしたので、こういう資料になつたから、どうか適当に販売価格についても再検討されたい、われわれが要求するよりも前に、あなた方の方から進んでそういうぐあいに国会の審議を求めて来るべきはずであります。私が今質問しておるのに対しまして、あなた方は検討はしたけれども、今早急に値下げをする意思がないというような、これまたとぼけた答弁をしておるけれども、そういうようなことは許されないので、人を偽つて、人をあやまたしめておいて、そして結果についてはなお詭弁を弄しておる、その罪まことに断罪に値すると思うのであります。いずれにいたしましてもこの問題は早急にあなた方が検討するということだから、最もすみやかな機会に詮議され、そして国民の負担を軽減し一つは専売公社のその経理内容をよくすることのために、当然にして欠くべからざる措置を講ぜられたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
○井上(良)委員 ちよつと専売公社の経理内容について関連して二、三質問をいたしたいと思うが、それは専売公社の従業員がベース・アップを要求しておるに対して、公社はこれを否定をいたしておるようであります。その理由はいかなる理由に基いておるか、監理官はこれを一体どういうふうに取扱つておるか。それからそれを否定をいたしましたために、これら専売労組は公社に対する抵抗として、四割かの賜暇休暇戦術をとつて、新聞によると相当減産になつておるということが報道されておるが、一体全国の各工場においていかなる賜暇の状態になり、その結果いかなる減産を来しておるか、これを伺いたい。
○宮川説明員 ベース・アップの問題につきましては、専売労組より公社側に対しまして要請がございました。これに対しましては専売公社といたしましては、一つには政府の当面とつております低物価政策あるいは賃金政策等、また民間の給与、公務員給与との均衡等を考慮いたしますとともに、御承知のような専売公社の収益状況でございますので、ベース・アップには応じがたいという旨を回答いたしました。これは調停委員会に持ち出されまして、調停委員会からは賃金引上げを来すことは適当ではないという趣旨の回答が参つたような次第でございます。 第二の最近の賜暇戦術につきましては、大体各工場通観いたしますれば、そう大きな減産を来すようなことはいたしておりません。御承知かと思いますが、二日あるいは三日におたります賜暇と申しますか、一部定時退庁をいたしておるところもあります。従来専売の工場におきましては超過勤務は、もつぱらと申しましてもいいくらいに、土曜日に限定して行われておるのでございますが、従来までのところ土曜日における超勤を拒否するというような態度に出ておりませんので、全体的にその生産が減つておるとは思われないような状況でございます。ただ最近の情報によりますと、東京品川工場、福岡工場、京都工場等におきましては、三割あるいは四割程度の賜暇をとつたというような情報が入つておりますが、ちようどたまたまそういう工場がピース、光の製造を主として行つておる工場でございますので、さしあたつての問題といたしましては、タバコの製造販売に影響を来すほどの影響は来していないような状況にあると思います。正確でございませんが、ただいま私が耳にいたしております情報を申し上げますとさようでございます。
○井上委員 ただいま春日君から質問がございました通り、政府みずから専売公社のタバコの売上げによる減収額を、補正予算として提出しなければならぬような経営状態になつておる。そういう状態にありますときに、一方生産面において紛争を起して、いたずらに能率を低下させるような措置が、妥当な措置とお考えになつておりますか。監理官がさようなことに干渉すべき必要はない、そういうことは一向わしの責任じやないということで、これを見のがしていいとお考えになりますか。
○宮川説明員 さように考えておりませんで、できるだけ早くそういう態勢が解かれまして生産の増強が行われ、さらにまた販売の数量増に応ずる生産が行われるようになることを期待しております。そういうわけで公社側もいろいろやつておるわけでありますけれども、遺憾ながら今日までのところそういう状態を来していないようなかつこうになつておるわけであります。
○井上委員 そうすると一体政府は、この紛争事件をいつ解決するつもりですか。問題は、一方では、ベース・アップはしない、年末手当も要求額は出さない。しかし一方では、出してもらうまでは賜暇戦術を続ける、超勤拒否をやる。こう言うてがんばつておる。そうなると現実に生産は低下して行く。低下すれば一点当りの単価は高くつくのです。そうすると政府の方では、この問題は何ら具体的な対策を講ぜずに、時のたつのを待つておつたら、夏の氷が解けるように、いつかは解決するとでも思つておるのか。そんな不見識なことではわれわれ承知しませんぞ。
○宮川説明員 せつかく団体交渉を続けまして、解決するように努力いたしておるような次第であります。
○井上委員 せつかく団体交渉といつても、話をつけるところまで行つておらぬ。つける自信があるのですか。あなたは一向に減産をしてないようなことを言つておるけれども、計画的に各工場において減産の闘争が行われておるのであります。そのために専売公社みずからの売上げが減つて、国会にまで迷惑をかけなければならぬ事態になつておる。そうして現実に減産の方向へたどるような闘争が行われておるのに、何ら誠意ある解決の方途を講ぜずに、何かよそが解決したらこつちも解決するだろうと、よその火事のように見ておるような態度をとつておるのじやありませんか。
○宮川説明員 決して傍観しておるわけではありませんで、できるだけ組合側との折衝を円滑にいたしまして、超勤拒否等の起らないような事態を早く招きますように、公社からは各地方局に督励しておるような次第であります。もちろん生産の減りますことは困つたことでございますが、先ほども申しましたように、ただいまのところストックもありますし、当面の間は国民に御迷惑をかけるような事態にはなつておらぬと思います。それとはやはり別に、そういう事態ができるだけ解決するようにいたしたい、かように思いまして、せつかく各地方局にも公社総裁よりできるだけそういう事態にならないようにという申伝えをして、現在努力いたしておる次第であります。
○井上委員 もう一点伺つておきたいのは、このタバコの原価及び卸売価格についてでございますが、二十九年度のピースの製造原価は九円五十九銭で、昭和二十八年度は八円十六銭でございます。その間一円四十三銭方原価が上つておる。このわずか一箱に対してかように原価が厖大に上つた理由。それからさらに、この分は多少その後ピースにお客を吸収しようとして、原料について外国タバコを使用したりして、相当高くついておる。また先ほどの給与の面においても多少改善が加えられ、人件費、物件費等がこれに加わつておるということは大体想定されますが、さてそれを卸に出しました場合に、去年のピース四十円の場合は三十六円八十銭でありましたのが、四十一円四十銭になつておる。これはどういうわけで卸の方で高くしなければならぬのかということです。この点を明らかにしてもらいたい。
○宮川説明員 第一の二十八年度の製造原価に対して、二十九年度の予定原価が上つておる。理由は何かということでございますが、これは工場原価が各費目にわたつておるので、その値上りによるもの等もあります。詳細な資料はちよつと手元にございませんから、後日お知らせ申し上げます。 卸売価格がふえましたのは、御承知の通り、四十円を四十五円にいたした関係で、卸売に対する八分の手数料に当るものでございます。
○坊委員長代理 午後五時まで休憩いたします。 午後三時五十分休憩 ————————————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕 ————◇—————