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20回国会衆議院1954/12/04

図書館運営委員会 第1号

発言数
41
登壇者
6
会派数
3
開催日
1954/12/04

会議録

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 これより会議を開きます。  委員の異動に伴いまして理事が欠員となつております。この際理事の補欠選任を行いたいと存じまするが、これは、先例もありまするので、委員長において  指名することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 御異議がないものと認めまして、青木正君を理事に指名いたします。なお、民主党の理事につきましては、後刻申出があったときに指名することといたしたいと存じます。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 国立国会図書館法第二十八条の規定によりまして昭和二十九年度予算補正要求書が本委員会に提出になつております。これを議題として審議を進めます。まず国会図書館長の説明を求めます。金森国会図書館長。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 お手元に書類が出ておると存じまするが、昭和二十九年度の予算の補正について御説明を申しあげます。  本年度つまり昭和二十九年度予算の修正は、この予算の成立のときにおきましての三党共同修正に基く行政費の節約ということが根本になつておるのでありまして、物件費と施設費等の一〇%、その他不要不急の経費を節約するという一般の方針に従って算出いたしたものでございます。国立国会図書館の補正要求額は、書類にも出ておりまするように、修正の減少額は千八百五十万六千円でございまして、これをすでに成立しておりまする昭和二十九年度の予算額三億七千十八万六千円から差引きますと、三億五千百六十八万円になるのであります。  次に、この減少額の中身を事項ごとに申し上げますと、国立国会図書館の項の減少額は千二百十九万九千円でございます。その内訳は、節約によります既定経費の減少が七百七十八万円、それから今年度内には多分使うことのできないという見込み、つまり不用によりまするところの既定経費の減少額四百四十二万九千円でございまして、この合せたものが千二百十九万円になるのであります。また、一方におきまして、国立国会図書館の施設費の項で、節約によりまする既定経費の減少は六百三十万七千円ございます。これを合せますると千八百五十万六千円となるのであります。かような補正予算を今請求いたしますということは、一面におきましては、政府の既定方針とでも申しますか、節約して金を浮き出させるということでございまして、従って、かなりな事務上の苦痛はございますけれども、その点は何とか支障のないようにやって行こうという気持に基いておるものであります。  いろいろこまかい点につきましてはお手元に差上げてありまする通りでございます。何とぞよろしく御審議をお願いいたしたいと存じます。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 図書館長の説明は終りましたが、ただいまの説明について質疑があるならば、この際発言を許します。

庄司一郎自由党

○庄司委員 ただいまがり版刷りの予算要求内訳と言いましようか、まだしさいに検討するときもございません。また館長の方の御説明もきわめて大ざっぱな大体論でありまして、まだ各論にも入らないのであります。営繕の直接関係の部長さんなり、そういう方からの御答弁でけつこうでございますが、あらためて申し上げるまでもなく、国立の国会図書館は、ひとりわが国内のみならず、全世界的にモデル的、模範的なものでなければならない、そう考えております。それは最も新しくモデルの意味においての建築様式あるいは部屋の割当その他——もとより懸賞募集の一等当選でありますから、世界的にも優秀なものであることは言うまでもないのでございますが、私ども最近北米あるいはブラジル、ヨーロッパ数箇国の国立国会図書館、あるいはヴアチカンの図書館、そういう方面を見て参りましたが、ただ単に建物そのものが優秀なだけではなく、その環境もまたきわめてよき環境の中にあらねばならないということもわかって参りました。また、図書館であるがゆえに、単に図書だけを集めるものであってはいけない。美術工芸その他クラツシツクな骨董品的なものであっても、やはり附帯するところの文化財をなるべく多く集めなければならぬことは言うまでもないのであります。かれこれ総合して考えさせられますことは、それらに伴うところの所要の予算措置は相当確保しなければならない。しかるに、国の財政が貧しいがゆえに、要求が多少、あるいは大いに削減されたような状態であるようでありますが、はなはだ遺憾千万であります。本委員会としても、いずれ各派の理事等がきまりましたあとにおいて、適当な御相談の上善後措置等も望ましいものと考えておりますが、さしあたり御要望されておる三十年度の予算が完全に確保され国会を通った場合においては、大体の御説明はここにあるようでございますけれども、整地費関係、整地工事の進行の見通しはどうであるか。いよいよ本手の場合、たとい懸賞で募集した一等賞の設計書によりましても、多少本設計者の御意見解もむろん尊重して、実施設計においてほんとうにかかる最小限度の経費がどのくらいであるか、そういうようなことも一応本委員会に御報告があってしかるべきものであると考えております。なお、大体論としては、できるだけ必要な取小限度の予算を確保していただいて、またわれわれの運営委員会も御協力申し上げて、万全を期したい。世界各国の国立の図書館を見ましても、その規模まことに雄大であります。また閲覧者を収容する部屋等も相当多くの人を収容し得る状態に相なっております。むろん、今回のこの新しい計画が竣工のあかつきは、相当数の閲覧者を収容し、不便をかけない、積極的に図書館としての奉仕が可能であるという情勢になることを期待しておる次第でございます。それにつけても、やはりそれらに必要なる諸経費だけはどうしても大蔵省の御了解も得られて確保しなければならぬ。本委員会としても、それらに対して協力を惜しまずに御努力を申し上げたいというような意味から、館長さんでなく、面接の営繕の係の部長さんでもけっこうですが、現在の基礎工事、整地工事がいつまでに完了する予定であるか、それが既決の予算で十分であるかどうか、それから本建築の場合における実施設計の場合において、さらに若干の費用がいるのではないかと私ども考えますが、そういう費用はどこに見積られておるかどうかというようなことも、この際お尋ねしたいと思います。  一応その程度の御説明を願って、あとまたお伺いをしたいと思いますが、なお便宜上第二のお伺いをしておきたいと思います。それは、昨年の春御要望申し上げて、ある程度の御了承を得て着手されておることでありますが、明治二十三年以降の、国会議員にして出された単行本やあるいは翻訳書、戯曲、文学物、その内容のいかんを問わず、価値あるところの文献を御調査くださいまして、一つのリストをつくってもらいたい。やがて将来は、でき得るだけ、国会議員の書いたそういう書籍をある特別の部屋に保存して後昆に伝えたい、こういうような意味からお願い申し上げておりましたが、さようなことに関する予算措置はどういう態度をとられたか、また現在その御調査はどの程度進んでおるかというようなことを、あわせてお伺いしておきたいと思います。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 ただいまお尋ねくださいましたのは、実は来るべき年度、昭和三十年度の予算概算につきまして、どういうような計画を持っておるか、こちらの方の問題に一番関係が深いと思う。従いまして、なるべくならそちらの方を説明をさしていただきまして、その中で御質問に応ずることで御説明申し上げたいと思いますが、委員長いかがでございましょうか。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 庄司君に御相談申し上げますが、補正予算に関する部分を一応終了して、そのあとで三十年度に関連する予算の説明を求めることにいたします。

河上丈太郎日本社会党(右)

○河上委員 終了する前にちょっと質問があるのです。この節約で六百万円ほど新築に関する経費を節減しておりますが、これは新しい図書館のできる総額がこれだけ減ずるのですか。それともこれは来年度にまわすことになるのですか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 ただいまの点は、何しろ建築費のことでございますから、これを節約しきれるというわけのものではございませんが、しかし本年度いろいろ事務を整理するというわけで、実際の経費の一割近くを節約したのでありますが、これははなはだ無理なことでございますけれども、一応ほんとうの意味において節約をするという考えを持っております。しかし、それから起りますところのいろいろの不便というものは、先の工事は、最初の工事でも少くとも三年続きますので、その問に実際上取返して行きたいという考えを持っておるわけであります。

河上丈太郎日本社会党(右)

○河上委員 総額は減じないわけですね。結局これは次年度に繰越すという意味ですね。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 図書館の予算というものは、初めから幾ら使うというふうにきまっていないのでありますから、大蔵省の一つの考えと申しますか、全額をきめないで、毎年々々の予算で組んで行くということになっておるわけであります。そこで、実際上言いますと、はなはだ無理でありますけれども、ことしはこういうふうに金が詰まっておるから、ことし減らせ、こういうことになりまして、一応今年度予算からこれを落すわけでありますけれども、建築のことでありますから、無理に手を抜いてできるわけではございません。また、今後毎年々々、少くとも私の計画だけでも、第一期三年、次にまた第二期三年というふうでありますから、そういうところで逐次御相談をして、さしつかえのないように補って行こうという考えを持っております。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 ほかに御質疑はありませんか。——御質疑がなければ、この際御協議願いたいと存じますが、それは、御承知のように、本要求書については、本委員会の勧告を付して、あるいは勧告を付さずに議長に送付することになっておるのであります。それで、勧告については、それに付することにするか、付するとすれば勧告の内容をどうするか、あるいは勧告を付せないで送付することにするか、この点について協議いたしたいと存じます。

青木正自由党

○青木委員 ただいま委員長からのお話でありますが、今回の補正予算におきまして千八百万円節約、これは、現在の日本の財政状態から見まして、まことにやむを得ないこととは存ずるのであります。しかしながら、国会図書館というものの性質から見まして、一国の財政の状態によってこういう永久的な国の大きな問題が左右されるということになりますことは、まことに私ども遺憾に存ずる次第であります。従いまして、今年度はやむを得ないといたしましても、この結果将来にわたってそれが国会図書館の建築または運営等に支障を来すということになりましては、まことに国家のために重大な損失になりますので、できるだけそういうことのないように、三十年度の予算においては十分に御考慮を願うことが必要じゃないかと思うのであります。ことに、現在国会図書館の建築につきましては設計もきまり、地ならし等も始まっておりますので、この工事の途中において支障を来すということになりましては、まことに残念に存じますので、できるだけそういうことのないように、明年度予算編成にあたって御考慮を願う、かような趣旨のことをこの際勧告することが適当ではないかと思うのであります。その勧告の文案等につきましては委員長のお手元において適当に御決定願いまして、これを本委員会の勧告として政府に送付する、かようなおとりはからいを願いたいと存ずるのでありまして、そうした動議を提出する次第であります。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 ただいまの青木君の動議のように決定いたしたいと存じまするが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 御異議ないものと認めます。勧告案については御一任願いまして適当に処理することにいたします。     —————————————

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 先ほど庄司君からも質問がございましたが、この際昭和三十年度の図書館の予算について国会図書館長の説明を聴取することにいたしたいと思います。金森図書館長。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 国立国会図書館が大蔵省に今まで事実上提出いたしました昭和三十年度の予算の概算は、総額十三億四千四百四十一万六千円でございます。これを事柄にわけて申し上げますると、国立国会図書館の管理運営に必要な経費七億一千四百三十四万円、それから営繕工事に必要な経費六億三千七万六千円でございまして今年できておりまする成立予算に比べますると、管理運営の経費で三億九千四百十五万四千円、営繕工事費で五億八千七万六千円をいずれも増加しております。この管理運営と申しまするのは大きく見て経営費とでも言うべきものであつて、図書館が動いて行く経費でございまするし、営繕工事に必要な経費というのは、主として新しい図書館をつくりまする建築費が大体になつておるわけであります。大分性質が違いまするので、ちよつとわけて申し上げます。  昭和三十年度において新規に仕事を進めて行きたいと思っておりまする点は、大きく言えば二つぐらいでございますが、それにいろいろ付随してこまごましたものが出て参ります。第一のものは、この図書館は国会の御要望に応じて必要な資料を調査するということであり、つまり調査立法考査業務というものが中心になっております。これが当初は非常に細々としたものでございましたが、だんだんやつおりまするうちに、技術も発達して参りまするし、御要望もふえて来ておりまして、今日何としてもこの調査立法考査業務を拡充しなければこの図書館の使命が達せられないというふうに考えておりまして、今から六年ほど前に始めましたころは、まだ調査の御要望もごく少かったわけであります。ところが、その後国会の議員団がアメリカへ行かれて向うのお情を観察せられまして、どうしても調査立法考査の仕事を拡充しなければならぬという決議が国会の方でできまして、それを機会として若干考査業務が大きくなったわけであります。けれども、その分量は非常にわずかなものでございまして、今日実際の御要望に応ずることもできませんし、また仕事の練達という面におきましても、新しい人々を育成するのにはなはだ不都合を感じておるのであります。でありまするから、何とかしてこの調査立法考査業務を拡充したいということで、その職員を約八十一名増加いたしまして十分の仕事をしたいというのが希望でございます。これがやや大きな改正でございまするが、図書館本来の設置の目的に当るものでございまして、ただいまだんだん調査の御要望があり、最近はことにふえておるようでございまして、これを完成いたしますれば相当お役に立つことができるように思っております。これが第一点であります。  次に第二点は、図書館の仕事をいたしますについても、一般の文化の中心という意味の働きをいたしまするについても、またその調査立法をいたしまするについても、資料がなくては調査できません。資料というときわめて簡単のようでありまするけれども、国会の働きは千変万化でありまして、世界の情勢が一番新しい姿ですぐわかるというふうにならなければなりませんので、新聞や雑誌はもとより、また国会の役に立つような書物等も十分充実させまして、そしてこれをこなして行かなければならぬのであります。今では新聞一つを飛行使でとるといたしましても相当の金額になるのでありまするが、実はその点が非常に弱かつたのでありまして、せつかく調査の御依頼がございましても、材料がない、そんなことをお答えしなければならぬようなはめであつたのであります。そこで、その面を考えますると、結局図書館資料としての書物を充実しなければならぬということがございまして、この点に相当の金額を計上しております。金額で申しますると、立法考査に必要なものは人員と若干の資料を含めまして約六千八百八十三万四千円の増額を要求しております。それから図書の購入その他図書に類似したものを購入いたしまする費用は八千五百九十二万六千円というふうに全体の金額を計上いたしまして、そのほかにP・Bレポート、原子力関係資料というようなものの整備充実をはかるために、職員も二十人ばかり要求するというような方法をとっております。かように中心となりまする点を補充するばかりでなく、こういうふうにいたしますると、たとえば、書物を買いましても、それをきちんと整理する。だれでもすぐその資料を利用し得ますためには整理をしなければなりませんので、口では資料を集めると言いましても、集まった資料が使えないような状況になっては困るということで、この点もいろいろとくふうをして、人をふやそうとしておるわけであります。  なお、一つ小さいような大きいような妙な仕事でございますが、上野にございまする図書館は私どもの方の所管になっておりまするが、これは長い歴史を持っておるにかかわらず、終戦を契機にいたしまして夜間開業いたしておりませんので、せつかく百万に近い貴重な文献がありながら、夜はだれも入れないということで、いろいろ不平もあちこちで聞きます。図書館としても両日ないような形になっております。やつと本年度からわずかに人を満たしまして夜間の開業を非常に不十分な形で始めましたけれども、非常に無理なやり方で、定期の職員を置きませんで、わずかにアルバイトを少数置いて、それを中心として人を差繰って無理にやつておりまするが、無から有を求めるとでも申しまするか、そういう無理な仕事というものは、昔ならばいざ知らず、今日の合理的に事務を運営いたします場面では何としても永続する方針には沿い得ませんので、そこでごくわずかの職員でございまするが、若干の職員をふやして円満に遂行しよう、こんな計画を持っておるのであります。その他いろいろこまかいことはお手元に配付いたしました資料に記載してございますが、必要な点はまた御質問に応じてお答えをいたしたいと存じます。  そこで、先ほど庄司委員からお尋ねになりました図書館建築の動き方というものにつきましては、これもなかなか困難中の困難とでも言うべき道を通っております。一種の苦しい道を通っておりまするが、それにいたしましてもだんだんと目鼻がついて来ておるわけでございます。最初図書館建設の計画を立てておりました当時は一万五千坪の図書館をつくる、しかしさしあたりはそれを八千坪つくる、こういうふうな方針を立てて、大蔵省等におきましても、一万八千坪の前途の方針はこれを認める、しかし具体的には八千坪の計画にある程度同調する、こういう形でございまして、従って、図書館としては、これは二重目的でありまして、ほんとうのねらいは一万五千坪、しかし直接には八千坪の暫定措置を講ずるというのでございますけれども、これは口だけで言えば何でもございませんが、建築の設計ということをいたしますると実に無理なことになりまして、全体の形は一万五千坪のやや大きな計画で、建物の美しさとかまた機能の充実ということを考えなければなりません。しかし、実際にやりまするときには八千坪のようにしなければなりませんので、この建築の設計をいわば縦切りにして部分的にやって行くか、横切りにして部分的にやって行くか、あるいは縦切り横切りを折衷いたしまして、とにかくさしあたり役に立つ、けれども将来はりっぱな姿のいいものにする、こういう方法で行くか、いろいろ考えまして、現在のところでは縦切り横切りの両方を考えまして、今は多少形はおかしくても、まあこれでがまんして行こう、けれども第二期工事が終りますると、予定通りのりっぱな建物ができるという方法を考えております。かなり無理のあることは覚悟してやっております。そこで、この問題賞募集によりまして一等の設計はできましたけれども、そのままでは八千坪をつくり直すことはできませんので、今いろいろと考究をして、ほぼ太い線の計画だけはできております。それでこれはだんだんでき上って行くと思いますが、そのうちの第一期の建設は、来年から数えて三年たつとできるという方針を立てております。本年はそのうちの一番基礎的なことだけをやるのでありまして、基礎的なことと申しますのは、主として土地を整理いたしまして、いろいろ高い所を削るとか地盤の弱い所をうまく利用するようにするというようなことで、整地工事に重点を置いております。これはすでに着手いたしておりまして、今土地を削っておりまして、この順で行けばおそらく明年二、三月ごろには整地が完成するということになりますと、順次その上にいろいろ基礎工事をし、また鉄骨を建てるというような方法に行く所存でおりまして、それの経費のおおよその予想というものも書類にしたためて、おそらくお手元に行っておることだと存じております。とにかく本年度はそういうことであります。  そこで、来年度は何をやるかということになりますと、今の計画といたしましては、ここに述べましたような金額であまり大きいということでもありませんが、五億八千七万六千円ということになっております。中身は建築工事費あるいは機械設備の工事費、電気設備の工事費というものを中心にいたしまして、それに若干の事務費を含んでおります。なお、それに関連いたしまして、敷地が多少きゆうくつでございまして、その敷地を補うために買収する、あるいはすでに存在する建物を移転したりする計画は持っておるのであります。  なお、先ほど庄司先生の言われました明治二十三年以来国会議員の著作せられたものを図書館に実物を保存するということ、それからまたそれの網羅的な目録をつくること、この御希望がございましたが、実際のところは予算の不足によってなかなかそれだけの仕事をてきぱきとやることはできませんけれども、しかしその著作目録は現に事務を差繰りまして作成中でございます。なお、図書館の建物が充実いたしますならば、その具体的な著作も集めまして、ある程度人にはっきりわかるような形でやりたいものと考えております。しかし何しろ建物ができませんとなかなか思うようには参らないのであります。  一応お答えをいたしまして、なおお尋ねに従いまして御説明申し上げたいと存じます。

青木正自由党

○青木委員 御説明で大体わかりましたが、この図書館建築の方で第一期工事として三十二年度までに完成する総額が二十五億になっておりまして、三十年度五億、三十一、三十二年度で十八億、こういうことになっております。今年の予算編成にあたりまして、大蔵省との折衝において三十年度が五億、さらに残りが十八億あるわけですが、三十二年度までにこの第一期工事を予定通り完了するという大体の御了解が大蔵省とできておるかどうか。先ほど河上先生の御質問に対する御答弁によりますと、その年々の財政の都合で出すというようなお話であったのでありますが、そうでありますと、何年になるかちょっと見当がつかなくなりますので、はたして三十二年度までに完成するという了解のもとに明年度は五億、こういうふうな御了解がありますかどうか、この点をお尋ねします。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 お尋ねは一面においてまことにありがたいお尋ねであると同時に、一面においてお答えするのが非常に苦しいことなのでございます。実は、この図書館の建築の一番初めから、私どもの淡白な推測によりますと、非常に小さな図書館をつくるのなら同意はできる、しかし少し大きいものについては渋るというのが実情であったわけです。それで、いろいろ話を進めて行きまして、大蔵省当局も、国会の委員会におきまして、とにかく一万五千坪の計画は承認する、八千坪の具体的なものをつくることにも賛成をする、しかしその順序等につきましては国の財政をおもんぱかってやるのであるからして、その金額の支出の計画については今決定はできない、こういうふうに言われましたのですが、私どもとしては非常にぼんやりしている中で動いておるわけであります。そこで毎年々々今申し上げましたような予算計画を立てて、それを大蔵省へ持って行つて、その年の財政とのにらみ合せによつて結論を得ようとしておりまして、今までそういう方法でございまして、なかなか思うにまかせておりません。それで今日かような計画を立てておりますけれども、何とかしてこの計画通りに行きたいと念願をしております。どうもその内約を得ておるということのお答えはできない状況であります。

河上丈太郎日本社会党(右)

○河上委員 建築費を除いた図書館の費用の、ことしと去年との比較はこの表に出ておりますか。来年度はどのくらい増額するかということの総額は出ておりますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 ただいまのこの年度の図書館の運営に関しまする経費は、先ほど御説明をいたしました通りでありまして、きわめて少額なものであります。それを今度ふやそうというので、これはおおよそ予算の概算というものはかなり荒いものでございまして、腰だめで行っておるのに近いものであります。

河上丈太郎日本社会党(右)

○河上委員 それから図書の購入費は全体の費用の約一割強となっているのですけれども、これは海外の図書館なんかでも大体こんな標準ですか。日本では、この図書館では、立法考査費などという特別な費用があるから、そういう標準になるのですか。海外の図書館なんかでは、経費と図書の購入費とのパーセンテージというものは普通どのくらいになっておるものなんでしょうか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 これはまったくところどころその図書館によりまして非常に違うものと思っております。外国の事情は今詳しくは私は存じておりません。と申しまするのは、図書館というものは何だ、この一番根本問題が根元に横たわっておりまして、たとえば公共図書館というところになりますると、ごく簡単に本を集めて人に読ませる、こういうことでございまするから、書物に金をかけるということが一番普通の考え方であります。ところがだんだんと図書館の種類が違って行きまして、最高級の人に研究資料を与えるということになりますと、その研究資料というものを探したり、これを整備したりする費用が高まって来まして、人件費の方がふえて来るということになります。それからさらに種類の違った立場になりますると、自分のところの図書館の仕事ばかりでなく、よその図書館のために役に立つようにするということが仕事の中心になって参りまして、日本ではそういうものが今までなかったからして、あちこちに図書館は濫立いたしましたけれども、その間に系統も立たない、事務の便利もないということになっております。  私どもの図書館は、法律上の形は別といたしまして、事実上日本中の図書館に役立つサービスをする、こういう建前であります。これは法律の中にも書いてございますけれども、その立場で行っておりますために、また事務が非常に多いのです。と申しますのは、たとえば世界のおもな国と始終連絡をとりまして書物の交換をしております。私どもは図書館の資料を交換することが重点でありますけれども、たとえば、濠州の政府と交換いたしまして、ある分量の書物はこっちからやる、同時にある分量の書物はこちらにもらうということをやっておりますし、それからアメリカの連邦の方は、全部の政府出版物をこちらにもらいまして、また日本からも全部の政府出版物をやる。つまり一かたまりにして中身を一々勘定しないで交換する、こういうことをやっております。また、アメリカの目ぼしい各大学等からは、向うの出版物をただでもらいまして、こちらでまた交換物をやっておりますが、これなどはこちらに交換するものが手元にあるとは保証できません。たとえば条約に関する外務省出版の大きな印刷物などを私の方が買いととのえて、それでもって向うへ交換に出すということもございますし、それから国際連合関係、つまりユネスコ関係等の面におきましては、日本の書物のいろいろな調査、たとえば、日本の書物で外国の文学を翻訳したものはどんなふうになっておるかというような調査等も、結局私の方が中心になって、国内のいろいろな知識人を集めて研究するという段階になっております。それから日本の全出版物の総目録をつくるということもやっております。これは昔警察でもって印刷物等が押えられておったときと違いまして、今日のように出版の自由な時代になりますと、一体どんな書物が日本でできておるのか、ほとんど調査する方法がございません。それから、私の方は一種の納本図書館と申しまして、これは徹底はしておりませんけれども、納本させるという権能を持っておりますから、それを中心として日本の出版の一般的な情勢の調査をして世界に見せられるだけの印刷物をこしらえておる。こんなふうでございますから、全体から書物の割合を計算するということは、あとからはできますけれども、プランとしてはできないわけであります。  ただ、そうは申しますけれども、私ども非常に遺憾としておりますのは、人件費その他を含めて図書館の経営費が二億以上でございますのに、ほんとうにお金を出して買う書物の分量はどれだけかというと、一年にわずかに一千七百万円であります。あまりにも図書を買う比率が少いので、人はびっくりいたしまするし、自分ながらも恥じ入らざるを得ないような状況になっております。これは責任を持って言えませんけれども、ここに、日本の変態的と申しますか、人件費にものがたくさんいって、蓄積すべき図書館の資料に金がまわらないという点は、確かに病気があるのではないかとひそかに思っておりますが、それにもかかわらず、いろいろとしさいに見て行きましてどこを減らすということもございません。そこで、もっぱら積極的に本を買ってもらいたい、こういう要求をいたしております。昨年も私は大蔵省に行って、大蔵大臣に、何をおいてもともかく表芸と申しますか、鉄道を運営するのに機関車がないというようなきらいがございますので、そこを何とかしていただこうと思って話しましたけれども実際はなかなか思うように、参りません。  そこで、今年の計画といたしましては、今の調査立法の生きた資料、骨董的資料ではなくて、現実に外国の事情がわかるという資料、なるべく新しい文献、それは新聞、雑誌、パンフレット等で集め、物によつては航空便でとりたいという気持を持っております。それから第二には、日本で図書館がいろいろ動いておりますけれども、従来の惰性につられまして一種の骨董図書館に堕するきらいがございます。それも適当でございませんけれども、しかし、何しろ日本の状況から言いますと、社会的な動き、産業の問題、科学の問題というものが非常に遅れておりまして、これを何とかして、てこ入れと申しますか、そこに一つの刺激を与える必要があるというので、外国で少くとも十年ぐらい前までに現実に利用されたような発明及び産業についての貴重な資料、それをもし上手に使えば日本の産業が相当急角度に発達するというようなものを約十一万点ばかり買入れ方を努力いたしまして、今その大部分が小さいフイルムになって入っておりますが、これが今世の中に相当に用いられて来ました。こういうものを買いましたときの費用はやはり一億以上に上っておりまして、臨時的ではありますが、相当巨額のものになっております。これは図書館に本元のものを置きましてそれを写真で複製したものを大阪の図書館に預けて利用をしてもらい、それから幾らか小さいコレクションを今度名古屋と福岡の図書館に置きまして、地方の学術研究家及び産業人に利用してもらおう、こういうふうにしております。  こんなふうに、図書館というものは、考えてみますと非常な多角形の、多元的な、古く考えられました図書館とは思いもつかぬような、ある意味で外交機関のような意味を持っておりますし、ある意味におきましては、間接ながらも産業の助成機関のような意味を持っておりますし、ある意味におきましては、昔の内務省のやつておったような出版行政の基礎を調査しておるということもあります。そこで、本を買うお金というものは、ほかに関係なくそれだけをお願いするという形をとっておりまして、比例はあまりうまく計算できておりません。

河上丈太郎日本社会党(右)

○河上委員 本を買う金が少いように実は考えるので、海外なんかの事情がわかるような本をもっとたくさんにしなければならないのでは甘いかと考えたから、お尋ねしたわけですが、今のお話ですと、納本というのはあるのですか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 この図書館ができますときに、出版社に一部ずつ納本させる、こういうことが法律に書かれたわけであります。ところが、何しろ納本ということが道徳的義務になっておりますために、大きな出版社はほとんど納本いたしません。小さくて気の弱い出版人が納本をして来る、こういう形になりまして目算からいって多分三割か四割しか納本がなかったと思っております。しかし、これとても罰する道も何もございません。

河上丈太郎日本社会党(右)

○河上委員 昔は内務省に二部か何か強制的に納本さしたのでしょう。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 昔は内務省が警察目的で二部納本させました。場合によつてはもっとたくさん納本させるという計画も持っておつたようでございました。私どもそういう状態であった法律を受けて始めましたが、どうもぐあいが悪いというので、今度法律をかえてもらいまして、実費だけは必ず払うという法律にしました。おもに出版業者を参加させた委員会で判断をいたしまして、大体五割見当でありますけれども、それを払うことにして、そのかわり納めてください、もしも納めないと、場合によつてはあやまち料を科することがある、こういう形にいたしまして、今は八割見当かもう少し上納本されておって、だんだん順調になって参っております。妙なもので、ただで出せと言ったら、一種のレジスタンスでございましょうか、非常に大きな第一流の出版業者が一冊も納本しなかったという珍事が起つたわけであります。そんなふうで、今は、罰則も適用しなくても、まず順調に納本されておりまして、あと納本しない人を詰問しますと、まったくそういう法のあることを知らなかったというわけですから、もう少しいい習慣ができますと、うまく行くと思つておりますが、これは今警察官的と全然離れておりまして、ほんとうの文化目的で、たとえば日本で一年に一万五千の出版物があるのか、それとも一万二千の出版物があるのかというようなことは、民間の調査では当てになりませんので、そうやって集めまして、完備した毎年の出版目録をつくっております。これは日本でもわからなかったことでありますし、ことに外国からいろいろ調べに来ましても、そういう材料がなくて困つておりましたが、今はそういうものができております。

河上丈太郎日本社会党(右)

○河上委員 日本の出版物のリストみたいなものを図書館でつくられるわけでしょう。その必要上からでも、出版業者にお話をして、日本で出版する本はこの図書館に全部あるという体制をとることが、この図書館の権威を高めることにもなるのじゃないか、こう思われるのです。それを一々買っておったらたいへんなことになりますので、図書館の方から出版社に協力を求めるか何かする、出版社の人だって一冊ぐらい出すことはそうこたえることでもないのだし、そういう方法か何かで、日本で出版される本はこの図古館に全部あるのだというような権威をこの図書館で持たれることが、非常に必要じゃないかと私は考えておる。本をできるだけ集めるということは図書館としては最高の仕事じゃないかと思いますので、それで、ヨーロッパなんかでどのくらいそれに金を多く使っておるかということを調べていただけば非常に皆さんのためにもなるのじゃないかという意味の質問をいたしたわけであります。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 その本を集めるときに、先ほども申しましたように、初めの官僚的なやり方は完全に失敗したわけなんです。官僚的なやり方といっても、私が法律をつくったわけじゃありません。法律に従ってやったのでございますが、ほんとうにこれは完全に失敗したといってよいと思います。それからその次に実費は払うということになった。これは、実は憲法の要求でもあり、人のつくったものをただで国が取上げるというわけに行きませんので、実費を払うということを考えました。それからおもなる出版業者に集まってもらいまして、一種の小さい委員会をこしらえまして、金の払い方等についても御相談をして、それ以来うまく行きましたが、何しろ日本人は、めんどうがると申しますか、一冊本を発行すると、荷づくりをして東京に送って、それから五割の金をもらうにも書類を、官庁の一種の規定に従って三枚も四枚も書いて、案にむずかしいことを言われる。そのめんどうがいやだものだから、ほとんどやってくれませんでした。ところが、だんだん話が進みまして、日本の大きな出版物の配給の団体が相談をして、それたちが固まって一つの団体になりまして、その手で一まとめに納付してくれる。日本で一万二、三千も納付しますと、毎日相当数量がございますから、そういう一種の納本の管みたいなものができまして、それからうまく行っておるわけです。  ところが、それにも弱点がございます。現在の出版界では、そういうところを通さない個別的の出版がある。それが地方に多いのでございます。しかもそういう中に非常におもしろいものがございまして、厚さ四寸くらいの、日本のお医者さんの何万人の名前と住所と学歴とを完全に書いた本が三十年も続けて出版されておる。そういうものは、ほとんど経済の外に立っておるもので、なかったのであります。それを、昨日でしたか私のところに持って来ましたから、これはなぜ納本しないかとじょうだんを言いましたら、さっそく翌日持って来ました。こういうところを見ますと、悪意じゃない。まったく知識がなかったとか、あるいはめんどうくさいということだろうと思います。それは今非常に努力しておるところであります。

青木正自由党

○青木委員 調査立法考査業務の拡充の問題ですが、私は一、二やっかいになりましたので、非常に大賛成であります。明年度八十名の増員、これは実際問題として特にどの部門に要求があるというようなことで、どこか重点的に拡充なさるのですか。それとも全般的に拡充なさるのですか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 少し原理的な点をかえまして、別にどこに重点を甘くというわけではございませんけれども、相当網羅的に調査をいたしまして、今までは御質問に応じて調査をするというふうに多少そこがねらい打ちみたいなことでございましたが、もつと系統的な調査になりまして、その調査を一年なり二年なり集積して行くと一つのまとまった体系ができるというのでございますが、それをちょっと責任者から御説明申し上げます。

角倉志朗国立国会図書館参事(調査立法考査局長)

○角倉国会図書館参事 ただいまの御質問につきましては、お手元にこういうのがお配りしてございます。それの二枚目に、「調査立法考査局業務整備充実の必要性について」という説明がございます。この四枚目の裏でございますが、ここに大体現在おります職員で非常に手薄な理由を書いてございます。一言にして申し上げますと、おかげさまで議員の方々の御依頼の件数が累増して参りまして、最近一年に三千件を越えて、二十九年度は三千五百件になると思いますので、だんだんと手薄の状態になっております。ここに書いてございますように、この程度の人員ではどうもお気の毒で依頼調査も遠慮しなければならぬというお言葉すら出るくらい、実は繁忙をきわめております。今専門調査員九名を加えまして百二十二名の職員がおりますけれども、その中で、実際に筆をとって調査の御依頼についての回答を書き、あるいは準備的に自発的な調査をしてお配りする能力のございます者はこの半数でございます。あとは、あるいはタイピストあるいは補助員、その他局の中にございます法律、政治関係の閲覧室をかかえておりますので、その力の業務——総務課でございますとか、調査資料統計課の職員等もございまして、実際に調査に従辛しております三部十課の中で、調査できます者は六十名見当でございます。従って、これを二倍にいたしますならば、回答の内容も整備され、しかも非常にお急ぎになる御要求が多いものでございますから、それにも応じ得るのではないかというふうに考えます。六十名そこそこを十課に割りますと、一課が非常に少いのでございます。たとえば、農林課に例をとりますと、その中に食糧問題あり、あるいは水産あり、林業あり、いろいろな問題を一人でもっててんやわんやでやつておりますので、やはりこうしたところを約二倍にいたしたい。またかたがた、先ほど館長からも御説明がございましたが、調査に必要な外国の新聞、雑誌というようなものも、おかげさまで今年から入って参りますから、これを整理分類いたしまして、各委員会の御審議に関連の深い外国の新聞、雑誌の論文のリストをつくりましてこれをお配りする、いわゆる編纂通報の費用が二十九手度の予算でとれて参りました。この方をやりますにも相当手薄でございまして、かたがた八十一名というものを相当正確にはじき出したわけでございます。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 この際私から図書館長にお尋ねいたしたいことがあります。科学振興上きわめて大切な原子力の資料が、今回米国から約一万点という話でありますが、あるようであります。この所属をどこにするのであるかという問題であります。昨年図書館としては、原子力資料その他に関連する設備もありましたし、相当の人員もそろつて参つたのであります。大体ただでもらえる資料でございますが、これは技術院に置くのか、図書館に置くのがいいかということは、やはり相当大きな問題だと考えるのであります。もし技術院に置くということになると、新たに設備をしなければなりませんし、また人員もふえるので財政的にいっても非常に不利でございます。なおまた両方に分散することは非常によくないことではなかろうかと思うのであります。もう一つは、技術院にもしこれらの重要な資料を置くと、それを調査したいと思っても一般民間にはなかなか開放ができないということにもなりますし、図書館に置くならば一般に奉仕することができるということになって、一般のためには非常にいいことかと思うのでありますが、技術院に置くのか図書館に置くのかということについての図書館長の御意見はどうかということであります。もし御意見次第では、これは委員会としても委員の意見を徴して適当に考えなければならぬ問題ではないかと考えますので、一応図書館長としての御意見を承りたいと思うのであります。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 私ども図書館をやっておりましてつくづくと感ずることでありますが、日本には図書、資料というものがないわけではなくて、ある程度あるにかかわらず、みなそれが穴の中に入ってしまって、よその人には用いられない。つまり各人が、骨董品にたとえますと、倉庫に入れてしまって自分も大して使わないけれども、人にはまったく使わせない、こういう傾きが非常にあるわけでございます。それで、そういう点について、かねがね、無理からぬ方法で、しかもだれでも利用ができるような方向に導きたい、かように考えておったわけでありますが、先ほどちよつと私の口から出た外国の発明その他の資料でありましても、それからまた原子力資料のようなものでありましても、これは相当金のかかるものでありまして、あっちこっちに分散しては、利用するのは便利は便利だけれども、とても経済的にこれはやれないものと思っておりました。私どもの方の計画といたしましては、普通の図書館等でお買いになるものは比較的簡易に買えて、そうして自分のところに置いておきたいというものは、これはそのままにしておいていいのでありますが、金のかかるもの、またまれに使うもの、また部数の世界的にいっても非常に少いものというものは、まず一ところにこれを置きまして、そうして必要な者にはすべて自由に簡便に用いられるようにする、こういう方法をとることが、実際近代図書館の一番大切な任務のように思っておりまして、及ばずながらもそういう方向に進んで行こうと思っておりますが、しかし、世の中にはまた別の考え方がございまして、自分の手元に置けば便利である。その通りに相違ありません。しかし、同時にほかの人間にとっては非常に不便である、こういう結果も起って来るのでありますが、その中で折衷的に、あまり無理をしないでうまくやって行こうというのが念願でございまして、その結果といたしましては、できるだけ普通の図書館ではお買いになれないようなものを国立図書館に備えておく、そのかわりそれはパブリックに開かれておるのであって必要な人は適当な方法でもってこれを利用することができるようにしよう、こういう念願を持っております。そういうふうに考えて行きますと、書物というものは妙なものでありまして、本を買う値段は安くても、それからの仕上げと申しますか、カードをこしらえたり、分類したり、本だなをちやんときめていつでも思うように出せるようにするというこの経費は、書物の値段の何倍というくらいのものでなかろうかという気がいたします。たまに道楽に、試みにしろうとながら計算をしてみますと、本は百円であっても、これを整理し、保存し、本だなをつくり、建物をつくり、土地を買うということになりますと、千何百円もかかるという計算になります。これは、私の独断ばかりでなく、外国の調査にもそういうことが出ておりますが、そうなると、書物という貴重品は、やはりある程度まで計画的な扱い方をしなければならぬという気がしております。私ども今PBレポートを約十一万点持っておりますが、これの整理もなかなかむずかしいのであります。十一万というと、口で言えば何でもございませんが、仕事といたしますとほんとうにたいへんな仕事でございます。それから原子力資料ももう二年ばかり続けて入れておりましてことに外国の雑誌のバック・ナンバーに出ておるものを考えますと、雑誌も今おそらく二万点くらい入れておるわけであります。これをまた整理し、だれでも使えるように持って行くという大きな仕事を、だんだん予算をもらってやろうと思っておるわけであります。というところへ、今度現われましたのがアメリカから日本に贈られる原子力資料でございまして、中味のことは詳しく存じませんけれども、もしもこれを、一つの役所が使うのでなくて、いろいろな学者とか特殊な官庁とかいうところが使って、実益があり、しかも書物がそう手軽に得られないものであるとするならば、何としてもそれが一つの所にあって使われる方が便利であろうという気がいたします。何も図書館に持って来なければならぬりくつはございません。日本の国家として、この基調なものが公平にだれにも使えるようにしなければならない。あるいはそれがためには特別なくふうがいるものかもしれない。これは、自分が図書館をやっておりますので、身びいきをしてはならぬというわけで、自分に酷に当るような考え方を始終持って議論をしておるわけであります。  ところで、書物というものは妙なもので、ひとりぼっちでいるもんじゃございません。原子力資料であるからとて、一般の物理学あるいは経済学あるいは原子力に関する国際条約の問題というので、科学とは思っておりますけれども、普通の科学じゃなくて、電気にも関係する、法律にも関係する、外交にも関係する、経済にも関係する、そのほか物資にも関係するというふうに、いろいろなところにぐるぐると連繋を持っておりまして、一つの役所でこんなものを持ったって、ほんとうに局部的な利用しかできないものと思っております。私の方で原子力資料を集めますときに、今の学術会議の会長であります茅先生を頼んで来て、それに湯川さんなんかにも参加してもらい、それから法律学者、経済学者という各界の人約十数人を集めていろいろ相談してもらいました。それによって系統的にこれを集めることかできようというプランを立てて、それで実行しておりますので、軽々しくただ原子力資料を特別にサイエンスのところに置けばよろしいということになりますと、非常に煩雑になります。それでは、政治的に関係するものは政治図書館に持って行く、経済的に関係するものは経済図書館に持って行く、こういうふうに分散しますと、本も失いましようし、利用価値も減って行くということになろうと思います。手前みそを言うようでございますけれども、こういう資料というものはだれでも全部を使うということはほとんどないものでありまして、ところどころちょいと見る、自分の専門のところを調べる程度でありますから、結局写真で複製して利用するということが一番大切になります。こういう書物の第何ページから第何ページまですぐ手元に取寄せたい、この図版を早く手元に置きたい、こういうときでありましても、それも町の中の写真屋に頼んでやらせればできますけれども、そう手軽になめらかにできるもんじやございません。私の方では、最近ロック・フエラーから大よそ一千五百万円以上出してもらいまして、写真の複製ではおそらく日本に類例のないほど完備したもの——これには現像薬とかなんとかいうもので少しお金がかかりますが、フルに使わせますれば、どんなものでも即座に複製ができるという設備をやっとつくり上げました。と申しますと一つのひいき目にもなるのでありますが、分類ということはなかなか専門でありまして、私どもすぐれた分類学者がおるとは信じませんけれども、しかしおのずからそこに相当の長足の進歩もあろう、こう考えております。いろいろなことを総合いたしますと、やはりとにかく一つにまとめておく方がよいだろう、そこには他の学問のできる人がまわりをとり囲んでおって、いつでも相談ができるようになっておる方がいい、ことに複製も自由にできる、分類もある程度合理的にやれる、こういうことの方が一番好ましいような気がいたします。といって、これをどこにつくるか。一つしかつくれない。それに適する場所、それに対する専門の大きな設備をつくれば格別であります。専門の設備がつくれなければ、少くとも経過的には国立国会図書館のような一般的に似たような仕事に手をつけておるところがやる方が本筋であり、あとは事務上に不便のあるところは不便のないようにして、閲覧もでき、利用もでき、貸出しもできるようにすればよいのじゃないかという気がするのであります。ただ、今聞いておりますと——聞くというか、およその動きを察知しておりますと、どうもその方向と反するようなきらいがあるように思いますので、自分ではなるべくなら図書館に置きたいと思っております。こういうものを、けんかを買って、欲張って行くという気持もいやでありますから、実は差控えておるような実情であります。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 もう一つお尋ねいたします。米国は政府に寄贈する、こう言ったのでしょうが、私の聞きたいことは、所管のことです。これを技術院に置くか図書館に置くかということですが、技術院と図書館の間に今日まで交渉等はないのですか。またその適程において何か相談を受けられておるのでありますか。この点はどうですか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 この点は、私の知る限りでは、どこからも図書館に対して正式の相談はございません。スタツクの会議等に中の職員が行って大よその様子を聞いておるというだけでありまして、私ども図書館としては一つもその点に触れていないのであります。何かどこかの人たちが狭い範囲の研究で事をきめようとされておるのではないかというふうに心配しております。これはこの程度で……。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 皆様にお諮りいたしますが、これは、貴重な資料が一万点と申しますと、図書館としても相当考えなければならぬ問題だと思っております。まだこれがどこにということはきまっておらぬようでありますが、どうでしょう。この際何か皆様に適当な御意見があれば承りまして、委員会として適当に善処したらと、こう考えますか……。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 もう一つつけ加えさせていただきます。実は私ども、これは原子力雑誌なども含んでおりますが、何万点と申すわけではありませんけれども、とにかく数千万円の金を出して公正な選択をしてもらって買いまして、これが専門の学者はみな違うものでありますから、あとの整理なども非常にやっかいでありまして、ほんとうに一流の学者がひまをさいてくださるというわけには実行できません。一流の学者の監督のもとにもっと若い人が関係して、これを整理して役に立つようにするところまで話は進んでおります。ただ、予算がないものでありますから、見殺しにされておって、当分、材料は買っても、あとは自分で探しなさい、こういう事情になっておりますが、これは予算欠乏の結果であります。場所も、私どもは今宮内庁にある倉庫を借りまして——倉庫といつても十分役に立つもので、名前は倉庫であっても、実際はわれわれの住宅の何十倍まさっておるようなコンクリートの二階建のものでございまして、そこに私どもの関係のそういう資料はみな保存しております。それは赤坂離宮の中にあるものであります。倉庫というと何となく寒々としておりまして、事務室に適しないことは事実でありますけれども、金をかけないでやろうとすれば、赤坂の離宮の中の建物の一室を特にそれにさきまして、のつぴきならぬ書物だけはそこに持って行きたい。通常の目的はそこで達せられるように今設備しております。そこの地下室には、今申しました写真の設備もある。それから中の人は、個々の知識はどうしたって外の知識を借りなければなりませんけれども、書物として整理するという知識はそこに集積されておるという形になっておりまして、割合にすぐにもやり得るような——かりに一万冊の書物が来ましても、すぐに役立たせる第一歩をとることができるように思っております。工業技術庁の方はどういうふうになっておりますか。私どもの想像によりますと、それがために部屋をさくことはできる、そういうようなことを言っておるやに聞きました。それに関する専門の技術家が工業技術庁には相当あるであろうということでありました。これも察せられますけれども、原子力というものについて専門の技術家が一体どのくらいその辺にたくさんあるであろうかということは、そうあるわけはございません。私どもは、事務的にそういう書物を整理して、必要なことはその専門家を広い範囲から集めて来て助力を得れば、わけなくできる、どこにも有利な点こそあれ不利益な点はないというような気がしております。ただ、残る問題は、せっかくよその役所でもらって来たものを、わきから手を伸ばして自分の方にとって来るということも何となくおとなげないし、ことに私の性格もいくじがないような性格ですから、今遠慮しておるような状態であります。どこからか助言されれば飛んで行くくらいの熱情は持っております。

青木正自由党

○青木委員 金森先生のお話を承り、よくわかりましたが、これは委員長に御相談申し上げるのですが、技術庁の方でどうお考えになっておるか、その方を聞いてみる必要があるのじゃないかという気がいたします。金森先生のお話だけを承って、この委員会として何らかの処理をするということもけつこうかと思います。しかし、さらに念を入れるためには、一応政府側の方でどういう約束といいますか、あるいは受入れの準備がほかの方で進んでおるのかどうか、そういった事情も聞いてからきめた方がいいのじゃないかという気がするのです。これは委員長に対する御相談でございます。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 ただいま青木君からの御発言もありましたので、これはよほど考えて行かなければならぬ、こう思いますので、仰せの通り、図書館長とさらに相談いたしまして相手側といいますか、それともいろいろ御相談申し上げた上で、適当に善処するというところで、本日のところは、さらに必要であったならば御相談を申し上げる、こういうことにいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会      ————◇—————

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