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20回国会衆議院1954/12/04

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

発言数
64
登壇者
9
会派数
4
開催日
1954/12/04

会議録

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法の改正に関して調査を進めます。この際杉村委員より発言を求められております。これを許します。杉村君。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 昨日改正されました公職選挙法の自動車の使用についてでありますが、昨日の改正せられた部分について見ますと、選挙運動に使うところの自動車は乗用車または小型貨物自動車、こういうことになつておるので、選挙運動に使う自動車が一台のように限定されておるのであります。従来、選挙費用の計算の関係から、候補者が乗る自動車は、選挙運動のために使用するところの自動車から除外されて一台を使えるように解釈し、また実際にそういうふうにやつて来ておりますけれども、これは条文を見ますとそれがさしつかえないというふうには考えられないのであります。なるほど、たとえば立会演説会に行くのに、ちよいとそこでハイヤーに乗つて行くというような場合には、それは費用として計算しないということになりますけれども、朝から晩まで毎日候補者が専用に個人演説会等をまわつて歩くために使う自動車もさしつかえないのかどうかということを、この際私は明確にしておく必要があると思うのであります。従つて、これに対する法制局の御意見はどうであるのか。候補者が個人演説会場をまわつて歩くのはやはり選挙運動でありますけれども、それはこの選挙運動に使う自動車のうちに入れるのか入れないのか、そういう点の解釈はどうであるか、この際明確にしておきたいと思いますが、それをひとつお伺いいたします。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 御承知の通り、選挙法では、選挙運動用自動車は百四十一条に規定がございまして、衆議院の選挙に関しましては一台に限ることになつております。その選挙運動用自動車と申しますのは、候補者が乗ろうが、あるいはその運動員が乗ろうが、とにかくその候補者のための選挙運動に関する限りにおいて、一台ということになつております。  それからもう一つ、ただいまお話がございました候補者が専用いたします車の問題でございますが、これは特に、選挙法の関係で、そういう車が一台別途に使えるという規定はございません。ただ、選挙法の百九十七条の規定の中に、候補者が乗用する船車馬等に要した費用——その中で船車馬とありますので、自動車について例をとりますれば、候補者が乗用する自動車に要した支出は選挙運動に関する支出でないものとみなすということになつております。つまり選挙運動の費用から除外されることになつておるわけでございます。従いまして、候補者が乗ります自動車と申しますのは、候補者が必要に応じまして乗る場合もあれば、その期間が長期にわたつて朝から晩までそれに専用的に乗る場合のいずれをも含むわけであります。しかしながら、その自動車は候補者が専用することに限られるわけでありますから、他の運動員がそれに乗りまして常に行動をともにする場合におきましては、いわゆる選挙運動用自動車ということになりまして、一台の制限に反することになるわけでございます。しかしながら、候補者が乗る場合に、たまたま運動員がそれに便乗するという形において乗られる場合におきましては、それはさしつかえない、こういう意味におきまして、候補者が専用する自動車は、実質的には選挙運動用自動車であつても、それに乗る態様においておのずから差異がある、かようなことになつて、おるわけであります。従いまして、結論をつづめて申し上げますれば、選挙法で許されておるだれでも乗れる自動車が一台、それ以外は、候補者だけが乗れる自動車が選挙費用に加算されない意味において認められておる、但し、その場合は、運動員がそれに乗つてはいけないということはありませんが、便乗程度であればさしつかえない、しかし常時乗る場合においては一台の制限に反する、こういうことであります。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 ただいまの結論で私は十分明確になつたと思いますが、さらに念を押しておきます。それでありますから、要するに、候補者が候補者専用に使う自動車と、一般の選挙運動に使う自動車と、候補者の面から見れば二台が使用できる、こういうふうに承知いたしておつてよろしゆうございますか。それだけお尋ねいたします。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 台数の点からはさようなことになります。ただ、私が先ほど申し上げたような方法においてお使いになることが妥当であろうかと存じます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 ごくこまかいことで、ついでと言つては失礼ですが、明確にしておく意味で伺つておきます。文書、図画、こういうものの中に色彩が入るか、あるいは模様が入るか、こういうこともひとつ伺つておきたいのですが、たとえば、小型貨物車などをまつ赤に塗るとか、まつ白に塗るとか、まつ黄色に塗るとかいうふうに色を塗りかえる場合に、これが図画に入るかどうか。いわゆる色彩です。その程度はほぼ常識でわかりますが、その中で何らかそこに図案的な模様が加わる場合はどうか。たとえば赤と白のだんだらに塗りわけるとか、きつと出て来ると思うのです。目立ちたいという意欲で、赤と白のだんだらに塗るとか、あるいは赤で塗つておいてふちを白で抜くとか、あるいはその他遊覧バスにありますようにきれいにするということも出て来る。さらに進んでは、農村に行きますと、屋号で人を指示する場合があります。かじ屋とか、かど屋とか、道具屋とかいうような名前があります。それがある程度模様でわかる場合、こういうものもかなり疑問の限界になつて来る。蛇の目屋なんかもありますし、さらにはそういう自分のところの屋号を表示するなどということではなしに、何らか美的なものを使いたいというので、ピカソばりのいわゆるアブストラクトの絵画を描くというのが出て来ると思います。こういうようなものも文書、図画に入るか。これは、選挙法の建前からいつて、一定の候補者をさし示すような図画にならなければいいのじやないかという気がしますが、この点につきましても明確にお答えないただいておかないと、きつと出て来ると思います。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 ただいまは選挙運動の文書、図画に関するお尋ねと存じまするが、その中でまず文書の点についてお答えいたします。屋号その他あるいは候補者の何者であるかを表示し得るような記号等が用いられました場合におきましては、これは文書の中に入ると考えております。それから色彩の問題は図画の問題だと考えます。単色につきましては私の考えでは図画には入らないと考えております。しかしながら、大体図画であるか図画でないかということは社会通念によつて決するよりしかたがないわけでございまするので、そのときの社会の情勢と申しますか、進運に伴いましてそれらの考えががかわつて行くかと考えるのでございます。たとえば、図画につきましては、絵画につきまして印象派的な絵があつたりいろいろいたしまして、そういうのがはたして絵であるかどうかといういろんな問題もあるかと思います。そういうものもやはり絵である、図画であるということになれば、明らかに、特に象形と申しますか、何ものかを描いてなくても、色彩によつて何らかの表徴がなされておる場合におきましては、私は場合によつては図画になり得ると考えております。しかしながら、その図画であるかどうかの区別は、実際的な具体的ケースによつてきめるよりしかたがないと考えます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 くどいようですが、ここにある文書、図画という言葉は、文書、図面一般としてではなしに、選挙法の建前から、選挙法の法領域における解釈をしなければいけないのじやないかと思います。従つて、選挙法の目的とするところは、ともかくもそれによつて候補者を暗示し候補者をさし示す意図を持つた図画、文書、こういうものを禁止するのだろうと思うのです。あるいは文書については政党のスローガンをさし示す、こういうようなものだと思うのです。そういう点から考えて参りますと、単純にその自動車を美しくするということであつて、決して特定の候補者もさし示していない、あるいは特定の政党をもさし示していないような絵画というようなものは、私はこの選挙法の精神に照らしてみて禁止する必要はないと思うのです。町を走る自動車がむしろ美しくあることは、全体の秩序からいつても好ましいことじやないか、そこまで禁止する理由が一体どこにあるか、そうなつて来ると、それが単なる絵画であるかどうかという判定だけではなしに、さらに絵画であり、同時にそれが選挙法の目的を阻害するものであるということが必要だと思うのです。従つて、おすきな方は小型宣伝車にピカソ流の絵を描いてみても私はさしつかえないのじやないか、こういうふうに思うのです。またおすきな方は成田山のお札のような絵を描かれても、これは各人の自由ですからさしつかえないのじやないか、制限規定はなるべく人の自由を拘束しないように解釈するのが当然じやないかと思うのです。くどいようですが、この点お答え願いたい。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点はごもつともな御意見と存じます。選挙法におきましては、もちろん選挙運動のために使用いたします文書、図画の制限をしておるわけでありまして、現行法の百四十二条、百四十三条がその直接の規定でございます。しかしながら、百四十六条にも規定がありまして、何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、公職の候補者の氏名あるいは政党の名前等が表示されるような文書、図画を頒布したり掲示してはいかぬ、こういうものは禁止行為とみなすというようなことになつておりますので、これに該当する限りにおいてはいけないことはもちろんでございます。従いまして、これに該当しない範囲内におきまして、これ以外において御意見のような色彩等を使われるということはもちろんさしつかえないことと考えております。その限界は具体的なケースによつてきめなければなかなかむずかしいのじやないだろうか、こういうわけであります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 ごく簡単なことで、寄附の禁止ですけれども、「通常一般の社交の程度を超える寄附」というのはどこに標準があるのですか。ぼくと島上さんでは大分島上さんの方が金持ですから、こつちの方が通常の社交という点からいえば多い、ぼくは貧之だから少いというような場合もありましようし、あるいは衆議院議員だということで、ふところにありもしないのに無理に持つて行かれる場合もあると思うのですが、一体通常一般というのは公職の候補者を標準にした通常ですか、それとも世間一般の通常ですか、共同募金なんかが参りましても、近所では五十円あるいは百円ですが、お宅は代議士さんですからというので千円も二千円もとられておるというのが実情だと思うのですが、どこを通常一般の社交の程度と言うのか。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点の解釈はなかなかむずかしい問題でございますが、かように考えております。通常の社交の程度と一般の社交の程度とを合せた程度のものだ、こういうことであります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それではわからない。どこに基準があるかということです。一般の社会の通常人、これは通常です。それから一般の市民、これは一般です。それは合せても一般の方の標準しか出ないと思います。両方合せても同じです。そうなつて来ると、一体どこに基準があるのか、公職の候補者たらんとする人は通常よりも幾らか財的には恵まれているというので、それを通常と称するならば、五十円、百円以上、場合によれば一万円、十万円というものも通常の社交の限度を越えないと思うのですが、その辺、人を標準にするのか、クラスを標準にするのか、それでなければ社会全体を標準にするのか、そのおよそのめどくらいは立法にあたつてお考えになつたと思うのです。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 ただいま申し上げましたのは言葉が足りないかもしれませんが、別の言葉で申し上げますれば、平均人の程度の寄付、こういうことでございます。と申しますのは、通常と申しますと、これはクラスによつてそれぞれ違うことになります。それから一般と申しますのは全体をならした程度ということになりますので、通常一般と申しますのは、そこらを兼ね備えまして、全体を平均に考えた場合の程度のもの、従いまして、ある特定の非常に金持の人たちがやる寄付が基準でもなければ、またごく貧乏な人が出す程度の寄付が基準でもない、平均人程度の寄付、その程度は社会通念によつて決するよりしかたがないという、きわめて弾力性のある規定になることになると思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 ちよつと委員長からさつきの候補者の専用自動車の点について御質問したいと思うのです。さつきの三浦法制局第一部長の御答弁によりますと、候補者の専用自動車は本来の選挙運動用自動車のほかに認められるのだというような御結論のようでありました。しかし、法の百九十七条の三号は、単に「公職の候補者が乗用する船車馬等のために要した支出」とこうありまして、それは選挙運動に関する支出でないものとみなすというふうになつておりますが、この立法の趣旨は、たとえば私の選挙演説会が銀座の方にある、そういう場合に、ここからハイヤーを拾つて走つて行くというようなものを私は規定したのじやないかと思うのです。それから生れて来て、候補者の専用自動車が許されるのだということになつておるように思うのですが、単に候補者の専用自動車を許すという意味だけにとれば、選挙運動用の自動車が街頭演説をやつている、そこへ自分が専用自動車に乗つて行つて、そしてその演説が済んだ場合にさらに次の街頭演説のところに行くというときに、自分の専用自動車に乗つてあとをずつとついて行くというようなことは、私は選挙運動用の自動車が実際上二台になつたのと同じことだと思うのです。それならば、結局選挙費用の節減をはかつた今回の立法の改正趣旨に反するのじやないかと思うのです。少くとも、そういう場合は、やはり候補者は本来の選挙運動用の自動車のところに来た場合には、自分はおりて、それからずつと選挙運動用の自動車に乗つて行くべきであつて、本来の選挙運動用の自動車のあとから自分の専用自動車に乗つてずつとついて行くということであるならば、これは私は立法の趣旨をむしろ悪用するものだ、法の盲点だと思うのですが、この点いかがですか。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 ただいま委員長のお話の点はごもつともでございまして、百九十七条の規定は、大体、今お話のありましたように、候補者が必要に応じていろいろ車を借り上げたり、あるいは使つたりしておる場合の規定であることはもちろんでございます。しかしながら、それだけではないのでございまして、用語としては、専用ということは選挙法の上では適当な用語ではないかと考えております。つまり候補者が乗用する自動車は費用に入れないということでございまして、それはただいまおつしやつたようにちよいちよい借り上げて乗る場合もあるので、これは必ずしも専用車という意味でもございませんし、専用車が一台別にあるという観念でもないと考えております。しかしながら、場合によりましては、候補者が朝から晩まで続けて乗るとか、あるいは二十五日の選挙運動の期間中全部借り上げて乗るということを別に否定しておる規定もございませんので、さような形において、ある車を候補者だけが乗る意味において借り上げたといたしますれば、それは社会通念にいう専用車になるだろうと思うのでありまして、その場合も費用からは除外される、こういう意味であります。しかしながら、選挙運動の自動車と専用車との大いなる相違点は、私が先ほど申し上げましたように、いわゆる専用車の場合におきましては原則として候補者が乗る建前であつて、選挙運動員は乗れないのである、こういうことであります。ただ便乗することはさしつかえないが、それに常時乗るということになれば、それは選挙運動用の自動車一台という制限の違反、こういうことになるわけであります。

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 では重ねてお尋ねいたしますが、あなたの説明から行けば、あくまでも候補者が専用に乗つて歩くものはさしつかえないという解釈をとるならば、先ほど言つたように、選挙運動用の自動車が前の方を走つて行く、自分はそのうしろから候補者の専用自動車に乗つてずつとついて歩くことも可能なように解釈できるような次第でありますが、その点はさしつかえないのですか。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点は、現在の選挙法ではそれを否認できる規定がございませんから、結局さしつかえないと言わざるを得ないと思つております。

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 非常にしつこいようですが、私は、それならば選挙費用を節減するための改正ということはやはり法の盲点として残つておるように考えられるのであります。この点は、やはり少くとも選挙運動用の自動車のそばに行つた場合には、候補者はもうそれに乗りかえて歩くというような建前に解釈を統一するか、あるいはやはりこれは何とか法の改正をしなければ、法の盲点としていけないと思うのです。結局脱法的に選挙費用を超過させることになると思うのです。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 これは私らもずいぶん私えてやつたのでおりますが、今の委員長の言われた例からいえば、つまり候補者の乗るものは一台だけとしないでも、これはやればやれるのです。別に乗つていかぬということはないのですし、自分だけ街頭でタクシーを頼んで乗つてしまつても、これをとめるわけには行かないと思うのです。ただ費用の中にこれを入れるか入れぬかで問題があるわけです。これは考え方ですけれども、借切りにしておいた方が安上りか、ちよいちよいタクシーに乗つてやつた方が安上りかという点で、初めは私どもも借りたら借りたときのことだけをつければいい、そういうふうに考えていたのですが、だんだんかわつて行つて、候補者がとまつた宿賃もつけるのだから、それなら自動車もなぜつけないのか、何も別にしなくてもいいのじやないか、こういうことになつたのでありますが、今あなたの言われたことについては、どうしてもやればやれる、こういうことであります。

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 最後に一言だけ申し上げますが、そういう解釈をとると、実際上選挙運動用の自動車を二台認めたと同じような結果になると私は思うのです。やはりこれは法の盲点だと思いますが、以上の見解を述べておきます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 私はその点について一番初めに御質問を申し上げたのですが、私もそれはやはり今委員長の最後の言葉のように考えておつたのです。しかし、どうも一般がそうでなくしてやつておるので、ああいう釈明を求めて、後日問題の起らないように速記に載せてもらつたのですけれども、法の上から言えば、法の精神に反する、いわゆる脱法行為であるということになるのです。まあこれは一応そういうことにきまつておりますから、私はそのことについては申し上げません。  いま一点伺いたいのは、街頭演説と個人演説の区制なんであります。個人演説ということになりますと、屋内でなければいけないのかどうかということです。これは実際にあつた問題ですが、私の選挙運動において、私はこの場所で個人演説をやりたいと思つたけれども、会場がありません。そこで人の家の軒下を借りてやつたところが、これは個人演説会場じやないからと苦情を言われたのです。そこで私は、そんなことはさしつかえないじやないかということを言つたのですが、その個人演説会と街頭演説会との会場についての区別があるかないか。私は、たとい人の家の軒下でも、街頭であつても、ここを個人演説会場として候補者が定めた場合には、これを六十回の回数の中にさえ入れたならば、さしつかえないと思われるのです。従つてそれはポスターを張つてもさしつかえないと思うのであります。ところが、地方の警察吏あたりはまことにこの選挙法を知りません。そこで、個人演説会場というのは屋内でなければいけないんだ、こういうばかばかしいことを言うのでありますが、この点についてひとつはつきりしたところのお答えを承つておきたい。つまり四辻でやるような場合においてこれを個人演説会として候補者が回数に入れたら、たとい街頭でもポスターが張れるでしよう。別に会場が屋内でなくてもいいのじやないですか。それを候補者が六十回という回数に入れさえすれば、個人演説会場としてもさしつかえないのじやないかと私は考えるのですが、その点はつきり意見を承つておきたいと思います。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 個人演説会につきましては、選挙法では大体施設の中でやるという建前をとつております。その施設につきましては、第一は公営施設、第二は公営の施設以外の施設を利用してやる場合、それからさらに第三といたしましては、建物その他の施設の構内においてやります場合は個人演説会ということになつております。従いまして、屋根のある建物の中でやる場合はもちろんでありますが、屋外という場合におきましては、建物その他の施設の構内とそれが認められるかどうかによつて個人演説会であるかないかという区別になつております。これは百六十四条の二に規定がございます。従いまして、門を入りまして工場の中のある構内でやります場合におきましては、それが屋根のある室内でなくとも、これは個人演説会になつております。従いまして、そういう構内と認められない場合とか外でやる場合はすべて街頭演説になるわけであります。従いまして、例として仰せの四辻でやる場合はすべて街頭演説になるのが、この選挙法の建前になつております。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 そういうふうな解釈から来ておるので、しかたなしに私どもは街頭に面しておるところの小さな家の座敷に自分たちが入つて演説会をやつてそれを個人演説会としたのですが、個人演説会の会場をそういうふうに定めて、何でもかんでも会場によつて個人演説会を制限しなくてもいいのじやないかと私どもは思うのです。要するにどこでやつてもそれを会場としたらそれでさしつかえないのじやないか。選挙演説は多くの人に意見を聞かせるのが必要なんですから、何も街頭でやつても個人演説会としたならばそれでもいいのじやないかと思うのです。それを何ゆえにそのように区別するのか。その精神はどういうところから出ておるのですか。そういう解釈をすることは、選挙演説に対するところの精神からいつて、非常に誤りではないかと思うのです。街頭でやる場合においてはポスターが張れない、しかし個人演説会ということならばポスーが張れるわけですし、どこでやつてもいいのじやないか。街頭で演説して悪いということならば、街頭演説をさせなければいいのじやないか。そういうふうなつまらない制限をして——今日会場はなかなかありませんよ。学校とか公のものがあつても、そんなところでやつてもなかなか遠いので聞きに行きやしません。だから、簡便にどこででもやれるようにして、ただそれは六十回以上を越えてはいけないが、六十回の回数内ならいいのじやないか、私どもはそういうふうに解釈をするのですが、そういう解釈はできませんか。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点については一つの重大な点があるわけであります。と申しますのは、個人演説会におきましては公営によつて立札を一個演説会場の前に掲示する、こういうことになつておるわけであります。ところが、街頭演説はまつたく個人候補者の自由でありまして、公営によつて何か処置をするということは一切ないわけでございます。従いまして、公営によつて個人演説会の会場に立札を立ててやるというような建前をとる場合におきましては、少くともその場所がそういうことに便利なように運営されなければ、実際の選挙管理事務の上において非常に支障を来すこともなきにしもあらずでありますので、現行はただいま私が申し上げましたようになつております。しかしながら、それらの建前を別にいたしまして、今おつしやつたようにすることも確かに一つの御意見だろうとは思います。ただ、実際の処置といたしまして、そういう場合に回数に入れるということにいたしました場合においては、現在は個人演説会につきましてやりまする二日前に回数表の確認を得ることになつております。従いまして、街頭でやる場合において、あらかじめ二日前に確認を受けることは不可能でありますので、その意をさらに修正して、回数の確認をいかなる方法によつてやるかということは、あらかじめ立法措置を考えなければ、仰せのような結果を十分に果すことはできないのじやないかと考えます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 今あなたのおつしやることは、どうも実際に遠ざかつていると思う。公の施設をしてもらうと言つたつて、立看板を立てるだけですね。立看板を立てるところは、何の何屋の前、何の太郎兵衛の前でやると言えば、立ててもらえばいい。もちろん何の太郎兵衛の承諾を受けてちやんと二日前にやりますから、それでやられればいいんです。ところがこういうことを言うんです。そういうところでやらないでこつちでやつてもらえないか。そういう手続をすると何か費用がもらえるそうですね。ところが、そういうことをやられると私の方に費用が来ないというようなばかなことを言つているのです。今あなたのおつしやるように、街頭でやるといつても、私がちやんとどこそこと指定するのですよ。たとえば、このうちが私のうちだとするならば、霞ケ関の何番地、杉村沖治郎宅の前においてと指定して、二日前にそれを選択して発表する。そこへ立札を立ててもらえばいいじやありませんか。それが不自由でも何でもない。ただぽこつと行つて無断で個人演説会をやるわけじやないから、そういうことは一向にさしつかえない。  さらに、会場ということは何人入る会場かということですが、大きな学校を借りたところで、聴衆が三人とか五人しか来なかつたのじやしかたがない。その場合一軒の家を借りてやる場合はどうですか。聴衆があまり来ないから、そんなに大きな会場を借りなくてもいい。個人の店の板の間を借りても演説会ですよ。選挙演説において三人や四人の聴衆のことが珍しくない。私の方では、自由党や改進党の演説会では一人ぐらいしか来ないこともたくさんあるのです。そんな場合には、大きなところは不経済だからといつて、十人くらい入る板の間を借りる。それでも会場でありますが、そういうことであつたなればそれでもよろしいのですか。いかがでございますか。ここのところに十人入れる板の間がある。ここでやるとき、外にも聞えるかもしれないが、しからばその場合さしつかえないかどうか、はつきりしてほしい。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 私がただいま申し上げましたのは、現行法の建前ではそうなつているということを申し上げたのでありまして、今後新たにこういうようにしたらどうかという立法論の問題は、皆様御自身がそういう案でよければおきめになることでございますので、私からこの機会に申し上げる必要もございません。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 立法論じやありませんよ。現在の法律で……。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 今の店先でやつた場合はどちらになるかということでございますが、店の中で、少くとも店の構えのうちで候補者が演説をする場合には、それは従来も個人演説会として取扱われているんじやないかと私も思いますが、これはなお詳しくは現在の選挙関係の自治庁の選挙部の方でお聞取り願いたいと思います。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 今のことはどうか速記にはつきりしておいていただきたい。要するに、候補者が屋内に入つておつて、三人でも五人でも入つて聞ける面積があれば、それでよろしいということに承つておいてさしつかえないと思いますが、いかがでありますか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 ただいまの御質問は、個人演説会でさしつかえないのであります。

古井喜實日本民主党

○古井委員 従来の規定の百六十四条の五ですが、「選挙運動のためにする街頭演説」と書いて、括弧して「(屋内から街頭へ向つてする演説を含む。以下同じ。)」というふうに、街頭演説の中に屋内から屋外へ向つてする演説を含むという規定がありますけれども、今の御説明は少し抵触するように思いますが、これは行き違いはありませんか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 街頭演説は御承知のごとく標旗をもつてやる演説で、それから個人演説会の方は届出をして看板を出すのでありますから、さしつかえないと思います。

古井喜實日本民主党

○古井委員 さしつかえないはともかくとして、百六十四条の五の規定はどう解釈されるかということです。つまり街頭演説であると書いてあるのですが、この点はどうですか。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点は、百六十四条の五に、明らかに、街頭演説の割証といたしまして、屋内から街頭へ向つてする演説を街頭演説の中に含めて考えておりまして、それらは街頭演説であると言つておりますから、少くとも店先から街頭へ向つてする演説は、現行選挙法では街頭演説と言わざるを得ないと思います。しかしながら、その屋内から街頭へ向つてでなくして、屋内から街頭へ向わない方向においてする場合は、いわゆる個人演説会的な形式になり得る、こういうことでございます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 それはおかしな話で、前に道があるので、ここから屋内で、そつちが道路で、そつち向いて向うへ聞えるのはしようがない。今の屋内から外へ向つてというのは、ただ候補者だけがおつて、拡声機を上の方へつけておいてどなる場合は屋外に向つてやるので、今のお説の通りなんだけれども、根本問題は、個人演説会場と街頭演説会場との区別というものは、場所を指定して、あらかじめ届出をして会場を屋内と定めてやる場合が個人演説会であつて、何らの届出をしないで、道を歩いて行つて街頭でやるやつが街頭演説である、こういうふうに区別されるのであつて、建物の大小や囲いの大小によつて区別すべきものじやないのです。そこらはどうか間違いないようにしていただきたい。根本問題は、要するに会場が広かろうが狭かろうが、少くともここを会場としてやるということで届出をしてやればよろしい、こういうふうにならなければ区別がつかぬのですから、そういうふうに伺つておいてよろしいと思いますが、いかがですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 百六十四条の五の規定によりまして、屋内から街頭に向つてする演説を含むという規定がございますので、ただいまの場合には街頭演説にも該当するところでありますので、そこで個人演説会をやりたいというときには、前もって届出して看板を出して、聴衆が外にいるのなら街頭演説の取扱いもしていただく必要があると考えます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 標旗を持つて届出をすればいいんででしよう。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 街頭演説でありますから、街頭演説の方も御定に従つてしていただきたい。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 そうすると、今の場合、ここに十畳の座敷があつて、私がそこを演説会場としてやつた場合においては、向うの道路におつて聞えたつてそんなことは問題が違うのであつて、ただ目的がそういうことじやなくて、ただ家の中から直接外へ聞かせるというのは街頭に向つて放送するのだけれども、たとえば六畳なら六畳の部屋があつて、三人でも五人でも入れるところがあつて、そこを会場なりとして演説をして、その声が外に聞えたつて、それは外に放送するという意味じやなくて、声が大きくて聞えるだけであつて、街頭演説というべきものでないと思う。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 これは少し不明確なんですよ。というのは、今度の改正によつて、個人演説会場へマイクを一そろえ備えつけることができる、こう認められている。ですから、今言つたように、単に屋内であつて、そこに三人か五人の聴衆がおつて、たまたま声が大きいために外に聞えたという場合とは違つて、マイクがあれば当然外に聞えるのです。屋内に三人おつても聴衆は聴衆なんです。マイクがあれば当然その三人の聴衆よりも屋外の何十人かの人の方へよけい聞える。それは私どもは当然個人演説会であるべきだ、こう思うのです。屋内に一人でもおればそれは聴衆だ。今度は法律でもつて個人演説会に一そろえの拡声機をつけてよろしいということになつたのですから、そうなれば、当然、屋内にたまたま二、三人おつた、拡声機が屋内にあつて、屋外の聴衆に演説する結果になる。そういう場合に街頭演説か個人演説か明確にしておいてもらいたいと思います。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 ただいまの例におあげになりましたのは、もちろん私は個人演説会だと考えております。先ほど杉村さんからのお話は、それよりも少しずれて、玄関先くらいで外へ向つてやつた場合の例をおあげになりましたから、その場合はこういう場合に該当する、こう申し上げたのでありまして、従いまして、その演説をおやりになるそのやり方と候補者のやろうとする目的によつて、おのずから判断すべきでありまして、今の点は常識によつて個人演説会であることは当然だと私は考えております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 この際疑義をはつきりした方がいいから聞くのですが、今度は五千枚のポスターは、個人演説会告知用ポスターは在来の千二百枚と同じですね。今度の五千枚の個人演説会告知用のポスターに、今までは日を入れずに連日街頭と書いて張つたのです。そうすると、今言つた施設を利用して二日前に届け出てやる個人演説会の告知用のポスターとは目的がはずれておるわけですね。その連日街頭といつてやたらに張るのは個人演説会告知用のポスター使用の目的にかなつておるかどうかということを、この際明確にしておいていただきたい。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点は今度新たに規定を設けまして、他の選挙運動のためのポスターに転用してはいかぬ、かように明らかに規定いたしましたので、それは内容的に転用になりますので違反になる、かように考えております。

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 委員長もこの際一つお尋ねしますが、それじやどこで個人演説会をやるとかいうことを書かずに、時間や日を書かないような場合にはやはり違反になりますかどうか、その点を明確にしておきたい。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点は違反にならないのじやないかと考えております。と申しますのは、少くとも候補者の名前をそれに書きましても、個人演説会のポスターであることには間違いないのであつて、ただ日が確定されていないというだけのことであります。

古井喜實日本民主党

○古井委員 今の五千枚のポスターでありますが、このポスターは個人演説会の告知用に限られたポスターのようなお尋ねがあつて、それを前提としてお答えがあつたように思いますが、五千枚のポスターは選挙運動のために使用するポスターということであつて、個人演説会の告知だけに限つたわけでもないように私の誤解か思えるのですが、そうすると、街頭演説会の告知のために、およそ予定がついた場合には、五千枚のポスターを何月何日どの場所において何時にという街頭演説会の告知のためにこれを用いることは、五千枚の範囲内ならば一向さしつかえないように思つておつたのでありますけれども、ちよつと疑問が起りましたので、はつきりいたしておきたいと思います。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その問題は新しい法律の二百一条の三に規定を設けましたのでありまして、衆議院と参議院の選挙の特例の項に掲げてあります。二百一条の三の2項であちます。2項に今度新しく「衆議院議員の選挙においては、第百六十四条の二第七項に規定するポスターは、公職の候補者一人について、五千枚を交付する。」こう書いてあります。そのポスターは百六十四条の二の七項に規定するポスターとございますが、百六十四条の二の七項はこういう規定になつております。「候補者は、第一項の個人演説会の告知のため、ポスターを掲示することができる。」とあります。第一項の「個人演説会」と申しますのは、六十回の制限の個人演説会でございまして、従いましてこれをあわせて読みますれば、個人演説会告知用のポスターが五千枚交付されるのであつて、それについての転用禁止の規定がある以上は他には使えない、かように考えております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 この要綱を見ますと、「他人の工作物に掲示する場合の居住者、管理者及び所有者の承諾について、規定を明確にすること。」こうなつております。ところがこの条文を見ますと、ただ管理者というところに「(居住者を含む。)」という言葉を入れただけで、「承諾について、規定を明確にする」という目的は実現していないように思うのですが、何か承諾の求め方について、法律にきめるのはめんどうだから、あとで指示なりあるいは政令なり何かそういうものを、具体的な形式なり何なりを考えておられるのか。口頭の承諾でよいのか。あるいは一々承諾書をもらつて来いというふうになさるのか。これはすぐぶつかる問題ですから明確にしておいてほしいと思うのですが、条文ではともかく管理者というところに割註を入れただけなんです。従つて「承諾について、規定を明確にする」ということが明らかになつていない。これを具体化する御意思があるのかどうか。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 その点は規定の改正の形式が、全文をあげませんで、必要なところの一部分をとり上げまして改正をいたしておりますので、ちよつとさような誤解を生むかと存じますが、改正は『第百四十五条第二項中「その管理者(居住者を含む。)」を「その居住者、居住者がない場合にはその管理者」に改める。』としてありまして、この百四十五条第二項の規定は「何人も、第百四十三条第一項第五号のポスターを他人の工作物に掲示しようとするときは、その管理者(居住者を含む。)、管理者がない場合にはその所有者の承諾を得なければならない。」と、本文自体がさようになつておりますので、その中身のところの一部分をここに掲げたというだけでありまして、現行規定の条文の中において承諾を得るように規定されておりますので、その点は問題ないと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 現行規定で承諾を得なければならぬということははつきりしていますが、現実には電信柱だとかその他いろいろなところにかつてに張つて弊害があつたので、今度は明確に各人の承諾を得て張ろう、こういうことに小委員会の方でお考えになつたのだと思うのですが、そうだとすると、承諾を得なければならないと言いつぱなしにしておいたのでは、今度の改正法でもその弊害がちつとも改まらぬじやないかという感じがするのです。そこで、あなた方の方で何か管理委員会なり何なりに指示をなすつて、もつと承諾を得る形式を定めるなり、あるいはこういう形で承諾をとつたということを証明してくださいというような方式を指示なさるのかどうか。あなたの方では、法律はきめつぱなしで、この点について具体的な指示をなさらないのか、これを伺つておきたいと思います。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 この法律の建前におきましては、工作物に掲示しようとするときは承諾を得なければならぬということで、少くとも事前には承諾を得るということだけを規定しておきましたので、それから先どういうような取扱いをいたしますかは施行上の問題でありますので、必要があれば自治庁の方で考えていただいたらいいかと思います。

喜多壯一郎日本民主党

○喜多委員 関連。これは三浦さん、それから鍛冶委員にお尋ねしますが、ポスターの問題です。告知用ポスターとしていながら日時と場所を書かないで張つておくということになると、これは一般選挙運動用ポスターですよ。そうすると、この条文の根本の観念が、今の四委員と話していたときと最後にするりと何かすりかえられたような感じがする。そうすると、あなた方は五千枚のポスターは一般選挙運動用のポスターに転用できないと言いながら、日時とそれから何も書かないで張るということは一般選挙運動用じやないですか。こんな解釈があるものですか。断じてぼくはこれは承知できないですよ。それはおかしい。これは実は少くとも一般選挙運動用に転用できるということが根本概念で、そして論議して来たと思う。ただ枚数をふやすときには異論はあつたけれども、今の三浦さんの答弁によれば日時も何も出さないという。それではただ喜多壯一郎、こう書いたら、これは一般選挙運動用じやないですか。だから大きな違いだ。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 これはここへ来たいきさつを申し上げればおわかりになると思いますが、最初は一千枚にして、そして告知用にも転用できるという原案が出ておつた。それがずいぶん議論になつて、私らの方では演説告知用で前の通り千二百枚だけでよかろうというので、そこで千二百枚にして告知用にした。ところが今度は五千枚説が出た。そこで私らの方では、それではその間をとるために千八百枚にする——これは一箇所三十枚で六十回の計算ですが、そして転用できぬという案を出した。そこで最後に五千枚にして、そのかわり転用もできないし重複もできないようにしよう、こういうことで五千枚になつたわけです。従つて演説会の告知用以外にはそれはできないわけです。これはまた要綱にもその通り書いてあるわけです。そこで、ただ名前しか書かぬ場合に演説会の告知と見てもいいか、それはまつたくの名前だけの告知になるか、この問題がきまらないので、われわれは演説会の告知用以外には使われぬというつもりでこしらえたことだけは間違いがないのです。

喜多壯一郎日本民主党

○喜多委員 告知用ポスターということは個人演説会の開催の告知だということは常識ですよ。これにかれこれ堅白異同の弁を弄するということ自体が実は考えが間違つておる。告知用ということは、何も立候補したということの告知ではない。これはもう選挙をやる者のいろはにほへとですよ。そうすると、片方では、個人演説会を開かない人は五千枚もらつたつて紙くずをもらつたのと同じことですよ。そういう考え方では、個人演説会を開かない人はその告知用ポスターなどというものは意味がない。だから、私の方から提案したのは、告知用ポスターという観念を廃止しよう、それで一般選挙運動用にしようとしたのだ。あなたは今事情をおつしやるけれども、そうして法制部長の答弁によれば、日時場所を指示しないで張つてもさしつかえないのだとなれば、これはみずから一般選挙運動用にお使いになつてよろしいという軍門にくだつておるゆえんだと私は思う。この点は私はひとつ委員諸君全体の注意を喚起して、とにかく連呼行為を廃止したということは、言いかえれば演説会の開催などについて大きな制限だと思う。そして街頭演説の場合にはあいさつとか演説の中に入れれば多数に告知せしめることもありますけれども、それ以外に一つ道を開こうというので五千枚という枚数にふやしたのですから、これは一般選挙運動用に転用できるものとしなければ承服しがたいということを、委員諸君にお伝えしておきます。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 ただいまの個人演説会の告知用ポスター五千枚の問題につきまして、私は先ほどそれに日にちを入れないで掲示した場合もさしつかえないように申し上げましたが、規定をよく読みますと、どうもそれは違反になるようでございますので、前の言は取消すことにいたします。それは新しい百六十四条の二の十一項に規定がしてございまして、その中の一つに、演説会告知用のポスターは個人演説会の告知以外の選挙運動のために掲示することができないとしてございますので、それに該当するかと思いますので、何も書かないでそれを掲示することはこの法律の違反になるということを確言することにいたします。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 ただいま委員長が最初に聞かれた何も書かないで張るというのは、実は書かないで張るのが目的じやないのです。しかし、時間がきまらないとか、三日前に——やることになるのだが、まず張つておいてあとで書いて行くのは悪いかどうか。先手まわしよく張つておいて次に書いて行くのだが、その間そこのところが空白になつておるのはいかがですか。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 それは私がただいま新しく申し上げました趣旨から申しまして違反になると考えます。少くとも張るという瞬間におきましては、候補者自身の意思いかんは別問題として、個人演説会の告知以外の選挙運動のために掲示したという事態が生じますので、その違反になると思います。

古井喜實日本民主党

○古井委員 切りがないようですから、ほかの点で、第十三条の改正規定の解釈について念のためにお伺いしておきたいと思います。十三条の改正規定の解釈でありますが、これは解釈上も当然だと思いますし、立案の経過から見てもまた当然であると思つておりますけれども、念のためにお伺いします。この十三条の改正規定がいつから施行になるかという問題は、次の総選挙から施行になることですから、これによつて既往の選挙の関係は変動を起さないのであつて、今後の選挙の関係からだけこの新しい規定が動いて行くという点だけは間違いないと思いますが、ただ十三条の改正規定の中を見ますと、「市町村の境界の変更があつたとき」とありますが、境界の変更があつたときとある意味は、本文の規定から見ましても、今の選挙区がきまつたその後において市町村の境界が変更になつた場合はすべて含まれるという意味であることは当然だと思うのです。今後においてのみならず、選挙区がこの法律できまつてから後でも、市町村の境界が変更になつた場合にはすべて適用を受ける、但しその関係は今度の選挙の関係からだけである、こういうことになるのはあたりまえのように思います。但し、この機会に、当然のこととは思いつつ、念のためにこの点を法制部長それから自治庁当局にお伺いをしておきたいと思います。

三浦義男衆議院法制局参事(第一部長)

○三浦法制局参事 ただいま古井委員のお尋ねの点は、選挙法の十三条の第二項の但書の問題だろうと思いまするが、その内容は、二つ以上の選挙区にわたつて市町村の境界の変更があつたときは、その選挙区は変更するという規定がございます。今度の改正規定によつて今までの規定をただいま申し上げましたように改められたわけでありまして、その場合におきましては、この選挙法の施行後に市町村の境界の変更があつた場合はもとより当然だと思いますが、それ以前に市町村の境界変更があつたものについてはどうかというお尋ねに集約されるからと思います。その点につきましては、この市町村の境界変更があつた時日は選挙法の施行前であつても、それによつて選挙区の変更をするということは、この法律の施行後であれば、この法律の附則第一項に規定しております事項と矛盾するものではないと考えます。たとえば、この改正法律施行前、具体的に申し上げますれば公職選挙法が制定されて以後この法律の施行前までに、市町村の境界変更が二つの選挙区にわたりまして行われました場合におきましても、今度の改正法によつてその選挙区は変更する、かようにこの改正法でなるように考えております。

古井喜實日本民主党

○古井委員 ただいまの御答弁でけつこうでございます。私もその通りの解釈になるだろうと信じておりましたが、明らかになりました。なお、自治庁の当局も同じ見解をお持ちになるか、お伺いしておきたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙部長)

○兼子政府委員 ただいまの御質問に対しましては、三浦法制部長から答えられましたと同様な見解を持つております。

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 鍛冶委員より発言を求められておりますので、これを許します。鍛冶君。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 昨三日私と喜多壯一郎君と提案いたしました公職選挙法の一部改正法律案につきまして説明をいたしたいと思います。これは実はきのう通りましたのと一緒に審議してもらおうと思つたんですが、あれを先にやるためにこれを別個に提案いたしましたので、ここであれが済んだらすぐ審議するということでありましたから、説明だけをさせていただきたいと思います。  昨日当委員会案として提案せられました案ができますときに、私並びに喜多君、言いかえれば自由党及び民主党で別個に改正すべきものであるという主張をいたしておつたのでありまするが、社会党の方で御賛成がなかつたので、いわゆる四派提携の案とならなかつた。そこで、前から審議の際にきまつておりました原則に基いて四派できまらないもので他に提案したいものがあれば各党において提案するということにきまつておりましたので、その意味でこれを提案いたしたのであります。従いまして、あれが済みまするとただちにこの審議に入る、こういう約束になつておりましたから、ここでひとつ急いで御審議をしていただきたいと思います。  その内容は、皆さんのお手元にあげましたこの間の要綱の最後のページに「備考」として「意見の相違点」となつております。その相違点の「(1)個人演説会」の「(イ)婦人会、青年会等の集会、映画、演劇等の幕間又は会社、工場等の休憩時間等を利用して行う演説は、個人演説会とみなすこととするか。」その次は「(ロ)立会演説会、個人演説会及び街頭演説の外、演説は一切禁止するものとするか。」とありますが、(イ)の方は「個人演説会とみなすこととする。」、(ロ)の方は「一切禁止するものとする。」、こういうふうに直すことが第一の案であります。その次は、「(4)政治活動の場合の所属候補者の決定」というところでありますが、「政党その他の政治団体の所属候補者を決定するには、重復計算を認めず、一の党派に限る旨を明定することとするか。」となつているのを「明定することとする。」というふうに直すという二つの案を出したわけであります。  その理由につきましては、おわかりと思いますが、われわれは前の選挙法を制定いたしますときに、婦人会、青年会等の集会その他演劇、会社、工場等の休憩時間を利用して行う演説会も全部個人演説会にするという建前でつくつたことは間違いないのです。ところが、演説の中には立会演説、街頭演説、個人演説、そのほかにただの演説というものがあるということになつて、ただの演説というものは制限の中に入らぬのだという議論が出て、私から言うと、それがいかぬのだと思うけれども、それが今日まで行われておつた。その意味は、特に先ほど杉村君からやかましく言われたように、前もつて告示をして人を集めておいてそこでやるのが個人演説会で、たまたま集まつておるところでやるのは街頭演説の延長のようなものだからいいじやないかという御解釈のようであります。ところがそれがだんだんはやつて来ますと、個人演説というものと街頭演説というものの区別がなくなつて、個人演説会を六十回に制限した意味がなくなるのです。それといろいろの弊害もありますから、われわれは、やつて悪いとは言わぬが、それは個人演説会の手続をとつてやることにしなければならぬ、そうでなかつたら個人演説会を制限した意味をなさぬ、こういうことでこの案を出したわけであります。その次の政党の政治活動については、もう申し上げるまでもないと思いますが、異論がありますので、別に出したのであります。政党その他の政治団体の所属候補者を決定するには、一つの党派—— 一つの党派とは、たとえば社会党左派なら社会党左派に属して出た以上は、社会党左派の候補者であつて他の候補者ではないのだ、こういう考え方です。ここで一番よい例は、よくやりますように、候補者が無所属で出て、それで幾つかの党派からも推す、そうすると、それは二党から推せば二党の共同推薦になる、三党から推せば三党の共同推薦になるという議論がありました。これは原案にもそれが出ておつたのでありますが、われわれ、いろいろ考えまして、それはそういうことをすべきものではない、候補者みずから無所属だといつておるのに、おれの政党で認めるということは、いやだという女のあとを追つかけるようなもので、無所属で出たら所属政党はないものであつて、政党の推薦はできないものと考えるのが当然だと考えまして、それは除きました。それと同様に、いやしくも天下の政党を名乗つて出る以上、おれはこの政党であるということは、その政党だけの候補者でなければならぬ、他の政党はそれに同意をするとか、シンパでやることはどうか知りませんが、それに加わつてほかの政党から推すということは、政党政治の建前から許すべからざるものだと考えましたので、候補者がこの政党ときめた以上は、その政党だけの候補者で、他の政党から認められた候補者とはしないという考え方でやつたわけであります。政党法でもできますれば当然のことでありますが、われわれは、でき得る限り政党政治の発達をはかる意味において、ぜひともこれを通したい、こういう二つだけの内容を持つておるものでありますから、どうかひとつ急いで御審議の上通過させていただくことをお願いいたします。

森三樹二日本社会党(左)

○森委員長 この際暫時休憩いたします。    午後一時四十二分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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