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20回国会衆議院1954/12/06

建設委員会 第2号

発言数
18
登壇者
7
会派数
3
開催日
1954/12/06

会議録

久野忠治自由党

○久野委員長 これより会議を開きます。  昭和二十九年七月の大雨並びに同年八月及び九月の台風による公共土木施設等についての災害の復旧等に関する特別措置法案及び公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題に供します。  まず提出者より提案理由の説明を聴取します。瀬戸山三男君。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 ただい議題になりました、昭和二十九年七月の大雨並びに同年八月及び九月の台風による公共土木施設等についての災害の復旧等に関する特別措置法案につきまして、提案者を代表して、その提案の理由の概要を御説明申し上げます。  この法律は、この案にも書いてありますように、ただいま申し上げました表題に掲げました大雨または冷風によりまして公正土木施設が相当の被害を受けておりますので、これに対して今日適用されております一般原則の法律に特例を設けて、もう少し高率の国庫の助成をして、災害のために苦しんでおります地方住民の福祉をはかりたい、これがその目的の概要であります。  そこでどんなことをやるかと言うと、第二条に掲げてありますように、負担法に特例を設けて、いわゆる負担法第四条第一項の規定とは別に、その特例といたしまして、その災害を受けました当該地方公社へ団体の昭和二十九年度の標準税収入の二分の一に相当する額までの額については十分の八――現行法では三分の二となつております。次に、その税収入の二分の一を越え標準税収入に達するまでの額に相当する部分については十分の九――現行法は四分の三となつているわけであります。その次に、その標準税収入を越える額に相当する部分については十分の十――これは現行法と同じで、百パーセントの国費の補助をする、こういうことであります。  これは第二条の規定でありますが、その第二号の規定は、そういう災害復旧の事業費は、その復旧事業の工事のために、直接必要な本工事費、附帯工事費、用地費、補償費、機械器具費及び工事雑費の合計額並びに事務費とする、こういういわゆる事業費の定義をここに掲げているわけであります。  第二項には、結局国が災害復旧を施行する場合においては、逆に第三条の第一項に規定する計算によつて旧の負担をすべきである、こういうふうに規定いたしているわけであります。  第三条は水防法の特例に関するもの、第四条は道路の修繕に関するものであります。一々こまかくは申し上げません。昨年の国会におきまして、これと同様の特別法をつくつた次第であります。  第五条は地すべり等に関する特例であります。  第六条は、地方公共団体もしくはその機関または土地改良区が、政令で指定する地域において、第一条に規定する大雨または台風により著しい災害を受けた海岸及びこれに接続し、かつ、その効用を同じくする海岸についてのいわゆる海岸堤防に関するものであります。これは昨年度、御承知のように愛知、三重その他を中心として、非常なる海岸堤防の災害を受けまして、これについての特別な措置をしなければならないという意味でこの新例を開きまして、そういう事業費の法律の助成をして、すみやかに復旧をしなければならないという規定を設けたのであります。その例にならつて、今年度のそういう災害についても、そのように同に取扱わなければならないという趣旨のものであります。  第七条は土木機械の無償貸付に関するもの、第八条は公営住宅の特例に関するものでありまして、現行法におきましては御承知のように三割までというのを、五割まで引上げる、それから現行の三分の二の助成を四分の三の助成にする、こういうことであります。  概要を申し上げたのでありますが、この特例法について、大蔵省を中心とする政府の一部において相当の反対があることも承知いたしております。しかし、それは昨年度のように全国の災害の額が多くない、今年は少いから、そういう特例法はいらないという主張であります。なるほど昨年度の全国の災害の額と今年の額とでは、約三分の一の少額であります。けれども、災害を受けたところは、きわめて深刻なる被害を受けておるところが相当にあります。政府の考えはどうであるか知りませんけれども、国の政治をする者は、国民に対してはあくまでも平等でなければならないというのが、私どもの政治の理念でありますので、この法律案を提出いたしておるのであります。  昨年も国会は全会一致をもつてこれを議決いたしました。この法案に対しては自由党、民主党、社会党左右両派全部同一の意見でありまして、これについて何らの異論がないということをつけ加えておきまするが、どうかひとつ各位におかれても御賛成を願いたいと思います。  簡単でありますけれども、以上提案の理由を申し上げる次第であります。

久野忠治自由党

○久野委員長 次に志村茂治君。

志村茂治日本社会党(左)

○志村委員 ただいま議題になりました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の二割を改正する法律案について、提案の理由を申し述べます。  災害復旧に際し、これを三・五・二の比率により三箇年で復旧することの望ましいことは、各位におかれてもすでに御承知のことであり、また政府当局においてもたびたび言明いたしておるところでありますが、この実施の実情を見まするに、必ずしもその通りに行われていないのが実情であります。すなわち、災害の残事業は、事業費にして千三百五十一億円、国費にして千百三十七億円の巨額に達しておるのでありまして、これを進捗率の面より見ますと、当然完了いたしておるはずの三十七年災以前の災害の復旧率さえ、いまだに六〇%前後にすぎず、また八〇%の進捗率を示さなければならぬはずの二十八年災も、三二%にしかすぎない状況であります。従いまして、この際、公共土木施設についての災害のすみやかなる復旧をはかるために、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の規定により、地方公共団体に対して交付する国庫負担金は、やむを得ざる事情のある場合のほかは三箇年度以内に交付するよう、本改正案を提出した次第であります。  なお、本案におきましては、国庫財政等の事情も考慮いたしまして、やむを得ざる事情のある際におきましては三箇年に限るということではなくて、従いまして、必ずしも政府の予算編成権を拘束するものではないということを御了承願いたいのであります。  以上、簡単でありますが、提案の理由を申し上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

久野忠治自由党

○久野委員長 これより両案について質疑に入ります。御質疑はありませんか。

山下榮二日本社会党(右)

○山下(榮)委員 提案者に伺いたいと思います。両案件とも、きわめて重要な案件でありまして、しかも今日の災害関係から考えて、大蔵省の財政当局の意向等もいろいろ参酌いたしますとき、これは一党一派だけでこういう法案を提出するということは、きわめて大蔵当局に対して力が弱いような感じがいたすのであります。二法案とも、今申し上げたように、今日のわが国の災害ないしは建設行政の上から考えて、重要な案件であるから、こういうものは各党共同提案として財政当局に強く要望、強くわれわれは申し入れをしなければ、とうていわれわれの所期の目的を達成することは困難であるという見通しがないでもないのであります。できれば、こういうものは事前に打合せをされて、各党共同提案ということでとりはからいをしていただきたかつたものだと、こう思うのです。今いろいろ提案者に私語をかわしてみますと、時間的な関係からそれらができなかつた、こうおつしやつておるのでありますけれども、今後、かようなものは、できるだけ各党共同提案という形式をとつていただきたいということを私は御要望申し上げたいと思うのでありまするが、さしあたりこの二法案に対しましても、何かそういう方法がとれないかどうか、一応提案者の方のお考えを伺つておきたいと思うのであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 ただいま山下委員の御疑念、まことにごもつともであります。実は今年の災害に対する特別法をどういうふうにしてやるかということについては、各党間に意見の交換をいたしました。御承知のように昨年度は二十数種に上る多くの特別立法をやりました。その特別立法は、実際において適切でない部面も相当にあつたことは御承知の通りであります。そこで、本年の災害にかんがみまして、どの程度の特別立法をするかということについて、各党の意見がなかなかまとまりませんでした。ただいまここに提案いたしております公共土木施設等の災害復旧に関するもの、それから農林水産業施設の災害復旧に関するもの、この二つの法律については、各党とも全部意見は一致いたしております。そのほかに農林漁業者に対する融資に関する特別立法、これも一致いたしました。ところが、これは政府の方から提案するということで、一応議員提案を見合せたわけであります。そのほかに大体十一ほどの特別法が議題になつたのでありますが、そのほかの部面についても、各党の意見の調整がなかなか手間取りました。そこで一挙に提案しようという計画で、各党共同提案で、各党の提案者の名前をお願いする、こういうふうにしておりましたが、他の部面の法律案についての話し合いがなかなか手間取りました。そこで御承知のように非常に短かい会期でございますから、審議に間に合わないといけないというので非常に急いだ、こういうところで最初連名いたしてありました案だけで印刷をいたした、こういう状況でありますので、その点はぜひ御了解を願いたいと思います。そこで、御承知の通りに、この公共土木施設と農林水産業施設に関する特別法だけが残つております。先ほどの本会議でも通過いたしましたように、ほかのものは、どんどん準備ができたものから先にやろうということで通過いたしておるような次第でありますから、その点は、なるほどごもつともな御意見でありますが、事情はそういうことであるということで、どうか御了解を願いたいと思います。  もう一つ、ついででありますから申し上げますが、志村委員から提案の理由を申されました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案、これについても、各党全然異存はないのでありますけれども、これもそういう事態で間に合わなくて、ここに連名されておりますように六名の方々の氏名で出た、こういう事情でありますから、どうかひとつその点は御了解を願いたいと思つております。

久野忠治自由党

○久野委員長 ほかに御質疑ありませんか。  同案につきまして、政府より発言の申出があります。これを許します。山本大蔵政務次官。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本政府委員 ただいま議題の件につきまして、政府から発言いたしたいと存じます。  二十九年発生災害の復旧につきましては、二十八年災害の事例にならつて特別立法を行う動きがありまして、その一環として公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案が議員立法として提案されておるのでありますが、これにつきましては、次に述べる理由によりまして反対でございます。  これら一連の特別立法のうち、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律及び農林水産業施設災害復旧事業費国庫負担の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律の制定は、特に国家財政に対する影響が甚大であり、また今後重大な問題を起すことになりますので、軽卒に行うべきでないと考えております。  反対理由の第一点は、ただいま提案者瀬戸山委員からもお話がありましたように、二十九年度発生災害は、戦後二十七年と並びまして最も小さい災害である、こういう点であります。数字は一々申し上げませんが、昭和二十二年以後、毎年不幸にも大災害が出ておりまして、千億ないし二千億という大きな事業費になつておるのでありますが、今年度は一昨年と並び最も小さいものであります。  第二点といたしまして、特例法に基く財政負担の増大は、国家財政に重大な圧迫を加えるという、この点であります。特例法制定に基く国庫負担の増加は、本年度に百億円程度と見られるのであります。本年災害は、戦後最小のものでありますから、当然今後とも恒久的にこの程度の国庫負担を行わねばならぬと考えるのでありまして、平年度におきましては実に二百億ないし三百億の国庫負担増となると考えられるのであります。特に本特例法が十分な客観的検討を経ずに早急に立法されますことは、国家財政に与える影響が重大であるだけに、きわめて軽卒であるとの非難を免れることはできないと存ずるのであります。  第三点といたしまして、被害激甚の府県につきましては、現行法のもとでも相当高率の国庫負担または国庫補助ができるのであります。異常災害に対しまして、地方の負担をできる限り軽減することは必要でありますけれども、この点につきましては、現行の法律でも十分考慮されておるのであります。たとえば、二十八年度の公共土木災害につきまして、和歌山県、三重県の両県の国庫負担率を見ますと、和歌山県におきましては現行法においても九五・三%の国庫負担があり、三重県においては九一・七%の国庫負担になつておるのであります。これを特例法によりますと和歌山県が九八・七%、三重県は九七・六%、こういうようになるのでありまして、災害の激甚県は、現行法でも九割以上の負担率ができるのであります。和歌山県の例で申しますと、昨年の土木関係被害額は百三十億円前後に査定されておりますが、これに対しまして、現行法では国家が百二十四億、県が六億円持つことになつておるのであります。復旧に三、四年かかるといたしますと、県の毎年の負担は一億五千万円前後でありまして、これについても、全額起債のめんどうを見られている上に、この元利償還金の九五%が基準財政需要に見込まれて、その財源手当を交付税で見るというように、至れり尽せりにやつておるのであります。しかるに、この特例法は――と申しますのは、昨年秋に行われたものでありますが、上記六億円を一億七千万円に減らそうというのでありまして、かりに四年復旧といたしますと、年々の負担額は約四千万円であります。翻つて和歌山県の財政の大きさを見ますと、大災害前の昭和二十七年度におきましては六十七億円の歳出規模を持つており、そして十一億円の通常税収入があるのであります。この和歌山県が、何十年に一回という大災害であるというので、国家は実に百二十四億円負担しようというのに、これでもまだ足りない、地方の分は一億七千万円にしよう、毎年度といたしましては、六十七億円の歳出中、四千万円しか県としては持てない、こういうふうなぐあいになつておるのであります。昨年の大災害に対してさえも、あの立法はどうかというふうに考えられますのに、それを先ほども申しましたように災害が戦後最も少い年に、再びこういう立法をするということには反対でございます。  第四点といたしまして、一般に災害につきましては不正便乗が多いということは、最近の会計検査院の検査報告にも毎年指摘されておりまして、世上の強い非難を受けておるところでございます。そのおもなる原因といたしましては、災害復旧が一般の改良事業よりも国庫負担率または補助率が高くなつておるという点があげられておるのでございます。しかるに、これらの特別立法を見れば、さらにこの国庫負担率を高めるわけでございますから、災害便乗の弊害は一層はなはだしくならざるを得ないのでございます。  第五点といたしまして、負担率または補助率の引上げは、災害復旧事業の遅延を招来するおそれがあるという点でございます。国の一般財源には限りがあるのでございますが、この上国庫負担を増加することにいたしますと、結局予算措置が十分に行い得ないで、災害復旧事業の遅延を招来するということになるのでございます。  第六点といたしましては、特別立法の対象地域が総花的となる可能性、もしくは危険性が非常に多いという点でございます。特別立法の対象地域を、昨年二十八年度と同様に政令で定めるということにします場合に、とかく総花的に広がりやすい、いわば悪平等になりまして、災害激甚地に対して重点的に措置すべき本法本来の趣旨に反することになりやすいのでございます。  以上、災害特別立法に対する意見の大要を述べましたが、政府としましても、現在の災害関係法規に改めるべき点がないというふうに考えておるのではないのでございまして、すでに数箇月前から関係各省当局間で研究会を設けておりまして、現行法の改正を検討中でございます。特に連年大災害を受けたような場合におきましては、地方負担の調整を考えるというような措置も考えたいという意見がございます。遠からず結論が得られるものと考えておるのでございます。  なお、もう一本の、災害復旧を原則として三年でやるという法案に対しましては、その趣旨に全面的に反対するわけではございませんが、なお検討を要する関連事項も多々ございます。次の国会におきまして災害関係法律の根本的改正をお願いいたしたいと思つて、先ほども申しましたように、関係各省にお願いをいたしておるので、この問題は、その際に十分御審議の上、御決定をお願いしたいと存じておる次第でございます。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 今大蔵政務次官から、大蔵省と申しますか、政府の反対の意見が出されました。私どもはそういうことをおつしやるだろうということは、前々からちやんと知つておる。ところが、当初私が提案理由で申し上げましたように、昨年よりも今年が少いからいらないという理由は、私は受取れない。なるほど、昨年は全国の災害の額は多うございました。今年は災害の額は、先ほど申し上げましたように大体五百億前後であります。ところが、その災害を受けておるところは、四回もの連続の台風を受けて、そうして深刻なる被害をこうむつておるということは、先ほど私が提案理由の一部に申し述べたところであります。今年の五百十億ぐらいの災害は五、六県だけでそれだけの災害を受けているということが特に注意を要するところであります。そういうところに対して、昨年あれはどの国家の助成をしておいて、そうして今年は全国的に少いから特に強烈な被害を受けたところは見ないのだということは、政府としてはどうか知りませんが、われわれ国会としては、国民に平等なる取扱いをしなければならないという意見であります。  なお、先ほど、この特別立法を制定すると、国家財政に百億ぐらいの負担の増加をする、こういうふうなお話でありましたが、これはここにはきりした数字をお互いに持つておらないのでありますから、あえて論争はいたしませんけれども、かりにすべての災害を、大蔵省がおつしやるように五百十億といたしまして、この法律を施行して、かりに全体の一割が増加するといたしましても五十一億であります。この法律の趣旨は、先ほどもおつしやいましたが、ちやんと政令で、なるほどこれはこういうふうにして特別な扱いをしなければならないという地域を指定してやることになつておりますから、かりに全体の一割増加するといたしましても五十一億であります。それをずつとしぼつてやれば、そう大した金額にはならないという点が、私ども提案者の気持であります。政令にゆだねることが、総花主義になつて非常にそれがやりにくいのだとおつしやいましたが、今の政治にそういう部面がなるほどあります。しかし、これは政府がそれほど強烈に反対されるくらいに御熱心であるのであれば、この法律の規定するところに従つて、政令でなるほどと思うところを縛られるようにちやんとなつておるのだから、政令は政府の責任でやるべきことであります。それをこの法律自体に非難を浴びせられるということは、理由にならないと私は思つておる。  もう一つ、この特別立法に対して考えるところがあつて、特に連年災害を受けるところについては、現行法に欠陥があるということをおつしやいました。これは私ども数年来主張して来ているところでありまして、今日政府がそういうところに気がつかれたということは、まことに一大進歩であると私は思う。できるだけそういう法律をつくらなければ、ほんとうに政治の味は出て来ないと私は思つておるものであります。でありますから、次の通常国会には、やはりそういう特殊なところには特殊な手を施すという味わいのある法律を政府においてすみやかに立法されたい。政府において立法されなければ、われわれの方でやります。その法律ができればこういう法律はいらなくなるでしようから、その根本法の法律ができましたならば、すみやかにこういう法律は国会の意思をもつて廃止することは、あえて私ども反対はいたさない、こういうことを申し上げておきます。

小澤佐重喜自由党建設大臣

○小澤国務大臣 実は今、山本君が政府を代表いたしまして、一応反対の意見を表示されたのでありますが、私は今山本君が言われたのと違つた点で一つの疑点を持つておりまので、これは反対とかなんとかいう意見を申したくないのであります。国権の最高機関である国会がやることに、政府が反対とかなんとかいうことは――反対だと言つたために、みながひつ込めるなら別ですが、そういうことはないのですから、私はそういうことは申し上げたくない。ただ災害の復旧をすみやかにやるという点において、私は疑点を持つておるのであります。というのは、瀬戸山君が言つたように、箇所の指定は政令にまかせておりますけれども、原則として三分の二の補助をもつと高率にするというのが、法律の主たる精神であります。ところが、今回の二五%四七というものに対しては――これが三分の二に該当するのでありますが、あとの三分の一というものは地方には少しも負担をさせないで、起債の裏づけは全部つけるのであります。でありますから、少くとも今年度の災害に対する二五%四七というものは、地方が一文も金を払わずにとりあえず災害の復旧ができるのであります。ところが、もしこの法律が通りまして、その補助率が上つた箇所に対しましては、起債のわくというものは、補助金が多くなつただけ下つて来ます。つまり三分の二の補助というものは、八〇%補助ということになれば、政府から出す起債の裏づけは二〇%になつてしまうのです。そのときに、地方に自己資金があつて、自分で金を出して工事復旧ができる県はあえて困らぬでしようが、もし自己資金がないという県がありますと、できるだけ復旧量というものを減らさなくてはならぬ。私はいばるわけじやありませんが、政府原案の二〇%を五%四七だけふやしてもらつて、そして災害の復旧を初年度でできるだけ多くやるという意味で、不足ではありましようが、一生懸命どうやら持つて来たのです。持つて来たが、この法律が通ることによつて、そのパーセンテージがずつと下りまして、おそらく二〇%以下になると思います。少くとも、初年度の復旧率は、政府原案よりも下になるわけです。そうなつてしまつた場合に、はたして罹災民、被害者が喜ぶかどうかということは、やはり考えなくてはならぬわけです。そこが、これに対する賛成、反対について私自身が、つまり災害の復旧をすみやかにしたいと念願いたしております第一線の担当省といたしましては、非常に心配をしておるのであります。もちろん今の法律の問題は、窮乏のどん底にある地方財政を救うという意味でありますから、この線は私も賛成でございますが、地方財政の困窮あるいは窮乏というような問題は別途に考慮をして、さしあたりは、災害県というものは、災害の復旧の率がすみやかに幾分でも多いということを罹災民は念願しておると思います。橋でも通路でもこわれてしまつておるのを、これを重点的にわけますと、ほんとうに完全にするのは、三割か四割です。それを完全にすることによつて、むしろ罹災民も喜ぶのであつて、そうして県財政の負担の将来の起債の問題等については、少くとも別に考慮する方が、被害者としては喜ぶのじやないか。私はこういう感じを持つものであります。しかしながら、私は今申す通り、皆さんが独自の権限に基いてやることを、反対とか賛成とかいうことは申しませんが、少くとも、この災害の復旧を早くしたいという罹災民の気持を考えるならば、あとはあと、地方財政の拡充とかいう問題はその次の問題でいいので、早く災害を高率に復旧してもらいたいということが災害民の要望であるというならば、それには通行するものじやないかということを私は感じております。しかし、それは今申す通り、どこまでも参考意見でありますから、これに対しては別に拘束する意味ではございませんので、どうぞ御自由に……。  それから、今の志村君の提案に対しましては、但書があるので、従つて、私は、この法律が出たからといつて、そう重大な関係はないし、出ないからといつて、そう心配はないと思います。

山本米治自由党大蔵政務次官

○山本政府委員 先ほど瀬戸田提案者からおつしやいました点について、一点だけ申し上げたいと思います。先ほど、こういう特例法をつくると、国庫の負担増加が約百億ということを申し上げたのでありますが、これに対して一割やつても、五百十億とすれば五十一億くらいだ、こういうふうにおつしやいましたが、この点は誤解じやないかと思います。私が百億と申しますのは、この事業量が百億でありまして、たとえば今後四年にこれを復旧するとすれば、今年の特例法による負担増は二十五億、こういう意味でございまして、こういうものを毎年々々やつて行きますと、今年たとえば二十五億、来年度も三十億から五十億になる。そこで来年度発生する災害についてもこれと同じような関係になりまして、結局平年度は二百億とか三百億になる、こういう意味でございます。

岡村利右衞門自由党

○岡村委員 提案者に質問いたします。この法案によりますと、昭和二十九年七月の大雨となつております。これは八月の大雨はもちろん含まれていないと思いますが、八月の大雨も何とかして含めていただくようなお考えはありませんか。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 そういう話も伺つておるのでありますが、何しろ法律案を提出するには、私個人の考えでやるのではありません。先ほど各党にもお諮りいたしましたところ、大雨ということ自身についても相当の疑点があるということで、原案にさらに八月をつけ加えることはなかなか困難であるというような御意見が多くて、多数に従つてそうやりました。しかし、八月に大雨があつたという事実もありますので、その点は行政措置によつて何とかまかなうように指導しようというような御意見が多かつたので、そういうふうにいたして行きますから、どうかひとつ御了解を願いたいと思います。

岡村利右衞門自由党

○岡村委員 そうすれば、昭和二十九年七月「の大雨並びに同年」というところを削りまして、「八月及び九月の台風等」というふうにしてもらうことはできませんか。

久野忠治自由党

○久野委員長 ちよつと速記をやめて。     〔速記中止〕

久野忠治自由党

○久野委員長 速記を始めてください。  暫時休憩いたします。     午後五時四十六分休憩      ――――◇―――――     午後五時五十八分開議

久野忠治自由党

○久野委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十九分散会

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