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20回国会衆議院1954/12/04

経済安定委員会 第3号

発言数
9
登壇者
3
会派数
2
開催日
1954/12/04

会議録

武田信之助自由党

○武田委員長代理 これより会議を開きます。  理事辞任の件につきましてお諮りいたします。本日理事加藤宗平君より理事辞任の申出がありましたが、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武田信之助自由党

○武田委員長代理 御異議なきものと認めまして、加藤宗平君の理事辞任の申出は、これを許可するに決しました。  次に理事補欠選任の件につきましてお諮りいたします。本委員会にはただいまの加藤宗平君の理事辞任を含めて、理事三名が欠員となつておりますが、本日は都合により理事二名の補欠選任をいたしたいと存じます。本件は前例によりまして委員長において指名するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武田信之助自由党

○武田委員長代理 御異議なきものと認めまして、迫水久常君及び平野三郎君を理事に指名することといたします。     —————————————

武田信之助自由党

○武田委員長代理 次に国土総合開発計画の現況に関し、まず政府当局より説明を聴取することにいたします。  経済審議庁計画部長佐々木義武君。

佐々木義武総理府事務官(経済審議庁計画部長)

○佐々木説明員 国土総合開発の現状でございますが、御承知のように国土総合開発に関しましては、全国国土総合開発計画と特定地帯計画と府県、地方それぞれの計画が法案には予定されておるわけでありますが、特定地帯に関しましては、十九指定いたしておりまして、そのうち府県から出て参りましたのが十六ございまして、それを目下審議中でございますが、その中で八つの地点は今まで審議会で正式に決定になりまして、閣議決定もきまり、実施の段階に入つております。今までのところは、主としてこの決定しました地域内における至急調査を要するところに向つての調査費、あるいはその地域内におきまして、ある事業のみが進んでおつて、総合的にやるはずの他の事業が、予算あるいは各省の事業計画等の関係上、必ずしもパラレルに進んでおらないといつたような主要な事業を選びまして、そういうものは計画をスムーズに進める意味から申しましても、どうしても総合的な進行が必要なわけでございますから、そういうものに対してはぜひ予算をひとつ優先的につけるべきでなかろうかという議論に立ちまして、ただいまそういうものを抜きまして大蔵省と折衝中でございます。来年度予算は御承知のようにまだ事務的な審議の過程にございますので、今後の推移は予断を許さないのでございますが、現在までのところは趣旨に関しましては御賛同を得まして、審議を進めておるような結果になつておるのでございます。  それから全国計画に関しましては、二月ほど前に事務局の試案を一応まとめまして、そうして審議会の方に審議をお願いしたのでありますが、問題が非常に広汎であるばかりでなしに、まだ検討が不十分だ、あるいは問題を深める点が非常に多いというようなことからして、もう少し審議を進めようじやないかということで、今後の審議をゆだねられまして、そのまま決定等にはなつておりません。目下事務当局として検討中の状況でございます。ただいまさし上げましたこの国土総合開発計画の経過及び概要の二ページ以降の問題は、ことに特定地帯計画の中で先ほど申しました、閣議できまりました地域に対する内訳を資金あるいは事業別等に詳しく図表で載せておりますので、これはごらんになればけつこうと思います。  もう一つ調査地域というのがございますが、これは十の地域を指定いたしまして、目下この地域に関して各省のそれぞれの調査を統合と申しますか、相連関させまして重点的に、むだのないような調査を進めながら指定を固めようというので、この指定も終りまして、各省並びに府県で調査を実施中でございます。府県計画あるいは地方計画に関しましては、今のところまだそれほど進んだ状況には達しておりません。ある県ではそれぞれ計画を持つておる県もありますし、ある県ではそういうものをつくつておらないという県もありますが、中央側の態度といたしましては、地方計画に対してそれほど事務的、強制的にと申しますか、これを促進するというふうな意図がございませんで、主として地方の自主的な考えでとりまとめを願いたいということでやつておりますので、今申し上げましたように、非常に進んでいる部面と、まだ進まない府県とじぐざぐになつておるような次第であります。国土総合開発計画の現状は大体以上の通りでありまして、特定地帯計画のように、実施の段階に入つているところでは予算の折衝を進めつつある状況でありますし、全国総合開発計画に対しましては、目下審議あるいは研究を深めている最中だというふうに結論してよろしいのではなかろうかと考えておる次第でございます。  もしお許し願えれば、あるいは全国総合開発計画の素案に関しまして、要点を御説明申し上げてもけつこうでございますが、全般的な経過及び概要は以上の通りでございます。

武田信之助自由党

○武田委員長代理 ただいまの説明に対して御質問があればこれを許します。

三宅正一日本社会党(右)

○三宅委員 質問じやありませんが、出ている委員が非常に少くて部長に気の毒ですけれども、重大ですから、ひとつ時間がある限り説明を承りたいと思いますから、さようお願いいたします。

佐々木義武総理府事務官(経済審議庁計画部長)

○佐々木説明員 それでは全国総合開発計画に関しましては、先ほど来申し上げましたように、これは単なる事務局の一参考資料でございまして、まだ審議会の決定あるいは政府の決定というものでは全然ないのであります。そういう意味でございます。それからこういう原案を中心にして審議を進めようという段階でございますので、そういう趣旨をおくみとりを願いましてお開き取りを願いたい、こういうように考えます。  お手元に差上げました資料の中で、A資料というのがございますが、これは実は国土総合開発計画の前提条件になる資料でございまして、これは要約でありまして、本文は非常に詳しいものがあるのであります。非常に申訳ないとは思つておりますけれども、印刷が間に合わなくて、来月の五日か六日に大体でき上るそうであります。でき上りますれば、さつそくお届けいたしたいというふうに心がけてはおりますが、そういうわけでやむを得ずこの概要の方を出してございますが、その点もあわせて御了承願いたいと思います。  そこでまずA資料の方から御説明申し上げまして、次にB資料に移つて行きたいと考えます。この計画ではどういう点が一番ねらいになつているかと申しますと、国土総合開発計画を中心にしました構想でございますから、短期の見方では事態に即応しないという点も出て参りましようし、あるいは長い目で見た場合に、現状の経済景気の変動というものに支配されないと申しますか、あるいは底に流れている大きい問題点も出て来るのではなかろうかということで、主としてこの現状から出発した景気その他の問題点はあまり考慮しないで、むしろ長い観点に立つて日本の経済というものを考えた場合にはどういう問題が発生するだろうかという点を中心に考えて来たわけでございます。そこで方法論といたしましては、従来は自立経済のためには経済復興計画等におきましては、国際収支の発展と均衡という点を主眼にいたしまして、もう一つ自立経済達成のためには生活水準の向上という、この二つの点が中心になりまして自立経済といつたようなものを考えておつたわけでございますが、どうしてももう一つの大きい柱と申しますのは、完全雇用という面を考えなければ、国の完全な自立経済とは言えないのでありまして、従来も完全雇用という面は考えておるのでありますが、どうしても完全雇用という点を表面に出しますと、計画が厖大になりまして、なかなか現状からすぐそれに近づけるということには参らぬような結果がしばしば出て参りましたので、先ほど申しましたように、国際収支の問題と生活水準の上昇という問題を審議して、そうして雇用面で誤差が出て参りました場合には、社会保障その他でこれを救済するというような組み方で考えていたのでありますが、今度は先ほど申し上げましたように、まつたく順序を逆にいたしまして、もし完全雇用というものを昭和四十年度に達成するためには、それは一体どういう構成であるべきかという点を主として問題を切りかえて考えて行つたらどうだろう、もちろんその場合に、国際収支の発展均衡並びに生活水準の向上というものが要素にはなりますけれども、主たる中心は完全雇用という面を中心にして問題を展開すればどうだろうというふうに考えました。ところがそういう方法論は従来日本ではあまり行われなかつたのでございますので、非常に苦心をいたしまして、まだ議論の余地はあろうかとも思いますが、こういう資料をつくつてみたわけでございます。  そこでどういうふうな方法論で組立てをして行つたのかと申しますと、まず四十年までの人口を人口問題研究所の方にお願いしましてつくつてもらつたのでありますが、その際日本の人口は、終戦直後皆様方も御承知のように非常にふえておりまして、この人口が生産年齢に達しますのはちようど昭和四十年ごろになつて参ります。そういたしますと、この雇用要員と申しますか、そういうものが厖大にふえて参りまして、反対に生産人口と申しますか、年間の人口の伸びというか、そういうものがだんだん減つて参りまして、ピラミッド型からだんだんちようちんのようなかつこうになりつつありますが、いずれにいたしましても終戦直後当時生れました厖大な人口あるいは海外からの引揚げといつたようなことが続いて参りました。この子供がそれぞれ生産に入つて参るわけでございまして、非常に厖大なこの雇用を収容せざるを得ないような経済になつて来るように見受けられます。そこでこれは架空の問題ではなしに、現実に生んで、生きて成長しているわけでございますので、そういう生産適齢人口といつたようなものが昭和四十年に一体どれほどになるだろうかということをさつき申しました総人口の中から出しまして、さらにその生産年齢人口の中から病人とかあるいは不具者とか学生あるいは婦人労働等も今よりは若干傾向が減つて来るだろうといつたような想定を下しまして、昭和二十七年がこの計画の基準になつておりますが、昭和二十七年度の基準から申しますと、その生産年齢人口に対して六八%が労働力率、六八%の人が実際に雇用に出ておるわけですが、将来は六二%ぐらいになるだろうという想定で昭和四十年度の労働力人口を四千六百三十五万ぐらいに大体押えまして、そしてこの人口を完全雇用するためにはどういうふうな経済規模でなければいけないかというふうに考えてみたわけでございます。そこでその出し方といたしましては、まずこの労働力人口に一人当りの労働時間を考え、それから一人一時間当りの生産額、言いかえますと労働生産性の上昇を見まして、この三者をかけ合せますと国民総生産の額が出て来るわけでございます。そこでまずそういう着眼から今申しました労働力人口を完全に雇用した場合には、いかなる国民総生産額になるだろうかという観点に立つて問題を考えてみたわけでございます。  そこで国民総生産の出方は今言つた通りでありますが、政府の生産は、公益事業等は別でございますが、普通の政府の要員は、これは労働の生産性という点を出すのには非常に無理がございますので、この点は政府の要員の伸びに、給料の増加傾向等をかみ合せて政府生産というふうにつくりまして、それを除いた残りの民間、就業労働者というものに、労働時間と労働の生産性をかけて、そして民間生産というものを出したわけでございます。  労働時間に関しましては、昭和二十七年度が大体週四十七時間でございますが、これを昭和四十年には四十六時間にいたしまして、今より一時間くらい働かぬでも完全雇用ができるというふうな点に着眼いたしまして、そういうふうに考えてございます。それから労働の生産性の問題でございますが、これに関しましては昭和二十七年度におきまして一人一時間当りの生産額が六十五円でございますが、これを昭和四十年には八十八円まで上げまして、従いまして三五%くらい今より平均賃金が上る、そういたしますと年の伸びが大体二・三%程度に毎年上つて行けばよろしいという計算にしておるわけでございます。この二・三%というのは非常に高いのじやないかという感じもいたしますけれども、昭和五年から九年のころをとつてみますと、あのころは不況の最中でございましたので、労働の生産性が相当高まつたときではありますが、一応その当時をとつてみますと、第一次産業で平均一・六%、第二次産業で三・二%、第一次産業も大体第二次産業と同じくらいの伸びで、平均しまして二・三%程度上昇してございます。そこでこの上昇係数をとりまして、今後もこのくらいの労働の一人一時間当りの生産額というものを高めたいということで、その数字をとりまして、そうして三者をかけまして出たものが民間生産でありますが、それと政府生産とを足しますと、大体九兆六千億くらいが昭和四十年で完全雇用に必要な国民の総生産量になるわけでございます。それは二十七年度の現状に比較いたしますと、大体五六%増、五割増ぐらいになるわけでございますが、今後十二、三年かかつて今より大体五割くらいの規模の総生産を、国民が国民経済として持てば大体完全雇用は可能だというかつこうになるわけです。  そこでこの国民総生産量を需要の面に分配した場合に、どういうふうな需要構成になるかという点を次に計算いたしまして、そうして需要をきめますと、自然その需要から産業構造あるいは雇用の構造といつたようなものが出て来るわけでございますので、まず有効需要の面からはじいたわけでございます。そこで有効需要の出し方といたしましては、今申しました総生産額を企業の需要と政府の需要と海外需要と家計の需要というふうにわけまして、そうして企業の需要というのは、今までの国民所得の概念から参りますと、民間資本形成の部門に当るわけでございます。従いましてその内容は、設備投資の問題と在庫品の増加の問題と、それから個人住宅の伸びがどうかというこの二つを抑えればいいわけでございますが、この中で一番問題になりますのは、資本形成の設備投資あるいは在庫品増加がどういうふうになるかという点でございます。特に生産設備投資を一体どのくらいに見たらいいのかという点がポイントでありまして、これに関しましてはハロツドの形式を採用いたしまして、総生産の増加率は、先ほど申しましたように、現在の総生産から四十年までの総生産の額がきまりますから、その増加率がおのずから出て来るわけでございます。その増加率に資本係数というものをかけまして、資本係数にはいろいろ問題がありますが、大体今まで計算したところでは三・五くらいというふうになつておりますが、資本係数をかけますと、資本の蓄積率が出て来るわけでございます。総生産に対して資本の蓄積率が何パーセントかということが出て参りますが、これで見ますと、一二・二五%というふうになつております。しかし今後さらに電源開発等いろいろ建設の面がふえて来るということを予想いたしまして、これを一二・五と若干上げまして、要するに一二・五%というものを国民生産の中でさけば、こういう形態になり得るというふうに想定したわけであります。それからこの一二・五%も、過去の係数から見ますと決して高いものではありませんで、大体昭和十年−十二年の平均数値くらいがこれに当るわけでありますが、それほど厖大なものではございません。それから在庫品の伸び等に関し、あるいは個人住宅の建設等は相当思い切つて上げまして、一応民間資本形成の額をまず出して、次には政府需要の問題になりますが、これは政府投資と政府消費というふうに問題をわけまして、政府需要の額を出す。それから海外需要に関しましては、今までの観点をかえまして、この場合の生産規模に見合う輸入がどれくらいか、その見合う輸入だけ輸出すればいいじやないか。そのときにはもちろん特需というものは考えないわけでありまして、輸入に見合うくらいの輸出はどうしてもほしいというふうに、むしろ輸出の方は希望にして出しまして、ほかの条件がきまつた場合には輸出はどうしてもこのくらいしてもらわなければ困るというふうにきめたのでございます。大体二十四億ドルぐらいに見ております。  そういうふうにいたしまして三つのデータが固まつて参りますと、残りが家計需要になるわけですが、この際の個人消費支出の伸びは、二十七年度に比して大体六三%増というふうに考えております。これを人口一人当りに換算いたしまして、消費水準に直して参りますと、昭和二十七年度の消費水準は四万四千円が一人当りの平均消費額でございますが、四十年度におきましてはそれが六万三千円、約四四%の消費水準の上昇、こういうふうなかつこうになつております。  こういうふうにいたしまして有効需要のそれぞれの分野がきまつて参りますと、その有効需要に相応して、いかなる生産構造あるいは農業の生産の伸びが望ましいかという点がおのずから計算できる段階に入つて参りますので、今申しましたような需要面から、消費財あるいは生産財等にトータルでわけまして、それをいわゆるアウトプット・インプット形式——今その作業といたしましては通産省と審議庁で、やつておりますが、これはなかなか時間のかかる仕事で、三年もかかるようなぐあいになつて参りまして、電気計算機等でもありますと短日月でできるのでありますが、そういうものはまだそれほど豊富でありませんので、現状では非常に時間がかかるようでございます。しかし方式といたしましてはその方式が一番望ましいのでありますから、今の有効需要をとりまして、これを品種につきまして百五十くらいとり、そうして生産面とそれの配分面というふうに考えて、鉄、石炭というふうに並べて行きますと、縦の線にも鉄、石炭と並んで来るわけですから、昭和二十七年度には鉄はどれくらい生産され、そうして鉄道に何ぼ配分され、何にどういうふうに配分されたという実績をとりまして、それが四十年度にかりに鉄がどれくらい伸びればその配分がどうなるかといつたものをずつと出して来るわけです。それを調整して参りますと、四十年度におきまして一番望ましい消費財、生産財の神びに対して産業の構成がどうあるべきかということが大体出て来るわけですが、これは精密な計算をいたしますと非常に時間がかかりますので、端折つて計算をしておりますのであるいはいろいろ問題もあろうかと思いますが、一応そういうふうにして仕組みまして、それに必要な輸入材料あるいは食糧等をはじき出して、それに見合う輸出の規模というものもおのずからさつき申しましたようにパラレルにきまつて参りますから、それをさらに生産要素に加えまして、そうして生産規模というものをきめたわけであります。その生産構造は二十七年度に比して大体七割二分くらい上昇すればよろしいという計算になつて来ております。それから輸出に関しましては、本作業では国土総合開発の面が主でございますので、主として国土総合開発という点が中心の課題になつております関係上、あまり輸出の市場の問題、あるいは価格の問題、あるいは機構の問題等には厳密な検査を加えないで、このくらいのものは必要だ、またこのくらいのものはできるだろうという程度にしております。  そういうふうにして生産の構造あるいは規模がきまつて参りますと、おのずからこれが第一次、第二次、第三次産業に分析できるわけでございまして、これを第一次、第二次、第三次産業ではどういうふうに配分したが望ましいかということで、ここでは第一産業の農業関係にはあまりふやさないで、主として第二次、第三次でその増加する雇用量を吸収するというふうなぐあいになつております。そうしてできたものを今度は分配、国民所得に直すわけでありますが、総生産量でございますから、その中から資本の減耗引当分を除き、もう一つは間接需要量をその中から除きまして、そうしますと分配、国民所得の量が出て来るわけですが、その分配、国民所得の量を個人消費の部面と、それから財政の部面と、企業部面と三つにわけまして、そうしてそれぞれどういう姿が望ましいかという、過去の姿あるいは今後あるべき希望等を織りまぜて、個人の可処分所得が幾ら、従つて家計にはそのときにどれくらいの分配がまわるだろうか、それから企業には、これは総留保利潤でございますが、今申しましたような社内留保とか、あるいは減価償却分でございますが、それをどの程度企業に向けるのが妥当であるか、政府の収入はどれくらいか、財政は相当大きく見まして二兆くらいになるようでございます。そういうふうにいたしましてそれぞれの分配をいたしますと、まず問題が出て来ますのは、この政府の総収入を何に使うかという問題になつて来るわけですが、さつき申しましたように、政府の消費あるいは投資というふうに分類いたしまして、その投資の方は主として公共事業的な問題、あるいは今までやつているような各種の企業体に対する投資というふうにわけて参りますと、大体そのときに出し得る公共事業のわくというものがきまつて来るわけです。そこでその出し得る公共事業のわくといつたものをとりまして、今後の国土総合開発の規模というものは、こういうときはどういうふうに配分すべきか、そうすればどれくらい伸びるか、その影響いかんといつたような問題がおのずから出て来るわけですが、そういうふうにいたしまして循環しますと、全部の日本の国民経済というものは一貫して矛盾なく一応循環する、こういうふうになつて来るわけであります。  最後に、そういう際に一体消費性向なり蓄積性向なりというものはどういうふうな姿をとるだろうかという点になるわけでございますが、およそ消費性向が九〇%、蓄積性向が一〇%というふうな姿であれば、そういうことができるのではないかというかつこうになつて参ります。これが今申しました方法論といいますか前提でありまして、こういうものを基礎にして農林水産業あるいは鉱工業生産あるいは保全、国土の開発事業あるいは貿易、交通といつたようなものをそれぞれこまかく作業いたしまして、大きい資料の方には全部書いてございますが、きようはその点は一応抜いて、この中から問題点が出ておりますので、その問題点の説明に入りたいと思います。  たとえば今申し上げましたようにこういう大きい構想ができまして、これはケースによつていかようにでもかわるわけでございまして、フレイム・ワークによつて方法論がきまるわけでございますが、たとえば消費性向を今よりもこれほど低めて行つた場合には蓄積がどうなるか、その蓄積をかりに投資にまわした場合はどういうものがどれほど伸びて、どれがどれほど伸びるかとか、あるいは労働の生産性をもつと上げたいということであれば、それによつて国民経済全般にどういうような影響が来るかとか、その押えている指標をかえて参りますと、いかようにも答案が出て来るわけでございますが、私どもといたしましては、さつき申しましたように、国土総合開発という観点から資料をつくりました関係上、あるいは立場々々によりましていろいろ問題はあろうかと思いますが、一応の参考資料でございますので、一つの案を出してみますとこういうふうになるのでございます。こういうふうにいたしまして各問題点を拾つてみたわけでありますが、輸出の問題とか防衛生産の問題とかあるいは社会保障の問題といつたような問題に関しましては、先ほど申しましたようにあまりこの作業では深く触れておりません。むしろ国土総合開発という観点から現在進めております国土総合開発というものが、何を解決してもらわぬと今後の作業に困るのか、あるいはいろいろ矛盾したり解決したりする問題が現状のままに置いてどうなるのか、国としてはゆゆしい問題が非常に多く出て来ておりますので、こういう点を今後真剣に研究いたしまして、そういうものが固まつて参りますればもう一ぺん振り返つてかえて行こう。たとえば一番大きい例は、相当程度この案は自給度の向上というものを見ておりますけれども、そういう自給度の向上という線をある程度食糧等ではダウンしまして、これを輸入に仰ぐべしという議論になつて参りますと、おのずから国内の生産増というものがかわつて参りますので、こういう構成がかわつて来るのでございます。そういうことでいろいろ問題点があるわけでございますが、そういう問題点をかいつまんで申し上げますと、八つにわけられるのでございます。  一つは食糧の増産確保について、二番目は森林資源の培養と合理的利用について、三番目はエネルギー確保の総合的検討について、四番は産業立地の適正化について、五番目は輸送力増強に関する総合的検討について、六番目は国土保全並びに災害復旧について、七番目は都市住宅について、八番目はその他といたしまして補償の問題と新技術、新産業の問題を出してございます。  まずB資料というのをお開き願えれば幸いでございます。まず食糧の増産確保という点に関しましては、二つの問題を大きく取上げてございます。その一つは食糧増産の経済性、社会性の問題でございまして、今後この計画がかりに正しいものといたしますと、二千五百七十万石の増産を国内で必要とするわけでございますが、その所要資金が一兆五百四十億円というふうになつてございます。そうした場合に一体そのコストがどのくらいになるのかという点が非常に問題になつて来るわけでございますが、現在の食糧増産計画はそういう経済性の問題にはあまり触れないで、主として量を確保するという点に重点を向けておるわけでございまして、かりに今のような状況で行つた場合に、海外の状況との比較を見ますと一九五三年五月でありますが、もみにいたしまして、米でトン当りビルマでは三十ドル、タイでは六十ドルというふうになつておりますが、私ビルマに賠償で参りまして現地で聞いたときには、現在では一トン十五ポンドくらいで農村から買い上げているようでございます。従いまして大体四十二、三ドルくらいになるのですが、いずれにいたしましても四十四、五ドルから六十五ドルというふうな生産価格に対して、内地のもみはどのくらいかと申しますと、百十五ドルでありまして非常に高いのであります。これはもちろん米の性質も違いますので一概には比較できないのでありますが、非常にコストが高い。それからアメリカ等の今の余剰農産物の量から申しましても、世界各国の麦等の食糧事情が非常に好転し、値段も下つておるような現状に相なつておるようであります。そういう際に千五百四十億の金を投入して、国内で二千五百七十五万石を生産するということは、将来の国際的な農業の立地条件からして、はたして妥当な施策であろうかどうかという点が相当問題ではなかろうか。かりにもし昭和八、九年のように海外の食糧が非常に安くなつて来て、それが日本に入つて来るというふうな場合には、一体その与える社会的な影響はどうであろうかという点も考慮いたしますと、軽々と申しますか、今のようにただ量を確保するというのみでは非常に不十分ではなかろうか。むしろ将来を考えますならば、そういう点を考慮して農業生産計画といつたものを考えて行くべきではないかという点が第一点であります。  第二点は土地利用の問題であります。この中では二つ出してありますけれども、つぶれ地が非常に多いのでありまして、年に大体三万三千町歩くらいつぶれておる。それによる減産量が七十万石ぐらいになつております。これに対して開墾干拓が四万町歩くらいでほぼ同じでありますが、この開墾干拓の方は非常に厖大な金を使つて、熟田になるまでに五年内外かかる。しかも立地条件がだんだん悪いところへ向つて行く、こういう熟田をつぶして、だんだん条件の悪いところへ開墾干拓をやつて行かなければならないという状況がはたして許されるであろうか。こういう状態が将来とも長く十年、二十年というように続いて行くとすれば、日本の経済というものは食糧の面から見ましても反省を要するような事項が多々起きて来るのではなかろうかという気がいたしましたので、この点を指摘してございます。  それからもう一つは、耕地利用度の向上であります。これは日本の土地そのもの、地質と申しますか、こういうものの調査、あるいはその地質にアダプトした農業経営というものばそれほど進んではおりません。日本の食糧増産は、主として品種の改良なり、あるいは肥料の増投なり、あるいは水利その他の改善なりによる増産が多うございまして、土地そのものに即した増産計画というものは、はたして今まで十分行われているかと申しますと、必ずしも十分でないようであります。そういう点は今後十分改善、考慮を加える必要があるのではないかという気がいたしております。  第二番目は森林資源の培養及び合理的利用の問題でありますが、ここでは森林の問題はどうなつておるかと申しますと、現在の年間成長量は大体八千二百万石にすぎないのに比べまして、年の伐採量が大体二倍半の二億石くらい切つておりまして、しかも植えている木が適令伐採期までに四十年、五十年、まあ木によつては八十年から九十年かかるというふうな木を植えておるわけでありますが、こういう状況で参りますと、十数年もたつと国土の荒廃は今よりもつともつとひどくなつて、森林資源は枯渇してしまうというふうな状況になるように考えられます。そこでもう一つ、反面木材に対する需要の面から申しますと、従来のように薪炭とかあるいは建築用材というものから、大分趣きがかわつて参りますのが世界の傾向であります。主として工業の原料という方向に順次石炭に対すると同様、傾向がかわつて来つつある状況でありますので、そういう点も考慮し、あわせて戦時中からの濫伐に対して速急にこれを追つかけるという意味からいたしましても、何とかひとつ早く成長する、しかも将来の需要に見合う木を研究して、そしてこれをどんどん植えて行くというふうな方向が望ましいのじやなかろうか。もちろん現在までやつていないわけではないのでありますが、さらにそういう傾向を国家として助長し、そしてこういう将来の危機と申しますか、そういうものに対して対処すべきではないかというので問題を提起してございます。  第三番目は総合エネルギー対策でありまして、総合エネルギーの問題は、さつき申しましたような生産規模に見合う必要なエネルギーを、石炭、電気等々に出しまして、それを換算して参りますと、一人当りの消費量が石炭で換算すれば一・四六でありまして、戦前の最高水準にやつと回復しようという程度でございます。ですから必ずしも厖大なものではございませんが、その所要のエネルギーを石炭と電気と石油に主として分配して生産するわけでございますが、石炭に対する需要は非常に厖大にはなりますけれども、国内の石炭の生産量は皆さんも御承知のように、五千二百万トンくらいが大体経済的にあるいは資源の保存状況等から考えまして、妥当な数字ではなかろうかというのが普通でありますが、ここでは五千七百万トンがどうしても必要だというふうに無理して出してございます。それから石油でございますが、これも国内の生産を百万キロといたしまして、輸入を千百万キロと見てございますが、あるいは石油に関してはもう少し外貨が許しさえすれば入れる必要があるのではないかという感じもいたします。そういたしまして残りを電気でまかなうわけでございますが、そのときの電気の所要量は水力で千六百五十万キロの水力が必要だ。もちろん火力は別に考えておりますが、水力は千六百五十万キロ必要だというふうに計算を出しまして、さてそれではその水力の面が一体どうなのかと申し上げますと、水が一番日本では豊富で有望な資源だと従来から言われておつたのでありますが、計算してみますと、現在の第一期の電源開発五箇年計画が完了いたします三十二年には、大体水力が千百万キロになります。そこで日本の包蔵水力は大体二千万キロと言われておりますが、あるいはもう少し大きくなるのじやないかと私は思います。しかしながら現在言われている二千万キロというものがかりに正しいということにいたしますと、第一期の計画が終りました残りは九百万キロですかになるわけでございますが、この九百万キロというものを全部開発できる見込みかと申しますと、決してそうではないのでありまして、その中で大体発電できるものは五百万キロくらいというのが考えられる限度でございます。そういたしますと第二期の計画がかりに三十二年から進んで参りますと、四十年くらいになりますとほとんど水というものは食つてしまうかつこうになつてしまいまして、それ以後になりましてさらに発電を進めるということになると、既存の発電所をつぶしたり厖大な補償費を使いまして、大きいダム形式のものをつくり上げるというふうなかつこうになりますので、保守の面から申しましてもあるいは社会政策の面から申しましても、そういうことが許されるかどうか非常に疑問の状況になるのじやないかと思います。そういたしますと、水そのものも日本の救済策には必ずしもならないじやないかという感じもして来るわけであります。  それから石炭でありますが、石炭は五千七百万トンを数えるのでありますが、この際問題になるのが二つあります。それ以外にもいろいろあるわけでありますが、特に長い目で見るとこういう点は二つございまして、一つは低品位炭の問題でございまして、現在でも二割五分から三割くらい出て来るわけでございますが、これが五千七百万トンくらいになつた場合に非常に厖大なる量にもなつて参りまして、深部採掘となつて参りますとこれが大きなるものになつて来まして、将来低品位炭をどう処理するかという問題は非常に問題があります。むしろ将来の問題というより現実の問題は急を要する問題でございまして、あるいはこの低品位炭のガス化、電力化というようなものを早急にはかりながら、この利用を積極化するというのが非常に重要な問題かと考えます。  それからもう一つは、さつきの水力発電に関係するのでありますが、千六百万キロも水力を出しました場合に、これと火力との関係がどうなるかと申しますと、水力を出しましても日本の水力は必ずしもダムをつくつたからといつてホワイト・コールというわけでございませんで、冬の渇水期、ピーク時に際しましてはそれを救済できるダムはそれほどたくさんないのであります。従いましてどうしても産業を平均に動かすためには、火力も併用して行かなければならぬ特殊な事情にあります関係上、火力も相当並行して伸ばして行く、率はもちろん水力に比して減つてはおりますが、伸ばして行くといたしますと、この資料では豊水、渇水の差が非常にひどくなります、というのは石炭に関する負荷が多くなりまして、大体年間七百万トンくらいフラクチユエーシヨンが起きて来るということになりますと、石炭業だけでこのフラクチユエーシヨンを負担できるかどうかということになると、これは非常に国家として大きな問題になるわけでございます。そうでございますから、こういう点も十分今から考慮していろいろ問題を考えたらどうだろうという点を指摘しただけでございます。  石油に関しましては外貨の問題が問題になるわけでございますから一応省きますが、いずれにいたしましても今後日本の産業が伸びますのは、こういうものを基礎にした産業、言いかえますと重化学工業あるいは電気化学工業といつたものが主になつて参るわけでございますので、そういう需要面からいいましても、あるいは今申しましたようにエネルギーの賦存状況から見ましても、どうしても非常に問題が多いわけでございまして、各国では、アメリカ等では特にそうでございますが、五十年あるいは百年の先まで見て、このエネルギー問題というものを世界的な規模でいろいろ研究しているようでございます。このエネルギー資源に非常に恵まれた国でも相当思い切つた研究をして、新しい資源、より安い資源、より豊富な資源というものを研究しておるようでございますが、日本におきましては、資源の賦存状況がこういう次第で、特に工業の構成からいつても、こういう産業が発達して行かなければならぬという片一方に強い要望を持つております関係上、各国に負けないぐらいもつともつとこの研究を進めなければならないんじやないかという点を出してございます。特にこの新しい資源といたしましては、低品位炭の利用の問題、あるいは地熱の問題、あるいは天然ガスの問題、あるいは海底資源の問題、あるいは原子エネルギーの開発利用の問題等をここに掲げまして、それぞれの問題をみな研究してございますが、この細部にわたる事項は省略さしてもらいたいと思います。  それから四番目には産業配置の問題でありまして、いわゆる産業立地問題と申しますか、この問題では二つ大きい問題を出してございます。一つは工業用水の問題でありまして、これはあまり表面には今出て来ておりませんけれども、実際は非常にゆゆしい問題になつているように見受けられます。たとえますと尼崎とかあるいは京浜の江東地区とかいうふうに、無理に地下水をとりますと地盤が沈下したり、あるいは高潮の被害を受ける率が多いというふうなかつこうになつていますし、あるいはほとんど大部分の港口都市は、現在この工業用水に悩まされている状況でありまして、北九州のごときは、冬場になりますと水が足りないために、操業度を落さなければならぬというふうな現状にも相なつているように考えられます。それから新規に工業都市をつくりました千葉等におきましても、やはりこの問題が問題でありまして、今の川崎製鉄の拡張計画等も、工業用水との関係をどういうふうに解決するかといつた問題が非常に大きな問題になつているように考えられます。従いまして今後日本産業が発達する場合に、あるいは現在の工業を維持、改善する場合に、この工業用水というものをどうすべきかという問題が非常に大きい問題に現在なりつつありますし、将来はさらに大きい問題になるんじやないかというふうに考えられます。それからもう一つは、鉱工業地帯整備の問題でありますが、この問題にはいろいろございますが、特にここで取上げたものは港湾都市でございまして、港湾は戦後横浜、神戸その他占領軍に占領されまして、日本といたしましてはやむを得ず中小の地方の港湾の整備に着手したわけですが、その港湾の整備が、港湾そのものはもちろんでありますが、それに付随する都市計画とか、あるいは埋立用地造成の問題とかあるいは鉄道の引込み線とか、道路の整備あるいは用排水の施設というようなものをいろいろ総合されまして、そうしてこのりつぱな港湾都市になるわけですが、そういうものが爾後、横浜、神戸等が漸次解除になつて参りますと、貿易の量その他から見ましても必ずしも従来の量に達しておりませんから、自然こういう港湾都市の整備の問題がややもすればアン・バランスに進みがちだつたということで、今後こういう問題の処理をどうしたらよいのかという点は相当注意して考える要があるのではなかろうかという点を指摘してございます。  第五番目は輸送力の総合対策の問題でございまして、これは申すまでもなく鉄道、自動車あるいは道路、それから内航汽船というものが中心でございますが、鉄道に関してもいろいろ問題がございます。それから道路に関しましても、たとえば道路のできる前にはや自動車がどんどん発達してしまうとか、あるいは鉄道道路との分野、競合をどういうふうに調整するか。あるいは内航汽船の問題でありますが、現在はまだその段階にはありませんが、かりに将来大陸交通とか、樺太、千島等の交通が円滑になつて参りますと、この内航関係は現在とはまつたく趣きがかわつて参りますので、そういう際に一体今のような交通体系、総合的な交通体系でいいのかどうかという点になりますと、これも非常に問題が多うございまして、この点の調整は、現在各省歩調を合して円満に行つておるかと申しますと、私はまだまだ不十分じやなかろうかというふうな感じがいたします。  第六番目は、国土保全と災害復旧の問題でありますが、この災害復旧の問題に関しましては、いろいろ問題の考え方があるわけでございますけれども、私どもは、まだこれは計算が不十分でありますが、昭和四十年までにどれほどの金をつぎ込めば大体戦前の水準に復帰できるかという点を中心にいたしまして、そうしていろいろ計算いたしますと、このくらいの規模の資金をつぎ込みますと、大体昭和四十年には戦前の状況に復帰できるということを計算してみたわけでございます。この点がある程度改善されませんと、日本の経済の復旧は非常に困難でありまして、たとえてみますと、欧州ではあまりこういう災害がありません。日本では年に大体平均二千億ぐらいの災害があるわけですが、欧州の復興と比較いたしますと、四千億のギャップ、倍のギャップになるわけでありまして、かりに日本にそういう災害がなかりせば使い得るはずのものを、災害でやられ、その復旧のために使うわけですから、その災害がなければ四千億は使い得るわけであります。そういうギャップが毎年々々この関係で生れて来るわけですから、これは非常に問題でございます。そこでどうしてもこういう被害というものを最小限度に食いとめる、少くとも戦前に返すというふうなことが望ましいのじやなかろうかと思いまして、そうした場合にはどのくらいの金が必要か。それでその金は四十年度ぐらいを、さつき申しました国民経済の需要量から行きますと、確保できるのじやなかろうかという計算でやつております。それからもう一つは、どのくらいの規模というものは、戦争によつて国土の受けた被害として国民として今後復旧しなければならぬという、一種の義務的な観念も生れて来るでしようから、そういたしますと、自然この災害の国土保全という問題に対しても、その資金の出し方なりあるいは今後の問題の進め方なりに新たな観点が出て来るのじやなかろうかというので、そういう考え方をしておるのでございます。災害復旧の問題はひとつ省略さしてもらいたいと思います。  第七番目には、都市問題と住宅の問題を出してございますが、ここで例にあげましたのは東京都でありまして、年に大体三十五万人増加するのでありますが、そのうちの八万人が自然人口増でありまして、二十七万人というものがよそから入つて来るのであります。そうして入つて来た人口は全部生産にタッチするかと申しますと、そうじやないのでありまして、大部分は消費人口というようなものを構成するようでございます。この資料にもありますように、東京は第三次産業が六五%くらいでございます。全国では三〇%でございますが、非常に高率な、消費的な色彩を持つておるというふうなことが言えるのじやなかろうかと思いますが、そうした東京都の分配国民所得から見ましても同じようなことが言い得るわけでありまして、そういうふうになつて参りますと、自然それに要する水道用水といつたようなものをどうするのだ、たとえば東京では今の増加傾向で伸びて参りますと、小河内ダムをつくつても水が足りないのでありまして、将来は奥利根の方から水を持つて来なければならぬのじやないかというくらい遠いところから水を持つて来るような計画さえ考慮してございます。あるいはさつき申しました熟田がつぶれるとか、あるいは通信、鉄道、電力の配置をどうするとか、非常に厖大な費用がかかりますので、こういう問題を長い先を見た場合に、今のままの傾向でほうつておいていいのかどうかというところが非常に疑問じやなかろうかという点をただ問題として指摘してございます。この対策は非常にむずかしいのでありまして、住宅問題あるいは都市と市街交通の問題等いろいろございますが、まだそういう点の研究はこれからでございます。  最後に補償の問題と新技術の問題がございますが、補償の問題に関しましては、目下各省共同で検討中でございます。それから新規産業の問題は、ここに表がございますので、これをごらん願えばけつこうかと思いますが、これは今年度の初めから各省で取上げております新しい産業技術、研究中のものといわず実施中のものといわず、一番日本の資源から見て将来発展さすべきだ、必要な新技術あるいは新産業だということで、ここに出しておりますが、決してこれは十分なものじやなくて、農林省関係のものなどは、まだほとんどこの中に載せてございません。従いましてこれはまだほんの未熟なものでございますが、一応どういうものが取上げられ、その段階が実施中であるのか研究中であるのか、あるいは主原料は日本にあるのかないのか、現状はどういうふうになつているか、それから今後建設するとすれば問題点はどういう点にあるのか、また標準的な工場をつくるとすれば、費用がどのくらいかかつて、そのできた生産品が輸入の防遏なり、あるいは輸出の振興にどのくらい役立つだろうかといつたような点を、一応概要的に書いてみたのであります。二重に囲んである図式、関連図がございますが、この関連図の二重に囲んだところ、こういうものが特に望ましいというところを出しまして、相互の連関を図式で系統づけてございます。あとでごらん願えればけつこうかと思います。  いずれにいたしましても、何かしらんこういう新規産業あるいは新技術の画期的な発展向上がどうしても必要だという感じがいたしましたので、国内の資源の有効利用という観点から、未熟なものですが一応出してみたわけです。この問題点は今後さらに深めまして、そうして順次問題が固まつて参りますと、さつき申しましたように、A案の資料の方の修正にかかりまして、順次問題を深めて行くというかつこうになるわけでございます。冒頭に申し上げましたように、これはまだ事務当局の試案でございまして、何ら政府で決定したものでもなし、審議会で決定したものでもなし、審議庁内部ですら省議その他で決定したというものでもないのでありまして、一応の参考資料でございますので、そういう意味でいろいろお教えをいただければけつこうかと考えます。

武田信之助自由党

○武田委員長代理 ただいまの御説明に対して御質疑ございませんか。——別段御質疑がないようでございますので、本日はこれで散会いたします。次会は公報をもつてお知らせすることにいたします。    午後零時十六分散会

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