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20回国会衆議院1954/12/01

外務委員会 第1号

発言数
22
登壇者
9
会派数
4
開催日
1954/12/01

会議録

上塚司自由党

○上塚委員長 これより会議を開きます。  この際委員長より一言申し上げます。去る九月十七円の当委員会におきまして、吉田首相の出席をめぐつて事態が紛糾いたしましたが、種々の手違いにより、委員各位に対し多大の御迷惑をおかけいたしたことは、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。ここに委員長より深くおわびを申し上げる次第であります。  まず国政調査承認に関する件についてお諮りいたします。本委員会といたしましては、今国会におきまして、国際情勢に関する件、日米行政協定、国連軍協定、並びにMSA諾協定の実施状況に関する件について、調査をいたしたいと思いますので、この旨議長に承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上塚司自由党

○上塚委員長 御異議がなければさよう決定いたします。  並木君。

並木芳雄日本民主党

○並木委員 私はこの際動議を提出いたしたいと思います。  その動議は、本外務委員会はまず何をおいても吉田首相の出席を求め、国際情勢に関する説明を聴取し、これに対して質問を行うこと、それができなければ一切の審議に入らない。これが動議でございます。  その理由を簡単に申し上げますと、前国会におきまして、私たちは一度だけでもせめて吉田首相に出席をしてもらつて、国際情勢について質疑応答をいたしたい、こういう熱望を持つておつたのでございます。ことに外遊をするやに伝えられておりましたので、外遊前には絶対にこの必要があることを痛感して、これには与党の委員の皆さんも賛成をしたのであります。確かにその通りだ、一ぺんは吉田首相に出て来てもらおうということになつておつたにかかわらず、遂に姿を見せなかつたのであります。この点私どもとしては非常に遺憾千万に存じておりました。そしてとうとう外務委員会に一度も顔を見せずに、そのままで無断で外遊をしてしまつた、そういう形になつてしまつたわけなのであります。吉田首相は外遊だから親善旅行である、感謝と親善だというだけでほかに何もなかつたとするならば、今日私はこの動議はあるいは提出しないかもしれません。しかし昨日の本会議における吉田首相の演説の中には、単に親善旅行だけとは受取れない節がございます。もちろん中身は大したものではないのでありますが、たとえばガツトの問題、あるいは小笠原の復帰問題あるいは戦犯の釈放の問題――一番大事なビキニの水爆実験中止に関する問題は全然触れておりませんが、それにいたしましても、幾つかの問題は私どもとしてはやはり岡崎外務大臣をさしおいて、首相がやつたということに受取れるわけなのであります。従いまして通常ならば外務大臣でいいわけでありますけれども、まず岡崎外務大臣をさしおいて吉田首相がやつて来たこういうもろもろの国際関係の事務について、われわれは事情を聴取しなければ議事に入れないわけでございます。そういう理由で、私はどうしても委員会としてはまず吉田首相の出席を求める、これが先決問題であろうと思いますので、あえてこの動議を提出いたした次第でございます。皆さんの御賛同を得てさようとりはからい願います。そしてもし吉田首相が出て来ない限り、他の審議は一切あとまわし、従つて本日出席しなければ、本日の外務委員会はこれで散会されんことを望みます。

上塚司自由党

○上塚委員長 ちよつと速記をとめて。   〔速記中止〕

上塚司自由党

○上塚委員長 速記を始めてください。  ただいま並木芳雄君より、当委員会に吉田総理大臣の出席を求め、国際情勢に関する質疑を行うまで一切の審議に入らないとの動議が提出いたされました。よつて本動議について議事を進めます。討論の通告があります。これを許します。大橋忠一君。

大橋忠一日本民主党

○大橋(忠)委員 私は日本民主党を代表いたしまして、この動議に賛成をいたすものであります。  昨日の吉田総理の外遊報告を聞いてみますと、まことにあいまい模糊たるものでありまして、新聞に出ておるよりももつと要領を得ない、項目を列挙しただけのように思うのでありまして、あれでは外遊報告になつておらぬのであります。そこであらためて本委員会においてわれわれの外遊に関して持つておる疑問に関しまして、総理に親しく御出席を願つて、詳しく質問をしたいと思うのであります。そうして国民もおそらくわれわれ同様に疑問を持つておると思うのでありまして、国民に広くこの外務委員会の質疑応答を通して、これらの疑点について解明をするのが当然であると思うのであります。特に私は今日世界の大勢が共産圏との共存の方にアメリカにおいてさえ向つているときに、今まであまり言わなかつた総理が反共の旗を押し立てて、英国においてさえもそれをやつた、アメリカにおいてもそれをやつたというようなやり方のよしあしは別としても、どういうわけでそういうようなことをやつたのか、そういうような点について私は聞いてみたいと思うのであります。従つてぜひ総理に出席していただきたい。決算委員会は病気のゆえをもつて欠席をしておられますが、昨日の総理の状態を見ますと、病気では絶対にないと思うのであります。神経痛だといわれますが、われわれはそれを信じないのであります。従つてそういう仮病を捨てて、当外務委員会に出席して、日本国民に疑点を晴らすと同時に、さらに世界に向つてもこの質疑応答によつて、日本の態度をはつきりさせることができると私は思うのであります。外務委員会を無視したり、あるいは恐れたりする態度こそ、私ははなはだ理解に苦しむ態度でありまして、この委員会を十分に利用して、外交上の宣伝をする必要があると思うものでありまして、今回はその第一歩であります。ぜひこの機械に総理の出席を求め、もしもそれを聞かない場合においては、今後一切の審議を停止するという動議に、満腔の賛意を表したいと思います。(拍手)

上塚司自由党

○上塚委員長 次は穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党(左)

○穗積委員 私も、社会党を代表いたしまして、ただいまの動議に賛成の意を表したいと思います。理由は喋々いたしませんが、吉田総理が、先般外遊に出発される前に、当委員会並びに本会議においてその外遊目的を明らかにして、国民にも納得さすべきところを、それをあえてされなかつたことにわれわれ大きな不満を持つておつたわけでございます。総理は、今度の外遊ほ親善を目的とするということでございましたが、昨日の報告を聞きましても、さらに何らかの具体的な収穫があつたかのごとき報告に触れておられるのでありまして、われわれはその問題について、より詳細により正確に明らかにする責任があると存じますし、また特にアメリカにおきまする会談については、その内容は必ずしも発表されておりません。こちらから要求いたしました経済援助その他の経済問題に対する結論ははなはだ寥々たるものでありますが、その交渉の経過も、今後の日米関係に対するわれわれの態度方針を決定するためにも、ぜひ明らかにすべきでありますし、反対にまた防衛問題その他について、必ず触れたに違いないということも世間は臆測いたしておりますし、一部の外電もまたそういうことを事前に報道いたしております。従つて特にこの問題につきましては、われわれといたしましてもこれを国民の前に明らかにする責任があるわけでございますので、ぜひ提案がありましたように、率直に当委員会に出て来られて、その経過の詳細を御報告になり、われわれの疑点について当然明確な御答弁があるべきだと思います。このことは、単に委員会の権威のためのみならず、現吉田内閣としての当然の政治的な責任でもあると存じますし、そのためにもなるとわれわれ考えますので、自由党の諸君も、この提案には、理のあることでございますから、ぜひ御賛同あらんことを希望いたしまして、全会一致この動議に御賛同いただくことを念願いたしまして、私の討論を終ることにいたします。(拍手)

上塚司自由党

○上塚委員長 戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党(右)

○戸叶委員 私も、日本社会党を代表いたしましてただいまの動議に賛成をするものでございます。九月に外務委員会におきまして委員長の不信任案が出ましたが、そのときにも、結局その原因は、吉田総理大臣が、外遊に先だつて委員会が説明を求めたのにもかかわらず、うやむやの態度を示したというようなところから端を発しているのでございます。それにまた国民の非常な反対をも押し切つて吉田さんは外遊をなさつた。帰つて来られましてからは、国民はまあしかたがないけれども、一体どんな話をしたのであろうかということを非常に聞きたがつております。ところが昨日の施政方針の意見を見ましても、ほんとうのおざなりの、ただこういうことを言つて来たという項目を並べただけにすぎないのでありまして、私どもはその話合いの内容あるいはまたいろいろな問題の交渉の過程等をぜひとも聞かせていただかなければならない、こう感ずるものでございます。その話を発表されるにあたりましては、当然この外務委員会において吉田さんがそれを説明されるべきが順序でありまして、そういう点から見ましても、むしろ吉田さんの方が進んでこの委員会に来て説明をさせてもらいたいという態度に出るのがあたりまえではないかと考えます。さらに外国の外務委員会を見ましたときに、どの国の外務委員会も非常に権威を持つております。そうして一国の外交問題をその外務委員会で真剣に討議し合つてきめているのでありまして、日本の国の今日の外務委員会というものは、もつともつと権威を持たなければならない。そういう意味から考えましても、特に外交問題に関係のあるいろいろなことを話合いされて来た吉田さんが、この委員会に出て来ることは当然であると思いますので、一切の問題の審議に先だつて、吉田さんがこの委員会に出席をして説明をされるというこの動議には双手をあげて賛成の意を表したいと存じます。(拍手)

上塚司自由党

○上塚委員長 右動議に対しまして修正動議の提出があります。よつてその趣旨弁明を許します。福田篤泰君。

福田篤泰自由党

○福田(篤)委員 ただいま野党側から動議が提出せられまして、各党派からそれぞれ賛成意見を述べられたのであります。これはわれわれ与党ではございますが、外務委員会という長い生命並びに権威を考えますと、やはり当然筋の通つた点は私どもも賛成することが議員として正しいと考えます。従いまして外遊後の報告において、より専門的により詳細に、本委員会を通じて国民各位にその成果と見通しについて報告されることは、当然の要求であり希望であろうと考えます。この点は賛成するにやぶさかではございません。ただ問題は、それだからといつて総理が出席をし説明され報告をしなければ、本委員会に付議される他の一切の案件について審議をしないということは、いささか行き過ぎであろうと思うのであります。これは一つは政治的な立場から申しましても、この筋は一応われわれも是といたしますが、たとえば今本委員会に上程せられておるイスラエルの問題につきましても、またその他の提出され審議に付されるであろうと思いまする各種の外交案件につきましても、これは一日も早く事務的に処理を要するものがたくさんあると思うのであります。このことはやはり要求は要求とし、同時にむしろ外交事務の迅速な処理を促進するという外務委員会本来の任務を考えますならば、当然切り離して検討せらるべき問題であろうと考えます。政治的に野党側が要求せられるお気持ちはわかりますが、われわれは国政審議という重大な使命と任務を考えるときに、やはりこれは二つの問題として切り離し、当然要求すべきは政府に要求し、同時に審議に付せられる議案については、虚心坦懐各派がこの外政についての審議権を行使すべきであつて、出席要求とは切り離して、議案に対する審議に入られんこと望みます。これを動議として提出いたしまして、並木君の動議に対する修正を強く要望いたしたいと思います。

上塚司自由党

○上塚委員長 中山マサ君。

中山マサ自由党

○中山委員 私はただいま野党から提出せられました動議は、今修正動議の要旨で説明されました通りに、皆様方の御意向はまことにごもつともであると私は思うのでございます。私もまた総理のご出席を得ましていろいろと詳細なることを伺いたいと思いますけれども、外遊中においても申されましたように、自分はかんじんなところだけを話し合つて、あとは専門の方々におまかせをする、こういうこともすでに声明されておることでございますから、その大づかみの話をされた人を呼び出すということは、これは野党攻撃の一環としてまあ当然のことではございましようけれども、吉田内閣は永遠のものではございません。しかし日本国は永遠のものでございますから、その永遠のものの行くべき道、対外政策に関して野党攻勢をもつてはばまれるということは、私どもは、この外務委員会の権威としては、と申されたその権威の考えの置きどころが違うのではなかろうか、私は日本国のこの外務委員会の権威として、吉田総理は大づかみを言つた、しかも昨日その大づかみの線はすでに出されたのでありますから、専門的にやつて来た人たちをここに呼び出して専門的に聞かれる、ほんとうに国のためを思うならば、そういうことをなさることが、皆様方の実に高邁なるところの御識見をここに新たに声明することであり、皆様方の権威をここでより確立することであると思いますから、私はそういうふうな与野党というような、あるいは反吉田というようなそういう一時的の構想によつて、国の運営を皆様方がはばまれるということは、皆様方の野党としての立場のために惜しむものであります。私は呼び出すことは賛成でございますけれども、国家の興亡の問題、この問題についての外交の進展をはばまれるということはいかがなものかと思うのであります。今日皆様方御承知の通り、アラブ民族の動きというものは実に世界を動かすものでございます。こういう人たちのためにようやくここに進展をするようになつておりますこの問題に関して……(「出て来たらいいじやないか」と呼び、その他発言する者あり)なぜ皆様方が日本のこの国政のために……(発言する者あり)そういうものを切り離してやつたらいいんです。(「吉田総理に言え」と呼び、その他発言する者あり)吉田総理はさつき言つたでしよう、大づかみにやつたので、人を動かしたので、詳細なことはわからないのですから、詳細のことをよく承知している人を呼び出して、それにもし欠点があれば、これは結局総理の欠点になるのです。これは不可分のものでございますから……(発言する者あり)そういう態度は私は感心いたしません。修正動議に賛成するものであります。

上塚司自由党

○上塚委員長 北れい吉君。

北昤吉日本民主党

○北委員 私はやはり吉田総理は帰朝早々外務委員会に出て、対外交渉の経過並びに結果を報告するのが総理の義務だと思います。なぜかと申しますと予算委員会では予算はすべて国政に関係があるから一般国政の質問がありますが、外務委員会はことに外交のことについて詳しく知る権利がわれわれにあると思うのです。それでありますから本会議で大要は述べられたようでありますが、吉田総理は英国においては反共のことを非常に述べ、アメリカに着く前には英国と米国は対中共政策が違う、日本はその中間をとらなければならぬというような発言をして、アメリカ人に相当疑惑を抱かれたようであります。これはむしろ英国に行つてはアメリカで話したようなことを話し、アメリカでは反共に熱心であるから英国で話したことを言うべきである。これは時代錯誤の人物であつて、場所錯誤をやつたのだろうと思つて、この点について伺いたい。やはり日本では対中共の問題は非常に重大問題でありますから、こういう問題を外国の新聞だけで承つておることはどうも不十分でありますから、私は吉田総理からじかに承りたい。予算委員会で一般の国政質問をすれば総理が出てお答えになるのであるから、外務委員会に出て外交の経過を話するのが私は総理の義務であるとともに、われわれも聞きまたただす権利があると思いまするから、この問題に吉田総理が病気だ病気だということで誠意を示さなければ――現に鳩山さんは病人だから政権を渡せぬと言つておるが、吉田さんも五箇月以上の会期にわずか二十何日しか出ておらぬから、私は病人と認めます。そうならば鳩山さんは病人で政権を渡せなければ、吉田さんも病人であるから政権から離脱すべきものだと私は考えておりますが、今なお総理大臣をやめるという言質を与えておらぬから、この点についても承りたいと思います。これはやはり外交の細目に入る前提としての国政の大本に関するものであるから、私はぜひ出席を要求したいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 修正の動議が出ておるのですけれども、今話を聞いてみると、討論をしておるのもみんな修正でも何でもなくて、反対ということのようであります。修正動議がおかしいというのです。   〔発言する者あり〕

上塚司自由党

○上塚委員長 私語をやめてください。趣旨をはつきり弁明してください。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 福田君が出した動議に対する修正は修正の動議にならないということです。つまり反対の意思を表明すればいいので、修正すべき何ものもないのですから、動議としては成立しないということです。

上塚司自由党

○上塚委員長 中村君に申しますが、並木君の動議は、総理大臣が出席するまでは他の議案を審議しないということです。しかし福田君の修正動議は、総理の出席を求めることは賛成であるが、しかし他の国政上きわめて緊急を要するような議案についての審議は別にやつていただきたい、こういうことです。  福田君の動議は別個の動議として取扱います。   〔発言する者あり〕  静粛にお願いします。  これより採決いたします。まず福田君の動議を採決いたします。福田君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

上塚司自由党

○上塚委員長 起立少数。よつて動議は否決せられました。  次に並木芳雄君の動議について採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

上塚司自由党

○上塚委員長 起立多数。よつて本動議は可決せられました。(拍手)  暫時休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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