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19回国会参議院1954/05/29

労働委員会 第27号

発言数
70
登壇者
7
会派数
2
開催日
1954/05/29

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今から労働委員会を開会いたします。  委員の方にお諮りをいたします。昨日井上理事が労働委員を辞任されましたので、当委員会の理事が一名欠員になりましたが、井上君が再び労働委員になられましたので、井上君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 御異議ないものと認め、井上君を理事に指名いたします。   —————————————

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 本日の案件は調査事件でございまして、労働情勢一般に関する調査を行います。先ず最初に電産、私鉄の賃金問題に関する件を議題といたします。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 実は手許に資料がございませんので、詳しい日時その他が明らかにならんのであれですが、先般の私鉄の賃金問題につきまして調停案が出まして、調停案をめぐつて労使それを呑むかどうかと、こういうことで争われ、或いはストライキ等も行われて片付いた。大要の経緯は私から申上げるまでもありませんが、その中で二つほどお尋ねをいたしたい問題がございます。一つは調停案が出まして、そして労使それぞれの態度の声明がございましたが、問題の解決のために中労委から出ました調停案の各社別の妥結に関連をして、これを地方労働委員会に移すことが実際の解決に望ましいと申しますか、或いは解決のために便宜であるという状態になりましても、中労委としてはこれを地方に移すことを頑として開かなかつた。これは噂でございますから、真偽のほどは明らかでございませんけれども、或いは中労委から京都等に参られて調停案を強力に何と申しますか、押付けようという動きさえあつたと言われております。大阪についてはこれは地労委自身がこの大阪における賃金問題の解決のために動きたいという情勢にありましたが、中労委はこれになお依然として強硬に拒否をして、そのために問題の解決が遷延されたという事態があるやに聞き及ぶのであります。これは労働委員会の運営の問題ということに相成るかと思うのであります。これは中労委で作りました案ではございますが、私が申上げるまでもなく、各社の事情というものは違いますし、最後の妥結に至りましては、画一的な中労委の調停案を不動のものとして、或いは地方の努力もなされないということになりますならば、これは解決を困難にするゆえんだと思うのであります。これらのことにつきまして労働省としてどういう工合に聞き及んでおられるか、或いは中労委の、労働委員会の運営として如何なる感想を持つておられるか、事情御存じであるならば所見を一つ承わりたいと思います。

中西実労働省労政局長

○政府委員(中西実君) 私鉄の賃上げ争議につきましては、毎回大体同じようなコースを辿りまして落着するのでございますが、只今お話の中労委が調停案を出しまして、それに対して会社側は受諾した。組合側はこれを拒否をいたしました。従つて爾後は、状況としまして各社交渉、各社別に妥結を図るより仕方のない状況に立至つたわけでございます。その前に経営者としましては、いま一度中労委が一括して斡旋してくれないかという要請を中労委になされましたが、中労委としてはすでに調停が出されたあとだから、再び同じ事件につきまして斡旋をするわけに行かないと言つて拒否しましたが、その後中労委がこの争議から一応一括的に処理することにつきましてはもう手当を失つたわけでございます。  只今のお話では、中労委が地労委に管轄指定することを非常にしぶつたというお話がございましたが、私ども聞いておりますのは、実は経営者が呑んで組合が蹴つておると、こういう事情もございましたので、中労委としまして積極的に地労委にやれという立場にはございませんでしたので、地労委に管轄指定を積極的にやるということはしなかつたわけでありますが、併しながら地労委が若し会社側、組合側の状況を判断し或いは事情を聞いて斡旋をする、又したほうが解決にいいということで動き出すならば、中労委は当然これに対して管轄指定をするという用意があつたように聞いておるのであります。その間若干誤解がございまして、中労委が調停をしたんだ、それに対して管轄指定がないから動けないんだというようなふうにとつたところがあるやに聞いております。併しそれは実は誤解でございまして、地労委において斡旋に乗出す、ついては管轄指定をしろということでございますれば、中労委はする態勢にあつたというふうに聞き及んでおります。  中労委と地労委の調停に関する関係につきましては法規上は別段規定はございません。ただ労組法施行令第十八条におきまして「中央労働委員会は、地方労働委員会に対して地方労働委員会の事務処理に関する基本方針及び法令の解釈について必要な一般的指示をすることができる。」というだけでございまして、結局管轄が移りますれば地労委は又独自の立場で斡旋調停をするということに法律上はなつております。ただ中労委と地労委はやはり同じ制度として一体的なものでございますので、その間円滑なる連絡の下に妥当な解決を図るべきものだというふうに考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 地労委に若干の誤解があつて事実上地労委の動きがなかつた、一般的な中労委と地労委との関係について御説明があつたのですが、一般的な関係を申上げておるのではなくて、過ぐる私鉄の賃金問題に関連して運用についてお尋ねをしておるのでありますが、誤解があつたという説明を以てしても、地労委がみずからの意思に基いて動き出すべき段階に来ておつたという考えがあつたことはお認めになつておると思う。ただ中央委の管轄指定がないから動き出せなかつたと誤解をしておつたと、こういうお話でありますが、これは例えば京都にいたしましても或いは大阪にしましても、今に始つた問題ではございせまんし、それから昨年の実態等から考えて、そう言われるような誤解があるとは考えられない。そこで私どもは中労委か、或いはその背後に政府があつたかどうか知りませんけれども、地労委に対する何らかの圧力と申しますか、或いは地労委が自己の斡旋なり何なりをいたしますについて制約的なものがあつた、チエツクするものがあつたのではないかと、かように申上げておるのであります。それを単に誤解だとして説明し終られるには、去年の事例等を考えてみれば単なる誤解があり得るとは考えられない。その点についてなお重ねて、御答弁を願います。

中西実労働省労政局長

○政府委員(中西実君) 今回の争議の際には中労委の調停案を組合側は拒否いたしましたけれども会社側は受諾した。而も具体的に申しまして、関西の経営陣が極めて強い態度を持つておつた。これは経営陣全般的に最近は賃上げに対してそういう傾向がございますけれども、特に経営陣は呑んだのだ。従つてこれを更に不満として拒否する組合の態度を改めてもらいたいというようなことで非常に強かつた。それから一般的に見まして、最近の経済事情から賃上げということが極めて困難な事情にある。そういうようなことから地労委が出ましても、果して経営陣がそれを受けて立つかどうか。恐らくは経営陣は、もう中労委の調停案が出てそれを呑んでおるのだ、従つてこれ以上地労委に出てもらつたつて何ともこつちはやりようがないのだ、こういうような気持が十分にあつたと思うのであります。従つて地労委としましても、極めて出にくかつた事情があつたとは存じます。それが積極的に中労委からの管轄指定もなかつたせいもございまして、何か出てはいけないのじやないかというような若干の誤解がそこにあつたということでございます。併しながら最後の段階には大阪の地労委が出る、それではおやりなさいということで管轄指定は勿論なされております。その間に中労委が地労委に対して内容的にチエツクした、或いは政府筋がそれに対して何らかしたというようなことはこれは全然ございません。又そういうことは法律上何ら拘束力もないわけでございますし、又事実としてもそういうことはなかつた。全体の最近の賃上げに対する国民的な雰囲気からそういつた推察がなされるのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 今の答弁からも労働省の意向というものは大体察しが付きます。中労委の調停案を会社側が受諾した、労働組合はこれを拒否した、賃上げの困難な際であるから地労委が出ても解決は困難であろうというお話であつた。これは恐らく労働省の気持だろうと思うのです。で、労使双方の調停案をめぐる争い、或いは地労委の斡旋等を含んで、その場合に会社側の受諾が困難だと言われることはこれは私は否定するのではない。或いは労働省が、特に関西の場合には支払能力もあるから、中労委の調停案にプラス・アルフアを付けろ、こういう要求をしたとしても、これは私は当然だと思う。その調停案をめぐつて、それじやいやこれ以上は出さない、或いは経理の事情からいつて、それにプラス・アルフアを付けろ、こういう交渉がなされるとして、その争いを実際に収めるのが地労委の役割だと思う。初めから中労委の調停案が出たから賃上げは事実問題として困難だ、これは賃上げをさせない方針を労働省が持つておられるからそういう話を労働省が今されるとしても、その当否は別問題として、その気持は、これはここで労働省はそう考えておられるだろうということは私どもも多少察しが付くのでございます。ところがそのことを以て、地労委が出て斡旋をしたい、これを若し中労委がチエツクするとするならば、これは不適当ではないか。或いは労働委員会の運営として当を得たものではないのではないか。実際問題として、地労委からの管轄指定その他を含む何と申しますか、申請なり意思表示があつて、これを中労委がは抑える事実がなかつたかどうか、これをお尋ねしておるのでありますが、大阪、愛知、福岡等で斡旋に乗出した。併し他県に一部跨がつているので地労委に管轄の指定の手続を要求した。併し中労委は、解決の自信があるならやれと言つてはおられたけれども、今大阪の点については中西労政局長は認めたと言われますが、認めなかつたというところもあるやに聞いております。いつ頃各県から、各地労委から申請をし、それから一応抑えた。最後に認めたとすれば、どういう工合に認めたか、こういう細かい点まで若しおわかりになつておるならばお示し頂きたい。そうしないと、抽象的に、結局は大阪は認めたのだ、ところが、いや地労委なり或いは労働省側においては管轄の指定が非常に遅れた、或いは抑えられたと言つても、これは水かけ論になると思う。具体的に一つお示しを願いながら議論をいたしたいと思います。

中西実労働省労政局長

○政府委員(中西実君) ちよつとその前に、今賃上げはむずかしいということを労働省は考えておるだろうということを申上げたのではないので、地労委のはうで斡旋に乗出しても、そういう事情があるからなかなかむずかしかろうと判断したであろうと、こうやはり我々のほうで推測したと、こういうことを申上げたのでありまして、それが若干誤解を生んだ一つの要因じやなかつたかということで申上げた次第でございます。なお今の中労委が地労委を抑えたというお話でございますが、これは私実は聞いておりません。ただ先ほどちよつと言いましたように、一遍調停案が出まして、組合が蹴りましたあと、会社側から再度一括斡旋してくれないかという申出がございました。そのことが結着付くまではやはり事案は中労委にかかつておつたということになるかと思います。それがとても不可能だということになりましたあとは、これはもう地労委の判断で各社ごとに解決のめどがあればどんどん乗出していいという態度であつたように聞いております。具体的には二府県に跨がるところはそうはございませんので、大きいのは今おつしやつた名鉄、西鉄のほかは関西の五社でございます。大体管轄指定は大抵電話連絡とかそういうものでやつてしまいますので、九州にしましても名古屋の場合も、管轄指定をする必要はなしに自主的に解決したのでございます。従つて問題は関西五社でございますが、これは日にちは四月の三十日午後六時ということになつておりますが、どういういきさつ……、向うから言つて来て直ちに結構だということで管轄指定をしたのだというふうに聞いております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 名鉄、西鉄はそういうふうに、具体的には関西五社だろうというのですが、私もさように聞いております。それから先ほども申しましたように中労委から京都に、会長でありますか誰か知りませんが、おいでになつたというお話を聞いておりますが、そういう噂がありますが、四月三十日午後六時に管轄指定をしたということでありますが、私どもの聞いておるところでは、最初の連絡或いは申請と申しますか、これから最後に下りますまでの間には相当の時間があつて中労委として管轄指定について非常な遅れがあつた、かように聞いておりますので、先ほども申上げますようなことを申上げたのであります。なお事実が明らかでございませんから、その点はもう少し中労委なり或いは地労委双方を聞かなければ具体的にはつきりいたさないかも知れませんが、その点はそういうことが害われておる。これは単に私鉄労組側だけでなしに、地労委からもそういうことが曹われておる。こういうことでございますので、若しそういうことであるとするならば、これは中労委のやり方として、方向として警告をすべき必要があろうと思います。労働省を通じて警告をいたしたいと思つておりますが、なおここで伺つておきたいと思いますのは、労働省として若しそういうことで地労委からの連絡申請等があつて理由なくして遅れまするならば、或いは抑えられるというようなことがあるならば、これは労働委員会の運営として望ましいものであると考えられるか、それとも我々は政府の方針なりの中労委に圧力をかけるものとして私どもは批判をしなければならないと思いますが、そういうことであるのか、その点は一つ明確な御答弁をお願いいたします。

中西実労働省労政局長

○政府委員(中西実君) これは調停案が出て、これに対して諾否がきまつて、大体それで進むわけでありますが、斡旋となりますると、双方の中へ入つて妥結するように持つて行く。そこで中労委、地労委、いずれの管轄といたしましても、その管轄を以てやつておりまするところがすでに見込がないということになりますれば、もう速急に妥結の可能性の強く働きかけられるところへ管轄が移るべきものであります。従つて中労委でやつて、而ももうとても見込がない、地労委でやつたほうが可能性がずつと多いというときには、時を移さずやり、而も地労委がそれに対してやるという気持がありますれば、時を移さずやるべきでありまして、その際に理由なくして管轄指定をしぶるということは極めて遺憾なことで、そういうことがあつてはならないというふうに考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 もう一つの問題は千葉県で起りました問題ですが、恐らく御存じであろうと思うのでありまするが、小湊鉄道において、駅の名前は忘れましたが、たしか国警であると思います。国警の何と申しますか、一部隊、これはまあ武装をした警官であつたと聞いておりますが、約二百名出動をいたしまして、そうして初日のストをやろうという最初の始発の電車を実力を以て動かした。実力と申しますか、威力を以て電車を始発さしてストを阻止した。こういう事態が伝えられておりますが、こういう事態に対して労働省としてどういう工合にお考えになつておるか、伺いたいと思います。

中西実労働省労政局長

○政府委員(中西実君) ちよつと小湊の今の警官が出てどうこうという事実は承知いたしておりませんので、我々の記録では、この会社は当初からストを回避した部類に分類されておりますが、今の事実を実は聞いておりませんので、調べまして一つ申上げたいと思います。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私労働基準局長に二、三お尋ねいたしたいと思うのでございます。  かねて労働基準法の施行規則及び年少労働者の関係法規を改正する手続が行われておりまして、中央労働基準審議会の結論が出ておるわけでございます。私大体の報告がこの労働委員会であつたことは聞いておりますが、あいにく私健康を害しておりまして、欠席して伺うことができなかつたのでございますが、それを繰返して今お尋ねするということは失礼と存じますので……、大体その結論は最終的なものでございましようか。それを政府は今どういう扱いをなさるおつもりなのでございましようか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) その扱いにつきましては、先般の当委員会におきまして政務次官からもお答えをいたしたのでありまするが、政府としましてこの答申を頂きましたのでございまするが、政府自体といたしましても、この答申の中でなおいろいろ調査研究をしなければならない点がございますので、一応答申は答申として尊重する建前ではございまするが、その中で更に調査検討を加えまして成案を得るように目下準備をいたしておる次第でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 その結論の中で三者の意見の不一致の点がかなりあるようでございます。第十六条から四十九条まで三者の意見の不一致、一考が一致していて資本家代表が反対であるとかいうような、不一致にもさまざまな意見がございまして、まとまりにくかつたということも伺つておりますが、そういう問題に対して研究なさるものなのでございましようが、そういう中でちよつと二、三お尋ねしたいのでございますが、先ずそういう不一致の点について当局は今どういうふうなお考えでいらつしやいましようか、そうしてあなたに伺いたいことは、いつ頃結論をお持ちになるお見通しなんでございましようか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 不一致の点につきましては、いろいろ審議会の審議の経過、又その経過の中におきまする各委員の発言、或いは公聴会に述べられました各御意見、こういうものを十分検討いたした後政府としての見解をきめたい、かように思つておるのでございまして、従つて政府の見解をきめるに当呈しても、まだいろいろな面の調査の不十分な点を今調査をいたしておる次第であります。時期的に申しますれば、大体七月一日施行を目標に一応今準備を進めておるような状況でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 ちよつとその中で二、三お尋ねしておきたいことがございますし、なおその最後の結論をお求めになるので、まだ最後的結論に達していないようでございますので、是非御考慮願いたいと思つて、少し私どもの考えを申上げ、そうして御意見も伺いたいと思うのでございます。  先ず第一に施行規則のこの第十六条でございますが、時間外労働の問題でございますが、これが非常にこの諮問の内容を見ますと、一日八時間というその制限ももう無制限になるようになるのではないか、或いは休日労働もこれがもう平常化するのではないか、そういう憂いが随分含まれるわけなんでございます。言うまでもございません、これは国際労働条約等でもはつきりきめられていることなのを、なぜここでそういうふうに改悪なさるお考えなんでございましようか、これに対して基本的なお考えを伺いたいと思います。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 第十六条の改正につきまして、政府原案を作成をしました際の我々の考え方を申上げてみたいと思います。  時間外労働並びに休日労働につきましては、法律の第三十六条で、労働組合がありまする場合におきましてはその労働組合と、或いは労働組合のない場合におきましては労働者の過半数を代表する者との間の書面による協定によりまして八時間労働の例外が認められるということになつておりますが、併しその本法でございまする三十六条におきましては、その協定の期間につきまして何らの制限をいたしていないのでございます。即ちこれは協定自体が労使の自主的な話合いできまるものでございまする以上、従つてそのお互いの意思がその期間についても当然きめられるべきであるという建前で、法律は恐らく期間について何らの規定をいたさなかつたと思うのでございまするが、この規則の第十六条におきましてこういう期間の制限をいたしましたことは、恐らく立法上の不備を補う意味のものであつたかとも考えられるのでございます。即ち八時間労働に対しまする一つの例外でございまするから、その例外はまあできるだけ狭く考えるべきではないかという趣旨で十六条というものが設けられたのではないかという気がするのでございます。併しただ、今申しました法律に根拠のない事項につきまして新たな義務を国民に課し、或いは権利を制限をするということは国家行政組織法上認められないわけでございます。従つて立法論としましてはございまするが、規則の中で、即ち省令の中で法律の委任なくしてこういう実体規定を規定いたしますることは適当ではないという趣旨で、我々はこの規定の削除を原案といたしまして中央労働基準審議会に諮問をいたしたわけでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 今局長のおつしやいますには、使用者側と労働組合との協定が必要だとおつしやつております。労働組合がなければまあ過半数の労働者の意思で以てということに変えられるわけなんでございますが、それは現在におきまして私少し当てはまらない部面のほうがむしろ多いのじやないかと思うのでございます。中小企業工場あたりで本当にこの労働組合が充実しておるかどうかということは、もうここで論ずるまでもなく、殆んど労働組合らしいものがない。あつても御用組合的な性格のものなのでございますが、そういう実情でございますのに、これがあつてすらなかなか守られない。ところが今申しますようにこれがなくなるということになりますと、労働者の権利というものを本当にこの支えるもののないことをいよいよ運用するという傾向になると思うのでございますが、実情に私副わないのではないかと思うのですが、そういう点、労働者の権利が守られるとお思いになりましようか、如何でございましようか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) この十六条の審議の経過におきましても、公益側の委員の一部の意見としまして、無制限にこの規定を削除することは適当ではないじやないか、即ち若し無制限にするとすれば、その無制限の協定というものを法律上認めることになるではないか、それは少し適当ではないので、この規定の中において自主的にその協定の期間を定めるという趣旨の補完規定が必要ではないかという意見もございます。或いは公聴会の公益側の意見の中にも同じような意見もございました。まあ政府としましてもそういういろいろの意見もございますので、そういう意見も十分考慮に入れまして検討いたしておる次第でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 是非そういう点は労働者の権利を守るという立場に立つて御考慮願いたいと思つております。  それから今局長の御発言の中にございましたように、時間外労働というものが幅が狭いからとおつしやるのですけれども、私この枠がなくなれば、勿論そこから堤を切つて水が流れ出すように、これを悪用して、時間外労働がどんどん無制限に行われて、局長がおつしやるように幅が狭いからというお考えより逆になると私は思うのでございますが、そういう虞れが多分にあると思うのでございますが、如何でございましよう。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) これはまあ御承知のように使用者が一方的にきめまするものとは違いまして、協定でございまして、労働者について、労働組合のない場合は労働者の過半数を代表する者との合意の上できめられる性質のものでございます。我々といたしましては、事実上その合意がなされました協定というものが過半数の意思を確実に代表しておるかどうかということにつきまして、行政上常に監督をいたしておるわけでございます。従つてそこに合意というものが前提となりまする以上、就業規則等、単に労働者の意見を聞く場合と違いまして、そこに相当労働者の意見というものが現実に反映されて来るのじやないかという気がするのでございます。従つてそれほど影響というものが直ちにこれの削除をしたことによつて現われて来るものではないというふうに私は考えております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私は大変見解の相違だと思う点がございますね。むしろこの今申しますようなことが運用されるということのほうが多いと私思うのでございますが、一つお願いしたいことは、今まで労働組合の組織されていない弱小の企業工場において、労働者の意見をまとめ得るような自主性のある機関というものがなくちやならんというお話が先ほどもございましたが、それに当るようなものがどの程度今まで活用されていたか、こういう中小企業におきましてこういう時間協定する場合にそれがどういうふうになされていたか、御調査があつたらそれを私にお示し願いたいと思います。私は、実状を殆んど離れているような御見解に立つて局長御発言なさつておるのは非常に心外なんです。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) そういう細かい調査が実はまだできていないのでございます。今度のこの改正の際に、そういうように過半数の者を代表した意見であるかどうかということを確認するということが必要でございまして、例えば就業規則におきましてはそういう意味であれも過半数のほうの意見を聞く手続になつておりますが、従つてそういう場合におきまする手続について、記名、捺印というふうな、もう少し厳格な手続を設けるべきではないかというふうなことにつきましても実は検討をいたしておるのでございまして、従つて三十六条の協定におきましても、過半数の労働者の意思を代表するということにつきましても、監督上も或いはそういうふうなことを協定の上で指導し、或いはそういうふうな方向に協定をさせるように持つて行きたいというふうに考えております。細かいデータにつきましては、実は調査をいたしておりませんので御了承願いたい。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 そういうことをですね、私お願い申上げてその実情を政府もはつきり把握なされなければこれは大きな抜け穴になると思うのでございまして、そういう調査を早急にして頂き、私どももそれを知りたいと存じますので、これを一つ要望いたしておきます。それに従いまして時間外の割増し賃金制度というものと関連があると思うのでございますが、これは削除されますと、本当に何と申しましよう、賃金の算定というようなこともはつきりと出ないことになるし、それは使用者側からいえば、僅かな金の賃金の計算が面倒だというふうに言われるかも知れない。けれどもたとえ僅かでも労働者は働いて得ている金なんで、その見込なり或いは見通しが付けば、自分の一月の賃金の収入も計算できるわけなんでございまして、こういうふうな賃金の割増しの問題も非常に時間外労働と絡んで来る問題なんでございますが、これが影響するところ大きいと思いますのですが、その辺が非常に無制限で、だらしなくなりはしないかと実は心配するのであります。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 割増し賃金につきましては、労使の協定によりまして一週間何時間、或いは一月に何時間というふうな時間外労務の協定ができます以上、その時間の中で現実に労働者でありましたならば割増し賃金を付さなければならんことは、これは法律上当然のことでございまして、若しそこに違反がございますれば、我々として法律の命ずるところによりましてその是正をさせなければならんと、かように思うのでございまして、この時間外の協定の期間を外すことと、割増し賃金を支払うか支払わないかということと関係ないのではないかというふうに考えております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私はそこに非常に関係があると思つているわけなんでございまして、そういう規則があつてもなかなかこれが実行できていない現状が多いのでありますのに、これが削除されるとなりますと、時間及び賃金の問題というものが非常に労働者に不利になると心配する次第でございますが、この問題につきましては、さつき申上げましたように、弱小企業体の労働者の発言力と申しましようか、それがどのくらい、どういうふうに守られて、その上に立つてどういう協定が結ばれているかということを実際お示し願いたいと思う。  それからその次に第二十七条の関連でございますが、三十人に引上げるということについて、これもやはり意見が一致しておりません。これにつきまして、政府はどういうお考えでいらつしやいましようか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) この原案を作りまする際の我々の考え方といたしましては、物の販売、配給の事業に従事しまする労働者十人未満の場合においては九時間労働制であり、十人以上でありますれば八時間労働制であるという、十人というけじめを付けたこと自体が、何ら強い根拠のあるものでもございません。その後法の施行の状態を見ますると、我々実地の調査もいたしたわけでございますが、三十人ぐらいのところとそれ以上のところと、非常に労働時間においてはつきりとした区別が付いております。又これが労働基準法違反かどうかということは別問題としまして、現実を申上げますると、三十人未満でございますると九時間労働というものが厳守されている。ところが三十人を超えますると八時間労働が、これが又やはり厳守されるというふうな実態でございますので、十人でここを切りましたことがそれほど強い根拠のないものであるとすれば、やはり実情に合わして行つたほうが中小企業の実態に即するのじやないだろうかという気持で、実は三十人にこの十人を引上げることに案を作つた。これにつきまして審議の経過におきましていろいろ御議論があつたのでございます。或いは工場法を作りまする際に、二十人以上を以て適用事業の範囲としようという原案も当初作つたのでございます。それが十人以上というふうに工場法の場合にはなつたのでございます。そういう経過もあり、そういう意味で十人というところにもそれほどの根拠はないのじやないかという意見もありました。或いは公益側の公聴会の意見におきましては、三十人ではなくて五十人くらいに引上げてもよいのじやないかという意見為出されたこともあつたような次第でございます。我々もこういう点のいろいろな御意見を十分斟酌いたしまして検討しておる次第でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私もむしろいろいろな手続だとか、或いは煩瑣な手数の要る、そういう点の能率化或いは簡素化ということには賛成でございます。けれどもむしろ保護の面はこの十人を五人くらいに引下げるということすら私どもは考えているのに、逆に三十人未満のところには、もう何も手の届かない、目の届かない、仕放題というような無軌道な状態に追い込もうという、こういう削除に対しまして、非常に私はそこから起きる深刻な問題があると思うのでございますが、それらはさまざま予想されるのでございますが、局長は、そういう起つて来るマイナスの面に対しまして何らお考えございませんでしようか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 商店の労働者は工場の労働者と非常に労働の態様或いは労働の密度におきまして差異のあることは御承知の通りであります。又工場の労働者につきましては、幾ら一人、二人の中小企業でありましても、当然その労働者の労働実態というものは大企業のそれと同じでございますので、それは八時間労働制というものが当然例外なしに適用されなければならん、これは当然言えると思うのであります。ただ工場の労働者と違いまして、商店の労働者には、労働の密度の点から申上げますと、手待ち時間も非常にございまするし、或いはその業務自体がそれほど重労働ではないのでございます。そこで八時間労働制ではなくて九時間労働制をとりましても、そこに健康の上におきましてもそれほど大きな影響を与えないんじやないか。この点はやはり工場の労働者と商店の労働者というものは別にやはり考えなければならんのじやないかという気がするのでございます。  御承知のように労働基準法の制定される前は商店法、工場法という二つの法律で、それぞれ労働の実態が違う労働者を二つの法規でそれぞれ保護して参りました。労働基準法はそういう区別なくして、一木の法律で規定をいたしておりまするだけに、そこに無理があるということで、二十七条の例外規定が設けられておるのもそういう趣旨でございます。そしてそういう例外が認められておりまする以上、やはり実態にできるだけ即したほうが、法律を履行する上におきましても妥当ではないだろうかということで原案を作つたのでございます。  これが直ちにどういう影響があるかということになりますると、八時間労働制が九時間労働制になりまするので、いろいろな問題がありましようが、併し実質はそういうことでございまして、そういう実質があれば、やつぱり事実に則つてそれに合うような規定の改正ということを考えるのがより妥当ではないか。この問題は正当とか、そういう問題じやなくて価値判断の問題になろうかと思うのでございます。価値判断につきましては労働者側の価値判断、使用者側の価値判断おのおの違うのでございますが、政府としましては、公正な立場からの価値判断をいたす立場に置かれておるわけでございます。そういう点から見まして、大体三十人程度が適当ではなかろうかという結論に実は達したのでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 じや三十人という結論に労働省としてはおきめになつていらつしやるのですか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) それは先ほど申上げましたように、審議会に諮問しまする原案を作りました際に我々の気持を申上げたのでありまして、その後審議会でも公聴会でもいろいろ御意見ございました。その御意見を今検討しながらこの問題について再び検討しておる次第でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 それから第四十九条の労働協約の締結が除外されることになりましたけれども、これは私は又大変なことになると思うのでございますが、これについて政府はどうおきめになりたいつもりでございますか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 四十九条の改正におきまして、就業規則を届出る際には労働協約を添付するというのが現行法の規定でございまするが、こういう新らしい義務を法律の根拠なくして国民に課しますることは、先ほど申上げました国家行政組織法の十二条に違反するわけでございます。そこで労働協約を添付することを削除したいというのが改正の趣旨でございます。削除することによつて弊害があるかということを考えますると、就業規則につきましては、言うまでもなく労働者の意見を聞かなければならんわけになつております。従つてそれよりもなお高度でございまする労働協約、労働協約のありまするところは当然組合があるわけであります。組合がありますところでは使用者が就業規則を制定し或いは改正する際に意見を聞かれてもそれに対する十分の答えをなし得る力を持つておられるわけでございます。そこで労働協約を添付しなくても就業規則を届出る際について若し就業規則の内容が労働協約に反するよりな場合は組合からそれについての一意見が出ることは当然でございます。そういう意味で労働協約を添付しなくても、当然監督の上からいつてその措置がとり得るのではないか。又実際の画から申しますると、全国にたくさんの工場を持つている事業におきまして、二部ずつこれは実は作つて監督署に届出なければならんわけで、ございまして、同一内容の労働協約についてこれを一々それぞれの監督署に届出るということは非常に手続の上に煩瑣なことでございます。そういうふうなこと、かたがた労働協約の添付を削除してはどうかというのが趣旨でございます。  これにつきましては審議会は三者の御意見が一致いたしまして、削除には賛成されたわけでございます。ただその際に私が先ほど申上げました就業規則を届出る際の労働者の過半数の意思を代表する手続につきしまして、もう少し明確にしてはどうかという御吉見がございました。その問題について今検討をいたしておる次第でございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 四十九条に関連して……。就業規則を会社から示される場合に、就業規則の点で両者一致することは殆んどないのです。それで組合の意見を付して監督署に出すのであるが、監督署はそういう場合に殆んど、まあ私は全組合を見ているわけではありませんけれども、私が今までタツチしたこの問題につきましては殆んど意見付きのまま監督署は全部許可しておられる。こういう実態であるが、その点どうですか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) これは届出でございまして、許可とかいうような問題ではございませんが、受理をすることによつて行政的な措置としては終るわけでございます。併し意見がございますれば、当然その意見というものを監督署は監督上見ていると思うのでございますが、又当然組合側に連絡いたしまして、その意見の趣旨、内容を聞き、更に又それを使用者側に伝達しているのが、私の知つている限りにおいてはそういう措置を講じております。従つてそういう点で労働協定約に違反するような就業規則というものはあり得ないのじやないかという気がするのでございます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 そこで就業規則を作る場合には、会社が一方的に作つて組合の意見を聞く。この意見がなかなか一致されないから、ぎりぎりになつて意見書を添えて監督署に出す。監督署はただそれを受理しただけであつて、何の意見も言わないというのは、単に事実上において使用者のやつを認めている。それに以て来て痛いのは、労働協約等を付して出さなければできない、煩瑣ではあるが、そこに痛さがあるわけです。それを抜かすということになれば、ますますこの就業規則なるものは一方的に使用者側で勝手にきめて監督署に出して、監督署はそれを受理するだけだ、そういう結果になつて来て、今度は何もならなくなつてしまう。少くとも労働協約にもあるから、これを煩瑣とか、或いは労働協約と見比べられる虞れがあるので、一つのこれがブレーキになつている。弱いブレーキでありますが、ブレーキになつている。これを基準局自体が抜かそうというお考えが私にはわからない、どういうふうにお考えになつておりますか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 就業規則について労働者側に意見がありまする際に、その意見が労使双方で調整ができない場合には、その意見のままとして届出られるのは御承知の通りであります。そこで意見の内容を見て、必要があると思いますれば、法律の百十条によりまして労働協約の提出を命じ得る措置ができるわけでございます。むしろこの百十条の命令に違反いたしますと罰則の規定があるわけです。この規則の四十九条に反しましても罰則の規定はないのでございます。従つて若しそういうふうな場合はむしろ百十条の規定を発動したほうがより使用者側は痛い思いをするわけでございまして、従つて監督署としまして、そういう労働者側の意見が添付されて参りました場合には、当然その意見を見まして、それが実質的な内容のものでございますれば、労働協約を取り寄せ、百十条の規定によつて労働協約を取り寄せて、そこで照合して見る措置もできる。我々も又そういう行政指導をしたいというふうに思つているのです。そう問題はなく私どもは解決できるものじやないかと思つております。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 局長も御存じのように、各所の基準監督署は非常に手数が足らずに、自分の所管関係の工場を一年に何分の一しか見ることのできないような非常に苦しい中にあるわけです。それがますますそういう手数のかかるようなことに持つて行つておられるのが私にはわからない。これが一つと、それからこれを省いたならこれは誰が喜んで、誰が困つて来るか、或いは困つて来なくても、なぜそれでは、法にこれがきめておらないのでこうしたということをおつしやるけれども、当時やつた人は今よりももつとこの基準法に対しては十分なる検討を加えて、そしてあらゆる面から、あらゆる角度から検討して、そして過ちのないように私はやつておられると思うのです。それを今になつて、法にないからこういうものを取るのだと、こういうようなことをおつしやるが、私は当時の基準法を制定された人の考え方から見れば、必要であるからこそ付けらたのである。わざわざそれに付けておられる、こういうふうに思うのです。  ところが局長の考え方では、法にないからこういうものは抜かすのだ、又いろんなやつも、先ほどの二十七条の問題でも実質がそうなつておるからという既成事実を認めておられる。こういうことを私は基準監督局の立場として、その既成事実をなくして法の建前で行くようにするのが私は仕事だと思う。ところが既成事実をそう認めておられて、そうして実際は三十人以下は云々だということを言つておられるけれども、この問題でも三十人以上ということと十人以上ということは非常に大きなそこに差がある。十人から三十人以下のところが一番多いと私は思う。又そういうところの人が一番苦労していると居う。そういうのを何か既成事実でそうなつておるとするならば、三十人以上のところの人は組合等が十分その使用者側と話合つてそういうことがないようにしておられる、こう思うのです。ところが三十人以下の人はそれが力がなくてできなかつたとするならば、基準局が力になつてやらねばできないと思います。そういう既成事実は、弱いところは弱いところとしての姿を認めてやつておく、それが今度の四十九条にもわざわざ労働協約は添付して持つて来いと言われているのを労働協約は添付する必要はない、こういう考え方が、私はどうも基準局でこの労働法が制定された当時の考え方と亀井基準局長の考え方が非常に差があるように私は思うが、どうですか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 御承知のようにこの法律規則ができました当時は占領下にございまして、司令部の非常な強い指導の下にこういうものができておることは御承知の通りでございます。そこでその場合におきましてはいろいろ法律の根拠とかいうふうなことなくして、いろいろな例えば法律が制定されまして、その施行規則を作るについて法律の不備な事項、立法事項として法律に規定すべき事項等について規定が漏れておつたので、規則でその規定をするというふうなことがやはり見受けられるのでございます。これは各省のどの省令の中にもいろいろあるのでございまして、昨年以来法制局はそういう点を細かく詳細に検討して来ておつたわけでございまして、我々の施行規則の中にもそういう点がございますので、この際国家行政組織法という一つの法律がありまして、労働大臣が、各省大臣が定めます省令の中で法律の根拠なくして、法律の委任なくして新らしく義務を課し或いは権利を制限するということは禁止されておるわけでございます。そういう趣旨から申しましても、我が国が占領治下を離れました現在においては、やはり日本の法体系の下においてこの問題は検討して行かなければならんというふうに考えておるのでございまして、必要なことがあれば或いは今後将来立法の際に考えなければならない。現在におきましてはこういう規定がありますることは国家行政組織法に違反するという考え方をとつておるのであります。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 私は局長の最後に言われた言葉をそうだと思うのです。占領治下にあつて進駐軍がこれに関与したというならば、アメリカはこういう行政措置ではなくして、法に対する干渉をたくさんしているわけです。その法に対する干渉をしておつたためにこういうものが行政措置として出て来ていると、それならば法の問題に対して改正をあなた方が考えるなら私はわかる。とこころが基準局の立場としては私は逆な立場を今とつておられると思うのです。基準局としては恐らく私は労働者の立場はどういうふうに守つてやるべきか、どちらが蚕食されておるか、どちらがまあ犠牲になつているかということを考える場合に、やはり基準局としては労働者を守つて行くことが私は基準局の第一の仕事だと思うのを逆に行つておられると思うのです。基準局のほうがそういうここに出しておられるものの逆のような立場でやつておられて、ほかの省からそれは生産のためにまずいとか、或いは日本の現状からすればそれは余りにも緩め過ぎるというような批評が出て来るのは、これは止むを得んと思う。ところが逆に基準局のほうが労働者の圧迫をするようなやつを少くとも持つて来ておられる。そこに考え方が根本的に違つておるのじやないかというふうに思うのです。  例えばこの労働協約にしたところで、労働協約を付けておらない、或いは付けるということはどちらに利益になるかということになれば、煩瑣とか手続とかを除けば、これはこれがあるためにやはり一つのブレーキになつておる。労働者のためになつておると私は思うのですが、どういうふうにお考えですか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 労働協約を添付しなければならんからこの四十九条の規定が有効に施行される、或いは外したからそれほど有効に施行されないというふうに私は考えていないのでございまして、先ほど申上げましたように、監督署でほかに全然これを是正する措置がないとすれば、或いはそういう考えも成り立とうかと思いますが、先ほど申上げましたように、法律の百十条の規定によりまして、必要があればいつでも提出を命じ得るのでございます。而もその義務に違反すれば罰則の適用もいたされるわけでございまして、むしろそういう面において必要がある場合だけ提出させるほうがより負担を軽減する意味において適当ではないだろうか。即ち役所の便宜或いは必要というだけのことで徒らに義務を課しますることは必ずしも適当ではないのでございまして、その義務負担は役所の便宜というふうなことではなくて、やはり最小限度にして行くということを行政の上で我々として常に考えなければならんのではないか。而も手続上のものでありまして、実質的なものであれば別でございますが、手続上のものはできるだけ負担を軽減して行くというような方向で考えて行くべきではないかというのが我々の考えでございまして、そういう意味から申しまして、これに代る措置がとり得るのでございますので、この労働協約を添付するということは削除したいというのが私どもの考えでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 労働協約というものが組合のあるところに必ず結ばれているかどうかということすらが現状ではとてもつかみ切れないところなんです。労働組合がございましてもなかなか経営者のほうが労働協約を結ぼうとしないというのが最近の傾向なんでございまして、そういうふうな実情と照らし合わせて、これを添付しないでもいいということになりましたならば、もう崩れてしまうし、これを添付しなければならないということになりますと、労働協約も何とか結ばなくちやならないということになつて、労働者側が非常に保護されると思うのでありますが、私そういう点実情を逆にお考えになつておらないか、むしろ実情をもう少し把握なさつておつしやつて頂かないと、まるきりこれは経営者側に味方なさつているとしか印象を受けないのであります。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 御意見多少誤解がおありじやないかと思いますが、この規定にございまするように、労働協約がある場合にはこれを添付するというふうにございまして、組合がありましても労働協約の結ばれてない場合には添付することを要しないのでございます。従つて労働協約ができているということは、やはりそこに労使間に円満な合意がなされているわけでございますから、そういつた場合はむしろ就業規則で労働協約の内容を変えるというようなことがあり得ないような組合じやないだろうか、むしろ問題は労働協約のできないような組合或いは労使関係というものが問題でございまして、労働協約の締結されているような労使関係はむしろ我々としては推薦すべき実体を持つている労使関係である。従つてそういうところでは就業規則の中に労働協約に違反するような規定を盛るようなことはないというのが常識的に我々としても考えられることと思います。盛つたとすれば、先ほど申しましたような是正の手段もとり得るわけでございます。その点は御心配は要らないと思います。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 次に進みまして、今度女子年少労働者基準規則の問題で藤田局長にお尋ねいたしたいと思いますが、亀井局長にはもうちよつとあと一、二ございますから……。この女子の深夜作業の問題が相当問題になつておりますが、どういうふうに今落着いているでございましようか。その職種を拡げる範囲はどういうところに落着いているのでございますか。

藤田たき労働省婦人少年局長

○政府委員(藤田たき君) その点は基準局長に先ずその範囲についてお聞きになつて頂きたいと思いますが、そのあとにお答えいたします。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 それでは基準局長に。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 十三条の問題でございますか。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 十一条でございます。女子の深夜作業。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 十一条の二につきまして現在深夜業が認められておりまするものは航空機に乗込むスチユアデイスの業務、女子を収容する特殊の女子管理人の業務ということでございますが、我々としましてはこの資料に差上げてございまするように女優さん、演技に従事します女優さん或いはスクリプター、これは進行係でございまするが、それと結髪の業務、こういうふうな業務に従事しまする者の中で、夜間撮影をいたしまするような際、これは駅だとか或いは公衆の集りまする所では、昼も或いは夜も深夜に至りませんければ撮影の条件が整わないわけでございまして、そういう場合におきましてこういう特殊の業務に従事しまする女子について深夜業を認めますることは映画製作、延いては文化の発展のためにも必要でないだろうか。而もその労働の実態を見ますると、実労働は極く短時間でございまして、殆んどはその準備或いは手待ち時間でございまするので、それほどの健康、福祉に影響はないだろうということで深夜業を認める原案を作成をしまして審議会に答申をいたしたわけでございます。審議会におきましてはこの問題について労使公益三者とも御意見が一致して、深夜業を認めて差支えはないだろうという御意見でございました。併し又一方におきましては深夜業自体を認めることは差支えないが、ただセツトの中における深夜業まで拡大をいたしますると、営業政策の上から例えば四十日かかる映画を二十五日ぐらいに撮影を完了させるために夜間撮影夜間撮影で深夜が継続される場合もあるじやないか、従つてロケーシヨンだけに限定してはどうかという御意見も実はあるのでございます。そういう御意見も、ございましてこの問題もなお我々としまして調査をいたしておるところでございます。  二番目は、新聞、放送の事業におきまする取材員、いわゆる新聞婦人記者の問題或いは放送、テレビジヨンにおけるプロデユーサー、アナウンサー、美粧職というような業務、こういう業務に従事します婦人はおのおの知能労働に従事する婦人でございまして、自分自身から自分の健康を管理する能力を持つておられる方々であります。従つて深夜に亙ります場合におきましても、自分たちでその健康管理もできましようし、又多くこれらの事業に従事しまする婦人はみずからの趣味と申しまするか、或いはみずからの発意によつて従事される方が非常に多いんでございます。そういう面からいつて、又一面女子の職場を拡大するという趣旨からいいましてこういう面の深夜業は認めることが適当ではないか。まあ特に取材員あたりは、例えば羽田にインタービユーに参りましても、その飛行機の到着が非常に遅れる。たまたまそういう場合に直ちに男子の取材員に代るということも又不可能な場合が多々あるようでございます。又ラジオあたりにおきましても、例えば売春婦の問題を街頭録音いたしますについても、売春婦の出ます午後十時過ぎでなければ本当の生々しい録音ができないというふうなこともございまして業務の性質上深夜に亙ることが止むを得ない場合が相当あろうかと思います。そういう意味で原案としてはそういうものの深夜業を認めるようにという趣旨で提案したのでございます。  これにつきましては労働者側は、趣旨はわかるが、深夜業というものはできるだけ制限すべきであるという趣旨で反対の御意見がございました。公益側は二つの意見が分れまして、こういう知的労働についてはできるだけ女子の職場を拡大するという趣旨で拡げるべきではないかという御意見と、労働者と同じような御意見を持たれた方もございました。従つて我々もこういう点を更に検討を加えまして、成案を得たいと考えておる次第でございます。  第三番目は、急速に処理をいたしませんければ腐敗損壊するような生鮮食料を取扱う業務について、例えば乳製品或いはかに、いわしというような罐詰加工、こういうようなものも女子でなければならんという実態はございませんが、例えばかに等でございますと、地域的にも或いは季節的にも制限があるわけでございます。その時期におきましてはその地域において男子労働力を得ることが非常に困難でございます。そういうような実態もございまして、女子でなければならんという理由には当りませんが、男子労働力を得がたいというような事情から行けば女子でなければならんということにも当るじやないかという御意見も御意見の中にございます。併し牛乳等の製品についてはこれはそういう制約がないので、女子の深夜業を認めることは適当ではないという御意見であります。かにといわしの罐詰につきましては、特にこれが国際貿易に関係する商品でございまして、その国際規格というものは非常に厳格に規律をされる関係上、急速にその鮮度を落さない、或いはその形を崩さないというためには、船が入りまする都度処理をしなければならん。ところが船が天候その他の関係で遅くなりましても、これを急速に処理しなければその国際商品としての価値がなくなつて行くというふうな事情もございまして、又先ほど申しました季節的に地域的に男子労働力を得がたいというような事情もございまして、これだけは認めていいのじやないかという御意見もあります。そういう点も我々考慮しながら検討いたしたいと思います。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 今おつしやいました業務の範囲で適用者はおよそ何人ぐらいございますか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) まだ全国的な細かい調査はいたしておりませんが、映画製作関係においてはこれは極く僅か数百人程度のものでございます。それから二の放送、テレビジヨン、これも恐らく数百人程度でございます。それから三のいわし罐詰等、これは多少多いのでございますが、これにいたしましても、かにだけでも、これは北海道だけの特殊な地域でございまして、恐らく千名を超えましてもそう数もないことと思います。いわしは多少あろうかと思います。はつきりした数字はまだ把握いたしておりません。併し全体としましても僅かな特殊の婦人に限られております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 婦人の記者の中に取材関係だけが適用を受けるのですか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 取材員と書いてございますのはいわゆる婦人記者でございます。全部入るわけでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 これはそういうところに働いている方の意思というものが相当反映しているのでございましようか、如何でございましようか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 新聞関係の取材員、いわゆる婦人記者につきましては、その中で御意見が分れておるようでございまして、この規定に賛成する方と反対する方と分れておるようでございますが、まあ大勢は反対であるというふうな御意向を我々は聞いております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 今の婦人報道記者、取材記者の問題ですが、私の聞いているところではときたま、労働省だろうと思うのですが、係官が行かれて婦人記者の懇談会のときに非常に工合よく説明をされたので、それで異議なしということになつて一応賛意を表した。ところがあとになつてよく考えてみるというとですね、労働省の説明は少し甘過ぎて実際には大変なことになる。で全国の婦人記者会が寄つて態度は反対するということにきめたのだ。是非そういう工合にしてくれということを、実は今日お見えになつておりませんが、市川委員が代表されて陳情されたことがあるわけでございます。従つて意見が分れて、まあ真二つに分れている場合と、少数と多数に分れている場合もまあ分れているわけでしようが、今基準局長がおつしやつたのは全く分れておるように聞かれるのですが、これは一つ誤解のないように願います。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 そうするとまだ当局としての最終の決定は婦人記者に関してはしてないわけですか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) これにつきましては婦人記者クラブのほうで地方の婦人記者の意見を今まとめておるようでございまして、地方の全部の婦人記者に個別的に個票で調査を依頼をいたしておるようでございます。それがまだ全部集まつていないということでございます。我々もその地方の婦人記者の意見も十分斟酌しまして考えたいと思います。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 自分の健康管理は自分ででき得る能力を持つているとおつしやつていますが、それは主観的には私はそうだと思うんです。けれども婦人の場合は深夜になりますと職場に泊らなければならんし、そういう施設或いは食事の問題、これは男子も同じでごいますけれども、特にそういう施設や何かというものも相伴わないと、真の健康を維持できないと思うのでございます。併しただ主観的に自分で管理できるということだけでは非常に問題をあとに残すと思うのでございますので、十分そういうところに働いている方の御意見を尊重しておきめを願いたいと思つております。だんだん時間も何でございますが、私一つもう一点お尋ねしておきたいことでございます。それは労働基準法の施行規則に寄宿舎の問題の削除ということでございましてこの前の労働委員会でも一回亀井局長に政府の見解をお尋ねしたことがあると存じますが、この改正によりますと、一つの妥決点が見出されておりますけれども、私この入退舎だけが認められて、あとの問題が全部削除されるということに非常に疑問を持つのであります。この問題の前後の取扱方に対するお話と、それからこの寄宿舎そのものに対して、これを労働条件と認めておられるのか、単なる生活条件と見ておられるのか、その辺の御意見を伺わせて頂きたいと思います。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 審議会におきましてはこの第五条の第三号を論議する際におきましては、寄宿舎が労働条件であるかどうかということを掘り下げて検討しまするならば、そこに相当の混乱があるという見通しで、審議会の会長の御意見によりましてそういう基本的な問題は論議しないで、第五条の罰則を以て明示を義務付けておる、労働条件として適当であるかどうかということの議論に入つたわけでございます。でそこで皆様方の御意見としましては、四訓則を以て寄宿舎規則を示させるということは少し当を得ないではないかという結論になつたわけでございます。従つてここにございますような入退舎に関する事項ということだけを書いたらどうかという御意見であります。併し明示をしなければならんということを否定するものではないのでございまして、それは寄宿舎規定の改正の際に一条を新たに設けて明示の義務を課してはどうかという御意見でございます。で入退舎の事項というのはどういう事項であるか、実は審議会におきましてもそう深く論議をされないままこういう形になつて来ておるわけであります。その後使用者側から、実はこの点について三者が一致した答申になつておるけれども、これについては実は考え違いをしておつたんだということで反対の意思表示がなされておるのでございます。そこで我々もその審議会の審議の経過等を十分考慮に入れながら、今これを如何にするかということを検討いたしておる次第でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 根本問題が掘り下げられなかつたというところに私は非常にあいまいさがあると思うし、それを掘り下げて行くこと自体から、この条項を如何ようにも決定する基本的な態度が生まれて来ると思うのでございますが、もともともう私説明するまでもございません。この寄宿舎問題に対しましては、紡績、繊維の権威者がどういう態度で戦前やつて来たか、終戦後司令部の示唆によりましてしぶしぶながら態度を変更して来たのでございますけれども、又独立後この寄宿舎に対する会社の労務政策というものがどういう変化をしているかということは、もう御承知の通りだろうと思うのでございます。でそういう矢先にこういう削除になりましたらますますこの寄宿舎管理というものが会社の一方的な管理になつてしまつて折角民主化されて来ようとしている寄宿舎の自治会なりというものの芽を摘まれるということは、これも明らかな逆行の方向になると思うのでございます。私これは重要な点をこう軽々しく取扱われるということについて非常に不満なんでございますが、もつと労働省の当局としまして、会社側にむしろこれが最も有利に変更される点でございますので、少し骨つぽいところを見せて頂きたいと思います。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 私らの部内におきましても労働条件というものの範囲につきましていろいろ論議をいたしておるのでございます。一番広く解しますれば、労働契約で締結した条件はすべて労働条件であるということも言えるのであります。併し又狭く解すれば、判決例にございましたのですが、賃金と労働時間だけが労働条件である、あとは雇用の際における条件に過ぎないんだ、雇用契約の上の条件ではないかというような判決例も実はあるのであります。学者の説もこの点についてはいろいろまちまちでございます。我々としましてこの点を、労働条件とは然らば何であるかということを割切ることにつきましては非常に慎重にいたしておるわけでございます。従つて今まで公的な通牒としまして明確にその点をいたしたものはない。具体的な個々の事案につきましてそれが労働条件であるかどうかということの決定はいたします、これは解釈上。併し労働条件とは何ぞやということにつきましていたしたことはないのでございます。  寄宿舎規則を然らば労働条件であるかどうかということにつきましてもいろいろ御議論がございます。学者の中にも議論がございます。我々としましては法律の第九十五条に掲げておりますること、これ自体だけを見ますればこれは生活の条件ではないかというふうに我々は解釈しているのでございます。もともとこの第十章に寄宿舎というものが労働基準法の労働条件の最低基準を定めまする条項の中に入つて行きましたことは、これは日本の寄宿舎という特殊な従来のいきさつ、経過というものから恐らく第十章として入つたものだと当時の立法の経過を我々承知いたしているわけでございます。諸外国の法律の中に、基準法の中にも寄宿舎の規定を入れているものはございませんです。そういう趣旨から申しまして、この問題は一応我々としては九十五条に掲げている範囲内のものは私生活の自由に関する、即ち生活の条件を規定したものではないか、こういうふうに考えております。併し審議会のそういう御審議の経過もございますので、この点も併せながらこの第五条をどうするかということを検討いたしている段階でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私今おつしやいますような立場の考え方、これも一つはあると思いますけれども、もともと寄宿舎というものが日本の特殊な形態であつて法令の中にもございますように事業附属寄宿舎ということで謳われている、事業を遂行するための寄宿舎なので、生産するために人を集めて、そうしてここで生活させているということなので、明らかに広く労働条件として句含される基礎がこの事業附属寄宿舎という言葉の中に含まれていると思うのでございます。こういう意味で広い意味の労働条件だと私どもは解釈いたす次第でございます。外国にないということは外国にこういう特殊な形態の寄宿舎はないからないのであつて外国にないから日本に特に作る必要はないという論拠にはならないと存じます。私どうぞこういう問題に対してもつと掘り下げて労働省が一つの見解をお持ち下さることが大事だと思うのでございます、私ども自体ももつと科学的に又実態から割出してどういうその職場との関連性があるかということをもつと検討をしてみる必要がございますが、どうぞ関係当局、そういうあいまいな点に対してはつきりした見解を、学者の意見、実際の意見を総合したものを立てて頂きたいと、こう考えます。  私まだございますが、今日は一応これで保留いたすことにいたします。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 前に戻りますが、二十四条の問題について炭鉱関係からも相当御意見があつたと思いますので、局長の御意見をお伺いします。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 第二十四条の関係につきまして審議会の答申としましては労、公、使、三者意見の一致として出て参つておりますが、その後これは全鉱の代表者から自分としては考え違いでそれに賛成したことは誤りであるという御意見が出ておりますので、我々もその御意見を十分尊重しながら検討いたすつもりでおります。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 検討されるということは、私は厚意に解釈いたしましてこれ以上本問題については質問をやめますけれども、ほかの点につきましては赤松委員も保留になつたようでございますし、私も時間がありませんので保留したいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ほかに駐留軍労務者の労働問題につきまして長期に亙つてまだ懸案になつておる事件がございます。これは労務基本契約はできましたけれども、附属書ができないために非常に問題として残つております。今日実はこの問題も調査案件に上しまして処理いたしたいと考えたのでありますが、調達庁のほうの御都合でどうしても今日は都合が付きかねる、三十一日、月曜日の日にこの問題を取上げて一応のこれも結末を付けておきたい、その後の経過等も明らかにしておきたい、かように考えます。これは労働省のほう一つそういう意味でお含みおきを願いたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて下さい。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時四分散会

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