労働委員会 第23号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/05/18
会議録
○委員長(栗山良夫君) 只今から委員会を開会いたします。 本日の会議に付しまする事件のうち、けい肺法案につきましてはこれを後刻に譲りたいと思います。労働行政一般に関する調査を先に行います。ちよつと速記をとめて下さい。 [速記中止〕
○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて下さい。
○阿具根登君 大臣がお見えになりましたので御質問したいと思うのですが、まあ今まで大臣のお言葉を聞けば、非常にまじめで労働委員会会にも出席しておるというお言葉でしたけれども、私が昨日調査した範囲内では、昨日まで労働委員会が二十一回あつておると思います。大臣の出席はこの間五回でございます。連合委員会に一回、この間大臣の御出席を願わなくてもよかつたのが六回か七回これはあつたと思います。 とすれば大臣はまあこちらには御出席なされずに、結局総理大臣から非常に暇があるから、優秀だからということで国警担当にまあおなりになつて、それから漏れ承われば国警のほうには極めて熱心に朝早くから夜遅くまでやつておられる、こういうことを聞いておるわけで、非常に御勉強なさつておられることに対しましては敬意を表しますけれども、その半面御承知のように中小企業は殆んど倒壊の域に来ている。例えば造船関係を見ましても最近の富山の造船等は五百名の馘首が発表されておる。そうしてもうすでに失業保険金も出尽してしまつてもらつてしまつて、その後どうして生活して行くかという問題になつている。又これを石炭に見ましても、すでに現在までに二自坑からの中小山炭坑がつぶれている。二万人以上の失業者が出ている。而もまだ見通しも付かない現状であります。これは通産大臣にも御質問することに考えておりまして、局長からもいろいろと御答弁願つたのありますが、事実我々がここで審議しておる間にも続々と失業者が出ておる、中小炭鉱の破壊がもたらされておる。こういうときにあつて労働関係の最高責任者として労働大臣はどういうような対策をお考えになつておるか、その点を一つ労働大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 我が国の経済を正常に戻しまするために、どうしてもこの財政面においても健全な予算を組まなければならない。又金融の面においては健全なる金融を行わねばならんいう趣旨で、以て先般来も予算審議の際にもそのことは重々申上げて予算に御賛成を頂きましたような経過もあるのでございますが、どうしてもその間に金融なり政府の財政投資なりの面においても局限がありますために、一般的に非常にデフレとは申せすせんが、デフレーシヨン的な調節作用が、今までの経済、インフレ経済からすればそれに対する調整作用というものが営まれる、その間にやはり非常な成る局限された部門ではありましても、摩擦が行われようとは、予想しないのではなかつたのでありまするけれども、只今御指摘のような国の基幹産業たるべき石炭或いは造船の工業におきまして、非常にこの業態が萎靡沈滞して参りまして、そこに失業者の発生を見るというような事態があちこちに散見せられて参つておる。このことは誠に憂慮いたしておりまする次第でございます。造船の面におきましては、何と申しましても政府の第十次計画造船というものが行詰りにたつておりますので、これを打開しなければなりません。このことはこの間各大臣ともいろいろ折衝しておりまして、六月になれば何とか日鼻が付くであろうということを運輸大臣は明言しておりますのでございますが、石炭部門の面におきましても非常に今御指摘のような点を憂慮いたしまして、先般も通産省におきまして佐久石炭局長を九州に派遣いたしまして、つぶさに現地の実情を伺つて参りましたのであります。まあ私どもといたしましては、この労働政策の面或いは労働法規上許されたる面におきまして、でき得る限りその間の摩擦を緩和するということは、或いは失業保険の給付において或いは金融の面においていたしまするのに努力をいたすのでありまするが、何と申しましても根本は産業政策の問題であつて、そこで現在一昨々年のストライキの後、非常に各秤の産業が重油転換を行なつているのであります。重油の輸入量も千二百万トンにも及んでいるというような状態でございまするので、これは元来国内にございまする石炭資源というものを無視して外国から輸入される石油に頼るということは、それ自体国の自立経済達成の上から見ましても考え直さわばならん点が多いと存じますので、そうしたこの重油転換を石炭に再転換いたしますることは、私は石炭産業に対する政策の根本ではなかろうかと考えている次第でございます。で併し通産大臣ともこの点についていろいろ意見を交わしまして、通産大臣もその点は了承いたしておるのでありますが、何と申しましても一度転換いたしたものを再転換させるということにつきまして、実施官庁として種々な障害がある様子でございます。まあ通産大臣もその方向でいろいろ苦心をされておることを拝聴いたしております。私といたしましても、これの根本問題に触れてこの問題を是非解決してもらうように要望いたしておるような次第でございます。
○阿具根登君 通産大臣の御意見を聞きましてもそういう御意見でありますし、佐久石炭局長の御意見を開いてもそういう御意見でございます。まあ労働大臣の御答弁をお聞きしましてもそういう御答弁でございますし、又私たちも重油の削減を図るのが第一のまあ手段じやないかと、こういうふうに考えておりますが、すでに本年も五月の半ばになつておるし、石炭状況は四千八百万トンの線で出て来ておる。それをまあ机上でどうするこうすると論話しておる間に次々と失業者が出て来るし、生活の不要には脅かされておる。これは通産省の問題ではないか、こういうことをおつしやるかも知れませんけれども、私たちも労働委員として、又労働大臣も職責柄失業者が出たのを処理するということが仕事じやないと思うのです。失業者が出ないようにやはり我々としては第一に考えなければできないとこう思うわけなんです。その点については労働大臣としてはどのくらい重油を削減してやりたいと思つておられるか、これは通産大臣じやないですからお答えがないかも知れませんけれども、石炭局長のお話を聞きますならば、少くとも百五十万キロ・リットルは早急に制限しなければ、石炭はもう恐らく中小のいい山はもう崩れて行くだろう、こういうことを言われておるのですが、その脈についてどういうようにお考えになつておるか。又今のままでは私は通産省の内部にあつても重油関係の方が相当なまあ勢力を持つておられるように聞いておりますし、ただこれが実現したにしても、今のような姿であつたならば、まあうまく行つて二十九年度の下期になるのではないか。それが表面に現われて来るのは恐らく今年の末項になつてしまう。その間には石炭は山積されて、折角掘つた石炭が風化されて泥に化して行く。或いはこれを濫売のために殆んどの炭鉱はつぶれて行く、こういう結果になつて来ると思うのですが、どういうふうにお考えになつておるか、お伺いいたします。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私も誠にお話のごとく、労働省或いは労働大臣としての立場は、できた失業者に対してどう措置をするかということではなくて、如何にして雇用の機会を与えるか、失業者なからしむるかということがその主要な任務でなければならんと考えておる次第でありまして、その意味におきまして権限内ということではないかも知れませんけれども、まあ私もできるだけ通産大臣と折衝いたしまして、そういう失業発生というような事態を回避できまするように努力をすべきものと考えて話合いをいたしております次第でございます。ただ最終的には決定は先方、通産省側にある、こういう趣旨で申上げておる次第でございます。 本年御承知の通り、冬季の渇水期におきまして相当に電力は潤沢であつた、大変水が豊かであつたというような関係もございまして、非常に石炭の需要期というものがずれて参りました。そこで当初に考えました二十九年の下期において、重油の節減を図るというような方針ではやはり駄目であろう、どうしてもこの上期、遅くも九月頃までにはこの節減について手を着けねば、今お話のような非常に困難なる石炭業界の事態を招来するのではなかろうかと、こう考えまして、その数字的な検討は先方に任してあるわけであります。その方針で重油の倒減、重油利用の石炭への再転換ということを強く通産省に向つて要望いたしておりますような次第でございます。
○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。
○吉田法晴君 石炭労働者の失業問題或いは生活問題等論議せられましたが、なお大臣の御答弁の中には造船関係もございました。デフレ傾向があるということはまあ認められている。二十九年度予算の施行に伴いまして、その持つております再軍備のための金融引締めと申しますか、或いはデフレ的な政策が各部面に現われて参つておりますが、この中で特に石炭産業に一番先に或いは集約的に現れたということは、これは石炭局長の答弁を待つまでもなく、お認めになると思うのでありますが、そこで石炭四千八百万トン乃至五千万トンこれを維持する、或いは需要を維持するという点については、これは或いはこの吉田内閣の全般的な政策ということになるかと思うのでありますが、まあそれに関連して質疑答弁がなされましたが、差当りのこの炭鉱が続々と倒れて行く、或いは小さいところだけじやなしに、中ぐらいのところ、或いは中ぐらいのところも主として自己資本でやつて来たいわばいいところが不渡手形を出す、或いは電力をとめられる、こういう事態が起つて参つていることは御承知の通りであります。石炭産業を放置しがたいということは、これはもう御承知の通りのところだと思うのでありますが、その石炭産業に働いております労働者の生活を緊急にどうするかと、こういう点については、恐らく労働省としても案をお持ちであろうかと思うのであります。まだこの委員会に出て参りませんけれども、正規の要望として出て参りませんけれども、或いは特に行詰つております石炭或いは造船等の労働者のために生活資金を融資してもらいたい、労働金庫を通じて融資してもらいたい、こういう要望等も現にございます。恐らく労働大臣が労働大臣の椅子におられる限りそういう要望は、何とかしなければならんという要望は参つていると思います。或いはこういう方法で差当りの危機を救済してもらいたいという要望は出て参つていると思うのでありまするが、これらについて労働省として、どういう対策を立てようとしておられるか、或いは用意しておられるか、一つ承わりたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 誠に石炭業界の不振というものが深刻な様相を帯びつつあるということは私ども伺つている次第であります。又それについて何とか一つ労働者諸君の生活の安定も図らなければならんということは憂慮いたしておりまする次第でございまするが、私ども直接に業界或いは組合から陳情というようなものはまだ正式には承わつておりませんが、そういうものを待つまでもなく、できるだけの措置を講じなければならんと思つております。大蔵省とも、実は昨年の暮に労働金庫を通じて二億七千万円ほど融資をいたしまして、非常によく御利用を頂きましたので、そういう方法も一つ考慮してみたいというので大蔵大臣にも話をしておるのであります。先方の申しますことは、これは何とか考慮はいたしたいが、何にしても運用部資金が非常に枯渇して来ておる。年度替りでもございますのでそういう事情は特にあろうと思います。そういう事情であるのでというような話でございましたので、私は問題が非常にこじれてから手を打つというのでは効果がない、むしろ非常に困り始めるときに何か手を打つというのが効果も大きかろうし、又実際の必要もあろうかと思うので、特に心配を煩わしたいということは申しておるのであります。ただ具体的にそれじや幾らできたかということになりますと甚だお恥しい次第でございますが、そこまで行つておらん次第でございます。
○吉田法晴君 陳情は正式にまだ承わつていないというお話ですが、生活の実態は恐らく御存じだろうと思います。新聞にも、東京の新聞にも載つたくらいだから見ておられると思うのですが、炭鉱のまあ大きい、やや大きいところでもそうですが、中以下のごときは殆んど全部と言つてもいいほど賃金、現金をもらわないで、全部か或いは一部をいわゆる金券をもらつている。そこでそれは炭鉱の購買会でしか買えない。町の店に行つて生活必需品も買うことができないので、炭鉱の購買会の前に列をなして店のあくのを待つておる写真が新聞に出ておる。恐らく御覧になつておるだろうと思う。そこで炭鉱の購買会以外で買わなければならん品物は金券を持つて行つて何割か高く買つておる。或いは金券を安く買い集めて、金融業と申しますか、その利鞘を稼ぐ者が出ておる。こういうことのために、炭鉱労働者にとつては生活費が更に高くなつておる。こういう実態も恐らくこれは御存じだろうと思います。それを大上段から、後に基準局長もおられますが、基準法違反だと言つてみたつてこれは始まらんから、恐らくそういう実態は基準局長、労働大臣も御存じだろうと思いますが、そういう実態を何とかしてやらなければならん。まあ年末の場合には、昨年末の場合には年末手当なり或いは賃金遅配対策として、今のお言葉で言いますと、僅かでありますが融資をしてもらつた。それでこれは大いにとは申しませんが、助かつたところもあることは事実であります。事態はあの年末の事態には比べものにならん実態だということは、これは恐らく御存じだろうと思う。 先週の日曜日、日銀の全国の支店長の座談会をラジオで放送しておりましたが、九州の日銀の支店長は炭鉱をめぐります金融の問題について言われている。ですからこの点は十分御存じだろうと思う。そういう事態に対してどうしなければならんということは、これは陳情を待つまでもなく、労働省としてはお考え頂かなければならん問題である。今政府資金の何と申しますか、融資の点についても触れてお話がございましたが、もう少し具体的に承わりたいと思います。それからその他の点についてもこれはあの事態を知つて、労働基準局長恐らく放つておけないとして対策をお待ちであるだろうと思う。労政局と申しますか、或いはじかに労働大臣にも案が述べられて、労働者としても対策を恐らく立てつつあられるところだと思うわけでありますが、もう少し具体的に一つ御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 予算の縮減ということよりも一足先に金融の引締めが行われ出した。その結果一番早く影響を受けましたのは石炭企業であるということが言えると思うのでございます。只今お話の金券というようなものも、結局その金券を出しましても、今お話のような事態もございまするのみならず、その金券そのものを権威付けるところの会社の支払能力、これが伴いませんような事態が起きましては一大事でございますので、現にその事態が起きつつある。ですから結局私どもはその大元の支払能力を付けるという点について広く金融政策の面でよほど考慮を要するものがあろうか、こう思つているのであります。又賃金不払というような問題も、これも基準法上の問題として取上げて罰してみることは容易でありますけれども、それでは決して能事終れりとするわけに行かんのでありまして、やはりそういうことの起らざるように金融的な力の支えを付けてやる必要がある。こういうことで財政当局にもお話をいたし、又通産大臣も熱心に石炭局長の報告も聞いて心配をいたしております。まあ私どもといたしましてはそうした会社全般への融資、或いは労働者自身へ直接参りますような労働金庫を通じての融資、この両面から考えて参りたい、こう思つている次第でございます。
○吉田法晴君 そういう一般的な方針は先ほど承わりましたが、具体的な姿を想起してもらうことを促しながら、労働金庫を通じての融資もございますが、対策をお立てになりつつあるであろうから、もう少し具体的に一つお願いしたい。まあ労働金庫を通じて生活資金を融資する点については年末にもやつたけれども、今度も更に努力したい、こういうお話は了承いたします。そのほかにまだ案をお立てになつているところだろうと思うから、それを一つお出し願いたい、こういうことを要請したわけです。
○国務大臣(小坂善太郎君) それは先ほどから申上げましたように、全般的に重油の再転換ということが通産政策上の一つのあれであります。それから全般的に会社に支払能力を付けるということが金融政策上の問題、それからもう一つ、特殊金融機関の利用として、政府資金の労働金庫への預託を通じて労働者諸君に直接生活の支えになる金を廻わす、この三つの方法で考えております。ただこれをどういうふうにそれじや具体的に幾らやるか、こういうことでございますかと思うのでありますが、そういう点につきましてはまだ話合いをしております過程で、特にここに御発表申上げるようなものを持つておりません次第であります。
○吉田法晴君 重油の再転換の問題は石炭需要の見通しを付けるという意味でこれは喫緊の問題でありますが、これはいわゆる支払能力を、国なり或いは財政投融資或いは金融機関から今の揚超の方向を、まあ大臣の言葉で言えば、支払能力を付ける裏付けとしてやろうということであります。その点は了承をしておる。私は労働大臣として、今の炭鉱労働者の生活を放つておけないから何とかしなければならない、こういうことをお考え頂いているだろうから、これは陳情があつてもなくても、労働大臣として当然お考え頂くべきごとであろうから、その点についてお考えを承わりたい。そこで一般的な支払能力の付与の問題ではなくして、労働者の生活或いは地位というものを裏付けると申しますか、或いは急場をしのぐ方法についてお考えを頂きたい、こういう点を具体的に要望したわけであります。先ほど労働金庫を通じての賃金支払能力の付与或いは生活資金の融通という点が一つ出て参りましたが、大臣のお言葉を待つまでもなく、資金運用部資金その他相当窮屈です。そこでこれから御相談を頂くとしても、その金額が今の労働者の生活を全面的にカバーするほどの金額が出得ないことは、これは何人も想像し得るところであります。そこで例えば政府資金を府県を通じて労働金庫に流して行くだけでなしに、政府もこういう方法をとるのだから、各県においてもその中から労働金庫に預託する。というのはいわば政府が十億の金を出したとするならば、府県も協力してそれを更に二十億に殖やす、こういう方法等も具体的に考えなければ、今の労働者の生活危機というものは救えないと思う。差当りの危機の対策ではあるけれども、そういう点についてもつと考えて案を立てて頂きたい、或いは御考慮を願いたい、こういうことを申上げたわけであります。政府資金だけでなしに、もう少し拡がる方法について御答弁頂、けるかどうか。
○政府委員(中西実君) 只今大臣からも申されましたように、金庫に対する貸付資金を供給する意味において、府県を通じて国庫資金を流すということにつきましては大蔵省と目下折衝を始めております。吉田委員も仰せになりましたように、単に国庫からだけでなくて、場合によつては府県からもというお話もございます。この点につきましては我々も府県労働担当部長を通じまして十分要望はしております。ただ何分にも府県の財政は国以上に非常に逼迫しているような状況もございまして、余裕のある限りは相当この頃は府県も金庫に対して理解が深まつて参りまして、相当預託しているところもございますけれども、非常に逼迫している現下の情勢で、現在以上になかなか困難な事情はございます。目下地方に対しましても府県ごとにどういう対策をしているかということも督促かたがた報告をとつているというような方法もとつております。我々としまして、とにかく融資の関係はできるだけは考えたいというふうには思つておりますけれども、ただこの今の状況がどこまで進展しまして、どういう程度まで企業に影響が及ぶかという点につきましてなかなか見通しがつきませんで、現地の金庫自体におきましてもやはりその見通しがなかなかつきにくいという状況にもございますので、ただ併しできるだけの用意はするという気持で、推移を見つつこれに対処する方法を、我々としても考えて行きたい、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 大体どのくらい融資してやつたらと申しますか、それは県の実情等は私どもも知つておりますが、ただ国の財政投融資の運用の実際から見て、非常に幅が狭いということを知つておるから、何とか拡げる方法をと、かように今申上げたわけであります。大変現実的な話をしているわけであります。そこでどのくらい融資してやつたら最小限のことができると考えておられるか。
○政府委員(中西実君) 先般も我々のほうで労働担当部長会議をやりました際にも、関係府県の部長に寄つてもらつて特に相談したのであります。炭鉱関係もございますが、差当つてほかの部門、特に造船部門につきまして非常に問題になつている。そこで造船関係で府県で一体どの程度融資すれば間に合うだろうかという相談を実はしたのでありますけれども、どうも見当がつかんのであります。目の子で何億とかというようなことは言えますけれども、なかなかどの程度ということは見当が付かない。結局は幾ら融資する余裕の金が出て来るかというところから、できるだけの融資をするというよりちよつとむずかしいのじやなかろうかというふうに思つております。
○吉田法晴君 それじや逆に伺うのでございますけれども、閉山数、或いは年初以来どの程度炭鉱で失業者が出たか、これは数字が出ていると思うのでありますが、賃金関係について遅配或いは金券を出して現金に換えている金額、これをどの程度に把握しておられますか、一つ承わりたいと思います。
○政府委員(中西実君) 今年以来大体一万人近く中小で職を失つた者が出ているようであります。今仰せになりました遅欠配、それから金券関係、どの程度出ているか、出ている事実は十分承知しているのでありますけれども、どの程度になつているかという統計が実はまだできていない。と申しますのは、この影響の出て来ましたのは一月或いは一月半ぐらいからが非常にきつくなつて来ているのであります。従つて我々のほうで集計しましたのはまかそこまで行つておりませんので、相当のことにはなつているということは知つておりますが、具体的に金額等はまだつかめない次第であります。
○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をとめて。 午後零時三十八分速記中止 —————・————— 午後零時五十一分速記開始
○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。 石炭問題につきましては、只今各委員から政府、労働省に向つて御質疑がありましたが、結局御懇談で話のまとまりましたように、若干の日時をかしまして、労働省においてこの危機の根本的な分析をせられて、そしてその分析の上に立つ総合的な且つ具体的な対策をお立てになつて当委員会に御提出願いたい。こういうことを要請することにきまりましたので、又労働省のほうもその要請について只今労働大臣がこれを了とせられたので、そういう工合にこの問題の取扱いを決定いたしたいと思います。積極的な対策については、通商産業省のほうに対しまして同じように要請をいたして参りたいと思います。これは次回の委員会においていたしたいと、こう考えます。それでよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(栗山良夫君) さようにいたします。
○吉田法晴君 なお二、三の点について質疑をいたしたいと思うのですが、詳細な答弁は要しませんから、関連して更に質問をいたします機会は別の機会にして、一応問題点だけ挙げて御答弁を願つておきます。 それから質疑に入ります前に、一つ警告と要望をいたしておきますが、それは先般厚生年金保険法の連合審査をいたしました際に、問題は労働者の労働能力喪失後の生活補償問題、これは保険事務の担当が厚地省だと言つて労働省がその担当と申しますか、関心をお払いにならんということはないと思います。連合委員会には労働省から一人も御出席がなかつた。そのとき一番問題になりましたのは、大体どのくらいたつたら労働力がなくなるか、ここいう問題が出ました際に、厚生省からは何ら合理的な説明がなされません。生理的にも年齢が長くなつている。だから五十五才の給付資格年齢を六十才にした、こういう答弁であります。労働省の或いは労働大臣の関心の薄さと、それからこの問題についての意見、自信がなかつたということを発見いたしまして、大変残念に感じたわけであります。この点は警告をいたしまして、労働省がそういう労働の実態に対する科学的の調査に基いて、労働者の労働能力喪失後の生活補償の問題について一層の努力をせられんことを要望をいたしておきます。それは要望であります。 それで質問は、先般最低賃金の問題について中央賃金審議会ですかの答申が出たようであります。これに関連してどういう方針を、方針と申しますか意図を持つておられるか承わつておきたいと思います。 なお、衆議院には最低賃金法という法律が出ておりますが、これについても関連をして最低賃金制度の確立の努力を如何ようになさろうとしているか、一つ承わりたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 最初の御要望の点についてお答え申上げますが、先日の連合審査の際には私他の委員会の都合で、政務次官に話しまして、政務次官が待機をいたしておりましたのでありますが、結局その必要はないからというのであつたので出席はしなかつた、こういうことでございます。御了承願いたいと思います。 それから最低賃金の問題でありまするが、これにつきましては約三年に亙りまして審議会が非常に熱心に討議をせられまして、最近に等申書が出ることになつております。で、二十一日に正式な答申を得ることになつておりまするが、新聞にも報道せられておりまするし、私もその内容について、大体そういう機関を通しては承知いたしておりますわけでありまして、その報道によりますると、まあ最低賃金という問題は、とにかく交渉能力のない組合について行われるべきものであるけれども、これをどうするかということになると、非常に地方的に種々格差があるわけですから、地方の実情をもう一度調査をしておいたらよかろう。こういうような答申のように承わつているのであります。併し正式にお話を承わるのは二十一日でございまするから、よくそのお話を承わりまして政府の態度をきめたい、かように考えております。 なお衆議院のほうの社会党の左右両派から最低賃金に関する法律案が出て、審議を煩わしている次第でございます。この点につきまして、私どもとかくの見解を申上げる段階ではございませんが、十分研究をいたしておきたいと思います。
○吉田法晴君 余り長く質疑を続けよううというつもりはないのですが、最低賃金についての極めて何と申しますか、内輪と申しますか、四種ほどの業種を限定して、非常に遠慮をした答申がなされるように聞いているんですが、その遠慮をした、非常に低い最低賃金制度についての答申さえも労働省はこれを実施する意思がないように新聞は報じている。これは推測記事かも知れませんけれども……。そこでまあ二十一日審議会の結果を見て考えるという、最終態度をとるというのですが、労働省の心がまえを更にもう少し具体的に伺いたいと思います。新聞が言われるように、労働省やらんつもりか、或いは尊重してやるつもりか、何でも最近諮問は無視するのがまあ政府の御方針かのような解釈をしておられるように巷間伝えられている。労働大臣、今までの審議の経過は御存じでございましようし、公式的な答弁でなくて、労働大臣としてのこの明晰なと言いまするか、御答弁を一つ願いたい。
○国務大臣(小坂善太郎君) まだ正式な答申の前にとかく申上げることは如何かと考えられるのでございますが、御承知のように絹、人絹織物製造業、家具、建具製造業、玉糸、座繰生糸製造業、手すき和紙製造業など、こういう業種に限つて最低賃金制を設定する対象として選ばれまして、種々御検討の結果今申上げたような答申が行われるように伺つておるのでございます。政府としましても勿論中央賃金審議会におきまして非常に御苦心になつて研究された結果でありますから、その結果は十分承わりまして善処したい、かように考えております。
○吉田法晴君 まあ押問答してもしようがありませんから、善処するのではなくて、恐らく尊重をせられるだろうということは、これは当然でございますから、重ねて答弁を願わないで、次の問題に移りたいと思います。ILOの総会がございまして、日本が理事国になるということが予想され、今度の総会に参加するそれぞれの代表もきまつて、出発も近いのでありますが、このILOの総会に参加せられます政府の代表の心がまえと、それから何と申しますか、日本の政府代表等によつて携行せられます議題などがございますならば一つ……。
○説明員(堀秀夫君) ILOの今回の議題とされておりますものはいろいろございまするが、一つは有給休暇に関する勧告案、それから第二は身体障害者の職業更生に関する勧告案、この二つが主要なものであります。そのほかに未開発地域におけるところの労働契約の問題等がありまするが、これは差当り我が国には関係がないわけでございます。この二つにつきましては目下議題がこちらに到着したばかりでございまするので、それを慎重に検討しております。 大体のところは我が国の労働基準法、職業安定法、それからそのほかのいろいろな法律によりましてその要件を充たしている点が大部分であります。有給休暇につきましては必ずしも充たしておらない。又世界各国の労働法を見ましても充たしておらないような相当高度の水準をきめておるものがございます。これらのものの精神は最も妥当と考えますが、個々の点につきましてはこれを強制的に実施することが妥当かどうか、そういう点について検討したいと考えておる次第でございます。 なおILOの総会におきましては、これは毎年のことでありまするが、我が国の現在の労働諸立法の実情、その他日本が相当世界の水準に比して高度の水準を堅持しておるという点を啓蒙いたしまして、日本の現在の実情をよく認識してもらうということをやつて行きたいという工合に考えております。
○吉田法晴君 あの条約の批准或いはILOの勧告の取扱についてこの委員会で審議をいたします際に大臣出席がなかつたので、労働省に警告をいたしましたが、ILOの理事国にもなろうという日本が労働基準法その他労働条件を引下げて、そして曾つてのような、ILOの総会が、国際的水準からの隔離、日本の条件の低さを介護するような実態と態度に持つて行くことについては、これは当然なすべきじやなかろう。むしろ国際的な水準を遥かに上廻るように努力をせられるべきであらうという政府の態度に警告をいたしましたが、ILO総会に出発するに当つて重ねてその警告を労働大臣にこの席で委員会の従来の意思を伝えて警告するにとどめたいと思います。 それからもう一つお伺いしたいのは、週刊労働というまあこれは労働省の機関誌であるか、準機関誌であるか知りませんが、労働省の動き或いは意図等は間接に聞いて参つておりますが、いろいろ労働問題協議会ですか、そういうところを通じて小坂労政のこの意図を承わると、最近問題になりました重要な点と関連をいたしまして、小坂労働大臣どういう労政を意図せられているのか、その点を承わつておきたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 労働問題協議会は非常に熱心に御審議を頂いておりまして、最近暫らく小委員会を開いて、如何にすればこの労使間の協調が期待し得るかという具体的な方途を見出すことについて御検討頂いておりましたのでございます。私も実は最近非常に他の委員会のために忙殺されまして出席の機会を得ませんで甚だ遺憾に存じております次第でございます。明日十九日に又総会を開きまして、先般来のこの小委員会の結論を中山小委員長より御報告がある、こういうふうに承わつております。私は特に労働問題協議会を自分の意のままに何かするとか、自分の小坂労政なんかをあそこを通じてどうしようというような意思は持つておりませんので、良識のある労働問題協議会の結論を私自身の労政の強い参考なり指針なりに取入れたい、こういうふうに考えております次第でございます。
○委員長(栗山良夫君) 大分時間が経過いたしましたので瞬時休憩をいたします。大体二時半に再開をいたしたいと思います。 午後一時八分休憩 〔休憩後開会に至らなかつた〕