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19回国会参議院1954/05/17

労働委員会 第22号

発言数
75
登壇者
7
会派数
3
開催日
1954/05/17

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今から労働委員会を開会いたします。  本日の案件は労働情勢一般に関する調査のうち、電気産業における賃金問題についてでございます。この調査は前回の委員会において行う予定でございましたが、都合によつて延期をされたものでございます。御承知のように、昨年の七月の国会におきまして、石炭及び電気産業については、通俗で言われておりますストライキ制限法案が国会で成立をしまして、その成立をする過程における国会での論議でも明らかになつておりますように、労使の紛争の平和的解決ということについては中労委の調停等が十分に尊重されて行く、こういう建前になつておつたかと思うのであります。ところがその法案が可決成立をしましてから最初の労使の紛争が只今起きておりまして、中労委から四月の十四日であつたと思いますが、出されました調停案について労働組合側はこれを受諾をしておるのであります。ところが資本家のほうは、この調停案について今日まで私どもの耳にいたしておりますところでは、その意思表示をいたしていない。そのために全国的に若干職場において実力行使等も行われておるようでございます。従つてこの重要な法律案ができましたあとの労使の紛争の解決ということについては、立法の精神等から考えて、旧民も非常な関心を持つておるところでありまして、恐らく政府側においても善処をされておることとは思いますが、この点についてその経緯並びに見通し等について説明を求めたい、こういうわけであります。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 電産の賃金争議の経過につきまして、只今委員長から大体の経過についてのお話があつたようでございますが、政府としまして、その経過並びに今後の見通しにつきまして一応御報告申上げたいと思います。  御承知の通り、三月十八日に中央労働委員会は電産労組及び中部を除く企業別労組に対しまして、本年四月以降新賃金として原資の六%の定期昇給制度、一時金五千円の支給の調停案を提出したわけであります。これに対しまして、組合側は関西電力労組が三月三十日に拒否の回答を行なつたほかは、各労組とも調停案を受諾いたしました。電産労組は四月十四日受諾の回答を行なつた次第であります。経営者側といたしましては、四月の二十日、二十一日に社長会議を開きまして、翌日の二十二日に文書を以て中労委に対して調停案に対する回答の延期方を申入れておつたわけであります。中労委は四月二十六日、各社社長に対し、文書を以て紛争の解決の促進方の申入れをいたしたのであります。  この間組合側では、電産が四月十四日、東北電力が四月二十二日、四国電力が五月十日と、それぞれ争議行為の通知を労働省及び中労委に提出いたしまして、東電労組及び関西電力労組は、昨年年末に提出しました争議行為の予告に聴き、いずれも五月上旬から事務系職場の争議行為を開始した次第であります。五月初旬以降各社においては企業別労組並びに電産地方本部との問に交渉が進み、関西電力労組、東京電力労組は賃金問題の一応の妥結点に到達して争議行為を中止いたしました。即ちその内容といたしまして、五月十一日、関西電力労組は、会社側が提案いたしました次の三項目を受諾しまして、そうして現在その細目の交渉に入つておる次第であります。  即ち中労委から提出されました調停案の主旨で解決するということと、更に十二月三十日を休日とする、結核性疾患による休職期間を延長する、なお電源開発第一期工事完了特別慰労金として一人平均三千円を支給する、以上の項目を中心にして目下細目の協定に入つて、これはほぼ妥結に近い線が出ておるという事情に至つております。  東京電力においては、五月八日に本賃金問題は調停案を了承する、十日頃から一時金の配分について交渉したいという東電労組及び電産関東地方本部に申入れをいたしまして、十日以降両組合との交渉に入つておりますが、十二日に電力労組は一時金として基準賃金の三三・三%、即ち五千五百三十九円を支給するという一時金配分額についての了解ができまして、争議行為の中止命令を発しておる次第であります。今後極く一部の細目協定をすることによつてこれも円満妥結するものと見込んでおります。  更に五月十四日に経営者側代表が中労委の中山会長を尋ねまして、社長会議の結論として、賃金問題は調停案の趣旨によつて解決する旨を表明しております。更に十五日東京電力、東北電力、九州電力各会社は正式に文書を以て調停案を受諾する旨を回答いたしました。その他の各社もこの十七乃至十八日頃にはそれぞれ調停案を受諾するに至るものであろうと考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 文書で回答になつておるのはどこですか、もう一度……。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 正式に文書で申入れをしておりますのが東京電力、東北電力、九州電力であります。それから関西はすでにその三項目、細目の交渉に入つて、まあ事実上これは受諾しておるものということであります。それから追加しまして、更に北海道電力も文書を以て受諾の申入れをしております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そういたしますとあと四国、北陸、中国、中部、この関係はどういう工合になつておりますか。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) 中部は別になつておりますね。……十四日に中労委の会長を尋ねて、大体調停案の趣旨に副つて解決するという旨を伝えまして、その翌日でございましたか、その日でございましたか、ちよつと記憶にございませんが、私のほうにも参りましてそういう趣旨の話がございました。それじやその受諾をはつきりどうして言われないのかという話をいたしまして尋ねましたところが、実は今まあ残つておるようなところにおきましてはまだ団体交渉、話合いを一つもしていないのだ、そこでいきなり中央ですつぽりやると現地のほうでまごつくので、そういつた趣旨のことを現地に言つて、そうして話合いが始まれば、中央のほうで中労委に対しまして返答ができるのだ、それまでは受諾の線で解決するように努力するという表現しかできないのだ、こういう話でございました。従つて遅れております四国、北陸あたりにおきましても、すでに話合いが始まつたろうと思いますので、近く正式に受諾の回答を中労委にするのじやなかろうかというふうに考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 議事進行……。スト規制法のときには大変熱心に大臣は法案審議に参加されましたが、この法律に関連して電産問題片付けるかどうかという具体的の問題については御誠意がないようですが、どういうことになつておりますか。ちよつと承わりたい。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 当委員会へ本日まあ大臣が出席できませんで誠に恐縮な次第ございますが、御承知の通り例の国警担当の大臣になりまして、今国家警察法の改正で非常に繁忙を極めております。併しその剛におきましてもこういつた問題、殊にスト規制法にからむ電算争議の問題等につきましては非常に関心を持つておりまして、実は非公式でございますが、しばしば委員長、労組の代表とも合間を見てお会いもしておるような実情でございまして、本日も是非来られなければいかんのでございますが、警察法が通過しまして、参議院に廻つて来ます善後措置の関係で、今日実は午後一時から地方行政委員会へそれが提案されます。それに対しまして、これは内輪の問題ですが、いろいろ政府与党間の打合せや各派との交渉がありまして、ちよつと今出席いたしかねるような実情になつておるのであります。併し実情はまあ只今御報告しましたように、電産関係の争議も非常に無事円満解決の方向にまあ大体到達いたしておる事情もございまして、一つ今後とも時間のあり次第、何とか時間を作りまして、又いろいろな当委員会の御要望に副うようにいたしたいと思つておりますから、まあ今日のところそういう事情でございますので一つ御了承賜わりたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 これはまあ国警担当と、それから労働大臣としての本来の任務をどういう工合に使い分けられるか、これは私どもが指図すべきではありませんが、先ほど伺いますと、今日は来られんことになつておるというような委員部の説明でありました。初めから来んことにしているのだ、こういうお話だと私ども了承いたしかねる。今の政務次官の説明を聞いても、一時から地方行政委員会に出なければならんかも知れない。午前中は空いているわけです。できるだけ来ようと努力をされなかつたような先ほどの御答弁です。それでは了承いたしかねる。或いは不満を申上げる以外にないと思う。或いはこれは議員としてのあれもあるかも知れません。併し労働大臣として本来の仕事を最善を尽してやろうという努力だけは、これはなさるべきだと思う。問題の性質、それから規制法の審議の際のいきさつから見まして、私当然今度の問題については、大臣はできるだけ出席しようとする努力だけはなさらなければ責任が済まん、かようにまあ考えるのです。何といいますか、若干の不満と要望だけを申上げて、その点進む以外にないと思います。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 吉田委員の重重お話は御尤もなお話でございまして、努力と熱意を以ておらんわけでは決してないのでございますが、今のような事情で……。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 ちよつと委員長にお尋ねいたしますが、本日の労働委員会には小坂労働大臣の出席を要求されていたわけなんですか。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 勿論出席を求めてあります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 じや、その要求に対しまして、労働大臣が出席しないことに関してどういうような回答があつたわけなんでしよう。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 私には、今日ちよつと私所用がありまして登院が遅れたのですありまするけれども、登院いたしますると間もなく、今安井政務次官が述べられたと同じ理由で、労働大臣の出席は一つ勘弁を願いたい、こういう意味の話がありました。そこで私はスト規制法が効力を発生した直後における重要な労使の紛争について調査をするのであるからして、労働大臣は是非出席をされなければ困る、こういうことだけは申上げておきました。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 安井政務次官にお尋ねいたしますが、警察法の改正案が本日から参議院に廻つて来ます。地方行政委員会は会期末までこの法案をめぐつて大変多忙になると思います。従つて国警担当の小坂国務大臣も地方行政委員会に引張られる率が多くなるということは予測されますけれども、本来は小坂氏は労働大臣であり、労働行政の担当責任者と考えるわけであります。先ほど雑談の中に出て参りました、例えば現在の炭鉱の危機の問題等に関しまして、労働行政面からどうこれに対処して行こうとしておるのか、我々としては非常な関心を持つておるわけであります。本日の調査案件等につきましても、当然労働大臣が出席されて、我々は大臣の意見等も承わりたい、こう関心を持つておるわけですが、今後会期も、本日入れて僅かに六日間になつておるわけであります。今後労働委員会等に出席を求める機会も、或いは会期末にもなつて来ておりまするし、一層この際労働大臣に労働大臣としての考え方を承わる機会を持ちたいと思うわけでありますが、今後の見通し等はどういう考え方でおられるのか、この際政務次官の御答弁お願いします。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 先ほど申上げましたように、本来労働大臣でございまして、当委員会に大臣として出席をする重要なる義務を持つておることは十分承知いたしておりまして、たまたま会期途中におきましてああいつた警察担当というような事情に至つたものでございますから、当分の間いろいろそちらのほうの事務に時間を取られておりまして、衆参両院とも出席が甚だ悪い点は申訳ないと思いますが、併しこれも本職は労働大臣でございますし、重要な問題につきましては十分な時間と力を割くように今日までも努力いたしております。今後とも一つそういつた参議院での警察法の合間におきましても、何とか時間を見付けていろいろな御要望に副うように努力をいたしますつもりでおりますので、御了解賜わりたいと思います。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 安井次官の答弁の中にもありますように、小坂氏は労働大臣が本職であるわけであります。暇があるというので国警担当の国務大臣にも任命されておるので、そういう点からいうと、主たる努力は、労働委員会において出席を求める限りにおきましては積極的に出席をなさるべきだと考えるわけであります。今までのような態度であるということは、本職の労働大臣としては我々は納得が行かん、こういう印象を持つておるわけでありまして、今後労働委員会において出席を歩められる場合には必ず小坂労働大臣は出席して、委員会の質疑にも答えるし、当時の経済危機に伴う労働施策に対して明確なる説明を求めたい、かように考えておりまするが、その節は政務次官としても出席させるということは約束できますか。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 御趣旨に副つてできるだけの誠意を披瀝したいと思つておりまするが、何分その警察法が参議院に今日からかかつておる事態も一つ御了承黄きまして、そのほうの仕事もできるだけ進めさせて頂くように御配慮願いたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 あの警察法は、これは先週の土曜日遅く、或いは日曜日の朝廻つて来ておる。提案理由の説明を今日するかどうかということです。まだ実質的に委員会の審議にかかつておらんと思うのです。それだけに一時から地方行政委員会でやるというのなら午前中に出るくらいの努力と態勢とはとられるべきであると思うのです。その点は先ほど申上げましたように重ねて指摘をしておきたいと思います。  それからなお今までの経緯を一応次官と局長からなされましたけれども、今までのいきさつを報告によつて判断をいたしましても、スト規制法通過後の、成立後の初めての電産の賃金問題について、電力会社の労働者の賃金問題についてどのような関心を払つて来たのか、労働省として四月十四日以来或いはこの報告を聞いたという程度であります。労働省自体としての態度がどうであつたか、ということについては何らの報告がありませんでしたが、併せて一つ答弁を願いたい。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) お話のようにスト規制法後の初めての事例でもございますので、労働省としましても非常に関心を持ちまして、先ず電産が四月の中頃に受諾の回答をいたしました。その後経営者側が四月の二十日、二十一日の社長会議をやりましたその機会に、特に労働大臣が経営者側の代表を呼びまして、組合もすつぱりと調停案を受諾したのだから会社側もこれを尊重して、これによつて解決されるように、受諾するようにという強い勧告を出されました。その後次官なり私なりから少くとも一週間に一遍くらいは電話その他でどうなつたのだという督促をし、更に先頃、五月十二日又経営者側の社長会議がありました機会に大臣が代表を呼びまして、そうしてもう相当の時期もたつているので速かに受諾するようにという強い勧告をいたしました。その前あたりは私のほうから殆んど一日おきくらいに、もうそろそろ思い切つたらどうかということで強く要望いたしておりました。我々としましては、スト規制法と今回の経営者の態度とが必ずしも直接に結び付きがあるとは考えませんけれども、併しスト規制法というものとの関連も世間的な評価がございますので、相当経営陣にとりましてはしつつこいくらいに実は督促して来たのであります。幸いに十四日に経営者側から中労委に対して、大体調停案の線でやる、その後逐次各社ごとに回答して来ております。我々としましても一応重荷を降したような気持になつております。なおその間栗山委員長のほうの御斡旋で、組合側からも相当強い御要望もございましたので、それを体しまして、我々のほうとしても更に督促に拍車をかけたという事情もございました。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) この際ちよつと通商産業省に承わつておきますが、従来の経緯によりますと、労働省並びに通商産業省が電気事業の労使の紛争には相当大きな役割を果して来られたわけですが、今度の問題について通商産業省はどういう態度をおとりになつたか、どういう見解をお持ちになつておるか、これを説明を求めたいと思います。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 今回の電気関係労働者の賃金争議につきまして、通商産業省としましては、電気産業が公益事業であるという建前から申しましても、又電気産業関係の賃金がどうなるかということは、関係産業に及ぼしまする影響が非常に重大である、こういう見地からいたしましても、できるだけ速やかに又円満にこの問題が妥結するということを念願いたしておりまして、絶えず労働省とも連絡をとり、又経営者側、或いは直接ではございませんが、労働関係の方々とも直接、間接に連絡をとりまして、できるだけ早く事態を円満に解決するように努力して参つたのでございます。  そこで今日までの経過といたしましては、先ほど労働省のほうから詳細御説明がありましたような状況でございまして、経営者側といたしましては、中労委の裁定がありました時期は、御承知のようにその前に一月の終りに電気料金の引上げの申請をしておりました。この電気料金の引上げの申請に伴いまして全国で料金改定に関する聴聞会を開催いたしました。その後におきまして中労委の裁定があつたのでございまして、このことは中労委の裁定、調停案の中にも述べておられますように、いろいろ今日経済情勢の面におきまして不確定な要素が相当残つておる。従つて今回の調停は一応九月までの暫定措置ということにいたしまして、十月以後これを如何に本格化するかどうかということにつきましては更に別途協議するというような前提が付いて今回の調停になつたわけであります。そこで経営者側といたしましては、二十八年度の下期の決算もまだ見通しが付いておりませんでしたし、又料金制度がどうなるかということにつきましては、御承知の遡り今日まだ全く未定の状態でございまする関係もございまして、いろいろこの調停案をどういうふうに扱うかということにつきましては苦慮いたしておつたようなわけでございまして、その間私どもとしましても同じような母地からこの調停案をそのまま受諾することがどういうように今後影響があるか、又会社の経理なり料金制度にどのような影響があるかというようなことも併せ考えながら、絶えず情勢を判断いたしておつたような次第でございます。併しながら幸いにいたしまして最後の段階に至りまして、社長会議といたしましても大体一致いたしまして、今回の調停案を呑むという線に至りました。先ほどお話がありましたように中労委の会長にその旨を伝えますと同時に各社別にそれぞれ個別的に受諾の線を出して参りました。まだ二、三のところが残つておりますが、それらといたしましても必ず近いうちにすでに受諾いたしました各社と同じような線において解決することと確信をいたしております。  従つて通商産業省といたしましても、この問題は割合に円満にと申しますか、そう大きな波潤なしに妥結する見通しを得たことにつきましては私ども喜んでおる次第でございまして、今日まで私どもとしましてはそういうような経緯におきまして経営者代表なり或いは関係各省と連絡をとつて参つたということを御報告申上げます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 今の小出次長のお話を承わつておりますと、事態の円満解決に努力を払つて来たとおつしやいますけれども、その事態の円満解決に対する努力というのがどういう努力であつたかということがちよつと私頭に浮ばないわけですが、これはやはり調停案をそのまま実行させるという努力なのか、或いはこの調停案について若干まだ注文を付けながらの努力なのか、その辺はどういうふうになつておりますか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 私どものほうで努力して参つたと申しますのは、先ほど申上げましたように調停案の内容それ自体も、先ず通商難業省といたしましても、その調停案をそのまま実行いたしました場合における会社の経理或いは電気料金へのはね返りというふうな影響がどういう線になるかということをやはり一応検討する必要があるわけでありまして、従つて初めから調停案を受諾するという線で経営者側に対して斡旋するというふうな前提の下に斡旋をしたわけではないのでありまして、やはり調停案の受諾に伴いまする影響、或いは関係産業その他の影響ということを十分考慮しながら検討したのでありますが、そういたしまして、最終段階においてやはり今回の調停案を受諾するという線が最後にはやはり一番いい方法ではないか、又その結果といたしましてそう大きな影響は現われない、丁度こういうふうな結論を得ましたので、その間多少時間的には労働省方面の斡旋とは多少のずれがあつたと思いますけれども、最終段階におきましては社長会議の線と一致いたしまして、その線に進めるということにいたしたわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうするとその結論を出された日にちはいつ頃でございますか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 具体的に何月何日ということは、別段省議で決定するというふうな形をとつておりませんのでありましたけれども、先ほどお話がありました、五月十四日に各会社の社長会議の結論を以て中労委の会長にお答えするという、その社長会議が行われました日は何日でありましたか、たしかその三日くらい前におきまして社長会議の代表者と私どもの局長と会見いたしましたときに最終の結論を得た、こういうふうな結果であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そういたしますとこういうふうに理解してよろしうございますか。この調停案をもとにする労使紛争の解決が非常に遅れたのは、通商産業省側のこれに対する意見というものが結論が出なかつたために遅れておつたのだ、こういう工合に解釈していいのですか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 今回の争議の最終的な妥結が相当時間がかかつた次第でありますが、その遅れた理由と申しますのは、先ほどから申上げておりますように、やはりこれは労使双方の一応の協議という線でございますので、直接的には第一段階といたしましては、やはり会社側と労務者側との折衝に待つべきものでありまして、私どもといたしましては、直接の労働主管官庁でもございませんので、ただ公益事業としての電気事業の監督という見地から、これをいわば間接的な立場におきましていろいろ指導監督をいたして参つたのであります。従つて特に私どものほうからこういうふうにしろとか或いはああいうふうにしろとか、直接経営者側に指揮をするというふうなことは直接的には余り好ましいことではございません。第一段階といたしましては、会社と労務者側の折衝に待つ、そういたしまして会社側としての態度をきめるにつきまして、私どものぼうから直接間接に相当の示唆を与えるというふうな段階でございまして、特に私どものほうの態度がきまらなかつたために非常に遅れたというふうには通産省としては考えていないような次第であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) いや、今おつしやる通りですけれども、従来長い経験から言いまして、通産省は電気事業の労使の紛争の間接的な立場にあると、こういうふうにおつしやるのですが、私どもの経験するところによると、これは直接的な関係を持つておられて、そのために態度がいつまでもきまらなくて、従来も八年近くこういう紛争を繰返して来ておるわけであります。従つて私は形式は間接であるけれども、実質的には直接である。而もこれは速記録を読み直せばわかりますが、先ほどあなたのお話になつたような通産省の態度であれば、事業監督を受けておる経営者としてその意思がきまらないことは、これは私ども当然だと思う。従つてそういう質問を申上げたのです。  労使の紛争は、労使双方の協議によつて決定されるという工合に逃げられましたけれども、実際はそうでなくて、通商産業省の内諾と言いますか、結論が出なければ意思表示ができない。そういう立場に電気事業者があるということは、これはもう公知の事実でありまして、我々もよく承知しているからそういうことを御質問申上げたのであります。この点はもう言葉で否定になつても結構ですが、先ほど御説明になつた点で我々がそういう工合に理解しても、これを反論される余地はなかろうかと思いますが、その点如何でございますか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 私の表現の仕方が或いは多少まずかつたかと思いますが、最初に私が先ほど、通産省において持にこれをチェックしたと申しまするか、引延ばしたとか、或いは阻止したというふうには了解していないと申上げました意味は、会社側自体においても実は結論を出しかねておつたわけでありまして、と申しますのは、会社側が最初から調停案を呑むという結論を出していながら、それに対して通商産業省がほかの見地からこれをもう少し延ばしたらどうかというふうな若し示唆を与えたといたしますならば、これは明らかに通産省において批判をしたという結果になるわけでございますけれども、経営者側自身も非常に料金問題がどうなるかわからないし、又いろいろ今年度の決算の見通しも立たないという時期でございました関係上非常に迷つておりまして、これは会社によつて非常にもう経理の状況は違いまするが、いろいろ苦慮いたしておつた段階でございました。たまたままあ通産省におきましても同じような結論を持つておりましたところが、最終的にいよいよ会社側でもこの線を呑むという結論を出しました時期において通産省に対して最終的な了解を求めた、そのときにおいて通産省といたしましてこれを阻止したという事実はございません。これをその時期において通産省といたしましてもたまたま同じような結論を出しまして、呑んでも止むを得ないというふうな線を出している次第であります。結果から見ますれば或いは阻止したような結果になつたかと思いまするけれども、実情といたしましては、会社側においても結論を全然出す段階に至らなかつた。たまたま結論を出し得るような段階に至りましたときにおいて、会社側も又通産省側もたまたま同じ日同じ時期において結論を見出したというふうな実情に了解いたしております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 今度の電気料金の改訂案について、このたび出ましたような調停案による料金の引上げの減損というものは見込まれておるのですか、いないのですか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 今回の電気料金の申請案は、御承知のように本年の一月の二十一日に正式に申請が出たわけでございます。従いまして現在出ておりまする申請案の中には、その後に起りました今度の問題は全然織り込まれていないわけであります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 承わつておりますと大体ほぼ経緯が想像できるのでありますが、電産はいち早く承諾の意思表示をした。会社のほうは引張つて、その間に労働省は一応形式的に社長に面会して受諾の勧告をやつた。ところが最終的に十四日の、調停案の趣旨に従つて解決に努力するとは言つて来ても、或いは文書で回答したところがあつても、団体交渉をしておらないから云々ということで逃げられたところもある。そうするとこれは労働省の圧力というものは殆んど効いておらんということが察知せられるのでありますが、一カ月ばかりの間に電力会社の経営者は、調停案を呑んだ場合にその影響がどういう工合に現われるか、電力料金への影響というものを通産省公益事業局に折衝をいたしまして、それが今後の料金その他において認められるかどうか、こういう何と申しますか、瀬踏みと申しますか或いは折衝をして来て、今の説明を聞きますと、了解が与えられたというか、直接間接の示唆ということでありますが、これによつて見通しをつけて、趣旨に従つて努力する……、こういう調停案の実施の義務の履行と料金関係と天秤にかけてと申しますか、関連して通産省の折衝がされて来た、かように理解されるのでありますが、そういうことでありますのか。或いは最終的結論を出す場合の、今の次長による何と申しますか、了承を与えられたと申しますか、その意味は、一月二十一日の際には今度の賃金値上げは入つていない。併し今度の点についてはこれを料金の値上げ問題に関連するという示唆と言いますか、或いは了承を与えられたのかどうか、その辺もう少し県体的に承わりたい。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 今回の中労委の線によつて妥結を見ました場合におきまして、これが電気料金の上にどういうふうにはね返つて来るかという問題につきましては、実は大体先ほど申しましたように、今頃の調停案の趣旨は一応いろいろ不確定な要素もあります現在におきましては、九月までの暫定措置として一応決定する。十月以降本格的な制度にこれを組入れるかどうかということにつきましては更に別途協議するというふうな線になつておりまするし、殊に二十八年度の収支の状況は、割合に予想以上の豊水でありました関係上、利益も相当出ているし、従つて一時金五千円という線を出したらどうかということになつておりまするが、これらの点は大体、例えば一時金の点等につきましては昭和二十八年度の決算の中に織込みまして、近く行われまする各会社の総会によつてこれを決定し、二十八年度の決算の中に十分織込むことができまするし、又今後の六%の分につきましては、これは賃金べースそれ自体の改訂というふうにはなつておりません関係上、直接には料金制度の上にははね返つて来ないのではないか、かように考えておりまするが、料金制度それ自体が、一体料金を引上げるのかどうか、又上げるとしてもいつの時期になるのかということが、全然まだ御承知のように政府としても未決定な現在におきましては、まだその間の関連につきましては何とも申上げられない段階である、さように御了解願います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 重ねて。そうしますと五千円の一時金の分については二十八年度の決算による云々ということですから、これはそれで了承をいたします。わかりました。  あとの六%の問題については、料金制度にははね返らない、こういう了承の仕方でございますか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 今申上げました意味は、殊りの六%の分につきましては、これが料金を引上げることによつて織込まなければならんということの影響を持つかどうかということ自体にも、実は今日の段階においては最終的な結論は得られない状況であります。と申しまするのは、料金を全体として、総括原価をどのくらい見て料金収入をどのくらいに見ると、従つて何%の引上げになるかというような結論が出ておりませんので、従つて料金制度それ自体が未決定であります現在におきましては、六%を料金に織込むとも織込まないとも実は言えないような状況でございます。ただ賃金ベースそれ自体の改訂ではないという意味におきましては、割合に料金制度への直接の影響は少いのではないかと、かように考えておりまして、従つて料金の引上率如何によりましては、特にこの六%の線が現われましたために特別に料金の上にどうこうというふうな問題は余り起つて来ないのではないかと、かようにまあ予想しておるような状況でございます。ただこれは単なる予想に過ぎないのでありまして、実際に料金改訂がいつ行われるかという時期の問題にも関連いたしまして、具体的に試算いたしてみませんと最終的に何とも申上げられない、かように申上げておきます。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 今の問題非常に重大な問題だと思うわけですが、先ほどの委員長の質問に対しまして小出次長の答弁の中には、中労委の調停案が出されたので、通産省としては監督機関としての立場からこれに検討を加えたのである。その際にどういう観点から検討を加えたかと言いいますと、料金制度の問題であり、関連産業に対する影響を考慮して独自の立場で検討を加えたのである。こういうような御答弁があつたわけであります、然るに只今の青田君に対する答弁を承わつておりますると、直接的に今回の調停案が料金にどう影響するかというようなことは十分な検討もなされていないし、待つて結論も出ていない。まあこういうような御答弁があるわけで、非常に前後の答弁が食い違つておるような印象を受けるわけであります。我々の殊にお尋ねいたしたいことは、今回の六%に相当する原資がと申しますか、資金操作が今後の料金制度に対しましてどういうような影響をもたらすか、こういうことは通産省としても、殊に公益事業局としては当然に検討をなされておると考えるわけでありますが、この点に関しまして明確なる通産省としての方針或いは検討の結論を御説明願いたいと思います。  第二の問題といたしましてお尋ねしておきたいことは、先般発表されました九電力会社の昭和二十八年度の下期の純益が五十七億とか計上されているわけであります。たまたまこれは豊水という天候、自然の条件に恵まれた結果こういうような経理状況を生んだということも我々は聞いておるわけでありまするが、併し電気料金の値上げという問題は殊に今日の経済状態におきましては非常に重要な影響を一般経済政策にもたらすと考えております。この点に関しまして今の御説明を聞いておりますると、料金値上げ必至のような印象を受けるわけでありまするが、この点に関しまして通産当局としてはどういう方針を持つておられるのか。たまたま国会のさなかであるから、国会の追及や或いは国会における論議を避けて、国会終了後に電気料金値上げに関する通産省としての方針を出そうという肚であるのかどうか、この点を特に承わつておきたいと思います。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 先ほど私が申上げました中に、通産省なり或いは会社側として最終的な結論を出すについての考慮すべき事情といたしまして料金制度の問題、或いは二十八年度下期の決算の状況というものと睨合せてということを申上げたのでありますが、そのこと自体は実際にその通りでありまして、六%の分をどういうふうに吸収するかということにつきましては、三十八年度の下期の決算の状況が非常によいと、予想以上によろしいということ、これは調停案の中にすでに譲つてあります通りでありまして、只今田畑先生御指摘の通り五十数億の利益を出しておる。従つて一時金五千円というようなものは大体吸収できるのではないか、又六%の分につきましては、これをその後の二十八年度の下期の利益を二十九年度へどの程度に繰越し得るかというような経理の状況、或いは二十九年度における収支の状治の見通しというようなものと関連いたしまして、六%の分は料金率それ自体の、特にその分についてそれをそのまま料金の改訂の上に織込まなくても、大体大した影響なしに行けるのではないか、こういうふうな一応の見通しを立てました下においてそういうような結論を出したわけであります。従つて六%の今回の停調案を呑んだということによつて、特にそれだから何%を余計上げなければならんというふうな計算を出したわけではございません。これは現在この料金一制度それ自体が未決定の状況でありまして、只今の第二の御質問にも関連するわけでございますが、通産省といたしましては事務的に計算をいたしまして、資本費の増加と、それから料金収入の見通しというものと両方関連して考えますると、資本費その他のいわゆる総括原価が明らかに上つておりますので、従つて普通の料金算定の基準から申しますれば、やはり適当の時期に上げざるを得ないのではないかというふうにも考えておりますけれども、併し勿論これはできるだけ値上げをしないで済めばしないに越したことはないのでありまして、又値上げをしなければならんという場合におきましても、関係産業への影響等考えまして、できるだけ低い率に抑えるというのは当然でありまして、それらの点につきましてどの程度のパーセンテージにするか、或いは全然殖上げをしないで済むかどうかということについて検討を重ねているのでありまして、特に作為的に国会開会中を避けて徒らに引延しておるというふうなことは少くとも私ども事務当局といたしましては毛頭考えていないような実情でございます。従つて或いは御答弁にならんかと思いまするけれども、今度の調停案の裁定の線を呑むということが直接料金制度の上にどういうふうにはね返つて来るか、つまり会社の収支という点から申しますれば勿論影響はあるわけでありまして、それだけ余計払うわけでありまするからして当然それは収支の支出が殖えるわけでありまして、当然影響いたしますが、併しその影響が料金の上にどういうふうに影響するかということにつきましては、実に結論は今日の段階においては出せない、こういうことを実は申上げたのであります。併しこれは料金それ自体の上に大きな悪影響を与えないであろう、こういうふうな見通しを立てましたので、一応その線でいいのではないか、こういう結論を出した次第であります。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 通産省の意見を聞いておれば、料金は上げるかもわからない、上げんかも知れないと、非常に逃げておりますが、今日の新聞でははつきりと七%上げるというようなことを言つておられると私は思う。何か含みがあつてここでわざと答弁しておられるように私には聞えてしようがない。七%七月以降に上るということをはつきり書いてある。それから今までの答弁を聞いてみますと、通産省は一月に景気料金の値上の申請を受けておる。その中にはそれから旬日を経ずして要求された賃金額は入つておらない、こういうことを言つておられる。ところが中労委の調停はすでに四月の十四日には組合は、呑んでおる。その呑んでおる内容は、六%の賃金値上げと、それから二十八年度の百億近い利潤が出ておる、その中から五千円ずつ出す、まあこういうことになつておるわけなんですね。ところが賃金値上げは全然それに入つておらずに、一制何ぼかの料金値上げの申請だつたと私は記憶しますが、それに持つて来て六%の値上げをしてもそれは直接料金には関係ないのだと、こういうことを通産省は言つておられる。ところが組合が呑んでから一カ月以上もたつ今日やつと経営者側が呑む態勢になつた。そうしてそれと今度は肚を合わしたように七%の料金値上げを持つて来た、こういう順序になつておると私は思うんだ。これが違つておるかどうか、これをはつきりしてもらいたい。私の言つたのが正しいとすれば、この一カ月以上の間に通産省と電気会社の経営者との間には何かそれにからんだ電気料金の話合いができておる。それで今までスト規制法後の初めてのこの賃金値上げ問題について、スト規制法を楯にとつて、そうしてニカ月近くも首を横に振つていた経営者が最近呑んだということは、何か通産省との岡に約束ができておる。こういうように私は考えるのだが、それはどうか、それをお聞きしたい。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 夫る一月の二十一日でありましたかに申請がありました電気料金の改訂の申請案の内容といたしまして、今回の賃金の問題が織り込まれていないということはこれは当然でありまして、と申しまするのは、申請当時においては、一方の要求はすでに出ておつたかも知れませんけれども、何ら決定は全然見ておりませんので、これを織り込むことは不可能であります。従つてその当時の申請案においては、そういう事態は、そういう問題があるということは予想されておりましたけれども、その申請案の内容には全然織り込まれていないということは、これは実際問題としては止むを得なかつたのではないかと、かように考えるのであります。  それからその次には、中労委の裁定が出ました後、今日最近会社側が態度を決定いたしまする間に御指摘の通り相当の時間がごさいました。  その間いろいろ私どもといたしましては、申請されました料金についての聴聞会も終りましたし、各方面の意見もよくわかりましたので、それらを基礎にしていろいろ勉強はいたしておりましたけれども、併し会社側と何らかの料金に関して、今の御指摘になりましたような了解でありまするとか、或いは何らか黙契のようなものがあつて、それを前提にして今回の賃金問題に対する態度を明らかにしたというようなことは全然ございませんので、その点ははつきり申上げておきます。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 それでは今次長は非常に言を左右にしておられまするけれども、今日の新聞で発表してある電力料金の値上げは通産省は知らないとおつしやるのですか、通産省のほうからはつきりと出ておるはずですが。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 今日の新聞の記事、或いは七%ですか、或いは又数日前の新聞には六・八%の値上が決定したというようなことが日本経済新聞でありましたかに出ていましたけれども、これは通産当局として発表いたしたこともございませんし、又そういうようなものを決定いたしたこともございません。只今事務当局においては今回の申請案の内容を検討いたしまして、それがどういう線が大体妥当であるかというようなことを検討はいたしておりまするけれども、何パーセントにするということを決定したとか或いは何パーセントにすることにしたいというような発表をしたとをいう事実は全然ございません。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 それでは労働省も通産省も非常に今度の問題について詳しく会社側と話しておられるようでありますからお聞きするのですが、今まで一カ月以上も、組合が呑んでからさえも一カ月以上も言を左右にしてこの調停案には応じられないと言つておられた方々が応ぜられるようになつた原因は何でありましようか。何か見通しがなくて応ぜられたとは思えないが、その見通しがあつたと、こういうふうにお考えになるか、皆さんの説得だけでそんなになつたのか、或いはわざと時期を経営者側が延ばしておつたのか、何かそこになけらねば変つて来るはずはないと私は思うのですが、その辺についてはどういうふうにお考えになりますか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 会社側はその間、これは各会社によつていろいろ事情が違うかと思いますが、長い間引張つて来て最終的に肝をきめるというについてはどういうふうな考えであつたかということにつきましては、これは非常に微妙な問題でありまして、私どもとして、いわば外部からはいろいろ窺えない事情もあろうかと思います。が、想像いたしますに、一つはやはり、そう言うと言葉はいいか悪いかわかりませんが、これは一つの交渉、団体交渉でありますので、交渉というのは労使双方とも或る程度の駈引と申しますると非常に言葉が悪いかも知れませんが、いろいろないきさつもございましよう、非常に問題が簡単であれば、それは一方が呑めば片一方もすぐ妥結するということもございましようが、先ほど申しましたように、いろいろ会社側のそういうようなこともございましようし、又先ほど申しましたようにいろいろな関連において検討する。会社が一番心配しておりまするのは、その経費の点でありまするとか或いは料金問題とかいうようなことが全然不確定である。これについては、迷惑しておるのは会社自身でもありまするし、従つて会社の従業員でもあるわけでありますが、そういうようなわけで非常に不明確な要素が多かつたことが一つの原因であろうと思いますが、ただそれがここで急転直下解決したような印象を受けまするけれども、私どもとしてはやはりそういうふうには考えておりません。非常に何か新らしい要素が急に出て来て急転直下解決したというふうには印象いたしておりません。やはり長い間の折衝の経過を経まして漸くそこに意思の一致を見た。こういう通常いろいろな団体交渉等にありまする経過の一つに過ぎない、かように考えております。特別の事情があつたわけではありません。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 団体交渉の談議をあなたからお受けいたして非常に恐縮いたしております。私も団体交渉は非常に専門的にやつておりました。あなたからここで講義を受けようとは思わなかつた。私が聞いておりますのは、あなたは非常にどちらかつかみにくいようなことを答弁されておりますが、七%が、これは新聞記者の感覚で書かれたとすれば、それに相当する事態が通産省の中にあるのだ、上げることを前提にされておるのが、こういう感覚がいわゆる経営者に対しそういうものを与えたのでははいか、こういうふうに私は質問をしておるわけです。私は新聞で見た数字を言つておる。それがどこまで正しいかどうか知らないが、いつも新聞は皆さんの都合のいいように答弁をされて行く材料になつておる。ところが事実新聞に書いてあるのが非常に結果として正しく合つておる。これが今までの実例なんです。それから見て恐らく通産省ではそういう考え方があるのだ、その点通産省ではどのように考えておられるのか、それをはつきりお聞きしておきたいと思います。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 会社側といたしましては、これは勿論料金の値上げを申請いたしました以上は、一つの根拠と確信を持つて申請しておるわけでありまして、従つて会社としては料金の値上げは近く行われるものという期待を持つておることは事実だと思いますが、併し通産省が七%の値上げを了解になつたから七%を上げるのがいいというような結論を出したとは考えておりません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 飼手事務局長はどうなさつたのでございましようか。それから労働大臣は委員会は開かれておらないで、警察の担当の国務大臣としても仕事をしておられるかどうかわからない。院内各部屋をちよろちよろ廻つおるのですか、速かに一つ出してもらいたい。それは要望であります。  それからこれは通産省、労働省、ひつくるめて政府でありますが、調停案の趣旨は、前文から見ましても、現行料金の範囲内でとこれは解釈するのは当然な解釈じやないかと思うのです。まあいろいろな問題を含んでおるので「容易に意見の一致を得られなかつたが、一面現行の賃金が一年有半の据置によつて実質的に若干の低下を見たという事実、他面労働の生産性が向上しておる事実は一応事実として認めざるを得ない。この理由に基いて電気事業労働者の現行賃金は或る程度考慮せられるものと考える。なお経済情勢の転換期に立つて将来不確定の要因を持つている現在、直ちに従来言われているベース・アツプを考えることは困難と思われるので、少くとも本年九月までは次の暫定措置をとることを適当と認める」ということで、この前文から読んで参りますと、はつきり現行料金の範囲内或いは現在の経理の中で、今までの実質的な賃金の低下、それからそれを補い或いは労働生産性を向上しつつある事実に鑑みてこの程度のことはできると、こういう調停案だと私は思うのでありますが、そういう調停案の精神、解釈を認めての上で調停案受諾のこれが勧告をしたのであろうと思うし、それから事業局にしてもこの点も十分含んで話を聞いて来られた、或いは示唆された、かように考えるのでありますが、先ほどの次長の答弁は多少あいまいでありますが、ベース・アップではない、それで賃金の改訂に伴つて必ずしも料金の改訂が行われなければならんとは考えない。但し数字が殖えることは事実である云々というお話でございましたが、その趣旨或いは精神というものは、調停案の趣旨であります現行料金の範囲内とか或いは現行の経理の範囲内で調停ができるという点もお認めになつた上でそういう点を発言せられるのではないかと思うのですが、その点は如何でしよう。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 中労委の最低の線は、恐らく今お話がありましたように、現行料金制度の下においても大体この程度のものは織り込めるであろうというような一応の予想の下に出されたのではないかと想像いたしております。先ほど申上げましたように一応のこれは暫定措置に過ぎません。十月以降の本格的措置が別途どうなるかということもございまするし、やはり或る程度の支出は殖えるということは当然認めざるを得ないのでありまして、実際上これが料金の上にどうはね返つて来るかという具体的なパーセンテージ等につきましては何とも申上げられないのでありますけれども、先ほどから繰返して申しておりますように、大体大きな影響なしに行くのではないかという見通しの下に一応妥結をした、かように考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 それじやもう一度念を押して、答弁もはつきり願いたいと思うのでありますが、調停案は九月末まで、次の暫定措置を云々ということでありますので、今回の調停案の受諾は料金改訂には影響をしないと了解をして現在の料金或いは経理の範囲内で賃金改訂ができると、調停案の実施ができると、事業局としても判定した、かように考えてよろしうございますか、あまり修飾は要らない。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 修飾しないとはつきりお答えできないのでありますが、非常にあいまいな答弁のようにお聞き取りになられると思うのでありますけれども、先ほどから繰返して申しておりますように、料金をいつ上げるかという時期もきまつておりませんし、又上げるか上げないかということもきまつておりません。従いまして実際問題として、事務当局で試算しております総括原価、料金収入からはじき出して参ります料金率の上に具体的にどうはね返るかということは、試算をしてみないとわからないと思います。併し九月までの暫定措置ということに関する限りにおいてに料金率の上には大体はね返らないで済むの、ではないか、かように考えております。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 労働省は涼しい顔をしておられますが、(笑声)先ほど政府を代表して来ておられる顔触れとしてはこの席上では次官がおられたので、先ほどその点についても聞いたのですが、その点と、それからなおこれはスト規制法が出ない前なら先ほどのような答弁に示された態度でいいと思う。スト規制法が成立いたしまして、電力関係の従業員の労働組合としては非常に交渉、或いはその背後にあります闘争方法について制約があることはこれは否定することはできない。従つて或いは公務員と同列にはならないかも知れませんけれども、その制限をカバーするだけの努力というものは当然労働省としてなされるべきが当然ではないかと思うのです。そういうことをお考えになつておるかどうか。それからそういう建前からしますならば、四月の半ばに、十四日に電産初め承諾の、受諾の意思表示がなされてから一カ月近く全く放任されたと、それは大臣も呼んで面会をした云々ということがありますけれども、答弁から見ましても、十四日になつて調停案の趣旨に従つて解決に努力をするという、こういう最終的な受諾というよりも、努力をしたいという態勢になつたというその間に、労働省としては殆んど実のある折衝、或いは勧告はなされて来なかつたのじやないか、或いは動きが鈍かつたことは、これは否定することができないと思いますが、労働省はどういう工合に考えていられますか、その点について重ねて答弁を……。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) ちよつと申上げます。会社側は当初からこの調停案を受諾できないとは一遍も言つていないのであります。ちよつと暫らく研究させてくれと、こういう態度です。で中間的に中労委に書面を以ちましてたしか四月二十五日、二十四日でございましたか、各社から中労委に文書で回答を出しております。これを見ましても、暫らく検討をしたいと、こういうことで、その中でもニユアンスがございまして、例えば関西電力のごときは成るべく調停の趣旨に副つて解決したいけれども、暫らく検討したいというような趣旨の文書になつておるのであります。従つて労働省といたしましても、もう経営側は呑むということは時期の問題だと、で、これはざつくばらんに申しまして、料金問題との関連を経営者側が考えておるというだけである。そこでもうどうせ呑むのなら早く呑めということを繰返し申して来たわけでございます。少くとも四月の一ぱいにはやはりはつきりしたらどうかということを申しておつたのでありますが、そのうちにあの五月の初め頃がゴールデン・ウイークとか言つてずつと休が続きまして、少し五月に入りましてからも日は過ぎまして、その後これは委員長の御斡旋なんかもあつたりしまして、労働省から相当強力に言つたのです。これは先ほど吉田委員は形式的とおつしやいましたけれども、労働省からのプッシユがあつたのでやはり経営陣も踏切りが付いたというふうに考えております。でこれは我々の独善じやなくて、代表が述べました中でも、そういう言を言つた人があるので、私どもはこれは相当労働省としましては効果のあるブッシュをしたというふうに考えております。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) お答えします。個々の争議につきまして、成るべく政府が直接の干渉はしないのが建前になつておりますが、お話の通りにこれはスト規制法実施後の最初の紛争でもございますし、労働省といたしましては非常な関心を持ちまして、殊に中労委の調停案を中心に解決を図るというために先ほど労政局長が申上げましたように事務当局及び大臣から労使双方ともいろいろ面接もいたしまて、種々この事態の円満解決に努力をいたして来た次第でございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつとこの際関律して私労働省と通産省へ同じ問題で尋ねます。  先ず第一に労働省に尋ねますが、スト規制法が政府によつて提出され、そして可決決定を見た根本の趣旨は、電気事業のごとき公益事業にあつては労使が力関係で対立をするということは公益的な立場から好しくないということが一つでありまして、それからもう一つの問題としては、そういう非常に強力なる闘争力と申しますか、争議力を以て徒らに公益を害しながら賃金の引上げをやつて行くということは、これは日本の産業政策上困ると、この二つの問題で私はあつたと思うのです。要するに力関係でストライキを、電気をとめるというようなことをやつて行けば、これを解決するために賃金をどんどん上げて行かなければならん、そういうことでは困る。従つてこの際はスト規制法を作つておとなしくさせて、そしてその間公正妥当な中央労働委員会が出して来る調停案によつてすべて円満な平和的解決を促進して行こうと、これによつて政府も労使とも協力して行こう、協力させて行こう、こういうことが私は根本の趣旨であつた、こういう工合に考えますが、その考え方は当時労働省でしばしば労働大臣が言明せられたことがあるのですが、現在もお変りになつていないかどうか、この点を労働省にお尋ねします。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 趣旨としまして委員長のお話の通りであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうですね。そうしますというと調停案というのは尊重して、これを労使共に呑むべしと、こういう考え方に私はなると思う。  今度はその場合に、通産省へお尋ねしますが、通産省のほうは、この調停案について他産業の賃金に及ぼす影響であるとか或いは電気料金に及ぼす影響等を考慮して、いろいろ考えておつたとおつしやいましたが、これは通産省の所管としては、少し賃金問題を扱うには行き過ぎじやないか、私はそういう工合に考えますが、通産省はどういう見解をおとりになりますか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 通産省としましては、勿論これは労働なり賃金問題の直接の主管庁ではございませんし、ただ中労委の裁定は、勿論これは只今労働省からもお述べになりましたような趣旨において十分尊重しなければならんわけでありまするけれども、ただその調停を具体的に適用いたしました場合に、電気産業のあり方、又電気料金というものが各産業へ及ぼす或いは一般家庭へ及ぼす影響というものも、一応やはり経済主管庁としては十分検討してみる必要があるという意味において検討を加えることは必要だろう、かように考えておるわけであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) その考えられることは結構ですけれども、考えたことによつて、この紛争が非常に解決が遷延されて、延びてしまつたということについての責任をどういう工合におとりになるか、どういうふうにお考えになるか、こういうことであります。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 中労委の線を直ちに無条件で受諾する、無条件という言葉は悪いかも知れませんが、経済主管庁といたしましては、先ほど申上げましたような意味において、やはりそれから来ます影響なり或いは電気事業の内容に与えまする影響等も十分検討いたす必要がございますので、従つて中労委の線を尊重しないとか或いはというような意味において検討されたわけでございません。できるだけその線を尊重するわけでありますけれども、併しこれから出て参ります結果と経済的な効果というものについて、やはり一応検討を重ねる必要がございまするので、そういう意味において会社側においても研究し、又私のほうでも検訂いたした次第でございます。賃金問題直接に対して私どものほうで直接干渉するとか、或いはどうこうというふうな考えの下にやつたわけではございません。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それから、まあ今の議論はこれ以上続けてみましても、公益事業局の次長としてはこれ以上御答弁は私はなかろうと思いますからやめます。これは通商産業大臣にお尋ねすべきことなんです。通商産業大臣がこの委員会になかなかおいでになりません。労働大臣もおいでにならない。で只今公益事業局、中央労働委員会のほうにお願いしてありますが、こちらのほうも只今お断りが来ております。労働委員会は調査をしようと思いましても、権威ある責任者を呼んで調査すみことが不可能な状態になつております。こういうことを一つ御了承願いたいと思います。  それからこの際、もう一遍通商産業省自体のお仕事のことをちよつと伺つておきますが、電気料金の更改の是非、いい悪いは今私はここで議論をしようとは思いません。ただ問題はですね、事務的なことをお尋ねいたしますが、電気料金というものは法の第三十九条によつてですね、これは四つばかり項目があるはずでありますが、その適格条件を備えた場合には通商産業大臣はこれは認可をしなければならないということになつておる。これをむやみに、聴聞会まで開いておいて、そうしてまだ今も方針が決定していないとか何とか言つておられますが、そういう例えば犬養法務大臣が指揮権を発動したようなことができるかどうか。今の犬養法務大臣の指揮権は但書があつてあれを悪用したというので非難があるのだけれども、この電気料金の問題についてはそういう但書の条文も何もない、これは認可しなければならない。そうして而も聴聞会も開いて数カ月たつておるのにまだ何しない通商産業省の態度というものは、私はその料金の値上げの問題の是非は今ここで論議いたしませんが、法律を守つて行く者の立場から、そういうあいまいな態度というものは許されるかどうか、これを私は伺つておきたいと思う。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 電気料金の算定につきましては、只今委員長御指摘の通りに法律の条文に基きまして一定の条件を備え、その条件に従つて計算して出て参りまするものは客観的な一つの基準があるわけでございまして、別に料金算定基準というものもきまつております。一方において資本金その他の総括原価というもの、他方において収入計算ということがあつて、その分子、分母の関係で言えばまあガラス張りになつておるわけでございまして、従つておのずからそこに客観的な基準というものに当てはめて見て、その条件が備わる場合においては認可をしなければならないということになつておりまして、従つてこれを単なるまあ思慮的と申しますか、全然根拠のない、単なる政策的な配慮によつて動かすことはできないということが、料金算定の建前になつております。  ただ聴聞会もすでに終りまして、大分時間がたつておるにもかかわらず、まだ計算ができないのかというお叱りを受けるのは勿論でございますが、例えば石炭の、非常にまあ総括原価の中で大きな要素を含んでおりまする石炭の単価の値下りの見通しでありますとか、それから料金収入のほうの算定基準になつております二十九年度の需要供給の、需給計画の年間の見通しというようなものが非常に立てにくい現状になつておりまして、それらの推算を重ねておるような状況でありまして、非常にこの制度それ自体が複雑になつておりまして、その上に今回は御承知のように従来のような電力の需給調整規則による割当制度というものを今度は廃止いたしまして、料金の一本化、乃至は料金の加重による割当をやめて、会社の供給規定を基準にして電力の配分をするというふうな制度の根本体制が絡み合つて同時に実行されております。非常にその間の算定は複雑でむずかしくなつております関係上非常に延びて来ておるようなことで、誠に結論が出るのが遅いことにつきましては関係方面に非常に御迷惑をかけておつたと思います。特に政策的に或いは意識的に遅延しておるというようなことはございません点を御了承願いたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) そうするとこの四つの項目には、条件には大体合つつておる、こういうことは認められておるのでありますか。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 四つの条件というものに当てはめましてそして算定いたしまして、これはまあ事務的にはいろいろ検討いたしておりますが、或る程度のやはり総括原価の高騰ということは結論として出て参るわけであります。従つて適当な時期においては或る程度の値上げは止むを得ないのではないかとかように事務的には考えております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 私は、今いろいろ事情をお述べになりましたけれども、こういうことを申上げるのです。およそ通産省としてですね、スト規制法案が通過したあとにおいては介入すべきでない賃金問題に、とにかくこれは間接的とおつしやるけれども、直接的な私はこれは影響力を持つておられると思う。そういう通産省がですよ、自分の本業である電気料金の問題については、只今公益事業局の今持つておる能力の限界を越えるようなむずかしい問題だからして時間がかかつておるとおつしやつておるけれども、そういうほうのことについては非常に不明瞭な態度をとつておいでになつてですよ、これと何ら関係のない賃金問題についてはですね、強い影響力を与えておられるということは、これは私は国会として、特にスト規制法案を通した私は当時の委員長として非常に理解に苦しむのです。特にあなたの今の御発言の中には、これで調停案を研究をして、料金に影響を及ぼさない大体確信があると、こうお述べになつており、そこまで研究されておつて、そしてこの問題について、とにかく労働者側が呑んで一月以上もたつてもなおその結論が出なかつたということでは、甚だ私は怠慢の諺を免れんじやないかと、こういう工合に考える。殊にこの料金の問題については政治的な考慮はないという工合に当局はおつしやいますけれども、これは私は若しそういう工合におつしやるならばですよ。只今の電気料金の取扱い方について通商産業省は非常に行き過ぎだということを私は考える。およそそうでなくて、事務的にははつきりしているけれども、政治的な影響によつてこれは延びて行くのだ、こうおつしやつたほうが私は正直だと思う。それならば、今国民が電気料金は上げてもらいたくないと、こういうような政治的な影響力によつて今通産省が苦悶しているのだと、こうおつしやるのが正しいのであつて、政治的には全然因つてない、事務的に困つているのだと言うのは、それこそ私は間違つているのじやないか、こういう工合に私は考える。この点は愛知通商産業大臣にもう一遍お聞きをしたいことなんです。こういうような、指揮権の発動は出て来る、法律できまつておつてしなければならん事項はいつまでもしない、こういう工合に法を政府みずからあいまい模糊として運用するということがあれば、これはもう法治国家としてなつてはおらんと私は思う。この点についてもう一遍小出次長の御意見を承わつておきますと同時に、これは一つ局長にも、次官はここにお見えになつておりますが、大臣にも一つ伝えてもらいたい、そういうように思います。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 料金の改訂につきましては、先ほど申上げましたように算定基準に基きまして具体的に何%の値上げをするかという計算をしなくちやならんので、これに関する最終的な結論は今日の段階におきましては、大体まあ大臣もそういう考えでございますが、遅れましたけれども、今月中には何とか最終的には結論を、見通しを得たい、かような実情になつております。従いまして特に、一応の計算はできておるけれども、ただ何らかの配慮によつて延ばしておるというような事情ではございません。実際問題として先ほど申しましたように非常に計算が複雑でむずかしいわけでございますので延びておるような状況であります。  ただ一方賃金のほうにつきましてはそれじや非常に荒ぽく早く結論を出したではないかというお話でございまするが、こちらにつきましては問題が非常に急ぎます関係もございまするし、又細かく何%というふうな料金へのはね返りその他の影響を計算しないでも、大体の見通しとしてさしたる影響はないというところの肚で以て一応の結論を出した次第でございます。通産省としては特に賃金問題について強く影響力を与えたというふうな工合には考えておりませんし、又それだけの力も持つていないような状況であります。大体私どもの事務当局としての気持はそういうようなところにあるのでございます。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) もう一遍私が申しますがね、およそ調停案に関する限りは通商産業省は私は極言すればタッチすべきでないということを申上げておるわけであります。スト規制法案ができた経緯から考えれば、他の産業の賃金に及ぼす影響などということは通商業省などが考えるのは潜越至極だ。これは中央労働委員会がやればそれでいいことなんです。それから更に料金の及ぼす影響云々ということを言われるが、これだつてスト規制法案ができた当時の国会の速記録をよくお読み下さい。政府の提案して以来の我々の苦心をしたずつとのところを。そんなことは通商産業省がタッチしなくたつて、調停案というものはスト規制法を以て電気労働者のスト権を剥奪するこれはリベート、これこそリベートだ。リベートとして、そうして公正妥当な賃金の改善案としてこれは呑むべし、国民が呑むべし、そういう工合にきめたものであつて、そういうことを通産省が考えられることは、私は潜越至極だということを私は申上げておるのです。研究されることは、これは私は何も否定をするわけには行きませんけれども、研究された結果をそういう問題解決のために影響を与えられることがけしからんのではないかということを申上げておきたい。これは一つ僕の見解が間違つておるならば、労働大臣なり労働政務次官からここで一つ明らかにしてもらいたい。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 賃金問題その他の労使の紛糾或いはその解決のために通産省が直接乗出すなんということは無論あり得べきことではない。殊に中労委の調停案が成立と申しますか、出されましたこの際、これを中心にその関係機関で十分研究されるのは無論筋であろうと思います。たまたま料金改正、これはまあ通産行政の一分野の問題と絡んでおりますために、通産省といたしましてもそれこれといろいろな研究や、又その他に及ぼす影響についての検討をまあされておられたものでありましよう。この紛争自体は、幸い中労委の線に沿いまして一応の妥結を見る模様になつて参つておる次第でございまして、その間の事情は一つ御了承頂きまして、まあこの事態が一日も早く解決されんことを労働省としては希望しております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それから公益事業局の小出次長にもう一点重ねて私は所信を承わつておきます。私の意見、又労働省のお考えも一致しておるわけでありますが、通商産業省は我々の考えを大体理解せられて同調せられるか、それとも先ほどのような考えをお持ちになつておられるのか、これは若し先ほど述べられたようなあなたのお考えをお譲りにならなければ、これは通商産業大臣の出席を求めて私は飽くまでも追及しなければならん問題だ、こういう工合に考えております。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 只今労働政務次官がお述べになりました趣旨と全く同意見であります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それから私は誤解を招くといけませんからもう一遍繰返して申上げておきますが、電気料金の問題は法律の定めるところによつて通商産業省は事務的にこれは認可をしなければならん問題に聞いておるという工合に申上げたことは、私は電気料金をお上げなさいということを私は激励しておる意味では全然ありません。これは誤解のないように。ただ通商産業省がこういう法律を現に持つて、これで電気事業の監督をしておる以上は、それが如何に政治的に圧迫が加わり、或いは社会的に批判を受けようとも、法律を守ろうという建前ならば、只今の法律はこれは一分の隙もないように認可しなければならんとできている。なぜそれをおやりにならないのか、こういうことを私は申上げておきたい。それでそういうことをしなければ、法律の権威というものはどこで保つて行くのか、こういうことを申上げたい。

小出榮一通商産業省公益事業局次長

○説明員(小出榮一君) 委員長の言われました御趣旨はよくわかつております。今の法律の建前から申しまして、或る程度の値上げをしなければならんという結論が出ました場合には、勿論とれは如何なる障害或いは反対がございましても、まあ強行と申しますか、強い決意を持つて実行しなければならんというふうには事務当局として覚悟いたしておる次第でございます。ただその最終的な作業の結論がまだ出ていないということを申上げておきたいと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 最後に労働省に承わつておきたいと思うのですが、調停案が出ましたのが三月の十八日、それから電産が受諾を決定いたしましたのは四月の十四日、それから労働省が社長会議を開いて云々と言われましたのが、その際に呼んだ云々というのが五月の十四日、二十一日というのもありましたが、四月の末或いは五月の半ばになつて代表か或いは社長の一部か知りませんけれどもお会いになつておる。で、調停案が出ましてから三カ月半もたつておることはこれはもう否定することができない。その間調停案自身に恐らく不満があつたであろうと思うのでありますが、定期昇給ということで労働省が見送つて、或いは事態が遷延しましたために、折角調停案が出たとしても紛糾が予想された。それからその間に資本の側においては、会社側においてはいわゆる団体交渉の余地を残して、恐らく一瞬金等にしましても時期がたつて参りますならば或いは今後の一時資金に影響をする。これはまあ影響をさせる目的で引張つたということも考えられまするが、だんだん労働者側において不利になつて参ることは、これは誰も想像いたしますることであります。でニカ月半近く放置せられたことは労働省としてどういうふうに考えられるか、望ましくなかつたということだけを恐らく言われるのじやないかと思います。それだけに或いはスト規制法成立後の運用については好ましい筋ではなかつたと私ども考えるのでありますが、好ましいと考えられるか。私は労働省がその推移については遺憾の意を一つ表明願いたいと思います。如何でありますか。

安井謙自由党労働政務次官

○政府委員(安井謙君) 労使間の紛争につきまして労働省が直接関係をしてこれを云々するということは、これはでき得る限り避けるべきであろうという建前をとつております。併しこの電産の問題は、特に先ほどから御指摘もありましたように、スト規制法実施以降最初の問題でございます。で社会的な影響も大きいので、でき得る限り中労委の調停案を中心に円満妥結されるような務力は相当側面的にいたして来たつもりでございますが、結果としまして調停案が出まして以来、円満解決の結論が出ますまでに相当な長期を費したことは、これは一般問題といたしまして選憾であろうと存じております。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。  それではこれで散会いたします。    午後一時三十八分散会

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