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19回国会参議院1954/04/06

労働委員会 第17号

発言数
41
登壇者
7
会派数
2
開催日
1954/04/06

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今から会議を開きます。  先ず労働情勢の一般に関する調査を案件といたします。この前労働省から当委員会り要求によつて資料が提出されておりますので、これにつきまして一応説明を願いたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) この前の近江絹糸の不当労働行為事件について資料の御要求がございましたので、お手許に「近江絹糸紡績株へ式会社の不当労働行為事件について」というのをお配りしてございますが、これに我々の調査しました範囲でできるだけの詳細な報告を載せてあります。  大体お読み頂ければこれに附加えて我々の説明するとこるはないわけで、結局は只今、不当労働行為によつて解雇された、地労委、中労姿で認定されました中岡良一君が、三重県の地労委に対して不当労働行為という救済の申立てをやり、更に三重地方裁判所に対して除名、解雇取消の仮処分を申請いたしております。十三ページの三行目あたりでございますが、そこで我々といたしましては一応その結果を待つている。それから中労委はあとで係の者が参るそうでございますけれども、この決定が履行されておらない。而も逆に組合から除名されたり或いはそれによつて解雇されたりしているということにつきまして、何らかの措置をとるべきだということで、中労委としても当然考慮しているようでございますけれども、何分にも地方裁判所に対しての仮処分の申請が出ております。この様子を暫らく見たいというふうな気持でいるようでございます。  で、なおあとに「彦根工場に於ける不当労働行為事件について」それから「大垣工場に於ける紛争について、」更に「岸和田工場に於ける紛争について、」この三つの事項も関連いたしまして載せてあります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 基準局長。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 近江絹糸の労働基準法違反につきまして、昨年の九月以前の分につきましては全国会のときに御報告いたしましたので、その後の状況につきまして、お手許に監督の実施状況を差上げてあるわけでございます。  で、大垣の工場或いは彦根の工場、津の工場、岸和田の工場、それぞれ監督をいたしまして、違反のありましたものにつきましては、この資料にございますようにそれぞれ是正をさして参つているのでありますが、特に我々としまして一番大きな問題として取上げましたのは、彦根工場におきまして十六歳以上十八歳未満の男子の労働者について深夜業を行わせている問題でございまして、これは現在の、昨年の暮までにおきまする彦根工場における取扱いは、一週間学校の生徒として、近江高等学校の生徒として学校教育を施し、一週間を労働者として職場において労働に従事させるという労務の態様であつたわけでございまするが、その際に交替制としまして労働者として工場に勤務しまする労働者を二組に分けまして、A班とB班と、A班が昼間の勤務、B班が夜間の勤務という形で参つて来ておつたのでありまするが、そのB班に属しまする労働者は常に夜番の労働者として十時半、法律で認められまする十時半までの労働をいたしておつたわけであります。そこで問題は、労働基準法で御承知のように交替制の場合におきまして初めて十六歳以上十八歳未満の男子の労働者を深夜業として認めているのでありまするが、その交替制というものについて近江絹糸当局は、学校の生徒である身分と、労働者である身分とがこれが一週間ごとに交替しておれば、それを以て労働基準法上の交替制ではないかという主張を実はしておつたわけであります。そこで監督の結果、そういう事実がわかりましたので、労働基準法に言いまする交獄制はそうではなくして、労働者たる身分を持つているときにおける交替でなければ、労働基準法の交替制としてはあり得ないということで、強くその違反について是正を命じたのでございます。で近江絹糸の彦根工場としましても、昨年の暮その違反事実を認めまして、現在におきましてはA班とB班でありまして、A班が午前の、昼間勤務でございますると、その次の週は学校の生徒、その次の週においては夜番の勤務、そうしてB班が昼間の勤務というふうな本当の意味の交替制をとつて今実施いたしておりまして、この点の労働基準法違反はなくなつていると考えられるのです。  それから津の工場におきまする不当労働行為の問題は、前回の当委員会におきましても労働基準法違反としては、寄宿舎の規定或いは復職を命ぜられた者の賃金の支払いが確実に行われているか等につきまして監督をいたしました結果、それらについて違反はなかつたようでございます。ただ問題は美化班というものに二人の年少者をその班員として便所の掃除をさせたということにつきましては、女子年少者労働基準規則の違反があるのでありまして、この点につきまして監督をいたしました結果、この美化班を解散をいたしまして、現在におきましてはこの問題も違反がなくなつているのでございます。  それから岸和田工場におきまして、は、先般赤松委員からの御質問もありまして、いわゆるふくろう労働というものが行われているようでございまするが、これは直接的には労働基準法違反にはならないのでございまして、ただこれが労働者の身体及び福祉にどういうふうに影響があるかということにつきまして、我々は基準法の監督という立場ではなくして、一般的な労務管理という立場からこの結果につきまして目下監視をいたしている状況でございます。  以上簡単でございまするが、昨年の九月から今年の三月までの違反の状況につきまして一応御説明申上げました。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 毎度近江絹糸のことを取上げることは本当に私は悲しく思うのでございますが、今かずかず基準法違反の実例を挙げられたのに見ましてもわかるように、近江絹糸の各工場でも次々とこういう違反事件が挙げられたという実情なんでございますが、これらは監督なさつていらつしやるようでもございますが、その実効が一向に挙らないということになつておるのでございますが、こういうことはどういうふうにすればよろしいのでございましようか。もつと監督行政を厳重にして頂くとか、或いは近江絹糸の労務管理、労務政策というものはもう天下に名立たる封建制であることも言うまでもないことでございますけれども、もつとこの監督行政の百面から、こうたびたび諸所の工場で違反事件が起きるということを根絶を期するようなことはできないのでございましようか。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) これらの監督の結果、違反がございまする場合におきましては、その違反の是正につきまして確約を取る。そして更に再監督の結果によりまして、その確約が実行されておるかどうかということを見るための再監督もいたしておるわけでございます。そうして更に又その再監督の際に確約をしました事柄について違反があつた場合におきましては、司法処分というふうな最後の措置もとらざるを得ないのでございますが、現在までのこの報告にございまする違反につきましては、一応すべて是正をされておるのでございますが併しこういうふうな違反を根絶いたしまするといいまするか、今後起らないようにいたしまするためには、やはり絶えず監督をして行くという以外に方法は私はないと思いまするし、又そういう方向に地方の局長なり監督署長なりを指示をいたしまして違反の是正に努めておるような次第でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私先立つてもちよつと津の工場に問題がございまして、たまたまそこの基準監督署に行つたのでございますが、全繊関係の幹部にも会いまして、そこの基準監督署員の会社に対する態度なりを実際聞いてみたのでございますが、どうも腰が弱くて会社の門をくぐるときもその守衛に対して監督官がぺこぺこと頭を下げて通られるというような実情を見ていると私に訴えておりましたのですが、そういう監督官の方も何か法を守る態度において非常にそういう場合に弱いというようなことが言われておるのでございますが、私このことは近江絹糸の富士嵐工場でもそこのこちら側の組合員がおりまして、その人からも実情を聞いたのでございますが、どうも監督官の方の態度が会社側に対して非常に弱くて何かはつきりしない、もつと強く出てもらいたいということの要望がございますが、近江絹糸に関してその地方々々の監督官に対するそういう非難の声がときどき私の耳にも入つている次第でございますが、そういうことについて特に何か御指示がございましたでしようか。そういう声が挙つておるということを私申上げ監督官の態度についてお聞きしたいと思うのですが……。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 只今お話の中にございました監督官が守衛にぺこぺこするというようなことにつきましては、私自身まだ承知いたしておりません。又本省から近江絹糸の監督について手心を加えろというようなことを指示したこともございません。我々としましてはやはり違反の是正につきましては飽くまでも社会正義の上に立脚しまして、この問題の処理に当るようにという基本的な監督方針は、昨年度におきましても本年度におきましても引続き貫いておると考えておるのでございます。ただ問題は枝葉末節の形式的な違反といいますか、そういうふうなものばかりにこだわらずに、実質的な労働条件の確保という点に監督の重点をおいてやるようにということは実は指示はいたしておりまするが、併しそれかと言つてそれが直ちに監督の手を緩める或いは後退させろというふうなことでは決してないのでございまして、枝葉末節ではなくて実質的な労働条件というところに重点を置いて監督しようということはやつておりまするが、今お話のような点につきましては我々は何ら指示をいたしておらないのでございます。従つて若しそういう点がございますれば申告等の方法によりまして御注意を喚起をして頂きまするならば、その点につきましての具体的な解決を図つて行きたいというふうに考えておる次第であります。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 今後も又こういう問題がきつと各所に起ると思うのでございます。まあ尤も今あなたのおつしやいますように労働条件の向上のためには監督の厳正もよることながら、まあ私ども労働組合が実力を以て戦つて行く以外には最後の解決方法はないとは思うのでございますが、特に従来この労働組合の性格が、近江絹糸全体の工場の労働組合の性格というものが非常に御用組合でございますし、そのために民主化闘争を我々がいたしておるのでございますけれども、その都度民主化の芽が吹出るとそれを摘み取られるというような実情がまあほうぼうにあるわけなんでございます。私どもも極力組合の実力を強くいたしまして、労働者の実力で正しい労使の関係、健全な労働組合の建設をもくろんでおりますけれども、どうぞ近江絹糸に関しては今後とも各工場の所在地の監督官に対しまして監視の眼を怠らないように御注意をお願いいたしておきます。  それからその次にちよつと関連いたしましてお尋ねしたいのでございますが、この寄宿舎の問題につきましてちよつと一、二お聞きしたいのでございますが、この前もちよつと簡単に御質問いたしておきましたのですが、今度この基準法施行規則の改正の中で第五条関係の寄宿舎に関する規定の全面の削除がなされておるわけでございますが、この寄宿舎というものに対して、労働省は労働条件と思つておられるのか、生活条件と思つておられるのか、労働省の見解を伺いたいと思います。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 只今労働基準審議会で御審議を頂いておりまする労働基準法の施行規則の第五条の改正に関連する御質問だと思うのであります。現在の労働基準法施行規則第五条におきましては法律の第十五条を受けまして、法律の第十五条では労働者に労働契約の締結の際において「賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」という規定があるわけでございまして、そこでこの賃金、労働時間はわかりまするが、その他の労働条件というのは如何なる範囲のものであるかということにつきまして施行規則第五条がそれを受けて規定をいたしておるわけでございます。その中で第三号に「事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる場合においては、寄宿舎規則に定める事項」ということをその他の労働条件として明示する義務を課しておるわけでございます。そこで寄宿舎規則というものが一体今御質問のございましたように、純然たる労働条件であるか或いは生活条件であるかという問題でございまするか、それは労働基準法の九十五条に寄獄舎の規則において定めなければならない事項を書いてあります。それが「起床、就寝、外出及び外泊に関する事項」、「行事に関する事項」、「食事に関する事項」、「安全及び衛生に関する事項」、「建設物及び設備の管理に関する事項」、これらのことにつきまして寄信金規則で規定をすべきであるということを言つておるわけであります。これらの内容を見ますると、まあ労働条件というものの定義、その範囲につきましては学者の説も非常にまちまちでございます。非常に広く解する説もございまするし、或いは賃金、労働時間だけが純粋の労働条件であるというふうに狭く解する学者もございます。又判決例を見ましても狭く解しておる例もございます。そこでこれはまあおのおのその学説でございまするが、我々が現在考えておりまするところでは、第九十五条に示しておりまするこれらの寄宿舎規則に盛るべき事項というものは、純粋な労働条件というよりも生活の規律上の問題を規定をいたしておるのじやなかろうか。ただこの中で労働条件と思われまするものは「食事に関する事項」が一つあるわけでございます。それから「安全及び衛生に関する事項」等も考えられまするが、これらはすべて就業規則の中で特にまあ食事につきましては規定をしなければならないということになつておりまして、就業規則は当然労働条件として明示しなければならない義務がある、そこでこういうあいまいなものを罰則を以てまで明示の義務、課することが適当であるかどうかということを只今検討をいたしておるわけでございます。問題はこれが労働条件であるかどうかということを議論するのではなくして、罰則を以て明示を義務付けまする範囲としてこれを入れることか適当であるかどうかということの観点からこの問題を今審議をいたしておるわけでございまして我々としましても審議会の審議の結果を十分尊重いたしまして改正の場合に考慮いたしたい、かように思つておる次第であります。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 今いろいろ伺つたのでございますが、私どもの立場といたしましては、この寄宿舎のそもそものあり方というものが事業附属の寄宿舎ということになつておるのであつて、事業が始められる、事業があるからその寄宿舎の必要があるというところから事業に附属しておるという観点で、そのすべてか事業中心に行われておるという考えで、飽くまで広い意味で労働条件として寄宿舎の諸問題を考えたいと思つておるわけなんでございます。今おつしやるように起床とか就寝とか食事とかいうことは一見私生活のようでもございますけれども、その一切の生活をいたしております寄宿舎自体の建物或いは設備、それから食事の賄い、その管理、一切が会社でやつておることなのであつて、純然たる自分の家の食事或いは寝具というような観点とは全然違う環境になつておる次第であつて、そういう一切の管理をするのが会社なのであつて又会社が事業を遂行するために必要な寄宿舎でございますので、私どもは広い意味の労働条件と解釈いたしております。そこで今改悪されようといたしておるこういう大事な労働条件である寄宿舎の問題を一切規則から除外するということになりますと、そこにからんで参りますいろいろな規建が、前後やはりこの基準法と関連のある問題も起きて来る。例えば作業用品の支給であるとかその他のことか、そのほかの基準法の中にはつきり示されておることも全部それが除外されてしまうということになる次第なのであつて、私どもは今言つたような観点から寄宿舎の諸問題一切挙げて労働条件というふうに解釈しておる次第であつて、今おつしやるような狭い解釈では私とも不満でございますし、それからいろいろこの中に含まれておる問題がほかの条文と相照し合わされておる点もあつて、その辺か非常に不明瞭であると思うのでありますか、その点をもう一度。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 只今申上げましたように寄宿舎の規則全部が労働条件であるかないかというふうなことを議論をする立場に立つてはいないのでございまして、ただ仮に労働条件であるとしても、罰則を付してまでも使用者にその明示の義務を課することが適当であるかどうかという観点からこの議論をいたしておるわけでございます。問題はこの中央労働基準審議会で審議されておる過程にございまして、我々といたしましても、その審議の過程なり審議の結果につきましては十分尊重いたしまして改正の問題を考えたというふうに思つております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 この問題についてもう少し私お尋ねもし、又ほかに関連した御質問をしたいと思つておりますので留保いたします。中労委の関係の方いらしておいででございましようか。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 三藤事務局次長おいでになつております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 やはり近江絹糸のことについて非常に奇怪な事件か起きておりますことは御承知の通りと思います。地労委、中労委で時日をかけまして、精力をかけまして御決定なさつたその決定というものか、御用組合の一片の決議で覆されているという問題が津の工場の中岡良一さんの解雇問題にからんで起きておるのでございます。この問題についてその後調査なさつたでありましようか、その経緯を簡単にお伺いしたいと、思います。

三藤正中央労働委員会次長

○説明員(三藤正君) 調査の面から申上げますと、三重の地労委から、このような事実があるので中労委としては命令の履行についてどう考えるかという質問がありまして、我々のほうといたしましても実は私が参つて調査をいたしました。それは先の初めに参つたのでございますが、それまでの事情はおおよそ御存じと思いますけれども、簡単に日にちの順序で申上げます。  昨年の十二月二十二日に再審査の命令書を当事者に交付いたしました。その命令書が一ケ月たちまして今年の一月二十一日までの間に訴訟にもなりまして、その日に会社のほうから…………、その前日の二十日でございますが、中岡良一に対して復職をさせるから出頭しろということで通知が参つております。翌二十一日の確定いたしました日に会社と中岡とで相談をいたしまして復職後の配置を決定いたしております。ただその日に問題になりましたのは、賃金の遡及払を命じておりますが、この質金の遡及払の確定金額を幾らにするかというのでちよつと計算に困つたようであります。そこでバツク・ペイの問題につきまして、差当つて全社としては十万一十九百七十円というものを支給しております。但しこれはあとで精密な計算をいたしまして、一万四千二百十二円過払いだつたというような問題が起つておりますが、とにかく会社といたしましてはバツク・ペイ十万円余りのものを給付いたしております。  それから復職後の職場につきましては、丁度原職の硫綿の工場がふさがつておりましたので、精紡据付係というのに、多少原職とは違いますが、ほぼ同等の職へつけることに話がつきまして、そして復職いたしました。その後会社との間にトラブルはなかつたのでありますが、他面組合のほうの動向を簡単に日を逐つて申しますと、組合のほうは昨年の十二月二十四日に中労委の命令が出ましてからあと、中岡君か復帰することについては絶対反対だという決議をいたしまして、その決議の旨を二十八日に会社へ申入れております。その後組合といたしましては一月十四日にそれまで未だ曾つて開いたことのなかつた懲罰委員会という組合の中の機関でありますが、この懲罰委員会を構成いたしまして、そこで中岡君の復職後の取扱いについて相談をいたしております。そうして一月十四日にその会議を開きまして、一月三十一日に組合の会議において中岡君の除名を決定いたしまして、その日の夕方会社苑に除名いたしたという通知を口頭でいたしております。その後二月十三日になりまして、会社に対して改めて中岡の解雇を督促するというふうなことをいたしております。組合のほうはその間一月の二十一日に懲罰委員会が全員一致で除名を決議、二十一日に中岡君に通知をし、同時に一般に公示をするというふうなことをやつておりますか、中岡君のほうは二十三日に委員長に対して取消の要求をしております。そのときに委員長の言い分によりますと、将来まじめになるから……百これはどういう意味かわかりませんけれども、こういう除名決議は取消してもらいたいこういうふうな申入れをしたと言われております。そういうふうにいたしまして二月十三日に会社に申入れかありましたので、会社としてもいろいろ協議をしたということになつておりますが、翌二月十四日の朝の七時に会社から中岡君に対して解雇の通知をいたしております。その場合の理由は、組合の決議があつたのでこの会社の労働協約かユニオン・シヨツプであると、いうことで協約の二十二条に組合から除名されたときには解雇するということになつております。この規定に従つて解雇をするのである、こういう通知をいたしたのでありますが、その解雇をいたしましてからあと、本人の賃金の計算をいたしております過程において本人の中岡、かそれより前に会社の用で名古屋へ出かけましたときに、ちよつとここでは申上げかねますが、ふとした事件がありまして、超過勤務の時間をごまかしたということが発覚した。それが発覚したので、これも同じく解雇理由に附加するというので最初の解雇理由に附加いたしまして、その二つの理由で解雇の通知をいたしました。そういうのが大体の経過でございます。  そこで私参りまして先ず第一番にそのユニオン・シヨツプの件につき調べてみたのでございますが、ユニオン・シヨツプの件につきましては、先ほどの規定がございますが、同時に会社といたしましてはこの解雇をしても業務上の必要があれは置いておくことができるという規定がありますので、いわゆるまあ俗語で申します尻抜け常業という形でございます。その点については会社は何らかの考慮をしたのかということを調べてみましたが、この点については殆ど考慮をした形跡はございません。それからこういつたような点でもう少しほかに会社と組合との間に通謀をしてやつたというような、一般的には御用組合と称せられておりますので、そういう想像もつかないではございませんけれども、なお裁判所に過料の通知をいたします限りにおいては確定的な証拠を出さないと到底駄目でございますので、その点何かないかと思つて探つてみたのでございますが、必ずしもそこにまだ明確なものが出て参つておりません。そのほかいろいろ調べてみたわけでございますが、只今のところ中労委としては結論的には過料の通知をしないという意味ではございません。現在の段階においてこれだけわかつておるだけの事実ではまだどうも確信を持つて裁判所に通知するには十分ではない。幸いと申しますか、不幸と申しますか、仮処分の請求も出ておりますし、又三重の地労委へ二月の二十日に改めて今回の解雇についての不当労働行為の申立ても出ておりますので、そういつたような審査の過程において、裁判所は別といたしまして、地労委における審査の過程においてなお不履行であるという事実を確めることのできることが発見されましたならば、我々のほうで改めて調べまして、過料の通知をいたしたい、こういうふうに考えておりますので、現在のところの段階ではまだいずれかに決心してしまうほどの十分な確信に到達していないという状態でございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 調査の結果についてちよつと一二、お尋ねしたいのでございますけれども、ちよつと会社と組合と、中岡さんの解雇に関して通謀した事実がないようだとおつしやるのでございますけれども、この労政局の調査報告書の中にもございますように、中岡さんの解雇に関する組合の大会におきまして、二人の女子工員が、その不当解雇の理由を聞き質しておるのでございますが、それからすぐに又いろいろと便所の掃除だとかそして少し体が悪かつたのにかかわらず、それに対して何か意地悪くいたしましたりして、非常に嫌がらせをしたので、とうとう三人の女子工員が一週間後に退社いたしております。そういうふうなことを照し合してみますと、中岡氏のこの問題に関して関心を持つて発言したりした者が会社のそういう不当な解雇の対象になつて、止むなく退社したということと考え合せますと、そこに何か組合と全社との間に交渉がなかつたということはどうも解せられないのでございますか、そういう事実もよく御調査なすつたのでございましようか、それらに対して中労委は事実なしとお考えになるのでありましようか。

三藤正中央労働委員会次長

○説明員(三藤正君) 無論調査いたしました。いたしまし人けれども、単にそれだけの事実は労働組合が御用組合であるかどうかという判断の資料にはなるかも知れませんけれども、御用組合であるから当然中岡君の場合にも通謀したであろう、こういう事実をそのものとしてそれが挙証するとは必ずしも申せない。それは一つの証愚にはなりましようけれども、その一つだけではどうもむずかしいのではないか。ともかく相手が裁判所でございますから、過料に処しまするのに確定的な挙証ができないと因りますので、その点まだ我々のほうとして確定的な、他の事情及びその点についても十分な確証をつかんでいない、こう申上げる以外にはないと思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 ちよつと関連して。同じ労働省労政局から出ておる資料、十二ページから十三ページに亘つてでありますが、中岡君を解雇せんがために行われたからくりについてここに報告してあります。これはしやべつた者は或いは中岡君に対する同情者であるかも知れませんが、問題は労働省労政局かいわば責任を以て出した資料だと思うのでありますが、その中には「空車で帰つたことがあつたが、それは空クリで君をつれて道楽さしてノツピキならないようにして三共組に雇う計画だから注意せよと言つた、(金は別からでている)」こういうことが書いてございます。これらについては、これは恐らくただ聞いただけでなくて、その金が別から出ているといつたような事情についても調査の上で報告されたものと思うのでありますが、この解雇に至りました理由についてからくりがあると、ここに断言された労働省労政局の事実についての報告を求めます。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) この項は、ここにありまするように、二月十三日地労委において中岡が語つた点を転載してあるのでありまして、この点は現地からの報出品でございます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 中岡君の答弁でしようか、金は別から出ているというような点についても書かれる以上、これが事実であることを労政局が認めた上で、この報告書は書かれたのではないんですか。単に誰々がこう言つた、こういうことでこの事実を或いは確かめないで、金が別から出ているという点も確めないで書かれたのですか、それにしては我々頂戴した資料としては甚だ無責任だと思う。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) いつかも申上ましたように、県の労働部、更に労政課これが積極的に調べる権限もございませんので、この中にも多々あるのでございますけれども、誰々がこういうことを述べているという、そういつた事実を挙げておる場合が相当ございます。それはそういうこととして御判断を頂く資料ということにしておりますので、その言つたことが本当かどうかというところまですべては確かめてはございません。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 労働省に一つお尋ねいたしますが、近江絹糸の問題は今までの労働委員会におきまして再三取上げられて当局の答弁も常に中途半端に終つている感じであります。お尋ねいたしたいことは、近江絹糸工場の現在の内部の情勢というものは実に悪徳極まる経営者の典型的な見本だと私は量るわけであります。宗教は阿片なりと言われておりますが、そういう考え方からすると、近江絹糸の場合における仏教を強制的に各従業員に信仰させている。これは戦争中における時の軍部を中心とするあの軍事国家が神道を無理矢理に信仰さして、そうして精神動員をやつたと丁度同じような形が近江絹糸の工場の中で根強く残つている、こういうことであります。更に私学校を創設して学校教育を施しているが、これは募集のための単なるお飾りであり、折角入つて来た生徒に対しては教育という名において巧みな搾取をやつている。又労働組合は組合の幹部が人事主任、この会社では主任というのは課長に相当するそうでありますが、人事主任その他役付か組合の幹部をやつて、これ又巧みに会社の経営者とぐるになつて、会社でできないときは組合がやる、組合ができないときは会社が実施をする、こうして典型的な御用組合を作つている。労働省当局としてはこの間からいろいろ基準法違反の問題とか不当労働行為の問題とか御説明を開いておりまするが、こういう会社の実態ということを御存じかどうか、この点第一点お伺いいたします。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 私の所管のものにつきまして御答弁をいたします。  お話の趣旨は宗教の問題或いは学校教育の問題、いわば私どもの関係といえば関係して来るのではないかと思いますが、そういう悪徳な行為をする内容を知つておるかという御質問でございまするが、我々は飽くまでも基準法違反がございますれば、これを直させることに過去におきましても、又将来におきましてもやるつもりでございます。そういう意味から悪徳かどうかということの判断はなかなかむずかしいのでございます。ただ法律の規定すれすれのところでいろいろな労務管理、いわば合理的な労務管理と言いますか、巧妙な労務管理と言いますか、そういうものをやつておるということは事実でございます。それをすぐに悪徳であるかどうかということの判断は私としてはちよつとつけにくいのでございます。  ただお話の中にございました宗教の問題でございますが、これは私のほうの現地の基準局におきまして再三勧告をいたしますが、強制しておるという事実はなかなかつかみがたいと思うのであります。と申しまするのは、労働者の中でキリスト教信者もございまして、それらの者が教会に通うことも許されておりますし、或いは工場の中でバイブルを読むごとも許されておる。ただ一定の時期に、一定の時刻に講堂に集まりまして、仏教の経典と言いますか、そういうようなものを読むということはあるのでございます。それも法律的に申しますると強制をされていないのでございます。ただそこに精神的な何らかの圧力というものが、これはいわゆる寮母によつて寮生活をいたしまする労働者になされておるということはあるのでございます。それを以て直ちに強制をして法律上の問題として取上げられるかどうかという問題になりますと、非常にまあデリケートな問題でございまして、我々としましてこの点非常に苦心を実はいたしておるのでございます。何らかそこに強制の措置がとられたという事実見出され得まするならば、直ちに法律の違反としまして処理を考えたいと思いまするが、まだそこまで行かない段階でやつておるわけでございます。  又学校教育としましても、これは学校教育は文部省の所管でございまして、我々がその内容にタツチすることができない。ただ労働者としての職場において働く、その労働者としての身分を持つております限りにおきましては、労働基準法上の問題として監督の措置をいたしておる。それは先ほども御説明しましたように一部違反がございましたので、これについても是正をさせまして、只今ではこの問題の違反はないというふうに考えております。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 只今の基準局長の御答弁は誠にいい加減な答弁だという感じを持たざるを得ません。基準局長は一体この問題になつておる近江絹糸工場に行つてみたことがあるかどうか。私もこれは偶然な機会に数年前に、福島県から相当に女工さんが応募して行つておるので、県会の労働委員として視察に参りましたが、そのとき見ました印象はなかなか会社の説明で巧みな、そうして又如何にもこれ以上の施説或いは環境はないような宣伝を外部の人々にはやつております。講堂等を見ますると、確かに仏壇が飾られて、そうして毎日毎朝従業員の諸君が講堂に集められて誓いを読むとか、まあこういうふうな一つの宗教的な儀式というか、これが強制されているわけであります。例えば、「わが誓願」これを児ますると、その一にこういう言葉があります。「今日一日私の仕事に己を空しくし、全身全力を挙げて尽させて頂きましよう。」、これは典型的な悪徳なる資本家の、幻稚な女子従業員等に対する精神的な一つの何と言いますか、傀儡の手段であります。一体基準局長はこの工場において労働法準法から見た場合に、法律すれすれの段階にあることは認めるけれども、直ちにそれか悪徳と思われるどうかは疑問である、こういうようなお話でありますが、基準局のほうから出されたこの資料を見ましても、近江絹糸関係の各工場における基準法違反の事件というものは、殆んどの基準法の各条文に照らして違反する事件が続出しているわけであります。こういうような一例を見ても、労働省の資料自身が物語るように、これは基準法の精神に照らしても違反する工場であるのだが、その法律のすれすれの事実は確かにあるのだが、直ちに悪徳であるかどうかは即断できない、こういうことでこの基準法の精神が守られるのかどうか。  先ほどの赤松委員の賛同の中にも、監督官がこの工場に出入りするについても戦々競々として門衛の前で覇を下げているという、こういうような不見識なことは今の垂準局長の答弁によつても窺えるわけであります。一体こうい事件が過去数年間続いているのだが基準行政上から見て、もう少し基準法の精神を徹底させるという努力を払うつもりはないのかどうか、これを一つお尋ねしておきます。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 先ほども御答弁申上げましたように、基準法の違反につきましては徹底的にこれを是正して行くという立場は、将来におきましても、私どもといたしまして自信を持つてやるつもりであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 基準局長にお尋ねしますが、あなたはこれだけの違反事件が続出していてそれで以て基準行政上遺憾なくやつているという気持であるのかどうか。それからもう一つあなたにお尋ねしておきたいのだが、昨日私も全級同盟の組織部で発行した近江絹糸の労務管理に関連して、現代女工哀史というのを読んだのです。あなたこれを読んだことがあるかどうか。若し読んだことがないとするならば、読んでこの近江絹糸工場の一つ輪郭でも勉強なさるほうが大事なことだと思うのだが、この点はお読みになつたかどうか。それと私これは基準行政上の職権の問題でわかりませんが、例えば違反事件が続出しいる、こういうふうな工場等においては抜打ち的に例えば深夜業の違反があるかどうか、或いは寄宿者等の規則について違反があるかどうか、時間外等の違反があるかないか、こういうようなことは抜打ち的に検査をして、もう少しこれは会社に対しても少しは圧力を加えて是正させる労力をしてもらわなくちやならんと思うのだが、こういうようなことはできないものかどうか。或いは今後やろうとする御意志かないかどうか、この点を承わつておきたいと思います。

亀井光労働省労働基準局長

○政府委員(亀井光君) 監督の方法といたしましては、相手方に監督をすることを知らせることなくしてやりますることが監督の本旨でございます、監督の方法としましては。従いましていつ如何なる場合といえども相手方に知らさずして抜打ち的に検査をしまするのが監督の方法でございます。この方法は過去におきましても又今後におきましてもとつてあるわけでございます。ただその監督を実施する場合の動機といたしましては、申告によつて監督する場合もございます。或いは計画的に監督をいたしまする場合もございまするが、いずれの場合を問わず時期を相手方に明示をしまして監督するようなことはいたしておりません。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 本日はこれからけい肺の問題の相談があるので、時間がないので減に残念でありますけれども、これは改めて一つ舞準局長並びに労政局長に対しましては質問をやりまするので、本日はこの程度にして保留しておきます。   —————————————

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) この際お諮りいたします。三月三十日の委員会におきましす。厚生年金保険法案について厚生委員会と連合委員会を開くことを御決定願いましたが、その際にはまだ本法律案が参議院に送付及び付託されておりませんでしたので、本日改めて御決定を願いたいと存じます。  本法案について厚生委員会と連合委員会を開きたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 御異議ないものと認めさよう決定をいたします。  委員会を暫時休憩いたします。    午後二時五十二分休憩    —————・—————    午後三時五十八分開云

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 中労委の三藤さんにもう一点質問とそれから要望をいたしておきたいと思います。  先ほどお話もございましたが、中岡さんか再び逮捕されたのでございまして、只今地労委に提訴されている次第でございますが、それが又どういう経過になりましようか、中労委に持出されるかも知れないと思つております。そういう場合に又中労委の判決かあつても、再び前例に倣つてそれか何らの権威もないような取扱になるかも知れない。そういう場合の中労委の権威にかかわるような結末に対して、何かお考えがございましようか、その点お聞きしたいと思います。

三藤正中央労働委員会次長

○説明員(三藤正君) そういうふうな事態になりましたら大変残念なことだと思つております。ただ御存じのように、現在の労働組合法の立て方といたしましては、命令が出されますと効力を生じて、その効力を生じた命令が確定いたしますと、裁判所で確定いたしましたときには罰金になりますけれども、裁判所へ行かないで、単に労働委員会の命令だけで確定いたしましたときには過料を納めるということになつております。金額は一件当り一日十万円ということで、かなり高い金額にはなつておりますけれども、現実に科されております過料を見ますというと、今までの例で申しますと、一日当り二千円かそこいらのものでありまして、そう大したことになつておりません。その金額もさることながら、このような事件の押し方、立法の押え方そのものに対し非常な問題があるように思われるのであります。アメリカの場合は御存じのように労働委員会自身が裁判所へ執行力の付与を求める、こういうことができまして、日本のようにあとからあとから追駈けて行かないで、先手を打たれるという方法が考えられております。そういう点はやはり立法上の参考にもならうかと思いますが、日本のは何と申しましても占領中にできましたもので、非常にこの点不十分な押えになる。ただそのようなアメリカ流の方法をとるというと、ほかの裁判所の労働委員会の命令に対する審査権限の内容、或いは更に引続きましては労働委員会の委員の構成等につきましても問題が生じて参りまして、かなり広汎な問題にはなるかと思いますけれども、要するにその押え方の点で日本の現行法はどうしてもこれ以上行かないというふうな限度がございますので、その点がやはり先ほどから問題になつて、おりました不当労働行為事件の恐らく核心をなすものじやないかと、こう思つております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 だんだん煎じ詰めて参りまして、その不備な点が明瞭になりかけていると思うのでございます。それに関係ある法律或いは法令と申しましようか、規則と申しましようか、それらのものが変えられるべきものだと思います。殊に最近いろいろ逆コースの風潮が高まりまして、いろいろ職場に起つた諸問題に対していつも労働者側が不利に陥れられて、何ら救済の途がないという方向を迫るということは明らかなのでございますが、どうぞこの機会にこそそういう不備な法律の改正を考えて頂きたいと思つておりますに、これに対して、これは労政局のほうの関係でございましようから、一応労政局長の御意見を伺いたいと思います。

中西實労働省労政局長

○政府委員(中西實君) お答え申上げます。不当労働行為制度についきましてはいろいろと問題点がございます。裁判所との関連が一番大きな問題でございまして、更に不当労働行為に現在四種類挙げてございます。殊に組合の組織自体に対する支配、介入の問題、これあたりの救済ということになりますと、実際上救済命令が出ましても場実効を確保することが困難だというふうな問題がございます。いろいろ問題がございますけれども、従来からも研究はいたしております。  それで只今の問題、結局は不当労働行為の七条一号の問題でございますが、結局これが確定いたしまして、履行がありませんければ、労働委員会からの申告等で一日十万円以下の過料ということでございます。若しはつきりと理由もないのに不履行だということかわかりますれば当然今の十万円以下の過料ということでその確保が裏付けられるので、まあ今のところ七条一号の関係におきましては割合確保か図られておるというふうに考えております。ただ只今のお話では、まだ中労委としまして、これを履行してないということをはつきり言つてやるだけの確信がないということを言つておられるわけでありますが、確信さえ持たれれば先ず確保されるのじやなかろうかというふうに考えております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 不履行が確認されないと今は断定しておられるようでありますが、先ほどからの私の質問の中にも申した通り、又この労働省の調査の中にもございますように確かに履行していない、又不当解雇された事実は最初の判決通りの結果を履行していないという現象だと思うのであります。それをどういうふうに解釈なさつていらつしやいますか。これは過料問題にまで発展しないのでありましようか。

三藤正中央労働委員会次長

○説明員(三藤正君) 先ほどお答えいたしましたように最初に履行いたしまして、それからあと解雇した、こういうふうに見て行くのか、最初の履行そのものが見せかけのものであつて、全体として不履行として見て行くのかというところに問題があります。でそれが全部を一貫して最初に復職をさせましたときから続けて一つの不履行が会社の側にあつたということをつかむだけの心証かまだ得られない。今日心証を確実につかめるだけの事実的な裏付け、かないということなんであります、現在の段階において……。無論今仮処分なり、或いは地労委で審査いたしておりますが、その過程でそれを裏付けるような事実か挙がりましたら、そのときには改めて又……、改めてというよりも満を持しておりますから、その矢を切つて放つという段階に立ち至ろうかと思います。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私も、確かに履行していないと断定しておるわけなんでありますが、中労委としてはその断定の事実を今の段階では見出せないと言つておる。併しその取調の経過によつて必ず結果が出て来ると思うのでありますから、どうぞこの問題に対してくれぐれも中労委の決定の所期の目的が達せられるように努力なさるのは当然と思いますし、私どもも又そうありたいと思つておりますので、どうぞ重要視して頂きたい。又その結果を是非当委員会に御報告願いたいと思います。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ちよつと速記をやめて。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を起して下さい。本日はこれにて散会いたします。    午後四時七分散会

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