労働委員会 第16号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/04/01
会議録
○委員長(栗山良夫君) 只今から会議を開きます。 本日会議に付しまする事件は、労働情勢一般に関する調査及びけい肺法案等でございますが、先ず最初に労働情勢一般に関する調査をいたしたいと存じます。 皇居前広場のメーデー使用に関しまして吉田法晴君から質問の通告がございました。これを許可いたします。
○吉田法晴君 昨年皇居前広場を使用いたしたいという申入れ、つまり申請がございまして、昨年はこれを不許可ということに実際はせられました。その後法廷での争いもございました。行政裁判としての訴訟もございましたが、その内容については今ここで触れようとは思いません。本年になりまして再び皇居前広場を使用いたしたいという申出があり、去る三月十人目不許可の決定をなされたようでありまするが、その決定の内容と理由とを伺いたいと思うのであります。 実質的な議論は昨年からもなされて参つておりますし、訴訟利益はないとして、一応訴訟は結末を見ておりますけれども、その判決の中身においては、正当な理由なくして原告の本件訴訟を拒むことはできないといつた判旨もございます。三月十六日の閣議決定は了承いたしがたい、改めてここでお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) 本年の五月一日に皇居前に使用していろいろの行事を行いたいというので、特別使用の許可申請が出ました。一つは平和祈願愛国祭を行いたいというので、大日本愛国党の代表の赤尾敏君の名義を以ちまして三月十八日に申請して参つたわけでございます。参加人員は約十万人、午前十時から午後四時まで平和祈願愛国祭を執行したい、それが一つ。もう一つは、第二十五回のメーデーの式典をあの広場において執行したい。それは日本労働組合総評議会の議長藤田藤太郎君の名義を以て二月二十日に申請をして参つたのであります。これは内容は、参加人員約二十万で、午前十時から午後一時まで、但し集会終了後全員の退場までには約二時間を要する見込で、第三十五回のメーデーの式典を挙行するために特別使用を許可してくれという申請であつたわけでございます。 従来のいきさつ等につきましては只今もお話がありましたが、昭和二十七年に皇居外苑の特別使用の許可の取扱方につきまして政府の方針を決定いたしたのであります。それは第一に、宗教的、政治的の行事、或いは治安を紊す慮れのある行事は許可しない。第二には、小区域且つ短時間でない行事等は許可しない。第三には、国家的行事は原則として許可をする。昭和二十七年に閣議におきまして政府の皇居外苑の使用の方針を決定いたしたのであります。その後御承知のように昭和二十七年の五月のあの紛争の事件が発生いたしましてから、今後は国家的行事以外の行事は一切許可しない方針で進むという方針をとりまして、その後はその方針に基いて取扱つて参つておるのであります。 こういう関係で今回実は只今申上げましたように、二月中旬それぞれ二つの団体から申請がありましたが、これらの方針に基きまして不許可の通知を出したのでありますが、従来のいきさつ等に鑑みまして、成るべく早くこういうことは当該主催者に御通知をするほうがいいだろう、ぎりぎり一ぱいになつてから許可をするしないというようなことをいたすよりも、良心的に早くそのことを申上げるほうがいいというので、三月中旬にその方針をはつきりと文書を以てこういう不許可の通知を出したという方針をとつて参つたのであります。そういう事情でありますることを申上げておきます。
○吉田法晴君 国民公園の問題でございますので、国民公園の使用を許可するかどうかということは厚生省の所管事項だと思うのでありますが、三月中旬ということでございますが、日にちははつきりいたしませんでしたが、厚生省からの通知になつたのか何か知りませんけれども、なぜ閣議で論議したのか、或いは次官会議にかかつておるようでありますが、その次官会議等にもかけて閣議決定に持つて行かれました理由と、その他について承わりたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは只今申上げましたように、昭和二十七年にすでに一つの方針を決定し、その後更に昭和二十七年のあの事件以後、只今申上げました国家的行事以外には使用しないという方針をとりましたので、この方針に基いて進んで参りますることには差支えないと存じまするが、いろいろ従来等の関係もありましたので、一応これは前回もこれを決定いたしまするときに閣議の了解事項として閣議決定をいたしたいきさつ等から考えまして閣議の決定といたした次第でございます。そういう意味で慎重に取扱うほうが、団体が二つの団体であり、而も相当十万、二十万の大衆を計画しておられる催しでございますので、又殊にメーデー等はこれはやはり労働者の一つの年中の大きい祭典として考えられておりまする行事でございまするから、そういう方針をとりまして閣議の決定といたしたと、こういうことであります。
○吉田法晴君 そういたしますると不許可の理由は国家的行事でない。今勤労者の年中の最大の祭典であるという点は認められたようであります。不許可の理由は国家的行事でない、そういう一点にかかるのでありましようか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 今後の神宮外苑……皇居前広場の許可につきましては国家的な行事というのを中心にして許可をする、又使用させる、こういう方針で参つておりまするから、国家的行事という点からこれを却下をしたという事情でございます。
○吉田法晴君 国家的行事ということと、それから先ほど認められました国民的な行事と申しますか、或いは日本の非常にたくさんな人間が関心を持ち或いは関係を持つております年中の祭典というものとの間にはどういう差別があるとお考えになつておりますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 国家的行事とい立場から考えますと、国家が直接やりまする行事は勿論国家的行事として考え得ると思います。或いは国家が直接やりませんでも、国家に代つてやるというような行事も占められると思いまするが、今まで大体一応考えて、又行いましたような立場から考えますと、例えば憲法発布の記念式典とか或いは立太子の式典とかいうような点が一応の常識的な範疇に入つておると思うのであります。そういう点を考えておるような次第であります。
○吉田法晴君 国家機関が直接やるものかどうかという点は、これは国家機関がやらなければ国家的行事でない。これは恐らくそれだけを理由にはなさるまいと思う。国民主権の憲法の下において国民の大多数が関与しておりまするものについては、これを民主的な国家的な行事と認められることについてはやぶさかではなかろうと思うのであります。或いは憲法発布の式典という例が述べられましたが、これは憲法は国家機関だけの法ではございません。国民の最高法規、或いは民主主義の基本法規という意味において憲法が考えられ、その発布の記念式典をおやりになる、こういうことだと思うのであります。それでは日本の勤労者、或いは最近においてはその勤労者の概念も広くなつて参りまして、みずから働いて商売をし、或いは工場をやつておる者も含めてメーデーというものに参加をしたり、或いは式典に参加をしたりいたしておりますが、これらのものが民主的な国家の下においては国家的な行事と考えられないのか、厚生大臣の御所見を承わりたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) これはいろいろ考え方によつて国家的な広がりを持つた、又関係者にとつてはそうも言えるような大きい行事ではないかというような意味におきましては、どう申しまするか、極く常識的な広い範囲から言う場合と、それから実際の問題として申します場合と、いろいろあるのではないかと存じます。もう二十五回も続いたメーデーなんかは、常識的に国民全体の一つの祭典的なものじやないかというような意味から、国家的なものじやないかというようなことを申しまする場合と、ここで私どもが先に申上げました意味とは少し異つておるということを考えるのであります。ここで申しておりますのは、皇居外苑の性格なり或いは本来の目的なり、そういう点から考えて、むしろあすこは一般的な人の成るべく散策なり静養なり、或いは観光なり、いろいろそうい意味において使用するというのが本来の目的である。従つて成るべくならばその本来の目的以外には使用しないというのが、これが結構な又当然とるべきものじやなかろうか。但し止むを得ず、国家がいろいろな施設も持たず、或いはそのところを使用するより他に方法がないというような場合には、国家的な、国家が直接やる、或いは直接にやるというような意味における行事はいわゆる特例的に使用するという行き方であります。従つて特別使用というものはそういう意味で考えて行くべきものではないか、こういう考え方でいたしておるのであります。
○吉田法晴君 そうしますとメーデーの持つております国民的な規模、或いは二十数回か重ねて参りました国民的な祭典、この点はお認めになるわけでございますね。
○国務大臣(草葉隆圓君) これはまああすこの使用の場合に、メーデーの性格を議論するのはどうかと思いまするが、メーデーそのものは、私といたしましては、日本としても長らくの歴史を持ち、今申上げましたように二十五回の歴史を持つておる。而も年中行事の一つの祭典として行われて参りましたので、その歴史とその大きさとはよく承知いたしておるつもりでございます。
○吉田法晴君 メーデーの意義と歴史、それからその国一民的な性格についてお認めを頂いて、その点は大変厚生大臣の何と申しますか、当然の認識ではございますが、民主的な意義を御理解頂いていることには感謝をしております。その中で特別使用、あの皇居外苑の特別使用を許可するかどうか。それには国家が直接やる、国家機関が直接やるかどうかで判断をするのじやないか、それは国家的な行事であるかどうか、こういうお話でございましたから、国家的行事とは何ぞやという点を質問いたしたわけであります。まさか国家機関或いはもつと小さく言いますならば特定の役所、政府も含んででありますが、行政機関なり何なりがやるものだけを国家的な行事として特別使用の範囲に属する、その他のものは特別使用の範囲に属しない、こういう工合にはおつしやらないのだと思うのですが、その点は如何ですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) そこで先に申上げました国家的行事という意味におきましても、例えば国家機関の或る一部分が一部分のために使うというようなものは私は必ずしも国家的行事とは言いにくいのである、こう考えます。従いましてこのような場合におきましても、むしろそれを禁止することのほうが、国民一般のあの皇居外苑の使用には本来の目的にいいという、それまで禁止してやらなければならないというほどのものじやない場合があり得ると思います。従つて国家機関がやるのは何でもやるという意味じやないのでありますが、大きく申しまして、国家的行事と先にちよつと一、二引例しましたが、さような意味を含めた意味を申上げたのであります。
○吉田法晴君 そうしますと国家機関が或いは行政機関がやる云々ということで国家的行事である云々ということは判断はできない。その性質、その規模、それが国民的な規模である、或いはあなたは国家的なと言われましたけれども、私は民主主義の下において、それは官僚国家といいますか、或いはそういう国家でなくて、国民的な規模或いは性格、こういう意味で先ほどの、質疑をいたしましたが、そういう性格と規模とが国民的な規模であり或いは性質であるものでなければならない、この点はお認めを頂いたように思うのであります。さよう了承してよろしうございますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) はあ……。
○阿具根登君 関連して大臣に質問しますが、旧皇室苑地運営審議会で昭和二十四年の四月二十日に、皇居前の広場は広く国民の福祉に寄与するという根本方針が樹立されておつたわけであります。すでにそのときには三回のメーデーがあそこで行われている。而も四月の二十日といえば四回のメーデーに使用するためにすでに政府にこの申請が出されているときであります。そのときにおいてそういう決定をなされて二十四年も許可されている。二十五年も許可されている。五回のメーデーがあの広場で行われているのであります。それが六年、七年を不許可になつて、七年にああいう事件が起きて、そして今度厚生大臣のお話では、国家的行事でなければできないと、こういうふうに変更されたその理由は何であるか伺いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは先に申上げましたように、二七年の最初のときには三項目ほどの方針をきめまして特別許可の範囲を実際としてきめて参つたのであります。二十七年に御承知のような事件が起きまして、当時におきまするその後の皇居外苑の使用は国家的行事に限つて行こう、こういう方針をとつて参りました。その方針をとつて参りましたことに基きまして今回もその方針が適当であると存じまして、その方針に基いて今後も使用範囲を限定いたしたいと存じております。
○阿具根登君 二十七年の不祥事件と言われますが、あれが二十四年に決定されたあの考えに従つて二十七年のメーデーを許可されておつて、その中でああいう問題が起つたとするならば、或いは草葉大臣が言われる一つの理由になるかも知れん。併しあれは、あの紛争の起つた原因は、その前々年度までは五回も許可されておつたのを許可しない、一方的な措置による紛争だと思うのであります。そうするなら、その紛争の原因を作つたのは政府である。その政府がそれを言いがかりにして、国家的行事でなければできないということは、私はその点は納得できない、その点も一つ詳しく説明願いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) お話のように終戦後は只今お話になりましたような方向で皇居外苑は使用した。先に申上げました二十七年からこういたしましたが、二十四年の五月の末に国民公園の管理規程を厚生省で作りました。それから一つの方針をきめて取扱いをだんだんはつきりして参つたのであります。二十七年の事件そのものがメーデーの直接あそこで行われた結果であるならば、それが不許可或いは今後の方針の原因になるけれども、そうじやなかつたじやないか、お話の通りであります。お話の通りでありまするが、皇居外苑のそもそもの本質から考えて、先ほど申上げました皇居外苑というのはそういうふうなものに使う性格のものではないから、或いは一つの演壇を平素準備してそれを使うという目的で来ているのではなく、国民公園としての皇居外苑の歴史、或いは国民全体に対する公開的な自由の一つの広場として使いまする上にはむしろ特殊的な行事には使わないというのが、これはいいと思う。併し止むを得ない場合において今後これを許可する場合にはどの限度にするか、それらをいろいろ総合した結果、止むを得ない国家的行事の場合だけこれを許可するという方針だ、こうであります。
○阿具根登君 広く国民が使う広場であるから、一つの施設を作つたり、そういうものに使わないということを言われておりますが、これは東京地裁の判例でも出ているように、それもわかる。併し一年に一回のメーデーである。而も数十万を擁する人で、どこもそういうことをやる場所がないという東京の現実においては、年に一回ぐらいは当然許すべきであるということがはつきり言われておるわけであります。高裁ではこれは時期が遅れて勝敗は決せられなかつたというのでありますけれども、事実私たちが考えることにおいては、二十万からの人間が集合してやるという所はどこもない、それを今大臣の御説明を聞いておりますと、だんだんと年がたつにつれて極端に申上げますならば、反動的な態勢が整つて来たから労働者を入れないようになつて来たというようにしか考えられない。五回やつた間にどういう間違いがあつたか、そういう原因があつたかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは決して今お話になりましたように政策的なものじやなしに、私どもは皇居前のあの外苑広場は、本当の意味の国民公園として平素すつきりした、国民全体が、東京に来たり或いは遠いところの人が来た場合にはいつ何時でもあすこをいわゆる散策して、そうして休養をする、そういうふうなもので願わくばずつと終始して行くべきものた。従つて本質的に国家的行事があすこで行われるという意味じやなしに、止むを得ざる場合の特別使用の場合においてはそれに限定をするが、そうじやない場合においては、むしろ特別的にあすこを或る時間通行もとめ、それから一般の使用もとめるという、国民公園としての時間の制約を来たすようなことはしたくない。それならば前には使つておつて何ら差支えなかつた。その通りだと思います。決して以前あすこをメーデーに使つて何か特別の事故が起つたとは私ども思つておりません。思つておりませんが、国民公園というものを管理し、今後使用いたしまする上におきまして、厚生省が国民財産としての公共用の公園広場としてあすこを管理いたしまする上におきましては、今後はそういう方針のほうが国全体として最も適当である、最も妥当である、この方針でいたしておりまするので、決して政策的にそれを特別な人をシヤツト・アウトし、特別な人に許可をするという考えは毛頭持つておりません。これは国全体に公平にいたすべきである、かような考えで、むしろ公平という意味から言うと、却つて特殊的な使用がないほうが公平じやないか、こういうのでございますから、この点は御了承を頂きたいと思います。
○吉田法晴君 国民公園の管理に関連をして、国民公園としてできるだけ多くの人に利用せられるようにという厚生省の管理者としての立場から特別使用のことを考えておる。ところがこれは皇室財産を終戦後の民主化の方向に従いまして国有財産にし、その国有財産の中の公共福祉財産として国民公開に指定をした。その決定は国会の議決でこれはなされておる。この管理については厚生省が管理規則を作つて、その与えられた使命を果すために一応作られた。その運営については或いは閣議決定も、昭和二十二年十二月二十七日の閣議決定もございます。或いは旧皇室宛地運営審議会の審議の結果もございます。これらに従つて合目的的に管理されることが、これは厚生省として与えられておる任務であることは議論がないと思います。その国民公園管理規則の中には或いは「集会を催し又は示威行進を行おうとする者は、」云々と第四条に書いてございまして、集会を催し或いは示威行進を行うということもこれは考えられる。厚生省自身の考え方でも考えられる。そうするとほかの人の利用を或いは一時妨げるかも知らん、程度の問題でありますが、集会を催し或いは示威行進を行うということは、そのために使わせるということはこれはあり得ることだ、こういう点はこれは厚生大臣お認めになりますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 国民公園の管理、規則の第四条と存じますが、それには只今お話になりましたように「国民公園内において、集会を催し又は示威行進を行うとする者は、厚生大臣の許可を受けなければならない。」、許可を受けたらできるじやないかという問題になるわけでございます。そういう一カ条は確かにございます。従つてそういうことを予想した一つの国民公園の管理を考えておると思います。この立法の趣旨はお話の通りだと思います。ただこれをさような場合もあり得るから黙つてやつちやいけないというのでこの一項が入つたわけでありしはす。その厚生大臣の許可の範囲はどううことだということでありまするからだんだんと押しつめて今申上げたわけであります。それでだんだんと押しつめて、結論は国家的行事という申上げて、昭和二十七年の最初は三項目でやつておりましたが、先に申上げましたように、併しそれが更に国家的行事という一本に方針をまとめまして、只今まで参りました一つの過程をとつて参つたのであります。で、二十四年五月の国民公園の管理規定はお話の通りでございます。
○吉田法晴君 管理規則なり或いは国民公園の使用について集会或いは示威行進が行われ得るという点はお認めになつたわけであります。ただこの管理規則第四条に基いて許可をするかどうかという基準として、国家的行事であるかどうか、これだけだ、こういうようなお話です。そこで先ほど国家的行事とは何ぞやという点を御質疑申上げたのであります。その国家的行事というのはメーデーを含めて、国民的な規模と性質とを持つならばそれは必ずしも否認するわけではない。或いは特別使用ということが言われましたけれども、それは或いは随時どんな人も利用できるように、或いは散策できるように、それを集会並びに示威行進を行います場合に、その調整を図らなければならんかも知れませんけれども、或いは短時間云々という点もありましたが、ただ仮に一時一般の使用が多少制限されるとしましても、それは許可されるのか、或いは集会、示威行進のために特別使用を許さない、こういう建前ではかろうと思うのでありますが、それが一つ。 それからもう一つ、これは昨年の地裁の判決の中に出ておりますことでございますが、理由の中に自由裁量と法規裁量と連記をして、判決は一応自由裁量と考えたのかどうかは知りませんが、括弧の中に「いわゆる自由裁量にも限度があり、」云々と書いてございます。併し実体的な判断としては前述のごとく、皇居外苑は国会の議決に基きその性質に応じた方法によつて積極的に公衆の利用に供せられることが決定されたものであり、被告はかかるものとしての皇居外苑を管理する権限を有するのみであるから、被告がその管理権に基いてその使用方法自体を規定することはできないものと言わなければならず、右のごとき被告の使用方法を限定する内部的意思決定がなされていても、それによつて皇居外苑の性格と性質より由来する本来の使用方法が限定されるものではない。そしてその田村剛氏の証言の中に、広場が多衆の集会に利用されても、その本来の別途に反するものではないという証言を引いてございます。この判決の何と申しますか、訴訟利益があるかどうかということは別問題にして、中に判示してあります国会の議決に基いて公衆の積極的利用に供せなければならん。この国家的云々というまあ解釈がございますが、そういう内部的意思決定がなされようとなされまいと、皇居外苑の性質と性格とからは使用方法はこれは限定されるものではない。そこで皇居外苑或いは国民公園というものはどういう工合に利用せしめなければならないか。その中には集会、これはまあ判決の中にも出ておりましたが、前に引合に出しました昭和二十二年の閣議決定或いは旧皇室苑地運営審議会の結論を見ましても、国民広場として公開する。それからその構想の中には「野外ステージを中心とする国民広場を設置し、各種行事、運動競技に使用せしめる」云々ということもございます。従つて各種行事に使われるということも入つておる。それが管理規則の中にも、集会或いは示威行進、こういうことで出ておると思うのでありますが、それを許可しないという方針はどこからも出て来ない、かように考えるのでありますが、その点重ねて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) 国有財産法は勿論法律でありまするから、これは国会の承認によりまして制定され、その国有財産法に「公共用財産」として国民公園なり皇居外苑なりというのが出て参つておる次第であります。で、改正前は「公共福祉用財産」となつておりましたが、昨年の改正によつて「公共用財産」と変つて来たんですが、内容は大体同じだと思います。従つて「国において直接公共の用に供し、又は供するものと決定したもの」をここで言う公共用財産と言つておるようであります。そこでこの公共用財産を国会で議決されました精神に基いて管理するのがこの国民公園管理規則、従つて管理規則そのものは、この法を逸脱してはならないと考えております。直接国において公共の用に供し得るためには、いろいろな場合に、特別使用の許可という一項を入れておりますから、その権限を厚生大臣に国民公園管理規則において与えて、それでその国会の議決のありました精神の運用をやつて行こうといたす考えでいたしておるわけでございます。そういう考え方からいたしますると、先ほど申上げましたように、むしろ皇居前の広場は、それは前の皇室の審議会でしたか、あれの中にはいろいろそういうことも当時考えられたと思うのです。考えられたために、或いは運動場を作つたり或いはステージを作つたりというようなことも考えられた時代も確かにあつたし、又それも一つの考え方であつたであろうと思いますが、その後この国有前産法の公共用財産の管理をいたしまする上から、殊に皇居前の広場の管理という点から考えますると、先ほど来縷々申上げましたような方針で管理をすることが公共用財産の管理の、むしろ国会の皆さんの議決の精神を十分国民に共同に、そしてすべての人に利用して頂く上から妥当ではなかろうか、これが国民公園管理規則として設けられ、その権限において厚生大臣として許可の範囲を限定して参つておる精神でございます。そういう精神でいたすりもりであり、又いたして参りたいと考えております。
○吉田法晴君 今の厚生大臣の答弁の中に、皇居外苑が公共用財産であるかのように御答弁なさいましたが、これは失礼でございますけれども、厚生大臣の思い違いだと思う。そういうことを考えておられるから重大な運用上の間違いが起つて来る。国有財産法第三条第三項第二号が問題の皇居外苑の根拠法規だと思います。これは公共福祉用財産、第三号が皇室用財産であります。皇室の用に供するものであります。これは皇居外苑という「皇居」という言葉が前には付いておりますけれども、法的な性格では公共福祉用財産であります。「国において直接公共の用に供し、若しくは供するものと決定した公園若しくは広場又は公共のために保存する記念物若しくは国宝その他」、こういうことで、問題の場合は公園であります。もつと大きい概念で言うと、公共福祉用財産、国民の福祉に使うための財産、こういうことになつておると思うのでありますが、その点は如何ですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) その通りであります。実は私の発音が悪かつたから、公けの共というのを、皇室の居るというふうに聞えましたら、こちらの発音が悪いのであつて、第二項であります。公共用であります。昨年改正までは「公共福祉用」とありましたのを昨年改正して公共用と改めた点であります。
○吉田法晴君 公共福祉用財産の使用目的、或いは管理目的等が明らかになつたと思うのでありますが、判決の通り、被告の使用方法を限定する内部的意思決定がなされておつても、皇居外苑の性格と性質より由来する本来の使用方法は限定されるものではない。従つてその中で集会或いは管理規則によります示威行進等を否定するものではない、この点はお認めになりますかどうか。
○国務大臣(草葉隆圓君) たしか今のは二十八年の第一審の判決であつたと思いますが、更にその上に最高裁の判決があつたと思います。それは裁判所で判決を下されまするので、私どもはそのそれぞれの段階における判決は判決として承知をいたしております。
○吉田法晴君 これも御訂正を願わなければなりませんが、第一審判決ではございません。第三審判決であつたと思うのでありますが、一番しまいの所には、これは権利の侵害があつたというわけには参らんというので、法律上の利益を有しないというほかない、訴訟利益がないということで請求を却下した事件であります。あなたの言われる、これは高裁の判決です。その高裁の判決の中にも、訴訟利益はないと結論はしてある。その判旨の中には、政府が一方的に内部意思決定が行われておつても、皇居外苑の性格と性質より由来する本来の使用方法は限定せらるべきものではないとして、白居外苑をメーデーに使わせるということは、これは皇居外苑或いは公共福祉用財産を設けた目的からするならば、それは違背するものではない、こういう意味のことが書いてある、そういうことを申上げたのです。 それからなおこれは私が援用したのでありますが、管理規則等からいつても、集会なり或いは示威行進というものに使わせるとしても、むしろ私は使わせることが考えられており或いは予定されておる。従つて厚生省としては使わせるように許可すべきではないか、尤も管理の点からいつて、或いは多少こういう工合に使つてもらいたい、こういうまあ条件等を付けられるのは、善良なる管理者の注意として別にとやかく申上げるのではありませんけれども、許可することになつたとしても、これは何ら皇居外苑を設けました趣旨には反しない、こういう点について厚生大臣はどう思うかということです。
○国務大臣(草葉隆圓君) 或いは第二審であつたかも知れませんが、その点は若し間違いでありましたら訂正いたしますが、ちよつと今資料を持つて参りませんでしたが、只今お話のありましたような例も確かにあつたと記憶いたしております。そこでそれらの点を全部この最高裁第二審の判決等を総合いたしますると、今回使用不許可の通知をいたしましたことそのことは、なお判決そのものに別に抵触しておるとは私どもは考えずにいたしたのであります。ただ従来のように余りぎりぎりになりましてから、五月の一日の間近になつて意思表示をするというようなことは、これはどうも何と申しまするか、適当ではない、成るべく期間をおいて早くお知らせをして、そうしてその他の準備等もおありだろうから、従つていずれにいたしましても、私どもが皇居外苑の不許可をいたしましたのも、これは両方の団体に同様に出したわけなのであります。それらのことを総合して、むしろ早くお知らせをして、それぞれ早く準備をして頂いて、そうして皇居前の広場は本来の目的の用に供して行くことが適当であろうという、そういう意味からいたしたのでありまするから、そういう考え方で、只今のような判決が第二審の判決としていたしましても、これに抵触するということではなしにいたしたつもりでございます。
○吉田法晴君 判決に抵触するとか何とか変なことを言われますが、これは権利関係についての判決もございますが、問題は行政訴訟で、行政処分については争つておりません。恐らく行政処分についてはこれは政府独自、或いは厚生省独自でおやりになるでしよう。それから早くしてやつたほうが親切云々、これはまあそういうことを今ここで論議しておるわけじやない。もつと早く出すべきであつたろうとか或いはもつと遅く出すべきであつたろうとかということを申上げておるのではない。実質的な公共福祉用財産の管理或いはその使用について許可不許可をする際に、その目的であるその任務である用途に従つて使おうというものに、厚生省が不許可をする何らの理由はないんじやないか。判決の中にもそういう実体的な点は書いてある。判決がされておる。それが先ほどから私も非常に国民的行事云々という点もお話申上げた、制度とそれから法律の精神に従つて法を運用して行く、或いは厚生省としても管理をし或いは行政処分をして行くでしようが、許可をしないという何らの理由もないとするならば、或いは挙げられたけれども、そういう挙げられたような理由では私ども納得できないのです。恐らく今説明されたところではどなたも納得というものは行かないと思います。関係者で納得行くものはないと思いますが、それならどうして許可にならないか。許可するということが法にも規則にも何ら違背するものではないんじやないか。或いは多少善良なる管理者の注意というものをそこで発揮されるということについてまで、私どもとやかく言うのではないけれども、どうして許可をされないのか、実体的な理由はないんじやないかということを申上げておるのであります。
○国務大臣(草葉隆圓君) そういう意味におきまして行政取扱として不許可の理由はないんじやないかという点も確かに挙げられておる点でありますが、併し私どもの見解では、先ほど来縷々申上げましたような立場から、こそは不許可にするほうが適当である、こういう行政取扱いをいたして参つたのであります。むしろそのほうが適当であるし、又現実の問題としてはそうせざるを得ない、両方の共願等もありまするし、必ずしも共願がなくともこれは両方に同様な取扱をすることが適当であると考えていたした次第でございます。
○阿具根登君 成るほど厚生大臣が縷々と説明されたけれども、結論から私たちが受ける感じでは、皇居前広場だからできないんだと、こうしかとれないわけなんです。最初おつしやつたのは、国民的仕事以外には許さないということにきめたのは二十七年のあの不祥事があつたからだ、こうおつしやつた。それに対してあの原因を究明しましたところが、そのためではないと言われる。それでは何か原因があるか、今まで五回やつた間に何かそういう原因があつたか、それもない。こういうことを言われたわけなんです。そうすると縷々おつしやつた中にもう主要な問題は消えてしまつた。そうして残つたのは、国民一般が広く使うところであるから、それで特定の者が使つてはいけない、こういうことになつて来るのです。そうするなら国民広場或いは国民公園、こういうものもそういう考えで行かれるならば、東京中の広場はどこも使えない、公園はどこもそういう集団的なものには使えない、こういう結果になると思うのであります。組合が皇居前広場を使わしてくれと言つておるのは、皇居前広場であるからとか、そうでないからとか言つておるのじやない。あそこは皇居前ではなくてもあれだけの広さとあれだけの便利な所というものは東京であれだけしかない。それだから使わしてくれと言つているわけです。それを厚生大臣の話で聞くならば、皇居前だからできないんだと、こういうようにしか私たちには聞えない。それから現在二カ所から皇居前の広場を使用さしてくれという申入があつている。二つとも断わつたんだ、こう言われるけれども、この二つの、ただ私が今厚生大臣から聞いただけの性格を見ても、極端に言うならば、片一方はメーデーがやれないようにやられているとまで考えられないでもない。これは極論かも知れない、併し片一方のメーデーは、これは五月一日にやるということで三十五回このかたきまつている。片一方のほうはそうでない、五月一日にやらなければできないということではないんじやないか、丁度日曜日にでも当つておれば、或いは日曜だからこうやつてもらいたいということはあるかも知れない。併しこれは土曜日である。そうするならば、仮にあなたはどちらも公平に許さなかつたと言われるけれども、許してやる考えがあるならどちらに許すべきであるかということははつきりしていると思います。そういう点から、先ほど私が言つた結論、皇居前だからできないのかどうかということを質問いたします。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは先ほど来だんだんお話申しました皇居外苑の特別使用という点から考えまして、ほかの広場もそんなら全部許さんつもりか、ここで申しておりまするのは、実は皇居前の広場と京都御苑、この三つを大体の取扱の範囲にして考えておる。そこで皇居前の広場は普通の広場と少し違つた意味も勿論持つておることはこれは御承知の通りであります。そこでほかのほうの広場と、そんならほかのほうの広場も使うことができないか。これは必ずしも厚生省が全部管轄しておるのではないし、国有財産以外のところも勿論たくさんあります。この今管理しておりまする国民公園としての皇居前の広場、皇居前の国民公園の点をお話申上げておるわけであります。
○阿具根登君 私の承わつた通りのお答えを頂いたわけですが、それでは皇居前或いは京都御苑は、これは神聖にして侵すべからざる、こういうお考えですね。
○国務大臣(草葉隆圓君) そうじやなしに、あれはまあ全部が自由に使うところに、むしろもつとコミユニテイ的なものにして行きたい、こういうふうに考えておる、実は。
○阿具根登君 それは日本の全勤労者が一年に一回の祭典である。而もそれを中央でやつて行くためにはここ以外に適当な場所がないという、この広場ならむしろ政府が喜んでここを使用すべし、ここを使用してもらいたい、そのくらいの私は気持があつて然るべきだと思う。そうでなかつたならば草葉大臣はまだ労働者を苦のような考えで、そうして君たちこういう所に入るべからずと、こういうお考えを持つておるのではないかと私は思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) これはもう全然そういう意思はございません。むしろあの近所で働いていらつしやる方方なり、或いは全国からたまたま働いていられる方々が上京して、皇居前を大いに我がものとして御利用になる、最もその歓迎をするために、そういうことが阻害されぬように、特別なあそこは特例的な利用施設というものを、成るべく使用するというのをやめて、そういう多くの人たちが自由に自分のものとして行くようにするのが、むしろ国有財産の管理の精神から厚生省がとつて行くべきものだ、こういう意味で考えております。その点はよく御了承頂きたい。
○阿具根登君 然らば草葉大臣が言う通りならば、国民の過半数を占める労働者の祭典と、そしてあすことを使うということは、私がさつき言つたように何ら嫌うところはない。私は思うのです。今まで嫌う理由もなかつた。どうして国民全部に公開すべき公園である主権在民の今日ですよ、労働者の祭典を、一年に一回の祭典を、あの広場で悪いことをしようと言つているならいざ知らず、労働者のお祭りをしようじやないか、それなら私は何らそれを拒否される理由はないと思うのですが、その点。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは一番最初に申上げましたように、その労働者の歴史ある祭典ではありまするが、それは特定な時間、特定な方法によつて特定人がここで合同をいたします。そのために少くともその広範囲の、又長に時間の間は一般の人は入れないわけであります。で、そういう特定な方法による特定な禁止をした方法ということは、むしろ国民公園としての性格からは適当ではない。そうじやなしにいつでも誰でもそこを自由に使用するというものに開放すべきものである、こういう考えであります。
○阿具根登君 厚生大臣のその解釈で行くなら、厚生大臣は厚生大臣として中央におられるからそういうことを言われる。その解釈を拡げて行くなら、どこの部落に行つてもどこの町に行つても、公園というものは自由にみんなが散歩していつでも入つて来られるのだ。そこで集会をやられるならば何時間かは必ず入れないようになつて来る。その解釈で行くなら、全国民に開放されている公園は全部一定の集会ができないという結果になるのですが、そうですか。そうでなければ皇居前ではできないということはないでしよう。
○国務大臣(草葉隆圓君) それは先に申上げた通りです。ここで申上げておるのは、皇居前の国民公園のこの問題について、この使用についての議論でありますので、掘下げてお互いに検討いたしておるので、だから全国の公園は全部そうだという意味じやないわけです。
○阿具根登君 公園が皇居前だからということではないのだ、こういうことをはつきりおつしやつた。皇居前だからということじやないのだ。広く一般の人が自由に散歩でき、自由に出入りできるところである。その広場を一定の人が何時間か独占することはできないのだ。この理由ならどこにでも私は通ずると思う。その理由で終始して行くならどこの神社仏閣でも、広場のあるところは、公園は全部自由に誰でも自由に出入りできるように開放されているはず、それを各地方自治団体が全部そういう気持で、これは全部の人に公開したものでありますから、一定の人が何時間かの間ここを独占することはできませんという解釈は成立つわけです。それはどうですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) それはどうも私ちよつと承知いたしかねる。まあ議論として承知いたしかねると存じます。今皇居前の広場の使用についての議論であります。従つて皇居前の広場について私はずつと申上げておる。これはただ、そうじやなしに、日本全体に公会堂あり公園あり、それらの使用についてはそれぞれ使用規定がありましよう。それぞれの目的があります。だから皇居前の五月の今のメーデーの会合云々で、全国の公園なり広場を禁止することはこれは当を得ないのじやないか。私が申上げておるのは、五月一日に二つの団体が使用の特別許可を申出たのであつて、それに対して厚生省は三月十六日に許可をしたのはこれは妥当としなければならないのじやないかという問題でございますから、従つてその点を申上げておるのであります。
○阿具根登君 私はおかしいと思うのです。草葉大臣があそこは皇居前だから、ここは非常に神聖な場所であるからそういうことはできないと言うなら、それに対する考え方がある。又意見を持つておる。ところがそうじやないのだ。これは国民に開放しておる国民公園である、広場である。併しみんながいつでも入れなければならない公園であるから、特定の団体がそこで何時間かを取ることができないと、こうおつしやるなら、中央の厚生大臣の席におられる方がそういう解釈をされるなら、地方の自治団体がそれに倣うといつて、すべての問題をそういうように解釈すると、こういうふうに私は言つているわけです。どうですか、それは……。
○国務大臣(草葉隆圓君) 恐らくそういう解釈はしないのじやないかと思うのですが、併し解釈をするかしないかは御本人の問題でございますから、私がここでかれこれこれを忖度して申上げるわけには行かないと思いますから、皇居前の広場は何も神聖であるから使われないとか使われるとかいう問題は全然、私が先ほど申上げたように考えておりません。むしろそういう考え方じやなしに、一般的に自由にそして公平に、そういうのを念願すればこそ特定の集会或いは特定の時間、特定な場所を限つてのやり方はむしろあそこは妥当ではないという考え方でいたしておるのであります。只今申上げたようにお答え申上げるのであります。
○委員長(栗山良夫君) ちよつと只今の皇居前だからという特別の意味がないとおつしやつておるのですが、先ほどの言葉の中には、皇居前と京都の外苑とは特別な事情があることは御承知の通りだがという御発言がありましたがね、それとの食い違いはどうですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) それは私たまたま京都御苑を申上げたのは同じ扱いをしているのです。皇居前広場と京都御苑とは同じ扱いにしておるからたまたまそれを一口に申上げただけです。
○委員長(栗山良夫君) いや、私が聞いておつたその言葉のニユアンスは、皇居前と京都の外苑とは、とにかく天皇がお住いになつておるとか或いは使用されるところの外苑である、特別な事情があるというようなそういう意味に私は取れたのですが、その点は如何ですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) これはそういう意味ではなしに、ただ歴史的なことを私は申上げたわけなんです。従来からあそこは、京都と皇居前の国民公園とは歴史的にそういう歴史を持つておる。併しその歴史は何も神聖にして侵すべからずというような古い考え方とは違つた、もつと近代的な民主的な考え方で私どもも取扱いたい、管理の上では取扱う。その点を申上げて先ほど来御答弁申上げた次第であります。
○吉田法晴君 こういうことだと思うのですが、問題は皇居外苑ですが、これをメーデーの行事に使用させるかどうか、勿論問題はそこから起つて来ておるのじやないか。ところが厚生大臣が挙げられる理由には、みんなに利用させたい、それを妨げるようなことはいかんと、それが特別使用だと、こうおつしやつた。そんならこれはまあ地方自治体云々ということを言いましたが、国立公園なら国立公園でようございます。国立公園についても特別使用の規定或いは許可の手続等が書いてあります。その中にこれは国立公園集団施設地区管理規則第四条ですか、「集会を催すこと。」、こういう場合にも厚生大臣提出の許可を受けなければならんと書いてあります。これをみんなが利用して、それを集会に利用する場合に、今のような一般使用とそれから集会に使用するものとの利害の調節、こういうものがある。そこで一般に利用させなければならん、そのために特別許可があるというような、法規も同じ事情なら国立公園についてもあるじやないか。若し一般が私用に使用するだけで特別使用をさせないのだと、それは国民公園であるから特別使用を許さないのだ、こういうことであるならば、これは又別問題である。ただ一般に使用させることの調和云々というならば、それが特別許可の問題であるならば、特別許可について条件を付するというのならとにかくであるけれども、許可しないということはないじやないか。絶対に、集会に使用させない、或いは示威行進等を行わせない、こういう方針ではない。それではさせるというならば、ただ一般利用との調整だけだというならば、それは不許可の理由にはならんじやないか、こういうことを申上げておる。
○国務大臣(草葉隆圓君) 国立公園のほうでは、多分あの細かいことは又部長から申上げまするが、そういうものを作つたり、或いは作つたものに対する使用という意味においての問題が含まれておると存じます。 なお、先ほど来申上げました、そんならば、国民公園、或いは具体的に皇居前の広場というものは一般に利用するために、公共の用に一般に利用するために、特別なものには許可を、いわゆる国家的行事以外には許可をしないとするならば、そういう一般国立公園も同様じやないかという御質問と承知いたしましたが、そういう点につきましては、先ほども申上げましたように、皇居前の広場というこの歴史的な一つの歴史を持つておりますところ、それからそれが先に申上げましただんだんと終戦後のいきさつ、そういう点から使用の範囲を、具体的に管理の範囲をきめて参つた次第であります。そこで国家的行事そのものもむしろそういう意味から申しますると成るべく使用せずに、国民一般に常に開放して行くというあり方が、これが本当の筋のあり方ではないかと考えるのであります。ただ止むを得ざる場合には特別使用の場合に限つて、国家的の場合に限つて使用するという方針で進んで参りたいと申上げたことが、先ほど来縷々申上げた点でございます。国立公園の箇条につきましては以上であります。
○委員長(栗山良夫君) 私聞いておつてやはり問題がはつきりしない点が一カ所あると思うのであります。今の大臣の言葉の中でも、皇居前という歴史を持つておる所と、こういう工合に言われたのですが、その歴史というのは一体どういうことなんですか。大体国立公園でも何でも歴史のないところはないのですね。全部歴史がある。だからどういう意味の歴史があるか、こういうことになる。そこのところが吉田君と大臣との間の、或いは阿具根君と大臣との間の質疑の間でちつとも解明できないところだと思うのですがね。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは皇居前の広場に限定して、先ほど来終戦後はずつと使用したのじやないか、それから皇居のあの前の広場の使用についてはむしろ運動場とか或いは集会くらいに使おうという方針で来たのじやないか、それが厚生省になつてからだんだんとこれを縮めて行つて、結局は一般の特別使用というものはやめるつもりじやないかというところから来たようだと思うのであります。そこで私はそれを申上げて、あの皇居前の広場というのは東京の丁度真中にある、もう私が申上げるまでもない、あのような風致と状態とにあり、そうしてその取扱の歴史的な点は、今申上げたようなことで来ておる。これはむしろあのような状態に、曾つて考えられたような、あそこへ演壇をこしらえたり或いは運動場をこしらえたりという考え方も一時はあつたが、その後国有財産の管理等を検討し、今後の情勢を考えると、むしろそうじやなしに、あれはあのままの姿においてそうして広く一般に使う、その広く一般に使うことを成るべく阻害せんようにして行くほうが管理としては万全ではないか、又厚生大臣に与えられている権限じやないか、こういう考え方で参りました点を結論的には縷々と申上げた次第であります。
○阿具根登君 今度理由が一つ追加されたようです。いわゆる風致を汚さないように、まあこういう理由が付けられたと思うのですが、それなれば前の国民一般云々の問題はこれは別にして、大臣が言つたように、大臣は、それではメーデーをやれば風致を阻害するようなことがあつたがどうか、これをお尋ねしたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) それで私は先も申上げましたが、ずつと前に、終戦直後数回使つた、数回使つて、それは当時具体的には私も承知いたしませんが、大して風致を阻害するというようなことはなかつた。或いは樹木がそのために大いにまずかつたというようなこともなかつただろうと思う。それは決してそのためにあそこにあります施設というよりも樹木その他が大変に困るという状態ということは余り想像はいたしておりません。
○吉田法晴君 まあ終戦後昭和二十二年或いは昭和二十四年、閣議なり或いは運営審議会等千で野外ステージを作つたり或いは国民広場を作つたりといつたような構想があつた、それをそのまま引継いでしなければならないものではない、これはまあわかるのでございます。併し国有財産の管理、利用と申しましても、国民公園にしておくことをやめられた別ですが、国民公園であることはあんたお認めになるでしよう、そうすると国民公園の中で国民が使用する、国民に広く使用させる。これは厚生大臣も言つておられる。そうすると一般の国民のこれはまあ三々五々利用いたしますものについては、これをやめようというお気持はない。ただまあ集会を催す或いは示威行進を行おう、こういう場合に使用させるかどうか。それをほかの利用を阻げないように、そういうものは望ましくない、こう言つておられるわけです。それではこれは厚生省の考え方か或いは閣議の考え方か知りませんけれども、一つの行政的な考え方、併しそういうものが一方的に、ただ自分がこう考えるから時の政府がこう考えるからそれで利用させないということはこれはできないと思うのです。それが判決の中で言う点だと思うのです。これはわかりましよう。国民公園であるのをやめるのなら別問題です。或いは国会の議決なり何なりを以て国民公園でなくするというなら別、国民公園になつている。国民公園を利用させるというのはこれはあなたの所管で、これはまあ許可については権限もあるかも知れませんけれども、義務もある。そうするならば理由なしに、私どもが聞いて納得のできない理由で以て、それをただ不許可の方針だ、これは行政処分として不当じやないか。理由について他の利用との調整だけを言われるならば、その調整のために或いは規則の条文を設けられるなり、或いは国立公園管理規則にしてもそうです。その利用するものの調節だけならば、それで使用させない或いは許可しないということは起つて来んのじやないか。これについてもう少し納得の行く説明がない限り政府の方針と言いますか、或いは厚生大臣言われる理由には理由がないというほかにありません。
○国務大臣(草葉隆圓君) 以上只今申上げましたのが理由であります。実は理由がないと言われるのはどうも誠に私どもが却つてこのこちらが納得参りませんが、むしろあすこを一般的に利用するための施設を講ずるとか或いは何をするということは将来考えて行かんならんかも知れません。隅のほうに茶飲み場をこしらえる、或いは何かそういう意味においての施設をこしらえるということは或いは考えて行かなければならないかも知れませんが、あの広場を今後特別許可というものをずつと出して、そうして東京の幸いあすこが中心であり広いから、いろんな機関に常に使用させるというような考え方は先ほど来申しているようにとらぬようにして、そうして成るべくあすこはそういう特例的なものも少くして行く。最小限度ぎりぎり一ぱい国家的行事というので絞つて行くほうが、これが本来の国民公園を管理いたしまする管理権を与えられている厚生大臣の最も義務的な立場ではないか、むしろこう考えて実はやつているのであります。従つて権利の行使が行き過ぎているという場合にお叱りを受けるかも知れませんが、却つてそうすることのほうが権利の行使に忠実なるゆえんだという意味で実はいたしております。従いまして一般国民に広く開放しながら、その広く開放する便利をいろいろな面において考えて行つて、特別許可というものは成るべくしないほうが本来の目的に合しているのではないか、そういう考えでいたしている次第であります。
○吉田法晴君 特別許可、或いは特別使用というのは成るべく許さない方針だと、こういうまあお話でありますが、そういう集会等に利用をいたしますことは許可しない。成るべくじやなく許可しないというような方針が決定されるならば、それは国民公園設置の精神に、反するとお考えになりませんか、国民公園の性質、使令命……。
○国務大臣(草葉隆圓君) 私は必ずしもそうは考えておりません。それで成るべくと申上げましたのは、国家的行事というのは今申上げたので、従つて全部ということを申上げると行き過ぎになりまするから申上げたのでありまするが、むしろその行き過ぎじやなしに、そうすることのほうがこの皇居外苑、国民公園の使用管理の上には妥当である。こういう考え方で今回も不許可にいたした次第であります。
○吉田法晴君 それじや折角公園部長も来ておられるようですから伺いますが、国民公園の目的と申しますか、或いはもつと広い概念で言うと公共福祉用財産、その中での公園でありますが、そういう考えでは国民公開でありが、国民公園の目的或いは使用方法というものは本来どういうものであるか。国民公園を設定しました際のその任務と申しますか、或いは使命と申しますか、或いは用途と申しますか、そういうものについて、設定の当時の本質的な目的を一つ御説明頂きたいと思います。
○説明員(森本潔君) 国民公園と申しますと、これは国が国民のために、国民一般のために設定した公園である、こういうことでございますが、公園と申しますと、大体国民の保健、体養或いは教化に使うのが公園でございます。従いまして国民公園が設定されましたときの趣旨と言いますと、結局国が国家的な模範的な公園を作つてこれを国民のために使うということだと思います。従つて公園と言います以上は、その目的は国民一般の保健、休養、教化、これに使うものでございます。こういう趣旨であろうと考えております。
○吉田法晴君 公園という点では国立公園等も同じでありますが、国が模範的な公園を作る、その公園の使用方法の中に集会のために利用するということは考えられておつたのでありましようか、或いはそうではなかつたのでしようか、その点を一つ。
○説明員(森本潔君) 公園と言います以上それは先ほど申しましたように、国民の一般が自由に何らの許可とかそういうことなしに使えるのが性質でございます。併しながら一般のこの利用を阻害せず、又公園の各種の特性が、ざいますが、その特性に応じたものを阻害しないという範囲の特別使用であれは、それが集会であるか或いは行事であるか、或いは催し物であるとかいう場合におきましても、支障のないものについては許してもいいという考えがあつたのじやないかと考えております。
○吉田法晴君 今の御答弁の趣旨に従つて国民公園管理規則も作られておると思うのですが、一般利用との調整の中で集会、行事或いは催し物を許可して行く、或いは使用せしめる、これが国民公園の管理者の注意だと思うのです。そうすると問題の、例えばメーデーに使用せしめるという場合に、まあ歴史もあります、経緯もあります。経緯もありますが、例えば一般の利用のために成るべく、例えば前のほうは一応通路をあけて置いてもらいたい、或いは柵の中には入つてもらいたくない。こういう注意等をなさることは或いは公園管理者の厚生省としての善良なる管理者の注意かも知れない。併し許可しない、調和して使えという条件はともかくとして、全く使わせないというのは、これは国民公園管理の善良なる管理者のこれは義務には反するのじやない。かように考えるのでありますが、公園部長どういう工合にお考えになりますか。
○説明員(森本潔君) その点につきましては、先ほど来大臣から繰返し繰返しお話がございました通り、従来の使用状況、それから管理方針等を検討した結果、国民公園におきましては国家的行事以外のものには使わせん、許可しないという方針をとつて行くのが一番適当である、こういう扱いになつておるわけであります。
○吉田法晴君 公園部長の前の御答弁までと、今の国家的行事だけに限つて使わせる、こういう方針との間には明らかに逕庭があります。大きな飛躍があります。国家的行事、この集会に使わせる、或いは催し物に使わせる、それと一般使用との間の調整というものは考えなければならない。これはまあいいわけだ。それならば一般的使用との調節というものは、或いは許可の条件の中に入れられることは、これは管理者の義務かも知れません。或いは注意かも知らんと思うのでありますが、これは法なり規則なりで与えられた、私は権限なり義務であるかと思いますが、それを越して国家的行事に限る、それはどこから出て来るのか、どこからも出て来ない。法からも或いは規則からも出て来ないじやないか。国家的行事に限る理由は、或いは公園の趣旨から、或いは管理の権限もありましよう、自由もありましよう。それから出て来ないんじやないか。これについては一つ公園部長の良心に従つて御答弁を願いたい。
○説明員(森本潔君) 管理規則ができました当時におきましては、特別使用として集会或いは示威行進を許可してもよいという考えがあり、従つてそういう規定ができた。それから現にこの終戦後のと申しますか、昭和二十四年、二十五年の厚生省管理になりましたときにおきましても、相当多くの行事或いは催し物を許可しておる例がございます。併しそういう許可の扱いをして参つたそれから経験と申しますか、管理上の観点をいろいろ研究いたしました結果が、それらの許可の方針を非常にこうどれにでも許すというような方針であつたのをだんだん制限的にして行く、そのほうが公園の管理上一番よろしい、こういうように変遷を来たしております。併し現在におきましてはそれが一番いい扱いである、かように考えておるわけでございます。
○吉田法晴君 方針の変遷ということでありましたが、併しその方針といえども、或いは判決のいう使用方法についての内部的意思決定の如何にかかわらず、国民公園、その中の皇居外苑なら皇居外苑の運用或いは使用、管理、これは国有財産法の精神なり或いは該当条文、それから国民公園の管理規則に従つてなさるべきであつて、それを越えて勝手に考えて、而も集会には何でも使わせぬのだということにするのは、これは法の精神、又或いは規則のこれは少くとも逸脱というか、或いはそれを非常に狭めて解釈することであるということにはお考えになりませんか。
○説明員(森本潔君) 現在の規則が許可ということを考えております。現にあります。従いまして集会、示威行進を一切禁止するという方針でありますれば、これは省令の規定その他に反することになると思います。併しながら現在の扱い方としましては、或る程度制限して、相当まあ制限したのでありますけれども、やはり許可という行為はあり得るわけであります。従いましてその点においては省令の違反であるとか、それから国有財産としての管理がいかんとか、そういう問題は起らんのじやないかと思います。 それからもう一つ、公園と申しましても、これはいろいろ規模なり構造なり、その他の関係からしまして、いろいろ違つておるのでございます。わかりやすく申しますと、例えば児童公園、これは同じ公園という名前が付いておりましても、子供の遊び場である。大体遊戯場が若干ありまして、大部分が広場である、こういう公園であります。それから運動公園というのがございまして、これは専ら運動をしたり、まあ神宮競技場等がございますが、神宮外苑がまあ運動公園という代表的なものになると思いますが、そういうものがございます。それから休養公園と申しますか、これが普通の公園でありますが、庭園式な公園と申しますか、まあ洋式も和式もございますが、それはそういう行事であるとか催し物をしない、静かに散策、鑑賞する、こういうようなものでありまして、いろいろあるのでございます。その中で今申しました皇居外苑は休養公園的な性質を持つております。その目的において一般国民に使わせる、これが公共福祉用財産法として設定されましたものでございます。従いまして集会であるとか或いはいろいろの行事をするということは、極めて例外的な、むしろあすこの構造上から見れば余り考えられないという事例でございます。そのいうように、公園と申しましてもいろいろ違うのでございまして、その性格なり規模、構造によつて違うという点を少し申上げた次第でございます。
○吉田法晴君 その公園の性質の御講義を頂きましたが、まあ宮城前広場の皇居外苑が休養公園であるかないか、これはまあ実態から考えてみて、おのずから判断されることであろうと思うのです。まあこれは学問的な分類でもなさつたのだと思いますが、その当否を争つてもいいのですが、これはもう争おうとは思いません。ただ、今の御答弁の中で、集会デモ等を禁止するかどうか、これは省令で云々というお話でありましたが、憲法上保障されております或いは団体行動権等を省令で禁止し得るものではございません。恐らくこれは使用を許可するかどうかということは将来云々、こういうことだろうと思うのです。顧みて他を言う御答弁を頂いてまあ今のあなたの御答弁の中から、禁止するものではない、集会にも、国民公園を使わせしめる目的の中で集会、示威行進等を禁止するものではない、こういう御答弁を頂いただけで私は大体質問を終ります。 最後に、後つて問題は、厚生省の判断だけでなしに、次官会議或いは閣議でも論議されたようであります。問題は公園をどのように管理するか、或いは使用せしむるか、或いは使用を許可する、こういう問題と、それからメーデ—は国民的な祭典であるということをお認めになりましたが、これに利用せしめることが妥当であるが、挙げられた理由を以てするならば、他の公園を使用せしむるのと皇居外苑の使用を不許可にするということとの間には何らの理由も私どもは発見することができませんが、労働省……、労働省の代表は閣議に出席された方はおられないようでありますけれども、従来の経緯から、或いはメーデーが国民的な性格を持つておる祭典であるということについては労働省が一番よく知つておるわけであります。厚生省から聞いたところでは、私ども納得のできない理由によつて、労働省も皇居外苑を使用せしめないということに賛意を表された。或いは厚生省としては、いや労働省としてはそれは国民公園をメーデーの集会に使用せしめるのが当然だとこう恐らく言われたのだと思うのでありますが、その通りにならなかつた経緯と理由とをお聞きしたい。
○説明員(山崎五郎君) お答えいたします。労政局長がおりませんので、労働組合課長から、知つている範囲内のことを御答弁させて頂きます。 メーデーの会場問題につきましては、先ほど来厚生省からいろいろ御説明がありました。会場の管理の問題についてのことにつきましては、厚生大臣から御説明があつた通りだと思います。只今吉田委員から従来の経緯について述べようとのことでありましたが、第十七回のメーデーから三十一回のメーデーまでは皇居前広場を使用されたことは御承知の通りであります。二十五年六月占領軍司令部から、いわゆる五・三〇事件を契機として、官房長官宛、皇居前広場の使用についての覚書が送られたのであります。それより遡つて先ほど厚生大臣から説明されたように、二十四年の五月三十一日に制定された厚生省令、国民公園管理規則の運営に基いて、昭和二十五年六月二十二日その運営を決定されたのも、只今説明があつた通りであります。これによつて皇居前広場の管理の具体的な措置が決定されました。で二十六年の最初に、この皇居前広場の使用について政府と特に労働組合の総評との間にいろいろな交渉の経緯がありました。が、最終的段階になりまして、いろいろ経緯があつたのでありますが、リツジウエイ連合軍司令百が四月二十七日に皇居前広場使用不許可を言明いたしまして、従つてメーデーの実行委員会はリツジウエイ司令官の声明は命令であるということを確認いたしまして、中央メーデーは遂に実施せられませんでした、ここに至るまでは、労働省として、私の知つている限りにおいては、事務当局も従来の例によつて使用でき得るように努力したのでありますが、二十六年のメーデーを契機として、只今厚生省から御説明があつたように政府の方針が決定されまして、それによりまして、それ以後におきましては、労働大臣が閣議に如何ように発言されたかは存じませんが、私たちの知る範囲におきましては、政府の方針に副つて動いております。 が、ではメーデーを行うについて労働省はどういうふうに努力したかという問題になるのでありますが、昭和一十七年、昭和二十八年のメーデーの開催につきましては、皇居前広場の問題については先ほど来説明があつた通りでありますが、実際それではメーデーが行われないという点につきましては労働組合とよく協議をして、或いは会場の借用について仲介の労をとり、そうして皇居前広場の問題を除いたほか、その使用についてはいろいろな事情も、複雑な事情もあつたのでありますけれども、このメーデーが統一的な、而も殆んどが参加できるメーデーが実施し得るように労働省としては努力して来たのであります。本年のメーデーにつきましては目下会場の問題で微妙な段階にあるので、その成行きを静観しているというような状態であります。
○吉田法晴君 労働大臣の出席を求めたのですが、出席がございません。今労政局長おられませんでしたので、組合課長から答弁があつたのですが、主として経緯の説明でございまして、先ほどお尋ねしたのは、聞いておられたと思うのですが、厚生大臣或いは公園部長と質疑を重ねておりますと、国民公国であることは明らかである。而もそれに国民公園の性質として国民の利用に任せる、或いはその中で集会を催し、示威行進を行うということで利用するのだということも考えられる。規則がある以上その利用が禁止されたわけではではない。まあ国家的な行事云々という点はあつたと思うのですが、少くとも集会に利用せしめない、示威行進に利用せしめないというような性質のものではない。こういうことが明らかになつて参つたと思うのであります。 そうするとあとは使用せしむるかどうか、許可の行政措置についてのこれは判断だけであります。次官会議或いは閣議もあつたというのですから、厚生大臣でさえメーデーの国民的な成果、或いは国民的祭典であるという点は認めた。このメーデーについて最もよく知り、或いは皇居前広場の利用については、次官会議或いは閣議においては使用せらるべきだとして、使用せしむべきだとして強く主張すべき立場にある労働省が、どういう努力をして来たのか。それにもかかわらず使用せしめないということになつたについてどういう理由があるか、これを承わりたい、こういうことを質問したのであります。 なお、リツジウエイ云々の説明がございましたが、こういう占領中の問題は、これは私どもここでもう答弁を聞こうとは思いません。これは独立した日本において、そして公共福祉用財産、或いは国民公園の利用について、ここに論議をしている。占領中の事例等をここで持ち出していささかたりとも理由にするというならば、それではなお実質的に占領中と同じであると考えておられるのか。これを承わらなければなりませんが、独立した日本の政府の中で、労働行政を担当しておる労働省が或いは労働大臣が、皇居前広場の使用について如何なる努力をして来たか、それがどういう成果を持つて来たか。今年において使用せしむることになるかどうか、これを一つ初めに御答弁願いたいと思います。
○政府委員(中西実君) 昭和二十六年のメーデーが行われなかつた当時におきまして、労働省としまして、先ほども組合課長から言いましたように、相当政府部内で違つた主張をいたした段階もございましたが、現在におきましては政府の方針がきまりましたので、専らその方針によつて我々としましてはできるだけ……、併しメーデーが円満に行われるようには側面から努力するという態度で臨んでおります。この皇居前広場を許可するかしないかにつきましては、すべて国立公園の管理当局であります厚生省の見解によつておるわけでございまして、これが国民的行事かというようなお尋ねでございますが、厚生省の御見解では、許可は国家的行事の場合に例外的に行うという方針のようでありまして、厚生省が考えておられます国家的行事ということからはやはりメーデーは若干違うように考えられます。そこで実はずつといろいろと変遷しまして、今の政府の方針になつておるのでありますが、率直に申しまして、終戦後ずつと使われておつたのがだんだんと変遷して使えなくなつた、そして占領政策の終りました直後、独立になりました一番初めの昭和二十七年に不幸にして非常な不祥事件が起きた。そこで労働省としましてもああいつた事件が起りました関係から、皇居前広場をメ—デーに貸せということを強く主張する実はきつかけを持たなかつたのであります。従つて皇居前広場に代る場所を昨年、一昨年、常に労働省が中に立ちまして斡旋をして来たというようなことでございます。今年は組合のほうで、実行委員会のほうでどういうふうなお考えであるかまだ我々のほうで聞いておりませんので、そのお考えも若し向うからお話があればそれを受けて、できるだけいいメーデーが行われるように我々としては念願しておる次第でございます。
○吉田法晴君 非常に矛盾した御答弁でございましたが、主流をなすものは政府の方針がきまつたから、その理由の如何を問わずこれを実施しなきやならん。あとはメーデーが円満に行われるように、今年も相談があつたらその相談に乗る。いわばまあ皇居前広場は使わせぬ。ほかの所で何とか円満に行われるように相談に乗ろう、こういうまあ話のように思う。理由として、皇居前広場を使わしめない厚生省の不許可の方針として、労働省が理解せざるを得ないのは二十七年の不祥事だと、こういう御答弁であつたようでありますが、そうでありますか。
○政府委員(中西実君) 二十七年のあの不祥事件も大きな原因でございますが、更に先ほどから厚生省側で縷々お話になつております国立公園の管理上それが妥当だというその方針、これに対してそれを変えてくれと強く言う理由がないということでございます。
○吉田法晴君 そうすると昭和二十七年の事件もあつたと、それはつけたりですか、それともそれが最大の理由ですか。公園の不許可について国家的行事でない、こういう厚生省の理由を反駁すべき理由を見出せなかつたと、こういうお話のようでありますが、そうですが。
○政府委員(中西実君) 政府の従来の方針を変えてくれということを積極的に言い出すのにこの二十七年の事件が更に非常なマイナスの作用をしたと、こういうことでございます。
○吉田法晴君 厚生省の公園管理についての方針或いは皇居前広場使用不許可の理由については、先ほどお聞きの通り閣議決定も経たことですから、こういうことになりましたということはこれはわかる。それではなぜ許可しないのか、こういう理由を衝いて参りますと、国家的行事云々ということだけ、それではメーデーは国民的な祭典ということをお認めになりますかというと、それは認めますと言う。それから国民公園を集会或いは示威行進に利用せしむることもあるということはお認めになりますかというと、公園部長は国立公園はそういうものを前提にしております、こういうことを渋々ながら認められることはお聞きの通りであります。そうすればこれは二十七年のあの事件が、五月一日の事件がメーデーの責任において起つたのか或いはそうでないかということは、これはあなたたちがよく御存じだと思う。そこで方針を変える力が出て来なかつた、こういう理由にはならんと思うのです。少くとも今言われておるこの厚生省の方針を反駁する理由がなかつた云云と言うならば、国民的な祭典であるということを厚生省も認めた現在に、それでは判決ではございませんけれども、本来の国民公園を使用せしめるについては内部的な意思決定の如何にかかわらず、それは国民公園設定の目的に従つて行くべきであろうと、こういうことを、これは厚生省として、メーデーについて理解のある労働省としては当然なすべきだと思うのであります。過去においてして来られなかつたことは一応おくとしても、現在或いはこれから厚生省の方針を動かして行くたけの決意とそれから用意があるかどうか改めて伺いたいと思います。
○政府委員(中西実君) 我々としまして部内で個人的にはいろいろと考えておるものもございますけれども、併しながら現在の段階におきましては、率直に申しまして今の政府の方針、厚生省がとられておる方針に対しましては一応これを認めざるを得ないのじやなかろうかというふうに考えます。
○吉田法晴君 認めざるを得ないではなかろうかという労政局長の御答弁に対して、厚生省の今までの挙げられた理由については、私どもはこれは以上納得することができない、或いは理由を考えられない、或いはメーデーについて一番よく知つており、それからそういう国民公園であるならば利用せしめるべきであるという強い主張をすべき労働省としてはもう何も言うことはない、こういうことなのか。或いは更に先ほどの厚生省との質疑の過程の中から出て来たような考え方であるならば、労働省としては更に努力をすべきである、こういう工合に考えられる、はつきり承わりたい。
○政府委員(中西実君) その点につきましては、先ほど申しました通りにしか申上げられないのじやなかろうかと考えております。
○吉田法晴君 それでは労働省も厚生省の言い分を反駁すべき自信がない、或いはメーデーのために、日本の唯一最大の中央メーデーのために皇居前広場を使わせるように努力する何らの意図もない、こういうように解釈してよろしうございますか。
○政府委員(中西実君) 本年、少くとも現在におきましてはそうお考え頂いて結構かと思います。
○委員長(栗山良夫君) ちよつと公園部長に私一点お尋ねしますが、厚生省としましては現在の法規に照らして、自信を持つて皇居前広場のメーデー使用禁止ということをおやりになつたのかどうか、この点をもう一遍改めて伺つておきます。
○説明員(森本潔君) この問題につきましては、従来からも問題がありまして、数年に亘る問題でございます。又御存じのように訴訟にもかかつた問題でございます。又その判決の内容と申しますか、理由と申しますか、これにつきましてもいろいろ多岐に分れております。まだ帰一しておりません。そういう事情でございます。いろいろ紛糾いたしたわけでございますから、この考え方、方針は違法でもなく又不当でもない、こういう考えで処置をいたしたわけでございます。
○委員長(栗山良夫君) 厚生省自身はそういう工合に自信を持つておいでになる、こう理解していいわけですね。そういたしますと、この認可のことは大臣の権限に属しておるわけですね。
○説明員(森本潔君) そうでございます。厚生大臣の許可をとるということになつております。
○委員長(栗山良夫君) そういうことですね、そういたしますと、大臣の許可権限内であり、而も現在の法規に照らして自信を持つておいでになる、いわゆる行政措置に対して次官会議にかけ、閣議にかけられたということは、これは先ほど草葉大臣は、政治的な扱いをしたのではない、事務的に扱つたのであるということを申されましたけれども、実際には政治的な扱いが行われたものと断ぜざるを得ないわけですが、その点はどういう工合に御解釈になりますか。
○説明員(森本潔君) 厚生大臣の権限で処分すべき事項でありますので、厚生大臣単独でやるということがこれは通常考えられる方法でございます。そういうことで足るわけでございます。併しこれは誰が考えましても、ここ数年来いろいろ問題になつております。又先ほどお話の出ましたように、私のほうはこの公園を管理するという立場だけでございます。それから本日もお越しになつております労働省におきましては、メーデーの盛大なる挙行を考えなければならんという立場でございます。それやこれやでそういうようなところまで引掛りがあるというわけであります。まあとにかく、この政治的と申しますか、社会的と申しますか、非常に関心の持たれる問題であるので、その取扱いについてはよく慎重を期するのが間違いなかろう、こういう考えの下に次官会議或いは閣議で御相談、御検討になつたのかと考えております。
○委員長(栗山良夫君) そうするとそれを逆に言えば、先ほど私が一番最初に御質問いたしました厚生省として絶対に自信があるということが逆に若干曇つて来ることになるわけではありませんか。
○説明員(森本潔君) その考え方ということと扱いというものとはこれは又別でもいいのじやないかと思います。それでよろしいという扱いと、こういう扱いをするということを関係の各省と打合せをして話をするということ、これは又別に考えてもいいのじやないかと考えております。
○委員長(栗山良夫君) そういたしますと、若し来年やはりメーデーの前にいろいろな団体から広場を使用したいという許可の申請があつたときに、やはり次官会議にかけ、又閣議におかけになりますか。
○説明員(森本潔君) これは先のことでございますので、今からどうなるということを申上げかねますが、又いずれ……本年におきましてもすでに二回の例があるので、慎重にそこまでやらなくてもいいのじやないかというような考え方もすでに出て来ておつたのでありますが、一応慎重を期するということでされたわけでございます。来年度になりますればどういうことになりますか、今のところ申上げかねるのであります。
○委員長(栗山良夫君) 併し今のように労働省のほうの言い分を聞けば、恐らく今の閣内でこの問題について或る立場、広場を使わすべきであるという立場を主張されたとすれば、私は労働大臣か或いはその他にあるかも知れませんが、労働大臣であつたろうと思いますが、その労働省すら今の政府決定については服従する、これに従わざるを得ないと言つておられるのですがね、そういたしますと、このことは非常に大きな政治決定が行われた、政治的な決定が行われたと、こういう工合に国民は断定せざるを得ないと思うのですが、この点について労働省の労政局長、それから公園部長からもう一遍私は念のために、明年度のこともありますので承わつておきたい。
○政府委員(中西実君) ちよつと御趣旨がはつきりわからないのでありますが、結局厚生省が国立公園、殊に宮城前広場の管理につきまして、その管理の建前からいつてとられておる方針、その内規によつて扱われておるということでありまして、一応手続的にはいろいろ各省なりに相談なさつたか存じませんけれども、併しながらとられましたやり方としましては、別にそう政治的というようなふうには考えられないのじやなかろうかというふうに思います。
○説明員(森本潔君) 只今の労政局長と同様な考えであります。
○阿具根登君 労働省にお尋ねしますが、五月一日のメーデーに二十万の人が集まるということで申請されておりますが、二十万の人が東京でこのメーデーをやる場所がどつかにあるとお思いになるかどうか、それから厚生省と同じ考えで、皇居前なるが故に歴史上から見ても、風致を汚さないように、或いは国民全般に開放してあるのであるから、労働者だけにこれをたとえ一日中の何時間でも許すことはできない、こういうことを肯定されておるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(中西実君) あとの点はこれはもう先ほど来厚生省側で申されておりますので、その御説明に譲りたいと思います。 第一の問題につきましては、昨年、一昨年神宮外苑の広場を利用した例もございますので、必ずしも皇居前広場でなければならないというふうには考えておりません。
○阿具根登君 二十万以上が集まることは不可能なんです。それだから神宮外苑でやる場合に縮小されたことは御承知のはずです。 それから私がお聞きしたいのは、厚生省がそう言つたのをそのままあなたがたが思つておられるのか、或いは皇居前であろうと国民に開放された広場であるなら労働者もやらして頂きたい、併し厚生省の所管にあるから労働省としてはできなかつた、こういうお考えか、それを聞いておるわけなんです。労働省自体の考えですよ。
○政府委員(中西実君) いろいろと先ほども言いましたように、部内で個人的な意見としてはいろいろございましようけれども、やはり労働省としましても政府の決定によつて行われるのはこれは当然だというふうに考えております。
○阿具根登君 私はそれを聞いている。例えば次官会議或いは閣僚会議の中で労働大臣、労働次官はどういう主張をされたかというのです。黙つて、きまりましたからといつて帰られたのか、或いは厚生省の考えておることが尤もだと思つておられるのか、労働省自体の立場として、何もあそこを汚すわけでも何でもないじやないか、それだからやらしてもいいじやないかという考えを主張して来られたのか、この点を聞いておるのです。
○政府委員(中西実君) 昭和二十六年のあの貸すか貸さないかが最初に問題になりましたときには、明らかに次官会議或いは閣議あたりでもまあ貸してもいいじやないかという主張が労働省側からなされたことは聞いております。その後の場合、殊に今年あたり次官会議、閣議でどういう話がありましたか、私実は存じておりませんけれども、まだ聞いておりませんけれども、恐らく推察しまするのに、先ほど私が申しましたような心境で次官も大臣もおられたのじやなかろうか。従つてこれはやはり従来の政府の方針通り行われるのも止むを得ないのじやなかろうかという気持で対処せられて来られたのじやなかろうか、これは推察でございますけれども、そういうふうに思います。
○阿具根登君 それじやおられない人のことは保留いたしまして、二十六年度までは、貸してやつてもいいのじやないかという考え方を持つて来られた。ところが二十六年にリツジウエイから、あそこは使つていけないと言われたということを組合課長は言われた。それからは鶴の一声で労働省の考えが変つて来たのか、二十六年と今と何がそういうふうなあいまいな態度をとらねばできないような事態があつたか。二十七年の紛争の問題は、先ほど私申上げましたからそれは申上げません。
○政府委員(中西実君) 先ほども言いましたように、二十七年ああいつたことがございまして、閣議決定がはつきりと立てられ、これが公園の管理上、厚生省としてその職責上、当然それでいいのだということでやつて来られ、労働省としましてもこれに強く反対し或いはこれを覆すということは、今の段階においては理由はない、先ほど申しました通りでございます。
○阿具根登君 それはおかしい。それは答弁になつておらん。二十七年の不詳事件をいつも口にされるが、あれはすでに総評のメーデーは解散された後に起つた問題で、総評の責任でないことは皆さんの御承知の通りで、事実ああいう問題が起つた原因は、政府が貸さなかつたからで、而もそのときは労働者は貸せと言つておつたというじやありませんか。それなら労働省としては、あのとき貸しておつたならばこういう問題は起つておらない。貸すべきであるという考えがますます強くなつたというならばわかるけれども、貸さないように自分たちも考えて来たと言われるのは、私はどうも考え方がわからない。逆だと思う。
○説明員(山崎五郎君) 二十七年の騒擾事件によつてそれ以後皇居前広場を使用することに協力ができなかつたというのも先ほどの労政局長の一つの理由だということを御説明申上げておきます。 それよりも先ほど厚生大臣が述べたように、二十七年の国民公園管理規則の運営に関する件の閣議の決定によつて政府の方針がはつきりきまつたので、労働省としては、騒擾事件以前、即ち五月一日以前にたしか決定になつていると思います。それによりましてそれ以後は政府の方針に従つている、こういうことでございます。 もう一つ、騒捗事件の問題については、いろいろ広場を貸さなかつたからあれが起きたという御意見であるようでありますが、その点についてはいろいろ又御議論はあろうとも思います。
○吉田法晴君 この二十七年の五月一日の事件によつて、それが使用せしめるかどうかというときに労働省が突張る勇気を失なわしめた、こういうことでありますが、あのメーデー事件についてどういう工合に労働省として考えられるか。それから御議論があるようですがという、御講論じやなくて、あなたのほうの御議論、その議論を一つ、それからもう一つは政府の方針がきまつたから、そこで何でもかんでもその通りに、御無理御尤も従わなければならん、こういう御態度のようであります。きまつたことは昨年も今年も閣議できまつた、それを否定はいたしません。併し先ほど私がここで厚生大臣と公園部長に聞いて来たいきさつは御存じだろうと思う。国民的祭典であるかどうか、国家的行事の中に国民的な祭典が入るであろうか。それから国民公園を集会なり或いは示威行進に使わしめるということが制度上考えられているかどうか、これは考えられていないわけではない、こういう御答弁があつたことを聞いておられたと思う。それを聞いておられて、労働省としては、そういうことであるならば或いはこういう閣議の席上或いは次官会議の席上メーデーのためには使わしめるべきだ、こういう感想を持たれたか、先ほど聞いておられた労働省の所見を承わりたいと思う。これは来年のことになるかも知れませんけれども、それを承わろうとしたのです。労働省を代表して来ておられるのですから、下僚のような御無理御尤ものような答弁では納得できない。労働省を代表して一つしつかりした答弁をして頂きたい。
○政府委員(中西実君) 二十七年のメーデー騒擾事件につきましては、これは各方面でいろいろと論評されております。我々といたしましてもそれは一つのいい教訓といいますか、あらゆる方面にいい経験になつたというように今考えております。今の、閣議決定があつたから御無理御尤もじやなくて、その閣議決定そのものに非常な合理性があるというところから我々従つて、いるのでありまして、別に決定があつたから盲目的に従うという意味ではございません。
○吉田法晴君 前の答弁についてもいろいろ議論がございましようが、それを聞いているのじやない。労働省の皇居前広場を使用せしめる主張を鈍らせたというから、それではどういうようにあれを考えておられるのか、その心境理由を聞いている。それから後の点についても閣議決定があつたから御無理御尤もではないと言われるが、大胆の説明なり或いは公園部長の説明を聞かれたら、先ほど指摘したような、国家的行事云々ということを言われるけれども国民的規模の祭典であることは認められた。私どもが考える反駁の理由、或いは国民的園というのは集会及び示威行進に使われているということは制度上予想されている、こういう公園部長の話を聞いていて、そんなら労働省としてはもつと強く主張すべきではなかつたかと思われたのではないかと思うが、その感想はどうか、こういうことです。
○政府委員(中西実君) 極めて味のないことになりますけれども、先ほど申したのに尽きていると思うのでありまして、メーデー騒擾事件につきましては、先ほど言いましたように、結局あれが各方面にいろいろなことを教えた。先ほど来の厚生省のいろいろなお話、それから厚生省の御判断によつてのいろいろな御措置、一応我々といたしましても合理性があるというふうに考えておりますから、我々といたしましては一応これに従つている、こういうことであります。
○委員長(栗山良夫君) 質疑は大分進みましたけれども、依然として平行線のところにございますので、一応この程度で本件は終りたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十九分散会