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19回国会参議院1954/03/09

労働委員会 第10号

発言数
18
登壇者
4
会派数
3
開催日
1954/03/09

会議録

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今から労働委員会を開会いたします。  本日公報でお知らせを申上げました通りに、午前中委員長及び理事打合会を開会いたしまして、本委員会の議事の進行について御懇談を頂きましたので、その結果を御報告を申上げます。  先ず第一に、只今当委員会において順序を追つて審議をいたしておりまするけい肺法案の取扱いについてでございます。御承知の通りに当委員会に提案になつておりまするけい肺法案は順次審議を進めて参りましたが、国会の会期等のことを勘案いたしますると、この法案の審議につきまして或る程度の見通しを立てる時期に到来しておるものと委員長は考えたわけでございまして、従いましてこの法律案の取扱いにつきまして各委員諸君の御意見等を伺いまして、この問題についての委員会の意思の一応取りまとめをいたす必要があるのではないか、こういうことで御相談を申上げましたところ、来週の火曜日の委員会におきましてこの法律案の取扱いについて一応御相談を願い、何らかの取りきめをして頂くのがよろしくはないか、その場合には所管省でありまする労働省側からも出席を願い、行政府とも隔意ない意見の交換をする必要があるのではないか、こういうことも付け加えられたわけでございます。従いまして委員長といたしましては、委員会の御承認を得まして、けい肺法案の取扱いについてさように取り進めたいと、こう考えるわけでございますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ではさように決定をいたします。  第二の問題は、吉田法晴君から前の委員会において提出されました緊急動議の取扱いでございます。二件ございましてそのうちの第一件は、国鉄の争議に関連をいたしまして十数名に及ぶ馘首が行われました。その馘首が行われました事情につきまして吉田君の御動議は、国鉄の当局並びに国鉄の職員側の関係者を当委員会に招致をいたしまして、参考人としての発言を求めたい、こういう動議でございました。委員長及び理事打合会において協議をいたしましたところ、田村委員、吉田委員、井上委員、田畑委員等からいろいろ御意見が出ましたが、最後に意見の一致を見ました点は、本件の調査をただ単なる国鉄の馘首問題ということで取上げることなく、公共企業体関係法の運用に関する問題として、一段高い視野においてこの問題を取上げたらばどうか。それから第二といたしまして、参考人を呼びまする場合には、馘首に直接利害関係を持つ人は成るべく避けたほうがよくはないか、こういう意見がございました。又参考人として呼びまする場合に、当局並びに組合側それぞれ一名乃至二名の程度までで所期の目的を達するようにしてはどうか、こういう意見がございまして、大体意見の一致を見たわけでございます。従いまして只今の委員長及び理事打合会の一致を見ました意見について当委員会の御決定を頂きまするならば、成るべく早い委員会におきまして来週には勿論なろうかと思いまするが、この問題の調査をいたす、こういうことにいたしたいと思います。会といたしましての報告はさようでございますが、この問題は緊急動議の関係がございまするので、決定はあとに一つお願いをいたしたいと思います。  それから第二の緊急動議の問題でございますが、これにつきましてはいろいろ御論議がございまして、是非とも動議の通り取上げられたいという強い主張を発議者である吉田法晴君から繰返し主張せられました。これにつきまして田村、井上両委員からは、さようなことはもう炭労の争議も解決を見た今日であるから取りやめて、そうして動議を撤回せられたいという強い要請もあつたわけであります。種々御懇談を願いました結果、それでは小坂労働大臣が田村委員の質問に答えられまして述べられた言明は速記に載つておる通りでございまするが、この言明はその根拠となるべき法律的な解釈がまだ司法権による決定を見たものでないこと、且つ争議中の労働者の立場を甚だしく不利として、その解決を困難ならしめる結果となるとの主張もありまするので、従つてこの際政府は早急に争議介入の意思が全然なかつたこと、又今後もないということ、又労使の団体交渉には関与すべき意図はないということ、こういうことを将来のために当委員会において言明をせられたい。そうすれば動議を撤回してもよろしい、吉田君としては撤回してもよろしい、こういう御発言があつたわけであります。そこで非常にデリケートな表現を申上げるかも知れませんが、要するに一口で申しますというと、委員会の一致した申合せとしまして、労働大臣がここへ出席をせられて、今私が御説明を申上げました後段の政府の意思、労働争議に対する政府の意思というものを明確に言明せられるといううことでありまするならば、従つて吉田君は自動的に緊急動議の撤回をせられる、こういうことになろうかと思うわけであります。そこで委員長及び理事会の打合せとしては、さような工合に一応意見の一致を見たのでございますが、当委員会として二件共緊急動議でございまするから、委員会で然るべく御決定を頂きたいと、こう考えておるわけであります。ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。先ほど委員長及び理事打合会の結果について御報告申上げましたが、この報告に基きまして順次御決定を頂きたいと思います。  第一は国鉄における労働問題に関する件でございます。これは公共企業体等労働関係法の運用に関する問題といたしまして、国鉄の当局側並びに職員側の代表をそれぞれ一名乃至二名当委員会に参考人としておいでを願いまして、その間の事情を調査することにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 招致いたします人名につきましては、先ほど申上げました委員長及び理事会の申合せの線に基きまして、委員長に御一任を願いたいと思います。よろしうございますか。    〔「号異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) ではさよう決定をいたします。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 次に炭労の賃金カツトに関する小坂労働大臣の当委員会において行われました所信につきましては、労働大臣から当委員会におきまして重ねて政府が争議に介入する意図がなかつたということ、今後もさような意思はないということ、更に労使間の団体交渉に関与する意図はこれ又なかつた、こういうことにつきまして、委員会の一致した意見に基きまして、当委員会でその所信を重ねて表明せられたい、こういうことでございますので、さように労働大臣に私から伝えることにいたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) さよう決定いたします。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 先般の労働委員会において、労働大臣の発言を撤回せられたい旨の動議を提出いたしましたが、委員会の取計らいにより、労働大臣を呼んで、本委員会で、争議に介入する意図のなかつたこと或いは今後争議に介入する意図のないこと、労使双方の団体交渉に介入する意図のない旨を言明せられるよう委員会として要請せられるということでございますので、さつきの私の動議は撤回いたすことにいたしたいと存じます。

寺本廣作改進党

○寺本広作君 昨年の十二月、この国会に対して政府から、一九五二年の国際労働総会で採択された条約及び勧告並びに一九五三年の国際労働総会で採択された勧告が提出されております。これは国際労働機関憲章第十九条に基いて、政府からこの条約並びに勧告について国会が権限を持つておる機関であると解釈して提出されたものであろうと考えます。  この二件は、日本が戦後JLOに復帰しまして以来、初めて総会に出席しましたときと、その翌年と、二度分の報告をまとめて国会に提出されたわけであろうと考えます。この国際労働総会のこういう案件が正式に国の機関に提出されますのは、昭和十三年に我が国が国際労働機関を脱退いたしまして以来初めてのことであり、その間には国際労働機関憲章も一九四六年に改正されておるというふうに聞いております。つまり国際労働総会で採択された条約の扱いについて、戦後においては戦前と変つた扱いをするように憲章が改正されておると聞いております。我が国の国内事情から申しますと、戦前は神国憲法の下でこうした国際労働総会の決定なり国際労働総会で採択された条約、勧告などは枢密院に報告されておつたわけでありますが、憲法改正の結果、こうした条約、勧告などについて権限ある機関は、日本国憲法で国会になつたわけであります。従つて今度政府が提出して来られました二つの案件は、国際的に申しますと、国際労働機関憲章が改正されて以後初めての事件であり、国内的に申しますと、国会がこういう条約について権限を持つようになつてから初めての事件であります。従つて政府から提出して来られましたこの両件をどういうふうに国会が取扱うかということは、一つの先例を作ることにもなろうと考えます。又この提出されております条約の内容は、社会保障の最低基準に関する条約、母性保護に関する条約などのように、内容的に見ても非常に重要な条約を含んでおりますし、その他勧告にいたしましても、炭鉱における坑内作業の最低就業年令に関する勧告であるとか、就業の場所における労働者の健康の保護に関する勧告であるとかいうように非常に重要な内容の勧告を含んでおります。従いましてこれが単に政府が国会に提出すれば足りるものであるといたしましても、この両件の内容は国会において十分審査をする必要があろうかと考えられます。国際労働機関憲章によりますと、総会で採択された条約は、その条約の当該事項について権限ある機関に総会後最大限十八カ月以内に提出しなければならんことになつております。政府が昨年十二月これを出して来られたということは、この期限内にこの規定に従つて出されたものと、こう思います。国会に提出されたあと、やはり同じく憲章によれば、国会がとつた措置について政府は国際労働事務局に報告しなければならんということになつております。又政府は国会がこの条約について同意を与えたときは、正式の批准を事務局長に通知しなければならん。国会が同意を与えなかつたときは関係法令について国際労働事務局からの要求に従つて一定の報告を先方へ出さなければならんというような義務を負つておるようであります。  従いまして、この条約並びに勧告の提出を受けた国会としては、これを議案として取扱うか、単なる報告として取扱うか、単なる報告として取扱う場合に、内容の審査について、審査に立入るかどうかというようなことについては慎重審議して、先例を確立すべきものではなかろうかと考えるわけでございます。国際労働条約並びに国際労働会議に関する事項は、国内的には外務省の所管とされておりますし、国会では外務委員会の所管とされております。併しながら内容的に申しますれば労働委員会に関係する部分が大変多かろうと思いますので、この委員会で外務委員会と連絡の上、この問題を取上けられて、適当に対策を進められるように私は提議したいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 只今寺本委員から国際労働機関憲しように従いまして、国際労働総会採択の条約及び勧告の国会における取扱方について研究調査をする必要があるという意味の御提案がございました。只今御賛成の声もありまして、御提議がないようでございまするから、御提案の通り、外務委員会とも連絡をとりまして、成るべく早い機会に当委員会において取上げることにいたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それからちよつとお諮りいたしますが、これは勿論外務委員会との関係はお説の通りでありまするけれども、外務委員会と連絡をとりまする前に、当労働委員会だけで一応外務省、労働省の見解を質すことも必要じやないかと思いますが、この点を発議者の寺本さんにお伺いいたします。よろしうございますか。

寺本廣作改進党

○寺本広作君 異存ございません。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○吉田法晴君 その点で取扱の方法なんですが、この国会に承認を求められております国際労働機関の総会がその第二十八回までの会期において採択した諸条約云々について承認を求める件外一件は、外務委員会の主管と申しますか、取扱つておるものだから、それに労働委員会が連合審査を申入れて、形式はともかくとして、連合審査をやつております。一日それも何時間かやつて、それで終つた。委員会の席上に条約局長が出ておりましたが、実質的な論議は労働委員の我々としてできなかつた。そういたしますと、今御提案になりました国際労働総会で採択された条約及び勧告を私どもが審議いたしますとすると、外務委員会の主管で、私どもが連合審査を申入れて審議をするというあの先般の形をとりますと、実質的な審議が困難だという感じがいたします。特に勧告に至りましてはなお更そうである。そこで条約ではございますが、案件の性質から、むしろ労働委員会が主管的に審議をして、そうして形式的な手続もございますから、外務委員会が連合審査に加わる、こういう形のほうが私は妥当ではないかと思われるのでありますが、これは委員会に付託する方法として院の運営の問題、或いは具体的には議運等の問題になるかと思うのでありますが、その点は労働委員会からもう少し実質的に審議し得るように、審議の性格の変更方を申入れる必要があるのじやないか、かように考えるのであります。その点を委員諸氏に私はお諮りするわけでございますが。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) その点で前回の外務委員会との連合委員会の件もありますので、委員長として運びましたことについて御報告を申上げて御了解を得ておきたいと思います。  それはこの前の条約、名前が非常に長くて、ちよつと私は名前を申上げませんが、要するに我が国がILOの理事国になるための条約と申して過言でないと思いますが、あれの問題につきましては、先方から我が国に向つて早く批准をせられたい、三月九日の理事会に是非とも間に合うようにせられたい、こういう要請がありましたために、外務委員会と連絡をとりまして、三月五日の本会議において決定をせられたいという申入れをいたしまして、三月二日に連合委員会を一回だけ開いたわけであります。従つてあれは一種の異例でありまして、若し当労働委員会において条約案の審議のために多数の時間を要するということでありまするならば、形式的な一回の審議で終る必要は毛頭ないわけでありまして、十分連合委員会において意を尽すことができると私は考えます。従つて内容的な審議の問題は、今のような工合に今後とも進め得るものと御理解を頂きたいと思います。ただ国会法の定めるところによりまして、主管委員会ということになりますと、只今のところでは条約でありますから、これは外務委員会よりいたし方ないと私は考えるのでありまして、この点の実質的な点、形式的な点について御勘案預いて、そうして只今の吉田委員の発言について委員会として意見をおまとめ願えれば、委員長は如何ようにでも努力をいたしたい、こう考えたわけであります。

田畑金光日本社会党(第二控室・右)

○田畑金光君 この間の外務委員会と労働委員会との連合委員会における審議振りを見ましたとき、労働省のほうから関係官が誰も出席していなかつたということは、あの条約についての実質的な審議について非常に欠くるところがあつたような印象を受けたのであります。で私といたしましても、先ほどの寺本委員並びに吉田委員の御提案の通りに、飽くまでもやはりその条約或いは勧告の内容の個々に応じて、どの委員会が実質的に審議するか、こういう工合に持つて行つてもらいたいと思うのであります。従いましてこの点は国会法等の議案の付託の問題等にも関連すると思いますので、適当な機関を通じて一つこの取扱い方が十分に、只今御両所の説明の趣旨に則つて処理されるように取計つて頂きたいと、こう思うのであります。

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) それでは只今の御意見につきましては、私から議院運営委員長にもそういう意見があつたということの申入れをいたすことにいたします。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

栗山良夫日本社会党(第四控室・左)

○委員長(栗山良夫君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十二分散会

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