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19回国会参議院1954/03/25

予算委員会第二分科会 第2号

発言数
170
登壇者
22
会派数
6
開催日
1954/03/25

会議録

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) 只今から予算委員会の第二分科会を開会いたします。昨日印刷物の都合で遅れておりました建設省関係の説明を先ず聴取いたしたいと思います。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) 建設省関係の昭和二十九年度歳入歳出予算案について概要を御説明申上げます。  先ず一般会計から申上げますると、建設省所管の昭和二十九年度歳入歳出予算は、歳入が四十四億九千七百余万円、歳出が九百七十三億七千九百余万円でありますが、この歳出に総理府所管に計上されており予算執行の際建設省所管に移し替えになりまする予定の北海道開発のための経費を合算いたしますと、歳出合計額は一千五十三億八百余万円に相成るのでありまして、これを前年度の予算額と比較しますと、歳出におきましては二十四億六千百余万円の減額となつております。  以下歳出予算案の各項目について御説明申上げます。  先ず治山治水に関係いたしまする経費について申上げますと、河川関係事業費は、内地分が二百四十五億三百余万円、北海道分が三十二億一千万円、計二百七十七億一千三百余万円を計上いたしておりまして、前年度に比較いたしまして、三十三億九千八百余万円約一割四分の増加と相成つております。又砂防事業費は、内地分が五十七億四千九百余万円、北海道分が五千六百余万円、合計五十八億六百余万円を計上いたしておりまして、前年度に比較いたしまして、四億九千百余万円、約九分の増加と相成つております。河川関係事業費、砂防事業費、両者を合算いたしますと、前年度に比較いたしまして三十八億八千九百余万円、約一割三分の増加と相成つております。治山治水事業は政府の重要施策の一をなすものでありまして、昨年内閣に設置いたしました治山治水協議会の治山、治水根本対策に関する結論も一応まとまつておりますので、この趣旨に則りまして、昭和二十九年度にきしましては右諸経費を以て、砂防、ダム、しゆんせつに重点を置いて、治山治水事業の施行に遺憾なき期して行く所存でございます。  道路事業費は内地の分が百十四億一丁八百余万円、北海道の分が三十五億一千五百余万円、合計百四十九億三千二百余万円を計上いたして居ります。前年度に比較いたしまして二十億八千二百余万円約一割六分の増加となつております。これは道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基く五カ年計画り初年度として道路事業を実施するために必要な経費でありまして、最近の自動車の増加及び大型バス等の重量車側の増加に対処いたしまして、幹線道路のほ装、並びに橋梁の整備を特に促進すると共に、産業開発道路の建設を実施いたす計画でございます。なお、このほかに道路整備五カ年計画に基く事業といたしまして、都市内の重要街路を整備いたしますために必要な経費として、後に説明いたしますように、都市計画関係事業費の中にも十八億円を計上いたしております。都市計画事業費は、内地の分が三十九億一千八百余万円、北海道の分が一億二千百余万円、合計四十億三千九百余万円を計上いたしております。前年度に比較いたしまして三億二千万円約七分の減少となつております。これは戦災及び火災復興、街路の舗装橋梁、立体交叉の整備並びに都市水利等の事業に必要な経費でありまして、このうち道路整備五ケ年計画に基く都市内街路の整備費十八億は戦災復興関係街路七億、街路事業関係十一億となつております。  なお戦災復興事業は、昭和二十九年度を最終年度とする五ケ年計画に基いて実施しているものでありますが、昭和二十八年末における進捗率は、五大都市は六七%その他の都市は八八%、平均七七%となつており、本予算を以ては、若干不足する見込でありますが、事業実施の都合ならびに財政上の関係をも考慮し、一部の都市については多少完成、年度を延長することにいたしたのであります。なお戦災復興は一応完了しましたが、なお不十分な都市もありますので、重要都市整備事業を策定いたしまして、これら不十分な都市の整備を図りたいと考えております。建設機械整備費は内地の分が十億七千五百万円、北海道の分が一億七千七百余万円、合計十二億五千二百余万円を計上いたしております。前年度に比較いたしまして四億八千五百余万円、約二割八分の減少となつておりますが、財政規模縮小の方針に則り機械の新規購入は極力これを差控え現有建設機械の整備活用に重点を置いて建設事業の機械化を推進いたしたい所存であります。  公営住宅施設費は内地の分が百十七億五千余万円、北海道の分が八億四千九百余万円、合計百二十六億余円を計上いたしております。前年度に比し十六億一千余万円約一割四分の増加となつております。これは住宅の不足を緩和するため公営住宅法に基き低廉な賃貸住宅を建設するための経費でございまして、これにより災害分を含め五万三千戸の公営住宅を建設いたす計画であります。  次に災害復旧事業について申上げますると、昭和二十八年以前発生いたしました北海道を含む全地域における建設省関係災害復旧事業費を建設省所管に計上しております。その災害復旧事業費合計額は三百三十九億九千二百余万円に相成つておりまして、これを前年度に比較いたしますると、八十六億三千四百余万円の減額となつておりますが、二十八年度予算には、二十八年発生災害を復旧するに要する経費百七十二億三千余万円を含んで居りますので実質的には八十五億九千余万円の増加となつております。  これを各項別に申上げますると、河川等災害復旧事業費は三百二十八億九千六百余万円でありまして、これにより直轄災害については残事業の大部分を完了し、地方公共団体において実施いたしておりまする公共土木災害復旧につきましては、二十七年以前の災害については重点的に個所を選択して、残工事の進捗を図り、二十八年災害については、再度災害を誘発する危険のある箇所については出水期までに復旧工事を完了すると共に特に緊要な橋梁についても本復旧を進めたいと考えております。  都市災害復旧事業費は十億九千五百余万円でありまして、都市村落等の排土事業並びに都市施設等の災害を復旧する予定であります。  次に雑件についし御説明いたしますと総額四十六億六千四百余万円、前年度に比較いたしまして十二億三千二百余万円の減少となつております。本経費のうち主なるものは高速、自動車道路調査費、これが千五百余万円、国土総合開発調査費、これが二千八百余万円、防火建築帯造成補助金、これが一億円、産業開発青年隊導入費補助金が千百余万円であります。  以上は一般会計の概要でございます。次に特定道路整備事業特別会計につき御説明申し上げます。歳入予定額は、借入金が二十億円、地方公共団体貸付金利子収入が一億九千四百余万円料金収入が三千二百余万円、合計二十二億二千六百余万円、歳出予定額は歳入予定額と同額で二十二億二千六百余万円、これを前年度に比較いたしますと七億四千二百余万円の減少となつておりますが、別に地方公共団体に対し一般公募債を許す予定にいたしております。この特別会計は道路整備特別措置法に基き国又は地方公共団体の行う有料道路の建設に要する経費を経理するものでありまして、昭和二十九年度中には総事業個所二十三カ所のうち戸塚国道のほか三カ所は完成する予定でございます。  終りに住宅金融公庫の事業計画について一言申し上げます。昭和二十九年度の貸付契約額の総額は百八十億円を予定いたしており、その原資として、一般会計出資金は五十億円、資金運用部よりの借入金が九十五億円、回収元金等が三十五億円、合計百八十億円を予定いたしております。  その貸付戸数は一般が三万戸、産業労務者用が一万戸であります。  以上簡単に御説明いたしましたが、詳細については政府委員より説明いたさせます。よろしく御審議のほどを御願いいたします。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) 只今説明を聴取いたしました建設省関係の質疑につきましては午後にまわしたいと思います。  昨日説明を聴取いたしました農林省所管事項につきましてこれから質疑を求めます。丁度農林大臣は十一時半頃から用事があるそうでございますから、成るべくその時間内に大臣の質疑を済まして頂きますようにお取運びを願います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 農林大臣にお伺いしますが、先般MSAの関係から輸入いたしましたところのアメリカからの小麦粉が千葉県の沖合で座礁して、そうして五千トンというおびただしい小麦粉が海中に放出されて、その引揚作業をやつている。この損害は一体日本側がしようのですか、それともアメリカ側がしようのですか。又仮にそのうち引揚げたものは一体日本の食糧として適当であるかどうか。聞くところによると、これは全然食糧には役に立たない、むしろもうにわとりか或いは家畜の餌にしかならないんだ、こういうものの代価はどういうふうにして一体支払うのか、或いは支払わなくても済むのか、こういう点はどういうふうにお考えですか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 今食糧庁長官が参りますから詳しくは食糧庁長官から御説明いたしたいと思いますが、これは保険の負担になると思います。食糧会計の負担に帰すべきものでないと思つております。今食糧庁長官が参りますから。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それじやほかの件でございますが、先般本国会に提出されておりますところの漁船保険に対する利子補給ですか、この面に対しては補助金の臨時特例法を出して打切つてしまう。ところがこの法律は昨年の八月一トンから百トンまでの中小船舶に対して漁業の育成強化のため、ともすれば圧縮されておるところの漁業の面においてだ補されたり或いは損害を受けたりしたものに対する漁船への保険なのでありますが、これに対して政府が打切ろうとしている。併しこれは非常に大きな問題であつて、額は少いものだとしましても与える影響は非常に大きい。こういうことは御承知の通り、農林大臣は常におつしやつているように、日本の漁業というものは沿岸から沖合、小型の船からやや中型に移行しつつある。これに対しては先般も国会を通過した、称するところの李承晩ラインにおけるだ捕された船舶に対しては代船建造に対しての十分なる金融措置を講じてもらつたんでありますけれども、それ以外のそうした憂き目にあつているところの、中共地区とかソ連沿岸において、或いは暴風その他の災害のために沈没或いは行方不明になつた多くの船がある。これに対してはやはり保険のような自主的な考えでやつて行くことに対して、政府が助成して行つてこそ初めてこうした不幸な人たちの産業が守られる。こういうふうなことであるのにもかかわらず、これを政府が打切らなければならないという理由は、私はどうしても考えられないのであります。これは只今特別委員会でも相当論議しておりますが、農林大臣のお考えとしてはこういう本当に下積みのことであるのだが、及ぼすところの影響というものは非常に産業の振興に対する制約になつて来る、圧迫になつて来る、こういう観点を我々は持つておるのですが、それに対して農林大臣はどういうふうにお考えですか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 御意見の筋と私は全然同様に筋としては考えておるわけであります。ざつくばらんに申しますれば、相当内部でもその主張をとつて努力をしてみましたけれども、全体のまあバランスという上から今日の財政事情に基いて遺憾ながら当座の措置としては止むを得ないじやないか、これは私としても最もしぶしぶ承認せざるを得なかつたということだけをお考えに入れて頂いて、御意見には全然同感であります。できるだけ早い機会にこれを復活するように努力いたしたいとこう考えております。千田さんのさつきの御質問に対して長官から。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) お答え申上げます。二月の九日かと思いますが、カナダから小麦を九千トン積んで参りました船が千葉県の沖で沈没したのであります。これは保険の事故といたしまして全損でございますので、全部二億七千万円の全額を商社から保険会社に要求しまして取りまして、それを食糧庁で全部収納いたしたのであります。従いまして、その事故になりましたものは保険会社に対して委付いたしまして、保険会社が現在それを使えるものを引揚げまして飼料等の用途に廻している。こういう状態になりますので、食糧特別会計としては全然損害はないわけでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 MSA援助で日本側が引受けるところの五千万ドルに及ぶところの小麦粉ですね。いろいろ言い伝えられておるところの国際小麦価格よりもやや高いこれは本当でありますか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) MSAの小麦買付につきましては御承知のように、アメリカの一般市場価格は相当高いわけでございますが、国際小麦協定によりまする輸出価格のものにつきましては、カナダなりの国際相場を見ましてアメリカ政府で補助金を出しておるのでありますが、それと同様の価格でCCCが売渡をいたしているわけでございます。規定から行きましても国際市場価格よりも高くない価格ということで、大体MSA価格と同等の価格で買い得る、こういうことになつております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 又品質の点においていろいろ世間に取沙汰されておる点があるのですが、これはどういうクラスに属しておりますか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 大体品質の点につきましてはアメリカ物はソフトの品種が多いわけでございます。これにつきましては大体保管状態その他も十分に行つておりますので、一般市場価格におきます価格、それぞれのたとえば白ワラのナンバーによりまして市場価格が立つておりますので、それと見合つた価格でCCCが売渡すことになつております。我々といたしましてはその保管状態を比べますと、これも良好であるというように聞いておりますが、具体的の取引に当りましてはそういう点は十分注意いたしたいと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 最後に農林大臣にもう一つ伺いますが、今度一兆円の圧縮均衡予算によつて農林省に影響しておるうち、殊に生産部面の増産対策上必要なところのダム建設が中途にして或る程度遅れておる。折角ダムが完成の時期に近付いておるにもかかわらず、それに並行しまして灌漑排水の幹線等が当然作らるべきものが、これは一応ストップされ、或いは或る場合においては本年度内には完成できない。こういう面は多々あるのでありまして、まあ大体私は今の吉田内閣はあと二年続くかどうかは疑問に思うけれども、併し本二十九年度の予算、或いは三十年度の予算も大体この調子で行くとするならば、ここ二年間なり三年間は到底所期の目的であるところの増産対策ができない。殊に多額の費用を使つて構築しているところのダムの建設並びに灌漑排水の幹線等に対すところの工事が全然進捗して行かない。二年間というものは一応農民は期待しておるにもかかわらず水も来ない、こういう状況に放置されるのですが、この点については或いは補正予算を組まれなくちやならないときもあるでしようが、どういうふうに農林大臣としてはこの農民の待望に対してこた身、られるという用意があるのですか、その点を聞いておきたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 増産対策事業費でございますが、お話のようなすでに手を付けて事業を始めておりまする大規模なものに主力をおいて完成年度を速めて行きたい、そういう趣意から国営でありますとか、或いは県営でありますとか、そういうふうな幹線的な工事は遅れないように、而も大事な所はできるだけ速く完成するようにという趣意で昨年よりもそれぞれ予算も余計付けているわけでございます。この苦しい予算ですけれども、そういう御心配にこたえる措置は一応とれているかと存じておりますが、具体的には又個々の工事場について按配をして行かなければならんと思つております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それは農林大臣のお答えは今までできておつたいわゆる進行中のものでございましようか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) ええ。

千田正無所属クラブ

○千田正君 一応進行しておる。で来年度予算を付ければ或いは計画と言えば新規になるかも知れませんよ。計画と言えば新規になるかも知れないが、それをその水路を付けることによつて来年度内に水が来る。ところが今年は新規の部分は全然考えないのだということで、一応新規計画の分は除去されている。ところが本年度或いは来年度中にダムのほうは完成するけれども水路はできない。水はただ溜めて置いても意味をなさないのです。同時にやはり進捗して行かなければならない。ところがそれは新規計画の中に入つて来ているのだけれども今年は新規というものは打切る、そういうものがたくさんありますよ。今あなたはそれはできるという御自信があるかも知れないけれども、私のところには陳情が山のように来ている。それは半分完成されておるのだけれども計画としては新年度計画の中に入つて来る。併しずつと一貫したやはりそれが計画なんだ。だからそういう必然的に速くやつてやらなければならないものは、新規は一応打切つても補正か何かで考えなければ農民の期待するようなものは出て来ない。私はだからそこに今度の予算はやむを得ないとしても、例えば補正でそういうことを優先的に入れるかどうかと、いうことをあなたがどういうふうに考えておられるか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 二十九年度予算は現情勢下に立つてできるだけ一つ補正はやらないで行こうという基本的な方針を立てておるわけですから。併しながらお話の点につきましては、無論そういうダムはできても水路がないというような所が放置すれば出て来るわけでございます。これは個々の事業場につきましてはその事情に則つて十分この予算の中で考えられるだけのことは考えて行きたい、こういうふうに考えております。併し全体としてそれは非常にお話のようにどれもこれもうまく行くということは言い切れないのです。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ですからそういう問題が起きて来るので、場合によつては例えば農業団体としては、それでは政府がそういう耐乏予算上やれない、併しながら農民としてどうしても必要だ、我々はとにかく借款してもいいからこれを速く造りたい、こういうのが現実の姿です。そういう場合にたとえば農林中央金庫からおくをしつかり持つてやつて、そうして助けて一応政府は、たとえば二年として三十年度で組むからその間君らは受益者団体としてそれを引受けてやれというはつきりした方針をきめてやらんと、実に苦しい立場に追込まれるのです、農民は。そういう点を又金融団体に対して政府としてはそういうものに対して優先的に金融してやるところの措置を講ずるだけの考えを持つておるかどうかも聞いておきたい。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 非常にむずかしいことかとは存じますけれども、十分一つ考慮させて頂きたいと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 もう一点だけ。これは先般も予算委員会で農林大臣にお尋ねしたのですが、私の持ち時間も少くなつたし、又農林大臣もお忙しい時間のようで十分なお答えを頂けなかつたのですが、例の漁港予算の問題であります。これはもう代々の農林大臣が水産委員会等において約束された当時の漁港整備ということは、日本の現在の漁業にとつては一番必要なところの公共事業である。これに対しては全然二十九年度においては新規は見ておらない、そうして二十八年度にきめた分に対してもささやかな調査的な費用しか出しておらない。一体農林省としては三年前から当時のこれは第五次吉田内閣ですが、吉田内閣のいつでも農林大臣が約束しておつて実行しない、今度も又圧縮予算の犠牲になつてそういうものが浮び上つて来ない。併しながら漁民にとつては一番要望しておるところの基本的な設営であるから、これを何とかして復活してやらなければならない。我々は常にそう思つておるのですが、農林大臣のほうでも今度も打ち切らざるを得なかつた。こう言うのですが、一体農林省が計画しているところの漁港整備予算というものは、いつになつたら達成する御予定なんですか。これだというともう僅か一年のものが百年ぐらいたたなければ農林省が考えておるような曾つての国民に声明して且つ又国会において引受けた漁港整備なんというのは達成できない。少くとも。三年なり四年の計画を立てたらそれを実行してくれることを考えてもらわなければならない。いつ実行する考えなんですか。この点については全国の漁民が待望している問題です。農林省としても態度をはつきり鮮明にせられたい。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 漁港の問題はお話の通りお願いをいたしております予算案の内容が甚だ不満なものでございまして、従いまして整備計画も予定いたしたのと進行が著しく進度が遅れるということに対しては非常に責任を感じております。ただ農林予算全体の按配からいたしまして、食糧増産五ケ年計画のそれに見合うところの今年度の増産対策事業費というものが、実に私どもから満足できない計上を余儀されている全体の按配からいたしまして、この緊縮下におきましては誠にやむを得ないことと存じているわけでございますが、さらばとて今お話のように、歴代の農林大臣も深くこの漁港整備の必要性を感ぜられて、そうしてやります、やりますと言つて来ても実際問題としてはこの予算の問題で鼻をついてやれていない。これもやらなければならんということは、もう私もあなたと同様の考えを持つております。従つて、どうやるかということを口はばつたく申上げてみたところで、これは結果が出て来ないことにはどうにもいたし方ございませんので、大きいことはこの予算を持出して申上げる立場ではございませんけれども、今後ともやはり、総会でも申上げましたように、日本の漁業の今後行くべき方向からいたしまして、この漁港整備というものは基本的な前提要件になつて来るという考え方を以て努力して参るつもりでおります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ビキニ環礁における被害の状況は、今共同調査その他によつてだんだんはつきりするようでありますが、農林省といたしましては、これの対策、まあこの予算には恐らくのつておらないと思いますが、今度拡大されたところの禁止区域というものが発表されております。これに対してはやはり日本としては日本の自主性を持つた一つの考え方を持たなければならん。それでまあ共同警戒措置というようなものを考えておかなければならんじやないか。例えば先方任せで先方が勝手に線を引いて、そうしてここに日本の漁船は来ちやいけない、被害を受けたらお前たちの損害なんだ、こういうことでは、日本の独立性というものはどこにあるかと我々は疑わざるを得ない。そこでそこにいわゆる国際的に調整する妥協の余地はあると思うのです。そのためにはやはり警戒するという措置を講じなければならん。或いは漁民に対して指導する方針を立てなければならない。こういう而に対して例えば警戒の処置をとるとか、或いは農林省としては船を出して指導するとか、或いは全国の漁民に対して原子爆弾の非常に被害の大なることを十分納得さして、そして単に漁業ができるできないの問題ではなくて、持つて来た魚が日本の全国民の食膳に上る社会的に大きな問題になつて来る。そこで水産業に従事しているところの漁民に対する国としての立場を或る程度はつきりしておかなければならない。殊に主管大臣であるところの農林大臣といたしましては、今後起るであろうところの国際問題を、単に外務省だけに依存することなく、国内的に担当しておられる大臣としてのお考えがあると思いますので、この際その点も一つ所信を明らかにして頂きたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 私どもとしましては、この三月一日の実験によつて起つた被害に対して、善後処置としての補償要求その他内部で十分手落ちのないようにいたしております。それから先日危険区域を拡大するというアメリカ側の措置に対しましては、従つて問題は、この間の三月一日の事件に対する措置と危険区域拡大に対する措置と二つの問題として、私どもとしては先ず三月一日の被害事件につきましては、これは直接間接十分な補償を求めるということで、損害調査等を只今進めておるわけでございます。危険区域の拡大という法律的効力と先うものは一体どうであるかは、これはまあ私の専門外でございますけれども、併しながら日本の漁業にとりましても相当重大な関心を寄せざるを得ない地域でございますから、而も三月一日のあの被害がまだ全貌をつかんだということは今日言い切れないのではないかと、従つて今後実験をせられるならば、先ず被害がどの程度に及ぶかということが明らかになつて、これに対するところの十分の事前措置が講ぜられるという用意なしに重ねて実験をされるということは困ると、その場合に一体この拡大せられた地域に対しての日本の漁業が行えない、それに対してどうしてくれるかと、或いはあれだけ大きく拡げてありますけれども、そんなに一体拡げなければならんのか、少くとも南方の漁場に往復する航路に当る所あたりは一体除外できないかどうかというようなことについて、外務省に強くそのことを要請して話をしてもらつておるわけであります。    〔主査退席、主査代理高橋進太郎君着席〕 私どもとしてはこれらについては十分の措置をとつて参るつもりでおります。決して向う様がそうやるから仕方がない、指をくわえておるというようなことはなすべきではないというように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 少くとも今の農林大臣のおつしやつた点は誠にそうでなければならないし、それから突如としてああいうような実験をされては非常に迷惑をこうむるのはこつちである。場合によつては風の吹き廻しによつては何千哩流れるかも知れない。あらゆる立場において日本側が損害をこうむらないような、時期と時間とを前以て予知できるとするならば、そういうような方法をとることをこれは特に要求しなければならんのではないか。どうも外務省の行き方が非常に腰が弱いだけあつて、生産の部門におられる大臣もそうであろうが、我々のように基礎産業の問題を常に念頭に持つてやつておる議員としましては堪えられないのですね。ほかの国の勝手な爆弾の犠牲に立つて、日本の無辜な生産業者、或いは漁民なり農民なりというものがそのために苦しむ。のみならず、国内の一般大衆の食膳に上るところのそういうものが全部の国民に影響するということを考えたときに、これは容易ならない問題です。ですからやはり自主性を持つた外交に向つて行くように、又それによつて被害をこうむるであろうと予想されるところの生産部門を担当する行政官庁としては、外交陣に対して、特に大臣はそういう今のようなお考えであるとするならば、強く要求して頂きたいということを重ねて申上げておきます。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) なおちよつと私申し落しましたけれども、あの三月一日の事件がわかりましたその数日間の国内の情勢からいたしましても、これはまあ問題の性質上当然でございますけれども、非常な鮮魚商品についての不安を一般消費者によび起した。これは又同時にアメリカに或いは冷凍、罐詰、相当の輸出をいたしておる。これが又日本の漁業の非常に大きな部面を占めておるわけであります。私どもとしましては、むろん危険なものを危険でないと言つて消費者に勧めるというわけには無論参りませんから、その点に対しましては十分な措置をとりつつ且つ又国内のみに限りませず、この点も強く要求いたしておるわけでございますが、アメリカにおいて不必要な行過ぎた不安を消費者が持たれないように処置してもらう。その結果が日本の輸出品が向うの港に着きましたときに、こちらでもまあ只今は検定をして送り出しておりますが、アメリカ側のほうでも検定をしておるようであります。そこで今日までのところは一つの事故も出ておりません。  なお御報告申上げますが、その後南方から八十隻ほどのまぐろ船が帰つて来ております。約漁獲高八十万、これも一々入港地で検定をいたしまして、全部何らの事故を起していないということでございますから、只今のところはその面だけはまあ御安心を願えるんじやないか。アメリカにおいてまぐろ冷凍罐詰の日本からの輸出の障害にならないような特段の措置を講じてもらいたいということについては十分反応が挙つておるような処置をいたします。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 米の問題でございますが、第一番は米の義務供出並びに任意供出の現在の状況について御説明願います。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 三月十日現在の政府の調べでございますが、千九百六十四万石でございます。これは政府の買入でございますので、検査の関係で申しますと少し前に遡るような形になります。現在そういう状態になつております。それで義務供出は大体完了願つておりますが、各県といたしまして当初義務供出をお願いすると同時に、責任数量と申しますか確保数量をお願いいたしておるわけでございます。この確保数量に対しましては約四県ほどもう少しというところに今なつておりますが、全体といたしましては確保数量を突破いたしております。需給計画といたしましては、先般すでに申上げましたように、政府の需給計画の目標には達成いたしておりませんので、目下各県に出向きまして各県の需要と同時に、その県におきまして是非達成して頂きたいという数量をお示ししまして御協力を願つております。こういう状態でございます。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 そうすると、まだ配給をする上においては供出はまだ要るということでございますか。もう要らんということでございますか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 配給計画といたしましては、先ず二千百万石を目標にいたしておつたわけでございます。現在の状態におきまするとその配給計画を達成する数量には達しておりません。この需給計画につきましては、御承知のように一応全国的な形での計画を立てまするが、同時に本年度の収穫におきまして各府県に、戸別に府県間の需給計画、同時に又府県から県外に出して頂くということを御協議いたしまして、この計画の下に県外搬出及び県内の供出確保ということをお願いいたしまして、それによつて各県の御努力を願つておる状態でございます。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 今後まだ供出をしてもらいたいというようなことですが、それから供出状況をずつと見ておりますると、最近とみに供出が鈍つて来たような感じがするのでございますが、結局それは凶作加算率というものが非常に影響するのじやなかろうかと思うのでございます。最初追加払いといたしまして四百三十二円というようなことを一般下部で期待いたしまして供出が非常に活況を呈しておつたようでございますが、その後どういうわけかあれが五十五円というような数に決定されましてからとみにこの供出意欲というものが鈍つたような感じがするのでございます。最初下部のほうに四百三十二円と発表しそれぞれ供出責任者が農家をそのつもりで督励したのであつたそうですけれども、結局五十五円、農家はだまされたというようなことになつて中間に入つて督励した人が非常に責任を感じておるというようなふうに聞いたのですが、一体四百三十二円というのは下部のほうには流したものでございますか、どうでございますか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) この減収加算につきましては昨年の九月の米価を決定いたしますときに、本年度の作柄に鑑みまして米価審議会から差当り五百円を支払うべしという御意見でございました。その当時作況も悪うございましたし、又減収加算の算定方式につきましても何ら確定した考え方がなかつたわけでございます。従いまして五百円の追加払いをいたしまして実収高が決定いたしましてから算定方式をいろいろ御審議願い、又各方面の御意見も伺つてああいう算定方式をきめたのでございまして、この四百三十二円というのはいろいろな算定方式の中の最も有利なものをおとりになつたらそういう計算になつたということに過ぎないと私どもは考えております。又只今供出状況につきましてもお話がございましたが、二月中は非常に供出状況が悪うございました。各図を見ますると、百万石という形になつておりますが、三月に入りまして供出状況を見ますと、十万石以上十二万石程度になつております。最近も供出状況は二月に比べまして三月はだんだん上りつつあるということの状況でございます。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 そうしますと、これから又供出も必要とするならばあの五十五円に対しましてもつと何か措置をして頂けるということを御考慮なさつておりますかどうか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) この減収加算につきましてはいろいろ考え方があるわけでございますが、パリティ価格を以て現在米価の基本価格にいたしておりますが、このパリテイの基本価格の算定方式としまして数量変化を織込む。この数量変化も例年なみのパリテイ価格による所得を維持する、こういう形でやつて参りたいと考えておりますので、そういう建前からいたしますと、いわゆる今年のような作柄におきまして、非常に作柄の分布度が例年よりも非常に激しいという場合には、その建前といたしまして、例年のパリテイ価格による所得を維持するという考え方からいたしますと、やはり本年度の作況につきましても、例年なみの幅が適当ではなかろうか。こういう考え方で算定方式を考えたわけでございまして、その算定方式によつて五百五十五円ということを算出いたしましたから、これで政府としてはやつて参りたい、かように考えております。

高橋進太郎自由党

○主査代理(高橋進太郎君) 三橋君にちよつと申上げますが、農林大臣が十一時半頃急用があるというので、若しこの際農林大臣に対する御質問があれば、ほかの委員もあるようですから長官に対する質問はあとにして農林大臣のものだけをして下さい。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 そうしますと、次に農業共済、農業保険の問題でございまするが、これは日本農業の経営を潤活ならしめる上には非常に重要なことでございますが、農家の関心が比較的薄い。これも個々の農家に実際当つて調べてみますと、中間経費が非常に多くて実際もらいます農家の保険金などというものは予定したよりも極めて少くなつているような状況でございますので、この中間経費を少くするというようなことにつきまして何か農林大臣のお考えがございましたらお聞きしたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 農業保険の経費から出します再保険の支払が中間の農家に至らないという御注意だと存じますが、連合会のあれは事務職員は全額の負担になつており、組合の費用は三分の二以下の国の補助負担になつておつたかと存じますから、保険金がそこらに食われているということはあり得ないことだとは存じますけれども、かなり問題の多い点でございますからこの上とも監査を厳重にしまして中間経費がかさまないように努力を払つて行かなければならん。それは私もそう考えております。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 これは是非一つそうして頂きまして、農家の手取りが多くなつて実際の保険の使命が果せるように一つ御指導を願いたいと思います。  その次は農業の多角経営というようなことにつきましては、農林大臣はつとにいろいろな方面に気を配つて頂きますことに対しましては感謝を申上げる次第でございますが、近頃輸出農産物の増産というようなことは、一面から考えますると食糧輸入ということに直接な関係があり、日本には水田面積増加というようなことにつきましてはもう大した望みをかけることはできません。従いましてこの輸出農産物の増産というようなことにつきましては殆んど自然のままに放任されておると言つてもいいのでありまして、これに対しまして国がいま少し力を入れて頂くということが非常に必要だと思うのでございます。他国にできない、日本でなければ有利に生産できない輸出農産物もたくさんあるのでありまして、差当りゆりとかチューリツプ、グラジオラスというようなものがあるのでありますが、ゆりだけは国内輸送は輸出作物として特別に扱われておりますが、グラジオラスあたりは輸出農産物として国内輸送の価格は安くなつておらんのでありますが、これらもやはり輸出作物としてそれを助長する意味において保護してやる必要があると思うのですが、どういうようにお考えですか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 長い問いわば封鎖経済の中におりまして、日本の農産物に対する海外の市場調査等が不十分であつたために、輸出農産物に対する農林省のやり方が少し手薄になつておるということはもう当然私はお考えの通りだと存じておるわけであります。お話のように何もかも米麦の生産に適当した農地ばかりではないわけでございますから、適地適作という点と、海外に輸出余力を持ち得る農産物の調査とか奨励については一つ農林省で考えなければいかんじやないか。そういう上から各地にある大使館或いは公使館に農林省からのエキスパートも一人ずつかなり出せるようになつて来ておりますし、そういういわゆる農務官的な使命が今後も非常に大きくなると存じておるわけであります。併せましてこれは一つ御注意を頂いて、御意見を伺つて農林省で少し力を入れなければいかんじやないかという感じを私持つておりますので、そういう方向で行つております。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 輸出農産物の国内における鉄道運賃のほうも考えておいて下さい。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) それは私存じませんから。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 その次の問題は直接の関係は大蔵省関係かも知れませんが、たばこ耕作組合の問題であります。これは直接間接に農家の利害得失に密切な関係があるものでございますから、その内容並びに運営というようなことにつきましてお調べになつておりましたらお聞きしたいと思います。若しお調べになつておりません場合におきましては、今後十分農家の利害という点を考えましてこの耕作組合の運営をして行つて頂くようにお願いしたいと思います。具体的の例も知つておりまするが、ここで私は申上げませんが、いろいろ農家が迷惑しておるという而がたくさんあるのであります。特にこれが運営につきましては農家を保護するという立場に立つて十分に御研究のほどをお願いしたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) なおもう少し数えて頂かなければちよつとわかりませんけれども、組合の運営で農家に迷惑をかけておるということですか。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 そうです。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 私の地方も非常に大きい利害関係を持つておるわけでありますので、個人としても関心を持つておるわけであります。御注意頂きまして十分考慮させて頂きます。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 一例だけちよつと申上げておきます。これは愛媛県の一部のたばこ耕作組合に起つた問題でありますが、元専売局におつてかなり重要な位置におりました人がこの耕作組合の役員をしておりまして、そうして一方正命保険の代理店に勤めておつてむやみに生命保険に加入させまして、そしてその金はたばこを出した掛金から差引いておる。農家はほかの保険などに随分入つておつて入りたくないのに、それに入らないとたばこの等級が下げられるので入る、又肥料などにつきましても市価で買いますと相当安く買えるものを、そこから買わなければ等級を下げられるというので無理に高い肥料を買わせられておるという事実も実際あるのであります。これが運営は大蔵省のほうで主としてやつておられると思いますが、農家は大変迷惑しておりますから農家を保護するという意味におきまして、農林大臣のほうにおかれましても十分一つその方面の調査を厳にして頂きたいとお願いしておきます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 昭和二十九年度農林省予算概要の第八番目にあります国営競馬の問題でありますが、国営競馬というものにつきましてはいろいろの議論があり、そして又機構の改革につて或いは行政整理の対象として人員その他についてたびたび新聞にも出、賭博行為であるというような関係からこれが民営に移されて更に廃止になるような状態にあつたのでありまするが、二十九年度もやはりこういうふうに出ておるということにつきまして、どういうお考えによつて国営競馬の存続ということをお図りになつたか、承わりたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 予算は一応存続する建前で計上していると存じますが、大体国が競馬を経営するということは、どうも積極的理由が乏しいのじやないか。まあ民営と申しますか、とにかく国の経営は私どもは不適当であるという考えを持つておりまして、是非国営はやめて、特殊法人なり然るべき民間機関によつて経営をして、そして健全な発展を促して行くように処置いたしたいという考えを、大体立案過程を終りまして一両日中には国会の御審議をお願いしたいという考えで進めておるわけであります。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 さようなお考えを持つているといろのならば、ここに一般会計への繰入分十五億五千二百万円というようなものが出ておりますが、かようなものをお入れになるというふうなことについてどうかと思いまするし、それは別といたしまして馬匹の改良という方面から考えました場合において、これは農林省はやはり考えておられるか、どうですか。馬匹の改良ということは考えておられるのですか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 馬匹の改良ということは、やはり必要でございましようね。(笑声)

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 従来は戦争その他によよつて馬匹の改良ということは非常な必要なことでしたが、今日は余りそういうことを考えませんが、そういう馬匹の改良という意味におきまして競馬うまというものがいろいろ改良せられ、従つてスターリング地域におきましても或いはドル地域におきましても、外貨の余裕があつた時代は相当購入しておつたのでありまするが、今日は非常に窮屈になつて恐らくそれは入らなくなるだろうということになると、この内地において改良ということが考えられなければならんということになりまするが、この国営競馬というものがはつきり公然と存続している以上は、何とかお考えになるかどうかということをお伺いしたに過ぎません。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) まあ軍馬の必要もないから、馬匹の改良もそれほどの意義がない、これはその通りだと思います。けれども仮に競馬にしましても、社会化活の一つの存在として、これが今後続いて行くということになれば、やはり文化と申しますか、文明と申しますか、その進度に応じてやはり馬の改良ということも、当然これは行われて行かなければ、私は競馬というものが続いて行かないのじやないか、そういう意味では無論この役馬の改良ということは、これはもうもとより大切なことであろうと存じますけれども、その面から見ましても必要は必要だと、こう考えております。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 もら一つついでにお尋ねしておきますが、昨年水産大学の敷地問題について相当議論があり、そうしていろいろな陳情があり問題になつておりましたが、これは片付きましたか、どうですか。

清井正水産庁長官

○政府委員(清井正君) この問題は直接私のほうの所管ではございませんので、文部省の所管でございますが、先日来この問題が非常に議論がありまして、いろいろ水産大学としても位置の移転といいますか等につきまして関係方面と折衝しておるというように聞いておつたのですが、最近の事情は詳しく私はここではつきり申上げられませんが、この程度の解決の方向に進んでおるということを聞いております。

井野碩哉緑風会

○井野碩哉君 二つの点だげちよつとお伺いしておきたいのですが、昨日外貨予算がきまりまして、上半期十億五千万ドルとなつたのですが、従つて外米の輸入量が百十万トン維持できないと思いますが、どのくらいになりましたか恐らく百万トン以下になつたと思います。そこで本年度の米食率は十五日と声明しておられますが、供出も二千百万石はなかなかむずかしい、こういうことになつて来ますと、どうしても変えなければならんと思いますが、その点はやはり変えずに行かれるという確信がおありになるかその点を。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 御懸念は全くその通りでございますが、十億五千万ドルという上期の大体のわくで、品目の検討は作業をしてみるということで只今作業中でございますけれども、米のことに関しましては二十九年度中に入つて参りまする百十四万トンの一応の計画はその通りにしておりますけれども、到着ベースとしてはそうなつておりますから、ただ来年の四月以降の持越分或いはスリップの分を幾らかやるというような操作で、一応この年度の十五日配給ということには支障は来たさないつもりでございますが、併し新三十年度からの食糧配給をどうするかということは、これはまあ大体井野委員から前回の国会で御注意を頂きました趣意に基きまして、食糧対策協議会を内閣に作つておるわけです。十分検討を加えまして予算上並びに外貨予算上の措置としましては、十五日配給という建前でいたしておりますけれども、新年度からの配給関係についてはこの通りで行きますということは、今日は私申上げ得ない段階に立たされておるわけでございます。御懸念の点は一応は処置はいたしておると思います。

井野碩哉緑風会

○井野碩哉君 消費県と生産県と米食率は違いましたね。この点を統一されるお考えはございませんか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) これはどうしても統一するという方向で少し無理をやつてみなければいかんじやないかという考えはございます。

井野碩哉緑風会

○井野碩哉君 もう一点水産の問題でございますが、今日水産資源が食料として極めて重要なことは、農林大臣も御承知の通りでございますが、漁業者が現在金を借りる上において非常に困るわけです。市中銀行等が漁船を担保になかなか金を貸さないという事情にあるのです。どうしても漁船を本位にした漁船の特殊な金融機関というものを作る必要があると思うのでありますが、これは特別立法を要することになると思うのですが、そういう点について農林大臣はやつてみたいというお考えを持つておいでになるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) この漁業関係の長期設備資金等につきましては、窮屈ながらも農林漁業金融公庫の融資等によりまして、途は開けて、開発銀行の関係もありますけれども、実際操業の、運転資金と申しますか、これに事業の性質上銀行がなかなか貸したがらない。殆ど銀行の正常な金融の下で経営している人というのは、私は小さくなれば小さくなるほどこれは絶無だと申し上げてもいいのじやないかと思います。そういうことからいたしまして、今漁業の一番大きい問題は、先ほどの漁港等の施設もございますけれども、操業能力を持つておる人に何らかの方途によつて安易な、融資の途が開かれなければならんのじやないかという、同様の考えを私も持つておるわけでございます。只今水産庁で研究を進めて頂いております。

宮本邦彦自由党

○宮本邦彦君 大臣がおいでになりませんけれども、政務次官がおりますから。  過般来の予算委員会の大臣の御答弁を聞いておりますと、食糧増産というものは予算はむしろ減額されたような状態である。これは国の財政の都合上やむを得ないということが肯定されておるわけです。而もその御答弁の内容は、食糧増産問題が如何に重大であるかということをよく認識されておるわけなんですが、非常に農林省当局としては矛盾を感じておられながらも非常に努力をなさつておるという点については敬意を表するのですが、ただここで一つ問題をはつきりさせて頂きたいことがある。こういう時世になつて参りますれば、当然に御存じのように補助金等を打切る法律案だとかいうような方向に動いておつて、末端の小さいところの補助金やそういうものは順に切られて行く。これは農業政策が大きく一つの転換期に来ているのだということははつきりわかつているわけです。そういつたときに、而も食糧増産というところの何と言いますか方向はいよいよ強く要請されておる。当然私はここに大きな農業政策の転換が行われなければならんじやないかということを考えておるものですが、そういう意味合において最も大事なことはどこかというと、やはり農民自身に自主的にこの問題を解決して行くような力強い方法を打立ててもらうということじやないかと思う。そういう意味合において私は、昨年農林省に提案をされました農業団体の再編成、具体的に申上げれば農業協同組合法の一部改正法律案、それから農業委員会法の一部改正法律案が、昨年政府から提案されたのでありますが、国会は審議未了に終つたわけです。私は併し農林省の意図するのは非常に本当のいい方向だつたということを今でも思つておるものなのです。当然そうあらなければならないというふうに今日でも考えております。御存じのように最近農業団体は、農民組合とか或いは農民連盟だとか又はいろいろな形で農業団体自身が、勿論これには社会党あたりが非常に働きかけていますけれども、強い動き方を最近示しております。で、これはよほど農林省としてもお考えにならなければならん方向じやないかと思う。昨年あの法案が出て審議未了になつてしまつたということは、私は考えれば一年早過ぎたというような気がするのです。今年あの法案が出ておれば、あれは審議未了でなく恐らく真剣になつて国会は取り上げて、何とかまとめ上げたのじやないかというふうにさえ考えられるものなのであります。現在農業団体の関係を御覧になれば、農村へ参りまして農地委員会が必要だと言つているのは、農地委員会に関係のある人或いはその系統の人以外にはおりません。今年は農地委員会の予算が二十四億幾ら、昨年より少し町村合併で減りましたけれどもそれだけの厖大な予算を盛つております。而もその予算というものは、農村に行けば、農地委員会或いは農地委員会に関係のある者以外は、これは不要だと言つておるのです。そういう予算が実は細まれておるわけです。これは非常に農林省としてもつらい立場じやないかと思つております。それから又一方協同組合はどらかというと、これは私の県の例を申上げてもよろしうございますが、県の経済連はぼう大もない赤字を背負つております。単協に参りますというと、単協は、私の県は比較的農協運動の盛んな県なんですが、組合運動は農民のためのこれは唯一の機関であり、これが成功しなければ日本の農村は行くところがなくなつてしまうのだというような強い組合運動をやつております。農民は従つて、経済活動をやつておる農協の物資を買つておりますけれども、農協の物資ははつきり申上げると高いのです。高いけれども農業協同組合運動を完成させなければ農民はうまく行かないのだと、だから農協を育成する、農業協同組合の組合運動を完成させるために高いものを買つてくれと、こういうことで農民に呼びかけております。私のところへ来る農民は一体どういうものでしようかと、こういう相談を折々持ちかけております。これも一つの私は矛盾があるのじやないかと思う。この今日のような自由経済の時代に、農民が片手間にやつておる経済活動なんというものは、そんなに安い物を上手に機を見て仕入れるような活動はできつこないのです。そこに大きな私は矛盾があるのじやないかと思う。そういうことを考えますと、やはり今日の日本の農政というものが置かれておる位置から行くと、やはり農業団体の再編成というようなことが必然的に考えられるべきじやないか。御存じのように、農地委員会法も農業協同組合法もいずれも占領治下における一つの法律、GHQの指導によつてできた農業団体なんです。当然今日その意味においてももう一度再検討されなければならんものじやないかという気が私、しております。そういうようなことにとらわれるわけではございませんけれども、今日の日本の財政というようなものから考えて、そして日本の農政というものを考えたときに、当然この問題は真剣になつて考えられなければならない問題じやないかと思う。昨年不幸にして国会で流産してしまつたから、もうあの問題はどうもうるさいからということで手をこまねいておられる問題ではないように私は思うのです。そういう意味合におきまして、農林省ではこの問題を流産のままでほうかむりしてしまうのか、或いはこういつた経済の大きな転換期に最もしわ寄せをされやすいところの農村という立場から考えて、これをもう一度お考えになつて、政府の御意図によつて農業団体再編成と言いますか、何と言いますか、言葉はこれはまあいろいろあるでしようが、そういつた方向に農民自身の農政活動を活発にやつて、国の財政やそういつたものの欠陥を補つて日本の農政活動をやるようなお考え方がありますかどうですか、これを私ははつきりここで承わつておきたいと思うのです。

平野三郎自由党農林政務次官

○政府委員(平野三郎君) 本年度の農林省関係の予算が少いということ、又補助金に関する整理の法案等を出しておりまするので、農業政策に対する政府の方針が転換するのではないか。こういうような点が第一点でございましたが、政府としては全然そういうことは考えておらんわけでございまして、本年は緊縮予算ではございまするが、その中におきまして多少のでこぼこはありまするが、大体において農林省関係の予算が決して後退はしていないのでありまして、従つてこの点においても農林省としては農村に対する保護助長政策を減退させるという意思は全然ございませんし、又補助金の整理の法律につきましても決して補助金を打切るわけではなくして、ただこれの使い方を地方にも幾分協力をしてもらう、こういう趣旨で実質的には何ら変らないわけでございます。又あれは臨時立法でありまして、決して政府の基本的な考え方を示しておるわけではないのでありまするので、従つて政府としては、どこまでも日本の農業に対しては保護助長政策を貫いて行く、こういう信念に変りはないわけであります。ただお話のように、徒らに他力本願ではいけないのであつて、やはり農民自身の自力更生と申しまするか、農民自身の力によつて日本の農業の発展を期して行くということがもとより必要でありまして、これがために政府としても、農業団体の再編成を行いたいということで、すでに法案を提出して御審議を願つたわけであります。ただこれが不幸にして流産になつたわけで、今後政府としてはどう考えるかということでございまするが、実はあの法案も三つの国会に継続して御審議願つて、遂に審議未了になつたわけでありまするから、まあいわば顔を洗つて出直せというようなことになるわけで、従つて今国会に政府として農業団体関係の法案を出すということは現在は考えておりません。ただ何分にも非常に大きな国会の御意思と申しまするか、そういうものがわかつたわけで、政府としてはこの際出直して根本的に検討をし直さなければならんと、こういうことで今検討いたしておるわけでございます。今お話のように、あの法案は確かに時期が尚早であつた、真に末端の農民からこうあるべきであるという盛り上つて来る熱意がなかつたという点も考えられるわけでありまして、お話のような趣旨に則つて、どうしても農業団体をこの際明確に確立をして、そうして農民自身の力によつて日本の農政を確立するということが必要である。そのためにはどういうふうにすべきかということを、当時の国会の論戦の経緯等を調べたり、又いろいろ各方面の動向を伺いまして、只今検討いたしておるわけであります。いずれ次期国会等に政府としての新らしい構想を盛つて御審議を願いたいと、こう思つておるのでございます。

岸良一緑風会

○岸良一君 私予算の総会で食糧の問題について大臣にお伺いしたのですが、時間がなかつたので十分納得するような回答も得られなかつたわけです。ここで二、三事務当局についてお尋ねいたしたいと思うのでございます。それはまあ先ほどからのお話を承わつても、どうも日本の今年の食糧の問題に対しては余りはつきりした自信があるようにも思われないのであります。先ほど三橋委員の御質問によりますと、今年度二千百万石ということの確保もどうもむずかしい、はつきり集めるというお返事もなかつたように思います。輸入の食糧についても井野委員に対しても余りはつきりしたお話もなかつたわけでありますが、そうすると一体今年の需給は、只今予算に計上されておるところの計画で信用して年が越せるのかということを非常に懸念するのでありますが、その点食糧庁長官はどういうふうにお考えでありますか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) お答え申上げます。先ず第一点の国内の集荷でございますが、先ほど申上げましたように予定の目標にまだ達しておりません。御承知のように、全国的な需給計画を立てまする場合、当初におきましては一応いろいろな資料から全国的な計画を立てたわけであります。更に具体的な供出の見込と、又具体的な各府県におきまする消費、と申しますのは、各府県の消費は、今年は平年と違いまして不作の関係で、農家消費の見方をどう見るか、こういうふうな問題。それから又昨年度は、相当配給辞退があつたのでありますが、我々といたしましては、本年度の作柄から見まして配給辞退はそうないだろう、こういう見方で出発しておつたわけであります。そういう需要の面におきます具体的な各府県の計画を立てなければならんということで立てて参つたのであります。そういたしまして、同時にその需給計画を達成いたしますためには、各府県においてこれだけの集荷をしてもらいたいということで、具体的に各府県と打合せいたしまして、各府県におきましてこれはやれるという一つの需給計画を持つたわけです。その需給計画に基きまして現在進めておるわけでありまして、これは農家配給の而或いは配給辞退の而からいたしまして、今我々が府県と協議いたしております状態から推しますると、絶対的に二千百万石なければ現在の十五日配給を実施できないという形になつておりますが、ただそれに近い数字を集めなければいかんということになつておりますので、そういう面で努力いたしておるわけであります。府県当局といたしましても、その需給計画を達成することについては全責任をもつて集荷もやり、需給計図を達成いたしたいということになつておるわけであります。それにつきましては具体的に各県を廻りまして、そうして府県当局と共同で集荷の促進に努めておるわけでありますし又農業団体の方面におきましてもやはりその目標の線でいろいろ努力を願つておるわけであります。本米穀年度につきましては、何とか措置がつくのじやなかろうかというふうに考えております。ただ先ほど大臣へ御質問がございました輸入の問題でございますが、輸入の問題につきましては、本年度の予算につきましては到着荷ベースとして百十四万五千トンというものを本年度に輸入到着として買入れる、こういうことになつております。外貨予算の面におきましては、これは昨年の十月から本年の三月までの間のいわゆる下期予算において買付けましたものが年度内に間に合いませんので、本年度の外貨予算で本年度内に到着させるという計画を立てましてそれと合せますると、本年度におきましては予算の数字を到着せしめるという形になつております。ただ三十米穀年度につきましては平年作というふうに考えております。平年作で予算にもございましたように二千七百万石程度の集荷というふうに、計画になりますと、どういうふうな輸入計画になるか。それからしまして来年の三月、つまり本会計年度末の間においてどれだけの物を買付けるべきか。これは従来でございますると海外の食糧市場が売り手市場でございましたので、相当前広に外貨を持つて交渉しなければならないわけであります。最近のような国際的な食糧事情の緩和によりまして、その買付期間というものが相当短縮できるわけであります。従いまして外貨予算の面といたしましては来年の四月以降に到着すべきものをこの二十九会計年度内に幾ら買付けておけばいいかということは、その期間的な短縮と申しますか、そういう措置がとれ得るわけでございますから、そういう点については外貨予算の事情がございますので我々としても協力して参りたい。こういう形で進んでおりますので、現在予算で予定いたしております外米の到着買入につきましては計画を変更したわけではないことを御了承願います。

岸良一緑風会

○岸良一君 それから本年内地米の買付は二千七百万石、それは生産数量というものは六千五百万石くらいになるのでしよう。そうしますと、これはあなたのところの関係じやないが、渡部さんあたりに申上げるが、あのときお伺いしたのですが、今年の凶作を基準にして来年それだけのものをふやすということについては、一応計画的の数字を積み上げておられるのだろうが、それは何によつてそれだけ増産されるという数字をお示し願えませんか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 来年度のこの春植付ける米の収穫高の問題になりますが、これは私どもとしましては、昨年の冷害の状況に鑑みまして、種の集荷であるとか保温折衷の準備を冷害対策費としまして五億余り補正予算で頂きまして、前広に準備をさして実際の効果が上るような指導を相当早くからやつて行く。種子の買上げにつきましてもあの予算でやつております。今年の天候状態のいいことを期待するのでありますが、仮に少々の不順な気候が或いはありましても、これを克服しまして冷害その他の災害の被害程度は最小限度に食いとめられるような計画を立てておるのであります。殊に冷害につきましては今までの結果を見ますと、これはもう何百年の歴史を見ますと冷害の年の影響が一年なり二年なり続いて、それは只今申上げましたような冷害の年の種の状況がよくないから翌年の結果がよくない、或いはその他の肥培管理の点につきましてもいろいろ条件が変つて来るからそういうことになつておるのであろうと想像できるのであります。そういう点をできるだけ防止してやりたい、こういうふうなことはやつておるのです。然らば平年作が確実かどうか。こういう問題になりますが、これはもう少したつてみないとわからないのでありますが、そうであるからといいまして、予算を編成をする上におきましてこれを変えた数字を組むというわけにも参りませんので、一応平年作があるものとしてその場合にどれだけの収穫があるか、こういう予算を組んでおるわけであります。下半期になりまして災害等がありまして生産予想に非常なくるいが来るということになりますれば、食糧の輸入計画については当然変更を認めなければならん、こういうふうに考えます。

岸良一緑風会

○岸良一君 今のお伺いしたのは、私は今農林省がそういうことを前提に置いて今年の予算で組んだものでこのものはこれくらい取る、このものはこのぐらいとる、例えばあれだけにふやしてやつておる農地開発、あれを遂行することによつて、或いは災害を復旧することによつて大体二百万石ふえるとか、或いは病虫害をやることによつてこれだけとれるのだ、こういつたような計画的な積み上げというのはないのですか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 御承知のようにいろいろ各担当部局で推定はしておりますが、これは相当の幅のある推定しかできないのであります。一定の幅を持つた数字を勘案しながら需給計画を持つております。

岸良一緑風会

○岸良一君 それで積み上げて大体千万石以上のものはとれるという考え方と見ていいのですか。私は去年の冷害なんかをもう少し農林省のほうで指揮をやれば或る程度技術的に防げた問題じやないかということは結果のいろいろの事実を見るとあるのです。それは確かに昔よりは非常に進んでおると思うのです。そういうような要素があるということを発揮され得るならばもつと確実性が出やしないか。確実性がなければ幾らこれだけ配給すると言つたつて話にならん。これはむしろ外米を入れるとかいうことを、私は率直に言うけれども、もう米食率を下げるということには別段反対しないです。米食率を下げてもどういう対策を考えるかということが総合的に足りないのじやないかと思うのです。そういう点をどうお考えになつておるかと思つて伺つたのです。それからそういう意味において麦の輸入をして食生活を改善することに対して食糧長官はどういうお考えを持つておりますか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 現在食糧の需給の面からいたしますれば、御承知のように米と麦とが半々、こういうことになつております。只今御指摘の食生活の改善で米から麦へ転換して行く、これにはいろいろのとらなければいかん点があると思うわけでありまして、主体的には麦が食いやすいように米との価格関係においても副食物と合せての適当なパリテイをとらなければならんということは申すまでもないわけでありまして、畜産その他の副食物との関係をも考えなければならないと思います。食糧庁といたしましては国民全体の消費に関する問題でございますから、政府がこういう計画でこれだけ米を食わしこれだけ麦を食わすということはなかなか参らないわけであります。だんだんにそれを消費者のほうに滲透して行つてそうして麦を食つて参る。そしてそれが米に変つて参るということにやつて参りたい。具体的には主として単作地帯或いは農村のほうに対しましては、政府の所有麦を市価よりも安い価格で配給すると申しますか売却する、こういうことによりまして東北、北陸等の米単作地帯においては本年度は相当の麦の消費が進んでおるようであります。それから農家に対しましても本年度の作況状態に対しましては或る程度不作の農家にも麦を食つて頂くという形で同じような成果を挙げております。農村方面、特に単作地帯等におきましての麦の消費、又二毛作地帯等におきましても農家の麦の消費というものが大分進んで参つておるわけでございます。食糧庁としては食糧操作の面からそういう手を打つておりますると同時に、これは従来続けてやつておりまする学校給食の面でやつておりまするし、又改良局の而におきましては先般の災害予算と関連いたしまして農村地帯に対するパン焼機械或いは製めん機械の助成というような方法をやつておるわけでございます。又いろいろ民間団体等とも協力しまして食生活改善その他いろいろな運動をやつて参る、こういう形で進めておるわけでございます。

岸良一緑風会

○岸良一君 食生活で麦を学校給食で普及されておるのですが、これらに関係して、やはり麦だけ食わせるといつてもむずかしいし、或いはそれをパンの形にするとかいろいろの方法がありますが、これと併せてやはり私は畜産物を使うことか非常に大切だと思うのですが、これは今畜産局長も来ておられるようですが、昨年来或いは屠場法の改正をして簡易屠場を設けている、或いは乳の利用については高温度殺菌もやるとか非常に楽にはなつたのですが、将来においてもつとこれを直して行かなければならん。又私はそういうことをすることによつて食糧を出すということもできて来るだろうと思うのです。これは全体の問題ですが、大臣にお伺いしたのでは、大臣はまあ非常に賛成なんですが、食糧長官はどうお考えになりますか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) やはり麦、小麦粉と普及のためには、特に畜産関係との関連において又それが進まなければいかんということは、実は例えば岩手県などにおきましては相当酪農地帯でございまするが、これに対しまするパン食の普及と申しまするか小麦粉の普及ということがその地帯においては非常に進んでおるという実例も見せられておるわけでございまして、そういう点につきましてはやはり総合的にやつて参らなければならん。これは我々本年度の供出の場合におきましても岩手県が作柄が非常に悪うございましたが、そういう方面での酪農地帯又は酪農産物との結び付きによるパン食普及ということが目ざましいので、又そういう面からも供出状況がいいという結果を見ておりますので、まあそういう方向で是非やりたいと思つております。

岸良一緑風会

○岸良一君 普及員の数は減りましたが、一面において追加予算で生活改善の普及費がふえておるのですが、私はそういう意味においては非常にいいと思うのです。改良普及員の食生活改善は、今言つたような面を含んで指導をするといつたようなことについて農林省はどういうふうにお考えになつておられるか。これは政務次官から……。

平野三郎自由党農林政務次官

○政府委員(平野三郎君) お話の通り食生活改善が今後の食糧政策上の重大課題であり、殊に昨年十二月十五日に衆議院の本会議におきましてもこの旨の決議もあるわけでございまして、政府としては極力この点に努力いたしたいと思つておるのでございます。ただ本米穀年度といたしましては、現行米食率を維持して極力集荷に努力し、又必要なる輸入につきましても確保する措置をとつておるわけでありまするが、何といつてもその大目的の達成に努めて行かなければならん。こういうことで実は先ず国民運動を展開したいというようなことで関係各省で連絡調整も願つておるわけであります。その他実際の措置といたしまして、只今食糧長官から申上げましたような畜産の振興或いは学校の給食、いろいろ製粉、製パン等の設備の充実でありますとか、又只今お話の生活改善普及員の増強を図るというような各般の措置をとつておるわけでございます。特に畜産の振興につきましては、斯界の大先輩であり大権威者である岸委員の御指摘の通り、本年の少いながらもこの予算の中で相当酪農振興に関するところの経費を計上いたしたわけでございまするが、更に近く政府としては酪農振興法案を是非今国会に提案いたしたいということで只今極力努力をいたしておるようなわけでございます。特に今御指摘の生活改善普及員につきましては、これはまあ衆議院におきましてこういう御修正になつたわけでございまするが、政府からも是非この食生活改善の面において充実をして参るということを、いよいよ修正のきまりましたとき事務的には御連絡を申上げまして、そうしてこれを実現いたそうとしておるわけでございまするが、御指摘のように一つこれらの面の増強を極力図つて参りたいと考えておるわけであります。

岸良一緑風会

○岸良一君 そのまあお考えは私はいいと思うのですが、今年の計画で非常に畜産の関係の経費を増額されたことは私聞くことでありますが、この間大臣にお伺いしたのは、私はどういう計画を以て、又一般食糧とどうマッチするような計画において進められるのかということを開き得なかつたのであります。それらについて計画的の生産をやるということに対する具体的のものがあれば承わりたいと思いますが、その際申上げましたように、実際において畜産物を米換算にしてみると、カロリーでもまあ本年度は恐らく三百数十万石になる、蛋白にすれば六百万石以上になるということが考えられるわけです。若しこれが千万石以上になり千五百万石以上になると、日本の米麦と繋ぎ合せれば国民栄養上から見ても完全な食糧の繋ぎができる。こう考えるのですが、これらについてあの増産の計画というものをお持ちになつておりますか、その点を政務次官でも総務部長でも官房長でもいいからお伺いしたい。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 国民食糧の需給の緩和のみならず、国民体位の向上という意味から畜産振興についてはどうしてもやらなければいかんというので、御承知のように十カ年計画を立てて、十年後には乳牛を百万頭、その他養豚、養鶏等のそれぞれの計画を立ててやつて来ておるのであります。人口も伸び化活水準の向上等を考えますれば、どうしてもその程度の計画を達成しなければ、国民栄養食糧の確保ということはできない、こういう見地から計画を進めておりますわけであります。

岸良一緑風会

○岸良一君 具体的の何年計画というのは、前にあるところの畜産十カ年計画に合せてやつていると、こう了解していいわけですか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 十カ年計画を手近のものからそれぞれ具体化して行く、目標を十年後百万頭に置きまして、これほいろいろ努力すべき点がありまして、すぐそこまで一足飛びに行きませんので、順次飼料の問題、或いはこの畜産製品の消化の増進の問題等と併行しながらやつて行きつつあるのであります。

岸良一緑風会

○岸良一君 飼料の問題が出ましたからちよつとお伺いしたいのですが、最近ふすまが非常に上つている。一時六百円台のものが今七百五、六十円、ちよつと数字は忘れましたが、そのくらいになつておるのですが、ああいうことに対して食糧庁の委託加工の面とかいうようなことで、調整をするという方法はないものですか、又そういう御意思があるかどうか。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 御承知のように、冬場の飼料は需要の相当増加する時期でございますし、逆の半面におきまして、小麦粉の需要というものは、ふすまと逆比例いたしまして冬場は大体落ちる時期でございます。従いまして自然のままにしておきますと、只今のようなお話の状態になるわけであります。これは畜産局とも協議いたしまして飼料用のマニトバ五号の輸入をやつているわけであります。これを生み出すことによりまして飼料の面からの需給調整を図つて参りたい。と同時にふすまのみならず、ほかのとうもろこし等の問題、大豆粕の問題、これにつきましても輸入を促進いたしまして、そうして全般的な飼料の需給の緩和に当つておるわけでありますが、具体的にふすま、マニトバ五号につきましては飼料用として食糧庁で買いまして、これを畜産なんかに入札いたしておるわけでございます。これは形といたしましては委託加工のような形の部分もできて、畜産団体に渡してこういう形もできて参るかと思います。食糧庁自体としても一般の払下げにつきましては、できるだけ数量調整をして、ふすまが多く出るように希望に応じまして相当数売却いたしておりますが、主体でありまする小麦粉が大体一年間のうちでは需要の少い時期でございまするので、その点からのみは参りませんから、飼料用としてのマニトバ、それの売却というような方法で調整いたしておるのでございます。

岸良一緑風会

○岸良一君 私はそういうお考えでおやり頂いておるだろうと思うのですが、それにもかかわらず値段が上るということは、どうも私は食糧の大部分を管理しておる食糧庁としては少し熱意がないのではないかという気がするのです。私はどうせ食糧が単に米、麦だけではいかんというなら、すべての注意をそういう方面から払つて頂いて、国内に物が豊かになるということをやはり頭に置いて頂くことが私は必要じやないかと思つております。

前谷重夫農林省食糧庁長官

○政府委員(前谷重夫君) 勿論御趣旨の点十分やつて参りたいと思います。実は畜産局と相談をして一時的には飼料用として買入れましたものを、食糧用として持つておりますものもございまして、最近緊急放出として三万トンの売却をする、これはあとから飼料用のもので補うという、輸入の飼料用が足りません場合は、場合によりましては食糧で立替えるというような措置もとつておるわけでございまして、できるだけそういう御趣旨に副うように努力をいたしたいと思います。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 普及員のお話も出ましたけれども、補助金等の臨時特例等に関する法律案があのまま成立をしたと仮定すると、又予算委員会におきましても資料を頂戴しておりますが、三分の二が二分の一になつた分は、交付金でやるというようなことになつておるのでございますけれども、この普及事業というのは、やはり国の熱意と地方の関心と、この二つがより合わなければならんのでありますが、あのままで二分の一だということで処置いたしますると、やはり地方によりましては普及員の整理というようなことに、しわが寄つて来ると思うのでございます。従いまして折角普及事業を重要視いたしまして、交付金の中に六分の一を入れたとしたならば、政府のほうからも十分にこのほうにその金は使つて、普及事業は縮小してはならん、この際食糧増産の意味からいたしましても、どうしてもこの普及事業は盛上げて行かなければならんというような、そういう意味の通牒か何か出して頂くということは非常に有効だと思うのでございますが、そういう措置をとつて頂けるかどうかということをお伺いしたいのでございます。

平野三郎自由党農林政務次官

○政府委員(平野三郎君) お話の通り農業改良普及事業はますます増強して参らなければならん、こういうことでございまするので、只今三分の二を二分の一に切下げるという措置をとりましても、当然地元の負担分につきましては地方財政計画で見る、こういうことになつておるわけでございます。併しながらお説の通り、そういうことのために、ややもすれば改良普及事業の重要性について認識の薄いような地方によつては、或いはこれが後退をみるというような虞れもなきにしもあらず、政府としては考えておるわけでございます。従つてそういうことのないように極力指導育成に努めて参る、こういうことで今いろいろ具体策の検討をいたしておるのでございます。これは御承知の通り地方において予算を組みまするならば、当然国が負担すべき補助金については国の責任になる、こういう仕組になつておるわけでございまするから、地方の熱意さえあれば何ら後退することなく、むしろ府県によりましては却つて従来よりもこれを一層、国の認めている以上にやつておるという所もあるくらいでございます。従つてお話のように、そういうことのないようにいたしまするために、只今各地方長官に対しまして厳重な指導監督をいたすべく通牒を発して参る、こういうことを今準備いたしておる次第でございます。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 その次は病虫害の問題でございますが、農林省のほうといたしましても、凶作の翌年にはやはりそれが尾を引くものであるということは、渡部官房長も申されたようでありますけれども、これまでの経験によつてみますると、不作の翌年は得てして天候的の不作ではなく、ほかの災害による不作というものはつきもののように思つておるのでございます。それなのにかかわらず昨年よりは著しく予算が減つておるというようなことにつきましては誠に不安に存ずるのでございます。指定病虫害につきましても、いもちの例を見ましても五千七百町歩、昨年の発生面積の二百万町歩に比べますと非常な減少をしておるのでございます大体技術的にも今本省のほうでお考えになつておるように凶作の翌年は病虫害が発生し易いものであるということを感じながら予算がこのように減つたということは、非常に遺憾と存ずるのでございます。又うんかなども指定病害虫などから落しております。これは若し突発的に発生したとしたならば、これに対して十分な不安のないように予算措置なり、具体的な方法ができておるものであるかどうかということをお尋ねしたいのが一つであります。  なお又このうんかなどは周期がありまして、昭和十五年が大発生をした年であります。大体小発生は四年に一遍、大発生は十五年に一遍ということになつております。昭和三十年の前後二カ年間ぐらいはうんかの発生が多いと見なければならんのでございます。これもやはり技術陣のほうではわかつておるのでありましようけれども、それ、は財政の状態がこうだから技術を無視して予算を組まなければならん、こういうことになりましたのでは試験場が幾らありましても、研究所が幾らありましてもその成果が一向政策の上に盛られないということになりますと、折角の組織は全く国の政策を運営して行く上において用をなさない、こういうことになると思うのでございます。従いまして差当りの問題といたしましては、当初予算は少くとも、若しもとつさに出た場合においては、予備金その他の方法でこれを防ぐ万全の用意があるかどうかということをお尋ねしたいのであります。

平野三郎自由党農林政務次官

○政府委員(平野三郎君) 凶作の翌年に病虫害が発生し易い傾向があるということは、お説の通り病菌が土壌の中或いはわらの中に附着しておるものでありまして全くその通りであります。従つて特に本年度は病虫害防除につきまして政府としては万全の対策を立てなければならない。こういう考えを持つておるわけでございまして、或いは予算が少いではないかというお話でございますが、昨年度におきましても異状災害につきましては予備費等を支出いたしまして漸次ふくれて参つたために、昨年度の最終の予算額が相当に上つたということでございます。当初予算としては本年度としても決して少いというわけではないつもりでございます。特に昨年度の状況に鑑みまして病虫害につきましてはただ徒らに農薬の補助金を出すことだけで事足りるというのではなく、むしろ発生予察に対するところの措置をとる必要がある。或いは又昨年度の経験に鑑みまして、農薬の備蓄をしているということが必要であるということを痛感いたすわけでございます。従つて今年度はこれらの備蓄をするとか、発生予察等に関するところの予算を相当計上いたして対策を立てておりまして、異常な災害が起きました場合におきましては、お話の通り予備金等の活用によりまして遺憾なきを期したいと考えているわけでございます。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 病虫害のほろは技術的に見ましても、やはり駆除より予防というものに重点を置くべきであると思いますが、その意味におきまして、発生する先の予防ということは十分時宜に適したことと思うのでありますが、なお農薬問題につきまして少しお伺いしたいのでございますが、これは本予算の本委員会でも、厚生大臣の発表によりまするとホリドール、パラチオン剤を中心といたしまして死んだ人の数は百五十四人になつておるそうでございます。尤もそのうちには農薬使用というようなことで被害をこうむつたのではなく自殺というものもあつたのでございますが、いずれにしましても人命に対してこれほどの害を及ぼしているということは事実でございます。そうなつて来ますると、農薬の研究方面はただ虫を殺すのにどういう効果があるかとか、どういう使用方法をすれば病虫害に効果があるかとかいう研究だけでは足らんところがあると思うのであります。従いまして今の農薬検査所でございますか、あれを拡充いたしまして、そういうような方面の研究も進めて行く。農事試験場或いは農業研究所あたりにおきましては、やはりこれは病虫害防除を主体とした研究が多いかと思うのであります。やはり成分の分析その他につきましては、農薬検査所でこういう研究をしたほうがいいと思うのでありますが、あれは今国内では西カ原に一つだけあるのでありまして非常な手不足であつて、こういう方面の研究がなされておらんということは遺憾でございます。この方面を拡充して頂くという計画はないだろうか。これはどうしても農村の増産をするために、働く人の生命を保護するという意味におきましても、たとえ死ぬ人の数は多くても少くても、こういう方面の研究はどうしても拡充して行かなければならんと思うのでございます。それをやる御計画なり御意思なりがあるかということを伺いたい。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) お話は御尤もでありますが、只今西カ原農薬検査所は農薬の検査にもこれを拡充したい、こういうので努力していますが、まだできていないのであります。今ここでこれの被害予防的な研究まで手を延ばして行くことは実際問題としてできないのではないか。現在のところはやはり設備その他の完備しておる厚生省と連絡をとつて被害の予防などをやつて行くより仕方がないと思います。なおそういつた使用方法によつて人畜被害を防止することにつきまして、そういうこともありますので、更に研究を重ねて行きたいと思います。

高橋進太郎自由党

○主査代理(高橋進太郎君) それでは午前中はこの程度にいたしまして暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩    ―――――・―――――    午後二時開会

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) それでは只今から予算委員会の第二分科会を再開いたします。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 大臣に入植問題についてお尋ねいたしますが、日本が人口の過剰のために移民ということが殆んどできんような状態でありますし、世界中受入態勢というものは極めて僅かな数よりできないという状態になつておる。従つて国内の移住ということを相当考えなければならん時代が来たと思つております。従つてこの際移住のできるというところは北海道以外にないように考えられますが、この北海道に移民をするというふうのことであつたならばどれくらいの人数が移民できるか、お伺いしたい。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) 北海道は私思うのにまだ相当の人口を受入れることができる。或いは人によつて千万人という人もありまするが、今直ちにこれだけの受入をすることが可能かどうかということについてはまだ確固たる調査もできておりませんが、御承知の痛り今北海道の全人口は四百五十万人、これを千万人くらいまでは十分受入れることができるのじやなかろうか。これが一般の今世論みたいになつておるように承知いたしておりまするが、併し私はお説の通り人口過剰であるというて今年も本予算に僅かばかりのブラジル移民の経費等が計上されておりまするが、そんなことで到底片付くものではない。お説の通り内地移住といえば北海道以外には恐らくなかろうと思います。そういう点からも北海道に受入態勢を十分にして、そうして内地の二男、三男等を迎えたいという熱意は持つておるのでありまするが、この前本会議でも申上げたかと思いまするが、実際問題として今北海道には拓植民なんかも相当入つたのでありまするけれども、そこで土着しないのです。生活できる間は来ておつて生活するが、あとはもういつの間にやら殆んど雲散霧消してしまう。それはその人たちが或いは内地に引揚げる北海道にいるかということはつまびらかではないのですが、大体において今の状態では無理からんと思うのです。私は一昨年でありましたか北見あたりの拓植民の入つた地帯を見て参りましたが、何分にも道路の設備もなければ医療の設備もない。学校の設備もないというところへ落着けといつたつて落着けるものではないのです。だから私はそのときにも考えたのですが、これは相当の移民を北海道に受入れることはできるが、これには相当思い切つた国家の施設としてできれば電灯くらいまでつけてやる。学校教育の設備或いは又住宅、道路といつたようなものを十分完備しなければ、初めは入つて来てもすぐいつの間にか消えてなくなるということではいかんのじやないかということをその当時私はみずから実地を見て痛感したのであります。まだ五百万人或いは六百万人くらいの内地移民を迎えることは施設をよろしくさせれば十分迎えることはできると思つておりますが、今のままではなかなかそこに土着しない。ただ十二町歩の土地をやる、そこには立木もある。ところが立木だけ切つて生活をしてあとはもう開墾の熱意もないというようなことが到る所で見受けられる。だからそれに対しては相当国家が施設をしてやる、これには相当の予算を伴う。今日の百六十五億くらいの全経費では到底それはできない、かように考えております。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 まだ大臣のおつしやる通りに地下資源その他地方の方面も十分な調査ができておらんということに起因すると思いますが、若し移民させようというふうのことであつたら生業を与えなければならん。生業は何を与えるような状態になつておりますか。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) 地下資源等も相当有望な資源はあるといわれておりますが、これは一部分の調査に過ぎないので、日高方面は殆んどまだ何らの調査ができておらん。併しこの方面には相当の資源があるということだけ言われておりますけれども、まだ本格的の調査もできていない。まあ北海道で生業を与えるといえば水産であるとか、或いは石炭は御承知の通りなんですけれども、主として林業、或いは又相当開拓する土地は一人一戸移住すれば十二町歩まで土地を与えるのですから、これをまじめに開発されれば、初めから美田にはならんでしようけれども、或いはじやがいもだとか麦だとか燕麦だとかいつたものに本当に親切にまじめにここで働く意欲があればそれで十分やつて行ける。政府としてはこういう見込をつけておるのですけれども、今それでは北海道を一大工業化するといつたつて、なかなか資本家は易々としてやつて行きません。まあ農業或いは林業あたりに行くよりほかに差当りなかろうかと思います。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 続いて今お話のあつた漁業問題でありまするが、千島はソ連に取られてしまう。又領海はだんだんせばまつて来る。それから今日の新聞などで見ると、又カナダその他の方面においても李承晩ラインと同じように領海を拡張し、或いは大陸棚というようなものをだんだん殖やして来るように考えられまするが、それに対する漁業の問題についての将来性はどうでございますか。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) 漁業の将来性と言えばまあ北海道が一番有望じやなかろうかとこう思うのですが、但しこれとても御承知の漁業をやるからといつて裸でやるわけには行かん。やつぱり船も要るしそういつた何も要るから、普通の者じやちよつと行つて漁業をやるというわけには行かない。まあ併しだんだん今朝の新聞にも出ております今のお説の通りでありまするから、どうしてもやつぱり北海道が有望だと言うても漁港の問題もあるし、まあいろいろな施設無論してやらんならんですが、併し日本の三分の一の漁獲の生産といたしておるのは北海道ですから、北海道の漁業は将来ますます有望じやなかろうか。こうは考えておりますけれども、御承知の通り千島は今ソ連にとられる。どうしてもやつばり漁業をする地域は狭いと言えるのですね。だが北海道なら今後十分活躍し得る余地があるのじやなかろうか、こう考えております。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 もう一つお伺いいたしますが、思想問題はえて僻すうな土地に起りやすいものでありまして、容共的の思想というものがやはり北海道にも相当あるように聞いております。只今大臣のおつしやつたように電燈もないというような方面においての日教組の活躍というものがこれが相当将来に対して注意せなければならん。事実北海道にもかような問題が起きております。思想問題に対するいわゆるそういう方面における十分なる監督と言いますか、とにかく注意をするというふうなことができにくい状態にあるところにおいて起りやすい容共的の気分というものは、どうして将来それを取締つて行こうとお考えになつておりますか。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) これはまあ北海道開発庁としてはどうかと思うのですが、これは北海道長官の腕にまつより仕方がないと思うのです。御承知の通り今の北海道長官は左派だなんて言われているのですが、この間私が会うたときには自分は今政党には何も関係はありませんということをはつきり言うておりましたが、併しまあ北海道も相当思想的にはかなり容共的色彩が多い地区もあるように聞いておりますが、こういう問題については開発長官として直接取締等の任に当るわけには行きませんけれども、北海道長官等を督励して十分こういう問題については取締を強化して行きたいと、こう考えております。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 ちよつと関連して質問します。戦前には現在よりも人口はむしろそれほど稠密でなかつたと思うのですが、その時分には満州移民というものに相当政府は力を入れたのですが、大体北海道と満州と比較して移民してつまりどういうような差があるか、その点お伺いいたしたいと思います。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) そのほうの事務当局の次長から一つ御答弁させます。

谷口明三北海道開発庁次長

○政府委員(谷口明三君) 私大分前に満州国の官吏として数年間向うに参つておりました。只今満州移民と北海道移民との差異、効果等のお尋ねでございましたが、当時私満州国の役人として感じましたことは、只今のお話の通り満州の開拓開発、満州国の建設につきましては国を挙げてこれが行われておつたということであります。従いまして只今の移民等の問題につきましても非常な施設と非常な国を費しましてその助成が行われました。ところが北海道の開発につきましては先ほど大臣の御説明が、ございましたように必ずしも今日国の力がそこまで行つておらない。これが私は北海道の開発がなかなか進まない根本原因であろうと思います。従いまして移民につきましても主として農地による移民、即ち開拓政策によりましてやつておりまするが、なかなかこれは遅々として進んでおりません。先ほど人口問題の解決における北海道の役割の大きいことをお述べになつたのでありまするが、農業のみをもつて日本の人口問題を北海道に解決させようということは非常に無理ではないか、農業による人口問題の解決にはおのずから一定の限度があるということを考えるのであります。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 そうすると満州と北海道とは遥かに満州のほうが条件がいいというわけですか、移民した者は。

谷口明三北海道開発庁次長

○政府委員(谷口明三君) 条件は一人当りの国の使つた費用或いは移民に関する設備は、詳細の数字等につきましては失念いたしましたが、非常に差異がございます。若し詳細なことでありまするならば説明員の吉村副主幹は当時満州において移民のほうの事業をしておりましたので御説明をいたさせたいと存じまするが設備その他につきまして格段な差異があることを私承知しております。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 そうすると結局国の力の入れ方が足らんから移民がふえないんだという結論ですか。

谷口明三北海道開発庁次長

○政府委員(谷口明三君) さようであると考えます。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 北海道の食糧の関係の問題でありますが、北海道の公共事業費の食糧増産対策としてどちらに主力が置かれておりますか。私申上げますのは、改良に主力が置かれておるのか開懇というようなものに主力が置かれておるのかどちらに主力を置かれておりますか。

谷口明三北海道開発庁次長

○政府委員(谷口明三君) お答えします。昨日提案理由によりまして御説明いたしました通り北海道の開発費の大部分というのはいわゆる公共事業費でございます。それを分けますと一般の道路港湾等のいわゆる土木関係の事業、いま一つは只今のお尋ねの食糧増産に関する費用であります。食糧増産に関係する事業は土地改良と開墾ということになつておりまするが、その重点はどちらということはございません。ただ土地改良にはいろいろな灌漑用の施設即ち多目的ダム等が、ございまして、相当の金が開墾よりも多く付いておるということはございまするが、どちらに特に重点を置かなきやならんということはないと考えております。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 私は考えまするのに、北海道のような所は改良よりもむしろ土地が多いんだから開墾の方面に力を注がれたらどうかと思うのですが、この予算を見ますと開墾という方面にはどうも重点を置かれておらないふうな感じがするんですが、これは如何ですか。

谷口明三北海道開発庁次長

○政府委員(谷口明三君) これは参議院の本会議で大臣が御答弁された中にございます通り、日本の未開墾地、今から開墾すれば美田になる、立派な畑になるという面積が百五十五万町歩あると称されております。そのうちの七十九万町歩は北海道にある、即ち半分以上の面積が北海道にあることになつておりまして、そのうち最近いろいろ大きく問題に取上げられました北海道の泥炭地という問題がございます。これが約二十万町歩北海道に賦存しておると言われておるのであります。今日この泥炭地の開発ということが只今お話の食糧問題の解決に非常な貢献をするということになつております。これは単に私どもが考えるばかりでなく、ヨーロツパ、アメリカ等泥炭地のたくさん持つておる先進国におきまして泥炭地の土地改良ということの如何によつては非常な増産、生産効果を挙げるものだということになつておるのでありまして、最近フランスからも又いわゆる国連のFAOからもそれぞれの専門家が参りまして北海道の泥炭地開発に助言と技術上の援助をしてくれることになつておるのであります。即ちさように考えますると勿論開墾開拓等を軽視しておるわけではございませんが、何と申しましても北海道におきましては土地改良に重点を置くことが即ち食糧増産に大きく貢献する方法ではないかということを考えております。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 そうしますと、開拓の事業については今お話のような外国人なんかの助言をまあ必要とするというような段階なので、まだ本当に緒に付かないというようなことになつておるわけですか。

谷口明三北海道開発庁次長

○政府委員(谷口明三君) 諸外国の泥炭地に関する技術援助、助言等を受けると申しまするのは、一般の土地改良ではないのでありまして、只今申しました通りいわゆる泥炭地の開発の問題であります。従つて他の土地改良地域におけるそれが非常に幼稚であつて外国の助言を仰がなければならんということにはなつておりません。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 今のお話だと北海道は土地改良に重点を置かれると、こういうようなお話でありますが、それにしましてもこの予算を見ますと去年は二十一億何がしであつたのが今年は十七億に減つておるというような状態が見られ、又北海道の開拓の関係としては昨年が二十六億であつたのが約その半分の十三億になつております。こういうふうなことになつておるようですが、これは又そのほかに北海道の耕地整理事業費とかいう新らしい費目、項が出ておるようですから、そちらのほうでカバーされているのでありましようが、とにかく開拓の事業費が約半分になつておるということを見ますと、本当にあなたのおつしやるように土地改良に重点を置いて開拓は余り重きを置かないのだということが如実に現われているんだが、先ほどもお話があつたようにこれから開拓すべき土地が北海道に非常に多いんだということを言いますとどうも北海道においては開拓の事業が先に来るんじやないか、まあ日本全体としてはこの予算説明書にもある通り土地の改良に主力を置くんだとはいつておりますが、北海道においては私は開拓というものが先に来るんじやないか、こう思うのですが、もう一応一つお話を願いたいと思います。

斎藤勤北海道開発庁企画室副主幹

○説明員(斎藤勤君) 予算額でございますが、北海道土地改良事業費は先ほどお話がございましたように本年度から科目が分れまして、土地改良事業費と開拓事業費並びに耕地整備事業助成、北海道開拓実施、こういうふうに分れております。予算額は減つておりませんでございます。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 全体を見ますと。

斎藤勤北海道開発庁企画室副主幹

○説明員(斎藤勤君) はあ。北海道土地改良につきましては十七億七千三百万円でございまして、前年度は十六億五千万円であります。それから開拓のほうは十四億四千四百万円でございまして、前年度は十三億九千百万円でございます。なお別に分れました耕地整備事業助成のほうは四億九千二百万円でございまして、これはいくらか千六百万円くらい減つてございますが、開拓につきましては前年同額で十億三千四百万円で減つておりません。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 いや私の見間違いです。  この間本会議のときに大臣は苫小牧に大きな工場地帯を作るんだ、港湾との関連においてこういうものを作るんだというお話がございましたが、そのお考はこの予算には入つておりますか。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) 入つております。八千万円、今年度。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 そうしますと北海道港湾事業費の中に入つておるわけですか。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) さようでございます。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 私北海道の開拓というものについては非常な関心を持つておるのでありますが、御承知のように北海道は交通機関に非常に恵まれておらない。道路には相当主力を注がれておるようですが、なにせ道路と申しましてもこれは一年の間半年くらいは雪に埋もれておる所であつて、北海道から出ます地下資源にいたしましても又農産物にいたしましても相当な量のものである。これを運ぶためにこの道路だけのいわゆる増設計画では非常に不満足ではないか。従つて運輸省関係の鉄道の新線なんか相当考えられてあつたのですが、今度の二十九年度の予算では非常に削減を受けておるというようなわけで、道路一方に依存しなければならないような状態であると思うのですが、北海道において開拓に関係する鉄道のようなものを、いわゆる大量の物資を運ぶようなものにつきまして、何か特別にお考えになつておりませんですか。この北海道の開発庁の金が鉄道の建設という面にも注がれてよろしいのじやないか。いわゆる開拓という意味からして、そういうもう少し予算の組み方も考えてよろしいのじやないかという考えを持つておるのですが、これは大臣どういうふうなお考えでございますですか。ちよつと伺いたいと思います。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) お説誠に同感であります。私は今仰せられた通り、道路については相当重点的にやつてはおるようでありますが、まあこれからも大いにやろうと思うてはおりまするけれども、半年以上も雪に埋もれてしまう、まあこういう地帯でありまするから道路のみに依存するわけには参りません。ゆえにまあ港湾、鉄道と、こういつた方面に大いに力を尽したいと、こう考えておりまするが、御承知の通り開発庁みずからが鉄道を敷設する権能は持つておりませんし、無論こういう点については運輸大臣等にも非公式ではありまするが、とにかくあれだけの資源を持つておる北海道であるから、まあ十分、今北海道からたくさんな路線の要望をいたしておりまするけれども、まあ今年度は緊縮予算で新設等は殆んど顧みられないような状態であるけれども、内地のごとくトラック等で自由に運行できる所はいいけれども、北海道は特別なんだから十分一つ新規路線等についても考えてもらいたいということをよりより申出ておるようなわけで、私はもう北海道の開発は港湾及び又鉄道によらなければならんということをまあ心から考えておると、予算が許せば一つこういつた交通機関整備のほうへ十分の予算を獲得いたして御希望に副いたいと、かようにまあ念願いたしておるわけであります。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 その辺は運輸大臣とのよりよりのお話だけではなく、総理にも又閣議でもそういうことは是非御発言なすつて、大臣の一つ政治力で是非これはまあ実現して頂きたいと思うのですがね。

大野伴睦自由党北海道開発庁長官

○国務大臣(大野伴睦君) 全力を尽したいとかように考えております。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) ほかに北海道開発庁関係の御質問のかたはございませんか……。ございませんでしたらちよつと間に挾みまして、昨日白波瀬さんの質問に対しての通産省の答えがまだなされておらんものがございますので、繊維局長が見えられておりますからお答えを願いたいと思います。

吉岡千代三通商産業省繊維局長

○政府委員(吉岡千代三君) 昨日白波瀬先生から通産大臣に対しまして、アメリカ向けの生糸の海上運賃の値上げの件につきましてお尋ねがございまして、大臣からお答えを保留しておりますので、それにつきまして御説明を申上げたいと思います。  只今船会社で考えておられまする運賃の値上げは、生糸百ポンドにつきまして現行二ドルの運賃を三ドルに引上げたい。で、これを五月一日以降実施したい、こういうことでございます。それで、これは日本の八船会社が大体そういう協定と申しますか、考えを持つておられるようでございまして、これに対して外国の船会社も同調の意向であるかのように聞いております。で、御承知のように現在の生糸のFOB価格は大体五ドル前後でございまして、二ユーヨークまで約二十セント程度のレートその他チャージがかかる。こういう状況でございますが、只今申上げましたように、冒百ポンド当りまあ率におきましては五割の値上げになるわけでございますが、ポンド当りにいたしますと、現在二七セントのものが三セントになる。一セントの値上げでありますので、仮にこれが実現いたしましてもこれで直ちに輸出に非常に大きな影響を及ぼすということはなかろうかと思つております。  それから御参考までに従来の運賃の状況を申上げますと、昨年の春あたりまでに大体百ポンド当り十ドル、それが運賃の協定が破れまして八ドル、六ドル、四ドルというふうに、まあ急激に下つて参りまして、現在二ドルになつております。それから戦前の運賃を申上げますと、大体四ドル乃至四ドル半という程度であつたかと承知いたしておりますが、これは百ポンド当りでございますが、その際には生糸のFOB価格はまあ一ドル半とか二ドルという、まあ大体戦前に比べましてドルの価値も約半分くらいになつておるかと思いますので、まあこれらの点を考えますと或る程度、昨年来非常に急激に運賃が下つて来ておりますので、現在の運賃ではやや船会社としては苦しいのではないかというのが、大体輸出業者あたりもそういうふうな考えを持つておるようであります。又御承知のように、現在生糸の取引は殆んど全部がFOBの契約になつております。従いまして、勿論間接には影響はございますが、直接にはレートの負担は買手負担ということになつております。  それから更にこの生糸の輸送に従事しております船の関係でございますが、現在のところ八割程度日本の船舶になつております。仮に運賃が値上りになりましても、むしろこの関係だけを考えますれば外貨の手取額としてはふえることになるのではないかということも考えられる。ただこれは生糸のみではありませんで、雑貨等についてもやはり若干の運賃の値上げを考えておられるようでありますので、これは通産省全体といたしましてやはりもう少し実態を詳しく調べた上で、若し支障ありと認める場合には何らかの措置もとる必要があるのではなかろうかということでありますので、その点は通産省の企業局におきましてこういう関係を担当しておりますので、取りまとめましていま少し生糸のみならずほかの運賃値上げ全般について取調べた上で必要があれば何らかの措置をとりたい、こういうふうに考えておる次第であります。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 大体わかりましたが、それは何ですか、昨日も通産大臣は現在の状態では通産省はそれに対して何らのいわゆる許可というか、指示するとかいうような権限はないような話ですが、そういうわけですか。

吉岡千代三通商産業省繊維局長

○政府委員(吉岡千代三君) 通産省といたしましては直接には勿論権限はございません。併し輸出貿易に非常に不当に影響するという問題になりますれば、これは通産省としては関心を持たざるを得ないわけでございますので、運輸省へなり適当の方法を以てその意思は表明いたしたいと思つております。併し生糸に関しましては只今のところ輸出業者等の意向は先ほど申上げましたような通りでございまして、先ずまあ何と申しますか今の値段では少しきついじやなかろうかというようなことを言つておるようでございます。

白波瀬米吉自由党

○白波瀬米吉君 実は今日農林大臣に私ちよつとその問題に対して質問しようと思つたのですけれども、ちよつとほかの委員会でできなかつたのすが、通産省は常にちよつと輸出ということになると、まあ通産関係かも知れんが、生糸自体が農林省関係が多いものだからいつでも熱意がなくて実際はちよつと我々も頼りない。今のお話も上ることはまあ止むを得ん、日本の外貨状態から言えば直ちに上ることは却つて又別にどうということはない、よいくらいなんだというような答弁に聞こえるのですが、これは生糸は今実際輸出産業になるか国内産業に転落するかの岐路に立つているのですよ。それの輸出がなぜ一番振わないかつまり伸びないかということは、国内の問題もありますけれども、せんじ詰めて行くと価格が高過ぎるということになる。実際の向うの希望する価格よりも、日本で内需で使われておる価格というものが少くも二万円以上高い、乃至は四万円も高い。そういう高い段階でまあ我々の聞いておる情報なりまあ実際の面から言うと四ドル五十セントから五ドルの範囲じやなければ、実際に向うでは生糸の消費というものは伸びないという段階を迎えているのだから、船賃が上るとか下がるというようなことは僕は非常に重大だと思うんですよ。生糸のいわゆる増進策ということだけから考えると、まあ生糸輸出振興策の問題を議員としてまあ提案しようかしまいかという段階に漸く来ておるのですが、その問題でも私は現在立てられておる案というものは、果してその輸出増進ということにはつきりとはまつているかということに非常に疑問を持つているんですよ。だからまあこれは通産省で真剣に考えておる問題か或いは農林省か知りませんが、生糸の輸出というものを伸ばして行かんならんという段階から考えて五割上げるということは私は非常に大きな問題だとこういうふうに実は考えておるわけなんです。まあ一つよく御調査になつてできるだけこの問題は生糸がもう少し増進の見通しが付けばそれはいいとしても、このままでは非常にデリケートな段階にある生糸の輸出でありますからできるだけの一つ考慮を願いたい、こうういうふうに私は思つております。

吉岡千代三通商産業省繊維局長

○政府委員(吉岡千代三君) 白波瀬先生は御専門でありますので、十分御承知のことでありますが、通産省といたしましても、特に外貨の手取額から申しまして、昨年あたり非常に減つたと申しましても五、六千万ドルの手取を取つているわけでございます。繊維関係としては特に最も重要な輸出の一つということでございます。決して熱意におきましてはないがしろにしているというわけではありません。殊に昨今の状態は御承知のように、何と申しましても昨年の凍霜害ということが直接の原因であつて、そのために一種の凶作価格が出た、減産と同時に内需が若干旺盛であつたということもあつたかと思いますが、根本はやはりこれは何と申しましても凍霜害による非常な減産ということであつたと考えております。従いまして御承知のようにこれはいろいろ行き過ぎの点もございましたけれども、そこをリンク制度というようなことを、実は相当関係省に反対意見もあつたのでございますが、実施したわけでございまして、現在のところ海外からの反響等もありまして、若干比率を調整して様子を見ながら再開しておる、こういう状況でございます。従いまして、今後とも御趣旨のような意味におきまして十分生糸の輸出の振興につきましては努力して参りたいと考えております。さよう御了承願います。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) よろしうございますね、それでは午前中に説明を聴取いたしました建設省の所管事項についての質疑を始めたいと思います。    〔主査退席、副主査着席〕

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 次官にお尋ねいたしますが、昭和二十七年度までに実行のでき得なかつた建設方面の関係に要する費用金額が五、六百億円あるというところへ、更に昨年の風水害によつて一千億からの建設費が必要となつて参りまして、重点的にこれを取捨選択してそうしておやりになるというように聞いております。併し緊縮予算であつて非常に切詰められたものに対して、将来の見通しに対するどんな御計画になつているか承りたいと思います。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。数学の細かい点につきましては関係局長も参つておりますので、あとで御説明いたさせます。  この二十八年度までに受けましたたび重なる風水害、十三号台風等の災害復旧につきましてはできるだけ根本の方針といたしましては、この二十九年度の出水期までに少くとも手を打つて、そうして結局耕地等のいわゆる復旧に努力いたしまして、二十九年度の農作物に被害のないようなふうにして参ることを究極の目的といたしましていろいろ手を打つたのでございます。で先般来当委員会におきましても、或いはこれは政府がはつきり申上げたかどうかは存じませんが、三、五、二の割合で災害復旧をやつて行くと、こういう原則が一応出ておりました関係から、その割合までの予算が盛られておらんという点でろいろの問題が起きて参つたようなわけなのでございます。併し一方におきまして国家財政と申しますものが非常に困つており、やむにやまれない事情から二十九年度の一兆予算というものが出ております関係で、それといわゆる各省の持つております緊急やむを得ざる事業との調整が非常にこの予算の実行面においてむずかしい問題になつて来るものと考えております。建設省といたしましては只今御質問がありましたように、二十七年度までの過年度災害、それから二十八年度の災害というふうに二つに分けまして、いずれにおきましても少くとも二十九年度の各種事業を実行するために必要な最小限度の工事をやつて行く、こういう建前で財務当局と予算の折衝をいたしまして、大体そういうふうに参り得るという見通しの下において本年の予算をまとめ上げたような次第でございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 そこで三、五、二の実行に移す。パーセンテージが変つて来ておるのもやむを得んというお話でありますが、従来の建設省関係におけるところのいろんな施設を見ますると、今度の十三号台風におきましても非常な護岸その他の方面において暴露せられた事柄というものはそれがまじめにやつておらなかつたということでありまして、我々の聞く範囲において建設省の仕事というものは大体六〇%が実際の費用であつて、あと四〇%というものは適当に処分せられるというように聞いておるその結果じやないかというようなことを考えまするが、建設省方面におけるところの疑獄的な問題というのは、我々もいろいろと耳にするところでありまして、殊に会計検査院の調べ、或いは決算委員の報告などによりましてもかような点が非常に多いと思いまするが、かようなことに対して将来監督をどういうふうにして行かれるか、承わりたいと思います。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。率直に申上げまして、終戦直後の混乱状態に建設省の仕事に相当程度の問題がありましたことは、決算委員会並びにそれ以外の事項におきましても、しばしば耳にもいたしまし、目にもするのでございます。併し最近ここ一、二年間は、いずれ後ほど決算委その他に一々現われて参るのでありますが、そういうようないろいろの問題は、何と申しまするか非常に少くなつておりますことは、これは吉田さんも御承知の通りだと思うのであります。実際土建の工事と申しますものはなかなかむずかしいので、いずれにいたしましても建設省の責任はあるのであります。併し御承知の通り予算がございましても四割近いものは建設省みずからやつております直轄工事であり、六割くらいのものが御承知の通り府県の補助事業になつております。直轄はみずからやつた仕事でありまするがゆえにみずからの責任がございますし、各府県をして補助事業をやらしておりまするところの工事にいたしましても、建設大臣といたしまして監督の責任があるわけであります。どこの工事に不正がありましようとも、建設省といたしましては責任を逃れるわけには参りかねるのでありまするが、恐らく問題の起きがちなのは府県工事にあるように聞いております。これはなかなかむずかしい問題でございまして、日本全国戦争中相当手を抜いてあつた問題がいろいろ最近における風水害その他の点でほうぼうに問題が起きて故障が起きておることで、戦争中十五、六年と申しますものは殆んど国土の建設とか国土の回復というようなことについて殆んど予算的に措置されておらなんだものが、終戦後におきましてなかなか金が思うようにならないのでその四年、五年の間休んでおつたものを一挙にして回復してなかつたために、ちよつとした風でも相当大きな被害を受ける。併し国家財政が又十分に回復しておかません関係からこういうものを将来に撲滅するような思い切つた予算的措置もできないということでなかなかいろいろのむずかしい問題が起きて来るのであります。併しながら最近非常に国土の荒廃に対する対策といたしまして治山、治水の問題も相当深刻な問題として政府といたしましてもとり上げまして、そうして相当大掛りにいろいろな対策をやろうといたしました、その当初の年においてこういう緊縮予算にぶつかりましたので、問題をあとに残すよらな結果になり誠に申訳ないと思つております。併し与えられた予算を最も効果的に最も有効的に使つて行く心がまえで、人的におきましても監督の面におきましても建設省といたしましてはできるだけのことをそれぞれ措置をして進んでおるような次第でございまして、具体的の問題につきましては御質問がございますれば所管局長から御説明させたいと考えております。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 先ほど私の質問と次官の御答弁とに食い違いがありましたのは、私が申しましたのは一〇〇%のうち六〇%の仕事ができておつて、四〇%というものが途中で消えたというように私は御質問申上げたのですが、次官の御答弁は四〇%は直営であつてまじめであるが、六〇%の間に間違いがありはしないかというような御答弁でございました。この最も激しいのは砂防工事と護岸工事でありますが、かような方面においては護岸工事は壊れてみなければわからんのでありますが、砂防工事などに至りましては天災というようなものに籍口してそうしてどうしても言い抜けができるというようなことから最も甚だしいように聞いております。かような点につきましては只今の御答弁によつて満足もいたしまするし、さようなことに将来御注意願うようにして頂きたいと思います。  続いてもう一つお伺いしたいと思いますが、この戦災復興事業のことでありまするが、これは昭和二十九年度を以て打切ることになつております。五大都市は六七%普通都市において八八%で平均七七%の効果よりまだ挙つておらないとおつしやるのでありまして、丁度そのようなことは我々想像しておりましたところでありまするし、これが三分の一の土地というものが減るというようなふうのことから、土地の交換分合ということが盛んに行われ、而も非常な難関に逢着しておるというような関係から進捗せんのは或いは仕方がないというようにも考えられるのでありまするが、そこで今度のここに書いてありまするように、重要都市整備事業を策定して、そうして不十分な都市の整備を図りたいというように書いてありまするが、これは暫定的な措置であろうと思いますが、これに対する期限というようなものはお考えになつておられますか、どうですか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) 戦災都市の復興につきましては五カ年計画を作つております。これは閣議決定でございまして吉田さんも御承知の通りであります。ところがその計画自身を作る際におきましても、甚だしく金のかかるようなものは一応その計画の中から除いてあるというような点もございまして、五カ年計画そのものの費用を頂きましても、一部そういうようなものは残つて行くという問題がここにあるのであります。更にその上におきまして、政府財政はなかなか思うにまかせんので、建設省の考えるほどなかなか予算が頂けないということで、十三都市につきましては二十九年度で完成する予定でございます。二十六都市につきましては一年間延長する、それから五大都市は二年間延長して一応つじつまを合せたというのが、これは率直に申上げまして実情なんでございます。そういうふうにいたしまして、そのまま捨てておくおけにも参りませず、更にそのほかにまだ重要都市で都市計画をやつて行かなければならん点もだんだん加わりますので、そういうようなものを入れまして、ここで重要都市の整備計画というものを改めて作りまして、これを五年計画で、いずれ閣議を経る予定でございますが、そういうもので残つている事業と将来の事業とを併せてやつて行きたい、こういふうに考えておる次第でございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 この復興事業につきまして、丁度終戦直後でありまして、この土地整理委員とかなんとかいうものができまして、いわゆる地方のボスが衝に当りまして非常に悪いことをしておりましたのですがかような委員というものは二十九年度で打切られるのか、やはり暫定措置のある間継続するものでしようか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) 答えますことを失念いたしまして誠に申訳ございません。この戦災都市にいたしましても、都市計画にいたしましても、市街地の整理というものを含みます関係上非常にむずかしい問題が起きておりますことは御指摘の通りでございます。従来はもう法律が廃止になつておりまする耕地整理法でございますか、そういうようなものに準拠してやつたのでありますが、任期の点とか権限の点でいろいろの問題が起きて参つたことを御指摘の通りでございます。そこでもう来週早々提案することができると考えておりまするが、土地区画整理法という法律を作りまして、これら事業の推進に十分役立たせたいと考えまして、大体来週の早々の閣議を経て両院に提案いたしたい予定になつておる次第でございます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 わかりました。

宮本邦彦自由党

○宮本邦彦君 政務次官にお尋ねしたいのですが、農地のほうは農地価格というものがきめられてしまつて、そうして御存じのように非常に安い価格で今日釘付になつておる。ところがこれを目的を変えて農地目的でなくてほかの目的に変える。主として都市の住宅、工場地、これは大体において都市関係が多いのでございますが、こういつた場合には価格の制限が今のところないように私ども考えておりますが、特に最近東京都あたりでも住宅地に該当するような所、或いは都市の近郊の農地で住宅地に転換できるような所、そういう所の価格が農地価格と非常な差があるのであります。で御存じのように、土地解放を受けてまだ十年にはならない。旧地主は殆んどただみたいな恰好で国に強制的に収用され、そして耕作者がそれを殆んどただのような価格で手に入れたものを、都市近郊あたりでは最近坪御存じのように三千円、五千円、一万円というような価格でどんどん処分され、而もこの土地価格の騰貴というものは最近多少騰貴率が鈍つては来ましたけれども、非常な価格騰貴を示しておりまして、今日住宅問題で一等悩みの種は土地価格にあるのではないか。この住宅地あたりの土地価格につきまして何か適当な措置をお考えでございましようか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。今まで農地に使つておつたものを宅地に変換する、いわゆる地目変更につきましては、農地法で御承知の通り農業委員会の承認が要るということになつております。今まで耕しておつた田や畑を宅地にすることについては農業委員会がなかなかこれを承認しないものでございますから、結局そういろ面よりも従来すでに宅地になつておりましたものの値上りが非常にむずかしい問題を起しておるというのが事実でなかろうかと考えております。この問題につきましては、日本は約三百万戸の住宅が不足しております。その不足しております問題を解決するために、住宅政策といたしまして、公営住宅法とか或いは住宅金融公庫などを作りましていろいろやつておりましても、その事業の障害になりますものは、御指摘のように地価の高騰なのでございます。この地価の高騰を根本的に抑えて行くと申しますことは、もうそろそろそういう時期に参つておるのではないかと、私個人といたしましては考えておりまするが、政府といたしましてそこまで思い切つて手を打つという時期には多少まだいろいろの研究しなければならん問題が残つておるように私聞いております。目下建設省の段階といたしましては、できるだけ住宅難の緩和のために住宅金融公庫法を改正いたしまして住宅を建てる土地を購入するためにも金を貸そう。一方におきましては平面的に土地を利用するのでは四つの島にはなかなかむずかしい問題があるから、高層建築を建てることによつて、もつと土地を有効に利用しようというので、公庫あたりの事業をその方面だ改正いたしますように目下法律の改正の手続をとつておるようなわけであります。併しそれにいたしましてもほんの小さな政府のいわゆる計画だけでございまして、なかなか、全般的の土地問題を解決することにつきましての役には立ちましても、それで万全とは私は考えておりません。恐らく最近の機会におきまして土地問題の根本的解決のために、都市においては高層建築を原則として耐震耐火のアパートを作つて行くようにする、その半面においては地価の高騰を抑えるような法律を作るというようなことも避けられないのじやないか。どの政党が天下をとりましても、これは私は見通しといたしましては、近いうちにそういうような措置をしなければならんようになるのではないかと考えておりまするが、今までの考え方からはかなり飛躍する考えでございます。十分政府の関係機関の意見をまとめ上げまして進まなければ、従来の考え方の間に大きな間隙ができますので、そういう方面につきましても、建設省といたしましては、目下万全の措置をとるべく調査中というのが本当にいつわらん実情でございます。

宮本邦彦自由党

○宮本邦彦君 実は政務次官の御答弁のように、私も非常にむずかしい問題だと思つております。今日の農地改革自体がもう私ああいう低い価格で農地価格を抑えているものとは思つておりません。御存じのように、固定資産税の地価算定基準を見ますると、大体四万円を突破しておるというような状況のときに、低い農地価格で今日なお小作料から割出さなければならん。あの小作料自体が私ども非常に疑問があるのじやないかと思いますが、そういつたような片方に非常に低いものがあつて而もそれが強い農地制度というところの基盤の上に立つて、そういうものと比較して懸隔が非常に大きい。そうすると、ダムの建設にしろ何にしろ用地問題というようなことが常にひつかかつて来るのじやないか。そのときにもう土地も農地改革もどうにもならんというような現状ではないかと思うのです。こういう問題に対しても私ども単に都市の住宅建築やそういうところの用地だけで解決できるものとは思つておりませんけれども、これは狭い日本の国土の問題であるし、特に建設省のほうは工事なんかをされる、河川工事なんか、ダム工事なんかにも関係の深い問題でございますが、これは一つ十分に御研究頂きたいと思うのであります。  それから私ここで以て建設省関係に関連はいたしませんけれども、断片的でありますが、一つ承わつておきたいと思うのですが、今政務次官のお話を承わつていると、残念ながら財政の都合で非常に予算が少いというようなお言葉があつたのですが、これも私ども今日の日本の財政の関係から言えば無理もないというような気もするのですが、結論的にいつてこういうときに最も大事なことは、予算を効率的にともかく働かせるというようなことが大事じやないかと思うのです。    〔副主査退席、主査着席〕 現実の問題として私この土地改良や或いはこの建設省の工事なんかを見ておりますと、非常に悪い時期に会計年度がひつかかつておる。いつとう大事な春工事といいますか、この三月、四月このふた月というものが恐らく日本の土木工事では、あらゆる建築もそうですが、建設工事で能率の上るときであり而も農村その他には金がなくなつて来る、非常に国民自体が全体働きたいというような環境におかれておる能率の上るときだと思うのです。これが御存じのように、丁度会計年度の切れ目になつている。国の予算がそこで一応断ち切られる。従つてそこにはどうしても会計法上の関係から隙ができるということを私いつも痛感いたしておるわけであります。これを継続事業か何かで継続予算で取つてあればいいのですが、今のところ建設省の継続予算でなくて年度予算ですが、そうするとそこでどうもこのギャップができるような気がするのです。これに対して何か建設省のほうで対策とでもと言いますか、事務的な方法でも結構なんですが、方法をおとりになつておいでになるかどうか承わりたいと思います。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。私も又同様の意見を持つておる者の一人なんでございますが、会計年度の是正と申しますことは、非常に何と申しますか、こんなことくらいは直そうと思えば直せることなんでございますが、いろいろ関係することが非常に例えば国会の召集のいろんな点がございまして、直らんものの一つなんでございまして、御指摘の通り、事業に最も大事な時期が予算が通らんためになかなか出て来ないということになつております。又それに五月、六月は出水期になりまして、三月、四月あたりが一番大事な時期にもかかわらず金がない、又新年度の予算も来ない、こういうことになりがちなのであります。尤もその間におきまして、若し府県財政でも整備しておりますると、立替払の工事をやつて頂いてあとでできるだけ面倒をみるというような措置も初めのうちはできたのでありますけれども、今日のように地方財政が窮屈になつておりますので、私はこれは理窟であつて実際なかなか行いにくいことだと思うのであります。そこで大臣もこの点は非常に戸塚さんも心配されまして、私たちもよくやかましく言われたのでありますが、本年度予算につきましては大体見通しといたしましては、予算が非常に窮屈な予算ではあつても世論も一兆予算に同調しておるのであります。少くとも政府の多少のあれがいじられても、予算も恐らく両院を通過するものに違いないから、結局七割なり六割の程度の費用を県と連絡して必要な時期にすぐに流れるように、最短手続を以て金が府県に行くように特別の工夫をせよという御命令がございまして、府県の土木部とも連絡をいたしまして、少くとも四月、五月にやりかけている仕事が途中でとどまつたりすることのないような手配を事務的にやりつつあるようなわけでございます。併しこれとてもむずかしく申しますれば、いろいろの議論の出て来るやり方でございます。やつぱり根本的の問題は、会計年度を是正するか、もつと予算が早く通るか何かそういう手がなければちよつとなかなか法律を作りましても、予算制度とからみ合つて速かにこれを流すというようなことは便法にしかならんと思います。果して私のお答えも、答えますことが御質問の趣旨に合つたかどうかは存じませんが、精一ぱいのいわゆる事務的のために行き得る金が途中でとどまる、むずかしいことを言うために金が途中でとどまりがちになるようなことのないように、最短距離を取つて金が流れるように上司からもやかましく言われておりますし、私自身もそう考えておりますので、本年度は例年と違つてもう少し手際よく金を流すという気持で着々用意をさせておるような次第であります。

宮本邦彦自由党

○宮本邦彦君 次に断片的でございますが、河川法の御準備をなされておいでになるそうですが、この次の国会には御提出になれる程度になつておりますか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) 河川局長が出席しておりますので、内容につきましては河川局長から話して頂くつもりでございますが、法案の提出の見通しでございますので、御承知の通り法案といたしましては、現行河川法は私などは最も立派な法律だと思うのであります。ただ用語とか仕組につきまして多少新憲法等に合致しないような点もございますので、これを直して行かなければならんというような考え方は持つておるのであります。併し根本的に河川法を改正して新らしいものにしてしまうという考え方は、二、三年前から建設省も持つておりまして、建設委員会にも小委員会を作りまして御審議を頂いたのであります。建設省だけの成案はすでにもう昨年からできているのでございます。率直に申上げますが、水利権の問題につきまして通商産業省或いは農林省あたりとなかなか事務的に意見が一致しない。併し何とかしてこれを事務的に一致させまして而も最近頻発して来るような災害につきましての手を打ちたいとこう考えまして、月下正式に農林省及び通商産業省に事務的に公文で照会しておるような次第でございますので、見通しといたしましては、こちらの希望するように向うはなかなか承知してくれませんが、私の考えでは少くとも四月の中頃過ぎまでに一応の回答はあるのじやないか。それにつきまして閣議にそういう留保が出ましようとも、今国会も少くとも河川法を持ち出して継続審議という形になりましようとも、長い間の懸案でございますので、河川法だけは正しく提案いたしたいと考えておるのでございますが、なかなか大きな問題でございまして、曲りなりにも事務的に一致すればいいのでございますが、並行線だとちよつとなかなか今国会に提出することがむずかしいのじやないか。相当建設省といたしましても譲歩した現状にあるような案を持つておるのでございますが、更に又向うのほうが余計希望をするというような実情でございまして、河川の全面的な責任をお預りしておる建設省といたしましては、そうむやみに、法案を得たいばかりに全責任を尽すことのできない譲歩も、これはできかねるものでございますから、一つもう暫く日を頂きたいと思つております。

宮本邦彦自由党

○宮本邦彦君 私は今の政務次官のお話を承わつておつて、その裏がよくわかるような気がするのです。ただ私どもの気持を卒直に申上げますると、どうも日本の官庁のセクシヨナリズムというか、そういうものが理論的にいつも行過ぎているのじやないか、それが日本の行政で大きくマイナスしているような気が常に感ぜられるのです。ところが末端ではそれほどじやないのです。はつきり言えば、私非常に最近の建設省の技官あたりの人たちの態度を見ておりますと、私の感じでございますから或いは間違つておれば失礼かも知れませんけれども、昔は非常に末端の例えば現地あたりにおられる技官の人たちが、河川というものを非常な何といいますか権限を持つて独創的な考え方で仕事をされた。ところが最近は非常に何といいますか、自分たちの河川という立場だけでなく、あらゆる水に関係のある考え方を広く取入れて末端の人たちはやつておられる。私はこれは非常にいい傾向だと思うのです。一例を申上げますと、利根川の末流のほうで、今しゆんせつ船を使つておいでになりますが、あの船の排砂を全部あの附近の低湿地帯の耕地に出しておられる、この仕事など農林省と建設省とのお話合ではなかなかうまくおいそれと行かんけれども、地建と地元の人たちがお話合になつて、非常にうまく行つているのです。私は同じ国費を使うのなら、ああいうふうにすべて使われて行けば非常に高能率ないい使い方になるのじやないか。ああいう考え方。だから建設省の方々も、本省の方々も常に河川をやつている人は、河川というものは治水のためにある河川だという考え方でなく、水というものはともかく日本の資源でもあり、これは下手をすると厄病神でもあるというような広い考え方で考えられて行かれれば、こういつた問題もおのずから解決するのではないかというような実は私気がしておるのです。最近私ども地建あたりの末端の技官の人たちが、そういう意味合で利水の問題、或いはそういう問題に非常に御理解のおる態度をとつていることは大賛成なんです。是非一つ次官もこういう点を農民あたりは非常に喜んでおりますからお考え頂いて、そうして今後ともこの特に農業関係が多いのでございますが、成るべく事業などを施行されるときに、一緒に考えてやられるような御配慮が頂ければ、これは非常に国民のためにもなり、農民のためにもなるのではないかというような気が私しておるわけなんです。この点は実は感謝を申上げたいと思つておるのです。まあ今後ともそういう意味合で、特に河川法等の正しい面をお考え頂く、そういう意味合でお考え頂いたほうがいいのではないか。特に私河川法をお出しになるときに気をつけて頂きたいと思うことは、再び昔のような河川オンリーというような考え方で河川法だけを先行されますと、昨日も私申上げたのでございますが、農業水利というやつがあるのですが、その農業水利というものは殆んど慣行で行つておる。水利権とかいうものがあるのですが、恐らく水利権の許可をとつた者は全体の一割もないのじやないかと思うのです。そういつたものが他方にあるときに、河川オンリーで河川法をお考えになるということは、これは又時代に逆行しやせんかという心配が多分にあるのです。その点は一つ十分御考慮をお願い申上げたいと思います。

佐藤清一郎自由党

○佐藤清一郎君 只今宮本委員の御意見、私も御尤もだと考えているのです。それはどういうことかと申しますと、今日までの利水ダム等を建設するに当りましても、建設省の独自の利水計画からダムを建設しているきらいが多分にあるのです。例えば栃木県の五十里ダムの建設に当りましても、建設省の利根川の利水の観点から計画されて、今日のダムの高さやなんかきまつたわけですが、農林省では更に十二メートルほどダムのかさ上げをすれば、農業用の水利をあのダムが有効適切に使えるからという話を私は聞いておるのでありますが、これらのごときも同じダムを建設するに当りましても、本当にその下流の農民の農業生産の面からの考慮も入れて、この計画が実施されておるということになりましたならば、あとになつてから今農林省がそういうことを考えてみたところで、今じや追つつかないというようなことになるわけですが、今後そういつたような計画をされます場合には、広く日本の総合開発という面から、十分に建設省独自の考えばかりではなく連繋をといて計画をされるように、私は強く要望しておく次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 過年度災害における工事の完成状況はどういうふうになつておりますか。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 災害の復旧状況について申上げますが、実は災害の種類が各種類ございますが、そのうちで私どもで所管をいたしております、特に建設省としての代表的な災害であります、公共土木施設の災害について申上げたいと思います。公共土木施設の災害についてはこれが二通りになつておりまして、一つは直轄関係の災害の分とそれから地方公共団体、府県市町村を合せました地方公共団体の災害と、大体二つに分れております。直轄関係の災害に関しましては、二十七年以前の災害は全部二十八年度で完成をいたしております。で問題は二十八年度に発生をいたしました分が今後の処置を要する問題であります。そこで二十八年度に発生しました直轄災害は二十九年度で予算計上が三十一億五千九百万になつておりまして、これだけで計上しますと今の査定をいたしております金額の九三%に当る。七%ほど不足でございますけれども、この分は今後査定しておりますものを更に見直しまして方法の検討をいたす等によつてこの九三%でできれば一〇〇%完成をいたしたい、こういうふうなつもりでおります。  それから地方公共団体の災害の復旧状況でございますが、これが又二つに分けて今考えられております。というのは、二十七年以前の災害と二十八年の災害とに分けておりまして、二十七年以前、即ち今残つておりますのは二十四年から二十七年の間の災害がまだ残つております。で、その残つております量が二十八年度の末で事業費にして七百十一億、国費補助額にして五百十八億になつております。で、これを最近各府県に検討を加えるように指示をいたしまして、といいますのは、古いのはもう二十四年でございますから大分時期が経過をいたしておりますので、その間事情の変化等もあつてその再検討をした結果、成るべく金額を圧縮するようにという指示をいたしておりまして、大体今日のところこれが二割減になる予定でございます。そこで圧縮の目標を今国費で五百十八億と申しましたが、これを四百億程度に圧縮し得るものと今のところ見当をいたしております。これについて二十九年度の予算額を八十九億、約九十億を今要求中の予算書に計上いたしております。そこで残額に対して二二%という数字に当ります。で、残りがなお二十九年度約九十億を施行いたしましても、三十年度以降になお三百十億程度のものが繰越になつて残ることになつておる現状でございます。それから二十八年度に発生をいたしました分は建設省といたしましては国費で申しまして総領一千十一億、これは二十八年度中に、そのうち億で申しますと百三十五億ほどもうすでに支出をいたしました。大体一三%の仕事をするものを支出をいたしました。二十九年度では今ここではこの予算書で計しいたしておりますのは二百七億でございます。二十九年度中には約二一%に相当するものが完了する予定でございます。従つて合計いたしますと二十九年度末においては、二十八年、二十九年合せますと三四%、約三分の一ちよつと上廻るという程度のものが二十九年度予算を執行済みとなれば完成をいたす予定でございます。これだけについて現地の実情は果して適当かどうかという問題についてはいろいろと検討を加えておりますが、どうもこれだけでは府県が今要望いたしておる線に不足の状態でございます。そこでこれをどうするかという問題について、実は大蔵省とも融資等の方法について今具体的に個々の問題について折衝いたしておるような現状でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今御説明のあつたように、直轄河川はとにかく一応順調に進んでおるが府県の分は大分残つておるとここにどうもこれは貧弱県であればあるほど苦しい立場にあるのですが、これは速急にこの問題は解決して欲しいと思うのですが、次官としては、今度の予算案に盛られておらないのだが、あと残つておる三分の二ですね、これはどういうふうに、一体いつ頃までに過年度、の問題を片付けるつもりでありますか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。二十七年度までの災害にいたしましてもなおかつまだ三百億も不足が残つておるのであります。二十八年を入れますと約七百億、どう考えてみても二十八年度までに約千億という金が中央地方を通じて災害復旧に要るわけでございます。そこで国家財政が非常につらいというのでやむを得ずこういうところに、個々の円満な調整という意味合から、万やむを得ずして折れたのでございまするが、さりとて災害をこれ以上大きくするわけにも参りかねるので、予算執行については万全の策をとつて本年度の農産に差支えのないように重点的に予算を使つて手を打てというようにしていたしておるのでありますが、果してそういうようにうまく行くかどうかは今河川局長の説明にもはつきり見通しが立たんというのが本当の実情でございます。そこで大蔵省も一兆予算というものに形式的に縛られておる関係上、できるだけ融資その他について建設省が責任を持つならば協力するということを言つておりますので、個々につきまして府県が本当に困るものについては融資等の措置によつて少くとも応急措置だけをやつて、今後の農産物生産に支障のないようにして参りたいという措置をとつておるのでありますが、誠に災害復旧の問題につきましては私たちの微力をただただ申訳なく思つておるような次第でございまして、しよせんはもう一度徹底的に再査定その他をやりまして、その査定したものについては財政的に必ず裏付をするという建前をとらなければこれはずるずるになりましてむずかしい問題が次から次と発生するんじやないかというふうに考えております。そのように計らうべく本年あたりは相当人も増員いたしまして、もう一度事情の変更その他があつて直さなくてもいいところができておるかどうか。又工事の内容についてもう少し進歩した方法で経費を少くすることができるかどうかを再検討して頂いておるようなわけでございます。御承知の通り災害が起きると、直ぐに設計を作つて手をかけなければならんと申しますと、災害の査定と申しますものはどうしても短期間にやる関係上、比較的実地査定をいたしましても見落しができがちでございます。そういう点もありますので、県の自主性というものを、十分尊重はしておりまするが、後の監督も必要でございますのでもう一遍査定を見直す。そうしてできるだけ、国費の無駄ということは言い切れないと思いますが、何とか経費の足らんところを補つて、而も半面において財政当局に責任を持つてもらうような措置をいたしたい、こういうつもりでそれぞれ手を打つておるような次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 まあこれは観点の相違で、政府はMSA援助その他の問題があるので、どうしても一兆に圧縮しなければならないというのがこの政策面の、こうした建設面にしわ寄せせられて来たので、これは私などから考えればむしろ敗戦後におけるところの日本の復興がまだ十分じやない。続いて起る災害に対しても今のような程度では到底日本の国土の開発も建設も容易じやないと思う。これは次官も同じように考えられるのであろうから。  この間、昨年の災害ですね、九州の災害であのときに不思議な現象を見たのですが、それは徳川時代に施工したところのいわゆる河川その他は比較的破壊が少いので、そうしてこの大正から昭和に至つての建造したところの堤防その他がもろくも破壊されておる。これは一体どこにそういう欠陥があるのか。私はさつき吉田議員が質問されておつたように、十分に国としては助成なり或いはいろいろな面において災害復旧に金をかけておるのだが、途中でそれだけの効果が上らないような方向に行つておるのじやないか。何がそういうような問題を起しているか。私は国民の血税を集めてそうして不幸な事態を未然に防ぐ限り、災害が起きた場合においてその復旧はやはり完璧を期さなければたらないという立場から考えた場合において、何がそういう欠陥を起しておるのか。今後もそういう欠陥がないような方向に行けるのかどうか。そういう点について非常に疑問を持つのでありますが、政務次官はどういうふうにお考えでございますか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。只今のお言葉は誠に傾聴に値いすると私も考えております。先人のやりましたいろいろの何といいますか、事業が非常に年がたつて而も効果を発揮しているのに、最近の工事が非常に粗雑だという話もまま耳にいたしているところでございます。私は治山治水と申しますものは、ひとり建設省だけでやろうとしてもできないと考えております。何といたしましてもこれは公共事業というふうにして一本に出して、各省それぞれ所管事項に分れてやつておるのでありまするが、このことだけから考えましても、治山治水の問題は農林省、通商産業省、建設省、運輸省というような所管官庁が本当にセクシヨナリズムに陥ることなく、協力して行かなければ結局はどう弁解いたしましても税金の無駄使いということは多少の程度はあつても起り得るものと私は考えております。そこで治山治水の閣僚懇談会ができまして、具体的な案も一応数千億に達する案もできておりますが、この案の実行に当りましても、国家財政も勘案しなければならず、又理窟はどうでありましようとも、セクシヨナリズムと申しますことは、これは拭うべからざる一つの行政庁の欠陥になつておりますので、こういうような問題もできるだけ禍いを少くしてやつて行かなければ又々何と申しますか、むずかしい問題を起すこともこれは或る程度考えて行かなければならん、こういうふうに考えております。で建設省といたしましても、少くとも最近の傾向といたしましては、非常に謙虚な気持で治山治水に当つておりますことは、これは現地の実態について直接見て頂きますれば、私多少はわかつて頂けると思うのでございます。まだ足らん点は多々あるのでございますが、できるだけ謙虚な気持において乏しき予算を最も有効に使つて行くというようなふうに行かなければ到底解決できる問題でも、ございませんし、先ほど御質問も、ございましたが、治水と申しましても結局最後の目的は私は利水だと思うのであります。治水だけの目的でなくて結局水を治めることによつて水を利用することだと思うのであつて、最近の考え方といたしまして治水と利水を分けまして所管を異にしようという考え方もちよつと見受けられる考え方でありますが、こういうことになつてはますます問題がむずかしくなるのじやないか。治水即利水だと私は考えております。水と申しますものは、我々大して経験がないので余り口幅の広いことを申上げられませんのですが、いろいろ問題を聞いて静かに考えて行けば行くほど治水と利水は分けにくい。而も建設省だけでは到底治水の半分も完全に行かないというような気持がいたしますので、災害復旧につきましても、新しい予算をこなす上につきましても、上下相一致してできるだけ日本の財政状態と申しますものもそう急に変らんと思いますので、できるだけ経費を有効適切に使つて行くように、組織においても又事務執行の上においても特別の考慮をいたして行きたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 最後にもう一点。住宅問題は先ほどお答えがあつたようでありますが、私は今年のこの二十九年度予算に非常に不満を持つておるのは、庶興住宅の予算が大分削られておる。本年度ほ住宅金融公庫からの貸付の対象は一般が三万戸、産業労務者用が一万戸こういう程度でありますが、いろいろこの衝に当る人たちが配分に非常に苦労をしておる。我々も一般庶民として住宅金融公庫に申込んだのだけれども、もう四回も我々はくじに当らない。私と同じよらな立場の人が相当多いと思いますが、一体この住宅のようなものは東京、殊に大都市は年々人口の増加と共に相当なものが、これは建設省では予算的に見込んでおられなかつたと思いますが、一体二十九年度あたりに仮にこのような状況であつても補正予算かなんかで復活要求するお考えがあるのかどうか、その点を伺つておきたい。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げますが、この住宅問題につきましては、先ほど私もお答え申上げましたように、政府のやつておりますことは今の住宅難に対して一つの解決方法といたしましても万全とは私も考えておりません。ほんの一部分をやる。その一部分をやることについても財政難のために本年あたりは一万戸も削られておるようなわけで、この点につきましては誠に申しわけないと考えております。併し同じく金を使うにいたしましても、私は高層建築などを考えまして、少い宅地を最も有効に使つて行くというので、今年は三万戸についてモデル・ケースとして大蔵省と随分最後の最後まで折衝いたしまして、ああいう着想を一つやつてみたのでありますが、あれが完全に行くのでありますれば、都市近郊におけるこれからの住宅問題は相当、何と申しますか解決が促進されるのじやないかと思つております。反面におきまして何と申しますか財政難もなかなかそう急に変るような情勢も考えられませんので、予算の補正がございますかどうかはわかりませんが、建設省といたしましては、この河川関係にいたしましても道路関係にいたしましても又住宅関係にいたしましても、これは考え方の問題であります。私たちが微力でなかなかそういうことを言いましても実行できるかどうか疑問なんでございますが、国が困れば困るほど将来の国の更生のために手を打つて行かなければならんものが、河川とか道路の国家的生産事業であり、社会問題としての住宅問題の解決じやないか、こう考えておる。そこで残された予算をどういうふうに使つて行くかと申しますことは、要するに政府全体のこれらの問題に対する一つの考え方にかかつて来るわけでございます。今度の予算につきましても河川、道路、住宅についても特別な面倒を見たと言うてこの程度なんでございますが、予算の補正の際におきましては、勿論お言葉がなくてもこういう問題を取上げて財政当局と十分に交渉してみるつもりでおりますことは、最後の最後までこの問題に閣議ももめたことを或いはお聞きの通りかとも存じますが、最後の最後まで私たちは努力したのでありますが、一兆予算と申しますものの一つの制約の下においてこういう結果になつた。予算補正のような機会がございますれば勿論この点につきまして努力いたしてゆきたい、こう考えておるような次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 運営の問題についてはいずれ事務当局と改めて聞きますが、とにかく今次官のおつしやる通り防衛予算というような名前を付けている以上は、単なる私はいわゆる国と国との戦争を予想されるような防衛だけが防衛予算ではなくて、見えざる敵である自然に対する防衛も一つの防衛予算で、そういう意味において私はむしろ恒久的ないわゆる庶民或いは国民の生活安全を期すためには、国内における自然の敵に対する防衛態勢こそがいわゆる日本の敗戦後におけるところの最大の任務じやないか。私は政府の観点とは或いは違つておるかも知れません。併し私どもは少くとも防衛という名前を打つて予算を見込む以上は、単に鉄砲担いで大砲を増加するのみが防衛ではなくて、いわゆる見えざる自然の敵に対する、国民が何千年の歴史の間戦つて来てこれを振返つて、更に反省しながら日本の新しい建設というものに持つて行くのが本当のいわゆる政治じやないかと思う。そういう点から特に建設省における、日本の建設面におけるところの予算の確保に対しては十分考慮されて考えて頂きたいと私は思います。

宮本邦彦自由党

○宮本邦彦君 私は昨年の決算委員会で河川局長から御答弁頂いたのですが、昨年のようなああいつた災害があつた場合、建設省の技術としてこなし得るものはあの建設省関係の技術官が倍なければあれだけの災害は責任を以てこなし得ないという御答弁が実はあつたのであります。私もその通りだと思うのです。恐らくこのことは建設省ばかりでなく農林省も然り、又通産省も然りじやないかと思います。私ども長い間こうやつて見ておりますと、特に土木関係の日本の技術というものは大体長い間官業技術で育つて来た。殊に最近のように行政整理ということが一つの大きな政治的な要請になつておるときに、なかなか技術官の各位のそういつた担任分量といいますかそれは重荷だと思うのです。どうしてもこれは何とかしてその面を解決しなければやはり効率的ないい工事、いい設計というようなことがむずかしいのじやないか。建築方面は御存じのように民間技術として非常に発達しております。ところが土木関係は依然としてそういう面は伸びておりません。最近通産省関係では技術士法というようなものが議員立法で考えられておるようなんですが、これも一つの方法だと思うのでございます。けれどもそれ以外に建設省として何かそういつた土木関係の応急に召集できるような民間技術の育成というようなことを何かお考えになつたことがおありでございますか、どうですか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。建設省の仕事は、先ほど私申上げましたように国みずからがやる事業を持つております。それから都道府県にさせる補助事業も持つております。それから国みずからやると申しましても監督の立場に立つて請負に付する場合もあると思います。みずから道路をなおしみずから河川を自分で工事をやる場合もございます。これは私が途中で飛込んでそういうことを申上げるのはおかしいのでございますけれども、一つの悩みは本当にいわゆる監督的な立場に立つて技術陣を整備すべきか、今までのような自分もやり、人にもやらすことを監督するというような形でゆくか、そこら辺が十分割切つておらん一つの悩みを持つておるんじやないか。人の多い少いよりもどの程度に仕事の分量をどうするかによつて非常に違つて参ります。直接みずから道路をなおし、或いは直接みずから河川をなおすという人間の使い方、人にさせてこれを監督して万遺憾なきを期してゆくという立場とは技術陣の配置の仕方から、とり方から大分私変つて参ると思うのであります。今にわかに建設省が直轄事業をすべて請負に出して、ただ単なる監督の運営なり或いは出した請負を別にして国みずから直轄事業をやるように切替えてゆくということは非常に大きな問題でございまして、にわかにきめかねると思いますが、そういう点がはつきりしておらんためになかなか何と申しますか、行政整理のたびごとに行政管理庁の或いはその他のむずかしい問題が起きて来るというようなことを、携わつてみてしみじみ思つたのでございますが、そのうちいずれにいたしましても建設大臣の責任の問題なのでございますから責任を完全に果せる態勢に持つてゆくことだということで、これはおのずから問題の解決が出て来る。ただこれはどつちにきまりましても一朝になかなかできることではございません。三年、四年の年月をかけて人員の配置なり人のふり方をきめてゆかなければ私はできんことだと思います。いろいろな問題ににわかに対処するために役所の人間だけこれに当ろうということは私は将来もできかねることであり、又このことは血税からなる税金をそういう面に使つてゆくことも私はどらかと思うのであります。要は民間技術人をどういうふうに動員するかというような体系をふだんから心掛けておるかどうかという御質問だと思うのでございますが、戦争中ちよつとやつたようなことを聞いておるのでございますが、最近ではまだそのようなことは聞いておりません。いずれこういう災害がときどき起るものといたしますならば、そういう問題につきましても或る程度の用意が必要じやなかろうかということを考えまして、案の作成についても内々研究してみているような程度でございまして、まだ公けに出せる程度に至つておりませんことは大変申訳ございません。

宮本邦彦自由党

○宮本邦彦君 そうしますと、今議員立法で考えられておるようなあの技術士法なんというものがお話のような、今政務次官が言われるような意味の民間技術をお考えになられればこれに対してはできるだけ御後援下さる、考慮を下さるという意味があつたと解釈してよろしうございますか。と申上げることはせつかく技術士法みたいなものができまして、そうして民間の技術者の一つの資格とか或いはそういうようなものをきめましても、従来土木関係の技術というものは官業的技術で進んで来たものですから、建設省あたりが御理解下さらんとこれは有名無実なものになつてしまう。有名無実なものになることは無党議員立法というものは意味がないという又非難をこうむる一つの種をつくるようなことになる。私ども実は技術士法に対してもできるだけこういつた民間技術というものの程度の高いものを民間で育成してゆきたいという考え方を実は私個人は持つておるものなんです。そういつた行き方はアメリカあたりにあるそうでございますけれども、日本では今までなかつたようですが、これは大事なことじやないかと私は思つておるのですが、政務次官の御感想でも結構でございます。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答申上げます。今どういう法律ができつつあるか、私まだ不敏にして聞いておらんのでございます。併し私の心構えといたしましては、何といいますか、そういうものには極力その本当の精神のあるところを理解いたしまして、協力するのが当然のことだろうと考えております。そういう成案を拝見いたしますれば速かに政府の意見をまとめまして、できるだけの協力を申上げたいと思つております。建設省といたしましても、建築については一等建築士とか二等建築士というような資格的なものをこさえてみたり、或いは測量につきましてはそういう資格の法律を作つてみたりして、間接的には技術陣の整備と向上ということに随分意を用いておるのであります。ただ一朝事がある際に、昨年のように非常に大きな問題が起きた場合に、民間技術陣を動員するふだんの態勢と申しますか、というようなことについてはまだそこまで考えた用意をしておらない。内々どういうような方法でやつたならばという程度で法律にするか、或いは行政指導にするかというようなところまで割切つて結論を出しておらんと申上げたのでございまして、なかなかむずかしい問題で、場合によつては技術動員という言葉自身でさえもお叱りを受けるような世の中でございますから、なかなかむずかしい問題でございまするが、併したくさんの人たちを一朝こういう災害の突発したような場合に協力して頂けるような態勢が、政府でなくても民間にでもできますれば、これはそう反対すべきことじやないと私は考えております。

武藤常介改進党

○武藤常介君 二、三お伺いいたしたいと思うのですが、改修事業の工事費が昨年の災害によりまして天引になりまして、本年は又緊縮予算ということで天引になつたようですが、この河川の改修は全国的にあらゆる仕事をしなければならんでしようが、河川によりまして緩急の差がおのずからあろうと思うのですが、ここの所にもう少し金を出すと非常に効力を発するというようなことが、相当地方によりましても見受けられるのですが、こういうものをやはり一般的に削減したのでは、非常に食糧増産その他から不経済ではないかと考えているのですが、これに関しまして建設省はどういうふうなお考えでございますか。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。お言葉の通りであります。河川計画にいたしましても、事業の進度によりまして経費が非常に違つて参ります。で一律に各河川の事業量を一割とか二割とかいうふうに天引をするのは、最も悪い私は予算執行だと思つております。従つて事業の進捗程度と、それによつて得られる経済効果を考えまして、予算の効率的、能率的な使い方をいたして行きたい。殊にこういう緊縮予算の際におきましてはやつて行かなければならんことだと考えております。併し半面におきまして、これは政府事業でございますので、途中で切つてしまつて又三十年度にするというようなことはなかなかできにくいのでございます。そこでそういう方面についての心構えも、又配慮も必要になつて参るのでございまして、少い金を最も有効的に使おうと申しますことですから、そう簡単にできるものではないのでございますけれども、事務当局と十分研究いたしまして、御趣旨のように努力いたしたいと考えております。

武藤常介改進党

○武藤常介君 只今御方針はその通りで極めて賛成ですが、実際地方によりますと、その精神で多少の緩和をされた形跡も聞かされるのでありますが、それが余りに軽微でありまして、本当にそういうような重点的な場面に向つて考慮を本当に払つたかどうかということが疑わしいというような点も見受けられるのです。なおこの点については十分一つ実際の現状を視察されまして、これはやはり出先機関ではおのおの自分の予算を減らされるということは非常に困るものですから、一様に同じような意見を述べるでしようが、実際を見ますと非常に差があるのであります。これはどういう方面と関連があるかというと、河川等が多いのでありますが、土地の事情によりましてなかなか工事が進捗しない、その重点は何であるかというと、土地買収に非常な支障を来たしておる。こういう点も相当あるようでありまするが、これも程度によりまして或る程度は強行してやることがよかろう。又或る方面に対してはそれほどまでも、問題はしばらくおいても、適当にやつていいのではないかという部面も相当見受けられるようであります。これらの判断は実際において非常にむずかしいのでありますが、やはり国の方面でもその方面には幾らか予算が少くしてあるようでありますが、ややもすれば少くしても、なお且つその予算が余つてしまうというようなことも見受けられるのでありますが、そういうところはむしろ思い切つて本当に急を要するような方面に向けて、力強い建設をしたほうがいいのではないか。特に附け加えて私は希望を申上げておく次第であります。  次に御質問申しげることは、技術の方面でありますが、この間新聞を見ますると竹林の問題が出ておりまして、昔の堤防というものに非常に竹林があるが、竹林というものはむしろ堤防に害がある、或いは洪水の際、或いは風の多いときには堤防破壊の原因を伴うというので、むしろこれはすつかり倒してしまつて、全部新らしい方式でやつたほうがよろしい、こういうことに私伺つておりましたところ、この間新聞では竹というものは非常によろしい、こういうことが新聞にあるのですが、現在の研究の程度では、どの程度に進んでおりますか、これは技術のかたでないと無理だろうと思うのですが。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 竹林が特に徳川時代に非常に各地で採用されておるのは、今日なお現存いたしておる、各所に日本全国に殆んど亘つてございます。これは御承知のように、昔は提防方式というものは余りとられておりません、洪水のたびに竹林を逐次植栽をして行くというような行き方をとつておつたように伺われるのでございます。そこでまあ昔の竹林の効用は、今日から見ますると俗語で言いますと荒水を防ぐという程度の効用があつたもののようであります。で今日でも荒水に堪えてそれを越して来る水は一般の田畠に入つても水勢が非常に弱くなるというような点ではまだ今日非常に私は効果がある所が多々あるように思います。併しこれは全体としてみますると、もうそういう方式から今日のいわゆる近代方式に河川改修の方法というものは切替つて来ておるのでございまするので、河川改修方法の中にその竹林そのものを残してそれを計画の中に入れておるものは別といたしまして、新らしい提防方式或いは低水護岸というようなものを施設し水制を施行するというようなシステムをとつております所では、すでに竹林の効用を必要としない部分も相当にございます。そういう所はむしろもはや竹林を取つて、河全体としての洪水の疏通をよくするというようなことが必要な所もございます。併し一面まだそういう改修工事も進んでおらないというような所におきましては、竹林があつたほうがまだ今日の情勢として安全だという所もございまするので、私は今竹林の効用について一概に全国的にみてこれを取るべきだとか残すべきだとかいう結論は出せないと思いますが、個々のケースについてならばいずれの場合かを言い得ると思います。例えば木津川というのが京都府にございますが、これにも相当竹林がございます。特に左岸側に非常に竹林が多いのでございますが、これは保安林になつておるのですが、そのうしろに堤防を今日完成をさしておる所がございます。そういう所ではむしろ洪水疏通のために竹林を取つたほうがいいという意見でそういう竹林を取ろうということに一応計画をしたことがございましたが、併し現地の人はなかなか従来の竹林に頼る安定感というものが非常に強く残つておりまして、それを取ることに非常に反対を唱えるということで、まだ竹林を取つてしまつておらない現状でございますが、いずれにしても将来は私どもまあこういうものは取つてよろしい、そしてああいう背の高い、堤防の二倍も三倍もあるような高さの竹林でなくて、本当に根を張る、根だけが効用を果し岸の欠けるのを防ぐような小さい背の低いものに切替えて行きたいというような考え方をいたしております。これは一例でございます。

武藤常介改進党

○武藤常介君 次に家屋の建築のことでお伺いいたしたいのですが、この建築資材の価格は非常に地方によりまして差がありまして、木材のごときはむしろ産地ではあるが、東京市場、甚だしいのは九州方面から関東北あたりまで持つて来てもそのほうが安いというようなものもありますし、又最近の建築は木材こそその土地のものですが、ほかの新らしい建築法による資材というものは大体都会つまり東京方面に仰ぐのが多いようでありますが、従つて割合に木材が高いというと、全体において建築費が非常に上るけれども、国の予算としては全国平均であるからというので非常に地方によつては苦しい建築をされておる。その結果がいろいろな方面に影響いたしまして、むしろ私よりも建設省のかた御承知でありましようが種々なる不正建築であるとか或いは不正ということでもないがどうも黙認できないような施行があつて非常に御迷惑を感じておるようなふうに承知しておりますが、これらは要するに予算を編むときにその土地その地方の資材の単価というものがよくわからない結果ああした問題が起るのじやないかと、こういうふうに考えておるのですが、予算を編むときにはその地方の資材の単価というものをお調べになるのですかどうですか、そんなことをお伺いいたしたいと思うのですが。

南好雄自由党建設政務次官

○政府委員(南好雄君) お答え申上げます。政府の予算と申しますものは要するに全国の物価指数その他いわゆる全国的な価格を基礎にいたしまして積算して参るのでございまして、各地におきまする具体的なものの値段というものも結局自由市場になつておるものも非常に多いのでございますから、実際問題としてほ種々雑多だろうと思うのであります。高いものもありましようし、安いものもありましよう。従つて予算と必ずしも金額が一致するというわけではないのでありまして、その点は予算価格が一千万円だ、実際の価格が九百八十万円であつたり或いは一千二十万円であつたりすることができるわけであります。こういうことはどうしても予算と予算実行の上においては避けられんことなんでございますが、木材関係につきましては高い所もあれば安い所もありますので、大体平均して行きますると具体的の予算執行の際においてはこれらの不便が避けられるものとまあ考えておるのでありますが、御質問の趣旨がどういう種類のものか存じませんけれども、殊に建設省所管あたりは主として材料費が二割ないし三割であとの七割あたりが労働賃金というようなものも非常に多いのでございまして、材料の全国まちまちでありますことが予算執行の際に大きく影響して来ることは絶無とほ申上げませんが、予算執行を困難ならしめるようなことは、相場が非常に変動した場合には別といたしまして今まででは余り実例のなかつたところであります。尤も二十八年度におきましては災害その他によりまして去年の六月頃から物によりましては五割も上つた物がございます。そういうような場合にはどうしても当初予算で参ることが困難な場合には予算の補正をいたしまして辻棲を合せておるものもございますが、本年あたりは物価がそう大きく変動せんと考えておりますので、実行予算の按排によりまして大体余り何と申しますか目的を達成できないというような例はなかろうかと考えております。

武藤常介改進党

○武藤常介君 話は細かな話のようですが、実はこれはなかなか大きな問題なんですが、県によりましては県営住宅、国家から補助を受けましてやる住宅が国の何割かの補助というものでいたすことになつておるのですが、それが資材が非常に高いので何とも県においては執行上困つておるという実際のこれは実例もあるのでございます。それから建設省などでおやりになつておる保安隊の建築などでもそういう非常に困つた事例がありまして、私ここで細かく申上げることは時間の関係でやめておきますが、非常に因つておるのですが、あれの原因はやはり資材の相場が国の狙いと地方の実情が非常な差がある、こういうところに端を発しておるようでありますので、これは予算の執行に当りましてはいま少し実際的に御調査になつておやりにならないと非常な犠牲があちらこちらに生れるのではないか。こういうことを考えるので、一応参考までに申上げておきたいと思います。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) ほかに御発言ございませんか……。じやお諮りいたしますが、昭和二十九年度一般会計予算及び同特別会計予算のうち本分科会の所管いたします北海道開発庁、経済審議庁、農林省、通産省及び建設省の所管に属する事項につきましては昨日来審議を行いまして、ここに一応これらの審議については審査が終了いたしたわけでございます。先般の予算委員会の理事会の申合せによりますると分科会におきましては討論、採決を行わないことになつておりますので、この申合せ通り討論、採決はこれを行わないことにいたしまして、御異議がなければ本分科会における審査はこれを以て終りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔『異議なし」と呼ぶ者あり〕

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) 御異議もございませんようでございますから、審査はこれを以つて終了いたすことにいたします。つきましては主査から本分科会における審査の経過を委員会に報告するのでございますが、その報告の内容につきましては主査に御一任を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○主査(三橋八次郎君) 御異議がないものと認めます。  それではこれを以て散会いたします。    午後四時二十三分散会

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