予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/24
会議録
○仮主査(石坂豊一君) これより第三分科会を開きます。 私は年長者の故を以ちまして、院規則第七十五条によりまして私が正、副主査互選の管理をいたします。 これより第三分科会の正、副主査の互選を行います。
○大谷贇雄君 私は、只今議題となりました正、副主査の互選は成規の手続きを省略して、管理者において指名されんことの動議を提出いたします。
○仮主査(石坂豊一君) 只今の大谷君の御動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮主査(石坂豊一君) 只今の動議に御異議ないようでございますから、私より指名いたします。主査に相馬助治君、副主査に高橋衛君を指名いたします。 〔仮主査石坂豊一君退席、主査着席〕
○主査(相馬助治君) これより予算委員会の第三分科会を開きます。 私、相馬ですが、主査の職務を行うことになりましたから、どうぞ一つよろしくお願いいたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) 速記を始めて。本日の議題は、昭和二十九年度一般会群予算、昭和二十九年度特別会計予算及び昭和二十九年度政府関係機関予算のうち、皇室費、国会、裁判所、内閣、総理府、(保支庁、北海道開発庁、経済審議庁を除く)文部省、厚生省、郵政省及び労働省所管でありまするが、順次、このうちより皇室費、国会、裁判所、内閣、総理府、文部省所管を議題供したいと思います。先ず皇室費の説明を求めます。
○政府委員(三井安弥君) 只今から昭和二十九年度皇室の歳出予算について、その概要を御説明いたします。本歳出予算に計上いたしました金額は二億四千七十七万一千円でありまして、その内訳は、内廷費三千八百万円、宮廷費一億九千四百四十一万一千円、皇族費八百三十六万円であります。その主なるものについて、事項別に申述べますと、内廷費は、天皇、皇后両陛下を初め、内廷にある皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるための経費で、昨年七月改正の皇室経済法施行法に規定する定額を計上し、前年度と比較して、二百万円の増額なつております。宮廷費は、内廷諸費以外の宮廷において必要な経費を計上したものであります。その内容としては、従来と同じく、皇室の公的御活動、即ち儀典関係費、行幸啓費及び正倉院、図書、雅楽等の文化的経費、その他皇室用財産の維持管理に必要な経費等であります。二十八年度予算一億六千五百五十三万三千円に比較いたしますと、二千八百八十七万八千円の増加となつておりますが、これは、儀典、行幸啓関係費等の増加によるものであります。皇族費としての品位保持の資に充てるための、秩父宮、高松宮、三笠宮の三宮家に対する経費で、昨年七月改正の皇室経済法施行法に基く額を計上し、前年度と比較して、七十二万五千円の増額となつております。 以上を以て、昭和二十九年皇室費歳出予算の概要の説明を終ります。なお、詳細については、御質問に応じ、申述べることにいたします。
○主査(相馬助治君) 次に、衆議院及び裁判官訴追委員会の予算説明を求めます。
○衆議院参事(久保田義麿君) 昭和二十九年度歳出衆議院関係及び裁判官訴追委員会関係予算について御説明申上げます。 先ず衆議院関係につきまして、昭和二十九年度国会所管衆議院関係予算の要求額は十七億三千五百八十九万五千円でございまして、これを前年度予算額十九億七百九十三万円に比較いたしますと、一億七千二百三万五千円の減少となつております。 次に、主要な事項について一応御説明申上げます。先ず、国会の運営に必要な経費として十六億八千六十四万八千円を計上しております。そのうち主なものを申上げますと、議員歳費、通信手当、旅費、議員秘書給料及び立法事務費等議員に関する経費八億九千一百九十二万四千円。事務局、法制局及び常任委員会における職員の人件費、旅費その他の事務費、国政調査に要する旅費、審査雑費及び証人等の旅費、議案類印刷費、光熱及水料、通信費、議員会館、議員宿舎の維持管理並びに庁舎等建物の修繕等に必要な経費七億七千一百三十万二千円。行政監察特別委員会における職員の手当、事務員、委員及び証人等の旅費等に必要な経費一千七百四十二万二千円が積算されてあります。 第二は、国際会議等出席に必要な経費として二千八百二十四万七千円を計上いたしてあります。これは一九五四年度列国議会同盟日本議員団の分担金二百二十八万七千円、列国議会同盟会議並びにその他の国際会議等への派遣旅費、二千五百九十六万円が積算されてあります。 第三は、営繕施設に必要な経費として二千万円を計上いたしてあります。これは衆議院庁舎の増築に一千万円、各所新営及修繕に一千万円が積算されてあります。 第四は、予備金に必要な経費として前年度と同額の七百万円を計上いたしております。 以上簡単ながら概略の御説明申上げます。 次に、昭和二十九年度歳出裁判官訴追委員会関係予算の御説明を申上げます。 昭和二十九年度国会所管裁判官訴追委員会関係予算の要求額は九百六十六万三千円でございまして、これを前年度予算額一千九十八万四千円に比較いたしますと、一百三十二万一千円の減少となつております。これは裁判官訴追委員会の運営に必要な経費でありまして、事務局職員に対する人件費、事務費並びに委員の旅費及び職務雑費等に必要な経費が積算されてあります。 以上簡単ながら概略の御説明を申上げます。
○主査(相馬助治君) 次に、参議院及び弾劾裁判所の予算の説明を求めます。
○参事(渡辺猛君) 先ず参議院について申上げます。昭和二十九年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は十一億七千七百六十万円でありまして、これを主なる事項別について御説明申上げます。 先ず国会の運営に必要な経費といたしまして十一億三千七百四十四万円を計上しております。これは議員の歳費、手当、旅費及び立法事務費等議院に関する経費四億七千九百九十九万七千円、事務局、法制局及び常任委員会に要する職員の人件費、旅費その他の事務費、国政調査に関する旅費及び審査雑費、議案類印刷費、光熱水料、通信費、議員会館及び議員宿舎等の維持管理並びに庁舎の修繕等に必要な経費六億五千七百四十四万三千円であります。 第二は、国際会議出席等に必要な経費といたしまして、列国議会同盟会議等海外派遣旅費千七百十六万円を計上してあります。 第三は、営繕工事に必要な経費といたしまして千八百万円を計上しております。これは庁舎の増築費一千万円、各所新営及び庁舎等の修繕費八百万円であります。 第四に、予備金に必要な経費として、前年度と同額の五百万円を計上してあります。 以上簡単でありますが概略の説明を終ります。 次に、裁判官弾劾裁判所について御説明申上げます。 昭和二十九年度国会所官、裁判官弾劾裁判所の歳出予算要求額は七百参拾六万四千円でありまして、これを事項別に御説明申上げますと、先ず、裁判官弾劾裁判所の運営に必要な経費といたしまして六百七拾七万五千円を計上しております。これは、当所の運営に必要な裁判員の職務雑費、調査旅費並びに事務局の人件費、事務費等であります。 次に、裁判に必要な経費といたしまして五十八万九千円を計上いたしております。これは、裁判官弾劾法に基く裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費、職務雑費等であります。 以上簡単でありますが、概略の御説明申上げました。
○主査(相馬助治君) 次に国会図書館の予算の説明を求めます。国立国会図書館経理課長大山寛君。
○国立国会図書館参事(大山寛君) 昭和二十九年度国立国会図書館の予定経費の要求について御説明申上げます。 昭和二十九年度の予定経費要求総額は三億五千十八万六千円であります。これを事項ごとに申しますと、国立国会図書館の管理運営に必要な経費三億十八万六千円、国立国会図書館の営繕工事に必要な経費五千万円であります。 先ず管理運営に必要な経費について申上げますと、これは職員の俸給、諸手当、光熱及水料、各種目録等刊行の印刷費、資料講入費、図書購入費、国際図書交換のための通信運搬費、共済組合負担金等でありまして、これを前年度と比較いたしますと、昭和二十八年度予算額は三億五千三百九十四万円で、昭和二十九年度は五千三百七十五万四千円の減少となつております。又営繕工事に必要な経費については、本館建設に要する経費でありまして、これを前年度と比較いたしますと、昭和二十八年度予算額は八千百五十八万一千円で、昭和二十九年度は三千百五十八万一千円の減少となつています。以上を差引合計致しますと、昭和二十九年予定経費要求総額は前年度に比して八千五百三十三万五千円を減少しています。 次に、昭和二十九年度の経費のうちには、新規経費として立法資料講入費二百九万六千円、上野図書館の夜間開館に要する経費百二十五万一千円が計上されている外、各科目毎に多少の増減はありますが大体前年度の通りであります。 なお以上の外、衆議院において予算の修正がありましてPBレポート購入費一千万円、原子力関係資料購入費一千万円、合計二千万円が修正増加となつています。何とぞよろしく御審査をお願いいたします。
○主査(相馬助治君) 次に、内閣及び総理府関係の予算の説明を求めます。総理府大臣官房会計課長三橋信一君。
○政府委員(三橋信一君) 昭和二十九年度における内閣及び総理府の歳出予算について、その概要を御説明いたします。 先ず内閣所管の歳出予算につきましては、昭和二十九年度歳出予算額は四億二千六百八十五万五千円でありまして、これを前年度歳出予算額四億一千八百九十二万八千円と比較いたしますと、七百九十二万七千円を増加いたしております。内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房、法制局及び人事院等の事務執行に必要な経費であります。 次に、総理府所管の歳出予算につきましては、昭和二十九年度提出予算額は三千二百九十億四千百八十三万九千円でありまして、先に衆議院において修正増加になりました北海道開発事業に必要な経費二億二千九百九十一万八千円を加えますと、三千二百九十二億七千百七十五万七千円になりまして、これを前年度歳出予算額三千二十二億四千五百三十九万七千円と比較いたしますと、二百七十億二千六百三十六万円を増加いたしております。総理府所管歳出予算は、総理本府の外、国家公安委員会等の三委員会及び宮内庁、調達庁、行政管理庁、北海道開発庁、自治庁、保安庁、経済審議庁等上庁の外局に関するものでありまして、このうち北海道開発庁関係経費百六十億六千六百九十六万九千円、保安庁関係経費七百八十八億三千七十六万八千円及び経済審議庁関係経費三億三千三百十六万八千円につきましては、他の分科会において御審議を願つておりますので、その他の経費のうち主要なるものを事項別に申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費百四十五億三千七百十一万三千円、旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費六百三十八億一千八百七十万円、警察行政に必要な経費百五十三億九千六百七万五千円、地方交付税交付金及び地方譲与税譲与金財源の繰入れに必要な経費一千二百九十五億二千二百万円等であります。 その概要を申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基いて、文官等に対して、年金及び恩給を支給するために必要な経間でありまして、前年度に比し三十億五千百五十六万七千円の増加となつております。旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法に基いて旧軍人軍属又はその遺族に対して恩給を支給するために必要な経費でありまして、前年度に比し百八十八億一千八百七十万円の増加となつております。警察行政に必要な経費は、警察法の改正に伴い、国家地方警察本部、管区本部、都道府県方面警察隊、警察学校等に必要な三ヶ月分の経費六十億五千三百二十二万四千円、及び新警察法による警察庁、地方警察局、警察学校等に必要な九ヶ月分の経費九十三億四千二百八十五万一千円でありまして、右新旧両制度による経費を合計しますと、前年度に比し六十二億二千五百万三千円の減少となつております。地方交付税交付金及び地方譲与税譲与金財源の繰入に必要な経費は、地方交付税法案に基いて、所得税、法人税及び酒税の収納済歳入額にそれぞれの法定割合を乗じた合計額に相当する額を地方交付税交付金の財源として交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰入れるために必要な経費一千二百十六億円、及び地方譲与税法案に基いて、揮発油税の収納済歳入額の三分の一に相当する額を地方公共団体の道路整備費として、地方公共団体に配付する揮発油税譲与金の財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費七十九億二千二百万円でありまして、これら経費の合計額を前年度の地方財政平衡交付金に比較いたしますと、八十億七千八百万円の減少となつております。 次に、総理府及び大蔵省所管交付税及び譲与税配付命特別会計歳入歳出予算について御説明いたします。 交付税及び譲与税配付金特別会計においては、歳入及び歳出おのおの千四百八十七億三千八百万円でありまして、歳入の主なるものは、地方交付税交付金及び揮発油税譲与金の財源に充てるため、一般会計より受入れる収入と、入場税法案の規定に基いて、徴収する和税収入等であります。歳出の主なるものは地方交付税法案に基き、各地方公共団体の基準財政需要及び基準財政収入を測定して、基準財政収入が基準財政需要に不足する地方公共団体に対し、その不足類に応じてその所要財源を交付するために必要な経費及び災害復旧費その他捕提しがたい特別な財政需要等の所要財源を各地方公共団体に交付するために必要な経費並びに地方譲与税法案に基いて、地方財源の偏在を調整するため、本会計が収納する入場税歳入額の九割に相当する額を人口に按分して、各都道府県に譲与するために必要な経費と入場税の残り一割相当額を一般会計に繰り入れるために必要な経費及び都道府県等の道路整備財源に充てるための所要財源を当該団体に譲与するために必要な経費等であります。 以上を以ちまして、昭和二十九年度内閣及び総理府の歳出予算及び昭和二十九年度交付税及び譲与税配付金特別会計歳入歳出予算の御説明を終ります。 詳細につきましては、御質問に応じまして関係の政府委員からお答えすることにいたします。よろしく御審議あらんことをお願いいたします。
○主査(相馬助治君) 次に、文部省所管予算の説明を求めます。文部省会計課長内藤誉三郎君。
○政府委員(内藤誉三郎君) 昭和二十九年度文部省所管の予算の大要につきまして御説明申上げます。 昭和二十九年度文部省所管の予算額は千百九十億二千四百四十四万四千円でありまして、これを前年度予算額千六十一億九千五百四十二万三千円に比較いたしますれば、百二十八億二千九百二万二千円を増額いたしております。なお文部省予算額を一般会計総予算額に比較いたしますと、その比率は前年度一〇%強が一二%となつております。 次に昭和二十九年度予算額のうち、重要な事項について申述べたいと存じます。 第一は、義務教育自費国庫負担金に必要な経費であります。義務教育の機会均等と、その水準の維持向上を図るため、義務教育費国庫負担制度を確立し、公立義務教育諸学校の教職員給与費の実支出額の二分の一、及び教材費の一部を負担するため必要な経費でありまして、給与費として六百八十六億円、教材費として十四億円を計上したのであります。なお本年度は地方税制の改正等によつて、地方財源の偏在もある提度是正される点も考慮し、この際義務教育費国庫負担法の趣旨を尊重し、負担金も特例を設けることなく、全都道府以に交付することといたしたのであります。 第二は、文教施設整備に必要な経費であります。国立文教施設につきましては、戦災を受けました国立学校その他の建物の復旧と、新学制の実施に伴う教室、研究室等の建物を整備いたしますのと、新たに原子核研究所の創設に必要な建物を新営するための経費十九億二千七百十万円を計上し、公立文教施設につきましては、義務教育年限延長に伴う公立中学校一般校舎の整備基準を従来の生徒一人当り〇・七坪から一・〇八坪に引上げ、公立小学校の不正常授業を解消し、積雪、寒冷、湿潤地域における中学校の屋内体操場を設け、小中学校の一定範囲の危険校舎について、その改築を促進し、戦災を受けた公立諸学校の建物の復旧を継続する等に必要な経費五十八億三千七百四十一万八千円を計上いたしましたが、このほか昭和二十八年度の六月乃至九月の風水害によつて損害を受けました国立、公立文教施設の災害復旧に必要な経費十一億二千五百五十八万二千円をそれぞれ計上したのであります。 第三は、育英事業の拡充に必要な経費であります。優秀な学生、生徒で、経済的理由により修学困難なものに学資を貸与する事業を行なつている日本育英会に対して、奨学資金を貸付けると共に、その事務費の補助に必要な経費三十八億八千百二十万五千円を計上したのであります。なお貸付金のうち、大学院生については、従来月額四千円を六千円に引上げ、新たに月額一万円の特別の奨学制度を確立したのであります。 第四は、産業教育の振興に必要な経費であります。産業教育振興法に基き、経済自立に貢献する有為な国民を育成するため、産業教育の振興を図るため必要な経費八億九千九百四十九万三千円を計上したのであります。なお本年度は高等学校の施設費補助二億三千二百万円が新規に計上されたのであります。 第五は、勤労青年教育の振興に必要な経費であります。先に成立した青年学級振興法及び高等学校の定時制教育及び通信教育振興法に基き、義務教育終了後、上級学校に進学し得ない勤労青少年に対し、教育の機会を与えるため、青年学級運営費の一部を地方公共団体に補助するに必要な経費六十六百万円と、定時制高等学校の設備充実及び通信教育の運営費の一部をその設置者に補助するため必要な経費一億三百三十四万三千円計上したのであります。 第六は、理科教育等の振興に必要な経費であります。第十六国会において成立した理科教育振興法及び学校図書館法に基き、新たに理科教育用設備の整備に必要な経費四億三十二万九千円を、学校図書館用の図書講入に必要な経費二億七千三万八千円をそれぞれ地方公共団体に補助することにいたしたのであります。 第七は、学術の振興に必要な経費であります。人文、自然両科学部門におきまして、不断に基礎的応用的研究を培うため研究者に重点的に交付又は補助するため必要な経費八億八千五百万を、民間学術研究機関等に対する補助に必要な経費七千九百五十万円を、国立大学等の有為な教官、又は研究員を海外に派遣留学させるための経費六千万円を、又学術情報事業の拡充に必要な経費三百五十九万六千円をそれぞれ科学振興費の項に計上したのであります。 第八は、私立学校の助成に必要な経費であります。私立学校教職員共済組合法に基き、私立学校教職員の相互扶助とその福利厚生を図るため新たに私立学校教職員共済組合を作り、その給付費の一部及び事務費の全額を補助するため必要な経費二千八百七十七万三千円を、私立学校振興会に対し、私立学校の施設、設備を応急最低基準まで引上げるに要する資金の一部を政府出資金として五億円を、前年度に発生しました風水害によつて損害を受けました私立学校の建物その他の復旧費等の一部を設置者に補助するため必要な経費二千七百三十万円を、それぞれ私立学校助成費の項に計上したのであります。 第九は、文化財保存事業に必要な経費であります。文化財保存事業は、終線後逐年その成果を挙げて来ておりますが、本年度も前年度に引続き国宝重要文化財の保存修理に重点を置きましてその充実を図るため必要な経費四億四千百五十九万五千円を文化財保存事業費の項に計上したのであります。 第十は、国立学校運営に必要な経費であります。国立大学七十二、国立高等学校八、大学附置研究所五十五、大学附属病院十九を維持運営いたしますのと、新たに大阪学芸大学に夜間の課程を、愛媛大学に県立農科大学を合併して農学部を、神戸大学の文理学部を分離独立して文学部及び理学部を設置し、又山形大学、埼玉大学、和歌山大学、岡山大学及び徳島大学にそれぞれ夜間短期大学を、更に東京大学に原子核研究所を創設する等の措置を講じますため必要な経費三百三億八百八十六万円のうち、二百二十五億三千二百四十六万八千円を国立学校の項に、五十八億千三百八十四万二千円を大学附属病院の項に、十九億六千二百五十五万千円を大学附置研究所の項に計上したのであります。このほか義務教育教員の資質向上、特殊教育の振興、僻地教育の振興、社会教育の振興、学校給食の助成、留日外国人学生の招聘、幼稚園教育の振興、その他文部行政及び学術振興上、緊急欠くべからざる諸般の施策を講ずるため必要な経費をそれぞれ計上したのであります。 なお、最后に一言附加えて申述べたいと存じますが、先に衆議院における予算審議に当りまして政府提出原案に修正を加えられました結果、公立文教施設整備費補助のうち、危険校舎改築費について六億円、僻地教育施設整備費について一億円をそれぞれ増額せられておるのであります。 以上は文部省所管に属する昭和二十九年度の予算の大要につきまして御説明申上げた次第であります。何とぞ御審議の上御賛成あらんことを希望いたします。
○主査(相馬助治君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) では速記を開始して下さい。 次に、裁判所関係の予算の説明を求めます。
○説明員(岸上康夫君) それでは昭和二十九年度裁判所所管予定経費要求額について御説明申上げます。 昭和二十九年度の裁判所所管予定経費要求額は八十六億九千七百二十五万五千円でありまして、前年度補正予算要求額を含めました予算額八十五億二千六百四十万五千円に比較いたしますと、一億七千八十五万円を増加いたしております。 この昭和二十九年度予算のうちで重要な事項について御説明申上げますと、次の通りであります。 第一は、最高裁判所及び下級裁判所の機構の維持並びに経営的な行政事務を行うために必要な経費といたしましては六十九億五千三百八十一万二千円でありますが、そのうちで最高裁判所の項に八億三千九百九十五万三千円、高等裁判所の項に五億六千十三万八千円、地方裁判所の項に四十一億一千八百二十一万九千円、家庭裁判所の項に十四億三千五百五十万二千円をそれぞれ計上いたしております。 第二は、裁判官、司法修習生、裁判所書記官その他の職員の人格の向上を期すると共に、これら職員に司法に関する理論及び実務の研修をさせるための経費、並びに裁判所書記官の調書作成の能率化を図る目的の下に、従来の要領筆記の方法に代えてステノタイプライターによる速記方法を裁判所職員に修得させるための経費として合計二億八千五百六十三万九千円を最高裁判所の項に計上いたしております。 第三は、労働事件、公安事件等の審理における法廷闘争に対処し、法廷の静穏を保持し審判の適正迅速な処理を行うため法廷警備を強化する必要がありますので、これに要する事務費及び出張旅費として六百六十万七千円を地方裁判所の項に計上いたしております。 四、国選弁護人の報酬、証人、鑑定人及び調停委員等に支給する旅費日当その他裁判に直接必要な経費として十一億二千八十一万四千円を最高裁判所に計上いたしました。 五、裁判所営繕工事費として、裁判所庁舎等の新営費で二億円、裁判所庁舎等施設整備費として三千万円を最高裁判所に計上いたしました。 六、裁判所法の規定に基く予備金として八百万円を最高裁判所に計上いたしました。 以上、昭和二十九年度の裁判所所管予定経費要求額についての大要を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の程をお願いいたします。
○主査(相馬助治君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) 速記をつけて下さい。 次に、厚生省の予算の説明を求めるわけですが、政府委員の都合によつて、少し予定を変更して、この際皇室費並びに国会関係についての質疑に入りたいと思います。質疑はございませんか。
○湯山勇君 皇室費についてお尋ねいたしたいと思います。よくわからないのですが、今年の正月に二重橋事件というものがございましたが、これについては各方面から各種の意見が述べられまして、皇室がもつと行幸啓の回数を増して、国民にお触れになるのがいいんじやないかという意見も肯繁に値いすると思いますが、或いは皇居をもつと開放してはどうかというような意見も出ておりますが、それらの点については、本予算については、何らかの考慮がなされておるのでございましようか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(三井安弥君) お答えいたします。お正月の二重橋事件は誠に不幸な事件でございまして、宮内庁としましても誠に皆様に申訳なく思つております。今御指摘の行幸啓をもつと増して、国民と平素接する機会を多くしたらという一つの御意見でございますが、これも御承知のように、終戦後従来の型を破りまして、国民と非常に密接にお接しになるような方法で以て、殆んど全国をお廻りになつております。只今では北海道を除くのみとなつております。この北海道の点はまだはつきりいたしませんのでございますけれども、若し本年度ございましても、この予算でやりくりつき得ると思つております。 それから春にはよく年々植樹祭を中心といたしまして、各府県に行幸になつております。又秋には国体を中心といたしまして、その附近をお廻りになつておりますので、まあ終戦後は只今の御意見には副つているかと思つているのでございます。 それから皇居の拝観につきましても、もつと平素開放的にすれば、ああいうことが少なくなるのじやないかという御意見でございまして、これもその線に沿いまして、関係の係で鋭意研究いたしているのでございますが、現在でも遺家族初め相当の人が毎日参観に参つておりまして、最近でも、一年を通じて申しますと二十万ぐらいを突破いたしております。それを更にもつと何かの方法で開放する方法もないかということを、鋭意研究はいたしておりますけれども、やはり案内人その他のお世話する関係の人員も、終戦後極度に人員が整理されておりますので、その人員からもなお考えなければなりませんし、それからその他設備の点も、もう少し受入態勢も整備する必要がありますので、なお暫らくの研究の余裕を与えて頂きたいと思つております。
○主査(相馬助治君) なお先ほど皇室費、国会と申しましたが、加えて国立図書館の予算についても質疑をして頂きたいと思います。
○中山福藏君 ちよつとお尋ねしますが、文化財の保存費、いわゆる正倉院その他のこの保存費ですね、これはもう少し開放して、それらの御物と申しますか、そういうものを一般大衆に知悉せしむるという方法を講ずる必要があるのじやないかと私は思うのでございますが、そういう点については、何も考慮しておられないのですか。
○政府委員(三井安弥君) お答え申上げます。正倉院の御物に関する御意見でございます。実は明治の初めまでは御承知のように全部その御物が唐櫃の中に入れてございまして、あの正倉院の倉の中にしまつて置きまして、毎年秋に適当な時に虫干しをしておつたわけでございます。明治の初年になりましてこの室から出しまして、その倉の中にガラス張りの棚を作りまして、そのガラス箱に陳列したわけでございます。その目的は、当時主として対外関係かとも思われるのでございますが、日本にもこういう立派な国宝があるということを示すためだつたのが動機だと思うのでございます。それを並べまして虫干しの期間倉の中に或る濃度の人数の人を入れまして観覧せしめておつたわけでございます。戦争前まではそのやり方で参つたのでございますが、御承知の終戦後、何年でございましたか、上野の博物館のほうに相当多量運びまして、一般にも観覧せしめたのでございます。その後東京に持つて参りますのはそうたくさんございませんけれども、年々奈良の博物館には相当の分量を毎年続けて出品いたしております。御意見のように保存には十分注意しなければならないのでございますけれども、我々の誇りといたしましても、国民一般に十分知悉して頂きたいと思いまして、できるだけ保存との線で許される限りのことはやつて行くつもりでございます。 それからそれに関する研究図書、そういうものも余り昔のようにやかましく言いませんで、御承知の岩波写真文庫なんかもできております。ああいうものは非常に一般大衆には愛されておりまして、喜ばれております。そのほかに博物館には図版がございますので、研究者にはやかましい制限を設けませんで、その転載なり研究を許しているわけでございまして、先ず先ず今のところは御意見に副つているつもりでございますけれども、なお又いろいろその点について御名案がございますれば、いつでも参考にさして頂きたいと思います。
○中山福藏君 もう一つ尋ねておきますが、大体今の最高の薬品を使用するとか、或いは最高の技術ですね、この保存するということに関してですよ、大体今の人智の及ぶ範囲では向う何年間くらいこういう文化財を保存して行くことができるというお見通しを付けてあるのですか。
○政府委員(三井安弥君) 御承知のように、今までのように唐櫃の中にしまつたままにして置きますと、まあ御承知の千二百年続いたわけでございます。併し明治の初年にそれを開きました時に布類繊維製品は非常に完全に保存されたものもございましたけれども、殆んど粉々になりまして、全然原型の失われたものも相当多かつたのでございます。それをその時に取出しまして、今その塵粉のようなものから復元を試みておるのでございまして、それも明治初年以来何十年に亘りますが、なかなか遅々として進みませんけれども、併し相当に復元した布もございます。殊に本年国会の御協賛を経ました予算で以て保存修理室というものを建てておるのでございますが、これには殺菌室もございます。その他科学的には研究する部屋もできますので、これができますれば更に科学の粋を集めました方法を講じまして保存に努めるわけでありますが、ただ先ほど申上げましたように、保存一点張りで行きますと非開放ということになりますので、そこのところを調和しつつ今後逃むわけでありますけれども、御物にいたしましても、只今の布類のようなものばかりでもございません。ガラス器もあり或いは瀬戸物もあり、それから漆器類等あらゆる日常の工芸品を含んでおりますので、さて一般的にいつて今後なお数百年、数千年ということはちよつと見込がつかないのでありますけれども、一方修理も加え、且つ補強もするということをやつて行けば、非常に大きな災害でもない限り、先ず相当の年数を保存し得る見込でありますが、なおそういうことにつきましては、平素学者の先生方にも絶えず意見を聴取して、研究、調査を依頼しております。
○中山福藏君 このことには十分御関心を持つて、これは単に皇室の財産というばかりでなくて、日本の誇だと思う。この日本に現在残つておるものは文化財だと思う、世界に誇るものは……。だから一つそういう点はもう少し突き詰めて研究になるのがいいのじやないかとふだんから考えておりますから、その点特にお願いしておきます。 それからもう一つ、さつきも他の委員のお尋ねになりました正月の事件、これは宮廷の事務に携わつておるかたがたの非常な怠慢の結果だと私は見ておる。大体これはあの橋を架けますときに、これの保存時期或いは耐久時期というものはどれくらいの年数があるかということは、いやしくもこれは橋梁の築造に関与した人々は、およそめどをつけておかなければならん問題であろうと思うのです。殊に戦後一時に開放されて、宮城にすべての人が参観に行かれる場合に、それが壊れて怪我をするなどということは誠に私は怠慢だと思う。それでこれから築造をされる場合においては、そういう大体の構想から出発して、耐久に関する見通しをおつけになつて、十分みな国民が困らないような処置を講ぜられないと、又とんでもない今度みたいなことができて大変迷惑するのじやないかと思う。それでどういうような人を只今選任されて修理というようなことをやつておられるのですか、その点承わつておきたいと思います。
○政府委員(三井安弥君) お答え申上げます。橋のことでちよつとお答えさして頂きますが、御承知の鉄橋の欄干が危かつたんじやないかということが新聞にも報道されまして、非常にこれは実際以上に誤伝された点もあると思いますが、数年前に東大の、ちよつと個々の先生の名前を忘れて旧訳ありませんが、なお後ほどまでに申上げますが、大学の先生に依頼しまして、あの鉄橋がどのくらいの積載能力があるかということを研究してもらつたのでございます。それで、そのときには、あれは数年前からすでに天長節やお正月に人が相当渡りましたので、そのことを心配してでありますが、そのときには、只今もちよつと数字的に詳しいことは後ほどまでに整えますが、相当の積載能力というものはある、橋脚につきまして。ちよつと只今資料がありましたので申上げますが、昭和二十七年七月でございます。東大の名誉教授の学士院会員田中豊氏と東大教授の平井敦氏、この御両人に構造と強度に関する調査を依頼したわけでございます。それで両氏が主宰の下に専門技術者十六人が七日間に亙つて仔細に調査した結果は、群衆の荷重、その他の荷重に対する強度というものの弱点は全くないということが明かにできたわけだつたんでございます。ただ橋の勾欄の柱が鋳物になつておりまして、傾斜しているものが二、三あり、その他歩道の、歩道と申しますのは、あの橋が、そう広くございませんけれども、車道と歩道に分れておるのでございます。歩道の敷板は木材になつておりますが、この脇の装飾の欄干の鋳物でございますが、あれが少し弱まつている所があるので、こういうものは補強しなければならないということで、二十八年度の予算でその欄干の腐朽した点を補強しているわけでございます。それで、本年お正月の時に、それが話題に上りましたのは、万一、まあその下の橋脚は大丈夫であるけれども、その欄干で過ちがあつてはいけないというので、その歩道は歩かせないようにしたわけでございます。車道だけを歩かせた。その車道の幅は、あの二重橋の正門の入つて来る入口の開かれますあの幅よりはその車道だけの幅は広かつたわけでございますから、まあ非常な群衆があの鉄橋の所で非常に圧縮されて、両方の歩道を通ることを制限するために非常に圧縮されてそこに間違いが起るということはまあちよつと予想できなかつたのでございまして、結果的に申上げまして、甚だ残念なことでございましたが、先ず先ずその強度につきましては、それだけの手は尽しておつたつもりでございます。この点は御了承を頂きたいと思います。
○主査(相馬助治君) その他質問ございませんか。 それではこの際厚生省関係の予算の説明を求めたいと存じます。
○政府委員(堀岡吉次君) お手許に配付いたしました昭和二十九年度予算要求額調というガリ版刷の資料に基いて御説明申上げたいと思います。 先ず差上げました冒頭に、二十九年度の予算要求額を掲載いたしております。七百七十八億三千二百九十四万七千円という数字でございまして、二十八年度と比較いたしまして四十六億四千五百六十二万四千円という増額になつております。四十六億と申しますのは、先般二十八年度の予算におきまして、第三次補正予算を提出いたしておりますので、その結果厚生省所管におきまして二十八年度一億の減額になりましたのでさような数字に相成る次第であります。 それから事項別に次に申上げたいと思います。主な事項別に申上げますのは、第一番の人口問題審議会、次の頁でございますが、これは厚生省に設置されております人口問題審議会の所要の経費であります。若干の減額は旅費等の庁費相当分の減額でございます。 第二の医薬分業審議会の経費は、今般昭和三十年一月から医業分業を実施するということになつておりますので、これの実施面の技術的な事項の審議に当るというために審議会を作る、その審議会の運営の経費でございます。 それから三番の科学研究費補助は前年同様であります。 四番の国際会議其他諸費、これはWHOの分担金等でございまして、前年より若干の減額になつておりますのは、二十八年度におきましてはWHOの極東委員会が東京で開催されましたので、その経費を減額した関係でございます。 それから五番の厚生行政広報宣伝費、前年度と大した差はございません。 六番の国立公園等の経費でございますが、右のうち主なものは、(1)の整備費のすぐ下の欄にあります国立公園施設整備補助金、これが府県等に対しますところの国立公園内におけるところの施設整備補助金でございますが、補助金等の減額の関係上、約一割一千万円を減額計上いたしたのでございます。その他前年と大した変りはございません。 それから七番の厚生統計調査費、これは厚生省所管の諸統計を統計調査部という所でやつておりますが、それの事務費でございます。一千三百四十九万の増加に相成つておりますのは、非常勤の賃金職員を常勤職員に切替えしたためによる増加が主たるものであります。 八番の優生保護の経費でございますが、(1)の優生手術交付金は、二十八年十二月からの保険点数引上げによる経費増を見込んだのであります。 九番の受胎調節の費用でございますが、そのうちの1の優生保護相談所事業補助は、前年と比較いたしまして九百二十八万円ばかりの減をいたしておりますが、右はその優生保護相談所の初度調弁費補助金でございまして、二十七年、八年を以て殆んどこれは執行済みでございますので、新規二十カ所分だけの計上でありますので、金額としてはかなり大幅に減額いたしたのでございます。 十番の精神衛生対策でございますが、(1)の精神病院療養所整備費でございますが、これは備考欄に記載しておりますように、備考欄の左側が二十八年度、右側が三十年度の計画なんでございますが、国立の病院、療養所、それから公立法人にそれぞれ内訳を記載しておりますが、これは千二百ベツドを、二十九年度においては二百ベッドを作りたいということで計上いたしたのでございます。それから(2)の精神病院療養所経営費でございますが、これは逐年療養所等のベッドが増加いたしますので、ベッド数の増加に伴うところの運営費が増額計上されましたこと、それからここに従事します職員の人件費であるとか、或いは米価改訂による患者費の増というふうなことで、前年対比二千八百六十四万何がしという金額を増額計上いたしたのであります。それから(8)の精神衛生補助費におきましては、これは公立病院の関係でございまして、只今申上げましたことと内容が同様であります。それによる増額を計上いたしたのでございます。それから国立精神衛生研究所におきましては、これは若干の器具を備える、実験研究用の器具を備えるということが主たる内容でございます。それから(5)の精神障害者実態調査費というのは、新規に百七十三万二千円を計上いたしてております。御案内のように、精神障害者につきましての正確なる実態調査は在来までございません。従いまして二十九年度におきまして新規百七十三万円の金額を、計上いたしましてこれが基礎調査を行いたいということで、所要の経費を計上いたしましたのでございます。 次は十一番の結核対策でございますが、第一番の療養所の整備費、これは二十八年度と同様に一千ベッドを作りたいということで、所要の経費を計上いたしたのでございます。国立或いは法人立等の内訳は摘要欄に別途記載しておりますので、御覧おき願いたいと思います。次の結核療養所の経営費でございますが、これもその精神療養所の経営費におきまして申上げましたと同様に、逐年ベッドが増加いたしますので、それに伴う患者費とか、或いは人件費、或いは米価改訂による患者の賄費というようなものの経営費の増加を計上いたしたのでございます。それから(3)の結核予防費におきましては若干の減額に相成つております。これは健康診断費と予防接種費、それから患家指導費におきましては、人口増を見込みましての基礎計算に基きますので、特別に申上げることはないかと思いますが、その次の欄の医療費でございますが、これは特殊治療でございますので、これに伴いますところの医薬品の値下りのためにこの欄におきまして一億三千万円程度の減額を計上いたしたのであります。対象数の減は見込んでおりません。それから消毒費、物件廃棄費等については、前年同様でございます。それから(4)の結核回復者の後保護施設、これは二十八年同様二カ所を予定いたしております。金額の増は単価増でございます。それからその他の欄では、備考欄に記載しておりましたように、主なるものは保健所の関係の結核の経費、それから結核予防従事者究修委託費、これは結核予防会の結核予防に従事しておりますところの技術者の技術研修を委託しております経費でございます。それから結核予防会補助金は大体前年同様でございます。それから結核実態調査につきましては、二十八年度に引続きまして調査をいたしますものの所要の経費でございます。 それから十二番目の癩対策費でございます。癩については、昨年御案内のようないろいろ問題がありまして、それらの結果いろいろとこまごまとしたことを記載いたしておりますが、第一番に、二十八年度におきましては癩の療養所においてベッド一千ベツドを増加いたしたのであります。二十九年度におきましてはベツドの増は、取りやめにいたしました。在野患者の収容に主力を注ぎたいというので、二十九年、度におきましてはベッドの増加は計画いたさなかつたのでございます。但し療養所の内部における諸般の整備につきましては、いろいろ行いたいというので、備考欄に紀戴いたしましたように、高等学校、中学校、それから保育所、作業所等の新設を記載いたしました通り、それぞれ行いたいということを計画いたしておる次第であります。なお備考欄の(5)宿舎八十五戸と計上いたしておりますが、御案内のように癩療養所につきましては、職員の充実がやはり非常に先決問題でありまするが、宿舎の不足のために、これの充実を期しがたいという面が相当ございますため、二十九年度におきましては八十五戸の宿舎を建設して、職員の充実を図つて行きたいというふうな考えから、所要経費を計上いたしたのでございます。それから次は(2)の癩療養所経常費でございますが、これは先ほど申上げましたように、二十八年度においてベツドが一千ベッド殖えます。従いまして基礎ベツド数が若干殖えるわけでありますが、これらに所要の経費のほかに、二十八年の、昨年夏のいろいろ問題がありました患者の慰安金でございますとか、不自由者慰安金を新規に設けるとか、或いは作業賞与金の単価を引上げますとかいうふうなことをそれぞれ取入れたのであります。なお私立の癩療養所等につきましては、これは健康保険の点数によつて全額国が負担しております。それに所要の経費と、そのほかに慰安金としまして、なお新規に一人月額五百円、なお生活物資購入費等を新規に計上いたしましたので、それらの所要計費を一括療養所の経費として十四億なにがしという金額を計上いたしたのであります。次に(3)、癩研究所整備費、このあと(4)、癩研究所経営費でございますが、これも昨年いろいろ問題がありました点は、経緯は御案内の通りであります。そこで癩研究所を新設しまして、専ら癩の治療の研究に当るという意味で建物を整備し、これの所要の経営費を計上いたしたのでございます。最初は非常勤等を入れまして、二十人と思いますが、小さな規模で出発するわけでございます。初年度でもありますので、取りあえず出発するということに重点を置いて所要の経費を計上いたしておる次第でございます。それから次に(5)の癩患者の家族生活援護委託費でございますが、これも二十八年夏の際における問題の中心点でありまして、癩の患者を収容するに当りまして非常に大きな問題は、残された家族の生活問題が大きな問題であることは御案内の通りであります。なおいま一つの問題は、病気の性質上、その秘密を保持するということが大きな問題でありますので、在来生活保護法において執行いたしておりましたものを、この方面に制度を切替えまして、第一点は県庁の衛生部において直轄所管をするということが第一点でございます。それから第二点は、生活保護を地方庁が二割を負担いたしておりますが、この費用につきましては、全額国が負担する、従つて委託費は府県に流すという点が第二点。それから第三点としましては、家族の病気につきましては、医療券の発行に、わざわざ、たとえて言いますならば癩、そういう目印を付けるということは、秘密保持の点を破るということのために、医療につきましては、これは生活保護法、但しこの点につきましては、県庁の衛生部と民生部と密接な連絡をとりまして、その秘密の保持に万全を期するという点で執行いたしたいと思つております。詳細につきましては、別途癩予防法の改正を提案いたしますので、その際に御審議願えたらいいかと思います。
○高橋衛君 この調子で説明を聞いておりますと、相当長く時間がかかるようですから、もつと簡略に願えませんか。
○主査(相馬助治君) 今高橋委員から御意見がありましたように、特に変つた点、注意を喚起したいということに重点をおいて、もう少し概括的に御説明願います。
○政府委員(堀岡吉次君) 次に十三番の伝染病の予防費でございます。金額が一億ばかり減額になつておりますのは、事項別の内訓の(3)の法定伝染病予防補助金、これが減額になつておりますが、これは昨年度の風水害のために、昨年度金額が増額いたしておりましたので、平年度にかえるという意味で、一億の減額になつておる次第であります。その他は特別御説明申上げることはないかと思います。 次に十四番の性病予防費でございますが、ここでは事項別の(2)の性病診療所補助金におきまして保健所、単独診療所等の補助率が二十八年二分の一、それが二十九年慶においては四分の一ということに変更いたしております。性病病院につきましては、在来の二分の一と同様でございます。その点が大きな変更でございます。 次の十五番の保健所費でございますが、これは御案内の通り、補助率が当初政府案は四分の一でありましたけれども、衆議院における修正によりまして三分の一に変更いたしております。なお個所数の増加につきましては、摘要欄に記載されておりますので、御覧おきを願いたいと思います。 次に十六番の水道施設整備でありますが、施設費等については上水道、下水道若干の減額がございます。又簡易水道のうち二億四千万円は二十八年度の災害分を見込んでおります。 それから十七番の栄養及び食生活改善費のうち、摘要欄の(3)、(4)の食生活改善協議会、粉食普及指導講習会等は、それぞれ米食の引下げ等に伴いまして、食生活の改善の面からそういう普及を図りたいという経費を計上いたしたのでございます。
○主査(相馬助治君) 番号を逐つてでなくて結構ですから、特に重要な点について、概括的に述べて下さい。
○政府委員(堀岡吉次君) 十九番の公的医療機関整備費は一千万円だけの減額をいたしております。 二十一番の国立病院整備費は一億円の増で相当大幅な増額をいたしております。これは在来国立病院の整備が非常に手遅れでありましたので、この際委譲する問題は、これはとにかく相手がたもあることでありますから、話合によることといたしまして、整備を放つておくことはいかんということで、大幅な整備をしようということで所要の経費を計上したのでございます。 二十二番の国家試験費におきましては、インターンの問題がいろいろありましたので、これの施設の民間施設の借上料と指導の医師の手当を増額いたした点が含んであります。 それから次に二十五番の医薬分業の調査費でございます、これは在来医薬分業審議会等で申上げましたように、医薬分業関係の問題が起つておりますので、楽局の別の観点からの調査を更に行うということで計上いたしたのでございます。 なお二十七番の生阿片の買上でございますが、一億円計上いたしておりますのは、在来厚生省が持つておりました生阿片を払下げまして、必要な医薬品を製造させておりましたけれども、その阿片が切れましたので、政府において外国から輸入をするということで所要の経費を計上いたしたのであります。これは阿片条約によりまして、政府しか売つてくれませんので、政府が買上げるということで計上いたしております。 それから二十九番の社会福祉事業振興会の費用は、これは御案内の法律ができ上りまして、今年の四月から運行することになりますが、これに必要なる資金三千万円を新規に計上いたしたのでございます。 それから生活保護費でございますが、生活保護費におきましては、医療扶助がかなり嵩みまして、その費用を増額計上いたしましたことと、なお二十八年度の不足分がかなりございまして、先般予備費のほうで十二億支出しましたが、残り二十五億に対しましては、二十九年度の予算を以て支出されたいというので特に特段の計上をいたした点、御説明申上げる次第であります。 三十一番の身体障害者対策費におきましては、一般分につきましては、戦傷病者において行なつておりましたと同様の更生医療というものを新規に行いたいということで所要の経費を計上いたした次第でございます。これはいずれ法律案の改正の御審議を願うことになつております。それからその欄のDの点字図書貸出委託というのも、これは盲人のために点字が非常に不足いたしております。盲人に必要な娯楽的な点字の貸出を行いたいということで新規に所要の経費を計上いたしたのであります。 次は三十五の社会福祉施設費は六千万円の減額になつております。主たるものは浮浪者の収容施設を二十九年度においては計上いたしておりません。 それから三十六の災害救助の費用におきまして二億何がしか金額を増額しておりますのは、二十八年の風水害地方費の精算金額の残額見込みを計上したので大幅の二億八千万円の増と相成つておる次第であるのであります。 三十七番の児童保護費でございますが、児童保護費におきまして、例のいろいろな問題のありました児童措置におきましては、昭和二十八年度には五億円の予備金を以てこれの賄いをいたしましたが、二十九年度におきましては、調整基準の確立等によりまして、適正を図つて行きたい。なお施設の増によりますところの人員等を見込みまして五億何がしという金額を増額計上したのであります。それから児童保護費の事項別内訳のうち(9)の身体障害児療育指導補助金というのは、これも大人の身体障害者の更生医療と同じようなものを子供においても行うという意味で新規に所要経費を計上したのであります。 それから三十九番の母子福祉対策費でございますが、これは母子福祉貸付金の中に二千万円だけは孤児の分を含めております。在来は母がある子供を対象にしておりましたが、母も父もないという孤児は対象外になつておりましたので、その片手落ちを直すという意味におきまして二千万円を孤児の分として計上しております。
○主査(相馬助治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) 速記を始めて下さい。
○政府委員(堀岡吉次君) あとは恐れ入りますが、書類で一つ御覧を願いたいと思います。
○主査(相馬助治君) では、厚生省関係の予算の説明は以上を以て終りました。御質疑をお願いします。
○湯山勇君 大臣にお尋ねいたしたいことは随分あるわけでございますが、時間の御都合もおありになるようですから、項目だけ先に申上げまして、心構えを頂きまして、そうして各項目についてお尋ねをいたしたいと思います。第一は、ヒロポン対策でございます。第二は、結核対策でございます。それから第三は、水道に関する政策でございます。第四は、今まで余り取上げられませんでしたが、地方改善、いわゆる部落問題についてお尋ねをいたしたい。なお農林大臣がお見えになりましたら食品検査の問題をお尋ねいたしたいと思つております。 そこで先ずヒロポン対策でございますが、現在のところ非常にたくさんのヒロポン患者が青少年の間に出まして、而もその害毒は麻薬患者を上廻るというようなことさえ言われておる状態であります。これに対して療養所は千葉県に一カ所あるそうですが、噂に聞きますと何でも一カ月に二万円以上の経費が要るそうであります。そこで民間において府県等の後援を得て基金を募集いたしまして、社会事業としてのヒロポンの療養所のようなものを設置したいという動きがぼつぼつ見られまして、愛媛県あたりでも、子供がヒロポン患者になつたので、その親が私財を投げ出して、而も各方面から寄附を集めて、今一千万円くらいの金を集めて施設を作ろうという計画をして、知事もこれに賛成しておるというようなことが新聞にも出ておりました。これは放置できない問題だと思いますので、こういうことに関して今回の予算では、精神病になつた者は収容するというようなことはなされておりますけれども、そこまで行かないヒロポン中毒者に対してどういう対策をお持ちになつておられるか。又民間でこういう事業をやろうという者に対して、助成なり融資なりの方法が考えられるかどうか、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) ヒロポンの問題は最近特に青年層におきましてその中毒患者が目に見えて多くなり、従つて識者の間にこれが対策について強い意見等が出ております関係から、只今の御質問誠に御尤と存じます。そこでこの対策といたしまして、現在ヒロポンの原薬になりますその原薬の移動状態を今調査をいたしております。ヒロポンを製造せいと許可をいたしております製薬会社は二カ所ございますが、これは全然巷間には無統制には出ておりません。現在問題になつておりますヒロポンの薬が流れておりますのは、全部密売、密輸のものであります。一方はこれが取締り、一方は中毒にかかつている患者の対策、二つの問題だと思います。罹つておる中毒患者に対します対策は、只今お話のありましたような重症な場合と、そこまで行かん程度において療養的な方法でやれるじやないかという場合と考えられると存じますので、只今御引例になりました点につきまして、よく今後具体的に御相談をして、成るべく便利なように取計らつてみたいと思います。結核対策につきましては……。
○湯山勇君 途中でございますけれども、結核対策については、又その焦点を私申上げまして御答弁頂いたほうが便利だと思いますのでそうさして頂きたいと思います。 それでは今のヒロポンの療養所のようなものを民間でやる場合には、助成というのは予算の関係で困難かも知れないかとも思いますけれども、助成はしなくても融資等については、大臣のほうで御考慮願えるというように了解してよろしうございましようか。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは実は今初めて伺つて、よく検討してみたり或いは療養所がどの程度の療養所か、私は大体二通りあると思つておりますが、実際具体的におやりになつているのを伺いまして、或いはそういう補助の方法があり得るか、又は資金の流用、或いは融資等の方法があり得るかということもよく検討いたしまして、確たることは検討の上で御返事申上げたいと思います。
○藤原道子君 この問題は随分やかましく重大な問題だと思います。どんどん精神分裂症になつて、肉体だけでない、精神が破壊されて来るので、兇悪犯等もこれが相当影響をして来るので、対策は生ぬるいと思います。調査研究はできておると思いますから、その点はもつと厳重にやつてもらわなければならんと思います。
○湯山勇君 この問題なおお聞きしたいのですけれども、時間がないようでございますから、急いで次に移ります。結核予防費でございますが、これは予算を編成した当時には、結核患者が、先に発表されたように尨大な数に上つておるということはわからない状態において編成されたはずでございます。ところがああいうふうに厚生省でお調べになつて随分患者が殖えているにもかかわらず、結核予防費の中で最も重要な医療費が一億三千万円も減額になつている。これでは結核対策は低下せざるを得ないと思うのです。薬価が安くなつたというような御説明がありましたけれども、これはこのことだけについても問題がありまして、なぜ安くなつたかということについてはなお究明すべき点がありますけれども、それは又担当のかたに申上げることにして、大臣は、この医療費が、この予算以後において結核患者が非常に多くなつているということに対して、これ又非常に根本的な問題だと思いますが、どういう対策をお持ちになるか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は昨年度から秋までの間に、今まで曾つてない実際上の結核の現地の調査をいたしました。その結果先般発表いたしましたように、従来は結核の死亡に対して十二倍くらいが患者であろうと世界的には言われておりましたのが、実際は死亡はずんと減つて参りました。これは青年層がずつと減つて参つて、むしろ壮年層の患者が予想以上に多いという状態になつて参りましたのでこれは、従来の政府でいたしておりました結核対策を根本的に検討し直してみなければならん、これは率直に申上げまして、根本的に検討し直して、そうしてこれに対する結核対策を立てて行くという結核対策の本部を今後改めて置きまして、その方向に進むように、いろいろな学界その他の人たちの意見も聞いてやつて行こう。従来取つておりました対策を少し変えたいと、こう考えております。具体的にはその結果によりまして進めて参りたいと思つております。
○主査(相馬助治君) ちよつと申上げますが、政府委員として厚生省の薬務局長の高田君が出ております。
○湯山勇君 大臣、時間がございませんが、今の結核対策は早急に一つお願い申上げます。
○藤原道子君 大臣に対する総括質問のときに十分聞きたいと思いますから、用意しておいてもらいたい。
○主査(相馬助治君) 厚生省関係の質疑が始まつておりますが、関連して進められますか。薬務局長の高田君が見えておりますから……。
○湯山勇君 ちよつと薬務局長に。今ちよつと問題にしたのですが、薬価の減少でございますね。薬価が安くなつたから結核の医療費を減じたという御説明がございましたが、成るほど抗菌性物置でございますか、これらについては二割程度の薬価の値下りがあるようであります。併し今までなぜこれが下らなかつたか。今回下つた原因は、或る会社が良心的に安く出した。これに刺激されて全部が下つて来た。そうすると従来薬価の決定に当つて、随分正当な価格より高く売られていたんではないか。更に又輸入されたものについては、どこかで不当な利得がなされていたんじやないかという問題が、薬価が安くなつたというようなことから各方面で問題になつておりますが、その点について、薬務当局はどのように御判断になつておられるか。そういう事実はなかつたかどうか。一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(高田正己君) 只今、湯山先生の御質問の、結核に関係した薬の問題が中心のようでございますが、その中でストマイとか。パスとか、ヒドラジツドとかいろいろな薬があるわけでございますが、一番問題になりますのはやつぱりストレプトマイシンが一番顕著な例でございますが、この例を挙げて申しますると、ストレプトマイシンは、御承知のように日本ではできなかつたのでございますけれども、政府といたしましても、これが結核に非常に重要な薬であるという観点から、いろいろな援助をいたしまして、この国産化にここ数年来努力をいたしましたことは御承知の通りでございます。ところが最初のうちはどうも国産化はできましたけれども、コストが非常に高くつく。米国あたりでは非常に大量生産をいたしておりまするのでコストが安い。その関係で輸入品のほうがずつと安かつたのでございます。それでは国産の何と申しますか、国産化ということを達成することが経済上うまく参りませんので、御承知のように二カ年間政府は国費を数億これに投じまして、そうして国産と輸入品との価格のプールをいたして参りました。勿論国費は支出をいたしますると同時に又あとで全部回収をされる金でございますけれども、そういう措置をとつて参つたのであります。ところが最近に至りまして、日本のストマイ卒業というものも非常に成長して参りまして、それで大体量におきましても又価格の点におきましても外国のものと余り相違がないというふうなことに、国産でやつて行けるというふうな情勢になりましたので、一方輸入を徐々にとめて参りまして、そうして国産のほうの生産量を上げることに督励をいたして参つたわけであります。メーカーのほうではその方針に従いまして一生懸命になりまして増産をやつて参つたのであります。それで国内の生産が重要との睨み合せ間に合うかどうか。だんだん増して来るという状況に応じまして、片方は輸入をだんだん細めて来た。それで昨年の夏頃から十分に国内の生産で国内の需要を賄い得る程度になりまして、そうして片方、輸入のほうは、時期をはつきり記憶いたしませんが、輸入のほうは全然とめて参りました。今日では輸入を全然ストップいたしまして、国内の生産だけで賄つて更に余力を持つて参りました。そして業者は若干のストックを持ち、なお又昨年の中共との貿易が、こういうものが解除いたされました。昨年の暮でございますが、におきましては、外にも出して行く、こういうふうな状態になりました。従つてできる量が殖えて参り、そして生産技術も向上して参りましたので、従つて値段が、ストックも持つているくらいでございますから、どんどん昨年中から値段が下向きになつて参りました。ずつと下つて参つた。これはストレプトマイシンの例でございまますが、パスにおきましても、ヒドラジツドにおきましても、いずれも我が国で終戦後新たに始めた薬でございまして、それらの生産技術、或いはその他について、不慣れであつたものがだんだんと習熟をして参りまして、そして量がたくさん出て来る。又ブロス単位という言葉を使つておりますが一定の量の中で培養をいたしました際に、成分をたくさん取れるように、そういうふうなことで、一口に申せば企業の合理化といいますか企業の進歩によりましてだんだんと下つて参つたわけであります。この傾向は、決して今度の予算で、来年度の四月から急にごとつと落ちるわけではございませんので、だんだんとそういう傾向で下つて参る、その実際の市場の価格の状況を予算の中に取入れた、かようなことに相成るわけであります。
○湯山勇君 それでは現在の価格は、輸入価格よりも下廻つているのでございますか。或いは又輸入価格のほうが安いか。どうでございましよう。
○政府委員(高田正己君) いろいろ価格を比べます場合に、最終製品としての価格とか、或いは、バルクの段階における価格とかいろいろありますのでございますが、ストマイの例をとつて申上げますと、まだ若干国内の価格のほうが現状では高いと私は考えております。併しこれは医薬品全般を通じて概論的には言えることでございますが、その原因はいろいろあるのでございまするが、主として原料、御承知のように薬品は石炭分溜なんかに基礎をおいて作るものが多うございますので、そういうふうな原料をずつと辿つて行きますと、石炭の問題に帰して参りまして、いろいろむずかしい複雑な何と申しますか、日本の置かれておりまする経済状態自体の根本の問題に触れて来るわけでございます。これは御承知のように、ほかの基礎的な石炭にいたしましても、鉄鋼にいたしましても、あらゆる物資において、日本の現在のコスト高という問題と共通をする問題でございます。従いまして医薬品の分野におきましても、国際価格と比べまして相当高いものもございますが、併し国際価格と殆んど同じ程度のものもある。このストマイ等におきましては、殆んど国際価格に近くなつて参つているように私は承知をいたしております。
○湯山勇君 この問題はいろいろ複雑な問題を含んでおりますので、続いてお聞きしておりますと随分長くなりますから、これで終りたいと思うのですが、もう一点だけこの問題について伺いますが、現在相当ストマイは安くなつたと言いながら、なお且つ、輸入価格と同等、若しくは若干それより安い程度、そういたしますと、従来は安く入つたものが随分高く国内で販売されておつたことになつて、外国から輸入したものを高く売つたその金で国内の製造業者に補給しておつたというような形になつておつたわけでございます、プールした関係上……。そういうやりくりの間はいろいろ問題が起りやすい要素を含んでおりますので、それについては、すでに業者の仲間において相当批判が向けられております。一々の指摘は省きますし、又そういうことをする意思もありませんが、これは一つ十分御注意を願いまして、そうしてこういうものが正しい値段で患者に渡るようにするということにしないと、今の結核予防費を薬価の減少によつて削つたと言いますけれども、そのことが意味をなさないことになりますし、又そういうことによつて他の方面で変な問題が起るとこれは大変なことになると思いますので、十分御注意を願いたいと思います。
○主査(相馬助治君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) 速記を始めて。 政府委員の都合で、厚生省に対する質疑を行なつておりましたが、元に戻しまして、皇室費、国会、国立図書館関係についての質疑がありましたら、この際お願いしたいと思います。
○藤原道子君 最近皇室関係で一応民主化されて来たのがだんだん元に戻つて、そうして又皇室に対する扱いが神格化の方向に行きつつあるように思いますが、それは一体どうなんですか。それは却つて私たちはよろしくないと、こう考えるんです。漏れ聞くところによると、皇后陛下なども、できれば銀座あたりも散歩したいということを漏らしておいでになるということを聞いているのですが、そういうふうな皇室の考えと逆行した方向に行きつつあることが、二重橋事件なんかを惹起する原因になる。もつと外国のように国民と親しめる皇室というふうに持つて行かれたほうがいいように思うのですが、どう考えておられますか。
○政府委員(三井安弥君) このような重大な問題を私が申上げるのは僭越でございますけれども、終戦後今藤原先生のおつしやいましたように、民主化すべきであるとお仕えしている者も考えまして、鋭意その方針で御巡幸をお願いしたり、できるだけ御意思に従つて、観覧といいますか、劇とか、芝居のようなものも御覧を願い、従来は殆んど想像もしなかつたようなことをしたり、着々御実行を願つておつたわけでございます。最近もいろいろ世間の風潮で逆コースじやないかという声を聞くのでございますけれども、さて具体的に申しまして、最近ここ数年に逆コースというほどの具体的には私ども事例を挙げ得ないと思うのでございます。周囲の者も決して逆コースということに行かないように注意すべきでもありますし、又そうもしないつもりでおります。ただやはり戦争前にはああいうふうな御習慣だつたものが、急に終戦後にこういうふうになりましたので、やはり一般国民、我々の側でも非常に、仮に今おつしやるように、どこへでも皇后陛下がいらつしやいましても、一般も余り物見高くなく、平静にお取扱い願えるようならば、もつと融け合つて頂く機会もあり得ると思うのでございまして、これは一般のお出かけなさる方面だけの問題でもなく、受入れる側も一体となつて、何と申しますか、それが当り前であるというようなふうな、よく知りませんけれども、話に聞きますと英国のようなふうな習慣が順次醸成されて来ればそういうことも実現しやすくなるんじやないかと思われるのでありまして、強いて最近逆コースに赴きつつあるとも思いませんし、又その意思もないのでございます。
○藤原道子君 それはたびたびお出ましになればそういうことがなくなるんです。余りお出ましにならないから大げさになる。この頃御警衛等についてもだんだん厳しくなつている傾向があるんです。そういうことのないように私は強く要望しておきます。
○政府委員(三井安弥君) よく御意見は承わりました。
○主査(相馬助治君) 私からこの際、中山委員の質問に関連して一つ伺つておきたいんですが、文化財をどういうふうに保護して行くかということは、これは特に皇室のもの等についても、我々として協力して行かなくちやならないということについては私もよくわかりますが、桂離宮ですね、これは戦後何人にも開放してあの立派なものを見せていた。ところが最近では、官庁ならば課長級以上であるとか、民間会社ならば資本金幾ら幾らまでの会社においては課長級以上というふうな制限を受けられているやに聞いたのですが、そういう尺度はどこで作つておるのですかということと、そういうことは如何なものであろうか、私は無理にこれを責めようというんじやない、これを保護する立場もあるから。それらを連関して一つお答え願いたいと思います。
○政府委員(三井安弥君) 御承知の京都方面のあの建造物、庭園が、文化財としましては京都御所と修学院、桂離宮、まあ大体言いまして、正倉院は別といたしまして、京都ではこの三つなんでございますが、その三つ大体同じ方針では行つているのでございますけれども、殊に桂は御承知のようにあの庭園一体もそうたくさんの人を入れるに適しておりませんし、それから又建物自体も数寄屋風の造りでございまして、非常にまあ弱々しくできているわけでございますので、或る程度の制限は免れないということはまあ皆さん御承認かと思うのでございます。ただその制限の方法でございますけれども、戦争前には勲何等とか官吏がどうとかいうことを申しておつたのでありますが、終戦後はそういうことは時勢に合わない、然らばどういう標準を作つたらいいだろうということをいろいろ協議いたしまして、やはりそういう歴史とか美術家という、そういう文化財の専門的な学者、或いは特にその方面に関心を持つている人、それから学生にしましても、高学年の、その専門学生、一般中学生とか高等学校生がただ修学旅行的にあれするのは困るので、大学の美術とか歴史とか、そういうようなふうに専門的な方とか、或いはまあ官尊民卑ということは決してないのでございますけれども社会的に或る団体の関係の幹部の方とか議員の方とか、そういう、決してただ従来の位とか勲章とかいう意味じやなく、指導的立場にあられるような地位の方、まあ抽象的に申しますとそういう標準を設けまして、人数を制限しておるわけでございます。ただその間にいろいろ具体的になりますと、その線がなかなか明確にもできない点もありますので、いろいろの誤解を生むこともあると思いますけれども、私どもとしましては、そういう今おつしやるようなふうに誤解のないように十分現地にも注意いたしておる次第でございます。
○主査(相馬助治君) それでは皇室費、国会並びに国立図書館については一応質疑が終つたものと認めます。 それでは一時四十分まで休憩したいと思います。 午後零時四十二分休憩 —————・————— 午後二時五分開会
○主査(相馬助治君) 休憩前に引続いて会議を開きます。 今朝ほど申上げたような順序によりまして、裁判所、内閣、総理府、これに対して質疑をいたしたいと思います。御発言のかたはありませんか。
○中山福藏君 ちよつとお尋ねしておきたいのですが、今度二十九年度の裁判所所管予定経費要求額というのは、結局八十六億九千七百二十五万五千円、これがいろいろと分類されておりますが、大体これまでの方針では、検察庁と裁判所と庁舎を分けるという建前になつておりますが、今殆んど一、二の場所を除いた以外はまだ合同庁舎ということになつていますが、いつ頃分離されるのですか。その経費はどういうふうになつていますか、それは合同の庁舎に対しては検察庁費と両方でそれを賄つておられるわけなんですか、どういうわけですか。
○説明員(岸上康夫君) 只今お話の点につきましては、終戦後の根本的な方針といたしましては、漸次裁判所と検察庁というものは分離して行く、庁舎を分離するという方向で来ておりますが、現実問題は、主として庁舎等の関係から分離ができていないのもございます。正確な個所数は今記憶ございませんが、そこで共同しておりますところは、普通の庁費等は各庁によつてそれぞれ検察庁側と共同いたしまして、そうして或る一点の基準、例えば人員の数とか、或いは使用している面積の数というようなものによりまして、普通の庁舎の管理上の庁費、そういうようなものは分担して払つているというのが実情でございます。予算的には裁判所の分は裁判所の分、検察庁の分は検察庁の分として計上されておるのでございます。
○中山福藏君 私の承わるところでは、従来の庁舎というものは検察庁と裁判所と奪い合いして、まだ帰属がどちらに行くのかわからんのが相当あるのじやないですか、ちよつとそれをお尋ねします。例えば大阪の裁判所の庁舎なるものは両方からおのおの権利を主張しておつたという事実があるようですが、そういうのがあるのじやないですか。
○説明員(岸上康夫君) 只今お話の庁舎の点につきましては、最高裁判所が発足いたします当時に裁判所側と法務省と申しますか、検察庁と申しますか、側と協議いたしまして、一定の基準を設けております。それに基いておりますが、大体申しますと、庁舎につきましては、一棟の建物に両方が入つておりますところは、その庁舎は裁判所の所管ということにして、そして裁判所の所管で国有財産台帳に載せるということになる。検察庁のほうでその一部を使用することを裁判所で承認するということになつておりまして、今お尋ねがございました奪い合いと申しますか、所管がきまつていないというところは、庁舎についてはないと存じます。ただございますと考えられますのは、土地、庁舎の敷地等につきまして、その所管が形の上では裁判所の所管に国有財産上なつておりますが、事実上は検察庁が使つておる。逆に法務省側の所管に国有財産の台帳には一応載つておりますが、その一部を裁判所が使つておるところもございます。で、その実際上の区分につきまして、はつきりきまつていないというところは殆んどないと思います。極極一部につきましては、なお法務省側との話合いがまだ折衝中というところもございますが、殆んど全部は事実上話はついておる、こういうふうに承知をしております。
○中山福藏君 その点は大体わかりますが、どうも今いろいろ紛糾して、裁判所と法務省側と、地方では明確になつていなくて、非常に暗い気分を持つておるところも相当あると思いますから、一つ早急に善処して頂きたいということを特にお願いしておきます。 その次に高等裁判所、地方裁判所、最高裁判所のおのおのの予算別にしてここに明示されておりますが、このうちの各所長とか長官とかの個人に何と申しますか、割当てられた機密費というようなものが、やつぱり地方長官の場合のように機密費というのはあるのですか。これはどうなつておりますか。
○説明員(岸上康夫君) 機密費というものはございません。ただ交際費という名称で僅かでございますが計上されておりまして、これは各所長に配付いたしまして、いわゆる交際費に使うのであります。
○中山福藏君 どのくらいの……。
○説明員(岸上康夫君) 金額は地方裁判所で申しますと、地方裁判所全部の分といたしまして、百三十二万三千円というのが交際費、これは本庁が四十九ありますから、四十九で割りますと平均が出て参ります。二万六、七千円になります。家庭裁判所の分はやはり同額でございます。それから高等裁判所の分は八カ所ございますが、五十万四千円で、八カ所でございます。
○中山福藏君 大体、この私は交際費というものは僅かに地方裁判所が二万円程度で民主主義的な社会情勢に沿うことができるかどうかということは、実は非常に不思議に思つているんですが、勿論裁判所というのは余り民間と交際してはいけないという建前をとつておるようですが、併し今日各地方長官の交際費というものは、大体五百万円以上千五百万円ぐらいの程度が一ヵ年に割当てられている。裁判所が一ヵ年二万円ぐらいで、裁判所長なんかというのは、これはまあ対抗する必要はないのですけれども、なかんずくこの家庭裁判所の所長なんかは調停委員なんかと談合するとか、会合を開くとか、或いは将来の方針なんかの話合いをやるときなんか、これは自腹を切らなければとてもやれたものではない、年に二万円かそこらの交際費では。そういうところは幾分この家庭裁判所と地方裁判所、高等裁判所との割り振りをもう少し立場々々の性質からお考えになつてはどうかと思うのですがね。これは余り二万円や十万円ぐらいの程度では、交際というものはできやしませんよ。そういう点はお考えにならなかつたのですか。
○説明員(岸上康夫君) 只今のお話の点御尤と存じます。私どもといたしましては、交際費がこれでは少いというふうに感じまして、増額いたしたいのでございますが、まあいろいろ事務的折衝の関係、ほかとの関係ということで、予算的にはこの程度で事務的にはお話をつけたわけでございます。で、まあ所長、長官等いろいろ聞きますところによりますと、実際足らない。で、勿論派手なことはしていないのでございますが、ところによると礼を失するというふうに思われるところもあるというお話をときどき伺つているのでございます。まあ併し予算的にこういう程度だから、これで一つ御辛抱願いたいというふうに申しているような実情でございます。それで各庁への配布につきましては、その各庁の場所柄、それから裁判所の大小、更に今お話のございました家庭裁判所と地方裁判所というような点も考慮いたしまして、多少の何といいますか差等はつけて送るようにいたしておりますが、何分総額がこの程度でございますので、大した金額にはならないわけでございますが全部平均に送つているわけではございません。
○中山福藏君 そういたしますと、この間私から尋ねておきました名古屋の高等裁判所長官が三十二万円幾らの旅費を一ヵ年に使つているのですね。そういうのは又別に旅費として高等裁判所長官の、いわゆる名古屋高等裁判所の旅費というものが、割当てられているわけなんですから、一ヵ年三十二万円使つておりましたね、それはどこからそういうふうな経費が出るんですか。
○説明員(岸上康夫君) 旅費はそれぞれ行政旅費として、これは各庁の支出官ごとに庁用全体の旅費を配布いたしておるわけでございます。そういう旅費をそういう会議、交際費的なものに使うということは、勿論これは許されないことなんでありますが、お話の名古屋の問題については、実は私今日詳細には承知いたしていないのでございますが、そういうふうな問題があるということは承知いたしております。併し勿論それは一交際費に使うということは許されない性質の金でございます。
○中山福藏君 私はその交際費が余り少いので、そういうふうな旅費なんかで実は捻出されるのじやないかということを恐れている。その点が非常にやり方が姑息だと思うのです、すべてけちけちして。もう少し筋の通つたことをやはり法務省でも裁判所でもおやりにならんと、私余りに時代に沿わないようなやり方ではないかと実はふだんから思つておりますが、その点は一つ将来注意して頂きたいと思います。
○加藤シヅエ君 今の問題にちよつと関連して。今朝ほど新聞にちよつと囲いもので出ておりましたんですが、裁判所にもやはり汚職があるというようなことで、平林たい子さんが書いているのですけれども、それによりますと、裁判所長ですか、裁判官ですかが、自分の私邸を公邸という名目にして借り上げてもらつて、そして裁判所のほうからその公邸費というので払つてもらつて、そして今もうじき退職されるので、多額なお金を裁判所のほうから出してもらつてその家を修理して、そして退職した後には家を又自分のものに返されるのだというような記事が出ておりましたのですけれども、これは事実そういうことがあるのでございましようか。
○説明員(岸上康夫君) 只今のお話の記事は私も拝見いたしました。これは具体的にどういうことになつておるのか、記事の面だけでは勿論はつきりいたしていないのでございますが、私どものほうとして、それに関連して申上げたいことは、最高裁判所の裁判官、その公邸でございますが、現在十五名裁判官がおりまして、そのうち国有の公邸が十三軒。お二人だけは国有の公邸が現在のところございませんので、自宅を公邸の代用ということにいたしまして、その自邸を国のほうで借りまして、そして代用公邸にする、こういうことにいたしております。で、公邸になりますと、これは宿舎法の関係で、裁判官のかたには無料で貸すということになり、必要な修繕費、維持費を支出するということになつておりまして、国のほうで借りました賃料はお払いしておる。それから修繕のほうは、これは勿論本当の保存的な、保存費の程度のことはいたしておりますが、まあ大修繕と申しますか、そんな修繕は勿論いたしておりません。但し、今申しました、家の保存上必要な整備という程度のことはいたしておる、こういう実情でございます。
○加藤シヅエ君 そういうことが実情でございまして、そこにいろいろの規則上の合法性があるならば、ああいうような記事に対して、当局として何か説明とか弁明とかいうものを同じ掲載された新聞にお載せになるというようなお考えがあるんでしようか。
○説明員(岸上康夫君) その点は今まだ具体的に裁判所としてきめておりませんのですが、更に研究いたしまして善処したい、こういうように思います。
○加藤シヅエ君 今非常に政治の腐敗のことが言われておりますときに、国民としては裁判所というようなものに非常な大きな信頼をいたしたいと思つておる際でございますから、ああいうことに対しては、やはり適当な弁明、或いは説明というようなものを同じ新聞に、余り遅くならないうちにお載せになるほうが適当ではないかと考えますのでその点要望いたしおきます。
○中山福藏君 公邸の問題が出たようですから申上げておきます。大体十八万円でしよう、一ヵ年に。どうですか、年額十八万円ぐらい、十八万円か二十八万円か各個に出ておるはずですが……。
○説明員(岸上康夫君) さようでございます。只今長官分が四十二万円、その他の最高裁判所裁判官の分が一人当り十八万円です。
○中山福藏君 そうですか。只今加藤委員のおつしやつたことは誠に大事なことであると思いますので、これは、私時間があれば申上げたいのですが、他の委員のかたに御迷惑ですから……。すべての経費を実際に出すことができる。私は全部調べ上げたのですが、大体緊縮予算とか何とかいうときには、国家の一番最高の府にある者が範を示さなければならんというのが私の考え方ですが、それを私は全部調べ上げたのでございます。三億ぐらい、公舎代を一時五年間くらい廃止しますと、国民全体の税金が軽くなることになると思う。それで、この間私予算委員会で聞いたのですけれども、それはまあいろいろな都合があるからと言つてお茶を濁しておられましたが、これは厳粛に考えたら、これは自分の家がある判事なんか、自分からお断りになるのが私は至当じやないかと思います。これは一応公邸に肩替りをして、やつぱり経費を払うということは、月給が例えば十万円のところ十一万円になるわけです。これは下層の公務員なんかは実際自腹を切つて家賃を払つているのですから、こういう点も、一番国民は法務省並びに裁判所を信頼しているのですから、そういう点を十分一つお考えおき願いたいと思います。 最後に私のお尋ねしたい点は、国選弁護料というのは一体一ヵ年にどれくらいの費用になつておりますか、日本全国で。
○説明員(岸上康夫君) 国選弁護の謝金と、予算的に申しますと、鑑定人の謝金と合しまして、年間に二十九年度では一億五千百六十一万二千円という数字が計上されておりますが、この中の大部分は国選弁護関係の報酬費になつております。
○中山福藏君 その一億五千万円の中で、被告人から回収できたのがどれくらいの割になつておりますか。全部これは国の負担になつておるのですか。回収できたのがあるはずです。相当に。
○説明員(岸上康夫君) これは訴訟費用の負担を命じまして、その執行等によりまして回収いたしておりますが、その額は、ちよつと実はこれは法務省関係でやつておりますので、今私記憶がございませんですが、聞きますところによりますと、その回収できる額はそう多くない、一部だというふうに考えております。
○中山福藏君 これは予算の分科会に現われております以上は、あなたのほうでその比率ぐらいはちやんとあらかじめ御用意なさらんといかんじやないか。この分科会に国選弁護料ということが明らかにされてある。わかりませんければ仕方ありませんけれども。
○主査(相馬助治君) 主計課長も説明員として参つておるわけです。
○中山福藏君 もう一つ尋ねておきますが、これが地方によつて国選弁護料というものが違うのはどういうような標準でおきめになつておるか。例えば、東京、大阪、京都、神戸というようなふうに、国選弁護料が二千円のところもあれば三千円のところもある。いろいろあるようですが、どういうふうになつておるか。
○説明員(岸上康夫君) これは裁判所全体といたしまして、最高裁判所のほうで一定の基準を作りまして、そうしてその基準に従つて各裁判所でやる。但し事件の難易、その審理期間の長短というふうなことで一律には参らない。で、大体の基準を設けまして、それに従つて各事件ごとに各裁判官が認定してやつておるという実情でございますので、若干の差異はあることと存じますし、これは事件の内容によつて止むを得ない。併しそうひどいアンバランスと申しますか、差はないはずだというふうに承知いたしております。
○中山福藏君 もうこれで最後ですが、例えば国選弁護人のときに、被告人がこういう弁護士を頼んでくれということを指定して頼むこともできるわけですが、例えば田舎で、二千円国選弁護料をお払いになる土地の管轄におる被告人が、東京の自分の懇意な人を国選弁護人として雇いたいというときには、東京並みの弁護料をお払いになりますか。そういうときにはどういうふうになりますか。例えば大阪であつたならば、東京より差額が千円あるとまあ仮定いたしますね。東京のほうの標準にそういうときは従うのですか、どういうのですか。
○説明員(岸上康夫君) 只今申上げました標準は、最高裁判所のほうで作ります基準は、地域ごとでなくて、一審、控訴、上告、こういうふうに分けまして、それから大体一件の開廷回数を一審、控訴は三回というのを標準とみまして、それへそういう標準を置きまして、それに対して報酬額の基準を幾らと、こうきめております。具体的に申上げますと、現在のところでは、簡易裁判所の場合に、開廷回数三回を標準といたしまして報酬三千円、地方裁判所の場合は四千円、控訴審の場合は三回の開廷で四千五百円、上告の場合が開廷回数二回という標準にいたしまして五千円、こういうふうにきめております。
○小林武治君 ちよつと伺つておきたいのですが、裁判所の新営費、これは場所はどことどこになつておりますか。
○説明員(岸上康夫君) この二十九年度の営繕費二億の新営の場所は、前年度からの継続工事の場所だけでございまして、北から申上げますと、札幌地方裁判所の小樽の支部、それから青森地方裁判所の本庁、それから名古屋の地方裁判所の一宮の支部、それから大阪の家庭裁判所、それから広島の地方裁判所の呉の支部、以上五カ所でございます。
○小林武治君 私はちよつと御注意申上げておきたいのですが、どうも終戦後は最高裁判所の予算が独立した、これは非常に結構なことでありまするが、庁舎の新営に非常に大きなものが、これは威厳を示すためかも知れませんが、できておる。地方民の常識からみて、いわゆるどえらいものができておる、こういうふうな声をしばしば聞くのでありまするが、その点についてはどういうふうにお考えになつておるか。
○説明員(岸上康夫君) 只今の点につきましては、従来新しく建てました庁舎につきましては、少し大き過ぎるのじやないかというふうな批判を私どもも承知いたしております。それにつきましては、もともとやりますときには一定の基準を設けましてやつたわけなんでございますが、その基準につきまして、その後そそういう批判も聞きまして、私どもといたしましては更に検討いたしまして、最近では予算的な勿論制約もございまして、過去においてやりましたほどの大きな規模と申しますか、坪数のものは、現在と申しますか、二十八年度においてはやつておりません。二十九年度の予算に入つておりまする只今申上げました庁舎につきましても、規模は過去のものよりも相当圧縮した小さいものをやる、こういう予定になつております。
○小林武治君 重ねて申上げておきますが、ともかく地方へ行きまして、どえらい建物がある、あれはなんだというと、裁判所の新営だと言う。こういうことは、要するに地方民に対してむしろ私は悪い影響を与える。こういうふうに思うのでありまして、今おつしやつたようなことになればいいと思うのですが、今後庁舎は、これはやはり何もかも足りないときだから、必要最小限度にとどめて頂きたい。私は例を申しません。どえらい庁舎がほうぼうにあります。これらについては十分自粛して頂きたい、こういうふうに私は御注意だけ申上げておきます。
○説明員(岸上康夫君) 只今の点は、私どもといたしましても、国の財政、それから一般のかたがたの感じというようなものは勿論考慮しなければならんと思いますし、現在は考慮しておるつもりでございます。そういう点と、裁判所の庁舎としての必要性と申しますか、あり方というようなものを勘案いたしまして、二十八年度、二十九年度は、一定の過去のものよりも或る程度圧縮した規模のもので、予算的には大蔵当局とも了解をつけて実施しておる、こういう実情でございまして、御注意の点は十分今後ともそういう点を頭に入れて実施して行きたい、こう存じております。
○小林武治君 次に裁判所庁舎等施設整備費とありまするが、この中には、先ほどお話のあつたような、要するに私有の代用公舎とか、これらの補修費がこれに入つておるかどうか。
○説明員(岸上康夫君) 庁舎施設整備費三千万と先ほど申上げました中には、公邸の整備費と言いますか、補修費というものは入つておりません。これは普通の各地の庁舎の補修費と申しますか、修繕費でございます。
○小林武治君 先ほどのお話のように、私有の建物を公舎に代用しておるものを補修するということは非常な誤解を招く原因になると思う。ほかの役所にも或いはそういう例があるかも知れませんが、これは厳に慎しんで頂きたい。この点も御注意申上げておきます。
○主査(相馬助治君) 裁判所関係ございませんですか。 それでは次に内閣、総理府関係について御質疑ございませんか。
○加藤シヅエ君 国立世論調査所というものが将来なくなるというようなことをちよつと聞いたのでございますけれども、そういうようなことがあるのでございますか。
○政府委員(三橋信一君) 国立世論調査所の問題につきましては、この予算を提出いたしますときにはまだ機構改革の問題が具体化しておりませんでしたので、一応今年度の、つまり二十八年度の規模から十五名の定員減をいたしまして、行政整理をいたしまして、それの姿で予算を提出したわけでございますが、最近提出を予定いたしております総理府設置法の改正によりまして、世論調査所を廃止いたしまして、但し廃止いたしますが、その世論調査所の企画部門だけは総理府の官房に残しまして、世論調査を外部に委託して実施して行こうというような計画でございます。
○加藤シヅエ君 その世論調査の仕事を外部に委託するというと、どういう形式でどういう所へ委託なさるのでございますか。
○政府委員(三橋信一君) 大臣官房で予定といたしましては、先ず人員を、現在五十三名でございますが、二十三名残しまして、そこで企画立案をいたしまして、そうして外部に、只今世論調査機関が種々ございます、新聞社その他民間の世論調査研究所がございます、で、これらに対しましては現在でも若干の委託をいたしておりますが、そういうところへ委託して参りたいというふうに考えております。
○加藤シヅエ君 今まで世論調査をなさいますときに、この世論調査ということは非常に今日の民主主義時代には大事なことだと思いますけれども、又その世論調査をどういうふうに調査するかということが又非常に問題でございまして、或る場合には一つの誘導訊問のような世論調査が行われる。そうすれば実際の世論がどうであるかということよりも、世論の結果がこうであつたという一つの目的を持つための世論調査を行われるというような場合がしばしばあつと思うのでございます。これは新聞の世論調査などが同じような問題を殆んど同じような時期に調査をいたしましても、一つの新聞と他の新聞とは恐らく反対のような調査の結果が出たというようなことがございますので、世論調査が非常に公正に行われるという機関を持つことが非常に大事だと思うのでございますけれども、今度そういうふうに人員が減員されるというようなことは、この世論調査というものの意味をどういうふうに見ていらつしやるのですか。余りその必要性がなくなつたというようなことなんでしようか。どういうところでこういうふうに減らすというようなことをなさるのでしようか。
○政府委員(三橋信一君) これは大分政治的な面もございますが、私の関知します限りでお答え申上げますと、現在まで、のやり方を主に申上げてみますと、現在まで世論調査所におきましてそれぞれ専門家がおりまして、そこで世論調査の設計をいたします。で、そのテーマは何を選ぶかと申しますと、各省から世論調査所に対しまして、今年はこういう世論調査をしてもらいたいという要求が参ります。これを世論調査の中に、これは民間の新聞社その他のかたにお願いしておるわけでございます。委員をお願いいたしまして、そこでセレクシヨンいたしまして、そしてそこでテーマを取上げましたものを設定いたします。そうしてこれにつきまして、まあ大体大学の助手とか或いは講師、助教授のようなかたでございますが、これを全国に常時調査員というような形でお願いしておきまして、このかたを通じてそれぞれアルバイト等を使いまして、又世論調査所から出て参りまして実施いたしております。で、これの関係の企画部門、つまり設計する部門だけを残しまして、そしてその実施のほうを外部へ委託して参りたいというような考えが今度の改正の考え方でございまして、従いまして、国として世論調査の大事なことは勿論前提といたしました結果、又同時に世論調査というものは政府といたしましてもどうしてもやらなくちやいかんというような考え方の結果、その実施部門だけを外部に出すというような考え方でおるわけでございます。従いまして、その実施の方法につきましては、今後外部でいたしますが、従来の設計等の考え方は今後とも継続さして参りたいというような考え方でございます。
○加藤シヅエ君 只今の御説明大変よくわかりましたのですけれども、企画とそれから実施の面とをお分けになります場合に、実際この世論調査をいたしまして、その調査される対象に調査事項を問合せを受けました場合の、そのつまりクエスチヨネアーと申しますか、書き方によつて違つた結果が出て来るわけでございますが、企画実施の面が分けられた場合に、具体的にどういうふうに問いかけるか、その文章をどいうふうに書くかというようなことはどちらのほうに入るのでございますか。
○政府委員(三橋信一君) その点は今までの例から申しましても、私、専門家ではございませんが、今までの例から申しましても当然企画のほうへ入ると思います。但しその際に役人だけで勝手な企画をするということは、従来通りやはり避けて行くような方向でやつて行きたいというように聞いております。
○加藤シヅエ君 その企画の部面に大学の教授とかがメンバーにお入りになつていらつしやるのでございますか、又どこの大学なんかが参加していらつしやるかということが若しわかりましたら……。
○政府委員(三橋信一君) 企画の面に入つておられますかたは、ちよつと十分に資料を持合せておりませんが、私の存じます範囲では五名くらいのかたに企画の面を……つまり世論調査所で事務的に立てました企画をその五人くらいの委員のかたに御相談申上げて、そうして固めておるというような状況でやつておりまして、それを実際に今度調査をいたす段階におきまして、平常から大学の助手或いは助教授程度のかたに指揮をとつて頂きまして、そうして実施しておるというような方法でございますが、御必要でありました只今の委員のかた、或るいはどういう調査員をお願いしておるか、後刻調べまして提出いたしたいと思います。
○加藤シヅエ君 それじやお手数でございますけれども、その資料を一つ出して頂きます。
○主査(相馬助治君) 他に質疑ございませんか。……それでは内閣、総理府関係の質疑を一応打切つてよろしいですか。ちよつと速記とめて下さい。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) 速記を始めて、それでは内閣、総理府関係の質疑は一応終了したと認めます。 次いで文部省関係の予算に関する質疑に入りたいと思います。文部関係からは先ほどの説明に当られた内藤課長のほかに初等中等教育局長、大学学術局長、社会教育局長、調査局長並びに文化財保護委員会の事務局長等が見えております。 なお、この際お諮りしたいと思いまするが、佐多君がこの分科会の委員ではございませんが、文部省関係について質疑があるとのことでございまするが、他の委員諸君の質疑の間に挾んで発言を許して差支えございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(相馬助治君) 御異議ないと認めまして、質疑がある場合にはこれを許可することにいたします。御質疑ありませんか。
○小林武治君 ちよつと伺つておきたいのでありますが、この頃予算総会でよく問題になる原子力の問題ですが、あれに関連しまして、原子核の研究の予算が一億何千万円かあるようだ。ところがこれについては人件費が一つもなくて、仕事を始めることができないということを当事者は言つておるのでありますが、およそこれは人件費がなければ準備もできないし、仕事を始められない、こういうことを言つておりますが、それはそうなつておりますか。
○政府委員(稲田清助君) 只今お述べになりましたように、御審議願つております予算につきましては、建築費と設備費の一部でありまして、人件費が計上されてないのであります。もともとこの原子核の研究所を一年を以つて完成する案は我々としても考えてなかつたのであります。三年ぐらいの年次計画で完成する予定でおりました。ただ初年度の設備費の要求が全部認められないで一部にとどまつたのは遺憾に存じておりますが、建物を建て、設備をいたしまして、準備ができましてから人を入れ運転する、こういう計画にいたしております。
○小林武治君 これは当事者の話を聞きますれば、建物を立て、設備をするについても使用その他監督のいろいろの専門的のことが必要で、そのための人が全然ない、何か方法はないかということを言つておるのでありますが、例えば嘱託手当とでもいうようなそういうことの準備にかかれる人を幾らでも欲しい、何か都合がつかんものかということを聞いて……。
○政府委員(稲田清助君) その点につきましては、この方面の権威者である文化勲章を有しておられます阪大の菊池教授が、東大の教授として兼務されまして、この中心に当られます。なお準備としましては、文部省に研究協議会がございまして、原子核研究所の創設のための小委員会がございまして、いろいろ理論物理、実験物理の専門家が入つておられます。これらのかたの企画の下に当初の設備の計画を進めて参る所存でございます。
○小林武治君 そういうふうな人はあると思いますが、とにかくそのいろいろのこれをまとめるについても必要があるが、非常に困るということで、私どもも惑る程度尤もじやないかと思うので、その点一つお考えを願いたいと思つておるのであります。 なお、私は前々から思つておるのでありますが、これは文部大臣にお聞きするほうがいいのですが、とにかく大学が多過ぎるということが一つの世論とも私は言つていいと思うが、この大学をろくに整備もしないで数だけ殖やしておる。笑い話がありますが、駅弁のある所には国立大学がある、こんなに国立大学のある所は世界中どこに行つてもありませんが、これをむしろ或る程度内容を整備して、それぞれの大学に特色を持たして行くというふうな方向に進むべきであると私は思うのでありますが、文部省の関係におきましては却つて数ばかり殖やす、或るいは学部ばかり殖すとこういう傾向があるが、この点はどういうふうにお考えになつておられますか。
○政府委員(稲田清助君) 現在の各大学の内容不充実の点につきまして御懸念のありますことは、我々といたしましても事実重要な問題だと考えております。勿論文部省といたしましては、今日内容の充実を第一といたしまして、只今お言葉にありましたように、それぞれの特色を出しますことが第一だと考えております。例えば大学院のある大学につきましては、研究という点にその大学の特色の重点を置いて考ますると共に、他の大学につきましては、それぞれの専門に応じまして、社会人、職業人となります人を養成するという大学教育機関としてのそれぞれの特色を見て行きたい。例えば同じ工学部であつても、或る工学部は電気通信、或る工学部は醸造というふうに、それぞれ特色ある点につきましては、特別に事業費その他も考えまして、お話のように特色を出し参りたいと考えております。国立大学につきましては、只今申しましたよりに、格別に定員を増加する方針をとつていないのでありまして、ただ多くは私立の大学であります。御存じのようにこれは或る一定の基準に合格いたしますれば、自由設立主義でございます。ただ、基準に合格しておるかどうかという点につきましては、設立認可の際に大学設置審議会において十分に厳重に審査いたしまして、大学が徒らに力ないものが濫設されるというようなことは防止しておるつもりでございます。
○小林武治君 とにかく私は大学の洪水だと、こういうふうに考えておりますが、国立の大学は或る程度整理するというような気持はないかどうか。
○政府委員(稲田清助君) 従来高等専門学校として二百二十幾つありましたものを新制大学にいたしますときに、相当整理統合という方針の下に七十二に統轄いたした次第でございまして、大学学生の定員も十一万或いは十二万の前後で格別増員になつていない。そういうような点で今日あります国立大学の規模というものが決してこの年齢層の国民の教育機関として厖大であるとは考えてないのでございますが、御指摘のように設備不十分という点はございますので、文部省としても極力努力中でございます。
○小林武治君 これは又局長にお聞きをしてもしようがないとは思いますが、ともかく私は日本の大学の制度というものは非常な中途半端なものであつて、現在の日本の社会的な要求に対しては私はむしろ前の専門学校程度のものが必要である。即ち大学というものを如何にも中途半端なものに、大学と専門学校を混ぜ合せて訳のわからんものにしてしまつた、こういうふうに思つておるのでありまして、いずれの点からいたしましても、私は不完全なものであると思うのであります。而も大学につきましては、非常な不権衡があるために、大学の数が多くありながら、而も一つの学校に集中する。こういうようなことで以ていわゆる学生の就学の機会均等、これらの点から見ても私は非常に不十分な状態であると思つておるのでありまするが、文部省等におきまして、或る程度学制を何とか日本の実情に合うように直すというような研究か、調査か、或るいはそういう思惑なり意図がないかということを……。
○政府委員(稲田清助君) 御承知のように四年制大学の制度ができましたのちにおきまして、例の短期大学制度ができたのであります。短期大学につきましては、その後社会の需要、或いは学生の志望、学校経営者の希望等を考えまして、何回か基準を改正いたしております。最初かなり画一的でありました基準を改めまして、現在といたしましては、より専門的にもなし得ますし、或いは又より一般教育を広く授け得るようにもいたしております。そういうような点でこの短期大学の基準をかなり動き得るものといたしましたことによりまして、お話のように将来はいろいろな需要に応じ得る高等教育機関ができるだろうと考えております。
○小林武治君 大学審議会が相当厳重にやつておる、こういうふうに言われておりますが、私どもが常識的に見れば必ずしも厳重じやない、即ちむしろ濫設に傾いておるというふうに考えるのでありまして、これらの点につきましても、大学を作ることが能じやないというふうに思うので、文部省が何かその辺について再考する余地がありわせんかと私は国民としても考えておるのですが、あなたのほうとしては大学ができるだけ多くなればなるほど文部行政が殖えるというあれがあるかも知れませんが、要するに教育といえどもとにかく国力にマッチする、国の大体の力に合うということが必要であり、又教育には無論経済的なバツクがなければできない。これらの点についてむしろ日本は無理をし過ぎておるというふうにさえ思うのでありますから、重ねて私は大学の濫設、或いはできたら大学の多少の整理廃止というようなことまで一つ断行して頂きたいと私は思つておるのでありまして、その点につきまして、大学はこれでいいのだというふうな考えを固守されておるかどうかということを一度聞いておきたい。
○政府委員(稲田清助君) すべてこれで十分とは考えられないのでありますが、特に教育機関或いは学術研究の機関といたしましては、非常に高い理想を以て考えまするだけに、現在の大学につきましては不満が多いのでありまして、まあ私どもその局にある者は非常に責任を痛感いたしておる次第でございます。で大学の数或いは収容力の問題でございますが、一面高等学校の卒業者が三年前六十万人であつたがもう七十万人になつておるようであります。今進学適性検査を受けております者が四十万人に上つており、而も大学の収容力というものは戦後十一万程度にとどまつております。決してこの収容力は殖えていない、そういう点にも悩みはあるのでございますけれども、無論脆弱な高等教育機関が存続したり殖えたりするということは戒めなければなりませんので、我々は大学設置審議会と協力いたしまして、十分その充実に努めたいと考えております。
○担当委員外委員(佐多忠隆君) 高等学校の生徒の育英資金に関する件でありますが、非常に細かい問題ですが、実は鹿児島県の奄美大島の高等学校ですが、あそこには大島高等学校、名瀬高等学校、大島実業高等学校、古仁屋高等学校、徳之島高等学校、喜界高等学校、永良部高等学校、名瀬女子高等学校等々の高等学校がありまして、それに対しまして大体五千人ぐらいの生徒がいると思うのです。ところが文部省の予算によりますと、これまで大体高等学校生徒百人に対して三人くらいの割合だつたと思いますが、育英資金が月に一人当り七百円くらいで出ているのじやないか。ところが奄美大島は御承知の通り昨年末に日本に復帰をして参りましたので、これに対しましても当然に今年の初め一月から三月、或いは来年度は当然にそういう育英資金が見られて然るべきだと思うのですが、何ら復帰後それに対する処置がなされていないということを言つておるのですが、これはどういうふうにお扱いになるのでありましようか。
○政府委員(稲田清助君) この予算の積算といたしましては、毎年その前年度の統計の高等学校の生徒を基準としまして。パーセンテイジを掛けております。でこの統計基準が奄美大島復帰以前であることは事実でございまして、お話のように積算の中には入つていないのでありますけれども、先般来奄美大島復帰という問題がございまするので、育英会との間におきましてその問題については考慮してもらうようにいたしております。もともと府県単位の高等学校の育育資金の適用につきましては、これは府県教育委員会の御推薦に任せております。鹿児島県教育委員会といたしましては、もとより奄美大島というものを重要な念頭に置いて御推薦があることを期待いたしておりまするが、十分今後その運営につきましては、只今の御注意の点を、注意をいたしたいと思つております。
○担当委員外委員(佐多忠隆君) それはそうすると、二十八年一月からの処置がしてもらえるものというふうに考えてよろしうございますか。
○政府委員(稲田清助君) 過去に遡つて貸費することはこの規定上困難と思います。で来年度予算につきまして、来学年の育英資金の支出から可能だと思つております。
○中山福藏君 日本育英会の問題に関連して一つお尋ねしておきたいのですが、これは選抜方法はどうなつておりますか。
○政府委員(稲田清助君) 大学につきましては、各大学のこれは主として補導厚生部でございましようけれども、各学部から材料を集めまして大学においての順位をきめます。その順位は一つは成績或いはその他人物というふうな点、いま一つはその人が経済的に貸費を受ける必要があるかどうか、この二つの方面から推薦順位を作りまして、それを育英会に提出いたします。育英会に設けられております委員会におきまして、これは学校当事者が委員でありますが審査の上決定することに相成つております。それから高等学校につきましては、大体都近府県教育委員会に選定をお任せいたしております。都道府県教育委員会におきましては、恐らく各高等学校から推薦して参りましたものにつきまして、その順位を見ながら決定せられることだと思つております。
○中山福藏君 この都道府県推薦委員会というもののメンバーをどういうふうにして、私その点研究していませんが、どういうふうにやるのですか。
○政府委員(稲田清助君) これは育英会が、育英会の支部であります都道府県教育委員会に委嘱せられまして、支部ごとにその方針を立てられるわけでありますが、大体は高等学校の教育関係者及び少数の学識経験者を以てする委員会だと思つております。人数は恐らく府県ごとに区々であろうと考えております。
○中山福藏君 これは私の聞きますところでは、非常に不公平だという評判が高いのです。で、地方の推薦委員というものの厳選が必要だという声を非常に聞くのですが、今承わつておりますというと、こうしてるのだろうという推測の御説明に私は聞いたのですが、これは一定の方針というものはきめてないのですか。
○政府委員(稲田清助君) 御承知のように、この法律に基く特殊の法人としまして、その内部規約を以て万事運営せられるわけであります。勿論規程及び業務方法は認可を受けるわけでありますけれども、各支部における委員の規則とか選定方法等は文部大臣としては認可いたしておりません。併し国費を以てする全額補助の団体でございますから、只今のように運営上面白くない実例があるというような御指摘でございますれば、私ども早速育会の当局とよく協議いたしまして、いささかもそういうことのないように十分善処いたしたいと考えております。
○担当委員外委員(佐多忠隆君) さつきの大島郡の問題をもう一点お尋ねしておきたいのですが、遡つて一−三月について措置をすることは不可能だというようなお話があつたのですが、併し第二次の補正予算でしたか、補正予算で復帰に伴つて一−三月の間に十億七千万円でございましたか、特別な支出を奄美大島に対してはやるということにきめて措置したはずですが、その中から今言つたような育英資金その他文部省の関係の措置も同時にやるべきだというようなことは、御要求なり御折衝にはならなかつたのかどうか。
○政府委員(稲田清助君) 育英会の貸付金については補正予算の際には要求いたしませんでした。
○担当委員外委員(佐多忠隆君) それはそういういうもの全体をひつくるめて、生活保護費とか等々のものをひつくるめて十億幾らをばきめたはずです。その中に、そう大した金額でもないので特別にそういう育英資金にも振り当てるように御折衝になつて然るべきであつたと思うのですが、それはなされなかつたのか、非常に怠慢なように考えられますが、その辺はどういうふうなお考えですか。
○政府委員(稲田清助君) その点につきまして御指摘がございますれば、何とも申しようがないのでございますけれども、私どもといたしましては、当時の補正予算には計上いたさなかつたのであります。
○担当委員外委員(佐多忠隆君) その使途については細かにはまだそう配分もしてないし、実際の運用上若干使う余地があるのじやないかと思いますので、改めて一つ御折衝願つて、一—三月の分も成るべく措置をするように、それから更に二十九年度からは落ちなくこれも措置して頂くように配慮を願いたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 只今の奄美大島復帰に伴う予算は御承知の通り十億でございますがその中には育英資金の分としては特別に入つておりませんでした。ただ年度が終りになりまして、全部計画済みでございまして、一−三月の分を出すということは事実上困難かと思います。来年度以降につきましてはお話の趣旨もございますので、できるだけ善処いたしたいと思います。
○高橋衛君 先ほどの御説明の中に育英資金の制度について、新たに大学のものについてであろうと思いますが、新たに月額一万円の特別の奨学制度を設立したという御説明があつたのですが、これはどういうものでございますか。
○政府委員(稲田清助君) 従来御承知のように特研生というものがございまして、特別に研究者として大学に残る。或いは研究所に残ります人たちに対しましては、相当研究費も嵩むことである。又相当長期に亘つて研究することでもあり、又償還いたします場合にも、これは研究者でありまするので、償還がなかなかしにくいというようなことで、別扱いにいたしておつたのであります。新しい大学ができまして、修士課程博士課程ができまするが、そのうちに特別に優秀な人で大学に残つて将来先生になるというような人たちのために特別に一万円という単価を以て貸付けまして、将来その人が大学その他研究所におきまして研究者として残ります場合におきましては、その間償還を猶予し、遂には免除する。こういうことによつて研究者を確保いたしたい。こういう制度でございます。
○高橋衛君 そういたしますると、この制度は大学の教授、助教授要員として残るか、又は研究所の職員として残るか、そういうような人に対する制度として設けられたもので、それ以外の人には均霑されないのですか。
○政府委員(稲田清助君) それ以外の大学、医学生につきましては六千円単価の貸付金があるのです。そのうちの一部の人たち、極く優秀で将来研究者として残る人たちに対しては特別に一万円、こういうふうに考えております。
○藤原道子君 育英資金の問題でございますが、あの金額が今の物価に比例して妥当とお考えでございましようか。余りにも少額のために折角選ばれた最優秀な人々が過労のために結核に侵される人々が随分多いと聞いているのですが、これに対して文部当局の御意見を伺いたい。
○政府委員(稲田清助君) お話のように育英資金を今日の経済情勢に応じて考えまする場合に、一面において単価を上げまするということ、又今日学生生活をいたしております者で、育英資金なりアルバイトの収入に仰がなければならないという者がだんだん殖えるという状態から考えますれば、その数を殖やすということと単価を上げることと、この二つは非常に必要なことと考えまして、文部省といたしましても或る年は数を殖やし、或る年は単価を上げてここ数年におきまして十四、五億から御承知の四十億近くまで増額して頂いて来ております。勿論我々といたしましては、一気に単価を上げ人数も殖やしたいのでございますれども、まあ全般の財政の点から見まして、特に育英会の関係の費用は特別年々増加して必ずしも少くはないと思いますけれども、まあそうしていろいろな面を充実して参つておりますが、まだ十分でないことは御指摘の通りでございます。
○藤原道子君 こうした大学で、一般の学生もアルバイトは多いのでございますが、特に育英資金などを受けておる人たちは非常に無理なアルバイトをやつておるのですが、その健康を害している人たちのパーセンテージはおわかりでございましようか。
○政府委員(稲田清助君) アルバイトをいたしておりますのが七五%内外ということは大体調べております。ただ学生の健康を害しておるという数字は私只今ここにちよつと持合せてございません。
○藤原道子君 あとでお示し願います。
○湯山勇君 最初に小林委員の御質問と関連しまして、原子核研究所についてですが、最初文部省はどれだけ御要求なさつたのですか。
○政府委員(稲田清助君) 当初要求いたしましたものは三億三千万円でございます。で今日認められましたものとの開きは、主として設備費でございます。只今認められておりますのは要所を加速いたします機械の一部でございます。更に相当まとまつた金額といたしまして大きなマグネットが必要でございます。そのマグネットまで加算いたしましたものを最初は考えて頂きたいと思つておつた次第であります。
○湯山勇君 設備費の中で設備すべきものの中には建築と同時にして行かなければならないものもあるやに聞いておりますが、そういうものは見られておるのでございますか、一億三千万円の中に……。
○政府委員(稲田清助君) それは必ずしも建築と同時にしなければならんというものでなく、むしろ建築が相当程度できあがりまして、設備するというのが順序だと考えております。それで只今の点につきましては、まあマグネツトあたりができれば早ければ早いほどいいのでありますので、今予算にお願いしておりますような方法を以てして、将来の実現が不可能だというような状況ではないと考えてあります。
○湯山勇君 これは常にそういうことは言えると思うのですが、設備と建築と同時にやつて行けば、二度手間を食わないで済む場合がある。建築は建築でやつて行つて、又設備をするということになれば、既存のものを壊したりしていろいろ問題が起こつて来ると思うのですが、そこで建築と同時にやつたらいい、最低限のものは。そういうようなものはちやんとできるようになつておりますか、これで……。
○政府委員(稲田清助君) その点は支障ないようにできております。
○湯山勇君 それでは次に、今直ちに仮に予算が修正になるとか、或いは原子炉予算をここで一緒に使うというようなことになつたとして、三億三千万円の限度において受入態勢は文部省としてはあるわけでございますか。
○政府委員(稲田清助君) 三億三千万円というのは初年度の要求額でございまして、先ほどお答え申上げましたように、最初から一年で仕上げる計画でない。でき上りといたしましては九億七千六百万円と考えられますし、私はその点増減はあろうかと思います。今三億頂いたからすぐ運転ができるものではないのであります。
○湯山勇君 そういう意味のことをお聞きしておるのではなくして、九億七千万円の予算で出発して、本年度に三億三千万円要求したのが一億三千万円に削られた、そうでしよう。直ちにその一億三千万円が三億三千万円に今膨らんだとするのです。原子炉の予算とも関連がありますから三億三千万円に今直ちに膨らんだとしても、研究所のほうとしては消化するだけの用意があるかどうか、こういうことをお聞きしておるのです。
○政府委員(稲田清助君) お話の点は大きなマグネットの設備ができ上ることになるだろうと思います。それは勿論そういう予算がございますれば、実現は可能だと思います。
○湯山勇君 私は十項目ばかりありますから、どなたかお急ぎになるなら適当にお挾み下さい。 次にお尋ねいたしたいのは、公立中学校のこの説明によりますと、公立中学校の整備基準を〇・七から一・〇八に上げたという御説明がありましたが、中学校だけで小学校のほうは従来通りでございますか、〇・七でございますか。
○政府委員(近藤直人君) 〇・七坪の基準を一・〇八坪に拡げましたのは新制中学でございます。新制中学の施設のために国が補助金を出しておるわけでございますので、小学校についてはございません。
○湯山勇君 小学校の危険校舎、その他のいろいろ文部省のほうで補助するものがありますが、それは従来通り〇・七坪でございますか、何か昨年上つたということを聞いておるのですが。
○政府委員(近藤直人君) 危険校舎につきましては、これは小中学校を含んでおります。で、その基準は昨年までは小学校が〇・七坪、中学校が〇・九坪でありました。それを本年から小学校が〇・九坪、中学校が一・〇八坪に引上げましたわけでございます。
○湯山勇君 次に積雪寒冷湿潤地域の中学校に対する屋内体操場というのが御説明の中にありましたが、これは小学校の分はどういうふうにお考えになつておられますか。
○政府委員(近藤直人君) その屋内体操場につきましては、考え方といたしまして、一応新制中学と同様な意味で以て今日まで助成して参つておりますので、従つて、その対象は中学校でございます。これにつきましては、一人当り基準坪数は〇・二坪でございます。
○湯山勇君 今の場合、小学校については何ら考慮がなされないのですか。
○政府委員(近藤直人君) 小学校についてはございませんが、併し要望が相当ございまするので、私どもといたしましては、将来そういう点についてもなお予算の措置、その他について研究いたしたいと考えております。
○湯山勇君 私はむしろ、これも当然あの小さい小学校の生徒について特に考慮されなければならないと思いますが、その点は十分御考慮を願うことにして、更にそれと関連してお尋ねいたしたいのは、必ずしも積雪寒冷湿潤という条件ではなくて、非常に風が強くて、海岸、半島等の学校等は砂が入つて、むしろ積雪寒冷湿潤地帯以上に戸外の運動のできない所があるわけですが、そういう所については、現在のところ考慮される予定はございませんか。
○政府委員(近藤直人君) 屋内体操場につきましては、只今予算で認められておりますのは、御指摘の通り積雪寒冷湿潤地帯でございます。積雪と申しますと、過去五年間の平均によりまして、冬季三ヵ月間百センチメートル以上、それから寒冷は、やはり同じく過去五年間の平均で冬季三ヵ月間零度C以下ですか、それから湿潤地帯につきましては、年間を通じまして降水日数が百八十日以上、そういうような基準がございまして、只今大体全国で二十三道府県と記憶しておりますが、そこで今御指摘のございましたように、只今暖かい地方でも、例えば熊本県の阿蘇附近とか、或いは和歌山県の田辺地方で非常に雨が多いというような地方にもこれを適用して参りたいという要望が非常に多いのでございます。それらの点につきましては、只今の基準がございますので、それと照らし合せまして、できるだけ多く対象に入れたいという程度でございますので、只今の予算の措置の上といたしましては、どうもその程度でとどまることも止むを得ないのじやないか。将来といたしましては、勿論いろいろ要望がございますので、私どものほうといたしましては、できるだけ広くこれを拡張いたしたいと考えております。
○湯山勇君 これは今お話のありましたように、積雪寒冷湿潤の基準はありますけれども、その基準というものは一つの形式にしか過ぎないのであつて、実質はどれだけ授業のできない日があるかということが重要だと思いますのでたとえ一つ一つの条件はそれに到達していなくても、総合すればそれら以上に授業のできない所もあると思いますから、この次に御検討になるときは、こういう一つ一つの枠を外して、実質的な面からやつて頂ければ、当然風の強い所も入ると思いますし、総合してそれに該当するというものもできて、却つてそのほうが合理的だと思いますから、そのように御検討頂きたいと思います。 次に産業教育についてですが、産業教育の振興費の配分は、従来は一定基準以上の学校に対してなされておつたと思うのです、つまりその学校の施設が或る基準に達してない、悪いものに対してはなされていない、こういう状態であつたと思いますが、今回の場合はどういうふうになつているのでございますか。
○政府委員(緒方信一君) 今年度におきましても、大体前年通りの計画でやつて行きたいと考えております。
○湯山勇君 そういたしますと、一定の基準以上のものは、この奨励金をもらつてますますよくなつて行く。ところがそのレベルに達していないものは残されて行つて、その開きがますます大きくなつて来ることになるわけです。これは教育の機会均等なり、文部省が奨励している学校の学区制ですね、こういう問題から言つても非常に問題は大きいと思うのですが、本年の産業教育振興費の配分について御考慮になる余地はございませんか。
○政府委員(緒方信一君) これは昨年も同様な方針でございましたが、非常に設備の現在程度の低いところに補助いたしますよりも、若干基礎のできているところを引上げてやつて行く、そつちから先に手をつけて行く。こういう方針でやつておりまして、効果の点から申しましても、今年度も大体そういう去年の方針を踏襲して行きたいと思います。
○湯山勇君 議論になることはこの分科会では避けたいと思いますけれども、地方の実情を局長はよく御覧頂きたいと思うのです。で、現在は文部省のほうで御奨励になつている学区制で生徒は学校を任意に選ぶ権利を持つていない。それでこの機会均等の原則から申しましても、而も設備がいいとか悪いとか言いましても、これは文部省の基準によつてちやんとこの法律になつている、法律ですから、それをこれは現在の段階が悪いから放つて置く。これはレベルに達しているから一層よくして行くというのは、如何にも納得できないので、本年度の振興費の配分については従来通りとおつしやいますけれども、これは重大な問題でございますから、再検討を是非お願いしたいと思います。よろしうございましようか。
○政府委員(緒方信一君) 研究いたしたいと思います。
○高橋衛君 只今の問題に関連して、私も一つ御意見なり御説明をお願いしたいと思うのでありますが、只今いわゆる高等学校の入学について学区制というものがきめられている関係上、特に田舎におきましては、殆んど高等学校によりましては競争試験が全然ない。又そういうふうな田舎の高等学校の中では、いい教育を得ることが困難であるというような関係からしまして、それらの高等学校を出ました生徒は、例えば東京の大学に入るというふうな場合におきましては、殆んど一人もいい学校に入りきれんというような実情がどんどん起つて参つているのであります。私個人の意見としましては、むしろ県なら県全般に学区制というものを開放して、そうして自由に競争さして、そうしてそれぞれ自分の特色とするところの教育を受けさせるということにすれば、そういうふうな欠点も除かれるのじやないかと思われるのであります。現在そういうふうに上級の学校に進学することが入学試験の関係上到底困難であると思われるような場合におきましては、父兄は、又は本人は止むを得ず東京の高等学校に高等学校の時代から連れて来て、無理をして入れて、そうしてやつているというふうな事例が相当多いのでありますが、こういうような学区制というものを、例えば県全般に開放するというような御意見はおありじやないでしようか。又そういうふうな欠陥をお認めになつておられるかどうか。この点についての御説明を願いたいと思います。
○政府委員(緒方信一君) 学区制を立てておりますまあ基礎は、根拠は只今お話がございましたように、やはり教育の機会均等という建前からいたしまして、まあこの制度を維持しているわけでございます。今お述べになりました学校差というものが事実上できまして、非常に或る学校には志願者が集つて、入学試験等も苛烈になつて行くというような傾向はあるようであります。併しながら私ども文部省の方針といたしましては、やはり機会均等という原則を貫きたいという程度のことは考えておる次第でございまして、いろいろ派生いたしまする弊害等もあろうかとも存じますけれども、このほうは又いろいろ入学試験の方法について十分検討いたしまして、弊害は除去したいと考えております。只今のところ学区制を開放いたして行くという考え方はとつておりません。
○高橋衛君 只今そういうふうな弊害の点を除去するように何とか考案したいというお話でありますが、その具体的な方策がありますか。
○政府委員(緒方信一君) 入学試験の方法等につきましては、いろいろまあ無理な方法がとられるような傾向も若干あるようであります。これは従来からとつております、学校におきまする全県一斉に行います学力の検定と、それから学校の内申書を同等に見てやつて行く、こういう方針をとつております。これがややもしますと、若干崩れそうな傾向にあるのでありまして、これは依然としてそういうふうな方針を、従来の方針を堅持して行きたいと、かように考えておる次第であります。そのほかいろいろ検討いたしたいと思いますが、学区制につきましては従来の方針をとつて行きたいと考えております。
○小林武治君 今のに関連してですが、今の学区制の問題ですが、私もおよそ終戦後これぐらい個人の自由を制限している制度はないと思つているのですね。機会均等というのは、行きたい所へ行くのが機会均等じやないか、実際にこれくらい窮屈なものはない。地方では不便を感じておる。私は思い切つて学区制というものは廃止すべきものであるというふうに思つておるので、これを廃止しましても別段これはそう弊害はない。大体その学校へ近所の子が行くにきまつているのですから、それで却つて一部の人の希望を極端に制限する、こういう結果に陥つているので、若しこれは法律上の根拠があるかも知れんが、あつたならば私はむしろこれは廃止すべきだというふうに思うのだが、今のあなたがたのお考えでは、どういう方法をとつても今の弊害を除去する途はないというふうに私は考えておる。重ねて私は一つ文部省再考を促したいと思う。
○主査(相馬助治君) 緒方君の答弁の前に私も関連してお聞きしたいのですが、高橋委員の質疑に対して、競争試験等については逐次適切なる途を選びたいという答弁だが、現実無視でいよいよ競争試験は激しさを加え、進適検査等もやめるのだということまで言われておるので、どうか今の小林委員の質問にお答え頂く場合には、現状を把握されて、この学区制のことについて或る程度明確な答弁を私は頂きたいと思うのです。
○高橋衛君 ちよつとその答弁の前に、もう一言附加えておきたいと思いますが、先ほど湯山委員からの御質問にもあつたと思いますが、田舎の学区制におけるところの高等学校の教育の実情を見ておりますると、最近は高等学校の学区制というものは、大体小都市と、それから農村、相当大きな区域の農村を含んでいるというのがその実情であると思うのでありますが、ところがその教育の内容はどつちかと申しますと、これは或いは語弊があるかも知れませんけれども、そこに勤めておられるところの先生方の興味によつてきめられるというふうな傾向も相当にある。而もそれはどつちかと申しますと、非常に都会的な傾向を持つておるという感じがするのであります、言い換えれば、昔の場合におきましては、県に一つあるところの農林学校にどんどん行ける。又は工業に行きたい人は工業高等学校に行ける。染色を中心にした学校にも行ける。又その時分の高等学校には、農業を中心にした学校に行きたい者は、それぞれその特色を持つて、父兄が、自分が選びたいところの学校を選ぶことができるということになつておつたわけなんでありますが、現在においてはなかなかそれが画一的になつてうまく行かない。その点が非常に大きな欠陥であると思うのであります。同時にいやしくも上級学校に行こうとするというところの青雲の志を持つておる青少年というものがすつかり前途を阻まれる。曾つて自分の父兄たちはどんどん東京の大学に行けたのに、自分たちは何回受けても受からんという者が出て来ておる。これは現実の問題として随分出て来ておるのであります。そういうことを、こういう欠陥を確実にこの通り救済できるのだといつた方途があるならばお示し願いたいし、そうでないならば、この問題は即刻に一つ御検討をお願いしたいと思うのであります。
○政府委員(緒方信一君) 先ほど私がお話申上げましたのは、原則的なお話を申上げたのでありますが、只今もお話が出ましたが、職業課程の学校等につきましては、現在すでに県によりましては相当緩和して、全県一区だといつた制度をとつているところもあるのでございます。いずれにいたしましても、いろいろ御意見のあるところは私どもも十分わかるのでございますから、一つ十分検討いたしてみたいと思います。
○湯山勇君 いや、今の問題は単に学区制とかいうだけの問題じやなくて、総合性の問題がありますね。高等学校の総合性の問題、それからまあ今の進学の、高橋委員から御指摘のあつた入学選抜方法、こういつたものとの関連かありますから、部分的な膏薬貼りをやつて行つたのじや永久に解決しないと思います。抜本的にこの際一つ文部省としては検討されることを私もお願いしたいと思います。 それから次にお尋ねいたしたいのは、青年学級振興費ですか、六千六百万円というのが組まれておりますが、これは一市町村に割当ててみますと、大体五千円程度にしかならないと思うのですが、一体これでどうなさるおつもりでしようか。これくらいで青年学級振興の目的が達せられるというように文部省はお考えになつておりますか。承わりたいと思います。
○政府委員(寺中作雄君) 青年学級の運営費の単価でございますが、御指摘のように決して十分とは考えないのでありますが、もともとこの社会教育の施設でありますので、市町村の公費を以て相当額を町村の自主的な青年教育の熱意によつてやつているのでありまして、それを補助、奨励するという意味でございまして、本年度の補助金から、大体必要経費の四分の一というような基準で補助をするという形になつているのであります。財政のいろいろむずかしい時期で、私どもとしまして十分とは考えませんけれども、何とかそれでやつて行きたいし思つております。
○湯山勇君 こういうふうに政府が補助する額が少いということは、当然査定が厳重になるということを意味しておりまして、そうすると、私本法案ができるときに心配した、このことによつて自主的な青年、或いは青年団活動が、青年学級活動が縛られるのじやないか、拘束を受けるのじやないかという懸念があつたわけですけれども、だんだんそういうことになる懸念が多いと思うのです。と同時に昨年はまあまあでき初めのことだからというので、少い額で辛抱したと思うのですけれども、併し二年目になつてなお且つこの状態では、これは青年学級に対して失望する虞れがあると思いますが、何かそれに対しての対策はお持ちでしようか。
○政府委員(寺中作雄君) この青年学級は、もともと学校に行けない青年の非常な向学的な熱意によりまして自主的に発生したものでありまして、従来補助がなかつた時期におきましても、まあ青年がポケット・マネーを集めて、お互いに相寄つて勉強する形で発生をして参つたのでありますが、そういうことが国家的見地から見ましても大いに奨励すべきものであるという意味におきまして、補助金を出すということを昨年からやつておるわけでございます。補助金が少いということは青年に対して誠に気の毒と思うのでありますけれども、そこは又必ずしも財政的に豊かでないところに却つて向学の熱意がますます旺盛になつて来るというような点もあるのではないかと考えるのでありまして、私どもとしましては、勿論できるだけ補助金の増額に努めたいとは思いますが、或る程度は青年の向学心に期待いたしまして、この学級の正しい運営奨励を図つて行きたいと考えております。
○湯山勇君 額が少ければ向学心が湧くというのは、貧乏な家の子供がよく勉強するというのと政府の補助が少いのとは別問題なんです。そういう話ではなくて、本当にやるなら本腰を入れてやるし、やらないならさつぱりやらない、そうでないと、こういうことにしておいて、而もこれについてはいろいろ法制的な制約があるということになると、却つてそのことは青年たちの自主的な向上心を阻害するという懸念も多分にありますから、一つこれも十分ご検討願いたいと思います。次にお尋ねいたしたいのは、学術振興についてですが、現在大学の先生がたは研究費が少くて非常に困つております。大体文部省としては一人当りの研究費というのをどれくらい見ておるか、おわかりでしたら一つお答え頂きたい。
○政府委員(稲田清助君) ちよつと席を外しまして御質問を承わりませんで大変恐縮でございます。国立大学の研究費は講座研究費と教官研究費に分れております。講座研究費は非実験講座と実験講座と臨床講座に分れております。非実験講座は一講座当り二十七万四千円でございます。実験講座は一講座当り八十万二千円でございます。臨床講座は一講座当り八十七万円でございます。それから教官研究費のほうは、これはいろいろ区分がございますけれども非実験学科は、教授一人七万四千円、助教授四万一千円、助手二万二千円、実験学科は教授一人二十万八千円、助教授が十二万五千円、助手が三万四千円。御質問を承わりませんでしたが、大体これでよろしうございますか。
○湯山勇君 結構です。これは、一つの講座についても非常にたくさんの教授、助教授、助手がおりますので、実際は学会に出席することさえも非常に困難であつて、私費を出しておる。殊に助手なんかはそれが少い。将来の学界を背負つて立つ助手諸君にそれが少いので、教授の人たちが自分の費用の中から割いておるというのが大体実情だと思うのです。又その上に、それだけならまだいいのですけれども、講座研究費、教官研究費、これを全部教官講座に渡していない。途中で事務当局が、その研究費に対する事務だというので、相当額をとつておるという事実を局長は御存じでしようか。
○政府委員(稲田清助君) 第一段の教官の研究旅費は講座研究費以外に積算いたしておるのでございます。決して多額であり、十分ではないのでございますんですが、とにかく旅費は旅費として区分いたしております。又お話のように、講座研究費が他に使われるという点でございまするが、恐らくこれは各教室、講座でいろいろ実験、実習をいたします場合に、電気も使い、水も使い、或いはガスも使い、乃至はその他の費用を使う。こうした点は共通に経理、支払いたします便宜上、大学の本部でとめおいて経理いたすような次第でございます。いずれも研究或いは教育以外の費用に使うような事実はないと存じまするけれども、いわゆる講座研究費というのは、御承知のように予算積算の基礎でございまして、全体を校費として運営いたしますものでございまするから、そうした点について或るいは非常にその区分がはつきりしなく響くわけでございましようけれども、まあそうした主としたる原因は、光熱水費その他の共通経費と私どもは承知いたしております。
○湯山勇君 それは大変な認識不足だと思います。実情は決してそういうものではないのです。研究旅費とおつしやいますけれども、その旅費だつて殆んど使われておりません。教授個々には、これは学校の幹部と申しますか、上のほうの人々はたびたび出て来なければなりませんのでそういう旅費は保存されております。それから今の研究費の、何と申しますか、中間でロスされるものも相当多額に上つておる。若し局長がその点お確めになるのでございましたら、末端の講座の主任なり教授、にお聞きになつた場合に、自分のは何ぼ来ておるのか、それさえわからない人がたくさんございます。これは非常に大きな問題でございますから、正しくそれらのものが使われるように、何がなくてもこんな乏しい費用でございますから、十分に一つ御留意を願いたいと思いますのと、そうしてこの経費は余りに安過ぎますから、是非今後増額して頂きたい。 大臣がお見えになりましたので、私大臣にお尋ねいたしたいと思います。学校給食法を文部省としては考慮しておるということでございますが、今国会に必ずお出しになるかどうか、はつきりお答え頂きたいと思うのです。と申しますのは、先般事務当局に伺いましたところが大臣は出すようなおつもりでおるけれども、我々として、ははつきりお答えできないということでございますから、大臣から直接伺いたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) 出すつもりで今案の用意をしております。大体案もできておりますし、間違いなく提案するつもりでおります。
○湯山勇君 その際現在予算化されておるものだけで十分でございますか。
○国務大臣(大達茂雄君) これはまあどの規模の、どの範囲に亘つての給食をするということを法律案の上に明示するわけではありませんから、従つて、無論希望としてはできるだけ広く給食が普及するようにしたい、こう思つておりますけれども、法律案自体としては、まあその規模をはつきり法律に書いてあるわけではありませんから、予算のあるだけでやつて行く、まあ伸縮自在で、予算が殖えれば殖えるほど法律案の趣旨は徹底するわけです。
○湯山勇君 折角法律ができましても、法律ができなくても、実質的に同じだという状態ではこれは困ると思うのです。ですから、法律をお出しになるのであれば、何か法律が出ただけの効果があつたというように整備して頂きたいと思うのですが、如何なものでございましようか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは現在予算で、金額はともかくといたしまして、例えば無償にする範囲とか、ミルクはどう、小麦はどう……、現在給食しておりますその点は今度変更することになつておりません。これはまあ予算の措置が伴わないで、法律だけが先行しても予算と合さなければならんものですから、そういうわけでございまして、法律案をこしらえるということは将来ただ予算措置ということでなしに、はつきり国の施策としての形を整えまして、同時に又将来給食を普及して行く、こういう気持を少し強く言い現わして行きたい。こういう考え方でありますので、これは当然に予算を伴わなければならんことでありますから、二十九年度の予算にきめられたそれ以上のことは法律案を出しましても急速には行かない。ただこれを基礎として将来学校給食の普及ということに文部省と言いますか、政府の施策を進める基礎にしたい、こういう考え方であります。
○湯山勇君 折角法律ができるのでございますから、一つ目に物を見せるように御措置頂きたいと思います。 次に大臣は昨日もお話がございましたが、地教委の育成強化ということを常々おつしやつていらつしやいますが、二十九年度の予算を見ますと、地教委に関する費用が昨年度の三分の二ぐらいに減つております。つまり二百三十八万ですか、減額になつておると思うのですが、私の勘違いでしようか、実際減額になつておりますか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは減額になつてはおりません。二十八億程度のものが項目の中に見込んでありますので、昨年から見ますと四億程度の増額計上になつております。
○湯山勇君 この文部省からお出しになつた資料の項目の中では減つておるようですが……。
○国務大臣(大達茂雄君) これは地教委の経費はこの交付金の中に見込んでありますから。
○湯山勇君 それじや昨年は俸給も見込んでおつたのでございますか。
○国務大臣(大達茂雄君) その通りです。
○政府委員(内藤誉三郎君) お尋ねの点でございますが、今大臣が申上げましたのは昨年は平衡交付金に地教委の運営費として二十四、五億程度見てあつたのですが、それを二十八億ほど増額して見込んであります。 それから今お話の点は多分この文部省から配付しました資料の分かと思いますが、地方教育委員会の育成というのがございまして、前年八百七十四万四千円が九百六十六万三千円と約九十一万九千円だけ殖えておるのであります。そのうちの一の教育委員会の運営指導といたしまして二百三十八万一千円の減になつておりますのは、これが今御指摘の点かと思いますが、これは教育委員会の事務局の職員の研修費なんでございます。前年一府県二カ所でやつておりましたのを一ヵ所に縮めてやつたわけでございます。開設個所を二ヵ所にいたしますといろいろ却つて講師の派遣や何かで困る点もございまして、一ヵ所に集めて節約して、その代り他の面で増額をいたしておるのであります。
○湯山勇君 今の点はなお私もよくあとで調べて見たいと思います。 それから次に教職員研修費、これも同じように減額になつておりますが、これはどういう理由によるのでございますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 教職員の研修費のうち、最初の分は認定講習の旅費の補助でございます。三分の一を従来補助しておりましたが、免許法の制定以来過去数ヵ年間実施いたしました関係で、相当単位数が減少したことが一つと、いま一つは教職員免許法の改正によりまして単位数が相当減少いたしました。特に経験年数を重視いたしますので、その関係で単位数が約三分の一ぐらいに減少するのであります。それに伴いましてこの研修費が減額されたのであります。それから認定講習の旅費の補助につきましては単位数が減りましたので、大体三千万程度でありますから、これを六十万の教職員に配りましても非常に僅かになりますので、これは落したわけでございます。
○湯山勇君 三千万を六十万の教員に割つて僅かになるとおつしやいますけれども、決して少額じやありません、分けましても。これは非常に御認識が足りないと申しますか、浅いというようにしか見えないと思うのです。それからもう一つ基本的な問題ですが、認定講習で単位をたくさんとつたからもういいというような意味の御説明ですけれども、認定講習というのは必ずしもその免許とは関係なくて、これは再教育の意味を含めたので、免許資格がどうなろうがやはり再教育は受けなければならんのだというような意味の指導を文部省は当初されたわけです。そしてこのことは教師が研修して行くには非常に必要だからというのでやつて来られたのですが、今になつて見るとこれは免許との関連においてこういうふうに削るということになると、首尾一貫しないし、又いろいろ教職員の質の問題、それから生徒児童の学力の問題、こういうことが問題になつているときに、仮に免許状はとつてしまつたといたしましても、免許状とは関係ないにしても、教職員の研修ということはしなくちやならないのじやないか。そういうことをしないから教職員がこれは文部省のほうでやつてくれないから自発的にやろうというので教研大会をやつて行く。これの費用は莫大なものです。ところがやつた教研大会については警察官が行つて思想調査をする、こういうことになつたのでは、一体教育者は何によつて資質を向上して行くか、どうやつたらいいか、誠に以てこれはけしからんやり方じやないかと私は思います。これは非常に重要な問題だと思いますから、大臣から一つ。
○政府委員(内藤誉三郎君) 事務的のことを先に私から。実はこの教員研修の旅費につきましては、義務教育費国庫負担法の中で年額一人当り四千円の額を見込んでおりました。研修費の旅費についてはそちらから出ることになつております。
○湯山勇君 そういうことを言われると困るのです。昨年も同じです、四千円出ているのは。昨年も四千円出て今年も四千円出て、減つているのはここだけですから、それとのからみ合せは御説明にならない。
○政府委員(内藤誉三郎君) 実はこの旅費につきましては大蔵省の当初の案は、私のほうも全部これは二割節約ということで、物件費の節約とからみまして二割の節約方針でありましたが、特に義務教育の教員につきましては重要なために節約をしないで頂いたわけです。
○湯山勇君 これも実情を見て頂きたいと思うのです。一年間に教員が四千円で果して行けるかどうか。東京のようなところでは又別です。併し何と申しますか、その県内の県庁所在地に行くのに泊りがけで行かなければならない町村が随分あるのです。これらも含めて、そうして一人当り四千円。お互い国会議員のたつた二日の滞在費ですよ。これで一年間教員に辛抱せい、これが一年間の旅費だ、こう言つておいて、又それを二割削るということは言える柄でもないし、言える筋合いでもない。あなたがたが御出張になつたときに一体どれだけとるのか、文部省の事務官のかたが出張したときどれだけ旅費をおとりになるか、これから御判断願えると思う。そうすると四千円、二割削られて八百円削られるところを八百円殖やしたのだから辛抱せいということは、私は文部省の役人の言う言葉じやないと思いますが、如何ですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 旅費の点につきましては従来から非常にやかましく言われまして、旅費の節約にいつも私どもも困つているのですが、決して本省のほうでも多くの額ではないのでありまして、一人当りにいたしますと全省員で割りますと、やはり旅費が同じくらいだと私は思います。そこで文部省の場合には全部の人が出張するわけでもございません。必要なときに出るわけでございます。教員の場合にも研修をなさる場合に全員がなさるわけでもないし、何交替かになると思います。四千円は私ども決して十分だとは考えておりませんが、できるだけ増額いたしたいと考えておりますが、今年のような節約のときには止むを得なかつたと思います。
○湯山勇君 そうおつしやればよくわかるのです。併しさつきのようにこの四千円残しておるのだから辛抱せよという言い方だと承服できないのです。 それから実際はこれも御説明頂きたいと思うのですが、教員の旅費はこれだけでは到底足りないので、PTAなり何なりが相当多額に持つているのです。そこでPTAがそういう負担をすることが教育自身に対する干渉になつて現われておるし、又町村当局が相当旅費を持つております。そうすると町村が教員の旅費を持つとその元締をやつているのは助役なんです。それが教育長を今度は兼務しているということになりますと、昨日大臣は助役にそういうことはないと申されましたけれども、実際は助役が教育委員会の実権を握つております。そうすると助役というのはどんなのかと言いますと、町村長と一体ですから、町村長は何らかの政党的な色彩を持つておりますから、その政党に繋がつた助役が教育委員会の実権を持つているということになるから、今問題になつているように、教育の偏向とか、何とかいう問題が起つているのです。実際若し本当に冷静に、而も助役が教育長でなかつたらああいうような問題は恐らく起らなかつたと私は思うのです。そういうようなことは今日は申上げるつもりではありませんが、ただ研修費をこれだけ削つたということは、私はどうしても納得行かないのですが、これは予備費とか、何とかから操作してもらつ、そしてもつと教員たちが本当に研修できるようになさる、何と言いますか、努力をして頂けるかどうか、これは大臣から一つ御答弁を頂きたい。
○国務大臣(大達茂雄君) 御尤もでありますが、実は研修費につきましては大蔵省の査定に対して相当な折衝を重ねまして、結局ここに計上してあるような額になりましたので、予備費ということになればこれは特別な事情が起れば別でありますけれども、予備費で予算の復活、予算の査定当時の復活を予備費で見て参るということは通常ないことでありますし、これも御尤もでありますけれども、なかなか実際は困難な問題であります。特に特別な事情が起つて来ればこれは別だと思いますが、なかなか簡単にそういうふうな措置を講じたいということも、実はこれは結局無責任になりますからお答えいたしかねるわけであります。
○湯山勇君 予備費の問題は昨日は厚生関係については大蔵大臣も考慮する、生活費については考慮して決して迷惑をかけるようなことはしないというように答弁をいたしておりましたし、本年におきましてもなお数千万でございますか、予備費が残つておる。それはまだ使途がきまつていないというようなことも申しておりました。いろいろありますけれども、今申上げましたような実情をよく話せば大蔵大臣もこれも又木石でもございませんと思いますから、大臣が誠心誠意当つて頂けたら何か打開の途もあるのじやないかと思いますので、この点については一つ大臣の御善処をお願い申上げておきたいと思います。以上で終ります。
○中山福藏君 折角分科会を開かれましたから大臣にちよつとお伺いをしておきたいのですが、実はこの聾学校とか、聾唖学校とかいう名前は皆予算面に現われているんですが、ところが百万を数えております吃音者に対する学校の設備というものはないわけですね。これは大体百万人ぐらいいるんです。で、ドイツのこの状態を研究して見ますと、相当にこれはうまく国家が世話をしているわけです。ところが日本ではもうこれは放りぱなしです。で、先だつて新聞に出ておりましたように、中には自分は不具者じやないかと思つて自殺する人があるわけです。湯山さんが非常にこの点に力を入れられて相当直つた人がある。こういうことは新規の事業として将来文部省でおやりになるということも必要ではないかと考えております。非常に卑屈になるんですね、吃音者というものは…、それで結局神経衰弱とかいろいろなものになりまして、社会的に非常にすべての行動が鈍るというようなことになつておりますが、どうか大臣一つお考え下さいませんでしようか、こういうことについて……。
○国務大臣(大達茂雄君) これは実は文部省でやつておらんことでありまして、中山先生のおつしやることは大変御尤もでございまして、今後一つ研究してできるだけ吃音者の矯正の方向へ進みたいと思います。
○中山福藏君 これは一人で五万人ぐらい直している人があります。で、実はそういうようになつておりますので、これは是非とも必要だと思うんです。これは大体厚生省がこの点に力を入れなければならん問題ですが、厚生省のほうも少しもこれに関心を持たれんようでございますから、一つ厚生省とよく御相談下さいまして善処して頂きたいということをお願いいたします。
○国務大臣(大達茂雄君) 了承いたしました。
○藤原道子君 大臣にちよつとお伺いしたいのでございますが、最近軍事基地の周辺の教育環境が非常に侵されていると思うんです。文部大臣はどういう対策を立てておいでになるか、これは実は大変な問題だと思うんですが、それについて一つ。
○国務大臣(大達茂雄君) これはいつも問題になることでございますし、又そこに軍事基地がある限りなかなか根本的な対策というものは簡単に立ちにくいのが実情であります。まあ主として取上げられる問題は風紀上の、非常に教育環境が汚されると言いますか、工合が悪い、もう一つは騒音のためにやかましくて授業ができない、こういう問題であります。そこでいずれにいたしましてもなかなかその徹底したこれに対する対策、これは軍事基地がそこにあります限り徹底した対策を講ずるということはこれはなかなか困難であろうと思いますが、騒音なんかの場合につきましては、或いは授業がこの程度のものはできるとか、この程度じやできないんだとか、こういう何か技術的な標準がありまして、そうしてこの前昨年成立いたしました法律によりますと、そのために非常に損害を受けて仕事が継続できない、まあ学校の場合で言うと、ほかへ持つて行つて移築するより仕方がない、こういう場合にその法律ができまして、そしてその政令の中に学校も、これはいろいろお願いをしまして、学校もそれに加えてもらうように大蔵省の了解を得ました。今日では非常に騒音のやかましい所につきましては移築することができる。そしてその経費から、あれは何資金ですか、防衛支出金ですか、あのほうから支出する見通しができました。そして現在これについてはそれぞれのほうから申出をされるようにして取調べを進めております。それから風紀問題につきましては、これもなかなかむずかしい問題でありますが、まあそれぞれの地区におきまして日本側とアメリカ側との間に連絡協議会を作りまして、そしてこの問題では双方から研究をし合つてできるだけ悪い影響の及ばないようにする。立人禁止区域を設けるとか、いろいろの点で連絡して、これは双方理解の下に協議が進められておるようであります。併し何様只今申上げましたようなことでありますから、随分アメリカ側も誠意を以てこれはやつておつてもらえるようでありますが、まあ根本的にはなかなかまあ或る程度にそういう環境の悪化を防ぐという以外にはなかなかむずかしい問題であります。
○藤原道子君 非常に困難しておるところは申出ろという注意をしているとおつしやいましたが、今まで何ヵ所くらい申出があつたのでしようか。
○国務大臣(大達茂雄君) これはまだ調査中でありまして、どれくらいということは只今のところ申上げるところに行つておりません。私はこれはほかの要務で出張したついででもありましたけれども、伊丹飛行場のすぐそばに螢ケ池というのがありましたが、あそこなんかは私自身も見て参りまして、実情を見て参りました。あの学校なんかも標準に合せますというと、やはり移築しなけりやならんというような話であります。その当時、私が参りましたのはいつでしたか、参りましたときも丁度その直前に文部省から技術関係の人が参りまして、何か計る道具がありまして、それで調査をして丁度済まして帰つたあとへ私参つたのですが、そういうことで、これは金のかかることでありますが、できるだけ精密な基準を作つて調査をしておるわけであります。
○藤原道子君 螢ケ池は私も行つて来たのでありますが、実にひどいもので、勉強はできないと思うのです。そこで教育環境は守られなけりやならんという日本の法律もあるわけなんで、政府は或るいはいろいろな答弁をいたしますと、アメリカと協議してすべてはやるのだから心配するなということを絶えず言われる。ところが軍事基地ができてから学校が立つたのではなくして、学校のある所へ軍事基地ができるということになつておるのですから、その点に対しては私日本の政府が弱腰だつたのじやないかと思うのです。教育は金がかかるからといつてずるずる延ばしておくというわけには行きますまい、毎日子供は教育を受けておるわけでございますから、今までできたところはとにかく至急に退避されんことを私は心からお願いしたいのです。これは非常に大きな問題でございますので、その点は大臣も十分に一つ腰を入れてやることを要求して善処せられんことを要望いたします。 それから軍事基地周辺に特に多いのですが、一般的に見ましても最近学童の中にヒロポン中毒が殖えて参りました。ヒロポン患者が殖えております。最初は興味で始めるとかいうことも聞きますが、今まで非常な勢いで殖えているというので、どこの会合へ出ましてもPTAのお母さんがたから訴えられるのですが、これに対して今まで文部省としては何か対策をお立てになつておいでになるでしようか。あれは結局肉体を傷めるばかりでなく、精神障害を起しますので、非常に重大問題だと思います。文部当局として今日まで対処されたことをお伺いします。
○国務大臣(大達茂雄君) この点はまだ文部省として十分の調査が届いておりません。これは、対策というが、なかなか困難、むずかしい問題であろうと思います。厚生省等とも協議をして何か考えねばならんことだろうと思いますが、よほど困難な問題には違いないと存じますから、なおよく実情を調べましてできるだけのことはいたしたいと思います。
○藤原道子君 これだけ問題になつておるヒロポンに対して今まで十分な対策が立つていなかつたということは非常に遺憾でございます。厚生省に対して、法務省に対しては我々は絶えず問題に取上げているのでありますが、文部省に対して私委員会が違うものでございますものですから今まで質問する機会がなかつたのでございますが、これは即刻全国へ何らかのあれをされんことをこれ又私要求いたしておきます。 最近軍事基地周辺ではこれは御殿場の例でございますけれども、ずうつと基地がある、歓楽街があるものですから、子供が歓楽街の中を通らなければ学校に行けない。そうするとアメリカ兵のいないときにはパンパンは収入がないものでございますから誰でも引つ張り込むんです。まあ暴力のように引つ張り込まれて、そこに高等学校を卒業間際の子供が引つ張り込まれて、まだ上つたわけでも何でもないのに、そこを指導員に見付かつたとか何とかで問題になつて退学処分にされた例があるのです。これは誠にかわいそうだと思いますので、軍事基地に対する考え方はよほど熱意を持つてやつて頂かなければ子供たちが非常にかわいそうだと思いますので、文部当局の早急なる対策を私は要望いたしておきます。 次に大臣にこれもお伺いしたいのですが、新聞の報ずるところによれば今年度非常に入学児童が殖えた、小学校においても中学においても双方合せれば百万くらいだと聞いておるんですが、これに対しては教室の増築とか、教員の増員等は手落ちなくなされておるのでございましようか、その点についてお伺いいたします。
○国務大臣(大達茂雄君) 教員につきましては、まあざつと小学校で五十万、中学校で五十万、こういう見込といいますか、こういう数字になつております。当然相当の学級数を増加する、これは当然なはずであります。で、さような点を見込んで予算の上では一応それに対する措置を講じておるわけであります。従つて昨年度から比べますとこれはベース・アップの関係もございますけれども、昨年度の国庫負担金と比べますというと約百億程度増額計上いたしてあるわけでございます。 それから校舎の問題でありますが、これは実はもう四月一日から入つて来るのでありますから、来年度の問題というよりもむしろ二十八年度の丁度今までにもうできていなければならんという関係のものであります。昨年の末頃からこの点非常にやかましく各地から陳情がありました。それに対しましてこれはまあ足下から鳥が飛び立つような話でありまして、非常に各方面の、殊に大蔵省方面から非常な協力を頂きまして、殊に大都市の方面が非常に多いのであります、そんな関係で十五億でしたか、臨時に処理の途を講じまして一応の手当をしたことになつております。
○藤原道子君 十五億の融資でどのくらいの教室が殖えるのですか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは正確にはわかりません。というのは、地方で見ますと、随分、五十人にも足らんようなところもありますし、だから非常に数が少いところは、増加した児童数の少いところは、まあ各学級に三人、五人ぐらい入れてもこれで収まつてしまうところもある。又大都市なんかは自然に殖えたという上に、又転入して来る関係で非常に殖えるものですから、人口の都市集中ということから非常に数が多い、ですからどうしても学校を建てなければならんというのが非常にできる。そこで一番困るのが大都市、例えば川崎とか、そういうような、行政区画の市としては大きくないのだけれども、実際は横浜、東京というふうな連檐した都市でありますから、そういう方面が非常に困るので、十億の臨時の融資の措置というものは大都市を目標にして講ぜられたのであります。実情は実際わからないのです。どのぐらいの子供が殖えたやつを、理論学級ということで五十人に一つ学級が殖えるという簡単な計算で行けば出ますけれども、実際各地それぞれ各村村、町々で様子が違うものですから、そのはつきりした数字はなかなかわからないのです。これは或いは五月一日で実情を、国庫負担等にも関連しまして、実学級、それから学校の先生の実数というものを毎年一定の日をきめて調べておりますが、只今のところでは百万人増のために事実どれだけの学級が殖え、そうしてその殖えたためにどれだけの坪数の学校を新らしく建築し、若しくは増築しなければならんか、その点はなかなかわからない状態であります。
○藤原道子君 私おかしいと思うのです。急に子供がぽかんと殖えたわけじやないのです。今年入学する子供が殖えたということはとつくにわかつていなければならん。これは終戦後海外から引揚げて来たというような人たちの関係もあつて、出産率が殖えたということで当時大騒ぎしていたのでございますから、文部省でこれが対策は立てていられなければならないはずだと思うのです。この点も怠慢じやないでしようか。大臣どうお考えですか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは実は昨年の暮に大都市方面から猛烈な、足下から鳥が立つような陳情を受けまして、実は非常に面くらつたり困つたりしたのです。そのときも私は陳情した人に申上げたのです。一体六・三制になつたためにどうしても新らしく建てなければならん必要を生じたものについては国庫補助によつて融資の途を講じてある、併し生徒が自然に増加する分については、本来は地方でそれに必要な施設をしなければならん。これは地方で負担するということが昔から建前になつております。そこで文部省としては毎年五月一日というものを基準にして調べております。併しそれぞれの地域において現実どれだけの児童生徒が殖えるということは、これは各地域地域の教育委員会なり、これがまあ一番よく知つておるわけです、或いはそれぞれの地域の県庁なりなんかが、殊に中学生の殖えるやつは、これはもう現在入つておる小学校の生徒を見ればわかるのですから、その上へ進学するのですから、それだからそいつを急に十二月頃になつてやあやあ言われて、三月までに校舎を建てなければならん、それをどうしてくれる、こういうことで、実は私どもとしては多少不満だつたのです。文部省よりは現実責任のあるところが、初めから五年も前からわかつておるはずなんですからそいつを急にやあやあ言われたので非常に面くらつて、併し放つてもおけませんから、まあ関係省の間で非常に無理を願いまして、それで急に十五億という金を融通してもらつたわけであります。文部省としても、それはまあ怠慢ということはあるかも知れませんが、これは本来自然増加は地方で賄うという建前でありますし、ですから文部省としては毎年五月一日に実際あるものを調べて四月から学年が始りますから、一応収まつたところで調べるという建前になつておるものですから、そういう点が私どものほうでも不用意であつた点もありますけれども、これはまあ今更どうしようもないことでありまして……。
○藤原道子君 私文部委員でないので素人の質問でございますから、突つこみたいと思つても間違つちやいけない思つて遠慮しいしい質問しておるのです。併し聞くところによれば一クラス七十人も八十人も入れなければやつて行けないという訴えもあるのです。そうすると八十人も入れて教育できるものでしようか。こういう場合に一体どうなるのですか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは実は私も八十人ぐらい入つておるかどうかということは実はよく存じませんが、やはりどうしても七十人ぐらいは収容しておるというような話を聞きます。これは結局校舎が足りないと、一口に言うとこういうことでありまして、これは誰の責任ということを追究して見ても仕方がない話ですから、今申上げたような学童の自然増加に対処するためには地方で責任を持つということになつておるのでありますが、併しそれを言い立てる必要は私はないと思いますけれども、さような関係で来年度からは国庫補助による学校の建築についても、従来生徒一人当り〇・七坪というのを、今度約五割以上殖やすことにいたしております。これは来年度の問題でありますから、今年の四月から入る子供にはすぐには役に立たんはずであります。けれどもそういうことで行けばよほどその点は漸次緩和される、要するにはつきり申上げますと、戦後非常な戦災で学校も何も皆焼けてしまつた、そこへ六・三制ということで義務教育年限というものが非常に殖えて来た。それで何にも施設の方面に準備がなくて六・三制というものが滑り出した。それが今日までなお制度に実際の施設というものが追付かない現状にある。こういうことが根本的に今の七十人近く入れたりするような原因にたり、或いは二部教授をやらなければならぬというようなことは皆そこに原因があると思う。これは非常に金のかかることでもありますから、これを一挙に解決するということは、施設、財政の点、その他から見てできないのであります。これは従来とも文部省としては、一番大きな仕事としてはこの文教施設の充実ということは鋭意各方面の協力を得て今日まで参つておるのであります。今後ともこれには十分努力して、少しでも早くそういう状態が解消するようにして行きたい、こう思つております。
○藤原道子君 六・三制が義務教育になつてからもう相当年数がたつているのですから、今更泣きごとを言つても仕方がないと思うのですから、これをどうするかということが一番大事な問題だと思う。これは教室がないということも一つございますが、いま一つは教員の定員を余りにもぎりぎりにしてしまう。この定員法に原因が、一つはあるように思うのですが、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは定員と申しますが、公立学校についてはそれぞれの地方で、地方団体において実際実員はきまるわけであります。国でその数をきめるというものではありません。ただ従来のいわゆる定員と言いますか、定員定額ということで、予算を、平衡交付金の財政計画を立てる場合に、目安として一定の基準を以て定員というものを算定しておるのであります。その算定による基準の数字と、それから実際それぞれの地方に教員として採用しておる数字というものはいつも基準よりも下廻つておる。実員のほうが少いというような実情にあるのでありまして、定員が非常に窮屈になつておる、実際において、というようには私は考えない。ただこれは地方の財政の問題がありまして、中央の交付金を出す場合にはさような定員を考えて配当いたしましても受取る地方のほうではその県々の財政事情によつてそれだけの定員が置けないこともあります。それから従来又定員はむしろ国のほうで見ておるのが多過ぎる、というのはおかしいけれども、実際上廻るほどの定員があつて、今度は定額といいますか、給与のほうは実際よりも低く見てあるというようなまあちぐはぐな点もありまして、いろいろ窮屈な面は実際あろうと思います。これはそれぞれの県によつて富裕な県では十分な先生も置けるけれども、貧弱な県では非常に少い先生しか置けないというようないろいろな事情があるので、一概に文部省で考えておる定員、今これは実員でありますから、実際支出額というものに基礎を置いておりますから、実績から積上げて考えておるのでありますが、これが定員だけについて見ると、これは非常に窮屈であつたためにそういう問題が起つておるというんでなしに、六十人も七十人も一つの学級へ入れておるということは先生の関係からではなくて、やはり教室が足りないということから来ておるもんだと私は思う。
○藤原道子君 私は両方だと思う。下廻る理由はどこにあるかと言えばやはりここに大きな問題が潜在しているということを私は考えなければならないと思います。だから随分矛盾があるんです。その点私は今後は学校の校長までが教壇に立たなければ授業が行われないような実情に置かれておる学校が随分あるんです。こういう点から推して、余り窮屈な定員に縛りつけるということが根本的な問題だと私は考えております。そこで地方の貧弱県と富裕県との差というようなことも大きく現われておる結果が、最近成るべく高給な先生をやめさして安い先生を入れようというような動きがあるんですね。埼玉県のごときは現在四十歳になりますと女の先生に、四十歳以上の女の先生百三十何名だと思いますが、全部辞職を勧告して、いる。これなどは非常に俸給等の関係もあるからこういう非常に無理がされると思う。ですから私たちから考えると、父兄の立場から考えると、四十歳ぐらいが最も教育に円熟した本当に大切な先生がただと思う。これを首を切つて、そうして安い先生を入れる。こういうふうになると、教育を受ける者の大きな損失ではなかろうかと思うのです。殊に女の先生に限つて四十歳以上の者にやめてくれという勧告が行われておるというようなことを大臣は御承知でございましようか。それとも女は家庭に帰れというようなまあ家族制度の考えから大臣がそういう意図でおありになるのかどうか、それをお伺いしたい。
○国務大臣(大達茂雄君) そういう話も聞いています。併しこれは御承知のように教員の人事はそれぞれの教育委員会が行なつておるのでありまして、文部省から人事について干渉すべき限りでもありますまいし、いわんやそういう人事権について四十歳以上の女の先生はやめてもらう、そういう一般的な方針を文部省が示すなんていうことはあり得ないことであります。ただ今申上げますように、御承知の通り地方の財政というものは非常に窮乏しております。でありますからその関係で自然給与の予算が窮屈になつている。それでそういう一律な人事が行われておるんではないか、こういうふうに私は想像しておるのでありますが、文部省としてはこれは何ら勿論関知してはおりません。
○藤原道子君 大臣がそれを指令しないとしてもそういうことが行われていることに対して注意をお与えになるという意思はおありじやありませんか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは人事というものはそれぞれの責任者がそれぞれの見識を持つてすることでありますから、一概にそういう人事をしちやいかんとか、そういうようなことはしないようにということは、これは人事に関する限り私どもからよほど実情が確かまつてよくよくこれが不適当であるということでない限りは勧告とか、助言とかいうことはできないことであろうと考えます。
○藤原道子君 それはどうも私は納得できないのです。最近特に男女不平等の扱いが行われておるんです。山梨県におきましては七名の女性の校長がいる。ところがこれに対して降職勧告を行い、女の校長が不適格であるからということで、突つこまれると不適格ではない、十分に任務を果しておる、学校運営の上においてはむしろ勝れておると言われているにもかかわらず、降職勧告が行われて、遂に降職をさせられて、今は七名の校長先生が三名に減らされておる。或いは産前産後の給与が法律で規定されておるけれども、定員が少いからあなたがお産で休まれると子供がかわいそうだ、是非出てもらわなくちや困る、こういうことが強要されておる。そういう例が全国にある。これに対して実情がわからないから勧告できないというようなことは、大臣は私はずるいと思う。実情は全国でいやというほど私は集まつていると思う。若し集まつてないとすれば監督官庁としては如何かと思う。ですからこれらに対しましては男女平等の原則に従つて、最もそういうことを教育すべき立場にある文部省関係でそういうことが行われているということは見逃してならない問題だと思いますので、大臣はこれに対して注意をお与えになるお考えはないか。
○国務大臣(大達茂雄君) 全国の教育長が東京へ集まつて会議なんかされたりする際に、文部省といろいろ問題についての協議をしたり、連絡をしたり、報告をし合つたりする、こういうことは行われております。そういうような席上で地方の実情も聞いたり、又そういうような話もあるがどんなものかという程度はして差支えないと思います。併し文部省が仮に勧告であるにもせよそういう一般的な通牒ようのものを以て人事についていわゆる指図がましいことをするということは実はなかなかできないのであります。私はなかなかそれはいたしたくないのであります。これは非常に弊害が起る場合があります。又学校の実情を報告してもらいたいというだけでも、思想調査をしたとかなんとかいつてえらいやかましい問題になつている。いわんや人事について(「都合のいい場合だけ逃げている」と呼ぶ者あり)こうしろ、ああしろと育つたら、一体どういうことになるかわかりませんので、人事に干渉するということはよくよくのことでなければ文部省はいたしません。文部省はそういうものはすべきものではありませんから……。
○湯山勇君 関連して……。大臣が非常に適当な機会を捉えて適当なる弁明をなさいましたが、今の問題は、義務教育の半額国庫負担という制度はまだ運営一年にしかなりません。十分この点は御反省を願いたいと思いますことは、地方財政が窮乏しているという実情もありますけれども、この半額国庫負担金の経理状況が、経理の仕方に大きな欠陥があります。これは私は今緒方局長に予算委員会において資料を要求しておりますからそれが出ましたら予算委員会で第三次補正と関連して申上げたいと思うのです。地方の予算はもう組まれているのですよ、二十九年度がちやんと組まれておりますね。二十八年度、今までの実績によつて地方は組んでいるわけです。今までどれだけ来ているかというのに基いて二十九年度予算を組むとすれば現在切るよりほかないのです。全国では数千名に上ります。それだけ切らなければ合わない。文部省のほうではあとで見てやるというように言つておりますけれども、これは県の委員会が財政権を持つているのじやなくして知事が持つておりますから、知事はそういう口約束には今までもたびたびだまされておりますからもう乗りません。そこでどうしても切らなくちやならない高給者はやめてくれ、女の先生はやめてくれ、こうなつて来て不必要なというよりも、大臣がおつしやつたような問題じやなくて、文部省自身のこの経理の仕方が悪いために起つていることが非常に多い。そこで今のように大臣は直接これは切つちやいかん、こうしちやいかんということはおつしやらないにしても、この問題はそういう事態があつた場合には、文部省のやり方はこれでいいかどうかということを十分御検討願つて、文部省のやり方がここはこうだからこうなつたのだということについては、是非十分な対策を立てて、頂かなければならないと思うのです。そのためにはこの間お尋ねしたのですけれども、局長のほうでたまたまその資料がないということで、私はそれについて質問をまだ残しておりますけれども、この点は是非只今直ちに手を打つて頂かなければならない問題が今申上げたようにあるわけですから、十分お考えを頂きたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) これはどうも地方に誤解があると私は思うのです。私は前のことはよく存じませんけれども、御承知の通り実際支出額の二分の一を負担するという制度は二十八年度から初めて実施された制度であります。その前は、前のことはよく存じませんが、定員定額ということで計算がされていたのでありますが、国の予算がきまればそれ以上は金は渡さない。国できめたものをこう配分する、こういうことになつていますから、実際と非常に合わない部分ができて来る、だからこれで十分なはずだ、これで半分負担したはずだと言われても、実際から見ると足りない。こういうことが当然に起こつて来る。そういうふうに定員定額というものに対して非常に何と言いますか地方では今までいやな思い出を持つておりますから、実際支出額ということは、今度は制度が変つている、変つていてもやはり前のでんで、くれるといつてもあとでくれない、こういう頭がどうしても抜けないようでありまして、例えば富裕県の場合でもこれは特例法で落ちる、しわ寄せがほかの県へ来て非常に困りはせんかというような心配が今までにずつとあるのです。これは今までの定員定額で懲りているのがそのまま今日にあつて、ところが二十八年度以降においてはしばしば申上げたように、実際支出額の二分の一ということは法律にきまつていて支出する義務があるわけですから、多少交付の時期にズレがあるようなことがありましても二分の一を負担することは間違いない。これは法律によつて……。でありますからその点に今日まで府県あたりで多少危惧の念を持つておられた。そしてこの間の一月頃から非常に府県で予算をするときに、締めてもう少しも増員はせんとかなんとかいうようなことが行われた。そこでそれでは非常に誤解がありますから、私のほうで自治庁と連名でその点は誤解のないように通牒を出しておきました。一面非常な教育費に大幅な削減を受けて、そうして大量首切りが行われる、こういうようないい加減なことが盛んに放送され宣伝されたのです。そこで知事さんまでそれを本当にしてむやみに教育の予算を締めて、至るところに非常に不安を巻き起したという事実があります。併し今日においてはその点は二十九年度の予算についてよく誤解のないように通達を出してありますから、それはもう解消していると思います。但しそれぞれの県において窮乏の県がたくさんありますから、それにもかかわらずやはりできるだけ倹約するという見地から、多少人事の上に無理が起つているということはこれはあり得ることと思います。
○湯山勇君 只の大臣の御説明よくわかりましたが、ただ問題は御承知の通り二十七年十一月一日現在の実績に対しての半額ですね、それを基準にしてそれ以後の生徒の増減に対してはそれは見るわけですが、実績の基準になつたものは勝手に幾らでも膨らまして出すのじやいかんからどこへ基準を求めたかというと、二十七年の十一月一日に基準を置いてやつたわけです、半額というものの計算を……そこで問題はそれ以後になるわけですから、結局大臣がおつしやつたように一年しかやつていない。それから実績の半額を持つ持つと言いながら、文部省はそういうことはないと思いますけれども、他の各省で持つといつても持たれていないのが非常に多い、知事も十分懲りております。と申しますのは昨日も私尋ねましたように食糧検査の費用なんかは、これは法律でちやんと二分の一持つようになつているのです、それさえ持つていない。予算にも組んでいなければ款項目さえ落しているのです。大蔵省はそれは間違いであつたと昨日申しましたけれども……だがら委員会のほうは大臣のお話を信用しておつても、知事は政府の言うことは先ずまあ信用できない、手にするまではできない。これは以前の例を申上げますとまだ一昨年でしたかの年末手当の〇・二五の問題がありました。これも地方では財源措置をとり、国会で決議までしたところがとうとう大臣御承知と思いますけれども、奈良県は遂に最後まで出しませんでした。財源措置はしてあつた。それで地方行政委員会に知事を呼びまして知事に言つたけれども、とうとう年末手当ては出さなかつた。去年の夏季手当は出しました。そういう事例が重なつておりますから、財務当局はそれを手にするまでやはり信用しないのです。そこに今の問題の一つの大きな要素があると思いますので、私があとで申上げたいのは、もうすでに二十八年度の三月の終りになつておつてなお且つ文部省に七億という金が残つている。政府全体でも予備金は僅かに数千万しか残つていない。これだけ大きな一兆予算を提示した政府が、僅かに数千万しか予備金が残つていないほどきれいに出している。そのときに義務教育国庫負担金の、現在四十都道府県でしよう、四十都道府県に分ける金が七億もここにおいて残さなくちならないという、ここに大きな問題がある。ですけれどもこの点は一つ局長から資料を頂いてから追究したいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) この義務教育国庫負担については、従来の半分補助をするとかというようなことを言うと、実際補助が行届いていないということがあるかも知れませんが、これはもう決して御懸念はない絶対間違いないものである、これは法律の規定がそうなつておりますから……例えば従来三分の一補助するとか四分の一補助するとかというようなことを言つておりましても、どれだけ要るかということを誰が認定するかということが問題なんであります。それで従来は補助する側で、仮に青年学級一万円とすればそれに対して三千三百円、一万円かかるものと見て三千三百円、こういうふうにして補助をする。ところが今度あの規定は実際支出額という字が使つてありますから、支出をする実際に基いてその半分を負担する。こういうのでありますからそこは非常に違うのでありまして、これは私が大蔵省へ行つて頼むまでもなく、法律の文面からいつて、これは当然負担をしなければならない性質のものであります。これを若し負担しなければ法律違反であります。でありますからこれは間違いないのであります。それで予算はこれは一定の基準に基いて、およそどれぐらい要るだろうかということを見積つて予算を作ります。七百億なら七百億というものを……。実際七百億を超える場合には、当然これは払わなければならん。でありますから今年の赤字があるとして、それに対しても大蔵省は、これを補正に組まないということは絶対に言つておらん、補正若しくは三十年度において支出するとか、これはどうしても出さなければならん問題でありますから、この点はほかのいわゆる何分の一とかいうようなものと、全く違う、実際支出額が言われていたから、そこは決して間違いありませんからどうぞ。
○湯山勇君 大臣のお考えは決して間違つておるとは申上げておるのではありません。ただこの問題じやなくて、過去にも現在にも法律で、実際の支出額の二分の一というのはほかにもあります。大臣がおつしやつたようなただ漠然と四分の一とかいうのじやなくて、そういうもので、今までの法律でそうきまつておる、款項目にも上げられていないというような実例があるわけで、その点信頼度の問題があると思うのです。殊にそういう点でもつと申上げれば、この制度は昭和二十八年度発足したばかりの制度、その制度が出た途端に、富裕府県について打切るというのがぽんと出るのですから、そうすると三月末までに、各都道府県予算を組んでいるのが、今度はそのつもりで組んだ予算が早や八月ですか、六月ですか、打切ということが出て来ると……、大臣随分がんばられてあれをお潰しになつたので、(笑声)実際の損害はなかつたそうでありますけれども、ともかくそういう点に対する信頼度の問題であつて、やはり本当に文部省は忠実にやられて、そしてそういう信頼を早くかち得ないと、今のような問題は解消しないと思いますから、そういうことを申上げておるので、大臣のお考えが間違つておるとかいうことを申上げていないつもりです。
○藤原道子君 私大臣にお願いしておきたいことがある。私は厚生委員ですから、厚生関係に関係したようなものばかり言うようでございますが、定時制の高等学校ですね、これが随分無理が行つているらしいのですね。働きながら通つておりますから、これらに対しての健康の管理とか、或いは雇用者側との連絡等を密にされて、どうぞ働きながらなお学ぼうとする子供たちを十分に守つて頂きたいということを、私はこの際特にお願いしておきます。 いま一つは教育問題を、ここで言葉のやりとりでは駄目なんです。私たちは本当にお腹の空いたことはお互いに馬鹿でもわかることです。教育の成果というものは五年なり、十年先にならなければわからないと思う。それだけに私は教育の基本をなす小学校、中学校の教育こそ、大切だと考えておりますが、そういう立場から、どうぞ教育を十分に尊重されまして、遺憾なきを期されんことを特にお願いいたします。質問を終ります。
○湯山勇君 お願いのついでに申上げます。是非お願いしたいことがもう一つあります。それは小学校の一年生の教科書、無償の教科書を取上げられたことです。これはどう考えても納得参りません。そこで是非あらゆる機会を捉えてこれは復活してもらいたい。これこそ大臣が大臣の職を賭して闘われても、誰も悪いと言う人はありません。これが文部大臣だと言つてもらえると思います。他のことはともかくもですが、実に大臣にとつて最も大きなミスであると思いますから、一つ是非復活するようにお願いいたしたいと思います。本当です。
○国務大臣(大達茂雄君) 無論これは復活することは非常に望ましいことであります。と思いますが、併しこの重要度については、どうも私は幾らか違うかも知れませんが、できるだけ努力して早く復活するようにしたいと思います。
○湯山勇君 今初めてやるならそういう御意見もあるでしようが、併し去年まであつたものを今年落したところに問題があるので、初めからなければ私もこんなことを申上げるつもりもありませんが、十分一つ御考慮願いたいと思います。
○主査(相馬助治君) 文部省関係の質疑ございませんか。それでは一応文部省関係の質疑は終了したものと認めます。 ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) 速記を始めて下さい。 次に厚生省関係について御質疑がございませんか。なお厚生省からは先ほどの会計課長のほかに、薬務局長、社会局長、児童局長、保険局長、公衆衛生局環境衛生部長、引揚援護庁次長それらの諸君が見えております。
○高橋衛君 非常に漠然たることをお尋ねいたすのでありますが、二十九年度予算において、いわゆる社会保障費というものの経費が総予算に対して何%を占めておられるか。そしてそのパーセンテージが、例えば英国、合衆国等における状態はどうであるか、又社会保障制度といものがどんどん進歩して行くといういわゆる揺籃から棺桶までという理想に到達するということは、非常にいいことだと考えておるのでありますが、同時にそういうふうな社会保障制度の進む半面においては、国民はそれに対応するところの税負担をしなければならんということは、当然のことであると考えるのでありますが、それらの国における税負担との関係をどういうふうに見ておられるか、その点についての御答弁をお願いしたい。
○政府委員(堀岡吉次君) パーセンテージもまだ私ははつきりわかつておりませんので、社会保障経費と仰せられますので、必ずしも厚生省所管だけではございません。そういうことになりますというと、例え失業対策等も言葉の取りようによりまして、いろいろ取方もあるのであります。これはいずれ別としまして、先生のほうにお手許まででも資料を差上げます。
○高橋衛君 厚生省の政府委員のかたのみにこれを求めることは、或いは困難かとも存じますが、どなたか政府を代表して一つ答弁でなくてよろしうございますが、明日も分科会がありますから、まとまつた御意見を伺えると非常に結構だと思うのであります。
○主査(相馬助治君) 高橋委員の今の御質疑に対しての答弁はそのまま保留をいたすこととして、次に質疑はありますか。
○白井勇君 一つちよつとつまらないことを聞いておきたいと思いますが、昨夕ラジオを聞いておりますと、去年の十一月かなんかの東京あたりの国民の栄養関係で一昨々年でしたか、前のよりも悪くなつているという放送をしておりました。これは厚生省関係の何かでお調べのようでありましたが、これはどういうところに原因があるとお考えになつていらつしやいますのか、ここに又今年の予算を或る程度見込んでおられるわけでありますが、それらにどういうような対策を持つて行かれる御予定でありますか、お伺いします。
○主査(相馬助治君) 環境衛生部長は只今呼んでおりますので……。
○湯山勇君 太宰局長にお尋ねしたいのですが、保育所の問題でございますが、これは先般予備費の中から五億でございましたか、措置されたと聞いておりますが、それで十分保育所は本年度赤字を埋めることができるかどうか、局長の御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(太宰博邦君) 五億の金でなおそれに既定経費を継ぎ合せまして、先般各府県のほうからの申請を査定して、大体これでそう無理なく賄える見通しを持つております。
○湯山勇君 大変失礼な言い方ですけれども、厚生省当局の御答弁は余り信頼できないと思うのです。と言いますのは前に生活保護費のときに、これは局長じやありませんから、局長のほうは信頼できるかも知れませんけれども、(笑声)生活保護費のときに予備費の中から十二億措置した、それから二十九年度において二十八年度の不足額として二十億組んでおる、この三十二億で十分二十八年度は補つて行けますと厚生委員会で厚生当局は言われたわけです。ところがこれが出て三派修正にあいますと五億ぽつと殖えている。五億というのはそんなに少さい額じやありませんから……。厚生省当局が初め三十二億でやれますと言つておきながら、後刻三派修正になると三十七億でなければ足りません。なお私が押しますと、なおそれでも危い……。大蔵大臣はその場合においては又予備費等から繰上げ等の形によつて埋めて行く。大蔵当局のほうが余ほど良心的であつて、厚生省のほうは何とかいたしますと言つておられますので、遠慮なく一つここは厚生委員会ではありませんから、そういう立場からそれでは無理なら無理、どれくらいは足りないなら足りないということを率直にお述べ頂きたい。
○政府委員(太宰博邦君) 先ほど申上げましたように大体そのままに受取つて頂いて結構だと思います。
○藤原道子君 昨年度の予算で足りないで補助を加えたわけですね、穴が出たのですね、ところが今年度の予算があれだけでやれるのですか。
○政府委員(太宰博邦君) 二十九年度の……。
○藤原道子君 二十八年度の予算があのくらい赤字が出ておるでしよう。それでも二十八年度の措置できるとは私たちは思えないのです。そこへ持つて来て二十九年度は予算には僅かしか増額していないのです。それでやれるのですか。ここは予算委員会ですから、厚生省は予算が足りないからやれないのだと思つておりますとか、ここでは遠慮なく言つて欲しいのです。
○政府委員(太宰博邦君) 実は児童の措置費は御承知の通り二十七年度までは平衡交付金制度で入つておつたわけです。二十八年度から国庫負担の制度に戻つたわけでございます。それで平衡交付金制度の間には平衡交付金制度の運営というものは、御承知のように成るべく地方の自治を尊重してる建前になつておりますために、いろいろ地方によつてその運営がまちまちであつたことは、これは否めない事実であると思います。それで国庫負担の制度に戻りましたからには、これは言わば一つの統一した基準の下に、全国大体均等に運営されなければならない、かような考えで昨年から問題になります点をいろいろ検討いたして参つたのであります。不幸にいたしましてまだ二十八年度だけでは、これを全部検討を終ることができなかつたわけでございます。それで二十八年度分につきましては、その中間の過程におきましてこれを精算しなければならない破目になりましたために、五億のというものが大体、不足を告げるという見通しが出ましたものでありますから、予備金からそれを捻出したわけであります。二十九年度の分につきましては大体額からいたしますと、数億程度あれば、これで足りるか足りないてという問題になりますが、私どもといたしましては、先ほど申上げましたようになお検討を要する点が二、三点ございますので、こういうものを全部検討いたしました後において、本当にどれだけ、若し足りないならどれだけ足りないかということを検討して参りたいと、さように今考えておる次第であります。
○湯山勇君 二十九年度においては大体これでできるだけやつて行つて、できなければやはり同じように予備費から廻してもらうなり何なりの措置をおとりにならなければならないのであつて、今必ずこれでやれますというふうにおつしやいますると、与党の委員の方がおりますから工合が悪いと思いますので、そういうふうに一つ了解をしたいと思うのですが、それはそれとして二十八年度の赤字の問題ですが、これはただ単に制度の切替えだけでなく、政府自身に責任がかなりあると思うのです。と申しますのは、解散によつて予算の成立が遅れまして、その間暫定々々でやつたために、非常にやり方がまちまちになつた。それによつて生じた赤字も相当額ありますので、これはやはり埋めて頂かなければならないと思いますし、同時にそういう実績から見まして二十九年度は非常にむずかしいと思いますが、二十九年度の既定予算でやるためには、現在以上に保育所に窮屈な思いをさせるというようなことはないとお考えになられますか。
○政府委員(太宰博邦君) 私ども只今検討しておりますのは、保育所の運営をできるだけ合理化し、これを軌道に乗せたい、こういう意味で検討しているのでございまして、窮屈な思いをさせるために考えているのでは一つもないわけでございます。それでそれをやつて見ます場合において、只今地方で運営しておりますものが非常に例えばルーズであつた、本来ならば当然これは是正してもらわなければならんと思うのであります。又地方の運営が私どもの考えておりますよりも更に窮屈な運営をしていらつしやるとすれば、やはりこれは妥当なところまでこれを伸ばしてやらなければ、やはり他と不公平になると存じます。従いまして果してこの予算で足りるか足らないかという問題もございますけれども、只今の私どもの考え方としては極力保育所の運営というものを合理化し、これを軌道に乗せる。勿論その場合において国の全体の財政状態というものも考えなければなりませんけれども、ただ予算の中に遮二無二追い込むというようなために運営を窮屈にさせるというような気持は只今毛頭持つておらない。これは御尤もと存じますけれども……。
○中山福藏君 環境衛生部長は来ておりますか。
○主査(相馬助治君) 只今白井君からも質疑があるのですが、衆議院の水産委員会に出席しておるのですよ。それが終り次第こちらに来るということになつております。
○藤原道子君 それでは環境衛生部長が若し来なかつたならば、明日もこの環境衛生問題だけは別個にやりますか。
○主査(相馬助治君) それは当然さようにしたいと思つております。
○湯山勇君 環境衛生部長がお見えになるまで安田局長にお尋ねしたいと思います。地方改善費これは大体まあいわゆる部落対策費と思いますが、これについては厚生省としてはどの程度に部落改善というものを重要視していらつしやいますか。先ず御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(安田巌君) 同和問題でございますが、これは御承知かと思いますけれども、昭和十一年から同和事業完成十カ年計画というのを政府として立てまして、これは同和地区の人に対しますところの環境の改善事業、それから経済の振興、教育啓蒙活動等の事業を総合的にやつたわけでございます。それは二十年で、一応区切りが、できまして、そこで終戦になつたわけでございます。終戦後は憲法も改正になりましたし、そういうようなことを言うのも今更おかしいじやないかというようなわけで、基本的同和対策といつて特別な対策を政府がとらないということに決定を見たわけでございます。ところがその後各府県等におきまして差別的な事件を契機といたしましていろいろ問題が起きて参つたわけでございます。そこで各府県ともやはりそういうふうな対策をやらなければいかんというので、相当の予算をやはり県単位で組んで来たわけでございます。で、政府といたしましてもそういう事態になりましたので放つておけませんのでいろいろと考えました結果、昔のような十カ年計画というような総合的な計画をこの際やることがいいかどうかということはこれは問題がございますので、従来厚生省が一般的な仕事を管掌しておつたという関係から、厚生省でやれる仕事の範囲で何か一つそういう対策を立てて見たらどうかということで、二十八年度から調査費と施設費が入つたわけでございますが、調査は二十八年度にやりましてまだ終つておりませんので、二十九年度でも引続いてやりたいと思つております。それから施設のほうは、これを隣保館をやりまして、そして差別の原因になるような事象をなくさなければなりませんので、そういうような意味から言えばやつぱり隣保館なんか作つて、同和問題の対策を立てたらよかろうということでやつているわけでございます。これはもう予算も二十八年度はいろいろ御審議を頂きまして内容等御存じの通りでございますが、今大体そんなような状況でございます。
○湯山勇君 この同和事業という問題は最近非常に大きく出て来かかりつつあると思います。それはどういうことからかと申しますと、人身売買の問題とか、或いは生活扶助の問題とか、或いは結婚問題でございますね。そういつたような問題等からやはり現実にあるものを、成るほど憲法がそうだからと言つて無視するわけにも行かないような状態だと思いますし、いろいろ御調査になられるということでございますから、一つ御調査になられた結果、実際府県はこれに対して相当出しておりますから、そういう実情も御覧頂いて是非適当な対策を講じて頂きたいと思うのです。それはああいう差別待遇を受けるのは、一つは思想的なものもありますけれども、封建的なものもありますけれども、やはり一つは貧困が大きい要素になつていると思いますし、又不衛生と申しますか、そういうようなこともあろうと思いますし、是非十分な対策をお立て頂きたいと思います。
○主査(相馬助治君) 環境衛生部長が只今見えましたので、先ほど白井委員の質問に対して答弁が保留されていたので、この際御発言願います。
○政府委員(楠本正康君) 栄養調査の結果が極めて僅かではありますが、集計の結果若干の低下を来たしたわけでございますが、この原因につきましては、目下分析をいたしまして結論を得たいと急いでおりますが、原因は那辺にあるかと申しますのは、凶作というようなことも考えられますが、あれは昨年の秋の調査でありますので、必ずしもこれが或る程度きいているかどうか。それからもう一点考えられますことは、風水害、或いはその他の災害の関係でございます。これからいたしますと若干地域的に狂つた点がございます。それからもう一つ考えられます点は、一般に国民の生活といいましようか、経済生活その他一般生活が低下してやしないかということも考えられます。これらいろいろ物価指数その他をいろいろ消費経済の面を調べて見ますると、これ又一致いたしません。特に国民の生活は私は一般に主食と副食との比によつて食生活のつまりレベルの指標にいたしております。ところが最近、昨年以来ずつと現在まで逐次主食の経費に比べまして、若干副食の経費が増加をいたしております。かような点を見ますと、国民の食生活はむしろ向上しているものと考えなければならんわけであります。いろいろなところに矛盾が出て参りますので、目下その原因につきまして科学的に分析いたしておりますが、併し若干想像をまじえて発言をお許し頂きまするならば、やはり昨年の秋の調査ではありますが、若干凶作の気がまえ、及び風水害等が大きく作用しているのではなかろうかと存じますが、これらは地域的な指数をもう少しく検討いたしましてお答えいたしたいと存じます。併し食生活の従来の考え方からいたしますれば、食内容は向上しているというふうに考えて差支えなかろうと存じております。
○白井勇君 私もラジオだけですから、今のお話のように検討して見なければわからんのじやないかと思うのですが、ラジオを聞いておりましたときに、たしか去年の十一月の、而も東京都の調査のように私は聞きました。そのときカロリーも多少下つているじやなかろうかというような感じで私は聞いたのでございまするが、そういうような点から私独断でらよつと考えましても、御承知の通り凶作でもあり、闇米が上つて来た。そこで麦を食うとか、或いはその他の代用食をとつて、勿論今のお話のように副食物というのは相当これは考えて来ていると思いますけれども、やはり米のようにカロリーが摂れないというような結果になつて来ているわけです。これはやはり一方から言いますと、今やかましく言われておりまする食生活改善に対しまする当局の指導が足りないからで、ただ米の足りないところは麦で間に合しておけばいいんだ、こういうような単純な考え方で事を運ばれるからいけないのであつて、これにもつと適切な食生活改善というものが加わつて行きますれば、ああいう結果にならなくて、自然と栄養がとれるような食生活の改善というものがおのずから出て行くのじやないかというふうに私はとつたものですから、ちよつと今日お聞きしてみたわけです。 もう一つあなたのほうでは僅かですが、三十百万円ばかりの経費を持つているわけですね。これは栄養及び食生活改善ですか、これは一体どういうことを主にやつて行かれる御方針なんですか。
○高橋衛君 只今の御答弁の前に関連して一つ、只今の白井委員のご質問の栄養及び食生活改善に関する経費でありますが、この中に粉食奨励に関する経費が載つておるのですが、この問題は厚生省においては食生活の改善という建前からお考えになつているし、又農林省においては食糧政策という面からお考えになつてそれぞれ経費を計上しておられるようであります。こういうふうな問題は私ども新聞を通じ、又はいろいろな、雑音ではありましようが、聞くところによりますと如何にも農林省、厚生省が権限争議をしている、如何にも見にくい権限争議をしているように聞いたものですから、そういう点をどういうふうに農林省、厚生省が相互に協力して、こういうふうな問題について積極的に動いているかということのその実情を御説明願いたいと思うのであります。
○政府委員(楠本正康君) 現在食生活改善に伴います経費といたしましては、栄養調査の経費が主でございます。これは従来サンプルを選びまして全国的に国民栄養の推移を調べておるのでございます。なお予算書にございますように、新らしく加わりました予算といたしまして、協議会に要する経費、及び粉食普及奨励に要する経費でございまするが、これらは食生活が何分にも極めて関係する範囲が広うございますので、それぞれの分野相協力して一つの歩調を揃えて食生活改善の指導或いはその普及に当るために協議会を設けたい予算であります。次に、かような食生活改善を具体的に各末端に普及いたしますには、先ず国民を啓蒙する必要がございます。特に従来の単なる空宣伝でなくて、むしろ地についた実生活を通じての指導啓蒙が極めて大事でありますので、これには各末端指導網、つまり保健所その他の職員のこれに関しまする施設の向上を図る関係がありますので、特に講習会等の経費を掲げたわけであります。かような方法によりまして実生活をとらえまして具体的に着実な食生活普及を図りたい所存でございます。 なお第二点のお話の農林省との関係でございますが、大きく分けますと、農林省の食生活改善という面は、むしろ量の面、或いは生産の面で結付いて参ります。厚生省はむしろ国民生活及び質の問題を中心として考えておるわけでありまして、その間に勿論重複する点はございますが、考え方といたしましてははつきり区別をしておるわけであります。なおこれらの両方の関係でありますが、たまたま同じように厚生省におきましても食生活改善協会というふうなものを作り、大体時期を同じくいたしまして農林省においても同じような協会を作つたところに、何となく常時の連絡というようなものに欠けるところがあつたかのきらいがあつたのでありまして、これらの点に関しましては農林省と十分話合も済んでおりまして、目下かような二つの協議会というようなものをどうして一体一緒にして行こうか、目下農林省と話をいたしておりますが、いつそのことこれは一つにして、農林省は生産の面から、厚生省は国民生活の面から、一つの協会にしてこれをやつて行くほうがいいのではなかろうかというふうに目下農林当局と話合いをいたしておりますが、これらの点に関しましては実際には両省よく協力して実施いたしている次第でございます。
○高橋衛君 厚生省と農林省と緊密なる連絡をおとりになつて、この問題の解決に進んでおられるということでありまして、私非常に安心をするのでありますが、只今御指摘になりました協会につきましても、是非一つ一本の組織にして、そうして例えば厚生省については質を、又農林省のほうにおいては量というふうに、それぞれ分野が違つているようでありますが、それぞれ協力して一つの協会を盛立てて行く、そうしてこれが国民運動になるような方向に何と申しますか、実現をするように御努力を願いたいということを申上げておきます。
○白井勇君 もう高橋委員からお話がありましたが、私も大体同様のことを考えておりますが、ただ私個人としてはこれは今局長は割切つておられましたが、農林省は量を考える、厚生省は質を考えるんだというように分離はなかなかむずかしいと私は思います。少くとも食糧政策を立てます上は、量も質も共に考えなければならん筋のものであつて、そういうふうに二つに分けるということが、うまく行くか行かないかということは非常にむずかしいのじやないかと思いますが、一番大事であります食生活の改善運動というようなものにつきまして、高橋委員も言われました通りに官庁などの縄張争いというようなことで、このことがうまく行かないというようなことのないように、私からも特に重ねて申上げておきます。 細かい問題ですが2の先ほどお話のありました栄養調査委託費というのは実際どんなことをおやりになるのか。
○政府委員(楠本正康君) これは細かいことはちよつと資料がございませんので、忘れてしまいましたが、仕事といたしましては全国的に各家庭をサンプルによつて選びます。少くとも全国の、全国調査と同じ縮図のサンプルによつて得るような方法によつて先ずサンプルを抽出いたします。次に、毎年同じことを繰返しているわけでございますが、具体的に食の内容をそれぞれ専門家、つまり栄養士等を各家庭を訪問させまして、了解を求めて、その食生活の内容を科学的に調べております。なお同時にその対象となりました家庭につきましては健康診断をいたしまして、全体的に体力の推移を見ている次第でございます。その結果これを集計いたしまして、一方では摂取する栄養量の面から、一方では体力の面からこれを検討している次第でございます。
○白井勇君 端的に申しますと、この調査によつてその日本の各家庭の食生活というものがこういうふうに改善して行きますれば、栄養が摂れるとかそういうこう土台となる調査でありますか、これは……。
○政府委員(楠本正康君) 勿論これは只今御指摘のように今後私どもが食生活改善の指導いたします重要なる資料を得ておるわけであります。それらの成績に則りまして逐次改善を図つておるわけでありますが、同時に現在これは厚生省とは別の意味でありますが、例えば加配米の問題、或いは一般米の配給問題、或いは一国としての経済審議庁でやつております食糧需給計画等の重要なる資料と相伐つております。
○中山福藏君 ちよつと環境衛生の問題でお尋ねしてみたいのですがね。大都市周辺にあります屎尿貯蔵の関係ですね、これはまあ非常に文明国として恥ずべき場所が多いのじやないかと実は思つております。殊に昨年私北海道に行つて室蘭のわきにあります黄金の滝ですね。崖から大小便を海の中へ放り込んで、黄金の滝と俗に言つておりますが、ああいうものが日本にあるということはこれは大変な国の不名誉だと思うのですが、結局札幌なんかも十一カ所ぐらい周辺に屎尿の貯蔵所があつたと覚えております。こういうことに対して相当関心を以ていろんな処理方法をお考えになつておると思うのですがね。殊に大学の関係でこういうふうな学問はどういうふうな関係になつておるかということを私調べてみましたら、日本の大学に衛生工学というものは三つしかないらしいのですね、独立の科をもつておるものは……。だからこれは文部省とも一つよく御連絡をおとりになつて、ああいう黄金の滝みたいなものは日本の国から一つ影を没するような環境衛生施設をおやりにならんと大変なことだと、私は鼻をつまんで貯蔵所の周辺を歩いて廻つたのですが、こういうことについてどういうふうに予算をお組みになつて御処理になる方針であるか、これを承わつておきたいと思います。
○政府委員(楠本正康君) この環境衛生、特に屎尿処理の問題につきましては全く御指摘の通りでありまして、これがあらゆる疾病の流行の根源をなし、或いは極めて見苦しい非文化性の姿を露呈いたしておる次第でありますが、ところがこの問題につきましては私どももかねて非常に心配をいたしておる次第でありますが、何分にも最近とみに行詰つた仕事でありまして、従来はどうやら農村還元というものによりまして明治初年以来、否、徳川時代以来農村還元という形で出しておりましたものが、最近化学肥料が増産になる、有蓄農業が普及して来る、或いは農家の子弟が汚い屎尿なんか余り使いたがらなくなつて来たというようなことが相乗的に加わりまして、農村の屎尿の肥料としての需要が著るしく減小いたしております。逆に一方では都市の人口が急激に増加いたしまして、排泄量は逆に飛躍的に増加いたしております。その結果持つて行き場がなくなつて、まあ只今御指摘のような姿が各所に見られるわけでありますが、そこで私どもといたしましては二十八年度以来これを一応消化槽を設けまして槽の中に汲入れ、これによりまして水分と固形分とに分けて、水分はこれを全くきれいな水に変りますからして河に流す。固形分はこれを肥料として農村に還元する。この場合固形分は極めて量が減りますからして農村還元もそれだけ容易になる。遠方までも輸送できるということで優にその資源を活しつつ処理することができるのでありまして、かようなことを研究いたしまして本年度以来これを実施することといたしました。併しながら何分にもこれらの処置をいたしますには相当な、施設費を要しますが、一方国の補助今、来年度予算書に示してありますのは僅か四千五百万円、而もこの仕事の大部分を賄うところの起債も必ずしも思うに任せずさような姿になつておるわけでありますが、私どもといたしましては来年度予算はすでにきまつておりますが、あと残る問題はできるだけ起債の大幅な確保をいたしまして、起債によりましてこの問題を解決いたしたい所存でございます。 なお、私どもは屎尿問題は、将来の理想から申しますれば、勿論下水道を以て処理することを理想といたしております。つまり家庭の水洗便所を以て実施することを理想といたしておりますが、これには莫大な経費がかかりますので、とりあえず消化槽を作る。この消化槽はやがて将来下水が完成いたしましたときには、これを下水の終末処理場に活用いたしまして、従来トラックで輸送しておつたものをパイプで輸送するという計画で進んでいるわけであります。 なお、屎尿処理というような問題は、只今御指摘のように極めて総合的な技術を要するわけでありますが、何分にも日本の衞生行政におきましては、これらの総合技術を持ちました衛生工学というようなものは極めて立遅れた恰好に相成つております。私どもといたしましても今後各大学等と協力いたしまして、大いに科学研究費その他を増しまして、少くもこれら立遅れました環境衛生の中心となる衛生工学の点につきまして、その飛躍的な確立向上を期したい所存でございます。 なお、これらの方針に関しましては、目下私どもにおきまして新らたに清掃法というものを制定いたしたく考えまして、今期国会に政府提案として上程してございます。只今参議院の委員会において御審議を頂いております。
○中山福藏君 これは四千五百万円程度の予算では、とてもこれは九牛の一毛だと実は考えているわけです。こういうことは原子核の研究とか何とかも大事ですけれども、こういうことは国民全体として、又国会の立場から考えましても、私は厚生省としては御遠慮なく予算を御要求になつて、厚生省から各大学に御委嘱になつて、こういう学問は是非とも一つ衛生工学の真髄を究めるというところまでやつて頂きたいと切に私はお願いする次第です。で、どうですか、英国とか、ドイツ、アメリカなんかの屎尿処理に関して相当御研究になつて、そういう参考資料でもございますか、公衆衛生の……。
○政府委員(楠本正康君) この毎日排泄いたします糞便を同じ家の中にそのまま貯蔵しておく、つまり日本の汲取便所というものは世界民族の中で日本人だけでありまして、各外国では例外なくかような方法を講じておりません。ただ欧米諸国のように極めて下水処理というような進歩的なことをやつているところ、或いは野蛮国のように穴を掘つちや次々と埋めて行くような方法、或いは支那のようにその都度毎朝これを取捨てる方法、いろいろやつておりますが、何分にもかような穢いものを家の中にためておいて、而も汲取るという方法は日本独自のやり方でありまして、あまり自慢にならんことかも知れませんが、従つてこれらの問頭はどうも外国の本というのは必ずしも参考になりませんので、従つて今後日本独自の研究を進めて行きたいと考えております。
○中山福藏君 最後に一つ、それでどうですか、衛生組合というようなものを又もとのようにお作りになるということを聞いているのですが、そういうことに関連してちよつと聞きたい。
○政府委員(楠本正康君) 御指摘のように、一般衛生施策夜徹底いたしますには、政府の施策と相持ちまして国民がこれを入れる態度というものが極めて大事である。その意味から組織的に衛生組合というものが、そういつた組織網が極めて実際的の効果があることは申すまでもございません。併しながら、かようなものを頭降しに一つの組織ときめ込んで作つても、なかなか動くものでないということは、かねて私どもが戦前にやつておりました衛生組合組織によつて立証されております。そこでむしろ一律的に全国的に網をかぶせるというようなことをせずに、個々の地域につきまして民衆の盛上る意欲というものを中心にして何らか組織活動をさせるということが極めて効果が挙るようであります。最近昆虫の駆除等を実施いたしましたのは、いずれもそのやり方を実践いたしておるのでありまして、農村等においてもその結果は蚊も蝿も一匹もいなくなつたところも多々ございます。これらはつまり頭降しに官製的な組織を押付けるというのではなくして、誰かが中心となつてそしてそこに盛り上がる民衆の理解と協力というものがうまく噛み合いまして実施されて、そこのところに保健所なら保健所の指導の温かい手を伸してやるということによつて、最も効果が挙るように思われます。従いまして今後、少くとも私自身の考え方は、衛生組合を一律的に作るというようなことをせずに、逐次かような自発的な組織を育成して行く。そしてできたらそれに対して保健所の温かい指導を振り向けて行くというふうに考えたいと存じます。
○中山福藏君 私ちよつと部長さんに一つお願いがあるのですが、屎尿、これはなんですか、大都市の周辺だけでもせめてここ三年ぐらいの間に何とか御処理を願いたいと思うのですが、どうですか、そういう御確信はございませんか。
○政府委員(楠本正康君) 現在屎尿処理でまあ五カ年ぐらいの間に、現在行詰まつておるところ、或いは五カ年後に行詰まるであろうというところを拾つてみますると、大体人口にいたしまして約千八百万人ぐらいございまして、これらを整備いたしますには約百億の経費を要します。従つて私どもといたしましては是非これを五カ年計画といたしましてこの百億を、起債でも何でも結構ですから財源を投じまして、これら千八百万人分の屎尿だけは完全に処理をいたしまして、今言つたような状況を速かに解消いたしたい所存でございますが、併しながらこれに対しましても年々二十億の事業をいたさなければなりません。そこで私どもといたしましては何といたしましても今年は二十億の起債を確保することによつてこの問題を解決いたしたいという所存でございます。
○湯山勇君 環境衛生部長にお尋ねいたします。厚生委員会ではたびたびお尋ねをしたのですが、地盤変動の水道を二十八年度限りで新規を打切つておられると思うのですが、これはどういう理由によるか。地盤変動がとまつたというわけのものでもないと思いますし、又こういう施策こそ本当に厚生行政としては重要な施策である。又これと関連を持つ簡易水道にいたしましても、農家の主婦の方々は、電燈がついたときよりも水道のできたときのほうが嬉しいと率直に言つておるような状態でございますが、これらが三派修正で簡易水道のほうは増額になつたとは申しながらなお不足でありますし、殊に地盤変動の事業を今年度限りで打切つたということは、どうも納得が行かないのですが、一応その事情を御説明頂きたいと思います。
○政府委員(楠本正康君) 御指摘のように、地盤変動に伴いまする水道敷設事業は、来年度継続事業を完成して一応打切る方針の下に予算が計上してございます。従つて二十九年度でこれは打切りと申しましようか、本年で残された継続事業を来年度完成して打切りという予定でございますが、併しこの理由は、現在一般簡易水道につきましては、只今もお話のように、大巾に予算も編成をいたされております。ただ問題はどちらでやるかということになりますが、ただ地盤変動でやると補助率が二分の一、それから一般簡易水道でやりますと四分の一というので、それだけ地方の負担が多くなるというところに問題があろうと存じます。併しながら私どもは指導といたしまして、一般簡易水道の場合には国が四分の一、できるだけ府県においても四分の一を出すように勧奨をいたしております。その結果、従来までは各府県が大体国と同額の予算を計上して頂いております。従つて実際に市町村の負担する経費というものはどちらでも同じように思われます。而も一方同じ簡易水道でありながら、片や地盤変動の予算、片や一般簡易水道というようになりますと、事務処理にも若干の煩雑さも出て参りますので、これは最後的結論ではございませんが、現在までのところはさように考えておる次第でございますが、これはいずれかなり御批判も出ることと存じます。
○湯山勇君 ただ補助率だけの問題であれば、二分の一を四分の一にするということであれば、これは或る程度そのために簡易水道のほうをうんと殖やすというような措置がとられなければならない。もつと納得の行くようにするとすれば、二分の一と四分の一の中間をとつて、国が三分の一を負担する、そうして一本化するというような施策が講ぜられるのであれば、これは話がわかると思うのですが、現に地盤変動が起つておるさなかに、地盤変動は打切るということは、これは非常に矛盾しておると思いますので、更に御検討を願いたいと思います。これは特に大蔵当局にも是非お聞きおきを願いたいと思うのですか、来ていらつしやいますか。……それから今の簡易水道のほうについてでございますが、国が四分の一持つということは、国全体から言えばさして大きくはないと思うのです。その国が裏付けしたものは県が殆んど全部持ちますから、これも先ず問題はない。問題は簡易水道を設置する単位ですが、これは地方では大きいところは別ですが、殆んど大部分は部落単位でございます。部落単位で簡易水道を持つということのためには、部落の負担というものが非常に個人々々の負担が大きいのです。だからこれの負担の困難な度合から言えど、部落の負担が一番苦しくて、その次は県の負担で、その次が国の負担と、こうなつておる。だから少くとも部落の人たちがそれだけ苦しい現在のこの中から各人が金を出してやろうという意欲になれば、これは申請があつたときは全部認めていいのじやないか。それを認めても決して国はそれで困るということはないはずです。むしろ国のほうはたくさん用意しておつて、そうして部落がそれに対応する。県が四分の一持つてくれるとしても、うちの部落は半分は出せないというくらいな積極的な施策がとられなければこれはいけないと思うのですが、現在全く逆になつておる。これについては本年の予算は増額になつて、最初よりは満足すべき状態だけれども、決してこれで以て足れりとするものではないと思います。その補助率を一本化する問題、それから現在のような逆な逆立したような形ではなくて、本当に下から積上げたような形に持つて行くようなつまり実績に対して出す、そういう計画に対して必ず出す、そういつたような態勢をとる御意思がおありになるかどうか、一つ御説明頂きたいと思います。
○政府委員(楠本正康君) 只今御指摘のように各部落が日掛貯金、水道貯金の名の下に婦人会なんかが中心になりまして日掛貯金までして私の手許にその貯金帳、僅かな血の出るような貯金帳を見せつけられまして、ここまでやつたんだから補助金もくれと言われると全く私も身を切られるような気持がいたします。併し何分にも全国でこのような計画をしておりますところにすべて補助金がやれるだけの余裕がございません。そこで勢いまあ若干はかなりの査定等も行いまして無理は一層無理を生むようなことに相成つてしまいます。この点につきましては実情はよく存じております。そこで本年はお蔭様で若干予算も殖えましたが、現在のところは何分にも全国からすでに百億余りの事業量の要求がございますので、やはり今年もかなり厳格な予算の配賦になるのではなかろうかというふうに心配をいたしております。そこでこれも又予算はすでにきまつたことでありますので、ここでとやかく言うものではございませんが、併しながらできましたら起債のようなものでも多少でも一つ大幅に認めまして、従来のような余りにも痛ましいほどの努力を部落にさせないような仕組をいたしたいと存じます。特に最近は簡易保険等も標準額が上つた関係でかなり増収になる見込みでありますので、かような簡易保険の経費でも少しく注ぎ込んで無理なことをしない、そして全く簡易保険のごときものは農村の零細な金が貯蓄されて行くのですから、かようなものを農村に還元して行くということがどうせ工事費にぶつ込む金ならばそれを貯蓄に廻す、その代り貯蓄に廻した金で自分たちの好きな施設に、熱望する施設に振向けて行くということが本当に社会保障の姿じやないかと私は考えております。
○湯山勇君 お話はよくわかりましたが是非そういうふうなことが実現するように御努力を頂きたいと思います。 それで環境衛生部長に対するお尋ねを一応終りまして、次に看護課長にお尋ねしたいと思います。今いろいろ取沙汰されている中に看護婦の免許について養成課程を改えて行こうというような話がちらちらあるようですが、それから助産婦についても同じような話があるようですが、これは担当課長としてどうそれらについてお考えでございましようか。
○説明員(高田浩運君) 只今お尋ねのございました保健婦、助産婦、看護婦の試験免許に関する改正云々のことでございますが、私どもの考え方といたしましては根本としては現在の立て方を持続して行きたい、かような考え方でおります。
○湯山勇君 次長さんおられるのをつい失念して失礼しましたが、重ねてお伺いしますが、助産婦の方に今問題になつております避妊薬を販売させるということは、私は配置販売人がすでにそれを扱つておるという現状においては、当然認めていいのじやないかと思うのですが、これはどなたの御担当になるのでございますか、薬務局長のほうでございますか。
○政府委員(高田正己君) 配置販売で避妊薬をあれしておるから、助産婦さんにも売らしてもいいのじやないか、こういう趣旨の御質問でございますが、配置販売業というのは、申してみれば薬品の販売の一つの業態といたしましては古くから特にこの薬局とか薬種商とかそういうふうなものが、普及しがたいこの農村、漁村方面にそういうふうな業態が非常に古くからございまするので、その一つの姿をとらえて今日も認めている。従つて今日の薬種法の建前からいたしまするとどつちかと申しますると、例外的な一つの販売形態である。而もそうではありまするけれども、その配置販売業には何と申しますか、帳元と申しておりますが、帳元とそれから配置員との間には雇傭契約がなければならないとか、或いは又これは飽くまでも配置でございますから、金銭の授受というものはずつとのちのちに行われるとか、そういうふうな非常に特殊な形を持つたものを今日配置販売業として認めている。従いましてこれはどちらかと申しますと、今申上げたように例外的な一つの販売形態でありまするので、これを何と申しますか、この形を非常にルーズに解しましてこのまあ或る団体で雇傭契約等もなんにもない、それから金銭の授受というものもそういうふうな形態をとつておらないというふうなものまで認めて行くということになりますると、現在とつておりまする薬種法の薬品の販売形態というものが非常に根本から揺いで来る、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。それでなおこの配置員が置いて行つておるのであるから、助産婦さんにやらせてもいいのじやないかというふうな、この何と言いますか、人間の、実際に配置をしておる人たちの素養といいますか、そういうふうな意味での御比較のお気持が御質問の中に若干あるかと思います。これは配置員はいろいろな恰好をして農村漁村を廻つておりまするけれども、薬ということにつきましては、殊に自分たちが持つて歩く薬ということにつきましては、相当な知識なりそういう業態についての経験を持たせるように相当訓練をいたしております。これはこの帳元といたしましてはさような訓練をいたしませんと、自分の商売が発展をいたさないというふうな経済的な立場に立つて、そういうことが行れておることもございまするけれども、又私どものほうの一つの行政指導といたしましても相当な訓練を要求いたしております。あながち配置員でありますから何も知らないものが廻つておるというようなこともないのでございます。この点は蛇足であつたかと思いますが、申添えて置きます。
○湯山勇君 私は知識のまあ足りるとかなんとかいう問題よりも、お医者さんにも相談できない、或いは誰にも相談できないようなことを親身になつて避妊というような問題について相談相手になつてくれるのは、やはり助産婦の方なんだから、で又幾ら避妊薬の使い方のあの配置販売をしておる人たちに訓練されても、その訓練されたという配置業者の人に、じやその使い方を聞くということもいろいろ問題があると思うのです。で若し厚生省が産児制限ということを本気で採上げるのであれば、そういう思想を、或いはそういう習慣といいますか、何といいますか、そういことを普及徹底させるためにも、単にこれは医務局という狭い視野じやなくて、一つの政策全般の立場から助産婦の方の手を借りて心やすく相談できると、そういう態勢を利用すべきじやないかというようにも考えるのですが、その点は如何でしようか。
○藤原道子君 それに関連して……。助産婦さんが配置業者というのですか、その薬屋さんより知識がないというのはおかしいのです。二十七年の三月の優生保護法の改正に当りまして助産婦さん、看護婦さん、保健婦さんには再教育をして、妊娠中絶の普及指導員として再教育してこれに当らせるということが決定しているのです。従いましてこの妊娠調節の普及指導員としての資格を持つている産婆さんたち、これに器具を扱わせ、或いは薬を扱わせることは私は何ら差支えないと思う。殊にあのときの、法成立の当時の委員会におきましての我々の考えは妊娠調節が普及して来ればお産が減るのです。お産婆さんは生活権の問題なんです。それがいろいろ論議されましたけれども、幾ら保健所に優生保護相談所があつても、そこまで来る人は少いのです。それから金のある人、知識のある人、こういう人たちはすでに妊娠調節を行なつておる。だがそうした余裕のない、金のない山間僻地にいる人をどうするか、庶民階級にどうするかということが問題になりまして、それには一番いいのは、心やすく一人々々指導することのできる助産婦さんが最適任者ではないか、この助産婦さんを再教育することによつて、この人に指導さして、そしてこれに対しては指導員としての給与を政府が出そうというようなことがあのときには約束されたのです。ところがすでに講習会は終つてその資格は持つておるけれども、何ら予算的措置がなされておりません。而もこの人たちは相談されれば相談に乗る。むしろ国策遂行の上に率先して相談に乗つておる人がたくさんあるのです。この人たちは相談指導すればするほど、自分の商売は減つて来るのです。だから政府が予算等においてなかなかそれができないというのだから、それならば特に山間僻地等においてはこの器具の取扱い、それからお薬の取扱い、これらをさせるのが私は当然だと思うのです。ただ一部聞くところによりますると、薬剤師関係のほうから猛烈な反対があるやに聞いておるのですけれども、山の中で誰に相談するかというようなことになりますと、やはりこれはこの際毅然とした立場に立つての御処置が私は必要でないだろうか、これを一つ、私はそう考えるのでございますが今ひとたび御答弁をお願いいたしたいと思います。
○横山フク君 大分皆さんから言つて頂いて、まだここに御欠席の皆さん方もその問題については御発言なさる御意思があつたと思うのですが、大分時間が、長くなつたのでお帰りになりましたのですが、殆んどこの委員会の全委員の声であると私は思うのでございます。で今局長さんのお話に配置販売員はよく訓練してあるというお話でございますが、その訓練する法的根拠はどこにあるのでございましようか。助産婦の場合、或いは保健婦、受胎調節設置指導員の場合におきましては厚生省におきまして指導要綱というものができまして、それによつて認定講習を受けておるのでございますのでございまして、私どもの考えでは若しそういう面で配置販売員に比べてもその知識が劣るということであつたなら、その当時においてなぜ講習会の認定科目の中にその項目もお入れになつて、そうしてこの受胎調節が実際に地に付いて行われるような形にしなかつたかということが私としては非常に遺憾なんでございます。これは薬務局長だけではなくて厚生省、或いは厚生大臣に伺うことだと思うのですが、今日のようなちんばのような片輪のようなものを作つて、それで何になるかという問題でございます。でそうだといたしますれば、若し教育が足りないならば、そういう方面におい或る教育を授けてもこの問題を推進されるべきだ。問題は人工中絶におきまして公衆衛生院の発表で医事新誌に出ておりましたけれども合併症が五五%あるということがすでに出ておるのでございます。この方面を救うためには受胎調節によつて救う以外にない。先進国のアメリカでは受胎調節が行われて、人工中絶はそれに切替つておる。問題は薬剤師、医者の業権擁護という問題ではなくて、如何にすれば一般民衆、婦人にいいかということをお考え願いたいと思う。それで只今医薬分業のような問題でごたごたしておることは、私にとつては非常に見苦しいものだと思う。そうではなくて一般民衆はどちらがいいかというような問題に観点を置いて考えるべきだ。そう考えれば当然解決されるべき問題だと思うので、局長さんも御存じでしようが、東京では避妊薬はどこで売られておるか、一般の薬局では売られておらない。デパートの薬品部で売られておる。デパートで買う場合はどこの誰かわからない。そこにいいところがある。田舎ではデパートはない。あのおばさんは避妊薬を買つて行つたということがすぐわかる。それで避妊薬を買おうと思つても買えない。それを助産婦が扱うとその問題が公けにならない。今まだ農村では封建的な風潮がある。それを阻んでおる風潮がある。それが又一面においていいところではあると思うんで、そういう気分も勘案してその問題もうまくして行くようにして頂きたいと思う。又私は薬剤師さんが、助産婦がこれを売るのは商売が減るというのはけちな根性だと思う。避妊薬を助産婦が売ることによつて受胎調節が行われるということよによつて、避妊薬が二度三度と薬局から買われる途も出て来ると思う。助産婦の場合は薬局で売る宣伝にもなると思う。薬局の方々、役務局長さん、大きな気持ちで考えて頂きたいと思う。殊に今お話で配置販売の場合には又何とおつしやいましたか忘れましたが、親元というような非常に統制的な機構ができておるというお話でございますけれども、その方面におきまして私のほうでも御指示によりまして、或いは配置販売業者以上によく組織のできておることは、もう薬務局長は万々御承知のことだと思うのです。(拍手)私はそういう方面におきましても一つお願いいたしたいことは、この前の薬務局長だと思いますけれども、前に厚生委員会で薬務局長からこの受胎調節がうまく行われないのは、かかつてこの避妊薬の扱い方にあるのだ。であるから自分としてはこれに対しては何らか使法を講ずるはずであるということをはつきりおつしやつたのを私は聞いておる。速記録も当時のことを見るとわかると思う。前の局長が言つたので、私は知らんということはないと思う。厚生省の薬務行政というものは一貫したものがあると思う。責任を持つてこの問題を解決づけて頂きたいと思うのでございます。
○政府委員(高田正己君) 三先生かから縷々お話がございまして、御尤もな点も多々あるように私も拝承いたします。なお私が先ほど申しましたことで、若干言葉が足りませんで或いは誤解を頂いたかと思うのでありますけれども、私は決して配置員と助産婦さんとが薬の知識についてどうこう言つて比較して申したわけではないのであります。いろいろな恰好をして歩いておりますから、あんなものは何も薬は知らないじやないか、ただ配つて歩くだけじやないか、こういうようなことが考えられてでもいるのではないか。あれも教育をしているのだということを附加えて申上げたのであります。その点はどう御了承頂きたいと思います。 それで今いろいろお話がございました点、私たち確かにお話のように受胎調節を十分に普及をいたしますことにつきましては、助産婦さんの御協力を得ることが非常に大事であるということで、たしか法律も改正になつてその指導員になつて頂いておるわけでりあます。その御指導願うことにつきましてとやかく申しておるわけではないのであります。ただ御承知のように、今日要具のほうは、販売のほうはサックスみたいのようなものでございますからこれはどなたがおやりになつてもいい。ただ医薬品というものは一定の資格のある者でないと扱えないという一つの法律の制度になつておるわけなんです。そういう観点から、勿論今日薬事法がとつております資格を得て、これは薬剤師でなくてもいいわけですから、薬剤師とは限つておりません。従つて、そういうような資格を得ておればこれは問題ではないのでございます、どの人がどういう方であろうと……。併しながら医薬品というものは一つの一定の資格を持つた人でないと扱えないという法律上の制度というものは、これは又別個な観点から、国民保健の確保という観点から、そういうように法律がそういう構成をとつているわけでございます。それで便利だから何でもかんでもということになり、或いは医薬品を扱つておる一番知識のないようなもと比べて、ちつとも助産婦さんも劣らないじやないかというふうなことで、この法律の建前を根本的に崩して参るということは、これはどうも現行法の上では私はできないと思います。従つて、そこで今前局長の答弁云云のお話がございましたのですが、私の聞いておりまするところでは、受胎調節の主管局長ある公衆衛生極局長から曾つてお答えをしたことがあると記憶をいたしております。そのときにもいろいろ私どもと話合つたのでございますが、現在の薬事法の建前からすれば、これは助産婦さんであるからと言つて薬を扱えるのだということにする例外的に認めるわけでございますから、これは取次ぎ行為だからと言つて非常に広くこれをルーズに認めるわけには行きませんけれども、限定された意味で、そういうふうなことであるならば、いろいろ縷々お話のございましたような趣旨を汲んで一つ認めて行けるのじやないかと、ころいうような答弁を公衆衛生局長からいたしておると私は記憶いたしております。それで、ころが今のお話の中にいろいろな話があつたわけでございますが、配置販売業云々というようなお話がありましたので、これは恐らく助産婦の団体を一つ配置販売業として登録をすることこれには薬剤師さんか何かを雇つてとればいいじやないか、それで会員の助産婦さんが配置員という形でやれないか、こういうふうな御趣旨のように私は伺つたわけなんです。そういたしますと、今までの配置販売業を認めておりまする業態というものは、それがさつき申したようなことである。而もそれは今日の薬品の販売形態としては例外的ではあるけれども、これは多年の伝統ということ、農山漁村の薬品入手の便宜ということを考えて例外的に認めておる。従つてそういうふうなものに今のような助産婦さんの団体と会員との御関係をそういうふうなものにしてこれを認めて行くということになるならば、非常にこれは無理が生じて来る。例えば他のいろいろな団体がそういう形で配置販売ということになつて行われるならば、今日の薬品の販売の建前という薬事法の根本にもこれは触れて来る問題だと、こういうふうな気がいたしましたので、あのようなお答えをいたしたわけであります。さようなわけでございまして、立法論は別といたしまして、今日の法律の建前から行きますると、なかなかその辺に無理があるということは一つ御了承頂きたいと存ずるわけでございます。
○藤原道子君 公衆衛生局長はいないけれども、公衆衛生局の人もそこに並んで下さい。局長のほうがえらいなんて遠慮しないで答弁して下さい。そこでお尋ねするのでございますが、私たちは産婆だから全部にそういう便法を講じろなどということは申しません。産婆として受胎調節の指導のできる再教育を受けた人、これを言つているのです。で、デパートでさえ売つている避妊薬を、実地指導に当らせるべく政府の機関で教育をして、レッテルを貼つているでしよう。これはこの人が個々に指導する場合に、そういう方法があつたほうが国策遂行上においても非常に効果が上るのです。そういう場合に公衆衛生局としてはどういうふうにお考えになるか。そういう場合でも薬務局長はいけないというふうにお考えになるか。私は資格を持つている人たちということを申上げておる。それから今度の予算書を見ましても、受胎調節に要する費用が減額になつている。この受胎調節というものに対して厚生省はどの程度の熱意を持つておいでになるか、私疑わざるを得ないのです。大きな、人口問題ということは、それこそ大変な問題だと思うのに、これに対して熱意がちつとも足りないのです。ああ言えばこう言う。こう言えばああ言つて、答弁をうまく逃げさえすれば済むようなつもりでは、大事な厚生行政を任しておくわけには行かないのです。はつきりした答弁を聞かして下さい。本当ですよ。重大問題ですから。
○政府委員(楠本正康君) 受胎調節は御指摘のようにこれを実施することになると極めてデリケートな点もありますので、できるだけ地方の実情、或いは家庭の実情等を見まして実施をいたしますことが極めて大事であります。従つてその意味から申しまして、その指導網として、或いは助産婦の団体、或いは保健婦というものは、これは極めてさような意味で適切な措置だと考えております。そこで私のほうといたしましては、かねて少くともこれらの方方で一定の再教育を受けた者は器具を使うこともよろしい。薬品を使うこともよろしいというふうにすでに規定しておるのであります。その点は御承知の通りであります。従つてこれらの組織網が本当に地方の実情に即しつつ親切に指導して参りますれば、かなりの効果があろうと思います。従つてこれらの点は以前からの方針でございまして、何ら今変つておるわけでございません。ただ予算の点につきましては、若干の減額があるようでありますけれども、併しこれらのものは、むしろ予算というよりも、如何に組織網をうまく動かして、それぞれ各家庭に結びついて行くかということのほうが行政指道としては重要なことではないかと思います。役人がこれを一々予算を楯に主張してやつたところで必ずしも十分な効果が上らない。むしろこれは組織網を生かして行くというところに中心を置けば、予算の少いところも十分にカバーできると私は考えまして、勿論予算は多いほどこれはいいわけでありますけれども、併し国家財政の観点もありますので、予算が少くても、できるだけの仕事をして行くことこそ役人の使命と、かように考えておる次第でございます。なお、その場合、器具を使うことも、或いは薬品を使うことも一向差支えないわけです。ただその薬品を売るというようなことになりますると、そこに若干問題が出て来るということを恐らく業務局長は指摘されたのだと思います。
○横山フク君 今楠本部長おつしやつたのは、担当者でないから御無理もないと思うけれども、御返事ぐらいのことはわかつておるのです。又今更聞かずもがなのことなのでございます。で、組織網を生かせ、少し楠本部長あとで速記録を御覧になつたら面白いと思うのです。簡易水道のときは予算くれという。今度受胎調節のときには予算の問題でない組織網を化かせば十分だ……、これは担当の者と担当でない者が答弁するのとはこれだけの距りがあるということはここにはつきり出て来る。組織網を生かすということにはこれには限度がある。部長は御存じなんです。受胎調節は誰がする。金持ちには受胎調節してもらいたくないのです。その必要はない。貧乏人がするのです。貧乏な人たちは、避妊薬は買えない。避妊器具は買えないのです。指導料が払えないのです。そういう人をどうするかという問題に組織網を生かせ、予算は要らないなんて、そんな話はないと思うのです。併しこれは部長じや仕方がないのですから、それはこの次にいたします。 私は局長に伺いたいのでございます。業務局長に伺いたいのですが、受胎調節の実施指導員は、私は助産婦に資格をくれとか、保健婦にくれとういのじやない。助産婦でも保健婦でもそのうちの受胎調節の実地指導員となつた人たちに避妊薬に限つての販売を許せというのです。その場合に、それは勿論現在の講習要綱、受講内容ですね。そういうものだけでは物足りないということだつたら、その面において或る課目を入れて、そうしてそれにおいてならば、避妊薬に限つてだけは許せるかどうか。そういう方面に対して考えるかどうか。それは私も成るほど薬事法を紊すということはわかります。無条件に許すのは、これは紊すのです。無条件に許せということは私は言つてないのです。この受胎調節の実地指導員に限つて、その受胎調節の実地指導員に対してその満足の行くような或る講習を受けさせたならば許すということになるのかどうか。その講習を受けさせることをしても、なお且つ避妊薬に対しても許せないのか。そこの点を私は先ず伺いたいと思うのでございます。
○政府委員(高田正己君) 受胎調節の指導委員であるから直ちに薬品の販売の資格を認めるということは、これは法律を改正しなければできません。これは受胎調節の指導員という方の何と申しますか、性格と、薬品を販売するというものとの性格はおのずからそこに区別があると思うのです。例えばこれは余談になるかと思いまするが、生活改善というようなことにつきましても、これは受胎調節と若干の関連があると思います。或いはそういうようなことも含んで指導するような場合があるかも知れません。といたしますれば、これは間違つておるかも知れませんが、生活改善指導員であるからして薬品の販売業の資格があるというふうにいたしまするには、これは現行の法律を改正をいたさないと私はさようにできないものであると、かように只今のところ考えております。それで先ほども申上げましたように、その販売を業とするということでなしに、御指導になりまして、そこに或いは配置でおいて行つたものが、山の中であつたら避妊薬があるかも知れません。それをお使いになつて指導をなさるということも私は可能でありましよう。或いは又ものがなければ然るべく販売業者からこれをお取次ぎをなさつて頂くということも、これはよかろうと思います。併し受胎調節の指導員であるから直ちに医薬品販売業を許してくれ、許すようにしろと、こういうお話につきましては、これは現行法の下ではむずかしいということを私はお答えをせざるを得ないと思います。
○横山フク君 私お取次ぎというのはわかります。これは前の局長からもお話があつたのであります。併しこの問題は厚生省の薬務局長はそうおつしやるのでございます。併し地方の薬務課は決してそれをおつしやらないのです。これに対して地方の薬務課長に、そういうお取次ぎをして、助産婦がお取次ぎをしてこういうものを持つて行つて差支えないということに対して御指示頂けるのでございましようか。この問題が一つ。 それからもう一つの問題はもつと本本論のほうで、実地指導員にそのまますぐ薬品を売らせる売るということは、これは法律を改正しなければならない。これは私も知つております。がその薬種商の人たちが、試験を受ければ薬種商になる。それと同じように、薬種商全般の取扱いますそのうちの、避妊薬に関する限りの講習を受けて、その代り避妊薬に関する限りの取次ぎを許すということに対して、局長としてはどうお考えなんですか。それに対して行政措置としてできるかできないか。それも若し法律を改正しなければならないということであつたら、法律を改正するということに対しての協力の御意思があるかどうかということを伺いたい。
○政府委員(高田正己君) 取次ぎの行為の程度であれば認めるということを、地方へ流すかどうかという御質問でございますが、これは若し地方で若干の混乱があるといたしますれば、私どもそのことを流してもよろしいと存じております。 それから薬種商については御質問の趣旨がよく私受取れませんでしたので、或いは間違つたことをお答えするかも知れませんが、若し間違つておりましたら重ねて御質問頂きたいと思いますが、薬種商の場合には御承知のように、建前としては営業免許として多年薬屋なんかに奉公しておりまして、薬局等に奉公いたしておりまして、一例でございますが、そうして薬について長い経験を持つておる者について、それぞれ都道府県が考査をいたしまして、これは薬の知識についての調査でございます。考査をいたしまして、そうして営業免許という形で薬種商というものを今日販売業として認めている。これは飽くまでも店鋪営業でございます。それで今日の薬品の販売業は原則は店鋪をかまえて販売をするというのが原則になつております。その例外として一つ配置販売というものがあるわけでございます。それでなぜ、今日の薬種商が店鋪をかまえてということを申しておるかと申しますと、これは飽くまでも何と申しまするか、そういう薬というものを売つたところの責任というようなもので、私はそういうようなものと関連をしておるのです。従つて街頭で昔よくございましたけれども、これは何にききますと言つて縁日なんかで売つているような分は、今日は違反として厳重に取締つているわけです。従つてそういうようなわけでございまして、薬種商というものは飽くまでも今日の薬品販売業の原則に即した恰好に実はなつておるわけであります。その辺のところを御了承を頂きたいと存ずるわけでございます。
○横山フク君 又いずれ考えましてそうして適当な質問なり何なりをいたしたいと思つております。併し現在のところではつきりしたことは、取次はして差支えない、それはよろしうございます。それに対して局長から御必要ならばそういうのをして差支えないということを流すこともいたしましよういうお話でありますけれども、早速それは各県の薬務課へ助産婦が取次をすることは差支えないということをお流し頂きたいと思うのであります。各県の薬務課長は取次ぐこともけしからんと言つております。併しそれを何というんですか、しばるという前に、先ず協会の支部の助産婦の会長を呼び寄せて、そういうことをしちやいかんということを頭打ちにされておるようでございます。併しそれは今のお話から見ると遥かに違つているように思います。でございますので、まあ今の段階ではここで無理に押しても仕方がないので取次はすることは認める。であるから避妊薬に関する限り助産婦が取次ぐことは認めるように手配しろですか、何ですかというような文書を早速に流して頂きたいと思います。同時にお流しになられた文章をこの予算委員会に一部お渡し願いたいと思います。それをお願いいたします。
○政府委員(高田正己君) 地方の業務課で取次行為はけしからんと言つて怒つたというようなお話でございますが、これは私はまだそういうことは聞いておりませんので、想像かも知れませんが、取次行為に名を藉りて販売をいたしたというふうな場合には、これは怒るのは尤もだと思います。従いましてその取次行為は飽くまで取次行為でありまして、これは私どものほうで確かと認められる範囲のものを一つ地方に間違いのないように仰せのように一つ流したいと思いまするので、御了承願いたいと思います。
○横山フク君 早速そこら辺のところも怪やしそうでございますが、取次に名を籍りた販売、何か変なお話でございまして気に食わんのでございますけれども、いずれそのことも文書の中に示唆を与えたような文書もあり得るだろうと考えまして、非常に憂慮に絶えないのであります。で早速その文書を私のほうに頂きたいと思つております。
○主査(相馬助治君) 速記をとめて…。 〔速記中止〕
○主査(相馬助治君) 速記を始めて。
○藤原道子君 実地指導員に補助金を出すというような考え方はないのでしようか。この前講習はしたけれども、しつ放しで区々まちまちなんです。或る県に行くと県費を以て一年間百円なんという手当を出す、と思うと或る県に参りますと、一つ指導するたびに二百円取つておるというようなことでやつておる所もあります。そういたしますと二百円にしても、人によつて払える人なら何も私たち苦労しないのです。そうすれば結局指導してもらうことを断わるわけですが、そうすると厚生省が金をかけて講習会をやつても、而も講習を受けるたびに産婆さんは山の奥から出て参りますと、二千円ぐらいかかるのです、こういう講習を受けに出て来るために……。而もそれには商売を休んで来るのです。こういうふうにして犠牲を払つて講習を受ける価値があるかどうかというようなことが起つて来るのです。ですから実地指導員に対して将来政府はどういうふうにするつもりなんですか。それを私は聞かしてもらいたいと思います。
○政府委員(堀岡吉次君) この問題につきましては、厚生省といたしましては計上しなくていいというような考えは毛頭持つておりません。只今御審議を願つております昭和二十九年度の予算案におきましては、右の経費は計上いたされておりませんが、諸般の事情がありましたこと等は改めてここで申上げることは差控えたいと思います。まあ御賢察願いたいと思いますが、将来におきましては厚生省としましてはこの問題については重要な政策の一つと考えておりますので、十分努力したいと考えております。御了承頂きたいと思います。
○藤原道子君 実は私、生活保護対策に対しても、結核対策に対しても、狂犬病の対策に対しても緊急の問題がたくさんあるのです。時間も余り遅くてほかのかたにも御迷惑と思いますから質問を留保いたします。
○主査(相馬助治君) 分科会における質問は一応終了したこととして、又一般質問等において厚生省関係の質問は保留されたということを確認して本日はこの程度でとどめたいと思います。明日は十時より開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十七分散会