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19回国会参議院1954/03/24

予算委員会第一分科会 第1号

発言数
203
登壇者
22
会派数
6
開催日
1954/03/24

会議録

小野義夫自由党

○仮主査(小野義夫君) これより開会いたします。  参議院規則第七十五条によりまして、年長者の故を以て私が正副主査互選の管理をいたします。これより第一分科会の正副主査の互選を行います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 私は正副主査の互選は、成規の手続を省略いたしまして、管理者において指名せられんことの動議を提出いたします。

小野義夫自由党

○仮主査(小野義夫君) 中田君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野義夫自由党

○仮主査(小野義夫君) 御異議がないと認めます。よつてさように決定いたします。  それでは私より主査に森八三一君、副主査に中川幸平君を指名いたします。   ―――――――――――――    〔仮主査小野義夫君退席、主査着席〕

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) 御指名によりまして、私が主査の席に着かして頂きます。どうぞよろしく御努力をお願いいたします。  それでは只今から第一分科会を開きます。第一分科会に付託されております議題は、すでに御承知のように、昭和二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、及び同政府関係機関予算のうち会計検査院、保安庁、法務省、外務省、大蔵省及び運輸省所管、並びに他分科所管外事項であります。審査は本日と明日と二日の予定になつておりますので、非常に時間が少いわけでありますが、審査の実を挙げまするために、今後の取運び方につきましてお諮りをいたしたいと思いますが、本日の午前中、付託されております各省庁の予算に関しまする説明を全部聴取することにいたしたいと思います。午後からの時間を質疑、審査に当てることにいたしまして、一応の腹案といたしまして、本日の午後一時から二時までを検査院、二時から三時までを法務省、三時から四時までを外務省と、勿論この時間にそんなに拘束される必要はないと思いますが、大体の振割をそんなことにいたしまして、更に明日の午前中を運輸省、一時から三時までを保安庁、三時乃至五時を大蔵省その他の事項というような区分の大体の見当をつけまして審査を進めて頂きたいと思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) 御異議がないようでございますから、さような心組で進行をさして頂きます。  つきましては、最初に会計検査院の予算に関する説明を聴取いたします。会計検査院からは説明員の会計検査院事務総長官房会計課長の高橋君が出席をいたしております。高橋君から説明を求めます。

高橋豊会計検査院事務総局事務総長官房会計課長

○説明員(高橋豊君) 会計検査院所管昭和二十九年度予算要求の概要を御説明申上げます。会計検査院所管昭和二十九年度予算要求額は三億九千九百十九万四千円でありまして、これを前年度予算額三億四千九百七十四万五千円に比較いたしますと、四千九百四十四万九千円の増加となつております。今要求額の主なものについて申上げますと、人件費三億一千十四万八千円で、これは職員千百十八人分の給与手当等でありまして、予算総額に対して七五%となつております。検査旅費四千四百七十四万四千円で、これは、書類検査と並行して職員を各地に派遣して実地につき検査をするために必要な経費でありまして、その割合は一一%となつております。庁費一千四百二十八万七千円で、これは一般庁費二千九十万五千円、特別庁費即ち検査報告等印刷費及び検査台帳等印刷費三百六万八千円等となつております。書庫新営費千六百万円で、これは計算証明規則に基いて各官庁及び政府関係機関等から提出されます証拠書類を保管する書庫で、大体この枚数は年間五千万枚内外ありまして、検査完了後五カ年間保存することになつておりますので、これを格納しておくのに必要な書庫の坪数は約千五百坪であります。現在会計検査院が保有しております坪数は約九百坪でありますので、なお六百坪ばかり不足しておりますが、取りあえず三百坪を建設いたす予定であります。  次に、前年度予算に比較して増加となりました四千九百四十四万九千円につきまして、その主なものを申上げますと、これは本年一月から実施されました政府職員の給与改善に伴う増加三千五百五十九万四千円、検査旅費の一割余の増加四百四十六万四千円、書庫新営費の増加千六百万円等であります。  以上甚だ簡単ではありますが、会計検査院所管昭和二十九年度予算要求額の大要の説明を終ります。なお詳細については御質問によりお答え申上げます。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) それでは質疑はあとに譲りまして、引続きまして保安庁関係の説明を求めます。保安庁から官房経理局長石原君が出席されておりますので、石原君の説明を求めます。

石原周夫保安庁経理局長

○政府委員(石原周夫君) 昭和二十九年度保安庁予算案につきまして、その概要を御説明いたします。  昭和二十九年度保安庁の歳出予算案の総額は約七百八十八億円でありまして、これを昭和二十八年度歳出予算額約六百十三億円に比べますと、約百七十五億円の増加となつております。このほか施設の整備及び船舶の建造につきまして、その工程及び支払が昭和三十年度に及ぶ分につきましては、国庫債務負担行為として施設の整備については四十七億円、船舶の建造については三十三億円、計八十億円を計上いたしております。従がつて、保安庁の昭和二十九年度における支出負担行為予定額は、歳出予算の金額に国庫債務負担行為案の金額を加えて約八百六十八億円となるわけであります。  先ず、予算案見積りの基礎であります職員の定数及び各自衛隊の規模の概略について申上げます。保安庁の昭和二十九年度の予算上の職員定数は自衛官十五万二千百十五人、自衛官以外の職員一万三千四百二十五人、計十六万四千五百四十人でありまして、これを昭和二十八年度の予算上の職員定数に比べますと、自衛官において三万一千七百九十二人、自衛官以外の職員において九千五百九十五人、計四万一千三百八十七人の増加となつております。自衛官の職員の増員は主として自衛隊の増勢に伴うものであり、自衛官以外、の職員の増加は自衛隊の増勢等に伴う増員から行政整理に伴う減員を差引いた人員となつております。  長官官房及び各局、保安研修所、保安大学校並びに技術研究所の職員定数は自衛官以外の職員で七百六十九人、うち一人政務次官でありまして、昭和二十八年度のそれに比べて百八十五人の増加となつております。この増加は主として保安大学校における学年進行及び技術研究所の拡充に基くものであります。昭和二十九年度より新に統合幕僚会議を設けることとし、これがため自衛官二十人自衛官以外の職員十三人、計三十三人を増員いたしております。  陸上自衛隊につきましては、自衛官二万人、自衛官以外の職員八千七百人、計二万八千七百人を増員すると共に、主動部隊に重点をおいて部隊等の編成の改正を行い、自衛官十三万人、自衛官以外の職員一万五百八十人、計十四万五百八十人を以て一方面隊、大管区隊その他の部隊及び機関を編成することといたしております。  海上自衛隊につきましては、昭和二十八年度において建造に着手した警備船等十六隻九千百二十トンが昭和二十九年度において就航乃至完成いたしますので、その乗員等として自衛官千六百十一人、自衛官以外の職員八十七人、計千六百九十八人を増加すると共に、昭和二十九年度において新に米国より供与を受ける駆逐艦等十七隻二万七千二百五十トン分の乗員等として自衛官三千八百七十四人、自衛官以外の職員百三十二人、計四千六人を増員することとしております。従つて海上自衛隊の増員は自衛官五千四百八十五人、自衛官以外の職員二百十九人となり、従来の定数と併せ海上自衛隊の職員定数は自衛官一万五千八百八人、自衛官以外の職員五百八十五人、計一万六千三百九十三人となつております。なお、昭和二十九年度末の船舶の保有予定量は約九万トンでありまして、この外昭和二十九年度において新に駆潜艇等十四隻二千六百七十トンの建造に着手することといたしております。  航空自衛隊は昭和二十九年度におきまして、職員定数自衛官六千二百八十七人(内レーダー関係千三百人)、自衛官以外の職員四百七十八人、計六千七百六十五人を以て新たに発足するものでありますが、昭和二十九年度におきましては各種練習機等約百十九機により主として要員の養成を実施することといたしております。  次に予算案見積りの概要について申上げます。長官官房及び各局並びに統合幕僚会議の運営に必要な経費は約二億四千万円であります。附属機関即ち保安研修所、保安大学校及び技術研究所の運営に必要な経費は約十億五千万円でありまして、昭和二十八年度のそれに比べて約七億四千万円の増加となつております。この増加は主として保安大学校の学年進行による増約一億七千万円、技術研究所の研究費等の増約五億六千万円によるものであります。  陸上自衛隊の運営に必要な経費は約四百億三千万円でありまして、昭和二十八年度のそれに比べますと、約一億八千万円の減少となつております。職員定数が二万八千七百人も増加したにかかわらずその運営費が却つて減少いたしておりますのは、昭和二十八年度予算におきましては通常の運営費のほか装備品費の予備として約四十億円、航空機購入のため約十五億円、燃料その他の予備として約十四億円、計約六十九億円の臨時的経費が計上されていたに反しまして、昭和二十九年度におきましては、増員及び編成の改正等に伴う初度装備品につきまして、昭和二十八年度までの予備及び更新分の利用をはかる等極力歳出の圧縮に努めたためであります。  陸上自衛隊の運営費を現態勢の維持に要する分と増勢に必要な分に区分いたしますと、昭和二十八年度までの定数自衛官十一万人、自衛官以外の職員千八百八十人、計十一万千八百八十人の通年維持費は約三百五十億二千万円でありまして、昭和二十九年度に増員を予定いたしております自衛官二万人自衛官以外の職員八千七百人、計二万八千七百人に要する経費は編成の改正に要する分を含めて約五十億一千万円であります。現態勢分の通年維持費の内訳といたしましては、人件費約百七十六億五千万円、昭和二十九年度において三年満期の到来いたします隊員約七万三千人に対する特別退官退職手当約二十四億一千万円、庁費器材費等の物件費約百九億一千万円、糧食費約三十八億六千万円、その他約一億九千万円となつております。昭和二十九年度増勢分経費五十億一千万円のうち初度費は約二十二億円であり、維持費は二十八億一千万円となつております。初度費二十二億円の内訳は被服費約八億四千万円、寝具、庁用営舎用備品及び新設駐屯地有無線施設等の物件費約十一億五千万円、その他三億一千万円でありまして、増員及び編成改正に要する初度装備費は歳出予算に計上いたしておりませんが、これは従来の装備品の予備及び更新分の充当並びに米国の供与に持つことといたしております。維持費二十八億一千万円の内訳は増員自衛官幹部三千百九十四人、六カ月、士補等約一万六千八百六人、三カ月の維持費約十八億二千万円、自衛官以外の職員八千七百人の六カ月維持費約九億円、昭和二十九年度より設けられます予備隊員一万五千人六カ月分手当九千万円となつております。  海上自衛隊の運営費は約八十五億七千万円でありまして、昭和二十九年度のそれに比べて約十八億三千万円の増加となつております。このうち現在保有している船舶約五万三千七百トン、人員一万六百八十九人及び昭和二十八年度着手新造船九千百二十トン、人員千六百九十八人の運営費は約六十億四千万円でありまして、昭和二十九年度新たに米国より供与をうける船舶二万七千一百五十トン、これらに要する人員四千六人に対する所要経費は上一十五億三千万円となつております。現態勢分経費約六十億四千万円の内訳はPF十八隻LSSL五十隻分の通年維持費約三十四億七千万円、掃海船及び雑船維持盟約八億円、陸上諸施設維持費約十五億円、昭和二十八年度に建造に着手し昭和二十九年度において就航乃至完成する船舶十六隻、運行平均的一方月弱、人員千六百九十八人、平均約六カ月の所要経費約二億七千万円であります。海上自衛隊の昭和二十九年度増勢分運営費二十五億三千万円のうち初度費は約十三億円であり、維持費は約十二億三千万円となつております。初度費の内訳は五カ所に設置予定の水中探知機等の器材費約七億円、船舶引取外国旅費約二億五千万円、その他約三億五千万円であり、維持費約十二億三千万円の内訳は人員四千六人平均六、八カ月分人件費約四億二千万円、供与船舶の平均約三カ月の運行に要する船舶燃料等の器材費約六億一千万円、その他約三億円となつております。  航空自衛隊の運営に必要な経費は約四十五億六千万円でありまして、このうち初年費は約二十六億八千万円、維持費は約十八億八千万円となつております。初度費の内訳は初級練習機三十機の購入盟約八億円、教育訓練関係備品盟約四億五千万円、飛行場関係車両の購入費約三億円、機上無線機等の航空用備品費約二億一千万円、飛行場関係無線機器購入費約二億五千万円、庁用品及び被服の初度調弁費約四億四千万円、その他約二億三千万円となつております。維持費約十八億八千万円の内訳は人員六千七百六十五人の平均八カ月人件費九億一千万円、糧食費約一億三千万円、航空燃料及び航空修理費等の器材費約七億五千万円、その他約九千万円となつております。  以上に述べました項の保安庁の合計は約五百四十四億六千万円であり、昭和二十八年度のそれに比べて約七十億三千万円の増加であります。その内訳を要約して申上げますと、長官官房及各局、統合幕僚会議並びに附属機関の運営費が約十二億九千万円、陸上自衛隊及び海上自衛隊の既定勢力の運営費が約四百十億六千万円、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の増勢分の運営費が約百二十一億円となつております。  施設の整備に必要な経費は約百二十九億四千万円でありまして昭和二十八年度のそれに比べて約二十七億六千万円の増加となつております。この歳出予算の外工事の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして四十七億円を国庫債務負担行為に計上いたしております。施設整備に必要な経費の機関別金額及びその計画の概要は次の通りであります。  先ず長官官房及び各局、統合幕僚会議並びに附属機関関係は約五億二千万円でありまして、大部分保安大学校の第三、第四学年用の追加施設費であります。  陸上自衛隊関係は約七十九億八千万円でありまして、このうち現態勢に対する分は約三十三億一千万円、増勢に必要な分は約四十六億七千万円となつております。陸上自衛隊の現態勢に対する施設費約三十三億一千万円のうち約三十一億三千万円は昭和二十八年度の国庫債務負担行為に伴う歳出であり、残約一億八千万円は既存常舎の整備費等であります。陸上自衛隊の増勢分施設費は約四十六億七千万円でありますが、このほか工事の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして、三十八億円を国庫債務負担行為に計上いたしております。従つて昭和二十九年度の増勢に対する施設計画の総額は歳出予算に国庫債務負担行為を加えた約八十四億七千万円でありまして、その内容の概略を御説明申上げますと、営舎新設約三十七億二千万円、営舎増設二十三億一千万円、既存営舎等整備約五億九千万円、補給廠施設約四億七千万円、演習場、射撃場及び陸上自衛隊所属連絡機の発着場約四億六千万円、通信工事約二億三千万円、庁舎約二億円、その他四億九千万円となつております。  海上自衛隊関係の施設整備の所要額は約十八億二千万円でありまして、うち既定勢力に対する分は約三億九千万円、増勢に必要な分は十四億三千万円となつております。既定分三億九千万円の内訳は昭和二十八年度の国庫債務負担行為に伴う歳出三億七千万円がその主なものであります。増勢分の施設整備費は十四億三千万円でありますが、このほか工事の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして二億円を国庫債務負担行為に計上いたしておりますので、これを合せて総額約十六億三千万円で、施設計画の概略を申上げますと、増員分の庁舎営舎等約五億円、燃料施設三万九百トン分約二億七千万円、港湾施設約二億五千万円、水中探知機及び通信機械据付約一億五千万円、その他約四億六千万円となつております。  航空自衛隊関係の施設整備の所要額は約三十六億三千万円でありまして、総額増勢に対するものであります。このほか工事の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして、七億円を国庫債務負担行為に計上しておりますので、歳出予算の額にこの額を加えた総額約三十三億三千万円で、施設計画の概略を申上げますと、基本操縦学校ニカ所約九億七千万円、初級操縦学校四カ所約八億八千万円、整備学校約三億二千万円、教育隊二カ所約五億一千万円、補給廠約二億九千万円、その他約三億六千万円となつております。  船舶建造に必要な経費は約百十四億三千万円でありまして、昭和二十八年度のそれに比べて約七十七億一千万円の増加となつております。このうち既定分は約九億五千万円でありまして、うち八十九億円は昭和二十九年度において建造に着手した警備船等十六隻分の国庫債務負担行為に伴う歳出であり、残約一億五千万円は雑船十二隻の建造費及び附帯経費であります。増勢分の船舶建造費は約二十三億七千万円でありますが、このほか建造の工程が昭和三十年度に及ぶ分につきまして三十三億円を国庫億務負担行為に計上いたしておりますので、増勢分船舶建造計画の総額は歳出予算の額にこの額を加えて約五十六億七千万円となつております。この建造計画の概要を申上げますと、三百トン駆潜艇八隻(一隻約五億四千百万円)、六十トン哨戒艇三隻(一隻約二億一千四百万円)、三 ○トン掃海艇三隻(一隻約八千四百万円)の建造費合計は約五十二億二千万円でありまして、このうち約十九億二千万円を歳出予算に計上し、三十三億円を国庫債務負担行為といたしております。差引約四億五千万円は各種雑船四十八隻の建造費及び附帯経費でありまして、全額歳出予算に計上いたしております。  以上施設の整備及び船舶の建造に必要な経費を合せた項保安庁施設費は約二百四十三億七千万円でありまして、昭和二十八年度のそれに比べて約百四億七千万円の増加となつております。このうち長官官房及び各局、統合幕僚会議並びに附属機関関係は約五億三千万円、陸上自衛隊及び海上自衛隊の現態勢に対する分は約百二十七億五千万円であり、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の増勢に必要な分は約百十一億円となつております。この歳出予算のほか増勢に対する分として施設整備費四十七億円、船舶建造費三十三億円、計八十億円を国庫債務負担行為といたしております。  最後に保安庁関係歳出予算案の総額約七百八十八億三千万円を現態勢に対する分と増勢に必要な分に区分いたしてみますと、長官官房及び各局、統合幕僚会議並びに附属機関関係を一応現態勢分に含めまして、現態勢に対する分は約五百五十六億三千万円となり、増勢に必要な分は約二百三十二億円となつております。このほか増勢に対する分として施設整備費四十七億円、船舶建造費三十三億円、計八十億円を国庫債務負担行為といたしております。  以上を以て保安庁予算案の概略の説明を終ります。何とぞ速かに御審議下さるようお願いいたします。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) 政府の諸君に申上げますが、只今御説明願いました保安庁関係の予算の審議は、明日の一時から始める予定でございますので、一時には説明の関係者は御出席を希望します。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 保安庁のかたにもお願いしますが、保安庁所属の外郭団体の名前、その氏名、そうしてその職歴、それから財政収支の状況というようなものを、全部の省に数日前から予算委員会を通じてお願いしていますので、一つ明日お願いしたいと思います。これはもう官房長官を通じまして大分前に要求してあります。明日は是非お願いいたします。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私も資料ですが、只今御説明を伺つたのですが、これだけでやつてもよくわからんですから、この増勢分に対する資料は今日頂いたので、現在におけるものと増勢分と比較した、きちつとわかるようなものを頂きたい、今すぐでは無理でしようか。

石原周夫保安庁経理局長

○政府委員(石原周夫君) 明日の午後に大体今御説明申上げましたそれを横の表にいたしたようなものを用意いたします。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 保安庁関係の経費、予算現額とそれから支払済額、それから年度現在までの支払済額、それから年度中の支払済予定の額等をもう少しわかるような表もついでに一緒に御提出願いたい。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 もう一つ貸与兵器の製造年月日、これは皆あるでしよう。

石原周夫保安庁経理局長

○政府委員(石原周夫君) それはちよつとわかりますものとわからないものとありますが、非常に物の数が多うございますので、大体どの程度のものということは申上げられると思いますが、あれだけの件数につきまして、おのおのこれは何年製ということは困難でございますが、大体のことにつきまして準備するようにいたします。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) それでは続きまして、法務省関係の説明を伺いますが、法務省からは三浦政務次官、竹内経理部長、羽山主計課長が出席されております。三浦政務次官から説明を求めます。

三浦寅之助自由党法務政務次官

○政府委員(三浦寅之助君) 昭和二十九年度法務省所管の予定経費要求額につきまして、その大要を御説明申上げます。  昭和二十九年度の予定経費要求額は百九十九億千四百五十六万七千円でありまして、これを本年度の予算額百八十四億四千三百八十一万五千円に比較しますと、十四億七千七十五万二千円を増加いたしました。  今ここに昭和二十九年度において、新たに増額した経費の内容と重要事項について御説明申上げますと、第一に増加した十四億七千万円余りの内訳といたしまして、給与改訂に伴う人件費等の増加額が十五億六千八百三十七万六千円でありまして、その他の経費は逆に九千七百六十二万四千円が減少したのであります。この経費の減少額九千七百六十二万四千円余りの内訳は、その大部分が本年度行われた衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙取締りに要するため計上された経費であります。  第二に、昭和二十九年度中に行われる外国人登録書切替(外国人登録法第十一条第一項)に伴う登録カードの点検、分類整理及び外国人登録番号台帳を審査、分類、編集を行う必要がありますので、これに要する経費六千二百十七万五千円を新たに計上いたしました。  第三に、登記事件の増加に伴い、登記所における事務は繁忙を極めている状態であるので、これを緩和して事務能率増進の対策を講ずる必要がありますので、これに要する経費一百六十三万五千円を新たに計上いたしました。  第四に、農業生産力の増進を図る目的のため、農地法に基き未墾地の買収及び売渡等がなされるが、これに伴う登記及び台帳事件を急速に処理する必要がありますので、これに要する経費三百五万五千円を新たに計上いたしました。  第五に、鉱業法に基く鉱害賠償の打切補償に関する政令の施行に伴い、これが登録事務を処理するために必要がありますので、これに要する経費三百二十二万円を新たに計上いたしました。  第六に、国土調査法により送付される地籍調査の結果に基いて土地台帳を訂正する必要がありますので、これに要する経費九十五万七千円を新たに計上いたしました。  以上、新たに計上いたしました経費の概要を申上げましたが、更に、重要事項について概略申上げますと、第一に、法務局、地方法務局等におきまして、法令に基く登記供託、戸籍等の事務を処理するために必要な経費一億七千七百四十四万八千円を本年度に引続き計上いたしました。  第二に、検察庁におきまして処理する一般刑事事件その他各種犯罪事件の直接捜査活動に要する経費四億五千百二十三万七千円を本年度に引続き計上いたしました。  第三に、公安調査庁におきまして処理する破壊活動防止のための調査活動に要する経費二億二千四百十一万七千円を本年度に引続き計上いたしました。  第四に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院及び少年鑑別所の昭和二十九年度の収容予定人員約八万五千人に対する衣食、医療及び就労等に要する経費三十七億七千百三十四万九千円を本年度に引続き計上いたしました。  第五に、地方入国管理官署の出入国管理令規定に基く不法入国者等の調査、審査事務を処理し、被退去強制者に対しては護送、収容並びに送還する必要があるので、これに要する衣食、医療及び送還のための傭船料等に必要な経費一億三千五百四十二万九千円を本年度に引続き計上いたしました。  第六に、検察庁及び行刑施設等の庁舎その他の新営と諸施設の整備等に要する経費三億九百八十六万円を本年度に引続き計上いたしました。  なお、このほかに営繕費といたしまして法務本省及び法務局等の庁舎その他新営に要する経費一億三千万円が建設省所管予算に計上されておりますから、御参考までに申上げます。  以上が法務省所管予定経費要求の大要であります。細部に亘りましては、経理部長をして御説明いたさせます。以上をもちまして私の説明を終ります。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) 三浦君に申上げますが、只今御説明頂きました法務省関係予算の質疑は本日の二時から行う予定でありますので、二時には関係者御出席をお願いいたします。  それでは、引続きまして外務省関係の説明を求めます。外務省からは小瀧政務次官、中村会計課長が出席されております。小瀧政務次官の説明を求めます。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 外務省所管の昭和二十九年度の予算について大要を御説明いたします。  予算総額は五十七億七百六十五万九千円で、これを大別いたしますと、外務本省二十億五千六百十二万九千円、在外公館三十六億五千百五十三万円であります。只今その内容について御説明いたします。  第一、外務本省一般行政に必要な経費五億七千六百三十六万円は外務省設置法に定める本省内部部局及び附属機関の一般事務を処理するための職員千二百三十二名の人件費及び物件費等でありまして、前年度に比し四千三百九十二万七千円の増加は職員の給与改訂等の増額であります。  第二、外務行政連絡調整に必要な経費一億二千八百六十七万七千円は本省と在外公館との事務連絡のための電信料、郵便料及び旅費等でありまして、前年度に比し一千九百五十一万一千円の増加は、在外公館の増加と連絡事務の増加したためであります。  第三、外交文書編さん公刊に必要な経費五百万一千円は明治以来の日本外交史実を編集し、公刊するための経費であります。  第四、外交電信に必要な経費三千百九十四万八千円は在外公館との通信施設の改良整備等に必要な経費であります。  第五、外交運営の充実に必要な経費三億円は外交再開第三年目において各国との外交交渉により幾多の懸案問題の解決を図り、又各種の条約協定を締結する必要がありますが、これらの交渉を我が国に有利に展開させるため必要な工作費で、前年度に比し八千四百万円の増額となつております。  第六、アジア諸国に関する外交政策及び賠償実施政策の樹立に必要な経費六百四十六万八千円はアジア諸国に関する外交政策の企画立案、その実施及び賠償実施政策の樹立のため必要な経費であります。  第七、アジア諸国との経済協力に関する事務に必要な経費六千五百六十五万円はアジア諸国との経済協力を図るために企画立案し、及びその実施につき総合調整するに必要な経費と財団法人国際学友会補助金三千五百万円及び経済協力民間団体補助金三千万円であります。前年度に比し一千八百二十八万七千円の増加は、経済協力民間団体補助金の新規増加によるものであります。  第八、欧米諸国等に関する外交政策の樹立に必要な経費一千九百五十五万円は北米、中南米、西欧及び英連邦諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施に必要な経費と、今秋京都において開催される太平洋問題調査会の太平洋会議補助金三百七十万七千円及び在パリ―日本会館補助金百三十三万一千円であります。前年度に比し三百六十六万四千円の増加は、在パリ―日本会館補助金の増加と太平洋会議補助金の新規増加によるものであります。  第九、サンパウロ市四百年祭参加に必要な経費一千七百三十八万七千円は日伯友好関係の増進に資するためブラジル国サンパウロ市四百年祭祝典に参加し、各国国情展において我が国情を紹介するための経費と、同国に派遣する表慶使節団の外国旅費等であります。  第十、国際経済情勢の調査並びに資料の収集等に必要な経費七百五十七万二千円は世界経済の正確な把握を期するため、内外の資料文献を広く収集整理するための経費であります。  第十一、通商貿易振興に必要な経費二百六十四万一千円は通商利益の保護増進を図るため、通商貿易に関する調査等のための経費であります。前年度に比し、二百九万七千円の増加は、非常勤職員手当及び庁費の増加によるものであります。  第十二、条約締結及び条約集編集等に必要な経費一千四百十三万八千円は国際条約の締結、条約集等の編集、条約典型の作成、条約及び国際法並びに内外法規の調査研究のため必要な事務費であります。  第十三、戸籍法及び国籍法関係事務処理に必要な経費三百二十三万三千円は在外邦人の身分関係事務及び二重国籍者の日本国籍離脱に関する戸籍法上の事務に必要な事務費であります。  第十四、国際連合への協力に必要な経費八千四百四十九万円は国際連合各機関の調査研究に必要な事務費と、後進国経済開発技術援助拡大計画拠出金二千八百八十八万四千円、国際連合国際児童緊急拠出費三千六百八万円、朝鮮救済再建計画拠出金一千四百四十二万三千円及び。パレスタイン難民救済計画拠出金三百六十万八千円であります。前年度に比し一千八百二十一万五千円の増加は、前記朝鮮救済再建計画拠出金及び。パレスタイン難民救済計画拠出金の新規増加によるものであります。  第十五、日米合同委員会日本側事務局の事務及び国連軍協定実施に関する事務処理に必要な経費六百六十九万円は、日米安全保障条約第三条に基く行政協定の実施機関である合同委員会の日本側事務局の事務及び国際連合軍との協定実施に関する事務に関する事務に必要な経費であります。前年度に比し二百九十四万四千円の増加は、行政協定事務地方公共団体委託費の新規増加によるものであります。  第十六、情報啓発事業実施に必要な経費一千三百七万三千円は国際情勢に関する資料の入手、海外に対する本邦事情の啓発及び国内啓発等のため必要な経費であります。  第十七、国際文化事業実施に必要な経費一千六百二十六万円は文化交流を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な啓発宣伝資料の作成、購入の経費又び国際連合協力の意思を盛り上げるため国家的事業の一環として、財団法人日本国際連合協会補助金六百五十四万一千円と日本文化の海外紹介の事業を主とする財団法人国際文化振興会補助金二百六十六万円であります。前年度に比し二百万六千円の増加は、文化紹介資料の購入、作成の増加によるものであります。  第十八、海外渡航関係事務処理に必要な経費九百三十四万一千円は、旅券の発給等海外渡航事務の経費とその事務の一部を都道府県に委託するための委託費四百二十七万八千円であります。前年度に比し百九十七万八千円の増加は、旅券作成費の計上によるものであります。  第十九、未引揚邦人調査等に必要な経費一千五百八十五万八千円は未帰還邦人の氏名、生死等を明らかにし、引揚促進のための外交交渉及び留守家族援護策の実施に必要な資料を整備するための事務費、及びこの事務の一部を都道府県に委託するための委託費九百万二千円であります。  第二十、旧外地関係事務処理に必要な経費七百二十四万四千円は朝鮮、台湾、樺太、関東州等旧外地官庁職員の給与、恩給、の支払その他残務整理に必要な経費であります。前年度に比し百八十七万九千円の増加は、非常勤職員手当の増加によるものであります。  第三十一、旧外地官庁引揚職員等の給与支給に必要な経費七千四百万円は二十九年度中の旧外地官庁引揚見込職員百名と未引揚職員六百三名の留守家族に支払う俸給その他諸給与であります。前年度に比し一千四百万円の増加は、法令により恩給年限に達した未帰還職員を退職とみなしたため、これら職員に対する退職手当の新規増加によるものであります。  第二十三、移民振興に必要な経費三億七千九十六万九千円は、南米開拓移民等三千五百人を送出するための渡航費貸付金三億三千二百五十三万二千円及び移民事務を民間団体に委託するための経費三千万円等であります。前年度に比し三億九百六十四万五千円の増加は、送出移民の増加に伴う渡航費貸付金及び移民事務委託費の増加によるものであります。  第二十三、神戸移住斡旋所事務処理に必要な経費一千八十九万一千円は移民の本邦出発前における健康診断、教主渡航斡旋等の事務を行うため必要な経費であります。前年度に比し四百三十九万八千円の増加は、常勤労務者給与及び移民用寝具等購入費の増加によるものであります。  第二十四、国際会議参加及び国際分担金支払等に必要な経費三億五千八百六十九万八千円は、海外で開催される各種国際会議に我が国の代表を派遣し、又、本邦で開催される国際会議に必要な経費と我が国が加盟している国際機関の分担金であります。前年度に比し四千四百十二万七千円の増加は、外国旅費、国連食糧農業機構分担金、同運転資本基金分担金、国際小麦理事会分担金、及びユネスコ分担金等の増加と新規に関税貿易一般協定分担金を増加したためであります。  第二十五、在外公館一般行政に必要な経費三十五億五千五百五十五万五千円は既設公館六十二館一代表部四百十八名と三十九年度新設予定の在イラク、シリア、レバノン、コロンビアドミニカの五公使館、ハンブルグ、シドニーの二総領事館、トロント、メグン、レオポルドヴイルの三領事館及びエジプト公使館を大使館に昇格するために必要な職員二十八名及び既設公館の職員の増加三十五名計四百八十一名の給与、赴任、帰朝、出張旅費、事務費、交際費等であります。昨年度に比し四億四千九百九十二万八千円の増加となりますが、その主なるものは新設公館の経費、職員給与の改訂、及び事務費等の増加であります。  第二十六、対外宣伝及び国際文化事業実施に必要な経費二千九百二十万七千円は我が国とアメリカ合衆国及び東南アジア諸国との親善に寄与するため我が国の政治、経済、文化等の実情を組織的にアメリカ合衆国及び東南アジア諸国各地に紹介するための資料作成費、講演謝礼、及び事務費並びに国際文化交流のため、日仏文化協定実施混合委員会の運営等に必要な経費であります。  第二十七、在外公館営繕に必要な収費五千二百十四億八千円は在インド大使館事務所をニューデリーに新営するため、並びに在外公館の事務所及び館長公邸建物の修理費等であります。  第二十八、国際会議事務処理に必要な経費千四百六十二万円は在外公館所在地で開催される国際会議の事務処理に必要な事務費であります。  以上が只今上程されております外務省所管昭和二十九年度予算の大要であります。詳細御審議のほどお願いいたします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 第七の財団法人国際学友会及び経済協力民間団体、この補助金を支給する団体の活動の実態、或いは経理状態等がわかる資料を持つて次回質疑の際に出席して下さい。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) それでは小瀧政務次官にお願いいたしますが、只今御説明頂きました外務省関係の予算に関する質疑は、本日の三時から行う予定でありますので、関係者に御出席をお願いいたします。  それでは引続きまして、大蔵省関係の説明を伺います。大蔵からは木村会計課長が出席いたしておりますので、木村君の説明を求めます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 小瀧次官にお願いいたしますが、どこか庶務のほうに行つていると思いますが、外郭団体に対する調査資料項目を出して来ておりますから、それを後刻出して下さい。数日前に廻つておりますから、至急に一つお願いいたします。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) 只今から、昭和二十九年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。  先ず、一般会計歳入予算額は九千九百九十五億八千八百二十七万四千円でありまして、これを前年度予算額一兆二百七十二億五千六十八万六千円に比較いたしますと、三百七十六億六千二百四十一万二千円の減少となつております。以下、各部について簡単に御説明いたします。  第一に、租税及印紙収入総額は七千七百十八億二千万円でありまして、これを前年度予算額七千五百六十六億七千四百万円に比較いたしますと、百五十一億四千六百万円の増加となつております。これは現行の税法によつて算出いたしました収入見込総額七千七百六十三億二千万円に対して、今国会に提出の税制改正案による所得税、法人税等直接税の減税額三百二十一億三千六百万円及び間接税の増収額三百七十六億三千六百万円を織り込んで算出いたしたものであります。なお、昭和二十九年度からは租税払戻金に充当すべき金額を差引いた金額を租税及び印紙収入とするため所要の法律案を提出する見込でありますので、本予算額は、従前の計算による租税及び印紙収入の見込額から還付税見込額九十億円を差引いて計上いたしたものであります。  次に、各税目別内訳を申上げます。先ず、所得税につきましては、現行の税法による収入見込額は三千百五十一億五千七百万円となりますところ、主として低額所得者の負担を軽減する措置を図ることとし、基礎控除及び扶養控除の額を引上げること等による税収額二百七十五億二千五百万円を見込み、収入見積額として一千八百七十六億三千二百万円を計上いたしました。その内訓は、源泉所得税二千百五十七億五千万円申告所得税七百十八億八千二百万円となつております。  法人税につきましては、現行の税法による収入見込額は千八百九十五億一千七百万円となりますところ、法人の資本構成の是正を図ると共に企業経営の合理化に資するため、法へが増資を行なつた場合等について特別の軽減措置を講ずる等による減収額十九億円を見込み、収入見積額として千八百七十六億一千七百万円を計上いたしました。  相続税につきましては、現行の税法による収入見込額は三十四億六千三百万円となりますところ、死亡保険金及び退職金に対する控除額を引き上げるほか、主として中間資産層に対する負担を軽減するため累進税率の緩和を図ること等による減収額一億百万円を見込み、収入見積額として三十一億六千二百万円を計上いたしました。  再評価税につきましては、現行の税法による収入見込額は八十三億九千七百万円となりますところ、法人の自己資本の充実のための措置に伴う再評価税の減免による減収額三千四億円を見込み、収入見積額として五十八億九千七百万円を計上いたしました。  酒税につきましては、現行の税法による収入見込額は千三百七十億八百万円となりますところ、清酒特級及び第一級、ビール並びに雑酒特級に対する税率の引上げによる増収額三十七億六千九百万円を見込み、収入見積額として千四百七億七千七百万円を計上いたしました。  砂糖消費税につきましては、現行の税法による収入見込額は三百二十三億九千四百万円となりますところ、分密白糖に対する税率引上げによる増収額五十七億三千万円を見込み、その収入見積額として三百八十一億二千四百万円を計上いたしました。  揮発油税につきましては、現行の税法による収入見込額は二百六億四千万円となりますところ、税率引上げによる増収額三十一億二千七百万円を見込み、その収入見積額として二百三十七億六千七百万円を計上いたしました  物品税につきましては、現行の税法による収入見込額は一百三十三億九千八百万円となりますところ、奢侈品、高級品乃至嗜好品に対する税率の引上げ等による増収額十億円を見込み、その収入見積額として二百四十三億九千八百万円を計上いたしました。  なお今回奢侈的消費抑制の見地から間接税増徴の一環として繊維品消費税を新設いたし、織物等の販売業者、小売業者以外の者が小売業者、洋服等の縫製業者又は消費者に販売する奢侈繊維品に対して、新たに繊維品消費税を課することとして、その収入見積額八十五億円を計上いたしました。  以上申述べました税目以外におきまして、二十九年度に計上いたしました収入見積額は取引所税三億四千五百万円、有価証券取引税十億一千四百万円、通行税二十三億七千九百万円、関税二百五十億円、トン税二億四千万円、であります。なお、印紙収入につきましては、骨牌税及び印紙税の税率を引上げることとして、その収入見積額二百二十九億六千八百万円を計上いたしました。以上、租税及印紙収入の合計額は七千七百十八億二千万円となつております。  第二に専売納付金は千三百四億三千六百九十九万円でありまして、これを前年度予算額千五百八億五百七十二万三千円に比較いたしますと、二百三億六千八百七十三万三千円の減少となつております。その内訳を申しますと、日本専売公社納付金千三百億九千二百七万六千円、アルコール専売事業特別会計納付金三億四千四百九十一万四千円となつております。このうち日本専売公社納付金においては最近の販売実績を勘案しピースの値上を見込み算定すると、千五百九十三億七千四百万円となり、増加額八十八億一千六百万円が見込まれるのでありますが、地方制度改正に伴うたばこ消費税の創設により三百九十一億八千二百万円の新たな支出が生ずるので、前年度に比べ二百三億六千六百万円の減少となります。  第三に官業益金及官業収入は百三十二億四千七百八十五万九千円でありまして、これを前年度予算額百六十五億七千五百六十三万六千円に比較いたしますと、三十三億二千七百七十七万十千円の減少となつております。その内訳について申上げますと、印刷局特別会計受入金三億五千九百三十二万二千円、国富競馬特別会計受入金十五億五千二百九十五万五千円、病院収入百十三億三千五百五十八万二千円、となつております。  第四に、政府資産整理収入は八十三億九千二百五十万円でありまして、これを前年度予算額百三十八億一千四百三十一万三千円に比較いたしますと、五十四億二千百八十一万三千円の減少となつております。その、主なる内訳について申上げますと、国有財産売払収入七十六億四千五百八十八万三千円、特別会計整理収入一億九百二十六万六千円、公団引継債権整理収入五億七千三百九十六万円、となつております。  第五に、雑収入は三百五十三億九千五百三十三万九千円でありまして、これを前年度予算額四百三十八億八百四十三万七千円に比較いたしますと、八十四億一千三百九万八千円の減少となつております。以下、主なる内訳について申上げますと、国有財産貸付収入十一三億六百八十九万六千円、共有船舶利用収入九億五千二十五万三千円、日本銀行納付金九十五億四千万円、中小企業金融公庫納付金三億三千六百九十二万円、恩給法納金及特別会計等恩給負担金六十二億五千二百二十九万三千円、交付税及び譲与税配付金特別会計受入金十九億二千万円、公共事業費分担金四十九億二千九百六十六万八千円、授業料及入学検定料十一億六千五百五十六万二千円、免許及手数料四億九千七百八十万五千円、懲罰及没収金十億二千二十三万一千円、弁償及返納金七億六千六百七十八万一千円、刑務作業収入十九億三千七百六十八万一千円、物品専売払収入十七億四千六百四十三万三千円、特別調達資金受入十億九千百九十四万八千円、となつております。  最後に、前年度剰余金受入におきましては、昭和二十七年度の決算によつて生じました剰余金から昭和二十八年度への繰越歳出予算額の財源に充当した金額を控除した歳計上の純剰余金四百二億九十五百五十八万六千円を計上いたした次第であります。  次に大蔵省所管の一般会計歳出予算につきましての概要を御説明いたします。昭和二十九年度大蔵省所管一般会計歳出予算額は千七百四十七億一千四百六十六万三千円でありまして、これを前年度予算額二千六十二億九百九十九万五千円に比較いたしますと、三百十四億九千五百三十三万二千円の減少となつております。この歳出予算額を、先ず組織に大別いたしますと、大蔵本省千五百三十五億六千九百五万二千円、財務局十八億九千四百九十九万九千円、税関十六億八千百四十三万一千円、国税庁二十一億三百六十六万八千円、地方税務官署百五十四億六千五百五十一万三千円、となつておりますが、これを更に組織別に、主なる事項に分けて説明いたしますと次の通りであります。大蔵本省におきましては、大蔵省設置法に定める、本省内部部局の一般事務を処理する等のため必要な経費として大蔵本省の項に十一億六百三十四万一千円、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法に基き、旧陸海軍共済組合及び外地関係共済組合等からの年金受給者に対する年金の支払及びこれに伴う事務費を非現業共済組合連合会並びに日本製鉄八幡共済組合に交付するため必要な経費として非現業共済組合連合会等補助及交付金の項に十四億四千七百六十一万一千円、安全保障条約に基く米軍の駐留に関連し、我がほうで支出を必要とする経費として防衛支出金の項に五百八十四億八千万円、平和回復に伴い、条約の履行その他善後処理に関し諸般の施策を講ずる必要が生ずるので、その処理のため必要な経費として平和回復善後処理費の項に百五十億円、奄美群島の復帰に伴う善後処理に関し諸般の施策を講ずるため必要な経費として奄美群島復帰善後処理費の項に二十億円、日本国有鉄道、日本電信電話公社及び資金運用部特別会計へ、その国庫預託金についての利子相当額を交付又は繰り入れするための経費並びに日本銀行へ供託金利子相当額を交付するため必要な経費として国庫受入預託金等利子の項に二億六千三百十四万円、国債償還の支払に充てるため、国債整理基金特別会計へ繰り入れるため必要な経費として国債償還の項に二百一億四千七百七十九万三千円、国債利子、借入金利子及び大蔵省証券発行割引差額並びにその事務処理に必要な手数料及び事務費を、国債整理基金特別会計へ繰り入れるため必要な経費として国債諸費の項に二百二十八億七千六百四十三万九千円、国家公務員のための国設宿舎に関する法律に基き、宿舎制度の一元的規制の下に、宿舎の設置が行われて来たが、なお引続きこれを行うため必要な経費として公務員宿舎施設費の項に八億円、政府関係機関等において必要とする資金に充てるため国が出資するため必要な経費として国民金融公庫出資の項に二十億円、住宅金融公庫出資の項に五十億円、農林漁業金融公庫出資の項に九十五億円、中小企業金融公庫出資の項に二十五億円、国際航空事業出資の項に十億円、国際電信電話株式会社法に基き、政府が日本電信電話公社から譲り受けた国際電信電話株式会社の株式を、処分に応じて、日本電信電話公社に支払うため必要な経費として日本電信電話公社交付金の項に五億円、平和条約第十五条及び連合国財産補償法に基き、連合国又は連合国人が本邦内に有していた財産について、戦争の結果生じた損害に対し補償するため必要な経費として連合国財産補償費の項に二十五億九千六百八十九万七千円、平和条約第十五条に基く連合国財産の返還及び保全維持管理並びに損害補償事務処理のため必要な経費として連合国財産返還補償処理費の項に一億二千二十九万八千円、予算に超過し、又は予算外に必要とする経費に充てるための経費として予備費の項に八十億円等を計上いたしております。  次に、財務局におきましては大蔵省設置法に定める財務局所掌の一般事務を処理するため必要な経費として財務局の項に十五億一千三百五十万七千円、賠償指定解除施設の警備、保全及び処分等のため必要な経費として特殊施設処理費の項に二億三千七百万七千円、等を計上いたしております。  次に、税関におきましては大蔵省設置法に定める税関所掌の一般事務を処理する等のため必要な経費として税関の項に十二億三千三百八十八万二千円、保税地域その他関税法規上特殊の取扱をなす場所等において、税関事務の一部を処理するために派出する税関官吏に必要な経費として派出官吏費の項に三億一千四百七十九万八千円等を計上いたしております。  次に、国税庁におきましては大蔵省設置法に定める国税庁の一般事務を処理するため必要な経費として税務官署の項に九億九千八百九万九千円、郵政事業官署における国税金の収納事務、並びに過誤納払戻金等歳出金の支払事務取扱の経費に充てるため、郵政事業特別会計へ繰り入れに必要な経費として税務官署の項に七億百七十六万三千円、税務職員を養成するとともに、職員を再教育して徴税技術の向上を図り、併せて税務職員の教養を高めるため必要な経費として税務職員養成訓練費の項に一億八千百三十九万七千円、地方税務官署、税務講習所及び醸造試験所の庁舎整備等のため必要な経費として税務官署施設費の項に一億八千六百八十四万六千円等を計上いたしております。  次に、地方税務官署におきましては、税務官署の項に大蔵省設置法に定める国税局及び税務署所掌の一般事務を処理するため必要な経費として百十七億四千三百九十七万喜一千円、直接税及び間接税調査事務等に必要な経費として十三億三千百三十九万五千円、調査査察事務に必要な経費として一億九千四百九万三千円、徴収管理事務に必要な経費として三億四百四十一万二千円等を計上いたしております。  なお、従来の徴収実績から見ましても、多額の滞納が予想される現状でありますので、これが滞納の整理と、差押物件の処分等の措置を実施するため必要な経費として滞納整理費の項に五億三千八百三十二万六千円、酒類の密造が、酒税収入に及ぼす影響の甚大であるのに鑑みまして、これが取締の徹底を期するために必要な経費として酒類密造取締費の項に一億二千二百十七万八千円、内国税の過誤納金の払戻し及び青色申告制度に基く還付金の還付に伴う加算金に必要な経費として租税還付加算金の項に七億円を計上いたしております。  次に、昭和二十九年度大蔵省所管の各特別会計歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  先ず第一に造幣局特別会計におきましては、歳入歳出共十八億八千九百四十一万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出共七億三百六十八万九千円の減少となつております。減少いたしました主なる事由は、歳入におきましては、金地金の配給売払収入の減少によるものであり、歳出におきましては、配給金地金購入に必要な経費の減少によるものであります。  第三に印刷局特別会計におきましては歳入五十二億八千百十九万八千円、歳出四十七億七千六百二十三万七千円、差引歳入超過額益金五億四百九十六万一千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入において九千五百八十九万一千円、歳出において一億八千七百六十五万七千円を減少いたしております。減少いたしました主なる事由は、従来歳入におきましては、外国からの紙幣の注文があつた場合を予定し予備収入を設け、又歳出におきましては、これに伴う製造経費を予定して予備費に計上していたのでありますが、本年度はこれを予算総則の適用によつて処理することといたしましたので減少したのであります。  第三に資金運用部特別会計におきましては、歳入歳出共四百四十三億三千九百八十一万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出共九十八億七千九百十三万五千円の増加となつております。増加をいたしました主なる事由は、歳入におきましては資金運用部資金の運用による利子収入の増加によるものであり、歳出におきましては郵便貯金、その他の預金に対する利子及び資金運用部剰余金を郵便貯金特別会計へ繰り入れるため必要な経費の増加によるものであります。  第四に国債整理基金特別会計におきましては歳入歳出とも二千七百五十五億八千二百四十七万九千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出共五億三千五百七十六万四千円の減少となつておりますが、その内容は債務償還費において五億二千五万三千円、国債事務取扱諸費において六億六百九十八万六千円の減少となり国債利子、借入金利子及び短期証券割引差額において五億九千百二十七万五千円を増加いたし差引五億三千五百七十六万四千円の減少となつております。  五、貴金属特別会計におきましては、歳入歳出とも十二億三千三十八万三千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも七億九千六百四十七万八千円の減少となつております。減少いたしました主なる事由は、歳入におきましては貴金属売払代収入の減少によるものであり、歳出におきましては金地金買入に必要な経費の減少によるものであります。  六、外国為替資金特別会計におきましては、歳入歳出とも五十七億三十四万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと歳入歳出とも十億一千七百三十一万四千円の減少となつております。減少いたしました主なる事由は、歳入におきましては外国為替売買差益及び資金の運用による利子収入の減少によるものであり、歳出におきましては一時借入金等利子支払に必要な経費の減少によるものであります。  七、産業投資特別会計におきましては歳入歳出とも百八十六億三千九百四十三万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと歳入歳出とも二百五十一億八千八百七十三万一千円の減少となつております。減少いたしました主なる事由は、歳入におきましては国債の売却及び発行収入の減少によるものであり、歳出におきましては歳入の減少に伴いまして、産業投資に必要な経費が減少いたした次第であります。  最後に、昭和二十九年度大蔵省関係の各政府関係機関収入支出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  一、日本専売公社におきましては収入二千四百八十一億六千二百五十一万七千円、支出千二百四十八億六千六百九十八万九千円、差引収入超過額千二百三十三億九千五百五十三万八千円となり、これに昭和二十九年度末の棚卸資産増加額六十七億九千六百五十四万八千円を加算した千三百億九千二百七万六千円が国庫納付額でありまして、これを前年度予算額収入二千三百二十億一千百九十四万九千円、支出九百億三千三百八万五千円、差引収入超過額千四百十九億七千八百八十六万四千円に昭和三十八年度末の棚卸資産増加額八十四億七千九百二十一万三千円を加算した国庫納付額千五百四億五千八百七万六千円に比較いたしますと、収入において百六十一億五千五十六万八千円、支出において三百四十八億三千三百九十万四千円をそれぞれ増加しておりますが差引収入超過額において百八十六億八千三百三十三万六千円、国庫納付額において二百三億六千六百万円をそれぞれ減少しております。  これは、昭和二十九年度において新たに地方税として新設されるたばこ消費税分二百九十一億八千二百万円が支出として計上されているためでありまして、これを支出とせずに計算して前年度と比較いたしますと、差引収入超過額において百四億九千八百六十六万四千円、国庫納付額において八十八億一千六百万円の増加となります。  以下、各事業別に主な事項の概略を御説明いたしますと、たばこ事業におきましては、二十九年度における製造数量は千五十一億本、販売数量は千三十二億本でありまして、前年度における製造数量九百七十九億本、販売数量九百七十四億本に比べますと製造において七十二億本、販売において五十八億本をそれぞれ増加しております。たばこ事業の予算額は収入二千二百六十三億八千四十五万円、支出五百六十八億七百十万円、差引収入超過額千六百九十五億七千三百三十五万円となつており、これを前年度予算額収入二千百四億一千二十八方円、支出五百二十五億九千一百六十一二万円に比べますと、収入において百五十九億七千十七万円、支出において四十三億一千四百四十八万円をそれぞれ増加しております。  塩事業におきましては、二十九年度における収納及び購入数量は内地塩五十万一千トン、輸入塩百七十万トン、計三百三十万一千トン、塩の売払数量は食料用塩百五万九千トン、工業用塩百十五万トン、計二百二十万九千トンでありまして、前年度予算におきましては収納及び購入数量は内地塩四十五万トン、輸入塩百五十七万トン、計三百二万トン、売払数量は食料用塩百五万五千トン、工業用塩百五万トン、計二百十万五千トンとなつております。なお、只今申しました食料用塩売払数量のうちには、輸入原塩を再製したもの等を含んでおります。塩事業の予算額は収入二百四億六千八百八十五万七千円、支出百八十一億八千九百五十一万五千円となつており、これを前年度予算額収入二百三億五千一百七十四万五千円、支出百六十七億八千五百八十四万七千円に比べますと、収入において一億一千六百十一万三千円、支出において十四億三百六十六万八千円をそれぞれ増加しております。  次に樟脳事業予算額におきましては、収入八億六千六百七十九万七千円、支出七億五千六百四十二万九千円となつており、これを前年度予算額収入八億九百十二万円、支出七億三百八十六万七千円に比べますと、収入において五千七百六十七万七千円、支出において五千二百五十六万二千円をそれぞれ増加しております。  二、国民金融公庫におきましては、収入二十五億九十三万七千円、支出二十一億六百五十三万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において三億七千三百六十一万円、支出において六億八百二十六万九千円を増加いたしております。増加いたしました主なる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては借入金利息及び業務増量による事務費の増加によるものであります。  三、住宅金融公庫におきましては、収入三十六億八千四百七十二万八千円、支出二十八億九千八百九十一万五千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において八億三千四百十二万七千円、支出において七億四千九百四万五千円の増加となつております。増加いたしました主なる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては借入金利息の増加によるものであります。  四、農林漁業金融公庫におきましては、収入二十九億八千七百四十四万円、支出二十九億三千九百九十六万九千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと収入において四億一千七百五十一万四千円、支出において七億四千二百十五万円の増加となつております。増加いたしました主なる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては業務増量に伴う事務費及び借入金利忠の増加によるものであります。  五、中小企業金融公庫におきましては、収入二十五億六千六百五万六千円、支出十九億九千九百八十三万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において十八億五千八百三十五万一千円、支出において十五億七千二百六十七万三千円の増加となつております。増加いたしました、主なる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては業務増量に伴う事務費及び借入金利息の増加によるものであります。  六、日本開発銀行におきましては、収入二百十五億三千百二十五万五千円、支出七十二億九千三百八十万七千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において三十五億四千八百七十二万九千円、支出において二十七億一千百六十三万八千円の増加となつております。増加いたしました、主なる事由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては借入金利息の増加によるものであります。  七、日本輸出入銀行におきましては、収入十一億二千四百十四万一千円、支出四億四千八百八十一万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において二千二百四十四万八千円を減少し、支出において三億一千四百八十三万六千円を増加いたしております。収入の減少いたしました事由は運用益収入の減少によるものであり、支出の増加いたしました主なる事由は借入金利息の増加によるものであります。  以上、昭和二十九年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について、その概要を御説明いたしました。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは明日になると思いますが、そのときにやはり資料をお願いいたします。その第一は統計予算、一般会計、特別会計を統計したものを一つ出して頂きたい。それから日本銀行の予算があるわけですが、その日本銀行の納付金に関連した予算があるわけですね、それを一つと。それから国有財産の売払とそれから貸付、この内容ですね、売払がどういうふうになつておるか。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) 内容と申しますと、土地とか機械類とか、そういうものですね。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうです。そうしたものの内訳です。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) それは二十九年度の計画でしようか、それとも二十八年度の実績でしようか。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 二十八年度の実績と、それから計画、二十八年度の貸しているやつがありますね、造船所とか、何かの。そういうものの実績、それがいろいろな条件がありましたね、例えば造船所は幾ら貸しておる、そういう貸付条件。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) それは数が多いのですが、個別的にということになると全国で相当数になるのですが。どういう……。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは私は主として造船所関係が知りたいのです。それに限定して結構ですから一つお願いします。それから平和回復善後処理費の内訳、それからもう一つは連合国財産補償費、これはもう昨年十月締切つたでしようが、その実績というか、その締切の実績に関する計画、そういうものを資料として出して頂きたい。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 木村さんもさつき言いましたように、日本銀行の納付金に関連して一万田総裁が、例えばキリスト教の大学とか、たくさんあちこちに問題になるほど寄附しているのですよ。それが納付金に非常に影響しているので……、日本銀行一万田総裁の名で認めちこちに銀行の経理の中からたくさん寄附しておるのです。そこで非常に問題になつて是非指摘してくれということが或る方面から出ていたものですから、そういうものとの関連で、一つこの納付金についての資料を私からも一つ……。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) それは私どものほうから日本銀行のほうに通じますが、私どものほうへ今資料を出せとおつしやられても。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 納付金をきめる場合は、日本銀行の予算があるのです。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) 寄附とかそういう細かいところは。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 日本銀行の予算を見ると、ずつと寄附金という項目があるのです。寄附金という中に、二十八年の……。前に出したことがあるのです。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) 日銀から大蔵省に提出されておるものは出せますが、審附金をどこに寄附したということは、そういうことはわかるかどうか。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それはわかるかどうかということよりも、日銀のほうに出せということを要求すればいいのですから。

木村秀弘大蔵大臣官房会計課長

○政府委員(木村秀弘君) それでは伝えましよう。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 農林漁業金融公庫ですね、一応あなたのほうで予算を説明したのですが、この機会に資金繰りと運用計画、予算の説明書にあるのでは……、二十九年度に実際にどう運用するかということについてよくわかる人に説明に来てもらいたい。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) それでは木村君に申上げますが、只今御説明願いました大蔵省関係の予算の審査は明日の三時からの予定でございますので、そのときに関係者及び今の要求された資料を整えて御出席を願うことにいたします。  それでは最後に、引続きまして運輸省関係の予算の説明を求めます。

山内公猷運輸大臣官房長

○政府委員(山内公猷君) 運輸省所管昭和二十九年度予算案の概要を御説明申上げます。  先ず一般会計から申上げます。昭和二十九年度一般会計歳入予算総額は、十一億六千四百四万三千円でありまして、これを前年度予算額十三億六百三十八万五千円に比較いたしますと、一億四千二百三十四万三千円の減少となります。前年度に比べまして、減少及び増加しておりますもののうち主なものを申上げますと、次の通りであります。  先づ定点観測出乗務費の駐留軍負担金二億五千五百十一万円及び船舶動静調査費の駐留軍負担金六千十七万三千円がそれぞれ減額となつておりますが、これは、前年度まで日米行政協定に基いて実施していたこれらの業務が、昨年中に打切りとなつたことによるものであります。次にモーターボート競走納付金三千五百六十四万円が減額になつておりますが、これは昭和二十九年度におきましては、モーターボート競走納付金の制度を廃止することとしたためであります。次に港湾事業費分担金におきまして五千五百二十九万円の増加となつておりますが、」れは、前前年度に比較して前年度の直轄港湾工事が増加しておりますため、これに対応して地方共公団体よりの納付金が増加することとなつたためであります。次に手数料におきまして四十五百三十二万七千円の増額となつておりますが、これは、東京国際航空通信局の通信取扱量が激増していることが主なる理由であります。次に航空保安協力業務費の駐留軍負担金及びマーカス島観測業務費の米国政府負担金におきまして二千百二万円の増額となつておりますが、これは、これら業務に要する歳出予算額の増加によりまして、当然増加することとなるためであります。  次に歳出予算について御説明いたします。昭和二十九年度の予定経費要求総額は三百三十二億一千百七十万三千円でありまして、これを前年度予算額二百十四億二千一百四十六万四千円に比較いたしますと、十七億九千二十三万九千円の増加となります。  以下主なる事項について御説明いたします。先づ海運関係から申上げますと、第一に、船舶建造及び改造資金貸付利子補給に必要な経費として三十七億五千六百二十三万九千円を計上いたしました。これは、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法に基き、我が国外航船舶の拡充整備と海運収支の改善を促進するため、前年度までに着工いたしました外航船舶及び本年度に約二十万トンを目途とする外航船舶の建造に要する資金に対する利子補給金三十六億三千九百二十九万一千円、臨時船質改善助成利子補給法に基き、低性能船舶を解撤して、新たに外航船舶を建造するために要する資金に対する利子補給金一億三千二百九十七万一千円、及び離島航路整備法に基きまして、前年度までに着工いたしました定期航路事業用船舶並びに本年度に建造一隻、改造二隻を予定しております定期航路事業用船舶の建造改造に必要な資金に対する利子補給金三百九十七万七千円のために必要な経費であります。  第二に離島航路補助に必要な経費として四千一百万円を計上いたしましたが、これは、公益上必要な最小限度の輸送を確保するため離島航路整備法に基き、航路の性質上経営の困難な離島航路事業に対して補助するために必要な経費であります。  次に前年度におきまして予算を計上いたしました帰還輸送費につきまして、本年度は経費を計上してありませんが、これは、中共地区等よりの邦人の集団引揚の見通しが不明でありますので、予算案としては一応経費を計上せず、集団引揚が現実に必要となつた際に別途財政的措置を講ずることとしたためであります。船舶動静調査費につきましても、本年度は経費を計上しておりませんが、これは、日米行政協定に基いて実施いたしておりました船舶動瀞調査業務が、昨年九月末をもつて打切りとなつたためであります。  なお、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法に基き、昭和二十九年度以降国の債務となる利子補給及び損失補償の限度額としてそれぞれ二十億九千五百二十万一千円及び二十八億五千一百八十四万八千円、並びに離局航路整備法に基き、昭和二十九年度以降降の債務となる利子補給の総額として三百九十三万六千円を国庫債務負担行為として予算総則第十一条及び第十二条において要求いたしております。  次に港湾関係について申上げますと、先づ港湾事業に必要な経費として三十八億七千八百二十六万七千円を計上いたしましたが、これは貿易の振興及び輸送力の増強を図るため、出入船舶並びに取扱貨物最の増加に対応して、横浜港外四十港について港湾施設の整備を国が行うために必要な経費と東京港ほか百七十二港の整備を地方公共団体又は港湾管理者が行うに必要な事業費を補助するために必要な経費であります。  次に港湾災害復旧事業費として十六億九千九百五十九万円を計上いたしましたが、これは、昭和二十八年以前の災害による港湾施設の復旧事業に必要な経費でありまして、港湾事業費と同じく国が直接施行する場合と、地方公共団体等が施行する場合に補助するために必要な経費であります。更に以上に申述べましたような港湾事業を実施するために必要な事務費として、港湾事業附帯事務費を六千九百二十三万二千円計上しております。なお、北海道関係の港湾事業に必要な経費として、総理府所管の予算案において六億四千八百九十万円を要求しております。  鉄道関係といたしましては、先づ地方鉄道軌道整備補助に必要な経費として二千五百万円を計上いたしましたが、これは、昨年より施行されました地方鉄道軌道整備法に基きまして、産業の振興及び民生の安定に必要と認められる地方鉄道軌道の新設及び維持に対して補助するために必要な経費でありまして、予算といたしましては、新規事項でありますが、このうちには前年度まで実施いたしました北海道開発鉄道及び軌道補助も含まれております。次に昨年度に引続き北九州地区における戦時中の石炭乱掘による鉄道の鉱害の復旧を促進するため、鉄道特別鉱害復旧補助に必要な経費として四千一百四十四万三千円を要求いたしております。  次に航空関係について御説明いたします。第一に航空機乗員養成所の新設及び運営に必要な経費として一億五千一百三十万七千円を計上いたしました。これは、我国の目主航空を確立するため、航空機乗員養成所を新設して既経験者の再教育と新人操縦士の養成とを実施しようとするものでありまして、昭和二十九年度に約六十人の乗員の養成を予定しております。なおこれに伴いまして、前年度まで実施いたしました航空機乗員養成補助は、打切りといたすことになつております。  第二に、我国における自主的航空交通符制を早急に実施するため、航空交通官制官の養成に必要な経費として八百九十三万一千円を前年度に引続き計上いたしております。  第三に、東京国際航空通信局の整備に必要な経費として四千六百五十五万円を計上いたしましたが、これは、国際民間航空機構の勧告によりまして、東京国際航空通信局の対空通信回線を五周波分増設するために必要な経費であります。  第四に、東京国際空港の維持管理に必要な経費として三千三百九十一万円、東京国際航空通信局の維持経営に必要な経費として二千五百八十九万九千円、航空官署運営に必要な経費として一億八千八百四十五万三千円を要求しておりますが、これらは、東京国際空港、東京国際航空通信局のほか飛行場七カ所、航空灯台二十九カ所、航空標識所十四カ所等を維持運営するためのものでありまして、前年度に引続き必要な経費であります。  第五に、航空保安協力業務に必要な経費として一億五千一百六万八千円を計上いたしましたが、これは日米行政協定に基き、駐留軍の使用する飛行場及び航空保安施設を維持運営するため必要な経費であります。  以上のほか、航空関係といたしましては、前年度と同じく国際航空路線の振興を図るため、日本航空株式会社に対して政府出資を行うことといたしまして、大蔵省所管に十億円を計上いたしております。  次に海上保安庁関係について御説明いたしします。第一に、巡視船等の建造に必要な経費として三億六千八百七十四万円を要求いたしておりますが、これは、七百トン型灯台業務用船一隻のほか、老朽船艇の代替として三百五十トン型巡視船一隻、二十三メートル型内火艇二隻、六十トン型水路観測船及び五十トン型灯台見廻船各一隻を建造いたしまして、海上保安業務の改善強化を図ろうとするものであります。  第二に、航路標識の整備に必要な経費として三億二千三百十五万一千円を計上いたしました。これは、灯台、電波標識、灯浮標の新設のほか既設灯台の光力増大等の改良工事等のために必要なものであります。  第三に、警備救難費として、海上保安庁に四億六百九十三万八千円、管区海上保安本部に三十八億二千四百三十万七千円を計上いたしましたが、これらは、海上保安庁法に基き海上における法令の励行、犯罪の予防鎮圧、犯人の捜査及び逮捕、海難救助等汗海上警備救難業務を遂行すると共に、これら業務遂行のため巡視船を改修及び補強して装備を強化し、並びに職員の教育訓練を行う等のために必要な経費であります。  第四に、海上保安費として、海上保安庁に四億二千六百八十二万一千円及び管区海上保安本部に六億一千四百三十一万円を要求しておりますが、海上保安庁所掌の業務のうち、水路の測量観測、航路標識千八百九十七基の維持運営等の海上保安業務を遂行すると共に、水路灯台関係の職員の教育訓練を実施するために必要な経費であります。以上が海上保安庁関係の主なるものであります。  次に、気象官署関係について御説明いたします。第一に、水理気象業務に必要な経費として三千四十八万七千円を所規事項として計上いたしました。これは、重要な河川の水源地帯に降水観測施設、通報施設等を整備強化いたしまして、水資源利用の高度化と水害の防除に資しようとするものでありまして、昭和二十九年度におきましては、北上川及び利根川の両水系につきまして、気象通報所六カ所、総合気象観測装置十一カ所、ロボット雨量計三カ所、短波無線通信施設七カ所等の施設の整備と業務の運営を実施しようとするものであります。  第二に 水害緊急対策に必要な経費として一億七千五百二十三万六千円を要求しておりますが、これは前年度に引続き、水害の防止軽減に資するため、気象観測施設、通信施設等を整備するために必要な経費でありまして、昭和二十九年度におきましては、九州、四国、中国、近畿、関東等の地方にわたり、二十三都府県の区域を対象として通報所十二カ所、雨量計、雪量計等の観測施設四百二十六カ所、短波無線通信施設二十一カ所、気象用レーダー二基等の整備を実施しようとするものであります。  第三に定点観測業務維持運営に必要な経費として六百八十一万三千円を計上いたしております。前年度までは、日米行政協定に基き土佐沖及び三陸沖のニカ所の固定点におきまして、年間を通じて常時気象観測を実施することとなつていたものでありますが、この業務が昨年十一月末をもつて打切りとなりましたので、本年度におきましては、台風、梅雨前線等の予報精度の確保を図るための最小限度の必要を満すために、海上保安庁の所属船を使用して、土佐沖の固定点のみについて五月より十月に至る六カ月間の常時気象観測を実施することといたしたのでありまして、そのために必要な経費であります。  第四に、マーカス島測候所維持運営に必要な経費として六千八百二十一万二千円を計上しておりますが、これは、米国政府の要請によつて、マーカス島における気象観測所を中央気象台が維持運営するために必要なものであります。以上の外、気象官署といたしましては、地上観測に必要な経費二千百五十五万八千円、航空気象業務に必要な経費八百四十六万九千円、上高層気象観測業務に必要な経費一億二千百一万五千円、気象官署の一般業務維持運営に必要な経費十七億六千七百五十三万五千円等の経費を要求しておりますが、これらは中央気象台、羽田航空地方気象台、高層気象台、五カ所の管区気象台、五カ所の地方気象台、四カ所の海洋気象台、百三十二カ所の測候所、七カ所の航空測候所、その他の気象官署におきまして、観測、予報等業務を行い、その施設を維持する等のために必要なものであります。  以上御説明申上げました海運、港湾、鉄道、航空、海上保安及び気象関係のほか、主なるものを申上げますと次の通りであります。先ず観光事業補助に必要な経費として五千五百五十万円を計上いたしました。これは、全日本観光連盟及び日本交通公社をして、国家的見地より外客の誘致、対外宣伝、観光施設の整備、観光資源の保存等の観光事業を実施させるため補助金を交付するに必要な経費であります。  次に小型船舶職員養成補助に必要な経費として三百万円を要求いたしましたが、これは、小型船舶職員の技能を向上し、その補充を円滑にするため、経済的に運営することの困難な小型船舶職員の養成事業を行う団体に対して補助を実施しようとするものであります。  次に航海訓練所の練習船整備に必要な経費として三億一千四百六十万三千円を計上いたしておりますが、これは、長期の乗船実習を必要とする商船大学の学生の増加のため、現有の練習船では不足いたしますので、三千トン型の貨客船一隻を購入し、練習船として改装するために必要なものであります。  以上で一般会計に関する御説明を終りまして、続いて木船再保険特別会計について御説明いたします。  前年度におきまして「木船再保険法」及び「木船再保険特別会計法」に基いて設置されました本会計は、木船事業経営の健全化と木船船主経済の安定に資することを目的とするものでありまして、昭和二十九年度においては、歳入歳出とも六千八百十三万三千円を計上いたしました。その主な内訳は、再保険料六千六百十八万八千円を以て木船再保険収入を計上いたし、これと同額の木船再保険費を計上して、再保険金及び賠償償還払戻金に充てると共に、一般会計よりの繰入金一百五十九万一千円を以て木船再保険業務費を賄うものであります。  以上を以ちまして、簡単でありますが、運輸省所管昭和二十九年度予算案の概要を御説明申上げました。  次に昭和二十九年度日本国有鉄道予算の概要について御説明申上げ御審議の資といたしたいと存じます。最初に予算編成の基本についてでありますが、前国会に於て承認されました職員の給与改訂のため、多額の資金を必要といたし、これがため運賃の改訂を国有鉄道としては希望いたしたのでありますが、政府といたしましては財政規律の圧縮、物価の安定に資することを方針といたしまして、運賃料金等の値上げは極力これを行わないこととし、貨物運賃については全然触れることなく、ただ旅客運賃のうち、一、二等についてのみ通行税相当額を値上げするにとどめました。  次に昭和二十九年度日本国有鉄道収入支出予算について損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申上げます。先ず第一に損益勘定について申上げます。昭和二十九年度損益勘定の予算は給与改訂、輸送力増加等年を織込んだ前年度補正予算を基礎としまして編成いたしました。先ず収入について申上げますと、鉄道による旅客輸送人員は対前年度増二・六%三十六億五百万人、人キロでは八百四十五億人キロと策定いたし、旅客収入一千二百九十二億円を見込み、鉄道による貨物輸送トン数は対前年度増二・一%一億六千万トン、トンキロでは四百十四億トンキロと策定いたし、貨物収入一千二百十億円を見込んでおります。これら旅客、貨物輸送に要する列車キロは三億三千六百万キロで、対前年度三・三%の増加となつております。以上の旅客貨物収入のほか、雑収入等を合せて二千五百八十九億円の収入を見込んでおります。  次に経費についてみますと、人件費関係については一万五千三百七十円ベースに昭和二十九年度の昇給を見込んで算出いたしておりますが、このほか期末手当一・二五カ月分、奨励手当半ヵ見分、休職者給与等を見込んでおり、給与の額として合計九百四十八億円となつております。又物件費関係については、動力費の大宗である石炭費として三百三十六億円、修繕費五百七十七億円、そのほか業務費等合せて経営費総額二千百四十九億円であります。  以上の経営費のほか資本勘定へ繰入れ三百三十五億円、利子八十五億円、予備費二十億円を合せまして、支出合計二千五百八十九総円となつております。次に資本勘定について申上げます。前述の損益勘定より受け入れる三百三十五億円、資金運用部よりの借入金七十億円(二十八年度は百四十五億円)、鉄債券の発行による百三十億円(二十八年度は八十五億円)、不用施設等売却による七億円、合計五百四十二億円を収入として計上し、五百四十億円を工事勘定に繰入れるごととしております。この他出資としての九千六百万円は帝都高速度交通営団の増資に伴うものであり、借入金等償還としての一億円は、昭和二十八年度に公募した鉄道債券の一部の償還に当てられるものであります。  次に工事勘定について申上げます。昭和二十九年度工事勘定の予算は、工事の重点を施設の維持及び取替補充に置くことといたし、新規工事等は必要最小限度にとどめ、財政規模の圧縮の方針の下に編成いたしました。その内容について申上げますと、先ず新線建設費についてでありますが、新線の建設は前年度工事着手線の継続にとどめ二十五億円を計上いたしました。次に電化設備費でありますが、電化につきましては現在施行中の浜松、姫路間電化を引続き施行することといたしており、昭和三十年には米原まで開通する予定であり、七十八億円を計上いたしました。次に車輌費でありますが、電気機関車、内燃動車、客車、電車及び貨車等の新造のほか客貨車の改造等でありまして、二十九年度の輸送力確保に努力しております。内燃動車につきましては、地方交通の便益に供するため前年度に引き続き百両の新造を計画しております。これらの計画に要します車輌費として百五十六億円を見込んでおります。以上の他に諸設備費二百三十七億円を計上いたしており、改良総係費を含めまして支出の合計は五百四十億円となつております。これらに要する財源としては、前に資本勘定の御説明の際申上げました通り、資本勘定より五百四十億円を受け入れてこれに当てることとしております。  なお以上の諸計画の実施に要する職員数は四十四万七千七百二十五人でありまして、これは昭和二十八年度に比較いたしますと、四百七十六人の増加であり、これは業務量の増加に伴うものでありますが、要員の合理化に努め、その増加は最小限にとどめました。給与の総額としては休職者給与を含め、合計一千百四十二億円を計上しております。  最後に、日本国有鉄道の財政につき今後の見通しを申上げたいと存じます。経済界の今後の動静を勘案いたしますと、予定した収入を挙げますには格段の努力が必要と考えられ、又工事計画もより一層のサーどスの改善のためには十分とは申しがたいのでありますが、日本経済の安定に資するため、公共企業体としてより一層の能率向上を図り、サービスの改善に努めますと共に、経営の合理化を行い、経費節減に努力いたすよう指導監督いたしたい所存でございます。  以上昭和二十九年度運輸省所管予算並びに日本国有鉄道予算の大綱につき御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上、御承認あらんことをお願いいたします。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 特に付加えまして、観光の補助金がありますね。それの細目がわかるような資料がありましたら付加えて頂きたいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 お願いしておきますが、大分前に請求して相当調査が進捗しておるようですから、運輸省所管の一切の外廓団体の、明日頃出すように申されておりましたけれども、一つよろしくお願いします。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 日本交通公社、全日本観光連盟。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) それでは山内君にお願い申上げますが、今御説明願つた運輸省関係の予算の審査は明日午前十時から行う予定であります。要求されておりまする資料を携行し、係官の御出席をお願いいたします。  それではこの委員会に付託されておりまする省庁関係の予算の説明は以上で一応終りました。  なお、この際お諮りをいたしますが、木村委員から要求されておりまする開銀関係、保安庁関係の参考人の出席につきましては、開銀関係は明日の運輸省関係の予算を審議する際に、保安庁関係のかたは明日の保安庁予算の審査をする際に出席のとり計らい方をいたしたいと思います。御了承願いたいと思います。  それでは午前中の行事はこれで以て一応終りましたので、暫時休融いたします。    午後、零時五十八分休憩    ―――――・―――――    午後二時十三分開会

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) それでは午前に引続きまして分科会を再開いたします。  午前中にお諮りいたしましたように、午後は最初に会計検査院関係の質疑をいたす予定でありますので、会計検査院のほうから院長、事務総局次長、官房会計課長の三氏の出席を得ております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 お伺いしたいのですが、会計検査院長として、今造船の疑獄の問題、汚職の問題が起つていますが、それに関連して、造船割当に関していわゆるリベートというようなことが問題になつております。それから又利子補給についても、いろいろ今検察庁が調べているようですけれども、国の財産を保全し、或いは国の資金を効率的に又不正なく使うという見地から、このリベートというような問題ですね、ああいうものは国にどういう損害を与えていると考えるか、それでああいう問題について関心を払つておられるのか、一つその点を先ず伺いたいと思います。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) リベートの問題でありますが、関心を払つておるかどうかと言われますが、勿論関心は払つております。ただリベートというのは何かということは、実は非常にむずかしい問題のような気がしているのです。と申しますのは、リベートというのは、今船の問題で申しますと、造船注文者が造船会社に十億なら十億という船価の船の注文をして、その中から若干の割戻しがある。而もその割戻しは造船会社から注文者たる会社に来たというような場合において、それが例えばその十億の注文に対して二千万円のいわゆるリベートがあつた。これが十億の船価に対して二千万円だけ引いた。即ち実質上の船価というものは九億八千万円、こう認められるということになるならば比較的問題は簡単です。ところがリベートというものは、よくわからないのでありますが、注文者に対するものであるか。注文者たる会社の役員に対する個人のものであるか。それから又、リベートを更に正確に見ますると、注文に関連しておるけれども、船価の割戻しとして果して認められるかどうか。それらリベートの法律上の性質と申しますか、そういう点を十分係の課で研究をするようにということを今申しまして、関係の課で研究しております。まだ結論には到達しておりません。恐らくリベートはいろいろな問題があると思います。極くチピカルなものは注文船価の割戻しといいますか、それだけ船価を安いものと考えていいのではないか。若しそうすれば今の例で言いますと、九億八千万円の融資に対して利子補給をすべきものであつて、十億の融資に対して利子補給をするということは、国の金を無駄に使う、使うべからざる金を無駄に使うものだと考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 リベートの問題については、二つ問題があるわけであります。只今院長がお話のように、九億八千万円に対して利子補給をすべきである。十億に対して利子補給をすることは不当であるという問題と、もう一つは、実質的に国の海運政策の上からいつて、本来ならば十億の船を造るべきところを九億八千万円で造つて、三千万円安い船を造る。併しそれが本当に船の能率を下げるにそれだけ安く造るなら結構なのですが、手抜きということが行われる、これは非常に専門的におりますから省略しますが、業者から私は細かく聞きました。例えば二千万円を浮かすにはどういう手抜きをするとか、三千万円浮かすにはどういう手抜きをするとか、手抜きの方法はいろいろあります。極端な例を言えば、遭難に会つた場合のために、予備スクリューが二つなければならんのを一個にして手抜きしている。それからいろいろな船内の必要な装置ですね、そういうものを手抜きすることによつて三千万円、三千万円、五千万円浮かすことができるのです。そういう場合も一つの、開発銀行から融資した場合、それによつて造られる船がそういう規格に外れたといいますか、或いは又予定されたものよりも悪い船を造つておるということになると、これはやはり国の資金が正当に法理的に使われていない。そういうところまでも目を届かせなければいけない問題だと思うのです。リベートの問題は、法律的にいろいろ問題がありましようが、法律問題を一応別にしましても、会計検査院としてはこういう点までやはり目を届かせて検査をしなければならないのではないかと思うのです。それからリベートの法理的な問題については、私は素人でよくわかりませんが、業界で専門家から私聞いたところによると、リベートというものはないと言うのです。これはあとで又運輸大臣及び海運局長に質問しなければなりませんが、衆議院の委員会で運輸大臣や海運局長は、リベートというものは商習慣として昔からある、こういうように答弁しておる。業界で呆れているのです。そんなものはあるはずがない。例えば私が家を造るときに、大工に請負わす、自分で家を造るのに大工からリベートをとつて何の意味があるかというのですね。それと同じことですね。そんなものあるはずがない。あればそれは贈賄とか、そういう類いになるのだ。そういうものはあるはずはない。専門家も業界の人もそういうことを言つております。リベートというものはあるはずがないのだ、若しあるとすれば昔、これは余談になりますが、西郷従道氏が海軍大臣をやつていた頃、高千穂丸か何かイギリスへ注文いた、ところがイギリス政府から割戻しが来た。それを海軍省でそれを日本政府がもらうべきかどうか、これを非常に検討しているときに、西郷従道氏が、みんながそれをもらつていいか悪いかということを言つているときに、そんなことを騒いでいるなら、おいどんがもらつて行くというのでポケットに入れてしまつた。これがリベートの始まりだということを海運の先達者は話した。おじさんがそうやつたから、それを又見習つている者がいるのじやないかと思うのですが、そういうことをやはり専門家は言つております。ですからそういうものがあつたら、これは商習慣として認められているリベートじやありません。明らかにこれは不当なる割戻しであつて、それは又商法上或いは刑法上、会社の中にこれを入れたか、個人のふところに入れたか、それによつていろいろ問題が起こりましようが、実際そういうものと私は思う。そこで会計検査院長は今度会計検査院法の二十三条によつて、当然国が資本金の一部を出資しているものの会計とか、それから国が直接或いは間接の補助金みたいなもので与えている、そういう所の経理をこれは検査することができるわけですね。従つて利子補給という問題が起きますし、又これは間接的補助金です。それから損害補償もやることになつて来ております。従つてこの前にこれは又改正になりまして、そういう直接それに関係する会社の経理を調べることができることになつていますからね会計検査院としてお調べにおつたかどうか。私はお調べになつてなければ、これは怠慢でないかと思うのですが、その検査に関するこれまでの経過をお伺いしたい。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) この点については、去年でしたか、木村議員から御質問がありまして、検査院法二十三条三号ですか、国が直接又は間接に財政援助を与えるものの会計は検査官会議の議を経て検査できるという規定がある。その規定を活用して検査すると申上げたのであります。それで実は今度のいわゆる外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法ですか、今度の法律により利子補給がされますと言うと、当然その規定に該当するし、而も国会における予算の修正によりますと利子補給額が極めて大きくなつております。のみならず、この問題については、この参議院におきましてもいろいろ審議があつたのでありまして、極めて問題は重要であると考えますので、今月の初め頃に、第八次前期でしたか、第八次前期の注文をした造船会社について検査をするということを決定いたしまして、関係会社に通告し、そろそろ検査に着手する段階なつております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは若しそういう検査をお始めになるとすれば、第八次だけではこれは足りないと思うのです。それは今度造船の汚職、疑獄の問題が起きましたが、実は第九次船、或いは今お話の第八次船あたりから問題にしていますが、実際は第八次、第九次はこれ海運界のそろそろ不景気になりかかつてから造つておるのでありまして、従つてこの献金なんかも非常に金が少くなつて来ている。業界もみみつちくなつて来ておりまして、業界の専門家に聞きますと、一番献金、リべートの問題がひどかつたのは第六次、第七次であると言われておりまの時に非常に活溌に献金も行われましたし、それから例のどんちやん騒ぎですか、料亭のどんちやん騒ぎをしたわけです。それは当時は、御承知のように見返資金から貸しておつたわけです。そこで余りそれがひどいので、GHQからこれは警告を受けたと言われる。中にはGHQの監督を逃れるために、アメリカさんにもいろいろ饗応したりなんかして抑えようとしたとも聞いておりますが、余りにひどいので、司令部から警告を受けた。そういう例があるのです。そうして警視庁の捜査二課が捜査に乗り出した。乗り出したところがもみ消し運動が起つてしまつた。この詳細については、私今省略いたしますが、これは犬養法務総裁に私はお約束してあるのでして、それは捜査しますということを言つておりますから、私は省略いたしますが、その頃が一番ひどいのです。それでこれは私の聞いたのは、相当の有力な海運会社の社長さんです。その頃の献金というものは数億に上つている。今度問題になつているようななまやさしいものではない。それが大体池田勇人氏が大蔵大臣になつている頃から、相当数億の金がそちらに行つておるものと見られるというのです。それは確実であるかどうかは私は調査しなければわからんことですけれども、そういうふうに言われておるのです。それから察しましても、どうしても検査をするということになると、第六次第七次まで遡らなければ本当の検査にはならんと思う。第九次以後ではこれはちよつびりとした問題であつて、本格的にやはりお調べになるとすれば六次、七次を調べなければならん。それからそれをお調べになるときには、やはり銀行なんです。市中銀行が問題なんです。それで今度の利子補給の対象となつているのは、これは市中銀行が一割一分の利息のうち六分補償されるのですから、これは市中銀行に補助金が与えられると同じことです。従つて、銀行も私は調査される必要があると思うのです。調査の対象となるべきだと思うのです。こういう点について院長の御意見を伺いたい。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 今私第八次船と申しましたが、第九次船の誤りであります。訂正します。と申しますのは、九次船につきましては、すでに利子補給の契約をしまして、近く現実に利子補給するという段階に達しておりますので、検査院法によつて指定したわけであります。お話の通り、そのほかにも、第六次以後のものについても利子補給をするという契約が近く結ばれて、そして補給金が与えられるということを聞いておりますからして、その段階に達すれば、先ほど申しました検査院法の第二十三条三号によりまして、六次以降につきましても指定して検査するというつもりであります。ただまだその指定する段階までちよつと間があるので、先ず第九次の前期の貨物船だけを指定しようと、というのは、これだけじやなくて、将来もまだするのだけれども、係ずこれだけは今できるので指定して検査を始めると、こういう段階でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 会計検査院の予算が出ましたが、大蔵省に最初要求された予算はどのくらいなんですか。

高橋豊会計検査院事務総局事務総長官房会計課長

○説明員(高橋豊君) 要求当時は、大体六億三千万円程度でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それが査定されましたのは……。

高橋豊会計検査院事務総局事務総長官房会計課長

○説明員(高橋豊君) 三億九千九百万四千円でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは私は院長さんに有利な質問になるのですが、これまで会計検査院として、この三十三条があるにかかわらず、いろいろ不当支出、それから不正支出、それからこういう汚職、疑獄、いろいろな問題があるのですが、やはり手足がないので十分に検査の手が行届かないという面が相当あるのであります。勿論それは事後検査であるということが一つの欠陥ではありますが、従つてまあ事前審査されるところの予算の審議に当つては、我々も十分責任があるわけですけれども、如何に予算を節約しなければならんといつても、私はこういう予算面で、約六億を要求されて、それが三億九千九百万円でしよう。二億少い。会計検査院としても、これはいい加減な要求をされておるのではないと思うのですね。従つて私は、今検察庁ではいろいろな犯罪捜査のために予算の増額を要求しておりますが、私は会計検査院としても、本当に国の予算というものを効率的に使わせるように検査をするならば、一億や二億殖やしたつて十億、百億の損失を防止できれば決して高いものではないと思うのです。これは十分会計検査院としても、この二十三条の趣旨を徹底するためには、特に今度の汚職、疑獄、こういう問題が起きておる際でありますから、それについて態勢を整えるに必要な予算は当然要求すべきであると、そのために機能を充実させなければならないと思うのです。この点についてはどういうふうにお考えですか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 御尤もな御質問でありまして、検査院としても、充実を図ることに最近努力をしておるのであります。最近と申しますのは、検査院の仕事というものは、いわゆるエキスパートの仕事でありまして、人を量的に増したから質的に殖えるということはなかなか望まれないのでございます。先ず量的に増して、そうしてその質を高めて行くというふうにならざるを得ないと思つております。そこで、会計検査院は、憲法改正に伴いまして、人員が三倍乃至四倍くらいに急に殖えましたので、これらの者の素質向上ということで、いろいろな方途を講じまして、最近まあ私といたしましては、検査能力は相当上つて来たと思います。そこで次の段階として、壁が殖えて質がそれに伴つて来たからして、今度は又量を殖やして、その質を高めて検査院の機能を充実したいという覚悟であるわけであります。そこで前にも要求したのでありまするが、まあ不幸と申しますか、政府は行政整理どいうことを非常に一生懸命になつおるので、まあこれはいろいろな見方がありましようとは思いまするが、会計検査院としてもそれを無視するというのもどうかと思いまして、その行政整理の政府の大きな要求と我我のほうの人員を殖やそうという両方を調節いたしまして、二十九年度予算で申しますというと、検査院の管理職員、人事とか庶務とか会計とかいう管理職員につきましては、他の役所と大体同じ減員を承諾したのでございます。併しながら検査のほうでは、当時は殊に、決算報告で御覧になるとおわかりになりますが、補助金関係の経理が非常に思わしくないと、全国的に非常に悪いのであります。だからその点に重点を置きまして、人は減らすけれども、減らした人間の相当部分を検査部門のほうに向けてもらいたい、振替えてもらいたいと、そういう要求をして大蔵省と話合い、その線によつて予算が組まれております。なお二十八年度の予算のうち、一遍一千万円以上削られたのでありますが、その中の検査旅費というものが非常に削られたので、二十九年度としては、人も或る程度殖やし、これに伴う検査旅費というものを約五百万円ばかり増してもらうことに話がつきまして、十分とは思いませんが、主計局も相当会計検査院に必要を認め、同情してくれたものと思つて、一応満足しておるわけであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私は会計検査院長が会計検査院の地位というものを本当に自覚しておられるかどうか疑問に思うのです。只今の御答弁によると、大蔵省が同情してくれたとか、十分にやつてくれたとか、そんなものではないと思うのです。御承知のように、国会と裁判所と会計検査院は独立の予算編成権を持つておるのです。これは何のために持たしてあるのですか。何か今のお話ですと、大蔵省に哀願的なような態度で、同情してくれたとか、そんなものではないと思うのです。ここはやはり毅然として、独立の予算編成権を持つておるのですから、これは今度の新憲法ではつきりきめられておるのです。ただそのときに、財源をこちらで指摘して、そうして要求することになつておりますが、この点は新憲法を作るときに大きな問題になつたわけですよ、重大な……。従つて会計検査の機能を予算面から縮小させ、或いは機能を弱化させるという形において、汚職とか或いは疑獄というものを温存させることになることは、結果としてですよ、私は許しがたいと思うのです。そういう意味で、やはり会計検査院が折角新憲法において、予算編成の独立権を与えられているのですから、この権限を十分活用さるべきだと思うのです。この点について一つ……。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 只今の法律的の予算編成権のお話はよくわかりました。私もよく心得ております。併しながらこれは法律的にできるというだけである、だけであるといつては語弊がありますが、できるのでありますが、我々といたしましては、この法律上の権限を行使する上から考えるというと、相当見通しがないというと実は非常にやりにくい。これは木村さんと見解が違うかも知れませんが、例えば国会で政府の与党というものはどのくらいの数があるか、検査院が政府と反対の意見で予算を提出した場合は、その予算が可決される可能性があるか、否決される可能性があるか、そういう点を実は考えておるのでそれと照らし合わしてみて検査院の見通しを誤ることもありますけれども、十分見通しがあればこの権限を行使したい、こういうふうに考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは財源がないのに無理に要求することは認められないと思いますが、こういうところに財源があると財源を指摘して要求するということになつています。それで、これは予算編成の独立権を認めたために、予算編成が困難になるといけないから、そういう調整手段がこれは行われておるのであつて、従つて会計検査院と言えば、財源は幾らでもあるというと語弊がありますが、政府は補正を組まない、もう組む余地がないといつて、簡単に又、今度の義務教育職員の特別法が審議未了になつたことに対する財源措置を簡単にやつている。我々から見れば財源を出さないのであつて、出そうと思えば幾らでもあるのです。その点はやはり余りに国会の様子をしよつちゆう見てやるというのですが、結局要求して削られればもともとですよ。やはり要求すべきことは国今のほうにちやんと出すべきだと思います。独立して出すべきです。そうすると我々は政府が出したものと会計検査院が出したものと両方審議する、そうして六億のあれを出されてどつちが合理的であろうということを我々に審議させないことには不満である。折角新憲法で認められたものを十分活用していない。余りに私はそれは消極的過ぎると思う。それが結局汚職疑獄のや片り温床になつて来るのだ、遠因になつて来るということを十分これは認識される必要があるのじやないかと思うのですが、失礼ですが、重ねてその点を伺つておきたいと思います。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 検査院の予算につきましては、一つはこういう事情もあるのです。昔、今のような独立の予算の要求の権限が認められない時代におきましては、大蔵省所管として大蔵省の会計課で査定され、主計局で査定され、昔の話を聞くと、会計検査院の予算というものは非常に気の毒だという事情がありまして、そうい再事情も手伝つて最近は予算の独立の票求権が認められたので、非常にこちらはやりやすくなつた。主計局も十分その点は認めまして非常にやりやすくなつたので、どちらかというと、少し消極的と言われるかも知れんが、とにかく昔と比べると非常にやりやすくなつたものから、いろいろな事情を考慮してこういうふうになつたのですが、御意見の点は十分なお考えたいと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今度の行政整理で人員を減らしてやつて行けますか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) それは先ほど申します通り、いわゆる管理職員は減つておりますけれども、検査に当るところの職員はむしろ殖えておるのでありまして、又検査旅費も殖えておりますし、職員の能率もだんだん上つておりますからして、今まで程度或いはそれより若干上廻つた程度の検査はできると思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 もう一つ伺いたいのですが、開発銀行は検査されましたですか、開発銀行の検査につきまして…。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 開発銀行は検査しております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 その結果開発銀行の運営は適当とお認めになつたですか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 今までの検査の結果によりますというと、若干こちらのほうで開発銀行に意見を述べておる点もありますが、その他の点を除きましては、我々の検査の段階においては、差支えないものと思つております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 その若干というのはどうなんですか。その点ちよつと伺いたいと思います。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) これはちよつと私資料を持つておりませんので、第四局長から具体的に説明させてよろしうございますか。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) どうぞ。

大沢実会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(大沢実君) 現在第四局で開発銀行の関係の検査を担当しておる者としてお答え申上げます。開発銀行の検査は、大体本店は年に二回、地方支店一回程度行なつておりまして、そうして融資の全般について検査しておるのでありますが、そのうち若干注意したと申しましたのは、件数としましては相当あります。その内容を申しますと、大体融資の時に、これは危ない融資ではなかろうかと思われるようなものを調べまして、その結果を相手に照会して、こういう融資は妥当でないじやないか、回収できにくいじやないかというものを照会しまして、そうしていろいろ調べてみますと、その後の情勢によりますと、会社が立直つてその後の回収が順調に行つている。併しこれはそうした危ない融資は抑制すべきじやないか、こういう趣旨の注意書を出しておる。それから融資した金額が、初めの融資の目的外に使われているというような点もありまして、それも注意しております。これなども目的外に使われているが、回収のほうは比較的順調に入つている。そのほかは融資した金がまだ相手方が受入れ態勢ができないといいますか、例えば工事の資金を融資しても、工事が行われていないというのに、すでに融資しまして、それが開発銀行の中の一つの経理理やり方でありますが、別段預金としてそのまま保留されておる。こうしたものはそう融資の決定を急ぐ必要もなかつたいじやないか、もう少し仕事の成行きを見てから融資して適当じやないかというような点の分は、相当件数を注意書に出しております。そうした点でありまして、そのほかは会社のバランス・シートの上の点なども注意したものがあります。二十七年度の検査の結果、しました点は概略申しますると、右申上げた点でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 その二十七年度の御調査の結果、その会社に融資するのは不適当と認めたもの、それから目的以外に使われたもの、その件数は多いのですか。

大沢実会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(大沢実君) 注意書として出しました分は、それはその融資が危なかつたのではなかろうかと思われるのが三件、それから融資したものが目的に使われてないというのが二件、それからそのほか早期に融資して、まだ金がそのまま余つているような状態になつておるものが七件ということになつております。そのほかは経理上のバランス・シートの問題が四件ということになつております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私この質問をする必要上、この不適当な三件、それから目的外二件ですか、それから金を余しているのが七件、これはどことどこですか。

大沢実会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(大沢実君) 融資が妥当ではなかつたかと思われておりますのが、極洋捕鯨株式会社に対する融資、それからこれは札幌ですが、羽幌炭坑鉄道株式会社というのがあります。それから同じ北海道の函館水産物株式会社、これが三件、それから融資目的外に使用されたと思われますのは、東京の下村電友社製作所、北海道の東亜興業株式会社、それから資金を交付して余つているのではないかと思われるのは、東京の浜野繊維株式会社、大倉電気株式会社、津上製作所、それから三田商工株式会社、大阪の連合紙器株式会社、名古屋の岐阜整染株式会社、仙台の古河電気工業の支店であります。以上であります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そこでこれは二十七年三月に実は開発銀行で国策。パルプ、旭川にあるのです。そこで自家発電をするために融資を申出た。ところが開発銀行のいわゆる監査部で調査した結果、その調書は、不適当だと決定した調書ができておつた。当時国策。パルプの経理はとかくの噂があつたので、開発銀行でよく調査したのだそうです。その結果不適当だと決定したのです。開発銀行の金庫にその報告書、調査書はしまつてあるはずです。これは開発銀行にも要求したいと思いますが、ところが現実には融資されておるのです。聞くところによると水野成夫という人が、直接小林総裁に電話をかけてそして交渉した。殊にひどいのは、監査部長と調査した職員と二人が水野成夫氏の所へ行つて調査の結果こういう不適当なふうになりましたと報告に行つたら、目の前で小林氏に水野氏が電話をかけた、そうしてOKになつた、だから君たち帰つてくれ、こういうことが行われたやに聞いております。これなどは開発銀行に非常に疑惑を深める一因であると思うのです。これは一つの例です。私は他にもこういう例があるのではないかと思うのです。特にこれは会計検査院としても今後十分私はお調べ願いたいと思うのです。これは世上よく言われておるのですが、例えば吉田側近と言われる人の関係している会社の麻生鉱業、或いは九州電力、国策パルプもそうなんです。そういう所は相当やはり疑惑が持たれるわけです。特に又一般と区別する必要はないでしようが、一般と同じならいいけれども、不適格となつたものをその融資が上のほうで政治的話合いで行われてしまうのでは非常な疑惑が起る、こういう点についてどういうふうにお考えになつているか。私は会計検査院の今までの御調査はこれは顕著なものであつて、まだまだ手不足その他で検査が十分行われないのがたくさんあるのではないかと思うのです。私はこういうふうに指摘するのは、ただ欠点や欠陥をあばいてこういうことをするわけではないのです。今後のやはり経理というものを清潔にして、それで国民の血税がそういう無駄に使われないようにしなければいけないと思いますので、私は今度こそは洗いざらいそういう膿を出して、私もこんな細かいことは言いたくないのです。併し私は事ここまで至りたら、具体的事実を指摘して批判しなければならんと思います。そういう意味で御質問申上げておるのですから、こういう点について、開発銀行の運営の仕方について、会計検査院長の御意見を承わりたいと思います。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 只今御指摘になりましたように、事情はよくわかりませんが、とにかくそういう下のほうが反対して上が賛成した、勿論その上の賛成が間違つているとは直ちに断定はできませんが、そういう事情がありますれば、更に十分検査したいと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 会計検査院は、例えば国策パルプの調査の結果について、向うの調査報告というものがあるのですから、あすこの金庫にしまつてあるはずですから、そういうものは取寄せてこれははつきり御覧を願いたいと思います。又そうであつたときには、新たなる問題としてこれは取上げなければならんと思いますが、それは私は国策パルプについては具体的な例ですから、これについてあいまいにしないように、一つ検査を要求いたします。  もう一つ、これは日本開発銀行の業務運営について問題になりますのは、造船融資について開発銀行本来の融資の方針を逸脱して、或いは融資の方針から外れて融資がされておるのではないかと思う点があるのです。これも今具体的な例を申上げます。それは開発銀行の業務方法書というのがありまして、その第三条によりますと、債権の回収又は債務の履行が確実であることを確認し、業務の執行に万全を期する。こういうのは開発銀行の業務方法書の根本方針です。ところが造船融資につきましては、御承知のように融資を受けるときには見積書というものを出すのです。いわゆるエスチメイト、この見積書に基いて融資をするのですが、見積書とそれから実際とは非常にかけ離れておるのです。見積書では非常に利益が上るような見積書になつていて、実際は非常な欠損になつておるわけです。この点は将来私は開発銀行が造船会社へ融資をしておるあの融資は回収不能になり、国民の損になるのではないかという疑念を抱くのです。それで海運会社なんか安易に考えてもらつたような気でいるのじやないか。開発銀行からの借入金が前の復金の借入金のように、ただもらうような気でいるのではないかというようなことがよく言われるのですが、実際から見ると、そういうふうな考えを抱くのも無理じやないというような状態になつておる。私は運輸省に資料を要求したのです。そして見積書、いわゆるエスチメイトについての数字を要求いたしたのです。この前第十六国会のときに、二十八年度予算が審議されるときもこの疑獄、汚職の問題があるのではないかというので、私はやはりエスチメイトを要求して資料を見ました。例えば第六次船に例をとりますと、申請当時のいわゆる見積書によりますと、昭和二十八年度には八千二百八十六万八千円利益がある、こういう見積書になつております。ところが実際は三千二百二十万九千円の欠損です。第七次船前期について申上げますと、融資を受けるときに出した見積書では二億七百五十万四千円儲かる、こういう見積書なんですが、ところが実績は六千六十六万円の欠損なんです。それから第七次船後期について申しますと、約七千万円二十八年度に儲かるということになつているが、実際の欠損は七千三百四十九万円になつております。第八次船については、七千二百二十五万円儲かる、ところが償却前の損益で利益です。現在の予想では一億一千四百八十三万円の欠損になる、こういう見積書によつて融資をされておるのです。で、海運界の状況は測定することが困難だと言いますけれども、私が専門家に伺つてみますと、専門家がこんな見通しがきかない専門家なんかないと言うのです。もうわかり切つていると言うのです。それから今度は念のために第九次船について資料をとつたのです。問題の九次船です。そうしますと、九次船については、第九次繰上、まあ例えばA社につきますと、二十九年度の償却前損益が欠損になつて、千百二十九万円の欠損ですね。それからC社なんかは百三十七万の欠損。又儲かるところは二千四百三十五万円利益が上る。それから昭和三十年になりますと、償却前損益はまあE社なんか二千九百七万円儲かるということになつておるのです。第九次の今度は後期になりますと、みんな相当儲かるようになつているのです。ところがなぜ利子補給をするかというと、最近の海運界では金利も払えない、償却もできないほど不況だから利子補給をするんだ、損失補償もするんだと言つておる。ところが第九次の前後期の船舶建造の融資を申込むときのエスチメイトは非常に儲かるようになつて出されている。過去の例を見ると、融資を受けるときには非常に儲かるような見積書を出し、実際には非常な欠損になつている。これは私は専門家の立場から言えば、虚偽の申請をしている、こう言わざるを得ないのです。いろいろ理屈はあるでしようけれども。こんなことをして行くと、一応これでは儲かるようになつているが、これをどんどん融資しておる、損失決損は続いて行く、そうなると、これは非常に多額な融資を開発銀行はしているのですから、これは将来回収不能になり、みんな国民の負担になるということでは私は大変なことになると思うのですよ。従つてこういうような形の開発銀行の造船融資というものは、私はこれは非常に問題があると思うのです。この点について、会計検査院としてはどういうふうに御覧になつているか、この見積書の問題、エスチメイトの問題です。そのほかにまだ問題あるんですけれども。

大沢実会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(大沢実君) 只今の造船融資の関係でございますが、五次、六次頃はこれは例の見返資金で融資しておつた頃でありますが、その頃はむしろ海運界も相当何といいますか、配当なども多くてまあエスチメイトも余りそう不審を抱かなかつた。まあ古い検査でありますから、今ここですぐに正確なことを申上げかねますが、そういつた経過であつたろうと思います。それから九次の分は、実は昨年の融資でありますが、これは個々の詳しい開発銀行のほうの融資の決定までの資料は、この四月か五月において検査をする予定でありまして、まだ正確なところは申上げかねますですが、大体の見当といたしましては、我々としましてはそのエスメイト、いろいろ見積書、融資するときのいろいろの計画書なり、そうしたものを見まして、そうしてそれが妥当であるかどうかということを見ておる次第でありまして、只今御指摘のようにそれが非常に欠損になつているということが、勿論検査のときにそうしたことが想像つきますれば、その見積書自身が相当虚偽なものではないかという点で融資の危険性ということを指摘いたすことになります。ただ造船融資に関しまして、一つだけ普通の融資と今まで検査において違つた観点から見ておりました、これは正しいかどうかわかりませんが、違つた観点から見ておりましたという点は日本の海運業というものが、どうしても造船を多くしなければならないという一つの方針があるとした場合には、それが市中銀行で引受けられないという場合は、開発銀行法の第一条でありましたか、いわゆる開発のための必要な資金で、市中銀行の融資も受けられないような対象のものに融資する、この見地からして多少のリスクを見込んでも融資は必要ではなかろうか。併しながら勿論開発銀行は独立採算制ですから、欠損が当然にあるというならば、これは当然融資はすべきじやない。危険はあつても国策上止むを得なければ、出す必要があるのではなかろうか。同時に船舶融資は、できた船が必ずその抵当になるのでありますから、まあ船自身の船価がだんだんと逓減はされましようが、相当な抵当物はあり、そうして逓減された分は添担保としてほかの船舶が抵当に入つて来る。まあ実際最後において開発銀行が貸倒れになるということは先ずないのではなかろう入という観点から今まで検査しております。多少木村議員の御指摘のような不十分な点はあるかと思いますですが、そういうような見地から検査して来た次第でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 まだ問題ありますが、時間が余り……。もう一つ、開発銀行が買船に対する融資の肩替りをやつていることについてどうお考えか。それは朝鮮戦争起つてから海運界が非常に景気よかつたので、船会社が外国から四十隻船を買つたわけです。それはまあ儲かればいいというので、余り性能のいい船ではないです。専門家ぶぼろ船だと言つておる人もあります。市中銀行から金を借りて、又外国の買つた先に対しては年賦償還で今返しているのですけれども、返せなくなつてしまつて、今破産宣告を受けているのが相当にあるのです。それから市中銀行で金を貸してやつた、日銀も何か外貨貸付をやつたと思います。それに対してその貸付を開発銀行で肩替りした。これは私は外航船舶建造融資なんかと違つて、海運振興というものとちよつと建前が違うと思うのです。思惑的に買つたものであつて、そういうもののリスクは当然船会社自身が負わなきやならない、銀行又負わなきやならない。にもかかわらずこれは開発銀行に肩替りした。而もその肩替りも、昨日海運局長に聞きましたが、全部やつておるのじやないのです四十隻のうち十九社二十五隻、残り今度十五隻はこれはやらんと、こう言つておるのです。或るものはやり或るものは肩替りしない、こういうようなことになつているのです。私はこういうことは非常に不明朗だと思うのです。思惑的にそういう外国から買船して、そうしてそれで思惑が外れて、そうしてそのリスクを開発銀行にこれを転嫁するという形になつているのです。これは私は不当だと思うのですが、この点について開発銀行のそういう業務方針と私は矛盾するのではないかと思うですが、会計検査院としては、どういうふうにお考えであるか。

大沢実会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(大沢実君) 只今の買船融資の点は、実は只今詳しいことを検査した者から承知しておりませんので、具体的に申上げかねますが、只今御指摘のような点であるとしますれば、これはもう少しよく当然調べて、それが妥当性を当然検討しなければならんと思います。これからでも速くないと思いますから、調査いたしたいと思つております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 もう一つ、先ほど融資してそうして金が余つている所として七件言われました。その中に津上製作所というのがありましたですね。この津上製作所はこれは不渡りか何か出して整理の段階に入つているのじやないかと思うのですが、これはどういうふうになつておるですかな。

大沢実会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(大沢実君) これは二十八年五月に千五百万円の設備資金融資をしたんですが、当時所要資金は六百万円、六百万円というものは会社のほうが実際に使つたものですが、六百万円くらいのもので済む、それを千五百万円を決定しまして、そのうち千百万円を六月に融資いたしました。ところが、その後、丁度その直後例の津上製作所の不渡りの問題がありまして、そうして行悩みになりまして、あと四百万円は勿論出しませんが、千百万円が向うに交付されてしまつた、こういう状態になつているわけです。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうすると、それは最初六百万円の設備に必要なものに対して千五百万円の融資を申込んで、千五百万円決定して、そのうち千百万円交付してしまつて、残り四百万円あつたが、不渡りのものが起つたのであと残り四百万円は交付しなかつた、こういうことになりますか。

大沢実会計検査院事務総局検査第四局長

○説明員(大沢実君) そうです。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは相当私は重大な問題だと思う。焦げつきになつて来ている。六百万円の設備資金の必要なところに千五百万円持つて来た、これは実は津上製作所の役員をお調べになる必要があるのです。これは相当重大だと思うんです。どういう人が斡旋したか、それは自由党の参議院議員、或いは衆議院議員が関係しております。重役をお調べになりますれば、ここに私は斡旋融資ということも出て来ると思う。この点は重役は誰であるか、そうしてこれはもう焦げつきになつて来ておりますから、これだけ損をかけたんで重大問題です。この間にやはり私問題があると思う。六百万円の設備に必要なものを千五百万円貸したところに、而もあの不渡りが出る直前です。私は名前を知つています。知つていますけれども、ここでは言いません。言いませんが、これは十分お調べになつて、そうして損をかけたについては、大きな問題ですから、開発銀行がこういうような融資をしたから問題があるわけですね。これは具体的な顕著な例です。十分今後、会計検査院はそういう点は今後そういうことのないように検査される必要があると思いますが、一応私の質問はこの程度で終ります。

中川幸平自由党

○中川幸平君 会計検査院の資料についてお尋ねいたしますけれども、会計検査院のほうでは全部出張検査ですね。とかく出張検査になりますと、相当日数もかかりますし、なかなか検査の件数も思うように行かんじやないかと思う。と申しますのは、一昨年行政管理庁に行政監察がありまして、当時政府の原案では、管区監察局ということになつておつたんですね、ところでこういう仕事はやはり頭よりも地についた仕事をしなければいけない。幸いに経済調査庁が各県に皆あつたものですから、その地方監察局を全部各府県に置くことにしてそうして始めておるのであります。それで我々の考えでは、会計検査院法を改正せんければできんかも知れませんけれども、やはり行政監察を全部会計検査院のほうでやることにして、やはり出先機関を相当な地位においてそうしてやつたほうが、検査件数も非常に行き届くんじやないかという感じもしておりまするが、院長のお考えは如何ですか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 私も、人数でこれを中央に全部か、或いは地方にばらまくかとい問題は、なかなかむずかしい問題だと思つております。と申しますのは、いろいろな検査方針等をきめることは、勿論これは地方部局を置いてもいいんでありますが、検査の結果を持ち寄つてそうしてああいう検査をしよう、こういう検査をしようというと、やはり中央にあつたほうが便宜ではないかと思つております。これはなかなかむずかしい問題で、検査院法におきまして、地方に何と申しますか、事務所を置き得ることは認めておるのであります。現在置いておりませんが、勿論検査院の機構がずつと大きくなれば、或いは地方へ置いてもいいかと思いますが、現在の千二百人程度では、地方に置くことがいいか悪いか、まだ置いたほうがいいという結論まで到達しておりません。  次の政府の検査と申しますか、監察と申しますか、その機構と検査院の機構の問題、これを一つにしてはどうかという問題は、これはなかなかむずかしい問題で、検査を受けるほうの立場から言えば、成るべく一カ所から来てもらつたほうがいいということは言えるんであります。併しながら会計検査院というのは、御承知の通り、政府から独立した機関であります。それで仮に政府の部内の人の気持を察して考えるならば、政府部内でいわゆる自己の内部検査をするということをよして、全部検査院に委せることがいいか悪いかということになると、これは非常にむずかしい問題だと思います。例えば銀行検査の例で申しましても、大蔵省に銀行検査官があつて、政府として銀行を検査する、それだからして各銀行は自分で検査しなくてもいいじやないかという問題と似ておるような気もするんです。ところが銀行の立場としては、大蔵省から文句を言われる前に自己批判と申しますか、自分の内部の検査機構によつて検査をして間違いがないようにしておいたほうがいいのじやないかとも思われます。政府でも同じでありまして、検査院から指摘されるというと、ものによつては国会でなかなかむずかしい問題になるからして、それを検査院の指摘前に政府内部においてあらかじめ検査をして、そうして不当を是正するということができれば、そのほうがいいのじやないかとも思われるのであります。ただ問題は政府の内部検査というものが、いろいろな機関がある。当該省の検査もあるし、大蔵系統からも検査を受ける或いは又行政管理庁等の検査も受ける。この問題は政府内部の検査というものをもう少し統一的に行うという必要があるかと思いますが、会計検査院の検査と政府内部検査を一つにするか否かということは、なお常に研究を要する問題だと思つております。

中川幸平自由党

○中川幸平君 それは無論政府対会計検査院の問題ではなく、国会自体としての考えとして私そういう感じもするのです。一つの補助事業にしましても、建設省から検査が来た。行政監査のほうからも調べに来た。そこに又会計検査院が来る。当事者としては非常に奇異な感じがするので、国家的に見てそういうことは非常に不経済な問題じやないか。むしろこれを一つ会計検査院に皆一本にしてそれで必ず行政監察というようなことは無論各省庁で自己検査をやればいいのだから、そういう機構を一本にしてがつちりやつたほうがいいのじやないかという感じをしてお尋ねしたのですけれども、そういうことについて一つ又御研究を願いたいと思います。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 私院長に聞きたいことは、監査をやつておられて、最近相当いろいろな検査報告を見せて頂くと、実績は上げておられるようです。そういう気がするのですが、と同時に、昔と違つて相当官界及び官界に繋がる腐敗不正があるということは、あなたがたのほうの検査報告を見ても窺われる。一体それに対して最近の検査院の方針はどういうふうなところへ重点を置いてどういうふうにしておられるのかということを先ず一言お聞きしたい。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 検査報告の件数によつて調べますというと、特殊のものを除いては不当事項はむしろ減つておるのでございます。今年は約千八百件、去年は千百件、大分殖えておりますけれども、その殖えたのは、大部分というものは補助金の検査の不当事項でありまして、農林の補助、建設の補助或いは文部の補助というような補助金の経理について、不当事項が非常に殖えておる。そこで先ほど申しました管理部局の人間は減すけれども、検査部局を殖やすというのは、結局この不当事項が非常に多い。この補助金の検査のほうへ重点を置ごうと思つております。なお、木村議員からも先ほどお話がありましたこの造船融資、開銀等についての検査も更に強化したいと思つております。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 更に二、三伺いたいことは、一体併し現状の検査から起つて来て、検査院の使命としてはですよ、この点を足りないのだと、こういう点をもう少し考えなければならんという問題も起つて来るはずだと思うのですがね、そういう問題について特にお考えになつておる点はございませんか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) ちよつと御質問の点が呑込めなかつたかも知れませんが、検査院、私のほうの検査態度といたしましては、検査を幾らやつたつて、いわゆる枝葉末節の検査を幾らやつても直りはしない。そこでどうすれば不当事項が減るかという大所高所からの研究をいたしまして、この一、二年のやり方といたしましては、勿論第一線の、不当事項の摘発はやつて行きますけれども、その不当事項がどうして起るかということを、各省の首脳部によく話しまして、首脳部の反省を求める、そういうことにすれば、おのずから末端の不当事項は是正されるじやないか。今までどうも会計検査というと、どつちかというと、会計官吏を相手に、比較的低い職員を相手にやつておつた。上のほうの人はよく知らないということがあるのだから、それでは何もならんから、むしろ中枢機構に対しまして警告を発するという方針を最近とつております。但しこれはなかなか抽象的にどういう、ふうにすればいいか、どういうふうな原因が起つたかということを調べるのは、検査としては相当今までよりは骨が折れるので十分には行つておりませんけれども、だんだんそういつたような方向に向つて行く、そうすれば全体的な不当事項が減つて来る、こういうふうに考えております。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 この点で私お聞きしたいことは、検査院の監査というものが各省においてどれだけ尊重されているか、又その検査報告によつて、行政上の処置がどういうふうにとられているかというふうな問題が相当問題だと思うのですよ。ただ首脳部に佐藤さんのような円満な人が忠告を与えられたつて言うことをきかんかも知れん。その点で何か、今おつしやつたような、そ、ういう傾向についてもう少し自分たちの検査報告が完全に励行されるというふうな点で今考えなければならん問題がないだろうか、こういうことを実は頭に入れながらお聞きしたのですが、そういう点についてございませんか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) これは国会あたりでもときどき御意見の出る点でありますが、検査院がいかんいかんと言つたつて、各省はちつとも反省しないのじやないか、この点につきましては、数年間の各省に対する反応を気を付けて見ますというと、これは私の都合のいいのが聞えて来るかも知れんが、検査院がうるさいからこういうことはできんという話がよく聞えて来るのであります。ということは、逆に我我のほうの検査が相当徹底して来たと喜んでおります。次の問題は、検査の結果不当事項があつた場合に、関係者の懲戒と申しますか、責任を問う問題でありますが、これは法律によりまして、ものによつては我々のほうから懲戒要求もできますけれども、大部分は必ずしもそうでないので、これに対する各省の責任を問うやり方というものが実は少し手ぬるいのじやないかということは、痛切に感じておるのでありますが、これらの点につきましても、だんだんこちらの意向うへ反映して、いわゆる責任を問うやり方もだんだん徹底して来るようには思つておりますが、まだ必ずしも我々のほうとしては、満足しておらんような状態であります。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 大体御質問する趣旨はそこだつたのですが、今非常に検査院は、事後検査だからあれなんですが、今政府及び政府に繋がる各関係機関の不当であるか不法であるかということは別にして、もつと効率的にものが使えるだろう又効率を阻害している原因があるか、そういうふうなものについては、今のところ検査院は余り監査されませんか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) 只今御質問の点一応御尤もな点だと思いまして、最近は非常に力を入れております。要するに物を効率的に使うという点について、事後的にではありますけれども、反省を促しておる件数も多いので、検査報告を御覧になるとわかりますが、非常にそれが殖えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 もう一点。造船の問題はやはり会計検査の上から十分お調べということのお話がありましたが、そのとき一つ御注意を喚起しておきたいのは、船価の問題です。これは船価は高いと思うのです。これは十分御研究を願いたいと思うのです。それは丁度今二重価格みたいになつておりますよ。外国に売ると安い。国内に売ると非常に高いでしよう。二重価格みたいになつておる。同じようになつておるのですよ。それで本当は外国から注文を受ければ、造船所は遊ばないで済むのです。ところが外国の注文を受けると安いのです、ところが国内は計画造船で高く発注しますから、皆国内ばかり集中しまして、そういう疑獄まで起して高い船価の発注を受けようとしておるのです。ですから私は船価の問題も十分一つ御検討を願いたいのであります。その点です。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 私遅く来まして、すでに質問が済んだかも知れませんのですけれども、一つだけお伺いいたしたいことは、この現職の官吏が、現職という立場なり或いは地位なりを利用して選挙運動をやる、こういうわけですね。これはまあ服務規律とか、そういう面から抑えるということも考えられる。会計検査院として経理の検査をやつてそういうことがおわかりにならないかどうか。つまり国の経費で出張する。ところが実際はそれが選挙運動のための出張であるというようなことがままあるのです。そういう点は会計検査院のほうから見ておわかりにならないでしようか。

佐藤基会計検査院院長

○会計検査院長(佐藤基君) なかなかむずかしい問題ですが、出張の例でいうと、何のために出張するかということがあるのでありますからして、それで、それとその機会に併せて選挙運動という言葉は悪いかも知れんが、選挙運動らしきことをやつたかどうかということは、ちよつと検査としてはむずかしいのでございます。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) それではまだ会計検査院関係につきまして御質疑はあろうかと思いますが、時間の関係もありますので、一応会計検査院に対する審議はこの程度で終りまして、次の日程であります法務省関係の審議に入りたいと思います。只今法務省関係からは法務大臣、竹内経理部長、井本刑事局長、田山主計課長が出席されておりますので、御報告を申上げます。御質問の方は順次御発言を頂きます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 法務大臣に、最近こういうことを耳にするのですが、造船の疑獄、それから汚職の問題も起つて来たので、船会社は第十次の造船計画が停頓した。そのために船台が遊んでいる。それで失業者が出る。それの関連産業が潰れて来る。これは検察当局で汚職疑獄の問題を余りあばき過ぎるから、いわゆる検察フアツシヨをやるから、そういうことになつて来ている。そういうことを言つて検察当局のほうをそういう形で牽制し、或いは圧力をかける傾向があるのじやないか、特に今後の海運政策の自立という建前から、石井運輸大臣は海運業者或いは又銀行業者又は海員組合の代表、労働組合の代表まで呼んで、そうしていろいろ今後の対策、特に直接的には第十次造船に対していろいろ話合つておりますが、そういうことが結局落ちつくところは、第十次造船をやるにしても汚職があるからなかなかそれが奨があかん。そこでそういう失業者を出さないために或いは関連産業が潰れないためには汚職疑獄の摘発を手加減するとか、そういう形ででも圧力をかけて来るのではないか。ああいう石井運輸大臣を中心とする会議がそういう圧力になつて来ているのじやないかというふうな疑惑が持たれている。そういうことについてはございませんか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) できるだけ知つている限りのことを申上げたいと思います。今のような御趣旨で以て運輸大臣或いは造船界から私に申出は一度もございません。ただ私の記憶している範囲で、こういうことがあります。某造船所の労働組合が汚職、海運の進展策は進展策で分けてもらいたい。その造船所のエンジニア出身の重役を名指しまして、お調べが済んで差支えないなら身柄を出してくれ、こういう話で、そのときに検察当局の首脳部、つまり私と直接話ができることを検察庁の認めているのは、検事総長であり、この検事総長がこの話は一応自分も納得できた。労働組合がそう言つて来るということは珍しいことであるし、エンジニア出身ならば、別に政策にタッチするというような人で若しないならば、可能な範囲で早く出してやりたいと思うという報告はありました。私はそういう根本方針としては木村さんに私の所信を申上げたこともあると思いますが、汚職は汚職で、これは厳正に十分捜査して、国民の輿論が腑に落ちないということをあとに残してはよくないと思いますが、それだからと言つて海運がだめになつていいと言うのではなくして、全然別にしたいと思つております。汚職の捜査もできるだけ早く済ませまして、早く済ますというのは、いい加減で済ます意味でなくて、そうして今度は建設的なことにとりかかりたい。併しそのためにうやむやにするというのは私が世間は相済まないことになる。こういうふうに考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは法務大臣のお話のように造船建造がストップし、失業者が出、そこで関連が潰れていいということはあり得ないわけです。それはそれとしてスムースに行く、汚職もこれは事実に基いて徹底的に膿を出す。こういうことは可能であるということは一番理想的であると思います。私は汚職を徹底的に衝くことによつて、それで計画造船が停頓したり、失業者が出たり、関連産業が潰れたりしないで済む案があるはずです。それは今運輸大臣はやらないだけです。私は具体的にそういう案をいろいろ研究して見たのですが私はまあざつくばらんに申上げまして、前にたまたま私が十三億が百六十七億になつたので予算関係を調べて見たら、そういう問題につき当つたので、その問題の口火となつたが、自分にも責任があるとも感じておるのです。人はどう思うかも知れないが、私はやはり積極的にその海運業を建て直すという案を考えつつこの問題にやはり入らなければならないと思います。従つて我々はそういう点も研究してみました。外国にも不況なときに、海運界がつぶれない、失業者も出さない、関連産業もうまく行くというようなやり方があるのです。そういう例があります。アメリカにもあります。そういう案を採用すれば、検察当局もそういう失業とか関連産業の潰れることを心配せずにやられると思うのです。従つてそういう案を実行することが重要なんですが、それを実行しないで、第十次造船が困難に陥るというような名目で疑獄の捜査、摘発があいまいにされるということは、今後に禍根を残すかと思いますので、この点は十分只今の法務大臣の御答弁は私は信頼しますから、間違いのないようにやつて頂きたいと思います。  それから次にお伺いしたいことは、この問題はざつくばらんに申上げますが、私は中途半端ではいけないと思います。私の知つている限りの事実をお話申上げまして、今後の検察当局の参考にして頂きたいと思います。今度の汚職事件の問題は二つあると思うのです。一つは、造船の割当の問題、リベートに関する問題、もう一つは利子補給をめぐる政党献金の問題、それがあの法案を通す目的を以て献金をしたという問題、この三つあると思う。今これまでいろいろ検察当局の摘発問題になつているのは、いわゆるリベートの問題ですね。このリベートについては海運界の専門家は商習慣としてはリベートというものはないと言つておりますが、運輸大臣や海運局長はリベートは昔からあつたと言つていますが、これは事実に相違すると言つております。リベートという商習慣がないのに、そういうリベートと称して海運会社が造船業者からその割戻しというものをもらつておるということになると、これは疑惑が深まつて来るので、それが贈賄ということ以外に目的がないじやないかということになつて来る。第一にこのリベートをそういう犯罪の対象として捜査されるとしたらば、第九次造船についてやつたのでは、これは私は正確ではないと思うのです。勿論第九次造船についても問題がある。今検察当局も中心にしてやられていますが、海運界の専門家の話に聞きますと、そういうことに精通している人から聞きますと、このリベートが一番ひどかつたのは第六次、第七次、朝鮮戦争が進んでいるあのブームのときに、あのときにはいわゆる銀行造船と言われた。銀行が決定権を持つておつたと言われておるのです。そこであの頃のいわゆるリベート、或いは又献金というものは莫大なものであると言われたのです。数億に上るものと言われたのです。私は調査したわけではないのですからこれは確実とは言えませんが、私の信頼し得る海運界の社長さん、それは非常な正義派の人でして、海運界の人でありながら海運界の、或いは政界のこういう腐敗はどうしても直さなければならんということで、実は私に実情をよく話してくれたのです。それで私は素人でありましたが、この問題について多少知識を得ることになつたわけです。従つてこの捜査を本当に膿を出す今後のために徹底的にこれは洗つて行かなければならんので、それにはやはり第六次、七次造船が一番ひどかつたのです。そうして銀行がリベートをもらつていないはずがない。それは御承知のようにこの計画造船をやるときの融資は銀行が、三割、現在では三割ですね、開発銀行は七割融資しておりますが、この開発銀行七割も取扱銀行に来るわけです。銀行から船会社を経て造船会社に行くのですが、そのとき船会社というのは通抜勘定になつて来ている。銀行から造船所のほうに金が行くわけです。或る会社などは、例えば具体的に一品目いますと、山下汽船を例にとつてみますと、あれは三和銀行ですか、山下汽船には三和銀行の重役二人入れておるのです。ですから日立造船に三和の重役がいるのですからリベートをきめるときには当然銀行としてもそれがわかつているはずです。特に第六次、七次のときには銀行融資と言われました。銀行に決定権があつた。ですから、銀行が貸すときめれば、開発銀行から金がもらえる、融資を受けるのであつて、ですから銀行が確約を与えるときに、もうリベートの問題はそこで起きるのであつて、銀行がリベートをもらつている。勿論それが刑法上どうなるか私は専門家でないから知りません。併し銀行は準公務員並みでありますから、銀行の重役がそういうリベートをもらつて自分の個人のあれにしたら、これはやつぱり問題になると思うのですけれども、汚職の問題、それからいわゆる背任横領の問題にするのなら、六次、七次が一番顕著であつたのです。従つて本当に捜査を進められるならば、ここをやらなければ本格的にならない。第九次造船は、これは一つのテストケースであると私は思うのですが、そこまで本当に膿を出せるならば、捜査されるべきだと思いますが、この点に対する所見を伺いたいと思います。  それからもう一つは、こういうことを私は聞いておるのです。最近これは、私の見方が外れているかも知れませんが、御参考までに……。併しそれは今後の事態を清潔にするために私はこの際は、今まで余り私はこういうことを好まない性質でありましたが、事ここに至つてはざつくばらんにお話申上げて、それで参考にして頂きたいと思つて、そういう意味でお話いたします。今摘発の中心が飯野海運の俣野氏とかそ、れから壺井玄剛氏とかいうことを言われております。成るほど俣野氏がはでに表面に出ておる。併し実はこう言う方さえある、俣野氏が気の毒である。勿論正面に踊つたのであるから、当然摘発すべきでしようけれども、実は業界の人がみんな俣野氏に頼んで、俣野氏を代表としてやらしたのだ。それで実はその背後にもつと俣野氏を踊らした人がある。それはもつと有力な造船関係の人である。そこまで行かないとこれは本格的な不正摘発のことにならないのではないか。ところがこれは有力な、つまり三井、三菱、川崎等は銀行と船会社と造船会社と同じ系列で持つておりますから、この調査は非常に困難だと思うのです。非常に困難だと思うのですけれども、併し俣野氏を活躍せしめた背景にはそういう有力な船会社、銀行、造船会社があると言われております。そこをやはり衝くのが本格的である、こう言われておるのですが、そこまで行かないと、結局まあうやむやというわけではありませんが、本当に膿を出すということにならない。  それからもう一つは、第六次、七次のときに、これは前にも法務大臣に私は御質問してよく調査してみるという御約束があるわけです。これは余りくどく質問するようですが、実は私は確信を持つて御質問しているのでありまして、依然としてそれがあいまいであれば、私は何らかの方法を以てやはり証人というような形であれして事実を明らかにしたいと思つておりますが、第六次、第七次のときに司令部が余りこれがひどいので警告を発して警視庁捜査二課が調査を始めたところが、もみ消しを始めたという事実があるのであります。この点について前にも一遍申上げておりますが、そういう点についても伺いたい。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。御指摘のありましたリベートに関する問題と利子補給の問題はもう新聞にも出ておりますので、お察しの通り捜査の対象に両方とも入つております。まだ捜査中のことは詳しく申上げにくい点もございますが、これも新聞に出ておりますから申上げ得るのでございますが、御指摘の第九次ばかりでなく、第六次、第七次の関係では日立関係のことなど新聞に出ておりますから、隠すことはないと思います。その辺まで捜査が行つているものと考えております。さよう御承知を願いたいのであります。  この造船いわゆる造船に関する不正融資に関係した御質疑は、できるだけ国会の声を取り次ぐという意味で、検事総長に話しております。実は個人的なことで却つて恐縮でありますが、あなたの最初の御質問も私は当時詳しく話しました。記憶があると申しております。これは検察当局ばかりでなく、事務当局にもあなたの御質疑の当日話しております。それから先日のことに飛ぶわけでございますが、お話の第六次、第七次の割当のときに、余りひど、いというのでGHQから捜査をやれ、でもみ消し運動があつたということで、実は立ち入つたお話を申上げれば、御質疑が終つてから、証人もあるからできるだけ調べろというお話で、私も責任を感じまして、警視庁捜査第二課、当時の第二課長、今公安調査庁の課長になつておりますが、それから国警、東京地検特捜部、あの午後改めて調べましたが、類以のことはありますが、どうもあのことについての確答がございません。類似のことと申しますのを御参考までに申上げますが、昭和二十五年から二十六年にかけて警視庁がGHQの命令を受けまして閉鎖機関に関する不正事件について捜査をしたことがございます。その際閉鎖機関に指定された船舶公団の幹部が同公団の公金の約八百四十万円余を持つて船舶会館を設立したことが公金横領と認められまして、同公団の総裁ほか数名、と申しますのは総裁の谷田茂雄氏、総務部長の渡辺弘氏、資材部長の森達平氏、国際部長の箕輪信雄氏数名を業務横領罪として起訴いたしました。これは私の知つている範囲では起訴は昭和二十五年の九月十五日で、その後あれはどうなりましたかね……、執行猶予の判決があつたというのでございます。御指摘のような正確に当てはまる事実がないのであります。あの後たびたび繰返し間合せたわけでございますが、非常にそういうわけで御意思に副わないのでありますが、若し御指摘のことがありますならば、誠心誠意更に調査をいたしたいと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私も法務大臣が本当に誠意を持つてやはりお調べになつたことを私も信じております。併しこの問題は非常に過去のことですから調べにくいと思うのです。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) ええ。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 こういうことがなければ、私も幸いです。これは参考のために私は事案いろいろ御参券ために申上げておきます。実はこういうことに開いておるのです、昭和二十六、七年GHQから、これは見返資金から金が出ておるのですが、そういう余りに料亭その他で融資を受けるためにいわゆる饗応というのですか、目に余るものがあるのでその当時飯野海運の俣野氏が相当活躍しておると言われておつたものです。これを警告を発せられた俣野氏は一時非常に謹填せられておつたそうです。そうして今度講和、独立後になつてから又非常に表面に出て活躍されたように思われますが、当時司令部から警告を受けたので警視庁捜査二課、これはまあ島田さんが二課長であつたかどうか私はよく知りませんが、島田さんのようにまあ聞いたものですから、そこで全部の船会社に対して一応調査をやつて見た、当つて見た、それで私の聞いた船会社の社長さんは自分のところにも来た、その来たときに、その調べに来た人から伺つたら、これは全部の船会社だそうです。ところがその後一向何にもならない、それで調べに来た人はこれは大変なことになりますよ、この問題は非常な本きな問題になると言われたので、そうかなと思つた、ところが何にもならん。だんだん様子を聞いて見たら、どうもみも消しの暗躍があつた、当時の運輸次官は秋山龍氏であります。それから今度はまあ一応検察庁に呼ばれた壺非玄剛氏がいろいろ奔走した、それから壷井さんのお父さん一松定吉氏、これはお父さんです、その方面に活躍されてそしてもみ消されそうになつたので、実はこれはもう恐らくはつきりしたと思いますので、名前を挙げても差支へないと思いますが、経済審議庁の審議官の今井田研二郎氏が材料を携えて、これだけの大きな問題をなぜもみ消すのかと言つて、警視庁二課にこれを迫つたそうですと聞いておるのです。そこで壺井玄剛氏はいたたまれたくなつて非常に身が危くなつたので、外務省から海外に出張して参事官として海外におつたのです。そこで今井田氏は非常に憤慨して海外から帰つて来たら必ず捕えてみせるとこう言つておつたそうです。その後どういう関係か知りませんが、今井田氏は経済審議庁のほうに転勤されておるわけです。どういういきさつかわかりません。それで或る時期を経て壷井氏が帰つて来られたわけです。今井田氏に、私は間接的に聞いたのですが、そういうことがわかるのです。ですから今井田氏にお聞きになればこの事実が一番はつきりするのじやないか。それでも消されそうになつたので、今井田氏はこういう事実があつてこれだけ資料があるのにもみ消すのはこれはおかしいではないかと言われたそうです。それでまあ今申したように、壷井氏は海外に行かれた、それで今井田氏は経済審議庁のほうに左遷されたか、これは栄転かわかりませんが、移られた。それで問題がうやむやになつた、こういうことをまあ伺つたのです。それでこれは、併し非常に信頼できる人ですから、私も非常に信じているのですが、これは前に伺つたのですが、私は又間違うといけないから念のためにもう一度私は確めに行つたのです。軽率にやつては大変だから、それは事実であるかどうかと。それはやはり前と同じことを話されたのです。その方は業界の方ですから、名前を出すわけに行かないのです。若しその人の名前が出ると、業界からボイコットされてしまうので、これは名前だけは最後まで出すことはできないのですが、これははつきりと信用のできる人です。そういう経過です。ですからこれについては別に御答弁は要りませんが、法務大臣が誠意を以てお調べになつたことは、決して疑いません。併し非常に困難であります。過去のことでありますから……。御参考のためにそういうことを申上げまして今後の資料にして頂きたいと思うのです。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 今お話し申上げましたように、この問題はここにおります刑事局長、秘書課長おのおの数回私は督促いたしております。調査の結果御質問の趣旨に副わず遺憾に思つております。木村さんが事実にないことをおつしやつたとは曾つて私一度も思つておりません。証人も持つておられることを伺つて調査いたしたのでありますが、要するに汚職は汚職、海運の再建は再建でございまするが、この再建の方法が今までと全然同じではやはり国民が失望いたすと思いますので、先日の御質問にもありましたように、捜査のやり方、今日は言及なさいませんが、再建のやり方、これもこの前御指摘になりましたそういう点について私ども政府の一員として十分にまじめに考えなければならんと思いますし、捜査当局にも捜査が無駄にならない意味で、こういう問題を我々は考えなければならないということはその都度示達いたしております。このいまわしい問題がこの再建の建設的な意味を持ちますように全力を挙げております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは私は雑談的な意見は運輸大臣に質問するときに申上げてみたいと思つておるのです。これで徒らに世間を騒がせ擾乱して、それで経済界に混乱を与えて失業者を出すということは決して私どもの趣旨ではありません。併し汚職は徹底的に衝かなければなりません。そこで私は事情をいろいろ考え、確かなところか扇ぎまして一応政府としてのこういうことをやつたら国も損が行かず、失業者が出ないで関連産業も潰れないで、而も検察当局は経済的影響を顧慮しないで十分にやり得るのじやないか、そのようなことをまあ考えてみたのです。これはまあ海運政策については運輸大臣のときに、多少専門的に質問したいと思つております。私は法務大臣に対する質問はこれで終ります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 私は大蔵委員会において法務大臣の出席を求めて質問したいと思つておりましたが、本日まで機会がなく又大蔵大臣と同席のところのほうがなお質問を進めて行く上において便利なんですけれども、なかなか法務大臣もお忙しそうですから、今日取りあえず法務大臣に御質疑をいたしますが、最近類似金融機関を取締るために出資等の取締りに関する法律案、もつとも名前は正式には違うかも知れないが、その法案が法務、大蔵両当局共同提案で出され、おおむね大蔵関係の事案が多いということで大蔵委員会にかかつておる。それについて類似金融機関、即ち今一番クローズ・アップされておる伊藤斗福のやつた保全経済会、匿名組合で金を集めて出資、投資をする、或いは株主相互金融として株式会社的なやり方で金を集めて貸付をするというものについて、法務大臣としての征見解、先ず質疑を展開する前に法務大臣としてはああいつたものについてどういうふうな御所見を持つておられるかお聞かせを願いたい。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これは古く遡りますと一昨年になるのでございますが、私の就任してじきにこの問題が刑事局でも取上げられておりまして、当時の我々の省内での話合いをそのまま申上げますと、朝鮮ブームに乗つている間はいいけれども、一旦株でも暴落したら大変なことになるのではないかというので、当時は各検察庁の次席会同、経済係検事会同のおのおのの場合に、こういうものについて注目するようにという訓示を刑事局長から与えさせたことがございます。  先ず御質疑のもつぱらの重点であります保全経済会でございますが、匿名組合のような形をとつておりますが、従来の私どもの常識にある匿名組合とはいささか違うというところに着目いたしたわけであります。従来の常識観念に含まれる匿名組合と違うから、すぐ違法だとは断定できません。伊藤斗福と各加入者それぞれの契約に基いているような形になつておりますので、もつと的確に匿名組合であるかないかというような問題を突つ込むには、いわゆる内偵から捜査しなければならんしそうなると零細な金を各地方から、殆んど全国全体から集めておるところに、社会不安を与えてはいけない。これについても多少躊躇しなければならんということで、こういう問題があるということをしばしば大蔵大臣と話合つたわけでございます。併し多少そこに解釈の違いもあつたことは、今日もう御承知の通りでございますから、これはお隠し申上げる必要はないと思いますが、結局それでは匿名組合であるとかないとか、貸金業法の対象であるとかないとかいうことは別として、広く正規な受信行為を取締るアメリカにも青空法というのがある。ああいうふうなものを全部含めた大きい投網を打つてみることにしようじやないか、その主管省が大蔵省であるとか、法務省であるとかいうことはあとにして、若し法務省で適当だというのならばお引受けしましよう、併し問題は早く網を打つて零細な金を無知識の立場から、正規の受信行為に預けておるという、その行為を早くとめさせることが肝心じやないかというので、御質疑を受けましたが、誠に手間とつたのでありますが、それがやつと最近まとまつたと、こういう内情であります。実は今日もこの委員会の開催まで、政府委員と営業案内などを読んで研究してみたのでありますが、非常に法の庸点をうまく潜つておりまして、誠に真正面から捜査、摘発するのが困難なようになつていたことは事実でございます。併し今日まで非常に手間とつたということは、本当に私ども責任を感じておるのでありまするが、以上のような事情で最近出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案、こういうものがやつとできまして、御審議願つておるようなわけでございます。大分早くから注目しておりましたが、証拠を握るということになると捜査しなければならん、捜査するには、犯罪を、疑うに足る事実をつかまえなければならん、それがなかなかつかめない。一例を申上げますと、伊藤斗福を勾留しましたあと、取込み詐欺を立証するには、相当時間がかかりまして、取りあえずドルのほうの違法行為で起訴するというようなことがありましたのは、如何にこの問題が複雑であつたかということを物語ると存ずるのでございます。さればといつて、私どもの立法が遅れましたことには重々責任を感じております。以上申上げます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 責任を感じておると言われるので、その率直な御答弁に対しては非常に満足をいたしますが、私もよく問題にされる汚職とかいうようなことを念頭に置いて質問をしておるものでない、こういうことを御了承の上お開きとりを願いたいのですが、参議院の大蔵委員会においては、二十六年の暮と、私の持つておる速記録では、二十ヒ年の一月頃からこの問題が取上げられて、銀行局長等を呼んで早く何とか手を打たなければならんということでやつたのであります。ところがどうもいろいろと法務当局との間に意見が一致しないとかいうようなことがあつて、延び々々になつておつた、特に二十八年の三月に匿名組合等類似のものによつて、出資者に対して、収益の分配をするという場合に、源泉課税ができる、こういうように所得税法を改正する際には最も問題にしたわけです。そのときにそういう問題も今まで我々がぐんぐんに衝いておる関係もあつて、何とかそこまでには政府の見解を統一しなければならんとお考えになつただろうと思うのですが、政府を代表して銀行局長は、二十八年の三月四日衆議院の大蔵委員会において、三月六日参議院の大蔵委員会において協議すべき関係所官庁とは十分打合せの上、一年半がかりで政府としては検討した結果、統一的見解に到達をした。その結論として言うところは、今お話のように、いろいろ微妙な点があるのだが、結局諸般の法規に触れるものは、容赦なく取締るが、そうでないものは仕方がない。こういう簡単に要約すれば、そういう政府の見解であつた。我々は金融法規に詳しい或いは経済知識の豊かな者であれば、そういう態度でもよかろう。併し一般の、甚だ失礼だけれども、経済知識のない大衆に対して、一体今の類似金融機関の実態というものがどういうものであるか、極端に言えばぼろ会社の株を買つたようなものだというような、果して出資と観念しているのか、或いは預け金と思つて配当利息を受けるようなつもりで金を出している。こういうような非常に経済知識の乏しい大衆を誤らしめないためには、ただそれだけでは済まないのじやないか。どうしてもその実態を大衆を誤らしめない方法として何か手を打たなければならんのではないか、こういうことを問題にして、まあ銀行局長は、政府としては機会あるごとに、例えば雑誌祉の座談会等においてもいろいろそういう見解を述べるとこういうことであつたけれども、それは一部の人にはわかるかも知れないけれども、広く大衆にはわからない。従つて、今度お出しになつている法案も、匿名組合によつて今の保全経済会のごとき金の集め方をして投資をし、或いは株式会社組織による金融貸付業というもの自体を禁じているのじやない。当然いかんことをやつてはいけない、やつた場合には罰にすると、こういう規定なんですね、今の御提案になつておるのは……、だからその当時その程度のことをなぜやれなかつたか。そういうことをやるについては、先だつて大蔵委員会で話があつたのですけれども、契約自由の原則に抵触すると、こういうようなことで法務当局と大蔵当局とはなかなか話が合わない。あの伊藤斗福氏のやつておつたような匿名組合方式によつて金を集めること自体を禁止するということではなくて、金は出したがそれが出資金なのか或いは預金なのかわからないようなあいまいな宣伝行為或いは誇大宣伝というようなことはやつてはならないのだと、こういうことの取締法規といいますか、念のための法規と私は解釈しておりますが、そういうことの措置をもつと早くやるべきではなかつたか。なお聞いて見ると、国税庁においては税金の調査をやつたか、こういう質問に対して、二十七年の一月頃から手をつけたが、やつと最近になつて結論が出た。そうしてその調査の結果によれば、保全経済会類似のものについては当初以来一回も利益が上つていない。それで月二分とか或いは甚しいときは五分ぐらいの配当というか、収益の分配をやつておつた。その分配を受けた人間から税金が取れないから源泉徴収することにしたのだけれども、それじやその元の事業体自体は、伊藤斗福、これは一般的な代名詞として伊藤斗福氏がやつておつた保全経済会というものは、全然初めから収益は上つていないのだと、その収益の分配というものは全くその損の上塗りをやつておつたと、こういう実態である。それじや政府の統一的見解をきめるときに、その二十八年の三月にその実態はわかつておらなかつたのかと、こういう間に対しては、銀行局及びあなたのほうの刑事局、民事局、それから国税庁、聞いたような気もするし聞かなかつたような気もすると、こういうようなことで、実にあいまい千万なんです。従つて私は反問をして、あなたがたは一体統一的見解と言うけれども、そういうことは全部大臣には報告してあるのかと言つたが、逐一報告いたしてありますと、こういうことであつたのですが、犬養法務大臣は、私の調べたところによると、まあ大蔵大臣はその当時からいうと変つておるのですが、併し二十八年の三月にはあなたは法務大臣である。そのとき一体大臣としては、閣議というか、その統一的見解を練られるときに、そういう実態がわかつておらなかつたのかどうなのか。少くともそれは税務当局が調べたことを故なくして第三者に洩らすということは悪い。併し相当問題になつておる、而も国会においてかなり注意をしておることについて、その税務当局が調べた結果が甚しく公益を害する虞れがあつたと、こういうような場合に、所要の諸官庁と連絡をつけるということは当り前なことです。それもなおいきさつがありまして、銀行局のほうで保全経済会を調べに行つたところが、お前は何の権限で調べに来たのか、おれのほうは貸金業もやつておらないし、金融業もやつておらない、何の権限があつて調べるのだと言つて追い返された。従つて、調べる権能があるのは税務当局以外にないのです。その税務当局が行つて調べた結果がそういう実態であつた。全く取込み詐欺のような実態であつた。こういうことがわかつておるのに、なぜ、もう過ちを犯すものはしようがないのだと言いつ放しで、二十八年三月に政府の統一的見解でございますと言つて発表することが、甚だ私は当を得ないと思う。その点については、当時如何ような話合いがあつたのでありますか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。私の就任間もなく、当時の刑事局長でありまして岡原刑事局長から、このことについて、将来の危険性の見通しについて詳細な報告がございました。でこれは、大蔵省もこういう問題は措置しなければならんとお考えになつたことは法務省と同様だと思いますが、つまり大蔵省は申込書を読んで見ると出資と書いてあるのでそのほうからの御解釈があり、法務省は犯罪を扱う意味においてこれは実質的に預金だと、こういうところで両者の見解についての意見交換がしばしばあつたわけでございます。私の解釈するところですと、当時二十八年の三月ですか、もつと以前でしたか、成るほど申込書を読んで見ますと、出資申込書と書いてありますが、素朴な農村地方などの人は、金を預けて利殖をしてもらつておるという意識がこれは九割だろうと思います。ところが伊藤斗福から言わせれば、それは加入者の無知識によるのでおれの知つたことではないのだと、ここに抜穴がある。この抜穴を何とか私は法律の素人だが追及しないと、今朝鮮ブームと言うが、いろいろな経済学者がエコノミストその他に帯いておるところを見ると、これは長く続かない。そのときに回つておる自転車が一度にとまるとこれは大変だというので、私自身が乗り出して大蔵大臣と話をし出したのは、誠に率直に申せば大分あとでございますが、その前に、できるだけ各省の円満を期する意味で、刑事局と大蔵省の銀行局との話合いが非常にたびたびに旨つておるのでございます。三月四日の衆議院の前にやはり連絡がございまして、そのときも多少まだ解釈について意見の違いがあつたことは事実でございます。法務省としましては、当時の報告も私読んでおりますが、三月四日説明をする前に大蔵、法務当局で話合いをしましたときに、どうも匿名組合契約とは断定できないという考えを法務省の民事局が持つておりましたが、大蔵省の御見解としましては、保全経済会以外の利殖機関については何もこちらは資料はないのでありますが、そういうものを均し見ると匿名組合でないとも言えないと、こういうところに見解の微妙な相違がありまして、法務省としましては、保全経済会以外の利殖機関については資料を今完全なものを持つていないから言えないけれども、保全経済会の資金受入れが匿名組合契約に基くものであるという趣旨ならば、法務省は多少同意しにくいというような微妙なことがあつたのでありますが、それを総括して大蔵省から御答弁を願つたわけでありまして、その後もこの問題について真剣な意見の交換があつたわけであります。とどの詰りが、私どもの考えとしまして、こういう解釈よりも、実際そういうことが行われているのだから、早くこれをとめる意味で、網の大きい不正規の受信行為に対する総合的な禁止法というようなものを考えましよう。今まで延びたことが国会方面では主として大蔵省方面の責任のように言われるけれども、これは法務省も同罪であると私ははつきり委員会で申上げたのであります。決して法務省だけ責任が軽いというものではないのでありまして、意見の一致を見なかつたということは法務大臣の重大な責任であります、新らしい立法が若し大蔵省の管轄として不適当ならば法務省が喜んでお引受いたしますということで、又そこに新発足が行われたわけであります。今申上げましたような法案の御審議を願つたようなわけであります。この間に亘りましては、今率直な経過報告を申上げましたが、ひとえに法務省も同罪でありまして、私の責任は決して軽くないと存じております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 まあそう謝まられると二の句が継げませんけれども、まあどつちの所管であろうと、実際政府としては、私は総理大臣も、これだけの問題を起して、実際内閣としての責任は重大だと思う。それを非常に立法技術がむずかしいとか、こういうようなことで、まあその一歩を譲つて、二十八年の三月にはよくまだわからなかつたとしても、そのときから相当いろいろな論議をやつておつて、やつと最近まあ十日ほど前に法案ができた、こういうことは、如何にもその間に、あれは刑事局の総務課長でしたかの大蔵委員会の答弁によると、数十回大蔵当局と会合を開いた、こういうことなんだけれども、小田原評議か何か知りませんけれども、余りにも議をまとめるのに遅過ぎる、非常に不作為の責任がある。それほど君のほうで、国会のほうでやかましく言うならば議員立法でやればいいじやないかと、こういう反問もあるのですが、これは非常に施行上のデリケートな問題があつて、我々は常に、何とかいたします、今協議中である、研究中である、近く成案を得ますと、何回も答弁を受けている。従つて、今出るだろう今出るだろうと思つているうちに保全経済会の問題が出たので、手を挙げてから今のような法案が出されたわけで、これは少くとも、その間に大蔵大臣等は変つておるけれども、吉田内閣としては行政上責任があると思う、その点、今法務大臣は率直に遺憾であるという意を表せられたわけでありますから、法務大臣にそれ以上追及するのは当を得ませんが、内閣としては一応は遺憾の意を表してもらいたいと私は思います。  更に今の捜査の上において非常に困つたと、よほど法律違反の確証がなければなかなか手が付けがたい。これは御尤もなのですが、併しそれには最近又一つの問題が起りかけておると思う。というのは、その詳しい実態は私もわかりませんけれども、保全経済会類似のもの又は株主相互金融等が非常に金詰り、まあこういう事態になつてなかなか金が集まらない。こういうことで、類似保険ということをやり出した。それは、そういうものがやり出しておるのみならず、協同組合等においてもまあ農業協同組合、或いは漁業協同組合、これはまあ法的根拠があるわけです。それから中小企業等協同組合法による協同組合が共済事業としてやる。これも甚だ法的根拠は薄弱なんですけれども、組合員の厚生福利のための施設をする。これをもじつて共済事業を始める。そうして消費生活協同組合も、これなんかもただ共済事業をやることができるという条文だけです。そういうものによつて保険類似の行為が行われる。農協及び漁業協同組合のほうは、これはかなり監督規定等もあり、省令等において掛金の経理或いは運用、それから異常損害に対する積立金というようなものをちやんと規定しております。併し中小企業等協同組合或いは消費生活協同組合等については、そういう監督が行われておらない。そういう点を整備する必要がある。そうして更に、そういつた多少でも法のひつかかりがあればいいんですけれども、全然法的根拠によらずして、例えば問屋さんが自分のお得意を組合員と称して、その共済掛金を集めて、そうしてそれを運転資金に使つている。或いは今のような保全経済会くずれ、或いは株主相互金融の貸金業者が、やはり私の推察するところでは、貸金の資金を得るために共済事業を始めて、そうして金を集めて利用する、こういうような挙に出でかけておるわけなんです。これも放つておけば、やはり保全経済会の二の舞をやるのじやないか。明らかに保険業法違反と思われるような行為が行われておるのです。ういう点については、どういうふうにお考えですか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 類似保険につきましては、先日或る地方から投書がありまして、それ以来当局で十分に研究もし調査もいたしております。再びお叱りを受けることのないように、十分これは気を付けて対処いたしたいと思います。その他の問題は、私案は恥しい次第でございますが、御指摘のような正確な事実を存じませんでした。伺つてみますと、これは捨てておけません。殊に金融逼迫となりますと、非常に苦しい余り、いろいろな面にそれがしわ寄せになると思いますので、早速これは今日以後刑事局、民事局をして調査いたさせます。保全経済会その地類似金融の場合も、金融というものは庶民は縁がないというところから出て来た面もありますし殊に中小企業が金融が苦しうございますが、苦しい余りどういうことでも考えるという傾向がありますので、そういう思い詰めた気持にしないということも政治の一つだと思いますけれども、十分にこれは気を付けてみたいと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そういう保全経済会のごとき過ちを起す、或いは今のような類似保険が野放し状態で蔓延せんとしつつある。こういうことについては、私は検察当局、勿論首脳部はかなり知識はあると思う。が経済事犯については、捜査能力が非常に足らないのではないかと思う。とにかく第一線の巡査さんと言われる人たちは、経済事犯の中でも、統制があつた当時の開で物を売つたとかいうふうな価格違反のような簡単なことは誰でも取締れるけれども、少し知能犯的な金融業法違反、或いは保険業法違反のごときものは、なかなか捜査能力がないのではないかと思う。そういう点については法務大臣としてはどういう配慮を加えられておるか、どういう御見解であるか付いたい。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。先ほど申上げましたように、各検察庁の経済係検事会同のとふに、類似金融虎の巻のようなものを省きまして、事例を挙げて、こういうものは怪しいのだというような千引の教科書のようなものを渡してあるのでございます。今の御指摘のような問題も追加して詳しく啓蒙的に書きまして、早速配りたいと思つております。従来のはそうやつております。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) この際御報告申上げますが、入国管理局の宮下次長が御出席になりました。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 犬養大臣にお尋ねいたしますが、我々野党の側から見ますとそういう立場の見方かも知れませんが、いろいろな手で検察当局に圧力がかかつているのではないかと想像される向きもあるのですが、特に捜査費について大銘を振るつて、そういう方面から十分に捜査活動ができないような手段がとられておるのではないかというようなことがあるのですが、要求額と実際査定された額というような、そういうこととの関連でこの点についてお話願いたい。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 詳しくはここにおります経理部長から説明いたさせますが、先ず第一に、いろいろな手で捜査当局に圧迫があるのじやないかということで先ほども木村委員から御質疑がありました。私かなり率直にお話したのであります。木村委員の御質問のとき一度おいでになりませんでしたから、取り次ぐことになりますが、つまり海難の再建ということが大事だという話から、汚職摘発もいい加減にしたらどうだというようなことはないか、こういうお話でありましたが、私の知つている限りではそういうことはありません。ただ或る造船所の労働組合が汚職は汚職で徹底的にやつてもらいたいが、自分たちも失業するし、海運の再建も大事なので、勾留しているエンジニヤの重役を捜査に差支えないならば早く帰してもらいたい、それはエンジニアでまじめな人でもありますし、捜査が一段落すると同時に身柄を外に出した例がございます。それ以外に海運の再建にさわるからもう少し調べなければならんが、出しましようというような報告は一度も検事総長から受けておりません。その他のこともとかく何と申しますか、捜査のスピードが鈍つたとぎにいつも御質問を受け、又検察庁にも申入れを受けるのでございますが、そういう又一段落するとあとに捜査の手が更に伸びて行くというわけでありまして、これは最近の大きい疑獄事件を扱つた体験を検事総長から聞いて見ますと、非常に慎重に且つ的確にやつて行かないと、あとで公判の維持がむずかしい、非常に困難なことになるというので、中田さんの御期待よりもスピードが鈍ることもあると思いますが、私は検察庁のやり方を全面的に今是認しております。保全経済会の、今お叱りもあつたのですがあのときに非常に緻密にいろいろ噂を立てられながら、じつと隠忍して的確な材料を的確に少しずつ集めた東京地検の態度を私は是認しておる次第でございます。  それから如何に有能な松事でも経費がなければこれ窓かくやりにくいのでございますが、経費の数字のことをちよつとど忘れしておりますから、経理部長から申しますが、私はこれでいいかどうか経理部長に確かめると同時に、検事総長にも念を入れまして、これならば当座はやつて行ける、十分にやつて行けるということでありまして、且つ第一線では予備費を廻したことについて甚だ満足しておるように聞いております。これは所要の、捜査上の所要経費のみならず、非常に体力が衰弱いたしますので、それについての薬品代とか、或いは真夜中に生卵の一つも臨時に飲めるようにするとか、或いは相当御推察のようにこういう仕事に従事しておりますと、深夜の帰宅は危険でございますので、ハイヤーを雇うというような、そして検事を自宅に帰すというような配慮もいたしておるわけでございます。それらを含めてこれならば当分やつて行けるというような、こういう結論の報告を受けております。数字を今経理部長から御説明いたさせます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 要求額と実際はどうですか。

竹内寿平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内寿平君) お答え申上げます。捜査費用を不当に削られたことはないのでございます。実は昨年末から捜査が始まりまして本年の一月、二月の初めにかけまして大分手持ちの金を使い果しているという状況に鑑みまして、本年の二月約一億円の予備費の使用方を要請いたしたのでございます。これに対しまして五千五百万円の承認を得ました。この内訳を正確に申しますと、四千七百万円が予備費の使用であります。あと八百万円が流用で認めて頂いたのであります。これは三月末日までの本年度内の使用見込みでございますが、当時政府の大蔵省で持つておりますところの予備費の額は非常に僅少なものになつておりまして、或いはすでに義務確定になつておるもの、その他当面必要な最小限度の数字に組替えてもらいたいこういうことでございました。当時過年度支出を認めて頂くといつたような含みを以ちまして私のほうから更に数字を整理いたしまして五千五百万円という数字を出しまして、それはそのまま承認を受けたのでございます。その後の状況でございますが、やはり三月になりましてから右の経費では足らないのでございまして、三月十五日の調査した数字でございますけれども、旅費等において約一千万円、庁費におきまして約一千二百万円、その他謝金と申しますのは、会計士に帳面を調べさせる謝礼でございますが、そういうような費目に約三百五十万円、合計いたしまして二千五百五十万円くらいが年度末までに或いは義務確定になつており、或いは義務確定が接近して予想されるという状況下にあることがわかつたのであります。併しながら三月十五日以降におきまして、なお全国検察庁から或いは突然の費用として要請も来るかとも考えられますので、これはまるい数字に過ぎませんのでございますが、そういうふうに予想されますので、来年度の経費のほうから二千五百五十万円の支出を慰めて頂くように只今事務的に大蔵省当局と折衝いたしておる次第でございます。  なお、それでは四月から以降はどうなるか、これは捜査の進展がどういうふうになつて参りますか予想がつかないのでございますけれども、一応三月十五日に私どもが調査いたしましたこれらの資料に基きまして、これまで進行して来たような規模で而もスピードで四月に入つて行くというような一応の予想の下に、いろいろ経費を推算いたして兇ましたところ、約三千九百万円になろうかと思うのでございまして、大体その線で事務的に折衝いたしております。これで支障はないつもりでございます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 犬養大臣にお伺いしますが、昼夜を分たず捜査のために努力しておられる検察当局に対しては大変言いにくいのですが、相当進捗しておるようでもあるし、ないようでもあるし、なかなか問題があると思うのです。特に例えば私、造船会社の、船会社の交際費を全部調べて見ましたが、飯野海運なんかは交際費を隠して隠して隠し切れんで、帳簿に挙げておるだけでも、一億円の交際費を使つておる。それから日立、播磨造船のリベートが二億或いは三億くらいの金を動かしているので、これが政界官界等に流れているし、同時にやはり銀行に、私も社会党ですが、若干銀行の融資がりういうふうにしてやられるかということは知つておるのですが、相当銀行筋にもこの交際費やリベートが流れていることが当然予想される。それにもかかわらず銀行については全然捜査の手が伸びないというのは、そういうところに捜査の手を伸ばしては、金融恐慌でも来て困る。そういうパニツク等を考慮して捜査の手を伸ばされないのか、全然ないとしてされんのか。例えば私はこういう例を知つているのです。或る東京近郊にある船会社は捜査を受けて、融資先の銀行にこの帳簿を隠しておきさえすれば安全だというので、銀行にその捜査書類を、いろいろな問題を含んだ書類を銀行に頂けておる。そういう点を見ると我々としても、やられるがごとくやられないがごとく、経済界に不測のセンセーシヨンを起してはなりませんので、重大な配慮は必要ですが、これは恐らく政界に行つたぐらいのことは融資先に行つておるかも知れん、又あり得ることだ、又私は知つておるのだ。そういうのになぜ銀行なんかには、そういうことは法務大臣はお知りにならんかも知れたいが、我々としてはこういう点で実は運搬した人に聞いておるのです。なかなか我々の捜査の手も廻つておるのです。運搬した人はこれは横浜の船会社です。それが某銀行に書類を危いからと言つて預けているのです。ところが船会社や何かには相当この捜査の手が一廻るのに、そこに行かないというので、我々は検察当局の苦闘にもかかわらずその辺を心配するわけなんです。何かこの辺についておわかりになつたら……。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 銀行の問題は先ほど木村委員から御質問を受けたばかりでありまして、十分私どもも拝聴いたしたわけでございます。犯罪共犯的なことが明らかであるのに手を付けない検察庁とは思つておりません。恐らく私は先ほど申上げましたように一段階に全力を挙げ、人も手一ぱいに使つております関係で、外部から御覧になるとまだるつこい、まだるつこいばかりでなく、何か圧迫でもあるのではないかというふうな御想像まで湧くのだろうと思いますが、私の知つておる範囲では、明らかにさような共犯関係がはつきりしておるのに手を付けないというような、そういうふうな検察庁ではないと思つておりますが、併し銀行の問題についてはここにおる刑事局長もさつきノートをとつた次第でございますので、帰りまして十分調査をいたしてみたいと思うのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 ちよつと関連して……。証拠隠滅について頻々として私はいろいろなこと聞くのですが、それは実に偶然なんですが、これは新聞記者関係の人ですが、或るアパートに泊つておる。ところが或る問題になつている会社に勤めている社員の奥さんと懇意なんです。その奥さんがこれは知らせては困るけれども、そこに書類を持つて来ておるのだという話があるのです。併しそれはそういうプライベートの関係ですから、そういうことを誰それというわけに行きませんけれども、奥さん同士の話で、実はうちの旦那さんは昨日会社から頼まれて持つて来ておる、その人の旦那さんはジャーナリストなんです。そういうことを聞いてもこれは新聞に書くわけに行かないけれども、こういう裏話があるというようなことを聞いておりましたが、証拠隠滅については頻々と聞くのです。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 銀行を調べられたらわかりますよ。これは私の臆測でなしに、はつきり検察当局の最高責任者と言つていいのですが、検事総長というか、適正な捜査をというふうな要請に行きますと、予算不成立の責任を検察当局が負うという、内閣瓦解の責任を検察当局が負うということについてその苦悩があつて、やはり捜査の私は限界がある。その辺又吉田さんの自信を得る問題で、それは検察庁の思い過ぎでそういうことは全然必要はないと思うのですが、これはもう数回私聞いておるのです。これは我が党の代表が行つたときにもはつきりどうも予算不成立の責任を検察庁が負うといつても、どうもこれは荷が重過ぎるというようなことがもう明らかに頻々として出ておるのです。それがやはり非常に捜査に大きな枠をはめることに私はなつておるのではないかというふうに思いますが、検察庁法による全般的な指揮の責任者である大臣はそういう枠を指令されましたか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) お答えいたします。私を名指しての御質疑は初めてでございますが、財界からそういう圧迫があつたのじやないかという御質疑を受けました。御承知のように検事総長から時々報告を受けます。かなり長い時間をかけての報告を受けるのでありますが勿論一度も私に対して、予算関係と睨み合してスピードを緩めましようかというような話は勿論ございません。又かなり社会党などの御陳情も、大体その翌る日くらいに報告してくれるのですが、予算の責任を負いたくないからと言つておきましたという話はまだ聞いておりません。併し中田さんのお話ですから根拠のないこともおつしやらないと思いますので――。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 信頼性のあることを言つているのです。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 早速調査して見たいと思います。どうぞさよう御了承を願います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 有田二郎氏に対する期限付の許諾というものが、その後も捜査に暗黙のといいますか、影響を及ぼしておるのではないかと思われるのですが、そういうことは如何でしようか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これは私より捜査当局から直接報告を聞いております刑事局長からお答えをさして頂きたいと思います。

井本台吉法務省刑事局長

○政府委員(井本台吉君) 有田議員の事件だけにつきましては、或る程度捜査上故障があつたことは事実でございますが、それがほかの捜査に影響があつたということはございません。さような報告は受けておりません。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 吉田総理にこれは聞いて見んといけないと思うのですが、参議院の予算委員会、衆議院の予算委員会等においてもこの問題は司直の手に任せる、その結果が明らかになつたら必要なる厳然たる措置をとる。そこで私は名を挙げて、こういう人とお会いではないかということを言つたのですが、そんな人は知らないというようなことを言われたのですが、やはり名は挙げませんが、正確を以て標擁しておるような新聞なんかにも佐藤検事総長その他の地検の最高首脳部を頻々と呼んで、そうしてどの辺まで波及するかということを聞いて、吉田さんは極めて楽観しておる。こういうことが出て、司直の手を抑えておいて司直の手に任せる、こういう筆法を吉田総理はとつておられるのじやないかと思いますが、これは吉田総理に問わんといけないと思うが、検事総長を頻々と呼びつけて、一遍ではなしに頻々と検事総長並びに何を呼んでいる事実があるが、それについて何か報告がございましたか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これは私極くあからさまに申上げますがそれはありません。又どうも中田さんの親蓄についてはいつも敬意を表しておりますが、これだけはどうも思い違いで検事総長の性格はあなたも御承知だと思いますが、第一私を差置いて会うということはこれは私としても筋が違うと思います。これはもう絶対にありません。本当によくあるのにないという答弁がありますけれども、実際これはありません。  それから多分地検の田中次席の話だろうと思いますが、これは私も次席には合わない。それは筋が違いますから。まして総理大臣が一地検の次席を直接呼ぶ、検事正を差置いて呼ぶということは必ず御承知のように地検の気質なりからしていろいろな問題が起つてあなたの耳に入らないわけはありません。これは実際私はもう本当に責任を以てそうでない旨申上げますから一つ特に御了承願いたいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 もう一つ、私はいろいろな方法でアメリカ大使館の関係は司法当局に、検察当局に及んでおる。それはイタリアの選挙なんかを見ましてもあからさまに或いはルースですか、大使なんかが正面切つて選挙干渉をやつておりますし、多いのですが、丁度これは逆に芦田さんがああいうことになりましたのは事実ですが、ウイロビイ一派が検察当局に強力な何をやつてそれでああいうふうになつて吉田内閣になつたことは、これはもう隠れもない事実なんです。ところが今度はそれと反対に、アメリカのそういうものによつて私は捜査に大きな枠がはめられて支えられ、全く逆な現象を来たしてこのことは却つて日本のためによくないのじやないか、やはりアリソン大使がお帰りになつてから、我々としてはそういう危惧の念を持たざるを得ない節々があるのですが、そういう点は如何ですか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これもこの前予算委員会で御質問を受けたと思います。これは一つ私の考え方を申上げれば多少御了解を得ると思いますが、私はそういうやり方では本当の友好国にならないと思つております。従つてそういう根性なら私は刑事裁判権のときにあんなにがんばりません、あの頑固で、物がわからないというふうに一時は思われましたけれども、あとになれば、やはり言うだけのことを言つたということは法務省をして尊敬させた原因になつていると思います。まして国民が注意をしておる余り結構な事件でないことを外国の大使が言うことは第一ありませんし、この前も仮の話として申上げましたが、私としては絶対にそういうことは受入れません。受入れないということが他日やはり日本の官吏を尊敬してもらうゆえんになると思います。刑事裁判権のときの経緯を少しお調べ下されば、若し今日呑込むならば、あのときもつと妥協しておるいいチャンスがたくさんあつたのですが、結局これは筋を通さなければならない、これが結局日本を平等な、本当に親しい国にするゆえんだという信念で法務省全員は一致団結をいたしたわけであります。どうも一汚職事件を外国の大使から言われて、そうしてそれに従うということは本当のアメリカ人は好きじやないのじやないかと思います。そういうやり方は、本当のアメリカ人らしいアメリカ人はそういうことを好まないと思います。これも一つ御了解願いたいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 もう一点、これも誰かお尋ねになつたかと思うのですが、大体造船の疑獄は捜査がいつ頃一段落するめどがつきますか。  それともう一つは、今の問題ですが、斡旋収賄というものは該当しないわけて、職務権限だけが法的に問われると思うのですが、国民の疑惑に応えるために、実際動いた金の内容なんかは、これは発表というようなことはどうなるのですか、できないものですか。これはこういうことでこれだけ金が動いているがというような全貌を明らかにして、立場をはつきりされるというようなことは法的にできないことですか、その点を伺いたい。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 先ず第一に、捜査がいつ一段階つくかということでございますが、これは今勾留している人の陳述内容で又拡がつたり何かすると思いますので、ちよつと申上げにくいと思います。私も同じような質問をしてみたことがありますが、どうもそれは答えにくいようでございました。  それから動いた金の全貌というものは、これは成るべく早く国民が知つたほうが、二度と繰返さないという意味でいいと思いますが、今捜査の途中でございまして、これを否認している人もありますし、又事実と百のうち幾つかは違うということがあると思いますので、これはまだ発表の段階でないと思います。  それから斡旋収賄につきましては、これは国民が非常にこの問題を注目していると思います。ですからこの問題を法務省が手をつけて研究しないのだということであつたならば、国民は失望すると思います。ただ問題が、刑法仮案などを読んで見まして、余り拡がる、つまり郷土の人にものを頼まれて橋を架けたり、郵便局を作つて、あとで郷土の名物をもらつても収賄になるということでは大変であつて、どこの中間で絞るかということが実際上技術上今日も実はその話を役所でしてみたのです。どこで絞るか、あなたのほうの猪俣さんは、不当な利益という代りに賄賂という字を使つたらどうかという個人的な御意見がありましたが、考え方によつては、不当な利益ということが却つて締りがつくという見解で、これはここにいる井本局長はその見解を持つている一人でありまして、或いは賄賂という字のほうが取締りがはつきりとするわけでもないのであります。又中には実費をもらわなければならんような人があるかも知れませんが、今の官吏は実費もいけない、そういう点をどういうふうにするかという技術の問題で今研究中でございます。  これを要するに、斡旋収賄というのは野放しで、どんなことをやつても逃れるのだということでは私はどうかと思つております、個人の見解は……。併しさりとて野放図に拡げたならば非常に何と言いますか、迷惑をする国民も出て来る。それをどこで締めるかということになると、締りのきめ方がなかなかむずかしいというのが、この数日しかまだ研究しておりませんが、そういう実情でございます。併しこの問題は国民がやはり注目している問題だと思いますから、放り出さずに今後も真剣に研究をいたしたいと思つております。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 非常に地味な問題で、入国管理の問題ですが、二つ伺いたい。この外国人こ登録に関する、いよいよ登録をおやりになるほうで経費をここに出しておられるのですが、これは実際問題とすると登録になかなかレジスタンスがあつて、非常に困難じやないかと考えられるのですが、果してそういうものが円満に且つ法規の命ずるように日本における特に朝鮮関係の諸君や何かにうまく行くものであるかどうかと、この点が第一点。  それから第二点は、やはり入国管理に関連して退去処分を命ぜられた者に対する護送、収容等に必要な経費を載せられておるのですが、これは特に法務大臣に伺いたいのですが、恐らくあなたのところにも直接陳情が行つてやしないかと思うのです。それから衆議院のほうには正式の陳情とか、或いは請願が出ているかと思いますが、要するに反共、反奨の中国人がおるわけですね、日本に。これはもう台湾に帰されてもやつつけられるし、中央に帰されてもやつつけられる。而もやはり日本とは注兆銘政権等を介してかなり深い関係もあつた人もあるし、直接にそれほどの大物でなくてもそれらを頼つて来たような、まあいわば寄る辺なき人間もおるわけです。或いは法規的に見れば多少不備な点もあるかも知れないけれども、そうかといつて送還だ、収容だというのじや困ると、何とかして欲しいという希望がある。こういう問題に対しては法を曲げるわけには行かないけれども、何らかの温情の措置がとれるかどうか、この点、二点だけ伺いたい。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) この問題は地味でございますが、私非常に熱心にやつておりますので委細御報告いたします。  最初のは朝鮮人の諸君についてなかなかお話のようなレジスタンスがありますが、これはどうも法治国でございますからレジスタンスを覚吾でやつておりますが、むやみと興奮してどれも何というか不奨な、不逞な朝鮮人というように見ないように絶えず私は注意いたしております。  それからあとの問題でございますが、勿論反共、反蒋、そしてどつちでもないいい中国を作りたい、その望場みは大分薄いけれども、併し理想として持つているというような人の中に案外まじめな人が多いのです。そういう人は、法規上は法規上としまして、実際上は全部ここにおります祕書課長から事務的には退去を要求すべきリストか私が必ず見ることにいたしております。それで私の知つている範囲、或いは衆議院、参議院、社会党のかたから永よく御注意があるのでありますが、そういうかたは全部鉛筆でノートしまて、どなたの紹介の事件というふうに書きまして、止むを得ず退去する場合は先ず紹介されたかたに事情を申上げてから処置する、事情を紹介したかたに申上げると、それは当局の知らないこういう事情がある、案外それが又当つている場合があるのです、そうすると退去を取消すということで、少し私は手間がかかりますが、念入りにやつております。  それから不法入国と言いますか、無届入国であつても、つまりいずれ知らすと言つたまま一、二年たつたもの下すから、妻君なんかもらつているのがあるのです、急にお前はそもそも違法だと言つて事務的には帰せるので“が、それはひど過ぎるので、少くとよ結婚して日本で安定している人とか、或いは結婚してその奥さんが妊娠しているような人の場合には、私は直ちに命令を出さないで十分に打合せることにしております。それから身審りがこつちにない、職も安定してないというのは退去を決定いたしますが、順序としては台湾に帰る人は先ず中華民国の大使館に行きまして、大使館が同国人として忠告して、大使館が忠告して帰つたというような形をとることにしておりまして、先ず大使館にこれだけ片止むを得ないから帰すというりリスト送ることにいたしております。中にはどうも結婚すると残れるらしいというので急に女を騙したりする悪いほうの事件もあるのですが、そういうのは帰つてもらつております。併し事実日本で安定した人は帰すというようなことはよくよくの場合でなければしないというふうにやつております。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 簡単に……、に対する逮捕の請求でありますが、有田君だけがただ一つのケースであり、その後こういう形式をとらず、任意出頭の形をとつておりますることは、犯罪の容疑が少いということであるか、或いは又国会側における抵抗が非常に強いというということでこういう形になつたのか、その辺のところを……。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 私の知つておる限りでもいけないので、今刑事局長に聞いて見ましたら、国会がうるさいからもう懲りたというようなことではないようでありまして、有田氏のようにはつきりしておつて、而も有田氏の場合は、同僚として批評することは心苦しい点もありますが、証拠隠滅の虞れが非常にはつきりしておつたと当局が認定いたしまして直ちに逮捕請求いたしたのであります。その後のケースはそれほどでないケースだという報告でございますので私もそれを容認しておる次第でございます。繰返して申上げますが、国会がうるさいのでもう懲りたということではないようでございます。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 そうしますと、現在任意出頭の形で取調べられております者も進行によつては院の許諾を必要として逮捕するというようなこともございますか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 犯罪の内容によつては今後はあり得べきことでございます。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 もう一つ関連しまして、……、有田君が出て来ましてから某検事をやつつける、それから何だか十万円ほど金を出して情報を集めるというふうなことを言つたということを新聞で読んだのでありますが、これは事実その後何か情報をとつて手続をされたようなことがございますか。或いはこれに対して検察当局としてはどういう感想を持つておりますか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これは約十日くらい前に衆議院の法務委員会で猪俣委員から御質問がありまして、当時何よりも先ずそういうことを言われた当人であります。河合検事の心境というものを聞く必要がありますので、刑事局長を通じて聞いたのでありますが、自分一個の問題だけでなく、全検察庁の問題であるから、引続きああいう話が有田議員より出る場合は、全検察庁の問題として考究しなければならん。併しその当時、約十日前でありましたが、その当時の程度ならば今自分は感情に走つておるように思われるような処置をするよりは、この事件の捜査に全力を尽すことによつて国民に応えたい、こういうことでございました。その後もいろいろの批評があつたようでありまして、相当当局では研究いたしたようでございますが、いよいよ有田議員に対して何かの処置をしたいということにきめたという話はまだ受けておりません。主としてこれは河合検事の心境を尊重しておるわけでありますが、有田議員の御批評が全検察職員に異例な衝撃を与えたことは遺憾ながら事実でございます。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 来年度の予算を見ますと公安調査庁の経費が相当に殖えておりますが、これは特に調査すべき対象である破壊活動というものが二十九年度において非常に激化する、そういう見通しで予算の増額をされたのか、或いはどういう内容のものでございますか。

竹内寿平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内寿平君) 数字の上では殖えたようになつておりますけれども、これは事件が非常に増加したからそういうふうに積算をいたしたのではなくて、昨年の予算におきましていわゆる改進党修正と言われておりますあの大改正がございまして、それを本年度におきましては原状に返して頂いた、こういう状況になつておるのでございます。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 最近それでは特に破壊活動という点で心配すべき事態があるという事実はないのですか。そしてもう一つお伺いしたいことは、文部省がいわゆる日教組の偏向教育ということを発表いたしましたときにたしか公安調査庁のほうからやはり日教組の中における共産分子の活動の実態ということを発表されたようでありますが、これは法務大臣がお命じになつてそういう発表になつたのか、その発表の経緯ということについてお伺いしたい。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。公安調査庁の何と言いますか、日本共産党白書と言いますか、そういうようなものが発表されたことは承知しております。これは参議院の文部委員会だつたか、文部委員会の要求に基きまして公安調査庁からも出せということで出したのでございます。大体国警が発表しました材料と共通のものでございます。私に出すがよろしいか、委員の御要求であれば出すようにと申した次第でございます。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 じや、いわゆる日教組の偏向教育というものの実態は結局法務省において末端の警察官を動員してお作りになつたわけなんですか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 御質問の御趣旨は公安調査庁の調査ですか。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 いや、そうじやない。文部省で出しました偏向教育の実態という……。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) それは文部省自身の調査が主になつておるのじやないかと思いますが、これは私只今御確答申上げるだけの用意ができておりません。明日でも追つかけて申上げたいと思います。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 もう一つだけ。いろいろとまあ地方の警察官が教育の内容について、或いは又は生活の実態について調査しているという噂を聞くんですが、只今のお話では警察が文部省の要求に手伝つたとか、或いは文部省の偏向教育の実態調査書に手伝つたというようなことは全然ないとおつしやるのですか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 私はこの問題は余り詳しく存じませんので御答弁申上げるだけの用意がございませんが、私の知つている範囲では文部省からの横の連絡として公安調査庁に資料を求められたことはあると思います。  で只今の御質問でございますが、私は警官が教員の思想調査をすることは不適任だと、こう考えておるのであります。もつとこれは教育委員会なりがするのがよろしいのでありまして、警官が学園内に入る、思想調査をするということは避くべきであるという思想を持つお呈す。然るにいろいろあなた方の社会党方面からもお話がございまして、私も何とかしてこの問題は再びそういうことのないように解決いたしたいと考えております。ただ一言申上げたいのは、日教組はどうか知りませんが、共産党が日教組に働きかける必要がある、もつと共産党の秘密書類の慣用語で申上げますならば、日教組を経営管理する必要があるという祕密文書がありますので、これは今に始まつたでなくございますのですが、それに対して公安調査庁或いは警察が思想傾向として関心を持つということは、これは責任上あり得ると思います。併しそれは祕密文書その他の研究によつて主としてなさるべきであつて、教員そのものの思想を個々に調べる、或いはカバンを開けるということは私は不適当と思つております。でそういうことが中庸を得て、ないようにするためにはどうしたらいいかということは私も今真剣に考えております。今まではただそういうお話が起るたんびに通牒で知らせるという法をとつておりましたが、もつとほかに何か思想調査というものは警官は乗出さないほうがいい、乗出すべきでないということの決定するように何か適当な方法を考えて見たいと思つております。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) 法務省関係につきましてまだ御質問もあろうかと思いますが、相当時間も予定より経過いたしておりまするし、本日の日程として外務省関係の審査をすることになつておりまするし、外務省からも政務次官以下係官が出席されておりますので、法務省関係はこの程度にいたしまして、外務省の審査に移りたいと思いますが…。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) 異議ないようでございますので、法務省関係の審査はこれで終了いたします。  引続きまして、大変時間が遅くなりまして恐縮でありまするが、明日の日程の関係もありますので、外務省予算の関係につきまして審査を始めたいと思います。外務省から小満政務次官、松井官房長、中村会計課長の御出席がございまするので御報告を申上げます。御質疑のございまする方は順次御発言を頂きたいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 絹製品に関する四十五度に傾斜して四秒以内に焼けるものは七月一日から入れない輸入禁止というのが昨年の六月末に立法化されたわけですが、その当時連絡がありましたか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 遺憾ながらその当時直ちには連絡がなかつた次第でございます。丁度その当時は日本の絹織物に対する関税引上の問題が起りましたので、それで非常に大使館の経済関係をやつている者も活離しておる際でありましたし、殊にこの可燃性織物に関する法律はもともと化学繊維品に関する点が非常に多かつたため、まあ何と申しますか平たく育つてその問題はまだ施行になるにも先のことであるという考えもあつたでありましよう。そのため報告は大分遅れて参つたというような実情でございます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 そういうことですと外務省の予算には非常に問題があるんです。アメリカにある日本の大使館には一体何人おつたんですか。ダンスやパーテイなんかばかり開いておつて、日本のただ一つの資源である生糸がそういう一千万ドル近くも輸入禁止になるような重大な法案が出ているのに、これは新聞社の名は言いませんが、すでにその当時日本の或る新聞社の駐在員は報告して来ている。更に数カ月前にもちやんと外電でその新聞社の特派員が入れている。そうしてここ一週間くらい前にもその新聞社がやはり詳細に報告して、一新聞社とは言いませんが、新聞社の外電でこれを漸く知るというような怠慢なことでは、およそ世界外交というものがどういう状態にあるかという問題を知る一つの指標だ。こういうことじやさつぱりこの予算を認めるわけに行かんじやないですか。これについての所見と、それから本当にそれに対してとられているはつきりしたことをいい加減なことでなしに示してもらいたい。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 先ほど申しまするように報告が遅れたのは残念でありまするけれども、まだ施行細則ができますのは四月十五日でありますので、今折角在京米国大使館を通じ、又在米井口大使にいろいろ訓令を発しまして最善の措置をとらせております。ただここで申しますると言い訳のように響くかも知れませんが、日本と同様絹織物の輸出国として重要な地位を占めている英国、フランス、イタリアなどもどちらかと言えばこの点が非常にこみ入つた法律でもありましたためでありましようか、余り声を挙げない。而も非常に重大なる直接関係を持つている日本の業者も静かにしておつたというような事情もありまするし、昨年九月絹業大会をヨーロッパでやりましたときにもこれは殆んど問題にされなかつたというような事情もありまするので、あれだけ人手が足りなくて働いております商務関係の職員に対しましては一応御同情を賜わりたいと存じます。成るほどアメリカにある日本の大使館は在外公館のうちでは最も大きいほうでありまして、五十数名おりまするけれども、御承知のように米国との関係は非常に緊密なものがありまして、いろいろ各般の仕事を取り扱わなければならないためにこの経済関係のほうでもいろいろ問題がございましてこれが遅れたような次第であります。これじや予算をやらないとおつしやいますけれども、こういう事態でもありますから、是非この予算をお認め下さいまして仕事の効力に応じました人員が十分活躍できるようにして頂きたいものと考えます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 その問題は一つ是非とも、七月一日になりますと、予算委員会でも言いましたが、私蚕に関係いたしていますが、製糸家と繭の取引の値段を決定するときに大変に不利なんです。もうアメリカに一千万ドルも出ないんだからとても駄目だというようなことで繭の値段を叩かれるこれは恰好の材料なんです。この点至急に養蚕農家がそういうことになりませんように、七月頃は丁度繭の出荷の時期ですから、一つ罪ほろぼしの意味もあつて一つその点を十分お願いしたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 最善を尽したいと存じます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 吉田総理は官房長官の福永さんもはつきり予算委員会を通じて五月中旬頃に外国に行くということを申されましたが、吉田総理のその海外に出られますには相当経費が要ると思いますが、それは一体どこで出るんですか。外務省の予算に計上してありますか。どこか財閥からでももらつて行くんですか。その点をはつきりされたい。それから池田・ロバートソン会談のときに池田さんが行つたのですが、あれのドルの出所は一体どこか、一つその点も御案内だつたらはつきりしてもらいたい。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 吉田総理が五月の中頃に行きたい希望を持つておるということは議会でも話が出たかも知れませんが、確定しておる次第ではございません。従いまして外務省の経費などにこれは盛られておらないのであります。なお池田勇人氏がアメリカへ行きましたについて外務省からは何も出しておらないのであります。従いまして若しそういうことが政府の金であつたとすれば大蔵省あたりは御存じかも知れません。私のほうはわかりません。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 この説明資料に頂きました国会に対する予算説明の三頁にあります第五の外交運営の充実に必要な経費として随分な額が三億ですか、計上されてあるのですが、この辺から吉田総理の経費が出るんじやないかと想像するんですが、厖大な額ですが、一つ行かれるのなら行かれるではつきりして闇ドルなんかで行かれるよりは行つたほうがいいと思うのですが、これは何に使われますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) そこに計上してありますのはいわゆる外交工作に必要な費用でありまして、これはまあどこの国でもあることで、殊に外国に比べますと、今私自身は数字を持つておりませんが、日本の外交費というものは非常に少い。従いましてこれは外交を円満に推進する上に是非必要な仕事でございます。なおこの項目に載つておりますのは旅費には使われないことになつております。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 これは昨年に比べましても、大体いろいろな経費は節約されるのにかなり昨年比でも増額されているのですが、この点一つ。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 昨年の実際の予算より本年殖えましたのは、御承知のように公館も又本館も新らしく殖えましたし、いろいろな外交事務というものは年々殖えて参つておりまするので、そうした外交機関の規模にも応じまして昨年よりも約八千万円の増加を認めてもらつた次第であります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 この頂きました資料の二頁の第三の外交文書編纂刊行に必要な経費、それから五頁の第八の欧米諸国等に関する外交政策の樹立に必要な経費というようなことで特に私聞きましたところによると、飯田藤次君ですか、アメリカの外交政策と取組んで本格的な研究をやつてまあ日本でも有数な研究ができているというようなことを聞き及んでいるんですが、こういう経費は私は必要だと思うのですが、そういうものができたら一つ是非我々が外交政策を批判するに十分な資料の上に基いてやれるように是非頂きたい。まあできるだけ国会はめくら判を押させるように、そういう材料を出さずにとは申しませんが、随分外務省に足を運んで見ますると有益な資料があるのですが、余り出ないのですが、特にアメリカとの関係の深い日本としてはアメリカの外交政策についての基本的な理解が必要だと思うのですが、たしか飯田藤次君がどの課ですかやつてかなりいい調査ができているように聞いているんですが、まあ経費の関係もあると思うのですが、是非お願いしたいと思うのです。配付を国会議員には是非。その調査に関する進捗状況等についておわかりでしたら。

松井明外務大臣官房長

○政府委員(松井明君) 只今御指摘の外交文書編纂刊行に必要な経費、これにつきましては明治維新以来の日本の外交史の編纂でございます。大体現在まで日露戦争のときまで来ております。昭和三十九年度におきましては五巻七冊くらいを発行する予定になつておりますが、只今お話のものはそこには入らないわけであります。  次の欧米諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費、これはお説の通りに旅費とか庁費とか刊行物とかそういうなものの費用になるわけでありまして、今のようなものはこれに該当するわけでありますが、具体的に飯田藤次氏の研究がどの程度進んでおるかというようなことにつきましては、只今ちよつと存じておりませんので後刻調べましてお答えいたしたいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 まあ私も伝え聞いたんですが、私も飯田君を知つているんですが、立派な調査を四つに組んでやつているということで、我々はまあアメリカとの関係は良かれ悪しかれ非常に深いので、是非そういう資料に基いていろいろな問題を見て行くことが必要だと思いますので、是非できたら一つ国会議員には頒布して頂けたら大変結構だと思うので希望しておきます。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 外務省の所管の予算の関係ですが、二頁のところに、アジア諸国との経済協力に関する事務に必要な経費というものがあるのでありますが、いわゆるアジアの経済援助とか或いは又は未開発地の開発計画であるとか、或いはそれに対する援助とかというようなものは主としてこういう経費によつて出るのかと思いますが、まあここではそういうことは直接には謳つてないようでありますが、実際上後進国の開発というようなものにはどういうふうな団体によつて、或いはどういうふうな方式によつて実施をするのか、そこのところをお伺いしておきたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 東南アジア関係につきましては、御承知のように賠償問題もまだ解決いたしておりませんのでいろいろ困難もございますが、併し経済提携の方式といたしましては、私どもは飽くまで民間の創意を活かし、而も先方の希望に応じて協力するという建前で進まなければならないと考えております。こちらが押しつけがましいようなやり方でなしに、先方の希望を容れるという考え方で、そして而も政府の事業としてやるのでなしに、必要な企面とか或いは総合的な取計らいというものは政府のほうでやるけれども、事業そのものは飽くまで民間べーシスでやりたいというふうに考えておるのであります。これに関しまして今度技術的な援助或いは経済開発というような面で総合的にお世話する団体があつたほうが効果的である、殊にこれまでアジア関係には非常に多数の競合するような団体がございまして、各団体に対しまして、関係省から補助金を要求されるとか、或いは業界に働きかけられるというような点で多少重複したような関係のものもございましたので、今度財団法人のアジア協会というものを作りまして、これが中心になつてそうしたお世話をするという構想を持ちまして、このアジア協会の発足を急いでおるような次第であります。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 同じ後進地の開発の問題におきましても、非常に立派な人が経済審議庁にもいるし、或いは外務省にもいる。こういうことこそ却つて二重な方式ではないかと思いますが、この二つの関係においてどういう面で調査されるのか、或いはこれを一本にしたほうが却つて有利じやないか、こういうふうに考えられるのですが、この点は如何ですか。経済審議庁の東南アジア開発の研究と、それから外務省のほうにもそういうものがある…。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 経済審議庁でも研究はいたしておりまするが、併しこの団体のほうは現実に向うに出て行く人の世話をする団体であります。向うから技術者が日本に勉強したいといつて参りましたときに中心になつて世話をする機関がなければならないのです。それがこれまでのようにばらばらでは不便だから、これを一まとめにしようというわけであります。これはむしろ企画の面もありますけれども、実行の面について援助する機関でございます。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 私の聞くのは、日本の役所の中に例えば経済審議庁には大喜多君というような人がいるし、この人は非常に国際協力というか或いは東南アジアの開発の問題については専門家であるというふうに聞いております。それから外務省のほうにも勿論そういう関係の仕事をやつておる人がいる。外務省の数字と経済審議庁の数字とどういうところで一致さして、まあ例えば実施機関としてアジア協会というものがあるなら、そのアジア協会というものを通してそれで現地の、現地と言いますか、或いは後進地のほうに流れて行くわけですが、又向うからの人をアジア協会というものを通してそれぞれの機関なり役所なり或いは民間団体なりに世話をするということになるのでしようが、役所自体にやはりそういう二重の機関とか二重の機能を持つた事務がある、そういうことを調整するほうがいいのじやないかと、こう思うのだけれども、そこのところはどうですか。こう聞いておるのです。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 勿論経済審議庁のほうは国内の経済というものの関連においてそういう専門家もおりますが、例えば例に引かれました大喜多君は実はアジア局のほうに兼任をしておるというので、相互連絡を図つております。又随時関係省間で連絡をするというやり方をしておるのでありまして、これは結局外務省だけが東南アジアに興味を持つていてもしようがないので、行政機関挙げてそうした方面に協力して行つて初めて本当の成果を収めるのであろうと考えるのでありますので、そういう兼任とか或いは協議とかいうような方法によつて相互の連絡を図つております。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 それからなお財団法人の国際学友会、或いは経済協力民間団体等の事業を補助する、この実績はどういうことになつておりますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 国際学友会のほうは、これまでの実績がありますから官房長からでも説明させますが、経済協力民間団体と書きましたのは、これは仮称、仮にアジア協会と言つておりますが、新らしく作つて今までのものをできるだけ統合して、新らしく作ろうとするものでありますから、実績としてはございません。詳細は官房長から説明いたします。

松井明外務大臣官房長

○政府委員(松井明君) 国際学友会の歴史は古いのでありまして、昭和十年に外務省の補助団体といたしまして評立されたものでありますが、その後財団法人に改組されまして、それ以来外人の学生の招致、宿舎の提供、学校、工場の研究研修の斡旋、そういつたような仕事をやつております。今現在はつきりした数字は記憶しておりませんが、八十名ぐらいの学生が東南アジア方面から来て研究をいたしております。この機関はずつと同じような仕事を継続しておりますが、主として向うの学生をこちらに招聘いたしまして、いろいろ技術的に訓練をするというほうが主でございます。今度できますアジア協会のほうは、そういう仕事を、勿論将来できるかも知れませんが、現在の構想ではむしろこちらから出て行つて、例えば技術的協定を結びますとか、或いは技術の提供をするとか、或いは技術者を派遣するとか、そういうような意向で作つておりました。大体今七つの団体がございますので、その七つの団体を統合いたしまして、仮称ですが、アジア協会というものを作る構想を持つております。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 話は違いますけれども、只今余剰農産物の買入の問題で百四十四億ほどまあアメリカの日本における買付に充てられるということでありますが、これはどういう種類のも一の、若しくはどういう方式によつてそれらが実施されるか、これはまあ勿論通産省の関係かもわかりませんが、まあMSAに関連のあるまあ協定の結果出て来たものですから、その点一つ……。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 百四十四億、即ち四千万ドルはアメリカの追加域外買付と申しまするか、この協定なかりせば、まあ普通の場合においても日本で域外買付をするか、この余剰農産物を入れることによつて日本の円で積立てられたアメリカの特別勘定、四千万ドル、百四十四億円はアメリカのいわゆる城外買付に利用されるわけであります。日本のほうで麦を買付けまして、そうしてアメリカ側がそのドル貨を大蔵大臣勘定に外国銀行において支払いました通知が参りまするというと、それに応じて日本でそれと同額の円をアメリカの勘定に入れるわけであります。ところで、アメリカのほうではその四千万ドル、まあ最高四千万ドルでありまするが、それを積立てられました円によつて、或いは日本でMSA協定によつて使われるものも買付けるかも知れません。が、併し、日本の生産力にも限度があり、アメリカの買おうとする品物の種類を全部日本で生産するわけではありませんので、まあ完成した品物はアメリカから送つて来るでありましようが、日本でできる弾丸のような物はこの勘定から出ることになるかも知れませんし、更に台湾であるとか、インドシナのほうにアメリカがMSAの資金で援助をしてやる物資で、而も日本で生産し得る物はこの勘定から円を引出しまして支払を済まして、日本で生産されたそういうふうな装備とか、或いは資材を買付けて、アメリカが供与しようと思う相手国、即ち台湾であるとか、或いはインドシナというようなところにも送られることになるだろうと思います。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 いろいろ新聞などを見ておりますと、この百四十四億が新らしくまあ追加されたという見方もあるけれども、併し、従来の域外買付が百四十四億によつて肩替りされるのじやないかと、追加百四十四億でなくて、実質においてはドルのほうの買付が減るのではないかということを心配している向きもありますけれども、これはもう純粋に百四十四億は従来の買付以上に丸々追加されるものでありますか、或いはその関係はどうでございますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) それはそういうように追加せられることになつております。大体これははつきりしたことはわかりませんが、この前スタツセンが参りましたときにも、今の予算として想定しておるところは約六千万ドルということになつておるが、この協定ができれば更に四千万ドルが加わつて一億ドルに達するであろうというふうに述べておりまするし、現に交渉の過程におきましてもその点はこちらから十分に確かめましてこれだけが追加になるということになつております。その意味でこの協定を急いで締結いたしまして、早く円貨の積立てということを利用しないというと、今年度六月末までにそれが一応勘定に入らないとその追加がしにくいというような事情もあるので、協定の締結をしてその実施を急いでいるような状況であります。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 もう一方の三十六億のほうでありますが、これは使用について何か特にアメリカ側から注文でもあつたのでありますか。全く自主的にいわゆる防衛産業というものの援助に使うことができるのでありますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 個々の産業、どれにこの投資を行うかというようなことは関係官庁、即ち経済審議庁或いは大蔵省或いは通産省が協議いたしまして開発銀行を通じてこれが投融資されるようになるだろうと思います。但しあの条文でもお気付きの通り、向うとの話合いのついた条件によつてというように書いてあるのであります。でありまするから、大体の筋としましては、これはMSAの目的を達成するために行うグラントでありまするから、主として防衛産業という方面に利用せられるでありましようが、併し防衛産業をよくして行きまするのには他の一般の基礎産業にも関係があり、又その他技術的な研究も必要でございますので、そうした面にも使われるという予定になつております。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 これは全くあれですか、日本が自主的に使い得るものですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) そういう大きな枠については話合いをしなければなりませんが、個々の投融資については日本が自主的に、もうすでに譲与されたものでありまして、その条件に従つて自主的に使用する次第であります。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 まあ米軍のほうにおいて最近問題となつております日平産業の問題について非常に心配している。こういうお話を新聞で読むのでありますが、実際に米軍の購買部のほうから日平産業のことについて、あれを何とかして盛立ててくれというような話があつたのですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) これは通産省の所管でありまして私は責任を持つた御答弁ができませんが、併し日平産業は従来JPAから、いわゆるアメリカの調達部のほうから注文を受けておりますので、その発注したものを完納せられるということを希望するのは当然であり、それに必要な援助を与えようという気持があるだろうということは十分察知できるところであります。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 まあ日平産業についてはアメリカの軍側で非常に心配しているということはよくわかるのでありますが、実情を考えて見るというと、その会社の内容というものは全くめちやめちやなんだ。たとえJPAが日平産業に注文したものが満足に納められる自体というものは全く手のつけられないような状態になつている。そこで三十六億の金が防衛産業に廻されるという場合に、そういうように例えばJPAというようなものが強力に働きかけて、日平産業に対して援助してやれというような口を開かれれば日本としてはそうやらざるを得ないでしよう。併し現在のような状況では幾ら金を日平に注ぎこんでもこれは焼石に水です。そういう点やはり日本政府は自主的によつてそういうまあ要求を排除して行かなければならないと思う。そういう御意思があるのか、そういうことは可能であるのかどうかという点。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) この問題は御指摘のような点について私どもも懸念していたところでありますので、十分交渉の過程において先方と話合いをしたのであります。個々の投融資というようなものについては、日本側が自主的に立てた計画でそして日本側がどの会社にそういう融資をするかということを決定するわけであります。ただ米国の法律の条文に規定するところに合致しなければならない。先ほど申しましたように、双方で話合つた条件に従つてやるのでありまするから、大きな計画としては米国との話合いを要しまするが、今おつしやいますように、日平必ず救済のためにやつてくれというようなことを主張することはない、又そういうことを、仮にそういう希望が出ましても、決定は日本側が自主的に行うわけであります。

松澤兼人日本社会党(第二控室・右)

○松澤兼人君 実際にはそういうふうにアメリカ側の要求をはねつけるという自主性を持つていたとしても、今申しましたようなJPAというようなものが日平に対して発言権を持つておるということになれば、やはり三十六億の使途について貧弱な、或いはそれだけ能力のない会社にでも金が廻つておつたものですが、そこでまあいろいろやつぱりここでも私は心配するのですけれども、将来金の分け方について利権であるとか、或いは汚職であるとかいうようなものが起りはしないかということを非常に心配するのです。そういうことは絶対にない御自信お持ちでございましようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) この三十六億をどう使うかということについて、勿論外務省も関心がありますが、直接取計らうのは経済審議庁、通産省あたりでありまして、勿論関係省といたしましては、そういう事態でも間違いのないような運営をいたしたいと決意いたしておることと私想像いたします。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 この移民の振興費ですか、僅か三千五百人出すのに三億七千という金は非常に大きいように思うのですが、イタリアのこの移民ですね、イタリアの移民はもう日本の移民の数の桁はずれの数十万の移民を終戦後にやつておるのです。植民地はないのにやり得るので、私はイタリアの移民政策は研究に値いすると思つておるのですが、そういうこととの関連で余りにもたくさんな経費が三千五百というような僅かな数に対してもう少し効果的に……イタリアは植民地を持つていないようですが、これはどういうわけですか。それと、それから三千万円を民間団体に委嘱するといつてあるのですが、どの外郭団体ですか、これには見当らんのではないかと思うのですが、その点と、もう一つは、水爆の被害を受けた船ですね、これを外務省はもうアメリカに渡す腹をきめたということを聞いているのです。これは或いは掌を指すほど正確なのかも知れんと私は思つておるのです。そういうことがありますか。これは実際学者であの問題に取組んでいる、実際原子力問題に取組んであれに関係している筋から大体そういう腹がきまつたからこれは極めて重大だということがあつたのですが、そういうこともきまりましたか、その点。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 先ず第一は、三千五百人を送るのになぜ三億七千万円も要るかとおつしやいますが、これは併しそう大した額ではないのであります。詳細に申しますると、この船賃の貸付が九万三千円、それに一人当りの向うへ着後の費用なんかがあります。それが一万円ばかりで合せて十万円ばかりであります。国内の開発で北海道へ出しましても私は或いはもつと余計かかるというように思つております。而もこれは貸付金でありまして、四年かたちますと返すということになつておるのでありまして、戻つて来る金でありまして、決してこの金は厖大なものではない。ハアー、頭当り十万円というものはそう大きいものではないと思います。  それから民間団体といたしましては、本年の一月四日に発足いたしました海外協会連合会というのがこれは村田省蔵さんが会長をしておられますが、この団体がいろいろ募集や各県との連絡というような事務をとることになつているのでありまして、これは外務省が直接やるよりもそうした機関を使つたほうが、よりスムースに、より円滑に行くであろうという考えを持ちまして、この連合会を使うことになり、これは各県に又支部のようなものもありますので、これで送出の事務をやらせる、募集の事務をやらせるという仕組にいたしております。  それから水爆の船とおつしやいましたが、これは第五福龍丸の話だろうと思いますが、外務省の腹がどうときまつたわけではございません。この問題はいろいろ利害得失を考え、最も有効に最も意義あるように処分しなければならないだろうと考えます。現に今朝も静岡県から見えまして、あそこにあるというと風の吹き工合によつてはどうか、ならないかというので非常にあそこで心配をおかけしておるのでありますから、いろいろ関係者話合いまして、最も適当と思う方法で、何とかこれを片付けなければならんというのが実情であります。別段はつきりきまつた方針があるわけではございません。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 その最も適当な方法がすでに私の言うようなことに内定しておつて、何か合同のことで、その会で最も適当だというようなことで、まあ持つて行かれるのではないかと思うのですが、それはまあ現地にあることは、そういう危険も、心配もあることですから、適当に処置されることが必要だと思うのですが、国内の世論、学界の希望等も汲んでやはり成るべく、ではない、絶対これは国内でいろいろ研究の材料等にもなりますし、私は保有することが必要ではないか。希望を申入れておきます。これを若し渡されると、岡崎軟弱外交に対する国民の批判は相当なものだと私は考えております。  それからこれはまあここにおられる再木さんが副会長をしておられますから、外廓団体についていろいろ言いたくないのでもうやめますが、一つ外廓団体はとかくいろいろな問題があつて、これは私総括的に予算委員会の最後にはこれをやりますが、一つ適正に使つてもらいたいと思います。もう殆んどの外廓団体が問題のない外廓団体はないのです。その点一つ希望として申入れておきます。  それからまあ一人当りに割つて見ますと、僅かな額ですが、とにかくイタリアはたしか終戦以来膨大な移民をやつておるのです。それから換算しますとなかなか容易ならん思うので、イタリアの移民政策というものは研究に値すると思うのです。その点私も人口問題の解決には移民は役に立たんと思つておつたのですが、イタリアの海外に出ている数を見ると、一考を要するではないかと思うものですから、そういう見地であの問題はやつてもらいたい。たしか数十万出ておるはずです。是非一つその点は希望として申します。

森八三一緑風会

○主査(森八三一君) そうしますと、外務省関係の審査はこれを以て終了することにいたします。  本日の日程はこれで一応終了いたしましたので、これを以て散会いたします。  明日は午前十時より開きます。    午後六時散会

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