予算委員会 第22号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/03/27
会議録
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。 お諮りすることがございます。今朝理事会を開きまして本日の議事の進行について協議いたしましたところが、一部の理事からは、本日は総理の出席を予定した総括質問であるから、総理が出席されなければ本日の会議は月曜日に延ばすべしという意見でございました。これに対し他の一部の意見は、総理は病気のために本日出席できないということであるから、副総理が代つて出席する以上、それでよろしいから副総理及び所管大臣に質問しようとするならば、それまでも抑える必要はないではないか。こういう意見と二つ本日の理事会では意見が対立して議がまとまらなかつたのでございます。それで委員長といたしましては、副総理が総理に代つて責任を持つて出席されている以上は、それで差支えないから質疑をしようとする委員には質疑を許す意味で本日の質疑を行いたいと思うのでございます。これに対して御異議ございませんか。 〔「議事進行について」「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) 異議があるそうでございますから採決をいたします。 〔「採決じやない、議事進行そんなばかなことがあるか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) ちよつと聞いて下さい。 本日の理事会ではそういう二説がございまして、それで理事会では表決ということが先例にないから、それで委員会に諮つて今の問題を表決しようと、こういうのでございます。 〔「その前に議事進行の提案なのです」「採決々々」「議事進行の提案があるのだからほかの議題を取上げるわけには行かないじやないか」「議事進行を先に取上げるのが当り前じやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(青木一男君) 速記を始めて。本日の議事の進行について議事進行の発言がありましたから許します。
○岡田宗司君 本日は予算委員会も最終に近付きまして総括質問をやることになつておるのでございます。従来州らの本院の慣例によりましても、又衆議院等の慣例によりましても、総括質問の際に総理の出席を求めまして、そして予算審議の状況の結果につきまて、更に改めて最後のまあ一種の駄目押しをするというようにして参つたのであります。従いまして、私どもは総理が総括質問に出ることをずつと希望して参つたのであります。そして大体において常に総理が出られておりますので、今日も御出席になるということを私どもは期待しておつたのであります。而も総理が病気であるということでございますけれども、従来の例を見ますというと、総理の病気は実はかなり当てにならないのでございます。診断書も出されますけれども、診断書を出されて動かれないはずの総理が、渉外関係と称して動いておられることもあるし、又従来は病気で国会を休まれた総理が銀座に買物に出かけておるような事態もあつたでございます。従いまして、総理の不出席ということは、どうも遺憾ながら私ども必ずしも病気ばかりのせいとは思われないのでございます。そういうようなことから総理が国会をサボリまして、そして当然総理として予算委員会において答えなければならないものに対して答えを避けられるということは、これは国政を無視するというそしりを免れないかと存ずるのであります。そこで私どもはこの参議院の予算委員会におきまして、当然総理に総括質問に出て頂くということを前から希望して参りまして、大体そういう希望の通りに取計られて参つたのであります。昨日福永官房長官が大磯に参りまして総理に会われて、そうしてその結果を持つて帰られたようでございますが、福永官房長官が帰りましてから新聞記者に語つたところによりますというと、本日出席するかしないかということにつきましては極めてあいまいな答弁をされておるのであります。今、私ここに新聞記事を持つて来て読上げる必要もないので読上げませんが、今朝の新聞で、との委員諸君も恐らく或いは福永官房長官の答弁、この新聞記者会見における発言についてはお読みになつておると思う。それを読んでみますというとどうも私どもはいよいよ不思議に堪えられないような気がするでございます。若し病気だ病気だということになりまして、今日も出ない、明日も出ない、明日はまあ日曜ですが、明後日も出ない、更に三十日も出ない、三十一日も出ないということになりますれば、この重要な予算案の成立につきまして極めて総理が不熱心であると甘わざるを得ないわけでございます。従いまして、私どもはこの際福永官房長官に御出席を願いまして、昨日の総理との会見、或いは総理がどういうような病状にあるかということをお聞きし、本当に本日御出席ができないものかどうか、更に又明後日の予算委員会にも御出席願えるものか願えないものかというようなことについてお聞きをしなければ、私はこの総括質問を進められないと思うのであります。従いまして、私は福官房長官の御出席をお願いいたしまして、ここに先ず総理の出席の状況につきましてはつきりとお伺いをして、そうしてその上において予算委員会の進行を図られたいと思うのであります。 私の議事進行に対する発言は、先ず福永官房長官に、この委員会に御出席を願いまして、昨日の総理との会見の結果並びに本日或いは明後日の予算委員会に総理が総括質問に出られるかどうかということについての御答弁を願いたいと思う次第であります。以上であります。
○高橋進太郎君 私は今の岡田委員の提案に反対するのであります。
○岡田宗司君 提案なんか何もしておりません。(「議事進行の質問だ」と呼ぶ者あり)
○高橋進太郎君 誰に質問しているのか。
○岡田宗司君 委員長において適当に諮ればいいんだ。何を言つているのだ、戸惑いするな。
○松澤兼人君 議事進行について…。これまで参議院の予算審議の状況は委員長も大変御熱心であり、又各党とも大体定められました日程に従つて今日まで来ているのであります。この調子で行けば大体三十日に討論採決をやりまして、三十一日に本会議上程、こういう順序に至極円満に十分に審議を尽して行われるということになつていたのであります。かねて私どもは総理が最後の締めくくりの総括質問のときに、果して出席ができるであろうかどうかという点について多少の心配をしていたわけであります。ところが我々の心配がその通り杞憂でなくて、実際に本日になりましてから総理が出席できたいということになつたのでありまして、このことは単に私どもばかりでなくして、参議院といたしましても、或いは委員長としても誠にこれは残念なことであろうと思うのであります。今日まで円満に進行して参りました予算審議が、たとえ総理が病気とは申しながら、最後のところにおいて故障ができたということは、いわゆる最後の仕上げがこの委員会としてうまく行かないという点で、委員長初め我々としましても誠に残念に思うのであります。今回の総括質問はいわゆる締めくくりの総括質問でありまして、これまで各省大臣や或いは又は分科会においていろいろ審議をいたしましたが、なお納得のできないもの、或いは最後の総理の政治的信念であるとか、或いは方針であるとかというものを聞いて初めて今日まで審議して参りましたことが果して妥当であるかどうか、考え方が正しいかどうかということを最後に判断するところの手がかりである、こう考えるのであります。従つてこの際において誠に副総理に対しては申訳ないことでありますけれども、この期になりまして副総理の答弁で満足するということは我々として誠に残念に思う次第でありまして、どうしてもこれは総理に出て来て頂いて最後の判断なり、最後の信念を聞くことによつて、いわば仏を作つて魂を入れるという恰好になるのでありまして、これは自由党の諸君といえども、このことが正しいということは是認せられると考えるのであります。勿論それは病気という生理的或いは又は自然的な理由によつて出席できないということはよく了承はできます。けれども必ずしも今後の審議におきまして、絶対に余裕がないというわけはないのであります。今日上げてしまわなければならないというほどでもございません。月曜には第三次補正を本会議に上程いたしまして、更にそれに引続いて審議をする、夜までかかつてやつてもやれるわけであります。或いは又は火曜日におきましては、討論採決を午後なり、夜に延ばすならば殆んど一日は総理に対する質問ができないのではないのであります。でありますからして、今日の十二時までに上げてしまわなければならないというほど切羽詰つた状態でもないのでありますから、我々としては十分に総理に対する質問をいたしまして最後の判断を下さなければならないと思います。今更ここで副総理でも仕方がない、或いは又は各省大臣でもいいということでは私はないと思うのでありまして、どこまでも一つの内閣を率いて行くところの吉田内閣総理大臣の所見を開かなければならないということが、いわゆる総括質問の意味であろうと考えるのであります。勿論これはいわゆる吉田内閣総理大臣がワンマンでなく、本当に閣議においていろいろ決定し、相談したことが、それがそのまま政府の政策として現われて来るというような、そういう吉田内閣総理大臣でありますならば、それは副総理でもかまいません。併し副総理の考えておることと吉田総理の考えておることとはしばしば食い違いがあるのでありまして、我々はその点総理の信念なり、心構えなりということを聞きたいというのがこの締めくくりの総括質問の意味であろうと考えるのであります。而も昨日の議運によつていろいろと論議されましたことは、必ず月曜日には総理が出席する、第三次補正についても総理が出席して本会議に上程するという確約ができておるということであります。若しこれが政府の答弁によつて総理が出席できないということであるならば、第三次補正が果して月曜日に上るかどうかということも根本的にぐらつくことであり、恐らくはそういうことはなかろうと思いますが、総理が月曜日に出席するということが予定されておるならば、当然に我々はその月曜日に総理が出席してから質問するのが当然であろうと考えます。更に我々としましては、衆議院におきまして例えば入場税の問題にいたしましても、或いは繊維消費税の問題につきましても、或いは補助金等の特例に関する法律案の審議におきましても、何かいわゆる法案がそのまま審議未了になるとか、或いは又は否決になるとかということを私たちは聞いておるのであります。この点について一体政府はどうするのだ、我々は予算の仕上げをする場合において、この法律要求の取扱いが明確にならなければならない、我々は常に言つていることでありますが、予算は予算、法律案は法律案として別個に分けて提出して来ておるところの政府のずるい考え方に対しては念繰を禁じ得ないものであります。現在衆議院におきましては、参議院のほうで早く予算を上げてくれたならば、あとは法律案を潰してしまつてもかまわない、こういう考えがあるやに開くのでありますが、それは政府にとつても参議院にとつても誠に重大なことと甘わざるを得ません。若し一つの法律案を潰したときに予算を又変更するのか、或いは又総理大臣としては、政府及び与党の力を、総力を結集してこの法律案通過に努力するのか、その辺のところも明らかにされなければ予算を上げるというわけには行かないのであります。こういう点も明らかにならなければ我々としては予算の最後の日程に入るわけには行きません。そこで只今岡田君からも政府の吉田内閣総理大臣の病状に対する、或いは出席見通しに対する見込み等について質問がありました。私も同様の質問をいたしました。福永官房長官が現に昨日総理大臣と会つておるはずでありますから、その際のことについて御答弁を願いたい、かように考えます。
○千田正君 議事進行について……。ときどき吉田総理大臣はこういうことを繰返されるので、我々本当にそれが真実であるかどうかということを危ぶまざるを得ないのであります。前国会におきましても、参議院としては吉田総理が出席するのか、しないのかということを問題として、早く国会を開こうと言つて開いた結果、その蔭に衆議院に行つて、予算委員会に出ておる、ときどきそういうことばかりやつておる、第一次吉田内閣以来、吉田さんのやつている我々に約束したことがなかなか実行されたためしはない、私は委員長に重ねてあなたに慎重に考えて頂かなくてはならないのは、予算の総括質問は曾つて前例として総理大臣が出席せずにやつたためしはないのであります。而もこれほど今度の予算案は特にいろいろな面からいましても、防衛予算或いは緊縮予算と国民の非常な関心を持つておるこの予算が、衆議院だけ通過してしまえばそれでいいんだというような考えを持つてやつておられるというふうな風潮さえ我々は考える、言換えれば、参議院軽視というふうに我々はとらざるを得ないのであります。これは自由党の諸君であろうと、或いは与党のその他の諸君であろうと、参議院が軽視されるということは、取りも直さず国会議員に対するところの一面のいわゆる軽侮・侮辱である、こういう観点から言いましても、この総括質問において吉田主相の出席するのは当然であり、第二院であるところの参議院を尊重するところの意味から言つても出席しなければならない問題である、我々予算を審議するものとしましても、当然首相の最後のいわゆる答えを聞いて、そうして国民にはつきりした態度、心構えを持たしむべきであるという観点からいたしましても、総理大臣の出席しないところの総括質問なんというものは意味をなさない。(「その通りと」呼ぶ者あり)そういう意味から言いましても、私は飽くまで吉田首相の出席を求めて、参議院は軽侮されることなく、国民のいわゆる代表、立法機関としての立場を守るべきである、こういう立場から私は吉田首相の御出席を飽くまで要求いたします。
○中田吉雄君 議事進行です、簡単ですから……。
○委員長(青木一男君) 極く簡単に……。
○中田吉雄君 私は予算委員会の理事会におきまして、本日から始まります総理を中心といたします総括質問に対して、吉田総理は必ずおいでになりますかと、こういう質問を数回口が酸つぱくなるほど申上げているのですが、その際に、お出でになるということを委員長が言明され、そして昨日もそういう日程で本日やるということを申されたわけであります。ところが、我々非常に遺憾に思つて、ペテンにかけられたと思いますことは、実は昨日の議運におきまして、すでに吉田総理は本日は出ないということがはつきり確定しておつたわけであります。これは私たちに対する重大な私は欺瞞であると思うわけであります。委員長とされましては、議運とどういう連絡をとられたのでしようか、その点もはつきりしてもらいたいし、更に又重大なことは、本日福永氏が社会党左右両派、労農党以外に対して、明後日以後の総理の出席について重大な言明をされて、そして了解工作をすでにとられたやに伝わつているわけであります。そういうことが私は本日総理が出られんので、副総理を以てこれに代えるというそういうことのできたいきさつではないかと思いますので、是非岡田委員の発言されましたように、福永官房長官に御出席願つて這般の消息をはつきりしてもらいたいし、議運の委員長を呼びまして、昨日そういう決定がなされたということですから、その点をお伺いしたいし、委員長はそういう決定があるにもかかわりませず、なぜ私たちに昨日そういう御連絡をなされなかつたのでしようか。我々といたしましても、そういうことが昨日あるのなら大いに諒といたしまして、議事進行に全面的な協力をいたしておることは明らかであります。その点について先に申しましたような事情から、委員長は議運の昨日の決定に対してどういう御見解を持つておられ、それから福永官房長官を一つ呼んでもらいたい。又議運の委員長も呼んで、昨日の決定についていろいろな議事進行上の問題についてお伺いしたいと思うわけであります。
○委員長(青木一男君) 先ほど岡田君その他から要求がありました福永官房長官は只今、呼んでおりますから……。 それから中田君の私に対する御発言でございますが、昨日議運の決定内容その他は私存じておりません。昨日私が官房長官から伺つたところでは、総理は最後まで努力して出席したいという希望を持つておられるというように聞いておりました。従つて本日欠席ということは今朝になつて正確な報告を受けたわけでございます。それ以外、私はその途中の経過については知りませんからお答えできません。(「おかしいな」と呼ぶ者あり)
○中田吉雄君 それははつきりしておりますが、福永さんがお出でになるまでに育つておきますが、昨日はつきり議運できまつておるんです。そういう重大な問題があつて、月曜日には何とかして出すからということで、土曜日に出ることを了承を求めておるわけであります。そうして又今日は福永さんが重大なこの総理の出席の有無について見解をすでに漏らされておる。而もそういうことを予算委の理事会が知らずにおるというようなことは重大なことなんです。左右両派、労農党以外はすでに了解が付いたということは国会全体にすでに伝わつておるのです。そういうことでは甚だ私は委員長とされても怠慢であると思いますし、まあ福永さんがお出になつてからはつきりしたい。
○委員長(青木一男君) 先ほどここで議事進行の……、ちよつと申し上げます。先ほどここで各派から一人ずつということを、申上げたんですが……。(「議事進行」「委員長に質問」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○湯山勇君 待つている間ですから、委員長のお忘れになつておることがありますから……。
○委員長(青木一男君) それでは極く簡単に言つて下さい。
○湯山勇君 委員長がお忘れになつておる非常に重要なことがありますから申上げたいと思います。このことは自由党の高橋さんも森さんも堀木さんもよく御記憶になつておることだと思うのです。それは去る十六国会におきまして、三派修正に関連しての米価問題について内田農林大臣の答弁を本委員会で追及したことがございました。そのときに吉田総理は、内田農林大臣はこのように答弁されたがどうかという質問に対して、私は私の言つたことでなければ責任は持たないということをおつしやつた。(「その通り」と呼ぶ者あり)そうして更にそのあとで、それじやすべてそうかというと、私の目の前で言つたことでなければ責任を持たない、こういうことをおつしやつたのを委員長御記憶になつておられるか、或いは御記憶になつていなくても、私が叩上げたことによつて思い出して頂いたと想うのです。これは高橋さんも或いはその他のかたぞれも同様と思います。こういうはつきりした言明があつたのですから、総括質問をいたしましても、あとで総理が、おれの目の前で言つたことじやないから責任は持てない、こういうことになつたならば、又同じことを繰返さなくちやならない、これは他のかたがたおつしやいましたから申しませんが、このことを思い出して頂いて委員長はこの運営に当つて頂きたいと思います。
○加藤シヅエ君 私は今日総括質問に発言を通告いたしてございますけれども、私は法務総裁と厚生大臣のお名前を指して要求いたしておりまして、総理への質問ということを特にそこに書いておかなかつたのでございます。けれどもこれは私の総括質問が総理に対してないということではございませんで、(「そうだ」と呼ぶ者あり)私は総括質問である以上は当然総理は御出備なさるものと考えておりましたために、総理というお名前をそこに入れなかつたのでございますから、それを念のため只今申添えておきます。(「了承了承」「議事進行について」「僕は初めてですよ、委員長」と呼ぶ者あり、笑声)
○曾祢益君 只今委員長は、昨日の議運におきまして総理出席に関連した議運の決定は知らなかつたというお話があつたのですが、これはちよつと我々として常識上考えられない。或る意味では結果的には非常に重大なことだと思う。それは勿論今日総理が急に出られないというようなことが起ることは、これはあえて否定いたしません。併し昨日議運で決定されたことは今日は全力を尽しても出られないかも知れない、併し月曜日には絶対に出る、であるから昨日は補正予算の採決等も出さない、そして月曜日にこれを廻し、わざわざ総理が補正予算に出る時間等についても病気中であるということだから十分な考慮をして、そして三十日には総理は出るということで決定されたと開いておるわけです。これは非常な重大なことでありまして、その通りであるのか、それとも只今中田君から言われたように、それに全然反するような総理が今日も出ないし、明日も出ないしということを言われたか、私はそういうことを信じたくない。我々は少くとも議運でさような了解の下に議事日程が組まれ、これを知らないで今朝理事会をされて、そうして二十九日、月曜になつても総理が出るか出ないかわからない、今日は取りあえず総理なしでやろうという希望の人だけはやらそうかどうかというような話をされて、この本委員会を開かれたとするならば、これは非常にスタートにおいて重要な要素がめちやくちやになつておるわけなんです。そういうことは常識上考えられないので、果して三十日に総理が出るという予定にもかかわらず、今日は総理に対する質問でなくていいというかたについては、或いは採決までして強行して今日の議事をやろうというふうなお話であつたかどうか。委員長並びに理事諸君には甚だ失礼でありますが、私の会派から出た理事もあるのですが、そういう三十日の総理の出席の見通しを持たずに、そうして今日の議事運営についても理事会で何もきめずに、そうしてこういうような手続問題で混乱するような委員会を開かれた、私はこれは常識上考えられないのですが、委員長その点をもう一遍はつきりお答えを願いたいと思うのであります。従いまして、結論的にはそれを伺うと共に、福永官房長官及び中田君が言つたように、これは寺尾議運委員長の御出席を求めてその間の経緯を明らかにする、そういうような質問をして頂きたいと存じます。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(青木一男君) 委員長のとりました措置、委員長の考え方は先ほど申上げた通りでございます。(「その点に触れてないじやないか旨やつぱり議運の委員長出して下さい」「出られないということは確実なのかどうか」と呼ぶ者あり)
○矢嶋三義君 議事進行について…。予算案或いは法律案を慎重審議するのは参議院の義務でもあるし、又第二院としての参議院らしさというものは私はそこにあると思うのです。毎年度の予算案というものは国家にとつても国民生活にとつても極めて重要な案件でございますが、先ほど同僚議員から縷々御説明のありましたように、今議案になつているところの来年度の予算案というものは極めて重要な内容を含んだものでございます。で、先ほどから発言ございましたように、今、官房長官或いは議運の委員長がここに出席されるでありましようが、その出席を待つまでもなく、はつきりと月曜には総理大臣は本院へ登院されると、こういう確認がなされている現在、私は委員長としては余裕もあることでございまするから、本日は散会いたしまして、月曜に総理出席の上で私は議事を進められるべきものだと、こう考えるわけでございますが、それに対する予算委員長はどういうお考えを持つていらつしやるかということを承わりたいと思うのです。話はちよつと違つて参りますが、現在MSA法案或いは自衛隊法案、この予算案と、まあいわゆる重要法案というものは山積しておるわけでございますが、これだけの重要な法律案がかかつている国会に総理が長期間に亘つて出席できないという、そのこと自体が本当に病気のためだとあらば、これは別の意味から重大な問題が起つて来ると思うのですよ。このMSAにせよ、或いは自衛隊にせよ、総理が本会議の質問に対しても一回も答弁に立たず、委員会においても一度も出席することなくこれらの審議をするということは、これは私は別の角度から吉田総理、吉田内閣の重大な責任というものが私は伴つて来ると思うのです。ところが幸いにして昨日の福永官房長官の言明によりますというと、総理も非常に健康は回復され、土曜日は不可能であるが、月曜日には出席できるということを参議院の議院運営委員会で確認されておられるわけです。それを今まで予算委員長は連絡不十分で知らなかつたこと自体は、予算委員長の若干の私は手落ちと思いまするが、それがはつきりしているわけでございますから、月曜日総理出席の上で重要な予算案の総括質問を続けて頂きたい。冒頭に申上げましたように、参議院は何もこれを引延して予算を潰そうとかいう考えじやなくて、慎重審議しなけりやならない参議院の義務と、その性格からこの重要な内容を持つた予算案について総括的に総理に直接質したいと同僚議員は熱望しているわけでありますから、委員長としては私はそういう態度をとらるべきだと思いますので、その見解を承わりたいと思います。なおこれに関連して簡単に一つ……。先ほどから同僚議員が講事進行ということを盛んに叫ばれ、殊に加藤委員が女性で勇気を振つて議事進行を求めておるのに、委員長は全くこれを黙殺しておるという態度は、これは議事法に背くわけでございまして、この点委員長よろしく和やかに委員会の運営をして頂きたいように要望いたしておきます。私の質問にお答え願いたい。
○委員長(青木一男君) 矢嶋君の御発言にお答えいたします。委員会の議事を円滑にやりたいということは委員信も衷心から同感でございます。今後努力いたします。先ほど本日の議事の輝び方についての委員長の意見はどうかというお話でございましたが、先ほど議事進行前に私が冒頭申上げた意見の中に私の意見はございますから、それによつて御承知を願います。
○相馬助治君 議事進行。私はこの際特に発言を求めて委員長の議事進行に協力申上げたいと思う。それは中田委員と曾祢委員から寺尾機運の委員長の出席が要求されておりますが、従来議運というのは委員長も御承知のように各派交渉会でして、例えば昨日の官房長官の言明を了解するならば、普通の場合には、各派交渉の意味を持つた各派の議運の委員が、予算委員会の我々に事後に或いは事前に了解を求めるのが筋なのでございまして、或いはこのことは委員長だけが悪いのではなくて各派の議運に責任があるのかも知れない。只今のかも知れないとここで発言せざるを得ない段階なのでこれはどうしても議事を円満に進行し、同時に委員長の公正な立場を明確ならしめるためには寺尾さんの出席を求めて、どのような詰合となつておつて首相の欠席をどういう形で認めていたのか、又首相の欠席について福永官房長官の言葉をどのように理解し、どのような見通しに立つておるのか、この点については官房長官でなくて寺尾君の意見を徴することがあなた自身の立場を明確ならしめるためにも私は極めて必要であると思うので、寺尾委員長の出席を求める中田君、曾祢君の議を委員長において直ちに取運ばれるように希望いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(青木一男君) お答えいたします。官房長官の出席要求は委員長も同感でございますから、先ほど来手続をいたしております。只今議運で答弁しておるそうでございますから、それが終了次第来るそうでございます。議運の委員長を呼ぶということには委員長はその必要を認めません。やる考えはありません。官房長官の出席までこのまま暫時休憩いたしますからお待ち願います。速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(青木一男君) 速記を始めて下さい。官房長官が見えましたから着席を願います。 官房長官に申上げます。先ほど委員から議事進行中の発言で、官房長官に確めたいという点が二つあつたようでございます。一つは総理が月曜日に出席されるかどうかというこの点が一つ。それから昨日議運において官房長官はどういう総理の病状について話をしたか、この二点であつたように思いますが、この二点について官房長官のお答えを願いたいと思います。
○政府委員(福永健司君) 先ず便宜第二点から先に申上げ検すが、私昨日の閣議終了後、画ちに総理大臣と打合のため出かけまして、議院運営委員会の理事には出ておりません次第であります。従いまして議運の理事会でどういうことを言つたかという点でございますが、出席いたしておりませんので、何ごともそういう点には触れておらないわけであります。なお、総理大臣の病気につきましては、この非常にお忙がしいときに病気をいたしておりますことは非常に遺憾に堪えない次第でございますが、本人も一日一刻も早く国会に出なければならんというので大変焦慮いたしておりますわけでございまして、昨日あたりは医者も泊り込みで、今申しましたように一日一刻も早く出席できるようにという意味の協力をいたしておるわけでございます。そこで昨日参りまして、今日のこの委員会に是非出てくれるようにということは私も強く要請をいたして参つたわけでございます。でございますが、何しろ病気でございますので、而も神経痛というような病気でございますので、昨日のうちにそれでは必らず今日出るというようなところにまでは参りません。今朝ほどの工合を見て何とか行けそうなら行きたいと思うが、改めて電話で連絡しようということで私は帰つたわけでございます。そこで今朝ほど電話が参りまして、とにかく今日のところはまだ行けないので一つ悪しからず御了承を頂きたい、こういうような次第でございます。これからあとにつきましては、今申上げましたように、是が非でも一日も一刻も早くということを念願いたしておりますので、私どもといたしましても、月曜日にはいろいろ本委員会の審議等にも重大影響等もございますので、是が非でも出て来てもらいたいというように私どもは強くそう考えておるわけでございまするし、本人も是非そうしたいというふうに強く考えておるわけでございますが、病気のことでございますので、しかと何時にはということには申上げるのも少しどうかと思いまするけれども、私の観測、心組み等からいたしまして、是が非でも月曜日に出て来てもらいたいと思つております。気持の上では、心構えの上では総理も是非そうしたいというように考えておるものと私は信じておるわけでございます。大体右の次第でございます。
○岡田宗司君 官房長官にちよつと、質問……。
○委員長(青木一男君) 議事進行ですか……。簡単に願います。
○岡田宗司君 官房長官にお尋ねいたしますが、只今官房長官のお答えでありますと、昨日総理にお目にかかつて総理の出席を強く要望された、これは官房長官として当然のことと私は存じます。ところで昨日はまあ総理も出たいと要望しておつたが今朝になつて出られない、こういう電話がかかつて来たということですが、ところが議運の理事会のほうでは、早くも昨日のうちに今日総理が出ない、三十日に出るということをもうすでにきめておられたということなんでございますが、これは私重大な問題だと思うのです。一体これはどちらに嘘があるのか。これはもうはつきりさせなければ、場合によれば、参議院軽視、首相の参議院軽視ということになると思うのでありますが、議運のほうで今日は総理が出席しないで月曜日に出るというふうに了解して、そうしてそういうふうにされたということは、これはもう総理が今日出ないということが、あらかじめ何人かを通じて明らかになつていたということを前提とするものであります。この点について官房長官は先ほどのお話ですと、議運の理事会に出ておらんから議運の理事会のことは知らんとおつしやつた。そうすると、何人がどういう経路を以て総理が本日ここに出席できないということを、この参議院全体の議事の運営について責任のある議運に申出て、そうして議運のほうでそれを了承して、そういうふうになつたかということは、これは私ども委員会を進めて行く上において重大な問題だと思うのであります。この点について、一体誰がそういうふうなことを議運に伝えたのか。或いは官房長官が何人かにそのことを話されて、それが議運のほうでそういうふうになつたのか。その点について官房長官は議運のほうに直接あなたが説明しなかつたとしても、何らかの形で本日は総理査がここに出席しないということを伝えられたのかどうか明らかにして頂きたいと思います。
○政府委員(福永健司君) 実は議運には今日も只今まで私も出ておりましたわけであります。昨日は今申上げた通りでございますが、その議運の場合におきましても、今ここで皆さんからお話のように、一日一刻も早く出るようにという意味での御発言もあり、これと関連しての御質問もあつたわけでございまして、そこで私は今日は出ないということを確定的に昨日見通されてどうされたということにつきましては、私はちよつと今伺つてそうなのかなと思つたようなわけでありまして、(「これはもうはつきりしている」と呼ぶ者あり)まあ病気につきまして大体どんなことであろうというような見当をどういうようにお付けになりましたか、その辺は私もよくわからないのでございますが、私から昨日のうちに今日は出られないという意味のことは申してはおらないわけでございます。恐らくまあこれは病気についているくのまあ観測等もあるわけでございますが、総合的に御判断になつて或いはそういうことになつているのかとも思いますが、私が直接申上げたことによつてどうこうということでもないようにも思いますが、まあ議運でのことでございますので、私としてはその程度にお答え申上げるよりいたし方ないと思います。
○岡田宗司君 そういたしますというと、議運でどうして今日総理が出られないということを、直接会われた官房長官がまだはつきりしない間にきめたということは、こちらの審議にも関連する問題ですから、十分にこの点はこちらの委員会としても、そのいきさつについて知つておく必要が今後の問題とも関連いたしましてあるのではないかと思うのです。それから次に官房長官にお伺いしたいのは、只今の御答弁ですと、二十九日には出席を是非してもらいたい。総理もそれを希望しておるが、まだ病気のことだからわからない。こういうことで、極めて主観的な御発言なのであります。そこでお伺いしたいのは、病気のことですから、或いはそういうこともあるかも知れないということも考えられるのでありますが、客観的に見て、主観のほうは出るということの意思があるので、これはよろしいのでありますが、福永官房長官が客観的に御覧になりまして、三十九日にはこちらに出て本会話の補正予算の上程の際なり、或いはこの委員会に出られて答弁に立たれ得る状況にあるかどうかということをあなたが客観的に見て判断をして、まあ大体出られるなら出られると、こういうふうにお考えになるかどうかを一つお間かせ願いたい。それから第二には、若し明後日の委員会におきましても、或いは相当の時間予算委員会の総括質問が続きますので、場合によると、これが五十日に持越されるかも知れない。その際に総理が三十日は出ないのだと言つて大磯に帰つてしまわれるようなことがないかどうか。更に三十一日、今予定されておりまする二十九年度予算案の本会濃の上程の際に首相は御出席になれるかどうか。これらの点につきまして、まああなたの主観、希望だけでなくて大体の見通しについてあなたの御所見をお伺いしたいのです。
○政府委員(福永健司君) 純客観的な見解ということになりますと、これは天下一の名医でもなかなかむずかしいと思いますわけでございまして、さような意味で私が今まで叩上げておりますことも、これから申上げ為ことも若干主観を加えたことになる点は御了承を願いたいと思います。まあ非常に神経病で痛みを感じているようでございますが、そういう点から申しますと、別に二十九日とは限らず、今日直ちにでも、今日までにも特に必要があつたわけではございますけれども、予算が最終段階になりまして、というようなこと等を考えまして、私どもとしては是が非でも来てもらわなければならんと、こう思つているわけでございます。又総理大臣におきましても、こういつた存神的情勢につきましては十分認識をいたしておりまするので、まあ何と申しますか、非常に無理なことでもまあやるのじやなかろうかと、やつてもらわなければならんのじやなかろうかと、こう実は思つておりますわけでございます。従いまして、一十九日には是が非でもこれは出て来てもらわなければというような意味から、私は先ほども申上げましたような観測をいたしておりますわけでございます。従つて出て参りました総理大臣に、担にできるだけの時間を耐え忍んで、まあ諸般の審議進捗のために努力するようにということも、又同じ意味において私ども強くこれを要請もし、期待もしているわけでございます。(「議事進行「」官房長官に質問」と呼ぶ者あり)
○委員長(青木一男君) 官房長官に対する質疑はこの程度で打切りたいと思います。 〔官房長官に対する質問はまだあるじやないか」「時間のかかることじやない」「そういう無茶なことをするな」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) 官房長官に対する質疑はこの程度で打切りたいと思います。 〔「議事進行」「官房長官を呼んでわからないから」「たつた二分ですよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) この程度で打切ることに御異議ありますか。 〔「議事進行」「進行だ進行だ」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 官房長官に対する質疑はこの程度で打切りたいと思います。 〔「委員長横暴」だと呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) 委員長の発議に賛成の諸君の起立を請います。 〔賛成者起立〕
○委員長(青木一男君) 起立多数であります。 〔「何の採決をしたのか」「打切りだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) 御満席を願います。 〔[議事進行について理事会を開いて収拾しろ」「委員長議事進行」と呼ぶ者あり〕 〔矢嶋三義君発言の許可を求む〕
○委員長(青木一男君) 矢嶋君に発言を許します。
○矢嶋三義君 議事進行に関して発言をいたします。こういうことで時間を経過することは実につまらないことだと思うのです。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)委員長のほうで十分御注意を願いたいと思います。先刻来、吉田総理は月曜日に出席できるような健康状態であるのかどうかという点について、官房長官の出席を求めて、それを明白にして本日の議事進行を終りたい、こういう岡田委員、松澤委員の提案によつて先刻福永官房長官の出席を願つたわけであります。そうして福永官房長官から説明がございました。それに対して岡田委員から一、二の質疑がありましたけれども、他に委員諸君で若干お尋ねしたいというかたがまだあるわけでございますから、そうも時間もかかることでございませんから、その質疑をもう少し委員長において許可して頂きたい。然る後に次の段階に議事を進行さして頂きたい。(「必要なし」と呼ぶ者あり)こういう職事進行の提案をいたします。
○委員長(青木一男君) 矢嶋君の御発言にお答えいたします。先ほど委員長は、福永官房長官に対する総理の病状についての質疑は、この程度で打切る、ということを私はお諮りしたのでございまして、それで採決をいたしましたから、その点は御了承願います。 〔「そんなことは駄目ですよ」「だから尋ねたいと言つておるのじやないですか」と呼ぶ者あり〕 〔高橋進太郎君発言の許可を求む〕
○委員長(青木一男君) 高橋君に発言を許します。
○高橋進太郎君 つきましては……、(「こつちも発言を求めておるのに一向許さないじやないか」と呼ぶ者あり)発言中……。
○委員長(青木一男君) さつきからあなたのほうは許しておる。 〔福永官房長官の答弁に食い違いがあるから質したいのだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
○委員長(青木一男君) 高橋君に発言を許しました。
○高橋進太郎君 先ほどから総理の出席の他につきまして、いろいろ官房長官に聞かれたのでございますが、先ほど開会に当つて委員長が発言せられました通り、本日は総括質問に入つて、そうして総理自身の答弁の必要のない会派におきましては、その質問を副総理その他各省関係大臣に質問するように議事を取運んで頂きたい旨の動議を提出いたします。 〔「異議あり」「反対」「採決」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 高橋君の動議は本日総括質疑を開始すべしという動議でありました。本日の委員会に、委員会の当初委員長が皆様にお諮りしたことと内容は同じでございます。 〔「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 異議があるようでございますから採決をいたします。 高橋君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○委員長(青木一男君) 多数であります。(「討論をさせないでそんなばかなことがあるか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)よつて高橋君の動議は可決せられました。(「無効だ無効だ」と呼ぶ者あり) 暫時休憩いたします。 午後零時五十七分休憩 ―――――・――――― 午後二時二十三分開会
○委員長(青木一男君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。
○岡田宗司君 午前中の委員会は総理の御出席の問題をめぐりまして非常にもめたのでございます。この問題は私どもとしては従来の慣習から見ましても非常に不都合なことでありますし、今後こういうようなことが総括質問の際に行われますならば、これは非常に困る先例にもなつて来るかと思いますので、この点については私どもは十分に委員長におきましても又政府のほうにおきましても、参議院の予算委員会の進行ということについては御留意を預かなければならんかと思うのであります。で従来の慣例によりますれば、総括質問の際には必ず総理の出席をお願いいたしておりまして、そうして各大臣も御出席を願つて然る上に行われて、その総理の言というものが非常に重きをなしておつたわけでございますが、総理がおられないということになりますとこれは最後の総括的なしめくくりの意義を失いますし、又内閣の責任というものにつきましても、予算執行上の或いはその他の施政を執行いたします場合に、総理の責任というものをはつきりさせるということはぼやけて来る。こういう意味で私どもはどうしても総理の御出席を願つて参つたわけでございますが、今日はそれができない。そうして従来の慣例をくつがえしまして総理に質問をしないでもよろしいというかたの質問をやるということにまあ自由党のかたがた、或いは緑風会のかたがたが言われる。これは私は慣例をくつがえすという意味におきましても、又参議院の権威をみずから低めるようなことになるというふうにも考えられまするので、こういうことは厳にみずからその権威を低めるようなことをせられないようにして預かなければならんと思うのであります。併し今日ここで私どもといたしましては午前中の争いを繰返すということはこのまして厳重に総括質問の際には総理が出席するように申入れて頂くと共に、こういうことを与党或いは準与党のかたがたが予算委員会の執行の上において今後も先例とせられないようにして頂きたいと同時に、委員長も又この点につきましてはどうか、今後の委員会の運営におきまして、一ぺんこういうことをやつたからこの次も便宜上そういうふうにしてやつて差支えないのだという先例を開いて、予算委員会の総括質問の意義をなくなすようなこと、或いは参議院の審議の権威を低めるようなことのないように御留意を願いたいと思うのであります。 なお副総理がおいでになつておりますから一言申上げておきますが、やはり内閣におきましても、ともすれば吉田総理が参議院軽視のきらいがあつたことは叩上げるまでもないのでありまするが、今度のこの予算の審議に当りましてもどうもそういうふうな傾向が現われて参りました。これもいつも病気だ病気だと参議院のほうは軽く見てまあ病気で済むならば出ないで押通うそうというようなことでは困りますので、これは一つ総理に対しましても副総理のほうから十分に御忠告を願いまして、そうして総理が必ず出席せられるようにお取計らいを願いたい。特に明後日の本会議並びに委員会その後の予算委員会並びに予算上程の日に当りましては、是非とも出席せられるようにお取計らいを願いたいと思います。
○委員長(青木一男君) 岡田君の御発言に対して委員長から一言いたします。岡田君の述べられた趣旨は誠に御尤もな点でございまして、委員長がけさほど申上げましたような議事の進行を希望したのはやむを得ざる処置でございまして、これを以て今後の先例とする趣旨ではございません。なお今後総理大臣の出席につきましては極力努力するつもりでございます。この段お答えいたします。(「副総理、々々々」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(緒方竹虎君) 今お話がありましたが、総理が参議院を軽視しているということは絶対にございません。総理としても初めての経験の病気で勝手がわからんので、殆んど毎日のように明日から出るということを言つておつたときもあるのでありまするが、今週の半ば頃から逆に少し神経痛がひどいようなことになつて、先ほど来いろいろ議論が出ましたような事態になつたのが非常に遺憾でありますが、私が今承知しているところでは来週は間違いなく出られるのじやないかと、私もできれば電話か何かで連絡いたしてぜひ出席できるように願いたいと思つております。
○三輪貞治君 関連して。午前中の委員会におきまする二回の採決について我々はこれが正一しい形式をふんだものであるかどうかについて疑義があつたわけであります。前のものにつきましては殆んど委員長の発言はわかりませんで各委員に徹底しないままにこれを強行されている。勿論委員長が議事を早く円満に進めたいという御熱意から出たことはよく了承するわけでありまするけれども、やはり委員会はその規則にのつとつてルールに乗つてやらなければ収拾が付かないのでありまするから、こういうことをば将来の前例をされないように。又先ほどの高橋君の動議に対しましては委員長は動議の成立を確認をされていない、而もそれに対する委員の討論の要求があるにかかわらずこれを許さないで強行されておる、これなどは最も遺憾な点でありまして、将来の委員会の運営でかようなことが前例として次々に強行される、こういうことでありますると委員長の希望されておる委員会の円満な運営に背反をすることに相成りまするので、かようなな違法ことが前例とならないようにはつきりと御言明を願いたいと思います。
○委員長(青木一男君) お答えいたします。委員長は違法なる議事の進め方をした考えはございませんが、趣旨が徹底しなかつた点があつたといたしますれば誠に遺憾なることでございます。今後十分に注意いたします。では質疑に入ります。高橋君。
○高橋進太郎君 この際副総理にお尋ねをいたしたいと存じます。二十九年度の予算編成、特にその地方財政に及ぼす影響の観点から一、二の点について特に副総理から御所見をお伺いしたいと思うのでございまするが三十九年度予算が緊縮予算と言われて、その編成にりまして政府の苦心のあとはこれを了といたしますが、どうもこれを仔細に検討いたしますれば地方財政にしわ寄せられるような感じがするのでございます。私が申上げるまでもなく予算の編成は中央、地方の財政を通じて初めて国民経済に財政的効果を生ずるものでありまして、ひとり中央のみが緊縮しても地方に大きな穴がございましては何らの効果もないことと考えるものであります。然るに今回の予算編成のあとを見まするに、依然として中央より補助金制度はなお残置せられ、財源的にも依然として中央依存の度が強いのでございます。これはしよせん中央と地方との行政事務の限界が依然として明瞭でなくために行政運営が中央本位に、而も各省割拠的に行うところに問題があるのであると考えるものであります。中央地方の事務の区分につきましては先に神戸勧告案もあり、一応中央地方の行政分野の基準が定めてあるのでございまして速かに政府は行政改革の基本線を打出して、思い切つて中央は国政の根本的施策並びに企画事務に任じ、一般事務はつとめて中央行政事務にゆだねると共にこれに相応ずるところの自主財源を地方に委譲いたしまして、抜本的に行政運営を簡素化する必要があると考えるものであります。こういう観点ら一つにはこの際、党におきましても現在行政改革の基本点を審議しているようでございまするが、その結論を待つて政府は行政改革を抜本的に行う意思があるかどうか。 第二はそういう観点から地方自治を確立し、その財源を根本的に確立するの必要あると思うがこれに対する考え方並びに速かに補助金制度を再検討いたしまして現在のごとき陳情政治を一日も早くなくすることについての御所見をお伺いしたいと思うのでございます。
○国務大臣(緒方竹虎君) 行政制度につきまして、政府は従来から国と地方とを通じて日本の国力に真にふさわしい簡素且つ能率的で而も実際に適切であるという民主的な行政制度を確立して、併せて国民負担の軽減を図ることにつとめているのでございますが、国と地方の事務の財政配分、行政財政制度の合理化その他の問題につきましては、地方制度調査会等においてもとり上げて参つたので、政府といたしては今後とも国政全般との関連におきまして十分検討いたして参りたいと考えております。 なお補助金の点につきましても只今御指摘の点十分努力をするつもりでございます。
○高橋進太郎君 大蔵大臣お見えになつておりませんから、大蔵大臣に対する質問は保留をいたしまして、農林大臣にお伺いをいたしたいと存じます。 農地改革が吉田内閣の手によつて施行せられまして、ここ数年に亘りまして極めて明るい空気が農村によみがえつて参つたのでありますが、最近農村の実態を見ますると特に東北におきましては或いは子供の育英のために、或いは長期に亘る病気のために、その他幾多のそれらの事情によりまして逐次農地を手離すところの農民がふえて参つたのであります。で従来は農地から離れましても、自分の農地をいわゆる地主というものに売払つてそうして耕作権は依然として小作という形においてその生活が維持できたのでございますが、最近においては耕作権そのものをも譲り渡すと、こういう形でありまするために、そういう事情によつて耕作権を売渡したところの農民は、都会に流出するか或いは日雇に行つてかろうじて生活を維持するか、極めて悲惨な状態にほうりこまれるというような状態であります。でこれを放置いたしまするならば昔とは変つた意味のもつと悲惨な小作制度と申しますか、或いは農地から離れたところの一種の悲惨なるところの農村ルンペンと申しますか、そういう階級が発生するのでなかろうかと思われるのであります。そういう点からせつかく古い意味の地主制度というものを改廃したところの農地制度でございますから、そういうところの一つの何か政府がそれに代つてこの農地制度の欠陥と申しましようか、農村の実情に応じた、或いは一時そういう農地は政府で預かる。或いは金庫制度によつてそれを保存してやるとか何かそういつたような現在のせつかくできました農地制度を維持する、そうして農民というものをどこまでも農村におきましていたわつてやるという、こういう農地と農民との紐帯をどこまでも保存してやるという制度につきまして何らか農林大臣としてはお考えがあるか。それらの点について御所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(保利茂君) 農地改革によりまして、地主制度が行われておりました当時における地主小作の関係においての農民生活を保持して参るという点においても、必ずしも欠点ばかりではなかつたと存ずるのであります。昨年のような冷害等の場合に、曽つての事態を想像しますれば、やはり地主制度には地主制度の長所を持つて社会の秩序が保持されておつたと、長所は十分認める点は私どもあると存じますけれども、併しそれだけに又経済的又身分的に隷属関係を生ずる、そこにいわゆる農民の解放ということが強く叫ばれているという点も否定し能わざるところでありまして、そういう関係からいたしまして、戦後の農地改革による農家の安定と申しますか、その社会的地位の保障と申しますか、戦後改革を行なつて来ました諸改革のうちに特筆すべきこれは改革である。従いましてこの農地改革の目指しておりまする制度の保持つきましては政府としては万全を期さなければならん。併しお話のように一部例外的にはこの制度を保持して参りまするためには、地主がなくなつていわば大きな国が地主的な存在になつておるわけでありますから、国としての施策がこれに伴わなければならん。只今は御承知のように極めて弥縫的と申しますか、そういうお話のような農地を手放さなければならないような農家に対しましては、農地の国による買取り方式を用いて自作農維持のための措置をとつておるわけでございますけれども、根本的にはやはり農地担保の金融措置を表からやはり打出した施策が必要じやないかということにつきましては、十分検討を加えておるわけでございますけれどもなかなかむずかしい問題が関連しておりますので結論がまだ出ないでおるわけでございます。お話のような趣意に従つて私どもは検討を進めている次第でございます。
○高橋進太郎君 次に農林大臣にお伺いいたしたいのは林業の総合開発ということでございます。どうも我々から国ますると、従来の農林省の林業行政は見有林というものを中心にした、いわゆる山役人的な感覚に重点があつたのでなかろうかと考えるのであります。併しながら終戦後数次に亘る災害、その他領土の全部を失つた日本といたしましては、日本の国土の緑化という意味から申しますれば、もはや林業というものは単に国有林というようなものに限定さるべきでなく、日本の国土全体が即ち林業の対象になるのでなかろうかと思われるのであります。そういう観点から見ますると、もつと林業自身につきまして公共性と申しますか、或いは国家的な、そういう万全の体系の上から立つた林業政策が必要でなかろうかと思うのであります。林業のような五十年百年を待つて初めて経済効果が上る、而も又そのこと自体が国家の国土保全にどうしても不可欠である、こういうものについてはそれ自身権利であると同時に義務である。そういう観点から林業の権利者にはその権利に対し相当の義務を負わす。そうして植林についても思い切つたところの施業案の提出を命じ、その施業案に応じた植林を遂行させるというふうに考えるべきではなかろうかと思うのであります。そういう観点から申しますしるならば、一方においては林業者については或いは相続税の全免であるとか、或いはその他の税法上に特段の、これは長期に亘る一つの事業であり、公共事業であるという観点から優遇すると同町に他面におきましては思い切つたこれに対して義務を課しましてそうして林業自体の全国的な促進を行い、その総合開発によつて日本の国土建設ということを行わなければならんと考えるものでありますが、これらに対する農林大臣の御所見をお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(保利茂君) 国土保全の観点からいたしまして、林業の振興、森林の経営ということが何をおきましてもこれは本元になると思うのであります。戦争並びに終戦後の混乱、或いは農地改革に関連しての山林改革というような行き過ぎた不安から、かなり山林が荒廃いたしたことは非常に残念に思うわけですけれども、この間におきまして、ともあれ今日の森林を保持しておりますゆえんは、やはり国有林の制度というものが大きな役割を果して来ておる。若し国有林なかりせば今日のような状態で守られておるということは困難ではないか。お話のように、これは国だけではなしにやはり非常に広範な西横を占めております民有林の振興をどうやつて行くかということはこれこそ又国土保全上極めて大事なことでありますけれども、お話のように何と言つても収益を上げる、果実を生み出すまでには長年月を要するだけに、そこにはかなり資金上の困難も出て来る。又いろいろな制度改革の途次におきましては将来に対する安全性というものも保障されなければならん、こういうことが大体現在は安定を得まして又一面十六国会以来山林関係に対するいろいろな税の多少の軽減は行われて参ります。この国会にもそういう意味で山林関係の課税の軽減案を出して御審議を願つておるわけでございまして、税関係はよほど改善をせられて来ておると思います。なお長期低利の資金を生み出しますために、農林漁業資金から今日まで約百億の財政資金が融資されておりますけれども、これを以ては到底お話の目的を達するわけには参りませんから、今後といえどもこの長期資金の融資につきましては更に努力を払つて参るつもりでおるわけです。やはり国が国土保全上の中心として国有林の管理に遺憾なきを期しますると共に、税の面から及び資金の面から民有林の振興を考えて行くということは当然だろうと存じますし、税の関係につきましても今後も漸を追うてやはりもう少し改善を図らなければならんかと、かように考えております。
○高橋進太郎君 次に厚生大臣にお伺いいしたいと思いますが、最近米価その他諸物価が相当値上りをしておるのでありますが、どうもこれに伴う生活保謹賀を中心とした社会保障、或いはその中の医療保護費、そういつたものがどうも予算的に十分でないような感じがしておるのでありますが、それらに対する御配慮がどうなつておるかどうか、それを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) 最近医療扶助が相当増加をいたした傾向にあります。而も増加と同時に治療内容が長期間に及んだような傾向になつております。で、それは昨年の七月から従来直接払つておりましたのを支払基金のほうへ廻しましたから確実に早く払えるということになつた関係もあるかと思います。明年度の予算におきましてはそれらの点を考慮いたしまして、本年よりも人数にしまして約二百二方、これは全般にはさように増加はいたさないと存じまするが、明年度の下半期くらいに相当人数が増加する傾向を予想しまして、下半期におきましては大体月に十七万人程度の増加を見込んだ予算を計上いたしております。医療費等につきましてもこれらの入院その他の回転率をよくして治療を十分にしたいという方針で進んでおる次第でございます。
○高橋進太郎君 それに関連してちよつとお伺いしたいのですが、どうも生活保護法の適用を受ける人、或いは一般のそれに近いところの庶民階級におきまして、生計費の大部分というものは米である、食糧であるということは勿論でありますが、最近において特に都市生活君におきましては住宅問題というものが非常なウエイトを占めておるのであります。而もこれは闇と申しますか市場家賃というものですか、これから見ると相当重い負担になつておるのですが、この住宅問題がもつとそういう意味の社会保障的な感覚において住宅建設というものが推進せられる。そうしてもつと低廉、安価な形においてこれらの人々にやらなければ、表面上のそういう生活保護費があつても、或いは悩んでいる人がありましても、それによつていろいろな問題がひき起されると思うのですが、この点について厚生大臣の御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) お話の通りに住宅問題が、住宅が相当不足をいたしております関係もあり、且つ又家賃その他聞借料というものが相当な額に達しておりまする関係等が生活保護関係に相当強く影響している。従つて、住宅の建設に当りまして第二種住宅の建設に相当力を従来もいたして参つておりまするが、本年は約一万百八十戸、明年は九千戸、少し減つておりますが、更に今後この第二種の建設、その他或いは引揚者住宅等を含めました意味におきまして住宅に相当力を注いで、併せて生活保護との関連性を保つて行きたいと考えております。お説の点は私どもそういう方針を以て進みたいと存じます。
○高橋進太郎君 もう一点厚生大臣或いは恩給局長にお伺いしたいと思うのですが、遺家族援護、今年度恩給の援護というような形において、支給されることになつたのですが、どうもこの書数の手続と申しますか、従来厚生省に出しておつたのが、又改めて恩給局へ出さなくちやならんというような、而もその人員なり或いは超過勤務手出が不十分だというので、どうもせつかく遺家族が待望しているにかかわらず、今支絶せられたものが樺かに一割にも満たないというような形で、これらの手続が進められているのでありまして、これではせつかくの法の精神が蹂躙せられる、或いは予算がありましても、それが翌年度に繰越されるというのでございますが、これに対して何らかもつと速かに手続を簡素化して進めて頂きたいと考えますのが第一点。 第二点は、ともすれば恩給をちようだいするというような形で、この生活保護との関係から一方は打切られる。そのために手取りの収入が従来よりも少くなるというので、新聞等によりますれば中には子供を抱えて途方に暮れて自殺したというような記事もございますが、それらに対する何かこの政府のあたたかい御配慮が必要だと思うのでございますが、この二点につきまして進捗状態並びにこれが対策についてお伺いしたいと存じます。
○政府委員(三橋則雄君) 只今の御質問の前段の点につきましてお答えいたします。旧軍人及びその遺族のかたがたに給しまする恩給の請求手続の簡素化につきましては、今の高橋委員の仰せられますように、できるだけ簡素化に努力いたしたいと思つておりますし、今までもして来たつもりでありますが、今後も努力することにいたしたいと思つておりまするところで援護法によつて紬されまするところの遺族年金の受給者の範囲等につきましては、必ずしも恩給法におきまして給せられる扶助料の受給者の範囲と同じでありませんので遺族年金を請求された人にそのまま扶助料を給するというようなことにもいかないと思われるのであります。その他恩給制度とそれから援護法の制度との違いから来まするやむを得ない関係からいたしまして、若干手続が煩瑣になつているようなきらいがないでもないと思いますが、できる限り事務の簡素化につとめて行きたいと思つております。 それから事務の進捗状況についてのお尋ねでありますが、御承知の通り、旧軍人の中で傷病軍人の人々に対しましては、従来から増加恩給が給されておつたのでございます。この増加恩給につきましては、先般の改正によりまして増額改正されることになり、その増額改正の基本の額につきましては、恩給局におきましていわば職権を以て改定することになつております。この点につきましてはすでに昨年の十月前後に全部の手続を完了いたしまして、大体おおむね十月の支給期には全部支給するような運びにいたしたのであります。ただそういう方々に家族があり、その家族につきまして、家族加給が給せられる方々につきましては、本人からの請求によりまして給するような建前になつておりまするので、そういう方々につきましては御本人の請求によつて家族加給の適用をいたしまして、増加恩給の基本額を改定しているような次第でございます。この家族加給の改定の手続につきましては、今は殆んど全部終つてしまつているところでございまして、若干残つているのがありまするがそれは数百件にも足りません。従いまして四月の恩給支給期までにはこれも全部処理し得ると大体思つております。これはこういうふうに遅れて参りましたのは、どういう理由で遅れて来たかと申しますと、昨年の十月前後に先ほど申しまするがごとくに、基本の金額につきましての改定をいたしまして、それぞれ本人のところに通知をいたしました。大体十月の支給期に恩給の支給ができるように取計らつたのであります。その後家族加給の改定請求書を受理しましたが、何分申しまして十一月、十二月の短期間に数万件の書類を恩給局に出されましたものの中には、不完全なものもございますし、又早急に処理も私どものほうでできかねたものでございますから、一月の恩給の支給に間に合うように一応書類をお返ししまして、そうして恩給の支給を受けた後に改めて請求を出して頂くようなふうにした方も相当あるのであります。そういう関係からいたしまして今日まで若干遅れて来ているのが実情でございまするが、大体四月の支給期までには殆んど完了するように取運びたいと思つてせつかく努力いたしております。 それからそのほかの家族や遺族のかたに給する扶助料であるとか、老令軍人その他のかたがたに給するいわゆる普通恩給問題でありますが、これらの人々に給しまする恩給につきましては、大体昨年の十一月の末から十二月の初めにかけまして、各府県から厚生省のほうに書類を出され、恩給局のほうに書類が出されるようになりまして、昨年の十二月の半ば頃から本格的に大体書類が出て来るようになつたような状態でございます。勿論昨年の八月に恩給一部改正法律が国会を通過いたしましてからでき得る限り早く恩給の支給ができまするように取運んで来たのでございまするが、何と申しましても、恩給局の機構の整備とか、その他からいたしまして、いろいろと手間どるような事情でございまして、心なくも若干凝れたような次第でございます。その後今年になりましてからかなり書類が託て参るようになりまして、只今のところでは恩給局に参つておりまする書類は大体今のところでは日に六十件前後の書類が参つております。今日の状況におきましては六十件内外の書類が到達しておるような状況であります。恩給局におきまして今書熱処理の件数は大体どれくらいかということになりますと、五千件を翻す処理をいたしたことも勿論最近においてはございまするが、確実に、と申しますれば、大体四千件から五十件くらいの処理をいたしております。恩給局におきまして今までに処理した件数は、今日の件数は実は私まだ承知いたしておりませんが、二、三日前に私どもが調べましたところでは、二十七万件を処理いたしておりまして、十三万件ばかり恩給局に溜つておるというような状態であります。審議中の書類が十三万件ばかりでございます。恩給局の職員はどれくらいかと申しますと、本職員と言いますか、雇員は二百一人でございます。それからアルバイトと言いますか、臨時職員で雇つておりますのが、九百人余りでございまして、総計いたしまして千百人余りの職員でございます。御承知の通り恩給の中にはいろいろな種類がございまするし、又その裁定の事務は各種恩給によつていろいろ通つておりまするので、本職員の諸君は一方におきましては恩給の裁定の事務に従事いたしますと同時に、今申上げたようなアルバイトの諸君を片方におきましては教育しつつ恩給の裁定の事務を進めておるような実情でございますが、さようなことからいたしましてアルバイトの諸君を恩給の裁定事務に十分馴れさせるまでには若干の日時がかかるわけでありまして、それまでは少しはかぞれしく行かない点もないではありません。それからアルバイトの諸君は主に学生の諸君でございます。学生の諸君ばかりではありませんが、学生の人を多数使つております。その学生の諸君はこの三月、二月の学校の試験或いは卒業後における就職その他からの関係からいたしまして、かなりアルバイト職員の間に異動があつたのであります。そういうようなことからいたしまして現在におきましては先ほど申上げたような書類の件数でありますが、恩給局におきましては職員の研修とかいろいろな方を講じまして、目下のところの人員におきましては七千件くらいを目標といたしまして一応処理するような考えで計画を進めておるような次第でございます。従いまして今恩給局において審査中の件数はかなりあるのでありますが、職員を事務に習熟させますると共に、これは逐次審査を終了して、今高橋委員の仰せになりましたように一般の受給者の心に副うて裁定して行くようにできる限りそういうように努力いたしたいと考えております。
○国務大臣(草葉隆圓君) 援護法の関係と恩給法の関係でもう少し事務を簡素化する必要はないか、これは御尤もだと思います。で私どものほうと恩給局といろいろ検討いたしまして、事務を最小限度に簡略にする方法、或いは本人たちの提出いたします書類につきまして検討を進めて参つておりまして、できるだける方法を講じたいと思つております。ただ先ほど恩給局長からお話がありましたように内容が少し変つておりまして、本人の選択権が援護法でもよいし、恩給法でもよいという人たちがございます。従つて援後法へそのまま持つて行くわけにはできないような状態でございます。こういう点で一般のほうから見られますと、援護法でもらつておるからそのまま恩給法に切替えて、そうしてあの恩給法による規格に当てはめたらいいじやないかという御意見が強いようですが、ちよつとこの点は困難ではないかと思います。現在まで私どもが大体今月末予想いたしておりまする援護法の受付総数は百九十四万七千くらい。そのうち裁定済と裁定し得ると存じまするのが百八十七万八千くらいでございますから、あと六万九十ほど残る。これは材料がなしに残るのが大部分でございます。これらの点につきましては多くは恩給関係に関連しておるのもが多いのでございますから、そういう意味におきまして事務等の簡易化は今後恩給局と連絡しながら進んで参りたいと思つております。
○高橋進太郎君 この際私は総理にお聞きしようと思つたのですが、丁度外務大臣がおられますから外務大臣にお聞きしたいと思います。新聞等によりますれば、総理も外遊せられるというようなことがございますが、終戦後我々国民の課題になつておりまするのは、いわゆる戦犯の問題であります。この戦犯の釈放につきましては政府がいろいろな手を尽くしておられるようでございますが、個人々々の実情から見ますると極めてお気の毒なんでございますが、この点についこの各国との交渉経過或いは総理が外遊せられるということになりますればこういう問題についても特に関係国とお話をして頂くことと思いますが関係国との戦犯についての釈放関係の交渉はどういうことになつておりますか伺いたい。
○国務大臣(岡崎勝男君) それは仰せのごとくずつと続けてやつておりますし、その間におきましても例えば更生保護委員の土田委員を海外の関係国に行つてもらつて、直接経験から見た話をしてもらつたり、又赤十字等を通じ、或いはローマ法王を通じての話等も進めて来ております。ただ只今のところは外国の一部に世論もございまして、遺憾ながら全般的な問題を取扱うということまでは行つておりません。個々の問題こつきましてま重々先方関係国でもやつてくれておりますが、どうもはかぐしく行かないのは誠に残念でございます。若しまだきまつてはおりませんが、総理が外遊されるというようなことになりますれば、こういう問題についても或いは特別の解決の方法も見出されるか、或いはそれに向つて一歩促准ずることもあり得ると思いまして、この点でも期待はいたしております。
○高橋進太郎君 最後に法務大臣にお伺いいたしたいと思いますが、人権擁護の問題につきましては、先般当委員会におきまして人権擁護局長からいろいろお話を承わつたのでございまするが、私はやはり人権擁護につきましてはなお十分留意をし、政府においてもこれの施策を進めなければならんと思われるのであります。それに関連して最近新聞等においても非常に目立つて参り、又我々東北の者から見ますると、いつも東北のような単作雪冷地帯におきましては真先に自分の娘を売るという形が社会問題として提起されておるのであります。我々ときたまやはり街にただずむ女を見ますると、誠に政治の貧困ということを痛感されるのでございまするが、当委員会におきましても、たびたびこの身売防止或いは人身売買といよような形の問題が極めてそのあとを絶たないのでありまして、それにはそれの事情があるのでございましようが、最も我々としては心外に堪えませんのは、この中間にあつて特にそれらのものを誘拐し、或いはそれのブローカーとなり、而もその人身売買の仲介者となつて甘い汁を吸つているという一部業者、これらに対する法の徹底ということがどうも私は緩慢であると思うのであります。法務大臣は先般何か売春その他についての審議会等を作られて誠意この問題について対策を練つておられるようでございまするが、法務大臣のこの問題に対するその後の経過並びに御所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。お話のように特に寒冷単作地帯におきましては、農家の経済生活が不況に陥りますと先ず娘を売る、又売るようにすすめるボス或いは仲買人などが横行しているということは遺憾ながら事実でございます。これに対しまし私の指揮しております国警の対策を申上げますが、約二年くらいかかりまして各地方の田舎にやきますボス、仲買人つまりひとの娘を売り飛ばすというような人はそう大勢いるのでないのでありまして、調査いたしてみますると、各地に散在しております人身売買の常習犯と目せられるボスと仲買人の大体ブラック・リストが完成いたしましたので検挙数も逐年ふえております。これを根拠にいたしまして今仰せられましたように人権擁護局で更に横から調査するというようなことでやつている次第でございまして、これについては法務省或いは国警のみならずつの啓蒙運動が必要だと思いますのは、殊に裏日本のほうでは娘がいい着物を着てるということは出世だ、それをどうしてとめるのだというような空気がありますので、この農村の知性の問題も同時に取上げなければならないと存じます。これも売春対策協議会においては国民のそういう啓蒙運動も同時に取上げたいと存じております。 次に御指摘のありました売春対策協議会でございますが、一月一十二日の閣議了解事項の下に二月、三月と二回ずつ開きまして、今月はなお三十日に第五回目を開くことになつております。でいろいろ問題が取上げられておりますが、殊に今仰せのように誰も好んで売春をしたいという人はないのでありまして、生活の問題或いは特に私ども寒心にたえないのはいい洋服を買うには一番これが早道だというような種類の若い子女が出て来たのは、これは戦後の私は特長だと思うのでありまして、私はこういう点がもうほつておけないという覚悟をきめた原因の一つなのでございますが、それにしてももうやめたいというのに非常に搾取階級がおりまして、やめるにやめられないという人に対して取締当局がメスを入れるということが大事であると同時に、やめたい人に対しては職業紹介とか職業の補導とかいうようなこともぜひ必要でありまして、その意味で売春問題はただ処罰ばかりではなく相互対策が必要だと考えているのでございます。ついでながら売春問題対策協議会の経過を申上げますと、最初にこれは非常に熱心な協議会でありまして、出席していたかたに伺いますと、こんなに数時間熱烈に議論をする協議会はめずらしいということでございますが、先ず第一に昭和二十一年の次官会議で、当時の敗戦直後の事情としてはまあ必要悪でやむを得ないのだというような意味の決議があるのでありまして、これはもう社会が安定し特に独立国となりました今日におきましては不穏当でありますので、この決議に従わない趣旨で進んでおりまして、従つて売春は社会悪であるという考えが委員間に圧倒的であります。殆んど全員だと申してよろしいと思います。 次に話題となりましたのは、売春をやつておる婦女の人は主として保安処分にする、つまり体を非常にこわしている人は病院にやる、もつとよりよい職業を求めている人は職業補導のほうに紹介するというふうにして主に建設的な処分をする考えでおります。この間の三月十七日と三十日に最も議論が集中せられますのは、街娼問題はそれで片附くけれども集娼問題はどうするか。言葉を換えますならば赤線区域の問題をどうするか。これは相当議論が沸騰することと思いますが、そういうふうに事点を一つ課題々々にきめまして雑談的な会にしないようにしております。私この問題を特に取上げておりますのは高橋さんも御同感で御質問があつたと思いますが、街頭風景を見て慨歎に堪えません。又外国との真に平等な親善関係を結ぶためにも今の街頭風景は却つて反外国感情の因になると思つております。従つてこのことは私は清々とこの協議会の論議を進めて行きたいと考えている次第でございます。
○高橋進太郎君 私は大蔵大臣に対する質問を保留しましてこれを以て質問を終ります。
○加藤正人君 私は課般協定を見ました日英支払協定に関して関係大臣に質問をいたしたいと思います。これは戎が国の経済に非常に重大な関係を持つておりますので私は質問の焦点をぼかさないためにこの問題に限り専ら質問をせんとするものであります。 最近我が国の外貨事情が特にこの二三カ月来予想外のテンポと巾を以て急激に悪化しましたために、金融の引締めは他の総合的諸施策を待たずにひとりで先行しているのであります。次、二次、三次と急ピッチに強化せられておりまして、この結果その影響の表面化する恐らく五月以降におきましては、メーカーの資金繰りの逼迫のしわが商社に寄せられ、商社の貿易機能は全く麻酔状態に陥らんとする危機を招来せんとしつつあるのであります。又このことが悪循環的に我が国の輸出貿易そのものを阻害するに至るという、それほど今や我が国の事態は深刻化しつつあることはおおうべくもない事実であります。而も我が国の貿易条件は到底短期間に改善し得る目途はないのであります。即ち約三割に及ぶ我が国物価の割高は一年や二年で簡単に国際物価にさや寄せすることは誠に困難であり、又我が国の最大の市場である東南アジア各国の貧困は、早急にこれ又改善せられる見込みはない。更に命の綱としておりまする、特需の先細りは必至の運命であります。このように考えて参りますと、我々の前途は誠に暗澹たるものがあるのでありまするが、その中にあつてただ一つやや我々の気持を明るくするものは、過般締結されました日英支払協定によつて。ポンド地域の対日輸入制限が相当大巾に緩和される可能性ができて来たという一事であります。英国側の良識ある協力と我々のあらゆる努力をもつて何とかしてこの協定で結ばれました一億一千万ポンドの協定額の輸出を達成したいものでありまするが、併しながらこれが達成については非常に危惧があるのでありまして、この意味におきまして以下数点に亘つて外務大臣、通産大臣に若干の質問をいたす次第でありますが問題の重要性に鑑みまして、本日吉田総理が出席されておられるならばこの点をよく理解せられて、近く外遊した際に、英国を訪問される節には、この面において格段の御尽力を願いたいと思つたのであります。併しながら、遺憾ながら今日は出席を見ないのでありますが、この点は副総理から御伝速を願いたいのであります。 先ず第一に、新協定額の輸出達成の可能性の如何について通産大臣にお伺いいたしたいのであります。国会における通産大臣の説明によりますと、三十九年度における我が国の輸出見込みは総額において十三億七千万ドルでありまして、うちポンド地域は五億一千万ドルが見込まれているのであります。この数字から推察すると、通産大臣としては我が国のポンド地域への輸出はほぼこの日英協定の線までは達成し得ると見込んでおられるのではないかと思われるのでありますが、その可能性を如何に見ておられるか、この点について先ず第一にお伺いしたいのであります。
○国務大臣(愛知揆一君) お答え申上げます。日英の貿易に関連いたしまして、スターリング地域向けの輸出につきましては一月の当初に見込みましたところの輸出計画としては、ドルにいたしまして五億一千百万ドル、これは只今御指摘の通りでございまして、念のために申上げておきたいと思います場が、この輸出計画それ自体には別個に、輸入為替の割当の基本になりますものはこれよりも更に内輪に見ておるということを一つ念のために申上げておきます。それからこの五億一千百万ドルは、その前年に比べますと一億七十百万、ドルの増加ということになるのでありますが、日英会談の結果でありますところの二十九年における我が国のスターリング地域に対する商品輸出は一応五億五十五百八十万ドル、ボンドにいたしまして一価九千八百五十万ボンドという数字が日英間の話合に出ておるのでございますから、この数字の約九割に当る五億一十百万ドルをもつて、輸出計画の目標といたしておるわけでございます。それからこれを細分いたしまして申上げますと、当委員会におきましても先般申上げたかと思いますが、念のために申上げますが、この五億一千百万ドルの内訳として、ポンド表示になりますが、英本国向けは千四百五十万ポンド、植民地向けが九十百五十万ポンド、その他の自治領、独立国向けが九千二百五十万ポンド、こういうふうに相成るのでありますが、英本国分の千四百五十万ポンドにつきましては、その具体的な品目につきましても、すでに先年来先方に対しまずる輸入許可品目として特定せられておりますほかに、新たに輸入許可品目が話合の中にきまりましたので、相当この見込は具体的な可能性を含むものであるというふうに考えております。それから英植民地向けの九千百五十万ポンドでございますが、これは香港を含んだものでございますが、これにつきましても相当程度具体的に品目等についての検討を積算の基礎といたしておるわけでございます。第三の自治領独立国関係の九千二百五十万ポンド、これが最も輸出見込といたしましては前二者に比べましてやや不明確なものであり、同時に今後の対外交渉なり或いは日本の輸出努力の最も必要なところである、こういうふうな内容に相成つておるわけでございます。
○加藤正人君 内輪に計算されておるということは私も承知しておりますが、なかなかその程度で果して安心し得るかどうかということには多大の危惧を持つておるのであります。先ず昨年この日英間で締結した今回のごとき協定によりますと、我が国の輸出は約一億七十万ポンドとなつていたのでありますが、その実績は遥かに下廻つて一億一十万ポンドにしか過ぎなかつたという事実があるのであります。今回の場合は当時とは若干その事情を異にするものがありますが、併し次のような点でこの協定も文面にかいた餅になる虞れが甚だ強いのであります。即ち東アフリカについては我が国の要望は相当圧縮されましたが、一応のわくだけは設定されたのであります。けれども同地方への我が国の主要輸出品である繊維品にはなお輸入制限が課せられているばかりでなく、同市場には現に英国品が非常にだぶついておつて我が日本品の入る余地は殆んどない有様であります。これは西アフリカについても言えることであつて、双方を合計すると相当額、約二千万ポンドになるのでありますが、併しその現地の状況が以上の通りだとすれば、このわくは画餅に帰する心配が多分にあるのであります。又濠州、南アフリカ、ハキスタン等々の自治領が協定額達成の成否のかぎとなるわけでありますが、わくとしては自治領を総括して七千二百万ポンド全体の約四〇%を協定されております。併し南アフリカ、濠州等は極端に高い関税のために日本品の輸出は極めて困難であり、又、パキスタンのごときはせつかく締結した前年の協定をも殆んど履行していない有様であります。このような状態ではこれも勢い画餅に終る公算が甚だ大きいのでありますが、政府はこれらの国々に対して果してどの程度のものを期待しておられますか。もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたします。この各地域の政治、経済状態等によりまして、必ずしも対日輸入制限の緩和等についての見通しなり、或いはそのための熱意なり一様でございませんことは御承知の遡りでございますが、先ほども申しましたように、例えば香港とかシンガポールというような地域におきましては、すでに若干の例外を除きまして、殆んど対日輸入制限を解除しておるのでござまいす。それから濠州とかニュージーランド等のごとく、未だに相当の対日輸入制限をやつておる国もございまするし、又南阿等におけるところの対日高率関税が御指摘のように我が国の輸出に与えている影響も又無視できないということは、これからの我が国の輸出を拡げて参ります上に相当の難関であるということは私も否定いたしません。又それだけに非常な努力の今後理るところだと思うのであります。併し先ほども申上げましたように、昨年との比較のお話がございましたが、よほど本年の今回の会談に伴う環境は改善されておるように思うのでございまして、先ほどもちよつと申上げましたが、まあ二三の例を申上げますならば、綿布とか他の繊維製品等につきましても、二十九年度は約一億八十万ヤード増の五億三千七百万ヤード程度というように、かなり具体的に数量の上におきましても相当はつきりした話合が進んでいるわけでございます。で、その他鉄鋼製品とか或いは機械数等につきましても、各地域別に或る程度具体的な数量を挙げての話合いが進んでおりまするので、これらの点については今後の努力は先ほど申しましたように相当深刻にして行かなければなりませんが、その努力をして参りますにつきましても昨年よりはよほど具体的に条件が明るくなつておるのではないか、こういうふうに私どもは見ておるわけでございます。
○加藤正人君 今のお答えにも多少の私、言い分がありますがもう時間がありませんので先に進みます。 以上のようにせつかくこの協定も結局は実質の伴わないものになつてしまう心配が非常に強いのであります。従つて私たちは今後自治領との個別交渉等に当りましては、あらゆる努力を結集して悪条件を克服して行かなければならんわけでありますが、それにつけましても今回の協定締結をめぐつてイギリス政府の示した態度につきましては、我々は少からぬ不満を禁じ得ないものがあるのであります。 次にこの点について外務大臣にお伺いをいたしたいと思うのであります。この新協定が締結されるや、英国の政界経済界又は言論界におきましても、或いは日本側のみに利益を与える協定なりとして、又或いは再び日本側のダンピングによつて市場が荒される結果になるとして、かかる協定を締結した英政府に対する非難の声が極めて大きかつたことは、政府としてご承知のことであります。即ち二月十日英国下院におきまして労働党の左派の領袖であるハロルド・ウィルソン氏のごときは声涙ともに下つたというほどなにか日本がひとり非常にいいことをしたようにといつた感じでソー二ークロフト商相に迫りている光景を見ますと、我我はこの結果がそんな日本にいいことなのだろうかとむしろ唖然たるものがあるのであります。私はこのこと自体について今とやかく言うものではありませんが、併し二月十七日付のフイナンシヤル・タイムズによりますと、このソーニークロフト商相は二月十六日マンチエスターで綿業界と懇談の際に、東アフリカ政府が日本繊維製品に対する輸入制限を本年末まで延長する旨決定したことを歓迎すると述べたと伝えられているのであります。若しこの記事が事実であるとすれば、日英両国間の貿易をそれぞれ互恵の精神を以て拡大均衡の方面へ持つて行くべく、せつかく、この新らしい協定がやつとでき上つた直後において、イギリス政府の責任者がこの協定の精神に全く相背馳するようなかかる言葉を口にするということは甚だ遺憾千万であつて、諸般の事柄と併せ考えてみますと、これは単なる失言程度のこととはどうしても私には思われない。英国側の誠意と良心を疑いたくなるのでありまするが、外務大臣はこの事実を如何に見ておられますか、お伺いしたい。
○国務大臣(岡崎勝男君) 今おつしやいましたように、英国内におきましてはいろいろこの協定に対し反対やら心配やらの意思表示が非常にたくさんありまするので、そういうような意味の内部事情も考えますると、ソーニークロフト氏としても或る程度のことは国内的には言わざるを得ない場合もあつたかと思うのでありますが、併しこの点はまだ事情は正確には承知いたしておりません。ただ今度の協定を通じまして我々ソーニークロフト氏などの言明から考えましても、イギリス側としても日本との間にポンド貿易の均衡を図り、そればかりじやなくてこれを増大して均衡を図るということにつきましてはイギリス側としても私は必要を認めているように考えられるのでありまして、ただ日本の都合だけでやつておるとは到底思えないのであります。又これは当然のことだと思います。従いまして、イギリス側としても誠意を以てこの協定を実施するという気持は強く持つているものと考えるのであります。ただ先ほどからおつしやるように、これを実現するためには日本側の輸出努力というものはよほど必要なんでありまして、ただほつておいて協定が実現できるとは考えておりませんけれども、イギリス側が少くとも協定を結んでおいて、これに何か実際上は反するような行動をするとは、今回の話合を通じてみて到底信じられないのでありまするから、この点は主として日本の輸出努力及び自治領等々の考え方をできるだけ直して、関税を低めるとか輸入制限を緩和するとか、この方面の努力をいたしますれば、通産大臣の言われるように相当期待が持てて昨年のようなことはなかろうかと私は信じております。
○加藤正人君 政府がその程度のお考えなら我々は非常に警戒しなければならんと思うのであります。 更に私は進んで伺いたいのでありますが、又この協定締結の過程におきまして、英政府は対自治領との関係につきまして、英本国はこれは自治領を拘束する佃らの権限を持たない旨を繰返して述べたようであります。結局このような理由から我が国が今後行う自治領との個別交渉に当りましては、英本国は何らあつせんの労もとることなく、全然これに関与しないことになつたと聞き及んでおるのであります。少くとも英連邦を代表して我が国を包括的な協定を締結した英本国の態度としては、これは誠に私は不親切というか無責任というか、甚だその点を不満とするものであります。ところが実際は木国と自治領が如何に緊密に連繋を保つているかということは、毎年連邦蔵相会議が開かれていることに鑑みましても明かであります。又英国国会における次のような質問応答にもよく現われていると思うのであります。そのことは即ち二月二日バトラー蔵相が英国下院において英連邦会議の報告を行なつた際に、日英会談に関連して労働党のシドニー・シルバーマンが質問して曰く、シドニーの連邦会議でこの対日協定について協議をしたかという質問に対して、バトラ蔵相は、対日支払協定の細目そのものについてはシドニーで討議はしなかつたが、日本の競争の問題と日本とドイツとの将来について十分に討論したと答えておる。以上の応答によつてもすべては明白であります。英国側のかかる態度を政府は如何に見ておられますか。決してそういうような冷淡のようなことはないという外相の御認識でありましたが、かような点をだんだん聞きますと非常に私はこの協定の誠意を疑わざるを得ないのであります。
○国務大臣(岡崎勝男君) 英国政府は法制上は自治領なりスターリング地域を代表して外国と交渉する立場にはな小のでありまして、従いましてでき得ることは内部的に調整を図るとか、或いは内部的に実際上各地の情報を求めて、どの程度までできるであろうかという推測を下す以外にないのであります。従いましてお話のようなことに形式上はなるかと思いまするけれども、交渉の過程におきましても自治領側の能力、どの程度輸入できるか、どの程度輸出できるかというような点については、かなり詳細に材料を集めての上と私は了解しております。又内部的にはおつしやるようにいろいろ羅があるのでありまするから調整は図ることと思いまするけれども、やはり自治領に対しましては日本が各自治領つまり独立国に対しまして交渉いたすほかはないと考えております。こういう点につきましてはとかくイギリス側が自治領等においては法制上の事由を以て冷淡であるように窺われまするし、又我我もときどきそういうことを先方にも申すのでありまするけれども、今回は相当イギリス側としても誠意を以て協定を実施するつもりでおることは私は疑はないのでありまして、それは先ほど申しましたようにこれは日本だけの必要でない、イギリス側としても相当これを必要とする理由があると思われるからであります。
○加藤正人君 そこで協定実現のためにとるべき今後の対策につきまして、外務通産両大臣にお伺いいたします。以上述べたように私はこの協定は画餅に終るおそれが非常に強いと思うと同時に、これを履行すべき英国側の態度にもかなりの不満が感ぜられるものでありまするが、協定実現のためにとらるべき措置としては、自治領諸国と速かに個別的協定を結ぶことと、植民地の輸入制限を撤廃せしむるにあると思うのであります。この点において、成果を収め得なかつたならばせつかくの協定も空しくなるのでありまして、この意味において先ず第一に英本国が連邦を代表して日英協定を締結した以上この協定の実を挙げるため、我が国が今後自治領諸国と個別交渉を行うに当つては、英木国にも十分協力せしむるように何らかの申入をなす意思が政府にあるか。又英本国には当然その義務があるのではないかと私は思うのであります。濠州、南アフリカ等の高関税圏特に南ア連邦のごときは、今回の日英会談が行われる最中にもかかわらず関税の引上げを行なつたのであるが、政府はこれらの高関税国に対して如何に対処するか。濠州、ニュージーランド等の特に我が国が著しく入超となつている国々には、如何なる対策を用意しておられるか。パキスタンは前年の協定は殆んど履行されないのであるが、今後どのような措置をとるつもりでおられるか。植民地に対しては本国は相当に拘束力を持つているはずであると思うが、今回の交渉において何故にその輸入制限を大巾に緩和せしめ得なかつたか。その次は英本国向け綿布輸出関係のわくが、つまりこれは生地でありますが、昭和二十六、七年頃の実績は九百万ポンドであつたのであるがこれが三分の一程度あるに過ぎない。これを拡大せしむる余地はないか。今回の交渉過程において通商航海条約の締結促進方について相互了解に逃した由であるが、その見通し如何。従来の実績実情からすれば協定に聴くライセンスが現地でいくばく出されたかということが不明であつて、業者としては取引の手がかりがわからず取引のチャンスを失し、輸出不振の一つの大きな原因ともなつていた。従つて現地でのフイセンスの発給状況を常に速かに日本側に知らせる仕組にすることがいちばん必要であると思うが、この点に関して今度の協定はどういうことになつているか。以上お答えを願います。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私の方からお答えする点だけを先に申上げますが、通商航海条約につきましては、お互いに必要なことは今度の交渉でも認めておるのでありまするが、今のところまだ話合をこれから進めるという程度でありまして、できるだけまあ政府としては努力をする、こう申上げるよりいたしかたないのであります。ただその間におきましても例えばこの入国とか居住とかいうような問題につきましては、個々に先方と話合で解決をいたしたいと思つております。それから今度の会談におきまして英側が各植民地の公表する対日輸入関係の告示などの写しを日本側に送付するように要望しておりましたが、これは漸次来つつあります。又この東アフリカ等につきましてはこれは誠に心外でありまして何とかして輸入制限の解除或いは制限の問題等を緩和いたしたいと思いまするが、これも今後の努力によるわけであります。全体としてこの植民地につきましては私はかなり改善されたと思つておりまするが、現に香港シンガポール等はその例でありまして、その他の植民地におきましても恐らく問題はあまりないと考えておりますが、全般といたしまして自治領、スターリング地域を含めまして英国側において法律上はともかくとして、実際上はできるだけあつせんと申しますか調整と申しますか、こういうことについて努力をしてもらうことは当然と私も考えておりまして、この点は今後とも引続き怠らずに注意をいたしまして、英本国政府の注意を喚起したいというつもりであります。
○国務大臣(愛知揆一君) 自治領等の諸国に対する関係に対しまして、英本国に対する関係の点は只今外務大臣からお答えがありました通りでございまして、積極的に英本国としてコミットするとか干渉するとかいうことは英本国としてもできないわけでございますが、これらは或いはすでに行われておるところの我が方と自治領諸国との個別折衝におきまして、いわばスターリング地域のバンカーとしての地位をもつ英本国がモラリーに協力をしてくれるということにつきましては、私どもとしても当然望み得ることであるし、又会談の進行中におきましてもこの点については日本側からも相当強く要請をしているようになつておるわけであります。それから高率関税の関越でございますが、南阿なり豪州なりの対日高率関税は、我が国がこれらの圏に対して一方的に関税上の最恵国待遇を与えるという事実に鑑みますれば、甚だしく不合理なことでありますことは御指摘の通りであります。これの打開には根本的にはガットヘの正式加入とか通商航海条約の早期締結ということで、根本的な不合理の是正はできるわけでありますから、この方面に対する努力は続けなければならないと考えるわけであります。それから豪州やニユージランド等から羊毛やその他多額の物資を我が国に入れておるわけでありますから、これらの国が我が国からの輸入に対して著しく他国に比してきびしい制限を探していることも遺憾であるのでありますが、我々の態度といたしましてはポンド貿易の入超が続いてポンドの手持が減少するに伴つて、羊毛等の輸入は非常に困難になるし又削減すべきではないかと考えますが、それよりは相互の貿易量を拡大して行くことが相互の利益になるのでありますから、むしろ積極的にその面にそつて努力いたすべきではなかろうかと私は考えているのであります。即ち豪州に対してもニユージランドに対しましても、むしろこちらからのものを積極的に買つてくれる努力を先方にやつてくれるような要請をすべきである。徒らに先方からの輸入を切るということよりは、そのほうがより根本的な態度として適当ではないかと考えておる次第であります。 それからパキスタン等の貿易協定は御指摘の通り今月満期になるわけでありますが、我が国の巨額な入超となつて不満足の結果になつておるのでありますが、パキスタンとの関係は経済的にも緊密に提携して行けば開国は共通の基盤を持つておると思われますので、この協定の満期になるという具体的な問題もございますので、この際としては相互に満足ができるような協定を作つて、その貿易の増進を計り両国のためになるようにして行くということについて、できるだけの一段の努力を傾倒しておるつもりでございます。それからなお過去において先般の日英会談の結果、植民地等の関係において具体的に緩和されたことも御承知と思いますが、その一、二の例を申上げたいと思います。即ち香港、シンガポール、マレー連邦及びアデンにおきましては、その土地の消費及び再輸出のためにその必要と認める額まで無制限に対日輸入をすることとなつたのであります。それからその他の植民地もその必要と考える限度まで、若干の例外はございますが、品目別のボーダーを設けないで無制限に輸入を行うこととなつた次第であります。 それから先ほど外務大臣からもお答えがありましたが、やはり今回の会談の結果、イギリスの植民地政庁は自後対日輸入に関して発する告示をその都度在英日本大使館に送付することとなりましたので、現地における対日輸入の状況は今後一層明確に把握できることとなるわけであります。更に他の自治領、独立国を含めまして、現地におけるライセンスの発注状況は、我が出先公館も現地政府と緊密な連絡をとりまして、その正確、迅速な把握に最大の努力を払つておるような次第であります。
○加藤正人君 もう一つ通産大臣に伺いますが、新協定によりますと、我が国は英本国から毛織物、オートバイ、ウイスキー、菓子等の不急不用品を相当額、これは協定で数量を明らかにできないそうでありますから開きませんが、輸入することになつておりますが、これは相互の貿易の拡大均衡のために或る程度は誠にやむを得なかつたと思うのでありますが、こういう日本の財政にも鑑み、今後のこの協定の推移如何によりましてはこれらの輸入については再検討をすべきではなかろうかと思うのでありますが、その点は如何にお考えですか。
○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたします。今回の会談の結果、我が国としては、毛製品、モーターサイクル、ウイスキー、菓子といつたようなものを英本国から輸入することを約束したのでございますが、これは只今もお話にございましたように、日本側としては互譲の原則によりまして先ず売るためには買わなければならないというような趣旨からやむを得ないこととして承認をいたしたものでございます。実はこの件につきましては、今年の一月乃至はそれ以降におきまして適当の時期に相互の貿易事情を再検討する機会が与えられておりますので、その際におきましてこの協定の遂行の実績を振返つてみまして、これらの品目の輸入に関する約束した事項を再検討できるものと考えておるわけでございます。
○加藤正人君 最後にもう一点外務大臣にお伺いいたします。イギリスは機会あるごとにダンピング問題を取上げて、不公正取引の常習犯として我が国に非難を浴びせておるのである。平和条約におきましては、コンゴー盆地条約に基く我が国の正当なる権益を放棄せしめられ、涙をのんでこれを承認せざるを得なかつた。殆んど詰腹を切らされたのであります。又我が国のガット加入については再度まで反対し続けて来ているのであります。ところがまたまた今回の協定締結を契機としてダンピング問題が大きく持出されようとしているのであります。これは単なるイギリス側の誤解というよりは、むしろ意識的に或いは故意に対日輸入制限或いは関税引上を正当ずけるためにやつているのではないかとさえ思われる場合が多いのであります。現在日英間の実際取引の実情から見ましても、例えば綿布については我が国の売値に対してイギリス側のつけて来る値段は一、二割方下廻つている。我が方で値下をしなければ買わないし、値下して向うへ行つてしまつてからはそのあとになつてこれはダンピングだとダンピング呼ばわりすることが多いのであります。事実フアィナンシャル・タイムズ等も二月二十三日付をもつて、イギリスに売られる日本の綿布は第三国の市場に売られるものよりも高いということを認めておるくらいであります。万一このダンピヒングの非難が真に誤解に基くものであるならば、一日も早くこれが氷解につとめなければならんと思うのであります。日英両国いずれも自由世界に属してお互いに貿易に依存して行かなければならん国情である以上いやしくも一切の誤解を去つて一層緊密なる通商関係を結んで行きたいと我々は念願するのでありますが、政府はこの点についてどう考えておるか、又如何なる処置を講ぜんとせられるか、最後に承わりたいと思います。
○国務大臣(岡崎勝男君) お話のようなことは確かにあるのでありまして、これは私は一つは戦争前に日本の綿布が非常に進出いたしました際ランカシヤの工場の三分の一が失業したというようなことも言われておるくらいでございまして、非常に先方でも鋭敏に感じているようでありますが、今回の問題は、おそらく大部分が誤解であるか然らずんば感情的な問題であるのでありまして、今おつしやつたように日本の品物がダンピングとか或いはテープ・レーバーというような事実の全くないことは、先方の当路者は交渉の過程においてかなり納得したと信じております。ただしいて申しますけば、例えばカラチ等におきましてもそうでありますが、日本の輸出業者が非常にた品くさん集まつておりましてお互いに競印するために、国内における値段はともかくとして現地において安くたたかれるというようなことがしばしばある。それが又初めに高く買つた者から言うと次に安く誰かに売られてしまつて非常に困るというような事態もあり非難がかなりあるようであります。又或る程度それとは違つて陶磁器なんかの意、匠登録というような問題で、成るべく英国人の趣味或いはスターリング地域の人々の趣味に合うようにと思つて作りまするものが、意匠登録の盗用といいますか、になりかねないことも実は過去においてはないこともなかつたような事例もありまして、こういう点では我々のほうでも。きるだけ注意はいたさなければならんと考えております。併し実情はもうお話の通りでありますので、これは関係者は知つておりまするけれども、一般の英国民の或いはスターリング地域の人々に対しては徹底がまだ欠けておるかと思います。ので、この辺も我が方の輸出努力の一つとして今後できるだけやつて参りたいと考えております。
○委員長(青木一男君) 高橋君、大蔵大臣が見えましたからさつき保留された質疑を願います。
○高橋進太郎君 大蔵大臣に一、二点お伺いいたしますが、先ほど副総理に対しまして、速かに国の事務と地方の事務との限界を明らかにして、そうして国は緊縮予算の徹底を中央地方を通じてなさしめるようにという御所見を伺つたのであります。地方財政が最近いろいろな点において膨張している。その一つの原因といたしましては、先ほど申しました中央地方の事務の限界がはつ書しないために、いろいろあるその一つとしては補助金制度が中央に取上げられまして、その補助金を獲得するために、或いはその補助金に釣られて地方財政が膨張するという面が相当あるのであります。最初大蔵省におきましては、思い切つてそういう補助金を整理してこれを地方交付税の中に織り込んで、そうしてそれらの施策をやるかどうかは一に地方の自主性に任せる、こういうことで徹底せられるようにお考えになつて「極めて私はよい考えであり、又思い切つた施策であると思つたのでありますが、それが徹底せられませんでなお補助金制度が残り、而もその点について地方財政が依然として問題を残しているという点につきまして、今後大蔵大臣の地方財政に対する考え方と、この補助金制度に対するそれらの関連をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 地方に対する補助金の制度につきましては、先に地方制度調査会からの答申の意見、又直接の関係でございませんが、税制調査会にもいくらかそれに触れたような答申もございまして、大体高橋さんの習われるような御意見が支配的であつたのでありますし、私どももそれが相当であると恥えて、今度もできるだけ地方に財源を与えてそうして特に小額ないろいろな補助金が多すぎるので、これを整理することに眼目を置いたのでありましたが、その後多少思うに任せん点もありまして御期待に副いかねている点もありますから、これは今年も幾らかできておりますが、引続きその方針のもとに補助金を整理して参り知うて地方に財源を与える処置をとりたい、かように考えておる次第であります。
○高橋進太郎君 次にお伺いいたしたいと存じますが、先般の新聞紙上によりますと、現在金融界に問題になつておりますオーノーローンを、外貨を用にきてこれによつて解消しようというような案がのつているのであります。成るほど金融問題としてオーバーローンも相当重大な問題でございます出るが、現下のような一方において緊縮財政をとり、一方においては現在の貿易収支から免れば全く血のような外貨を使つてまでこの問題を解決しなければならんのかどうかという点について多大の疑問を持つものであります。これら外貨につきましては日本の生産資材、或いは生産の合理化であるとか、或いは生産施設を合理化して国際貿易の伸展に寄与するとか、何かそういう積極的な面において出資される、それが相当の国際貿易に貢献するというような面であるならばとにかくも、主として国内金融的な問題のためにこの貴重な外貨をこの際お使いになるということにつきましてはどうも納得しかねるのでございますが、この点に対する大蔵大臣の御見解を承りたいと存じます。
○国務大臣(小笠原三九郎君) いわゆるオーバーローン解消案として、政府が打つている外貨を日本銀行に売つてそれを開発銀行その他に委託して云々という案が考えられたのでありますが、これは勿論外貨を売りましても日本銀行が持つているのでございまして、外貨自体をよそに移すのではございませんで、言い換えますと外貨予算等の編成にはこれは何も関係なく行く、のでございますけれども、仰せになつたような多少世間にかれこれの疑惑もあるし、又各銀行のそれぞれの立場でのお話も出ており、又日本銀行等の政策委員会等からの意見も出ている等のことがございまして、なお検討を要する点がございますので研究中でありまするが、どうもこのオーバーローン解消案を本国会に提出するということはちよつと事実上困難である。かように考えておりなお引続き検討して参りたいと考えている次第でございます。
○高橋進太郎君 最近金融機関の預金について何か保険制度等を設けてこれらの問題について考えたらどうかとい、うようなことがのつておりましたが、果してこういう制度が必要かどうか、我々も多大の疑問を要するのでございますが、この問題に対する大蔵大臣の御所見を承りたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 銀行、預金の保険制度につきましてはまあ外国の例もありますので研究いたしておりまするが、併し只今のところ例えば普通銀行・相互銀行或いは信用組合そういうような立場でいろいろまだご意見も出ておりまするし、こういう問題はやり方によるとどうもちよつと疑惑を招くような点も多少ございまするので、もう少し十分に検討いたしたいと考えております。従いましてこれは一応案として考えておりますが、只今のところこれを即時実行するという考えは持つておりません。
○高橋進太郎君 私の大蔵大臣に対する質問は終りました。
○森八三一君 議事進行について。私はこの際予算案の審議に関連いたしまのは、予算に関連する幾多の法律案などが両院におきまして目下審議されているのでありまして、これらがどういうように決定をみまするかはこの予算の実施の上にいずれも重大な影響を及ぼして参りますることは申すまでもございません。額の上から見ますれば繊維消費税であるとかガソリン税などを挙げることができるかと存じまするが、なかんずく入場税の関係はただ単に歳入上の額の問題だけではございせん。本件は義務教育費半額国庫負担法に関連いたしまして、都道府県間におきまする財政上の調整という重大な意味を含んでいる次第でありまして、これがどういうように結論されまするかは本予算案の審議に特に重大な関係を持つておるのであります。そういうわけでありますので、本院議長を経まして衆議院議長に対し、入場税問題に関連する案件の結論を来たる三月二十九日までに決定されまするよう申入れて頂きたいのであります。勿論重要な事案でありまするので慎重な審議を要することは当然でありますが、前述いたしました通り、予算案の審議に対する重要事項でありまして、審議上不可欠の問題でありまする次第でもありまするので、期日を指定するということはどうかと存じまするが、予算案審議の時間の関係もありまするので、本委員会の決定に基いて、衆議院におきまする結論が二十九日までに本委員会に報告せられますことを要望いたしまする次第であります。委員長の然るべきお取扱を希望するのであります。
○松澤兼人君 この件に関しましては私午前中の議事進行についても発言いたし、森委員は入場税の問題について非常に関心を持つておられ、特に入湯税の問題に関して審議の状況等を知りたい、こういうお話でありますから、我々といたしましては予算に関係のある法律案の審議状況というものを知ることは非常に大切ではないかと考えております。私はこの委員会の冒頭において小笠原大蔵大臣に申上げましたことは、繊維消費税の問題が実際においては廃案となるのではないかということを心配しておつたのであります。現に今日に至るまで何ら審議されていないという状況である。或いは、補助金等に関する特例の問題につきましても、或いは修正をみるかも知らんというような状況でございますので、特に予算に関連の深い法案の衆議院における審議進捗状況というものを合せて報告いたして頂きたいと思うのであります。
○委員長(青木一男君) 只今の森委員の御発言並びにこれに関連する松澤委員の御発言の通り取計らうことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めますからさよう取計らいます。 本日はこれにて散会いたしまして月曜日は午前十一時より開会いたします。 午後四時十五分散会