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19回国会参議院1954/03/20

予算委員会 第18号

発言数
130
登壇者
16
会派数
5
開催日
1954/03/20

会議録

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。  先ず分科についてお諮りいたします。先般の委員長理事打合会で協議いたしました結果、三個分科を設けその所管を只今お手元に配付いたしました通りとすることに決定いたしました。委員長理事打合会の申合せ通り決定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。つきましては各分科の担当委員は、先例により、各会派の所属委員の希望を参酌して、各分科の数が均等になるように選定いたすことにして委員長に御一任願いたいと存じます。各会派において早急に御希望をおまとめの上御提出願います。   —————————————

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) それでは昨日に引続き質疑を継続いたします。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 これまでの質疑応答によつて、昭和二十九年度の予算の基礎をなす財政規模の問題、或いは物価政策、更にそれをめぐる総合施策、或いは外貨予算の編成の問題等々、かなり広範に触れられましてすでに断片的にはいろいろ述べられていると思いますが、ここで私はそういう問題を改めて少しまとめて概括的にいろいろ質疑をいたし、事態を明瞭にして頂きたいと思います。  先ず第一に、二十九年度予算の基礎になる経済規模の問題、経済見通しの問題でありますが、御報告によりますと二十九年度、例えば生産の平均指数は二十九年度一五二で二十八年度の一五二と同じ規模のところで抑えているというようなお考えのようであります。そこでこれは年間平均としてそういうことになるのでありまして、それじや二十九年度幾らから出発をして二十九年度末には幾らぐらいのところに落ち着いたときに大体平均して一五二になるというふうなお考えであるのかということを先ず第一にお聞かせ願いたいと思います。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 只今のお尋ねでございますが、鉱工業生産について一五二の年度を通じての規模と申しておりまするのは、大体二十九年度を分折して考えますると、最初は二十八年度の第三四半期程度のところで二十九年度の第一四半期にスタートするものと予想しております。即ち二十八年度の第三四半期であれば一六〇を相当上廻る程度の鉱工業生産でございますが、二十九年に入つて一月から、三月までの状態はこれは毎年もそうでありますように、季節的な要因がございますから、一応別に除いて考えまして、先ほど申しましたように、昨年の十月から十二月頃のところの水準が今年の四月の当初の水準と大体考えております。それからあと下半期に入りますれば三十九年度のこの緊縮予算の執行に伴ういろいろの影響が漸次相当的確に現われれて参りますため、主として投資財関係の産業を中心にいたしまして生産が下降状況を多少示すでございましようし、或る面におきましては縮小して参ります。それを織込みまして年度間は大体一五〇程度におさまるであろう、こういうふうにみているわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 その点をもつとはつきりさして頂きたいのですが、二十八年度の四月の数字は幾らだつたのか。それから十二月は私の手元に持つている数字では一六七となつておると思いますが、これの一〜三をどの程度にお考えになつているのか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 鉱工業生産指数につきましては昭和九—十一年を一〇〇といたしまして、二十八年の四月は一四七・六でございますので、こ」れで昭和二十八年度の何と言いますか第一の期がこれでスタートしたわけでございまして、二十八年度を平均いたしてみますると先般御説明申上げたものでは一五二でございますが、多少これを上廻るかと現在考えております。一五〇或いは四ぐらい、或いは四を若干上廻る程度のものになるかと考えております。  それからなおこの二十八年度の実績につきまして更にこれを二十七年度の実績と比較したもの等につきましては、場合によりましたら資料として差上げたいと思います。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今の御説明によつて四月が一四七で十二月が一六七、そうして一、二、三は大体これと同じ程度で推移するのじやないかと、少し下るのかも知れませんが思うのです。そうしますと二十九年度の四月の出発は大体一六〇台程度と見ていいのじやないかと、一六〇程度で出発をいたしたとすると一五二、年間平均を一五二にすると、年度末には一四〇程度にまで落ちて来なければならないというようなことになると思いますが、そういうことを予側しておられるのかどうか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほども申上げましたように、三十八年度の例えば第三四半期で十月をとりますと一六二・九でございますし、十一月が一六〇・九と大体この程度のところが私の今の見込では今年の四月のすがたではなかろうかと存じます。従いまして只今御指摘の通り年度間を通じて一五二ということであれば、後半期においては相当のダウン・カーヴが示されることになると思います。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうなると生産は相当な激減であると思うのですが、その問題は更に後にもう一遍触れることにいたしまして、この経済規模によりますと大体人口は百十万人増加をする。雇用は十五万人減少をする。それから輸出が一億五千五百万ドル増加をする。これは若干問題があるでしようがあとでもう一ぺん詳しく言いますが、とにかくこういう程度の需要増加がある。それに対して生産は今のようなふうに激減をするというようなことになると、消費水準としては三%増加をするということができなくなるのじやないか。今予測された生産増、生産減その他から見れば消費水準の向上なんというものは考えられなくなるのじやないか。消費水準なり生活水準がもつと下るということでなければ全体の数字のつじつまが合わないのじやないかと思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 御尤もな点もあるのでありますけれども、大体私どもが考えておりますことは、二十九年度の一年度を通じての考え方をとつております関係上、消費水準の場合におきましても先般木村委員のお尋ねにお答えいたしました通りでございまして、只今御指摘のような人口の増加、生産の上昇停滞に伴う雇用の減、それから雇用が減少いたしました場合にそのしわ寄せが例えば農村に起る、農村は農村で公共事業費が、或いは救農予算が削減されたというような影響も受ける。それらの要素を勘考いたしまして推計の基礎にいたしました結果が、都市の勤労者につきましては消費水準の伸びは三十八年度と比べまして大体四乃至五%程度にはどうしてもやはりなるという結論が出るわけでございます。それから農村につきましては消費水準がやはり二乃至三%程度上昇するということになる。それを大体都市農村を平均いたしますと三%前後になるであろう、こういう予想をいたしております。これは年度を通じてでございますから、生産の問題にしても、或いは物価の問題にしても、或いは消費水準の見方にいたしましても申すまでもございませんが、或る時点々々をとつて見ますとその減り方或いはふえ方というものは全年度を通じて見ました場合よりもかなり角度が鋭くなるというものは勿論あるわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうすると消費水準は、これは二十九年度平均一一一・四となつておりますし、二十八年度は平均一〇八となつておりますが、これは極く最近の水準は幾らになつているのか、従つて二十九年度四月からは幾らから出発をするというふうに測定されているのか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 本年の一月一ぱいまでのいろいろの指標が丁度今朝ほど集計ができましたので、それによつて見ますると本年一月の都市消費水準が八六・一でございまして、昨年の同月より四・六%程度高いわけでございますが、そして御承知のように二月はまだできておりません。一番最近の指標で二月から見ました一月の都市消費水準はこういうふうな恰好になるという報告が丁度先ほどできたわけでございます。ところでこれは前年の同月から見れば四・六%高いというような数字が出ますけれども、同時にここ一、二年間の前年同月に対する上昇率は常に一割乃至二割に上つていたのでございまして、その比較から申しますると最近の消費意欲は幾分鈍化しているということが言えまするし、他面におきまして、いわゆる可処分所得がありながら実際の消費は減ずる傾向に入つて来たように思われるわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうすると今の一月の都市農村をひつくるめた平均の消費水準は幾らになりますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 只今ここに都市だけしか持つて来ておりませんので、これは資料として後刻差上げることにいたしたいと思います。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 その点もどれだけになつておりますか、年間一〇八でありますが、これは恐らく一一〇なり何なりになつておるんだろうと思うんですが、そうなると、そういう高い水準から平均水準として一一一になるということであれば、平均してそうであるから年度末に来れば相当下るということも予定しておられるんだろうと思うのですが、その点はどうですか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、或る月と月とを比べるというような時点をとるということでありますとかなり下るということもあるかと思うのでありますが、年度を通じての平均を見ます場合は、先ほど申上げた通りの考え方がいいのではないかと思います。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 問題は低いところから高いところに上昇の時代に平均一〇八という場合は、生活水準としては問題ないんですが、その高いところから出発して大体たとえば一一一というところに行くには、あとになるに従つて低くなるということを予定をしなければならないし、従つてそういうこともちやんと意識されてこういうものが出ているのか。ただ漠然と年間を比較すれば三%程度上るからこれでいいん、だというふうなお考えなのか、考え方の問題であります。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 考え方の問題でありますが、同時にこれは具体的な問題だと思うのでありますが、たとえば農村等における関係におきましては、どうしても二十八年度に比べては生産量自体が多くなると思います。で、その生産が多くなるが、半面において農産物の価格は或る程度下るでございましよう。その関係を織込まなければならないと思います。それから一般の都市勤労者等の場合におきましても、賃金において私は賃金水準というものが上るということはないと思いますし、それは好ましくないと思いますが、併し全体としてみればたとえば定期昇給というようなものもございましよう。併し今度は更にそれを掘下げて考えますと、今年のたとえば盆とか或いは暮において、各企業体等の収益の状況が思わしくない、生産も減るということであれば、自然一時所得であるボーナスその他が減るということになつて参ります。そういう関係においてはごの内容を分析して参りますと、減るものも相当あると思うのですが、併し全体を通じて生産規模が二五二という程度のことが維持されるスケールにおきましては、今申しましたような消費水準は賃金その他から割出して全体として三%程度の上昇にはなる、こういうふうに考えているわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 賃金はどういうふうに見ておられるんですか。今のお話だと若干減るんじやないかというようなお話ですが、我々が示されたのによると今年が平均一万五千三百四十五円なのに、来年は一万五千八百五円になる、若干は上昇することを勘案して消費水準が上るということをお考えになつているんだろうと思いますが、その点はどうなんですか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) その点は大体その通りなんでありまして、もう少し詳しく申上げますると、鉱工業生産は先ほど申上げましたように、全体としてはその規模が変らないで横ばいの程度でございます。それから雇用量については大体一%ぐらいの減になるだろうと思いますが、大きな失業というようなことがドラスチツクに起つて来るというようなことは考えておりませんが、併し先ほど申しましたように或いは二十九年の下半期において投資財の産業を中心にいたしまして生産の或る程度の低下が予想される、これに伴つて一部の業種や企業におきましては今申しましたように若干の雇用の減が現われて、全体としては一%ぐらいの雇用の減になるであろうと思われます。賃金につきましては公務員のべース引上げの問題もございますし、問題がございますというのは、すでに上つたものを言うわけでありますが、公務員ベース引上げのほかに一部の産業において或いは上昇の機運が起るかも知れませんが、これは成るべく私はベース・アツプということは避けたいと思つております。それから下半期においては生産の停滞なり物価の下落なりが起りますために、この点は先ほど申上げましたが一部企業の収益が悪化すると思われます。で、これによりまして、臨時給与とかボーナスというようなものはかなり大幅に減ずることが予想されると思います。ただ全産業の平均の年度間比較におきましては、やはり三%程度の賃金の上昇は全体としてはあるであろう、結果において見ればそういうふうな見通しになるであろうと、こういうふうな考え方をいたしております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 物価が大体相当に下るということ、それから今のお話だと生産も先行は相当下つて行くというようなことになりますと、その物価と生産との掛合せが大体国民所得になるかと思いますが、そういう考え方から行くとむしろ分配国民所得は五兆九千五百億から五兆九千八百億に上るのじやなくて、むしろ生産の下降或いは物価の下落等々を反映して二十八年度よりむしろ少くなるというふうに考えざるを得ないのでありますが、それにもかかわらずこういう数字が出ておるのはどうしてなのか、その点をもう少し御説明願いたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 物価と国民所得の関係でございますが、これはまあ余り数字のことを申上げるのも恐縮でございますが、大体物価の傾向といたしまして極く簡略に申上げますと、いろいろ各物資別に私どもとしては分析して見通しを作つているのでありますが、その要約した結末だけを申上げますると、先ず農業物価におきましては二十八年度に対しまして六・六%の下落と見ております。それから林業の物価については極く僅かでありますが〇・六%の上昇と見ております。それから水産物価については五・七%程度の下落、それから生産財卸売物価については六・四%程度の下落、CPIは三・六%下落となるように見込がつくのでありまして、いずれも大体林業物価等を除きましては下落することは相当大巾に予想されると思います。それから一方におきまして国民所得のほうでございますが、先ず第一の個人業種所得のうちで農林水産部門で六・九%、これは金額にいたしますと約七百六十億円でございますが、その伸びを示しております。これは物価の下落にかかわらず生産面で約一三・六%程度伸びるであろうということを基礎にいたしまして、物価が下落するにかかわらず七百六十億円即ち六・九%程度は個人業種所得のうちの農林水産関係は伸びるであろうと見ております。それから営業部門でございますが、これは前々から申しておりまするような鉱工業生産の横ばいの見通しに基きまして、主として生産財、卸売物価及びCPIの下落を反映いたしまして営業所得が約五・四%、金額にいたしますると約七百億円でございますが、この程度は減少となるであろうと見込んでいるわけでございます。で、これは資料等によりましても御承知と思いまするが、鉱工業関係を更に申上げますならば、鉱業において一〇〇・二、工業において九九・九、土建が九九%、商業が一〇三・四%というような内訳になるのじやないかと思います。その次に法人所得でございますが、これも今申しましたような関係から約九・五%、金額にいたしますると約五百億円の減少と見込んでいるわけでございます。このように物価の下落は個人並びに法人企業における所得減少の主たる原因でありまするが、ただ農林水産部門における生産の伸びが物価の下落をカバーして所得面で或る程度の伸びが予想されますので、その結果個人業種全体の所得では約〇・三%の伸びとなるものと考えられるわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今の御説明で、物価は生産財で年間六・四%減、消費で三・六%減、これは年間の減であるというお話ですが、そうすると下半期の下落率、それはどれくらいのものになるというふうにお考えになるのか。従つて年度末近くではどういうふうになるのか、それらも勘案して物価下落の趨勢を年間を通じてどういうテンポでどういう比率で引下つて行くというふうに予測を立てておられるか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 物価につきまして、いろいろのグループに分けまして見通しを作つてみているのであります。勿論これは机上の空論になつてはならないのでありまして、私どもといたしましては時々こういう見通しを持ちながら政策の上にいろいろの配意を加えなければならないと思いますが、我々の見通し作業としてこういうふうなものを一応持つているという程度においてお聞きとりを願いたいと思うわけであります。その一、二の例を申上げますると、グループ別として生産財の物価を先ず見てみますと、その中では繊維、燃料、金属製品、建築材料等々といつたものがそのグループの中に入ると思いますが、たとえば繊維におきまして昨年三月が一〇〇・三程度である。二十八年度平均では一〇〇と一応仮定いたしますると、来年の三月、二十九年度の三月においては八三・七、平均が九〇・五である。燃料について同じような時点をとりまして九九・六が九三・〇になつて、二十九年度を平均すれば九五・五になるであろうというような等々の推計見通しを作つておりまするが、かような結果でございまするので、国民所得としての時点別の具体的な比較表というものまでは現在作つておりませんが、大体こういうふうな物価その他の見通しを基準にして作ればできないことはないのでありまするけれども、今最後にお尋ねの点は、遺憾ながら只今としては見通しの数字を作つておりません。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 その最後の点が非常に問題になるのですが、今の御報告でも、上半期のほうは余りそれほどまだ物価が急激に下落をしないだろう、むしろ物価下落は下半期にしわ寄せされる。而も下半期にそうなると、年間六・四%或いは三・六%の下落はこれを倍くらいにしたものでなければならん。例えば生産財は下半期だけをとつてみると一〇%、消費財は同じく一割程度は年度末比較では下がらなければならないのではないか。そうなると非常に急激な物価下落ということになると思うのですが、そういうことをちやんと予想をしておられるかどうか。若しそういう急激な下落であれば或る意味においては半恐慌的な物価下落の様相を呈するだろうと思うのですが、それでもなお日本の経済はそれにもちこたえて行けるというふうにお考えになるかどうか、その辺をどう認識しておられるか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) その点が実は非常に苦心を要するところでございまして、従つてこれはほかの話になるのでありますが、例えば外貨予算の編成等についても十分の配意をしなければならん点だと考えるのであります。一〇%下げると申しましても一挙に今直ちに一〇%下げるというところへ持つて行こうとすれば、非常にいろいろの点において無理が出るわけでございまするから、今申しましたように、政策の進み方のタイミングに合せまして一四半期ごと、或いは半年ごとの見通しを作つてそういう趨勢に持つて行きたいと考えているわけであります。それからそれにもかかわらず物価引下の我々の見込んでいるところの幅というものは相当あるわけでありますから、そういうことを政策としてやつた場合に、果して日本の経済は堪えて行けるかどうかという点についてのお尋ねでございまして、誠に御尤もでございます。そこでそれらの点につきましては工業、商業等を通じてこの期間にこの程度の値下りをした場合に、今の商品の値幅或いはその他の点からいつてこの程度は吸収できる、或いは吸収し得ない点についてはどういう努力をしたらいいかという点について相当これは各問題別に検討し、常に情勢を見守つて行つてできるだけ摩擦を少くしてだんだんと物価を下げる方向へ持つて行かなければならんと考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 若しこれを計画通りにおやりになるとすれば下半期に非常に急角度な下落があり、半恐慌的な様相を呈すると思うのですが、その点はのちにもう一ぺん入るとしまして、一体政府は物価の引下を国際物価との比較において必要だというふうにお考えになつていると思うのですが、そういう国際物価との比較においてどれぐらい下がればいいというふうにお考えになつているのか。従つてどれくらいの期間物価下落の政策を続けて行こうとしておられるのか。その辺のお見通し。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 物価の問題、特に内外物価の比較、特にどこまで下げればいいのかというようなお尋ねでございますが、先ず第一に、物価につきましてはもう申上げるまでもないのでございますが、各物資に亘りまして現在でも内外の物価の比較におきましては相当の開きが見受けられます。で中には現在の日本の輸出価格を以てして相当程度国際競争に対抗して行ける程度のものもございますが、中には問題にならないものもございますので、一概にこれは全体の平均だけで比較はできないと考えるのであります。大体私といたしましては今政府が意図いたしておりますような生産財の一割というものは一番幅の広い我々の目標でございますが、これが二十九年度中に達成できるということになりまするとかなり国際競争力は強くなると考えます。それからその先は私見でございますが、でき得るならば三十年度におきましても現在と同じような政策を続けて参り、更に或る程度の価格の下落ということが期待できるならば、大体その辺のところが将来の輸出その他の努力の基礎になつて来るのではなかろうか。私見といたしましては二十九年度、三十年度の両年度間一定の方向に進むところの政策の推進ができ得るならば、そこの三十年度の下期程度におきまして大体国際競争の基盤ができるのではなかろうかと考えるものでございます。なお戦争前の状態におきましても物価については御承知のように外国との間には相当の開きがあつたこともございますが、それが必ずしも輸出輸入の上に的確に反映していなかつたような状態もございますから、ただ単純な内外物価の比較から申せば今三割何分高い、五割高いといつたところでこれを三割引下げなければ、或いは五割引下げなければ国際経済において競争ができないというようなものでは私はないのじやなかろうか。こういうふうに、ざつと考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 大体三十年度くらいで国際物価との比率が適正なものになるというというようなお見通しでありますが、その点が問題で、まあ大体私が調べたのによると、特に対米比率をとつて見ると単純な算術平均をすれば成るほど二〇%とか三〇%とか高になつておりますけれども、加重平均をすると大体ならして一五%程度が日本の物価が高いという問題になつていると思うのです。従つてそういう見地から言えば今愛知大臣のおつしやつた大体の見当が合つているのかと思いますが、問題は大臣の御説明にもあつたようにもつと複雑で、そういう国際物価との比較はそういう物価水準もさることながら、もつとこの個別物資的に非常に複雑である。従つて例えば鉄の製品なんかになると個々によつて違いましようが、一九〇%、或いは一二〇%というような高価になつて、電気銅のごときは一三、四〇%、アルミでもそうですが、鉄道東両、船舶では一割か一割二分の高となつている。セメントも大体その通り。ところが生糸や綿糸、綿織物というようなところになると一〇〇或いは一〇四%程度で、そう国際物価の比率から高いとは言えない。人絹、スフに至つてはむしろ安いと、でメーカーの生産価格としてはむしろそういう繊維品においては安いと思われるのですが、それにもかかわらず今のお話だと二十八年度の一〇〇から来年度は八三のところまで引下げようというようなお見通しなんですが、そういうことはむしろ無理な計画なんじやないか。而も国際物価との比較においてもそう無理をする必要はないのじやないかという感じがするんですが、その辺をどういうふうに考えるか。従つてそういう問題を考えますと、高いものに対しては高いんだから特別な措置がなされなければならないし、或いは繊維品その他はメーカーの手元においてはそう高くないんだけれども、あとは流通費用或いは消費者等々の関係で高くなつているというようなことで、そういう意味ではこの物価対策としてはそういう特殊な手が打たれなければならないのであるが、その辺をどういうふうにお考えになつているか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 只今お述べになりました通りでございまして、私もここに若干の資料を持つておりますが、例えば繊維、鉄鉱その他に分けてみましても、先ほど申上げましたように現在の価格ならば大体アメリカとの競争ができ輸出ができるというふうなものもございます。ところが御指摘の通りそういうものについても私どもとしては六分なり一割なりのコストの切下といいますか、物価の引下をやりたいと思つております。それはなぜかと申しますると、一般的に私はやはり日本の物価を引下げるということが必要であるということと、それから先ほどもちよつと触れましたが、物によりましては現在の輸出価格でもまだ企業としての利幅が相当あるものもあるのでありまして、これは他の産業等について合理化を推進して行くというような点から申しましても、日本経済の自立の努力として当然なさるべきだと考えるわけであります。併しこれは一つは観念論になるのでありまして、そういうものが一体どのくらいあるかというと割合全体としては少いのであつて、何としても一般論として具体的な各商品について考えれば、国際市価よりも遥かに高いものが多いわけでありますから、その全体につきまして特に生産財については何としてもこの価格の引下をやつて参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。  それから只今お尋ねの中で或いはこうも聞きとれたのでありますが、物価政策として対象別に何か具体的な措置をとつたほうがいいじやないかというまあ御趣旨もあつたかと思うのでありますけれでも、私はやはり生産の企業体のところでコストの引下をする、合理的な対策を講ずるということが何としても根本的なものであるように考えるわけでございまして、そういう方向で施策を進めて参りたいと考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 コストの引下をやらなければならないという点は同感でありますが、問題はそういうふうに考えて来るとやはり個別物資的に物価対策なるものが考えられなければならないのじやないかと思うのです。個々の問題については後ほど国際収支外貨予算の関連においてもう一ぺん個別にお尋ねはしますが、全般的にいつて一体物価をそこまで下げようというふうにお考えになつているとすれば、而も単に物価水準だけの問題でなくて、個別物資の価格が相当重要な問題であるとすれば、個別物資についての価格統制政策というようなものが考えられなければならない。それは究極になればマル公制度もありましようし、配給制度もありましようし、或いはそこまで至らないにして、も支持価格制度なりなんなりというような価格の間接統制といいますか、何といいますか、そういう統制が今必要になつて来つつある段階ではないかと、こういうふうに思うのですが、その点はどういうふうに。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) その点については只今申上げましたように、私は現在の段階でそごまでは考えておらないのであります。で、あとで又詳しい御論議ができるかとも思いますけれども一、二の例を申上げますと、金属などで銑鉄なり棒鋼なり薄板なりそういつたものについて具体的にやはりさつき申しましたと同じように、今年の三月はこのような現状である、今年の六月頃はどうなるであろう、十月頃にはどうなるであろう、更に来年の三月にはどういう状況になるであろうかというようなことを検討してみますると、銑鉄は御承知の合理化なり原単位の切下等のコスト切下的ないろいろの施策が現に行われております。これが相当価格に反映することは私は疑いを入れないと思うのであります。それからは製鋼部門について申上げますと、酸素製鋼の普及というようなコスト低下策が或る程度の効果を発揮しているように思うのでございまして、これが鋼材の製品価格に及ぶことは当然予想されるのではなかろうかと考えます。そういつたようなこれはもう単に一、二の例でございまするし、それから又燃料関係等で申しましても、石炭、重油の問題等と併せていわゆる総合の燃料対策が若し私どもの今期待しているような線にうまく乗つて行くならば、この面におきましても具体的な燃料費の更に確保するということが具体的に現われて来るであろう。私は要するに各重要の部門々々におきましてのコストの切下についての具体的な対策というものが今一、二の例を挙げましたように、具体的な面において相当の効果を挙げて来る、これが何よりも必要なことであつて、現象的な物価を追うてこれに対して公定価格とかマル公とかやるよりは、このほうが基本的なことではなかろうか、又この考え方なり行き方について経営者並びに労働者の協力が求められるならばこれが私は本物ではなかろうかと、こういうふうに考えるわけであります。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 関連して。今の問題は実は私時間があつたらお聞きしておきたいと思つたところですが、物価を下げるとおつしやつたが、今何ら保証がないのですね。政府は物価を下げる下げるとおつしやるが、一体何を信用して物価を下げられる、実は物価を下げる下げるとおつしやるうちから実は物価が上つておるものもある。併しそれで一番大蔵大臣なり通産大臣にお聞きしたいことは、今財政資金なり或いは財政資金に準ずる安いコストの金を貸して、そうして合理化なりいろいろさせながら物価に対しては政府が何ら干渉しないというふうなすがたが、特殊のものは認可制その他もありますが、大体において、そういう形でものを持つて行かれるということは非常におかしいのじやないか。で今度の予算及びそれに伴う金融政策から物価は、五分乃至一割下がるとおつしやるが、何らそれについて確かに下げますというお話、自信のほどの具体策は一つも頂戴していない、御説明になつていない。これは大きな欠陥ではないかと私は思う。下がるだろうと思われる、財政を緊縮し、金融を引締めて行けば下がるだろうということだけであつては私は物価対策がないと言わざるを得ないのではなかろうか。又生産財物資について言われておりますが、消費財物資については殆んどこれは価格が下りがたいというのが各国の例です、一ぺん上つたものについて。現に日本でも砂糖が四十円から六十円になつたつて閣僚は平気な顔をしておられる。うどんが二十円から何ぼですか、何割というほど上つても平気な顔をしていられる。よその国では一%でも上ると非常な神経過敏に各国とも考えてる。殊に通貨の価値を維持しようというときにはそれが非常に重大な問題である。露骨に言うと物価について少し不感症ではないか、日本人はみんな不感症で、大臣も不感症に例として洩れないのではなかろうか。こう考えるのですが、何かそれについて概念的なお話でなしに、それから流通部門以外にもやはり生産面からとらえることも一つお考えになる価格政策が必要ではなかろうか、こういうことをお聞きしたいのです。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 私も時間を十分頂戴できますならば各物資別につきまして只今堀木さんのおつしやることも御尤もだと思いますので、十分時間を頂いて例えば繊維の各物資別にお話を申上げますが、それまでの必要はないかと思うのでありますが、先ほども申上げましたように私どもといたしましては、例えば繊維につきましても綿花や羊毛等についての、海外から輸入しなければならない原料等についての海外におけるこれからの価格の動向や、その相場というようなことも一方において睨みながら、これらの原料が今後どういうふうに価格が変動するであろうかということを織込んで考えているわけでございます。それから同時に繭といつたようなものは国内産の原料でございますが、これについては増産がたとえば二〇%程度期待がされる相当具体的な根拠がありとすれば、これをその価格に織込んで見通しをつけるということは当然だと思います。といつたような恰好で先ほど申しましたように、大体数カ月おきのその価格構成の根拠というものを作つておりますので、これは整理をいたしまして広く国民にも何らかの機会をとらえまして随時一つ経済審議庁といたしましては今後施策の根拠になるような見通しについて納得して頂けるような、わかり易い表現で私といたしましては発表なり解説をいたしたいと考えております。  それから只今物価の問題につきまして最近の動向についてのお尋ねがございましたが、丁度これも只今から一週間前の状態も内報ございましたのでこの機会に御報告申上げますと、いわゆる週間卸売物価指数で申しますと、二月十三日の一六二・一というのがピークでございまして、自後二月二十日、二月二十七日、三月六日、三月十三日と各週とも例外なく下つております。で三月十三日におきましては一五九ということに相成つております。でその内容は例えば生鮮食料等が季節的に出廻つて来たというような原因だけではございませんで、一般的に各物資について下落傾向が現われて参つたように見受けているわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 その個別物資のほうは外貨予算のほうをお尋ねしてから更にお尋ねしたいと思いますが、そこで国際収支の問題を少しお尋ねをしたいのですが、今までばらばらに報告をされておりますので一つとりまとめて正確な外貨の現在の状況を一応はつきりお示しを願いたい。特に手持外貨が年末に幾らあつたか、その後一月、二月とどういうふうに減少をして行つて現在幾らあるか、三月に更にどれくらい減少をするお見込で、従つて年度末の手持外貨はどれくらいというふうに予測をされているか。先ず第一にその点をお伺いしたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 計数上の問題でございますから便宜私から申上げます。昨年の年末の外貨の現存高でございますが、中身は米ドルと英ポンドとオープン勘定とわけるわけでございます。合計いたしまして十二月末の九億七千七百万ドルになるわけけでございます。そのうち大体米ドルは七億八千八百万ドル、英ポンドは一億一千九百万ドル相当額、オープン勘定は約六千九百万ドル、かようなことに相成つております。これが最近どうなつているかというお尋ねでございまするが、一月末におきまして今申上げました九億七千七百万ドルが約八億七千五百万ドルに相成つております。その八億七千五百万ドルのうちオープン勘定から申上げまして、大体六千二百万ドル相当額がオープン勘定に相成つております。自余の約八億一千万ドルが米ドルと英ポンドにわかれるのでございます。従いまして大体米ドルと英ポンドを通しますと八億一千万ドル見当が一月末の現在高ということになつております。なお只今申し上げておりまする数字は政府の特別会計のみならず、日本銀行或いは民間の為替銀行の保有高をすべて集計した数字を申上げている次第でございます。  そこで三月末の見通しでございまするが、これは只今まだ御承知のように年度の途中でございまして、この推定は極めて困難な次第でございまするが、英ポンド、米ドルの現金額におきまして或いは七億ドルを若干下廻るようなことになるのじやなかろうかと、只今さような推定をいたしております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 二月は。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 二月の数字はまだ二十日現在程度しかわかつておりませんが、大体合計額におきまして八億三千四百万ドル見当、うちオープン勘定が七千万ドル見当だとかように考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとそれを基礎にして予算で二十八年度の国際収支の見通しを一応お示しになつたんですが、それはどういうふうに数字が違つて来るか、その推計実績を御説明願います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 大体この予算で見ましたのを、輸出を十二億七千万ドル、それから貿易外……。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 いや二十八年度の実績です。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 二十八年度は大体今丁度申上げた七億、ドル見当と考えております。で当初において見たのは御承知の通り一億九千万ドルばかり見ておりましたが、その後各種の又諸思惑的なものが加わつたりしまして、ドルの自動承認制の分が一時に殺到したことは佐多さん御承知の通りです。一月一カ月に去年の一月から六カ月よりも多いというようなこともございまして、これはまあ契約でございますから付いているわけでございませんが、そんなことで一応そういうふうに見込まれております。二十九年度についてはどう見るかというと九千万ドルか一億ドルの赤字と見ておるわけであります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 二十九年度はあとで又承るのでありますが、二十八年度の正確な受取と支払、従つて支払超過を一応予算説明書には出してもらつたんですが相当狂つて来ていると思うので、念のためにこれが年度間にどういうお見通しになるかという点を御説明を願ます。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 先般来大体二十八年度の国際収支の赤字は当初の見込よりややふえまして、二億四千万ドル見当ではなかろうかということをお答え申上げておると存じますが、先ほど来申上げました外貨の資金残高の数字からいろいろと推測をいたしてみますると、右の二億四千万ドルを或いは若干上廻るのではなかろうかという推定をいたしております。尤も今申上げておりまするのは資金の残高量の計算でございますので、いわゆる為替の収支の統計から見まして、受取のうち輸出が幾ら或いは駐留軍収入が幾ら、その他が幾ら、或いは支払の面におきまして輸入が幾ら貿易外が幾らという項目別の的確なる推計を只今申上げるまでの運びには至つてないのでございますが、資金の残高から申上げますと先般来申上げております一億四千万ドルよりもやや若干上廻るのではないかと、かような推定をいたしております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それが問題なんですが、この間中から一億四千万ドル或いは二億五千万ドルになるのではないかと思う。去年の末ですか一億九千万ドルに勘定されたのがすでにそういうふうに狂つて来ているし、或いはその後の最近の実績を検討しますと、二億五千万ドルで済まないで三億ドルを越すというようなことにもなりかねないのじやないかと思うし、それを幾らに推計するかによつて二十九年度の外貨予算の編成等々の方針に重要な関係を持つと思うのですが、従つてもう少しその点をはつきり輸出なり貿易外なり、駐留軍関係の収入なり或いは輸入なり等々をもう少しはつきり推計、実績と、こういう点から二億四千万なり二億五千万ドルで済むのだというふうに見るのだというふうな正確な一つ見通しなり推計をお示し願いたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 只今申上げました通り、この資金の残高の統計と実質的な国際収支の項目別の分類との突き合せば相当時間を要します関係もございまして、佐多委員のお尋ねのこの項目別の的確な見通しということは極めて只今の段階におきましては困難な状況でございます。ただ重ねてのお尋ねでございまするので強いて非常に大胆な項目別の推計を申上げますると、輸出におきましては年間十二億ドルを若干上廻るであろう、それから駐留軍関係におきましては二億数千万ドル、五千万ドルを少くとも超える金額には上るだろう、そういたしまして、大体受取の合計額はその他の貿易外或いはいろいろの技術的な調整を施しました結果、二十二億ドルを若干上廻る、楽観的に見ましても二十二億万五千万ドル程度とまでは行かないのではなかろうか、かような見方をしております。  それから同様支払の面の推計も極めていろいろな困難な事情があるのでございまするが、輸入におきましてはやはり二十二億五千万ドル見当ではなかろうか、貿易外の数字をいろいろと集計いたしまして、合計におきましては二十五億を若干下廻るか、或いはその辺の前後ではなかろうか。かれこれいたしまして先ほど来申上げておりまするような二億四千万ドル或いは若干上廻る程度の赤字になるのではなかろうか。  それからなお念のため申上げておきまするが、昨年度二十八年度におきましてはいわゆるIMFとの取引がございます。このIMFとの取引をどう見るかということによりまして、又いろいろの資金の関係と国際収支のつき合せの問題を生ずるわけでございまするが、今申しました関係は一応IMFの取引をこの計算の基礎に入れての数字でございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 その最後の問題はあとでもう少しお尋ねしたいと思いますが、今のその国際収支の見通しの問題でございまするが、輸出は余り見通しが狂つていない。それから駐留軍関係の収入もまあ五千万程度の違い、それにもかかわらず受取を二十五億五千万ドルに予測されたのに今のお話だと二十二億、従つて三億五千万ドル程度の受取が減になるという問題、或いは支払のほうでも輸入は二十億五千万ドル見当で而も貿易外をひつくるめては二十五億程度、従つてそこで一億の差が出ている。これも大体貿易外に関連をするのじやないかと思うのですが、そういうふうに貿易外の見込が相当大きく狂つて来ているという理由はどこにあるのか、その点をお伺いしたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) ちよつと念のために申上げておきたいと思いますのは、私、輸入は二十五億というふうに申上げたつもりはございませんで二十二億五千万ドル見当でなかろうかということを申上げましたので、その点ちよつと念のため申上げておきます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それは輸入は二十二億五千万ドル、貿易外をひつくるめて二十五億とおつしやいました。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) はあさように申上げました。それから貿易外の関係でございますが、これは御承知のようにオープン勘定の決済尻を赤字のところには米ドルをキヤツシユで払います。そういたしますとこのオープン勘定のところにおきましては受取になりますが、同時にドルのほうは支払に立てます。そういうようなオープン勘定の決済が、或いは先ほどちよつと申上げたIMFの関係というような相当技術的な関係はあるのでございますが、貿易外の実体におきましては、先ほど来から御覧願つておりますこの説明書に出ております数字と、私どものほうといたしましては、実体的の貿易外の収支にはさしたる開きはない、さように考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとこの受取が当初二十五億五千万ドルに予測されたのに二十二億何がしかないという違いはどういうふうに御説明になりますか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 恐らくお尋ねの御趣旨は予算の説明の書類の中に二十八年度といたしまして貿易外の受取が五億一千九百万、駐留軍関係を除いた受取が五億一千九百万であり、それから支払において五億六千九百万ドルになつているじやないか、それが今の話で行きますと非常に金が減るんじやないかということだと思いまするが、これは先ほど来申上げておりまするようなオープン勘定の決済を再建するかどうかという多分に技術的な関係でございくまして、この資料を御覧頂きますると、貿易外の収支の赤字は大体お手元の書類では五千万ドル見当になつております。私どもが今申上げておりまする数字で、大体の見当はまあ二千万ドル見当の赤字に終るということでございまして、貿易外のその他の項目におきましては多少の出入りがございまするが、そう大きな狂いはない。かように考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 先ほど年度末三月末の手持外貨は七億ドルを若干切るかも知れないというようなお話でありましたが、その七億ドルの中にはさつきちよつとお話に出ました国際通貨基金の借入分、或いはインドネシアのこげつきの分、朝鮮の同様にこげつきの分等々も入つているのじやないかと思いますが、それらを正確には各々年度末にどのくらいとお見通しになり、従つて実質の手持外貨は年度末どのくらいだというふうにふんでおられるかその点をお伺いしたい。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 先ほど申上げました三月末に七億ドルを或いは若干下廻るのではないかという計数はオープン・アカウントを別にいたしまして、米ドルと英ポンドのキヤツシユの数字を申上げております。なお本当の意味の金がいくらあるのだというお話になつて参りますと、まあこれに見合うべき短期のいわば国の外貨建の歳入がどの程度のものだろうかというお話になつて参ると思いまするが、御承知のように第三次第四次の綿花借款が行われております。綿花借款のこれから払うべき債務金額を、若し三月末で切りました場合に債務というふうに考えまするといたしますると、昭和二十九年度昭和三十年度に支払の必要がありまする綿花借款の金額は、概算約一億ドルぐらいでございます。もう一つは御指摘のございましたIMFの関係でございまするがIMFにつきましては二億四千万ドルの基金の四分の一までは、いわば買入の権利が当然あるわけであります。現在六千三百五十万ドル相当額まで買入れてありまするので、この買入れてあります六千二百五十万ドルは国際貸借の面から見れば悪化の要素でありまするが、これをしも外貨残高と比較する場合において債務と考えるか、これはいろいろと考え方の違いだと思いまするが、ともかくその金額が六千二百五十万ドルでございます。それから右に申しましたように、七億ドルを下廻るかも知れないという数字は、従いましてインドネシアの勘定でありまするとか或いは朝鮮の勘定というものは関係のない別の数字でございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それじや七億ドルの外でもいいですが、それをおのおのどのくらいとお考えですか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 大体三月末におきまするオープン勘定の残高は、私どもの推定では六千万乃至七千万ドル見当ではなかろうかと、かように考えております。ただこれは御承知の通りに十四、五に及びますところのオープン勘定の集計の結果でありまして、或るところは黒になり大部分は赤になつておりまするが、そういうものの合計額がかような数字でございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 オープン勘定の最後のけつは六千万ドルということは大体わかるのですが、その場合にインドネシアなり朝鮮のこげ付きをどれくらいと御覧になるのですか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) これも推定の数字でございまするので、余り、特にいろいろと機微の関係のある数字でございまするので甚だ申上げるのに困惑を感ずるのでありまするが、極く最近までの実績の数字を御参考までに申上げますれば、インドネシアはいわゆる旧勘定、新勘定を合計いたしますると、大体一億三千万ドル相当額、韓国関係は三千万ドルを少し上廻る、かようなことに相成つております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうすると今までのお話で、当初二十八年度一億九千万ドルというふうに支払超過をお考えになつたのが、二億四、五千万或いはもつとそれよりも上廻るのじやないか、三億ドルにも達するのじやないかとも思いまするが、この推計を立てられたのは去年末くらいかと思いますが、それが相当大きく赤字が開いて来た、赤字が当初予想されたよりも多くなつて来たということの原因はどういうものだとお考えになるか。

東条猛猪大蔵省為替局長

○政府委員(東条猛猪君) 極く大ざつぱに申上げまして、先ほど来申上げておりますることの結果から御覧頂きまするように、主な原因は輸入がふえたということであろうかと存じます。なお輸入がふえました原因につきましてはいろいろございましようが、私のほうといたしまして主たる原因と考えておりまするのは、凶作によりまするところの食糧の緊急輸入ということが相当大きなフアクターを占めると考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 食糧の緊急輸入の問題であればこの予算数字をお立てになる頃はすでに予測されたものじやないかと思うのですが、それを勘定に入れられなかつたのはどういう理由なのか。それから思惑輸入なり何なりも相当あつたのではないかと思いますが、思惑輸入があることは予測されるにかかわらずそれに対してはどういう手を打たれたのか、或いはそういう手を打たれたにかかわらず相当入つて来たのか、その辺の事情をもう少し詳しく御説明願いたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 只今の問題は成るほど食糧の輸入について、それは見込違いではなかつたかという御指摘でありますが、これも実は率直に申しまして多少ありました。併しいま一つの原因は、やはり二十九年度以降において外貨予算が相当圧縮されるのではなかろうかというような見込から、特に御承知の自動承認制等を利用いたしまして、相当この際物資を輸入しておこうというような気がまえが顕著に現れたというような点も見逃すことができないと思うのでございます。大体以上の二つが原因と私どもは見ております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとその輸入は不健全なものではなく、むしろ繰上げ輸入をした程度の問題だから、そう積極的に対策を講ずる必要はなかつたというふうな御意向なのかどうか。従つてそれに関連をして、それでは今の、二十八年度の国際収支の見通しから二十九年度にはどういうふうにお考えになつているか。輸入が幾らだとか駐留軍関係が幾らだとかいうようなこと、断片的には今までも述べられておると思いますが、改めて二十九年度の国際収支の受取支払をどういうふうに推計をされているか。従つてこの予算説明の中に示されたのとどの程度違つて来ているか、その点を改めてはつきり御説明を願いたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ず前段のお尋ねは御承知のように例えば自動承認制の問題でありますが、これは私は自動承認制の考え方というものは非常によい考え方だと今でも思つております。特に例えば日英協定の関係などにおきましては、自動承認制を存続するということになつているのでありますが、それはともかくとしてこの一月中あたりの自動承認制の動き方というものは非常に警戒を要することであると見て注視をいたしておりましたが、遂にドルのほうを初めといたしまして。ポンド地域等についても事実上これをクローズすることになりましたようなわけで、こういう措置をとりましたのは只今お尋ねがございましたように、これを放置しておいてよいのかというようなことではなくて、私どもは非常に残念だと思いましたけれどもこれをクローズするに至りましたことは、政府としてもこの事態の重要性を認識し、且つこうやつて外貨がいたずらに食われ、或いは輸入が殺到することは将来のために適当でないと思いましたのでそういう措置をとつたような次第でございます。  それから第二段のお尋ねにつきましては、数日来当委員会におきましても申上げておりますように、各物資別についての作業はまだできておらんのでございまして、実は来週水曜日に外貨に関する閣僚審議会を更に開き、又もう一、二度その後開かないと政府部内におきましても各物資別の割当はきまらないかと思つております。非常にむずかしい問題でもございまするでいま暫く御猶予を願いたいと思うのであります。併しながら全体の考え方は先ほど為替局長からも説明を、いたしました通りでございまして、二十九年度のいろいろの見通しを作りました場合に私どもの先ほど縷々申上げましたような生産、物価、雇用、いろいろの条件から考えまして、輸出については十三億七千万ドルの輸出を確保したい。それから特需につきましてはいろいろの区分別に考えて七億六千万ドル程度は確保できると私は今でも固く信じているのであります。而もそれにつきましては相当具体的に輸出計画などを検討した上のことなんでありますが、併しながら外貨は非常に重大な問題でもございますので、輸入外貨の予算を作るというその建前から行けば、できるだけ手固い程度で輸入外貨の予算を先ず第一に作ろう。こういう態度でおりますために、いわゆる、二十億ドルを下らざる程度において、輸人外貨の予算を編成しようという申合せを政府部内でもいたしたようなわけでございます。従つて、私はその二十億ドルを下らざる程度においてという場合における積算の根拠は、輸出は十二億ドル余りであります。又特需が七億ドル、或いは七億六千万ドルという程度にしておりますが、従つてその輸出なり特需なりが、その輸入外貨予算の編成の基礎になつたものよりも、もつとふえるのが我々の狙つておるところなんです。ふえました場合にはこれを当然必要な輸入のほうに振向けるという考え方、従つて先般の閣僚審議会におきましての一つのわくとして二十九年度の赤字は九千万ドル乃至一億ドルにとどめようといたしましたが、そこにその一つの考え方の現われがあるわけでありまして、私といたしましては輸出なり特需が私の見込通りに行つた場合、それを赤字の補填に使うのでなくてこれは更に積極的に輸入のほうに向けるのである、こういう考え方で一億ドルの赤字、二十億ドルを下らざる輸入外貨予算というものにいたしたわけであります。只今その内容につきましては細かく検討をいたしているという次第でございます。これはできましたならば御報告を申上げたいと思つております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今のこの二十億ドル・ペースで輸入計画を立てる、そして輸出その他がそれより多くなつてプラスが出て来たら、それは赤字の補填をするのでなくして更に輸入増加に振向けるのだというお考え方のようでありますが、そうすると国際収支の均衡という問題は、仮に数字の上では二十九年度にできるような見通しができても、なおそれは所期しないで二十年度の二カ年に亘つて収支均衡計画を実現するのだと、今年一挙にそれをやることは必要ないのだというようなお見通しだと思いますが、一方にはいやむしろ若しそういう余力があるとすれば赤字補填に廻して一挙にそれを作り上げることのほうが急務なんだというような考え方もあると思うのですが、その考え方をとらないで三カ年で問題を解決するというふうにお考えになつた根拠はどういうところにありますか。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この国際収支の九千万ドル程度の赤字ということは考えに考え抜いて出しました結論でありまして、すでに一月の経済演説等におきましてもこの点ははつきり打出しているわけであります。勿論考え方として二十九年度に均衡がとれるということにいたしますことは、勿論望ましいことに違いはございませんが、でき得ることならばこれを目標に掲げてやりたいところでございますが、先ほど来いろいろ御議論もございますように、一方において物価を引下げながら而も輸入努力をやつて参らなければ日本の経済自立ができないというその面、或いは又国内の全体の対策がついて行けない程度に非常に割り切つた考え方で政策を行うということは、私は却つてそのために角をためて牛の殺すたぐいになるんじやないかと思うのであります。それらの配慮から二十九年度においては、まあ言葉の使いようでございますが、率直に言えば遺憾ながら九千万ドル程度の赤字は残さざるを得ない。たまたま昨年の凶作の対策として食糧の緊急集荷をやりましたその尻が今年にも残つておりますのは恐らく七千万ドルを超えるだろうと思いますので、その点を考え合せますならば大体二十九年度の特に後半期等においては収支均衡にならんのであります。又そうしなければ九千万ドル乃至一億ドルの程度には赤字はとどまらないだろうと思います。かたがた今申しましたような考え方を以て我々の基本的な思想統一といたしたような次第であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとその二十億ドル・ベースで輸入計画を立てられるということになると、相当輸入の規模を圧縮されなければならないということになつて来ると思うのですが、それに基いてたびたび問題になりましたし、大臣はまだ具体的な策定が完了してないからとおつしやつていますけれども、大体の見通しとして一体そういう輸入計画を立てられた場合に、主要な物資特に輸入食糧はどういうことになるとお見通しになるか。或いは問題になつている砂糖であるとか石油であるとか棉花であるとか羊毛であるとかいうようなものの需給計画はどういうふうに見通されるか。而も相当窮屈なものになつて参ると思うのですが、そういう場合にその個々の物資に対する消費抑制の措置なり或いは価格統制の措置なりそういうことを、個別物資的にどういうふうにお進めになろうとしているか、それらの点を個々の物資について少し詳しくもう一遍御説明願いたい。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、個々の物資について上期幾ら幾らということまでは、まだ作業も進んでおりません。それから今一つこれもざつくばらんに申上げるのでありますが、先般も当委員会においても申上げたと思いますが、私はそもそも外貨予算というものに対する考え方について私も私なりにいろいろと考えているのでありますが、それはこの外貨、予算というものは予算という言葉がそもそも私はおかしいとすら思うのでありまして、国内的にも大きな問題でありますと同時に、これは国際的に対外的にいわば国としての商売的感覚で運営しなければならないものが、ありとあらゆる物資について巨細に亘つて期間までつけて、或いは地域まではつきりさせて、手のうちをさらけ出すようなこの組み方というものは、私は相当検討を要するのではなかろうか。実は今回の二十九年度の外貨予算につきましては、私はその考慮をも入れて作りたいと私としては考えているのでございます。まだ政府部内その他と意見が今申しましたようにに具体的な点についても結論を得ておりませんので、只今のところは私見でございますが、さような点を考えているということは一つお聞取りおき願いたいと存じます。  それから個々の物資についての問題でございますが、私は今二十九年度でどうするかということは、申上げるまでに至つていないことは誠に恐縮なんでありますが、例えば今も御指摘になりました砂糖でございますが、仮に二十八年度の供給量、と申しましてもこれは殆んど全部が輸入になるわけでございますが、約二割減つたと仮定いたしましてもその量は二十七年度の消費量を一割以上上廻ることになるのでございます。特に一般家庭で直接購入しておりまする量のそれは二倍以上になるのだと思われるのでございますから、仮に二十八年度の供給量を二割削減したといたしましても、私のいわゆる正常なる需給の見通しからいいますならば、そんなにドラスチツクな問題ではないと考えます。それから繊維の原料であります原毛につきましても、同じような例を申上げるのでありますが、同じように二十八年度に対しまして二割近く削減されたといたしましても、なお且つ二十七年度の供給量の約二割の増加になるのでございます。それから石油類につきましても、これは仮に二十八年度平均並ということに輸人高を仮定いたしましても、ガソリンの場合においては二十七年度に対して三割の増加になる。重油においては五側強からの増になる。軽油においては四割弱の供給の増加になるのであります。従いまして、二十七年度当時と比べれば、今仮に申上げましたような過程で外貨予算を編成したとしましても、基本的に日本の経済を脅かすよう大ものではない、又私どもの計画しておる輸出計画を完遂するに十分足るものである、その程度のものであるのだということが、はつきりそのままにすなおに国民の間或いは業界において認識されますならば、私はおのずから国内措置の行くべき途も発見できるだろうと考えるのであります。併し最後にお尋ねがございましたように、併しながらこういうことであつても、なお且つ例えば砂糖なら砂糖の場合においても、とにかく二十八年度に比べれば相当削減されるのだということを種にして、非常な思惑なり価格の暴騰なりということが引続いて起るようであるならば、これは勿論政府といたしましても相当な覚悟と対策をとらなければならないのではなかろうかと、こういう程度に考えておるわけでございますので、先ず私どもは第一の問題として外貨予算の編成或いは外貨の割当ということが、日本の現在の実情に副うように組むことに努力する。又需給の関係から申しましても、今言うたようなものであるということをできるだけ御納得を頂きますならば、その情勢の下においておのずから対策というものが生まれて来るのではないか。こういうふうに考えております。  それから切符制その他の点によるところの消費の規制その他については、私どもとしては考えたくないという態度でいることは前々申上げます通りでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今の御説明によると、二十九年度の輸入見込が二十八年度に比べて二割削減とか一割削減ではあるけれども、その程度であれば二十七年度に比べればなお一割或いは二割の供給増加になるんだから大したことはないんだというようなお話でありますが、その点が非常に重要な問題であると思うのです。殊に大臣は或る意味においては輸入は商売に関連をすることであるから、すべて手のうちを外に見せることは不利だからというようなお話もありましたが、そういうデリケートな問題の配慮はさることながら、他面において国内的にはそういう砂糖についても、石油についても、或いは綿花、羊毛にしても、そういう需給の状況をはつきり知らすことが、むしろ明瞭に数字的にはつきり知らすことが、思惑の消費なり、買溜め或いは買急ぎというようなものを封ずるゆえんでもあるので、その辺のことを十分にお考えになつて、早い機会にそういう問題に対する需給の計画なり、予想なり、見通しなり、そういうものを是非詳しくお示しを願いたいと思うのです。  それから、そういう需給の関係を考えますと、今もちよつとお話にありましたが、切符制なり配給統制までは行かないにしても、例えば輸入に対しては砂糖にしても重油等々にしても、或る意味での国家管理を考えなければならないじやないか。そうなれば特別会計制度その他も必要になると思うのですが、事態はもうすでにそこまで行きつつあるのじやないか。更にはそれだけでは及ばないので、消費統制その他を具体的に考えなければならないし、少くとも昭和二十九年度の下半期なり、或いは二十九年度末くらいにはそういうことを実際に行わなければならない段階に来つつあるんじやないか。そういう意味では経済政策はあなたがたの自由主義経済政策が大きく転換をされて、統制経済の方向に、或いは統制経済という言葉が悪ければ、計画経済なり、総合的に計画を立てて勘案しながら行くことなしには、この困難を切り抜けて行けないじやないか、こういうふうに思うのですが、その点を大臣はどうお考えになるか。  それからもう一つは、更に消費規制の問題だけでなくもつと重要な問題は資金の統制の問題であると思うのですが、問題は過剰投資が一番重要な問題であつたと思うのです。そこで過剰設備が各方面に相当たくさんあると思うのですが、紡績であるとか、砂糖であるとか、そういう各産業部面における過剰投資なり過剰設備の状況を、どういうふうに御覧になつているか。従つてそれに関連をしてこの資金需要の問題をどういうふうに統制をして行こうとされるか。その点については衆議院におきましても投融資計画委員会を作れというようなことが附帯条件としてついておると思いますが、それらの関連において少くとも資金の統制だけは非常に高度なものを計画的にやらなければならない段階に来ていると思うのですが、これらの面をどういうふうにお考えになつているか、併せて御説明を願いたいと思います。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 最初のお尋ねは私からお答えいたすのが筋かと思いますのでお答えいたします。  私はこの点については佐多委員と相当基本的な考え方が違うと思いますので、結局平行線かと思うのでありますが、私は外貨が窮屈である、或いは緊縮予算をやらなければならんということで、その場合にはいわゆる統制経済とか計画経済、その意味する中身もいろいろの段階がございましようが、いわゆる常識的に言つてのその統制経済ということに公式論的に行かなければいい結果は出ないんだという前提にお立ちになつておるとすれば、私はこの点は非常に反対なんでございまして、私どもは自由主義経済ということを飽くまで考えておりますけれども、それは又同時に佐多さんの御指摘になるように、自由放任の野放しの何もしない、民間の企業なり或いは個人の労働者なりに勝手気儘にやるというようなことを意味するものでは決してございませんで、例えば外貨の割手計画を作るというようなことも、或る意味においてこれは一つの統制という言葉がそういう場合にも使われるのかも知れないと思います。又各産業、基本的な産業や食糧の増産計画等についても御承知のように我々も五年計画なり、三年計画なり持つておる。そのおのおのの問題について自由な捉われざる効果が現われて来るような地についたやり方をやつて、行く。又その底には企業の創意工夫というようなことやその他が考え合せられるわけでございまして、例えば一例を挙げれば、今回の税制改正におきましても、これは国税から地方税に通じまして恐らく法律案としても六本か七本になると思いますが、その六本か七本を通じて各所に我々の考え方が出ておるのでございますが、企業の創意工夫を発揚し、又企業経営が合理的にできるように、又労働者従業員諸君にも企業の内容というものが掌握できて、合理的な基礎の上に労使間の話合いができるようにということの一助を税制の上においても打出したつもりでございまして、そういうようないろいろの点から申しまして、効果の挙がるような方策をとつて、参りたい。そのために或いは皆様がたから、そう、お前らは我々の言う統制をやり出したじやないかというような御批評を或いは受けるようなことも、場合によれば更に考えなければならんとは思いますけれども、くどいことではございますが、公式的な切符制というようなことを予想されるような、さような措置は私どもとしてはとつて参りたくない。又それによつて十分の効果が挙がるものである、こういうふうに考えております。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 投融資の一つ審議会と申しまするか、協議会、そういうものを作つたらというようなことについてのお話でありますが、実はこれは具体的にそれらの考えられた人の話を伺つておりません。実は御承知のごとく中央銀行の行き方についてはすでに日銀政策委で各方面の利害を代表した者がそれぞれこれに関して金融政策をやつておる。又金融そのものについて、は大蔵省に金融懇談会があつて、これは各方面の人の意見をやつておる。更に例えば全体についていうと、経済審議会が経済審議庁の中にあつて、これも各方面の権威者を集めてやつておる。貿易については貿易審議会が通商産業省の中にあつてやつておる。こういうような工合でありまして、実はこれは佐多さんも御存じのように、そういう審議会というものは多いほどあるのです。但しどういうふうにすれば一番効果が挙がるかということは一つの問題なんでして、これは今後とも一つよく相談した上で効果の挙がるようなものができれば、それについて考えたいと思います。但しそれについての根本の考え方が或いは金融に、いわゆる投融資をするにつけて、もとになる案をまあ作れという意味から言つていると思うのですが、投融資そのものはこれは国会で御協賛を仰いでおるような次第で、ただそれの一々例えば開発銀行をどうするかというふうなことは、開発銀行の予算、決算というものを大蔵省で又査定をしている。預金部はどうする、これは預金部の審議会で又それについて査定をしている。こういうような工合になつておりまするが、併しそういうことだけではどうも資金上の効果に乏しいのじやないかという考え方もあり、或いは又一歩進めて金融統制というか、或いは信用統制というか、昔のいわゆる資金調整法式なところまで進んだらどうか、というような話も聞かんではございません。只今のところまだ実はそこまで行かずに私ども考えておるのでございますが、今お話のございました投融資の委員会のごときものにつきましては、いい考えができましたらこれは成案を得次第考えて見たいと思つておりますが、まだ只今のところこれを御発議になつたところのかたの意見も、どういう案でどうするということについてもまだ話を伺つておりません。従いまして、それらともよく相談しました結果、或いはそれを必要とすればそういうような工合に持つて参りたい、かように考えておる次第でございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 必要とすればそういうふうに持つて行きたいという御意見ですが、必要であることはもう自明の理なんで、従つてああいう附帯決議もございましたし、更にあなた方が政策転換を非常に大きく急遽されなければならないというゆえんのものも、過去の政策が失敗をして、それで過剰投資なり過剰設備が行われたから、急遽唐突に思われるくらいに政策転換なり、方向転換をしなければならんということになつておるので、問題はただそれをどういうふうに収拾して行くかという問題であると思うのです。例えば紡績についても砂糖についても、過剰設備であることは余りに明瞭なんです。こういうものを一体それじや計画として産業資金の供給計画を去年はどういうふうにお立てになつたのか、そして実績としてはどういうふうに現われて来たのか、計画と実績とどうして狂つたのか、狂いがないならば初めの見込みが悪かつたのか、それらの点をもう少し真剣に一つ御検討を願つて、過剰投資の対策をお取上げにならなければなかなか今の問題は解決をしない。ただ単に金融の面から資金の貸出その他を締めればいいという問題ではないと思うのです。そういう点をもう少し明瞭に、計画的にやつて頂きたい。特に最近においては私から言うまでもなく、中小の商社群では非常に大量に破産、倒産をしていると思うのです。これは更にメーカーのほうにも及んで行くだろうと思います。それは紡績にしても或いは砂糖にしても、等々輸入原料その他が非常に少くなつて来るとすれば、鉄鋼業についても同じでありますが、殊に大きな整理なり統合というような問題も行わなければならない。そういう場合に一体各産業別にそういう整理統合というような問題をどういうふうにお考えになつておるのか。更には整理統合の方式をどういうふうに持つて行こうとしておられるのか。そういう点をはつきりと計画的に、明確に、総合的に対策をお立てにならなければ、さつき言つたような非常な混乱が起き、収拾し得ないような事態に至らないとも限らないのではないか。それらの点を大蔵大臣なり、或いは愛知経審長官はどういうふうにお考えになつておりますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 一つ一つのものについての或る程度の計画は、これは皆立てておるのでありまして、例えば鉄鋼についてはどうする、造船についてはどうする、海運についてはどうする、石炭についてはどうする、電源の開発はどうする、これは皆それに伴つての資金計画、資金計画の中には単に開発銀行等のものばかりでなくて、市中銀行の金融も併せてこれはやつているのであります。ただ仰せになつたような紡績とか、その他のものはこれは今日のところ砂糖なども明らかに過剰投資に私はなつておると思います。併し私どもの党の考え方は、少しあなたがたと違うところはそこなんでありまして、紡績のごときものは、これは日本における国外に対しての唯一の競争力を持つておる産業でありまして、過去政府がどういう力を貸したものでもなく、戦時中は別でありますが、政府がどういうことをやつたでもない。尤も輸入その他についてはリンク制その他によつて、多少外貨の割当によつてこれは差を生ずるのは当然でありますが、大体自分の力で皆やつて来たものなんであります。従いまして、そういうものに対してまでいろいろ枠をはめることはどうか、私ども実はそのほうには進んでいないのであります。併し今の日本が各種の産業全体について枠をはめるべき段階かどうかということになりますと、少くとも私はまだその時期ではないとこういうふうに考えているので、私が佐多さんと根本的に言うと少し違う点であり、それが最も自由党と社会党の違う点であろうかと思つております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それらの点にもつとお尋ねしたいのですが、あと時間がありませんので、通貨政策のことについてちよつとお尋ねしておきたいのですが、国庫収支の見通しを二十八年度の推定実績をどういうふうにお考えになつておるか。それから二十九年度はこの間お考えになつた数字と違わない数字でいいというようにお考えになつておるかどうか。昨今或いはあれでも、ああいう計画ではまだインフレ様相が相当多分に残されて、むしろ実行予算を組んででも、もう少し財政自身の緊縮を実現をして行かなければならないというような意向があるやにも伝えられておるのですが、それらの点を大蔵大臣はどういうふうにお考えでございますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) これはやはりいつも申す通り、二十八年度が少しインフレ的傾向を免れなかつたので、この二十八年度は二月の当初から二、三と残つておりますから、その予算について相当厳格な通知を出しておるのでありまして、これは二十九年度予算編成と同じ方針の下に金が使われると考えております。二十九年度予算につきましても、これはできるだけ私どもはこの予算を圧縮したい。特に不時の災害等もあることでありますから、そういうことに備えたいと思つておりまするが、あの予算のかなり圧縮したものでありまして、いわゆる実行予算を編成するというようなことは、よほど実情において困難であります。併しながらできるだけこの金を有効適切に使うと、こういう考え方で臨んでおるのでございますが、なお今の国庫収支の問題については丁度理財局長が来ておりますので、正確な数字を持合しておりますから、理財局長から御答弁申上げることにいたします。

阪田泰二大蔵省理財局長

○政府委員(阪田泰二君) 国庫収支の数字についてお尋ねでございますが、国庫収支につきましては、御承知のように現実の期間を切つて計算いたしました国庫から民間に対してどれだけの引上超過、或いは撒布超過になつているか、こういう数字と、予算或いは資金の計画に基きまして、それが、要因となつてどれだけの対民間融資ができるかといつた見方をしました数字と、両方ございますわけで、ありますが、二十八年度につきましては、国庫収支の見込といたしまして、予算或いは外貨資金、或いは各運用会計の運用等の計画から算定しました数字が、先般資料として差上げましたところでは大体百三十一億の撒布超過になりまして、これに指定預金の引上げを強制いたしまして、三十七億円の引揚超過となる、こういつたような数字を一応差上げてあつたわけでありますが、これは予算のほう、その他からの計画から見ました数字でありしまして、現実の期間を切りまして、昨年の四月一日から始りました期間の現実の対民間融資の数字の実績を申上げますると、大体年度初め四月一日から本年の二月末までのところで、五百九十三億円の引揚超過という数字に相成つております。  それから明年度の国庫収支の問題でありますが、これも先般資料として御提出いたしておきましたのでありますが、来年度の予算その他の計画からどういう収支が起るかという調べといたしまして、一般会計におきまする前々年度の剰余金の使用分でありますとか、食糧管理特別会計における食糧証券の増加に相当する分等の散超要因から、外国為替特別会計におきまする外貨の減少、或いは別口外貨貸付の減少等による引揚げのほうの数字を差引きまして、差引まあ十一億円引揚超過になる。まあ殆んど収支がとんとんになるというような数字を差上げてあるわけでありますが、この明年度の見込の数年につきましては、こういつた予算の関係の要因から起る数字といたしましては、現在のところ特に変更を要する事項は起つていないのでありますが、ただ最後に申上げました別口外貨貸付の減少、この金額といたしまして三百億円見積つておりますが、これは御承知のように日本銀行で別口外貨貸付は原則として廃止いたしましたので、そのような関係で外貨貸付の減少による引揚げかこの三百億よりも多少増加するのじやないかというようなことで、この点につきまして今検討いたしておる次第であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 この予算の計画上でなくて、実施した結果としての国庫収支の問題あたりをもう少し詳しく知りたいと思いますが、時間がありませんので、全部そういうものは端折ります。ただ資料として、今御説明の実行上の国庫対民間収支の三月末、年度末推計実績をどう見ておられるかというものを書類にしてお出し願いたいと思います。特に二十九年度予算の繰越が一体どれくらいになるかという問題、更に三十年度に繰越される予定のものがどれくらいあるのか。従つて二十九年度年間にはどれくらいそれか増加して行くのかというような点がはつきりわかるような資料を一つ御提出を願いたいと思います。  あと農林大臣その他にお聞きしたい点もたくさんありましたが、時間がありませんので、今日はこれでやめます。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 関連して。大蔵大臣にちよつとお尋ねしますが、イギリスの政府はポント貨の第三国間の振替に関しまして、大幅な制限を緩和する措置をとつたやに承わつているのですが、我々としてはそれに関する情報をまだ得ていないのですが、大蔵省のほうにはいろいろな情報が入つていると思いますが、一体それはどういう理由でイギリス政府はそういう措置をとつたか。そうして又それが我が国との関連におきまして、どういう影響を及ぼすものであるかというようなことにつきまして、御見解を承わつておきたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) イギリスの政府では、今中田さんお話のごとくに、ポント貨の第三国間の振替に関する制限を大幅に緩和するために大体次の、ような措置をとりまして、今日イギリスの大蔵当局から発表せられたのであります。便宜イ、ロ、ハと分けます。  イとして、アメリカ勘定、カナダ勘定及び若干の封鎖勘定を除き、その他は現行の振替勘定国、双務勘定国等の区別を廃止して、これを一本の非居住者勘定に統合する。その結果、右の非居住者勘定内での各国間の振替は原則として自由になる。但しトルコ、ハンガリー及びイランの三カ国については当分の間現行通りの制限を存続する。本措置は三月二十二日から発効する。こういうような発表をしたのでありますが、これは実はカナダその他数カ国に振替勘定がありまして、そこで日本ではポンドでの払いを禁ぜられておつたのであります。それを今度僅かトルコ、ハンガリー、イランというような三ヵ国に縮めましたので、これは日本のためにはどつちかと言えば好都合になつて参ると見てよいと思うのであります。  それで、イギリスが大体通貨価値がだんだん安定して来たので、こういう措置をつまりとつて来たと思うのでありますが、併しよくイギリスではポンドのコンバーテイビリテイということが言われておりますが、それのためかと言うと、これは直接どうも目下のところ何にも関係がないように思われます。  それからポンドの金ドル平価、これはこの間ちよつと日本はポンドに対して変えましたが、あの金ドル平価公定為替相場、これには何らの変更を加えてございません。従いまして、こういつたポンド貨の振替に関する制限は緩和されたわけで、日本のためには幾らかでも都合がよい。イギリスとしてはそれだけ経済の安定をこれで示したものと、こういうふうに見てよいのじやないかと思います。なお細かいことは更に詳報が来ましたら申上げたいと思います。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 私は主として海運、造船問題についての質問を運輸大臣に申上げたいのですが、時間が十分と制限されておりますので、先に大蔵大臣に簡単に伺つておきたいと思います。今度の予算で、三派の共同修正案では九十億円の歳出増を図りまして、その財源の一部として開発銀行の投融資の中から十五億円捻出する、こういうことでありますが、原案の中にありまする造船に対しての融資百八十五億円のうちへ若干割込んで行くのかどうか、その点について伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 開発銀行に対する融資のうち十五億円減じますることはお話の通りでございます。併しその十五億円を開発銀行のどの分から持つて来るかということはまだ実はきめておりません。一応船なんかということが上つたのでございますが、これはいろいろ事情があつて、まだ実はどこの分からどう十五億円開発銀行の貸出しを減すことになりますか、これはきまつておりません。ただ総額として十五億円だけ開発銀行の貸出を減すと、これだけのことでございます。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 大蔵大臣の御見解、御意思を伺つておきたいのですが、造船関係の融資の中から減すというような点は、大蔵大臣のお考えは如何ですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 造船は昨年に比べて相当大幅に減つておりますので、その点について何か運輸省のほうの意見も出ております。又日本の国策の上からみてもどうかと考えられますが、併しかれこれ問題もあるときでもあり、市中銀行等の融資その他の関係もはつきりいたしておりません。まあそういうときでもあるし、これでするという私は少しも考えをいたしておりませんが、一部にはそれから減すのが一番無難ではないかという意見があることは事実であります。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 先ほど申上げましたように、時間の関係があるので、海運造船の問題とは別ですが、時間切れになると困りますから、運輸大臣に冒頭申上げておきたいのです。  昨日第五福龍丸の乗組船員の問題につきまして、この漁夫という、船員を漁夫というそういう言葉を使つておられる。昨夕ラジオのニユース解説を聞いておるというと、何回も量ねて、これは運輸大臣に関係のないことですけれども、漁夫々々とこう言つているわけですが、あの船の船員は立派に船員法の適用されておる船員でありまして、政府の法律によつて公認をした船員でありますから、今後発言をなさる場合、或いは文書等で公表される場合の職種は船員と統一されるように御配慮を願つておきたい。  昨年の、今非常に問題になつておる外航船舶融資利子補給及び損失補償法が国会に上程されました際に、運輸当局から将来の日本のこの造船計画について説明をされておりますが、その説明の骨子というものは、昭和三十二年度を目標にして、昭和三十二年度の輸入量の五〇%、これは貨物、それから石油類については八〇%、これを日本船で輸入をするためには昭和三十二年度に百七十万総トンの貨物船、それから八十二万トンの油送船を持つ必要がある。従つて昭和二十八年以降三十一年度までの四年間に毎年貨物船を二十三万総トン、油送船を七万総トン、併せて三十万トンを建造して行く必要があると、こういうのがいわゆる計画造船の昨年政府が表明された方針であつたわけでありますが、現在、只今大蔵大臣から海運融資等について説明がありましたように、財源、予算等の関係でこの計画のトン数に対しての若干の増減はあろうかと思いますが、若し三十二年度までにそれだけの船を持たなければいかんという、こういう考え方そのものに変更があるかないかということが一点。それから若し例えば本年百八十五億の原案通りの開発銀行の融資があつたとして、又のちほど伺いますが、市中銀行から三割の融資が話合いがついたとして、そうして建造される船というものは、十七、八万トンであろうと想像されるわけですが、三十万トンの計画が十七、八万トンに減少するということと、いわゆる最終の三十二年度における目標トン数に狂いが起つて来るわけですが、船は少くても三十二年度で計画造船は打切られるのか。それとも年度別の建造トン数が少なければ、三十二年度を更に延長して、この計画造船というものは進められるのか、その方針を承わつておきたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) お答えいたします。  四カ年計画で私ども始めたときは、年に三十万トンを拵えて行きたいというようなつもりで始めましたが、二年目になりましてすぐ予算の上でこれだけの今提出されておるような状態になつたのは甚だ遺憾でございます。いろいろ相談いたしましたが、財政融資が少くなりましたために、一応百八十五億ということで、市中三割、財政資金七割という線をそのままやりますならば、少し無理すれば二十万トン近くのものがやれるのではないかということを私どもは考えておつたわけでございますが、更にさつき御質問に対して大蔵大臣がお答えいたしておりましたその中から、又多少減るのじやないかという問題にぶつかつて、おりますので、そういたしますると、或いはそこにこれからの折衝がまだ残つておりますが、我々の計画よりもう少し減らざるを得んことになるかもわからないのでございます。併しそうなつたならば、三十二年までにできるものはできるで、それで打切るかというお話でございますが、これは私ども百二十万トンを四カ年間に外航船を増加いたしまして、これによつて今申されましたように、貿易物資の積取比率の増加等々の計画を立てておりますが、そこには是非持つて行かなければ日本の海運はならないと私どもは思つております。来年は少くなり、再来年、その次と予算の面に金額を殖やすことができないということになりましたらば、止むを得ず年限を延してでも、この計画はいたして行きたい、こういうふうに考えております。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 最近相次いで摘発をされまするこの海運造船の汚職の関係で、政府の計画、或いは方針は如何ともあれ、日本の計画造船そのものについての国民の輿論と言いますか、一般の考え方に非常に大きな動揺が起つておりますることは、これは申上げるまでもない。で計画造船の可否についての問題点はいろいろございますけれども、先ず第一番には、その汚職の問題、国の大事な金を使つて、そうしてそれが政界にばらまかれたり、或いは待合、料理屋で散財される。そういうようなことでは、もう計画造船はやめたらよいではないか、こういう説が国民輿論の中に漸次高揚しつつあることは運輸大臣も御承知の通りであります。従つて具体的には、私は二点伺いたいのですが、どういうところに抜穴があつたか知りませんが、又確かにどれくらいのものがあつたか知りませんけれども、問題の根源となつているのは、やはり造船所から船主へのリベート、そうしてそのリベートが非常に無駄なところに使われておると、こういうところに問題点があろうかと思うのです。若し今運輸大臣が所信をお述べになつたように、従来の計画造船に対する方針をそのまま踏襲をしてやつて行きたいと仰せになるならば、今問題になつているような点はどのようにしたら解消できるかということについてのお考えなり、方針を承わつておきたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) お答えします。リベートの問題が今度の造船汚職の中心になつているようでございますが、私どもはこのリベートが行われているというようなことは誠に申訳ないことでありますが、私どもは知りませんでございました。計画造船を始めましてのちというものは、できるだけ船の値段を下げて、そうして優秀な船をこしらえて、それを一ぱいでも早く多く送り出すというのが運輸行政の方針で、ずつと第九次までやつて来たわけでございますが、こういう問題が起つた以上、一体こういうことのないようにするにはどうしたらいいかということが一番先に私どもとしては考え、又それを実施に移さなくちやならん問題だと思うのでございます。それには私どもが第一には、基準の船価というものを一応拵えて、これより以下のものはよろしい、それより高いものは成るべくこれの基準に副つていろいろ工夫して下げさせるという方針でやつて参つたのでございまするが、それはいろいろ紙上の計画と申しまするか、紙上の基準であつたということは免れないのでございます。と申しますのは、造船所に行つて親しくいろいろな面を調べるということは今までの運輸省の権限にはなかつたのでございます。又船会社に対してもそれはなかつたのでございます。利子補給を始めまして、それで監督をすることができ、監査の制度をとることになりまして、昨年の八月以降その船会社に対してだけはできるようになりましたので、船会社から報告を求め、先ず今報告を得てこれを実際に調べておる途中でございまして、まだ実地検査までは船会社にも入つてないのでございます。で造船所のほうにはそこまで入つてないので、例えば基準船価をこしらえる場合に当りましても、船会社に行つて一々細かく当り、細かく研究をしてというところには至つてないのでございますから、今度はどうしてもそういうふうなところまで入らなければなるまい。そういたしまして本当にできるだけまあ品を落しちや悪いのでございますが、品をよくして、そうして値段を低くする、そういうふうなリベートなどというものの入る……実際上これは表向きに出ないでも余裕があればどつちかにそういうものが出て来る虞れがあるのでありますが、この船価をきめる場合、これに対して利子補給等をきめる前提になる問題といたしまして是非この実地監査の制度を確立いたしまして、そして基準船価というものをがつちりしたものに持つて行きたい。そういうことが根本で、同時に監査の制度を一つできるだけ細かくいたしましてそういう弊害等の起らないように、船会社も造船所も皆の信頼を受け得るような状態のところへ持つて行きたいと、こう思うております。こういう問題が起りましたので、逆に船会社にしても造船所にしても疑惑を持たれ、或いは非難を受けながらこれから先政府資金を七割でも八割でも出してもらつての造船ということが不可能な状態に実際上はなるということを彼らも気付いておられるわけでありまするから、私どもの行き方が必ず協力を得て実効を挙げるであろうということを考えているわけであります。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 汚職や贈収賄の根源というものは造船所から船会社に対するリベートにあるということは今までのいろいろの経過によつてよくわかるのであります。併しそれはまあ別問題として、そのほかに得心のできないのは、船ができ上つて就航をするときに各船会社はレセプシヨンをやるわけですが、その費用が相当額見積られて而もその費用にまで利子補給が行われているというようなことが伝えられておりますが、その真偽のほどを伺いたい。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) 利子補給をやる問題といたしまして、このいわゆる乗出し費用、船価そのもの以外に乗出し費用を一部利子補給の対象にしようという案は持つておつたわけであります。併しこの乗出し費用と申しますのは、建造中の金利とそれから公租公課、それから中に備付けまするいろいろな食器類とか寝具類とか、海図とかいうような、こういうようなものを対象といたして利子補給の中に入れてもいいのじやないかという見解を持つておりました。これは二十八年度の予算に若干含まれておるのであります。利子補給の対象としておつたわけであります。併しこの場合におきましてもレセプシヨンの費用等は全部乗出し費用の対象数の中から除いておりますから、全然利子補給の対象にはなつていないのでございます。今申しましたような乗出し費用も二十九年度予算が非常に窮屈になりますと同時に、二十九年度の予算をこしらえるときに純船価だけにしなければ金がなかなか大きくなるということで純船価だけということになりましたので、それならば二十八年度の分でもまだ契約を結んでない際でございますから、これを、乗出し費用を九年度の線に合わすべきじやないか。今予算があるからというので使つてしまうことよりも、それよりもほかに有意義な方向に使うべきだということになりまして、今第三補正として出されております八千何百万円というものが削られたのはこの乗出し費用が全部除かれたわけでございます。乗出し費用をやろうとした場合におきましてもレセプシヨンの費用等は勘定の対象にはなつていなかつたのでございます。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 計画造船に対する国民の不信のもう一点の理由は、多額な国の金を使つて船を造つて、随分この金は無駄に使われておるにもかかわらず、借りた金の利子も元金も一つも払つてはおらんのではないかという点であると思うのです。特にひどいのは、三月十日付の読売新聞に「開銀・造船融資の秘密」と、こういうので「一千億の明細」、「利息さえ一文も還らず」という見出しをつけて、今月の一日に衆議院の決算委員会で委員の質問に対してこの詳細を開銀の関係者もそれから運輸当局も説明をしない。公表しない。そこで読売新聞社、「本社」とありますから、読売新聞社が入手した資料によると、元金も利子も一つも払つていないことがわかつたということで、阿波国共同汽船ほか五十三社の会社の名前を全部入れて、二十八年十二月末残高、残高中利子、これが明細にここに報道されておるわけなんですが、こういう細かい数年になりますと、必ずしも新聞が確かであるとは考えられないわけなんですが、この数字に誤まりがあるかないか。又今までの元金の支払状況、それから利子の支払状況等を一つ詳しく御説明を願いたい。これは数字に亘ることでありますから海運局長おられたら海運局長でも結構です。

岡田修一運輸省海運局長

○政府委員(岡田修一君) 開発銀行の外航船建造に対して融資いたしました現在の残高は昨年の暮で九百九億でございます。それには計画造船外のものも含まれているわけでございます。計画造船分としては八百三十一億でございます。そのうち償還の開始された新造船融資の貸付の元金額、これは二百二十八億でございまして、御承知の通り開発銀行の貸付は三年据置、あと十二年の半年分等額償還というふうになつておりますので、その二百二十八億のうちで貸付の期限が来ましてそうして払つていない金、これが五次船で六億二千万円、六次船で二億三千万円、合せて八億五千万円程度でございます。この金も開発銀行で半年だけ償還が延期されておりますので、形の上では延滞というものはないわけでございます。金利の点につきましてはこれは一文も滞つておりません。開発銀行の金利の取立ては非常に厳重でございまして、市中銀行のほうからむしろ開発銀行が厳重過ぎるというくらいの不平が出ておるくらいでございます。船会社は、市中銀行は従来からの馴染がありまするから割合に勘弁してくれと言いやすい。開発銀行は幾分お役所式だから、そのほうを憚かつて、開発銀行の金利はきちきちと払つているというのが現実でございます。読売新聞に金利これこれというふうに書いてありますのは、見返資金当時の貸付条件で金利も二年間据置くということが認められた。その据置かれた間の金利は元本に加えるということになつております。これは占領当時におきましても、海事金融というものの性質がそういうものだというので、当時日本の海運に非常につらく当つていた占領軍がそういうふうな条件を認めてくれておるわけであります。従つて、読売新聞に書いておりまする金利というものは、何も滞つておる金利ではなしに、貸付条件として当然認められて元本に加えられることになつておるものでございまして、金利につきましては一文も滞つていない、かように承知しております。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 時間がないので残念ですが、まだ聞きたいことがありますけれども、飛びまして結論的に申上げますと、今までの造船に対する汚職の問題、或いは贈収賄の問題、それから国民の海運造船に対する考え方の如何はともかくとして、とにかく船を造らなければ造船所の従業員が餓死をしなければならんというこの現実だけは間違いのない事実なんです。十次計画の造船が、例えばこの予算が参議院を通るか通らんか知りませんが、百八十五億手付かずで原案通り通過をしたとしましても、なお残つておる問題としては、市中銀行からの三割の融資が非常に困難な実情に置かれているということは運輸大臣御承知の通りであります。それから又市中銀行が融資できないという一つの重要な理由として、海運会社の再編成をやらなければいかん、こういうことを強く要望をしておつて、運輸大臣はこれを受けて、汽船会社に対して自主的に再編成をやれということをおつしやつたというのですが、これ又新聞の報道によりますと、極く最近に日本郵船、大阪商船等の大手筋八社の代表者の諸君が集まつて、市中銀行の要請に応えるための再編成についての話合いを進めたけれども、自主的にその再編成をすることができない、こういう模様でありますが、その真偽のほどを伺いたい。  それからもう一つ、私の質問はこれで終りですからあと丁寧に答えて頂きたいのですが、若し十次計画の造船が遅れますと、一体日本の造船所の実情というものがどういうことになるか。外航船舶の建造に適格した船台が幾つあつて、そうしてすでに神戸の新三萎あたりでは、四月九日に今船台に載つておる船が進水すればあとは何にも仕事がない。空になる。六月までもうその会社を運転するいろいろの資金の金繰りもつかないし、一月ぐらい持ちこたえたらあとは従業員を整理しなければならん、八千人の従業員を整理しなければならん、こういうことを造船所の労働組合から訴えて来ておるわけなんです。何月頃になれ、ばどういう船台がどのような状況になるかということを一つ詳しく数字で説明を願いたい。それと、それに対する対策。

石井光次郎自由党運輸大臣

○国務大臣(石井光次郎君) お答えいたします。第十次造船は、予算が通りますると私どものほうがこれを実施に移す責任が出て来るわけでございますが、さつき申しましたように、全部初め予定されておつた通りに参りましても二十万トンくらいである。これに対しまして、保安庁の船をどれだけこしらえますか、大体商船のトン数に直しまして五万トンそこいらじやないかと思うわけでございます。外国からの注文の船がどのくらい出て来るか、本年は約十万トンを予定しておりましたところが、鋼材補給その他のことが効果を挙げまして、約十二万トンくらいな注文を受け得たのであります。来年はこれだけ持ち得るためには、又それよりもよくして行くためには、造船そのものの合理化も必要でありまするが、一番の問題でありました鋼材の補給というものが行われなければひどく打撃を受けるのではないかと思うております。  ついででありますから、この外航船の問題を申上げて置きます。外からの注文の問題を申上げて置きたいと思うのでありますが、日銀の別口外貨貸の金利を下げてもらつておりまして、それによつてトン当り七千五百円の減額になつておつたわけでございます。それと鉄鋼会社が努力いたしまして、千八百円ほど又下げまして、合せて九千三百円であります。これでイギリスあたりの造船吊鉄鋼値段に一万円の差があるということが大体埋合せできるということになりましたので、注文を引受けられるような現状にありまするが、これが別口外貨貸の制度がやめになることになつておるのでありますが、これがやめになつて全部元の通りになれば、僅か半年ぐらいしかやらないで、消えてなくなることは日本のプラント輸出の大宗を占めておる船の輸出に大きな影響を及ぼす問題であるというので、それがやめになるのが、それに代るべき何らかの方法をとつてもらいたいということで、今それぞれ話を進めておる状態でございますから、何とかして今年ぐらい、十万トンぐらい少くとも獲得して行きたいのでありまするが、船の現在建造されておる状態を見ますというと、この五、六月頃には殆んど全部でき上つてしまうというような形に大体なると思います。詳しいことはあとで船舶局長から申上げますが、そういう状態でありますので、来年度の計画造船、第十次造船はできるだけ早くしてもらわなければたまらないというのが造船所、並びに造船所に働いておる人たちの殆んど問題なく、挙つての希望であります。これは言われるまでもなく私はそういうことを頭に入れて相談を進めておつたわけでございます。ところが不幸な造船汚職問題が起りまして、そのために世の中の批判が非常にきびしいものでありまするから、船会社そのものが少しく二の足を踏むと申しまするか、どうも乗気が薄いのでございます。もう少し様子を見てというようなことで、できるだけ先のほうになつて注文をするならば注文をしたい。どこかが一遍急いでやるということになれば、それに遅れちやならんということで出て来ることもこれは実際におきましては起り得ることでありまするけれども、まあ船会社同士の話合で、もう少し様子を見ようじやないか、様子を見て注文を差控えるということになりますれば、造船所並びに造船所に働いている人たち、造船工業の問題から日本の一つの大きな経済組織の上にひびが入るのだが、どうなんたという話をいたしますと、船会社のほうは、それはもうよくわかるから、できれば成るべく早くとも思うけれども、自分たちの心持としてはゆつくり行きたいというような心持である、総合いたしますと私にはそういうふうに聞きとれるのであります。銀行のほうになりますると、昨年の造船の時分から、担保力を開銀よりも目分のほうに、市中銀行に優先的に与えてもらいたいというようなことを言つておりましたが、さつきもちよつと話が出ましたが、開銀はなかなかやかましいので、殆んど市中銀行と同じように担保力担保力とやかましく申されますから、今までも殆んど対等の立場でやつて来ております。  昨年頃市中銀行は、担保力をもう少し増してもらいたいということと、できれば昨年九次の後期に三割であつたものをできるだけ少くしてもらいたいというような程度の希望であります。ところが今度のような問題が起りまして、先頃から私は各方面の人に順次集まつて、汚職は汚職、この仕事は仕事なんだ、しつかり皆元気を出して、日本の国策としてこれが必要なら皆力を合せてやつてくれなければ困るというのでいろいろ話をいたしまして、その際に、市中銀行の諸君の言うことは、金がなくなつて参りました、而も二十九年度においては緊縮の財政方針、これに応ずるために市中の金融というものがうんと引締められますので、船のほうにはこれ以上なかなか出せんということが第一、担保力もだんだん減つて来ております、併しこれはだんだんいろいろ調べて見れば、担保力のあるところは探し出せるかも知れませんけれども、できれば今後は政府だけでお造り願えんでしようか、というような意味のことを、これは最後的ではございませんが、意見だけ私今聞いておるような次第でありますが、そういうようなことであります。これを集めて考えますると、又日銀の総裁とか、開銀の総裁とかは、新聞紙上で発表しておるように、海運、造船の合理化が先決問題で、整理統合が行われなければ十次造船もなかなかだというような声を挙げておられるようでありますが、これらの人たちにも会つての話の工合、又開銀とは実は今日会うつもりでおりましたが、来週に延びておりますが、そのほかは従来会つて見たところを総合いたしますと、去年あたりまでは造船には皆同じ方向に向つて進んでおりました、ところが今度はちぐはぐだと、急ぐというのは造船所と造船所に働いている人たちだけであります。あとは金融機関に至つては今度は一つその間から抜けさしてもらえるなら抜けたいというような調子で歩調が全然合つていない形であります。この歩調を合せることが先ず第一の問題に私どもとしてはなつておるわけでございます。何とかしてそこいらにまとめるものをこしらえまして、一日も早く造船にかかれるようにしなければ、これは私はただ海運界がどうとかこうとか、船が多いとか少いとか、要る、要らんとかいう問題以上の問題がここに起り得る、社会問題としてこれはがつちり考えなければならん問題であるということを考えまして、成るべく早い機会に一つこしらえてしまいたいと思つておりますけれども、今申上げておりますような状態でありますから、いつそれが、例えば今月末にはスタートいたします、四月中には契約いたすようにいたしますというようなことを、はつきりしたことを申上げるまでに至つておりませんけれども、御質問の趣旨と、私どもの考えておることは全然同じ方向のことだと存じます。一日も早くどんな形かで造船にかかれるような方向に向いたいとは考えており、又その方向でいろいろ相談もしておるわけであります。船台がどういうふうになつておるかという状況は船舶局長からお答えいたします。

甘利昂一運輸省船舶局長

○政府委員(甘利昂一君) 私から造船所の船台の状況を申上げます。現在三、四千トン以上の外航船を造り得る船台で稼働しておるものは五十七基あります。そのうち五月末に昨年やりました九次船の後期が全部進水いたしますと、あと残りが十二基だけ使用中になつております。そのうち五基だけは輸出船に使用しておりますので、残りの七基が外航船、輸出船以外のものを造つております。これは主として八百トン乃至千トン近くの小型のタンカーで、従つて今申しましたように五月で大型船の船台は大部分空くという実情であります。

松浦清一日本社会党(第二控室・右)

○松浦清一君 造船所、海運会社の社長や重役がリベートをやつたりもらつたり、うまい物たくさん食つて酒を飲んでおる、そういうようなことだけのために造船所に働いておる何にも罪咎のない従業員の諸君が飢えなければならないということはないのでありますから、外航船の注文を取るなり、今いろいろ問題になつておる保安庁の船の建造を早めるために努力をするなりして、船台が空かないようにここから社会不安が生まれて来ないように、大蔵大臣ここにいらつしやるから、最大の努力を政府は一致してとられたいということを要請して私は時間切れでありますから質問を終ります。

森八三一緑風会

○森八三一君 すでにこの委員会を通じまして、食糧問題につきましてかなり論議があつたのでありますが、更に二、三の点についてこの機会にはつきりさしておきたいと思います。  第一にお伺いいたしたいのは、昭和二十八年度の当初予算を審議する際に、首相の諮問として食糧問題が審議をされ、増産計画が答申をされておる。それが政府の持つていらつしやるいわゆる食糧増産計画であるとかいうように了解をいたしておりましたので、そのことをお伺いいたしたのでありますが、農林大臣は一応増産計画はあるが必ずしもそれが政府の持つておる増産計画ではございませんので、一刻も早くコンクリートなものを作りたいという御意見の発表があつたので、食糧問題は極めて重要な問題でありますので、計画的に推進して行くためにそういうような政府の確固たる計画を早く樹立されたいということを要請しておつたのであります。ところがこの三十九年度の予算審議に当りまして、先日この委員会で、政府の持つておる食糧増産計画というお話があつたのでありますので、その後の研究によりまして今後における食糧増産計画というものがはつきり樹立されたように拝察をいたしております。先ずこの機会に政府のお持ちになつておる食糧増産計画というものについて具体的にお伺いいたしたいのであります。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 政府と申しますか、結局この増産計画にいたしましても、財政によつて動かざるを得ない、年々の財政事情の考慮を抜きにして計画を持つということも実際問題としてはこれはまあ非常に困難であるわけであります。御指摘のように確かに私はお話のような見解を持ちまして増産計画をもう一遍見直して見たいという考えを強く持つておつたわけでありますが、農林省内部で総理大臣の内部諮問と申しますか、いろいろ権威者の意見を総合せられ、そうして農林省で打立てておりました食糧五カ年計画、即ち土地改良を中心としますところの食糧五カ年計画というものは、これは農林省としては是非堅持をして行くべきものである、固く私はさように考えております。同時に、併し食糧増産はあの農地改良或いは農地の拡張等に待つ面のみならず、耕種の改善と申しますか、営農技術の滲透と申しますか、この面による既成田の反収を引上げて行く。無論これには土地改良と農地条件を改善して行くという前提が、大きな要因にもなりますけれども、とにかくそういう点に数字的にこれを現わし得なくても、増産に力を人れて行かなければならんのじやないかというような考えを持つております。お話の政府部内で或いは内閣の閣議決定を経たるという意味におきましては、申上げるものはございませんけれども、私ども当局として一つの指標を持つて進んで参るというのは、お話の、従前発表しております五カ年計画を堅持して参りたいという考えは、今日も変つていないわけであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 勿論時の財政の事情によつて計画されまする案がそのまま立派に遂行されるかどうかということは、問題になるし、当然でありますが、    〔委員長退席、理事高橋進太郎君着席〕 国防の問題に優先をしなければならん非常に重大な食糧の関係につきましては、一定の年次を限つて計画がなければ、国民としては安心ができないはずでありますので、仮に閣議で決定はされておりませんにいたしましても、今お話のように当面責任の省である農林省としては、年次別の増産計画をお持ちになつているといたしますれば、その計画に基く昭和二十九年度分の推進目標はどういう数字になつておりますのか。その推進目標というものは、今お話がありましたように、どこまでも一つ堅持してこれを実施いたしたい、ただ併しそのときの財政の事情によつて変る場合がある、これはよくわかりますが、二十九年度分の計画を実施するために、今提案されている昭和二十九年度の食糧増産経費におきましてはそれがどの程度に実行されるか、見通しを承わりたいのであります。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) ちよつと今五カ年計画の資料を私持つておりませんけれども、二十九年度、来年度予算で増産目標として期待しておりますものは土地改良、開墾、干拓によりまして百十四万石くらいに一応の計画を立てているわけであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 私の調べました調査と申しますか、統計によりますれば、今お話がありましたように土地改良を中心とする関係において昭和二十九年度の提案されている予算におきましては、百十一万四千石の増産が期待される。他面耕種改善の関係において提案されている予算がこのまま実施されるとすれば三十四万八千六百石という数字が期待されるようになつているのであります。そこで問題になりまするのは、経済自立を達成しなければならんということで、一面には輸出の増進が計画され、他面輸入の抑制が計画されているのでありまするが、食糧の関係から考えて参りますると、こういうことでは政府のしばしば発表されておりまする、年々の人口増加に伴う所要の自然増加が百数十万石、過去三十数カ年間の統計に基く一カ年間の耕地の壊滅に伴う消極的な減産が、これ又百数十万石、合せて今の推移で参りますれば、年額二百四、五十万石程度のものが、自然に増加しなければならんということになると思うのでありまするが、その数字すら今申上げましたように、昭和二十九年度の予算では土地改良、干拓、開墾等一切を含めまして百十万石程度、耕種改善の関係において三十数万石ということで、合計いたしましても百四、五十万石程度より期待ができない、こうなりますと、自然の所要増加二百四、五十万石というものをカバーすることすらできないといたしますると、昭和二十九年度には仮に米作が、昨年のような不幸な災害ということが発生いたしませんで平年作程度ということになりましても、百万石以上のものを輸入に期待しなければならん、それでなくても外貨が非常に困難をしているときに、これを一体どういうふうにして始末をして行くのかということが、非常に大きな問題になつて来ると思うのでありますが、こういう関係にどういうように取組んで行かれるのか、その構想を一つ承わりたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) まあ、とにかく耕種改善で、何万何千石、土地改良で百十四万石という紙上の一応の計算は出て参りましても、さてその通りに出て来るわけのものでなく、これはもう申上げるまでもございませんけれども、私はこういう日本の国情の下におきましてはどうしても、金をかけなくても増産の方途を、官民一致して力をいたすべきものじやないかというような考えも深く持ちます。併し責任当局者として、さような言い訳は決して申すべきものではないと存じます。増産計画が私どもの堅持しておりまする五カ年計画を達成して参ります上に、今年度の食糧増産対策事業が、私どもの期待するところから非常なる圧縮を受けておりますことは、御承知のように辻褄の誠に合わないことになるわけである、その点は非常に私の力の及ばざるところで、遺憾に存じておりますが、一応本年の米作は増産計画は又別といたしまして、平年を見通すとしてどうして今年の、或いは来年の食糧確保をいたすか、ということにつきましては、とにかく全体の置かれている事情から、止むを得ず足りない分はどうしてもこれは輸人によつて確保して行くほかはないというような需給計画を立てまして、食糧の確保だけは万全を期して不安なき処置をとるということで予算上の措置もいたしておるようなことでございまして、お話のように年々の農地の潰廃等による減収、人口増加による消費の増大という面と、これを追つかけて参りまする食糧増産の進歩がちぐはぐになつておるということは、これはもう御指摘の通り私どもも認めざるを得ないのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 そこで一つ大蔵大臣にお伺いをいたしたいのでございますが、今農林大臣もお話のように、農林省としては一定の増産計画をお持ちになつておる。それがときの財政事情によつて非常に遺憾な結果になつておる。今度の予算を拝見いたしますると、特に私どもの指摘いたしたいのは、これは正確な統計はございませんが、年々通常発生いたしまする病虫害等による被害の減収が、人によつては一割程度であるというように申しておる人もありまするし、人によつては二割程度というような、非常に厖大な見込みを立てている人もあるのであります。若し仮に一割程度だということになりましても、米だけで平年作六百万石程度の病虫害に伴う減産が見られておるというわけである。勿論他面、土地の改良、拡張等も必要なことでありまするが、折角生産されまするものが病虫害等の災厄によつて減産するということは、これは非常に遺憾なことでありまして、これだけは是が非でも防遏をして行かなければならんと思うのであります。これは恐らく異存のないことであると思うのです。にかかわらず、昭和二十九年度の予算を拝見いたしますると、その関係における施設と申しまするか、施策費が大幅に削減されておるということは、一体どういうことなのであるか。こんなことは常識的に考えましても、当然推進されなければならんと思いまするのに、病虫害防除に関する問題が極く僅かな経費で済むのにかかわらず、ふつ飛んじまつておるということは、これは如何にも食糧増産ということが要請されておる現下に応えないものではないかというように私は理解するのでありますが、どういうような感覚でこういう費用を削減されておるのか。削減されたその査定の考え方について伺いたいのであります。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) この病虫害対策としてのこの農薬の対策、これはまあ考え方にはいろいろあると存じますけれども、実際申しまして、この病虫害等による減収を防止いたします手段として、    〔理事高橋進太郎君退席、委員長着席〕 どうしてもこの病虫害対策に力を入れなければならん。これはまあ過去数年間農林省、大蔵省一致した考え方で処置をいたして参つております。そこで来年度の処置といたしましては、この撒布器具の充実を図るとか、或いは農薬の備蓄を図るとかいうことにつきましては、前年以上の特段の措置を講じておるわけでございます。ただ、何と申しますか、予想面積を一応、これはかなり実際予想せられるところより非常に少いのであります。五万数千町歩を予想して一応この計上をいたしておるわけでございます。考え方は従来とは私は同じことでございます。従つてこの災害が現実に発生いたしました場合に際しましては、この計上せられている予算の方向に従つて十分善処しなければならん、こういうふうに私は考えております。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 農林予算の削減の問題の前に、ちよつとまあ最初に申上げておきますが、私どもはこの食糧増産に要する費用をできるだけ年次的に持つて参りたいことは、これは至極く御同感でございます。併しながら予算の都合で限られた範囲であるから、そう参りませんので、予算執行上について同じような実益は挙げてもらうようにやつてもらいたい。言い換えますると、例えば用水を直すのでも、五カ年間で仮に二十本直すということが計画されておれば、従来の例だとそれが重点的に行われない結果、どうも五年目になれば皆できます。どうも四年目には何もできていないというようなことが間々ある。これは極端な例でありますが、これに類することがあるので、そうでなくてそれらをむしろ初年度に効力のあるものはすぐやる。それでだんだんと長いものについては、もう少し予算の余裕のあるときにやつてもらう、こういう考え方で組んでおるのでありまして、従つて食糧増産そのものにも何ら支障がない。但し長い計画のものはこれはもう少し国の財政の余裕のあるときにやつて頂く、こういう考え方で農地、土地改良その他をすべて重点的にやつて頂くということを主眼として、予算を組んでおる次第であります。従つて食糧増産そのものについての予算、これは今の土地改良、耕種改良その他の予算は若干でも殖えておりますが、相当中には大幅に減つているものなどは、大体そういう基本的な考え方から止むを得ずとつた措置であります。  その次に今のお話でございまするが、農林当局にもそういう考えがあるのでありまするが、私どものほうでも一応わかるが、つまりこれは生産費と見ていいものでありまして、つまり農薬というものは米の生産費と見てもいいものじやないか。従つてこういうものは漸次だんだん生産者が自分の生産のために使うものであるから、そういうふうに持つて行くべきものじやあるまいか。従つて今お話が出ましたが、共同の施設その他のものについてのことは共同のことでありまするから、いたしますが、併し農薬その他自分の病気になるものを予防して、それで増産になる、こういうような直接生産に必要な費用とみなすべきものについては、これは漸次これを減らして行くべきものである。こういうものが農業だけをほかの産業と区別することができない、こういうふうに私どもは根本としては考えておる。けれども、それは順序を経てやらなければならんから、一気にどうこうしているわけではございません。

森八三一緑風会

○森八三一君 今の最後の大蔵大臣の基本的な方針として、こう考えておるというところに私は非常な疑問を持つのであります。と申上げますのは、今、大臣のお話によりますれば、農薬を使用することによつて、当然病虫害が防除せられ、そこに相当の収益が確保せられるのだから、当然これは受益者負担というような意味において生産者が持つのが当然だ、生産費の一部として考えて行けばよろしいのだという考え方に根本的な私は異論があるのであります。そういうような感覚で進んで行くということでありますならば、これは例は多少飛躍するかも知れませんが、天然痘の強制接種の問題にいたしましても、天然痘にかかれば、かかつた人が難義をすることは、これはよく理解をしていることでありますので、あえて国が費用を持つて強制接種いたしませんでも、それぞれ受益者負担というような意味合において各人がやればよろしいということになると思うのであります。少し理論が飛躍するかも知れませんが、理論的には、まあ、そういうように考えられると思うのです。農薬のような場合にも、今申上げましたように、統計は正確なものがありません。ありませんが、人によつては一割、人によつては二割、一割といたしましても相当の大きな被害であるということが計算をせられることでありますので、こういうものにつきましては受益者負担というような感覚で放置するという場合においては、或る一人の人が防除をいたしませんと、それか折角防除をしている他の人の畠にも伝染をし、病気が発生するというような災厄が移るのでありまして、これは広く伝染病等の防除と同じような感覚において国が担当して行く、こういうことが私は一つの筋じやないかとこう思うのですが、そういう考えになつて参りますれば、今度のこの予算の病虫害の防除に関する植物防疫の問題が非常に大幅に削減されるということは一つの誤りじやないかと思うのでありますが、本年度の予算は別といたしまして、こういう基本的な考え方についてどうお考えになるか、査定の衝に当られる大蔵大臣として今後の心がまえを伺いたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) これはいろいろ考え方があると思います。併しながら私どもはさつき申す通りに、病虫害にいたしましても共通なもの、共同なものに対しての費用はこれは削減すべきじやないと思つておりますが、今申上げたような受益者が直ちに生産が増加して、自分が利益を受けるという分については、天然痘の例をおとりになるからそういうことになるのだが、それではそのほかのことで商売人の例をとれば、そんなものはあるのかという例が幾らもあるので、これは例を挙げませんけれども、それで私どもの根本の考え方は何でもかんでも政府に頼るという考え方はやめたい。大体自力でものをやつて行くと、こういう考え方を強く出して、併し共同してものをやるときに、国の力の援助が要るというときに国の力を貸す、又国の力によつてこれをやる。併しながら隣までやつておるが、自分のところは収穫が取れんでも知らんと、こういうような共同精神に欠けておる農村民じやないと私は思うのです。農村の方は共同性があつて、各種のことを共同しておやりになる。共同の設備その他の費用は、これは国が共同施設のためにしてよいと思いますけれども、自分の薬の費用まで国が出すというようなことについては、これは少し森さんから言うと大蔵省式の考え方かも知れませんが、私はどうも直ちに御承服をいたしかねます。

森八三一緑風会

○森八三一君 この問題で私大蔵大臣と見解を異にするのでありまして、一人の未防除者があつた場合に、その人の水田なり畑に発生する病虫害が、善良な人に自然に波及して行くということを考えまする場合には、これはやつぱり一般の災害の防除と同じように、病虫害の問題だけは考慮をすることが適当であるというように考える。これは議論になりますからこのことはやめておきます。  それから同様な感覚で昨日の岸委員の質問に対しまして、財政の都合でということで御説明のございました食糧増産に極めて密接な関係があり、政府もその活動に非常に大きな期待を寄せられ、その効果を認められておりまする改良普及員の問題でありまするが、今度の予算を拝見いたしますると、昭和二十八年度の予算は十一億七千三百万円でありまして、それが九億五千九百万円ということに減額されております。これは別途提出されておりまする補助金等の整理に関する法律案に基きまして、従来三分の二であつたものを二分の一に縮減したということから生ずる結果であるのであります。ところが別に資料として頂戴をいたしておりまする表によりますると、仮に昭和二十九年度も昭和二十八年度と同じように三分の二の助成をしたとすればどういう経費を所要するかと申しまするのに、主計局の表によりますれば十二億七千七百万円ということであります。この差額がどうなつておるかという問題をだんだん究明して行きますると、これも主計局の資料に基きますれば、三億一千九百万円だけ地方交付税のほうに算入してやるのだから、結論的には三分の二を助成しておるということになるのだとこういうことに相成るのであります。こういうことに財政的になるのであるとするなれば、昨日の農林大臣の御説明は、財政上の関係がありましたのでと、こういうことでございましたが、財政上の関係は今申上げましたように主計局から頂戴しておる二つの資料を集めて見ますると、昭和二十八年度の予算では十一億七千三百万円、昭和二十九年度の只今提案されておる予算では九億五千九百万円、若し三分の二を昭和二十九年度に組んだとすれば、どうなるかというと、それは十二億七千七百万円、而も昭和二十九年度の予算中、地方交付税のほうに算入されておると明示されておりまする数字は三億一千九百万円、これをずつとつずつて考えますると、あえて三分の二を二分の一といたしませんでも財政的の措置は請ぜられておる。こういうようになるのでありますが、こういうことをどういうわけで補助率を変更して、こういう措置を講ぜなければならんのか、改良普及員の活動には非常に見るべきものがある。非常に私は食糧増産の立場からそれを拡充しなければならんと思うし、今度の三党共同修正でも改良普及員につきましては相当の追加と申しまするか、予備費を廻してまでこれを拡充されておるというような意図だろうと考えて参りますると、今度の措置はちぐはぐになつておるというふうに私は了解するのでありますが、実際に財政的措置が講ぜられないほど困つておるというなら別でありますが、財政的措置はきつちりとられておる。これはどういうわけで一体こうされたのか。その感覚を承わりたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 数字はこれは森さんがお話のようで前年通りの補助率を、三分の二であれば十二億七百万円となるのでありますが、それを九億一千七百万円だけ計上しておるのでありますから、その差額はどうなつておるかということなんであります。これは今回御承知のごとく地方制度調査会や或いは税制調査会等の答申に基きましてそれを基礎としまして大体地方の自主性を強める、こういうような考え方から、国の補助金は大体において二分の一にする、三分の二というようなものは二分の一にする、或いは八割というようなものも二分の一にする。併しそれでは仕事をしておる者が非常に不自由になる、活動力が鈍ることになつてもいかんから、それで今の地方との間に税制等を調整しまして、交付税及び譲与税特別会計等を含み、又或いは酒とかたばこなどについての新らしい消費税を交付したり、いろいろ地方税の調整をやつておるのでありまして、今度は財源を地方に多く与えたのであります。その財源を多く地方に与える結果、そういう負担ができるというので、そのうち三億数千万円を織込んであるのであります。従つて実質において受取られる事業の、農業改良普及員に対する補助も、実情においては変りはありませんが、二分の一は国から行く二分の一と三分の二との差は、地方自治体から行くと、こういうことになるのであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 結局財政的に余裕がないのでというふうに私は承わつたのでありまするが、今申上げましたように主計局の提出されておる資料によりますれば、財政上三分の二を自主的に国が持つということはここで達成せられておるのでありますが、ただ三億一千九百万円だけが地方交付税に算入されておるということになつておる。でありますのでこの三億一千九百万円だけは、地方に参りました場合にどういうように使つてもよろしいというふうになるかとも思いまするし、補助金の額が二分の一ということになりまするので、使わなければ、その額、二分の一の割合においてこれは交付をされないということにもなると思いますが、そこで、農林大臣はこういうようなふうに財政的の措置が講ぜられておるという現実に鑑みまして、昨日もお話があつたように、改良普及員の活動には大いに見るべきものがあり、今後この活動に大いに期待するということを言つておられる。その立場に立つてこの予算をどういうように具体的に実施せしめて行くのであるか、地方に対する指示、通牒等は何かお考えになつておるのか、その辺のお気持を伺いたいのであります。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 昨日もお答えいたしましたように改良普及員の活動の実績が、農業技術の改良、進歩に大きな役割と意義を持つておる。従つて今後とも改良普及員の活動に大きく期待をいたして行きたいという考え方を根本的に持つておるわけであります。同時にこの考えは地方庁においての熱意に又かかつて来るのじやないか。例えば或る県、非常に農業に熱心な当局者がいて、そうして農業の、農村の発展のために、農業を非常に大事に扱つて行くという県は私のほうから指示しなくても、これに対しては相当手厚く考えて取組んでくれるのではないか。又そうでなければ農林省でどんなに三分の二の補助或いは全額補助をいたしましたところで、地方庁でそれだけの熱意を傾けてくれる支えがなければ、私は実際の効果を上げることもできないのじやないか。そういうことは無論御質問の外でございますけれども、只今お話の点につきましては、できるだけ改良普及員のために含みとして計上せられている地方平衡交付金が、改良普及員のために使われるように私どもとしては、できるだけの必要なる措置は講ずるつもりです。

森八三一緑風会

○森八三一君 そういうようないろいろな奨励の関係で、結局米麦が生産をせられるのでありますが、その生産米麦の価格の問題が、やはりこれは非常に生産意欲を昂揚して行く立場から見ますれば、重要なる要素になることは申すまでもございません。そこで先日総理に対する総括質問の際にも申上げたことでありますが、私の計算によりますれば、昭和二十九年産米の予算米価は八千八百二十六円という数字になるようであります。公聴会における大内さんの計算では、もう少し低いようなことが公聴会で述べられておつたのでありまするが、いずれにいたしましても、八千八百円前後という数字のようであります。そこで今年度の実際の実行米価は、しばく大蔵大臣からお話がありましたように、凶作のあとを受けておるというような関係からいたしまして、一万三百三十五円という計算がきめられている。こうなりますると八十一億一千九百万円の早場米奨励金は別途予算が計上せられておりまするが、その他のものは全部今度の予算米価、基本米価に全部算入をされておるという結果といたしましては、少くとも現実には昭和二十八年産米の農家の取得と、昭和二十九年産米の予算米価との間には、石一千円前後の開きが出て来るのであります。これは現実の問題として石一千円程度の値段が低下して来るということは、供出なり生産に相当影響を持つて来ることは間違ない。これは理窟を抜きにして私はそう思うのです。そこでこれは恐らく例年見られますように、その時期になりまして、米価審議会等において価格決定をされて来るということになりますれば、必然的に補正という措置が講ぜられておつたのでありますが、昭和二十九年の予算は補正をしないというのでありますから、予算米価が現在審議中のものが実施せられるということにならざるを得ないといたしますと、どうしてもここで千円程度の食い違いが起きて来る。一体こういうことで農林大臣は昭和二十九年産米の確保をやつて行く確信がおありになるのかどうか。今ここで苗代を作り、田植をするという前に、補正予算をやらない、実質的に昭和二十八年にきめた産米よりも一千円程度農家の所得が減るということがはつきりしてしまつて、それでただ国民総動員的な精神的な問題だけで、これを乗切つて行くということは、かなり困難があると私は思うのでありますが、これを押し切つて、乗り切つて昭和二十九年産米が十分な確保ができる見通しがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 食糧問題の、食糧関係で横たわつておる一番大きな根本の問題だと私も考えております。成るほど昨年産米の実手取りが石一万三百四十円と大体計上せられるわけであります。この中には御承知のように五百五十五円の予期せざる減収による減収加算が入つておるわけでありますが、そのことは無論御承知のことでございますから、理窟から申しますと、無論平年作を予想しておる今日からいたしますれば、そういうものを米価の中に織り込んで考える必要はない。これは理窟でございます。実際問題としては農家が昨年一万円で売り出した、それを今年は九千円で売るということが実際問題としてはどうであろうか。然らばそれをしないと、手取りを減少しないように措置をするとなれば、勢い生産者米価というものが高くならざるを得ない。仮にそういう場合を想定いたしますと、これを消費者に直接に転嫁せずして行く方途があるか。財政の事情はこれを許さない事情に置かれておる。食管会計においても、もはやさようなものを措置し得る能力も持つていない、こういう今難関がここに横たわつておりますので苦慮しております。そこで食糧対策協議会でも基本的に米の内地産米についての問題をもう一遍根本的に見直してみる必要があるのではないか、そういうことでこれは軽々に結論をつけ得ないと考えておりまして、慎重に一つ消費者の関係及び生産者の、生産農民の関係、両面から問題をしぼつて慎重に検討して、そうして今年の産米に対する措置を誤らないようにいたしたいということで、今日は結論的なことを私申上げ得ないことを非常に遺憾に存じますけれども、又問題の性質からいたしまして、これは慎重に研究をさせて頂きたい。いずれにしても、結論を持たずして二十九年産米に臨むということはできませんから、それまでに必ず結論をつけて私どもとして責任をとり得る措置を講じて行きたい、かように考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 大臣からお話がありまして、これ以上申上げる必要はございませんが、低物価政策をおとりになつておる現在の政府の方針から参りますれば、消費者米価を上げるということは、これは一般に影響するわけでありますので、容易になし得ないことであろうと思います。と言うて、そのしわ寄せが生産者にのみ及ぶということでは、困つた問題がまき起つて参りますことはお話の通りであります。ただ、この解決が非常に困難であるということで荏苒日を送つておりますうちに、苗代の準備等も始まる時期になるわけでありますので、そういう生産の開始されまする時期までには解決いたしまして、農民が安心をして昭和二十九年度の米の生産にいそしみ得るような条件を作つて頂きたいということを希望申上げておきます。  それから次に、大蔵大臣にお伺いいたしたいと思いますが、これはしばしば論議をされたことでありまするが、この昭和二十八年度の予算は別段一兆円予算ということにこだわつて考えたことではない。木村委員からも例を挙げて指摘されたのでありまするが、昭和二十八年度の予算と比べますると、どういうように大蔵大臣がおつしやいましても、これはやはり一兆に抑えるためにいろいろな措置が講ぜられたのだというように理解せざるを得ないと私は思うのでございます。昭和二十八年度の予算を組まれた当時の形を持つて参りますれば、昭和二十九年度の予算はどうしてもこれは一兆五百億円程度のものになつておつた。それは租税の払戻し金七十八億、これは大臣のおつしやるような理窟もあります。だから一兆以内になつておる。これはまさにその通りでございしますが、昭和二十八年度の予算を編成した当時の構想通りでずつと編成をして行けば、これは明らかに一兆五百億円程度にはなつておつたと思うのであります。それで租税払戻しの関係においては、それは一遍取つたものを、余分に納めてもらつたのだから早く払つてやることがいいのだ、これはその通りであります。それは予算があると予算に縛られて払えないから、その中で措置をするような法律を別に出して始末をする、こう言つておるのであります。とごるがそういう感覚で行くならば、先日もちよつと申上げたのでありますが、関税や、トン税においても同様な措置がとれる。関税やトン税においては一億九千八百万円の予算が昭和二十八年度の通りに組まれておる。これは金額が小さかつたから見落しでこうなつたと思うのでありますが、七十八億のほうだけは大臣が御説明になるような説明で落した。その説明が通るならば、関税、トン税の金額は小さいけれども、一億九千八百万円も当然落ちていなければ筋が通らないと思うのでありますが、やはり別にこのことについては御説明を頂戴しようとは思いませんが、ただ形の上で一兆円以内に抑えたからということだけで臨んでおられますと、実際は一兆円以上のものであるということで、所期されるような効果が出て来ない。結論的には政府のおつしやるようなことを聞いてまじめにやつておる連中があとで馬鹿をみたようなことになると非常に大きな問題が捲起るので、むしろ私は率直に御説明をなすつたほうがいいのではないかという感じを持つのですが、そのほかの問題につきましても、そういうように、これは木村委員から十分指摘されたことでございますので、今具体的な内容を申上げませんけれども、どこまでもこれは実質的に一兆円以内だというように御主張なさるのか。余りここであけすけな答弁もできんと思いますが、私が申上げまするように、今の一つの例を考えてみましても、実質的には昭和三十八年度と比べて一兆円以上のものになつておるということを指摘したいのでございますが、もう一遍一つお伺いしておきます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ木村君のような出し方をする人もあり、まあこれは一つの出し方として私は見ておるわけであります。今のトン税、関税等の問題はちよつと私は実は気が付きませんでしたが、実はトン税、関税は余り青色申告のようなものはないと思うのであります。普通の所得税に青色申告が来ますと、この頃は非常に普及して参りまして、殊に昨年商工会議所などであの簡単なあれを普及せしめる処置をとつてから、非常にこれが殖えて来た。従つて税を戻すのが多いので、何も戻す税を、特別にこれだけの戻す税まで収入に見立てて一兆円の分を越す。これで割るじやないか、割るじやないかということを言つて、特別なことを言う必要はないと思う。いわんや入場税なども、地方税と去年中に考えれば、地方税改正はそのうち九割を戻す。これもそうじやないか、あれもそうじやないかと、いろいろ理窟を言う人は理窟がつけられるのでありますが、繰返しものを申すようでありますが、去年の予算と全然予算の編成が違つておる点をはつきり御認識下されば、一兆円予算という意味が一番徹底されると思うのです。それはどういうことかというと、過去の実績というものを見ていない。募債その他の新規のものをやつておらない、相当巨額に毎年上りつつある自然増収を一切見ていない。こういうことを以て、これがよく一兆円予算と言われる代りに超均衡予算であると世間でむしろ強く言われておる点はその点なのでありまして、これはどういう建前でどういうふうにおとりになつてもよいのですけれども、この予算案の所期しておるところは、全くの実情から見て均衡予算であるということが徹底されていればいいのであります。これを以てインフレ予算であると難癖をつけようとする人があれば、それはインフレでないことが即刻出て来て、もうだんだんと出て来ておるのでありますから、これは難癖をつけようとすればどうでも言えるのでありまして、森さんはそうじやないけれども、五百億円をわざわざあれを足らんということは、あんなことは下らんと思います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 事務当局にも説明の機会を是非与えて頂きたいと思うのです。木村さんの計算では、五百億ぐらい膨れるということでありますが、そのうち一番大きなのは入場税であります。これは只今大臣からお話のありました通り、若し去年通りの計算をすれば、当然地方税になるわけでありまして、これは当然除外して頂きたいのであります。  それから木村さんが産業融資とか産業特別会計への直接の繰入れ等も計算の一つの項目に挙げていらつしやいますが、これは歳入の問題でございまして、その歳入が若し一般会計に入りましたといたしましても、それだけ直ちに歳入を膨らますかどうかということはこれは全然別問題でありまして、これは五百億の計算の中に入れるべき要素ではないと私どもは確信いたしております。更に連合国財産補償費、安全保障費を挙げておりますが、これは実質的な事故繰越の場合に該当するわけでありまして、これは特に外国を相手にする特別な経費でありますので、その実質に鑑みまして繰越の特例を認めて頂くことにおいては、何ら財政法の趣旨に反するものではないと確信いたしております。なお租税の払戻しにつきましては、これは只今大臣から御説明がありましたが、只今御指摘の関税の払戻しは、これは恐らく千三百万円のお間違いじやないかと思いますが、国税収納資金法を提出いたすに当りまして関税、トン税につきましても、国が返すべきものにつきましては、いわゆる還付加算金を付ける、そういう制度の改正を実行したわけであります。それで還付加算金の予算はどのぐらいあるか、その正確な計算が何しろ初めてのことでございますので、はつきりできません。従いまして前年度の予算千三百万円はこれは全く名目的な金額で、補充費的なものであつたのです。その金額を仮にそのまま還付加算金の予算として収納したわけでございまして、何ら見落しではないのでございます。なお木村さんの御指摘の中には郵便貯金特別会計の関係もございましたが、これは郵便貯金特別会計になぜ一般会計が繰入れておつたか、その理由を究明いたしますと、結局資金運用部に対する郵便貯金特別会計からの預金の利子が低い。そこからして資金コストが賄えないという状態が起つておる。それを一般会計が補填しておつたわけでありますが、これは一般会計を通すというような廻りくどい会計制度を考えるよりも、もつと直截簡明に資金運用部特別会計から直接郵便貯金特別会計に繰入れたほうが会計簡素化の精神にも徹する。かような考え方から、これも法律を提出いたしまして制度の改正をお願いをいたしておるわけでございまして、これ又財政法の精神に何ら違反するものではないのでございます。先達つてからいろいろ問題になつておりましたので、是非一度具体的に御説明申上げたいと思つておりましたが、以上のことをどうぞ御了承頂きたいと思います。

森八三一緑風会

○森八三一君 次に、これは通産大臣がいらつしやいませんけれども、大蔵大臣にお伺いいたしますが、今度の措置によつてかねがね我々が主張して参りました射倖的な精神はこれを払拭しなければならんという主張に聞くところがありまして、自転車競技とかモーターボート競走の国庫納付金はこれは廃止するということになりました。これは全く同感でございまして、結構なことでございますが、このことは、将来やはりこういうようなことは漸次廃止をして行くということが私は前提になつておると思うのですが、そういう前提があるのかないのか、これはただ国庫納付金をやめたというだけで、こういう射倖的な仕事は地方の仕事としてやらして行こうという考えなのか。その辺はどうでございましようか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 国としてはああいうことはもうやめたいと実は考えておるのでありますが、やはりまあいろいろこれは起つて来た事情やら、又地方におきまする、今の地方財政には相当あれで寄与している分等もありまするので、直ちにそういうことをやり得るかどうかということは私はもう少し事情を見なければならんと思いますが、私自身はああいうことをやりたくない。私が通商産業省に入つたときに、自転車のあれは許可しないということを発表すると言つたら、多数の人がここで今そんなことを発表されては困るということで、止むを得ず発表しなかつたという事実もありましたが、従来のを許可せんということではなしに、新らしい許可をせんことに方針を固くきめております。大体から申しまして私どもの今持つておる感じではやめたいというのが主眼でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 そこでお伺いいたしたいのは、昭和二十八年度には自転車競走で十九億一千九百万円の国庫納付金があり、以下極く少額ではありますがあつた。これが昭和二十九年度の予算では国庫納付の措置が廃止されますので今年は入らない。そこで従来国庫に納付せられておつた金額に相当するものは今後一体どういうふうに始末されるのかという問題であります。聞くところによりますると、これを始末するために政府のほうから慫慂をして、議員提出の法律を作らして別個の民間団体を作つてそこへこれを吸上げるというような構想があるやに聞く。そんなことをやつておつたんではまるつきりこれはでたらめなんです。非常にいかんと思いますが、そういうことがあるのかないのか。若しそういうような議員提出、これはまあ政府には関係ありませんが、そんなことを一体お考えになつたのかどうか、率直に一つ承わりたいと思います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 政府に対する納付金を廃止いたしますると、これは当然地方団体にそれが行くことになるわけであります。そこで自転車産業等の振興に使うためにこれを何らかの方法で使いたいというような議が議員立法で起つておることは事実であります。詳しくは通産省のほうから御答弁があると思います。

岩武照彦通商産業大臣官房長

○政府委員(岩武照彦君) 通産省の事務当局からお答えいたしますが、自転車競技法は御案内のように、昭和二十三年に第二国会で各党の共同提案で成立した法律であります。その内容といたしますところは、第一条に目的がはつきり上つてありますように、「自転車の改良、増産、輸出の増加、国内需要の充足に寄与するとともに、地方財政の増収を図るため、」云々というふうに相成つております。このほかにも類似の立法が小型自動車競争法とそれからモーターボート競走法とあるのでありまして、これら三者は大体同一の法律構造を持つておりまして、その売上げのうちから勝者投票券、競輪では車券といつておりますが、それを払つたあとの金を施行著たる地方団体の収入といたしますが、その収入のうちから一部を法律の定めによりまして国庫に納めまして、国庫はその収入のうち競輪におきましては三分の一以内の金額を予算に乗せまして、自転車産業の助成、補助等に資する、こうなつております。それでわかりますように、この競技はまあ射倖的性質もありますが、同時に自転車産業の改良、発達と合せまして、地方財政の増収に寄与するとなつております。それで今回の財政措置によりまして、この国庫納付金を暫くやめますると同時に、その見返りになりまする自転車産業に対しまする補助金の支出も暫く見合せるというふうな補助金整理の特例法案が別途御提案になつておりますが、同時にこの法律は元来が自転車産業発展を図ることになつておりますので、その本来の趣旨に合致させますために、その従来の支出金程度に当りますものを別途関係の産業の発達に使い得るように、或る種の措置を講じたいというような御希望が関係の議員のほうにございまして、目下衆議院におきましてそういう議が進んでおるわけであります。我々通産省としましても、この法律の本来の趣旨が地方財政の需要充実だけではなくて、そもそも関連の自転車産業の改良発達ということもございますので、誠に結構なことだと存じておりまして、事務当局でもいろいろ御相談にあずかりまして、この法律が成立いたしますように希望いたしておるわけであります。

森八三一緑風会

○森八三一君 法律がどういうようにきれいにできておりましても、こういうことによつて起きておる社会悪というものは御承知の通りであります。そういうことで自転車工業を発達せしめて行くということは、必ずしも私は歓迎すべき方向ではない、こう私は思います。見方によつていろいろありましようが、やはり国が自転車工業というものを進めて行こうということでありますれば、もう少しすつきりした形で推進して頂きたいということで、むしろ私は十分慎しむべき問題である、こう思いますので、一つ十分御留思を頂きたいと思います。  大分昼抜きで時間が遅れておりますので、進めて行きたいと思うのですが、先日輸入の問題に関連いたしまして、相手国との間に一つの取極めがある。その取極めに基いて不要不急の物資と思われるものも入れなければならん場合があるという御説明がありました。そのことは一応私は理解いたします。いたしますが、今政府は耐乏生活を国民に要求されておる。その場合に小さな例ではありますが、仮に台湾との貿易によつてバナナを買わなければならんという場合に、そのバナナというものは必ずしも国民の生活水準を高めて行く維持して行く上において必要なものではございません。それが日台貿易の関係で止むを得ず入つて来るということそれ自体が、耐乏生活ということの関連においてどういうふうな精神的な影響を持つて来るか、我々はバナナなんかを食う必要はない。ああいうものを食うことは耐乏生活の一角を崩すのだということを一つの例として言つておる。そういう場合に若し日台の関係においてバナナを買わなければならん。我々がバナナを食うのはいかんこう説明する。それによつて国民は食わなくなつてしまうというと日台貿易に非常に支障が起つて来るということになりますと、バナナを食うことを奨励しなければならんということになつて来るが、一体それはどういうふうに理解したらいいのか、はつきり御説明願いたいと思います。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この通商の立場から申上げますと、只今お話がございましたように、台湾のバナナもそうでございますし、或いはイギリスのウイスキーなどもその例に上ると思うのでございますが、これは併しバナナにいたしましても、ウイスキーにいたしましても、わざわざ奨励するということは非常にかけ離れた問題でございまして、通商協定上止むを得ない程度のものを入れるということでございますれば、これは全体の国民生活から見た場合には、私はそう大して苦にしないでも済む問題ではなかろうか、どうしてもこれを入れなければ、こちらからの輸出が伸びないという点のほうにむしろ問題があるように考えるわけでそういう措置が考えられて然るべきではないか、こう思うのでございますが、韓国との関係における海苔の問題についてはどういうような措置を講ぜられようとしておるのか、御意向を拝承したいと思うのでありす。

愛知揆一自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 韓国の海苔の問題も、実は昨年中あたりのところでは、国内が非常に不作であつたというような関係もございまして、これは或る程度入れるということがその面から申しましても、関係者の要望等もございまして、これは説明がつくことと思うのでございます。これからこれらについてどうするかというお話でございますが、この点は私どもといたしましても相当慎重に考えなければならないことだと思つておりします。併し、具体的に輸入禁止というようなところまでは、これはやはり微妙な国際関係もございまするし、通商を拡大均衡させて行こうというような気持から申しましても、輸入禁止ということは考えておりません。

森八三一緑風会

○森八三一君 今申しましたように、一連の私の感覚では、不急不要と考えられまするような物資につきましては、いずれも耐乏生活が打出されておる一番大きな命題であるといたしますれば、その線に沿う善処を期待をいたすのであります。  最後に、救農臨時国会のときに議決いたしまし例の不正不当の問題でありまするが、これについては過日大蔵大臣から御説明がありまして、この国会には具体的に法律案を提案するということで心持ちに待つておるのであります。我々はああいうような特別の議決をいたしましたことは、過去における幾多の事例もありまするし、更に昨年の異常災害に基きまして相当多額の国費が放出されている。それに伴つて又再びそういう問題が繰返されたのでは、国民の血税が不当に使用されるということで、非常に遺憾な結果が捲き起ることを考えたからであります。ところが、その後大蔵大臣の御報告によりましても僅かな件数の御調査によりましても三〇%近い県に不正不当が起きているということを具体的に報告されておる。こういうような現実の問題を考えましても、この不正不当予算の使用という問題は急速に改めなければならん問題であるにもかかわらず、すでにこのことが国会で議決せられ、そうして政府も急速にその対案を考えるというような意思を表明されておりまするのに、すでに数カ月を経過いたしましても、今なおこういうことが具体的に登場して参りませんことは、非常に私遺憾であるし、奇異に考えるのであります。いつ頃一体お出しになるのか、又お出しになる構想がありますれば、その構想を一つお話を頂きたい。殊に予算使用に関しましては、これと選挙なんかの問題が相当私は重要な関連のあることであると思うのでありますので、そういうような問題も含めて一体お考えになつておるかどうかということをもお伺いをいたしたいのでございます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) この問題は先にこの委員会での御決議もあつて、爾来いろいろ法案を作る努力をしておつたのでありますが、これもいろいろな罰則規定とか、それからどういう範囲までどうするかというような問題等もあつて、少し遅れておりましたが、金曜日の閣議で要綱だけを決定いたしました。大体来週火曜日に法律案の閣議決定を見るだろうと思つております。大体の考え方は、これは補助金等の申請手続のことを定めますると共に、補助金の交付の決定、こういうような事柄について定め、又補助事業等の実地調査について、この規定を作る。更に補助金等の交付の方法についても、規定を設けるごとにいたしております。更に不当不正な補助金等の使用がありました場合における補助金等の返還、返さすこと、それに加算金を付けさしての加算金の納付、それから罰則等について所要の規定を設けるということを目的としたものでございます。なお、このほかにも利子補給、補助金の利子補給にかかる予算の執行についても、まあ必要な規定を作ろうと存じております。大体要綱は金曜日の閣議で決定をいたしました。けれども、今この法伸案の文言となると、これはなかなかいろいろな主張もありまして、又罰則等についても他の振合い等もありまするし、何といいますか、約一週間ばかり非常に法律案がたくさん出だしておりましたものでありますから、法制局のほうにもいろいろ間合せ等をいたして、若干の暇を要したという事情で遅れておりましたが、大体来週火曜日の閣議には決定を見て、決定を見次第法律案として提出したい、そうして御審議を願いたいと考えております。

森八三一緑風会

○森八三一君 最後にお伺いしたいのは、自衛隊の漸増方式は総理もしばしば言われましたように、国力と国民負担の限度においてこれを考えるということでありますが、一つ問題になりますのは、現在増強されております自衛隊の関係におきまする各種の装備等につきましては、アメリカからの供与に基くものが大部分であると思います。ところがこういうような装備等はいずれも三年乃至五年程度で磨滅し更新しなければならないと聞くのでありますが、日米の関係における供与の問題は一年々々の取極めであるように思います。そうなりますると、保安隊を自衛隊に切替えてこれを増強して行く、その増強された結果、使用する各種の装備につきまして更新するときになりまするというと、非常に国民の負担が増大するというときが来るのではないかという心配があるのであります。そのときにその補充はアメリカから供与が受けられるという約束がありますれば、これは問題は解消されるのでありますが、そういう時期になつて、一時に国民負担か殖えるということは国力が許さないということで、そういう段階になつた場合に拡充した保安隊を減員する、縮減するという問題が一体起きるのか起きんのか。そういうことなしに切抜けて行くというような国力の見通しがつくのかどうか、現在は、繰返して申上げまするように初度の装備等につきましても大部分は国民の負担以外において賄われている。それが他日国民の負担になるときが来るのではないか。その更新の時期に、そのときに国力が許せばこれは問題がありませんが、国力が許さんということになりますると、そのときに問題が起きる危険があるが、そういうときを見通して一体どうお考えになつているのか、お伺いいたしたいと思います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) アメリカから貸与を受けますものにもいろいろ種類がございまして、大きなものは艦船、それからタンク、砲車、鉄砲とかいろいろあるわけでありますが、そのうちの耐用年数の非常に短い、いわゆる消耗器材に属するようなものにつきましては、アメリカからもらいますもの並びに日本側で調達するもの両方ございますが、一定の耐用年数を考慮に入れまして財政負担が一時にかかつて来ないようにということで、昨年から或る程度のリプレース分を予算に計上して参つて来ております。今後も一時にこれらの負担が財政負担を加重させないように少しずつリプレース分を予算に見まして、取換を必要とする年度における一時的な負担をできるだけ平準化する、そういう予算編成方針で臨まなければならんと存じております。が、御指摘のような、一時負担が加重されないようにという配慮を今からしておく必要があると存じでおる次第でございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 昨年からそういう予算的措置が講ぜられておりますことは、私も承知いたしておるのでありますが、そういうような兵器装備というものは日に日に進歩して行くわけでありますので、折角予算的措置が講ぜられて、一時に国民負担が増大しないような対策が講ぜられるといたしましても、そのことは日進月歩の科学の進歩に照応するものではないというような結果が捲き起る危険が一体あるのかないのか。現に昭和二十九年度の予算で見ますれば、今年度増強せらるべき二万名の陸上その他につきましては、今お話になつたものの中から八十九億円ほどのものを流用と申しますか、転用しておるということでありまして、これはむしろ私の感覚で行きますれば、食い潰すことではありますけれども、陳腐化して行く装備を使うということになるので、非常に結構だと思うのでございますが、そういう感覚から行くと、今お話になつたような予算的措置が講ぜられておるということは、結論的にスクラップを貯蔵しておるということになる危険があるのかないのかという問題が心配なんですが、そういうことを、今日は保安庁の専門家がいらつしやいませんから、御答弁を承わるわけに行きませんけれども、ただ一時に殖えないようにということをお考えになつておる予算的措置だけでは、問題は解決しない。そういう進んで行く兵器の進歩というものとどう噛み合して行くかというところに問題があるのでありまして、これを寸分考慮に入れてやつて行きませんと、他日増強した保安隊を縮減するというときが来ないとも限らない。この危険を十分一つ考えて頂きたいと思うのであります。  まだお伺いしたいことはたくさんありますが、一応これで私の質問は終ります。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 本日はこれにて散会いたします。次回は月曜日午前十時より開会いたします。    午後二時四十三分散会

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