予算委員会 第11号
- 発言数
- 289 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/12
会議録
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。 衆議院の修正につきまして森永主計局長から説明を求めます。
○政府委員(森永貞一郎君) 衆議院における修正につきましては、先般大蔵大臣から御説明申上げたのでございますが、この修正に伴いまして参考書を作成いたしまして、お手許にお配りしてございますので、その参考書につきまして、修正の概略をいささか敷衍いたしまして御説明申上げたいと思います。 参考書の第一頁から順次参りますが、第一頁で今般の修正に伴う一般会計予算の各省所管別の異動を示したのでございます。総額においては異動ございませんで、国会所管において二千万円増額し、総理府所管におきまして二億二千九百万円増額し、大蔵省所管において五十億円の減額、文部省所管において七億円の増額、厚生省所管におきまして三十四億七千一百万円の増額、農林省所管におきまして十二億九千九百万円の増額、通産省所管におきまして二億八千万円の増額と相成つております。 その次の表は重要経費別の内訳につきまして、今般の修正の箇所を示したものでございます。即ち公共事業費及び食糧増産対策費の事項におきまして、十四億七千九百万円、食糧増産費が十四億七千九百万円、文教施設費七億円の増額、生活保護費五億円の増額、社会保険費九億一千七百万円の増額、結核対策費二億一千三百万円の増額、予備費五十億円の減額、重要経費の総額におきまして十一億八千九百万円の減額、雑件におきまして十一億八千九百万円の増額と相成つております。雑件の増額の内訳はその次の表に各省別に示してございます。 即ち国会所管二千万円、厚生省所管八億三千九百万円、農林省所管五千万円、通商産業各所管二億八千万円と相成つております。以上の一般会計の歳出についての修正のやや詳細な説明が、一頁めくつて頂きましてその次にございます。昭和二十九年度予算についての衆議院における修正の概略、そういう見出しのところに一般会計予算の修正の概略が示してございます。初め二頁は先般御説明もございましたことでございますので、三頁目から各経費につきまして御説明申上げたいと存じます。 先ず生活保護費五億円の増額でございますが、これは当初政府原案二百八十一億八千六百万円を五億増加いたしまして、二百八十六億といたしたのでございますが、この増額になりました五億円は本年度における生活保護費の不足額の補填のための増額でございます。本年度における生活保護費の不足は三十七億と見込まれ、そのうち本年度の予備費からすでに十二億を補填いたし、残りのうち二十億円を当初予算において補填いたしておつたのでございますが、今回の増額修正によりまして、来年度予算で二十五億円を補填せられることになつたのでございます。 それから次の社会保険費の増額九億一千七百万でございます。当初予算の九十七億九千六百万円が百七億一千四百万円に増額されたのでございます。この内訳は、先ず国民健康保険助成交付金六億二千五百万円でございます。これは最初の実績を勘案いたしまして、療養給付費の一点単価が原案では十一円五銭でございましたが、十一円十四銭に改訂し、又一件当りの点数は原案では五六・七点でございましたが、六一点に改訂し、受診率一四〇%をこれ又一四五%に改訂せられました結果、六億二千五百万円を増額修正せられたのでございます。更に直営診療所整備補助金を二億五千万円増額されておりますが、これは当初原案におきましては四十七ヵ所の新設、九十三ヵ所の整備を考えておりました。それを新設百二十二ヵ所、整備百七十四ヵ所と事業分量を拡張するために必要なる金額として二億五千万円が増額修正せられたのでございます。もう一つは保健婦の設置補助金でございます。四千二百万円が増額修正になつております。これは当初の原案では補助率を三分の一から四分の一に引下げるという、前提の下に当初予算が組まれていたのでございますが、この引下を取りやめて、三分の一に戻して、そのために必要なる金額として四千二百万円を増額修正せられたのでございます。以上の合計九億一千七百万円を増額せられたのでございます。 その次の項目は結核対策費でございます。政府原案百三十二億、これを二億千三百万円増額いたしまして百三十四億になつたのでございますが、これは政府原案におきましては結核病床を九千床建設するということになつておりましたのを、更に一千床だけ国立結核療養所に増設する。そのために必要なる施設費といたしまして二億千三百万円が増額修正せられたでございます。 その次の項目は保健所費補助でございます。原案では十四億でございましたが、四億三千九百万円増額修正に相成りまして十八億四千万円となりました。この内容は補助率の変更でございます。当初原案におきましては、補助率三分の一を四分の一に引下げるという前提で予算が組まれておりましたが、これを引下げない。即ち三分の一の補助率に据置く、そのために必要なる経費四億三千九百万円が増額修正せられた次第でございます。 次の項目は簡易水道の施設費の補助でございます。当初案は六億四千万円、これを四億増額いたしまして十億四千万円と相成ります。これは簡易水道施設の整備の事業分量の増加でございまして、四億円だけ補助金で事業分量が増加いたしたわけでございます。なおこれに伴う地方負担の関係は後ほど御説明いたすことにいたします。 以上が厚生省関係のいわゆる社会保障的な経費の増額修正内訳でございます。 次に、農林省所管の食糧増産対策費の関係でございます。食糧増産対策費は当初三百六十三億余りを組んでございましたが、今回の増額修正によりまして十四億七千九百万円が増加いたしまして三百七十八億と相成つたわけでございます。先ほどちよつと間違えましたが、農林省所管だけではございません、総理府所管の北海道開発庁の分を含めて只今申上げました数字でございまして、内訳といたしましては十四億七千九百万のうち十二億四千九百万円が農林省所管、二億三千万円が総理府所得の北海道開発庁所管に計上せられております。その内訳は、土地改良五億二千九百万円、うち内地分が四億六千四百万、北海道分が八千四百万、開拓事業四億一千四百万円、内地分が三億三千四百万円、北海道分が七千九百万円、それから耕種改善等の中に含まれておりまする耕地整備事業助成四億三千六百万円、内地分が三億五千万、北海道分が八千五百万、農業改良普及事業五千万、畜産振興費五千万、合計十四億七千九百万と相成つております。農業改良普及事業並びに畜産振興費、これは内地、北海道を含めた金額でございます。只今申上げました数字の更に細かい内訳が次の五頁に載つておりますが、これにつきましては説明を省略さして頂きたいと存じます。 特に説明を申上げる事項として、六頁の農業改良普及費、これは当初原案十二億四千三百万円を五千万円増額いたしまして十二億九千三百万円と相成つておりまするが、この経費は、生活改善専門技術員四十六人並びに生活改良普及員五百四十六人を地方職員として、増員することといたしまして、これに伴う人件費の補助並びに普及器材の整備を図るために使用することといたしております。それから畜産振興費、当初六億四千六百万円が五千万円増額されまして、六億九千六百万円となつたのでございますが、これは優良種蓄の輸入に必要なる経費に当てる予定でございまして、これにより大体の予想といたしましては、乳牛十四頭、豚二十一頭、鶏百羽の種畜の輸入を予定いたしております。次は、蚕糸業の振興費五千万円がございます。当初予算におきましては三億七千五百万円、増額の結果、四億二千五百万円と相成りました。この増加分の使途は、都道府県の蚕業技術指導所を十八ヵ所新設するということにいたします。なお又それと併せて既設指導所の充実を図ることにいたしまして、蚕業技術指導員三百五十二人を増員することにいたしまして、その経費が二千八百九十一万五千円、残余の二千百万円は、これは稚蚕共同飼育所、稚蚕共同桑園等の養蚕経営改善特別指導施設、いわゆるモデル施設の増強を図るために使用することを予定いたしております。農林省関係は食糧増産費とこの蚕糸業振興費の二つでございます。 次は文教施設費でございます。七億円増額になりましたうち、六億円が義務教育諸学校のいわゆる危険校舎の整備費でございます。一億円は僻地教育の施設の整備費でございます。いずれも補助費でございます。危険校舎の六億円でございますが、当初予算におきましては十四億を予定いたしておりまして、これによりまして危険校舎約十二万九千坪の改築を予定いたしておりますが、今般の追加六億円によりまして、更に単独事業として予定いたしておりました危険校舎の整備事業のうち、補助金として六億円相当分、坪数では約五万五千坪、これを補助事業に振替えて実施することにいたしました。これによりましては事業分量の増加はないわけでございます。それから僻地教育施設整備費一億円、これは僻地小中学校の集会室の新築費の補助でございまして、約七千坪の新築が予定されております。 次は科学技術振興費でございます。三億円を増加せられたのでございますが、この内訳は国会所管におきまして二千万円、それはいわゆるP・B・レポートを購入いたしますのが一千万円、原子力関係の資料を整備いたしますための経費が一千万円、合計二千万円でございます。それから通産省所管工業技術院における科学技術助成費が二億六千五百万円、それから地質調査におけるウラニウムの原鉱探鉱調査費が千五百万円、通産省所管が合計二億八千万円、国会所管を合せまして三億円と相成つております。このうち工業技術院に計上されました科学技術研究助成費は、政府原案は六億円でございまして、その六億円が二億六千五百万円増額されて、八億六千五百万円になつたわけございますが、この経費は従来から、技術的な見地からこの使途について慎重な検討を加えた上で成案を得て交付しておる次第でございまして、今般増額になりました二億六千五百万円につきましては、技術的な観点から慎重にその使途を検討し、助成対象の選定、助成の方法等について、十分研究の結果成案を得た上でこれを支出するということになつておるわけでございますが、修正の趣旨によりまして、大体の使途を申上げますと、チタニウムの関係が千五百万円、ゲルマニウムの関係が千五百万円、それから原子力の平和的利用に関する基礎的並びに応用的技術の研究のためのものが二億三千五百万円、大体このような内訳に予定をされておる次第でございます。 以上一般会計の歳出につきまして増加が五十億になるわけでございまして、その五十億の財源として、大蔵省所管に計上してございました予備費五十億円を減額せられた次第でございます。なお将来政府は物件費並びに施設費につきまして、予算の実行上極力節約を実行し、この五十億円以上の減額を節約によつて浮かすべきことが要請せられておるのでございまして、政府におきましてもその御趣旨に副いまして、実行上五十億以上の節約を捻出するつもりで、目下具体案をいろいろ検討いたしておる次第でございます。 一般会計の以上のような五十億の修正に伴いまして、地方財政にどういう影響があるか、それはこの次の八頁の表に示してございます。保健所の補助金等、補助率が引上げられましたものにつきましては、これは地方負担の減になります。又危険校舎の復旧事業費のごとく、単独事業を補助事業に切替えましたもの、これも地方負担の減になるわけでございます。以上のような減を差引きまして、一方補助金の不足に伴う地方負担の増加した一々の費目につきまして計算いたしますと、差引き四億一千二百万円の地方負担の増加になるわけでございます。このうちで特に申上げておかなければならんのは、簡易水道施設費でございますが、四億円補助費が殖えまして、それに伴つて地方負担が六億円増加するということになつて、これは四分の一補助でございまして、本来でございますれば四億円補助金が増加いたしますと、十二億円地方負担が増加する次第でございますが、地方財政計画のことも考えまして、この四億円のうち二億円は起債で地方財源の調達を考慮する、補助金の二億円は地方に手持財源がある場合にはこれを交付する、即ちこれに伴う地方負担は地方の自己財源において調達するということにいたされたのでございまして、その結果簡易水道施設におきましては四億円の補助費の増加ではございますが、地方負担の増加は六億円にとどまつておる次第でございます。その他の補助金等につきましては補助率によつて地方負担を計算いたしております。なお食糧増産の関係では補助金の交付対象は団体営を多く考えておる次第でありまして、従いまして地方負担の増加になりまするものは極く少額にとどまつております。団体営の場合に農林漁業金融公庫からの融資を必要とするという面が起つて参りますが、これは現在の農林漁業金融公庫の既定の資金計画の中で差繰つて賄える予定でございまして、その点につきましては特に財源措置を講じておりません。 次に九頁になりまして、政府関係機関でございますが、まず国民金融公庫につきまして、政府原案では資金運用部からの貸付金は七十億円でございましたが、これを二十一億円増加いたしまして、九十一億円といたしました。中小企業金融公庫におきましては、二十九年度中に中小企業金融公庫から開発銀行に対し、引継債権の未払金十九億円を支払う予定でございましたが、その償還を延期することによりまして、中小企業金融公庫の資金を十九億円だけ充実することになつたわけでございます。その結果開発銀行のほうに十九億円の穴があくわけでございますが、これは二十八年度における融資の調整並びに二十九年度から三十年度への繰越額の調整を以て賄うことといたしております。 次に、資金運用部の関係でございます。資金運用部におきましては、国民金融公庫に対する貸付金の増加二十一億円、並びに先ほど申上げました地方負担の増加四億円、合計二十五億円を賄う必要が生ずるわけでございますが、この二十五億円は開発銀行に対する貸付金十五億円を減少し、金融債の引受額を十億円減少し、合計二十五億円を賄うことと相成つております。 以上簡単でございますが、一応の説明を終ります。
○委員長(青木一男君) これより質疑に入ります。
○木村禧八郎君 その前に非常に数字に誤謬があるように思うのです。そこでこの際やはり政府が訂正されておいたほうがよいと思いますので、その点ちよつと指摘して、訂正されるように要求したいのです。それは配付された二十九年度予算の説明ですが、一般の人は予算説明書を多く読むわけでありまして、これを今度修正によつて計算された数字の間には非常な相違があるわけです。そこでその相違点について只今申上げますから、やはり訂正されたいことと、それから又数字の違いについてわからない点があるのです。この点を併せて一つ伺つておきたいのですが、先ず第一に開発銀行のこの頂いた修正案のほうの資料の第三表です。昭和二十九年度財政投融資金計画表修正の分とありますが、この中の第一に開発銀行のところで、開発銀行の一番最後のところの自己資金三百億となつております。三百億でよろしいわけですが、それはよろしいというのは、先ほどの御説明で回収を十九億増すわけですから、本来なら十九億減らなけばならないわけですね。ところが先ほどのお話ですと、三十年度に繰越す分、これを減らして調整するから、そうならない、そうしますと、開発銀行のほうの、我々に提出されました予算書、あれには十九億繰越が出ているのです。ですから、あれを訂正しなければならないと思います。あれはゼロにしなければならなくなつて来るのであります。その点一つ問題があるわけです。それから第二は、住宅金融公庫です。住宅金融公庫の自己資金はこの修正のほうで三十六億になつております。ところが予算説明書を見ますと、五億なんです。これは私は予算説明書のミス・プリントではないかと思いますが、余りに違いますので、この点は私はミス・プリントだと思うのですが、若しそうでなければ、どういうわけで修正のほうが三十六億で、予算説明書のほうが五億であるのか、この点やはり相違がありますから御説明願いたい。若しこれがミス・プリントなら予算説明書のほうを直して頂きたい。第三は、中小企業公庫のほうであります。これは予算説明書のほうですと、自己資金は六十億であります。これは六十億から十九億引くのですから四十億になるわけですね。これも六十億から十九億開発銀行のほうに返すから四十億になるべきかと思うのですが、この点もよくわからないのです。それからもう一つ修正案のほうの2の政府事業建設投資です。その中の国有鉄道のほうは、予算説明書ですと自己資金が三百五十億になつておりますが、修正のほうを見ますと、三百四十六億になつておるのです。そうして四億減つているわけです。この四億減つているのはどういうわけか、この点もわからないのです。これはまあ計数に亘ることですから正確にして頂きたいと思うのです。以上の点について……。
○政府委員(森永貞一郎君) 第一の点の開発銀行でございますが、開発銀行の自己資金三百億には異動はないということは先ほどのご説明でご了承頂きたいと存じます。御指摘のございましたのは開発銀行の資金計画をなぜ変えないかということでございますが、これは国会修正はいわゆる議決対象だけについて行われたわけでございまして、資金計画はこれは参考書として提出いたしておるわけでございますが、そこまでは国会では修正される必要もございませんし、又お触れになつていないわけでございます。実行上はそういう資金計画が当然変つて参りますけれども、これは参考書でございますので、私どものほうでも特にそのほうの資金計画までも訂正するという措置は講じていないわけでございます。
○木村禧八郎君 その点ちよつと……、あとになりますとややこしくなりますから今の問題について……。我々に出された開発銀行の予算書を見ますと十九億繰越しになつているのですよ。ところが今のお話ではあれは繰越はなくなるわけなんですから、本当はゼロにしなければならないので、そういうふうにあれは書替えなければならないかと思うのですよ。それだけは実際正確ではない。修正しなければいいんですよ。今のお話ですと三十年度に繰越をなくして調整するというのですから、そうしませんと予算書を見た場合、開発銀行の一般について正確に理解できないわけなんですよ。そういう点やはり、何もそれをいい、悪いということを言つているのではなく、怠慢だとか言つているのではなく、性格を期するためにあれもやはり数字を直しておく必要があるのじやないか、こういう意味でございます。
○政府委員(森永貞一郎君) 議決対象でございませんので、議決のときにそこまで直すという措置は修正案としても講じておりませんし、私どももその資金計画までは用意しなかつたのでございますが、今度の修正の内容を明らかにする意味で本日お配りいたしましたこの表の中で十九億円をどういうふうに賄うかという説明を申上げておるわけであります。先ほど申上げましたように、十九億のうち一部は二十八年度の融資で以て調整する。残額は三十年度への繰越の減少によつて調整する、さようなことをせざるを得なくなつたわけでございまして、お配りいたした説明でそのことを明らかにいたしておるわけでございます。
○松澤兼人君 関連して……。開発銀行の資金計画ですが、議決の対象でないから改めて出さなかつたというこの最後の頁で訂正されている、こういうお話であるのであります。併し問題は本年度貸付計画の圧縮という言葉を使われているのです。圧縮ということであればほかの部面も多少の変更があるのではないか、こういうふうに見えるのであります。他の資金計画にも異動が生ずる。つまり圧縮が行われるとすれば、やはりそれのことも説明して頂かなければならないじやないか、こう思います。その点を伺います。
○政府委員(森永貞一郎君) 只今の点は、無論開発銀行の融資額をそれだけ圧縮しなければならないわけでございます。この説明書の最後に書いてございますように、「十五億円減少することとし、これについては適宜の措置を講ずる」、どこかで融資額を減らさなければならんわけです。それらの点につきましては目下検討中でございまして、未だ成案を得ておりません。なお木村委員の御指摘になりました点でございますが、予算並びに予算参照書には実は影響がないわけでございまして、こちらのこの予算の説明に書いてございます開発銀行のところの説明に多少響いて来るわけでございます。その説明は只今申上げましたようなことで補足説明を申上げたわけでございます。なお開発銀行のところのこの説明を只今私が申上げましたことに併せまして、一表にまとめて申上げることにいたしたいと存じます。
○佐多忠隆君 その十九億の点ですがね、開銀の三百億の自己資金の中にも計算をされているし、中小企業の五十九億の中にも計算をされていて、二重に計算されているんじやないですか。従つてこの修正の自己資金のところは、若し開銀への返済がないとすれば、開銀の自己資金自体が三百でなくて、十九を削つたものが自己資金ということになるのじやないかと思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 開発銀行の自己資金三百というのは、繰越を引いた残りが掲げてあるわけでございまして、繰越が減ればこの自己資金が殖えるわけでございます。従いまして中小企業公庫から十九億返さないことによる穴は、先ず第一には、その繰越を減らすということで賄う、一つは二十八年度の融資計画を減らすということで賄う。それは本年度からの繰越が殖えるわけでございまして、従つて三百億というとになるわけです。二重には計算をいたしておりません。続いて御説明申上げたいと存じますが、住宅公庫の自己資金の計算でございます。これは甚だ恐縮でございます。活版のほうの予算の説明では、キヤツシユ・ベースでこの自己資金を計上いたしておりまして、五億ということが掲げてあるわけでございますが、今度お配りいたしました第三表の住宅公庫の自己資金三十六億は、これはちよつと不手際でございますが、契約ベースで計上いたしましたために不一致を生じました。これはどちらかに統一をすべきものでございまして、御指摘の通りミス・プリントでございます。現金べースということで考えますと、三十六億じやなくて五億ということにならなければならないと思います。それから中小企業金融公庫の自己資金が六十億と五十九億、一億違つているのもちよつと不手際で恐縮なんでございますが、本来ならば十九億違うはずじやないか、そういう御質問の御趣旨だと存じます。十九億返すほうは、これは資金需要のほうに貸付金と同じように実は考えておりましたために、十九億返さないでいいということによつて、自己資本が殖えるというような計算にならないのでございます。正確に申しますれば本当の中小企業への融資の財源に幾ら向けられるかということで自己資本を計算すべきはずであつたわけでございますが、開発銀行に返すべき十九億も資金需要の中に考えて、それらに見合うべき自己資本が幾らあるかというので六十億が出ておつたわけでございまして、それらと同じ考え方をいたしますれば、この自己資金のところには直ちには影響が起らないわけでございます。それからもう一つの国有鉄道のところが四億違つておりますが、これも甚だ不手際で恐縮でございますが、いずれかが間違いでございまして、恐らく三百四十六億のほうを三百五十億に訂正すべき性質の数字だと思い目下取調べております。甚だミステークで恐縮でございますが、この二点だけがミステークでございますので、御訂正申上げておきます。
○木村禧八郎君 説明書のほうがいいのですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 説明書のほうがよろしうございます。
○相馬助治君 地方財政の計画のところで、非常に大切なところで御説明があることを期待しておつたのですが、御説明がなかつたので一つ説明をお願いしたいと思います。それは義務教育諸学校危険校舎整備費の六億が今度修正して増加された。その結果単独事業の十八億が落ちて来るのです。こういう表が出ておりますが、このことは必然的に地方財政の膨脹を意味するので、その裏付がどうなるのかということが次の段階で問題になると思うのです。従つてこの表に限つただけで結構ですから、主計局長からどういうこれは関連になつておるのか御説明願いたいと思います。
○政府委員(森永貞一郎君) 先ほどちよつと申上げたのでございますが、二十九年度における危険校舎の改築の補助金の予算は十四億でございまして、これは三分の一補助でございしますから、それに見合う起債その他の地方財源を地方財政計画のほうでは考慮しておつたわけでございます。今般修正によりまして追加いたしました六億円の補助金、これは事業分量を増加するものではなくて、現在地方財政計画の中で単独事業として危険校舎の改築起債約二十億を見ておるわけでございます。その二十億の単独事業を補助事業に切替えるわけでございます。公共事業のほうに切替えるわけでございます。従いまして三十億のうち六億は補助金で参りますから六億円だけ地方負担が少くて済む、それだけ起債が少くて済む。そういうことになるわけでございまして、その起債の減六億を地方財政に及ぼす影響の表に掲げておるわけでございます。この表では十八億が減額になつたりして非常にややこしい恰好になつておりますが、これは補助事業が公共事業に振変るというだけの関係を示したのでございまして、極くわかりやすく申上げますれば、起債で二十億考えておつたところを六億円は補助金として行きますから、六億円だけ起債が減る。さようにお考え頂けばよろしいのであります。
○木村禧八郎君 先ほど私中小企業公庫の数字について、質問の仕方がちよつと足りなかつたために数字の訂正について御了解を得なかつたのですが、予算説明書のほうでは中小企業公庫の自己資金が六十億になつていますが、実は十九億返すはずであつたのでしよう。ですから予算説明書のほうでは四十億にすべきであつたと思うのです、十九億返すはずだつたのですから……。そうしなければ辻棲が合わないのです。それで今度これが六十億になるならば話はわかります。ですから予算説明書のほうは四十億に訂正すべきであつて、そうして今度六十億にするならばさつきの御説明で話が合うわけです。
○政府委員(森永貞一郎君) こちらの御答弁も正確でなかつたのでございますが、開発銀行に返すべき十九億も資金需要の中に含めまして、その総資金需要を政府からの貸付金、自己資金でどう賄うかという、そういう表になつておるわけでございます。そこでその場合に自己資本から充当される分が六十億ということでございまして、六十億円のうち自己資本を含めた財源を以て開発銀行に金を返し、又融資もするということになつておつたのでございます。ところで今度は開発銀行へ返さなくてもいいことにいたしましたので、一般への貸付財源は十九億殖えるわけでございますが、この表としては只今申上げましたように、十九億資金需要の中に入れて考えておりましたために、充当すべき自己資本の金額には影響がないわけでございます。
○木村禧八郎君 ですから別にそういうことをいい悪いと言つているんではない。数字が正確になつていないので、この六十億というのは、最初四十億にすれば一番はつきりするわけでして、そうしなければもう実際予算書を読むときにみんなわからないんですよ。やつぱりよくわかるように、筋の通るように数字はやつて頂きませんと……。それがいい悪いというのではないんです。そう訂正されたほうが筋がわかりいいと思うのです。訂正されたらどうですか、それでないと何か説明を附加えるか何かして……。
○政府委員(森永貞一郎君) 六十億の自己資本と、それから政府からの貸付金その他で以て十九億返すわけですから、新たな中小企業への融資としては十九億使えないわけです。その意味ではこれを四十億にしたほうが、正確であつたかも知れません。従いまして、前にこういう制度にいたしましたために、どうも中小企業公庫の貸付金の財源の総額が表の上に出て来ないという結果になりましたのは遺憾でございますが、正確に申上げますれば、貸付金財源としてはこれは四十億にしておくべきであつたかも知れません。
○木村禧八郎君 何かの形でわかるようにしてもらいたいというのです、何かの方法で……。
○政府委員(森永貞一郎君) その点につきましては補足いたしたいと思います。
○中田吉雄君 私は三党の協定文の提出をお願いしたいと思うわけであります。只今主計局長のほうから詳細な御説明を頂いたわけですが、先日も愛知通産大臣は原子炉に関する質問に対しまして、三党協定を引用されまして回答された実情もあるわけであります。我々としましては、この予算に対しまする修正の総額は必ずしも多いことはないわけでありますが、修正についてよきルールを作るために私たちは慎重に審議しなくてはならんし、そういう意味でこの修正案に対して重大な関心を持つているわけであります。我が国の議会政治の現状からして圧倒的な過半数を占める党が政権を取ることが困難で、絶えず比較的多数の党が政権を持つて修正がしよつ中あり得るわけです。従つてよき修正のルールを作る、こういう試金石として私たちは特に時間の都合もありましたが、本日のような取運びをお瀬いしたわけであります。従つて私たちがこれから質問に入りますまでに、この二十九年度予算についての修正案の施行に伴うところの三党の協定文を一つ委員長のほうでお取計らい願つて御提出を願つて、そうして審議の万全を期したいと思うわけであります。委員長のお考えを伺いたい。
○委員長(青木一男君) 印刷したものがありますれば、或いはすぐ御希望の通り質疑の前にお配りできるかと思いますが、その点を確めますから、ちよつとお待ち下さい。中田君ちよつとお尋ねいたしますが、あなたの言われたのは詳しい了解事項の意味でございますか。
○中田吉雄君 ええ、そうです。
○政府委員(森永貞一郎君) 三党間の子算修正に関する覚書、これは非常に簡単なものでございまして、そのほかにどういう気持で執行に当つたらいいかというようなことについての参考になるような各党間の了解事項を頂載いたしております。以下それを読上げます。
○中田吉雄君 午後印刷して頂くことにしたらどうでしようか。
○委員長(青木一男君) それじやそれで質疑は継続されますか。
○中田吉雄君 なお、委員長にその際に、午後お出しになるときにはつきり念を押したいことは、この三党の了解事項というものは予算通過後に変更されることがないかということがあります。そのはつきりした保証を付けて出してもらいたい。それは第十六国会において、最初に三党協定ができた。それが国会中に一部変つて、予算通過後に第八次のタンカーが第七次に変るというような、予算が通過した後にそういう重大な飯野海運等のタンカーに対しても利子補給の対象にする、こういう了解事項が、協定が変更しているわけであります。従つて我々としてはその了解事項というものは予算通過後に変更ないものであるかどうか、こういうことの確認をとつておくことは第十六国会に鑑みて必要でありますので、委員長がお出しになるときには一つ念を押して出して頂きたいことを附言して、午後お出しになることを希望しておきます。
○委員長(青木一男君) 今、中田委員の述べられた確認ですね。これは時間の関係上御希望の時間までに私は手続上できるかどうかちよつと引受けかねます。その点は併し考慮しておきます。 それではこれより質疑に入ります。質疑の通告者が七人ございますから、大体において一人十五分程度で御質疑を願いたいと思います。中田君。
○中田吉雄君 順序を変更して湯山君を先に……。
○委員長(青木一男君) 湯山君。
○湯山勇君 私は主として原子力の平和的利用についてお尋ねいたしたいのですが、緒方副総理、それから文部大臣その他お願いしておつた各大臣のお呼びを願いたいと思います。 緒方副総理が一番中心になりますから、お見えになるまでに大蔵大臣に先ずお尋ねいたしたいことは、原子力の問題とは別でございまして、生活保護法による生活保護費の問題でございます。これは本年二十八年度におきましても、一応三十七億と不足を踏んでいらつしやいますけれども、実際はそれより十億多くて四十七億はあるだろう、こう言われております。現に国立の病院、公立の病院については生活扶助による医療費は十一月、その頃から払われていない実情でございます。こういうふうに考えて参りますと、初めは政府としては二十億で済ませよう、それが二十五億になりましたけれども、なお且つ不足であると思うのですが、今後どういうふうにされるおつもりなのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 不足の分について御承知のごとく予備費の中から十一億を出しております。それから更に三十九年度の予算で二十億を見てございます。若しそれが不足の場合には予備費等のことも来年度の予備費で考えたいと思います。三月過ぎないとはつきりしたことが出ませんので、一応そういうふうにいたしておるのでございます。
○湯山勇君 来年度の分については、なお予備費も考慮しておられるという大蔵大臣の答弁を了承いたしまして、次には結核病床の一千床の増加でございますが、これは結核病床だけ一千床できましても、結核病床としての役目はなさないのであつて、これに伴う人件費とか、或いはこういう病床の利用者はその二分の一は生活保護法の適用を受ける者であるということになつておりますので、当然それらの患者に対する用品或は食糧費等、従来から申しますと、大体十二月に完成し、一月、二月、三月と三カ月分のそういう経営費が予算化されるのが従来の例であつたと思うのです。このままだと、定員が殖えない。むしろ行政整理によつて医師、看護婦等の整理が見込まれておる。こういうことでは実際は病床だけできて、一向できた病床が機能を果さないということになるのではないかと思うのですが、これに対する、今申しましたような人員とか、そのほかの費用はどういうふうに見ておられますか、お伺いいたします。
○政府委員(森永貞一郎君) 結核病床の本年度予算は、従来毎年増床いたして参つたのでありますが、増床もさることながら、施設の整備をやることも非常に重要だというので、二十九年度は既存設備の整備充実ということに重点を置いて予算を組んでおつたわけでございます。今般修正になりましたのは増床分だけの経費でございまして、今の修正増額分だけでは、只今御指摘のございましたような維持費、人件費乃至備品等の予算は計上してないわけでございます。結局私どもといたしましては、年度末までに増床分のベッドが完成いたしまして、それに伴う人件費であるとか、備品等は結局来年度予算の問題に帰せざるを得ないかと存じておるわけですが、或いは所によりましては、既存の人員等で賄えるというようなこともございましようし、その場合にはベツドが早くできれば極力それの早期活用を考えなければならんかと存じております。修正になりました趣旨はベツドを作るという金額だけでございまして、それではちよつと只今お話がございましたような人件費、備品等は出て参らないのでございます。
○湯山勇君 それではベッドが早くできれば、それに対する人件費、備品費等は別途措置する、こういうふうに考えていいのでございますか。
○政府委員(森永貞一郎君) 既存の予算の範囲内でできるだけのことはいたしたいと存じます。
○藤原道子君 関連質問。いつもベツドだけができて、人件費等はいつもそれがなおざりにされております。昭和二十七年度も二十八年度もこの人件費で看護婦等の定員が考慮されていないのでございます。弱い看護婦の上に過重労働が押付けられておる。而も今度看護婦、医者の減員等も考えられておるようでありますが、これは真剣に、別途考慮しますということでなくて、ベッドが完成したならば、これが動かなければ意味をなさないのでございますから、それに対するお答えを十分に頂戴いたしたいと思います。
○政府委員(森永貞一郎君) 修正になりましたのが何分にもベッドだけの経費の増加でございますので、今の維持費等は考慮せられていないものでございますから、先ほど申上げましたような答弁になつたわけでございますが、私どもといたしましては、既存の人員、経費等で賄える程度のことは勿論努力いたしまして、若しベッドが早くできさえすれば、そのベッドをいやしくも遊ばせるようなことがないように努力をいたしたい、こう申上げておるわけでございます。
○藤原道子君 現在でも国立療養所、国立病院等におきましては、すでに看護婦は足りないのです。オーバー労働になつているのですから、その点は局長も十分にお考えになつて、いやしくも弱いものに過重労働が押付けられないように考慮して頂きたい。それからこの際、看護婦だの医者が足りないものがなお減員が予定されておるということに対しても、そういうことのございませんように篤とお願いしておきます。
○湯山勇君 これは議事進行でございますが、原子炉の問題は改進党のほうでもこれは国家百年の計である、それから産業革命というような説明もされておりますし、私単にこれは簡単な、どの費用にどれだけ廻すというような問題ではなくて、国の政策の基本に触れる問題だと思うので、できれば総理と思いましたが、是非副総理がおいでになつてから、その点からお尋ねしたいと思いますので、お見えになるまで待たして預きたいと思います。
○委員長(青木一男君) 今すぐ参ります。ちよつとお待ち下さい。
○木村禧八郎君 このままで休憩したら……。(「休憩、々々」と呼ぶ者あり)
○委員長(青木一男君) ちよつと速記を止めて下さい。 午前十一時五十二分速記中止 —————・————— 午後零時一分速記開始
○委員長(青木一男君) 速記を始めて下さい。 暫時休憩いたしまして午後一時より開会いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後一時二十六分開会
○委員長(青木一男君) 休憩前に引続き会議を開きます。
○湯山勇君 副総理にお尋ねいたします。今回三派共同修正によつてでき上りました修正の中に、原子力の平和的な利用に関する研究調査費というのが組まれております。これは初めてのことでもございますし、非常に重要な意味を持つている、と申しますのはこのことを発意いたしました中曽根議員は、これは国家百年の計をこれによつて立てるのだということを申しております。又その後におきましての会議等におきまして、このことは産業革命を将来予想されるというようなことも言つておられる。又アメリカにおきましてはトルーマンは、日本へ原子爆弾を落したあとでその成功が確認されるや直ちに、このことは非常に重大な意味を持つておつて、将来の産業革命というようなものに至大な影響を持つものだというようなことを声明いたしております。従いまして政府は、この修正に対して政治的な責任、更にこれの施行に対する責任をお持ちになるということを言明しておられる。そういう立場から見ましてもこのことについては十分慎重に御検討がなされたものと思いますが、どのような点に重点をおいて御検討になられたか、どのようなことが検討されたか、そのことを先ずお伺いいたしたいと思います。これは単にここへつけようとしていた道路を、こちらへつけて直すとか、或いはここへ建てようとしていた病院をこちらへ建て直すとか、そういう問題ではなくて、私は国家の基本的な政策に関連を持つたものであると、こういうふうに考えますので、只今の点につきまして副総理からできるだけ具体的に御説明を頂きたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) 私原子力の研究につきまして全然素人で専門的のことはわかりませんが、政府といたしましては戦時戦後を通じまして、科学の研究については世界の推移と比べましてよほど遅れをとつたという自覚を持つておりまするし、特に原子力の研究につきまして学者の研究、或いは学術会議等の諮問等はいたしておりますが、なお政府としてこれに力を入れるべきであるという考え方から戦争直後に、これは連合軍の誤つた判断であつたろうと思いますが、明らかにそう言つておりますが、戦争直後に破壊されましたサイクロトロンをもう一度作ろうというわけで、二十九年度の予算に一億三千万円計上しておるのでありまするが、その際に、今御指摘になりました三党交渉の修正協議の際に、中曽根君からの発案ということかどうかよく知りませんが、あの意見が出て参つたのであります。で政府といたしましては、この原子力というものが将来産業革命をももたらすことのあるであろう非常に大きなエネルギー、この研究を遂げると共に、これは平和的に是非利用する途を調査研究しなければならん、そういう動機に基きましてこの作正を容れる決意をしたような次第でございます。
○湯山勇君 私がお尋ね申上げているのは、今の学術研究という見地からではなくて、もう少し根本的な国策としての立場でございます。つまりこのことは学術として研究して行こうというのでなくて、すでに原子力の利用、つまり通産関係のほうへ廻されている、こういうところに大きな問題があると思うのです。で当然私はこのことに関しては、日本の政府が原子炉を作るということを決意したことを示しておるのでございますから、国際的な反響も相当あると思います。又将来のエネルギーを何から得るかという問題については、只今考えられておりまする電源開発その他の問題とも関連を持つて来る。更に保安庁の関係とも関連を持つて参ると思いますし、更にこのことを現実にやつて行こうという決意をされた以上は、従来と全然違つた観点において、例えば労働基準法におきましても、熱だとか或いは細かいけい酸粉だとかそういう問題ではなくて、全く我我の五感で感じられない放射能というものが人間の組織を破壊して行くと、これらの作業については外からでなければできないのであつて、距離をおいて間接的な作業しかできない。こういつたいろいろな大きな問題がこれにはあると思うのです。そういう問題について閣議において或いは閣議以外におきましても、政府機関においてそれらの問題を政治的に或いは国際的に技術的に検討なされたかどうか、こういう点をもう一度お尋ね申上げます。
○国務大臣(緒方竹虎君) これは政府といたしまして、原子炉の築造を二十九年度予算に計上いたしましたときの考えは、非常に遅れておる研究を少しでも取返して行こうと、予算も恐らく甚だ不十分であろうと思いますが取返して行こう、そういう際にこの修正案が出たのでありまして、これにはいろいろな議論もありましたが、結局これを平和的に利用することによつて将来今お話になつたような国策として利用できる時期があるであろうが、差当りこの研究調査というものをやつて行こうということで修正案を容れたような次第であります。
○湯山勇君 それでは一つ一つ分けてお尋ね申上げますが、この原子炉を築造するということをこういうふうに決定された。而もそのことは科学の研究としてではなく、産業開発と申しますか、ともかくもそういう方面で取上げておる。こういうことが国際的に何らかの反響を生むのではないかということについてはどうお考えでございましようか。
○政府委員(福井勇君) お答えいたします。お尋ねの原子炉の将来建設については、すでにアメリカで二十、カナダで二、イギリスで四、フランスで二、又重水関係としてノールウエー、オランダ等も入れてすでにでき上つたもので二十八、計画中のものも入れると三十五くらいが世界各国で実現に向つておりまするので、国際関係としては原子核研究の項目と共に波乱を起すようなことは少しもないものだと考えておる次第であります。
○湯山勇君 私は今のような点ではなくて外交的に国際間の友誼を深めて行くという点において、日本の軍備なり或いは日本の最近の動きなりについて、相当やはりフィリピンにいたしましても、インドにいたしましても、或いはMSAについて豪州が発表したことについても或る程度の疑念を持つておる。これらの国々がこのことについてどう思うだろうかと、こういうことについての御検討をなすつたかどうか、これをお伺いしております。
○国務大臣(緒方竹虎君) 今度政府で保安庁を防衛庁に変える、或いは保安隊を自衛隊に改称するというようなことと睨み合せて、国際的にどういう反響を起すと思うかという御質問と了解いたしたのでありまするが、防衛庁の設置或いは保安隊を自衛隊と改称することについての国際的な反響は、今のところ例えば豪州のケーシイ外相、或いはインドネシアの外務大臣というような人々の公に発表した意見等も入つておりまするが、そういう人たちの意見を通して見るところでは何ら特別な刺激を与えていない。特に豪州の外務大臣等のごときは今日の国際情勢から日本として止むを得ないことであると認めると、ただ将来アメリカはこの日本の防衛力が不必要に大きくなることを監視する責任があるというような意味のことを伝えておるようでありまして、この原子力の問題につきましては今のところ何ら反響を起しておりませんし、私はこの平和的利用につきましては、国際的な反響について今から懸念を要するものはないと考えております。
○湯山勇君 只今平和的利用ということをおつしやいましたがそれだけにしか使われないのだ、つまり平和目的だけにしか使われないのだという保障は一体どこでされたのでございますか。
○国務大臣(緒方竹虎君) これは私技術士のことを知りませんが、日本の政府の持つておりまする、或いは国民として持つておりまする国際的の信義に各国がどれだけの信頼を払うかということになると思いますが、政府で今三党の修正として提案されましてそれを受入れましたものにつきましては、助成費の二億三千五百万円という増額はありまするけれども、その対象の選定、助成の方法につきましては全然まだきめておりません。原子炉ということもまだきまつていないのでございます。それをこの機会に申上げておきます。
○湯山勇君 原子炉を作るための基礎調査研究ではないのでございますか。
○国務大臣(緒方竹虎君) 原子力の平和的利用に関する基礎的並びに応用的技術の研究ということになつております。
○湯山勇君 ということは、原子炉を作るということにならざるを得ないわけでございますし、又そのことは公式の会議においても発表されておることでございます。その作られる原子炉というものが、或いはこの研究自体がその基礎的な調査研究にいたしましても、それが平和的な目的以外には使われないのだということはどこでその責任を持つて保障するか、こういうことをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(福井勇君) お答えいたします。この点につきましては将来原子力を使用するという場合にいろいろの規制を加える、ということはこれが副産物としていろいろ医学上に使われる場合もあるし、或いは又農業科学その他のあらゆるものに利用される場合もあり、又人体に危険なものとして警戒しなければならないという場合もありまするので、それらについては当然世界各国がやつておりまするように、いろいろの規制というものは加えられなくちやならん、こう思つておりますが、まだそこまでは……これからというところであります。
○湯山勇君 勿論今次官がおつしやいましたように、例えば今の医薬だとか農業方面のトレーサーとしての利用もあると思います。それから同時に又動力源として使う場合もありますけれども、併しそのことが直ちに平和的だというわけではなくて、作つた原子炉は例えばそれがウラニウムの二三八であつても、これがその中に出て来たプルトニウムはやはり原子爆弾に使われるわけなんで、これは平和的な原子炉だ、これは戦争的な原子炉だという画然たる区別は付かないわけです。それが付かないままで作つておけば、一体こういう心配をするのは、現在の自衛隊にいたしましても憲法違反じやないかという意見が国際的だけじやなくて国内に随分たくさんある。こういうことから考えますと学者だつて安心してこれに協力することもできない、こういう状態にある。そこで作るとき、すでに研究に着手するときから、これは平和目的に使うのだという規定がなければ、果して日本の有力なそういう人たちの協力が得られない、こういうことが考えられるわけです。この点についてどうお考えになられますか。
○政府委員(福井勇君) お答えいたします。世間では原子力というものの研究が原子核研究よりも先行しているというように考えられるふしもちよいちよいあるようでございまするが、先般パイアールスやペランが参りましたときにも説明しておりましたように、へツドは原子核研究が主体であつて、そうしてそのうちの原子力研究というのは、先ず数字で現わすのは間違いであるかも知れないが五%くらいであろうというふうに説明しておるのであります。従つてたとえば原子爆弾の研究というものになりますると二百万電子ボルト程度のものでよろしうございますし、原子核研究ということになりますと現在では一億電子ボルトというような程度まで飛躍しなければならないというようなことでもわかるわけでありまするが、このことにつきましては、例えば私たちは科学技術者の出としていつも考えておりますのは、今工作機械工場がここにあつて、これを平和産業に、或いは鍋も釜も作れる一つのムリーソンがここにある、これをねじ切り機械として応用する、併し戦時にはこれを航空機のギヤー・カツターとして使う、これは用いる人類の気持でありまして、当然平和産業に使わなくちやならんというのが私たち日本国憲法に規定されてある精神に則つて、あらゆるものを使う場合に平和的に使うということであつてこそこれが有効であると考えておりますが、それらの点については各国とも心配ないものとしていろいろの規則を以て応用しておることで、私たち日本においても同様に心配ないものと考えておるのであります。
○相馬助治君 関連して。同僚湯山君の質問に対して文部次官が答弁をされております。文部次官の福井君は技術家出身でこの道に造詣の深いかたであることは私知つておりますから、その答弁自体を私はここで問題にするのではないのですが、この段階で文部次官が答弁しているということは私どもは納得できない。御承知のように原子核の問題については文部省所管の下に一億三千万の予算を計上しておる。それから只今湯山君が問題にしておる原子炉については通産省所管を以て二億数千万の予算を計上しておる。そこで私は緒方さんにそのことを尋ねて、緒方副総理の答弁の次第によつては文部次官の答弁をも了承したいと思うので、緒方さんに一点連関してお聞きしたいと思うのです。政府が補助を出すからには具体的な計画がなければならない。計画がないところに補助を出して、この補助をやるから何か計画を作れというようなことはあり得ようはずが私はないと、こういうふうに考えておる。従つてこの原子炉の問題については、どこで誰が計画を現在進めつつあるのであるか。このことが明らかになれば、恐らく湯山君はその人を指摘して以下の質問を展開するであろうと思うのでこの点を伺つておきたい。 第二点は、原子核の問題は学問的な基礎研究であるとして文部省所管とした。ところが原子炉の問題はこれの応用面と考えて通産省の所管とした。このこと自体はわかるけれども二つの問題の中にはどのような連関があるのであるか。国の予算が非常に窮屈な折に一方では原子核の予算をこちらに出し、一方では原子炉の予算をこちらに出すというようなことは何としてもうなずけないのであるけれども、この二つの問題についてはどういうような連関が閣議において了解されているのであるか、このことについて私はお尋ねしなければならない。以上二点を緒方副総理にお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) 今の原子力に対する研究は本来工業技術院に六億の予算を科学技術研究助成費としてとつておつたのでありますが、それを更に修正して二億六千万を増加計上する。これは工業技術院におきまして前から研究にかかつておることでありまして、このほうにつきましては工業技術院のほうの政府委員からお答えをいたします。 それから政府のほうでは、原子核の研究について文部省所管におく予算を計上しておつた、然るに通産省に修正の予算を入れた、その関連はどういうことかということでありますが、それは通産省でその平和的利用の実施を目途といたしまして研究調査を進めて行きたいということで今回の修正案を入れたような次第で、片方の原子核の研究に関する予算は別に計上いたしております。
○相馬助治君 今の御答弁に念を押しておきたいのですが、そうすると、予算を作つた政府自体の意図、それから三派修正に応じた政府自体の意図は、原子炸予算については明らかに通産省所管である、そうして又これに対する一体どこで誰が具体案を練つているのかという私の質問に対しての答弁は、工業技術院とかいうものが担当してやつておる、こういうふうに了解してよろしいですか。その工業技術院というところで具体案を練つておる、かように了解してよろしいわけですね。
○国務大臣(緒方竹虎君) その通りでございます。
○湯山勇君 私もう一つ副総理に基本的な問題をお聞きしたいと思います。それはこの平和的利用ということに限られておるとおつしやいますけれども、非常に心配なのは今出されておりますこの自衛隊法案には自衛隊の任務として「自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、」とちやんとあります。理由の説明のところにもやはり又、わが国の平和と独立を守りとこうあるのです。そうすると、なるほど平和目的に使うとおつしやりながら、この原子炉によつて研究されたものが自衛隊に使われてもやはりそれは平和目的だと、政府はこうおつしやると思うのです、この通りから行けば。で、そういうような考えの平和的利用と考えておられるのかどうか。そうでないとすれば一体どういう平和的な利用と考えておられるか、この点をはつきり一つ御答弁頂きたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたしますが、自衛隊の目的としてわが国の平和と独立を守るということはもう当然過ぎるほど当然なことでありまして、ただそれに関連して将来原子力も兵器として用いられるのじやないかという御心配でありまするが、まだ非常に遠い将来のことは予測ができませんが、今の段階におきまして、いわゆる戦力に至らざる防衛力程度のもので憲法の改正すら必要としない程度のものでありまして、今はもつぱら原子力の研究に力を注いで、その目的も産業的に平和的利用を考えるという段階でありまして、これは将来どういうふうにそれが発展して行くかということにつきましては十分国会で御監督もできましようし、今の政府の意図といたしましては、今御指摘になつたようなこれを戦力に使うというようなことは全然考えておりません。
○湯山勇君 戦力が勿論使えないのは現在の憲法でははつきりしておると思うのです。今のように自衛隊は戦力でないとおつしやつておられる。そうすると自衛隊に使うというのは、必ずしも私が申上げるのは原子爆弾に使うということだけを意味してはおりません。たとえば小型のパイル、原子炉ができましたときに、これはすでにアメリカでも潜水艦の動力として使つておる。動力は平和的なものだとこう言われればそれまでのようですけれどもそれを使つた潜水艦を造る。こういうことになれば又別だと思うのです。そこでこの自衛隊法案にあるような意味での平和とおつしやるのか、そうじやなくてもつともう武器とか兵器とか鉄砲とかそういつたものには一切使わないのだ、こういうことなのか。あとの場合であれば、そういうことの保障はいつ、どこでされるおつもりか。こういうことをお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) 原子力の研究に平和的といいますか、戦力的と申しますか、そういうふうな基礎的な二つの研究があるかどうか。私科学者でないのでよくわかりませんが、少くも今の政府が現実の目途としておるところは、これを今御指摘になりましたような目的に利用しようとは考えておりません。
○湯山勇君 一応その問題はそれだけにいたしまして、次にさつき相馬委員からのお尋ねのありました点ですが、この助成はその対象を慎重に検討する。こういうお話でございましたが、誰でも計画をちやんと作れば助成の対象になり得るのでございますか。それとも特定のものしかなれないか、これをお尋ね申上げたいと思います。これは通産大臣か大蔵大臣からこういう問題は……。
○委員長(青木一男君) 工業技術院の駒形院長から……。
○説明員(駒形作次君) お答えいたします。今の御質問はこの助成金は誰でも申請すればいいのか、そういうお尋ねでございますか。
○湯山勇君 そうです。
○説明員(駒形作次君) そのことにつきましては、この問題は私ども非常に慎重に考えておるのでございまして、広く学会その他いろいろな意見をお持ちのところにお聞きいたしまして、そうして慎重に案をそこでまとめてその上で取扱いたい、かように考えております。
○湯山勇君 私の尋ねていることとちよつとお答えが違うわけです。どこでもが要求しておられるような計画を出して補助金申請をすれば、例えば私がやつても某工場がやつても対象になり得るかどうか、これをお尋ねしているのです。(「こんなことでは原子炉が泣くよ」「基礎のないものに補助ができるか」と呼ぶ者あり)通産大臣は来て頂くようにお願いしてあるのですが来て頂けませんでしようか。
○政府委員(岩武照彦君) 大臣が今ちよつと所用がございますので、私官房長でございますが、代りまして事務的な答弁をいたしたいと思います。 誰でもというお尋ねがございましたが、結局原子力の利用に関しまするいろいろな方面の研究だろうと存じまするが、そういうふうな研究をなし得る経験なり能力を持つておりまする人は申請はもう勿論できまするし、又それを各方面の意見を聞きまして適当と思われるところにその補助金を交付いたすということはこれ又当然でございます。その数は別段単数に限つたということはございませんし、いろいろな分野の研究がございますからその必要性に応じまして適当なところに交付するということになるかと存じます。
○中田吉雄君 それでは極く限られておると思うのですが、御調査もあると思うのですが、どういうところが大体補助申請ができる能力を持つているか、それを一つはつきりしておいてもらいたい。いろいろ補助金のやみ取引その他にも関連するので、どことどこが補助対象になる有資格者であるということをはつきりしておいてもらいたい。
○政府委員(岩武照彦君) あらかじめどことどこというふうな特定はできないと存じまするが、事柄の性質上私が今申上げましたように原子力の発生の元のいろいろなウラニウムの問題もございますし、それからいろいろな原子の構造等に関します研究部門がございまするし、又原子炉の築造にいたしましても、そのモデレー夕ーとかいろいろな築造の材料という問題もございまするし、或いはレギュレーター、こういうような金属材料という面もございますし、いろいろな広い面がございますので、そういうふうな研究をいたしておりますところで適当なところにと思つておるわけでありまして、(「そんなことじや雲をつかむようで駄目です」と呼ぶ者あり)それは事柄の性質上、お尋ねがございますが、今あらかじめここということは申上げられないと思いますが、これは御案内のようにいろいろサイクロトロンその他を使いまして原子の構造をやつておる所もございますし、或いは又金属の精錬その他のことをやつておる所もございますし、そういう方面も勿論申請はあるかと存じております。従いましてそういうふうないろいろな広い方面のいろいろな対象に対して行われることに相成るのじやないかと考えております。
○湯山勇君 今の問題です。そういう対象が予想されるのがございますか。つまりウラニウムの探鉱などは簡単にできます。併し直接この原子炉を作ることの研究をしたいと、或いは今おつしやつたような条件を持つた予想される個人、団体があるとお考えになりますか。(「そこが問題ですよ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(岩武照彦君) 只今どことどこというふうなことは申上げかねまするけれども、先ほど申上げましたようないろいろな広い方面の基礎的な問題もございますので、例えば金属の材料の問題もございますし、或いはカーボンの純度の高いものを作るという研究もございます。又ウラニウムの精錬はまあ今具体的にどことどこと申上げかねますが、金属の点にいたしましてもいろいろございますので、或いはそういうふうな技術に関しまする外国のいろいろな実例等を調査するという問題もございましようし、すぐにこれを工業的に製作するという段階の前に、外国等のいろいろな調査の問題、それからもう一つはいろいろな設計の問題等もあるだろうと思いますので、各種広い方面のいろいろな研究に対して行われる、かように考えております。
○湯山勇君 それでは今の問題について更についでですからお尋ねいたします。今このグラフアイトの炭素の純なものを作る研究をするとか、そういつたようなことをおつしやいましたが、この二億三千六百万円ではどういう原料を輸入すると、これは恐らく日本には殆んどないわけですから、今の純粋な炭素にしても重水にしてもウラニウムにしてもございません。そういうものを輸入するのか輸入しないで国内自給でやつて行こうとしておられるのか、輸入するとすればどこから輸入するのか。輸入できる見通しがあるかどうか。こういうこともお伺いしたいと思うのであります。
○政府委員(岩武照彦君) そういうふうなお挙げになりましたようないろいろな物資と申しまするか、材料と申しまするかというようなものはいろいろな点から国際的な管理が行われておることでございますので、入手はなかなか困難だろうと存じております。むしろ国内でそういうふうなものを作り得るような諸研究、諸調査に対して主として行いたいと考えております。まあそういうふうな広い分野でございまするから、極めてその一部のもの、或いはその装置等につきましてのいろいろな問題もあるだろうと存じておりますので、全然国内のものだけで行けるかどうかこれは又問題だと思いますが、併し建前では飽くまで国内でそういうものを何とかして作り得る態勢に持つて行きたいということでございまするので、今申上げましたようなこともそういう方面に主として補助して参るということになるだろうと存じております。
○委員長(青木一男君) 湯山君の時間は過ぎました。又あとで機会を作りますから。
○湯山勇君 いやもうちよつとありますから。
○岡田宗司君 関連。どうも只今の官房長の御説明では私納得できませんので、ちよつと通産大臣に関連してお伺いしたいと思います。この予算の説明書を見ますと、通産省所管の分で科学技術研究助成費六億円が支出されて、それが工業化試験費補助金が四億円、鉱工業技術研究費補助金二億円、この六億円の使途でございますが、これは、すでにどういうようなところへ出て、どういうような具体的な題目で研究がなされるのに補助するということがきまつているのじやないかと思うのですが、その通りでしようかどうか。これをちよつと通産大臣にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今のお尋ねは御指摘の通り、政府原案におきまする科学技術研究助成費ということは工業技術院の所管で、予算各目明細書によりますと工業化試験費補助金及び鉱工業技術研究補助金の二つの目に分れております。これは従来からかくのごとき性質の費目の助成費、補助金等は、この実施の細目は通産大臣に政府部内としては一任されておりまして、そういうような経費の支出は、従来とも民間企業等からの補助金の交付申請に基きまして、通産省内におきましては工業技術院、管下の各試験所、省内の各局、外局の特許庁等の職員によりまして合同審査会というものを構成いたしております。この合同審査会におきまして技術的見地から慎重に検討を加えまして、更に過去におきましては日本学術会議の推薦する学識経験者の意見等をも参酌いたしまして、交付の対象や交付金額、助成の比率等を決定いたしているのでございます。従つて予算上事前にその対象や金額、比率等を確実に定めているものではないのでございます。これは工業技術院等におきましておおよその見当でこういうところはこういう研究が適当であろう、補助するのに値するだろうというようなおおよその考え方はあるわけでございますが、具体的に予算に伴いまして只今申上げるだけの的確な詳細の計画は未だできておりません。
○岡田宗司君 只今の通産大臣のお話ですと、的確な対象はきまつておらんが、併し技術院において大体こうこういう研究には補助するということがきまつているように伝えられる。ところが今度の二億六千五百万円は同じ性質の補助費であります。従いましてこの予算を組まれて政府がこれを執行するということになりますれば、やはり同じように工業技術院においてその大体の目安をつけなければ使えるものではございません。然るに今の官房長のお話にいたしましても工業技術院の院長のお話にいたしましてもそういう点につきまして極めてあいまいでございます。従いまして果してこの原子炉の研究に対してどれだけの成算を以てこれに当られるかということについて非常にあいまいである。こういうようなことで予算の執行に当られるということは私ふに落ちない。大体この補助金を出す対象の研究所なり或いは会社なりその他の研究機関はきまらないでも、大体どういうようなことを研究させるか、そしてこれは大体現在どこがどの程度やつているか、それに対してどういうふうにするか。或いは又今通産大臣の言われました日本学術会議からの意見を徴するという問題もありますが、それらについても大体の見通しは立つていなければならないはずだ。少くともこういうような修正案が出まして、この修正案を出す人たちも私はそのくらいのことは考えておつたのじやないかと思うのですが、そういうことについて内閣のほうではお聞きになつておらんのか。又あの修正案が出されましてから今日参議院に廻付されますまでにも若干の日がございますが、これらの対象に対する件についての御研究がなかつたのか。これでは私予算の審議に甚だ困ると思うわけでございますが、一つその点について通産大臣にはつきりとした御答弁を願いたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今のお尋ねの前段の問題でございますが、工業技術院といたしましては先ほど申上げましたような補助金につきまして、例えばこういう書類があるのでありますが、鉱工業技術試験研究補助金交付申請の手引というような程度の書類でございますが、その中に二十九年度の重要課題といたしまして大体十七ばかりの項目を一応考えております。併しこの十七の項目以外であつたら、補助の対象にならないというような意味のものではございません。その十七を全部読み上げますことは省略いたしますが、一、二の例を申上げますると、未利用鉄源の有効利用、硫黄の経済的な精練、採炭積込、坑道掘進の機械化というような程度の項目が十七掲げられてあるわけであります。 そこで第二に今度は当面の問題でございますが、この点は先般三浦委員の御質問にお答えいたしました通りでございまして、科学技術研究助成費の中で更に増額せられました分の中で、原子力の関係については原子力の利用に関する基礎並びに応用的技術の研究、そうして本項は必ずしも原子炉の築造のみを目的とするものではない。こういうふうに私どもとしては一応問題を整理いたしまして、この範囲内におきまして関係各方面のいろいろ専門的な御意見も十分伺いまして、適正な配付の方法を考えたいと思いまして、只今お話の通りこの修正案というものが衆議院で可決せられましてから以来連日私どもとしても、一生懸命研究をいたしておるような次第でございますが、只今のところいかなる研究所にいかなる原料を輸入して云々という程度の細かな成案はまだ得ておりません。
○岡田宗司君 それではもう一つお伺いいたしますが、現在は原子核の研究は学界においてなされておる。これの工業的利用の第一段階としての原子炉の研究というものがかなり進められておるでしようが、然らばそれはどういうところで進められておるか、これくらいのことは工業技術院のほうでおわかりと思います。これは一つ工業技術院のほうからこの原子力の工業的利用についての日本で進められておる段階、並びにそれがどこの機関でやつておるかということについてお伺いしたい。
○説明員(駒形作次君) 国内におきまして原子力関係の研究というものは実際は行われておりません。調査のことにつきましては、いろいろな方面におきまして進められておると思つております。国会図書館におきまして二十八年度には二千万円をもつて原子力関係資料の収集が始められておりまして、まだ勿論全部は参つてはおりませんが、ぽつぽつ相当量国会図書館に資料が参つております状況でございます。
○岡田宗司君 只今のお話を聞きますと、工業化のことについては全然日本の国内で研究が行われていない。そういたしますと、今のお話では国会図書館でそんな本を買いこんでいるとかなんとかというようなこととか、或いはそのほか大学等でやつておる、全くブリミチーブな段階にある。まだ原子核の研究から始めなければならぬ段階にあり、理論的なことを研究しなければならぬ段階にある。そういたしますと、いきなりこんなものを持出して来て、それで補助をするよりもこの補助金をむしろそちらのほうにぶつこんで、そちらの研究を完成させるというのが至当ではないかということも考えられるわけであります。これをわざわざ通産省の所管と文部省の所管に分けて中途半ぱに両方を終らして、而も片方は補助を出す対象を作るのだか探し出すのか、こんなばかな予算の組み方はありますか。これは修正案だから政府には責任はないのだと言われるかも知らんけれども、少くとも修正案を作るという場合には自由党としてこれに参加されて、そうして修正案の補助金の対象は自由党としてもご存じのはずです。そうすれば大蔵大臣にしろ或いは通産大臣にしろご存じでなければならぬはずです。その計画も示されないで今言つたような程度のものであつては、これは予算としては体をなさないと申上げなければならぬ。この点について果して予算に計上することが、こういうようなやり方でいいものかどうか、これは愛知さんは大蔵省のほうにおいでになつたのだから、こういうことが予算化されることが妥当であるかどうか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 予算の体をなしておるかどうかという点についてはいろいろの見方があろうかと思いますけれども、先ほども申上げましたようにそもそも研究助成というようなものに対する補助金等についてはかなり抽象的な項目の用意を政府としていたしておるのでありまして、それに対して申請が出ました場合に十分審査をいたしまして、適当と認めた場合に補助金を交付することになつておりますから、従つて適当なものがない、成案を得られないということになれば又別問題だと思うのであります。 その次に原子核の研究と原子力の平和的工業的利用ということは、学理的或いは観念的には離して考えられると思いますけれども、私見を以ていたしますれば、先ほど申上げましたようにこの費目は必ずしも原子炉の築造のみを目的とするものではない、広く原子力の平和的利用ということに使えるということでございますれば、双方の関連を持たした使い方というものの成案を得るのではなかろうかと私は考えております。
○木村禧八郎君 この補助の対象としてのものについて質問をしていますが、それについて何らお答えがないのです。昨日或いは一昨日だと思いますが、高田さんが文部委員会において文部次官に質問されて、その答弁としまして文部次官が三カ年七億円の予算で七千万原子ボルトの原子炉を作る計画があるやに説明された。こういうふうに聞いているのですが、そういうような計画はあるのですか。
○政府委員(福井勇君) お答えいたします。私が申上げましたのは原子炉の研究ということについては言及申上げておりません。文部省所管の東大附置原子核研究所というだけの問題を申上げたのでございまして、それが三カ年計画でやつているのは御承知の通りであります。
○湯山勇君 それでは今の問題に関連してお尋ねいたしますが、申請書が出た場合にその申請書の当否を検討してお出しになる、こういうことを大臣がおつしやいましたが、併し現在日本では理論的には或る程度進んでおりますけれども、これの工業的な利用ということになりますと、誰もこれを審査する人はないわけですが、審査する人がない、審査の基準を作るだけでも一年もつとかかると思いますにもかかわらず、こういうふうに組んでおるというのは非常に奇異に感じるのですが、これの審査はどこでどういうふうにされるのか、審査の自信をお持ちになつていらつしやるのかどうかお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 私の承知しておりまするところでも、例えば資源調査会の副会長に安芸皎一君という博士がおりますが、この人などは昨年の秋から今年にかけましても米国その他に参りまして、すでに原子力の平和的工業的利用ということについていろいろ研究をして参りまして、そのリポートも私も見ておるようなわけでありまして、必ずしも全然とり上げられていないということはないわけでございます。 それからいま一つ、この修正案を作られた提案者を代表しての御説明の中にも、改進党の稻葉君からのお話にもありますように、いつまでも原子核の研究が進まないからというて、一方の平和的な利用もこのまま放置するにしのびない。世界各国の情勢などから見ましても、この際一つ新らしい観点に立つて、平和的な利用についても予算の上からいつても積極的な意向をとり込んで行きたい。こういうような御説明もありましたので、我々といたしましてはできるだけそういう線に沿うて、この提案を政府側としてもいたして参りたい、こういうように考えております。
○湯山勇君 これはアメリカにおきましても数千の世界一流の学者がやつて、現在でも一人でこれを担当してやるという人はない状態です。大臣は今安芸さんのことを言われましたけれども、安芸さんがどんなに御覧になりましても到底これは原子炉の中まで入れるわけではない。今審査してもらうとすればヨーロツパのどこかの国かアメリカにでも頼んでこの研究は適当かどうかということをやつてもらう以外にないのが、正直に言つて実情だと思います。従つて私はこういうふうにおつしやつておられても、ひよつとするとこの補助は勝手な所へ勝手に取られて実を結ばない。もう一つは思惑の対象になると思うのです。どこかの大きい資本を持つた、丁度造船の場合と同じように、適当な申請を適当にやつておいて、それで補助を取るという対象になる虞れがある。更にもつと私の心配しているのは、そして学者の人たちも心配しているのは、或る学者たちを動員してこういう研究に着手する、そしてなるほど或る程度の態勢を整えて将来日本が原子力兵器を作るとかいよいよ原子力の云々というときには、もう独占的にそのことを進めて行く、こういう形をとろうとする野望の対象になる、こういうことも心配しなければならないと思うのです。こういう点について今までの御答弁を聞いてみますと非常にあいまいであつて漠然としている。それに対する検討の仕方というのも極めて甘くて、まあこれは何に使われてもいいから当分こうやつてかけ声だけかけて行こうというようなふうにもとれないことはないと思うのですが、その辺のはつきりした見解を一つ大臣から承わりたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほどから縷々申上げておりますように、この二億三千五百万円というものを的確に何千万円はどこに何千万円はどこにというだけの成案は遺憾ながら只今できておりません。そこで先ほど来申上げておりますように関係各方面等の意見も十分に聞きまして成案を得ることを急ぎたいと思つておりますが、その一つの方法として、例えば学術会議という対象を、それ自体をここに挙げることは如何かと思う点もございますが、例えば学術会議等に属しておられまする優秀な学者のかたがた等の意見を十分に検討してもらい、又それを政府側としても更に検討いたしまして、適当な使途があるということであればこれを配付する。私どもは一営利会社等の研究助成等に流用されたり、或いはこれが軍事上の目的に使われるというようなことは断然抑えて参るつもりでありまして、予算書の上にも特に平和的工業的利用という文字をはつきり出しましたのもその配意の一つでございます。
○松澤兼人君 只今通産大臣のおつしやつたことは、場合によつては学術会議等の意見も聞いて審査するというお話でありましたけれども、学術会議としては現在の段階においては原子炉を造るという段階ではないということをはつきり言つておるように見受けるのである。そういう場合に学術会議のほうにいろいろ審査を依頼して、果して通産大臣がお考えになるような、あなた方の方針に協力してくれるかどうかという点は非常に疑問じやないかと思うのです。この点について確信がおありになるかどうか。 それからもう一つは先ほどから湯山君が原子炉の研究、或いは築造ということが非常に世界的に見て困難だという話を縷々しているわけであります。只今愛知君がうかつに、と申しますか、稻葉修君の名前を出したわけであります。稻葉君は、お話によりますと、原子核の研究は十分にまだ進んでいないけれども、併し原子炉の研究のために予算を計上することは必要であるという趣旨のことをおつしやつた、ということをあなたは言つてらつしやる。そうすると同じ国会議員であつて稻葉君と湯山君とどちらの意見を尊重されるかということになります。湯山君が縷縷、現在の段階におきましては原子炉に多額の費用を計上することは非常に危険である、或いは時期尚早である、こういうことを言つておる。たまたま稻葉君があなたにおつしやつたことは、現在の段階で原子炉を研究することは必要であると言つてあなた方も同意なすつて、政府としてこれをお呑みになる。これはあなたとして稻葉君の意見を尊重されてそういうことになつたのですが、湯山君の心配されていることも私は一理があると思う。この点に対する一つ御所信を承わつてみたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 不用意に申上げたつもりはないのでありまして、というのは、正式な修正案の提案者の衆議院の予算委員会における発言をお伝えしたつもりでございますが、併し速記録を読上げたわけではありませんから、私の申上げ方が足りない点が、或いは多少逸脱しておる点があるかと思いますが、私は修正案を呑みました立場から言つて、修正案の説明者の言葉を聞いただけでありまして、同じ国会議員のどちらか云々ということについては、改めてお答えする必要はないかと思います。 今までの御心配は私も実は非常に御尤もだと思うのであります。従つて学術会議のことも申したわけでありますが、只今御指摘のように、そんなことを言つても学術会議の考え方はお前たちには協力しないはずだという御趣旨がございましたが、私は必ずしもそうは考えないのでありまして、と申しますのは必ずしも原子炉の築造のみを目的とするものではないという趣旨から言えば、おのずからその間に話合はできるし、又十分御相談を申上げる余地はあるというふうに私は考えております。
○湯山勇君 大臣の御答弁は非常に大きな根底において矛盾があると思うのです。原子力の平和的利用ということを考える場合に原子炉の築造を意味しないと、それを考えないで一体そういうことがあるかどうかということになりますので、この点はなるほど一応言い廻しとしては言えるかと思いますが、これは受取れないと思います。やはり原子力の平和的利用ということになれば、現在の科学技術を以てすれば原子炉を造る以外にはないのです。それで今のようなことをお尋ねしているので、中曽根氏や稻葉氏が日本もそういう研究をしなければならないというのは、政治家の意見としては私は決して軽視すべきでないと思います。併しこれを執行しこれをいよいよやつて行くという政府、ことに担当大臣として、今のようなことではできないのじやないか、もつとはつきりした御見解が承わりたい。これを先ほどから申上げておるわけですが、どうもその点に大臣のほうは原子炉を造ることを意味してないのだとおつしやるので、私と非常に食い違いができている。この点もう一度はつきりして頂きたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 御承知のように、私も専門家でございませんので政治的な常識として申上げておるのでありますが、これは言廻しの問題になるというお話でございますが、もう一度繰返して申上げますが、原子力の利用に関する基礎的並びに応用的技術の研究ということは、必ずしも原子炉の築造のみを目的とするものではないということで、私は政治的常識としては説明がつくのではなかろうかと思うのであります。この範囲内におきまして専門的に検討して頂きまして適当な使途がありましたならばそこへ支出をする、こう考えることは私としては妥当ではないかと思つております。
○湯山勇君 それではなおお尋ねいたしますが、これは文部次官とも関連がありますから御一緒にお聞取り願いたいと思います。大臣も学術的なと申しますか、理論的な原子核の研究は或る程度できている、併し工業的な利用ということはできてない、これは昨夜中曽根氏も放送でそういうことを言つておりました。併し問題は非常に学問と応用との原則を無視しているのです。と申しますのは、理論の研究があつてそうして実験的な研究がこれに加えられて、然る後利用ということにならなければならない。これはもう御承知のように湯川博士の中間子の発見にいたしましてもただペーパーの上で発見されただけなんで、理論的にこれの実験的な実在の証明はアメリカでアンダーソンによつてなされている、これは次官御承知の通りです。日本では残念ながらこういう原子核の実験的な研究ができていない。原子核の実験的な研究をして行くためには、どうしても今の進んだ科学の状態では原子炉を造らなければできないのです。これをやらなくちやできない。これも大体において文部次官も御肯定になると思うのです。各国の実情を見ましても、端的にこれの工業的な利用のためにこういう基礎的な研究をやるという例よりも、恐らく科学のこういう実験的な研究、その科学をどう応用して行くかという研究、つまり科学の分野における研究としてこういうことは取上げられているのが、まだまだ世界各国の実情では多いと思う。三十幾つあるとか四十幾つあるとか申しますけれども、その中で本当に今大臣がおつしやつたような意味で、工業の利用に使うためにということを端的に打出してやつているものというのはさほどないのではないかと思うのです。むしろ今大臣がおつしやつたような程度の研究であれば、又そういう性格の研究であれば、当然原子核研究の、而もこれは理論的な研究じやなくて実験的な研究、こういうことに廻されて行けば、当然殆んど同じ道を進んで来る或る段階で、一方は利用の研究になり更に一方は学問的な追究になる。こうなつて行くのであつて、今いかにもここでこういうふうに理論だけ今日本には一応あります、その上に直ちに利用の研究というものを而も全然別個の機関でやらせるということはどうしても納得がゆかないのですが、この点について通産大臣並びに文部次官の御答弁を伺いたい。特に文部次官としましては、学術研究として原子炉を造る必要性をどうお考えになつているか。で原子核研究ということをやつて行こうというので、三カ年十億という予算をお考えになつた。これはこれだけでとまつてはいけないと思うのです。将来やはり原子核研究所として原子炉を持つような構想も持たなければならないのじやないか、持たなければ文部省の怠慢だと思うのですが、そういう点についての御所見も同時に次官から伺いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来申しておりますように、細かい具体的な計画をここに申上げることができないのは甚だ遺憾でございます。併しながらこれは私見でございますが、一例を挙げますれば、学術会議に所属しておられる或る学者が個人であるか或いは研究室であるか、或いは一つの部であるか、こういうところに対する研究の補助ということが、現在考えられておりまする予算の組み方からいつて許される場合があるのではなかろうかと思います。そういうところの研究に対する補助金というようなものを配付することができるということが考えられるといたしますならば、私はこれは考えられると思うのでありますが、只今御指摘になりましたような両者にわたり、理論物理的な研究と併せて冶金その他の工業的な方面からの研究とを一体的、総合的に考える方面に役立つのじやないか、かように考えております。私見でございますが。
○政府委員(福井勇君) お尋ねの件は原子核研究の東大附置研究所の問題と、それからこういう事態になつて来て各方面の情勢について熱心に文部省としては検討してゆかないのは怠慢ではないかというような二つのお尋ねであろうと存じますのでお答えいたします。文部省の所管といたしましては、すでにたびたび関係の大臣並びに政府委員からお答え申しておりまする通り、三年計画で本年といたしましては一億三千万を土地建物に計上してそうして承認されたということは、国の総括予算が縮小されたのでこれは止むを得ないことだと了承しておるわけでございます。 それから一方原子核研究についての各国の状態ということを調べるのについて、決して等閑に付しておるようなことはございません。例えば今日アメリカの方面には嵯峨根遼吉博士にバークレーの大学へ行つてもらつておるほか相当の人々も派遣しておりますし、又先般国際理論物理学会が日本に開かれました当時参りました各国の有数の原子科学者、一つ一つ申上げますならばインドで申しますればターター物理学研究所のバーバー博士とか、或いはフランスの原子力委員長であるペランだとか、これは参りませんでしたけれども欧州随一の権威者であるところのハイゼンベルグ等に連絡をとるとか、或いは又今回ヨーロッパの合同原子核研究所を殆んど切廻しているといわれているイタリーのアマルデイ博士やその他の人々とも十分連絡をとり、又場合によればヨーロッパの合同原子核研究所を視察させてもらうとか、或いはその資料を頂くとかいうようなことについては、そう十分とは申しかねまするけれども連絡を密にとり、その資料も私も手許へ届いておるような状態でありますので、今後も各研究についてはあらゆる努力を傾倒したいと所管の省として考えておる次第であります。
○佐多忠隆君 ちよつと関連して。どうも愛知大臣のお話を聞いているといよいよわからなくなるのですが、愛知大臣のお話だとまだこういう補助金を受入れるものがあるのかないのかすらわからんのであるが、これから探してみたらあるかも知らんのだというようなお話にしか受取れない。ところが補助金についてあなたがたは緊縮財政だから金がないのだということをしきりと言つておられる。そうして今までやつていた補助金でも非常に無理にでも切つてしまわなければならないといつて特別の法律もお出しになつておる。そういうときに、あるかないかわからんがこれからいろいろ研究させてみたらあるだろう、どこかにあるかも知れんからここへ金を積んでおくのだというような余裕のある金の使い方が、今の財政支出としてできるのかどうかということが問題だと思うのです。これ以外に補助金なり助成金を必要としているところは非常にたくさんある。原子核の問題なりその他それに関連する問題でも今の次官のお話では非常に不満足に切られている問題がある。そういうところは金さえあればやることが非常に必要だ、受入の態勢もちやんとできている、構想もちやんとできておる。そういうところにやらないで、ただ非常に金がたくさんあるときに、ここらに積んでおいてこれから探そうというようなことは、余りにも今年の予算との関連においては不見識極まるものじやないか。こういうものは従つて根本的に一つ直して頂くことのほうが妥当なんじやないかという考え方になるだろうと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) これはさつきから申しておりまするように一つは考え方の問題であろうと思うのでありますが、私は自分に関する限りは先ほども申上げましたように原子力の平和的な利用ということについては資源調査会なり或いは経済審議庁なりでもかねてから相当の関心を持つておつたのであります。これはその研究なりレポートなりというものは、一部は例えば閣議などにその資料を配付したこともあるような事情でありまして、特に先ほど来縷々申上げておりますように、この予算の使い方というものが考えられますならば、そもそも原子核のほうの研究費も不十分なんであります。かねてこれは増額を非常に要望せられておつたところでもございますから、これらの両者の関係を見ながら適正な使途というものが私は必ずあるというふうに考えてこの案を進めて行きたいと思います。
○湯山勇君 通産大臣は通産省だけの立場から大体お話になつていらつしやいますけれども、これはやはり国策、殊に従来の例とおつしやいましたが、そういうものではなくて画期的な問題だと思います。最初副総理に申上げましたけれども、副総理もそういう意味はお認めになつていらつしやるが、そういう非常に画期的なものであつて、ただ最初申上げましたように、一本ここにあつた道路をこちらへ付け直すとかそういうものとは非常に性格が違つておる。そこでやはりこれは通産大臣も通産省というわくを離れて、やはり日本を預かつている国務大臣としての大きい立場で御検討頂きたい。これは今からでも決して遅くないと思いますので、御検討を煩わしたいと思います。そうしてもつと本当に納得の行くような方法で進めて行くとすれば、本当に進められるようなそういう形をすつきり出す努力をして頂きたい。 なお私は非常に納得しがたい点がたくさんあるのですけれども時間も過ぎたようでございますから以上で一応質問を終ります。
○松澤兼人君 今回の三党修正の財源的に最も重要な点は二つになると思うのでありますが、それは一つは予備費から五十億を出しまして所要の支出に充てたということと、それから資金運用部資金の二十一億の増額という点にあるように考えられるのであります。 そこで問題は第一の点でありますが、本年度の予備費は昨年に比べまして四十五億減つて百三十億であります。ここから五十億引出しまして修正の諸経費に充てたということであります。昨年よりも予備費が四十五億も減つておる。而もその上に五十億を一般支出に廻すということで果してこれで財政上の心配はないのかどうか、これを第一にお伺いいたします。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 予備費を五十億今度向けましたについては、実は私どもは物件費及び施設費につきまして五十億以上の節約を行う、そういうことによりまして、いわば実行予算においてこれを減ずるということにいたしましてこの予備費の足らざる点を補いたい、かように考えております。但し繰返すようでございまするが、予備費そのものが直ちにいろいろ分れておりますから、節約したものがすべて予備費になるというわけには参りませんが、節約を五十億以上やることに私ども考えておりまするので、大体それによつて予備費の必要の額を満し得る、かように考えておる次第であります。
○松澤兼人君 若し五十億以上の節約をやつて、そうして五十億予備費から出した分を埋め合せるということであれば、こういうややこしい廻りくどい方法をとらずして、物件費その他の節約五十億、こう計上してそれで一般修正の財源としたら非常に簡単だと思いますけれども、これはどういうわけですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) どうも松澤さんがそうお考えになるのは御無理もないのでございますけれども、実は予算書を作りますときは目に分れてずつとやりますので、仮に物件費、施設費等でこれを改めようとしますと、ちよつと概算三千目以上に亘つて改めなければなりません。又目につきましても或いは刑務所の費用のごとく食事の費用を減らすわけにも行かない、病院の費用のごとく入院費を減らすわけにも行かないと思います。それを個々に亘つてずつとやらなければなりませんので、いわば時間的に相当余裕がなければいけません。これは率直にお話を申上げるのでございますが、それで予備費でやつておくけれども、併しこれについてはそういうことをこれもずつと今もう始めておりますが、やりまして、実行予算で丁度仰せの通りにやりたい、こういうふうな考え方でございます。
○松澤兼人君 理論的に言えば私が言つたように三千目以上に亘るものを一一節約して計上するのが当然である、こういうふうにおつしやつておるのであります。ところが実際には日時の関係などでそれができないから仮に五十億というものを修正の財源に持つて来た。併しながら実行予算というか予算実行の上から言えば各費目に亘つて五十億以上のものを作り出す、こういうふうに了解してよろしうございますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) どうも例えば法律論的におつしやつて私の言い廻し方が下手かも知れません。併し実情はそうであります。
○松澤兼人君 私は、五十億を予備費から修正の財源に充てたということであつて、そうして各費目において節約五十億以上が出て参つたときには、もう一度それを予備費に埋め合せか何か予算の補正をしなければならない、こう考えるのでありますが、この点は如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 予備費というものはそれぞれの支出の必要があるときに出すのでありますから、節約した分を置きましてその節約分をこれに廻して行く分には何ら財政上差支えないと考えております。
○松澤兼人君 結果から見て実際上言えば予備費から廻すということになつているけれども、併し各費目で五十億以上を作り出して実際上は予備費からは廻さないという、ざつくばらんに言えばそういうことになるのですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 五十億以上のものを各省所管でそれぞれ節約をいたしましてそれだけ不用財源ができるわけであります。一方予備費を出さなければならんような支出の需要が起つて参りました場合に、各省それぞれの所管の中でございますれば節約いたしまして余らせました費途から先ず新たに出さなければならん、歳出のほうに流用するという道があるわけでございます。極力そういう節約を使うという方法で今後の予備費を必要とするような歳出の需要を賄つて参りたい。先ず新たに出さなければならん歳出のほうに流用するという途があるわけでございます。極力そういう節約を使うという方法で今後の予備費を必要とするような歳出の需要を賄つて参りたい。先ずその段階が先に来るわけでございまして、そういう努力をいたすべきであると存じておる次第でございます。(「補正が必要だよ。」と呼ぶ者あり)
○松澤兼人君 そうしますと、実際は予備費から五十億出せない、出したくないのだ、節約をして浮いて来たもので、その会計の中における修正の財源に充てる、それでも時間的に間に合わない場合、若しくは節約できないというような場所においては五十億の予備費からの流用と申しますか、財源として五十億を予備費から持つて来るのだ、簡単に言えばこういうことになるのですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 只今の段階では節約で浮かしましたものを予備費にそのまま充当するというふうに考えておりません。そこへ参ります前の段階といたしまして、各省それぞれ、新たに起つて来る予備費を必要とするような歳出に対しまして、自分の所管で節約いたしました財源を先ず充当する、それによつて相当賄えるのじやないかと考えておるわけでございまして、その努力を先ずいたすべきであろと存ずる次第でございます。
○松澤兼人君 そうしますと、修正予算の中において五十億の財源の必要でないものは勿論ある。その修正の費目はそれぞれ挙げられております。その修正の財源のために会計全体が五十億以上の金を生み出さなければならない。生み出せない場合には予備費から持つて来る、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 今般修正によりまして増額されました経費の財源は、これは予備費を減らしましてそれだけ捻出しておるわけでございます。併しそのときの修正の御趣旨にもございましたように、別途予算の実行上五十億以上物件費、施設費等で節約に努めまして、それはそれでとつておきまして、予備費が減りましたことによつて弾力性が失われておるわけでございますが、予備費を必要とするような歳出が起りました場合には、先ず節約いたしました金額を、各省の中で財政法、会計法上許される限度において流用して、できるだけ締め括りをつけたい、そういう趣旨でございます。
○松澤兼人君 各会計の中で節約して浮いて出て参りました金は財政法上、会計法上流用できないという場合はそのまま残つてしまう。或いは予備費にそれを繰戻すということになれば、やはり法律的な或いは予算的な措置が必要でないかということを考えるのでございますが、そういう必要はございませんか。
○政府委員(森永貞一郎君) 只今のところは補正をするような事態が起つて来るとは考えておりません。極力節約の範囲内で何とか忍んで行きたいと考えております。
○松澤兼人君 仮に三党修正によつて関係のない会計において五十億以上の節約の一部分として節約するわけですが、その節約した分は結局どうなるのです。予備費に繰戻すのか、或いはそれはそのまま浮いているということになりますか。
○政府委員(森永貞一郎君) 予備費に繰戻すということは考えておりません。若しその省におきまして予備費を必要とするような、節約額を以て流用するような費途がございません場合には、それはその省における不用にいたすわけでございます。
○松澤兼人君 そうすると年度末において不用になつたものはそれだけ残るということでございますか。
○政府委員(森永貞一郎君) その通りでございます。
○松澤兼人君 そうしますと、私はそろばんがわかりせんけれども、そろばん上どうしても合わないという勘定になりませんか。一方では三党修正によつて計上された費目に充当する何らの仕事もやつておらない、それで節約が出て来た。そうして一方においては例えば原子炉のようなものは予備費から持つて来てやるんだ。そこでは予備費五十億の中の何分の一か何十分の一かというものは使われる。浮いて来たものは浮いて来たままであつて、そうして予備費から繰入れられた分は使用せられるということになるとどうもその辺の関係がはつきりしないように思うし、又それを会計法上或いは予算上の措置を何にも講じないで、それはそのままに残つてしまうということは納得できないと思うのですが、如何ですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 予備費を必要とするような金額の合計が年度間で八十億しかないという場合を考えますと、まさに五十億は余るわけでございます。そのほかに各省の中で予備費を必要とするような経費の需要が起りまして、それを節約額を以て賄う事態が起ると思うのでございますが、その出合いがつかない場合にはそれがそれだけ不用になるわけでございます。そこで如何なる程度の金額が不用になるかということは、これは今後各省で如何なる予備費を必要とするような経費の需要が起るかということに一にかかつておるわけでございまして、これは今日から経費の性質上予測することができないわけでございます。
○松澤兼人君 じや大蔵大臣にお伺いしますけれども、二十八年度は百七十五億でこれでも私は十分であつたとは考えられませんが、本年四十五億減つて又五十億減るということに対する資金繰り或いは予算上の措置について心配のことは全然ございませんか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今主計局長が申しました通り、実はその五十億は最初において予備費が減るわけでございますが、予備費として何ら補うわけではございませんけれども、物件費及び施設費等を減じまして、普通でありますると予備費から弁じなければならない分を先ずこの繰越してある分を以て弁じて参りますから、実質においては今百三十億ときちんとなるか或いは百十五億、百二十億になるか、それとも百三十億以上になるかも知れません。私はできるだけ節約いたしたいと思いますが、予備費があると実質においては何ら変りがありませんので、先ず本年度はその程度でよいのではないかと考えておる次第であります。
○政府委員(森永貞一郎君) 二十八年度に比較いたしまして予備費が四十五億減つております点の御説明を落しておりましたので申上げたいと存じますが、この四十五億は御承知のように第一次補正のときに災害予備費乃至は冷害対策の予備費として入つたものでございまして、その当時から或る程度の使途は予定されておりましたけれども、細かい事業別の区分等が立たないために予備費という形で四十五億を計上いたしましたものでございます。従いまして昨年度限りの、あの未曽有の災害、冷害に対処するための特例的な予備費であつたというふうに御了承頂きたいのでありまして、毎年の予備費よりも四十五億だけ膨らんでおつたわけでございます。従いまして本年度は百三十億でございますれば勿論問題ございませんし、多少今回の修正によつて弾力性が失われましたが、先ほど来申上げておりますようなことによりまして何とか処理できて行くということを私どもは確信いたしておるわけでございます。
○松澤兼人君 昨年の風水害の跡仕末がまだ十分にできておらない、それからいわゆる議員立法で補助額を引上げたものも又もとに戻すということで、本年まあ小規模の台風なり又は暴風なりというものが出て来れば、どこでも非常に危険な状態にあるということは考えられているわけであります。昨年程度でなくてもまあかなりの台風がやつて来たり或いは風水害、冷害等があるとした場合に、八十億という金額は少しく心配になるのじやないかと思いますが、大蔵大臣如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この八十億だけを御覧下さるとその通りでございまするが、先ほども申しました通り、普通ならば予備費で弁ぜられるべきものを、つまり節約によりまして、先ずその不用額、節約によりました分をそれに当てて参りまするので、従いまして八十億プラスその節約額が出て参るのであります。その額は五十億以上節約することになつておりますが、併しさつきも丁度話がありましたごとくに使い得ないものがあります。使い得ないものがありまするから、果して百三十億になるか、それとももつと以上になるか、それ以下になるかははつきりいたしませんが、併し大体八十億だけでないことは御承知を願えることと思うのであります。それで大体去年のような災害は、これはそうたびたびあつても困りまするし、私どもこの程度でやり得るのじやないか。なお二十八年災害につきましては御承知のごとく、いわゆる災害に対する救農国会と称する分もございまして、それとこの二十九年度の予算及び予備費等を合せますると、大体六割に近いものが災害に対してできるのであります。そんなこと等でそれを重点的にも使つておりまするから、大体私はこの程度で行けるのじやないかと、かように考えておる次第でございます。
○松澤兼人君 問題を変えまして、先ほど配付して頂きました三党修正に対する了解事項であります。この予算の修正の部分につきましては、これは勿論我々として政府から提案せられたものによつて明らかになつているのであります。併しそのほかにいわゆる三党協定の覚書と申しますか、更にこの了解事項の裏にあるものについてお伺いいたしたいと思います。 第一点はこの中に「労資協力体制の確立」を促進するというような言葉があるのでありますが、これは一体どういう了解の下で大蔵大臣はこの覚書を御承認になりましたか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この点についてはあとからよくその相談をしよう、いずれにしても今日の日本で労使協力体制を確立することが必要だから、この事柄については三党で更によく相談をしよう、こういうことであつたので、そういうふうに了解いたしておる次第でございます。
○松澤兼人君 これはやはり了解事項、或いは協定という形をとつておりますけれども、併し予算修正に当りましては、これがやはりこのバツク・ボーンをなす、それが重要な一つの基盤になつていると思うのです。何らこの問題について話合いがなくして労使協力体制というようなことを持出すということはないと思う。先ほど原子炉の問題について愛知通産大臣が、修正者であります稻葉君からいろいろ話があつたということを聞きました。併し私どもとしましては、これは誠に重要な一つの政策の現われであると、こう考えますので、更にその内容について承わりたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この了解事項といたしましては、そのときに過日申上げました「投融資計画委員会の設置」、このことについては予算委員会でも質問がございました。これについて政府はどう考えておるか、よく一つ考えて善処しましようということが答弁でありまして、質問者もそれ以上のことはなかつたのであります。更に「第三次再評価法の制定」ということがありましたが、これも質疑でもございましたが、質疑に対する私の答弁は、これはもうそういうことになつてすでに閣議決定を経ているから、近く第三次評価についての法律をお出しする、こういうことを申してあつてそれ以上の質疑もなければ何にもございませんでした。それから更に「労資協力体制の確立」ということについての話でありましたから、私はよく承わつておきますということだけでございまして、私は率直に申上げて何にも政府との間に、三党の会われたかたにもそれ以上のことはないのじやないか、時間的に見ても相当それ以上のことはないように思われる、それから又その多分前触れとでも、これができる前日でございましたが、質問されたかたは今のような質疑しかございません。それで私の答弁もそれだけでございまして、私はこれ以上に何も承知しておりませんし、又何も聞いておりません。これは率直に申上げておきます。
○松澤兼人君 私はこの了解事項というものが予算修正に当つて最も大きな問題であろう、こう考える。これに対して何らの話も聞いておらない、又大蔵大臣としてもこれ以上のことは何も知らないということでは、我々は了解いたしかねる。それでは政府が同意を与えたところのこの二十九年度予算に対する修正というものが大蔵大臣の知らない所で、どこかで取引されておるのじやないかと、そこに了解事項として挙げられておるものについても、更に具体的に何か話合いがあつたと、大蔵大臣がそれを知らないだけであるということでないかと思うのですが…。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 只今申上げたのは、前日でありましたか、当日提案のときに、第一は云々として、これを御覧下さいますとわかりますが、衆議院の予算委員会第二十二号、昭和二十九年三月三日付のところにありますが、これは今の第一は投融資計画委員会の設置ということについての話がありまして、「この法律の目的は、経済自立、緊縮政策に即応し、不急不要の奢侈的消費面への資金の流出を抑制し、生産増大、輸出振興等に資金が効率的かつ迅速に流入するよう調整するため、総合的な計画を策定して云々」こういうことだけが書かれております。又言われております。その次には提案者の所の第三次資産再評価でございますが、これは終いのほうで申しておるのでありますが、「昨日改進党河野金昇議員の質問に対し、小笠原大蔵大臣の答弁は、この点従来の答弁とかえて、相当強力なる施策に転ぜられたことは、われわれの満足するところであります。」、これだけになつております。「第三は、わが国の労働の生産性を高めるということが、コスト引下げに大きな役割を果すものでありますから、」そこで「まず生産協力協議会の設置を必要と考える次第であります云々」ということだけでございまして、あとは別に何も実はございません。私はこれ以上に何も承知いたしておりませんし、ただ提案者はこれだけ言われたので、これだけのものじやないかと思つております。
○松澤兼人君 案外大蔵大臣は簡単に考えておいでになりますけれども、「労資協力体制の確立」というような問題にいたしましても、すぐに私ども思い起されることは、いわゆる労働者の基本的な人権を制限するというようなことによつて、労使の協力体制を確立する、いわば戦時中におけるところの翼賛体制と申しますか、或いは産業報国会的な労使の協力体制を実現するということを意味しておるのではないかということを懸念しておる。それで先ほど来からそういうことについて何かお聞き及びはないかということを質問しておるわけであります。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これについては何も聞いておりません。
○松澤兼人君 それでは次の問題、第二項には、「本予算に伴ふ補助金等整理に関する特別法案及び税法案等の成立に関しては相互に協力する。」ということがあります。この点について、「税法等の成立に関して相互に協力する。」ということでありますが、これは国税も地方税もすべての税法ということになつておるのでありますか。その点は如何でございますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実は予算に伴う了解事項なんでございまして、「本予算に伴う補助金等整理に関する特別法案及び税法案等の成立に関しては」、これは予算に関するものだけで、予算に関係のないものについては考えておりません。予算に関係のあるものだけととつておつた次第でございます。
○松澤兼人君 この了解事項を見まするというと、これは全く改進党なり或いは日本自由党なりという人々の要求が容れられていわゆる政府の自主性ということが著しくなくなつたんじやないかということを考えておるわけであります。大蔵省はいわゆる大蔵省原案というものを出し、更に国会に提案せられました予算を出し、その上にいわゆる三党の共同修正というものを出されておるわけであります。この点は総理大臣にもお伺いしたわけでありますが、著しくいわゆる吉田政府というものの自主性が失われたと考えるのでありますが、この点は如何でございましようか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私どもも修正せられざることを最も希望しておつたのでございますが、併し受けました修正について言いますると、非常な大きな大した問題でもなく、松澤さんの言葉での自主性を失うようなことはないのみならず、了解事項の政府に対して協力してもらうのは誠に結構な話でございまして、これはむしろ自主性を助けてもらうくらいの話でありますので、どうも自主性を失うというような問題ではないと考えております。
○松澤兼人君 そこで私は過日大蔵大臣にお伺いしたのでありますが、この税法等の成立というところに括弧があつて、但ししやし繊維税は除くということが入つているやに聞いたのでありますが、その点は如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) さようなものは全然入つておりません。
○松澤兼人君 大蔵大臣はこの了解事項については何にも知らない、ただそれだけしか知らないと言つておりながら、税法の問題については繊維税を廃止するということは自分は全然ないと思うと確信を持つて言われるけれども、果してそれだけの確信がおありになるのかどうか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 実は私も多分お持ちになつておる分と思つておるのでありますが、同様なものを持つておりますだけでございますが、これは併し税法について協力するという以上、而も八十五億の財源を見込んで予算に大関係のある奢侈繊維品に対する課税についてそういういわば反対的な意味があろうとは全然考えておりません。私どもは予算に協力して予算に必要な税法は協力すると言われる以上は、勿論この八十五億の財源を見込んだ今の繊維消費税につきまして協力あることと確信しております。
○松澤兼人君 この繊維消費税は、最初は原糸に課税すると言い、その次には小売に課税すると言い、その次には卸に課税すると言い、いつの段階でも八十五億という金額は変らない、どこで取つても八十五億、こんな都合のいい税は私はないと思う。それぞれやはり徴税上の難易があるでしようし、或いは税の捕捉に困難なところもあるし、或いは容易なところもあるし、どこで取つても八十五億なんという計算は、私は恐らくおかしいと思うのですが、然しそれは別といたしまして、今回の改進党の態度は、予算面からは八十五億というものを歳入で削り落しはしなかつたけれども、これは審議未了にする、或いはこれは成立させないという暗黙の了解があつたものと聞いておりますが、この点如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私はさように聞いておりません。現に自由党の佐藤幹事長ははつきりとこれについても協力するということであるということを言つておるのでありますから、私はさように聞いておりません。それからなお八十五億、これは御承知のごとく少額所得者に対する減税、或いは法人に対する一部減税その他等の結果歳入の不足を補うために出したので、丁度繊維につきましては奢侈品について八十五億を見れば足りたものですから、それだけの余力な税を取る必要はないので、そういたしたのであります。 なお念のため申上げますれば、これは一体段階といたしましていろいろのことを考えましたけれども、これは尤もどこが取つていいかと言えば、一番奢侈抑制の意味から言えば、小売のところで取るのが一番いいと思われます。更に又国内での輸出奨励というような意味から申しますれば、原糸、もとのところに近いところで取るのが一番よろしいと思われます。いろいろの点を勘案しましたけれども、やはり税の対象としての人数等を頭に置きまして、これは松澤さんも御承知のごとく、小売商をやりますと約十六万にも対象が上ります。従つて(「それじややらなければいいじやないか」と呼ぶ者あり)いやそういうように考えたから、そういうことがわかつたわけです。やることにしましたのは、たつた一つの法律案を出しておるのでありまして、その過程にはいろいろのことを考えております。過程にいろいろのことを考えるのは、これは私は当然のことと思う。それが今度今のような卸売業者にやりますと、大体二万二千人くらいが対象となる。一応対象となりますが、併し今の奢侈的な課税にとどめましたために、これを取扱つておる商人が減りますので、大体一万人くらいが今のところ納税の対象となつておる。こういう次第であり、まあ彼此いろいろのことを勘案しまして、これがよかろうというふうに決定をして、決定案としては今の卸売業者に対する課税案を出しておる次第であります。
○松澤兼人君 大蔵大臣の御説明はその通りだろうと思うのですが、二十九年度予算の説明、主計局でお出しになつたものの二十三頁に、小売業者が販売する高級の織物というようなことで出ております。それはまあいろいろあれやこれや勘案しました結果、小売に落着き、小売ということで予算をお出しになつて、更にその後又中間でお取りになるということになつたのだろうと思うのでありますが、これも訂正して頂かなければならないのじやないかと、こう思いますが、そこで若しも先ほど申しましたように、改進党がこの繊維税の問題について、法律の上において協力をしない、事実上法律が成立しなかつた場合にはどういう結果になりますか。先ほど申されましたように、減税であるとか何だというようなことが忽ち行えなくなるのか、或いはほかの方法によつて既定の負担の軽減をなさるというお考えでございますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この予算の説明という分は、これは最初に実はちよつとお断りしておきますが、いろいろ文字をあとで直すというようなこともお断りしてございますが、これは一応この時分にちよつと考えたことを書いたのでございまして、これを改めたものを、爾後訂正いたしましてお配りしてあるはずでございます。 それから今のお話でございまするが、私どもは三党でああいうふうに予算の修正をなし而も了解事項ではつきりと約束している以上、この約束は政党の公約であるから必ず行われるものと私は信じております。而も予算についてこれこれということがはつきり謳つてあるのでありますから、さように考えております。それをやれん場合はどうだろうということを想像することは誠に相済まんことと考えますので、それは差控えたいと存じます。
○松澤兼人君 大蔵大臣としては、できなかつた場合にどうするかということは仰せられないだろうと思うのでありますが、ただ心配するのは、若しそういうことになつて減税ができなくなるというようなこと、或いは又は三党修正の線が実現できないというようなことになりはしないかということも考えられる。私どもとしましては、繊維消費税は反対でありますからできないことに越したことはございません。併し大蔵大臣としてはいろいろお困りになる点もおありになるのじやないかと思つて、心配して実は承わつているわけなんです。時間が来ましたので、これで。
○木村禧八郎君 この修正案に対して第一に承わりたいことは、この三党の共同修正案に対する了解事項、申合せというのを配付して頂いたのですが、先ず第一に、財源につきまして、これは予備費を減少することによつてそうして賄うということになつて、予備費をそちらに振り向ける、こういうような形になるわけですか、五十億は…。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 増額修正でなくて、五十億を今この予算から減らしまして、百三十億を八十億として、その五十億を一つの一般会計の財源としておる、こういう次第でございます。従つて、資金額には移動はございません。
○木村禧八郎君 本来予備費となるべきものをそちらへ振り向ける、こういうことになるのですね。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 本来言えば、物件費及び施設費等を個々に亘つてずつと減じまして、それを積算したものを出すのが本来でございまするが、さつきもちよつと申しました通り、或いは三千件で済ませんかも知れません。目にまで亘つてずつとやらなきやならない。一々についてやらないと、これは物件費と施設費と非常に内容が違いますから、それでそういうことは時間的にも許されませんので、そこで三党了解事項にあります通りに、予備費としてやつておく。併しながら物件費、施設費を五十億以上減じてやる。但し、これはあなたに申すまでもないが、予備費に戻すことはこれはできませんので、普通ならば予備費で払わなきやならんような不時の支出その他が起つた場合に、その節約額を以てこれを弁じて行く。併し節約額で弁じ得ないものはものによつては出て参りましよう。流用を許さないものがございましよう。それについてはどれくらい出ますかはつきりいたしませんので、できるだけ節約額をそういつた方面に多く求めてやりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○木村禧八郎君 若しこの補正が出なければ、当然それは予備費となるべきものだつたんですね。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 修正案が出なければ、元の原案のまま予備費でございます。
○木村禧八郎君 これは前々から、私最近ですね、財政法の精神が非常に蹂躙されておる、規定じやないんですよ、精神がですよ。一体この予備費として使わるべきであつたものをこういうような修正予算の財源として使つてよろしいかどうかですね、 〔委員長退席、理事高橋進太郎君着席〕 この予備費というものの性格はどういうものであるか。私はこの予備費を規定しました財政法の第二十四条、それから財政法の第三十五条、この予備費は大蔵大臣が管理して、そうして、予備費の使用を必要と認めるときは、理由、金額及び積算の基礎を明らかにした調書を作製して、これを大蔵大臣に送付しなければならないということになつておりまして、予備金というものは、非常に使う場合には、厳重にですよ、厳重にあれしなければならないことになつているのですが、大体予備費というものは特定の目的がないわけです、最初は。そういうものを修正予算の財源にするということは私は間違いだと思う。予備費はこういうふうに軽軽に使うべきものでないのであつてですよ、あとでこれは節約して埋めるのだと、こういうことを言つていますが、そうしたら節約して埋めなかつたら又補正を組むということになる。私はどうも今度の修正、これは三党修正で押付けられたのだからしようがないと言われるかも知れませんが、やはり予備費として使うべかりしものをこの財源に充てるということについて私はこれは適当ではないと思う。この財源措置について、財政法から言つてですよ、私はよろしくないと思うのです。この点について、大蔵大臣はまあ三党修正としてそうなつちやつたからしようがないというのじやなく、やつぱり今後日本の財政を運営して行く場合に、財政法の精神を貫いて行かなければならない。そういう高い見地から見てこういう財源の賄い方についての御意見を伺つておきたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 予備費についてのお考え方は、私もこれは全く御同感でございます。併しながら、これは理窟を言うようでありますが、予備費は幾らにしなければならんということが実はない。百三十億が適当か、八十億が適当か、これについてはないから、これもどうもあとで挙足をとられるようなことになるかも知れんけれども、事実の問題について解決をした、こういうことに御了承を願いたいと思います。
○木村禧八郎君 それは政府が出された予算というものはやはり責任を持つてこれは正しいとして出されたわけです。予備費がどのくらい……、これは相当と認める金額となつているのです。相当というのはどのくらいであるか。これはそのときの政治的判断できめるよりほかないわけです。従来も予備費についてはいろいろ議論があつたのですが、大体平時においては予算の三%を超過したことが少い。大体において一%内外、これは常識であります。これは一%内外というのが常識なんです。そこで今度のような修正をしますと、大体常識と反して来るのですよ。そうしてあとで節約されて埋めるということになつておるのですが、最初政府がやはり予算を出されるときには、こういう財政法の常識に従つて組んでおるのでありまして、こういうことを崩すということは私はよくないと思う、一時の便宜のために。こういうふうにやはり予備費を流用したらそれは簡単にできます。できますけれども、何のために財政法というものを作つてあるのですか。こういうことはこの予備費だけではない。一般質問のときに大蔵大臣に質問したいと思うのですが、この点ですね。やはりこれは、まあ責める、ただ非を責めるというのじやなく、今後の予算編成をする場合に私は問題だと思う。それからやはり衆議院で修正する場合、議員の人の常識を疑う。財政法を勉強しておるかどうか、私は疑問に思う。これは修正する者も悪いけれども、ただ財源措置を安易に求めて、この予備費というものを簡単にそんなふうに変えるべきではない。大体のあれがあるのですから、この点について私は……。まあこの点非常におかしいことなんですけれども、大蔵大臣これ又呑んだこと自体がよくない。(笑声)それから又修正するあれも常識に反しておる。今後の問題として大蔵大臣そういう点が私はよくないと思うのですけれども、考え方についてどうですか。予備費はやつぱり今私が申上げたようなふうに、相当な額というのはやはり平時において大体一%内外、こう了解するのが当然じやないかと思うのですが、如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 予備費についてのお考えは全く御同感ですが、但しその額如何ということなんです。例えば今の物件費或いは施設費の節約に求めるとしても、五十億というものは、これは実際問題としてお考え下されば短時日の間にできんことはすぐおわかりだと思う。従いまして、それならばこれがどうも呑むことが間違いだ……、どうも予算編成は政府がやつておるけれども、国会における修正権は皆さんがお持ちになつておるので、それが果して政府が呑めるものか呑めんものかという判断になると、これはまあ金額内容等で判断が分れて来ると思う。従つて、私どもはまあこの程度は呑んよかろうと考えた結果が三百三票にもなつた。こういうふうに予算通過が三百三票というような圧倒的多数にもなつたことであるので、まあ呑みそこなつたとは私は正直のところ実は考えておらない。
○木村禧八郎君 まあ大蔵大臣がですね。何でもかんでもそういうふうに合理付けてしまわないで、やつぱり間違つていることは間違つている、こう言われるのが本当だと思うのですよ。それで呑んだのは間違いで、やはりこればかりじやない。予備費ばかりじやないですよ。呑めなかつたら内閣を投出すべきですよ、断然財政法を守つて。それは国民が批判しますよ。そういうことで解散なさい。自由党が圧倒的多数になりますから……。(笑声)そういうことですよ。汚職でやつたのでは駄目ですよ。そういう建前をやはり守らなければ……。この財政法の精神を崩そうとしている。MSAの受入によつて再軍備態勢になつて来て、いろいろ財源を生み出さなければならない。これまでの財政法の精神を崩そう崩そうとしている。いろいろな点にこれは出て来ているのですよ。これをやはり守らなければいけないと思うのです。断然守らなければいけない。そういう意味で質問しているのですが、今の御答弁ではどうも大蔵大臣は非常に政治的なことばかりしておりますので、この前財政法で大分あれしたのですけれども、もう少し大蔵大臣一つ真剣にやつて頂きたいと思うのです。 それから次に、この修正によつて地方財政の規模が少し大きくなるのですね。私はこの財政規模について大蔵大臣にどうしても質問しなければならんのですけれども、一兆円予算による財政規模というものは案質的にはですよ、実質的にはどう大蔵大臣がこの御説明をしようとも、これは二十八年度よりは殖えております。国民所得に対する比率も、特に地方財政を加えますと、二十八年度より著しく殖えているのです。私はここに細かい資料がございますから、それを大蔵大臣に一つ御覧を願いたいと思います。これはあとで説明しましてから御覧願いたいと思うのです。私の計算したところでは、本当は一般会計に計上すべかりしもの、この前大蔵大臣に質問いたしました五つの項目があるのですが、それを加えまして一般会計へ加えて、それから地方財政ですね、地方財政、今度の修正によつて九千六百五十三億が二十三億殖えるわけですから、そうしますと、九千六百七十七億になる。そうしますと、この重複を引いて二十九年度純計は一兆五千九百四十一億になるのです。そうしますと、これが国民所得五兆九千八百億で割りますと、二割六分六厘になるのです。そうすると、二十八年度の同様の計算による国民所得に対する比率は二割五分六厘なんです。そうしますと、今度の修正を加えなくても、修正の増を加えなくても、二十八年度より、地方財政と一般会計を加えた総計の国民所得に対する比率は二十八年度を超えているのです。それに又殖えて来るのですよ。財政規模は大きくなつているのです。更に地方財政を加えなくても、加えない場合の比率も、大蔵大臣は緊縮予算緊縮予算と言つておりますけれども、実際は我我の計算では一割七分六厘になるのであつて、二十八年度の一割七分二厘よりも殖えるのです。これは非常に私はこういうところにごまかしがあると思うのです。それでそんなに、緊縮財政緊縮財政と言われるなら、結局において今度の修正によつて地方財政が殖えて財政規模が大きくなるのですから、これについては大蔵大臣は拒否すべきです。そうしなければ筋が通らないのです。そういう面から言つても、私はこれまでの大蔵大臣の、この予算の枠は変らない、変らない。地方財政の膨脹を入れれば変わるのじやありませんか。一兆円予算、一兆円内では変らんと言つております。地方財政はこれによつて殖えているのです。そうしますと、変らないのじやなくて、やはり 〔理事高橋進太郎君退席、委員長着席〕 変つて来るのであります。それで財政規模を考えるときには中央、地方を通じて考えなければならないのであつて、最近は国民は国税も地方税も納めているのですから、通じて考えなければならんわけです。これでは私は矛盾しておると思う。こういうものを政府が呑むことは緊縮財政の精神にはやはり反しておる。こう思うのですが、この点如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) あなたの計算はまああとから拝見しますが、私どもの計算はそうならないし、それから最初の前段について、こういう場合はこれはいずれ機会がありましようからやめておきましよう。それからこ間の一兆円予算については話したから……。私どもはそういうふうにとつていない。一兆五百何億になるということは私ども夢にも考えておらない。今度の修正についてどうかというお話でありますが、これは成るほど四億ばかり地方のものが殖えておりますが、同時にこれについては財政投融資のほうで減つていることは御承知の通りであります。従つて財政投融資と一般会計を加えて国の財政規模と言つておりますから、財政規模においては縮小しておつて、何ら増加しておりません。
○木村禧八郎君 そう言われますと、財政投融資を含めて計算して見ましても、地方財政を加えますと、やはり殖えますよ。それから財政投融資を通じて見た場合でも、殆んど二十八年度と変りありませんよ。二十八年度の財政投融資を加えた場合の比率が国民所得に対して二割二分、今度の場合は二割一分九厘ですから殆んど変らない。財政投融資を加えても、地方財政を加えれば、これは更に大きくなる。その他まあいろいろ過去の蓄積を加えないなんと言いながら、実際には連合国財産補償費とか、或いは安全保障諸費というものは剰余金とすべかりしものをしないで……、剰余金となれば逝去の蓄積です。そういうものを食つている。そういうところに非常に矛盾があると思いますが、大蔵大臣はそういうふうには夢にも思わないなんと言いますけれども、実際に各項目について言いますれば、連合国財産補償費七十億、安全保障諸費九十億、租税払戻金九十億、交付税及び譲与税配付余特別会計繰八百七十二億、それから山林事業費三十二億九千万、郵便貯金特別会計歳入不足補填四十億、産業投資特別会計への繰入二十五億、こういうものを入れますと一兆五百十六億になるのであります。こういうふうに組むか組まないか、二十八年度と同じ組み方をすると、こうなるのです。二十八年度と同じ財政の組み方をすれば明らかに一兆五百十六億になる。併しながらそうやつたのでは一兆予算という形式が整わないから、いろいろな名目をつけてこれを特別会計にしたり、或いは事故繰越をする。事故でないのに事故繰越にしている。連合国財産補償費、或いは安全保障諸費なんか事故が起つたのではない。止むを得ない。事故繰越ではない。そういうものを事故繰越にして、そうして一般会計へ入れるべきを入れないでごまかしている。ですから夢にも思わないなんて大蔵大臣が言われるから、こう申上げるので、これを詳細大蔵大臣見て頂きたい。ちやんと計算して見た。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この数字の、こういうような建て方をされているかたがあるということは承知しておる。そういう建て方によればこうなろということも承知しておりまするが、なおあなたはどう建てられておるか。これは特別なことかもわからんから、よく検討して研究さしてもらいます。但し私どもはその今の事故繰越と準ずべきものを事故繰越とするとか、何もごまかしているのでもなんでもない、こうして承認を求めているのですから。ごまかすなら承認を明らかに求めるということはしない。承認を明らかに求めたり、法律を変えたりいろいろやつていることは、これはすべてごまかさないからそういうことになつておる。それを一にも二にも、いやごまかしたのごまかさないの、何でもごまかしたと、私はそういう人間が天下をごまかしておると思う。明らかに法律案を出して、明かに事故繰越の承認を求めておる。それをごまかしておるというのはどうも私はわからない。そういう考え方じやなくて、あなたの言う通りならば、誰も緊縮予算だなんてかれこれ騒いでいやしませんよ。困つたりしませんよ。現実緊縮予算であればこそいろいろ問題になつておる。これが日本の財政が、緊縮財政が去年よりむしろ大きくなつているのはインフレ財政だ、あなたくらいのものです、そう言つているのは。
○木村禧八郎君 そういうことを言われるから私は申上げねばならん。大蔵大臣がごまかしておると私が言つたのは、事故繰越をする場合に財政法によつて法律案を出して、これを認めてもらうということについてはごまかしだと言つていないのです。一兆を超えているのに一兆を超えないがごとく、そこがごまかしというのです。そういう法律案を出して、そうしてあたかも一兆を越えていないがごとく国民に思わせるところにごまかしがあると思うのです。これは素人に対しては大蔵大臣のような言い方は通用するかも知れませんか、インフレ予算というのは私くらいのものだとこういうお言葉がありましたが、この予算は一般会計の財政的にはインフレ予算です。これがデフレ的であるというのは、投融資関係で金融を詰めるから金融デフレなんです。財政インフレで金融デフレというこういう性格を持つている。これが本質としてインフレ的な性格を持つているものであるということは、時間が来ましたからあれしませんが、一般質問のときに私は質問して見たいと思う。大蔵大臣はこれを十分御用意されたいと思う。あらかじめ申上げておきます。 それから只今私が差上げました資料は、二十八年度と同じような組み方をすればそうなるということであつて、これは大蔵事務当局もよく検討されまして、そうして若し間違つていたら具体的にこの点指摘して頂きたいと思います。 それから最後に、さつきの原子炉の問題ですが、文部省の方いなくなつたですな。それではもう時間も来ましたから最後に大蔵大臣にもう一つ伺います。この中小企業金融関係なんです。今度の修正についても中小企業金融について、投融資の増額が行われておりますが、大蔵大臣はこの中小企業金融対策というものについて一体どう考えておられるか。私は今までの大蔵省の中小企業金融対策は非常に不十分なところがあると思うのです。その第一点は例えばこの修正で中小企業金融公庫に対する十九億の償還すべきものを延期してやるとか、こういうような形で融資の余裕を取つてやるというようなことをやつておりますけれども、中小企業金融公庫は金融機関を通じて貸すのであつて、私はこういう貸し方は誤りであると思うのです。やはりこれは直接貸付けるような形をとらなければ…。商工中金あたりを通じてやればいいのであつて、なぜこの中小企業金融公庫というものを別に作つたか、疑問に思つておるのです。この点が一つと、それから中小企業を救済する、救済すると言いますけれども、他方において中小企業を潰すような政策を政府はとつておるのです。今中小企業者が非常に困つておる問題としては、独禁法が緩和されて、原材料の独占価格が維持されて原料高、製品安ということになつておるのが、これが中小殊に零細企業者なんかは非職にこれは困つておるのです。そういう点、独禁法を緩和しちやつて、そうして中小企業者を苦境に陥れておいて、そうして苦しみを救うと言う、金融をつけてやると、これでは本末を顛倒しておるのです。私は中小企業の対策は中小企業が成立つように、物が売れるようにすべきであつて、景気対策をしなければ駄目だと思うのです。最近の実情は税金を負けても金融をつけても中小企業者は成立たなくなつて来ておるのです。税金を負けても金融をつけても倒れてしまう。従つてこれはどうしても中小殊に零細企業者を救うためには、やはり景気振興対策ですね、物が売れるようにしてやらなければ私は駄目だと思うのです。こういう点が私は重要であると思うのですが、この点についてどう考えておられるか。 それから時間がありませんから質問のほうだけもう一ついたします。今度厚生省関係ですが、先ほど同僚議員からも質問がありましたが、結核の病床を今度は殖やしますが、それによつて定員が殖えてない。ところで今度行政整理によつて(「厚生省はいないぞ、大蔵省だけだ。」と呼ぶ者あり)大蔵省で結構ですから、行政整理に関係がありますから。行政整理によりますと、今度国立病院、結核療養所に対しては二割の減員をするわけです。そうして病院は五百十六名、結核療養所は四百五十名整理することになつているわけです。今度の修正によつてそうして病床は殖えます。それに対して定員は考慮されてないといいますが、この定員を考慮するとすれば、私は結核療養所四百五十名、これを整理するということば全く矛盾してしまうと思うのです。この点について大蔵省はどういうふうに措置されるか、これを、修正と関連して、この国立病院特に結核療養所については、この行政整理につて再検討される必要があるんじやないかと思うのです。この点についてお伺いしたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 前の方だけお答えします。中小企業の問題でありますが、それはお話のごとくに中小企業のうち工業者ならば引続き生産をどんどんと行うことができ、商売人ならば品物がどんどん売れて行くというような政策に持つて参る、それが政策の中心でなければならんと思います。併しながら独占禁止法がその妨げになつておるかどうか、独占禁止法の行過ぎということについては、これは随分言われていた、あなたのほうはもつとこれをやりたいというのでしようが、多数の者から見ると、アメリカよりも行過ぎておるような、アメリカのアンチ・トラスト法よりも行過ぎておるような行過ぎで、これはもつと改めるべきであるということは随分言われており、我々も絶えずそういう主張をして来たわけです、今日まで。従つてこれはそう考えません。 それから中小企業の金融の問題でありますが、中小企業金融は、私は何といつても金融の中の一番大きな部分を占めるのは地方銀行だと思う。これは数量で申上げるまでもございません。これは恐らく地方銀行というものは、貸出の割会からいつても地方銀行は貸出の五割以上を中小企業に貸しておるのです。従つてこれが貸出しいいようにしてやる。又都会の十大銀行でも、これは金額においては圧倒的に多いのです。これはやはり貸出の二割強を中小企業に貸しておると思います。従いまして殆んど両方合せて大体私は八千億ぐらいに上るんじやないかと思いますが、そういう金融についてはこれがやりやすいようにしてやるというので、信用保証協会等のいわゆる法制化をやり、これを拡張することをやつたので、この点が漸次よくなつておると考えるのであります。なお政府が直接やつておるものはどういうものをやつておるかと申せば、中小企業に対しては三つのことをやつておる。一つは商工中金通じて組合金融というものに対してやつておる。もう一つはそれよりも少し零細な人に対しては、例の国民金融公庫というものを通じて零細金融をやつておる、まあ理髪やさんだとか洗濯やさんなどは多くそのほうを利用しておるのであります。更に進んでやや中小企業の中で大きいものの企業を少し合理化したいとか或いは近代化したいというようなものにつきましては、中小企業金融公庫を使つておるのでございまして、このほうは長期の資金を出して、又金利も一割で出しておる、そうやつて企業のいわゆる合理化資する資金を供給しておるのでございます。ただこれを商工中金のほうを通したらどうかというお話も今出ておりましたが、これはちよつとたちが違うのでありまして、組合金融機関を通すことは穏当を欠いておるので、そこでさればといつてこれがまだできてから一年しかなりません。そういうものが各所に支店をつくるというと、近頃は支店設置の費用にも相当かかつて、そういうことが資金コストを高めるというようなことも起つて参りますので、既設の機関をそれぞれ窓口として、今日は恐らく数千に達する窓口があろうかと思いますが、その窓口でこれを受付けて貸出をしておる代理店が若干の手数料をもらつておりますが、そういうことでやらしておるので、現在のところ、もう少し資金源を豊かにしてやる必要があると考えております。併しこれも今の預金部その他の情勢から言いましても、或いは一般会計から支出する等の関係から言いますと、現在程度以上には少しやりにくい。この政府直接の関係としては、この三つを、商工中金、中小企業金融公庫、国民金融公庫、この三つを何と言いますか、三本の鼎の足として、中小企業金融に臨んでおる。何と言つても一番大きいのは、中央、地方の銀行でありますので、この銀行に貸出し得るような、できるだけの方法をとりたい。従つて信用保証協会、或いは保険等のことをだんだんと整理して参りたい、かように考えておる次第であります。
○政府委員(森永貞一郎君) 国立病院の定員は一万四千人くらいでございまして、出初の案で考えておりました整理は約四百人、大体三%くらいでございます。二割というような行政整理にはなつていないこと先ず申上げておきます。この原案がきまりました後に、今度の国会修正で一千床のベッドの増加の修正が行われたわけでございますが、これは今朝ほども申上げましたように、施設費だけを増額されたわけでありまして、従いまして年度末までに、年度末にベッドができ上るということになろうと思います。その分の人件費の増加、備品等の増加、これは当然今後見なくてはならんと思うのでございますが、年度末までに完成いたしますれば、来年度予算にはその分を当然考慮すべき筋合いのものであろうと考える次第であります。勿論年度末よりも、もつと早くベッドができ上つたという場合に、そのベッドを遊ばせることはもつたいない話でございますので、極力既定の人員の差繰りその他によりまして、このベッドを活用する、そういう努力をしなければならないと考えます。又欠員等も相当あるようでございますので、そういう活用ができるのではないかと期待いたしておるわけであります。
○木村禧八郎君 先ほど私は国立病院の、特に又結核療養所ですが、その定員減の問題、二割というのは、どうもこれは庶務関係、給与関係について二割ということであつて、これは私の質問が間違つていました。その他はやはり二%、四%、五%等々となつておりますが、問題は、この行政整理について、再考慮されるかどうかという点ですよ。今度相当べツドが殖えますので、首を切つておいて、あとで又殖えた、殖やす、そういうようなことをやるのですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 国会修正の前に、行政整理の方針がきまつておつたわけでございまして、只今の御質問は一千床増加することを、今度の行政整理の実行上考慮に入れるかどうか、そういうお尋ねであつたと思いますが、これはむしろ予算実行上、或いは行政整理実行上の厚生省のほうの問題でありまして、厚生省のほうにお尋ね頂きたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) これはよく実際上の問題で検討して参りたい。従つて実は医師、看護婦という方面の行政整理は極力実情を検討いたしまして、ほかの比例等とは少し変えながら進めて来ておるような状態であります。今度一千床の増床と睨み合せまして、検討して行きたいと考えております。
○藤原道子君 関連質問……。どうも私よくわからないのでございますが、国には医療法というものがあつて、国立病院には患者四人に対して一人、結核は六人に対して一人ということが打ち出されているわけなんですね。ところが今度は完全看護、完全給食等々によつて、看護婦は非常に足りないが上にも過重労働になつておる。ところが行政整理が打ち出されておる。ところが今度の一千床の増床に対しては、人件費も何にも入つていない。ところが主計局長は午前中来現状の内部操作によつて何とか賄いたいということを頻りに言つておいでになるのでありますが、果して厚生大臣は所管大臣として今の現員において操作できる見通しがあるのでございましようか。その点はつきり伺いたいと思います。
○政府委員(森永貞一郎君) 私の答弁が問題になつておるようでございますが、先ずその点を申上げておきますが、一千床できました上は、恐らく人員の増加を考えなければならんと存ずるのでございます。今度の予算は一千床殖やすという予算でございまして、そのベッドがいつできますか、私のほうといたしましては、人件費が入つていないところから考えますと、年度末までにそれが完成する、従いましてそれに伴う人員の増加は、これは来年度の予算の問題であるということを申上げておるのであります。万一、幸いにしてと申しますか、ベッドが早くできて、結核患者を一人でも多く収容できるような態勢になりますれば、それはベッドを遊ばせるのはもつたいないことでございますから、極力人員の差繰り、経費の差繰り等によつてそれを遊ばせないような工夫をいたすべきである、さように申上げているわけでございます。
○藤原道子君 だから厚生大臣に、人員の差繰り等の余裕があるかどうかはつきり伺いたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) 行政整理の場合におきまして、医師なり看護婦なりは特別に考慮をいたしておりまして、お話のような点がありますので、これは現場のいろいろな仕事の関係等がありますから、今回におきましてはそういう点を考慮しながらいたしたい。ただここで千床増すから、その増す時期によつては人のやりくり等で相当検討して行かなければならない。そうすると医療法等で規定されておる人員等に現在でも困つておるのになお更困りやしないかという御質問の趣旨だと存じます。この点は現在の欠員等の補充その他によりまして、一方は充実をいたして参らなければならないと存じます。更に時期によりましては、当然来年度の予算の増によりまして、人員増し等をいたして、現実に患者が困らないように、或いは過軍労働を来たさないように十分注意をして参りたいと思います。
○藤原道子君 もう一点……。
○委員長(青木一男君) あなたのときではいけませんか。関連質問ですから簡単に御質問願います。
○藤原道子君 いつも病院を作るとき、病院さえ作ればベッドは運転できるという考え方が災いをするのです。保安庁の病院に対しても、十七億の予算をとつておきながら、何ら看護婦に対しての配慮がなされていない。だからただでさえ足りないところの看護婦が、今度も保安庁のほうへ三百名ばかりとられるやに聞いております。こういう点で病院が、ベッドができても看護婦、医者の用意がなければ、このベッドは完全に動くものではないのでございます。だから一千床でき上つたらそのときというような考え方では全く困るのでございます。従いまして大体従来の点から参りましても、どう長く見積つても、年度末までには千ベッドはできると思うのです。従つて三カ月のこれから費用に対してのお考えを、我々は伺つておるわけです。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは年度末か年末か、とにかく早くできて、早く入れるように、入つてもらうほうが大変必要だと存じております。併し実際の建築等の問題から、これからの問題になりますので、そういう方針、早くできました場合には御趣旨の点も十分検討いたしまして進めて参りたい。
○木村禧八郎君 最後に伺いますが、緒方副総理お見えになりましたから伺いますが、この科学技術振興費のうち、原子力の平和的利用に関する基礎的並びに応用的技術の研究に二億三千五百万円殖やすという修正になつておりますが、これについて先ほど愛知通産大臣からも、平和的、工業的利用に向けて行くようにするんだ、そういうことが趣旨であると言われましたが、そういう趣旨とMSAの、五百十一条A項の、MSA協定によつて日本は今後防衛能力を殖やす義務が出て来る。デイフエンド・キヤパステイ、そうしますとこの平和的、工業的に利用しようとしても、それはMSA協定の締結によつて防衛力増強のほうにこれが協力を求められるというように、むしろそういうふうに利用しなければならない義務が出て来るんじやないか。この趣旨としては平和的、工業的に利用すると言つても、結局そういうふうにだんだんこれがアメリカの指導といつてはおかしいかも知れませんが、政府が自主的にアメリカに協力するという立場においてだんだん私はそうなる危険があるのではないかと思いますが、こういう点はどうなんでしようか。MSA協定でこういうものについては除くと、こういうものの戦力的利用については、防衛能力の増強の中には含まれないというようなことになつているのかどうか。
○国務大臣(緒方竹虎君) 遠い将来の問題としては、原子力がどういうふうな方向に向いて行くかということを今から申上げることはできませんけれども、政府がこの修正を容れましたときの考えは、どこまでもこれを平和的に利用して行こうという考え以外にないのでありまして、今のMSA協定の問題と、政府がこの原子力に関する予算の修正を容れたこととは全然関連なしに参つております。そこで同じ原子力でありまするから、将来やはり戦力のほうに利用される慮れがあるんじやないかという御懸念と思いまするが、今の国情に基く日本の防衛力の建て方、これは政府では戦かに至らざる防衛力と申しておりまするが、まだずつと手前の段階でありまして、今のところではこの原子力の研究は、今の段階におきましては、ただ平和的に利用するというその目途のみを持つておりまして、将来のことは、これは国会の御監督もありまするし、そのときによつて起る問題であろうかと考えまするが、現在の段階においては全然戦力というものと関連しては考えておりません。
○木村禧八郎君 これで終ります。そうであれば結構なんであつて、今度のMSA協定も、アメリカのいわゆる最近の戦略転換と私は相当やはり関係があると思います。御承知のようにアメリカは従来の戦略を変えて、ソ連に対する報復的戦略と言つておりますが、いわゆるニュールック政策、或いは原子兵器及び空軍を主として重点的にやつて行く。その一つの方法として沖縄は永久に保持する、こういうことが戦略の一つになつているやに聞いているのです。なぜアメリカが沖縄を永久に保持するということを言い出したかというと、やはり原子兵器と空軍を強化して行く。そういう段階になると、やはり日本における原子力の研究というものもそういう方面にだんだん協力を求められる危険性が私は出て来るものと思うのですが、そういう意味でこの問題はもつとしつかりと確認をしておかなければならないのでありますし、政府も本当にこれを平和的に限定して、或いは工業的に限定してこういう研究を推めるというのには、やはりアメリカが原子力漸増といるものを構想して戦略態勢を変えつつあるのでありますから、そういうことも十分に考慮に入れて私は対処する必要がある。私は御答弁は要りませんが、それだけ希望しまして私の質問を終ります。
○委員長(青木一男君) 中田君、衆議院の本会議で総理を呼んでおりますから、副総理に対する、質疑を先に……。
○中田吉雄君 この修正されました予算案は、いろいろな角度から検討することができると思いますが、私は特に緒方副総理にお伺いしたいのは、この予算案に対しまする三派の話合いができたということと、政局の展望についてお伺いしたいと思うわけであります。如何に抗弁されましても、吉田内閣の命は旦夕に迫つていると言わなくてはならんと思うわけであります。特にこの予算案の修正がまとまりますまでに二月の二十一日の午後五時半に、衆議院の議長室において、党代表であります佐藤幹事長と、改進党の松村さんとが会談されて、そうして人心を一新するということで吉田総理の棚上げ案を出したことは明らかである。併しこの話合いがつきませんので、中曽根君が閣僚の汚職を提げて、それによつて脅迫しながら、それによつて圧力を加えながら一歩々々吉田内閣の牙城に迫る、こういうことをとつて参つたわけであります。ところが二月二十七日には予算の自改の折衝が決裂したわけであります。そして吉田総理はやはり汚職について非常に心配されて、党の主体性をなくするような修正には応じない。その際には下野しても党の主体性を守ると言つて決裂したわけであります。それは新聞紙上その他にも報じているわけであります。然るにもかかわりませず、三月一日には緒方副総理と佐藤幹事長と吉田総理とが会談されて、そして総理を口説かれまして、何とか一つ三派の修正でこの危機を乗切るようにと、こういうようなことで遂に吉田総理が折れられて、この三派の修正案がまとまつたということを聞いているわけです。 そこでお伺いしておきたいことは、二十一日にはどういう会談があり、そして二十七日には如何なる理由で自改の折衝が決裂し、それが突如として三月一日には三派の修正が成つたか。そういうことと、今後の政局の展望と申しますか、私は保守三派どもが汚職に対して深い傷を負うので、それを隠蔽するために、同病相憐れむといいますか、こういう形で事態を糊塗して、そしていずれ吉田総理を外遊させて、そのあとには何らかの措置をとるというようなことであの予算案ができたではないか、そういう背景があるではないか。そのために予算修正のルールを、先に木村さんが言われたような点を無視しても、こういう折衝ができたではないかと思いますが、這般の消息についてお伺いしておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたしますが、今中田君のお述べになりましたのは、新聞記事等に基いて一つのあなたの強い主観が入つた私どもから聞くと小説であります。二月二十一日に両党の幹事長が会談をした、この事実はありますが、吉田総理の棚上げというようなことは私聞いておりません。その後いろいろな曲折を経まして、そうして御承知のように自由党もやや半数に近い議席を衆誌院に持つておりまするので、予算案だけは原案で通したいということを考えたことも事実であります。その考えに基いて折衝を進めて来たが、なかなか折衝が困難で、その結果何日でありましたか、今お話の中にもありました最後に、これは予算案だけでなしに、政府の責任として教育の二法案、或いは警察法の改正案等、重要法案も今国会を通過させるためには、改進党或いは日本自由党との間に互譲的な考えを以て政府の予算原案の主体性を損せざる範囲において修正も応じて差支えないじやないかという結論に達しまして、その結果が今御審議を願つておりまする修正案の提出となり、それを政府、自由党でも呑むということになつたのでありまして、その間に次の政権の授受とか、そういうふうな問題は、これは私の言うことを御信用下さらなければ申上げても仕方がありませんが、裏もなく表でもなく、何にもそういう話はいたしておりません。
○中田吉雄君 衆議院のほうに行かれねばならんのですから、余り深く追及しません、困られると思うので……。併し議長室の会談では私は直接聞いているのですが、佐藤、松村会談がわかるような装置がしてあつて、そして私はその際人心の一新ということの意味も話したことをはつきり、そういう近代的な装置を以つて聞いた一人です。はつきりそのことは聞いているのです。人心の一新ということもよく聞いている。併しそれはともかくとしまして、そういうことがあつて、曲折を経て今日のようになつて、吉田総理は近く外遊されるというようなことがいろいろ言われるのです。そして本日頂きました三派の了解事項なり、共同修正についての覚書を見ますると、これはもう党のそれぞれの主体性があるのではなしに、事実上の閣外協力、事実上の連立を意味するような重要な決定だと思うのですが、このことを深く追及しても仕方がありませんので、それではお伺いしますが、そういうことから吉田総理は外遊をいよいよ決意されたではないかと思えるのですが、その点は外電なんかは盛んに伝えておりますが、その点はつきりお伺いしておきたい。
○国務大臣(緒方竹虎君) 重ねて申上げますが、中田さんが何らかの設備を以て、堂々たる参議院議員である中田さんが戸を閉めた中の会談を直接お聞きになつたということを私は信じません。それから総理の外遊の問題でありまするが、これは国会の重要なる審議の進行中にはこれはやり得ないことでありまして、従いまして国会の審議の模様、或いは政局の安定ということに関連して総理が決意されるのです。かねて昨年以来一度米英をはじめ各国を訪問したいという気持はあるように聞いておりまするが、まだ最後の決意までは至つておりません。
○中田吉雄君 私がそういう行為をやつたようにとられたのですが、私ではなく某ニュース社を通じてそこから私は伝え聞いている、こういうわけです。 それからその外遊についてはそれでは国会が終了するまではそういう措置をとられないかどうか、外遊されないかどうか。特に四月二十六日にジュネーブで会議があり、それにダレス長官が参りますので、アメリカに行かれましても、特にお話になると言われていますダレス長官が不在である。そういうことから大体の重要法案が通る見通しが付いたら会期中でも行くというようなことを伝え聞いているのですが、国会終了までは絶対にお行きになりませんか。その点承わつておきたいと思います。
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えしますが、国会が終了したとたんにすぐ出発するわけには行きませんでしようし、従いまして国会の進行中に、国会の進行と睨み合わせて、多少気持の上で準備をされることはありましても、国会の開会中に行かれるというようなことはございません。
○中田吉雄君 それでは緒方副総理は用事があるようですので、いろいろ聞きたいこともございますが、保利農林大臣にお伺いいたしたいと思うわけでございます。特に蚕糸業振興費、生糸の原糸課税等にからんでいろいろなことを承わつておきたいわけでございます。なおこの際我が党の立場を最初にはつきりして質問に入りたいと思うのですが、我が党は原糸課税には反対である、成るほどしやし品に対する課税ということになると思いますが、これが橋頭堡としてやがて全面的に拡大する慮れもありますので、原糸課税には反対であろ。それから蚕糸業振興費についてもその項目の中で蚕業技術員に対する、この人員を殖やすということについては賛成であるという立場をはつきりしておいて、質問いたしたいと思うわけでございます。先般保利大臣にこの蚕糸業振興費の五千万の増額修正と、原糸課税ができないようなことについていろいろ多額に運動費が動いたのではないかという質問をいたしたわけでございますが、その後なんらか御調査されたのでございましようか、その点承わりたい。
○国務大臣(保利茂君) 先日の委員会に出席いたしておりますときに、中田さんからそういう御発言があつておりましたから、私は別に御要求はございませんでしたけれども、調べて見たわけでございます。全養連のことを主としてお話になつておつたようでございます。調べますと原糸課税反対運動のために全養連で養蚕農家一戸あたり十円、総額八百万円の目標で反対運動資金を集められたようですが、実際に集つたのはその半額の四百万円程度である。そうして反対運動にいろいろ使われたのが百万円ばかりになつている。これは原糸課税反対のほうではないようですが、例の養蚕団体の技術員であります蚕糸技術員協会、これはお話のように、一人頭二百円、百万円を目標で資金を集められたようでありますけれども、実際集つた金は約六十万円であつて、これはなんらまだ今日手を付けてないという報告を得ているわけでございます。
○中田吉雄君 ですから動いたことは事実ですし、それは全体の動いた額の極く一部なんです。特に私もこういうことは余り言いたくないのですが、第十六国会において十三億の造船利子補給が百六十七億に増額修正をして重大な大きな過ちを犯している。従つてこの修正予算案を見る際にも、そういうことが二度と犯されていないかということが重大な問題ですが、これはやはり同じ過ちが繰返されているという点で許しがたい私は問題であると思うわけであります。大体法が殆んどそういう重要な点には及ばないというような法の軽視もあつたりして動いているのですが、只今大臣の答弁されたのは極く一部であります。それはこういうふうになつているわけであります。私も長野、群馬その他養蚕地帯にも党に命令で遊説に行つたりしていますし、よく知つているのです。御存じのように、養蚕農家一戸当りから二十円集めているわけであります。全国の養蚕農家は八十万九千八百五十八戸あるわけであります。それで一戸当り二十円集めているわけである。それで千六百万であります。その半額はこの原糸課税反対の運動を盛上げるために地元で使う十円です。十円地元で使う。その半分を、先に申しました八百万を中央の団体に出すとこういうことになつている。更にその八百万に相当する額を全国の百八十の製糸業者が出すということになつて、ですから中央に対しましては八百万が二口、千六百万、それから養蚕技術員のそれが入つて来ているわけなんだ。そういうふうに来ているわけで、ですから、全体としては地元に保留した分も含めますと、二千四百万円、養蚕技術員の百万と、二千五百万の金が動いているわけであります。少くともそれだけ金が動くと、国会で五千万ぐらいな増額修正ができて生糸の原糸課税ができないとう一つのモデルケースになるわけなんだ。こういうことについて、保利大臣の所管には協同組合課もあるわけでありますが、協同組合課は協同組合法によつて常時監査をする。いろいろな噂があるとすれば、そういうものを厳重に監査すべきでありますが、どういうふうな措置をとつておられるでしようか。
○国務大臣(保利茂君) 中田さんもお話のように、この当初伝えられました原糸課税は我が国蚕糸業にとつて重大な結果になる。で、今日蚕糸業の振興を非常に要請されているときに、蚕糸業振興を阻むような税はまつぴら御免である。これは私は当然だと思います。そういうことで、養蚕団体が主となつてこの反対の陳情をするために運動する、その資金をみんなで集めてやつた。そのこと自体私は非議すべきことではちつともないと思う。ただお話のように、二千数百万円の金が動いたとおつしやいますが、中田さんあたりのところは正確に全部醵出されておるかも知れませんけれども、私の調べておるところでは、八百万円目標で集めたところが、その半分の四百万円しか払つておらない。そのうち百万円しかそのために使つておらない。それから技術員協会のほうは先ほどの六十万円、これはどうも養蚕団体がそういう運動をしたことがいいとか悪いとかということは私としてはどうも批評いたしかねる。それぞれの養蚕団体として養蚕農家の共同の利益のために経済行為をやつて行く上から、共同の利益を守るという上から考え方というものはあるわけですから、その金を集めて反対運動をやつたよしあしは、私は運動をやられたことば非議すべきことではなかろう。よしあしは批評すべきところではないように私は考えます。
○中田吉雄君 私も蚕の蚕糸経済の専門家なんです。蚕を飼つたこともありますし、長い間このほうに関係している。だから私はこの事情は裏の裏まで知つているのです。重ねて申しますが、こういう問題を取上げると、私は如何にも献金の恩典にあずかつたことがなかつたから言うように見えるかも知れません、又養蚕技術員を殖やすのに反対だとかいうように思われますが、私はやはり原糸課税には反対であります。蚕業技術員を殖やすことに賛成なんです。併し保利農林大臣はそういうふうにまだ集つていないと言われましたが、この養蚕関係の金というものはどういうふうにやつて集まるかと申しますると、大体来年の繭の代金から決済することにして製糸業者が立替えて払つて行く場合が極めて多いのです。殆んどそういうふうにして、例えば一戸当り二十円ずつ払うのでしたら、それを製糸会社が払つておく。そうして金利を加えたやつを来年の赤の繭代金を払うときに引去つてしまうわけなんです。だから全国の百八十の製糸業者が集めるのですから、これは極めて簡単に集まるわけなんです。そうして又全国八十万の養蚕農家ですから、船会社のように十や二十の極く僅かな金をひそかに政治献金したのと違つてなかなかこれを隠すことはできないわけなんです。そういうふうな金が動いて国会にあります蚕糸振興の議員連盟、そこに入つたとは私も申しませんが、私は数回その会にも出ていますが、お茶もコーヒーも、一杯も御馳走になつていません。なつていないから言うのではありませんが、併しこれはやはり造船疑獄で問題になつているように赤坂の料亭でいろいろこの問題も会談されておる。錦水というような待合でこれに関係のある国会議員の方もたくさんおいでになつている。そういう会合がたびたびあつて、そうしてこういうふに組まれて来ておるわけであります。そこで保利大臣にお伺いいたしますが、私は要求するわけであります、協同組合法によりまして私は全養連の監査を要求するものであります。更に、特に私が最も悪いと思いますのは、朝は未明から夕には星を頂いて養蚕農家から養蚕農家に走り廻つておるような極めて薄給な技術員から、そういう金を中央に持込んで来ておるというようなことは、極めて私としては遺憾なわけであります。そういうふうな金がこういうふうに動いて、とにかくこの予算の修正案が成立する過程にはそういう二千五百万の金が動いて五千万円の増額修正ができ、あとでも質問いたしますが、そういう金が動いていますから、大蔵大臣はこのしやし品に対する繊維課税の問題を言われますが、我々の聞いておるのでは、大蔵大臣の立場もあるから審議未了という形にして、大蔵省の面子を立てながら事実上葬つてしまわざるを得ないようになつている。そういうことがあるわけであります。御存じのように製糸会社は今非常に経営内容が悪くてよたよたしておる。それですらこれくらい出ておる。ですから羊毛や錦糸等の全体の献金をこれから逆算して行くと、相当な金が動いたということがわかるわけである。普段ならいいわけでありますが、造船疑獄にさなかにこういう金が動いて私は、このような事態になつたことを極めて遺憾にするものであります。とにかく保利農林大臣にこの国会中にはつきりその金がどれだけ集つてどういうふうになつているということを、特に私は全養連等には協同組合法によつて監査のできるのですから、中央蚕糸会であるとか、いろいろな方面にその金がです、この点はつきり一つ回答をこの国会中にはつきりしてもらいたいと思うわけである。
○国務大臣(保利茂君) 全養連の関係につきましては先ほど申上げました通りです。調べました結果がその通りでございますから、なお併し無論傘下の団体でございますから、十分の監督をいたすようにいたします。なお、蚕業技術員協会でございますか、蚕糸技術員協会でございますか、これはいわゆる養蚕団体の技術員の協会でございます。それはその何か協会の資金を集められて、それが政治献金にでもなつてどうかというような、それは私の承知しております限りは、まる嘘でございます。(「嘘とは何だ」と呼ぶ者あり)六十万円集つて六十万円というものは残つておる。これは全然虚構のことのように私は聞いておるのです。なお十分監督はいたします。
○委員長(青木一男君) 中田君大体時間が来ましたから急いで下さい。
○中田吉雄君 委員長にお願いしますけれど、私の党のをですね、一人で頂くことにしましたから、一つ了解してもらいたい。それで戸叶さんには了解を得ておりますから一つ。
○委員長(青木一男君) ああそうですか。
○中田吉雄君 そこでこの献金にからんでこの五千万の蚕糸業振興費の使途が問題になるわけですが、特にこの全整理の会長の、これ人の名を挙げて大変恐縮ですが、長野の竜水社の社長であります北原金平という人が会長をやつて、製糸会社の社長であります。そこでこの五千万の配分をめぐつていろいろ問題が起きているわけであります。そこでお伺いしますが、この予算書に出ていますように、この款では十数の項目があるわけですが、これが費目の流用という形で、私は一応これに御説明になつたようなものとは別に、やはり運動の中心になられた方のほうに流れるように費目が流用されるのではないかということを……。まあ子算上におきましては流用ができますし、その点一つはつきりしておいてもらいたいと思うわけであります。
○国務大臣(保利茂君) 蚕糸業振興費という項で増額になります五千万円は、蚕糸業振興費の中の目十六の蚕業技術指導研設置費補助金二千八百九十一万五千円、同じく十六の養蚕経営改善特別指導施設費補助金二千百八万五千円これに充当をいたしておるわけでございますから、これをつまり動かすかと……、これは中田さんのおつしやるようなことはございません。絶対動かすようなことはございません。
○中田吉雄君 併し御存じのように、予算の費目は流刑で張るわけですから、これが十二はかりの流用できる項目があるわけであります。例えば優良桑苗の補助とかいつて桑苗の育成をしている会社の補助をするとか、いろいろな費目の流用ができる項目があるが、これがやはり只今三党の了解事項として御説明のあつたようなことに使われない虞れがあるのではないか、それは断じてできませんか。その点を重ねてお伺いしておかんと、念を押しておいて、予算を執行されてから又…。
○国務大臣(保利茂君) これは中田さんからこの間からしばしば御発言があつておるように、いわばその疑いの目を以て見られているようでありますが、この費目の流用は大蔵大臣の承認を頂かなければできないわけであります。私は大蔵大臣に費目の流用について相談をする意思を全然持ちません。
○中田吉雄君 それではお伺いしますが、蚕業技術指導所を十八カ所新設し、三百五十二人分増員をするというようになつておりますが、各府県別の配合はどういうふうになつていますか。これが又長野や群馬とか福永さんのおられるような所にたくさん行つたりするようなことでは困るので、はつきりしておいてもらいたい。
○政府委員(渡部伍良君) 御承知のようにこの蚕業技術指導員は農業改良普及員に相当するものでありまして、従来手不足であつたのを今回増すのであります。お話の養蚕の先進県は比較的充実されておるのでありまして、むしろ逆にこれから振興すべき県のほうに重点が置かれる、そういつた配分方針で現在配分案を作つておるのであります。
○中田吉雄君 各店県別の配分ができていたら……。
○政府委員(渡部伍良君) まだです。
○中田吉雄君 それでは一つお願いをしておきますから、又追つて一つ示して頂きたいと思う。 それから大蔵大臣にお伺いをしますが、そういうふうにまあ相当に献金というものはロスもあるのですから、だから若干のロスはあつたと思うのですが、とにかく相当な額が動いおる。(「どこに動いておる」と呼ぶ者あり)羊毛、綿糸その他でやはり一億くらいの金が動いたという巷間の浮説も逆算して行くと、これは必ずしも推測だとばかり蓄えないと思うわけであります。私この問題に、蚕に関心を持つておつたので、群馬、長野にあちこち遊説に行つて調べておるわけで、そういう関係からして八十五億の……。先の松澤さんの質問を見れば、事実上やはり審議未了にして、そうして大蔵大臣の顔も立てながら献金の筋も顔も立てて、そうして審議未了にしてしまうと、こういうことに話がついているということを、特にこの折衝に当られた川崎氏は、自分のところの議員総会でこれは一つ参議院の予算が通適するまで一つ黙つておいてくれということを(笑声)やはり彼が議員総会で発言している。この点はやはり今後我々としては予算審議会の前に、果してそういうことがあつたかどうか、やはり参考人の人に来て頂いて大蔵大臣のわれる立場とどちらが正しいかということをやらねばなりませんので、一つ重ねてその点承わりたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 川崎秀二氏がさような話をされたことは今初めて伺うのですが、私どもはさようなことは耳にしたことはございません。又私どもは繰返し申すようでありますが、幹事長もはつきり明言いたしております通り、又あの業界にも予算に伴う是正については協力するということを言つておるのでありまして、この八十五億は穴が明くということについて、八十五億の穴が明いてそれで協力するということはこれは言えないことでありますから、これは中田さんもおわかりですから、私はたださようなことはない、いわゆる浮説にとどまる、かように考えております。
○中田吉雄君 それならお伺いしますが、大蔵委員会において、この法案の審議の状態はどうですか。どういうふうな、最近出ました調印されましたMSAに関しても、或いは自衛隊の問題、或いは防衛庁のそういうものに関しては、或いは教育の二法案に対して非常に督戦隊を付けて強力に議事推進をやつておられる。この法案に対しては春日遅々として殆んど審議されていない。一体審議の状況はどうですか。公聴会が漸くあつた程度で、私はやはりそういうことになる慮れが極めて大だと思います。その審議の状態について承わりたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは中田さん御承知のように、大蔵委員会は非常に付議されておる法案がたくさんある。これはほかのところと違いまして非常に付議されておる法案が多数に上つておりまして、たまたまそれが審議が少し遅れているかもわかりませんが、これは日々精励されておるので私はそれがために遅れることはないと、かように考えております。
○中田吉雄君 これは後に皆さんにお諮りして、衆議院の川崎さん等においで願つて、一つ採決いたしますまでにははつきりいたしておきたい。特に議員総会で、参議院の予算が通過するまでは一つこれを伏せておいてくれ、こういうふうに害われているわけで、我我としては事態をばつ選りしておかなくてはならんと思うわけです。更にこの問題とからんで、これは副総理がおられますとお尋ねしたいのですが、福永官房長官でも結構ですが、これは実際審議未了にする、その代りに警察法を通してくれ、そういう兼合いの詰合いが付いている。私も三カ年間地方行政委員会におりまして、この問題にはかなり突込んであちこちから情報を集めておるのですが、だから改進党に対しましては、審議未了の形でこの税金を流す、その代りに自由党のほうで権力を握るために待望しておられる警察法案を改進党が通過させることに協力する、こういう話が出ているということを承わつておるのですが福永さんどうですか。(「そうですとも言えないよ」と呼ぶ者あり)
○政府委員(福永健司君) 只今御指摘のようなことは、私どもも伺つておりませんし、又ないと信じております。
○木村禧八郎君 ちよつと議事進行。今の中田さんの御質問は水掛論になつて、この前も修正案を審議するときの修正者の意見がわからないので非常に困つたわけですが、今の中田さんの御質問は、川崎氏云々とありましたから、川崎氏を参考人として呼ばれて、できたら今でもいい。今日は大体三派の修正の質疑は大体今日あたりで一応済むことになつておるならば、ここで至急連絡して、参考人として修正者の意見をやはり聞く必要があると思う。そうすれば水掛論をやらなくともはつきりして来る。その点委員長、議事進行として御考慮を願いたいと思います。
○委員長(青木一男君) 申上げます。中田委員はそういう情報を前に持つておられたならば、理事会のときにそういう御発言のあることを私期待いたします。今突如としてそういう手続を委員長としてとる考えはありません。
○松澤兼人君 先ほど愛知通産大臣が稻葉修氏の名前を言いました。今は川崎君の名前が出ておるのであります。やはり前回の三党修正の場合におきましても、極めて修正者の意思というものがあいまいでありまして、とにかく政府のとり方も又必ずしも修正者の意見をそのまま行つておるとは考えられませんわけであります。今回は一応は修正者の意向というものに政府は同意を与えておるわけでありまして、その点については政府は責任を負えとこういうことをはつきり言つておる。併し問題がだんだんと掘下げられて参りますと、結局政府はそういうことを言わない。聞いていても、或いは聞かないというのかも知れませんし、或いは全然聞いていないのか知れません。事ここに至るならば、どうしても修正者の意向というものを聞かなければならないという段階になつて来ております。そこで若し委員長が理事会に諮らなければそういうことは言えないということであるならば、理事会において諮つてやる、或いは急速に若しこの場において採決でもして決定して頂くということにいたしますか、どちらにいたしましても、処置を要望いたします。
○委員長(青木一男君) 委員長は只今の御発言の趣旨は重大と考えますから、私は理事会に提案されることを希望いたします。
○中田吉雄君 そういうことを知つておつたら理事会に言うべきだということですが、一々どういうことを発言しますということを理事会に諮るべき筋合いのものではないのです。とにかくこの問題はです、今日三派の修正で自由党も暗黙の了解を与えておる。ただそういうことになつているから、困るから、参議院の予算通過まで伏せておくんだといことをはつきり川崎君は党に帰つて議員総会で、この三月二日の昼開れた議員総会ではつきり言つておるのです。それどころではない。ここにおられる福永さんは、これは片倉製糸の関係があるのですが、こういうことを言われた。或る人がこの繊維課税について電話をかけて来た際に、この福永がおる限りは大丈夫だから安心せいと、こういう重大な発言をしておられるのです。だから或る人はまあ大変恐縮ですが、健ちやんは人がいいから尻尾をつかまれるようなことを言うと、何月何日という日にちもちやんと私知つておる。そういうことがあるので、これはやはり私は理事会に諮つて、我々もそういう闇取引のようなことで大きな失敗を第十六国会にやつておりますので、この問題をはつきりしない限りはやはり採決にも入れませんし、理事会に諮つて、あとに御質問いたします原子力に関する問題等とも、私は修正されました三派の方に来て頂いて、そしていろいろお話を聞いたほうが事態をはつきりするものである、こういうふうに考えてこの問題は終りたいと思いますが、とにかく造船疑獄の問題がまだ係属中でありますのに、性懲りもなしにこういう金が動いて、こういう修正がされたということは、私は、極めて遺憾に思うわけであります。この関係は、私はもつと資料を出して、予算委員会の審議が酣になつたらもう少しはつきりいたしますが、今はこの程度にしておきたいと思うわけであります。 次に、この原子炉に関する予算の修正について、私は、中曽根氏等が修正されまして、この予算が組まれたのをきつかけにしまして、禍を転じて福をなすというように、科学研究が大いに前進することを期待するものでありますが、先ずその際に政府にお伺いしたいのは、イギリスとアメリカとは原子力の研究が最も進んでいる先進国でありますが、イギリスやアメリカは一体どれだけの原子力研究に対する予算を投じておるか、その点を一つ承わりたいと思うわけであります。一体どれくらい原子力研究には金が要るものであるか、そういう一つ調査の結果を承わりたいと思うわけであります。
○委員長(青木一男君) 福永官房長官より発言を求められております。
○政府委員(福永健司君) 中田君から折角次の質問に入つたのでありますが、その前に私の名前を上げて御発言がございましたので、ちよつと申上げさして頂きたいのでございます。先ほど御発言になりましたようなことを申した覚えは私はございません。
○政府委員(森永貞一郎君) 各国は原子力の研究にどのくらいの経費を投じておるかということは、目下手許に資料を持ち合せておりませんですが、非常に尨大な金がかかる事業であることは疑いを容れないわけでありまして、仄聞するところによりますと、アメリカでは八十億ドルというような話も伺つておる次第でございます。
○中田吉雄君 その点当らずとも遠からずでございます。(笑声)アメリカはこのたび大統領が一般教書で議会で演説をした中に、アメリカはこれまで原子力研究に対して八十四億ドル、これに三百六十倍で円に換算しますと三兆円の予算を原子力に使つておるわけであります。イギリスは一九四六年から五一年までの六カ年間に一億ポンド、それから去年と最近二カ年間におきましては毎年五千万ポンド、そういうふうにイギリスは少くとも二億ポンドの厚子力研究に対して経費をかけているわけであります。二千億であります。アメリカの三兆円、イギリスの二千億、こういう名大な予算を投じなくてはなかなか原子力研究というものはできないわけであります。そこで我が国が日本に適するように原子力問題と取つ組んで、これに対して経費を投じて行きますためには、先ず何よりも原子力全体に対する基本的な政策を打立てまして、その一環として今年はこういうふうにするのだというふうな組み方をしなくては、やはり全体の日本の実情に適する原子力政策の根本方針を立てて、その一環としての予算でなくてはならないと思うわけですが、このたびは修正されてこういうふうになつたわけでありますが、少くとも私はこの参議院における予算審議が採決に入りますまでには、やはりこの修正をきつかけにして日本の実情に適した原子力政策の根本方針をお示し頂いて、その一環としてこういうふうに過ちなく使うんだということをせめても希望したいのですが、愛知通産大臣のほうでそういうことができるでございましようか、その点承わつておきたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 私といたしましても、できればさようなことで成るべく速かな機会に細かい成案を得たいと思つておりますが、併しこれは先ほど佐多君も御指摘になりましたように、こういう予算が組まれたからといつて、何もこれを使つてしまわなければならないということを前提にして、拙速主義でやることは却つて大局を誤まると思いまするから、只今御指摘のような時限までに、詳細な御納得の行くような成案はできるかどうか、この点は必ずしも私としてもお約束はできないと思います。
○中田吉雄君 そうしますと、私はあとでもいろいろそういう基本的な政策の一環としてこの予算をこなして行かんと、私はやはりロスができると思いますので、やはりそういうことができるまでは、一時執行を停止してまでも過ちなきを期すべきではないかということを最後に質問したかつたのを、そういう答弁になつたのですが、併し三党修正で、あとにもからむようないろいろな関係があつて、愛知大臣がそういうことが防ぎ切れぬではないかと私は杞憂するのですが、その点お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) この点は、しばしば申上げましたように、修正案の提案者の説明から申しましても、速かに成案を得て、成案を得次第予算を執行する、こういうことになつておりますので、私といたしましては、誠実にこれをその通りに考えて御趣旨に副うようにいたしたいと思つております。
○中田吉雄君 福永さんにお伺いしますが、この原子炉に関する修正の最も強力な主唱者は中曽根君であることは間違いありませんね。
○政府委員(福永健司君) どなたが最も強力な主張者でありますか、私はさようなことにつきましては、余り詳細に存じません。
○中田吉雄君 内閣の大番頭が、こういう修正の主唱者が誰であるかというようなことを知らずして、適切な私は対策は立たぬと思う。併し昨日私はラジオの討論を聞きまして、中曽根君は、これは自分がやつたんだと言つて、そうして毎年もう産業革命を起すために相当な費用を計上するのだと言つて、あたかも大蔵大臣であるように、毎年これは相当の経費を計上して行くのだ、こういうことを学術会議の茅さんと私のところの勝間田君との三者の鼎談でやつていたわけであります。それはともかくとして、これは中曽根君が出したことは明らかである。そこでお伺いしたいことは、中曽根君の懲罰の問題はどうなりましたか。
○政府委員(福永健司君) 懲罰事犯の取扱は、これは政府の関するところではございませんので、衆議院におきまして、今後それぞれ如何になりますか御決定になるものと了承いたします。
○委員長(青木一男君) 中田君、あなたは二人前以上過ぎておりますから……。
○中田吉雄君 いや三人分やるのです。私のと、佐多さんのと藤原さんのと、こういうふうになつております。
○委員長(青木一男君) そういうふうに了承しないのですが……。
○中田吉雄君 そういうふうにしましたから、もうすぐですから……。そこでこの協定ができた際に、やはり中曽根氏の懲罰動議は撤回するということに三党の話合いができておる。全く中曽根君のために内閣の根幹に触れるような、中曽根君の持つておるそういうものを抑えるために、懲罰動議を撤回するということで、交換条件でこれはやられておることは明らかである。原子力というものの全体の方針も出さずに、こういうことを組まれたということの背後には、私は中曽根君の懲罰動議の撤回と極めて深い関係がある。これはもう懲罰動議が撤回されることは火を見るよりも明らかであります。それと深い関係があつて、そういうようなことに重大な原子力問題が取扱われておる。こういうところにも不純な問題があるわけです。 更にお伺いしますが、この問題が科学研究所に、株式会社科研ですか、そこに行くのではないか。補助金として、そこにたくさん赤字があるのを救済するために行くんじやないかということが言われているわけなんです。 特に私は指摘しておきたいことは、この原子炉予算の修正に関係いたしました小峯君は、この理研に非常に深い特異な関係にあつた人なんです。この修正に対する小峯さんは、自由党だと思いますが、受けて立つほうの中心人物です。これは旧理研、株式会社科学研究所と深い関係がある。その点はどうですか。小峯さんは旧理研とどういう関係にあつたかと、その点をお伺いいたします。
○政府委員(福永健司君) 小峯君の前身を私詳細に存じませんので、理研とどういう関係にありましたか、ちよつと私からお答えしかねます。
○中田吉雄君 やはりこの如何にも原子力政策、原子炉に関する予算といえば、もう非常に高遠な問題を取扱つているようですが、この修正にはいろいろやはり原糸課税を撤廃し、五千万の蚕糸業振興費を組むと同じような関係がある。私は今後小峯氏が理研とどういう関係にあつたかということを改めて調査して、私が得た情報でははつきりと関係がある。更にこの問題を最も急進的に取扱つた中曽根君が、御存じのように原子炉を作る際には重水、石墨というようなものが問題になるんですが、もう石墨の型は古い、どうしても重水のほうでやらなければいけない。ところが、この重水に関する会社が、御存じのように文部次官の福井さんがおいでになつていまして、アメリカで、この原子力の工業的な利用について、日本から誰か出席しないかという際に、この旭硝子の山本という博士が出ている。そうして中曽根君は、そのときアメリカに留学しておる。而もです、これは三菱系です。この旭硝子は三菱系。そしてこの重水ができるというのは旭化成の延岡工場です。これがやはり三菱系の一体のものなんです。中曽根君がこの予算を組むのは、アメリカで、昨日のラジオの放送討論でもはつきりその名前を挙げて、アメリカでの延岡工場の山本氏との関係を挙げて、そういうことからヒントを得たと、そういうことを言つておる。そこで我々は原子炉に関係しまして、この原子炉のために組んだ予算が、科研の救済費のために、小峯氏の曽つて関係しておられたそれと、それから中曽根君がアメリカで直接ヒントを得て、そうして、その重水が製造できる、今後できるかも知れないという、最も進んだ会社である延岡の旭化成の工場、こういうものを睨み合せて見ますると、この予算が唐突に出た背景を私どもは知るわけであります。これは決して藩閥の浮説ではないわけであります。昨日の放送討論も、私は食事中でありましたが、筆記してとつておるし、そしてアメリカでのそういう関係があつたことは知つているわけですが、そこで愛知大臣にお伺いしておきたいことは、そういう原子力政策の全体の方針が立たない前に、旭化成とか科研に行つてしまうようなことはないかどうか。この点を念を押しておきたいわけであります。その点をはつきり承わつておきたいわけであります。
○国務大臣(愛知揆一君) 科学研究所の問題につきましては、御承知と存じますが、昭和二十五年と記憶いたしますが、従来の理研が改組されました法律案が審議されておりまするときに、国会の議決を以て、将来、民間会社になつたけれども、何らかの財政上の援助をしてやることが望ましいと、かような趣旨の決議がたしか附帯されてあつたと思うのであります。爾来科研の事業につきましては、いろいろの機会に財政上の援助という問題が出たことは事実でございますが、最近の財政事情等から申しまして、御承知のように、補助助成の措置はとつておりません。そこで今回の原子炉関係の予算の問題でありますが、これは只今御懸念になりましたように、科研の救済に充てるような経費には、これは出すべきものではないと思います。これは現在の修正案にはつきり掲げてあるような目的のために出さるべきものであつて一括して科研の救済のために出すというような性質のものでは私は断じてないと思いますから、その方針に従つて実施案を考えてたいと存じます。只今お挙げになりました会社の場合についても、同様のことが言えると思います。
○中田吉雄君 それで特に科研は、これは前に仁科博士ですか、おられましたように、これは原子核の研究なんです。そこでそういう愛知さんの関係のほうの費目を出すのにも私は問題があると思うのです。又科学こそ、この日本に課せられた鉄鎖を破る重要なものですから、それに対して適切な策をとられることについては、私異論はありませんが、とにかく我々は目を皿のようにして、この修正予算の背景を見ざるを得ないというこの現実を誠に残念に思うわけであります。そういうふうに、この予算が唐突の間に修正されて、政府の根本方針を受けて立たれた政府でも十分説明ができないようなこの修正がなされた、而かもその背後には、小峯さんは旧理研に関係がある。それから中曽根さんはアメリカで旭化成の人と眤懇になつていたというようなことも想像して、この問題を論評しなくてはならないことは、極めて遺憾であります。 なお、遅くなりましたので、私これでやめたいと思いますが、愛知さんにお願いしておきたいことは、一つ是非できますことならば、日本学術会議等の意見も聞かれて、やはり予算の採決の前には、一応の原子労政策に対する政府の全貌を明らかにして頂きたいと思うわけであります。なおこういう問題について、この修正を主としてやられました中曽根氏等が、どういう原子力に対する基本的な態度をとつておられるか。更にこの繊維課税等に対する川崎氏寺の発言等があつて、私は今後理事会におきまして、そういう人をお招きして、事態をはつきりすることを希望いたしまして、まだ時間があると思いますが、私の質問を打切つておきます
○戸叶武君 私は昨日予算案の発案権並びに編成権等、この国会の持つているところの審議権による修正権の限界等を、大蔵大臣に質したのでありますが、満足な答弁を得なかつたのは、甚だ残念なのであります。それで今日はこの問題は具体的な事例に基いて、この日本の憲法のあり方を明確化しなければならないと思うので、その順序に従つてお尋ねいたします。 今回の二十九年度予算の衆議院における三党共詞の修正に関するいわゆる三党協定の修正案なんかの了解事項は、これだけであつたかどうか。これを今までも尋ねておりまするが、これだけ以外のものは知らないと大蔵大臣は言つておりますが、具体的に言いますると、この歳出の面における「土地改良、開拓関係修正額の内地及び北海道の配分は、別紙によること。」とありまするが、その別紙というのは、この政府の示したこの大蔵省の主計局から与えられたところのこの修正の概略の中に包まれているものでしようか。
○政府委員(森永貞一郎君) 大蔵省からお配りいたしました説明の四頁という符号がついておりますが、実際はもう少し何枚も先でありますが、そこに内地、北海道の区分を示してございますが、この区分が、その三党の了解事項の別紙として示されましたその区分をそのまま採用いたしているものでございます。
○戸叶武君 これを見ますると、新聞ですでに三党協定が行われたときに報道せられた内容と、若干異なつている点があるようでありまするが、それはその三党協定において作られたところの内容と、この書類に盛られているものと寸毫も異なつていないことを意味するのですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 只今申上げました四頁の内地、北海道の区分によりまして、予算の修正が行われたわけでございまして、その結果、予算修正書には食糧増産費を総理府の北海道開発所管と、農林省所管とに区分して計上いたしまして、それが議決されたわけでございます。
○戸叶武君 三党協定の中には、農業改良普及事業費はなかつたのではないかと思うのです。私はそれが後日問題になりました点は、農業改良普及事業のうち、生活改善普及事業に関して、修正案において五千万円がなされたのに対して、これは婦人に対して重きをおいて、男のほうをどうするんだというような話も出て、そのあとで以てこれが作り上げられたものではありませんか。
○国務大臣(保利茂君) 私はこの修正決定の経緯については、承知をいたしておりませんけれども、衆議院の予算委員会、或いは分科会においての御論議から申上げますれば、この農業改良普及事業の重要性と、これの施設が十分でないという点は非常に強調せられておりました。特にこの生活改善普及事業というものは、食糧自給の上に、或いは治山対策の上に、いわゆる農林の基本政策に対しても大きな寄与をいたすものである。特に生活改善及事業のその仕事が農村婦人の地位の向上という精神的の面も非常に大きいので、これをもつと政府は力を入れなくちやいかんじやないかという御意見も非常に強く行われておりましたわけでございます。その結果こういう修正が出たものと私は了解をいたしているのであります。
○戸叶武君 私が聞くのは、三党協定のときにはそれが記されていなかつた。然るにその後において三党協定のできばえというものが非常にまずいので、特に改進党関係の農林委員からごうごうとした非難があびせられたので、それが衆議院における農業委員会の紛争ともなり、その結果その数字が出て来たのではないでしようか。そのことを私は保利さんに聞くのです。
○国務大臣(保利茂君) これは初めから出ております。
○戸叶武君 新聞に載つていることは信用がないとよく吉田内閣の閣僚は言つておりますが、当時における信用すべきところの新聞に報ぜられているところによりますると、農林関係の予算というものは十五億二千九百万円でありまして、この公共事業費、食糧増産対策費は十四億七千九百万円であり、その中には土地改良四億二千九百万円、耕地整備四億三千六百万円、開墾建設二億三千六百万円、干拓一億八千四百万円、防災一億、優良種畜輸入五千万円、蚕糸業振興五千万円、そのほかに生活改善普及費五千万円というようなのが載つておりまして、大体これが実相であつたと思うのでありまして、ところが今日におきましては、この中におけるものがいろいろにいじられて、この予算編成技術によつて、我我に成るたけわからないようにこねられているようでありまするが、この開墾建設事業費なり、或いは干拓建設事業費なり、そういうものがやはり若干変つておると思うのでありますが、それは農業改良普及事業に振り向けられたものではありませんか。
○国務大臣(保利茂君) 私の承知いたしておりますところは、改良普及事業の補助率を引上げて、人員の充実に持つて行くかということは、相当議論があつたようでございますが、結局補助率は原案のままとして、人員の増強に持つて行くということで話がついていると、こういうふうに了解しておるわけです。食糧増産対策の事業のほうにあとから食い入つてこういうふうになつたというような性質ではないように了解しておるわけであります。
○政府委員(森永貞一郎君) 只今数字をお示しになりましたのでございますが、その数字を私どもが本日お配りいたしました表の数字とは合つておるわけでございます。但し予算の科目に従いまして、例えば土地改良と申します場合には、四億二千九百万円のほかに防災事業費一億円、これを含むわけで、合せますと五億二千九百万円になります。それから開墾と干拓でございますが、これは合せますと開拓ということで四億一千四百万円になります。それから耕種改善費でございますが、耕地整備事業助成四億三千六百万円のほかに、予算科目といたしましては、畜産関係と、それから生活改善の五千万、この分が予算課目として入つて来るわけでございまして、合せますと五億三千六百万円になるわけでございます。予算課目に合せた整理をいたしまして、今日お配りいたした表に掲げました結果、多少数字の入り変りを来たしておりますが、中身は全然先ほどお示しなさいました数字と同じでございます。
○戸叶武君 この修正予算案の了解事項の第一に、投融資計趣委員会を設置するというのが打ち出されているのは、この前の修正予算案のときに世間の疑惑を招き、今日の疑獄を作つた造船利子補給の問題等に鑑みて、再びあの轍を踏まないという趣旨の下で三党協定はなされ、政府に向つて要請されたものでしようかどうか、それを大蔵大臣からお願いします。
○国務大臣(小笠原三九郎君) そういう過去のことは、ちよつと存じませんが、投融資計画委員会を作れということについてのこの間御要望がございました。但しこの問題につきましては、実はまだ相互に研究して見なければならんと思つております。戸叶さん御存じのように日本には各種のそういう委員会がございます。もうこれは内閣には幾つもありますが、割合にどうも委員会がどうやつたら一番何と申しまするか効果を上げるか、こういう点等もありまして、よく三等の上で協議しました上に実効の上るようなものを作りたい。従来委員会はできまするけれども、例えば貿易であると貿易審議会を作るが、一向その効果が上つていない。或いは経済策に対してもその他金融一般についてもそれぞれ審議会ができておりますが、これも相当に努力されておつても割合に効果が少い、こういうこと等もありまして、できるだけ効果の上るような委員会を作りたいというので、まだ具体的には何ら取きめておりません。
○戸叶武君 大蔵大臣は古いことは承知ないと言いますが、今度の修正予算案にも関連ずることでありますが、木村さんはこの予算案が財政インフレであつて金融デフレだと言うが、政府はとにかく金融面、財政投資の面を圧縮して、そうしてこのデフレ政策と称して物価の引下げを行おうとしているものでありましようけれども、とにかく前回に行なつたあのやり方というものは誠に間違つたやり方でありまして、昨日もその点に触れたのでありますが、造船融資の問題にいたしましても十三億円を百六十七億円に一気に増額するというようなことは、これは予算の修正という修正じやないと思うのです。根本的な一つの変え方だと思うのでありまして、この予算の修正という問題に関する概念を大蔵大臣からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 法制的な解釈は法制局長官がいたすのであります。私はただ常識的に申上げます。款項がありまして、或いはその項についての予算が新たなものじやなくて、金額に対するものでありますることが、但しそれがどの程度が修正の常識かということはそのときの場合によることでありまして、これを一概に尺度をきめることはむずかしいと存じております。
○戸叶武君 款項目の変更を許さないというふうにきめているのは一つのこれは形式でありまして、款項目の変更を許さない範囲でというのは、即ち修正という常識的な概念を崩してはならないという制約を意味するものであると思うのでありますが、大蔵大臣は款項目を侵しさえしなければどのような増額修正がされてもよいという見解の上に立つておりますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 款項であります。目は含まれておりません。私は款項と申したはずであります。なおこれにつきましては、やはりそこの法制的解釈はどうであるかは私はここでお答えいたしません。これは法制局長官がお答えするのが適当であると存じます。併しながら常識的に考えてみて、新らしく款項を作つてみたりするようなことはこれは勿論許されておりません。併し又国の負担が増加することはこれは甚だ面白くないので、これはやはりその後世論がこういうことに対するいろいろ批判を厳格に加えた結果、今日はそういつたような増額をすることはなくなつて来た。併しながら例えばその修正の程度というものが一であつた場合は修正と認めるか三やつた場合には認めんか、五やつた場合には認めんか、こういうことについては、要するにそのときの状況によることでありまして、一定の尺度を以ては申されない。修正というのは款項に対する問題について金額を改めることが修正でありまして、その金額に関することがどの程度がいいか、こういうことについてはこれは申され委せんが、勿論政府といたしまして、予算編成の責任者としての政府が、そういう修正は政府の予算の自主性を奪うものであるから到底同意ができんという場合は、勿論これは断わるのでありますが、今のようなことは常識的にその時の場合によることと考えます。
○戸叶武君 この前の災害に対する議員立法がなされた時にも、たしか主計局長だと思いますが、予算の裏付のあるところの諸法案を議員立法の形で打出されることは非常に迷惑であるという意味のことを主張したと思うのです。私はその時には国会の一部の人から生意気だとか何だとかいつて大分主計局長が痛めつけられたようですけれども、いわゆる大蔵省の事務官僚としては、やはり憂倶すべき一つの問題の提示だと思うのです。而もこれは議員立法の形で出たあの災害復旧の問題でも問題があつたのでありますが、政府みずからインフレを抑制すると言いながら、政治的な妥協を目的といたしまして、この予算編成権におけるところの、内閣の持つておるところの主体性を崩して活として恥じないというような行き方では、今後内閣の持つている予算編成権に対して疑義が生ずると思うのでありますが、大蔵大臣はそれに対してどういう御見解を持ちますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 昨年のあの三党のいわゆる修正の時に、丁度戸叶さんがイギリスの例を引いて、こういうことは穏当じやないじやないかという御議論をなすつたことを承知しております。世論はやはりそれを支持していると見えまして、その後今日はどこもあの時の予算を伴う議員立法というものは、法律上は許されておるけれども、現実の問題としては少し行き過ぎであつたというように考え方が批判的になつて来まして、今日ではさような立法を、この国会には只今のところ一つも見ていないことは誠に御同慶に存じております。但し法律そのものから見れば、これは国会は修正権を持つているのでありますから、法の建前から申せば如何ようにも修正し得ると考えます。但し政府がこれに対して如何なる態度をとるかということは、その時の政治情勢に基いて判断をすべきであると考えます。
○戸叶武君 大蔵大臣は政治情勢によつて判断を下すと言つておりますが、明らかにそれはこの政治的な妥協に重点を置かれるように思われるのでありますが、これは憲法上の大きな問題であり責任内閣制を確立する上において極めて重大だと思うのです。イギリスにおきまして、ウオルポールがプライム・ミニスターとなつて、内閣制度を確立いたしましたその当時におけるところの責任内閣制の基礎というものは、少くとも予算案に対する発案権なり、提出権というものは政府が持つて、この予算案に関しては政府が全責任を持たなければならんという原則をあの市民革命を経た後において私は確立して来たと思うのであります。で、現憲法においては確かにこの積極的な意味における予算修正も国会において認められております。問題は、その国会の予算修正が政府の予算発案権なり政府の編成権なりを侵さないかどうか、極めてデリケートな点にあると思うのでありますが、日本もイギリスと同様に旧憲法の時代においては、予算のこの積極的修正は認められなかつたと思うのであります。けれども、その認められなかつたという古い憲法でありますが、その根底に流れているところの思想というものは、内閣に専属する予算案の発案権を侵害するところの修正は認められないというその思想によるものであつたと思いますが、国会が、又今日我々が新憲法において国会の権限というものが非常に強力になつております。積極的な予算修正は当然認められておりまするが、それだからといつて内閣におけるところのこの予算案の発案権なり編成権なりを国会の持つている審議権、修正権というものが侵して行く限りにおいては、責任内閣制というものはとれなくなるのではないかと思いますが、この点に対して大蔵大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) そのときの実情に即して判断すべきであると考えます。
○戸叶武君 やはりそのときの実情によつて判断すると言いますが、そういつた問題が前国会においても今国会においても出されているのです。こういう事例に直面して我々が原則を作つて行かなければ、今後私はこの予算案の発案権とそれからこの修正権の限界というものが崩れて行つてしまつて、責任内閣制というものが確立されないのじやないか。昨日も大蔵大臣がとにかく今の吉田内閣におけるところの石橋財政から小笠原財政に至るまでこの信念のない、一貫性のない、見通しのないところの財政であるということを批判いたしましたときに、小笠原さんはその時の情勢に応じてやるのだと言つて放言しておりますが、少くとも一国の予算というものはこの憲法の第八十六条において規定されているように、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」この規定は少くとも一年間の前途くらい見通しのできないような財政がその内閣によつて作り上げられるという形においては、その内閣が財政上の責任を持たなければならない。而もそういうような場合におきましても、それは国会において修正せられたのだから、自分は責任がないかのごとき口吻を弄するに至つては、予算編成権と提出権を持つたところの内閣の持つているところの責任体制というのが崩れるのではないかと思いますが、これは常識的な判断でよろしいのですが、大蔵大臣もつとしつかりこの問題に対して信念を吐露してもらいたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 批判は御自由でありますが、私は私の所信に向つて進んでおります。
○戸叶武君 あなたの所信をお聞きしているのです。私は批判じやないのです。今あなたの置かれている大蔵大臣の地位というものは極めて重要でありますし、あなたの下におけるところの大蔵官僚の人々も、まじめな人はこの事態を憂いていると思います。日本の政治腐敗の根源は、あなたは人格者である。あなたは立派な人であるかも知れませんが、全く自由党を中心とした保守政党におけるところの政治腐敗の根源は、この内閣が予算に関して責任体制を持たないところにあるのだと思いますから、一つの信念を私はお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私は私どもが編成した予算に対して責任をとつております。従いまして、執行の責に任ずるということを固く申しております。併しながらそれでは現実のこの間の五十億の修正が我々の予算編成の自主性を失わしたかどうか、主体性を失わしたかどうか、こういう問題に対して、あなたがどうも蛙の面が何とかだとおつしやるから、そういう御批判は御自由だと申しておるのです。
○戸叶武君 次に、小笠原さんに私がお尋ねしたいのは、今度の修正予算でもそうでありますが、この前から国民の批判を相当受けておるこの了解事項の中に、投融資計画委員会を設けようというような形まで一番最初に打ち出さなければならないというのは、やはり輿論の批判を受けてそういうものができたのだろうということもあなたは認めておりますが、例えばこの融資の問題に対しても、巨額の投融資に対して、やはり委員会なり何なり設けて公の場で……造船融資のごときは日本においては必要であります。必要なことは認めるが、それをいい加減に例えば国会で以て修正せられたのであるから自分は知らない、それに応じたまでのことだというようなことでなくて、例えば修正予算というものが国会において三党協定でなされたというときにでも、それが持ち込まれたときに、あなたはそれに対してイギリス憲法における同意権と同じくそれを見て、やはり内閣において同意したものと私たちは認めるのです。少くとも予算というものは、内閣自体が行政府であり、行政機関であり、その行政を執行するに必要な費用を予算として盛り上げるのであつて、三党修正のような形において修正案がなされたときには、政治的なその協定を受けると同時に、編成技術においてどういう事業をやるためにどういう予算が必要であるかというその編成権というものは私は大蔵省のほうにあるのではないかと思いますが、その政治的な協定、編成権の問題に対して大蔵大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 何人も編成権に干渉することは許しません。併しながら修正権は国会にあるのでありますから、修正をなさるのは国会の権限に属することで、これに喙を入るることはできません。併しながらその修正が然らば時の政府が承認すべき程度であるかどうかということは、政府がその時の政治情勢によつて判断を下す以外に途はございません。
○戸叶武君 この前のときにも木村さんが造船疑獄臭いぞと言うくらいに具体的に指摘しましたように、問題は、修正予算案がでつち上げられるその過程において非常に不明朗なものが前回にもあり、今回であつても先ほど中田君が指摘するように、ないとは言えないと思うのです。少くともこの最終的段階に衆議院が追い込まれたときに、修正予算案という形で作り上げられる修正というものは、世間が常識的に納得できる範囲内のものならばよろしいけれども、突如として何かおかしげなものが作り上げられるから問題なので、最初の日から、この予算修正の過程に対しても責任を負うかということに対して、大蔵大臣は責任はそれは負えんというようなことを言つておりますが、少くとも政治家は、政治情勢というのはその修正なら修正が来ても、政府がこれは応ぜられるか応ぜられないか、そのことを政治的見識によつて判断して過ちのないようにするのが私は大蔵大臣の任務じやないかと思うのです。政治的な妥協をやるためならば自分たちは止むを得ないという、そういう態度が大蔵大臣の見解なのですか、それを承わりたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私は政治的妥協をやることを以て考えておりません。但し予算というものは、我々が時の政府としては最善を尽した予算案を盛つたのであるから、修正は望ましいことではございません。望ましいことではございませんが、併しこの予算案は絶対多数を我々が持つているものでないから、然らば全部自分の意見が通るわけでもないのだから、従つてその予算に対する修正が国会の権限によつて行われて、而もそれが了解し、つまり政府において承認すべき程度のものならば、私はこれを承認するに何らやぶさかでないと、かように考えております。もとより修正は望むところでないことは申すまでもございません。
○戸叶武君 この修正予算案が作られたときに、この予算案の編成技術の問題に関しては、その細かいところまではできないので、原則を作つて政府のほうへお任せしたと思いますが、その範囲はどういう程度でありますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 修正案は三党の責任で作つたものであります。併しながらその間に事務的に多少手伝うというような必要がありますので、これは閣議の決定を経て、事務上の手伝いをいたしたものはございます。
○戸叶武君 それでは大蔵大臣は、すでにこの問題は原則的には片付いておりますが、この予算が、政府の原案が国会において修正せられた場合でも、それを受入れたところの政府は、その予算案に対しは全責任を負うという原則は崩しておらないでしようか。一つお尋ねします。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 政治上の責任を負い、執行の責に任じます。
○木村禧八郎君 ちよつと関連して…簡単なことですが、大蔵大臣に伺いたいのです。今後も与党だけでなく、野党が修正案を作るような場合には、やはり大蔵省に協力を求められますか。この前社会党の修正案のときにやはり協力を求めたところが、それはやはり断わられたということがあつたやに聞いているのですが……。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 閣議決定を経なければお断わりします。これはいろいろ……、これはちやんと閣議決定を経て、手続をいたしておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)
○木村禧八郎君 いや、ですからその場合ですよ。与党についてはそういうことは大蔵省、政府のほうの機関が、与党については協力するが、野党の申請については技術的に協力しない、こういうことは許されますが、閣議決定として……。やはりそういうときには閣議で……、野党が修正予算案を作るというときに、技術的ないろいろなことがございますから、そういうときにはやはり協力をさせるべきだと思うのです、与党に許すのならば……。その点はどうなんですか。
○政府委員(森永貞一郎君) 事務当局の問題であるようでございますから、事務当局からお答え申上げますが、私どもは大蔵大臣から命令がない限りは、如何なる場合にも協力する義務は負つておりません。
○木村禧八郎君 いや、さつきの答えはどういうのですか。与党と野党の区別……。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは時の内閣の閣議で決定することでありまして、大蔵大臣の一存で決定いたしません。そのときの情勢に基いて閣議決定をして、その閣議決定に基いて大蔵大臣が事務当局に協力方を命令するのであります。
○戸叶武君 一番最初に私が聞いた点に戻りまするが、やはりこの修正予算案は三党協定によつて作られましたが、国会を通過した後に、やはり政府のいろいろな便宜上、実際に照してなかなかその通りだと均衡を保たないというようなことや何かを勘案して、直されていると私は推定するのですが、大蔵大臣はそういうことは絶対にありませんか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 先ほども森永主計局長が答えましたが、修正された点はその原案と同様であります。
○委員長(青木一男君) 戸叶君、二人前の時間が来ましたから……。
○戸叶武君 このくらいで……。森永主計局長の説明を聞くと、実際できているところもあるし、できていないところもあるのです。余り細かいところを追及してはいけませんが、それはやはり私は大きな問題だと思うのです。実際細かくあのときに三党協定の内容というものを盛んに中田氏や何かからも、秘密協定があるはずだ、秘密でなくとも、具体的な協定内容というものがあるはずなんです。新聞で伝えたのも私はそう間違つていないと思うのです。その後においてやはり実際的な行政措置その他の点において、この通りには行かないから、こうこういうふうに直さなけりやならないという手が入れられたと思うのであります。そうだとするならば少くとも……そうでないと言つておりますが、大体私はそう思うという推定の上に立つておりまするが、衆議院において予算案が議決せられて、可決せられたところの内容と異なつたところのものが、政府に予算案の編成権があるからと言つてそれで直されてよいものか、直されて悪いものか。今回はそれをしてないと言いますが、仮に、仮定のことは答えられんと言つて逃げられるといけませんが、そういう場合があつたときに、政府はどういう措置をとりますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 場合のあつたときに考えます。
○戸叶武君 私はもうこれで時間がないから、又いずれあとでいろいろな問題に対して具体的な事実を提げてお尋ねすることにいたしまして、この問題は打切ります。
○湯山勇君 議事進行。ちよつとお願いがあるのですが、本日この修正についていろいろ論議されましたが、例えば繊維課税の問題につきましては、私は放送討論会で改進党代表の人が述べておられるのを聞きますと、成るほど大蔵大臣がおつしやいましたように、税制についても協力するけれども、繊維課税については態度は未定であるということをはつきり放送になつております。それから原子炉の問題についても、昨夜中曽根議員は、原子炉立法も含めて今度の何と申しますか、調査研究の中に入るのだというようなことを言つておられるのです。でこういうことは今後一般質問に入つて審議する上からも非常に重要な問題だと思いますので、これは簡単な問題だと思いますが、明朝一般質問に入る前に三派代表をお呼び頂くように、理事会のほうで御相談頂きますようにお願い申上げたいと思います。
○委員長(青木一男君) 理事会において協議いたします。明日は午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十八分散会