予算委員会 第1号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/02/01
会議録
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。 去る三十日の委員長及び理事打合会の結果を報告いたします。当委員会に付託されております昭和二十九年度予算につきましては、本日政府より説明を聞くこととし、今後の審査日程につきましては更に協議することといたしました。 —————————————
○委員長(青木一男君) 次に理事の補欠互選についてお諮りいたします。先般理事西郷吉之助君が委員を辞任されましたので、欠員となりました理事の補欠互選を行いたいと思いますが、これは先例により委員長において指名をすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。西郷吉之助君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(青木一男君) それではこれより昭和二十九年度予算につきまして大蔵大臣の説明を求めます。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 昭和二十九年度予算の編成に関する基本方針並びに予算の大綱につきましては、過日、本会議において説明いたしましたが、予算委員会の御審議をお願いいたすにつきまして改めてその内容を御説明申上げます。 先ず、歳出について申しますと、第一に、防衛支出金五百八十四億円、保安庁経費七百八十八億円、平和回復善後処理費百五十億円、連合国財産補償費二十六億円を計上いたしました。 防衛支出金は、行政協定によりまして日本側において負担すべきものとされました米軍の駐留に関連して支出を必要とする経費でありまして、二十八年度に比し総額において三十五億円減少しております。この経費の内訳は、米軍の役務及び需品の調達に充てるため米軍に対する交付金五百三十二億円、米軍の使用する施設及び区域の提供に必要な経費その他として五十二億円であります。 保安庁につきましては、保安隊を陸上自衛隊(仮称)に改編し、制服職員及び一般職員の定員をそれぞれ二万人及び八千七百人増加し、警備隊を海上自衛隊(仮称)に改編し、保有船腹量増加に伴い、制服職員及び一般職員の定員をそれぞれ五千四百八十五人及び二百十九人増加し、このほか航空自衛隊(仮称)を新設し、定員を制服職員六千二百八十七人、一般職員四百七十八人とすることといたしました。経費の増加は給与改善のほか人員の増加、施設装備の整備強化を図るためであります。 以上防衛支出金と保安庁経費との合計一千三百七十三億円は、二十八年度のこれら経費一千二百二十三億円に比し約百四十億円の増加となつております。 平和回復善後処理費百五十億円は、旧連合国に対する賠償の支払、その他対外債務の処理等平和条約の発効に関連して処理を必要とする経費、及び平和回復の結果として必要を生ずる諸般の経費等に充てることを予定いたしております。 連合国財産補償費は二十六億円を計上いたしましたが、これに二十八年度以前の繰越額を合わせますと、百億円の支出を行いうることになつております。 第二に、経済力の充実発展のための措置として先ず、財政投融資の面におきまして、全体としては金融引締めによる民間投資の抑制と相待つて財政投融資の削減を行うことといたしたのでありますが、電源開発、中小企業等については特に配意を加えております。財政投融資計画については一般会計、資金運用部資金、簡保資金、産業投資特別会計並びに公募公社債及び地方債による資金を合せまして総額二千八百五億円の投融資をいたすこととし、二十八年度に比し、五百八十四億円を削減いたしました。 公共事業費及び食糧増産対策費につきましては、予算が年々増加すると共に、総花的傾向のうらみなしとしなかつたのでありますが、二十九年度におきましては治山治水対策、道路事業、土地改良等に重点をおいて計上し、この際新規計画は一切認めず、更に一部既定計画の休止を断行するほか、零細補助金についてもこれを大幅に整理し、本年度に比し総額において百四十一億円を削減し一千六百九億円を計上いたしました。 この内訳を申述べますと、治山治水対策費としては四百三十一億円を計上し、本年度に比し三十三億円の増加となつております。災害復旧費は五百三十三億円を計上し、本年度に比し百四十三億円の減少となつております。又食糧増産対策費として三百六十三億円を計上し、本年度に比し五億円を増加しており、道路港湾等事業費として二百八十一億円を計上し、本年度に比し三億円の増加となつております。 第三に、民生安定のための経費であります。国民生活の現状について見ますと、今日衣食についてはおおむねその充足をみているのでありますが、住宅事情は未だ十分ではないので、二十九年度においては住宅対策として約十万戸の建設を目途とし、公営住宅の建設等に百三十四億円を計上し、住宅金融公庫及び勤労者住宅に対する投融資百八十億円と相待つて、本年度に引続き住宅対策の推進を図ることといたしております。 緊縮財政に伴う社会的摩擦に対処するため、二十九年度においては特に社会福祉関係経費については意を用い、生活保護費として二百八十二億円、児童保護費として五十六億円、国民健康保険等社会保険の充実のために九十八億円、結核対策費として百三十三億円、失業対策費として二百五億円、合計七百七十四億円を計上し、本年度に比し三十八億円を増額いたした次第であります。 なお、旧軍人遺族等の恩給については制度の平年化に伴う増額等により百八十八億円を増加し六百三十八億円を計上いたしましたほか、遺族等援護費、留守家族等援護費についても所要の経費を計上いたしております。 第四に、文教の振興のための経費でありますが、先ず、教職員の給与費の実支出額の半額を国庫において負担することとし、義務教育費国庫負担金として七百億円を計上いたしました。 文教施設についてはその整備に努めることとし、公立文教施設については義務教育年限延長に伴う中学校一般校舎の建築に重点をおき、その基準の引上げを図りましたが、その他危険校舎の改築、戦災復旧を行うこととして所要の経費を計上いたしました。その他育英事業費、科学振興費等も増額し、文教の振興を図つております。 第五に、警察につきましては、我が国の実情に即して警察制度を改革するため、本年七月より国家地方警察及び市町村自治体警察を廃止して都道府県警察をおき、これに伴い定員を三万人減ずると共に負担区分を調整いたしましたので、本年度に比し六十二億円の減少となりました。 なお、今回の警察制度改正に伴う中央地方を通ずる財政負担は、平年度約八十三億円の軽減と相成るのであります。 第六に、地方財政につきましては中央、地方を通ずる財政の調整を図り、地方財政の健全化に資するため、入場税を国税に移管し、たばこ消費税を創設すると共に、地方財政平衡交付金制度を廃止し、新たに地方交付税交付金一千二百十六億円及び地方譲与税譲与金七十九億円を計上いたしました。右の交付税交付金及び譲与税譲与金と義務教育費国庫負担金を合せますと、本年度の地方財政平衡交付金及び義務教育費国庫負担金の合計額に比し二十五億円の増額となるのであります。なお、別に財政資金による地方債引受のわくを八百九十億円とし、本年度より百八億円圧縮いたしたわけであります。 次に、歳入について申上げます。 二十九年度の一般会計歳入総額は九千九百九十五億円でありますが、その内訳は、租税及び印紙収入七千七百十八億円、専売納付金一千三百四億円、官業益金及官業収入百三十二億円、政府資産整理収入八十四億円、雑収入三百五十四億円、前年度剰余金受入四百三億円となつております。 租税、印紙収入及びその他歳入につきましては、最近の収入状況及び二十九年度における緊縮財政に伴う物価の低落その他諸般の経済事情の推移等を勘案して、堅実な見積をいたした次第であります。 なお、過去数回にわたる減税にもかかわらず、国民負担はなお過重であり、更に租税負担の軽減を図ることが望ましいのでありますが、現下の財政及び経済の情勢に、鑑み、特に低額所得者の負担が過重となつている不合理な現状を是正するため、税制につき若干の調整を加えることが必要であると考えられますので。所得税につき基礎控除及び扶養控除の引上げを行うことといたしました。これと共に奢侈的消費の抑制を図るため、奢侈品、高級品に対する課税を中心とする間接税の新設、増徴を行うこととしたほか資本蓄積の促進等のため所要の税制改正を行うことといたしました。 これらの税制の調整に伴う減税額三百二十一億円及び増徴額二百七十六億円を織込んだ租税及び印紙収入は、先に申述べました通り七千七百十八億円となり、本年度に比し、百五十一億円の増加となるのであります。 日本専売公社納付金につきましては、最近の販売実績を勘案し、ピース五円の値上げを見込み算定いたしますと、本年度に比し八十八億円の増加となりますが、地方制度改正に伴うたばこ消費税の創設により二百九十一億円の新たな支出を生じますので、二十九年度の国庫納付金は一千三百一億円となり、本年度に比し二百四億円の減少となつた次第であります。 なお、今般の税制の調整の詳細につきましては、政府委員をして説明いたさせます。 以上一般会計歳出及び歳入について申述べましたが、次に特別会計及び政府関係機関について申上げますと、 先ず、特別会計につきましては、米国対日援助物資等処理及び緊要物資輸入基金の二特別会計が二十八年度末を以て廃止され、一方新たに二十九年度から交付税及び譲与税配付金特別会計が新設されますので、特別会計の数は二十九年度末において三十二となるわけであります。 次に政府関係機関予算は日本専売公社ほか八機関に関するものでありまして、先に申述べました財政投融資の方針によつてそれぞれその予算を編成いたしております。 以上をもつて昭和二十九年予算についてその概要を御説明いたしたわけであります。何とぞ慎重に御審議頂きたいと存じます。
○委員長(青木一男君) これより政府委員の補足説明を求めます。森永主計局長。
○政府委員(森永貞一郎君) 大臣の御説明を主として計数的に補足申上げたいと思います。 お手許に昭和二十九年度予算の説明という印刷物がお配りしてございますが、その印刷物につきまして順を逐うて御説明いたします。 先ず一頁から二頁にかけまして予算編成の基本方針といたしまして、財政規模の圧縮、財源調達の健全化、即ち国債は出さない、或いは過去の蓄積資金は放出しないというようなこと、それから三番目には中央地方の財政調整、四番目は経費配分の重点化、五番目には米価その他の公企業料金の据置、この五つの基本方針が書いてございますが、これらにつきましては大臣の財政演説、又只今の説明におきまして詳しく申上げられておりますので、これは一応重複して申上げないことにいたしたいと思いますが、ただ一点だけ財政規模九千九百九十五億円は国民所得に対してどういう割合になるかと申しますと、昭和二十九年度の経済審議庁推定の国民所得は五兆九千八百億でございましてそれに対しまして一割六分七厘になつております。二十七年、二十八年いずれの年よりも割合を低く抑えておる次第でございます。 なお財政規模で問題になりますのは、財政投融資との一般会計の累計がどうなるかということでございますが、そのすぐ下にございますように、二十九年度の累計は一兆二千六百億でございまして、二十八年一兆三千百九十億に比較いたしますと約六百億減少いたしておるわけであります。国民所得に対する割合も一%程度減少いたしております。 なおその下に行政整理のことが書いてございます。今度の行政整理は警察職員を合せまして合計六万人、警察職員が約半分の三万人でございますが、その六万人の整理を今後ニカ年、警察関係は少し長くかかる予定でございますが、なし崩しに実施して行くわけでございます。これによりまして将来は相当の財政規模の圧縮に寄与するつもりであります。初年度は御承知のように退職金或いは待命金がふえるのでございますので大体とんとん平年度におきましては一般会計特別会計におきまして大体七十億円、警察関係で大体八十億円、合せて百五十億円くらいの財政規模の圧縮に寄与し得る見込でございます。 基本方針につきましてはその点だけ申上げまして、歳出予算の主な内容、これはあとで重要事項別に詳しく申上げますが、大体の格好だけを申上げますが、防衛費の増加が防衛支出金と合せまして百四十億円、内訳では防衛支出金が三十五億円減りまして、保安庁経費が百七十億円増加いたしております。 それから第二に経済力充実発展のための経費でございますが、先ず財政投融資につきましては相当大幅に削減いたしました。これは一つには財政規模の圧縮に応える関係でございますし、もう一つは最近過剰な投資、不急不要投資の弊が或る程度出ておるようでございますので、適正な規模にいたしたいということから圧縮いたしたわけでございます。 四頁に財政投融資資金計画表の一覧表がついておりますが、その表についてごく簡単に申上げたいと思います。この一審下の欄に合計が出ておりますが、先ず一般会計で本年度は四百七十一億円が来年度は二百億円、資金運用部は一千七百二十三億円が来年度は千五百八十億円、簡保は今年度百九十億円が来年度は四百六十億円、この資金運用部と簡保とでちぐはぐになつておりますが、これは簡保資金につきましては二十八年度は積立金の半額を簡保で運用する、それが二十九年度以降は積立金の全額を簡保で運用するということになりましたための増減が主な増減でございます。なおこれらの点の詳細につきましては後刻理財局長から御説明いたすことになつております。 それから産業投資特別会計は本年度は六百十億円、二十九年度は百七十五億円と大幅に減つておりますが、これは本年度におきましては、同会計におきまして減税国債を二百億発行し、それから所有国債二百億を買却して資金を捻出したのでございますが、来年度はさような措置に期待いたしませんで大幅に減少いたしました。なお従来の回収金、利子金のほかに緊要物資の特別会計を整理することによりまして、その整理収入二十五億円これを来年度はこの会計の財源として繰入れることによりまして、僅かでもこの産業投資特別会計の資金の充実を図つたような次第でございます。以上合計本年度は二千九百九十四億円が来年度は二千四百十五億円に減少しました。又このほかに公募債といたしましてほぼ来年度と同じ程度の消化力を期待して三百九十億の公募債を含めまして、財政投融資の合計は本年度は三千三百八十九億円、来年度は二千八百五億円、約六百億円減少したわけでございますが、 各機関別の内訳が計の所を上から御覧になりますと出ておりますが、減少いたしましたものは開発銀行の本年度六百億円が来年度は三百五十億円、金融債の引受が本年度は三百億円が来年度は二百億円、この辺で大幅に減つております。増加いたしましたものは電源開発で、来年度は開発の一つのピークにもなりますので、二百億円を二百六十億円に増加いたしておる次第でございます。中小企業公庫、国民金融公庫等につきましては、極力本年度と同様減らさないように工面いたしておりますが、自己資金等を合せました数字といたしましては、いずれも相当或る程度の増加をすることになつております。それから国鉄につきましては、二百三十億円が百九十億円と減少し、電電公社につきましては百七億が七十億円に減少いたしております。地方債でございますが、地方債は千二百三十三億円が千九十億円と百四十三億円減少いたしております。これはあとに申上げます地方財政計画に応ずるものでございまして、一応必要な金額を計上いたしておるつもりでございます。以上のごとく財政投融資につきましては相当大幅の減少になります。 次は経済力の充実発展のための経費として公共事業費及び食糧増産対策費がございますが、この経費が依然といたしまして予算上の一つの重点であることは申上げるまでもございません。但しこの経費につきましては、従来とかく総花的な傾向がございまして、必ずしも経済的効果の上において万全でなかつたきらいがございますので、今回の予算編成につきましては極力重点主義に則つて査定をいたしまして、先ず公共事業におきましては、治山治水対策及び道路事業に重点をおき、又食糧増産につきましては土地改良事業に重点をおくことにいたしまして、一般的に来年度新規は認めない。又既定の継続事業につきましても、経済的効果を図りまして、経済的効果の低いものにつきましてはその一部を休止するのもやむを得ないという編成方針をとつております。その結果総額におきまして百四十一億円を削減いたしまして、千六百九億円になつておる次第でございます。九頁の右側の下のほうに内訳の表がございますが、千六百九億のうち治山治水の関係が四百三十一億円、これは本年度よりも三十三億円増加いたしております。それから災害復旧関係が五百三十三億円で、ここでは百四十三億円減少いたしております。食糧増産三百六十三億、これは五億円増加いたしております。道路港湾は二百八十二億円で三億増加でございます。なかんずく道路におきましては、八億円増加いたしております。冷害救農土木事業におきましては本年度は計上いたしておりません。 次は民生の安定のための経費でございます。先ず住宅関係の経費、これは金額におきましてはほぼ前年度と大差のない金額を計上いたしております。一般会計は本年度百三十七億円でございまして、来年度は百三十四億円、そのほか住宅公庫、勤労者厚生住宅等があるわけでございますが、それらを含めました総資金量におきましても、本年度三百二十億円が来年度は三百十四億円で、大体金額におきましては減少していないのであります。 次はいわゆる社会保障の経費でございますが、生活保護、児童保護、社会保険、結核対策及び失業対策の各種の経費の合計額におきまして、本年度は七百三十六億円、それが来年度は七百七十四億円でございまして、三十八億円増加いたしております。又広い意味の社会保障費といたしまして、旧軍人遺族等の恩給、戦死者の遺族等の援護費、未帰還者の留守家族等の援護費等、これらに要する経費の合計は二十八年度五百億でございまして二十九年度は六百八十九億円と百八十九億円を大幅に増加いたしておるのであります。 次は文教関係でございますが、義務教育費国庫負担を全面的に実施することにいたしまして、その関係で本年度五百九十四億円が来年度は七百億円、約百億増加いたしております。そのほか文教施設費、国立学校運営費、育英事業費等々の文教関係の予算を合計いたしますと、本年度は千十五億円でございましたのが、来年度は千百四十八億、約百三十億円の増加をいたしておる次第でございます。 最後に地方財政の関係でありますが、地方財政につきましては、地方制度そのものにおきまして警察制度を中心とし、相当大幅な改正を前提といたしております。又地方財政の面におきましても地方税源の適正なる再分配等によるいわゆる富裕府県の超過財源の減少を図つておる次第で、ございまして、地方税制の面におきましても相当大幅な改革を予定いたしておるわけでございます。それらの改革を織込みました結果地方財政計画ができて来るわけでございまして、地方財政計画に照応いたしまして本予算におきましては地方交付税交付金として千二百十六億円、地方譲与税譲与金七十九億円を計上いたしております。従来の地方財政平衡交付金、本年度は千三百七十六億円でございましたが、この平衡交付金制度はこの際やめまして、所得税、法人税、租税等の一定割合を地方に交付するという交付税交付金制度をとりまして、地方財政に確実なめどを与えると同時に、いたずらに中央に依存する弊を幾らかでも是正したい、そういうふうな意図から交付税交付金制度を採用したのであります。又入場税を国税に移管いたしまして、その九割を人口割等によりまして各都道府県に分配する。それによりましてロスを軽減することを図つておるのでございますが、これは直接特別会計に受入れまして特別会計から九割を地方に還元し、一割を一般会計に繰入れる。さような予算措置を講じております。そのほかにもう一つガソリン税の関係でございまして、ガソリン税につきましては三分の一を地方に対して譲与する。これは道路の面積等に応じまして譲与することにいたしまして道路の整備改良資金の地方財源を確保する措置を講じております。それらの関係から交付税及び譲与税特別会計を設けることにいたしまして、予算の確保がこの点で幾分変つて参つております。 以上のような大体の骨組で二十九年度予算はできておるわけでございますが、以下一般会計歳出につきまして重要な点につきまして極く簡単に申上げたいと存じます。 六頁に重要経費につきまして二十八年度と二十九年度との比較表が出ておりまして、七頁以降に逐次その概略が説明してございます。防衛支出金につきましては三十五億を減じておりますが、その減じました内訳は、合衆国軍にまとまつた金額で交付するという傾向の金、その金で二十五億二千万円、それから日本側が施設を提供したり何かする、或いは補償をしたりするという、日本側が経理する金で十億円、合せて三十五億円を減らしております。 それから保安庁経費百七十五億円の増加をいたしまして七百八十八億円でございます。内訳は中央で十八億円、それから陸上自衛隊、これは仮称でございまして、現在の保安隊を陸上自衛隊と改称することになる予定でございますが、その関係で四百八十億円、海上関係で二百十八億円、空航関係で七十二億円、以上のような内訳になつております。以上の予算編成の基礎になりました人員の増加の関係でございますが、陸上関係におきましては現在制服職員十一万人、一般職員が千八百八十人でございます。それを制服で二万人、一般職員で八千七百人増加いたします。そうして二管区隊を新設する、或いは方面隊の直轄諸部隊を増強することを考えて予定いたしております。それから海上関係は二十八年度の予算で造りました船舶十六隻、九千百二十トン並びに米国から貸与を受ける予定の船舶十七隻、二万七千二百五十トン、合計三万六千三百七十トンに応ずる人員の増加を考えておるわけでございまして、現在の制服職員一万三百二十三人を五千四百八十五人ふやしました。又一般職員三百六十六人を二百十九人ふやすことを予定いたしております。航空関係でございますが、これは練習機による訓練を開始するということでございまして新たに設けるわけでございますが、その内訳は制服職員六千二百八十七人、一般職員四百七十八人ということに相成つております。 以上が歳出予算でございますが、そのほかに予算外に国庫の負担となる契約を八十億お認めを頂きたいということで計上いたしております。その内訳は警備船等の船舶建造のために三十三億円、営繕工事等施設整備のために四十七億円ということに相成つております。 次は平和回復善後処理費でございますが、本年度当初百億を補正で三十億に減少いたしました。来年度は百五十億円計上いたしてございますが、これはフィリピン、インドネシア、ヴエトナム等の間の沈船引揚による賠償協定の実施が年度当初から相当本格化することも考えられます。更には又これらの国との間の一般賠償交渉も二十九年度中に相当進行するであろうというようなことを考慮いたしまして積算をいたしております。 それから連合国財算補償費約二十六億円でございます。これは来年度の所要額は百億でございますが二十七年度、八年度の繰越が七十数億ある見込みでございまして、その繰越と合せて来年度百億になるように二十六億を計上いたしております。但し現在の財政法の規定によりますと繰越は翌年度までしかできないわけでございまして、従いまして二十七年度に計上いたしました連合国財産補償費は何らかの措置を講じなければ使用できないわけでございますが、それをこういう特別な経費でございますので特例を設けまして、特に来年度限り使用できるようにという措置を講じて頂くつもりでございまして、別途その特例法案を準備いたしておる次第でございます。 次は公共事業費及び食糧増産対策費でございますが、ここには非常に詳細に各事業の種目別に査定方針が書いてございますが、時間もございませんので詳しい御説明は省略いたしまして、先ず基本的な方針といたしましては、先ほども申上げましたように治山治水並びに道路に重点をおく。又食糧関係では土地改良に重点をおくということがその一つでございます。それから新規事業は認めない、但しこれには例外もございまして、一年度限りで完成するような小規模な工事、或いは又災害復旧に関連して必要になるような復旧助成、これにつきましては適正なる金額を認めております。それ以外は新規の計上を一切認めなかつた次第でございます。これによつて相当な数字を排除をいたしたいと存じておる次第でございます。同じような観点から継続事業につきましても能率のいいものに集中する、能率の悪いものは出戻り或いは浪費を生じない最小限度の範囲にこれを抑制する、そういう方針を強くとつたのであります。又群小工事を集約整理するという観点から大体補助の目安を一カ所百万円以上というようなことにいたしまして、百万円以下の補助金は原則としてこれを認めない、そのような思い切つた査定方針をとつた次第でございます。 詳しい査定内容は省略いたしますが、特に二、三の点を申上げますと、治山治水では三百九十八億が四百三十一億と約三十三億増加いたしておりますが、実はこのほかに国有林野特別会計におきまして治山関係に約三十二億を使用することにいたしております。従来国有林野特別会計の利益金はこれは一般会計に納付しておりましたが、この際国有林野特別会計の性格を少し考え直しまして治山治水的な方面に積極的に資金を効率的に使う。さような観点から重要河川上流の民有林の中で保安林に指定されるもの或いは又治山治水事業を施行する必要のあるものにつきましては、これを国有林野事業特別会計が買取りましてこれに荒廃地復旧事業であるとか或いは水源林造成等の事業を行う、これによりまして治山治水を幾らかでも徹底する、さような考え方をいたしておる次第でございます。一般会計の予算計上額のほかに三十二億円を特別会計に計上しておることを御記憶頂きたいと思うのであります。 土地改良は先ほど申上げましたように食糧増産の重点として考えておりますが、その金額は本年度百四十一億円が来年度は百四十五億円と相成つております。それからもう一つ道路の問題でございますが、揮発油税収入との関係がございましてむずかしい問題もあるわけでございますが、私どもの考え方といたしましては揮発油税収入のうち約三分の一を地方に譲与し地方の道路整備の財源を確保する、一般会計は残りの三分の二を道路費として使う、さような考え方をいたしておる次第でございます。 その結果一般会計の道路費は二十八年度に対しまして八億円増加いたしました。前年度は二百七十八億円が本年度は二百八十一億円。このうちの道路関係だけを抜き取りますと道路費で約八億円増加いたしておりますが、この前の前年度の予算の中にはいわゆる特定道路への繰入が十億含まれておりましたのでこの分を除いて考えますと、実質的に増加いたしました金額は十八億ということになるわけでございます。丁度揮発油税収入の三分の二を道路整備の財源に振向けておるということになるわけでございます。 なおもう一点公共事業関係で申上げておきたいことは、災害復旧の問題でございます。昨年はまれにみる災害が続きまして補正予算等も相当巨額に上つたのでございまして、二十八年度末の残事業費も相当な額に上るのでございますが、これにつきましては私どもの手許で全国的な監査を実施いたしまして、その結果相当節減の余地があるという確信を得たのでございまして、この観点から相当査定をいたしております。更に又原形超過工事が特に最近著しくなつておるのでございまして、原形よりも四割も五割も超過した工事が災害復旧事業として高率適用の補助を受けておるわけでございますが、余り著しく超過する部分はこれはむしろ災害復旧事業の補助から外しまして、それを除いたところで災害復旧事業の補助金を計算する。但し勿論超過工事を認めないという趣旨じやないわけでございましてその分につきましては災害復旧以外に別途改良工事として所要の経費をみる、さような査定方針をとつたのでございます。この結果残事業に対しまして相当の削減をいたしましてその残事業に対しまして二十九年度は三割乃至四割くらいを復旧する。そういうような目安の下に二十八年度六百七十六億が二十九年度は五百三十二億と減少いたしたわけでございます。この中の二十八年度災だけにつきまして申しますと大体二十九年度末には六割の復旧は可能になる、さような考え方をいたしております。 次は文教施設費でございますが、九十四億が八十二億と十二億余り減少いたしております。減少いたしましたのは義務教育諸学校の危険校舎の関係で約八億減少いたしましたのが一番大きいのでございますが、これは二十八年度における予算並びに起債によりまして危険校舎の整備が八年度中に相当進捗いたしましたので、残余の事業につきましては二十九年度以降三カ年程度の計画としてこれを整備する、さような方針で査定を実施いたしております。なお義務教育の年限延長に伴う中学校の一般校舎につきましては若干約三億五、六千万を増加いたしております。増加いたしましたのは従来問題でございました学童一人当りの基準、従来は〇・七坪でございましたが、これを一・〇八坪に引上げることにいたしたのであります。その結果三億数千万円の増加をいたしておるような次第でございます。国立文教施設費は前年通り。災害復旧は約三億余り減つておりますが、これは災害復旧の年度割によるものでございまして、特に申上げることはございません。 次は住宅対策費でございますが先ほども申上げましたように金額におきましては、一般会計も或いは公庫関係その他を全部含ませました金額におきましてもほぼ前年度と同額でございます。僅かに減少しておるという程度でございます。併し戸数におきましては二十八年度は十二万一千五百六十戸、二十九年度が十万四千六百戸、若干減少いたしております。これは一戸当りの建設単価等が最近と申しますよりは昨年度災害前後からでございますが上つて参りまして昨年末に単価の引上げを決定いたしました。そのために金額は同じでも戸数のほうは若干苦しくなつております。この苦しい金額なり戸数なりの中で重点をおきましたのは公営住宅或いは産業労働者の住宅、勤労者の住宅でございまして、窮屈になつたしわは主として住宅金融公庫の一般住宅のほうによつておる。これはやむを得なかつたのであります。 次は官庁営繕費でございまして、前年度約二十五億が半額以下十一億余に減少いたしました。 建設資は先ほど申上げましたように二百億減少いたしております。内訳につきましては省略いたします。 生活保護費は前年度二百六十六億が二百八十一億、約十五億増加いたしております。生活保護法では被保護人員、対象人員におきまして約五%の増加をみております。又扶助の単価も例えば生活扶助について申上げますと、米価の一月からの値上りを考慮に入れて単価を引上げております。又医療扶助につきましても昨年十二月から実施されました入院料の点数の改訂等を反映いたしまして、単価を適正に引上げております。 それから児童保護費は五十二億が五十六億と若干増加いたしておりますがこは従来の実積を基礎とし、又二十八年度中に施設が増加いたしましたものに伴う人員の増加を見込みまして、又単価につきましては消費者米価の改訂、入院点数等の改訂とを考慮して増額されております。その結果の増額でございます。 社会保険費九十五億が九十八億と約三億ぐらい増加いたしておりますが、この増加の一番大きな項目は厚生年金保険の関係でございます。厚生年金保険におきましては、最近の実情に鑑みまして標準報酬月額を八千円から一万八千円に引上げました。又老齢年金の給付額を大幅に引上げ、その他いろいろ制度の改正が見込まれておるのでございますが、これに伴いまして保険料の収入の増加を一方では見込むのでございますが、それは資金運用部の資金源になつております。国庫負担は従来は一般は一割、坑内夫は二割ということでございましたが、これを一般は一割五分、坑内夫は二割として厚生年金保険の充実を図つたのであります。もう一つの増加の原因は、いわゆる日雇労働者健康保険の関係でございます。この給付はこの一月から実施されたのでございますが、今回更に保険内容の充実を図りまして、保険給付の期間を三カ月から六カ月に延長する。それに伴う措置といたしまして国庫が給付費の一割を負担する、さような充実を図つておる次第でございます。その他国民健康保険の給付費二割補助は本年度通りでございます。以上のような諸要素の総計におきまして約三億の増をいたしておる次第でございます。 結核対策費百二十六億が百三十二億に約六億増加いたしておりますが、これは職員の人件費等の増加に伴うものが一審大きいのでございます。なお病床数の関係におきましては、病床数は来年度は公立その他の病院におきましては本年度に引続き九千床の増床を予定いたしております。国立療養所は来年度は増床をやめまして、その代り非常に老廃しておるという非難もございまする現存施設を極力整備改善する、さような方針で今回の予算を組んでおります。それらを総合いたしまして合計六億円の増加になつております。 それから失業対策費でございますが、そのうちの失業対策事業費補助も失業保険費もいずれも対象人員は本年度に対しまして五%の増加を見込んで計上いたしております。その結果、失業対策事業費におきましては約十億円を増加し、失業保険の給付費におきましては、来年度はこれは特別会計のほうになりますが二百七十二億円、本年度に比し約十億円の増加、そのほかに予備費三十三億というふうなゆとりも計上してございますが、相当余裕を以て予算を計上いたしましたような次第でございます。失業保険費は九十一億が余り増加いたしておりませんが、これは法律の規定に基く一般会計の負担を計算いたしますとこういうようなことに相成るわけでございます。 遺族等の援護二十八億が三十二億、これは二十八年度に行われました遺族年金の単価の改訂が平年度化するための増加であります。 それから留守家族等援護費二十一億が十八億と減少いたしておりますのは、引揚促進等により、或いは死没処理の進捗によりまして援護人員が減少いたしました結果でございます。 旧軍人遺族等恩給費、これは二十八年度は三四半期分を計上いたしておりまして、それを二十九年度は平年度化いたしますために四百五十億が六百三十八億、百八十八億円程度の増加と相成つております。 次は国立学校運営費二百七十三億が三百三億円、約三十億円を増加いたしておりますが、これは給与改訂による人件費の増、或いは学年進行による教官研究費等の物件費の増が主なる内容でありまして、特に申上げることはございません。 育英事業費三十四億が三十八億これは対象学生数の増加並びにそれの貸付金額の引上げによるものであります。 義務教育国庫負担金五百九十四億を七百億、これは義務教育費国庫負担法を全面的に実施して参る前提の下に相当額を計上いたしております。なお、教材費におきまして本年度十九億が来年度十四億と五億減少いたしておりますのは、理科教育振興法及び学校図書館法の関係等によりまして別な項目に計上いたしましたための減少にほかなりません。 次は警察の関係でございますが、国家地方警察費は現行制度が六月末まで続きますので、その三カ月分を計上いたしております。 次の警察費は新制度による警察費でございまして、九十三億四千二百万円を計上いたしております。今度の警察制度の関係では、現在中央地方の警察官その他の職員を合せまして十六万七千人でございますが、これが改正後におきましては十三万七千人、三万人減少いたします。そのうち国家公務員は現在七万一千七百人から七千八百人、差引き六万三千人ぐらいに減少することになるわけでございまして、これらの点が今後の予算に一部分織込まれております。人員の実質的減員三万人は先ほど申上げましたように暫らくは定員外で処理する。約四年間に逐次落して行く、さような方針で予算を組んでおります。なお、警察費の中央と地方との負担区分でございますが、人件費、被服費といつたような職員の設置に関する経費、これは都道府県が全額負担する。その半面教育、通信、鑑識といつたような全国的に統一調整を必要とするような経費或いは国家的な警察活動に要する経費、これは国庫の直接支弁ということで全額を国庫で負担することにいたしております。その他の経費につきましては、中央地方大体半々ということで国から補助金を出すというような仕組みにいたしております。それらの合計が二十九年度といたしましては九十三億に相成つておる次第でございます。 次は平衡交付金、これは二十八年度限り廃止いたします。その代り二十九年度以降地方交付税交付金ができるわけでございます。そこで地方財政計画がどうなるかというあらましを申上げますと、十八ページに表がございますが、本年度の補正以後の地方財政費は九千百四十九億円でございますが、これに対しまして、十八ページの左側に書いてありますようないろいろな増減の要素が加わりまして、二十九年度の財政計画になるわけであります。先ず財政需要の増加する面といたしましては四百八十九億、その内訳は既定財政規模の是正百四十九億、給与関係経費の増四百十四億、公債費の増が百三十一億、臨時事業費、これは主として災害復旧事業費でございますが、これの減少二百四十五億円、警察制度の改正による増が百五億円、その他いろいろございますが、なかんづく国に準じて地方におきましても既定経費を大幅に節約して頂くということにいたしまして、百二十億円の節約を図る。うち七十億が単独事業費、五十億が一般経費でございますが、それらの増並びに経費節減等を織込みました結果四百八十九億円の財政需要があるわけでありますが、これに対しまして財源の面では八百三億、内訳は地方税の自然増収四百十一億円たばこ消費税の創設に伴うもの、これは府県百十五分の五、市町村百十五分の十ということになつておりますが、その合計二百九十二億円、揮発油税の譲与に伴う七十九億円、入場税の譲与税、これは百九十二億円が国税に移管いたしまして、その九割を地方に還元する。従いまして割分だけ収入が従来より減るわけで、その十九億円の減。その他事業税を中心として地方税の減税をいたしておりますが、それによる収入の減が百四億円、国庫支出金の減三十八億円、雑収入の増加百八十二億円等でございまして、八百三億円の収入増加があるわけでございます。差引きしますと、三百十四億円だけ歳入超過になる、それだけ地方財政は楽になるわけでございます。それだけ平衡交付金なり起債を減らせるわけでございますが、ところが例の富裕団体の超過財源、つまり富裕団体で財源ロスがふえるものが十五億ございますので、その分は差引かなければなりません。そうしますと、二百九十九億円だけ平衡交付金なり地方起債を減じ得る。そういう結論になるわけでございまして、今回の予算におきましては、平衡交付金即ち新らしい交付税交付金の項目で百六十億円、それから地方起債におきまして百三十九億円を減少いたしておるわけでございます。以上のような地方財政の歳入歳出を既定財政規模に加えますと、二十九年度の地方財政規模は九千六百五十三億円、本年度に対しまして五百四億円の膨脹というような計数に相成つております。 次は地方譲与税譲与金でございますが、しばらく触れましたので説明を省略いたします。 海上保安費はほぼ前年度通りでございます。 国債費は、国債償還額は二十七年度の譲与金の半額二百一億を計上いたしております。国債諸費が若干増加いたしておりますのは、援護公債利子等の平年化に伴うものでございます。 それから農業保険費は本年度百九十四億円が百六十億円約三十億減つておりますが、これは二十八年度の凶作の関係で、保険金が二十八年度八十五億円ございました。それが二十九年度にもあとを引きますが、その金額は五十五億に減少いたしますので、その結果減少いたしたわけでございます。 在外公館費は三十二億円が三十六億円余り、四、五億増加いたしておりますが、これは在外公館の新設十館、並びに昇格一館それに伴う人件費その他の経費の増加でございます。 輸入食糧価格調整補給金三百億が九十億、約二百十億の大幅減少をいたしております。これは来年度におきましては対外収支の改善を図るべく極力外米の輸入量を減らしたいという方針によるものもございます。それから海外市場における輸入価格の低落によるものもございます。なお又一月一日から消費者価格が若干引上げられましたものによるものもございます。以上の三つの要素が総合されまして三百億が九十億、約二百十億の節減が可能になつたわけでございます。この場合の米の輸入数量は百十四万五千トンでございますが、これは米食率の維持に必要な最小限度の数字を計上しておるわけでありまして、この数字から米食率を引下げるという結果には相成りません。米食率を維持しておるわけでございます。それから食糧管理費五十六億円、これは本年度限りの経費でございますので来年度は計上しておりません。外航船舶建造資金貸付利子補給七億円が三十七億円に増加いたしております。これは昨年末成立いたしました法律に基く当然の増加でございます。但し開発銀行に利子補給を一分五厘するということで昨年度の予算に計上せられておりましたが、本年度は政府の開発銀行に対する利子補給の一分五厘は廃止する、そういう前提で予算を編成いたしております。文官等恩給費の増加、これは昨年十月の恩給法改正に基く増加の平年度化でございます。予備費は災害対策予備費と一般予備費を一括計上しまして、百三十億円でございます。二十八年度当初予算と同額でございます。二十八年度はそのほかに災害対策予備費四十五億円を追加いたしましたので、前年度比較では約四十五億の減少になつております。 次に歳入でございます。歳入につきましては租税収入及び印紙収入につきまして主税局長から詳細御説明がございますが、前年度に対しまして百五十一億円の増加になつております。七千七百十八億を計上しております。詳細の内容につきましては一切省略いたします。専売納付金は本年度千五百八億が千三百四億と約二百億円を減少いたしております。増減に△二九となつておりますが、これは二〇のミス・プリントでございます。この専売納付金の内容につきましては先ほど大臣の説明中におきましても比較的詳細に触れてありますので説明は省略いたします。 次は官業益金及び官業収入でございますが、前年度百六十五億が百三十二億、三十三億減少いたしました。その減少は先ほどちよつと触れました国有林野事業特別会計からの利益金の繰入がなくなりましたので、三十二億円、それが主な項目でございます。それから政府資産整理収入におきまして、本年度百三十八億円が八十三億円と五十四億減少いたしておりますが、その主な項目を申上げますと、証券売払代減少二十七億、これは本年度におきましては国際電信電話公社の株を相当大量に処分いたしましたが、その分が来年は著しく減少いたしますので大幅に減少いたしたのでございます。その他貿易特別会計の整理収入を本年度は計上しておりましたが、来年度はそれがございません。又公団等から引継ぎました債券の整理収入が減少いたします。緊要物資輸入特別会計、この会計を整理することにいたしておりますが、その関係の収入が本年度は十五億円見てございました、来年度はその分がございませんので、そこで十五億円減少いたします。以上いろいろな減少の要素がございまして総計五十四億円を減少いたします。 雑収入におきまして八十四億円減少いたしております。減少の主な項目を申上げますと、指定預金の利子収入は来年度は目下のところ指定預金をする予定をいたしておりませんので、その収入が計上しておりません。その他競輪関係納付金を国庫において収納しないことにいたしましたことによる減少二十億等々、いろいろな増減の要素がございまして、総額におきましては八十四億の減少になつておる次第でございます。 前年度剰余金が四百二億でございます。二十八年度に受入れました剰余金が四百五十二億、約五十億の減少をいたしております。 時間がございませんので特別会計を極く簡単に申上げたいと存じますが、特別会計のうち交付税及び譲与税配付金特別会計、これは先ほど地方財政につきまして申上げましたときに触れましたので省略いたします。 次の外国為替資金特別会計でございますが、これは予算そのものの内容というよりは、来年度の国際収支をどう考えておるか、その意味で一言いたしたいと存じます。来年度の国際収支の見込は、受取におきまして輸出十三億七千五百万ドル、駐留軍関係の収入七億六千万ドル、貿易外三億四千万ドル、合計二十四億七千五百万ドル。支払、輸入二十一億四千万ドル、貿易外四億二千五百万ドル、合計二十五億六千五百万ドルでございまして、合計支払超過九千万ドル、それに相い対する本年度は一億九千万ドルという見込を立てております。この見込によりますと、外国為替資金の円資金は約三百二十四億円剰余を生ずることになりますので、借入金の限度は二千億円を千五百億円に引下げておる次第でございます。 資金運用部、産業投資特別会計につきましては省略いたします。 厚生保険特別会計につきましても、先ほど社会保険費の項で申上げました程度にとどめまして省略いたします。 失業保険特別会計についても同様でございます。 食糧管理特別会計でございますが、補給金の計算につきましては、先ほど申上げました米麦の価格をどう見ているかということでございますが、買入価格は先々のことはなかなか見通しも立たないのでございますので、二十九年度の予算を編成するに当りましては一応二十八年度の予算価格と同じような基礎で予算を立てております。但し米につきましては一応予算上の問題としてでございますが、供出完遂奨励金並びに超過供出奨励金はこれを基本価格に織込んで一本価格にすると、そういう前提をとつております。早場米奨励金は二十八年度同様別建といたしまして、二十八年度の当初の予算と同様に八十一億円を計上いたしておるのであります。消費者価格は一月にきめました十キロ当り七百六十五円をそのまま据置くと、そういう前提で予算を編成いたしております。これらの前提の下に編成いたしました食管の予算でございますが、そのうち特に申上げておきたいことは、食糧証券及借入金収入は本年度千九百五十億円が来年度は二千二百六十億円で約三百十億増加いたしております。この増加のうち百億円は予備費に見合うものでございまして、目下のところ使うあてのない金でございます。従いまして、純増発は二百十億ということになりますが、これは二十八年度末の食糧手持高の、昨年の凶作を反映して異常に低いのに対して、二十九年度末におきましては正常なる手持高を考えております結果、それに伴う運転資金の増加でございます。その増加がここに反映するわけでございます。 国有林野につきましては省略いたします。 郵政事業につきましても省略いたしますが、ただ一言申上げまするならば、昨年末のベース改訂に基く経費の増加は、収入支出の差繰によりましてすべてを賄つております。料金の改訂は一切実行いたしておりません。 それから特定道路、いわゆる有料道路でございますが、この関係でも公仕事業費の査定方針と同じような方針に基きまして新規は一切計上せず、既成のものにつきましても重点的に経費をつけることといたしております。 次は政府関係機関でございますが、日本専売公社につきましてはいろいろ大臣のお話もございましたし、特に御説明申上げることはございません。 日本国有鉄道につきまして一言いたしますが、この会計の来年度における給与費の増加額は百五十三億円ということになつておりますが、これを賄うのに運賃改訂の問題もございましたが、提出案におきましては一、二等旅客運賃について通行税の二割を従来一割でありましたものを外枠に振替える。それだけにとどめましてこれで約二十億の増加を図りましたほかは一切運賃の改訂をいたしておりません。従いまして収入面、支出面におきまして極力企業の合理化、経費の節減を実施いたしましてこれを捻出いたしているわけでありますが、その一助といたしまして二十八年度において償還を繰延べました資金運用部からの借入金三十億円につきましては、来年度も償還を繰延べることにいたしております。 建設勘定でございますが、その財源としては資金運用部からの借入金七十億円、鉄道債券公募によるもの百二十億円、利用者負担によるもの十億円、そのほかに自己資金を合せまして五百四十億円で建設、改良、取替工事に充てております。改良、取替に重点をおくことにいたしまして、いわゆる新線建設は二十五億円を計上するにとどめていることを一言いたしたいと存じます。 電信電話公社、この会計におきましてはベース・アップに伴う財源はすべて経営収入で賄なつております。この会計の建設勘定の総額は五百三十一億、本年度は四百六十九億円でございまして約六十億の増加を見ております。その財源は電信電話債券の公募七十億のほか、本年度に実施いたしました料金値上げが平年度化することによる収入増を以て賄なつているわけでありまして、損益勘定からの繰入百二十七億、減価償却費二百三十六億、これが財源の主なるものでございます。 国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行等がございますが、時間の関係で説明を省略いたしたいと思います。 以上甚だ粗雑でございましたが私の説明を終ります。
○政府委員(渡辺喜久造君) 私の担当いたしております租税及び印紙収入の予算につきまして簡単に御説明申上げたいと思つております。 お手許に昭和二十九年度租税及び印紙収入予算の説明という書類が御配付してあるはずでございます。これによつて御説明申上げたいと思います。 一ページに総論的なことがちよつと書いてございますが、昭和二十九年度の一般会計における租税及び印紙収入の予算は七千七百十八億、二十八年度の予算に比べますと百五十一億の増加になつております。なおそこに細かく註釈的に書いてございますが、二十九年度から制度を改正いたしまして、従来別途支出金で出しておりました還付金関係を差引いたものを以て歳入予算に充てるというようにしたいと考えておりますので、この七千七百十八億という数字はこの還付見込税額を差引いた数字になつております。従いましてこれを斟酌いたしますと百五十一億という前年度に対しての増加は二百四十一億になる、こういう数字であります。 それからなおあとで御説明申上げますが、今度若干の税制改正を行いたい。そこで現行法によります場合におきましては七千七百六十三億、これが直接税関係で減税を行いまして三百二十一億減り、間接税関係の増税によりまして二百七十六億殖え、差引四十五億の減少になりますが、別途たばこのほうでピースを五円値上げしたい、そのほうで増収四十五億が見込れますので、結局増減税の関係といたしましては、差引きゼロ、こういう見込になつております。なお予算全体を見積るに当りましての態度といたしましては、そのあとに書いてございますが、昭和二十九年度における我が国経済は緊縮財政の実施によりましてインフレ的傾向が一新されまして、生産は大体戦前の一五〇の線に安定する、物価は若干低落し、雇用量、賃金水準はおおむね現状維持、消費は抑制され、貯蓄は増強され、国際収支も漸次回復に向う、こういつたようた考え、前提の上に立ちまして一応の見積りをしております。 各税の内容につきましては三頁に一応の見積り額が出ております。二十八年度の補正後の予算が一般会計で七千五百六十六億、これが二十九年度におきましては、現行法による収入見込が七千七百六十三億、改正案による収入見込が七千七百十八億ということは先ほど申上げた通りであります。そこでこれの前提になつております税制改正の案の大様でございますが、これにつきましては三十一頁にございまするので御覧願いたいと思います。 税制改正の行き方といたしましては、現下における経済情勢、国民負担の状況というものに鑑みまして、租税負担の調整、資本蓄積の促進を図り、併せて奢侈的消費の抑制、国際収支の改善に資する、こういう狙いで所得税、法人税等の直接税の負担の軽減合理化を図ると共に、間接税の新設増徴を行い、その他課税の適正簡素化及び地方財源の偏在是正を図りたい、こういうのを一応の狙いにいたしております。内容でございますが先ず第一に所得税でございます。 所得税につきましては基礎控除を現在の六万円から七万円に引上げる、扶養控除を最初の一人につきまし三万五千円から四万円に引上げ、二人目及び三人目につきましては二万円から二万五千円に引上げる、これが一番税収に大きく響く改正でございます。扶養控除につきましては四人目以下は現在二万五千円になつておりますが、これはそのまま据置くという考えでございます。あとは若干細かいことになりますが、退職金につきましての控除額は現在二十万円になつておりますが、勤務年数の長いかたに二十万円では少し控除額が少いではないかという税制調査会の意見を入れまして、十年を超える場合におきましては、一年について二万円ずつ加算して参りまして、二十五年の場合に五十万円になるように、同時に五十万円を限度にするように、この控除額を引上げて行きたい。 第二は、山林所得につきましては、現在も五分玉乗方式でやつておりますが、現在の方式は他の所得と総合した五分玉乗方式になつておりますが、これを昔やりました分離の五分五乗の方式でやりたいと思います。 第三は、資本蓄積促進の意味をこめまして生命保険料の控除額の引上げをやりたい、現在八千円のやつを一万二千円に引上げたい、それから定期性預貯金等の利子に対する税率を引下げ、配当所得による源泉徴収税を、これも現在の二割を一割五分に引下げたい。 それから青色申告者に対する専従者控除の金額は、これは基礎控除と同じように引上げますと共に、専従者の中に配遇者も入れる、それから手続簡素化のために予定申告の制度を予定納税の制度に改めたい、これが主なものでございます。 なお、言い忘れましたが基礎控除、扶養控除の引上げは、本年四月以後についてこういう引上げを行う、こういう考えでできております。従いまして給与所得に対する源泉徴収の場合におきましては、四月以降の月額の分につきましては七万円、四万円、二万五千円という控除で税金が徴収されますが、一—三月の分については従来のまま、これに準じまして申告所得税の場合におきましては、本年に限りまして七万円が六万七千五百円、四万円が三万八千八百円、それから二万五千円が二万三千八百円ということになります。なお、生命保険料の控除におきましては、本年現行八千円を一万一千円ということにしまして提案申上げたいと思つております。これによりまして負担がどういうふうになるかということは、三十四頁、五頁に一応書いてございます。夫婦子三人というのをよく我々一つの標準にしておりますが、その場合におきましては、月収二万円でございますと税額で四百十七円、割合で五割七分、二万五千円ですと五百二十一円、三万円ですと六百二十五円、五万円ですと八百三十四円、こういうような軽減になります。事業所得者でございますと、これは年間になりますので、夫婦子三人の場合の税でございますと、例えば三十万円の例でとりますと、平年度は七千八百円、二十九年度で六千円という軽減になります。 それからどの程度の人から所得税がかかるかという問題でございますが、よく月額二万円まで所得税を納めないようにという御希望があるのでございますが、今年の改正の分につきましては、その三十六頁のしまいのほうに書いてございますが、夫婦子三人といいますと、扶養家族族四人のことでございます。平年度二十一万四千百九十九円、ここまでが税金がかからない。二万円というと二十四万でございますが、そこまではちよつと行きかねたということになつております。 それから三十一頁に戻りまして、法人税でございますが、法人税の税率引下げ等につきましても、いろいろ検討してみたのでございますが、今回におきましてはどうもこれができかねまして結局資本構成の是正に処し、企業の経営の合理化に資するという意味におきまして法人が増資を行なつた場合に、その増資した分についての配当のその一部を損金に算入したらということを考えましてその或る程度の減税措置を講じたい、詳細につきましてはもう少し内容を検討した上で、御提案申上げたいと思つております。 それから同族会社の積立金に対する課税でございますが、現在は一定限度を越えますと、毎年積立金につきましては百分の五ずつかかつているが、毎年課税になるというのが無理じやないかという御意見がございまして、今度これを改めまして、現在と同じ限度ですが、払込の四分の一か、百万円か、いずれか高いほうを積立てた額につきまして百分の十の税率で一回限り課税するということに改めたい。 第三が、価格変動準備金でございます。価格変動準備金につきましては、現在の制度でございますと、物価が値上つて行くときにはなかなかこの積立てができない。併し変動準備金である限りにおきましては、物価が値上つて行くときにむしろ積立てて、値下つたときにそれを充て得るという調整をやるべきじやないか、こういう御意見がかねてからあつたのですが、今度税制調査会の意見を入れまして、大体その線に沿いましての改正を行なつて行きたい。 それから輸出所得の一部控除の制度でございますが、これは昨年行ないまして、その結果につきましてもう少し見て行きたいと思つておりますが、プラント輸出の場合、現在の三%の控除を五%引上げるということと輸出商社に対する控除限度が現在は輸出所得の五〇%になつておりますが、これを引上げるということを考えてみたいと思つております。それから現在の緊縮財政で裏腹とする考え方といたしまして法人の交際費、接待費等に対する損金負担についての或る程度の税法上の制限と一言いますか、これは曾つて一遍御審議願つたことがあつたんですが、これを御提案申上げたい。ただ考え方としまして、大体調査課所管になつておりますような大きな会社だけに適用するような考え方をとつて行つたらいいじやないかという考え方をしております。 相続税でございますが、これにおきましては、死亡保険金、退職金に対する控除額を三十万円から五十万円に引上げることと、それから主として中間資産属以下に対する負担の軽減を図るために累進税率の緩和を図りたい。現在の税率が多少戦後のインフレに副わないものがあるという点もございますので、これを或る程度緩和して行きたい。 それから相続財産である立木につきましては、所得税の負担を考慮しまして評価の特例を設けて評価額から或る程度の割引をして課税をして行く、こういうことを取上げたい。 以上が直接税の関係でございますが、大体減税が主でございますが、これに対しまして間接税のほうの関係で或る程度の財源を得たい。その一つは酒税の引上げでございます。大体一割乃至五分程度の税率引上げ、清酒の特級、第一級、ビール、雑酒特級、これはサントリーのウイスキー等でございますが、そうした割合に高級品だけを狙つております。値段がこれによつてどういうふうになるかということは、清酒につきましては米価の値上り等もありまして、コスト込みでどうなるかということはもう少し御猶予頂きたいと思います。ビールにつきましては現在は中身が百七円、びん代が十五円で百二十二円という半端な数字になつておりますが、税金が三円五十銭くらい上りますが、大体会社に勉強願つて中身とも今度はびん付価格にしたいと思いますが、百二十五円くらいで収まり得るんじやないかというふうに考えております。 砂糖消費税でございますが、砂糖消費税は本年は砂糖が非常にたくさん輸入されたのでありますが、明年二十九年度におきましては、相当輸入が減るんじやないか、従つてかなり市況が強くなるんじやないかといつたようなことも考えられますし、一応この機会に二割程度引上げたいというので二千八百円程度に引上げたい。ただ国内でできます樽入黒糖、樽入白下糖は現在の四百円のままを据置きたい。 物品税のほうは奢侈課税であるというので、いろいろ検討して見たんですが、どうもかなり現在でも相当課税しております。新しく取上げようとするものとしましては、テレビジヨン受像機、それから曾つてありましたものにつきまして高級大型乗用車とか電気冷蔵庫についての税率を引上げて行く、その他多少細かいものもございますが、税率引上げ乃至調整を図りたいと考えております。 揮発油税につきましては現在一万一千円になつておりますが、これを二千円程度引上げたい。なお、この財源は三分の二は国の道路建設費、三分の一は地方の道路建設費に当てたい。これは主計局長から御説明申上げてあると思います。 骨ぱい税でございますが、骨ぱい税は麻雀についてこれを現在いずれも千五百円になつておりますが、象牙製、牛骨製その他相当価格にも開きがございますので、それを分けまして六千円、四千円、二千円に引上げる。その他の骨ばいについて二割程度引上げるということを御提案申上げたい。 印紙税は大分古くきめた税率がそのまま残つておりますので、今度の機会に或る程度の引上げを行いたい。一つは委任状については現行の二円を五円、受取書については二円を十円、受取につきましては免税点を併せて引上げることによりまして現在は千円以下のものは払わなくてもいいことになつておりますが、これを三千円までのものは払わなくてもいいという改正にしたい。 それから新らしく新税として繊維品消費税を起したい。高級の織物、メリヤス、レース及びこれらの製品に対して課税をしたい。税率は百分の十程度、内容につきましてはもう少し検討をさして頂きたいと思つております。歳入としましては約八十五億を見込んでおります。 入場税はこれは国で徴収しますが、特別会計の収入としまして九割が地方のほうに人口割で配分し、一割は国のほうへ繰入れる。税率は現在のいろいろなケースからしまして相当引下げ得ると思つております。収入見込は従来地方の収入見込をそのままとつております。約百九十二億です。 なお、その他の事項としまして、所得税、法人税の更正決定が遅れた場合の利子税について免除の規定を作るとか、或いは第三者通報制度を廃止するとか、その他の処置を講じたいというのが大体今回御提案申上げたいと思つております。以上税制改正のあらましでございます。 そこでこれによる税源収入が一体どういうふうになるかということにつきましては、四頁に事項別増減収額として一応内訳が書いてございますので、御覧願いたいと思います。歳入の見積りのやり方といたしましては、先ず現行法による歳入見積りを出しまして、これを基礎にしまして改正法による歳入見積りを出し、そうして改正後の税額を出すという方法によつております。 主な税について御説明申上げますと、源泉所得税でございますが、五頁にございます源泉所得税は二十七年の暦年における給与支給人員それから支払給与実績というものを基にしまして、大体雇用は横ばい、行政整理等もございますので、二十八年度に対して一%減という数字になつております。給与のほうは逆に官吏のベース・アップ等もございますので、四・四%の増、この乗積で給与総額が三・四%の増、これから失格人員の見込を差引き、同町にこの人たちに対する支払給与の見込を差引きまして課税有資格の人員とこの人たちに対する支払給与の見込を出しまして、これから各種控除を差引いた数字を課税所得といたします。そうしてそれに対する税額を計算してございます。課税有資格見込人員が現行ですと八百五十三万人、課税所得が九万九千円、税金が二万五千円、これに日傭労務者賃金に対する税額を加えまして、更に不具者とか老齢者控除、こういつたものを差引きまして、本年度の課税額を出し、その収入見込額、これに繰越滞納の収入見込額を加えまして、本年度の収入見込額二千八十七億と見積りましてなお給与所得以外の利子配当等に対する源泉税額がございます。これが三百五十三億、これを加えまして二千四百四十一億、これから先ほど申しました還付見込税額を差引きまして現行法による分を二千四百二十一億と見込んでございます。 で、改正法におきましては見積りにおきましては、この数字を基にしまして、基礎控除、扶養控除等の増による分をそれぞれ差引きまして、今度はその結果としまして、課税有資格の見込人員が七百六十四万人ということに一応計算しまして、これは課税の人だけでございますが、一人当りの税額が二万四千五百円、これに日傭労務者に対する分を加えて、その他控除等をいたしまして一応給与所得の本年度収入見込額を千八百七十億、これに利子配当等に対する税額を加えまして、還付見込税額を差引き、二千百五十七億、こういう見込を出したわけでございます。 それから次に申告所得税でございますが、これは二十七年度の課税実績がございます。この課税実績を本にいたしまして、二十九年分までの、丁度二年間になりますが、その所得の増加割合、括弧の中にございます分は、これは二十八年分から伸したもの、括弧の外にありますのは、二十七年から二十九年までの伸びでございます。生産、物価、物価の相乗、それから申告、能率の増等、これ等の中には収益率の関係なども実は考えておるわけでありまして、農業のところのそこのところが一一一になつておりますが、これは二十八年におきましては、農業は凶作によりまして相当収益率が落ちていた。本年はそれが大体元に帰るのじやないかというところで、一応そういうちよつと変つた数字が出ておりますことを附加えさせて頂きます。こういうふうにして一応出しました数字から、法人による所得の減少を加えましてそうして二十九年分の改正前の一応課税見込人員というものを総計二百六十八万人、所得金額、それから基礎控除額、扶養控除額それぞれ出しまして、一人あたりの税額を計算し、この中で、翌年繰越決定見込額を差引きまして、本年分の税額を計算し、これに収入歩合を掛けまして、本年度のこの分に対する収入見込額を五百七十億、それから前年度分の繰越決定額に本年度収入見込額を加え、更に繰越、滞納額の本年度の収入を加えまして七百四十億、これから還付見込税額十億を差引きました七百三十億というのを現行法による収入見込額と計算しております。 で、改正法におきましては、この数字を、基礎控除、扶養控除等の引上げによる増減というもので見直しまして、新しく課税人員が現行法による二百六十八万人から二百三十八万人に減り、所得もそれぞれ減ることになりました。あとの計算は現行法の場合に準じまして処理しまして七百十八億という数字が出るわけでございます。 それから法人税でございますが、法人税につきましては、従来と同じようなやり方でございますが、二十七年の十月から二十八年の九月までの一年間の申告税額、調査課所管分と税務署所管分と分けまして生産、物価、所得率といつたものを加減いたしまして二十九年度の申告見込税額を一応算定いたしました。それから十六国会における税法改正、これは初年度は減収額になつておりますので、これを平年度に直すことによる減収見込額、これを差引きまして二十九年度の申告見込額を出し、それから徴収猶予の関係と前年度からの分を加え、翌年度へ繰越される分を差引きまして、収入歩合を掛けて一応千四百八十八億、これに更正決定による増加分、これは最近の実績を見込みまして二百五十六億を加え、更に法人成分、これは個人のほうでは減になつております。法人のほうではこれが増になつております。これを加え、更に繰越滞納税額を加えまして還付見込税額六十億を差引き千八百九十五億、これが現行法の見積りでございます。この現行法の見積りにつきまして増減税による分を加減いたしまして千八百七十六億という数字を出してございます。 相続税につきましては、二十七年度の課税実績を本にしまして、これに物価騰貴の率とか、そうしたものを加減しまして、一応課税人員、課税価額、算出税額を計算しまして、物納、延納の額をそれぞれ差引き、繰越滞納の収入見込等を加えまして三十四億という現行法の数字を出しまして、そうした減税関係を差引きまして改正法による分三十一億六千二百万円と見積つたのでございます。 再評価税につきましては、第二次、第三次再評価の差額等を見込みまして、これを現行法において八十二億、なお再評価促進のために別途いろいろの措置が考えられておりますので、それによる減収見込としまして一応改正法による分は五十八億と見込んでございます。 それから酒でございますが、酒は本年は凶作によりまして清酒用の酒造米が相当減るという見込が立つております。昨年度は御承知のように九十四万石でございましたが、本年は内地米七十四万石、輸入米を八万石頂きまして、八十二万石というものを本にしてこれで三倍造醸等をできるだけ行い、全体として多少清酒の生産が減りますので、その分を合成酒、焼酎等で或る程度その生産をカバーする、こういつた考え方をいたしまして造石数六百八十一万石、税額で千三百七十億と見込んでございます。これを改正法によりまして千四百七億ということになると見込んでございます。 砂糖消費税につきましては、本年度はかなり大きな輸入があつたのでございますが、二十九年度におきましてはそれほど大きな輸入は考えられんというので、或る程度の輸入量の減を見込みまして、本年度の歳入は現行法で三百二十三億、改正法で三百八十億、手持とか、いろんな関係を加減しまして予算額としては三百八十一億という数字を出してございます。 揮発油税につきましては、二十八年度二月から十月までの課税実績は、一応これが横に伸びるという考え方で二百六億と現行法で見まして、改正法では増税を考えまして二百三十七億と見積つております。 それから物品税につきましては、これも課税実績を本にしまして、多少そういうものについての消費が減るのではないか、その消費減を見込みまして二百三十三億を現行法で見込み、増税分十億を考えまして二百四十三億。 繊維品消費税につきましては、目下内容について多少検討の余地がございますので、もう少し御猶予願いたい。初年度は八十五億と見込んでございます。 それから取引所税、有価証券取引税、通行税につきましては大体実績を本にしまして引伸しました。 関税につきましては、これも或る程度関税物品の輸入が減るのではないかということを考えまして、一応二百五十億と見込んだのでございます。 屯税、印紙収入税につきましても、大体過去の実績を本にして見込んでございます。改正法におきましてはこれに増税分の増収を見積りました。 なお、入場税でございますが、入場税は先ほどちよつと触れましたが、現在地方税で見込まれております百九十二億の収入額をそのまま取りまして、いろいろ課税の充実等も考えまして、一面では税率を引下げるということも考慮しながら、大体この数字を確保できるように措置して行きたい。九割は地方に戻し、一割を国の収入にする。かようにしております。 以上の措置によりまして本年度の一般会計の見込は先ほども言いましたように七千七百十八億となるのでございます。 昨年の国民所得に対する負担の割合といつた関係は三十九頁にございますのでこれを御覧願います。二十九年度の国民所得は五兆九千八百億、これは経済審議庁の調査でございますが、これの負担は国税のみでございますと一五・四、地方税を加えますと二一・二で、二十八年度に比べますと多少の増加になります。 なお、直接税、間接税の割合でございますが、二十八年度の分にミスプリントがございますので、正誤表を差上げてあると思いますのでお直し置き願いたいと思いますが、直接税、間接税の比率は、改正法によりますと、直接税が五三・七、間接税が四三・三、その他が三、現行法ですと、五五・五、四二・二、二・三。間接税のほうでウエイトが多少廻つて行く、こういうふうな姿になるわけでございます。 以上非常に簡単でございますが、一応の御説明を終ります。
○政府委員(阪田泰二君) 理財局関係の事項につきまして簡単に御説明申上げたいと思います。 お手許に昭和二十九年度予算に関する参考資料(理財局関係)といたしまして薄い印刷物がございますが、その第一表につきまして御説明を申上げたいと思います。 第一表は昭和二十九年度の資金運用部資金の運用計画でありますが、資金運用部の昭和二十九年度の運用できる原資の増加、これは明らかに増加する分は千五百八十億円、前年度からの繰越百二億円を加えて原資の合計は千六百八十二億円であります。二十九年度はそうなるわけでありますが、この原資を千五百八十億円運用いたして、結局翌年度へはやはり同額の百二億円を繰越すことになつております。二十八年度と比較いたしますと、その総額が百四十三億円減つておるわけでありますが、これは第一には二十八年度におきましては、御承知のように国債を百八十一億円売却いたしますとか、繰越余裕金を九十二億円ばかり食い込みますとか、いろいろそういう点で運用資金を捻出したわけでありますが、二十九年度におきましては、全体の予算の編成の方針からいたしまして、このような資金を原資には使わないということにいたしまして、本当に新規に増加する資金だけということにいたしましたので、その辺が減つて来たわけであります。更に二十八年度におきましては簡易保険の資金は半額、簡易保険のほうで分離して運用することになつておりましたが、二十九年度におきましては、これを全額簡易保険のほうで分離して別途に運用するということになりましたので、その関係で減つて参つて来たわけであります。 それでこの二十九年度の、原資の内訳につきまして先ず申上げますが、郵便貯金が九百億円、昨年度よりも九十四億円殖えるように見込んであります。これは最近の増加の趨勢、その他郵便貯金の増加にかなり努力するということを考慮いたしまして、九百億円と見込んだわけであります。 それから簡易保険年金のほうは二十億円ということで、前年度に比べますと、非常に減つておるわけでありますが、これが先ほど申上げました簡易保険のほうで分離して運用することになりました関係上、こうなるわけでありまして、簡易保険資金のほうでは二十九年度におきましては四百六十億円の原資の増加を見込み、これを全部地方債に通用するというふうに別途計画ができております。 それから厚生年金保険の資金も百八十億円から、二十九年度三百億円と非常に増加する見込みを立てておるわけでありますが、これは別途厚生年金保険の制度の改正を予定いたしておりまして、標準報酬月額の最高限度が現行八千円でありますが、これは一万八千円に殖やす計画でありますので、それが実施されれば、この程度は増加するだろうというように考えたわけであります。 その他の預託金といたしましては、特に申上げることはございませんが、回収金もここに内訳がある通りであります。 その次には運用の部でありますが、郵政事業に対する融資、これは特に申上げることはございません。それから特定道路に対する貸付の関係でありますが、これは二十八年度ではここにあります資金運用部からの十三億円のほかに一般会計から十億円出ておりまして、合計二十三億で工事をやりましたわけでありますが、二十九年度は資金運用部だけでありまして、この二十億円が全体になるわけであります。 それから特別鉱害復旧特別会計に対する一億円の繰入融資につきましては、これは昨年の特別の災害の関係でありますので、二十九年度は見てありません。 それから国鉄は七十億円を予定しておつて、非常に昨年に比べ減つておるようでありますが、これは別途公社債を公募する形式で百二十億円出す計画になつております。合計百九十億円の資金を外部から取入れる。昭和二十八年度分はこれに相当する額が二百三十億円でありますから、四十億円外部からの取る資金が減つておるわけであります。 それからここには書いてございませんが、電々公社につきましては、資金運用部からは昨年も本年も出しておりません。これは国鉄同様に公社債を公募して、明年度は七十億円出す計画を持つております。 それからその次にあります住宅、国民、中小企業、農林漁業、これらの金庫或いは公庫の類につきましては、大体におきまして住宅を除きまして昨年に比べて非常に二十九年度は資金が殖やしてあるわけでありますが、これは御承知のように一般会計でこれらの金庫、公庫に出資いたします金額が昨年度は全体で四百二十八億九千万円もありました。二十九年度は二百億と非常に減りましたので、資金運用部資金といたしましては、これらの公庫に対してできるだけ運用をするのが適当と考えまして増加したわけであります。それで一般会計の資金運用部の分を合計いたしますと、大体において昨年度と変らない程度の資金がこれらの金庫に出るようになつております。 それから開発銀行の資金は、これは資金運用部資金として額は増加いたしておりますが、これはあとで申上げます産業投資特別会計からの投資額が減つておりますので、合計いたしましても減少になるわけであります。 それから地方債の関係でありますが、これは四百三十億円という予定で、二十八年度の八百八億円に比べれば半減ということになりますが、これは先ほど申上げました簡易保険で別途運用いたすことになりましたので、そのほうで四百六十億円持つわけであります。そのほかに地方債としては公募債が二百億円ほどございます。全部で一千九十億円という地方債が明年中は予定されておるわけであります。二十八年度に比べますれば、百四十三億円ほど減少いたします。内訳といたしましては、大体水道とか電気等の公営企業の関係が二百四十億円、八百五十億円が一般会計並びに補助事業関係の起債その他に充てられる予定になつております。 それから勤労者厚生資金二十五億円が三十五億円に二十九年度は殖えております。これは先ほど申上げました厚生年金保険関係の資金を還元融資というような趣旨から、病院、住宅等に出すものでありますが、これを厚生保険の資金も増加いたしますので、昨年度に比べれば十億円増加することにいたしたわけであります。 金融債は三百億円が二百億円に減つておるわけであります。これは金融債の市中償還という方面にも極力努力しまするし、これらの金融機関からの融資の面につきましては極力重点的な融資に努力させるということにいたしまして重点産業の資金調達に支障を生じないようにいたしたいと考えております。その他電源開発関係、これは五十億円が百六十億円に増加いたしたのでありますが、電源開発会社には、やはりこのほかに産業投資会計から百億円の融資があります。合計二百六十億円の資金が電源開発会社の明年度の工事資金になるわけであります。 最後に百二億円を三十年度に繰越すことになるわけでありますが、この百二億円の金は、資金運用部資金の規模も大きくなりましたし、やりくりをいたします上におきまして、最低限度の必要な資金であるというふうに考えておりまして、いわばぎりぎり一ぱいの運用計画に本年度としてはなつておるわけであります。 資金運用部の関係はこの程度にいたしましてその次の表は飛ばしまして第三表の産業投資特別会計のほうの運用計画について申上げます。この産業投資特別会計におきましても、二十八年度はご承知のように二百億円の減税公債を発行いたしまするとか、見返資金から引継ぎました国債を売却いたしまして、或いは前年度からの剰余金を或る程度食い潰しますとか、そういうようなことをいたしまして六百二十三億円という資金を投資に充てたわけでありますが、二十九年度におきましては、資金運用部と同様の方針を以ちまして、そのような資金を予定しておりませんので、結局運用利子及び回収金等と、そのほかに緊要物資輸入基金から繰入れます二十五億円、これが運用資金になるわけでありまして合計百八十六億円、二十八年度に比べると非常な減少であります。それの運用といたしましては、減税国債の利息等に充てまするもの、十一億円を除きました百七十五億円を開発銀行と電源開発株式会社に融資するわけであります。この開発銀行の関係は、この投資会計からの七十五億円と先ほどの資金運用部からの二百七十五億、それから自己の回収等が三百億円ぐらいございますので、合計いたしまして開発銀行としては六百五十億円の資金を以て電力会社の資金或いは海運関係、鉄鋼、石炭、いろいろそういつたような重要産業の資金を融資することになるわけであります。これもかなり資金が苦しいのでありますが、極力重点的な効率的な融資をさせることにいたしたいと思つております。電源開発会社につきましては、先ほど申上げましたように、この百億と資金運用部の百六十億と合せまして二百六十億の資金に明年度はなるわけであります。これも佐久間でありますとか、その他の重要な開発地点の工事をこれによつてやらせることになるわけであります。 それから投資会計は、その程度にいたしまして、最後の第五表の二十九年度予算の国庫対民間収支見込であります。 明年度の予算が施行されました場合に、国庫の民間に対する支払、民間から引揚げるもの、それがどうなるかという点でありますが、一般会計におきましては、予算面は収支が均衡を保つておるわけでありますが、ただ中を見ますと、昭和二十七年度の歳計剰余金を歳入にみておるわけであります。これは二年前にすでに収入になつておるものを二十九年度において放出するわけでありますから、その関係において民間に対する支払超過が起るわけであります。 それが一つと、それから食糧管理特別会計におきましては、本年の三月末に比べまして、明年の三月末の食糧の保有の増加がありまして、食糧証券の発行残高も増加するという計算になつておりますが、その差額、これは予算面では三百十億円というのが予定されるわけでありますが、その中の百億円は予備費と見合うものでありまして、支出がはつきりいたしませんので、二百十億円ほど政府からの支払超過、撒布超過の要因としてここに掲げました。それから今度は引揚げるほうの要素でありますが、外国為替資金の関係におきまして、国際収支の明年度の見通しといたしまして九千万ドルの支払超過が生ずると見込んでおるわけであります。これが円資金の関係で行きますと、逆に三百二十四億円だけの引揚げの超過になるわけであります。その関係とその次に別口外貨貸付の関係でありますが、これは昭和二十九年度中におきまして別品外貨貸付が八千三百万ドル減少するというふうに見込んでおるわけであります。これは減少する場合におきましてそれが外貨の減少には直ちにならないわけでありますが、外貨貸付を返還いたしまする過程におきまして円資金といたしましては三百億円の外国為替資金への引揚げ、吸揚げになるわけであります。その関係をここに揚げたわけであります。この関係は二十八年度までは余り大した影響がなかつたので、別段計上していなかつたわけでありますが、昨年の十月にその別口外貨貸付の制度を改正いたしまして、いろいろ品目も外しまするし、貸付の期限も短くいたしましたので、二十九年度はこのように大幅に減少するということが見込まれるわけであります。それで特にここに掲げたわけであります。 この四つの項目を差引いたしますると、結局十一億円の明年度は国庫に対する引揚超過になるという数字でありまして、大体におきまして殆んど収支とんとんというような数字になるわけであります。 そういうようなわけでありまして、その他特別会計等でいろいろ細かい出入りはございますが、大きなものでもございませんので省略いたしましたが、なおこの国庫収支の見込の数字は、予算なり或いは国際収支の計画、或いは政府資金の運用計画という、今回国会にいろいろ提案なつておりまするものから、言わば機械的にこうなるという数字を撥き出してみたものでありまして、今までの実例でもそうですが、実際の動きがどういうふうな、国庫に対する引揚、或いは撒布になつて現われますか、これは別途の問題になるわけでありまして、予算の執行状況、或いはその他のいろいろの要因からいたしまして変つて来るわけであります。この数字はそういうふうな意味におきまして、言わば形式的な、機械的に算出してみた数字で、一応の御参考に作成してみたものだというふうに御了承願つて御覧願いたいと思います。 以上であります。
○佐多忠隆君 委員長、今のやつにちよつとお願いがあるんですが、収支見込の二十八年度の予算上の見込と、それから推定実績、それをお出し願いたい。
○委員長(青木一男君) では資料として出して下さい。 では最後に、経済審議庁の松尾調整部長。
○政府委員(松尾金蔵君) 私からお手許に配付してございます資料につきまして、二十九年度の国民所得、又その前提となります来年度経済の主な指標につきまして見通しを御説明申上げたいと思います。 二十九年度経済の見通しにつきましては、勿論先ほど来、いろいろ御説明のございました二十九年度予算が一番大きな前提になるわけでございますが、更にこのほかに金融政策でございまするとか、輸出入の政策等を加味いたしまして、そういう前提の下に、このような一覧表に取まとめました指標を持参をしたわけでございます。 二十九年度予算の内容、性格等につきましては、いろいろ見方もあると思いますが、先ず差当つてその大きな特徴として、財政投融資の関係で、御承知のように五百八十億ほど削減されております。この関係は恐らく国内物価、特に生産財価格に対する影響としては、比較的直接的な効果を及ぼすであろうと、こういうふうに想定をいたしたのでありますが、更に一般投資の関係も、自粛低下を見るであろうということも想定いしますと、このような投資面の減少は、いわゆる乗数効果というような関係から申しまして、又生産財のみならず、消費財の関係の価格にも下落の原因として廻り廻つて作用するであろう、こういうふうに考えたのであります。 消費財関係の価格につきましては、只今申上げました二十九年度予算の内容、中央、地方の予算等を考えてみましてその面から直ちに国内の消費購買力が大幅に低下するというようなことは、ちよつと考えにくいように考えたのでありますが、併し予算全体としては御承知のような圧縮された予算でございます。又二十八年度を振返つて見まして、二十八年度の物価の、御承知のような、上昇の原因を迪つてみますと、その中で一つの大きな値上り要因として、御承知のような凶作、又漁獲高の減少というような、いわゆる消費物資の生産減少、農林水産関係の消費物資の不作、収穫高の減少等の影響があつたのであります。これらは二十八年度に比べまして二十九年度は恐らく平年度化するであろうということを想定いたしますと、こういう物資が、いわゆる消費者物価に影響しますウエイトは割合に大きいのであります。そういう点を考えてみましてこの面からも来年度の消費者物価は若干下押し気味の作用が生ずるであろう、こういう想定をいたしたのであります。 このような大ざつぱな説明に過ぎませんけれども、この程度のことを考えてみましても、来年度の物価の関係はこの表の終りのほうにございますように、生産財卸売価格におきまして本年度一〇〇としまして九三・六、消費財関係におきまして九六・四、大体これを総合いたしまして五%前後の物価の下落を想定いたしたのでございます。 次に生産関係の見通しにつきましては、農林水産関係の生産につきましては、先ほど来申しましたような意味で、来年度は本年度に比べて若干の増産を見込まれると思います。この表では大体一三・五%の増加を見込んでおります。これに対しまして鉱工業生産の関係でございますが、これは本年度、この表にございますように年間の平均で指数一五二という推定をいたしておるのでございますが、これが恐らく二十九年度におきましても、年間のならした姿においては同じ程度の生産が行われるであろうと、こういうふうに推定をいたしております。勿論生産の指数の関係は二十八年度において上昇カーブを描いておりますから、二十九年度におきましてそういうカーブと若干違つたカーブを描いて、年間の平面的な姿でほぼ同じ生産水準が保たれるであろうと、こういう推定でございます。物価の関係等を考えてみましても、年度初め前半等におきましては生産はなお横ばい、或いは若干上昇の姿を示して行くであろうと思います。そういう姿が物価に又これを引下げる要因として働き、その物価の下落のあとを追掛けまして、生産が若干下降の傾向を示すであろう、こういう推定をいたしておるわけであります。 これらに伴いまして、来年度におきまして雇用、賃金等がどういう状況を示すかという点は非常に推定もむずかしいのでございますけれども、一応考えて見ますれば、賃金は御承知のように二十八年度においてだんだんと上昇をして来ておりますので、これが二十九年度におきまして経済全体の停滞状況を反映いたしまして、一部臨時給与でございますとか、時間外賃金等が若干下落の傾向を示しましても、年平均で通観いたして見ますと、恐らく賃金の関係は本年度よりも年平均では若干上昇気味ではないかと想定いたしたのであります。雇用も大体同じような傾向だとは思いますけれども、これは生産関係の停滞状況等を考えて見ますと、一部にはやはり臨時的な雇用関係は若干減少するであろうということも想定されまするが、先ず本年度に比べまして平均すれば僅かながら雇用は減少するのではないかと想定をいたしました。 このような物価、生産、雇傭、賃金等の前提を以ちまして来年度の分配国民所得の推定をいたしますと、一番最後の欄にありますように、本年度の推定五兆九千五百億に対しまして、来年度五兆九千八百億という推定の計数を出したのであります。その内訳はもう一枚の表にございますように、勤労所得、個人業主所得がその大きな部分を占めておるのでございますが、勤労所得の関係は先ほど来申しましたような雇用、賃金等の状況を考えてみますと、二十八年度に比べて二十九年度にこれが減少するという見込みは立ちにくいようでございます。ここにございますように、却つて勤労所得は全体としましては今年度に比べて二%程度の上昇を推定いたしたのでございます。個人業主所得につきましては先ほど来御説明をいたしましたようなことで、生産は年間において大差ないといたしましても、物価の関係が若干下落をいたしまするのと、こういう経済状況を反映いたしまして、所得率に若干の低下を想定せざるを得ないと思います。こういう関係から申しまして、個人業主所得のうち営業所得、この点につきましてはここにございますように、本年度に比べまして五・四%の低下を見込んでおります。併し農林、水産業の関係につきましては、これも先ほど御説明いたしましたような凶年作の平年作化というような情勢を反映いたしまして、今年度に比べまして六・九%の所得増加を見込みました。合せまして個人業主所得は本年度と大体差引同程度のことになるのではないかと推定をいたしております。そのほか主な項目といたしましては、法人所得でございますが、これは只今御説明をいたしました個人所得の営業の関係と大体同じ考え方を以ちまして又所得率の低下等も考えまして、本年度に比べまして来年度九・五%の低落を見込んでおります。なお個人賃貸利子所得等につきましては、経済全体におきまして物価の下落等を見込みますれば、一般に若干貯蓄の傾向等もあるかと思いまして、この辺は若干数字が、所得が殖えております。これらを総計いたしまして先ほど申しましたように二十八年度の五兆九千五百億の計数に対しまして五兆九千八百億、〇・三%程度の上昇でございますが、大体国民所得の関係は本年度と同じ程度だ、こういうふうな推定をいたしたような次第でございます。
○委員長(青木一男君) これで政府委員の補足説明を終りました。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時七分散会