郵政委員会 第15号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/05/18
会議録
○委員長(池田宇右衞門君) 只今より委員会を開会いたします。 最近における郵便物配達先調査事件に関する件を議題といたします。質疑のある方は御発言を願います。
○永岡光治君 最近におきまして郵便局に或いは又郵便集配人に対して官憲からの信書秘密侵犯の疑いのある行為が全国数カ所に亘つて起きております。先だつて上田の郵便局の外務員に対して或る郵便物についてその発送先、届先、通数等についての照会があつて幸いにして郵便局員の毅然たる態度に会つて、このことは防止することができたのでありますが、その際に本会議において私から副総理以下関係大臣に対して緊急質問を行いまして、本件の真相乃至その後の取扱いについて厳重なる取扱い方を措置するようにお願いして善処を要望いたしたのでありますが、政府のほうの答弁では、その事実を認め、陳謝をし、更に善処することを約束されたのでありますが、先ず私からお尋ねしたいのでありますが、その後依然としてこのような案件が出て来ておる事実を見ますと、当局の措置は不十分ではないかと私は考えるのでありますが、どのような具体的な措置を講じ、そうして又このようなことを犯した当の行為者に対してどのような処置をしたかを先ず承わりたいと思うのであります。
○政府委員(斎藤昇君) 国家地方警察本部といたしましては、如何なる犯罪捜査或いはその他必要があるにいたしましても、法律に違反をしてやるということはやつてはならないということはかねがねから十分教育をいたしておるのでございますが、或いは捜査員に、一般に管内の情勢を知りたいというような意味から、郵便物法の違反には或いはならんにいたしましても、余り行過ぎた事柄を聞き込もうとしたり、そういうことのないようにという注意は加えておつたのでございます。先般御指摘のような長野県で公安調査官が郵便物の発送先を聞いたというような事柄がございました。特に郵便物法にいわゆる信書の秘密を犯す罪とか或いは郵便関係の職員の守らなければならない秘密の義務に違背させるような事柄をなさしめるということに相成りましてはならんと存じまして、特に郵便物法関係の法律等も詳しく、こういうことをやればいけないのだからということを通知いたしまして、さような疑を受けないように厳重に注意を加えておる次第でございます。その後の私のほうのとりました措置はさような状況でございます。
○永岡光治君 この前の本会議における法務大臣の答弁は、この事実に関係している当事者、つまり調べた警察官、それに対して厳重なる措置を講ずるということが第一点、それから全国の調査官会議を開いて対策を協議し、厳重なる措置を講ずるということを約束したのが第二点ですが、そのことが行われたかどうか。行われたとすればどういう結果になつておるか。
○政府委員(斎藤昇君) これは公安調査庁についてお答えになつたのじやないかと思いまするが、長野の具体的な事件を中心にされまして、警察といたしましては未だ具体的にさような郵便法違反を犯しておるという事実の報告は受けておりません。さような事実がありまするならば、同様に厳重に処置をし、将来も更に具体的な事件について戒めなければならないと、かように存ずるのであります。
○永岡光治君 法務次官はお見えになつておりませんか。来ていなければ法務次官については後ほどその点について追及いたします。 只今国警長官の答弁によれば、警察官においてそういうような行為を行なつた場合には厳重なる措置を講ずるというお話でありますが、今日まで全国でそういう例は国警のほうには挙つて来ておりませんか。
○政府委員(斎藤昇君) 新聞によりますると、高知県の三原郵便局で、ここで「アカハタ」がどのくらい、配達されているだろうかというような意味のことを聞いたというような新聞記事がございましたので、調査をいたしましたところ、沖という巡査が世間話として、「アカハタ」がこの頃来ておりますかというような雑談をしたことがあるという程度でありまして、特にこれは法律違反をやつたというほどではありませんが、今日警察の思想調査とかいろいろなことを言われている際、こういう聞き方も余り適当でないというので、これは現地におきましては恐らく厳重な訓告を加えた程度であろうかと考えております。
○永岡光治君 そうすると国警本部のほうで把握された事件というのは高知県における事件が一件ですか。
○政府委員(山口喜雄君) 数日前でございましたか、広島の管区本部に対しまして島根県の安来地区警察署管内の問題につきまして広島の全逓の地方本部の役員の方からお話がありました。もう一件は群馬県におきましてやはり全逓の地方支部の役員の方から隊長にお話があつたのであります。国警関係といたしましてはこの二件があつたと思います。
○永岡光治君 国警では二件のようでありますが、郵政当局にお尋ねいたしますが、郵政当局で把握されている件数はそれだけですか、それ以外にありますか。
○政府委員(齋藤信一郎君) 私どものほうで下部機関から受けました報告によりますと、高知県の三原の問題がありましたときに、やはり土佐中村という郵便局で同様の事例があつたという報告を受けております。それからもう一つ、神奈川県の西秦野の郵便局についてやはり同様の事例があつたという報告を受けております。
○永岡光治君 群馬県では私たちの知つているところでは二件あつたように承知しておるのでありますが、駒形郵便局と室田郵便局というように聞いておりますが、この点は今の私の御報告には両方ともなかつたようでありますが、室田の局だけしか挙つて来ていないのでありましようか、どうでありましようか。
○政府委員(齋藤信一郎君) 私どもの受けました報告では、群馬県の室田におけるものと、同じく群馬県の駒形におけるものと二つでございます。
○永岡光治君 どうも答弁を承わつておりますと、郵政当局で把握された、つまり地方下部のほうから挙つて来た件数が国警本部にそのまま把握されていないというところをみますと、両者の間の意思も完全に疏通していないし、そのことがしばしば善処するという言葉では現われておりますけれども、依然として全国にこのような事件が絶たないという結果に私はなつているのではないかと思います。本件は私から申上げるまでもなく、明らかに憲法で保障されております第二十一条の、通信の秘密を侵す予備罪と私は見ざるを得ないと思うのでありますが、長い間に亘つて通信の秘密を確保する、個人の基本人権を守ることができてこれが憲法保障でされているのでありますが、そのような重大事件をどういう目的であるにいたしましても憲法を侵すような疑いのある事件が起きておる、このことについて政府は非常に怠慢であると私は思うのでありますが、一体この国警本部にいたしましても、郵政当局にいたしましても、これらの問題についてどのような見解を持つておられるのでありましようか。先ず基本的な考えを私はもう一度ここで明確にいたしたいと思うのです。御所見を承わりたいと思います。
○政府委員(斎藤昇君) 私ども警察当局といたしましては、信書の秘密を守るということは御所見のように、憲法で保障された非常に大事な基本的人権だと考えております。従いましてかようなことは絶対にないように期したい。そのために努力をいたしておる次第でありまして、先ほどの神奈川、群馬等の事件につきましては、只今調査中でございます。今後とも郵政当局と緊密に連絡をいたしまして、さような疑いがありまする際には厳重に調査をいたしたいと、かように考えております。
○永岡光治君 この事件は、つまり秘密を侵そうとする意思を以て明らかに調査をしておるのでありまするから、私は郵便法違反であり、憲法違反だ、予備罪と認めざるを得ないと思うのでありますが、この点はどのように考えておられますか。
○政府委員(斎藤昇君) 私はどういう郵便物が来たかという個人的な事柄を言うことはまさしく御指摘の通りだと思うのであります。ただ例えば、この頃郵便物が多いか少いか、「アカハタ」が管内に来ておるかおらんかという点は、私は法律解釈としては、これは信書の秘密を侵すというところには入らないと、かように考えます。考えますが、ただ先ほど申しましたように、やはり思想調査というような疑いを受けまするので、さようなことは必要がないわけでありますから、さような好奇心に駆られた質問なんかは厳に慎しむようにということを考えておるのでございます。
○永岡光治君 ただこれはお茶飲み話で、どういう郵便物について、どこどこへ郵便が来ておるかどうかというのは、冗談混りのことであれば、或いはそういう今国警長官の答弁されたようなことが成立つかも知れません。併し現実に私服或いは制服を着た警官が郵便局に立入り、或いは外勤を捉えて、どこどこにはどういう郵便物が何通行つておるか、それから発送先は誰か、それから宛先は誰かということを聞くにおいては、これは当然私は郵便法の第八条乃至第九条、それから憲法の第二十一条違反と断ぜざるを得ないのでありますがそういうことでもなお且つ国警長官は法律違反と認めないのでありますか。
○政府委員(斎藤昇君) 只今のように具体的にどこどこへどういう郵便物が来ておるか、或いはこういつた郵便物がどこへ配達されておるかということを聞きますることは、これは私は少くとも郵政職員の秘密を守る義務を侵させるような質問だと、かように考えます。こういうことは厳に慎しまなければならないと、かように考えます。
○永岡光治君 私は慎しまなければならんことは勿論でありまするが、そういう意思を以て行なつておるその行為は予備罪にならないかどうか。
○政府委員(斎藤昇君) 法律論といたしますると、予備罪という、そういう罪名にはこれは触れるものではないと考えます。
○永岡光治君 それはどういう理由で、これは法律論の問題になりまするが、そういう意思を以て、明らかに憲法では御案内の通り、条文を読み上げますれば、第二十一条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」ということになつておりますが、これに通信の秘密を侵すことになりませんか。私はこれは通信の秘密を侵すということになると思うのであります。
○政府委員(斎藤昇君) 憲法にさような基本的な、何といいますか、考え方を明記をいたしまして、これを確保するためにそれらの法律がある。例えば刑法には信書を侵す罪、それから、郵便法には御承知のようにいろいろ細かい規定がございます。これらの規定に触れる、その場合に刑罰に付する場合があります。又郵便法の中にも刑罰ではなくて、何といいますか、規律罰といいますか、郵便職員だけの秘密を守る義務を課しておる部分があります。そういうように個々に法律で規定をいたしております。その法律に触れました場合に、只今おつしやいまする或いは法律の規制がある、かように考えるのであります。只今例にお挙げになりましたような点はこれらの予備罪として論議をする、こういう性質のものではない、かように考えております。
○永岡光治君 それでは具体的に例を挙げますが、郵便法の第九条には、「郵政省の取扱中に係る信書の秘密は、これを侵してはならない。」、こういうことに相成つております。そこで私は先ず前提としてお尋ねしたいのでありますが、信書の秘密とは、郵政省当局に先ずお尋ねいたしますが、宛先、差出人、それはこの中に包含されますか、どうですか。
○政府委員(飯塚定輔君) 郵政当局としては、信書の内容のみならず、発送人、宛先をも含めて信書の秘密として取扱つております。
○永岡光治君 只今郵政当局の見解は、差出人及び宛先も含むという解釈であります。従つて、若しこの取扱にかかる信書にして、警官において発送人及び宛先を侵すということになれば、これは私は第九条違反と認めざるを得ないと思うのでありますが、その見解はどのような見解を持つておられますか。
○政府委員(斎藤昇君) 御所見のように第九条違反だと思います。
○永岡光治君 そういたしますと、私は、これは勿論こういう個々の例を調査しなければわからないと思うのでありますが、先ず私たちの知る範囲内においては、制服乃至は私服によつてこういう郵便官署乃至は職務中の外勤に対して、これは職務中でなくても、外務員は退職してまでもその義務を、秘密侵犯から守る義務を負わされている重大な問題でありますだけに、所或いは時の如何を問わず、私はそういう行為に及んだ例があるとすれば、十分これは刑法に問われるべき筋合のものと考えざるを得ないのでありますが、その初の見解は、私の今持つておる見解と違いないと思うのでありますが、念のために私は国警長官のほうにお尋ねしたいのであります。
○政府委員(斎藤昇君) 第九条に明らかに違反した場合には御所見の通りだと、かように考えます。ただ、先ほど私が述べましたように、例えば「アカハタ」は最近多くなつておりますか、或いは少くなつておりますか、或いは大体どのくらい部数が来ておりましようかというようなことは、法律上はこれには入らないと、かように思います。
○永岡光治君 その論議はいずれ後ほどに譲ることにいたしまして、私は只今国警長官が述べておるように、毎々具体的には「アカハタ」の例を取られておりますが、それの配達先、宛先という問題にいたしましても、当然憲法第二十一条乃至は郵便法の八条、九条のところの精神に基いて、私は当然そのことも許さるべき筋合いのものではないと、こう考えておるのであります。 そこでお尋ねしたいのでありますが、最近警察大学でございますか、そこの講習科目の中に、信書を極く秘密のうちに開ける講習を学生に教えておると、こういうふうなことを実は新聞紙上で承知したのでありますが、如何なる実は考えでそのような講義をされておるのでありましようか。これは信書の侵犯の意思が明らかにあると言わなければなりません。憲法二十一条、郵便法八条、九条に、それによつて侵す意思がなければ……、それはどういう意思があろうとなかろうとにかかわらず、その行為を現実に犯せば明らかに憲法二十一条及び郵便法第八条、第九条に私は違反すると思うのでありますが、そのようなことについてどういうような考えを持つておられますか。
○政府委員(斎藤昇君) この点は非常に誤解を持つて新聞等に報道されておりますので、明瞭にして頂きますことが非常に我々にとつて仕合せだと考えておるのでございます。 先ず一つは、警察大学においてさような講習その他をやつておるという、この事実はございません。ただ警備関係の、何と言いますか、警備情報担当者に対しましては、別に講習を以ちまして、警備情報というものを、どういうようにして法律に触れずに、そして我々がこれを明らかにするかという講習をときどき開いておるのであります。御承知のように今日の、特に共産党の活動は極めて何と言いますか、秘密的な、秘匿された組織の下に、而もいわゆる軍事組織或いは軍事活動というものを準備をしているということは明らかな事実であります。従いましてこれらの極端に秘匿された組織の中で如何なることが計画をされておるかということを知りますことは、治安の維持上当然にして又極めて必要なことなのでございます。でこのために、そういつた秘密の組織の内容をどうして我々が許された範囲内において知り得るか。これはどの民主主義国におきましても、これらに対する調査というものは、何といいますか、真剣に行われておるのでありまして、これが人権を毀損せず、又法令等に背反せず行うということ相当むずかしいいろいろの技術を必要とするのであります。その一つといたしまして、秘密に渡されるまあ文書、これは信書を侵犯することはできませんが、信書でなくて、彼らのいわゆる機密文書というものが手から手へ渡されるものでありますことは御承知の通りであります。かような場合に、我々に対する協力者が、そういう文書を持つて来てくれるというような場合に、たまたま封がしてあつた場合に、やはり封を開けて見なければならんのでありますから、而も封を開けたということがわからないような方法で開けなければならんのであります。これは逆に共産党の人防組織といいますか、におきましては、又我々の内部に対しても同様なことをいたしておるのでありますから、如何なることをいたしておるかということを知ること自体、我々の秘密を防衛する必要にも相成るわけであります。そういう意味合いから極端な秘密の書類に相成りますると、封筒を開披したかしないかということを後において発見するためのあらゆる又むずかしい技術を用いているのであります。どういうような技術を現在用いているか、そういつた事柄をよく知つているということが極めて肝要でありまするので、そういうことについて必要な知識、技術を授けておるのでありまして、どこまでもこれは、先ほど申しまするような郵送される信書、或いは手から手へ渡されるにいたしましても、信書の形になつているというようなものについて行うものでは断じてないのであります。その点は御安心を頂きたいと存じます。
○永岡光治君 まあ警察当局はいろいろな機密情報の収集について御苦心されるその御苦心は大体わからんわけでもないのでありますが、今私が問題にしておるのは、であるとすれば、それは当然一つの法律の手続を経て、然るべき法に保障された手続によつて私はさるべきであつて、今長官のお答えによれば、二つの点を挙げられて、この秘密に開ける方法を講習しているというお話でありますが、その一つには、先ず違法にならないようにということが第一点であります。それから第二点は、迷惑にならないようにということを挙げておるようでありますが、第一点として、これは明らかに通信というものは、必ずしも郵便に出されたものが通信ということだけでは……、私は憲法第二十一条でこの通信の秘密を守るということは、信書として出されたそのものだけではなくして、もう少し私は広い範囲を含むものと解釈しなければならんと、こう思うのであります。従つてその事の如何を問わず、或る個人から或る個人に対して意思を伝達する通信というものについて、これを方法の如何を問わず、とにかくそれを開けるという意思を持つて行う限りにおいては、これは明らかに私は憲法で保障されている第二十一条の違反であると認めざるを得ないと思うのであります。これが第一点であります。 それから第二点の問題でありますが、これはそつとしたから違法になるとか違法にならんとかいうことではなしに、わかつてもわからなくても、いやしくも法律を侵すものはやはりこれは法律の違反であつて、郵便で出されようと出されまいとにかかわらず、憲法で保障されておる通信の秘密を勝手に、而も官憲の手によつて行われるということは、これは私は違法であると、こう断定せざるを得ないと思うのであります。それから迷惑になるならんという問題でありますが、これは先ほど申上げましたように、秘密で開けたから迷惑にならない、堂々と開けたから迷惑になるという筋合のものではないのであつて、当然これは調査しなければならん対象になるとすれば、明らかにこれは法で以て手続を履んで、私はそういう開披の必要があるのではないかと思うのでありますが、この前者の違法の問題と後者の問題について国警当局はどういうお考えを持つておるのでありましようか。
○政府委員(斎藤昇君) 信書は必ずしも郵便物の形になつておるものとは限らないということは御所見の通りでございます。従いまして、手から手へ渡される信書の秘密ということもございます。私が申しておりまするのは、さような信書の秘密は侵してはならんということは十分に守らせておるつもりでございます。そういつたものでなくて、例えば極秘できめた方針、それを書いたもの、これが厳封をされておる。協力者がそれを持つて来てくれる。私は、迷惑にならないためにと申しまするのは、その協力者に迷惑にならないためにという意味でございます。又これが場合によつたら官憲或いは第三者に見られたということによつて方針を変える場合がありまするから、我々の調査の目的もそのために達しないのであります。 例えば先般の関三治郎が樺太から或る暗号の通信を届けるべく持つて来た。あれは直ちに違反事件として検挙をいたしたのでありますが、場合によりますると、これを検挙するよりも、その暗号をこちらが手に入れて、そうしてそれを誰が取りに来るかを関三治郎の埋めたところを見て、そうしてあとの捜査を続けるという必要が起る場合があり得るのであります。暗号は極めて厳重に密封をされておるのでありますから、これが第三者によつて開けられたということであれば、その暗号は用をなさないのであります。併しながら治安当局といたしましては、そういつた暗号を知られずに開けて見て知つておるという必要が生ずる場合があるのであります。かような場合に、正式の手続を経てということもできる場合もございまするが、正式の手続を履むことによつて我々の捜査の秘密が漏れてしまつて、将来へのそういつた意味の捜査が続けられなくなるということにも相成るのでありまして、我々といたしましては、法律に禁止されていない以上、併し法律に禁止されていなければ何をやつてもよいというわけではございませんが、治安維持上必要な最小限度において、そういつた場合におきましては私は社会通念上許さるべき事柄であろうと、かように考えておるのでございます。
○永岡光治君 まあ今例に挙げられました暗号の問題は、これは通信に入るかどうかということは多少疑問があるかも知れませんが、いずれにいたしましても、とにかく或る特定人から特定人に、これは多数と少数とを問わず、渡されたものは、これが郵政省の取扱にかかろうとかからないとにかかわらず、明らかにこれは通信であります。従つてその通信を侵す、秘密にしろ公然にしろ、それを侵すということは、明らかにこれは私は憲法違反であると断定せざるを得ないのでありますが、この点をもう一回私は伺いたいと思いますが、どうでございましようか。
○政府委員(斎藤昇君) 誰から誰へというものは、これはやはり信書でございます。従つてさようなものは開封はできません。併し、一般に極秘のそういつた綱領、計画、或いは極秘のものは宛名も差出人も全然ございません。全くの白紙の封筒で、それが誰に渡るものであるかはわからない、そういうものでございます。
○永岡光治君 そうすると国警当局の見解は、或る個人から個人に手渡されるものであつても、それに宛名が書いてない限りは、これはまあ不特定人ということで、而もその内容はどういう通信の内容であろうとも、中にどういう意思の伝達を書いておろうとも、それは通信でないと、こういうふうに断定されておるのですか。
○政府委員(斎藤昇君) 通信であるかないか、開けて見なければわからんわけでありますから、四囲の情勢から通信だと認められる場合にはこれは遠慮しなければならないと考えますが、私どもといたしましては、宛名もなければ差出人もないというものは通信とは考えておりません。
○永岡光治君 これは宛名を書いておろうとないとにかかわらず、少くとも私はこのことは通信と見ざるを得ないと思うのです。或る人から或る人に対して意思の伝達を記載された文書が中に入つておる、これは明らかに通信だ。これをたまたま開いた結果通信であるということを知つた。結果的にこれは犯罪を犯した。こういうことになると、それは結果的に犯したのであるが、最初の意思は、通信でない、そういう善意は法律論の上では、私は通信でなかろうという善意で以て開けたということは法律論では問題にならないのです。いやしくもその中に若し或る個人から或る個人に宛てた意思の伝達の文書が記載されていたらどうでしようか。信書の秘密になりませんか、信書の秘密になりますか。これを私は国警長官にもう一度お尋ねいたします。
○政府委員(斎藤昇君) 私は開けるについてこれは信書であるという認識がなければ、何といいますか、信書の秘密を侵すという意思があつてやつたわけではないわけでありますから、従つてこれは犯罪にはなるまい、かように考えております。
○永岡光治君 そうすると犯罪は善意であるか悪意であるかによつて認定されるべきものか。これは殺す犯意がないにかかわらず殺すことがこの人の幸福になると思つて殺しても、私は明かにその犯した人は殺人罪を問われるべきであろうと思います。信書でないであろうと、そういうふうに思つて善意で開けたけれども、結果的には通信文が書いてあつたということは、明らかにこれは通信の秘密であります。私はそういうあいまいな解釈は許されないと思いますが、どうでしようか。善意であれば、結果的にそれがどういう犯罪にかかろうとも免除されるというそういう考えでおるのでありましようか。
○政府委員(斎藤昇君) 全然犯意がなければ私は処罰の対象にならない、さように考えております。
○永岡光治君 それでは念のために伺いますが、犯意がなければ犯罪に問われないということは、通信のみに限つておるのでありますか、それとも、例えば一般の刑法上の問題についてもでありますか。私は通信と他の刑法上の問われるところは区別すべきではない。犯意如何は別として、相手を殺せば過失致死罪になるでありましよう。これは当然私は問われるべきだと思いますが、その犯意如何が問題を決定する、こういうふうにお考えですか、念のために伺つておきます。
○政府委員(斎藤昇君) これは非常にむずかしい問題で、或いは法務省の刑事局長あたりから答弁があるのが然るべきかと存じますが、何と申しますか、これが例えば信書であるということを知るについて過失があつたとかいうような場合には、過失によつて犯罪を犯すという場合もこれはあり得るかも知れません。併しながら、何といいますか、全然そこに過失がないというような場合には、私は犯罪を犯すという認識が全然ないという場合には犯罪は構成しない、かように考えます。
○永岡光治君 私は憲法で保障されているものはそういうものではないと思う。犯意があろうとなかろうと、いやしくもその通信についての侵犯、このことは人権の基本的な権利の一つとして私は憲法上保障されておるものである。従つて只今国警長官の言うような若しそういう考えであるとすれば、これは重大な問題だと思う。犯意さえ持つていなければどういうことをやつてもよろしいということになるわけです。重大なるこれは刑事上の、今後刑法をどういうふうに運営して行くかという問題についても大きな問題になろうかと考えておりますので、これはいずれ法務委員会、その他の委員会で然るべき機会に追及されなければならんと思うのでありますが、その点は一応考え方としてはわかりました。犯意がなければどういうのでも犯罪でないという見解で、国警本部はそういうふうにしておるということはわかりましたが、私たちはそれは許さるべきじやない、こういうことであるということを申し添えておきます。 そこで私は上田の郵便局で起きたのは、実は四回ばかり同じようなケースがあつたようであります。同じ局について……。その後群馬県で二件、只今のお説のように神奈川にもありましたし、高知に二件、島根県に一件、最近では新潟にも何かあるというような話を承わつたのでありますが、こういうふうに全国至るところに頻々として起つておるとすれば、これは単に警察官乃至は公安調査官のその人個人の判断に基いてやつておるものではないと思う。これは必ず国警本部からの何かの通達や一つの方針に基いてそういうことが行われているのじやないかと思うのでありますが、先だつての衆議院における地方行政委員会でも、国警長官は、一応国警本部の指示に従つてそういうことをやつておるというように答弁をしているようでありますが、国警本部ではそういう方針で進んでおられるのでありますか。
○政府委員(斎藤昇君) 信書の秘密を犯したり、或いは何といいますか、基本的人権を傷付けるというようなことは絶対にあつてはいけないということこそたびたび厳重に申しておりますが、かような事柄をやるようにというような通牒なり指示というものは、これは絶対ございません。その点は御安心願いたいと思います。
○永岡光治君 勿論指示に信書の秘密を侵せとかいうような、そういう馬鹿げた指示をされるべきものではないと思うのですが、或る特殊の通信について、何か発信先なり或いは宛先、或いは部数なりについて調査しろとかいう指示か何か行つているのじやないですか。
○政府委員(斎藤昇君) さような点も全然ございません。
○永岡光治君 そうするとこれは各個々人の判断に基いて行われたということに今の答弁からそれは受取れるのでありますが、どうも私は全国至るところにこういうことがあるし、まだこれは表に出さずにじつとこのままうやむやになつている件数もたくさんあろうと想像されることも私は感ずるのであります。私も曾つて郵政にいた人間でありますし、そういう事情もわかるのでありますが、若し国警本部でそういうことがないとすればどうも私はこういうことにならないのではないかと思うのですが、それを裏付ける資料として、毎月何かの、その所轄内における報告について何か取つておるやの情報を承わつたのでありますが、そういうことはないのでありますか。何か定例報告を取るような指示をされておりますか。
○政府委員(斎藤昇君) 只今のようなことに関連して報告をさせておるというような点はちよつと私ども思い当る点はありません。
○永岡光治君 どこかに関連のある、何か定例的な関連というのか、関連さしているという意識的でないにいたしましても、何かこれに結果的には私は関連の取れるような定期的な報告はなされておるのじやないかと思うのですが、そういうことはありませんか、念のためにもう一遍お尋ねしておきます。
○政府委員(斎藤昇君) 定期的なそういう報告というようなものはございません。
○永岡光治君 そうすると今日まで明確にわかつたのでは、私は全国において少くとも新聞紙上に紹介されたものだけでも七件出ておるわけです。このような重大な事件が起つておるにかかわらず、具体的な措置としては、ただ厳重なる注意ということだけでは、済まされないと思うのでありますが、ここに今法務次官も見えて……保安庁ですか、見えておると思うのでありますが……。
○委員長(池田宇右衞門君) 公安調査庁次長です。
○永岡光治君 公安調査庁次長でありますか、その後の措置はどういうふうにされたのでありましようか、具体的に一つお尋ねをいたしたいと思うのであります。それから国警本部のほうでももうちよつと具体的に、未然に防ぐ、そして現実に起きた問題についての措置、これを具体的に私は承知いたしたいと思うのであります。
○政府委員(高橋一郎君) 只今のお尋ねに対してお答えいたします。 公安調査庁関係では上田に起きた事件がございます。この点につきましては、永岡さんから三月三十日に本会議でお尋ねがありまして、当時の法務大臣からお答えいたしております。その後衆議院の郵政委員会でも山花さんからお尋ねがありまして、私から詳しく事情を申上げてございます。更に五月十四日に参議院の法務委員会でも同様の御質問があつてお答えしておるのでありますが、本会議のお答えでは十分事情が徹底していなかつたように考えるのでありますけれども、上田の事件は確かに私どものほうの落度と考えて実は恐縮している次第であります。 事情は朝鮮人の軍事組織に配布されます機関紙がございまして、その配布ルートについて、私どものほうで別途相当確度の高い情報を得まして、併し私どもの役所のやり方といたしまして、そういう一つの情報で或る事実を確認するということはいたしておりません。いろいろな方面からこれ裏付けて、初めてそこに判断の基礎とすべき事実というものを認定するわけであります。この場合もそのような関係からして、その軍事組織の機関紙が実際にそのように配布されているかどうか、これは結局軍事組織を明らかにする一つの重要な手段でありますけれども、そういうことを調べる必要があつたことは、これは事実でございます。ただこの場合に、上田の調査官がその方法を誤りまして、郵便局の外務員に対して、その管内の或る特定人に対する郵便物の配達の個数であるとか回数であるとか、差出人とかいうようなものをお尋ねしたのが事実の概要でございます。いわゆる信書の内容を探知しようとしたというような事案とはちよつと事情が異なるのでありますけれども、併し確かに広い意味で通信の秘密というものに牴触する疑いがありますので、私どものほうとしては今後再びこのようなことのないようにという趣旨で終始措置して参つておる次第であります。 具体的の措置といたしましては、四月の十四日に、私の名前で永岡さんと法務大臣との本会議での問答、その他資料を詳細に添えまして、全国の調査官に通知をしてございます。それから五月の十、十一日に、全国八ブロックの局長を集めまして、その席で重ねてこの通牒の趣旨が全職員に徹底するように申渡してございます。本人に対しましては事件の起つた当時及び四月の、日はちよつと忘れましたけれども、中旬に上司を呼びまして、これを通じて厳戒に付してございます。大体において万全の措置を講じたように考えておる次第であります。
○永岡光治君 これは今の事情で明らかになりましたが、私は犯したこの人の罪をどうこうという問題よりも、むしろそれよりも、こういう事件を起すに大きな背景をなしておつた公安庁当局の指示といいましようか、只今も明確になりましたが、こういう情報があるので是非調べろという指示をなしたということでありますから、明らかにこれは公安庁の本部の指示に基いた行為だ、明らかに。従つてこれは公安庁の指示に基いた行為でありますから、明らかにそういう意思を以て行われた以上は、何と申上げましても、これはもう憲法乃至は郵便法の違反には間違いのないことである。これは只今の次長さんの御答弁によりますと、広い意味での通信の秘密の侵犯の疑いがあるということを言われておりますが、疑いじやないのです。これは郵政当局も言明されておりますように、宛先、通数、差出人、こういうものは信書の概念の中に入るということを明確にしているのでありますから、仮にもこれをそういう意思を以てやつた限りにおいては、これはもう明らかな犯罪であります。これは公安調査庁長官がその犯罪の責任を私はとらなきやいかんと思うのですが、その点はどういうように考えておるのでありますか。
○政府委員(高橋一郎君) 私どものほうでは、例えば秘密の軍事組織などを調査いたしますために、一つの情報に頼らずに、いろいろな面からその事実を確認し得るだけの資料を調査せよということは、これは私どもの仕事の本来の目標でございますから、これは役所としてその方針でやつております。その場合に、只今永岡さんの御理解になつたような、現に上田でとられたような方法をとれというようなことを何も役所として指示しているわけではございません。その点は十分御理解願いたいと思うのであります。一般に目標となつております事項を、各方面から確認し得るだけの調査をせよということを申しておるのでありまして、上田の場合には、そのための方法として上田における駐在調査官がこの方法をとつた。それが間違つておつたのでありまして、間違つた方法をとれということを私どものほうで指示しておるという事実は絶対ございません。 それから信書の秘密を侵したというのではないけれども、広く通信の秘密に牴触する疑いがあると私申上げたのでありますが、今永岡さんもおつしやつたように、郵便物の差出人であるとか或いは個数であるとかいうようなものも、信書の秘密ではないが、広く通信の秘密に含まれるという解釈であること、私もよく存じております。ただこれが幸いにして郵便局の外務員の方が拒絶されたので、結果の発生を見なかつたわけでございます。ですからその辺はいわゆる郵便法違反の事実の成否というような問題になりまするというと、いろいろ私は法律上むずかしい問題があろうと思うのであります。私はそういう意味で先ほどのような表現を用いたのでありましていずれにしましてもこういう方法をとらないようにという結論で、その趣旨で法律的な点も明らかにして、四月十四日に通知をしたのでございます。その点御安心願いたいと思います。
○永岡光治君 公安調査庁のとられました態度は今御説明になられましたが、国警本部のほうで全国の警察官に対してはどのような措置をとつたか。又今までに起きた事件についてどのような措置を講じようとしているか。先ほど御説明があつたようでありますが、この際公安調査庁の措置上併せて承知しておきたいと思うので、明確にされたいと思うのです。もう一回具体的に答弁を願いたいと思います。
○政府委員(斎藤昇君) 先ほども申しましたように、長野県で起りました事件を特に何と申しますか、例に引きまして、かような場合においては郵便法違反になることは明瞭である、かようなことは恐らく他にないであろうと思うが、こういつたことのないようにという注意を喚起をいたしたのであります。文書において全国に注意をいたしますると同時に、又関係官の会合の際にもこの点を特に明らかに指示をいたしておるのでございます。 で、現在起きました件、先ほどお述べになりました高知の件につきましては、これは特に高知のうちで、中村でしたか、この件につきましてはさような事実がないという報告に接しております。 一方の三原のほうにつきましては、先ほど申しましたように、最近「アカハタ」が来るか来ないかという質問をしたという事実があるということであります。で、これは郵便法違反には勿論なりませんが、さような思想調査をしているのじやないかと疑われるようなそういうまあ質問と言いますか、話と言いますかは、今後避けたほうがよろしいという注意をこちらからもいたし、又高知の隊長も厳重に警告をいたしたと報告を受けておるのでございます。 それから群馬県におきましては、駒形局の事柄につきましては、これはさような事実がないという報告に接しております。 室田郵便局の件は、やはり最近「アカハタ」は郵送せられているかどうかというような点を雑談の際に聞いたそうでありますが、局では、今「アカハタ」は合法紙だから誰でも読めるものだし、又これは郵便では配達されていないと、こういう話がまああつたという事実であります。これも高知と同様に措置をいたしておきました。 それから神奈川県の問題につきましてはさような疑いを受けるようなことがあつては相成らないということを警察隊長から厳重に戒告をした、かように聞いております。
○永岡光治君 どうも、その今の国警長官の御説明ですが、殆んどそういうような事実がないというように受取れたのでありますが、これはまあ新聞紙上でも、私のほうの調査によりましても明らかにそうではないのです。駒形の場合には、先ず最初に電話がかかつて来た。で、それは警察官だと、こういうことを前置きして電話がかかつて来た。で、それは郵便法違反になるというので拒否したところが、今度は私服警官と思われる者が窓口までやつて来て同じような要求をしておる。窓口でも断わつた。今度は集配人の控室まで参りまして、そこでも又いろいろ言つたけれども、これも断わられた。最後に郵便局長まで行つて、郵便局長に断わられてやつと退去したという事実が、これは新聞紙上にもありましたし、私のほうの知つている人の、組合のほうの情報でもそういうことが出ているのでありますから、そういう事実がなかつたということは私はちよつとおかしいと思うのであります。事実これは郵政当局からもそういう例があるということを言つているのであります。郵政当局の監察局長の答弁では、そういう事実があるということを言つている。その点はちよつとおかしいじやありませんか。
○政府委員(斎藤昇君) とにかく私のほうといたしましては、群馬の警察本部からは、警察官でさようなことをやつたことはない、調査した結果はないという報告になつているのでございますが、郵政当局にさような御報告がある。或いは只今の永岡さんの言うようにそういう資料があるということでありますれば、更にそれらの資料を頂載いたしまして、十分再調査をいたしてみたい、かように考えます。
○永岡光治君 質問はこれ以上続けませんが、いずれにいたしましても、私は全国にこういう事件が次から次へと起つて来るということは、時節柄各種の情勢からして、再び昔の暗黒警察政治に帰つて来るのではないかということが新聞の論調にも広めいておりますだけに誠に悲しむのでありますが、こういう意味で、まあ公安調査庁の次長さんもお見えになつておりますが、一つ更に厳重な適切な方法を講ぜられまして、再びこのような事件が起らないようにこの際特に要望いたして、果してこのような事実があつたかどうかについて、事実があれば、先ほど国警長官のほうから断固たる措置を講ずるという御答弁を得ておりますから、これはまあその侵した個人その者よりは、恐らくこれは中央からの何らかの指示に基いて行われたという形跡があるのではないかと思うのであります。というのは、全国至る所に出て来ているというところから実はそういう疑念を持つわけでありますが、そういう意味で、事の如何によつては、やはり国警本部におきましても、みずから一つこれを厳重なな措置の対象にせざるを得ないような問題に発展するのではないかと思つているのであります。重ねて要望するのでありますが、どうかそういう不幸な事態に立ち至らないように未然にこのことを防ぐように、そうして憲法や郵便法で保障されている基本的人権、長い間かかつてやつと確保できた憲法の基本的人権がかりそめにも侵されないように、厳重に一つ守つて頂くようにお願いいたしまして、一応私の質問、要望を終りたいと思うのであります。
○委員長(池田宇右衞門君) ほかに質問等はありませんか……。永岡委員何か希望が。
○永岡光治君 それで一つお願いしたいと思うのですが、今のでもわかるように、郵政当局もそれから国警乃至は公安調査庁の間も必ずしも意思が疏通していないと思います。これは私は、郵政省では厳重なる通達をした、処置をしたということをおつしやつているわけです。郵政当局としては事務的にとるとすればそういうことだろうと思いてます。併し同じ閣僚で席を置いておつて、郵政大臣と法務大臣、若しくはそういう国警担当の現在まあ国務大臣がおりますが、そういう方々の間がぴつたりしていないということは、やはりこの問題について政府として十分閣議において討論されていないからだと私は思います。従つて私はここでとるべき処置は、閣議でこの問題を一つ政府の全般的な問題として、いずれにして 三大目標の一つになつておる郵便事業法のこれが侵犯されているということに至つては、私はこれを放置できないと思います。で、一つ吉田内閣の厳重なる猛省を促す意味において、閣議にお不幸な事態に立ち至らないように、未いてこの問題を取上げて、的確なる措置を講じてもらうということが一つ。それから今も国警長官からお話がありましたように、そういうことがない、調べたけれどもないという極めてあいまいな答弁なんです。従つて私は現地の的確なる情報を私たちも聞く必要がある。せめて願わくば只今国警長官のおつしやるような、そういう侵犯の虞れのなかつた問題であることを願うのでありますが、併しいやしくもこれが問題になつている以上は私は聞く必要がある。取りわけ地方行政委員会に警察法の問題がかかつておる矢先、この問題について現地の証人の出席を求めて調査をするということを決定しておるようでありますので、私は当然この地方行政委員会よりは、むしろ通信のこの秘密侵犯という問題については当委員会の大きな使命の一つではないか、国民の附託に応える意味においも私は当委員会の大きな任務だと考えますので、そう遠くは要求いたしませんが、極く近くで解決をされる二、三のものについて、委員長において特にこれを証人として呼んで頂くように、いずれまあ呼ぶことになれば、これは当委員会だけのみならず、地方行政委員会もダブる必要はありませんから、一緒にやつたほうが運営としては効果的であると思いますので、そういう意味での二、三の実例の箇所を証人として事情聴取する、喚問をして頂くというように私はお願いしたいと思います。
○委員長(池田宇右衞門君) 本日は両理事も見えませんから、いずれ委員長は理事会を開きまして、只今の御趣旨をお伝えすると同時に、次の委員会において、本日は法務の政務次官が見えないことは遺憾でありますので、従つて法務大臣に出席を求めて、一応注意を促して結論を出したいと、かように思います。
○永岡光治君 これは重ねて明確にしたいのですが、これはいずれ地方行政委員会でも呼ぶのですから、やはり当委員会においても本筋はこちらですから。
○委員長(池田宇右衞門君) 地方委員会でも呼ぶようなことになれば、やはり自分の委員会にも呼ぶのが、それはもう本筋でありますから、その点を明日にでも委員長、理事会を開き、そのときになお永岡委員にも時間が許したら特別に一つ御出席を要望しておきます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十四分散会