郵政委員会 第3号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/02/15
会議録
○委員長(池田宇右衞門君) 只今より郵政委員会を開会いたします。 本日は前回に引続きまして郵政省所管事項について質疑を行いたいと思います。先ず簡易保険の最高制限額の引上げの件を議題といたします。なお、大臣は只今衆議院の予算委員会に出席をして答弁をしておるので、後刻出席することをお許し頂きたいと思います。順序といたしまして白根簡易保険局長に構想の一端を説明願うことにいたします。
○政府委員(白根玉喜君) 簡易保険の最高制限額の引上げの問題についてお尋ねでございますので、事務当局として考えておることと、その後の研究の中間報告を申上げたい、かように存ずるわけであります。 御承知のように簡易保険の最高制限額につきましては、二十七年の国会におきまして、その当時における最高制限額の五万円を八万円に引上げをお願いいたしまして、国会に提出いたしましたところ、御賛成を得まして国会を通過して、只今八万円で事業の運営をいたしておるわけでございます。ところがその当時御審議をお願いする際におきましても、八万円は低すぎるのではないか、少くとも十万円以上に引上げたらどうかという御意見も衆参両院におきましてあつたわけでございます。併しその当時における民間保険はやつと起直る見通しができるか、できないかという境であつたわけであります。従いまして民間保険の状況等をも勘案いたしまして、御承認を得て八万円に引上げをお願いして成立したわけでございます。 その後民間保険の起上り状況も相当ようございまして、一例を申上げますと、その当時における民間の無審査の平均保険金額は七万数千円であつたわけでございます。ところがその後民間の起上りによりまして、昭和二十七年におきまして十一万数千円になつております。二十八年の平均保険金額はまだ確定的な数字は掴んでおりませんけれども、推定いたしますと、二十八年度で十二万数千円に相成つておると推定されるわけでございます。かようなふうで民間の起直りも相当好調振りを示しております。 一面現行の八万円で参りますと、募集の可能範囲が年々歳々縮小して参るわけでございます。たとえて申上げますと、戦前と違いまして、現在の保険の募集に当りましてはどうも世帯主中心の傾向があるわけでございます。先ず家族の生活安定と申しますか、家族を保険に入れるよりも、一軒の世帯主が亡くなつたとき或いは相当高年齢になつたときに、保険を掛けておいて一家の生活の安定を図りたい、こういうような気配が相当見えておるのでございます。この例は戦前におきましては、簡易保険の加入千人当り千件以上に当つておりました。千対千十四、五にいつておりました。と申しますのは、大体相当普及しておつたわけでございます。無論一人につきまして最高制限額が引上げあるごとに入られて、一人で二件入つておるのもありますが、それらのことを考慮に入れないで件数で申上げますと、たしか千対千十七程度にいつておつたわけであります。ところが現在で申上げますと、過去の小額契約を入れましても、千人に対しまして五百数件に相成つております。このことは世帯主を中心にして簡易保険に入りたい、被保険者は世帯主にしたいという一つの証左であろうかと思うわけであります。そういたしますと、どう申上げましても現在の最高制限額は低過ぎる。この制限によりましては到底保険的効果と申しますか、それが薄いということは事実であると思うわけでございます。 そこで我々といたしましては一面事業経済の面から申上げましても、事業経済のことを補足御説明申上げますと、計数外観的には二十七年度で簡易保険の余剰金は七億程度の決算が出ております。併しながら一面民間の利益配当或いは保険料に比較いたしまして簡易保険はいずれも低めでございます。保険料の面から申上げますと、或る種類においては民間のほうが不利、或るところにおいては管理保険が不利というようなことがでておりますが、総体的に見ますと保険料においてすら簡易保険の面は民間の保険料に比較いたしまして、実は或る程度高いように見受けられるわけでございます。他面利益配当の面にいたしますと、遥かに低うございます。これらのことにつきましても、我々といたしましてはせめて民間程度までは持つて参りたい、かように存じておりますが、僅か二十七年度で七億程度、今年度で本数億仮に出たといたしましても、その面だけでそういうところまでは行き得ないのでございます。 のみならず、簡易保険の実情を申上げますと、丁度簡易保険は二十三年、二十四年頃が一番どん底でございました。物価は相当上がりますし、而も人件費は上がつて行く、従つて簡易保険は、GHQのごときは、こうたつて行かなければ国営保険はやめたらどうか、まあ国営に勿論不賛成の国柄でもございましよう、そうした事態であつたわけでありまして、起死回生の妙薬はないか、多少カンフル注射的なことを考えなければ、保険は生きられないという観点からいたしまして、保険的効果から見れば非常に如何と思われる、五年払込み十年満期、五年払込み十五年満期という業種を認めたわけでございます。五年払込み十年満期と申上げますのは、大体五年間保険料を払込ませいたしまして、満期は十年になつてお金をお払いする、こういう契約種類でございます。その契約種類をやつたために、現在は表定保険料の中で約三割程度のものがそれに当つております。その創設したのが二十三年でございますので、二十八年から除々に歳入減が出て参るわけでございます。最高来年度になりますと四十六億程度歳入の穴があくわけでございます。従いまして私どもといたしましては、事業の面からいたしましても、或る程度利益配当のところも考えるとか、又その歳入欠陥を補うという面からいたしましても、この八万円程度では事業的に見ましても如何かと、こう考えられるのでございます。従いまして事務当局といたしましては、どうしても八万円を或る程度上げなければならない現状にあることは否めないのでございます。是非この際上げて頂くように御審議をお願いすべく今研究もしておるわけでございます。従いまして現段階におきましては、私のほうから関係省であります大蔵省方面と折衝中でございます。従いまして金額につきましては、まだ郵政省といたしましても確定しておるわけではございませんで、今後折衝いたしまして、政府案としての金額を確定すべく只今努力中でございます。 概略の説明を申上げました。
○委員長(池田宇右衞門君) 御質疑等がございますれば……。
○永岡光治君 只今の説明で一応の最近の経過はわかりましたので、若干質問をいたしたいと思うのでありますが、この前の委員会でも、大臣の答弁で郵政当局のほうで研究をしておるし、政府提案としてこれを出す。こういう御意向だということになつておるのでありますが、政務次官にお尋ねいたしたいのでありますが、政府提案で出すことを決定されたのでありますか。或いはそこまで行つておらないのでありますか。
○政府委員(飯塚定輔君) 政府提案で出したいという意向で、予算その他ともいろいろ勘案して、先ほど白根局長から説明申上げましたように、現在のところ最高限度をどの程度にするか、いつ国会に提案するか、この点について鋭意研究を続けているような次第であります。
○永岡光治君 まだはつきりわからないのですが、研究されているということなんで、その結果によつては政府で出すか、出すようにならないかも知れないという虞れもあるのですか。
○政府委員(飯塚定輔君) できるならば、政府提案で、はつきりしためどをつけて政府提案で出したいという意向を持つております。又先週末の衆議院の委員会においてもこの問題を取上げられて、若し政府提案で出さなければ、議員提案ででもこれを強く主張して行きたいという意向も承つておりますので、これらを勘案している次第でございます。
○永岡光治君 そういたしますと、政府提案の決定する時期はいつ頃になりましようか。
○政府委員(飯塚定輔君) これもこの間の衆議院での委員会のときの話合いになつたのでありますけれども、衆議院では二十日頃までに決定をしなければ遅いじやないかと、そういう意向もありましたので、この点も十分考慮に入れて検討している次第であります。
○永岡光治君 そういたしますと、まあ二十日頃までを目途にして政府提案をするべく研究を進めているという話でありますが、只今保険局長からの説明をお聞きいたしますと、八万円では駄目だということはわかつているが、さてこれは何万円が適当であるかということについては余り触れられていないのですが、研究をされている以上は、一応の目途があろうかと思うのでありますが、その点はどういうふうになつておりましようか。
○政府委員(飯塚定輔君) この点もまだはつきりと十万にするとか、十五万にするとか、二十万にするとかいう見当はついておりませんけれども、大体の目標としては先ほど白根局長が申上げたように、関係当局である大蔵当局とも協議しており、又先週末までの衆議院の委員会の御意向としては、この際は二十万円ぐらいにしてはどうかという御意向も入つておりまするから、これらの点も今検討している次第であります。
○永岡光治君 この金額の点については重ねてむしろ私は要望になろうかと思うのでありますが、先の郵政委員会においても大臣に申上げたのであります。それは民間の無審査の保険の金額は御案内の通り三十万円になつております。あれだけの努力をしても、三十万円という目標でやつて、而もまだ十二、三万と承つておりますが、平均いたしますと一件当りの契約額は……。現在八万円ということになると、まだそれ以下のものにもなつておりますし、一件当りの契約額が……。簡易保険の場合は最高八万円を目標にいたしますと、ずつと下廻つておろうかと思いますので、そういたしますと、地方に参りまして私たちが聞く声は、折角簡易保険に入れているけれども、葬式を出す段になると、もう葬式も出せないということで、非常に皆困つている、そういう声が非常に強いので、又現実に私たち考えても、八万円で葬式ができようはずのものではないのでありまして、そういう点から考えましても、まあ三十万円に越したことはないのでありますが、もとよりそれ以上を或いは目標にしたほうがいいかも知れません。特に最近に運用部資金が、相当各方面の融資の関係で政府も手をやいているわけでありますし、インフレを抑えるという立場からいつても、これは是非国家がいたさなければならん仕事だと考えますので、かれこれ考えまして、二十万円は是非確保してもらいたいという要望をしておつたのでありますが、その点は一つ是非とも考えて頂いて、二十万円のやつを是が非でも実現して頂くように研究の際には、重ねて検討をして頂きたいと思うのでありますが、こういう点について御見解をもう一度承わりたいと思います。
○政府委員(白根玉喜君) 簡易保険の保険的効果の面から申上げまして、又簡易保険の性質論からいたしまして、物価指数その他の面から推し進めた永岡委員のお説は尤もな面もあろうかと存じます。ただ我々といたしましては、ほかの貯金類似のものよりも、簡易保険と民営保険との関係は或る程度、相当考えなければならないのではないかと思うわけでございます。と申しますのは、成るほど現在の段階におきましては保険的な思想は相当普及いたしております。併しこれでいいという域でもないかと思うわけであります。それより以上に、私どもの心配するのは保険的思想はあつても保険意欲が出るか出ないかに力点がかかつておると、かように存ずるわけでございます。従いまして私どもといたしましては、官営保険の性質論からいたし、又一面永岡委員のおつしやる物価指数、遺族の生計費等から勘案いたしますれば、そういう数字も出るかと存ずるのでございますが、一面保険的意欲をやはり減殺しないためには、民営保険の伸び工合がむしろ私どもといたしましてはいいほうがいいんじやないか、無論全然力点をそこに置くわけではございませんが、民営の中にも二十社ございます。弱小保険会社もございます。併しその弱小保険会社を中心にして八万円でいいという議論には私どもは絶対賛成いたしかねるのでございます。やはり同業者がどこかに一つ穴が明きまして、いわゆる保険に対する信頼を落すようなことがありますと、保険全体に対する信用が落ちる面もあるのでございます。又資金の面からいたしましても、国家資金の吸収が大事てあると同時に、民間資金の吸収も大事でございます。従いまして私どもといたしましては、一面永岡委員のおつしやる面も相当重点を置きまして、むしろ保険的な性質論から言えば、そこに重点を置くことは間違いないのでございますが、一面現在の民間保険の関係、民業の関係の現在辿つておる歩みを必要以上にチエックするのもどうかと思う面もございまして、只今そういう数字も出ることも事実でございますが、そこをどの程度に調節するかということで、今研究もし、関係方面とも折衝中であることを御了承して頂きたいと思います。
○永岡光治君 ちよつと慮外な印象を受けるわけでありますが、郵政局長からは、二十万円という、こういう私たちの要望について、何だかそれを目途にはしてもそれまで行きかねないような印象を受けるわけでありますが、私どもも民保との関係はこれは勿論国民の代表である国会としても、これは考えなければなりませんが、最近の情勢を、民間関係の保険の状況を承わつておりますと、相当好転の傾向があるやに承わつておるわけでございます。勿論これは事業を余り手広く拡げ過ぎてしまつて信用を落すということになれば問題でございましようけれども、二十万円を目途にしてもなお且つ一件当りの実績、契約数を見ますれば、私はその半額程度にしかならんのじやないかと思うのです。してみれば、それですら実際の生活に合わない。むしろそれ以上のことを私たちは望んでおるのでありますが、何かこの二十万円について自信の持てないような印象を受けるのでありますが、そういう考えで最初から考えておられるのでありましようか、どうでございましようか。
○政府委員(白根玉喜君) 最初から考える点につきましては、保険事業、官営保険の特質からいたしまして、永岡委員のような考え方も持つております。持つておりますが、民間側の関係も、これは関係省もあることでございます。従いまして両者の主張が一致して二十万円になるということになれば、私どもといたしましては非常に有難いことでございますが、併しそこまで行き得るかどうかというのが一つの問題であるのでございまして、これは政府立案といたしますと、関係官庁もあることでございます。最後の御審議は国会でやつて頂くことになるわけでございますが、私どもといたしましては、政府立案といたしまして、二十万円で持つて参りますということは、ここでは御明言ができないのでございます。
○永岡光治君 大体答弁の裏に考えておる気持はどうやらわかつたような気もいたします。私は再びここで強く要望しておきたいのでありますが、特に我が党におきましては二十万円以下では駄目だという強い決意を持つておるわけであります。従つてこれ以下の金額で若し政府提案が出されるということであれば、勢い議員の権限における修正という問題に発展しようかと考えておりますので、どうかそういう手数を煩わさずに、円満にこの法律案が国会を通過するように、是非ともこの目標だけは、研究されておるそうでありますが、その際に強く国会の情勢というものも含んでおいて頂きまして、是非ともこの金額だけは実現できるように重ねて要望しておきます。一応この項については質問を終ります。
○三木治朗君 私、中座しておつて答弁を聞かなかつたので、重複するかも知れませんけれども、戦争前の簡易保険の額は幾らまで出ておつたのですか。
○政府委員(白根玉喜君) 基準年度で申上げてみたいと思いますが、基準年度では四百五十円でございます。昭和九年—十一年時代におきましては四百五十円でございます。
○三木治朗君 僕がもう三十年ぐらい前に簡易保険に入つたときに、六百円ぐらいもらいましたよ、六百円以上もらつたことがあるですな、それが最高。まあとにかく五百円と仮に抑えても、それのまあ三百倍だと十五万円になるのじやないですか。
○政府委員(白根玉喜君) それでは経緯を申上げますが、大正五年に創設いたしまして、その際が二百五十円、それから十一年が三百五十円、十五年に四百五十円になりまして、昭和十三年に七百円、それから昭和十七年に一千円、昭和十九年に二千円、まあ大体戦時中入れまして……。
○三木治朗君 戦時中で二千円まで行つておるのですか、そういうあれだと、今の貨幣価値に換算すると三十万円でもまだ安い、その議論で押したら二十万円ぐらいは当然とれるのじやないか。私の党としましても、最低二十万円はとつてくれ、主張しろということになつております。それから各方面から手紙で以て、是非二十万円は確保してもらいたいという激励がたくさん来ておるわけなんですから、結局今おつしやつた通り、ここへ出て来てから修正するよりも、国会の空気を強く向うに反映さして、修正しないで済むように、本当にお骨折りを願いたい、こう思います。
○政府委員(飯塚定輔君) 御要望に対しては、大臣ともよく相談し、なお関係大蔵省とも折衝を進めて、できるだけ御期待に副うように進めて行きたいと思います。
○委員長(池田宇右衞門君) それじや今のこの問題は、ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(池田宇右衞門君) 速記を始めて。
○永岡光治君 実は地方へ参りますと、郵便局関係でございますが、無集配の期間の設置乃至は無集配局の集配業務開始、それから町村合併に伴いまして、通信機関としての郵便局の所在地乃至はその事務の点から相当の改革をする必要が出て参りまして、普通局への改訂の声もしばしば聞くわけでありますが、二十九年度において郵便機関についての普通局への改訂、或いは無集配局の集配事務の開始、或いは窓口機関の設置、こういう問題は一応この前大臣から漠然とした郵政省二十九年度の予算案等は承わりましたけれども、具体的にどういうように考えておられますのか、先ずその点をお尋ねいたしたいと思います。どなたでもよろしうございます。
○政府委員(松井一郎君) 只今永岡委員からのお尋ねの点でございますが、地方における集配事務の開始という問題については、かねがね各地からいろいろと陳情の筋を私ども聞いております。ただ私どもとしまして当面非常に重大な関心を持つておりますのは、御承知のごとく町村の合併問題でございます。大体この二十九年度においては、各府県とも相当な力こぶを入れまして、いわゆる最低規模といつたようなものに町村を盛り上げて行きたいというので、各地においていろいろと合併が進んでおるようであります。集配事務をどういうふうに置くのがいいかということに対しては、私どもが基本的にでき得べくんば当該の行政地区と一致した集配機関を置くということは、これは申上げるまでもなく郵便の機能としては一つの理想であります。但し余りにも大きすぎた場合においては、必ずしも一行政町村に一局の集配も置き得ない。又逆に非常に小さな場合に、それを一々郵便集配事務を開始するということは、これは又一つの我々が合理的に経営して行くという立場から見て相当問題がある。勿論その間における郵便のお互いの逓送のやり方といつたようなものを通じて、できるだけ郵便が遅れないようにするというのが、まあ考えなければならん勿論重点であります。そうした観点から見まして、私ども地方からいろいろ出て来ている陳情の中には、一応尤もなようなのもありますし、中には将来の町村の合併を見越して、成るべく中心点を自分のところに持つて行きたいという要望から出ておる請願もあるようであります。まあいろいろな問題を引つくるめまして、もう暫く地方における合併の成り行きを見て行きたい。つまり今年度の大体後半頃になれば、当該の町村の合併状況というものもおよそはつきりするであろう。そうすれば成るべくならば、我々は郵便の速達の面から見て、いいように、それからいろいろ宛名の区分その他の場合に間違い易くないようにというようなこと、なお且つ地方の特定局におきましては、電話の加入区域の問題もありましよう。そういう問題を勘案いたしまして、一体どの程度の規模ですべきであるか、又どこに置くことがいいかということを本式に取上げて行きたい。それまでの間は暫くの間見送つて置きたいというのが私どもの考えであります。勿論そういう地方における事情が、或る一定の安定点に達したところから、逐次そういうものに対する見直し的の計画を進めて行きたい、かように考えております。勿論それに関連して普通局にするか特定局にするかという問題も併せて起きて来るであろうと思つております。この前の国会のときにも私たしか申上げたと思いますが、普通局、特定局という考え方については、もうそろそろ郵政省としてもこれを乗越えて行く段階に迫られているんじやないか。事実上の問題としては、今日あらゆる面において両方の取扱を同一基準に置いてやりたいというふうに施策を進めております。ただ一、二まだ局長の臨時の任用とか、そういう面を通じて違つた問題もあるようでありますが、これはまあできるだけ私どもは経営的な規模においては両方を同一基準に持つて行きたい。そうすれば、或る時期に達すれば、最早普通局、特定局というような置き方自身が或る意味において不自然な時が早急参るであろうというふうに実は考えておりまして、今或る局が甲の程度の規模になつたから、普通局にするというふうな考え方は、只今のところ持つておりません。
○永岡光治君 これは国会において町村合併促進法案が成立を見る際に確認されたことでもあるし、又この法案を作る際の過程においてしばしば論議をされた問題でありますが、この町村合併によつては相当なまあ助成の意味で政府は協力するんだ、少々無理なことがあつても、その促進という建前から協力するということが申合せされ、その節郵政委員会におきましても、町村合併についての郵政省としての協力態勢という問題について、私から質問を申上げた際にも、十分協力をいたしますということを実は承つておるのであります。従つて今お話を聞きますと、現実にはすでに各市が相当できております。今にいよいよこれは又相当増加されて参ろうかと存ずるのでありますが、承ればまだその点についての具体案は持合していない、今年度の後半に至れば、およその見通しもつくであろう、その上で更に協力をしたいということでありますが、そのような一体予算は、この二十九年度予算の中で用意されておるのかどうか、或いは又必要になれば、それは補正でも出すお考えでもあるのか、乃至はその予算措置を予備費乃至はその他で差繰つて行くというお考えであるのか、そういうのであるとすれば、一体どの程度のものを考えておるのか、わかつておればその点もお尋ねしたいと思うのであります。
○政府委員(松井一郎君) 予算と申しましても、これに伴つて我々が一応考えられることは、或いは途中の伝送線路が必要になつて来るという場合とか、ただ定員面として見ますれば、別に合併が起きたから、そのために直接人が殖えるということも当然に起きて来る問題ではございません。いずれ郵便局の組み換えと申しますか、こちらの配達区内にあつたのを、こもらに持つて来るということで、大体大ざつぱに考えますれば、人員面においてはパ一になつて行く。ただどうしても止むを得ない場合には、或る種の伝送線路の開設、その他に伴うものが起きれば起きるという程度のものでありまして、従つてそういう面における特別な予算というものは、今日見込んでおりません。ただ一応考えられますのは、将来局舎の移転といつたような問題が起きた場合に、これは恐らく或る程度予算を見込んで行かなければ、なかなかうまく行くものではないということは想像されますが、今我々のところで、具体的にどこに局舎を新築するかという段階まで今年は入つておりませんので、恐らくそういう計画が具体的に予算的な裏付として見なければならんのは、これは三十年度予算になるのではないかと考えております。
○永岡光治君 そこでその必要があれば、局舎の新営も行わなければならんという答弁でありますが、このような問題は、地方の実情としてもかなり、私は出て来るのではないかと思うのです。それは幾つかの町村の合併において、私も承わつたのでありますが、どうも両方譲らないという態度で、而も両方の局の所在地から見ましても、決して新しい施行地域の全体の集配を受持つには偏り過ぎているというところもあるわけであります。自然そこには統一した集配局を置かれることが最も今日具体的な策だろうと考えるのでありますが、そのような問題については、一つ十分考えて頂きたいと思うのでありますが、それを先ず重ねてお尋ねしたいことと、もう一つは二十九年度予算で、無集配局、窓口機関を何局か置く計画はあるのか。
○政府委員(松井一郎君) 二十九年度においては、殊に行政整理の関係もありまして、一応定員面の削減も受けておるのでございまして、今それをどういうふうにやつて行くか、いろいろの問題はやつておりますが、併しそれはそれといたしましても、やはり他面新らしい情勢に即した窓口機関の拡充ということも、これは又当然必要なことだろうと思つております。併し今ここで何局というところまで主要計画の何はきまつておりませんが、少なくとも数十局の設置ということは当然我々としてやらなければならん問題だろうと思つております。
○永岡光治君 更にこの局舎予算についてお尋ねしたいことがあるわけですが、今年の局舎予算はどういうふうになつておりましようか。
○説明員(佐方信博君) お答え申上げます。二十九年度建設勘定は二十五億であります。
○永岡光治君 総額二十五億であることは今承つたんでありますが、これをどのように使用して、新らしい局舎が何局できるのか、又改築はどのように進めて行かれるのか、二十九年度では……。具体的な計画をお尋ねいたします。
○説明員(佐方信博君) 二十九年度におきましては、普通局で二十八局、土地買収等で五局、それからそのほかに御承知のように、鉄道郵便局とか保険局、貯金局等でございますが、これは全部継続だけをやりまして、新規はないというふうに相成つております。
○永岡光治君 普通局二十八局で、土地買収五局というのは普通局の土地買収五局、こういうことでございますか。
○説明員(佐方信博君) その通りでございます。
○永岡光治君 そうすると、特定局関係についての直轄工事というのはないのでありますか。
○説明員(佐方信博君) 申忘れましたが、約五千万ほど考えております。併しこれは普通局と違いまして、詳しい計画はまだ持つておりません。
○永岡光治君 実はかねがねこの問題について申上げているのでありますが、確かに緊縮財政ということで、二十九年度の予算の全貌からは新営費が相当削られていることは事実でありますが、私は削られているというその姿は承知しているのでありますが、ただ一万四千に及ぶところの郵便局を持つている郵政省の建設勘定としては低過ぎはしないか、余りにも均衡を失しておりはしないか、こう思うわけであります。これは私から申すまでもありませんが、郵政事業というのは殆んどが人で構成されておりまするし、その事務所がいわば主体になるわけでありまして、他の機械を要する企業とは相当趣きを異にしておることは申すまでもないことでありますので、その点についてまだ二十五億という金ではこれは不十分だと思うし、現実に地方における局舎の状況を見ましても、他の公共施設、中には公共施設までとは行かないいろいろな施設も、どんどん政府資金を以て新築されております。乃至はそれを利用して、間接的に新築されておるにもかかわらず、ひとり郵政事業のみがこのような低い状態において私は余り不均衡であると思いますので、その点は将来どのように考えておられるのか、そうして二十九年度では、もうこれ以上どうにもしようがないという状態であるのか、その辺の一つ御見解を承わりたいと思うのであります。
○政府委員(松井一郎君) おつしやる通り、現在の持つておる局舎に比べて、本年度の予算案では極めて僅かなものであり、殆んど大部分が本年度からの継続工事に入つておるという点において、御指摘のように大変足りない点があると思いますが、併しこれも国全体から見た大きな一つの方針から出た問題で、この問題だけを取上げてどうこうというわけには参らない一つの筋があるということは御了承願いたいと思います。併し将来に亙つて一体こういうことを、繰返して行けば、いつかは局舎問題についても行き詰るときが来はしないかということも当然考えられるわけであります。そこで一つ私どもといたしましては、何か従来の行き方と違つて、局舎の整備というものを組織的にやつて行くといつたような方法はなかろうかというので、実は今いろいろと研究を進めておるわけであります。まだこういう形で進むのが一等いいという具体的な結論にはなつておりませんが、何かその点についてよきお考えがございますれば、むしろ私どものほうから、この際伺つておきたいと思つておるくらいでございます。
○永岡光治君 先ほど実は簡易保険の契約額の引上げが問題になつたわけでありますが、資金運用部での資金の運用の対象も、かなり地方公共団体の建物、庁舎の新営に相当の融資をされている。私はこういう意味で二十九年度はこのような面での、これは法律はいらないと思うので、政府においてやろうということになれば、私はできると考えるのでありますが、そういう面での解決を考えておるかどうか。その点の見解を先ず聞きたいと思います。
○政府委員(白根玉喜君) 郵便局に相当な腐朽局舎がある。殊に特定局のごときにつきましては、相当な腐朽局舎がある。ところが来年度の予算面におきましては、緊縮予算の建前からいたしまして、新営費が相当節約を食つた。従つて国の歳出の面で或る程度殖やせる可能性があるかどうか。殖やせる可能性がなければ、簡易保険の運用の面で考慮したらどうかというお話であつたかと思うわけであります。その点につきましては、実は法律上関係がないようにおつしやられたのでございますが、私のほうの運用につきましては、法律上市町村の市町村債と、それから市町村の貸付けに限定されておるのでございます。公共団体以外に対する貸付けといたしましては、政令で定めることになつておりますが、これは地域団体に限つているわけでございます。従いまして現在の法律におきましては、残念ながら郵便局舎の新営に対して金をお貸しするという建前に実はなつていないわけでございます。併しながらそれはそれといたしまして、将来こういう面に対して考えるかどうかという問題があると思うわけであります。実は御承知のように、簡易保険の運用の際におきましては、地方還元という考え方からいたしまして、市町村に対する貸付けに限定されておるわけでございます。数字を申上げますと、本年度は三百八十億のうちの半分で百九十億融資しておるわけでございます。来年度になりますと、これは決算を待たなければ確定はいたしませんけれども、大体四百六十億に相成ると思うわけでございます。この四百六十億の数字と申しますのは、大体来年度における市町村に対する政府の簡易保険及び資金運用部を入れての運用のほぼ半ばに近くなつております。大体四百四十五億になりますと半ばになりますが、私どもといたしましては、地方還元の趣旨からいたしまして、せめて市町村の需要に対する貸付総額の半分程度は簡易保険の特殊性によりまして、そこに流して行きたいという希望を持つております。ところが来年度になりますと、大体来年度の余裕金として入る金額は見通しといたしまして五百億に相成るわけであります。その五百億は三十年度になりますと、こちらの積立金に相成るわけでございます。従いまして市町村の需要に対して、せめて半分程度は簡易保険の運用の原資でやりたいけれども、それを超えた際におきましては、或る程度公共団体だけでなく、他の面、例えば御指摘の局舎の問題或いは住宅金融金庫とかいういろいろな簡易保険の加入者階層の利害に直接密着した機関の方面に運用をやることも、或る程度可能ではないかと思うわけでございます。この点は、関係省である大蔵省方面とも十分打合せの上、次年度以降におきまして、相当研究すべき課題ではないかと思うわけでございますが、二十九年度では、実はそれらのことにつきましては、いろいろ打合せもしたのでございますが、二十九年度ではまあ一応現状維持で行くことに話合いがきまつたわけでございますが、二十九年度以降三十年度になりますと、そこらの問題は大きな研究課題になると思う次第でございます。
○永岡光治君 私も不勉強で申訳けないのでありますが、その点でお尋ねしているわけでありますが、私が、法律事項でないということは、地方の起債ということは勿論あるわけであります。従つて市町村の起債にこれこれ以外のものは起債してはならないという何か法律があるかどうか。私は、そういう法律はないだろう。従つて地方公共団体において、こういうものを起債して、例えば局舎を新設して郵政省に貸付けるとかいうことがあるとすれば、その方面についてなぜ法律上そういうところに融資することがいけないのか、法律上禁止規程があるかどうか。こういうことでございます。
○政府委員(白根玉喜君) 実は誤解いたしまして……、直接そういう面に、簡易保険の運用の面で直接投資する面につきましては、法律上制限があると申上げましたが、永岡委員の御趣旨は、我々として直接貸す対象は市町村である。その市町村が、その貸付けしたところの金額によりまして、地元の要望によつて局舎をその資金で建てて行く、それを郵政省が借りるという方法は法律上制限がないじやないか。こういうお話のようにお聞きしております。その点につきましては、法制上確かに制限はございません。ただ御承知のように、実際上の問題でどうなるかということでございますが、実は御承知のように、市町村の需要に対しまして、国の資金で融資する際におきましては、起債方針というのがあるわけなんです。その起債方針を設定する際におきまして、実は制限されているわけでございます。と申しますのは、市町村の全体の需要に対しまして、資金源が足らない現状でございますので、従いまして最も順位の高いと言いますか、そういう方面の需要を先ず充足するが、その順位の中に実は入つていないのが現状であります。その順位が郵便局のごときは入らすべきものであるじやないかというのが、永岡委員の御指摘だろうと思います。これは見方によれば、そういうことも考えられないこともございませんけれども、私個人の意見としては、そういうやり方をするがいいか、暫く状況を見て、むき出しに、例えば郵政事業特別会計の借入金に直接融資するがいいか、それらの問題もあろうかと思うのでございますが、現状においては少くとも本年度の起債方針は無論ないですが、来年度の起債方針の設定の際には、そういう御意見があつたということは、無論心にとめて折衝はしたいと思いますが、併し現状の面におきましては、災害復旧の関係でも相当なものが来年度もありましようし、それらの間に新たに郵便局舎の新設について、その起債表の中に入れるかどうか。この問題は電話局の新設についても或る程度あるわけでございますが、まあそれよりも住民に接着した町の郵便局という色彩から言えば、永岡委員の御趣旨も尤もな点もございますが、資金源がどこまで行くか行かないかの問題であると思います。
○永岡光治君 答弁で大体わかりました。途も考えようによつて政府の肚一つだということになると思いますが、是非一つこれは政府でそういう方針をきめてもらわないと困るわけでありまして、地方に参りますと、是非ともやりたいのだけれども、何しろ金がないということで困つているのでありますから、非常に無理をした方法で曽つてはやられたこともあるのでありますから、是非とも私はこの点は新しくこの二十九年度の融資乃至起債の方針をきめる際に、是非とも一項目挙げてもらいたいということを特に要望しておきます。 それから先ほど特定局関係の建設勘定五千万円という報告がございましたが、若しこれを新設ということになりますと、大体およそ何局程度ができるのでありましようか。
○説明員(佐方信博君) めどとしましては大体十局ぐらいでございます。
○永岡光治君 そうしますと、普通局と特定局との区別の問題が絶えず実は問題になつておるわけであります。何かしら特定局を差別扱いするのじやないかということをしばしば耳にするので、普通局の二十八局に対して特定局の十局というのは余りにも差がひどいではないか、普通局と特定局の局の数でございますが、数を比較しますと、それはべらぼうな、恐らく特定局一万三千ぐらいになるのじやないかと思います。普通局は恐らく五、六百ぐらいだと思うのですが、そうなりますと、局数は非常に何ですね、三十分の一ぐらいしかなくて、局は逆に三倍ぐらい余計に建てているということであつては、やはり先ほど郵務局長も言つておりましたが、普通局とか特定局とかいう、そういう区別なしに、そういうものを乗り越える段階ではないかというお話でありましたが、非常に力強いと思うのでありますが、実際の政策は非常に偏つていると私思うのでありますが、この点はどういう御見解を持つておられるでありましようか。
○政府委員(松井一郎君) 私ども先ほど申上げましたように、特に普通局なるが故に、特定局なるが故にという形における差別観念を持つておりません。ただまあ従来の関連上の予算上の組み方として、そういうことを踏襲しておるわけでありますが、数から申しまして、大変不均衡じやないかというようなお話もあつたようでありますが、まあ最近特に二十九年度における予算として上つている普通局関係のものというのは、これは本当に緊急必要止むを得ざるという、非常に強い度合いのものであります。殊に戦災都市、その他における都市の復興に伴つて、どうしても捨てておけないというものが非常にあるわけであります。そういうものが一つあることと、特定局関係においては国が直営する関係のほかに、まだ特定局長さん自身のほうでの新営の分も相当あるわけでありまして、決してこれだけが全部というわけじやありません。その点は御了承願いたいと思います。併し先ほども申上げましたように、実は本年度のこの十局という一応の予定につきましても、一体地方において新営する場合に、新しい将来の見通しということを立てないと、これは局舎の規模をどの程度にするかということがきまりがたいので、実はこの内容の、そういうものについても、果して地方の実情がはつきりとめどのついたものになつて来るかどうかということを、私ども秘かに心配しておるような状況であります。こういうものが或る程度見通しがついて来れば、来年度以降においては特定局の局舎の改築ということに対して、今までよりも一層努力しなければならん段階に入つて来るのじやないかと思つております。
○柏木庫治君 私は遅れたのでありますが、簡易保険の引上げの問題について村上委員から今状況を承わつたのであります。これは二十万円にし、三十万円にすることも甚だ結構でありますが、葬式料にもならないとかいう甚だ消極的な陰欝な理由で、これを上げるというようなことは甚だ面白くないことだと思うのであります。私は葬式料は五万円でも三万円でも、それはむしろ削つたほうがいいと考えております。余り冠婚葬祭を盛んにすることは好ましいことでないと思うのでありますが、葬式料だけが一つの理由でもありますまいが、もう一つは例えば地方関係の問題でありますが、例えば一家にいたしましても、今の金の使いかたは玄関を作るとか、座敷をきれいにするとかいう、整えるほうの問題であつて、若し一家の中に、職人の家で職場があつたならば、働くところを拡張し、修繕するというほうにも、これは使われなければならんと思うのであります。簡易保険を作つた当時だけを考えて見ましたならば、その当時と今の日本とは保険のことも交通のこともすべてが状況が違いますので、馬鹿の一つ覚えのように、初めの作つたときのことばかりに捉われるのは私は決して好ましいことではないと思います。私は幾ら高くこれを引上げても、天下が頷くようにこの金を運用する。運用の方法がただ道路を作り、川を作り、局舎を修繕するというような消極的なものだけでなくて、積極的に産業にももう少し金を用い、これが大きくなると同時に、国の産業も栄え、それに対して職場もでき、田舎のほうにも人の仕事もできて来るというふうな金の運用方法が開けるなら、今引上げることは甚だ好ましいのでありますが、葬式代が八万円じや少ないから、これを上げるというようなことならば、私は上げないほうがいいと思います。葬式代はそう田舎じやたくさん必要もないと思います。そういう考えであるならば、この際一つ賢明な郵政当局はもつと天下の態勢を考えて頂きたい。そんな憂欝な言葉を今頃嬉しがつて使うようなことならば、私は反対である、これは……。
○永岡光治君 どうもおかしな言いかたをするようでありますが、葬式料にも足りないから、そのために引上げるということを誰も言つていないと思います。葬式料にも足りないぐらいの金額、貨幣価値しかない、それでは一家の保険を入れた趣旨にももとるというようなことですわ。誰もそれを一つの理由に私はしていないと思います。どういうことでそういうこと一つだけを理由にしているのか、私は了解に苦しむのですが、そういう点ではなくて、保険が今八万円でやつて行けるかどうかということ、いろいろな各般の情勢の判断の下に八万円じや駄目だ、従つてこれは二十万円でなければ駄目だということであつて、そういう冠婚葬祭のためにのみ保険を入れるのだからという、その点での理由は私ども強く主張しておりません。若しその点で各党に持ち帰る、それで割れるということは、これは大変な問題でありますから、若しそういうことであるならば、そういうことでないということを明確にしておきたいと思います。
○柏木庫治君 私は前のどういう理由であつたかという問題で、これのみを言つたのではないのであります。私もあちらこちらとたくさん廻つているが、保険の引上げの話合があるときに、恐らく十人寄つたら八、九人ぐらい地方でこの言葉が一つ加わるのです。実際葬式代もないというような言葉も必ず加わる。併し私はその葬式代を云々というようなことを、而も十人のうちで八人までがそれに加わるような、そういう考え方が僕はいかんというので、そういうことをこの理由の中に考えることは、私は今でも一人でもそういうことを言うことはいかんと考えておる、これは私の理由であります。でありますから、私はこれを引上げる理由をもつと積極的に、どこまで引上げても誰もうなずくように、例えて言えば、消極的な金ばかりではなくて、国の産業にもどこからか持つて行つて中小工業者の手にもこれが行くように、これを拡げて行くということを運用面が考えて行くべきだ、できるならば、これと一緒に並行して行つたほうが、私はこれを引上げる理由にもなり、この金の集つて来る意義が今よりももつと尊いと、こう私は考えておるのです。だから郵政当局ではそういうことを考えてないか、そう行くべきでないかということを……。
○政府委員(白根玉喜君) 簡易保険の最高制限額を引上げるか引上げないかという面だけを基礎にして御説明申上げますと、先生大変すみませんが、勢い消極的なことになると思うのでございます。と申しますのは、私どもといたしましては、葬式料を中心にしておるのではございませんで、そもそも簡易保険が創設当時におきまして、加入者階層をどこに求めるか、その加入者階層を判任官に求めたわけでございます。判任官の一年間の生計費、その人が亡くなつたりした場合における一年間の遺族の生計費を中心にいたしましてやつたわけでございます。その生計費が現在の物価に比較いたしてどうなるかという問題は、これは考えなければならないと思うわけでございます。保険は事故があつたときは、実は暗いところを基礎にしておるわけでございます。終身は死んだときが問題になり、又満期であれば老朽になりまして、まあ活動力がにぶつたときを大体対象とするわけです。中には保険の種目によりまして、まあ民間で言えば、生存保険で小児保険とかいうのがございます。これは学校に行くときを対象にするのがございますが、これは保険自体の狙い、金額の狙いは満期或いは死亡を対象にするのでございまして、その際に葬式料というものは大きなウエートを持つておるのではございませんで、その方々が老朽になり或いは死亡した際に、老朽の際には遺族ではございませんが、その家庭が将来生活の安定ができまして明るくなるようなところを最高制限額の基礎にいたしておるわけでございます。又死亡保険の際におきましては、例えば世帯主がなくなつた、なくなつた際におきましては遺族は真つ暗になると思うのでございます。その真つ暗になるような気持を引上げまして、その家庭に明るみを出すがために保険制度があるのであると思います。そういう意味からいたしまして、形は如何にも暗いようなところを保険原因にいたしますけれども、その原因において保険をかけること自体は、その原因が起つたあとにおける家族を明るい感じに、やはり継続してやろうという意味で、保険金額をきめておるわけでございます。そういう意味からいたしまして、一面そういう気持で国民大衆と申しますか、契約者、いわゆる加入者階層はそこを狙いにして保険に入ろうということになるのでございまして、原因は暗いところを原因といたしますが、その原因の暗いというところを明るい方面に持つて行くがために、簡易保険、保険制度があるのではないかと思うのでございます。併しそれだけではいけない。むしろそれだけでなくて、別途の方法におきまして、例えば運用面におきまして、何か生産事業の方面にタツチするような運用を考えたらどうかというお話でございます。この点は実は尤もでございます。只今の運用の面におきましては、市町村の需要に対して運用いたしております。その運用した金によりまして、或いは生活の安定を図るために、福祉施設のために、或いは水道のために、或いは、中におきましては大蔵省のほうは生産面になつておりますが、大体において消費面に私のほうの金は運用されて行くのでございます。学校の関係が消費面と言えば学校の関係も消費面でございましよう。併しそういうことだけでいいかということになりますと、実は先ほど御説明申上げたわけでございますが、我々といたしましてもその点だけではいけないんじやないか。いわゆる加入者に対して利益還元と申しますか、地方還元の趣旨からいたしまして、市町村に対しての貸付は或る程度やらなければならない。市町村に対して貸す、政府資金のせめて半分程度は私のほうでやりたい。併しそれを超えた面におきましては、将来におきましては生産事業、例えば中小工業のために中小工業金庫とか、或いは住宅金融金庫とか、そういうような一面消費の面もございますが、生産事業にも或る程度融資するようなことを考えらるべきものであると存じますが、併しこの簡易保険の性質からいたしまして、その対象を選ぶに当りましては、加入者階層に直接タツチする、成るべく接近してタツチするような生産事業面もキヤツチして行きたい。そういたしまして、柏木先生のお心組の、いわゆる明るい方面にという気持は、実は保険原因のあとの暗いのを明るくするという面から言えば、一種の明るい方法だろうと思います。運用の面におきましても、単に消費面だけでなくて、生産面にタツチする、タツチするについても、やはり加入者階層の利害に接着したものに優先順位を持つて行きたい、こういう考えでございます。
○永岡光治君 話の途中でほかに行きましたが、局舎の関係について、今郵務局長の答弁がありましたが、緊急の度合が強いので普通局がこういう結果になつたという趣旨にとれておるのでありますが、私たちが地方で聞く場合には、むしろ緊急の度合は特定局のほうに多いんではないかと実は思うんです。今幾つか普通局は計画に上つておりますが、その緊急度合より以上に、勿論比較の問題であります、絶対性の問題ではありませんが、まだ十局やそこら、解決できない緊急の問題がたくさんあることを知つておるのであります。例えば或る局で局長をやめて次の局長に譲つた、ところがその局長はどうしてもその局がなければ生活に困るんで返してくれということをしきりに言つておる。こういう問題であるとか、非常に古い局舎で、これは足の踏み場もないし、今にも地震があつたら壊れるんじやないかと思われるような局もあるし、そういう問題は非常に数あるんで、そういう意味から考えるならば、私はこれは十局というのは非常に少いと思う。従つてこれは郵政当局においても、そのような考えであるならば、もつともつとたくさん私は配分をすべきではないかと思うんですが、その点はどうですか。やつぱり郵務局長さんも十分地方の実情は私は承知されておると了解するのでありますが、こういう緊急の度合が、この比率で特定局と普通局であるということでは私はないと思うんですが……。
○政府委員(松井一郎君) お答えいたします。緊急の度合をどう見るかという点については、見方についてはいろいろあると思います。先ほどの二十九年度予算の何局と申しましても、これはもう殆んど二十八年度からの継続工事です。新規に二十九年度として新しく二十何局として上つて来るわけではございません。大体継続工事としてなつておるものが大部分で、例えば新規に出て来るのは、羽田の空港のターミナルが移転するというような問題が、これはやはり捨てておけないというような問題が極く二、三上つておる程度でございます。ただあとは多くはその都市の発展に伴つて土地買収費というような程度の問題でございます。決して二十九年度において新規に二十八局を建てるというようなことにはなつておりません。大体二十八年度よりの継続となつております。御承知のように、特定局工事としては大規模のものでありませんから、やるとすれば全部が新規に入つて来るわけでございますが、普通局工事のほうは一年ですぐ行くといつたようなことではございませんので、大部分が継続工事になつておるということでございます。
○永岡光治君 特殊事情で早急に解決をしなければならんが、普通局にしても特定局にしてもそうでありましようが、緊急迫られている局舎の解決の問題については、具体的に出ました際には、十分善処して頂くように、而も根本的な解決策としては先ほど経理局主計課長からも説明がございましたが、そういうような趣旨も一つの解決の一環として、大きな政策として是非考慮して頂くようにお願いしておきます。
○政府委員(松井一郎君) 永岡委員の御指摘の点、私たちも十分これを徹底いたしまして、できるだけ御趣旨に副うようにいたしたいと思います。
○委員長(池田宇右衞門君) なお私からも、先ほど保険金の増額問題に対しまして、政務次官、局長の皆さん、大臣は見えておらんのだけれども、政府が十分資本の蓄積それから健全国家といつた建前からいつて、大衆の資本の蓄積こそ健全国家を樹立する一番基礎をなすものである、而して各委員から申された通り、大衆の金は大衆の福利増進のために還元する。これでこそ民主国家が成立する。然るにこの金額が僅かに八万円で今日まで黙つているというところにやはり無理がある。むしろ内からもそういう強い声を起すようにする。外からも我々委員の協力、協調を以てこれが実現することであろうと信じますが、大臣も従つて腰を据えて、成るべく金額の増額を大蔵当局と折衝するように、この点をどうか特に要望しておきます。
○政府委員(飯塚定輔君) 御趣旨に従つて大臣とも協議の上善処したいと考えております。
○永岡光治君 実は待命制度がありまして、それに従つて人員整理を考えられておるようですが、これは大きくは人員整理と関連いたしますが、その基本方針を先ず当局から承わつてから質問が出るのでありますが、関係者が見えておりませんから、本日は、これは次の機会に譲りますが、どうか一つ待命に当りましては不公平に亙らないように、できるだけその人の希望を尊重してあげる、これだけを強く要望しておきます。仮にも何か強制というようなことのないように、この点は御考慮を一つお願いしたいと思います。
○委員長(池田宇右衞門君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四分散会