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19回国会参議院1954/05/17

本会議 第47号

発言数
7
登壇者
2
会派数
1
開催日
1954/05/17

会議録

河井彌八緑風会議長

○議長(河井彌八君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————

河井彌八緑風会議長

○議長(河井彌八君)これより本日の会議を開きます。  参事に報告させます。    〔参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承認を求めるの件議決報告書   日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生ずる請求権に関する議定書の締結について承認を求めるの件議決報告書      —————・—————

河井彌八緑風会議長

○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、  日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承認を求めるの件  日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生ずる請求権に関する議定書の締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)  以上、両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河井彌八緑風会議長

○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず、委員長の報告を求めます。外務委員長佐藤尚武君。    〔佐藤尚武君登壇、拍手〕

佐藤尚武緑風会

○佐藤尚武君 只今議題となりました日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定並びに日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生ずる請求権に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。  政府の説明によりますと、在日国連軍の地位に関する協定を締結するため、一昨年七月関係国政府と交渉を開始いたしましたが、双方の主張が対立したため、交渉は一時停頓のやむなきに至りました。ところが昨年八月NATO協定の効力発生に伴つて日米行政協定の刑事裁判権条項がNATO方式に改訂されましたので、昨年十月国連軍についても、同方式により刑事裁判権に関する議定書が締結せられるに至りました。よつて、残る財政経済問題について、引続き極力折衝に努めましたところ、国連側は呉、広地区における相当数の施設の返還、労働調達における間接雇用方式の採用等、譲歩の意向を示して参りましたので、我がほうも大局的見地から、米軍との均等待遇の方針を以て、懸案の解決を図りました結果、本年二月十九日に本協定の署名を行うこととなつた次第であります。  なお本協定と同時に、在日米軍及び国連軍の共同行為から生ずる請求権に関する議定書の署名を行いましたが、これは国連軍協定が在日米軍を対象としておりませんので、米国と他の派遣国とが、共同責任を有する場合の民事上の請求権について別個に取極めたものであります。右協定と議定書の署名は、受諾を条件としておりまするので、速かにその受諾を行うことにより、これを締結することにいたしたい所存である旨の説明でありました。  委員会は、四月三十日より五回に亘り審議を行いました。  次に質疑の主なるものを申上げます。「交渉が長引いた原因として、双方の意見が対立したというのはどういう点か。在日国連軍の状態はどうか」との質問に対し、「意見の対立は、施設の返還と労務者の間接雇用の二問題についての我が方の主張と、国有財産の無償貸与、地方税の免除等に関する先方の要求についてであつた。在日国連軍は、主として呉、広地区に駐留する英連邦四カ国の地上部隊であり、その数は、最も多いときで一万、少いときは四千、現在は四千人前後である。空軍は極く少数で、海軍は始終移動している。英濠軍以外の国連軍は、専ら往復の中継のために来るので、その数も僅かである。在朝鮮の国連軍兵力は、我が方に通報されていないから明らかにし得ないが、英濠軍とその他の国連軍は、およそ各一コ師団ぐらいで、それも最近誠つておると思われる」との答弁があり、又、「この協定に基いて返還される施設の範囲はどうか。国有財産の無償貸与により、日本側の引受ける消極的負担及び国税地方税の免除による日本側の収入減はどれくらいか。協定に基く日本側の財政上の負担はあるのかとの質問に対し、「国連軍の接収施設の総数七十九件のうち、取りあえず十八件の返還を申入れたのに対し、十五件の返還が受諾され、うち三件は、すでに引渡されている。国有財産の使用料を仮に取り得たとすれば、その額は年七億円見当であり、地方税としては、電気、ガス税、揮発油税等の面において得べかりし収入は、年二千万円ぐらいであつて、その他のもの、例えば自動車税のごときは、大した額ではない。国連軍関係には、防衛分担金のごときものはないので、我が方から積極的に持出しになる財政上の負担はないわけである」との答弁がありました。  次に、「この協定に基く地方自治団体の財政上の喪失並びに国連軍の駐留により損害を受ける農林、水産等に関する補償の問題は、米駐留軍並みの取扱をするのが当然であり、建前として国が面倒を見るべきではないか、そのためには補償関係法令の整備、補償のための財源が必要と思うが、その準備はあるか」との質問に対し、「地方自治団体が、国連軍の駐留によつて生ずる行政費、地方税の徴収不能による喪失等に対しては、特別平衡交付金の配賦によつて操作できると思う。又農林水産に対する補償関係の法律案は、目下国会に提出中である。不法行為による事故の補償に対しては、大体平和回復善後処理費から賄う方針である」との答弁があり、又、「すべての国連軍が朝鮮から撤退することになるのはどういう場合か、その時期の見通しはどうか」との質問に対し、「撤退の時期は、国連の決議によつてきまることもあり得るが、協定第二十四条では、朝鮮の政治会議の結果とか、ジュネーブ会議の結果など、具体的な場合を予想しておる。国連軍は、朝鮮事変が片付けば撤退するのであつて、仮に事変が片付かなくとも撤退することはあり得るだろうし、いずれにしてもそう長くはとどまらないと思う」との答弁があり、「吉田、アチソン交換公文は、朝鮮における行動に関してだけでなく、包括的に国連軍に対する協力を約しておる。従つてこの協定の関するところは、朝鮮事変関係の国連軍だけにとどまらないと思うが如何。又他に新らしい事態が発生した場合、この協定か二新らしい駐留問題が出て来るのか。新らしく駐留問題が起つた場合、交換公文のごとき簡単な方法で措置できるのか」との質問に対しては、「吉田、アチソン交換公文は、朝鮮事変に関するものであり、従つて国連軍が撤退すれば、この交換公文も、本協定も、当然その目的を終了したものと解すべきであると考える。ほかの新らしい事態が起つた場合、この協定に基き駐留問題が生ずることはない。新らしく駐留問題外が起つたとき、これをきめるには、条約なり、交換公文なり、国際的約束として国会の承認を得べきものであつて、原則的に交換公文ではいけないとは思わない。ただ、かかる場合は、同時に細目の実施取極を作つてはつきりとしてやるべきである」との答弁がありました。  その他詳細については、会議録により御承知を願いたいと存じます。  委員会は、五月十七日質疑を了しましたところ、その際、曾祢委員は特に発言を求められ、本件協定実施に関して、全委員の御同意を得て政府に強く要望したいとの趣旨で次の要望を述べられました、即ち、「政府は国連軍の駐留する市町村に対して、米軍駐留の場合におけると同様、補償及び代替施設の違設等を実施し、又は喪失した財源の補填をなすよう法的、予算的措置を講じ、善後措置に遺憾なきを期せられたい」というのでございます。右の曾禰委員の要望につきましては、同委員の希望により、委員会に諮りましたるところ、全会一致を以て、委員会として右の要望をいたすことに決しました。これに対し外務政務次官より、「その趣旨に従つて十分善処する」旨の答弁がありました。  次いで討論に入りましたところ、中田委員は社会党を代表し、「次の理由により、両案件に反対する。第一に、本協定締結に至るまで、二十カ月の長日時を費した外交的不手際を厳しく指摘しておきたい。第二に、外国軍隊の駐留に対する我が党の基本的立場から、これに反対する。殊に本協定は、国連憲章の基本的精神に反するものである」と述べられ、杉原委員は、「内容は妥当と考える。本協定の締結が長引いたことは遺憾であるが、これを以て協定否定の理由とはしたくない。なお協定実施の面には、政府として念には念を入れてやつてもらいたい」と賛成の意を表せられ、次いで曾祢委員は、「社会党第二控室を代表して賛成する。本協定が今頃できたことは、悲しむべき外交の失態である。併し本質的には、本協定を作ることが正しく、内容においては、特に労務者の間接雇用の方針を貫いたこと、国連軍は無期限に駐留することがあつてはならないが、本協定が撤退の時期を明らかにしておること等の点は大いに賛成である。そして政府に対する要望に述べた希望と警告を附してこれに賛成する」と述べられ、最後に、梶原委員は、「国連軍の地位が今日まで不明確な状態におかれたことが、国民の国連及び国連軍の朝鮮における行動に対する正しい認識が不十分であつた一原因であるから、今回この協定のできたことは結構である。なお今後、外務当局の一層の努力を要望してこれに賛成する」と述べられました。  以上を以て討論を終結し、ついで二件を一括して採決を行いましたところ、二件共承認すべきものと、多数を以て決定いたしました。  右、御報告申上げます。(拍手)

河井彌八緑風会議長

○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両件の採決をいたします。両件全部を問題に供します。委員長報告の通り両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

河井彌八緑風会議長

○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて両件は、承認することに決しました。  議事の都合により、本日は、これにて延会いたします。次会の議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十二分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承認を求めるの件  一、日本国における合衆国軍隊及び国際連合の軍隊の共同の作為又は不作為から生ずる請求権に関する議定書の締結について承認を求めるの件

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