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19回国会参議院1954/04/09

補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第16号

発言数
81
登壇者
9
会派数
5
開催日
1954/04/09

会議録

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) これより特別委員会を開会いたします。  補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題に供します。本日は農林省関係の審議を行います。  政府から農林大臣、農林大臣官房長渡部伍良君、説明員農業改良局普及部長黒川計君、大蔵省主計局総務課長佐藤一郎君が出席せられております。  先ず農業改良助長法に基く補助等の特例に関する規定について御質疑のあるかたは御発言を願います。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 この農業改良助長法ができて、これによつて設置されておりまするこの改良普及員、農業専門技術員ですか、あの一連のああいうのは普及施設に対して出しております三分の二の補助、これを二分の一に下げるようにというようなことが提案されておるわけでありますが、国を挙げて食糧増産をやかましく唱えられておるこの問題を前に控えて、一方農林関係におきましてもいろいろな補助金が相当減つておる、こういうような際に、この増産の目標を達成するために、一番私必要と考えております普及員の補助を減らすというようなことに提案されておりますが、これはこういうような改正をしようとする理由はどこにあるのですか、この点一言お尋ね申上げます。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 農業経営の改良進歩を図つて参りまする上に負荷せられておりまする改良普及員の仕事の重要性は、只今お話の通りであるわけであります。従つて国としても従来三分の二の高率負担をいたして参つておるわけでございますが、理由はどういう理由かと言われれば、これはもう財政の理由と申上げるよりほかはないわけでございます。この二分の一に落着きまするあの経緯を御覧頂きましても、私どもがこの事業に何とか十分目的を達するようにしなければならんと努力をいたしましたことも御承知を願つていることと思うわけでございます。全体のバランスの上から、とにかく補助の最高率というものを一応二分の一という総ならしをするという強い考えに基いて、こういう措置をとらざるを得なかつたわけでありますけれども、併し実際問題といたしましては、三分の二を二分の一にいたしました差額三億余りにつきましては、別途交付金を以て財政措置を講じております。従つてこの三分の二から二分の一になつたからということで普及員の、例えば人員を減らすというような結果が生じないようにするということにつきましては、それぞれの処置を講じ、又今後も講じて行くつもりでいるわけであります。普及事業の運行につきましては、大体支障なしは行けるんじやないかと考えるわけでありますが、同時にこの農業の進歩改良を図つて参る。これは国が無論中心となつて行かななければならんことは申すまでもございませんけれども、併せてやはりこの改良普及事業の重要性と申しますか、効果性と申しますか、これを地方においても私は国と同様に見て頂いている、評価をして頂いていると思うわけであります。そういう意味におきまして交付金で一部の措置を講じ、そうして地方の自主的な普及事業に対する扱いを願つて行くという趣意からも一応我慢せざるを得ないじやないかと、こういうことでまあこの案を提出をいたしたわけでございます。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 三分の二と、二分の一とのこの差額、結局六分の一になりますか、そういうような金が地方交付金、そういうふうなもので行つているわけでありますが、なぜこういうような、現在この増産の効果を上げている、農業の普及改善に大きな効果を上げている、特にこの時局に必要なこの事業を、交付金でやつているだけの金があるなら、なぜ今それを分けなくちやならんのか、従来通り三分の二の補助を受けて行つたらいいのじやないかと思うのですが、なぜ交付金で見られる財源があるのを分けたかという理由を一つお尋ね申上げます。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) これは三分の二で計上して参りますれば、今年度ベース・アツプその他を見まして十六億、この間衆議院の修正で十六億五千万円ということになるわけでありますが、計上いたしておりますのは十二億九千万円、従つて差額三億六千万円ほどがいわゆる三分の二と二分の一の差額になるわけでございます。その大部分は交付金のほうに措置をいたしておる。ただ併し同時に今ほかのほうの問題でも問題になつておりますところのこの富裕県との関係があるわけであります。この差額三億六千万円のうち富裕県の分が約一五%ぐらいを占めるわけであります。その一五%は交付金のほうに措置をいたしていない。即ちこの富裕県の財政調整と申しますか、それだけを行う、従つて三億六千をそのまま交付金に財政上の措置をしていないということになりますわけでございます。従つてその他の県につきましては三億余円の交付金の処置をいたしておる、それを十分私どもも徹底をいたしまして、ためにこれが別途の用途に使われて改良普及事業が後退することのないような措置をとつて行く方針で準備をいたしておるわけであります。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 先ほど申しますように、農林省の交付金が相当減つております。これは国の財政の関係から止むを得ん部分もあつたのでありますが、この一番の農業関係として問題であります国の食糧問題、これを何とかしてこの増産を改善をするためには、もうほかの交付金は減つても、大きな財源を用いずに相当な効果を挙げるこの普及施設こそ、全力を挙げてこれを維持して行かなくちやならんのじやないかと考えるのですが、特にそういうような財源が或る程度減つても、まあ地方で賄う県がありましても、大部分財源は地方に交付しておるというようなことならば、今更変改を与えずにこのままで通して行かないのか、私農林省の皆さんのお考えがこの指導機関に対する考えが、まだ必要性が徹底していないのじやないか。或いは大蔵省のこれは考えが入つているのかも知れませんが、まだまだほかに削る分があるじやないか。これこそ強化しなくちやならんじやないか、あまり金の要らない、ただ人的資源を動かして、これで農業者の教育をして行く、技術的の向上を促進する、こういうような金を減すというのは気持がわからないのですが、その農林省の御意見、この指導機関に対するどの程度これの強化に対する熱意を持つておられるか、そういうような点を御説明願いたい。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) これは先ほど申上げました通りです。改良普及事業の持つておりまする使命、仕事というものに対して、私はもうあらゆる機会にこれを高く評価して頂いていることに感謝をいたし、又ともかくもこの百姓の仕事というものは、その口で言われるよりに簡単に向上とか、進歩とか行くものでなく、やはりその農業の本質からいたして、手を引き、拍子をとつて、とにかく一歩々々改良の実を挙げて行く、そんなことまでは要らんことじやないかというようなことから、まあやらなければ農業というものは進歩するものじやない。随分これまで食糧増産のために金を使つておつて、さつぱり増産の効果が上らんじやないかというようなお叱りを受けますけれども、それとても併し遅々としながら戦前と戦後相当見るべき増産が実を挙げて来ておるということは私は実際認めて頂きたい。それの大きな一つの役目を果しているのが、やはり技術的に経常的にお世話をしているこの事業なんでございますから、この事業の必要性を感ずることにおいて、私も農村の片隅に生活をいたしておりましたものとして強くこの点は感じておるわけであります。ただ併し同時にこの改良普及事業というものは、私はその県その県においても国以上の熱意を持つてもらわなきやならんじやないか。ともあれ自分の県の農業の発展を促して行くためには、県においてもこの事業に相当の重点を置いて頂くところの熱意なしに、ただ国が中央から指図をする、金を流すということで目的を達するものではない。そういう上から見ますというと、これは言い過ぎになるかと思いますけれども、とにかくそういう地方庁の熱意というか、自主的な考え、熱意によつて改良普及事業がより浸透して参るということは、私は更に必要じやなかろうかというようにもまあ考えるわけでございまして、この事業に対する指導、事業に対する私どもの考えはそういう考えでおるわけであります。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 この事業が食糧増産に重要であるということは、農林大臣初め農林省におきましては十分御認識のあることと思うのでありますが、併し非常に重要である急場の食糧増産はこれでなければならんというように御認識なされておりながら、こういう重要なものを補助削減の対象にするというようなことにつきましては、何か了解のできない点があると思うのでございます、恐らくこれは大蔵省のほうのこの事業に対する認識不足から来ておるのではなかろうかと思うのでございます。この事業を削減の対象にしたといういきさにつきまして、大蔵省のほうから一つ……。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) 今までにも実はしばしば御説明を申上げたわけですが、大蔵省が予算編成の際に、いわゆる補助金の整理という一項目を編成方針の一つに掲げたわけであります。これは一つにはいわゆる財政緊縮という見地から、不急不用のものはできるだけ整理したい、こういうものもございました。それから今回は御承知のように入場譲与税でありますとか、たばこ消費税というような、いわゆる一連の地方財政に対する大幅な改正がございまして、中央、地方を通ずる財源調整という問題が取上げられております。それで補助金の関係におきましても、できるだけその仕事の性質その他から見まして、或る程度地方に任せてよろしかろうというものはこれを地方に任すと、こういう大きな方針をとつております。それで地方団体に対する補助金につきましては、緊縮という面のほかに、そういう第二のいわゆる中央、地方を通ずる財源調整ということを相当頭に置いております。勿論これは一概には行えないのでありまして、その補助金、その補助事業の性質に応じて考えるべきものであります。それで実は大蔵省といたしましても、この農業技術の改良ということは、いわゆる農業増産の基本的な問題、基本的な政策であるという点についての認識においては、実は十分に認識をしておるという自負を持つておるのであります。従いまして、これについての重要性ということを十分認識したのでありますが、同時にまあこの制度もすでに発足以来六、七年に相成るわけであります。当初一部の人々にしか趣旨が徹底しておらなかつたものが、もう相当十分に各方面にその趣旨も徹底普及したことであろう。補助金整理の方針の際に、大体補助率というものは普通の場合多くは二分の一という補助率が普通のノーマルな形でございまして、それを超える補助率というものは何らかの特別な事情、或る特殊な機関に特にこの種の目的を達成するためにとるという場合が多いのでございます。それで補助金整理の一つの項目としまして、補助率を原則として二分の一まに下げるという大きな目標を一応掲げたのであります。それでこの場合におきましても、只今申上げましたように、すでに制度の趣旨も相当普及した段階に立至つておりますし、かたがたその性質が農業という、国のみならず地方団体においても十分にこれに強い関心を持つて然るべき事業であるというようないろいろな考え方からいたしまして、これをいわゆる普通の二分の一の補助にするという、国と地方とが相半ばずつを出し合つて、そうして共同の責任で事業の遂行をするというのが適当な姿ではないか、勿論これを切りつ放しにする気持はないのでございまして、そういう形にすると同時に必要なる財源を今回地方の財源に繰入れると、まあこういう考え方になつたわけであります。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 なかなかおつしやることは一応おわかりになつたようなことをおつしやつておりますが、やることは全くそれと逆行しておるような感じがいたすのでございます。考えてみますと、交付税で六分の一を出し、それから二分の一はこの補助で出すというようなことについて、合せて三分の二になるからいいじやないかと、こうおつしやいますけれども、これはそういうような財政というものによつてこういう措置を講じなければならんものならば、どうせ三分の二という実質の金が行くように処置したから、法律はこれでいいじやないかと、こういうように話が聞えるのでございますが、そうなれば、財政だけの問題で行つたならば、別にこう二本建にする必要はないので、立派な法律が厳として存在しております以上は三分の二出して頂きまして、この通りにやつて行けばいいということになると思うのでございます。なお当分の間はというようなことは、三十年度というようなことになつたということにつきましては、大蔵省のほうではあれで申訳が立つと思つておりますか、どうでございますか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) まあ当分の間といたしましたのは、もともとこれらの法律に関係する事項は非常にたくさんございますし、それぞれの実体法におきまして、十分検討する機会が当然将来与えられて然るべきものでありまするから、まあ当分の間という御提案をいたしたのでありまするが、いろいろな事情で衆議院におかれまして一年ということに時限的な修正を受けたわけであります。まあものによりましては、一カ年で十分検討することが時間的にも適当であるかどうか、或いは問題のものもあろうと思いますが、すでにそういう修正を受けておるわけでありますから、この一年間にできるだけ各条文に関係する事項につきまして検討いたしまして、そうして将来の持つて行き方を政府としても検討することを迫られるわけであります。我々といたしましては、そういう修正の趣旨に副つてそれに対処をして行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 成るほど一年というような時限になつたからというので少し安心なさつておると思うのですけれども、これは農業のほうはなかなかそうは行かんのでございまして、一年遅緩をいたしますれば、それを更に県庁に持つて行きますれば五年も六年もの数年次がかかると思うのであります。実際この普及事業というものも漸く世間に認められ、食糧増産に本当に貢献し得るような、やつと端緒を得たこの時期において、一年間、こういうようなことになるということになりますると、又ここ数年というものは、恐らく遅緩状態で、何のことやらわけがわからんというようなことで進むと思うのでございます。そういう意味におきましても、やはりこれは三分の二継続をして行く、だんだん盛り上げて行くということが非常に必要だと思うのでございます。まあこれは甚だ失礼な申し分でございますが、一体大蔵省のほうでは、食糧増産に一番の近道は何だと思つておられるのでございますか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) これは非常にむずかしい問題で、日本の農業政策の全体の問題に関係するわけでございますからして、私から御答弁を申上げるのが適当かどうかわかりません。まあ従来農林省がとつて来られた各種の基本的な方針がございます。土地改良の問題もございましようし、それから品種改良の問題もございましようし、或いは又、いわゆるここにあります農業技術の向上という面に対する政策を推進して行くというような点もございまもよう。或いは又肥料問題を解決して行く、各種の観点からやはりいろいろな手を打つてやつて行く以外に現在はないというふうに考えております。又そのときどきに政策の重点というものは当然変つて然るべきものでありまして、まあ農業技術の改良普及につきましても、終戦後から非常に力を入れて参つたわけであります。我々もそういう従来の線は大いに尊重いたしたい。ただ地方団体が事業をもともとやるのでありますからして、国の責任であると同時に、地方と協同してこれをやつて行くというのが適当であるという意味におきましては、ただむやみに高率の補助率であればいい、我々はただ予算の補助率が高い、補助金が僅かばかり多いというだけですべての農業生産が解決するとも考えておりません。まあ別の角度からして、やはりいわゆる補助率についての普通の形に帰したいという、こういう要求も又相容れて、そうして調整を図つて行く点は少しも差支えないのじやないかと、こういうふうに考えておりますが、事業そのものについてに十分その重要性を認識しておるつもりであります。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 普及事業も十分重要に考えておられるようでございますが、どうも外部から、農業関係のものから見ますと、今の農林省というようなものは、大蔵省の農務局のような感じで、大蔵省が農林省を預かつおるのではなかいうかというような感じかするのでございます。特に技術関係でありますとか、地方に関係いたしました指導事業なんというものは、如何にここで大蔵省の関係のかたが重要だといつて述べましても、補助金を削つておるところを見ますと、これは重要だということを百遍申しましても、事実は重要視しておらんということがはつきりしておるのでございます。この生きた技術に関係したこと、或いは農業の本当の下部の政策に関係したことなどは、農林省の言い分も十分お聞きになつて、財布の紐を持つておるからわしが強いのだ、お前らはどういう理屈をこねくつても、わしはわしの道を行くんじやということでは、私は農業政策というものは打立てて行かれないと思うのであります。勿論この事業に関しましては、地方も中央も一体となつてやらなければならんということは当然でございます。今仮に三分の二の補助金をもらつておるとしますると、これは六六%の補助金にならなければならんのが本当でございます。併しながら大蔵省のこの給与の差額などの関係で、実際申しますると、六六%にはなつておらんのでございます。ここで調べて見ますると、普及員で四五%、専門技術員では僅かに二四%の補助になつておるのでございます。これは表向きでは六六%の補助ということになるのでございます。これぐらい犠牲を払い、地方で熱意を以てこの事業には協力しておるということがわかるのでございます。更に私が、今のならば二分の一になつたときでありますが、二分の一になりますると四五%と二四%というような、こういうような関係になつて来まして、恐らく地方の今の財政状態ではしわを寄せないのだ、普及員は整理をせんのだと、こう言いましても、交付金の形で持つて行つた場合におきましては、どうしても弱い農業関係のほうにしわが寄つて来まして、折角重要だと考えられる人員整理というようなことになつて来ると思うのでございます。今普及事業費の総額を見ましても、二十九億七千八百三十九万、これを内訳で見ますると、国庫助成は四三%、県の義務負担というものは二二%、純県費、これはもう補助金に関係なく、県で出しておるものが二四%、町村の貧弱な財政でさえ一一%負担で現在やつておるというような実情にあるのでございます。こういうようなことで、更にこれを二分の一に削るということによつて、地方財政でその余分を負担することができると思いますかどうか。これは地方の財政の事情に明るい大蔵省のほうの見通しは一体どういうようなことでございますか。お伺いしたいと思います。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) おつしやいます通り、現在の情勢におきましては、地方において相当いわゆる自前の担担をしておるのであります。まあこれには勿論いろいろな原因があると思います。私どものほうで、いわゆる補助職員の予算単価というものを定めますときに、これは農業改良普及事業に限りませんが、いわゆる政府が地方に対して、職員の設置補助に対して、農関係林、厚生関係その他各省関係に相当の補助金を出しております。そういう補助職員のいわゆる設置のための給与の単価というものを一率に定めております。その結果といたしまして、或る部分については、その実情から見て、特にきつくなつておるというようなものがあらうと思います。又これは事柄の性質上、これを一々別々の単価をとるということは実際上困難でありますので、一律の単価をやつておる。そのために人件費のいわゆる負担において、地方に対して十分なことが行えない結果になつておるのであります。これについては、私どももできるだけ今後もそういうことのないようにしたいとは考えておりますが、従来とかくそういう傾向がございましたことは事実でございますが、そういう問題は、或いは又予算の上で、或る定員を見ておるのでありますが、どうしても各省のそれぞれの立場からすれば、更に予定の多くの職員を設置したいという希望も当然出て来るわけであります。従いまして、その職員の人数或いは給与の単価等におきまして、どうしても地方において自前の負担というものが出て来るわけであります。勿論地方自治の確立しておる今日でありますからして、その府県、その府県によつてそれぞれ事情が異るわけであります。農業に非常に重点を置かれるところの県知事であれば、ほかの費用を差繰つても農業のほうに廻しましようし、或いは又それよりも更に緊急な経費がある場合においてはそつちにも廻す、まあこれがいわば地方自治のやり方でありますからして、そういう意味において自前財源、これは勿論府県においては交付税以外にも本来の独立の財源があるわけでありますからして、そうした独立の財源を如何ように廻すかという問題によつてそれぞれ事情が違つて来ると思います。先ほどお話のございましたように、非常に県によりましてはこの制度に力を入れられまして、国が出しました経費の更に五割ぐらいも余計の経費を盛つておる県もございますし、或いは又補助率に見合う財源をかつかつ出しておるという県もございます、現在中央地方、いわゆる地方の財政が完全にまだ制度的に調整し切つておりませんからして、どうしても財政力の貧弱な県と、それから然らざる県との間にそれぞれ多少の扱いが異なつて来る面が止むを得ず出て来るのであります。併し地方自治ということを前提にして或る程度ものを考えなければならないという現在であるとすれば、その前提に立ちまして、できるだけのことを、農林省等におかれても指導によつてできるだけこの方面に力を入れるように自治体を指導する、こういう方針を立てておられるわけでありますからして、それからの行政の方面の指導と相待つて、できるだけ一つ地方の方面においてもこれに対する力の入れ方を十分にして頂く、こういうふうに期待しておるわけであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 関連して……。簡単に農林大臣にお尋ねしますが、今の政府財政当局の御意見と農林大臣としては全く同意見でございますか。同意見だとあれば、これは何にも論議する必要もないのですが。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 私の申上げることはさつき申上げた通りであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 だから財政当局が只今お述べになつたような御意見と農林大臣は全く同意見でございますか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 私は今どういうことを言つたか私よく聞いておらなかつたのですが。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それではこれは重要なことですから、速記録で大臣に見て頂いて後日大臣の御所見を承わりたいと思います。委員長においてそういうふうな取扱をされるように願います。  それからもう一つ財政当局にそれではお尋ねしますが、あなたが只今後段の部分でおつしやつたことは、地方の財政制度等でまだ未熟な点もあるからというようなことで、言葉の上では前段ではいいことを言つておつたけれども濁しておられるのですが、今の地方財政は国の財政に依存する、形が制度的にもそうなつておる。それで余裕財源、独立財源というものは一般にあり得るはずがないし、あつてもそれが十分自由な操作ができないというよう実情になつておることは、過去何年間かの赤字の累積というものを見れば否定できないはずなんです。それが先ほど農林大臣もおつしやるように、いや二分の一になつた分の足りない部分は交付税のほうで見ておるのだ、三億何がし見ておるのだ、だから財政には何ら辻褄が合わんということはないのだというような御主張がありましたけれども、例えば一例を挙げれば、そのこと自身は疑問があるんですよ。あとでこれは申上げますが。併し一例を挙げれば、昨日衆議院を通過した地方税法によつて税率等の変更による歳入欠陥が平年度において六十九億円と言われておる。少くとも初年度の今年でも五十五億程度は歳入欠陥になるだろうと言われている。財政当局でも、あとで説明の場合伺いますが、この歳入欠陥は或る程度のものは認めておると思うのです。そうすると、当初立てられた地方財政計画というものはその点において覆えつておる。そこで又交付金で見ておるからいいのだと言つても、決定的にはそれだけ地方のいわゆる財政というものは圧縮させられるか、或いは補正なり、或いは増税なり、或いは自然増収を見込むなり、或いは起債等々でカバーして行かなければならん部面がもう現に出て来ておる。そういうふうになつておる現実から言えば、こういう負担率の変更というものは地方財政に非常に大きくしわ寄せになつて来ることは火を見るより明らかなんです。この点について根本的に地方財政計画を立直した資料を我々に見せて頂かない限りは、交付金で見ておるのだと言つたところでこれは承認できない。而も従来純県費なり、或いは市町村それ自身が持出しておるこの方面の事業費というものは相当高率に上つておるのですから、人件費そのものも十分賄つておらんのですから、だから私はこういう点を勘案されて、財政当局からもう一度、こういうことでやつて行けるのだ、自主財源があるのだから、それぞれ熱意のあるものはやつてもらうのだ、そう言えるかどうか、もう一度伺つておきたい。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) 今般のいわゆる地方税の問題、これは新たに起つた問題でございます。これについては後に一般会計で或る程度の責任を持つというようなことも予定されておるわけであります。一応その点を切離して考えましても、明らかに地方財政は勿論楽ではございません。相当窮迫しておることは我々も認めております。でありますが、この問題に関しましては一応の見返財源を地方財源に見ておる、多少しわ寄せになる点があるのではないか、こういうことでございますが、私どもといたしましては、只今小笠原さんがおつしやいましたように、窮迫しておることも事実でありますが、全然やり繰りがきかない財政というものでもないだろう、こういうふうに考えております。ものによつては一方を節約しても出すということも当然考えられるわけでありまして、只今のいわゆる地方財政の問題は、経費の節約を更に強化もしなければならないでありましようし、いろいろな形の全体としての調整、やり繰りを勿論できるだけ検討する必要があるわけでありますが、全然見合の財源を見ておらんということではなくして、一応計算上の財源を大部分見ておるわけでありますからして、ほかの地方財政全体の問題ということとからみ合せますと、苦しいことはよくわかりますが、これ自体の問題といたしましては、今後只今の約一兆に上る地方財政の枠の中で調整の付かないほどの大きな穴と言いますか、大きな額とは考えられないのであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 今のあなたのおつしやることはね、どこから言つてもおかしい。というのは、地方財政計画を立てておる自治庁のほうの説明、或いはそのほうで提出しておる資料によると、この補助の負担金の増減に伴う経費の増減調べというもので見ますと、約二十億八千三百万というものが地方負担増と出ておる。それでそれを相殺するがためにこの地方財源の増加額二十二億三千万円というものをこれに充てておる、結果としては……。この二十二億三千万円は、いわゆる宝くじなり国庫納付金の経費による地方収入の分、これで結局国庫納付金等をやめることによつて補助金の整理に関する負担増をカバーするというふうに見合になつて出ているのです。従つてそれつ切りで解決できるのだという態度になつておる。然るにあなたのほうは、足りない部分は地方の独立財源、節約等でやつてもらうし、やれるのだと、こういうことを財政当局自身言うこと自体は、これは全体の財政調整なり、或いは今の国の財政計画なり、地方の財政計画を立てられている。論理的な筋から言えば、矛盾した、言えないことなんだ。そういうものまで当て込んで、そうしてなおこの法律改正をやつて行こうなどということは、余りにそれはずうずうしいぬけぬけした考えなんだ。筋がちつとも通つておらんのです、ということだと私は考える。まあ今は関連しておりますから、私に時間が来たときにこれは相当やりたいと思うのですが、一応それだけ聞いておきたい。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと非常に議論に食い違いがありますから、私からお断わり申上げておきますが、例のいわゆる競輪その他の収入の問題、あれは別に今回の補助金を地方に廻しますことによつて地方の財源負担が重くなるということと特に見合わせるためのものではないのであります。(「経過はそうなつているんだ」と呼ぶ者あり)そういうことでなくして、地方交付税の計算において、それだけのいわゆる地方の負担の殖えた分は計算をしておると、こういうことでありまして、一方において収入が地方において競輪等の収入が殖えました分も、別個に地方交付税等の中に勿論参酌せられて来るわけでありますが、直接に見合うという関係には立つておらんわけであります。それから私が申上げた意味は、先ほど三橋さんのおつしやいましたのは、三分の二とか、二分の一とか言うけれども、実際はもつと地方が負担しているのじやないかという実情を指摘されたわけであります。そういう実情があることを我々も農林省当局等からも聞かされておりますし、そういう問題について実は申上げたわけでありますからして、その点だけは一つ御了解願いたいと思います。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 先ほどのお話を伺つておりますると、交付税交付金で出してやると、そうすると、熱心な知事はそつちへ使つたらよろしいし、熱心でない知事はそつちへ使わんでもいいんだというようなお話があつたように伺えるのであります。食糧増産の極めて喫緊な今日におきまして、知事がやらんから食糧増産は放つておいてもよろしいと、こういうことで国の責任というものは務まるものかどうか。知事が不熱心であれば、その不熱心であるほどその県の食糧増産のために補助金を出して、そうして増産の実を促進して行かなければならんというのが本当ではなかろうかと思うのでございますが、今のような大蔵省のお考えでは、日本の食糧というもの外国から輸入しさえすればそれで事足りると、やりたい知事はやればいいし、やりたくない知事はやらなくてもいいんだと、こういうふうに極端にもお考えになつておらんでしようけれども、今のお話から拝聴いたしますれば、そういうことも伺えるのでございますが、食糧問題につきましては、若しもそういうようなお考えでありましたならば一日も早く改めて頂きまして、どの県も地方の余裕のある限り増産の実が上るように、知事の不熱心であるところは補助金などを多額にやつて、そこの土地の利用価値を高めて行くと、こういう方向に持つて行つて頂きたいと思うのでございます。なお農林省では貧弱な農村を相手にしておりますから、恐らく補助金はたくさんいろいろの補助金があると思うのでございます。そうしてその補助金のうちには、法的に予算に組まななければならない補助金と、法にない補助金と、それから補助金の総額というものはどういうようになつておるかということをお伺いいたしたい。  もう一つは、これは大蔵省に伺いたいのでございますが、かように農林省では補助金の総額というものはかなり大きい。ほかの省との見合でどうしても、農林省の仕事はこれは重要な仕事であるけれども、他の省のここを削るから、農林省でもここを削らなければならん、こういうような机上の予算の権衡をとらなければならんというような、こういう考えからこの事業が犠牲になつたというような、こういう事実はございませんかどうかということを一つお伺いいたしたいと思います。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 只今法律に基く補助金と、法律に基かないでやつている補助金の総額の割合でございますが、只今ちよつと資料を持つておりませんので、すぐあとで持つて参ります。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) 只今の御質問で御懸念になりましたような点はございません。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 それは本当ですか、もう一遍念を押しておきます。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) これよりお答えのしようがないのでありますが、これはこれとして検討した上、こういう結論になりました。他の犠牲というような考えは、勿論そういうことはないはずであります。

三橋八次郎日本社会党(第四控室・左)

○三橋八次郎君 厚生省のほうの関係と、何か厚生省のこれを削るからこつちの普及事業も削るというような、そういうことはなかつたのですか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) まあ事柄というか、仕事の性質も違うわけでありますからして、直ちに厚生省等の事柄と比較して、こつちをどうとかいうことは別にございません。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 農林大臣が折角御出席になつておりますから、或いはお答えになつたことであつたかとも考えますが、一応大臣の御所見を承わつておきたいと思います。  第一に、農業改良助長法は当時占領下におきまして、アメリカの進駐軍の指示によつてでき上つた施設であることは御承知の通りでございますが、この助長法の仕事は大臣は他の農業諸般の補助金、奨励金等との比重、ウエイトの問題についてどうお考えになつておりますかということが一つ。それから、この法律による助成は十二条でありましたか、協同農業普及事業ということでありますが、これは国の食糧増産の一環としての大きな一翼として考えられておる仕事であるかどうか。同時に三分の二というものをきめた当時の考え方は、むしろ国の事務の一部分であるというふうな考え方で考えられたのじやないかと思いますが、この点に対しての大臣の御所見を先ず承わつておきたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 改良普及事業が今日の私ども農林省の仕事の中に占めておりまする重要性につきましては、先ほど縷々申上げておるところでございまして、食糧増産という国家的要請、国民経済的要請から果しつつある役割もさることでありまするが、同時に農業の進歩改良による農家経済にもたらすところの直接的利益は更に重大である。従つて食糧増産の面から行きましても、又農家経済の改善という上から行きましても極めて重要な仕事である、かような考え方に立つてこの事業を見ておるわけで、進めておるわけでございます。それから第二の点につきましては、これはもう国の事業であると同時に、農家直接、只今申上げましたような性質を持つている仕事である、こういうふうにまあ考えております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 国の事務として考えておいでになりますか、或いはこれは地方の自治事務としてお考えになつておりますか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 仕事の性質から言いますと、私は両方が共同して行わななければ、どつちの仕事だといつてやつたのでは完全に行くものではない、これは従つて国のほうでやるから、地方のほうはまあそう熱を持たなくてもいいのだ、或いは地方がやるから国のほうは熱を持たんでもいいのじやないかというようなものとは違うのじやないか。国もとにかくそういう国民経済上の大きな背景に役目を持つております。地方は地方で同時にその県の農家、その県の経済に密着いたしておるわけでございますから、これはやはり相互共同をして行なつて行くべきものである、こう考えます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこで補助率を三分の二におきめになつた当時の考え方と、今日二分の一に減額された場合との考え方の相違が、どういう点からこれを三分の二を二分の一にされましたか、この点を一つ……。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) これはもう先ほどから申上げておりますように、そういうことでございますけれども、地方の財政状態からいたしますれば、私どもとしてはこの事業の重要性に鑑みまして、何とか前年度までやつて来ました三分の二の補助を維持してこの事業を推進して行くことが、この事業推進の面から見ますれば適切であるという考えを持つて助長いたして参つておりましたけれども、地方財源の調整或いは全体の財政事情からいたしまして、当分の間一つ二分の一で行く、あとの措置はあとの措置として表面の補助措置は二分の一にするということにいたした以外何にも理由はないのでございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君  先ほど三橋さんからお尋ねがあつた点、重要な点があると思うのでありますが、この助長法によりますというと、大体人を対象として助成されておる。そうすると、人に対する助成の金額は、それに要する費用は事務的経費も合せて同時に助成されるという建前であると思うのでありますが、そう考えてよろしうございますか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) この改良助長法の助長の対象は人が中心になつておるのは今お話の通りでありまして、今までの費用の額から言いますと、大体九割以上が人件費ということになつております。更にこの人に関する費用と申しますと、俸給のほかの旅費とかいう意味に解しますれば、旅費の分までは当然入れなければ人が動けないのですから、あとは俸給の中には勿論公務員として与えられる手当等は勿論俸給の分に入つておる……、(小笠原二三男君「入つていないんだ、何言つてんだ、しつかりせい」と述ぶ)入つていないのです。なお事業費は事業費でそれぞれ別に組んでおりますから、これは各種のほかの補助金で見る、こういうふうになつておるのであります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 大臣は恐らく御存じないのじやないかと思うのですが、こういう問題があるのです。この普及員を置いたために、地方の町村では少くとも数万若しくは十数万の事務的経費及び旅費、それからいろいろな事業に伴う諸雑費というものを相当負担しておる。これらの諸費用は一体この補助の対象になつておるのかどうかということを先ず……。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 実際問題としまして普及員を市町村に駐在さす、そのために市町村が相当負担しておるのがあります。これに農林省としましても市町村個々に駐在さすか、或いは数市町村をまとめて駐在さすか、いろいろ指導が変つて来てありますが、市町村で負担する分につきましては、我我のほうの建前としましては、この事業がこの法律の趣旨から言つて、国と農林省と都道府県との共同事業ということになつておりますので、市町村の分は補助の対象に一応見ていないのであります。そこに今問題があると思います。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこで大蔵省のほうと関連を以てお尋ねいたしたいと思うのですが、シヤウプの勧告案による税制改正の当時は、寄附金を排除するという大きな建前をとつていた。ところが財政計画に上つておらん寄附金或いはこれに相当する費用を市町村は多額の経費を負担しておる、負担というよりは寄附金の形で出しておる。そこで私は先ほどから大臣にお尋ねしておるのは、一体これらの寄附金というものは市町村から徴収し得ることが当然であるとお考えになつておるかどうか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) これは仕事の、普及事業の運営方法で御承知のように、先ほどちよつと申上げましたが、市町村当局或いは市町村の団体がこれを手足のごとく使つておる県と、相当上からと言つてはちよつと語弊がありますが、県のほうが指導力を持つてやつておる県と、いろいろのニユアンスの差があるのであります。府県が上からやるということになりますと、当然府県のほうからこれにいろいろな経費を余計付けなければいかん、こういうこと。又そういう県が相当あることと思いますが、逆に市町村に普及員を駐在さして、例えば長野県のごとく、或いは県の中でも非常に熱心な有力者がいる町村では、まるまる普及員を市町村に引つ張つて来て、その代りこれに対して事務費とか、或いは普及事業の協力費用を出す、こういうふうな例があるのであります。これを府県で持たないで町村へ持たすことは当然であるかどうか、こういうことになりますと、この法律の建前から言いますと、町村には持たしてはおかしいのであつて、府県が持つべきじやないかと、こういうふうに考えます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 大蔵省はその点はどうお考えになりますか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) 只今農林少から答弁がありましたが、この建前がもともと府県と国と共同でやる仕事でもありますし、本来県が直接に自分の財源によつてやるべきものが筋と思います。非常に市町村の要望が只今の例のようにもだしがたくて、市町村からのその申出によつて事実上やつておるということでありますが、筋としましては、やはり府県がやるのが適当だと思います。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこで、この法律の建前から言うと、人に関するすべての経費はこれは府県及び国で共同をしてやる、こういう建前だとすれば、市町村へこれらの負担を持たせるということは、これは適当でないと私は思うのであります。然るに現在の情勢はそうでなくして、相当市町村へ負担をせしめておる。だからしてこれは考え方によつて当然市町村の要望もあるし、これは府県へ負担せしめるのだ、いや、市町村へも負担せしめることが、場合によれば熱心なる市町村には負担せしめるのだ、こういう建前で今日までおいでになつておるのでありますが、これは法律の建前から言うと適当でないと思うから、これを改めるというようなお考えはありますか、どうか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) この点は非常にむずかしい問題でありまして、市町村の負担を義務付けるということになりますと、すぐの問題としてはいろいろ問題があろうかと思います。私のほうでは市町村の負担の分を義務付けたら、果してどうなるかということについて研究を進めて来ておるのであります。先ほど申上げましたように、市町村駐在がいいか、或いは数町村ブロツクがいいかということは、今までの農林省の方針としては数町村ブロツクで改良普及事業をやつたほうがいい、こういうふうな方向が大勢的でありますので、まだはつきりした結論が出ておりません。もう少し研究したい、こういうふうに考えております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 現在普及員の設置のために要する経費総額を見ますると、三分の二の補助でということになつておりまするけれども、それは事実は四割六分ぐらいしか当つておらない。これが現実だと思う。そこで府県財政から見まして、或いは市町村から申しましても、只今申上げたように、市町村みずからが非常な負担をしておるということが一つ。それから府県の補助率から言つても四割数分にしか当つておらん、こういうことになりますと、それを二分の一に切下げるというと補助率がなお相当減額することになる。そういう事実に対して大臣は止むを得んと、こうお考えですか、どうですか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) この事業は国と府県で共同して行う。併し実際の実情が府県、国以外の負担に帰している分があるじやないか、それが最も大きくしわが来ているのは市町村じやないか、こういうところだろうと思います。私はこの実情を否定するものではございません。併しそれがこの助成法の趣意とするところ、よしあしは別として、法の趣意としているところでないことも事実なんでございます。ここには、やらなければならないことと実際の問題との間に、割切れない実情になつてなつておることはもう認めざるを得ないと思うわけでございます。従つて現状より更にそのしわが寄つて行くということは私は一応ないと考えますけれども、現状はそれじや国、府県以外にしわが来ている所はないかと言えば、これは来ているということは実際問題としてあり得るとまあ認めざるを得んと思います。併しそれじやこの現状が更に府県以外の市町村或いはその他の団体にしわが行くということにはならないで済むのじやなかろうかと、こういうふうに私考えます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 地方財政の問題は農林大臣の所管ではないものでありますが、実際問題としては今の地方財政計画というものによる自治庁の弾き出したる数字というものは、自治庁の一方的な一つの基準によつてやつておるわけです。その結果実質に合わないということは、もう俸給は勿論旅費、事務費すべてにそうなんです。そこで府県としてはどこを削ろうかというときには、止むを得ず現在置いてあるものに対してはどうしても相当の活動力を持たんならん。従つてそのしわはやがて人員整理に及ぶということが今憂えられておるわけです。今日の農業改良或いは食糧増産の重要なるときに、人員整理までに及ぶということは、これは忍びんじやないかと、こういうことが唱えられておるわけですが、人員整理のような場合が事実として起き得るということがもう現実に出つつある際に、農林大臣はこの問題に対して、どうこれに処して行こうかというお考え、方針なんですか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) この改良事業につきましては、先ほどもお答えいたしておりますが、私も今お話のような地方財政の実情から来るところのそういう事態を心配しないものではございません。私の県においても今日赤字六億の予算を組んで、どうして凌いで行くかということで、そういう問題が現実の課題になつて来ておるように承知をいたしておるわけであります。ただ併しこの改良普及事業は、先ほどもお答え申上げておりますように、成るほど三分の二から二分の一補助率に変更いたしておりまするけれども、その総額につきましては、富裕県を除きましては交付金のほうで措置をいたしておるわけでございますから、この改良普及事業は我々農林省のみならず、共同で行つこおりまするところの府県においても、各府県においても相当高くこの成果を、仕事を評価して頂いておるということを確信をいたしておるわけでございますし、更に又こうなつても、こういうふうな交付金措置をとつておるから、そういう御心配の点は起らないように万全の措置を講じて参るつもりでおるわけでございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 その且が、万全の措置と言われるが、これは非常に綺麗な言葉ですが、恐らくこの結果は人員整理にまで及ぶという結果になることが予想されるわけです。その場合、大臣は農林省所管の補助金全体を通じ、或いは今回のこの補助金整理の法律そのものからお考えになつて、このままこの助長法に関する人員整理が引下の結果、これは財源措置をやつていると言われますけれども、それは今申上げたように市町村までしわ寄せしているわけなんです。その結果は財源措置が自治庁の一方的な数字で終つているわけですから、勢い人員整理までも及ばんとするという傾向があるわけです。その場合の万全の措置というのはどういうことをお考ええになつているのですか。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) どういう意味ですか、ちよつと……。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 万全の措置というのは、或いは別途予算を要求されるとか、或いは人員整理はこの際は是非やらんように、他の財源でやるようにというような通牒でもお出しになりますか、そういうことの具体的な問題をお聞きしたい。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) この法律が成立した暁におきましては、直ちに通牒を以て万全の措置を講じて行きたい、かように考えております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこでこれは人員整理まで及ぶような、例えば地方行政委員会におきまする補助金整理に関する公述人の意見をお読みになつたかどうか知りませんが、これによりますと、すでに実質的に補助金の単価の切下は、二分の一の補助はできない、従つてその結果は本事業の大幅な削減が余儀なくされる、人員整理まで及ぶ、こういうふうな公述になつているのであります。でありますから、只今お話のような通牒を以て人員整理をやらないようにということだけで万全の措置とお考えになつているのか。私の申上げるのは、もつと内容を御審査の上、その人員整理まで及ぶというような場合におきましては、別途に市町村等が負担している事務費までも将来及ぶというふうなお考えを新たにお考えになる必要があると私は思う。そういう問題についての具体的な今お考えが若しおありでしたら……、これが併し若しまだ検討中であるということになれば、もつと突き進んで検討を一つ加えてもらいたい、こういうことを希望いたします。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 三分の二の補助から二分の一補助になつて、それに藉口して人員整理を行うというがごときことは私は絶対にやつてもらつちや困る、そのために一方において交付金のほうで富裕県を除いて措置をしているわけでありますから、通牒のみならず、経済部長、農林部長等、各県等にもよく趣意を徹底いたしまして、そういう結果が出て来ないように処置をして参りたい、かように考えております。なお細かいことについてのお話のような点につきましては、十分研究をさせて頂きたいつもりでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 関連して……。今農林大臣はそういうことをおつしやいましたが、素直に筋から言えば農林大臣のおつしやる通りなんですね。けれども農林大臣は過去の事業における県或いは市町村の持出し分というものがどれほど高額に達しておるか、その実情というものを計数の上でちよつとでも御覧になれば、そういうことは到底もう所管大臣としては言えないはずなんだ。そういう意味でもう一度素直に一つお尋ねしますが、結論としては確かに人員整理はしなくちやならんと中央では言つておりますけれども、やらんでしよう。なぜなら、それは農林当局から各種の補助金助成、それから各方面でもらつておる、或いは農業改良事業等でいろいろの施設に援助してもらつておる。府県としては農林省から睨まれれば入つて来るものが細くなると思うから、その恫喝に恐れをなして、他の金でも無理々々注ぎ込んで、普及員は大臣の通牒通りそれを維持するでございましよう。併し府県の一般の自治体として基本的な財政支出計画にまでこれが影響が起つて来る。それは農林省所管のこととしては維持できるかも知らん。いろいろのものに圧力をかけられれば、農地部長だろうが何だろうが、それはもうぺこぺこ頭を下げざるを得ない。実態は農林省と各県の部長或いは所属行政官との間というものはそういうふうに傾斜しているのですから、だから人員整理するなよと言われたら、それはやらんでしよう。けれどもそれが他の一般の地方財政にしわ寄せになつて行くのだ。そういうことを国みずからがやるということについては、これは考え直して頂かなければならんというのが我々の考えなんです。そのために、話は長くなつて恐縮ですが、一例を申上げると、そこにも資料があるでしよう、昨年度二十九億かのこの事業の金がかかつておる大部分は人件費だと言われる。その人件費においても県費の持出し分というものが単に俸給費等の問題だけでも二億四千万円だ。それから当然措置しなければならない期末手当、勤勉手当、超過勤務手当は一文も出しておらん。計算の基礎に入つておらん。これが三億から県の持出しになつておる。指導旅費そのものでも九十万円からの持出し分が出ておる。それはお前たちのほうは仕事をやり過ぎるのだ。国のきめた通り旅費を使つて、あとは遊んでおればいいんだと言われば、それはそれまでですよ。併しこの人員を確保するについても現在の人員が一万二千七百十三人だという。これは国のきめた定員から見れば百六十二人多いと言いますけれども、殆んどは定員に近い数なんだ。それでなお且つこういう持出し分がある。市町村そのものは三億から運営費の寄附をしておる。国自身が当然措置しなければならない給与の或る特定の部分については一切従来も見ておらなかつた。今後この分は地方が見なくちやならん。而も又三分の二が二分の一になる。そうしたら純県費の増というものは、持出し分というものは、これは莫大なものになる。こういうことで交付金で見ておる、見ておると言つても、これは六級五号なら六級五号という仮定標準俸給についての二分の一というものをただ積算するだけなんだ。単位費用としては現実離れのした費用で計算しているだけなんだ。そういうことから考えれば、農林行政のトツプにある大臣といたしましては、これはもう地方でやつてもらうのだ、やれるんだと、どこを押したら言えます。ただあなたが最初におつしやつた通り、自分は三分の二で行きたいのだが、財政の都合上止むを得ず二分の一、それだけが理由なんだ、こうおつしやつているから、私たちも農林大臣の本意は飽くまでも三分の二を堅持したいというところだつたろうと考えるからじつとしておるのですが、併しまあ人員整理はなかろう。そういうことはさせない。こう言いますけれども、こういう財政の状態を見て、そういうことを農林大臣がおつしやることは、地方の当事者に対してはそれは至極酷なことで、冷酷無慚なことですよ。国務大臣として、而も国の財政、地方の財政共に睨み合して財政計画を立てられて、地方の自治なり国の政治をやつて行く責任者として、これだけのしわ寄せがあるものを、まあ止むを得ない、而も人員整理はさせないのだ、そういうことだつたら、どつかにしわが行くんだということはお認めにならなくちやならんと思う。その点は止むを得ないものとして大臣もお認めになられますか。或いは又もう一度伺いますが、給与貸の全額について、給与であろうと何であろうと、本年度の地方財政計画の積算の基礎には全部この期末手当でも何でも入れて、二分の一で給与をする方針で参りますか、この二点をお伺いしたい。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 予算を今日動かすという考えはございません。ただ人員整理をさせないようにするから冷酷無情だという意味はどういう意味になりましようか。成るほどいろいろな関連において地方財政が非常に困窮して来ておるということは、その通りだと私も承知をいたしております。そこで改良普及事業の取扱いにつきましては、私どもとしては只今御了解を得ておりまするように、同等の、同じような条件下にあるならば、これはたしかに国と県と、乃至は又市町村と同じような割合で共同してやるべき仕事であろうと思うわけですけれども、実際の実情からいたしまして、又この普及事業が今日まで進展して参つておりますとは申しながらも、今後推進して参ります上から行きますれば、私どもは三分の二の補助が少くとも適当であると考えて努力いたしたわけでありますけれども、只今の事情からいたしまして二分の一に変更をする、但し変更をするけれども、地方財政の実情に鑑みて、富裕県の分については止むを得ずとするも、その他の県についてはこれに見合うところのものを交付金の中に織込むという措置をとつておるわけでございますから、その面からいたしまして、地方庁に改良普及事業の緊要性を、従つて普及事業を後退せしめないようにという措置を講ずることは、私はとらして頂いても差支えないことではないか、又とらなければならない措置ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 そのことは農林大臣としておやりになるでしよう。私はそういうことは否定しないのです。ただあなたが交付金で見るとおつしやいますけれども、従来の平衡交付金法に基くこの財政調整を、今年度も過程年度として交付金においてやるのですが、それは御承知のように六級五号なら六級五号というその低い給与で、誰もそういう給与はもらつていない、そういう給与単価で計算をしているのです。従つて現実にはここにも記載されてある通り、普及員一人当り月額で俸給そのもので千四百円から地方が持出しておるのです。専門技術員については一万三千円から足りないのです、一人について……。そういう単価で計算したもので国は二分の一だ、交付金では三分の二廻してやるんだと言つて、その金で、じや生きた人間に給与してやることができるかというと、過去から現在までその給与はできないのです。従つて地方はその分だけ純県費を持出しているわけです。ところがそういう状態であれば、なお且つ本年度からは純県費の持出し分というものは殖えて来るわけなんです。殖えて来ることが明らかなのに、農林大臣としては、人員整理等のことのないように地方の協力を願うと、こう言つてやるというのです。そのことはできるのでしよう。言うてやることは……。そして私もいろいろな補助金その他の配分が自分の県に細くなつては困るから、それは農林省のおつしやる通り、それは聞くのでございます。併しその分、それは地方の他に使わなければならないような財源までもこれへぶち込むことを強要する結果になるのです。そういうことは、今の平衡交付金法なり、地方交付税法なりの建前からしては、実はとつてはならないことなんです。そのとつてはならない措置をあなたはやらせようとしているわけです。そういう点に我々は問題があると、こういうふうにまあ考えてお尋ねしているわけなんです。十分交付金をお廻しになるのですか。而もこの交付金というものは、あなたが御承知のように、国税のうちの何割かを限度としてそのきまつた金額をただ廻してやるだけであつて、心底から地方財政の必要を充たすために計算されて出してやる金じやないのです。毎年度その税収見込額が違えば、これは計画も違つて来るのです。実際それで足りるものやら足りんものやらは、自治庁がただ計算の上、辻褄を合わせているだけなんです。従来の平年度の平衡交付金よりは、本年度の交付税交付金なるものは減額されておるのです。地方財政全体としては非常に窮屈になつて来る年なんです。それにさつきもお話のように、税率の変更等に伴う六十七億という地方財政計画が覆えつてしまつた今日において、なおこういうしわ寄せになる結果が明らかになることを農林大臣としては我慢してやつてくれという通牒を出すということは、冷酷無慚だと言つて間違いでしようか。国で手当すべき点が相当この問題については、地方財政全体についても、或いはこの問題についてもなければ、地方としては納得されないだろうということを私申上げておるのです。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 俸給単価の問題、これは地方のみならず中央でも非常にむずかしい問題でありまして、各官庁、或いは極端に言えば、局別にいろんな問題があつて我々悩んでおるわけであります。お話の点は……。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 あなたのほうからは、期末手当や、勤勉手当や、超過勤務手当については、今年の交付金の算定基準の中に見込むか、それだけ聞きたい。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) お話の点はそういう点で、不足分をこちらで平均単価でやつて、不足分を財政事情で見込めば辻褄が合うと、こういう計算になると思うのであります。ところが補助職員の数が非常に多くありまして、或る事業の補助職員ではマイナスになる、或る職員ではプラスになる、こうことふうなことを県ごとにやつてトータルしますと、県ごとにプラスの県とマイナスの県が出て来る。そこの調整が十分に行かないと、マイナスの県、つまり県の負担がプラスになる県が、どうしても持出しにならなければいかん。こういう結果になつておると考えておるのであります。この点はなかなかむずかしい問題でありまして、今のところはその処置が付いていないのであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 付いていないから、放つたらかしたら私の言う通りのことだけじやないか。それでなお農業改良局長なりの通牒で、人員整理はしないように然るべくというようなことは、どこを押せば言えるのですか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) はつきり申上げますと、これは結局今まで純県費で負担して頂いておつたのを、二十九年度から零にするわけには行かない、純県費負担の分を相当程度残して頂かなければならん、こういう結果にならざるを得ない。こういうことになると思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 そういうことをわかりきつてこういう法案を出す限りは、あなたたち事務当局としては、これは悪法だということを御認定の上出しているわけですな。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 先ほど大臣からいろいろお話いたしましたように、紆余曲折を経て出ておるのであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 あなたがそういうことを大臣の答弁に代つて答弁する限りは、あたたに私は聞く。今までいろいろ各委員からお話のあつた点は、あなたお認めになりますか、論理としてお認めになりますか。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) いろいろ御意見は理窟に合つている部分と、理窟に合つておつても実際上できない部分がある、こういうふうに思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それでは深く責任を痛感しておりますか、この方面の行政担当をする所管省として……。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 勿論責任を痛感して、これが改善につきましては先ほど来申上げましたような研究をいたしております。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 農林省の大臣初め皆御意見を聞きますと、大体必要な普及の仕事に対して、あと迷惑のかからんように、地方財政に迷惑のかからんように十分の処置をとつてやるというようなお気持を聞いております。それならなぜそういうような交付金を出して、この三分の二を減したか、わざわざそれだけの財源があるならなぜそういうことをやるのか。その点ほども聞きましたが、現在日本の食糧事情にしても、農業改善の必要性から考えましても、ますますこれは強化しなくちやならんじやないか。農林省の皆さんそれを感じておられる。なぜそれではこういうふうにしたんだ。財源もあるぞと言うなら、そういうようなこの財源を、わざわざ地方交付税交付金に一部繰込んで、何とかあとは見てやるのだというような御答弁をなさつておりますが、どうもその点がなぜそういうような二本建にするのか、このままで行つたらいいじやないかと私は考えるのですが、もう少しはつきりその点を、覚悟を御披瀝願いたいのですが。

渡部伍良農林大臣官房長

○政府委員(渡部伍良君) 先ほどから大臣のお話がありますように、地方財政間の調文をやる。即ち三分の二と二分の一の差額の負担を富裕県で見てもらう。

武藤常介改進党

○武藤常介君 只今同僚の委員から大分御質問がありまして、政府当局も御答弁に非常に困つておるようでございますが、私つらつら考えてみまするのに、一体この法案そのものがやはり根本的にそうした様相を帯びておると考えるのであります。つまり政府の財政計画というものががつちりしていないということがこういうふうになつて来ておる、例えば昨年教育の国庫負担の半額を富裕県には交付しないというので、二回かに亘りましてこれの臨時措置によりまして打切りを出したのでございましたが、それが流れてしまつた。だんだん新聞等を見まするというと、これも政府内部において何大臣は熱がなかつたとか、何とかいうようなことも見えておりましたが、要するにそういう面をおろそかにしてしまう、そういう財源をこうした方面にしわ寄せしてしまつたから、こういう問題ができたのではないか、そういうふうに考えまするというと、大蔵当局の答弁も、又農林当局の答弁も、どうも失礼でありますが、答弁が非常に困難らしい、この案を我々が呑むだけにはその御答弁では納得できない。余り長くなりますから、皆さん方と成るべく重複しないように申上げてみたいと思うのでありまするが、三分の二が二分の一になつたという金額もさることながら、実際において地方の指導員というものが、現在までは三分の二であるものが今度は二分の一になつたというそのことが、それを担当するところの職員の非常な感じを悪くするのでありまして、熱意を失つてしまう、殊に御承知のように昨年の冷害、風水害等によりまして、農業は又一般と特別な見地から研究をして指導しなければならん、こういうときでありますにもかかわらず、これを減すということは甚だ矛盾した方法ではないか、成るほど交付金もありましようが、この交付金が非常にどうもあいまいになるというので、実際の職員は非常な不安を持つておられるのであります。実際において今日まで仮に三分の二を支給して、県があとの三分の一をがつちり支給しておつたならばよろしいのでありますが。実際においては県又は村等を加えまするというと、三分の一以上負担いたしておりまして、従つて現在通りの負担に地方はなるのではないか、従つて職員に対してはその支給が減ずるのではないか、或いは只今皆さんからお話がありましたように、人員を減らすような結果になるのではないか、殊にこれは重大な問題なんですが、地方職員が指導に参りましても、県或いは村等の補助がありますので、いろいろな方面に使われておる、本当の指導でない別な面のことにまで奔走させられておる、こういうようなこともよく聞いておりまするが、これらの観点から申しまするというと、その普及員などの実際の成績は非常に減退するのではないか、こういうことを私は心配いたしておるのでありますが、農林当局におきましては、これに対しましても全く万全の策を講ずるというが、その万全の策はどうか、今質問されても具体的には案がないようでありますが、かような状態において本当に本年度あたり最も必要な指導が完全に行われるか、そういう自信がありますかどうか、その点をお伺いいたしたいのであります。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 三分の二の補助が二分一補助になつて普及員の士気が減退して来るということは、これは見方々々だろうと存じますけれども、私は考え方によれば、むしろ普及員が茨木県なら茨木県の県費と申しますか、地元の依存度が高まる、実質は交付金の措置で同様だと存じますけれども、そういう形はむしろその県職員的意識、従つてその責任と申しますか、私はむしろそつちのほうの利益のほうが多いのじやないかというような感じ、これはまあ感じでございますから、いずれにしても同様であろうと思います。それから又そういうふうになつて来るというと、本来の普及事業に没頭できず、いろいろな雑用にとられるというようなことになつて、本来の普及事業がおろそかになるのじやないかという御心配というように伺いますが、これは私は先ほども申しておりますように、やはり県においても普及事業というものに対する認識と申しますか、その感じておる重要性を同様に持つておられるならば、さようなことは起り得ないのではないか、併し又同時に余力を以てその他の仕事に携わるということは、これはむしろ歓迎すべきことであつて、手があいておつても何もせんというようなことは、又奨励すべきことでもなかろうと存じます。いずれにいたしましても、普及事業それ自体がこれによつて後退する、或いは普及事業が活撥さを失つて来るようなことのないように、私は府県側に対しても是非そういうことのないように御協力を強くお願いいたしたい、そうして御心配のないようにいたさなければならん、こういうふうに考えております。

武藤常介改進党

○武藤常介君 只今大臣は大変に、人間は理想的に考られば成るほどそうでありましようが、やはり人間の情でありまするからして、今度は補助を減じられたということになれば確かに私は気分が変る、つまり本当に国家がこの指導が必要ならば補助を増額してもむしろなすべきではないか、殊に本年のごときは非常に食糧が不足する、これがためには種々なる方策を使つて高い食糧も輸入しなければならない、こういう場合にかかわらず、これを緩めるということは根本的に私はうまくないと思う。そこでなぜこういう案を編んだかということが根本問題なんでありますが、先ほど申しました教育費の問題から見ても、一年に七、八十億という金が余分に支出される、それにもかかわらず全部やつても僅か二十数億にしかならない、殊に農林の関係ごときは極めて零細なる金によつて本当の食糧の増産ができるのである。これをこの中へ織込むということは甚だ私はうまくなかつた、定めし農林大臣も相当にこれには反対をされたのだと思うのですが、どうも反対が少し足らなかつたのじやないか、本当に力強くやつたならば、大蔵当局もこれくらいは生かしてくれることができたのじやないか。これは細かなことを申上げて何ですが、何とかこの問題は考え直さなければならんではないか。実は私は改進党でありますので、本案には附帯的な何か三党協定か何かあるのでありますが、この問題はそういう三党協定とか何とかいうことで私は到底鵜呑みにできないのであります。一応なお一つ農林当局の信念を伺つておきたいと思います。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 関連して……。現在の普及施設が今のままでいいか悪いかという根本の問題になりますが、今一万二千人或いは三千人程度、その程度であれだけの大きな農業の生活改善、農業政策の推進、こういうようなことをやつておるのでありますが、併しこんなことでは足らんのじやないか。前にも農林大臣にちよつとお尋ねしたこともありますが、今郡単位で途中で切れているじやないか、今の普及員の指導網は末端まで行つていない、町村まで行つていないじやないか、切れたままになつているのであります。まだまだ増員して町村までこれを普及させるというところまで行かないと本当の効果は出ないと思うのであります。この普及員をもつと強化したいという気持は内閣全体の気持じやないか。今回の議会の初めの首相の方針演説の中にもありましたが、食糧増産の方策として農地の改善、又営農技術の普及改善、食生活の改善というようなことを申しておられましたが、これだけ力こぶを入れて農林関係の問題に熱心だというような今の内閣の方針から行きますと、今回のやり方はどうもこれは方針と違つているじやないか、もつと熱を持つてこれはやらなくちやいかんじやないか、私その点を強調して申上げたいのでありますが、すでに今でもこの三分の二が二分の一になるということで、長野県、長崎県、兵庫県、又千葉県ですか、そこらではすでにもう人員の整理をしようというところまで行つているということを聞いております。現在ですら足らんようなそういうような施設に対してまだこれが少くなる、或いは国庫で補助を見られていないボーナスとか、諸施設の補助、そういうようなものに対しましては、ますます減つて来るのじやないかということを考えますと、これは日本の農業の今の現状を考えまして大問題じやないか。もつと農林省としてはこの点に重点を置いてもらわなくちやいかん。農林省の大きなほかの施設にしましても、これ以下の施設はたくさんあるじやないか。そんな分を削つてでもこれに充当する。例えばこれは言過ぎかも知れませんが、干拓事業にしましても、開墾の仕事にしましても、大きな金を使つていつになつて効果が上るかわからんじやないか、(「然り」と呼ぶ者あり)開墾で申上げますと、農林省の指導が悪いか、監督が悪いかの結果、地方では畑にならないような山を開墾する、それで開墾費を相当使つて、数年後にはこれを山にするというような状態で、効率の上らないところに相当金が使われている。そういうような点、又農業委員会というようなものもありますが、諸種の施設の補助を見ておりますと、或る程度減額或いは廃止する、当分の間この指導員の組織をもつと強化するというところまで考え直して頂きたいと考えるのですが、現在の指導網に対しまして農林省はどういう工合に考えておられるか、この点御答弁願いたい。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 武藤委員のお尋ねでございましたが、これはもう何ぼここでやりましたと申上げてみましたところで、この案の提出に賛成をいたして出しておるわけでざいごますから、私は私の努力の最善を尽しましたと申上げるよりほかはございません。なお只今お話の農林予算の他の部分を削減しても、これはむしろ増額すべきである。御意見は十分伺いますけれども、私といたしましては、他の節減すべき農林省には予算はございませんと申上げるよりほかはございません。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 議事進行。相当時間やりましたがこれはまだまだ質問したいところですが、政府与党の自由党さんは一名もおられない。それで私たち真剣にこの問題に取組んでいるのは、速記を付けていて何ですが、どうもばかくさくなつて来たんですな。本日はこの程度で散会せられんことの動議を出します。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) 速記を始めて下さい。  散会に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) それじや散会いたします。    午後三時五十七分散会

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