補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第10号
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- 開催日
- 1954/03/29
会議録
○委員長(松永義雄君) これより特別委員会を開会いたします。 補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題に供します。 質疑を行う前に、本案につきまして農林委員会からお手許に配付のような申入がございましたので御報告申上げます。 政府から厚生大臣、厚生省公衆衛生局環境衛生部長楠本正康君が出席されております。御質疑のあるかたは御発言願います。
○小笠原二三男君 第二章厚生省関係の問題についてお尋ねしたいのですが、大臣御承知であるかどうかわかりませんが、この特例に関する法律案については、その根底をなす諸問題について一貫した理念がないということで、本委員会では幾多問題点を挙げておるところであります。そういう前提に立つて質問いたしますから、本日は国務大臣というよりは所管大臣としての所見を承わりたいので、その点あらかじめ申上げておきます。 先ず第七条についてでございますが、これは衆議院の修正によつて現行法通り三分の一の国庫負担ということに修正に相成りまして、四億何がしかの増額決定を見たのでありますが、この増額決定を見ました十八億何がしの金額を以て、軌道に乗つて来ておる保健所の運営等が全国的に十分なされるというふうに大臣はお考えでございますか、どうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(草葉隆圓君) 第七条におきまして、この保健所もさようなふうに相成つておりましたが、只今お話のように、衆議院におきまする修正におきまして、従前通りの形に相成りましたために、最近殊に地方におきまする保健所が第一線保健業務として重要視されておりまする際でありまするから、従来の補助率を以ていたしますることに還元されまして、この点は一層その性能を発揮し得ることと存じておる次第であります。
○小笠原二三男君 大蔵省から配布になりました資料によりますと、この関係において二十九年度予算額は、現行法によるときは十七億五千九百何がし万円かかるということになつておりますが、衆議院の修正では、現行法通り三分の一としまして十八億四千何がし万円かかるということになつておりまして、この間の事情がわかりませんが、これは事務当局のほうでどうしてこういう計数が出て来たのか、御説明願いたい。
○政府委員(楠本正康君) これは大蔵省の資料は現在のままの数字で計算いたしております。ところが来年度は更に保健所の十カ所が増設されます。なおそのほか小さい保健所から大きな保健所に拡充されますものが十カ所を予定されております。従つて来年度におきましては、これら新設並びに拡充分の予算を含めまして、若干本年度分よりも上廻つておるわけであります。大蔵省の資料は本年度分を積算してございます。
○小笠原二三男君 只今御説明の新設或いは拡充の問題について、十カ所或いはその他というようなのは、衆議院の修正で議員の発議によつて、それはどことこというふうに決定になつてこういう予算案が通過して来たものでございますが、厚生省はこの点についてどれだけタツチしておられますか。
○政府委員(楠本正康君) 保健所の必要性から、更に現在よりも拡充したほうがよろしかろうという御判断だと存じております。従つて私どもといたしましては、何らその新設箇所或いは拡充を要する保健所等の相談は受けておりません。そこで私どもといたしましては、これら新設及び拡充は、できるだけ現在の実情に応じまして最も必要なところに配当をいたして参る所存でございます。
○小笠原二三男君 そうしますと、二十九年度予算計上を大蔵省に要求し、査定するときの資料には、拡充或いは新設、これらの資料は厚生省自体としては初めから見ておらなかつた、こう了承してよろしうございますか。
○政府委員(楠本正康君) 一応予算の要求といたしましては、当初かような拡充を見越して予算の要求をいたしました。
○小笠原二三男君 その要求したものと、現に衆議院で修正されたものとではどういうふうに計数上差異がございますか。
○政府委員(楠本正康君) 余り大きな差異はないように存じます。
○小笠原二三男君 そうすると、厚生省はこの修正には何らタツチしておらないで、偶然の結果差異がないようにうまく辻褄が合つたわけですか。
○政府委員(楠本正康君) これらの費用は、この保健所というものを一カ所幾らという単位計算をいたしますので、計算が極めて簡単でございます。従つて誰がいたしましても、一カ所幾ら掛ける何カ所で、おおむね同じような数字が出る見当になつております。
○小笠原二三男君 厚生大臣にもう少しさつぱりした答弁をお願いしたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは、実は保健所は二十九年度で新らしく全般的な予算の中に新規十カ所並びにC級からA級へいわゆる格上げいたしますのが十カ所、これは二十九年度予算に計上いたしておるのであります。それで今申上げましたのは、その二十九年度予算じやなしに二十八年度予算でやつたのだ、二十九年度予算の数を合計いたしますと二十カ所になります。十カ所、十カ所、それによつてお話の点が相異して来たと考えます。
○小笠原二三男君 そこで、当初は厚生省としても十分な要求を大蔵省にした、併しそれが削られた。辛うじて衆議院の修正で所期の目的に近い結果を生み出してほつとしたというのがまあ経過だろうと考えます。それでこの点は厚生省関係の予算のうちで削られても仕方がない、止むを得ないとして甘んじた根拠をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは全体の、いわゆる補助金等の臨時特例として皆様の御審議を頂いておりまする各般の補助金の立場から、従来厚生省では只今御審議を頂いておりまする第七条から十一条までの関係の補助金が、これらの一連の方針として丁度ここへ加わつたわけでございます。そういう関係で第七条以下十一条までがそのような状態になりまして、それぞれの補助金を或いは減額し、或いはなくするという状態に相成つた次第であります。全体といたしましては、社会保障或いは社会福祉の立場からは誠に不十分とは存じまするが、国の全体の財政の上からは又協力すべきものとしていたした次第でありまして、この点はどうぞ御了承を頂きたいと存じます。
○小笠原二三男君 今後において又四分の一に率を減額するというような大蔵省側の意向等が現われます場合には、大臣は飽くまでも衆議院の意思或いは参議院で衆議院修正通りきまりました場合には、参議院の意思等も背景として、絶対そういう措置はとらせないようにするという御決意があるかどうか、承わりたい。
○国務大臣(草葉隆圓君) 十分国会、衆参両院の御趣旨は尊重して、さような方針にいたしたいと存じております。
○島村軍次君 そうしますと、厚生省の御意見としては、第七条乃至第十一条の予算関係は三党修正で修正されたので、もはやこの条文は予算執行上必要ないという御見解と解釈してよろしうございますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 第七条が保健所関係で、その率の点が衆議院において修正になりました。他の点は第八条、第九条、第十条、第十一条はこの通りと存じております。
○島村軍次君 そうしますと、第七条は削除しても差支えないということに了解してよろしうございますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) その通りに考えております。
○島村軍次君 そこで、先の単位計算の大蔵省の数字と、それから三党修正の数字との御留意はわかりましたが、そうしますると、今回の増額によつて保健所の増設及び拡充が満たされるということであつて、大蔵省御提出の財源関係から見ますと相異がある、こういうことになると思うのでありますが、大蔵省の先に御提出になつた資料とは金額に相異がある、こういうことになりますが、この点は大蔵省のほうもよく御承知になつておりますと思いますが、如何でしようか、どれだけの差ができるかということであります。
○政府委員(佐藤一郎君) 御説明申上げます。私ちよつと遅れて参りまして大変失礼いたしましたが、只今の点は目主体の経費と、その中の細分の分との違いでございまして、いわゆる整備の補助金を合せますと同様になる、こういうふうに考えております。
○島村軍次君 同様ということであれば、先に御提出になつておる資料の金額は相違ないということですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 合つております。
○島村軍次君 その点は小笠原さんの御趣旨もちよつとはつきりせんようですね。大よそ一緒になるというようなちよつとあいまいな御答弁があつたように思つております。
○政府委員(佐藤一郎君) 一緒になつております。具体的に申上げますと、大蔵省の費用は保健所費補助金のうちの運営費と整備費というのと二つございまして、運営費の分だけをここに挙げまして、当初十四億九千六百七十九万一千円、それに対してこれがいわゆる補助率が引下つて来たというふうなことで出ておりますが、結局修正の結果、最後に出ましたのは、十七億五千九百四十九万九千円でございますが、それに整備費の八千五十万六千円を足しますと、十八億四千万五千円、こういうことになるわけでございます。即ち運営費だけを掲げましたのと、それから十八億と申しますのは、それに新設拡充のいわゆる整備費と私どもは申しておりまするが、入つておるわけです。
○島村軍次君 細かいことのようですが、ここに出された十何億五千九百万円のほかに整備費というものは、二十九年度予算中に既定経費と言うか、すでに提出予算中にある経費と、こういうことですか。
○政府委員(佐藤一郎君) さようでございます。
○島村軍次君 そうしますと、今回の三党修正の費用は十八億幾らということになりますから、経費は二重になつて来るということになりませんか。
○政府委員(佐藤一郎君) 十八億と申しております中には、両方の運営費と整備費を含んでおるわけでございます。それの合計費で、ただ保健所の補助金と一概に申しますときには両方一括して申すものであります。そういう数字を申上げたのであります。
○島村軍次君 厚生省の事務当局もさようにお考えですか。
○政府委員(楠本正康君) さように考えております。
○島村軍次君 御説明はわかりますけれども、三党修正というものは十八億四千万円ですか、五千万円ですか、という増額でしよう。これは整備費としてすでに修正前の経費の中に入れてある。実際の補助率の変更によるものは十七億五千九百万円で、どうも二重にこう計上されたようなふうに思われるのですが、重複には絶対になりませんか。
○政府委員(佐藤一郎君) これはまあ数字の点でございますから、只今の点は勿論間違わないようにいたしております。つまり保健所の合計が十八億四千万円でございますが、そのうち運営費の関係は十七億五千九百万円でございまして、この運営費の関係におきまして、いわゆる当初の三分の一の補助率を四分の一に下げようとして、一度下げたものを又元に復活したわけであります。
○小笠原二三男君 どうも話がこんがらがつて来て、頭が悪いもんだからわからなくなつたのですが、初めからはつきりお尋ねしますが、十七億五千九百四十九万九十円というのは、十カ所の新設の費用並びに新年度の運営費、これは入らない。それから設備拡充をする、こういう費用はこれに入つておるのですか、入つておらんですか。完全に、従来の現行個所だけの拡充せられない、ただ計算上出て来た予算額ですか。
○政府委員(楠本正康君) 重ねてお答え申上げます。この十七億の経費はこれは運営費でございまして、現状のままの運営でございます。なおその他は二十九年度に拡充されるべき十カ所、新設されるべき十カ所を見込んでの金額でございます。
○小笠原二三男君 そうすると、十七億五千九百何がしという金は三分の一補助の対象になる金額ですね。
○政府委員(楠本正康君) そうでございます。
○小笠原二三男君 そうすると、それが四分の一になつたということについて、十三億一千九百何がし万円ということになる。そうしますと、三党修正になつた十八億何がしというものの差額の部分ですね。差額の部分は創設費並びに初度の調弁費、それから二十九年度の運営費と、こういうものが増額になるわけですね。新設の十カ所と十カ所の拡充と……。
○島村軍次君 今のお答えの前に一つ関連して……。これは疑問がますます出て来ますよ。もう少し大蔵省と厚生省とお打合せにならないと、先にお話になつたのは、小笠原さんから御疑問が出たように、十七億五千九百万円のうちには、現行法による経費がこれだけ要る。然るにこれはすでに保健所の拡充及び増設も含んでの経費というのが大蔵省の答弁だが……。
○小笠原二三男君 それは違う。
○島村軍次君 大蔵省はそう言うのですよ。厚生省はこれは入つていない、十八億四千万円の入つたのは、恐らくそれらのものを含めたらかれこれ殖えたのだ、こういうふうな頗るあいまいな答弁なんです。だからこれはもう少しはつきりした、今直ちにできますればそれでよし、できんようですならば御相談の上でもう一遍一つお答えを願いたい。
○政府委員(佐藤一郎君) 私は途中から参りましたので、或いは行違いがあるといけませんから、数字を十分御納得の行くように打合せをしまして、改めて申上げます。
○委員長(松永義雄君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(松永義雄君) 速記を始めて。
○小笠原二三男君 それではその間八条のほうへ入つてお尋ねしたいのですが、この母子手帳を交付し、姙産婦の胎児なり或いは幼児なりのそれをいろいろ見て行く、こういう事務はこれは国の事務ですか、地方公共団体固有の事務ですか。
○政府委員(楠本正康君) 母子手帳補助金に関しまする事務は国の事務と心得ております。
○小笠原二三男君 そういう国の事務であるものを、国庫負担の二分の一というものをやめてしまうということは、地方にだけこの責任を転嫁するということは、どういう根拠に基いてやるのですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは児童福祉法で国の事務を地方府県知事に委任を法律上しておる事務ですから、それでそういうふうにいたしております。
○小笠原二三男君 委任していれば国庫負担をやめてしまうという論理はどこにも成立ちません。国の固有の事務を地方に委任するならば、委任するだけ国がその財源の裏付けをしなければならん。国庫負担という直接の措置が私は必要であろうと思う、どうしてこういうことになつたのですか。
○国務大臣(草葉隆圓君) そこで従来はその負担を一部しておつたわけですが、今度この事務につきましては、母子手帳の配布については地方の事務として、地方自治法に基く地方の事務といたすために当分の間はこれを適用しないとして、地方へ全部委譲してしまう、こういうやり方をとつたわけであります。
○小笠原二三男君 国の事務だという規定が当分の間金は地方に任せるということで、事務自身も地方の事務になるという論理はどこにあるのですか。国固有の事務は当分の間金をくれてやらないことになつたから、地方の事務に変つて行くのだという根拠はどこにありますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) そういう意味じやなしに、母子手帳の交付は一般平衡交付金の今度の制度でみてはおりますが、従来この児童福祉法によつてはつきりと補助率をきめておりましたのを、先ほど来の問題のようにして、これを削除するというのが第八条でございます。従つてそういう意味において当分の間補助は負担をしない、こういうのであります。
○小笠原二三男君 だから当分の間補助は負担をしないということは、国の身勝手でございませんかというのです。国固有の事務を地方公共団体にお願いするというなら、金まで添えてお願いするのが筋合でもございましよう。それが単に財政の都合ということで、ちよつと地方のほうにお願いする、金はそつちで賄えということができるかということなんです。
○政府委員(楠本正康君) つまり負担区分の関係で、国の事務であるや否やということのような御質問と存じますが、現在国の事務と考えられるものの中でも、経費の負担は直接補助又は負担金とせずに、平衡交付金等で賄つておる事務は他にもたくさんございます。従つてこの場合は今まで国の事務として経費を負担しておつた、併しながら、これは地方に関係する部分も多いので、一応全額を平衡交付金で見て行くと、かように解釈をいたしております。
○小笠原二三男君 あなた衛生局長ですか……。何というべら棒なことを言うのだ。それは国の事務であつても直接負担金を以て賄うとか、或いは補助金を以て賄うとか、いろいろな方法があることは私も知つている。併しこれは地方財政法第十条の八で、これは国が積極的に負担しなければならないものとして、財政的な裏付の根拠があるものなんですよ。従つて国の事務であることは、金がどこから出るの如何にかかわらず、これは動かないものなんですよ。今の事務配分の形においては……、これは国固有の事務であつて、地方にその事務を委任しておる、それは大臣が今おつしやつた通りである、金の問題じやない。而もこのことは地方財政法において、国が積極的に援助しなければならない規定の明文があつて今日まで至つておるものなんです。だから当分の間財政的な都合によつて云々ということで操作すべきでないものである、基本的には……。そういう意味でお尋ねしておるのですよ。しつかりした答弁を願いたい。もう一度言いますよ。直接或いは間接に国が負担し、補助しているものもあるのだ。だからこれは当分の間地方にやらせてもいいのだという論理はどからも湧かないのですよ。現行法においては……。地方財政法という基本的な国と地方の財政を、或いは負担区分をきめておる法律を以て、これは国が積極的に費用も出して援助することになつているものなんだ。
○政府委員(楠本正康君) これは自治庁のほうと連絡をいたしまして、地方財政法はそのように改正いたしまして、この負担区分を落すように目下進めております。すでに提案になつているそうでございます。
○小笠原二三男君 そのことは私は知つている。それは先のことですよ。地方財政法を直して、これを根拠付けようとしているだけなんです。ようございますか、私の申上げるのは、当分の間これを適用しないということであるが、児童福祉法に基く母子手帳は国固有の事務であるということは、この法が実施されてもこれは動かないものなんです。そういうものを地方財政法まで動かして、そうして当分の間という臨時措置ができると思うかどうかということを聞いているのです。地方財政法は基本法なんです。その中から母子手帳を削除するということは、この特例の当分の間という適用を以てできるかどうかということまで考えた上で私は質問しているのですよ。
○政府委員(楠本正康君) これは地方財政法及び今回の法律と両々相待つて改正されるべきものでございまして、さような措置がとられているものと存じます。
○小笠原二三男君 だから、さような措置をとることの妥当性を聞いているのですよ。なぜそれでいいと思つているのか、どうしてそういうことができるとあなたのほうでお考えになつて、こういうものを御提案になつているかという法律的な見解を承わりたい。当分の間という臨時的な措置によつて地方財政法の中の母子手帳というのが消えてなくなつたり、浮んで来たり、そんなお手軽なことがどうしてできるかということなんです。
○政府委員(佐藤一郎君) それは…。
○小笠原二三男君 私はこちらに開いているので、法律顧問には聞く必要はない。
○政府委員(楠本正康君) 従来は、この事務が国の事務ではありますが、地方自治体にも極めて密接な関係のある仕事でありますので、さような措置をとつておつたのでありますが、併しながら、これもすでに歴史を繰返しまして、これらの事務が大体地方の実情から見まして同化されて来た。当初は新らしい仕事でありますために、これを助長する意味で国が援助をいたしましたが、大体この事務も同化されて参りましたと考えまして、平衡交付金に依存をいたすことにいたしたわけであります。
○小笠原二三男君 又とんでもないことを言う。大臣は児童福祉法によつてこれは国固有の事務であると只今明言されたばかりですよ。而もあなたが今おつしやるような理由なら、国が積極的に地方公共団体との間に遂行する事務として費用を負担しなくてもいいという、そう御認識になつたことですよ。認識になつたならば、当分の間適用しないでなくて、これは初めからもう否定されるべきものなんです。なぜそれならば当分の間といつた。又いつか時期が来たならば援助もしよう、補助もしようという前提がなくて、なぜ当分の間などという臨時特例にしたか、これはおつしやるように、これは地方公共団体に同化し、地方公共団体固有の事務としてこれをお任せしてもいいという段階が来たら、それは地方財政法に基いて確かに母子手帳を削除されて然るべきでしよう。而もその場合児童福祉法そのものにおけるこの母子手帳の概念はこれは修正さるべきものなんです。何でそういうふうに、私が聞けば右といい、又片側から聞けば左という。ちつとも首尾一貫していない、あなたの意見は……。本当にそれは地方に同化されたから地方の事務に移つたという御認識なんですか。これは而も立法の経過から見ましてわざわざ母子手帳というものが出て来た場合に、地方財政法の中にこれを明記した趣旨というものが、国が飽くまで援助しなければならないという御認識があつたからなんです。そういう両院の意思をどこかに追いやつて、あなたたち厚生当局として、こういうことを積極的にやらなければならない立場の人が、我々がそういう認識を持たないうちにもうそんな御認識をお持ちになつたんですか。あなたが当面の責任者としてそんなことを言うたら、全国の婦人団体、母性からあなたは、何というかね。相当の抗議を受けなくちやならんですよ。大臣も言つていないようなことを何でそんなことを言うんですか。私も言い過ぎた点があるかも知れないが、あなたがたはちつとも首尾一貫していない。
○国務大臣(草葉隆圓君) これは先ほど申上げましたように、元々は児童福祉法によつて母子手帳という制度を設け、これに対してはそれぞれの補助率によつて地方に補助をして地方をしてやらせた。だから最近の、本年昭和二十九年度の財政状態から考えまして、只今御審議を頂いているそれぞれの関係と同じように、これを当分の間削除して補助を削除しているというのでいたした関係で、他の関連いたしております法律等も整備して来る、こういう恰好になつたわけでございます。御趣旨の点は私もよくわかりまするが、そういう意味においてこの第八号というものをここへ出して来たわけでございます。どうぞそういう意味に御承知を頂きたいと思います。
○小笠原二三男君 全部それはそういう意味なことは私はわかつています。併しやつていいこと、やつていけないこと、又やれるのか、やれないのか、そういうことが明確にならなければ、私たちは必ずしもこの措置に納得できない。金額の問題じやないんです。その立法の趣旨、精神或いは制度上の問題として、国が全然これについて手を付けなくてもいいんだということについては私は十分な疑義を持つ、今事務当局の方は平衡交付金によつてこれを見るような話ですが、平衡交付金によつて母子手帳のそれを見るという紐付にはなつていない。それでもなお且つ面倒を見るんだというようなことは考えられない。それで私は地方財政法にも明記され、立法の趣旨もあるのにかかわらず、事務当局が言うように国の事務がいつの間にか地方の事務に行つてしまい、地方に任せてもいいんだ、こういうことをこの御修正にならない限りは、こんな当分の間適用しないというようなことは首尾一貫しないという点を申上げているんです。言い直すんですか、言い直さないのですか、局長は……。
○政府委員(楠本正康君) いずれよく研究いたしましてはつきり申上げたいと存じます。
○小笠原二三男君 研究されるんではどうにも……。
○榊原亨君 担任が違うから話がわからない。係が違うんだ。
○小笠原二三男君 それじや私係が違うからと言えばいいんだ。
○委員長(松永義雄君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(松永義雄君) 速記を始めて。
○小笠原二三男君 財政的な都合々々と言いましたが、この金額は近々七百万円程度の金額なようであります。厚生省所管の各種の補助金等において、これらのことについて面倒を見る金を引出すことができなかつたのか、どうしてこういうものにまで手を付けなければならないいきさつがあつたのか、一兆円という中の七百万円というのは、これは誠に微々たる金でございますが、厚生省はもうこれを削らなければ他のものは一切削られないという御認識だつたのですか。所管の違う人でない人で……。
○委員長(松永義雄君) 速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(松永義雄君) 速記を始めて下さい。
○政府委員(太宰博邦君) 私ども承知している点では、今回政府で以て少額の補助金はこの際整理して、そして交付税交付金のほうに繰入れる、財政の点についてはそういう措置をとるという方針を立てましたものでありまするから、今母子手帳もそれの一環として補助金を整理と申しますか、そういう段階に繰入れられました。かように承知している次第であります。
○小笠原二三男君 そういうことは、さつきから大臣からも何からも答弁頂き、あなたから聞かなくても提案趣旨で明らかなんです。財政的な都合でこういう改正案ができて来ていることは百も承知なんです。それで私のお尋ねは、そういう改正案が当分の間という臨時的な立法なんです。特例なんです。そういう特例が出ることに、地方財政法において積極的に明文化し、規定されている母子手張を削除したり、又生かしたり、そういうことが変転自在にできるとお考えになつておられるのかどうかという点なんです。この児童福祉法の立法の趣旨、母子手帳をわざわざ地方財政法にまで持つて行つて挿入した経緯から言うて、財政の都合ということでそういうことがなし得られるかどうか。
○委員長(松永義雄君) 速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(松永義雄君) 速記を始めて下さい。
○政府委員(太宰博邦君) 私どもは児童福祉の仕事全体は、これは国の事務だと思つております。併しながら、それの財源の措置の関係につきましては、必ずしも国が全部国の支弁としなければならないかどうか、この点については過去におきましても児童福祉の措置費が平衡交付金制度に入つておつた例もありますので、それは必ずしもそういうふうな途をとつても差支えないものと考えております。
○小笠原二三男君 過去において児童福祉の措置の費用が平衡交付金に入つておつた実例もあると申しますが、具体的にそれは何と何です。而もそれは地方財政法のほうを直して平衡交付金に廻した経緯がありますか。それは地方財政法に明記されておらなかつた部分のものではございませんか。
○政府委員(太宰博邦君) これは児童措置費と申しておりますが、児童福祉施設などに子供を収容しました場合の生活費というようなものを含めて非常に範囲が広いものであります。昭和二十五年度から二十七年度まで平衡交付金に組み入れておりました。
○小笠原二三男君 その前はどうしておつたのですか、二十五年前は、或いは二十八年はどうしておりましたか。
○政府委員(太宰博邦君) 児童福祉法が制定されましてから、たしかあれは二十三年の半ばかと思いましたが、二十四年度までは国庫負担の制度で、二十五年度から二十七年度までが平衡交付金の制度に入りました。二十八年度から再び国庫負担の制度に戻つたわけでございます。
○小笠原二三男君 その都度地方財政法のほうが変つて来たわけでございますか。
○政府委員(太宰博邦君) 二十五年から二十七年までの間、つまり平衡交付金制度に入りましたときには、地方財政法のほうからこれを落しておりました。それから二十八年度から復活いたしました際に、地方財政法を再び改正して取入れておる、そういう措置をとつております。
○小笠原二三男君 それは当分の間という特例でございましたか。
○政府委員(太宰博邦君) たしかその当分とかいう文字はなかつたと記憶しております。
○小笠原二三男君 特例でなく、全面的に一般的な法律規定として改正乃至修正になつたものと、この特例として当分の間停止するということとは意味合が同じであつて、そのことを以て類推できるというお考えがあなたに出て来ますか、過去の例と……。
○政府委員(太宰博邦君) まあ当分の間という文字が入つておりますと否とにかかわらず、やはりその法律を実施されておる期間というものについては同じような解釈をとり得ると考えております。
○小笠原二三男君 当分の間適用しないということは、これは消えてしまつたことですか。それとも眠つていることですか。
○政府委員(太宰博邦君) さあちよつと……。法律的に解釈いたしますれば、その期間中は同じ法律的効果を持つものと考えます。
○小笠原二三男君 そこで担当者としてのあなたとしては、この事業は然るべきもの、止むを得ないものとお考えでございます。
○政府委員(太宰博邦君) 政府委員としては止むを得ないものと考えております。
○小笠原二三男君 先ほどもう一点質問しているわけですが、内容をお調べになつて、厚生省所管の負担或いは補助等のいろいろの予算を見て、その軽い重いを比較検討された上、この特例として母子手帳の負担を当分の間適用しないというふうに本質的な検討を加えられて、この法案が出て来たと了解してよろしうございますか。
○政府委員(太宰博邦君) 政府としてはそのような考えでございます。
○小笠原二三男君 法律の根拠のある負担金と、法律の根拠のない省省間の補助金と予算措置によるものと、どちらが重しとあなたお考えになりますか。
○政府委員(太宰博邦君) ちよつと御質問が抽象的で私はお答えいたしかねまするが、勿論法律に規定がありますものについては、それは一般的に申しまして、非常に政府としても重要視することは当然でございます。
○小笠原二三男君 厚生省所管の予算において、法律に根拠のあるものと法律の根拠のない補助金というようなものとでは、比較せられた場合にあなたのほうではどちらが先に整理されるものとお考えになりますか。
○政府委員(太宰博邦君) それは必らずしも、抽象的に申上げますれば、先ほど申上げたようなことになると思いまするし、厚生省所管の補助金の中にも、ものによりましては、法律に規定されたのと同じくらいの私どもの考えからすれば、大事なものもあるかと存じまするので、個々のケース、ケースに当つては、やはり当嵌めて考えて見なければならない場合があると思います。
○小笠原二三男君 財政緊縮の建前からこういう法律案が出て来たということは、たびたびの御答弁でわれわれ明瞭であります。一例に一つ挙げたいと思うのでお尋ねしますが、受胎調節普及事業補助金というものの本年度の補助金がございますか、ございませんか。
○政府委員(堀岡吉次君) 本年度も計上いたしております。
○小笠原二三男君 幾ら。
○政府委員(堀岡吉次君) 総額二千八百八十六万円でございます。
○小笠原二三男君 そうすると、この法律の根拠のある母子手帖、受胎調節したあとに起つて来る問題ですが、この母子手帖の国庫負担の問題とはどちらが重要だという御見解をお持ちですか。七百万円の母子手帖と……。私尋ねているのは、先ほどから法律の根拠のあるものもないものも、それはそれぞれ重要度というものは一般的には言えないということですから、その通りであろうと考える。法律の根拠があるものは議員の立場としては尊重してもらいたい。併し行政執行の面に当るほうとしては、いろいろの都合で重要度が法律の根拠がなくてもあるものもあろうと考える。従つて一例としてこの比較においてどうか。或いはこの受胎調節費の中から、事業補助金の中から七百万円という金を、或いは七百万円の半分でも、それを搾り出す、一切の厚生省の補助金関係を調整してでも七百万円というものは財政的に生きることが、できなかつたかどうか。その重要度に鑑みてですよ、そういうことをお尋ねしたいために聞いているわけなんですよ。
○政府委員(堀岡吉次君) まあ具体的にこれとこれとの比較と申しますと、私たちとしても、これとこれとがどちらが重きをなし、どちらが低いということはちよつと申上げかねますが、予算折衝の経過におきまして、或る種の予算が入れば或る種の予算が非常に難航する。非常に大蔵主計局の査定が強いということは、現実にざつくばらんに言うとあることでございまして、非常に軽視したからそれをやめて、或いは今の先生のお尋ねのように、一つの方面から持つて来る余地もあつたじやなかろうかというふうな、お尋ねのようなことをなぜしなかつたかというふうな問題につきましては、折衝の経過におきましては、まあざつくばらんに申しますれば、全体としてまあまあこの程度ならまあ第一段階として下りようか、或いは第二段階としては下りようかという、まあ累次の折衝を重ねるのですから、そういう結果、只今問題になつております母子手帳等につきましては、最終的にきまる場合に、最後に日の目を見なかつたというふうな経過でございまして、まあ当然のことだと恐らくおつしやるだろうと思いますが、経過としてはそういうふうな経過で必ずしも軽視したというわけで言つたわけじやありませんが、結果としてそういうことになりました次第でございます。
○小笠原二三男君 それではこういうふうになつたことは、厚生省の意思ではなかつたと了解してよろしうございますか。
○政府委員(堀岡吉次君) 予算折衝の結果からしまして、こういうふうな結果になつておりますので、厚生省の意思であつたかないかとおつしやられますと、事務当局といたしましては非常に御返事申上げることは困るのでございます。(「政府委員として答弁しなさい」と呼ぶ者あり)政府としましては、かような予算案を決定しております以上、厚生省としてはこれに対して同意したということは当然でございます。
○小笠原二三男君 そうなれば、又元にぶり返しますが、本質的には厚生省の施策を検討せられ、重要度を比べられて、これは止むを得ない、これは是常必要だということで取捨選択になつたものと了解してよろしうございますか。
○政府委員(堀岡吉次君) さようでございます。
○小笠原二三男君 それなら、この受胎調節普及事業補助金と母子手帳の国庫負担金とどつちが重しという御認定になつたかと言えば、受胎調節云々のほうが重い、母子手帳が軽いということになつたと了解してよろしうございますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 実は受胎調節のほうでも前年度より約九百七十八万円ほど予算を減しております。ここで約一千万に近い金を滅し、それから只今申上げたこの母子手帳が八百十九万という状態になつたので、あれやこれやを検討いたしまして、こういう方針をとつたような次第であります。
○小笠原二三男君 ちよつとお尋ねしますが、受胎調節普及事業補助金というのでさつきからお尋ねしているんですが、二十八年度の予算は四十一万五千円しかないのですが、これが前年度よりも減つて二千百何万円になつたというのはどういうことでしようか。私に渡されている資料が間違つておりましようか。
○政府委員(堀岡吉次君) 先ほどの受胎調節一千万円減つたが、元金がどうもそんな大きな金額じやないんじやないかというお話でございますが、受胎調節としてまとめて申上げました中には、細かい説明を申し落しましたが、実は優生保護相談所の事業の補助金がございます。それにおいて九百何十万円の金額が減少いたしております。大臣から申上げましたのは受胎調節という大きな網で、その意味のことを申上げたのでございます。それから四十一万円のほうは本省における補助事業費でございます。講習会の費用でございます。
○小笠原二三男君 その本省におけるほうの普及事業補助金というのは本年度もございますか。
○政府委員(堀岡吉次君) 本年度においてはその種の経費を減額計上いたしております。
○小笠原二三男君 幾らですか。
○政府委員(堀岡吉次君) 本年度におきましては十一万八千円の経費を計上いたしております。
○小笠原二三男君 十一万八千円の経費が必要とされ、母子手帳の七百万円という経費は削除される……。
○政府委員(堀岡吉次君) 今のお尋ねの本省の残りの分でございますが、本省では指導旅費等の関係で十一万八千円を計上いたしておるのみのでございます。先ほどの四十一万何がしの金額につきましては、二十九年度においては計上いたしておりません。
○小笠原二三男君 計上しておらない、それで明瞭です。
○島村軍次君 今のに関連してですが、受胎調節普及事業奨励金というものは、本年度はなかつたというお話だつたと思いますが、十一万八十円は本省の経費ですか。
○政府委員(堀岡吉次君) さようでございます。
○島村軍次君 優生保護相談所事業補助費は、二十八年度には三千八百五十九万九千円、これを本年度は九百万円減じた、こういうことに了解してよろしうございますか。
○政府委員(堀岡吉次君) その通りでございます。
○島村軍次君 そこで先般小笠原さんからの発言で、大蔵省に各項目別に二十九年度と二十八年度との予算の比較を出してもらいたいという資料はまだ御提出にならんようですが、如何ですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 大変遅くなりましたが、大体刷り上りまして直ぐ御提出するように手配をいたしております。
○島村軍次君 そこで全体の問題として、この問うちから基本的にお伺いいたしておりますのは、例えばこの印刷物の中の六十二頁にありまする事後補導費補助四百八十万円、それから季節保育所設置補助金三千万円、これは二十七年度にはなかつた経費です。これは二十八年度には計上されておりますが、あとの審議の参考に、この二つの費目は二十九年度には幾らになつておりますか、お手許でわかつておりましたら一つお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(佐藤一郎君) 季節保育所設置補助金ですが、これは二十八年度の三千万円と同額を二十九年度において計上しております。
○島村軍次君 ついでにその頁のうちの保姆講習会補助というのは、二十九年度は幾らに計上してありますか。
○政府委員(堀岡吉次君) 保姆講習会の補助金は計上いたしておりません。
○島村軍次君 事後補導費補助金四百八十万円は如何ですか。
○政府委員(佐藤一郎君) 事後補導費補助金四百八十万円は、ちよつと全体の額は今書類を忘れて来ましたのでわかりませんが、前年と同じような計算をしておるはずであります。これは職親と申しまして、児童が社会に出ます前に職業を委託いたしまして、覚えますまでの職親の手当でございます。ほぼ前年度と同額かと記憶しております。詳しいことはあとで申上げます。
○島村軍次君 総体的に見まして、私はこの間も申上げたように、法律によるもので、必ずしも負担金に属するもので、予算の査定上、或いは軽重はおのずからあろうと思いますが、法律に全くないもので、前年度の二十七年度に計上してないものが新たに二十八年度に計上されたのが、只今の事後補導費補助のごときもの、それからもう一つ例を挙げてみますと、児童福祉法施行事務監査指導補助金というのは、これは法令によらないものです。こういうものが百三十九万一千円二十八年度の予算に計上されておる。これらの軽重の問題について、果して大蔵省との間に事務折衝がやられたその際に、軽重が果してうまうまとれておるのかどうかということに疑問を持つわけなんです。そこでまあいろいろ細かい問題をお聞きしているわけなんですが、根本的に法律の負担金に属するものについても削り、然らざるものを残すとこういうには、これはまあいろいろ各人によつて論点は違つて来ると思うのですが、そういう問題がどうもこの間うちから聞いておるのではどうもはつきりせん。確かに大蔵省との予算折衝においてこの軽重の問題が、説明の悪いものは削られて、説明のまあ大蔵省の考え方ですね、いいものは残つておるというような感じがしてならないのです。厚生大臣は御就任後新らしいようでありますが、国の施策として全体を考える時分に、補助金整理の法律案は大蔵省でなければ説明がわからんというようなことが今日までの情勢なんで、甚だ私は遺憾に思います。それだけを申上げておきまして、あとであるかも知れませんが、一応質問を次に譲ましよう。
○小笠原二三男君 質問の都合上数字についてお伺いしますが、この母子手帳の作成費が二十八年度で八百十九万、それが現行通りで行きますと、二十九年度は七百四万総体において減額されております。これは妊産婦が二十九年度は少いというお見込は統計的に出て来てこうなつたのか、或いは作成費一冊当りの単価が小さくなつて来たのか、二十八年度、二十九年度の一冊当りの単価が幾らで、何人分これは載つておるものであるか、お伺いしたい。
○政府委員(太宰博邦君) 二十八年度と二十九年度は母子手帳の単価は同額で八円で組んでおります。従いまして総額が減りました点につきましては、これは人員のほうがやはりお話の通り、まあ何と申しますか、妊婦の数というものは受胎調節というようなものが漸次普及して参りますれば、その分だけ減るであろうというようなことも一つの考え方でもございますし、さような点が主な点かと存じます。それで多少減額になつておると思います。
○島村軍次君 今のに関連して……。そうじやないんじやないですか。八百十九万円を七百四万円に減して、そうしてあとは平衡交付金で支弁させようというので、(「その通りだよ」「勉強していないじやないか、とんでもないよ」と呼ぶ者あり)人員については今のお話によりますと、受胎調節なんかをやつて人員を減らすというようないい加減の答弁じやないかと私は了解しますがね。これはもう少し勉強されませんと、今日はとつさであつたからかも知れませんが……。厚生大臣に一つもう一遍……。 〔榊原亨君「この法律案は今日出るということはわかつているじやないか、我々与党はできるだけやろうと思つておるけれども、そんな答弁をされるのなら、我々だつて文句があるよ」と述ぶ〕
○小笠原二三男君 随分混乱して来ましたがね。もう一度、じや私初めからお尋ねいたしますが、八百十九万円は、国庫負担金分の二分の一というのの相当額だけを載せて八百十九万円と出ておるのですか、二十八年度は……、これは二分の一相当額ですか。
○政府委員(太宰博邦君) その通りであります。
○小笠原二三男君 そうすると、二十九年度七百四万円というのは、やはり現行法において二分の一相当額でございますか。
○政府委員(佐藤一郎君) これは私どものほうで資料を直接お出ししまして、厚生省のほうでよくまだ見ておられなかつた点もあるかと思いますが……。
○小笠原二三男君 それは逆だよ。(笑声)
○政府委員(佐藤一郎君) 申上げますが、七百四万円に減りました御説明は、これは今私直接担当しておりませんが、厚生省から御説明のように、私どもの考えは、従来の八百万円台のものを七百四万円に減らす理由があつて当初減らした、その減らした額を平衡交付金に廻した、そこで平衡交付金はその七百四万円の二分の一でございますからして、それの二倍の額を地方平衡交付金で組む、こういうことになつております。
○小笠原二三男君 そんなら今の事務当局が答弁したことは間違つていない。なぜこういう混乱したようなとき間違つておりませんと適切な御説明ができないのですか、どうもおかしい。それならお尋ねしますが、今財政出局から御答弁があつた通りに一千四百八万円になりますか。
○政府委員(佐藤一郎君) おつしやる通りであります。
○小笠原二三男君 一千四百八万円が平衡交付金にみられているという答弁でしたが、厚生省のほうでも一千四百八万円はそれはみられておるということをおつしやるならば、今後の地方財政計画の中で、この一千四百八万円というのが確実に入つておるというこの証明をして頂かなくちやならん、そのためには地方財政需要として総額が幾らで、そのうちこの母子手帳の分が一千四百八万円だということをちよつと御説明願つておきたい。これはこれだけでなくて、母子相談員のそれも平衡交付金でみると、こう言つております。このほうの関係はどうなつておるのか、これも御説明願いたい。それから性病予防法関係、精神衛生法関係、これは二分の一負担、或いは補助が四分の一に減らされておりますが、他はこれは平衡交付金でみるのか、やりつ放しておくのか、その点も明瞭にして頂きたい。
○政府委員(堀岡吉次君) 只今お話の点はそれぞれ交付金の積算基礎に見ております。
○小笠原二三男君 その見ておる金額をちよつと各関係の法案で言つて下さい。母子手帳はわかりました。
○政府委員(佐藤一郎君) これは実は私のほうで、衆議院に自治庁のほうから出した資料がございますから、一連の問題だと思いますので、あしたでも自治庁と連絡しまして至急に取寄せまして、その具体的な数字ですね、どういう金額を平衡交付金に廻して計上いたしておるかというものの費目ごとのものを自治庁から取寄せまして、お手許にお配りいたしますから、金額の具体的な点は一つあしたにでもお願いできたらと、こう思います。
○小笠原二三男君 では平衡交付金で見ているのだから、この事業そのものの遂行上は何ら支障を来たさないと、こういうふうに厚生省当局は確信を持つておりますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) そのような方針で進んでおります。
○小笠原二三男君 そのことのために地方のこういう事業が萎縮するというような事態が起つたならば、厚生大臣は責任を持つてそうならないように措置をとられますか。
○国務大臣(草葉隆圓君) 今後は指導等におきまして十分只今のお話のようにいたしたいと存じます。
○委員長(松永義雄君) 一応七条、八条の質疑はこの程度にして、九条に進んでよろしうございますか……。では
○小笠原二三男君 では第九条について伺いますが、この性病の診療所、或いは代用診療所、こういうものがあるようでございますが、性病の診療所というもので独立してあるものは、全国何カ所あるのですか。
○政府委員(楠本正康君) 単独に性病診療所として、予算の対象になつておるものは、全国で四十八カ所です。
○小笠原二三男君 代用診療所として併設されているものは……。
○政府委員(楠本正康君) 現在は代用性病診療所はございません。
○小笠原二三男君 では四十八カ所分の所要経費が、この四分の一という負担区分になるわけでございますか。
○政府委員(楠本正康君) 保健所に併設して、附置してあります診療施設が七百五十二カ所ございます。
○小笠原二三男君 これは算定の基準があつて、この金は貨担しておると思いますが、この診療所として独立しているものは、一カ所について幾らの負担金を見込み、保健所に併設しているものは一カ所について幾らの負担を見ておるわけですか、その積算の基礎をお示し願いたい。
○政府委員(楠本正康君) 保健所に併設しております施設は単価が二万七千二百十三円、次に単独施設の分は単価が七万七千三百八十六円。
○小笠原二三男君 この七万七千三百八十六円というのは独立した診療所の人件費も見ておるのですか。
○政府委員(楠本正康君) さようでございます。
○小笠原二三男君 どれだけの人を最低確保するという人件費が見られているのですか。
○政府委員(楠本正康君) 単独の診療所の職員を申上げますと、医師一名、看護婦一名が補助対象になつております。
○小笠原二三男君 医師一名、看護婦一名というのは、これは専任されるかたがたでございますか。
○政府委員(楠本正康君) 専任でございます。
○小笠原二三男君 医師一名、看護婦一名、お二人の最低賃金を考えても七万七千三百八十六円ほどだけでは、到底これは一カ月ちよつとくらいの費用しかないように考えられますが、年間の負担金としてはどういうものですか。私追及するために言うておるのではない。素人だからどんどん聞いているわけです。
○政府委員(楠本正康君) 失礼いたしました。この単独診療施設は事業費の二分の一の事業収入を見込んでおります。従いまして一カ所の補助単価は七万七千三百八十六円で賄われるわけでございます。参考のために直接の人件費を申上げますと、一カ所十四万五千二百六十円に相成つております。
○小笠原二三男君 ちよつと速記を止めて……。
○委員長(松永義雄君) 速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(松永義雄君) 速記を始めて下さい。
○小笠原二三男君 懇談中にお尋ねしましたところ、七万七千三百八十六円は、この法律改正の暁に四分の一補助負担の対象になる金額であると言われますので、大体それの四倍を考えますと、三十三万円程度でございますが、又この補助の二倍程度を事業収入に見込むということでございまして、その点では十五万円程度になる。結局五十七、八万円がこの一カ所の診療所の人件費その他の運営費になる。五十七、八万円という金が、医師一名、看護婦一名を置いてそれぞれ予防もし、或いは施療等もするのでございましようが、そういう運営を含む年間の費用だと、こういうことですが、実態としてはそれで賄つておるようでございますか、或いは地方の都道府県なり、市町村なりが固有の財源を持ち出してそれをカバーしなければ十分な実績を挙げられないような状況でございますか。
○政府委員(楠本正康君) 場所によつても違いますが、只今御指摘のように、設置主体が若干の金を継ぎ足しておるところもございます。又一般に私どもは予算の面では全体の二分の一を事業収入と考えております。利用者が多くなれば勢い実費を徴収する対象も多くなりまして、その面でも若干予算は上廻つて参ります。
○小笠原二三男君 それで二分の一負担が四分の一負担になることによつて、結局従来の地方の負担よりは四分の一多くなる。四分の三になりますから、多くなるのですが、それら一切は、先ほど言つたように平衡交付金で見ておるということでございますか。
○政府委員(楠本正康君) 御指摘の通りで、不足分は平衡交付金で見てあります。
○小笠原二三男君 その金額は幾らですか。
○政府委員(堀岡吉次君) それは自治庁のほうとも正確に調べまして、明日、先ほど大蔵省から申上げましたように、一括して資料として提出いたしたいと思います。
○小笠原二三男君 私はなぜそういうふうにすぐ聞くかというと、あなたたちが責任を持たなければならない。地方に廻つて来る平衡交付金はこの程度なんだということは率直に明言があるかないかによつて、あなたたちの、何と申しますか、こういう法律に対する誠意のほどと言いますか、関心度というものを私は見たいと思つて聞いておる。自治庁に聞かなければ自分の所管のことがわからないというようなことはどういうことなんですか。こういうふうに負担金が減るならば地方は困つて来るだろう、困る分はこれだけでカバーするのだということを、自治庁なり、大蔵省なりとの間に早く確約ができてこそ厚生省としてもこういうものを承認すべきものでしよう。それがどうなつて行くのやら、その金額の目途もそれはそつちのほうに聞いてみなければちよつとここに出て来ないというようなことでは、私はあなたたちのこれら関連する法案に対する態度がどこにあるかさつぱりわからない。あなたたちのほうはこういうふうに減らされて何でもないのですか、何でもないという立場でおるわけですか、地方の負担がこれは多くなつて困るぞというお気持があるのですか、ないのですか。
○政府委員(楠本正康君) 勿論私どもは従来の仕事の実績から考えまして、この補助率の高いほうが仕事がしやすいように思われます。併し国の財政の観点もございますので、一応補助率は下りました。併しながら、その下つたところは平衡交付金でも見てありますことでもありますから、一層私どもは指導に力を入れまして、努力によつてこれらの点をカバーして参りたい所存であります。なお附加えて申上げますと、補助率の高いものを以て仕事をすることは行政の通例から申上げますれば、むしろ楽なやり方でありまして、少い補助率を以て一応それ以上の効果を挙げるということは非常に骨が折れることでありまするけれども、これも止むを得んと思つて努力によつてカバーする決心でございます。
○小笠原二三男君 補助が少いのをやり抜くことはやり甲斐があるような、非常に自信に満ちたお話を聞いて誠に御同慶に堪えない。それなら私お尋ねしますが、資料として御提出願いたいのですが、二十八年度の地方の決算額は或いは集計されておらないかも知れませんですから、二十七年度の四十八カ所の箇所別による実際の決算額そうして補助の金額との差ですね、地方の持出分が如何ほどあつたか、こういう点を示すに足る資料を出して頂きたい。そうすれば実態がどういうことになつておるかということは明白になろうかと考えますので、委員長もそういうふうなお取扱いを願いたい。
○委員長(松永義雄君) かしこまりました。
○小笠原二三男君 それから、今度はこの保健所のほうに併設されておるものの二万七千二百十三円というものは、これは積算の基礎は何ですか。
○政府委員(楠本正康君) 失礼いたしました。単価は補助金で二万七千二百十三円でございます。
○小笠原二三男君 それはさつきわかつた。
○政府委員(楠本正康君) 積算の基礎を申上げますと、保健所に併設してあります分は、人件費は保健所補助費に含まれております。従つて人件費を除いて燃料費、印刷製本費或いは薬品費、検査費、消毒処置、さようなものが内訳に相成つております。
○小笠原二三男君 これも場所によつて違うでしようが、一般的には、一般の保健所の費用に食込むとか、或いはやはり地方で持出さなくちやならんというような実態になつておりますか、どういうふうになつておるのですか。
○政府委員(楠本正康君) 保健所の関係につきましては、職員の数も相当に大幅に認めてございます。従いまして全体の世帯が大きい関係で、人件費等は持出す必要はなかろうと考えております。なお只今申上げました経常費の点につきましても、一部単独の場合と同様に事業収入を見込んでおりますので、而もこれが保健所全体の経常費とも考えられますので、余り大きな負担はあるまいと存じております。
○小笠原二三男君 これも内訳的に、この保健所の経理は分けられておりますか、一緒になつておりますか。
○政府委員(楠本正康君) 只今も申上げましたように人件費もこれは保健所の補助費に含まれております。従いまして施設は保健所のうちの一つの仕事とも考えられます。さようなことからいたしまして、保健所補助費の対象とこの事業の補助費の対象とを画然と区別いたしますることは困難かと存じます。
○島村軍次君 ちよつと関連して……。この印刷物のうちの性病予防補助金一億八百三十七万一千円というのと、それから大蔵省が御提出になつた性病診療所費というのと金額が違いますが、これは診療所の補助費の以外に別個に計上してあるのですか。
○政府委員(堀岡吉次君) 性病診療所の補助金は、その内訳は、只今仰せられました金額のうち、一億三百八十四万一千円であります。差額の、仰せになりました三百六十万何がしは強制健康診断の分であります。
○島村軍次君 大蔵省の御提出になつた資料は九千七百四十一万四千円になつているのですが、只今お話になるのと違いますが、どういうわけですか。
○政府委員(楠本正康君) 今ちよつとはつきりした基礎はありませんけれども、私の申上げました中には性病病院に関るす補助金を含めておりますので、これは実はいずれも返還いたしておりませんので、申上げましたような差が出て来たものと思います。
○委員長(松永義雄君) ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(松永義雄君) 速記を始めて下さい。本日は厚生省関係に対する質問はこの程度において終りたいと思います。それではこれを以て散会いたします。 午後八時十二分散会