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19回国会参議院1954/03/23

補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第7号

発言数
57
登壇者
6
会派数
4
開催日
1954/03/23

会議録

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) これより特別委員会を開会いたします。補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題に供します。  質疑を行う前に二十日の委員長及び理事打合会の経過を御報告いたします。内容は本二十三日に総括質問を行い、自後の日程についてはこれを決定することなく、なるべく早い機会に委員の懇談会を開いて法案の取扱等についてお話合を願うということでございました。本日の委員会散会後秘密懇談会を開いて御相談を願いたいと存じます。  それでは総括質問を行います。政府から緒方副総理が出席せられておりますから、質疑のある方は御発言願います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 副総理もお忙しいことでしようから、一応政府全体の問題として所見をお尋ねしておきたい部分だけに限つてお尋ねしたいと思うのですが、その前に大変失礼なことを申上げるようでございますが、この補助金等の臨時特例等に関する法律案について副総理簡単でもようございますがお目を通しておられますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 閣議のときに承知しているだけでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 この補助金等の臨時特例等に関する法律案ということで、補助金の整理だけでなくて競輪その他の国庫納付金を停止して地方の財源に充てるというふうなものもございますが、それはまあ特例中の特例ですので補助金の問題でお尋ねしますが、政府は国の財政の健全化及び中央地方を通ずる財政調整の見地から国の補助金、負担金等につきまして整理する必要を認めてこういう法案を出しておられるという趣意でございますが、ところが補助金、負担金等の国の予算で占める額というものは三千八百億か四千億になんなんとする、国の一兆億予算と言われるもののうちでも大巾なウエイトを持つ予算であります。それが各省関係にそれぞれ散布せられているのでありますが、今回のこの整理のそれによりますと、純粋に補助金等が停止或いは打切られる、或いは補助率が減るというようなもの等は二十億足らずの金額であります。それだけの僅かな二十億足らずの金額を国の予算上圧縮することができて地方の負担に廻したということだけで、国と地方との財政調整がなされる途を開いたなどと言える筋合のものであるかどうかということをお尋ねしたい。で事情としまして私たち今論議している過程では地方制度調査会、或いは税調査会等から答申になつている補助金を大巾に断ち切つて地方財政それ自身を確立して行く、地方に地方固有の財源を多く与えるそのことが憲法でいわれる地方自治を確立するもう重要な問題なんだ、もう補助金制度というようなものは断ち切らなくちやならん。こういう一般の見解があるわけなんですが、それにしては三千数百億のうちからたつた二十億足らずの補助金のそれを抜いて来てこういうことをするというのはどうも抜本的な施策とは考えられない。他に何らか幾ばくでも国の財源をまあ地方支出をこの際減らしたいということで各省にそれぞれ要求が大蔵当局からあつて、やむなく各省で供出したもののうちから適当なぎりぎりのものを羅列してこういう法律案にして出したのではないかという疑いを持つているわけなんです。少くとも大蔵省から出ております補助金、負担金等の内訳を見ますと一町村百円にも足りないような補助金等もあるのにそれらはやめることをしない。或いはまだまだ金額の少い補助金、それまでにしなくてもいいのじやないかと思われるものさえ残つている。それに一方こういう特例を以てそれぞれ措置せらるるものがこう出て来る。こういうふうにひつ張り出して来た基準そのものが筋途立ててちつとも私たちにわからんのです。そういうような点がまあ問題になつているので、まあ副総理として今ここでいろいろ見解を固めて御答弁になるというような場合もあるでしようが、私たちとしては単にこれは政府攻撃ということではなくて、国と地方の財政負担の区分、或いはもつと根本にさかのぼれば事務配分の問題までさかのぼつて基本的な立場に立つてこの問題を解決しなければならんのじやないかという考え方を持つているために、まあ今出ているものは非常に簡単なものでありますけれども、副総理の基本的な見解をお尋ねしておきたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 今御発言の趣旨からいうといわゆる抜本的なものではないという御意見も御尤もでありますが、政府は二十九年度予算編成に当りまして財政の膨脹から来るインフレを極力阻止するために、今回のいわゆる一兆円予算編成の大方針を立てたことは御承知の通りであります。又中央地方を通ずる財政調整を図るため地方交付税制度の創設等各般の措置を講じたわけでありまして、以上の方針に即応するために地方公共団体に対する補助金のうち職員の給与、経営事務の維持運営等に対する補助はこれを整理軽減することといたしまして、その減額分は代りに交付税として地方に交付する方針をとり、又民間団体又個人に対する補助は極力財政緊縮の線に副つて縮減を図つた次第であります。そういう趣旨から今回のような措置をいたした次第でございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 そういうことは実は前にも言われているのでよくわかつているのですが、例えば民間団体等に対する補助金等で補助金等の交付を停止又は軽減することが妥当と認められるものを見ますならば、この法律案に挙げられたもの以上に、私たちから見ると外部団体に対する補助金でやはり措置しなければならない団体等が多々あるということも考えられる。それで妥当ということが単に事務当局、財政当局の主観等によつて何ら客観的な基準もなくてこういうふうに法律案に一、二ひつ張り上げられて来たというその根拠が私たちにさつぱりわからん。補助金についてもそうです。同じ職員の云々といいますけれども、他にも多数のものがあるわけなんです。なぜこういう関係の法律にだけ手をつけて来たのかという根拠が明らかでない。それでもう副総理から率直に、いやこれはたとえば三十億を浮かすためにこういうことをしたので、その間には気の毒なのもあるかもしれないがまあ勘弁してくれというのならそれでもいいのです。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 今御審議を願つておりまするのは、関連のある法律の改廃等をいたさなければ補助金の整理ができんものだけでありまして、それ以外に今御指摘になりましたように民間団体についての整理、これは予算面におきまして相当整理をやつております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 あとでまあ事務的なことは伺いますから。副総理は予算面で削減しているはずだといいますけれども、必ずしもそうではない事情もあるわけで、ここでそういう点はあんまり論議したくないんですが、ただ今差当つて抜本的に計画的に年度の計画をもつて補助金等を整理するという何か基本的な態度をお示し願わないで、そうしてただ現象的にこの目の前に現れて来たものだけ通覧しますとちつとも妥当ではない。前にも申しましたが、災害等に対する復旧費の補助金等は全額或いは八割、こういうようなものもそのまんま残つている。一方それと見合うような重要な農林等の食糧増産対策上緊急必要であると思われるようなものの補助率は削減せられている。そういうような食い違いと申しますか矛盾している点が多々ある。これがまあ問題になつておるわけなんです。それで副総理がそうおつしやるならば、今後どうやつて行くおつもりで今たつたこれだけのものを、出して来たのか、その今後の補助金整理等に対する政府の対策、基本的な態度を伺つておかなけりやならん。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 先ほど申上げました法律関係のものは一応これで整理を段階ずけるつもりでございまして、法律以外に予算で整理をするものはこのほかになつております。それから今お話のありました災害につきましては別途に検討いたしておりますけれども、その間のバランスがとれていないというようなこともあるかも知れませんが、それは別途にやつて行くつもりでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 やはり、そう言つては失礼ですけれども、副総理は内容と実体をわかつていないものだから、隣のほうから教えられてそう言いますけれども(笑声)そう言つただけでは必ずしも済まないのですよ。簡単にこれは法律の根拠に基くもので、だから法律の根拠に基いたものは一切これでもう整理したつもりであると、あとその他はないはずだというような前提の下にお話になつて来ているというとどうもおかしくなつて来るのです。まあそれはそれでいいとしまして、一つ今度は観点を変えまして、計画的に作為的であつたかどうかわかりませんけれども、補助金のその他の整理の関係する法律は二十幾つここに出ているのですが、その半数の十三という法律案は、これは根拠の法律は議員立法でできておるものです。で、その議員立法でできているうちにも、特に昨年議員立法でできて、そうして二十九年度から予算的にも措置をすると言明になつて政府も御承認になつている。併し、経過期間中、日のめを見ないで本年からようやく日のめを見るのだと言われているような法律も、こういうふうに一方的に、これは多分大蔵財政当局の強い意図を以てこういう改正法案が出て来たと思うのですが、改正されている。そうして最近決定した院の意思というものは真向からじうりんされている。こういうようなやり方が政府としてとつていいものか、望ましいとお考えになるかどうか。この点も伺つておきたいのですが、而もこの予算的には金額はその辺の造船の利子の補給をしたとか、或いは造船の割当をするとかというような、そんな面倒な問題の起るような大きな金額ではない。併し、又関係住民なり受益団体にとつてはやむにやまれない重要な施策であつたものが多々あるわけです。この点についても副総理のお考えをお尋ねしておきたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政府としても非常に望ましいこととは考えておりません。予算の編成上、殊に御承知のように緊縮予算を編成いたしまする上にやむを得ない一つの措置として考えたのでございまして、只今お話のように特に議員立法に基くものを整理して国会の立法権を軽視している点もありはしないかというお話でございますが、全体として六十億、百件以上ある補助金負担金等の整理軽減の中で、議員立法の改正を要するものは十三件、今お話の通りであります。そういうので必ずしも議員立法を目当にしておるわけではございません。従いまして、国会の立法権を軽視している、そういう考え方は初めから少しもございません。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 再三申上げますが、今度出て来ている補助金の整理の法案の根拠になる法律以外に補助金を出している法律は他に多くあるのですよ。これで全部終つているのじやない。その中から特に議員立法で、而も何年か経過してそれぞれ事態が明白になつているものを整理して行くというならともかく、そうではなくてまだ日のめも見ない、本年から実施する、而もそれを確約したその案を実施直前に又整理するというようなことは、議員の立法を尊重しているのだと口でおつしやるけれども、事実としては尊重していないということになるのじやござんせんか。私はその点を申上げている。他に幾多金額的に言うならばまだまだ多数の整理を要するものもあるのですよ。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政府としては財政全般から見ましてこういう整理も御辛抱を願わなければならんという観点から、従いましてこれを国会の御審議にかけて、そして政府の見解に対して御批判、御審議、決定をお願いしたい。今の財政の当面の事情からいたしまして政府としてはやむを得なかつた、そういう結論に立つているわけであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それで財政の当面の事情からというだけの金額、全体の補助金負担金等の関係からという金額だとは全然考えられない。政府も恐らくそんなことは考えないと思うのです。もつと内わつた話をしますと、私たちは各関係の調査機関から上申せられたようにこの際国税も地方税等も抜本的な改正が行われ、その機会にこの補助金等の問題について根本的な検討が加えられて、それで大幅な補助金の整理の法案が出て来るのだろうと実は予想しておつたわけであります。ところがそうではなくて、大部分の補助金のそれは取残されてそうして議員立法十三件を含むたつたこれだけの補助金の整理の法案が出て来、それが財政的な裏付は地方においてはどうなるのかと言えばどうにもならないものもあれば、交付税で見て行くのだと口でだけは言うが根拠があるかどうかはさつぱり不明である。こういうような形の法案が出て来て基本的な考え方から言つても非常に不満なものがある。併しながら過渡的な段階としてこういうことをやつたということであるならば、同じ過渡的な段階としてほかにまだ相当手をつけるべき法律は、実施するものは一応実施させてその経過を見て逐次根本的に整理するならするという考え方が望ましいのではないか。そういうこともなしに初めからその経過も見ないで、単に財政的な都合ということで議員立法がこういうふうに扱われるということであつては非常に困る。これは意見に亘りますけれどもそういう観点に立つて副総理の御意見を伺つている。  而ももつと内わつた話をいたしますと、何もそういうふうに整理に関する法律案というふうに一括して出す筋合のものじやない。ここに法律の体系で第一条、二条、三条とありますけれども、第一条と第二条とは何の関係もない、二条と三条とは何の関係もない個個ばらばらの内容を持つているものを一つの法律案だなんて、ただ単なる文章上体裁をつくろつて出して来ている。これはそれぞれの単行法の中の一部を修正して各常任委員会に付議すればいいものなんだ。それをわざわざこういうふうにとりつくろつて特別委員会等を以てこれを審議させるという政府の意図は、各常任委員会にこれを廻すならば、この法律体系は見込みがないというお見込みがあつたから、戦術的にこういうふうな苦肉の策をおとりになられたのだろう。だろうという推定だけでなくて各党間にそのことについては意見が一致しているのです。そういうことまでしていろいろの技巧を用いて持ち廻つて来たものが、これが副総理の言うように真に財政的な見地からやむを得なかつたというならば、もつともつとその院と政府との関係等考えるほうが重要ではないか。たつた数億足らずの金が今一兆予算、而も補助金負担金三千数百億円の中から言えば全く微々たるものじやないか。こういうものに手をつけて来るということは非常に作為的である、意図的であると言わざるを得ない。而も議員立法はこれは何と申しますか、党派間に意見の相違があつて対立して多数を以て決したもの、じやない。満場一致全会派が賛成してきめたものであつて、政府与党の自由党政調会等も承認しておつたものなんです。これが一年足らずでひつくり返つて来るというようなこういうやり方を副総理が関係各省に対してやれと言い、やらせたというようなことは私は信じられないのです。そういう意味合でこの点はお尋ねしていることであつて、衆議院等では憲法上疑義があるとさえ言われて論議せられている問題なんです。もう少し私たちとしてはこういう問題について事前に打合せるなり、その他慎重な方法をとつてもらいたかつたと考えるのですが、これは大分意見に亘つたことですが、もう一度副総理の御見解を表明して頂きたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 御意見御尤もな点もあるのでございますが、こういう出し方の先例はたしか私はあると思います。今度の法律案は勿論関係各大臣の共同詮議でありまして、各大臣はそれぞれ所管の補助金制度提案について責任を有しておるわけでありますが、国会に対する提案の最高責任者は勿論内閣総理大臣、但し本法律案は各省関係に亘るものであり、又予算案に密接な関係があるため予算査察大臣として大蔵大臣が本提案のとりまとめに当つたような次第でありまして、そういう意味で担当大臣は大蔵大臣と申しましようか、趣旨がそういうところから発しておりまするので、こういう形の一括した法律案とし、一括して御審議願つたほうが或る意味においては便利ではなかろうか、そういう考えからこういう提案の仕方をいたしている次第であります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私は大蔵大臣がとりまとめたから提案者になつたのだという考え方については問題があると思うのです。それはさつきから副総理がおつしやるように単に財政的な見地に立つてとおつしやいましたが、そういう考え方が非常に濃厚だから大蔵大臣がとりまとめた、そして又大蔵大臣がそれぞれ説明に財政的な見地に立つて当られるというようなことになると思う。従つてそうなりますと個々の補助金を法律を以て実施したその趣意、その目的、その効果というものはさつぱり認められないと申しますか、財政当局に取上げられない、財政的な面からだけ法律が考えられて来る、議員立法が考えられて来る、こういうところに問題があると思う。例えばこの議員立法の面で申しますと、一番論議になつたものは漁船損害補償法の関係なんでございますが、これは今の食糧対策上幾多問題のあつた点なんでございますけれども、漁船の損害を補償するということの内容としては、二十トン以下の漁船が適用になつておつたものを百トンまで拡大して行くというのが、これは議員立法であります。而も今日沖合漁業その他によらなければ、日本のこういう方面の蛋白資源も得られないという実状は御承知の通りなんで、今百トン未満と言つていますけれども、普通遠洋漁業等に出ているものは百トンから四百トンくらいの船が出ている。本当に一〇〇トン以下というと沖合漁業なんです。一般の個人が所有している零細な漁民がこれをやつている。そういうものを補償して行く法律なんですが、いろいろ院として衆参両院苦心してこれは昨年の八月一日からですか施行になり、昨年度は補正等の予算で裏付ができないということで、二十九年度からこれを実施する、是非予算を付けますと財政当局から言明したものなんです。それが又ひつくり返つて旧法に戻つて行くというような仕打を財政的な見地からだけということで、而も金額にすれば数千万円で足りる金額なんです。それを削らなければこれは一兆億予算を維持できないのだとか、或いは国の財政政策が立たないのだとか、そういうような問題とは全然問題が別なんです。もつと率直に言うならば、余りに財政当局、大蔵当局、もつとはつきり言うならば官僚が、どうせ議員立法でやつたところでつぶしてみせるのだ、昨年来言明しておつたことが今日現われて来たのです。院内においてそういうことを知らない者はない。そういう官僚の意図するものに閣議なり関係大臣が動かされてこうせざるを得ない状態になつて来た、これはまことにけしからんことだ。私は議員立法は全部尊重せいとは申しません、それぞれ批判もあり弊害が生じる問題等も多々あることは十分承知しております。併しここに出て来ているこういう問題は、農業改良のほうの関係は食糧増産対策等の関係からする補助金と同様に今の日本の置かれている立場から言つて重要な、まあ涙金ほどのものでありますけれども、重要な施策のはずなんです。これを一財政当局なり一部官僚の意図によつて議員立法何をやろうが握りつぶしてやるのだなどと言われているものがそのまま出て来て、我々としてああそうですか、副総理のおつしやることは御尤もですとは言えない。もう少し副総理に更にお尋ねしますが、どういう経緯でこれが閣議決定にまで持込まれて来たのか、副総理は十分内面的に御承知ですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) そういう御結論になるのじやないかと思つておつたのでありますが、この補助金を整理することにつきましては、特に又議員立法の関係のものが十三案件ありますし、政府としては相当困難であるということは予想しておつたのであります。それだけにこの法律案を作成いたすまでには大蔵省と各省との事務当局の間に十分の検討を経て参つたのでありまして、今大蔵省が勝手にやつた、或いは大蔵省の予算編成権を余り強度に使つておるというような御意見がありましたが、これは大蔵省の立地そのものが形では各省並になつておりまするけれども、やはり実質的にはアメリカの予算局のような立場になつておりまして、結局はそこの意見も入りますけれども、その根底におきましては各省の上とは申せませんが各省の意見の上にバランスをとつてやつておるのでありまして、官僚についての御批判もありましたが、私も僅かながら大蔵大臣代理をやつておつた間に感じましたことは、大蔵省の官僚は非常に仕事に熱心ではありますが、大臣なり閣議なりがちやんとした見識を持つておればそれを無理押ししてまでどうしようという考えは少しもないように思いますし、この案として現われて参りましたものは何と申しましてもこれは閣議が責任を持つべきものでありまして、この提案から直ちに官僚独善的に、かねて議員立法というものを軽視しておる、その傾向が現われたというふうには私どもは少しも感じておりません。その点は私から弁解をいたしておきます。

秋山俊一郎自由党

○秋山俊一郎君 只今の副総理の御答弁でございますが、先ほど来小笠原同僚委員から漁船損害補償法の件について御質問がありましたが、これは私も当時その修正をした一人であります。大蔵大臣及び予算を編成する大蔵当局ともしばしば折衝いたしまして議案を修正しようとした際に大蔵当局はこれに対する代案まで出したのでありまして、スライド制を出して来るとか或いは我々の修正案に対する或る程度の変更をしたらどうかというような大蔵当局からも提案をしたのでありますが、これはどうも余りにも姑息的な問題でありましたので議院といたしましては現行法の通り修正をしたわけであります。それにつきましては勿論、我々与党といたしまして与党の幹部とも十分了解を得、予算閣議についても了解を得て提案いたしまして、これが全会一致で通過したのでありますが、通過した直後において大蔵当局は職を賭してもこの法案は実施させないということを我々にではありませんが或る一部に言明しておつた。そういう全国会議員が満場一致で通過させた法律を一官僚が職を賭してまでも阻止するといつたようなことは甚だおだやかでない。私どもはまさかそういつたようなことをするはずもなし、又何かの感情的に言つたものだろうと思つておりましたが、今回これが事実として現われて来たことに思い合せますと、これは予算の関係じやなしに感情を持つて来ておるものだと強く私どもは感じまして、非常に憤慨をしているのであります。只今小笠原委員からもお話がありましたがやはり同じようなことをお聞きになつている。これはおそらく閣議においてかようなことから大蔵当局が立案したということは一切御承知でなかつたものである、それが裏にひそんで表てに出て来たのだ。これは先ほどからお話がありますように一遍も日のめを見ないで二十九年度予算から僅か一億一千万円くらいの予算を計上するという約束のものがこうなつて来ている。これは我々としては誠に納得がゆかないのでありますが、そういうようないきさつはおそらく御承知あるまいと思いますが、何かそういうことをお聞きになつているか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私そういうような具体的な事実は何も聞いておりません。若し大蔵官僚の中にそういう思い上つた態度があり、而もそれを国会の耳にまで入るような外に向つてしやべつているというようなことがあれば十分戒飭いたします。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 どうも中身を知つていない副総理に聞くというのは容易でないのですが、副総理は今度の予算案の衆議院における三派修正に関係し、又その内容については御承知ですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 一応承知しております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 ではお尋ねしたいのですが、農林省関係で農業改良助長法に基く補助等の特例ということで従来農業改良普及員なり或いは生活改善普及員ですか、いずれ改良普及事業に対して五千万円の増額を認めたということになつているわけでございますが、一方補助金の率を三分の二から二分の一に引下げる法律案で率を引下げている。率を引下げる一方三派修正では引下げられた二分の一の補助率を以て定員増を決定したわけでございます。そうしますとその分は地方財政に大幅に影響していることは火を見るよりも明らかであります。ところが地方財政に響く部分については交付税を以て計画的にカバーするとも何とも一切それは不明なんです。これは結果としてどういうことに政府は措置しようとせられてこういう問題を持つて来たか、一応わからなかつたら大蔵大臣に尋ねますけれども基本的にその点。  それでそれをお答えになる前に、農業改良普及事業というのは直接個々の農家に対して食糧の増産なり或いは農家経済、或いは農家の生活水準を引上げるがために手まめな指導を加える重要な事業なんです。これなくして冷害対策なりその他食糧増産対策は打立てられないものなんだ。そういうものの補助率が従来三分の二であつても地方においてはその庁舎の建築とか或いは日常の運営費とか地元の負担が非常に多いけれども歯をくいしばつて我慢して来ているものなんです。それが三分の二から二分の一に減るということは、実質上は四分の一程度に減つてしまうのではないかと心配せられた県知事の公述もあつたのですが、どうしてこういう重要なものを他の補助金等の整理も一切しない前になぜこういうものに手をつけて来たかということをお尋ねしたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 修正案との矛盾の点でございますか。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 修正案で定員がふえても結局補助率が引下げられているとすれば、所期の目的を達成することかできるかどうか。結局地方財政の負担に限度があるのですから、それであとの部分はどういうふうにしてカバーしようとせられてこういう修正をお認めになつたのかという点です。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは一つ大蔵大臣から後刻お答えいたします。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それでは前のほうの、なぜこういう今の食糧増産対策上重要なもの、而も国は三分の二十したといつても地方も相当部分を持出して仕事をしている。こういう法律に手をつけて補助率を切下げて来た、他の関係の補助金等を交付しているものの実体とひき比べて、なぜこれだけがぽつんと上つて来たのか、その理由をお尋ねしたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政府委員から答弁させます。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) 具体的な問題でございますので私が代つて申上げます。  農業改良普及員の制度につきましては、大蔵省におきましても十分その重要性を農林省等の意見をも伺いましてかねがね承知いたしている点ではございます。ただ今回のいわゆる補助金の整理の大きな方針といたしまして、地方団体に対する補助の中で給与職員の設置関係のものは、元来その職員の身分が地方の職員でございますから一方地方自治というような観点も考えまして、そういう補助金等は一般財源として県知事に与えて、そこから或る程度出すようにしてもよろしいのではないか。それから又補助率というものも特殊なものは別でございますが、大体原則としては二分の一というのが大きな目途でございまして、余り高率の補助というものは却つてもらうほうもイージーな気持になりがちであります。そういうノーマルなすがたに徐々になおして行きたい、こういう大きな一つの考えがあるわけであります。この普及員制度につきましては、御承知のようにすでにそれが創設されましてから六、七年になろうと思います。そうして非常にいい制度であるというので皆さんから推奨されているのでありますが、又一方或る程度その制度の効果的であるということが一般に認識されて参りました場合においては、新らしい制度ができた当初には制度の趣旨が普及いたしませんから特に高率の補助率を使つてやる必要もございますが、一般的にその思想も普及して参つたからここらで一般の半々の補助率に引下げたらどうだろうという考えもあるわけであります。特に農業関係の問題でございますのでこれは国の責任であると同時に各地方の重要な問題でもございます。自治体の首脳部としてもそれぞれ自分の行政の見地から深い関心を払うに価するという問題であります。農業というものは大体そういうものが多い。こういう考え方もいろいろ考え合せまして、先ずこういうようなものから徐々に地方の自治に廻して行くべきものではなかろうか、こういうことで取上げたわけであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私は各論的なことはあとでお尋ねしようと思つたが、農林行政の内容的な見地にも立つた財政当局から意見を伺つて誠に恐縮するわけですが、私はこれが重要であるか重要でないかは農林当局へお尋ねしようと思つたので、あなたのほうは金の整理するほうの関係だから、その限度でお答え願つておきたいのです。そこで各論に入るというと長くなりますからその点はあなたに対しては質疑は留保しておきます。  次に問題を移しまして法律関係についてお尋ねするわけですが、例えば児童福祉法という法律がある、その中の母子手帳というものの費用に関して、当分の間これを適用しないという法律がある。これは特例の中の特例法律だと思う。これは児童福祉法という法律があつて、そうして今審議している法律が特例になつている。こういう形になつて、この特例の法律で本法である児童福祉法のこれをとめることはできるのでしよう。そこまで私はわかる。ところが今度は地方財政法のほうとはこの二つの法律はどういう関係ができて来るか、どういう関係があるのかということをお尋ねしておきたいのです。これは、単に一例を挙げましたが、今度出て来ている特例等に関する法律案では、母子手帳だけではなく、建設省関係にもありますが、地方財政法に関係がある部分が多い。それで母子手帳を一例にとつてみますと、地方財政法の第十条では「地方公共団体又は地方公共団体の機関が法令に基いて実施しなければならない事務であつて、」法令に基くというのは、児童福祉法をこれが指すということは明らかであります。で、児童福祉法に基いて実施しなければならない事務であつて、「国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務」これは相互の間に関係のある事務です。「のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある左の各号の一に掲げるものについては、国が、その経費の全部又は一部を負担する。」と明らかに法律規定がある。そうして、左の各号に掲げるというのの八に母子手帳というのが明記せられておる。それで一方児童福祉法なりその特例のこの関係法律が特例法によつて直つたといつても、この地方財政法は生きている。そうするとこれはどういうことになるのか。地方財政法のうちの八というところの母子手帳というのは、当分の間という今度の特例によつてこれは法律違反にはならない、地方財政法までこれは拘束されるのだという根拠が私にはわからんのです。地方財政法は私は基本法だと思うのです。これに手をつけることなしに、単に児童福祉法のうちのこの特例を直してそれで済むか。或いは法律家でない私の思いつきですが、いやいや、この地方財政法の法令に基くという法令は児童福祉法だ。その児童福祉法は特例によつてもう直つたのだ。停止せられているのだから、この八の母子手帳というのは、文章上は明記せられておつても停止せられておるのだ、こういうのかも知れません。併し私はそういうような意見はとりたくない。直すなら根本的に皆それぞれ法律的に措置せられるべきものではないかという見解を私は持つている。而も地方財政法というものが一々こういうふうに箇条書で明記しているものは、軽々に財政的な都合等々という理由を以て実施したり、実施しなかつたり適当でいいのだということでできている法律ではない、かと思うのです。これは国の財政法と地方の財政法とが見合つて、国と地方の財政計画を確立する上にとつて基本的な立法だと思つている。そういう考え方で私はお尋ねしているわけで、この第八条の特例を以てして実際これをとめることができるとするならば、それは法律違反ではないか、こういう見解の下にまあ副総理のお考えをお尋ねしたい。それでこれはお尋ねして答えられないとなれば、法制局の関係からお尋ねしますので財政当局の御説明は要らない。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは私も卒直のところわかりません。今事務当局から聞いたところでは、地方財政法を改正することになつているそうです。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 その改正することになつている法律案は御提案になつておりますか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) これは当初私どもの希望といたしましては、この法律を附則で改正いたしたいと思いましたが、自治庁といたしましては、地方財政法は基本法でもあることであるから自分のほうで提案したいというので、もう提案したはずでございます。いずれにしても、まだ今日まで提案しなければ、もう提案になることになつております。常にこういう関係の改正がありますときは必ずそれに見合つた地方財政法の改正をする、こういうのが従来からの政府の行き方であります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それが一般的な他の問題も含む地方財政法の大巾修正であるなら、それは他の地方行政委員会にかけられていいわけですが、これとの関係で地方財政法を自動的に修正するのだということであれば、地方財政法の修正ということのほうが大事なのですか、この特例法の修正というほうが大事なのですか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) 御趣旨がちよつとはつきりしませんが、要するにこれを改正しますれば只今お話がありましたように地方財政法をほつておけば矛盾を生じますから、その法律の間の矛盾をなくしたいということで、これを提案すると同時に政府はこれとひようそくの合つた地方財政法の改正を提案する、こういうことになつております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それではひようそくの合つた改正というと、その内容は母子手帳というところは削除するということではなくして、「当分の間、適用しない。」、当分の間その経費の全部又は一部を負担しない、こういう意味合に修正になるわけですか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) さようです。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 そういうふうに基本法である地方財政法にまで個々に、当分の間適用しないという暫定措置をばらばらにとつて行くということについて、政府の基本的な考え方をお尋ねしておきたい。そういうことが許されるかどうか。こういう特例のほうで必要やむを得ないということになつて、基本法のほうは当分の間というようなことで動いて行く、そういうようなことで地方財政法という法律の建前からいつていいものかどうか、この点伺つておきたい。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) 地方財政法の構成を申上げますと、第九条において地方団体がその全額を負担する経費ということを規定しております。それから第十条において国がその全部又は一部を負担する法令に基いて実施しなければならない事務に要する経費、そうして更にあとのほうに、国が今度は全額負担しなければならん、即ち国と地方との経費の負担区分というものは昔から非常に議論がございますが、とにかく国が全部を当然その制度の建前上みなければならないと思われるもの、それから地方が当然全額をみなければならないもの、その中間に国と地方が或る意味において共同でみることが適当なもの、こういうふうに大ざつぱに分けまして三つあるのであります。それでこのいわゆる第十条の関係の分を見ますと、「国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある左の各号の一に掲げる云々とありまして、国が進んで経費を負担する必要がある場合に、制度におきましてはその制度の維持必要上、或いは又補助金なんかにつきましては、暫くそれが普及徹底いたしますまでの奨励的な場合、いろいろな場合がございまして一概には言えません。併しそれらの場合に国が進んで負担する必要が暫くあろう、こういうふうに考えておる間はこういうような分け方をする、こういうことを規定しておるのであります。これはそのときどきの時代によつていろいろと相対的に考えがきまるわけであります。でそういう意味におきまして、今般は全体の考え方として例えば母子手帳の制度を一応全部地方で持つてもらうという考え方を政府がとりまして、それに応じてこれを改正するということになるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 あなたが只今おつしやつた通り、この第十条というものそのものは見出しがついておるのだが、「国が全部又は一部を負担する法令に基いて実施しなければならない事務に要する経費」、もう一部であろうが何であろうが、負担しなければならない経費として挙げられておる。だから負担しないとすればこれは削除すべきものなんです。一部負担を当分の間停止するなどということを、この見出しの下において、第十条において行うことができるかどうかということが私は疑問なんです。初めから一部を負担するということが前提なんです。で内容として政府のときどきの都合で積極的にこれに対して経費を負担する必要があると認めるのであるとか認めないとか、そのときそのときによつてそれが変るものだとは私は実は考えていない。この十条の一項にあるように、「国が進んで経費を負担する必要がある左の各号の一に掲げる」ということで、左の各号の一々に掲げておるものは国が進んで経費を負担するということを認めておるのです。だからこれを認めないということであるならば削除しなければならんはずなんです。而も当分の間これをやらないという便宜的な措置をとるということが、この十条の一項からいつて行われうるかどうかということは私は問題があると思うのですが、どうですか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) おつしやる通り削除ができれば一番よろしいわけであります。ただ本法案との関係におきましては、本法案は「当分の間」といういわゆる臨時立法でございます。削除ができるのでございますからして、勿論当分の間削除すると同じ、即ち停止をするということは勿論可能なわけであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 あなたは財政当局だから割切つてそういうことを言いますが、この地方財政法とあるからこれは財政上の見地だけで云々すればいいのだというふうには私は考えない。これは単に十条で例をとつて言うておるから私はここだけで申上げておくのですが、この「国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち」ということで、相互の利害に関係のあるということは母子手帳においては認めておるわけなんです。それで仮に補助金は当分の間出さないとなつてもこれは国と地方公共団体に利害があるという問題は消えない。やはり国と地方公共団体の利害がある母子手帳なんです。そういうものは消えないんです。そういう精神が消えないものを当分の間削除して行くという限りにおいては、この母子手帳というものの内容について考えなければならんことだと思う。これは母子手帳というのは国の利害に関係あるとはしない。これは地方の実際の事務だ、そういうようなわきまえがきちんとできない限りは、単に財政的な都合で云々ということで当分の間停止するとかなんとかいうようなことはできんじやないか、私はそういうふうに考えるのです。これは母子手帳ですからなあにそういうものは軽いものだというふうにお考えでしようが、他にも地方財政法に抵触する部分では性病予防法とか或いは漁業調整委員会に関する国の負担、こういうようなものがそれぞれあるわけです。これは国と地方とが両方で持ち合つてやる事務だ、相互に利害があるのだ、ただ単に地方だけの問題ではない、ただ単に国だけの問題ではない、こうなつているから金がそこについて来るわけだ。だから金を消すというならば、国と地方とのこの事務の関係はどういうふうにこれを規定して行くかということに遡らなければこの地方財政法を簡単に動かすわけにはいかんと私は思う。この点は如何ですか。

佐藤一郎大蔵省主計局総務課長

○政府委員(佐藤一郎君) この十条は非常に沿革のある条文でございまして、小笠原さんのおつしやる点よくわかりますが、要するに国の行政の中の相当部分というものは中央と地方とに利害があるわけであります。併しながら必ず利害があるからと言つて国が財政的負担をしなければならんということまでは言つていないのであります。これは特に御承知の通り、規定してあるものについて国が負担する、こういう建前になつております。それで何しろ広範な行政事務のことでありますからしてこれを取上げればきりがないわけでありますが、そのときどきに国が施策上重要だというもの或いは国が特にやる必要がある、若しくは地方に任せてもよろしいという事務、それぞれの考えが立つわけであります。その考えによりまして従来もその都度この規定の出入りがあつたわけであります。これはこの規定がずつと前からございましてそういうような取扱いになつていることを一つ御了解願います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 最後に一点だけ。今財政当局がお聞き及びの通りの御答弁で、ただつじつまを合せて答弁しているだけなんです。私は副総理に基本的にさつきからお尋ねしているように、法律の根拠がないものでさえも補助金等が外郭団体、地方公共団体に幾多出ておる。政府はそれは整理せられておらんのです。これだけあるのですよ。しかるに地方財政法に根拠をもつ、即ちいま国と地方との現行の事務配分からいつて必要であることを認めている基本法がある。この法律の根拠に基いているほうに手をつけてこの金額以上に、これはたつた七百万円か幾らかの金額ですよ、根拠に基いていると言つても七百万円ほどしかないのですが、他の法律の根拠もない補助金は手をつけておらない。こういうやり方がどこに基準があつて出て来たかということを私は尋ねるのです。何でこういうものに手をつけるか。それぞれの法律根拠があつていきさつがあつて出て来ているものが打切られ、そうして他に何ら法律上の根拠のない、ただ予算措置で各省が勝手にと言うと語弊があるが、適当にお手盛りでくれてやる金のほうは手を付けておらない。こういうことは法律を尊重して行くという建前であるのかないのか。私はそういうことを問題にするので母子手帳だけを問題にするのではない。そういう基本的な政府の考え方はどういうことであつて、こういう整理の法律案が出て来たのかということを尋ねている。この考え方如何によつては将来根本的な抜本的な検討を加えて一切を整理する段階に委ねたらどうかという考え方も出て来るわけです。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 法律を尊重しない、軽視するという観念は少しも持つておりません。先ほどから繰返し申上げましたように今回は特別の予算の編成の必要上、法律の改廃を必要と政府が考えるものが出て参りましたので、それを法律を以てその改正の審議を願い、御決定を願うというだけでございまして、今御引用になりました法律に根拠のある補助を何故に削除するかということ、法律の根拠のない補助金に手を付けないで法律に根拠のあるものに手を付けるのは、国会の立法権の軽視ではないか、又議員立法を軽視するのではないかというお話がありました。これは先ほど申しましたように法律に根拠のない、関係のない補助金も私は数字は知りませんけれども相当削つていると思う。従いましてその点から法律軽視という御意見にはすぐ承服いたしかねるのでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 簡単にお尋ねします。法律に根拠のあるものと、法律に根拠のない単なる予算措置で補助金を出すものとどつちのほうが重要度があるのですか。国の行政としてどつちが重要なんですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それは申すまでもなく、法律に根拠のあるものは法律の趣旨を尊重しなければならんと考えます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 然らば法律に根拠のあるほうのそれを修正し、或いは停止するというようなことをする前に、なぜ法律の根拠のないほうのそれを整理することによつて、三十億なり十七億なりを浮かす努力をしなかつたのか、これは単に数十億というような金ではない、法律に根拠のない補助金のほうを先に手を付けなかつたか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 整理いたしましたものは金額にして六十億で約百件、そのうちの法律に根拠のあるものが三十億ばかりと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 法律に根拠のないものも三十億ばかり整理したのだからそれでいいのだ。だから根拠のあるほうもそれに見合つて三十億削るのだというのはおかしいじやないですか。私はその考え方がおかしいと言うのです。法律に根拠のあるほうを手を付ける前に、法律的に根拠のないその時々の便宜的な補助金、予算措置だけでやつておるほうを先に手を付けるべきじやないですか。ただ理論的にはいろいろ重要度があるのだ、内容的に重要なんだと言えば、この法律に根拠のあるほうも内容的に重要なんだということになりますから、私はそういうことは議論しません。財政的な見地に立つてどうしても圧縮することになつて来たら先にそれを圧縮するのが至当じやないですか。少くともこつちは法律の根拠がある。而も二重、三重に地方財政法にも根拠があるものです。それのほうに手を付けてあと法律の根拠のない補助金とか何とか町村に百円足らずしか行かないような補助金等がそのまま生きている。おかしいじやないですか、一貫してないという点を言うのです。私はそういう点についてはどういう考えをお持ちになつておるのかということなんです。さつきから操返して言つていることはそこなんです。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それは別にあの法律に根拠のあるものとないものを見合つてやつたのではないのでありまして、個々の経費を性質に応じて整理して参つたらたまたまそういう数字が現われたので、今の御趣旨はよくわかりますが、別にこの法律に基くもの、特に議員立法に基くものを特別軽視したことは決してないのであります。ただその選び方については意見が分れるかも知れませんが、政府といたしましては各省なり事務当局とも十分に打合せまして、そしてこういう結論を出して参つたのであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 まあ副総理としてはこんな補助金整理というようなことは今のところでは大した問題でなくて、別なことにまあ心が行つていると思う(笑声)。ですからこれ以上聞いたところでどうにもしようがないし、隣から紙を出されて読まれるだけではまあ質疑しても十分なことでないのですが、たださつきからいろいろ議論しているところから見て副総理の個人的な気持としては、結局これはまあいろいろな事情で各省から出るものは出てもらつて一応整理して出したものなんで、深く論理的な根拠を持つて究明の末出て来たものでもないし、まあその辺のところは然るべく見計らつて審議をしてもらいたいというところが本心だと私は思うのですがね。これはもう率直に論理的に筋道立てて話合つて行く段になれば私はやはりたつたこれだけの補助金整理というような法律案ではおかしいと思うのです。もつと抜本的にその前提として出て来ておるものがあり、而もそのためには基本的な政府の補助金整理に対する要綱が確立しておつて我々に示さなければ、どうにもこの法律だけではのみこめないというふうに考えるわけです。  で結局副総理にはこれ以上お尋ねしても、尊重しております、何でありますと言われても(笑声)実体は尊重していないので、早く言えば主観の相違ですから私のお尋ねする点はこれで終ります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は時間がありませんから……

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) 念のために申上げます。佐藤総務課長は衆議院からの切なる要求がありまして行かれるそうでありますから。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は副総理に一言だけ聞きたい。さつきから小笠原君の質問に対してのお答えは一貫して、これはいわゆる国会を軽視しているのじやない、こういうことを言つておられますが、或いはそうかも知れません。そうかも知れないのだが、結果において私はこの議員立法をこの法律が出るために停止若くは廃止されるものも出て来る。廃止されるということになると、これは大きな影響が来るところもあるわけです。それで私はこれは副総理は全然軽視したつもりで出したのではないということはあつても、結論においては現存の法律を停止し若くは廃止する、この点に対しては昨日も法制局長官との間にいろいろ議論したのであります。衆議院においては各学者はこれに対して憲法違反の疑義がある、こういう問題がある。法制局長官としては憲法に違反はしていない、法律的技術においてもどうやら曲りなりにもこれは成り立つ。こういう論法でありますが、私から言えばこれは立法の精神は妥当でないということなんですね。いわゆる万民がひとしく納得の行くようなものでなければ法律は軽々に出すべきものではないのじやないか。而もこの内容を見るとさつきも小笠原君が言つたように、第一条と二条と又全然違つた関連のないものが相当あるのであつて、ただ財政的処置でうまくやろうというだけの便宜法律であつて、こういう法律は国民にとつては決して喜ばれる法律ではない。こういう妥当でないものを政府が出すということは、而も議員立法を或る程度停止し或いは廃止するということは、これは一応の精神的において憲法の違反になる疑いを相当持つている法律であつて、これを撤回する意思がないかどうかという点だけを私は一応聞いておきたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 憲法の点は私も多少見てみたのですが、憲法違反にならんと思うのでありますが、今お述べになりましたような意見も一面においては立つのじやないかと考えるのです。でありますが、政府としましてこの際この法案を撤回するという考えは持つておりません。

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

松永義雄日本社会党(第二控室・右)

○委員長(松永義雄君) 速記を始めて下さい。休憩いたします。    午後零時三十五分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた。〕

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