文部委員会 第9号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/03/16
会議録
○委員長(川村松助君) 只今から文部委員会を開会いたします。 先ず国立学校設置法の一部を改正する法律案について参考人から意見を聴取する件についてお諮りいたします。国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして参考人から意見をお聞きすることに昨日の理事会において決定いたしております。そう取計らつて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます。参考人の具体的氏名につきまして御意見のおありのかたは本日中に委員長までお申出を願いたいと存じます。お申出がございました参考人の人選については便宜上委員長及び理事に御一任願いたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) なお現在のところ本法律案に現われておりませんが、昭和二十九年度予算中に原子核研究所の設置設備費として一億三千万円計上されており、先般の文部当局からの説明には、来年度以降に東京大学に附置する共同利用の研究所として発足する旨の説明がありましたので、原子核及び原子力の問題についても参考人から意見を聴取いたしたいと思つております。昨日の理事会で決定いたしましたが、この件について理事会決定通り取計らつて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます。 参考人の氏名その他意見聴取期日等については、便宜上委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて下さい。 国立学校設置法の一部を改正する法律案について御質疑を願います。
○相馬助治君 前の委員会でもちよつと私は触れて資料の要求をしておいたのですが、この国立学校設置法の一部を改正する法律案は、例年出されて来た法律案でありますけれども、今年は例年と全くその内容を変えた基本的な問題がここに含まれていると思うのです。それは非常に大切な部分を政令に委ねると、こう規定しておることです。これについて基本的な質問を十分展開して研究を進めて行きたいと思うのですけれども、それについては相当厖大な資料を当局に私は要求しておきました。私を十分満足せしめる資料としては、全部揃つておりませんので、私はそれに入る前に差当り今年の国立学校に対する予算の面から、本法案に関連して、二、三局長に質疑をしておきたいと思うのです。国立文教施設整備費として、本年度は大体二十八年度と同じように十九億円が計上されているようでありまするが、この規模は、私は少なすぎると思うのです。文部当局としては最初にどの程度のものを要求し、そうしてこういう結果になつたのか、そのへんのことについて簡単に御説明を願いたい。
○政府委員(近藤直人君) それでは国立文教施設費の二十九年度の予算につきまして御説明申上げます。国立文教施設費の今年度予算につきましては、総額で昭和二十八年度前年度と、殆んど同じような金額でございます。十九億三千七百万円でございます。昨年度は十九億三千九百万円、ほぼ前年度と同額でございます。
○相馬助治君 それは昨年度と同様であるという説明をしておりますけれども、実質的には一億円というものが、昨年度の費目にないものが、本年度は原子核研究所の創設費として支出されておるので、この一億円だけは昨年度の規模よりも小さくなつたと、かように見てよろしいですか。
○政府委員(近藤直人君) 御指摘の原子核研究所の創設費といたしまして、本年度は正確に申上げますと八千九百四万円でございます。これが前年度に比較いたしまして、本年度時に新らしく殖えた項目でございます。従いましてその額に相当するものが昨年度に比較いたしまして実質減になつておるという状況でございます。
○相馬助治君 災害復旧費が昨年度より八千万円以上減少となつておりますが、これは文部省は大蔵省との交渉の際、当初より、昨年度より減額したものを出して、かような結果となつたのですか。それとも昨年度と同規模或いはそれ以上のものを出して、国家財政の現実から、査定上かようになつたのですか、そのへんのことを簡単に説明して頂きたい。
○政府委員(近藤直人君) 国立文教施設の災害復旧費でございますが、これは御指摘の通り、昨年が一億四千三百四十万円、これが二十九年度が六千九十余万円でございますが、これは昨年災害復旧費の予算を二十八、二十九の二カ年に亘りまして査定いたしまして、その際に二十九年度分といたしまして、たしか四割を二十九年度に廻したというふうに記憶いたしております。従いましてこれは当然二十九年度分がそれだけ少くなつておるわけです。
○相馬助治君 私はそれらの資料について十分調査をした上で聞いているのです、わからないから聞いておるのじやないのです。私の言うのは現在の文部省がとつておる危険校舎の復旧にしろ、災害の復旧にしろ、年次計画を以てやつておるはずです。それで昨年度より今年がその対象坪数が減つておるということは、去年の予算からもわかつていることなんですが、この八千万円ほど今年減らしたということによつて、昨年度二カ年計画で立てた当初の見込に狂いが出ておるのか、出ていないのか。これは当然要求したものが、この項に関しては要求通り通つたというのか、それとも見込はこれだけだつたけれども、国家財政の規模上幾々ら減らされて、やむを得ずこうなつたのかということについてお尋ねしている。
○政府委員(近藤直人君) 国立文教施設の災害復旧につきましては、これは当初各国立大学から報告が参りまして、その報告を更に文部省におきまして、これを調査いたしました結果、相当報告に誤算があることがわかりまして、それを更に再調査いたしまして、その上でこれを大蔵省に要求いたしました。従いまして大蔵省に要求いたしました部分につきましては、ほぼ八割程度査定を受けております。大体今年度の要求いたしました額に近いものが査定を受けておりますので、その意味におきまして大蔵省からやむを得ず押しつけられたというようなことはございません。
○相馬助治君 それは非常にいいことをお聞きしました。いわゆるこの項に対しては要求通りに近い額が計上されておる、こういうことですから、その上に立つて以下の点を今度はお尋ねします。この今年度の国立文教施設整備費は、管理局長としては十分に行える見通しを持つておりますか。
○政府委員(近藤直人君) 私先ほど申上げましたのは、国立文教施設の災害復旧費のことでございます。これは西日本並びに八水害地につきまして申上げたこれは復旧費であります。只今御質問のございました点は国立文教の整備費一般についてのことであろうと思います。それについてお答えいたします。国立文教施設整備費一般につきましては、先ほど申上げました約十九億幾ら、これは二十八年度とほぼ同額でありますことは先ほど申上げました通りでありますが、これにつきまして、これで以て十分であるかという御質問でございますが、この点につきましては一応この金額で二十九年度は賄わなければならないということでございますので、全体の計画といたしましては、九カ年計画で以て相当大幅な文教施設整備計画をいたしておりますが、いろいろ予算の折衝の過程におきまして、二十九年度は先ほど申上げたような金額になつたわけであります。
○相馬助治君 私は当局を困らせようとして今のような質問をしておるのではなくて、国が一つの大きな目的の下に均衡予算を組んだという事情から、これについては議論はあるけれども、その枠内においてこれらの費用も相当圧縮されてくるということについてはわかるのです。そこで問題は十分でない整備費が盛られた場合には、その具体的な配分がどのようになされるか、いわゆる文部省の一部の局によつて勝手にこれらが配分されるというようなことになるというと、問題はなかなか大きいと思うのです。さようなことはないと思うけれども、念のためにそれらを尋ねたいのであつて、この整備費についての具体的な配分内容を今日近藤局長の手許でお持ちですか。
○政府委員(近藤直人君) 昭和二十九年度の予算の配分につぎまして、目下その配分案を作成中でございます。実は明日その会合を持つ予定になつておりまして、折角検討を続けておりますが、大体の構想といたしまして大学院を持つている大学、又部分的に大学院を持つている大学、それからその他の大学というふうに三種類に分ちまして、その三種類の大学の整備につきまして予算の配分をするという方針が大きな方針でございます。なおそれに加えまして戦災で傷められた学校につきましては、戦災復旧費といたしまして考慮する。或いは又大学の例の統合整備ございますか、統合整備の線に沿いまして予算を配付するというような、あらゆる面から検討いたしまして、予算の配分につきましては公正を期したいと考えております。まだその案につきましては成案を得ておりません。
○相馬助治君 その具体的な配分内容の成案を得ていないということなので、私はお尋ねしておかなければならないと思うことは、御承知のように予算は衆議院を通過して本院にかかつておる。予算の性格からして大体どのような形であの予算が落ちつくかということは、大体峠が見えていると思う。にもかかわらず整備費の具体的の配分内容が我々に今日示すことのできないということは、これは非常に私は問題であろうと思う。私はこれは当局が末だにその成案を得ないことはけしからんということを言う意味で問題を言いるのではなくて、私が問題としたいのは、地方の大学に参りますと、口を揃えて大学という看板は下げてもらい、国文という名称は与えてもらつたけれども、全く中央の旧大学に比べて我々は差別待遇を受けている、こういうこと言う。それで今度は中央の東大その他の人に会うというと、国は勝手に大学ばかり作つてしまつて、僅かの費用を全国的にばら撒くために、所期の研究成果を挙げることができない。研究整備も全く荒廃に帰したままになつているものがある、こういう二つの矛盾した意見を聞くのです。私はそれじやどつちを取るべきかといういうことには問題はあろうと思うけれども、又大学の基本的な問題について、大学のあり方については基本的な問題があろうと思うけれども、現行法に立つからには、やはり地方の大学に対しても、もう少し文部省は親心を示さなければならんと思う。さような観点から整備費の具体的配分内容を私は出来次第早急に当委員会にも資料として出してもらいたいし、それからその配分をする場合においても、十分今私が申上げたような意見或いはこの本委員会の他の委員諸君にも局長としてはその意見があればそれを十分聞いて、僅かの金を配分するのだから相当問題はあらうけれども、一つそこはうまくやつてもらわなければならんと思うのです。従いまして、出来次第整備費の具体的配分内容についての資料を本委員会に提出することを私は要求しておきます。 次にこれは文部大臣に聞こうと思つておつたのですけれども、文部大臣は先般の文部委員会で同僚荒木委員その他委員からの質問の際に科学の振興、学術の振興は大学を中心として考えていると、こういうことを言いました。ところが大学の整備費も前年度より減少しているという、これでは科学の振興なんというこについてはなかなか思いもよらないと思うのです。そこでもうちよつと今度は具体的にそのことについて聞くのですが、国立学校運営費として本年度は三十億の増加を見込んでおります。国立学校の関係のこの予算を詳しく調べて見ますと、この分だけはこれははつきり三十億殖えている、この三十億の増加は何ですか、そうして又これはどういう意図に基いているのですか。
○政府委員(稲田清助君) 御承知のように国立学校運営費、これは逐年増加して参つて来ております。昨年度から約三十億増加いたしております。そのうちおおよそ十二億程度はこれは人件費に関しまするベース・アップ等自然増と見られると考えております。それ以外につきましてはこれはまあ内容が非常にございまするけれども、学年進行的なものといたしまして、第一、大学院の学年進行及び昨年或いは一昨年に設置いたしました学部、学科、附属諸学校の学年進行に伴いまする既定計画に基いての増及び今日の国立学校設置法で御審議願いまするような問題及びそれ以外の附置研究施設の新設というような、いわゆる新規経費の増、これらによりまして約三十億の増加になつております。従つてこの地方大学の合併でありまするとか、或いは短期大学の創設でありまするとか、学部研究施設の増でありまするとか、いわゆる学年進行にあらざる純然たる新規増につきましてはおおよそ五億程度の増ではないかと積算せられます。
○相馬助治君 そこでその大部分が人件費であるということがわかつたのですが、この運営費の中には当然講座を持つている教官の研究費或いは教育研究旅費又は学生経費、こういうものが含まれて来ていると思うのですが、それらの単価については物価の値上りに伴つて幾らか余計に見込んだのですか、それが質問の第一点です。 第二点は、聞くところによると地方大学で講座を持つている教官と、中央の大学で講座を持つている教官と、その他いろいろな実情に応じて研究費の配分に差等があると聞かせられておりまするが、本年度の配分計画はどのような基準においてなさんとするものであるか、その点がはつきりしていたならばこの際お漏らし願います。
○政府委員(稲田清助君) 第一点でありまするが、講座研究費について単価増を企画したかというお尋ねであります。これは御承知のように一昨年倍額に直して頂きましたので全般的の単価増を要求いたしまするよりは、私どもといたしましては従来実験、非実験、臨床というような区分でありましたのを、更に又大学の研究費の使い方から見まして、これらの区分を改善するというような点に力点を置いたのでありまするけれども、明年度予算の編成の根本的方針に触れまするが、甚だ遺憾ながらこの点の増額が期せられなかつたのであります。 それから如何なる基準で配分するかという点につきましては、先般資料の御要求がありましたので、国立大学予算算定の基礎についてという資料をお手許に差上げました。そのうち研究費の分につきまして、実験、非実験、臨床の区分及び講座組織になつておりまするものの基礎、或いは講座組織になつていないで、いわゆる研究室組織になつておりまする教官あたりの基礎基準は、お手許に資料としてお目にかけておるところで御了承頂きたいと存じます。
○相馬助治君 他の委員からも質問があると思うので、私は最後に一ぺん両局長にお尋ねしておきたいのですが、それは文部省の、特に国立学校に関する予算の組み方で、私は文部省の予算はここ三年ほど拝見してこれを審議する機会を得て来たのですが、この全般的な国の予算の一つの面としての文部省予算というものを、今年私は予算委員になつて初めてわかつたわけです。と申しますのは他の省等の予算の組み方と比べて、特に文部省の国立学校に関する予算の組み方というものについては問題があろうと思うのです。それはどこに問題があるかというと、第一今年の決算書を見ますと国立学校の費用の使い方については実に流用費目が多い。殆んどが流用費目、特に問題でありまするのは、教官の研究費或いは学生の経費までが事務職員の旅費等に使われている、これは私は大変な問題だと思う。さなきだに乏しい文部省予算を事務職員が教官の研究費まで食つているということ、そうしてそれを文部省が堂々と教育白書の中にも触れておるようです。それから本年度の決算書にも堂々と触れている。そうして又昨年と同じような予算の組み方で今般ここに予算を提示している。私は実に問題だと思うのです。そこで私はお尋ねしたいと思うのは、一体国立学校の教官の研究費については教官の欠員があるはずだと思うのです。そういう費用は文部省がプールしておいて、文部省の自己意思によつて、本年度も支出して行くという仕組みをとるおつもりですか、どうですか。それから職員の、特に事務局経費が昨年度は他に食い込んでいるにもかかわらず、本年度も又これを昨年度と同じような予算を組んでおるけれども、一体これはどういうことなんです。事務局の費用が当然厖大するならば、堂々と事務局費のほうに組んでおいたらどうです。私はこういうふうに思うのです。それで若しも本年度昨年と同じような予算の使い方をするならば、当委員会としても超党派的に重大なる決意をしなくちやならない、おどかしているんじやないのです。そういう意味で、これらについての見解をこの際承わつておきたいと思うのです。
○政府委員(稲田清助君) 只今の御指摘になりました国立大学或いはその他の学校の経費を実態に即応して編纂し直すという御意見につきましては、私どももこの仕事を扱いながら痛感して参つて来ております。そうした事態から只今御審議願つております明年度予算におきましては、大学財政に関しまする調査費というものをお願いいたしております。誠に遅ればせではございまするけれども、私ども今まで既定経費等によりまして、各大学におきまする基準経費の調査を或る程度進行いたしておりまするけれども、更に早急にこの調査を遂げまして、お話のように実態に即した予算の組替えをいたしたい。この点は大蔵省も同意をせられまして今の調査費を認められた点だと思いまするが、この調査費を活用いたしまして、緊急にこの大学財政につきましては基準を立て、予算編成の基本方針を適切に変更いたしたいと考えております。これが第一点でございます。 それから次に教官研究費のとめおきについて御指摘がございました。御承知のように、大蔵省が各省に配当いたしまする予算が、各あれは四半期でございまするが、とめおきになつております。この関係はございまするけれども、文部省自身として教官研究費をとめおきにいたしておる事実はないのでございます。ただ学校が本部におきまして光熱、水道料とか、電気料、電話料というようなものは、これは本部において各教室のものをまとめて支払う関係がございますので、教室に全部研究費を渡してしまつて、又それを逆流いたしますことが経理上困難だというような関係で本部に留めおくという事実はこれはございます。又留めおかなければ、今申しましたように、費用の支出は円滑に参らない、これはやむを得ざることであろうと存じております。併し私どもといたしましては、今までといたしましても講座研究費が御指摘のように或いは学生費の足らざるを補い、或いは教官旅費の足らざるを補うというようなことがありませんように、一昨年は講座研究費を倍額にいたしました。次の年度におきましては、いささかではございまするが教官旅費、学生経費、それぞれ周辺の費用を増額いたしまして、教官研究費に依存しないでもいいようにいたしたわけでございまして、今の大学予算の立て方から申しますと、教官研究費、講座研究費は、これは算定の基準でございまするけれども、いわゆる校費となつて、これを共通に運営されるべき性質のものとして年来やつて来ておりまするので、あながちその流用が違法であるとか、予算の趣旨に反するとは考えておりませんけれども、先ほど御指摘のように、私どもとしては更に改善を図りたいと考えております。 事務局それ自身の費用につきましても、今の大学の実態調査によりまして、将来とも適正を期するように、御鞭撻に従つて努力いたしたいと思つております。
○相馬助治君 只今議題になつている法案についての基本的な質疑が他の委員諸君もあると思うので、私は本年度の予算に関連して、本法律案に重大な連関を持つ点にのみ限つて質問をしたので、私の質問はこれで打ち切るわけですが、今の局長の話でですね、わかつたことは、実態調査をして、そうして財政配分を現実に即せしめたい。甚だ遅ればせではあるけれども、その考えは非常に結構だと思うので、これは一つ成るべく成案を急いで欲しいと思うのです。 それから第二の問題は、今になつて財政調査をしなければならないというような問題に遭遇しているという現実から考えて、それから又いろいろな面から考えて、私は大学の、日本の大学のあり方については抜本的にですね、研究する段階が来ていると思う。特に立法府である国会において日本の大学のあり方について問題にしなければならない時期が来ていると思う。政治的中立だの、すべつたのという法律案で騒ぐのじやなくして、その前に私はなさなければならないこの緊急不可欠の問題であろうと思つているのです。そういう際に私は定員問題、それから附置研究所、附属学校等を政令に委ねるならば委ねて、しつかりした基準を立ててからなら、それに対して私は何ら反対するものじやないのですけれども、今言つたような予算の使い方それ自身についても問題があつて、現実に即した配分基準を今から調査をして考えるという始末なんです。だからして私は本法案については問題があると思うので、基本的な問題として今の財政方面について御質問したのであつて、先ほど申した資料については成るべく早く一つ出してもらいたいし、それから今の局長の言明通りに、作業をなさつている面はどんどん進めて中途においても我々に報告して欲しいと思うのです。
○安部キミ子君 今教官旅費の問題が出ましたので、ちよつとお尋ねしたいのですが、各大学共に春秋二季に亘つてそれぞれ学界の発表がございますが、その際に先生がたに、例えば女子の先生に旅費を幾ら出しておいでになりますでしようか。
○政府委員(稲田清助君) これも先般御要求によりましてお手許に提出いたしております国立大学予算算定の基礎の三に掲げておるわけでございます。その資料によりまして、かなり詳細な点でございますので、ここで御説明申上げるより御覧頂けばわかると存じます。
○安部キミ子君 それではもう一つお尋ねしたいのでございますけれども、教授の研究費の単価でございますが、東大というふうな、昔の国立大学のそうした大きな大学においては文科系の先生、教授には何ぼ出して、理科系の教授には幾ら出しておいでになりますか。その点をちよつとお伺いしたいと思います。
○政府委員(稲田清助君) 只今の点も今申上げましたそれぞれ詳細出ておりますけれども、今指摘になりました東大のような講座組織になつておりまする講座研究費は、非実験講座、これは主として文科系でございますが、におきましては一講座あたり二十七万四千円でございます。それから実験講座、これはまあ主として理工系でございますが、これは八十万二千円でございます。それから臨床講座これは医学、歯学の関係でございますが、これは八十七万円という単価になつております。
○安部キミ子君 私立の大学の各部の先生がたの研究費に比べまして公立の、国立の学校が非常に少いように私は思うのでございますが、これでは国立という名は付いておりましても本当に立派な研究ができないのじやないかと思つておるのですが、それで現場に私の弟がおります関係で、現場の研究室をときどき覗いておりますが、設備も大変不完全で何か不潔な感じさえ起るのでありまして、これが国立の、而も東京大学かと思うほど私は驚いた次第でございますが、国立大学、東京大学がこのような実態であるから各大学、更に新らしくできました大学の、地方の大学の実情、即ち設備というものは非常に悪いのであります。山口の大学いたしましても、島根の大学にいたしましても、田舎のほうの大学になるほど昔のままの高等学校なり、或いは師範学校が、そのまま何の改善も加えられていなくて大学という名だけをもらつている実情でありますので、こういうことが自然地方の学生をして田舎の大学に魅力を失わせているのじやないかと思つておる次第であります。そこで、やはり各地方の大学に十分な設備費或いは研究費というものをお出し下さいまして、成るほど原子核の研究も必要かと思いますけれども、それよりももつとたくさんの人の教育に充てるような公平な、而も堅実な予算の組み方、配分の組み方をしてもらいたいと思いますが、先ほどこれからいろいろな配分の公正を組み立てるとおつしやいましたが、その点を考えてこれから予算の配分をしてもらいたいと、そういうふうにお願いしておきます。
○政府委員(稲田清助君) 誠に御尤もでございまして、それぞれの大学或いは学部の性質に応じましてその運営に必要な設備の充実を、私どもといたしましては、これから十分努力をして参りたいと思います。
○高田なほ子君 相馬君の質問に一点だけ関連して。決算委員会で、やはり国立大学の経費の問題で会計検査院から指摘されている問題ですが、国立大学の附属病院で使われる薬品を不急或いは不要というのではないが、予算面に反して多額に膨脹されて買込んでおる。これは二十六年度も二十七年度も指摘され、文部省では甚だ遺憾の意を表しているようなんです。今度の予算ではそういうことのないように組んであるのですか。それとも又今後の実態に即応して、調査をしてから組み直すという意味で、そういうことは考慮に入れられていない予算でありますか、それだけお尋ねしておきます。
○政府委員(稲田清助君) 只今御指摘の点は、二十六年度に問題になりまして、二十七年度の、あれは補正予算と予備金、たしか二億足らずかと思います。それによつて埋めております。それからそれ以後におきましては、多少当該年度からは増額いたしております。従つて、今御審議願つておりまする二十七年度の決算等につきましては、別に御非難もなく進行しておると考えております。
○委員長(川村松助君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて下さい。それでは加賀山先生から御報告を願います。
○加賀山之雄君 このたび派遣された調査団の現地調査の結果について御報告申上げます。 派遣地は青森県及び茨城県でありまして、派遣期間は二月二十八日から三月四日までの五日間でありました。派遣議員は木村委員、高田委員に加賀山委員でございまして、高田委員は病気のため茨城県の調査には出席不可能となりまして、安部委員が代つて出席をいたしました。今回調査の主要項目である教員の思想調査のほかに、学校給食の設備及び運営、教育施設の現状について視察を遂げ、併せて教育財政の現状等につき知事及び教育委員会の担当者とも懇談し、又青森県では、青森市所在の浪打中学校、浪打小学校、長嶋小学校を視察いたし、茨城県においては水戸市所在の三の丸小学校及び第二中学校を視察いたしました。以下順を追つて教員の思想調査問題と茨城県における文部省初等、中等教育局長通牒に関する問題について調査の結果を御報告申上げます。 先ず青森県における事例について御報告いたします。 第一は東郡蓬田村の事例であります。蓬田駐在所小山内武視巡査は二月八日午後五時頃駐在所で見張り勤務中、顔見知りの蓬田中学校斎藤英一校長が通りかかつたので、休んで行かないかと言葉をかけ、入つて来た校長に組合学校の状況について尋ねた。会談一時間くらいの後、今日は遅いから明日学校に行くからということで、その日は別段のこともなく別れた。小山内巡査は翌二月九日午前九時三十分頃警らの途中蓬田小学校を訪れ、知り合いであつた武田平八校長に対し、前日の組合学校の状況について尋ねた。小山内巡査はその足で午前十一時頃蓬田中学校に行きたまたま顔見知りで屋外授業中の久慈教諭に言葉をかけ、組合学校のことに関して話が及んだが、授業中であつたので、久慈教諭の言うままに職員室へ行つたら、斎藤校長がおり、そこで組合学校の話や防犯弁論大会の話を約二十分間して辞去した。その間に斎藤校長は小山内巡査に、上からの指令があつたのかと聞くと、小山内巡査は、指令はない、村の状況を知つておきたいからだと言うので、半けい紙に鉛筆で組合学校のことについて三項目に亘り書いて手渡したと述べた。これに対して小山内巡査は、斎藤校長からは何も書いてもらはない、校長とは長期欠席や人身売買等の話をして辞去したと述べており、ここに両者の言い分に相違がある。要するに、警官は思相調査のような感を与えるようなことは極力否定しており、一方校長初め教員側では「しつこく」という言葉で表現しておるが、警官の調べ方が非常に熱心なため、何かあるのではないかというような多少の疑念を持つたようである。 なお列席した田中教育委員、森教育長の意見として、小山内巡査は日頃児童生徒の長期欠席とか、防犯等のことで常に学校に協力してもらつており、日頃からよい警察官であると思つている。今回のことも職務に熱心の余りやつたことだ。従つて教育の干渉、或いは思想調査とは断定できない。併しながら、若しこれが特別の意向に基いて行われたとすれば、それは勿論よくない。又学校の授業中に調査に来訪し、又書面が欲しいと言つたとすれば、それは行き過ぎとも思われ、考慮を要する事柄であると述べた。 第二に上北郡浦野館小学校の事例であります。沼崎派出所山田寛巡査は二月十日午前十一時二十分頃、かねて同一学区内で同じく教員を勤務して知り合いであつた沼崎中学校宮沢正次教諭に電話をかけ、法案研究会について尋ねた。その質問の内容について県教職員組合の盛田執行委員長並びに宮沢教諭は、法案研究会の会合の場所、人員、内容及び第三波の見通し如何、左傾的のものはないか等であつたと述べた。これに対して山田巡査は、二月七日の毎日新聞青森欄に、二月十日、法案研究会を開く記事が掲載されていたので、注目し、この記事に関する事項、例えば沼崎方面の教職員の出席について、又授業について及び闘争に対する臨時救援資金、組合費徴収等についてのみ質問したのであつて、沼崎方面の教職員組合の動向については全然触れていないと主張して、両者の陳述の内容は一致を見ない。盛田執行委員長は、教育への干渉であると述べ、宮沢教諭は、組合長に聞くが、と前提して聞いて来たので、少しおかしいと思つたと述べた。 他方、松本国警隊長は、山田巡査と宮沢教諭とは以前から知り合いで、以前にも電話で児童の長期欠席等について尋ねたこともあり、新聞紙上に掲載された事項について尋ねることは自然のことであると述べた。 第三は、五所川原中学校の事例であります。 二月九日、午前十一時頃、五所川原地区署三橋長治巡査が五所川原小学校職員室を訪れ、かねて知り合いの神教頭から教職員政治活動禁止法案の研究会があることを聞いたので会合の場所、学校の授業等に関して尋ね、更に釜范校長とも話をして正午頃辞去した。 二月十日午前十時頃、三橋巡査は五所川原中学校内北津軽郡教組事務所に黒滝興信教組書記長を訪ねて、法案研究会開催の場所、出席者の人員、二月十一日中央で開かれる教育防衛大会の出席者、更に総評統一デーとの関係等について尋ねた。その際黒滝教諭は、これは上からの指令に基いて調査をしたのであろうと聞き質したのに対し、三橋巡査はこれを肯定したと述べたが、当の三橋巡査は、その点について肯定した覚えはないことを強く主張している。この指令の有無の問題については最後まで両者の間に一致をみていないが、黒滝教諭は三橋巡査の訪問を快く思つていないことは明瞭である。三橋巡査は調べや又いろいろの話で約二時間ぐらいで辞去したとのことであるが、三橋巡査が中学校を訪れた際、面接した竹林事務職員は、当時の模様を思想調査ではないと思う、と述べ、三上五所川原町教育委員長は思想調査の感じは受取れませんでしたと述べた。又小田切教育長は新聞記者の訪問程度と思うが、教職員政治活動禁止法案に反対して先生がたが神経過敏になつておる際、巡査が聞き歩くのはへたな方法であると思う、との意見を述べた。 四番目は北郡中川中学校の事例であります。二月九日中川村中川駐在所佐々木金之丞巡査は、旧正月であつたので、夕食時幾らかの酒を飲み、午後八時十分頃駐在所を出て警ら中、日教組及び県教組が各新聞共に教職員の政治活動禁止法案に反対である記事のあつたことを思い出し、以前から知り合いの三上教頭を学校の教員住宅に訪問し、案内されて面談した。その内容は、五所川原町で教員の法案反対の大会に出席する人員の数とか、又沖飯詰小学校や、田川小学校からこの大会に何人出席するか等であり、約三十分間雑談して帰つた。三上教諭は、佐々木巡査は一杯飲んでおるところへ署から電話があつたので来たのだと語つたということを述べているが、これに関しては佐々木巡査は、そんなことは絶対にないと否定している。笠井中川村教育委員長及び銭山教育長は、本日までこのことについては何も知らなかつたが、警官は思想調査というような意味で学校へ行つたものではなかろうと述ベていた。 第五、上北郡三本木町の事例であります。植田上北郡婦人部長より十日の三本木町で開催された法案研究会において駐在巡査が調べたと発表されているが、国警においては事例なしとして否定し、又県教職員組合からも事実なしとの陳述があつた。 第六、南郡柏木町の事例であります。柏木中学校対馬清勝教諭は次のように陳述した。昨年九月二十七、八、九日頃授業中、小使が校長室に来てくれと呼びに来たので行つてみると三上刑事がいた。刑事は教育研究大会の資料を見せてくれと言つたので、見せたら、刑事はこれを写して行きたいというので、今後の教育の方向を示すもので差支えのないものであり、大部のものであるから写すのも大変と思い、その資料を与えた。刑事に対してなぜ調べる必要があるかと尋ねたら、刑事は、私はこの方面を担当しておるから勉強したい、と答えたと述べた。更にもう一つの事例である読書傾向の調査事実の有無については、対馬教諭は、自分が発表者であるにもかかわらず、明確な事例はないと陳述した。柏木町教育委員会の栗林副教育委員長は、柏木中学校の先生で刑事の調べを受けたことを聞いているか否かの質問に対し、そのような人は見当らない、今日初めて聞く話であると述べた。国家警察においては、この柏木町の事例は全然ないと言つて否定していた。 第七は青森市の事例であります。沢田青森市教職員組合婦人部長発表として、昨年十二月二十六日国警職員の名を以て盲ろう学校、中村妙子教諭を電話で呼出し、県庁前で再度に亘り思想調査的のことを行つたと称するのであるが、当の中村妙子教諭の陳述によるも前後の事情に矛盾と不可解の点があつて事実が明瞭でない。国警においては全然心当りなく、この事例自体を否定している。 第八、北郡金木中学の事例、金木地区署須藤光雄巡査の陳述によれば、昨年十二月中旬頃、十二月五日付の共産党嘉瀬細胞発刊の嘉瀬民報に、金木中学三年生丸山はなという名で、「朝鮮人の温い心にふれた私」と題する作文が掲載されていたのを見た。その後、金木町に老夫婦殺しの事件が発生し、この捜索の聞込み中、金木中学の女生徒が一人で水田二町歩を耕作した話を聞いたので、かねて嘉瀬民報に掲載された記事を思い出し、そのことを聞くつもりでたまたま通りがかりの学校を尋ねた。受持教諭が本人を職員室へ連れて来た。尋ねた内容は、氏名、家の在所、どのくらい田を耕しているか、朝鮮人が何人稲刈りに来たか、等で、極めて短時間であつたが、この質問内容については、これは職務尋問ではないかという質問に対し、須藤巡査は困つたような様子で明確な答えはしなかつた。警官が生徒を調べたことについて宗方謙造教諭は、最初警察がみえたとき、又何か生徒が悪いことをやつたのではないかと思つたので生徒を連れて来た。その後他の生徒がこの生徒を白眼視しているような事実はない。又この生徒が欠席するようなこともないか、その後子供が敏感になり、反撥的になつて人権蹂躪の抗議文を提出していると述べていた。 金木村の福士教育委員長は、警官の処置は日頃警官が学校の教育に協力しておるので、そのために来たものと思う。共産党細胞の機関紙に掲載されたので、警察でもそれについて一応調べたのであろうと思うと述べ、中谷金木村教育長代理は、校長先生の話でも別に問題はないとのことであると述べた。 第九、十二里中学校の事例であります。 二月頃、十二里村駐在所若林巡査は、十二里中学校で生徒の喫煙事件及び少年犯罪事件が発生したので、村元校長を訪問した。話題はたまたま文集に及び、かねて清野利保教諭と受持の三年生の学級グループで機関紙を発行し、学童綴方展示会で優秀な作品があるとの話を聞いていたので、この作品を見せてくれるように校長に話していたら、間もなく校長室に清野教諭が入つて来て、何のために作品を見なければならないかと言い、その他について二、三の応答が行われた。 以上各事例につきまして、懇談会には青森県教育委員及び教育長、地方教育委員会協議会長、事例に関連を持つ地方教育委員会の関係者、同じく教諭、国警隊長及び各関連せる警察官、青森県教職員組合執行委員長等の参集を願いました。 陳述はおのおのの記憶と見解に基いて自由になされたものでありますが、それぞれの立場の相違により、一致点を見出すことが困難な事例が多く、いずれが真実なりやを断定しがたいことを遺憾とするものであります。併しながら、総括的に言い得ることは、青森県の事例はたまたま教研大会、法案研究会等の開催に際し、これと殆んど時を同じくして、随所に警官の学校への訪問となつて現われたことが教員の疑惑を招く種となつたのではないかと思われる点、思想調査との誤解を招く虞れのあるような調査の抑制を命じた中央よりの指令が上部まで徹底していなかつたように見受けられる点、従つて調査の時と場所と内容が必ずしも適切とは言い難く、職務に熱心とは言え多少の行き過ぎと認められるような点のあつたこと、今回の問題について教育委員会、教育長等の側では、さして重大な関心を示していなかつたこと等は概ね結論し得ることであつて、要するに相互の信頼感と協力の観念をもつと強調することによつて事態はより簡単に明朗に進展し、地方的に問題を処理し得る余地が多分にあることを確言し得ると思います。 次に茨城県における教員の思想調査について御報告申上げます。 まず友末知事を県庁知事室に訪問した際、知事は思想調査に関して、その方法如何によつては思想調査になる、警官が学校へ干渉することはよろしくないと思う。この意味の発言がありました。引続き懇談会を開きましたが、その懇談会には県教育委員長を初め教育委員、事務局から教育次長及び関係各課長、教育出張所長全員、県教職員組合代表者が参集いたしました。教員の思想調査の有無につきましては、佐藤教育次長が次のように陳述しました。警察官が教育の思相調査を行なつたか否かについては、現在までのところ承知していない。又そのような報告も現在まで何も聞いていない。又県下の出張所長も全員出席しているが、各地方でこのことについて聞いたという報告も全然ない、とのことでありました。次にこのことについて茨城県高等学校教職員組合の坂本書記長から、次のような陳述がありました。まず、取手の高等学校の事例であるが、昨年九月、警官が組合員の氏名、学校に委員がおるか、及びどのように授業をしているかについて尋ねた。これは本人に直接聞いたのではなく、他の人を通じて当人の授業内容について聞いたというのである。これは思想調査であると思うという意見を述べ、又潮来の高等学校に警官が来て、この学校に組合員が何人いるか、その氏名をも尋ねた。これは組合本部で聞いてくれと言つて断つた、という事例である。坂本書記長は、これは思想調査とまでは言えないと思うが、との意見があつた。以上坂本書記長が述べたこの二つの事例については、佐藤教育次長は、二つとも聞いていない、と言明した。続いて茨城県教職員組合桜井副委員長から次のような陳述があつた。即ち小、中学校では新任の先生が赴任すると、警官が戸口調書ような形でいろいろ尋ねるが、その間にあつて果して思想調査を目的として調査しているか否か、事実判断がつかないが、先生の集会があつた前後に警察官が戸口調査的に話を聞いて歩くことは随所に行われている。教職員組合の本部にも自治体の警官が来て、会議とか、出席者の記録をつける。これらは学内の先生に不安感と動揺とを与えるものである。以上の陳述に対し、出張所長からそれぞれ陳述があつた。鹿島出張所根本所長より、不安感は持つていないと思う、と述べられ、又真壁出張所根本所長より、警察官と教員とは、公的にも私的にも常に顔を合わせている。学校の盗難の激しい場合、学校も十分注意してくれというので学校にも来るし、不安感を持つていることについては何も聞いていない、との表明があつた。結局教員が不安感を持つていないということは、出張所長全員の一致した結論でありました。併しながらこの不安感については、組合側ではあると主張し、出張所長側では認めていないというので、この点については速かに各学校の先生がたの実情を把握し、若し果してありとするならば善処することが望ましいと思いました。 次に文部省初等中等教育局緒方局長の通牒について調査した点を御報告いたします。佐藤教育次長より次のように説明を聴取しました。この通牒の件名は、教育の中立性が保持されていない事例の調査となつている。昨年十二月二十三日付で文部省初等中等教育局長名で、茨城県の教育長宛に来たものであつて、受理したのは十二月二十九日であつた。この内容の要点は、県内の公立学校において、一つは特定の立場に偏した内容による教材資料を使用している事例、第二特定の政党の政治的主張を、うつして児童生徒の脳裡に印しようとしている事例、第三としては、その他一部の利害関係や、特定の政治的立場によつて教育を利用し、歪曲している事例、これらの事例について調査報告を願いたいというのであつた。これに基いて事務局では調査報告を求めた。その方法は二通りであつた。即ち一つは直轄の高等学校、盲ろう学校については一月二十六日の高等学校長会議開催のとき、口頭で報告を求めた方法であり、他の一つの方法は公立の小、中学校関係は出張所長宛に文書を以て報告を求めた。出張所においては口頭によつてそれぞれ調査を行なつたわけである。この調査の結果については、一、二の未報もあるが、大体報告済みであり、現在のところ該当事例なしとの結果になつていると述べた。次にこの通牒は正式の教育委員会の決定を経ていない。ただ起案者の名で調査が行われたことについては、佐藤教育次長は、これは事務当局の專決処分で行われた。従来の慣例から見ても普通の調査統計は所管課において代決しており、一々は委員会にかけない慣例となつた。事務的には代決であるが、これは教育長の行なつたことであり、教育委員会としてやつたことになる、との説明があつた。更にこのことに関して、江幡教育委員長は、教育委員会においては協議会を持ち、当局から経過を聞いて調査するまでの手続については、従来の慣例によつて行なつたものであることを了承した。又その調査内容等にいても教育次長から聴取した。これは文部省からの依頼を調査したということで了承した、ということを説明した。 次にこの通牒の附記に関しては、「なお調査の方法については、徒らに無用の刺激を与えざるよう慎重を期せられたい」と明記されており、又報告上の注意として「更に該当事例がある場合は、貴職の意見を併せて記載のこと」と附記されている。この通牒に関してはすでに江幡教育委員長が述べたように、教育委員会は了承したのであるが、手続きとして、この通牒は正式の教育委員会に諮つて決定したほうが望ましいことであつたと思いました。 以上御報告申上げます。
○委員長(川村松助君) 加賀山君の御報告に対して……。
○相馬助治君 非常に詳しい事例の御報告で御苦労様に思いますが、そこで一つ明確にしておきたいことは、青森県の場合にケースはいろいろ違うけれども、とにかく警官によつて学校の教員が労働組合に連関したこと或いは県大会に連関したことを聞かれているということにおいては揆を一にしているわけです。そこで御調査の折に県の国警隊長或いはこれに準ずる者から意見を徴された事実があつたかなかつたか、これをちよつとお尋ねしたい。
○加賀山之雄君 最初に国警隊長から総括的な意見を求めたような次第であります。問答の細かいことは私記憶しておりませんが、青森県下において、いろいろ問題があるいうことを聞いて来たということで、従つて貴官としては一体この問題についてどう考えるかということでありますが、国警隊長の意見としては、この中に、報告の中にも入れておきましたが、国警として調べたところによれば、殆んど全部が警官と教員は非常に平常からの知り合いである、知り合いということのために非常に心易く、学校にも行つてそしていろいろの事情を聞いた、又警官としては治安上聞かなければならない責任もあるから、その意味で聞いたのであつて、決してこれは教育に対する干渉とも思わないし、教育に対する警察の圧迫とは自分としては絶対に考えていないというふうに確言をしておつたのであります。
○相馬助治君 隊長自身が言うたのでなくとも、何かの機会で誰か、課長あたりがこういうものを調べなくちやならんというようなことを申したという事実はなかつたですか。
○加賀山之雄君 それで私どもとしては、末端のほうからそれを何とかあればそういうことを引出そうとして、上からの指令があつた、或いは署から電話があつたというようなことについて、特に厳密に調べた次第でありますけれども、先ほど御報告申上げたように、先生の方からは、そういうような節の陳述があるのですが、警官は絶対に、非常に強くそういつたことを否定しておるわけです。従いまして、これについて私どもそれ以上、二人を対決させて調べるというようなことは不穏当でございますので、事実として両方の陳述をそのまま書いたことで、真相を把握したいと思いましたが、そこまでの実態は我々としては把握してないというわけです。
○高田なほ子君 その点について補足したいのです。これは私ども調査団としては慎重に、又注意して尋ねた点であります。ここで非常に、これは木村委員も加賀山委員も認められることでありますが、このとき松本隊長は声を大にして、我々は共産党の活動は合法であれ、非合法であれ、信念として徹底的に調べ上げるのだという発言をした。私はそういう信念は信念としていいが、如何なる法律に基いてそういうことをなさるのかと質問したことに対して、松本国警隊長は、法律もくそもない、それは徹底的に指摘するのだと答えた。而も私に対して、高田委員に文部委員としてお尋ねするが、このグループ活動が非合法だか、合法だか見解を尋ねるというような、極めて不遜な態度であつたために、木村委員から発言があつて、それでは余り角が立ち過ぎるのではないかと、たしなめるような状態もありまして、これがやはり一つの教員の今回の調査に一連の関連を持つたという私は見解をとつて来たわけです。事実はそういう事実でございます。
○相馬助治君 私はこれは見解の相違だということで、調査団の人がそこで結論に至らない、真相の掴むことができなかつたということについては、時間の限られたものですし、拘留して強制的に自白させるというような筋のものでもないのだから、当然やむを得ないと思うのです。ただこの際代表して報告している加賀山委員にお尋ねしたいのは、警察側は思想調査をやつた覚えもない、こう言つているということ、それから関係者として答えている先生の中にも、言葉を濁して、別に怖れを抱いていると言つていないという、その事実そのものが怖れている証左なんです。そういうような四囲の連関から考えて、警察側が何と意図しようとも、そのような調査の結論は、影響を与えられた影響下において、その地域社会に醸し出されている雰囲気等を考察した上に認識がなされるのだと私どもは考える、そういう観点に立てば、やはりこれは思想調査である、警察はそう意図してなかつたか知らんけれども思想調査である、こういうふうに言い切れる問題ではないかと思うのですが、さように聞いてよろしいのですか。
○加賀山之雄君 私としてはいささか今の相馬委員のお考えとは多少違違うので、そういうふうに断定はできないというのが結論であります。地域社会でとにかくそれが一般に喧々器々批判が起きているかというと、実態はそうではないので、例えばまあ教育に非常に関心が深かるべき教育委員とか、教育長とかでも、これは先ほどの報告に重大な関心を示しておらないという表現で書いてございますが、事実その通りで、学校にそういうことがあつたということを非常に重大視していないというような状態であります。で、特に又校長とかほかの先生がたも今言われたように非常にこれは迷惑だ、或いは非常にしつこいというような表現をされて、迷惑がつているかたもいたことは事実ですが、それほどでない、これは熱心の余りやつたことでしようというような表現をされているかたもある、そういうような点から見ると、その地域社会なり、一般に非常に声を大にして思想調査であると断定をしてしまうほどの実態はないのじやないか、というような私どもは感じを受けて来ている、尤もこれは我々が面談をした範囲はその地域の全般ではありませんから、会つた範囲のかたの見解を総合しての見解です。
○相馬助治君 私加賀山さんの考えと私の考えが食い違つているのじやなくて、食い違いがあるとするならば、思想調査という概念が違つているんだと思います。私はそういう調査がそれならば思想調査でないと仮に仮定すると、なんの調査だ、こういうことになつて来ると思います。私は明らかに労働組合の一つの運動について尋ね、それからそこに左傾しているか、左傾していないかというような、たつたその一言が出ただけでも、私はそれはその対象の人間の意思の方向、それからその人間のものの考えかたの規範がいずこにあるかということを明瞭にしたいと思つて尋ねているんだと思います。悪意であるか、善意であるか別だと思います。仲がいいか、仲が悪いか、これも別です。問題はやはりその人の考えている考え方を私は聞いているんだと思います。そういう意味で私たちが問題にするのは、仲のいい人が、仲のいい人にものを尋ねたという場合には、それは思想調査であるとしても、なんであるとしても、問題がないが、片方が制服の警官で、片方が地方公務員としての身分を保有している教職員に向つて、今加賀山委員が報告されたようなことを、こう聞いて行つたならば、これは聞かれたほうにして見れば思想調査と、こう思うことは当然じやないかと思うんです。両者の陳述によつては最大公約数は私は出て来ないと思うんです。そこでそういう意味合いからは私はこれは一種の善意であるか、悪意であるかは問題があるけれども、一種の思想調査であるなあ、と考えたので、間違つて把握してはいけないので、このことをお尋ねしたのですが、一つ誠に恐縮ですが、木村委員並びに高田委員に私の受取り方が間違つているかどうかをおつしやつて頂きたいと思います。
○加賀山之雄君 その前に一つ、今の相馬委員のお話ですが、私が申上げたのは、二つの点で相馬委員と違つているのでして、一つは例えば組合の動向とか、そういうしつこく尋ねた、そういうことであるならば、これは或いはそういうことが言えるかも知れませんが、この点については警察官は全部否定しているんです。我々がポイントとしてこういうことを調べたということを警官が言えば、これは断固としてやはり思想調査と、警官が否定しようとなかろうと、これは断定すべきであるという見解の下に、そういう点について警官に質したところが、そういうふうな点は、すべての警官が全部すべてが否定をしておるという点、それから警官が、それではなぜしげしげと校内へ行つたか、どうせそういう集会なんかは届出があるからわかつておるはずで、そういうのを一々あとから聞いて廻らんでもいいじやないかというような意見に対しては、同地方においてはそういつた届出の必要はないのだ、勝手に集会がやれるようになつておる、とすれば警官としてはどういうことに関して集会があり、どういうことをやつたろうかということで一応の観念を持つことはやはり警察としての任務であろう、そういうような二点から私は相馬委員のように断定できない、しないということを私の意見として申上げた。で、この報告の内容をお聞きになつて……、これは全部を尽しておりませんが、これは御判断は各委員がなさることであるというように私は考えますが、私としてはさような見解を持つております。
○委員長(川村松助君) 木村委員も所見を求められておりましたから木村君。
○木村守江君 それではちよつと相馬君の御質問に答えます。私が非常にあそこへ行つて、こう何ですね、奇異に……、奇異と言つていいかどうか言葉か悪いかも知れませんが、非常にあそこへ行つて変に感じたことは、学校の先生と警察官が非常に仲がいいのです。仲がいい、そうして学校にしよつ中行つておる、行つておることを何の不思議にも思つていない、今までですね。そういうことが非常に不思議に考えられた。そうして又教育委員も、教育に関係しておる人たちも当然行つてもらわなくちやいけないのだという考えを持つていることが、概念的にそういう考えが、一番先に持たれることが非常に奇異に感じた。そういう点から考えて私はただ学校に行つたと、そうしてまあ新聞に出た程度の事務的なことを聞いたというのですが、そうしてその訴え出た人は訴え出た人で全く、学校からも、これは校長も事務職員も思想調査とは思つていないと、そういうことを言つている。それから村の人も思想調査とは思つていない。けれども本人だけが思想調査だと言つて騒いでおる。そうしてそれがすぐに組合に通知をして、組合が日教組へ言つて来た。而も全く地元と遊離しておるという事実なんですね。 それからもう一点はこのあれですね、お互いが、これは警察官も非常に強硬に、そんなことはないと言つて、非常に強硬なんです。ところが組合で出した文書というものにも実際ないことを出してあるのです。実際ないことを出したり、本人が出しながら、本人はちやんと文書で提出しながら、これはわからないと言つておる。そういうところを見ると、警察官にも或いは自分のやつたことを否定するかも知れないが…、組合の出したものにもでつちあげて出したものかあるのではないかといようなふうにも考えられる。 それからさつき左傾的問題とか何とかかありましたが、ああいうことは全然、そういうことがあつたら我々も思想調査にはなるのだけれどもと追求したが、そういうことは全然あれをしてないのです。大体において制服というものは私服の恰好のようでした。制服でなく、そういうような点から考えて、私たちはどうも本当に警察官が校内干渉とか、それから思想調査とかいう問題は、これは教職員にとつて、教育にとつて非常に重大な問題です。こういう重大な問題があつた場合には、私は先ず学校の問題と、村の問題というようになつてか行かなくちやいけないと思います。それは学校でも遊離し、村でも遊離し、直接に組合に通知して日教組に通知する。而もその中には全然根拠のない、何にもない、みずからも否定するというようなこと、こういうことを考えまして、どうも相馬君の質問に期待に添えないかも知れないが、私としては思想調査とか学校の校内干渉とかいうようには、私の考えでは見受けられません。
○高田なほ子君 ちよつと私の見解を一つ述べたい。ちよつと私も見解を尋ねられましたから、私の見解もここで述べておいたほうがいいと思いますが、問題は私は思想調査の概念の問題だと思います。この問題は三者とも汽車の中とか旅館でも思想調査の概念について話合つたのですが、私の見解からすれば、これが思想調査であるかないかということで、いろいろの立場があると思いますが、私はこうだと思う、結局思想調査というものは、たとえどんなに立派な警官であろうとも、刑事であろうとも、人の頭の中まで入つて行つて頭の中のことまで調べることはできない、これは神様でも調べることはできない。これは旦那さんでも奥さんの思想調査をすることは真実にできない、問題は思想調査をする場合に、どういう方法がとられるかということだと思う。ですから、これは通念としてその教員の、或いは教員でなくてもその人の行動、どういう会合に出席した、その会合の性格はどうか、何月何日に誰々出席したか、そのものの行動を追求することによつて結論として、その人の思想傾向というものは、はつきりするのでありますから、行動を調べ、会合の性格を調べ、そういうことを調べることによつて、帰するところはその人の思想調査ということになつて来るのであります。で、私は自分の見解の間違つているのではないか、こう考えまして私的でありますが、治安維持法当時の鬼検事といわれた、現在改進党の一松議員に当時の思想調査は如何なる方法で行われたか、こういう質問をしたところが、それは高田さん、頭の中にお巡りは入れないのであるから、その人の行動を調査することは結局その人の思想調査になるのだというこういうことです。私も成るほどここに挙げられたことは全部教員の会合の調査である、書記長はどこに行つたとか、組合員はどうしたとか、この会合の内容はどうだとか、すべてこの一連の結論を出すために必要な調査をするという断定が、そういう立場からするとされるのでありますから、明らかにこれは思想調査であるということか私としては結論としては言い得ると思う。而もこの親しい間柄であるという木村さんのお話もありましたが、成るほど村に参りますと警官と先生とすべての地域の社会の人たちは顔見知りでありますが、調べてみますと、蓬田浦野館校の宮沢教諭は若干これは親戚関係にあるお巡りさんの妹をもらつておるとかなんとかいうことで親しいが、その他の場合は全部これは公的にまあ知り合つておるというので、親しい間柄というのにも私は限度があるのではないかと思う。 更にこの左傾的な教諭はいるかどうか、これは非常に浦野館校の重要な問題で、私は山崎巡査にこれを食い下つた、山崎巡査は非常にぎよつとしたような顔をして左傾的な教諭はないかというようなことだけは言わなかつた、そこだけは言わなかつたと、私の質問が下手であつたために山崎巡査に拒否された形だつたんですが、まあそんなようなこともあつたわけですか、更に浦野館校ではこの宮沢教諭は警官とたびたび電話で話をし合つたけれども、このとき組合、学校或いは教研の大会の内容、出席した人員、場所、そういうものを尋ねたときに、今日は宮沢さんに尋ねるのではなくて教員組合長として君に尋ねるのだと、公式な尋ね方をしたことに対して甚だ私も奇異に感じたということが我々の席上で明確に陳述をされておつたわけです。私は思想調査について以上のような見解を持ち、行動調査は思想調査に繋がりがあるものであるという見解をとつている者であります。
○須藤五郎君 加賀山さんにちよつとお尋ねしてみたい点があるのでありますが、先ほど高田委員が補足説明をなさつた中に、松本国警隊長はいろいろ調査して、そのなお共産党かどうかについては、その合法、非合法を問わず徹底的に調査する方針だと述べた、而してそれは違法ではないかという高田委員の説明に対して法律も何もあつたものではない、とにかくやるだけはやるのだという意味のことを松本国警隊長が答弁したということが高田委員の補足説明の中でなされたのですが、それは事実であつたか。又あなたはそれに対してどういうふうなお考えを持つていらつしやるか。
○加賀山之雄君 私は横に聞いておつたので細かい表現とか内容までここに記憶は十分しておりませんが、まあこの松本隊長としては、いわゆる教育を通じてといわず、他の全般においてもいわゆるグループ活動というものがあつて、これについては自分としてはできるだけ把握をするために働いておるという発言はありました。それとどういう法律があるかということを高田委員が聞かれたのに対して、それについては明確な法律を、こういう法律があるということは勿論言われないで、どういうふうに表現したか私覚えておりませんが、法律なんかなんでもいいのだという意味ではなかつたと思いますが、つまり非常に急だつたので、松本隊長もたじたじとして、ただ自分達としてはさようなグループ活動というようなものをよく把握していることは必要なので、それに基いて調査もいたしているという意味であつたと私は解釈しております。
○須藤五郎君 なおこの点に関しまして、もう一度高田委員から確認しておきたいと思います。
○高田なほ子君 このときの空気は誠に切羽詰つた空気でありました、当時NHKが録音をしておつたと思います。私の発言は間違いないと思う。若し間違いがあれば又NHKのほうに照会すればいいのですが、さすがの新聞記者諸君もあとで大変な表現ですね、高田さんあれは大変なものだね、といつておられたのでありますが、法律も何もない、私は信念としてやるのだ。大した興奮をした、これは私が婦人であつたためにえらいところを衝かれたので、彼は驚いて、まあ怒り心頭に達したような顔をしておつたようでありますが、確かに私の申上げたことは間違いじやなかつたはずであります。
○須藤五郎君 加賀山さんの報告文書を聞いていると、その点が報告洩れになつているそのために高田委員が補足説明をしなければならなかつたのでありますが、なんのためにその点を加賀山さんの報告文書に入れなかつたのか、その点加賀山さんにお聞きします。
○加賀山之雄君 私が特にその点を削つたということじやございませんで、この報告は派遣された三委員で協議をして内容をきめたのでございます。まあただその当時の空気といいますか、これはもう調査の冒頭であつたわけでありますが、非常に切迫したというか、非常に発言が強かつたために、私どもとしてはむしろ集まつたかたの発言が自由でないといけない、余り議員が圧迫するようなふうであつてはいけないというような気持で、その後できるだけ質問はやわらかくしたつもりなんでありますが、冒頭においてはちよつとそういつた強さがあつたために、松本国警隊長も鋭鋒に堪えかねてたじたじとして恐らく深い考えなしに言つたような点かありはしないかというような点も、私は横で聞いておつて感じた次第で、その後三人で正して、できるだけ中央から来たのであるから余り圧迫感を与えて答弁を固苦しくしてもいかんし、又それによつて強い影響を与えてはいけないと思うという話をお互いにした次第であります。
○木村守江君 ちよつと関連して・・・・・・。
○須藤五郎君 私の質問を続けさせて下さい。
○木村守江君 ちよつと私のを聞いて下さい。先ほど加賀山先生と高田先生との話が非常に違うようでしたが、違いはしない。実際は同じなんですよ、両方言うことが。ただあの時の感じとして実際私たちも、松本隊長が割合に若い国警隊長で非常に元気がいいし、高田さんもあの時熱が三十九度ほどあつて(笑声)それにお互いが相当激昂したような恰好であつたことは私事実だと思うのです。結局高田さんは教職員の思想調査を命じたのだろう、それから上からの犬養法務大臣からの通達があったのをどうしたとか、いろいろなむずかしい込入つた話があつた末に、自分としては教職員の思想調査を絶対やつていない。それから下に指令を出した覚えは全然ない。併し共産党のグループ活動に対してだけは徹底的にどうしても調査しなければならない。それで高田さんが、それは一体どういう法律でやるのだ、ところがそれに対してやはりその法律はどうかわからないが、共産党のグループ活動に対してだけは徹底的にやつて行きたいというような話からだと思いましたね。
○須藤五郎君 今の木村君の話を聞いていると高田さんの話と一緒だ、その通りで事実だ、高田さんに追求されて、松本国警隊長が、法律はどうであろうとも、とにかく共産党の行動に対しては徹底的に調査しなければならない。いわゆる法律を無視した言動があつたということは、これではつきり事実だということがわかりましたから、私は事実がつかみたかつたのですから、私はこの点に関する質問を終ります。
○相馬助治君 それに関連して。これは私たちも機を等しうして田中、荒木、私と二人で出かけて行つたので、やはり同じような形にしておかなければならんというわけじやないが、できたら同じにしておきたいと思うので、ちよつとそこのところを念を入れて加賀山さんにお尋ねをしておきたいというのは、静岡では田中委員を座長に推しまして、我々は明確に国会が持つ国政審議権によつてこういう会合を開いて、田中が座長となつて本日責任を持つて会合を運ぶということを宣言してやつているのですね。そこであの静岡の国警隊長の言うたことなんかは総合してみますと、自分は与かり知らなかつたが、警備隊長が巡査の集りに、教研大会に行つたような人については知つていることのほうが便利だという意味の発言をしたという事実を認め、それからその調査については妥当性を欠いて誤解を受けたということを認め、併しそれは悪意の思想調査ではありませんと、こう言つているわけなんです。これについては意見はあるけれども、我々としてはその隊長の証言を全面的に一応認めて、そうして荒木委員から特に釘を刺して、今後はどうするのだということについて今後の見解を彼に述べさせ、それで私が最後に、問題はこれで我々としてはわかつたが、必要の場合には本委員会においでを願つて証言をして頂かなければならん場合もあるということを附言して、国警隊長との話合いは終つておるわけなんです。これが思想調査であるかないかということについては三人でもつてあとで話をして、田中委員から報告のような形になつておるわけなんです。そこで私は今の問題について、それと同じケースのものが静岡でやはり出たのです。グループ活動その他の問題について、そのときにも国警隊長は、我々は法律の建前によつてやりますと、彼ははつきり言うておる。特審局あたりの動きはわかりませんと、こう言つておるわけです。私はその表現は、言葉の内容についてはいろいろ論があると思うのです。そうしてこれはその人その人でこの言葉に対する見解はあると思うのですけれども、今聞きますと、調査員に対してPTAの会長だとかなんとかという人がやるならばいいです。何をやつても、食つてかかつてもいいと思うんです。少くとも公職を持つ人が挑戦的態度に出たということについては、これは本委員会は或る程度考えなくちやいけないと思うのです、今後。これについての御三者の意見は、この国警隊長の問題は木村さんのとりなしで一応話が鎮まつたから、それで以てよいというふうになつたのであるか、問題が残つているのか、批判は何も私はいたしません。そのことだけを加賀山さんに承わつておきたいと思う。
○加賀山之雄君 その点について特に国警隊長には念を押したのですが、犬養法務大臣からも通達が来ているはずだろう、それは確かに来ておりますということで、今後におけることについては、その通達の趣旨を十分体して、下部に誤解のないよう、行過ぎのないよう注意するつもりであるということは十分言つておりました。挑戦的態度ということですが、私どもも勿論国会の権威ということは弁えておるつもりなんです。ただ権威ということですが、真相を掴むのが我々の任務でありますから、そこで調べて、誰をどうしようとか、警め立てをして、特にひどい目にあわすというのが我々の任務ではありませんので、さような意味で調査をして聞いたということだけ申上げておきます。
○木村守江君 高田さんから言うと、警察官は高田さんに対しては挑戦的だというように言われるが、私たちから見れば、教員組合のかたくは私らに対しては挑戦的だというようにも言い得るのです。これはやはり高田さんもそのとき言つていましたがね、警察官は、木村さんは警察官の味方だから、木村さんには大変いいというようなふうに言うておる。私たちのほうでは、教員組合は高田さんの味方だから教員組合のほうは、高田さんにいいというふうなことが言える状態なんです。だから、決して私たちはそうは思つていませんがね。そういう感じは、お互いの感じで、これを以て挑戦的だとは言えないのじやないかと思うのです。ただ何かばかにつつ込まれるものだから、だんだん激昂して行つたというようなことはこれは事実でしよう。併し、それだからそれを以て挑戦的だということは私は言えないと思うのです。
○永井純一郎君 今の木村さんの御意見もあるのだが、私は松本君という国警隊長が、国会が決議に基いて調査に行つたものを、その議員に対してそういう態度をとつたということは、これはそれが国警隊長という公務員であるから私は許せないと思う。それは、一般の民間の人であつたり、組合の人であつたりする人にでもそういうことは今の警察はしちやならんことになつておる。公務員のしてはならないものの中にそういうことがちやんとある。特に警察官というものはそうであつてはならないということになつておる。警察官が、議員が国政調査権に基いて行つたものに対して、そういう食つてかかるような態度というものは私は絶対にそのままに放置しておくことはできない。ですから、この点は、私は今の調査の御報告を聞いておつて非常に痛感したんだが、そういう警察官が漸次殖えつつあるのであつて、そのこと自体がこういう差出がましい越権的な調査をする原因なんです。一番の根本なんです。それがいけないということが我々が今やらんとしておるところであつて、松本君という隊長は最も端的にそれを私は表わした人間だと思う。これは録音があるならば私はその録音を是非文部委員会に取り寄せて頂きたい。その上で公務員としての松本君に対する態度を私はきめなければならない、こういうふうに考えますので、一応ここの委員会で私の考えを申上げておきたいと思います。
○荒木正三郎君 加賀山先生、木村先生、高田先生ですね、この問題について私が聞いておるところでは、必ずしも表現は一致していないように思うのです。かなり食い違いがあるように思うのですがね。高田委員は、国警隊長が法律を無視したような発言をした、こういうふうに言つておられるわけです。若しそういうことであれば、私はこれは重要な問題であると思います。それで、今永井委員が述べられたように、それは録音があるなら録音を一応聞いて、法律があつてもなくても私はやるんだと、こういうことが言われたとすれば、それはやつぱり看過できないと思うのですがね。
○木村守江君 只今の荒木君の御発言ですが、私たちは、それは非常に高田さんに追い詰められて困つたような恰好をして、興奮をしておつたので、法律はどうかと思うが、どうであるか・・・・・・、どう言つたかわからない。そういうことは、私は法律を無視するという意味じやなくて、あの切羽詰つたときに、共産党のクラブ活動だけはどうしても調査しなくちやいけないのだということに主眼を置いたので、法律を無視して、法律はどうでもいいのだというようなことを言つたんではないと私は考えております。
○永井純一郎君 それじや今木村君の仰しやる情状と言いますかね。その場面が、その場合が非常に追いつめられただろうということはあつただろうと思います。そのことは私はわかる。わかるのですが、国家公務員であつて、警察を担当する国警隊長が如何に追いつめられようが、どうであろうが、国民に対して、そういう上から乗つかるような態度というものは、これは絶対に許せないようになつておる。而も国会議員が国政調査権に基いて行つたものに対して、如何に追いつめられようが…・・・、その追いつめられるのは当り前なんです。国家公務員は議員の前にはそういう立場に置かれておるのが建前なんです。それに対して如何に追いつめられたとは言え、そういう態度を見せ、且つ法律にかかわらずそういうことは自分たちは信念としてやるんだということを言つておるとすれば、これはもう立法府として、而も立法府の者に対してそういうことを言つたのですから、絶対にそういう国家公務員を置くことはできない。ですから私は先ほど申上げたように、どういう発言をしたかということは録音を聞けばよくわかるのですから、録音を取寄せて、ここでその録音を聞いて、その上で、私どもはこれこそ超党派的に国会の権威のために結論を出さなければいけない、こういうことです。そういう人がおりますと、ついしてはならない思想を調査することになる。国家公務員が悪いからそういうことになるのですから、これは私は超党派的に厳格に判断をしなくちやならん、こう思いますので、録音を聞くということを動議としてここにお願いして置きます。
○相馬助治君 私は今の永井委員の動議に賛成です。理由はですね。もう明らかであつて、私はその隊長がいいか悪いかわかりません。実は我々が咎め立てすることがおかしいのかもわかりません。併し咎め立てしなければならないのもわかります。だから慎重を期すために、結論が出ないから、これは私は文明の利器である録音を聞いて、その上で一つ実地に調査された三先生の意見をもそれに附加して状況を判断して、そうしてどうするかという態度をきめるためにも、是非ともこれは録音を聞く義務を私は今感じています、判断するために。従いまして永井委員の動議に私は賛成です。
○委員長(川村松助君) 永井君の動議が出されまして、賛成の御意見がありますから録音をとり寄せて聞くことにして異議ありませんか。 〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中啓一君 これはやはり慎重を期する意味で、理事会を一遍お開きになつて、どういうふうに処置をしたらよろしいか、御相談があつたら私はよろしいんじやないかと思います。
○高田なほ子君 この録音を私はNHKのほうに、青森県のほうにそれを連絡して、是非私は取らなければならないと私自体も思つていた。ただここで一言発言を求めた理由です、この報告書をまとめるについて実に紆余曲折があつたわけです。これは川村委員長も御承知の通り、けれどもここでまあ三人とも或るところは殺し、或るところは生しして、事実は事実としてここにやろうといつた形であつたのですが、その問題の点の松本国警隊長の御報告が抜けたのは私も非常に迂闊であつたと思いますが。
○剱木亨弘君 私はね、こう考えます。国警隊長が放言があつて、その態度が不遜であつたかどうかは事実やはり録音を聞いて調べたほうがいいと思いますが、ただやはり国警隊長といえども、又、国会議員といえども、如何なる態度をしても、相手が怒つたのはいけないという場合もあり得るので、怒らせるような態度を、高田君が言わなかつたともこれは保証できない。だからそれだから録音を聞いて十分やる、処理したほうがいいと思う。
○委員長(川村松助君) 大体録音を聞くということに皆さん御異議ないですね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) それじや録音を聞くことに決定いたします。
○永井純一郎君 それではもう少し加賀山君に私はお聞きしておきたいのですが、只今の御報告をずつとお伺いしておりますと、大体この同じ項目を掴えてどこの学校でもお巡りさんが来ているのですか、同じ題目を掴まえて、例えば法案研究会という問題を掴まえて、或いはその出席人数は何人であつたか、内容はどうだとか、殆んどそういうことに尽きておる。その他左傾しているか、いないかという問題については同じように大体出ておりますが、そのことについては説明されたかたは、そうだ、そういうことを聞かれたというし、お巡りさんのほうは一斉にそうでないと否定したということも大体同じ線が出ているのです。そこで私が公平に御報告を承わつて感じますことは、一つの事項と内容を示して、こういうことを調べなさいという指令に基いて私はやつたものと、こう受取れるんです。その点はどういうお感じを持つておられたか、お伺いしたい。
○加賀山之雄君 私ども実はその辺が非常にポイントですから、何とかして掴もうと思つて、できるだけ柔らかく真相を言つてもらおうと思つて務めたのですが、警官のほうからは、もう一切そういうような感じを受けるような態度が見えなかつた。そこで私ども非常に当惑して結論が得られなかつたということになるんですが、結論的にはただこの報告にも響いてありますように、取りようにもよるような気もします。つまり非常に時期が同じような時期に同じようなことを調べたということですが、丁度このときに二月の八日、九日、九日というときに法案研究会とか、それから教研大会とかいうようなものが行なわれたので、これは如何にも統一した行動を警官が取つているように思いますが、丁度そういつた寄合に対して警官が治案の維持の責任上大体の考えを各地区で調査しているというような見地から自発的に行なつたとも取れる、そういうような状態で、而も取りようによつては随所で同じような時期に同じ内容のことが行なわれている。そうして見ると統一した意思の下に警官が動いたとも思われる。そこの判定が私これ以上つかなかつたということを非常に残念に思うのですが、結論的には非常に時期的にまずかつたとか、やりかたに行過ぎがあつたという表現で感想に述べたのですが、どうも今永井さんの言われる、そこまで突きとめて来ればよかつたんですが、それから先はどうも対決させて或いは無理矢理にこつちから言わせない限りは聞くことができなかつたというのが実情です。
○永井純一郎君 それではもう一つは松本という国警隊長は自分が指示を出して、これを調べさせたのだということを認めたのか、或いは部下の警察官がそういうことは成るほどあつたということを認めたのか、どちらだつたのですか。
○加賀山之雄君 松本国警隊長は、これは非常に確言しておりましたが、私はそういうような調べる指令を出した覚えは一つない。警官がたまたまその大半の事例が、警官と教員とのお互いに知合いの中であるから、而も一つ村の中ですから非常に顔見知り、或いはもつと親しい、或いは親戚関係であるといつたような中で行なわれているんで、極めて自分としては自然な行動だろうと思うというようなことを言つております。それと同時に、もう一つはそういつた誤解を受けるような調査をしてはならんという指令が行つておるわけですね。それに対しては中央から確かにそういう指令を受取つて、下部に通達をしているということでしたが、我々の接した駐在の警官のところにはそれは受取つていない、これは非常にはつきりしております。
○永井純一郎君 もう一つ関連してこれは邪推になるといけないのでお伺いをしているわけですが、従来は、私警察に関係したことはないのだが、いろいろ間接的に警察の内容は幾らかわかつていますが、従来はよく誤解を受けちやならないような場合に巧妙なやり方として親類を伝わつて調べるとか、或いはごく常時親しくしておる人について調べるとか、こういうやり方はよく警察が従来やつておるところなんです。そこでたまたま各村で而も同時に、而も多発的に同じような題目を掴み、同じような調査をするということは非常に……、大体お巡りさんというのは低いのです。そんなことを言つちや悪いのですが、末端のお巡りさんはまあ頭が低いと思うのです。現在まだその人たちがそういつたような個人個人の判断で、私はそういつたふうに同じ時期に多発的に同じ題目を掴えてやるということはちよつと考えられないと思うのです、これは従来の例からいつて、警察官の動きからいつて考えられることは……。そこで国警隊長は私は場合によつては国会議員が国政審議権に基いて行つたのに対して嘘を言つておるのじやないかということが考えられる。それは自分が指示をしておきながら指示はしていないのだ、併し部下がたまたまそういうことを、各村に多数の部下が同じようにやつたということが起つた。むしろ誤解を受けちやいけないということこそ通達しておるのだ、こういうことを言われておりますけれでも、これが若しそうでなくて自分が指示をしておつて、そうして誤解を受けちやいかんから上手にやれよ、特に同じ先生を調べるにしてもかねがね親類であるとか、或いは常時附合いをしておるとかいうような人について調べて行けという、従来細かい指導を警察はやつておりますが、そういつたような指令をむしろしておいて、そうして国会から調査に行つたら全然それとは嘘のことを答えたというようなことがあつては、これは又非常に私は重大なことだと思うのです。私はこの結果が思想調査でないという結論が出れば非常に結構であつて、それ以上は追求しようとも思いませんが、若し警察が勝手なことを自分勝手に作つて、而も国会までをも偽わるというようなことをさしておきますと、これは重大な将来過ちを犯すことになると思いまするので、私は今の加賀山君の御報告を聞いておつて、どうもこの程度では私は満足できない。私の誤解でなければいいが私が御報告を承わつて総合するに、これはどうしても上からの指令に基いておるように思えてしようがない。併しその判断がつかなかつたのだ、今もなおいずれだつたかは、はつきりしないというお答えだろうと思うのですが、そうであると私は非常に重大であつて、どうしても調べたところの国警隊長その他の人々を私はもう一遍ここにでも来てもらつて、宣誓してからそうして過ちない事実を掴みたいということを私は考えますので、ここにそのことを委員長に、あとで一つ委員長にお諮りしたいと思いますので申上げます。 それからもう一つは、この局長通達についてその調査の方法がちよつと御報告にあつたのですが、どうもはつきり聞きとれなかつたのですが、末端はどういうふうな、教育長宛に行つた、その教育長はどういうふうにしてどういう方法でこの局長通達に基く中立を侵しておる事例を調べたのか、もう一遍恐縮ですが、もうちよつと詳しくどういうふうにして調査したかという方法をお聞きしたいのです。それからその調査の結果は該当はなかつたという結論が出たということでしたが、そういう結論だつたのかどうか、これだけ恐縮ですがお伺いしたいと思います。
○加賀山之雄君 これは茨城県で調べた事柄に属するわけですが、教育長が受けて、これは参考資料として差上げることになつておると思いますが、一つは書面の形で、一般の公立学校に対しては箇条書にしまして四項目に分けてこういう事例があつたら報告するように、併しそれについては誤解を受けないように、無用の刺激を与えないように慎重を期せられたい。それから該当事例があつた場合は貴職の意見を併せて記載してくれ、こういうことが附記されて書面でなされております。それから一つは高等学校と盲聾学校だけは丁度当時校長会議ですか、会議があつたので、その席上口頭で通牒そのままを聞かせて、そうして報告を求めた二つの方法で伝達されているということであります。現在は一、二のまだ未報告の分があるが、恐らく今日はもう揃つていると思いますが、当時としては全然該当の事例がないということが書面によつて来ている。それから口頭で告げたものからもそういつた報告が来ており、いずれも該当事例がない、こういうことであります。
○安部キミ子君 ちよつとそれで補足申したいのですけれども、実は私が調査しました対象のメンバーをずらりと見ましたときに、三十名近くの人がおられましたのに、その人数に比して教員組合から二人しか出ておられない。あとは全部教育出張所のかたと教育委員のかたと課長さんというふうな、いわゆるこの報告書を出したほうの立場の人か、それを受けて調査した立場のかたの集りの人数が多いので、こういうふうな人数の成員では本当のことが調査ができないような気がするし殊に不安感をもつたか、もたないかという、この大事な問題になりましたときに組合側の先生の代表は、必ず不安感をもつている。又私どもももつている。不安感は現場の先生は皆もつているのだという強い主張がありましたのに対して、出張所の人は認められないということを一人言われました。ところが又その隣りの人もそれに賛成されたわけなんです。そこで私はあなたがたはそういうことを今はつきり言われますが、その言葉に責任がもたれますかと、言い切つてしまわれたことに対して私は注意を促す意味でそういう反問をいたしましたのに対して、初めはその通りですというふうな空気が強かつたしそれから折悪しく教育長はその日お見えにならなくて、次長がお見えになつた。それから教育委員会のほうでは教育委員長が出られて、それから教育委員のもう一人のかたと、教育委員が二人でございました。それで問題になつております附記の問題につきまして、これは課長が独断でやつたのだ、教育長にも相談しないし、次長にも相談しないし、勿論正式に教育委員会にもかけていなかつた。このことが非常に問題であるし、又附記になつているあなたの意見も、貴官の意見も添えて出しなさいというふうな、こういうふうな通達は、明らかに私は思想調査だというふうな考え方で、その不安感をもつていないか、いるかの、この結論につきましても、教育庁の皆さんに再三反省を促しましたところ、最後になりまして、そのことは現場の先生に聞いてみなければはつきりしたことは答えはできないということになつて、報告の通りな結論が出たわけなんです。そこで私はこのような片手落ちな、片一方の人が二人で、片一方の人が二十何人、三十人近いというふうな片手落ちな人の招集は不当じやないかということを申しました。ところが、木村さんが川村さんの名でこのメンバ一を集めてくれという通達がこの通り来ているからということで、そういう証明を出されましたので、そうですか、それなら川村委員長の責任でもあることですから、又すでに出されておることでありますので、仕方がないと思いまして、私はその場はその立場で公述を聞いたわけたんです。併しあとから新聞記者のかたたちがインタビユーをなさいました席に、私にこう言われました。先生は…(私のことでございますが)あの附記の問題が一校長の独断でやつたということは、これはもう重大な問題ではないかということを私にも反問されましたので、私その通りだと思う。確かにこれは越権行為だというふうにインタビューでは説明しましたし、又事実会場の空気では木村さんと私の議論が激しくなりましたし、殊に最初木村さんが二人の教員組合のかたたちに質問なさるその仕方が、何だか圧力が加わつて訊問しておるような形のように私とれましたので、そういうことでは調査にならない。あなたの意思を向うに押付けるような聞き方をなさらないで、ありのままのことをお聞きになればいいのであつて、その結果は我々があとで御相談して結論を出すことであつて、そういうふうに運営を持つて行つて頂きたいということを途中から私が申しまして、大変そういう空気の中でこの調査が行われましたもので、私は事実を申しますと、十分真相を掴むことができなかつたということを私は感じておりまするし、その当日出されております朝日の記事にも真実は掴めていない、だから再びこの真相を調査される限り再調査をなされる意思はありませんかという新聞記者の問いがございます。私はその点で大変遺憾なことだが、国会へ来て頂くということも或いは必要になるかも知れませんと、こういうふうなことを答えましたのに対して、木村さんはその必要なしというふうに言明された次第でございまして、今度の調査につきましては、私は至つて残念ながら十分でなかつたと思う次第でございます。
○荒木正三郎君 加賀山先生にちよつとお伺いしたいのですが、いろいろ詳細に御報告を聞かして頂きまして有難うございました。私の手許に配付されましたこの半ぺらの紙に蓬田村の事例において斎藤校長が巡査に手渡したという書面の三項目、こういうものがあるのですが、これは何ですか、警察官に書類で以て回答するようにという要請に基いて学校長がこういつた書面を手渡すことになつたのかどうかですね、その点についてお伺いしたいと思います。
○加賀山之雄君 学校の側からの陳述によりますと、何か書いてくれと頼んだ、或いは要求したというようなことも、まあそれは要求ではないかというようなことまで議論したのですが、要求とまでは言えなかつたとか、そういう弁解の末、今度は警官に聞きましたところが、書面なんか絶対に要求した覚えはないと、こういうように言つておるのであります。ただ校長、それは斎藤校長さんがみずから警官が何か書いてくれと、まあ要求という意味じやなかつたと思うのですが、書いてくれないかと、こう言つたから自分としては今度簡単に三項目だけこれこれのことがあつたんだということをメモ程度に書いて渡したのだと校長先生は、はつきりこう言つておる。ところが一方の警官はそういつたことを要求した覚えもないし、もらつた覚えもない、こういう状態なんです。この非常に真相が掴みにくいのですが、校長先生が内容まで言われて渡したと言われるのだから、私はそのほうが正しいのではないかと私の感覚としてはそう思つておりますが、警官はそれを強く否定しております。
○木村守江君 ちよつとここで申上げますが、教員組合から出したやつには小山内巡査がその文書に書いてくれと言つたのだが、それは校長は出さなかつたと報告しておるのです。ところがその先生は出した、組合からのやつでは出さなかつたと書いてある。その三者三様なんですよ(笑声)そこに非常に我々が解釈でき難いところがあるのです。
○荒木正三郎君 まあ先ほどいろいろお話を聞いておりますと、今度の研究会等に出席した者についての調査は極く親しい間柄、或いは知合いの間柄が多くて、極く楽な気持で雑談的に話合いの中に出て来たように、そういう印象を受けるようなお話振でおつたわけですが、特に木村さんはそういう点を強調されたわけですが、併し書面でこういうことを要請したということになると、私はそういう楽な気持にはどうしても受取り難いと思うのです。従つてこの事実が事実であるかどうかということは、やはり今度行われたいろいろの調査の私は性格を示すものだというふうに考えて、まあ私としては重要視したいところなんです。それで加賀山先生からもその点は両者の意見の食い違いがあつて十分懇談できなかつたと、こういうお話でございますが、何とかこの点も、もう少し明らかにする方法はないかということを考えておるわけであります。 それからもう一つは、木村さんの補足説明の中に、この問題は学校でもあまり問題にしておらなかつた、或いはその地方でも問題にしておらなかつた。そして教育組合だけが騒ぎ立てておつたのだとこういうふうな意味のように私は受取つたのですが、まあ解釈ではこういう問題が起つた場合にやはりこれを組合で取上げると、これが最も私は当然な措置だと思うのです。で、こういう調査を受けたということについて、調査を受けた者が、これは思想調査ではないかというふうな感じを持つた場合に、この問題の解決を図るのは私は第一は教員組合だと思うのです。そのためにこそ教員組合というものは作られておるのであつて、組合がとり上げるということは私は当然なことだと思う、かように思うのですが、で、これを地元で問題にするかしないか、それはそのときの事情にもよるし、その調査を受けた先生方の考え方にもよるのであつて、これを以て地元から遊離しておるとか、或いは学校から遊離しておるとかこういう判断は私としてはどうも納得のし難い点なんです。それでその問題に関連して私は加賀山さんにちよつとお尋ねしたいのですが、この東奥日報に衆議院の文部委員がやはりこの問題について調査されたように報道されております。そしてその報道の結論として、これは新聞報道ですから間違つているかも知れませんが、青森の思想調査は国警から命令されて行われたものでなく、明らかに日教組が共産党に利用されてでつち上げたものである、こういう報道をされておる、私はこれは非常に心外に思うと共に意外に感じておるわけですが、で、こういうことが地元の新聞に報道されている以上は、私もこのまま看過することはできないような気持を持つております。それで今度の調査は、或いは国警から指令されたものでないかも知れません、そのことは明らかになつておらないのですから。併し、これを日教組が共産党に利用されてでつち上げたものである、そういう判断を下されたかどうか知りませんが、こういうことが新聞に報道された以上は、私は加賀山先生の御所見は、是非ここで承わつておきたい、こんなふうに思つておるのです。
○加賀山之雄君 今ちよつと私その記事を読んでおらんのでよくわかりませんが、前半の国警隊長の指示に基いて行われたものではないという断定も私はしていないので、これを断定をしたいのですが、そこまでの断定ができない。ただ、その国警隊長とそれから受けた駐在所の警官の発言から、まあこれは絶対にそういうことはないと両面から言つておりますから、これは口を合わせるということもできないことはないかも知れませんが、そういう点から見て、私はそれは、それを信じたい。で、共産党の捏造によつて作り上げられたということは、この調査したものが幾つもあるわけですが、併し何件でありましたか、八件か九件に亘つておるわけでございますが、この九件の中で、私は何かそこに故意に作られたのではないかという印象を受けるものが一、二あつた。で、先ほどちよつと木村委員も言われましたが、この発表者みずからが、こちらに行つて聞いて見ると、そういうことは覚えがない。例えば書籍、読書傾向等を調べたそういう事実はない。これは柏木の事実ですが、そういうような発表者自体がそういうことを言つておる。而も堂堂と発表はされておる。 それからこれは青森の盲聾学校の例ですが、いろいろまあ問答しまして、非常に長く亘つて調べた詳しいのもありますけれども、どうしてもその真相が掴めない。何だか前後に矛盾がありまして、これなんかもどうも何か発表者が作り上げた事実ではないかというようなものなのであります。それからもう一つ不可解であつたのは、金木中学校の生徒を調べた事件ですが、これも非常にこの警官側が、例えば、五分間ぐらい聞いたということが、二時間に亘つて生徒を教員室で調べたというように伝えられておる。そういうような点から、こういうようなことの問題は、どうもその中に多少でも作りごとなり、誇張なりがあるような感じを受けた。これは共産党が捏造したということは、私は言えもしないし、調べもしないし、又従つてそれを確言は勿論できませんが、そういつた誇張なり、それから事実と違う節がこの発表の中に二、三あつたということは申上げられると思います。
○荒木正三郎君 今の問題はこれは誤解を与えると面白くない問題であると思うので、もう少しお尋ねをしておきたいと思います。これは私どもが静岡へ参りまして調査をいたしましたときにも、いろいろ組合から資料を提出して頂きまして、その中にも、組合といえども警察官でないのですから、そのいろいろ調査の結果については、若干のところにおいては不確かなところがあるかも知れないと組合では言つている。従つて青森県の場合でも、私はよく知りませんが、そういう点があつたかも知れないと私は思うのです。併しこれを以て今度のまあ思想調査ということについては、いろいろ意見があると思うのですが、調査されたという事実は幾つも上つているのですから、これは私は否定することはできないと思うのです。そういういろいろ事実が上つていることについて、これがでつち上げであるといつて、すべてを片づけてしまうということは、私は明らかに間違つた判断であるというふうに考えるのですがね、そういう全般的な問題について、おつしやつて頂きたいと思います。
○加賀山之雄君 私は二、三そういう事実があるということを申上げたので、然らばこの出て来た九つの事態が全部そういつた誇張なり捏造なりで、できているとは思いません。それは思いません。必ず警官とそれから教員の中に、問答もあり、これらがどういう内容に触れたか、大分違つてはつきりしないのがあつたか、そういうことはあつたと、併し二、三の中にはそういつた誇張、捏造的なものが見受けられる。併しそれを以て全部が、この事態が作りごとであるというようなことは到底考えられません、私としては。
○相馬助治君 これについてはいろいろまだ御質疑が残されていると思うのですが、先ほど廻つて来た紙にも午後の日程もあるやに聞いておりますし、もう一時を過ぎましたので、それとこの参考人をお呼びするということで、恐らく理事会の必要もあると思うので、本日は、本委員会は、只今議題になつている質疑を保留して、散会せられんことの動議を私は提出いたします。
○委員長(川村松助君) 只今相馬さんから、本日はこの程度で散会し、御要望の件は理事会にということですが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて。 本日はこの程度を以て散会いたします。 午後一時九分散会