文部委員会 第3号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/02/18
会議録
○委員長(川村松助君) では只今から文部委員会を開会いたします。 先ず最初に理事の補欠互選を行ないたいと思います。只今から行ないます補欠互選は、理事八木秀次君が去る二月十二日に委員を辞任されたため行う互選でございます。互選の方法は如何いたしましようか。
○高橋道男君 只今の問題は、成規の手続を省略して、委員長において指名せられんことの動議を提出いたします。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 私から御指名いたして御異議ございませんか。 〔「無議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) それでは私から御指名いたします。相馬助治君に理事をお願いいたしたいと思います。
○委員長(川村松助君) 次に教員の思想調査について参考人から意見を聴取する件についてお諮りいたします。磐田市の教育委員長で全国地方教育委員会連絡協議会理事をしておられる平野忠一さんを参考人と決定して御藤見を伺うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御典儀がないと認めます。 参考人の平野さんに一言御挨拶を申上げます。本日は御多用中のところ、遠路わざわざ御主席を頂きましたことを、当委員会を代表いたしまして、厚く御礼申上げます。 文部大臣、国警長官もお見えになつてございますから御質疑のおありの方は御発言を願います。
○高田なほ子君 今国警長官のほうからというお話ですが、折角大臣がお見えになつておられますので、昨日若干御質問を申上げて大臣の御意見も一応承わつたのでございますが、その御意見の中で、もう一度質したいと思うことが二、三点ありますから、その点をお尋ねしたいと思います。 先ず第一にお尋ねいたしたいことは、昨年の十二月二十三日に出されました教育の中立性が保持されていない事例の調査について、これをお出しになつた経過については昨日一応御答弁があつたようでありますが、文部大臣は教育の中立性が保持されているかいないかという事例を、昨年の十二月になつてから突如としてこれをお出しになつたように思うのでありますが、これをお出しになるまでの経過、並びに大臣のこの間に処された各機関におけるお立場などについて一応承わつておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(大達茂雄君) これを出しますまでの経過というふうなお尋ねでありましたが、これは中教審の答申にも書いてありますように、又昨日本会議場においてもお答えを申上げましたよりに、頻りと新聞記事が報道されておつたことは御承知の通りであります。或いは京都における記事が報道され、或いは又滋賀県ですか、その他あつちこつちに亘つて学校教育の政治的中立に関係をして報道がされてあつたのであります。その真相を新聞記事だけによつてこれを直ちに推測することはできない立場でありますから、その実情を詳知するために政府機関である教育委員会のほうに通牒をしてその報告を求めた、こういうわけであります。
○高田なほ子君 これは中教審の答申案によつて、教育の中立性を維持するために適宜な措置を講ずるよう、大まかな答申案を私は拝見しておるのでありますが、それに基かれての調査でございましたのですか、新聞記事だけによつてこういうものをお出しになつたのでございますか、どちらでございますか。
○国務大臣(大達茂雄君) これは中教審の答申には関係ありません。
○高田なほ子君 そうすると新聞記事にたくさん報道されたと、言われますが主にその新聞の記事はいろいろ私もかなり取つてはありますけれども、どういう点を一体文部省は主として調査されたのですか。ちよつと私の質問が漠然としますが、例えば山口の記事とか、赤い学校とか、赤い教育とかいうようなことを見られてこういう調査を出すという気持になられたのですかどうなんでございますか。
○国務大臣(大達茂雄君) 山口の場合は、これは昨年の七月頃であつたと思います。これにつきましては、当時大体の事情は教育委員会のほうから、こちらから言わないうちに向うから報告があつた、それに基いて中立性維持に関係する通牒を一般に出したことは、これはよく御承知の通りであります。それとは別でありまして、山口県の事件があつたために出した、こういうわけではないのでありまして、この通牒を出したのは十二月の十三日付になつておりますが、昨年の年末に至りまして、十一月を廻つたかも知れません十二月頃になつて各地のいろいろ。の新聞記事でそういう報道がありましたのでこの通牒を出した。これはこの通牒の写しを、お持ちになつておるようでありますから、その文句を御覧頂けば、どういうことを調査の対象としておるか、それからどういう事情で通牒が出されたか、その点おのずから明らかであると思います。
○高田なほ子君 大臣は大変今日お顔色が悪くて、お答えも何か非常に切口上で、私は辛いように思いますが、何かお加減が悪いんじやないですか、そうでなければ、私も決して大臣個人に悪い感情を持つたり、敵対的な気持で御質問申上げているのじやないのです。非常に私はやはり大臣と同じような気持で日本の教育の在り方というものについて、どうかして正しい方向に持つて行かなければならんという切羽詰つた気持で昨日から大変失礼な申しようもしたと思いますけれども、どうかその感情が若しお残りになつでいるようではいけませんから、一つ丁寧にお答え願いたいと思います。 それではお尋ねいたしますが、これは事務的なことで失礼な質問かと思いますが、新聞の記事と言われますがどういう記事を文部省のほうで資料としてお集めになつておるかやはりその集められた資料によつて傾向がわかると思うのですが、この資料があつたらお出し願いたいことが一つと、それから一つは大臣は新聞記事と言われますが、私は差当つて大臣が非常に注目されているのは、やはり言うところの左がかつた傾向に対する調査じやないかというふうに、これは私の臆測ですが、考えらるのですが、教育の中立ということは、ちよつと左がかつたものを調べるというのでは、それは中立を守るための調査だという言うには私には考えられないのです。むしろ憲法の精神と反対の方向の教育をやつている学校、これはかなりあるのです。これは新聞の記事には最も顕著なものが栃木県、秋田県或いは山梨県、千葉県、長崎県、佐賀県、群馬県、ここでちよつと取上げてもかなり相当の、天皇を神格化して、天皇のお写真の前で校長が訓話をする、天皇の批判をしたという理由で教員を首にしている、こういうような誠に軍国主義教育の方向に戻つているような、教育基本法と全く反対の立場をとつている教育が行われている学校、そういうような学校に対しては文部省としてはどういう一体調査をしようとし、又調査をされたのか。これに対して大臣はこういう過去の軍国主義教育に類似する教育が行われている現実に対して、大臣はどういうお考えを持つていられるか、この点をお尋ねしてみたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) これは私どもとしましては、今お話になりました通りに特に左がかつたことだけを調べるという、そういう立場はとつておりません。これは通牒で御覧になりましてもおわかりになりますように、特定の立場に偏した内容を有するもの、これは何も左と限つたわけではありませんただ当時新聞等でいろいろ出した私どもの眼に触れた記事は多くいわゆる赤の教育或いは左がかつたことであるとかいうようなことがかなり新聞に出たのであります。私どもとしましては新聞記事によつて調査をしようとかいう気はないのでありまして、従つて特にあちこちの新聞を特別に集めて調べたというわけじやありません。ただ東京の大新聞であるとか、京都あたりの大新聞の京都版ですか、そういうような極く普通に私どもの眼に触れる範囲で、かなりいろいろの報道がありましたから、それでこれは全国各地の各県教育委員会に宛てて、実情の調査をして行く、その調査の対象は今申上げるように特に右とか、左とか、そういう限定をするわけじやないのであります。それで又これは或いは要らんことになるかも知れませんが、憲法に反しておるとか反してないとか、こういう考え方を標準にして調べるということでもありません。つまり政治的に非常に偏つた立場の教育が行われておるかどうか、それを調べている。無論皇室と言いますか、天皇に対して非常に罵詈雑言に類することが教室内で或いは運動会等においてそういう事例があつた、こういうこれも高田さん御承知のようにいろいろ当時出ておりました。大阪のほうの学校であるとか或いは東京のこれは朝鮮人の学校であるとか、千葉県の学校であるとか、これも一応私どもはそういうものの実相を究めたい、これは憲法に反しているとか反していないとかいう問題ではありませんが、併しこういうことが非常に偏つた立場でそういう教育が行われている、こういうことであれば、これは私どもとしてはやはり無関心ではおられないのでありまして、憲法云々ということを頻りとおつしやるが、天皇は国家国民の象徴であるという点においてこれは憲法第一条の一つのやはり基本的なものであります。これに罵詈雑言であるとか或いは天皇を寄生虫であるとか、言うようなことはこれも私としては一応実情はどうであるか、それが直ちに教育の中立性を侵しているとかいないとかいうことでなく、結論は新聞記事では出しません。これを実情に徴して判断したい、こういうことで資料の報告を求める、こういうわけでございます。
○高田なほ子君 もう一つ、荒木先生も関連がおありになると思いますから、あと大事なところをちよつとお聞きいたしましよう。 中立を阻害するものについての調査、この尺度は憲法、憲法と言うけれども、まあ余りそういうものにこだわらないというお話でありましたが、ここがやはり観点の相違なんじやないかと思います。これはまあ水掛論になりますから、私はここでそういうことをなかなかと申し上げたくはいのですが、やはり教育の方針というものは、はつきりとしたここに一つの方針の上に組立てられているはずでありますから、どうしても教育の中立ということを調査するなり、又それを阯害するものがあるとするならば、はつきりとしたここに尺度というものを打立てられての調査でなければそれは意味がないのじやないかということを強く考えているのであります。これは私は大臣と、とことんまでお話申上げればきうと意見は一致する、こうおつしやるだろうと思います。併しここでこれは繰越しません。ただ灰関するところによると全国に約三万数千の小学校があると思いますが、この三万数千の小学校の中で、いわゆる新聞の種に、記事に書れたというようなものは非常に少ない、而も灰関するところによると、自由党政調会のほうでは調査の対象の学校を約三十校ぐらい挙げられたやに聞いておりますがこれは仄聞ですからわかりません。多分これは文部省の調査と自由党政調会の対象校というものは殆んど一致をいたしているのじやないかと思うのですが、こういう一部のいわゆる新聞に報道された傾向を調べるのに対して、その教育委員長を通して全国にこういう調査をされたということに対しては、私はかなりの行き過ぎがあるのじやないか、こういうふうに考えるのです。見解の相違だと言えばそれまでのことですが、こんなにまで全部を、而もこの調査の内容というものを一項々々ここで検討して行くと、其だその、私に言わせれば相当に研究しなければならないような項目を挙げて調査を命ぜられているのですが、大臣はこれに対して少し行き過ぎじやなかつたのかなあと、思いすごしじやなかつたのかなあ、というぐらいの気持はお待ちになつておられませんでか。
○国務大臣(大達茂雄君) 私どもはこの地方の学校の、実際どういうふうな教育が行われているかということについて直接自分の手で資料を持つ立場にありませんことは御承知の通りであります。従つてその学校の運営の責任を持つている機関であるところの教育委員会というものに聞いてみなければわからない、こういう立場であります。私どもはただそこに新聞に出て来たそれを直ちに取上げて問題にしておるということではないのでありまして、つまり頻りにそういうことがちよいく出て来るということについて関心を打つておるのであります。これはその事件、例えばほかの何か犯罪事犯のような関係でそこにたまたま何かあつた、事故があつて、自動車に子供がかれたとかいうような、そこに特定した事情であれば、それは何も全国に報告を徴することはありません。併しこの教育の場におけるそういうといいますか、そういうことが、そのところにこれだけに限つて、他にそういうものがないという証明があるならばそれは何も全国に亘つて煩恥な調査を依頼する必要はないのであります。そういうことがちよいく新聞に出るといこととが、現在の各地域に亘つての学校教育というものが、そういう事例がほかにもあるのかないのか、それから新聞に出た事柄についてもその真相はどうであるのか、新聞の報道は必ずしも正確とは言えないの、でありますから、そういう点について調査をしたい。これは全国の学校についてしなければならない性質のものであると思うのであります。これは非常に学校の教育を圧迫するとか何とかいうようなものであればで、きるだけ必要最小限度にとどめるということも考えられるの、でありますが、私どもはこの通牒は何にも学校の教育を庄するような通牒ではないと思います。従つて全国に亘つて調査を、報告をとらなければ、私どもが東京におつて学校教官の実情はどうであるかということを知る上においては個々の場合だけを対象にしたのでは非常に不十分であります。そういう意味で全国に亘つて報告を求めたのであります。該当がなければ該当がないでいい。該当がないという回答があればその限りにおいてはそういう地方にはとういう教育はない、こういうことになるのでありますから、これを全国的に調査を依頼したということは行過ぎであるとは思つておりません。
○高田なほ子君 もう一つ、あとこれでもう終りますから。 つまり何ですね、大臣は全国の教育の実情を知りたいと、又私はお知りになることは結構だと思うし、又その責任でもあると思うわけであります。ただこういう調査をした場合に、何もそれは圧迫は感じないだろうというのは大臣としてのお考えであつて、実際下部の教員が非常に圧迫を感じているということについてはこれはやはり大臣の感覚の違いじやないかと思う。大臣は圧迫を感じないからとおつしやつても下が感じているというものを、それをどういうふうになさるのですか。大臣が感じないからいいという、それでは私はいけないと思う。 もう一つは、この四項目に亘つている調査内上等というものは、やはりいろいろ私は議論があると思うのです。むしろ教育華本決に示す方針に副わないところの教育をされている実情を調べるというのが私は当り前じやないかと思うのですよ。そうでないというと、こういう内容では何を一体調べていいかわからない。特定の内容を持つとか、時定の立場に立つと言われてもこれはちよつとわかりません。従つて教育基本法の方針に基いてこれに違反するような教育がされているかされていないかという点について、これはお調べになれば当然教育基本法に反している。この天皇神格化、天皇を神格化して行く、これは明らかにもう憲法違反です。神格化しているような教育を行うというものも必ず対象に挙つて来ると思う。ところがそういうものは全然対象にも挙がらず、頭の隅にも入れられず、ただ単に社会党左派が主張しているような再軍備反対なんということだけに注意が行くということは、これは私はむしろ一方に偏した調査になつてしまうと思う。大臣はあれですね、この調査の仕方が行過ぎでないと思うと言うけれども、やはりお聞違いになつているとお考えになりませんかどうですか。それから圧迫の問題、二つです。
○国務大臣(大達茂雄君) 私はここで圧迫を感ずるはずがないと申しましたのは、私が圧迫を感ずるとか感じないとか、私の主観を言つているのではないのでありまして、この通牒の持つている内容からいつて理論上圧迫を感ずるはずがないと思うと、こういうことを言うたのであります。これは都道府県の教育委員会に調査報告を求めたのでありまして、この通牒に基いて教育委員会のほうで調査をされるについて、学校の先生が非常に圧迫を感ずるような調査方法をとられるかどうかということは、これはおのずからこの通牒とは離れた問題であります。私は学校の先生がこの通牒だけでもつて非常に圧迫を感ずるということは到底考えられないことでありまして、若し圧迫を感ずるという事実があれば、それは学校で意識して教育の中立性を破壊するような教育をしておる先生方が仮にあるとすれば、それはそういう先生方は或いは圧迫を感ずるかも知れない、教育の中立を阻害するような教育をしていない先生がこれによつて圧迫を感ずるということは到底あり得ないことであろうと私は思う。 それからこの内容が非常に不明瞭で、何か再軍備反対のことだけを言つておると、これはどうも私は失礼ですけれども、言いがかりではないかと思う。この通牒の中から一つもそういうことは出るはずはない。これはこの内容は不明瞭だとおつしやるが、私は明瞭だと思つておりますが、併しこれは法律の文句でありませんから、法律瀞ではあり喜んから、いろいろ字句について御せんさくがあれば、これは不十分である、或いは不適当であるとかいうことがあるかも知れません。あるかも知れないが、この通牒の表題が「教育の中立性が保持されていない事例の調査について」、こういうことであつて、そしてこれらの内容の調査の対象を書いで、歪曲している事例等、教育の中立性が保持されていない事例について、こういう意味でありまして、基本法糟八条に言うとところの教育の中立性は保持されておるか保持されていないか、これが中心の問題であることはこの通牒を御になればよくわかるのであります。岡田さんは特定の内容を有する教材云々あれらを飛ばしてお読みになりましたが、特定の立場に偏した内容を有する、こう書いてあるのであります。それは何も、再軍備反対ということだけを目標にしておるのではなく、この文句の中からどこからも出て来るはずはないと思います。要するにどつちかに偏つた結果、教育の中立性を保持されていない、若くはそれを阻害するような事例があればそれについて報告してもらいたいという、こういうことを書いて曲る、これは通牒を見ればよくわかります。
○中川幸平君 議事進行について、先刻参考人の意見を聞くことに動議が成立しておりますので、それで参考人の意見を聞いて、その上で参考人なり、政府のほうに質疑をするという順序にしたらどうですか。
○荒木正三郎君 それは私はどなたも御多忙だと思うので、だから順序をつけないで一括してお尋ねする、そういうことにしたらいいじやないですか。
○委員長(川村松助君) 中川君の御意見は参考人の意見を聞くということですか。
○中川幸平君 参考人の意見を聞いて、その上で参考人なり政府のほうに質疑を、許す、そういうふうにしたらいいじやないですか。
○委員長(川村松助君) いや、委員会でのしめし合わせでは、そうではなくて、参考人に質問するために出席を求めておるのです。
○中川幸平君 意見を。
○委員長(川村松助君) 意見ではない、質問をしてからでないと、質問をするために……。
○中川幸平君 意見を聞くということであつたので。
○委員長(川村松助君) そうではないのです。こちらから質問してそれに答弁を求めるということで、主観的に意見を発表して頂くのではないのです。
○荒木正三郎君 今、高田なほ子君から教育の中立性の問題について大達文部大臣に質疑があり、ましたが、私もどうも文部大臣の御答弁を聞いてもよくわからない。そこでなお、お伺いいたしますが、教育の中立性ということはどういうことですか、教育に私は中立性はないと思うのです。併し、しばしばそういう言葉をお使いになるし、この通達にも教育の中立性が保持されていない事例の調査と、こういう見出しになつておるのですが、教育の中立性ということは私はないと思うのです。教育の基本法にも、教育の目的が示されております。この目的を実現するために行うものだと私は思つているんです。ただ政治的中立を守らなければならんという意味は、地方公務員法にもありまして、その意味なら了解できるのですが、先ず、この通牒がこれは誤りであるのか或いはどういうことなのか、説明して頂きたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) これは、中立性ということは法律に使つてある言葉ではありません。中立性と、ここに言う意味は基本法第八条の第二項ですか、第二項にある特定の政党を支持し、又はこれに反対するための教育こういうことをその実質から見て、教育の政治的中立性というふうに一つに言つている、いわば俗言であります。併し、それにつきましては、すでに昨年の山口県の小学生日記等の場合にもその点を明瞭にして、中立性という意味は地方にわかつておるわけであります。だからそれを指しておるわけでありまして、無論これはいわゆる俗語でありますから、つまり八条の二項に云々という代りに使つてある言葉でありますから、そういうものがあるかないかという法律の上に文句を求められましても、それはありません。ただ、これが教育の中立性であつて、政治的という、言葉ではないというような点もありますが、それは成るほど先ほど申しげましたように法律でありませんから、字句の点において不十分ということはありましよう。併し、この内容を見成しても、特定の立易に偏し云々とか、或いは特定政党の政治的主張云々とか、こういうふうに政党が特定の政治的立場によつて教育を利用したとかいうふうにあるので、これは政治的な中立性であるという意味であることは、これはいろいろな関係から、これを受取る側から見て、特に疑問を生じないものと私どもは思つております。若し地方教育委員会のほうで、この通牒文の意味について疑義があるとか、内容が不明確であるということであれば、改めて地方からその意味を質されるということがあると思います。これは、すペていろいろな場合に通達その他の場合、どういうふうに、ここはどういう意味かということは種々照会があることであります。これは法律の文章ではありませんで、いろいろこれを字義の上で御せんさくになれは、それはいろいろ不十分とか何とかいう問題はありましよう。ただ私どもが出した意味は、只今申上げましたように基本法の八条の二項にあるそういうような教育、これが中立性を壊すところの教育、こういうふうに考えてありますので、それは受取るほうでもわかつておると思います。 それから、この地方公務員法に中立性とか中立という字がありますが、これは教員の政治的中立で、これは教育の政治的中立とは違うと思うのです。教育は中立性はあり得ないというお言葉は、それはあなたの文字の解釈のもので、私どもは八条の二項の場合のことを言つておる。だから中立性という字と全然離れてお考えになれば、それは又別な議論になりましよう。
○荒木正三郎君 これは大臣が訂正をされたのか、されないのか、私にはよくわからないのですが、教育の中立性ということはあるという御所見であつたのか、ここに書いてある意味は、政治的な中立性という意味を持つているのだと、こういうふうに補足されたのか、どちらであつたのですか。
○国務大臣(大達茂雄君) 私の言つたのは、八条の二項の中立性が保持されていないという意味は、八条の二項に抵触するような教育が行われていると、こういう意味であるということを申上げたのです。
○荒木正三郎君 それでは私はこの通牒の取扱について疑点があるのです。というのは、教育基本法第八条の二項について調査をしたい、こういうことであるわけであります。そうすると少なくとも私の考えでは、単に公立学校についてだけ調査をするということは、片手落ではないかと思うのです。少なくともこの基本法第八条に謳われているのは、公私別はないと思うのです。全般について調査するという態度でなければならんと、こういうふうに感じるわけなんですが、併しこの通牒を見ると、都道府県の教育委員会に宛てておられる、或いは私は、今お出しになつていないのかも知れませんが、都道府県の知事にもお宛てになつているのか、その点もお伺いしたい。
○国務大臣(大達茂雄君) これは成るほど私立学校は知事があれしておりますから、知事にやはり同様の報告を、私立学校について求めるということは、そうしたほうが十分であるということは、成るほど御指摘の通りと思います。併しこれは片手解とか何とかいうような、これは決していじめるとか何とかいう意味は一つもないのですから、そこのところは、さつきから高田さんもおつしやるが、何か教員を圧迫するとか何かそういう意味のほうにおとりになつていると、今の片手落とか何とかいうことはありましようが、という考えは出て来るかも知れないが、これはただ実情の報告を求めているだけですから、成るほど私立学校について、知事に報告を求めたほうが佃更よかつたでしよう。これはそこから言うと片手落で、それで私立学校についてどうして報告を求めなかつたかとおつしやれば、その通りでありますが、大体公立学校というものが、教育委員会というものが始終頭に出て来るものですから、又公立学校というものが、殊に義務教育の方面におきましては何と言つても一番大きいものでありますから、私どもとしては全体の学校教育の動向といいますか、そういうことをやりたいと思つているわけで教育委員会に出した。成るほど私立学校についても、知事のほうに報告を求めれば、なお十分であつたろうということは言えると思います。
○荒木正三郎君 私はそう簡単にこれを解釈していないわけです。で、政府並びに文部大臣は、近く教員の政治活動の問題について、国会に提案するということをきめておられるわけですが、その対象はいわゆる義務制の学校を主点においておられるわけですが、そこでこの通牒は、その法案の準備のために私は出されているのじやないかという、これは疑念であるかも知れません。そういう疑念を打つということは、この調査がそういう面だけに向けられている。これは文部省が教育の、このいろいろの報道を心配して調査するというふうな意図よりも、法案の提出の裏付を作ろうと、こういう意図の下において出されているのじやないか、これは私の単なる疑惑であるかも知れません。併しこの通牒から見て、私はそういうふうに感ずるのです。そういうふうに感ずることは、今申したように或る部面だけ調査されているということからそう考えるわけなのです。ですから、これは私立学校も調査をしたほうがよかつたというような簡単な問題じやなしに、かなりそういうことを考慮されて調査されているのじやないかという言うに私は受取つているわけであります。そういう点はどうですか。
○国務大臣(大達茂雄君) 法律案は最近に提案されるのでありますから、その法律案についてよく御覧を頂きたいと思いますが、只今私どものほうで成案を得ておりまする法律案の内容は、公立学校たると私立学校たるとを問わず、これに対して外部から教育の政治的中立性を壊すような働きかけをするいうことに対しては、同じように規定を設けておるつもりであります。ただ教員の政治的行為についての制限をするという点につきましては、これは公務員であるのと公務員でないのと、という根本的なそこに違いがありますので、これは公立学校だけに限らず、併し私立学校も含めて、義務教育小学校において教育の中立性が破られるようなことを、外部から扇動教唆して働きかけるという点につきましては、やはり同様に法律の適用を考えているわけでありまして、ただ、今おつしやつたような気持はちつともない。
○荒木正三郎君 それは御意思はなかつたかも知れませんが、私はもう一つの問題からも疑念を持つているのです。それはいわゆる中立性に関する調査においては、主としてこの内容は教員がどういうことをしたかという調査にとどまつておりますが、併し中立性を保持するという問題になると、これはいわゆる教育委員会とか或いはPTAとか、そういうものの働きかけが実際の教育を柾げて行く、こういう例が私どもはあるように聞いているわけなのです。だからそういう面も調査しなければならんと思うのです。本当に中立性を保持して行く対策を立てる必要がある。こういう考えに基いて調査をされたのであれば、私は教員のそういう教育活動だけを調査するのでなしに、外部からのいろいろの働きかけであるとかアクトとか、そういうものが教育に何らかの悪い影響を与えていないかこれ私は外部のいろいろの団体でもよろしいし、又教育委員会自体についでも私はそういうことがあるということを聞いております。ですから、そういう面も調査されて然るべきであるというふうに考えているわけなのです。併しそういう町は一向に調査されていない。こういう点について疑点を持つているわけなのです。
○国務大臣(大達茂雄君) 先ほど、これはこの通牒……お手許に通牒ありますか。
○荒木正三郎君 ええ、あります。
○国務大臣(大達茂雄君) この通牒で御覧になればよくわかりますように、こういう脚例が新聞等に報道されておつて、これは真偽のほどはわかりませんが、そうすれば文部省としてそれに無関心であるということは、これは職務上でき便せん。これをよそ事のように聞き流しておつたのでは、これは文部省としての怠慢であり、又無責任のそしりを免かれんと私は思います。その意味において、この通牒を出して、事情の報告を求めたのであります。必らずしも今度の法律案を提出するについて、無理やりにそういう事柄を撒き集めて、そうして法律の裏付にするこういうものでもない。併しこういう事実があれば、それは同事に、今度の我々が考えておる法律案の必要なゆえんが更にはつきりする、こういうことは明瞭であると思います。無理やりに先生を圧迫して、事情をこじつけてでも、そういう材料をたくさん集める、そういうような意図のないことは、この通牒自身を御覧になればよくわかることであります。 それから、成るほど外部からの働きかけ、それはPTAの手でやられる場合もあるかも知れない、或いは又教職員組合の手で行われる場合もあるかも知れない。或いは又教育委員会のほうからそういうことが、圧力を加えられることがあるかも知れないのでありますけれども、私どもとしては、的確なこれに対する調査機関というものは持たないのであります。これを警察その他の方面に依頼をして調査をするということになれば、これこそ非常な行き過ぎでありまして、私はこの学校の教育、結局帰するところ学校の教室内における教育の問題でありますから、それについて事例を求めれば、その詳細な事情を若し報告されるものなら、こういう教育が行われるに至つた、どういう関係でそういう教育が行われたかというような点も明らかになるものもありましよう。これは昨日も高田さんもおつしやつた。それは文部大臣としては当然そういう報告を徴すべき関係であることは、教育委員会に対して報告を求めるということは、法律に書いてあるのでありまして、そういう成規な調査の途が立つておる。併し教育委員会が何をしておるか、或いは又教職員組合がどういうことをしておるとか、又PTAがどういうことをしておるか、これは文部大臣が何らかの、つまり法律の規定を離れてですよ、注律の権限を離れて、何らかの方法によつて根掘り調査して行くということになれば、これは非常な行き過ぎの面が出て来ると思います。私は法律に与えられておる、而も一番中心のこの学校の教壇におけるこれは最終の問題でありますから、それに関連して教育委員会に報告を求めておる、こういうことだけでありまして決して荒木さんの言うように、何か特に片手落をしたとか、特別な圧迫を加えておつたとか、特別な意図の下に無理やりなことを申したとかそういう気持は全然な いのでありまするとこの実情が若し詳細に報告されてあれば、それがこういう教育が行われておる、或いは行われた例がある、それは外部からこういう働きかけがあつて、それに基いたものであるのか、その点までが明瞭になれば非常に結構であります。併し私どもは、教育委員会というものには報告を求める権限がありますけれども、そうでないものにどうして調査するか、その場合に非常な行過ぎが起るのであります。その途はないと思います。
○荒木正三郎君 それでは私は大連文部大臣にお尋ねをいたしますが、今度の調査について、文部大臣は国警長官或いは地方教育委員会の連絡協議会長と連絡をとられたことはございませんか。
○国務大臣(大達茂雄君) ありません。
○荒木正三郎君 それでは国警長官にお伺いします。今日はそういう意味で会長に来てもらうように、私が特に申上げたのはここにあつたのですが、代理のかたではおわかりにならない点があるかも知れない。そこで齋藤国警長官にお尋ねいたします。これは私こういうふうに聞いているのですが、これが事実であるかどうか、齋藤国警長官のほうからお伺いしたいと思います。それは昨年の幕ですね、大達文部大臣、田中次官、緒方局長を初め、齋藤国警長官或いは風巻会長、或いはその他の人も併せて、この調査の問題について協議をせられた、こういうことが伝えられているのですが、そういう事実はございませんか。
○政府委員(斎藤昇君) そういう事実は全くございません。又そういう会合等があつたことすらも存じません。又こういうような事柄について文部省の、大臣は勿論のこと、次官、局長その他とのお話合いというものは全然ございません。
○荒木正三郎君 私は齋藤国警長官については若干お尋ねしたい問題があるのですが、これはあとに廻します。
○相馬助治君 昨日同僚議員の高田君の質問に答えて、問題になつている通牒は文部大臣が当然の権限に基いてなされたと、こういうことを申されて、文部省設置法の第五条及び教育委員会法の五十五条、これに基いてなされたという意味の答弁であつたように、私は昨日の話を承知したのです。そこで先ほど荒木君の質疑に対して飽くまで合法的であるという御見解のようですが、私はこれをもう少し敷衍してお尋ねしてみたいと思うのです。文部省設置法に明らかであるように、五条の規定というのは、私の理解する限りにおいては、極めて事務的な学校経営又国の教育を見て行く場合の極めて事務的な調査或いは資料の提出を求めるものと解釈するのです。という理由はここに明らかに、「但し、その権限の行使は、法律に従つてなされなければならない。」と、こういうふうにあるからです。そこでこの通牒の具体的なことを聞きます。「特定の立物に偏した内容を有する教材資料を使用している事例」、これが一つです。「又は特定の政党の政治的主張を移して児童・生徒の脳裏に印しようとしている事例」、この今私が言つた後段は明らかに教育基本法の八条の二項、に、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」とありますから、この教育基本法八条の二項に違反した事例の提出を求めたとして私は了解しましよう。問題はあるのですよ、あるのですけれども一応了解しましよう。前段の「特定の立場に偏した内容」というのは、この時定というのは何ですか。私は話が食い違わないために、私の聞いている基本的な立場を明確にしますと、曾て教育勅研によつて子供を教えた時代があります。この内容がいいか悪いかは別として、これに権威を持たせて教育が行われた。現在においては、民主憲法に基いて教育はなされているはずです。そうすると私どもは憲法そのものに異論をなすものはあるけれども、少くともこの教育の機関にその職を奉じ禄を食んで子供を教育している教師は、真理の前に勇敢でなければならないし、又憲法を守ることは憲法九十九条の規定で明らかであるように、一般国民より義務づけられている、そういうふうになつて来ると、私は特定の立場というのが何か全くわからなくなつて来る。どういうのがこの場合の特定の立場なんですか。
○国務大臣(大達茂雄君) 先ほど申上げましたように、学校における政治的中立性が組打されているかどうか、こういうことに関する調査であります。それは最後に「事例等、教育の中立性が保持されていない事例について、」はと、その内容として、ただ教育の中立性が保持されていない事例というのでは内容が漠然とするのであろう、(「その通り」と呼ぶ者あり)こう思つたので、その内容として、特定の立場に偏した内容をするもの或いは又特定の政党の政治的主張を、こういうふうに書き分けて、その内容をできるだけ具体的にしよう、こういう考え方から書いたものでありまして、これは……。
○相馬助治君 話中ですが、それは混線している。私はなぜそういうことを書いたと聞いていない。
○国務大臣(大達茂雄君) 私の答弁を終りまでお聞きになつたほうがいいでしよう。
○相馬助治君 聞違わないで答弁して下さい私の聞いているところと。念のために言うが、私が質問しているときにそつちで何かしやべつていたのだから、間違つては駄目ですよ。
○国務大臣(大達茂雄君) しやべつておろうがおるまいが、それこそ基本的人権の(笑声)教育の中立性が保持されていないという事例のところで引括るまつておるのでありますから、その内容は政治的に一方の立場に偏した、こういうふうに読めると私は思います。先ほど申上げたように法文じやありませんから、そう非常に練りに練つて拵えたものでなく、これは極めて当然の通牒だと今でも思つておりますが、これほどやかましいことになるなら、そういう問題の起らんように、もう少し文句も丁寧に書いたかも知れませんが、併しこれは私から言えば極めて事務的な報告である、こういうふうに思つております。そういう意味で、この「特定の立場に偏した内容を有する」ということは、特定の政治的立場に偏つた内容を有する、こうお読みになつて頂きたい、又そう読めるものと私は思います。
○相馬助治君 勘だ迂測であつたというような意味のことを今おつしやつたが、初めておつしやつた。昨日の高田君の質問には、ちやんとあなたは正面から太刀打ちして、法の規定に従つて文部大臣に与えられた権限によつてやられたという私はその言葉を認めているのです一応。だからとの規定を引用してやられたのだと、前段に私は言うた。そうするならば、その権限というものも無制限に与えられているのではなくて、権限の行使は法律の枠内だと規定してある。いいですか、それだから私はその法律の枠内というのは何だかということを基本法で見ると、特定の政党の支持、宣伝をしてはいけないと、こう書いてあるものだから、通腱の二段の「特定の政党の政治的主張」云々はわかるといつているのです。この通牒はわかるといつているのです。私はこの通牒が全部駄目だといつていない。ここのところはわかるというのです。ところが前段をなしている「特定の立場に偏した内容を有する」と、これは何を一体目途として調べようとしているのだ、具体的に言えば、特定の立場とは何なんだとお尋ねしている。
○国務大臣(大達茂雄君) 特定の政治的立場に偏したと書いてある。
○相馬助治君 そうするとこの前段と後段は全く同じものですか具体的に言うと。
○国務大臣(大達茂雄君) 大体同じことです。
○相馬助治君 大体同じというと。
○国務大臣(大達茂雄君) これは「教材資料を使用している事例」こういうのです。
○相馬助治君 教材とか資料とかといつているのじやないのです。
○国務大臣(大達茂雄君) それを書いてあるのですよ。
○相馬助治君 最後まで聞いて下さい。(笑声)私は人達さんが故意に質問を外らしてお答えになつているように思われるのです。あなたはわからないはずがない。という理由は、法律の枠内で、通牒を出して調査する権限が文部大臣に与えられているのです。その法律の枠内で「特定の政党の政治的主張」ああいうものをやつてはならないということがあるから、この後段はわかるといつている。前段には「特定の立場に偏した内容」とあるから、その具体的な内容は何なんだと聞いた。そうしたら下の段の「特定の政党の政治的主張」と大体同じだ、こういう意見なんです。大体同じということは、全く同じではない、全く同じでないとすれば、その小部分でも違うところはどこなんですか、それは何なんですか。
○国務大臣(大達茂雄君) 成るほど相馬君のおつしやること、ちよつと私取違えておりました。文部省設置法の第五条に「左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律に従つてなされなければならない。」つまり報告を求めるということが、法律によつて無制限にやつてはいけないのだということで、この場合はその法律によるということは、教育委員会法第五十五条に報告書の提出に関することが書いてある。「文部大臣は、都道府県委員会及び地方委員会に対し、各所轄区域の教育に関する年報その他必要な報告書を提出させることができる。」と、この法律は教育委員会法の規定が、これが第五条のこの「権限の行使は、法律に従つてなされなければならない。」この教育委員会法に定めているこの規定ですね、これが五条のところに言う但し法律に従わなければならんというようなこれなんです。そう私は解釈をしておる。八条の二項というものはこの法律に従つてということではないと私は思います。
○相馬助治君 この教育基本法というのは法知的に見て基本をなすこの新法案だと思います。ですから例えばこの通牒が、私の私見を以つてすれば、教育基本八条に違反した事例が学校にあるならば聞かしてくれというならば、これは誰でもわかるというのです。ところがこういう思わせ振りな、私の言葉を以つてすれば、こういう思わせ振りな通牒が出たから問題ができたのです。そこでこれは専門屋でない文部大臣にこれ以上字句の解釈について聞いてもちよつと困るから、この質問は了解しがたいが保留して次に行きますが、これに連関して次に行きますが、これは強制的な意味を含んでおりますか。返事を必ず求める強制的な意味を含んでおりますか。
○国務大臣(大達茂雄君) 強制する法律関係はないと思います。ただ文部大臣は教育委員会に対してそういう提出を求める権限は持つております。ただ報告を出さない場合にどうしても報告をさせる、つまり拘束する権限はないと思います。 それから今の関係は非常にあなたのほうが少し法律を試み違えていらつしやりはしないかと思いますが、さつき言つたように五条の法律に従つてなされなければならん、こういうことは応文部省の権限というものはずつと並べてある。これはそれぞれの場合に別途の法律によつて裏付がなければならん、こういう意味でありまして、この問題の場合は教育委員法第五十五条がその法律というものに当たる。その調査の内容なり報告の内容というものが一々どこかの法律に内容的に基礎がなければならん、こういうものではないと私は解釈しております。例えば修学旅行についているくの行儀の悪いことがあるということ、それはどうなつておりますか、いろいろ万版のものについて教育委員会が所管しておる事務の殆んどすべてについて報告を求めて差支えない。修学旅行についての規定が法花にあろうとなかろうと、事いやしくも教育委員会が所管しておる学校についての教育内容については、或いはその教育の事務についてもそうですが、これはすべてこの報告を聴取する範囲である。私はそう解釈しておる。報告の内容が一々この法律に内容が規定してあるものだけに限るのだというようなあなたの御見解は、それは法律の解釈としては私は全然違うのでありまして、又法律はそういうものではない。お前は素人だからわからんだろうというお言葉であつたが、文部大臣は文部省の法令については有権的に解釈する立場であります。素人ではわからんでは済まされないので、それだからこれは学校教育のあらゆる面について、例えば修学旅行のことでも何のことでも報告を求め得るのです。修学旅行がほかの法律に書いてなければいかん、こういうものではない。或いはあなたのほうの学校で、教育委員会ではどれだけの人数になつておりますか、或いは給与はどういうふうになつておりますか、この報告も勿論求められる。これは一々法律に書いてあるかないかということは問題ではない。これはあなたのほうが法律を読み違えていらつしやる、こう思います。
○相馬助治君 ですから私は最初から私の話をよく大臣は聞いておきなさいと言つておいたのですよ。私の質問をもう一度繰返しますと、高田君の昨日の質問で、こういう内容の通牒は誤解を招くし、そうして又いろいろ問題を起すのだが、どうして出したのか、何によつて出したのだ。こういう質問に対して、あなたは法律が定めた文部大臣の権限に基いてやつたのだこうにべもなく突つ放した。だから私はその 言葉を一応認めましようと言つている前段で。わかりました。 それじや今度は法律のどれによるのかということを調べて参るというと文部省が間違わないように立法の手続の、立法者の意思は法律を超えないでという意味で作られたか知らないけれども、当然その内容までこれは規定されて来るはずです。ですから私の解釈が拡大解釈だとは非難を受ける場合があるかも知れないけれども、相馬君は法律を読み違えておるというのは失礼この上ないので、私がそう言わざるを得ないような議論が昨日から出ているので、それだから当然法律の規定している内容について、あなたは一つもこの通牒をおかしくないというから、法律の規定している内容について尋ねたのだから、後段のほうは八条の二項でわかるが、前のほうはわからないから、この特定というのは何ですかと、こう私は聞いているわけです。いささかも私の場合には牽強附会でもなければ、法律も読み違えていない。あなたの理論を立論の基礎としてものを申すいうことになるから尋ねて言つているのです。併し先ずそれは保留しておきます。 それで、こういう誤解がありそうなものを敷衍して、具体的に、こういう言うに調べろとも何とも言わずにして一片の通牒を出した。見ればこれは局長緒方君が命によつてこれを出すとも何とも書いていない。緒方君自身の意思で出したとも受け取れ、又質問しているというと文部大臣の意思が含まれているということがやつとわかつた。そこでこの通牒の結果について、大臣或いは局長が教育長を批判した事例がありますか。即ちあなたの県はどうもうまくない、非協力だ、こういう事例がありますか。
○国務大臣(大達茂雄君) そういう事例はありません。 それからなお、これであなたは打切るということでありましたが、特定の政党の政治的主張云々、それから或いは政治的立場によつて、特定の政党の政治的立場によつて協力を云々、これは基本法の八条の二項というものがあるから、それの調査ということならばわかる。併し特定の立場に偏した内容を有する教材云々、これは八条の二項の枠の外だから、従つてそういうものについての調査する権限はないはずだ……、
○相馬助治君 そんなこと言つていない。何ですかと欄いているのですよ。わからない。
○国務大臣(大達茂雄君) それは先ほど説明したように、特定の政治的立場に偏した内容を有する教材資料を使用している事例、こういうことです。これは極めて明瞭です。これは読んで御覧になればわかるのですから。これがわからんからどうしてもわからせろと言われても、これはなかなかむずかしい。
○安部キミ子君 文部大臣にお尋ねいたします。先ほどから教育の中立性ということについて大変議論が沸騰しております。そこで私は現場の先生が、どのように教育の中立性を理解しているかについて非常に混乱するだろうと思うのであリます。で、最もわかりやすく私が具体的に、私は曾つて長い間教壇に立つておりましたし、それから現在も小さな子供を扱つておりますので、子供の教育というものは実に偽りのないものであると私は信じております。そういう意味において、先ほど文部大臣が教壇の問題だと、こうした事実に基いて言われたことに対しては、私は敬意を表したい。ただお役人さんというようなかたたちが、観念的にこうであるべきだというような指令を出したり通牒を出したりなさいますと、実際の場合に実に困ることが多いのであります。今例を中学校の三年生、二年生を御覧になりますと、非常に時事問題とか或いは新聞、ラジオ、あらゆる報道機関に関心を持つものであります。恐らく今頃の中学校、高等学校、或いは小学校でも、相当頭の進んだ子供であれば、今日問題になつておりますところの保全経済会の問題だとか、或いは造船疑獄の問題だとかというふうなもの、或いはラジオを通していろいろな批判がなされておりなす。新聞を通してもやかましくいろいろな立場でいろいろ議論させております。こういうことを早速教室に持込んで参ります。そこで先生に、先生、自由党の代議士が召喚される可能性があるというふうないろいろの事実をそのまま、生のままで先生に持つて来て質問します。そうしてそれはどういう意味ですかと、こういう質問をしましたときに、その先生は一体どういうふうに答えたらいいのですか。これは自由党の代議士であります。そうしてどういうことをしたということが新聞の報道を通してだけの観察だけでも一応先生は子供に答えなければならない。そういうことになりますと、その先生は教育の中立性を保持することができなかつた事例として挙がる可能性もある。もつと私が一番記憶に生々しい問題で、道義の高揚ということを文部大臣はじめ総理大臣も言われます。併しその道義の高揚が総理大臣の口から出ながらも、自由党ではこのようないろいろなスキャンダルが各委員会で問題になつております。過日内灘の問題でこの前一度大臣にもお話をしたことがありますが、私が昨年の七月十九日の基地反対の大会に参りまして、雨の降る中を現地視察に参りました。その数日前に内灘の婦人会が、あれは外務大臣との約束では、あの内灘の基地の接収は三月三十一日を期限としての約束であつたから、もうその日も過ぎましたから返して下さいと、この通り証書も漁業会には出ております。それなのに政府は嘘をつかれるというようなことで大変揉めました。そうしていろいろないきさつがございましたが、とにもかくにも押付けのような行き方でとにかく婦人たちに与えた、或いは村民に与えた観念、気持とすれば、政府は約束を守らない、嘘つきだということになつてしまつておる。この事実は学校では今度は子供の間で、何か子供が一人嘘を間違つて言いますと、お前は政府だというようなことで、間違つて言、いますとお前は政府だ、嘘つきだ、政府だ、政府嘘つきだ、こういうふうなことになつて来る。そういうふうなことになりますと、先生は道義の高揚、嘘を言うてはならない、こういうふうなことを教えますのに、どうしても政府ということになり、自由党ということになりますので、自由党がそういうことをすれば悪いんです、政府がそういうことをすれば悪いことですと言わざるを得ない事実があるわけなんですね。そういうふうなことが、まあ今私ちよつ出したけでもいろいろな問題が数々出ますが、こういうふうなことを、教育の中立性というこのことまで物差で計つて行こうとする、そこで規制して行くということになりますと、文部大臣は一体この教育の中立性ということはどういう意味になつて行くのでございますか、それがお聞きしたいのです。
○国務大臣(大達茂雄君) 教育の中立性という、言葉を使つているのですが、正確に言えば基本法の第八条第二項の中立性ですね。それはとにかく今おつしやいましたように、どの程度、どの鶴とい自虐ついてはなかなかむずかしいと思うのです。思いますけれども、併しとにかくこれはやはり学校教育の基本原則として基本法にありますから、この点は無視するということはできない。併し具体的の場合に、先生方がこれをどこで線を引くかと。ことについては相当むずかしいだろうと思う。現に教育の中立なんということはないという考えを持つておられる方もあるくらいですから、これはまあなかなか実際としてはむずかしいだろう、今お話になりましたような場合、例えば汚職があつたらどうする、どうも自由党の中からそれが出ているようだ、あれはどうなるんですかと仮に子供が聞きました場合に、それは甚だ怪しからん、事実とすれば怪しからんことである。こういう機会に一つ政党きれいにしてもらいたい、又政治を正してもらいたい、これは私どもの見解に従えばちつともいわゆる政治の中立性というものを侵したものとは思つておりません。この八条の二項にありますのは、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」こういうことでありますから、個々の政策なり、個々の政治的な事件についてそれを批判して、いいとか悪いとかということを先生が言われても、それがすぐ八条の二項に引つかかつて来ると、こういうものでは私はないと思います。特定の政党を支持する、或いは反対するというところまで行かなければ、それのための教育というところまで行かなければ、例えば三本建の法律は、これがいいか悪いか、どうもああいうことは因つたものだと言うてみたところで、それが直ぐ自由党を支持するための教育、或いは社会党に反対するための教育である、こういうところには行かないのであつて、そう窮屈にお考えになるべきではない、こういうふうに私は思つております。
○安部キミ子君 今大臣の御説ですが、限界をどこに引くかということが私は問題だと思います。ところが子供はそれくらいのことで、いいとか悪いとかいうくらいのあいまいな教えでは聞かないのです。例えばなぜ内灘はそのように接収されたのか、そうしてかくさんの観たちが食べるに困つて砲撃の砲弾が流れて来るその騨の下をくぐつて、命がけで漁に出る、それが自分たちの生活に直接結び付きがあるものですから、子供たちにとつては非常に関心が深いわけです。そこの辺までのところで先生はとめておこうと思いましても、子供たちが、先生、なぜアメリカさんはいるんですか、或いはあれは内灘の村の土地じやないんですか、我々の漁場じやないんですか、政府がなぜああいうふうな条約を結んだのですか、サンフランシスコ条約はどうしてできたのですか、ねえ、吉田さんはなぜああいうことをやつたのですかというふうに、もう次々と真理を追究し、真実を知りたがつて果てしもなく質問が展開されると思います。そのときに、いや、それはこの辺からこつちを話すと中立性に触れるから、じや、やめます、こういうふうな教育をするということができるのでしようか、と思うのです。そこで私は教育の中立性という、こういうものの見方、考え方、而も教育基本法には、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造」をめざし、「字間の自由を尊重し、実際生活に印し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献」することであると、こういうふうに規定が出ているわけなんです。こういうふうな幕本法に照らして、今この中立性という言葉が成り立つかどうかということは、私は非常に危供を持つているものなんです。それでこういう中立性という言葉を以て、而も先ほど荒木先生がお話になりましたように、ただ教員組合だけを目当てにしたような今度の法律案も出るようですけれども、それでは片手落であるし、国民全体が納得しないんです。毎日の新聞にいたしましてもラジオにいたしましても、この問題について非常に反対な論調が強いのです。そこで私は大達大臣に申したいのでありますが、昨日も私代々木の練兵場に又アメリカさんの独身寮ができる、このことについて婦人会を初めとして、あの地域社会の人たちは絶対反対の叫びを挙げている。初めの頃は、やはり我が党が基地反対と言いましても、遠い昔のことのように、或いはいつあることかわからん夢の世界のことのように考えていた人たちも、現実出日の日に独身者のアメリカ兵なり或いは外国兵がどんどんあそこへ、何しろもう莫大な広さの建物ができる、こういうことになると、家族持ちのアメリカ兵が来ても、その囲りの風紀が悪くなることは御承知の通りであります。まして独身者となれば、娘を持つ制たちは非常に私は心配だろうと思います。而もあの土地は学校を作りたい、小学校を作りたい、中学校を作りたいという、そういう約束もあつたような土地でございますので、こういう問題が目の前にぶら下つて来ますと、初めてそこの人たちも目覚めて来るわけです。こう言いますと、大遠さんはあのお近くのようでございますから、大臣も直接御被害の人になるのじやないかと思いますけれども、こういうことになりますとやはり放つてはおけないことになるのです。それで教育と政治が離れぐになるということもあり得ないし、又いろいろなことの真理を追究するということになれば、学問の自由、思想の自由、言論の自由ということになりますれば、このようなことを以て教育を規制するということは、私は非常に間違つているのじやないかと、こういうふうに考えておりますので、もう一度この中立性のこの理論約な理念ですね、大臣の持つておられます理念というものが郡辺にあるかということを詳しく伺いたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) 教育において、政治教育といいますか、政治的な知識或いは又その判断力、批判力ということを児童に与えるということは、これは非常に重要な大切なことだと思います。第八条を読んでみますというと、その政治教育についての根本原則が第八条に出ているわけであります。「良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。」これは今おつしやつた政治的な教養を与えなければならん、こういうことであると思います。更にその次の項に、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育をしてはならない、間は省略しておりますけれども、こういうことが出ております。これは私はこの八条の第一項と二項は、政治教育についての基本的な原則を一項、二順によつてきめられたものである、一項においては「良識ある公民たるに必要な政治的教養」、つまり政治的な科断、政治的な批判をするに足るような政治的教養を与える、これは非常に重要だと思います。その場合に非常に一方に偏した、これを具体的にいえば、特定政党を支持し、又はこれに反対するためのような教育をする、そのことはこの場合避けなければならん、それは一項の「良識ある公民たるに必要な政治的教養」というものを損うものである、小さい子供に一方的な立場からだけの政治的知識を与える、その子供が公平な良識ある立場に立つて批判、判断をすることができないような程度まで偏つた教育が行われるということをとめてあるので、それは一項、二項は表裏を成して、政治教育の基本原則をここに規定しておる、こういうふうに私どもは解釈しておるのです。そこで今仰せられましたような「良識ある公民たるに必要な政治的教養」、これはして悪いどころではなくて、これは大いにやらなければならんことであります。ただ特定政党を支持又は反対するための教育というふうなところまで偏つた内容を与えられてはならない、こういうことは、これは基本法に書いてあることでありまして、私は基本法をさように解釈をしておるのであります。そこで個々の場合の、只今御質問になりましたような場合につきましては、結局この法律に示してある枠というものは、特定政党を支持又は反対するための教育、この解釈に帰差すると私は思うのです。これはいいとか悪いとかということになれば、これはもう教育基本法がいいか悪いかという問題でありますから、これは一応日本の教育の基本として打立てられた原則として、その下に私どもは今考えておるので、従つて先ほど申上げましたように、例えば三本建は賛成だと、こう言つたからと言つて、それがすぐ自由党を支持する、こういうところまでは行かない、三本建には反対だと、こう言つても、そのことだけですぐ社会党を支持する、こういうところまでは行かないのは、これは常識だと思います。個々の場合におけるその政策、個々の施策というものについて、自由な立場でこれは反対だの賛成だのという意見を言うてみたところで、それがすぐ特定政党と結びつくというものではない、先ほどのお話のような、どうも国会で汚職事件が問題になつている、これは非常に困つたととだ。この際徹底的に一つ洗つてもらいたいと思う。これは何も差支えない、自由党の中にそういう人もおるようだ、甚だ困る、これは差支えないと思う。だから自由党は怪しからん、だから自由党のような党派は絶対に反対しなければならん、ここまで来れば明瞭にこれだと私は思います。これは擬しなかなかむづかしい場合が多いでしよう。多いけれども、それがいいか悪いかはすでにもう既定の問題でありまして、八条の二項というものがあるのだから、これを今取上げて、それがいいとか悪いとかいう問題まで遡るということにはならんと私は思うのです。それぞれの場合において、それが果して特定政党を支持し、又は反対するための教育であるかどうかという判定に結局帰着すると、こう思うのです。
○安部キミ子君 差支えないと、こう大達文部大臣はおつしやるけれども、そこまではよろしいのです。ところが第三者から見れば、ああ、あそこは差支えないと言つたと思つても、いや、だから自由党はいけないんだと言うた、それから又国警とか、或いはそういうふうな警察権の介入によつて調査をするときには、それは特定の政党を支持したという報告にもなつているというような実情がしばくあるのでございます。そこで私は教育の中立性というふうなことは、考えるそのことがもうこの教育基本法の八条の二項でさえ、もう遡って疑問があるわけなんです。今文部大臣はそのことは承認しておられるわけですね言葉の……。それでこういうふうなあいまいなものに屋上屋を重ねるようなこうしたものを出すということは、私はますます教育を混乱させるものだと思うんですよ。そうして本当に身を以て教育を守ろう、教育をやつて行こうというこの真撃な先生たちの気持を萎縮させてしまつて、自分たちは何を目標に教育していいかわからない、正しいことを正しいと言うこともできんようになる、そうでしよう。さつきのような汚職をするような自由党、そうして又内閣等がああいうふうな話になつたときに、これは正しいんだと思つて、自由党のような政党はいけません、正しいと思う人だとそこまで言うのは当り前だと思います。それを言わなければ教育にならないんだから、そうすると、ああ、あれは少しそういう線に触れたからということになつて、聞くところによりますと十万円の罰金になるか、刑一年になるか知りませんけれども、こういうことであると全く教育を破壊する、私はこういうことは非常に日本の教育にとつて重大な問題に触れて来るんじやないかと、こういうふうに考えますので、この教育の中立性ということについては、もう一度私は大臣に考え直して出てもらいたい、こういう言うに、大変ひどい言葉のようでありますが、私は熱意を持つているのです。
○国務大臣(大達茂雄君) これはこの八条については基本的の問題です。
○安部キミ子君 それは仕方がない。
○国務大臣(大達茂雄君) これは八条の一項にある「良識ある公民たるに必要な政治的教養」というものとこれは相容れない場合をここに、はつきり書いてあるんだと、こういうふうに私はおもつております。そこで今度の提案する法律は、お話のように非常に解釈の上に問題があるようなものを輪をかけて拡げてしまう、こういうことは全然ないのでありまして、むしろこれを或る程度はつきりさせたいという気持があるのであります。そこでまあ基本法の第八条二項そのものがこういう考え方を教育立法の法律のうちに出してあるということが結果において教育を破壊するに至るのだと、こういうことは私どもから言うとまるで逆であります。こういうことが行われれば教育は破壊されるので、これがあるから教育が破壊される、従つて考え直せという意味はどういう意味か知らんが、教育基本法の八条の二項をこの際むしろ改正してやめてしまえという御議論であればそれは全く別の問題でありますから、それは御意見として承わつておきます。
○安部キミ子君 それでは今日はこの法律の問題はこの次に譲りまして、いろいろ調査県の名を挙げておりますので、私は事の真相をつかむには何と申しましても事実を知るということが一番大事だと思うのです。頭の中で、或いは遠い鹿児島のことを東京のいくらお偉方の皆さんといえども考えただけでは真実はつかめないと、こういうふうに考えますので、お互いに事実を誤らないという意味で、良心的の意味で事実を調査するということを提案したいと思います。
○荒木正三郎君 それでね、私はこの通腰では先ほど内容については触れませんでした。併し内容について一番重要な点は、「特定の立場に偏した内容を有する教材資料を使用して」という点にあると思うのです。これが現場においては思想調査という形において現われておる、或いはそういう疑いが非宿に強い、こういうふうにまあ考えておるわけであります。従つてこれに関連して私若干質問したいと思う。 国警長官にお尋ねをいたしますが、これらの調査に国警当局の指示に基いて全国的に調査がされているのではないかというふうに私は思うのです。全国的に起つておる自実からそういう指示がなされているのではないか、こういうふうに考えるわけであります。そういう指示をなされたのかどうかということを国警長官にお伺いしたい。 それから地方教育委員会のほうのかたにお伺いしたいのは、地方教育委員会においてもやはりこういう調査をなされておるんじやないか。私の入手しているいろいろの情報ではこれがなされておる。而もそれは本日その資料を提出して頂くようにお願いしましたが、出ておりませんが、非常に詳細な個人別に各項目に分けて調査された、そういう資料を私は持つているのです。それも出して頂くようにお願いしておいたのですが、今日はありません。そこで地方教育委員会もそういう調査をなされておるというふうに私は聞いておる。ですから平野さんのほうから御説明を伺いたいと思いますが、先ず国警長官のほうからお尋ねします。
○政府委員(斎藤昇君) 警察のほうで文部省から出されました通牒に基いて、或いはそういう通牒が出されたから警察のほうもそれに即応して調査をするようにというようなことは全然ございません。私は文部省でこの通牒を出されたということを聞きましたのはこの日曜日、この日曜日に新聞記者から初めて聞いたわけであります。月曜日に大きく新聞に取上げられましたが、茨城でこういういろいろなことがあつた、それまでは全然私は知つていないのであります。新聞記者を通じて初めて知つた次第であります。又一般的に申しましても、各学校で行われている教育内容はどうであるか、教員の思想傾向はどうであるかというような調べをするような通牒を、或いは指示というものは全然いたしておりません。私どものほうとしましては、教員組合のほうに共産党のグループ活動が非常に強く伸びている、このことは治安の上から相当重視してはおります。併しそれは共産党のいわゆる革命方式がどのようにして行われる、そしてその勢力がどうなつて行くかということは、我々治安維持の責任から見て参らなければなりませんが、併しそれかといつて個々の教員の思想の内容と、教育の内容というものはこれは知る必要はないのであります。従つてさような指示は全然いたしておりません。
○荒木正三郎君 それでは具体的にお尋ねをいたしますが、過般静岡で教員組合の主催による教育研究大会が持たれました。このことについて参加した者について調査をするように指示されたことはありませんか。
○政府委員(斎藤昇君) 静岡の或る地区署におきまして駐在巡査が学校へ行つて教育研究大会に出席した者の数或いは顔触等を聞いたという事実はございますが、併しこれは中央のほうからも或いは県の本部からもさような指示は全然いたしておりません。ただその地区署の者の考えで、一体何人くらいどんな人が行つたんだろうという気持で闘いたのであろうと思いますが、かようなことは只今いろいろ問題の起つております際に私は適当な仕方ではな かつたと、こう思つております。
○荒木正三郎君 数日前の大阪の或る新聞に大阪の警視総監の談話が発表されておつたのですが、その談話によると今回の調査は国警の指示に基くものであると、こういう内容を発表されておるわけですが、で、私は直接警視総監には会つておりませんが、少くとも大阪市の警視総監がそういうことを発表するということについては、私は軽視することはできないと思つております。で、この問題はいずれその真実性について調査しなければならないというふうに考えておりますが、これについてはあなたのほうで何か御所見がございますか。
○政府委員(斎藤昇君) 私どもといたしましても只今仰せの通りの記事が大阪の新聞に出たということを承知をいたしました。非常に私は遺憾に思つておるのでありますがという意味は、これは恐らく大阪の警視総監が新聞記」者に語つた通りに出たのかどうか、その点も若干疑問に思いますが、さような我々のほうから教員の思想調査をするようにという指示を出したことは全然ないのであります。私どもといたしましても、これは大阪の警視総監をここに証人に喚んで頂いて真相を調査を、して頂くことが最も私のほうからも望むところでございます。
○荒木正三郎君 それではあの、長官に伺いますが、この調査は新聞に出ているのは一部分であると私は承知をしておる、少くとも全国的に漏れなく調査されている事実がある、こういうふうに考えておるのですが、そういう事実について御存じであるかどうか、お聞きしたい。
○政府委員(斎藤昇君) 日教組の中央のほうから曾て昨年の夏項でありましたろうか、警察官が教員の思想調査をするように、或いはした事例があればこれを報告するようにという指示が末端に出されたということは私は聞いておるのであります。従いまして、その前もそうでありますけれども、警察として、さような思想調査というようなととは、これはやる必要もないだろうし、さような事実はない。私が誤解を受けるようなことのないようにということは、たびたび会議その他の席で申しておるのであります。先ほど申しますように、我々といたしましては共産党のグループ活動、これが如何ように行われておるかということは、共産党の勢力がどれだけ食い込んで参つておるかということは、こいつは最後に窮極において議会主義を否定して、暴力で革命をやろうということを旅に掲げて、而も軍事組織、軍事行動というものをやつておるわけでありますから、これについては重大な関心を持つておりますが、只今申しまするような個々の教員の思想の関係というようなものは、これは又わかりようもないものであります。さようなことはいたしておりません。最近新聞にいろいろと報道されております。私のほうでわかる限りにおいては報告を求めておりますが、今まで手肝に報告されましたものにつきまして、いわゆる新聞等で我々は知つたものについて報告を求めたものにおきましては、昨日も本会議で大臣が申上げましたように、純然たる犯罪事件について、警察が必要な調べをしたものについて思想調査をしたという発表が、やはり数件ございます。又日頃非常に意である、しよつ中一緒に飯を食つたり、隣付合いをしているという駐在巡査が、或いは教研大会というものはどういうことをやつておりましようかとか、これは日常の座談として話し合つた。それを思想調査をしたというように報告をなされておる。或いは道で出会つた非常な懇意な校長さんでありますと、そういう人たちに出会つた場合に、挨拶に、どこへおいでになつたのですか。今日はこれくの大会に行つて来た。どういう工合でしたというような雑談を交わしたというように取上げられて、報告をされておるように見受けるのであります。ここで問題にしておられますような意味における思想調査をしたと認められるようなものは、まだ一件も報告に接しておりません。すべてさような報告になつております。 なお、県におきましては、それぞれの警察に公安委員会があるわけであります。常識を持つた判断で、さような問題が起りました際にも私は十分処理してもらつておることだと、かように信じております。
○荒木正三郎君 それでは端的にお伺いしますが、教研大会に出席した者の氏名等について、調査するようにという指示を出されたことはございませんか。
○政府委員(斎藤昇君) 全然ございません。
○荒木正三郎君 それでは国難、軒長官に対しては質問を保留しまして、平野さんに関連してお尋ねをいたしますが、駒方教育委員会でもこの問題については御調査をなさつておると思いますが、如伺でしようか。
○参考人(平野忠一君) お答えいたします。その前に地方教育委員会の連絡協議会の性格を申上げておきますが、これは御承知のように市町村単位の教育委員会でありまして、その上に郡の連絡協議会があり、それから県の連絡協議会、中央の連絡協議会、いわゆる単委員会を除きましては連絡協議会でありまして、何らの拘束力もない任意の協議体でありますので、そういうような思想調査とか、そういうことは全然連絡協議会としては議題に上つたこともなければ出したこともございません。ただ問題になりましたのは、我々が当然教職員組合がとるべき法的な手続をとつているかいないかという問題が先般議題に上りました。単委員会毎に今の法できめられておる職員組合としての届出を当該市町村、長に届出てあるか、或いは公平委員会の設置されるときに届けてあるか、こういう問題は実際の組合活動の面によつて何も効力がなくなるのだから、これは教員に徹底させなければならないから、これは周知させなければならない、こういう問題と、もう一つは、教員の定数が非常に窮屈でありまして、その場合に、全国でこれは各府県で行われたことと思いますが、組合の専従職でない専従ですね、いわゆる闇專従と称する、俗にそう言つているわけですが、これがどのくらいあるかという問題の調査はいたしました。この報告はまだどちらからも参つておりません。各府県五、六十名ぐらいあるだろうというような話から、これが非常に我々として問題になりました。現実に教室の生徒が、六十何人収容する定数の場合に、組合の専従のために先生が法できめられない専従職というものが多分にある、若しあるとすればこれは一体どうしたらいいかということが議題になつて、調査したことはございます。そのほかに思想調査というか、そういうようなことは考えたこともなければ全然……、いたしたというようなところが若し個々にございますならば、それは単委員会が独自の形でやつたと申す以外に、我々自体としては、毛頭そういうことは議題にすら上つたことはございません。
○荒木正三郎君 いろいろ御説明を頂いて、どうも有難うございました。ただ私がお尋ねをいたしておりますのは、地方教育連絡協議会ですか、そこでは今申したような問題について調査をしようと、こういう御相談をなさつたことはないと、こういうことでございますね。
○参考人(平野忠一君) そうです。
○荒木正三郎君 それでちよつとお尋ねしますが、私はこういう矛うに聞いているのですが、誤りでございましたらおつしやつて頂きたいと思います。それは東北六原の地教委の連絡協議会で、或る一つの調査員が、記入要綱を決定して、これを各校長を通じて調査しよう、こういうことが申合せられ、そうしてそれが実行に移された、こういうことは御存じございませんか。
○参考人(平野忠一君) 全然私たちその条項はわかつておりません。又報告も、私たち理事会を開きますが、承わつたこともございません。
○荒木正三郎君 それで私は平野さんにお伺いしたい問題はまだありますけれども、今は主としてさつきも申上げましたように、特定の立場に偏した内容を有する教材資料を使用した、これは非常に重要だと思うのでありまして、実は文部大臣にお伺いしようと思つていたのですが、これがやはり思想調査と言われるような調査をしなければ、こういう調査ができないのじやないか、こういう点。
○委員長(川村松助君) 今大臣が戻つて来ますから。
○荒木正三郎君 それでは私は又あとで質問することにして、ほかの人に譲ります。
○高田なほ子君 私はそれでは齋藤国警長官にお尋ねいたします。 これはあれなんですか、私よくわかりませんから尋ねますけれども、日共の活動について全国的な今調査をしておられるようにおつしやいましたが、その通りですか。
○政府委員(斎藤昇君) 日共の活動について全国的調査と、さような意味ではいたしておりません。
○高田なほ子君 今私が御質問申上げた内容は、日共の活動のみを調べると、さつきあなた御答弁になりましたから、それは全国的に調べておられるのか。特に私が伺いたいことは日共の活動の内容の中で、思想を調査するようなことが警官としてあり得るのか、又そういうことをしておられるかということの内容です。
○政府委員(斎藤昇君) 私は日教組の活動と取違えましたのですが。(高田なほ子君「とんでもない」と述ぶ、笑声)共産党活動はできるだけ広く調査をいたしております。その場合に併しそれでは個人の、個人の思想を調査をしているかというお尋ねでございますが、個人の思想の調査はいたしておりません。
○高田なほ子君 そこで教員組合の中にもかなりその日共と同調するような傾向がある。これは発言の仕方が違つたのですがね。そういう意味の御発言があつた。それはどういうふうにしてあなたのほうでお調べになつたのですか。
○政府委員(斎藤昇君) 共産党の活動を調べておりますると、共産党の例えば組織の中には各労働組合のグループ、指導部という組織がありまして、これが各労働組合を共産党に如何に同調せしめるか、共産党の方針を如何に行わしめるかという方針の指導部なのでございます。その指導のもとに職場或いは組合その他に共産党のフラクがございます。そのフラクを中心にして御承知のような統一委員会というのがございまして、そうして共産党の勢力の拡張と同町に共産党のなんと言いますか、工作というものを徹底させて行く役割を持つた組織があるのであります。これが教員組合の中にも多数にできております。そうしてそれらの教員組合の中にあるグループが、共産党のグループが、或いは数府県を区域とした地方の会合、地方の、先ほど申しました労働総合グループ会議、或いは教員グループ会議というものを数府県をまとめた地方に、或いは各県単位において聞きまして、そこで共産主義教育を如何に徹底をさせるかという研究、或いは只今申しましたグループ、日教組内におけるグループ活動、統一委員会の勢力をどうして伸張させるかということをいろいろと協議をして、そうしてその実行を図つているのであります。従いまして個々の、或いはそれに参加をしている人が思想内容はどういう思想を持つておられるか全然知りませんが、そういつたグループの構成メンバーはどういう人であるかというようなことは他の方法において知り得るわけであります。教壇においてどういう教育をしておられるか、どういう考え方を持つておられるか、どんな本を読んでおられるか、そういうことは調査をする必要はないのでございます。
○高田なほ子君 非常に重大な御発言だと思う。そうするとこれは資料を私は要求したいと思う。教員組合の中に共産党のグループが非常にたくさんできている。そのグループに参加している者はもう調べてなくなつたつてはつきりとこれはもう共産主義者だという断定を今ここで下されている。これは実に私は重大だと思う。で、あなたの御発言に間違いはございませんか。
○政府委員(斎藤昇君) 私はそのグループに入つている人は党員だと断定は先ほどいたした覚えはございません。党員もありましよう、同調者もありましよう。いずれにいたしましても共産党の主義、方針というものを、できるだけ強く伸長して行こうという勢力がどのくらいになつて来ているかということは、大体教員組合の中においてのみならず、一般の社会組織の中にあるだろうということは知つている必要があるかと思います。私のほうの調査につきましては、いろいろ成約をさ。れておりまするので、まだ完全には把握をいたしておりません。従つて教員組合の中には幾つできているかというはつきりした数字も確実にはつかんでおりませんが、併し只今申上げました事柄については間違いがないと考えております。
○高田なほ子君 教員組合のグループ活動、これは齋藤国警長官の只今の御発言から推して考えると、非常に特定な色彩を持つものであるという断定が下されておる、こういう断定を下すためには、相当の資料をそこにお持ちになつての私は断定ではないかと思う。私の知る限りにおいても教員組合の中にはいろいろのサ—クルがあるのです。そういうサークルが一視同仁にこの共産党の指導するグループである、こういうような観点から括りつけられるということは、今後の文化活動に非常な支障を来たすわけで、私は事が非常に重大でありますから、せめて今集つておられる資料でも結構でありますから、教員組合の中のグループ活動の実態を把握されておるようでありますから、集つた限りの資料を是非ここに提示してもらいたいということが一つ。 第二番目には同調者云々の言葉がありましたが、この同調者ということの基準はどういう形で以てきめて行くのか、この基準をはつきりここで示してもらいたいと思います。
○政府委員(斎藤昇君) 教員組合の中にできておりまするサークルとか、只今おつしやいきたいろいろ団体はございましよう。そのすべてが共産党の指導を受けておるかどうか、私もどれだけサークルがあるかよく存じておりません。只今申上げましたのは一般的の傾向を申上げたのでありまして私のほうにおきましても、或いは公安調査庁におきましても、いわゆる破壊活動を事前に防止をする、或いは破壊活動が起つた場合に対処をするという意味合から調査はいたしておるのでありますけれども、残念ながら先ほど申しまするようにまだ確実に十分な何といいますか、何県のどこにはサークルが幾つあつて、どうという詳細な御満足の行く資料は御提供できないかと思つております。 それから党員と一体同調者、或いはシンパ、この区別をどうしてつけるかというお尋ねでございまするが、これは共離党に入党しているかたはこれはまあ党員、入党はしていないけれども、併しその共産党と非常に何といいますか、共同動作をしていると申しますか、そういうへたちを我人はまあ同調者と考えているわけであります。大体私どもといたしましては党員が約十万、同調者が約三十万全国で、かように考えております。それはいろんな資料から割出しておりますので、個々のどの人は同調者、どの人はどうというものはできておりません。
○高田なほ子君 それでは先ほどの冒頭の御発言と大分違つて来ておる。教員組合の中には統一委員会なるグループがあつて、それはかなりの数に上つておると大変自信満々とした御発言であつたのであります。せめてその統一委員会のグループの活動とそれからその内容、その資料だけは是非頂戴したいと思います。これはあなたの御発言が責任あるものと考えて私は要求いたします。 第二番目にお尋ねしたいことは、警告の職権濫用のことでありますけれども、これは教員の思想調査に絡んで昨日の犬養法相の御答弁では丸で事実と非常に違つた、むしろ我々が阿呆みたいなことを騒ぎ廻つているのではないかというような印象を受けるような御発言があつたのです。併し実際私どもその資料を見ますと、そういつたような簡単なものではなくして、やつぱり個々の教員の行動というものについてはかなり突込んだ調査をしておられるのでありますが、これはやつぱり職権の濫用、なかんずく教育の中立性ということを政府自体が大きく取上げているお題目なんでありますから、警官にも教育の中立或いは教育基本法というものの趣旨が徹底しなければこれは当然職権濫用になつて教育を警官の権力で以て抑えて行く、又犯す危険がある。こういうことになつて参りますが、この職権濫用、なかんずく教育の中立性を守るために、職権濫用をさせないために何らかの具体的な方法がとられているのではないかと思いますが、その方法がありましたならばはつきりしてもらいたいと思います。
○政府委員(斎藤昇君) 先どから申しておりまするように警官が職権濫用に亘らないようにという注意はしばくいたしております。又先ほども申上げておりまするように、教員の思想内容或いは教壇における教育内容というようなことについては、これは調査をする必要が我々としてはないのであります。従いまして先ほど事例に挙げましたような、ただ一般の社会の状態を治安維持上知つておく必要があるからという軽い気持で聞くという場合においても問題を起す危険があるから、そういうことは厳に注意をするように懲滋はいたしておるのであります。職権濫用の事実がありまするならば、或いは人権擁護局におかれましても調査をされるのであります。私どもといたしましてもその点は個々具体的の場合に十分調査をするように命じておるのであります。先ほど申上げましたように、各府県或いは市町村の警察の運営は公安委員会が管理をしておられるのであります。公安委員会、公安委員会委員の良識に外れるようなさようなやり方は私はいたしていない。かように信じております。
○荒木正三郎君 そこで先ほど…。
○高田なほ子君 資料は下さるでしようね、ちよつと発言中で悪いですけれども。先ほど私が申上げました教員組合の中の少くともあなたのほうで関知され調べられたその調査資料というものを是非頂戴したい。
○政府委員(斎藤昇君) 発表いたしまして差支えのない限度におきましては資料は提出をいたしたいと思います。
○荒木正三郎君 先ほどの私の質問に対しまして、齋藤さんのほうからは思想調査乃至それに類するような調査は現に指示していない。こういう御答弁があつたわけです。又平野さんのほうからも地教委としてはそういう調査は指示していない。申合せはしていない。こういう御発言があつたわけでありますが、併し事実においてこういうことが各地に起つておるということ、どうも私は了解に苦しんでおるところであります。併しこの問題についてはなほ後日に譲るといたしましても、文部大臣にお伺いしたいんですが、この通牒の内容である特定の立場に偏したということですが、これは私はイデオロギーと解釈するのです。思想というふうに考えておるのですが、大臣の所見を伺つておきたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) さような場合も入ります。特定の立場ということは、つまり特定の政治的立場、これを入れてお読み下されば明瞭になると内容を有するという場合もありましよう。或いは特定の政党的な立場に偏する内容の教材資料という場合もあります。
○荒木正三郎君 これは大体イデオロギー或いは思想というものを指しているというふうに考えられるのですか、そういう内容を持つた教材資料を使つているということを調査するということになると、自然にこういう資料を使つている人の思想ということが問題になると私は思うのですが、そういう意味からこの通達がかなり思想調査じやないかと他に思わせる大きな理由になつていると私は思うのです。で、一体こういうことを誰が判断するのでしようか。これが偏つたイデオロギーに基いた資料だというふうなことは現行法規はおいては誰が判断するのでしようか、文部大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(大達茂雄君) 学校教育の運営につきましてはそれぞれの監督庁と申しますか、所管が定つております。公立学校、この場合におきましては教育委員会において判断することと思います。これは思想調査になるかならないかというお言葉であつたようでありますが、これは偏した内容を有する教材資料等を使つているということ、その事柄、事例について報告を求めたのでありまして、それが思想調査を示唆するとか、そういう気持は毛頭ないのでありまして、又この通牒を素直にお読み下さればそういうことにはならんと私は思つております。
○荒木正三郎君 これは非常に重要な私は調査であると思つております。例えば或る教員が使つている教材資料というものが特定の立場に偏したものであるというふうに判断せられた場合、これはその人の地位に及ぼす影響というものはこれは非常に大きいものがあります。従つてこの判断が誤つて判断せられるということはこれは私は小さい問題でないと思うのです。そこでこういう資料がわれているということを教育委員会が判断するのだと文部大臣はおつしやつたのですがお尋ねいたしますが、教育委員会にそんな権限があるとお考えになりますか。
○参考人(平野忠一君) 私たちは教材、教育関係、そうした内容につきましては当該の教育委員会として責任があるものと、こう考えております。
○荒木正三郎君 私はこれについて若干の疑問を持つております。教育委員会の第四十九条ですね、第三章の四十九条ですが、教育委員会の職務権限が規定されておりますが、第四十九条第三項「教科内窓及びその取扱に関すること。」、この規定だけしか私はないように思うのですが、如何でしようか。それから四項の「教科用図書の採択に関すること。」
○参考人(平野忠一君) そういう点につきまして私たち教委員会として昭和二十五年から三年経過して来ましたことにつきましての事実の運営の中を一言申上げてみたいと思います。それによつて御判断を願いたいと思います。教育委員会は御承知のように五人の住民の意思によつた公選された委員で以て結成されておりまして、私たち過去三年間に起りました問題は、昨年三月の十二日に起りましたいわゆるストの問題、或いは選挙の当時に一人十票というような問題で、具体的には、幼児からあの先生がここへ来て選挙運動を勤務地でやつているが、教育委員会はどうするかというような具体的な実例に際しましたときにも、我々はよく考えまして注意を与えて、別段先生に対する処分とかいろいろいたして、今日まで参つておりません。そうしたことにつきましては私たちもは常識的な、教育委員会は極めて常識的な公正な判断で、自分たちが教育委員会として包含している教職員には過ちのないように、而も子供にも住民の意思を徹底した教育をして頂きたい、こういう念願で三カ年経過してやつて参りまして、さいわい磐田市自体といたしまして大過もなく一応住民の支持と教職員の支持を得て今日までやつて参りましたので、極めて法律的に解釈して私たちは運営いたそうというような考えは持つておりませんので、決して私そういう点についての問題にはピントがはずれるかも知れませんが、こうした教員の性格それから思想の調査というようなことを考えなくても、これは常識的な判断、常識と申しますか、という考え方、お互いがやつてゆけば無事に教育の問題は解決ついてゆくんではないか、こういうように考えております。
○荒木正三郎君 これはやはり教育委員会は法によつて設けられておるのでありまして、法によつて運営されておるのでありまして、従つてその権限なり職務内容は私は明確であると思うのです。少くとも私の解釈では現行法規においては教材資料というものは教員の良識によつて左右できるというふうに考えておるんです。或いは校長或いは教員、そういう教育に直接責任を持つているへたちによつてその良識によつてその教材資料というものは自由に左右できる。教育委員会はこれを自分の考えによつて拒否する、それはいけない、こういうことはできないと考えておるんですがね。こういう点は私重要な問題だと思うんですが、そういう点教育委員会をしておられる平野さんの私は法解釈をお聞きしておきたいと思います。
○参考人(平野忠一君) その点については御承知のように大体教材等は校長それから教育研究会を私たち作つております。これによつて大体の決定をしてしまう、そうして委員会に報告を求めて、間違いのないようにというような行き方で今日までやつておりますので、お話のように教育委員会自体が全部の学校の教科内容全部を監督でき得るか、でき得ないかという問題は、教育委員個々が専門職でない関係上これは教員の常識に待つべきものと、こういうように解釈しております。
○荒木正三郎君 そういう事実問題じやなしに、法では明らかに私は規定していると思うんです、そういうふうにね。そうしないといわゆる不当な圧迫というものが入つて来る虞れがあるのです。そこでこの法がそういうふうに規定していると思うんです。従つて或る特定のイデオロギーに基いて組立てられた教材く資料であるかどうかという判断は、私は文部大臣にもないし、教育委員会にもそういう判断をして、それをやめさせるという権限は与えられていないんじやないかというふうに考えておるんです。これは大臣は教育委員会にある、こういうお話であつたんですが、そういうことをはつきり言えるかどうか、結論をおつしやつて頂きたい。
○参考人(平野忠一君) 私は地方教育委員会の性格から見まして、これは最後の責任、権限は教育委員会にある、こういうような解釈を持つております。
○荒木正三郎君 どういう条項にあるんですか、この法律の教育委員会の職務内容に、どこにそういうことがありますか。
○参考人(平野忠一君) 例えば問題になりました日記等が従来あれは教材としてこれを取上げるべきか、取上げるべきでないかという問題は、これは私たちは問題とするところは委員会の規則、運営する規則その他によつて決定でき得ると思うんです。
○荒木正三郎君 私は教材及び資料あれが教材に入るのか、或いは資料に入るのか、それはその場合々々によつて違つて来ると思うんです。これらの、これを使うかどうかということは、私は、教育委員会にあるのではなくて、教員自身にある、学校自身にあるというふうに、この法律から解釈しておるんですがね。(「意見の違いじやないか」と呼ぶ者あり)併しこの問題は今後の法案審議に当つて重要になつて来ると思うんです。まあ併し平野さんと討論する考えはないんですが、大臣は、そうすると、こういう判断は教育委員会にある、こういうふうにおつしやつたんですから、私は今日はそれ以上は申しません。
○永井純一郎君 私まだ文部大臣に質問があるのですが、大分応問も過ぎたんですが今いろいろ相談してみて、午後か明日かにしてもらつたらどうでしようか。
○委員長(川村松助君) 速記を中止して下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記をつけて下さい。再会します。
○荒木正三郎君 それではどうも非常に平野さんに恐縮ですが、遅くまで何して。 実は今日頂きました風巻協議会長名で、都道府県の地方教育委員会の連絡協議会会長にお出しになりました書面について一、二お伺いしたいと思うのですが、この中には、第二の預に、教員の政治活動禁止法案に対する日教組の反対闘争について各市町村教委の取るべき措置というのがございますが、その一番初めの行に、「従来教職員の中に組合活動の範囲を超えて、然も現行法の制約を無視して政治的偏向に陥り、政治活動はもとより、進んで直接教壇上から純白な生徒児童に時定な政治教育を施し、」云と書いてございますが、ここに書いてある、現行法の制約を無視して政治的偏向に陥つているというのはどの組合なんでしようか。それを一つ御指示願いたいと思うのですが。
○参考人(平野忠一君) その問題になりますと、例えば私たちが聞いておりますときに、お前のうちのお父さんは、昨年あたり義務教育職員法案ですね、これはどう考えているのかというような問題等とか、これは極めて教員を苦しめる悪い法案であるかというようなことが、これは教壇の途上に私たちも直接耳にしたことなんですが、そういうような問題というようなことが往々にしておるわけなんです。それから例えば組合活動の立場の場合に、一体学校の教壇を守るのが本質なのか組合の指令を守るのが本質なのか、我々過去三年間やつて参りまして、これはわからない問題があるわけで、それはいろいろ考えて見まして、生徒に与える影響というものが、政府のやり方が悪いから、我々はストをやるのだというようなことが、冗談か本当か、どういう意味か知らんが、そういう気持で子供にその行動の過程を効果あらしめるようにやるのかどうか知りませんが、そういうような現状が見受けられて現実にある、こういうことは私はどうもそういうような特定な形に傾いている、こう見て差支えないのじやないか、極めて常識的なことですが、さように考えております。
○荒木正三郎君 まあこういう判断をされるような組合というのはどれか、はつきりおつしやいませんでしたが、今日私の知つているところではストライキをする、こういう考え方を持つている組合はないように私は思つているのです。前は教員組合に対しても全面的な争議行為というものは法的に許されておりました。併し四、五年前にこれが禁止されておるわけなんで、今日そういうことを、いわゆる現行法を無視した行為を行うような決定がなされたということは、私は未だに聞いていないわけです。ただ指摘されるのは賜暇戦術というのじやないかと私は思うのですが、それはいろいろ問題がある。と思います。併し今日までこれが非合決であるという矛うに判断せられたことは、私は芸だ聞いていないわけなんです。ただこれが教育上どういう矛うに批判されるかという問題は又別個の問題としてあるわけなんですが、少くとも「現行法の制約を無視して」云々とあるということは、私は若干穏やかでないという感じを持つておつたものですから、そういう点をお聞きしたわけなんです。 それから一審最後のほうですがね、教員の政治活動禁止に際して反対論者からでると予想される反論及びこの反外に対する回答、こういうものが書いてあるのですがね、私はこれを読みまして率直に感ずることは、教育委員会は、自由党内閣の提案する今度の政治活動の制限乃至禁止ですね、あの法を支持し、それを弁解するための用意をしておられるように、どうしても受取れあのですね全部読みまして。いわゆる反対論に対してはこう答弁しなければいかんというよに書いてあるのですが、それは教育委員会本旨じやないのじやないかというような感じを持つておりますが、如何でしようか。
○参考人(平野忠一君) その点についてはいろいろな見方があるわけなんです。私たち現在の考え方から行けば、本当に教育基本法それから地方公務員渋が守られておれば、私たちこういう法は必要ない。又同町に地方教育委員会がもう少し確立してこの制度を守つて行けば、こういう法律は必要ない。そんなふうに考えております。併しながら今までの経験から見れば、私たちはどうしてもやはり何かの形で現行法が守つて行かれないというような考えを持つております。従つてもう現在の場合、取る程度の但書の条項はとれても、これはやむを得ないのじやないかというような考え方で、一応この点我々としては地方教育委員会の連絡協議会としては結論は出ておりません。私たち考えてみて、こういう面と又もう一つの見方からみる、例えばこれは反対する立場からの意見をいろいろ考えて、参考資料として各地方委員会から送つてくれという何がありますから、いろいろな角度奮からもう一度考えてやつております。
○荒木正三郎君 これは私は忌憚なく言つて、教育委員会の会長がこういう書類をお廻わしになるということは行き過ぎであると思うのですよ。私はそういう感じを持つております。併しあなたと議論しようと思いませんが、あなたがもつと更に現行法以上の制限をする必婆があると言うことは、あなたの御意見としてそれは私は結構だと思います。併し私どもはそういう考えを持つていないわけです。これはいろいろ意見があると思うのですが、併し教育委員会の連合会長がこういうきちつときめた意見をお出しになることは少し行き過ぎじやないか、こういう感じを持つておるのですね。
○参考人(平野忠一君) それは会長の名前にはなつておりまするのですが、私たちが理事としてまあそういうような問題に対する回答並びに解釈というようなものを欲しいという要請がありましたので、東京におりました理事たちが集まりまして、これはまあ会長の名前で、実はこの会長見ておらないうちに私たちが会長の名前で出した、こういう実態であります。
○荒木正三郎君 それでこれはまあ内要はいろいろお尋ねしたいことはたくさんあります、ここにね。併しどうもこれを全部読んで、いわゆる自由党の政策を支持し、そうしてこれに反対するものは抑えて行こう、こういうふうにどうしても受取れてしようがないのです。これは或いはそんなものは誤解だ、それはお前らの僻みだと、こういうふうにおつしやるかも知れませんですがね、もう反対理由に対して一々反論を挙げてあるわけなんですよ。それから又教員組合のいろいろの行動に対しても、私は一方的な観測があると思うのです。これは私は十分よく討論する機会があるなら討論したいと思います。これは確かに一方的な判断ですよ。そういうことから少し穏かでないのじやないかという感じを持つているのですがね。今後も又次々に出して行くのだというお話を聞くと、ちよつと…(笑声)手を挙げるわけに行かんのです。
○参考人(平野忠一君) 私たちお叱りを受けたような感じがするのですが、私たちが考えておりますことは、自由党を安打するのじやない、というのは現在の内閣が自由党の内閣であつて、これが永久不変のものと私たち考えておらないわけなんです。又社会党の内閣が当然いつできるか、これはあながち社会党がいつまでも野党にいるものとは考えておりません。(笑声)従つて教育の政治的な中立性という場合には、まあ特定な国の特定な教員組合が町の政府を安持しておるというようなことも聞いておりまするが、それ以外の場合は、我々は自由党の立場からも社会党の立場からも離れて、これはやつて行くべきが当り前じやないか。ただ今日の場合に何かしら私たちが考えることは、教員組合が一体組合の性格が政治団体のような性格を以つて、一体大会のスローガンに内閣を打倒するという考え方、我々はまあむずかしいことは知らないのですが、地方におつて先生はそんなことは考えておらないのです。現場の先生がたはそういうことを考えておらない。だけれども、ただああいうことでやるということになつたら、じや今度社会党内閣になつたら今度は社会党内閣打倒ということになるのかしら、それじや私たち非常に困る。とにかくそういうような面から考えまして、どちらの政党にも属しない中立な立場で進んで行きたい、こういう考えを持つております。
○荒木正三郎君 それでは私これで打切ります。まあ平野さんの御意見を伺いました。それに対する意見は私は申しません。ただおつしやつたように飽くまでもやはり偏しないような文場を取つて頂きたい、こういう希果を申上げておきます。
○相馬助治君 一つ伺いたいのだが、平野さんに伺つておきたいのですが、「部外極秘」と、こう書いてありますが、これはそうですか。
○参考人(平野忠一君) はい。
○相馬助治君 私はどういうこれに基いてこうされたか、参考に伺つておきたいのです。
○参考人(平野忠一君) これを部外極秘としましたのは、格別これが秘密事項という意味でなしに、そうしたなにで、町村あたりで、こういうように俺はやるのだというような気持で簡単に皆が考えられても困るという意味で慎重に取扱つて頂きたいという意味でこう書いたわけであります。
○相馬助治君 そうするとこのことの取扱いは主観的な考え方の違うものについてはいろいろあるだろうから慎重に取扱えということが部外極秘という表現になつたので他意がない、こういうことですか。
○参考人(平野忠一君) そういうことです。
○相馬助治君 まあ、これについてはそれ以上のことを言いますと、議論めいて来ますからそれだけお尋ねしておきます。
○高田なほ子君 ちよつと形式のことだけ伺います。この部外極秘の第五百四十五号、これは全国地方教育委員会連絡協議会風巻義雄、こういう名前で出ておりますね。それから今度別な参考資料、これは極秘のほうじやないですが、全地教、こういうふうになつて出ているわけです発信者は。これはどういう違いがあるわけですか。
○参考人(平野忠一君) 別にどちらの迷いもありません。
○高田なほ子君 この協議会というのは、先ほどの御説明で運営はわかつたのですけれども、こういう緊急連絡事項などをお出しになるような場合は、理事会なら理事会で満場一致制とか、又多数の意見がこうだから出すという定足数で成立するとかなんとかいう、そういう規約はあるのでございますか。
○参考人(平野忠一君) この問題につきましては、大体本質は、教職員に間違いのないように通知しておこう、こういうことを理事会できめまして、その旨を含んで立案しておつたわけであります。
○高田なほ子君 理事会というのはあれですか、選ばれて理事というのは出られるわけですか。その理事会というのは皆さんの意見を代表すると考えられる協議機関なんですか、決議機関なんですか。
○参考人(平野忠一君) 大体決議機関ではありませんが、理事会としては全国を八ブロックに分けたうちから出ておりますので、大体の意向を取りまとめて当面の問題を理事会で決定してやつておる。
○高田なほ子君 そういたしますと、全国地方教育委員会連絡協議会なんの誰れ、まあ、どの名前でもいいのですけど、そういうて出たものは全国の地方教育委員会の代表的な、総体的な意見であるというふうに考えられるわけですか。
○参考人(平野忠一君) そういう意味ではありません。
○高田なほ子君 その場合に、実は地方教育委員のかたがこれを知つて非常に、我々はここに書かれているように「強く世の批判の的となつたにかかわらず反省の色さえなく、却つて他の労働勢力と結んで反抗の勢日と共に強大となるに鑑み、」云々誠に以て私らこんなことは奇想天外だ、我々教育委員会としては断じてこんなことは考えておらん。併し、にもかかわらず、こういう名前で出されるということは甚だ以て迷惑である。その憤慨の手紙に添えて送つてくれたのが、これでございます。そうすると、こういう名前を付けて恰も五万の、ここに善いてあるでしよう。「全国五万の教育委員は、かかる使命のもとに、かかる不祥事を未然に防止し、」と実に政府のこの提案に反対するのは不祥事であるから五万の教育委員云々と書いてあるが、大変に迷惑だという意見があるわけです。こふうなお取扱をなさつておられますか。
○参考人(平野忠一君) この場合の不祥事とう意味は、ストライキを避けだけです。あなたの御意見じやないです。
○参考人(平野忠一君) 取扱い方は連絡事項だけなんです。理事会で一応こうしたことの事態は避けようということを連絡して欲しいということをただ筆の綾で少し強く書いたと、こういうように解釈して預けばよい。(笑声)これはどこの通達事項を見ましても、相当強く書いても下へ行けば大抵どうかなつちやう。
○高田なほ子君 大変に軽くお扱いになりました。併し教育委員は少くとも国の法律に基き国民が直接に選び出した我々教育の代表です。あなたがどのようにおつしやろうとも、これは権威のあるものです。個人々々が権威があると同時に、この協議会の運営そのものも権威があるがゆえに、書き過ぎたとか言つてここで笑つてお茶を濁せるものじやないと思うこういうことは。我々も非常に尊重をして拝聴しますがゆえに、こういうような反論がこの中に、教育委員自体の中にあつた場合にどういうお取扱いをされるかということについては、かなり重要な問題であると思います。若しそういう軽いものであるとすれば地方教育委員会連絡協議会なるものはこれは問題にならないものだと、逆に解せばですね。文書かれているものは馬鹿気きつている下らないものだというふうにとられてもいけないと思うので、その点御質問申上げているわけです。
○参考人(平野忠一君) その問題では各単位委員会で私達のほうは実際の仕事つておるわけであります。県の連絡協議会自体でも連絡事項以外に取扱つておらないのですから、本当の決定は磁位委員会の実情に待つわけです。ですから、この問題については反論も出るでしようし、いろいろな問題があると思つております。従来そうした形で参つておりますが、その点を御了解願いたいと思います。
○高田なほ子君 この協議会の中に日教組対策委員会といつたようなものがございますですか。
○参考人(平野忠一君) ありません。
○高田なほ子君 そこで日教組のいろいろな運動方針に対していろいろな対策をおとりになつていらつしやるようでありますが、「日教組対策準備態勢完了次第、その旨、本部に略号をもつて打電連絡すること。」という依命通牒じやないでしようが、「日教組対策準備態勢完了」というのはどういうことを具体的に意味なさつておるのか。暗号電報はいつでもこうお使いになつていらつしやるのか。大変失礼だと思いますけれどもお話し願いたいと思います。
○参考人(平野忠一君) その点は実際の問題として私達が過去、昨年三月十二月に行われましたいわゆる合法的な繰替え授業、というけれども実質的にはストという問題について、私達が当面した問題は、去年教育委員会として、校長として、協議して繰替え授業を認めた。ところがその問題は組合の指令だからどうしてもやらなければならない、こういうことだつた。ところが夜中になりまして組合の指令であれをやめるから明日授業をやるのだ。私達非常に当惑したんです。委員会としてはもう繰替え授業を認めたのだからあなた方休んだらいいだろうと言いましたら、それじや非常に私達子供に済まないからやるのだというので、私夜中から起きて全部廻りまして、教員は教員として通知してやつてくれと、静岡県下は大混乱したわけです。そのときに教員自体の問題じやなくて、組合の指令によつて実質的には合法的なストですね。それをやるのだということに…、私たち今度そういうことをやられちや困るのでだ、父兄も反対するし、やめた教員自体が言つたことは、私達これでほつとしましたと、そういうことが実態なんです。そうすると今度も日教組対策というのは、日教組は何か実力行使をやるのだということが言われておる。ところがこの問題は又やられたのじや我々はとても困る。こういう問題で、この暗号というのは初めてですが各全国からやつて来るのには非常に金がかかる。まあこうやつて、やつてくれれば一番楽でいいのじやないかと…。
○委員長(川村松助君) 本日はこの程どで散会いたしたいと思いますが。
○高田なほ子君 川村先生それはいけないと思いますよ。私の了解も得ずに一方的に閉会を宣言されるということはいけないと思うのです。
○委員長(川村松助君) まだ宣言いたしません。先ほどきめるとき十五分間組合というものに対してあなてはどうといつてきめたのですから一応諮らなければならないのですから。
○高田なほ子君 十五分間といつても私が今発言しておるんですよ。これは一応やはりおつしやつて頂いて、閉会を宣言されるべきだと思います。
○委員長(川村松助君) ですから僕は諮つたんです。閉会どうですと。閉会するとは、言いません。
○高田なほ子君 そちらの御答弁を何つていたんですから。私はもう一つ伺えば終るんですよ。
○委員長(川村松助君) やつて下さい。
○高田なほ子君 それじや大変失礼でございますけれども、もう一つ伺いたいのです。もう時間がありませんから簡単に伺いますけれども、このあれですか、「準備態勢完了」というようなことは、各教育委員会が、どの地方の教育委員会でも、この「準備態勢」というものをとらなければならない、又とるべきであるという建前の下にこういうふうにされているのかということが一つと、最後に伺いたいことは、教員組合というものに対して、あなたはどういう認識の下に立つておられるのかということが一つ。それから子供を守るためにはその環境のあらゆる悪条件を、悪いものを、全部雑草を取のけて行かなければ子供が伸びない、その悪い雑草を取のけることに対して、これは教育組合は一生懸命になつておられると思うのですが、こういう運動に対してあなたはどう考えておられるか、この三つだけお尋ねします。
○参考人(平野忠一君) 最初の「態勢」と申しますのは、とにかく私たちが考えましてPTAそれから教員組合、私たち何回かやつております。相談をして反対の意思を表出することは結構だが、実力行使だけはやめて頂きたいということの話合いをつけること、これが「準備態勢完了」であります。その次のことは具体的な問題でありましたならば、磐田市の教育委員会を実際に御視察して頂ければ、我々が教育組合と如何なる方法で、如何なるために子供と接して参つておりますか、実質的に御調査願えればはつきりわかると思います。社会教育その他について私たち過去三年間のあれは、若し磐田市を御承知なければ、その資料は多分文部省にあると思いますから。
○高田なほ子君 お邪魔に上つて存じております。
○参考人(平野忠一君) ですから大抵は御想像がつくと思います。私たちはその点については児童の幸福とそれから教員の幅利施設というような面には協力いたしまして、現場においては何らの摩擦もなく信頼されてやつて来ておるということは、いささか自負いたしております。大体御質問の点はそれでよろしうございますか。
○高田なほ子君 まあいいでしよう。
○委員長(川村松助君) それでは散会御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 散会御異議がなければ本日はこれを以て散会いたします。 午後一時三十八分散会