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19回国会参議院1954/07/14

文部委員会 閉会後第1号

発言数
186
登壇者
11
会派数
4
開催日
1954/07/14

会議録

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) これより文部委員会を開会いたします。  先ず第一に御報告申上げたいと思いますのは、この間の八日に理事会を開きまして、議員派遣の件について御相談いたしたのであります。実はこの議員派遣の件については、私こちらの委員会の関係をよく存じませんでしたけれども、理事諸君のお話では、この議員派遣については委員長に一任になつているから、まあかようなことでございましたので、理事諸君と相談をいたしまして、こういうことにとりきめたのであります。それは大阪市の市立大学の接収校舎の問題、それから文化財の水害復旧の状況、それから旭丘中学の善後処理、そのほか教育一般の実情について急に現状調査しよう、まあかようなことになつたのであります。つきましては、学校もそれぞれ二十日頃から休になりますから、成るべく旭丘中学校あたりを調査するためには休になる前に出なければならない、かようなことで十五日から二十二日まで出かける。人選は大体理事の間で各会派をそれぞれ代表して四人さんお出掛けを願う、こういうことにとりきめた次第でございます。どうぞそういうことにとりきめた次第でございますから悪しからず御了承お願い申上げたいと存じます。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 只今の派遣の問題ですけれども、委員長に一任ということはいつありましたですか。

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) それは理事会で私そういうふうに承わりました。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 私は議員の派遣というものについて、今日お話があると思つておつたのですが、然るに我々何にも知らんのに、今日読売新聞に議員の派遣ということがはつきり出ている、人名まで出ておつたのです。我々かような問題について更に聞いたこともないのです。

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) ちよつと速記をとめて。   [速記中止〕

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) 速記を起して。  次は本委員会の運営についてでございますが、実はこの間理事会で今申上げた通り今日、明日一つ取りあえず開いて、あとは又今日の御相談できめようかと、こういうことにいたしておりますが、これは明日でも結構でございますから、あとの委員会はいろいろ継続審議の法案もあるようでございますから、それは一つ明日でも御相談願いまして日取りをおきめ願いたい、かように存じております。  なおもう一つ申上げておきたいと思いますことは、大達大臣は明日は少しお差支えがあるので、できることならば大臣に対する質疑は今日で一つできることなら終わらして頂きたいと、こういう申出でありますが、幸いにそういうことにできましたら成るべくそういうことに一つお取り運びを願いたいと実は委員長からお願いを申上げておきます。   ―――――――――――――

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) それでは第一審目に教育文化及び学術に関する調査の一環として文部省関係の予算に関する件を議題といたします。文部省関係予算の節約状況について政府委員から御説明を願います。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) 本年度の予算におきまして国会審議の過程におきまして歳入の不足が約百四億近くあつたのですが、それは奢侈繊維税の八十五億と、それから入場税の税率引下げに伴うものが約二十億、合せまして百四億ほどの歳入不足があり、同時に歳出の面では三派協定による国会修正に伴う五十億の分がございまして、この五十億の分につきましては取りあえず予備費の百三十億から五十億を出しておく、あとで物件費、施設費について節約する、こういう了解がございますので、それに基きます五十億とその他入場税の引下げに伴う地方税の不足額が三十六億、その他警察法の施行の関係等に関しまして大体二百億を節約する、実行予算において二百億の節約を目標にしたわけでございます。そこでその方針といたしまして人件費を除く物件費、施設費については、すべて原則として一割の節約をする、その関係で特に物件費、施設費につきましては、補助金を当然含むのであります。それが大きな方針でございまして、この場合特に公共事業等につきましては、調弁価額の引下げをいたしたいという考え方から大体今現在調べたところによりますと、卸売物価において約予算の決定以後大体七%程度引下つたようであります。今後成るべく工事量を減らさないで大体一割くらいを引下げたいという政府の意向もございまして、一〇%ということが原則になつております。ただ文部省所管関係におきましては、学校、病院、研究所、試験研究機関については特例を設けることにいたしまして、これが物件費、施設費については五%という率になつたわけであります。それから災害復旧費と患者食糧費、それから借料等は除外する、特に災害復旧費と患者食糧費、こういうものは災害は将来も予想されますので、災害復旧費は削減しません。患者食糧費、借料は既定の計画でございますから、こういうものは節約されると困りますので、これは除外したのであります。借料それから通信費、特に賃金に属する系統のものは除外してもらつたのであります。それから特に文部省所管の中で私学振興会への出資金、義務教育費国庫負担金の教材費、この分は除外したのであります。義務教育費国庫負担金の教材費については、すでに政令を出してしまいましたので、これの節約は除外する。それからその他は原則の適用を受けるのですが、特に科学研究費と民間学術団体への補助金、これは科学振興という見地から最低率の五%といたしました。国立学校の運営費の中で特にこれは各省に関係がないのでございますが、教官研究費及びこれに準ずるものは特例の特例を設けまして二・五%、こういうことにいたしました。一般会計節約総額百九十九億円、文部省の節約額は九億五千三百万円、こういうことに一応閣議の決定を見たのであります。六月二十九日の閣議できまつたわけであります。併し今後発生するいろいろな事態もございますので、これは恐らく次の国会において予算の組替えが当然起きることと思いますが、それまでに予備金の支出を要するような事項がございますれば閣議決定を経てこの節約を解除することができる、こういうことになつておるのであります。特に文部省関係で申上げますことは以上の点でございます。学校、病院、研究所に準じたものでは青年学級の運営費の関係がこの類に入ります。  それから文部省所轄の機関で博物館等の小さい施設、こういうものは試験研究機関に準じて五%の取扱をする。  以上大体の状況を申上げた次第であります。

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) 御質疑をお願いいたします。

加賀山之雄緑風会

○加賀山之雄君 大臣にちよつとお伺いします。施設費、調弁費など物件に関するものは値段が下つたというようなことで或いは節約額をそのままやろうと思えば減らさないでやれる場合があるかも知れませんが、教育の研究費の例えば二・五%にしろ、文部省の予算でそういう面は減らしただけやはりそれだけやることを手控えなければならんということが起きやしないかと思うのですが、その点について検討できていますかどうですか、伺いたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは一概には申上げられないと思いますが、まあ仮に物価が下つたといたしましても、やはり事業費としては、これはいわゆる人件費でなしに労賃といいますか、人を使う金が入つておりますから、ただ物価の下つたパ―センテ―ジによつて事業量を減らさないで予算を節約するということは可能な場合もあるかも知れないけれども、到底できない場合もあろうかと思います。従つて今度の節約ということは当然に事業内容というものをやはりできるだけ……できるだけといいますか、その予定された節約に合致するように手控えをするということに当然ならざるを得んと思います。その意味において何といいますか、予算で一応見込まれたものの縮小ということになると思います。具体的にはそれぞれの場合のことですから余り仕事の分量を減らさずに行くものもありましようし、ものによつてはやはり節約になつただけ仕事の分量を減らすというものもある、これは一般的に節約ということに伴つて来ることでやむを得ない、こう思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 ちよつとお尋ねいたしますが、国全体として大体二百億を節約して行くという今御説明がありました。文部省予算として九億五千三百万円を節約して行く、その節約の方法は五%ととか、或いは二・五%という数字が出たのでありますが、この九億五千万円という節約は各省とバランスをとつて節約したか、それとも文部省の文教行政の中でかなりこれは節約してもいいと考える数字をここに出して節約をしたものか、その点どういうふうになつておりますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 実情を申しますと只今会計課長から申上げましたように、人件費は一切節約の対象としない、残るところの物件費、施設費、そういうものの一割を節約をする、こういうのが一般的な方針であります。併しものによつてそれのできかねるところがありますから、それについては多少の除外例といいますか、特例を認めざるを得ませんから、従つて一般的方針としては一割ということであるが、五%で、まあその辺は我慢をする、こういうことが個別に折衝されたわけであります。只今会計課長から申上げました文部省関係予算の節約のパ―セントにしましても、しばしば何回にも亙つて大蔵省と折衝をいたしまして、そうして、まあこの辺で折合つて行く、こういうのが実情であります。全体的すに申しますというと、人件費を除き、そして育英会の費用でありますが、これは学生に学費を貸与するのですから、これも人件費に準じた扱いにしてもらいたいということで……、これは結局なかなか難航をしたのでありますが、大体においてこれは節約外といたしました。従つてこの数字は会計課長から申上げますが、そういう節約の対象から除いたものを文部省予算のうちから引いて、残りのものに対して節約が大体三分七厘程度になつております。でありますから一般的には一割という線が出ておつたのですから、事務当局でもこれは非常にいろいろ苦労して折衝しまして、只今申上げるような三分七厘程度まで下げてもらつたというのが実状であります。各省それぞれこれは事情がありまして、恐らく各省一律ではなかろうかと思います。文部省のほうがほかの省に比べて特に余計節約をさせられたということはないと思つております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 それでこの九億五千万円という予算の節約ということですが、私どもが二十九年度の文教予算の審議のときに非常にギリギリ一杯の予算であつたと思うのです。私どもはこの文教予算について甚しい実は不満を持つたわけなんでありますが、それを又更に九億五千万円というものを減らして行くということになつて来ると、先ほど加賀山委員からの御質問があつたように実際の運営の面に幾多の支障が出て来る、こういうことになると思いますが、それに対して先ほどこの九億五千万円もやがて予備金を廻して、この節約を解除することができるのだ、こういう説明でしたが、私どもこの説明がどうしても納得行かないので、一般予算を組んで、その予算が途中で変更になつて節約をして、又途中で足りなくなつたから予備金から幾らかのものを出す、こういうような話ですが、予備金の使い方というものはそんなふうに使われる性格のものじやないのですが、先ほどの御説明の予備金を廻して節約を解除するということは、どういう意味を含んでいるのですか、その点を説明して頂きたい。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) 予備金を廻すということではございませんので、九億五千三百万円というのは文部省予算の節約総額でございまして、只今大臣からお話がございましたように各省は原則として一割、大蔵省もこの基本線は飽くまでも強く主張しまして、恐らく譲らなかつたのであります。ところが今申しました学校、病院、研究所、試験研究機関については特例を設ける、更に国立学校運営費について特例の特例を設けたというのは各省には類がないと思つております。それから予備金のお話でございますが、これは節約総額九億五千三百万円出したのですが、その中で若し予備金支出を要するような今後事態が発生した場合にはこの中から節約を解除して行く、こういう意味であります。予備金からとるわけではございません。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 事態が発生したならばというのは、それは例えばどういうことですか。どういう事態が発生したならばですか。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) 例えば災害の起きた場合に立教施設の節約額からそれを廻してもらう、或いはいろいろな事態が起きまして、そのほかにも当初予算に予想しなかつた外国からいろいろと使節団が来るとか、そういう場合にはその中の節約額から解除して頂く、こういうことでございまして、正式には予算が次の国会で組替が行われますから、それまでにはまだ多少節約解除の道はある、こういう意味でございます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 災害復旧のような非常事態に対する予備金の支出ということはこれは当り前のことで、そういうことは何もここで改めて説明を伺う必要は私はないと思います。ただ運営をして行く面で非常に渋滞ができた場合に、やがてこの節約を解除するということを言われているのですが、文部省としてはこの一割削減予算でどういう渋滞が起つて来るかということをいろいろ私は御研究になつたのじやないかと思うのです。文部委員会は文部省のあらを探すというのではなくて、そういう渋滞の起きることを恐れて、我々は予算を決起するときもいろいろな御質問を申上げたのにもかかわらず、ここに又莫大なものが削減されて来ておる。雀の涙みたいなものが更に減つて参りますと、いろいろな面で渋滞が起つて来ると考えられますけれども、この点について率直な御意見を私は大臣から伺いたいのです。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 先ほど会計課長申上げました意味は、一応予算を、まあ実行予算といいますか、予算は予算としておいて、それを執行するに当つて一定の標準をきめて節約をして行く、こういうことをきめたわけであります。そこで普通の場合でも予測しなかつたような事柄が起つて、それに対して予備費で以て賄つて行く。これがまあ予備金の本質だろうと思いますが、将来節約を仮にある費目について一億なら一億節約をすると、こういうことをきめてありましても、予測しなかつたような予備費を支出するような事柄がその費目について起つて、本来ならば予算一ぱい使つておる場合には、当然予備費を以てこれを補填して賄つて行かなければならんけれども、今度は節約としてそれだけ残つておりますから、そういう場合には予備費から持つて行くというのではなしに、節約のほうを解除して、そうしてそれで賄つて行く、こういう意味であります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 そういたしますとあれですね。人件費の場合にはこれは節約をしないと、こういうことですけれども、実情としては特にこの文教予算の中で問題になるのは、人件費じやないかと思うのです。その人件費の節約をしないというけれども、やがてこれは実情から考えてどうしても足りなくなつて来る場合があると思うのです。こういう縮小された予算の中で義務教育半額国庫負担費によるところの人件費というものを、昇給昇格とか実情に即して今後これを若干でも殖やすという見通しをお持ちになつておるでしようか、どうでしようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これも人件費のほうはこれは節約の対象にはなつておりませんから、どうしても人件費の場合に現在の計上した予算ではどうしても足りないのだということが起れば、或いは予備費の方法でやる、或いは補正予算の方法でやる、いろいろな方法で金額の大きさにもよりますから、補填をして行かなければならん。これはまあ当然なことであり、今度の節約と直接関係はないことだと、今の御指摘になつたこの義務教育の国庫負担金ですね。このほうは法律の建前が決算に対して二分の一を必ず負担する。こういう建前ですから、仮に実際の支出額がある以上はどうしてもそれは半分は負担をしなければならない、それに見合うだけの予算があろうとなかろうと国としてはその義務があるのですから、だから結局これは予備費ですることもありましようし、或いは後年度において何といいますか、過年度支出をして出す場合もありましようし、或いは場合によつては補正予算によつて補充をして出す場合もありましよう、いずれにしてもこれは打切りではないので、支出があればそれについては必ず二分の一負担をする、こういう建前でありますから、それに対する支出の点は、これは法律の関係上間違いなく支出される、こういうふうに思つております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 実際問題としては、物件費として節約された金額が場合によつては人件費のほうにも廻り得ることがある、予備金で出せないという、出せんという場合にですね、そういうことも起り得ることがあり得ると、こういう御説明でしようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) それは、これは費目の関係がありますから、甲の費目で節約した残額があつても乙の費目のほうへこれを廻すということはできないわけであります。流用を許されておるものについては、それは大蔵省の御同意を得てできますけれども、流用のできないものをただこつちで残つているから、こつちの足らんところへ持つて行くということはならん、従つて人件費の不足をこの物件費の節約で賄つて行くという場合には、これは実際この費目の編成の上であるかも知れませんが、普通はまあない、そういう場合が起らないだろうと思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 大変窮屈になつて来ておりますので、予算が。大達文相はこういう窮屈な予算の中で将来教員というものの数を近い将来に減らして行こうなどということはよもやお考えになつておるのではないでしようね。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 今申上げるように、人件費は節約の対象になつておらんのです。ですからこれは二十九年度の国会で議決になりましたその線は変つてはおらん、こういうことであります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 それは節約の対象に人件費はなつておらないけれども、大臣も御調査になつておわかりになるように、実際問題としては教員の給与額というものは不足なわけです、赤字だと。これはあとで荒木先生から詳細な御質問があると思うのですが、こういう場合に頭数を揃えて行くということは起り得る問題だと思う。金がどこからも出せない、この場合には人間を減らすよりほかに方法がないわけでしよう。こういう場合にどうなさるのか、又そういうことをお考えになつておるのではないかと心配するのです。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは国会で当時予算の御審議のときに明瞭である通りに地方の教職員の必要な、給与に必要な経費というものは、これは相当の増額をしております。本年度の国庫負担金の面において約百億くらいあります。従つてそれに関する限り予算を節約し、若しくは予算が足りないために人員の整理というのが行われるというのは一応ないと私は思つております。前年度より予算が相当に増額しておるのでありますから、そうしてそれに見合うだけの、国庫負担金に見合うだけのものは地方に交付税として交付されておりますから、その点で経費の面から少くとも国の予算に関する点において、その意味での人員整理ということは、これはあり得ないと思うのです。ただ非常に生徒数が増加しておりまするから、その増加する生徒数に従来の比率を伴つて行くだけのものが増員ができるかどうかということが問題があろうと思う。けれども現在いる人の首切りがそのために行われるということは、これは予算の上からは出て来ないのです。ただこの前も申上げました通りに現実にその給与の予算を持つものは各府県でありますから、自治団体のほうで予算を組むのでありますから、自治団体のほうの財政の事情でそこに我々が見積りを予定しておつた通りに行かないという面は、これはあり得る、これはまあ国と自治体との関係で、これはやむを得ない、そういう仕組みになつておるのでありますから、そういうことはあろうかと思います。併し申上げるように国の予算の立場から予算が足りないために先生の首を切る、整理をする、そういうことは、そういう気持は無論ありませんし、又計数の上から見てもそういうことはあり得ない、かように考えております。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 そうすると百万人でしたね、児童増に対しては。全然こういう教員の配置についてはもう考慮する余地はない、こういう結論ですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) そういう……ちよつと聞き違いだと思いますが、従来の比率通りで、それに増員をするということはできないかもしれないということを申上げておるのであります。全然認めんという意味は言つていない、これは予算のときに前国会においてしばしば御説明申上げた通りに、予算の面においては約二万人の増加を見込んである。さればこそ百億の金額の増加になつておる、その点は今日も同じであります。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 私もさつき会計課長の説明で予備費というような説明があつたのはちよつとおかしいと思つておつたのですが、今高田さんから話が出ましたが、もう少し大臣に関連してお伺いしたいのです。それは会計課長の説明だと、歳入のいろいろな不足が出ておつて、それを補うのに実行予算を削減してやらなければならんということなんです。どうしても文部省のほうで九億五千三百万円節約するが、必要が起つたときには節約額から又戻してもらうという話ですが、これは歳入の足りない分と実行予算と合せたのだから、そんなことにはならんわけですね。そういうことはあり得ないわけでしよう。結局予備費から出なくちやいけないわけでしよう。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) 今おつしやつた意味がはつきりしませんでしたが、歳入だけでなく歳出のほうの不足額もございまして、これは三派協定の五十億増額、それから地方税の支出の分と、そういうものを合せまして約百億、歳入のほうが百億ですから二百億は不足している、こういう考え方から二百億を見たのであります。そうしてこのうち文部省関係で九億五千万円、そのうちで若しどうしても又予備金支出を要するような事項、とか、その他どうしても賄えないような場合が起きたら、この節約額の中からそれぞれの項に従つて解除してもらう手はある、こう申上げたのです。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 そうすると予備費に該当するような事項については、予備費からもらつて来るということは当然できますね。そういうものに該当しないようなもので節約額から戻してもらうということができますか。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) それぞれその項がございまして、それぞれの項に予算が残つておるわけですね。何も予備金から出さなくても、今の九億五千万円のうちでそれぞれの項に従つて足りない分は一応戻し、更にどうしても足りない分は予備金支出ということになると思います。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 そこが国全体としてはあなたのほうの歳入欠陥その他の全部百九十何億ですか、二百億であれば、全体としてとにかく賄いがつかんわけじやないですか。あなたのほうがどこからもらつて来るか、大蔵省自体全体として賄いがつかないのだから、補正予算か何かの措置で殖やさざる限りはできないじやないですか、予備費から廻すという以外に。どこかの省のを削つてどうかするということですか。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) それは九億五千万円の範囲内のことです。それ以上になれば予備金要求をしなければならないわけですね。九億五千万円で、而も項が違うから、項の流用は認めていない、項の範囲内ですから、そう多額な経費を解除はできないと思います。ですからそれぞれの項に従つて節約額がございますから、その節約額の範囲内で一応節約解除ということで途はあるわけです。その額がどうしても足らなくなつて来れば、これは予備金要求の形になつて来るわけです。予備金がまだ八十億ございますから、次の国会までには……。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 それは文部省ですか。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) いや大蔵省全部で(笑声)八十億ありますから、文部省で差当り考えられるのは義務教育の例の二十八年度分の残りがあるのですが、この分以外は差当つては今予備金を要求するような事項はございません。(「そんなに心易く予備金予備金と言うものじやない」と呼ぶ者あり)

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 その点は私はつきりしないけれども、まあ会計課長が言われたからできるかと思うのですが、文部省が節約を約束した分が又復活できるという場合は、自分のほうの科目の中から一応取つてあるものだから、できることはできるでしよう。併しそれは何らかの形で歳入が不足しておる分の補いの一部分になつておるわけですわ、この九億五千三百万円が。で、あなたのほうの予算科目の中からそれを例えば五億復活したとしたならば、大蔵省はどこからかその五億を出さなければいかんわけですわ、そうでしよう。その場合それが予備費から出せる場合は予備費から出せるけれども、出せない場合には実際としてはどこから出すというのですか。その辺の説明をはつきり伺いたい。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) その歳入の分は百億なのです。ですから歳出の分も百億で……。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 あなたのほうは歳出から九億幾らに相当する分が節約になるわけでしよう。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) そうです。ですからその範囲内は予備金要求をしなくても節約解除という手で行くわけです。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 あとの百億は……。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) 全体では百億が歳入欠陥になるわけです。ですから百億の歳入欠陥の分については、お話のような問題はありますけれども、あとの百億については、これは歳出の問題ですからこれは差支えはないわけです。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 その百億は歳出の分だけれども、それは節約しなければいけないという状態なんでしよう。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) 取りあえずは予備金から五十億出しておりますから、予備金は戻せば百三十億に戻るわけです。ですから金の面では因らないわけです。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 どうもその点が私は、はつきりしないのだけれども、次にもう一歩先に進んで、予備費のほうはなかなかこれも困難だと思うので、そこでお聞きしておきたいのは、今度水害がありましたね、全国で相当ある、文部省関係も相当ある。この全部の被害額と復旧所要額は文部省のほうは幾らになつているのですか。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) まだ見積りが全部集まつておりませんですから、正確なことは申しかねます。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 それはもう全部出ているはずで、文部大臣は関心がないだろうと思うのですが、相当大きな金額になつているはずです。そういうことを考えると、今言われるようなことで文部省の節約した補填だとか今後必要な経費等について復活するとかいうようなことはとてもできませんよ。そこで私がお聞きしたいと思うのは物件費だの施設費の一割というのは、これは文部省がこういう物件費や施設費を一割も節約するということはこれは実際重大な問題だと思うのです。文部大臣はこともなげにこれを当然のような説明をされているのですが、このことによつて支障を来たしておる事項が私は文部省としてたくさんあるはずだと思う。どういう施設を一割減らすことによつて、文部省としては正直にいつてこういう点が困る、こういう点が困るという点は私はあるはずだと思う。それを具体的に私はここで説明をして頂きたいと思う。それから今日数字がわからなければ、水害復旧のこれは重大な施設関係ですから、明日でも速急にその数字をここで報告してもらいたい。先ず今日は物件費だの施設費の一割を削ることによつて実際上文部省がこの点は非常に困る、これも困るのだということを具体的に私は文部大臣から説明してもらいたいと思う。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは具体的にとおつしやるが、例えば老朽校舎の復旧というものがありますね、それに対してこれを五%現実的にいうと予算が減つたと同じ関係になります。従つてこれは老朽校舎の改築の申請というものは御説の通りたくさん出ます。たくさん出るけれども予算の枠があるから、その予算の範囲で比較的急を要すると思うものにこれを配付しておるのが実際であります。その配付する補助金を配る、その総額がつまり五%だけ減る、こういうことになるのでありますから、現在ある建物を例えば大学にしても、その他のものにしましても、現在の建物をどうこうというのじやなしに、これからこしらえるものの、できる範囲を、つまり五%或いは二・五%の範囲だけ縮小する、それだけまあ事業量が減る、先ほど加賀山君のお話にありましたように、それが単価の引下げというようなことが、物価の低落というような事実を伴つて、単価の引下げというようなことがそこに伴い得れば、事業量としては五%減らさないで済むかも知れない。併しそういうことは早急に期待できませんから、一応そういうものが、五%なら五%の範囲、つまり当初予算がそれだけ少なかつたと同じ状態になる、こういうことであつて、現存のものがそのために非常に支障を来たすということにはならんと思います。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 それは文部大臣は少しおかしいと思う。これは私が考えるのは、現実に重要な教育施設等が私は支障を来たして来ると思う。当初予算よりもずつと支障を来たす結果に必ずなると思う。それを単価の問題を先ず採り上げてみても、一般の消費、卸物価は七%ぐらい下つて来ましたけれども、末端の価格は何にも一つも下つていない、そして品物別に見ると、建設資材関係というのは逆に上つておる、全体の物価下落の傾向とこれは逆なんですよ。ですからそういう点はむしろ逆で、そこに持つて来て、施設関係を一割も減らす、或いは仮に五%減らしても、これは実際上非常な支障を来たして来ると思う。当初文部省の予算であつても、老朽校舎の問題にしても、教室の問題にしても、或いは二部授業にしても、殆んど解決がまだできない。施設局長も非常に苦しい弁解をしながら何回も説明しておられる。そういう点はあなたの説明、まるつきり逆であつて、解決できない。むしろ解決できない度合いを深めて行くと思う、この一割によつて非常に。ですからそういうことを一つも考慮されずに、非常に抽象的に、それはまあ当初予算で大体行くと思うのだというようなことではなしに、私がお願いしておるのは、老朽校舎がどう、義務教育関係の施設がこういうふうに支障を来たすということを正直にここで、このことによつて困る点を具体的に説明をして頂きたい、こういうことなんです。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) ちよつと私の言うことをお聞き違いになつておるかと思うのでありますが、私はこの九億五千万円の節約があつても、当初予算に計画されたことがやつて行けるというふうには無論申上げない。節約しただけはやはりそれだけ窮屈になつて、仕事の面においてもそれだけ減らさざるを得ないということを申上げた。ただ現在国でやつておるものは、それができなくなるというようなことは起らんと思うけれども、無論それは節約すればそれだけ窮屈になる。又それだけ仕事が減り、仕事ができなくなるということは、これはもう当然であります。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 そうするとあれですか、現在計画したものが減るということはなく、計画した通りできるということは確実なんですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) それは減るのです、当然。それは手品みたいなことはできない、金が減るのですから。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 だからあなたのおつしやることは、はつきりしない。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) だからお聞き違いになつていわせんかと思う。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 減るのでしよう。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 減るのです。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 減るのだつたら重大な責任じやないですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 減らないとは申上げない。だから減らないとお聞きとりになつたら、お聞き違いだろうと思う。これは十億からの金が減るのですから、当然その限りにおいて仕事が減るということは、はつきりしておる、こういうように御承知願いたい。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 それではつきりして来ましたが、やはりこのことによつて計画通り行かず、これをむしろ下廻つてしまう。その上になお且つ物価は一般的に下落していますけれども、不幸なことには建設関係だけ上昇を辿つておる。そういう点は当初予算を審議するときと比べてれ大分上つておりますよ。そういうこともあつて、私は非常に文部省のような重要なこういう施設関係を持つ他の施設と違うと思う。文部省の施設は非常に重要だと思うのですが、非常に困難を来たして来ますから、どういうものが非常に困るということをここで明日でもいいから御報告願いたいと思います。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) これは一律に五%という、項の中の目によつては、できるだけ弾力性を持たしてありますので、例えば今お話の文教施設の中でも、老朽校舎或いは六三の分は二%ぐらいにしまして、その他多少余裕のあるようなところを率をかけるとか、そういうふうに項の中て、実際に即してできるだけ支障のないようには努めたつもりです。それから科学研究費の中で例えば研究機関のようなものは設備費が多うございますから、こういうものは除外して二%ぐらいにするとか、比率を非常にそこで項の中で調整をとつて、それぞれ局の事情、事業の性質によつて、できるだけ支障のないようにしてありますから、一律に五%、六%と申しましたけれども、その中では相当弾力性は持つておる。それからその人件費に類するものの点とか、或いは借料のようなものとか、理窟のつく限りは除外をしてもらつておりますから、非常に支障が起るとは今のところ考えられないと思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 初めにお願いしておきたいのですが、節約を今度することになつておる費目ですね、それを一つ一覧表にして出してもらいたいと思います。只今簡単な説明があつたのですが、どういう費目についてどれだけの節約をするかという、一覧してわかるような刷り物を明日文部委員会に出してもらいたい。初めにこれをお願いしておきます。  そこで文部大臣に私お尋ねしたいのは、今度どうしても予算の節約をしなければならん、こういう事情になつて来ておるということなんですが、それはその原因は、遊興飲食税とか或いは入場税というものから来ておると思いますが、これはまあ政府の考えておるような、国会に提出した法律が成立しなかつたというところに原因があるのだと思いますが、こういう場合は予算の節約ということよりも、予算を補正するというふうに考えるのが本筋でないかと思いますが、大臣はこの点についてどういう考えを持つておりますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは予算のそのまま執行ができにくい場合に、どういうやり方でこれを執行を円滑に運営して行くかということは、これは一律にどうしなければならんというものではないと思います。今回の場合は、一面において歳入の減収が起るような関係が予想される、それから歳出において増すような……、増すといいますか、一応当初百三十億、政府全体一カ年の予備費として百三十億というものが予定をされておる。この予備費の予定というものは年々の勘といいますか、何十年来の予算の大きさと見合つて、大蔵省で予備費の大きさをきめて行くのでありますが、それが一応財源不足のため修正されて、そのうち、百三十億の中で五十億が予備費から削除せられて、そうしてほかの修正に伴う所要の経費の財源の節減をはかる、予備費のほうで五十億減額になつておるわけであります。併し予備費というものは申上げるまでもなく、年度当初において予想し得なかつたような事態に対処するための経費でありますから、どうしてもこれは必要やむを得ざるだけの経費でありますから、八十億の予備費ではこの年間が切抜けて行かれないのではないか、こういうことが当然に考えられる。さような意味で各費目に亙り予算全体について二百億程度の節約をしよう、こういうのが政府の方針であるのであります。でありますから、それぞれ各省において節約し得るものについては大体総計において二百億を目標として節約をする、こういうことに、これは予算がそうなつておる以上はこうしなければならん、こういうことになるわけでありまして、それでこういう節約方針、これはいわゆる実行予算と称せられているものでありまして、これは前々からこういう場合に実行予算によつて予算全体の運営を円滑にするということはあるのでありまして仕事をする立場で言うと、節約ということは仕事の分量が減るでありましようし、それは甚だ困るのでありますが、併し、全体の財政の上からいつてそうせざるを得ない、こういう立場であろうと思います。今後非常な大災害が起るとか、或いは非常な突発な事態が起つて予算そのものを補正なりその他の方法によつて増減をしなければならんということがあれば、これは別でありますが、二十九年度の当初予算によつて現在までに起つた実情に対しては、この節約によつて対処して行こう、こういうのが政府の方針であります。従つて、この場合に予算の技術の面から、予算の編成若しくは実行の技術面からこういう場合にはどうすべきである、こういう場合にはどうせんきやならんという客観的な方法は一定しておるものとは思わんのであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 予算の執行に当つて、それを節約するという場合があるということは、私よく知つております。併し、今度の場合は遊興飲食税が国税に移管にならなかつたというような点、そういう点から財政収入の不足が来ておるわけなんであります。こういう場合にそのしわ寄せを他の全般の予算執行にしわ寄せになるというような結果になつて来ておるわけです。こういう場合は、それは予算の節約によつてそれを賄つて行くということも、それは法的にはあり得ると思うのですが、併し、こういう場合はやはり政府の考えている施策が実行できないというふうになつて来ておるのですから、当然その穴埋めのために一般予算のしわ寄せによらないで別途に補正を組んで行くべきであるという考え方も私は立つと思うのです。そういう点について今度はなぜ補正によらないと、こういうふうな態度をきめられたか、その点を伺つておるわけなんですが。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは一つは御承知の通り今日の経済事情等から見てできるだけ予算を圧縮したいという気持が基礎になつておると思うのですが、そこで予算において、予算はこういう予算として国会に提出したのですが、それに関連して法律案については又国会に移してそこできめる。そこでこれは予算と法律というものは関連はしておつても、それに国会の審議が束縛されるということはないと思いますから、これはそれぞれそういう意味でも両立したわけであります。これは国会の決議にされたその趣旨に副つて予算を実行し、法律はその決議の通りの執行をするという執行機関としての立場に立つた場合には、やはりこの予算で考えておるような考え方と、法律で決議された考え方の間に、そこに多少の差違があれば、それを調節して政府の責任においてそのギヤツプといいますか、それを調節しつつ国会の趣旨に副うた予算執行、法律の執行をして行くということが政府の執行者としての義務であろうと思います。従つて今回のような当初予算において考えたようなふうに、若しくは予算の成立したその予算の考えておることと法律の実際の、又決議との間にそこに多少の食い違いができれば、法律を変えるということはできません、だから予算の執行の面においてその食い違いに応ずるような執行の方策をとるということは私はむしろそうせざるを得ないんじやないかと、こう思うのであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 これはこれ以上質問しても同じことになると思います。私は補正によつてその調整を図るべきであるということを言つておるわけです。これに関連してお尋ねしておきたいことは、二十八年度の義務教育諸学校の半額国庫負担不足額たしか十億超えているのじやないかと思うのですが、これの財源措置、どういうふうにせられるお考えですか聞いておきたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは大体集計したところによると、十一億というふうに私は承知しております。但し今大蔵省とこれについて折衝しておるのでありますが、その十一億というものは、とにかく一応地方から申し出て来られた全額をそのまま集計したものです。それで事務的に内容を検討すればそのうちにはいわゆる国庫負担法による国庫負担の対象にならない金額が含まれておる、こういうことの意見が大蔵省当局にはあるわけであります。それらについて今折衝しております。けれどもこれは先ほど申上げましたように、結局その十一億というものをそのまま呑むか呑まんかは別論でありますが、併しそれが国庫負担の対象として考えられるべき経費であるということについての結論が出れば、それに対してそれに相当する国庫負担金を支出するということはこれは当然のことであります。その支出を何によつて支出するかということになれば、先ほどちよつと会計課長から申上げましたと思いますが、今年度に計上せられておる予備費というもので出すのが一番普通の筋途であろうと思います。それができないということになれば或いは補正でやる、或いは過年度支出として特別の費目に金額を計上して支出する、いろいろ方法は考えられましようが、結論としてはその十一億の一応地方で申出て来た数字がそのままということにはならんかも知れないけれども、事務的に義務教育費国庫負担法の半額負担の対象になる経費である限りそれに対する支出は間違いなく行われるわけです。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 この不足の金額についてこれは施設費とか、そういう関係の金でないわけです。主として給与の問題ですからそのときそのとき支払つてその額は明確になつておると思うのです。従つてこういう不足分については早急に処置されべき性質のものだと私考えるのです。それでもうすでに四、五、六、七と三カ月以上経つておる。これが早急にその穴埋めを措置されないということは地方にやはり相当影響を与えておるということは事実です。そういう点で今大臣のお話を聞くと、その金額について地方から要求があつた、その内容についてはしつかりしたのはまだきまつていない、こういうことなんですが、これはもつと早く処置さるべきではないかと私は思うのですが、どういうわけで遅れるのでしようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは成るべく早く措置したいと思つております。御承知の通りあれは五月でしたか、出納閉鎖、決算というものが五月の末日をもつて締切る。だから五月末になつてそれぞれの地方においても初めて正確な数字が出て来るわけです。それを報告が五月の末日即日報告するという所もあるかも知らんが、恐らくはその後六月に入つてから報告する向きが多い。ですからそれを集計しましてそうしてできるだけ早く国庫負担分は地方に払い出すようにしたいと、こう思つておりますが、ただ内容が、これはまあ議論のあることで、文部省としましてはできるだけ地方から言つて来たものをそのままということはできんかも知らんけれども、できるだけその線に沿うて支出をしたいと考えております。併しまあ大蔵省あたりの考えではその内容について、例えば実際は事務職員としての仕事をしておる、ただ形は形式が教員という形になつておるためにこの国庫負担分の中に入つておる、そういうものは困るとかいろいろまあ事務的にいうと問題があるようであります。例えば二十七年のつまり定員定額の当時に整理をされてその退職金が二十八年度に亙つたものがある。その退職金というものは二十八年度分としてその半額を負担すべきものなりや、これは二十七年度において当然支払われておるはずのものであるというようにいろいろ事務的にいうと、そこに文句があるわけです。私どものほうではできるだけまあ大蔵省に余りむずかしいことを言わないようにしてもらつて早く解決したいと思つておりますが、事務上のそういう点もありまして、今折角折衝しております。これは地方全体の予算のことでありますから、全部のつまりことでありますから、これがために俸給の遅払いが起る、無論そういうことは考えられないことでありますが、やはりそれだけ遅れれば遅れるだけ地方としては資金繰りに困るということもありましようから、できるだけ早く解決したい、解決するというか、支出の途を講じたい、こう思つております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今の十一億の内容について問題があるということで、その例について今のお話を聞いたわけですが、問題のある点は今お話になつたような点だけですか、もつとほかにありますか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 今大臣からお話し申上げましたあれは過程でございますけれども、まだ細かい折衝が全部済んでおりませんので、大蔵省側の全体の主張もわかつておりませんのですが、主な金額に大きな影響のある点と思われるので申上げますと、今大臣の言われたような種類の経費であります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 それでは府県で支出している実支出ですね、これの半額を国が負担するということになつておるわけなんですが、その県が実際に支出している金額については大蔵省は別に異議を言つておるというわけではないのですか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 一応五月の末で出納閉鎖になりますから、そこで地方団体側として正確に支出したものはわかつておるのでございますが、その経費の中に負担金の対象にならないものも存在しておるか、こういうことで今精査しておるわけでございますから、支出は支出でありますが、負担金の対象分との食い違いが問題になつておるわけであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 例えば退職金の問題にしてもこれはたしか半額負担の対象になつておる、そうじやないですか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 負担金の対象でございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 ところがこの退職金については地方においてかなりまちまちなのが現状だと思いますがね。それが国家公務員の基準よりも若干上廻つているという実例も相当あるのじやないかと思いますね。そういう場合にも府県が支出している半額は当然出されなければならんと思いますが、そういう点について疑義が起つておるとか文句が出ておるとかという点はないのですか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 今ちよつと大臣も言われました一つのことですが、年度区分の問題なども退職金の中には、はいつて来ているものがございます。これは全体として大きなことじやございませんけれども、退職金の支払が非常に遅れて前年度分くらいのが廻つて来たりしている場合もございますし、それから今おつしやつたような国の基準との関係ではそれぞれの地方の条例の定め方如何でもございますけれども、やはり条例の規定の上からいつても裁定の余地の残つておるような規定もございまして、その裁定が正しいかどうかというような問題も今度の負担金の最終額を決定する場合に精査をいたすべき対象にはいつておるわけでございます。一応正当に支出されたものについては問題ではなかろう、こう考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 それではその次の問題として自治庁が最近地方自治団体に対して財産調査をしたその結果として、赤字財政の原因についていろいろ指摘している。ところがこの赤字財政の大きな原因は教育費にあるというような点から、今後教育費の圧縮を図れという勧告といいますか、通達といいますか、そういうものを出している。これについて私は文部大臣の所見を伺つておきたいと思うのですが、現に公共団体では当初予算に相当な節約といいますか、或る所では、人件費は別ですが、その他の費用で五〇%とか六〇%の節約をしなければならんというふうなところが相当出ていると、私もその事実を聞いておりますが、こういう事態になつて来ると、これはまあ地方予算でなるほど教育費の占める割合というものは非常に大きい、それはよくわかるのですが、従つて地方財政の赤字の原因が教育費にある、こういう考え方ですね、大きいからそこから来ているのだというふうに判断されると、今後教育費は圧縮を受ける一方になつて来ると思いますね。そういうことになると実際教育予算というものはだんだん細ぼつて来ざるを得ない、それは延いてはいろいろ影響して来る、こういう結果になると思うんですがそういう意味で一つは自治庁の考え方に対する文部大臣の所見。それから現に非常に大きな割合で節約をするように自治団体は肚をきめざるを得ないようなところに来ておると思うのです。こういうことに対する処置ですね、そういう点についてお伺いしたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) ちよつと速記とめて下さい。

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) 速記とめて下さい。    〔速記中止〕

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) 速記始めて。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) その自治庁の調査ということについては私ども詳細のことを知りません。この点はなお自治庁について調査をしてよく聞いてみたいと思います。まあ自治庁は自治庁の立場で地方の赤字財政の再検討を考えておられることであろうと思います。ただ、教育費は非常に大きな部分を占めておりますから、教育費を使い過ぎているために赤字になつているということは私はないと思いますけれども、併し比率は非常に大きいから、やはり全体の赤字の上に或る程度の分量を占めておるということは、これは県によつて違うだろうと思いますが、そういうことはあり得るだろうと思います。ただ、それぞれ交付金については財政計画というものがきまつておりますし、そうして各府県なり市町村団体にそれを交付する場合には、やはり基準財政需要といいますかそういうものの見積りに基いて交付されておりますから、府県なりその他地方団体のほうで大体その基準に基いて支出が行われておれば、そう教育費のために云々ということは起らんのだろうと思いますけれども、併しそこはまあそれぞれの県まちまちの事情があるでありましようから、県によつては基準財政需要というものを相当上廻つた支出をしておるところもあるように承知しておりますし、又教育費に関係してそれに及ばないような程度の支出しかしてない県もあるであろうから、これはまあ一様には言えませんけれども、私どもとしては、一応教育費に関係してこれだけの経費が必要であるはずだという見積りの下に交付税が配付されたわけでございますから、できることならば教育費のほうは余り食い込まないようにしてやつてもらいたい、こういうことは常に考えてもおりますし、又私どものほうでこれは先般自治庁と一緒の通達もしてありますし、それから国庫負担金の第二・四半期の配付につきましても、やはりできるだけ内容を明らかにして、例えば定期昇給の分としてこのうちの二%が増額されておるとかいうふうに、よく内容がわかるようにして通達を出しております。ただ、御承知の通り、地方団体の予算なり予算できめること自体をそれによつて拘束することはできませんから、その点で府県々々によつてまちまちなことが起るとか、又文部省がこういうふうにしたいと思うようにしたことがその通りに行われないという点がある。これはまあやむを得ないことでありますが、できるだけその点は、国としてはこういうふうに考えておるのだという点は、はつきりするような方法で、教育予算を余りよそに持つて行かれないようにしたい、こういうつもりでやつております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 それじやもう一つだけ。教材費の問題ですが、今内藤課長からの説明によると、教材費については節約しない、対象外にしたと、これは非常に結構なことだと思うのですが、ところがこの教材費というのは実際は有名無実になつているのじやないかというふうに私は思うのですよ。この間も地方へ行つて聞いたのですが、国庫から教材費をもらつている、併しそれはプラスには全然なつていないのだ、こういうことなんですね。これはああいう法律ができて十九億か幾らかの予算が国庫から出されておる。非常にいい法律だと思うのですが、実際はプラスされていない。それだけ地方から出す金を減らして従来通りと何ら変えておらないというのが実情であつて、あの法律は一体どういうことなんだという質問をよく受けるわけなんですよ。これで何とか今まで地方団体が教材費として負担しておつたその上へ国庫負担分が行くようになればはつきりわかるわけですよ、ああ来たと。まあ有難いということになるわけです。併し今度は、国庫負担分を中へ入れてしまつて地方から来る分を減して大体予算は同じ金額で出して行くということになると余り有難くないわけですね。そういう点何か救済の方法はありませんか。

内藤譽三郎文部大臣官房会計課長

○説明員(内藤譽三郎君) 一つ一番問題なのは教材費が一部負担ということになつておりまして、地方財政との負担区分がしてないわけなんです。で、これは私のほうとしてはできるだけ今年の予算でも負担区分を明確にするように努力したのですが、平衡交付金から引抜くときにいきさつがあつて、地方が三分の一持つとか或いは二分の一持つとかいう負担区分を明確にいたしたいと考えて努力しているわけであります。  もう一つの点は、教材費の中身の問題なんでありますが、中身について理科と図書館については理科教育振興法と図書館振興法とによつて支出されておりますので、その対象以外の経費が教材費の対象になるわけです。で、できるだけ消耗品に使わないようには通達はしてあるわけです。今後問題になりますのは、今お話のような点もございますので、できるだけ地方財政の負担区分を明確にしまして、地方財源として負担分は地方のほうに財源措置をする、こういう方向で進みたいと考えております。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 今まで各委員からいろいろな質問が出ましたので節約実行予算についての実態というものが大体明らかになつて来ました。併しながら私は国会閉会後数県に亙つて歩きました中で、勿論私出身の山口県のいろいろな実情も聞いて参りまして、今のような実情では到底教育は立派に守つて行けないということをいろいろな角度で私は直接ぶつかつて参りましたが、大達大臣の直接関係のあります島根県でもいろいろなことが私のほうへ陳情されて来ました。今一番問題になつておりますのは、本年度は児童数が百万人も殖えて、島根県でも一万人の児童数が殖えております。これに対して府県では一人の増員もしていないのであります。これを県会へかけましても教育委員会へかけましても、結局委員会というものに財政権がないために、県のほうで言われて、殊に県知事など大変もののわかつた県知事のようでありますけれども、最後のところは校長も教頭も授業を持てばいいというふうなことを言つておられるようなことも聞いております。そこで私は大達大臣は地方教育委員とか或いは県教育委員会とか殊に地方教委に大変お力を注いでおられるようでありますが、今の地方教委は一体何の役に立つているかということを私はもう一度大臣自身によく調査して頂きたいのです。教育委員会そのものはあなたが考えておられるような目的だけで、若し委員会をたくさんの金をかけて育成されるとしたならばこれは意味ないものじやないか。本当に教育を守るという正しい、たた思想的だとか偏向教育というふうなものではなくて、本当に教育を守るというふうなこと、そのことから委員会の立派な育成というものがなされなければならんのじやないかというふうに考えまして、私大臣に一つ是非このことははつきりお答えして頂きたいのであります。いろいろの緊縮予算で或る面では先ほど申しましたように混乱と言つてもいいくらいな事実も起つているようであります。山口県や或いは鳥取県、島根県というふうなところは僻地教育の問題或いは寒冷地帯の処置、それらのことも決して十分になされておりません。それからいつかの委員会で申しましたように、離島振興法の問題につきましても、大達大臣は実際教育の事実というものを本当に御覧になつたことがあるかどうかということです。若し大臣が本当に立派な文部大臣として、あなたが国民に対してその最高の地位を占めておられるというような責任を自分が得られて恥かしくないというふうにお考えになるならば、文部省あたりのいろいろな机上のデ―タだでいろいろのことをおきめにならないで、もう少し事実の教育を見てもらいたい。私はこのことを重ねて申したいのです。そういう事実を御覧になりましたら、このような緊縮予算にいろいろなあなたの合理化とされている言葉など、あらゆる面がこれではいけないということを本当にお感じになるのじやないか。私はこのことが一番大事だと思います。現実の問題、国がこうこうこうしたから、ああしたからということでなくて、事実を御覧になつたら、あなたの今の職責というものがもう少し深く反省されなければならない思うのです。たまたま島根県の話を申しました。これは私あなたが島根県の代表としてまあ一応お出になつておる。大臣である以前にあなたは島根県出の参議院議員である立場、ほかの県のことは申しません、島根県だけの事実をよく見て頂きたい。このことは島根県の教育委員会のかたも、教育委員会も財政権がないので、たまたま教育委員会の委員のかたたちは今の保守党のものの考え方の人たちが大部分です。ですから財政権を握つている県だとか市町村、自治団体というようなものが初めはちよつといいようなことを言うが、へなへなつとみんな流れてしまつて本当に教育を守る熱意がある人は殆んど見受けられない。そこに私は幾らここで文部省がいろいろなデ―タ―を出して国の方向がああだこうだと言われましても、それであなたは今荒木先生のいろいろなお話によりましてそれなりのお考えをお持ちのようでありますが、現実は実際そうなつていない。一々こんなことを申せば限りない。老朽校舎の問題から三給の問題から養護教員の問題から数々山積しておる教育の隘路がある。結局あなたが事実を一つでも本当に御覧になつたら、給食の問題でも、もつと立派にできるのじやないかと思います。それで総括的には私はこういうふうなことをもう一度大臣にお願いして、私はお願いしたいのです。お願いして本当のことを見て下さい。あなたは本当に現実の教育というものを視察されたことがあるでしようか。それを一つ聞きたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 無論教育の現場をよく視察するといいますか、それは無論必要なことでありまして、私もできるだけそういう機会を持つて視察をして実情をよくはつきり会得したい、こういうことは無論そう思つておりますが、併しまあいろいろな仕事がありまして、体が一つしかないのですから、そうしよつちゆう見て歩くことは実際できません。できるだけそうしたいということは念願しております。無論申すまでもないけれども、政府とか文部省とかいうものは、これは一つの大きな組織でありまして、その組織が動いているので、その責任は私が当然負うのでありますが、併しそれには多数の人がおつて、現場にも参りますし、又現地からの報告も受けますし、始終それについて仕事をして、全体が組織として働いておるのでありますから、その全部を私が何から何まで皆承知しなければならんという理窟もなし、又それを承知して、私の独断ですべてを取運んで行くということになれば、又逆の弊害も起るかと思います。できるだけ勉強して事情を知りたい、こう思つております。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 今の大達大臣の御答弁、私は至つて不満です。と申しますのは、それは体は一つしかない、誰だつて一つしかありません。大達大臣の名は一つですから。ビキニの灰で新らしい突然変異で体が二つできたとすればそれは別でございますけれども。併し私はそのような軽はずみなこと……私は軽はずみな発言だと思うのです。やはり身を以て現場に突つ込んで行くという、現場の苦しみといいますか、そういうものを、教育にはどこに隘路があるかということを、身を以て感じなくて、本当に国民に応えるような文教政策はできないと思うのです。そこが私は、あなたがいろいろな法律をお出しになつたり、いろいろな予算をお組みになつたり、或いはこのような九億五千万円の緊縮実行予算に対しても、何の反応もないような、私はそういうふうな印象しか受けません。結局あなたが現実というものを無視しておられるところに私は日本の悲劇があると思うのです。あなたのようなかたを文部大臣に頂いておる日本の悲劇があると私は極論したいのです。そこでとにかくやかましいことは言いませんから、もう少し、今度来年度の予算が組まれる前に、どこがどういうふうになつておるかということを求めて、自分が苦しくても求めて、一番困つておるような学校だとか苦しい所というふうな所を、あなたが御視察頂いて、そうしてそこであなたが日本の教育の大本をお立てになることが私は一番今日のいろいろな問題の隘路を打開する根本原因だと思います。それだけを要請と共に要望しておきます。

中川幸平自由党

○中川幸平君 安部さんからいろいろ文部大臣にお尋ねがございましたけれども、制度の問題も考えてやらなければならんと思うのです。占領政策の行過ぎの是正をやつて来ておりますが、一昨年委員会行政の改革をしたことも御承知の通りで、あの際地方財政委員会或いは電波監理委員会の廃止について非常な反対もありましたけれども、やはり諮問機関として、その委員会の意向を尊重して大臣が行うということで、今日まで何ら弊害ないというような実情にありますので、この教育委員会のあり方ということについて、これは社会党の人たちは反対かも知れませんが、私は余ほど考えなければならん問題だと思うのです。それで大体政党政治は、これは責任政治である以上は、やはり昔のごとくまあ文部省でこれは一元して諮問機関として教育委員会を置くという程度が私はいいんじやなかろうかというように考えるのですが、文部大臣のお考えを聞いて、非常に言われた通りに、委員会の何をやつたところで、予算が、権限もないのだし、そういうところからいつまでも委員会行政が果していいかどうかということを私はつくづく考えるのです。で、文部大臣としてはやはりいつまでもそれでやつて行つたほうがいいというお考えでありますか。やはり責任政治として内閣に一元的に行われるというふうにお直しになるお考えであるかどうか。その点ちよつと伺いたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) この行政委員会というもの、これはまあ取扱う事務についても違いがありましようけれども、これが適当であるかどうかということについては、まあ世間でも非常に議論の多いところであります。このいい悪いは別として、少くとも言えることは、日本としては非常に戦後初めて紹介された制度であつて、その運営の上に十分でない点があるということだけは言えるのではないかと思います。そこで、教育委員会についてもやはりいろいろな意味から又今お話になつたような考え方も基礎になつて、これの存廃についての論議が盛んであることはまあ御承知の通りであります。私としましては、何しろ新らしく創設されたばかりの制度でありますし、今これを直ちに、まだ出発してそう日も経つておらんものでありますから、その功罪を今直ちにきめてしまうということは少し早まつておるのではないかと、こう考えるのであります。そうして、でありますから、これについての十分な検討は絶えず加えて行かなければならんと思います。思いますが、併し、そう又割切つた結論を先人的に持つて検討するということもどうかと思つております。ただその間現在制度があるのでありますから、制度がある以上はやはりできるだけその機能を発揮するように、又制度の趣旨に副うようにこれを持つて来なければならん。一面においてこれはひとり委員会制度には限りませんが、現存の制度に対するあらゆる角度からの検討、或いは改善ということもやはりやつて行かなければならん、こういうふうな甚だあいまいなることでありますが、今これについてどつちがいい、こつもがいいという結論を、私としてはまだそこまでは割切つた結論に到達しておりませんのが実情であります。

吉田萬次自由党

○吉田萬次君 今日の委員会が、奢侈繊維税の審議未了で終つた尻ぬぐいと、それからもう一つは入場税の減額せられたという、収入が減つたということが基本になつて、そうしてそのしわ寄せが各方面へ波及して、文部省の所管において九億五千万円というような厖大な額が削減されているということは、これは私は大蔵大臣のいわゆるペテンにかかつたというように考えます。大体大蔵大臣の予算委員会においての説明によると、一兆円の枠内において予算を組むという、このデフレ―シヨン政策からそういうことをやるというために、すべての方面を緊縮政策を基にしてそうして行なつて来たということを言われまして、そのときに若しこの予算で足りない場合がある場合にはどうするかというような質問が、私もしましたのですが、そのときに、二十九年度は自然増収が織込んでない。二十八年度までは自然増収というものを見込んで予算を組んだ、而も国民所得というものは年々増加している、当然自然増収というものは、あるべき自然増収というものは膨脹するところの予算に対して固定して行くという意味において予算が組まれたのであつて、私は一兆円以内で組まれた枠の中の予算として更にそれを減額せられるというようなことは、大蔵大臣のこれは責任において、今日食言と言いますか、私は一種のペテンにかかつたように思う。そこでほかの者においての予算というものには私は多少そこにゆとりがあるようにこれを見まするけれども、併し文部省の予算というものは実にまじめな予算であり、緊縮の上に緊縮せられている予算であつて、抜き差しならん金額というものが提出せられているにかかわらず九億五千万円の減額を見るということは私は甚だ遺憾と思う。これが普通の議会の開会中でありましたならば、私は議員としての施すすべもあると思いますが、こういう現在のようになつている場合には何ともすることができません。そこで私は大臣として、かような大達大臣のはつきりした言明それから方針ということを根拠にして考えましたならば、これは文部省まで緊縮のいわゆるこの影響を強く及ぼすということは、これはすこぶる遺憾と思うのであります。そこで大臣におかれましては、勿論御如才のないかたであるし、しつかりしたかたでありますことによつて、強く要望して、その復活を迫つて頂いて、でまるだけ文部行政におけるところの方針に誤まりのない、それから又できるだけ文化、教育の向上のために御奮闘、御奮闘と言つちや失礼かも知れませんが、是非努力して頂きたい。私はそれで質問と言うわけではなしに、予算委員といたしまして、予算委員会におけるあの当時の状況というものを、又私の質問に対する大蔵大臣の答弁というものをすこぶる私は遺憾に思うと同時に、この食言的なことが文部省へ、文部行政へ波及して来たということは私は非常に遺憾に思うのです。どうぞこの点御了承の上折角と御努力のほどをお願いするという希望を述べたいと思うのであります。どうぞよろしく。

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) 如何でございましようか、本件に対する質疑はこの程度にいたしまして、次の案件に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) 御異議ないと認めます。  それでは午前はこれで休憩いたしまして、午後一時半から再開することにいたします。    午後零時二十九分休憩    ―――――・―――――    午後二時二分開会

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) それでは午前中に引続きまして文部委員会を開催いたします。  教職員の定期昇給及び昇格の件について、その一般状況に関して説明を求めます。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 二十九年度の第一四半期、今日までの状況における二十九年度の地方の教職員の昇給、昇格状況を御説明申上げます。  御存じの通り、国の制度にならつておりまするので、大体四月が昇給時期に該当いたしております。その四月の昇給の状況を私たちのほうの調査によりますと、七月までにそれが済んでいる県が二十四府県ございます。七月中に実施予定と報告されておりますのが十二県ございます。お手許にお配りしてございます資料に長崎県が未報告になつておりますが、報告が参りまして、七月中に実施いたすということになつておりますのでその県が十二県、それからまだ今日状態のはつきりいたしません未定と報告されている県が十県、今日の状況をとりあえず御報告いたします。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 これは四月分の報告なんですが、一月も実施されていない県がある。その分があれば御報告して頂きたい。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 二十八年度中の昇給の実施状況は、一月がまだ済んでおりませんのが福島県一県でございます。あとは全部済んでございます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 六月のほうもついでに……。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 先ほど申上げましたように、大体国の基準でやつておりますので、昇給の時期が四月、それから七月、十月という形でございますので六月はございません。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今一月の昇給をやつていない県は福島県だけのようなお話でありましたが、私の聞いているのではそのほかに神奈川県、山梨県、それから島根県、大分県、これらもやつておらない、こういうふうに聞いているのですが、これらの県はどうなつておりますか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 今の県についてのお話でございますが、私たちのほうの調べでは神奈川県は遅れておりましたが、四月に一月分は済んでおります。山梨県も三月中に済んでおります。島根県は遅れまして、今年度からやりましたが、五月に済ませております。大分県も遅れておつたようですが、三月中に済ませたと報告がございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 それで只今の報告によりますと、四月の昇給については二十四県が済んでおるということですが、これは丁度半数に当ると思いますが、昇給ということはなぜこういうふうに相当多くの府県において実施されておらないというその理由ですね、そういう点おわかりでしたら御説明を願いたいと思います。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) これはいろいろな事情が各県ごとにございまして、からみ合つておることと思うのでございますが、一応私たちが考えられます理由といたしまして、四月の昇給、この時期が丁度三月末の人事異動、これが四月にかかつて参りまして、これの配置状況がはつきりいたしてその資料が集まるのがどうしても時間がかかつて遅れるということが一つの原因じやないかと思います。それからもう一つは、これは特に今年において顕著なる傾向でございますが、従来ともあるのでございますが、第一四半期は地方団体に税収入がまだ入つて来ない段階でございまして、主として国庫負担金或いは平衡交付金に財源を仰いでおつたのが実情でございますが、本年は地方税、財政に関します国の法律改正等の措置が四月、五月と遅れて参つて来ておりましたので、これに伴います大きな財源である交付税の交付も遅れておつたので、財源的に事情がかなり苦しかつたということも原因になつておるのじやないか、こういうふうに考えられます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今の説明によると、時期が遅れておる理由について御説明があつたわけですが、そうすると、まだ四月昇給を実施しておらない県は近く実施する、こういうことなんですか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 先ほど申しました通り、私たちのほうへ報告がございました十二県は七月中に実施する予定、こうなつておりますので、予定通り行けば七月中に更に十二県が昇給を実施することになると考えております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 あとの十県については……。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) あとの十県につきましては、理由は一々報告がございませんが、まだ現在のところ未決定だ、こういうことになつております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 いや私が聞いておるのは、実施されておる所、或いは近く実施される所、それはまあいいですよ。実施未定の所ですね、なぜ実施未定になつているのか、それらの県の理由ですね、それを伺つておるのですよ。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) これは各県のそれぞれいろいろな事情がございますし、私たち全面的にその理由をすべての県について承知いたしておりませんが、関係者の上京の折、或いは直接おいでになつてお話を伺つた範囲内では、例えば昇給昇格の、昇給についてもですが、該当者の全部じやなくて、何割、八割とか八割五分とか、そういう程度で昇給を実施したらというような府県の財務当局の話があるので、それを承知しがたい状況で交渉を進めておるために、まだ実施の時期が選れておる、こういうような報告の県もございます。それから他の場合には、地方の教員の給与が諸所の事情で年次的にはかなり凹凸があるので、一定の基準に比べて非常に高いところもあつて、それらをならすというような意味で今話が進行中なので、そういう情報も出て来ておるので、その点についての交渉がまとまらないから、まだ昇給ができない。いろいろな事情があるようでございますが、一、二聞いたところではそういうようが話がございます。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 これは文部大臣にお尋ねをいたしますが、四月昇給が今日なお実施されていない所はかなりある。このことについて私は非常に遺憾なことだと思うのですが、文部省として何らかのこれは考慮を必要とするのじやないか、或いは対策が必要になるのじやないかというふうに考えておるわけなんですが、今の財務課長の説明によると、近く実施される、或いはベ―スが若干高いので、調整のために据置になつておるようなところもある、こういうお話です。これは私は了解できないのです。今昇給されていない府県は、これは比較的ベ―スは低いですよ。東京とか大阪とか、ずつとそういう所は割合に高いのです。高い率が実施されておりますよ。で、割合に低い所が実施されていないのが実情ですよ。だからそういう調整というようなことは私は理由にならないと思う。これはその他に理由がある。これはのちほどお伺いしますが、それはともかくとして、或る法律できめられた昇給時期ですね、昇給時期に昇給を受けないということは、これは不当な待遇だと私は思うのですよ。で、これはそのままにしておくことのできないものだと思うのですが、文部大臣の所見を伺つておきたいと思います。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これはお話の通り、国としては一定の定期昇給というものを財政計画の上におきましても、それから又国庫負担の経費の見積りにおきましても、一定の昇給分というものを見込んであるわけです。そうしてその点は地方にもその意味の通達がしてありますから、それぞれの地方でもこの点は承知しておるはずなんです。でありますから、ほかに事情がなければ、恐らくはその通りに、国立学校の教職員に準じてその給与を行うということになつているから、その通りに行くわけでありますが、併しまあこれはいろいろな事情があろうと思いますけれども、それぞれの地方々々の事情で昇給が遅れているということは今この表でも明らかでありますが、ただこれをそれじやどうして矯正して、そういうことのないように矯正するというのは、まあ直させるということですが、するかということになると、これはまあほかの場合の経費についても同様でありますが、これを地方にどうしてもそうしてくれということを或る程度拘束力を持つて地方のほうにやるというと、これはまあ現在の法制の建前上できない。でありますから、文部省といたしましては、ただ文部省が考えておる経費の内容としてはこういうものが見積つてあるのだという点はいつもわかるように、これは自治庁のほうとも連絡をして、又文部省が各四半期ごとに国庫負担金の交付をいたしますが、そういう場合にでもその内容がよくわかるようにして出しておるわけであります。ただ現在の法制では、これは地方自治体の建前で、地方の裁量で、仮にその通りに行われなくても、これを国として干渉するといいますか、強くそういうふうにさせるということができない、これは御承知の通りであります。私どもとしては、できるだけその事情を明らかにして行くという以上には、今のところはいわばどうしようもない、こういう問題になりますと……。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 それは筋としてはおつしやる通りなんです。併し昇給が遅れている、或いは昇給ができないという理由の中に、先ほど質問をした昨年度の国庫半額負担分ですね、この支払が非常に遅れておるということが、やはりこの金はうまく出ないのじやないかというふうな不安が地方にあるのじやないか。これが全部とは申しませんが、これが一つの理由になつているのじやないかということを感ずるのですがね。そういう点全然ないですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) それはまあわからないのですけれども、実はそういう点の心配はしておられるのじやないかということは十分我々には考えられる。御承知の通り二十七年度までは定員定額方式でありますから、この定員定額も極く合理的なものであればそういう問題も起らなかつたわけでありますが、この定員定額というものがかなり実情を離れたものであつたために、定員定額であるから当然に二分の一負担といつてみたところで、これは打切りでありますから、その関係で相当に地方では教育費の面において赤字が出た。が、その間の赤字というものは今日までいわゆる赤字として持越して来ておるというような話も開いております。でありますから、実際支出額ということに二十八年度以降変つて来たにもかかわらず、それで打切りにされはせんかという心配はこれは相当あるのじやないかと思います。現に国会においてもその点について念を押されるような意味の質問が出、この間の前国会においてもこれは非常にあつたのです。今の赤字財政十億円というものが予想されるけれども、これは果して出るものか出ないものかという意味のことは予算委員会において、恐らくこの委員会においてもあつたと思いますが、それは要するに前の定員定額で懲りてしまつたものですから、何とか言つてもあれは出ないのじやないかという質問が事実あつたのです。これに対しては私は機会のあるたびにこれは法律上当然の義務支出であるから、それは時期は、仮に予算がなければその点を予算措置を講じた上でなければ出せないかも知れないが、支出としては必ず出るものであるということを繰返してお答えをしておきました。衆議院のほうにおきましても、それで本当に間違いないのでしようかというような念を押して、なお文部大臣はああいうことを言うが、大蔵省のほうもそれでいいんですかというふうに、まあ非常にそこのところは従来の関係もあつて、これが二十八年度において初めて施行された、初めてと言いますか、以前あつたかも知れませんが、ということでその点の心配はあつたように思います。併し今日ではもうその点は私は解消しておるだろうと思います。これはもう衆議院でも参議院でも一度や二度でなしに、その点はしばしば念を押されたことであり、その都度私もはつきりこれは申上げておつたのでありますから、殊に実は大府県、富裕県につきましては、大体これは政令によつてほぼ実際がこれは或る程度打切りでありますから、政令の富裕県というのは……。殆んど実際の支出額というものは決算を待たずして明らかなのでありますが、併し他の府県のいわゆる弱小な経済力の比較的貧弱な県で年度末における赤字のための万一にも給与の遅払いとかいうことがあつてはならんということで、多少はそこは加減をして赤字のあれは何割まで出しましたか、殆んど九割六分とか七分とかという程度まではカバ―ができるように予算は配賦したのです。そのほか弱小県のほうではその関係からでは相当にそれがために困つたということは私はないかと思います。その点は暫くの間多少富裕県に迷惑を持つてもらつたというような、実際に内輪のやり繰りをしたのであります。富裕県のほうはそれがためにどうということはないと思います。そういうわけでありますから、それが直接今度の俸給の昇給を遅らした原因にはなつておらんと思いますが、ただ黒船を遅らしておる県においては、先ほど財務課長からも申上げましたようにいろんな事情がある。俸給の昇給実施して行つた県としましても全部を昇給さしていない、八割とか八割五分とかいう程度で昇給を認めたというような所もあるようでありますが、そういう点について地元の教職員組合との話合が十分できていない、そういうことに手間取つて昇給が遅れている、四月以降未定というのはそういうものがあるのです。そういうわけで、これは引つくるめて極く根本的に言えば、一口に言つて地方財政の脆弱と言いますか、殊に積年の赤字が或る程度累積しておつて一般的に地方財政が窮乏しておるということが何と言つても一番大きな原因だと思います。それはまあいろいろそのときの事情で理窟も多少つけて地方では説明しておるのかも知れませんが、ただ、今申上げるように、これはやはり一般の財政に繋がる問題でありますから、この分だけを特に取上げて是が非でもそれを実行させるということになりませんから、その点まあ文部省としてもいろいろ苦心をしておるわけであります。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 財務課長に尋ねますが、これは未実施の所は予定としては実施される見込があるのでしようか、どうでしようか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 先ほど申上げましたように、個々の県の事情について全部詳らかにいたしておりませんが、例えばこの間奈良の教育長にもお会いしたのですが、昇給該当者の比率の問題で今はつきり結論がつかないで延びているのだ、これが解決つけば必ず実施するのだということを言つておられましたし、その他岩手県のごときは条例の措置が出ておりますので、こういうところはどういう形に将来考えているか、形式的に見ますと、条例のままで行くならば、或いは四月の昇給を遅らして行くということも考えているのじやないかということも予想されますが、個々の県について詳らかにいたしておりません。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 今若手県の話が出ましたが、岩手県で考えられている条例ですね、あれは法律違反になるのじやないでしようか。文部省の見解を聞いておきたい。ああいう条例を作ることは私は法律違反になるのじやないかと思います。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 岩手県の給与条例は従来の給与条例の中身を変えて、一定の期間昇給を延ばす、或いは抑える。条例の中身は概略こういうことでございますが、現在教職員の給与は各府県で条例でその措置を定めることになつておりますから、その点だけから直ちにこの条例が違法の条例であるということに断定することはできないと思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 岩手の条例の内容は一定期間昇給をストップするというのです。併し昇給の規定は国家公務員のほうにははつきりあるわけであります。地方公務員の場合はこれに準ずるということがあるわけです。それを条例で以て昇給をストップするということは私は違法たと思う。その点もう一度説明してもらいたいと思います。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 国の給与法をそのまま使つておる場合にはいろいろな問題があろうかと思います。一応制度上は都道府県の条例で定めたその規則によつて給与行政を行なつて行くということが制度上認められておるのでございますので、岩手県が給与条例を定めたことが国の給与法と全然同じでないということで、直ちに違法とは断定しがたいのではないかと思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 この例によるということですが、これはこの間大達文部大臣がお出しになつた教育関係の二法案でも、国家公務員の例によるとありまして、国家公務員法の人事院規則を適用することになつております。例によるということは私はそんな軽いものではないと思う。どうでもいいという意味ではないでしよう。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 現在小中学校の先生の給与に関しましては、教育公務員特例法の二十五条の五に根拠がございますが、例によるというのではなしに、基準として定める、それは条例で定めるというふうに規定されておりますので、直接は条例が根拠になつておるのであります。曾つて国立学校の、或いは国家公務員の給与の例によるという規定がございましたけれども、二十六年でしたか、地方公務員法制定のときに基準として条例で定めるという形に現在は変つております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 その点は私もよく記憶していなかつたのですが、その基準によるということになつたとしても、全然昇給をストップするということはどういうことですか。あれはたしか二年間昇給をストップするというふうに聞いておるのですが、そういう条例が作れるものかどうか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 私はその間の事情はよく存じませんが、地方公務員の給与の問題ですから、やはり地方団体の条例できめる、こういうことになつております。ただその条例をきめる場合に国の公務員の給与を基準として条例できめる、こういうのが法律の趣旨だと思います。でありますから、現実の問題としては条例がどうしても給与の直接の根拠にもなる。今問題とされるところは、条例自体は国の公務員の給与を基準としておるかどうか、していないとすれば、基準としてきめようというその法律に違反するのじやないかと、こういうことになるのじやないかと思います。併しこの基準とするということはその通りにせよということになるのか、若しその通りにせよということであれば、法律で直接その例によるというふうな書き方をして、法律自体できめればそれで済むことであつて、条例というそういう形を通す必要は実質的にはない。だから基準としてきめるということは、地方々々の自治体の事情というものは、やはり自治体の意思で以て条例としてきめる、ただその標準を国の公務員並の標準に則るというような、いわば訓令的な規定だというふうに思われるのじやないかと思います。それが果してさような違法の条例であるかどうかは相当議論の余地があると私は思います。これは国の基準によるという意味は、厳格に国と同じようにということであれば、例によるということで同じように法律が直接きめるわけでありますから、そこはその法律を変えて基準として条例できめようということは一応の標準とし、全然無関係の突拍子もないというものじや困ると、そういう意味なのか、もつと正確に国と同じようにやれということなのか、そこに多少幅があるのじやないかと思われますから、そこに条例が違法であるかどうかという議論が生ずるのじやないかと思います。具体例としては例えば事実上国の教職員の給与基準よりは従来いろいろな事情で相当上廻つて、二級も三級も、例えば国立大学の附属の、同じ時期で同じ資格のある人が国立学校の附属の先生になつた場合と、それからそのどれかの県の公立学校の先生になつた者が、公立学校が何かの事情で事実上国の公務員の基準より二級も三級も実際は俸給が上廻つておるというそういう場合に、臨時の条例で足並を揃えるということは無理な話でありますが、足並を揃えるという意味で国の公務員と足並を揃えるために昇給を二年間ストツプするという規定は、岩手県の場合実情は知りませんが、そういう場合に果してその条例が法律で言う国の公務員の給与の基準として定めたものであるのかないのかということになると、相当議論の余地があると思います。それで私どもとしては、一概にこれは具体的な問題を見なければわかりませんが、その条例が違法なりというようなことは早急に結論はなかなか出ないのじやないかと思います。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 私も基準によるといことであれば、その通りにするということでないと思う。その点は全く文部大臣のおつしやる通りだと私も思つております。併し全然ストツプしてしまうということはこれは問題だと思います。私も事情は詳しいことは知りませんが、こんなふうにちよつと記憶しておるのですが、三本建が出た結果、高等学校と中小学校に給与の差等を付けなければならないということから、小中学校のほうを二年間据置いて、そこに自然に差等が付くようにしよう、こういうことによつて起つて来た問題と違いますか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 私も岩手県から聞いたことでございますけれども、問題はやはり三本建の実施に源があつたことは御承知の通りだと思います。ただその場合差等を付けるために片方を据置きにするというのでなくて、聞いておりますところでは、三本建を実施するというと、高等学校のほうが一月一日付で一号上る、その問題に関連いたしまして、国の基準に合せてやる前提として基礎の俸給の実態を国の基準に合せよう、こういうことから出発したと聞いております。高等学校と小中学校を通じて一遍現状を洗いざらして国の基準に戻してから、そこから三本建を完全にしよう、こういう考えであると聞いております。

荒木正三郎日本社会党(第四控室・左)

○荒木正三郎君 いずれにしましても、あの条例は私は軽く見ることができないと思います。岩手県の給与の水準というものは他府県と比べてそう高くないと私ども考えております。然るに昇給をかなり長期に亙つてストップするということは相当悪影響を私は与えると思います。精神的にも、勿論実質的には給与がストップするのですから、教職員は困ります。こういう問題は何かうまく指導してうまく持つて行く余地があるのではないかと私は思います。そういう点で今日これ以上お尋ねしてもどうかと思うので、ちよつと研究しておいてもらいたいと思います。併しやはり大きな問題は相当数に亙つて昇給が実施されておらない。私はこの傾向は今後もつと殖えて来るのではないかというふうに心配しておるわけであります。そういうことになれば、折角今日まで各方面の努力によつて地方公務員である教職員の待遇が国家公務員と並行して逐次改善されて来た。それが私は今後傾向が悪くなつて来る。これは杞憂になるかも知れませんが、杞憂になればいいのですが、そういう心配をするわけであります。そういう意味において文部省としてできるだけの私は努力をして頂いて、定期昇給が円滑に進むように私は配慮してもらいたいということを希望しておきます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 ちよつと関連して。今荒木さんから御要望があつたのですが、重ねてお尋ねいたしますが、この未定の十県の昇給は大臣の立場としては、これはどうしようもないという御発言があつたと思うのですが、私はそのどうしようもないということは、私は国としてどうしようもないという御答弁だと受取るのですが、大臣としてはやはりどうしようもないというのでなくてどうかしなければならんというお気持をお持ちになつていると私は解釈するのですけれども、どうしようもないということの意味ですね、これは非常に私は問題だと思うのですが、どういうふうにお考えになつてそういうことをおつしやつたのですか。どうかしてもらわなければならないと……。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは地方団体の意思によつてきまることでありますから、これに文部省或いは政府として団体に圧力をかける道はない、そういう意味でどうしようもないと言つたのです。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 私は文相が何も圧力をかけるとか、そういうことがいいとか悪いとかいうのではなくて、現実に国全体から見ても二十四の都道府県はこれはやはり定期の昇給というものをいろいろな理由はあつたにしても、これは実施しているわけです。それからほかの十二県についても何とか七月中にはこれを実施しなければならないというので、大体その予定が組まれておる。併しあとの他の十県の問題についてはこれは大臣もどうしようもない、地方もどうしようもないでは、一番迷惑をこうむるのはやはり直接には先生方ではないかと思うのです。こういうことを国が手を束ねて構わないでおいて、教員組合側は闘争ばかりしているとか、どうも激しいとかいうことを言われますけれども、原因はやはりこういうところに私はあると思うのです。若し大達文相が教員組合が騒ぐのがけしからんとおつしやるならば、この十県の問題については圧力をかけるとか何とかいう問題ではなくて、やはり大臣として打つ手というものは私はあると思うのです。やろうと思えばおのずから道が開けて来ると思います。ほかの県が現実できているのに、このできないものに対してはやはり大臣としては政治的な手というものを当然私はお打ちになるべきだと思うのですが、如何でございましようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 先ほども申上げましたように、地方の教職員に対する文部省の予算措置の内容としては、昇給分というものを見込んである、この点は常に怠たらず地方にも申しております。でありますから、それが現実数個の県においては昇給の問題を今以て解決しておらん、又県によつては昇給をストツプするということを明らかにしておる、こういう事情はわかつておつてのことでありますから、圧力という言葉がどうでありますか、とにかく何らかの意味でこれをどうしても昇給させようということになれば、やはり或る程度の拘束力を持つた働きかけをしなければ打つ手がないということになるわけであります。その意味でこれはそこを乗り切つてしまうということになると、これは又別途の意味で地方自治体に対する不当な干渉である、圧力を加えるものであると思う。こういう問題になります。現在の法制の建前がそうでありますから、やはりこれは地方自治体のいろいろの財政上の事情から来たものと思いますが、そこは地方の自治体の方面なり或いは教育委員会の善処に待つほかはない。打つ手があるとおつしやるけれども、その現在の法制上においてとるべき手は尽してある。それでも行わないということになれば、どうしてもこれは何か或る程度圧力をかけて是非そうせよ、こういう命令がましいことを言わないと、なかなか実現はむずかしいのじやないか、こう思うのです。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 大臣に重ねてお伺いしますが、国としては財政計画の中にちやんと教員の定期昇給というものを組んで、それが地方に流れておるのに、地方がそれを実施させないという実情に対しては、やはり大臣としては実施させよう、国のほうではこれだけの手当をしているのだから、万全を期してこれが措置に当つて欲しいというくらいの大臣としてはそういうことについて強い要望をされるのが当り前だと思うのですが、如何でございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) この平衡交付金と申しますか、地方税交付金ですか、これの内容については政府で地方自治体の経費というものがこの程度の基本的な支出が要るはずだということで、それを見積つて交付するのであります。その場合にその内容を説明をすることは要するに一種の参考と言いますか、政府の意図するところを伝えるという、これ以上には出ないのでありまして、若しその見積、こういうふうに要るはずだという基準需要というものをその通りに地方に実施せよということになるというと、今度は地方団体としてはいわゆる自治体ではなくなつてしまうということになる。つまり政府がきめた内容のものを、その通りの予算を組むということになれば、これは釈迦に説法ですけれども、これは中央の出先機関になつてしまつて、自治体というものにならない。だからあなたのこれだけ要るはずだからというので渡した金は地方に行けばその通りに使わなければならんということであれば、これは地方自治体というものでなくなりますから、そこのところにただこういうものであるぞということで期待をするということはありますけれども、そうして内容をよくわかるようには手配しておりますけれども、それ以上の立場をとるということは、これは一面においては又地方の自治に対する干渉ということに私はなると思うのであります。これはひとり文部省関係の経費だけじやありません。各省関係の経費でいわゆる自治庁の地方財政計画の内容として盛られる経費については、みんな同様の関係であろうと思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 一面の場合においてはそうかと思うのですが、義務教育費半額国軍負担法によつて実支出額の半額を国が負担するというこの法の精神というものは、或る程度の法解釈から言うと、拘束力を持つているものだと思います。つまり教職員の給与の適正を国が責任を持つ、国が責任を持つということは、同時にこれに対する地方団体の責任も私はこれに裏付けされていると思う。そういうふうな義務教育費半額国庫負担法の精神から考えてみても、国の措置したものがその通りに実施せられないということについては、やはり相当の政治的な立場から大臣は御奮闘になつても私は筋が通ると思うのです。何も大臣が強い御要望をされたからと言つて、この地方自治体の自主性を蹂躙するというようなことには法の精神から言つても私は相成るまいと思う。これは意見だということになるかも知れませんが、ただ具体的にはちよつと財務課長にお尋ねしたいのですが、昇給昇格というものの財源措置というものは、実際に昇給させる人員と昇給額というものが財政措置の中に的確に間違いなくこれは組まれておるのですか、そこが問題だと思うのです。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) これはひとり教員、教師だけじやございませんが、一般に給与費の年間の昇給、いろいろな方面の給与費について昇給というものが行われますが、これを財源的に見て行く場合に、要するに四月の年度の初めの給与の高さと年度末における給与の高さというものとの差を年間にならして財源昇給財源というものを予算の上に弾き出すことになつております。それを本年度も負担金のほうでは積算基礎に入れて昇給財源として入れているわけであります。ですから個々の何人がどうこうというのじやなくて、財源上昇給に要する財源分として弾き出して来るわけであります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 前年度も昇給昇格の場合に若干の不足があつたように私は記憶しているのです。本年度は、その実績に鑑みて適正な措置がとられているというふうに御答弁になつて頂けますか。

天城勲文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(天城勲君) 昨年度の問題で、結論として負担金は清算の問題に入つたわけでありますが、今年は去年の実績を基礎に置きまして、本年はこのくらいだろうという予算を組んでいるわけでございますが、結論はやはり実績負担でございますから、出てからの問題になりますが、一応積算としてはそういう見込で財源分を見込んでおるわけでございます。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 大臣に重ねてお尋ねをいたしますが、この本県の昇給未定の分は岩手のストツプ条例に右へ倣えをして再度ストツプというような姿が出て来るのではないかと思われますが、大臣はそういう杞憂はお持ちになつておられませんですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) そのお答えの前に、ちよつと先ほどのに関連してのことでありますが、先ほど私が高田先生に申上げたのは、自治庁のほうで見積つておる財政計画と言いますか、個々の団体について言えば基準財政需要のほうを申上げたのであります。国庫負担のほうは、これは直接……、間接は別ですが、直接それの関係は起らない、これは実際地方が支出すればその支出額の二分の一を負担をするという法律でありますから、地方で基準財政というものにまで達しない程度の支出をした場合に、その達しない程度のものの半額しか負担しない、又実際の県の事情によつて自治庁から交付される地方交付税よりも更に上廻つた支出をしておる場合でも、国庫負担の点についてはそれが実際に支出せられた限りはやはり半額を負担する、こういう建前で、これはあとから追いかけて地方が実際出したものの半分を負担する、こういう建前のものでありますから、先ほど申上げたのは大体これくらいは要るだろうというつもりで渡す金は自治庁から出る平衡交付金のことであります。こつちはあとから実際出たものの半分を出す、実際の支出が自治庁が考えているものより上廻つてもなお且つ半分は出す、下廻ればやはりその半分しか出さない、こういうようにこれは実際に伴うものであります。その点を申上げておきます。  それから今未定という県のそれぞれにつきましては十分に承知をしておりません。岩手県の場合のように今後財政事情で当分昇給ができないというものもあるかも知れませんし、それから先ほどお話申上げたように、大体八割、まあ人員にして言えば昇給期に達しておる人の十人まではむずかしいけれども、まあ八人程度は昇給する、こういうような県もあるようであります。それがそれじや困るからもう少しちやんとみんな揃つて昇給してもらわなければ困るというようなことでまだ話合いもきまらん所もある、それはそれぞれの事情があろうと思います。一々の県の事情はまだ十分わかつておりませんので、報告はまだきまつておらんということでありますから、具体的のことについては見込はちよつと立ちかねますが、非常に地方の財政の赤字の累積によつて、而も自治庁としては今までに累積した赤字を早く解消するということが地方財政を建直すところの先決であるという見地をとつておられるようでありますから、何とも申上げかねる。一々の県の事情については事務当局のほうでわかつておるものについては御説明を申上げたい、こう思います。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 高田委員の質問に関連して、今文部省の権限ということが非常に問題になつておると思います。而もこの拘束力という言葉については、勿論文部省が教育委員会の使命を侵すようなことがあつてはならないということは、これは原則として認めます。併しながら先ほど申上げましたように、島根県の次長の説明を聞きますと、今年度一万人の児童が増加したにもかかわらず定員は一つも殖えていない、こういうふうなことを聞きますと、どうしても私は今年度はあのように予算が大変少いから、例年のような企画では増員できなかつたことも、これは結局いろいろな事情で私ども認めたくないけれども認めざるを得ない事情になりましたが、それにしましても、如何ほどかの定員は私は増加になつていると思うのです。百万人も全国増加した児童に対して文部省では定員が見積られておりますね、予算を組んだでしよう、そのような実情でありながらその現場の教育行政に当つている委員会はこれを実施していないということになります。ところが教育委員会の事務当局では県知事の態度がその通りだし、又県会議員の人たちの考え方が先ほど申しました通りだから何とも手の施しようがないというわけです。それで私は言付けを言われたのです、文部省に。殊に大達大臣に何とかこの道をはつきり筋の通るようにしてもらいたい、こういうような私言付けを受けて来ましたので、この拘束力の問題については、先ほど高田先生がおつしやつたように、このままではいけないということは私は大達大臣もお認め下さつていると思うのですが、それに対する手段と言いますか方法、そういうふうなことについては適当な法を侵さない方法があると思うのでございますので、その点早急に善処をして頂きたい、こういうふうに考えます。大達大臣の御意見を一つ……。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) それは島根県からの言付けでありますか。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 ええ、そうです。私が島根県の選出の参議院議員みたいになつて誠に恐縮でございますが、大臣が直接お聞きになるのが当然だと思いますけれども、そういうことでございます。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 私どもとしては先ほど申上げましたように、現在の制度の上で行過ぎにならない限度においてすべてやつておる、こういうふうに思つております。ただ法律上の権限と言いますか、行過ぎになつてまでということは、これはいろいろな問題がありまして、これを文部省なり政府が希望する通りに地方にさせるということについては、これは地方の実状がありますから、なかなか島根県のようなところもこれは貧乏県ですから、いろいろ苦しい点があつて恐らくそういうことになつているのだろうと思います。実は義務教育費の国庫負担法におきましては、二十九年度における児童数の増加というような点も考えて、この前御説明を申上げたように大体教員数二万人の増加を予定しておるのであります。二万人では百万人の児童数の増加には不足であるかも知れません。併し行政整理の際でもあるからできるだけ圧縮する、そういうことで二万人を見ておる。そうして今までの報告で集まつたところを見ると、三十九年度に教員数の増加は、実は私どもの見積つておつた二万人にも達しておりません。  今までの報告によれば一万五、六千人ということでありますから、児童数の増加或いは学級数の増加という事柄も勘案すれば相当窮屈になつているということは察せられるのであります。ただ個々の府県についていわば極くバラバラと殖えたというような地方の県では、それが殖えたために急に学校をこしらえるとか、それから学級も従来の学級数よりも増さなければならんとかいうことには必ずしもならない。むしろそういう現象が大都市の方面においてはそれは起つて来るということで、これも児童数の増加に関連をして大都市における学校の建築について何とかせにやならんということが国会においても非常にやかましく言われたのは御承知の通りであります。でありますから、成るほど島根県において全然一人も先生が増さんということになつておるかどうか、今伺つておればそういうことになつておるようでありますが、それがどの程度に実際に教育の場が非常に窮屈なことになるのかということはこれは一概には言えません。ただそれを何とか政府の手でそれに規制を加えるようなことにしてくれということになると、要するに文部省の教育に対する圧力といいますか、権力といいますか、これが地方の団体若しくは教育委員会に及ぶということになります。これは現在の制度の上においては、内容が誰が見ても尤もなことだからということだけでは解決されないことであつて、全体としてやはり制度としては十分に検討を加えなければ、文部省はそういう強い発言権を持つという制度を今急に考えるわけには行きませんが。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 地方交付金を下付されるときには、教育行政関係の金はこれだけというふうにちやんと枠が私はきまつていると思うのです。それを各県で勝手に自分の都合のいいほうへ使つているというのが、こういうことになつておると私はこう思うのです。そういうふうなことは筋としても通らないことじやないかと思うわけで、これを文部省のほうでそういうふうな筋の通らないほうへ使つたらいけないというように、これぐらいの程度はいい、これは当り前だし、又これをしなければ文部省の本当の務めじやないと思うがどうですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) それは先ほどから申上げるように、それでは地方は文部省の出先機関になり、地方自治というものは壊れてしまう、こういうふうなのが現行の建前であると私は思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 大臣にお尋ねしますが、教員の給与の確立の最終的な責任を持つのはどこで持たれるわけですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 教員の給与については無論法律によつて規定がきまつております。そうして地方においては条例で以て国の教員の給与を基準として条例できめる、こういうふうに思います。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 そうするとあれですか、地方の条例というものが教員の給与というものを拘束すると……、それだけのことでは私は相済まんと思う。教員の給与を確立するための最終的な政治の責任を持つのはどこかという質問です。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) それは地方公務員であるから、地方がそれぞれの団体の意思によつて、条例によつてきめるということが事の筋だろうと思います。ただそれに必要な財源の措置を講ずるとか、或いは国庫負担によつて運営に支障のないようにする、これは中央の政治の責任であります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 併し義務教育半額国庫負担法によつて当時の法制定の場合には、国としてはやはり教職員の給与というものについては重大な責任を持たれるが故にああいう法律を制定になられたと思う。地方の財源がなければどんなふうにでも変えてもいいということになつて来れば、教員の給与なんというものは水に浮んだ浮草のように如何ようにでもこれは伸縮自在にして行くことができるということになれば、教員の給与にも地方によるでこぼこというものが私は今後だんだん出て来ると思う。現に富山県では二十八年度には一斉に三カ月の、昇給を三カ月も延期されておる。岩手ではストツプさせておる。こういうふうに右へ倣えをやつて来ますというと、折角教職員の給与の適正な確立をするために国が責任を持つたことが仇になつてしまうと思う。終局の責任は私は教育の、文教の最高の責任を持つところの大達文相がやはりこういう教職員の給与については最終の私は責任をお持ちになつていると、こういうふうな判断を持つておるのですが、どうですか、それは……。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) どういう意味でありますか、私はよくわからんのでありますが、今申上げるように地方団体が自治体としてそれぞれ独立した、独立したと言うと語弊がありますが、自治体として存立を続けておれば、これがいろいろの給与の面、その他の面においても各自治体が全部同じように調子を揃えるということはこれは期待できないことであります。又同じように調子を揃えないことが地方自治制度の私は基本であろうと思う。地方分権制度の基礎はそこにあると思うのであります。現行の制度はその基礎の下に成り立つているのでありますから、文部省がこういうふうに金が要るであろうと思つても、それを各自治体、各地方、各府県に同じように歩調を揃えさせるということは、これは法律がそれを認めておらんと私は思うのであります。ただ法律においてはできるだけお亙いの間に非常なでこぼこというものがないようにするために、自治体の性質上条例できめるという線は飽くまでも貫いてあるけれども、併しやはり余りひどいでこぼこの起らないように何と申しますか、国の公務員の基準に、それを基準としてきめるようにという一定のまあこれは力は弱いかも知れんが、物差しは示してある。併しこれが全部足並を揃えて同じようになるということは、これは一体地方分権の制度、地方自治の制度自体から見て同じようになることはいけないのではありますまいかと私は思うのです。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 同じ東北の例をとつて見ましても、宮城県の場合は一月にも四月にもちやんと定期の昇給がされておる。ところがすぐお隣りの福島県は一月も知らん顔、四月にも知らん顔で、そうして今後の問題についてもこれはただ未定である。こういうふうに東北の物価の問題にしても宮城と福島とはそう変つていないはずである。然るにもかかわらずこういうふうに非常に昇給の場合には違つた形が出て来るし、将来もこの調子で行くというと、どんなふうに違つて来るかわからないと思う。こういうような地方の給与のあり方というものが甚だしき凹凸を来たすということになつて参りますと、これは決して喜ばしい面ではないと思う。でき得べくんば法に規定されたところの昇給或いは昇格というものが適正に行われるということについて、大臣が地方自治というものを当然私は確立しなければならないけれども、教員の給与は地方自治体の財政の規模によつてどんなふうにでも変えて行かれるということになれば、これは将来大きな問題を残すだろうと思うのですが、大臣はこういう点について今後何か然るべき措置をお考えになつておられるのではないかと私は思うのですが、如何ですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 岩手県と宮城県、或いは島根県と山口県を比べ、て、そうしてこれが自治体である以上は、それぞれやり方に多少の違いが起つて来ることは、これは自然の当然のことであると私は思う。その場合にこつちのやり方がよくてどつちが悪いかということの批評が起ることも当然であります。併しこれを全部足並を揃えさせなければならんということは、これは一つの考え方ではありましようけれども、少くとも現行の制度というものは、全部足並を揃えさせるという建前はとつていない、これを申上げておるのであります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 足並を揃えさせるというようなことについては考えておらんと言われるけれども、国全体の教員の給与を適正に確保するという面については大臣はどういうふうにお考えになつていらつしやるのですかと、こう聞いておるのです。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 文部省としては甲の府県、乙の府県ということの区別なしに、国の教職員という基準もありますし、又実際の府県の支出しておる実際の支出という面もあります。これらの点について必要と考えられる予算措置をして、国が負担すべきものについてはそれを地方に配付する、ここまでが国の仕事であります。その先は地方自治の関係するところであります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 そうすると、教職員の給与の適正ということについては、大臣は責任をお持ちになつていらつしやらないというのですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 予算措置を講ずるとか、その他文部省が法律によつて任務と定められておる点については、勿論責任を持つております。但し、地方自治体のする仕事について、文部省ができるだけ文部省のいいと思う方向に行過ぎにならんようにそれを希望して必要な措置は講じますけれども、併し地方団体のする仕事について、地方団体がその権限において府県議会なりその他において決定することについて、文部省が責任を持つ理由はありません。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 何かこういう都道府県で以ていろいろ変つた形になつて来ておりますが、全国の知事会議や何かがたびたび開かれておるように思うし、又全国の教育委員長会議というようなものが文部省の御出席の下に開かれているように私は記憶しておりますが、そういう席上で、この教員の各都道府県による給与のでこぼこという問題については然るべき措置をとるようにとか、或いは又適当に歩調を揃えて教員の給与を確保して欲しいというような要望はされているのじやないかと思いますが、そういうことはなさらないのですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) それは先般の知事会議におきましても、その点は政府の意図の存するところをよく説明をしまして、そうしてそれぞれの地方において善処されるようにお願いをしております。その点は私どもとしては努めておるつもりであります。併し、全国一律にするということは、これは実情から見てもなかなかできない。東京の先生と東北地方の先生と同じにするということは、実情から見てなかなかできにくい。又、それによつては人は来ないということもありましよう。でありますからして、これを全国一律一体にならすということは……、これは先ほど申上げたのは地方自治の観点からでありますが、それが果して適正であるかどうかわかりません。ただ政府なり法律の制度として考えておることは、大体国の教職員に対する給与を基準として地方でも給与を定めて欲しい、こういうことを言つておるだけであります。併し地方々々によつてそれぞれの事情がありますから、或いはそれを上廻るものがあるか、或いはそれを下廻るものがあるかも知れません。現状から言うと、私は極く細かいことは知りませんが、現在の地方公務員たる公立学校教職員の給与というものは、個人々々の水準から言うと、大体において国の教職員の給与水準を上廻つておると私は思つております。これを全部揃えて……、どこに揃えるのか知りませんが、国の不足の学校の先生のところに揃えるということになれば、恐らく当分ストツプをしなければならんという事態が至る所で起ると思います。さらばといつて、それをどこへ揃えるかということになると、これはなかなか基準はありません。法律の予期しておるところは、国の教職員の基準に揃えて欲しいということを言つておるけれども、これは実情いろいろな関係からその通りに行つておりません。ただ私どもとしては、実情に即して、そうしてやはり昇給なら昇給ができるように予算の措置を講じて、そうしてこれを地方に流しておるわけであります。受取る地方がその通りにやるか、或いはそれを更に上廻つた給与をするか、或いは諸般の事情でその受取つただけの経費も支出しかねるというようなことがあるか、これはまあそれぞれの事情があろうかと思います。その場合に、私どもの考えておる点をよく周知させることは努めております。けれども、進んでそうしろああしろという指図はなかなかできない、これを先ほどから申上げておるわけであります。

高田なほ子日本社会党(第四控室・左)

○高田なほ子君 一つ要望がありますが、この十県の昇給のできない県については、先ほど財務課長から三つばかりの理由を挙げて御説明を承わりましたが、個々の点についてはまだ詳細承知しておらんというお話でありますが、私はこのデ―タを見て案は非常に愕然としておるような気持です。どうかこの未定の十県については、どういう理由でこういう事態が起つておるかということを、私も勉強してみたいと思うから、是非早急に昇給できない主な理由、そういうものを御照会下すつて、是非早い機会に私の手許に届きますように御尽力して頂きたいということを要望いたします。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 大臣に大変食い下つて恐縮ですが、先ほど定員の問題について私お尋ねしましたときに、各県から、教育関係についてはこれだけの予算が要ると、実給与はこういうふうになつておると、殊に今年度は全国で百万人ですから、相当な数が殖えておる、それは校舎を建てるとか、或いは増築するとかいうようなことを抜きにしましても、この百万人の児童に対してはちやんと定員も組んであるはずだし、そのつもりで交付金が交付されると思うのです。でございますので、島根県でもその通りにちやんと教育のために使う金が当てがつてあるはずでございます。ところが実際には地方自治庁のほうではそれをそのまま使つていないということになりまして、今度決算になつたときにこれをどういうふうに報告するか知りませんけれども、一応文部省のほうではそのつもりで渡した金なのに、それを使つていない。その使つていない金に対して大臣の態度は、まあその地方自治を尊重するという意味で、それに何の注意も与えない。まあ何かおつしやるにしても、実際にはあなたの心持が実際の教育の面に反映していないということになります。なりましても、それは一体いいのですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 私は平衡交付金という制度というものは、そういうものとは思つておりません。その中身が財政計画に盛られた通りにならなくても、これは仕方がない。それがやはり自治体である限りはそういうものであると、こう私は考えております。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 そうしますと、今年度の文部予算がこれだけ組んであるというふうに一応の見出し、看板は言われておりますが、国民もそのつもりで我々は税金を払つておるのです。教育のためにこれだけの金が使われておるのだと、その意味で国民が皆了承しております。ところが実際にはその教育に使われる金がいろいろなほうに流れて使われて行つたということになりますと、これは文部省としても非常に重大な責任じやないかと思うのですが、その点はどうですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは平衡交付金というものの講釈を申上げる必要は私はないと思うのです。大体各府県とも財政的に非常なでこぼこがあつては困るであろうということで、これを財政的にまあ成るべくならすと言いますか、平衡と言いますか、そのために財政資金として中央から地方に金を交付する、その交付するのに、その標準になる金がこの県では学校のためにどれくらい要るはずだと、この県では道路のためにどれくらい金が要るはずだという、こういう見積りをこしらえて、そうしてこの平衡交付金というものを地方に渡すけれども、平衡交付金というものの性質はこれだけの費用を教育に使え、これだけの費用を道路に使えというものではないので、そういう見積りを立てて、そうして各府県相互の間の財政の極端な凹凸をこれでならして行く、こういう制度でありますから、受取つた府県がその通り使わなければならんということはこれは制度の上から出て来ないのです。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 そうしますと、今度の国の予算の組み方の本質ということに私は遡つて問題になると思うのです。公共土木費はこれだけだ、文教費はこれだけだ、厚生費はこれだけだ、軍事費はこれだけだと一応項目があつて、その通りに予算が組まれているはずでしよう。ところが実際に使われている現実を見ると、殊に一番しわ寄せになつておるのが教育の場だと思うのです。そうして又県会議員なんという人たちは目立つ仕事ばかりに力を入れる。私はこの問題は国が根本的な対策を立てない以上、又文部大臣のあなたがはつきりした決意を持つてこの問題を解決しようとなさらない以上、いつまでたつても文教費が名目だけは如何にもたくさん組まれているように盛られておつても、その反対の方向にみな流れて行つているということに対して、私は大臣に根本的にこの問題を解決してもらいたいと思うのです。今のままでいいと文部大臣はお考えなんですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 今申上げましたような趣旨でありますから、この平衡交付金といいますか、地方交付税というもの、これは文部省予算ではありません。自治庁予算であります。自治庁予算であるということは、各地方の財政の極端な凹凸を平衡してならして行く、どこの県に何ぼ金をやつていいかわからんから、大よそこの県にはこのくらいの金が要るだろうということを項目別に見積りを立てて、そうしてト―タルを立てて渡すのであります。でありますからして、若しそれがどうしても教育費の予算に使わせる、こういうことであれば、これは平衡交付金の中から引出して、これを文部省予算として、教育予算として渡せばお話の通りになります。現在の制度はそうでないということを申上げておるだけであります。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 併し実際では地方から出て来る給与の問題なんか、ちやんと定員があつて、そうして実給与の額もちやんと示されて、文部省ではその通りに応じて私は善処しておられると思うのです、どうですか、その点。いい加減に渡されているのですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 国庫負担金のほうは文部省予算でありますから、お話の通り実際支出額に応じてその半額を支出しておるわけであります。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 そうであれば、その金は当然そういうふうに使われるべきはずのものでしよう。それはどうです。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 国庫負担金はすでに使われた金に対する半額負担であります。これから使う金を出すのじやなくて、実際支出した金の半額を出すのでありますから、その金がどつちに使われるか、こつちに使われるかという問題はありません。これは教育費として学校の教職員の給与として現に支出された金の決算に従つて出す金でありますから、これがどつちに使われるとかこつちに使われるとかいう問題は起るはずがないのであります。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 二十九年度に至つては前年度の実績があるわけですね。それに対してちやんと政府がまじめにその要望にお応えになれば、その半額は支出されて交付金の中に入つているわけですね、その点はどうですか、その通りやつておいでになるのですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 交付金はその年度において支出した金に対する負担であります。前年度の実績に対して交付するものではありません。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 そうすると、二十九年度の予算は交付金として予算を組んでおいでになりますね、その中に先ほど文部大臣がおつしやいましたように、全国に百万人の児童の増員に対しては二万人の予算を組んで、そうしてそれぞれの県にお渡しになつている、これはどうです。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 文部省ではもともと決算補助でありますけれども、一切の支払が済んだあとでその半額を精算して渡すということでは地方が資金繰りに困ります。でありますからして、四半期に分けて大体これくらいが要るであろうという金を交付いたします。そうしてそれを実際の支出と睨み合せて地方では精算をいたします。それで実際の精算をした場合に渡し過ぎたものは返還をする、それから足りないものはあとから追加いたします。結局その年度における支出に対する半額負担であつて、既往の実績とかこれから使う金とかいうものではありません。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 そうしますと、大体二万人の定員の予算ですから、そうして又文部大臣は文部行政の任に当つて、教育を守るという意味の観点に立つて、島根県では一万人の増員に対してはこれだけの定員が要る、又向うもそれで要望しておいでになると思うのです。それが実際になされていないということになれば、当然そうしてもらいたいと文部大臣はお思いになりませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは二万人を見込んであるから地方において実際一万五千人しか置かなかつた場合でも二万人分渡すというものではありません。実際の支出に伴うのでありますから、やはり一万五千人分しか渡すわけはない、これに反して二万人とこちらが予定しても、これは見積りでありますから、実際地方において、実情から見て二万五千人の増員をした場合には、やはり国庫負担の性質からいつて二万五千人分に対する半額の支出をするのであります。要点は支出した実際に基いて半額負担をするのであつて、金を渡してこういう仕事をせよということを言つているわけじやないのです。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 それでは、例えば島根県のように全然定員を増加していない、こういう事実について大臣は地方がそういうふうな実情ならば、自分のほうではそういう要求があれば出せる筋合のものだけれども、そうしないということについてはタツチしない、何もそれに対して助言もしなければ、それに対する文部省としての、教育の府としての責任ある態度もとらない、放任の状態だ、こういうふうな態度なんでしようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) これは実際支出の半額負担というのが建前であります。それだからこういうふうに使うための経費というあらかじめ計画的のものではありません。従つてこれだけ予算が取れておるからそれを是非お使いなさいという筋合でもなければ、これ以上使つてならんという筋合でもない、実際地方で必要に応じて支出した金の半分を負担する、これだけのものであります。今計上された金額は多分これくらいで半分の負担は賄えるであろうとこういう見積りの下に七百億という予算が組んである、それが実際七百億で足りなければ、やはりそれに余計に増して支出しなければならん、七百億で余ればそれ以上支出することは無意味であります。従つてこれは予定の金ではなくて、実際支出される金で、いわばあとからあとからと行つて尻拭いをするような金でありますから、これだけの金があるからこういうことをやれ、こういうことをせよという性質の金ではないのです。国庫負担金に関する限りはそういうものであります。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 島根県の次長の考えておられるところは、先ほど申されたように平衡交付金というものの性格はその通りなんです。ですからやはり教育の場にある人たちはそれぞれ教育を守らなくちやならない責任がある、そうして又当然常識で考えても、一万人も殖えているのに一人も定員増加しないというふうな県当局のやり方に対して手が出ないというわけなんです。教育委員会もつい知事が言われる通りに、又県会議員も本当に島根県の教育を考えてくれる人がない。これに対して定員の一つも要求するということをしない、こういう実情なんです。そのことは私がこんなに必死になつているのは、私は勿論国会議員ですから国全体の教育のことを考えておるが、大臣自身があなた地元のことなんですよ。これは私は併し……。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) ちよつと伺いますが、その次長と言われるのは誰のことですか。教育庁の次長ですか。県の次長ですか。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 教育庁の次長です。ですから私は当り前と思うのです。私は島根県のケースをたまたまあなたの身近いお話ですから私はここへ持つて来たので、そうしてこの話を持つて来れば大臣自身もやはり身に近いことだから、本気になつて教育を考えて下さるんじやないかという意味で私は……それもまだ島根県からこつちへ来てから五日にしかなりません。この間行つたのですが、五日も行つて参りました。それでやはり私にすれば山口県のことだけというのじやなくて、どこの県だつて、どこの子供だつて、やはり教育に苦しんでいる人たちは本当に考えてあげなければならないと思つて、私はここで一生懸命でこうして大臣に食い下がるのです。で、やはりどう常識で考えてみても、子供が殖えたのに校舎も建てなければ定員も増されない、こういうふうな実情を訴えられたときたは、やはり本気でそのことを聞いてあげなければならないし、又大臣にも本当のことを知つて頂きたい。それに対して何とか救いの手を早急に延ばしてもらいたい、こういうふうに考えるわけなんです。これは島根県の実情なんですけれども、こうした県がほかにもあるのですよ、大臣、本当にあるのです。ですからこういうときには、先ほど拘束力がないとか、或いは何とかと理論的にはそれは一応そうでなければならないと思いますけれども、併し本当にあなたは文部大臣でおありになるのだから、教育を守るという考えがはつきり国民に納得ゆくようにしてもらいたい、何とか手を打つてもらいたい、こういうわけなんです。おわかり頂けましたでしようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) どうも島根県のことを非常に熱心に御心配頂いて恐縮ですが……。

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 いや、それじやこれから山口県のことを言いますよ。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) 島根県の教育次長がそう言つたからといつて、これは教育長が府県知事と交渉すべき性質の問題であります。それを私に教育次長が知事に言うてくれというのは、これは私が島根県出身の国会議員としてなら、そういうことを頼まれれば私は知事に話をするかも知れません。文部大臣をしていると、却つてそういうことを私から知事にはつばをかけるわけにはいかない。(笑声)

安部キミ子日本社会党(第四控室・左)

○安部キミ子君 それは島根県だからというわけじやないのです。こういう事例がほかの県にもたくさんあるのです。例えば先ほど高田先生のおつしやいましたように、何とかこれに給与の適正化をするために文部省として打つ手はないかと努力をしてもらいたいというのが、今お話がこのようになつて来たわけなんです。それを私は大臣に言うのであつて、たまたま島根県であるし、それから文部大臣にとつても、文部大臣は島根県からお立ちになつたのですから、やはり地元のことをもう少し見てもらいたいというのです。どうですか、そういうふうに何とか打開の途はありませんか。

大達茂雄自由党文部大臣

○国務大臣(大達茂雄君) よく考えさせて頂きます。

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) 如何でございましようか、この辺で今日はこの問題に対する質疑を打切りまして、これで閉会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀末治自由党

○委員長(堀末治君) それではこれで散会いたします。    午後三時三十四分散会

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