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19回国会参議院1954/05/29

農林委員会 第46号

発言数
20
登壇者
8
会派数
5
開催日
1954/05/29

会議録

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 只今から委員会を開会いたします。  本日は先ず昭和二十九年四月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案、二十六日内閣から予備審査のため提出、二十七日予備付託のものであります。繭糸価格安定法の一部を改正する法律案、二十七日内閣から予備審査のため提出、同日予備付託、昭和二十九年五月の暴風雪害による被害農業者等に対する資金の融通に関する法律案、衆議院議員芳賀貢君ほか四十四名提出、二十七日予備審査のため送付、同日予備付託、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案、同上を順次議題とし、先ず提案理由の説明を聞くことにいたします。政府提案の分から、農林大臣からお願いいたします。

保利茂自由党農林大臣

○国務大臣(保利茂君) 只今議題になりました昭和二十九年四月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案の提案の理由を御説明いたします。  本年四月における凍霜害はその規模において昨年の凍霜害には又びませんけれども、部分的には相当の被害を生じ、又昨年、本年と引続き被害をこうむつた地域も多く、被害農家の経営に及ぼした影響は軽視し得ないものがございますことは御承知の通りであります。政府はこの事態に対処し、被害農家が今後その農業経営を維持するのに必要とする営農資金が、円滑且つ低利で融通せられるための措置を講じ、以て被害農家の経営の安定を図る目的を以てこの法案を提案いたしたのであります。  次に、本法案の内容の概略を御説明申上げますれば、先ず第一は、農林中央金庫、都道府県信連、農業協同組合その他の金融機関が、被害農家に対して営農資金を融通する場合に、その金融機関に対して都道府県、市町村が利子補給及び損失補償を行う経費の一部を国庫から助成する措置であります。即ち今次の凍霜害により平年作に比し三割以上の被害をこうむり、且つその被害がその農家の通常の農業総収入額の一割以上である農家に対し、金融機関が期限二カ年以内、年利六分五厘以内の金利で営農資金を貸付け、その金融機関に対して都道府県及び市町村において年五分以内の利子補給及び融通額に対し四割以内の損失補償を行なつた場合に、国が融資総額三億円の範囲内において、当該利子補給金又は損失補償費の二分の一を都道府県に対して補助しようとするのであります。  第二は、昨年の凍霜害による被害農家が再び被害をこうむつた場合の措置であります。即ち昨年の凍霜害による被害農家で営農資金の貸付を受けていた者が、本年の凍霜害により再び被害をこうむつた場合、昨年借入れた資金の一部につき、一年以内の期間を限り期限を延長することを認め、これに対して利子補給、損失補償の措置を継続して行おうとするものであります。  以上がこの法案提出の理由並びに内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたします。  次に繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明いたします。  繭糸価格安定法が制定されまして以後の問題点を検討いたしますのに、先ず第一に挙げなければならないのは、糸価がいわゆる安定帯価格を突き破つた場合の措置が不備であることでありまして、禁止価格制度の行詰りもまさにこれに基因すると申さねばなりません。御承知のように、政府は最低価格で生糸を買入れ、最高価格でその保有する生糸を売渡すことによつて糸価を安定帯価格の範囲内に入れ、これによつて輸出の振興と蚕糸業の経営の安定を図るというのが法の目的となつておるのであります。然るに、政府は手持の生糸を全然保有することなく同法を実施いたしましたために、昨生糸年度以来みられましたような糸高の事態に対しましては、糸価安定特別会計の市場に対する支配力は絶無なのであります。従いまして、糸価を安定帯価格の中に追込む措置を積極的に講じまして、繭糸価格安定制度のてこ入れを図る必要があるわけであります。  第二に、繭価の安定を確保する措置が十分でないことであります。勿論安定法も糸価の安定を実現することのみによつて直ちに蚕糸業の安定が実現すると考えているわけではありません。政府は、最低価格による生糸の買入によつてもなお繭価の異常な低落を防止することができないときは、必要な措置を行うことになつておりますが、それでは如何なる価格のラインで如何なる方法によつて補償するのか等の緊要な問題が現在の規定では不明確なのでございます。万一の事態に備えてより具体的な措置を講じ、以て養蚕農民が安心して繭の生産に励みうるようにする必要があるわけであります。戦前より重要な輸出品であります生糸の輸出を確保いたしますためには、少くとも以上掲げました基本的な問題の解決を迫られている次第でありまして、本改正法案もその解決を目途としているわけであります。以下これより法案の主要な内容につきまして、その概略を御説明申上げます。  第一は、農業協同組合を中心とする共同販売体制の実情に即応して繭取引の安定を確保するため、繭取引に関する繭需要者の協定を許容すると共に、これに必要な規制を加えたことであります。即ち第一点は、従来認められていた繭需要者の繭価協定のみによつては内渡金、後払金等の問題があいまいでありましたので、対価の支払方法、時期等についての協定も認めて、これらの点を協定で明らかにし得ることといたしたわけであります。  第二点は、繭の需給関係が異常であるような事態に基因して糸価が最高価格を超えるような場合においては、繭需要者の協定し得る範囲を、繭価のみならず数量、相手方等にも拡げ、協定の実効を期して、繭価及び繭取引の安定並びに共同販売体制の強化を図り、非常事態を乗切り得るように措置しようとするわけであります。なお、右の協定を農林大臣の認可制として、適正妥当な協定を確保いたしたいと考えております。  第三点は、このように協定を中心とした繭取引の安定を強化することによつて、糸価が最高価格を超えることを防止するのが本改正の大きな狙いでありますが、このためには一部のアウトサイダーによつて協定を撹乱されることを防止する必要がありますので、一定の条件が整えば、農林大臣は繭需要者のすべてに対して協定に従うよう規制を加え得ることとした次第であります。  第二は、繭価維持のための具体的な措置を講じたことであります。政府は、最低価格による生糸の買入によつても、なお繭価の低落を防止することができない場合におきまして、政令で繭の一定の価格を定め、この価格を下る虞れがあると認めまするときは、繭の需給の安定及び繭の値上り待ち等のため農業協同組合連合会の行う乾繭の保管に対しまして、その保管に要した金利、倉敷料等の経費について助成をすることとしたことであります。幸い、この繭価安定措置が具体化しますれば、生糸の買入、売渡措置と相待つて、蚕糸業の安定の上大きな役割を果すものと考える次第であります。  以上がこの法案提出の理由並びに内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに可決されることをお願いする次第であります。

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 両法案の質疑は後ほどに譲りたいと思います。  ちよつと休憩いたします。    午後三時二十七分休憩    —————・—————    午後三時四十三分開会

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) それでは委員会を再開いたします。  先ほどの法律案のうち、議員提案の分につきまして、衆議院議員の芳賀貢君から説明願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党(左)

○衆議院議員(芳賀貢君) 只今議題と相成りました昭和二十九年五月の暴風雪害による被害農業者等に対する資金の融通に関する法律案に関しまして、提案の理由を御説明申上げます。  去る五月の九日夜半より十日にかけ、北海道及び東北の一部を襲いました暴風雪が、水産業と同様、農業及び農家に与えました損失が極めて甚大でありましたことは、本委員会の調査報告にも縷々述べられておりましたごとく、すでに各位の御承知の通りであります。政府は、この事態に対処して適切なる措置を講ぜられますることを信じて疑わないのでありますが、これに相呼応し、この際、被害農家が今後その農業経営を維持するために必要とする経営資金及び施設復旧資金が、円滑且つ低利に融通せられるための措置を講じ、以て被害農家の経営の安定を図る目的を以ちまして、この法案を提出した次第であります。  次に、本法案の内容の概略を御説明申上げます。先ず第一は、農業協同組合その他の金融機関が、被害農家に対して、農業経営資金及び施設復旧資金を融通する場合に、その金融機関に対して、都道府県及び市町村等が利子補給及び損失補償を行う経費の一部を国庫から助成する措置であります。即ち、今次の暴風雪害によりまして、農作物の被害が政令で定める程度以上のものである旨、又は保護苗代若しくは生産に直結する家屋その他政令で定める施設で著しい被害をこうむつた旨、又は家畜家きんが死亡した等のため著しい被害をこうむつた旨の市町村長の認定を受けた農家に対し、或いは所有又は管理する施設、在庫品について著しい被害を受けた農業協同組合、又は農業協同組合連合会に対しまして、農協又は金融機関が、期限二カ年以内、年利六分五厘以内の金利で、市町村長が認定する損失額を基準として、政令で定めるところにより算出される額、又は五万円のいずれか低い額の範囲内の経営資金を貸付け、或は農協又は金融機関が、期限五年以内、年利六分五厘以内の金利で、三百万円の範囲内の施設復旧資金を貸付け、これらの農協又は金融機関に対し、都道府県又は市町村が、年五分以内の利子補給及び融通額に対し、四割以内の損失補償を行なつた場合に、国が融資総額四億円の範囲内で、当該利子補給金の二分の一又は年二分五厘(開拓地等は三分)の割合で計算した額のいずれか低い額、又は当該損失補償額の二分の一又は百分の二十に相当する額のいずれか低い額を、都道府県に対して補助しようとするものであります。なお、昨年の冷害等の被害農家で資金の融通を受けたものが、今次災害により更に被害を受けた農家に対しましては、その資金の償還を更に一年間延ばし得る等の措置を講じております。  以上が本案提出の理由並びに内容の概略であります。会期切迫の折柄ではありますが、何とぞ速かに御可決賜らんことをお願い申上げる次第であります。  次に、只今議題となつております農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案について提案理由を御説明申上げます  五月の九日、十日の北海道等におきまする暴風雪により、農林水産業施設に対しまして相当の被害を生じましたことは御承知のごとくであります。従いまして、被害者が施設について災害復旧を行いまする場合、過般の大水害等の例にならいまして、高率の補助率を適用し、以てその復旧事業を促進いたさんと存じまして、ここに本案を提出した次第であります。なお、北海道における未開発魚田の開発のための施設が大被害を受けましたので、特にこの際この施設をも新らしく適用対象に取上げる措置をも講じました。  会期切迫の折柄ではございますが、何とぞ慎重審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたします。

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) この両法案につきましての審議は後刻に譲りたいと存じます。   —————————————

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) それでは次に行きまして、臨時硫安需給安定法案について討論に入りたいと存じます。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたならば、修正案文及びその修正理由を討論中にお述べを願います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私は本案に一部修正を附して賛成をするものであります。  元々本案は衆議院の修正によりまして、その内容とするところは、国内需要に対して供給がオーバーしておるところの硫安と国内需要に対してとかく不足勝ちである、特に今後におきまして外貨の関係上更に不足を続けるであろうと思うところの燐酸肥料、加里肥料、これらの全く性質の迷うものを本法の中に包含しておるところに非常に無理がある。従いまして、今後の本法運用におきましては、私は非常な困難を予想するのでありますが、さればと申しまして、この不足対策を織込まなければならんところの燐酸肥料、加里肥料と、過剰対策を主とするところの硫安と、これを別々に立法することは時間的な関係もありまして、遺憾ながら不十分ではありますけれども、取りあえずの処置として、本法は以下申上げるような修正を附して賛成をすることが次善の策と考えるものであります。  私の修正をしたいという点は、第一に、衆議院の修正によりまして、硫安以外の重要肥料、即ち過燐酸石灰であるとか、加里肥料であるとか、又は化成肥料であるとか、こういうものは今後のそれぞれの業界の推移によりまして、随時政令によつて追加できるということに内容がなつておりますけれども、さて本法が衆議院の修正案そのものである場合には、政令によつて自動的に追加ができないような欠陥を持つております。第一には、仮に加里肥料を政令によつて農林大臣が追加しようというような事態が起りました場合に、この加里肥料は生産業者から買取るのではなくて、輸入業者から買取るということになります。従つてこの衆議院回付の原文のように「生産業者」という字句が入つておりますけれども、「輸入業者」という字句が挿入してありませんと、現実に加里を政令によつて追加する場合には、その以前に本法そのものの改正を必要とするのであります。又燐酸肥料の政令追加ということを考えました場合に、燐酸肥料は御承知のように、仮に一割前後の貯蔵をするということになると、十五、六万トンの数量になると思います。かように多量の燐酸肥料を硫安と同じように考えて過燐酸石灰そのもので貯蔵することは困難であることは、これ又自明の理であります。そこでどうしても本法によりまして過燐酸石灰を政令によつて追加して、そうして一割前後のものを法律に基いて貯蔵するということになれば、どうしても実際問題としてはその中に相当量の燐礦石、即ち原料の貯蔵ということを考えなければ、この法の運用が付かないのもこれ又明らかであります。同時に過燐酸石灰を貯蔵することと燐礦石を貯蔵すること、これによつて莫大な国家質担が起ることは、これ又過去の肥料統制時代の実績に徴して明らかであります。なお、燐礦石を貯蔵することによりまして、一面業界をもつともつと合理化するための非常な刺戟剤になることと私は考えておるのであります。この点につきましては、業界を刺戟し、合理化に導くということにつきましては、過燐酸業界そのものが非常に反対であると私は予想いたしますわけでありますけれども、私は少くとも本法の目指す肥料の合理的生産、価格の合理化、内需優先、かようなことを考えました場合に、どうしても燐酸肥料を将来政令で追加するというような事態が起りました場合には、どうしても理窟ではなくて、実際問題として燐礦石の貯蔵ということが可能であることを、この法文に明記しておかなければ、前に申上げました加里肥料を政令で追加する場合には、この法に欠陥があると同様に、燐酸肥料を追加する場合には、これ又政令のみによつて追加ができないで、その前提としてこの法案そのものを修正しておかなければ、私は法案そのものが欠陥がある、かように考えまして、以下申上げますような点を修正して本案に賛成したいと思うものであります。    臨時硫安需給安定法案に対する修正案   臨時硫安需給安定法案の一部を次のように修正する。   第六条第四項中「肥料の数量」の下に「(同項の規定による買取の結果保有する肥料の原料の数量に基き政令の定めるところにより算出した肥料の数量を含む。)」を、「第一項」の下に「又は第二項」を加え、同項を同条第五項とする。   第六条第三項中「第一項」の下に「又は第二項」を、「肥料」の下に「又は肥料の原料(以下「肥料等」という。)」を加え、同項を同条第四項とする。   第六条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とする。   第六条第一項の次に次の一項を加える。  2 農林大臣は、肥料の需給の調整を図るためやむを得ない必要があると認めるときは、前項の規定による肥料の買収の指示に代えて、保管団体に対し、政令の定めるところにより、肥料の原料の生産業者又は輸入業者からその生産し又は輸入した政令で定める肥料の原料を買い取るべき旨の指示をすることができる。   第七条第一項中「前条第三項」を「前条第四項」に、「肥料」を「肥料等(同項の規定により買い取つた肥料の原料から生産された肥料を含む。以下同じ。)」に改め、同条第二項中「肥料を譲渡し」を「肥料等を譲渡し、加工し」に改める。   第八条中「第六条第三項」を「第六条第四項」に、「肥料」を「肥料等」に改める。   第十条中「第六条第三項」を「第六条第四項」に、「肥料」を「肥料等」に改める。   第十一条の見出し中「生産業者」を「生産業者等」に改め、同条第一項中「生産業者」を「生産業者又は輸入業者」に改める。   第十五条第一項中「肥料の生産業者」を「肥料等の生産業者」に改める。   第十九条第一号中「譲渡し、」の下に「加工し、」を加える。   附則第一項中「肥料」を「肥料等」に改める。  以上であります。

森田豊壽自由党

○森田豊壽君 只今河野委員から修正の御意見がありましたので、大分かぎ括弧で、よく十分なところがまだ調べてありませんが、大体におきまして、今までの趣旨から行きまして了承ができているわけでありまして、河野委員の今までの当委員会における主張は、私自体といたしましても、この委員会といたしましても尤もな御意見だと考えるのでありまするが、御承知の通り、通産、農林両大臣、殊に農林大臣はしばしばこの委員会に参りまして、外貨事情の不如意でありまする困難な実情におきましても、できるだけこれに対しては優先的に行政措置をして行きたいということを述べておられまするし、又いろいろこの問題につきましては、両大臣の答弁を聞いておりますれば、そういつた措置によりまして、行政措置によりまして、或る程度までその御意見のところをやつて頂けるものと私は考えるのでありまして、そういう意味から行きまして、御意見には誠に賛成でありまするが、それまでいたさないで、衆議院の修正いたしました。即ち原案でありますが、その原案が参つているわけでありまするが、この原案に賛成いたし、遺憾ながら河野委員の修正案に反対をいすものであります。

江田三郎日本社会党(第四控室・左)

○江田三郎君 只今河野委員から提案されました修正案につきまして、社会党を代表して賛成いたします。  これは大体、この法案は一昨年、昨年の肥料の出血輸出の犠牲を農民に被せておいて、これを何とかしなきやならんというところから出発したわけですが、その後肥料界の情勢というものは相当変つて参りまして、硫安につきましては、この法案を当初政府で立案された当時よりは相当事情が変つて参りまして、当時ほど緊急性がなくなつておるように私どもは考えております。逆に、この硫安以外の燐酸或いは加里肥料の問題は却つて深刻になつて参りまして、今後の外貨事情が窮屈になるという点から考えますというと、今深刻な状態を呈している燐酸なり、或いは加里の問題は、もつと矛盾が大きくなるのではないかということを私どもは心配をしているわけであります。そこで私どもとしましては、根本的なこの硫安の対策と並行し、或いはそれ以上に加里や燐酸の対策を立てるべきである。従つて本法案を修正するとしますならば、加里なり、燐酸なりが、すぐにこの表面に出て来るような修正でなきやならんと考えているわけでありますが、この点につきましては、先ほど森田委員から触れられましたように、本委員会会におきまして農林大臣も、通産大臣も、加里なり、燐酸なりの必要量は責任を以て輸入をする、こういう言明がありましたので、まあこれをどこまで信用してよろしいかわかりませんけれども、一応その言明をそのまま受取りまして、私どもはあえて加里、燐酸というものを表面に出すことなく、その他の重要肥料として、今後情勢によつて政令できめられるような、この衆議院の修正にそのまま同意しているわけであります。併しながら、仮にそういもうのが今後円滑に入りましようと、或いは入りますまいと、どちらにしろ、これは法律の体裁といたしまして、この第二条で衆議院の修正のように、その他の重要肥料ということになりますというと、当然河野委員の言われるような修正が必要になつて来るわけであります。この点は衆議院の修正者を代表して当委員会へ出席され、私たちの質問に答えられた綱島君にいたしましても、金子君にいたしましても、仮に加里や燐酸が政令で定められたときには、当然この法律というものは修正をしなければならんということをはつきり認めておられるわけでありまして、これは議事録にはつきり出ていることであります。従つてこれは法律の体裁として、それだけの修正がなければ法律として体裁が整わぬことになるのでありまして、これは通産大臣、農林大臣が責任を持つて入れるか入れんかということとは別問題なのであります。衆議院のほうはお忙がしいことでありますからして、ちよいちよいこういうこともございますが、この良識ありと言われる参議院といたしまして、特に当農林委員会は、従来慎重なる審議を誇つて来たものでありまして、その農林委員会としましては、法律として体裁の整わないようなものをそのまま通すということは、これは後世に汚点を残すことになりますので、私はそういう法律としての形式という点から、只今河野君の言われますところの修正は当然なされなければならないと、こう考えて賛成いたすものでございます。  なお、修正案を除く他の部分につきましても、私どもは一応危惧の念を打つております。これが一体本当に役に立つか立たないかということは、今後合理化がどう進むかということなんでありますが、どうも二百三十億円、五年間の合理化計画というものを質して見ますと、その点非常にあいまいでありまして、通産大臣はこういう金融の逼迫したとき、何とか努力をするという、努力ということは何遍も繰返して申されましたけれども、何しろ昭和二十九年度の開銀融資額もきまつていないというようなことでは、果して二百三十億円の合理化がどこまで行くかということにつきましては私ども不安を持つております。なお又、輸出会社の問題にいたしましても、一体輸出会社がうまく行くかどうかということに誰しも疑問を持つのではないかと思いまして、損をするのにきまつている会社へ、如何に政府が勧めたからと言つて、そう製造会社が参加して、あれに書いてあるような運営を忠実に行うということはちよつと考えられない点がございます。従つて若しこの合理化がうまく進まず、輸出会社の運営がうまく行かないということになると、勢いそのはね返りは農民の買取るところの販売価格に出て来るわけでありまして、そういう点からこの片方の合理化なり輸出会社法案を眺めて見ますと、果してこの需給安定法というものがうまく目的を達するかどうかということに対して不安を持つているものであります。併しこれにつきましても、通産大臣なり農林大臣は、本法が通過の暁には、絶対に現在の実勢価格より下げて見せるという力強い言明がございましたが、これ又加里、燐酸における言明と合せて、この言明を一応信用いたしまして、この法案の修正部分を除く他の部分に賛成をいたすものであります。ただ併し、私どもはこれが本当に大臣の言われるような効果を上げるためには、是非考えてもらわなければならん点があるわけでありまして、それは第一は、この法案の審議に当りまして、私どもコストの問題について非常に慎重な検討を行いましたが、どうもあの検討を通じて出て来た答えは、今まで通産当局なり、或いは政府のほうが、これがコストだと言われておつたものとは少し迷うのじやないか、どうも少し実際よりは高いコストというものが出ておつたのじやないか、若しそういうものを今後基礎にされるということになりますというと、これはこの生産費を基準にする本法におきましては、販売価格は下つて来ないのでありまして、その点は政府において今後コストの調査に一つ万全を期せられまして、もつと正確なコストによつて弾き出すようにお願いをしておかなければならんという点であります。  第二は、会社の経理で松永君も問題にいたしましたように、一つの会社が一億何十万円も一年間に交際費を使つておるというようなところがございます。二十八年度の開銀融資額は僅か七億円、それに対して一つの会社で一億円以上も交際費を使うというようなことで、それをこのコストの中に入れてもらわれたのではたまつたものではないのでありまして、そういう点はこの経理の内容について一つ十分に指導なり、御監督をお願いしておきたいということ、更に本法案の審議を通じて我我の受ける印象は、どうも政府部内におきまして、この肥料行政に当つて、通産当局と農林当局とが必ずしも一致していないように思えるのでありまして、これはやつぱり消費者である農民の立場に立つて、農林当局において一つ元気を出されて肥料行政の一元化ということに努力をして頂きたいと思います。  以上、三つの点は、聞くところによりますというと、附帯決議として出るというようなこともちよつと聞くのでありますが、附帯決議として出る出ないにかかわらず、私どもはこれを一つ強く希望いたしまして修正部分を除く他の部分に賛成いたします。

北勝太郎緑風会

○北勝太郎君 私は臨時硫安需給安定法案に対しまして次の附帯決議をいたしたいと存じます。  以下案文を朗読します。    臨時硫安需給安定法案附帯決議(案)  一、従来想定されている硫安のコストは、政府の説明によつてみても明らかであるとおり、信憑性を欠き、実際に比べて相当割高のようである。    ここに本法の成立を契機として従来の行懸りを一擲し、肥料のコストの調査に最善を尽してその正確を期すること。  一、肥料工業の合理化を強力に推進し、会社経理の適正に留意し、肥料価格の低下安定に遺憾なからしめること。  一、需給調整用肥料の保管団体について、農業者の団体以外の団体についても機会を与えるよう措置すること。  一、本法の運用を適正円滑ならしめるため現在農林・通商産業両省に分掌二元化せられている肥料の行政事務を出来るだけ早い機会に一元化すること。  以上でありますが、何とぞ、御賛成を願いたいと存じます。

鈴木一無所属クラブ

○鈴木一君 質問してもいいですか……。今の附帯決議の提案者に対して、内容について質問していいですか。

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。  他に御意見はございませんですか……。他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。臨時硫安需給安定法案について採決をいたします。先ず討論中にありました河野君の修正案を議題に供します。河野君提出の修正案に賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 多数でございます。よつて河野君提出の修正案は可決されました。  次に、只今可決されました河野君の修正にかかる部分を除いて、衆議院送付にかかる臨時硫案需給安定法案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 全会一致と認めます。よつて本案は多数を以て修正議決されました。  次に、北委員から提出されました附帯決議について採決をいたします。北委員提出の附帯決議につきまして賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 全会一致でございます。よつて附帯決議をすることに決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続きは慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。  次に、本案を可とされましたかたは順次御署名を願います。   多数意見名義名     鈴木 強平  松浦 定義     鈴木  一  上林 忠次     河野 謙三  北 勝太郎     河合 義一  江田 三郎     戸叶  武  清澤 俊英     村尾 重雄

片柳眞吉緑風会

○委員長(片柳眞吉君) ちよつと休憩をいたします。    午後四時十九分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた〕

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