農林委員会 閉会後第20号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/11/13
会議録
○委員長(森八三一君) 只今から委員会を開会いたします。 飲用乳の処理基準改正に関する件を議題にいたします。 本件につきましては、すでに九月二十日及び十一月二日の両回に亙つて当委員会から草葉厚生大臣に申入を行い、且つ過日私どもが直接大臣にお目にかかつて、私どもの考え方について全幅的御賛同を得ておるので、速かにその実現を期待いたしておりましたが、今に実現を見るに至つておりませんので、今までたびたび当委員会に厚生省事務当局の出席を求め事情を究明いたしましたところ、甚だ不可解な理由によつて事を逡巡しておるようにも存ぜられます。甚だ遺憾に存じておる次第であります。そこで本日は重ねて本件を議題にして、厚生大臣の出席を求め、御所見を伺うことにいたした次第であります。当委員会の総意はすでにおわかりのことと存じますが、十一月二日付厚生大臣に申入いたしました内容は、 飲用牛乳処理基準改訂に関する申入 この件について、去る九月二十二日附当委員会の申入に対し未だ正式に回答を得ていない。しかしてなお当委員会における貴省環境衛生部長の説明によれば、目下貴省事務当局において検討せられているところはわれわれの意図とは大分相違しているようであるが、当委員会における審議の経過にかんがみ再考の土、速かに厚生省令第五十二号の改正によつて左記事項を実現せられたい。 右申入する。 一、市乳等の殺菌処理は低温殺菌を偏重するが如き取扱いを廃止し、高温殺菌の一般的適用を認め、低温・高温何れにても差支なきこととすること。 なお、高温殺菌後短時間に飲用する場合の如く短時間保存については冷却保存を要しないこととすること。 又、高温殺菌の場合は自記温度計の使用を要しないこととすること。 二、集団消費(学校給食に限らず一般的に)する場合における牛乳及び脱脂乳等の製造に当つては小分及び密栓等の措置を要しないこととすること。 なお処理施設も、消費者が煮沸消毒を行い得る簡易なもので差支えないこととする。 三、集団消費その他特定の場合においては販売行器の制限を緩和し、輸送罐等のままでも差支ないこととすること。 四、右の外厚生省令第五十二号には成分規格その他の事項についても国情の現況からみて適当を欠くと認められるものがあるから、之等の点も之を緩和すること。 五、省令改正草案作成の上は事前に当委員会に内示説明せられたい。 というのであります。仄聞するところによりますと、事務当局間にはいろいろ議論があり、その議論の中には思わしからんようなこともあるように承わつておるのでありまして、私どもこんなことを信じたくはありませんが、万一そんなことでもあるといたしますれば甚だ遺憾なことと存ずる次第でありまして、大臣の格別の善処を強く要望いたしまするのであります。この際厚生大臣から本件に関する御所見をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(草葉隆圓君) 当委員会におきまして、牛乳の処理についていろいろ御検討を頂き、御熱心に御審議を続けて頂いておりますことを感謝いたしておる次第であります。御承知のように、最近におきまする牛乳の処理につきまして低温殺菌一本で参つておつたのでありまするが、これは諸般の事情から必ずしも妥当ではないと存じまして、実は三月であつたかと存じまするが、次官通牒を以ちましてその取扱いを一部変更することができるようにいたしたのであります。私どもはそれによつて相当これが普及いたし得る状態であると考えておりましたところが、実際におきましては、なかなかそれが実施されておらない状態に現在まで来ておりまするので、従つて当委員会におきましても、この取扱いについての御審議が進められたことと存ずるのであります。従来の低温一本というのは、いろいろな意味におきましてさような情勢になつたのでございまするが、併し現状の我が国の状態並びに国民の体位向上、すべての点から申しまして、高温殺菌を採用することに何ら具体的におきましてはいろいろな地域その他等も考えまして差支えないと存じて、只今申し上げたような通牒を出したような次第であります。当委員会から先般お申出の筋もございまするので、私どもと大体その根本の取扱いについては一致しておると存じます。具体的にこれが従来は通牒で出しておりましたのを省令にして、更に強力に推進する方法も必要であるかとも私どもも考えております。従つて事務当局をして目下これらの検討を急がしておる次第であります。当委員会でお急ぎになつておる点もよく私ども承知いたしておりまするから、その意に沿つて進めたいと存じております。又他の委員会等におきましても、この問題の重要性に鑑みてそれぞれ御検討を頂いておりまするから、私どもはこれらの皆さん方の国会の御意思を十分尊重して、この取扱いを徹底するようにいたしたい所存でございます。内部的にいろいろ技術の問題等がありまするから、それらの問題についての意見はあると存じまするが、根本方針におきまして厚生省では一致した方針で進みたいと存じておりまするから、この御懸念はどうぞ御安心を頂きたいと存じます。
○岸良一君 只今厚生大臣のお話を承わりまして私ども一応安心したわけであります。この議論はすでにいろいろの場合に論議されておりまするし、新聞等を御覧になりましても通念のようになつておる。それができなかつたということは私は非常に遺憾なことであると思います。もうすでに五年前にこの問題は解決さるべき問題であつたと思うのですが、それが今日に至つておるのでありますが、只今大臣のお話もございまして、私安心すると同時に、どうかそのことを、今、大臣のおつしやつたように実現して頂きたい。私どものこの農林委員会で申入をした事項は、これは決して無理のないこと。今乳が非常に生産されて来た、そうしてそれが処分がつかないといつたような問題が、こういうようなことが一つの堰のようになつて、そうして問題が起きておるとすれば、その問題にメスを入れて頂くことが今一番いい時期じやないか。どうぞ成るべく速かに省令の改正をして、そうして今までもやもやしていたものをはつきりさせて頂くということが必要だと思つております。どうぞ今後とも完全に進行することを希望いたします。
○国務大臣(草葉隆圓君) 只今申上げました考え方が根本でございます。技術的にはそれぞれ技術者が検討いたしておりまするから、多分申出の点等も具体的に検討を進めております。従いまして、私ども三月に大体これが相当徹底すると思つておりましたけれども、なかなか現実では徹底しておりませんので、従つていろいろ御心配を頂いておると存じます。先ほど申上げました他の委員会等でも御検討頂いておりまするので、共々に大体の行き方は同じだと存じまするから、これらの国会の御意見を十分尊重しながら、成るべく速かに取運ぶように努力をいたしたいと存じます。
○戸叶武君 農林委員会の大体申入を、全面的に草葉厚生大臣が原則的には受入れられたと思われるような今の御発言で安心したのですがこの前に速記はなかつたからかなり私は乱暴な表現もいたしまして、言葉が行過ぎた点もあるかも知れませんが、環境衛生部長に対していろいろ迫りましたのは、とにかく我々は低温殺菌というものがいけないというのではなくて、低温殺菌が普及しておるのだから、それが維持されるということは好ましいことであるし、世界的な一つの傾向としてもそういう方式はとられているのですが、ただ、今までのような一本化の行過ぎというか、そういうような面がどちらかというならば今までの中小企業を没落さして、四大メーカーと言われる明治や森永、独占事業を助長し、その結果というものが、その厚生省関係の衛生行政というものとどうこうというのではないのですが、その関連の下においてこの独占資本の横暴を来たしてお乳が余つておる、お百姓からは一合四円そこそこの安値で買う。元は六円で買つていた。そうして問屋が小売に対しては九円五十銭で卸して、小売が一般の消費者に十四円五十銭で売りつけるというようなやり方のように、どこの国と比較して見てもわかりまするように、こんなべら棒なやり方というものはない。生産者を叩き、消費者に迷惑をかける、こういう問題に対して、これは厚生省、農林省どこに責任ということは我々は追及するのじやないのですけれども、現実において我々の生活に重要な影響があり、而もなお日本の酪農を発達させ、日本の食生活を大いに改革して行かなければならんというようなときにおいて、こういう具体的な事実が障碍となつておるということは本当に悲しいことだと思う。而も私は環境衛生部長御自身に言つたのではないのです。私は今まで冷害の問題やいろいろな災害の問題で、特に東北、北海道地方を去年から今年に亙つてかなり広範囲に自分自身も歩いて来ております。至るところでその苦情が出るのは、いろいろな私は材料を持つておるのです。併しそれをえげつないから、余り当り障りがあつてはいけないから言わないことにしておりますけれども、実際その点は改められなければ、これは本当に日本の官僚行政というものが生産者に対しても消費者に対しても迷惑をかけるということになるのですから、そういうことをよく御配慮の上で、我々も恐らくは各委員がいろいろな資料を持ち、いろいろな苦情を聞き、そうして委員長が前に説明されたような要望となつて現われて来たものですから、どうぞその点を間違いなく一つ実行のほうに移してもらいたい、こう考えております。
○委員長(森八三一君) 本件につきましては、只今厚生大臣から所見の開陳がございまして、基本的には当委員会から申入をいたしました申入の要旨に副つて解決を図りたいというような御意思でございました。岸委員からも、戸叶委員からも御発言のごとく、国の食糧事情の現況に鑑みまして、一面に酪農の振興が国策として非常に強く推進され、幸いにその成果が漸次上つて参りました。牛乳の生産が増加をして参りましたその出端にいろいろな問題が起きまして、酪農の仕事が衰退をして行くのではないかというような危険すら感ぜられますような状況極めて切迫をいたしておるのであります。そういうような趣旨で再三当委員会でもこの問題を研究いたしました。すでに当面の担当部長である楠本環境衛生部長は、十月末項までには当委員会の趣旨に副うような措置をいたしたいというような御趣旨の発言もありました次第でありますが、どうぞ一つ速かに本問題が只今大臣の御発言の要旨に基いて解決されますように、強く私からもお願い申上げ、希望をいたしておきます次第であります。それでは本件につきましては、只今大臣から御発言の次第もありましたので、大臣の善処に期待をいたしまして本日はこの程度にいたしたいと思います。御異議がなければさよう決定をいたします。 本日はこれを以て散会いたします。 午後零時十四分散会