農林委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/07/30
会議録
○委員長(森八三一君) それでは只今から委員会を開きます。 本日は最初に、かねて政府に申入れてありまする稲作病虫害の防除徹底に関しまして、政府の最終的結論の報告を求めることになつておりましたが、閣議のために大臣の出席が遅れますので、この際関根委員から発言を求められておりまする麦の保管倉庫の件につきまして、関根委員の発言を願いたいと思います。食糧庁から業務第一部長伊東君が出席をされております。
○関根久藏君 本年の政府の麦の保管倉庫の指定に際しまして、非常な厳格な方法をとつた関係から、一例を挙げますというと、埼玉県におきましては、最近は農協関係で約千三百棟指定になつたのでありますが、本年は僅かに五百棟でありますから、収容能力に至りましては非常な激減を来たしておるところへ持つて参りまして、昨年以来のものがまだ四百四十万俵入つております。本年の麦の売渡しに際しまして、収容し切れないというので、政府の指定倉庫でなければ金を支払わん、金は取れないという関係から、小麦が農協で二千百十八円もしておるやつが、二千円から、二千円を判るような取引も散見されておる。又大麦なぞもやはり千八百円が千七百円か、若しくはそれ以下で取引されておる始末で、大変なことになつておるのであります。政府が麦の価格を支示するという間接統制をやつておりまする建前から申しまして甚だ遺憾なことだと思うのであります。政府のほうでは、この際或いは保管倉庫を増して指定するなり、或いは運用を工合よくやるなり、何らかの方法で農民からの買上に支障がないようにできますかどうですか、その点を一つお伺いしたいと思います。
○説明員(伊東正義君) お答え申上げます。麦の買入倉庫の指定に当りまして、私のほうでとりました方針は、ここ一、二年麦を買いましても非常に長期の保管をいたすようなことになつておりますので、買入後の保管管理ということを重点におきまして、原則として燻蒸保管倉庫というような原則論を立てておりますが、食糧事務所へそういう原則を流して事務所長が指定するというやり方を実はやつております。今御質問のありました点でございますが、全国的に申上げますと、去年は麦の買入倉庫の指定は、倉庫の数にしまして一万八千くらい実は昨年は指定しました。今年が一万四千八百くらいでございます。三千幾ら減つております。若干減つているだけで、実は坪数のほうは減つておりません。でありますので、減らしましたのは燻蒸保管倉庫で非常に小さいものというものが減つたという結果になつております。御指摘の点でございますが、私のほうとしましては、法律の建前から行きまして、一応五等以上の麦につきましては無制限買入ということになつておりますので、今おつしやいましたような事例が出まして指定倉庫へ持つて行つても、例えば麦が一ぱいになつていてもう買えんとか、そういうような事態が若しもあるとしますればこれは、現地の所長に便宜その辺のところは別に取計らいをしてもいいというようなことを事務所長には言つておりますし、又今申しましたように倉庫が一ぱいになつて買入ができないようなことにならんように、成るべく県内の輸送をやつて倉庫はあかしておく。どんどん持つて来られたものは皆買つて行くというような考えでやつておりますので、具体的な事例、若しも倉庫が満庫でもう買えんというようなことが出ませんように、私のほうも御質問の点はよくわかりますので、又もう一回地方のほうへ言つてやりたいと思つております。そういう事態は起らんという前提でやつておるのでありますが、御指摘の点も十分わかりますので、十分便宜な措置を講じるようにということは又改めて言つてやつてもよろしいと思います。
○関根久藏君 全国的には非常に昨年に比べてみて、そう大差はないということですが、そうしますと何ですか、埼玉県の場合には去年は千三百で今年が五百、余りにそれは減り過ぎておるので、何か食糧事務所が特別の配慮をしたように思われるのですが、今お話の点によりますというと、買入には一切支障のないようにやるということですが、一つ間違いなく買入ができますように管下の事務所長のほうへ伝達を願いたい。
○委員長(森八三一君) 速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(森八三一君) 速記を始めて下さい。
○江田三郎君 これはあなたのほうの管轄になると思うのですが、昨年の災害に伴つて等外麦を買われた。それでその処置がどういうようになつたかお知らせ願いたいと思います。我々はああいう麦は水害を受けた麦だから早く処分をせんと、長く置いておくと質が変るのではないか、思い切つて早く餌用くらいにお出しになつたらどうかということを前に言つたことがありますが、最近の餌の事情というものは依然として窮屈なようですが、あの昨年の麦がその後どういうように処分せられて現在どういうことになつているか、終世と現状をお知らせ願いたい。
○説明員(伊東正義君) 昨年等外、いわゆる六等麦を買いましたのはトン数で五万一千トンくらいでございます。政府で買つた麦全部で八十八万トンくらいあるのでございますが、そのうち五万一千トンくらいが六等麦でございます。又六等の中で小麦が五万一千のうち一万六千が小麦でございます。この小麦につきましては、昨年小麦が不作でございましたので、案外売行きがよくて、いわゆる六等の正常価格で小麦は大体はけております。問題は残つた大麦、裸でございますが、大部分がこれは裸でございます。で、裸麦、大麦につきましては正常の価格で売れたものは実は全然ございません。最初からもう値引で売るようなことになつております。現在残つておりますのは、ラウンドで申上げまして、たしか一万八千トンくらい残つているはずでございます。これは実はつい最近餌用だけの関係者を指名いたしまして、そこで指名競争入札をやりまして、たしか二千トンくらい落ちて、あと一万八千トンくらい残つております。これを私のほうとしましては、又価格を下げまして、予定価格を下げて入札で売つて行く、今後の売り方は、餌関係の人だけではなくて、誰でもいいというようなことにして、又値を下げて、これは競争入札をするというようなことで捌いて行きたいというふうに考えております。
○江田三郎君 今後どういう値になるかということは、競争入札の支障になりますから、お聞きすることはどうかと思いますが、大体残りの一万八千トンについては時間的にはいつ頃までに処分をされる方針なんですか。
○説明員(伊東正義君) 私のほうとしましては、これは新らしい麦を去来の四倍くらい買つておりますので、いろんな関係がありますので、私のほうとしましては、もう成るべく早く、時期が最終いつということはきめておりませんが、少くとも八月の中旬くらいまでには何とか売つて行きたいというふうに考えております。
○重政庸徳君 これは真か偽か知らないのですが、地方へ帰ると、昨年の麦が非常にまだたくさん農協の倉庫にある、まあこういうことを聞くのですが、あると仮定すると、何か計画でもあつて、まだ昨年の麦をそのまま倉庫に保管しているのか、その点お聞きいたしたいのでありますが、そういうことで非常に今年の麦の政府の買上についても地方では非常に危惧している。恐らく今年の麦は政府に大部分買上を希望するだろうと僕は思うのでありますが、農民は……。規格はまあそう簡単には訂正できんけれども、検査を厳格にして、どうも少上でも買上げんような方法を検査員のほうで講ずるというような噂が相当立つているのであります。勿論そんなことを農林省が指示するはずもないと思うのでありますが、結局農民にそういう危惧を与えんように一つ何らかの方法をとつて頂きたい、こういうふうに考えます。
○説明員(伊東正義君) 今の御質問でございますが、実は昨年買いました麦が、この七月に持越しますときに確か二十七万トンぐらい残つております。小麦はほぼ二万トンぐらいですから小麦は全部売れたのですが、大、裸が、約五十万トン買いまして二十七万トン実は七月一日に持越したの一であります。これは一昨年は、大裸は十一万ですから政府に殆んど来なかつたのです。それが去年は大体五倍になりまして五十万トン大、裸を買つたのであります。これは去年の麦の品質が相当悪くて、外麦に比較しまして割高という関係に一つはなつたのだろうと思うのでありますが、なかなか売れませんので、今申上げましたように二十七万トンというふうな持越しになつたわけであります。七月以降は実は古麦格差をおきまして今これを売つているわけなんであります。今年の麦について今御指摘のように、去年のものも残つたのだから、今年は成るべく買わんというようなことをしておるのじやなかろうかという御懸念でございますが、そういうことは全然ございませんで、今申上げましたように、去年の七月二十日と今年の三十日を比較しますと、去年は八十万一千石くらいなんです。今年は三百十六万くらい買つておるのです。去年よりも四倍くらい政府は買つておりますので、今おつしやつたようなことは全然いたしておらないはずでございます。
○江田三郎君 今年への持越しが二十七万トンというのは、最初の需給計画から言うて、こういうような計画を立てられておつたのか、或いは需給計画から言うと、数字が違つて来ておるのか、違つて来ておるとすれば、どういうわけで違つて来たのか、或いはMSAの麦等のために、内地麦が需要があるものが、そういうものに置き換えられて、かようなことになつたのか、そういう点はどうなつておりますか。
○説明員(伊東正義君) その点は、今二十七万トンと申上げましたのは大、裸でございます。大部分が裸麦が多いのですが、MSAの関係の大麦と言いますのは十万トンでございます。これはつい最近になつて入るというのが実態でございまして、大、裸につきましてMSAの大麦が十万トンあつたからどうという関係は全然これは私はないと思います。ただ需給計画からどうかというお話でございますが、これは実は外麦の手持のほうが減つて、内麦が殖えたような恰好になつて持越しておりまして、総数の持越においてはそう予定は殖えておりません。ただ外麦のほうが割合に減つているというようなことは言えると思います。
○江田三郎君 そうなると、とにかく裸と小麦との違いという問題がありますけれども、一応外麦のほうが少くなつて内地麦が持越が多くなるということになると、何か流通市場で内麦が外麦に圧迫されている、こう思わざるを得ませんが、これが一体本年度の需給計画において、あなた方のほうでは外麦の輸入についてどういう考え方を持つておられるのか。これは勿論外交関係であつて、やつてみなければわからんということになりましようが、大体今のところ腹算用ではどういう考え方を持つておられるのか、お聞かせを願いたい。
○説明員(伊東正義君) 今の内麦の持越しと関連しまして外麦の輸入の問題でございますが、実は大、裸が去年のものを相当持つておる、今年も大、裸につきましては非常に増産になりまして、政府の買入も殖えるということになつておりますので、これは実は先の見通しの問題になりますが、今年の稲作がどうなるかということが非常に影響する問題でございますが、私どもの見方としましては、平年作を仮定しました場合には、外国の大麦を入れることは今年は少し減らしてもいいんじやないかと実は考えておつたわけです、平年作を前提にした場合には……。併し若干の不作の問題がありますので、その点まだ外大麦の輸入を減らすということまでは実は考えておりませんが、去年は凶作で麦を大分入れたんですが、私どもの今の見通しでは、そういう事態になりましても外大麦を入れるということは、今の計画以上にやらんでもいいんじやないか、むしろできれば外大麦を減らしたいというふうに考えております。
○江田三郎君 すでにとにかく外麦によつて内麦が圧迫されておるという傾向は否定できないと私ども思うのでして、そうなつたときに一体日本の米についても、麦についても実収は幾らあるかということは、これは私はなかなかわからんと思うのです。併し一旦内地麦というものが何かほかのもので圧迫を受け出したということになると、これは流通市場へ出て来る数量というものは大幅に殖えるんじやないかと思うのです。例えば今年の収穫を何千万石と、こうおつしやつておつても、そういう統計数字だけを元にして需給計画を立てておると違つて来るんじやないか、もつと大きな数量になつて現われて来るんじやないか、こう思うのですが、あなた方のほうでは、そういう点についてはどんな見通しを持つておられますか。
○説明員(伊東正義君) 統計をどういうふうに見るかという問題でございます。私どものほうとしましては、やはり統計調査部で出ました統計がこれはもう一番正しいものという推定で、あとは幾ら出廻るかという問題はありますが、これは経済情勢でございますが統計としましては、私のほうはそれを全面的にとつて考えております。今おつしやいました外麦が内地麦を圧迫するんじやないかというお話でございますが、実は私のほうも内麦の手持は相当ありますので、今外大麦につきましては政府の払下を減らす、枠をきめちやつて、非常に絞つております。内麦はその代りに幾らでも出しますというような恰好でやつておつて、外大麦は成るべく抑えておいたほうがいいんじやないかということで払下の方針はきめております。
○江田三郎君 去年の最初の需給計画によつて立てられた流通へ廻るべき数量とその実績はどうでございましたか。
○説明員(伊東正義君) 今数字的にはつきりは覚えておりませんが、たしか出廻る量として予定したくらいなものは、そう大きな違いはなくて出廻つているんじやないかと思つております。ただ政府が買つたのは予想に反して非常に多かつた。ですから一般の市場に出廻つたのは減つたということは言えると思うのですが、予想した出廻りと市場の出廻りというのはなかなか調査がむずかしいのですが、そう大きな狂いはないんじやないかと私は考えております。
○江田三郎君 なかなか政府の買上量以外のものは数字はつかみにくいことでございますけれども、やはりこういう情勢になつて来ると、どうしても出廻る量が殖えざるを得んと思うのです。それで何といつても日本の食糧生産の統計というものは非常に、非常と言うたら失礼かも知れませんけれども、誤差のあるものであつて、そこで経済情勢如何によつては大幅な狂いが来るということを考えなければならんと思うのでして、その点は今年の需給計画を立てられ、或いは政府の買上量の計画を立てられるというときに、よほど慎重におやりにならんというと、そういうことを従来の感覚だけでやられたのでは、外麦の輸入によつて寿洪水を起す虞れが多分にあると思うのでして、その点は一つ慎重にお願いしたいと思うのです。
○松浦定義君 去年、農産物価格安定法で決定された馬鈴薯並びに甘藷の両澱粉を中心として、その価格の政府の決定が非常に遅かつた。最初の年であるから止むを得んとしても非常にそのことによつて、決して農家は余り価格安定法という趣意に基いた前切な処置でないというふうに考えておつたのですが、その当時何とかして三十九年は出廻り直前というのですから、出廻りに対して当然農家が納付するような価格を発表して市場との調整をとつて行きたいと、こういうふうな意見は聞いておつたわけですが、本年度現在としては、いつ頃そういう場合を考えて決定されようとしておるか、或いは又本年度はどの程度くらいを買上げなければならんような情勢であるかといつたようなことについて、一つ政府の見解を聞きたいと思いますが。
○委員長(森八三一君) ちよつと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(森八三一君) 速記を始めて。松浦委員の質問に対しまして後刻取調べの上で答弁いたします。
○清澤俊英君 さつき本年の買上げ八十万トン、内地……。
○説明員(伊東正義君) 昨年です。
○清澤俊英君 それでそのうち大麦、裸麦は幾らですか。
○説明員(伊東正義君) 大麦だけで五十万トンです。
○清澤俊英君 今年外麦の十万トンは全部とつているのですか、これは全部出たのですか、大麦の……。
○説明員(伊東正義君) その外麦の十万トンとおつしやいますと、MSAの関係でございます。これはそれで入れたものを全部出すという意味じやございませんで、前からの関係がございますので、どれがどうというのではございませんが、それ以上のものは政府が今手持いたしております。入つたものをすぐ入れるかどうかということは、これは別でございまして、十万トン以上の外麦の手持はいたしております。
○委員長(森八三一君) この際私から一、二質問しますが、今日の麦の買上について、六等麦の買上、等級の設定を希望され、当委員会でも質疑が行われて御研究を願うということになつていますが、その後の経過、現状はどうなつておるのか、その点を一つお伺いいたします。
○説明員(伊東正義君) 今の点は中で検討いたしておりまして、実は先週でございましたか、長官も衆議院の食糧対策小委員会で申しておりましたように、今月一ぱいで大体作業を終えて結論を出そうじやないかというような、出すというようなことを長官も言つておられますが、我々としましても、結論を出すだけの準備は今月一ぱいに整えるというようなことで今作業をいたしております。
○委員長(森八三一君) その作業の経過からしまして、今までの買上の実績、検査の実績等からして、大体結論はどういうような方向になつているか、おおよその見通しでもございましたら伺いたいと思います。
○説明員(伊東正義君) その点は、出ました資料その他に基いて判断をしようということで今やつておりますので、それで御勘弁を願います。 —————————————
○委員長(森八三一君) それでは大臣のほうはまだ閣議中だそうでございますので、この際世界銀行農業関係借款の関係につきまして、これは改めて審議を願う予定にいたしておりますが、本件に関連いたしまして、北海道泥炭地の改良について溝口委員から発言を求められておりますので、渡部官房長が出席をされておりますから、溝口委員の発言を願いたいと思います。
○溝口三郎君 官房長から農地開発の全体の概要だけ伺つて、それについて質問したほうが順序がいいかと思いますが、そういうふうに願いたいと思います。
○委員長(森八三一君) それでは官房長から、世界銀行借款に関連する農地開発についての農林省の構想についての概要の説明を求めます。
○説明員(渡部伍良君) 前々から外資の導入として土地改良等による食糧増産を進めたい、こういうのでやつておつたのであります。先般世界銀行のドール団長以下の調査団員が参りまして、現在各地を調査しております。御承知のように、世界銀行から幾ら貸してくれるかということははつきりしたあれはありませんが、大体日本に対する割当が一億ドルくらいで、その中から四千万ドルは火力発電にもうすでに持つて行かれたので、あと残りは六千万ドルくらいじやないか、こういうふうな目標で政府部内いろいろ検討を加えておりました。農業開発関係は約二千万ドルを目標にいたしまして、愛知用水千四百万ドル、そのほかに残りの分を充当したらどうか、こういうふうな考え方でやつております。問題になつておる所は愛知用水のほかは八潟、長崎の干拓或いは北海道の泥炭地の開発、そのほか地元の希望といたしましては、あらゆる国営に類する地区のものは希望が出て来ておるのであります。現在の段階におきましては、只今申上げましたような地区が一応話題に上つておるのであります。併しながら、愛知用水外の地区につきましては、現在までのところ基礎調査が十分でありません。従いまして、直ぐ金を借りるというのには説明が十分でないのではないか。いずれの地区にいたしましても、例えば干拓でありますれば、干拓の実施計画をどういうふうにするか、これらは最近、先般オランダから調査団をお願いしたヤンセンの報告が来まして、それに塞ぎまして更に日本側の技術者においても設計を考えてみなければいかん、そのための基礎資料を得るために更に調査しなければならん、こういうふうな段階でございますが、当面の問題といたしましては愛知用水一本やりで交渉しておるのであります。それらの愛知用水以外の地区につきましては、第二段の構えでやつておるというのが実情であります。今般の調査団は、従いまして何と言いますか、とらわれずに日本の農業の各部面につきまして調査をして頂きまして、なかんずく愛知用水については相当突込んだ具体的な調査をお願いすることになつておりますが、そのほかの地区につきましても、調査団の顔振れから申しまして、土地改良、土壌保全畜産の専門家、そういうようなメンバーがあるのでありまして、来月の終り頃まで全国各地を廻りまして調査をお願いしておるのであります。日本側の態度といたしましては、簡単に結論的に申し上げますれば、以上のようなことでございます。
○溝口三郎君 渡辺官房長から農地開発の借款の概要について御説明がありましたが、借款による食糧増産につきましては、農林省では大規模の干拓、愛知用水等は将来は借款等によらないと、国内の財政では非常にむずかしいのだ、そこで食糧の増産計画というようなものは借款をやつて編成替えをして行くのだというようなことを農林大臣も言つていられたのでございますが、食糧増産が必要で、できるだけやつて行かなければならんということは、これはすでに国内で一致した意見でございますが、御承知の通りの事情でなかなか進まない、たまたま借款の問題が出て来たときに、新聞等によりましても宣伝された。今、官房長からお話のように、農地開発としては愛知用水、長崎、八郎潟の干拓、北海道泥炭地等四地区で十一万町歩ぐらい、約千億の要望を政府では出したようでありますが、只今伺いますと、そのうちで干拓等についてはそれは基礎資料も整つていないのだという、今日配付されました書類によりましても……。長崎の干拓については、世界銀行に恐らく英訳にして出してあるだろうと思いますが、事業計画を六月に出したのは二百十億で、米麦の増産も二十六万石ぐらいの計画で出してあつた。それが今度は急に減らして百五十億になつて増産石数も十九万石ぐらいですが、今配付されたのでは……。この世界銀行に出した事業計画の概要というようなものは、農林省農地局ということになつておりますが、これは農林省で正式にきめられて出されたものか。又借款については吉田総理が非常に熱心で、閣僚懇談会もやつて優先順位等をきめた。そしてそのうちで農地開発は特に重要だから、それを優先して行くのだ、又今の御説明でも、そのうちでも干拓等については事業計画が余りはつきりしていない。第一段では愛知用水を特に重点に考えておるようですが、当初食糧増産計画の編成替までするというので大規模なもの、約千億ぐらい出してあるのです。そのうちで、調査して六月に世界銀行に出したのが、今日は事業計画も二百十億から百五十億に減つて来ている、こういうふうにお配りになつた、これも又世界銀行に出したのでしよう。今朝の新聞によりますと、今朝世界銀行の調査団は愛知用水に行つておる、続いて長崎、北海道にも行つて、食糧増産を主にして考えて一番にどれに融資をしたらいいかというようなことを検討した上で結論は出したい、地方によりましては、もう八郎潟等において、先月の中頃に県民の有力者のかたが全部集まつて、当然に八郎潟は借款もできるのだ、金も入つて来るのだというように地方じや考えているのですが、今頃計画の内容を皆変えてしまつたりして、どれが本当なのか、そして世界銀行調査団はどれを元にして調査を進めて行くように農林省はやつておられるのか、そこをはつきり……。なお借款はこれを第一段とするが、第二段、第三段に将来借款による食糧増産計画を立てて行くのだという見通しはあるのか、只今私の聞いておるところでは、この際一億くらいの借款を世界銀行からするので、それだけであと毎年度借款によつて食糧増産がだんだん殖えて行くのだということは考えられないのだ、そうすると、今のようなお話で行くと、借款による食糧増産という、編成替でなくて一事業地区くらいのことで済んでしまうのかどうか。そうなると、問題の取上げ方も違つて来るのじやないかと私は考えるのでありますが、その点をもう一遍御説明をお聞きしたい。
○説明員(渡部伍良君) 御承知のように、何と言いますか、世界銀行が金を貸す調査の段階で向うの説明或いは各国の例を見ますと、先ず今お話にありましたように、例えば特定の開発計画についてラフな説明、それがその国の国民経済との関連においてどの程度の重要性を持つておるかというような点を確かめまして、これは世界銀行の使命に基くと、金を出したほうがいい計画であるということになりますと、さて第二段の調査になりまして、今度は具体的に個々の内容に入つて、その個個の詳細につきまして検討を加え、更にそれが持つ経済効果、即ち償還に対してどういうふうな確実性があるか、若しその事業自体の確実性が不十分ならば、国がそれに対してどういうふうな裏打をするか、そういうふうな点まで言つて参りまして、第三段としまして、これなら貸していいということになりますれば、正式に政府で今度は計画の内容の細目をきめて、予算その他の国内手続をはつきりきめまして、世界銀行と借入契約を結ぶ、こういう三段のあれになつておるようであります。お話にありましたように、私どものほうでは愛知用水については第二段のあれとして詳細の静岡を立て、それを具体的に現地について説明したいと思うのであります。その他の問題につきましては、日本政府としては土地改良による食糧増産のためにあまたの地区がある、比較的調査も進み、且つ何と言いますか、効果が大きいものというものにつきましては、いろいろな考え方があるけれども、現在の段階ではどういうプランでやつたらということで検討中であるという資料を出しておるのであります。これはそれによつて世界銀行のほうが、第一段のその貸す対象に適当であるかどうかというふうな目安を付けて頂くために提供しておる、こういうのであります。先般総理が渡米する予定でありまして、私のほうから東畑農林次官が行くことになつておりました。そのときには愛知用水の計画については非常に詳細な資料を整えまして、その他の地区につきましては、現在国営で取上げてみたいいう九地区のポイントの図表をつけ、更に今お手許にも配付しておるような或る程度試みの計画のあるものは一応参考資料として一緒に持つて行つて頂く、こういうふうになつておりました。それらの資料が世界銀行に出されておるのであります。従いまして、お話がありました途中で計画が変るか変らんかということは、絶えず変つて行くのでありまして、殊に八郎潟等については、根本的に従来日本側で考えておつた案と、先般ヤンセン教授が来られたときのサゼツシヨン等では、相当のこの何と言いますか、設計上の内容において相違しておるようなのがありまして、それらの試算をいろいろやつてみておるのであります。これらも併し実際に基礎調査をやつて行きました上で、こちらの計画がいいことになるか、或いは又違つた計画を設計しなければいかんかも知れんということが出て来るのであります。愛知用水以外の計画につきましては、今後更に精密な調査によつて日本政府としての最終的な案をきめたいと、こういうふうに考えておるのであります。
○溝口三郎君 愛知用水は数年に亘つて完全に調査ができていたのである。干拓等についてはこの四月頃オランダのヤンセン教授が来て、その勧告に基いて計画をして一応の計画を出した、私計画概要を拝見したところでは、地図の上で堤防の線をどこへ引くかについて、オランダの干拓のようにやればこういうふうになるのだというようなことで、どういうふうにでも変つて行く、私はこういう根本的に計画の内容等を変えるような問題は、これは日本の農業経営としても将来非常に重要な問題だと思うのです。八郎潟等については大正八年当時以来、種々の方々によつていろいろなものができているが、なかなかその計画はむずかしい、事情も大規模な点もありますし、計画をどういうふうにするかということも非常にむずかしいのだ、ところが四月、ヤンセン教授が来て、一日か半日くらいで、こういうふうにするのだと言つたら、それで堤防の線が全部決定してしまつて、それがこの計画概要になつてアメリカへ行つているのだ、私は計画の内容については、この際どうするということは言わないのですが、ああいうものができたあとで、日本の農業経営はどうして行くべきかということは、私は一遂にオランダの干拓の技術がこういうふうだから、それを日本で真似したらできるのだというふうな軽率な考え方は私は少し考えてもらいたい。而も今日になつて長崎の二百十億でヤンセン教授の案だというので出したやつがある。又百五十億くらいにして、堤防もまだどういうふうにするのだかわからん。その締めきつた中の干拓の面積も前には七千三百町歩くらい、六月に出したのが今度は五千三百町歩なのだというのでは、調査に来た人はどうすればいいのかわからないと私は思うのです。もう少し根本的に常識で考えても今まで長崎の干拓というのは、干潟が出るからだんだん外へ出していつて、干潟のところを干拓したのだ、今度は海面のマイナス十一メートルのところでやつて、地表面からも十四、五メートルの海底で農業をやつて行くのだ、日本の農業は海底十四、五メートルのところで一年中排水を上ながら麦作をやつて、一反歩四、五千円の電気料を払つて、排水料を払つて、私は成立つかどうかというようなことは、日本の農業をもう少し研究される必要があると思う。八郎潟にしても低いところ、深いところを残して、周りの干拓を一万五、六千町歩をやるにはどうしたらいいかということを二十数年来研究した。それをオランダと同じに二万何千町歩の深いところも皆干拓してしまうのだ、そうして水族館のような天井をのぞいて、海をのぞいているところで耕作しなければならないというようなことは、日本ですぐそれが採用できるかどうかは、これはいろいろな方面から私は研究すべき必要があると思う。私は今借款するについては、原則的には、これはこぞつてやつているのだから、是非成立するようにとは思いますが、既成事実になつて、干拓も採用しよう、そうして海底で耕作するような農業をやつて行こうというような、計画も何もでき得ないというような矛盾したようなことは変だと思う。今農林省のお話を一応伺つたのだけれども、どうも話を聞くと当て馬のように出したようで、何も計画も出ていない。償還計画も出ていないようなお話で、十分研究されればいいと思います。愛知用水に次いでもう一つお伺いしたいのは、先ほどお伺いしたのですが、事業計画、四つの農地開発はこれは農林省がきめられたものか、閣僚懇談会においてもこれは審議されて、農地開発は優先順位で、石炭とか、鉄鋼等に対して優先順位にやるかということで、各地区が政府の案として世界銀行に出されたのかどうか、その点を一応伺つておきたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 御注意の点は誠に御尤でありまして、いろいろな計画を検討して、その土地に最も適したものに最後は落ちつけなければならないのでありまして、最初に申上げた通り、更に基礎調査を進めて、どつちから見ても遺憾のない計画で、最後は管理借款の問題になるといたしましても、いたさなければならないものと思います。そのためにはもう暫らく時を要する。今回の調査では愛知用水だけで、日本の土地改良に対する借款の要求が全部ではない、あとたくさんあるのだという注意を喚起する、先ほど当て馬と申されましたが、あとに問題が控えているのであるということを認識して、更に何と言いますか、世界銀行側の関心をつないでおきたい、こういうのが狙いでありまして、次に借款の優先順位の問題でありますが、これは各省間でいろいろ討議されましたが、総理が出発真際では、政府首脳部において農業開発を第一位にするということがきまつたように私どもは承知しております。変な言い方でありますが、つまり事務官同士の話では、最後まで張合つて結論が出なくて、私どもあとで渡米資料というものを見せて頂いたときにはそういうふうになつておつた、こういうことであります。従いまして、本当の政治的に順位をきめられたのではないかと、こういうふうに想像しております。この計画それ一体の内容につきましては、これは事務的なことでありますので、各省間で電気、水道、農業用水その他等の関係については話を進めておるのであります。その内容が閣僚審議会その他上層部できまつた、こういうのではありません。これは厚生省、建設省、通産省、運輸省等と具体的に計画をどうしたらいい、費用の分担はどうしたらいいということを相談してきめて来ておるのであります。多少発言力の食い遅い、或いはこういうふうな用水の単価という面で議論がありましたけれども、これらは現在までの段階におきましては大体話がついております。
○溝口三郎君 四つの農地開発地区について、これは閣僚懇談会等においてもきまつたのだ、農地開発につきまして愛知用水、北海道の泥炭地開発、これは二つの干拓についてでありますが、北海道の泥炭地の開発については農地開発事業と兼えるのか、農林省の関係にあるのか、その点を明確にしておきたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 北海道の泥炭地の開発、勿論農地開発、土地改良の一つであります。ただ御承知の通り、その所管が北海道開発庁でありますので、計画の立案等は開発庁のほうでやつております。無論農林省も当然相談にあずかつております。これも先ほどから話が出ておりますような愛知用水ほどの精密な計画にはなつていないのであります。今後検討すべきところが多分に残つておるのであります。
○溝口三郎君 北海道の泥炭地の開発の計画は、私の聞いておるところでは石狩川沿岸で各種の事業を今までやつた。中小河川もやつておるし、道路、電力、それから農地開発等もやつておる。それを総合して石狩川水域の全体計画に見合つて、二十九年度までの済んだ分はこれは済んだ。その以後の分を計画を一まとめにして今度の借款の対象にしておるのだ。そこで事業費は今後の分が約四百三十億ぐらいかかつて、米麦の増産は九十五万石になる。そのほかに電力が九万キロぐらいと、事業概要が新聞に出ておりました。これは無論私は食糧増産と関連して、農林省と御協議になつてやつておることだと思う。その内容について先ほどアロケーシヨンの問題があつたのですが、それは愛知用水については私はあとで伺いたいと思つておりますが、そういう問題でなくて、今度のこの借款による食糧増産をやる場合に、愛知用水は事業を実行する場合、借款の主体は愛知用水公社を設立してやるのだということになつておるのですが、愛知用水を実行する場合に公社を設立するのだということは、これは借款の条件になつておるのかどうか。そして若し条件になつているならば、仮に長崎の干拓、八郎潟の干拓も借款をして実行するというならば一つずつ公社ができるのかどうか。新聞等によりますと、北海道の泥炭地の開発は北海道の石狩川水域の開発公社を設立して四百三十億の企業を進めて行くというようになつておりますが、公社はそういう意味でやつて行くのか、又新聞等に、或る新聞では八郎潟とか、長崎とか、その他の先ほどお話のあつたような国営の地区を総括して若し将来借款でやつて行くならば、そういうものは一つの農地開発公社のようなものでやつて行くのだというようなこと、いろいろ出ているが、農林省はどういうふうになつておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 現在提出いたしております資料では、愛知用水は公社を作つてやるのである、こういうふうに一応なつております。これは各国の例を見ますと、公社でやつているのもあるし、政府で直接やつているのもありまして、いろいろの形態があるのであります。この点は特別会計でやるか、或いは公社という形式でやるか、とにかく現在の公共事業費のつけ方のように、年度で事業の進捗如何にかかわらずぽきぽきと切れるのでは能率が上らないので、そういうことのないような、最も効率的に建設が進んで行くような、形態にしたいというのが狙いでありまして、種々検討いたしてみますと、結局公社でも特別会計でも似たようなことになりまして、この事業の金を特定分離して、そういうふうな効率的に建設が進むようにさえすればいい、こういうことになるようであります。従いまして、公社でやるという場合に、例えば公社の理事者の俸給が役人より多いとか、或いは公社が愛知用水で、言えば五カ年で建設期間が終了し、五カ年たてば、管理になれば非常に規模が縮小するので、そのときの公社の職員をどうするか、こういうふうないろいろな問題がありまして、特別会計と比べて多少の差はありますけれども、事務の能率を促進する上においては公社も一つのいい形態じやないか、こういうので現在は公社の案と特別会計案を睨み合せながら検討しておるのであります。この点等につきましても、更に開発銀行側の意見を聞きまして、向うで各国の例でそういつた二つの形態のどちらがうまく行つているかというようなことも聞いた上で最後的にはきめたらいいのじやないか、こういうふうに考えております。そのほかの地区につきましては、まだそういう具体的なところまで研究しておりません。恐らく愛知用水の案に公社という案が出ているので、ほかの地区も深い研究なしに、世界銀行から借りる場合は公社の形態でなければならないのじやないかというふうな考え方でできているのじやないかと思つております。愛知用水を公社でやるかどうかという点については現在の段階はそういうことでございます。
○溝口三郎君 公社を愛知用水についてはお認めになつているのですが、その他のことについてはよくわからないのですが、北海道はどういうふうになつておるのですか、これは農林省は関与しておるのですか、いないのですか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 農林省は深くまだ関与しておらないと思います。私この点は少し明確を欠きますが、まだ北海道開発の計画それ自体についていろいろな問題がありまして、例えばこの間のフランスの泥炭地の調査が来ました、ドールの報告等によりましても、泥炭地の、何と言いますか、埋蔵量、即ち泥炭の賦存状況が非常に不揃いである。深さ一メートルから十メートルぐらいになつておる。そういう基礎の調査もまだできておらないようですし、そのあとを水田として使うのか、或いはまあ向うのほうでは牧草を植えて牧畜から入つて行つたほうがいい、こういうふうなことを言つておりますが、そういうふうにしたらいいのか。更に又石狩のみならず、釧路平野方面の泥炭の状況もまあ大分変つておるようでありますし、石狩はとにもかくにも、現在相当日本側で手をつけておるので、むしろ釧路平野のほうに新規に手をつけるならつけたらいいじやないか、こういうような説もあるようであります。更に来月の終りでありますか、FAOから泥炭の専門家が来まして、もう一遍調査をしてもらうことになつております。それらの点がもう少し明確になり、日本側で更に基礎調査をやるべきものはやつた上でなければ、或いはその基礎調査の方法をどうするかという、少くともその程度まで行かなければ、具体的な計画に入ることは、何と言いますか、具体的の計画と言いますか、何ですか、全体的な総合的な具体的な、計画に入ることはまだ時間が要るのじやないかと思います。今後更に開発庁、農林省が協力して研究して行かなければいかんじやないか、こういうふうに考えております。
○溝口三郎君 私先ほど申しましたように、借款の問題は今進行中なんで、そうして原則的に私は成立することを希望しているのですが、公にされないうちに、世界銀行と折衝をしているうちにそれが既成事実になつてしまうう。そしてあとで国内で予算をやる場合なり、法律をこしらえる場合に、それが引つかかりになるとこれは非常に因る問題が出て来る。だから私は疑点のある点は率直に今のうちに政府もはつきりしておかんと禍根を残すようなことになつては困るから一応質問をいたしたいと考えているのであります。そこで北海道の問題については、まだ官房長のお話では納得が行かないのでございますが、北海道の点については、これは資料が配付になつていないからわかりませんが、新聞にも詳しく出ていたのです。そうしてそれは石狩川水域の開発帝業公社を設立してやるのだ。もう一つ一番重要な問題なのですが、開発公社が事業を行い、借款をし、それから償還をするのだ。愛知用水についてもこれは非常に問題がある。機械は世界銀行から貸してくれるかも知れんが、あとの百済金をどうするかという問題なんです。大蔵省や財界の方面では、余剰農産物から来る見込みが非常に少いと、内地の食糧増産の費用から削つてでもそつちに廻すような口振りもある。農林省ではそれは困るから、若し余剰農産物でいけないなら別枠にしてもらいたいということを強硬に言つているというのが、これは通るか通らないかわからない。私どもは内地の食糧増産の枠を削つてまで、愛知用水一事業地区のためには、これは是非とも成立するようにしたいのですが、ほかの全体の地区を削つてやるというようなことまでは私はまだ結論はつけるべきじやないと思う。そこでそういうあとの償還の問題が非常に今問題になつているところである。それと北海道についても問題がある。北海道は公社を立てて、そうして事業は公社がやり、借款の主体にもなるが返還も同様に公社がやる。返還する場合に、先ほども申しましたように、四百三十億の借款の事業費のうち、借款は北海道で百八十億だそうです。そうしてそれを六カ年で事業をやつて四分五厘で二十年賦にすると、毎年払うのが十六億一千五百万円、電気と農業とアロケーシヨンをやつて、電気のほうは毎年六億二千八百万円払う、約四割、あとの六割は農業が負担するということになつていますが、農業の負担の九億八千七百万円の中で受益農民が一億五千七百万円出す、あとの八億三千万円は国が毎年二十年間負担するということになるので、やり方は愛知用水と同じだと思いますが、その金をどこから国が出すんだということに問題がある。二十年間毎年北海道の開発公社は、国から八億三千万円徴収してアメリカに返す、その八億三千万円は、九十四万石の米麦の増産ができるから、その輸入価格の補給金が十三億万円毎年浮くんだ、それを必ず供米するその分だけは減らすんだ、そうして補給金が十二億九千万円浮いて来るから、それを見返りにして国は毎年六億二千八百万円を返して行くんだ、私はこの点がこの間新聞に出ておりましたから、先日の農林委員会で食糧庁の長官にお伺いしたのであります。昔から食糧増産をやつているのは、農林省の政策として、私は食糧庁と、そうして農地の土地改良をやる、両方でできるだけ連絡をした農業政策としての食糧増産をやつて行く必要があることを痛感しているが、今まで少しもできない。食糧増産をやつた部分の一部分でもいいから、必ず供出に計画的に組入れて、そうして、その分は食管の会計から幾分でも奨励金のような意味で出すような方法を私はやるなら、ばいいんじやないか、それが今度の借款について、いいか悪いか知らんが、北海道はそういう方針にやつているように新聞に詳しく出ているから、私がお伺いしたら、前谷長官は全然知らないと言うから、だから私はこの農地改革の四地区は一体農林省の省議できめたのか、政府できめたのか、そうして農地の開発の食糧増産の点は農林省は責任を負つているかというと、明確でないんです。個々の問題については、これは各省で連絡しているというような公社を立つて、そうして北海道の開発については北海道が公社を立つてやるんだ、愛知用水は愛知用水でやるんだ、そういう条件が借款についてはあるから、将来やるならば、ここに公社ができるんだ、先ほどお話があつたが、私はそこまで言うつもりはなかつたんだが、この計画概要の事業資金からいうと、これは特別会計みたいなことになつている。先ほどお話があつたように、総裁とか、副総裁とか、それから職員というようなものの給与はどこから出るか、そういう事務費系統はまだここには上つていないから、公社を立てれば愛知用水についても約三十億くらい余分に費用がかかる。そういうことは付いてない。だから公社で特別会計をやる場合には、これは特別会計のようなやり方だ。公社をやる場合にはこれでは足らない。どこからそういう資金を出すか。この償還のやつを見ると、毎年農業でも十二は九千万円払うのが十九億四千万円しか財源がないということなんだ。そういうものを含めて来れば困るのじやないかということもある。それよりかもつと根本問題は、内地については愛知用水の返還の場合でも、食糧増産の枠を削つても払つて行くようなことを大蔵省でな考えているようなことを言つている。それを押し切つて別枠で行けるかどうか。非常に困つているときに食管の補給金の節約を見返りにしてこの借款の返還をやつて行くのだというようなことを英訳にして世界銀行にすでに私は出したのだと思う。そういうような不統一なことで現在ブロック行政のようなことが話題に出ている。そうして国土総合開発についても、利根川の総合開発をやるとか、北上川の総合開発をやるときに、利根川にも公社を立てる、北上川にも公社を立てるというような問題があつて、そのときにはそういう水系ごとの開発の公社を立てるよりか、一応国土総合開発法をこしらえて、特別地域をこしらえようというような経過があつたのでございますが、今度借款によつてはアメリカから強要されて各地区ごとに公社を立てるのだ。そして愛知用水は公社を立てる。公社をやるとこれは能率はいいかも知らんが、この事業費はこの計画よりか又三、四十億上つて行く。北海道も公社を立てるのだ。そしてその返還の財源は外米の輸入補給金の節約を見返りにするのだという根本間遠を決定してしまつて、これを元に私は交渉しているのじやないか。世界銀行の調査団も続いて北海道に行くというが、北海道は恐らく誰が説明するか知らんが、そういう説明を私はしたときに、これは金を貸すほうから言えば償還は一番楽だと思う。ちやんと国がはつきり出すのだ、又食管から出すのだというところまではつきりしているのでありますから、そういう既成事実が、若し世界銀行ではそれを信用して、こういうことならば北海道へ金を貸してやる、内地のほうはまだ返還財源がわからないのだというようなことになることも考えられる。こういう根本問題について農林省はどういうふうにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 北海道開発の関係の償還財源として輸入食糧補給金を出すというようなことがあるかどうか、こういうお話でありますが、新聞に出ておつた案というのを私はよく知らないのであります。政府の部内の間でそういう話をしたことはないのは食糧庁の長官がおつしやつた通りでありまして、これはそういう案自体がおかしいのでありまして、恐らく新聞に出た案は北海道開発協会或いは経団連とか、いろいろな案がありますので、そういう案或いは誰かが作つた試案ではないかとも思います。即ちこれによつて食糧増産は得られるけれども、輸入食糧補給金がいつまでも続くかどうかということは全然未定であります。未定と言うよりも、現在の食糧の国際価格の情勢から言えば、輸入食糧補給金が減つて行つて、遠からずなくなつて行くのじやないかというのが最近の見通しでありまして、仮にそういう案を銀行側に説明しますれば、頭から、何と言いますか、問題にされない、こういうことになると思うのであります。なかなか銀行から来ている人も辛辣な質問、検討を与えております。従つて只今申上げましたように、北海道でそういう説明は恐らくしないだろうと思います。そういう案は出ないだろうと思います。農林省に相談に来れば、今のようなことで農林省との話というものは全然つかないだろうと思いますので、そういうふうにお考え願いたいのです。それから先ほどちよつとお話がありましたように、各地で開発銀行に対するアプリケーシヨンの資料をいろいろ出しておるのが、それが既成事実になるのじやないかというお話でありますが、先ほど来御説明申上げますように、愛知用水以外については今後の調査によつて日本側でやりたいと言つても、向うのほうでどういうふうに取上げるかという点も残りますし、相当の問題が残つて来るのでありまして、既成事実、当然そこに行くんだということにはならないと思います。それからもう一つ、アメリカ側で公社を各地に作らすのじやないか、こういうお話でありますが、これも先ほど御説明申上げましたように、向うのほうでこういう事業は公社でなければいかん、こういうことは全然言つておりません。各国に貸しておる例いろいろの例があります。こういうことであります。これはむしろ日本側で公社でやつたらいいかどうかということをきめるべきである。その際向う側の参考意見を聞くんなら聞くという程度にお考え願つたほうがいいのではないかと、こういうふうに思います。
○溝口三郎君 北海道の問題は官房長は御存じないというお話ですが、私も新聞で読んだ程度でございますが、只今の御答弁の程度ではこれは納得が私は行かないと思います。初めから私はお伺いしておるように、農地開発の四地区の計画については政府が出されたのかどうか。政府が出されたのならば、これは出された資料の中に明記してあると思う。食料の問題は農林省が責任を負われてやつて行かれるのだから、その点についてははつきり私はしておかないと世間では非常に誤解を招くと思う。今外米の輸入の補給金の節約を見返りにすることがいいか悪いかということは、これは今すぐきめる必要はない。いろいろな問題が出て来るときに十分御研究になつて頂きたいが、農林省としては根本方針をきめて頂きたい。ブロック行政のようなものを将来だんだんにやつて行くようなことでやつて行くのか、借款がなかつたらこの公社の問題はなくなるのか、それから返還の財源はどうなるのか、若しそういうことが政府として出したのなら私は不統一のことにならないように、それが既成事実にならないように、これはよく十分注意して頂きたい。それから先ほどちよつと触れておきましたが、アロケーシヨンの問題がある。これも私は愛知用水について非常に重要な問題であると考えておるのでございます。愛知用水の、昨年の九月頃でしたか、世界銀行に申込んだときには総額が二百四十八億くらい、今度は総額が三百八億になつた。この前には百八十三億の借款を申込んだが、今度は全額の借款を申込んである。事業費は非常に増額になつたが、どういうことで急にそんなに増額になつたか。それとアロケーシヨンが根本的に変つてしまつた。前の二百四十八幡のときには農業はそのうちの約五割だつた。電気が二割くらいと水道が三割くらい。今度は三百八億になる。電気が一割一分くらいと水道が一割四分くらいで、大部分の金を農業が負担するようになつた。アロケーシヨンが根本的に変つて来たのだろうと思いますが、この借款についてのアロケーシヨンの問題は、これは過日新聞等について或る学者等もこういう点について疑いを狩つておる、有意義な発電事業をやる場合に、農業の名において多額の国の負担で肩代りしてやつて行くようなごとがあつてはならないのだということを指摘しておるのですが、その当時の前に出したアロケーシヨンについても私は非常に疑問があると思つた。そうしたらそれを今度は又非常に変えてしまつた。根本的に一つもアロケーシヨンについて研究していないのじやないかと私は思う。前には二子持のタムをやつて、そして六千六百万、キロワット・アワーですか、その下流に十一発電所があつて、約三十万キロの発電所を持つているのだ、常時……。普通の場合はそれで年に二十億キロワット町の発電力があるのだ。ここで一応二子持をやつても十一の水路式の発電所だから、みんな水はスピル・ウエイから出てしまうから電力の増加にはあまりならない。併しそれでも一億キロワット時は増加になるのだというのでアロケーシヨンをやつて、農業が五割、発電が二割、水道が三割ということになつた。二億キロワット時というのが今度は一億三千万キロワット時ということになつて来た。一億のときも何をベースにしているかというと、下流の発電所十一の三十万キロワットの発電所に対して昭和十一年ぐらい豊水のときをベースにしてその上に三子持を持つて来るから、みんな今までフルに使つているから、そういう水は要らないのだというような計算なんです。そうでなくて、あの木曾川の水系というものは非常に渇水なんです。而も大井のダム、落合のダムというのは有名な、全部土砂で埋つているようなので改造しなければいかんというようなことで、できたのに比べると六割五、六分よりか今は利用率がない。だから二子持ダムをやれば下流の発電所の増加発電量というものは三、四億キロ余計に出て来るのではないかと素人考えでも考えられるのを、一億三千万キロぐらいしかないのだ、そういう計算では私は或る学者が皮肉に、農業の名において国費で発電事業をやるようなことがあるのじやないかというようなことを言われてもこれは仕方がないのじやないか。この点について私は明確にアロケーシヨンをやつて、そして妥当な負担をして行くのだということについて研究を十分にされないと、この点については恐らく世界銀行もどうしてそう少いのだということについては私は疑いを持つていると思う。そういう事実もあるので、それはまだ農林省でははつきりしていないのですか。これは調査のときによく納得の行くように説明してやつて行く必要があると思うが、アロケーシヨンについて十分に研究して頂きたいと私は思う。その点を……。
○説明員(渡部伍良君) アロケーシヨンの問題は一応何と言いますか、多目的ダムその他の各事業に関係する場合には、政令に基きまして方式によつてやることになつております。それに基きましてやつておるのでありますが、先ず第一に二百五十億程度が三百億を超すようになつた点、一つは二十七年当時の設計でありまして、その当時の物価に比べて現在では非常に上つているということ、それからその後の調査によつて設計の変更をしなければならない部分が出て来ておりますので、それらを見て増額になつておるのであります。この気の出力の問題も当初の計画の当時に比べまして相当減つたのであります。これはこの地方の発電開発の権利を持つている関西電力或いは公益事業局等と十分検討を加えまして、大体この程度ならば間違いないという段階に来ておるのであります。それに基きましてアロケーシヨンをはじいておるのでありまして、現在の二子持の設計を今後の事情によつて変えない限りは、現在のアロケーシヨンは一応最終的なものではないか、こういう段階に来ております。
○委員長(森八三一君) 一応この問題はこの程度にして、この問題は又本格的に審査を願うことがございますので、この程度にしまして……。大臣の出席はしばしば要求しましたが、閣議の関係で一時四十分でなければ出席ができない、一時四十分には必ず出席するということでございますので、それまで休憩をいたしたいと思います。 午後零時五十七分休憩 —————・————— 午後二時三分開会
○委員長(森八三一君) それでは休憩前に引続きまして会議を開きます。 先ず、農林政策に関する調査として本年の稲作等の作況及びその対策の点を議題にいたします。去る三十七日の委員会におきまして、稲作病虫害の防除徹底に関して政府に申入を行い、翌二十八日の委員会におきまして、保利農林大臣及び植木大蔵政務次官等の出席を得まして、政府の措置を質しましたところ、あいにく大蔵大臣旅行不在のため、政府の最終的結論を伺うことができなかつたのでありまして、大蔵大臣は三十八日中に帰京せられるとのことでありましたので、二十九日中に政府の方針が最終的に決定せられることを期待して、本日特に委員会を開き農林及び大蔵両大臣の御出席を得まして、政府の最終的決定を伺うことにいたしたのであります。先ず政府の措置について御説明を願いまして、その上で質疑を行い、この問題の取扱い方につきまして、重ねて御協議を願いたいと存じます。
○国務大臣(保利茂君) この本年の天候異変に直面いたしまして、国民食糧確保の上から極めて重大な関心を各方面から寄せて頂いております本年の稲作の概況につきましては、事務当局からも御説明を申上げております。この天候異変に処しまして、農林当局としましては、早くこの天候異変が現われておりますので、如何にせば禍いを最小限度に食止め得るかというために、農業技術陣の動員或いは農民各位の栽培上の努力等を最高に発揮して頂くために万全の措置をとつて参つております。概観といたしまして、この天候異変がら天候回復後に激発を一般的に予想せられる「いもち」の問題は、只今までのところ、まだ激発発生の状態を見ていない。まあ無論局部的にはあろうかと思います。これは無論天候の回復状況或いはそういう肥料を差替えるとか、その他いわゆる経営技術の面においても相当苦心をせられている結果であると私は確信をいたしておりますが、それにいたしましても、なお「いもち」の異常発生は十分予想せられる事態でございますので、一昨日の当委員会におきましても、そういう場合に農民において、或いは各町村において、そういう防除措置を、異常発生に際して防除措置を講じたときに政府がどういう措置をとるかという方針だけは明確にして、そして時期を逸せず防除措置が講ぜられるということはどうしても必要なことであるという、それも速かに決定する必要があるということは当委員会の皆様と全く感を等しういたしておりますので、一昨日の委員会散会後から、私としては全力を挙げて大蔵大臣その他と折衝をいたしました結論といたしましては、その結論を本日の閣議に諮つてこれを決定いたしたわけでございますが、或いは御不満の点もあろうかと存じますけれども、大体のことは異常発生に対して防除措置をとる、とられた場合はその防除措置をとられた異常発生の分一回について所定の農薬補助金を支出する。従いまして、あらかじめ金額をかくくということでなしに、事態が発生をして防除措置をとられた、とられた分についての補助措置を講じて行くという考え方でございます。それで農民側におかれても、地元におかれても、そういう事態が出ました場合には、一つ期をはずさず防除措置を講じて頂いて、よつて生ずる減産を食い止めて頂くように希望してやまないところであります。これはまあ寒冷地帯の「いもち」措置でございまして、併し当然考えられますことは、西部方面に主として懸念せられます虫害の激発等に対しましては、従つてこの措置を援用して参るということで本年は対策を講ずるほかなかろうかと思います。そのほうにつきましては、未だに事務的にも具体的に内容をきめておりませんけれども、当然これは異常発生に対する異常措置として同様に考えて参りたい、こういうふうに考査えております。 右大体委員会の皆様の御期待に副い得ているかどうかは別問題といたしまして、今日閣議決定をいたしました事柄について御報告申上げます。
○江田三郎君 今の閣議決定へ持つて行かれるのに、農林省としているく御苦労されたことは私どもも想像できるわけですが、お骨折には感謝いたしますが、もとよりこれでいいかというとまだいろいろ意見がます。まあその意見はここでは申述べないことにいたしますが、その最後に大臣が言われました、今後或いは西日本のほうに虫害が異常発生をするかもわからない、そのときの措置については事務的にもきまつていないということでありましたが、これをその際に援用して行くということについては、政府を代表して大臣として一つのはつきりとしたお約束は頂けたものとしていいわけでしようか。
○国務大臣(保利茂君) 用心して物を言いますというと、それもちよつと困りますけれども、併しまあこれは常識としましても、この閣議決定をいたすに際して、私からはその点は特に強く附言をしてこの決定を持つて来ておりますから、これは改まつて政府を代表して言明するかと言われると、ちよつと躊躇いたしますけれども、そういういきさつはこれはお含みまで申上げまして暫らく御信頼を頂きたい。
○江田三郎君 近頃私も大臣の言明をおおむね信用することにしておりますので、それ以上申しませんが、ただ北海道等のヒメハモグリバエについては、すでに虫害の異常発生が起きているわけであります。それに対しては北海道で何億とかいうように、それぞれこれらの防除のための経費を使つているわけでして、そういうことについては早急に事務的な打合せも進めて行かれますかどうか、その点はどうでしようか。
○国務大臣(保利茂君) 実を申しまして、私はこの「いもち」と二化めい虫で頭一ぱいでやつておりまして、ヒメハモグリバエの被害につきましても事情は聞いております。そこで願くばそういうところに手が届くことを希望いたして事務当局も心配をしておりますけれども、今ここでその点については言明をいたしかねる事情になつておりますから、決して放置しているというわけではございませんけれども、かくかくの手段をとりますということは私まだ申上げ得ない。
○江田三郎君 この問題について早急に話合なり折衝なりを進めて頂けるということは期待してよろしいのですか、それはいいですかね、その程度は……。
○国務大臣(保利茂君) これはまあ成るべくならば、こういう一々まあ私がすべてそういう問題を全くどうも処理するということは……、一つ事務当局で少し勉強してもらうということでしてもらわなければ、一々これは談判に持込まれますと、肝心なものを逃す虞れもありますので、その辺は一つ私が取上げるか取上げんか、取上げることは当然のことでございますけれども、それじや同様に処置できるかということはちよつと今はつきりお答えいたしかねると思います。
○江田三郎君 私はさつき申しましたように、近頃大臣の答弁は原則として信頼しているのですけれども、何しろその大臣の答弁のうまさというものは定評があるわけなんでして、どうも今のあたりその定評のほうへ落し込もうとするようなところもなきにしもあらずでして、これは事務当局のほうでは、只今申しました問題については早急に話合を進めてお行きになりますか。
○説明員(塩見友之助君) この問題は、大体虫害のほうは終了しておりますので、先ほど大臣からお話がございましたように、その当面の増産上もう決定的に必要なものに今集中しておりまして、まあそういうふうな問題についてまで、殆んど大臣にやつて頂くのも何ですから、そういうものはできるだけ私どものほうで処理をして行きたいと、こう考えます。
○江田三郎君 まあその程度でしような。
○清澤俊英君 今の虫害のほうは何か話合が済んでいる、こういうふうに開いておりますが……。
○説明員(塩見友之助君) ヒメハモグリバエについては済んでおりません。とにかく「いもち」と二化めい虫というやつがとにかく減産防止上当面緊急対策を打つ必要があるために、それに集中してやつております。ヒメハモグリバエに対しましては、一応今もう虫害自体は終熄しているわけでありますので、これはそれらと睨合せまして、事務的に一つ努力して行きたいと、こう思います。
○松浦定義君 先ほど大臣の非常な努力によつて、大体我々の委員会で申入れました点は或る程度見通しが立つたように思いますが、併し今お話を聞きますと、今後予徒される虫害等については、必ずしもまだそこまではやつていないというようなお話でありますので、この点についても今後非常にまあ努力をして頂かなければならんと思うのですが、特に先ほど江田委員から御指摘になつて、今改良局長のお話で聞きますと、ヒメハモグリバエの点については、すでにまあ時期が当然これを解決していると、つまり終つているといつたようなお話でありますが、すでに時期的には終つておつても、それに対する防除その他についての農家の負担というものが、これから予想される虫害と何ら変りのないような大きな問題が残つているわけでありますので、こういう点について、何かそこを事務的に一つ何とかというような大臣のお気持もあるようですが、これは私どもはすでに終つているものにしましても、やはり更にこれが終つた後に、「いもち」病といつたようなものも追いかけて、これは予想される点もあると思うのですから、そういう場合に、一応の「いもち」病に対する防除は徹底的にやりましても、前にそうした被害を受けたことによりましての減収ということが、まあ全体から行きますと、非常に農家としては堪えられない犠牲になると思うので、こういう点についてはすでに終つたということは、やはり政府がこういう時期に当然おやりにならなければならんやつが、いろいろの御都合で延びたというようなことから考えて参りますと、やはり農家にしてみれば、同一地域においてこういう問題が起きたということになれば、当然これはもう時期とか、方法とかいうことは別にして、この被害に対する補償というものは、当然やつて頂かなければならんと、こういうふうに考えますので、こういう点は一つ私ここでくどくどしくは申しませんが、終つたといつたような形で、全然顧みないということでなしに、一応今後予想される病虫害と同様な立場に立つて、一つこの点についても努力をして頂きたい、こういうふうに私は考えておりますので、大臣の今までのお気持から行けば、必ずしもこれを否定されておらないというところに、私どもまあ非常な望みをかけておるわけですから、一応事務当局等が今後予想される病虫害等を予測する前に、過去において北海道或いは東北におきまして数十万町歩に亙る相当の被害を受けておるというこの大品を十分御勘案願いたい、こういうふうに考えておりますので、是非この点は一つお忘れないように善後措置をしてもらいたい、こういうふうにお願いをしたいと思います。
○清澤俊英君 今のところちよつとわかりませんが、本年度予算の実行単価というものはどのくらいのものでありますか。
○説明員(塩見友之助君) 細かいことなので私からお答え申上げますが、本年度予算の実行単価というものは、町当り千一百四円六十一銭であります。ちなみに昨年は八百七円、大体がセレサン石灰が殖えましたので、単価を上げました一歩当りの数額になつております。
○清澤俊英君 単価は町ですか、反ですか。
○説明員(塩見友之助君) 一町歩当りであります。ここで異常発生面積とそれから農薬で以て撒布した一回以上の分について一回までというふうな、そういうふうな数字の基礎を以ちまして、あとは気象条件等によりまして発生の状態によつて計算をされる、こういうふうなことになります。大蔵省としましては、今まだ気象が相当動いておるので、どれだけの発生面積になるかということは確定的には言えない。発生面積の推定だけでは額を決定するというのは今は困る、こういうことで額は一町歩当り一定額を、又計算方式をきめて事前に約束をするという形をとつておるわけであります。御了承願いたいと思います。
○清澤俊英君 その場合金融措置等は是非つけてもらえるような恰好になりますか。
○説明員(塩見友之助君) 農薬を買うほうの金融措置については今まだ具体的に細かいあれはきめておりませんけれども、これは私のほうで農中その他を通じまして円滑を期することにいたしたいと思つております。
○清澤俊英君 それで改良局としては十分にやつて行ける自信がありますか。
○説明員(塩見友之助君) これで以て今までしましたところの冷害対策の最後の仕上げとして、先ず考えられる範囲では私は十分やつて行ける、こう考えております。
○委員長(森八三一君) 冷害に伴います病害の発生、特にそれが異常発生を懸念されております場合に、特別の対策をとられたいという当委員会の申入に対しまして、格別に御努力頂きまして、一応大臣もお話がありましたように、これで十分であるというわけではありませんが、当面する対策が非常に連かにとられますにつきましては、今月までの御苦労を非常に多とするのでありますが、お話にもありましたように、更に今後引続き起きるであろう西日本の虫害対策につきましても、お話のありましたように、この措置が転用せられて臨機の措置が十分とられますように希望を申上げておきます。なお折角農林大臣御出席でございますので、一つお伺いしたいのでありますが、午前中も食糧庁当局に御質問したのであります。大臣更に御出席なので、大臣十分御承知のことと思いますが、殊に九州地方における今年の麦の取入れ時期における気候の感化というようなことから、六等麦買上の措置をとられたいという熾烈な要請があり、この委員会もその希望を政府に申入れておるのでありますが、今月中には、と申しましても明日一日でありまするが、大体の作業が済んで、方針が決定せられるであろうということでありますが、大臣のこのことに対する取扱いの気持は如何でありますか。
○国務大臣(保利茂君) この問題につきましては、先般の衆議院の農林委員会におきまして調査に向われました委員各位の御報告や或いは御要諸等もあり、輪郭的のお答えを申上げたつもりでおつたわけであります。即ち現下とられつつある財政方針の下におきまして、特に食糧管理特別会計の会計の健全性を保持して参るということは、財政方針の一環としても、又当然ある姿としても強く求められておるところでございます。従つてちよつと耳ざわりに聞えられるかも知れませんけれども、食糧の用に供し得る麦は当然これは食糧管理の対象として取扱うべきものであると私は考えております。そこで今年の最も著しいのは九州各県のようでございますが、これは全国的に無論及んでおるわけであります。成熟期に長雨のために、麦としての価値は十分持つておるが、検査規格上五等に合格しない麦が相当多量に出ておる。まあ申さば、格外の上とでも申しますか、六等麦と通称言われておる。これは無論いろいろの面から検討をいたして、ほぼ事務的にも検討の段階を終りつつありと承知いたしておるわけであります。今朝も食糧庁長官に余り出廻りの機を逸して、あとでこうすると言つたところで、それも意味をなさんことになるから、とにかく早急に決定する。で、少くとも格外買上につきましては、これをその価格を設定して、買入を実施するという考えでおりますから、時間的にどういうことになりましようか。まあ大体事務的に検討を終つておると思いますから、機械的に実施をいたしたい、かように考えております。
○江田三郎君 ちよつと話が終つてから変なんですけれども、ちよつとさつき質問を忘れておりましたので、もう一つ質問しておきますが、異常発生面積というのは、これはもう科学的に異常発生であるかどうかということは、原則がきまつていると思うのでして、従来使われている異常発生という観念で御処理なさると思うのですが、その通りですか。
○説明員(塩見友之助君) お答え申上げます。本年の発生面積と、それから前数カ年の発生平均面積との差を異常発生面積というふうにいたします。県報告等を審査しまして、それでその数字は大蔵省とも協議してきめます。
○江田三郎君 その考え方については、大蔵省のほうも別に違つた考え方はないわけですか。
○説明員(植木庚子郎君) さようでございます。
○委員長(森八三一君) それでは只今議題になつておりまする冷害対策につきましては、この程度にいたします。 —————————————
○委員長(森八三一君) 次に、森田委員から、農業協同組合及び農業委員会の件につきまして、農林当局に質問を求められておりますので、この際御発言をお願いいたします。
○森田豊壽君 只今委員長から私の質問についての二つの問題、これは非常に現段階の実施期におきまして重要な問題だと考えておるわけでありまするから、この際に地方に流れておりまする幾多の説明が、いろいろゆがめられた報道があるごとく感ぜられておるわけでありますから、この際農林省当局に対しまして、はつきりした御答弁を願つておきたいと思う。私の調べたところによりますると、農林省は去る二十七日でしたか、最近の通牒によりまして、農業会議所のあり方につきまして、農業会議所がとかく費用の問題と職員の問題、いわゆるいずれも事務的な問題と形式的な問題になるわけなのでありまするが、先ず第一番に、現段階におきまする農業会議の事務員、職員というものに対しまして相当拡充強化しようという考え方を持つておられるようでありまするけれども、国の助成という補助は、一定額予算措置にありまする通りでありまして、限定されておるわけなんであります。従いまして、それによりまするというと、今までの委員会における説明は、今まで置きましたる概略五名くらいの職員に対する助成になつておるはずでありまして、その範囲内のものを職員として避くということにつきましては、誠に当然なることであるわけなんでありまするが、とかく地方では多くの職員を拡充いたしまして、農業会議の仕事を拡充することは結構なんでありまするけれども、事務的に何かかほかの方面から支出をしてもらうために、そういう措置をとろうとしておるような徴候もあるのでありまして、御承知の通り地方庁や、市町村に対しても、今財政困難なときでありますから、これに対する助成は到底不可能な状態であるのでありまするから、この際におきましては、農業会議所の職員に対しましては、今までの程度にしておこうというような通牒を出されておるわけであります。これは誠に結構なんでありまするが、これがとかくまだ徹底しておらないようでありまして、農林省は最初におきましては、こういうことについては殆んど無関心であり、農業団体が、殊に農業委員会がこのたび法人化されまして、都道府県におきましては農業会議というものになり、而して今までの農協団体の連合会もこれに参面して、まあ打別委員と申しましようか、特選的な今成員になることになるわけなんでありますが、そういう際に、今までの農業委員会のような考え方をとかく農林省が地方へ流しておるような徴候もなしとは言えないと思うのでありまするが、この通牒通り……、地方のこの通牒は知事に対して経済局長名で出したようでありまするが、この通りの問題につきまして、経済部長、即ち農林部長、或いは各県の農政課長か、農協課長か、そういう方面に徹底したる御指導を何かなさつたでありましようか。ただ知事に宛てて、こういう文書を一通り出したという意味でありましようか、この点を一つはつきりして頂きたいと思うのです、なお、経費の問題につきましては、賛助員というような名義を以ちまして、市町村におきましても、いろいろな団体にこれに参助員として参加して頂きまして、その方面から何か費用でもとるような計画を持つておるようでありまして、これも二十七日の経済局長名で発しました知事宛ての通牒には、第二項として書いてあるようでありまするが、我々は今まで、この二つの主張に対しましては、強く委員会におきましても述べて来たのでありますが、その点はそういう賛助員にすることを許さない、そういうことは好ましくないというようなことが通牒では書いてありますが、この点を一つ好ましくないどころではなく、はつきりそういうことはいかんということをする意思であるかどうか、この二点を先ず第一番にお聞きしたいと思うわけであります。
○説明員(大沢融君) 経済局長が病気をしておりますので、私代つてお答えいたします。 おつしやられますように、この委員会法の審議の過程におきましても、提案者等の御意思といたしまして、新らしい団体を作つて新らしい農民の負担がかかるような団体を作るのではないというお考えを私どももよく承わつておりまして、そこで今回制度改正いたしまして、県の委員会が新らしい法人の会議ということになりますにつきましても、新らしく農民に負担を増すようなことは成るべく避けまして、この会議の使命を果して参りたいという気持で私どもおるわけであります。最近聞くところによりますと、森田先生から只今言われたような、非常に厖大な職員を抱えようかというような動きがあるというような話も耳に入つて参りますので、そういうことがないようにということで、国から三名の補助を出しておりますが、それを中心にいたしまして、必要があるならば賛助員となりますような、つまり会議員を推薦する母体になるような協同組合、その他の農業改良発達を図る団体、そういうものからでき得るならば職員を持ち寄るというような方法によりまして、人件費の節約を図り、全体の経費の節約を図るというように持つて参りたいということで、特にこの際局長の名前の通達を発したわけでありまして、こういう趣旨で今後も強く府県ができます会議に対して指導をして行つて頂きたい、こういう気持でおります。更に経費の点でございますが、御承知のように従来から県の農業委員会に負担した形で流れております金がそのまま会議の費用に移り変りまして、更に法律にもありますように、その他の新らしく附加わりまする事業に対しての補助金というようなことも考えられておるわけでありますが、只今申述べましたような趣旨で、成るべく金がかからないで実効は収めて行くという趣旨の団体でありますので、御指摘がありましたような意味で、経費をとらんがために賛助団体を大いに作るというような指導はしないようにという趣旨でこういう通達を出したわけであります。法律に引いてあります賛助貝という意味は、私ども金と地位という両面から賛助をするという意味に解釈しておるのでありますが、会議員を推薦する母体でありまする県段階の連合会でありますとか、或いは農業改良発達を図る団体、こういうようなものが賛助員になりまして、何がしかの経費を負担されるということは、会議の性質上当然そういうことになろうと思うのでありますが、無理々々に市町村或いは単協というようなものを、経費をとらんがために賛助員になるというような推進をすることは望ましくないというふうに考えておりまして、そういう意味の指導を今後もやつて行きたいという気持でおります。
○森田豊壽君 大分通達まで出して頂きましたから、この点ははつきりそういうことをおつしやつて頂けば、その指導方針でやつて頂くことを安心して了承したいと思います。 次に、農業協同組合中央会の問題であります。農業協同組合中央会が今度の農協法改正におきまする一つの新らしい団体が、団体と言いますか、今までの全指連がこういうものになり、県においては県の指導連がそういうものになるということになるわけなんでありますが、一体あの法案に対する反対論者の急先鋒で私があつたわけなんでありますが、そのときに技術員の問題を提げて、技術員がはつきりしておらない、どつちをおいていいだろうか、どつちに置くつもりだか、その方針が農林省ははつきりしておらないという問題、それから農政活動の問題、これが誠にはつきりしておらない。農協法の改正を見ても、その点については中央会のほうを見ましても、今度の中央会の問題をみましても、農協法では改正したとは言いながら、はつきりしておらないように思うのですが、併しこの問題は、農政活動と生産指導の問題というものは、農業協同組合としましてはどうしてもやらなければならん問題である。又農協法の法の精神から行きまして当然やるべきことである。これを農業委員会が農政活動をするのだというような考え方、一方的な考え方は、これは今までの団体に摩擦を起させる一つの契機となるのだということの警告を発したわけなんであります。今日の段階では私がこのことを申上げるまでもなく、農業協同組合は、殊に中央会は総合指導をするのであるから、これは生産指導も政治活動もすべきだということがはつきりしていると私は考えているのであります。最後においてはこれを以て承認をしたのであります。この点がどうも地方の経済部長あたりの話を聞いてみると、誠にはつきりしておらないような説明を聞いて来たように聞き及んでいる。そうすると、県あたりの指導方針が、とかく一般農民に対して、そういう政治活動は今度は農業会議がこれをやるのだというような考え方を何となく今まで植付けてある関係上、そういうふうに考えている点があるようであります。この点をはつきりお答え願つて、若しもこの農協法の精神が、今度の一部改正は今になつてそういうことはないとは言わないでありましようけれども、それがぼかされては困るわけでありますから、この点を一つはつきりお答え願いたい。
○説明員(保坂信男君) 只今お尋ねの農業協同組合中央会におきます農政活動並びに技術指導と申しますか、生産指導の問題についてお答え申上げたいと思います。御意見の通り二つの問題につきましては、協同組合の総合的な指導組織といたしまして誕生いたします農業協同組合中央会がそれを行い得ますことは当然のことと言えているわけであります。ただ従来指導連が協同組合の指導に当つておつたわけでありますが、指導連の態様が県の事情によりましてさまざまでございましたし、特に組合に対する組合指導というような面が手薄になつておつた感がありますので、今回中央会が誕生いたしますにつきましては、組合の実情が再建整備或いは整備促進等を実施いたしております段階でございますし、又経済情勢の推移等を考え合せまして、特に組合の経営、広い意味におきます経営指導というようなことにこの際一層力を入れて行くべきではないかという意味におきまして、そういう点を強調をいたして参つているわけでございますが、農政活勅の面におきましても、法律におきましても、行政庁に対する建議をすることができる事項もございますし、又組合の事業に関する半柄について広くその利益を代表する活動をなし得ることは当然のことと考えているわけでございます。又生産指導の面につきましても、御意見の通り組合の会員であります農業協同組合、特に単位組合におきましては、技術負も持ちまして組合員の生産の指導に従事をいたしているわけでございます。その面におきましては、改良普及事業等と密接な連繋を保ちまして実施をいたしているわけでございますが、それらの単位組合の活動を指導する意味におきましても、生産指導を行い得ることも当然のことと解しているわけでございます。それらの面につきましては、当初いろいろ会議をいたしました際に御意見もございまして、なおその後局長通達を補足する意味におきまして、部長通達におきまして、そういう趣旨のごとを府県にも通牒をいたしている次第でございます。
○森田豊壽君 今までの説明から行きますと、農業協同組合のやるべき仕事、殊に中央会あたりがやる仕事は、これはもう総合的な農業会議所、中央の全国農業会議所のようなもの以上の仕事をやることに総合的になると私は考えているのであります。何と申しましようか、とかく農協の中央会と全国農業会辰所のあり方が、全国の全教所が如何にも総合的なもののように考えているふしも往々にしてあるのであります。この点はだんだん砕いて研究しますと、研究しますというか、考えてみますと、一体農業委員会法を一部改正して、今度はサロン的なようなものにしたということにも解釈ができるし、又うんと強化したようにも解釈している人もある。何だか県の会議だとか、全国の会議所だというようなものをこしらえまして法人にした。大分位は付けたのでありますが、これを地方ではいろいろと考えておるのでありまするが、これをはつきりさせないというと、とかく農民が非常に迷うんじやないかと私は思うのです従いまして、私は方的に農協を強くしなければならんとか、措置をしなければならんとかいう意味で申上げておるのではなくて、実際農民から質問された場合におきまして、とかく迷わされる場合が多いのです。それぞれの関係者はそれぞれの畑の工合のいいような話をいたしますので、農民を迷わせるも甚しいものがある。この点から行きまして、一体農業委員会法というものが今度改正されて、一部改正されたわけでありますが、この前もよく聞いたのですが、伺いつぱなしにしてしまいましたが、いよいよ今日実施する段階になりましては、はつきり研究しなければ実施ができない状態にあるのでありまして、この際におきまして、農業委員会というものは政治活動をして農民の利益を代表する、農協の中央会のあり方も又そうだ。もつと言うならば、農協のほうも同じだということになると、三つ同じものができたということであると思うのです。これはどつちがどうとかいうことをもう少しはつきり説明のできるように、今後地方へ知事宛なり、経済部長宛なりに農林省は出して頂かないと、両方の縄張り争いが生じて、食糧増産その他農民の団体交渉をしようという際におきまして、非常に工合の悪い問題ができると思うのであります。どつちへ頼んでいいのかわからないということになるのだと思うのです。或る地方は農政活動は農協の中央会に頼み、片一方は農業会議所へ頼むということになつては非常に因ると思うのです。これに対する考え方を一つできるだけ明瞭にお答えを願いたいと思います。
○説明員(大沢融君) お答え申上げます。お話がありましたように、農業委員会法が改正されまして、県の農業会礒、それから更に全国の農業会議所というものができました趣旨は、いわゆる農政活動というような言葉で表現されておりますが、村にありますところの農業委員会が、従来と同じように村のいわば附属機関、行政機関といたしまして、農地なり食糧なり或いはその他の問題について、農民の声を村の農林行政の中に反映して行くという意味での農民の代表機関的役割をしておつたわけでありますが、県の段階に参りますと、従来は県の附属機関として村と同じような附属行政機関としての役割を果しておつたわけでありまするけれども、この面に参りますと、農地の問題にいたしましても、或いは食料の問題にいたしましても、直接農氏の権利義務に影響するというよりは、むしろ間接的になりますし、更にその活動が村におきますものよりはもつと一般的ないわゆる農政活動式の面が強く現われて参りますので、行政機関というよりは、むしろ独立の法人になつて自由な活動をしたほうがよかろうというような意味での独立の法人になつたという意味があろうと思うのでありますが、更にそうしたものが各県にできますならば、全国的にそういう農民の利益を代表する機関を結集して農業会蔵所というものを作り得る制度を開くという意味で会議所が作られたと思うのであります。そこで中央会と農業委員会或いはむしろ会議或いは中央の会議所とのいわゆる農政活動の面での競合あ問題があろうと思うのでありますが、会議所なり、会議というものが、農民或いは農業の利益を代表していわゆる農政活動をする唯一の機関ではないのでありまして、今申しましたように、農民の利益を代表するにふさわしい形をとつて下から作られるという形で、こういう形で農政活動が行われるのが望ましいという意味での制度かと思うのでありまして、そうした意味で先ほど協同組合課長からお話がありましたように、協同組合の中央会が経営なり、事業なり或いは組織なりの指導をするという面と並行いたしまして、いわば組合中心の農政活動になろうかと思うのでありますが、それとは違つた面での農政活動の面が会議所或いは会議で行われるというようなことを期待して制度改正が行われたというふうに私ども受取つておる次第であります。
○森田豊壽君 理窟と申しましようか、理論的な説明は誠に立派であります。要は、法文は言うまでもなく死物であるので、死物は動かない、これを運用するやり方によりましては幾多の相剋摩擦が起きる、効果を挙げないのであります。従いまして、全国農業会議所は総合的な政治活動をやるとは申しながら、この会議におきまして農民の気持が一本になりますその態勢ができるかできないかということによつて話がきまるのであります。農業協同組合は、何と申しましようか、農民によつて作られた長い間の伝統的に作られたものであるのでありまするから、むしろ全国の会議所は、農協の団体の団体長あたりが実際の地方の農民と接触しておるところの農協の意見が強く会議所に反映することは、これは当然だと思うのであります。県段階におきまして、恐らく今度選挙はやつたでありましようけれども、そういつた線が非常に強く出ておると私は思うのであります。これは実際問題として、この農協陣営というものが強化されておりまする今日におきましては、農業会議所というものの大多数が農業協同組合のものによつてやつぱりなされておると言わなければならんと思うのであります。名前こそは違つても同一体であります。農民から言えば同じものであります。従いまして、そういう点から行きまして、これは農業会議所はこういうものを扱う、又総合的にこういうふうにやるからという御説明は、法をこしらえました当時の考え方としては御尤もでありましよう。併しながら、私はこの問題に対しましては、むしろ今後の説明は、農民の政治活動をするのには、いずれがどうであつても、これは一体的に持つて行くためにやるのであつて、要するに農民のためにする農業協同組合が、その組織体が強化しておる今日におきましては、それよりもなお一層こういう活動面をするためにここにできたものであるという考え方にして行けば、そこに話ははつきりすると思うのであります。何だかまだ……、話は細かくなりますけれども、別々のもののごとく考えておりまするというと、運用におきましてはとんでもない過ちを生ずることになり、農民の利益のためとは申しながら、要するに一つの縄張り争いとなつて、団体のためにする団体の行動になると言わなければならんと思うのであります。こういう点におきまして、その運用に対するやり方につきまして、農林省は御研究を願つて置かなければならんし、今後ますます研究の余地が十分あると思うのであります。もう一度この団体法と言われる一部改正と申しながら、団体法なんであります。従いまして、この問題につきましては、十分なる御研究を御継続願いたい。そのことをこの際において申上げて置きまして私の質問を打切ります。
○委員長(森八三一君) 只今森田委員から質問のございました農業委入会法の改正、農業協同組合法の改正をめぐつて、新たに会談所が設置せられる、中央会が設けられるということになりました結果として、お話のありましたような、必ずしもそれは農村組織を円滑に新らしい形に樹立して行くということになりかねるような情勢がないわけでもないように窺われますので、最初に両課長からお話のありましたような観念が十分透徹して、農村内部における団体間の摩擦が起きて、法律が所期しておる目的が十分に達せられないような遺憾な結果が起きませんように、承わりますると、最近の機会にこの二つの問題の取進め方について全国的な会議を招集して指導をされるというようにも承わりますので、そういう機会には森田委員からの御発言並びに両課長の御答弁の趣旨が十分透徹して、遺憾のないものが樹立されて行くというように格別の指導をされますることを私からも特に希望いたしておきます。
○委員長(森八三一君) この際お諮りをいたしますが、次回の委員会でありまするが、来月早々から調査にお出かけを願うのでありまするので、一昨日の委員会で食糧管理制度の問題がおおむね来月の末から九月の初めにかけて取りきめになるというような情勢でもありまするので、八月の十九日からおおむね三日間という予定で開きまするようにいたしたいと存じておりますので、御了承を願いたいと思います。なお事態によりましては多少の変更があるかも知れませんが、只今はそういう予定であることをお含みおき願います。 —————————————
○委員長(森八三一君) 次に、議員派遣につきましては、先に御決定を頂きました折、関係府県に対しまして通知をいたしておきましたから、酷暑のみぎり誠に御苦労様ではございますが、よろしくお願いを申上げたいと思います。 今日はこれを以て散会いたします。 午後三時三分散会