農林委員会 第2号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/12/14
会議録
○委員長(片柳眞吉君) 只今から農林委員会を開会いたします。 去る十二月四日、風水害対策の件につきまして農林当局の説明を聞きましたが、その際問題となりました昭和二十八年六月及び七月の水害並びに同年八月及び九月の風水害による被害、農林漁業等に対する資金の融通に関する特別措置法施行令、昭和二十八年政令第三百七十一条第六条の経営資金の貸付限度額に関する規定につきまして、お手許にお配りしたような案文を以ちまして農林大臣及び内閣官房長官に申入れたいと存じます。 なお衆議院農林委員会におきましては、去る十一日全会一致を以てこの申入を行うことを決定しております。この申入をいたすことにつきまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう取計いいたします。 —————————————
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農林政策に関する調査といたしまして生糸課税に関する件を議題といたします。 なお本件につきましては、衆議院の農林委員会は去る十一日、お手許にお配りしましたような決議を行なつております。本日は農林省蚕糸局長、通産省繊維局長、同じく通産省の繊維輸出課長が只今見えております。大蔵省の係官は間もなく見えると思います。
○関根久藏君 大蔵省の当局が見えましてから御質問申上げたいと思うのでありますが、先ずその前に蚕糸局長と繊維局長が見えられておりますので、蚕糸局長には先般の委員会におきまして詳細に御質問申上げておりますので、繊維局長に御質問申上げたいと思うのであります。先般税制調査会におきましては、政府に向いまして織物消費税の課税問題を答申しているのでありますが、それに原糸に課税するか、或いは織物に課税するか、それは挙げて政府の決定に待つ、かような答申をしているのであります。これが原糸に課税されますか、或いは織物に課税されますか、それは一にかかつて政府の決定するところであろうと思うのでありますが、大蔵省が参りましたならば、その後作業はどんな程度に進んでおりますか、それを先ずお伺いしたいと思うのでありますが、今も蚕糸関係の或いは中央蚕糸協会の吉田さん、全養連の会長の北原さんからいろいろ御陳情のあつた通りであります。最近にないこれは蚕糸業にとりましてべきな出来事なのであります。と申しますのは、原糸へ課税をするということになりますというと、それは挙げて生産者にそれが転嫁されるのであります。元来が物価を抑え、或いは消費を抑制し、輸出を促進するがためにさような処置をとるその根本の考え方が生産者のほうへ参つてしまうのであります。と申しますのは、御承知のように繭の取引の状態は、先刻来もお話がありました通り、仮に糸が二十四万いたしますというと、その中から生糸の加工費を引き去つて、それからかような原糸課税だというと、税金を引き去つたものが繭の価格になるのであります。大体今のところにおきましては、一俵の糸を作るのに大体繭が百貫だと思いますから、伝えられております通り一五%の課税をするといたしますというと、二十四万で三万六千円かかる、そうしますというと、大体繭一貫匁で三百六十円が税金としてはね返つて来るのであります。御承知のように、政府は蚕糸業は国内資源を以て作る唯一の輸出産業である、こういう見地からもう永年に亘りまして保護助長を加え、指導奨励をして参つたのであります。戦後におきましては非常な潰滅状態に陥り、その後着々いろいろの政府の施策と民間の結束によりまして、漸く三千万貫近いものができるまでにはなつたのであります。併しこの三千万貫が今年は凍結等のために非常な原産を来たしまして、二千数百万貫きりとれなかつた、かような状態で、まあ漸く、どうにか立ち直りかけたこの矢先であります。これを原糸に課税して生産農家の生産意欲を潰滅させて、ますます減産に向わせるような方針をとる、その政府の考え方は、さようではないのではありましようが、さようなことに陥るのであります。それで課税をするということになりますと、現在これまでになりました蚕糸業が全く潰滅に瀕してしまうのであります。あながち養蚕家は価格が今高いから、その上に持つて行つて課税までされては、我々のほうは損が行くからという問題ではないのであります。今、糸が現在でも二十六万八、九千円しておるようでありますが、それはかような問題があるがために、結局この糸は課税をされて高くなるであろうということと、非常に物の少いことから来た状況であろうと思うのであります。決してこれが消費者に転嫁されるという筋合ではないのであります。今のところの現地の状態からさようなこと々見まして、これは消費者に転嫁することができるのだ、そうなるのだ、こういうふうに見ますのは非常な錯覚なのであります。来年の繭ができる頃になりますというと、結局それは繭の取引の場合において、先ほど申上げました通り二十四万なら二十四万から加工費と税金を引いたもので取引されるのであります。どこの製糸家にしても、どこの繭扱業者にしても、自分が払う税金を、それをまあ買手のほうに背負わせるような繭を買おうなんということは現実の問題として起り得ない。必ず加工費と税金を引いたものが繭の元になるのであります。これは誰が考えても必ず元に響くことは当然なんであります。多少その場合において、或いは力の関係とか、或いは経済情勢とか、或いはその他の関係で多少の開きは或いは出るかも知れませんが、もう原則的に原糸に課税すれば生産者にかかるということは当然なんであります。まさか政府の当局におきましても、かようなばかげた税法は考えないであろうかと思うのでありますが、まあ一方国家の財源の関係で、一部においては或る程度考えられておるようでありますが、何とかしてこの問題は、財源関係のほうは別途にこれは見付ければ見付け得られないことはないのであります。生産を減退させ、而も国策的に外貨獲得の大きな産業であり、而も農村経済の一大支柱であります。これを潰してまで、かようなことをするなんということは甚だ以て当を得ないであろうと思うのであります。蚕系局長はいろいろお伺いしておりますので、オール繊維の立場から見まして、繊維局長のお考えをお伺いしたいと思うのであります。
○説明員(吉岡千代三君) 通産省の繊維局長でございます。只今大蔵省の税制二課長もお見えになりましたので、大蔵省における現在の進行の程度等は、いずれ大蔵省のほうからお答えがあるかと存じますが、私ども連絡いたしておる程度におきましては、只今御指摘のように税制調査会の答申はあつたわけでございますが、まだ大蔵省当局としても、この繊維税の問題については、はつきりどうするという決定される段階には至つておらない、まだ研究中であるというように伺つておる次第でございます。そこで私ども繊維局の立場といたしましては、申すまでもなく、この国民の食糧に次ぐ消費財である衣料品を、適正な価格で以て必要量供結するという責任を負つておるわけでございますが、同時に輸出の面におきまして、現在総輸出額の四割近くを占めております繊維品の輸出は、極力これを伸ばす立場において努力いたしておるわけでございます。そのうちにおきましても、只今御指摘のような生糸、絹織物というものは、申すまでもなく国産の原料で以て、而も繊維品のうちにおきましても最も大きな輸出品の一つでございます。内需の充足、輸出の促進、両面から考えまして、この繊維税につきましては特に慎重に取扱わねばならんと考えておりますことは御指摘の通りでございます。特に生糸につきましては、只今御指摘になりましたように、この凍霜害によりまして非常な減産の折柄でございます。こういう際に課税するということにつきましては、その意味においても特に慎重を期すべきであろうと考えております。勿倫国家財政の現状におきまして、新たに税収を殖やすという財源を求めます場合に、いわゆる良税と申しますか、よい税源というものはなかなかこれは見出すことが困難であろうかと思います。従いまして、私ども繊維の国民に対する供給なり乃至は輸出の促進について直接担当しておりますものの立場から申しますと、率直に申しまして、こういう税はかけて頂かないほうが結構だと思います。併し問題は繊維税をとるか、或いはほかの税源を見出すか、乃至は歳出予算を調整するかという財政全般の問題でございますので、その辺は政府最高部乃至は国会におきまして十分御審議、御検討をお願いいたしたいと考えておる次第でございます。通産省といたしましては、先般通産委員会におきまして、大臣から繊維税の問題につきまして、いわゆる大衆課税になるようなものはこれは困る、併し奢侈品的なものについて若干の課税をするということであれば、これは内容によつて十分考えたいというふうな御答弁があつたわけでございます。通産省最高の責任者である大臣としてそういう御答弁をされておりますので、今後大蔵省の態度がきまりました場合に、その内容によりまして大臣のお考えに基きまして私どもの意見を申上げたいと、かように存じておる現状でございます。
○委員長(片柳眞吉君) なお主税局の税制第二課長が出席されましたから……。
○説明員(塩崎潤君) 主税局の税制第二課長の塩崎でございます。只今古岡繊維局長が私どもの今までの経過につきまして答弁がございました。私どもといたしましては、この問題についてまだ結論を出しておりません。御質問のように、去る十月の終りに税制調査会の答申が出まして、その答申に基きまして私ども研究いたしたことは事実でございます。この税制調査会の答申を実行するかどうかという問題は、来年度の歳出の規模、それから現在私ども非常に痛感しておるわけでございますが、直接税の負担が相当苦しい、その減税を図る必要があるかどうか、その減税をカバーする意味においてこの消費税を置く必要があるかどうか、これらを併せて現在検討中でございます。税制調査会におきましては、その課税方法につきましては結論を出しておりませんし、それを起すか起さないかということにつきましては、私どもといたしましては、例えば繊維に対して何らかの課税を行うという場合に、原糸課税でやるか、織物消費税でやるかについてもまだ結論を出していないような状況でございます。ただ、今委員のかたからお話のございました転嫁の問題でございますが、私ども単純に消費税と言えば必ず前転と申しますか、性格的に前転するとか、後転するとか或いは途中で吸収されるとか、こういうようないろいろな問題があるわけでございますが、簡単に前転するというようなことは考えておりません。併しその消費税の性格というものは、そのときの需給状況或いはそれに基くべき税率、これらによつてきめるべきものだろうと考えておりますが、併し私どもの経験といたしましては、大体は前転すると見てよいと考えます。場合によりましては後転する場合もございます。これは必ずしも私は否定しません。そんな気持でおります。例えば農産物になりますと、農産物を売るほうの人が地位が弱いから必ず後転するのだというような議論があるのでございまして、それは場合によるのでありまして、織り込むべき税率或いはその他の需給状況、こういうようなことを考えて議論があるのではなかろうか、ビールに課祝いたしましても、ビール税というものは、ホップ栽培業者に転嫁されるかと言えば、そういう意見は少いようでございます。従つて消費税というものは大部分は消費者に転嫁される場合が多いのではないかと思います。そういたしませんと、相当多くの物品に課税されております消費税が、全部原料に転嫁されているということになりますと、これは問題でございますし、或いは企業に転嫁いたしますれば事業税の性格になるということになりこれ又問題であります。併し現行の間接税の面からみましても、そういう場合は少いものであつて、やはり消費税というものは消費者が負担するものだと考えている、こういうことを一言だけ申上げておきます。
○関根久藏君 今のお話で、必ずしも生産者にかかるとは限らないんだ、消費者にもかかる場合がある、こういうふうなあやふやな見解に立つてかような税金を設定することは非常な誤まりであろうと思うのであります。勿論それはいろいろな経済情勢その他でそういうこともあり得るかも知れませんが、特に生糸と繭の場合においては、これはもう先ほど来申上げております通り、必ずこれは生産者に来るのです。これは来ることは明らかであります。仮に糸が来年の春になりまして、二十四万円或いは二十三万円といたしましても、製糸家が自分で製造する生糸に課税されるんだ、その際には将来の問題を考えることなしに、必ずや税金は生産費と一緒に引いて買うことは当然なんです。勿論売らんと言えばそこに問題は起るでありましようが、必ずそういうことになることは明らかなんです。さようなそつちに付くか、こつちに付くか、そういうこともあり得るなんというふうなあやふやな考え方から、これらいわゆる織物消費税を、この元に、原糸にかけるというのは甚だ以て当を得ないと思うのです。まあ近来にないこんなべら棒な税金を考えること自体が一番大間違いだと思うのです。国策の上から見ても、或いは農村経済の面から見ましても、或いは蚕糸業全体から見ましても、こんなことをやり始めて、折角どうやら立直りかけた蚕糸業をつまんでしまう、まあ税制審査会のほうや何かではいろいろ理窟は付くでおりましよう、理窟は付くでありましようけれども、こんな税金が若し実現するようなことがあつたら、国は蚕糸業などというものはてんでこんなものはなくていいんただ、こんなものは押潰してしまつたらいいんだ、養蚕のほうはどうなつてもいいんだということに結論はなると思う、理、論的にはいろいろありましようが、実情はさようなのであります。一つ大蔵税務当局におかれましては、その点を十分に一つお考え願いたいのであります。全く以て米に税金をかけ、炭に税金をかけ、繭に税金をかけ、みんなこれは農産物だ、そういうことになるんだ、是非その点を十分御考慮を頂きたいと思うのです。
○説明員(塩崎潤君) 私の言葉が非常に足りませんでしたので、附加えさして頂きますが、あやふやと言いますが、大部分私は消費税と考えられるものはやはり消費税に転嫁してしまう。例えば織物消費税がありましたら、これは機屋さんからとる事業税でもございませんし、機屋さんがその糸を買うときに税金を考えてできるだけ安く買う、こういうつもりで私ども考えておらないわけでございます。ただ転嫁関係というものは単純に参らないと、こういうつもりで申上げた次第でございます。もう一つ、繭価がきまりまして、それから生糸の値段がきまりまして、繭価が両者の取引できまる際には税金だけ引かれる、こういうお話でございまして、私は繭価は、例えば生糸の値段をきめる際に税金というものを若しも起した場合には、別途に別がけになるべきもので、例えば織物消費税にいたしましても、織物の価格の外になるものとこういうつもりで私どもは考えておる次第でございます。
○清澤俊英君 今蚕糸局長と通産省の繊維局長にお伺いしましたが、今生糸の輸出はあなたがたが輸出目標と言いますか、目標数値と言いますか、に対して、常にどんなくらいの様子で輸出ができておりますか、先ずその数量からお伺いいたします。
○説明員(吉岡千代三君) お答えいたします。輸出額につきましては、これは申すまでもなく、相手のあることでございますし、又価格の関係等もございますので、あらかじめ目標を設定するということははなかなか困難でございます。ただ御承知のように先般蚕糸局長並びに関係のかたが絹業会議に行かれました場合の空気等からいたしましても、今後若干のコストの切下をやることに上つて相当の期待をかけ得るということは各国の関係のかたからお話があつたそうでございまして、現在は御承知のように、昨年度は四千四百万ドル、これは生糸にいたしまして、それから織物にいたしまして、千三百万ドルという実績でございましたが、本年は十月までの実績を考えますと、これより若干低下しております。これはいろいろ原因があるかとも思いますが、やはり全般的の減産並びにそれによる一種の凶作価格ができておる。まあ価格の関係が大きく原因をなしておるということは申上げるまでもないかと思います。繊維全体といたしましても、これは一般に繊維産業は輸出産業というふうに言われておるのでございますが、最近の状況では一昨年、昨年大体全体として一億ドル前後の赤字を出しております。本年はいろいろな関係がございまして、むしろそれ以上の赤字になるのではなかろうか、そこで御承知のような今後の外貨の状況から見まして、私どもといたしましては、どうしても、でき得れば繊維全体として少くとも外貨収支の面におきまして、少くともとんとんぐらいまでのところは持つて行きたい。その場合におきまして、やはり先ほど申上げましたような事情から、特にこの生糸並びに絹織物につきましては特段の輸出の促進をどうしてもやらなければならん。又ほかの繊維品と比較いたしまして、今後相当の増産が見込まれ、又農林当局の御努力によつて、企業の合理化等によつて或る程度のコストの切下が図れるということになりますれば、最も繊維品のうちにおいても輸出の伸張を期待し得るものの一つであろうと考えております。その額が幾らであるかということは、これはなかなかむずかしい問題であると思いますが、少くとも現状よりは相当大幅の輸出増進を強く期待しておることを申上げておきたいと思います。
○清澤俊英君 繊維全体をお伺いしておるのではなくて、生糸だけを今お伺いしておるのであります。それから、これは別としまして、ちよつとお伺いしますと、私のお伺いしようと思うことと外れているかと思いますが、いろいろ価格の点について、輸出促進の障害があるのじやないかと、こう思われる点があると御答弁になつていると思いますが、価格の点について促進上障害があるとするならば、大体輸出価格としたらどのくらいのところが妥当と、まだどうというわけじやないでしようけれども、これは生き物だと言われる通り、すべての商品が一定した価格ではないでしようが、いろいろの観点に立つて、どの辺くらいが現実の場合、生糸の輸出を促進するには妥当性を持つているかという点を一つ、価格の点ですが、これを一つお伺いしたいと思います。
○説明員(吉岡千代三君) この点も蚕糸局長並びに私の前任者の繊維局長が絹業会議に参りましたときに、実は今お尋ねのような点を各国の出席者に対していろいろ照会されたそうでありますが、その際の各国の関係者の御意見を総合いたしまして、大体現在の価格に対して、二割程度輸出価格を引下げ得るとするならば、現在の輸出価格に対して五割乃至十割の輸出の増加が期待できるのではなかろうか、こういうことが各国の関係者のほうからお話があつたそうでございますが、これもいろいろ見方もございます。又出席されているかたの立場なりから、直ちにこれが妥当な結論であろうということも申上げられないかと存じますけれども、先ず総合してそういう御意見があつたということをお答え申上げておきます。
○清澤俊英君 現在の価格というものは幾らの価格なんですか。
○説明員(吉岡千代三君) 現在の輸出価格は大体二十五万円乃至二十六万円見当であるということでございます。
○清澤俊英君 蚕糸局長にお伺いしますが、この前糸価安定法ができましたけれども、大体政府の腹としては、輸出対象として二十一万円くらいを対象として考えておられるのじやないかと思いますが、今おつしやる価格で行きましても大体二十六万円として、二十万円か二十一万円、こう考えますが、大体輸出の価格としてそう考えて間違いないのですか。大体輸出を本当に促進するには国内価格が二十一万円くらいのところで抑えられなければならないのじやないかということを考えても差支えありませんかと、こう言うのです。
○説明員(寺内祥一君) 輸出の増進をいたしますための価格といたしましては、お説の通り二十万円乃至二十一万円程度の価格を維持するということが必要だと思いますが、只今繊維局長のお話がございましたが、大体二十五、六万円で売れておりますけれども、この値段では数量が減つておりますが、問屋としてはそんな値段で買うものがおりますけれども、これは将来蚕糸業が発達し、輸出の増進ができましたときに繭が売れないという心配を持つております。
○清澤俊英君 そうしますと、結局今出ております価格は、生糸の生産業としては安定したる価格ではない。内需等による変則的と申しますか、この表現はちよつと困りますが、とにかく輸出を中心にした日本の製糸業の考えからしますと、非常な危険な状態で繭の増産が続けられている。こういうことを考えても差支えないと思いまするが、その点どうですか。
○説明員(寺内祥一君) 大体の趣旨はお説の通りでありまして、こういうような異常な高値が出ておりますことは、今年の凍霜害による繭の非常な減産が影響いたしておりますので、この価格は非常に不安定であり、又これだけの価格を維持して行くということを将来期待することも無理である。従つて今非常に不安定な状態にあるということはお説の通りであります。
○清澤俊英君 それでは第二課長にお伺いいたしますが、こういうような税金を一つ課税するというふうにお考えになるときに、只今簡単にいろいろお伺いしまして明らかになつたように、製糸事業並びに日本の大多数の農民、約百万農家と言われておるが、それが副業として主要な農家産業の一つでありまするこの産業は現実の場合において不安定の状態をとる。輸出産業では殆んど成り立たん価格を維持して、漸くそれでまだ、あなたがた新聞で御覧の通り養蚕家はこれでもまだ繭の値段が低く過ぎて生産ができかねる、こういうような非常な不安定の状態におかれておつて、輸出の基本もできなければ、農民が安んじて作るまだ基本もできない、こういう今育てなければならん真最中の産業に課税をして行く、これは議論としてあなたがおつしやる通り、生産者に転嫁はしないのだ、或いは場合によつたら消費者だけの転嫁で済むのだろいうようないろいろな御議論は出るかも知れませんが、とにかくに蚕糸業は一体のものだと思うのです。これは紙の裏と表のようなもので決して離れた立場にないものだ。そのどこかに一つ障害を与えて参りましたならば、旧来輸出の大宗と言われました蚕糸業も確立しない、或いは農民の副業の、米に次ぐものとして考えられたこの産業がまだ非常に危険な状態になつておる。こういうものに税金をかけるということは、これは私は非常な危険性を持つと同時に、ここに無理が出て来る、こういうふうに考えますが、ただ税金の理論だけでなく、一つこういう産業の基本というようなことも十分一つお考えになつて下さるならば、こういつた課税というような問題は恐らく一遍で解決するのじやないか。非常に危険な状態である。而も今私は養蚕農家の立場から申上げまするならば、二十四万円、二十五万円、二十六万円、先日の新聞を見れば二十七万円と、もうここらならば大分よろしいというので農民諸君はどんどんと繭を作り出しておる、その内需が減つたということになります。又輸出は二十一万円でできないという形になりますときは、これはもう過剰増産で以てがた落ちする。又桑を抜かなければならん、こういうふうな危険の状態にあるので、できれば補助金をもらつて二十一万円で農家が安んじて作られる養蚕業状態に救い上げなければならん重要な段階に税金なんか取るということは、これは十分一つお考えをお願いしたいと思う。私はいずれ大蔵大臣にもよくその他の点を養蚕農民の立場からお願いもしなければならんと思うけれども、いまどんどんと桑を植えておるどんどんを増産をしておる、これを内需は進まない、輸出は今言われる通りどうもできませんということになりますと、これはもう大変な話だ。これは私はたくさんの養蚕農民の立場から一つ御考慮願いたいと、こう思うのであります。
○説明員(塩崎潤君) 先ほども申上げております通り、まだきまつておりませんで、今委員の言われたことは十分検討いたしまして私ども考えてみたいと、かように思つております。ただそういたしますと、なかなか消費税というものは起し得ないようなものが大部分でございます。それともう一つ考えますことは、その内需が減少するか、しないかということは、そのときの経済事情にもよりますし、まあ盛るべき率、これあたりによつて相当左右されるのではなかろうか。こんな点もよく考えて検討しなければならん、成るほど考慮されればうんと減少して国内産業を圧迫しないようにする。結局全体の素地を弱体化して輸出産業も減るというようなことのないように消費税の税率をきめる際も、生糸だけではなくして物品税についても十分研究して考えて行きたいと考えております。
○清澤俊英君 どうか一つこれは申上げた点で考えて頂きたいと思います。私どももデパートなどで不当な広告をして、そして不当な利益をとつて、皇后陛下などに、きつと献上などをして和服を着てもらつて、皇后陛下までマネキンに使うような例を以て、そうしてやつておりますことには一つの義憤を感じておりますし、この際こんなことはもうやめたらよかろうともつと声を大にして言いたいと思いますけれども、養蚕業を育成する上には暫らく目をつぶる、こんなつもりでおるのでありまして、結局はあの状態を目のあたり見て、何か課税して来ることをお考えになつても仕方がない。何といつても養蚕業を一応安定するには、農民が作られる線まで持つて行つて、それから安く作られるところまで御指導願わなければならないと思う。まあ目をつぶつて我慢しておりますが、あれなどを対象として課税なんかお考えになつていたら大変なことだと思う。
○鈴木強平君 今更お尋ねするのもおかしいが、私ちよつと留守をしておりましたものですから、一体税制調査会の各委員を選任されたのはどこであるか。従つてなぜ聞くかというと、調査の結果の答申について不満を持つておる。従つて税制調査会は現に今もあるのか、そうして調査会の委員の選び方はどんなふうになつているのか。まあこれは常識でわかると思うのですが、私の考えでは大体それは総理大臣が任命したんじやないと思うのですが、間違つておれば各委員もおられるのですから一つ御指摘願いたいと思います。大蔵、蚕糸、農林関係からこの税制調査会の生れたのはどういうゆえんで生れたのかお尋ねしたいと思う。そしてどういうので委員を選んだのか、そうして現にあるのかどうか。
○説明員(塩崎潤君) 税制調査会は去る八月に閣議決定に基きましてでき上つたものでございます。その委員の選び方は内閣と大蔵省、それから地方自治庁その他を交えまして、各界の有識者、学識経験者などを入れて選任されたものだと私どもは承わつております。でき上りました理由と申しますか、こういうものを作りました理由というものは、御承知の通り最近殊に直接税が、税金が非常に高いという声が出て来ておるのでございます。所得税の課税義務者の八割までは三十万円までの所得者でございます。それから個人事業者あたりを見ますと、税率の一二%というものはかかつておる。殊に勤労部門まで含めてかかつておる。シヤウプ勧告によりまして直接税重視という考え方、これなどを含めまして税制自身に非常に反省を求めるという声が相当地方や何かに強くなつて来ております。殊に勤労所得税は、年末になりますと月給者などはボーナスを半分以上は税金で取られてしまう。所得税の本来の性格は大衆課税的な性格を帯びて来ておる。こういうようなところを直す必要があるのではなかろうか、こういう声が強かつたわけでございます。それにいたしましても、大きな税制改正を大蔵省だけの考えによりまして行うということは適当ではない。各界の意見を聞いてやつたらどうか、こういう考え方ででき上つたものでございます。そのときの税制調査会の代表者のかたがたは非常に熱心に審議をいたしましたし、中には繊維、製糸関係のかたもいたわけでございますが、いろいろな意見が出たのでございますが、併し何と言いましても人間の考えることでございますので、非常に幅が狭いと申しますか、結局はこんな皆の意見を総合してみると、こんなふうな答申になるのではなかろうか。で、間接税間接税と申しても、なかなかやるものは少いのではなかろうか。抽象的には間接税を増徴して直接税を下げろということでございますが、それならば一体どんな間接税があるかと言えば、なかなかいい間接税がない。これは吉岡繊維局長も言われたように、なかなかいい間接税はない。それで先ず第一に奢侈的な商品の間接税を、次に或る程度多数の人の負担になる間接税を引上げる。その代り直接税は大いに下げる。それでも直接税の減収は現況から見てどうしてもこの程度にする必要があるのではなかろうかというのが答申の考え方ではなかろうかと私どもは考えております。
○鈴木強平君 只今承わると、閣議に基いて関係各省で委員を選んだということでございますが、さようなことであれば、むしろ政府の出先調査員じやないか、いわゆる国家的な超党派的なものであるかどうか。併し我々は各調査員が熱心によくやつたことは認めております。併しながら、そこに遺漏があるかどうか、これは考えなければならん問題だろうと思います。従つてお尋ねするのは、いやしくも消費税として二百億円もとる新税を課するに当つては、その調査は万全を期さなければならない。果してこれを蚕糸局或いは繊維局あたり、農林省と通産省においては、各局に亘つてどんな資料をとつてやつたか、まさか立派な調査員が出て資料を出してやつたことではないと思う。なぜなら、税制を改正するということは国家の産業を痛めつけて税制を改正するのではなくて、健全な産業政策の上に立つて、国の財政のバランスを合わすことが税制調査の目的であろうと思う。過ぐる二日前には衆議院の農林委員会においても、かような原糸課税については絶対反対しておる。非常に我々はこれについて不思議に思う、さような立派ば調査会を作つたものに対して、衆議院が反対の意思をすぐにしたということは……。従つてお尋ねするのは、お見えになつておりまする通産省の繊維局長と、それから農林省の蚕糸局長から、どんな資料を要望されて出しておるか、先ずお尋ねしたいと思います。
○説明員(吉岡千代三君) 実は私の前任者の時代でありましたが、私も省議等で聞きましたところによりますというと、税制調査会に出席を要求されまして、その際に先ほど申上げましたような繊維課税全般、特に生糸、毛、麻と、これだけが対象になつておりまするので、先ほど私の申上げましたような趣旨におきまして、これにつきましては十分慎重に御検討願いたいというような趣旨のことを口頭で御説明をしたように聞いております。
○説明員(寺内祥一君) 蚕糸局の関係は、起草委員会が先月の四日でございまして、そこで私呼び出されまして蚕糸業の実情を説明いたしましたし、提出いたしました資料は参考資料として皆様方のお手許にも差上げてありますその資料を提出いたしました。
○鈴木強平君 そういたしますと、繊維局長も蚕糸局関係のかたも、資料を出したが、而も口頭で述べた場合においても慎重を期するように、言い換えれば、かような税を課するために日本の産業の一部門を萎縮させやしないかというような危惧があつたように思われます。御答弁によりますと……。そういたしますと、さような産業政策を全然考えないような税制調査会の報告は我々には考えられない。従つて大蔵省がこの案を受けてどのように考えておるか、端的に遠慮なく、研究中というようなことはないと思う。なぜなら、すでに群馬県において原糸課税についての現地の調査が始まつておる。従つてはつきりと皆さんのお思いになつておることを述べて頂きたいと思う、我々は意見の交換を十分しなければならない。
○説明員(塩崎潤君) この点は私どもといたしまして検討中と申上げるしか現在のところはないわけでございます。先ほどから申上げますように、全体の蚕糸の問題、それから直接税の減税が果して必要であるかどうか、これは又税制調査会とは違いまして、検討しなければならない問題がたくさんございます。ございますので、私どもといたしまして、現在のところこれをやるとか、やらないとかいう点ははつきりと申上げることはなかなかできないわけでございます。ただ税務当局、殊に事務当局といたしまして税制調査会の答申も出たわけでございます。これが上層部からこう言われた場合どうだ、その是非事業は、どうだと、こういうことを言われました場合に備える意味におきまして研究はいたしておりますが、これを設ける場合、この場合の序列をどうするか、或いは織物消費税の形で行くか、或いは原糸課税の形で行くのか、これらにつきましてはきまつておりませんし、検討中であると、これだけしか申上げるほかないと存じます。
○鈴木強平君 今配つて頂きました資料の中に、税制調査会答申中原糸課税に関する件を抜粋してあるのですが、その第二項に「同理由及び説明、繊維品に対する消費税について」というのがあるのですが、その理由は原糸課税にするか、或いは織物課税にするかというだけの理由と説明であつて、なぜこの際製品に税金をかけるか、課税するかということについての説明が欠けておる。ただ第一項には「間接税に関する事項」ということで二百億円をとらなければならない、それだけでは徹底しないと思うのですが、さつきお尋ねしたのに漏れておりますから、税制調査会が現にあるのか、調査員でないかたに聞くのもおかしいが、併しそこに出ておつたというからお尋ねするのだが、一体どういう理由で、消費税を課する場合には消費税をかけるものがたくさんございます。なぜに繊維、国民が一番今頭をこれに用いておる。これは単に我々が言うだけではございません。さような問題についてなぜに繊維にかけなければならないか、而も税制調査会の答申によりますと、自然増収を千三百億円も見積つておるのである。その内容は書いてないが、千三百億円も自然増収を見積つて、原糸課税については僅か生糸は五十億、麻は一億、その他は羊毛である、毛糸であるというようなことをこれには細かく載せてありますが、なぜこれにかけなければならなかつたか、これにかけても生産は差支えない、増強を阻害しない、どういうような観点に立つておるのだか、調査会の開かれた最中、そこに出席された大蔵当局はどのように看取したか、その理由、なぜこれにかけなければならなかつたかということ、それからかけても生産に関係がない、生産増強を阻害しないという点についてどういう論議がされたか、ここでお尋ねしたいと思います。
○説明員(塩崎潤君) 答弁を一つ落しましてお詫びいたします。税制調査会は現存のところ開かれておりません。ただ閣議で設けられまして、廃止するという閣議はまだございませんので現実はあることになつております。実際問題といたしまして、答申できました後は一向開かれておらない状況でございます。それから第二の繊維品に対してなぜ課税するか、この点がはつきりしておらないのじやないかと、こういうお話でございますが、殊に繊維品は相当大衆の人が日常使用されておるという点でなぜかけるのかと、こういう御質問でございます。間接税についての考え方は種々あるわけでございます。狙いといたしましては成るべく奢侈的な、或いは嗜好品的な、こういうものに重加して参る、こういうことが一番間接税の理想としていいことは私が申上げるまでもない、誰でも知つておることでございます。税制調査会も先ずその方向で考えたわけでございます。私が考えたように申上げるのはおかしいようですが、考えられたようでありまして、例えば高級自動車の物品税はどうするか、或いは最近出て来ました育成の面から目をつむつておりましたテレビジヨンの課税撤廃をどうするか、奢侈的なものを上げたらどうだ、こういう意見があつたようでございます。併しこれにいたしましても収入額は僅かでございます。併し一方直接税のほうの税制調査会の希望されているような減税額というのは千三百億に近い減税を狙つておられるように思つておるわけでございます。そういたしますと、そういう高級品だけの課税によつてカバーすることはとてもできない。そこで大衆、奢侈的とは申せないような、例えば煙草の一部のものについても引上げるとか、或いは砂糖なんていうのはパン食の関係でよく普通のかたも使つているので、私どもにも盛んに陳情が参つておりますが、砂糖消費も今年上げられたばかりですが、三割ばかり上げたらどうか、こういうもう相当強い意見が出ております。最後に落着いたところがこの税金、殊に繊維品の消費状況は、経済審議庁からも出てございますが、非常に戦前水準まで大体達しておりまして、衣類生活と申しますか、衣料生活は戦前までカバーした、こういうことが言われております。それから相当高級な織物類等の消費状況も見られた。各国におきましても、イギリスあたりは繊維品に課税いたしております。日本におきましてもシヤウプ勧告によります前は織物消費税があつたことは御承知の通りでございます。こういう税金というのは非常に範囲が少いものでございますし、結局落着くのはこんなところ、殊に直接税の大衆課税を避けて、相当減税を行うようなときには或る程度大衆の負担になりましても、先ずくしようがないのじやなかろうか。それにいたしましても消費税ならば消費の選択がきくことによりまして相当負担も考えられる。こういうことも考えられますので、こんなふうになつたのではないかと私どもは聞いております。感じたわけでございます。第三は、生産関係、これを圧迫することにならないか、こういう御質問でございますが、これにつきまして税制調査会として考えましたのは、何と言いましても消費税として考えておるわけでございます。先ほどから転嫁の議論が種々ありまして、必ずしも消費者のところに行かない場合もあるということは、消費者のところに行くとは私も必ずしも断言するわけには行きませんが、殊に消費税と申しますのは、原料を買うときに課税するのではなくて、倉から出す、販売するときに課税するわけでございますので、大体前のほうに向つて行く、こういうことは私は言えるのじやないか。そういう関係からいたしまして、消費者の負担になることを考えましたが、生産者の負担になるようなことは、或いは農民の負担になるような事業税とか、或いは原料課税、こういうふうな税金の性格としては考えなかつた。又殊に率の問題も相当議論があつたようでございますが、余り率も高くはできないのじやなかろうかというお話もございますので、率なんかきまつておりませんが、そんな話を私はうしろのほうにおりまして聞いておつたような次第でございます。
○鈴木強平君 私が今あなたのお話を聞いたのでは、なかなか話は不徹底だろうと思う。あなたは仮定の上に立つてお話をされておる。であろうということでなくて、調査会においてはどのような論議をされたか、或いは奢侈品として生糸にかけられたのか、麻も奢侈品であるというのかはつきりしない。だからあなたのお説でなくて、調査会ではどのように会議したか。そうした生糸、これらは全部奢侈品として課税せざるを得ないという結論に達したのか。それから二十五年一月までは前に織物税があつたから何ら理由なしにかけるんだという意味でかけたのか、あなたの仮定でなく、そこの会議で述べられたことの結論的なことのお話を承わりたいと思います。
○委員長(片柳眞吉君) これに関連いたしまして私から申上げますが、税制調査会では速記はないのですか。
○説明員(塩崎潤君) 速記はございません。私はこういうことを申上げたのは、税制調査会は二十四、五人のかたがたが議論されましたので、その全部について申上げることななかなか行きませんので、私が申上げるべきかどうか疑問だと思うのでございますが、反対意見もございましたし、これをやれというような意見もございましたし、併し結局は繊維品でも課税せざるを得ない、殊に相当高級織物については積極的に課税しろ、こういう意見があつたことは事実でございます。殊に呉服類の高い物につきましては、イギリスでもやつておるから課税したらどうか、こういうような意見が多々あつたわけでございます。併し織物消費税にするか、原糸課税にするかにつきましては賛否相半ばいたしまして、結局結論が出なかつた、こういうような程度じやなかろうか、こういうふうに私は何つております。
○鈴木強平君 余り時間をとつても何ですから私も結論に入りたいと思いますが、この間イタリーで第四回の国際絹業会議が開かれました。そこで丁度日本における税制改正の問題や生糸価格の問題があつたので、いろいろ意見が活溌に論議されましたが、特に今日の会議に関連ある事項といたしましては、今頂きました資料の中にもあります、一九四八年ですね、六月にリオンで開かれた中に、「絹は他のすべての繊維と同様に取扱われ、如何なる形でも(贅沢品税、使用禁止、再輸出義務等)差別的処置に附せらるべきでないことを希望する。」ということを満場一致決定したように聞いております。なおこれに続きまして、今年いわゆる第四回、この九月に開かれましたイタリーミラノにおきましては、「一九四八年リオン会議における決議である絹に対する消費税等の低下又は撤廃すべきことを再確認する。」ということを再決議しております。今大蔵当局からお話がございましたが、英国では今まで織物消費税を六六%とつておつたが、この勧告によつて五〇%に減らした、フランスでは生産税をとつておつたが、フランスでは生産税を廃止した、かように各国も……、世界の二十二カ国が加盟しているのでありますが、絹の将来性を考えて善処しておる。御存じのように絹こそ自然の糸であつて、あらゆる他の化学繊維は自然の糸を模範として進んでいる。生糸あればこそ他の糸も進歩している。併しながら幾ら人造人間ができても、機械の人間ができても、真の人間ができないと同じに真の生糸はできない。神様が作つた生糸はできない。従つて他の繊維ができればできるほど生糸のよさがわかる。日本におきましても、それらの趣旨に則りまして、養蚕農家におきましては、終戦以来今日まであのように倍以上の生産をしておる。二千七百万貫の繭を作つておりまするが、今年は凍霜害のために一割五分減つておる。それでも戦前に比べれば僅かに三割にしか上つていない。今年の輸出は僅かに一三%、戦前に比べて一三%しか輸出していない。かような情勢にあるときに、而も世界が今生糸の消費について非常に刮目して見ている、そこに原糸課税などしたら各国は何と言うでありましよう。而も税制調査会には生糸の専門家の意見を徴していない。民主主義とはその税を付けるに当りましては、その関係の団体の十分な意思を聞いて、その意思が如何なることかということを第三者が考えて初めてできるのではないかと思う。全然生糸、養蚕関係者の意見を聞かないで、税制の改革の一部分を取上げたために、どのように産業が萎靡するかどうかもわからずにやるということは我々は納得できないと思うのです。今日は大臣も責任者も出ておられませんので、私たちが何を言つても始まらんけれども、我々委員といたしましても、農林委員会においてかようなことを論議することは悲しいことであります。なぜこのような問題が取上げられたかということについて、我々委員においても恐らく同じような考えで進んで来ておると思う。かようなことが論議せられて海外に宣伝せられるだけでも日本の生糸の将来性について危惧の念を持つのではないか、こういう生糸の値が高いということは、先ほどから清澤さんや関根さんから言われておるように非常に増産がうまく行かなかつた、凍霜害その他がある、そういう関係に基いておりまして、少くとも二、三年経つて、日本の生糸が戦前の生糸に戻れば価格安定になることは火を見るより明らかです。重大なときにかような悪い刺戟を与えることを取上げることは非常に問題であろうと思う。どうか私はさような意味において、他の各委員などの意見を我々も十分聞いて委員長にお願いしたいのですが、できますならば各委員の意見を取りまとめの上で、さような空気があるなら、何らかここにおいて我々の農林委員会の意思表示を速かにして、政府が間違わないように、今現に税制調査会があるならば税制調査会に、かような問題については再検討するように申出ることが必要であろうかと思う。委員長においてよろしくお取計らい願いたいと思います。
○委員長(片柳眞吉君) 承知いたしました。
○上林忠次君 戦後になつて化学繊維が発達しましてナチュラル・シルクが困つておる。競争できないという状態になつている。私日本の農村経済から考えまして、この大きな換金作物をだんだん萎靡させつつある状態にあるということは遺憾に思うのであります。特に戦前のこの六十万町の反別を持つておりましたあの輸出の華やかな時代、これに日本の国が相当依存したという養蚕を考えますときに淋しい感じがするのであります。何とかしてこれをもう一遍盛上げなければならん。又日本農村の経済発展のためにこれほどいい作物はないのではないか、かような化学繊維の大きな進歩に対しまして、我々は何とかしてこの養蚕をもつとコストを下げなければならない。下げてこれに対抗しなければならなんというような苦しい状態があるのでございます。食糧問題が一番の現在問題ではありますが、食糧々々と余り食糧に我々頭を悩まし過ぎるのではないか。少くとも一反歩から少しでも金の上る作物を作つて、そうして輸出ができるようになれば、要するにコストが下るのじやないかと考えておるのであります。作物としては桑以外にはないのじやないか、桑は何とかして輸出を発展さして行く、又国内需要にこれを充てて行くということも必要だと思うのでありますが、只今のところ人造繊維に比べまして値段が高い。何とかこれをコストを切下げて対抗して行かなければならんというような現状にあるときに、これに対して課税をする、そうしてコストがますます高くなつて行く、この養蚕業者が困るというような状態に引入れられることは一番恐しい問題である。こういうような化学繊維と競争しつつある苦しい養蚕をますます苦しめておるような今の課税の方向を考えますときに、私この絹になぜかけるのか、或いは又麻になぜかけるのか、かけるなら全部同じようにかけて競争させればいいというような気がするのであります。我が国の大きな貿易物としての繭を考えますときに、これをもつと育成しなければならんというような現状において、これに特に課税する、そうして人造繊維のほうより不利にするというようなことはどうも逆行じやないかと考えるのであります。課税されるならば全部の繊維商品に課税する。而も生産品のほうに課税して行くということをお願いしたいのであります。又輸出も何とかして昔の状態に戻すというためには、政府においても勿論この税金を低くすることにあると思いますが、それ以上に輸出に補助をしてやる。為替レートがこんな状態であらゆる産業が行き悩んでおるのでありますが、生糸においても同じであります。ただフエアーな競争ではなかなか輸出が発展しないということを考えますときに、何とか政府でこれを補助してやるというような方法がありますか。これはむずかしい問題かも知れませんが、私煙草のほうで聞いておりますが、トルコあたりでは輸出を奨励するために政府で補助をして、二割か、三割のディスカウントをして出している。こういうことは国際道義としてできないことかも知れませんが、そういうことまでやつて輸出を図つている。絹においてもこういうような手も講じなくちやならんのではないかと考えておるのであります。こういうような点につきまして、蚕糸局長のほうから、何とかこの生糸産業の発展策に対していいお考えがありますならば、お伺いしたいと思います。
○説明員(寺内祥一君) 蚕糸業を発展させまして繭を増産し、生糸を増産して、それを大いに外国へ輸出し、外貨を獲得するという点については誠にお説の通りでございまして、従いまして我々といたしましては、只今輸出が不振でありまする原因が、要するに糸価が高いということは先ほど来お話いたした通りであります。繭糸価格安定審議会の空気等を察しましても、先ほど申しました通り、大体生糸の値段を国内価格にして一俵二十万乃至二十一万程度のところへ持つて参りましたならば、大体現在の倍くらい輸出はあろうという見通しを付けますと、約十五万俵程度は輸出されるのであります。そこで私たちといたしましても、生糸の生産コストを引下げ、経営を合理化いたしまして、安い良質な生糸を作るということに努力をしておりまして、先ずそのためには繭の生産費を合理化しなければならんと考えます。その第一の施策といたしましては、何と申しましても養蚕技術の向上を図りまして、反当収繭量を上げて行くということに主力を尽したいと思います。これは御承知でもございましようが、戦前の統計を見ますと、大体一反歩当りの反当収繭量は十七貫でありました。現在では、昨年の統計では十五貰であります。これを技術の向上によりまして戦前の線までは持つて行ける思といますが、なおそれ以上に改良いたしまして、これには御承知の通り只今の桑園は戦争中及び戦後の蚕糸業の衰退が反映しまして、殆んど桑園の改植ということをいたしておりません。非常に老齢な桑樹が多いのであります。従つて生産率が悪いのであります。そこで二十六年からでしたか、優良桑苗確保費補助金を出しまして桑園の改植を奨励いたしております。この桑樹の若返りによることと、それから稚蚕共同飼育費補助金を出しまして、稚蚕期における損耗を防止するという奨励策や、或いは病虫害によります損耗が共済制度の統計から見証すと、現在三〇%程度あるのであります。で、病虫害防除の技術の普及徹底を図りまして、その減耗率を下げて行くというような方策をとりまして、まあここ数年くらいのところで反当収量を二十貫程度に上げて行こうということを只今目標として努力しております。これが先ず繭の生産コスト低下の現状であります。次に、製糸工程におきましても、これを合理化し、そのコストを下げるということに努力をいたさなければならないのでありまして、これは御承知の通り自働繰糸機というのがだんだん研究の域を脱しまして工業化の段階に入つておりますので、今後急速にこれを普及させるようにして、又これは通るか通らないかわからないのでありますけれども、二十九年度の予算といたしまして、蚕糸局といたしましては、この自動繰糸機の普及を図りますために、只今この設置に対して開銀から融資をいたしております。この融資に対する利子補給でありますとか、或いは自働繰糸機を設置いたしますために、現在稼働いたしております過剰繰糸機を廃棄しなければならない。まだ使える繰糸機を廃棄するのでありますから、これらの償却費というものを或る程度援助して行かなければならんと考えております。さような予算を只今要求いたしまして、こういう製糸工程における合理化ということにも大いに尽力いたしたいと、こう考えております。
○河野謙三君 蚕糸局長、私がこの間加工工程の原価計算の勉強をしたいから資料をもらいたいと申上げておいたのでありますが、これがそうですが、これで勉強できますか、冗談言つちやいけませんよ。あなたはこういう原価計算を出して、我々は勉強できますか、お互いもつと真剣にやろうじやありませんか。こんなものをもらつたつて原価計算なんか勉強できません。これあなた御覧になりましたか。株式会社の営業報告だつてもつと詳しいですよ。私は原価計算を勉強したいから資料をもらいたいと言つた。三段構えで繭の代金が幾ら、絹の製造販売費が幾ら、生糸の製造原価が幾ら、合計して二万五千幾ら、これで原価計算ですか。こんな文句は言いたくはないが、こう私は言いたくなるわけです。真剣に勉強しなければいけませんよ。原価計算してもらいたい。これは原価計算じやありませんよ。
○説明員(寺内祥一君) 御要求の趣旨は、生糸の加工販売費の内訳を御要求なさるのでありましようか。それでありますと、繭糸価格安定審議会の終りましたあとで資料を差上げておきましたので、それで御承知かと思いまして、失礼いたしましたが、それと同じものをもう一遍提出してもよろしうございますが、御趣旨の点がちよつとわかりかねましたので、非常に失礼いたしたかと思います。
○河野謙三君 いや、私は頂ければいいのですが、これを至急下さい。私が言うのは、原価計算を検討したいから、加工工程の例えば製糸工場の原価計算をもらいたい。それをお願いしたい。お聞きしたいのです。これは原価計算じやありませんよ。こんなものはあとでもらいます。これでは原価計算できないでしよう。大蔵省、お見えになつておりませんか……。伺いたいのですが、今度の課税の表の中で業者の反対があるし、養蚕農家の反対があります。そこで我々は先ずこの表の中の養蚕農家の立場に立つて、この課税が我々が心配しておるように、全部これが終局において養蚕農家にしわ寄せになる結果になることを恐れるわけです。あなたのほうもこの課税について養蚕農家にしわ寄せが行かないような考慮は当然払つておられるかと思います。そういう点についてどういう考慮を払つておるか、又どういう確信を持つておられるか伺いたい。私の考えるところでは、現在の資本主義の機構の下におきましては特に現在の我が国の農村におきましては、常に農村の弱みというものは、農産物が買手市場にさらされておるということ、養蚕も又同様である。始終買手市場にさらされておる。農村におきましては、これはバターであろうと、チーズであろうと、牛乳であろうと、繭であろうと、あらゆる農産物を通じて、これはすべて結果的には他の面への課税が、農産物に関する限りは、結局出発点の農産物、農村へのしわ寄せということになるのですよ。それがそういうことでないなら、私たちは別にこの課税について検討しなければならん。例えばそういうことにならんというなら、今の製糸工場の原価計算もいろいろ検討して、それは別の角度からこの課税の賛否を私たちは検討しなければいけない、こうなるのですよ。つきましては、今度の課税につきまして、養蚕農家へのしわ寄せはこれこれこういう理由によつて絶対にそういう心配はありません、こういう確信がありますか、この点がありましたら御検討の資料なり、又御説明頂きたいと、こう思うのです。
○説明員(塩崎潤君) 甚だ恐縮でございますが、それらの問題を含めまして検討中であるということを申上げたいと思います。転嫁の問題は、只今委員のお話の通り、私どもといたしましては、養蚕家に転嫁するということは考えるべきものでないと考えております。ただ転嫁関係というものは非常にむずかしいので、数字的になかなか現われるかどうか、例えば先ほども申上げましたように、ビールに税金をかける、それがホップに行くかどうか、非常に範囲が違いますし、むずかしい問題でございますが、これは数字に現われるかどうか、なかなかむずかしい問題であります。併し庫出課税或いは製品が出るときに課税する、こういうものを間接税全般にとつております。中には農産物を原料とするところの間接税も相当ございます。そういう関係から見まして、私どもといたしましては、委員のおつしやる通り、経済関係は弱者に転嫁するということは十分存じております。そういうことのないように十分考えるべきだと思つております。それは率の問題、製糸会社に対するところの、例えば原糸課税をやつた場合に税率をどのくらいにするか、それによつて繭の買入れ数量の少くなる転嫁の形ではなくして、生産数量の減少という形で現われる、こんなこともあるわけでございます。或いは非常に税金が高いために、税が全部転嫁し切れない場合には、結局自分が負担するか、或いは自分が負担しなくて、自分の利益はそのまま見ながら養養家に転嫁せしめる、こういう場合もあるかも知れません。私どもといたしましては、まあ率の問題、それから課税方法の問題、このあたりを考慮することによりまして、そういうことのないように考えて行くべきではなかろうか、これは先ほどから申上げました通り、これあたりを含めて検討中でありますので、結論は出しておりませんが、このあたりについても十分検討して参りたい、こういうふうに現在のところは考えておる次第でございます。
○河野謙三君 そうしますと、現在のところは課税方法なり、率の点についてはまだ全く白紙でございますか。
○説明員(塩崎潤君) 白紙でございます。
○河野謙三君 一案とか、二案とかというものはできていないのですか。
○説明員(塩崎潤君) 十分の研究はいたしておりますが、まだ白紙でございます。大蔵省として正式に省議でも決定したこともございませんし、やるということを上から指示を受けたこともまだございません。
○河野謙三君 そうしますと、あなたのほうの意図するところは、この課税の方法なり、率によつて、いずれにしても農村、養蚕農家にしわ寄せにならないような確信を持てるような案が出せると、こういうことですか。
○説明員(塩崎潤君) 先ほどから申上げておりますように、転嫁関係というものは、そのときの事情、需給状況、企業の強弱、これあたりによりまして簡単に私は前転するとは申上げませんが、或いはまあ私は必らずしも養蚕家に全部それが転嫁するということはあり得ない。そういたしますと、現在の消費税はすべて事業税、或いは農業課税、こんなことになりますので、そのあたりは今までの経緯等を見て十分検討すべきじやなかろうか。私どもが行きまして、例えば税金を起しますと、これはどこかのまあ消費者に勿論影響いたしますが、産業に負担をおかけすることは当然知つております。それは併し率の問題或いは課税方法の問題で成るべく避けるべきではなかろうか、こういうふうに現在のところは考えております。
○河野謙三君 そうしますと、或る程度は養蚕農家にそれが転嫁されても仕方がない、全部転嫁されることはいかんけれども、或る程度の転嫁はこれはやむを得ない、こういう心構えですか、それとも心構えとして、養蚕農家には絶対にこの課税によつてしわ寄せが行かないように、例え一部といえども行かないようにしようという心構えですか。
○説明員(塩崎潤君) 甚だ私の答弁がまずいかも知れませんが、間接税といたしましては、原料単価に転嫁するような建前は避くべきである、こういう考え方です。
○河野謙三君 建前を実行に移す場合に、そういう建前を崩さないような確信が今のところありますか。
○説明員(塩崎潤君) 転嫁関係を私は明瞭に数字を以て、例えば前転などの問題も出した実例もございませんし、まだ研究不十分な問題でございますので、そういう例えばビール税をかけますと、ホップに転嫁しておるということを、私どもといたしましては今までのところ余り聞いておりませんので、このあたりについては研究して見たいと、かように考えております。
○河野謙三君 私はこの間この委員会でも論議したのでありますが、よくバター、チーズの輸入反対の問題が出るけれども、この際にも日本の有畜農家が森永や明治と一緒になつて反対することは私は好まない。併しその反対論は、結論は同じであつても遅うのです。私たちはむしろ国全体の立場から行けば、森永や明治が若しその処理過程において余裕があるならば、そこにおいて十分吸収し得るだけのものを十分吸収して、然るのちにこれが有畜農家に転嫁すると、こういう場合なら或る程度やむを得ない。併しそうではなくて、今のはいつでもバター、チーズの輸入価格は下る。そうすると、それがすべて今度は牛乳の値段にかかつて来る。全然中間の明治、森永は何にも吸収しないから、負担はそういう意味合において農家と森永とは違うのですよ。今度の製糸の課税にしても、これが若し日本の製糸業界並びにこれの関係業界において吸収し得る余地があるならば、その吸収し得る余地を吸収するところの課税をするならば私はすべきだと思う。併しこれが一ぱい一ぱいの勘定になつて来て、これはどうにもならなくて課税するとなると、全部これは養蚕農家に転嫁される。私はそういう考えを持つておる。そこで先ほど蚕糸局長にも言つた。製糸業者のこれの原価計算を見せてもらいたい。我々も勉強しますよ。ただ徒らに課税だと言えば反対だ、何でもかんでも反対だということではいかんと思う。一体この課税は国家の大局、経済の大局から見るとどうだという検討をしなければならん、そういう意味合において初めから私は何もかも反対だという前提で考えておるのではない。そこであなたに今申上げておるようなことを聞いておるのだが、あなたのほうであなたの私案でもありますれば、課税の方法なり、率は大体これくらいならどうだというようなものがありますか、何にもなくてこんなに騒ぐわけはない。私はどこかにあるのじやないかと思う。速記を止めてもよいから話して下さい。今言うような角度から勉強したい。初めから結論を出して反対しておるのじやない。だから場合によつてはお差支えあれば速記を止めてもよい。傍聴者がいては工合が悪ければ一時秘密会にしても聞かして頂きたい。そうして勉強しなければならん。
○松浦定義君 先ほどから委員各位から源泉課税の適否についての政府の所見を質しておるのですが、今河野委員から御指摘になりましたように、大蔵省自体が本日の説明においては何ら我我の納得する説明をしない。従つてこれは先ほど鈴木委員が御指摘になつたように、税制調査会なるものの答申を大蔵省は尊重するのか、しないのか、こういうことに私は重点があると思う。これを尊重する、しないということの結論は、我々が是であるか非であるかということから、この問題を追及して行かなければ、只今のように、ただ大蔵省の事務的範囲を越さない程度の御答弁であるならば、私どもは今日の本当のこの問題に対する審議の中心に触れるまでにはほど遠いものがある、かように感じられます。特に先ほど税制課長のお話のうちに、この税制調査会というものの機構或いは又その内容等については十分説明をしていない。特にその税制調査会そのものを指摘されたと思うのですが、お言葉の中に人間の考えることだから幅が狭いというようなお言葉を使つておられる。そうしますると、この考え方というものの表現は私は相当この調査会そのものではなく、いろいろ我々がこうした問題を検討する場合にも、或いは曲つて聞きとれるような言葉がないでもないというように考えられるのでありまするので、こういう点について私は非常に遺憾であるのと、更に又その問題を、せめて参加しておつた立場から頑として、鈴木委員が指摘されておるにかかわらず、後方におつたから非常にその点がわからないといつたような非常にあいまいなことである。そういつたようなこと等から考えて参りますと、これは私ども今この問題を真剣に考えて、少くとも内閣総理大臣がこの税制調査会というものの諮問を尊重しようとして作つた、これは過去にもいろいろまあ調査会或いは審議機関というものがあるけれども、今日の日本の情勢というものは、一兆円以上に超えたこの国家財政をどういうふうにしてこれをもつと切り詰めようか、或いは又今後これ以上に膨脹しないようにしようというようなことから、問題として投げかけられたこの問題の一端として、我々は委員会で必要なものを審議しようとしている。そういうようなことから行きますと、今委員長はどういう考え方で、この税制課長なんかの態度をこのままでもいいというようにお考えになつておるかというようなことから私は疑問を抱くのであります。従つて本日私どもが一応特別にこの委員会を開いてまでこの問題と真剣に取組もうとしておるときに、大蔵省自体が大蔵大臣の出席もなく、更に又今課長はせめて大蔵大臣或いは又大蔵政務次官等の意思を表現し得るような立場において我々の説明を聞くのならば別でありまするけれども、如何に追及して参りましてもその範囲を越さない。例えば原糸に課税するのか、或いは織村にするのか、或いは直接か、或いは間接かといつたようなことすら研究中であるといつたような、大蔵大臣以上な逃口上で以ての答弁をされておる。これはただ単なる、私どもは本日そうした事務的関係の問題を聞くのであるならば、何もあなたが農林大臣と同格の立場、或いは又大蔵大臣と同格の立場において、その席で以て我々に対する答弁をする必要はないと私は思う。従つてそういう人は将来参考人として別な席から我々に対して答えて頂ければ、それで私は事足りると思うのです。こういうような立場からでは、今日時間を相当経過しておるにかかわらず、何ら進展しておりませんので、少くとも私どもは今日一日で大体の結論は、政府の考え方は今日見出せるかと思つてかく多数の委員が出席しておるにかかわらず、これでは非常に不満ですから、明日でも引続いて本委員会を開催して、特に大蔵大臣の出席を求めてこの問題をはつきりする、そうせなければ恐らく政府としても困つておるでありましよう。二十九年度において二百億というものをどういう形でこれを予算に組むかということが問題になつておる、こういうことが結論が出ないために世間かいろいろ批判されて、我々は自然休会的な立場をとらざるを得ない、従つてそういうことがこの自然休会のうちにおいても、熱心なるそれぞれ関係委員会が政府の意見を質そうとしてやつておるときに、政府としてもそれらの答弁がはつきりしないようなものを出すということは非常に遺憾であると同時に、今の形においては我々はこれ以上審議を続けることは無意味でありまするので、我々委員の問において討議することであつて……、こういう問題については委員の間において討議いたしますから、そういう立場において委員長は、時間の関係等もありまするので、一応昼食にして、更に今後の議事の進め方について御協議されたいことを動議として提出いたします。
○委員長(片柳眞吉君) 松浦委員からの御要求は了承いたしますから、あとで各委員とも今後の取扱いを御相談いたします。取りあえず先ほどの河野委員に対する答弁を願います。
○説明員(塩崎潤君) 何分事務当局でございますので、非常に御不満な感じを持たれたと思います。恐縮しております。ただ繊維課税の問題につきまして、非常にまあ世間におきまして問題にしております。これはもう私どもが考えているのは、税制調査会から案が出たことに対して相当危惧しておるのではなかろうか、こういうふうに私どもは考えております。私どもといたしましては、まだ案を出したことはございません。まあ研究しているような段階でございますし、而もこれは決していろいろな案がないとは申しませんが、この重大な案、単に大蔵省だけできめられない案をここで御説明申上げることは適当ではないと思いますので、この点は一つ遠慮さして頂きたい、かように存じます。
○河野謙三君 いや、話が出ないというのを聞こうという、そんな私は野暮なことは言わない。(笑声)さつき私は蚕糸局長に要求したのですが、あなたのほうの加工過程においての原価計算はありますか、あるでしよう、御検討の結果があればもらいたいと思います。それから蚕糸局長に、私は実は今日はあなたから原価計算の詳細なやつを、僕らちよつとまごつくようなものをもらえると思つていた。こんな一枚か、二枚のものではないのですよ。そういうものを期待しておつたのですが、一枚で片付けられたから私は怒つた。先ほどは失礼しましたよ。(笑声)だけれども、これは例えば私がちよつと見ましても、製造、販売、これ一本で片付けておる。而もそれが晩秋の場合にも初秋の場合にもすべて同じような五万三千幾らになつておる、こういうことが大体おかしいのですよ。ちよつと我々素人が考えてみても、工場の製造原価というものは一番大きく影響するのは能率ですよ、操業率ですよ、春から始まつて初秋、晩秋、すべて製糸工場の操業度は同じでない、そうでしよう。操業度というものは非常に大きく製造原価に影響するわけです。然るにあなたはそういうことを無視してこれが一本にしてある、製造販売が一緒になつておる、ところが製造販売原価というものが出て来れば、これは一本ということはないはずなんです。こういうことは私は細かいものをもらわなければ批判できませんけれども、ちよつと考えても検討しようがないし、大ざつぱに言つてもこれはおかしいと思う。そこでこれは是非、改めて静かにお願いいたしますが、勉強さして頂くようにお願いします。と同時に大蔵省にも、これはとてもあなたのほうで重大なものは扱えないのだから、これはあなたのほうからも一つ言つて頂きたい、こう思うのです。違うのが当り前なんです。同じことはあり得ない。あなたのほうの原価計算と蚕糸局のほうの原価計算を一つお願いいたします。
○委員長(片柳眞吉君) 私もちよつと意見を交えて資料を要求しますが、こういう資料を頂きたいと思うのですが、私は大体公正に見て養蚕農家に逆転嫁されると、こう見ておるのですが、そこで確かに農村の直接税は減つて来ておるわけです。私の今調べた資料で行きますと、当初の本年度の農家所得税は九十一億であつたものが、補正で五十三億くらいに減つております。そうなつて来ると、今言つたような税率はまだ未定だそうでありますが、併し税制調査会等の答申案で行きますれば大体五十億くらいのものを取ることになります。それが全部養蚕農家に転嫁されますと、日本の農村の全体の所得税が五十三億、それとほぼ匹敵するものが極く一部の養蚕農家が負担をすることになると、国民負担の均衡からしても、これは非常におかしい結果になると思います。それからこれは蚕糸局長に対する関係でありますが、養蚕農家に五十億の負担をさせる、元来蚕糸局の予算は非常に少いのですが、今聞いてみますと、本年度の予算が四億五千万円、生糸検査所或いは試験場の経費を入れても九億五千万円しかないのですね、そうなつて来ると、果して国民負担の均衡という点からもこれは問題が大きいと思いますし、片方で蚕糸業の振興とか、何とか言つておるけれども、全体で九億五千万円であつて、而も養蚕農家から大部分、五十億取られることになれば、何だかわからんという感じもいたしますので、これは大蔵省のほうに対しては明年度の農家所得税の見積りがどのくらいになつておりますか、それとも私は比較をしてみたいと思うのです。それから蚕糸局のほうとしては、これは或いは予算はもう聞いておるかも知れませんが、来年度どの程度の予算額になりますか、そういう点も一つ併せてお示し願つて、彼我検討しませんと、非常な不均衡を、蚕糸業の振興のむしろ逆を行くのじやないかというような感じもいたしますから、こういう意見に併せて資料の提出お願いいたします。
○説明員(塩崎潤君) 只今御請求の原価計算要綱でございますが、私どもも原価計算はいろいろやつておりますが、何分蚕糸局に比べまして素人でございます。昔はそれの技術官なんかがおりましたのですが、織物消費税がなくなりまして非常に技術官なんが少くなりまして、大部分は農林省で作られました資料或いは業界で作られました資料、これあたりを参考にしておりまして、原価計算の研究はいたしておりませんが、ただ計算はいたしておりますが、そういう不十分の資料でもよろしければ差上げますが、果して御満足が頂けますか、どうか、その点だけお含みおき願いたいと思います。それからもう一つ、委員長の御要求の明年度の農家所得の見積りでございますが、これは毎年私どもといたしまして、所得税の課税を出す際に作るわけでございます。併しこれは現在まだ作業中でございます。経済審議庁の来年度の国民所得の見込みがまだはつきりきまつておりませんので、これらにつきましても相当遅れるのではなかろうか、かように考えておりますので、その点も御了承願えれば仕合せでございます。
○北勝太郎君 この際委員長に特に私はお願いしたいのですが、この問題とは全く別の問題ですけれども、冷害地の農家は、今年の農業共済金の支払いによつて年末の決済をしようという工合に考えておるのに、農林省のほうでは年末決済に間に合わんようなお話があるということでありまして、地方で大問題を起している。これはもう年末決済の差迫つた問題でありますので、その経過を経済局長からお伺いしたいのですが、成るべく早い機会に経済局長にこの会に出て頂くようにお手配を願いたい。
○委員長(片柳眞吉君) 承知しました。
○鈴木強平君 先ほど松浦委員から、もつと大蔵大臣や農林大臣がおるところでやるほうがいいという意見が出たのですが、先ほど関係当局のほうからは、まだ大臣に会つて聞いても今検討中だというぐらいにしか恐らく公開の席においては言わないと思うと、新聞によりますと、吉田首相が今度の予算の査定には首相みずから乗出すというようなことが新聞に大きく書いてあります。すでに各省では予算を出して査定に入つておる、従つて細部に亘つて検討されておることは明らかであると思う。一日も一時間も急ぐのじやないかと思うのです、これにつきましての我々の意思表示は……。そこで今委員長からの資料要求については速かに出して頂いて、そうしてできますならば今日中にも松浦委員の言う通り、各委員の意見を取りまとめて意思表示をしてほしいと思うのです。
○委員長(片柳眞吉君) その点はさつき松浦委員からも御要望がありまして、午後の理事会で相談いたしまして、午後の委員会でいたしたいと思つております。これで暫時休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 —————・————— 午後二時五十分開会
○委員長(片柳眞吉君) それでは委員会を再開いたします。 午前中に引続きまして原糸課税の問題につきまして質疑を続行いたします。
○松浦定義君 午前中にもいろいろ本問題について各委員から御発言がありましたが、この原糸課税なるものの中心をなすものは、養蚕農家に如何に課税がしわ寄せされるかということについての御発言が多かつたようでありますが、この税制審議会の答申なるものの中を見ますと、必ずしも生糸生産者ばかりでなく、特に毛糸或いは麻等についてのことも議題になつておるようでありますが、私は特にこの麻関係につきましては、御承知の通りに、戦前から非常にまあ国内の需要度が要請されまして、この麻の生産につきましては、特に北海道の亜麻茎が非常にこの問題についての重要度を持つておつたわけであります。従いまして御承知の通りに、北海道は寒冷地帯でありまするので、どうしてもこうした特用作物につきましては、本当に国が保護政策を講じてもらわなければ今後の農業経営は成立たない。特にこれは食糧増産と非常な関連性のあることはすでに各委員も御承知の通りでありまして、こういう意味合から、現在政府におきましても、特用作物中の最も顕著なるものとして、この亜麻の増産については最善の努力を講ぜられておるにもかかわらず、今回のような形でこれにもしわ寄せの来るような課税をされるということにつきましては、我々農民の立場からいたしましては納得ができない。従つてこの内容につきましては詳しく申上げる必要はないと思いますが、午前中にもいろいろ討議されておりましたように、皆さん方の意見がまとまりますならば、先ほどの協議の中にもありましたように、特に衆議院等におきましては、逸早くこの問題については態度をはつきりしておるというような意味合から、参議院におきましても、そういう態度を表明されるような話合ができまするならば、この中にはどうしても麻或いは又緬羊等を飼育いたしております農家の立場等も考えられまして、この点を政府に対して、当然課税の対象にすべきでないという態度をこの際私ははつきり表明いたしまして、御審議中における皆さんの御参考に供したい、こういうように考えております。
○北勝太郎君 麻は耕作禁止になつておるのじやないんですか。
○松浦定義君 只今北委員の御質問は、麻と言いましても、これは非常に多種多様なものがあると思います。私の申上げておるのは亜麻茎でありまして、禁止されておる従来の麻とは全然遅う、こういうふうに考えております。
○委員長(片柳眞吉君) 私も政府当局でありませんから詳しいことを承知しませんが、大麻も一定面積は登録したものは栽培はよろしいようであります。なお今言つた中に亜麻、苧麻等も当然人つておりまするから、大体麻ということで……。
○北勝太郎君 亜麻はやはり麻の中に入るのですか。
○委員長(片柳眞吉君) と思います。
○関根久藏君 先ほど委員長からも非公式に御相談があつたのでありますが、原糸課税の問題につきまして、今松浦さんから麻もというお話があつたのでありますが、至極これは結構のことであろうと思います。さようなふうに、この生糸等の消費税につきまして、原糸課税の問題につきまして、大蔵、農林、経済審議庁当局に委員会としての申入をしたいと思うのであります。その申入の案を朗読いたします。 生糸等の消費税の取扱に関する申入(案) 税制調査会の答申による生糸消費税は、税制調査会のいう「課税の変形」であつて、その結果は、課税の目的を逸脱して、税負担はむしろまゆ価格にしわ寄せせられ、養蚕農家の負担に転嫁せられることは必至である。 かくのごときは、すでに蚕糸業振興五カ年計画を決定して、国の保護助成のもとに育成せられている我が国蚕糸業又び養蚕農家に及ぼす影響が重大である。 ここにかんがみ、内外の諸情勢に照らし、税制調査会のいう「国内産繊維の自給度」を高め、輸出を振興するため、かかる「変形的」な生糸消費税は不適当であると認められる。 麻及び羊毛等の国産のものについても右と同様の考慮が払わるべきである。 従つてこれが取扱は右の趣旨によつて処理し、なお速かに政府の方針を決定し、その結果を当委員会に報告せられたい。 右当委員会の総意をもつて申入れする。 昭和二十八年十二月十四日 参議院農林委員会 大蔵大臣 小笠原三九郎殿 農林大臣 保利 茂殿 通商産業大臣 岡野 清豪殿 この申入れをなすことの動議を提出いたします。
○委員長(片柳眞吉君) 只今関根委員から御朗読になりましたような申入の動議が出ましたわけでありますが、これを申入することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野謙三君 異議ありませんけれども、例によつてこの間の申合せのように、決議に必ず回答の日付を入れて下さい。そうでないと政府は返事しませんよ。いつまでに返事をしろ、こうやつて下さい。
○委員長(片柳眞吉君) 速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。只今河野委員からの御意見がありましたので、「その結果を年内に当委員会に報告せられたい。」というふうに期限を付けまして、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないものと認めまして、さように申れることに取計らいをいたします。 なお特に大蔵大臣には、本日中に一つ面会いたしまして、この趣旨をよく伝えたいと思いますので、理事の皆さんと、特に御関係の深いかたには御一緒に一つお願いいたします。 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて。それでは農林経済局長が見えられましたから農業共済金の概算払いについて御質問願います。
○北勝太郎君 農業共済金の支払いは年末に間に合うようにして罹災者である農家の経済を考慮するということは、しばしば国会でも言明されたところでありますが、今回承わりますところによると、岩子県の某課長に対しまして、小倉局長から北海道及び東北の収穫が尻上りをして来ておるから、そこでこの支払いは年末にはできないというようなお話があつたという噂を聞くのでありますが、これは実に重大な問題でありまして、地方の人たちはこの共済金で年末決済をしようと考えておるのに、それを今更になつて渡さないということになりましたら、これは農村経済に重大な影響を及ぼすので憂慮に堪えん問題がありますが、果してそれは本当でありますかどうですか。それの経過を一つ御説明願いたい。
○説明員(小倉武一君) 共済金の保険金支払いの問題についてのお尋ねでございますが、私の関係といたしましては、再保険金の支払いになるわけでございますが、お話の通り、年内に支払うということで万般の作業を進めておつて今日に至つておるのであります。そのためにどういうことをいたしましたかと申しますると、第一には推定実収が今月の末、遅い年になると翌年にならないとわからない、こういうのが従前の状況でございます。推定実収を待つておつたのでは年内払いということは殆んどこれは不可能である、そこでやむを得ず予想収穫と申しまするか、十月中旬頃までに私どもが知り得る材料を以ちまして、主としてこれは統計調査部の資料でございますが、それに保険関係の担当官が出張をして調べた上の観察を加えましたもの、これを基礎にしてやつてみようと、こういうわけであります。それが例年と違つている第一点であります。それから第二点といたしましては、例年で申しますると、統計調査部等の資料並びに被害の大要等を見まして審査をいたしまするのは機林省が直接やつておつたのでありますが、これは農林省が直接やつたのでは間に合いかねる、そこで県庁に今年はお願いをする、殊に作報の反収被害面積等から見て、連合会が損害の見積りをしたのが妥当かどうかという審査を県庁にお願いする、この二点が非常に例年とは違つておるのであります。そこでそういう作業をいたしまして、県によりましてはもう農林省のほうにそういう結果が出て参つておる県が大分出て来たわけであります。そこで私どもといたしましては、農林省としての見解をまとめなければならない段階に来て、いろいろ検討を加えたのでありますが、まだ発表にはなりませんけれども、他方統計事務所のほうから推定実収の基礎素材が農林省のほうに上つて来ておる。それから又作報の報告を待ちませんでも、常識的と申しますか、大体どの地方は更に作況が悪いとか、どの地方がどうも作況が好転したじやないかと、こういつたようなことも聞いておるわけであります。そこで私どもとしては多少の違いと申しまするか、県庁に審査をお願いした基準よりも僅かの違いでございまするならば、頬かぶりで行こうというか、そこはその辺の誤差というか、見積り違いというものはもともとあり得るのでございますので、そこでとやかく申すまい。従いまして、予想通りの数字で行くというのが建前であつたわけであります。特に本年は非常に凶作で而も冷害でございましたので、作況は大体尻下りに下つて来るだろう、それで予想で抑えておつて、あとで好転して問題が起るということはないと、そういうことは殆んど想像しなかつたのであります。ところが最近いろいろ聞いてみますと、まだ正式な数字ではございませんが、冷害府県の間の実収の推定の材料を見てみますると、そこに相当の作況の、十月当時見ましたのよりも非常に開きが出て来たのであります。而もそれはどうも多少の見方の相違ということで済すことのできない程度のものがあるのではないかということになつたのであります。大体申しますると、これは或いは統計調査部長等からお話したほうが適当かも知れませんが、話のついでに順序として申上げますると、北陸地方はさほど変化がないようであります。それから北関東のほうは作況が更に推定実収では悪くなるのではないか。それから北海道、東北にかけては大体全般的に予想のときよりは実収のほうが上廻るのではないかと、こういう見方になつて来るのであります。そこでこの共済金の支払いについての損害の見方と、そういう作況とをどういうふうに勘案するかということが現在我々が当面しておる、よりむずかしい又厄介な問題に実はなつておるのであります。一概には勿論申せませんが、県によりましては、これはその後の作況もさほど変らず、又県連合会でおやりになつた査定もほぼ妥当じやないかという県もございます。それから又予想の当時の作況から見て、この辺じやないかということで、その意味ではしつかり見てやつた県もありましようが、更に作況を見て検討を要するのじやないかと思われる県もあるのであります。そこで私どもといたしましては、差当りの措置といたしまして、正式の実収の発表がなくても今までわかつておつた、今まで知り得た事実を以ちまして大差はないと思われるもの、即ち推定実収もさほど変化しない、そうして又県連合会でもそういう線で以て適切に査定された、こう認められる県につきましては、年内に支払いを是非完了したい。それから予想収穫高は当時の資料に基いて適正にどうもおやりになつておるようだが、その後の作況から見てもう一度検討する必要があるのではないか、こう思われる府県、これが多いのでございますが、こういう県については年内に支払を了するということで、内に入つて行きますととても年内に間に合わない。一、二の県は或いはできるかも知れませんが、数県以上になるとなかなか言うべくしてできない。そこで第二段の措置といたしまして、そういう県については概算払或いは仮払といつたような金融的の措置を加味して、できるだけ年内に農家に金が若干でも行くように、こういう方針で今県別に実は審査をいたしておるのであります。
○北勝太郎君 最終の査定は農林省がおやりになることと思うのでありますが、現在出ておる資料によつて、すでに最終査定をなさつたならばいいじやないか、こういう工合に思われますが、若しそれができないとすれば最終査定に近い数で概算払をしてもらいたい。一遍払つたら戻せと言つてもちよつと困る問題ですから、そこでこういうような方法をとつて行くならば、これはできんことじやないと思う。こんなに時間がかかつておりますと、いわゆる倒れんでもいい農家まで倒れてしまいますから、これこそ拙速主義でやつてもらわなければならん。こういう工合に思いますが、どういう考えでありますか。
○説明員(小倉武一君) 年内に支払をするということは、早く而もできるだけ適正にやる。こういう趣旨で、お説のようにどちらかと言えばがつちりと一銭一厘を確めるというよりも、むしろ拙速という方針で実は参つております。こういうことで行き得る県もあると思いますが、ただ拙速には余りにも違いはしないかというので、そこで今後はどうかというようなことも、これは統計の資料だけではわからない問題もございますので、その点を確めなければならん県も相当出て来やしないか、私どものこれまでやりました趣旨は、どちらかと言えば拙速主義であつたわけであります。そこで予想と実収とが県別に見ましてもさほど大きな変りはないというような場合には、その原則で貫き得たわけでございますけれども、そこが予想に反しまして、思わざる程度において予想と推定実収の数字が違つて来るような県が出そうな気がするのでございますから、今のような本払ということで飽くまでやるということは事実上むずかしい。そこで概算払或いは仮払といつたような方法を加味して当初の方針を実行して行く、こういうふうに考えておるのであります。
○北勝太郎君 概算払若しくは仮払で行きますならば、余りに突飛なことでない限りはそれはすぐに実行ができるのではないか。例えば十払わなければならんところに八ぐらい払うというので仮払されるならば、これは幾ら何でもそう時間をかけなくても私はできると思う。この際農家の経済を救うためには是非一つそういう方法でもやむを得んからやつて頂くということをして頂くことができるかどうか、これが正確な資料を得るまで引ずられたのでは農家はとてもやり切れないと思うのでありますから、この際救農の実を挙げるべく、こういう手段をとつて頂くことが農家としては望ましいことだという工合に考えます。中には収穫の漸増したところもあるということでありますが、併し場所によつては徹底的に凶作でどうにもならん。それは別に調査も何も要しないような関係であると思うのでありますが、そういうようなところまで同じくあとまで引ずられてやられては、これは大変だと思うのであります。是非一つ農家の経済を救うために、年末に農家に共済金が渡るようにお計らいを願いたいと思うのでありますが、もう一遍重ねて御答弁を願います。
○説明員(小倉武一君) できるだけさようなふうに一つ持つて行きたい、かように考えてあります。ただ支払の程度をどうするかということにつきましては、もう少し検討させて頂きたいと思います。
○松浦定義君 只今の局長の御答弁ですと、できるだけというようなことがありますと、今までの例として、どうしても年内には完全には渡り切らないというような疑いを持つわけでありますが、私はもうこれを例えば北海道、東北等の作況が多少よくなつて来たから、万全を期して処置を講じたいというお気持はわかりますが、今北委員のお話になつたような、場所によりましてはもう誰が見てもそういう心配のないようなところがある。従つて私はこれは飽くまで町村を対象にせられておるのじやないかと思う。特に又わけても個人を対象にすべきであるというように考えておるのですが、今のようなお話で行きますと、例えば営農資金の貸付という問題にもこれは関連があつて、その共済金だけ差引く、そうして貸付けるのだということがありまするが、そういうことがきまらんために営農資金の貸付にも支障を来たしておるというようなことがあるのではないか、こういうようなことも非常に関連性が深いと思いまするので、こういう点はどういうふうになつておりますのか、そういうことにかかわらないで、営農資金は営農資金として、当然差引かないでやるというような便法を講じられてやつておられますか。その関連性等が或いは貸付の町村における事務的な問題として支障を来たしておりはせんか、こういうことも感じますが、この点は如何ですか。
○説明員(小倉武一君) これは御指摘の通り、町村別は勿論のこと、個人別にちやんと行くような手筈にしなければならんことは申すまでもないことであります。ただ私どもの再保険金の関係から申しますると、これは再保険金の段階になるかどうかということは、これは県別にと申しますか、きまつて来るのであります。それは併し問題は別でございまして、御指摘のように個人個人に行くようなふうになつていなくては、これは勿論問題にならないのであります。例えば本払でなくて、金融で行く、金融と申しまするか、仮払で行く、こういうような場合も或いは再保険金を概算で以て払う。こういつた方法でやりまする場合にも、個人別に村別にどこがどうなつておるかということも明瞭になつていなければ、出す金がどこへ出したらいいのかわからなくなるということでございまするので、それは当然にそうあるべきだと私どもは思うのであります。それから又金融との関係でございまするが、営農資金の貸付の額を決定する場合におきまして、共済金の支払額といつたような問題に関連して参りますると、これは一応と申しますると語弊がございまするが、組合乃至連合会で以て損害評価をやつておるのでございまして、それによつてその通り行くとすれば、どれくらい共済組合に行くかということがわかつておりますから、一応それで以て計算をされておけば、金融の枠、個人別の額をきめる場合にも、これは大差がないのではないかというふうに思います。本年支払われるかどうかということについては若干疑念のある府県もございまするけれども、少くとも金融的な仮払或いは再保険金の一部支払、こういつた意味の概算払、こういうことは年内には是非了したいと思いまするので、営農資金等の関連において困るといつたような事態も避け得るのではないかというふうに思います。
○松浦定義君 局長のお話ですと、自分のほうのことだけは筋を通して、ほかのほうのやることは仕方がないというようにとれるのですが、例えば今町村におきまして損害評価をやつて、これは妥当であるとして貸付は行う。この程度ぐらいは保険金が来るであろうとしてやつたところが、結果的に見て保険金がそこまで行かないということになりますと、これは農家としては例えば二十万、十五万を借りる場合には一年間の計画というものを立て、その限度内でやらなければならん。ところがもうすでにこの問題は解決をした頃にはもう金を返せと言われても、返せないという結果が出て来るようなことも私はままあると思います。そういうことがあつてもよろしいというような、今のようなお答えから見ますと解釈できるわけですが、そういう場合が若しあるとした場合には、飽くまでその金はやはりどういう形においても返還を要求するというような強い立場に出られるかどうか。私は今のようなことから考えますと、恐らくそういう事態があつた場合には、政府としては返還せいということは言えないと思う。こういうことがあるために、やはり救農国会というような特別国会を開いて、その処置を適正ならしめるために行なつたにもかかわらず、次の臨時国会、更に又通常国会に入りましても、まだこの処置が完全にならないというようなことからいたしますと、政府としてはその点は非常に弱いと思うのですが、そういう意味から行きましても、できるだけそういうことの弊害の起らないようにするためには、やはり年内に或る程度の概算払やつておくということで、農民の今後の営農における資金上から行ける計画というものを、先ず年内に立てさせるといつたようなことに当然いたさるべきだと思うのであります。それからもう一つは、この査定の評価の最後的決定がやはり農林省の統計調査によつて決定されるということになりますが、今末端農家ではこの農林省の統計そのものに対しましても、こういうような慎重を期することは無論必要だと思うけれども、ああいう曾つてないような凶作のときにおいてすら、余りにも慎重に過ぎておつて、実態に副わないようなことをやつておるならば、平素においてそれが中心になつて、我我の農業経営に対してどれだけ統計調査の立場から言つて貢献してくれるかということについても、非常に疑念を持つて来る。従つて今機構改革における場合に、我々としてはこの統計調査というものが農業の基本方針をもたらすものであると主張しておりながら、末端に行つて個々の農民に対して、今度の冷害対策に対する処置等から言つても、これに対して強力なやはり指示をすることができないような事態が往往あるのではないかというようなことから考えまして、どうしてもこの際、一つ是非年内には少くとも本当に困つておる農家或いはそういう町村に対しては、先ほど努力するというようなお言葉があつたのですが、一つ是非実現をして頂きたい、こういうふうに強く要望するものであります。
○北勝太郎君 実はこの共済金が年末に、たとえ概算払にしろ、入るか入らんかということは農家の死活の重大問題だということを一つよく御認識を願つて善処して頂きたいと思うのでありますが、どうもその点に関しまして少し緩やかな見方をしておられるのじやなかろうか、農家大多数を殺してしまつちやどうにもならんのであります。真に文字の示す通り、死活の重大問題ということを一つ特にお考えを願つて、この年末に、或いは概算払或いは仮払等の方法を本当に実行して頂きたい、こういう工合に思いますが、如何でしようか。
○説明員(小倉武一君) これはもう御趣旨を待つまでもなく、年内に本払をやる、こういう決意を以て仕事を進めて参つたのであります。ところが遺憾ながらそういうことになるには少しむずかしいような実は状況で、これがまあこの推定実収の違いと、もう一つは県連合会の作業、実態もそうかも知れませんが、作業が必ずしも我々の見ておるような結論とは一致しない点も中にはあるわけであります。そういう両面から、そういう府県においては年内に本払をやつてしまうということは非常に困難な実情になつて参りますので、これは一方本払を急いで作業をやると同時に、傍わら仮払といつたような処置を年内には必ずやるというようなことも、両方睨み合せて作業を今後は進めて行かなければならん。今までは本払一本で作業を進めて参つたのでありますが、それでは年内にはできない府県が生じそうだ、そこで仮払といつたような方法も考慮しながら作業を進めて行くというような方法をとりまして、御趣旨のことは是非実現したい、かように思います。ただ県の内声に、これは私ども内部のことはよく検討しておりませんのでわかりませんが、内部の連合会なら連合会と村の組合との関係におきまして、仮払なり、本払がありましたときに、必ずその金がちやんと行くように仕事が整備されておるかどうかという実は問題があるのであります。これは私どもふだんからやかましく言つておりまするが、地方によりましては、これは全国たくさん必ずどの村にも共済組合があるいつたようなことで、その中には一、二欠陥がある組合もないでもないのでありまして、そういう組合とか、或いは地域におきましては、なかなかむずかしい問題も私は生ずるのではないかと思います。そういう点につきましても、県当局等で御奮励を願つて、融資等の措置は是非年内に了したい、かように存じます。
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(片柳眞吉君) 速記をお始めを願います。
○清澤俊英君 長官にお伺いしますが、先般米の買上の価格を発表せられましたとき、格外甲は三百五十にして、これは買入の際には超過奨励金が付く、こういうお話だつたと思うのですが、間違いありませんか。
○説明員(前谷重夫君) 等外米の甲につきましては、義務供出の中には入れませんが、通過供出としては買上げる、従いまして超過供出奨励金が付く、こういうふうにいたしております。
○清澤俊英君 そうしますと、問題が起きているのです。この間、昨晩ちよつと帰りましたところ、どうしても通達が来んから買えないと、こう言うのです。それで農協が非常にその責任上困りまして、相当量買つて持つているものですから、それで何かほかの米を壊して、それに混ぜて五等米にでもして出すよりほかないだろうということで騒いで、それで心配して大分問題を起している町村さえありますが、通達が下まで徹底しないようですが、大至急一つやつてもらいたいと思います。
○説明員(前谷重夫君) 通達は我々としていたしておるわけでございますが、事情はよく調べますが、考え方なり、方針にそういう……、私が申上げたようなことは変りはないわけでございますが、早急に調査するようにいたしましよう。
○清澤俊英君 これはどうかわかりませんがね。昨晩聞いて話しましたのが、長岡の食糧事務所関係、上川西村附近全部そうだ、こういうようなお話でした。
○説明員(前谷重夫君) ただその誤解があつてはいけませんが、これは義務供出として義務供出数量の中に入れるということは、これは従来からも入れないというふうに申上げておるのであります。若しそちらのほうで義務供出の中にそれを入れてということでありますると、これはまあ我々としてはそういうことは考えておらんわけであります。義務供出が完了いたしまして、更に超過供出を出す場合には、それは超過供出の中に数量としてそれを入れる。
○河野謙三君 経済局長と食糧庁長官が丁度お揃いだから、両局に関連のあることでちよつと伺いたいのですが、食糧庁長官は多分御連絡があつたと思うのですが、過日あなたの代理、総務部長が見えましたときに、今年の米の集荷手数料の問題でお尋ねしたのです。お聞きになつたと思うのですが、私の意見は昨年の集荷手数料一俵二十八円を四十円にしたことは、私はそれに対しとは多い少いの機論はしない。ただ二十八円を四十円にした場合に、その四寸円が系統機関、国、県、単位農協、この段階においてどういうように分けられておるか、この分け方については、一応は系統機関の自主的の協議に任せるということは、建前は結構でありますけれども、それが余りに段階別に不当な手数料の分け方を決定した場合には、当然農林省はそれに対して意見がなければならんはずですということを私は申上げた。具体的に申すならば、本年はあなたが御承知のように、昨年に比較して全部が倍になつております。県が倍になつております。単協だけがただ一・三六倍になつております。これを絶対額にいたしますと、今年の米の集荷量が御承知のように非常に少いにもかかわらず、全国段階の手数料は去年の絶対額より多いのであります。あなたのほうからもらつたデーターでそうなつておる。然るに単位農協は去年よりも絶対額が少いのです。こういうことが果して妥当であるかどうか。こういうことについて一体食糧庁は、農業の監督をしておられる経済局と相談の上でこういうことをきめられたか、若し経済局の意見であるならば、改めて私は経済局に、農業の指導精神がどこにあるかということを伺いたい、こう思つておつたのですが、たまたま御両者お揃いでありますから、この点について未だに今年の価格は適正な分配であつたということを信じておられるか、それを伺いたいと思います。
○説明員(前谷重夫君) お答え申上げますが、河野さんも御承知のように、この農業内部におきまする米の集荷については、それぞれ各段階におきまする役割があるわけです。我々といたしましては、系統農協全体を通じて集荷が円滑に行くようにということで考えておるわけでございます。従来ともに一俵につきまして手数料をきめて参りまして、その配分につきましては、系統農協の間におきまする協議と、これは御承知のように全国段階と府県段階とは、それぞれ役員の会なり、理事会によつて協議されるわけです。又府県段階においては単位の組合と連合会との間でそれぞれ協議しておるのであります。まあ物によりますと、いわゆる無条件委託ですね、無条件委託については一定の中心があるように聞いております。我々といたしましては、そういう活動の中心が単協でございますので、勿論単協が中心になつているということには考えておりますが、結局御承知のように、これはいろいろその手数料につきましては、ずつとと申しますか、建前が全体を通じて実費的な考え方でありまして、それをどういうふうにそれぞれの役割に応じて配分するかということは、系統農協団体の自主性に待ち、善意の良識によつて配分して頂くということに考えておるわけであります。御指摘の点につきましては、確かに責任の度に比較してその配分率が違つて参つております。そういう点を承知いたしておりますが、これは飽くまで一つ供出系統機関内部の問題といたしまして考えておるのであります。勿論我々としては、その点について非常に不当な状態が起るということになりますると、注意をいたさなければなりませんか、お互い系統内部において相談ずくでやつておるということで、お互いに納得ずくでそういう方針が行われたならば、それを認めて行く建前にたるのではないかということ、こういうふうに考えておつたわけでございます。
○河野謙三君 そうしますと、長官は今私が具体的に申上げましたような、国が倍、県が倍、単協が一・三六倍、こういう比率に現在行われておりますけれども、これは、長官は適正なる手数料の配分だと、こういうふうに思つておられますか、これが不適正だと仮に見解があつても、なお且つ自主性によつて一切決定されることについて異議は申立てない、こういうことですか。
○説明員(前谷重夫君) つまり適正、不適正というふうな考えにつきましての御質疑だろうと思うのですが、私たちとしても適正不適正というものを何によつて区分するか、これはいろいろ見方があると思うのです。絶対額といたしましての比率は、今の河野さんのお話になつたような比率になつております。が、絶対額はやはり全国段階、府県段階、単位段階というふうにだんだんに多くなつております。これは当然なことと思いますが、この適正、不適正という問題を何から判断するかということは非常にむずかしいことであるし、又系統内部といたしまして、これは良識ある形においてそれぞれ協議されたというふうに聞いておりますので、それに対して更に我々が一定の基準からそれはいかんということも非常にむずかしいのではないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
○河野謙三君 私はあなたのほうには、農林省としての角度から、これが適正だというあれがあると思うのです。ただ掴みで四十円が出るわけはない。集荷の事務を追つて、農家の庭先から始まつてあなたのほうの手に米が入るまでの段階を追つて、要するに集荷費の試算をされるわけです。試算をされて初めて出るわけです。その試算によつて、末端の段階は幾ら、県の段階は幾ら、全販連の段階は幾ら、その三段階を集計すれば大体今年は四十円だろうということで初めて四十円というものは出ておる。従つてあなたの試算によつて出たところのものが、即ちあなたのほうの角度から見たところの適正なる手数料の分配ということになる。それを、多少のことはいいですよ、併しあなたのお持ちになつておるいわゆる試算によつて出たところの適正なる手数料の分配というものと、現在自主性の名においてやつておるところの全販連が系統機関に分けておる、この今私が申上げた手数料と余り開きがあつても、これは農林省は、食糧庁は一切口を出さないと、こういうことなんですか。これは単に米の集荷の手数料の問題ばかりではなく、これは私は特にあとで経済局長にも聞きたいのだが、そういう思想の上に立つて農協の指導が一切中央重点主義に行われておるということろに今日の農協の萎靡衰退の原因があるのですよ。私はついでに伺いますが、経済局長は食糧庁の言つておられるようなことでいいのですか。あなたは現在の農協を指導されておつて、監査をもつと厳重にしなければいかん、このままでは農協はどこへ行くかわからんということを痛感されておると思う。民主主義の名において、一時非常に自主性を高めるというような意味において、あなたのほうの監督の指導の権限というものが薄くなつておると思う。その結果今日まで農協が堕落した、腐敗したということを経済局長は非常に歎いておられる。併しあなたの与えられた権限の範囲内においても、私はもう少し強固な指導なり監督をしなければならんと思うのです。その一つの例は米の手数料の問題なんですが、私は四十円と食糧庁のほうできめられる場合に、これは経済局のほうできめるのですか、それとも食糧庁だけできめるのですか集荷手数料をきめる場合に経済局と食糧庁の関係はどうなつているのですか、これを伺いたい。
○説明員(前谷重夫君) 集荷手数料につきましては、我々といたしましても、従来の実績を基にいたしまして、その後の物価の値上りとか、こういうものを検討いたしまして算定いたすわけでございまして、細かいデーターは食糧庁で算定いたすわけでございます。
○河野謙三君 私はこの機会に、今度の農産物価格安定法によるあれについてのいろいろ買取の問題がありますが、これについても例えば澱粉なり、切干、なり、「なたね」、こういう場合に食糧庁がどういう手数料を考えたか、又その手数料は各系統機関でどういうように分けるのであるか、これを一つ食糧庁なり、経済局から一応あとで資料をもらいたいと思う。それから私が今お尋ねしたことについて経済局長は、四十円の手数料が私が今申上げたように分けられておつて、そういうような考え方で農協というものはいいものですか、どうですか。どこまでも自主性に任せると、こういうことで、それがどういうふうに分けられようが、あなたたちが考えておられる角度と全く違つた分け方で分けられようが、それは農協内部の問題であつて、政府が立入るべき問題ではないと、こういうお考えですか、これを伺いたいと思います。
○説明員(小倉武一君) 集荷手数料或いは農産物価格安定法のこともございますし、或いは農業倉庫料の問題、そういうふうにまあ協同組合の経営に非常に重要な影響を与えるような事項につきましては、随時食糧庁との間では経済局としての意見を申上げることにしております。場合によつては材料も我々で知り得るものについては提供いたしまして意見を開陳すると、こういうふうになつておるのであります。勿論主たる作業は、これは食糧庁がおやりになるのでございますが、その間にやはり私どもとしての意見は随時お話をすると、それを参考にして御決定願うということになつております。只今お尋ねの四十円の中身について妥当かどうかということにつきまして、実は私只今申上げる材料は持ちませんのでございますが、全体といたしまして農協の手数料がきまり、その範囲内において各段階において相談をしてきめるということは、建前として私それがいけないということはないと思います。ただその結果どうも役所が考えておつたことと非常に違つておりはしないかといつたような事実がございますれば、それは全販連なり或いは県の経済部といつたような向きにお話をして、適宜な措置をとつて頂くというようなことも、私どもとしてはこれはやりたいと、只今本件につきまして、そういう事項に該当するかどうかよく私どもといたしましての検討も一つ加えさせて頂きたいと、かように考えております。
○河野謙三君 私はこの際あえて申しますが、どうしてもこの手数料の分配の問題というものは不合理でありますから、改めて食糧庁長官と将来十分御協議の結果、これを系統機関に再考を促すという措置をとつて頂くことを私は強く要求いたします。どうも世間は……、これはざつくばらんに言いますよ。世間は、全販連の会長は石井英之助さんになつたので、石井さんの顔で全販連の手数料が殖えておるというふうに簡単に結論を出しますよ。私は石井さんという人を尊敬しておりますよ。頭も非常によいし、又どつちかというと潔癖な人でありますし、そういうことを私自身は知つておるだけに否定したい立場でありますけれども、これはたまたま知つておるからのことであつて、知らない人は、たまたま石井さんが会長になつたら農林省は顔によつてどうにでもなるのだと、これは如何に誤解であつても、全国の農村に誤解だ、誤解だと言つて歩くことはできませんよ。誤解だということは、誤解の起らないようにすることが要するに役所の建前でなければいかんと思う。これはあなたの先輩の石井さんの立場も考えてやらなければいかんと思う。事実ならば、不届き千万であり、そうでなければそうでないで、あなたの先輩を傷つけるものですよ。これは百人が百人……、私だけの意見ではありませんよ。ここにおられる委員の人も、皆そういう分け方は不合理だと思うのです。米の集荷は誰がやるか、九割五分まで単協がやるのですよ。全販が何をやつておるか、或いは県販が何をやつておるか、単なる簡単な事務だけじやないですか。単なる金の操作をやることによつて金利の稼ぎはできるかも知れませんよ。これはおよそ米の集荷の実務を知つている人から見れば、こういうばかな手数料の分け方はありませんよ。これは小倉さんのほうの関係ですけれども、農協の再建というものは、上のほうの全販なり県の段階だけを、中央の段階だけを二年か三年に一遍ずつ赤字補填救済融資をやつておる。幾ら上のほうをやつたつて駄目です。これはできもののかさぶたのようなものです。幾らむしつたつてできやしませんよ。血液をきれいにしなければ農協の再建はできません。農協の再建というものは、一番末端の単協の建直しというものができなければ、農協というものの建直しは絶対できない。血液の循環をよくしなければならないのと同じなんですよ。それをできもののかさぶたをむしるように、全販なり県販なり、そういうところばかり心配しておる。だからいつまでたつても同じことを繰込しておる。これは前谷さんだつて農協を知らないことはないと思う。農協の再建ということは末端の単協の監督を厳重にするがよい。同時に保護を大いにするがよい。そこから出発しなければ何度やつても駄目なんですよ。私はそういう意味合において、これは単なる米の集荷だけの問題ではない。あらゆる農協の指導の方針が、農林省初め又農協の中央段階の方針が、常に我がまま勝手に、上に厚く下に薄いようなことをやつておるから駄目なんで、こういう意味合から、私は事は重大であつて、単なる米の手数料の問題ではない。そういう意味において米の手数料の問題を特に重視し、これに対して御再考を促したいと、かように思うのです。同時に今あなたがおつしやつたように、とにかく自主的に一切やつてもらつて、私どもは口を出さないと、これは非常にいいようでありますけれども、これは私は余りよくないと思う。それとも今後相変らず一切農協のことは自主的に任せるというのですか。これは事と次第によつてはやはりあなたのほうでは、余り間違つたことをすれば直せと言うのが当り前だと思う。この間も総務部長に言つたのだが、今度の手数料も間違つておつたら直す、県なり中央段階から単協にリヴエツトするというような措置をとつたらよいと思う。世間が納得しませんよ。去年よりも米の集荷料が三割も減つておるにかかわらず、ところが集荷手数料だけは去年よりか絶対額は全販は多いなんということは、これはあなたのほうのデーターです。これは一つくどいようでありますけれども、私はこれはなかなか真剣ですよ。この問題は引きませんよ。私は経済局長にもう一遍農協の指導について、この際どういうふうにしたら農協は真に再建されるか、私は末端からしなければならんと思うが、あなたは又お考えがあると思うが、農協の再建について食糧の問題を離れて私はあなたの御意見を伺いたい。それからもう一つ伺いたいのは、あなたのほうで監督をやつておられるのであるが、これは中央段階の全販なり、県販の役員の報酬というものは、あなたのほうで許可ですか、認可ですか、こういうことになつておるのではないかと思うのですが、これは中金だけですか、農林省の許可とか、認可になつておるのは……。私は全然知らんのですがそこで私は中央のことも説明してもらいたいのたが、県の段階の役員報酬についてあなたのほうは調査はしておられますか。こういうことを伺うのは、私はこういう問題があるのです。どこの県でも共通な問題ですが、各県の信連の役員というものは、多きは十万円、少くても五万円くらいとつておるはずです。例えば信連の会長等は……。私はそれが多いと言うのではない。然るに事業連のほうなり、指導連のほうは、殆んど無報酬なり、二、三万円によつて役員報酬が賄われておる、その代表打が……。そういう形になつておる。こういうことは、これは農林省は調査されておるかどうか。私がこういうことを伺うのも、信連、販連、指導連、全購連、すべての農業団体が一体となつて待遇その他に足並みを揃えて行くということでなければ私はいかんと思う。これもそれは皆経理が違うのであるから、それぞれ経理内容によつて、信連がよければ信連が余計給与を払うのは当り前だ、経済連が経営が悪ければ報酬が悪いのは当り前だと、こういう農林省はお考えですか、これを一つ伺いたい。
○説明員(小倉武一君) 農協の整備強化につきましての根本方針につきましては、これは私どもの筋といたしましては、御指摘のように、末端の単位組合の整備ということが先ず最も重要問題である、これは実際問題として、或いは理窟の上から言つてさようなことであるというように考えてすおります。又現在整備促進法によりまして、県の連合会につきまして特別措置をやつておりますのも、再建整備の途中におきまして成果を見ました場合に、連合会につきまして、更に一段と活を入れたほうが、単協、更に信連といつたような関係団体についての整備の促進についても一段の役割を果し得るのではないかと、こういう考え方に出ておるのであります。それから団体の給与についてのお尋ねでございまするが、これはもう御承知の通り、中金につきましては農林省と大蔵省が監督と申しまするか、やつておりまするが、協同組合等につきましては、全国団体につきましても、給与等について特段の監督はございません。ただ一般の指導権と申しまするか、一般の監督権に基いていたすことは、これはできないことは勿論ございません。そういう意味で、例えば検査等を通じまして、非常勤の役員がむやみな報酬をもらつておるとかいうことでありまするとか、或いは総会の承認を得ないでボーナスをもらうとかいつたようなことをやつておる向きについては、その都度警告をし、注意をする。経済連等の県の段階の連合会等につきましては年に一回検査をしておりますから、大体そういうことを通じまして監督と申しますか、指導をいたしておる。中金のように、制度といたしまして必ず給与を上げ下げをする場合に認可を受けろと、こういうことではございません。
○河野謙三君 その県の段階で調査をされた結果、非常に不当なる経理をしておる実例というものは非常に多いのではないかと思いますが、それは一々具体的に伺わなくてもいいのですが、大体監査の結果各県共あなたのほうでやや満足するようになつておりますか。私はその逆であつて、殆んどあなたのほうで監査された場合には、各県の段階において非常に手続仙上不備なものが多いのではないかと、こう思うのですが、そこで私はむしろこの機会に、農協の監督指導については、若し法が不備であるなら、もつと法令を改正して、監督についてあなたのほうが積極的に監督できるようなことさえもしなければいけないのではないか。それもこれも現在の段階では、私が知つておる限りでは、私は非常に農協というものは不備なものが多いのじやないかと思うのです。あなたのほうの検査の結果、あなたの言われるのは一部のものであつて、全国的に言えば非常にうまく行つておると言うなら、何もその点は監督を強化する必要もありませんが、その点はどうですか。
○説明員(小倉武一君) 監査を通じての極く概略な、監査と申しますると語弊がございますが、そういうことを通じてお話を申上げますると、只今の権限といたしましては、役所の指導力でやつておりまするところは、一つは総会の承認を得なくて報酬を出しておる、これについては形式上の不備でございますが、この点については警告もし、或いは場合によつては解散させるということもやつております。それからもう一つは、非常勤の職員が常勤的な報酬をもらつておる、こういうことについては警告を発する。別にこれについて法律上それをしてはいけないという、又とめるという権限はありませんが、警告をするという程度であります。概略申しますと、先ほど御指摘がございましたように、信連と他の経済連とでは職員の給与も役員の給与も相当の開きがあるというのが全国共通の実情であります。それがいいかどうか、それを直すということについては非常に私はむずかしい問題だろうと思います。それでは信連も他の地方銀行等に比べてどうか、或いは地方銀行に比べることが妥当かどうかというような問題にもなると思いますので、妥当かどうかという判断は非常にむずかしいと思いますけれども、経済連と信連と比べて役員の給与に相当の開きがあるということは事実であります。
○松浦定義君 長官に私ちよつとお伺いいたしたいのです。これは毎回お伺いするので、ちよつとこちらも気疲れしたようなことになつているのですが、澱粉の買上げですが、私どもはここでなぜ買つてくれんとか、買つてもらいたいとか、そういうことを言うつもりはないのです。時期も相当経過しておりますので、現在生産者団体或いは業者のほうから政府に対して買入の要求があるのかないのか、或いは若しあるとするならば、どういう理由によつてその実現ができないのか、こういう点について一つお伺いいたしたい。それは私どもはいずれ今度帰りますると、一応私どもは一生生産者の立場から、それらの我々が指示しておる生産者団体のとつておるあり方について追及しなければならん。そういう立場におかれるような場合がありますので、こういう点を何も我々だけの責任だというふうに指摘される必要がないと思いまするので、この際そういう立場からはつきりして頂きたい。でありますから、現在の事情、どういうわけで買えないのか、或いは又要求があるのかないのかという点について詳細な御説明を願いたいと思います。
○説明員(前谷重夫君) 農産物価格安定法に基きまする買上は、先ず系統生産者団体が自主調整をやりまして、その自主調整計画の中で政府に対する売却見込というものを立てるわけでございます。現在生産者団体は目下各府県と協議いたしまして、実施計画を立てております。ただこれは御承知のように、我々といたしましても澱粉の場合におきまして、馬鈴薯澱粉と甘藷澱粉とが二つあるわけでございます。甘藷澱粉と馬鈴薯澱粉とは出廻り時期等も違つておるわけでございます。この前もいろいろ当委員会におきまして御注意がありましたので、早速生産者団体にその点について注意をいたしたわけでございます。生産者団体といたしましては、馬鈴薯澱粉と甘藷澱粉とを総括的に計画を立てたいという目的のために、甘藷の澱粉のほうの見通しがまだ立たないために遅れておつたようであります。従いまして、これを分けまして、馬鈴薯澱粉につきましては、差当り生産者団体において買上を行いまして、そうしてそれの融資をするように手配をいたしております。大体数値は馬鈴薯澱粉につきましては今計画を立てて、地方団体と資金の斡旋をいたしておりますが、もう具体的に運んで参つておる。これは年内、それからその後等を併せましてやつておりますが、差当り年内において早急に手を打つようにということを生産者団体に対しまして注意いたしたわけでございまして、その手筈になつておるというふうに考えております。
○松浦定義君 大変結構なことだと思うのですが、大体そこまで話が進んでおるとするならば、大体におきまする数量等がおわかりになると思うのですが、その数量は生産者団体の要求はともかくとして、予算上から行ける政府の買上げられる限度というものはどの程度であるか、その点を伺いたい。
○説明員(前谷重夫君) お答え申上げます。この前の安定法の審議のときにも申上げたわけですが、昨年度の安定法に基かない状態を振返つてみますると、予算がきまりまして、四月以降に政府が買上げるということになりますると、生産者団体の自由調整というようなものが、実際上は売る期間がないためにうまく行かない。従いまして予算の建前といたしましては、大体本年度の予算におきましては、実は昨年の澱粉で全部使つたわけでございます。で、本年の三月までの間に生産者団体による自主調整によりまして、生産者団体が買入を行うという形にいたしまして、四月以降において政府がそれに対して一定数量を買上げるという形で進んで参つておるわけでございます。で、具体的な数量につきましては、二十九会計年度におきまする予算の折衝ということになるわけでございまして、それまでにおきましては系統団体に対する資金の斡旋という形におきまして自主調整計画を進めて行きたい、その後におきまして、極端に申しまするとだんだん売つて参りまして、一定の数量の残る見込が立ちます場合に、それを政府が肩替りして参るというふうな形になるわけでございます。併し法律の建前から行きますと、自主調整計画を政府に提出しまして、その承認を受けることになつておるわけでございます。
○松浦定義君 どうも根本的に、この法律が経過するときにもいろいろ問題があつたのですが、通過した後におきまして、今日なおそういうような経過しか辿り得ないというのは、やはりこれは議員提出というものに非常にこだわつておるのではないか、こういうふうな点が我々としても非常に問題になると思うのですが、又そういう点は将来の問題として考えるといたしましても、現実の問題、とにかく政府がこれを執行する立場において、その後国会も臨時国会その他通常国会等に入りましても、まだその問題が解決しないというようなことでは、我々議員として、而も農民が要望されるままにこの結論が得られたという立場から非常に迷惑千万な話だと、こう思うのですが、そうしますと、現在政府の考えは、自主調整によつてその程度がまとまり次第、四月以降の二十九年度の予算で以て肩替りをして行く、そうすると、恐らくいろいろの事情から行きまして、四月以降の予算の上においても、この問題に対して、二十八年産の澱粉に対する予算の要求というものは別途に考えて、こういうような問題を処理しようとしての要求をしておられるのかどうか、そうでなしに全体に引つくるめてしまつて、最後になつたら又うやむやになつてしまう、生産者団体が処置した金額に対して何ぼか色を付けるというような程度であるとすると、この価格安定法なるものも本当の骨抜きになつてしまうという虜れがあるのですが、こういう点についてお伺いしたいことと、更に二十七年度の買上によつて予算がないということから行きますと、現在二十七年度産の澱粉がどのくらい残つておるのか、更に又聞くところによりますと、人造米のほうでどんどん最近市販がされておるようでありますが、人造米等の原料としてどのくらい払下をされておるのか、価格の点についても、買上価格と払下価格との差と言いますか、そういう点について一つ御発表願いたいと思います。
○説明員(前谷重夫君) この買上数量の問題につきましては、一定の方式に基きまして、つまり需給状態を考えまして、そうして予定した価格を支持するのには、どの程度の数量が余つておるかというふうな点を考えまして数量をきめて参るわけでございます。来年度の予算におきましては、そういう基礎に基きまして、買入費を計上いたしたいというふうに考えておるわけであります。現在政府は、当初におきまして馬鈴薯澱粉を約三百万貫、それから甘藷澱粉を千七百万貫現在持つているわけでございます。これはまだ処分をいたしておりません。
○松浦定義君 そうしますと、人造米のほうに廻つているというのはどのくらいかという数字はわかりますか。
○説明員(前谷重夫君) お答え申上げますが、政府からは只今申上げたように処分は澱粉としていたしておりません。全部二十七、二十八年産のものは手持ちいたしておるわけであります。
○松浦定義君 そうしますと、人造米の価格からいつて、澱粉はこれ以上買えないといつたような意向がちよつとあつたようでありますが、すると、今作つておられる人造米は全然政府の手を通じないで買取つたものを原料としてやつておるわけで、そうしますと、自由に買取つたもので現在やつておるものに対して、政府がその価格を云々するところの権限があるかどうか、例えば小麦とか砕米というものについて、それを払下げしているから、その権限があると言いましても、大体において五〇%は澱粉であるという立場から、そういうところまで政府が今規制するだけの権限があるかどうかということについて、はつきりしておきたいと思います。
○説明員(前谷重夫君) 人造米の価格の点につきましては、只今松浦委員の御指摘のように、政府としてはコストを下げて、それが安くなることを期待し、又行政指導的には指導して参るつもりでありますが、具体的に価格をこういうふうに決定するとか、或いは支持するという段階ではないわけでございます。それは御指摘のように、その原料なり製造なりが現在は自由の下に置かれておりますが、ただ我々といたしましては、これが普及する場合には、一定の価格の下でなければ普及が困難ではなかろうか、そういう意味におきまして、価格が適正なところに落着くように指導して参るということで、これを価格を支持するとか、公定価格を設けるとかいうような考え方はないわけでございます。澱粉等につきましても市販のものが使われておる状態でございます。我々といたしましても、そういう新らしい用途ができることによりまして、澱粉の販路が拡張して参るということは非常に喜ばしいことでありまして、必ず政府がそこにタッチして、それによつて政府が介在して原料を流すとかいう考え方よりも、むしろその原料が正常な形において取引されて行くということが望ましいと考えておるわけであります。
○松浦定義君 二十七年度産が馬鈴薯澱粉で三百万貫、甘藷澱粉で一千七百万貫も現在手持ちになるということは、その間に相当輸入をされておるのじやないか、こういうふうに考えられておりますし、輸入された面もあると思いますが、そういうものが、二十八年産が現在農家の手持ちに相当なつておつて、政府の価格安定法に基いて最低限度の価格としてこれを買取るという場合に、すでに前年度産がこれだけ残つていることから考えまして、現在のものは政府に買取要求が当然来ると思うのです。如何に需給調整をされましても、政府がこれを持つておる限り、例えばその主たるものが人造米のほうに払下をするということになりますと、市価は当然現状より上るということは考えられない、そういう意味合から、これに対しては将来の問題はとにかくとして、二十七年産が現在残つておるので、二十八年産の生産者の価格に対して支障のあるような輸入はしないというふうなことができるかどうか、こういう点を一つお伺いいたします。
○説明員(前谷重夫君) お答え申上げます。澱粉の輸入の問題につきましては、我々といたしましても、国内の澱粉等で普通の形におきましては澱粉の輸入はないのじやなかろうか、ただ特殊の用途のものにつきまして、優先外貨等におきまして入つて来る場合があるというふうに考えておりまして、不要のものを輸入するという考え方はとつておらないし、又食糧庁といたしましては、この輸入というものをどうこうするということはやつておりません。御指摘の今年度におきまする馬鈴薯の澱粉の価格と政府の払下の問題というものは、御指摘のように今非常に問題があるわけでありまして、我々といたしましては、その運用に当りまして、やはり今年度の澱粉の市価に影響を与えないように、その点は十分調整しなければならない、こういうことで注意して参りたいというふうに考えております。
○河野謙三君 時間が大分遅くなりましたから……。私は実はこの間から食糧庁官の来るのを待つて、細かいことで一つ取つ組んでみようと思つたのですが、どうも時間がありませんから、極く大きな、気になることだけ二、三伺います。最近新聞を見ますと、本年度の予算と絡んで食糧庁管理法の根本的な改正を意図しておるということですが、それに対して何か多少でもあなたがお持ちになつておる構想を伺いたい。これが第一点。第二点は、これ又新聞でちよつと拝見いたしますが、たびたび政府は十五日の現行の配給率は維持するということを言明しておりますけれども、どうも必ずしも今の経済の全体の立場から見て、非常に不経済な外米を百六十万トンも百七十万トンも輸入することによつて、それでもなお且つ十五日をどうしても維持しなければならんかということについて非常に疑問が起きて来た、これは場合によると、政府のしばしばの言明でありますけれども、これを十三日なり、十二日なりに減らしてもいいじやないかというような意見が政府の内部にもあるやに聞いておりますが、そういう決定は勿論していないけれども、そういう議論が政府の一角にありまするか、それを伺いたいと思います。それから若し十五日をどうしても維持して行くためには、あなたのほうで出されておる需給推算であるところの百六十万トンの外米は絶対に輸入しなくちやいかん、この輸入をでき得る見通しが立つておりましようか。単なる買付じやなくて、これが完全に船に乗り、又船から陸揚げされ、そうして各消費地にスムースに、これからの一カ年間届け得るだけの一切の見通しが付いておるかどうか、私はなぜこれを伺うかというと、百六十万トンの外米と、小麦の二百万トン、それから大麦、裸の八十万トンですか、これを入れますと大体四百四十万トンになりますね、四百四十万トンというものをこの一カ年開に入れるということは、これは年間作業として先ず一番大きな問題は輸送問題です。これは毎日々々を平均に輸入して行くという形でなければいかんと思う。それが第一四半期は非常に少かつた、第二四半期も思うように行かなかつた、第三四半期に行つて大急ぎで追いかけて行かねばならん、こういうようなことはできるわけはない。そういう意味でこの間あなたのほうから、現在までの輸入の実績並びに現在きまつております確実な船名その他一切具体化しておりますもの、こういうものを聞いてみますと、必ずしも年間を通じての輸入量が今のところ順調に滑り出していないですね、これは非常にあとのほうにしわ寄せされるというような危険が私は多分にあると思うのです、そういうことは単に輸入の手続はできておつても、輸送、配給の面において私はこれが不可能ということになると思うのです。こういう点についてどういうふうなお見通しを持つておられるか。それからもう一つは、やや細かくなるかも知れませんけれども、かねて伺いました凶作係数のプラス・アルフア、これは計算方式又はそれに従つて出て来る金額等はまだ小委員会で何か検討中だそうでありますが、この数字は別として、いずれにしてもプラス・アルフアを政府は出す決意でおられるかどうか、これはしばしば出すと言つておられますけれども、どうもこの間あたりの米価審議会などの空気を見ますと、どうも政府が少し頬被りでずるをきめようというふうに思えるやのふしがありますので、そういう食言はされないと思いますけれども、もう一度念のためプラス・アルフアは金額の如何にかかわらず、これは計算の方式がきまつたならば、その計算方式に乗せてこれを出される御意思があるかどうか、その出される意思があるならば、それの予算の裏付けは一体どういうふうにしてされるか、これを一つ伺いたいと思います。
○説明員(前谷重夫君) 食糧管理制度の改正について考えておるか。これは河野さんも御承知のように、先般の国会におきまして食糧政策についての確立のために再検討をするようにというふうなお話しがございまして、政府からも副総理がその点についてお答えをいたしたわけであります。それで我々といたしましては、これにつきまして今後、どういうふうな形で改正すべきかということを検討いたしたいと思う次第でありますが、御承知のように非常に本問題はむずかしい問題でございまして、我々としては早急に結論が付き得ないのじやないか、慎重に十分検討しなくちやいけないんじやないかというふうに考えておるわけでございます。それから第二点の配給率の問題につきましては、我々食糧を担当いたしておりまするものから見ますると、これはすべての国民生活の基本的な要素として、是非一つこの配給日数は維持して参りたいというふうに考えておるわけでございます。ただ一面、只今も御指摘のように、国民経済全体として外米の輸入量が人口増加に伴いましてだんだんに増加して行くという傾向が、果して国民経済の自立というふうな立場からいたしまして、そのままでいいのか、更にこれを改善する点がないかというふうな点は、議論も一部にあることもこれは事実でございます。主として財政当局の方面におきましては、財政の建前、それから為替の面からは為替の国際収支の将来の見通しからして、従来の通りでいいのかどうかということについて再検討すべきではなかろうかというふうな意見が出ております。併しこの点につきましては、まだ具体的にその面について話合つたことはございませんが、そういう意見があるということだけは聞いております。それから本年度におきまする外米の百六十万トンの輸入でございますが、これは河野さんの御指摘のように非常に簡単には行きません。と申しますのは、我々としましては、人手の面におきましては、国外からの百六十万トンの人手は可能だ、外貨の問題につきましては、更に今後の外貨収支の問題でございますが、大体三月までの外貨予算におきまして或る程度のものを見ておるわけでございます。更に四—九月の問題につきまして、これを折衝して参りたいというふうに考えておるわけでございますが、特に御指摘の輸送等の面につきましては、米の出廻りが大体一月以、降上半期に片寄つて参ります。これは事実でございまして、そのために或る程度フリー・ベースの形でできるだけ買付を早目にいたしまして、フリー・ベースを相当持越すことによりましてその点を調整して参るというふうな操作はいたしておりまするが、物の流れといたしましては、お話のような点があると思うのです。ただ本年度の状態から行きますると、米の操作の面から行きますると、大部分が消費県になつておりまして、従来のように表日本だけで以つてさばいて行くとか、或いは表日本でも特別のところでさばいて行くということでなく、これは相当広く範囲を拡大して参らなければ、又事実上操作の面から言つても、経費の面から言つても必要でございます。船の廻漕その他によりまして凌ぎ得るのではなかろうかというふうに考えておるわけでございますが、御指摘のような具体的の問題につきましては、大体月別に配船計画と、それから入船見込を立てておるわけでございます。
○河野謙三君 ちよつと最後に伺いたいのは、外米の輸入計画はまあ立つておるのですが、これを見込計画よりも繰上げてやるくらいの心持でなければいかんと思いますが、そこで私はちよつと考えるのは、香港経由の外米輸入ということはなぜおやりにならんのか、これは相当何か私聞きますると、あすこにはいわゆる華僑がおつて、相当あすこで米の取引が活溌に行われておるように聞いておりますが、こういう径路を通しての外米の輸入というものは、やつておられないのですか。これはもうやつていないとすれば、どうしてあれはやらないのか、高いからやらないのですか、それとも何か外外交上の問題ですか、それとも現在まで買付けておる米の輸出国とのいろいろの問題ですか。私はあらゆる手段を講じて早く繰上げて輸入しておかなければならん。仮に政府はあなたが意図しておられるように、十五日の配船を絶対に維持するということであるならば、私はよほどの手を打たなければ、私は全国津々浦々まで米の配給に事欠かないようにやるということはなかなか至難だと思う。そういう意味合から、今年は香港あたりの取引というものを私は成る程度使つたらいいのじやないかと思うのですが、それもこれも将来の米の配給を心配するが故にちよつと私は考えるのですが、そういう点については一体どうでありますか。それから御答弁のなかつたのが、例の凶作係数の問題について御答弁がなかつたのであります。
○説明員(前谷重夫君) 申し落しましたが、凶作係数の問題は、小委員会におきまして算定方式をお願いいたしておるわけでございます。算定方式はこれは一つの今年度限りの算定方式ではなく、現在の米価のパリテイ米価を基礎にした場合の米価の立て方の下におきまして、そうしてどういう算定方式をしたら最も妥当なものたり得るだろうか、こういう点からいたしまして御審議を願つております。併しその点はいろいろ意見がございまして、まだ結論には達していないわけでございますが、私たちといたしましては、この算定方式に従つて実収高を見て決定いたしたい。この算定方式が決定いたしますれば、そういうふうに運んで参りたいということに考えておるわけでございます。ただその後におきまする財政措置の問題でございまするが、これは大蔵当局とまだ十分に打合せをしておりませんけれども、我々といたしましては食管特別会計には予備費がございますから、これによつてやつて行けるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございますが、その点についてまだ具体的な数字が出ませんために、財政当局との打合せという段階には至つておりません。それから香港の問題でございますが、香港は実は大体香港から出ますコースといたしましては、多くの場合にはタイ米と仏印米、それから場合によりますと台湾米というのがそのソースと思いますが、現在タイとの間におきましては通商協定がございます。それからもう一つは、ビルマにいたしましても、台湾にいたしましても、通商協定の下におきまして数量、価格をきめておるわけでございます。それで各国共にそれぞれ輸出価格というものは決定いたしておりまする関係上、特にGGなんかの場合にはその点が安くなつておるわけでございます。香港の場合におきましては、これは恐らくどこかの国からの行先変更をしたものを手に入れるか、或いはフリー・クオーターの形でほかの国に向けるものを手に入れるかという形になると思います。フリー・クオーターの場合におきましては相当GGベースよりも高い。我我はタイに対しましてはGGベース、フリー・クオーターだけをとるということは考えておりません。やはりフリー・クオーターをとる場合には、それの見返りとしてGGを幾らよこすかという、GGとの振合いにおいて数量をきめて参つております。単にフリー・クオーターだけをとつて参るということは価格の面において非常に損失だと考えておるわけでございまして、通商面は勿論、輸出の面との関係もございますが、大体において国のソースがきまつておりまして、その国と直接とるほうがどうしても安くとれるんじやないかというような考え方から、それぞれの輸出国と直接にやるほうがいいという形で進めて参つておりますので、御注意の本年度において配船操作をする面におきまして、できるだけ早く外米を獲得しておくということは我々も非常に同感だと思いまして、御注意の点は十分注意いたしたいと思います。
○河野謙三君 ちよつと一言だけ……。今の凶作係数の加算の分ですが、加算をする、それははつきりしているのですが、その財政的な裏付けについては食管の予備金のお話がございましたが、これはプラス・アルフアーされたものは食管はどこまでも予備金の中で賄う、若しそれが大きな数字が出て、若し現在の数字で賄えない場合には食管の赤字において賄うということで、一般予算の負担ではやらないということですか、それとも、従つて今後の消費者米価はどのような凶作係数プラス・アルフアーが出ようと、消費者価格には何ら関係を持たない、こういう御方針ですか。
○説明員(前谷重夫君) 只今も申上げましたように、具体的数学が出て参つておりませんので、私たちといたしましては、予備費の中で出し得るというふうに考えておりますが、具体的数字が出て参りますと、これは当然財政当局と話合をし、協議をいたしまして、政府が決定いたさなければならないと存じまして、その後の処理等につきましては、まだ決定いたしておらないのが実態でございます。
○河野謙三君 そうする、殊によると消費者米価に加算されるということになるかも知れないというのですか、それとも全く白紙だと、こういうのです
○説明員(前谷重夫君) その点は全く白紙でございます。ただ我々といたしましては、消費者米価の問題につきましては、又別個の見地から検討しなければいかんという問題があるわけでございます。
○委員長(片柳眞吉君) お諮りをいたしますが、実は大蔵大臣と五時に約束しておりますので、そこでお手許に二十八米穀年度の米穀の需給実績、それから明二十九米穀年度の需給推算が出ておりまするが、極めて早急の間であつた関係もありましようが、片や石建、片やトン建にもなつておりますし、これをもう少し整理をして頂きまして、石とトンとに分けまして、なおできるだけ、例えば買入数量が幾らだとか、新米の買入が幾らだとか、或いは加工用の用途等を、そういうものをできるだけ一つ説明事項を書いて、この休会中にお手許に届くようなことで一つ御了解を願いたいと思います。さように取計らいをいたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十四分散会