内閣委員会 第50号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1954/06/03
会議録
○委員長(小酒井義男君) それでは只今より内閣委員会を開会いたします。 総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 先ず政府より提案理由の説明を受けます。
○政府委員(江口見登留君) 只今議題となりました総理府設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。 この改正法律案は、従来総理府本府の附属機関として設置されておりました国立世論調査所を廃止いたしまして、世論調査に関する事務は、総理府本府の大臣官房の所掌事務といたしますことと、在外財産問題の処理に関する基本的事項を審議するため、昨年閣議決定によつて内閣に設けました在外財産問題調査会を改めまして、法律による総理府本府の附属機関として在外財産問題審議会を設けることの二点がその主なる改正の理由でありまして、その内容の要点は次の通りであります。 第一の点の国立世論調査所の廃止でありますが、国立世論調査所は、昭和二十四年設立せられまして以来、世論に基く政策の樹立及び行政の運営に資する目的で、各種の世論の調査を実施いたしまして、行政の民主化に多くの貢献をいたして参つたのでありますが、この間、我が国における調査技術も種々研究を重ねまして、すでに長足の進歩を見るに至つております。ここにおきまして政府は一面行政機構簡素化のことも考え、又今後行政の企画運営に資するための一層適切且つ活撥な調査をいたしますために、一般的な調査の実施面は民間機関を活用することといたし、調査の企画立案その他に関する事項は総理府本府の大臣官房の所掌といたしますことが最も適切な方法と考え、国立世論調査所はこれを廃止することといたしたものであります。 第二の点は、在外財産問題審議会の設置についてでありますが、在外財産問題の処理は極めて重要な問題でありまして、政府は、昨年十一月取りあえず学識経験者を以て構成する在外財産問題調査会を閣議決定により内閣に設置し、この問題の調査審議をいたして参つたのであります。すでにその一部につきましては調査会より答申があり、現にその答申の趣旨に基いた措置を別途とつているところであります。併しながらこの問題の重要さと複雑さとから考えまして、その最終的答申を得るまでにはなお相当の時日を要することと思われますので、この際法律に基く審議会とすることが適当であると考え、ここに総理府本府の附属機関として在外財産問題審議会を設けることといたしたのであります。なおこれに関連しまして、「帰還者の在外資産に関する事項」は、当然本審議会において調査審議することになりますので、従来これが調査審議に当ることになつていた引揚同胞対策審議会の審議事項からこの点を除くことといたしております。 なお、この際、奄美群島の復帰に伴いまして、南方連絡事務局の所掌事務のうちから、同群島に関する事務を削除いたします等、これらに伴う規定の整理をいたしております。 以上がこの法律案の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上速かに御賛同あらんことをお願いいたします。 ―――――――――――――
○委員長(小酒井義男君) 次に恩給法の一部を改正する法律案を議題といたします。 先ず提案理由の説明を受けます。
○政府委員(江口見登留君) 只今議題となりました恩給法の一部を改正する法律案についてその提案理由を御説明申上げます。 政府が、今回、この法律案において、恩給法に改正を加えようとする主なる点は次の諸点でありまして、その第一の点は、公務傷病関係恩給の金額計算及びいわゆる多額所得者の普通恩給の一部停止に関する規定の改正であります。 公務傷病関係恩給は、退職当時の俸給年額によつてその金額又は算出率が定められており、又、多額所得者の普通恩給の一部停止は、普通恩給の年額と恩給外の所得の年額とによつてその停止金額が定められておりますが、これらの年額は、いずれも先般の国家公務員の給与水準引上げ前の俸給金額に基いて定められておりますので、これを現行の給与水準の俸給金額を基礎としたものに改めるために所要の改正を加えようとするものであります。 第二の点は、恩給を受けることができない事由に該当した恩給受給者の届出義務に関する規定の創設であります。 恩給受給者が恩給を受けることのできない事由に該当した場合におきましては、恩給給与規則によつてその旨を届け出なければならないことになつているのでありますが、この届出は、必ずしも十分に励行されないため、とかくいろいろの混乱を生じ、恩給の円滑な給与が妨げられる場合も少くありませんので、この届出義務を法律を以て規定し、その完全な履行を図り、行政上の秩序を維持するための措置を講じようとするものであります。 第三の点は、昭和二十八年法律第百五十五号恩給法の一部を改正する法律附則第二十九条第四項の恩給の停止に関する規定の改正であります。 この第二十九条第四項の規定により恩給を停止される者に留守家族ある場合には、その留守家族の生活の実情に鑑みまして、その恩給停止を受けた者の指定する留守家族がその支給を受けることができることといたそうとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成あらんことをお願い申上げます。
○矢嶋三義君 議事進行。衆議院で本案は修正されておるわけですが、衆議院の修正案の趣旨説明も文書によつて説明を受けられるよう委員長において取計らい願いたいと思います。 ―――――――――――――
○委員長(小酒井義男君) それでは次に元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず政府の説明を受けます。
○政府委員(江口見登留君) 只今、議題となりました元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び要点を説明申上げます。 昨年第十六回国会におきまして、昭和二十一年一月二十八日いわゆる行政分離の日の前日に北緯二十九度以南の南西諸島にあつた官公署の職員で引続き琉球諸島民政府職員となつた者につきましては、恩給、退職手当、死亡賜金に関する法令の規定の適用上、その考えをこれらの法令の適用ある職員として動続したものとみなすという特別措置法が制定せられたのでありますが、今回、行政分離の日の前日におきましてその当時の法令に基いて組織されていた共済組合の組合員たる職員であつた者につきましても、共済組合関係法令のいわゆる長期給付、即ち退職給付、廃疾給付、遺族給付に関する規定の適用上、恩給等の取扱と同様の身分継続を認めたいと存じ、本法律案を提出した次第であります。 次に本法律案の内容の大要を説明申上げます。先づ第一は、いわゆる行政分離の日の前日の昭和二十一年一月二十八日において、官署の職員の共済組合に関する法令に基いて組織された共済組合で、政令で指定する組合の組合員たる職員として在職していた元南西諸島官公署職員が、引続き琉球諸島民政府職員になつた場合には、奄美群島の復帰に伴うたばこ専売法等の適用の暫定措置等に関する政令六十一条の規定の適用を受ける者を除き、これを共済組合に関する法令の規定中長期給付に関する部分の適用上勤続したものとみなし、共済組合の退職給付、廃疾給付又は遺族給付を支給する取扱としたことであります。 第二は、長期給付に関する規定の適用を受ける元南西諸島官公署職員が琉球諸島民政府職員として在職している間は、共済組合の掛金はこれを徴収いたしませんが、その代りに、共済組合の給付の金額につきましては、この改正法施行の日以後の引続き琉球諸島民政府職員として在職する者に対する支給額は、その在職期間に応じて定めた額を差引くことといたしたことであります。 第三は、恩給の場合と同様に、元南西諸島官公署職員で引続き琉球諸島民政府職員となつた者について、その申出により在職のまま共済組合の給付を受け得る途を開いたことであります。 第四は、琉球諸島民政府職員について支給すべき共済組合の給付に要する費用は、原則として国庫が負担する建前といたし、日本専売公社、日本電信電話公社の共済組合が支給する給付に要する費用については、その共済組合の運営規則で定める割合に従い、その団体が分担することとしたことであります。 第五は、共済組合に関する規定を設けたことに伴う字句の修正及び奄美群島の復帰に伴う南西諸島の範囲の改正を行い、又、共済組合の給付に関する所得税につきまして恩給、退職手当の例に準じ、特別措置を講じたことであります。 第六は、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の年金受給者の居住地の制限を改正し、同法の規定による元外地関係共済組合等からの年金受給者で未だ行政権の復帰しない南西諸島の地域内に住所又は居所を有する者に対しましても年金を支給し得るようにいたしたことであります。 以上がこの法律案の概略でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。 ―――――――――――――
○委員長(小酒井義男君) 次に航空技術審議会設置法案を議題といたします。先ず提案の説明を伺います。
○政府委員(江口見登留君) 只今、議題となりました航空技術審議会設置法案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。 終戦によつて我が国の航空機工業は解体せられ、航空に関する研究は禁止されましたが、講和条約発効と共にこれらの制限は消滅し、航空輸送、航空機生産の事業再開のため、航空法及び航空機製造法が公布されましたことは御承知の通りであります。 現在我が国においては航空機の生産及び修理を行う会社が数社あり、その需要は漸次増大しすでに航空機の輸出も見こまれるまでに到つております。 我が国の航空技術は戦前においては欧米に比して、大きな遜色はなかつたと言い得ると思いますが、戦後の長い空白期間に加うるに、海外における著しい航空機の進歩と相待つて、現在においては甚だしい立遅れを来しておるのであります。 政府は、先に海外における航空関係の研究施設を調査するため、航空研究施設調査団を欧米に派遣いたしましたが、その報告によりましても、各国の航空技術は想像できんほどの進歩を来しておることが判明いたしました。 一方我が国における航空技術研究の現状を申上げますと、基礎研究は文部省で、航空機の生産とその指導に必要な研究は通商産業省で、航空保安に必要な研究は運輸省で、又航空機使用に必要な研究は保安庁でそれぞれ推進しつつあり、又民間に対しては研究補助金、研究委託費等を交付して、民間における航空関係の研究、試作の助長をいたしております。 併しながらかかる現状では到底海外における研究の進展に追随することすら不可能であると考えられますので、航空技術を総合的に審議せしめるため、今回、総理府の附属機関として航空技術審議会を設けることといたした次第であります。 次に法案の概要を申上げます。航空技術審議会は内閣総理大臣の諮問に応じて、航空及び航空機に関する理論及び技術の向上に必要な研究に関する重要事項、その他航空技術に関する各省庁行政の連絡調整に必要な事項を審議することを任務とするものでありまして、その審議事項としましては、第二条に掲げてありますが、航空技術に関する重要研究の目標及び方針、研究用重要施設の設置計画、及び将来設置を予想せられる各省庁の共用に供する研究機関の運営方針、並びに航空技術研究に関する関係各省庁の研究事項、経費、補助金、委託費等の連絡調整であります。 これを要するに、今後我が国の航空技術研究の方向を誤らしめず、又研究施設の能率化を図ると共に、各省庁の有機的連繋を図つて、最小の国費を以て最大の効果を発揮せしめるため、航空技術に関する専門的知識を活用せんとするにほかならんのであります。第四条以下においては航空技術審議会の構成を規定いたしております。即ち会長には内閣総理大臣、副会長は国務大臣を以て充て又委員は十五人以内とし、学識経験者及び関係各行政機関の職員により構成されることとなつており、その他専門委員、部会、幹事等必要な規定を設けております。 なおこの審議会の事務は科学技術行政協議会の事務局において処理せしめることになつております。 以上がこの法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上速かに御賛同あらんことをお願いいたします。 ―――――――――――――
○委員長(小酒井義男君) 次に内閣及び総理府関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。先ず政府の説明を聴きます。
○政府委員(江口見登留君) 只今議題となりました内閣及び総理府関係法令の整理に関する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明いたします。 この法律案は、内閣及び総理府関係の法令中自治庁関係の分を除いて、すでにその実効を失つているもの、又は現行の法令として存置する必要性の極めて乏しいものを廃止して、法令の整理を行おうとするものでありまして、この案によつて廃止しようとする法令及びその概要は次の通りであります。 先ず、第一号から第三号までについて申上げます。これは、大礼服、通常礼服、即ち燕尾服及び祭服に関する太政官布告三件でありますが、大礼服は、従来、主として宮中関係の諸儀式の際に用いられて来たものでありまして、すでに皇室令によつて定められていた天皇の御服及び宮内官大礼服制が、新憲法施行と同時に廃止せられておる現在においては、むしろこれを廃止するを相当と考えられるものであります。通常礼服につきましても、又衣冠を祭服とすること等につきましても、これらは必要に応じ慣行として事実上着用するをもつて足りるものと考えます。なお、大礼服及び通常礼服の着用日並びに大礼佩剣は、大礼服、通常礼服の廃止に伴い当然廃止せらるべきものであります。 次に、第四号及び第五号でありますが、これは、大礼服及び軍人、警察官吏等の制服を着用した場合以外に帯刀を禁止した太政官布告と、法律規則中に戦時と規定するは外患又は内乱あるとき別に布告を以て定めることとした太政官布告でありまして、これらはいずれも現在においては実効性を喪失しております。 次に、第七号、第八号、第十号及び第十二号即ち、韓国に在勤する居留民団立在外指定学校職員の退隠料及び遺族扶助料に関する法律外三件の恩給及び扶助料関係の法律は、その内容がいずれも、すでに他の恩給関係の法令によつて引き継ぎ適用せられておる等、自然その存在の意義を失つておるものであります。 次に、第六号即ち内国官憲の管掌に属する事項につき統監の職権に関する法律は、当時の韓国統監の職権に関するものであり、第九号即ち、会計検査官及び行政裁判所高等官の休職に関する法律は、当時一時限り休職を命ずることができる規定であり、又第十三号即ち、震災地の行政庁の権限に関する処分に基く権利利益の存続期間等に関する件は、大正十二年の関東大震火災当時限りの特例を定めたものでありまして、いずれも今日においては実効を失つております。 次に、第十一号及び第十四号即ち、朝鮮における国勢調査に関する法律外一件の国勢調査に関する法律は、当時臨時の必要によりその時に限り国勢調査を施行しないことを定めたものであり、又第十五号の議院法の特例に関する法律は第九十二回議会が第九十一回議会に引き続き召集せられたため、第九十一回議会で議決された法律を、当時の議院法の規定に従つて次の会期までに公布することが不可能となつたのに伴う議院法の特例を定めたものでありまして、いずれも当時の一時限りのもので、すでに存在の必要のないものであります。 次に、第十六号から最後の第二十号まで、即ち、国家公務員に対する臨時年末手当の支給に関する法律外四件の給与に関する法律は、昭和二十四年度の臨時年末手当の支給、昭和二十六年度の年末手当の額の特例、昭和二十七年六月の臨時手当の支給、昭和二十七年十二月の俸給支給方法の臨時特例、昭和二十八年八月の期末手当の支給等について規定したもので、いずれも当時の一時限りの法律で現在においては、すでに用済のものであります。 以上が、この法律案の提案の理由及びこの案による廃止法令の概要であります。何とぞ慎重御審議の上速かに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記をつけて下さい。それでは次に恩給法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院の修正部分に対する説明を衆議院議員高橋等君から説明を求めます。
○衆議院議員(高橋等君) それでは恩給法の一部を改正いたしまする法案の衆議院におきまする修正部分につきまして御説明をさして頂きたいと思います。 この修正の要点は、先ず二つの要素があるのでありまして、一つは、とかく恩給の裁定が遅れがちである、これを非常に早く裁定を終つてもらいたいということは、これは国民のひとしい強い要望でございまするので、できるだけ恩給局におきまする事務を簡素化をいたしまして、それによつて恩給の支払を少しでも促進をいたしたいという点が第一点であります。 第二点は、戦犯として拘禁中に死亡いたしました者に対しまして、これは勿論獄死、刑死を含むのでありますが、これに公務扶助料に相当する金額の扶助料を支給をいたしたい、この二点の修正でございます。 そこで最初に申上げました恩給の支払を促進いたしますための措置といたしましては、恩給局で御存じのように恩給を裁定いたしますときに二つの重大な手続があります。一つは、その死亡の原因が公務死と認定さるべきものであるかどうかという点、それからいま一つは、受給者の身分が恩給を受ける権利があるかないかという身分関係の調査でございます。ところが第一点の戦死が公務であるかどうかという点につきましては、恩給法に先行いたしました戦傷病者戦歿者遺族等援護法によりまして年金及び弔慰金を厚生大臣が裁定をいたしまする際に、その死亡の原因は公務死であるかどうかは厚生省におきまして十分に調査をいたした上、この年金或いは弔慰金の裁定をいたしております。その一つの死因の調査を重ねて恩給局で繰返すことをこの際いたさないで、遺家族援護法によりまする年金、弔慰金の受給者につきましては、これが死因は公務と一応認定をされたものであるから、もうそのまま恩給法上もこれを公務と認定をしてしまいまして、みなしまして、そしてそれによつて恩給の支払促進の一助にこれをいたしたい、この点が改正点の第一点の一であります。 それからなお第一点に申上げました事務簡素化の第二点は、これは傷痍軍人関係でありまして、今年の四月一日から七項症乃至四款症に当りまする人が、新たに傷痍者が傷害年金或いは増加恩給を受けることになりました。そこで過去におきまして、即ちポツダム勅令以前におきましてこの傷痍者が七項症であるとか四款症であるとかすでに裁定を受けた人が多数あるのであります。これらの人で而もそれが有期でなしに無期、一生涯お前は七項症だ、お前は四款症だと、こう過去において裁定をされました者につきまして、再び診断書等を調べまして、傷の程度がどうであるかということを恩給局がやるという手間を省きまして、昔認めました七項症はそのまま七項症として認める、こういう点、この二点が事務簡素化の点でございます。それで戦犯の問題は先ほど申上げました通りであります。 それで条文につきまして一通り御説明を簡単に申上げてみたいと思うのでありますが、この恩給法の一部を改正する法律案の条文の二ページの細かい活字でありますが、この細かい活字の4という公務員の死亡につき云々というこの規定は、遺族等援護法におきまして、戦犯で刑死、獄死をいたしました者には弔慰金及び遺族年金を出すということになつております。そうした方方につきましてこのたびは公務扶助料に相当する金額の扶助料を出すということを規定いたしたのがこの4でございます。 それから次の5の法律第百五十五号云々、これは恩給を受ける権利を失う失権の規定が恩給法にあります。その失権の規定はやはりこうした戦犯の関係に公務扶助料に相当する金額の扶助料を受ける者には準用するのだということを書いてあります。 それからその次の6と言いまするのは、先ほど申上げましたように、すでに戦犯の家族、遺家族は遺族年金或いは弔慰金を受取つております。そこで遺族年金を受取つておりますが、その金額は二万七千六百円という金を受取つておるわけでございまするが、例えば内縁関係の妻あたりで考えてみますると、内縁関係の妻は普通の方は一万円受取るのであります。ほかに恩給を受ける権利がある者がおりまするときに、内縁関係は援護法で一万円受取る。ところがこの戦犯の場合は内縁関係はこれが第一順位者の遺族年金になります関係上二万六千七百円を受取ります。そういうようなことでこの二万六千七百円をもらう内縁関係の人を、この金額を減して一万円にして、ほかに恩給を受取る人が今度この法律の改正で出るのでありますが、そのほうに扶助料をやるということになりますと、既得権を侵害することになります。そういう意味からいたしまして、この公務扶助料を新たにもらう人も、例えば父とか母とかという人になるわけでございますが、内縁関係の場合は、そうした父母にやるところの扶助料から内縁関係として出ておる二万六千七百円から一般のもらう一万円を引いた金額だけは余分に行くことになるから、父母のほうへ出す金からこれを引く、こういう規定を6で入れてあるわけでございます。 それから次のページの最初に4という項目で「旧勅令第六十八号施行の際」云々と、こうありまするのは、先ほど申上げました傷痍軍人の関係でございまして、七項症、四款症であつて、これが終身これを受けるということに過去において、このポツダム政令が施行以前にこうしたことの決定を見ておる者については七項症、四款症というものはそのまま動かさないで、生存の事実を認めればそのまま障害年金を出す、こういう規定でございます。 それからその次の細かい数字で「附則第三十五条の次に次の一条を加え」云々、第三十五条の二と、この規定してございますが、これは先ほど申上げました公務死の死因の調査を恩給局でやらないで、厚生省ですでに援護法によりまして遺族年金又は弔慰金を支給いたしたという者については、その死因は公務死であるとみなすということに書いているわけでございます。但しここの二行目の括孤のところで「(同法同条第二項の規定の適用による場合を除く。)」、こう書いてありまするが、これはこの先般の援護法の改正によりまして従来公務死と認定をされなかつた方でも、軍務に関連をして亡くなつたということになりますと五万円の弔慰金を出すように援護法が修正になつております。そうした方は公務死と認定ができないのだからこれを除く、同じ弔慰金が出ておりましてもそれだけは除くという規定が書いてあるわけでございます。 それから2は、「前項の規定は、旧軍属の遺族について準用する」、これは軍属の関係、それから3は死亡の原因につきまして、恩給局の裁定に対しまして具申をすることができることになつておりましたが、今度恩給局はこれに関与いたさない。その関与しない部分につきましては、一般の具申は恩給局は受付けないのだ、受け付ける限りではない。これは厚生大臣に具申の形でやるのだ。それからページをめくつて頂きまして、一番最後のベージで9というのですが、「附則第二十一項」云云というのは、この法律の施行後死亡した方には遺族年金でなしに扶助料一本で出すぞ、こういう規定であります。 それから10の規定は、先ほど恩給を受ける人からもらつておる年金を差引くと書いてありますので、一方その裏といたしまして、従来遺族年金を受けておる人はやはり年金を受ける権利があるということをここではつきりと書いてあるわけであります。 大体法律の説明は以上で終らして頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(小酒井義男君) それでは暫時休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ―――――・――――― 午後二時五十五分開会
○理事(長島銀藏君) それでは只今より内閣委員会を開会いたします。 本委員会に付託になりました総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○矢嶋三義君 今出席されておる方はどなたですか。
○理事(長島銀藏君) 内閣官房審議室の統轄参事官田上さんであります。
○矢嶋三義君 参事官に伺いますが、補足説明はないのでございますか。
○政府委員(田上辰雄君) 特に補足説明を用意しておりませんが、提案理由の説明がありましたそのほかは、御質問に応じましてお答えいたしたいと思つております。
○矢嶋三義君 国立世論調査所を廃止していますが、これは行政審議会の答申に、総理府の整備再編成というものが答申の中にあり、その中に国立世論調査所も入つておつたわけでありますが、総理府の再編成については他の面では触れることなく、この国立世論調査所だけを取上げてここに廃止された理由がまだ私には納得できません。従来我が国にはこういう世論調査を正確にやつて、そうして政策の樹立或いは行政の運営に資するということは殆んどなかつたわけで、終戦後漸くこの途が開けて、そうしてやや国民にも国立世論調査所の存在というものがわかつて来た、この段階に廃止されるというのは、この提案理由だけでは十分納得できないのですが、重ねて説明を承わりたいと思います。
○政府委員(田上辰雄君) 国立世論調査所が昭和二十四年の六月に設立されまして五年を経過しておるのであります。その間只今矢嶋委員のお話のありました通りに、世論調査が従来我が国に殆んでこの制度が取上げられておらなかつたのでありますが、民主政治が世論を基盤といたすものであり、この世論を調査することが極めて重要でありまする点から、特に先進国でありまする米国等の指導を受けまして、その後五年間相当活躍をいたして参りましたことは、只今矢嶋委員のお話の通りであります。この五年間の活動によりまして、国立世論調査の実績は相当高いものがあるのでありまして、民間におきましても御承知のごとく朝日、読売、毎日、時事通信社を初めといたしまして、全国に現在におきましては二十一の機関ができまして、それぞれ現在におきまして相当めざましい実績を示しておるのであります。これは今日までの国立世論調査所が実際に指導に当りまして、ここまで民間のこうした世論調査機関を指導して来たことは事実でございます。その成果は、アメリカ等の或いは英国等の出逢国の世論調査に比較しまして決して遜色のないところまで到達しておるのでございまして、いわばその点から申しますと、国立世論調査所の使命は一応達せられたということも言えるのでございます。併しながらこれを全然廃止するということはまだそれ自体に一つの大きな御批判を受けなければならんと思いますが、今回のこの改正は国立の世論調査所を廃止はいたしますけれども、世論調査自体は引続きまして内閣の官房において主管をいたしまして続けて行くのでございます。ただ内閣官房におきましては世論調査の企画面、計画面をとり、又一部の調査はいたしまするが、その実施面におきまして、実施業務はこれを民間の適当な世論調査機関に委託をしまして従来通りの実績を挙げて行こうという趣旨なのでございます。 先ほど矢嶋委員のお話のありました通りにこの国立世論調査所の存廃の問題は、行政審議会の答申におきましてもこれを廃止すべきであるという答申も得ておりますし、その後臨時行政改革本部におきましても、又自由党内における行政改革特別委員会の意見によりましても、これを廃止すべきだということが只今申しましたような論拠から出ておるのでございます。先ほど来申上げました通りに、世論調査所は一応これを廃止いたしますけれども、併し世論調査の実体は従来通り存続して行く、そこに行政機構の簡素化という点を考慮せられまして、機構の上ではこれは縮小されますけれども、実体的には従来通りの世論調査を実施して行けるという確信の下にこの改正案が出ておる次第でございます。
○矢嶋三義君 事務的なことを一、二伺いますが、その前に委員長、この法案を審議するのに官房長官どうしてお見えになつていないか、すぐ呼んで下さい。法案審議するのに一事務官を相手に審議してそれで終るということはできません。事務的な面はそれでいいですけれども、只今の世論調査所の廃止につきましても事務当局の方の御所見はそれでわかりました。併しこれはやはり副総理といえば無理でしようけれども、少くとも官房長官くらいはお見えになつて、短時間でも質問に応じてもらわなきやならんですから。
○理事(長島銀藏君) 承知いたしました。只今使いの者を差向けましたからさよう御了承願います。
○木村禧八郎君 事務的なことなんですが、民間機関を活用するということになつていますね。これは具体的にはどういう形で活用するのですか。この活用の仕方ですね、何か委託調査みたいになるのかどうか。 それからもう一つは、国立世論調査所を廃止することによつて、どのくらいの人員が整理されるのか、それから予算の節約なんというものはどの程度のものか。
○政府委員(田上辰雄君) 民間機関に委託をいたすのでございまするが、委託をいたしますについて、今日これを具体的にどこの民間機関に委託をいたすということはきめておりません。ただ世論調査の問題の性質によりまして、最もそれに適当する機関を公正に選びたいという考えでおるのでございます。委託の仕方といたしましては、具体的に実施いたしますについて心要な額をまとめて、この問題についてこういう方針でこれだけの調査の実施をしろということで委託をして行くわけでございます。 なお人員の整理に関しましては、現在五十二名定員になつておりまするが、それが今回の整理によりまして十五名減りまして三十八名になつております。併しこれは二十九年度において更に十五名を減らしまして二十三名が残るという計画になつておるのでございます。この二十三名によりまして世論調査のほうの企画をやつて行くことになつておりまして、その企画が決定いたしましたらその実施部門を委託によつて民間機関にやらせるということになるのでございます。 なお予算のことについてのお尋ねがございましたが、これは二十九年度の予算は約二千万円になつておるのでございます。二千八十九万一千円が国立世論調査所の二十九年度の予算になつております。これはこの総予算で経理をいたすのでございまして、この中に委託費が含まれておるのでございますので、特に今度の世論調査所を廃止することによつて予算上これだけ減るんだということではなく、予算は減らないけれども人員を減らし、無論その人員に伴う予算はそれだけ二十八年度に比べまして減つてはおりまするが、予算上は大体大した変化はないと御了解を頂きたいと思うのでございます。
○木村禧八郎君 先ほどの二十一の全国に世論調査機関ができたといいますけれども、この委託の場合、それぞれの世論調査機関の特色に応じて、一カ所にではなく、その世論調査対象によつて別々に委託しているのですか。それはなぜかというと今お話を聞きますと、予算の節約には殆んどならんというのですね。そういうところにあるのではなく、併し人員は相当減る。それで要するに委託に出すというのですが、それならば今までの機構で私はやはりやつて行くのとどこが違うのか。むしろ今までは統一的にやるから却つていいように思うのですけれども、その点どういうことになつているのですか。
○政府委員(田上辰雄君) 予算が大して変らないと申上げましたが、それは大きく委託費に相当する部分が減るという意味ではなく、先ほど申しましたように、人員の整理がございますので、その関係で今回の場合三百四十五万円の減になつておりますので、これは見方にもよりますが、一応それだけの節約にはなつておるのでございます。 それから委託する民間の機関についてのお話でありますが、これは全国先ほど申しましたように二十一ございますが、いずれもそれぞれ特色がございます。併しその中にはほんの局地的に、全国的に組織を持つておるのではなく、各地方々々だけの機関もそれに入れておるわけでございます。これは理論的に申しますと、そういう機関にそれぞれ適当した問題を小さく小分けして依頼するということもあり得るわけでございまするが、併し只今までの国立世論調査所のいたして来ました世論調査の線から申しますと、大体全国的に亘る調査であると申さなければならんと思います。従つてこれを選択する場合においては、全国的な一つの組織を持つておるとか、相当信用の置ける、今日まで経験も積み、最も適当な機関を選ばなければならないと存ずるのでございます。
○矢嶋三義君 その委託をする民間機関というものはどのくらいございますか。
○政府委員(田上辰雄君) 委託をいたし得る世論調査の民間機関は、今申上げましたような条件に適つたものはそうはないのであります。例えば全国的な組織を持つておりますのは朝日新聞、毎日新聞、読売新聞のようなものもございますし、それから時事通信のごときは相当進んだ世論調査をいたしておるのであります。能力といたしましては、この程度のものが委託の資格があるものではなかろうかと、只今のところでは考えておるのでございます。
○矢嶋三義君 もう一つ事務的な点を伺いますが、従来国立世論調査所からいろいろなパンフレツトを出されておりましたですね、調査の結果を。我々も随分頂いて、見せて頂いたと思うのですが、ああいう。パンフレットもこれから回数は少くなるのじやございませんか。
○政府委員(田上辰雄君) 世論調査をいたしました結果は、公表をいたしておるのでございまして、只今お話のありましたように、パンフレットにいたしまして関係の方面に必要な方面に配付をいたしておるのでございます。この配付の回数は特に減るということはないのでございます。併しながら只今の予算に計上しておりまする計画によりますると、本年度におきまして十一回の世論調査をいたす予定になつておりまするが、二十八年度におきましては十三回になつておりましたので、まあそれによりますと二回減るというふうな計画にはなつておりますが、これは期日も年度初めから少し経過しております事情等もございますので、特に減つて行くのだということにはならないと存ずるのでございます。
○矢嶋三義君 これは副総理に来てもらわんと工合が悪いが、官房副長官に一応伺いますが、世論調査というものは随分大事であり、従つて地方の公共団体にしても各種団体にしても世論調査はいろいろやつております。併しこの世論調書はやり方によつていろいろなものが出て来るのですね。一般的に言つたらレベルは低いのですよ。従つて私は国立世論調査所を今廃止するのは時期が尚早ではないかという見解を持つております。官房副長官に伺いたい点は、一体今まで国立世論調査所で出されたあの結果と、吉田内閣のこの政策とは随分ずれておるのですね、この国立世論調査所の設置の目的にもはつきり書いてあるのですが、その目的通りに吉田内閣の政策面を打出されておるかといえばそうじやないのです。随分食い違つておる場合が多い。従つて私は国立世論調査所なんかというものをこの際縮小しようというような私は魂胆があるのじやないかと考えるのです。最近国会でも公聴会をよくやりますが、国民の間には法案を通過させようと思うと、公聴会で反対意見の多いような法案でなければ国会を通過しない、これまで皮肉つて言われておるわけですね。先般の防衛二法案も、賛成のつもりで自由党さんが推薦したところの岡村前陸軍大学の教授は、賛成のつもりで呼ばれておいて、ここで堂堂と反対をぶたれたわけですが、私は国立世論調査所の廃止によつて、 〔理事長島銀藏君退席、委員長着席〕 予算面からは只今木村委員からの御答弁によつてはつきりするように大して相違はないわけですね。 私は重ねて伺いますが、こういう国立世論調査所を廃すというのは、どこが一番大きな理由になつたのか、それが一点と、それから今まで国立世論調査所のあの結果ですね、これと吉田内閣の政策とは食い違つておるのはどういうわけであつたのか、その点伺いたいと思います。
○政府委員(江口見登留君) 国立世論調査所を廃止いたします理由は、決して世論調査を軽視するというわけではございませんのでありまして、やはりこれも本来ならば民間調査機関がやるほうがより正しいものが出るのは、これは当然のことでございまして、ただ占領下におきまして、そういう民間機関が未だ成熟していませんでしたが故に、その方面の指示もありまして、政府にこういう機関を設けてやつて参つたのでありますが、だんだんそうしております間に、民間団体におきまする調査機関も非常に能力を発揮して来るようになりまして、従いまして特に政府みずからがこういうものを抱えて、或いは政府がその結果を歪めるんではないかというような誤解を受けないように、政府がただ委託して企画するだけで、実際の調査は民間機関にやつてもらうというほうがよりクリアーな感じになるのではないかということが一つであります。 もう一つは、やはり行政機構の簡素化ということが一つの狙いになつたわけでございまして、今申しますように、これを廃止しても何ら世論調査することについて支障がない。而もこれを廃止することによつてかなりの経費が節約になるし、或いは今までこれに従事しておりました職員の数も減じて行けるということがこの主眼点でございます。 それから世論調査の結果がいわゆる政府の何と申しますか、表明しておりまするところと違うような結果が出る場合がしばしばあるのじやないかということでありますが、それは確かにそういう点があろうかと思います。我々世論調査をやります場合には、勿論国立世論調査所としてもいろいろ企画して参りますが、大体は各省からの希望によりまして、どういうことを調査してもらいたいということが来るのであります。各省といたしましてはやはり政策の一部面を担当いたしております部面として、自分らの省でやつております行政が一体どういう結果になつておるだろうかということが非常に知りたい熱意に燃えておるのであります。従いまして各省におきましては、或る方向に行政を行なつて参りまするが、その結果がその通りに行つているかどうかということについて、やはり国立世論調査所に今までは調査を頼んでおつたのであります。ところが各省の考えております方向と世論調査の結果が食い違つた、或いは考えておる方向の線までなかなか達しないというようなときには、やはりその省といたしましてはそれを非常に参考にいたしまして、未だ及ばざるところがあつたかということであつて、今後の行政にその面を生かして是正して行くこいう方向に行つておるのでありまして、必ずしも現実の行政なり各省において表明しておりますところと、世論調査の結果とが合わないことがあつても、これは止むを得ないんじやないか、かように考えておる次第であります。
○木村禧八郎君 只今の御説明で一応はわかつたんですけれども、まだ納得行かない点が二つあるわけです。その一つは、国立世論調査所の場合、これは予算に組んで、妙な世論調査をやれば国会で批判を受けますよ、ですから政府で歪めた世論調査をやるといつても、そんなに歪めた世論調査はできない。それは皆眼を光らかしているんですから。国会に対して責任があるわけですから。ところでそうしますと今の御答弁と少し違うのですよ。君がやるから歪めてやるのじやないかという色眼鏡で見られるから、それをやめて民間に委託する、ところが第二の問題は、民間に委託しておいて、例えば朝日とか毎日とか読売とか時事通信とか、いろいろありますが、併しその調査対象の問題にもよるんです。相当各社によつて違うのです。プロ政府的な社と反政府的な社と非常に違いがある。統計でも、世論調査でも純粋な客観性というのはあり得ないんであつて、どうしても、そこに政治性が加わるわけですよ。それは統計のとり方、調査対象のとり方によつて幾らでもこれは政治的に曲げようと思えば曲げられるんですよ。ですからむしろ私は経費がそんなにかからないのなら、よほど冗費を使つているのなら、経費節減上やる必要があるというならとにかく、やはりまだ早いのではないか。これは見解の違いになるかも知れませんが、我々各省のあれを見ておりますと、やはりニュアンスが違うけれども、そのニュアンスの違いというものが、やはり反政府的なところとプロ政府的なところと違います。どうしても委託調査されたところはその補助的なものをもらうのでしよう。ですからそう反政府的な結論を出すかどうかやはり疑わしい。そういう意味でむしろ国立世論調査所をよく育てて行くほうが私はいいんだと思う。政府でやるんだから、歪めた結果が出るというようなそういう今の御答弁は、これは本当は政府側の立場で、本当はとるべきでないんですよ。政府でやるんだから正しく運営されるという見解をとるのが本当じやないですか。むしろそれを正しく育て上げて行くというほうが、むしろ私は筋が通ると思うのですが。
○政府委員(江口見登留君) その統計に対しまする国の施策をどういうふうにするかという心がまえと申しますか、方針の問題、これはいろいろ国によつて違うことでありまして、私まあ詳しいことは存じませんけれども、聞くところによりますと、大体国でその世論調査機関を持つておるところが非常に少いということを聞いております。アメリカでもほんの一部分だけを、例えば農業関係ですか、一部分だけを国でやつておるそうでありまするし、イギリスでも何か極めて限られた部分について国でやつておるということを聞いております。ただ占領下において民間にそういうものがなかつたが故に政府にそういうものを作つたという事情がございまして、世界の方向としては、やはり民間にそういう機構を育てて行くと申しますか、そういうものが発達することが望ましいのではないか、かように考えておるのでございまして、只今のお話のように、やはり委託を受けたところは多少その反政府的であり或いは政府的であるというような色彩はどうしてもあるということでありますが、それはあろうかと思いまするが、そういう色彩はできるだけなくなしてもらうように、その民間調査機関自身が一つ立派なものになるように行つて頂かないと困るのでございまして、従つてその点は或る調査機関に国から委託しまして、その結果が出ました際に、又その結果を見まして、他の調査機関がそれをまあ批判することもありましようし、漸次そういうことにして行つて、そういう純粋でないようなやり方をする世論調査所はやはり皆から叩かれるということになるのではないかと、かように考えております。
○木村禧八郎君 実際問題としてうまく行きますか。朝日に委託して読売にしないというわけに行かない。読売にして毎日にしないというわけに行かん。そういう何かあれが出て来ませんか。それはそうでなければいいのですけれども、実際問題としてそういうような場合に、結果としていい世論調査が出て来ることが一番の目的になるわけですけれども、実情、現状を見た場合、あそこにやつてここにやらんわけに行かん。緒方さんが関係しておるから朝日にやらせるなんという妙なあれも出て来たり、そうすると必要でないものを、又朝日にやつたから毎日にもやらなければならん。毎日にやつたから、読売にもと、そうなれば、やはり今の実情ではこれを国立世論調査所でやつてもいいのじやないかと思う。
○政府委員(江口見登留君) 確かにこれを実施いたします際にお話のような苦労はあろうかと存じます。一方へやつて一方にやらないわけに参りませんし、ただやはりその世論調査所には多少の調査所によつて色彩と申しますか、特徴があるだろうと考えますので、こういう調査はどこそこのほうがより長く手がけて来ておるからそちらのほうがいいのではないかというようなことで、ずつと長い年月の間にはそのだんだん廻り持ちというようなことで、一方にだけ偏するというようなことをなくなすように心掛けて行かなければならんと、かように考えております。
○田畑金光君 私一、二点お尋ねしたいわけでありますが、世論調査という言葉で先ほど来論議されておりますが、総理府設置法によりますると、第十条、総理府附属機関として国立世論調査所、或いは又十四条を見ましても見出しといたしまして国立世論調査所という言葉が使われておるわけであります。そこで私はそもそも現内閣の世論というものはどういうように解釈しておられるのか、或いは世論というものをどの程度取上げ或いは尊重されておるのか、この基本的な問題についてお尋ねしたいと考えるわけであります。国立世論調査所がそもそもその目的といたしましては、世論に基く政策の樹立及び行政の運営に資する目的で世論の調査を実施すると、こういうことになつておりまするが、世論というものは単にこういう国立の機関において統計その他を通じて捉えたもののみを世論と言われるのか、或いは勿論又それだけではないと御答弁になることはわかり切つております。民間の機関等の、或いは新聞とか或いは雑誌、あらゆるこういつた報道機関等の調査等も勿論政府は行政の運営において取上げるのだ、こういうような考え方でおられると思うわけでありますが、ただ私たちの不安に思うことは、国立の世論調査所を設けて世論の動向を政府はキヤツチされるにいたしましても、或いは又民間の情報機関等を通じ世論というものを把握されるにいたしましても、今日の政府の態度というものが一体世論というものは何を指しておるのか、或いはこれをどう受取つておるのかということを根本的に我々は疑問に思うわけであります。例えて申しますならば、今回のこの国会における一連の汚職や疑獄事件に関連いたしまして、政府を平素支持する新聞紙であつても、或いは若干政府には批判的な新聞であつても、或いは中立的な新聞の批判であつても、今回の一連の疑獄事件を通じて政府に対する責任というものを明らかに要求しておるわけであります。かようなすべての新聞が一つの方向を明確に打出して政府にその責任の所在を明らかにすべし、こういうようなことを要求しておる。こういうような段階において、これが世論と政府は汲み取つておられるのか、世論として若しこれを汲み取つておられるならば、このような場合に政策の立案、行政の運営においてどういう心がまえを以て政府は臨まれようとするのか、この点につきまして私は政府の態度を伺つておきたいと思います。
○政府委員(江口見登留君) 非常にむずかしい御質問で、世論というものは一体何を世論と見ているのかということでございますが、勿論行政をやつておりまする間でいろいろ出て参りまする統計などから抽出したものなども一つの世論の一部分を占めるかも知れませんし、或いは又実際にやつておりますように数千人の人口調査事項を書き込んだカードを配りまして、それを集計いたしました結果のパーセンテージを根拠として世論というものを判断するということもできましようし、或いは国立世論調査所がやつております以外にも、各新聞社等におきましていろいろ政治的な世論調査もやつておりまして、その統計なども載つておりますが、それらもその新聞社の調査の結果による世論だと考えます。ただ新聞の記事になつておるものが世論であるかどうかということは、これはいろいろ学問的にもむずかしいことだと存じまするが、勿論政府の要路者といたしましては、新聞の記事自体をそういうふうに考えていろいろなその後のあり方について判断を下す場合もありましようし、或いは又違つたような記事を世論と見て、その方向に又気持を向ける場合もありましようし、それらはいろいろのものを世論と見て施策の判断資料にしているのではないか、かように考える次第でございます。
○田畑金光君 私この問題でこれ以上追及いたしますると、非常に時間を取りますので、只今の答弁は非常に不満であり、私のお尋ねする要点を答えていない、こう申上げたいのであります。 新聞の記事等も御承知のように一つの統計と申しますか、或いは世論の具体的な調査の数字の上に立つて記事として現われて来るのであり、或いはそれが社説として現われ来るのであり、従つてそれは最も典型的な世論と私どもは見なければならんし、それを尊重することが総理府設置法の十四条にある国立世論調査所の設置の目的であると考えております。この点はこれ以上追及いたしませんが、もう一つの点お尋ねしておきたいと思います。 先ほどの参事官の御説明を承わつておりますると、今回のこの改正というものは単なる行政整理のためになされた措置に過ぎないように見受けるわけであります。と申しますのは、国立世論調査所の任務というものが世論を如何にして把握するかという企画、立案の機能というものと、もう一つは実際に世論の動向を調査し把握するという実施面の二つの面を担つて参つたわけであります。ところが今回は世論を実際に把握し調査するという機能というものを民間の機関に委託しよう、こういうようなのが今回の改正の狙いのように見受けられるわけでありますが、先ほど来の質疑応答を通じてわかりましたことは、民間の機関に委託するとしても如何なる機関に委託するのか、又事前の措置もなされていない、とられていない、こうなつて参りますると、実際に世論を調査し把握するというこの活動の面というものは停滞することになつて来るわけであります。重要なこの面の機能というものが杜絶するということになつて参るわけであります。そういう点を私見ましたときに、今回のこの一部改正というものは単なる行政整理の目的である。或いは更に申上げますと、行政整理に名を借りて、世論の調査というこういう重大な機能を政府はなくして行こうとする。私たちから申しますと、最も現内閣ににとつて大事な世論を尊重するというこの機能を完全に抹殺しよう、こういうような面が見えるわけでありますが、この点に関しまして実際に調査或いは世論の動向を把握するというこの機能が一時的にも停滞するわけでありますが、この点につきましてどうこれを補つて行こうとするのか、お伺いいたします。
○政府委員(田上辰雄君) 田畑委員のお話によりますと、民間の機関に委託をする、たとえ企画は政府でいたしましても、民間の世論を把握するのはその民間機関である。従つて政府は世論を把握し得ない結果になりはしないかというお尋ねであつたように存じます。
○田畑金光君 私の言うのはそうじやなくて、民間に委託するというのならば、先ほど御質問にありましたように、まだその委託を受ける機関がきまつていない。民間には二十幾つかのこういう機関があるけれども、そのうちの如何なる機関にこれを委託するかというとこがまだきまつていないのだ、そうしたならば私の尋ねたいのは、そこに一つの最も大事な世論の調査をやるというこの実施面の活動が停滞するわけであります。本当に世論の動向というものを継続的に不断にこれを政府としては取上げて行こうとするこの国立世論調査の本当の機能を皆さんがたが尊重するという気持があるならば、かりそめにも一時的にもそこに中絶する、そこに停滞する期間があつてはならぬと思うわけであります。少くとも如何なる機関に今後の実際活動面、実施面を委託するかということをきめて、初めてその民間機関に委託しても一向仕事の支障にはならないのではないか、こういうことにならうかと思うのであります。参事官は先ほどの答弁によりますと、そういうような面は全然触れられていないのであります。そこをお尋ねしているのです。
○木村禧八郎君 関連して……、この二十九年度の予算は通つているのですから、そういうことはもうなされていなければならんはずです。それなのにどこへ委託調査するか、それもまだわからんというのは、これは非常に怠慢だと思うのです。ですからどこそこへどういう問題を委託するか、二十九年度は十一回委託することになつているが、十一回委託というのはどういう項目の委託であるか、その委託対象、どういう問題を委託するかということ、これがもうはつきり示されてなければならんはずですよ。もう六月ですよ、予算はとつくに通つているのですから。
○政府委員(田上辰雄君) 世論調査が一時的にでも停頓しておるのではないかという御心配でございますが、現在、予算は先日通過いたしておりまするけれども、今日この総理府設置法の一部改正に関する法律が決定しておりませんので、委託の行為ということは、これはそういう法案の決定いたしません間は多少延びて来ておるわけでありますが、併し世論調査の企画面につきましては、各省からいろいろ問題も来ておりますし、それについての研究をすでに始めておるのでございます。従つて企画をいたしますのもいろいろ専門的な相当手数のかかることもございますので、すぐに実施するというわけにも行かず、事前の企画の計画とそれから準備が必要なんでございます。そういう点につきましてはできるだけの措置をいたしておるのでありまして、この法案が決定になりましたならば、御心配のような点のないように十分用意をしており、直ちにでも実施し得るような態勢でおりますることを申上げたいと思います。
○木村禧八郎君 それはおかしいですね、もう予算を組むときにそういう用意がなされていなければならんはずですよ。予算編成のときにですね、もうだつて六月ですよ、それでこの法案が通らんから委託先もわからんというのでは、それは話にならんですよ。この法案が通つたら直ぐ実施できるように、どこへどういうことを委託するということがわかつていなければならんですよ。それは僕はおかしいと思うのです。やはりさつき矢嶋委員が指摘したように、どうも国立世論調査所でやつていると、世論調査もそういうでたらめはできません。或る一定の科学的方法でやるのですから、その結果が政府の政策に非常に反するような結果のみが出て来るので、政府みずからが調査した結果が非常に政府を批判するような結果になつたのでは非常に困るという意味で民間に委託調査すれば、或いは民間の世論調査の結果だからあれにはいろいろ又責任は十分負えない、そういうようなことで、あれは一つの参考であつて、どの程度信頼を置けるかわからん、そういうことに逃げる余地も出て来る。政府みずからやつた世論調査ならばそういう逃げ道はないわけです。これまでの実績を見て、矢嶋委員が指摘したように、非常に政府の政策に反対の結果が出て来るので、政府みずからこういうことをやつていたのではちよつと都合が悪くなつて来た、そういうようなことからこれを廃止するというようになつたのではないかと考えるよりほかにないと思います。未だにどこに委託調査するのだかわからないで、この法案が通つたらこれからきめると言つたつて、その期間ブランクになるときにはどうするのか、こういう疑いが出て来るのは当然だと思うのです。その点を質問しているわけですが。
○政府委員(江口見登留君) 御疑念の点御尤もと存じまするが、予算は四月から勿論使えるわけでございます。ただこれが、国立世論調査所がずつと二十九年度存立するということになりますれば、もう四月からでも或る一定の企画の下に政府みずからがその調査をやることができるわけでございまして、その調査をやるためには、長いものは二十日から一月もかかる、政府みずからがやれば政府みずからの支出という形式で世論調査が行われるわけでございますが、この法案を提出いたしておりまするために、これが政府が四月からその調査を始めるわ、この法案は通るわ、人は減るわ、今までやりかけた調査は一体どう清算するかというような技術的な面がございまして、事務当局としては甚だ踏切りにくかつたのではないか、かように考えるのでございます。従いましていよいよこれをやめるということにきまりますれば、本腰を入れて直ぐ民間に委託することこなるわけでございますから、その委託するための準備と言いますか、その企画などは勿論進めて、各省と相談しておるわけでございます。ただどういう調査をやつて、それをどこの調査所に任せるのかという点につきましては、先ず企画の上で最初の調査は何を取上げるかということがきまりましてから、それに向いた世論調査所を合せて行きたいと思つておりますので、予算は例えば十一回分という或る一定の単価を弾いてできておるわけでありますから、どういう調査を何調査所に委託するために何ぼ要るのだというふうな細かい予算にはなつておりませんことを御了承頂きたいと思います。
○木村禧八郎君 どうせ国立世論調査所はなくなるのでしよう。ですから計画としては、プランとしては立つておかなければならぬ。民間の各世論調査所には特色があるということを言われている。朝日の世論調査はどういう特徴がある、毎日はどう、読売はどう、時事通信はどう、こういうことは当然調査されておつて、大体項目はこれから考えるとしても、その範囲というものは大体きまつていなければおかしいと思う。それでなければ非常な怠慢だと思う。それからこれは後でもいいのですが、二十八年度十三回世論調査をやつたようですが、これはどういう項目について世論調査したか、そうしてその結果どういうふうなことが出て来たか、後でいいのですが、資料として頂きたいと思う。それから二十九年度の十一回の世論調査というものは、その調査項目はできていますのか、できていなければ仕方がありませんが、若しできておつたらそれも併せて資料として頂きたい。
○政府委員(田上辰雄君) 昨年度調査いたしました十三回分の資料は後ほど書面で御提出いたしたいと思います。 二十九年度の計画になつております十一回の世論調査はどういう問題を予定しているかということはまだ決定しておりません。これは各省から特にこの問題について世論調査をいたしてもらいたいという希望を持つて来るわけであります。そうしてその中の重要性等を考えまして、特に今度はこの問題を拾つてやるべきだ、それから又タイムリーに考えましてこれは急ぐのだ、これはあとでもいい、こういうふうな種類分けをして行くわけであります。而も緊急に起つて来た事象、是非この重要問題の調査をいたしたいということは、途中でしばしば起つて参るわけでございます。従つて一年を通じて十一回分を年度初めにおいて計画をするというわけには参らないのであります。只今のところ各省から一応の希望をとりまして、その問題について今審議をいたしておるような過程でございます。
○木村禧八郎君 政府の世論調査の狙いはどういうところなのですか、大体この調査対象を見ればわかりますが。一体どういうことを狙いにするのですか。例えば衣食住に関する世論調査に重点を置くべきだとか、その重点の置き方ですよ。これはただときどきな、無方針に問題の起つたときに取上げるというのではなく、一定のやはり、つまりこれは相当持続的に統計的にとつて行かないと、連続調査でないと正確にはわからんでしよう。今年やつたけれども来年はやめたというのでは比較できないですよ。そうして二十八年度に現われた分は、これは二十九年度調査してみると、二十八年度は非常に比率は高かつたけれども二十九年度は低くなつた。ですから持続的調査が必要ですけれども、大体調査に重点を置く大まかの項目というものは何かあるんではないですか。それに臨時に緊急を要するものとして出て来たものを合わしてやると、そういう業務計画みたいなのが一応あるんじやないですか。
○政府委員(江口見登留君) 御尤もでございまして、特別の調査回数も十一回とか十三回とかございますが、その中で或るものにつきましては毎年継続的にやつておるものもございます。ところが各省からの照会によりましても、非常に調査してもらいたいということが多いのでございまして、それも毎年繰返してやるということはとても予算上も機構上も不可能でございまして、特に最近数年間こういうものを毎年とつてみようではないかということにつきましては続けてやつておりますが、それ以外につきましては、そのときにまあ一番重要であろうという方面の世論を調べてみたいということで、大体は変つた世論を調査するほうが多いのでございます。先ほどお話の毎年とつて見なければわからないではないかという種類の調査は、これは大体各省でやる、例えば生計費調査とか或いは経済審議庁でやつておりますいろいろな調査とか或いは農林省でやつておる調査とか、労働省の調査とか、そういう各省でやつておるものの資料の中には毎年或いは毎月とつておるものもございます。そのほかに世論調査所でやる分につきましては、只今申しますように、その時代として数年間はとつてみたいという項目を、一、二、それ以外はタイムリーに各省の申出乃至は国立世論調査所の考えによりましてその項目を取上げてやつておるようなわけでございまして、例えば去年のような非常な風水害がありましたような場合には、予定にはなかつたのでございますが、風水害のいろいろな国の施策に対して災害地方の住民はどういう一体意見を持つているかということを急遽調べたいということで、臨時にそれらのことが現実にそれらの中に入つて来たようなことがございますので、御説ではございますが、年度初めに項目をきめておくということは実は如何かと、かように考えた次第でございます。
○木村禧八郎君 もう長くなりますからこの世論調査所に関する質問はこの程度にいたしますけれども、どうも感じとしては、最近政府が非常に世論を恐れて来ている。例えばNHKなんかでもあの三木鶏郎のああいう問題についても何か干渉めいたことがあるやに聞えますし、何となく世論が正しい結果を、又非常に辛辣な結果を出すということを恐れて、それを直接間接に抑えて行くような方針をとつているんじやないかという気がするのです。まあこれも今の国立世論調査所の廃止もその一環ではないかというような気がしましたから今のような質問をしたのですが、この点についてはまあこの程度で私は質問はございません。
○矢嶋三義君 ここに幾つか法律があるのですが、これを審議している間にぽつぽつと副総理に伺いたい点が出て来ると思うのです。で私は最後に、採決する前に、ここではこの一点だけを副総理に対する質問を留保しておきます。 それはやはり民主政治は世論と非常に関係がありますし、今までの国立世論調査所と政府の態度との関係、並びに今後民間のこの調査機関に委託するわけですが、従来の新聞の世論調査と、これに対する政府の見解、そういう点について、短時間、基本的に副総理に伺いたいと思いますので、今お喚びしては、いろいろの何で御迷惑をかけるでしようから、この法律をずつとやつて、他の法律でもそういうところが出て来るかも知れませんから、その点だけ保留して、私もこの国立世論調査所の点については質疑はございません。 従つて、次にこの在外財産問題審議会について、簡単に伺いますが、現在ある在外財産問題調査会というのは、行政組織法に基くものでないのかどうかというのが一点と、それから今度この在外財産問題審議会を設けることによつて予算は如何ように変化をもたらすのかということです。どうしてそういうことを伺うかと言いますと、政府はこういう審議会の整理方針を立てておられるわけです。国立世論調査所も行政機構の縮減という立場から廃止したということを先ほど副長官は答弁されたわけでありますが、ここに在外財産問題調査会というものがあるのに、わざわざその基本方針と違つてこういう審議会を設けられたのは、ちよつと逆行すると思うのです。是非とも必要な理由はどこにあるのかというのが第二点。 それから第三点は、この在外財産の問題の処理というものは、随分やかましく言うのですが、重大な問題ですから、現在大ざつぱに言つてどういう事情にあるのか、極く重点的でいいですから、以上三点を承わつておきたい。
○政府委員(江口見登留君) 予算の点につきましてはちよつとあとから申上げます。それから現在ありまするこの調査会は閣議決定に基きます事実上の機関として設けられておるのでございまして、すでにもう数回会合を開きました。いろいろ二回ほど答申書も出ておるようでございます。これをなぜ今度法律で正式に在外財産問題審議会というものを作るのか、行政機構の簡素化、整理に反するではないかということでございますが、勿論その点はございますが、只今お話の中にもありましたように、在外財産問題というのは非常に関係するところが広うございまして、問題は非常に広範囲でありますと共に、或いは対外問題を含んでおりますし、なお場合によりましては数千億、或い数兆億というような金の問題にも触れて来るわけでございまして、非常にこの問題自体が重要でございまするので、この事実上の調査会ができまする際から、いつかはこれはできるだけ速かに法律に基いて権威のある機関にしなければならないというふうに考えられておりましたし、殊にこの在外財産を残して来られた方々が非常にたくさんおるのでございますが、この方たちがだんだんいわゆる終戦後におけるいろいろの事態が片付いて参りまするに連れまして、今度は在外財産を何とかしてもらいたいということで非常に熱意を持ちまして、自分らのために是非権威ある機関を設けてもらいたいというような強い申出もございまして、やはり法律上の審議会にしたほうがいいのではないかということでなつたのでございます。 で、この規定にもございまする通り、関係するところが非常に多うございます。引揚援護庁或いは外務省、大蔵省等に関係しておりますので、この所在を総理府に置くということにいたしておりまするのでございまして、一切のこれの庶務は大蔵省の理財局で行うことになつております。私どもこれの所管の中に入るわけでございますが、ただ母家を貸しておるというような恰好で、詳細な内容の点は大蔵当局から来ておれば御説明をして頂きたいと思います。
○政府委員(田上辰雄君) 予算の点を私から申上げます。二十九年度の予算といたしまして、総理府本府内に四十九万円この在外財産問題審議会の経費として出ております。内訳を申上げますと、委員の手当がそのうち二十一万五千円、それから諸謝金が十万八千円、委員の旅費が二万三千円、庁費十四万四千円でございます。それからなお……。
○矢嶋三義君 いや、もうそれだけでいい。もう一点ありましたね、在外財産処理の現在の状況ですね、概要でいいですから、どういう大きな問題となつているという概略を……。
○政府委員(田上辰雄君) 在外財産問題調査会の今日までの活動状況を申上げますが、昨年の十一月十三日に閣議決定によつて設置されまして以来、大体大きな問題を三つ解決しておるのでございます。第一点は引揚者の持ち帰つた旧日銀券の処理、第二に未払送金為替及び在外預金の処理、更に最近引揚者及び復員軍人、軍属の有する郵便貯金、債権の処理についてと、これだけにつきましてこの調査会としての答申を済ませておりまして、それぞれ必要な法制の手続等まで進んでおります。
○木村禧八郎君 二は何でしたかね。
○政府委員(田上辰雄君) 二は未払送金為替及び在外預金の処理、三が引揚者及び復員軍人、軍属の有する郵便貯金、債権処理について、以上三件でございます。
○田畑金光君 在外財産調査会が今まで、昨年の閣議決定に基いて設けられた機関によつて運営されましたのが、今回総理府の附属機関として運営されて行こうとする、この方向に対しましては私妥当だと、こう考えるわけであります。ただ問題は、私の心配する点は、一体今後これが総理府の附属機関として運営されるにいたしましても、その運営がどういう構想の下に運営されるのか、或いはその中に設けられまする審議機関等の答申案というものを政府はどの程度尊重し、これを実際政治の面において実現しようとする方針を持つておられるのか、この基本的な問題如何にかかわると見るわけであります。昨年の閣議決定の要綱を見ますると、在外財産の喪失者に対する補償又は救済措置の必要の有無、その程度等、在外財産問題の処理に関する基本的事項を審議する目的を以て云々と、この調査会の任務というものが一応謳われておりまするが、私たちの知りたい在外財産を失つた人たちに対する補償とか或いは救済措置というものを、どの程度政府は誠意を持ち、熱意を持つてやつて行こうとするのか、この点私非常に重大な問題だと考えるわけであります。戦争犠牲者が幾多まだ国の施策から救われないでそのまま放置されております。ただ昨年の恩給法の改正によつて軍人恩給が復活された、これだけが漸く現内閣の下において処理されて来た戦争犠牲者に対する措置の一班であります。ところがこの在外におりましたところの、本当に忠実にそれぞれの地域にあつて働いて、そして無一物になつて来た諸君というものが、何ら今日まで顧みられていなかつたということに我々は非常に大きな不安と不満を持つておるわけであります。この問題に関しましては、私たちもどうしても政府の基本的な方針がどう今後取上げて行こうとするのか、これをお尋ねし、方針を聞きたいわけであります。 そこでこの点につきまして、官房副長官にお尋ねいたしましても、これは答弁の域外だと、こう考えておりますので、先ほど矢嶋君からも、国立世論調査所の問題に関連いたしまして、政府の少くとも副総理の出席を求めて見解を承わりたいというお話がありましたが、私はやはりこの在外財産問題の審議会の設置に関しまして、政府の基本的な方針というものを承わりたいと思いまするから、委員長におきまして適当な機会に、総理大臣と言いたいわけでありまするが、これは又要求しても出て来やしませんでしようから、少くとも副総理に出て頂いて、政府の所信をお尋ねしたいと考えます。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記を付けて下さい。 それでは総理府設置法の一部を改正する法律案につきましては、若干まだ質疑が残つておるようでありますが、この質疑を後刻行うことにいたしまして、次の法律案の審議を行います。 ―――――――――――――
○委員長(小酒井義男君) 次に航空技術審議会設置法案を議題といたします。
○野本品吉君 この法案の中の関係行政機関、つまり文部省、通産省、運輸省、保安庁等でいろいろな研究機関を持つておるようですが、どんな研究機関をお持ちになつておるのか、それを伺いたい。
○政府委員(千秋邦夫君) お答えいたします。 研究機関につきましては、現在のところでは、航空研究そのものを専門にやつておるという研究機関はないのでございます。ただ関連の研究をやつておる研究所はあるのでございます。それで文部省は、各種の研究機関が、附属研究所でありますが、基礎研究をやつておるのでございまして、これはちよつと名前を挙げるには非常に各所でやつておりまして、先ず各大学が基礎研究をやつておるという状況だと思います。ただ二十九年度から東京大学に航空学科か新設されたのでございます。 それから通産省におきましては、東京、名古屋、大阪、各工業試験所が合成樹脂等の材料関係の研究をやつております。それから機械試験所におきましては、原動機その他機械関係の研究をやつております。それから電気試験所関係におきましては電子機器関係の研究をやつております。それから資源技術研究所におきましては燃料関係の研究をやつておるわけでございます。 それから運輸省におきましては、運輸技術研究所におきまして、原動機と流体力学関係の研究をやつております。運輸省におきましては、以前の設備がございまして、直接航空研究を或る程度までやつておりまして、二十八年度の予算におきましては一千万円ほどやつております。なお二十八年度におきましては、十三件余民間から委託研究も受けております。 先ほど申忘れましたが、通産省のほうにおきましては、直接並びに間接全部入れまして、約九千万円ほどの研究をやつておるようでございます。 それから保安庁の研究所は、保安技術研究所でございまして、原動機と機体関係の研究をやつておるという状況でございますが、先ほど申上げました通りに、現在の施設では航空研究の一端を行うというに過ぎないと思います。
○野本品吉君 そうしますと文部省、通産省、運輸省、保安庁、各方面でそれぞれの研究をしているわけですが、いろいろな方面で研究されおる研究の成果といつたようなものがどんなふうに総合され、統一されて、まとまつたものにされておるのですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 只今のところにおきましては、各省ばらばらにやつておるのでございまして、そういうような目的でこの法案を提出いたしまして、成るべく早くこれらの各所でやつておりまする研究を連絡調整すること、並びに現在やつておりまする研究は、先ほど申上げました通りに非常に規模の小さなものでございまして、航空研究は今後の我が国の産業の発達の上におきまして、或いは又輸出産業の発達の上におきまして非常に大きな問題でございまするので、どうしてもこの研究に力を入れて、総合の研究機関を作つて行かなければならない、これは法案の中に共用の研究機関という名前になつておりますが、そういうようなものを作つて参る。そうして各所の連絡調整をして参るというような考え方から、この法案が作られておる次第でございます。
○野本品吉君 只今お話のありました「共用に供する研究機関と」いうのは、どういうものですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 航空研究は先ほど申しました通りに、非常に多額の経費を要するのでございまして、外国の例を見ましても、これは国費で多額の経費を出してやつておるのであります。而も又最近の例で、参りますると、ジェット・エンジンとか、そういうようなものができて参りましたし、或いは又航空の安全のために電子機器等が発達いたしまして、例を申上げますれば、着陸のときあたりでも全然飛行場の施設が見えなくても同じような一定のルートで降りて来られる。これはつまり電子機器のレーダーの発達であります。そういうようなことをやります。そのほかに各種の計算をやります電子計算器等も付けて参る。この電子計算器だけでも一つ四億円もするのであります。そういうようなことから考えまして、非常に多額の経費を要するところの研究機関というものはたくさん作れない、外国におきましても先ず一カ所でございます。でこれらの研究機関は各省に関係いたしまするが、日本では一カ所作りまして、これを各省の共用並びに民間の方方、これらの方々にも全部使つて頂く、その代り非常に大きな設備を作つて行くというような考え方からして、この「共用に供する研究機関」というものを考えておる次第でございます。
○野本品吉君 そうしますとこの「共用に供する研究機関」は、各省の研究機関及び民間の研究の便益のために公開利用させると、そういうことになりますが、それじや「共用に供する研究機関」というのは、どこがこれを押えて行くことになりますか。
○政府委員(千秋邦夫君) 只今のところまだそこまで政府としての方針がきまつておらないのでございまするが、これは至急きめなければならないことでございますし、実は科学技術行政協議会におきましては、そういうようなところの連絡調整をする権限がないのでございます。従いましてこの航空技術審議会が設置せられましたならば、先ず最初の大きな仕事が、今野本委員から御指摘のあつた点を決定する点であろうと、即ちこの第二条に審議事項ということが書いてございますが、その第一号に、「航空技術に関する重要研究の目標及び方針に関すること。」とありますが、この第一号が今御指摘になつた点ではなかろうかと思うのでございます。
○野本品吉君 その「共用に供する研究機関」をどこで抑えて行くかということになつて参りますと、これはまだ御決定になつておらんそうでありますが、その際に又おれのほうのものだ、おれのほうのものだというようなわけで、非常にやかましい問題になつて来るのではないかと思いますが、そういういろいろな意見というものを押切つて或るところにまとめて行くという御決意といいますか、それはあるのでございますか。
○政府委員(江口見登留君) 先ほどからお話申上げまするように、航空技術並びに航空機生産というようなものににつきましては、日本の政府機関におきましても数カ所において研究もし、その緒につこうとしておる際でございまして、併しながら多額の金が要りまするので、最も少い金で有効にこの目的を達成するためには、やはりこの連絡調整と申しますか、まとめ機関というものが是非必要であろうということで、この航空技術審議会設置法をお願いすることになつたわけでございますが、この法案自身を作りまする際におきましても、各省いろいろ意見が出まして、この法案を作ること自体が非常に難航したのでございます。併しいつまでも各省勝手なことを言つていたのでは共同研究もできないと、そこで各省が折れ合つてこういう法律を作ることについては反対ではない、作つてから後もうまく運用してもらいたいということで、結局会長は内閣総理大臣、副会長は国務大臣を充てることになつておりますが、我々の予定といたしましては副総理を充てまして、そうして只今の御懸念の権限争といいますか、そういうようなことをできるだけ最小限度に食いとめるように持つて行こうとするのがこの審議会の目的でありますので、できましたならば、その辺の運用はよろしきを得て行きたいと思つております。
○野本品吉君 只今の点は相当将来に困難な問題を残すのではないかと私は想像するのですが、その点につきましては、この法律案の立案の趣旨を徹底されまして、折角のこの法案の目的が実現されるように最大の努力を希望いたしておきたいと思います。 更にお伺いいたしておきたいことは、御説明にもございましたが、欧米各国に人を派遣してそうして各国の航空機に関する研究、各般の問題についての研究を視察をした。そこで私がお伺いをいたしたいのは、その研究機関のために派遣された調査団と申しますか、視察団と申しますか、それは大体どういうメンバーで構成されておるか、なおそれらの方が帰られて最も強く要望された点はどういう点であるか、この点お伺いしたい。
○政府委員(千秋邦夫君) 団の構成は東京大学の教授の守屋富次郎博士が団長でございまして、そのほかに運輸省から山内工学博士、それから通産省から松代技監、保安庁から飯塚技監、それから東京大学の八田工学博士、それからあとは民間の方々でございまして、富士重工業の渋谷工学博士、それから石川島重工業の永野工学博士、それから新三菱重工業の角田技師、それから日本電気株式会社の小林工学博士、それから東京芝浦電気の竹谷技師、それから住友金属の木村技師と阿部技師、それに科学技術行政協議会の阿部総務課長が参つたのでございます。そうしてこれらの方々の報告が、第一部というのはここにまとまつてあるのでございますが、実は数が少いので、ちよつと差上げかねたのでございますが、御要望がございましたら、ここで差上げたいと思います。いずれ又あとからまとめまして全部差上げたいと思いますが、一番の要望は結局米国におきましてNACAと申しまして、ナシヨナル・アドヴアイサリー・コミツテイーフォア・エアロノーティックス、即ち航空技術審議会でございますが、これを早くつくつてもらいたい、そうして共用に供するところの研究機関を早く作つてもらいたいというのが要望でございます。
○野本品吉君 そういう非常に強い熱心な要望があつたのですが、それに対してこの案をまとめるまでに随分時間がかかつているように思うのですが、何かむずかしい困難な事情でもあつたのですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 実は二十八年度の予算にこれが間に合うようにできれば、一番よかつたのでございますが、併しながら丁度二十七年におきまして航空研究が再開し得るというようになつたのでございますが、二十七年に再開し得るようになりまして、すぐに二十八年度の予算に間に合わせるようには努力しだのでありますが、これが先ほど江口副長官から申上げましたように、関係する省が非常に多くて、そうして慎重に審議しなければならないというようなことからして、どうしても二十八年度の予算には間に合わなかつたのでございます。それで是非二十九年度においてまとめたいということで取りまとめにかかつたのでございますが、やはり先ほど副長官から御説明がありましたように、関係各省が非常に多い、而も又これは国家の将来の産業に非常に大きな重要な影響を及ぼしまするので、約一年半かかりまして慎重に審議いたしまして、この法律案ができたのでございまして、或いは長いと申されれば長かつたのでありますが、その途中におきまして、航空研究施設調査団というようなものを派遣いたしまして、そうして外国の事情を見て廻つて来た、そういうようなことも長くなつたところの一つの理由ではなかろうかと思うのであります。なお、手前味噌のようになりますが、この航空研究施設調査団は、米国はじめスウェーデン、イギリス、フランス、スイス、世界各国を廻つて参りまして、世界各国の人から非常に熱心に調査して来たということでお褒めの言葉が、外務省を通じて私たちのところへ参つておる、そういうことで、長く時間はかかつたが、非常に慎重に調査して参つた。そうして外国におきましても秘密事項まで見せてもらえた。従いましてここにありまするところの調査団の報告は、秘密事項でない部分がこれだけでございまして、秘密事項の部分はこれは発表できないことになつておるのでございますが、それらの非常に厖大な調査報告が出て参つておるのでございます。
○竹下豐次君 御説明によりますると、調査、連絡、調整に必要なる事項を審議する、こういうことになつておりまして、現在各省でそれぞれ別々に研究しておる、その体制はそのままに認めて行く、で、連絡調整をする事項を審議するのだ、こういうことに承わつたのでありますが、私など素人で技術のことはわかりませんけれども、素人ながらの察しを申しまするというと、航空技術に関する機関を一手に集めて研究を進めて行く、例えば航空技術研究所というようなものをこしらえて、そこで計画もし、仕事もして行く、それにはいろいろな問題の施設これからしなければならないこともありましようし、現在各省で持つている施設をそこに吸収して行くという方法もあるだろうと思つております。で、航空技術という点だけから考えますと、それが一番能率が上るのじやないかと、かように考えられるわけであります。併し先ほどからの御説明によりまするというと、そういうことは審議しないので、現在各省でやつていることをそのままに認めておいて、連絡調整だけである、こういうふうに聞えましたが、そうでありますか。
○政府委員(千秋邦夫君) そういうふうに私申上げたとしたら、ちよつと誤りがあるのでございます。今竹下委員が仰せられた方針なのでございます。と申しますのは、この第二条を御覧になるとおわかりになると思いますが、第二条の第三号に「関係各行政機関の共用に供する研究機関の運営の方針に関すること」とあるのでありますが、これは当然「共用に供する研究機関」というものをつくらなければならない。これが今竹下委員が仰せられた日本として一つの大きな研究機関を作つて参ろう、こういうことでございます。これは今仰せられたような方針でございます。併しながらそこだけでやりますにつきましては関連事項が非常に多いのでございます。で、そういうような例えば油の問題であるとか或いは機械の問題であるとか、部分的な問題が必ず出て参るわけです。そういうような問題までこの共用に供する研究機関が取上げてやつてしまう必要もないだろう、そういうようなことは現在ある研究機関をそのまま活用して行つたほうがよろしいのでなかろうか。そうすると、この共用に供する研究機関と現在あるところの研究機関との間の連絡調整をどうしてゆかなければならないか、或いは又現在あるところの研究機関相互の間の連絡調整をどうしてゆかなければならないかというようなことを審議することが目的となつている、そういうように御解釈順いたいのでございます。
○竹下豐次君 そうしますと、或る省で今やつておりまする航空技術に関する研究、それは直接航空機に役立つと同時に、ほかのほうにも役立つ研究というものがありはしないかと思われます。そういう研究機関をすつかり中央といいますか、新たにこしらえられる研究所に取上げられると、主管が違うということになると、現在各省で仕事をしているほかの部門に差支えが起ることもあるのじやないかということも想像されるわけであります。そこで私は今各所でやつておる研究施設のうちで新しく設置される研究所にそつくりそのままに上げていい部分と、それからどうしてもやはり今のままに残しておかなければならない部分と二通りあるのじやないか。でき得べくんばできるところだけはそういうふうに一つに集めてやつてゆくということがいいのじやないか、かように考えておるのですが、そういうふうな御計画なんですか。
○政府委員(千秋邦夫君) そういうような方針につきましては、恐らく審議会がそういう決定をされるのだと思いまするので、竹下委員のお考えは十分お伝えいたしたいと思いますが、先ほど私ちよつと言葉が足りなかつた点があるかも知れませんが、通産省はやはり航空機生産の責任を持つておるわけでございます。それから運輸省は航空保安の責任を持つておる。そういうような点から考えまして、やはり責任範囲、例えば運輸省にいたしますと、試験という問題があるわけです。そういうようなものはどうしても運輸省の責任になります。で、運輸技術研究所ではこれもしなければならないだろうと思います。そういうような点につきましては責任がございますから……。併しながらそういうようなことをやりますところの基礎的な問題、それはどうしても統合して、これは又非常に金がかかるのでございます。そういうようなものを共用の研究機関でやつてゆこう、こういう考え方でございます。
○野本品吉君 もう一、二点ですが簡単に承わります。この審議会の運営のために必要な経費をどれくらいとお考えになつていらつしやいますか。
○政府委員(千秋邦夫君) 実は二十九年度の予算が決定せられましたときには、この航空技術審議会設置法案がまだ閣議決定になつておらなかつたのでございます。従いまして航空技術審議会の運営に要する予算というものは今年度の予算にはないのでございます。併しながら航空研究の連絡調整ということは非常に重要であるということからして、二十九年度の予算に科学技術行政協議会の予算の中に加えられておるのでございます。それは五人定員が殖えたことでございます。只今行政整理をいたしまして定員が、減少しておるときに、五人だけ定員が増加したということは、これは異例のことでないかと思うのでございます。そのほかに九十二万円の予算がついている。全部で約二百万円の予算がついております。勿論航空技術審議会を完全に運営いたしまするについては、十分とは申せないと思いますが、併しながらこの予算で私たちはできるだけ活用いたしまして、この航空技術審議会の円滑なる運営をいたしたい、さように感じておる次第でございます。
○野本品吉君 これで見ますと、「航空技術に関する研究のため経費を必要とする計画の連絡調整」と、それからして「研究補助金及び研究委託費のうち航空技術に関するものの配分の計画」、こういうようなことが書かれておりますが、これは多分に大蔵省との関係があると思うのですが、大蔵省はこういうようなことについてあらかじめ了解を与えておるのですか。
○政府委員(千秋邦夫君) これは先ほど副長官からも申されました通りに、政府機関におきましては十分連絡いたしまして十分審議をいたし、了解の上でき上りましたものでございますから、その点は御懸念はないと存じます。
○野本品吉君 もう一つはつきりしておきたいと思います。予算の配分、それから計画等について、従来この種のことについては大蔵省が細部の資料を握つておりまするので、当事者に対していろいろな角度から拘束するというような場合は相当あるのですが、そういう点についての完全な了解がついておるということですか、どうですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 最終的にはどうしても大蔵省の意見に従わなければならないと思いますが、大蔵省といたしまして、事前によく打合せいたしまして、それで航空審議会の目的とするところの連絡調整を十分に果したいというふうに存じておる次第でございます。
○野本品吉君 いろいろお伺いいたしましたが、最後に、ともしますれば、先ほども申しましたが、この種の仕事が実は本当に全体として総合統一された有機的な活動と申しますか、それができないために十分な成果を挙げ得ないというのが従来の傾向だと思うのです。そういう点につきましては、十分お考えになつておるそうでありますが、特に御注意を願いたいということが一つ。 それからもう一つ、審議会の構成で、会長が総理大臣、それから副会長を副総理にするというようなお話を承わりましたが、今までの科学技術行政協議会の会合にしても、その他の学術会議にしても、総理が会長になるということになつておるが、これは殆んど空文に帰しておつて、極めて軽く扱われたということを聞いておるのですが、そういうような御懸念はございませんでしようか。
○政府委員(江口見登留君) 各省に関係しておりまする仕事の連絡調整ということが主でございまするので、内閣総理大臣が会長になつておるのでございますが、そういう趣旨からして確かにいろいろな審議会や調査会で内閣総理大臣がその会長を勤めているものが非常にたくさんあるのでございます。その理由は先ほど申しましたように、各省に関係があるから一省の或る専任大臣だけがその機関の会長になるということにつきましては、ほかの省が反対するというようなことで、みな内閣総理大臣のところへ持つて来たがる事情があるわけでございます。従いまして御懸念の、ただ形式的に総理大臣が名前を掲げておるだけで、実質の審議に当るかどうかというような御質問に対しましては、たくさんの会長を勤めておられますので、一々しばしばの会合に総理が直接出るというようなこと、は或いは困難かとも存じまするが、併し特にこういう重要な問題につきましては、できるだけ総理の裁断によつてものことがきまつてゆくように持つてゆきたいものと、かように考えておりまするし、そのほか副会長に副総理が当られまするならば、その目的の一端をかなえるに好適ではないかと考えておりまするわけでございまして、それらの点は御心配のないように十分注意をして参りたいと考えております。
○野本品吉君 私はこういう機関が形式的な運営でなしに、事実的な効果を疑われませんよう十分の御配慮と、それから空転しないようにということを特に希望して私の質問を終ります。
○矢嶋三義君 この法案審議については副総理に来てもらうことが必要なんですけれども、一応伺つておいて、副総理に保留しておきます。で、官房副長官に一応伺いますが、科学技術行政協議会と航空技術審議会は全部と一部の関係になりますか、それとも完全に別個のものでありますか。
○政府委員(江口見登留君) 別個のものでございます。一方が一方の部会になつたりしているような関係はございません。
○矢嶋三義君 いやその部会になつているとかいうのでなくて、完全に全部と一部の関係ではないけれども、実質上殆んどそれに近いことはないですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 取扱う範囲の問題といたしましては、科学技術行政協議会としては、航空問題なり何なり等はございますが、併し権限の問題等からゆきますと、全部別個であるというように考えておるのでございます。科学技術行政協議会は学術会議と政府との連絡に第一に当るわけでございます。それから各省から問題が出まして、そうして各省間の科学技術に関する連絡調整をしなければならないというようなときに動きまして、自分自身がこういうような権限があつて、こうするのだというようなことではないのでございます。併し航空技術審議会におきましては、こういうようなことをやるということを明確にしてあるわけでございます。そういうような意味で権限的の方向につきましては異つている、別個のものである。併しながら科学技術という立場から行けば、航空技術審議会のほうは、航空は科学技術の一部でございますから、その点では一部であるというふうに私は考えます。
○矢嶋三義君 私が伺いたい点は、我が国の科学の振興、科学技術行政というような根本的な立場に立つて、政府はどういう根本的な考え方をしておるかということが私は掴めないのです。例えば科学技術行政協議会は、今あなたが言われたように、学術会議との連絡ということが相当大きな使命になつているわけです。その学術会議は総理府から民間に移すということかよく伝えられているのです。これは行政審議会の答申の一部にも入つておりますが、この考えはどうなつているのか。それからそうだとするならば、科学技術行政協議会を再検討する考えがあるのかどうか。私は行政協議会を傍聴もしたことはありませんが、どうも最近科学技術行政協議会は低調じやないかと思うのですが、その実情と、それから更に権限のところにもありますが、敗戦によつて我が国の科学技術の水準というものが非常に諸外国に立ち遅れた。併しその後における我が国の研究機関その他を見ますと、非常にばらばらになつている。普通の行政事務でも共管事務が多くて、この整理ができないというようなことが大きな問題になつておりますが、この科学技術の面、一面をとりましても、非常に研究機関なんかばらばらになつている。だから優秀な技術者も不能率になるし、予算面でも又施設の利用という立場から言つても、不能率になつている。従つて科学技術の振興を期するためには、やはりこれらのすべての現在ある機関というものを有機的に統合することが大事であると、こういうようなことが一部に叫ばれて、そこから出て来たのが科学技術振興法というようなものが議員立法で生れて来ているわけです。これらを総合して、政府は一体どういう基本的な立場に立たれているのかということが、どうも私は明確でないのです。従つて官房副長官の、御無理かと思うし、又お聞きしてもどうかと思うのですが、その学術会議とか、科学技術行政協議会の関係、それから研究機関を有機的に整備統合するということ、それからそれらの一つの具体的な現われとしての科学技術庁の問題、こういうものをどういうふうにお考えになつているか、一般論として伺いたい。
○政府委員(江口見登留君) 科学技術の振興という点から、それらを一本にした科学技術庁とでも言うべき官庁を設けてはどうかという御意見は、もう数年前からあるのであります。勿論議員立法として提出されたこともあるようでございますが、科学技術の振興という面から強くそれらを推進するという点は了承できるのでございますが、併し御承知のように、各行政部面に関連して科学技術というものがあるわけでございまするので、科学技術関係を一本に集めて、各省の持つているそういうスタツフ或いは研究所、研究機関を一つにしたらどうかという点につきましては、その当該省庁の行政に関連した技術部面が非常に多いのでありまして、大体そういう特別の科学技術庁を設置するということについては、なお慎重に考慮する必要があるということを、技術面を必要とする各行政庁では申しておりまして、なかなかこういう科学技術庁設置法というものが成立する運びに至らないのでありますが、併し御説の通り何とか科学技術を振興するような適当な組織というものが必要でございます。若し各省の協力が得られて、そういうものが特別にできるというようなことになりますならば、この航空技術研究もその一部分に勿論なるわけでございまして、そういう官庁ができます際には、この機関も、航空技術の面もその一つとして設置せられて然るべきものだと考えますが、とにかくそれらの問題はさておいて航空技術の進歩発達のためには、何かの機関を設けて行かなければならないということが極めて緊急に考えられましたので、この部面だけが先に手が付けられて参つたというようなわけでございまして、御説の点につきましては、今後なお慎重に研究するようにいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 学術会議は……。
○政府委員(江口見登留君) 学術会議を或いは組織を変えて民間に移そうというような話もないではございませんでしたが、これはまだ政府の意向として確定的にきまつたものでもございませんので、これらはなお研究中という段階ではないかと、かように存じます。
○矢嶋三義君 MSA協定の締結、それから防衛二法案の成立ですね。これからの日本の防衛力の増強、こういう立場から考えた場合に、ややもすると、政府は科学研究というものを軍事科学にすぐ結び付けて、その方面に研究をされる人に補助金を多額に渡すとか或いはいい施設を提供するというような傾向が私はこれから現れて来はしないか、例えば原子核の問題にいたしましても、しばしば保安庁方面とかそういう再軍備論者というものは、すぐ兵器と結付けて考える。ところが日本の学者は飽くまでもこういうものは平和的な利用の方面に努力すべきであつて、そういう兵器のほうは研究しない、こう言つておる。ところが大学にそういう二人の学者がおつた場合に、兵器研究の学者を優遇する、施設面で優遇するというようなことは、私は今後必ず起つて来る虞れがあると、こういうふうに私は考えるわけであります。特に先般防衛二法案の審議の過程において、木村長官は今後我が国としては空と海、空軍と海軍のほうに主力を注ぐということを言明されて、こういう航空技術の審議会ができて、航空技術が進歩するということは、これは非常に大事なことであつて、是非そうなくちやならんと思いますが、これがやはり原子核等の研究とも関連を以て、原子科学の進展と関連を以て結び付くようでは、私は非常に困ると思うのです。それらの点についてはどういう心がけでおられるのか、これは私はやはり根本問題だと思いますので承わつておきます。
○政府委員(江口見登留君) 私からお答えするには甚だ大きな問題でございまするが、併しいろいろな学問が産業方面或いはこれから防衛方面に関係いたしましたものがありまする際に、政府として特に防衛に関係した研究とか学術とかいうものを厚く保護して行くというようなことを、今当面の方針として持つておるはずはないと、かように考えております。その研究がいろいろな方面に関係し、たまたまその一部分が防衛力の強弱に影響を持つようなことがありましても、その点からのみの学術振興というのじやなくて、それらの点を合せての大きな面からの、或いは産業の発達とか或いは技術の向上とかいうような点を大きく見て、その全体としてそれらの振興を図るべきでございまして、一部そういう特殊の目的のためにのみやるというようなためには、やはり学術会議とか、科学技術行政協議会とかいうような機関がありまするから、それらの機関が介在することになつていまする以上は、特殊なる目的を持つたもののみに優遇されるというようなことは不可能のように、かように考えておる次第でございます。
○矢嶋三義君 法案の内容について具体的に承わりますが、この第五条の委員というのは何名の予定でございますか。
○政府委員(千秋邦夫君) 第四条に書いてありますように、委員は十五人以内と書いてありまして、只今のところ私たち原案を作つた者といたしましては、十四、五人程度と考えておる次第でございます。
○矢嶋三義君 第七条の専門委員は何名の予定ですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 私たち原案作成者といたしましては、約百人から百五十人程度というふうに考えておる次第でございます。これにつきましては大体専門部会が九つくらい考えられます。それの又分科会ができまして、分科会が全部で二十くらい考えられるのであります。この専門委員といたしましては先ず百人から百五十人くらいというふうに考えるのであります。
○矢嶋三義君 その専門部会、分科会の資料は出ておりますが、これだけの部会と分科会があり、而も専門委員には常勤が一人もない、全部非常勤となつておるわけですが、更に事務上の援助をされる幹事はこれも全部非常勤になつていますが、そういうことで一体仕事はできますか、どういうふうにやられるつもりですか。
○政府委員(千秋邦夫君) それにつきましては、実は事務局に、実際の仕事をする者は事務局員をして当らせまして、そして専門的な知識は専門委員から頂くというように考えておるわけであります。そうしてそれの取りまとめをこれらの事務局のほうでいたしまして、従いまして本年度は、先ほど説明申上げました通りに、時間がなかつたのでございまして、事務局の定員等につきましては多くできなかつたのでございますが、実際問題といたしましては、各省からの相当の援助も得まして、事務局のほうで実際の取まとめをして、専門委員は、専門的な知識を借りてやるようにいたしたい、現在の科学技術行政協議会が大体これと同じような考え方で進んでおるのでございまして、専門委員の数も相当ございます。そうして事務局員が専門委員の取まとめをして行くという恰好にいたしておるのでございます。
○矢嶋三義君 その事務局の定員は先ほどの御説明によると五人ということに了承しましたが、さようですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 先ほど御説明申上げました通りに、本年度は航空技術審議会の事務局員というのではないのでございまして、科学技術行政協議会として航空技術の問題を取扱う場合に五人の定員増加になつたのでございます。それをこの法案ができ上りましたならば、それに振向けて行くという恰好になるのでございまして、実際におきましては五人では非常に手薄であろうと考えられますので、各省のかたの御協力を得まして、できるだけ万全を期して行きたいと考えておるのであります。
○矢嶋三義君 ちよつとぴんと来ないのですが、何ですか、庶務は科学技術行政協議会でやると書いてありますが、それでは一人の人が科学技術行政協議会の事務と航空審議会の事務と両方とられるという形で運営されるのですか。それとも事務局に同居はするけれども、かくかくの人々はこの審議会の事務担当者だというふうに区別される御予定でありますか。若しそうとすれば、その人員は何人にされるのですか。
○政府委員(千秋邦夫君) これは私の私案でございますので、まだ決定になつておらない私の考え方でございますが、科学技術行政協議会の中に航空技術に関する課を作らなければいけないのじやないかと思うのです。五人増員になりました分をそれに充てるわけであります。併しながら庶務的なことは現在の科学技術行政協議会の総務課でする、その点は重複しておる恰好になると思うのでありますが、そういうように私たちは事務的に考えておる次第でございます。
○矢嶋三義君 この航空技術審議会部会案というのが資料が出ておりますが、これはどこで作られたのでありますか。私はこういうものは委員が任命されて、委員が十分検討の上作られるべきものではないかと思いますが、一応草案として作られたのでございましようが、これはどこで作られたか。それと私はこの委員、専門委員、幹事、これを見て、更に事務局の構成等から見て、果してこの予算の下に設けられた審議会が活溌な動きができるものかどうかというような点について、非常に私は疑問を持ちますが、これと機構のよく似た科学技術行政協議会の最近の動きはどうですか、併せお答え願います。
○政府委員(千秋邦夫君) これを作りましたのは、実はこの法案を作りまするに際しまして、科学技術行政協議会の中に航空研究部会というものを作つたのでございます。そうして大学の教授初め、民間の学識経験者の方々約二十人余りだと思いますが、ちよつと数は私はつきり今覚えておりませんが、その方々と、それから関係各省の方々に集つて頂きましてこの法案を作つたのでございますが、そのときに専門部会はこういう専門部会が要るだろうというようなことで、この案を作つて頂いたような次第でございます。これはここに書いてございますが、すぐこれで全部をやるというわけにも、まだなかなか参らないだろうと思います。逐次この方向に進んで参るようになるのじやなかろうかと思つております。それから科学技術行政協議会のお話があつたのでございますが、私科学技術行政協議会の事務局長といたしましては、相当やつておると確信いたしております。科学技術行政協議会は只今のところ学術会議との連絡のためには月一回の総会をやつております。そのほかに、その結果を各省との間に連絡をするために幹事会を月二回合会いたしております。そのほかに部会が約十一ございまして、その部会は非常に重要な部会でございます。外国技術を入れる、或いは又外国に人を出す、外国の科学機械を買う、国内の研究所の施設の改善をするというような問題を取扱つておる部分が約十一あるのでございます。この部会が非常に活動いたしまして、その結果を月一回の総会で報告してやつておるのでございまして、 〔委員長退席、理事長島銀藏君着席〕 月一回の総会は私は淡々として動いておると思いますが、そのうしろには、やはり部会が相当活動しておるということを申上げたいと思うのであります。
○矢嶋三義君 あなは事務局長になられて何年になられますか。
○政府委員(千秋邦夫君) 私はもう五年以上になるのであります。
○矢嶋三義君 その間に総理又は副総理が一回でも顔を出されて、しつかりやつてほしいというようなことでもありましたか。一遍も出席されたことはない、完全に名前だけだということを私は承わつております。
○政府委員(千秋邦夫君) 総理は御出席になりませんですが、副会長はときどき御出席になられまして、特に非常に熱心に御出席になられました副会長もございます。
○矢嶋三義君 最近の副会長の出席状況はどうですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 最近は文部大臣が御兼務されておられまするので、文部省の御用事が非常にお忙がしい、特に国会開会中はお忙がしいようでございまして、最近はちよつと御出席がないようでございます。
○矢嶋三義君 この学術会議あたりの結論を見ますと、日本の大学を初め、この科学技術の研究陣営は、ともかく余ほど悩んでいるのです。科学技術行政協議会あたりはやはりこの会長は総理大臣であるし、日本学術会議の要望等は具現されるように、やはり私は努力されるべきであると考える。ところが非常にそれらの点については冷淡だということを聞いているわけです、そういう事情で今この審議会あたりを又ここに設けられても、よほど筋金を入れてやらなければ、これは所期の目的を達し得ないと思うのです。これはあなたに申してもしようがないので、あとで副総理に伺います。もう一つ伺いますが、航空機の輸出を見込まれたといいますが、その状況はどうですか。
○政府委員(千秋邦夫君) これは仏印のほうに東洋航空という所でちよつと需給のようなものがあつたということがあつたものですから、ここにちよつと書いたのでございますが、併し私といたしましては、東洋におきましては、やはり日本は科学技術の最も進んだ国であり、将来どうしてもこういうふうな航空技術を発達させまして、輸出技術として振興させるべきものと考えて、ここに書いた次第であります。只今のところ一件だけ仏印のほうに話があつたということであります。
○矢嶋三義君 これは通産省とも関係がありますが、そういう方面にも科学技術行政協議会のほうから、そういう意見を申出て、将来航空機の輸出も一刻も早くできるようにやりたいという立場から、現実的に設けられつつあるのですか、どうですか、ただ仏印からそういうあれがあつたからというので書かれているだけですか。相当実現性のあるような方向に通産省あたりも動いているかどうか。
○政府委員(千秋邦夫君) 実は、この航空技術審議会の法案を作りますときに、或る委員から非常にそういうふうなことをやらなければならないということを力説されたかたがあるのでございます。この内明け話になりますが、共用に供する研究機関の所属問題を討議いたしましたときも、これは通産省に置くべきである、その理由は将来輸出を盛にするためには、通産省がいいという意見を申されたかたもありまして、ただ私の個人の意見で書いたのではなくて、目標がそこにあるということを委員の中にも意見がありましたので、そこに書いたような次第であります。
○木村禧八郎君 この提案理由の説明の中に各国の航空技術は想像もつかないほど発達しておる。日本の場合と比べて、例えばジエツト・エンジンなどを例にとつても、どの程度に開いているか、外国の技術と日本の技術と。
○政府委員(千秋邦夫君) 私は航空機の専門家でないから、はつきり申上げられませんし、詳細なことは書面でお答え申上げるよりほかないと思いますが、現在日本では例えばジエツト・エンジンというものは作れないのです。ただ最近試作をやり始めたという程度でございます。又外国におきましても、音よりも早い飛行機ができるというような状態にもなつておるのでありますが、日本では到底そういうようなことも考えられない。而も又研究機関もばらばらになつてしまつて、技術者もばらばらになつてしまつた。従つて日本の航空というものが私は底力はあるかも知れないが、新規捲直しではなかろうか。人を集めて、そうしてもう一度やり直しの状態ではなかろうか。従つて日本の実力がどれくらいあるかということにつきましては、はつきり申上げかねるのではなかろうか。ただ外国におきましてはジエツト・エンジンができ、そうしてスーパーソニツクの飛行機まででき上つて来ているという状態であります。而も又先ほどちよつと申上げましたが、電子計算器を使つてやつておる。それはなぜかといいますと、電子計算器というのは二十人くらいの人が数カ月かかつてやる算計を、とにかく一時間くらいでやつてしまうのであります。そうすると、これからの飛行機というものはどんな形がいいか、そういうようなものをすべての場合について試作品を作るわけであります。そうしてすべての場合、何十という組合せをやりまして、実験するわけであります。そうすると、実験したものをすぐ電子計算器で計算してしまう。そうして何十、何百というデータを取上げて、そうして研究して結果を出して行く。日本は一つの計算をする場合ですら、二十人くらいの人たちが何か月もかかる。そういうような状態で、到低現在では外国の状況に追い付かないということではなかろうかと思うのであります。
○木村禧八郎君 私も全然航空の専門家でないからわからないのですが、いろいろ聞いたり読んだりしますと、今お話のようにこのジエツトというのは本当に殆んど日本の技術からいえば、夢のごとき発達をされている。そこで私はこの御質問をしたる趣旨は、今度アメリカから三十六億のいわゆる小麦の援助をもらうわけで、千万ドル、あれの使途ですね。あれの使途についてどういう方面に向けるかについてはいろいろ議論があるのですが、ジエツト・エンジン会社のほうに二十億くらい補助するという情報があるやに聞いたのですが、これはアメリカと協議しなければならんわけですが、ところでアメリカのほうには意見が二つ分れておつて、それは日本の技術の立遅れではジエツト・エンジンが作れない。日本が或る程度研究しても、又外国はこの上を又行くわけですから、実績があるのですから。そうすると、そういうジエツトみたいな場合には必要ならアメリカが借してやる。日本でやつても、非常に遅れたところでよちよちやつてみても、本当にそこまで追い付くのかどうか非常に疑問がある。従つて意見が分れるのも一理あると思うのです。今まで説明を伺つていますと、航空技術なり、又科学技術といいますか、軍事科学が、どうしてもこれは航空技術といつても、戦闘機、いわゆる戦争に使う航空機の研究、こういうことであろうと思うのです。従つていずれ憲法との問題は私は出て来ると思うのですが、これは解釈の違いかも知れませんが、潜在戦力というものをここで一生懸命に日本が力説するということになる。ですから憲法との関係をどう考えて行くか。それから又日本が如何に努力しても、そういう軍事的なような飛行機の技術はとても追い付けない。夢のごときものであると言われており、それをこれからよちよちやつて行つてどの程度効果があるものか。我々は素人ながらも疑問を持ち、そうしてあの三十六億の使途、あれは基礎産業のほうに、平和産業に行きますなら、石炭とか鉄鋼とか、そういう方面の増産のほうに向くならば、これは平和産業のほうに行くのだからいいのですけれども、とても見込みのないようなジエツトのほうに、これに融資するのは何か非常に無駄な気がするのです。今のお話ですと、日本は遅れているので、日本が或る程度行つても、又外国が或る程度先に行けば、とてもこれは追い付けない。従つてそういう軍事的な方面に非常に主力を移すといいますか、これは再軍備に関係があるので、そういうほうに力を注ぐのだと思いますが、見込みがあるのですか、一体、外国の水準に追い付く見込みがあるかどうか。
○政府委員(千秋邦夫君) 私は、現在のところでは、とても日本は、例えば向うのほうの飛行機でいいますと、機体ではメンターであるとか、或いはエンジンではコンチネンタルという程度のものしか作れない状況であると思うのです。併しながら将来におきましては、相当私は、昔の研究者というものは残つております。例えば今度行きました渋谷工学博士のごときは相当まだ若いかたでありますが、相当立派なかたでございます。そして、このかたはジエツト・エンジンの設計をして向うに行つたのであります。独力で、或る程度のヒントはありますけれども、日本人で設計をして行つたということでございますので、すぐには私はできないと思いますが、時間をかけますれば、日本人としても決してそんな能力はないとは思わない。ただ時間と金の関係であるというように私は考えております。
○木村禧八郎君 資材面なんかどうですか。資材についても非常に特殊な資材が必要になつて来るんでしようし、日本にはそういう資材がないと、こういう場合もあると思うのです。技術はそうであつても、そういう点からも非常なマイナス面があるんじやないかと思うのですが、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(千秋邦夫君) 最近におきましては、チタンのごときは日本は非常に有望でございまするし、又それの研究は相当できております。最近の発達におきましては、珪素樹脂でございますが、珪素樹脂はどうしても外国から輸入しなければならなかつた。これは何も飛行機の問題だけでなくて、すべての問題がこれは問題でございますが、珪素樹脂というのは、最近におきましては、住友化学、或いは信越化学、或いは又、東京芝浦電気、そういうところでも生産に移つておりますし、そういうものを漸次作つて来ておる。従いまして、私航空の専門家でないですから、完全なことはわかりませんが、まあでき得るのではなかろうかと思いますが、これは詳細なことでしたならば、やはり調査の上御答弁を申上げなければならないだろうと思います。
○木村禧八郎君 今科学技術行政協議会ですか、事務局長をやつていらつしやるのでしたら、何かそういう参考になるような資料がありましたら、今でなくともいいですから、あつたら出して頂きたいと思います。 それからもう一つ伺いたいのは、さつきの航空機の輸出の問題ですが、あれは旅客機なんですか。それとも戦闘機なんですか。輸出の見込みがあるというのは。
○政府委員(千秋邦夫君) 向うから言つて来たのは偵察機だそうであります。併し委員として行かれたかたは、そういうふうなことは、先ほど申上げました技術者のかたは偵察機であるとか或いは何とかということでなしに、やはり日本という国は航空機のようなものを輸出して行かなければならないということを力説されておられたのでございます。
○木村禧八郎君 そのオフアーがあつたというのは、どこですか、さつき……。
○政府委員(千秋邦夫君) それは仏印でございます。
○西郷吉之助君 どうなんですか、質疑はこれでいいんじやないですか。
○矢嶋三義君 もう一つ、簡単なことですが、この部会、分科会から見ましても、これは随分専門的なことですね。従つて私は他の総理大臣の諮問機関とか審議会等とは違つて、こういう仕事をされる委員の人は、やはり或る一定期間続けて就任されなければ仕事がやりにくいのじやないかと思うのですが、この任期二年というのはどういうお考えで選ばれたのか。科学技術行政協議会でも、任期は三年になつておつたと思うのですがね。この航空の審議会はどういうわけで二年というのを選んだのですか、短かいじやありませんか。
○政府委員(千秋邦夫君) それはそういういう点も随分考えたのでございますが、結局法制局方面と折衝いたしましたときに、現在の法律案は大体において二年となつている。それで適当なかたは何年でもそのままお願いしたほうがいいのじやないかというようなお話でございます。で、事実科学技術行政協議会におきましても、三回続けて委員になつておられるかたもありますので、適任のかたはそのままずつと留任されることになるだろうと思うのです。
○理事(長島銀藏君) 皆さんにお諮りいたしますが、先ほど矢嶋君からのお話もございましたので、これはあと廻しにして次に移つて差支えありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(長島銀藏君) それでは次に移ります。 ―――――――――――――
○理事(長島銀藏君) それでは内閣及び総理府関係法令の整理に関する法律案を議題にいたします。
○矢嶋三義君 官房副長官に伺いますが、これは内閣及び総理府関係のみならず、各省ともこの法令の整理をしなければならないことが、随分あるのが放置されておりますが、どういうわけで今まで整理されていないのでございますか。これは各省ともあると思うのですね。
○政府委員(江口見登留君) 法令整理に関しましては、数年前から、もう実効のないもの、役に立たないもの、或いは一時限りのものであつたものなどについては、整理しようということになりまして、その案を練つて参つたのでございまして、 〔理事長島銀藏君退席、委員長着席〕 この国会には各省関係で要らなくなりました法律の廃止に関する法律を、それぞれの各委員会で申上げて頂きまして、たしか七省ぐらいまとめて、ばらばらではございますが、その省その省でまとめて、今回の国会の御審議を願いまして、もう相当上つている法律もございます。この法律は内閣及び総理府関係、ただ自治庁関係だけを除いたものを、この内閣委員会で御審議頂きたいというわけでございます。
○矢嶋三義君 大変結構なことです。遅きに失したるくらいですが、ところがこの場合、逆の場合を聞きたいのですが、法律は失効しているのに、実質的にはその法律が活きているのと同じように、実際取運ばれている例があると思うのです。例えば総理府関係で、具体的に言えば、栄典関係ですね、栄典法はまだ先般一度提案されましたが、遂にまだ成立していないわけですね。ところが明確な根拠もないのに、その栄典を、表彰するところの基準も設けられることなく、実際においていろいろと表彰が行われている、これらについては先般賞勲部長に対して質疑もし、要望もしておいたのですが、その後続々と賞勲が出されておりますね。ああいうのは私はけしからんと思うのですがね。この賞勲制度というものは、新憲法下で如何にあるべきかということは、やはり私はあり方としては一つの基本的な問題だと思う。それは法に基いてやらなければなりませんしね、この国会の審議を経て基本的な方針というものをきめてやるべきにかかわらず、そういうものをやらないで、実際は旧法があつたと殆んど同様にですね、賞勲部ですか、あの職員が各省関係から探知した範囲内において出されているというのは、全く死物化しているような感じがして、私はけしからんことだと思うのですが、一体あなたがたどういうふうにお考えになつているのですか。
○政府委員(江口見登留君) 叙位叙勲の問題につきましては、これは昔の法令が活きているのでございます。ただ占領期間中、勿論軍人に対してそういうことはやるべきてないということで、それをやめましたし、更に軍人以外の公務員につきましても、戦時中いろいろ関係して参つたものもございまするので、それらの人たちに対して定期的に勲章を授与したり、或いは位を上げたりするというのは差控えるべきではないかということで、日附は忘れましたが、閣議決定によりまして、つまり、方針によりまして、今後生きているものには、こういう制度はストップしようじやないかということになりまして、ただ亡くなられた、死んだ場合、その方が或る勲章を持つておられる場合には、そのなくなつた場合に、もう一つ上げた勲章を差上げるか、差上げないかというようなことを審議しまして、十分功績があつたかたには、もう一階級上げるとか、位につきましても同様であります。或いは又長く日本にいた宣教師とか、或いは占領期間中いろいろ日本に対して指導してくれた外人とか、そういう人たちが帰えるときには、その叙勲というものをいたしておりますが、普通の人には今やはりとめているのでございます。ただ亡くなつたときに、そういうことをやつておりまするので、それが或いはお目につかれたのではないかと、かように考えます。
○矢嶋三義君 それは私も問題だと思う。これもあとで総括質問のときに副総理に伺いますが、それは法は実質的に生きてるはずありませんよ。旧憲法時代と新憲法時代における国家のそういう功労者に対する表彰なんかというのは、考え方から、基準から変わるべきです。これは当然変つているはずです。主権在民の憲法に変つているのですからね。従つて政府としては新憲法下にふさわしいところの栄典法を作らんといかんというので、多年に亘つて研究されたわけですが、そうして案までできたわけでしよう。ところがその案について随分と意見がありまして、そうして未だに法として成立していないわけですね。それだけやはり根本的に重大な問題を含んでいるわけですね。従つて政府は一刻も早く、いろいろ意見がありましようけれども、それらをやはり国会で提案して、国会の審議を経て、そうしてやるべきですよ。終戦以来十年になつているのですからね。それをなさずに、もうこの前あれは賞勲部ですかね。賞勲部長に、いろいろ質疑しましたが、内容的にこれはここで時間がかかるから申上げませんけれども、その答弁たるや極めて不満足な、権威のないものだつたのですよ。だから早急に、政府として一つの確固たる方針をきめてやるべきだ、こういうことを警告しておいたわけですがね。各委員も大体同意見であつたわけです。その後、私新聞見ていますというと、ことあるたびに続々と出されている。これは非常に私は政府としては怠慢でもあるし、又不都合だと思うのですね。これはいずれあとで副総理が来た場合に、あとで伺いますが、あなたはそういうものを、官房副長官ですからね、これは十分私は心得てもらいたいと思うのです。そういう制度は私は無用だというのじやないのです。やはりある以上はしつかりした一つの根拠があつて、又権威あるものでなくちやならんと思いますけれども、丁度このことと関連がありますから、それだけ申上げておきます。
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質疑ございませんか……。それではちよつと速記を止めて……。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて……。 それでは内閣及び総理府関係法令の整理に関する法律案につきましては、質問の一部を残しまして、次の議題に移ります。 ―――――――――――――
○委員長(小酒井義男君) 元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○矢嶋三義君 これは補足説明があるのでしよう。
○政府委員(石井通則君) お手許に配布いたしておきましたが……。
○矢嶋三義君 読んで下さい。
○政府委員(石井通則君) 昨年第十六回国会におきまして、元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律が制定せられ、元南西諸島官公署職員で引き続き琉球諸島民政府職員となつて者は、恩給、退職手当、死亡賜金に関する法令の規定の適用上、身分継続の措置が講ぜられましたが、今回、昭和二十一年一月二十八日、即ち行政分離の日の前日において、その当時の法令に基いて組織されていた共済組合の組合員たる職員につきましても、共済組合関係法令のいわゆる長期給付、即ち退職給付、廃疾給付、遺族給付に関する規定の適用上、恩給等の取扱いと同様の身分継続を認めたいと存じ、これに必要な法律の一部改正案を提出したのであります。 次にこの改正法律案につきまして、逐条の説明をいたします。 第一条の改正は、法律の目的の中に共済組合の長期給付について特別の措置を定めることを加えるための改正であります。 第四条の二は、共済組合に関する法令の適用に関しまして新たに設けました規定でありまして、その第一項は、元南西諸島官公署職員で引き続き琉球諸島民政府職員となつた者に対し、国家公務員共済組合法の規定中、いわゆる長期給付、即ち退職給付、廃疾給付及び遺族給付に関する部分の規定を適用し、これらの給付を行うことを定めた規定であります。本条項の適用を受ける者は、昭和二十一年一月二十八日当時施行されていた官署の共済組合に関する法令に基いて組織された政令で指定する共済組合の組合員たる職員として在職していた元南西諸島官公署職員で引き続き琉球諸島民政府職員となつた者でありまして、政令では昭和二十一年一月二十八日において、その当時の共済組合法令の長期給付を受けていたいわゆる現業官庁の職員の共済組合を指定いたす考えであります。 本条項におきましては、これらの職員のうち、昭和二十一年一月二十九日以後共済組合関係法令が南西諸島に適用されていたとした場合に、長期給付の規定の適用を受ける職員として在職した者となるべき元南西諸島官公署職員が、引き続き琉球諸島民政府職員となつた場合には、その琉球諸島民政府職員を共済組合の組合員たる職員として在職した者とみなして、その者について昭和二十一年一月二十九日以後給付事由の生じた退職給付、廃疾給付及び遺族給付を支給するということにいたしております。 なおこの条項では奄美群島の復帰に伴うたばこ専売法等の適用の暫定措置等に関する政令第十一条第一項の規定により共済組合法の適用を受ける者を除外いたしておりますが、その除外いたしました理由は奄美群島の復帰に際して同群島において琉球諸島民政府職員として勤務していた元南西諸島官公署職員については、政令ですでに共済組合法の適用上身分継続の措置をいたしておりますのでこの法律案を適用する必要がないからであります。 その第二項は、共済組合の給付の基礎となる俸給は、その者が昭和二十一年一月二十八日において受けていた俸給を基礎とし、本邦の公務員の共済組合の年金の増額改訂の例にならい増額した額とする規定でありまして、この規定は恩給等の計算の基礎となる俸給の定め方の例に準じたものであります。 第四条の三は、退職年金等の額の特例に関しまして新たに設けました規定でありまして、その第一項は第四条の二の規定により共済組合法の規定の適用を受ける元南西諸島官公署職員で、改正法施行の日以後なお引き続き琉球諸島民政府職員として在職する者に対する共済組合の退職年金、退職一時金又は遺族一時金の額については、改正法施行の日以後の在職期間に応じて定めた額を共済組合法の規定により算定した額から控除した額とするということを規定いたしたものであります。これは琉球諸島民政府職員として在職中は、共済組合の掛金を徴収するということは非常に困難でありますので、掛金を徴収しない代りに給付の額を減額することにいたしたのであります。 その第二項は、控除する額の計算については、年を単位として期間を計算するという規定であります。 第六条の二は在職期間の通算の辞退に関して恩給の場合における在職年の通算の辞退と同一趣旨の規定を設けたものでありまして、その第一項は第四条の二の規定により共済組合法の規定の適用を受ける琉球諸島民政府職員が、退職年金についての最短給付年限に達し、共済組合法上の在職期間の通算を辞退する旨申し出たときは、行政分離の日に既に最短給付年限に達しておればその日、行政分離後最短給付年限に達したときはその達した日に退職したものとみなして、琉球諸島民政府職員として在職のまま、共済組合の退職年金を受け得る途を開いたことであります。 その第二項は、右の辞退をすることの申出は、事務処理上この改正法施行後又は最短給付年限に達した日から六カ月以内に内閣総理大臣を経由して共済組合の代表者に対してしなければならないこととした手続に関する規定であります。 その第三項は、第一項の辞退があつたときは退職手当法の関係におきましても、それぞれ共済組合法上退職とみなした日に退職したものとして、退職手当を同時に支給することとした規定であります。 次に第七条第一項中但書を削ることにいたしましたのは、この但書は通算の辞退をした後に死亡しても死亡賜金は支給しないという規定でありましたが、特別措置法の施行後は死亡賜金の制度が廃止せられ、退職手当制度に吸収されましたので、この但書は不必要な規定となつておりますので、これを削ることにしたのであります。 第八桑中の改正は、共済組合に関する規定を設けたことに伴う字句の修正であります。 第十二条の改正は、官公署の共済組合に対する権利で金銭の給付を目的とするものの消滅時効は、恩給、退職手当その他の諸給与等の場合と同じく、戦争により南西諸島官公署の機能が混乱に陥りました昭和二十年三月一日からこの改正法施行の日の前日までは進行しないこととした時効の中断に関する規定であります。 第十四条の二は長期給付に要する経費の負担に関しまして新たに設けました規定でありまして、本条は、第四条の二の規定により支給すべき共済組合の給付に要する費用は原則として国庫が負担する建前といたし、日本専売公社、日本電信電話公社の共済組合が支給する給付に要する費用は、これらの共済組合の組合員のうち、国家公務員である者及びこれらの団体の役員又は職員である者がそれぞれ受ける俸給の総額の割合に応じ、これらの共済組合の運営規則で定める割合に従い、国庫及びその団体が負担することとした規定であります。 附則の改正は、一つは附則第二項及び第五項に規定してあります南西諸島の範囲に関しまして従来の南西諸島の範囲から昨年復帰いたしました奄美群島を除くための改正の規定であり、他の一つは附則第五項に規定いたしております所得税の特例につきまして、共済組合の給付に対する所得税についても、恩給、退職手当等の場合と同様、所得税法に定められた同法施行地外の個人の所得に対する税率二〇%を一〇%にするために必要な部分を改正した規定であります。 最後にこの改正法律案の附則でありますが、その第一項はこの法律は昭和二十九年六月一日から施行することにし、法律第十二条、第十四条の二及び同法附則の改正規定を除き、昭和二十一年一月二十八日から適用することにいたしております。 その第二項は、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定によりますと、その法律の適用を受ける年金受給者は、その居住地が本土にある場合に限り年金を支給せられておりますが、南西諸島に居住する年金受給権者にも同法を適用して、旧令による共済組合即ち元外地関係共済組合等からの年金を支給し得るようにいたした規定であります。
○野本品吉君 極めて簡単なことですがお伺いいたします。奄美群島その他が復帰してから、それらの復帰地区の者で琉球政府の治下におります者が、非常になんと言いますか、冷遇されていると言いますか、迫害されると言いますか、冷たい扱いを受けているということを承わつておりますが、かようなる事実はありますですか。
○政府委員(石井通則君) 只今の御質問は復帰地区におる者でなくて、復帰しない地区におる者ということでないかと思いますが……。
○野本品吉君 復帰地区におる者とですね、復帰地区の者で琉球政府の治下に務めている、働いていると申しますか、いずれにしましても、琉球政府の管轄地域以外の者が、琉球政府の治下において冷たい扱いを受けているということを聞くのですが、さような事実はありますか。
○政府委員(石井通則君) 現在奄美大島出身で沖縄におりまする者が、先般の仮登録で一万九千人、はつきり数字は覚えておりませんが、約二万人ばかりいるようでございます。これらの者に対する処遇に関しましては、復帰の際におきまして、アメリカ側からこれに対する処遇について急激な変化を与えない。又人道上問題を起すような取扱はしないという約束ができておりまして、その意味におきましては、特別に冷遇されているということはございません。ただ奄美出身者が日本の本土の出身者とまあ同様の取扱いを受け得るに至つた。そういうことから例えば奄美出身者が琉球から奄美に引揚げて来る場合、従来日本円にしまして十万円程度の持ち帰り金ができておつたのが、現在差当り暫定措置として一人二千円限度にとどめられております。それから又従来琉球政府の治下にありました場合においては、奄美大島と沖繩の間には自由な送金ができておつたわけでございまするが、復帰後はこれも日本本土出身者で沖繩に渡航しておりまする者と同様に郵便為替の利用ができていないのでございます。こういう点につきまして、いろいろ現地で折衝はいたしておりますが、まだ我々の希望通りに行つておりません。殊に郵便為替につきましては、従来から日本本土出身者が郵便為替を利用して本土に送金できるように交渉しておつたわけでございまして、これが従来も琉球政府が承認いたしておりませんので、奄美復帰後、奄美出身者も現在のところ本土人と同じように取扱われるに至つておるのでございます。 それからもう一つの問題は、奄美出身の公務員でございます。これが初めは復帰後直ちに琉球政府の公務員としての身分がなくなるのじやないかというふうに判断されておりましたが、奄美人の登録というのが仮登録を一月末日まで、それから本登録を実は四月末日に完了するはずのところを、一月延びておりますが、その完了後は身分がなくなるのじやないかというように予想いたしておりまして、できるだけ本人の希望によつて本土の官公署に斡旋することにつきまして、当初約三百人近くの公務員がおりましたが、だんだん世話をいたして参りまして約五、六十人残つております。これらにつきましても、目下なお一層斡旋に努力いたしております。なお、又現地におきましては、これも本登録終了後、急激に奄美出身者を解雇するということは酷に過ぎるということを考えておりまして、特別の琉球住民以外の外国人と言いますか、外人と言いますか、それらの琉球政府に対する雇用について、特別の法規を作るような検討を目下やつておるようでございます。まあその他いろいろ問題はあり、いろいろ斡旋すべき点はございますけれども、特にひどく冷遇されておるというようなことは現在のところありません。
○野本品吉君 只今のお話にございましたですね。復帰の後において急激な変化を与えないとか或いは人道に反するようなことはしないという米軍の声明と申しますか、方針と申しますか、そういう声明なり方針なりというものから見て、果してその通りに処遇されておるかどうか。そういう点から又考えて、直接向うの仕事をなさつておる方々からの立場から、こういう点は考えるべきである、考えてもらいたいということである、ああいう点は直してもらいたいということである、そういう多分希望する事項があろうと思いますが、この際、私はそれを項目で結構ですから一応伺つておきたいと思う。
○政府委員(石井通則君) 復帰後、奄美出身者がいろいろ取扱い方が変つて困るであろうというようなことも予想いたしまして、まあ絶えず現地の状況は観察もし、又事項によつては陳情も受けております。まあそのうちこれは日本本土と同じように取扱われるということになりますれば、まあこれは当然のことでいたし方がないということも考えられますけれども、先ほど申上げまして郵便為替の利用ということにつきましては、特に復帰前から日本本土人が郵便為替を利用するということについて交渉をいたしておりましたが、殊に奄美人はまあ出稼ぎと言つては悪いかも知れませんが、奄美におきまして生活が困つて、沖繩へ行つて勤労に従事し、父母或いは親類に送金しておつたのが大部分でございますので、そういう送金は特にこの奄美人の特別な事情を考慮して何とか認めてもらいたいということを再三要望いたしております。 それからこれは具体的に取扱がどういうふうになつて行きますか、まだはつきりしせんが、奄美出身者の経営しておりまする会社その他につきまして、琉銀の融資についていろいろ制限があるというようなことをときどき聞くのでございまして、まあこれは特に具体的な詳細に亘つた陳情はございませんが、口頭による話をよく聞いております。これらについていろいろな問題が具体化して来ますれば、奄美出身者も琉球住民と同じように取扱つてもらうように交渉いたしたいと、こういうふうに考えております。そのほか危惧いたしました奄美人、特に或いは療養施設に収容されておる者とか、保護を受ける者とか、そういう者を奄美に追い返すというようなことは若干懸念されておりましたが、そういうような人道的な問題は起つてはおりません。今お話した程度のものであります。 なお、今後具体的に困る問題があるならば、できるだけ解決してやりたいと、こういうふうに考えております。
○野本品吉君 二十八年の法律第百五十六号の元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関す法律、この法律の実施後の事務的な進み方と申しますか、つい最近私は向うの人で、すでに向うで恩給の査定を受けて、曾つて恩給の支給を受けておつた者が、まだ何らの通知に接しないというようなことを直接本人から聞いた。そういうような事務的な進行の状態をちよつと承わりたい。
○政府委員(石井通則君) 御承知のように、この法律ができる前からの既得権者と、この法律による琉球諸島民政府を退職して申請するものと両方ありますが、この前の法律でこれらのもの全部について送金その他の道が開かれたわけでございます。従来の既得権者につきましては、約六百件ばかりの沖縄県知事の裁定の分を恩給局のほうに申達いたしております。それらのもの、又外地関係の恩給権者等で南西諸島に居住するものにつきましては、絶えず恩給局と打合せもし、その速かな支給につきましてお願いしておりましたが、最近恩給局から調査依頼のありました分で、必要な調査をして恩給局に提出いたしたもので、百十五件恩給証書が送られた模様でございます。なお又、その後もだんだん恩給局から送つて頂いておるようでございまして、漸く近いうちに恩給の支給を受けられ得るような段階になつて現地のものも非常に喜んでおります。なお、この特例によりまする琉球政府を退職して申請すべきものにつきまてしは、現地におきまして約千件ばかり書類が出ておるようでございます。履歴書その他の不備がありまして、若干日時を要しておりましたが、その千件程度のものも近くこちらに提出されて来るじやなかろうか、こういうふうに思つて現地を今督励いたしておるような状況であります。
○野本品吉君 大体あれですか、お骨折によりましてその事務は順調に進行しておるということでございますね。
○田畑金光君 これはこの法律案改正と若干離れるかも知れませんが、今奄美大島の復興計画と申しますか、これを政府機関がどのように事務を分掌しておられるのか。というのは、復帰前は総理府の南方連絡事務局が一切所管しておられたわけであります。ところが、復帰後南方連絡事務局から離れまして、それぞれの官庁に、本省の事務が移行した状況になつているわけであります。御承知のように、奄美大島が昭和二十一年の一月二十八日を境として行政分離をされた以前を考えましても、戦争前におきまして、奄美大島振興十カ年計画という名の下に、或いは土木行政、土木工事、港湾の施設或いは黒砂糖とか紬、こういうその地の特殊産業の保護のために、特別の措置がとられて参つていたわけであります。そういうような貧困と申しますか、資源においても不十分であつて、島が十年近くも杜絶されて、而もそれが占領政策の下に生かさず殺さずというみじめな状況に追い込められて、昨年漸く復帰した。今後の復興計画の問題が一番大事な問題でありまするが、遺憾ながら、昨年の国会におきまして、十億の取りえず復帰に伴う予算措置が講ぜられたにかかわらず、その十億の予算のうちに、現地において待望しておる公共事業等に、これが流れて来たというのが非常に遅いわけであります。私も去る二月に選挙応援で現地に行つてみましたが、二月になるにかかわらず、そうして又失業者というものがたくさん職を求めておる。沖繩からどんどん戻つて来る、こういうような状況にかかわらず、末端における職業安定所を訪ねてみると、失業者の登録に漸くとりかかつたという段階で、お金が来て仕事が始まるということはいつになるかというような状況にあつたわけであります。これは一つの例でありまするが、その他、例えば土木の工事と道路の復旧工事にいたしましても、港湾の施設改修等にいたしましても、何ら予算が現地に令達されていない。こういうふうな状況にあるわけであります。そういうようなことをだんだん考えてみますると、奄美大島の振興計画というものが、鹿児島県の県庁を通じて予算を地元に令達するということがいいかどうかという問題、こういうような中間機関を経由することが妥当かどうかという問題が、真剣に取上げられて参つているわけであります。この点に関しまして、特に私は痛感いたしましたが、こちらに西郷さんもおいでになりますが、西郷さんもやはりあのとき選挙応援で現地に行つておられるのであります。現地に行つて見まして、感じましたことは、鹿児島の県議会の議長以下相当な人々が、奄美大島の視察だ、土木委員の視察だ、或いは文教委員の視察だ、いろいろな各種委員が視察に来ておりまするが、世に言う大名行列に過ぎない。殊に甚だしいのは、奄美大島の復興は鹿児島県議会、鹿児島県政でなければできないのだ、こういうようなことを言つて、その知らざる人々を何と申しますか、だましておるというか、こういうふうな状況であるわけであります。而も又公務を以て来た県会の諸公が選挙応援をして歩いておる。誠に許すべからざる行過ぎを我々は見せつけられたわけであります。御承知のように、奄美大島におきましては、選挙が法定得票数を得た者はなくして、再選挙ということで四月末に再選挙が行われましたが、このときの選挙の状況を聞いてみましても、県会議長や或いは土木部長が現地に渡つて行つておる。土木部長あたりが選挙のさなかに十日も二週間も現地にとどまつているということ自体がすでにおかしいんだが、それは公務の名に隠れて、実は今後の大島の土木施設、土木工事をやるにしても、県におぶさつて行かなければだめだ、県におぶさつて仕事を進めて行くためには、県の推すそれらを推さなければだめだ、こういうようなことが現実に行われていることを私たちは聞いているわけであります。そういうことを考えて見ましたときに、私たちの見るところは鹿児島の県議会の人がたのものの考え方、或いは中央政府に対する或いは国会に対する傲慢な態度というものは、大いに究明しなければならんと考えますが、この点は鹿児島県選出の国会議員の諸君にお任せしたいと考えているわけであります。ただ私のここでお尋ねしたいことは、そういうように県を通じて末端の振興施策をやりますと、どうしても必要な時期に必要な金が現地に流れずに、そうして最も必要な学校を建てたり或いは港湾の改修を図つたり、産業の振興を図つたりというようなことが遅れてしまう、時期を失する、こういうことも考えて見ましたときに、中央政府といたしましては、この振興計画等に関しまして、中央の窓口をできるだけ簡素化する、こういうような考え方でもつて振興計画を積極的に取上げられる御方針があるかどうか、この点を実は私伺いたいわけでありまするが、こういうような点につきまして、江口官房副長官から御答弁願えれば有難いわけでありますが、若しそれが不十分であるといたしまするならば、私は緒方副総理に一つ政府の所見を質しておきたいと考えているわけであります。
○政府委員(江口見登留君) 奄美群島の振興の問題でございますが、昔は只今お話の通り鹿児島の大島郡であつたわけでありまして、お説の通り大島郡振興計画ということがありましたことは、私も記憶いたしておりますが、今回の復帰に際しまして、復帰後どういうふうにあそこの行政を行うべきかということにつ書しては、いろいろ研究されたのでございますが、やはりあそこに支庁長を一つ設けまして、支庁長は勿論鹿児島県知事の末端機関ということにして、鹿児島県知事を通じ支庁長を通じて、直接国と連絡をとるべき以外の仕事は、支庁長を通じて、鹿児島県知事通じていろいろな計画を立て、その線を通じていろいろな政府補助金を流して行くということのほうが妥当であろうということで今のような方法がとられているわけでございます。お話の御趣旨は、何か特別、直接国が大島郡と申しますか、奄美群島を振興するような、北海道開発庁式なものを考えてはどうかというような御意見のようにもとられるのでありますが、そういう考え方もあろうかと存じます。いろいろ鹿児島県知事通じ復興計画が、それぞれ各省を通じ或いは自治庁に集まつて来ていると思いますが、お話の通り南方連絡事務局の所管ではございませんから、詳しい事情はだんだん遠ざかつてしまうのでございますが、或いは議員提出法律案として奄美群島の振興案を出されているような始末でもありますし、いろいろな仕事のやり方について軌道に乗れば、お話のように相当スムーズに政府資金も流れて行くようになるのではないか。何分出発の初めでございますので、いろいろごたごたした点はあろうかと思いますが、その点は各省乃至自治庁にもいろいろお伝えいたしまして、遅滞の起ることのないようにしたいと考えております。
○田畑金光君 まあ官房副長官からお尋ねすることはこれ以上は控えたいと思いますが、今回議員立法として奄美群島復興法案が出て参つておりますが、この点は折角衆議院を通つて来ておりますので、現在参議院に廻つて来ておりますが、この法案は法案として私は論議したくないのです。ただあの法案の構想、考え方と現地における予算というものは、全く相反しているという情勢にあるわけであります。この点に関しましては、どのように具体的に予算措置が図られて、それが而も県を通じ、現地に実際に令達されているかということは、後刻一つ自治庁長官或いは緒方副総理等に御出席願つて、改めてその節お伺いしておきたいと考えます。この改正法案については非常に詳細に亘つておりますので、別に質問というわけでもありませんが、石井さんにお尋ねしたいのは、この法律の適用による該当公務員と申しますか、一体どれくらいに亘るのか、この点。 それからもう一つ、前から問題となつておりまする、例えば昭和二十一年一月二十八日以降に採用された諸君、現地において琉球軍政府の下において採用されて、そのまま身分を継続し、復帰後も身分をそのまま維持している人がたにつきまして、どういう取扱いになつているのか。要するに現地において採用された諸君、この人がたがどういう取扱いを受けているのか、この点だけをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(石井通則君) この改正法案によりまして共済組合法の適用を受ける者は、すでに退職しておりますのが八百七十八名、なお、現在まだ継続して勤務しているものが五百五十八名あります。なお、附則のほうの元の外地共済組合等の受給権者、これは正確に把握はできておりませんが、一応現地で調査いたしたところによりますれば、約千名ばかりいるようでございます。これは刷つたものがございますから御覧を願います。 それから現地採用のものでございますが、奄美群島復帰に伴いまする政令に基きまして、昨年の十二月二十五日に日本政府の職員となつたものにつきましては、退職手当法の適用はあることになつておりますが、恩給法並びに共済組合法の適用についての通算はまだ規定されておりません。退職手当のほうは琉球政府に採用されてからずつと通算いたしまして、今後退職した場合は、通算した分で計算されて支給されることになるのであります。恩給、共済組合の関係につきましては、特に北部南西諸島政庁奄美群島政府時代の官職がわかりませんので、これが恩給法上の公務員と、恩給法上の公務員に該当しないような雇用員との区別をどうするかというような、現在なかなか把握しにくい点もありまするので、まだ十分に検討をいたすところまで至つていないような状況でございます。
○田畑金光君 ちよと現地採用の職員の恩給並びに共済組合法の適用の件でありまするが、今の局長の御説明によりますと、郡島政府時代の現地採用の実状の把握が非常に困難である。こういうようなお話でありまするが、一体その郡島政府時代で現地で採用された職員が、何百名ぐらいあると推算しておられるのか、恐らく数百名に過ぎないとこう考えております。或いはまあその他の教職員を入れましても、やはり千名を超すくらいのところだと考えておりますが、その実情の把握ということはできない相談ではないと、こう考えておるわけであります。その点に関しましては、恩給局長にも私先般意見を申入れておいたわけでありまするが、恩給局長が見えておりまするし、この取扱がどうなつておるか御答弁をお願いしたいと考えております。殊に考えてもらわなければならんことは、いずれにいたしましても、日本におきまして、戦争中或いは戦争直後と今日との公務員の数というのは、非常に殖えているわけであります。奄美大島におきましても、行政分離がされた以降、現地において採用された職員というものは、要するに事務分量の厖大、従つて行政分離がされてなかつたといたしましても、当然に必要とされた職員が採用されておるわけでありまして、従つて十年間に近い間現地において、隔離されて、ああいう分離後の中に民族的な悲劇をなめて来た人がた、或いはそういう環境における公務員の立場ということを考えてみたとき、只今の石井南邦連絡事務局長の答弁のように、単に調査困難だということで、これはすまされない問題だと考えております。これは奄美大島にいたしましても、沖繩にいたしましても、或いは小笠原にいたしましても、千島にいたしましても、戦争の最大の犠牲というものは、こういう人がたに、こういうところにしわ寄せがされておる。或いはつい二、三日前、参議院におきまして問題になりました中共の引揚の問題等におきましても、その人がたが一番最大の犠牲を受けているわけであります。国内においては軍人恩給の復活によつて、そうしてA級戦犯者の遺族、家族の生活が保障されておる、こういうような状況を考えたときに、なぜもう少し公平な手が打てないのかという我々は疑問を持つておるわけでありまして、そういう点から考えたときに、奄美大島の事例をとつてみても、行政分離によつてアメリカのまさに生かさず殺さずというあの弾圧政策の中に、民族的な悲劇を体験した郡民或いはその中に働いて来た、そうしてそのような圧迫にも屈せずして復帰運動に闘つて来た公務員諸君のこの犠牲というものは、当然報いて然るべきだと考えておりまするが、どういうわけでできないのか、その点恩給局長並びに石井局長から改めて御答弁をお願いします。
○政府委員(三橋則雄君) 今の御質問は、占領下におきまして、大島のいわゆる公務員で、就職しておつた人が、その後日本に復帰いたしましたのちに、日本の公務員になつた場合に、復帰前におきますところの在職年数をそのまま恩給法上の在職年数として通算するかどうか、という御質問だと思うのであります。今石井局長がお答えいたしましたように、軍治前におきまして、勤めておりました勤務につきましては、内地の公務員に申しますならば、或いは雇員とか用員とか、恩給法上の公務員と当然考えられないような職にあつたかたも少なくないと思うのであります。そういうようなポストからいたしまして、或いは恩給法上の公務員と思われるようなポストに移り変つて来られたかたもあると思いますし、或いは初めから内地の恩給法上の公務員と同じように考えられるポストにおられて、そのまま引続いて、おられることもあると、観念上は私も考えております。そういうようないろいろの問題につきまして、石井局長のところで、いろいろと調査されおつて、確たるところの結論が出ないからして、今後調査研究をして、善処をして行こう、こういうような御答弁であつたと、私は今の答弁を拝承したのであります。これは今石井局長のおつしやられることは、尤なことだと思うのでありまして、今委員会のいろいろの御質問のことも篤と検討の上で、私は、石井局長のところで実情調査をされました結果において、適当な法律的な措置をすべきものであるなら、されるものと考えておるのであります。
○田畑金光君 これ以上は追及いたしませんが、今の恩給局長の御答弁の通りに、石井南方連絡事務局長の下において、よく調査研究なされ、その実情が把握されて、一つの合理的な妥当な結論が出たといたします場合には、然るべく現地採用者についても、恩給法の適用或いは共済組合の適用につきましても、適当な措置をとられることを強く要望申上げておきます。
○矢嶋三義君 一言伺いますが、今の田畑委員の質問と同じことなんですが、これはいつぞやも石井さんにお伺いしたと思うのですが、これは御研究願つたわけですが、結局こうなんだつたのですね。復習するわけですが、軍治前から琉球政府に勤務されておつた人は復帰したのちは最初からずつと通算するのですね。恩給年限……。
○政府委員(石井通則君) 行政分離前から勤務しておつて琉球政府職員となり、そうして復帰後なお勤続する人は恩給法上の公務員であつた人は恩給法上通算される。今度は共済組合で又共済組合の該当者、いわゆる雇用人であつたものがずつと又継続すれば共済組合も又通算する、こういうことになります。
○矢嶋三義君 そこで今田畑委員が不満を表明されたのは、私が曾つて不満を表明したのと同じだと思うのですが、行政分離後、現地で採用されて琉球政府の職員であつたものが、復帰後更に勤める、そういう場合には、琉球政府分離後琉球政府に勤めた期間は通算しないというのですね。それは通算するのですか。行政分離後琉球政府に勤めるわけですね。そうして復帰して現在依然として勤めているわけですね。そういう場合は通算されますか、されませんか。
○政府委員(石井通則君) 恩給法上の点についてはきまつておらないわけです。通算するということになつていないわけなんです。
○矢嶋三義君 通算しないともきまつていないわけですね。これは当然さつき田畑委員から主張されましたが、この前伺つたわけですが、これはやはり日本の領土であり、そうしてそこではひどい目にあつたわけですし、そうして日本に復帰して来たわけですから、これは行政分離後入つた人も琉球政府に雇われた期間は、復帰後恩給年限として通算すべきだと思うのですが、恩給局長如何ですか、決定されていないということですが。
○政府委員(三橋則雄君) 今の御質問は先の御質問と同じ意味ではないかと思うのですが、先ほどお答えいたしましたように、石井局長のところにおいていろいろお調べになつておるところでございますので、その実情の調査を待ちました上において善処するようにいたしたいと思います。今の恐らく御質問におきましては、私どもの想像でございまするけれどもこちらの内地におきまして恩給法上の公務員と同じような取扱いをするようなポストにおつた者については、当然そうしたらいいではないか、こういうような意見と、それからその次には内地におきましては恩給法上の公務員と同様の取扱いを受けないところの雇員とか、或いは庸員のような場合におきましては、その期間は全部恩給法上の期間に通算する。こういう二つの内容を含まれた御質問のように思うわけであります。そういうことを考えますると、その中を整理いたしまして、実際の向うの官署につきまして調べまして、そうして法律的な善後処置を講じなければならないものと考えるのであります。こういうことをいろいろ局長のところで検討されておる、こういうことじやないかと思うのであります。
○政府委員(石井通則君) 私のほうで奄美大島の引継ぎに関しましてはいろいろやりましたので、前から恩給局長にはそういう点を研究してお願い申上げるということを申上げたこともございますが、現在私のほうの所管といたしましては、本土と南西諸島との間の懸案事項を処理するということで、南西諸島から奄美群島は除かれることになつたわけでありますし、その上に従来は奄美群島に南方連絡事務局の出先機関を持つておりましたが、それが廃止になつておりますので、権限としてはその復帰後の措置を南方連絡事務局長がやれるかどうかという点については、いささか議論がありますし、事実上これは斡旋する必要もあろうと思う。そういう意味合で私は御要望に副うように努力したい。権限からいえばあるかどうかわからないと思いますので、その点をお含みおき願いたいと思います。
○矢嶋三義君 附則一項の昭和二十九年六月一日から施行ということは官房副長官これで宜しいのですか。
○政府委員(江口見登留君) この点は修正しなければならんかと存じております。七月一日が適当ではないかと存じます。
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質問ございませんか。
○木村禧八郎君 これはあとで副総理が来たときに戦争犠牲者に対する措置全体の問題について質問したいと思いますから……。この法案はこれで質問ありません。
○委員長(小酒井義男君) それでは元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきましても、一部の質問を残して、採決は後刻といたします。ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記をつけて下さい。 暫時休憩します。 午後六時三十四分休憩 〔休憩後開会に至らなかつた。〕