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19回国会参議院1954/05/31

内閣委員会 第48号

発言数
590
登壇者
13
会派数
6
開催日
1954/05/31

会議録

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。  防衛庁設置法案及び自衛隊法案の二案を議題といたしますが、先ず最初に国防会議に関する件について質疑をいたします。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 本委員会におきましては、申すまでもなく国防会議に関する政府案の御提出を待つて諸般の審議も徹底をいたし、且つ又政府案に対しましてその内容について質疑を申上げるということになつておりましたので、資料を要求いたしました私といたしまして、先ず若干お伺いを申上げたいのであります。  第一に伺いたいと存じますのは、二十八日の夕頃に御提出頂きました本資料については、政府の御説明、即ち副総理から若干の御説明を頂いたのでありますが、率直に申上げまして、これは我々参議院の内閣委員会が執拗且つ又強硬にこの政府案の御提出を迫りましたために、取急いで急に三派の折衝を御促進に相成りまして、いわば急場凌ぎにこういう案をおまとめになつたのではないかという感じもするのであります。これは私忌憚なく申上げるのでありますが、併しこの案を以ちまして飽くまで政府のこれが変らない方針であるということでございますれば、私どもといたしましては、政府の言明を御信頼申上げたいと思うのであります。その点飽くまで急場凌ぎにしたにわか仕立の妥協案ではないんだと、こう解釈してよろしうございますか。その点を伺いたいと思います。  且つ、従いましてこの案はいつ頃閣議にかけて御決定に相成るおつもりでございましようか。又この政府案が正式に法律案として国会に御提出になりまするのはいつの国会を御予定に相成つておりましようか。率直に申しますると、吉田総理の外遊後におよそ想像されまする臨時国会等がありますれば、この機会に法律案として正式に国会に御提出相成るでございましようか。先ずその点を伺いたいと存じます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) この国防会議に関しまする政府の草案でありまするが、これは前に保安庁からお示しいたしました保安庁の案があつたのであります。政府としましては、その保安庁案の線に副う国防会議を要望しておつたことは、前に申上げた通りでありますが、前からのいきさつがありまして、三党折衝を必要とするために、三党の間の折衝を数回に亘り開きまして、仔細に亘り検討をいたしました結果、でき上つたものが、この配付申上げて今御審議願つている問題であります。時間的には急ごしらえというようなことが言えるかも知れませんが、今申しましたように、かねて保安庁におきまして一つの案を持つておりましただけに、政府としては、これが政府の考えとして自信を持ち得るものであるというふうに考えております。  それからこれをいつの閣議にかけるかということでありますが、要綱のでき次第、成るべく早い機会に閣議にかけたいと考えております。なお、これを法律案にして、いつの国会に提出するか、それは総理大臣が欧米訪問後臨時国会が開かれるかどうか、今のところ予定はありませんが、いずれにしましても、次の国会に提出して御審議を願いたい、さように考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 次に伺いたいと存じますのは、先ず根本的の政府の考え方でありますが、この点は昨日でありましたが、一昨日の、毎日新聞に阿部さんが具体的に取上げて問題にされておりますので、私はそれを引用して伺いたいと思うのであります。軍備を憲法で否定している国が、国防会議というような大げさなものを持つ必要があるかどうかということが、先ず第一問題である。仮に必要があるとしても、軍備のある国々と、軍備のない日本とはおのずから建前が違うはずである。こうした区別を先ずはつきりと政府は示さなくちやならん、こういうことが言われておるのであります。私はこれをそのまま私の質問といたしまして、政府の御所見を伺いたいと思うのであります。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 現在の日本の国力から考えまして、いわゆる軍備という文字に値するほどのものを持ち得ない事情は、繰返し政府から御説明申上げる通りであります。政府はその信念を変えていないのでありまするが、いずれにしましても、この直接侵略、日本が軍備の名にふさわしいものを持つと持たんにかかわらず、直接侵略ということも絶無を期するわけには参りませんので、その場合に防衛出動の可否をきめる、或いはその際の見通しによつて防衛計画をきめなければならんというようなことが当然に起つて来ると考えられまするので、それにつきましては、規模の如何にかかわらず、国といたしましては、その判断処置を誤らないように、国民の前にその判断のよつて来たるところをはつきり示し得る機構が必要である、そういう考えからこの防衛庁設置法案の中に国防会議のことをきめておる次第てあります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 お説承わりまして御尤もでありますが、今副総理の仰せになりましたのは国防会議の設置目的についての一般論と申しますか、これを仰せになつたようであります。私の伺つておるのは、軍備を持つておる国々の国防会議と、軍備というものを持たないという建前の日本に置かれる国防会議、仮にこれを認めるとしても、この間にははつきりとした区別があるべきではないかということを伺つておるのです。例えば国防会議の規模ですね、今副総理に、これは大きくても小さくても同じだと仰せになつたようでありますが、私どもの考えでは、軍備のないということを、軍備を否定しておる日本という建前においては、国防会議を仮に設置するとしても、これはできるだけ小規模でなくてはならん、先ず規模の点では私どもはそう考える。又軍備というものがないということを打ち出す性格の国防会議としては、軍人などが多数会議の議員になるということも避けなくてはならんであろう。又目的を仰せになりましたが、具体的に言えば、国防会議の目的は、如何に国防を強化するかということでなくして、如何に戦争を準備をするかということでなくして、いわゆる戦争指導会議のような性格を持つものではなくして、如何にして戦争を避けるか、如何にして国防を縮小するか、如何にして民生を安定させるか、如何にして平和外交を推進するかということが、この国防会議の根本的目的でなくてはならんように考えるのでありますが、この点に関しまするこの軍備のある国々の国防会議のその性格と、軍備を持たないと言つている我が国の今日の建前における国防会議のあり方については、そこにはつきりとした区別がなくてはならんという点に関しまして、重ねて私は只今申述べました私の指摘した諸点等について、政府の御見解を承わりたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたしますが、いわゆる軍備という言葉に値する軍備を容易に持ち得ないということは事実でありますけれども、併しながらこの国際環境、日本を包む国際環境、又外国の日本に対する侵略の意思か若し、あるかないかは別問題といたしまして、若しありといたしまするならば、それは日本に国防力のないとあるにかかわらない、そういう意味から、日本としてはやはりあらゆる場合に備えまして国防会議、その際に協議をいたします範囲をきめておくということは、私はこれは当然の必要があると考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 議論はいたさないつもりでございますから、問題を次に移したいと思うのでありますが、今回御発表になりました政府案と、前回承わりましたいわゆる保安庁案との間に大きな変革がありました。大きな変りがありました点は、言うまでもなく、問題でありまする民間人を今回は会議員にお入れになつたということでなつておるのでありますが、これは従来、この最後の政府案をお示しになりまするまでは、副総理並びに保安庁長官と政府が我々に力説せられたことは、できるだけ民間人を入れない方針を政府は建前としてとつておるということをお述べになつたのでありますが、今回の政府案によりまするというと、民間人をお入れになりましたことは、従来の非常に強い御方針のように印象を受けましたその御方針を変更せられたように見受けるのでありますが、如何なる理由によりまして、従来民間人を成るべく入れないとおつしやいましたその御方針を御変更になりましたか、はつきりとした理由のお示しを願いたいと思うのであります。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 従来国防会議の性質、我々が考えておりまする性質から、民間人は成るべく入れたくないという考えを持つておつたことは、今お話の通りでありますが、これは三党折衝の結果、民間人を入れるべきであるという意見も、相当の強い主張がありました関係から、ここに「識見高い練達のもの」という言葉を以て表わし得る人を若干名参加をさせる。併しながら「識見高い練達のもの」というだけでは、意味が極めて漠然としておりますので、差当りの問題でありまするが、三党の間の了解事項といたしまして、総理大臣の経歴を持つておるもの、その中から若干名を選ぶということにいたしましたような次第で、政府だけの意思といたしましては、従来申しておることを変えたわけではありませんが、三党折衝ということが行きがかりになつております関係上、その意見を取入れまして妥結した結果がこの案に現われたような形になつた次第であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は従来の政府の御方針を御変更になりました理由を承わりたいと思いましたのでありますが、今副総理の御答弁では、御変更になりましたいきさつを御説明下すつたので、三党折衝の妥協の結果ということでは、政府の御方針を御変更になりましたこの御主張の変化の理由にはならんのではないかと私は思うのであります。今の御答弁では、政府の従来の方針は捨てないのである、併しながら三党折衝の結果、こうして民間人を入れることにしたのだと仰せになりますると、まだはつきりとした政府の御信念が伺えないように思うのでありますが、私はそれなら具体的に一つお答えを願いたいと思うのは、この民間人を入れるということの主張につきましては、これを強く主張する者の意見といたしましては、総理の権限が余りに強大になるために、これを抑制するために強力なる国防会議を作り、而もその強力ということは有力なる民間人を入れることにあるのだ、こういう民間人を入れることについての理由を主張する者があるわけでありますが、この点は政府としてはどうお考えになりまするか。総理の権限の強大を防ぐのがこの国防会議の目的であり、又その内容に有力なる民間人をこうして入れた理由であると考えますが、如何でございましよう。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政府といたしましては、この民間人を国防会議に参加させることにつきまして、総理の権限が強大になり過ぎる直れがあるから、それを牽制する意味で入れるという考えはとつておりません。民間人ではあるが、過去の経験により、又識見が高い練達な人材でもあるという人のその知識と経験によつて、判断の正鵠を一層期したいということに基いておるのでありまして、総理の権限を弱めるという考えは全然考えておりません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それでは次に民間人を入れるべしという主張の理由の一つには、防衛出動の可否があります。これがこの国防会議の最大の目的のように思われるのでありますが、こういう防衛出動の可否のごときことを総理大臣の専権に委ねることは極めて危険であるから、こういうような機関を設けて、そうして総理の専断、専決というものを防がなければならんという強い主張が行われておるわけでありますが、この点に対しまして総理が防衛出動を命令するということについて、その権限の行使に危険性があるという考え方をお持ちになりまするかどうか、この点も伺つておきたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私は、総理がその権限によつて判断することに危険を感じておりません。この防衛出動の可否というようなことは、国民生活の上に非常な深刻な影響を及ぼすものでありまするだけに、慎重の上にも慎重の判断を要しまするが、併しながら責任は明確にしておかなければならない、そういう意味からこの内閣の下にある国防会議の審議に待ちまして、その国防会議の判断を求めますか、同時にそれは閣議において責任をとる、更こそのことは国会に、直ちに承認を求めるという段取りを以ちまして、責任はどこまでも政府がとるという考えをいたしておるのであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 いま一つの民間人を入れるべしという主張の中に、現在提出されておりまする防衛二法案、防衛庁、自衛隊の組織、だんだんその内容を見ますると、これは明らかにいわゆる制服といいますか、武官といいますか、わかりやすく申しますと軍人的な、はつきり言いますと、軍人が我が国の防衛の指揮権を握るよりな建前というものが明々白々に見える、これをそのまま放任して推移して行くならば、曾つてのごとく軍閥が指揮権を握るといつたような弊が起る虞れがあるので、国防会議に有力なる民間人を入れて、いわゆるそういう武官進出の弊を今から考えなくちやならんという有力なる主張があつたということでありますが、今回民間人を入れられた理由につきまして、そういう点をお考えになりましたかどうかということも伺つておきたいと思うのであります。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) その点につきましては、先ほども申上げましたように、どこまでも責任は内閣がとるのでありまして、この民間人を入れることによりまして、今仰せられたようなことをそれによつて警戒するという考えは持つておりません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は次に具体的に民間人を入れるというこの内容につきまして伺いたいと思うのでありますが、政府の御説明では、これは総理大臣の前歴のある者に限るということであります。識見の高い練達な者というこのことが総理の前歴のある者に限つたという理由はどういう理由でございますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 識見の高い練達な者というものを測定する標準はいろいろ考えられると思います。でありまするが、総理の前歴のあるという人は、曾つて国会の指名によつて国政の、国家の重任を負託されたほどの人でありますから、識見の点におきましても、練達された点におきましても、民主主義の観点から一番間違いのない至当な人物であろうと、そういう考えからその選考の仕方を採用した次第であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はそれだけの理由では納得しがたいのでありますが、議論はいたしません。識見の高い練達の士といういわゆる視野の広い、高邁な識見のある尊敬すべき人は、何も総理大臣に限つたことはないと思う。学界にもありまするし、財界にもありまするし、報道関係にもありまするし、現に副総理のような人もある。民間にも或いは労働界にもあります。どういうわけで前総理の経歴のある人だけがこの識見の高い、練達の者ということができるかということについては、私は疑問があると思う。総理大臣必ずしも識見の高い練達の士に限りません。今日の政界の実情は、識見がなくても、練達堪能ではなくても、不浄の金を集めたとなると直ちに政党の領袖になる、これはひよつとしたら総理大臣が転げ込むかもわからんというのが今日の政界の実情であります。私は総理大臣が必ずしも一世の師表に足るような識見の高い練達の士には限らないと実情から推して考えるのでありますが、政府はどういうふうにそれをお考えになりますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 金を持つて直ちに政党の総裁になり、総理大臣になり得るということは、私は民主主義の国において想像し得ないのでありますが、この民間人を加える場合にどういう選び方をするか、いろいろな選び方はあろうと考えます。考えますが、どの選び方をとりましても異見があることと思います。政府といたしましては、やはり民主主義の下におきまして国会が選んだ者、これが、私は一番間違いのない者だ、且つこの経験から申しましても当然に識見を持つておるし、当然に練達であるという点から、この標準に従つて国防会議に参加する資格を選ぶということが、私は比較的善である、かように考えておるのであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 ベストではないがベターと仰せになりますれば又何をか言わんやでありますが、更に伺いますれば、まあ総理大臣の前歴のあるようなかたは、それが政界を引退なさればともかくもでありますが、今度吉田総理がお帰りになりますれば、多分御引退なされると私は思つておりますが、どうかは知りませんが、若しそのまま政界におられるということになりますと、おおむね政党のリーダーですね、実質的に申しますと依然として政党の総裁をしておられるかもわからん。そうすると一面総理大臣の前歴ではあるが、政党の総裁であるという立場が或いは多く予見せられるんではないかと思う。すれば、実質的にはいわゆるその政党の指導者が国防会議に入るということになりはしないかと思うのであります。若し個人的に言えば、それは練達堪能の士であるかも知れませんが、総理大臣というような建前の人は、背後に強大な政党というものがあればこそその価値がある、政党を離れた私は前総理大臣というものが果して国策上にひ益するかということは私は疑問だと思う。それで前段申上げましたような、前総理大臣の経歴のある人が依然として政党の指導者であるという場合には、その政党を代表して入るかのごとき形になりますが、その点は政府はどういうふうに考えておられますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私はこれは曾つて総理大臣の前歴を有する者で、現在政党の総裁でない人ということを考えております。責任内閣制、政党内閣制の下におきましては、一つの政党が内閣を組織するのが原則でありまして、連立内閣の場合もありまするが、その場合には、連立内閣の他の党派の総裁は恐らくは閣僚に列しておると考えます。この場合に特に民間人として内閣総理大臣の前歴ある者というのは、これはすでに引退しておる、少くも政党総裁から離れておる総理大臣の前歴のある者、その人は政党を離れれば何らの権威にも値しないのではないかという仰せでありまするけれども、併しながら今日の政党におきまして、すでに総裁に選ばれたということは、その人の見識、練達を語るものでありまして、その人が仮に総裁の位置を去りましてもその識見、練達というのは身についたものであるだけに、この選考に値すると、さように考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 実際はもう引退なされて、世間的に活動もできないし、又背景もなくなつて、この実力もありやしないのだ、併しながら前歴者であれば、それがよよたもたもたしてものも言えなくてよだれがたらたらと垂れて、実際には何の判断力がなくても、それが実に識見の高い、練達で、それは大いに尊重してその識見に頼るのだとこれはおつしやれば、隠居でも盲目でもいいのだというのであれば、何をか言わんやでありますが、私はそれなら伺いますが、将来しばしば政変がありまして政局の変動が行われ、一年に二回も三回も内閣が移動されるというような場合には、前総理大臣の前歴必ずしもこれは珍しくない。だんだん十人も二十人も殖えて来るということはこれは予想されるのであります。そういう場合には、前総理大臣の閲歴ということになれば、人数は幾ら殖えてもいいというお考えでございましようか。その点は如何でございましようか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) もたもた、としてよだれを流しているというような人は選考するつもりはございません。のみならず、これは両院の同意を得て任命するのでありますから、そういう人が両院の健全なる判断の下に同意を得ようとも考えません。  それから将来総理大臣の前歴のある者が非常に殖える場合があるのじやないかということでありますが、私どもの考えといたしまして、その前歴のある者全部を国防会議に列しようとするのではないのでありまして、その中から若干名を選んで任用したいと、そういう考えであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はその点を伺いたいと存じたのでありますが、前総理大臣の閲歴のある者をことごとくこれを用いるということになりますと、用いるという言葉はいいかどうか別といたしまして、入れるということになりますと、今伺いましたような点を伺わなければなりません。併しながら前総理大臣の閲歴があつても、これはことごとくとはいかない、その中の何人かをこれを入れるという考え方ということになりますと、国会の承認ということの上において、私はいわゆる承認を受け得られない、国会が同意しないかたが、者が生じて来る。それは民主主義だから国会の意見を尊重するのだから、国会がきめるのだからと言えばそれまででありますが、併し実情は、実際はそういうような通り一遍の議論でなくて、実情から伺いますならば、何と言いましても国会は多数の意思で左右せられる。従つて多数党が、前総理の閲歴があつて識見高邁であつてもこれは反対党の総理であるからといつて国会が拒否するならば、前総理の閲幡があり、而も識見高邁でありましても、これは国防会議の議員に入ることはできないということに相成るのでありますが、そういう場合は甚だ不合理であると考えられるのでありますが、副総理の御所見は如何でございましようか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 両議院の同意を得てという条件がありまする以上、如何なる政府の選考によりましても、同意を得られない場合が当然あり得ると思います。今、政府が考えておりまする総理大臣の前歴ある者、その前歴のある者から何がしかの人間を政府が選考する場合に、政府の良識といたしまして、先ほどお述べになりましたようなもう使い途にならんというような者を選ぶつもりはありませんので、それだけに両院の同意を得られるだろうという予想の下に選ぶので、それは政府におきまして、できるだけ最善を尽すことは勿論であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 今回の政府の御提出の案につきましては、三党折衝のお申合せの中に差当つてということが含まれておるということでございますが、この差当つてというお心持はどういうお心持と解釈してよろしいのでございましようか。例えば只今伺いました民間人を入れるということにつきましても、これは総理大臣の前歴のある者と仰せになりましたが、それは差当つてのことでありまして、なお他に含みがあるという意味も伴つておるものでございましようか、その点をお伺いいたしたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 差当つてという意味は、今の内閣、或いは自由党内閣の間はそういう方針で行きたいという意味で三党の了解を得たように承知しております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は、この政府が総理大臣の前歴のある者を限りという御趣旨は極めて当面の間で、将来におきましては、その点世間でいろいろ端摩されておりますような、やがては旧軍人がこれに入るという含みが暗黙の間に行われておるのではないかという疑義を持つものでありますが、重ねて伺うのでありますが、政府におかれては法律施行に際し、或いは将来これが国防会議の実現を見るという点におきましても、今副総理の御言明の通り、現内閣の限りにおきましては絶対に旧軍人を入れないのであると、かような御所見と解してよろしいのでございましようか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) その通りでございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 更に伺いたいと存じまするのは、こういう国防会議のこの構成が、申すまでもなく、現憲法が明らかに規定しておりまする内閣責任制との間に大きな私は疑問が発生をし、この内閣責任制と相反するのきらいがあると考えるのでありますが、その点について政府は如何なる所見をお持ちになつておられますか、伺いたいと存じます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政府の考えとしましては、この国防会議なるものは内閣の下に置くのでありまして、政府の諮問機関でございまするので、いわゆる責任内閣制と混淆することはないと信じております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は今の副総理のお言葉では、国防会議のこの決定はです、政府は殆んど歯牙にかけない、問題にしない、この国防会議の決定は左右されないのだというほうに極めて軽くとるのだから、何も内閣責任制には影響はないのだ、相反しないのだと、かように解釈してよろしうございますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 軽く見るという意味ではございません。諮問機関でありまするから、諮問の必要があるのでありまするから、無論この意見を参考としてとりまするけれども、国会に責任を負うものは政府でありまするので、これは責任をとるものは政府でなくてはならん、かように考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はですね、諮問機関諮問機関とおつしやいますが、諮問機関と言つても、私はありふれた諮問機関とは違う。内容を一々申上げるまでもなく、その中の最大な問題は防衛出動の可否、戦をするかせんかを決定する単なる諮問機関ではありません。而も防衛出動の可否というものは、可か否か、イエスかノーかであります。いわゆる世間普通のような幅の広いような不得要領な答申ではございません。イエスかノーか、その審議をせねばならんと規定された問題も実に重大である。私は単なる諮問機関とはこれは解するわけには行きません。併しながら一応この機関の性質を、法律で言えば諮問機関でありましよう。併しながら諮問機関でありましても、これは立派な行政機関でありまして、且つ又議員は恐らく立派な公務員でございましよう。これらが国家の重要な問題に意見を言い、これらの機関の中に動いて行くということは、私は内閣責任制を一部侵害するものであとる考えざるを得ないのでありますが、重ねてこの国防会議の構成上から、これが行政機関であることは明確である。即ち行政府の内閣の責任が分散される虞れがある、私はかように考える。その責任が分散される虞れはないというのは、どういう理由で仰せになりまするか。例えばですね、国防会議の決定と内閣の決定とが相反したときにはどうなるというのでございましようか。そういう点を私はこの内閣責任制と相反せざる理由を具体的に承わりたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは責任を御追究になりましたから申上げたのでありまして、国防会議の決定といえども、国会に対して責任を持つ内閣といたしましては、これを変更する場合もあり得ると考えます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私がもう一つ伺いたいと思いますことは、防衛出動の決定は国会がすることになつております。若し国防会議で防衛出動を可といたしました。然るにその後におきまして、出動した後に国会に諮りましたときに、国会はこれを否といたしました。そういう場合におきまする国防会議のこの答申というものは、一体これは責任があるのでございましようか、ないのでございましようか。私はその点を伺いたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 国会に対しては責任はございません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は国会に直接でなくても、政府がこの国防会議の答申をもととして、防衛出動を決定いたし、それが国会に反対の議決を受けたときに、国防会議の責任があるかないかということを聞いておるのでございます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 国防会議は直接責任を持つておりません。政府の決定が国会において承諾を得なかつた、不承認された場合には政府に責任があります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 実は国防会議は内閣に対しても、総理大臣に対しても、国会に対しても、結局何らの責任はない機関であると、かように解釈してよろしうございましようか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) そういう意味から諮問機関と申しておるのであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 これは無責任なる機関であるということになれば、私は又何をか言わんやでありますが、私はこれは無責任な機関であるとは言えないと思います。いやしくも機関があつて、任務があつて、目的があつて、そうして何らその行動に責任がないということは、私は納得しがたいと思うのです。法制局長官の御所見を伺いたいと思います。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) もとより法律によつて設けられた機関でございますから、自己の職責というものははつきり意識されて、その職責に対して良心的に責任ある判断をここで下される、かようなことと考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 法制局長官の例によつて鰻のような御答弁を頂いたのでありますが、これは議論になりますから、ここでは申上げません。他日の問題に残したいと思いますが、更に伺いたいと思いますのは、この議員の任期でございますね、議員の任期はどのようにお考えになつておられますか、この点を承わつておきたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 任期の点については、まだ決定いたしておりません。法律を作るときに決定いたしたいと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 大体の政府としてのお考えはないのでございましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 任期と申しましても、この第六号の人だけの問題でありまして、当然でございますが、まあ大体三年、四年、五年、六年、こういうところで、今までの幅としてありますが、それらの中で考えて、適当な任期を考えたらよろしかろうと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 最後に伺いたいと思いますことは、この国防会議の設置が、防衛庁設置法の中でかような不完全な状態で顔を出しておりますことは、先に私は質疑のときにも伺つたのでありますが、妥当でないように思うのであります。なお構想もはつきりきまつていない、政府の具体的な細目も決定せられていないことでありまして、なお議論の余地が十分残されておると思うのでありますが、一番妥当なものは、防衛庁に置かれる国防会議ではないのでありますから、防衛庁設置法の中から第三章全部削つて、今後慎重審議をせられまして、改めて別の法律でお出しになるのでありますから、この際は防衛庁設置法の中から一応これを取除いておかれるということが極めて妥当ではないかと考えるのでありますが、政府は防衛庁設置法の中から国防会議に関することは、これを一応取除いておかれるというお考えはございませんか、如何でありますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 申すまでもなく、この国防会議と申しますものは、防衛庁設置法及び自衛隊法に最も重要な関連のあるものでございますからして、政府といたしましては、少くとも根本の条文、これはこの際国会の御議決を頂いておくということがむしろ筋合であろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 先ず伺いますが、五月二十八日に保守三派の折衝がまとまつた案としてここに案が提示されたわけでありますが、そのときに総理は責任を以て閣議決定するということを申されておりました。以前から当委員会では、この国防会議に関するところの法律を国会に同時に提出すべきである、百歩譲つても閣議決定の、政府の責任のあるところの国防会議に関するところの要綱が国会に提示されることが、この防衛二法案を審議するに当つて欠くべからざるものである、こういうふうに決定しました。委員長から再三意思表示をしておられたのでありますが、本日まで閣議決定をいたさないということは、私は怠慢のそしりを免かれないと思うのですよ。どういうわけで閣議決定できないのでありますか。そのいきさつを承わりたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 二十八日にこれを配付いたしまして、御覧を願つて、御審議を願つたのでありまするが、それ以後明日が最初の閣議でありまして、明日閣議にかけてこの承認を求めようと思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 明日閣議決定したならば、本委員会に対して通知して頂きたいと思います。よろしうございますね。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) よろしうございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 次に伺いますが、私は国防会議をこの防衛庁法第三章にこういう形で入れたところにどうも納得いたしかねる点がございます。と申しますことは、この国防会議の第二項「国防会議にはからなければならない。」というこの各項目を眺めた場合に、このたび自衛隊を創設する趣旨からいつて、木に竹をついた感じがするわけであります。率直に申しますならば、現憲法下で憲法に違反しないように自衛力を養うのだ、こういうことを計われておりますが、どうも衣の下に鎧が見える感じがするのです。と申しますことは、この自衛隊法の任務からもはつきりしておりますように、公共の秩序の維持ということも目的にあるわけです。従つてこのたびの防衛庁法、自衛隊法、この二法案というものは間接侵略並びに直接侵略に対処すると同時に、公共の秩序の維持ということも一つの大きな重点になつているわけです。この法律を作る場合は、政治としてはこれを並列させたいという気持さえ持つておられたわけです。ところがこの第三章の国防会議を見ますと、完全に国防のみになつている。公共の秩序の維持に関する一つの方針を協議するというようなことは一つも出ていない。国防のみになつております。例えば例を挙げますと、第五番目に至つてその他云々というところにもこう書いてある、「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」と、「その他」のところまでも国防だけに絞つてあります。こういう点から考えますと、全くこの防衛庁というのは国防省といつたような感じがするのです。これは改進党さんの主張であつたと思うのです。そこが明確になつて来ることは、この国防会議というものは、政府としては余り希望されなかつたわけですね。改進党の強力なる主張によつて国防会議というものが入つて来たと思う。改進党は現在の憲法下で自衛のためには戦力は保持できるという芦田理論に基いているわけです。ここに非常にこの法案自体がちくはぐになつていると思うのであります。そこで私が伺いたい点は、この防衛二法案に関する政府の提案理由から推しますれば、当然国防会議、名前は国防会議にいたしましても、その国防会議に諮らなければならない事項には、国の治安的なものが私は若干入つておつて然るべきだ、もう少し具体的に申上げますならば、治安出動ですね、こういうものもこれは私は国防会議に諮るようにしておいて然るべきだ、こう考えるわけです。と申しますことは、あの治安出動等を見ましても、出動した場合の部隊の権限というものは相当大きいのです。これによつて地方公共団体或いは国民は基本的な人権、権利というものも或る程度制約を受けるようになつているわけです。従つて濫りに命令による治安出動などをなさるべきものではないと思うのです。で、二法案の提案理由からいつても、私は防衛出動の可否のみならず、治安出動等についても諮るように規定されて然るべきではないかと考えるのでございますが、以上の諸点について答弁を求めます。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) これは直接侵略の場合と治安出動の場合とを考えて見まするというと、その場合自体としてはやはり直接侵略の場合のほうが事の重大性がそこに認められるということは申上げ得ると思います。従いましてその意味で、主として国防という言葉はやはり直接侵略に対応する場合のことを念頭においてできておると、これは率直に思いますが、併しいずれにいたしましても、治安が乱れておつては、国防そのものの体制が整わないわけでありますから、そういう意味では関連性は持つておるということは申上げられると思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 関連を持つているというだけで私は納得できないのです。この国防会議というのは、あなたがたと見解を異にするところの私は恐らく改進党さんの意向をそのままここに持つて来たのじやないかと思うのです。で、治安出動をなぜ私は国防会議に諮らなければなうらない事項の一つにするのが然るべきであると主張するかと言いますと、治安出動についても、やはり国会の承認を得るようにちやんと規定してあるじやありませんか。それほどのものならば、これは当然私は防衛出動の可否のみならず、そういうものも規定さるべきだと思うのです。ここに国防会議というものが完全に軍隊といいますか、再軍備的な性格を私は露骨に現わしていると思うのです。更にもう一つの角度から伺います。警察法の第七十条によりますと、「布告」というのが出ている。緊急事態に対して布告をする、この布告を出す場合に、国家公安委員会の勧告に基いて総理大臣は布告を出すようになつているのですよ。一応ここで答弁を求めます。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 第一点につきましては、先ほど申し落しましたけれども、治安出動については、現在も同じような保安庁法の下にあるわけであります。その場合についても、何も治安会議というようなものもございませんし、国会の同意ということだけで済ましておるわけでありますからして、それは今日この自衛隊法ができました後においても、事態は同じことであろう、そういう意味で国防会議そのものの問題には実はならないと思います。ただ立法政策として、もう一つ新たにそういうことを加えようではないかというお話は、これは別でありますけれども、筋合としては、現在別にこれをこの際変えなければならないという必要は出て参らないという考えであります。  それからお言葉のはしばしに憲法解釈論と国防会議とは関連のあるように伺えたのでございますけれども、これは曾つてお答え申上げました通りに、とにかく直接侵略に対して或る限界内の自衛行動はできるという点については、私ども憲法上間違いないと思いますからして、その関係で事の慎重を期する意味で国防会議を設けたことは一向憲法には関係のないことであると考えております。  それから非常事態の際の警察法の問題、これは現在おつしやる通りそういう仕組になつております。これはいろいろ説明の仕方があると思います。この国防会議の問題とは直接関係がないと思いますけれども、いわゆる警察関係の非常事態の際においては、現在で言えば自治警というものがあつて、それが非常事態の布告になりますというと、総理大臣が全部それを一本に指揮してしまうということになりましたら、自治体警察と国との関連ということから、或る種のそこに重要性があるという意味で、公安委員会が勧告するという制度が出て来る、こういう見方が正しいのであろうと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 治安出動の場合にも、地方公共団体と随分私は関連があると思いますが、従つてこの警察の布告の場合に、総理大臣の専断を許さずに国家公安委員会の勧告に基いてやるのでしようが、この命令による治安出動は、むやみやたらに出たのでは問題だと思うのであります。従つて私は国防会議に諮られて然るべきでなかろうかと考えるのですが、その点如何ですか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほども申しましたように、大体自治体警察という、本来自治体の警察と平時においてはなつておるものを、非常事態の進行によつてそれを総理大臣が一本に握つて、そうして自治体警察までも自分の一本の筋で指揮しようという場合がいわゆる非常事態であります。そういういわゆる自治体警察との関係において、非常な例外措置になりますから、そこに公安委員会の勧告というものが加わる、そこに一つの意味があると申上げておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 副総理に伺いますが、この国防会議に民間人を入れる場合と入れない場合とは、それぞれ得失があると思いますが、副総理は個人的にどういう御見解を持つておられますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私はこの場合個人的の意見を申上げ得るか否か、申上げることがいいか悪いかは別といたしまして、個人的の意見と言われますから素直に個人的の意見を申上げまするが、私は民間人は必要ないと考えておりました。今はそうではありません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 その得失をどういうふうにお考えになつていらつしやいますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは私は、民間人は、先ほど山下さんからもお話がありましたが、民間人の何らかの資格をきめなければならん。その中で必ずしも現役で動いておるものだけの事情等を十分に判断し得るかどうかという点につきまして多少の懸念を持ちまするし、更に権力が一方に総理大臣に集中されることを防ぐという意味が若し加味されておりまするならば、それは不必要なことであろうと思います。総理大臣に権力が集中しても一向差支えない、さように考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 今度これに基いて法律を出す場合には、国会に法律を提出する前に更に保守三派の間で話合いをすることになつておりまするか、それとももう今後は国会に法案を提出する前に保守三派で協議はしないことになつておりまするか、如何ですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それは政府の責任において法律を作ることになつておると了承いたしております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 先ほどあなたは六項の点について、旧軍人は絶対に民間人としては入れない考えだ、こういう御発言でございましたが、これは保守三派の間で意見の一致したものでございますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それは先ほど申しましたように、この内閣或いは自由党の内閣の間におきましては、内閣総理大臣の前歴ある者ということにすることに三党間の了解を得ております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私がそういうことを承わることは、最初の保安庁の案と、この民間人を入れるということは変つて来たわけでございますが、依然として私は民間人を入れるべきでないというあなた個人の見解の大筋は通つていると思います。これは極めて私は不明確な恰好になつていると思うのです。で、こういうことについてはどう思いますか。むしろ民間人を入れるならば、こういう制限を設けないで、本当に識見豊かな人を国会の承認を得て或る人数を限定して、そうしてこの諮問機関に入れるということが改進党或いはそれ以外のかたで民間人を含めるべきであるという人々の私は考え方だと思うのでありますが、その点どうお考えになりますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私直接三党折衝にあずかつていなかつたので、よくほかの政党の意見或いは意見の基く理由を付度しかねておりまするが、それは政府だけでなく、民間の広い判断力を求めたほうがよくはないかという漠然たる考えでなかつたかと思います。私はその折衝に一度もあずからなかつたので、本当のところはよくわかりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 伺いますが、法律として出す場合、総理大臣の前歴がある者のうちから選考する、こういう資格を規定するわけでございますか。それと員数は何人、こういうふうに法律に限定されるおつもりでございますか。それとも若干名というふうに規定されるおつもりでありますか、更に法律の中に、曾つて総理大臣であつた人の中で現在政党の総裁の職にある者はこれを排除する、そういうような条文を明確にこの法律に規定されるおつもりでありますかどうか、その点伺います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それはまだ閣議で検討する機会を得ておりませんので、何とも申しかねまするけれども、こういう表現になりましたのは、この民間人の選定につきまして、必ずしも三党の間に意見が一致しなかつた。そこで差当り今の政府或いは自由党の内閣が続く限り、これこれの選考の仕方をするという三党の間に了解を得たのでありまするから、恐らくはこの形で要綱を作り得るのだと考えます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 いや、そこで私は具体的に、次の臨時国会に法律を出されるわけでしよう。従つて資格とか員数とかいうものは法律でどういうふうに規定するつもりでありますかと聞いているのです

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 法律では、このままだと考えます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 第一の算用数字の六項はこのままですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 若干名という多少の幅を持つてこのままにすると思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 法制局長官に伺いますが、こういう重大な国防会議の構成を決定するに当つて、立法する場合に、この算用数字の六項で規定してあるような、こういう恰好で立法上如何ですか。私は極めてこれは不十分なものだと考えますが、法制局長官の見解を承わります。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) いろいろ委員会の種類にもよりますけれども、こういう大所高所からの判断を求めるような委員会、即ち審議会、こういう会議体につきましては、余り資格等を細かくくだくだしく書かないのがむしろ普通の例だと思います。仮にこの任命権が政府の一存に任されてしまうということでありますれば、或いはそれを細かく書くということも実益のないことはないと存じますけれども、たびたび申上げます通りに、これは個々の任命について、両議院の同意をお願いするのでございますから、そういう意味から申しましても、表現としては恐らくおほらかな形にしておくというのが、今までの立法例から申しましても自然な形であろうと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それでは更に伺いますが、同一政党所属の前歴者或いは現在自由党内閣でありますが、自由党内閣の反対的な立場に立つ野党に所属するところの前歴者、こういう者について何らか考慮されるつもりですか。同一政党に所属した者は数的制限をするとか、そういうお考えでおられますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それは一に識見と練達を見まして、政府としましてはその人の身につけた識見或いは練達の如何を考えまして、与党に限るという考えは持つておりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 この第六項の規定で行きますと、構成員は確定いたしませんね。従つてそのときどきに、時の政府の都合がいいように伸縮自由自在の構成ができると思うのでありますが、私はこの国防会議の、再軍備をした後に生れるであろうようなこういう国防会議の重大なメンバーを決定するのには、こういう規定はやや不確定に過ぎるではないか、こう考えるのでありますが、その点は一体何人くらいで構成されるつもりであるか、伺つておきます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) その点はまだ閣議の検討を経ておりませんが、大体の目安は、ここに挙げました現役の大臣の数と同数、或いはそれ以下というつもりでおります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それはそういう識見の高い練達の者若干名のかたは、任命された後は公務員となるわけでございますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 公務員になります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 どの程度の地位と待遇を与えるつもりでありますか。そして議員としてのいろいろな制約を受けるこになることと思いますが、それらの点について現在考えられておることを承わります。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) これは御承知の通り、両議院の同意を得ます関係上、当然特別職になりますので、普通の一般職のような制約は受けないことになるわけであります。給与等につきましては、まだ研究中であります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 「内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、随時関係大臣、統合幕僚会議議長又は関係者を国防会議に出席させ、意見を述べさせることができる」とありますが、これは先般の委員会では不特定者であつて、その都度々々出席者を選考するのである、こういう御答弁でありましたが、この案についても、そういうお考えでありますか、その点を伺います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) この案につきましても、同様に考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 この「又は関係者」とありますが、この関係者とはどの程度の人を考えておられるわけですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは幕僚会議議長、その下におりまする幕僚長というような者を呼ぶ場合、或いはここに列挙されておりまする議員の次官というようなものを考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それでは第二項に関連して参りますが、国防会議には事務局はやはり設けないおつもりでありますか。それとも設けるつもりでございますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 事務局は設けないつもりでおります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 その事務はどういうかたがたがとり行われるようになりますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 会議の開かれまするときの議案の整理等は、内閣の官房でやるつもりでおります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 内閣官房は現在それぞれ事務分掌をやつておるわけでございますが、内閣官房のどこに扱わせるつもりでございますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 今の組織法を念頭に置いて考えますと、審議室というのと総務課とございますが、そのいづれかであろうと考えられます。新たに今組織を設けることも可能でございますが、今の組織から言えば、そのいずれかだろうと考えます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 そこで事務を取扱うことになると、結局人員の増員と、その事務分担の再編が行われることになると思うのでございますが、それは結局事務局ができることと同じことではございませんか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) この事務局はいわゆる、たびたび申しますが、庶務に当るのでございまして、議案を整理し、或いは議案を配りお茶を出すというような極めて卑近な事務と考えておりますので、そのために特に人を殖やしてどうというようなところまでは今のところでは考えておりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それでは結局依然としてこの国防会議の議題となるところの案件は、議案というものは、防衛庁の内局でこしらえるということになるわけでございますね。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 内局が或いは音頭取りをやることもございましようけれども、これも前回申上げました通りに、各省に皆関係のあることでございますからして、各省の事務当局が額を集めてこれに参画するということこなるのが実祭であろうと思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 この事務局を内閣に置くか、或いは防衛庁に置くかということは、一つの大きな国防会議に関するポイントになつているわけでございますが、只今のような説明ならば、保安庁案のときに国防会議の庶務は防衛庁で処理すると、こうなつておりますが、これはこのたびの案で内閣ということについても実質上は相違はないではございませんか。どういう点が実質上変りますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは先ほどから御説明になつております通り、庶務でやるという意味でございます。で、ここで議案を作るという、音頭を取るというようなことになろうと思うのでありまして、それには防衛庁においてそういう音頭を取りますよりも、内閣においてやりまするほうが、各省間の連絡なり、庶務というようなものはより円滑に行くということが言えるのではないかというように考えます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 併し先ほどの説明から言いますと、この国防会議の事務は内閣においてこれをとり行うというので、その内閣のどの課でどう扱うかということは、説明を聞いてみますと、ほんのお茶汲みとか、書類を取揃えるというような単なる事務に過ぎない、こういう説明があつたわけであつて、この議案の作成は防衛庁の内局が主になつて関係各省、例えば大蔵省とか、或いは経済審議庁、そういう関係各省の関係官と協議して作る、こういうことの説明でありますから、最初の保安庁案の、防衛庁に庶務をさせるというのと、今度の案の、内閣においてこれを掌るということは、何ら変らない説明に私はなつていると思うのであります。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) お茶汲みは撤回いたしますが、これは誤解を生じますから、私が申上げようと思いましたのは、この事務局というふうな厖大なるものをここで作つて、そしてもうここだけで草案を作り上げるというようなものではございません。それを言いたかつたためにお茶汲みなどと言葉を滑らして、これは誤解を生じたと思います。併し、堂々たる事務局的な仕事をするものではございません。そこで今のお話に繋がるのでありますけれども、要するにこの作成については、各省の事務当局も当然携わることでございますからして、例えば事務当局の打合会の招集状をここの内閣の事務のほうから出すというようなものもございましようし、そこで議案を印刷する、作り上げるというようなこともございましようが、その程度のことであるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 立案者は、防衛庁の内局ということを答弁されておりますから、私はこの国防会議の事務を内閣に置くというのは、ほんの形式的表現に過ぎない。実質は防衛庁の内局にある。これがイニシアをとる、こういうふうにとれるのでありますが、如何ですか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 事柄自身が防衛庁限りでできることであればそういうことも考えられますが、これがたびたび申します通りに、防衛庁限りでなしに、関係の役所その他がたくさんあるわけでありますから、そういう意味で防衛庁でこの事務をやるということと内閣で事務をやるということでは、やはり形の上のみならず実際の上においても多少の違いはあるように思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 あなたはそうおつしやるのですが、私は大した差はないと思います。で、この保守三派にまとまつた案を見せて頂き、又説明を承わりますというと、防衛二法案の審議上必要であるから急に保守三派の話合いをして、何とかその場を凌いだというごまかし程度の内容しか私は持つていないように考えます。副総理に私はお伺いしますが、本当にこの国防会議に、旧軍人と私は申しません、本当に識見の高い民間人へを入れて、そして総理への有力なる諮問機関にしようと、こういうお考えならば、私はやはり事務局が一番問題じやないかと思います。で、どの諮問機関でも事務局を持つております。その事務局には専門員若干名がいてれその専門的知識を持つたエキスパートがいて、そのかたが立案され立案者になる。而もその立案者は各関係各省の意向をいろいろ聞いて、そして立案される、こういう大体他の諮問機関は機構になつております。従つて、私はこの国防会議の議案が防衛庁の内局が主になつて、関係各省の関係官が従という立場に立つて議案が作成される場合と、国防会議に事務局があつて、その事務局に関係のエキスパートを置いて、従つて、その中には民間人もおりましよう。そして事務局長を置いて、そしてこの立案に専念させると、而もその事務局長を中心とする事務局員は、関係各省と緊密な連絡をとつて、そして成案を得、そして国防会議にのせる、こういう形になれば、私はこの法案にあるように、首相の前歴のある一部の人を入れるということ以上に、私は民間人を入れて広く国民の意向を反映して行く、而も総合的に国防会議の立派な案を得るという立場からは、そのほうが私は成果が挙るのではないか。首相の前歴のある一部の人を入れるという形でここに表現されるのは、あなたがたとしては入れるのはいやだけれども、改進党さんとの間が納まらないからいたし方なくこういう形でちよつとごまかした、こういうような印象しか私は受けないわけでありますが、御所見は如何でございますか。この点については先ず副総理に伺い、次に木村保安庁長官の御見解を承わりたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) ごまかしたという言葉は非常に困るのですが、好みませんが、そういう意味は全然ございません。  それからこの事務局の問題でありまするが、国防会議の性質上、これは私は事務局がない、又その事務はどこで扱うかということは、保安庁で扱わずに内閣で扱うのが当然であると考えております。事務局を置いたほうが国防会議の本来の目的を遂行する上にいいのではないかという御意見のようでありますが、私はここに厖大な事務局を置くことは、ややともするというと、そこに一つの既成の考えを以て、それが何といいまするか、一つの会議を動かすような力になる虞れがあります。過去においてもそういうなにがありますので、これは私は事務局を置かないというところに政治的の意味があるように考えておるのであります。で、今お述べになりましたような、各省の考えを取りまとめるというようなことには、ほかのいろいろな委員会におけると同じように幹事というようなものが或いは必要かと考えまするけれども、事務局という常設的なものは置かんのがこの会議の性格から言うて本当ではないか、そういうような感じを持つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私は副総理とちよつと見解を異にしますが、まあその前に木村長官の答弁を一応求めておきます。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 今副総理の述べられたのと同じ考え方であります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 若干私意見を述べて伺いますが、それは、この国防会議の構成員は、六番を除けばあとは政変のあるときには一挙にその地位を去る人ですね。これは私は幾ら諮問機関といつても、我が国の国防の基本方針を審議する国防会議にとつては重大なものだと考えます。従つてその一つを考えましても、私はそれは事務局を構成する人の質にもよりますけれども、立派な人で構成したならば、それらの欠陥も私は補い得ると思います。それから副総理の、諮問機関に事務局があるとその事務局で云々という見解は、他のすべての諮問機関の委員会においても事務局は無用である、こういうことに私はなると思うのです。更にそれを一歩突込んで考えますというと、結局私は国防会議を骨抜きにしよう、ここに国防会議という条章はあるけれども、これを骨抜きにしよう、実際は要らないんだ、こういう気持を私は政府側は持つておられるのではないか。真に国防義というものはかくかくで是が非でもなければならんという強い信念は持たれていないのではないかということを私は感ずるのでありますが、如何でございますか。御答弁を求めます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私はこの国防会議としましては、国防会議をいたしまするときの資料というものは正確なものが常に保存されておることが絶対必要であると思いまするけれども、事務局というようなものが一つのきまつた意見を持つておる、事務局を作るとややもすればそうなりがちでありますが、それは私はむしろ今の御質問と違う所見でありまして、それは危険である。そこに何らかの既成の意見が生ずることは、国防会議の本来の性質をむしろ無にする、そういう意味において危険である、一面資料は常に正確なものが如何なるときにも利用され得るようになつていなくちやなりませんが、事務局が特別の意見を持つということはないほうが本来の目的を達する上に必要であると、こういうふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 外国ではこの国防会議に民間人を入れている場合は殆んどないということを私ども聞いております。それは取りも直さず、私は再軍備、即ち軍隊を持つている国の国防会議を指していると思うのです。その国防会議と我が国の国防会議とはおのずから違うわけでございますから、そこに私は問題の食い違いを生じて来ると、こういうふうに考えております。併しながらこれは軍隊でないと言いながらも、私は冒頭に申上げましたように、これははつきり軍隊的な性格を第三章国防会議ではつきり出しているわけです。而もこの自衛隊が防衛出動する場合は、この条文では国会の承認を得る、国会が閉会中の場合には、事後承認を求める、国会が開会中でも緊急を要する場合には、出動して然る後に事後承認を受けると、こういうことになつておりますが、併し実際問題としては、防衛出動がある場合には、私は国会の承認を得て防衛出動があるという場合は稀有である、殆んどないと言つてもよろしいのではないか。事後承認の場合が大部分ではないだろうか、こういうように私は考えますが、この点副総理どうお考えになりますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私は必ずしもそうは考えません。国会の開会中のごときは、承認を得ることは機宜を失なわずにできることではなかろうかと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 勿論この法案の中には、直接侵略及びその慮れがある場合と書いてありますけれども、併し軍隊ならばその前々から行動を起すことが勿論あるわけでありますが、自衛権の発動として自衛隊が動くという建前をとる限り、これは自衛権の国際的通念から、そう軍隊のように前々から行動を起すということは、これは私は自衛権の埓外の行動になると思うのです。いろいろそれは解釈もありましようけれども、自衛権として行動を起し、武力行使をするのならば、本当にその危急が迫つたことがはつきりと確認されてからでなければ、私は自衛権の発動としては、その時期でないと思う。そういう立場から私は国会の承認というものは非常に少いであろう。従つて私はこの国防会議でそれの可否を論ずるんであるから、これは私は極めて重大だと思うんです。而も他の委員からいつかも指摘されましたように、一たび防衛出動をやる、お互いに武力を行使する、殺りくを行う、それを二十日以内に国会で承認がなかつたからといつて、その武力行使というものを、戦いというものをやめられるものではございません。従つてこういう防衛出動というものは、よほど慎重でなければならん。こういうことを考えるときに、この命令者であるところの総理の命令を出されることを何らか抑制する、更に国防計画の国力との均衡という立場から抑制をするという面が、私はこの国防会議の大きな目的の一つとして挙げられて然るべきじやないか。これはいろいろ新聞雑誌等にも、総理の絶大な権限に或る程度抑制を加えることが必要であるという論調はかなり見られます。ところが先ほど副総理はそれらの点については全然考えていないような御答弁でございましたが、これらの輿論に対しては如何様にお考えになつておられるか、御見解を承わりたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私は民主主義政治におきましては、すべての責任は明確に国会又は輿論に対してとるべきでありまして、政府部内におきまして総理に権力が集中し過ぎるから、それを抑制する途を講ずるということは、むしろ責任を不明確にすることであつて、私はむしろないほうがいい。その政府のとつた行動処置に対しまして、国会に対して責任をとらねばならんことは無論でありまするが、それが民主政治の原則ではありますが、それを余りに集中するのは危険であるからという意味の抑制はないほうが本当だろうと考えます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それはその内閣の性格なり、又その内閣を率いられているところの総理大臣の人となりにもよるでございましようが、併し仮に今の吉田内閣が或る期間続いたというようなことを考える場合に、最近の吉田さんのとつている態度はどうでありますか。二十七年の解散にしても抜打ち解散で、而も閣僚諸君の全部の署名を得ることなくああいう解散を断行されて、更に先般の汚職事件につきましても、検察庁法の十四条の指揮権の発動、これは犬養さんが個人でやられたものでないということは何人も察し得ることです。犬養法務大臣の任命者としての吉田さんが犬養さんにやらしたということは、三歳の童子でもわかるわけです。これらに対する国内識者の輿論というものはどういうものであつたかということは、副総理御承知の通りです。こういう吉田内閣、吉田総理の動きから見るときに、私は現在の日本の憲法に背反するということを常に申上げているわけでございますが、その憲法に背反して、他国と兵火を交えるということを決定するところの大きな私はこの国防会議の議決というものは原動力になると思うのです。その国防会議の力によつて、総理に一つの専断を戒めるという抑制の私は使命を持たすべきである、こういうふうに私は考えますが、緒方副総理は、先般の解散とか、或いは検察庁法十四条の指揮権の発動等を併せ考えるときに、どういう御所見でおられますか、重ねて伺います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 今の吉田総理大臣に対する批判は御自由でありまするが、仮に特段の総理大臣が非常に乱暴なことをすると申しましても、それをこの国防会議の第六項の規定というようなものによつて牽制させようとすることは、私は制度上不可能であると考えます。若し特段な総理大臣が国政に当るに不適当であると考えられます場合には、遡つてその首班の指名が間違いであり、更に遡つてその政党に多数を与えたところまで批判をすべきであつて、今日の民主主義の建前から言えば、或る特段の政党が多数を得てその総裁が首班の指名を受けた場合には、総括的に責任を国会に向つてはとりまするけれども、その行動が、その傾向が好ましくないからそれでその権力を今のようなこの六項のようなものによつて制限するということが、若しこの六項の意味でありまするならば、それは甚だ私は適当でないと、このように考えます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 時間が参りましたからこれで終りますが、それでは副総理、最後に伺いますが、この自衛隊はこれは軍隊だ、再軍備である、こういうふうに一般の国民は考えているようにあなた方がお認めになれば、私は違う角度から伺います。併しあなた方はこの自衛隊というものは憲法九条に違反するものではない、こういう立場をとつておられまするので、私はそれであるならば、何らかの形で民間人を入れてそうして運営するということも考えられるのではないかと、こういうふうに申上げているわけです。で、総理の専断を私は抑制するのにも、この六項は私は役に立つと思います。と申しますことは、この(ロ)の副総理たる国務大臣から経済審議庁長官まではこれは総理大臣の任命した人でしよう。罷免権も総理は持つておるわけですからね。自分の意見に合わなかつたら罷免権を発動したらいいのです。ところが6は、任命するときに両議院の同意を得て任命するのであるから、これを罷免する場合も両院の同意を得てからでなければできないでしよう。任期が満了すれば別であるが、そうでなければ1から5までの国務大臣を罷免するような恰好では6の民間人は私は罷免できないと、こういうふうに考えますが、これはどういうふうにお考えになつているか、念のために伺つておきます。そうだとすれば、国防会議で意見が対立したような場合にでも、こういう民間人というものはどんな意見を言おうと、国会から否認されない以上は何も恐れるものはないんだから、信念に基いて、諮問したところの総理大臣に堂々と所信を披瀝するであろうと思う。併し現在の吉田内閣が長く続くかどうかわかりませんが、現在の吉田内閣の吉田総理大臣と各国務大臣の関係を考えるときに、総理が恐らく自分の腹心である方を国防長官にするでありましよう。その国防長官は自衛隊の第一線の希望が強く盛り込まれたところの防衛庁の案を以て会議に臨むでしよう。そのときに総理大臣が一つの意見を出した場合に、それが自分の例えば大蔵大臣なら大蔵大臣の立場から反対である、経済審議庁長官が自分の立場から反対であるという場合に、この六項の両議院の同意を得て任命された方々と同じように、自分の信念に基いて堂々と総理大臣に意見を述べ得るかどうかということについては、私は多大の危惧の念を持つているものです。従つて、時間が参りましたからこれで終りまするが、両議院の同意を得て任命した者の解任の件と後者と二点について答弁を求めて質問を終ります。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) この任期につきましては、また確定した意見を持つておりませんが、先ほど法制局長官から申しましたように、或る任期を付けるということも考えられます。まだこれは決定いたしておりません。  それからこの第六項によつて出た議員が堂々たる意見を開陳する、これは結構なことで、信念に基いて述べられますなら如何なる意見もいいのでありまして、但しそれは総理に権力の集中することを抑制するためではなくて、この会議を通じて総理大臣、更にこの会議を通じて内閣がこの問題に対する意見を判断をする、その参考にするのでありまして、今の権力の集中を抑制する意味とは違つた考え方をしてこの六項を書いておるのでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 勝手に解任はできんですね。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) そいつはできないだろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 法制局長官……。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) それは勝手な解任はできません。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 私は実は国防会議に関していろいろな議論があることは了承しておるのですが、率直に言えば、国防会議がどういうものができるかということは、これは法律できめるのですから、如何にも、緒方副総理のお話を聞くというと、緒方さんのお考えでできるような答弁をなされておりますが、これはやはり国会がきめるのであります。だから、政府がどういうふうにお考えになつていようと、これは構成その他について必要な事項は我々自身がきめればいいというふうな観点に立つておりますし、だから私は余り構成自身は緒方さんから承わろうとは思いません。でありますから、又三党折衝がどうであろうというふうな経過も余りお聞きする気はございませんが、こういう機関を設けまして常に問題になりますことは、これを実際に運用する政府の考え方がどこにあるかということが一番大切なんであります。どうも緒方副総理の御答弁を開いていると、場合によると諮問機関であつて、そうして政府の何といいますか、単純な参考程度。よく政府がこの種の機関を作つたときに骨抜きに運用しようとする傾向もある。それからもう一つは、運用の仕方によつては非常に役に立つ。又役に立たせ得る。そういうふうな運用も私はできる。併し率直に申して、緒方さんは民主主義は、責任政治だ、何でも個人の責任の地位にある者が判断して、その責任でやればそれが民主主義だというお考えに近い御意思の表現があり、又参考にするというふうな、単純な、何といいますか、お答えがありますと、どうも私どもはこの会議を設けたことを割合に積極的に、何と申しますか、活用する御意思がないのじやないか。御意見を伺うために二、三の例を申上げますと、やはり民主主義というのは、チエツク・アンド・バランスの方式が、組立が行われるかどうか、そしてその上に立つてその責任のある者が責任をとるのが当り前なのであります。少数の意見に、良識の意見に耳を傾けるのも私は民主主義の一つの原則だというふうに考えるし、常にチエツク・アンド・バランスの組織の上に立つのもやはり民主主義であると、こういうふうに考えるのであります。殊に緒方さんのような思想から、実は今内閣がとつておられるように、先ほど矢嶋君が挙げられましたように、解散の場合だとか、指揮権の発動の場合だとか、又大臣は常に何人でも、百人近くでも、現に大臣というものは一方は新憲法におきまして総理大臣が罷免することができますが、と同時に国会に対しては連帯して責任を負つておることは明らかです。それが何十人もかわるというふうな事実が行われておる。又警察の権も総理大臣に一手に掌握しなければ民主主義でないというお考えで権力を自分にとろうとなさるのだろうという気がする。知事もどうも官選でないと自分の言うことをきかないというふうに考えてみますというと、どうも緒方さんのおつしやる過度の権力集中を以てそして責任を明らかにすることがあたかも民主主義のごとく考えておられるのじやなかろうか、こういうふうに私は考える。私どもと非常に立場が異なると……。法律の建前は、政府がお出しになつて国会できめますから、私どもがきめます。併し運用なさる御思想が非常に大切な問題である。こういうふうに私は考えざるを得ない。従いまして、この国防会議におきましても、1から5までの間は、吉田内閣の過去の事例を以てすれば朝に任命されて夕に首切られるかも知れない任命である。私どもから言わせれば、やはり六項に挙げた両議院の同意を得て任命する識見の高い練達のものがやはり一つの生命をここに吹込んでいるものだ、これを活用なさる人が非常に大切である、行政上の運用が大切だ、こういうふうに考えるのですが、そういう点については、一方におきましては総理大臣の前歴を要する識見の高いものというふうなお考え方は、相当六項目を重要視しようというお考えかと思うと、今のような御答弁がある。率直な副総理としての行政運用に対する御意見を伺いたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) この民主主義のなには、チェック・アンド・バランスが原則だという、これは私よくわかりますが、この国防会議はチエツク・アンド・バランスの機構ではないと考えます。これはこの構成員がすでに同じ政府の閣僚が半数を占めておりまするように、ここで各自の意見、判断を集めてやるのでありまして、第六項の識見の高い練達のもの若干名、政府の考えとしましては、この現役の政府閣僚の数同等又は以下の数にしたいという考えを持つておるのでございますが、これも政府以外にいつの場合にも必ず有識者もおれば識見高い人もある。第三者から見て、世間から見て、輿論から見て代表的であると思われる人を入れておくという意味で、これによつてチエツク・アンド・バランスをしようという意味ではないのであります。会議体である以上は、お互いに意見の妥協ということも考えますけれども、本来の性質は、ここで事情を尽してそして高い良識によつてこの重大なことを判断して参ろうということでありまして、そういう意味から、無論これは政府といたしましては、この問題に関する限り同じ諮問機関と申しましても、非常な重大な意見を政府に進言する。恐らく多くの場合にこの意見がそのまま政府に通るであろうと思いますが、ただ責任は、責任内閣制によつて内閣がとるということを申しておるのであります。先ほど来私が申しておることが、今私が申述べておることと違う意味に聞いたとすれば、今の考えが私の本当の考えでございます。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 諮問機関だから、チエツク・アンド・バランスの作用を法律的に解釈する場合にはそうでない、こうおつしやるなら私は或る程度頷けます。併し率直に言うと、チエツク・アンド・バランスの役目をしておる人事院の勧告なり仲裁裁定なりもいろいろと問題になる。又或る意味において司法権の独立というものも、指揮権の発動から見れば、問題になるという気がしまするので、私はむしろ率直に言えば、民主主義は多くの意見をお聞きになるということが当然なんだ、そういうふうに考えますので、あなたの他の同僚委員に対する御答弁が非常に消極的に考えられますので、特に行政運用の面から、どういう心がけでおいでになるかということをお聞きしたわけであります。  今度は質問のサイドを変えましてお聞きしますが、1、2、3、4、5はいずれも閣僚でございます。先ずお聞きしなければならんことは、まあイギリスなんかの例と違つて、日本の内閣の大臣というものは大体数がそう多くはない。広義の国防計画から言えば、ひとりここに名を列挙された人々だけでもない。常時閣議を開いておられるのであつて、率直に言えば、閣僚の意見というものは改めてここに挙げるという点から言えば、相当私はいろいろ議論ができる問題だと思うのであります。日本のような内閣制度で、実は5までの人間を特に挙げなければならん理由はどこだということをどういうふうにお考えになつているのか。特に今度はサイドを変えました方面からお伺いいたします。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) これは国防会議にかけられまする国防の基本方針であるとか、防衛計画の大綱或いはそれと産業との調整計画の大綱というようなものに直接関係のある、又その基本方針をきめまする上にどうしてもその省庁の協力を必要とする人々をここに挙げたのでありまして、勿論これ以外の大臣も必要に応じてその意見を徴さなければならんことは一項の第2に書いてありまする通りであります。ここにありまする大臣が、この問題について、常務的にと言うと語弊がありますが、大体ここで大綱をきめるのには十分であろう、こういう考えから国務大臣を列挙したのでありまして、副総理たる国務大臣というのは、これは先般も法制局長官から御説明いたしましたように、総理が短時間何か事故を生じたというような場合等に総理の代理をするというようなこと、或いは内閣全体のほかの大臣の考え等をこの場合にできるだけ必要があれば述べるというようなことでありまして、その他の必要な者は随時に呼べばこの目的を達するに十分であろうという考えであります。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 私は防衛折衝の一人でありましたから、そう不徳義な質問もしようとは思わない。それから又、国防会議は法律できめることになつているのですから、私は議員として自分がきめ得るんだ、国会議員がその資格においてきめ得るんだと、こう思つておりますから、余り議論はいたしません。ただ内閣の心構えを承わつておるのでありまするが、今お聞きしたところでも、率直に言えば、1から5までは内閣できめられるのです。又これができないような、四十二条に掲げてあることができないような関係大臣は、関係大臣としての資格がない。だから私は、やはりこれから見てもに6に挙げましたことを相当御活用に相成つて然るべきだ、こういうことだけを申上げておきます。ただ、これは法制的に佐藤さんにお聞きいたします。ここに副総理たる国務大臣が入つておりませんと、この議長がないときに、一体。副総理が内閣官制に基く総理大臣のなにとして、代理ができるものとして当然出て来て議長の役目ができるのかできないのか、それを法律上だけお答え願います。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) まさに図星でございまして、そういう問題があることから見ましても、ここに入れておくことは非常にいいことだと考えます。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 そういう御答弁をなさるところを見ても、こうしなくたつてできるんだというふうに法律上はお考えになつているから、そういう御答弁をなさるのだと思いますが、そうでございますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) いや、そういう意味ではございません。これを入れておきますことによつて、そういう疑念が起らずに済むということで申上げたのであります。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 だからそれか法制上のお答えでなくて、議論の余地を少くせしめようということからお考えになつて御答弁なすつているのだろうと私は考えるのであります。若しも議論の余地でなしに、法律上しつかりした権威ある御解釈ができるなら、これは別であります。まあ余りだくさんはお聞きいたしたくはないのでありますが、ここでは、率直に申せば、もう一つこれは運用上の問題として、副総理のお考えを伺いたいのでありますが、一方におきましては、今回の防衛庁の設置法では統合幕僚会議というものがございます。第四節以下統合幕僚会議の問題が掲げてあります。ここでお聞きしたいことは、私どもは、この統合幕僚会議が一つの固まつた意見を持ち、そしてそこに一つの既定の方針とそれを遂行せんとする意欲が出て参りますときには、これは相当強力なものになる。昔のやはり軍令系統に属します参謀本部でありますとか或いは軍令部でありますとかいうふうな考え方、而も昔はともかくも旧軍人の組織といえども、陸軍と海軍に分れておつた。ところが今度はこれを三軍を調節して以て参るところの統合幕僚会議、これが出て参りますときには、やはり国防会議なるものが相当多識の士を以てチェックしなきやならない。いな、むしろ国防会議に達見の士がたくさんあつてそして統合幕僚会議を指導するがごとき力を持つて参る。無論その前にいわゆるシヴィリアン・スュープリマシイの原則によりまして、大臣……木村保安庁長官を指すわけでございませんが、ともかくもここで以て防衛庁長官なり内閣総理大臣なんというものが厳然と控えてはいますが、この国防会議を構成するメンバーが相当強い見識を持つて、広い視野に立つた高い見識と強い意見を以て臨まなくちやならない、ここが相当の役割をなすべきだ、こういうふうに考えますが、その点についてはどうお考えになつておりましようか、お伺いしたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 統合幕僚会議の防衛上における重要性というものは、今お述べになりました通り、申すまでもないのでありまするが、この統合幕僚会議の、言葉は当らんかも知れませんが、純軍事的な考えをもう一つ高いところから政治的に判断をする、その判断をするために国防会議というものが必要なんでありまして、統合幕僚会議の考え方は、どこまでも軍事的な専門の立場に立つておると私は言つていいのであつて、それに対して政治的な考慮を払う判断をするところがこの国防会議であろうと考えます。そういう機構の調整の上に、国としての判断の正鵠を期して行きたいというのが、この国防会議の考えられた理由であると信じております。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 大体において、その点については比較的素直に私の考え方を御承認なさつたように思うのでありますが、もう一つお聞きすることは、これは法律になりますときは、どうしても任期はお定めにならなければならない。それから国防会議議員の身分、資格等についても出て来るだろう、こういうように私は考えますが、それはともかくとして、ここで一つどうしても任期に出て参る主たる考え方のもの、任期を何年にされるかは別として、これをどういう性格のものにされるかということが、任期に私は出て来ると思います。と申しますのは、内閣はこれはともかくもかわることを予定しなければならない性質のものです。併し一つの国の国防計画というものは、比較的永続性と恒久性を以て作り上げられなければならない。これはもう諸外国どこでも、国防のことはパーテイの外にあるとすら言われる。つまり政党の外にあるとすら言われる。そういう線でなければ私はならんと思いますが、ともかくも任期をおきめになるときに、内閣が持つ生命とのことを考えて任期をおきめにならなければならん。そういう永続性、国防会議の一つの内閣と、何と申しますか運命を共にしないような任期、そういうものがお考えにあるかどうか。どうも任期はまだ考えていないと言われますから、実はそれはそれでいいが、私の言つたような事柄を頭に入れて、考慮に入れて、任期そのものをお考えになりますかどうか。これは私は一つの任期のポイントだと思いますので、特にお考えを承わつておきます。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 任期についてまだ結論を得ていないことは、先ほど法制局長官から申上げた通りでありますが、今の内閣と運命を共にしない任期という考え方は、これは実際上は非常にむずかしいと思います。その逆の場合は同時に考えておりません。これは冷静にこの国防会議の性格から見まして、内閣との関係は離れて任期をきめるのが当然だろうと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 ちよつと関連質問さして頂きたいのですが、先ほど任期のときに私伺いましたところが、今仰せのようにまだきまつていないから、強いてお尋ねしましたら、まあ三年、四年、五年、六年、七年、まあ幅の広い法制局長官のお答えがあつた。私はこれは前に当委員会で何か行政機構関係のときに意見を申述べたのでありますが、国会の承認を要しまするような場合の任期は、私はおのずから限度があるのじやないかという気持がするわけです。それは我々議員の任期が只今のところでは、参議院におきましても、衆議院におきましても、一定の任期がある。参議院におきましては三年ごとに事実上更改する、改まる。衆議院は四年がまあ任期である、解散がない場合といたしまして。そういう場合に国会の承認を求めますときに、その議院の構成せられる期限より以上の任期のものの任命を承認いたしまするということは、次の議院によつて構成せられる国会の権限までも、現在の国会が先走つてきめるということは、甚だしく私は妥当を欠くのではないかという気持がするのです。従いまして議員の任期、少くともその院の構成せられる期間を超えたような任期を、そのときの国会に求められるということは、私は議員の任期と睨み合せまして妥当でないような気持がします。国会は単なる承認機関ではないのでありまして、その承認を求められました任命ということに対しては、国会が責任がある。やはりその任命しました者の行動その他には、国会は最高の機関として常に関心を払つておる必要がある。それらから考えまして、これは議員の任期以上、或いはその国会の一院の構成せられる期間以上の任期の承認を求められるということは妥当でないという気持がしますので、従つて国会の承認を求めるような任命の場合の任期は、おのずと制約があるのではないかということが感ぜられるのでありますが、その点は副総理並びに法制局長官の御所見は如何でありましようか、承わつておきたいと思います。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 非常に精密な御議論で敬服して拝聴したのでありますが、これは要するに両院の同意を求めるという意味が、今お言葉にありましたように、両院の指示というようなところまでも含んでおるのか、或いは政府の一存で、専断で、妙な者が任命されると困るので、それをチェックするための同意であるのか、そこの考え方によつて話は分れて来ると思います。両院の指示ということになりますと、罷免権まで両院に持つて行かなければなりませんが、罷免権ということも考えられますけれども、今までの例からはそこまで行つたものはございません。そうします上、内閣の専断をチエツクするというところに重点があると考えられますが、実例を見ましても、五年などといつておる例もございます。大体がそういう考え方が主ではないかと思つております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 緒方副総理のそれに対する御見解を……。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 今の法制局長官の意見で尽しておるように思いますので、重ねて申上げません。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 もう一点だけ伺つておきたいと思いますが、日本は今アメリカと安全保障条約を結び、又MSAによつてアメリカとの関係において特殊な関係に入るというふうな状態でございまするが、この安保条約による共同動作的なものといういろいろな関係が外国との関係において出て参る。そういう際にもこの四十二条の二項の五号等によつて、国防会議にお諮りになりますか、諮りませんか、その点を伺つておきたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) その実際に起つた問題を見て判断を下すほかないと考えるのでありますが、第四十二条の「総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」、そこの中に含まれておりますれば、当然に国防会議にかけるべきでありますが、必ずしも国防会議にかけるとは限らないと思います。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 無論外国との関係においても、「国防の基本方針」、「防衛計画の大綱」或いは「産業等の調整計画の大綱」、なお四号の「防衛出動の可否」の問題、こういうものは当然入つて来ると思うのです。それは当然入つて来ると思いますが、五号で「必要と認める国防に関する重要事項」、無論一々すべて瑣末なものについてここにお諮りになるとは思いませんが、「重要事項」というのは………、併しどうしても一、二、三、四に関連して来るような関係のあるような問題についてはお諮りになるのが私は当然だと思いますが、重ねてもう一度お伺いいたします。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 一、二、三、四に関連して参る場合、すべてとは申しかねますが、そのときの判断によつて国防会議にかけるべきであると考えます。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 まあ抽象的に言えばそういうお答えになるのでしようが、先ほどから聞いているのは、要するに御答弁によつての行政運営の方針をどう考えたらいいか、それによつて今度の法律のときにどう考えるべきかということを考えつつお聞き取りしているのでありますが、そういう点につきまして、どうも時には消極的なお考えかと思われるような考えも出るし、時にはそうでないというふうに考えられることも出ますので、それらについてここでは意見を交換するつもりはございませんので、大体この程度にとどめたいと思います。私の質問はこれで終ります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 国防会議について、これまで各委員から御質疑がありましたが、どうも非常に不明確なので、この際副総理のはつきりした御意見を伺いたいのですが、或る人はこの国防会議が軍事独裁を抑制するのが目的だ、そのために設置した。或る人の意見では、首相の権限が強過ぎるから、その専断を抑制するのが目的で設置した。そうして戦争挑発などを軽々に起さないようにする。それから只今又これは政府のほうでありましたが、増原次長などは、それは閣議のもう少し徹底したものであつて、丁寧にこの防衛のことを取扱うために国防会議というものを作つた、こういうふうに言われておる。どこが本当の真意であるか、よくわからない。国防会議ばかりでなく、この二法案全体を通じて見まして、非常にあいまいな点がたくさんあるわけです。私はその原因は三つあると思うのです。この二法案及び国防会議のあいまいになつておる原因が三つある。その一つは、この二法案による防衛というものが自主的な防衛でない。やはりアメリカの指図を受けてやる。アメリカに要請されて、アメリカ式にやる防衛であるためにどうしても自主性がない。そのために非常に混乱が起きているということ、それから第二には、憲法との関係があつて、違憲の疑いがある。そこで何とかして憲法をカンニングしなければならない。言葉上いろいろこれを逃れるためにあいまいなる言葉を使うので非常に不明朗であるということ、それから第三は、保安庁或いは又自由党或いは改進党それぞれの各党の立場或いる法務省の立場、そういうものがおのおの違つた意見を持つていたのを、ここではつきりと統一しないで雑然とこれが織込まれておる。従つて或る部面は保安庁の意見かと思うと、或る部分は改進党の意見になつている。統一ができていない。私はまあそう思う。そこでやはりこの日本の国防というものをはつきりさせるためには、どうしても考え方というものをはつきりしなければならない。特に重要な点についてはつきりさせなければならない。一番そういう混乱を起してあいまいになつているのはこの国防会議で、それがもう一番モデル・ケースだと思う。典型的なものだと思う。そこで私はこの国防会議というものを通じて、そうしてこの防衛二法案、日本の防衛というものの考え方をはつきり政府から伺いたいのであります。そこで第一に伺いたいことは、この国防会議においてもそうです、二法案においてもそうですが、国防というものの定義がございません。国防とは何ぞや、或いは防衛とは何ぞや、この定義がないのです。そこで先ず国防とは何であるか、防衛とは何であるか、この定義をはつきりさして頂きたい。この委員会で各専門家を呼び、公述人からいろいろ意見を伺つたのですが、殊に専門家の元陸軍大学教授の岡村誠之氏は、この再軍備というものは、人命及び国の安危存亡に関する重大な問題であるから、内容の不明確な言葉で規定することは非常に危険である。そういうことを言われた。従つてはつきりとこの国防会議とは何であるか、それから防衛とは何であるか、定義がないのでありますから、国防の定義如何、防衛の定義如何によつて、日本国民の人命及び国の安危に重大な関係が出て来るのであります。従つてこれはあいまいに定義することができないのであります。で、先ず国防と防衛についてのはつきした定義を伺いたいのであります。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 国防と防衛との定義についてのお尋ねでございますが、私どもといたしましては、国防と言いました場合においては、国の防衛というふうに考えております。防衛という場合には、若干事実的な実力行動に対してこれを防ぐというふうな事実的な観念が出て来る。国防と言いました場合においては、それに経済的な考慮であるとか、政治的な考慮でありますとか、そういうふうなものが附加わつた意味になるであろうというふうに考えておるのであります。防衛そのものについての定義ということは、これは私は今申上げましたように、敵の侵略を防止する、防ぐということより以上に更に分析して定義付けるということは困難ではないかと思つております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 併し二つが区別されておるのですが、どうしてこの法律案には、自衛隊であるとは何であるかということを、海上自衛隊或いは航空自衛隊等と定義がありますが、一番重要な国防と防衛について、法律案に明確に定義される必要があるのじやないですか。なぜこれをはつきりと定義しないのか。これは軍事専門家もはつきり言われておるのです。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) そういうふうな御意見も確かにあると思うのであります。ただ各条文につきまして防衛なり国防なりという言葉が使つてありまして、その条文によりましてどういうふうなことを意味しておるかということは、一応御了解願えるのではないかと実は考えておるのでございます。先ほど申上げましたように、国防というふうな広い観念につきましては、或る程度の考え方もできるかと思いますけれども、防衛と言います場合には、これは防ぐ、防ぐということ以上に私は定義付けることは困難であろうと思うのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 時間がありませんから、この論議をやつておると、もつと重要なことが質疑できなくなりますから、一応それはその程度にいたしておきます。  次に、それではこの防衛会議に諮る非常に第一に重要な項目を掲げてあります。国防の基本方針、これはどこで作成するのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これはこの前当委員会でも御説明いたしましたが、我が国の国防をどういうふうな考え方で以て行くか、例えば米国との安全保障条約のようなものを結ぶかどうかということでございまして、外務省も関係いたしましよう、防衛庁も関係いたしましよう、こういうような役所が相寄りまして事務的な協議によつて国防会議の議案として提出されたもの、かように考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 併し国防会議は諮問機関ですね。諮問機関であつて、国防方針をきめる所じやないですね、国防方針というのはどういう所できめるのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) お説の通り、国防会議は諮問機関でございまして、国防の基本方針につきましては、国防会議において審議せられるのでありますが、併し最後に国防の基本方針をおきめになるのは、行政についての最高責任者である内閣であることは明瞭であると思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 次に伺いますが、この国防会議、防衛庁設置法の第三章の国防会議という規定を政府はどの程度の重要度を以てお考えになつておるのか。これは緒方副総理にい伺たい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 重要度でございますか。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 ええ、そのウェイトですね。この法案の全体の中でどの程度の重要さを持つておるものか。実はこの審議の過程で、この防衛庁設置法の中で一番重要なのが国防会議である。なぜならば、この会議は国防の基本方針を、そういうものを諮る、特に防衛出動なんというものを諮るので一番重要だ。ところが、だんだん聞いて見ますと、これは諮問機関であり、閣議よりもう少し徹底したものの程度である。こういうふうなふうにも解されるので、どの程度のウェイトを置かれているのか、伺いたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 国防会議が自衛上の一番重要な問題というわけには参らんと思います。この法案に盛られたすべてがそれぞれの持つておる責任において私は非常に重要であると考えるのでありますが、この国防会議の最もはつきりしたウェイトというものは、これはいわゆる政治が軍事に優位する、統合幕僚会議におきまして武力行使の方針が専門的にきめられましても、それを政治的に判断するためにこの会議が必要なんで、ここにおいてこの政治が軍事を或いは産業の面から、或いは外交の面からそれぞれの意見を加えましてここに判断を下す。而も、それはもう一度閣議を経て、国民に向つての責任は内閣がとるのでありますけれども、その内閣の国防或いは防衛に関する考え方は、大体この国防会議において形を作るという意味において非常なウエイトがここにあるのでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 先ほどほかの委員からもお尋ねがあつたのですが、政治が軍事に優先するという建前を貫くためにこういう国防会議を作る必要がある。それがまあ重要な任務であり目的であると言われますが、これで、こういう構成でやはり政治優先の建前を貰けるのかどうか。これは前から三派折衝の経過がここでまあ明らかにされておりますが、最初は、政府としてはこういうものはなくても賄える。閣議によつてそういうことが代用できると考えたのぢやないかと思うのです。その後三派折衝でこういうものが入つて、そうして民間人を入れるとか、事務局を内閣に置くとか、保安庁に置くとか、そういうまあ経緯になつて来た。これは先ほど副総理のお話を伺いますと、閣議決定は明日すると、法律案は次の国会に出す、ところが、この通つた場合、法律案はまだできておりませんから、国防会議というものは構成されないわけです。国防会議がそんなに重要なのに、国防会議が構成されないでやつて行けるのかと言つたならば、やつて行けると言うのですね。国防会議がなくても賄えないことはない、こういうふうに政府は答弁しておるのです。ですからこの閣議と、これは堀木君もさつき質問されましたが、実質的にですよ、実質的に私は閣議と国防会議とはどれほど差があるのか、どうしても私は理解できない。その点もう一度お伺いしたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 私が申上げました政治が軍事に優位する。これは結果論的でありますが、専門の軍事的な防衛方針を更に外交関係、或いは財政関係、或いは国民の生活の面から批判し、判断するのが国防会議でありまするが、それは要するに内閣の、重要度は別といたしまして、形式においては内閣の諮問機関である。それを国民に対し、国会に対し責任を持つて実行するのは内閣でございます。そういう意味で内閣がその責任の衝に当りますが、その内閣の判断を更に間違いなくするため委曲を尽す。この問題が重大であればあるだけこの国防会議という機関におきまして、あらゆる角度から防衛の方針を検討する。国防の方針を検討する。そうして、これを内閣の実際の政治を行う、政治の方針をきめる資料にするというところに意味があるのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうしますと、どうしてもここに二つの疑問が出て来るのであります。  一つは最初通産大臣がこれは入つておりました。そうして通産大臣を入れると農林大臣も又入れなければならないので通産大臣を除いたという御説明でありましたが、むしろ国防は単に軍事力、武力だけではなくして、近代戦においては総合的な国力、防衛を考えなければなりません。そうすれば食糧の問題、それから軍需産業、それから労働力、特に労働については重要だと思うのであります。労働、それから民生の安定、そうすれば厚生、労働やはり農林、通産というものは又運輸も重要だと思うのであります。どれ一つとして重要でないものはない。特に私はそういう意味で、そんなら全部入れるわけにもいかんでしようが、近大戦を総合的に考える場合には、ただ武力だけではありませんから、むしろ私はこれを削るべきでなくて殖やす、べきだと思うのであります。削るほうは、これは今の副総理の御答弁は矛盾すると思うのであります。総合的に間違いなき防衛力をやつて行こう、その資料として基本的な方針を作る。そういう場合は私はむしろ減らすべきではなく殖やすべきだと思うのであります。  もう一つの問題は、事務局であります。これは単に軍事的なものだけの防衛方針を作るのじやないのですから、総合的に作るのだから各省だけでは駄目です。どうしても内閣に置いて、重要であるからこそ強力な事務局がここに設けられて総合的な企画をする、或いは又調整をする事務局を作らなければ私は意味がない。ところが事務局は、先に庶務程度である、それからメンバーも少数にしてしまうということになると結局これは最初政府が考えたように、入らなくてもいいのだけれども、改進党と妥協するために入れなければならない。申訳的にこれを作るのだ、そうしなければ持たない、妥協がつかないと、どうも私はそう思うのです。そんなに重要なら、重要視されるなら、この衛成はもつと総合的に考慮すべきだ。事務局も強力にしなければならない。ですからそれが逆にこなつているのです。この点むしろ私は副総理のさつきの御答弁と矛盾するのじやないかと思うのですが、如何ですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 政府の各官省いずれを取上げましても国民生活と無関係の仕事をしているところはないのであります。従つて、非常に大きな政治であります。この防衛というようなことにつきましても、各省の関係は無論あります。従つてすべてをからまして意見を急速にまとめることがあれば、それも一つの考え方でありまするが、各省それぞれにおいて大きな政務を持つておりますので、直接防衛に関する者を常任的の委員といたしまして、それ以外の各省大臣、今お述べになりました農林とか運輸とか、そういうふうなものは臨時に随時に会議に出席を求める、そうしてその意見を求める。或いは随時ということが或る期間続く場合もあるかも知れませんが、いずれにしても常務的な委員は先ずこれだけで差支えなかろう。今の経済面におきましても、経済審議庁長官が代表的な意見を述べる、産業部面におきましても経済審議庁長官が代表的な意見を述べる、そういうことでやり得るのではないかというのが、この案の考えられたゆえんでありまして、決してこれがお役目的に妥協の結果、不要なものをやつておるということは絶対にございません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私が申上げるまでもなく近代的な防衛力というのは、これは非常に総合的な企画なり構想なりが必要なわけです。各省は各省の立場でやりますけれども、やはり防衛を総合的に考えるときは、例えば防衛負担能力如何、特に国民所得との比率はどうであるとか、或いは国富との比率はどうであるとかいろいろな総合的な、又外交関係との睨み合せですね、兵器の発達とも睨み合せていろいろやらなければならないので、どうしても国防の基本方針をきめるには各省ばらばらでは駄目で、どうしてもここに強力な事務局を置かなければ意味が全然ないと思うのです。私はもう時間がありませんから、議論になりますから次に移りますが、軍事優先を、軍の独裁を防ぎ政治を優先させるというには、結局文民優位というような形でしてもそれは実質的には確保されないということは大越さんも言われていましたが、結局国会の意思を反映させるということが重要だと思うのです。そこへ行きますと、私はどうしてもこの防衛会議において諮問する場合、その諮問について或る重要な事項については国会の承認が要るというような形に何かする考えはないか、これでは国会の意思をここに反映させるというシステムになつていないと思うのです。それでこれは元陸軍の大佐の大越というかたの公述でありますが、今度の法案には三つの重大な欠点がある。その第一は、軍事独裁を作り上げる可能性がある。その第二は、首相若しくは防衛庁長官が専断を以て戦争を挑撥し得る可能性がある。その第三は、陸海空三自衛隊を抗争せしめ、敗戦の因を招く虞れがある。こういうことを述べております。先ほどこの三つの欠陥のうち、軍事独裁については、国防会議というものがそれを抑制する一つの狙いであるということが言われている。併し他面において首相若しくは防衛庁長官が専断を以て戦争を挑撥する可能性がある。これを何かやはり抑制するシステムがどうしても必要であると思うのです。これについての配慮がない。これが配慮について国会の意思をそこにどういうふうに反映させるか、相当そのためには国防の基本方針、防衛計画の大綱、防衛出動等々について、こういう場合には国会の承認を得なければならないという答申をさせる、そういう或る面については制約をする必要があるのじやないか。これも又大越さんの意見で、私も非常に尤もであると思つた。そればかりでなくその他の方法において首相及び防衛庁長官の専断によつて戦争に巻き込まれる、そういう危険はどうしてこれを調整するか。緒方副総理の先ほどの答弁において、軍事独裁はこれで調整できるとして、他面首相及び防衛庁長官の専断による戦争挑撥、戦争に巻き込まれる危険はどういう点によつて調整されるか、その点をお伺いしたい。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) ちよつとお尋ねしますが、その何とかいう人の意見は、どういう場合に総理大臣又は防衛庁長官が戦争を挑撥するというのですか。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは時間がありませんから、詳しく申述べる時間がありませんが、昭和二十九年五月十八日の当委員会の公述において、非常に詳しくそういう場合を述べております。それで過去においてもそういうことがあつたのであるから……。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) よろしうございます。私はこの統帥権の独立というような旧憲法の下においては、軍が或いはそういう今の防衛庁長官、保安庁長官に当るところが多少そういう行動をなし得たかと考えまするけれども、それもあの旧憲法の下においてもそれは容易でない。いわんや今日の憲法の下におきまして、予算は国会の審議、監督を受けておりまするし、こういう国防会議が設けられまして、軍事に政治が優位するという場合において、総理大臣或いは防衛庁長官の専断によつて戦争を挑撥するというようなことは、今の文を仔細に見ておりませんけれども、そういうことはあり得ないと考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 この大越氏は例えば「防衛庁長官は、部隊を新たに編成することができる、或いは駐屯地を適当に変えることができる、」「又、同様に、人命その他を救助するような意味合いから、海上に行動することができる」、そういうことが戦争挑撥に用いられる可能性もあるし、過去においてそういうこともあつたと言うのです。ですから国防会議においてはどこかの規定によつて駐屯地移動であるとか或いは警戒、警備のだめに行動するというようなことについて、それが外国にとつて大きな刺激になる虞れのあるようなことは、これは審議にかけなければならないとか、或いは国会に諮らなければならないとか、何かそういう規定が必要ではないか、こういう意味なんです。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それは今日の内閣官制によりまして、保安庁長官は国務大臣、その大臣は文民でなければならんということでございまして、仮にどういう非常識的な計画が保安庁の中に行われましても、それは国務大臣である保安庁長官によつて十分に私はチエツクし得る、大規模のものに至りましては勿論国防会議の検討を受けざるを得ない。そういう御心配は先ず無用であると思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 次に伺いますが、これは先ほど矢嶋君も質問をしたことでありますが、もつと私ははつきりと明らかにしておきたいと思うのです。それは防衛出動と命命による治安出動の場合でありますが、防衛出動の場合は、この国防会議の諮問が必要でありますが、治安出動の場合は諮問が必要でない。ところで直接侵略と間接侵略というもの、これは衆議院においてやはりこういう論議が行われて、それは同時多発的に起るのだ。従つてこれはなかなか区別できないものだということが答弁されておるのです。従つて直接侵略が起るときは間接侵略も起る。従つてそれを区別することが困難ならば、結局直接侵略、間接侵略と言いますけれども、これをはつきり言うならば、山下委員がさつき言つたように、国内においては共産党の国内的な蜂起、そういうものに対処することだと思うのです。具体的にそういうことを謳つてはありませんが、そうすれば直接侵略の場合、間接侵略は同時多発的に起ると言うて説明しているのですよ。それに対して直接侵略については諮問して、間接侵略については諮問しない。その区別がどうも私はわからないのです。どういうわけでそうしたか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) この防衛出動の場合と命令による治安出勤の場合との関係でございますが、命令による治安出動の場合と申しまするのは、現在保安庁法の六十一条にこれに相当する規定があるのでありまして、国内における治安維持のために特別の必要のある場合には、内閣総理大臣が命令出動させられる、こういうことになつておりまして、この場合につきましては、現在の保安庁法におきましては、特別に機関を設けましてその審議を経るということになつておらないのであります。この七十八条は、その規定を受けまして、間接侵略その他の緊急事態に際してと、こう書いてありますけれども、間接侵略というものは外国の侵略の意思は背面にはありますけれども、国内においては一つの撹乱行為として起る。現在の保安庁法の六十一条に一体該当するものであろうか。従つてこれにつきましては、現在通りの建前でよろしいのではなかろうか、七十六条は外部からの武力攻撃に際して出動を命ずるものでありますので、これは今回国防会議というものが作られますと、その国防会議における重要なる審議事項に当然なされなければならないだろう、こう考えておるわけであります。そこで間接侵略は、直接侵略と同時多発的な場合が多いとおつしやいましたが、そういうふうな場合も予想されるのであります。その場合においては、直接侵略がありますれば、若しそれが外部からの武力行為に該当すれば、これは国防会議の審議を経まして内閣総理大臣が国会に御承認を得て防衛出動というものを命ずる、そうして防衛出動を命ぜられました場合におきましては、この直接外敵に対しまして我が国を防衛するために必要なる武力を行使するという規定がありますると同時に、又第九十二条に、公共の秩序の維持のために防衛出動ができるというふうな権限も自衛隊に認めるという建前にしておるのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 防衛庁法五条において、この防衛庁の権限の中で、そのうちの十二号と十四号において、十三号では直接侵略、間接侵略に対して我が国を防衛し、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため行動する。そこで十四号に、又別に公共の秩序を維持するために特別の必要ある場合において行動すること、十三号においては直接侵略、間接侵略同時に規定しておる。十四号においてはそれと別な公共の秩序維持のための出動ということを規定しておる。ですからこれから見れば、当然直接侵略及び間接侵略に対する国の安全を保つための行動となつているんだから、これは切離すのはおかしいと思うんですよ。ところがこの国防会議に諮問する場合には直接行動だけの諮問になつておる。ですからこれはおかしいじやないか、これは時間がありませんから次に移ります。  この防衛出動の場合、自衛隊法の七十六条によつて、この衆議院が解散している場合には、参議院の緊急集会にかけること、ところが命令による治安出動の場合にはこれは衆議院が解散しておるときでも、これは参議院の緊急集会にかけないということになつておる。次に召集された国会にかける。これはどうして命令による治安出動の場合は緊急集会にかけないで、そうして防衛出動のときだけ緊急集会にかけるんですか。これは私はおかしいと思う。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは只今私が御説明申上げましたときに、その点にも触れたのでございますが、第七十八条は、現在の保安庁法の六十一条に筈を合せて作つてあるのです。現在の保安庁法六十一条では、この自衛隊法の七十八条のような書き方になつておるのであります。従いまして自衛隊法の七十八条では出動を命じた場合におきまして、出動を命じた日から二十日以内に国会に付議して承認を求めるという建前であります。防衛出動は新らしい事態であります。この場合における国会の御承認との関係をどうするかということにつきましては、七十八条のような行き方ではやはりいけない、相当重要な事柄でございますので、命令出動と同じように扱うことは、これは不適当であつて、やはり事前に国会の御承認を得る建前でなければならない。七十八条は、事後に承認を求めるのでありますから、そういうことはいけない。事前に御承認を求める。而も衆議院が解散をした場合において緊急集会による参議院の御承認を得る事というところまで慎重にやらなければならない、こういうので第七十六条と七十八条は取扱を異にした次第であります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは私はおかしいと思うので、さつき申上げましたように、防衛庁法五条の十三号と十四号との権衡を考えれば、結局直接侵略、間接侵略というのは、これは国の安全を脅すもので、国の安全を保つための行動の対象になるわけですね。十四号の場合と違うわけですよ。それならば当然七十八条においても命令によるこの治安出動でも解散されておるときには、参議院の緊急集会にかけるのは当り前じやないですか。これは私は非常に国会を無視したもので仮にワニイトが七十八条のほうが七十六条よりも小さくても、当然かけるべきじやないですか。それでそのために参議院があるのですから、参議院がなければあれですけれども、そのために参議院があるのに緊急集会にかけないで、次の国会を召集されるのを待つというのはどうしてもおかしいと思う。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) この設置法五条の十三号と十四号でありますが、これは命令による治安出動の場合は、間接侵略その他の緊急事態に際してとこうございます。七十八条は間接侵略でなしに、それ以外の間接侵略というのは、外部の国の意思がその背景にある場合でありますが、そういう場合においては内乱とか騒擾というものが起る場合があるわけです。それが防衛庁設置法五条の第十四号に該当するわけであります。間接侵略というのは、成るほどその背後に外部の国の意思がありますけれども、その起る形態を考えてみますると、やはり国内における内乱とか騒擾というような治安の撹乱の問題として起つて来る。そこでこの場合における自衛隊の行動は七十八条で一括してある、こういうことになつたのであります。  最後のお尋ねは、これは私今申上げました通り御意見はあると思いまするけれども、この自衛隊法に山ける建前は、現在の保安庁法の六十一条と同じ建前にしておるということでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 もう時間がありませんから、七十八条は自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。自衛隊が全部出動することもあるのですよ。それのときに緊急集会にかけないというのはおかしいですよ。これは国会を無視して、非常に軽視しておる。それは明らかに私はおかしい。時間がありませんから次に移りますが、最後に一点今度の政府のこの閣議決定に……

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ちよつと簡単に関連して一つ伺いますが、只今の木村委員に対してあなたは、自衛隊法の七十八条は保安庁法の第六十一条に同じように規定してあるから云々ということを数度に亘つて答弁されておりましたが、丁度いい機会ですから、私は関連して簡単なことを伺つておきますが、保安庁法は非常事態に際してと書いてあつたのを、今度は緊急事態に際してと改めてあるわけですが、どのように違うのか、参考に聞いておきましよう。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは国内の治安の維持の問題でございます。そこで今までの警察法におきましては、非常事態という観念があつたわけでございます。これは御承知だろうと存じます。今度の新警察法案におきましては、第何条でありましたか、非常事態という観念を緊急事態というふうな観念に改めておるような次第でございます。それで警察法の規定に合せまして、緊急事態という言葉を使つたわけであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 その警察法に合せておるなんということを聞いておるのじやない。今度の警察法が緊急事態となつておりますね。その緊急事態と非常事態というのはどのように違うのかということを聞いておるのです。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは今申上げました通り、警察のほうで非常事態という観念を使つておつたのをそれを緊急事態という観念に改めたのです。これは警察のほうで緊急事態という言葉を使うことのほうが非常事態という言葉を使うことよりか、同じような場合を想定いたしまして、適当であろうということから、私はこういうふうな名称に改められたものと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 あなたは警察を真似たと言うけれども、警察のほうはどういうわけで非常事態が緊急事態となつたかということを聞いておるのです。ということは、私は非常事態のほうが余計出動があるのか、緊急事態のほうが余計出動があるのか、その非常事態と緊急事態の相違がわからないので伺つておるのです。ただ警察法がそうだからそうしたというのでは、これは警察担当の国務大臣でも呼んで頂かないと工合が悪いのですが。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは非常事態の場合でも緊急事態の場合でも、特別の必要があつて警察の力で足らん場合に保安隊なり自衛隊が出動するのでありますから、出動する具体的な場合についてはこれは同じようなことであろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 どういうわけで非常事態というのを緊急事態と変えたのですか。変えた以上は何か意味があるのかと思つて承わつておるのです。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 警察のほうで緊急事態を使つた場合にこちらで非常事態と使いますれば、その緊急事態と非常事態とがどういう違いがあるかという観念の問題が起つて来ると思います。国内治安の問題でありますと、警察の力の足りないときには保安隊なり自衛隊が出て行くという建前であります。警察のほうで緊急事態と認めた場合、こちらでも緊急事態という言葉を使うのでありまして、私は実質上は非常事態と緊急事態とは違いなかろうと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私はこの点了承できませんが、最後に別の質問をいたします。それは国防会議の構成の問題で、政府が明日閣議決定をすると言われておりますが、その第六項の、「内閣が両議院の同意を得て任命する識見高い練達のもの若干名」とありますが、これはこの人を入れなければ国防会議というものは構成されないのですか、こういう人を除いても構成され得るものですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) この識見の高い練達の士を必要とするという意味から、この会議の構成にしたわけであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうしますとこの人を除けて、結局総理大臣を除いては六人ですね。これには若干名とありますが、仮に六番目に該当する人がないという場合、最小限六人でなければならん、五人では構成できない、こういうことになりますか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 総理大臣を除いて……

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 総理大臣を除いてです。五人では駄目なのですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) あなたの計算の通りです。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私の伺つているのは、若しこの識見の高い練達の士、そういう適当な人がいない、その場合任命したくても内閣では任命できないわけでしよう。ここにある副総理から経済審議庁長官に至るまでの五人で構成できますかどうですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) それはできません。但し若干名というのは必ずしも一名ではありません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 どうしても六人が必要な構成要員ですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 六人以上ということです。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 前首相が死んでおつたらどうなるか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 前首相全部を入れるわけでありません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これはあとで必ず問題になりますよ。内閣で識見の高い人と思つて、適当と思つて推薦しても両院が承認しない、そういうときはどうしても欠員になると思う。そうしたらこれは構成できないのですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 両院が承認しない場合はいたし方ございません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうなると国防会議というものは成立しませんわけですね。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 成立はしまするが、要求する人がなければいたし方ございません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 その場合どうしても必要な構成要員ならば、一人抜けても構成できないというわけですか。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 定足数はございません。(笑声)

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 左に掲げるものとすることとなつておるが、この六番目のものは欠けることがあり得るのです。経済審議庁長官までは職名だから、これがないということはあり得ない。併し6はないことがあり得る。ですからこの六番目の人がなくても構成できるかどうか伺つた。ところがなくても構成できるというのですが、なくても構成できるとなれば、左に掲げるものとするというのはこれは私はおかしいと思う。私の疑問とする点は、こういうふうにして置いて、改進党との折合いを一応あいまいのままに了解を付けておいて、それで任命したくなければ任命しない、一応形を作つておいて、そして済ませる。こういうような非常にあいまいな性格になつておるのではないかというので御質問したわけです。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) そういうことは考えておりません。今の政治は一責任を無視してできるものではないという判定に立ちまして、そして了解事項としまして、前総理大臣の前歴のあるものを任命することになつておりますので、政府の手の届かない国会において総理大臣の前歴のあるものが否認されました場合には止むを得ないと思いますが、併し現に総理大臣の前歴のある人がおつた場合、それを政府が故意に任命しない、こういうことはいたさない約束になつております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは政治的了解のことで、それは政府はいつも自由党内閣ではないのですから、制度として設けてある以上、六番目の人が欠けても国防会議というものは構成できるかどうかということを伺つておるわけです。

緒方竹虎自由党国務大臣・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(緒方竹虎君) 内閣が変つた場合には別な考え方があるかも知れません。それらの拘束は今日の三党閥の了解ではしておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私はどうしても御説明がわかりません。時間が来ましたからこれでやめます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) これを以て国防会議に関する質問は終ります。  暫時休憩いたします。    午後六時四十九分休憩    —————・—————    午後八時七分開会

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 只今より休憩前に引続いて委員会を再開いたします。  防衛庁設置法案について逐条審議を行います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 第二十一条の四項「幕僚監部の内部組織は、政令で定める。」とありますが、大体どういうことを定める予定でございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは資料としてお手許に配りました防衛庁設置法に基く政令及び総理府令に規定すべき事項案というのがございまして、ここに書いてございますが、陸上幕僚監部におきましては、幕僚庶務室のほか左の六部を置く、監理部、第一部、第二部、第三部、第四部、第五部とこうなつております。それから課は第二項に書いてあります通りに、総務課、募集課、厚生課、法務課、監察課、警務課、会計課、衛生課、施設課、補給課、武器課、通信課、化学課、輸送課の十四課であります。海上幕僚監部におきましては五つの部を持ちます。総務部、人事部、警備部、調査部、装備部でございまして、総務部は総務謀、会計課、人事部には人事課、厚生課、衛生課、警備部は警備課、掃海謀、訓練謀、通信課、航空班、調査部に調査一課、調査二課、装備部に管理課、補給課、船舶謀、武器課、航空機課、こうなります。航空幕僚監部におきましては管理部、人事部、警備部、補給部、技術部の五部でありまして、これらの部に、管理部には総務課、監理課、会計課、人事部には人事課、厚生課、衛理課、警備部に警備課、訓練課、編成課、調査課、通信課、補給部に企画課、航空機課、資材課、施設課、技術部に第一課、第二課、第三課、これだけの課を置くことになつております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 この法律を見ますと、総理府令で定めるとか、政令で定めるとかいうのが至るところにあるわけですが、これらの総理府令で定めるとか、政令で定めるというのは、いつ頃出される予定ですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) この法律の施行になりまするまでに全部出したいと思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 施行になるまでに、同時に出しますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これはこの附則に書いてありまする通り、「公布の日から起算して一月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」というふうになつております。遅くとも施行の日までには出さなければならないと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 長官にお伺いしたいと思いますが、この法の施行日は「政令で定める日から施行する。」而も「一月をこえない範囲内」、こういう規定があるわけですが、この法の施行は、仮にここ二、三日中に国会でこの法案が通過成立したとしたならば、いつを予定しておりますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 大体今の予定では七月一日がよかろうと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 七月一日は隊員諸君も新たな宣誓をやるわけですが、解隊式とか何か式典でも行われる予定でありますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 解隊式はやらんつもりです。宣誓でやろうと思つております。解隊式というような式をやりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ときどき神宮外苑あたりを使つて観閲式というのですか、何というのですか、あれは何と言いますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 今の保安隊では観閲式と言つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 そういうものを長官おやりになるのじやございませんか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 今はそういう計画を持つておりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 七月一日から要するに発足する予定ですね。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) そうです。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 重点的に伺つて行きますが、二十三条、これは従前の保安庁法によりますと、保安庁の第一幕僚監部、第二幕僚監部を見ますと、一応防衛というものはないですね。今度新たに幕僚監部の所掌事務のトップに防衛ということが出て来たわけですが、一応御説明を承わりましよう。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは現在の保安庁法におきましてはその任務といたしまして、「わが国の平和と秩序を維持し、人命及び財産を保護するため、特別の必要がある場合において行動をする」、こうなつておるのでありまして、今度の防衛庁設置法におきましては、御承知のごとく第四条におきまして、「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つこと」、こうありまして、我が国を防衛するという任務を今度の法律案によりまして明確にせられたわけであります。その趣旨におきまして、所掌事務の中にも明確に防衛という言葉を使うということにしたのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ここで作戦計画をやるのでありますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 「防衛及び警備に関する計画」とございまして、防衛というのは対外的に我が国を守る、警備というのは国内の治安維持、こういうふうな工合に考えておりますので、作戦計画という言葉を用いることがいろいろ異議があろうと思いますが、敵の侵入を防ぐという意味であります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ここで先ほどの国防と防衛の術語の意義に関する答弁から思い出すのでありますが、どうも防衛庁というのは、国防庁といつたほうがぴつたり来るようですね。それから国防会議はあれは防衛会議では工合が悪いのですか、どうですか。非常に字句が混乱するのですが。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) そういう御意見もあるかと思います。これは防衛庁ということで役所の名前その他字句等におきましては一貫しておるのでありますが、国防会議のところに参りますと「国防会議」という言葉を使うことになつております。一貫するという点から申しますと、御意見はあろうかと思いますが、これでも差支えなかろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 どうもその用語が統一されていない不明確の点があるようです。  それから二十三条の2ですね、これはどういう場合を予想されますか。「一の幕僚監部に他の幕僚監部の事務の一部を処理させる」、これはどういう場合を予想されますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 例えば今考えておりまするのは隊員の募集のようなことでありますが、海上自衛隊の隊員の募集は二十三条によりまして、海上幕僚監部でやる、航空自衛隊の隊員の募集は航空幕僚監部でやることになつておりますが、比較的広い規模におきまして部隊を持つておりますのは陸上自衛隊であります。陸上その他につきまして陸上幕僚監部のほうで試験の計画を立てそれを実行し、海上自衛隊、航空自衛隊の隊員の募集につきましても、そういうことを考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私はこれで第三節を終ります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は質問しまいと思つたのですが、伺うのですが幕僚機関とはどういう意味に解するのでございましようか。今日大分言葉の定義が出ましたから、定義を一つ速記に残しておくために、長官の幕僚機関ということはどういうことの定義でありますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これはやはり補佐機関の一種であることは間違いないのでありますが、幕僚長はこの前も申上げましたが、或る範囲におきまして長官の命を執行する権限を持つておるのであります。隊務の実際につきまして執行的な面も所管しておりまするので、補佐機関というよりも幕僚機関という言葉のほうが若干実体を現わすには適当じやないかというので、現在の保安庁法でもそういう言葉を使つていたので、踏装いたしたような次第であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 御事情はわかるのですが、私の伺うのは、幕僚というのは、帷幄に参画するということですね。いろいろ智謀をめぐらして謀をめぐらしたりするのに、いわゆる大将の幕のうちにあつて表に出ないので、ひそかに女房役を勤めるというような、平たい言葉で言えばそういう意味ですね、幕僚というのは……。それで何か適当な定義はありませんでしようかね。辞引を引けば出るのじやないかと思いますけれども、不勉強で引いていないのですが、私の伺うのは、まあ昔の言葉から言えば、参謀機関みたいなようなことですが、参謀だけではなく、機関と申しましようか、要するところ帷幄にあつて女房役としてそういう面の謀なり、いろいろな計画を助けて行くということでしようね。大層回りくどいようですが、何かこう文字の定義から来るとそういう感じを持つのですね。ところが今の御説明聞くというと、そればかりじやなくて、実行機関ですね、実行機関でもある。いわゆる幕僚機関であり、実行機関であるという二つの性能を持たしてあるわけですね。そうすると、幕僚機関というものの定義は、どう定義付けるのです。文字から来る場合は、今言つたような普通は意味ですけれども、この自衛隊、防衛庁できめられておりまする制度の建前は、いわゆる幕僚機関であり、実行機関なんですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 今申上げましたのは、長官の補佐機関であると、部隊の実際の行動につきまして、長官の命令を執行するという任務を持つておる。こういうふうな部隊行動につきまして、総大将を補佐するものは、日本の今までの言葉の使い方でも幕僚というような言葉を使つておつたのが多いものでございますから、保安庁の際におきましても幕僚という言葉を使つたわけであります。今回それを踏襲したということになつております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 補佐機関ということも、意味は非常に広く用いられますが、補佐機関というと、普通世間では常に長官の側近にあつて、この節なかなか側近がたくさんおりますが、側近にあつて長官に離れずに補佐するのが補佐機関ですね。ところが幕僚長というものは長官の側におるばかりに限つたことはない。つまり指揮命令をするときには、或いは遠く長官から離れる場合がある。それですから、これは広く補佐機関と言えば、千里の外において指揮することも、長官の指揮することを代つて指揮すれば補佐とは言えますけれども、補佐と言えば普通の概念ではそばに、身辺にあつて補佐するのが補佐機関ですね、普通は。ですから普通の補佐機関とも違いますね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 補佐機関という言葉を使わないで幕僚機関という言葉を使いましたのは、今申上げました通り、部隊の実際の行動について長官を補佐するというものでありますので、昔の軍隊等につきましても実態が似ている、そこで幕僚という言葉がよかろうということなんであります。これが防衛庁長官と離れて行動するという場合はないことはないと思いますが、建前といたしましては、長官のそばへくつ付いて長官を補佐するというのが建前であろうと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それで幕僚機関という名称の意味を承わつたんでありますが、それで私がお尋ねしたいのは、こういう制度はたくさん、ありていに申しますと諸外国にもありましようか。日本ではこの種の制度の例は私は寡聞にして余り聞かない。それで、つまりまあありていに言えば、参謀と部隊長と兼ねるのですね、幕僚長というものは。ですから言い換えるというと、昔の式で言いますというと、自分が作戦してそうして一応それは保安庁長官の、防衛庁長官の承認も受け、認可も受け、お指図も受け、今度はその作戦が実行に廻されて、今度はいろいろな本当の部隊の指揮命令となつて、それを又承わつて幕僚長が今度は部隊を進めとか退けとか命令することになるのでしようけれども、それは自分の計画した通りが命令となつて現われるか、又それにいろいろ加減されて来るか別のことになつて来るかわかりませんが、要するところ普通の場合はみずから作戦したものを以てみずから部隊を指揮命令する。ですから、言い換えると、普通は別々の建前で行くべきですね。それを一人にして兼ねる、機関で言えば、一つの機関が兼ねるというような制度の建て方というものは、何かこれは則るところがあつてお立てになつたんでしようか。これは従来こういう制度であつたんでありますか知りませんが、自衛隊においてこういう制度をお作りになつたんですか。何か範をとるところがあつたんでしようかどうでしようかということをお伺いいたしたい。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは今までの日本のまあこの種の機関についてはこういう制度が私あつたということを承知しておらないわけであります。現在の米国の軍の組織におきましては、陸軍の参謀総長というのはやはり長官の補佐機関であり、同時に長官の指示された大枠の中において部隊に対して或る程度の執行命令権を持つておるというように承知しております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 どこですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 米国です。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 ほほう。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) その制度を保安庁のほうのときに参考にして作られたのであります。これはいろいろ衆議院方面でも御意見がございましたが、我々としては今までの運用の経験からして、こういうやり方がよろしいと思つてやつておるわけであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私だけが不審に思うのかと思いましたら、衆議院のほうでもいろいろ御議論があつたということになると、誰でも不審に思うと見えますな、これは。それで私思いますのに、いわゆる幕僚としての仕事と、いわゆる部隊の実行、つまり言い換えれば部隊の実行本部ですね、実行というものとが一つの機関に兼ねるということになるとどういう長所があるのでしようか。この制度の長所ですね。私は作戦と指揮命令と、作戦というものと実行というものと、言い換えると静と動ですわ。ですから静かに思考をめぐらさなきやならん仕事と、馬に乗つて、この頃馬に乗らんのでしようけれども、まあ自動車でもなんでも一線に最尖端に立つていわゆる隊員と共に本当の実行行動に移るという動の仕事とは、これは必ずしも非常に相々応した二者不可分であるほど都合がいいと言い得られない仕事の性能じやないかと思う。この辺で一つ内部部局長の各局長の軍事知識の豊富なところを御披瀝願いたいのですが、この制度はどういう長所があるのでしようか。私は少し欠点が目につくような気がするのですね、この帷幄の幕僚の仕事と部隊の実行の仕事とですね。ですから、例えば文字や法律の上にこうして現わしますというと、如何にも都合がいいようにありまするが、実際になりますると幕僚長というものが指揮命令してずつと部隊と一緒に行きますと、その幕僚長つまり幕僚ブレーンというものはどこにおるのでしようか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) その点は私の説明が少し足りなかつたのでございますが、これは指揮すると申しましても、第一線において指揮するというのじやないわけであります。第一線のほうの部隊につきましてはそれぞれの指揮官がおるわけであります。この幕僚長というのは、いろいろな防衛の計画なり何なりを立てまして長官に御承認を受ける、その受けた方針に従いまして第一線の指揮官に対して長官の命令を伝達し、細部について長官の命令を執行する、こういうことになるのであります。自分が直接現地へ行くというものじやないのであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 そうですが、わかりました。私はこれが相当な編成された一つの何といいますか部隊を、場合によつてはそういうふうな連合組織といいますか、そういつたような編隊の本当の実行の指揮官になるようなこともあるのかと思つた。これはしよつちゆう家の中におつて、要するところ長官の指揮命令をするという、部隊長に実行命令をする伝達の実行機関ですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) お説の通りであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 そうですが。これで私の疑問が氷釈しました。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 日本の旧軍隊の幕僚長と今ここで規定せられておる幕僚長との違いです。やはり幕僚長の指揮が、アメリカにおいてはこういう制度がある。併し日本においてはそれを聞いたことがない。そこで旧軍隊の幕僚長と、今度の幕僚長とのその指揮の点が違うのだろうと思いますが、その指揮というのは、今山下委員の聞かれたことに対する御答弁では、すぐ部隊を指揮するとか、そういうことでない。併し指揮権はある。その指揮権というものはどういう内容のものですか。旧軍隊と違う指揮権の内容ですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 昔の日本の陸軍について申上げますと、陸軍大臣、参謀総長、教育総監、三人おつたわけであります。これは三長官と称しておつたわけであります。陸軍大臣が軍政を啓する、参謀総長がいろいろ軍令の事項を扱う、教育総監が教育のことをやる、こういうことになつておりました。これはその陸軍の制度に比べますと非常に違うのであります。幕僚長と言いますのは、そういう仕訳の意味の軍政、軍令、教育、合せたものをすべて一応包括して処理する。そのうちで基本的なものにつきましては、これは内部部局の補佐によりまして長官がおきめになる。すべてに亘りますけれども、上は長官が握られておる。その長官のきめられた枠の中でそれを執行するということになるわけでありまして、昔は軍政は陸軍大臣が専管し、作戦及び統率の指揮は参謀総長がやつたというのとはちよつと比較がしにくいだろうと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうすると、先ほど指揮権があると、そういうところが前の日本の幕僚長と違うところだということが衆議院でも議論があつて、辻さんは旧軍隊にはこういう制度がないのだからと非常に反対をされていたようですね。ところが野村吉三郎さんは、これはアメリカと合同作戦をやる場合に、やはりこういう制度だと都合がいい、そういう意味で賛成であるというような、そういうようなことを言われるので、これはまあ賛否があるようですが、これは私軍事知識がないものですからわからないのですけれども、軍事専門家の間で意見が分れているわけですね。それで幕僚長にはこういう指揮権を与えるものじやない。辻さんがどういうふうにこの指揮権を解されたのか私は知らないのですけれども、とにかく反対してしますよ。野村さんのほうは賛成しておられるのですよ。それで政府のほうとしては、特に軍事的な面からどういうふうにこの賛否の論に対して考えておられますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 今御説明しました通り、指揮権と申しましても大きな方針なり何なりは長官がおきめになることでありまして、幕僚長というものは長官のきめられました枠の中で長官の命令を執行する趣旨の指揮権を持つておるわけであります。大きな命令は幕僚長だけでないのであります。そういう意味においては私は大きな問題についての指揮権というものはないと思うのであります。で、これはこういうふうな制度になりますると、自分が計画を立てて、そうしてそれについて若し長官の御承認が得られるならば自分が責任を持つて実行をすることでありまするから、他のほうで立てた計画を実行するというよりも利点があるということは御了解願えると思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは岡村さんも、軍事専門家は、日本の旧軍人の人はやはりこういうのはおかしいと言つているのですよ。我々は軍事知識がないから……、辻さんがそう言う。それから公聴会のときも軍事専門家がやはりそう言つているのです。それは旧軍人の考えであるからそういう考えを抱くので、旧軍人の解釈の仕方は間違つているのか。それから野村さんの意見もあるわけですね。ですからやはりこれはアメリカの合同作戦の都合上、やはりこういうふうにアメリカ式にしたほうが都合がいい。我々の見方としてはやはりこういうところに、日本の今の自衛隊の隷属的な性格というのはこういうところに具体的に出て来ていると、そういうふうに解釈を我々の立場からするとせざるを得ないのです。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) その点について私から多少補足説明をいたしておきたいと思います。今木村委員の言われたように、この制度は決してアメリカと共同作戦をとり、アメリカに従属するためのなんではないのであります。御承知の通り、旧陸軍においては参謀本部あり、教育総監部あり、陸軍大臣あり、今加藤局長から言つた通りであります。殊に参謀本部と軍司令官との間にとかく摩擦があつたことは御承知の通りであります。参謀本部がいわゆる軍の最高指揮を司るがごとき態度を以て臨み、いわゆる参某肩章をつけたものでなければ軍人にあらずというような気位を持つてやつたことは一般、に認められたところてあります。ここに大きな禍根があつたと私は考えております。今度の自衛隊においてはさようなことがあつてはならんのであります。統一してすべてものを運んで行こう、その大きな筋から出ておるわけであります。それで幕僚長が自分で計画を立て、それを長官の承認を得て、そうしてそれを部隊に流して行こう、ここに統一的にものを運んで行こうという観点から今度の制度というものができておるのでありまして、決して従属的であるとかアメリカと共同作戦をとるがための一つの方法としてやつたわけでは決してないのであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 今の指揮命令権に話がなりましたから伺うのでありますが、今度の階級でございますね、階級で陸将補ということでございますが、補ということは、我が国においてはこれは従来使わなかつた。例えば次官でも次官補というようなものは我が国にはない。まあ向うにはあるわけでありますが、私は何もこういう質問をして従属性というほうに結び付けようとは思わないのであります。率直に申しまして、陸将補というようなものはなかつたのであります。それでこれはまあアメリカの軍隊が身近になつて来てだんだんと我々も常識的に存じて来たわけですが、向うには少将補というのがあるわけです。少将と大佐の間みたいなんでしよう。こちらに該当するというと、昔の少将になるわけであります。陸将補という補をつけて、それで上が陸将なんでありますが、陸将の場合をとつてみますというと、これは何でございますか、陸将の次の陸将補ですか、つまりいわば少将補なんですね、ということになる。それでこれは陸将補というのは昔で言えば少将であつて、陸将というのは中将に該当するのですか。陸将というのが少将であつて、陸将補というのは少将補ということになるのですか。少将補というのは大佐と少将との間に一つの階級を作つた形になるのでしようか。向うではそうなんですね。大体アメリカではそうなんですね。それで補になつたというと、GHQでも大変……大佐から少将補になつたというと大変GHQでも違つておりましたから……、これはどういうことなんですか。そういう補という階級を設けました、何か意味があるのでございましようか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは補というのは、その次だというふうにおつしやいましたが、私もそういうふうに思います。外交官に対して外交官補というものを作つた例もございます。今度は階級につきましては……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 試補というのもないこともないですね、見習いですか。(笑声)

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) その次だということですね。その位に入るけれども、その下だという……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 別に意味がないのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) そういうふうなことの意味だと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 殊にその補ということの階級を設けましたのは、今アメリカにもあるわけですから、何かその階級のレベルが……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これはまあアメリカ側のブリガデイア・ジエネラル、リア・アドミラルというのは、これは日本では代将補とか代将と訳しておりますが、その訳が正しいのかどうか、私は英訳の知識がないのでわかりませんが、ただそういうことを別にしまして、いろいろな編成を考えてみまして、その編成の個々の場合に、補というものはどういうふうな階級であるかと、考えてみますと、ここに出ておりますような陸将補、空将補、海将補というような階級を設けることが必要になつて来たのであります。この補という言葉については特別な意味はありません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 言葉の意味はそうです。これは原文は英語を翻訳したのでないでしようね。(笑声)

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) そんなことはございません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それで、私が伺いますのは、これは決して意地の悪い質問をしているのじやないのです。これは日米が共同行動をとりますときの指揮官をどうするかという点、これはもう何遍も、長官のお言葉を借りればしばしばもう出ることでありますが、それでもうそのときはその都度話合いをすることになつておると、こう言われるのです。で、まあ話合いをすることになつておると言いますが、併し、およそ連合軍の部隊が、各国の部隊が集まつて共同行動をすると、連合軍を作るというたときには、何としてもそのときに階級の上の人が、まあわしら古いことしか知りませんが、あの例の明治三十三年の、あれは何と申しますか、北清事変、ああいうふうな連合軍を作りましたときには、各国の一番高級者が指揮官になることが国際の例になつておりますね。で、日本のほうでは大将が行つておつて、そうして英国の少将の下の指揮につくということはおおむねないように思うのです。それで、私はこの階級を見たときに、一番上でも少将級にしてありまして、大将というものがありません。大将がありませんで戦争ができるかどうかは知りませんが、将棋で言うと玉将なしに差すというようなもので、大将というものがなくて、大将という名称は三派の折衝のときにも出たと新聞によく出ておりましたが、上の余り階級がこしらえてないのは何か日米の連合軍を作つて共同闘争をやるときに、大将のほうは向うにあるからこちらになくてもいいという深謀遠慮であるのでございましようか、どうですか。(笑声)とにかく私の伺いたいと思うのは、米軍と自衛隊が共同闘争をとるというときには、やはり何と言うても我がかたは独立しておりますから、やはり部隊の行動というのは階級が物を言うわけです。これは自衛隊でもちやんと職務上は上級者の命令に服すべしという服務の規定がありまして、いつでもこの階級の秩序が保たれなければ部隊というものの行動ができるはずがない。これは自分の部隊でも然りでありまするが、共同闘争をとる相手方の部隊とやつて行く場合におきましてもやはり向うの少将の下にこちらの大将がのこのこついて行くようなことは、我がかたの部隊がそれを眺めておりましてそれは非常に矛盾を感じ、何と申しますか、これは不合理、やはりそういうときにはこちらのほうもかなりの階級を、上級の階級がなけらねばいつも向うの下についておらにやならないような気がいたしますが、そういうことはどうなりますか。両方の米軍と日本軍とが連合軍を作るというときには、我がかたの階級と彼のほうの階級の者も、やはり上級の者がおおむね指揮をとるべきだというふうになるべきだと思うのでありますが、如何でしようか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 只今の保安隊におきましては保安官と保安官補、それから一等保安正と二等保安正というふうに階級をきめております。保安官の中におきまして、特に幕僚長は待遇におきましても特別な給与その他の措置をとつておるわけであります。保安官の中にももう一つ区別があるということを先ず申上げておきたいと思います。(石原幹市郎君「適度に御進行願います。」と述ぶ)これは外国との共同動作のときにどうなるかということは、私はこの階級の差別は日本国内、日本国の上級、下級の関係でありまして、直接には関係ないのじやないかと思うのであります。正確には存じておりませんが、欧州軍の司令官はアメリカの大将で、その下にイギリスの元帥なんかが、副司令官なんかがついておるやに新聞なんかで承知しております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 わかりました。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 丁度今階級の名前が出たから聞きますが、隊員相互の間もそうでありましようし、国民にとつても覚えやすいようにしたほうがいいと思うのですね、私はこれはやはり翻訳ものだと思つておるのですが、保安庁のときよりは幾らか今度は改進党の主張で覚えやすくなつたと思うのですが、保安庁のときの一等保安士補と一等警備士補と、呼ぶのも大変でしようし、書くのも大変だつたと思うのですね。これは過ぎたことだから何ですが、自衛隊のほうで、統計処理的に考えても佐、尉、曹というような形で、ここに将、佐、尉と行けば、一、二、三等と行つているわけですが、途中に陸曹とか、海士長とか、空士長というのが、こういうものが入つていますが、昔の伍長とかいうものが何か入つていましたね、これは何か軍隊としての職務上から一つこういうものが、別個のものがなくてはならないものですか、そうでなかつたならば、体系として整えるならば将のところも一等がなければ二等、三等にして、あと皆一等、二等、三等、一等、二等、三等としてやるというと全く統計処理方式になつて、隊員にも覚えやすいだろうし、それから国民にとつても非常に便利だろうと思うのですが、どうしてこういうところに陸曹とか海士長とか、空士長というのが一つ入らなくちやならんのですか。これは万国共通の軍隊に合わしたわけですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これはこういう部隊の編成を考えますと、どうしてもこの程度の段階を階級的に設ける必要があるのであります。名前をどうつけるかということは、これは私は本質的なことではないと思いますが、これはこういう名前が適当だろうと思つただけであります。ここに名称そのものについて本質的に絶対こうしなければならないということはないと思います。適当なものをおつけになつていいだろうと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 関連して。私は名称はしばしば変更することはいかん思うのですね。手間も大変でしよう。そしてこの呼びならわしは二年、三年、五年はかからなければ、ちよつと普通の者の頭に入るまではすぐ短時日にはできない。しばしば名称を変更することは私は何としても物心両面不利だと思いますがね、如何でしよう。もうこれでずつと行かれますか。又多少変更されますか。そして肩章などというああいうようなものの階級の記章はこれは新たに自衛隊になりまして新たな階級章といいますか、すべてああいうふうな標識のものは変るのでございますか、従来のものをお用いになりますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これを変えるか変えないかというお尋ねでございますが、これは私の答弁する範囲ではないと思います。名前をたびたび変えることが望ましくないということは、これは私は言い得ると思います。階級章につきましては現在研究中でございます。この前も御答弁いたしましたが、略称等につきましては、陸海空統一したいという考えを持つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 只今の幕僚監部の編成について意見がありましたが、私はこういうことを聞いておるのですが、如何ですか。この陸海空の幕僚長は軍令、軍政を扱つておるからこれは非常に危いと、従つて例えば陸の場合をとれば文官なら文官を陸の最上責任者にして、そうしてその下に幕僚長を置いてこの指揮権を、命令権を実行するような機構にですね、陸海空をして置くほうが非常に安全だと、これは今度の立法で行くと陸海空それぞれ軍政、軍令を握るから、特に私は結局軍人か軍人の考えというものが非常に強く出て来てやはり調整がうまく行かんだろう、こういうことを人から聞いたり又この記事で見るのですがね、それはどういうふうにお考えになつて上りますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) その思想はむしろ旧軍人に私は必要じやないかと考えております。先刻から申上げておるように、幕僚長は長官の補佐役であると同時に命令の執行機関である。これを統一しておくことのほうがむしろ私は都合がいいのじやないかと、こう考えます。(「委員長進行願います」と呼ぶ者あり)

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 議事進行ですが、これは残余の防衛庁関係の各節も一括し、場合によつては自衛隊も一括しての質疑にするようにして頂いたほうがいいのじやないかと思うのですが。(「賛成」と呼ぶ者あり)

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 節を追つて行きましよう、ないときは……、

石原幹市郎自由党

○石原幹市郎君 あと部隊及び機関だから一緒にどうですか、第二章の残りは一緒に。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 三節は……。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 あなたのほうは御質問なさらないのですけれども、それについてどんどん先を促進させるについても、どうも納得行かない。どんどん御質問なさつて下さい、それでこつちのほうはどうするこうすると指示されるのは困る。あなたのほうは何にも、質問しないじやないですか、こつちのほうばかり……。

石原幹市郎自由党

○石原幹市郎君 あなたのほうで質問されておるから……。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 質問されないのはおかしいと思う。

石原幹市郎自由党

○石原幹市郎君 おかしくない。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 するしないは勝手だ。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 質疑を続行します。四節ありませんか。    〔「質問なし」「四節なし」と呼ぶ者あり〕

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 五節に行きます。

石原幹市郎自由党

○石原幹市郎君 五節以下は一緒でどうでしよう。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 四節はありますよ。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 幕僚監部、これについて質問ありますよ。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 二十三条、木村君に譲ります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 この部隊編成、二十三条の二項です。「教育訓練、行動、編成、装備、配置、情報、経理、調達、補給及び保健衛生並びに職員の人事及び補充の計画の立案に関すること。」、これはあとのほうで出て来ますけれども、ここで質問したいと思うのです。この部隊編成について我々資料を頂いたのです。この資料を頂いたうちわからないのがあるのですが、その点について二、三伺いたいのですが、この陸上自衛隊の資料、そのうち地方連絡部というのがありまして十七カ所これが設置されております。これは初めてこういうものができるわけですが、この地方連絡部というのはどういうものであつて、それでどういう役目をやつて、そうして十七カ所というのはどういう所へ設置されるのか。これは新らしく設けられたようですからお伺いしておきます。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 地方連絡部は今回新設しようとするものでありまして、これがどういうことをやるかということは、自衛隊法案の二十九条にございます「地方連絡部においては、自衛官の募集その他長官の定める事務を行う。」、長官の定める事務として考えておりまするのは、予備自衛官に関する仕事のようなことをここでやらせたらどうかと思つております。十七カ所大体計画を立てておりますけれども、これは最終決定というところまでは至つておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今までの隊員の募集というものはどういう機関でどういうふうにやつておりますか。それと今度地方連絡部の仕事との違い……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 今までの隊員の募集につきましては、幕僚監部で計画を立ててそれを自衛隊法案の第九十七条におきまして、募集事務の一部委任というのを、都道府県知事及び市町村長に一部委任できることになつておりまして、この系統でやりまして、部隊のほうといたしましては、各駐屯地に業務隊というのを置いてありまして、業務隊の中に募集のほうの係りを置きまして、これが府県、市町村と連絡をとつてやつておつたわけであります。今回地方連絡部は大体におきまして、駐屯地のない所に置きたい、駐屯地の業務隊の募集係と連絡をして募集事務の促進に当りたい、こういうふうに考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今度は市町村一本でやると言うのですか。今までは保安隊と市町村二本建だつたわけですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 募集の事務の中で願書を受付けるとか、それから本人に対するいつどこで試験するというような通知は、これは市町村でやつてもらつております。これは今後も同じようなやり方で行きたいと思います。部隊のほうでは市町村との連絡、例えば各市町村で願書を受付ける、そして試験場はそうたくさん作るわけにも行きませんので、この市町村でいつまで受付けた者はどこの試験場でいつやるというようなことを一応調整するわけであります。そういうようなことは従前通り自衛隊のほうでやつて頂きたいと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 いわゆる二本建ですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 窓口は一本でございますけれども、その窓口で受けた後の仕事は部隊のほうでやるのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これは結局非常事態の場合に防衛地区司令部みたいな、そういうようなものになるのじやないですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは今のところ募集の関係の仕事と予備自衛官に対する連絡の仕事というものと広報宣伝のようなものを長官の定める事務としてやらせたいと思つております。お示しのようなことは考えておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 十七カ所になつておりますが、将来は各県全部にできるのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 将来のことは長官にも御相談しておりませんけれども、なるべく数を殖やしたいと思つております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それから方面隊、管区隊その他の長官直轄部隊とありますが、その中の化学部隊というのはどういう部隊になりますか。それから輸送部隊というのには空艇隊というようなものを含んでおるかどうか、その点を伺います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 今の答弁の前に……。地方連絡部は元の連隊司令部と同じような内容のものに考えますが、その相違をついでに伺つておきます。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 前の連隊司令部ではやはり動員の業務というのが一番大きな仕事じやなかつたかと思いますが、動員の仕事は勿論今の制度ではないのです。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 広報宣伝とか募集等も扱つたのです……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) そういうことは今度もやりますけれども、そういう点については類似をしておると思います。  木村委員のお尋ねでございますが、化学部隊は主に消毒とか除毒というふうなことをやります。輸送は、これは方面隊、管区隊以外に長官が直接に持つておりまして、輸送について必要に応じて管区隊に配属し、方面隊に配属いたしまして、全体の部隊の運用上遺憾のないようにしたいという趣旨であります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 今質問したのは空艇隊みたいなものを含むのか、落下傘部隊のようなものですね、この輸送する部隊……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 輸送部隊の中には落下傘部隊のようなものは考えておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 化学部隊というものは、消毒とかそういうようなものというお話ですが、毒ガスとかいろいろそういうものなんかはないのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 毒ガスはございません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それから方面隊のにうの対空特科群、これはどういうものですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは高射砲部隊でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 この対空特科群というのはどこへ設置されるのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは具体的な場所はまだきまつておりませんが、北海道に設ける予定でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 浜松にあるのはあれは何ですか。何か九十ミリの高射砲の特科群を持つておると言われておりますが……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは長官直轄の高射砲部隊でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは対空特科群なんでありますか、浜松のを聞いておるわけですが。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これはこの図面で御覧願いますると、その他の長官直轄部隊の中に施設、衛生、武器とございますね。その一番あとにその他直轄部隊とあります。その中に入るものでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それはどうしてこつちの方面隊の対空特科群の中に入らないのですかね。どうして特別に扱うのか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは方面隊、管区隊の活動上の編成の建前からいたしまして、方面隊というものの中には一つの対空特科群を持たなければならない。そのほかに長官直轄部隊として高射砲大隊を持つておりまして、必要に応じて随時配置し使用するということから別な編成になつておるわけであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは特定のところでなく、どこでも遊撃的というと変ですけれども、遊軍的、そういうものですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 仰せの通りであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それからこの航空自衛隊の部隊編成の資料がないんですよ。これは頂きましたですかな……委員長資料ありました。で、その資料の中でちよつと伺いたい。これは頂いた資料の第四表これは部隊編成じやないのかな、部隊編成じやなかつたです。部隊編成はまだ頂いてないんですがね。それじやこの編成の中でこの第四表の技術部の第一課、第二課、第三課とあるのですが、これはどういうのですか。これはあとで出て来るのですが、今ここで御質問してしまいます。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 航空自衛隊の技術部の第一課というものは、主に庶務的な事項を扱うものでございます。第二課のほうは、航空機、通信機その他の電波機器の制式、企画、技術、資料の収集、技術指導、第三課が武器やその他の関連装備、例えば被服とか防寒用品というようなものの制式、企画、資料収集、技術指導というふうなものを扱います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 誘導弾なんかはどこの部で担当するのですか、誘導弾。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 誘導弾の研究は今のところ考えておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 考えておりません。それでは部隊編成それで終りです、私の質問は。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 三節ありませんですね、いいですね、それでは四節。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 第二十六条第五号、これはいつかもちよつと出たかと思うのですが、この「防衛に関する情報の収集及び調査に関するごと。」、これと十二条の四号「情報の収集整理に関すること。」、この一方は整理になり、一方は調査になつておりますが、この関連はどうなつているのかということと、それから情報の収集というのは自衛隊だけでやるのか。それとも治安出動その他国内的なものがありますので、私はお伺いするのですが、国警等々との連絡もとつて、双方共共同してやるような場合もあるのか、それらの点についてお尋ねいたします。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 統合幕僚会議の所掌事務としてありまする「防衛に関する情報の収集及び調査」というのは、主として軍事専門的な立場からする情報の収集及び調査というふうに考えておるのであります。十二条の防衛局のほうは、防衛局の所掌事務それ自体がすでに単なる専門的な見地ということよりももつと広い、政治、経済的な考慮をも含めたことで情報の収集をするというふうに考えております。又警察方面との情報の連絡調整も必要なことでございますし、これは防衛局で所管することに相成つております。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 情報収集の専門家という御趣旨がどう解釈していいかと思うのでありますか、情報の収集に必要なる職員は、これは常時職務としてやらしておりまするから、だんだんと慣熟はして参るだろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 警務官はこれにタッチしませんね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 警務官は別の職務を持つております。情報の収集には関係いたしません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 二十六条、「統合後方補給計画の作成及び幕僚監部の作成する後方補給計画の調整に関すること。」ですが、この前戦と後方との部隊編成ですね、これはしよつちゆう問題になるのですが、今の保安隊はどの程度なんですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 主動部隊に対しまして後方部隊が約三割でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 三割ということは、例えば前戦が一万だとすると、後方は三千と、こういうことなんですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) さようでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうすると、今のは保安隊ですね。自衛隊はどのくらいになりますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 現在差当り三割でございまして、今度自衛隊になりましても、殆んど変りございません。若干、一%くらい減る計画になつておりますけれども、殆んど変りないと申上げてよいと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これはずつと最初からこういう比率なんですか。それともこれはずつと変化を辿つて来たのですか。どうも三割というのは非常に少いように思うのですが、前には関東軍なんかは、これは大陸ですけれども、一対〇・七とか、前線一万、後方七千というふうに、これは私専門家ではありませんから、そういう人たちに聞いたところでは、そうであるということであります。そうすると、その半分以下ですね。これは前にはもつと多かつたように聞いておつたのですが、最初は一対一くらいであつたと、前線一万、後方一万、それに今三割というのは、非常に少いのでちよつと腑に落ちないのですが、それはまあ多かつたけれども、最近そういうふうに変つたと、こういうふうに了解するのですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) それは我我考えた特殊の編成方法であります。御承知の通り、旧軍隊のときは、今お話の通り、アメリカあたりの後方補給部隊というのは相当たくさん持つております。ソヴィエトもそうです。併し日本の今の情勢においてはこの程度が適当であると考えておるわけであります。これは御承知の通り、大陸作戦を目的とするのではないのでありまして、主として外部からの武力攻撃に対して対処する部隊でありますから、その辺は旧軍隊、或いはソヴィエト、アメリカ、そういうような編成とはよほど異にしております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは最初からずつとそうですが。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) そうです。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 結構です。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 ちよつと関連して。今の前線部隊と、後方部隊との編成の比例ですね。それらは平時の、いわゆる出動しない普通の状態のときの割合であつて、防衛出動等のような必要な場合には、この比率などは変つて来るのでしようね。そうですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) そのような場合もこの比率で行く計画でございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それで私は伺うのですが、自衛隊の補給能力というものがどの程度の補給能力があるのか。又現在のいろいろそういうふうな後方補給の準備状況がどういう状況にあつて、どの程度までそれらが計画せられてあるのですか。従つてどの程度の部隊がどの程度の防衛出動をしたら、どの程度の補給が又何日間くらい補給能力があるかとかいつたようなことですね。これは伺えばここで答弁されますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは只今資料がございませんので、あとで御報告させて頂きたいと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 いや、私が伺うのは、資料があれば、それは頂きもし、御説明になると言えば……。いや、決して御心配なさる必要はないのです。(笑声)私が伺うのは、それは適当に公表なさるものならば、公表をして頂いて、資料も頂き、御説明も受けますが、私はこの頃の防衛組織、民主的になつて参りますと、何もかも皆さらけ出して余り包み隠さないように、よき意味ならば国民にこれを知らしめるということでありますが、同時にこれは相手があるとするならば、相手にも知らせることになるわけなんです。そういうことも何もかもいわゆる防衛能力というものを隠すところなく、包むことなく皆これは公表なさるのですか。大体なさるのですか。やはり一部は言い得られないところの内容とか程度とか準備状況、いろいろそういうようなものがあるのですかということを私は伺いたいのです。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 編成等については、これは成るべく国民に知らせたいと思つております。併しながら今おつしやる通り、ものによつてはこれは全部公表するというわけには参りますまい、こう考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ちよつと関連して。今の日本の国で、国会の要求に対して公表できない。公表を拒否することのできるものがありますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 私は国会ということを言つておるのではありません。今山下委員の御質問の点について……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 聞かれたら答えられますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) それは無論国会において審議の対象となるものはお話するつもりであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 わかりました。その御方針さえ承わつておれば、よくわかります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 これはやはり重要ですから伺つておきたいのですが、いろいろな細かい部隊編成とか、その他後方と前線のいろいろな比率を聞くのは結局予算に関係して来るのですね。全体としてその形によつてどの程度の防衛負担になるのか。そういう我々がこの予算審議をやつて行くときに、秘密保護法が出ますね、これとか、又今度は今のMSA関係ばかりではなくして、拡大したような場合、そういうときに今後やはり国会でも秘密に亘つて説明できないというようなことはないわけですね。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) それは場合によつては秘密会を開いてやることもあるだろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 先ずその点伺つて次へ参りますが、昔の陸海軍は予算の大要だけがわかつておるのであつてその細目については秘密にしておつた部分があるわけですね。これはやはり軍事的な要求から又必要性からそういうことがあつたわけでしようが、長官は近く自衛隊法全般にかかるところの秘密保護法を制定して、旧陸海軍が曾つて行なつたような事態が近く日本に再現するのではないかと私は心配しているのですが、現在の、先般国会で通つたのはMSAによる貨与兵器のみであつたのですが、そういう心配はありませんかどうか、伺つておきたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 心配には及びません。ただ私はこう考えております。自衛隊はいつも申上げるように、外部からの不当な武力侵略に対して対処し得る部隊なんです。これは外国と戦をする目的ではない。不時のそういう攻撃に対して我々の国土を防衛して行く、この任務であります。先刻からですが、あなたのお話を承わつておると、戦争々々というお話があつた。戦争目的ではないのです。全く我我は他国の侵略に対して国土を防衛して行こう、そこに主眼があるのであります。従つて昔の軍隊のような性格とは違う。これは私の考え方であります。従いまして日本の国土を防衛するに当つてもこれは秘密にしなければならん部分は私は率直に言つてあると思います。この間の秘密保護法はアメリカから供与を受けた装備品についての秘密の防衛であります。これは私の私見でありますが、将来自衛隊においても相当秘密保護を要することが出て来るのじやなかろうか、例えばこの間山下委員のお話になりましたような暗号の問題とか、或いは防衛出動をした場合に、その出動の状態、これなんかは明らかにされない場合、今はこれはそういう保護法はないのでありましていたし方ありませんが、将来の懸案としてそういう場合も出て来るのじやないかと私はこう考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 そういうふうに拡大されて参りますと、国防ということは大事でありますが、と同時にやはり憲法の基本的人権に、或いは国民の所有権というものに抵触して来る面がかなり出て来ると思うのです。従つて私はやはり憲法の改正という前提に立つてからでなければ、長官が希望されるような私は完璧なものは作り得ない、こういうふうに考えますが、如何でございますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 私は憲法の範囲内でできると思います。勿論人権は擁護しなくちやなりません。国民の財産も保護しなくちやなりません。併しながら不当な武力侵害を受ければそれこそ国民の人権を根こそぎ持つて行かれるのであります。その国民の人権を擁護するためにでき上るのであります。それについての秘密を保護することは私は当然なことであろうと考えております。併しそのやり方については、国民に迷惑のかからんように、これをすべきはこれ又言うを待たないところであると私は考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 さつき、長官は私の言葉をとらえて君は戦争、戦争と言つておるが云々と言われておりますが、併し大東亜戦争の始まつた当時を考えても、日本の経済封鎖圏を、自分の国を守るために突破するためにあの戦争というものはやはり起つておるのですから、だから必ずしも長官の言われる通りでもないと思います。意見の討論になるといけませんから次に移りますが、統合幕僚会議のところで伺いたい点は、先ほども国防会議の質疑のときに、緒方副総理が答弁されたように、統合幕僚会議等の軍事的な要求を国防会議で或る程度抑制するつもりだ、こういう答弁をされておりました。それはまあその通りだと思います。統合幕僚会議が純軍事的な立場から長官を補佐される、それから内局のほうは総合政策的な立場から長官を私は補佐されると思うのです。その調整はどの機関でどのようにして長官は長官としての結論を得られるのでございましようか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) これは各部門があるのであります。統合幕僚会議においてやることと、防衛局でやることと重複する部分もありましようが、その目的は異にしております。それが全部長官の手元に来て長官は各参事官の補佐を得て決定すべきであろう、こう考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 長官の最高のブレーンは参事官になるわけですね。その参事官の大部分は内局の官房長及び内局の五局長であるとすれば、やはりこの自衛隊の心臓部は官房及び内局、ここが実権を握つて、このあり方自体で自衛隊は大きくもなれば小さくもなる。私はここにすべてがかかつておる。そういうようにその内局の役割の大きさを認識いたしますが、さよう了承してよろしうございますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 内局と同時に幕僚長が補佐役をする。両々相律つて長官の補佐の全きを期することになつているのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 いや、もう一回くどいようですが、さつきの長官の答弁では、統合幕僚会議のほうは純軍事的た立場から自分を補佐する。内局のほうからも意見が出て来るであろうが、自分が決断を下す場合に補佐するのは参事官であるから、参事官の意見を斟酌して自分の結論を出される、こういうふうに答弁されましたので、私は先ほど御質問申上げたような感じを持つたわけでありますが、そうしましたところが、幕僚長と内局と両方相待つておると申されれば、これをどこでお一人で調整されるのか。どの機関で調整して、そうしてその両面からの要求というものにあなたは結論を出されるのか、この点承わりたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 実際においては幕僚長も内局の参事官も恐らく会議体において会議を開いて長官もそこで意見を調整することになると思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 二十六条の統合訓練計画のところをちよつと簡単に承わります。昨年富士の裾野で行われました演習は、保安隊発足以来最も大規模な演習だつたと思うのですが、ああいう演習計画をここでやられるわけでございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 陸上自衛隊のは陸上幕僚監部において行うわけであります。ここは統合のやつをやるわけであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 昨年の冨士でやつたのは警備隊が入つていないから、それで第一幕僚監部だけだ、こういうわけですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) そうです。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それでは参考に承わつておきますが、あの冨士の裾野でやつた訓練ですね。あれは保安隊始まつて一番大きいでしよう、今まで……。どのくらい費用がかかつたかという点と、それからこの統合幕僚会議ができるのですが、三軍の統合訓練計画というものは、第一回総合訓練をいつ頃やられる予定にされておられるか、その点承わつておきます。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 富士の演習の費用は約二千万円であります。統合訓練計画は、まだ計画は立つておりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私は富士の裾野の演習を見に行きましたが、三重県方面からも随分部隊が来、北のほうからも来ておりましたが、あれだけの大規模の演習、二千万円で済みますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 約二千万円であります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 そのうちに参考にその支出の細目を一つ出しておいて下さい。将来の参考にいたしますから。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は今度の防衛庁設置法の中でいろいろ重要な点があると思うのでありますが、まあ国防会議のようなのは、殊にまあ政治的に非常に大きな問題で、もう重大問題でありますが、内部組織の中で今度新たに統合幕僚会議というものを新設せられたのは、これは非常に注目すべき私は相当重大な点だと思つておるのです。それで、名前は会議という名が使つてありますけれども、これは一つの組織なんですね。で、まあ議長というものも、実際の運営は会議体になされるのか。私は会議という名が使つてあつて、議長という名が使つてあるけれども、いわゆるその普通の今日問題になつたような審議機関であるとか、諮問機関とかといつたような会議体のものではなくして、会議という名が使つてあり、議長という名が使つてあつても、これは一つのやはり組織機構というふうに思うのです。と申しますのは、この構成員は何と言いましても自衛官でありまして、やはりこれは上下の階級というものがある。従つて議長というものは自衛官の最上位とある。私はこれを誤解いたしまして階級が一番上かと思いましたらそうじやなくて、待遇を上位にするのだ。つまりまあそういうことでありまして、わかつたのでありますが、併し何としても階級がある。従つて平等な立場の者が集まつてそれを会議して多数決で決するという普通の観念の会議というようなものでこの事務が運営せられるものじやない。まあ第二幕僚長が陸将補で第二幕僚長が海将、そして何ですか、航空幕僚長が空将補とそれぞれ階級があり、而して議長たる自衛官は最上位ということになると、やはり職務上指揮命令の関係もあるのでありまして、多数決で決する、こういうような会議ではない。大体これは一つのやはり内部の運営は、常時下僚という立場にもありましようし、一つの機構と私は解するのです。それでなかなかこれは重大な構想であると思うのでありますが、要するところ、命令機関というものがいわゆる外に出て、私はいつか外苑で観閲式を拝見しまして、それで今から思いますと、あれは幕僚長が指揮されたのだと思う。家の中におつて指揮命令を伝達されるだけでなくして、いわゆるやはり外でも部隊を指揮されるものかと思つておりましたので、幕僚長というものは、それは直接外では管区隊長とか方面隊長というもので指揮命令するのであつて、号令をかけるものではないのだということをだんだん理解して参りましたですが、それにしても指揮命令権がある、こういう人たちが集まつてここで一つのがちんとしたスクラムを組む相当重大な機構がここへ作られる。そういたしますと、この第二十六条にいろいろ統合という名が使つてありますが、統合というと要するところ自衛隊三軍ですね、統合というといわゆる三軍全部に亘つてこういう重要なるところの諸計画をここで行うということになりますと、私は実にこれは何と申しまするか、有力なと申しまするか、殆んど自衛隊のすべての諸計画運営の総合的なこれは大本部になるというような、大本部という名が悪ければ中枢になるという感じを受けるのです。それで全くそういう中枢にするのだ、そういう中心がなくちやならんのだから、こういう幕僚関係の、幕僚と言つたつて、先ほど伺つてよくわかつたのですが、物事の謀りごとを廻らすという仕事ばかりじやなくして、部隊の指揮、長官の指揮権を伝達する、代行するといつたような機関のいわゆる首脳部が相集るという一つの強力な機関を必要とするということで、こういう機構が新たに考えられたものかどうか。従つて私は今二つの、質問を申上げたんですが、一つは会議という名称であるが、これは立派な一つの組織、それから第二点は、こういう指揮命令権を持つておる人たち或いは長官の幕僚、いわゆる幕僚機関としてなお更最も有力にするこういう機関を設けられた理由、これを承わりたいのです。そして第三には、いわゆる世間で申しまする武官なり制服なりという、いわゆる部隊のほうの直接の人たちの非常に有力な立場になる、あらゆる防衛行政といいますか、その中枢の線はここに移るという虞れがこれはあるような気持もするのです。それで内部部局がいろいろ諸計画、諸事務の上において長官を補佐する建前になつておるが、併し法律や制度の上では区別ができますが、実際は実力がここに移るんじやないか。そして統合幕僚議長というものが、これがややもすると防衛庁長官を凌ぐがごとき力がここ集中するような慮れというか、その集中するのが或いは至当なのか、そういうことを考えられておるのか。言い換えると、このうちから私が伺つておりますような防衛庁という行政組織と、自衛隊という行政組織と、この自衛隊を独立の軍隊の姿になからしむるためにこの防衛庁の屋根の下に置くがごとき形がとつてあるから、こういう組織になるが、併し若し軍政と軍隊というもの、ひつくるめて一つでありますけれども、言い方をちよつと直しますけれども、こういう防衛行政と実際の行動する軍隊というものを戚然と分けて独立したときには、この統合幕僚議長というものが、いわゆる俗に言う統帥権の最上位に位するような形になつて統合幕僚会議議長というものは大将に当り、元帥に当るというような感じがとれるのですね。今は暫らく衣を着て防衛庁の屋根の下におるような形になつておりますが、これが若し独立したら部隊の最高指揮官になるというようなふうに見えるのであります。それで私はいろいろそういうふうな点に疑問を持ちますので、統合幕僚会議の性格といいますか、正体というもの、これを忌憚なく一つ、又弊害があればこういう弊害があるからその点は注意して行くんだというような点がありましたら、この機構を置かれる狙いなり、いろいろ率直に私は一括して承わりたいと思う。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 大体のことを私から御説明申上げます。この統合幕僚会議を設置する主たる目的は、御承知の通り旧軍閥時代においては陸軍、海軍非常に摩擦があつた。作戦するについても、この間の調整がなかなかむずかしかつた。具体的に申しますると、あのサイパン島の問題においては、どうすべきか、南雲大将は海軍のほうの飛行機をここに集中すべきだ、陸軍の飛行機も持つて来るべきだということを主張したら、陸軍のほうではそれに応じないで、あの惨事が起きたということを聞いております。で、太平洋戦争においてもこの陸海軍の摩擦が或いは敗戦の一つの大きな原因であるとも言われておる。そこで自衛隊においてはさようなことがあつてはならん。とにかく三幕の間に非常に緊密なる調整をとつて、そこでこの三幕の会議に各幕僚長が集まつて終始調整をとつて行く。殊に統合的の防衛計画、これは勝手に立てられては困る。先日も申上げた通り、津軽海峡をどう防衛するか、陸上自衛隊は勝手なことをやり、海上自衛隊は勝手な計画を立てたのでは困るのであります。これは三幕の幕僚長が会議に集まつてここで十分なる調整的の計画を立てて行こう、そうしてこの三幕の摩擦をなくして行こうという狙いが根本に立つているのであります。これに何も実力も持たせるという考え方は少しもありません。申すまでもなく各幕僚長は長官の命令を執行する機関であります。この会議の幕僚長は執行機関じやないのであります。計画を立てて行くということが目的であつて、設置を試みた次第であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 わかりました。わかりましたのでありますが、その御趣旨を貫徹するということになりますと、三軍相反しないようにという過去の苦い経験を矯正するのだということは御尤もに思うのでありますが、御尤もに思いまして、私何も無意味に賛成するわけではないのでありますけれども、その趣旨を活かすということになりますと、この議長という立場のかたのこの権限というものが明確でないと私は調節の任務が全うできないのじやないかと思うのです。つまり言い換えれば、三軍を調節し、調節不可能ならば議長が裁断を下し命令もできなければ、私は権限がなけらねば調節の目的は達せられない。ただ階級を上におくというだけでは私はその目的が達しがたい。議長の権限がこの条文を見ますると極めてその趣旨に副うような明確な権限がないように考えられまするが、地位が非常に高きにおかれてあるようでありまして、実際その議長の権限というものが、この条文の上では明確に見えないようでありますが、果して権限なくして如上の目的が達せられましようか、如何でございましようか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 私はさような大きな権限を持たせないほうがむしろ会議の運行を円滑にやれるのじやないか、こう考えております。考え方は幾つもありましよう。併しここでフリー・トーキングの形で以て円満に話合つて行つてそこに結論を出すということが却つていいのじやないかと、こういう思想の下にかような点についての権限を持たせなかつたのであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 その御趣旨もわかりました。その御趣旨が果して実現できるかどうか、その通りになるかどうかということは又それぞれの見方によることでありますが、統合幕僚会議の議長というものは、長官の指揮命令権を代行したり、取次いだり、いわゆる幕僚長のようなことは全然できないようなことになつておるようでありますが、さようでございますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) そうでございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 わかりました。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 第四節、ほかにありませんか。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 ちよつと簡単に、これは重要ですから。私は軍事専門的知識がないものですから、やはり専門家のいろいろ意見を聞いて参考にして質問するのですが、公聴会で大越公述人が述べられたところによると、結局幕僚長というものが実質的に非常に強くなるこれは従来の経験から言つて、結局部隊の隊員というのは、自衛隊員はどこに団結するかというと、結局幕僚長というものを中心に団結するだろう。長官を中心に団結する、或いは又総理を中心に団結するというより、実際問題になると、結局経験のある、又いろいろな軍事的な知識も豊富な、又そういういろいろな経験もある、そういう幕僚長を中心に団結する。そうすると、幕僚長というものが実際には非常に、何というか、軍事的な団結の中心になつて、そういう人の意向によつて、前には黙れと言つた局長がおりましたけれども、そういうように、階級が下でも、そういう人が非常に実力を持つて影響力を及ぼす、そういうときに、結局陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長を以て統合幕僚会議が構成されるのですけれども、そのときの議長ですね、議長がやはり、今長官はむしろ余り権限がないほうがいいというお話ですが、そういうような場合に、やはり何か例えば前の二・二六事件というようなのがありますね、そういうようなときに、あのときは上のほうの人が集まつて、いろいろ会議をされて、あの収拾に随分努力されたのですが、そういうとき、何かこういう議長に相当やつばり強い権限があつたほうが幕僚長というものが著しく、実質的にですよ、実質的に強化されて弊害を及ぼすようなことがないようにするためには、やつぱり議長に相当調整する権限があつたほうがいいじやないかと思うのですが。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) そういう御懸念ならば、統合幕僚会議の議長が又どういうことをやるかわからんというような懸念も生ずるのであります。私は大越君は昔からよく知つておる、あれは参謀本部の班長をやつておつた。私は非常に親交がある。非常に頭のいい、ロシア語に対する……、今の事情については経験はどうか、知識はどうか知らんけれども、昔は相当のロシア通なんです。私はよく知つておる。併し近頃の軍事情勢についてももう少し研究をしてもらいたい。実を言うと見方が違う。よほど見方が違う。我々は非常に検討して、昔のような弊害を再び繰返させてはいかん、それから我々あらゆる角度から研究して来ておるのでありまして、昔の軍人の見る眼と我々の見る眼と、多少そこに趣きが異なるものがあるのであります。それで、この幕僚会議の議長あたりも執行機関であつてはいかん。無論これは上位であつて会議の議長でありまするから相当の人物を持つて来なければならん、これは調整案として働かせるのがいいんじやないか、こう考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 実際に先ほどまあ私申上げましたが、我々は軍事的な専門的知識がないわけですから、専門家の意見をいろいろ参考にするよりしようがないのですけれども、そういう弊害があり得るということは説明からもわかります。やはり具体的に幕僚長を中心に団結している。それを何か弊害を是正する考慮がここになされておるかというとなされてないというのです。なされてないから、それに対して大越氏は案を言つております。こうしたらいいんじやないかということを言つておるのです。それでどういうふうにしたらいいか私は専門家じやありませんからわかりませんが、一応氏はこうしたらばそういう弊がなくなるのではないかと、ところがそういう案を仮に採用しないとすると、このままではやはり弊害があると、こういうことを指摘されているのです。ですからこの二法案をこのまま通過してしまつたら非常に危険であるということを指摘されているのですね。それで危険の部面はどういうところにあるかというと、やはり軍が独裁になる危険がある。それはどこであるかといえば、結局幕僚長を中心に団結してそしてそれが独裁になつて行く危険がそこにある、具体的に言えば。だからこれに対してそうでないようにするにはどうしたらいいかということを述べておるので、そういうことを調整せずこの法案をこのまま鵜呑みにして通したら非常に危険である。それで旧軍人の立場に立つて而もこれに反対しておるのです。こういう法案ではとても危険だ。ですから何かそこにこれを賄う考慮が払われておるのか、具体的にですね。そういう点を伺つておるのです。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 考慮を払われておるや否やこの法案に盛られた通りのことで私は十分に賄つて行ける、こう考えております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 もうこれ以上質問いたしませんが、併しよく速記録をあとで御覧になつて参考にして頂きたいと思う。そういう危険があるというのです、専門家が。それに対してはこの法案に何ら用意がなされていない。これで十分だというのですけれども、専門家がこれを見て欠陥があるというのです。一つよく意見を玩味して素人ながらやはりそうでないという論拠がどこにあるかということを具体的に示されない限り、私もやはり不安がありますから、これ以上は議論になると思いますから……。私も専門家でありませんから、用意もないのでいかんですけれども、ただ非常に不安があるということを専門家が指摘しておる。このままにしておいていいかどうかということは、私はこれはしておけないのじやないかという状態なんですね。これはもう御答弁要りません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 関連して。最初政府与党の案では、統合幕僚会議の議長は大将の恰好になつておりましたが、あれはその後階級からなくなりましたね。それはどういうわけで変更されたわけですか。大将じややはり工合悪い……。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) そういうことは私は聞いておりません。議長が大将でなくてはならんというような……。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 最初衆議院の予算委員会で発表された要綱には、陸将のもう一級上のがあつたはずです。陸将官というのが……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 案として発表したことはないように思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 衆議院予算委員会に出ましたが、その後落ちた……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 削つて出した、案として出したことはございません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 一応は考えたのですね。(笑声)一応は考えられて意図した理由はどうですか。というのは、これは「議長たる自衛官は、自衛官の最上位にあるものとする。」とありますが、ちよつと常識的に考えると削らないままのほうが自然な感じがしますね。削つたというには何か大きな理由があられるのじやないかと思いますがね。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) この統合幕僚会議の議長は、初めの案では認証官にしたらどうかという意見があつたのです。ところが我々の考えは、これは認証官になる心要はないということで、そういう考え方をやめた、これがあなたの今おつしやる筋道じやないかと思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 もう一つこれは参考に承わつておきますが、それは自衛官の最上位につかれる議長ですが、こういうかたを任命する場合は何ですか、各幕僚長の意見等を斟酌して長官が任命されるのですか。或いは内規で一つの基準を設けて選考委員会というようなものでも設置してやられるのでございますか。それとも完全に長官の一存で任命されるのでありますか。その点を伺うと共に、自衛隊の長官が国務大臣になつていますと、政党政治、政党内閣ですね、この内閣がしよつちゆうかわる場合に、その防衛庁の長官がお好みで、例えばそういう場合があり得るかあり得ないかということを予想するのですが、ここに二大政党対立時代になつて、そうして或る政党では海軍系統或る政党では陸軍系統というような恰好で、この幕僚会議の議長というものが右に左に動くというようなことになることがあれば、これは私はかなり重大な問題だと考えますので、この議長の選任方法というものについて、長官の御所見を承わつておきたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 選任方法については、実際上、長官があらゆる人の意見を聞くことでありましよう。併し結局は長官が全責任を以て、閣議決定を以てきめることだろうと考えます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それでは衆議院で辻政信氏の質問に対して木村長官が答えているのですが、辻政信氏の質問では、上官抗命罪が三年になつて軽い、そういうことと相待つて今の幕僚長を中心に団結するという意味でクーデターを起しやすい、そういう危険がある。そういうことを指摘されて、天皇の前の軍隊ではない、天皇の言葉一つによつてこれを抑えるということができないから、やはりクーデターの危険がある。これに対して長官は、やはりこれは研究しますということを答えられているのです。速記を見ますと……。これについては、長官はいろいろ又そういうクーデターの危険があるという意見が出たのに対して、研究の必要があると言われたのですが、その後何か研究され、又これに対するお考えを新たに持たれたかどうか、伺つておきたいのです。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 辻委員の質問に対する私の答えは、辻委員はそういう場合の刑が軽きに失するのではないか、これであります。それについては一つ一つ考えて見ようということであつて、クーデターなんということについては私は今考えておりません。さようなことは実際上あり得べからざることとは言えませんが、我々はそういうことは現在の段階においては考えていません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうすると研究されている、刑の問題について三年が適当であるか、もつと重くするか、そういう点についての論点であつて、クーデターは起りやすいことに対して何か対策を研究する、そういう意味ではないわけですね。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 併しここではつきり申上げたいのは、万一クーデターを行うような場合については、これは御承知の通り、刑法の内乱罪にして、この規定の適用を受けるわけであります。単純な抗命罪についての処刑についての問題が起つて来るわけです。それについてはかように研究しております。こういうことであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 私は前に天皇の軍隊であるときには、前の日本の習慣に、長い間の訓育道徳によつて、そういうことによつて、天皇の言葉によつて、そういう内乱罪というものも鎮静することが非常に可能であつたと思う。今後例えば汚職政治なり、腐敗政治なりがどんどん続いて行く、そういうときに、昔の二・二六のようなものが起つたときにはなかなかこれは前みたいに天皇の軍隊というのではないのでございますから、これは鎮圧すること困難な場合も予想される。勿論これは政治を清潔にしなければならんという基本問題になりますけれども、併し制度的に何かそういうものを防ぐあれは機構的に考えられていないかどうか。やはりこのままでそういう危険があるというのですから、又長官は全然そういうことはないとは保しがたいと言われておるのですから、何かこれに対してのお考えがなければならんはずと思うのですが、それはこれで賄える、今の二法案で賄える、そういうふうに、その他の又法規によつて賄える、こういうお考えでございますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) さようでございます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それでは第四節、よろしいですか。第五節に進みます。(「五、六、七、一緒でどうだ」と呼ぶ者あり)

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 第六節。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それじや六節に行きます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 この防衛研修所、第三十二条でありますが、この自衛隊の管理及び運営に関する基本的な調査研究をすると書いてありますが、これだけではどうもぴんと来ないので、ちよつと説明して頂きたいと思います。定員僅か三十二名しかいないし、どんなことをやつておるかと思うのですね。それからこの防衛大学校に関連して伺いますが、海上自衛隊関係は、幹部級は充足ができるが、中堅級が非常に不足していて現在の海上警備隊としては困るということも聞いておるわけでありますが、更に先般出された資料によりますというと、保安隊に比べて海上警備隊のほうは旧軍人の占める率が非常に高い。約八〇%ぐらいであつたかと思うのですが、それは結局一朝にして隊員の訓練が終了しない、完成し得ないということを私は意味しておるのじやないかと思うのですが、それらの補充計画どのように計画されておるか、その点と、それから又文字のことですが、防衛研修所、防衛大学校というのはどうもこうぴんと来ない、さつきあなたから防衛の説明を承わつてから……。これは防衛庁の附属機関だから防衛防衛とこうくつつけたのでしようね。もつと冴えた名前がなかつたものでしようか、ついでに承わつておきます。防衛大学校というものは変な名前ですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 海上警備隊のほうでまあ困ると申しますれば、若い幹部の補充が困る、と申しますのは、終戦以来八、九年たちまして丁度三十代ぐらいの船乗りの経験を持つた者が少いのです。その点が比較的困つておる。それから旧海軍軍人の比率が多いことは同じでありまして、誰でもが乗れるというものではなくして、船の経験がなければならないのでありまして、おのずからそういう関係の旧海軍軍人の比率が多いこととなります。それから名前の点につきましては、防衛庁でありますから防衛研修所、防衛大学校としたわけでありまして、これが冴えないと申しますれば冴えないかもわかりませんが、私どもはこれでよろしいと思います。防衛研修所におきましては、防衛その他の一般経済事情との関係とか、三つの陸、海、空の自衛隊の統合運用というようなことを訓練し研究しております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 これは職員の定員は三十二名になつておりますが、どのくらいの人を収容し又その期間はどのくらいにしておるのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 学生は二十五名でありまして、六カ月乃至八カ月の教育をいたしております。階級的に申しますと一等保安正、一等警備正、二等保安正、二等警備正クラスであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 防衛大学校の卒業生は、現在は保安隊と海上警備隊と振分けられているわけですね、その率はどうなつておるか。それからこの防衛大学校には将来航空自衛隊の幹部自衛官となる人が入るのであるが、そうだとすれば現在の定員の四百名というものは来年あたりから殖えるのかどうか、それらについて承わりたい。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 現在はここに四百名を入れておるのでございますが、これは三百名が陸上、百名が海上というふうに分けております。将来は航空自衛隊の幹部の養成もここでやることになつております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 将来と言いますが、来年航空自衛隊の募集をされますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 生徒の定員を増加いたしまして航空自衛隊の幹部を養成したいと思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 陸が三百、海が百に対し航空はどのくらいの予定でございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) まだ未定でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 三十一条に調達実施本部というのがありますが、この調達実施本部の組織及び調達計画に関する資料は頂きましたが、この資料を見ますと、予算の効率的使用の合理化を図り、併せて自衛隊で使用する装備品等の規格の統一を促進する、これがその目的になつていますが、このうち規格の統一ですね、規格の統一については具体的にこれはどういうことを意味しておりますか。

久保亀夫保安庁装備局長

○政府委員(久保亀夫君) 規格の統一につきましては、実は発足の当初はいろいろと各所から要求がありまして、それがいろいろ乱雑でありました。これは事実であります。昨年来技術研究所を中心にいたしまして、規格の統一に関して規定を設けまして、第一幕僚監部或いは第二幕僚監部から、殊に重要な装備品につきまして性能要求を改めて出させまして、この仕様吉等を技術研究所で改めて取上げまして、現在規格の統一について技術研究所で作業中でありまして、現在すでに数百の装備品につきまして、研究所を中心といたしまして統一の作業を完了しつつあります。将来につきましては各幕僚監部から性能要求が出ましたら、それを私どものほうで取り集めまして、それを技術研究所へいわば下げまして、技術研究所が更に検討いたしましたものを更に我々の所へ持つて参りまして、これを各幕僚監部とそれから技術研究所の意見の一致したものにつきまして、統一した規格を長官の名前において番号を付けて統一する、制式をきめるというようにいたしております。目下その作業が、過去のものにつきましては、大体完了しつつあります。同時に又新らしいものについては、続々とまだ何と申しましても新らしい世帯であり、目下できつつあります。私ども中心になりまして規格統一の作業を目下しつつあります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 この規格はどういう兵器の規格を基準にするのですか、調達をする場合ですね。例えば航空機、船艦その他武器、弾薬、こういうものはアメリカの規格ですね。アメリカの規格に統一するのではないのですか。

久保亀夫保安庁装備局長

○政府委員(久保亀夫君) 規格と申しますと、只今お話の通りに、いわゆる狭義の武器につきましては、殆ど大部分が今まで貸与若しくは供与を受けておりました。専らこれを中心といたしておるわけであります。これについても改善の意見がありますもの、それから更に例えば実例を申上げますと、水中武器等につきまして、新しい規格或いは設計について第二幕僚監部で、いろいろな性能要求がございます。それに基きまして技術研究所と私どもとが併せて取上げましていろいろ研究をいたしておりますが、大部分につきましては、遺憾ながら主として貸与に仰いでおりますので、これに関する研究をいたしておる程度で、例えば砲その他について規格を新しく作るという段階にはまだ来ておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 併し例えば船艦などの装備については殆んどアメリカの装備を備え付けなければ日本ではできないのですよ、又留学計画についてはいろいろ資料を頂きましたが、アメリカへ行つてアメリカ式訓練を受けるんですよ。そしてそういう技術を習得する。ですから規格統一等についても、結局その兵器についてはアメリカの兵器の規格に統一して行かなければ、又合同作戦をやる場合まちまちであつたらこれは合同作戦は統一的にできないでしよう。ですから実際問題としては、調達本部で今後日本の兵器規格を統一するときには、アメリカの兵器の規格に統一するということが中心になつていくのではないか、実際的にはそうではないのですか。

久保亀夫保安庁装備局長

○政府委員(久保亀夫君) その点は確かにお話の通り非常にむずかしい問題でありまして、差当り供与を受けます兵器を中心にしてものを考えなければならないということは、これは確かな事実でございます。例えば航空機につきましても、これは殆んど供与を受けるわけであります。ただ日本人の体格に合うような一部の改造というようなことは勿論研究しておりますが、基本的な問題につきましてはやはりアメリカの制式が一応基本になる、こういうことはやはり差当りは避けられないことではないかと思うわけです。ただここで非常に問題になりますのは、実は通産省で問題になつておることでございますが、例えば非常にこれは基本的な問題でありますが、インチとメーターの問題、アメリカの制式にはインチが多いのにこちらではメーターでなければ困る、そういつたような調整をどうするかというようなことにつきましたは、いろいろデイスカツスいたしまして、私ども事務的には現在通産省とも相談しまして、相当詳細な換算方式を立てまして、これを一致させる方式を立てて行く、そういつた工夫はいろいろいたしております。併しいずれにしましても、一応差当り狭義の兵器につきましては、供与を受けるということは事実でありますので、その線に沿つて考えるのは止むを得ないと思いますが、今のインチ、メーターの問題にしましても詳細な換算方式を作りまして、できるだけ規格を事実上一致させるような努力を私どもはいたしておりますつもりですが、これは非常にむずかしい問題でありまして、今のお説の通りに私どもといたしましては非常に勉強しなければならん、又努力しなければならん問題だと思いまして、今折角努力中であります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 この狭義の兵器と言われましたが、狭義と広義、具体的には、狭義の兵器として、今、規格統一の焦点になつているようですが、それは具体的にはどういうものでありますか。

久保亀夫保安庁装備局長

○政府委員(久保亀夫君) 狭義の兵器と申しますのは、申すまでもなく、火器或いは砲弾等、例えば七と言いますと三インチでありますとか、まあそういうふうに火器、弾薬等のことを申上げておるわけでありまして、MSAで期待しておりますものは、例えば車両とかそういつたいわゆる民需にも共通するものもございます。こういつたものにつきましては、比較的現在国産化の計画もいたしております。これにつきましては勿論早く日本の御承知のJISをできるだけ採用するということで参つておりますけれども、狭義の兵器につきましては、今のメーター、インチの問題につきましてもまだ問題が残されておりますので、これらにつきまして私ども換算方式その他で統一した方式で処理できるように努力しておるわけでございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 ちよつと、今の御説明ですと、具体的に今日本で特需として、特需というのは兵器特需ですが、朝鮮特需とは違つた意味のそういう特需の対象となつている、又今後なり得る可能性のあるものを指して言われているわけですか。火器とか、それから砲弾類は、今直接発注をされているわけですね。そうするとそういう意味ですか、具体的には……。

久保亀夫保安庁装備局長

○政府委員(久保亀夫君) 繰返して申上げまするように、狭義の兵器と申上げますのは、火器、特に最近特需でございますのは小火器でございます。それと砲弾、七・七ミリ、百五ミリ、百五十ミリ、その他大きなものもございますが、そういつた火器、弾薬の類を指しまして狭義の兵器と申上げているわけであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 そうすると、そういうものをアメリカの規格に統一する場合、兵器メーカーとしてはアメリカのパテントや何か、こういうものの必要が出て来るわけですね。そういう関係はどうなんですか。

久保亀夫保安庁装備局長

○政府委員(久保亀夫君) 只今申上げましたような種類の火器、或いは弾薬については、アメリカの特許乃至はライセンスのような問題はございません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それでは、そうでないもの、広義の兵器なんかについては、そういうものが起つて来るでしよう。広義というのは、航空機、戦艦、そういうものですね。更にもつと原子兵器みたいなものがあるでしようがね。

久保亀夫保安庁装備局長

○政府委員(久保亀夫君) 狭義の兵器と申上げましたのは、例の貸与武器の中で、今申上げた火器、弾薬に対して車両等がございますので、狭義の兵器と申し上げたのですが、勿論航空機は或る意味では狭義の兵器に入るかも知れませんが、航空機の計画につきましては、まだ最後的な決定は勿論いたしておりませんが、一応練習機或いは第一線機等につきまして採用がやや決定しつつありまする機種について申上げますと、航空機は、連絡機の一部を除きましては、恐らく大半米国を主としまする外国のライセンスを導入しなければ我が国では作れないのではないか。或いは輸入できないのではないか。勿論当初は物自体を供与を受けるという予定でございますから、問題はないと思いますが、多分大多数の機種につきましては、アメリカのメーカーのライセンス、例えば取りあえず今実行いたしております練習機P三四につきましては、御承知の通りすでにライセンスを購入しまして、生産段階に入つておりまするし、その他の機種につきましても、機体若しくはエンジンにつきましても、大部分はやはりアメリカのライセンスを導入すると、或いは輸入権を導入するということになるものと存じております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 まだ規格統一の問題については、具体的に非常に日本の産業計画、防衛計画、それから産業の軍需的再編成等々と関連して相当問題がたくさんあるわけです。調達計画については、予算との関係で相当私も意見があるのです。受注能力がないのに予算だけ非常に計上して、繰越々々になつておるものが非常にあるのですよ。そういう予算の使用計画と、それから調達計画との間に相当いろいろなギヤツプのある点があるのですが、きりがありませんから、まだ非常にたくさんあるのですけれども、十時過ぎましたから、これはどうなるのですか。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それではお諮りをいたしますが、まだ質問が十分でないことはわかつております。併し日程の都合等もありますので、逐条の質疑は一応この程度で終了をいたしたいと存じますが、如何でございましようり。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 逐条審議をこの程度でと言つたつて、自衛隊法案があるのだから、防衛庁だけならいいが……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 これは委員長がそういう宣言をされるとかどが立つと思うのです。終了するというようなことを言われるのは……。含みはとにかくとして……、今晩はこの程度で散会するということにしたらと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 委員長、そういうことを言つちやいかん、明らかにならんじやないですか、これでわかりますか。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 速記をやめて。    〔速記中止〕

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて。まだ質疑が残つておるようですから防衛庁設置法の質疑を続行いたします。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 附則の第二項の「海上公安局法は、廃止する。」とございますが、この件は保安庁法時代から入つたり出たり、入つたり出たりしているようですね。これはどういうわけでしよつちゆういじられるのか、どういうふうになつているのか、簡単でいいから要点だけ御説明下さい。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは保安庁法のときに保安庁の機構の中に入ることになりまして、その施行の法律が未だに出ておらないのであります。今回はこの法律案によりますと、保安庁、新らしい防衛庁の任務というものが非常に大きくなります。規模も拡大いたしますので、海上の安全確保を日常業務にしておるところの海上保安庁と防衛庁を平常一緒にするということは、両者の任務を能率的に遂行するという観点から申しまして得策ではないのじやないかというので、今のまま残したということであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 施行の法律はどうして出なかつたのでありますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは当時の委員のかたもおいでになりまするが、参議院の内閣委員会におきまして修正せられたのであります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 政令で定める分が相当ありますが、或いは又総理府令で定めるのがありますが、これは資料を要求しておりましたが、大体もう出ておりますか、出てないのもありますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 政令及び総理府令で定めまする事項につきましては資料は出してございます。ただまだ未定のも一のもございますので、そういう点は研究中とかいうふうなことで書  いてございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 さつきの航空自衛隊の部隊編成ですね、資料がありましたらあとでいいのですが、さつきのは部隊編成でないのですが、陸上自衛隊みたいにできたらああいう資料を航空自衛隊について、これは今でなくてもようございます。あとでいいですから、他の機会でもいいですから出して下さい。  私は一応この防衛庁法の逐条審議は、これで非常に不満足でしたけれども、一応これでこのほうは済ますことにいたしますが、自衛隊のほうについては、前に多少関連質問をいたしましたが、ちよこつとやつてやつたことにしましようという御意見もあつたようですが、そういうことでは私は本当にやつたことにならない。ただ形式的にやつた恰好で済ませるということについては、私は賛成できません。私のほうの会派はこれはもうこのような状態では審議日程が足りない、無理だ、非常に無理をしておるのです。それで国民に対して十分審議したということにはなりませんから、それでちよこつと形式的にこれからやつても意味がありませんから、そういう形での私は逐条審議はやりません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 とにかくおやりになつたらどうでしようか。それで成規の議事規則で仮に審議の打切りというようなことはあり得ますが、逐条質疑打切りとか総括質疑の打切りとか、その審議の方法に規則上、そういうこともあろうはずはないから、一応自衛隊は、お話合いはお話合いとして確認しているのですから、公式的な委員長の御宣言等をお考えになつて、とにかく自衛隊をやはり予定のような進行状態で或る程度の時間の来るまでおやりになられたらどうでしようか。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 能率的に行きましよう。この第一条ですね、「自衛隊の部隊の組織及び編成、」云々とございますが、この十三条と関連して来るのでありますが、方面及び管区隊の名称のところで、国会の閉会中であるときには、方面隊を増置したり或いは廃止し、名称及び所在地を変更することは自由にできるようになつております。又地方隊の場合も同様でございますが、これは長官はどういう機関に諮り、どういう手続でなされる御予定か、その点承わりたいと思うのです。非常にここは長官の権限は大きいようでありますが……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) この手続は条文にありまするごとく、政令でやるのでありますが、大体防衛出動中というような場合を考えますと、廃止とか変更というような自由については御納得行けると思うのでありますが、増置の場合につきましては、ほかのものと違いまして、ほんの少しの敷地があればやたらと置けるというものではないわけで、又演習場なり、その他相当の面積の問題を必要としなければならない。こういうことは予算はきまりましても、法律できつちりきめるというところまでは、土地の購入その他でなかなか参りませんということが言われますので、国会の開会中に間に合えば勿論法律で御審議願えますが、閉会中である場合は、止むを得ず政令で一時きめまして、あとで国会で御審議願うということになるのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 この際に、次の国会でこの法律を改正する措置をとらなければならないと書いてありますが、防衛出動のような場合と違つて、これは国会で改正が不能であつた場合の措置については、条文に書かれておりませんが、そのような場合には如何ようになりますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは改正する措置を政府としては義務付けられておるわけでありまして、国会の御審議を受けるために提出するところまでは政府の責任であろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それでは勿論これだけの規定で、国会でそれが改正の措置が認められなかつた場合には、直ちに取消されるということになるわけですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 取消されるということにはならないであろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 国会が承認しなかつたらどうなるのですか。取消さざるを得ないでしよう。

林修三法制局次長

○政府委員(林修三君) これは次の国会でこの改正措置が通らない場合には、当然その部隊は廃止にならなければならんことになります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 丁度そこに出ましたから承わりますが、十三条の二項の「特別の事由によつて」ということはどういうことを予想されますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 増置の場合を申上げますと、只今申上げた通り、法律として国会に御審議願うような準備ができれば、土地の交渉その他についてできれば提出する。併しそういうふうなことが相当広い面積を要するのでありまするから、例えば浦和なら浦和に置きたいとこう思いましても、果して浦和に置けるかどうかということについてなかなかはつきりしたことがきまるまでには時間がかかる、そういうふうな場合を増置の場合については考えております。廃止、変更等の場合につきましては、出動等の場合を考えておるのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 現在の保安隊の全国に亘る部隊の配置表を拝見しますと、三百人とか四百人とかいう小部隊の駐屯地ですね、これは若干あるようですが、もう少し能率的な配置はできませんか。ああいうふうに少く小人数の部隊を数多い所に置くということはいろいろの教育、訓練、経費、そういう面で私は不経済ではないかと思うのでありますが……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これらにつきましては、そういう点の考慮もあるのでありまするが、部隊として置きまする以上は、その任務、機能を十分に果せるようにというふうな考慮から駐屯地をきめておりまするので、若干少数の部隊ができておるところもありまするけれども、止むを得ないものが大部分であるわけです。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 地元の誘致運動とか、或いは既設の建物というようなものに非常に引ずられて、本当に合理的な配置というものは考えられていないのではないか、そういうことを私はあの別表から感じるのでありますが、現在は交通、通信、連絡網というものが進歩しておりますから、もう少し経済的な駐屯地の決定というものが行われて然るべきじやないかと思うのでありますが、非常に小さな部隊が点々と散在しておるというのは、どうも合理性に欠けておるような感じがするのでありますが如何でございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 只今申上げました通り、これらの点につきましてはいろいろな部隊の任務の特殊性等から考えまして止むを得ないものが少数の部隊の駐屯になつているのであります。御趣旨の点は我々といたしましても十分考えておるつもりであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 いよいよ今度三軍方式で自衛隊は発足するわけですが、自衛隊の整備統合と申しますか、そういうような再編成される御意思ございませんか、長官如何です。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 編成替えするという意図はありません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 第三条、自衛隊の任務として随分論ぜられて参つた条項でございますが、提案理由から申しましても、又皆さん方の説明では違憲性はないということを申されるのでございますが、現在の憲法九条との関連から申しましても、この第三条は前段と「公共の秩序の維持」以下とは私は少くとも並列にさすべきであつたと思うのでございますが、第三条に書かれていますように、こういう形になつたのは、結局改進党の再軍備論に政府与党の案が屈服したと、こういう形になつていると思うのでありますが、長官の御所見如何でございますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) これは前前から申上げた通り、必ずしも改進党の主張に押されたというわけではありません。我が国の外部からの侵略に対して防衛するという任務が大きく浮び上るということはこれは当然であります。治安維持は内地の秩序維持のためであります。これは警察と相待つてやるべき仕事であります。こういう条文の書き方を私は適切であろうと、こう考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 保安庁法のときには、後段がすべてであつて、前段は万一の場合にそういうことがあろうと、こういう内容だつたと思うのでございますが、長官もそういうふうに認識されておりますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 保安庁法の場合には、国内の治安維持に任じておつたのであります。今度の自衛隊においては任務が大きく加わつた。それは今申上げる通り、外部からの不当攻撃に対して防衛するということを任務とする、これが加わつたわけであります。それと同時に国内の秩序維持のためにこの部隊も行動する、こういう面からしてかような規定になつたのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 従つて保安庁法の改正でなくて新たに二法案を提案した、こういうように説明したほうがむしろこの自衛隊の任務等から申して私は適切だと考えますが、これに対する御所見如何ですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) そういう見方もありますが、改正という方式で以てこの案を作成したわけであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 その隊の任務が示すように、質的に大転換をしているということを長官、お認めになられるでしよう。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 大転換という言葉は、よし悪しは別といたしまして、さような大きな意味も加わつたということは申すまでもないことであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 従つて、実質的に改正した面よりも、新たに立法された面のほうがより多いということはお認めになられると思いますが、如何でありますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 条文の体裁から言つて、必ずしもさようとは言えません。前の保安庁法の規定が、多分にこの新たな自衛隊法に盛られたということは明らかであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 これ以上水掛論になりますから、第三条は、山下委員の質問がなかつたら第三条についての質疑はこれで終ります。  第四条。現在保安隊にはこの自衛隊の旗に類すべきものがあるのかどうかということと、それから従来船舶貸借協定当時の説明から考えまして、この自衛艦旗というのは、自衛船旗とでも呼ばれるのではないかと思つておりましたが、ここに自衛艦旗と自衛艦と更に自衛艦隊とこう出ておりますが、これらの艦とか艦隊とか艦旗、こういうものと憲法との関係、並びに我が国が軍艦というようなもの、艦隊というものを憲法の関係から持てるものかどうか、それらの点についての御所見を承わります。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 現在保安隊におきましては長官旗、幕僚長旗、管区総監旗、方面総監旗等の旗を持つております。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 憲法上の問題としては、要するにこのものによつて総合される実力というものが問題になるわけでありますから、その実力の構成をする一分子たるものが、どういう名前で呼ばれるか、これは名は実の賓という言葉の示す通り、名前の問題はむしろ私どもとしては自由だと思つております。要は実力の問題、而もそれらが総合された実力の問題、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 近頃法制局長官は非常に言葉が上手になりましたが、あのフリゲート艦の場合、フリゲート艦とはどうしても言わないで船だ船だと言つて、船舶貸借協定と説明されましたが、あの当時は、言葉はどうでもよろしいとは長官もどなたも説明されなかつたと思うのでありますが、向うで艦と言つておつても、これは船舶だと言つて、船舶貸借協定でされたわけですが、あの当時の速記録を見ますと、やつぱり艦艇とか艦とか呼んでは工合が悪い、こういうお気持で答弁に立たれております。ところが憲法は変つていないのに、本日になつたところが、名前はどうでもいい、実質だ、従つて艦隊と言おうが、艦旗と言おうが問題はないのだというのでは、ちよつと納得しがたいところがあるのですが、如何ですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) その点については、前に私は申上げた通りです。アメリカにおいてはワー・シップという言葉を使つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ワーとは何ですか。(笑声)ワーとは何ですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 名前に拘泥する必要はないと考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それは、そういうことを言われるなら、やはり船舶貸借協定当時からそういうことは申されなければ、途中から、憲法はそのままであるのに、そのときどきに都合のいい言葉で説明されては、私は国民は納得いたしかねると思います。併しこれも意見となりますので、その点に関する質疑はその程度にいたしておきます。第一章は終りました。

石原幹市郎自由党

○石原幹市郎君 どうでしよう、順序を逐つてやつても、とてもこれは十二時までに終らないですよ、あと聞きたいところのある人もあるだろうから、どうでしよう。どうでもいいけれども、早いほうがいいから。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 順序を逐つてやりましようよ。委員長第二章と言つたらいいでしよう。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 第二章。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 うつかりしておりましたのですが、あとへ返りましてよろしうございますか、一つだけ……。第五条に隊員の顕著な功績があつた者に対して表彰する。従来からあることだろうと思うのでありますが、将来とも従来の程度のものでいいのかどうか。なにはどういうふうになつたのでございましようか。私は内閣委員に最近なりましてよくわからないのですが、経緯を。栄典法関係はどういうふうな政府の御都合になつていますか。将来出されるような運びになつておりましようか、どういうふうになつておりますか。それを承わりたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 栄典法につきましては、本国会に提案したいという政府は希望を持つていたのです。これは御承知の通り提案の運びに至らなかつたのであります。次の国会にでも提案したいと思つております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 保安庁法関係の法令等をつまびらかに拝見すればわかると思うのですが、現在の表彰、まあそのままになるかどうかわかりませんが、第五条に言う表彰とは、凡そどういう程度のものがあるのでございますか、種類とか……。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 最近の例によりますと、九州の御承知の災害のときに身を挺して人命の救助に当つた。そういう人たちに対して総理大臣が表彰しております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 将来各種の出動の場合等におけるところの顕著な功績等に対する表彰とかというものはどういうことになるのですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) それはその当時具体的な場合が起つたときによく検討してやるつもりであります。まだ標準というものはきまつておりません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 この二項の「政令で定める。」ということは、まだきまつていないのでございますか、内容は。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 第五条の政令には、おおむね保安庁法施行規則第六十二条から第六十六条までの規定に倣つて規定するつもりでおります。現在表彰といたしまして賞詞、賞状、精勤賞、感謝状という四つの種類がございます。大体これに倣いまして規定するつもりでございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 現在表彰の規定は、この今の各種の出勤等に顕著な功績があつたものに対して表彰することのできるような種類とか規定とかになつておりますか。新たにそういう場合の長官のお言葉では考えなければならんかもわからんということでありましたが、今の規定で各種出動の場合における顕著な功績に対する表彰というものは、今の規定で行けるというお考えでございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 今の規定で大体賄えると思つております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はそのことのよし悪しより、必要の有無よりは、そういうような相当何と申しますか、大きな功績のあつたそういう場合における表彰ですね、名は表彰でありまするけれども、各種の、何と申してよろしうございますかね、功績に対して報いるという方法といいますか、誉に報いるといいますか、それを現わす、やつぱり表彰と言わなきやなりませんかね。それで、そういうことに相当国民に対して、自衛隊員でありましても国民でありますが、国民に対しましてそういう功績でありますとか、いろいろな場合における、而もかなり重大な扱い方をしてこれを表彰するというようなことは、単に政令などでこれをこの法律が、昨日の話じやありませんが、お任せすると言えばそれでできるわけでありますが、まあ政令などでこれを定めるというような程度のものでありましようか。どうでしようか。相当重き表彰はやはりこれは考えなければならんのじやないかと思うのでありますが、如何でしようか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) その点については、栄典法でも制定いたしまして、この点からこれを表彰するということになるのではないかと思います。この総理大臣の表彰は部内における表彰であります。両々相待つてそういう大きな功績があつた場合には表彰すると、こう考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はこれは一つの見当でありますから、そういう場合を必ずしも望むというのでもなく奨励する意味ではありませんけれども、国のためこ人命を以て非旨こ顕著な功績をいたしたようなことに対する措置というものは、私は一つの国家の行事であつて自衛隊の隊内の行事というような扱い方であるべきでないと思うのであります。従つてその取扱方は私は今仰せになりましたようなその部隊内といいますか、そういうような一局部の中で処理するという程度のものではなくて、国のための行事というようなものの扱い方は、およそ国の基本法の中に私はこの取扱等も予想せられた一つの基本的な基準というものがあるべきじやないかと私は思うのです。併し甚だうといのでありますが、この程度では将来これは済まないのではないか。それを賞すべきである賞すべきではないというのではなくて、その扱い方が、私は大きく言えば憲法その他から参りまして、こういう扱い方では不合理になつて来るのではないかと思うのでありますが、法制局長官にお教えを受けたいと思います。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 御尤もに伺いますが、今おつしやるようなことはやはり国家全体としての表彰というべきことになります関係から、それこそ憲法に言う栄典の問題となり、これは先ほど木村長官からお答えになりましたように栄典法のほうの分野の問題であると思います。普通の役所限りの表彰ということになりますというと、実は私自身も表彰されましたが、それは法律の根拠も何もありません。総理府部内の表彰規程というもので表彰されたわけでありますが、これはそれよりも、ここにちやんと第五条という根拠を法律にお設け頂いて、それよりもよほど重い扱いをして頂いておるわけですから、この関係の表彰としてはほどのいいところであろうと考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はいろいろな場合を予想いたしますと、この第五条のこういう軽い表彰の程度では、私は二法案が予想しておりまするいろいろな建前に相応するということについては、若干ふさわしからざる点を考えますが、この程度の表彰は表彰として規定をし、又これ以上の、只今申上げました国の行事として扱うべき功績というものもこういうふうな性格になれば当然予想しなくちやならんのであろうと思いまして、このままでは私は各種の場合に対する表彰関係の規定としては不備であるという感じだけを申上げておきます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それでは第二章に戻ります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 長官に伺いますが、この内閣総理大臣の指揮監督権、幕僚長の職務、これらから簡単に言つて昔の日本の陸海軍と比べて次のように大ざつぱに了承していいか。旧陸海軍当時の天皇の地位に代るべきものが内閣総理大臣で、それから旧陸海軍時代の陸海軍大臣、軍令部総長、参謀総長、教育総監ですね、これらを合せたポストに代るべきものが国防長官、そうして陸上幕僚監部の幕僚長は陸軍大臣と参謀本部の両方を兼ねたような立場にある、こういうように大ざつぱにとることはできますかどうか、御所見を承わりたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 御承知の通り昔の統帥権というのは、内閣、国会に掣肘されざる一種の機関によつて執行されておつたのであります。この自衛隊においては先ず国会というものを非常に重く見るのは当然であろうと思います。その意味において非常に差異があるということは御了承願えるだろうと思います。次に、参謀本部或いは教育総監部というようなものは、全く軍政と離れた立場においてやつていたのであるが、今度は長官が総理大臣の命を受けて、いわゆる昔の軍政に当るものも軍令に当るものも一本化して行く、これは長官の下に制約されてそこでやろうということになつて、考え方が昔のいわゆる旧軍時代と大いに差異があるということは間違いないことであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 幕僚長は……。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 幕僚長はこれは全く長官の輔佐機関であります。長官の命を受けてすべて行動して行くということであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 その幕僚長は軍政、軍令両面の仕事の職務内容が含まれておると思うのですが、どうお考えですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 一部含まれております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 この総理大臣が自衛隊の最高指揮権、監督権を持つということを憲法の中からどこから打出して来るのでございましようか。それでこれをまあ何もかも端的に申上げて行政権だという見方、それからそれが行政権と見て不都合でないということを憲法の条章に照して、一つこういう実力行使の、軍隊といつても差支えないと言われるような武力行使のこのことが総理大臣の権限として認められてあるということを、単に総理大臣が行政権の一般の監督権を持つておるというああいう文字でなしに、特に私のお願いしたいと思うのは、第七十三条あたりからどこからそれを見て来るか。あの七十三条に重要な行政事務が列記してあるこの中には見当らないように思うのですが、私はこういうような重要な行政事務よりは普通一般な、軽いといつてはおかしいのでございますけれども、普通の行政事務と見るのであるか。若し行政事務と見るならば、非常に重要な事務と思われるが、この重要な事務を列挙した中には見当らないという一つの問題に対して、学問的な見解はどういうふうに下して行くのであるかということをお示し願いたいと思います。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 理論的に申しますれば、近頃の憲法はすべて三権分立といつているわけです。日本の憲法も申すまでもなく三権分立の建前をとつているわけであります。立法、司法、行政と三つに分けます以上は、立法作用にあらず、司法作用にあらず、それはおのずから行政作用と考えられるわけであります。例えば現在でも保安隊の任務になつています間接侵略に対応する、或いは内乱に対処して実力を行使するという仕事がございますが、これも重要な仕事であると私は思いますけれども、やはり分類上は行政の中に入つている。旧憲法時代にすらも憲法の教科書を見ますと四権分立と書いた本はございません、やはり三権分立と御説明になつておる。そうしてその場合に軍の関係をどう扱つているかという問題が第二段に参るわけであります。これは天皇の大権事項になつている。ただその輔佐機関が、統帥権の独立の名の下において内閣もタッチできないような独特の機関において輔佐機関を持つてそこに独立性があつたというわけであります。なお大きく見ますればやはり行政権の中に旧憲法時代にも入つていたという分類に私はなると思うのであります。その関係から内閣関係の憲法の条章に載つて来ることは当然であるというふうに考えるわけであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 今の七十三条の見方はどういうふうに見たらよろしうございますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 七十三条は御承知の通りにこの本文のほうに、「内閣は、他の一般行政事務の外、」と書いてございます。「他の一般行政事務」というのは、これは非常に広いものであるわけでありまして、おのずからこの中に含まれているはずだと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それで私が伺いたいのは、この七十三条で特に七項目が挙げてありますのは、特に重要な行政事務を挙げて、これらの事務も扱うのであるということが明確にされてあつて、大きな事務であるが、これは行政事務として扱わせるのだということを疑義のないように示したものだと私はそう考えるのであります。この重要な行政事務という中には入つていないがどういう扱いをするのでありますか、その点は如何です。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) この各項目の列挙というのは、一つの角度からこれを眺めているのであつて、その仕事そのものの重要件という点を標準として列記したとは言い切れないのであります。これは申すまでもなく、例えば一般の国民の福祉、厚生関係、社会福祉と申しますか、そういうようなことは私は非常に重要な仕事だと思いますかそういうことは実は各号の列挙の中に入つておりません。これはやはり本文の「他の一般行政事務」の中にそういう重要なものも含まれておるというふうな建前に解すべきものであろうと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 そうすれば将来憲法改正が若しなさるような場合であつても、別にこの種の例えば何といいますか、或7程度まで軍備を認めるような憲法改正がなさるるという場合に、この軍隊の指揮命令権を明確にしなくちやならんというようなことが仮に考えられるとしても、現行憲法の総理大臣の権限で何らそういうことを特に明確にする必要はないというような考えでございましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは改正の方向に向つての研究はいたしておりませんから、考えを申上げるわけには参りませんけれども、一般に改正論として述べられておるところには二通りあると思います。端的に言つて、第九条の二項だけを削ればいいのだ、これが眼目だとおつしやるのは、これは御尤もだと思います。そういう考え方が中心になつておるのは尤もだと思います。併し、今のお言葉にもありましたように、こういうその改正の結果、軍隊を置くということになれば、それに伴う統帥権の問題が当然出て来る。旧憲法時代の苦い経験もあることから、統帥権の独立というものはむしろないのだということをはつきり憲法で謳つたほうがいいのだという考えをお持ちのかたもあるようであります。そういうことは我々は承知しております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 そういう場合には、非常にはつきりと総理大臣の権限に明確に記載せられることに、まあ改正せらるるとすれば、なるであろうということが予想されるわけなんです。そういう議論も出て来るかもわからん。そういう改正論も出て来るかもわからん。それだけに、現在のこの憲法ではこういう部隊の最高指揮権については若干不備があると、こう考えてもよろしうございますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 少しも不備はないと思います。先ほど来の御説明によつておわかりの通りに、内閣の権限であるということは当然だと考えますから、仮に憲法を改正して、もつと露骨な条文をたくさんおきますと、今のような議論が起る可能性があると言つて心配なさる学者も世の中にはおありになるということを申上げるわけでありますから。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 自衛隊の最高指揮監督権を持つ者、即ち総理大臣でありますから、この最高指揮監督権、最高指揮監督者というものが空位になる場合はありますね、自動的に。つまり内閣総理大臣が空位という場合には、やはりこの自衛隊の最高指揮監督者もないという場合が、暫らく欠けるという場合があり得ると思いますが如何でございますか。そういうものはございませんか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 空位と申しますか、例えば突然死んだというような場合、これは憲法自身が予想しております。「内閣総理大臣が欠けたとき、」ということを予想しておりますから、欠けた以上は次の新らしい総理大臣の指名というものまでの間の繋ぎの期間がある。これは当然理論的には予想されることでありますけれども、その間、には御承知の通り内閣法で代理者の規定もございますから、これは普通の一般の場合と同様の措置によつてその間が繋がれるということになると思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 総理大臣が欠けた場合、而も内閣法によりましてこれを代理するものが何かの都合で定められていないというような場合がありまして、最高指揮監督者が欠けたというような場合の、この法におきましては、それを代理するものは誰が代理するのですか。最高指揮監督者の権限を代行するものは誰が代行するという規定になつておりましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) これはどうも少し薄気味の悪いお尋ねでございますが……。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 いいえどういたしまして。(笑声)

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 内閣法の中にあらかじめ総理大臣の指定する大臣がその職務を代理すると書いてございますから、普通の一般の場合と同じようにその規定が働いて来るものと考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は内閣が何かの都合によりまして、まあ実際的に申しますれば、仮に内閣を組織する、まだ総理大臣が自分を代理する国務大臣を指定するなどの手続もできていないというような場合がありまして、総理大臣が欠けるといつたような場合には、自衛隊の最高指揮監督権は誰が代行するということになりましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 理論上万一そういうことがあるとすれば、例えば憲法に書いてあります総理大臣の職務は一体誰がやるでしようかというこの自衛隊ばかりの問題じやなしに、国会に法案を御提案申上げる、予算を御提案申上げる、誰の名前でお出しするでしようという問題と同じ問題でございまして、この自衛隊ばかりの問題ではないと考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 これは私はまあ広い意味での行政権ということになりますれば、今の他の国務大臣ということになりますが、一つのこの防衛行政組織と申しますか、こういう形になつて参りますと、内閣総理大臣というものの代理でなくして、自衛隊の最高指揮権の若し最高指揮者が事故あるときには、これはまあ素人考えですが、疑問かもわかりませんが、防衛庁長官がこれを代行してふさわしいように思うのでありますが、ふさわしくないのでございましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) それは御尤もには一応拝承いたしますけれども、併しここで最高指揮権を与えておりますのは、行政権の最高責任機関である内閣、その内閣の首長であるところの総理大臣という建前を飽くまでも貫いて来ておるわけでありますから、やはり内閣の首長としての総理大臣に故障があつたときは、それを代理する人がここに代つて出て来るという形にしておくのが我々の考えておる筋からはぴたつと来るわけであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 大変勉強さして頂いて有難いのですが、副総理、即ち他の国務大臣が内閣総理大臣に代るという場合には、あとは一般行政の総理大臣の権限を代行するという本質はそういう趣旨のものであつて、自衛隊の最高指揮権は如何にもこれは非常に高度なものてありますから、内閣を代表する内閣総理大臣が最高指揮者に当るのは至当でありますが、これは飽くまでも自衛隊の最高指揮官でありまして、自衛隊に関する限りはその次に位するものは、副総理にあらずして、実は防衛庁長官と見るのが妥当な見方だと思うのです。副総理が代行するという場合は、自衛隊とかいう特殊の場合はできないという意味ではありませんけれども、予想することは常識的に一般行政の指揮者としての総理大臣を代行するのです。この特別の場合のこういう組織におきましては、この最高指揮官の権限を代行する者は、その次に位する防衛行政の統轄をする防衛庁長官がこれを代理するのが、副総理が代理するのよりは至当のように私は考えられるのでございますが、如何でございましようか。どこかに間違いございましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) どういたしまして、決して間違いどころじやございません。一つのお考えだとは思いますけれども、併し法律的の頭から筋を辿つて申しますと、要するに行政権の最高責任機関がここでいう最高の指揮監督権、最高のという言葉を使つておるわけであります。この最高の指揮監督権を持つのは行政権の最高機関たる本来内閣であるわけです。内閣が最高の指揮監督権の組織母体になつておる。内閣そのものというものは会議体でございますから、それを代表する或る一人の大臣にその実施をお願いするという形から、この内閣そのものの代表者をここで一つつかまえて、これを最高指揮者として持つて来た、でありますからして内閣そのものを代表するへというものはあらゆる場合に一人であるわけです。総理大臣に事故あるときは、その代理する人は一人あるわけです。その人に集中的に最高指揮権を持つてもらう、これは内閣そのものが本来最高指揮者であるというふうにお考え願えばおわかり願えると思うのです。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 わかりました。そこで私は伺いたいと思いますのは、こういう場合は、これは或いは理窟を申上げるのでなしに、或いはまあ感じになるかもわかりませんが、総理大臣は言うまでもなく、憲法の規定によりまして、まあ国会とのいろいろな関係があるのでありますが、総理大臣に権限が集中したからといつて、国会がしつかりしておればといういろいろな過日来からのお話もあつたりして、各種の関係がある。その関係の中には総理大臣の不信任を国会が決議することができるのですね。而も不信任を決議するその理由は、他の理由によつて不信任をする場合があるのですね。そうすると、同時に自衛隊の最高指揮官としても、やはり不信任を受けたと解すべきでありましようか。如何でありましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 不信任ということは、突詰めまするというと、およそそういう人に行政の責任をあずけてはおけないということから、不信任決議というものは出て来るものだろうと思います。従いまして、行政責任の一翼を担つておりますところのこの自衛隊関係の指揮監督権その他あらゆる行政の権限というものについて、一応それは微に亘つて考えられるべきことであろうと思います。でありますから、要するにこれを昔の統帥権の独立のような頭で、これは行政権とは別個のものだというように前提をとりますというと、話がすつきりしませんけれども、我々は併しこれはもう行政権の一部というような、又それが正しいことと考えておりますからして、これはおのずから結論は只今申上げたようなことになると考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 頭の切換えがすつかり終つておりませんので、これが行政じや行政じやという頭がまだなかなか成立ちませんので、そういう疑問が出るのであります。卑近な言い方をいたしますと、自衛隊の最高指揮官としては何も欠点はなかつた。併しながら他の失政によつてこの最高指揮官である総理大臣が、やはり自衛隊のほうから見ますというと崇敬おく能わざる、崇敬ということがあつてはいけないのかもわかりません。当然の最高指揮官であつて内閣を代表するものであるから、当然に自動的になつているので、何も尊敬する必要がないというのが、これも極めて妥当な道理にかのうた考え方かも知れませんが、併し普通には最高指揮官というものについては、若干尊敬の念を持つという形が或いは好ましいと考えられるかたがあるかも知れませんが、そういう最高指揮官が他の理由によつて不信任を受けたということで、これが罷免せられるというようなことは、その一つの部隊の最高統率者というような立場の者について、そういう事例が起きたということは、私は好ましからざる現象のように考えられるのでありますが、併しあれは村長が首切られたと同じようなものて、これは当然のことだというふうにこれを見て行くことが、何らの弊害も何もないことになるのでありましようか。私は統帥権を礼讃しようというのじやないのですが、やはりこの考え方は私は支持する、賛否は別として……。併し一応そういうような疑いも私のように未熟な国民は持つと思いますので、その辺はこれは理窟でなしに、一つの感じでありますが、如何でございましようか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) どうも私がお答えすべき問題でもなさそうで、もつと高級な問題のように拝承いたしますけれども、どうも私の法律のかちかちの頭で考えておるせいかも存じませんけれども、やはり総理大臣としての資格、即ち内閣を預けておけないということから信任、不信任が来ることがあるということを正しい前提と考えますならば、結論はどうも先ほど申上げたようなことになるほかはあるまいというふうに考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 余り愚問を重ねますと、だんだんと笑われますから私はやめますが、内閣総理大臣が国会から不信任を受けた。それは即ち自衛隊の最高指揮官としても不信任である。行政の不信任を受けることは、この防衛そのものが行政であるから、これは即ち自衛隊の最高指揮官としての不信任を受けたものである、同じことである、こういうまあ解釈に立つわけですね。さような最高指揮官が不信任を受けるがごとき事態に相成つたとすると、補佐役にありまするものの責任はどうですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) これは補佐役の責任とは言えないと考えております。補佐役たる長官はこれは閣内における一人でありますから、総理大臣が不信任を受けたからといつて、それに対して長官が責任を負うという筋合いのものではなかろうと考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はそこが何だか平仄が合わないような気がしまして、行政権の統轄者の総理大臣も当然自衛隊の最高指揮官になる。今度は都合の悪くなつたときにほお前一人で不信任を受けて首になれ、そして補佐役という法制上の建前になつておるもろもろの防衛長官とその他には何ら不都合はないのだということになると、行政として共通する、通ずるところと通じないところとあるような感じを受けるのでありますが、私の感じ方がどこか間違つておりましようか。長官大変首をひねられますから教えて下さい。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 その答弁の前に、私も長官に伺いますが、さつきの木村長官の答弁は理解いたしかねると思うのですがね。総理大臣が国務大臣である国防庁長官を任命して、その総理大臣が国会から不信任を受けても国防長官の地位というものは責任も何にもなくて、これに異動がない、こういうようなことは私考えられない、と思うのですが、如何ですか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 今木村大臣の答えられましたのは、この局長その他のような補佐機関のことを恐らく念頭に置いて申されましたように私はそばで聞いておつた。ですからそれと先ほどの山下委員の御質問と併せてお答えいたしますと、こういうことになるのじやないかと思います。要するに今の矢嶋委員のお話で非常に具体化するわけですが、総理大臣に非常な欠陥があつたということで或いは下信任決議ということがあつたといたしますれば、もとより内閣は連帯責任でございますから、この国務大臣全部辞表を出して総辞職ということになるわけであります。でありますから、先ほどの山下委員のお尋ねにありました、例えば厚生大臣だけが非常に立派にやつておつた。併しどうも内閣のほかのほうでとてもそれはいかんというわけで不信任決議を食つた。それは厚生大臣だけを残しておいたほうがいいのだけれども、というお気持の出ることは私あり得るわけでありますけれども、内閣は連帯責任でございますから、皆これは総辞職してしまう。統帥権の独立というもので内閣から別のものを何か作つておけば、そこには庇がつかんで済むわけでありますけれども、独立を認めない限りにおいては、これは止むを得ない必然の運命であろうと考えます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私はそれで大分蒙を啓いて頂いたのですが、私は反対の場合を実は申上げたのです。内閣総理大臣が不信任を受けた、それは他の理由であるにしても、行政一般の不信任として最高指揮官もやめなければならん、そういう場合になつたときに、その補佐役であると謳われておる防衛庁長官というものは、最高指揮官が首になつても何ら補佐に欠くるところなしと言い得られるかどうかということを私は伺いたいと思うのです。残したい、一部の厚生大臣にはこれは罪がなくて残したいというのじやなくして、自分の最高指揮官が不信任を受けて国会から首になつたというときに、防衛庁長官という重大な最高指揮官の補佐役が、これが何ら関係ないということが言い得られるかどうか。最高指揮権も行政なり、これを補佐する者も、防衛庁長官も又行政権なりということになれば、私は総理大臣と最高指揮官とが不可分である関係から参りましても、又防衛庁長官と最高指揮官たる総理大臣との関係から行きましても、これは私は補佐役としての責任というものが必然的に繋がりがあるように思いますが、補佐役としての何ら責任はないのか、無関係であるかということ、これは明確にしておく必要があろうかと思う。これはいつそういう事態が起きるかもわからない。この法律が成立いたしまして七月何日かこの附則によつて実施せられると、当然内閣総理大臣が最高指揮官になつたときに、いつ国会で不信任の決議を受けるかもわからん。いわゆる総理大臣が罷免せられるというような場合が起きたときに、その補佐役であるところの自衛隊の最高の補佐役は何ら行政権という上に立つたときに責任上の関係というものは寸毫もないのかどうかということを明らかにしておきたいと思いますが、如何でございましようか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) これは法制局長官から答えることが適切であろうと思いますが、先ず私からお答えいたしておきます。その不信任の理由如何によると思います。それが最高指揮官として不適任というような理由で以て不信任案が出されるということになれば、無論補佐役である防衛庁長官は責任を負わなければならんと考えます。併し理由が全くほかにありとすれば、これは別問題です。併しその場合においても内閣総理大臣の不信任決議が通過すれば、これは内閣は従つて瓦解するのでありますから、防衛庁百長官も当然国務大臣である以上はやめるという結果を生ずることは言うまでもないのであります。私はそう考えます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 法制局長官その通りでございますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) その通りに考えております。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私の質問はこの条文だけで終りますが、この不信任の理由が自衛隊に関する具体的な理由でないにしましても、例えば憲法に違反し、再軍備を企て、徒らに軍隊に紛らわしい」ものを設置いたすというような荘漠とした我が国の防衛政策に関するような理由を掲げて、これは私どもしよつちゆうそれを言つておるわけでありますが、そういうようなものを掲げて、この自衛隊に関係なしと言えないような字句を連ねられたというような理由によりまして、不信任を受けたという場合にはどういうことになりましよう。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) それは全閣僚が皆その責任を負うべきであろうと思ます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 防衛庁長官としては関係ございませんか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 無論防衛庁長官としてもその責任の一担を担うべきであろうと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 これは今日直ちに予見せられることではございませんけれども、私はこの内閣総理大臣が法律上、自動的に自衛隊の最高指揮官になるということが規定せられます以上、内閣総理大臣の身分というものが各種の場合いろいろに変化が考えられますので、その場合に関連してのことを伺いましたのでありますが、私の質疑はこの点に関する限りこのくらいにしておきます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 只今のに関連して伺いますが、これはどなたも指摘するところで、日本の内閣総理大臣は先ず衆議院議員である、これは任期は四年である、而もそのうちに解散がある、それから先ほどから若干話が出ましたように、内閣の連帯責任制、こういう立場からこの自衛隊の最高の指揮監督権を持つている人と国防長官の地位というものは非常に不安定であるということが指摘されているわけです。それが、自衛隊が憲法九条に違反しないような警察である間は問題がないでしよう。併しあなたがたは戦力でないと言うわけですが、戦力乃至戦力に紛わしき編成装備を以て、そして場合によれば武力を行使する、地目を刺激もしましよう、或いは場合によると他国の挑撥に来ることもございましよう、そういうことによつて国際紛争に巻き込まれる虞れというものはかなり私は大きくなつて来ると思うのです。そういう性格の自衛隊となれば、ここに私はこれは成長して行くに従つて統帥権という問題について必ずや何らかの欲望というものが、希望というものが生れて来ると思います。それはどういう形で出て来るかというと、結局想像して見るに、やはり憲法における天皇の地位というものを再検討して、そうして天皇を元首というような地位にして、そうして統帥権をそこに結付けて、政変のたびごとに起るところの指揮監督権の激動を抑えよう、こういう意見、希望というものは、再軍備派の人に私は必ず起つて来る虞れがあると思うのです。これは現代の我が国の憲法の立場からかなり根本的な改正となつて来ると思うのでございますが、そういう虞れはないかどうか。又そういう動きも一部にあるやに聞くのでありますが、それらに対する保安庁長官の見解を伺いたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○国務大臣(木村篤太郎君) 私はさような虞れはないと考えております。併し私が言うがごとくこの自衛隊というのは何も国際紛争解決の手段に使うというわけじやないのであります。ただ外部からの不当侵略に対して対処し得るというその任務を負つているだけであります。これが時の総理大臣が指揮命令をして行くところに非常に私は味合いがあろうと思います。これを確立的に不働なものとするということは我我のとらざるところであります。今の改正が最も日本の現状に照していいものと考えておるのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 法制局長官、私が今申しましたように、そういうことが憲法検討の一つの項目に挙げられているやに新聞には報ぜられているのでありますが、如何ですか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 今お話にも出ましたように、この象徴という地位を元首にしたらどうかというような話は世間の一つの考え方の中に出ております。我々としてはそういうことを承知しておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 検討中ですか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申しましたように、私のほうではどう持つて行くかというような研究は、検討は全然やつておりません。今まで世間にどういう議論が現われておつたかということの一覧を作ることと、それから今までの憲法の運用関係でどういう事項が問題になつたか、或いは裁判所でどういう判決を受けたかというようなこと、そういうことを中心にして研究しているわけであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 あなたは吉田総理からそういう方面の研究を指示されておるのでありますか。

佐藤達夫法制局長官

○政府委員(佐藤達夫君) そういうことは、どういう方向へ持つて行けという指示は絶対に受けておりません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 第八条のこの防衛庁長日の指揮監督権の問題でございますが、総じて受けます印象は、まあこの部隊等に関しまする指揮監督は幕僚長を通じて行うことになつておりまして、これはまあいろいろ考えられたことだろうと思うのでありますが、従来からもあることでありましようが、一般に私は防衛庁長官という地位がややもいたしますと非常に建前の上で、木村長官がそうだというのでは決してございませんが、防衛庁長官の立場というものがだんだんと権限が分散と申しますか、非常に薄くなると申しますか、権限がこうはつきりいたしませんで、長官の意図するところが、いろいろな面から、名前は補佐でありますか何か知りませんが、要するに防衛庁長官というものの立場が少し薄弱なような気がするのでありますが、或いは今回のこの二法案には、むしろ長官の立場というものを現在よりはもつとしつかりとしたものにしてあるかもわかりませんが、十分私にはその点がまだはつきりしないのでございますが、この防衛庁長官の指揮監督権というものは一体どういうふうな構想の下にその権限の強さと申しますか、何といいますか、浸透力と申しますか、このいろいろの指揮監督権が厳として行われるような建前というものは、各般に亘つての指揮監督権の行使上どういうふうに配慮がせられてあるか、一般論を大体一つ承わつておきたいと思います。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 第八条で幕僚長を通じて行うというところから、そういうふうな御疑問をなされたかと思うのでありますが、いろいろな補佐機関はございますけれども、防衛庁に関する限り、最高の責任者は長官でございまして、他は皆補佐機関であります。長官が最後の決定をなさる、これを阻む何ものもないのでありまして、それは御懸念のようなことはないと存じます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 そうですが。それで今の保安庁法と十分比較してないのでありますが、現在の保安庁長官としての権限等々と著しく異なつているところも、いろいろ改められたところも或いは附加えられたところというような点はないのでありますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 長官の権限につきましては、私は全然変つていないと思います。隊務を統轄するという長官の権限は変つておりません。ただ内部で補佐機関を、統合幕僚会議のようなものを作りましたり、或いは建設、調達関係を別の補佐機関にいたしましたり、そういうことはありますが、これは長官の指揮監督権については、何ら影響を与えるものではないと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 まあ率直に伺いまして、保安隊よりは一段と性格が変つて参りまして上におきましても、長官というものの指揮監督権の上には別段改まつたところはないのでございますね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) さようでございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 必要もありませんか。例えばですね、任務が、今申しましたように、具体的には直接侵略に対抗するという、この武力行使というようなことがはつきりと新たな目的が加えられてありまして、従いましてそういう行動が、任務、目的だけでなく、従いましてその目的に副うところの、曾つて保安隊として予想もしなかつたような行動がこの二法案で出て来るということは、非常な大きな出来事なんですね。それを統轄する長官の権限というものは、ただその事務の上の統轄者のみでなくして、直接の指揮監督は幕僚長を通じて行うにしましても、それらの行動の上、或いは指揮監督の上に、長官が大所高所から見られて、そして十分に監督をして行く、誤つた行動のないように、或いはその他の、これらの大きくなりました、而も目的が著しく異なつて参りましたこの部隊の統率の上に、場合によりましては行政官の、部隊における総理大臣に続いての最高指揮者として、相当思い切つた、遠慮のないような監督権の行使が十分できるような何か力強いものが欲しいような気がするのでありますが、そういうことはもうこの第八条で何も欠くるところはない、又二法案を通じて何も欠くるところはございませんか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 私はこの法律全体を考えて、長官の指揮監督権を幾らかでも制約しておるものは全然ないと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 これは又細部のところに参りまして、又そのところところで研究さして頂くことにいたしましよう。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 極く簡単なことですが、この第三章で方面総監並びに管区総監というのは、階級はどの程度の人でございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 陸将でございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 方面隊のほうは、管区隊よりはよほど部隊は大きいわけでしよう。そうなりますと、どちらも陸将でうまく統轄ができるのでございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 仰せのごとく、方面隊のほうが人員は大分多いのでありまするが、階級といたしましては、陸将で両方共統轄できると思つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 今度新たに管区隊が増設されるわけですが、それも七月一日発足の下に準備段階にあるものかと推察しますが、七月一日に確実に発足できる予定でございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これはお手許に陸上自衛隊業務計画表というのがお配りしてあります。これを御覧願いますると、増設二管区隊の編成開始は八月でございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 この第十九条に、これはさつきお尋ねがあつたかもわかりませんが、地方隊等の、或いは地方総監部等の増設等が自由にできるようにしておかなければ便利の悪い理由は何かございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) これは先ほど矢嶋委員のお尋ねに対してお答えを申上げましたが、出動等の場合を考えますると、やはり変更、廃止ということは当然に御了解願えると思います。増設のことでございますが、これはほかの役所と違いまして、訓練所その他に相当な広い土地を要するのでありまして、呉市なら呉市に設けると申しましても、国会の開会中に予算がきまりましても、その土地の交渉がまだできないような場合がございます。そこでそういう場合は止むを得ず国会閉会中におきましては政令で取りあえずきめまして、あとで国会で御審議を願うとこういうことにしておるのであります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 ここでこういうことを伺うのは相済まんかもわかりませんが、広島県の大竹という所に何か御計画がございますか。そうして土地のほうではそれに反対しているというようなことがございますか。若しそういうことがありましたら、私は反対しないように申そうと思つておるのでございますが。(笑声)

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 大竹の点につきましては現在検討中でございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 それは何をお置きになるのですか。元あそこに海兵団がありましたが、海上自衛隊のものの何か施設をお置きになるのでございますか。私はつまびらかに存じません。先般その反対運動者と称しまするものが、土地のボスですが、数名参つて云々ということでありますが、私は面会をいたしませんでした。一応この機会に承わつておきたいのですが……。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) それは陸上自衛隊のほうで使いまするか、海上自衛隊のほうで使いまするかということも併せて検討中でございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 まだ未定でございますか、交渉中でございますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 検討中でございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 まあ全国各所にいろいろ防衛漸増の線に沿うて、将来三軍と申しまするか、陸上、海上各種の部隊、附属機関、そういうものを置かれる御予定等があつて、漸次御計画の下に、いろいろな各種の計画が……、こういう計画は常識的に考えても十日や二十日ではできんので、一年も二年も前から、何も法律が決定しなくても、予算がきまらなくても、或いは或る意味においては不法という非難を受けるかもわかりませんが、併しおよそものの計画には非公式にでも話すということがあるのは常識上当然でありますが、各種の施設等いろいろな計画でそれぞれ将来の増設等が考えられて種々なる交渉等が行われておるようなことがありますか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 御審議願つたもの以外につきまして、交渉しておるようなことはございません。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 ありませんか。私が進行係を勤めますが、先に参りましてよろしうございますか。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ちよつと、どこですか。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 行過ぎますか。(笑声)

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 第二節で一つ伺います。私は名前のことをよく申しますが、名称というものはやはり頭に入りやすいようにしておくことは、能率の上からいつても非常に大事なことだと思いますので私は伺うのですが、この十五条ですね、従来船隊群と言つておりましたね。それから連合船隊、これは筋が通つたと思います。何々船隊群、そうして連合船隊、ところがこのたびは警戒隊、護衛隊群といつて船の字を落しましたね。それから上のほうは艦隊になつたんですね。これは何か護衛艦隊群、警戒艦隊群で上が連合艦隊、こういうふうになつておつたのをミス・プリントしたのではないかというような非常にちぐはぐになつておるのですね。どういうわけでもう少しずつきりした名称は付けられなかつたのですか。保安庁法のときのほうがよほどすつきりしているのですね。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 保安庁法におきましては船隊群というふうな名前を使つて、連合船隊群というものを設けておりますが、今回はその船隊群を任務別に明瞭に護衛隊群とか警戒隊群とか掃海隊群というふうにしたのであります。自衛艦隊という名称につきましては、御議論がいろいろあろうかと思いますが、これらのものを連合しました部隊を自衛艦隊と称することを適当と思つたのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 自衛船隊ではいけなかつたのですか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 前から同じようにしたのでありますので、この法律全体といたしまして、自衛艦という名称を使うことにしておりますので、十五条も従いまして自衛艦隊というような名前になつて来たのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 暫らく連合艦隊ということを新聞紙上で見ておりましたが、いつ頃からこれを削りましたか。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 連合艦隊というふうなことをきめたということはないのであります。新聞にあつたとおつしやるのでございますか。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ええ。

加藤陽三保安庁人事局長

○政府委員(加藤陽三君) 保安序としてはきめたことはございません。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 時間でございますからこれにて本日は散会いたします。    午後十二時散会

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