内閣委員会 第32号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/05/12
会議録
○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、本日は参考人のかたがたより意見を聴取することにいたします。開会に当つて一言参考人のかたにごあいさつ申上げますが、内閣委員会におきましては、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を目下審議中であります。本月六日の委員会におきまして、この法律案の審査の必要上、この法案につきまして参考人から御意見を聴取することを決定いたしましたので、本日の委員会に皆さまの御出席を煩わした次第であります。本日御出席下さいました皆さんは、社会各階層を代表しておられるかたがたでありますので、この法律案につきまして、皆さんのそれぞれの異なつた立場から忌憚のない御意見を拝聴することができますれば誠に仕合せと存じます。本日は皆さん公私御繁忙のところ、当委員会に御出席下さいまして誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして、委員長の私から厚くお礼を申し上げます。なお一人の意見をお述べ頂く時間は二十分程度といたしまして、そのつど委員の中から質問があります場合にはお答えを願うように取運んで行きたいと思いますので、その点もお含みを願いたいと思います。それでは先ず全農林省労働組合副中央執行委員長の角屋堅次郎君から意見をお述べ願いたいと思います。
○参考人(角屋堅次郎君) 全農林の角屋であります。 私は、今回政府より提案されております行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を本委員会が審議するに当りまして、我々各階層の意見を申述べる機会を与えられましたことを衷心感謝いたします。同時に、本委員会が従来吉田内閣より提案されました数次に亘る行政機構改革乃至人員整理の問題につきまして、第二院としての立場から、常に徹底した論議を尽され内容的に我々の期待と要望に相違する点はありましたけれども、而もなお積極的に政府案の矛盾不合理を是正して来られました御労苦に対しましては深甚の敬意を表しますと共に、今回の法案についても同様の御尽力賜わらんことを衷心期待しておるものであります。本日は労働組合の代表が四人おりますので、若干公述に重複する面もあろうと思いますが、成るべく職場の実態に基礎をおいて私の立場におきましては、主として農林省の問題を中心とする反対意見を申述べたい、かように考えております。 先ず本法案に対する反対意見といたしましては、行政整理そのものに対する一般的な問題と具体的な内容に触れる問題と二つの面があろうと考えます。前者につきましては賢明な委員各位には我々の見解について十分御認識を持つておられることと思いますので簡単に触れまして、後者の問題については農林省の問題を中心に若干くわしく申述べたいと考えております。 最初に前者の点でありまするが、我々はいかなる名目にせよ我々労働者を労働予備軍に転落させるがごとき首切りには絶対反対であります。政府は従来から行政整理を年中行事のごとく考えかろがろしく首切りを口にしておりますけれども、首切りは労働者にとつてはまさに死活の問題であり、同時に国家的見地から見ましても、為政者は常に完全雇用の立場に立つて国内労働力の百%活用をこそ経済再建の前提条件として真剣に考慮すべきだと考えるものであります。然るに吉田内閣の政策の下において本年度は労働者の見通しを以ていたしましても、完全失業者は昭和二十七年度四十七万、昭和二十八年度五十三万から一挙に戦後最高の百万人を突破すると言われ、貿易の伸び悩み、産業経済への財政投融資等の大幅削減、金融引締めなどのため潜在失業者を含めれば一千万を突破するであろうという誠に暗い雇用状況が予想されております。この点につきまして我々日本の経済の現状から見て、かかる事態というものは真にやむを得ざる犠牲であるというふうにして甘受する立場には到底立ち得ないのであります。 政府の本法案に対する提案理由の説明によりますと、「現下の急務である自立経済を達成いたしますためには、できる限り行政費の節約を行うと共に、行政機構を合理化し、行政事務を簡素化し、且つ事務能率の向上を図ることが必要である。」と述べております。一体国内に労働予備軍が一千万人もはんらんする状況の下において何の自立経済ぞやと反問いたしたいのであります。又行政費の節約として、今回の首切りにより、平年度におきまして約百五十一億の節約ができると述べておりますが、これが果して真の節約であるかどうかということには大きな問題がありまするし、同時にこれが軍事費の増大、御承知のように今年度約四百四十八億の増というふうに言われておりまするが、これに充当されたとあつては国民負担の軽減には何らならないのであります。今日我々労働者の首切りは政府がいかに美辞麗句を以て説明いたしましようとも、明らかに再軍備政策の犠牲であるというふうに考えます。我々は吉田内閣の政治、経済、外交の方針につきましては、多くの疑問と反対の見解を持つておりまするし、同時にその端的なる現われとしての再軍備政策のしわよせを労働者の低賃金、労働強化、首切りによつて糊塗せんとする政策に対しては絶対反対であります。勿論、我々は今日の官公庁の行政機構を決して固定して考えているわけではありません。人員の合理的の配分の問題につきましても、場合によつては、実情に即して必要の生ずることを認めます。併しながら吉田内閣の行政機構改革は、防衛庁の設置、警察の一元化、人事院の改組等に見られるごとく明らかに逆コースの方向であり、又人員整理も国民のサービス機関たる内政面に不当に集中せんとするところに問題があると思うのであります。世上一部に官公庁の人員は戦前に比較してぼう大であると言われておりますが、国際的に見ましても総人口に対する官吏の比率は決して高いわけではなく、又戦前との比較におきましても、行政管理庁の資料、これは行政機構年報が出されておりますが、これの第三巻によりますと、昭和六年と昭和二十七年の定員比較において、前者が百万四千三百八十八名。そのほかに外地官庁に更に十一万六百二十四名の人員があつたわけであります。これに対して後者が百四十九万七千八百四十一名でありまして、地方公務員の場合につきましては、昭和十一年の八十四万四千九百九十九名に対しまして、昭和二十五年度には百四十一万九千五百五十八名になつております。而もこれが変遷の内容を検討いたしますときに、それぞれ今日の国情に即して十分なる理由を持つておりますことは、行政管理庁の前記資料の中でも明らかにされておりますし、賢明な委員各位のすでに御承知のところと確信する次第であります。昭和二十四年度の御承知の二十五万三千百七十九名に上ります大整理の際において、六月一日付を以て行政機関職員定員法が初めて施行され、その際の定員が八十七万三千二百三十七名であつたわけでありまするが、これが現在までに十七万八千八百九十名整理されまして今日の六十九万四千三百四十七名になつておるのであります。今回更に六万一千二百九十八名の首切りが提案されておるわけでありますけれども、これは我々業務に携わつておる者の業務の実態からいたしますと、すでに限界をこえておりますし、正常な行政運営に重大なる支障を生ずることを強く訴えたいのであります。殊に今回の行政整理は、御承知のように殆んど行政機構改革に関連なく、且つ、又何ら行政簡素化の名案なくして、各職種別に機械的に一定の比率をかけて算定したものでありまして、明らかに首切りのための首切り以外の何ものでもないと考える次第であります。 次に具体的な内容の問題に入りますが、後者の問題につきまして農林省の問題を中心に申述べたいと思います。先ず冒頭に、本委員会が従来から特に農林省の問題につきまして常に農民の立場から超党派的に格段の御配慮を頂いたことを感謝いたしたいと思います。申すまでもなく、我が国の農林漁業は日本の産業構造の枢要の位置を占めておりますし、経済再建のため欠くべからざる基礎産業であり、而もその実態からいたしまして国家として十分なる保護、助長、育成の施策を必要とするものであります。従つて農林省の機構、人員につきましては、この要請に十分応え得るものでなければならないと考えております。予算の問題に触れましても、御承知のように農林省の予算は一般会計において千三十七億、これは前年度から見ますると七一%になつておりまするが、特別会計が十ありましてその主なるものの食糧管理特別会計におきましては七千百四十九億、国有林野事業の特別会計におきましては三百四十九億、これら一般会計、特別会計を合せますと、実に九千億になんなんとする予算を使用しながら農林行政がなされておる機構であります。然るに吉田内閣の昭和二十四年以来の行政機構並びにその人員整理の計画を見ますと、常に農林省に大きなしわよせが企図せられておりましてそのために我々は過去幾たびか非常に苦しい闘いを経験して今日に及んでおるのであります。ここにおられます内閣委員において中にはその当時からずつと内閣委員をやつておられます竹下先生以下たくさんの方がおられて、この辺の事情については十分御承知だと思うのであります。即ち、行政機構の問題につきましては、林野庁の国土省移管の問題、或いは食糧庁、林野庁、水産庁の三外局の内局化の問題、或いは又農林統計の重要性から見て、重要な地位を占める統計調査局の部切替の問題、或いは畜産、蚕糸両局の統合問題、殊に今度の人員整理の部面で相当にもみました食糧、統計両事務所の一元化問題等がそ上に上つたわけでありますけれども、これは統計調査局の部切替を除いて委員各位の絶大なる御協力によりまして幸い阻止することができました。この機会に本法案と直接の関係はありませんが、統計調査部の局昇格について、過去に参議院農林委員会の決議の次第もあり、速かなる実現を希望いたしますと共に、今後の行政機構改革について、従前と同様の構想が表面化いたしました際には、農林行政を守る立場から絶大なる御協力を賜わりたい、かように考えておるのであります。更に人員整理の問題につきましては、農林省は常にあらしの中に立たされまして、国会で相当の修正を受けましたけれども、昭和二十四年に十万七千三百五十二名あつた定員が、同年に一万八千三百九十二名の行政整理を受け、更に現在までに一万一千五百九十三名の行政整理によりまして七万七千三百六十七名の現定員となり、昭和二十四年以来、実に二万九千九百八十五名、約二八%の行政整理を受けております。更に今回の定員法の改正によりまして五千九百八十三名、これは競馬法の改正が現在衆議院に提案されておりますが、これが通過いたしますとしますと、更に四百六十五名の増になりまするが、この整理を提案いたしておりまするけれども、この整理率前者の七・七%、後者を含めての八・三%は各省最高でありまして各省平均の四・四%の実に二倍に近い高率であります。なお、農林省内の部局別には、一月十五日の閣議決定の最終段階までもみにもんだ統計調査部が九・九六%、食糧庁が九・二六%というふうに最高の率を示しております。我々は今回政府より提案されております定員法の改正法案については、一般論としては前者で触れましたが、後者の立場を中心に全農林として大要次のごとき観点から反対するものであります。 即ち、先ず第一は、いわゆる天引的な行政整理であつて、整理し得る理由が明確でないと思うのであります。第二に、国民の、特に農民のサービス機関たる農林省に他省以上の整理率を押付けておるということであります。第三には、農林省には定員法による定員の外に、正規職員同様の勤務状態にある常勤労務者、非常勤職員が多数おりまして、これらの定員繰入れこそ緊急に措置すべき問題であるというふうに考えております。第四には、現在の労働条件は、中央、地方を通じて極めて劣悪な状態にありまして、職員は労働強化にしんぎんしており、むしろ増員の必要を痛感しておるのが職場の実態であります。第五に、当然増員を要する業務関係の増員については僅かに百十三名にとどまつており、殆んど無視をされておるということであります。第一及び第二の問題につきましてはすでに触れましたので、三以下の問題を中心に簡単にその要点をお話申上げたいと思います。 第三番目の常勤労務者の数の問題でありまするが、これは単に農林省のみならず、建設或いは全逓その他現業官庁すべて共通する問題でありまするけれども、農林省の場合の常勤労務者の数は、昭和二十九年度本省三千三百八十二名、食糧庁二千三百五十二名、林野庁九千四百六十八名、水産庁百三十五名、合計一万五千四百三十七名となつておりまして、非常勤職員は常勤的非常勤において約五千名、その他定期的非常勤、季節的非常勤、不定時的非常勤等を加えますとぼう大な数に上つておるのであります。行政管理庁の資料によりますと、昭和二十六年度の三月の二カ月以内雇用者数は、各省合計九万三千五百二十五名のうちにおいて、農林省六万八千九十五名、これは全体の七三%に上つておるわけでありまするが、こういうふうな常勤労務者、非常勤職員を加えて農林行政が推進されておるのが現在の実態になつておるわけであります。而も常勤労務者、或いは常勤的非常勤は非常に不安定な身分、給与、労働条件の中で正規職員と同様の勤務状態にあります。我々はつねづねこれらの定員繰入こそ緊急の急務であると主張して参つたのであります。三月二十七日の衆議院におきます内閣農林合同委員会におきましてもこの問題が各委員の方々から鋭く追及されまして、特に食糧庁の常勤労務者及び非常勤職員が検査の等級決定は勿論のこと、買入代金支払証票の発行に至るまで一般職員の検査官と同様の仕事を担当しておる事実。林野庁の末端の非常勤労務者が会計担当として金銭の出納をやつておる実態。農林省のいわゆる枠外と称する職員が公共事業の責任のある仕事を担当せざるを得ない状態等を指摘されまして、政府委員である平野政務次官、岡部監理部長もこの問題に対する善処を約束せざるを得なかつた事情があります。殊に社会党の川俣委員から食糧庁の検査の問題について正規職員以外のものが検査する場合においては、この検査を農民が拒否してもいいかどうかというような鋭い追及に対しては、平野政務次官も言葉に窮したというふうな実態は、すでに審議の実態を知つておられる各位の御承知の通りであります。率直に申しまして我々は現行の定員法に或る程度疑問を持つておりまして一つは予算定員と定員法の定員との関係であります。並びに定員内という問題と定員外という問題との区別をいかにするかというふうな問題であります。すでに予算につきましては衆参両院を通過しておりまして現実にそのあとに定員法の問題が論ぜられたというような問題については、やはり国会として特に内閣委員会としていろいろな御意見を各委員もお持ちかと思いますし、我々もこの点については議論をもつておる点があるのであります。更に先ほども非常勤職員或いは常勤労務者等の問題に触れましたが、これらの問題の実態と正規職員との関連より見まして、いわゆる定員内というものと定員外の区別をいかにするかということにつきましてはいろいろ検討を要すべき問題があるのじやないか、かように考えるのであります。我々としましては前述しましたようにその勤務の実態からしまして正規職員同様の責任を遂行しつつある定員外につきましては、速かに定員内に繰入れまして明るい人事行政を確立して頂きたい、かように念願しておるのであります。 第四の労働条件の問題につきましては農林省は御承知のように五局、三外局とその出先機関に更に二十に上る審議会、二十七のその他の附属機関をもつ全国各地に広範に配置されました現業官庁でありまして、その労働条件は数次に亘る大規模な行政整理によつて極めて劣悪な労働条件になつて来ております。その例証といたしましては我々から人事院に行政訴願をして参りました農林省統計調査事務所、及び同出張所に勤務する職員の勤務条件、農林省農地事務局の管轄各事業所に勤務する職員の勤務条件、農林省林野庁の超過勤務手当、休日勤務手当、夜間勤務手当の完全支給に関する行政措置要求、農林省統計局調査部非常勤職員の給与等に関する行政措置の要求、これは職場の実態から見ますると極く一部でありまするけれども、これら法的に人事院に出しました行政訴願につきましては、それぞれ人事院が実態調査の結果いずれも組合側の主張の正当性を認めまして農林大臣に勧告をしておりまするが、殆んどこれが勧告の内容について改善されざるままに予算人員の削減がされておりますことは誠に遺憾であります。これら劣悪なる労働条件のために農林省の場合長期欠勤者の数は千五百名を突破し、更に二割、…割にも上る要注意者を加えますると相当ぼう大な数に上るわけでありまして、これは国民保健の観点から見ましても由々しき問題であり、同時に閣議の確認等で実施されて参りまして我々としてはこれが速かな撤廃を考えております欠員不補充の原則によりまして、これが他の職員の労働強化によつてカバーされておる実態を直視願いたいのであります。 最後に五の問題でありまするが、時間の関係上詳細に述べることはできないのでありまするけれども、結論といたしましてはすでにこれは先般内閣各委員のかたがたのお手元にも配付してあるわけでありまするけれども、先ほどから申しましたいわゆる農林行政の重要性の問題なり、或いは職場の実態の問題から我々といたしましては大臣官房において三十五名、農林経済局、これは統計調査部を除きまして百三名、統計調査部におきまして二千二百二十六名、農地局におきまして千百八十一名、畜産局におきまして三百四十二名、農業改良局におきまして三百十名、蚕糸局におきまして百五名、食糧庁におきまして七千五百三名、林野庁におきまして三千九百八十五名、水産庁におきまして百二十四名、合計一万五千九百二十四名の増員を最小限必要であるということでお願いをしておるのでありますが、行政整理の問題を中心に審議されている際に、増員の問題を申述べることは委員各位にいかに受取られるかということについては、いろいろ判断をいたすわけでありますけれども、本来定員法はいかなる面を増員し、いかなる面を減員するかが当然論ぜらるべきであると考えますので、我々の切実なる要求を申述べ各委員の善処を期待する次第であります。昨日の内閣委員会等におきましても、八木委員その他からいわゆる行政整理により国民のサービス的な面がいかになつているかというような誠に適切ないろいろな追及がなされたと思うのでありますが、農林省の側におきましても、従来からの数次に亘るぼう大な人員整理によりまして、昨年来も御承知の通り、或いは本年度におきましてもつい最近になりまして北海道東北等に災害が生じて来ておりまするが、これらの情勢等を勘案いたしますと、真に農林行政の推進を考え或いは日本経済の再建を考える場合においては、農林省の機構、人員、予算という問題については真剣に御考慮願うべきではないか。実際問題としてサービス点の一例を申しますと、食糧庁の場合において検査等の人員が減少するということになりますと、やはり農民が検査してもらいたいという場合に、たとえ一俵でも村に行つて検査をしてもらわなければならんということになるのですけれども、人員が減少するとその要請に十分こたえられない。或いは又代金支払の面で金が遅れるということになりますと供出意欲等にも関係する。或いは時期的に非常に緊急な早場米の供出等において、人員が少いために予定の供出量を獲得することができない。こうなりますと国民食糧の確保の観点から見て大きな支障を生ずると思うのであります。更に先ほど申述べましたいわゆる常勤労務者或いは非常勤職員等が仮にそういう責任のある仕事をせざるを得ないという実態。更に又農地局の例で申上げますと、今日災害復旧、食糧増産の問題は非常に重要な問題でありまするが、農林省予算の中でもその六割近くを占めますこれらの予算の問題の施行について僅か二千乃至三千の人員でやらざるを得ないということでは十分食糧増産の要請或いは災害復旧の緊急なる措置に応ずることはできなかろうと思いますし、更に又統計調査等の問題につきましても、御承知のように科学的数字に基礎を置いた農林行政の確立は今日の世界情勢の中において日本の農業の問題を確立するためにも非常に重要な基礎的な問題でありまするが、人員の非常に数次に亘る削減によりましていわゆる農民の要求するような推計単位の数字というものが十分これを作成することができない。或いは御承知のように衆参両院の農林委員会におきまして審議されます農業共済等の問題につきましても、これが要請にこたえるような人員措置は今回の増員の中では全然なされておらないというふうな実態。更に又農林行政の今後の振興を図るためには試験研究機関等の充実を十分配慮すべきだと考えますが、欠員不補充等によつてその中核の研究員が殆んどいないというふうな実態の中において直接農民と結び付いた地についた又現地に即応する科学技術の振興という面が進んで行かない。こういうふうな面が具体的に出て参るわけであります。これらの具体的な点につきましては、内閣委員各位が十分御承知だと思うのでありまするが、何とぞ農林行政の非常に今後における重要性を考えられまして、本内閣委員会の審議に当りましては我々の要請に副い得るような措置を講じて頂くように最後にお願いをいたしまして、私の公述を終ります。最後まで御清聴を感謝いたします。
○委員長(小酒井義男君) 只今の角屋参考人の意見に対して御質疑ございませんか。
○八木幸吉君 今お話の中で、ちよつと早かつたので数字を聞き洩らしたのですが、本省、食糧庁、林野庁、水産庁その他に分けて常勤と非常勤の労務者の数をちよつとお知らせ願いたい。
○参考人(角屋堅次郎君) 只今八木先生の御質問の点について申上げたいと思います。常勤労務者の数につきましては、これは本年度、昭和二十九年度の問題でありますが、本省が三千三百八十二名、食糧庁が二千三百五十二名、林野庁が九千四百六十八名、水産庁が百三十五名、計一万五千三百三十七名、こうなつております。
○八木幸吉君 そのほかにありませんか。
○参考人(角屋堅次郎君) それから非常勤の問題でありますが、これはこのニカ月雇用のやつを更新して行く建前になつておりまして、この数字につきましてはやはり一例として実態が非常につかみにくいわけでありまするが、先ほども申しましたように、行政管理庁の資料によりまして昭和二十六年の例として農林省の場合六万八千九十五名、これは各省合計の七三%になつておりますが、これを申上げたのであります。で、この非常勤職員の中で常勤的に働いている非常勤が約五千名ございます。なお又行政整理等によつて人員が非常に減少して参りますと、どうしても常勤労務者を或いは非常勤職員等を以てカバーせざるを得ないというところから、予算的な単価の問題を切下げましてそして予算の定員以上に雇用せざれば業務遂行はできないというところから人員等についても若干の異動がございます。従つて行政管理庁の資料によりますると、昭和二十九年度の常勤労務者の数につきましては一万五千二百九十九名ということで、本庁が三千三百二十九名、食糧庁が二千三百五十二名、林野庁が九千四百六十八名、水産庁が百五十名、先ほど申上げましたのは二十九年度の予算からの分析でありまするが、今のは行政管理庁の資料によるのでありますが、大同小異でありまして、以上のような実態になつております。
○八木幸吉君 今の常勤労務者は本省、食糧庁、林野庁、水産庁、そのほかにはございませんか。
○参考人(角屋堅次郎君) 御承知のように、これは本省と三外局に分れておるわけでありますから、その中にそれぞれが含まれておりまして、この本省関係につきましては特に統計調査部、それから農地局関係、これが数において非常に多いわけであります。
○八木幸吉君 非常勤労務者は農林省関係が六万八千九十五とおつしやつたようですが、さようでございますか。
○参考人(角屋堅次郎君) 只今申上げましたように、これは行政管理庁の資料によりまして全体のニカ月以内の雇用を更新して行く、そういう建前になつておる数が昭和二十六年度の三月の場合に、九万三千五百二十五名のうちに農林省が六万八千九十五名を占めておる、こういうふうに申上げたのであります。
○八木幸吉君 二カ月以上のものは如何ですか、数は。
○参考人(角屋堅次郎君) これは行政管理庁の資料の中でもいわゆる二カ月の更新になつておりますが、二カ月以内の数につきましては今申上げたわけでありまして、これらの数の中で二カ月以上ずつと継続して行く、同一人で半年或いは一年と継続して行く数があるわけであります。これにつきましては、行政管理庁の資料を今手元に持つておりませんが、大体この中で同一人によつて一年以上継続する者が二万たしか六千ぐらいであつたと考えております。
○八木幸吉君 私はあいにく不用意に今日資料を持つて参りませんでしたが、農林省関係の非常勤は二十万近くあるんじやないかというふうにうろ覚えに覚えておるわけでありますが、この数字は私帰つてからよく一ぺん調べますが、何かお心当りがあれば承わりたいと思います。
○参考人(角屋堅次郎君) 御承知のように非常勤職員という場合におきましては、先ほど申上げましたが、常勤と同じような形における勤務をしておる常勤的非常勤、それから定期的な非常勤、それから季節的な非常勤、不定期的な非常勤、こういうふうにいろいろ種類がございます。従つて農林省の足として使つておりますいわゆる定期的、不定期的な非常勤の数を加えますと、これは非常にぼう大な数に上ります。例えば林野庁の場合だけをとりましても、約十万近くあることは御承知の通りでありますし、その他食糧庁、統計調査部等の足になつております農村におきます作物調査員、或いは報告員、いろいろな数を加えますと二十万以上になつて来るわけであります。先ほど申しましたのは、要するに二カ月以内の雇用条件で雇用をしてそうして雇つて行く者、こういう意味で申上げたのであります。
○八木幸吉君 それからもう一つ。長期欠勤千五百名というふうに今お話になりましたが、長期欠勤者に対する、例えば執務強化その他いろいろな原因があるでしようが、少くする何か具体的な方策、御意見があれば簡単でいいのですが伺つておきたいと思います。
○参考人(角屋堅次郎君) 先ほども労働条件のところで申上げたのでありますが、例えば行政訴願等の場合にも、我々のほうから出しました場合には、実際に予算的には超勤が十時間前後というようなところが現業部局の場合にこれはあるのでありますが、実際問題としては超勤は二十時間も二十五時間も三十時間もやらざるを得ないというふうな実態になつております。で、おのずからそれには限界があるのでありまするから、こういう予算以上の労働強化の中でやつておる、こういうことから長期欠勤等も非常に生じて来ておるのであります。で、ここに申上げましたのは、千五百名と申上げますのは正式にやはり役所に上つて来ておる長期・欠勤の数でありまして、やはり短期間の休んでおる者等につきましてはこれ以上に上りますし、年一回実施いたします検診等におけるところの結核の第一段階にあるというふうな要注意者等を加えると、相当大きな数に上ることは御承知の通りであります。これが具体的の対策がないかという問題でありますが、これは我々から申しますならば、やはり労働条件について本当に八時間で勤務のできるような職場にしなければ、なかなかこういうふうな点についての根本的な解決はできないんじやなかろうか、かように考えておるのであります。
○委員長(小酒井義男君) それではほかに御質問もないようでございますので、次に東京大学教授田中一郎参考人の御意見を伺います。
○参考人(田中二郎君) 東京大学の田中でございます。先日本内閣委員会に出席して意見を申上げるようにというお話がございましたが、実は私最近約一年間外国に行つておりまして、日本の実情についてフォローいたしておりませんし、定員法の改正の具体的な内容について意見を申上げることは、この際としては非常にむずかしいということを申上げて御辞退いたしたのであります。ところが数年前に政令諮問委員会の委員といたしましてその当時の行政制度の改革に関する答申の作成に当りました関係からだろうと思います。是非参考人として出て来て意見を述べるようにということでありますので、ここに伺つた次第であります。そういう事情にありますので今回の定員法改正の具体的な内容についての意見としてまとまつたものを申上げることができないのでありますが、極く一般的な問題として私の考えておりますところを簡単に申上げてみたいと思います。 本委員会で現在取上げられております定員法の改正の問題でありますが、この定員なるものは行政事務とか行政機構とかがきまつて来て、その結果出て来る問題だと思います。従つてこの問題について意見を述べますためには、行政事務の整理縮小とか行政機構の簡素化とか行政運営の合理化とかいう問題に立ち帰つてお話申上げなければならないだろうと思います。私は前から結論として日本の公務員の数が多い、多過ぎるということを考えて来ております。国が失業対策の一環として公務員を確保しておこうというのであればこれは別問題であります。併し若しその問題を切り離して、行政機構とか或いは行政の運営とかいう観点から考えて行きますと、日本の現在の国家行政の機構はぼう大に過ぎ、又そのための人員は多きに過ぎるという結論を持つております。もつともこの問題を考えますに当りましては、根本的に国が失業対策、社会保障という問題について手を打つて行かなければならないことは勿論であります。この点を十分に考えないで頭から人員の整理を考えて行こうとするところにこの問題の障害があつたのではないか、こう考えております。その社会保障とか失業対策に関する諸施策をやつて行きますためには、勿論相当の経費を必要といたします。併しそういう点を十分に考えながらも不要の人員整理をすることが国としては必要であり、又行政の能率化とか経費の節約を図つて行く上に寄与するところが少くないのではないか、こう考えております。外国の例を日本の場合にすぐ当てはめて、外国ではこうだということを申上げるためにはその違ういろいろの条件を考えなければならないことは勿論でありますが、仮に西ドイツ連邦の例をとつてみますと、一九五三年度に二百七十八億四千九百万ドイツマルク、大体日本の円に換算いたしまして二兆五千億程度になるかと思いますが、この予算を持つ仕事を運営して行きますドイツの人件費というものが大体五億七千六百万ドイッマルク、日本の円に換算いたしまして約五百億程度であろうかと思います。そうしてそれに要する物件費、人件費に当然伴う物件費的なものか、日本の円に換算いたしまして約百二十億円程度に上つでいるようであります。これは全体のパーセンテージからいたしますと、我々が想像できない程度に少い。パーセンテージ、全体の予算の上に占める数は極めて少額だということは注意しなければならない点だと思います。そうしてこれらの予算を使つてやる仕事のための人員でありますが、正式の公務員、雇用人、一般の労務者、そのすべてを含めて一九五三年度の連邦の公務員というのが八万三千四百二人ということになつております。これは現在の日本の農林省の職員に大体相当する人数だと思います。尤もドイツの場合には国税関係の仕事はその大部分がランドの仕事になつておりますし、この数字の中にはブンデス・バーンとブンデス・ポストとの関係が除かれております。従つて一般の行政関係の職員ということになるわけでありますが、それにいたしましてもその全体の数が非常に少いということは大いに注意しなければならない点だろうと思います。そこで日本の現在の行政というものを考えてみます場合に大体三つの点を今後十分に検討して行かなければならないのではないか。それは又本委員会におきましても今後十分に御検討願わなければならない問題ではないかと考えております。 その第一は、行政事務の整理の問題であります。人員の整理を天引式にやつて行くというやり方は最も素ぼくなやり方と思います。今回の定員法の改正におきましても事務の簡素化、いろいろの理由を挙げてありますが大体はやはりこの天引式の整理の仕方がとられているのではないかと想像されるふしがあるようであります。この行政事務の整理の問題につきましては、私はかねがね国と地方との事務の配分について根本的な再検討を必要とする、それも或る程度に進められておりまするが、その見地から現在国の事務としてやつておりますものの中に必ずしも国の事務として処理する必要のない、むしろ地方に他の行政と総合的に処理せしめることのほうがより効果的に行い得る種類のものが非常に多いのではないかということを考えております。先ほど来お話がありましたが、農林省の所管の事務とか、厚生省の所管の事務とか、建設省の所管の事務などの中には、そういう意味で地方にこれを任せることによつて、現在地方と重複的に置かれている人員を整理する上にも役立ちますし、事務そのものとして見ましても総合的な運営ができる面が少くないのではないかということを考えております。その行政事務の整理と関連して行政機構の簡素化ということも当然問題になつて参ります。これも 一々ここで申上げるのは煩に堪えませんので省略いたしますが、現在の行政機構は何と言つてもぼう大に過ぎるということは言えるのではないかと思います。 同時に第三の問題として行政事務処理の合理化ということを前々から主張して参りましたが、それは現在なお各省においても十分に検討されるところまで至つていないようであります。処理の仕方についてはやはり従前通りのやり方がなされているのではないかと思われます。現在まあ行政官庁としてやつております仕事の中には、国民に対するサービスとして極めて重要な意味を持ち、又多くの寄与をなしているものがあるのではないかと思いますが、同時に私などが見ておりますと、役所と役所との間の折衝に当るための人とか、或いは国会との関係において仕事が非常に多くなつている。そのための人員というものがかなり全体として見ますと大きな数に上るのではないかと思うのであります。例えば一つの法律を作るという場合を考えてみましても、それがいかに多くの金と時と人とを必要としているか。中にはもつと容易に而ももつと適切な法律を作る途があるのではないかと思うのでありますが、そういつた問題も結局各省の一種の縄張りに拘泥して行詰りになる。それを打開するための折衝というものが無用に繰返されているという嫌いがありはしないか。そういつた点にも無駄があると言えば言えるのではないかと思うのであります。こういう点を総合的に考えて行きますれば、それに伴つて人員の整理という問題もおのずから出て来るだろうと思います。併しこういつた問題は結局行政事務の内容についての仔細な検討を必要といたしますし、行政効果の測定という見地から十分の研究をして行かなければならないと思うのであります。ただ天引的に或いはめのこ算で整理するというようなやり方をしてはいつの間にか又元のもくあみになつてしまう虞れが多分にあるように思うのであります。こういう地道な、そして科学的な研究調査をやつて行きますためには、やはりこの仕事に本当に没入できる専門家が何名か必要だろうと思います。併しそういう計画がいかに理想的に立てられたといたしましても、現在の日本の実情からいたしますと、その整理を具体化する、或いは機構の改革にしても行政運営の方法にしてもそれを理想通り実行するということには幾多の障害があるわけであります。併しこの点について国会なり各省庁がそれぞれ日本の本当の再建のために、或いは知識を養うためにこれに協力するという態勢をとらない限りはこの改革なり、整理なりは恐らく不可能だろうと思うのであります。と同時に最初にも申上げましたように機構の改革をし、人員の整理をした場合における問題、特に大きな失業対策問題、それに伴う社会保障一般の問題、そういう問題についての意見なり、或いはその実現なりを考慮することなしに従来やられて来たためにこの問題が大きな障害にぶつかつたと思うのであります。そういう点を同時に考えて行く。これは一つであつて二つの問題でないという認識の下にこの問題を同時に考えて行くことによつて、単に国会なり各省なりだけでなしに、労働組合側の協力をも得て、日本の行政機構なり行政運営を本当の軌道に戻すことができるのではないかと、こう思うのであります。 具体的に今度の改正案について見ますと、やはり先ほども申上げましたように、或る意味でのめのこ算と申しますか、天引的な要素が多分にあるように思うのであります。そして十分の検討ののちになされたものとしてはまだまだ不徹底だと思われるようなふしもないではないのであります。併し長い間国外におりました関係からその具体的な意見を申上げることができないのは遺憾であります。併しこういう問題を取上げます場合に一つ注意しなければならないことは、何回か行政整理が繰返されて行く。又行政整理かということが特にこの整理の対象になる人々に非常に暗い気持を与え、本当に仕事に専念して仕事の能率を上げて行くということができないという事実であります。そういう意味からいたしますと十分考慮された本当の計画が立てられるときには強力にこれを遂行する必要があると同時に、毎年々々繰返して結局そのうちに元のもくあみになつてしまうような改正をやつて行くということは、行政全体の運営を軌道に乗せるという上から申しましても弊害が多く効果は必ずしも挙がらないのではないか。そういう意味から今回の改正には私どもの考えておりましたところに即するいろいろ新らしい考慮もなされておりますが、この程度の改正を何回か繰返して行くというやり方が賢明なやり方であるかどうかということについて疑問を抱くものであります。非常に簡単でありますがこれを以て私の意見を終ります。
○委員長(小酒井義男君) 田中参考人に対して御質疑ございませんか。
○八木幸吉君 日本で理想的な案を作る方法、今社会保障制度や失業問題等いろいろある――そこをとにかく国会まで持つて来る、有力に持つて来るというのにはどういう機関を持ち、どういう方法で研究するのが一番その理想案を議案に乗せるのに便利だろうかということについて、何かお考えがあれば教えて頂きたい。
○参考人(田中二郎君) 今八木委員の御質問になりました点は非常にむずかしい問題だと思います。政府のかたがたが実際の数字を持つておられますので、そのかたがたの協力を得なければならないことは勿論でありますが、外国でもしばしば行政機構の改革問題を取上げる場合にはそのための本当の専門家を委員長なり委員に任命しまして、その仕事に何年間か没頭して案を作り上げる。その案が必ずしもこれまでその通りに実現されて来たわけではありませんが、学問的に基礎づけられた、そして誰が見ても一応納得のできる案、これは非常にむずかしいと思いますが、そういうものができましたときにはそれを具体的に問題に移す。ただその場合にも内閣の政治力という点が問題になりまして、今のような段階でそれができるかということになりますと、非常に問題は多いと思いますが、その案を支持する内閣が強力な政治力を持つてこれを遂行するという順序になるかと思います。ただ併し日本の実情に即して考えますと、そういうその仕事に没頭できる本当の専門家というものがいるかということも問題でありますし、又そういう人を設けて委員会を作るとして、それが本当に十分に行、政の実態をつかむだけの資料を獲得することができるかということにも問題がありますので、実行上には非常にむずかしいと思います。併し同時に常時から私は行政効果の測定、これは民間の事業でありますと直ぐその利益というところで結果が現われて参りますが、行政の場合にはどれだけの効果が上つているかというような点の測定が非常にむずかしい。一般に公共事業費とか、或いは補助金というようなものも出るには出た。併しそれが百パーセント効果を上げているかどうかというような問題についての徹底した調査、研究というものがなされていないだろうと思います。そういう点について行政効果の測定をする先ず最初には、測定の仕方などの研究から始めるべき問題が非常に多いように思います。こういう点はかねてから大蔵省あたりでも考えられているようでありますが、常時そういうものを研究して行くための常設の機関を設ける、これは別に大きな機構である必要はないと思います。まあ行政管理庁に附置するような一つの研究機関を設けて、そこであらゆる行政面についての行政効果の測定をやつて行く、そういう基礎的な準備から始めて行かなければ、本当に理想的な案というようなのはなかなかむずかしいんじやないかと、こういうふうに考えております。お答えになるかどうか。
○八木幸吉君 まあこういう問題が議せられるときには実はフーバー委員会の話がよく出るのですが、例えば日本で国会なら国会から或る数の人を推選する、政府なら政府からまあ同じような人を推選する。更に民間有識者からも推選して大きな一つの委員会を作る、そうして何千万円かの予算を以て二年なら二年、或る一定の期間を限つて、そうして多くのスタッフを使つていわゆる理想的な案を作るということは、この政令諮問委員会をリードされておつた御経験から非常にいい、そういうふうな組織でやれば非常に実行は暫く別として、とにかく実行に移すまでの案というものはできる可能性があるか、若しくはやはり政府部内で固まつてこの間うち村瀬さんなんかおやりになつておつたような、ああいつたような部内だけでかつちり研究したほうが板についた研究ができるのかどうか、どちらのほうをおとりになるのか。
○参考人(田中二郎君) 今のお話ですが、私は現在日本に審議会とかその他いろいろの名称をもつて政府なりその他の関係であまりにも多数の委員会が設けられております。そうしてそれに出る人は大体きまつていて、一人の人が幾つかの委員会なり審議会を兼ねる、仕事の片手間にあつちもこつちもかけ持ちをするというような形でやつております。そういう委員会を仮に設けてみましても何ら実効はあげ得ないのじやないかと思います。従つてまあ私がそういう研究機関を設けるということを申しました場合のその研究機関は、そういう委員会、国会から何名か推選する、政府からも何名か推選するというような人たちをもつて構成する委員会ではなくて、この道の本当の専門家だと思う人に数年間本職をなげうつてその仕事に没入してもらうという行き方、そうして行政管理庁その他大蔵省とか、自治庁とかそれぞれ関係の機関がありますが、そういう関係の機関がもうそれに協力するという態勢が作られるということでなければならないのじやないか。例えば行政管理庁だけにその仕事を任してみてもここでは絶対につかめないのじやないかという感じがいたします。
○八木幸吉君 もう一つ伺いたいのですが、今ドイツの非常に簡単な行政事務に関係しておる人の人数のお話がございましたが、日本の今の現状と西ドイツの現状とを比較してみて最もはげしく差異を感ぜられるポイントを一つ二つ御指摘願いたいと思います。
○参考人(田中二郎君) 実は私ドイツに二カ月半ばかりおりまして幾らか勉強しておりましたが、実はそういう面の勉強は特別にいたしませんでした。ただあちらでは丁度私、外務省と申しましても仮建築の外務省でありますが、外務省のすぐ隣に丁度二カ月ほど下宿しておりました。その建物は先ず何と言いますか、普通の民家にバラック建の小さな家をつぎ足した程度の建物、そして自動車の常時置かれている数も大体三台から五台ぐらい、そうしてそこに通う人が全部私の泊つておりました下宿の前を通つて通うわけでありますが、その数は極めて少数。まあ最近は新らしい建築をしつつありますけれども、それが外務省の本省で、そうしてそこに働いている人の全部でなく一部であるといたしましても非常に小人数でがつちりやつているという感じがいたします。そうして朝の勤務時間も早いようでありまして、八時前にはどんどん人がやつて参ります。その少い人の恐らく大部分が八時頃には集るのではないかと思います。従つてその勤務振りという点につきましても日本の官庁とは少し違うのじやないかという印象を受けたのです。それで八時間労働ということがドイツの場合に守られていないのかということを、これは官庁じやありません、民間の仕事をしている人についてでありますが、問い質しましたところが制度としては八時間労働ということが言われており、もつとそれを短くしろという主張もある、併し八時間労働者などというのはアメリカ人やフランス人の言うことであつて、現在のドイツにおいてそういうものを守つていたらドイツの復興はむずかしいということを、これは資本家の立場の人でなくて労務者の一人が言つているという事実からドイツ人の心構え、それは移して公務員の心構えでもあろうと思いますが、そういう点からいたしますと、僅かの人数でもやつて行けるというのではないかと思います。 それから先ほども申上げました人数が非常に少数でありますが、これはドイツのブントとラントの間の仕事の配分が日本の場合と違うということになつていると思います。併し私は日本の場合について申しますと、現在不当に多くの仕事を国が取つて、そうして国の公務員が多くなり過ぎているじやないか。ドイツでラントに任せてやれることが日本でやれないはずはない。その点でも行政事務の配分という点で考え直してみる余地があるじやないかと考えたわけでございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) 田中先生に二点ほど伺いたいと思いますが、田中先生の御所見を承わつていますと、私全く同感に思う次第ですが、今度の定員法が国会に提案される場合に政府のほうで行革本部を設けられて塚田さんの手で行政管理庁の職員を動かして先ず戦後の行政機構の検討をやりたい。そうしてそれから人員の整理というものを割出して行つて国民の負担の軽減を図りたい、こういう大方針の下に出て参つたわけです。ところが途中から、今政党政治ですが、与党のほうで緒方君が行革本部長となつて主として与党のほうで機構改革をやる、それから行政管理庁の長官としてはこの人員整理のほうをやるというふうに分離して作業を進めて来たというところに私は今度のような行政機構、並びに定員法の結末が生じたのではないか、こういうふうに考えておりますが、これはどういうふうにお考えになられるか。 それと、先ほどの先生の御意見を承わつていますと、機構改革とか定員の整理というような根本理念から考えれば、このたびのここに出されておる提案というものは全く本筋から離れた、極めてまずい不徹底なものだというふうに先生は断定されているように私とれたわけでございますが、その点どうですか。 それからもう一点はちようど先生大学の教授でございますから、伺うのでございますが、このたびの定員制でも大学のほうで助教授、講師というものまでにも及ぼしているわけですね。その理由としては教官の欠員が二千人近くあるということを一つの理由として、そうしてレクチュアをされるかたがたにまで一律の定員を適用しているわけであります。大学の助教授、講師のかたがたの欠員というものはどういうところから来たか、又大学の教授にどういう影響を及ぼしているのか、これらの定員というものが今は大学の振興上如何なる影響を及ぼしているか、その三点について伺つておきたいと思います。
○参考人(田中二郎君) 只今お尋ねの第一点でございますが、どういう事情でそういう二つの方面に分れて検討がなされたのか、私よく事情を存じません。併し本筋といたしましては、行政機構の改革とそれから定員の整理の問題とは当然一本であるべきで、表、裏の関係にあるべき問題だと思います。そうしてそれは同時に一つのところで一人が責任を持つて案を立て、実行についての責任を持つという行き方をすべきではなかつたかと思つております。 それから第二のこの案が不徹底であるということは先ほど申上げました。併しそれも前から私どもが出して来ました数字に比べて非常に不徹底だということを申したわけでありますが、一年間のブランクの間にどれだけ事情が変つておりますか、この点たしかめる暇もありませんでしたので、具体的にその数字を云々申上げることは差控えたいと思います。ただ私の恐れますことは、毎国会に定員法の改正という形で問題が繰返されて来る。ということは、ただいたずらに公務員を動揺せしめる、絶えず不安の状態に置く、仕事が手につかないという状態に陥れやすい。そして比較的摩擦の少いようにという考慮から、そういうふうな小出しに毎国会定員法の改正が出てくるというような形でこの問題をいじつて行くことはどんなもんだろうか。むしろ日本の行政機構なり、行政運営の方法なり或いはそれに要する人員なりをもつと根本的に再検討して、その見地に立つて天引式には行かない本当の合理的な数字というものを出すことができないだろうか、そうすべきじやないだろうかということを申上げるのが主眼であつたわけであります。 それから第三の大学職員の問題でありますが、私はそういう点も天引的な考え方によつた結果出て来た数字だろうと思います。併し大学の場合について申しますと、大体学問の体系というものを考えてこの分についてはこういう講座を設ける。そうしてそれに必要な定員を置いて研究を進め、全体が総合的に科学研究の目的を果すことができるという組立になつております。それを一割減或いは五分減というような形で割当式に削るということになることは、研究の上から申しますと非常に困るわけであります。併し現在日本の国力に照してみまして、大学教職員の数が非常に多いということは私も理解しております。これは日本が戦後特殊な事情から不当に多くの大学を設けたというところに問題があるのであつて、私は現在の実際の大学を見まして、大学らしい大学というのが幾らあるかということを考えさせられるのであります。現在短期を含めますと恐らく四百に達すると思いますし、国立大学だけでもすでに七十幾つになつておると思いますが、日本の国力から言つて、これだけの大学を設け、それぞれに十分な教官を配置するということを考えることは無理ではないか。従つて大学を設ける以上はそこに一定の計画を立てて教育をやつて行かなければなりませんので、それを幾らかずつ減らすという形で減らされることは、研究上にも教育上にも非常に不完全なものを提供するということになると思います。併し全体として見ますと、私は日本の大学としては幾らが妥当かということは問題でありますが、現在なお大学らしい大学になつていない多くの大学をそれぞれ一応完成した大学にするということは不可能であり、又仮に望ましいにしましても国力に照して考えますとそれは必要ないのではないか、そういう面から大学制度そのものについての再検討をしなければならないのではないかと考えております、
○植竹春彦君 角屋さんにお尋ねいたしたいのですが、それは労働条件、主として業務量の関係だけを質問いたしたいのですけれども、今私たちが役所べ行つてみますと随分みんなよく勉強しておられる。仕事をよく励んでおられる。併し又仕事の合間には勤務時間中にもピンポンをやつたり或いはキヤツチボールをやり得る合間もあるように見受けられます。そこで決してそれはなまけているという意味でなくて、その間だけ仕事がブランクになつているのでそういうことがなし得る時間があるのだと善意に解釈しています。それで今の業務の労働が非常に片寄せである結果だろうと思います。そこを何とかして、外国の例えば役所なら役所、会社なら会社、事業団体べ行つて見ますと、まあたばこはすわない。それから鼻うたを歌う、ということはないが、たばこもすわない、お茶も飲まないで、一定の勤務時間内にうんと密度を濃くして勤務する。その代り時間をきちつと守つて、八時間労働なら八時間労働がきちつと守られている。そうして能率が相当挙つているように見受けられている。そこで日本もそういつたような一方において勤労者の待遇を十分に考え、他方においてうんと仕事を詰め、或いは又労働が一方的に片寄らないように按配していつたならば、人員などももう少し少くて済むじやないか、こういうふうに思われますのですが、それらについて組合といたされまして、計数上のできれば科学的な御調査と言いますか、科学的というと少し角張りますが、御調査なすつたことがおありかと思いますが、それを一つ。
○参考人(角屋堅次郎君) 只今の御質問の点でありますが、勤務条件の問題につきましては、やはり中央官庁の関係る、れから地方にあります出先機関の関係或いは試験研究機関等の関係、それぞれによつていろいろ違う点があるだろうと思います。御承知のように農林省の場合におきましては出先機関としてたくさんの官庁があるわけです。農地事務局或いは食糧事務所或いは統計調査事務所、こういうような関係でいろいろな出先機関があるわけですが、特に労働条件の問題からいたしますならば、やはりこの出先機関のこういう末端の直接農民或いは一般国民と接触する部面の労働条件については、これは非常に劣悪な状態にあることは先般も申しましたように、人事院のほうに行政訴願をした場合に人事院自身がその正当性を認めておる。こういう実態からも御承知だと思います。又先生も地方末端のこれら出先機関に行かれた場合に、いかに第一線の組合員が非常に悪条件の中で業務を遂行しているかということについては御了解が頂けるのじやないか。今御指摘の点は、やはり中央官庁等で、特に予算の編成とかいろいろな場合、その他特に企画、政策上の立案その他の非常に重大な段階以外の場合における一部の勤務状態を御指摘になつたのじやないかと思いますが、そういう業務の繁閑等は勿論年間を通じて考えますとこれはあり得ると思うのです。これは少くとも出先機関の場合においては、これはいわゆる山とか或いは谷とかいう実態ではなくして、先ほど申しましたように予算的には十時間前後の超勤が二十時間も三十時間もやらざるを得ない、こういう実態になつていることを申上げた次第でございます。
○植竹春彦君 私どもも、例えば食糧の検査員数について先ほどお話がありましたが、確かに忙しいときには非常に忙しくて、私たち見ていてもこれじや定員問題どころじやない、足りないということをやつぱり見ているのです。そうかと思うと、非常に業務量の繁閑が激しくて暇なときもあるわけです。その調整についての今の質問をいたしたわけです。そうすると大体そつちのほうの御調査は今のところはまだしておられないのですか。
○参考人(角屋堅次郎君) 先生の要請されておる調査というのは具体的にどういう点であるか、私十分に把握できがたいのでありますが。
○植竹春彦君 御発言中ですが、全体、つまり農林省関係の業務量の全体についてですね、今食糧検査員数と言つたのはただ一例を挙げただけのことなんですが、農林関係の公務員の業務量の繁閑についてですね、事務の繁閑についての御調査、大体こういう点をこういうふうに詰めて行く、こういう点をこういうふうにカットしたならば非常に密度を高め、能率を高く業務が遂行できるのじやないか。そうすれば超勤も或る程度カットできるのじやないかといつたような観点からの御調査をなさつてみたかどうかということです。
○参考人(角屋堅次郎君) 只今の御質問の点でありまするが、我々のほうといたしましては現在の業務の遂行の実態が、先ほど申上げたような実態になつているわけです。こういう点で申上げておりまして、それぞれの業務の配分の問題をどういうふうにすればその繁閑が加減されていくか、こういうふうな点についての十分な調査を必ずしもやつておるわけじやありません。実際問題として役所のほうとしましても業務調整という問題は重視をいたしまして、例えば統計調査部の場合に調整課というものを作つて、労働条件の非常に悪い業務の遂行をいかに配分するか、こういう点をやつておるわけですが、現実には調整課はその業務の遂行の調整をやるのでなくて、他の広報機関的な仕事のほうをやらざるを得ないという状況であります。というのは、やはり業務調整それ自身をやる場合に、業務を人員のアンバランスが現状といたしまして相当にひどいということから見て、根本的な業務調整がなし得ない、こういうような実態にあるわけです。従つて先ほども触れましたけれども、常勤労務者の仕事を或いは非常動の職員がカバーしなければならない、こういう状態に追込まれるのが現実の事態であります。
○委員長(小酒井義男君) それではその次に商工組合中央金庫理事長村瀬直養参考人の意見をお伺いします。
○参考人(村瀬直養君) 極く簡単に申上げたいと存じます。 この法律は大体において各官庁の職員の定員の減少を目的としておるものであるが、我が国官庁の人員は戦前に比して三倍にも達すると称せられておる現状において、人員の減少を企図することは極めて適切であると考えるものであります。けだし日本は戦争の結果、領土の減少等を来たしまして、経済上等の点において戦争前に比較いたしまして甚だしい縮小を来たしておりまする今日において、官庁の人員のみがぼう大となつておりまするがごときは全く適切を欠く、かように考えまするが故に、これが減少を図ることは極めて必要であると考えておるのであります。而して本法はおのおのの職種に応じまして一定の率を標準として諸般の点を考慮して実行上支障なからしめておるのでありますから、私はその措置としては適当なものであると考えているのでございます。或いは本案は単純なる天引案で適当でないという考えがあるかも知れないのであります。私も理論としては行政機構の改革をなして事務の整理をなし、これに伴つて人員の整理をなすのが最も適当であると考えているのでございます。私自身としても過去において機構の改革等について多少努力をいたしたことがあるのでございます。今回の案におきましては僅かに警察に関する部分と人事院に関する部分等若干の点のほかは、もつぱら人員の整理のみをなしておるようであります。従つてその点において甚だ不徹底で、ややもすれば暫くして元の状態に帰るというような弊害を生ずるのおそれがないとはしないのであります。併し行政機構の改革ということは至難なことでありまして、現在の諸般の情勢を考えてみれば、なかなか一朝にしてこれを成就するということは困難でありますから、その完成を待つことなく膨張しております人員だけでも減少するということはけだしやむを得ないところであると考えるのでございます。本案においては整理の実行を運営に当つて実施することにいたしております。即ち第一年に六割を、第二年に四割を整理すべきものとなしております。又新たに待命制度というようなものを設けまして整理実行上の便宜を図つているのであります。この二つの点は従来の行政整理においてその例を見ないところでありまして本案の特徴をなしていると考えるのであります。これによつて整理はよほど円滑に実行され得るものと考えるものでございます。右の二点によつて整理の執行がよほど円滑には行くと思いまするが、整理される人々にとつては極めて重大な結果を生ずるのでありまするから、これらの人々のためにこれが所遇の道については十分の御考慮を払われたいことを希望いたすものでございます。 又行政機構の改革は、現下我が国において実行すべき最も重要な事柄でありまするから、人員整理が行われましたのちにおいても、なお諸般の研究をきわめて現在の状況に適応しております適切な行政機構の実現するように努力せられたいと考えるのであります。又機構の改革と並んで事務の整理のやり方、即ち行政運営の方面におきましても十分の研究をせられたいと思うものであります。殊に科学的な整理方式の実現については格段の努力を払われたいことを希望いたすのでございます。 結論といたしまして行政機構の改革を伴わない人員の整理ということはやや不徹底とは存じまするが、現在の段階においては誠にやむを得ないものである。かように考えておるのでございます。
○委員長(小酒井義男君) では村瀬参考人に対する御質疑ございませんか。
○八木幸吉君 村瀬さんにお尋ねをいたしたいと思いますが、行政審議会でいろいろ御苦労を願つたのでありますが、総理府に予算局を大蔵省の主計局から持つて参るという説は、従来の行政改革問題を取扱つた各種の構想にもたびたび出ているわけでありますが、これに対する御意見を拝聴いたしたいと思います。
○参考人(村瀬直養君) 理論としては非常に適切である、かように考えるのではありまするが、併しこれについてはその全体の組織をどういうふうにするかというようなことと密接な関係がありまして非常に影響するところが大きく、結果も非常に重大でありまするので、なかなかその実行については困難な点がある。かように考えておりますので、殊に予算を離したのちにおきまする例えば大蔵省の機構をどうするかというような問題は、非常にむずかしい問題が残るのではないか、かように考えております。
○八木幸吉君 行政審議会でその問題をとり上げて討議をなさいましたか、或いはこの問題に触れずに。
○参考人(村瀬直養君) 行政審議会においては、この問題についてはあまり触れておりませんのであります。
○委員外議員(矢嶋三義君) 村瀬さんにお伺いいたしますが、村瀬さんは行政審議会会長として総理府の機構の改革に関する答申並びに行政制度の改革に関する答申を行政管理庁長官塚田十一郎君に対して出しているわけですが、会長としてあなたが出されたこの答申から今度の定員をながめてみますと、全く審議会の答申の基本線から外れたもので期待に副わないも甚だしいものである。こういうふうに私は考えるのですが、具体的に一点申上げますと、この審議会の答申を見ますと、人員の天引整理等はすべきでなくて先ず総理府の機構の改革というものは最も差迫つた必要な事項である、こういうように謳い、更に行政事務の整理と事務処理方式の改善というものを重点としてそれに付随して人員の整理を云々とこういうふうに答申されておるのですが、今度の法案を見ますと、最も問題にされます総理府の機構については殆ど触れておらないし、他の行政機構の改革もなし、それから事務処理方式についても現在政府の説明では検討中くらいで何ら結論には達していない。にもかかわらずただ人員の整理だけを持つて来たというようなところは、審議会の答申というものを全く無視したものだと、こういうふうに私は考えるのでございますが、会長として答申案を手交されました村瀬さんはいかがお考えでしようか、承わりたいと思います。
○参考人(村瀬直養君) 私も機構の改革が根本問題である、単に天引整理だけでは適当でない、かように考えているのでございます。従つてこの天引整理を以て終局的のものである、かような人員整理を終局的のものである、かようにいたしまするならば、適当であるかどうかということは問題であると、かように考えるのでございます。従つて先ほども申しますように引続いて機構の改革というような方面について、なお十分の研究をして実行をして頂きたい、かように申しているものでございますが、併しながら現在の状況においては人員の膨大ということは、これは私どもといたしましては疑いのないところである、かように考えておりまするから、取りあえず人員の整理ということだけを措置せられるということもやむを得ないのではなかろうか、かように考えておりまするのでございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) もう一点村瀬さんにお伺いいたしますが、御承知のようにこのたびの定員法案では定員だけを減ずるのであつて、機構というものは触れていないわけですね。そうなりますと過去の実績を見ましても機構をいじらないで或る率を一律に人員を減らす、暫くすると私は機構をいじつていないのですから又仕事の量も減つていないのですから必ず人が充足されるだろうと思う。その不正常な形では常勤労務者とか非常勤労務者というのがあるわけですが、これは必ず一年たてば又充足せざるを得ないと思うのですね。そうなりますと政府の説明では本年度は経費節減の立場からはとんとんだ。それから平常年度になると百五十一億の国民の負担減になると言いますけれども、そういうことにはならないので、ただこういう人員整理が行われた年に退職したそういうかたの退職優遇法のようなかつこうになるだけであつて、残つた人たちは非常に過重労働になり、行政事務は渋滞し、国民に対するサービスは低下し、国民の負担の軽減にはならないということでおよそばかばかしい内容のものじやないか、こういうふうに私は考えるのでございますが、こういうふうに機構をいじらないで人を減らしても元のように還るのじやないか、こう思いますがいかがですか。
○参考人(村瀬直養君) 人の整理という問題は非常にむずかしい問題でありまして、十分戒心をしないと又元の通りになるというようなことは往々過去において出現をしておるのでございます。併しながら機構の改革をやらなければ人の整理はできないかというとこれはやり方によつて必ずしもそうでない。殊に現在の状態を見まするといたずらに人だけ多いというような場合も場合によつてはあるのでございまするから、先ず人員の整理をして、併し人員整理だけで足りるものではないのでありまして、たびたび申しおりまするように機構の改革も併せてなおやつて行かなければならん、かように考えるものでありまするが、人員の整理は人員の整理だけで全然意味がないということはないと思つております。
○委員長(小酒井義男君) それでは午前の会議はこれで一応休憩いたすことにいたします。午後は十三時三十分から再開をいたします。 午後零時十四分休憩 ―――――・――――― 午後二時三分開会
○委員長(小酒井義男君) 午前に引続いて委員会を再開いたします。 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について参考人の意見を聴取いたします。全逓信従業員組合副中央執行委員長野上元君。
○参考人(野上元君) 私は全逓信従業員組合並びに全電波労働組合、それから全国財務職員労働組合を代表いたしまして只今から意見を申上げるのでありまするが、先ず冒頭に、内閣委員会が極めて重要な法案を抱えている重大な且つ多忙な時期に、私たちに意見を申述べる機会を与えて頂きましたことにつきましては衷心から厚くお礼申上げる次第でございます。更に又我々の事業につきましては、日頃から関心をお持ち下さいまして種々御後援頂いている点につきましても、本席をお借りいたしまして代表いたしまして厚くお礼を申上げる次第でございます。 さて行政整理の問題につきまして只今から意見を申上げるのでありますが、一般論としての行政整理につきましては、私たちここでは深く触れたくないと思いますが、ただ一、二点申上げてみたい点がございます。 先ず第一点は、最近における新聞の論調、或いはその他の雑誌等にも現在の日本の公務員は非常に数が多過ぎる、こういうことがしばしば論ぜられているのであります。特に現在の日本の公務員は国民が七人に一人の割合で抱えている、こういうことが言われております。従いましてこれは非常に国民にも大きな影響を与えているようであります。この点につきまして私たちは常日頃から遺憾に思つているのでありまするが、この中には国鉄であるとか、或いは又電気通信であるとか、或いは又専売であるとか、我々のような郵政事業であるとか、このようないわゆる料金制度といいますか料金制によつて自前で独立採算でやつている機関が相当多く含まれているのでございます。而もこれらの数は非常にぼう大な数に上つているのでございます。七人に一人の割合で税金を払つてこれを抱えているということは、私は当らないというふうに日頃から考えております。この点について非常に遺憾に思つている次第でございます。先ほど午前中来、行政整理賛成の立場から御意見の御発表がありました諸先生がたにおかれましても、大体公務員は多過ぎる、こういう漠然とした考え方から賛成せられておつたように考えるのでございますが、こういう点も大きく私たちは影響しているのではないかというふうに考えます。この点については私たちは機会あるごとに今後国民に啓もうして行かなければならんというふうに考えておりますが、どうか諸先生がたにおかれましても、そういう点につきましても十分なる御考慮が願いたいと考える次第でございます。 更に又もう一点は、これは田中参考人の意見にもございましたように、無計画なる天引整理は却つて逆効果を生む、こういうことが論ぜられておつたのでありますが、私全く賛成でございます。このたびの行政整理の全般を見まするならば、明らかに行政機構改革と並行いたしまして、そうして合理的なる整理を行うというのが政府の方針であつたように聞いておりまするが、最近におけるところの状況は諸先生がた御案内の通りであります。行政機構改革は遂にさたやみになりまして、ただ行政整理のみが行われる、こういう状態にあるわけであります。従いまして私はこれは明らかに天引行政整理であると断じても間違いはないのではないかと考えるのでございまして、無計画なる天引行政整理こそ、むしろ逆効果を生むものではないかというように考えておるのでございます。更に又、行政整理と申しますると机上プランでは簡単にできると考えまするけれども、我々現業に従事しておる者にとりましては、やはり自分の生活に関係する重大な問題でございます。又国家にとりましても社会全般の見地からこの問題については周到なる準備の下に行われなければならんというふうに私たちは考えておるのでございまして、そういう点につきましても今回のやり方について私たちは反対をせざるを得ないのでございますが一般論につきましては、私は多く触れたくございませんので、我々現業官庁並びに現業に準ずるところの官庁に勤めておる従業員、或いは又労働組合の立場から、これから若干事例を挙げまして御説明申上げたいと考えるのでございます。 先ず郵政事業について申上げたいと考えまするが、この先ず第一点は、我我が反対しなければならんのは、本席で申上げても仕方がないことでございまするけれども、先ず定員法というものに私たちは拘束されております。ところが一方私たちと同じような現業官庁であるところの国鉄、或いは電通、専売等々におきましては、定員法のわくから外されております。従いまして定員法とは関係なく、労働組合と当局との間の話合においてこの定員をきめて行く、こういうシステムになつておるのでございまして当然我々の場合におきましても、このような制度が好ましい、このように考えておる次第でございます。従いまして今後我々はそういう方面に向つて努力いたしますが、諸先生がたにおかれましても、どうかそういう点も御考慮願いたいと考えておる次第でございます。従いまして今度行われました行政整理は、天引行政整理でございます。定員法に基く天引行政整理であることは申すまでもないのでありまするが、そういう現業官庁である我々の郵政企業につきましても、やはりこの首切り、天引の行政整理が行われておる。こういう極めて無計画なる方策が取られたということについては、心から遺憾の意を表せざるを得ないのであります。では郵政現業がどのような状態にあるのかという点についてこれから事例を挙げて申上げてみたいと考えるのでございます。 先ず郵政事業の定員の状況を申上げまするならば、現在二十五万五千二百五十五名現行定員がございます。これが今度二十五万二千百十一名ということになりまして三千百四十四名の整理に相成るわけでありまするが、この二十五万五千二百五十五名のほかに全く定員と同じような勤務をしておる者が常勤労務者と申しますが、これが二千二百名ございます。更にこの常勤労務者と全く同等のような勤務をいたしておる者が定員的配置の非常勤、こういうような専門的な言葉を使つておるようでありますが、定員的な配置を行われておる非常勤が三千四百名ございます。更に又純然たる季節的な繁忙のための非常勤、例えば夏季繁忙でありますとか、暑中見舞のときの繁忙でありますとか、或いは又年末時におけるところの繁忙、こういう各繁忙に対処するための非常勤が大体年間延べ百二十万人程度雇用されておるのでございます。このような状態で郵政事業というものの歯車が廻つておるのでございますが、このたび三千百四十四名の定員が減らされるということになるのでございます。これが先ず郵政事業の定員の状況でございます。 そこで反対の論証を挙げて参りたいと思いまするが、郵便物の増加は非常に最近増高のすう勢をたどつております。具体的に申上げまするならば、昭和二十六年度に比較いたしまして、昭和二十八年度の郵便物増加の状況を申上げますと、物数等については非常に細かいので省略いたしますが、ただ増加パーセンテージのみ申上げてみたいと思います。第一種郵便物は一〇%増加いたしております。第三種郵便物におきましては一六%の増加でございます。第四種郵便物につきましては六〇%の増加と相成つております。更に第五種郵便物については六〇%、このように普通郵便がこういうふうな増高のすう勢をたどつておるのでございます。更に又特殊通常郵便物と申しまして、速達郵便であるとか或いは現金を入れた郵便物であるとか、その他の特殊な通常郵便物でございますが、これは速達が大体一一%増加いたしております。それから現金を封入しておりまする郵便物が五〇〇%増加いたしております。その他が一〇%、こういうふうな増高のすう勢をたどつております。更に又内国小包郵便物につきまして申上げまするならば、これは普通小包郵便物、普通速達小包郵便物、更に書留小包郵便物という種類に分れておりますが、普通小包郵便物は四〇%増加いたしておるのであります。普通速達は二二〇%、それから書留小包は一四%、いずれもこのように増加いたしております。更に又外国の引受郵便物がございまするが、このすう勢を申上げますると、通常郵便物は一二%、外国引受郵便物のうちの通常郵便物が一二%を増しております。小包郵便物に至りましては四三%増しておる、こういうふうな状態でございます。これは郵便に一例をとつたのでありますが、貯金、保険等につきましてもぼう大な増加を来たしております。この点につきましてはのちほど諸先生がたに明確な数字を以てお手元にお送りしたいと思つておりまするが、本日の公述には省略いたします。 このように郵便物の増高のすう勢は明らかになつておるのでありまするが、一方定員は二十四年度の初頭におきましては二十九万二千八百七十名おつたのでございますが、数次に亘る行政整理によりまして、二十八年度におきましては、先ほども申上げましたように二十五万五千二百五十五名に減つておるのでございましてその間三万七千六百十五名の整理が行われておるのでございます。このようにして郵便物は一方において増加の一途をたどつておるにもかかわらず、定員は毎年毎年減らされている、こういうふうな状態でございます。 而してこのような定員減を以てこの増高する郵便物に対処するために一体現業はどのような状況になつておるかと申上げまするならば、労働基準法できまつておりまするが、我々の労働条件といたしまして、一年間に二十日間の年次休暇というものが付与されることに相成つておりますが、この年次休暇が現在全然とれないというのが郵便局の実態でございます。そうしてこれは毎年その二十日は重なつて、累計してとれることになつておりますが、現在郵便局におきましてどれくらいたまつておるかと申しますと、一人平均大体五十日の年次休暇を保有しておるのでございます。従いましてここ二、三年来、一日も一人もとれない、こういう現状が出て参つておるのでございます。このような状態で郵便の操作が行われて、郵便局の事務が運行されているのでございまして、これは極めて他省には見られないところの特殊条件であると考えるのでございます。そうしてこの五十日の保有されている年次休暇が、然らば買上げられるかというと、買上制度というものは全くないのでございます。従いまして従業員もこの買上制度がないということを承知しておりながら、而もなお且つ自分らの休暇の権利を行使できないで五十日を保有している。こういうような実態にあるのでございまして、この一点をついて見ましても明らかに一万名以上の私たちは増員をしなければ、この年次休暇は到底解決できないというように考えられるのでございます。この点につきましては当局としばしば私たち折衝して参りました。当局の申すのには、その点については非常に残念であるけれども、よくなることを期待して一つ待つてもらいたい、こういう答弁が再三繰返されておるのが実態でございます。然らばいついい解決される時期が来るのだということについては、全く五里霧中でございまして、むしろ現在のところでは殆ど望み得ないというふうな実情にあるのでございます。更に又週休というのがございましてこれは我々一般の勤務者は一週間に一度の日曜日がございます。ところが例えば郵便を配達いたしまする外務者につきましては日曜を休むということは確定的にはきまつておりません。一週間に一度だけは休めるのだ、こういうことが規定されておりますが、この一週間に一度休むという、これこそ我々の労働条件については誠に当然なものでありますけれども、これさえもとれないというのが実情でございます。これは全部とれないとは申上げませんが、これがしばしばこの週休も返上して同僚に代つて配達におもむく、こういうような実態が随所に而も相当多く見られるのが実情でございます。このような状態でございまして、更に又超過勤務というのがございますが、これは大体各省とも同じと思いまするが、一カ月に一人平均五時間の超過勤務というものが予算上計上されているのでございますが、この五時間では到底まかない切れないのが実態でございます。私たちが調べたところによりますと、一日一人平均二、三時間の超過勤務が行われておるということがはつきりといたしております。これは我々がみずから調査いたしたのでありますが、そのような状態でございまして、従いまして予算は一カ月五時間でございますから、あと数十時間の超過勤務というのは我々みずからが奉仕しておるというのが実情であるのでございます。このような実態にあるのでございます。更に又郵便局は非常に庁舎の悪いところもございますし、そのようなまあ過酷な労働条件で現在郵政事業を守つておりまするけれども、非常に病人が出て参ります。最近における統計は、これは本省が出した統計でございますが、結核患者が二十八年の六月には六千一百十三名、同年九月には六千四百五十二名、同年十二月には六千三百九十五名、こういうふうな長期結核患者が出ておるのでございます。これはいずれも長期欠勤をいたしまして、現在療養に努めておるのでございますが、その他健康管理によつて発見されました要注意者の数は実に二十七年度末におきまして一万九千三十一名を数えておるのでございます。而もこの死亡率は薬品のほうの改良によりまして最近とみに低減して参りましたけれども、患者の数は依然として増高の一途をたどつておる、こういうふうな実態にあるのでございます。 このような状態を見まするならば、明らかに我々の定員をこれ以上削減することは、到底不可能ではないかというふうに私たちは考えるのでございます。この点につきまして本省側におきましてもそういう点については十分に了解いたしまして、二十九年度予算の要求に当りましては、一万八千名の増員要求をみずから行なつた事実を私たちは知つておるのでございます。郵政省みずからが一万八千名の増員をしなければ、先ほど申上げました点の解決はおろか、現在の郵政事業を円滑に守つて行くわけには行かないという結論を出して要求したものと考えるのでございます。この点については、私たちの交渉の席上しばしば言明しておるところでございます。そのようにして本省自体もやはり増員の要求をしなければならない、こういうふうな状態にあるのでございます。以上の点を考えてみまするならば、明らかに今日の行政整理は我々郵政事業に従事する者にとつては、誠に冷酷無情なものと言わざるを得ないのでございまして、この点については諸先生がたの格段の御配慮をお願いしたいところでございます。 更に又事業の実態を若干述べてみたいと思いまするが、現在先ほど郵便物の物数等について申上げましたが、実態はどうかと申上げますると、私たちみずからの手によつて調べたここに調査がございまするが、東京都内の国分寺という郵便局を調べたのでございますが、これは郵便配達について調べてみますと、大体郵便配達の勤務時間というのは一日七時間と五十分になつております。一日七時間五十分がこれが勤務時間になつておるのでございます。そこで外勤はその特殊性から見まして朝午前七時に出勤をいたします。そうして大体一号便というのを午前十時半に終了いたします。そうしてその間三時間というものは休息いたしまして、午後一時三十分から再出発をいたします。そうしてこれは早く帰つて来なければならんのでありまするが、実態は午後の八時三十分までもやつておるというのが現在の状態でございます。これは単に国分寺のみでなく私たちが十数個所によつて調べましたが、殆んどこのような状態にあるのでございまして、これをはつきり数字を以て申上げますると、延十三時間と三十分を勤務いたしておるということに相成つておるのであります。勿論この中には三時間の休憩時間がございます。併しながら現在の住宅の状態から行きまして、三時間休憩するといたしましても、これは家に帰つていいことになつておりますけれども、到底家に帰つて又出て来るというようなわざはできないのでございまして、やはり郵便局の外勤者のたまり場所にたむろして次の第二号便の出発を待つ、こういうふうな実態にあるのでございまして、明らかにオーバー・タイムが相当行われておるというのが実情でございます。これを何とかして救わなければならんというふうに考えておりまするが、現在の定員ではどうすることもできないのが実情でございます。更に又簡易保険、生命保険を我々のほうでやつていまするけれども、この保険の現在緊縮財政に貢献するところが極めて大きく期待されておりまする関係上、相当ぼう大な額を割当てられまして、これに向つて我々は努力いたします。国家の財政経済安定のために努力いたしておりまするが、これらの問題につきましても、保険の募集というものは極めて困難な事業でございます。普通の日に行つてもそこの主人がいないので、遂にとれないという場合が多いのでございまして、どうしても土曜日の午後を利用するとか或いは日曜日を利用しなければならん、こういうふうな状態にあるのでございます。私もこの前の日曜を休んでおりましたら保険の募集人がやつて来まして募集をされたのでありまするけれども、そういうような状態でございます。それで募集人に聞いてみますると、やはりその日曜日にやつた超過労働については全然補償されておらないというのが彼らの偽わらざる話であつたのでございます。このような状態が全国一斉に行われているというのが今郵政事業の実態でございます。これは貯金の部面におきましても、保険同様重大な財政資金の根源となる貯金事業におきましても、同様のことを申上げることができるのでございます。更に又郵政委員会におきましていろいろ論ぜられたのでありまするが、確かに都市の郵便局においてはもはや削減の余地はない、こういう結論を出しておられます。むしろ増員してやらなければかあいそうだというふうなことを異口同音に各委員、先方がたが申されておつたのでありまするが、いなかはどうかと申上げますと、いなかも依然としてやはり増員しなければならないというのが実態でございます。例えば全国一万三千に近い特定郵便局というのがございます。昔請負制度であつたのであります。現在は政府の直轄で行なつておりますが、大体小さな局が一万三千ほど全国にばらまかれておるのでございまするが、この局には全部宿直要員というのが配置はないのでございます。従いまして宿直は全然やらなくてもいい、こういうことになつております。併しながら、郵便局の公共事業を守るという立場から、やはり我々としては率先してこの宿直を引受けなければならん、こういう状態にあるのでございます。そうして女の子を宿直室へ一人泊めて問題になつたという実例もございます。このような状態で宿直が行われておるのでございまするが、極めて危険なことであると申さねばなりませんし、このような状態をいつまでも放置するわけには行かない、こういうふうに私たちは考えておるのでございます。従つていなかの問題におきましても、そのような状態も出ております。更に又電報配達というのが、いなかの局では行われております。この特定郵便局においては行われておりまするが、この電報配達も、従来は配達の要員が定員の中にありました。ところが二十四年の行政整理におきまして全国三千八百局に亘りまして定員が一斉に落されたのでございます。その基準は大体一カ月に百五十通以下の電報配達がない局においては定員は要らないということで定員が落されてしまいました。従いまして我々としてはやむを得ずその日その日の請負を頼んでその電報配達をやる、こういうことになつておりまするが、この電報請負配達人に対する補償金といいますか、給付が非常に低いのでございまして、大体一カ月千五百円から二千円くらいしか給与できないので、全然この請負に応ずる者がない、こういう実情でございます。更に又請負を実施いたしましても、これはいなかのおじさんが自転車に乗つて電報配達する、こういうふうな状態に、百姓の手間でやる、こういうふうなことになるのでございまして、信書の秘密を犯すという意味においても重大な関心を払わなければなりませんし、更に又政府事業の威信も失ついすること甚だしいものがあると言わなければなりません。大体制服を着た者がこれを配達することになつておりまするが、麦わら帽をかぶつたいなかのおじさんがこれを配達しなければならん、こういうふうな実情が出ておるのでございます。そういう請負者がいるところは先ずいいといたしましても、おらないところはやはり職員が夜又一晩とまつて電報配達をやらなければならん、こういうふうな実情にあるのでございます。これらについても依然として超過勤務が支払われておらない、こういうふうな実情にございます。 以上郵政事業の全体につきましてかいつまんで申上げたのでございますが、これらの点につきましてどうか諸先生方におかれましては、これ以上郵便事業を削減するということについては重大なる関心をお払い下さるようお願い申上げたいのでございます。私たちは先般日曜の郵便配達を廃止するかどうかという問題で郵政当局と論争いたしました。郵政当局におきましては郵便物の日曜配達をやめよう、こういう計画を一応立案いたしたのでございまするが、私たち組合といたしましては今日本の社会情勢、或いは経済情勢、政治情勢から見て日曜の配達を廃止するということは重大なる影響を与える革命的な変更であるので、これは軽々に行うべきことでないということで当局に迫りまして、遂に田村郵政大臣のときでございましたが田村大臣も了とされまして、ではもう一度考え直してみようということになつて日曜の配達は依然として行われておるのでございますが、このようにして定員がどしどしと削減され一方郵便物がどしどしとふえて来るというような状況を切り抜けるためには、私たちはサービスの低下もどうしてもやらざるを得ないではないかというふうなことを当局と話合つておりまするが、当局の中にもそのような考え方を持つ人が出て参つておるように聞いておるのでございます。例えば日曜の配達を廃止するとか一或いはその他いろいろございますが、そのようなサービスの低下もやらざるを得ない状態に追い込まれるのではないか、こういうことで実は非常に私たちは深憂いたしておるのでございます。併しながら我々としてはあくまでもこの定員削減をできるだけ食いとめて、従来通りのサービスを国民にこころよく提供して、そうして日本経済の再建のためにも私たちは微力を尽したいというふうに考えておるのでございます。この点につきましてはどうか諸先生方におかれましてもそういう万般の情勢を十分御勘案下さいまして、現業官庁におけるところの行政整理については特段の御配慮を切に希望いたしまして私の全逓に関する陳述は一応これで打切りたいと考えます。 続きまして郵政省の中に電波監理局というのがございます。この電波監理局もやはり現在行政整理を行わんといたしております。で、これについても我々は反対の理由を開陳申上げる次第でありますが、どのようになつておるかと申し上げますると、二十四年度におきましては施設数といいまして局が大体四千八百五十五局あつたのでございます。当時予算定員は三千九百七十七名でこの四千八百五十五局に勤務いたしております。それから二十九年度の三月におきましては局が一万一千百六十八局にふえておるのでございます。にもかかわらず定員は二千九百十六名に落ちておるのでございます。更に又三十年度におきましては一万四千五十二局の設置が大体計画されております。その計画されておる増設のときに突じよとしてこの行政整理が行われておるのでございます。これ以上行政整理を行うということは到底物理的にも不可能ではないか、このように私たちは考えておるのでございます。御承知のように電波は重要な現在事業と相成つて参りました。電波の検査、監視、相当その事務量は増大されて業務部門における人員整理は殆んど不可能になつておる、このように考えておるのでございます。更に又政府はこの行政整理の対象を官房部門に置いておるのでございます。官房部門と申上げますのは大体五百人でございます。この五百人のうちから二百十七名を整理する、こういうふうな挙に出ておるのでありまするが、これは到底不可能なことでございます。このようなことにつきましてもどうか十分に御考慮を願いたいと考えるのでございまして、これはもう物理的限界に来ているのではないかというふうにも考えられるのでございます。更に又政府の説明書によりますると、局所の統廃合をやつてこれだけの人間が浮くのだ、百六十名の減員ができるようになつているのだと、こういうふうに申しておりますが、これも又局所の統廃合は全然行なつておりませんし、又業務の実態から見てこの統廃合は殆んど不可能に近い、こういうことになつておるのでございまして、政府当局もこの点については先の委員会で相当究明をされて回答に困つたのでございます。このような状態でございまして、電波におきましても僅かな人間の中を相当の整理をしようというのでありまするので、極めて無理が行われております。我々従業員の立場から、このような行政整理を行うことは現在の事務運行を到底守り抜くことはできないという考え方に立つておるのでございまして、この点につきましても諸先生がたのどうか深い御考慮を切に希望いたす次第でございます。 次に時間がございませんので簡単に申上げまするが、財務局の財務部の定員の削減についてでございます。御承知のようにこの財務部は国税或いは関税を除くところの大蔵省全般業務の地方第一線総合出先機関として国家財政金融経済等の根幹をなすところの重要な業務に従事しておるところの行政機関であることは、先生がたすでに御案内の通りでございます。特に予算の編成のための資料収集或いは又その予算が適正に使用されておるかどうかという検査を行うところでありまするが、二十九年度一兆円緊縮予算の効果をあらしめる唯一の機関はこの財務部にかかつてあると言つても過言ではないのでございまして、先般来保全経済会等によつて若干の不祥事件が起きておりまするが、この財務部のやはり金融機関統制が非常に、金融機関の何と言いますか統制と言うとまずいかも知れませんが、金融機関に対する管理が不十分である。それは一にかかつて手不足でございます。そういうことでございまして若しも十全な定員が配置されておるとしまするならば、こういう不祥事も未然に防止できたということは間違いないところでございます。こういうふうなところから、財務局の財務部の事業は極めて重大なものでございまして、これ以上の定員を削減することは非常に危険が伴うと考えなければならんのでございます。又この予算の適正な使用につきましても、財務部は全国の十局五十四部におきまして、全国の予算使用の実態を検査しておるのでございまして、その検査の結果この予算使用にでこぼこがあつたり不正が行われたりということについて、十分な監視を行わなければならんのでございまするが、これが現在定員が少いためにその業務の五十分の一も満足に果し得ないというふうな実情にあるのでございます。こういう点についてもどうか諸先生がたの御高配を煩わしたいと考えております。にもかかわらずこのたび八、九%の行政整理が行われるのでございまして、非常に財務部も危たいにひんしておると申さなければならないのでございまして、こういう点につきましてどうか委員諸先生の御高配を特に切望して、私の三部に亘るところの意見の公述を終りたいと考える次第でございます。長々としやべりまして貴重な時間を消費いたしましたことにつきまして深くおわびいたしますると同時に、最後まで御静聴頂きました諸先生方に深くお礼申上げる次第でございます。以上をもつて公述を終ります。
○竹下豐次君 野上さんにちよつとお尋ねいたしますが、郵政のほうに結核患者が大変多いというお話でございました。前に承わつたと思つておりますが、ほかの役所の結核患者とそれから定員との関係、比率などについてもあなたのほう同様にお調べになつておりましようか。つまりほかの役所とあなたのほうとを比較して、特に郵政関係のものに結核患者が多いかどうか。或いは少いかというような調べをなすつたことがございましたら。
○参考人(野上元君) それは調べたことはございますけれども的確な数字は今持つておりません。
○竹下豐次君 と申しますのは、相当に多いのですから、ほかは一層多いからあなたのほうもいいじやないかというようなことを申上げるわけじやありませんが非常に参考になると思います。それからお調べがありましたら、官庁同志公務員だけの比較でなくて、公務員の年齢に相当する国民全体の結核の統計もお調べがありましたらあとで結構でございますから頂きたいと思います。それだけお願いしておきます。
○参考人(野上元君) 承知いたしました。
○委員外議員(矢嶋三義君) 政府側から誰か見えておりますか。
○委員長(小酒井義男君) 本日は行政管理庁の管理部長が出ております。
○委員外議員(矢嶋三義君) 立法府は法案審議の必要上、多忙な人々を煩わして参考人としておいで願つて貴重な意見を拝聴するわけで、これは立法府の委員会としての行事であるけれども、こういう場合には関係行政機関の長、万一それができん場合は、少くとも次官は列席してそれをよく聴取して、今後の行政の参考に資するのがこれ習わしです。参考人の意見をただ聞流すというのじやいけないのです。本当に直接国民から真の声というものを聞いて、それを重要な資料にするという心がけが行政府になければ、これは何にも意味をなさん。どういうわけで長官も次官もどちらもこの委員会に出席できないのか、委員長たしかめておられますか。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
○委員外議員(矢嶋三義君) 参考人にお伺いいたしますが、先ほど具体的に統計資料を以て公述頂いたわけでございますが、この数字はあなたの所属されている組合で得られた数字でございますか。又政府側においても確認されている数字でございますか。その大体統計資料の数字の出所ですね、それを伺いたいと思います。
○参考人(野上元君) 矢嶋先生のお問いに対してお答えいたします。結核患者の数は郵政省みずからが調べた数でございます。それからいわゆる常勤労務職員二千二百名、それからいわゆる定員的配置の非常勤職員三千四百名、これは本省において調べた数字でございます。それから年次休暇の残日数がございますが、私たちの調べによりますと、大体一人平均五十日になつております。郵政省のお調べでは四十六日ぐらいになつておりまして大した開きはないように見受けております。更に又この一人百平均五十日を定員に直した場合、我々と郵政省との定員に換算する方法については、若干食い違いがあるようでございます。従いまして先ほど一万名の増員をしなければこれを解決できないと申上げましたのは組合側で大体計算した数字でございます。それでよろしうございますか。
○委員外議員(矢嶋三義君) 先ほど承わりました数字の信ぴよう性というものはそれでよくわかりました。相当に正確な数字であるということを私は確認するわけでございますが、伺つていますと、その数字から説明された現場の勤労条件がかようにあるのに、どういうわけでこの三千百四十四人も減員をやつたかというのはどうも理解しかねるのですが、あなたがた組合としては、この人員整理については、現場の声を反映して大臣交渉は十分やられたのでございますか。どうですか。
○参考人(野上元君) お答えいたします。その点につきましては恐らく十数度に亘つて交渉が行われておりまして、大臣は行政管理庁長官を兼ねておりまするので、大臣の立場は非常につらい立場にあるようで回答は常にあいまいでございます。併しながら事務当局におきましては、私たちの交渉については非常にその通りだというふうな発言もしばしば行われているのが実情でございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) 先ほどのお言葉によりますと、一万人程度増員すれば事足りるということでございましたが、それ以外に非常勤職員の定員化というような問題もあるかと思うのでございますが、年次休暇はとれる、週休がとれるようにし、それから超過勤務時間というものが法に定められている以上に出ない。まあ正常の勤労条件となつて、郵政省としての国民べのサービスも通常に行い得るという正常な状態にするためには、組合の皆さんがたとしては、総員どの程度の増員をすれば可能というような数字を持つていらつしやいますかどうか。持つていらつしやつたら伺つておきたいと思います。
○参考人(野上元君) 私たち組合みずからはじき出した数字はございますが、ただお断り申上げておかなければなりませんことは、現在国際的な水準をたたえられておりますところの労働基準法というものが日本にございます。従いまして、私たち労働組合の立場からいたしますならば、この労働基準法を的確に実行できるような状態にするべく努力を今までも続けて参りましたし、更に今後も強力に続けて行きたいと考えておりまするが、そういう労働基準法をたてにとつた場合に、労働基準法を考えてとつた場合の数字は非常にぼう大なものになるのでございます。恐らく五万人は下らないだろうと考えておるのであります。併しながらこの点については労働組合が今申上げました立場に立つての計算でございまして、その点についてはどうか御了解願いたいと考えますが、具体的に説明せよとこうおつしやられるならば具体的に説明申上げてもいいのでありますが、恐らく総数は五万を下らないというふうに考えております。
○委員外議員(矢嶋三義君) 郵政省が予算折衝当時に大蔵省に要求いたしました一万八千人の増員案についていかようにお考えになつていらつしやいますか。
○参考人(野上元君) 郵政省の増員の問題につきましては今申上げました労働基準法を確実に実施するという立場にはないのでございます。従いまして若干今の勤労条件を向上させよう、こういうふうな行き方をとつて、おるのでございまして、これは行政官庁としてやむを得ざることかも知れませんが、そういうふうな状態でございまして、我々としては増員を要求した場合には先ほど申上げた数字でございまして、その点には大きな食い違いがあることは明らかでございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) この一年二十日の年次休暇が一人平均約郵政省の計算で四十六日、あなたがたの計算で五十日、まあ大体一人五十日平均休暇がたまつている、こういう説明でございますが、これを一日幾らか計算してそういう要求を組合としてやつたことがございますか。これは何年も前からずつと重なつていれば金にしたら利子もつくのですからね。これは国家の一つ債務じやないかと思うのですが、組合のほうでどうお考えになつているか、これはかなり大事な問題だと思うのですが。
○参考人(野上元君) その点お答えいたします。これは法律的に解釈いたしますと非常にむずかしい問題になると思いますけれども、私たちとしては五十日たまるというふうな状態は極めてまずいというふうに考えております。従いましてあくまでもこれは定員でこの場を埋めてもらわないと、いつまでもこういう状態を続けて行くことはできん。こういうふうに考えておりまして、基本的な私たちの方針といたしましてはこれの定員化のために努力いたしております。併しながら政府のほうではこの定員化については殆んど一顧だにしないというのが実情でございまして、何とか買上げでがまんしてくれんか、こういうふうな話合もあつたように聞いておりますけれども、その点でもはつきりした話はないようでございます。従いまして組合といたしましては最後の場合に行きますときに初めて買上げの問題が出るのでございまして、現在のところあくまで定員化せよ、そうして定員化したのちにおいてこのたまつた分についてはなんとか債務を払つてもらいたいという交渉に移りたいと考えておる次第でございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) それはその点でわかりました。国鉄、電通等の三公社は定員法で縛られていない。ところが五現業の皆さんがたは定員法で縛られておる。これに対して定員法の枠外におけということを政府側に要求したことと思いますが、それに対して政府側は如何ように皆さんがたに説明するわけですか。
○参考人(野上元君) お答えいたします。この点につきましても塚田郵政大臣としばしば交渉がもたれております。塚田大臣といたしましてはたしかに企業官庁を定員法で縛るということは不合理である。従つて今後定員法から外さなければならんというふうに考えておるが若干もう少し研究の時間を与えてくれ、こういう回答でございまして今日までそういう状態が続いておるのでございます。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。 それでは次に経済雑誌ダイヤモンド社の会長石山賢吉参考人の意見を伺います。
○参考人(石山賢吉君) 本案に対しまして簡単に私の意見を申述べます。官吏の数を減らして国民の負担を軽減するということは望ましいことでありまして、私どももそれを熱望している一人であります。官吏の数を概観いたしますると戦前と今日とを比較いたしますると官吏のほうが約五倍くらい、地方庁の職員のほうが四倍くらいになつておりまして、この間における国民人口の増加は二割強に過ぎません。この比例から概観いたしましても官吏の数がおびただしく増加しているということは認定し得ることと存じまするのであります。又私どもが常に研究しておりまする産業方面では生産工程を簡略にし、執務を機械化しまして常に人間の数を省いております。ただ現状を見ますれば人はなかなかそれ相当の理由がありまして適当に配置されておるのでありまするから減員はしにくいという結論が生れまするが、方法を変えますると人は相当にはぶけるということは内外の実例に見ることのできるものであります。ごく概数でありまするが、産業界におきましては工場従業員百人ぐらいに対して事務員の割合が一人くらいだということがアメリカの統計に見ることができるのであります。日本になりますると工場従業員十人に対しまして事務員の数が一人ないし二人というような数字が現われて参ります。アメリカあたりに比較いたしますると我が産業界におきましては事務をとる人、生産に従事する人において著しき人員の相違があるのであります。私はアメリカだけ行つて見て参りましたが、アメリカではもうあらゆることを機械化しまして、そうして僅かな人間で執務をやつております。官吏の執務の状況は私研究したことはございませんから具体的のことは存じませんが、こうした産業界の状況からおしますると官界においても人員を減らす余地が相当あるものと大局的に考えられまするのであります。従いまして行政機構を改革して官吏の数を大いに減じて国民の負担を軽減するということは成立ち得ることと考えまするのであります。ただ併しこれについて考えますることは、官吏並びに公吏の減員を行いますれば失業者が出るということでありまして、国全体から考えますると官吏の数を減らずことは極めて必要でありまするが、直ちに失業者が出て我々と同じ人たちが職を失うということについては深甚の考慮を払うべきものだと思うのであります。私の考えによりますれば行政整理というものは産業開発、就業人員増加というようなことと併行して行うべきものだと思うのであります。日本の経済界は単に国費の点ばかりでなく、国際貸借を合せまする上からにおきましても、日本において事業を新らしく起しましたり、或いは又既設事業を改善いたしましたりして生産費を引下げ、又新らしい方面において人が職業を得るように施策をすることが大いに必要だと存ずるのであります。最近アメリカの例を見ますると、アメリカは赤字をもいとわず減税を実行しております。この減税実行の趣旨は、民業を盛んにすればやがて国の収入が増加してこれを償い得るものである、国民が新らしく職を得ることができなくて意気消沈するということはそれ以上の損失であるから、この際赤字をも顧慮せず減税を実行すると言つております。日本にもこうした必要が大いにあるように考えまするのであります。昨年の十月から三年間さかのぼりまして、即ち昭和二十五年の十月から昭和二十八年の十月に至りまする三年間におきまして、職業を得た人、就業者の統計というのが発表されております。それを見ますると、三年間に職を得た人が三百八十万人ありまするが、そのうちの六〇%強は農業並びに商業であります。どちらの数もほぼ同じくらいで三〇%ずつであります。これらの人は表面には職を得ておりまするけれども、私は内実は失業者と思うのであります。この期間におきましては製造工業などに職を得た人は極めて僅かでありまして、商業と農業だけがひとり断然その数が多いのであります。このことは工場では新らしく人の入つて来ることを締出しを食わせまして誰でも自由に行けるところの農業並びに商業に人が行つたことと察せられまするのでありまして、この数字はとりもなおさず潜在失業を示すものであります。同時に又近年新らしく学校を出ました人々が職業がなくて困つている状況は皆さんも御承知の通りであります。かようでありまするから、私は行政整理を行うことと並行して、新らしく職を与える方面に国として施策をし、民間人も又これに意を用うべきものだと思うのであります。本案に対する私の感想は、このこと自体は誠に結構でありまするが、これから生ずる副作用を考えますると軽々に実行すべきものでなく、よろしく国の根本策にさかのぼりまして国民がみんな職を得るような方策を講じて、然る後にかかることを行うべきものだと考えまするのであります。 私の意見は以上のごとくであります。
○委員長(小酒井義男君) 石山参考人に対する御質問はございませんか。
○八木幸吉君 石山さんに伺いたいのですが、職を得せしめるための産業開発、何か、今直ちにとは言いませんが、この機会にどういう方策をやつたらいいか、もうちよつと具体的なところでお心当りがあれば一つ。
○参考人(石山賢吉君) いろいろ研究しておりまするが、問題がむずかしくて小さな雑誌社では全ぼうを尽すことができませんが、思い当りましたる項目を申上げますると、第一が道路の改修、道路が悪いばかりてなくトラックの進行をにぶらせましたり、そういうことにおいて運送費を非常に高めておりまするから、人の交通を便にするばかりでなく、経済の観点からもちましても道路の改修ということは、必要だと思うのであります。弾丸道路というようなことが言われておりまするが、ああしたことも必要でありまするが、経費の点を考えますると、それよりも一般的の道路を直すほうに力を注ぐ意味においての道路の改修であります。 第二は電信電話、そのうちに特に電話のほうでありまするが、電話をもつとたくさんつけまして、そしてできるだけ机の上において用をたして交通機関を利用しない、こういう方策をとりますると、このほうも国の経済の助けになると思います。 第三は、これはもう言い古されておるところのせんい工業の独立であります。日本は只今六、七億ドルのせんい原料を輸入しております。そのうち輸出を差引きまして正味四億ドルくらいのせんいを外国から輸入しておりまするから、内地におきまして化学せんい、即ち化せんと称せられる人絹とか合成せんい、さく酸ビニールというようなものをもつと発達を図りまして、外国からせんい原料を買わなくて済むような方策。 それから食糧の輸入をできるだけ減ずること。これには食生活を改善するとか又は内地の耕地をふやすとかというようなことをやるのであります、 やや問題が細かくなりまするが、塩なども今相当多量に外国から入れておりまするが、これももう少しコストの安くなる方法において内地において製塩業を営みましてそうして外国の輸入をなくする。それか家庭燃料、これがなかなか相当の金額にのぼるものでありまして、都会で消費しておりまする木炭はトンに換算しますると二万六、七千円くらいの価格になるのでありまして、各家庭はごくわずかでありまするから余り値段を気にしないで消費しておりまするが、これはなかなか家庭経済の負担を重からしめて、そうして木炭を作るために年々非常にたくさんの木炭が失われておりまして、これをパルプ等に用いますればせんいの原料にもなるのであります。 その次は中小企業を直すこと。中小企業の中にも商工業でありまして、商業でありませず工業のほうをもつぱら言うのでありまするが、このことはやはり参議院議員でおいでの鮎川義介さんが中小企業助成会というものを作つて、これらの指導援助をされております。この実績を聞きまするとまだ今日までのところは僅かの実績でありまするが、余り金をかけないで現有設備に対して指導してやると、大変それがよくなつて輸出の助けになるというようの実績が、僅かではありまするが今日すでに上つておりまするから、中小企業は生産額から見ましても日本の約半分を占めておるものであります。輸出におきましてもやはりそれくらいの割合で中小工業から産出されておるものがありまするから、これを直すことは僅かな資本を投じて大きな効果を得らるるものでありまするから、こうしたことも必要だと思うのであります。 それから最近海の利用というのが非常に唱え出されて参りまして、海は何でも生産力が陸地の十倍くらいあるそうであります。陸地の利用は地表から少し、一尺くらいのところに過ぎませんが、海はこれを深く利用することができて、その中には植物と動物と鉱物がある。こういうようのことから非常に近年世界的にこのことが唱え出されて来ました。アメリカのごときは海の領土を大西洋は向うのまん中まで、太平洋はこちらのまん中まで拡張すべきだと言つておるくらいであります。こうしたことに対するこの頃具体的の研究が発表せられておりますが、日本などはこれに最も力を入れるべきものだと思うのであります。 以上は私の気のつきましたる日本振興策、こういうものでありまして、これらも経費の関連において皆実行するというわけにも参りませんが、それぞれ実行にも順序もありましようけれども、又そうしたことに対する総合的の研究はしておりません。思いついたまま申上げればかようのことであります。
○八木幸吉君 今電話のお話がありましたが、電話の民営は如何ですか、簡単に。
○参考人(石山賢吉君) 民営はよろしいと思います。思いますが、あれは今は資本が非常に大きな額が政府所有になつておりまして、一度に民間に出しましては、あの株式の供給過多を来たしますから漸次これを民間に出しまして、そうしてはげしい民間の監視を受けながらあの事業をやつて行くことが私ども民営論者から見ると効果的だと思います。
○委員長(小酒井義男君) それでは次に全日本国立医療労働組合執行委員長井上五郎参考人の意見を伺います。
○参考人(井上五郎君) 井上であります。午前中から各参考人の御意見を聞いておりましても、無策な整理自体には賛成であるけれども、それに伴う職業補導或いは失業対策或いは又社会保障という面につきましてのこうした副作用につきましては十分留意しなければならないということが一致した御意見でございましたが、私はその副作用をもつぱらこうむるほうの厚生、文部、労働、こうした職員組合の立場から意見を申述べさして頂きたいと思うのであります。 先ずその前に、先ほどから戦前に比較しまして公務員が三倍になつた、四倍になつたということが盛んに言われるのでございますが、これは私たちどうしても納得できない。ここに資料がございますが、行政管理庁から出しましたところの資料によりますると、国家公務員関係におきまして、昭和六年でございますから、恐らく十一年くらいになりますともつとふえておるはずでございますが、百万、現在は百四十九万でございまするから、四十九万しかふえていない。これがなぜ三倍になつた、四倍になつたという数字が言われるかわからない。これは地方公務員についても同じでございます。昭和八年が七十四万、それから現在が百四十一万、これを昭和十一年にしますと、八十四万に対する百四十一万でありますから、二倍にもなつておらない。こうしたことをなぜ三倍になつた四倍になつたと言われるのか、これは我々よくわからない。恐らく戦前の場合には軍隊ものはて、それから今の場合には保安庁とかその他のところを入れて盛んに宣伝しているのじやないかと思います。そういう点につきまして、やはり正しいことを正しく反映して頂きたいということを前以て要望する次第でございます。 私は国立病院療養所に勤務する職員組合の委員長でございますが、御存じのように私たちはらい結核、精神病、この現在の社会保障は非常に重大な役割を受持つておるものでございます。で、結核の面から入つて行きますが、昭和二十七年に一千五百床の増床がこの結核にあつております。それから二十八年に同じく一千床、それから二十九年度におきまして一千床と四百五十床の自然増床がございます。自然増床と申しますのは、整備費も伴わず、人員も伴わない、どうしてこういうことが行われるのかわからない、その自然の増床でございます。これを合せましてこの三千九百五十床というものがこの二十七年以降ふえて来ております。これに対する定員が一名もついておらない。先ほども言われましたように、単に事務量の増加とかそういう点でございましたら、或いはその間お互いの労働力の配分によりまして業務が遂行できるかと思うのでございますが、これは新らしく百床、二百床の結核病床を増設して行くということでございますから、普通一般の事務量の増加という問題と全然別個でございます。これに現在まで約計算しますと少く見積つて千五百人の人員が要るわけでございますが、これに対する人員はついておらない。このことは先ほど来労働力の非常に過重な度を現わす問題としまして超過勤務という問題が言われておりましたが、先ほど来の各参考人の御意見では、五時間とか十時間ということでございますが、私たちの国立病院療養所関係では、全員に対しまして、一人当り二十五時間の超過勤務予算が組んでございますが、この一人当り二十五時間の超過勤務予算が足らないので、特異な例におきましては、看護婦なんかでこれは女子の労働基準法の年少者の制限がございまして、基準法を無視しまして一月に七十時間も八十時間も或いは百時間近く勤務しているところがざらにございます。又二十五時間組んだということ自体がこれは明らかに労働基準法から行きますと、女子の制限時間をオーバーしているのでございます。こういう非常な特異な例でございます。このことからいかに人員が足らないかということがわかつて頂けるかと思うのでございます。 次に私たちの病院なんかにつきましては、医療法によつて法律で最低の人員基準がきあられております。これは患者一人当りについて医師何名或いは看護婦何名というようなことがきめられておりますけれども、現在看護婦の定員の不足、それから医師の不足その他によりまして医療法が守られていないのであります。これは都道府県がこの医療法のいろいろな国家の行政を指導しておりますが、やはり国立病院療養所に対しまして医療法違反の事実を指摘しましてこれを警告しておるのでございます。なぜこういうことが行われるかと申しますと、例えば国立病院におきましては大体医療法に合致したところの人員が配置されておりますけれども、非常に業務が明確にされておりませんために、看護婦の業務を、例えばどうしても雑仕婦とか補助婦とかいう者がしなければならない明らかな業務があるにもかかわらず、看護婦のこのほかの定員が組まれてないために、結局看護婦の定員の中に雑仕婦とかその他の職種を食い込まさざるを得ないというために、こういうことが起きておるのでございます。現在でも例えば静脈注射をしてはいけない、輸血をしてはいけない、こういうことが医療法の規則の中に入つておりますけれども、やはり国立病院療養所につきましては、看護婦が静脈注射も輸血も或いは甚だしいのになりますと、手術の介助、結紮、こういうようなことまでやつておるのであります。これはやはり現在の定員基準の非常な矛盾から生じているのでございます。雑仕婦という問題がここで今私が述べましたけれども、これは病院運営にとつては是非なければならない職種でございますが、これは昨年から大臣政令で以ちまして看護婦の時間延長が昭和二十四年出されております。これに対しまして私たちは不服といたしまして人事院に行政措置要求を出しました。昨年十二月十四日に人事院からその判定が出されたのでありますが、その中にもやはり看護業務を明確にして、そうして雑仕婦を定員にはつきり置いて、そしてこの看護婦の時間延長をできるだけ早急に改めるようにしろということが出されております。こういうように非常にこの業務が明確でない、而も是非あらねばならない雑仕婦が定員の中に入つておらないということで非常な現在矛盾ができております。 これはきたない話でございますが、精神病院におきましてはあの精神病患者がおふろと思つて肥つぼの中に入つて出て来ない、職員が裸になつて肥つぼから抱上げる。それから又電気シヨツクを行いますが、電気シヨツクの場合に患者が嫌いましてそして職員にかみついたりなぐつたりする、こういう傷害事件が非常に多うございます。私今年一月でございましたか下総の療養所に行きましたとき、丁度患者が脱走いたしまして職員はそれを逮捕に行つたのですが、頭部から顔面にかけて相当大きな傷を負つておりました。かみつかれたり傷を負つたりそういうことが非常に多いのであります。又これは精神だけでなく或いは結核におきましてもらいにおきましても同じようなそうした非常な気の毒な事態がたくさん発生しているのでございます。 次に、定員がはつきり明示されておらないということの中に、これに触れておきたいと思いますが、最近ビキニの水爆問題が非常に大きくなりまして放射能の障害が言われております。ところが我々の病院、療養所におきまして昨年十一月に私たちが調査いたしました結果によりますと、約その七〇%が要注意者ということになつております。その大体要注意者と言いますと、白血球が五千台、四千台そしてそれ以下を合せまして要注意、要療養ということを言うわけでございますが、五千台それ以下が七〇%も占めております。その中で四千台が三九%、それから三千台と申しますとこれは非常に回復もむずかしうございまして、これは要療養ということになりますが、一〇%、一割おります。これは昨年横浜療養所の佐藤技官がX線障害の尊い犠牲となりまして死亡せられまして、この問題をきつかけに我々のほうで調査いたしましたのでございますが、現在でも国立仙台病院の石田熊次郎という人が五十年の職歴を持ちながら現在両手足にがんを発生いたしまして、残り少い余命をベッドの中でさびしく送られております。このように私たちの病院、療養所におきましてはX線障害の問題が非常に大きくなつて来ております。而もこういう人たちが年次二十日の休暇もとれない、而も要注意、要療養ということがはつきり私たちの医学的な立場からわかりながら依然としてそれが休めない。刻々と障害を受けながら働いているというような事実がございます。これはX線技師に対しまするはつきりした定員がない。本館は各施設に五十床以上とか、或いは百床以上ということで本館定員が行われておりますが、そのほかの職員におきましては、雇用人一般の職員の中に繰入れられておりますので、その施設におきましてはX線の技師をX線の助手としまして二名或いは三名施設によつてばらばらに採用されているからこういう結果が起るのであります。これはX線だけでなくて病理、細菌におきましても、栄養士におきましても同じように雇用人一般の定員に組まれております。そうした非常に病院として是非遂行して行かなければならない定員の配置が行われませんで、こういうふうなX線障害のような非常な変な問題が起つて来るのであります。 それから最近又病院収入が非常に問題になりまして完全看護、完全給食、或い完全衣服という問題がどんどん出されましてこれは完全給食をやりますと入院料のほかに三点加算できる、或いは又完全看護をしますと三点加算できるということで病院収入を上げるために三点加算が行われておりますが、これと同時に完全看護として附添婦を全廃いたすとか、それでなければ完全看護を実施すること自体がそれだけ職員のオーバー・ロードになつて行くわけであります。これは国立結核療養所におきましてはどんどん最近附添婦をなくしまして職員に切替えて行く、それだけの労働力がすべて従業員にかかつているわけであります。これが先ほど申上げましたように、一人が一カ月八十時間から百時間というばかばかしい勤務時間をするという結果になるわけであります。 それから結核の調査が厚生省から発表されました。皆さんたちも御存じかと思いますが、要注意者を含めまして五百五十三万という非常な我々としましては大きな、予想以上の大きな数字が発表されまして、その中に即時入院を要する者が百三十七万も現在おるわけでございます。現在の結核病床と言いますのは約十七万でございますが、このあとの百二十万、或いは七十万近くがこの路上に、巷に放り出されているのでございますが、こういうものをできるだけ早く我々のほうでは療養させそして隔離いたしまして、更に結核の感染から守りたいと思うのでございますが、これが定員定床ということに縛られましてそうして入床を申込んでから一年も半年も待たなければ入院できないという、これはベッドがないかというと必ずしもそうではない、現に今年の予算を見ましても四百五十床の自然増床が見込んであります。我々の施設では定員と予算さえ増して頂けばまだまだこうした患者を一人でも二人でも或いは多く入れれば百人、千人、二千人でもまだ収容できる余裕があるのでございます。これが現在定員法で予算と定員を縛つているために、こういうことを本当に私たちが尽したいと思つてもこういう入床、療養ができないのであります。我々といたしましてはむしろ定員でこれを増すとかふやすとかという問題ではなくて、こうした非常に必要な面で、民生安定行政につきましてはむしろ定員法から除外して頂きましてそうして医療行政に推進して行きたいというのが私たちの念願でございます。 次に厚生省につきましては先ほど来郵政、或いは農林関係その他から出されておりますように日雇健保が今年一月から発足いたしました。又厚生年金法の改正が行われ、又保険組合が非常に数がふえ、被保険者の数もふえております。二十七年と二十八年の比較を見ましても一年間だけでこの組合数の増加は五十、それから被保険者の数の増加は百二十二万も増加しております。併しそれに比べまして定員はこの保険関係につきましては百四十一人減じられている。でこういうことが我々といたしましてはこうした政府の今度の一兆円予算その他によりまして社会保障行政の強化をしなければならないのにもかかわりませず、こうしたものまで一律に定員の縮小を受けるということは非常に納得が行かないのでございまして、むしろこうした失業対策、或いは社会保障行政というものは、こうしたこの予算とか或いは又こうした政策がとられる限り、ますます拡充してやらなければならないと我々といたしましては考えているわけでございます。 次に文部関係について申上げますが、文部省におきましては先ほども矢嶋先生からの質問のように助教授、講師、助手、こうした人々は二%首切りを受けて、現業職員四%、一般人は八%、こういうふうに行政整理を受けるわけでございますが、これは学生等の増加、或いは学部、学課の増設、或いは又これを説明いたしますと二十七年度におきましても新制大学院が全国で十二カ所発足いたしておりますほか、短大、こういうものがどんどん学生の増加数と学校の新設によりまして増加して来ているのでございますが、でそれにもかかわりませず昭和二十六年以降次々に整理されて参りまして、その業務と申しまするのは結局非常勤業務、臨時職員、アルバイトというふうに変えて来たのでありますが、臨時職員だけで三千名もあつたろうと我々は推定いたしております。 それからこれは政府のほうといたしましては主に事務管理職の整理といつておりますけれども、文部関係におきましても事務職員と言いますけれども百種に及んでおります。本来の事務は三分の一でしかありません。例えばその中で技術系職員、或いは業務系職員こういう人たちが研究補助とか、学生の実験指導、或いは研究任務を分担して行つております。でこういう実情を無視して一般事務としてここに流されるということは非常に不合理がある。で、事務系の職員と申しますのは純然たる事務がとれず結局教育或いは又事務処理を押し付ける、おつかぶせて行くという事態が発生してこれは先ほどX線障害の問題を申上げましたが、これはやはり大学病院におきましても私たちと同じようにこの統計が出ております。これは京都大学のほうで調査されました結果でもほぼ私たちと同じような大学関係の職員のX線障害が出ております。それから健保職員の中には先ほど申しましたようにX線職員とかいろいろ含まれておるわけであります。なお二十八年に日本学術会議亀山会長の名義で大臣あてに要望書が出されております。その対策につきましてまずスタッフの充実とくに助手の増員、それから講座研究費、教官研究費の増額、それから施設費、設備費、そういうものの増加が勧告されておりますが、これはやはり先ほどから言われておりますように、確かに大学の数は多いということはございますが、国で大学の新設を認め、又そうした方針をとつて行く以上、やはり完全なる講座を行なつて行かなければならないわけであります。例えばこのことにつきましては講座単位に行きますと、教授一名助教授一名、講師一名助手一名、実験補助員一名、結局五人で一講座ということになつておりますが、現在これが欠員千八百名おるために、この講座すら完全に実施されていない、今度の整理でその欠員を落すということになるわけでありますが、結局このこと自体が講座をすでに不完全にして行くということを意味しておるのでございます。 次に労働省の問題についてでございますが、今度の整理によりまして全体の四%を首切られることになります。中央労働委員会におきましては二十七年八月に労働法改正によりまして労使双方から労働委員会の機能の強化という問題が勧告されております。これは非常に世上の労使の階級対立がはげしくなればなるだけ、やはり円満な運営ということで、労働委員会の強化ということが非常に必要になつて来るのでございますが、逆に二十二年以降労働委員会が発足しまして以来次々に整理を受けまして、二十二年は百四十一名でございましたが、現在では三十年度では八十五名というように減らされて行く、このことは不当労働行為による行政訴訟が、件数の上では大体ほぼ同数を示しておりますけれども、裁判所の審理は永びき、又控訴審に持ち込まれるために、非常にこの業務が複雑に又過重になつて来ております。それから又争議の合理的解決のためには調査とか計数整理という事務が非常に複雑化して来ておるのでございます。 次に労政局の関係でございますが、今度八名定員を落されるわけでございますが、このことにつきましても最近労働争議がひん発しております。又労働金庫が非常に拡充して参りました。それからデフレ予算によります中小企業者の労働条件の悪化、こういうことに対する職業補導とか、或いは又教育、福祉対策の強化ということが当然考えられなければならないのでありますが、逆にこれもずつと縮小されて来ておる。次に基準局関係でございますが、基準行政の強化、これは適用事業所が非常にふえて参りまして、二十三年当時は三千九百二十五万でございましたが、これが二十九年度は七千四百八十三万、こういうふうに飛曜的にふえて来ております。従いましてこれに対する監督官の一人当りの担当件数も三百九十二から七百四十八、こういうふうに倍以上に量が大きくなつて来ており、又労災保険の業務も増加して来ておりまして、二十四年を一〇〇としますれば、二十九年は二四〇と二・四倍にふえておるわけでございます。こういうふうに給付件数、或いは一人当りの業務量というものが非常にどんどん年を追うに従いまして増加するにかかわりませず、定員を順次落されて行き、最近は賃金不払その他の問題が起つて参つておりますが、こういうものに対しましてやはり基準行政というものが非常に強化されなければならない。これは今度の政府の予算によりましてもますますこのこと我々としましては痛感する次第でございます。特に職安関係におきましては、我々としましては今度の職安関係の問題が一番重要な関に立たされるのではないかということを感ずる次第でございますが、結局政府の施策、失業政策と申しますか、すべて政府に向けられずに、日雇労働者の攻勢というものは本当にまじめに働く職安の職員にかかつて来るのでありまして結局これは過去の例におきましても、なぐり殺された事実もございますし、傷害問題が非常に増加して来ております。今度デフレ予算と言われております、失業者が増大するであろうということは我々としても相当予想するところでありますが、これがどうも職安の行政そのものが強化されなければ、むしろ一揆的な非常に危険な思想がまん延するではないかと我々は心配するのでございます。にもかかわらずやはり職安すら定員の削減を受けておる。かように非常に今各省に亘つて要点をつかまない公述でございましたが、政府のこの行政、首切り行政もよろしうございましよう。或いは又一兆億予算のデフレ政策もよろしうございましよう。併しそれに伴いましたやはり民生安定の行政というものが並行して行われない限り、非常に現在でもこの議会政治に対する不信或いは又一揆的な要素が非常に危険な思想としてまん延して来つつありますりこれを強化しない限り非常に政策を行うこと自体もむずかしくなつて行くんじやないかと我々ともに心配する次第でざいます。それで単にこれは管理行政の縮小であるからいいとか何とかということで簡単に片付けられますけれども、結局管理行政の縮小という問題が現場のそうした非常に当面しておる職種にも直面して行くし、こういう問題は非常に簡単に考えて頂きたくないと切実に要望するものでございます。是非とも諸先生に私の今までの公述によりましてよく御賢察願いまして、こうした民生安定の部門まで一率に首切り整理を受けておるということにつきまして是非とも慎重に考えて頂きまして、納得の行く又良識ある審議を切に要望して私の公述を終る次第でございます。
○委員長(小酒井義男君) 井上参考人に対して御質疑ございませんか。
○委員外議員(矢嶋三義君) 井上さんに伺いますが、先ほどのあなたの御説明では昭和二十七年以来二十九年までに結核病床が三千九百五十床多くなるのに、人員はふやされていないとこういうふうに耳に入つたのですがそうですが。
○参考人(井上五郎君) 一人もふやされておりません。
○委員外議員(矢嶋三義君) 私はそちらのほうはしろうとですがね、病床が何千とふえて医者とか看護婦をふやさんでやつて行けるということを想像もつかんわけですが、もと余つておつたわけですかどうですか、事情は。
○参考人(井上五郎君) これは政府側としましては実は国立病院の結核転換を、二十七年に十五カ所いたしました。で国立病院の定員基準と国立の結核療養所の定員基準が違つております。それで厚生省、政府側としましては結核転換したのだからその余分の定員を以てこの新設の三千九百五十にあてろということを申しておるのでございますが、医療法の施行規則によりましてもこの国立結核或いはらい、精神病につきましては別途定めるということになつておりますが、その別途が何ら定められておりませんために、地方の医療、監視のほうではやはり四名に一人或いは医者は患者何名に対する一人と、あの医療法そのままの定員基準が国立結核療養所の場合にも当てはまるということで、そういうように各結核療養所に対しましては警告を発し指導いたしております。
○委員外議員(矢嶋三義君) そのあなたのお考えで行くと千五百名ふやさなければならないということですね。
○参考人(井上五郎君) そうでございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) それから超過勤務手当を一人当二十五時間おいてあるとこういうふうに耳に入つたのですがそうですが。
○参考人(井上五郎君) そうです。
○委員外議員(矢嶋三義君) それでは実際非常に超過勤務が多くて過重労働になつておると言われておりますが、実際超過勤務をやつたものの何%程度超過勤務手当を実際に受取つておりますか。
○参考人(井上五郎君) 各人によりまして非常に高低がございます。それでやれるところもあります。足らないところもありますが、大体私たちの推定では六割程度が支払われておるのじやないかというように考えております。このことは厚生省が今度二十九年度予算の予算請求におきましては、五時間ふやしの三十時間を大蔵省に相当熱を入れて要求をして頂いたのでございますが、とうとう大蔵省から認められなかつたという事実がございます。我々は三十五時間にふやせということを要求しのたでございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) 雑仕婦の定員がない、又看護婦に欠員があつて困つているが、その看護婦の欠員で他の定員の不足を補つているのでますます困るというようなことを聞くわけですが、看護婦の欠員というのはどうして生ずるのでしようかね。それが一点と、それから病院なんかは確かにあなたのお述べの通り、雑仕婦というものは欠くべからざる要員でしようが、どういうわけでそういうものは定員化されていないのでしようか。私はしろうとで知らないのですからその点一つわかりやすく。
○参考人(井上五郎君) 看護婦の欠員につきましては、昭和二十四、五年、終戦以来非常に看護婦の日本国内における絶対数が少うございまして、非常に看護婦の充足に困つたことがございました。併しその後国立病院、療養所におきましては、看護婦学院、準看護婦学院を強化いたしまして、非常にその点補充はつくようになつたのでございます。例えば本年四月におきまして看護婦が卒業したのが約二千名国立関係にございます。併し結局これを全部充当するということになりますと、欠員は大体それで入れ替られるわけでございますが、逆に今まで雑仕婦のしておりました仕事が全部看護婦におつかぶさつて来るということで、各施設のほうでもそのまま看護婦と雑仕婦を入れ替られないというような事態で、結局現在でもやはり、これは昨年四月の統計資料でございますが、看護婦助手が千四百三十九名、雑仕婦が二千六十一名、現在欠員八百五十三名、計四千三百五十三名というものが看護婦の定員の中から食い込んでいたわけです。看護婦助手のほうは看護婦に代えられるとしましても、雑仕婦の二千六十一名というのはすぐこれを切替えること自体も、雑仕婦を路上に追い出すことになりますし、それでなくても先ほど言いましたように、業務がただ看護婦におつかぶさつて来るということだけ、施設側としましてはやはり或る数だけの雑仕婦は食い込んでもしかたがないから置かなければならないということが現在欠員の実情でございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) 厚生省、文部省、労働省関係を通じて承わつたわけですが、これらの各省はもう新定員に移りかわる動きが出ておりますか、どうですか。例えば具体的に或る課から何人減らすという場合、或る人をマークしてその人が実際に職場から去つているとか、それから或る人物に臨時待命をもう内々命じたとか、そういうような実動というらしきものがありますか、それともないですか、どうでしようか。
○参考人(井上五郎君) これは四月一日にさかのぼりまして、各施設別に訓令定員というものが厚生大臣から出されるわけでございます。現在はまだ訓令定員の配付が定員法が成立しませんために配付はされておりません。併しこの前の特別待命によりまして当然強制待命が来るという場合、或いは千名近くの定員削減があるという見通しの下で、相当数各施設に定員削減の示さがされまして、私たちのほうで約四百名が特別待命を受けました。その中には勿論自分で希望してやめる人たちもございますが、強制待命を受けるよりも特別待命を今受けておこうということで、実際に路頭に迷う人も受けておる。なお現在もう特別待命の期間は終つたわけでございますが、すでに各施設でも訓令定員が来る、或いは今度定員の削減が定員法の改訂と共に来るということで、かなり配置転換或いはその他のことでその動きがございます。
○八木幸吉君 先ほど予算定員があれば結核患者をもう千も二千も増加することができるといつたようなお話がありましたが、もう少しその点具体的にお話頂けませんか。
○参考人(井上五郎君) この予算の方針といたしまして、各施設別に二十八年度なら二十八年度、九年度なら九年度の定員と定床が配付されるわけでございます。併しその施設が例えば過去の実績から最大収容能力は五百名入れるということになつておりましても、実績その他で四百三十名しか行つておらなかつたということになりますと、その新らしい年の定床が四百三十名なら三十ということになります。従いまして、結局それ以上には定員も予算もつかないということで入れられない。こういうものをずつと全部かき集めますと、千床、二千床というものはらくに入れられるのじやないかと我々は予想いたしております。
○八木幸吉君 逆に申しますと、ベッドのあいているのは全国調べたら千や二千あると、こういうことですか。
○参考人(井上五郎君) はい。
○八木幸吉君 もう一つ伺いますが、今結核のベッド数は全体で幾つございますか。
○参考人(井上五郎君) 全部公私立合せまして十七万二千でございます。国立関係では六万三百五十ですか。
○八木幸吉君 そのうちで千か二千くらいはあいているだろうかと、こういうお見通しですか。ついでだから申上げますが、さつき昭和六年と二十七年の比較の百万と百四十七万というお話がございましたが、ちよつとお考えが違つているのじやないかと思いますが、昭和六年のほうは陸海軍が三十五万入つております。二十七年には保安隊と警備隊が十一万七千入つております。それを差引きますと、昭和六年二十四万ほど引いて丁度比較が合うと、こういうことになると思いますが、ちよつとそれをもう一言。それから常勤、非常勤の数はどのくらいになりましようか、常勤労務者です。
○参考人(井上五郎君) 国立病院、療養所におきましては昭和二十九年から初めて常勤労務者という制度が出て来まして、それまでは常勤労務者というものはございませんで、それで非常勤は全部の数は、国立療養所関係には非常勤はおかれておりませんけれども、国立病院関係には約三百名前後おります。
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質問はございませんか。それでは次に全建設省労働組合執行委員長伊藤喜一参考人の意見を伺います。
○参考人(伊藤喜一君) 私は全建設省労働組合の委員長をいたしております伊藤でございます。今回行政機関職員定員法の一部を改正します法律案が本国会に提出されまして、現在本日も本委員会におきまして審議されておるわけでございますが、その改正案に対しまして私たちは私たちの勤務いたしておりますところの建設省における現場の実情に基きまして反対意見を申述べてみたいと思うわけでございます。 先ず定員法は元来仕事の分量に応じまして合理的な人員を策定しまして配置するのが建前でありまして私どもが一週間四十四時間勤務することによりまして与えられた仕事の分量を処理できるだけの職員を定めるのが定員法の精神であると思うのでございます。然るに過去におきましてたびたび定員法の改正が行われましたが、それを見ますると、定員法というものが結局人員整理のための一つの手段としての法律であつたということは、何人といえども否定しがたいのではないかと思うのであります。この点につきましては、二月二十九日の参議院建設委員会におきまするところの行政管理庁の岡部管理部長の答弁によりましても明らかでございます。次に、国土が狭く、資源も且又乏しい、而も八千余万の人口をようしますところの我が国にありましては、河川こそは無限の幸福をもたらすところの水資源の供給者ではありますものの、その半面この河川が一度はんらんいたしますると、人命財産に甚大なる被害を与えるということは、昨年の西日本、或いは近畿地方の大風水害の例を見ましても明らかでございまして、この河川の積極的な開発によりまして、国民生活を向上させ、社会不安を除去いたしますることが、現下の国民的大要望の一つになつておるわけでございます。又先ほども石山参考人も申述べましたけれども、道路は生活の延長と言われるぐらい人間社会の共同生活には必要欠くべからざるものでございまして、現在急速なる改修が望まれておる現況でございます。従いまして、国土の保全と開発には思い切つた国費が注がれて然るべきであつて、なおそれに併行しまして、事業量に応じますところの合理的な人員が定められてこそ尊い血税が効果的に使用されるのではないかと私は考えるのでございます。 今回の改正案によりますと、建設省の場合は七百四十九名が削減されまして、営繕及び災害査定関係の増員百三十六名を差引きますと、結局六百十三名の減になつております。これはあたかも六百十三名を減じまするならば、それだけ国民の負担が軽減されるような感じを受けるのでありますけれども、決してそのような結果には相成らないわけでございます。あとでも申述べまするけれども、現在でさえも人員不足から来るところの労働強化と、なおどうすれば足りない現在の定員で、衆望にこたえられるような立派な工事をやりとげることができるだろうかと、出先機関の長あたりでは苦労しておる最中に、これ以上人員の削減を強行しようとする政府は、果して荒廃した国土の復興をやる気があるのかないのか。その真意を疑わざるを得ないのであります。従来から政府当局は、定員を減らすごとに何とかこの人員で事務の簡素化と執務の能率化により事業の遂行はできるということを説明して参つておるのでございますけれども、果して定員だけで仕事ができているかどうか。事業量はふえる一方で而も定員は次第に削減されておりますけれども、一体どういう方法で現在まで建設省はこの矛盾を切抜けて来ているかを説明いたします。 先ず建設省の業務並びに工事の遂行はいかなる陣容によつて行われて来ているかを申上げますならば、いわゆる定員法上の職員が一万七百八十名、それに人事院のほうの通牒に基きまして制度化されておりますところの常勤労務者、建設省ではこれを準職員と呼んでおりますが、これが六千三名、それに常勤的非常勤職員、これは私たち補助員と申しております。これが八千七百二名、合計二万五千四百八十五名となつておりまして、この下にいわゆる一般の労務者がおりまして工事を行なつておるわけでございます。この員数は建設省全体でございますけれども、更にこれを地方建設局で申しますと、定員法上の職員が七千三百四十三名、準職員が五千八百八十四名、補助員が八千三百七十三名、合計二万一千六百名で業務或いは工事の遂行をいたしておるのであります。この中からも明らかなように実に六六%の者が定員外の職員でありまして、この人たちの職務内容は全く定員内の職員と同様でありまして、なお且つ同様の責任を持ち、而も継続的、相当長期間に亘りまして勤務をしておるのでございます。而も現場の第一線に立ちまして働いておる人が多いのでございます。この点から申しましても、建設省の場合、定員を削減しましても定員外の職員をふやさなければならないという結論になるわけでございまして、一応行政部費から給料その他が支出される人員は減りましても、事業費から支出される定員外の職員は一向に減らすわけには行かないようになつておるわけでございます。国家が支出する実質的な人件費にはそうさしたる変更は見られないということが言えるのでございます。 次に準職員、或いは補助職員を採用しておることが定員の不足を物語つておるという科学的な根拠について若干申述べますと、定員法が施行される以前におきましては、建設省の工事を施行するに際しまして要するところの人員の策定は、現在よりもつとむしろ弾力性がある方法がとられていたわけでございます。即ち工事量がふえれば人員も増加するし、工事量が減れば人員も減るといつた工合に工事量を基礎として考えられていたわけであります。そこで私どもはこの科学的な人員の配置について考慮した一つとして、昭和六年から十五年までの十年間は大体平和であつて、而も自由経済の時代でございましたので、一人当りの工事負担消化額を基準といたしましても、最も妥当性を有するものと判断しております。それで経済安定本部の土木復合換算係数を用い、その平均を算出したわけでございますけれども、それは大体一人当り平均八十四万九千円という数字になつて現われておるわけでございます。その後機械化の進展とか技術の進歩を考慮しまして、一人当りの予算消化額を約百十万として現予算に対する人員の配置を算出いたしますと、二万一千六百四十五名が必要人員としてはじき出されるわけでございます。これに本省の定員、千百三十八名、附属機関の定員九百三十七名、営繕関係千三百六十二名を加えますと二万五千九十一名になります。併し御承知のように保安隊、或いは駐留軍工事を含めた営繕関係の工事費は約三百七十億強となつておりまして、当然これは増員さるべきであります。今回の政府提出の改正案におきましても、営繕関係は百三十名の増員になつておるわけでございます。 次に工事量に比例して正しく増減する職員は主として地方建設局の出張所以下の現場職員であるとの前提に立ちまして、直営と請負の比率を昨年の実績を勘案しまして、直営七〇%、請負三〇%といたしますと二万四千五百八十二名という人員が算定されるわけでございます。定員の減はおよそ実体にそぐわないものであります。従つてこの変則的な準職員であるとか、或いは補助員をやむなく雇用しているのでありまして、これは改めるべきが妥当であり、而も定員増こそ必要要件であると考えるわけでございます。 そこで河川の改修、或いは災害復旧、道路工事等の工事現場の運営の実体を若干御説明いたしたいと思います。先ず東北地方建設局の北上川の上流部分を担当しております岩手工事事務所の場合でございますが、この工事事務所は二十八年度の工事費は一億八千三百七十二万八千円でありまして、その工事を定員法上の職員六十一名、準職員六十五名、補助員七十八名、計二百四名で行なつて参りました。ここの出張所は五カ所でありまして、一出張所に事務関係の職員が一名、準職員一名乃至二名、補助員平均四名となつております。それで技術関係は職員の平均三名弱、準職員五名強、補助員が一名乃至一名となつております。次に技能関係では、これは主に機関車の運転手とかそういうものでございます。この関係では職員一名に対し準職員、補助員五の割合で配置されております。次に関東地方建設局の湯沢工事事務所、これは上越線でございまして、砂防工事をやつております。この例をとつてみますと、この事務所は二十八年度におきましては事業費が約四千九百万円でございます。その下の出張所、派出所合計六カ所あるにかかわらず、事務系は一名もおりません。技術系が職員が三カ所に一名ずつ、残り三カ所は準職員、補助員がその事務にたずさわつている実情でございます。この工事事務所の事務、技術、技能別職員の総数を合計してみますと僅か十四名に過ぎません。事務職員十六名、補助員十二名、合計四十二名で工事の遂行に当つている現状でございます。次に近畿地方建設所ですが、福知山工事事務所の場合には、二十八年度の場合は一億七千万円でございますが、三つの出張所のうち一出張所の職員の事務系は一人もいないということでございます。職員の技術系は平均三名でございまして、各出張所の準職員、補助員は合計三十五名で、これが工事の第一線部隊としてやつているわけでございます。次には中国、四国広島でございます。ここの建設局の斐伊川工事事務所の場合は、昨年度の工事総額は五千二百五十万円でありまして、ここは四つの工区を持ちまして、従つて四十の出張所があるわけでございますが、ここもやはり職員の事務系は一名でございます。又一名もないところがございまして、技術系の者は二名ずつとなつております。このうち一名は出張所長ということになつております。即ち実質的には大体一人の職員が工事遂行上の業務を行なつていることになりまして、現場事務は殆んど補助員で以て行なつているという実情でございます。最後の九州地方の建設局、ここにございます菊地川工事事務所は、昨年度約一億六百万円の予算を使つております。ここの出張所の陣容につきましては、事務系の職員が一名から二名、技術系が二名乃至三名、技能系の職員が平均一、二名、準職員の事務と技術系が一名乃至二名、技能系が二名乃至三名、補助員の事務系一、二名、技能系が一、二名というふうに配置をしているのであります。この場合は斐伊川と比較しまして、出張所の職員の配置がそれぞれ一名ずつ、多いのは工事費が約倍である、ということと、出張所が三カ所あるために起因しております。大体人員の不足と工事の進渉状態から見まして超過労働を以て補つていると言えるのであります。 以上の実情は建設省の平均程度以上の工事を行なつている事務所の実態でございまして、単にここに申述べた工事事務所に限つたわけではないのでございます。ここに特にここで諸先生方の御判断を願いたいということは、只今申上げましたように準職員とか、或いは補助員の中には直接工事工程に関与しないもの、即ちデスク・ワークが準職員の約半数以上の三千二百二十三名、補助員中この半数以上の四千五百二十七名、合計しまして、実に七千七百五十名がいるのでございます。それらのものはそれぞれ共済組合、健康保険等にも加入いたしておりまして、人件費も大体職員と同様の算出基礎、即ち人事院の例の一般給与法、俸給表ですか、あれを使つて支払われておりまして、部費における人件費と何ら変るところがないと言えるのでございます。この費用が慣習とは言いながら事業費から支出されていましたことは、工事費の使用目的、或いは国家財政のあり方にももとるものと思うわけでございます。同じ国家財政から支出されるものでありながら、ただ支出の費目を異にするだけに過ぎず、建設省における定員法の矛盾を隠ペいする手段として現在まで準職員、或いは補助員を雇用しているという実情でございますが、これを言い直しますと、定員だけでは業務の円滑なる運営を期しがたいためにやむなく雇用しているものにほかならないということができるのでありますが、私はこの変則をこの際改め、正しく軌道に乗せるべきだと考えるわけでございます。即ちこの際すつきりした定員とすべきであると思うわけでございます。 又超過勤務手当のことでございますけれども、職員が週四十四時間勤務して職務の遂行をするのが原則であることは前に申述べましたけれども、緊急やむを得ない場合には超過労働をする、その対価として支給されるのがこの超過勤務でございます。ところが建設省の場合は現場におきましては労務者が週実働四十八時間でございます。従いまして土曜日の午後は常に職員は超過労働をしなければならないわけでございます。現在の超過勤務手当月十四時間でございます。建設省の場合は昨年は十二時間でございましたけれども、本年からは現場の場合は一人平均十四時間でございます。これでは絶対不足するのみならず、実際は約三倍の超過労働をいたしておるわけでございます。これはいかに定員が不足しておるかを物語つておるものでありまして、三重、愛知両県の例の海岸堤防のごときはごく最近までは連日、夜中の十二時以前には休んだことがない。それで職員は月は一度でいいから休日を与えてほしいという要求さえされておるわけでございます。以上かいつまんで現場の実情を申上げましたけれども、若し先生がたがこのことにお疑いを持たれるような場合は私たちはいつでも御案内いたしますからしたしく現地の職員に御面接下されば非常に幸いと思つているわけでございます。 以上現場の実態を御説明申上げましたが、現場ではいわゆる国土の復興は私どもの手でと、日夜黙々としてこの工事に取組んでおります。こういつた人がたをして真に国民大衆に喜んで頂けるような仕事をさせ得るごとく定員の削減ということではなくて、むしろこの際合理的な機構と人員を御考慮願いたいということを附加えまして私の意見を終らして頂きます。
○委員長(小酒井義男君) 伊藤参考人は対して御質問ございませんか。
○八木幸吉君 今準職員又は補助員という言葉をお使いになりしたが、これはほかに言われるいわゆる常勤若しくは非常勤というのと同じでございますか。
○参考人(伊藤喜一君) この準職員と申しますのは普通の大蔵省辺では常勤労務者と申しております。それはやはり事業費の一部でございますけれども、常勤労務者給と申しましてちやんと予算上裏付がございます。それから補助員と申しますのはいわゆる工事費支弁でございますね。補助員と申しますのはいわゆる常勤的な非常勤職員ということを当局は言つております。内容は職員と同様にやはり監督者と言えるものも入つておるわけでございます。
○八木幸吉君 ちよつと数をさつき非常に早くおつしやつたのでわからんので、もうちよつと、常勤労務者と非常勤労務者の数をおつしやつて頂きたい。
○参考人(伊藤喜一君) 準職員の場合は六千三名でございます。それから八千七百二名です、非常勤のほうは。
○八木幸吉君 合計二万五千と言われたのですが。
○参考人(伊藤喜一君) それに定員内の職員が一万何ぼ入るわけです。
○八木幸吉君 八千七百二名。
○参考人(伊藤喜一君) はあ。
○八木幸吉君 そこでもう一つ伺いたいのは常勤、非常勤者は共済組合には入つているが、同時に事業費から支出している、こういうふうにおつしやつたようですがさようですか。
○参考人(伊藤喜一君) 常動のほうは共済組合に加入しております。それから非常勤のほうは健康保険に加入しております。いずれも俸給を決定する場合には定員内の職員との振合いを考えまして一般俸給表を使つて何級何号俸ときめるわけです。それで金の支出個所は先ほど申しました通り準職員は常勤労務者給与、それから補助員につきましてはいわゆる工事費でございます。
○八木幸吉君 非常勤は工事費ですか。
○参考人(伊藤喜一君) そうです、大きく申しますと、常勤のほうもやはり工事費の一部であることには違いないわけでございます。ただ分れるだけです。
○八木幸吉君 それから例えば常勤でも非常勤でも事実普通の定員と同じような仕事をしていらつしやる、ところが恩典で開きがありませんか。その開きは何と何とが恩典を受けない部分ですか。
○参考人(伊藤喜一君) 常勤の場合ですと今回のように特別待命といつたような場合があつた場合にはこれは対象になりません。それから二カ月間を区切つての雇用でございます。
○八木幸吉君 非常勤が。
○参考人(伊藤喜一君) いや常勤の場合でございます。
○八木幸吉君 二カ月。
○参考人(伊藤喜一君) あとは一般の定員法上の職員と違いございません。非常勤の場合でございますと、これは相当に開きがございまして、例えば年次休暇はございませんでして、労働基準法並みでございます。
○三浦義男君 只今一人当りの工事の消化量ですね、それが戦前が八十四万、それから戦後現在では百十万ぐらいだと、こうおつしやいましたね。こういうところから何ですか、今のあなたの定員が足りないということをはじいておられるわけですか。
○参考人(伊藤喜一君) それも足りないことの要請でございますけれども、やはり仕事の実態を見て頂けばわかると思います。非常に今困つております。例えば先ほども申上げましたけれども、愛知の海岸堤防の場合はあそこは全部請負であります。定員が足りないために各地方建設局の足りない中から更に現場に長期応援に行つている場合があるわけであります。例えばセメントなどのような大事な材料の検収を人間が足りないために日通に依頼しておる、そういつた事情もあるわけです。
○三浦義男君 今の愛知の場合は請負なんです。私ども詳しいことはわからないのですけれども、請負の工事の消化量というものが大体一人当り三百万から五百万だと、こう言われているんです。それと必ずしもびしやつと一緒にならないかも知れませんけれども、百十万という数がどうも少し少いように思うのだが、そういうような請負の関係と対比されてこれはぴつたりいかないと思います。大体においてそういう御勘定にいきませんか。
○参考人(伊藤喜一君) 私たちいろいろ調査をする場合に、請負対直営の比率は一対四になつています。だから直営のほうを百万といたしますれば、請負の場合は四百万、こういうふうに換算するわすであります。実際現場なんかへ行きますと、宮城県の鳴子というダムでございますが、職員一人当りが請負で二千万の目安でやつております。そのために当然やるべき仕事をやれなくて無駄になつた場合があるわけです。先ほどの百十万という数字は請負対直営の比率が一対四ですから、請負四を一に換算しまして全部直営としてやつた場合が百十万です。
○三浦義男君 直営の換算なんですか。
○参考人(伊藤喜一君) そういうことになります。
○三浦義男君 それでは請負の場合はどれくらいを考えておりますか、その四倍ですか。
○参考人(伊藤喜一君) 四百万でございます。
○三浦義男君 今の各工事現場のお話がありましたが、年間五千万円程度のところでの工事現場のお話があつたのですが、それは工事現場ですから、少くともやはり何とか出張所のようなものを置かなくちやならんでしようけれども、今のような工事量を消化をするときに、何かそういう出張所みたいなものをおかなければならない特殊の事情があるわけですか。
○参考人(伊藤喜一君) それはあると思います。と申しますのは、工事場所が非常に細かく分散されておるわけです。同じ出張所の場合でも出張所のその下に見張所などもあります。それを各地々々でやつておるわけです。今の数は大体人員が足りないので、今年は二百万、来年も二百万ということがあるわけであります。どうしても一々食わしておつたのじやこれ又足りない。ですから出張所はそのままにして人間だけ輸送に移す場合も勿論ございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) 河川局の定員は減員の余地がないとして若干増加されているようですが、災害実地査定は何カ所、何%くらいやつておるのでしようか。それからあれをやるときには随分と職員のかたは不眠不休でやられているようですけれども、ああいう場合は超勤は完全に受けていますか、どうですか。
○参考人(伊藤喜一君) 第一点につきましては私はちよつとわかりません。第二点につきましては、超勤の未払というのは非常に多くございまして、お話にならんくらいです。
○委員外議員(矢嶋三義君) 建設省はかなり仕事を持つているところで、この仕事は適正にうまく行くか行かないかということは非常に影響が大きいのですが、皆さんがたから現場の監督者、指導者、そういう人が足りないということを聞くわけですがね。そうだとすればやはりそこに仕事に不能率であり、又国家的に考えた場合にロスが工事方面にあるんじやないかと直観するわけです。あなたがたのお考えでこの災害の査定なんかも適時に的確にやり、それから現場においても適正なる指導をして、能率的に、より立派な仕事をさせるためには今の現場における定員というものをどの程度もう少しふやしてくれたらうまく行きそうだという数字を持つていらつしやいますか。
○参考人(伊藤喜一君) 私たちそういう問題の交渉におきまして、常に現在の変則的な準職員と補助員を一時定員に入れることを要求しておるわけであります。
○委員外議員(矢嶋三義君) もう一つ伺いますが、建設省から出た資料を見ますと、道路局、住宅局、各局いずれも極めて形式的な、事務の簡素化、能率向上の促進により一般職員幾らを整理した、これは全く数字の公式みたいに書いてありますが、これは部内で事務の簡素化等についてすでに研究するなり、或いは指示されておりますが、これはどういう内容のものでありましようか。
○参考人(伊藤喜一君) 第一線は、事務の簡素化には全然影響がございません。交渉の過程において法制当局が現在検討しておるといつた状態でございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) これはどなたでも結構ですが、皆さまに伺いたいと思いますが、第一線の皆様がたから承わりますと、政府の見解と随分と相違があつて同じ役所で同じ仕事をしておつてこれほど考えが違うのか、大臣、次官と現場の職員は随分とかけ離れておるものだとびつくりしておるわけですがね。これは一体どこに原因があるのでしようかね。それが一つと。 それから皆様がた実際仕事をして、自分が責任者である局長或いは課長というようなポストに坐つたら、あの仕事とあの仕事を統廃するとか、こういうふうにすれば能率も挙るし、うまくいくんだがなあというような面が現在の各省の機構の中にあなたがたの今の眼から見た場合にそれを感付かれるような面があられるかどうか。 それからもう一点は、あなたがたの御説明を承わりますと、いずれもごもつともで極めて不満の意見の開陳があつたわけですが、せめてこの程度まで来たらがまんできるかというようなこの定員法の中でこういうところのここだけはどうしても改めてもらわなければようしやはできないというようなごくひどい点ですね。そういう点はどういう点として指摘されておられるか。以上三点について伺いたい。
○参考人(角屋堅次郎君) 全農村の角屋であります。第一の定員の問題でありますが、これは事務当局と我々の見解について大きな懸隔がある。こういう点の御指摘でありまするが、事務当局としてはやはり政府の行政機関の建前といたしまして行政整理をやるというふうな方向の場合には、或る程度この線に副つて考えなければならん、こういう考え方があると思います。現実に予算要求の場合においては、農林省の場合でもやはり新年度の予算を編成するときには増員要求ということをやはり業務の実態からやるわけです。ところがこれはなかなか現在の大蔵省の考え方では認めがたいということでこれが承認されない。で、現実に行政整理等をやるということになりますと、やはり行政整理の線にそつて考える。結局それをどういうふうにしてカバーするかということになりますと、定員法の定員で削減されたやつが常勤労務者以下のところに沈んで来る、こういう実態になるわけです。更に言うならば、常勤労務者以下の線で予算的には単価がきまつている。ところがそれぞれの責任者としては単価以下のところで人を雇つて、従つて行政管理庁なり或いは農林省の予算定員からはじき出される、そういう人員を雇つてそうしてカバーして行く、こういうふうな実態が出て来るわけです。従つて過去の二十四年以来の行政整理の実態をかみ合せて考えますと、やはり人員整理をやられる場合には、常勤労務者以下のところに必ずそれが沈んで来る、こういう傾向が具体的に出て参るわけであります。従つてそういう傾向で処理せざるを得ないということでやはり行政整理の線に協力して行く、こういうのがやはり当局の立場ではなかろうか。従つて予算編成当時の考え方というものが否定をされる。行政整理の線には協調しなければならん、こういうふうな線からいわゆる臨時工的なこういう者で処理をする、こういう変則的な状態が出て来る。従つて常勤労務者以下の給与の実態を見てみると政府職員と何ら変りのない勤務条件になつている。給与、身分、労働条件、こういうものが非常に不安定な状態になつて実際の勤務状態は何ら変りがない、こういう状態になつて来る。従つて私は定員法というものについて先ほど触れましたけれども、定員内という問題と定員外という問題はどう解釈するかということについては、定員法の根本的な問題として再検討願わなければならんのじやないか、こういうふうにも考えるわけであります。 更に次の部局別の問題でありまするが、まあどういうふうにすればいいかという問題でありまするけれども、農林省の場合で言いますと例えば基本的な政策の問題として出て来る問題は、これはやはり立場上いろいろな見解が出て来ると思う。例えば食糧管理の問題はどうするかとか或いは又競馬法の問題は国営でやるか民営でやるか、こういうふうな政策の問題はどう扱うかということになつて来るので、これはやはり基本的な問題としてのあり方はいろいろ見解として違つて来ると思う。併し現実の国家行政として農林行政を現実にやつておる姿において考える場合においては、先ほど来申しておりまするように、実態として現在の機構はむしろ充実しなければならんし、人員等についても更に定員法の定員として確保しなければならん、こういうのが実態じやなかろうかと思うわけです。 それから更にまあどの程度やればがまんができるかということを言われましたけれども、先ほども私の公述の際に、農林省の場合におきましては約一万五千くらいの増員を当面最低限としてやつて頂きたい、こういうふうに言つたわけでありまするが、特に私先ほども申しましたけれども、食糧事務所であるとか或いは統計調査事務所であるとか或いは農地事務局であるとかいうような、直接農民と接触する現場官庁の整理率は四%或いは八%かけておる。こういうふうな実態については、これはもう少くとも整理率を零にしなければならない、こういうふうに考えますし、試験研究機関等につきましても、先ほどもちよつと触れましたけれども、いわゆる科学的な農業技術の振興という建前から見まして、こういう部面については是非とも整理率等については零乃至は充実の方向で考えて頂きたい。一般のいわゆる事務職員その他について二〇%、或いは会計については一四%というように比率が変つておりますけれども、農林省の実態から申しますと先ほども触れましたように予算としても一般会計、特別会計を合わすと約九千万近くの予算を取扱つておる。従つて人事面或いは会計面から見ましても、こういうふうな実態の中において二〇%の整理率をかけて来るということになりますと非常に大きな問題になるであろうと考えますので、これらの点についてもやはりそれぞれの省の実態に即応して整理率は考えなければならん、こういうふうに考えるのであります。
○参考人(井上五郎君) 私のほうにおきましても、本省側の考えと我々の考えというのはそう大した開きはない。やはり予算要求の場合に厚生省側も単に形式的な増員ではなくして、本当に真剣に大蔵省に対して増員の予算折衝をしたと我々は考えております。私たちも現場官庁でありまして、最低限と言われますれば我々としましては先ほど言いましたように、非常に結核対策が今後重要になつて来る。こういう段階におきまして、定員をわざわざ削減して行くということはあり得ないと思います。事務面におきましても例えばこの事務の簡素化は我々賛成でございます。例えば結核予防法が実施されましたが、一人の予防法の請求をする場合に、一人の患者につきまして十五通からのいろいろな書式を書かなければならない。こういう問題をもう少し簡素化して頂けばその面での簡素化ができて来る。ただ私たちの最近の特徴的な例といたしましては、減免の打切りとか、生活保護の削減とかということで相当患者が早期に退所して行く、或いは金が納まらないということで、医療は単に治療だけを行えばいいということでなくて患者の身の上相談から生活保護その他のいろいろな相談に応じなければならない。殊に収入強化の問題が最近非常にやかましくなりましたが、収入督促に行つて、そこの家庭が余り気の毒なので逆に自分の小ずかいをさいて置いて来なければならないというような実態さえ出ておるのであります。ですからこうした行政につきましては、単に事務はこれで簡素化できるとか何とかということではなくして、もう少しくこうした医療の本質というものが、単に治療だけではなくして生活保護とかあらゆる部面にわたつてやる。そうでないと完全な医療とは言えないということを御考慮願いたい。事務の簡素化につきましては大いに協力して頂きたいと考えております。
○参考人(野上元君) 全逓の野上であります。先ず第一点につきましては、先ほども申述べましたように私たちも、事務当局と私たちの考えはそう大して大きな懸隔はないというように考えております。と申しますのは、事務当局が二十九年度予算編成に当りましては一万八千名の増員を要求いたしております。又電波におきましても三百名の増員を要求いたしたのでありますが、これが実態でございます。我々も先ほどから申上げましたように労働基準法を完全に実施するためには五万数千人の人間が要るということを申上げましたが、電波におきましてもやはり六百八十四人の増員を要求して、組合側としても折衝を続けて来ておるよろな状態であります。大体ふやさなければならないということについては両者とも一致いたしておつたのでありますが、ただ漸進的にいくか或いはやや理想的にいくかという違いがあつただけだというふうに私たちは考えておるのでございますが、最後にいつていわゆる行政整理という一つの政策の壁にぶち当つてこのような状態になつた。こういうように考えておりまして、私たちはあくまでも今回の行政整理は単なる机上プランであつて、単なる天引の行政整理であるということを確認いたしておる次第でございます。 それから統廃合の問題につきましては、私たち組合も責任を持つて、行政機構改革の問題についてもやはり責任ある態度を持つてつつこんでいかなければならん時期が来ておるのではないかというふうにもみずから反省いたしております。併しながら再三再四にわたる行政機構改革がやはり殆んど骨抜きになつておるというような実情もございまして、この問題については私たちも相当何年間も長期にわたつて専門的な調査をしなければなりませんので、軽々にここで矢嶋先生に確答申上げられないのを非常に残念に思いますが、将来はそういうことについても責任を持つてやはりやつて頂かなければならん時代が来るのではないかというふうに考えておる次第であります。 第三点につきましては、先ほど公述の際に述べましたように郵政省というものはいわゆる自前でやつておる官庁であります。従いまして一般の行政官庁と同様な考え方を以て定員法に縛られるということには反対でございます。我々みずからの収入によつて入るを計つて出ずるを制するという原則に立つてやつておるのであります。この点については私たちは今後も自信を持つてやつていけるというふうに考えておるのであります。私たちはこの際定員削減よりむしろ増員を要求したいくらいであります。最低限度現状にとどめるように是非とも御配慮を願いたいと考えておる次第でございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) 野上さんに最後にもう一つ伺いますが、この電波の関係ですね、我が国は国際電波戦の中に入つたわけですが、ところが我が国の電波行政というのは、やや独立機関の審議会というものがなくなつてからというものは、却つて退歩したような形じやないかと思うのです。このたびもこの電波関係は減員しておりますが、他の速記録を見ますと、塚田さんは電波関係の減員は無理だそれで実際の運用の場合には郵政のほうとの内部操作で電波行政に支障はないようにすると、こういうようなことを他の機会に述べられているのですが、郵政のほうではそれをどういうふうに考えておられるか伺いたいと思います。
○参考人(野上元君) お答えいたします。電波の問題につきましては、現在三千四十六名のところを今回二百十七名整理するという案でございます。塚田郵政大臣も、現場の問題につきましては、先ほど申上げましたように、殆んど物理的限界に来ておるので、殆んど定員の削減は困難であろうということを認めておられると思います。従いまして、そのうちの三十名の庁務要員というものをこの際郵政の特別会計で負担したらどうだろうかということを電通委員会で御発言になつたということを聞いております。併しながら我々郵政省側におきましては、先ほど来申上げておりまするように、そのように三十名ぐらいだから、郵政省は大世帯だから何とか消化できるだろう、こういう考え方で物事を処理されることにつきまして非常に遺憾の意を表せざるを得ないのでありまして、もとより労働組合にいたしましても、私たちこの問題についても真向から反対をいたします。了承をいたしておりません。
○八木幸吉君 野上さんに伺いたいと思います。先ほど週休返上のお話がありましたが、平均どれくらいになつておるかという何かお調べがございますか。
○参考人(野上元君) これは私たち労働組合が各地を廻つて抽出してランダム式に各局を調べたのでありまして、そのときに当つた状態を調べ上げて作り上げた調査資料がありますが、全国的にそういうことを調べた機会はまだありません。
○八木幸吉君 それから超過勤務を奉仕的にやつているとさつきお話がございましたが、それはつまり超過勤務手当をもらわないというのですか。
○参考人(野上元君) そうでございます。
○八木幸吉君 何%くらいですか、そのもらわない率は。
○参考人(野上元君) この問題につきましても、全国的に資料を収集いたしておりまするが、何しろ二十五万もおりまするので非常に困難を極めておりますが、先ほど若干触れておきましたけれども、郵政省の予算に一人平均一カ月五時間の予算が組まれております。ところが実態はそれの何倍かわからんのが実態であります。従いまして、正確な数字ということになりますと、非常に困難でありまするけれども、大体の数字は出しておりますが、それを定員に直しますると大体三万人になる。その超過勤務をやつておるのを定員に直しますると三万人に匹敵する時間を要しておる。我々の調査によりましてそういう結論が出ておりますが、それ以外に調査に隠れておるものが、時間については殆んど把握が困難な状況であります。
○八木幸吉君 つまり平均五時間の予算以外は金は出ていないということですか、極く平たく言つて。
○参考人(野上元君) そうでございます。
○八木幸吉君 先ほど年次休暇の買上制度の問題についてのお話がありましたが、これは保険の関連からあるのですか。買上げ制度は好ましくないと伺つたのですが究極において皆さんの御意見はどうですか。
○参考人(野上元君) これは私たち労働組合というものは意思を決定するのはいわゆる全国大会でございます。この全国大会ではやはりあくまでも定員で要求すべきのが筋である。従つてこういうことを重ねておると非常に労働強化が来されるので、疲労して、従つてあくまでも定員の要求をして行こうではないか、こういう決定をやりまして、自後我々は本部におりまして、そういう交渉を続けておりまするが、併しながらそういう公式論では参りませんので、それならばこの五十日の解決策は如何ということになりますると、先ほど申しましたように、郵政当局は改良できることを期待する以外に道がないのだと、こういうことを言つております。従いまして、殆んど望みが我々から見ますと非常に暗い状態でありますので、この際更に大会等にはかりまして、組合員の意思を聞きまして、そうして買上げなら買上ということも考慮しようではないかというふうな話もしてみようじやないかということを現在話し合つておる程度でございます。
○委員外議員(矢嶋三義君) もう一つ聞きたいのですが、この次のところは岡部部長にも答弁願いたいと思うのですが、それは特別待命希望者数と許可者数との関係ですがね。これを行政管理庁から各省別に出して頂いた資料を見ますと、省によつて随分違うのですがね。非常に希望者に対して僅かしか許可されなかつたところと、それから省によると一〇〇%特別待命の許可のあつたところとある。勿論後期において特別待命に条件がついたことは承知しております。その条件に合格して、そうして合格した者についてそういう差等があるわけですね。更に仔細に検討してみますと、必ずしもその希望した人の職権と関係あるとも考えられないのです。従つて私は各省の委員長さんもおられるわけですから、委員長さんからも承わりたいと思うのですが、岡部局長からも承りたいと思いますが、どうして特別待命のあれが各省アンバランスになつておるか、伺いたいと思います。
○参考人(伊藤喜一君) 建設省の場合ですと、二月十六日で特別待命が三百十七名済んでおります。希望者数は相当ございますけれども、当局に言わせますと厳選の結果三百十七名に減つた、こういう話であります。
○参考人(角屋堅次郎君) 農林省の場合では、お手元の資料によつて御承知だと思うのでありますが、約二千九百名になつております。これはやはり希望者というよりも、行政整理とも見合わせて或る程度勧奨したりなんかの関係でこういうふうに出たのではないか、こういうふうに考えておりまして、而も先ほど賛成側の委員のかたも述べられておりましたが、農林省の場合には行政整理がしばしばあるので、若い人たちは希望を失つて、これから働いてもらわなければならん人が、そういう人が一部希望して来る、こういうふうな形等も出ておりまして、二千九百名近くの数字になつたのであります。
○参考人(野上元君) 郵政省の場合を申上げますと、郵政省は大体四百八十名でございます。これは二十八年度予算でやりくりするのだ、こういうことを言つておりますが、大体郵政省の場合は条件をつけて参つております。非現業に従事するものは、十年以上勤務したもので非現業に従事しておるものが特別待命の希望者の資格を持つ。更に現業部門におきましては課長以上のいわゆる管理職ということになつております。そうして大体の実態を見ますと、私たちこの特別待命にかかつたかたがたとも数度お会いしておりますが、非常に不意打で不本意だというかたが非常に多かつたように私たちは推察いたしております。
○委員外議員(矢嶋三義君) 岡部さんの答弁がある前に念のために申上げておきますが、私が言つているのは、各省のやつは大体わかつた、各省の整理率との比率がとれていない、私が調べたところでは。それから各省によつて標準も違うわけです。例えば只今郵政省のほうでは課長以上というところもあれば、省によると条件を全然設けないで、就職してから三、四年たつたところのお嬢さんがたがたくさんやめておる。お嫁入道具を買うのに都合がいいと。そういうふうにどういうわけで各省によつてアンバランスになつたのか。行政管理庁では何らの調整というものはとられなかつたのか、それを部長に伺いたい。
○政府委員(岡部史郎君) 明日お答え申上げるのが機会だと思いますけれども、お尋ねでございますからお答え申上げますが、特別待命制度というのは御承知の通り今回の行政整理を円滑に実施するために事前に行われた措置であります。従いまして、その方針といたしまして、この特別待命制度を実施いたしました昨年の暮から本年の初めにおける状態におきまして先ず第一には公務に支障がない範囲におきまして各省がこれを希望者について認めるということが第一の条件だと思います。それから特別待命というのは、御承知の通り、発令後一年間現在の給与と同じ給与を支給するというような条件でありますから、単に希望者すべてにこれを認めるというのではなしに、今矢鳩さんから御指摘がございました極く短期間の女子職員というようなものを優先的に認めるというようなことは極力人事管理制度上避けるべきものである、いわば功成り名とげた職員で勇退しようという人に特に優遇する措置を考える。そういう措置は、各省のいろいろな事情もございます。公務のその当時の事情におきまして余裕のある面とない面とがあるのでありますが、その数はこれは各省にお任せいたしてあるのでありますが、各省の人事当局の良識といたしまして、できるだけこれを良識によつて運用するというようなことにいたしたのであります。それで各省大体内々の話合によりまして、勤続年限におきましても十年前後、年齢におきましても四十歳前後ぐらいの相当長期の職員にこれを適用するというような方針で行なつて参りましたので、各省でこの特別待命につきまして極く勤続年限の短いかたがたから大変要望があつたのでありますが、それを承認しなかつたというようなことで、各省いろいろまちまちであるわけであります。又その特別待命を承認いたします場合におきましても、各省の行政整理の整理人数というものは全然きまつておりませんので、従いまして各省の整理数と特別待命の発令者数とは均衡がとれていないというような事情があるのでありますが、併しどの場合におきましても、このたびの整理数以上に特別待命の承認を発令したということはございません。要するに、今度の整理は、二十九年度、三十年度とに分けまして、二十九年度におきましては大体その六割ということになつておりますが、各省率はまちまちでありますが、その六割の或る程度の割合に、即ち六割の内輪に特別待命者が発令になつておるというような状態であります。
○委員外議員(矢嶋三義君) 今日はその程度でいい。この特別待命については少し問題があるという意見もありますが、明日の総括質問で伺いまするので、今日は参考人の意見聴取の機会ですからその辺で結構です。
○委員長(小酒井義男君) それでは参考人の各位に対する質疑は終了したものと認めてよろしうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) それでは、参考人の皆さんには長時間いろいろと有益な御意見をお述べ頂きましてありがとうございました。委員を代表いたして厚く御礼を申上げます。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十五分散会