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19回国会参議院1954/04/16

内閣委員会 第22号

発言数
25
登壇者
7
会派数
4
開催日
1954/04/16

会議録

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) これより内閣委員会を開きます。  人権委員会設置法案を議題といたします。発議者代表亀田得治君より提案理由の説明を受けます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○委員外議員(亀田得治君) 只今、議題となりました人権委員会設置法案につきまして、提案者を代表いたしまして、その提案の理由を御説明いたします。  日本国憲法第十一条には、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げらない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と規定し、又、第九十七条には、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」と規定しております。これらの規定を通観いたしますと、この国民の基本的人権が、如何に重大な権利であり且つ、これを尊重することが、国家にとつても又国民にとつても、如何に重要な責務であるかが会得されるのであります。この基本的人権が侵害された場合におきまして、旧憲法下におきましては、裁判所は裁判の形において、これを擁護いたしておりましたが、行政部面におきまして、これを擁護する独立の機関は全く存在しなかつたのでありますが、新憲法が施行されて後、昭和二十三年二月十五日、法務庁のうちに、人権擁護局と称する特色のある一局が設けられ、この局は現在も法務省の内部部局の一として引続き存在しておりまして、国民の生命、身体、財産、名誉、信用等、国民の基本的人権の擁護に関する行政の中枢的機関となつておるのであります。  人権擁護局が発足して以来、人権侵犯事件として取上げられました件数は、不幸にして逐年激増の途を辿つておりますが、他面、新憲法で保障しておる国民の基本的人権についての国民の認識が、これ又不幸にして甚だ低調な現状でありますが、この基本的人権思想の普及と高揚とにつきましても今後、官民ともに多大の努力を必要といたします。  人権擁護局は、その発足の当時におきましても、その定員及び予算が、甚だ不十分でありましたが、その後、行われました行政機構改革のたびごとに、この定員も予算も漸次、縮減されまして、その結果、所期の活動を十分行い得ない現状であります。これら定員或いは予算面における不十分の点は暫く別にいたしまして、先に申述べましたこの重大な国民の基本的人権を擁護する行政の中枢機関として、現状の形のままで果してよいのか、どうか。私どもは再三、再四この点を熟考いたして参つたのであります。  国家行政組織法におきましては、行政組織のために置かれる国の行政機関として、府、省、委員会及び庁の四つの形を挙げておりまして、このうち、委員会は準司法的事務を所掌するのに最もふさわしい機構であることは、現存の幾多の委員会を見ましても会得されるのであります。現在、人権擁護局の所掌しておる事務は、この準司法的な事務を主とし、これに配するに、人権擁護運動の助長等に関する事務が加わつておりまして、単に事務的見地から申せば、現在の機構のままでも、あえて事務運営の上では支障はないようにも考えられますが、さらに一段高い観点から見た場合におきましては、この重大な任務と使命とを負荷されておる行政機関が単に法務省の一内部部局であるということは、決して新憲法の精神に副うゆえんでないと思われのであります。  以上申述べました諸点を彼此、勘案いたしました結果、私どもは現在の人権擁護局を発展的解消する趣旨を以ちまして、この際これを廃止し、これに代えて、法務省の外局として、人権委員会を設け、以て国民の基本的人権の尊重という旗印を高く掲げることが、新憲法の精神を具現し、ひいては、わが国の国際信用を高めるゆえんであると信ずるのであります。  以上、この法案の提案理由を御説明申上げましたが、何とぞ、慎重御審議の上、速かに御賛同あらんことをお願い申上げます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それでは続いて法務政務次官より本法律案に対する所見を聴取いたすことといたします。

三浦寅之助自由党法務政務次官

○政府委員(三浦寅之助君) 只今提案になりました法案の趣旨につきましては、理論的には勿論反対ではないのです。法務省としてはむしろ賛成すべき点が多いのでありますが、ただ実際問題として今にわかに賛成しがたいと思うのであります。その理由は第一に本法案は人員と予算の増加を伴うものでありまして、現在の政府の行わんとしている行政機構の簡素化と緊縮予算というような政府の方針に反するように考えられるのであります。第二には人権擁護局が法務省の内局であるがために、その事務の執行に当りまして不便を感じたり、又は公正な取扱ができないというような事情も現在においてはございませんので、本法案を直ちに制定するという必要性には乏しいようにも考えられるのであります。第三には人権侵犯事件の調査等の事務の促進を図るために、人権擁護機構を拡充することは勿論必要でございますが、本法案のごとき人権委員会を設けることによつて、果して事務の能率を上げることができるかどうかというような点につきまして、慎重にまだ考慮すべき点があろうと考えるのであります。  以上の理由によりまして冒頭に申上げましたようににわかに賛成しがたいと考えるのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 只今の政務次官の発言はこれは委員長が政務次官の出席を要請して、それに基いて三浦政務次官が発言されたのか、それとも三浦政務次官が率先して来てそういう発言をされたのか、更にその発言の内容について委員長と連絡があつたのかどうか。私はこれは問題だと思うのです。議員立法の審議を始めようというのに、提案理由を聞いた直後に政府としてはこれは反対だ、というような意思表示をされるのは、これは私はかなり重大だと思うのです。我々がこの法律案を審議して進む過程において、必要に迫られて政府側の所見を委員会の決定によつて出席願つて、そして参考に聴取するということは、それはあり得ることであり又結構なことですが、私は今非常に奇異の感に打たれているわけなんですが、これは如何なものでありましよう。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) お答えをいたしますが、委員長としてはやはり法務省側の所見も聞く必要があると思いましたので、法務大臣の出席を求めております。大臣が衆議院の委員会のほうに出席をされた関係で、政務次官が当委員会に出て所見を述べられた、こういうのが議事の運営上委員長の計らつて来た経過でございますので、その点は矢嶋委員の御質問に対して私からお答え申上げておきます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 それではこういう議員立法がなされておるが、政府としてはこの法案についてどういう見解を持つているか。意見があつたら出て来て述べてほしいと、こういうふうに連絡されたわけですか。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員君(小酒井義男君) そうです。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 委員長がそういうふうに連絡されたのなら私はやや不満の点がありますけれども了承いたします。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それでは本法律案に対する質疑は次回行うことにいたして御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記をとめて下さい。    午後零時五分速記中止    —————・—————    午後零時三十七分速記開始

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) じや、速記を始めて。それでは十三時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十八分休憩    —————・—————    午後一時五十二分開会

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それでは午前に引き続いて委員会を再開いたします。  国務大臣等の私企業等への関与の制限に関する法律案を議題といたします。  只今議題となつておりまする国務大臣等の私企業等への関与の制限に関する法律案の審議を進めて参りまする過程におきまして、この際政府より特に次の三点について明確な御答弁を得たいと思います。  その第一点は、御承のごとく、一般官吏の私企業等への関与の制限につきましては、従前は明治二十年勅令第三十九号の官吏服務紀律によつて規律されておりましたが、昭和二十二年十月に国家公務員法が制定せられまして、一般職の国家公務員はこの法律の第百三条及び第百四条等で、私企業等への関与の制限を受けておるのであります。ところが、この国家公務員法の適用されない特別職の国家公務員の服務に関しては従前の例によるという趣旨の規定が、国家公務法の規定が適用せられるまでの官吏その他政府職員の任免等に関する法律と題する昭和二十二年法律第百二十一号にありまして、その結果、特別職の国家公務員の服務につきましては、先に挙げました官吏服務紀律の規定が適用せられておるのでありますが、政府は、国務大臣の服務につきましては、この官吏服務紀律の規定が適用あるものと御解釈になつているかどうか。先ずこの点に関する政府の見解を承わつておきたいのであります。  第二点は、若し国務大臣にこの官吏服務紀律の規定が適用があるとの御見解であるとすれば、次にお伺いしたい点は、その第七条には、官吏は本属長官の許可を得るにあらざれば営業会社の社長又は役員となることができない、又その第十三条には、官吏は本属長官の許可を得るにあらざれば本職のほかに給料を得て他の事務を行うことができないという趣旨の規定がありますが、現在国務大臣が私企業等に関与する場合には、これらの規定を適用して、内閣総理大臣が、これらの規定に掲げている本属長官として、許可を与えておられるのであるかどうか。この点に関する政府の御所見を承わつておきたいのであります。  第三点は、国務大臣の服務に関しまして、この官吏服務紀律の適用の有無如何にかかわらず、政府は今後国務大臣の私企業等への関与について全面的にこれを許さないという御方針であるか、或いは特殊の場合にはこれをお許しになる御方針であるか、最後にこの点について政府の所見を明かにして頂きたいのであります。

緒方竹虎自由党国務大臣

○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたします。第一点の、一般職或いは特別職の国家公務員は官吏服務紀律の適用を受けておるが、国務大臣の場合にはどうであろうかという御質疑でありますが、国務大臣の服務につきましては、御指摘の通りに、官吏服務紀律によつて規律されておるものと政府は解釈いたしております。それから第二の、その場合の本属長官は内閣総理大臣であるかどうか。従来から国務大臣が私企業に関与する場合には、総理大臣は、官吏服務紀律により、国務大臣の就任の際、又は在任中のときはその都度許可を与えております。即ち内閣総理大臣を本属長官としておる次第でございます。それから、その服務紀律の有無にかかわらず、私企業に国務大臣が関与するについての政府の方針はどういうふうに解しておるかという御質疑でありまするが、国務大臣の私企業への関与につきましては、職務と直接関係のないものをも含めて、一律に全面的に禁止することは必ずしも実情に即するものではないと考えるのでありまするが、今後とも職務と私企業との関係、私企業における地位等を慎重に考慮いたしまして、個々の場合につきまして善処いたしたいと考えております。なお制度上の問題といたしましては、公務員制度調査会を設けることになつておりまするので、この意見も参酌して更に検討を加えたいと考えております。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 質疑をしたいと思います。従来の手続について伺いたいのでありますが、従来、例えば会社の社長をしていらつしやるかたが各省の国務大臣に就任されるというときの総理大臣の承認の与え方なんでありますが、書類とか口頭とか、何か一定のきまつた形式をおとりになつておりますでございましようか。

緒方竹虎自由党国務大臣

○国務大臣(緒方竹虎君) 別に書式はございませんが、書類でやつております。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 もう一点伺いたいのでありますが、大蔵大臣は予算を取扱われます関係上、あらゆる企業に関係があると見てもいいわけのように考えるのでありますが、将来、例えばやはり大蔵大臣が或る会社の社長をしていらつしやるとした場合に、その会社の業種を御勘案になつてその承認の許諾を与えるかどうかということをおきめになりますか。或いは大蔵大臣等はもう全面的に今後私企業等への関与は禁ずる気持であるというふうにお考えになりますか。今のお気持を伺いたいと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣

○国務大臣(緒方竹虎君) 今大蔵大臣に限りまして、特に私企業に関係することを禁ずるということを考えてはおりませんが、その私企業の種類、又その役職の如何によりまして個々に考えて行くことを原則として考えております。但し御承知のように、いろいろな問題がありまするので、政府と特別の関係の、利子補給その他の関係のありまする私企業に対しましては、これはそういうことも特に考慮に入れて考えるべきではないか。そういう点から、これは事実の問題でありまするが、先般小笠原大蔵大臣が船会社の社長をやつておりましたのを、昨年の暮でありまするか、昨年の八月でありましたか、やめたことは御承知の通りでございます。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 大変御本人の名前を挙げて伺うのも如何かと存じますけれども、法案の趣旨を徹底させる意味から伺うわけでありまして、そのかたがどうとかという意味ではございませんが、御承知の通り、今官房長官は製糸会社の取締役をしておられるように伺つておるわけでありますが、先般も繊維税等の問題が相当やかましく世論に上りまして、やはり閣議にお出ましになります官房長官が製糸会社の重役をしていらつしやるというようなことは、御本人がどうとかということでなしに、制度の上から言うと私はこれは関係をお断ちになるほうがいいのではないかというふうに考えておるわけであります。こういつたようなことをどういうふうに副総理はお考えになりますか、その点を伺いたい。

緒方竹虎自由党国務大臣

○国務大臣(緒方竹虎君) その場合もやはり官房長官という役職柄と、それからその関係しております私企業の性質、又その私企業の中において持ちまする役職との関係を勘案して許可不許可をきめることがいいと思いまするが、今の名前を御指摘になりました個々の場合につきましてはちよつと私からはここで申上げることを避けたいと思います。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 先ほどからのお話を承わつておりますと、個々の場合をそれぞれ研究して許可するかしないかを決定するというお話でありましたが、現在までのところでも、もうその方針で当然これはやつていらつしやることと思います。それで、今後も慎重に検討されての上でやられることでありましようがもう今日まで慎重にされておるとするならば、今後だつて今の程度におやりになるのではないか、こういうふうなことが一応想像されるわけでありますが、そうでなくして、もう少し引締めるとかというようなことでも現在検討しておられるのでありましようか、その点はどうですか。

緒方竹虎自由党国務大臣

○国務大臣(緒方竹虎君) いろいろな汚職問題が最近に相次いで起つて参つておりますので、そういうようなことも無論今までの総理大臣の許可不許可の際に考慮に入れたことではありますけれども、更にそういう点につきまして厳重に研究して許可不許可をきめることが必要でないかと考えております。  なお今の制度的にどうしようかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、公務員制度調査会というものが近いうちに発足いたしますので、その場合に更に徹底して検討をいたしたいと考えております。  なお国務大臣及び官房長官又は政務次官の私企業等へ現に就任している者の調べを資料として出せというお話でありましたが、ちよつと了解違いしておりましたので、これは成るべく早く刷物にして皆様にお廻しすることにいたします。今日は間に合いませんでした。

八木幸吉改進党

○八木幸吉君 今答弁の資料としてでもお持ちの資料がございましたらそれだけこの機会に御発表頂いたら幸いと思います。

緒方竹虎自由党国務大臣

○国務大臣(緒方竹虎君) これは今日持つておるのは国務大臣だけでございますが、犬養法務大臣は何も兼ねておりません。岡崎外務大臣が、日米冨士自転車株式会社社長をしております。小笠原大蔵大臣はなし。大達文部大臣もなし。草葉厚生大臣が、愛知県遺族会名誉会長、名城大学理事、愛知神社責任役員総代、無名戦没者会葬墓建設会副会長。保利農林大臣はなし。愛知通商産業大臣が金融財政事情研究会理事、日本経済研究会理事。石井運輸大臣なし。塚田郵政大臣が計理士。小坂労働大臣はなし。戸塚建設大臣なし。緒方国務大臣なし。加藤国務大臣なし。木村国務大臣が日本更生保護協会会長、全日本剣道連盟会長を兼ねております。安藤国務大臣が日本宗教連盟理事、日本仏教青年会連盟最高顧問、高野山摩尼宝塔建設委員会顧問、日本花祭会総裁、四恩瓜生会監事、友愛十字会後援会会長、靖国神社奉賛会理事並びに評議員、日本文化放送協会顧問、日本短波放送発起人、朝日新聞社社友、台東区街商連盟最高顧問、オリムピック後援会顧問。大野国務大臣はなし。以上でございます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○委員長(小酒井義男君) それでは本件に関する質疑は次回に続行いたすことにいたします。本日はこれにて散会いたします。    午後二時九分散会

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