内閣委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 290 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/08/09
会議録
○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。 国会開会中皆さん公私共にお忙しいところと存じますが、特にお繰合せの上、本日委員会に御出席下さいまして誠に有難うございました。 本日と明日の両日開催の予定になつております当委員会の日程は、お手許にお配りいたしました印刷物の通り、その一つは、行政機構の整備等に関する調査と、他の一つは、人権委員会設置法案の審査との二件であります。この二つの調査と審査ともにいずれも当委員会におきまして国会開会中に継続調査及び審査を行うことに、前国会の末期に決定されておりますので、このたび委員会を開催いたすこととした次第であります。 先ず本日の委員会の初めに御決定を願いたいことは縦長派遣の件でありまして、前国会で成立いたしました防衛庁設置法と自衛隊法が去る七月一日から実施されまして、自衛隊の組織、人員、装備等も増強されることになり、特に北海道におきましては、近く米駐留軍の引揚げに伴いまして、北海道駐屯の自衛隊が著しく強加されることになりますので、この際内閣委員各位にこれら北海道駐屯自衛隊の現状の御視察をして頂き、防衛関係二法律の実施の成果を現地で御調査願うことが内閣委員会の責任でもあり、且つ又今後これら二法律関係の諸法案審査の上に多大の裨益を、もたらすものと考えられますので、本日この議員派遣の件を御決定願いたいと存ずる次第であります。 なお御決定がありました際には、委員長の手許で成規の手続を取運びたいと思います。 本日の委員会の案件は、先に申述べましたように行政機構の整備等に関する調査でありますが、その具体的調査事項は、お手許に配付いたしました印刷物に掲げてあります通り、主として幼衛関係二法律に関連する事項でありまして、その第一は、防衛関係二法律が去る七月一日実施となつて以来、この法律に基いて自衛隊は如何に整備されたか、又如何に整備されつつあるかという点、その第二は、この二法律の実施によつて従前の保安隊と警備隊とが自衛隊に切替えられたのでありますが、当時新聞の伝うるところによりますと、新法に基く宣誓を拒否した隊長が相当数あつたとのことでありますが、この切替えの状況はどうであつたかという点、その第三は、北海道駐留の米駐留軍は今秋北海道を撤退するとのことであるが、その撤退後陸上自衛隊の部隊、人員及び裝襲備の面において如何なる増強の計画をなされておるかという点、その第四は、政府は自衛隊増強計一画として、アメリカ合衆国から艦艇及び航空機の貸与を受けるよう従来交渉されておると伝えられておりますが、この米国側との交渉の経過はどのようであるか、又すでに艦艇等の貸与が確定し、今日実行の段階にあるものはどのようなものであるかという点、以上挙げました諸点について、木村防衞庁長官その他防衛庁当局から御説明を受けたいと存じます。 なお、木村長官は先般北海道駐屯自衞隊をつぶさに御視察になつたとのことでありますので、その視察の結末について、この際御報告を受けることができますならば、特に近く北海埴駐屯自衛隊の視察に赴かんとする内閣委員にとりましては非常に幸いと存じます。 それでは先ず議員派港の件を議題といたします。 只今申上げましたように自衛隊の発足後における実情調査のため、北海道に議員のかたの調査をお願いしたいと思いますが、如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) 御異議がなければ、人選或いは出発の時期等については、皆さんの御都合をお伺いしましておきめするごとに、委員長のほうに御一任することにして、手続をとることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小酒井義男君) それでは議員派遣の件は決定いたします。 —————————————
○委員長(小酒井義男君) 次に、行政機構の整備等に関する調査を議題といたします。 先ず自衛隊関係について木村防衛庁長官より報告を受けることにいたします。
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今委員長よりの御要求によりまして、いささか御説明を申上げたいと思います。 先ず第一は、防衛関係二法律実施後の自衛隊整備の状況、これから申上げたいと思います。 御承知の通り防衛庁内部部局は七月一日をもちまして、新たに教育局が設置されましたほかに、一部、課の併合、改廃統合が行われました。これに伴つて人事が確定されたのであります。先ず内部部局の課の併合、改廃統合から申しますと、官房人事局は変化ございません。防衛局におきましては、防衛局保安課が、防衛局第一課となりました。調査課が第一課となりました。調査課というのを廃止しまして、教育局に持つて参りました。経理局は、建設課、土木課を廃止いたしまして、施設管理課、工務課を新設いたしました。装備局は、旧医療課、管理課を併せまして、管理課といたしました。旧施設資材課、武器課を併合いたしまして、武器課一本にいたしました。そうして武器課の所掌から航空機関係を独立せしめまして、航空機課といたしたのであります。 次に、統合幕僚会議が、御承知の通り七月一日から発足いたし、議長及び事務局長の発令を行いました。事務局の事務分掌を定めまして、班長以下の人事を発令いたしました。この統合幕僚会議はすでに三回開催して、各自衛隊の統合調整の方針等について協議しておるようであります。 次に、附属機関といたしまして、新たに調達実施本部及び建設本部が発足いたし、これに基きまする人事組織が決定したのでありまして、それぞれ業務を開始して今日に至つております。 次に、陸上自衛隊に関係して申上げます。七月一日陸上幕僚長以下幹部の人事異動を実施いたしました。これと共に十三万編成計画に基きまして、逐次編成、装備の充実に当つております。新たに幹部候補生学校を福岡県久留米市に開設いたしました。而してその教育をすでに開始しております。全国十七カ所に地方連絡部を設けまして、地方公共団体その他関係官庁との連絡を密にして当つております。 人員の補充につきましては、幹部及び一般隊員に約二千名の採用を終りました。残余につきましては、八月以降逐次計画によつて実施して行つております。平服職員八千七百名につきましては、一部分採用を行いました。引続き残余の採用手続を準備中であります。又これに併行いたしまして、二十七年以前に入隊した一般隊員で、満期除隊となつた者約二万名余の除隊を、来年三月までに行うことになつております。 装備につきましては、十一万編成計画に基く援助物資の未済分及び増員分について、その受入れを現在行なつております。 施設につきましては、二十九年度予算による新設施設、主として北海道地区、本州積雪地区その他の地区の工事に着工しておりまするが、土地取得の困難等のために、一部遅延いたしておる所もあります。北海道方面におきましては、米駐留軍の撤退に即応いたしまして、北部方面隊に、第五管区隊及び方面直轄部隊を増置することにすると同時に、東北地方に第六管区隊を新設するための管区隊増置令、これは政令でありまするが、これを制定いたしました。現在は八月二十日を目途といたしまして富士学校及び高射学校を新設して、これに伴つて普通科学校及び特科学校を廃止するよう準備中であります。 次に、海上自衛隊について申上げます。七月一日、幕僚長以下の人事が決定されますると共に、第一及び第二護衛隊群並びに第一警戒隊群を以て自衛艦隊を新たに編成いたしまして、海上部隊の整備を図ると共に、呉地方隊を新設いたしまして、これに伴う人事を発令いたしました。人員につきましては、幹部及び一般隊員計約二千名の採用は終つております。年度末までに残余の採用を行う予定であります。又艦艇貸与協定に基きまして、アメリカから貸与されることになつておりまする艦艇のうち、駆逐艦二隻の貸与を受けることとなりました。この受領回航のため、すでに隊員四百五十八名を渡米いたさせました。 次に、航空自衛隊のことについて申上げます。七月一日、航空幕僚監部及び操縦学校本校、これは浜松にあります。これの編成を行いまして、併せて松島に臨時松島派遣隊を設けまして、米極東空軍に委託してこの教育を開始いたしております。隊員につきましては、航空幕僚長以下の幹部の人事を決定すると共に、陸上自衛隊から約三千名、海上自衛隊から約五百名の自衛官の受入れを行いました。更に外部から一般公募によつて近く採用を行う予定であります。年度末までに残余の約二千八百名を逐次採用することになつております。八月に入りまして、幹部学校の編成を完了いたしました。校長以下の人事発令を行なつて、教育開始の準備中であります。 以上は防衛関係二法律実施後の自衛隊整備の状況であります。 次に、第二といたしまして、保安隊、警備隊より自衛隊に切替え時の状況、主として宣誓拒否の問題について申上げます。切替えは大体円滑に行なつております。保安隊及び警備隊が自衛隊に切替る際には、御承知の通り法律に基きまして、新たな任務も加わることになつておるので、新任務にふさわしい宣誓を求めました。これを条件として自衛隊員としての身分を付与することになつたのでありますが、この際におきまする退職者は約七千三百名であります。而して、その殆んど大部分は陸上自衛隊の任期の定めある隊員であります。遠からず満期除隊となる予定者であるのであります。而して、これらは法律上もその際任期に満たなくても勤務期間に相当する退職手当を支給する措置を講じておつたのでありまするから、これらの隊員が切替えの時を機会に自然に退職したものであるのであります。巷間伝えるがごとく、宣誓拒否というような性質のものでは断じてありません。又任期の定めのない隊員等の中にも僅少の退職者がありました。これは主として海のほうであります。これらは性格の不適、健康の不十分、家庭の事情等で現在より厳格な勤務につく自信を有していなかつた者が自然退職をしたものと思われるのであります。従いましてこの切替え時期におきまする状態は極めて円滑に行つたものと我々は考えております。 第三に、米駐留軍の引揚げ後における自衛隊の増強計画の大要について申上げます。今回北海道から撤退を予定されておりまする米駐留軍は、陸上部隊だけであります。駐留軍撤退後の北海道方面の陸上部隊による防衛は、日本が独自の力によつて担当することになるのであります。駐留軍の撤退時期、駐留軍と陸上自衛隊との交代時期につきましては、折角アメリカ側と折衝中であります。近く決定をみることと思います。撤退いたしまする米駐留軍が使用いたしておりまする施設は、撤退と同時に陸上自衛隊に転用する予定でありまするが、転用予定施設は、真駒内及千歳両区域内の施設であります。陸上自衛隊といたしましては、北海道に新たに一管区隊、及び方面直轄部隊を増置いたしまして、北部方面隊を現在の約二万六千人から約四万二千人といたします。この結果北海道に配置されまする部隊は、これに北海道地区補給処その他の長官直属部隊等が加わりまするので、現在の約三万人から約四万六千人となるわけであります。なお北部方面隊に増強いたしまする部隊の一部につきましては、北海道以外に配置しておりまする既設の部隊を移駐して質的にも強化することを計画いたしております。新たに駐屯地となりまするのは真駒内及び東千歳であります。これが米駐留軍引揚げ後における自衛隊の増強計画の大要であります。 次に、艦艇及び航空機貸与に関するアメリカ側との交渉の経過と現在における貸借の進行状況についてであります。 第一に、当初予想されました貸与艦艇は、すでに申上げました通り、計十七隻二万七千二百五十トンであります。これは我々予想しておつたのであります。これにつきましての現在の貸与艦艇の引渡し状況はどうであるか、この点について申しますると、二隻の駆逐艦は本年の十月十五日に米国において引渡しを受けることになつております。この乗組員は先刻申上げました通り、すでにアメリカに向つて渡航中であります。なおこのほかに二隻の駆逐艦の引渡しを受けることになつておりまするが、只今その具体的の内容については未だ決定いたしておりません。折角考慮中であります。なおこのほかの艦艇につきましては、現在のところまだ交渉中でありまするが、決定いたしておりません。併し、申上げたいのは、我々の希望するほどの数には恐らく達しないんじやないかと考えておるのでありまするが、これらの点についても、極力当初の目的通り実現いたすよう折角交渉いたしたいと、こう考えております。 航空機につきましては、陸上自衛隊は現在百十機の供与を受けております。本年度末までに更に約九十機程度の供与を受ける見込みであります。海上自衛隊は現在全然供与を受けておりませんが、本年度約四十機程度の供与を受け得る見込みが十分立つております。航空自衛隊につきましては、本年度末までに輸送機約十五機程度の供与を受ける見込みがついておるのであります。なおこのほかに極東空軍に委託しまして操縦教育を受けておるのでありまするが、これに使用される航空機は今後供与される見込みであります。その数は約九十機程度と考えております。 以上大体申述べた次第であります。
○委員長(小酒井義男君) 以上の木村長官からの説明に関連して御質問ござしましたら
○矢嶋三義君 この第五項の、木村防衛長官の過般北海道の自衛隊視察の報告聴取、これはこの際一応承わる予定ではないのでございますか。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて。
○矢嶋三義君 私はこの質問をする前に、先ほど専門員にも通告いたしておきましたが、先ほど委員長から発表された事項以外に、隊員の規律の問題、更に来年度の予算の検討期に入つているわけでございますが、来年度の自衛隊の増強計画についての具体的な質問、最後に別府湾に沈下しておりますところの爆弾並びにガス弾引揚げの問題も適当な時期に質問さして頂きたいということを要望申上げまして、取りあえず只今の木村長官の説明に対して若干の質問をいたします。 先ず第一番に長官に伺いたい点は、米駐留軍が北海道から引揚げるという問題でありますが、防衛関係二法律の審議段階において、いずれは駐留軍の引揚げについて交渉するという答弁があつたのでありますが、私ども関係二法成立直後直ちにああいう発表があるということは、少くとも私自身予想しておりませんでしたし、又長官の答弁においても、私どもそういうことを推察することはできなかつたわけでございます。ところが七月一日自衛隊発足と殆んど時を同じうしてアメリカ側から発表になつたわけでありますが、そうであるならば、私はすでに二法律の審議段階において日本側とアメリカ側と十分交渉は進められておつたものかと考えるのでありますが、そのいきさつについて、先ず長官から承わりたいと思います。と申しますポイントは、早急にああいう発表があつて、自衛隊としては北海道の米軍引揚げ後の我が国の防衛体制の編成に相当苦慮される面があるのではないかと、こういうふうに私どもは想像するわけであります。従つてそういう角度から、経過について木村長官答弁をして頂きたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。御尤もな御質問と思います。併し実情は、国会開会中において我々は早急にアメリカ駐留軍が引揚げを実行するものとは考えておりませんでした。併しいずれは引揚げられるものだ、これに対する用意はしておくべきであるという考えの下に、いろいろ考慮しておつたわけであります。併しアメリカのほうではいろいろ事情もあつたのでありましよう。その間の事情については我々は十分に承知いたしておりません。早急に引揚げることになつたので、これに対して我々もかねてからいつかは引揚げるということがあるだろうということを予想しておつたのでありますが、これを機会にこれを実行することは可なりと考えて、これを受け入れて我々のほうも後の対策を立てたわけであります。
○矢嶋三義君 だとしますと伺いますが、二法律審議のときに、陸上、海上、航空各自衛隊の業務計画表というのを提示頂いたわけでありますが、これに増加されるところの隊員の募集その他について、各月別に計画表を頂いたわけでありますが、この計画表というものは北海道における米駐留軍の早期引揚げによつて相当の変化が現われるのではないかと、こういうふうに私考えますが、その点と、それからこれと密接に関係ある問題としては、米陸上隊を引揚げるというのでありますが、その交代の時期ですね、これがいつ引揚げて日本側において今後引継ぐかということが、これらの計画と非常に関係があると思いまするが、今のところどういう目途をもつてこれに対処されておるか。更に長官としての希望の交代時期というものは、いつ頃であつたならば曾つて立てたところの計画表通りにやれるという見通しであられるか、それらの点を伺いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 隊員の募集の点については大した影響はないものと見通しております。 なお、交代の時期については、先ず交代が一番初めに開始されるのはどれくらいの時期かと申しますると、確定の日はわかりませんが、今月末から来月上旬の頃になるのしやないかと考えております。まだ日取り等については確定いたしておりません。今後本年末までにこれを完了いたしたい、こう考えております。
○矢嶋三義君 引継ぎ完了の今年末とは、昭和二十九年の十二月という意味でありますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) さようであります。
○矢嶋三義君 それではこれに関連して更に伺いますが、曾つて木村長官は衆参における我々の質問に対してこういうことを答弁されておりました。即ち、日本に駐留するところのアメリカの部隊はこれは戦力である、日本の保安隊なり警備隊は戦力に至らないところの部隊である、いずれはアメリカの駐留軍は引揚げる、その引揚げることによつて日本の部隊は次第に増強されて替るのであるが、そのアメリカの駐留軍と替つたところの日本の部隊はそれは戦力になる、その段階に交代するんだ、こういう意味のことを答弁されておるわけでありますが、このたび北海道の米駐留部隊が引揚げてそのあとを日本の自衛隊で守るということになりますならば、曾つての戦力であつたアメリカの駐留軍に替るべき日本の自衛隊は、曾つて長官が答弁された戦力の域に達するものと自衛隊はなり得たと、こういう自信の下にアメリカの引揚げ要請を受け入れたものと考えるのでありますが、それらの点については、長官はどういうふうにお考えになつていますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私が前国会において申上げたのは、いわゆるアメリカの駐留軍全体、即ち日本に駐留いたしておりまする陸上部隊、海上部隊、航空部隊、これら全部を包含したものが戦力に至つておるであろう、こう言つておるのであります。従いまして北海道に駐留いたしておりまするアメリカの陸上部隊だけをもつて我々は戦力とは考えておりません。又さように申しておりません。従いまして北海道に駐留いたしておりまするアメリカの陸上部隊に今後替るべき日本の自衛隊を補充いたしましても、これをもつて直ちに我々は憲法第九条第二項の戦力でありとは考えておりません。
○矢嶋三義君 なかなか木村長官答弁がうまいといいますか、ごまかしが上手で、まあ苦しい答弁だと思うのでありますが、私率直に伺いますが、よくあなた方から北海道の守りが大事だということを常々承わつておりました。この守りを米の駐留軍がやつておつたわけでありますが、このたび日本の自衛隊が駐留軍に替つて駐留軍と同様に、十分あなた方が必要性を認めているところの北海道の守りというものが遂行されるという自信の下に現在の作業を続けておられるのかどうか、それらの自信のほどについて承わりたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカの駐留軍に替るだけの実力を我々は発揮させたいという考えの下に着々やつております。現に部隊の編成装備等についても、万違算のないように我々は目下やつておりますが、決してアメリカの駐留軍が北海道から引揚げたからといつて、北海道の防備が非常に手薄になるとは考えておりません。今後まます我々は質的にこれを充実して行きたいと思つております。
○矢嶋三義君 ということは、新たに北海道に駐屯する我が自衛隊は、曾つて駐留しておつたアメリカの駐留軍の戦力に刻々近付きつつあり、いずれはやはり国民を納得させるためには憲法というものは改正せねばならない、こういう方向に非常に進みつつあるということだけは長官お認めになるでしよう、如何でありますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカが現在極東に持つております。殊に日本に駐留いたしておりまする陸上部隊、海上部隊、航空部隊等に替るべきような大きな装備編成を持つた実力ある部隊を日本で持つということになれば、無論憲法改正の問題は起つて来ることであろうと考えております。
○矢嶋三義君 質問を続けますが、北海道から引揚げる米軍は東北地方に今後駐留するというようなことを私は新聞で拝見したのでありますが、果してそうかどうか。北海道を引揚げることによつて、日本に現在駐留している米軍の全部の数は私は減るのではないか、更には来年度の予算編成に当つての防衛分担金等にも変化を来たして来るのではないかと、こう考えるのでありますが、それらは如何でございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカの部隊の行動等につきましては、我々は十分にアメリカから通知を得ておりません。従いましてただ想像するところによれば、東北のほうに一時置かれるんじやないかと考えております。これは本国へ持つて行くのであるか、或いは暫らく日本にとどまるのであるか、その辺のことについては、まだ十分の我々は知識は得ておりません。
○矢嶋三義君 それは非常に私は不可解なんでございますがね。勿論協定によつて駐留しているのではありますが、併し北海道に駐留しておつた大部隊が、我が国の東北なり他の地区に移駐するとすれば、当然私は施設設備の問題が生じて来ると思うのです。それはお互いの防衛分担金でするにいたしましても、そこに土地の問題、建物の問題、地方公共団体並びに国民の私有権、権利、そういう問題にも波及して行くわけでございますので、当然北海道から引揚げるとなれば、日本のどこにその部隊が移駐するのか、それとも一部は他の地域、日本以外の他の地域或いはアメリカ本国に引揚げられるのか、そういうことは当然私はすでに明確になつておつて然るべきだと思います。更にもう来年度の予算の検討期にも入つておるわけでありますから、これらが我が国の防衛分担金と関連性があるのかないのかという点は、少くとも長官は御存じになつておらるべきものだと思います。重ねて大略でもよろしゆうございますから伺いたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今申上げた通り、恐らくアメリカ駐留軍といたしましては、既設施設のうち内地にあるものにこれを一時入れるのじやないかと考えております。詳細なことについては我々は知識を得ておりません。
○矢嶋三義君 では、それらの点について向うから日本政府に通告がないならば、こちらから進んで如何ようにするつもりであるか、米軍当局に私は照会して然るべきだと思うのでございますが、今までそういう照会をなすつたことはないのか、又今後問い合されるところの意思はないのかどうか、その点について伺つておきます。
○国務大臣(木村篤太郎君) 現在までのところは照会した事実はありません。今後必要があれば照会いたしたいと考えておりまするが、これはアメリカのいわゆる軍の秘密にも関することでありましようから、我々といたしましては、アメリカが既設の施設を利用するものと一応は了解しておるのであります。
○矢嶋三義君 じや重ねて承わつておきますが、北海道から引揚げる米駐留軍は、現在北海道を除く我が国の既設の施設の中に収容するので新たに土地或いは建物を収用することはない、こういうふうに了承してよろしゆうございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 全然ないとは私は断言できません。大部分は既設の施設を利用するものであろうと考えております。その後のことについては、我々は今何とも申上げようはないのであります。
○矢嶋三義君 先般二法律を審議するときに、日本国土からの米軍の引揚げについてすでに交渉する段階に来ていると、こういうことを答弁されておるわけでありますが、北海道引揚げの契機に、現在日本に駐留しておる米軍の一部は日本以外の他の地域或いは本国に引揚げられるのではありませんか。それらの点については、何ら長官にはわかつておられませんか。若しわかつていないとするならば、その点、並びに新たに土地或いは建物を収用するところの必要があるかないかというような点が明確になる時期というものはいつ頃でございましようか、それらの点について伺います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 先ほど申上げました通り、駐留軍が本国に引揚げるか、或いはそのまま内地にとどまるか、いずれ引揚げについても一時は内国にとどまることは当然でありましよう。それらの点については十分なる我々は知識は持つておりません。 なお、駐留軍が内地へ引揚げるについて既設施設をはみ出すというような場合に、新たに施設を作らなければならんというようなことになりますれば、我々にいろいろ関係があるので申出ることであろうと考えております。
○矢嶋三義君 その時期はいつ頃と長官はお考えになつていらつしやるか。私の只今尋ねているような質問に長官として実際に答弁できる時期がいつ頃とお考えになつていられるか、これが一点と、重ねてお伺いしますが、本年度中日本に駐留している米軍の一部は引揚げるというような見通しは、長官としては持つておられないのでありますか、どうですか。その二点について明確に答弁願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカ駐留軍は本国へいつ引揚げるか、その見通し如何というのでありますが、私は全然見通しはついておりません。一にアメリカ駐留軍の今後の考え方如何によつて、我々にいろいろ協議があることと考えておるのであります。今のところは見通しがついておりません。なおこの施設その他について新たに必要なものを作らなきやならんという時期が参りますれば、恐らく我々にもいずれか話があるだろうと考えております。只今のところまだ何も話がありません。その今後の見通しにつきましては、我々は申上げる段階に至つておりません。
○矢嶋三義君 長官の答弁は私はおかしいと思うのですがね。この前二法律を審議しているときは、アメリカ軍の引揚げについては、すでにアメリカ側と交渉する段階に入つている、こういうことを答弁されているのです。早急に交渉する段階に来ている、こういうことを答弁されている、その後二法律が施行されて、まあ少くとも私にとつては突然北海道から引揚げて、日本の自衛隊に替らせるという発表がありましたので、当然それに伴つてアメリカの駐留軍は如何ように駐留するのか、日本からの一部引揚げというものはどうなるのかということは、当然私は話があつて然るべきだと思います。向うからないとすれば、それらの点について米軍関係と話し合つたときに、当然こちらから質問があるべきであり、従つて長官としては、もう少し質問者である我々議員の或る程度納得できる答弁はなさるべきだと思うのですが、曾つての十九国会における委員会における答弁と矛盾をお感じになられませんか、重ねてお伺いします。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は十九国会の答弁と矛盾していないと考えております。我々といたしましても、アメリカの駐留軍がいつまでもここに駐留すべきものではない、成るべく早い時期にアメリカ駅留軍と我々は交代いたしたい、こういう考え方を持つておつたのであります。その意味のことを申上げたのであります。そこでいつ駐留軍が北海道から引揚げるかということについて、実は我々といたしましては、今後交渉を進めたいと考えておりましたところ、アメリカのほうのいろいろな事情があつて、至急にこれを引揚げたいということになつたので、我々もこれに同意をしたのでありまして、これに対する補充体制を年内にやつたわけであります。
○矢嶋三義君 その答弁は不満ですが、時間がかかるといけませんから、それと関連した質問を更に展開いたしますが、それは前国会ですね。業務の計画表を出されておりますが、その業務の計画表の中に、昭和三十年度の自衛隊関係の予算に関する検討が大体八月中旬に終るということが出されているわけであります。すでに八月中旬間近になつているわけでありますが、来年度の自衛隊の増強については、北海道における米軍の一部駐留の引揚げ、これらとも関連して相当予算の編成検討期に入つた現在、主体性を帯びて来ていると思ううのです。と申しますことは、アメリカの海外軍事援助というものも国会で審議されたわけでございますから、MSAの援助に対する日本の期待、それに伴う来年度の自衛力増強に伴うところの国内予算についても、大体の大骨というものがすでに長官の手許にあられると思うのですが、それらの点について伺いたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 三十年度の計画につきましては、実は今折角検討中であります。業務計画は八月中旬までに大体の骨子を明らかにしたいという考えでおつたのでありますが、なかなかうまく行きません。御承知の通り、日本の財政計画についていろいろ政府においても検討中であるのであります。又アメリカから受入れるべき援助に対しても、これらについても我々は十分に考慮をいたさなければならん。従いましてはつきりした数字は申上げることができません。ただ我々といたしましては、幾分やはり増強しなきやならないのじやないかという考えを持つております。これは前国会においてしばしば申上げた通り、陸上部隊においては約二万、航空では八千六百、海では六千、こういう数字を大体申上げたのであります。その線が我々としては一応の希望の数字でありますが、これもなかなか困難ではなかろうかと考えております。従いまして我々の計画を明らかにする段階になるにはまだまだ日数がかかると考えております。でき得べくんば今月一ぱいぐらいに何とか目鼻をつけたいと考えておりますが、これも恐らくそういう按配でありまして、確定的なことはまだ申上げる段階に至らんのではないかというのが今の段階でありまして、折角各方面から慎重に検討中であることを申上げます。
○矢嶋三義君 話を割つて、私は本年度と来年度についてもう少し伺いたいのですが、先ず本年度について伺いますが、十九国会で長官以下関係のかたがたが我々に答弁されましたMSA援助というものは、皆様がたの期待額通りに順調に進んでおるかどうかという問題です。この問題については、国会の審議の段階においては、長官以下関係者は十分我々の期待額通りに進む自信がある、こういうことを答弁されたのでありますが、艦艇貸与協定をとりましても、十七隻のうち四隻だけで、更に只今の説明では二隻を受取りに出発して、あとの二隻については今はつきり見通しがつかない、こういう説明です。更に希望数には恐らく達しまいという表現を初めてされました。十九国会中にはこういう悲観的な答弁は一言もなくて、勇ましい表現であつたわけでありますが、こういうふうにMSA援助の日本政府の期待額が変つて来た理由、これはどういうところにあるとお考えになつておられるか。そうなるとすれば、曾つて皆さんがたが説明された自衛隊の増強計画、昭和二十九年度における計画というものは、当然隊員の募集の面について、或いは艦艇の発注等の面について変つて来るのではないか、こう考えますので、それらの点について御説明願いたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) MSA援助は順調に行つております。船舶のほうは、これはMSA援助以外のものであります。従いましてこれらについて、我々は今できるだけの交渉は進めておりまするが、先刻申しました通り、これは我々の希望通りには参らないのじやないかという見通しはつけております。而してこれに代るべき対策をどうすべきかということについては、折角アメリカ側とも交渉中でありまするが、引続いて我々の希望に達するように折角交渉中であります。
○矢嶋三義君 只今の答弁ですが、先般出された計画の中に、駆逐艦の建造の予定はないように出ておりますね、新聞に。最近伝えられるところによると、艦艇貸与協定による供与が所期の目的通りに行かないので、自衛隊のほうでは駆逐艦も発注するのではないか、こういうことを報じられておりますが、それらの点はどうかということと、十九国会のときに自信満々とお答えになつておられたこれらの貸与の問題が、あなたがたの期待通りに行かなくなつたという点はどういう理由に基くものか、あなたがたの見通しというものが甘かつたのか。それともあなたがたとアメリカ側との話合いで若干まとまつていたものを、アメリカ側がその後態度を変えたのか。若し変えたとするならば、それはどういう理由に基くと考えられるか。その点について伺いたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 勿論アメリカのほうでも、初めの我々の考えた通りの貸与は出先のほうではでき得るものと考えておつたようであります。併しいろいろ国内的、国際的関係もあるのでありましよう。最近になつて相当渋つておるのであります。併し我々といたしましては、できるだけ希望を達するように折角努力中であります。アメリカ側においても相当今後考慮してもらえるものと考えております。 なお二十九年度においては御承知のように駆逐艦の建造というものは、予算に見積つておりません。従いましてアメリカのほうで、我々の思うように駆逐艦の貸与を今後渋るというようなことになりますれば、三十年度において我々は多少なりとも駆逐艦の建造の見込みで予算を編成しなければならないかとも考えております。併しながらこれも国政全般に亘る大きな見地から考えなければならんのであります。今確定的なことは何とも申上げることはできません。
○矢嶋三義君 その駆逐艦の発注の件ですが、取りあえず発注をしておいて三十年度の予算案に予算を確保する、こういうような方法はとられないでしようね。その点念のために承わつておきたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 絶対さようなことはありません。さようなことはでき得ないと思います。
○矢嶋三義君 その点了承します。 次に伺いますが、MSA援助の交渉が順調に行つておると言いますが、飛行機関係はそうですが、もう少し……。
○国務大臣(木村篤太郎君) 飛行機関係も相当順調に行つております。
○矢嶋三義君 関連して伺います。長官としては、航空自衛隊もできたことであるから、貸与されるところの飛行機は航空自衛隊一本に結集しようというようなお考えのように、私は十九国会の答弁では了承しておつたわけでありますが、最近のアメリカ側の意向は、艦艇貸与協定で十分の艦艇を約束通りに貸与できないので、その代りに海上自衛隊のほうに若干の飛行機を貸与しようというような意向が出て来ているように私は聞いておりますが、先ほど長官の説明の中にも、本年中に四十機ぐらい受ける自信がある、こういうことを説明されておりますが、この飛行機の海上自衛隊並びに航空自衛隊への配属関係ですね、これらの点については、曾つての長官の構想通りに行つていないのではないか、こういうように私は考えるのでありますが、長官の御所見を承わります。
○国務大臣(木村篤太郎君) 航空自衛隊ができました以上は、航空自衛隊一本で行くべきであるということは筋が通つておるのであります。ただ、あなたの御質問の要旨は、つまり飛行機の分属問題なんであります。海軍、いわゆる海上自衛隊において持つことが……、如何なる機種が便宜であるか、又どういうものを抜かすべきであるかということについて、例えば連絡或いは索敵というような飛行機について、どう分属をするかという分属問題であります。それらの点については、我々は現在十分に研究中であります。近く結論を得たいと考えております。
○矢嶋三義君 私は長官の所見を承わつているわけであります。
○国務大臣(木村篤太郎君) まだ結論に達しておりません。各種のデータを集め、又いろいろの点からこれは考えて決すべき問題であろうと、これは大きな問題でありまするから、十分慎重に決定いたしたいとこう考えます。
○矢嶋三義君 その問題が、我が長官を中心とする自衛隊の意向通りに自主性を持つて行くよりは、貸与されるアメリカ側の意向によつて最終的に決定されるのではないか、こういうふうに考えますが、そういうことはありませんか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 勿論我々は自主的に考えております。これは各国においてもいろいろ戦われた問題であるのでありまして、十分我々は承知いたしております。併し日本は日本のあり方があります。諸外国とおよそいろいろの点について違つた角度からこれを研究しなくちやならん、日本は日本として自主的にこれを解決する、決して他国の要請とか干渉とかあるべきはずはないと、こう考えております。
○矢嶋三義君 来年度の自衛隊関係の予算の問題から少し話が発展したわけでありますが、話を戻しまして私は伺いますが、すでに各省とも来年度の予算について検討をしているわけです。まあ我が国の一兆円予算を考えた場合、この防衛関係の予算がどの程度におさまるかということが、他の予算を決定するのに非常に私は大きな影響性を持つものと思うのです。従つて、長官関係の見通しというものが早くきまることは非常に私は大切なことじやないかと思うのです。従つて、すでに相当私は話が進んでおるのじやないかと思いますが、伺います点は、あなたがたのほうでこの陸上二万、航空八千六百、海上六千人の各動員ですね、これらの線から来年度の予算というものを打出して、これからアメリカの対日軍事援助というものを交渉するのか、それともアメリカ側の対日軍事援助額がきまつて、然る後にあなたがたのほうでそれに伴う増強の予算を確定するのか、いずれか。その点について伺います。
○国務大臣(木村篤太郎君) これは、原則といたしましては日本の計画を立ててからやるべきと考えております。併しそれについてもどれぐらい援助が得られるかという、やはり一応の見通しも必要であろうと考えております。併し原則としてはどこまでも日本独自で立てて行くべきものである、こう考えております。
○矢嶋三義君 こちらの計画を立てて交渉するとするならば、すでに計画は立つていなくちやならんでしよう。それと、伝えられるところによると、アメリカの軍事援助というものは約五億ドル減額されたということが伝えられております。又一方インドシナヘの八億ドルの軍事援助は、インドシナが休戦になつたので、その一部をアジア方面に援助するかのように伝えられておりますが、それらの点、更に根本的には朝鮮が休戦になつた、更にインドシナは御承知の通りにああいう形で熱い戦争というものがとどまつたのでありますが、更にはコロンボ会議を中心にして、アジアの平和維持への方向というものは非常に顕著なものがあると思いますが、こういうふうに世界の情勢とアジアの情勢が変つても、この対日軍事援助を根幹としての皆さんがたが言われるところの日本の防衛力の増強計画というものは再検討されるお考えはないのかどうか、それらの点について御所見を承わりたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 一国の防衛計画を立てるについては、先ず国内の財政面からこれを検討すべきことはこれは論を待たないのであります。同時にいろいろ国際上の動きというものもこれ又閑却することはできないのであります。種々な面からこれを検討して防衛計画というものは立つべきであろうと考えております。今インドシナ休戦なんかの問題が出ましたが、それに対してアメリカの援助の金額が余つて来る、その金の使い途はどうかというようなことについては、これはアメリカ国内の関係でありまして、我々といたしましては、どう使用されるかということについては、何ら関知いたしておりません。ただ我々は日本のあるべき姿というものをよく見極めて、そうして日本の財政計画その他を勘案して一応の計画を立て、これに基いてアメリカからの援助はどうあるべきかということを検討して行くべきである、こう考えております。
○矢嶋三義君 具体的に伺いますが、FOA調査団とはお会いになりましたか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は会つておりません。
○矢嶋三義君 三十年度のMSA援助期待について、意思表示をされたかされないか、この点……。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は何ら意思表示はいたしておりません。
○矢嶋三義君 この交渉は外務大臣においてなさるべきものであると思うが、如何ですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 外務大臣ともその点について何ら私は話合いをまだしておりません。
○矢嶋三義君 あなたは外務大臣と話合いをし、更に日本政府がアメリカ側に意思表示する時期はいつ頃とお考えになりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) まだ日本のこの財政計画、三十年度は立つておりません。それらが立つてからのことと存じております。
○矢嶋三義君 重ねて伺いますが、先ほど私が申しました世界、アジアの情勢のこの変化に伴つて、日本の防衛計画というものに再検討するというようなお考えはあるのかないのか、その点……。
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今申上げました通り、我々防衛計画を立てるについては、いろいろ方面からこれを検討しなければならん。再検討するしないという問題でなしに、防衛計画を今後立てるについてどうあるべきかということについては、いろいろな点から考慮する、それらの点も又考慮の一つの契機となることと考えております。
○矢嶋三義君 こういう重大な段階に防衛関係二法に基く国防会議が現実に存在しないということについて、長官はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 国防会議がいずれ法律でもつて制定されることであろうと考えております。今まだ制定せられておりません。併しこの防衛二法を実施するについては、何ら遺憾なくやつております。
○矢嶋三義君 こういう世界の情勢、アジアの情勢が急変するようなこういうときにこそ、国の外交或いは防衛、それらの点について、国防会議において十分練つて、そうして当年度の更には来年、再来年と、こういう打来の問題を過ちなきように処理されなければならんと思うのです。従つて私はここで痛切に感ずることは、十九国会の審議のときにも我々問題にしたのでありますが、今この国防会議というものが、政府はその法を提案しなかつたためにないということは非常に私は不都合だ、誠に残念なことだと、こう考えるのですが、そういう反省はいささかも持たれませんか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 反省をするかしないかということは別問題として、国防会議の法律が早く制定されることを希望いたします。
○矢嶋三義君 その点はいいのですが、さつきあなたは国防会議がなくても何ら支障なく運営できておるということは、ちよつと私は重大な発言じやないかと思うのですかね。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は国防会議がなくてもいいと言つたのではないのであります。国防会議は現在ないのであります。併し我々は二法律を実施するのに全力を尽して、何ら支障なく今までのところはやつて来ておる、こういうことであります。
○矢嶋三義君 私はこの点について突つ込んで伺いますが、世界並びにアジアの情勢がこれだけ変りつつあれば、昨年或いは一昨年あなたがたのほうで計画された防衛計画を国防会議にも諮ることなく、そのまま続けて行くことは如何かと考えるのです。従つてすでに国会において可決成立された予算の範囲内、或いは法の範囲内においてはそれはあなたがたのほうで進められておつて結構でありましようが、今後のMSA援助に対する日本政府の意思表示とか、それに伴うところの増強計画というものは暫らくここで見合して、正式に国会で国防会議に関する法律が成立して、国防会議が誕生した後にその議を経て、今後の新たな増強計画については実施に移されるべきである、こういうふうに私は考えるわけでありますが、長官の御所見如何でありますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 国防会議で一応計画を立てて、そうしてこれを総理大臣の諮問に応ずるということは、これは当然のことであります。今国防会議のないうちは、政府の関係機関がこれについて案を立てて、そうして予算に盛つて、更に国家の最高機関であります国会において十分なる審議を遂げて、これを実施に移すということが当然のあり方であろうと考えております。従いまして我々関係当局としては、案を立てて、そうして十分国会の審議を願いたい、こう考えております。
○矢嶋三義君 だから私具体的に伺つておる点は、新たなアメリカの対日軍事援助ですね、そういうものは国防会議が発足するまではそういう交渉は一切すべきでない、そういう態度をとられるのは、私はすでに成立した日本の国防会議の存在価値からいつて、当然とらるべき政府側の態度だと、こういうふうに私は考えますので、そういうふうにしてもらいたい、如何ですかと、こういうふうに伺つているわけですが、その点を一つ明確にして下さい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今国防会議が設置されていないのでありますが、設置されていない以上は、政府はその責任を持つて案を立てて、これを国会において審議を願うということが、法律上も又実際上も妥当だと考えております。いずれ国防会議ができますれば、それにおいて案が立つことであります。その案が立つてもこれは国会において審議をされるわけであります。国会の決議を経なければ、如何に国防会議の案を立てたところで、これを実施ができなしわけでありますいずれにいたしましても、国会の御審議を踏むということが、最終段階においてやらるべきことであろうと考えております。
○矢嶋三義君 それを裏返して考えてみると非常に危険だと思うのですよ。吉田内閣のやつていることは、自衛力の増強、再軍備関係は典型的な既成事実主義をとつているわけですね。憲法でも既成事実の積重ねによつて蹂躙しつつあるわけです。先般の警察法についても、やはり既成事実の積上げ主義をとつているわけですね。従つてそういう吉田内閣の行き方から考えた場合、私どもこの国防会議は一つの抑制機関としたい。一部のかたでなくして、広く全国民の要望する線に沿つて日本の防衛計画というものは立てられるように、はやる一部の関係者の意向の適正なる抑制機関の性格をも持たせなければならんという立場から、国防会議の重大性を認識し又議論したわけですが、今の長官の答弁によりますと、もう国防会議がなくても政府の責任でやつて行けると、そして予算関係は国会にかけてやつて行けるとすれば、じやんじやん話はずつと進めて行つてしまつて、既成事実を作り上げてしまつて、大きな方向というものはさまつて、そのあとで国防会議というものが生れて来るというような私は危険性があると、これは更に裏返して考えれば、国防会議無用論にも通ずるものだと、こう考える。私は非常に遺憾に考えるのでありますが、従つてこれらの運用については十分心してもらわなければならんと思うのですが、その大きな筋ですね、これは一応法にもあるわけですから、国防会議が発足してからにして、それまでは余り今の内閣の責任でというような立場で推し進められないようにすべきだと思う。若し早急にやる必要があるとするならば、臨時国会でも一日も早く開いて、そして法律を国会に提案して、国会の承認を得て、然る後にやるべきだと思うのです。臨時国会は野党から要求するが開かない。法律は出て来ない。併し実際やつて行くに当つては、或いはアメリカ側と今後の日本の防衛計画に対する大きな筋についての交渉あたりには別に差障りはないというような点は、非常に納得しがたいものがあると思いますが、重ねて私の希望条項もあつたわけでありますが、長官の御所見を伺います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 国防会議が早く成立することを希望いたします。併し国防会議が現在成立していない段階においては、我々は責任を持つてあらゆる計画を立てて行くべきが当然であろうと考えております。
○矢嶋三義君 では国防会議が早急に成立することは必要だと、又希望されると、こういう御発言でございますか、だとすれば、長官は臨時国会の早期召集というものを期待しているわけですね。
○国務大臣(木村篤太郎君) どうも私の口からは何とも申上げることができません。臨時国会を早期に召集すべきかどうかは、これはもうすでに何遍か五党会談で何回も召集の要求はあつたようであります。我々といたしましては、これについては何とも断言はできませんが、少くとも国防会議が成立することを期待しております。
○矢嶋三義君 少し矛盾するわけじやありませんか。あなたの所管の国防会議の件については、早く成立することを希望する、早く成立するためには国会を開かなければできんのですから、これははつきりすれば、あなたの所管の部門においては、少くとも臨時国会を早く開いてもらわなくちや困る、そういう期待を当然長官が関与する範囲内において希望されるわけですし、又閣内においても、そういう発言があつて然るべきだと思うのですが、如何ですか、
○国務大臣(木村篤太郎君) 早期開会については私は意見は申上げませんが、ただ少なくとも国防会議の成立することを期待いたします。
○矢嶋三義君 ということは、臨時国会を早く開かなければならんというこをあなたは認めているということでありますから、それはその程度にしし、最後にもう一点伺います。それは今度の切替えに当つての宣誓拒否の問題でありますが、二、三伺います。先ず第一は、警察予備隊から保安隊に切替えたときも、宣誓させる宣誓文が政令できまつたわけですが、このたびの切替えに当つての宣誓文というものはどういうものであるか、それが一点、それから第二点は、満期除隊者が大部分であつたというのでありますが、この満期除隊者の中には予備自衛官を希望した者はどのくらいいたのかどうか、この二点について先ず伺つて、次ぎ若干伺います。
○説明員(加藤陽三君) 第一のお尋ねでございますが、宣誓文は、お手許に差上げてございます関係法令集の二百三十四頁にございます、自衛隊法施行規則第三十九条であります。学生の服務の宣誓については第四十条、予備自衛官については第四十一条、幹部自衛官については第四十二条であります。 予備自衛官の募集につきましては、只今のところ施行中でございまして、まだ応募者の数についてはまとまつておりません。
○矢嶋三義君 宣誓を拒否した者は満期除隊者であつたというのでありますが、これはこの宣誓に賛成であつたならば、言い方を換えますと、予備自衛官を希望するのであつたならば、宣誓をして然る後に除隊したであろうと、こう素人には考えられるのですが、如何でございますか。
○説明員(加藤陽三君) 只今大臣もお話になりましたように、大多数の者は満期除隊の決心をしておつた者が宣誓をせずにやめて行つた。御意見のようなことは考えられますが、私の聞いておりますところでは、やめようという決心をしている者でございますから、特別退職者も満期でやめる場合と同様にもらえるならば、どうせやめるならば一日も早く出まして職を探したい、或いは他の職のほうに行きたいということが大多数であつたように承知いたしております。
○矢嶋三義君 ちよつとわからないので更に伺いますが、満期除隊者の中で宣誓した者はないのかどうか、若し、満期除隊した人が後に予備自衛官になる場合には、そのときに宣誓すればいいようになつているのかどうか、その点について伺いたい。
○説明員(加藤陽三君) 満期除隊と申しまするか、二年の任用期間の参りました者でも、六月三十日に宣誓をしないでそのままやめて参りました者と、あとに残りまして七月以降にやめて行つた者及びやめて行く者もあるわけでございます。その七月以降に残ります者はやはり六月三十日までに宣誓いたしまして、一遍陸上自衛官になりまして、それから本来の任期の満了しましたときにやめます。この者が又予備自衛官になりますときには違うのであります。こちらのほうで選考いたしまして採用決定いたしましたならば、只今申上げました予備自衛官としての宣誓は又へもう一度やるということになるのであります。
○矢嶋三義君 長官に伺いますが、このたび宣誓しないで満期除隊になつた人々が今度予備自衛官を志願した場合には、これは予備自衛官として採用されるのか、されないのか、どういうお考えですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 無論進んで予備自衛官を希望いたしますれば、自衛官にできる限り採用いたしたいと考えております。
○矢嶋三義君 この宣誓拒否の問題は、長官としては保安隊や警備隊より軍隊色の濃い自衛隊になつたから、従つてこの宣誓を拒否したと、そういうようなとり方はしないで、まあ満期になつたから自然に宣誓をしないで去つて行つたと、こういうふうに軽くとつておられるわけですね。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私はさように考えております。いわゆる宣誓を拒否するということは少し大げさじやないか、どうせ満期になるものだから宣誓書を入れなくてもいいということで去つたものと考えております。
○矢嶋三義君 それでは防衛大学の学生が四人宣誓を拒否しているわけですが、これは如何ようにお考えになつておりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) それは十分に我々調査いたしました。これらの者はいずれも自分の入つたときの考え方とよほど相違しておる、いわゆる理科系統に重きを置いておる、それで自分たちのいわゆる性格に合わん、或いは学業について行けないというようなことがあるのでありまして、何も宣誓拒否というようなものとからみ合せての問題ではないと思います。なおこれは八百人のうちに僅か四人であります。さようなことについて考えてみますと、大多数の者はこの自衛隊の精神がどこにあるか、任務はどこにあるかということを十分承知しているものと考えております。
○矢嶋三義君 宣誓を拒否した防衛大学の四名の生徒は引続き防衛大学で講義を受けているのか、退学したのかいずれですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) もとより退学であります。
○矢嶋三義君 そこは私非常に問題があると思うのです。今後防衛大学を希望する学生で宣誓しない学生は大学に入学させない、これは当然です。併し保安大学に入るときに、そういう宣誓などはなかつたわけです。そういう性格の自衛隊になろうなどとは学生諸君は夢にも思わなかつた。そうして募集条項にも、保安大学を出ても是非とも保安隊或いは警備隊に入らなくていいんだ、他の大学関係に如何ように進んでも自由だ、一切の束縛はしない、こういう条件の下に募集したわけです。従つて第一回の四百人の募集の当時は、三十人に一人ですか、それほどの希望者があつた。第二回のときには半分くらいに減りましたが、物凄い競争があつて入つたわけです。その学生を途中で自衛隊に切替える、私たちはこれは違憲だと言つているのですが、違憲立法だと言つておりますが、大臣笑いごとじやない。そういうふうに変つて、そうして伸びつつある青年をそこでこれに副うた宣誓をしないからと言つて退学さしたら、その四人の学生というものの一生涯を考えれば、青春再び来たらずで誠に私は気の毒だと思うのです。この四人の学生は、入学当時の条件通り卒業するまでは在籍さして、今の教科課過程で卒業さすべきだと思うのでありますが、どういうふうにお考えになるか。更にこの四人の学生は途中から大きなつまずきをしたわけでありますが、他の大学等への編入その他について、何らか学生の将来のために考慮する途が開けておるのかどうか。宣誓しなければ出て行け、そのままで追つぽり出すのか。これは私は人数は僅か四人でも、これはその学生にとつては一生涯非常に重要な私は問題だと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 矢嶋君はいろいろ誤解されておるようであります。この四人の者は学校から退学をさせたわけじやありません。みずから進んで退学したのであります。というのは、今申上げた通り、学校の科目の性質上その他自分のからだの工合、或いはいろいろの考え方によつて、この保安大学校は自分に適せないのだという気持から宣誓をせずに退学したというのでありまして、宣誓しなかつたからこれを退学を命じたというのではありません。
○矢嶋三義君 そこは私はちよつとおかしいと思うのですよ。であつたら、彼らはもつと早く転身しておつたはずです。これは宣誓せよ、宣誓しない者は今度自衛隊に切替えられ防衛大学の学生にまなれないのだ、こういう説明が現実になされるか、或いは言外にそういう説明があつたから彼らは去つたのであつて、先般の質問でも人事局長は、防衛大学に入つて来る切めから将来保安隊或いは警備隊に入るのではなくて、保安大学というところで勉強したい、こういう気持の者も入つて来ておる、又それらの学生の卒業後の事柄については一切制約を加えていない、それが保安大学の募集の条項だ、要件だ、こういうふうに説明されているわけでです。従つて私は実際は自衛隊になつて宣誓をしないから、お前おれないだというような説明をされたから去つて行つたのであつて、恐らくこの保安隊から自衛隊に切替ります途中、予期しなかつたことが突然起つたので、その四人の学生については非常に気の毒なことになつたと思うのでありますが、一体その四人の学生はその後どういうふうにしておるか、人事局あたりでお調べになつておられるか、重ねて伺います。
○説明員(加藤陽三君) これは法律案の御審議の際にも申上げたと思うのでありますが、今度の自衛隊法の附則の二項、三項によりまして、今まで保安大学校におります者は、その法律の施行前に宣誓をする、宣誓をした者が引続きまして防衛大学の職員になるということに法律の上でなつておるわけであります。我々といたしましては、一たび保安大学に入つた諸君でありますので、とどまつてもらいたいと思うけれども、御本人がいろいろ考えまして、こういうふうな学校の性格では自分としては将来自信がないということで、私は宣誓をしないでやめて行つたがいいということで、やめられたと思うのであります。私の聞いておりますところでは、明年新制の大学へ転校しようという諸君が大多数であつたように思います。それらの諸君につきまして、私どもも極めて同情的な態度をもつて学校のほうでなすべきことがあれば、できるだけのことはして上げたい、かように考えております。
○矢嶋三義君 この附則の二項は、機関に勤務する職員じやないですか。これは保安大学の学生が入りますか。
○説明員(加藤陽三君) これは職員とありますのは、学生をも含むものでございまして、それは防衛庁設置法の三十八条に書いてございますが、「防衛大学校の学生の員数は、第七条第一項に規定する職員の定員外とする。」という規定でございます。これと同じような規定が保安庁法の中にあつたのであります。職員ということで今まで見解を統一して来て参つております。
○矢嶋三義君 これは私はおかしいと思うのです。防衛大学校の学生の員数は約十六万四千五百三十八人の定員外でしよう。学生は定員に入つていないと私は考える。学生でも元の保安大学、現在の防衛大学校以外のもろもろの学校があるわけでありますね。あの学校の学生はその定員に人づていますけれども、保安大学と防衛大学の学生は別扱いでしよう。従つてあなたの今の説明はこれは了承できん。どこに明文に現われていますか。
○説明員(加藤陽三君) 今まで職員ということで、この保安庁の法令でございますと全部、服務その他についても書いてあるのであります。ほかの大学のように自費で勉学をいたしまする者と、保安大学校、防衛大学校のように国家の職員として勉学をさせるものと性格が異なるのでございますので、これを職員として扱うかどうかということについては、これは別個に判断なさつていいのじやなかろうかと、かように思います。
○矢嶋三義君 この附則の二項によつて云々ということをあなたが説明されたから私は伺つているのです。この附則の二項に言う職員、即ち服務の宣誓を行うと、行わない者は全部職員から除かれて行くんだと、この職員の中には機関として設けられてある各種学校の生徒さんは隊員であり入りますけれども、保安大学校、防衛大学校の学生はあれは私は入るべきでない。入るように明文化しているところは私はないと思う。若しそうだとすれば四年制の大学に入学するときは、かくかくの学校の規則で入つて途中でその性格が変つたからといつて、それに従わない者はもうここでお払い箱だというのは、これは私は恐しいことだし、私はその個人の人権を無視していることからして重大だと思うのですが、如何ですか。
○説明員(増原恵吉君) 只今の御質問で少しなんですか、法案審議中の私どもの説明が矢嶋委員に徹底しないこともあるかと思いますが、防衛大学校、元の保安大学の学生にしましても、これは大学校へ勝手に入つて来て卒業したら、どこへでも勝手に行けという建前で募集をするものではございません。保安大学校の際には、卒業をしました場合は幹部保安、官、若しくは幹部警備官として勤務するということを条件として学生は応募して参るわけであります。これから防衛大学校になる際には、いわゆる幹部自衛官として勤務するということで学生が志願をして参ります。そういうことでなければ国費を以て多額の金を費してこういう特別の大学校を作るというわけには事実上参りがたいものではないかというふうに考えるわけであります。でありまするから、問題は従来保安官、警備官というようなものの勤務しておりました状態が、今度は自衛隊法、防衛庁設置法によりまして、いわゆる自衛官として勤務をする、宣誓の際にも従来の保安官、警備官が将来の自衛官たる宣誓をいたしたわけであります。その点が重要な違いと言えば言えるのでありまして、学生の宣誓の文句は、御覧になればわかりまするように、特別のことは書いてないのであります。将来幹部自衛官となるということが学生の入学の一つの目標になつておる。但しそれは法律上幹部自衛官にならなかつた者に対して、幹部自衛官にそのときならなかつたことを以ていろいろ強制、制裁をするような法律上の規定はないということが、保安庁法の際にも、防衛庁設置法の際にも、自衛隊法の際にもなつておるのであります。四年間修業をした、いよいよ幹部自衛官になるという段になつて、私はとてもいろいう性格上合わないように思うから幹部自衛官にはなりたくないということを申出た際に、法律上これに対して強制をするような規定はない、こういう趣旨であつたわけでございます。
○矢嶋三義君 それは増原次長の説明の一部は了承できます。併しそれは又審議過程における加藤人事局長の答弁とも抵触するところがあるわけです。保安大学校の学生並びに防衛大学の学生はこれは自衛官ではない。あの審議のとき私は入つた学生については、将来のことについて制約があるのかという質問に対して、加藤人事局長は今あなたが説明なされたように一切制約はない。併し我々の期待はかくかくだ、こういう答弁がなされているわけです。従つて法的にいつて、又入学当時の彼らの希望又その後の入学後における彼らの将来に対するところの自分の将来の生活設計、こういう立場からいつて、人情的に考えて見ても、この四人の学生を学半ばにして中座させるということは私は当つていないと思う。四人の学生が卒業するまではやはり見てやるべきだと思う。決して自分から進んでやめたのでなく、宣誓しなければ出て行けというような説明がなされたので彼らは私は去つたと思うのです。こういう問題についても逐条のときに審議をやらなければならんとチエツクしておつたのですが、十九国会の審議のとき、これは他の委員諸君の意見によつて逐条審議が打切られたので、それらの詳細な審議をすることができなかつた。そのぼろがここに出たので私は非常に遺憾に思つておるのですが、重ねて人事局長にお伺いしますが、四人の学生は今どうしておるか、将来どういうふうにして彼らの行末を見守つてやるか、私は適当な大学にでも転人できたら非常にいいじやないかと思う。終戦後曾つて陸海軍に軍籍を持つておつたかたは、当時の特例によつてそれぞれの大学或いは専門学校に転学した先例があるのでありますから、このたび大きな制度の変化によつて、学半ばにして大学を去らなければならなかつたわけですから、何らか文部省の特例を設けて四人の学生の今後の行方というものを私は見守つてやるべきだと思います。そういうお考えがあるかどうか、重ねて長官並びに人事局長にお伺いします。
○国務大臣(木村篤太郎君) たびたび申上げたように、この四人の学生というものは結局保安大学校、今度の防衛大学校に席を置いて今後学を進めるということが自分に適しないということから、私はこの切替えを時期としてやめたものと考えております。尤も新らしく今年度入学した者がその際にも、或いはその中にその後に自分は見込み違いだという感を深くしたのじやないかと思います。彼らもいろいろ考えた末に方向転換するのが自分の将来のためになる、こういう結論が出てやめたものであろうと考えております。これを引とめて防衛大学校に在学せしめることは、彼らも好まないし、又我々としてもさような見込み違いであつた者を進んで教育するということは如何かと考える次第であります。ただ今後の彼らの行先については、無論我々は同情して参らなければならん。従つて若しも我々のほうに彼らが将来の入ろうとする学校から照会がありいろいろなことがありました暁においては、然るべく彼らの進路が開かれるように協力してやりたいと、こう考えております。
○説明員(加藤陽三君) 先ほども申上げたのでありまするが、これは決して我々のほうで強制的にやめさしたのではないという点は御了解願いたいと思うのであります。大学校の性格が変りました。変る際におきまして宣誓をした。宣誓をしてそのまま引続いておられましても、これも前々から申上げておつた通り、我々は希望いたしませんけれども、四年間おられればおれるんでありますけれども、本人たちがこういう学校は自分の性格等に合わないというふうな判断からして宣誓をしなかつたのでありまするから、宣誓をしない、宣誓の問題は別にしても大学校の性格が変つた際にやめようというような考えを持たれた諸君が、私はあの諸君の大多数ではなかつたかと思うのであります。 それからその行先のことでありますが、大臣もお話になりましたように、学校が理科、工科系統の学校であり、これはどうしても自分の性格に合わないという諸君が多かつたのであります。これは文科系統の学校に進みたいというものであろうと思うのでありまして、その学校において照会があれば十分便宜を図りたいと思つております。大学令による学校でもありませんので、その点すぐに転入学できるということには持つて行けないと思う。併し、一遍保安大学校に入つた諸君は、我々と同じ屋根の下に生活をした諸君でありますので、できるだけ好意を以て前途を見守るようなことはしたいと思つております。
○矢嶋三義君 私はさつき質問する前に委員長に申上げましたように、隊員の規律の問題その他についてなお質したいと思う点があるわけでありますが、委員会の運営上、委員長がここで 一応中止しようと言えば中止いたします。続けようと言えば続けますが、委員の諸君にちよつと諮られたいと思います。
○委員長(小酒井義男君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。 それではほかに御質疑があると思いますが、暫時休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 —————・————— 午後二時十一分開会
○委員長(小酒井義男君) それでは午前に引続いて委員会を再開いたします。 質疑を続行いたします。
○矢嶋三義君 午前中に引続いて若干質疑いたします。午前中の長官の答弁によりますと、艦艇貸与協定に基くもの以外はMSA援助は予定通りに進んでおる、こういう答弁でございましたが、先ほどの説明と併せて私よくわからない点は、例えば航空関係で先般私どもに出されたMSA期待額は百四十三機となつておりますが、これと今日長官が午前中に説明されましたすでにアメリカ側から引受けた飛行機の数と、年末までに引受ける予定の飛行機の数との数字が合わないのですが、この点について、もうちよつと説明して頂きたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 陸上自衛隊は現在百十機供与を受けております。これは分類はしなくてもいいでしよう……。
○矢嶋三義君 ええいいです。
○国務大臣(木村篤太郎君) それからこの上本年の末までに更に九十機程度の供与を受ける見込みが確実であります。 それで海上自衛隊のほうは本年度約四十機程度の供与を受ける見込みが確実になつております。
○矢嶋三義君 そこで私伺いたい点は、先般出された資料では、現有飛行機の機数は百六十七機だつたのですね。それでMSA期待額の飛行機の数は百四十三機、合わせて三百十機というのが先般の国会で出された資料です。只今の長官の説明では二百四十機で、その差七十機というものが違うわけですが、従つて当初期待された援助は順調に行つていないと私は資料の上から判断するのですが、先ほど順調に進んでおるということでありましたが、資料の上から数字は非常に食い違つておるのですが、その点は如何ですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 更に極東空軍のほうから今後供与を受けたいとこう考えております。
○説明員(増原恵吉君) 少し補足をさせてもらいます。この百六十といいますのは、陸の持つております連絡機、観測機のL、これは先ほど長官から申上げましたように、百六十が現在とはこの前申上げたのじやないかと思いますが、百六十五機が一応貸与を受けるL機の数というふうに申上げたいと記憶するのですが、このたびのはつきりした数字の中には、二十九年度末までの購入予定を含むというふうになつております。これはT三四練習機を購入をするように予算を認められております。その機数が百六十何がしの中に入つております。MSA援助のものは、当時申上げましたものと機の内容及び機数に多少の変更がございますが、L機については現在百十機、年度末までに更に九十機供与を受ける、海上は約四十機、それから空のほうは、渡されることが明確なものは輸送機十五機でありますが、大体年度末頃までに供与されると見通上得るものが九十機、これは米極東空軍のそれぞれの基地でこちらの航空関係者を訓練をしてもらうというので、大体九十機近くのものが間もなく用意をされるわけですが、これが我々のほうに引渡しをされるという時期についてはまだ明確でないので、供与をされる見込みというふうに長官からお答えをしたのであります。大体一応の見通しとしては、年度末までにこの九十機ももらえるであろう、合せまするとこの前申上げましたよりは多少数は多くなつておるわけであります。
○矢嶋三義君 ということは、二十九年度末までは約三百五十機になると、こういうことですか。
○説明員(増原恵吉君) 供与を受けるものと、そのほかに日本の予算で買いまするものが、これはT三四、それと四人乗りの連絡機、そのほかにヘリコプターというふうなものがあります。
○矢嶋三義君 私伺いたい点は、航空関係でも予定よりは時期的に遅れて、更に機数も当初予定したほどには達しない。海上関係においては十七隻の期待艦数が今のところ大体四隻くらい、それから陸上関係を考えても時期的にかなりズレがありまするので、要するところ、この昭和二十九年度の防衛庁関係の予算というものは、私は本年度中に全部消化しきれないというふうに判断するわけです。その点についてどう考えておられるか。 それと私は、そうだと考えれば、現在我が国は中小企業の不振等非常に経済危機を招来しておりますし、更に昨年、本年度の災害復旧、国土保全というものに対する手当というものは非常に不十分なんです。従つて私はこの防衛庁関係の消化しきれない約一割程度の予算というものを来たる臨時国会で取りあえず転用議決するというような処置をとられたらどうか、こういうふうに私は考えるわけでありますが、予算と執行との見通しについて私の質問にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 二十九年度の予算は大体において円滑に執行し得るものと思料しております。ただ今お話の船の点でありますが、船の点については多少我々の見込みと或いは違つて来るのじやないか、そういたしますると、ただこれに乗込ませるべく我我予定しておりまするいわゆる海上自衛官の募集等の点につきまして影響して来る。それらの点についても、予算面においては徐々にこれを殖やすように考えて盛つてありますので、大きな変革というものはないかと考えております。勿論陸上自衛隊においては、既定方針通り着々やつておるわけであります。航空自衛隊のほうも、今申上げました通りアメリカから供与を受けまする飛行機の数なども決して我々の見込みと食い違うようなことはなかろうかと考えております。従つて予算の執行面においてさほど開きはなかろうかと考えられます。
○矢嶋三義君 では具体的に伺いますが、海上自衛隊関係の二十八年度の新造計画十六隻、この発注は遅れておつたわけですが、これと、二十九年度の新造計画十四隻、これらの発注状況は如何ようになつておりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 二十八年度の船舶は、今造船所と交渉中であります。近く契約はできる運びに至るものと考えます。二十九年度の分につきましても、同様もうすでに造船所との間に話合いを進めております。これは二十八年度の分とおよそ同しような時期的に契約できるものと御了承願いたいと思います。
○矢嶋三義君 船舶と申しますか、艦艇と申しますか、これらの発注というものは、二十八年度計画以来ずつとずれているわけですが、従つてこれだけ考えても私は本年度の防衛関係予算というものは本年度消化しきれない、相当ずれると思うのですが、従つてその点国民の血税の効率的な適用という立場から、私は補正予算で考えて然るべきではないかと思うのですが、如何でしようか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 今申上げました通り、これは多少のズレはあつてもさほどのズレはなかろうかと考えております。無論我々は国民の血税を使用するのでありまするから無駄には使用はいたしません。延ばし得るものがあれば延ばして差支えなかろう、今の我々の考えておるところとしては、さほど影響はないと考えております。
○矢嶋三義君 もう一回その点について伺いますが、一つの事象を取上げてすべてを判断し推論するということは必ずしも適当でないと考えますが、併し少くとも一時総理大臣並びに長官が述べられておりましたアジアの諸情勢というものは、一時的にしろ随分と変つて来て、その当時あなたが述べられたような我が国の防衛力の急増方式というものは、それは日本の総合的な国政という立場から、若干急増の必要性というものは或いは私は低下したと思います。従つて予算の執行面で艦艇の発注なんかもそうですが、そう無理をして予算を執行しなくても、先ほど私が申しました他の国政の盲点を補うとしうような立場から、日本の総合酢な国力の充実の立場から私は考慮をされて然るべきではないか。勿論木村国務大臣は自衛隊の最高責任者でありますが、その前に国務大臣なんですからね、だから幅広くそういう点を考慮されて然るべきではないか、こう考えますので、予算の執行面については、先ほど私が申上げた点を更に検討頂きますように私は要望しておきます。 それから次には、先ほどの説明に関連してでありますが、地方連絡部は十七カ所に設けたというのでありますが、これは隊員の募集その他を扱うように法には規定されております。この十七カ所はこのまま行くものか、将来或いはこれを数を増すのか、その点と、例えば具体的に言つて九州には宮崎と大分とニカ所設けられておりますが、このニカ所には九州各県を分けて分担させるのか、それらはどういうふうにお考えになつておるのか、承わつておきます。
○説明員(増原恵吉君) このたび予算で認められました地方連絡部は、現在部隊がない県、ありましても今矢嶋委員が例にお挙げになりました宮崎、大分等は、例えば大分は中津にございまするし、宮崎は都城にあるというふうなことで、募集その他の要務は県との連絡、県庁との連絡というふうなことがありますので、そういう県に部隊のない所、部隊がありましても相当に離れておるというような所にこのたび十七カ所設けたのであります。そうしてこれは募集の関係、予備自衛官の関係等、そういうようなことをやらせようというわけでございます。将来如何にするかについてはまだ実ははつきりした結論を持つておりませんですが、事務的な希望を言いますと、やはりこういうものが一応部隊と共に別の機構としてあることが我々には望ましいのであります。併し部隊が県庁所在地等にありまする所は、そういう機構を別に設けなくて部隊の中でそうした事務をやらせるという建前で、今年はそういうものを要望しなかつたのであります。これはいろいろ財政等の都合を見まして更に研究をいたし、場合によりましては来年度地方連絡所を増加するようにお願いをするということは、何ともまだその方針は十分決定をしておりません。
○矢嶋三義君 という答弁は、例えば大分の連絡部というものは大分県内だけ扱う、熊本県内の連絡部が扱う事項は熊本に駐屯しておる部隊だけを扱う、こういう意味でございますか。
○説明員(増原恵吉君) その通りでございます。熊本にある部隊にそういう仕事をするものを置くということでございます。
○矢嶋三義君 次に、先般の人事関係について若干伺います。十九国会で審議のときに問題になつたのでありますが、念のために伺いますが、参事官の八人の発令、これは六人は官房長と五局長、前の五局長を任命する、官房長は変りましたが、そういうふうに了承しておりますが、それでいいのですか。あとの二人はどういう発令をされたか伺います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 御承知の通り六名は発令されております。二名についてはまだ発令しておりません。只今折角人選中であります。教育局長は発令しておりません。
○矢嶋三義君 残る二名の参事官の選考方針は、前の十九国会で答弁された方針に基いてやられるのか、それとも新たな角度で選考されておるのか、その点を伺います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 前国会において申上げましたような角度において今考え中であります。
○矢嶋三義君 この文官優先、政治優先と申しますか、そういう立場から論議が相当行われて、その当時長官は政治優先と文官優先というものは堅持して行く、その答弁を裏からのぞきますと、まだ我が国の自衛隊が本当にこの政治優先の礎石が十分できていない時代であるから、これが軍国主義的なものになつてはならないから、自衛隊関係の首脳部人事については、直ちに旧軍人を採用するということはしない方針だ、こういう意味の答弁をされました。私は誠に適切なる答弁とこう考えていたわけでありますが、最近新聞紙上で見ますと、海上幕僚長に早速旧軍人の登用をなされたようでありますが、これは先般の国会における長官の答弁と私は背反しておる、こう考えるわけでございますが、この点どういう心境の変化でそういう人事を行われたのか、念のためにお伺いいたします。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私の心境は少しも変化しておりません。つまりどこまでも防衛庁の建前は政治優先でなければならないのであります。従いまして内局においてはすべていわゆる平服の者が地位を占める、そうして制服部隊と相呼応して自衛隊の発達を期したいと考えております。今度海上自衛隊の幕僚長に長沢海将を持つて行つたというのは、これは長沢海将は勿論旧軍人てであつたことには相違ありませんが、人格、識見その他いずれの点から見ても申し分ない立派な人でありますので、これを抜擢したわけであります。
○矢嶋三義君 私は長沢さん個人についてとやかく申上げているのではありません。私も立派な人だということは間接的に伺つておりますが、私、非常に大事な点は、この警察予備隊以来本日まで或いは保安隊、警備隊、自衛隊におられる文官の幹部が何か居心地が悪くなつて落着かないで浮足立つ、更には新たに優秀な文官出身の人が自衛隊に行くことを好まなくなるというような事態が起つて来るということは非常に嘆かわしいことだと思います。そういう雰囲気と申しますか、というものが起らないように、よほど気をつけなければ、終戦後十年しかたたない我が国の自衛隊というものは、非常に私は将来が懸念されると思うのです。そういう立場から考えた場合に、自衛隊発足と同時に、長沢氏個人は立派な人でありましようが、直ちにこういう人事の交流というようなものに懸念されるわけでありますが、私は前言に申上げましたようなことに対する受入れの、長官は意思が明確にあられるのがどうか、重ねて承わつておきたいと思います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 御承知の通り警察予備隊は、二十五年の八月に発足したのであります。この警察予備隊発足当時においては、いろいろ各方面から人を集めて構成して行つたわけなのであります。この間において、将来警察予備隊はどうなるものであろうかという、いささか危惧の念を抱いた者必ずしもなきにしもあらずだつたのであります。それが保安隊になり多少落着いて参りました。今度自衛隊となつたので、今現在防衛庁に奉職しておる者の皆が真剣にこの防衛庁を育成して行こうという希望に燃えつつあります。要はほかの役所のように、久しきに亘る伝統がないということであります。我々によつて伝統を作つて行かなければならん。それで今度の自衛隊ができ、防衛庁が発足したについて、各勤めておる者は、我々の手によつて今後伝統を作つて行こうというような精神か今盛り上つて来ているのであります。今後我々はこの精神をどこまでも持続さして、立派な防衛庁を作り、自衛隊を作つて行きたい、こう考えております。多少動揺した点はなきにしもあらずでありますが、現在においては落着いて皆ともども力を合せて防衛庁なり自衛隊を育てて行こうということになつておるということを御了承願いたいと思います。
○矢嶋三義君 そういう心掛で今後努力されることについては敬意を表すると共に、強く期待を申上げるわけでありますが、関連してもう一つお伺いしたい点は、陸海空の幕僚長と副長の場合、幕僚長は文官出身ならば、副長に武官とか、或いは海上幕僚長のほうに旧軍人出身ならば、副長に文官出身とか、こういうような幕僚長と副長との配合ですね、何らか考慮されておられますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 配慮するということより、我々は如何に民主的な自衛隊を作つて行こうかということを考えているのであります。特に申上げたいのは、いわゆる旧軍人であつたからその人はこちこちの人であつて、いわゆる旧軍隊の復旧を夢見ておる人たちだというわけ合いものではないのであります。現在自衛隊に入つているいわゆる旧軍人は、極めて謙虚な気持であります。我々によつて新らしい自衛隊を作つて行こう、旧軍隊の復活になつてはならないという気持で多くの者は努力しているわけであります。そこでこの自衛隊の幹部の組立についても、今お話のように幕僚長が旧軍人であれば、副幕僚長が文官であつたほうがいいじやないかというようなことは、考えとしては一応考えられるのでありまするが、必ずしもそうは行かん。やはりその人の下に本当に協力して、立派なものを作り上げて行こうという面から考えると、その人格、識見、技倆その他の面を十分考慮した上で、その人の組立を我々は考えておるわけであります。併し一部見られるように、文官と旧軍人との組立もなきにしもあらずであります。それもたまたまそういう工合になつているのでありまして、必ずしもそういうふうでなければならんということではないと私は思います。
○矢嶋三義君 私はその点先般の国会以来感じておつたのですが、木村長官の考え方は私非常に甘いと思うのですがね。それは旧軍人だからといつて、必ずしも軍国主義の人だけでなく立派な人もありましよう、或いはその後非常に民主的な発言並びに言動をされているかたもございましよう。併しながら、そういう甘い考えで行つたならば、教育ということを否定しなければならんと思う。それは長いことなんですよ、陸軍士官学校、或いは海軍兵学校、或いは陸軍大学、海軍大学で軍国主義にこり固まつたところの教育を受けて、そして我々九千万の同胞をあれだけの大戦禍の中に引ずり込んで、それで今日の日本国家なり国民を塗炭の苦しみに追込んだ、信念を以て追込んだんですから、そういう軍人が戦争に負けたから直ちに非常に民主主義になり軍国主義というものは払拭できたと、こういう立場からすべての問題を考えるということは非常に危険だと思う。若しもそれを肯定するならば、或いは海軍兵学校、陸軍士官学校、それらの大学における教育を否定しなければならんと思う。私は教育はそんなものじやないと思う。それはもう少し偉大なる力があると思う。従つて、その点をはつきり考えて、やや形式的にしても、形式的になり過ぎても私は旧軍人と文官というものを形式的になり過ぎるくらい考慮して、それで適当だ。長官が常々言われるような考えで行つたならば非常に危険だと思うのです。考えによつたら旧軍人なんというのは、大きなこれは我々国民からとれば戦争犯罪者、戦争責任者です。同じ敗戦をもたらしたということについて、国民はそれぞれの場において責任があるでしようけれども、元帥とか大将とかいう形において日本の大東亜戦争を長く引つ張つて行つて、そして日本を敗戦に追込んだその人は、我々一国民よりはその責任は極めて重大だと思うのです。而も、そういう人は信念に基いて行なつたんですから、そういうかたがたがここで敗戦になつたからといつて、直ちに掌を返したように、これは民主主義或いは民主主義軍隊といいますか、そういうものに急に返れるもんじやないのです。私は教育というものを信じます。従つて、幕僚長、副長、或いは内局が長官の眼から見られて、これは立派な民主的な旧軍人だという形で結集されても、それらの人が集まつたらその動向というものは、やはり私は相当危険だと思う。従つて私はやや形式的に過ぎるかも知れませんが、その幕僚長と副長の配合とか、或いは内局の配合あたりについては、この民主主義の理念も実践も徹底するここ暫らくの間は、長官としてはよほど私は意を配り過ぎるくらい配らなければ危険たと思う。ましてや、いつも私が申上げるように、現代の我が国の憲法が生きている間、絶対に欠くべからざる事柄である、こういうふうに私は強く信じ、長官の考え方は非常に甘い、こういうふうに考える次第ですが、如何ですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 矢嶋君は私の考えが甘いと仰せになれば、それでもよろしい。私は決して甘くないと思つております。それで、現在自衛隊に勤務しておるいわゆる旧軍人は、これはみんな昔の大佐級以下の人ばかりであります。いわゆる戦争を指導した者は一人もおりません。繰返して申しまするが、いわゆる将官級の人は一人もいないのです。すべて佐官級以下の人なんであります。これらの人はいわゆる終戦後非常に苦難な途を経て来た。パージになつて世の中の経験も十分経て来ておる。それで新たに発足して新らしい自衛隊を創設するという決意に燃えた者なのであります。決して旧軍隊の復活を夢見ておるような者は私はいないと考えております。而もそれらの面について、我々はしげしげこれらの幹郎と終始接触いたしまして間違いのないようにやつておるのであります。決して仰せになるような甘い考えでやつておるわけではございません。
○矢嶋三義君 長官のその答弁の中に甘さを私は露呈しておると思うのです。それはあの大東亜戦争から第二次世界大戦の段階で最も推進力であつたのは佐官級です。当時の少佐、中佐、大佐というのが、これが最も筋金の入つた推進力だつたのです。そういうかたが相当に復帰されておる。個人々々は話せばこれは立派な民主的な人でしよう。併し、個人の場合とそういうかたがたが何人か集団された場合は違うということをお考えにならなければいけないと思います。従つて、重ねて答弁を要求しても同じ答弁でありましようから、私はそれだけを申上げて今後の善処方を特に要望いたしておきます。 それから最後に伺いたい点は、さつき予告しておりました隊員の規律の問題ですが、これは十九国会の法律案審議のときも質問しましたが、規律違反が非常に多いということが指摘されたわけです。私ここで長くは伺いませんが、大津ギヤング事件ですね、あの大津君は曾つては保安隊におられた人です。それからその後秋田で昇給させてくれんからというので、不満で百万円の公金を横領逃走した人物がおります。その後新聞紙上に保安隊員の尊族殺しとか或いは窃盗とか或いは自殺とかいうのは一週間か十日に一回くらいは新聞紙上に現われて来るようです。これらと保安隊の教育、士気等の関連をどういうふうに考えられて、おるのか、それが一つと、それからここでちよつと伺いたいのは、あの大津ギヤング事件における技術研究所の斎藤係長の態度ですね、これは私は常識人としてどうも納得できないのです。大津が如何ように巧みにやつたにしろ、ともかく守衛のいる自分の役所の技術研究所に一緒に行つてそうして金庫を開けてともかく小切手を書いた、而もそれを大津と一緒に白昼二度に亘つて金融機関に現われて金を渡した、こういう点、どうも私は常識人として測り知れないところがあるわけですが、常々長官は士気極めて旺盛だというように我我に答弁されておら、れたわけですが、この事件は如何ように判断されておられるのか。更には、当時の技術研究所の斎藤係長に対してはどういう取扱をされたのか。又これを契機に、我々は反対したのですが、ともかく自衛隊というものが誕生して莫大な国民の血税を使つておるわけですから、隊員の服務並びにそれに対する教育については、どういう対策と反省をされておるのか、私はこの際承わつておきたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 大津事件に関連して斎藤係長に関する御疑念誠に御尤もであります。私も一応さように考えておりました。それで大津は昭和二十五年八月、いわゆる警察予備隊発足と同時にこれは入つて来た者であります。御承知の通り発足当時はとにかく急いで人をかり集めたわけなんで、大津も入つて来たのでありますが、大津は経歴を詐称しておつた。それでこれを知らなかつたということについては、責任はどうかということでありますが、その当時幹部がまだいない、幹部も募集中である、殆んど同時に、むしろ少し遅れて幹部が入つて来たというようなわけで、身元の調査も十分に思うように行かなかつたということも一つの大きな原因であろうかと思います。その後予備隊がだんだん固つて来ていろいろ調査も重ねた。ところが約半年ほどたつて大津が経歴を詐称して入つたということが明らかになつたので、これを直ちに退職させたのであります。いわゆる警察予備隊と縁を切つたわけなんです。大津がたまたま在隊中に知合いになつておりました斎藤を目指してかような兇行をやつたのであります。斎藤にいたしましては、あとで当局から詳細に申述べましようが、とにかく自分の凄君が監禁されておる、そうしてピストル乃至はカービン銃でもつて脅かされてかような始末をしたわけなんであります。で、守衛のところでこれは何か発覚できたんじやなかろうかという我々も考えを持つておつたのでありますが、朝五時過ぎ早くやつて来た。併し守衛といたしましては、係長の斎藤が二人を連れて来て、而も一人は庁内のバツジを付けておつた、このバツジは誰かのを盗んだそうでありますが、守衛長は、係長は、丁度その当時給与の支払の前日とかに当るわけでありまして、何か早く用があるんじやなかろうかというので門を通して何も不審を感じなかつたようであります。そこで大津が斎藤を脅かして金庫をあけさして、そうしてかような不始末をしたわけであります。斎藤といたしましては、その言うことを聞かなければ自分の妻君が監禁されている、必ず命をとられるんじやなかろうかという非常な恐怖心から、言うがままにくつたわけであります。併し先生は最後になつて彼の手許から脱出して丸の内警察署に飛び込んだということでこの事件が発覚したようなわけであります。最初我々もあなたの今想像されたように、斎藤も何か関係があるんじやないかということでいろいろ調査したのでありますが、勿論内部で調査するばかりでなく検察庁においても又警視庁においても十分な調査をした結果、斎藤には何ら共犯の事実がない、ただ脅迫されてさようなことをしたんだという事実が明瞭になつたわけであります。
○矢嶋三義君 共犯の事実はなかつたでしよう。併し長官としては、斎藤係長のとられた行動というものは遺憾の点があつたとお考えになつているのですか、それとも遺憾の点はなかつたとお考えになつているのですか。私の言いたい点は、ともかく一部の反対はあつたにしろ、保安隊にしても或いは自衛隊にしても、国会で成立した部隊です。而もそこには国民の血税を相当に使つているわけですね。それらの血税というものは取も効率的に使われなければならない。それを私は聞いた範囲内では、国民の血税をああいう人には預けられんというような、率直にそういう感じを持つたわけですから、その点伺つているわけです。
○国務大臣(木村篤太郎君) 斎藤係長の処置、態度甚だ遺憾であります。私はいいとは思つておりません。甚だ悪いと思つております。これについての処置については、十分事件の真相が、まだ取調中でありますから、明らかになつた上でやりたいと考えております。ただこれがために国家に損失をかけたという点については、非常に我々も恐縮しておるのでありますが、大体において現実に戻らない金は約四十五万円ばかり、あと全部返つております。そうしてこの四十五万円についても、大津が相当財産を隠匿しておる疑いがあります。これらを十分明瞭にして取返すものは飽くまで取返して行きたい。処置については、事件の全貌が近く明らかになるでありましよう。それらを待つて一括処置いたしたい、こう考えております。
○矢嶋三義君 ちよつと話が横に外れますが、あの事件は自衛隊が発足して宣誓する前だと思うのですね。あの前と後とでは違うでしようね。「事に臨んでは危険を顧みず」というようなところにぴつたり来るのじやないかと思うのですね。従つて七月以後宣誓をする前とあとでは、その処分の取扱方というものはおのずと違うと思う。私は「事に臨んでは危険を顧みず」というのは、何か敵に対してのみ言つておるのでなくて、国民の負託に応えるその行動が「事に臨んでは危険を顧みず」、そのほうがむしろ大切じやないかと、こう考えるのですが、若干取扱い違うでしようね、どうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) これは自衛隊発足前のことであります。今のようないわゆる綱紀に関することでありますから、事に臨んでは危険を顧みずやるべき場合が当然起きて来るだろうと思います。
○矢嶋三義君 こういう宣誓を隊員がして発足した自衛隊は、少くとも国民の財産をああいう形で犠牲にするようなことの絶対ないように、私は長官としての木村国務大臣に重大なる警告をしておきます。 これに関連して伺いますが、秋田から自分が昇給さしてくれないのを不満だといつて、これも百万円持つて逃げたのがありましたが、理由は新聞に報ぜられた通りかどうか、更にあの百万円というものは国庫に返つて来たのかどうか、その点についても伺つておきます。
○説明員(加藤陽三君) 大体今矢嶋委員のおつしやつた通りでございまして、秋田の部隊で共済組合の関係の仕事を担当しておりました一士補が、本部に送ります送金の百万円を銀行に行きました際に自分で払い出してそれを持つて東京へ逃げたということでございます。彼のそういうことをいたしました原因といたしましては、報告によりますると、なかなか昇給をさしてくれないということに対する不満であつたようでございます。あの事件につきましては、我々は平素現金の取扱につきましては特別に注意をいたしまして、幹部の者が二人以上絶えず同行いたしまして銀行に行くようにということに指示がしてあつたのでありまするが、たまたま当日部隊の演習がございまして、その責任の衝に当る幹部が演習のほうに行つてしまつた、そのために幹部を二人同行させることができなかつたということが一つの原因で、帰りましてからその金がどうしたんだということを確認をすればよかつたのでありますが、それもしていないというふうな手落ちがございまするので、これらのことにつきましては、それぞれ十分なる注意を与え警告をしております。あの種の事件はつまらんことでございますが、防げることでございます。現金の扱いにつきましては、一層慎重を期したいと考えております。
○矢嶋三義君 返つたですか返らなかつたですか。
○説明員(加藤陽三君) 全部返つたかどうかは確認をしておりませんが、大部分の金は持参しておつたという報告を当時受けたのを覚えておりまするから、殆んど入つておると思います。
○矢嶋三義君 大津が持つていましたカービン銃と保安隊との関係はどうでしたか、念のために伺います。
○説明員(加藤陽三君) 私のほうでは部隊のほうでカービン銃がなくなつたという報告は全然ないのでございます。従いまして大津が持つておりましたというカービン銃は保安隊のものではないと只今信じております。
○矢嶋三義君 この際に国務大臣としての木村さんに特に要望しておきますが、警察で金庫のあけ方を教える、それで警官がやめてからそれを応用したり、(笑声)笑いごとでないのです。実際あるのです。それから警官と与太者が仲ようなつて、その警官から教わつたといつて町の不良がそういう犯罪を起したというような実例が数は少くてもあるのですね。それから早々の時期だつたから保安隊等に余り質のよい人が入らなかつたというような関係もありましようが、曾つて保安隊におつた人で凶悪犯罪を犯す人が最近非常に多い。それから或る時期には、まあ大津の場合のカービン銃はそうでないけれども、保安隊から持つて来たたまを云云したというようなのも新聞記事で拝見したことがあるわけです。で、警察にしても又自衛隊にしても、法の示すところによつてそれぞれ使命があるわけでありますが、国民としては、血税を使つているだけにそれだけの又期待があるし、国民なり国家に対して果すべき事務もあるわけですから、今後一件にしろ二件にしろこういう事態というものは絶対に自衛隊関係においても警察関係においても起らない、起させないというぐらいな決意を持つて私は国務大臣として臨んでもらわなければならないと思うのです。これは国民に対する影響は非常に大きいと思うのです。従つて長官のこれに対する御所見と決意を承わつておきます。
○国務大臣(木村篤太郎君) 御注意誠に有難く拝聴いたします。自衛隊は国民から信頼されて国民から愛されなくちやならんのであります。一人も犯罪者なきことを目途として我々は十分に警戒し責任をとらなければならんのであります。幸い今度は自衛隊に発足したのでありますから、これを契機といたしまして、国民から信頼を得るような立派な隊を作り又隊員を教育いたしたいと考えております。
○矢嶋三義君 時間が延びますから、防衛二法関係は質問をここで切りまして、それと離れますが、本日冒頭に予告しておきました別府湾のガス弾引揚げについて最後に質問いたします。 先ず長官に伺いたい点は、あの別府湾にあるガス弾並びに爆弾の引揚げの責任官庁は、自衛隊、防衛庁である、こういうように私は考えるのでありますが、それに対する所見如何でございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 防衛庁といたしましては、この爆弾と言つていいのか、何と言つていいのか私はわからんが、イペリツトのサンプル弾の引揚げはこれは従事しております。防衛庁といたしましては、呉の掃海艇六隻を現場に派遣して五月二十四日から五日間に亘つてザンプル弾の引揚げ、海投弾の密度確認のための電探掃海を行なつております。その結果、ガス弾八個を引揚げました。それから更に六月十五日から三日間に亘つてサンプル弾からイぺリツトを抽出して厚生省に引渡しております。厚生省としてはサンプル弾からの抽出物中にイペリツト性の毒物を確認した程度にとどまつて、未だ動物実験の結論が出ていないような現状であります。防衛庁といたしましては、できるだけのことをいたしております。
○矢嶋三義君 この責任の官庁は防衛庁にあるかないかということを伺います。
○国務大臣(木村篤太郎君) 防衛庁に引揚げの責任があるかどうかというこの責任の点についての法的根拠は、私はまだ研究しておりません、露骨に申上げると。但しかようなものについては、我々といたしまして掃海艇を持つておるのであるから引揚げるべきものは引揚げるということで、今申上げました手続をとつておるわけであります。
○矢嶋三義君 それでは明確でない。他のかたがお見えになつているのですが、これは自衛隊法の九十九条、機雷その他の除去、これに該当して当然自衛隊で処理さるべきものだと考えますが、如何ですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) これは法的から申しますると、機雷でも何でもないのであります。
○矢嶋三義君 等……。
○国務大臣(木村篤太郎君) 等というのは機雷に類するものという意味であろうと思うのであります。類するかどうかということについては、これは研究しなくちやならないのでありますが、併し今申しましたように、少くとも法的根拠が如何にあろうとも、我々といたしましては、これは引揚げるべきものであろうという見地から、今言うようにわざわざ掃海艇を出してこの引揚げに従事しておるのであります。
○矢嶋三義君 九十九条は「機雷その他の爆発性の危険物の除去及びこれらの処理を行うものとする。」、こういうふうに書かれてあるわけですね。従つて明確にこれは自衛隊で引揚げらるべきものだと思うのです。私は念のため申上げますが、あの別府湾にあるところのガス弾、爆弾の問題は、これは相当大きな問題になつておるのです。十九国会の委員会においては、私がお尋ねしたときには、もう調査が進行中であるから早急に引揚げるように善処するというような答弁があつたわけです。ところが、その後一向これを引揚げをやろうとしない。そこで或いは水産庁或いは厚生省、海上保安庁或いはあなたのところの海上自衛隊等に当つてみますと、責任のなすり合いをしているのですよ。そのうちに何とかするとかいうようなことを各省言いながら、或いは海上保安庁だと言つてみたり、或いは厚生省が責任官庁である、水産庁は世話をするだけだ、或る省に行くというと、いや、これは海上自衛隊の掃海課だというようなことで、関係四省はそれぞれ勝手な逃げばかり打つているわけですね。そうして結局いろいろ聞いてみますというと、最終的にはやはり海上自衛隊の掃海課が責任官庁だということを確認した、こういうことを私は各省の係官から承わつておる。そうだとすれば、一体いつからどういう目途を持つて引揚げるのか、これが関係者の最も知りたい関心事なんです。非常に怯えているわけですね。漁業にも支障がある。若しもイペリツトがこれが流出することになつたらどういう被害を及ぼすだろうかと言つて、随分別府湾沿岸の住民というものは戦々兢々として政府の処置に期待しているわけですが、ああでもない、こうでもないと言つて、いつになつてもこれが実行に移されない。問題を出されて半年を経ているわけです。そこで私はここで長官に承わりたい点は、いつからこの引揚げを始めて、どのくらいの期間を目途にやられるか、その点を明確にお答えを願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 今申上げました通り、防衛庁といたしましてはできるだけのことをやつておるのであります。このイペリツトは果してどういう性能を有しておるかどうか、これは研究しなければならんのでありまするから、我々といたしましては、引揚げたものから毒物と案ぜられるものを摘出して、これを厚生省において実験をさせておるわけであります。厚生省からまだ結論は出ていないようであります。それについて果してイペリツトは人的に非常に有害であるという結論が出ますと、これは我々といたしましても相当の処置をとりたい、こう考えております。今のところは我々としてはできる限りのことはやつておるわけであります。どうか厚生省のほうへその結果をお聞きを願いたいと思います。
○矢嶋三義君 これは余り時間をかけませんが、有害か無害かということは、あなたのほうでは研究されていないのですね。
○国務大臣(木村篤太郎君) それは厚生省が管轄であります。厚生省のほうでやつております。
○矢嶋三義君 その厚生省の結論はいつ頃出る見込みか、又いつ頃までに出してほしいというような要請を海上自衛隊としてはされているのかどうか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私のほうから、いつまでにやつてもらいたいという要請はしておりません。従つて厚生省のほうからまだ何らの報告はないように聞いております。
○矢嶋三義君 私は特に要望いたしておきますがね、こういう自衛隊が発足したら、第九十九条に明確にあるのですから、こういう問題が起つたときに時を逸せずにこれを処理して、初めて国民の期待に副い得ると思うのです。従つて責任官庁である海上自衛隊、防衛庁のほうでは、厚生省に強く早期結論を要望して処理してもらいたいと思います。私が推察するところでは、厚生省にいつまでも結論を研究中研究中で出ないように、何となく政府は期待しているようにさえとれるのです。そうして又地元の騒ぎのほとぼりがおさまるのを待とうといつたような、若干邪推があるかも知れませんが、そういう感じがしてなりません。こういうものはサンプルが上つておれば、有害か無害かの結論を出すぐらい、早急にできるはずなんです。従つて私は又別途厚生省にも更に要望しますが、あなたのところは責任官庁でございますから、厚生省とも十分連絡をとられて、一刻も早く結論を出してもらいたい。その結論は委員会は通して開かれないでしようから、出たならば、委員矢嶋に御通告願いたいと思います。これは大臣のされる仕事じやないから、官房長が来られたら官房長、官房長が来られなかつたら、いつもそれを代理される人事局長、どちらかの答弁を願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) よく御要望の点を承わつておきましよう。但し責任官庁であるかどうかということは、まだ疑問があるのであります。いわゆる九十九条は、爆発物その他直ちに爆発して人体に危険を及ぼすようなものを指しておると私は考えております。イペリツトはどういう性質のものか、これは直ちに爆発して人体に危険を及ぼすような性質のものであるか、これも吟味しなくちやならんのであります。厚生省のほうと十分打合せをして、何分の処置をいたしたいと考えております。
○矢嶋三義君 その答弁は重大でありますから、もう一遍発言しますが、これは先般私は海上自衛隊へ参つたのですよ、そうして他の関係省も廻つたのです。で、関係省で協議して、海上自衛隊が責任官庁だということを確認したというから、私は海上自衛隊へ参つて、掃海課の課長さんだつたと思うのですが、お目にかかりましたら、うちが責任官庁だ、だから揚げるということになれば、うちで揚げるのだ、こういうふうに言明されていたので、その点が長官にまだ届いていないと思うのですが、従つて先ほどの私の質問に対しては、厚生省その他に対する取扱に対しては、これは初めてお目にかかりますが、官房長さんがお見えになつているようですから、官房長さんのほうから答弁を願いたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私のところへはまだ何ら報告が参つておりません。責任官庁であるかどうかという点についても、十分法律的研究をしてみましよう。併し責任官庁でありやなしやに、そういうことは問題なく、我々といたしましては、国民に迷惑のかかるものであれば、これはうつちやつておけませんから、何としてもやるべきことはやりたいと思います。
○矢嶋三義君 官房長に伺いますが、厚生省の国立衛生研究所に早く結論が出るように催促すること、並びにその結果については、委員会が開かれれば次の委員会、委員会が長く開かれない場合には、委員部を通じて質問者委員矢嶋に御通知頂けるようにお願いしたいと思いますが、如何でございましようか。
○説明員(門叶宗雄君) 只今の矢嶋委員の御要請にお応えいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 質問を一応打切ります。
○岡田宗司君 極く僅かな点を二、三お聞きします。過日新聞紙上に出たところですが、防衛庁におきまして自衛隊の増強計画が、第九次の計画ですかについて木村長官の談話なるものが出ておりましたが、いわゆる第九次計画なるものは目下進めておられるのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 新聞にどういうことが出たかわかりませんが、第九次計画案などということは、私は申した事実は全然ありません。御承知の通り長期の防衛計画というものは、今のところなかなか立ち得る見込みがありません、残念ながら。それで差当り三十年度はどうあるべきかということについて、目下来年度予算の編成とからみ合いまして検討中であります。それもなかなか容易に結論を出すことができませんので苦慮しておるわけであります。できる限りこの月末までに何とかしたいと思いますが、恐らく我我の予想では、月末までにはできかねる状態であるということを御了承願いたいと思います。
○岡田宗司君 先ほど長官は矢嶋君に対して、来年度の予算についてのお答えがあつたのですが、私はやはり来年度の増強計画も、まあ長期計画が確定はしておらないけれども、大体長期計画の一部としておやりになつておるものと、こういうふうに考えます。特にアメリカとの関係において、やはり昨年の池田・ロバートソン会談、その後のこちらにおけるいろいろな会談、或いはアメリカからヴアン・フリート大将も来ましたし、いろいろなことから、やはり長期の計画というものが確定はまだしておらんけれども、策定をされつつあるのだというふうに了解しておるのですが、やはりそれは作業は進められておるのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) お説の通り、我々といたしましても、やはりできる限りは長期と申しましても、大体常識として五カ年であります。五カ年あたりの計画はどうあるべきかということについて検討すべきであるという見地から、一応の検討は今やりつつあります。併しこれも容易ならんことです。終始動きがあるわけですから、確定的のものということは、当分到底でき得ないと考えております。
○岡田宗司君 六月四日に吉田総理大臣は外国へ行かれることになつておりましたが、私ども大体推測いたしますところ、首相のアメリカへ参りましての仕事は、この防衛の問題がやはり大きな問題でなかつたかと思います。恐らく首相のアメリカにおける任務といたしましては、日本の防衛計画というものを持つて行つて、そうして向うの国防省の極東における防衛計画とつき合せるといいますか、そうして話をきめて来るというようなことも、その外遊の目的に入つておつたんじやないかと思う。そういたしますというと、首相が向うへ参りますについて、ラフなものであつても防衛計画というものを持つて行かれることになつておつたんじやないかと思うのですが、まあ今度又九月から首相が行かれるように聞いておりますが、防衛庁としてはその首相の行かれる際に、今度の首相のやはり目的の一つとして、この防衛計画五カ年計画か何かを首相が持つて行かれるようにしておる、そういうふうにしておるんじやないでしようか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 首相からこの防衛計画について何ら指示はありません。これは事実であります。首相から防衛計画の策定の問題が出ましたら我々はこれに応じてやりたいとは考えております。併し今申上げました通り、これはなかなか目算が立たんのであります。立つにいたしましても、極めてラフなものしかできかねるということを御了承願いたいと思います。
○岡田宗司君 次に、統合幕僚会議議長の渡米問題の話が新聞に出ておりましたが、これは向うから招かれておるようになつておりましたが、向うから招かれて渡米されることになるわけでありますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) お答えいたします。これは幕僚会議の議長は渡米することになつております。これは向うから招かれておるわけであります。
○岡田宗司君 幕僚会議議長の渡米は、私は日本の防衛計画と密接な関連があると思いますが、アメリカが現在東洋におきまして一つの大きな計画を持つておる、その計画に日本の防衛計画をマツチさせるという意味と、それからもう一つは、共同作戦の問題というような点でこの統合幕僚会議議長が招かれたのではないかと思いますが、統合幕僚会議議長の向うに行く使命は大体そういうようなことでしようか。
○国務大臣(木村篤太郎君) それははつきりお答えいたします。統合幕僚会議の議長は渡米いたしますが、そういう目的は何も持つておりません。ただアメリカにおいての現在の軍需工場その他いろいろ訓練の模様、その他の一般的問題を十分承知させたいということでありまして、深い意味のものではありません。もとより指揮権の問題その他防衛計画の問題は、我々といたしましてやるべき問題でありまして、幕僚会議の議長が代表してやるべきものではないと考えております。さようの使命は受けておるわけではありません。
○岡田宗司君 今の長官のお話ですと、まあ防衛計画等について、アメリカとの交渉その他は長官のほうでもつとおやりになるということでありましたが、勿論外交折衝になる部分は外務大臣或いは首相の手許でおやりになるだろうが、なおもう少し具体的な技術的は面は防衛庁即ち木村長官とこちらの極東軍司令官との門でおやりになることになつておると思うのですが、そうでしようか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 結局はいろいろ協議をいたして下相談はいたします。併し最終段階になりますると、恐らくこれは外務省の手に渡つて、外務省ですべてやることと考えております。併し防衛計画その他の策定については、我々の手において十分検討して最終の決定をいたす考えであります。
○岡田宗司君 今下相談はまあこちらの出先機関でやる、こういうお話のようでありますが、これは極東軍司令官のほうとおやりになるのか、それとも今度MSAの援助計画に基いて日本のほうに配置されました軍事顧問団とおやりになるのか、その点はどちらでありましようか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 御承知の通りMSA援助その他の受入れ物資については、これは無論極東軍司令官がこれに大きなウエイトを持つことは無論でありますが、具体的に引渡しを受けた物について、それの操作、管理その他について、実際面においては軍事顧問団がこれに当るわけであります。それも軍の指揮というようなことについては、隊の指揮というようなことについては全然タツチいたしておりません。ただ援助物資その他装備の点について、我々に対していろいろ協議をするというような程度に考えているわけであります。
○岡田宗司君 そこでアメリカ側との折衝で私どもが非常に懸念に堪えないのは、艦艇の貸与の件でありますが、十九国会におきます予算委員会或いは内閣委員会における説明によりますというと、とにかく十七隻の艦艇が貸与されるということになつて、それに基いてのいろいろの計画が説明されたわけであります。ところが、実際には駆逐艦二隻だけは来ました、あと二隻はきまりそうでありますが、あとの十三隻というものは先ず見込みが薄いようでございます。で、この十七隻の貸与を受けるという計画は恐らく防衛庁だけで決定して、アメリカのほうの意向を全然参酌せずに向うへ持出して、そうして向うのほうでは、ただ二隻だけ渡し、次にもう二隻渡すというようなことではないかと思うのであります。大体まあ十七隻の貸与問題は、恐らく防衛庁と極東軍司令官のほうとで下話ができて、そうしてそれに基いてこの十七隻の貸与も見込みが大体あるだろうということをお考えになられて、それで今度の自衛隊の増強計画のうちにこれを組み込まれたものと思うのですが、やはりそういうふうに極東軍司令官のほうとお話合いになつて、大体その十七隻の貸与の見込みがあるということで計画をお立てになつたのかどうかお伺いしたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) これは計画を立てる際には、あらかじめアメリカのいわゆる極東海軍のほうと連絡をとつて、我々はこれくらいは貸与を受けるという見込みを立てたわけであります。ただ漠然としてやつたのではありません。併しながら、アメリカのほうでもいろいろ事情があつたのでありましよう。なかなか我々の初めに考えておつたように容易に貸与を受けることができなくなつた。併しながら只今においても我々はその希望は捨てておりません。できる限り希望を達成するように努力をいたしております。最終的段階におきましてどのくらいになるかわかりませんが、只今もうすでに二隻は引渡しを受けに行つております。あとの二隻についても、相当に実現の可能性があります。あとの部分については、艦種その他については多少変更はありますが、なお相当の数の貸与を受け得られるのじやないかという考えの下に今話を進めておるわけであります。併しながら全部我々の希望通りに行くということはむずかしかろうと、こう考えております。
○岡田宗司君 そういたしますと、大体極東海軍のほうとの話合いでああいう計画案を立てられ、それが今日実現しないということになりますというと、最初の、結局それは極東海軍のほうとそれから本国の国防省のほうと意思が疏通してなかつたということによるものか、或いは又勿論極東海軍がそういうふうな十七隻の貸与についてまあ話に乗つて来たということは、国防省と打合せてやつたことと思われるのですが、それがいけなくなつたということは、その後の例えばアメリカのほうの事情の変化、戦略の変化というようなことにもよるのではないかと思われるんですが、それはどちらになつておるのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカ側の都合が奈辺にありやということは、我々はただ想像するだけであります。何も聞いておりません。併し単純にいわゆる作戦その他の結果ではない思います。いろいろその他にも国際事情もありましようし、内部のいろいろな問題も含まれていると考えております。
○岡田宗司君 実は私がこの問題についてそれをにつきりしてもらいたいということでお伺いしているのは、今後例えば航空機の貸与の問題、或いは艦艇の貸与の問題その他の武器の貸与の問題ということが今後の自衛隊の増強計画と密接な関係を持つものである。その際にこういうふうに一定の話がついて、こちら側でちやんと計画をそれに基いて立てて、予算まで編成をしてその基が今度忽ちぐらついてしまうということになりますれば、これは計画が崩れるばかりではない、予算の施行というようなことも又崩れて来るということになるわけです。そこでこれでは全体の国の予算の施行、或いはこの行政上の施行ということに非常に重大な支障を及ぼすことになるのでお聞きしておるんですが、今のようなお話で、アメリカのほうの事情がどうなつているかわからないというようなことで今後も折衝して、或る程度の話がきまつた、それがあとで又覆えるということでは非常に困る、あなたがた一番困ると思うんですが、そんなふうな甘い話し方をしておるんですか、もつときつぱりした話はできないんですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 誠に御尤であります。将来かようなことでありますと、我々といたしましても非常に立場上苦しむわけです。殊に財政計画と睨み合せての防衛計画を立てるのでありますから、今後かようなことのないように十分アメリカ側と折衝いたすつもりであります。
○岡田宗司君 今のお話ですと、今後こういうことのないようにということございますが、どうもその折衝のチヤンネルがはつきりしないところでこういう問題が起つているのではないかと思います。例えば正式の外交機関を通じて、はつきりアメリカの政府と話合つて、そうして国防省のほうとも話合がついて行けば、こういうことはない、併し極東海軍を通じて話合つたことだからとういう問題が起つているというふうになるんじやないかと思うんですが、今後こういう問題についての折衝は窓口を一本にしておやりになるつもりかどうか、それとも今までのように或いは向うのほうからこういうふうにしろと言つて来たのかも知れませんが、窓口を一本にしておやりになるつもりかどうか、その点をお伺いいたします。
○国務大臣(木村篤太郎君) 結局は窓口一本になるわけでありまするが、それまでの過程におけるいわゆる幾多の関門があるわけであります。それらの点の食い違いがいろいろ結果において矛盾して来たことになるわけであります。今仰せになりますように、将来はさようなことのないように何とか工夫をいたしたいと思います。
○岡田宗司君 それで十七隻のうち確定が二隻、それも伺いますというと十月の十五日に引渡しを受ける、それから他の二隻は未定である、まだ引渡しの時期は未定である、その他の艦艇に至りましては、まだ交渉中であるということになりますというと、十七隻の艦艇の増加に基いて立てた計画というものは、本年中には実際できないのじやないか。そうすると、例えば海上自衛隊の隊員の募集の問題、そうしてその人員を維持して行く問題というようなことと関連して来るわけでありますか、現在の情勢から行くというと、駆逐艦の貸与二隻を受けるのが確定しただけとしますというと、この隊員を早急にたくさん募集するということは、これは如何かと思われるのでありますが、この隊員の募集等の関係は、この計画案が崩れたためにどういう変更を受けるか、その点お伺いしたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) もとより、御尤もであります。これは本年度中に貸与を受けることのできないという隻数がわかりますと、それに基く乗組員の募集というものも又これは遅れるわけであります。これははみ出すことになるわけであります。
○岡田宗司君 そうすると、これは今年中に受けられないということになりますというと、この分の予算は来年度に繰越されて、そうしてその計画も来年度に延ばされることになりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) まさにその通りであります。
○岡田宗司君 そうすると一方において、来年度はこの海上部隊を六千殖やす計画を立てておつた。この来年度の六千を殖やすというのは、これはやはりアメリカから艦艇の貸与を受けるということを前提としての六千を殖やすことにされておるのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 我々のところでは詳しい数字はまだ申上げることはできませんが、結局六千を殖やすということは、日本の内地でもつて作り得れば、それに乗せ得べき人数を大体に予定しておるわけであります。
○岡田宗司君 そうすると、来年度は海上自衛隊の募集は本年のものが繰越されるものと、それから更に今言われた来度の計画の六千と合せますと、相当多数になると思うのですが、やはり一万何千という数を来年度補充するというか、拡張するというふうにされるわけですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 来年度にどれだけなにするかということは、今確実に申上げることはできません。我我はそれくらいのことを増強したいというただ単純な希望であります。そこでアメリカから貸与を受けるべく予定しておりましたこの船の引渡しが遅れるとか、来年変更することとなりますれば、その数字においても自然変わつて来ることと考えられます。
○岡田宗司君 じやアメリカのほうの艦艇の貸与が来年度に繰越された、そうして来年度そのほうの人間の募集をやるということになりますれば、その際にはこの六千のほうはやらないというようなことになりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) そうとは限りません。アメリカから貸与を受ける船が延びましても、それがために来年度の造船計画というものを変更するかどうかということは、まだ未定の問題であります。これは並行してやる場合もなきにしもあらずであります。必ずしもそれがためにそれがなくなるということは申上げられないわけであります。
○岡田宗司君 来年度の海上自衛隊の計画というものが、本年度の艦艇貸与が延びたために今後、今考えられておるものとの関係で、非常な修正を受けるように思うのですが、来年度は現在長官の考えられておるものと変つて来る、この艦艇貸与如何によつては変つて来る、そう了承してよろしゆうございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 多少変ることはあり得ると私は考えております。
○岡田宗司君 次に、航空自衛隊のほうの問題についてお伺いします。まあ今後アメリカから貸与を受ける航空機について、例えば海上のほうに、先ほどの御説明ですと、四十機配属されるように言つておりました。それから航空自衛隊のほうに輸送機が十五機、配属されるように言つておりましたが、この輸送機の十五機というのは、単なる物の輸送なのか、それとも落下傘部隊を作るための貸与か、いずれですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) その中にはいわゆる物を運、ぶ単純なる輸送機もありましようし、いわゆる落下傘部隊、これは落下傘部隊と言つては語弊がありますが、自衛隊を迅速に機動させる必要上兵員を輸送することに用いるいわゆる輸送機というものも考えられるわけであります。
○岡田宗司君 そうすると落下傘部隊をお作りになる、こういうことですね。
○国務大臣(木村篤太郎君) 一部はあり得ると考えております。
○岡田宗司君 それで問題は海上のほうの四十機というのは、これは主としてジエツト戦闘機ですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) これはジエツト機ではありません。いわゆる俗に言いまする対潜水艦作戦用であります。ジエツト機じやありません。
○岡田宗司君 そうすると今まあアメリカ軍のほうに委託をして訓練しておるというその航空自衛隊があるわけですが、このアメリカ軍に委託してある人々は、これはジエツト戦闘機の訓練をやつておるわけですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) これは松島で今訓練をしております。主としてジエツト機を操縦する前提になるべきいわゆる訓練であります。まだなかなかジエツト機を操縦するということにはならないと思います。
○岡田宗司君 そうすると、航空自衛隊は現在のところ今言つたように輸送機を中心として物の輸送、それからいわゆる落下傘部隊、それからもう一つはジエツト戦闘機、これが航空自衛隊の根幹になる、そういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 現在のところではさようであります。
○岡田宗司君 そうしますと、今度全体の防衛計画から見て、この航空自衛隊というものがどういう役割を全体として演ずるかということになつて来るのですが、これはまあ日本における日米の協定からして、又全体のこの戦略の問題にもなつて来るわけですが、日本の航空自衛隊なるものは、結局戦闘機を主として、一方ではアメリカ軍の基地を防衛すると、或いはアメリカの爆撃機を援護するというような役目、それからもう一つは、落下傘部隊を漸次訓練して行くということになると、こう了承していいですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 将来の目的は申す段階になつておりません。ただ現在の段階では、さようなジエツト機を操縦し得るようなパイロツトを養成しようと、又輸送機、これを練習して行来に拡充して行つた場合の操縦士を養成して行こう、こういうような段階てあります。要は現在パイロツトを養成するという段階にあるのでもります。
○岡田宗司君 先ほど長官は国防会議の問題について、国防会議はまだできておらん。併し国防会議はできておらんが、現在の体制でもつて国防会議がなくてもやつて行けるようにしておる、こういうことでございますが、国防会議では、防衛計画のほかに例えば軍需産業の問題についてもいろいろと取扱うことになつておる。この点についても恐らく現在の防衛庁で考えておられると思うのですが、ジエツト・エンジンの製造、ジエツト戦闘機、ジエツト・エンジンを付けた飛行機の製作ということはお考えになつておるのかどうか、これはMSA援助の三十六億の金の使い途とも関係がありますが、これらについては、内閣のほうで今どういうふうに処置されておるか、それは防衛庁長官としてどういうふうにそれを使うことを希望しておられるか、それをお伺いしたい。
○国務大臣(木村篤太郎君) 三十六億の金の使い途については、今折角各関係官庁において検討中であります。結論は出ていないようであります。併し防衛庁といたしましては、将来に備えてジエツト・エンジンの製造の研究、或いはGMの研究その他に幾分割いて使用できるようにいたしたいと考えております。
○岡田宗司君 十九国会の内閣委員会における質疑応答で、現在の陸上自衛隊というものが非常に大きな機動力を持つておるということが明らかにされたのでありますが、この陸上自衛隊の機動力の発揮と、それから道路というものの関係が非常に重大なのですが、現在の日本の道路、橋梁等ではこれはなかなか思うように機動力が発揮できないと思うのですが、この道路の問題について、防衛庁のほうはどういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 御承知の通り、部隊の能率を発揮するのにこれはどうしても機動力を高めなければいかん。申すまでもなく日本の道路は甚だ貧弱でありまして、十分な機動力を発揮することができません。殊に橋梁は非常に弱く、これらの補修を十分しなければ十分な機動力を発揮することができません。と同時に、やはり産業開発の面からもこれは大きく考えなければならんと思います。防衛道路の改修或いは新設というようなことは、結局産業の面においても大いに貢献するのではないかと、我々は考えております。従つていわゆる防衛道路の新設、改修ということについては、大いなる関心を持つておるわけであります。
○岡田宗司君 それについてすでに試案はできておるのでございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) いろいろ考えておりますが、技術的な点についてはなかなか容易でないということを発見しております。建設省にも今課員をやつて技術的に研究させております。
○岡田宗司君 その問題について、過日新聞に日本の国土を中心にして約九千キロの改修を行い、そうして橋梁その他の施設も改善をする、その金が三千三百億かかるというようなことが出ておつたのですけれども、これはやはりそういう計画がすでに防衛庁、建設省その他の関係官庁の間にできておるのでございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 或る程度は研究はさせております。今お話の三千幾億という金の数字も大体ラフな点はできておるようであります。それで何キロになるか、或いはどの方面に重点を置いてやるかということについては、まだ結論はできていないようであります。何分にもこれを実行するについては莫大な金がかかるわけでありますから、その莫大な金はどうして捻出すべきかということに問題があるわけでありますが、なかなか容易じやないと考えております。併し計画だけは是非立てて、いつでも金ができれば実行できるようにいたしたいと、こう考えております。
○岡田宗司君 今のお話ですと、まあ大体ラフな計画はできて、金の点も一応の計算ができておるようでありますが、大体これはまあその私案と言いますか、それを実現するのに何カ年くらいの計画でおやりになるというつもりでございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 先ず普通に考えられる五カ年ですな。
○岡田宗司君 五カ年でそれくらいの計画を実現するというと、現在の財政状況と睨み合わして非常に困難な問題になる。そこでまあ今度首相が外遊されるについて、この防衛道路の問題が一つ大きな問題になる。特にアメリカの日本に対する軍事援助の一つとして、これに金を出すように交渉するというふうなことも想像されるのですが、今度首相が向うに行かれるについて、この防衛道路計画というものはやはり向うとの交渉の一つになるのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 首相がこのいわゆる防衛道路についてアメリカ側とどういう折衝があるかということについては何も聞き及んでおりません。又私の手許においても防衛道路についてアメリカ側と折衝いたしたいのだというような話もまだありません、或いは今後あるかもわかりません。いずれにしてもその際には我々は自分の考え方を十分述べたいと思つております。
○岡田宗司君 今もアメリカ軍が日本に駐留しておるのです。そして現在のところまだ退きるそうもない。それでアメリカ軍が日本に駐留している以上、日本の国内においてアメリカ軍の陸上部隊の行動というものが、やはり防衛道路という問題と非常に大きな関係を持つて来るのです。アメリカ軍の防衛、まあ行政協定に基いて日本側に防衛道路の建設というようなことで、或いは防衛庁なり、或いは建設省なり、或いは政府へ話があつたかどうか、この前に安全保障諸費のうちから各地でぼつぼついわゆる軍事道路なるものが造られておるのでありますが、これは極めて局部的でございますが、全体としての防衛道路計画というものについて、日本におるアメリカの陸上部隊が関心を持ち、これを完成させるように日本政府に要求をしておるというようなことはないのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカ駐留軍から要求しておるというようなことはありません。これは主として将来我々の自衛隊のいわゆる活動に関するものであります。従つて我々がこれを主体になつてやるべきは当然であろうと考えております。ただ技術的の面から申しますると、御承知の通りアメリカから示唆を受ける点が非常に大きいのです。これらの点についてはアメリカの援助は是非とも得たいと考えております。計画の点についても我々は示唆を得てやりたい、こう考えております。
○岡田宗司君 木村長官はアメリカが、例えば軍事的に非常な援助をしておるトルコなんか、或いはギリシアのことは御研究になつておることと思いますが、特にトルコの問題なんかについては相当アメリカは力を入れて道路の拡張を、いわゆる防衛道路の拡張をやつておるようであります。これをやはり日本のほうでも、アメリカ側でもやりたい、日本のほうでもそういう例からやらしたいということになつて、今度のMSA援助の、いわゆる軍事援助の問題がこういうところに現われて来るのじやないかというふうに考えるのですが、そういうような関連から、この防衛道路の問題についてアメリカ側との交渉を持つということが行われるのじやないかと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 今後我々はアメリカの相当の援助を得なければならんと考えております。これを実現するのには……。それらの点から睨み合せまして、アメリカ側と十分な折衝をして行きたい、こう考えております。
○岡田宗司君 そうすると、何ですか、今後アメリカ側から道路の問題について援助を受けて、それでそれも折衝は今度首相が行つてされるのか、或いはその後やられるのかわかりませんが、そういうことについて近くなるというふうに解釈してよろしうございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 我々といたしましては、これを是非とも防衛道路の実現を期したいと思つております。それについては、今申上げました通り、アメリカから技術的、財政的の援助を受けなければならんと思つております。従つてアメリカ側と折衝はして行かなければならんと思つております。
○岡田宗司君 現在外資導入の問題について、世界銀行からの借款の問題で調査団が来て、或いは又余剰農産物処理の問題についての調査団が来ております。併しこれはまあそう大きなものでもないし、恐らく政府が予期しておる最大のものではない、結局政府がアメリカ側に求めようとしておるものは、私は、ギリシアやトルコの例から見ましても、又今までのいろいろのMSA援助の筋から見ましても、直接防衛に関係のある援助ということになるので、この防衛道路の問題は、今後正面に出て来るものと思う。併し日本側がこれをまあアメリカに求めるということになりますというと、これはまあなかなか容易なことではない。勿論トルコやギリシアに対する援助を見ましても、これはいわゆるコマーシヤル・ベースに立つ外資の導入ということではない。結局向う側から金をもらつてやるということになる、勿論全部でないでしよう。その一部は金を向うからもらつてやつて行く、そうすると、これに対して代償という問題がきつと起つて来る。私はその代償という問題が重大な問題になると思う。向うのアメリカからこういうような防衛援助を受けることに対する代償の問題というと、結局日本の防衛計画というものとアメリカの防衛計画というものとマツチさせる問題になり、そこに又指揮権の問題或いはアメリカとの一種の軍事同盟の締結というような問題というような関係が出て来るのじやないかということを非常に虞れるのでありますが、この防衛同盟の問題についてアメリカから援助を受けるということについて、これは長官のほうはやはりこれは無条件で援助を受けるということのおつもりか、それともやはりそれについては、今私がこれは私の推測でありますけれども、そういうふうなギブ・アンド・テイクでおやりになるつもりか、そこらのところはどういう御方針を以て臨まれるのか、お聞きしたい。
○矢嶋三義君 今のに関連してですが、防衛道路の九千キロの問題、あれは建設省でまあこの防衛道路というのに名前を借りて、荒廃した我が国道を修理しよう、改修しようというので、建設省を中心で九千キロ案を作つて、そして予備交渉をやつたところが、アメリカの国民の税金で防衛に直接関係のないような道路に補助できるか、直接軍事的に役立つところ以外には補助はできんと一遍に蹴飛ばされた、こういうことを私は聞いているのですが、従つて吉田さんは防衛道路に非常に熱心であるが、恐らく今駐留米軍を中心に、我が自衛隊との間で、最も軍事的に関連のあるどの線をどの程度改修するかということを協議中だと、こういうふうに私は承わつておるのですが、その辺の真相も岡田委員の質問に併せて……。
○国務大臣(木村篤太郎君) 岡田委員に先ず以てお答えいたします。この援助の方法をどういう方式でやるか、又内容如何ということについては、事極めて重大でありまするから、十分に我我は考えなければならんと思つております。何ら結論は出ておりません。而も我々といたしまして、日本の防衛計画というものは、日本自体が自主性を持つてこれをやらなければならんと終始考えております。それらの点とからみ合せて、この防衛道路を如何にすべきか、又その財源を如何にすべきかということについては、自主的にこれは十分考えて行きたい、こう考えております。 矢嶋委員にお答えいたします。建設省が案を作つて、アメリカ駐留軍に持つて行つたところが、それを蹴られたというお活のようでありますが、さような事実は私は聞いておりません。あるかないかも存じておりません。併しこの防衛道路と言いましても、大体は現在ある道路の幅員を拡げて、或いは橋梁を補修するということが主であります。これはなかなか容易ではありません。現在の道路が我々の考えでは、大体路線をA線とB線とに分けて、A線は七メートル半、B線は六メートルということに大体きめておるのです。その幅員まで現在の道路を修復するのには容易ならん金がかかるのであります。それと同時に、この道路にかかつております橋梁、この橋梁の補修ということも相当金がかかるわけです。新たに路線を新築するとどのくらいになるかということにつきましては、私はまだ詳細な当局からの報告を受けておりませんから、お答えすることはできませんが、要は、現在の幹線の幅員を拡げて、橋梁を補強して、新たに附け替えるというようなことが主なるものではないかと考えております。
○松原一彦君 私も一つ希望を申上げておきます。先刻矢嶋委員の要望で尽くされておりますが、例の大分湾におけるイペリツト弾の問題でありますが、昨今有名になりました高崎山の猿のおる自然公園のすぐ目の前の海岸、白木海水浴場から一キロのところ、そこから発見せられた。これは土地の漁師が発見したものでありまして、すぐ海岸の目の前であります。電車の通つているすぐ目の前の海から上つたという、非常に危険を及ぼす影響が大きいのです。而も外被の鉄がだんだん錆びて行つておのずから出て来るようなことがあつた場合における魚族の弊害、更に人体に及ぼす腐爛性の毒ガスを持つ化学製品でありますから、非常に土地の者は恐怖に襲われております。漁業などはできなかろうというので非常に危険を感じております。私もよく存じませんけれども、これは世界的に禁止せらるべき私は兵器だと思います。細菌兵器とか、毒ガス兵器というような、これは公表できない。それを日本は戦争中に作つておつて、幾つ作つておつたか、あなたは今試作とおつしやつたが、恐らく試作ということで作つたかも知れませんが、大分県の山中に隠匿しておつたことは事実です。それを敗戦のときのどさくさから、深海にでも捨てたらいざ知らず、漁師が掘り出すようなところに放つて置いて、それを多数発見されたというようなことは、何と言つても敗戦当時の日本軍の慌てぶりの醜き記憶の一つですが、それが若し人体に及ぼす影響が大きいということになりますと、規模は小さいのでありますが、ビキニの実験に対する抗議が持込めんほどの重大な問題だと思います。私はこの問題は、数カ所を廻つて、厚生大臣とも話合つたのですが、沈澱性のものであるから、海の底に沈澱しておると、何年か後にはガスの毒性がなくなるというようなことも想像しておるようでありますが、民心に及ぼす影響も相当大きいし、かたがたああいう海岸線に接近したところにこういう危険性のものがあり、そうしてその本来の性質が世界的に人道上禁止せらるべきものであるとするならば、一日も早くこれを御処理になつて、深海かどつかに持つて行つて捨てて禍根を除いて頂きたい。躊躇すべき問題ではないと思う。これが幾つあつたとか、なかつたとかいつたようなことを後世の記録に残すことは私は非常に不快に思うのです。どうか至急御処理になつて、民心を安定せしめ、不快なる記録を日本に残されんように御処理になるようにということを切望しておきます。
○国務大臣(木村篤太郎君) よくわかりました。
○委員長(小酒井義男君) それでは大体以上の程度で質問を終了したこととしてよろしうございますか……。 —————————————
○委員長(小酒井義男君) 次に、過般木村長官が北海道を視察されました結果について説明を承わります。
○国務大臣(木村篤太郎君) 私は北海道方面へ二週間参りましたので、大体視察の経過だけ申上げます。 これが函館であります。これが千歳であります。私は十八日の午後の便の飛行機に乗りまして、千歳へ参りました。そうして直ちに札幌へ参りました。札幌で一夜を明かしまして、その翌日午前に札幌の方面隊を観閲いたしたのであります。これを済ませまして、直ちに私は汽車に乗りまして旭川へ参りました。旭川でその日に部隊を観閲したのであります。そうしてその翌日に、この一番突端でありますが、名寄部隊、この部隊は一昨年の正月に宇都宮から移駐した部隊であります。この部隊を観閲したのであります。そうしてその日にすぐ下りまして、ここに層雲峡というところがありますが、ここで一晩明かしまして、翌朝この層雲峡のわきに観光道路の開発を是非してくれというので、部隊へ北海道庁から懇請がありました。ここへ二中隊ばかり派遣して道路の開設をやつておりました。それを激励に参りました。そうしてすぐその日に遠軽の部隊を観閲いたしました。そうしてすぐここを下りまして美幌の部隊を見て参りました。美幌から下つて阿寒湖を通つて弟子屈という所かあります。そこを廻つて釧路へ参りまして、ここの部隊を観閲いたしまして、翌朝出発して更に帯広へ行つて帯広の部隊を観閲いたしました。その日にすぐ汽車で狩勝峠を通つて留萌へ行つて、そうして留萌の部隊を観閲いたしました。そうして一晩留萌で泊りまして、翌朝直ちに、今度開設さるべき滝川の地点を見て参りました。それからその足で下りまして岩見沢の部隊を観閲いたしました。そうしてすぐ引返して札幌に出まして、札幌から翌日函館へ参りまして、函館の部隊を観閲いたしまして、そうしてその翌日この辺を視察して、洞爺湖へ行つて、その翌日幌別の部隊を視察いたしました。それからすぐその翌日千歳へ行きまして、千歳の部隊を視察して、支笏湖のわきで島松、恵庭の部隊を見て参つて、すぐ引返して真駒内の部隊を観閲いたしました。これを終りまして千歳から午後の六時四十分発の飛行機で戻つて参りました。これが径路であります。 そこで何を目的で視察したか、これを先ず申上げたいと思います。私は大体においてこの辺隔の地域におる若い青年諸君の労苦を察したい、とにかく今はようございます。我々は冬に行つて見てやらなくちやならんのであります。冬にどれだけ苦労しておるかということを目のあたり長官が見るべきであろう、併し国会の関係で行けませんので誠に残念でありましたが、夏を利用してとにかく若い者に御苦労さんであつたという一言をかけてやりたいということが主な念願であります。それと同時に、部隊の規律或いは幹部と隊員との密接関係、どういう工合になつているか、それから施設はどうであるか、とにかくこの北辺の部隊において冬は非常に難渋しております。これも目の当り見なければ、ただ耳で聞くだけではわからんと思いまして、そこに参りまして、それを見たい、それと各地における部隊の異つた部隊演習、これは各隊によつて異つた演習をしておる。それと衛生状態と言いますか、これを私は重きを置いて視察して来たい、まあ概略申しますれば、そういう目的で参つたわけであります。 そこで第一の札幌部隊、これは宿舎その他施設は十分であると思つております。それから旭川の部隊、これも施設は相当立派になつております。又外部の道民と一般隊員との間も極めてよく行つております。ただ厚生施設はどの面においても共通でありますが、非常に悪いということであります。それから名寄の部隊、これは先ほども申上げました通り、宇都宮の部隊から参つたのでありますが、これはいわゆる近代的な兵舎になつておりますから、先ず営内の生活としては差支えないと思つておりますが、併し水道その他の点において非常に不便を感じております。と同時に、これは町から多分に離れておるのであります。それで隊内における娯楽設備というものは誠に貧弱で何もありません。この部隊に限らないのであります。特に外へ出た場合、一番規律違反の多いというのは、夜、帰営の時間に遅れるということであります。それがどうかすると冬のことでありますから、若い者はやはり酒を飲んで来る。これは隊内において絶対に酒を禁止しております。昔の軍隊のように酒保があつて酒を飲ませるということをしておりません。従つて冬の寒いときには日常でも外で酒を飲んで来る。それでつい酒を飲み過ごして遅れる。かわいそうなことには、何としても時間内に帰らなければならんという責任感から、たまたま門限に遅れて帰つて凍死したというのがある。非常に責任感がある、こういう事例もあるわけであります。これをよほど我々は何とかして、将来或る程度は隊内で酒を飲むことを認めてやつていいのではないかどうか、これも一つの研究問題としております。先ずとにかくここの隊は近代的の設備はあると申して差支えないと思います。 ところで今度引下つて来ました遠軽、これはちよつと見ると住めそうに見えるのであります。昔の農林省の畜産農場で馬を養つておる小舎といつたら言い過ぎるのですが、そのような建物で、それを改造して住ませておる。ベツドが二段建になつておる、採光の工合もよほど改造したというのですが、甚だよくありません。ここで恐るべきことを発見したのは、若い者でありまするから、どうかすると肺を痛められます。これは私は非常に今後気を付けなければならんと思います。肺を痛める、それが二段ベツドになつておる上の者が比較的多い、これは非常に我々は考えさせられて来たのです。何とかして、一体若い者ですから結核にかかつた人はできるだけ保護してやらにやいかん。これは保護するより先ずかからんようにしてやらにやいかん。これは一つには、私は大いに考えさせられるのは食糧の問題であると思います。御承知の通り大蔵省では、内地に勤務しておる者も北海道で勤務しておる者も同一の食糧費である。北海道で勤務しておる者はそれだけ十分に栄養をとらせる必要がある。これらの点については将来大いに考慮してやるべきであると思います。食糧の問題と同時に、今申しました娯楽設備、殊に一番寒心に堪えないのはいわゆる読書室がないのです。青年のことでありまするから、これは読書欲が極めて私は旺盛であろうと思います。近頃の青年はみな本を読みたがります。その設備が何もありません。どの部隊へ行きましても誠に貧弱であります。これらの点については私は何よりも考えてやらなければならんと思います。一つ感心なのは、どこの部隊も入体において二段ベツドです。それをこの部屋なら部屋に二段ベツドになつておるのを工夫して三段ベツドにしておる。そうして工夫して部屋の広さの空間を見つけ出して、そこでみんな語り合うというような余裕をとつて、まあ涙ぐましいようなことですが、二段ベツドを三段ベッドにして、自分らの語り合う部屋の余裕を広く、よほど工夫したのでしよう。これらのことなども将来よほど考慮してやる必要があるのじやないか。それと、これは甚だ内輪のことで、こういうことを申して相済まんのですが、遠軽部隊の便所は営舎の外にあつて連絡がないのです。この間に通路がないのです。それで冬の寒い晩に野天を歩いてわざわざ便所へ行かなければならん、従つて帰つて来ても寒くて再び床へついたときに眠れない。これではいかん、これは今度参りまして発見して来たのであります。これなんかもほんの僅かのことだけれども考慮を要する点だと思います。 それから釧路の部隊、美幌の部隊、美幌の部隊ではこれも今新らしい兵舎を増築中であります。これも最近にでき上るのでありますから、相当な設備はできるわけであります。ただ建設省が請負わせた工事について多少我々の不満な点があります。それらの点については近く改めたいと、こう考えております。それから釧路の部隊、これは釧路からよほど離れております。名寄の部隊と同じでありまして、御承知の通り釧路というのは私が想像したよりいい町なんです。相当繁華な町であります。そこに娯楽設備があります。ありますけれども、何分にも隊が非常に距離が離れております。映写機一つない、何としてもこういう遠隔にあるものは映写機でも備えて、そうして楽しみを与えてやるという方法を講じてやらないと、若い者のことでありますから、外でいろいろなことをやる、娯楽も求めるということで、いい結果を得ないということであります。これらの点につきましても十分考えてやる必要があるのではないかと考えております。それから帯広の部隊も改善すべき点は相当あります。ありますけれども、先ず我慢すれば我慢し得る程度であります。ただいずれも演習地が不足しておりますので、それをどうするかということは我々は十分に考慮を要する点であろうと考えております。 今度は留萌の部隊、留萌の部隊もまあ使えないことはありません。一つ面白いことは留萌の部隊の隊員のうちで、その脇が新制高等学校、その次が中学校、その次が小学校、そこで隊内の者で夜新制高等学校に教授を受けに来たりする、これは許しております。札幌でもそうなんです。なかなか向学心に燃えておる。それを許してやつております。ところが留萌の新制高等学校というのは、北海道で一番の行儀の悪い乱暴な学校なんであります。名だたるものであります。これは有名なものであります。ところが自衛隊がここへ行きまして、来たときにだんだん自衛隊員の行儀のいいということに感化されて、今では指折りの行儀のいい学校になつた、これは校長さんが言つたのであります。これは私はやはりそうしなければいかん、これは私非常にほほえましいことであると考えております。非常に協力的なのです。私の嬉しかつたことは、各地方を廻りまして、いわゆる土地の方々との連絡が極めていい。これは隊長にもよりましようが、そうして隊長はその点に力点を置いてやつておるようであります。土地の人たちとの接触は極めてよろしい。ただ私は遺憾な点が一つあるのであります。北海道のどこの部隊に行きましても住民税が高いということであります。住民税が高い。これは今計算させております。何しろ非常に高い。そこで部隊の幹部が俸給をとればとるほど住民税が高いのですから生活が困難であります。それともう一つは自衛隊員ばかりではありません。一般公務員に関することでありますが、いわゆる石炭手当、この石炭手当が誠に困る。石炭手当はもらいますが、それは自分の俸給に加算されてそれに対して所得税がかかるものでありますから、それは二万円の石炭手当をもらつても、実際において手取りにおいて、五、六千円しか石炭手当はもらえないということであります。甚だ不合理な結果であります。これは自衛隊員だけの問題ではありません。いずれ公務員の大きな問題であろう。これはよろしく各位の御善処をお願いしたいと考えております。これは是非とも解決して行きたいと考えております。それからこの部隊は相当な設備がありまするが、改善を要する点もありますが、先ずいいであろう。それから幌別は非常に演習地が不足しておるので誠に困つております。それからここに安平というところがあります。ここの施設を一つ御覧下されば、如何に団結と規律と機械力がものを言うかということが目のあたりにわかる、恐ろしいものであります。私も先般内閣で以て天龍川の佐久開ダムの映画を見ましたけれども、実に機械力の恐ろしいことを知りました。今度私は安平で以ていわゆる集団の団結、そうして規律と機械力、この三つが合さればおよそ何事でもできるのじやないかということを目のあたり見て来ました。要するにこれは山を取崩して平坦地にして道を付ける、この山を崩して土を運んだ数量が四十万立米であります。丁度丸ビルの二倍の土砂です。全く丸ビルの二倍、あれだけの大きな土砂をとつて平坦地を作り、道を付けております。それに関連して層雲峡の脇の観光道路ですが、私が行きましたのは、出動してから約二日目、一箇中隊でありますが、これも機械力の恐ろしいことで、もうすでにずつと根拠地の木を伐採して宿舎を建てるという仕事をしておりました。実に機械力が物を言うということを口のあたり見て来たわけであります。 それから千歳、これにはいわゆる機械化部隊と申しましようか、装備が完備しております。どうぞ御覧下さい。相当力強さを感じさせます。それと真駒内の施設通信部隊、これも近代的の装備をしております。ただ我々一番憂慮に堪えないのは、今度の駐留軍が引揚げた後に、内地から約一万六、七千名のものが向うへ参ります。ところが宿舎の問題で非常に我々悩んでおります。殊に幹部はみんな家族を連れて行かなければなりません。家族を収容する場所をどうするか、殊に子供の学校との関係、市長さんとよく話をしていろいろ頼んで参りましたが、それらの点についても相当我々は考慮すべき必要があるのじやないか、ただ九州或いは四国から遠隔の北海道へ参りまして、ああ、こんなところへ来たか、つまらんところへ来たというような感じを与えたくない、とにかく私が見た目において、北海道というものは我々何としてもここへ重点をおかなければならん、大きな産業開発の希望をかけられるところであります。私は実はたびたび函館から札幌、せいぜい旭川までしか行つた経験がないのであります。今度向うへ行きまして、この大きな十勝平野を見、或いは釧路平野を見まして、成るほど北海道というものは大きなものだな、さすがに九州の二倍の面積であるといいますが、実に大したものだ、而も上から見まして、農作物ももつと集約的にやられなくちやならんじやないか、これだけの大きな面積を以て、僅かに平年作四百万石、これは御承知の通り新潟県でも平年作三百万石とれるのであります。この大北海道において僅か四百万石では一体駄目ではないか、これはどうしても北海道にもう少し集約的な農業をやらせる必要がある。開発も結構であるが、反当りの 収獲をどうして上げるか、品種の改良、土壌の改良は、聞いて見ますとパンプレツカーというのがあつて、まだ使つて見ないが、これは約一メートル以上の土壌を掘返して、そうして上と下をミツクスする。御承知の通り北海道は火山灰はせいぜい一尺か、二尺であります。そこを掘返して鍬や鋤でやつておりますから、幾ら掘つても駄目なんです。それを一メートル以上バンプレツカーで下の泥炭地とミツクスしてしまえば相当土壌の改良ができる、そういうことを思い切つてやるということになれば、少くとも現在の道内だけでも五百万石は優にできるではないかという感を深くいたしました。どうぞ今度行つたら森林関係も御視察願います。それからまだまだ北海道は開発の余地があるのではないか、ただ一番の問題は、何としても開発については有能な者を、昔のように北海道の道産子はいかん、内地から有能な者を迎えて本当に活躍させる、それにはどうしても道庁も手を打つ必要があるのではないかという感を深くいたしました。 最後に申したいのは、この自衛隊員は、本当にいわゆる自衛隊の気質とでも申しましようか、真剣にやらなければならない、どこまでも我々の責任を果すということをやつておるようであります。私は岩見沢に参りました。このときは珍らしく大きな土砂降りでありました。私が参りましたところが、土砂降りの中を約二千名の者でありますが、誰一人動ずるものはありません、肩を動かしません。実に瀬もしい感じを受けたのであります。これは幹部もしつかり真剣に教育をしておるからであろうと思います。ただ我々はそういう隊員を控えて、隊員に対しての将来の施設或いは給与その他の面について十分考慮して行きたい、これが我我の大きな責任ではないか、折角北海道に来てつまらん、これは失敗だという感じを与えてはいかん、こういう感じを深くしたのであります。それと同時に、最後に私が申上げたいのは、北海道は御承知の通り若い者の働き手が非常に少い、そこで内地から来た自衛隊員の有能な者は自衛隊をやめてからのち、次男、三男坊が多いのですから、北海道土着の人たちと結婚して、そうしてここで生活をする、その代りに北海道においてはいささか開墾地を与えて、それを開墾するには北海道の自衛隊が全力を挙げて助けてやる、そうして土着して新家庭を営むようにすれば非常にいいのではないか、これを大いに奨励しておきたいのであります。それで苫小牧の製紙工場を視察したのであるが、若い婦人がサービスに出て、自衛賢もなかなか立派な青年がいるが、あなた方は結婚する意思ありや否やということを聞いたのであります。十分ございます。誠にほほえましい話であります。大略さようでございます。
○矢嶋三義君 私は若干簡単に二、三の点をお伺いしますが、先ずあなたはずつとお廻りになつて、自衛隊員と接しられたわけですが、自衛隊員は、今のような日蔭者にしておかないで、はつきり憲法を改正して明確にしてもらいたいというような、そういう感じは受けなかつたですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 受けませんね。自衛隊員は現在でもはつきりしていると言つておる。おれたちは自衛隊員だと、それは明瞭です。御心配要りません。
○矢嶋三義君 それでは伺いますが、九州あたりの海上自衛隊や陸上自衛隊の諸君は、多数の者の中に出たとき、あんなに卑屈にならないで、堂々とやればいいと感ずるのに、ちよこちよことやるところを私は見ていて気の毒になりますが、例えば野球を見に行つても、群衆の中に来ている陸上自衛隊員や海上自衛隊員は制服を着て卑屈になつていますよ。そういうのは北海道の自衛隊員には見られませんか。
○国務大臣(木村篤太郎君) ありません。御覧なさい、海上自衛隊員を……。
○矢嶋三義君 それから次に承わりたいのは、さつき寒さとカロリーの話が出たのですが、これは国家公務員として寒冷地手当が出ているわけですね。そこで隊内に住んでいる諸君には寒冷地手当を食費のほうに回して、カロリーのほうに回すという方法がとられるかと思いますが、そういう点はどうでしよう。
○説明員(増原恵吉君) 部隊内におる者は、兵舎で採光、通風から、食事からやるものですから寒冷地手当はない。そうして幹部の外に出て住んでいる者にはありますが、これはいろいろ談判したのですが、どうしても出してくれないのです。
○矢嶋三義君 それは考える余地がありますね。要するにああいうところに住んでいる人たちには、ああいうものが必要だといつて手当を出しているのだから、その手当を出す考慮の余地がある。それからアメリカ駐留軍の引揚げと、北海道民の感情というものはどうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) それは北海道の一般の人たちは、変るということを聞いて何ら危惧の念は起しておりません。千歳においては千歳の町長とか有力者と会つて話したのですが、我我の手によつて、又自衛隊に協力してもらつて清潔な街を作りたい、立派なものにして行きたい、そういうことでいろいろ宿舎の点も我々は十分に御協力いたしたいということを言つております。アメリカの駐留軍が引揚げるからといつて、何も不安の念にかられるというでもないし、別に影響はないようであります。
○矢嶋三義君 自衛隊が来るとするならば、むしろ歓迎していると思うのですが、どうでしようね。
○国務大臣(木村篤太郎君) おつしやる通り、どの部隊に参りましても歓迎しております。ただいつも私に対する希望は、増強してくれ、増員してくれということです。
○矢嶋三義君 まあ殊に関係ある商売人なんかは非常にそういうようになると思いますが……。
○国務大臣(木村篤太郎君) 無論でしよう。
○矢嶋三義君 その引揚げと関連してお伺いしますが、先ほど北海道に駐する自衛隊員の、殊に将来の宿舎等に困る云々とありましたが、米軍の施設並びにその米軍の幹部の住宅というものがあつたのでしようから、それでは間に合わないですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 一部間に合いますが、御承知の通り、これを使うということになりますると、生活様式が全部通う。あんな贅沢なものは使えない。これは一部改良して使えることになりましよう。
○矢嶋三義君 駐留軍の生活水準よりも引上げるならば随分と費用はかかるでしようけれども、それよりは我が自衛隊の施設その他は水準が低くていいとするならば、私はおおかた間に合うのじやないかと思いますが、間に合いませんか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 間に合いません。例えば一例をとつてみましても、電気、ガス、それらがむやみに使えることになつております。日本はそんなものを使えませんね。殊に冬になると石炭なんかこれは極く限られた量しか我々もらえない。回う並にはもらえません。
○矢嶋三義君 それではそういう北海道に駐屯地を変える諸君の施設並びに設備の整備の予算というものは、昭和二十九年度の予算の中に入つているのですか、入つていないのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 相当入つております。併し間に合いません。何とかしなければならんと思います。これは一時何でしような、営外と申しましようか、町の間借りをするとか、何とかいうことで間に合わせる。
○矢嶋三義君 それでは足りない予算、必要な予算というものは将来どうするつもりですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 三十年度予算で一つ計上いたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○矢嶋三義君 又増額になるわけですね。最後に承わりたい点は、盛んに長官は北海道の開発ということを言われておりましたが、うなずけます。最後に冗談半分に結婚云々ということが出たんですが、これは冗談だから何ですけれども、そういうことでなくて、部隊としてこの北海道の開発、国土建設というものに相当力を注いで積極的にやられるというようなお考えはございませんか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 現在もやつております。今言う観光道路の開発なんかにしても、これをやつておるわけであります。要請あつて、然るべきものと考えますればやるわけであります。
○矢嶋三義君 今以上にもう少し積極的にやられたらどうですか。これだけの部隊をものの一年のうちの二ヵ月でも割いたら、北海道の開発というものは相当進展するのではないか。
○国務大臣(木村篤太郎君) だから我々の、要請内で……我々のほうでやろうということはできませんからね。
○矢嶋三義君 北海道庁にそれは協力すれば……。
○国務大臣(木村篤太郎君) 要請あれば、これは我々然るべきものと認めれば今でもやつております。ほかでもやつておりますよ、随分……。
○矢嶋三義君 それではそれらの点について、北海道の開発庁の長官の緒方国務大臣とあなたは感を深くして帰つて、何か話されたことがございますか、話合つてみたらどうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 将来大いに話合おうと思つております。北海道知事の田中君とは懇意だからよく話しておつたのですけれども……。
○矢嶋三義君 もう一つ伺いたい点は、至るところで長官の言葉は行つて見て欲しい、頼もしさを感ずる。力強さを感ずるであろうということを盛んに言われておりますが、その言葉と戦力とは関係があるのじやないか。(笑声)どうも私は長官の発言は時と場合で非常に矛盾しているものがあると思うのですが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。これは長官、笑話でなくて、こういう問題、汚職、疑獄の指揮権発動、最近の全部不起訴にした問題 こういう問題はこれは国民に対する影響というものは極めて私は大きいと思うのですがね。戦力に達しない程度で力強さを感じ、逞ましさを感ずる、こういうわけですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) そうです。一言にすればそうです。戦力に達せざる程度において力強さを感ずる。(笑声)
○矢嶋三義君 詭弁の極みですね。
○岡田宗司君 ちよつと一つ……。来年度、三十年度計画において北海道に一管区隊を増すということは確定的な計画でございますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 三十年度ですか。いや、まだきまつておりません。
○岡田宗司君 それから北海道の防衛の険路は道路にあると思うのですが、この道路がよくなつて機動力が発揮されれば、一管区隊創設ということなしで済まし得るのですか、どうですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) これは計算しなければわかりませんが、私は常に言つているように、機動力が十分発揮できれば一つの部隊が二部隊の効力も出て来るし、機動力が発揮できねば二つの部隊が一つの部隊の効力も発揮できないという場合がある。先ず機動力を十分に発揮できれば部隊は効率的に動き得るということになりますから、それらの点から考慮することになろうと思います。
○岡田宗司君 私先月北海道へ行つて、丁度札幌と旭川間の国道を通つてみたんですが、あそこは自衛隊が、旭川の自衛隊が非常によく通るものですから、道路がめちやめちやに壊れてしまつているんですね、それで恐らくほかもそうだろうと思いますが、北海道の最大の隘路は道路の問題ですが、先ず一番道路、防衛道路としてよくしなければならん。それでそのために自衛隊の能力が上るというのはどの道路を、どことどこを繋ぐ道路をよくすれば一番それがよくなるとお考えになつておりますか。
○国務大臣(木村篤太郎君) 今あなたの仰せになるような幹線道路から、又帯広から旭川に抜ける或いは狩勝峠を通る線一本しかない、あれなんかもやはり大きな自動車道路を作らなければならんのじやないかと思います。
○岡田宗司君 そこで今の、先ほどまあ観光道路を作つている問題になつたんですが、そういう防衛道路を作るために自衛隊を使うということはないのですか。そういう計画はお持ちになつてないのですか。
○国務大臣(木村篤太郎君) いや、場合によつては自衛隊を使つて道路を作ることも考えております。
○委員長(小酒井義男君) それでは長時間どうも御苦労様でした。本日はこれで散会いたします。 午後四時四十七分散会