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19回国会参議院1954/03/24

電気通信委員会 第10号

発言数
66
登壇者
10
会派数
4
開催日
1954/03/24

会議録

島津忠彦自由党

○理事(島津忠彦君) 只今より委員会を開会いたします。岡放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。  昨日に引続きこれより本件の質疑を行うことにいたします。    〔理事島津忠彦君退席、委員長着席〕

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 昨日私欠席しましたので質問の順序が重複してもいけないと思うのですが、今日の質疑はどういう事項に入る予定ですか。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 昨日は総括と申しますか、或いはこの案件の提出の事情とか、これが若し承認にならなかつたときの処置とか、そういうような話が主としてありまして、予算の内容については余り立ち入つておりません。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 今日はどういう、この提出されている議案についての質疑応答をしたらいいですか。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 余り極限をせずに……。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 委員長、今日は大臣はどうですか。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 大臣は出席されます。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 出席されれば昨日に続いて総括的な質問を先にやつたらどうですか。昨日大体そういう話ではなかつたのですか。今日は総括質問を大体やつてから……。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) それでは大臣の出席を求めまして昨日に引続き総括的な質疑をしたいと思います。  速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 郵政大臣にお尋ねいたしますが、この承認案件が国会に提出されます際に、我々実は新聞で承知したのですが、閣議で郵政大臣のほうに意見書を付けて出すことについていろいろ御議論になつたように聞くのです。殊に新聞によると、大蔵大臣が難色があつたということを書いておる。恐らくこれはこの問題が、金額としては少額でありますけれども、今度の政府のやらんとして来ておる緊縮財政、従つて国民負担を増加させるような方向に向つてしては困るというような観点から大蔵大臣としては難色があつたのではないかということを想像されるのであります。その点については、郵政大臣はどのようにお考えになつておりますか。又政府はここに出されております程度の受信料の引上げは、国民生活に影響を与えることは極めて少いというような観点からおやりになつておるのでありますか。まあ考えようによりましては、いやしくも物の値段を上げたり、或いは国民負担を増すようなことはこの際は慎もうじやないかというような大きな方針で、随分今度の予算を見ましても、我々から見て必要であると思うようなものまでも、例えば災害復旧費のごときものも大幅に削減をして出しておられる政府の態度としては、どうも方針が一貫しないというような感じを受けるのですが、この点に関する政府としての御見解をお聞きしたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 大体閣内でいろいろ議論がありましたわけでありますが、大蔵省側からの意見が御指摘の通りの意見でありました。国の緊縮財政方針の際に、これと歩調が合わないと考えられる物の考え方はどうだろうかという意見だつたわけであります。それに対しまして、こういう考えが結局最終的に結論に到達するときの考え方であつたわけでありまして、その考え方はまさにその通りであるけれども、これはどこまで行つても大原則の話であつて、その大原則のために或る局部に何か運行の付かない非常に大きな支障というものができるということであれば、やはりその間においては原則というものに若干の例外というものができても止むを得ないのじやないか。で、いろいろ検討してみました結果、NHKの料金というものは、相当長い期間据置きになつておつたものでありまして、まあ私の承知いたしておるところでも、二十六年の五月に今の五十円という料金がきまつた。で、まあ比較するのも妙なものでありますが、新聞は当時一応二百円になつて、二十六年の五月スタートしてから、新聞は三回値上げして、二百円が二百八十円に現在なつておるわけであります。その間ずつと放送料金というものは据置きになつておりました。勿論その間非常に急速度の聴取者の増加というようなことがあつて、或る程度やつて来られたわけでありますが、ずつとそういう無理が繋がつて来ておる結果を見ますと、大分給与にも無理が来ておるように思われる。勿論給与も他のものと、ただ数字だけを、そして平均の数字だけを掲げて見ると非常にまだいい、公務員、公社が一万五千円、大体一万五千円何がしのベースのときに、それでも現在すでにそのように上つておるということは。併しまあこれもよく調べてみますと、協会というものを構成する従業員のいろいろな素質から比べ、年齢構成、給与、教養の度というようなものから比べてみると、やはり非常に低いと言わざるを得ない。それからもう一つ非常に私ども心配いたしましたのは、十分な償却をしない形で、辛うじて辻褄を合わして来ておるということが段々はつきりして参つたわけであります。まあそういう工合に収入の面にそういう無理があるときには大抵どんな経理状態のところでも、これは公企業、私企業を問わず、そういう無理な償却をしがちなんでありますけれども、償却をしないで無理に辻褄を合わしてやつておる。これは全体を大きく考えましても、経営自体に非常に無理があるということを申せるわけでありますが、殊にこういうような非常に文明の尖端を行くと申しますか、こういう非常に移り変りの激しい施設の所におきましては、償却が十分行われていないで、従つて機械の補充、更新というものが十分行われていない所では、急角度に実質が思くなつて行くというような考え方も持たれます。それともう一つ、他のものが皆もう上つてしまつているあとの尻拭いという形のものが大分あるわけでありまして、例えば昨年の国会におきましては、電話料金などを上げて頂いておる。電話料金を上げておるということは、当然にそれに伴う公社の負担増、支出増というものがあるわけでありまして、そういうようなことをいろいろ勘案いたしまして、どうしてもこれはこの機会に、非常にまあまずいということにはなるけれども、少しは上げなくては、これ以上不健全な経理状態を放つておくわけにも行かんじやないかというような結論にだんだんと、考え方がだんだんと出て参りまして、そうして今の、一方大きな財政金融の方針から来る考え方と、それからして今申上げるような、放送協会独自から来る考え方と、だんだんと歩み寄つた結果、当初放送協会は七十五円という考え方でおられたけれども、逐次それが歩み寄りをいたしまして、まああれも見送る、これも見送るということで、国の全体の方針に合わせたところまで調和点をどこかに見出すという考え方によつて参つたのが、この六十七円という線であると、こういうふうに私は、協会側の最終判断を私どもは見ているわけであります。又その考え方にもう一つ附加いたしますことは、若しも協会側がそういうような非常に強い値上げを必要とする事由があるにかかわらず、これが非常に国民大衆、若しくは生活、そうして延いては一般的な国の考え方、財政金融の大きな方針に大きな支障を、齟齬を来たすようなことになると、これは又大変であるというようなことも考えたものでありますが、併しまあこの聴取料の性格というものが広く大衆からして、年額にして幾ら余計ということになりますか、三カ月五十円ずつということになりますからして、年二百円でありますか、現在の一万五千円という給与ベースのところから、年額にして二百円を余計に取る。而もこれは一方から、この金は恐らく国民の広い層の生活費から恐らく出て行く、支出されると思うのでありますが、これが協会の手に入つて、一部は給与になつて行く。この面は国民生活に及ぼす影響は大体同じものじやないだろうかというようなこと、出て来る金の出口と、使われる金の使い途というものを勘案いたしまして、一方から持つて来て、一方からこういう形で出て行くということであれば、そう大きな支障を起すというようなことはないのじやないだろうかというような、いろいろな考え方をまとめ上げまして、今最終的にこの辺の線でということで、閣議の了解が得られたわけであります。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 お話の点は私どもよくわかるのであります。殊に今お話の中の、いろいろな機器類の償却につきましては、私は数回日本放送協会に対しましても警告をしたことがございます。大臣はお述べになりませんでしたが、特にテレビジヨン等の新らしい仕事を始める場合には、これは本当に日進月歩、機器類の改善が行われなければならないわけでありますから、物理的な償却年限ではいけないので、経済的な償却年限を考えて、これだけは何をおいても、自分の仕事が大事だと思うならば、何をおいてもこれを優先的にやらないと将来禍根を残しますぞということを、再三今まで協会にも警告しているのでありまして、この委員会でもその点は十分述べております。そういう意味において、今お話の点は多少専門的に見ますると尤もな点もあるのでありますけれども、私が大臣に更に念を押してお尋ねしておきたいと思いまするのは、それは一方じや尤もである、併し一方では、政府の大きな財政経済方針として、物価はもうどうしてもこれは上げちやいけない。又国民負担を殖やすようなことは絶対にこれはしないのだというような看板をかけて、今度の予算編成をしておられる。丁度その際に、非常に尤もな理由はあるにしても、こういうふうな案をお出しになりまして、政府としてはこれで今おつしやつたように、心理的にも、又実際経済的にも、物の値段に何らの影響も与えないであろうということを、責任を持つておつしやることができるかどうかということを、主管大臣からもう一遍確言して頂きたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これは純粋な経済的な意味におきましては、まあ私はそう大きな影響……、全然影響がないということは申上げることはできないかも知れませんが、影響はないと思います。むしろあれば、心理的な意味においては私は若干の影響があるのではないかと考えられるわけであります。まあ政府も上げない上げないと言いながら上げているのだからというような物の考え方で、民間側における労働攻勢の……、労働者側に対してはそういう力を加える。それから経営者側に対しては、これを抑える力を弱めるという影響は相当あるだろうと思うわけで、従つてまあ止むを得なかつた事情も、あらゆる機会に十分国民側に納得をして頂いて、そういう心理的な影響というものをできるだけ避けるようにしなくちやならないと考えるわけであります。そういう感じが確かにありまして、経過について、十分御承知のように政府部内におきましても、又各党の内部におきましても、なかなか鋭い批判が相当あつたわけで、そういうもろもろの議論を総合して、この結論に大体今のところではなつておると御了承頂きたいと思うわけであります。

石黒忠篤緑風会

○石黒忠篤君 ちよつと今の点に関連して。内閣で以てこれに対しまする意見を御決定になつたものと存じます。その際において大蔵大臣及び経済審議庁長官の御意見もいずれあつたことと思いますが、それらを総合しまして無論内閣の御意見がまとまつて出て来ていると思いますが、その点に関しまして、何か特別に大蔵大臣なり、或いは審議庁の長官なりから、まあどういう形で内閣の御意見がまとまりましたか、政府直接の予算でもありませんしするので、物価に影響のあるという点について、両大臣は不賛成であつたが、多数で以ておきまりになつたといつたようなことがあるのではありませんか、そこいらをお漏らし願えれば願いたいと思うのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ閣議というものの性格を御存じ頂いておると思うのでありまして、異論がありましても、最後には多数決ということはないのでありまして、皆やはり了承がついてでなければ、閣議の決定ということには参らないのであります。併し段階におきましては、大蔵省側からはいろいろ、しばしばこれは新谷委員からお尋ねがあり、又私が申上げているような意見がありました。なお具体的には大蔵省側の意見を申上げますならば、当初のNHK側の考え方として私どもが承知しておつた案には、いろいろなやはり放送協会本来の使命に鑑みた、新らしい局を作るというような積極的な面の計画もかなりあつたようであります。併しそういう考え方に対しては、大蔵省側は特に強く、こういう際であるから適当ではないのではないかという意見を出しておりました。その点は結局最後には、協会側もいろいろお考え頂いてそのような考え方にして頂いたようであります。それから経審長官から、当局のいろいろな計画に対して、いろいろ私どもが物の判断の基礎として考えておりました物価や何かの値上りの数字や何かが、少し事実に基いていないというような意見がありました。そういう点は私どもも考えの中に入れて、改むべき点は改める。これはもう話がついた形になつておつたはずであります。ただ一番最後まで労働大臣が賃金政策という観点から強い御蔵見がありまして、その考え方が結局意見書の中に盛られておる考え方になつておるわけでありまして、賃金増額というものを……総額は考えてはあるけれども、これが年中行事的な給与の改訂に成るべくなることは好ましくないということは、この内容をもう少し砕いて申上げますならば、政府側としては、この定期昇給というような杉の給与がだんだん殖えて行くということは、これは当然のことであつて 一向差支えないと思うけれども、多少の物価や何かの上つたということにあれをして、絶えずその考え方を基礎においた給与を、殊に年中行事的に引上げて行くという考え方は、是非この機会に、物価を下げるという政策を立てておられるのであるから、それは是正したいという考え方が強くあつたわけでありまして、その考え方がここに盛られたわけであります。大体各関係省の考え方はそのような状態ありました。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 只今お尋ねしたことを裏から又お尋ねするようなことになるのですが、同じ問題についてもう一遍伺いたいと思いますのは、まあ只今大臣から御説明がありましたように、政府の大きな財政経済政策から行きますと、この受信料の引上げというものは、このことだけ考えると相当の理由はあるにいたしましても、非常に時期を得てないというきらいは、これは大臣もお持ちになつていると思うのです。そこでそういう時期でありますから、特に今度の引上につきましては、これはまあ必要最小限度のものにしなければならないということは、言い換えればこういう引上げをしないと、日本放送協会が、法律にも認われておるような、その本来の使命を達成することも不可能な程度にまで、経済的に窮屈になつて来るのだというようなことがなけりやならないと私は思うのであります。もとよりこれについては数学的に、どこが困る、どういう点が困るということも、これは仔細に検討もできましようが、大臣からは極く概括的に、只今はまあ給与にも無理がある、無理が出て来ておる、或いはこの十分な償却もしないでやつておる、いずれもこれは私も尤もだと思います。併しその他にも私は日本放送協会が本来の使命として与えられたもの、それを実行するのに、どうしてもこういう引上げをしないとやつて行けないのであるというような、もつと大きな理由があるのだろうと私は思うのですが、その点について、概括的に大臣がどういうお考えをお持ちになつたか、お考えを伺いたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これはまあ今も申上げましたいろいろな理由に更にプラスするものがあるといたしますれば、まあ広くこの放送法、それから放送法に基いてできておる放送協会というものの使命というもの、つまり「日本放送協会は、公共の福祉のためにあまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする」という、この放送法第七条の日本放送協会の目的に、だんだんと放送協会の活動が合致して行くようにしたいということを頭に置いて考えるわけでありまして、勿論それのためには、まだ恐らく非常にしなければならない、して欲しいことがたくさんあると思うわけでありますけれども、相当大幅にこれもしたい、あれもしたいという考え方が、先ほどもちよつと申上げましたように、放送協会側の、当初の少くとも七十五円案という考え方であつたと私どもも想像しておるわけであります。それをまあ今御指摘のような、それは成るほど放送協会の目的に副うように、だんだんとやつて行かなければならんけれども、そうかといつて、情勢がこういう情勢であるからして、逐次切り詰めて、その限度というところが六十七円でできる範囲ということになるわけでありまして、従つて今度のこの値上げによつて出て来る、若しくは値上げプラス自然増収によつて出て来る部分というものは、大体今申上げた、最初に申上げた三つの主要な問題点のほかに、何がしかは設備をよくし、放送の内容をよくする、それから又地域別に、放送する部分に幾らか持つて行くというようなところにも出て来ると考えるわけであります。私は問題を判断いたしますときに、幾らかでもそういうプラスの面に行くものは、やはり私は放送協会としてそういう工合にあることは好ましいことであるし、望ましいことであるが、併しそういうような、国全体の財政金融情勢であるからして、まあその辺に用いられるものは、どんなにしても自然増収で伸びて行く範囲を越えるという考え方でなしに、その以内で食いとめるという考え方で、大体私は協会の予算というものを検討したわけであります。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 まあ大臣の最後に御説明になつたような方針であれば、私もそれで結構だと思うのです。まあ言葉を換えますと、放送協会に与えられた本来の使命を達成するのに必要な故備や人を維持することすら困難だから、今度の値上案を出したのだ、こういうふうに大臣は考えておられると思うのです。それから更に新らしい現在の仕事を拡張して行くとか、或いは改善して行くとか、或いは新規の建設をやるとかいうことについては、これは今お話の自然に伸びて行く程度のものを見合いにして、この際は考えて行くのが限度であろうという意味だろうと思いますのですが、この点は大体若しそうであれば結構だと思うのです。いずれこの点は具体的に、事務的に、少し予算について当りまして、政府委員のほうに質問したいと思いますが、そこで関連しまして、大臣がおられるうちにもう一つ同つておきたいと思いますのは、先ほどお話になつた、大蔵省側からの反対もあつて、新規の建設計画はやめることにした、これも止むを得ないかも知れません。併し私がまあこの意見書なり、或いは放送協会の事業計画等を読みまして受けました印象から申しますと、どうもこの今度の事業計画は、予算案等によりますれば放送法七条に書いてあります、「あまねく日本全国において受信できるように放送を行う」のが放送協会の目的である、こういう点から見ますると少し違つたはうに行つているのじやないかという疑いを私は持つのです。と言いますのは、大蔵省から反対があつたからやめたのだと、これも事実かも知れませんが、資料をとつてみますると、僅かではありますけれども、現在なおどの電波も入つて来ない、恐らくこういう地域は、こういう難聴の地域は、民間の商業放送なんか勿論入つて来ないだろうと思う。そういう放送から取残されたよりな世帯数が全国で三十六万五千と書いてございますが、四十万程度のものがあるのだろうと思う。それで私は放送法の制定当時から、これは非常に公共放送機関としては尤もなことであり、適当なことであるというので賛成をしておるのですが、僅か何%に過ぎない人口でありましても、そこにやはりこの電波による文化の恩恵というものをあまねく日本放送協会によつて与えて行くという建前が、これはどうしても放送協会としては忘れてはならないことじやないかと考えるのです。然るにこの計画案等によりますると、こうした新規計画はやめた、併し一方では私は余りこれは賛成はしないのですが、ローカル放送の充実を今度は主目的にしてやるのだということが書いてあるのです。私はこれは本末顛倒じやないかと思うのです。そういうふうなまだ資料が出て参りませんが、第一放送や第二放送が聞けるというような地域に、更にローカル放送局によつてローカルの番組まで送つてやるだけの余力があるならば、この放送法七条の規定から申しますると、多少金はかかるでしよう、経済効果は薄いかも知れませんが、本来の放送協会の目的に向つて一歩でも進んで行くというのでないと、この第七条を設けた趣旨にも合致しない。一体この第七条というものを、今日でも郵政大臣や日本放送協会は、これが我々の目的なんだということを認識しておられるかどうかということについても非常に疑問を持つわけです。従いまして若し仮に来年度は新規のものはこういう財政事情だからやらないということであれば、従つて当然にローカル放送番組のごときも、少くとも今程度でいい。或いは私はもつとこれを節減をしてそうして聴取料の値上げを最小限度にしたほうがいいのじやないかということまで考えるのであります。この点について主管大臣の御意見を伺つておきたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 地域別放送の充実ということは、今後は確かにつのまあ目的にしておるわけであります。これは考え方といたしましては、こういう感じを実は持つておるのでありまして、まあ一般的な放送というものは、だんだんとあらゆる地域に手が伸びて参つておるのでありますが、更にだんだんとこの聴取者の希望を聞いてみますと、やはりそれぞれの地域がそれぞれの地域独特のいろいろな報道でありますとか、それからその報道以外のものにつきましても、特殊性のあるものを聞きたいという考え方も聴取者の希望にあるわけであります。そこでまあそういう希望を一つ入れるということで、今度のこの地域別放送の充実ということを考えておりますのは、既設の局でローカル放送の時間を長くしてその希望に応じようという考え方になつておるわけであります。今まで大体平均三時間というローカル放送の時間が計画されておりましたが、これを三時間半に増すというのが、この地域別放送の充実という考え方の内容でございまして、なおこれによつてどのくらい金が余計に要るか、まあこれは私も調べておりませんので、調べさしてあとでお答え申上げます。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 まあ具体的なことは又事務当局から十分伺いますが、私がお尋ねしておるのは方針の問題なんです。私の、この放送法立案当時からの立法の趣旨から申しましても、NHKとしては何が一番大事かと言えば、非常に金はかかるかも知れませんが、残された難聴地域にも早く電波が届くようにしてやるというのが一番の問題だと思うのです。それをおいて、今度の事業計画案によりますと、ラジオについては、地域別放送の充実及び相談業務の充実によるサービス向上に重点を置くというふうに書いておりまして、今お話のように成るほどこれは地方からの要望もございますことはわかります。で、現在ある放送局を若しこれを廃止することになると、地方的な問題としてさぞ陳情団が押し寄せて来るだろうと思うのです。併しそういつたことのために根本の方針を曲げられては困る。ですから大臣もこの放送法第七条を改正しない限りは、どこに重点を置くか。余力があれば如何に地域別放送を充実されても勿論結構です。併し余力がないときに、而も聴取料の値上げまでしてやらないと十分本来の使命を達成できないというようなときに当つて、一方において地域別放送の充実をしながら、本来の目的である難聴地域への電波の普及を全然やらないというような方針をおとりになることは、放送法のできた当時の趣旨と違つて来るのじやないか、その点についての大臣の基本的な御方針を伺つておるわけです。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) よくお尋ねがわかりました。まあ御承知のように現在聞ける区域、可聴区域というものが、第一放送では大体九八・六%、第二放送では九四・五%、従つてまだ聞かれていないという区域は、世帯数におきましては、御指摘のように全国で三十六万五千三百二十九という数字になつておりますが、比率から想像がつきますように、相当大きな部分まではもう可聴区域に入つているわけです。第七条の精神というものを体して大変これまで努力して参つた結果であるわけであります。併しまだこれだけ残つているわけでありますから、重点をそういうところに置いて行かなければならんという御意見は、まさに御指摘の通りだと思います。今後一層その方向に努力をして参りたい、こういうように考えるわけであります。恐らく私が今想像いたしておりますのに、この最後に残つている若干の所になかなか手が伸びないのは、技術的な関係などで相当大きな犠牲を払わないといかないという関係で残つているのじやないかと想像しておりますが、この辺はまた技術当局から一つお尋ねを頂きたいと思います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 今の新谷委員の質問ですね、こういうことなんですよ。現在放送法からしても、NHKは最大限度普及しなくちやならん、いわゆるブランケツト・エリアを一日も早くなくさなくちやならん、然るに現在三十六万世帯以上のものがラジオを十分はつきり聞えないという数字が現われているのですね。ですから郵政省として、すでにNHKが約三十年の歴史を持つて、この小さい島ですよ、如何に山が多いとは言いながら、地理的に不利があるとはいえ、もう三十年歴史を持てば、難聴区域というものはないのが当然なんです。然るに今日まだ三十六万近いこういう難聴区域が現存しているのですね。これは毎国会この問題は出て来るわけです。そこで今の新谷君の言われたことを布衍すれば、ローカル放送によつて、今年度のローカル放送の三十分延長のために予算を計上しておられますね。ローカル放送のためにかなり多額な金をここへ計上しているわけですね。そうすると、この放送法第七条は、これは当然ブランケット・エリアをなくさなくちやならない、郵政大臣としては、ローカル放送の三十分延長ということに要する費用を、料金を値上げしてまで三十分延長をするということのこの重要性と、ブランケツト・エリアを、三十六万家族の幾分でも少くするというほうが放送法の本旨に副うのではないか、相応して来るのではないか、こういう質問であろうと思います。ですから大臣としては、どうしても三十六万何家族というものが、難聴地域が存在しておるということになると、ローカル放送の現在の、二十九年度は犠牲にしても、三十分分に要する費用をブランケツト・エリアをなくするために使えば、これが何年間かに一体どのくらいブランケツト・エリアをなくするかということは、これはNHKの一つの方針があるだろうと思うのです。ですから政府としたらば、それを先にやるべきではないか、こういうのです。只今も今年度のNHKの予算でいうと、地域別の放送で一億一千七百万円という費用を計上しておるわけです。ですからその費用をむしろブランケツト・エリアをなくするために使つたらいい、これはいろいろむずかしい点がある、高くつくということを言われますが、併し如何に高くついても、僻陬な所であつても、それをあまねくするためにあるNHKの使命を果すことが法律によつてきめられておるのですから、そういうことを大臣としてNHKに要請されたかどうかということを聞いておられるのです。その点に対する大臣の方針はどうなんだというのです。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これはどうもお尋ねを頂いて誠に恐縮するわけでありますが、そういう点まで十分知識が届きませんので、御指摘のような四十七局でローカル放送を充実するために一億一千七百万円ということに今年はなつておるわけでありますが、今難聴区域が十分聞えるようになるまでの計画をいろいろ尋ねてみますと、新らしい局を五十五、それから増力をする局を七十八、従つて金額で十四億ぐらいあると大体これが解消できるということであります。今年の計画は、当初にはこの費用も若干あつたようでありますが、全部落されて、又私も今お話を伺つてまずかつたと考えております。今電波局長の意見を聞きますと、新らしい局を作るということは困難のようでありますけれども、今御審議願つておる予算の枠内でもいろいろの施設の改善や何かに幾らか使える部分がありますので、そういう費用で増力という形で難聴の区域を幾らかでも少くするという計画は実施できるそうでありますから、そういうように努力いたしたいと考えております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 ですから大臣としてやはり放送法の、現行の放送法に基けば、これがNHKのみが全国にネツト・ワークを張り、国民に尽さなければならんというのですから、そうすれば大臣としたならば、どうしても三十六万家族以上のものが難聴地域に現存しているのですから、これを三年計画なり、二年計画なりで本年度あなたが承認をした予算で三十分分を犠牲にし、或いはその他の建設を犠牲にしても、これは本年度において三十六万世帯の三分の一なり或いは半分を難聴区域を減らすような施設をすべしというようなことは、大臣として、放送法に基いて、これは言われるべきことなんです。これは毎回問題になつておる難聴区域、これほすでに三年か五年問題になつているが、今なお以て難聴区域がかなりたくさんあるということは、我我としては解せぬわけです。今日まだあるのですね。ですからこの予算の折角値上げというものを政府が承認したのですから、そういうことになれば、放送法の本旨に従つて、それに対する大臣として、難聴区域に対して他のものは犠牲にしても、その差繰りをして難聴区域を減すべしという措置は当然とらるべきであろうと思います。ですから、今大臣のおつしやつた程度のことでは、これはその場の答弁であつて、本当に三十六万の中の十万のものでも本年度は普通の受信機で聞えるというふうになるということの確固たる政策がNHKに示されようと、ここではつきりおつしやつたほうがよい。これは重要な問題です。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) お話を伺つて誠に赤面の至りでありますが、そういうことを十分私が承知いたしておれば、もう少し考え方が変つて来たのではないかと思うのでございますけれども、よくお考えのあるところを、そうしてその理由のあるところもわかりましたから、その精神に従つて一つ計画を立てたいと思います。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 そこで非常に私の質問の意を酌んだ御答弁がありましたので、この問題はこれ以上大臣には申上げませんが、私は今山田委員からも述べられましたが、結局難聴地域を解消するための年次計画というものが欲しいのです。NHKのほうで出されたこの資料によりますと、大体地点もはつきりしておりますから、これは一方受信機の改善と申しますか、この頃スーパーになつておりますから、よほど難聴の地域というものも、実際にお調べになると、受信機がよくなればなるほど、狭ばまつて来るわけです。これに対して再検討されて、そして年次計画でも立てられて、とにかくこれは優先的にやるという方針をNHKに示されて、NHKもそれに従つて難聴地域解消のために、第一義にして努力をするという措置をとつて頂きたいのであります。殊に今度の予算と対照いたしまして、今山田委員からもちよつと指摘がありましたが、私はその点を言つているのです。NHKの本来の使命からいつて、一体ローカル放送というものが、これは電波にも余裕があり、経費にも余裕がある場合には、もとよりこれは反対いたしませんが、今のように聴取料を値上げしないと維持もできないというような、NHKが第一放送、第二放送は、これは聞けるのだ、聞けるのにもかかわらず、地方からの陳情団がやかましいからこの放送局はこれは廃止できない。或いは地方からの要望があるから、ローカル色の豊な番組をどうしても一日数時間入れてやらなければならないというところまで参りますと、放送法制定当時の放送協会に課した大使命から言いますと、ことはいわば私はよくなつて殖えて来ているのではないかと考えるのです。もとよりそれには反対ではないのです。反対ではありませんが、どちらが、何が第一義かということを考えますと、おのずからそこには順序がある。又電波の周波数の割当につきましても、これは私はNHKが使う電波というものについては限度があると思う。殊に只今やつておられるようなローカル放送でございますと、成るほど一日に三十分延長し、二時間乃至三時間というものがローカル放送に費やされて常にスイツチを入れれば自分の県のことがよくわかるという便利はございます。併しこれに対して放送協会のほうでは、例えばニュースならば取材をするだけの人も要りましようし、経費も要ると思います。それから施設から申しましても、一日に三時間か三時間半使つて、あとはもう使わなくてもいいような施設を維持しなければならない。一方じや第一放送、第二放送は、そういう施設を使わなくても聞えるのですから、何もこんなに多くの電波を出す必要もないということになるわけであります。経済的にいつても私は如何かと思うのです。これは悪い想像でありますけれども、NHKが最近各地に民間放送ができて来るので、それに言葉を悪く言えば、対抗する意味で、自分のほうでもやはり各地元の県民と或いは市民と深い接触を持たないといなけいということから、こういうふうな機運が起つたとすれば、これは私はNHKの本来の使命を忘れているものと考えるわけです。NHKほもつと全国的なネツト、ワークを持つておるのです。ローカル放送の番組のごときは、これは第二義的に考えてよろしいんです。日本の国全体としての必要なニユース、或いはそういう番組というものを流されるのほ、これは結構であります。それ以上に、第一放送、第二放送、更にローカル放送と、三つの電波を流さないとNHKの使命が達成できぬということほ、私ほどうしても考えられない。その点について、少しくどくなりましたが、今後の大臣の指導方針として、もう少ししつかりやつて頂きたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) お話はよくわかりましたので、取りあえず、若しこの予算が御承認願えますれば、この予算の枠内の操作でできるだけそのような努力をいたしますと同時に、早急に協会のほうと相談をいたしまして、難聴区域の解消という計画を立てて、近い機会に御審議を頂きたいと思います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 その今の問題ですが、私はもう一度念を押しておきますが、こうして民間放送、商業放送が殆んど全国に行き渡つてしまつた。そうすると、民間放送とそれから公共放送との反別は、結局公共放送は全国に完全に聞える、これしかないのです。これしかないということはないが、これが民間放送とそれから公共放送の現段階における大きな差になつておる。で、過日ここで参考人を呼びまして、例えば芸人の宝井馬琴君を呼んで聞いてみましても、成るほどNHKは非常に謝礼が少い、ラジオ東京の一回分がNHKの十回分に当る、併しなぜ今まで我々それに甘んじたかと言えば、NHKで放送すれば全国の皆さんに聞いてもらえるという、そういう一つの自分のプライドというか、責任がある、こういうことを言つておるんです。ですから、民間放送はこれはもう報酬がいいという建前からみて、公共放送は何で対抗させるか、何によつて国民が、このNHKは受信料を払つても聞く価値があるかということになれば、いわゆる全国にこれはくまなく聞えるということに大きな存在理由がある、存在価値があるわけです。ですからこのことは、今大臣が二十九年度のNHKの予算、事業計画、資金計画について意見書を書いておられましたが、今あなたがおつしやつたように、この予算が成立した暁においては、これは郵政省としたらやはり公共放送の本来の使命を成るべく早く実現するというように、これは予算の組替えを命じてもいいくらいだと思うんです。ですからこの予算総則にも制限がつけてありますが、併しこれは大臣としてそういうブランケツト・エリアは一日も早くなくするということについて、これはむしろ政府が命令で以て、命令ということはないけれども、二年とか三年とかいうようにして期日をもつてやらなければならん。そういうようにすることによつて、民間放送とそれから公共放送とのいろいろないま争いが起きつつあるが、公共放送をがつちりそういうふうにさせておけば、公共放送自体が確固たる地盤において本来の使命を果して行けるという大きな基礎になると思うのです。今日までこれが完成していないということは、NHKの予算上のこれは制約があるにしても、これは極端に言えば、むしろ怠慢であつたと言わざるを得ない。むしろほかのものに随分金を使うなら、先ず第一にこれをなくさなければならん。ところが今日になつてもなおあるということは、これは甚だ公共放送としては遺憾な点です、国民から言えば……。ですから大臣としては責任を以て、この二十九年度において予算の許す限り、半分なり乃至は三分の一なり、これはやるように是非一つ強く大臣としてはおつしやらなくてはならん。そのことによつて今の商業放送と公共放送のはつきりした性格が現われて来る。これは一日も早くやらなくてはいかん問題だと思う。ですから私もこれは新谷君の言われたことを繰返すようですが、これも公共放送の現行法で言えば第一使命なんです。これをおろそかにしているということ自体怠慢であるというように国会としては言わざるを得ないと思うんです。ですから、この点は一つ重ねて申上げておきますから、窮屈であろうけれども、二十九年度の予算で最大限度の実現をするというためには、一遂に計画の組替えをすべしというぐらいのことはおつしやつて頂きたい、私はかように思います。  これは私昨日欠席しましたから、若し重複しておつたら、速記録を読みますから御回答に及ばないんですが、こうして郵政大臣の意見書を付けて提出された日本放送協会の二十九年度の収支予算、事業計画、資金計画、この意見書を見ますると、おおむねNHKの出しておる案件は妥当である、かようにここに書いておられるわけですが、先ほど来料金の値上げの問題について、政府内におけるいろんな議論のあつた点も示されたわけでありますが、私はこういうように考えたらどうかと思います。第一に、吉田政府として緒方副総理が、或る特殊の情報機関を、いわゆる官製の情報機関を持ちたいということを発表された。まだこの問題は放棄したんではないということを最近言つておられる。それから昨年に、これは塚田郵政大臣の下だつたと思いますが、放送法の一部改正法案が出された。これは放送法の中にこの公共放送たる日本放送協会に対して、いわゆる命令権、監督権というものをこれに明記したい、こういう改正案を出された。これは審議未了になつたわけなんです。で、今回のこの値上げの問題について、新聞の報ずるところによると、大臣は、どうもこのNHKは政府をからかつておる、国策にどうも副わんようだということをおつしやつたやに新聞は報じております。こういうような、一面今の政府部内の緒方副総理の放言、放言ではない構想、それから放送法の一部改正法案の提出、それから過日における塚田大臣の談話等から見ると、どうも青田政府はこのNHKというものを、何とかもう少し自分の手なずけやすいものにしたい、こういう意向があるように思う。ということは、今日の放送局とは根本的に変つて来るような意向を政府は持つているというふうに我々は断ずるんです。で、今回の料金の値上げについても、日曜のユーモア劇場ですか、これがいろいろ問題になつたやに聞いております。これも新聞の情報しか私知りませんが、そういうことも言われているのです。併し私はこういう機会にそれよりか、もつといわゆる郵政大臣初め緒方副総理、或いは政府部内で以て、NHKに対する命令権、監督権を強化しなければいかん、要するにあなたがおつしやるようにもう少しNHKを国策に副うようにしなければいかん、政府をからかわんようにしなければという肚があるんじやないかと私は思う。こういうようなことが今度の料金の値上げの問題について与党、政府部内、において難産をした非常に大きな要素になつているんじやないかと私は思うんですね。そこで私はそういう過程を申上げるんですが、大臣はこの二十九年度のNHKの収支予算、事業計画、資金計画について、こうした意見をまとめておおむね妥当なりとして認めておられるが、政府はこの放送法並びに電波法を根本的に改正しなければならんということを再言明しておる。我々もこの放送法、電波法はこれはもう改正の必要があると思うんです。併し政府としては、今の吉田政府から言えば、先ほど来、ずつと続いたNHKというものを、何か政府の外郭団体か何かにしたいという国民は印象を受けている。ところが昭和二十九年度の予算収支は、これは認められておるわけですが、今年度中に放送法或いは電波法が改正されるということがあるとすれば、一体大臣として、この二十九年度の収支予算を、この計画を認めれば、NHKはこれによつて事業は四月一日に開始する。政府が若しこれは監督権を強化し命令権を持つようなものになつて来ると、この予算というのは著しく変更を余儀なくされて来る。それから同じ金額にしましてもその目的というものは変つて来ることになりはしないかということを憂える。そこで塚田大臣は、次に出されるかも知れない放送法の改正或いは電波法の改正において、この二十九年度のあなたの承認なさつた案件についてれ著しく変更する必要もないと思うか、その点を一つお伺いいたしたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 具体的にどういう点をお指しになつているのか、ちよつと了解いたしかねたわけでありますけれども、私は放送法を今何がしか変えなければならんと考えておることは事実でありまして、今調査会に御意見を伺つておるわけでありますが、私が自分の頭の中で考えられるそういういろいろな構想の上からは、単に私の考えがその通りに調査会あたりでもお認め願つて、そうして又国会側がその通り御審議頂いても、この予算そのものに影響が来るというような感じをいたすものではないわけであります。なお全体としてどういう考え方をこの放送法の改正若しくは協会のあり方に対する態勢について考えておるかということでありますが、これは具体的なことは勿論まだ伺も結論がないのでありますけれども、併し改正をするにしても、絶対に直されない部分というものがあるということはよく承知をいたしておるわけでありまして、例えばこの放送協会が報道機関であるということから来る番組の自由、従つて放送法か第三条に規定をしておりますところの、第四十四条に規定しております部分とか、こういう部分は絶対に手を付けられる性質のものでない、こういうように考えておるわけであります。ただ今非常に世間に問題になつておりますのは、私はそういうことではないと実は考えておるのでありまして、世間か協会側の放送というものについていろいろな意見を出しておられることは、私も承知をいたしておるわけであります。併しそういう意見というのは、出ると申上げたほうが正しいのであり、その出た意見を頭に置きなから協会側がその立場において独自の判断で、番組なども是正すべきものがあれは是正して行かれるのが正しいやり方であると思うのでありますけれども、ただ世間にいろいろ出ておりますこの放送法三条及び四十四条の規定の中で、もう少し考え方があるのじやないか、放送の内容の仕方が、選び方があるのじやないかという意見であると私は承知をしておるわけであります。私が先般大阪で発言をいたしましたのは、実は自分の意見を述べたわけではむしろなくて、こういう意見があるがということを述べたわけでありますか、併し人によつてはああいう感じを持たれる方は確かにある。又あること自体が非常に非常識なものでは必ずしもないのじやないか、そういう工合に感じられる方も出るというような放送もたまには聞き受けられる。聞かれるという感じを持つておりましたので、率直にこういう意見がありますがということを申上げたわけでありまして、従つて放送法改正ということが仮にありましても、どこまでもこの今申上げた三条、四十四条の原則というものは、これは貫き通して行かなければならないという感じを持つておるわけであります。なおそれから監督強化云々のことはありますが、これはどこまでもむしろ経理面を主体にした部分でありまして、国民の税金に等しいような聴取料によつて賄われておる協会の運営というものが、無駄が行われているということであつてはならないからして、監督大臣としてそういう面に何がしかの注意すべき点があれば注意を申上げて、是正をして頂けるように、協会というものと政府との関係を規制したらいいのじやないか、こういう感じを持つておりますので、このことは先日もちよつと申上げましたのでありますセが、大体私の考え方は、今のところ公社ぐらいの考え方を、公社が政府とどういう関係の立場にあるかというようなぐらいの、協会の場合にしたらいいのじやないか、こういう感じを持つております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 まあ今の郵政大臣の御発言は、大本二十九年度の日本放送協会の収支予算、事業計画、資金計画に根本的に変更を加えるような法の改正は行わない、かようにとつてよろしうございますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) はあ。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 次に国際放送の問題ですが、今事度は若干殖やされて五千三百万円の交付で、NHKもそれに従い、多少殖やす方針をとり、二方向、二時間増加ということになつておりますが、これは私念のためにお伺いしたいのですが、国際放送に関しては、外、務省はこの予算の決定ですね、外務省は発言権を持つておるのか、郵政大臣独自の立場でこの国際放送についてはおきめになつたのか、この点をお伺いしておきたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これは関係省とし、又関係大臣として外務省、外務大臣と協議をした結果の結論でございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは日本が独立国家になり、国際放送初めまあ漸増の傾向にあるということは、これは私非常にいいことだと思うのです。併し御承知のように今日の日本の東亜並びに世界情勢における日本として貿易が行詰りつつあり、従つて日本の国際経済情勢というのは行詰つておる。結局日本の自立としては、どうしても海外貿易、これを伸張するほかに途はないわけです。例えば西ドイツの例をとつてみます。西ドイツはもう、今日旧四連合国軍の管轄下にある。然るにこの国際放送というのは相当手を拡げている。これと殆んど並行したごとくドイツの世界市場における活躍というものは非常に驚異すべき発展を遂げている。こういう観点から見て、日本がいよいよ今後東亜或いは世界において一層親善関係で日本を理解をせしめて、直接間接に日本の海外貿易も発展させようということのためには、この放送ということが大きな役割をしておることはこれは疑う余地がない。例えばイギリスのように今日あれほど困つておる国でありながら、昨年度あたり見まするというと、四百七十二万ポンド、四十七億円以上の金を海外放送に使つておる。然るに日本はこれは僅かに六千何百万円の金しか使わないので、プログラムは十二方向で十二時間しか国際放送を行い得ない。これはちよつと私、政府は一体どういう、先ほど申上げたような、日本の国際親善とか国際放送を使命とする、これは吉田総理もしばしば国際親善ということを言つておられる。然るにイギリスの四十七億二千万円有余の金に対して僅か五千五百万円の日本の政府の助成しかないということは、国際放送に対するこれは誠意がないものだ、これは何か政府に理由があるもので、単なる緊縮予算の建前とか何とかいうことでは、私はそういう口実は、この問題に関しては受取れない。何かはかに理由があるのじやないかと思うのですが、若し理由があるんだつたらお知らせ願いたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これは私も御意見は誠に御尤だと思いますので、当初の予算の際にもそういう点につきましてはいろいろ意見を交換しましたのでありますが、やはり電波の技術的な関係、そういうことからして急速にはそう伸ばされないであろうということで、今年は当初から二方向ということで大蔵省側と折衝し、二方向だけは取つたというふうな関係になつております。なお電波局長から補足的に説明いたさせます。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今御指摘の国際放送の拡充につきましては、大臣にも御説明申上げていろいろ御努力も願つており、私どもとしましても、一日も早くこれが拡充を期したい、こう存じておるのでありますが、御案内のように、国際放送でございますので、外国に現実に聞けるような状態で放送をいたさなければ意味がないわけでございます。例えば南米に向つて放送いたします場合には、南米において日本から十分に放送したものが聞けるような状態、それには電波の伝播の、伝わり方においての技術的な条件から電波を適当なものを選ぶという問題がございますし、又現地、つまり南米におきましての混信状態の問題もございますし、それから関係国の間の電波の使用権の問題等もございますので、実を申上げますとなかなかその面で困難な面がございます。従いまして二年半前から海外放送を始めたのでございますけれども、それらの面を実際的に徐々に解決をいたしまして現在に至つているわけでございますが、そういう面のために急激に増そうといたしましても現実にできない面が一つございます。又もう一つは、現在の放送設備は国際電信電話会社の持つているものを、放送協会がこれを借りて実施しているのでありますが、この外国に向つて十分な放送サービスのできるような設備の持合せが現在十分でないというための設備上の制約も実はあるのでございます。この辺につきましては、会社自体も将来を考えて着々準備を住めておるのでございますが、二十九年度には十分間に合いかねたのでございますので、電波の面、設備の点等から考えまして最大限度二方向、従来十時間の放送を二時間増すという程度は実行可能であるということで、今申上げましたような結果になつてるのでございます、なお御参考までに申上げますと、戦前は一日三十一時間程度海外放送をやつておりましたので、できるだけその線までは早く持つて行きたい、こう考えておるのでございますが、今申上げたようないろいろの実際上の問題もございますので、一気にそこまではなかなか行けない状態でございまするので、御了承願いたいと思います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 その国警放送の点において、私ども中波の放送を聞いておつて、モスクワ放送のごときは、朝六時半から夜の九時半まで六回に亙り放送されておる。中共にいたしましてもやはり北京、上海、これも我々に中波で明瞭に聞えて来る。短波、超短波放送ばかりではありません。こういう点からすると、日本は非常に国際放送戦といいますか、いい意味における国際電波戦において私は非常に引目があると思うのです。今電波局長が言われたような理由があるにしても、政府からこの点についてはもう少しこのセンスを、殊にさつき言われたように戦前三十一時間というなら、少くとももう独立して二年後です。少くともこれに近付くだけの当然努力をすべきだと思うのです。ですからこれは私は今後国際情勢もどんどん変つて来ますから、現在は十二方向十二時間でありますが、併し国際情勢の変化によつては、これは政府がむしろ補正予算を出しても、国際的に非常に立遅れておるこの国際放送の点は一つ十分特別の考慮をされるようにお願いしたいと思います。  最後にもう一点だけ質問いたしますが、NHKの今度の来年度の予算を見ますると、ラジオ関係の技術研究費一億二千万円、それからテレビジヨンに対しまして七千万円、両方合せまして二億二千万円の金を計上しておるわけなんです。これはもう参議院の本委員会における公聴会におきましても、或いは過日の参考人の公述を聞いた場合にも、殊にこれは民間放送の側の代表者の公述だと記憶しますが、NHKの技術研究の公開をやれというのです。NHKにおきましてこうしてラジオとテレビジヨンを合せて二億二千万円余の費用を計上しておるわけなんです。政府として、折角このNHKが、殊にテレビジヨンです、テレビジヨンの研究については、これは何と申しましても、NHKは多年の経験を持つておるわけです。NHKの研究の成果というものは、これは単なる放送業者のみならず、メーカーにとつてもこれは貴重な私はその途の知識になると思うのです。で、民間のそういう放送業者とか或いはテレビジヨン、ラシオの受信機、或いは視聴機、受像機のメーカーたちが、このNHKの成果に非常な期待を持つておる。而もこれを公開をしてくれということを重ねて言つておるのですが、政府としては、このKHKのこういう技術の研究の成果といいますか、メーカーに対し、或いは放送業者に対して公開して、そうしてこの進歩を一日も速かならしめるような措置をとられたことがあるのかどうか、この点を一つお聞きしたい。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。放送協会の技術研究のあり方といたしましては、全く御指摘の通りだと存じます。放送協会が公共企業体としての形から放送全般に亙つての技術研究を行つている使命から申しましても、全く御指摘の通りだと思うのでございます。現在までラジオ及びテレビジヨンの研究を放送協会で行われました場合には、それは殆んど漏れなく機関雑誌、或いはその他の資料によりまして殆んど公開と申しましようか、公表されております。又その研究所によりまして得られた特許、或いは実用新案等につきましては、殆んど無料と言つてもいいような程度の低額で公開されております。いわゆる公開とは多少の点で違うかも存じませんが、実質的には今申上げたようなことになつているのであります。なお詳細の点は、協会からも御必要に応じて御下問下さると結構だと思います。

津島壽一自由党

○津島壽一君 今度のこの受信料の値上げについてもつとはつきりと、こういう必要があるから、これかけは絶対必要だという説明をお伺いしたいのです。これはまあぼつぼつと断片的には承知し、殊に今回の収支予算の資料というのがあるのですが、これをちよつと拝見しますと、どうも事業を拡張し、改善も含まれておりますが、番組の編成を充実するとか、そのためには収入が足りないから結局月幾らということに上げたということが示されて、どうも緊急な事態というか、絶対必要だという感覚が、説明の上ではできていないのですな。書面の上での説明、これは簡単ですから読上げてもいいのですが、「協会の事業計画、収支予算等におきましては、受信料のラジオについては月額五十円を、月額六十七円、三月二百円に、また、テレビジヨンについては、月額二百円を月額三百円に改訂することとし、これに基いて計画されておりますが、放送施設の建設、改修、放送番組の充実を行い、国民の要望に副う優秀な番組を放送すると共に、事業の合理的経営に努める方針をとつている」云々、こういうわけですが、そこでもつと数字的な、何というかはつきりと内容を説明されて、こういう経緯、こういう目的で必要であるからこれだけは値上げを要するのだ、例えばその一つとしては給与改訂、或いは番組編成についてもこうしなければどうも国民に満足を与えないといつた事情、それから建設、改善というようなものも、これは壊れかかつておるとか、或いはもう時代の進歩に沿つて改修を絶対に必要とするというような意味のこと、端的に言えば今回の六十七円に値上げするのは、真に止むを得ないのだという事由の説明が、どうも今日まで伺つておるところでは、はつきりしない、大体の内容はわかりますが、一般の人にいう場合に、我々としてどうもはつきりと感覚が出ないのであります。それで私はラジオの部面だけをとつてみますと、収支予算は二十八年度においては、放送借券を五億円出し、又長期借入金を二億一千万円借り、合計七億千万円というものは、収益によらない収入で賄つたのであります。これに対し今回の収支予算を見ますと、放送債券は発行しない。又長期借入金もやらない。全部値上げ後の受信料収入によつて賄うということになつておるのであります。それならば、なぜ今回は放送債券、長期借入金というような外部負債によつて賄わなかつたかというと、その事情は、大局的に言えば、二十九年度のテレビジヨン事業計画、収支に関連があります。これは別に問題として触れますが……。大体においてラジオの増収計画は二十八年度の事業収入六十五億円に対して九十三億円を見込んでおり、つまり二十八億円が増収、これは殆んど大部分が今度の値上げによる増収でありますが、この二十八億円が何に使われるのか。その説明がはつきりされると、納得が行くのですが、私の計算では、先ず第一が給与です。これが四億五千五百万円増す。これはベース・アツプだと思います。他との均衡上一万五千円ベースは低いから、ほか並みにやろうということだと思うのです。これは納得行くところです。それから次に放送費という項目で十一億五千万円増す。この放送費の中には番組編成費とか番組実施費とかがあります。番組実施費は大きなアイテムになつているのですが、これは恐らく出演料を上げるというのでありましよう。又非常に新規な企画を立て出演料のほう、そういつた方面に金が要るのだろうと思います。それから業務費という項目がある。これは、加入勧誘とか、普及するとか、いろんなことがあるでしよう。これは三億二千万円増しておるようです。それから管理費という項目が、これは電気料の値上げなどを見込んでいるのですが、以上合せて十九億八千万円、約二十億ほどがこれらの経費に使う。その他雑多のものもありますが、あとは建設勘定で五億五千万円を使おうという計画であります。今回はこれを増収で賄うことになつておる。二十八年度では七億一千万円も借入れして建設事業というものをやつたのであります。建設費は長い資金ですから、一定の年限、五年間の年賦で放送債券を発行するとせば、それだけ値上も少なくてすむでありましようが、今回は、この建設費も値上げの収入で賄うというのであります、以上を総合して来ると、今回の値上げの目的が出て来るわけであります。それでお伺いしたいのは、なぜ放送債券、長期借入金で賄わないかという問題になつて来るのであります。二十八年度と同様、これで七億円の収入を図れば、今回の埴上げを六十円ぐらいにしていいと私は思うのですが、ここでは意見を言うわけではないのですが、ここでテレビ事業の関係が出て来るわけであります。テレビは、まだ建設期間中ですから、相当資金もかかります。殊にテレビの事業収支を見ますと、収入が二十九年度は一億五千六百万円、支出は七穂六百万円ですから、五億五千万円の赤字になるのであります。それ以外に建設勘定においても多額の資金が要ります。そこで今回の予算を見ますこ、テレビ事業で、放送債券四億円、長期借入金五億一千万円、計九億一千万円、これだけをテレビ事業のために借金して赤字を埋め、又建設部門をやろうということになつておるのであります。テレビが借入金の主体をとつてしまつてそうしてラジオが一文もしないのは、借りなくても収入増加で建設までやろう、こういうことになるのですね。そういうふうに私は解剖するのですが、ここでテレビの問題になるのですが、テレビの相当大きな赤字を借入金で賄う。そしてこれはいつ収支が合うようになるのだろうかということの説明をお伺いしたいのです。テレビのために、現実にラジオは建設費等についても前年度のごとく債券の発行とかいつたものができないから、止むを得ずこれは自己資本、即ち増収を値上げによつて上げるというのであるか。これは私は説明に書いてないから相似して言つているわけですが、そこらのことをはつきり言つて頂かないと、もうこの六十七円というのは当然のことだというふうに議員諸公が印象付けられるような御説明を一つもう一遍お願いしたいというのが私の希望です。これがはつきりすれば、これはもうあとは議論の余地はない。処置としてはもう悪いことはないので、大いに放送をやつてもらわなくちやいかん。又聴取者から言つてもいい番組を聞きたいというのが、金繰りの関係において値上げの問題にからんで行つて、全荘の資金計画についてももう少し納得の行く説明がこの際伺えれば仕合せだ。これは今日という意味でなしに、一つもう一遍大臣……。これは資料なんです、大臣の演説じやないのですけれども、これを読むとどういうわけでこれを値上げするのだということがこの書類に出ていないのですね。殊にこれは普通の場合ならさつと通るのですけれども、低物価政策で鉄道も抑え電気も抑えというときにこれがすつと出て、非常に簡単な説明でこの事態の納得が行くようにしようということは私は余りに安易な考え方じやないかと思う。批評して済みませんが、ここでもう一回、今のような点について、これはこういう事情だということを、それに多少何というか、十分でなくても事情がよく判明すればいいと思うのですが、その点を一つ大臣にお聞きしたい。実は私約束があつて退席するものですから、この一点だけをお伺いして、今日でなくてもよろしゆうございますが、どうぞお願いいたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 御意見は誠に御尤もだと思うのであります。私がいろいろ非公式に協会側からも考え方を伺い、又こちらの意見を申上げた段階におきましては御指摘のような考え方で問題を検討しておつたわけなんでありまして、従つてその考え方の経過をまとめた形で説明をつければ御納得が行つたかと思うのでありますが、意見書というようなことになつているものですから、その文字に従われて表現の仕方のスタンド・ポイントを全然別な方面からいたしましたために、こういう説明になつているわけであります。細かいことはあとで協会側からお答え申上げることにいたしまして全体のものの考え方はこうであつたわけであります。当初協会側が七十五円ぐらいどうだろうという考え方を持つておられた時分には、もつと積極的な面があり、そうしてその計画の中には放送債券という考え方もあつたわけであります。それを逐次話合いをいたしましてだんだんと意見を闘わして参ります段階におきまして結局今度こういう情勢だからぎりぎりのものという考え方が逐次両者の考え方に出て参りました。そこで最終的にこれだけのものを支出面にどうしても認めなければならないという考え方が出て参つたときに、その財源が何によつて賄われるべきかということを考えたときに、これはその通常の経費だ、従つてこれを借入で賄うという考え方は適当でないのではないかということになりまして、放送債券という考え方と長期借入金という考え方はいずれもなくなつたわけであります。従つてここまで参ります段階におきましては、積極的な面において、開拓して行くという意味におきましては、借入金でやるという計画も確かにあつたわけであります。それともう一つ副次的な理由といたしましては、全体の金融の情勢が、国の場合におきましても締つておりますので、昨年よりも余計な放送債券、長期借入金というものは、起債市場の関係や何かで考えられないだろうということで、テレビがかたがた昨年より余計に金が要るということで両方合せて、今年のラジオの計画には債券、借入金という考え方は適当でない、やめるということに結論がなつたわけであります。テレビの場合には、建設途上にあるもので、まだこれからも逐次全体としての基盤を作る途上にありますので、現在聴視料金では賄われる性格のものでありませんので、創始以後の計画は、何年間かは赤字でやつて行くという考え方になつておりますので、その方針を依然として踏襲して参る。従つて放送債券という考え方もテレビのような場合には出て参つた。テレビのほうは大体何年計画でどれくらいまでの赤字で、それ以後は採算がとれるという計画が立つているわけでありますが、詳細の点は協会側からお聞き取り願いたいと思います。

津島壽一自由党

○津島壽一君 今の御説明で大体の趣旨はわかつたのですが、ラジオの建設費勘定が五億五千万円ばかりあるものを、放送債券によらなかつたゆえんは、ラジオの部面において借入金、放送債券が昨年よりも五億何がし増して十億何千万円になつている。そこで市場は、そういうNHKの信用を以てしても今日の市場はテレビの関係の十億円を賄う以上にはラジオのほうへは建設費といえども賄えないというところがあるならば、それは筋は通る。それであるから結論はどうなるかというと、こちらは増収を図つて建設費勘定までも増収自己資金によつてやるのだ、こういう結論になるわけですね。それであるから結論としては、ラジオは必要なんだから、借金はするが、そのためにラジオの受信料を増して、聴取者は一方の発展を図るために暫らく我慢をして下さいという結論になるのじやないかとも思えるのですね。そこなんですね。建議費勘定のごときものは債券でいいのじやないかと言われる、こう言われると値上げに対してはちよつと弱いところがあるのですね。この問題はラジオとテレビと十億円を両方で兼ねることは今の事情ではむずかしいということであれば納得が行く。そこをちよつとはつきりしてもらいたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) テレビの側に放送債券その他の借入金があり、ラジオにないのは、今のテレビとの総合の資金需要、それから金融市場の情勢というものが一つの理由でありますと同時に、先ほども申上げましたやはり値上げによつて必要とされている資金の支出面は、これは経営的な性質のものであり、従つて借入金で賄われるべき性質のものは全部なくなつたのだから、そういうものは全部抜いたわけでありまして、従つて幾らかでも施設を改善するという余裕がまだ若干残つておりますのは、減価償却の部分が、これに引当てられる部分だけが残つているわけでありまして、積極的に建設をして行くという面は全部削りました。従つてそういう支出の性格からすれば、やはりこれは経営的なものであるからして、料金の引上げでそこまで償うところまでは上げて行くべきじやないか、こういう判断であります。両方から参つておるわけであります。

津島壽一自由党

○津島壽一君 そういう御説明ならこう言えばいいのじやないかと思うのです。償却が非常に少いのだ、普通の場合よりも七六%しかやつて来ておらない、前年度よりは三億何百万これを増して行かなくちやならん、これは新谷委員からも言われたようにNHKが四十何億円の固定資産を持つて三億円をやつているというのじや少い、そこで企業の堅実化ということをやるのだ、新規計画なら新規の増資、長期計画ならば長期の社債とか長期借入金でやるが、併し今までの経営が不健全だつた、であるからもう少し四十何億の固定資産の償却を完全にして基礎を固めて行くのだ、それは借入金じやいかん、これはこの機会に給与なりほかの番組改善なり、企業の何という資産の堅実を図る、これが一つの大きな表現だろうと思うのです。今日のいわゆる企業というものが、非常に何というか弱体になつているのを強化するということならば、これは一つの説明になると思う。併し金は何というか、本当の建設、長期をやるのじやないから、建設勘定というようなことで出している。資本的支出で出しているけれども、償却が主だというなら、そのためにやはりこれは値上げすると思う。その値上げの資金というものは企業そのものを堅実にするのである、今までやつたことは不健全だつた、こう御説明願えば、成るほどそうだ、これは五億円、六億円出してもいいとこうなるので、いわゆる説明が納得行かないで、こつちへ行つたりあつちへ行つたりわからんような、とにかくほかのものに比べて一番ラジオが安いのだから当り前じやないかということは、これは納得行かないのであります。それなら去年なぜやらなかつたか、昨年各企業が、電信電話を上げ、ほかのものを上げる機会に給与の改正もやり、仲裁裁定で八月から上げるという案も出ているときに、なぜNHKは給与の改訂を出さなかつたか。又当局はそれに応じてそういう指示をしなかつたかというところに、なお問題が残るのであります。そういう意味において納得の行くような、これについてのどこかに落度はあるかもわからん。それはそれとしても、もう少し納得が行くような御説明が願えないかということで、今大臣がおつしやつたようなことも、説明としては私はもつといい説明をしないとなかなか納得行かない、こういうことなんですがね。まあこの程度で……。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 先ほど山田委員から国際放送と技術研究の問題についての質問があつたのですが、それに私の質問も関連すると思うのですが、先ほど長谷監理局長の説明でも、研究費の問題についての答弁がなされましたが、私の国際放送とそれから技術研究に対する質問の前提としてちよつとお伺いしたいと思うのは、この放送法に規定されております三十三条に基く国際放送、それから三十四条に基く技術研究、特に技術研究の場合においては、そうすると三十四条に基く郵政大臣の命令によつて研究をさせるという点は、昭和二十八年度、それから二十九年度は一度もない。二十八年度の場合についてはなかつた。二十九年度の場合についても全然そういつたことは考えておらないというふうに理解してよいのかどうか。それから国際放送の場合についても、三十三条に基く国際放送というものは、二十九年度の場合について言えば五千五百万円で完全に賄い得るということなのかどうか、ちよつとその点お伺いしたいと思います。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今御引用になりました放送法の三十四条によりまして、国が放送の進歩発達のために必要だという観点から、放送協会に特に命令を出しまして研究事項を示して、いわゆる命ずることができる。その場合にはその費用を国が負担するということになつているわけでありますが、こういう規定はございますが、今まで放送協会に対しまして、放送協会が現にやつておられる研究事項に附加し、或いはそれ以外の事項を特に国から命令をしてやつて行こうというようなことは起つて来ておらなかつたものでございますので、今までもこういうような規定によつて処置をした例はございません。二十九年度におきましても、いろいろ放送協会の当局の方々とも御連絡をいたしましたのでありますけれども、差当つてそういう必要も認められなかつたのでございますので、政府といたしましてもそういう処置はいたしていないのでございます。なお将来におきましては、この点いろいろ検討をして参らなければならん問題があると存じますけれども、現状はそういう状態でございます。  第二点といたしまして、国際放送につきましては、御指摘のように放送法の第三十三条によりまして、協会に国際放送の実施の命令を出し、これに対応しまして政府から国庫負担として交付金の形で五千五百万円政府の予算に計上いたしておるのでございますが、一方放送協会としましては、その命令によりましては、大体十二方向に向つて、一日一時間合計十二時間、日本語、英語及び現地語を適当に加えましてニユース解説を主にして海外放送をやるように、それらの経費及び設備に必要な経費は五千五百万円の算定の中に全部含めておるわけでございます。併し実際に国際放送を行われますに当つては、それに音楽とかいろいろ演芸関係と申しましようか、そういうものを実際的に加附されるのであります。この点の費用は交付金の場合にいろいろ算定が困難でございますので、実際上一時間ニユース、或いは解説、講演、こういうものは行われるものという算定で計算しましたのが五千五百万円になりましたので、そういう算定からの交付金を出しておるのでありますが、実際面におきましては、今申上げましたようなことから、これに協会当局としてはある種目の番組を特に附加されておりますために、五千五百万円の中では賄えない。或る程度の協会自体としての支出をこれに附加しているというのが実情でございます。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 一応事情はわかつたのですが、やはり国際放送に必要な所要経費、これは当然むしろ私は算定の困難ということを今言つておられまするが、やはり国際放送の所要経費全額について政府の交付金を以て賄わせて行くというようなことも、むしろ私は第三十三条に規定せられておりまする趣旨は、何も一言一句まで放送事項の内容を指定して、その分に限つては政府の交付金で以て賄わせるが、それ以外の問題については、いわば国内の聴取者から集めた聴取料で以て賄つて行くという行き方は、国内の聴取者の立場から見れば、相当問題があるのじやないか、この点について何らか考えておられるのかどうか。まあ従来からそういう方針でやつて来ておるようでございまするけれども、常識的に考えても、やはり国際放送に必要な経費ということになつて来れば、全額当然政府からの交付金によつて賄つて行くものだと理解されると思うのですが、若しこれが特殊な問題だとすれば別ですけれども、少くとも国際放送に若干関連したそういつたような問題を載然と区別して、一部やはり国内聴取者によつて出されたところの聴取料によつて国際放送の経費を一部賄つて行くというのは、理論的にいつてもちよつと納得できない面があるのじやないか、かように考えるわけです。更に又研究の問題ですが、これも伺つてみれば、全然今までもそういつた前例がないし、明年度の二十九年度予算についても考えておらないというような問題ですが、併しその点ももう少し私は積極的に技術研究という問題について、やはり郵政大臣そのものが相当な関心と同時に、こういつた問題を積極的に推し進める必要があるのじやないか。いわば三十四条の場合については死文で、現在の実情は死文であると言つてもいいような実情にあるとするならば、特に技術研究という問題がやかまして言われておりまする際において、実はこういつた面の余り具体的な積極的な対策が何ら見られないということについては、非常にむしろ意外に感ずるのですが、その点についての所見を一つ大臣のほうからお伺いいたしたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 御意見は御尤もだと思います。殊に今の放送法の建前は、三十三条、三十四条に、必要な費用は国が持つということにはつきりなつている。そのような考え方で一応の予算はできていることになつているんでありますけれども、現実の事態を正確に見ますならば、恐らくNHKが、国際放送でお使いになつている全体の費用には足りておらないのじやないかと私どもも考えております。考え方としては、今の放送法の通りに行くのが正しいと私は思うのですが、併し実際にこれがうまく運用するということのためには、私はむしろ考え方を逆にして放送料金の中にそういうものを含めておつて、そうしてその中からこういうものをもう少し自由にやつて頂くという考え方にむしろするほうが、これらの規定が死文にならずに生きた、本当に運用して行くという面においてはいいのじやないか。考え方としてはちよつと繰返して申上げておりますように、逆になると思うのでありますけれども、今のような考え方、この規定の通りの行き方で行くと、御指摘のように、長く十分に行われないという事態が出て来るのではないか、こういう感じを持つている。尤も同じこの考え方をいたします場合にも、三十三条の場合と三十四条の場合、幾らか違うのでありまして、三十四条の場合には、今申上げたような考え方が割合によく納得願える面があるかと思うのでありますが、今後の運用の実態をよく見まして、何らか今度の放送法改正に考え方を変えるなり、若し変えないといたしますれば、その考え方の上に、この条項の規定の運用の上に十分検討して改善をして行かなければならん面がある、こういうように考えております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 もう一つ確めておきたいのです。現在日本放送協会は、放送法によつていろいろ職務或いは権限なりが立てられておるわけであります。ところがこの性格が公共企業体には違いないわけです。併し公社法による公社ではないわけですね。で、今回のこの予算を見ますと、予算総則の中で、日本電電公社の予算総則にあるいわゆる給与総額に対する弾力条項ですね。この第七条の第二項に今度新らしく加えられておるわけであります。そうすればいわゆる内容的には。パブリツク・コーポレーシヨン、公社というように政府は扱つておるわけです。併し実際はこのNHKの性格というのは特殊法人なんです。公益法人といいますか、いわゆる。パブリツク・コーポレーシヨンという法律上の資格を持つていないわけです。で、この点が例えば国会の予算の審議或いはその他の審議に当りましても現在は公社と一緒に扱つておる。そしてこの放送法において大臣を経由して国会に承認を求められておるわけです。過日の衆議院の電通委員会で、この承認を求める案件に対する修正権があるかどうかについて論争されたやに私は聞いております。そこで今後放送法を根本的改正をするというような場合には、やはりこの日本放送協会というものの地位、性格をやはりはつきりする必要があるのじやないか、これは御承知のようにイギリスのBBC或いはBBCの今度テレビジヨンの放送を行う場合におきまして、やはりテレビジヨンの放送のための公社、パブリツク・コーポレーシヨンを設けて、そうしてその下に実際の放送の会社を作る、こういうやり方をしておるわけであります。で、これは政府の先ほど命令、監督というようなことも言つておられましたが、事実こういう法律に、殊更に郵政大臣はこういう事項に対して監督権限がある、或いは命令権があるというようなことを謳わなくても、これは公社という一つのステイタスを与えておけば、そこにおのずから今政府が意図しておる監督ということもできるのであります。そこでまあ今後放送法が改正される場合には、大臣として今日のNHKの極めてあいまいな、取り方によれば不利なこういう地位、性格というものを明確にする必要がある。即ちはつきり公社にするという御意向があるかどうか、或いはそうでなくて現状のままでこれを存続する、こういう御意思なのか、その点を一つはつきりできればこの際しておいて頂きたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) なかなかむずかしい問題ではつきりとした、又確信を持つたお答えを申上げるわけには行かないのでありますが、今まあ漠然と、殊に自分が自分の所管に電通公社というものを持ち、又郵政の特別会計というものを持ち、そして又放送協会というものを持つて、皆が非常に同じように仕事をしておられるのに違う形になつておりますので、もう少し考え直さなければならんのじやないかというような感じを持つております。殊に今年のこの予算を、私としては協会の予算というものを真剣に見ましたのは今度初めてでありますが、これを見まして痛感いたしましたのは、やはり今御指摘になりましたように、結論としては、私は公社と同じような扱いにすべき部分が非常に多いにかかわらず、規定が大分違つておるというように感じておりますので、今の結論的な物の考え方といたしましては、NHKというものは報道機関であるという特殊性を存置した何らかの公社形態、こういうことに考えられないだろうかという感じを持つておるわけであります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 それはどういうことなんですか。それはパブリツク・コーポレーシヨンとして電電公社のような公社ですね、法律上の待遇といいますか、地位とか、そういうものにしたいという御意見ですか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) その通りであります。ただそういう工合に抽象的に考えておることが報道機関というものの特殊性と相容れない面が出て来るか知らんという感じを漠然と持つておりますので、或いは報道機関としての特殊性は存しながら、NHKの場合には優先的に考えなければならない問題であるから、その点は支障のない範囲においては、成るべく公社と同じ概念のものにしたい、こういうことにできないものだろうか、こういう考え方をいたしております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 それは先ほどもちよつと引用したような、大臣がおつしやつたように、政府をからかわない、国策に副うような報道機関にする、そういう政府の何といいますか、方針に従うような公社にするという意味ですか。あなたがおつしやるような、報道機関という言葉をお使いになるものですから、どうも私ははつきりしない。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 全然それとは逆な意味においてこの機関の性質として政府の報道機関ということになつてはならないからして、これはもうそういうことにならないようなことを前提におきながら、公社というような考え方で何か考えられないものだろうかという感じでいるわけであります。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 只今の山田委員への大臣の御答弁で、報道機関である特殊性を十分考えて。パブリツク・コーポレーシヨンにしたい。その場合には最初NHKが出資者から成り立ち、或いは現在の財産の大部分が受信料でできている。そういうような経緯は一切お考えにならないで、他の公社と同じような性質のものにする、こういう御趣旨でございますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) この点はもう今日の段階にまでなつて参りますれば、この過去のいきさつはそう大きく考えないでも国民の御納得が頂けるのではないかと考えているわけであります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 何かますます変な疑念を持たれるような大臣の答弁になつていると思うのですがね。だから今日の例えば電電公社のようなものに或る一面においてはしたいというふうなことを言われているのだろうと思うのですが、だから公社のようなものにしたいということそのものが、そういうことは私に言わせれば、大臣がもう少し具体的にこういつた点をこういうふうにしたいし、こういつた点をこうしなければならないのだから、一面においては公社と似たような点も出て来るだろうし、そういう意味での改正はこれは行う必要があるのじやないかというふうに自分は考えるという意味の御説明ならば、これは一応その具体的な内容如何によつては、私もさしたる問題はないのじやないかと考えるのですが、併し何か知らん余り問題の重要なポイントは何ら説明されずに、公社のようなものにしたいのだが、併し報道の手段としての特にいわゆる政治的な公正を堅持しなければならんという意味での考慮は払うのだということを言つておられるけれども、これは私は若しそれが政府関係機関的なやはり公社ということがどこかに若しありとするならば、非常にこのNHKの今日の問題に対していい面を、或いは又本質的な問題を全く骨抜きにしてしまつて、それで最も我々の危惧する方向に公共放送というものが行く危険性のほうが遥かに大きいと思うのです。だからそれを言つておられる御答弁は極めて私はむしろ軽卒の、昨日も御質問申上げたことなんだけれども、軽々に過ぎる答弁じやないかと思うのです。ですからむしろ具体的な、そういつた面についてどういうふうに、或る程度抽象的でも止むを得ないと思いますけれども、改正しようとする趣旨はどういうところにあるのか、そういう点から先ずお伺いしておくことのほうが重要なのであつて、何か公社という言葉をいきなり引合いに出されることについては、極めて意外に思うわけですが、一つ誤解の起きないように御答弁願いたいし、若し重要な問題については、全く今日のところ暗中模索というか、研究中だということであるならば、むしろそういう形で率直に御答弁願つたほうが誤解を招かないと思うのですが、非常に重要なことでございますので、一つ只今の御答弁に対して関連して御質問をいたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) それは誤解を招くと、又今までの私の言動が大分招いておるものですから、特に慎重を期して申上げておつたつもりなのでありまして、私はまあ何がしか放送全体又協会のあり方というものに、今度の放送法改正の機会に再考してみたいという考え方は持つておりますけれども、このNHKが本来の使命として果さなければならない使命、この使命が歪められるという意味に、そういう懸念のある改正は絶対しない。併しそれを第一義に置いて、そこのところに背反する、その大原則に背反しない範囲において考えられる面があるならば少し考えてみたらどうか。その考え方の方向としてまあ公社みたいな経営体のあり方というものを又考えておりますということを、こういうことを申上げておるのでありまして、若し併し公社のように考えることがそのNHK本来の使命に背反して、この報道の公正、公平というものが保てないというようなことになるならば、それはそこは大事な点でありますからして公社にする、公社のような形態にするということはこれは一つ考え方を改めなければならないと、どうかその点は誤解の起きないように特にと申上げておりますのでありますから、どうぞ御了承頂きたいと思います。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 なおもう一つ念を押しておきますが、公社のようなという程度も極めて抽象的なんですが、一番重要なことは、公共放送としての私は使命という問題をどう実現させて行くかという問題だと思うのです。その場合に財政的な問題、或いは民間放送との関係の問題だとか、そういつたような問題を十分に再検討しなければならないし、又今日のこの放送法そのものが相当今日の情勢とは違つた以前の状況の下において作られた、放送法であるので、まあ放送法の改正という問題は、前々からもこれに対して問題になつており、そういつた放送法の改正の問題と関連して、このNHKの問題についても十分に考慮して行きたいという程度の状況と了解してよろしいのかどうか。余り何か非常に具体的なことを言われておるようだけれども、内容に何が入るかということが最も重要だと思うのです。余り形式的なことについて具体的な答弁をせられて、内容が明確になつておらないような形の答弁をせられることは、私は時期として極めて不適当だと、かように考えるわけであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 御意見の通りであります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これはまあ今後の審議に大臣と電波監理局長と、放送協会の会長さんもいらつしやるから、こういう機会がないかも知れないから、まああなたたちがおられる前で聞くのですが、過日も自由党或いは政府内で問題になつたというこのNHKの日曜日のユーモア劇場、或いは前の日曜の娯楽版等、このプログラムについて、これは私も現在NHKがやつておるユーモア劇場、これは努めて聞いておりますので、これは今日の商業新聞或いは雑誌を主体とする日本の非常に悪いジヤーナリズムのあれを組んでいるということはこれば私も意見があります。で、具体的に言えば、例えば国会に対する代議士とか、或いは参議院議員或いは政府或いは政党政治というものに対して、公共放送であるNHKの放送で以て商業新聞或いは商業雑誌と同じようなあれを組むということは、これは批判の余地が大いにあるのではないか。表現の形において、これは公共放送的の品位という点から考えても私は是正すべき点が多々あると思う。併しこれは現在の国民、殊に公共放送は全国民が聞くのでありますから、で、政治に対する一つの批判力、或いは国権の最高府である国会がどうあるべきかという意味において、国民を少くとも教育をする、からかうのではなくて教育をすると、或いは趣味を色よく発達させて行く、これが公共放送としての放送番組を編成する場合においての根本的なこれは立場でなくちやいかない。そういう点においては、現在行われておる、行われておつたユーモア劇場の中の一言一句を引抜いて見ますると、批判の余地は十分にある。併し国民のそういう政府に対する啓発、啓蒙ということから考えれば、ああいつたような存在もこれは必ずしも私は有害ではないと思う。そこでこれはいろいろ新聞で言われておりますが、政府が何も圧迫をして、この間丁度与党で値上げの問題を閣議に上程、或いは自由党の総務会で云々というときに、たまたま日曜日でこれが関連があつたのでしようけれども、ユーモア劇場のプログラムが、そのときにはやめてほかのものが放送された、これは他に理由があつたにせよ、一般国民から見れば、これは政府が圧迫だ、与党が圧迫だという印象を与えているということは、これはもう事実なんです。ですから今後、先ほど将来のNHKの性格とか地位かいうことについていろいろお話がございましたが、少くともこの番組の編成ということについては、政府といえどもタツチすべきではない。併しながらNHKが自主的にいわゆる自律して自分でこれは持して、先ほど申上げたような、国民のための放送である、国民の放送であるということに来れば、表現については十分注意しなければならないが、こういうようなことは私はむしろ民主主義の発達から来れば望ましいことだと思う。で、政府としては、これは或いは圧迫されたのではないということは私は信じますが、将来なおプログラムにおいて、内容表現はこれは改善して国民に政治批判力を増すようなプログラムを今後も存締して行くということについては、これは政府として何らこれに反対するものではないのかどうか。これはすでにNHKの当局者に対して、こういう種類のものについて或る種の指示を与えておるのか。この点を一つ明らかにして頂きたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) お尋ねの点から先にお答え申上げるわけでございますが、何も過去にそういう指示を与えたこともございませんし、又今後そういう指示を与える意思も毛頭ございませんし、どこまでもNHKの自由の行き方で御判断になつてやつて頂いて結構であるし、是非そうやつて頂きたい、こういうふうに私としても強く希望するわけでございます。むしろ私としては何か別な面の実質的な力によつて、NHKがそういうような判断の公正を誤られているというようなことがあるならば、却つてそれはよくないと言つて御注意を申上げたいくらいな気持でございますので、どこまでもNHKとしては、番組に関してはこれは独自の判断で是非やつて頂かなくちやならない、これが一番私は大事なことだと考えておるわけでございます。ただ具体的なこの間の問題については、まあいろいろ意見も世間に多くあつたようであり、NHKも広く意見を聞いて頂いた結果のようでありますので、私としても結構であつたと、こういうように存じておるわけでございます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは一つ古垣会長にお尋ねいたしますが、先ほどの私の質問に対して、以上のような塚田郵政大臣の答弁があつたのですが、私はこのアイデアは非常にいいと思う、或る意味においては。併し表現において、先ほど申上げたように、一般の商業新聞、商業雑誌とまるで同じような政府の、国会の権威を損い、或いは代議士の、如何にも代議士のマークを附けておる者がみんなインチキだといつたような、こういつたような印象を素朴な国民に与えるような表現があつたということは、これは私の聞いてる範囲でも否定できない。これはあなたからおつしやれば、昨年の年末帝国劇場で以て赤い絨毯、ああいう露骨なものを上演されて人気を呼んでいるではないか、こうおつしやるかも知れないが、これは少くともコンマースがやることである。併しながら私はあの秦社長がああいうものを上演したということについては……、私はユーモア劇場の今までの内容はいいが表現の仕方において遺憾な点があるのです。で、今大臣がああいつたような工合の御意見を持つておられるのですが、今後ユーモア劇場のような、これはまあ名前は又変えられるにしても、内容はああいつたような諷刺といいますか、こういつたようなものを存続される意思がおありなのかどうか。と同時に今私が申上げている批判をあなたは会長としてそういう点をお感じにならないかどうか。ああいつたようなプログラムを組もうとするのに対して、もう少し国民を、いい意味で国会を尊重し、国会議員というものの尊厳を認め、諷刺の中にもそういつたものを啓蒙するという工合に番組を組んで欲しいということを、もつと改善して欲しいという気持があるのですが、会長としてそういう点は感じておられるかどうか。それからそのプログラムを今度、政府は今大臣がおつしやつたような方針なんですが、これは国民に非常な人気を呼んでいる。プログラムとすれば、存続されるだろうと思うのですが、存続されるかどうか、或いは存続する上において今私が申上げたような点を考慮される余地があるのかどうか、この点を一つ明らかにしておいて頂きたい。

古垣鉄郎日本放送協会会長

○参考人(古垣鉄郎君) 只今の山田委員のお考えに全く同感でございます。先般占領下において日曜娯楽版というのがございました。これが対外的にどういうふうにとられていたかは知りませんけれども、占領下の番組でありまして、必ずしも日本人の独自な自主性でない点もございましたので、内部的に私としては独立と共にもつと自主性のある、もつと建設的な、今お述べになりましたような意味合いにおきまして再建日本に役立つて明朗で健全な娯楽、健全なユーモア、諷刺、人の揚足取りに終始しないもの、それから正しい認識に立つた建設的な諷刺を送るというようなふうにして、国民がこの娯楽から家庭的に健全に笑い、そうして疲れを癒して更に労働への、生産への意欲を増す、そういつたような明朗なユーモアを送りたい。そこで題名もユーモア劇場と変えましてそうして発足したわけでございます。従いましてその当時から私はこれに多大の関心を持つておりまして、聴取率は非常に高いということも絶えず検討しておつたのでありますが、高いから必ずしもいいというものではない。公共放送でありますから、ただ商業放送のように、商業式のように高いということで満足すべきでなくて、その内容が飽くまで健全であつてユーモアとしての、冗談としての礼儀、エチケツトを考えてそれが国民の生活、国の進むのに役立つものでありたいというふうに念じながら、絶えず番組を見て、御指摘のような演出の面において、又その演出の内容の政治感覚において認識の不足があつたり、或いは非難の的になり得るというようなものについて絶えず注意を与えて、そうして必要であるならば作者も取替える、よりよい作者があるならばよりよい作者を選ぶべきで、一年も二年も三年も同じ人に放置していいものではないという意見も持つておつたので走ります、従いまして今日の受信料の問題とは全然無関係に、昨年において、一昨年においてこの問題について只今御指摘のような点で絶えず注意を与えて来ておりました。そうしてこの受信料の問題が発生したことによつて、何ら注意を与えたことは直接間接にございません。又係の者も、局長初めそういう気持を知り、演出者自身もそういうことをよくわかつてやつており、それからNHKの責任によつて演出する、責任によつて企画し、それから出演者もNHKの責任によつてその帝組の編成の権利を与えられてやつておりますから、内容についても絶えず検討しながらやつて来ております。将来もそういうことだろうと思います。従いましてこのユーモア劇場という種類の番組、直接には只今の番組を今後も一層よりよくして行きたい。皆さんの広い御意見を伺つて続けて行きたい。併しその企画とか、演出とか、或いは出演者ということについては、これ又自由を与えて頂いて外からの干渉なく最もいい演出者、アーチスト、出演者によつてやつて行きたいと考えております。  それから国会を侮辱する等のようなものがあつたじやないかということをおつしやいましたが、勿論我々の趣旨において、そういうことではない。それは出演者においてもないはずであり、絶えず注意いたしておりますが、人間のすることでございますから、個々の場合において、そういう疑惑をお聞きになるほうへ与えたということがあれば、そういうことも将来ないようにいたしますけれども、私どもはその点は公共放送でございますから、十分慎重にやつて行きたい。但しこれが決して一つの政治を批判するためのものでないことも、お聞きになるほうにおいてお認め願いたい。日本の百般の事象を取上げて、そうして国民にユーモアを送るという趣旨で、その百般の中に政治が現われ、その他のことが現われるのでありまして、これは単に国会は誹議してはならないというばかりではなくて、すべての個人をやはり不当に誹謗してはならない。若しその人がその誹謗に値いするものである場合、国民がそれを非とする場合非とする表現が現われる。或いは決してそういう趣旨じやなくて本当に笑わせる、併し受取る人がそう受取らない場合もあり得るということは、総理大臣自身がNHKの放送においでになつて言われたことでも、物議を醸したようにも聞いておりますが、なかなかこの演出、企画というものはむずかしくてそうして完全に行きませんから、今後もどうぞ皆さんの十分な御意見を伺つて、ますますいいものにして続けて行きたいと思つております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 私の今お聞きしている点は、これは吉田総理が国会に行けば猿は幾らでもいると言つた、これは私は吉田総理としては一つのユーモアだと言うかも知れないが、併しこれは明らかにユーモアであるというよりも、やはりこれはからかいであり、自分の面上に陣するものだと思う。例えばこのユーモア劇場の内容を私が批判申上げたのは、やはり商業ジヤーナリズムが、何でも代議士と言えば全部汚職に関係がある、国会と言えば堕落したしようのない者ばかり集まつているというのが、今日ジヤーナリズムの風潮なんです。だからそれにマツチするようなことを言えば、国民も非常にこれはよく聞くわけなんです。併し長い目で国会とか、国会議員の存在というものを考えれば、公共放送であればそういうことはしにくいものです。国会とか、国会議員というのはこれは尊重しなければならないという建前になれば、今の表現は変り方があると思う。そのことと、もう一つは何といいますか、ユーモアという一つのこれは定義、ただ聞いて直ぐ痛快だとか、面白いだとかといういろいろな種類があるだろうと思う。今のユーモア劇場は皮肉つて、ああ、畜生うまいことを言つているといつたものが多いんじやないか。もつと上品なユーモアで、国民を啓蒙するという意味がある。その場でわからなくても一時間たち、一日たち面白いことを言つたなというような、そういうユーモアが私は全部でなくても、そういう番組に一つはあつてもいい。こういうことに苦心を注がれるべきだ。そういう意味のユーモア……。それからもう一つは、作者を一人、三木なんとかいうのがこの間問題になつたと聞きましたが、やはりこういつた問題は番組を作る人、そういう演出をする人一人に限らないで、二人か三人置いてお互いに競争してやる。そうして今申上げたようなユーモアという、新らしい日本人のもつと近代的なユーモアを解するセンスを教育するというような意味においておやりになつたほうがいいんじやないか。この点は、これは私は御答弁を求めませんけれども、公平に見て今のユーモア劇場の演出において、ああいつたようなジヤーナリスチツクな趣味というものが、現在の商業新聞、或いは雑誌の亜流に即応しているようなことは非常に遺憾だと思います。そこに公共放送としての毅然たる、もつと長い目で見たユーモアの演出の仕方があるのじやないか。この点についてもつと注意して頂きたい。これは意見になりますが、今後一つ十分この点は、公共放送であるだけに、金がかかつても、一つ国民のために努力して頂きたい。希望として申上げておきます。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十二分散会

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