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19回国会参議院1954/11/25

電気通信委員会 閉会後第6号

発言数
46
登壇者
8
会派数
3
開催日
1954/11/25

会議録

島津忠彦自由党

○委員長(島津忠彦君) 只今より委員会を開会いたします。  先ず理事の補欠互選でございますが、去る十月六日の委員会の決定に基きまして、委員長は理事に左藤君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島津忠彦自由党

○委員長(島津忠彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

島津忠彦自由党

○委員長(島津忠彦君) 次に、電気通信事業運営状況に関する調査を議題といたします。電電公社の予算のことについてでありますが、二十九年度の予算の実行予算につきまして、政府全体といたしまして、或る程度の節約をするようでありまするが、公社については如何ようになつておりますか。若し節約がありとするならば、五カ年計画にどのような影響を及ぼすか、それが第一点、次に、三十年度についてはまだ折衝中であると思いますが、公社においてはどういう構想を持つておるのでありまするか、以上の二点について御説明願いたいと存じます。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 最初に二十九年度予算に対しまする実行についてお答えをいたします。  二十九年度は、電信電話事業といたしましてもデフレーシヨンの影響を受けまして、相当の減収が現われております。九月末の決算によりますると、約二十億余の減収になつております。この情勢は今後も続くものと思われますので、私どもは来年三月、年度末までには、大体四十一億の減収があるものと予想いたしております。これに対しまして節約するために、先に政府におきまして電電公社の約九億何千万かの節約を立てたのであります。併しそれだけでは減収に対抗できませんので、私どもとしましては、更に支出の面においてできるだけ緊縮をするように手配をいたしまして、大体その緊縮によつて生じます金額は、目下のところ、予想よりも多少内輪になる恐れはあるのでありますが、大体において三十億の緊縮をするつもりであります。さように減収に対して支出を抑える方法によつて、二十九年度の予定工程を極力維持して行きたいという考えの下に、現在工事を続行しております。併し何分にもその他に公募社債の方面におきまして、金融梗塞のために思うように予定通りの社債が募集できない状況になつております。この点につきましては、まだ来年の三月までに、募集期間も残つていることでありますから、精確に如何ほど公募社債が残るかということにつきましては申上げにくいのでありますけれども、今日まで募集しました金額は四十三億ばかりであります。従つて予定されておる七十億に対しまして、なお二十七億を残しておるのでありまして、これが今後に対してどういうふうに消化されるか、いずれにいたしましても七十億の予定額というものは到底募集ができませんので、これに対して我々は工程を或る程度引下げなければならない、或いは繰延べなければならないという羽目に立至つているわけであります。併し私どもとしましては、加入者増設の工程或いは市外線の工程を予定通り実行するために、やむを得ず基礎工事であるところの局舎等につきまして、公社債の募集できない額を予定いたしまして後年度に繰延べるという措置を講じております。このことは本年度の開通には直接影響を及ぼしませんけれども、一部三十年度或いは三十一年度の工程に影響を与えるのではないかということを恐れております。併し今後三十年度の予算折衝において、幾分かそれが取返されるかどうかということを我々は希望しているわけであります。なおこの工程の収支維持或いは工程そのものにつきましては、後ほど経理局長並びに施設局次長から委細御報告を申上げます。  又三十年度の予算につきましては、現在大蔵省に来年度予算を提出してございます。併しまだこれは事務折衝に入つたばかりでありまして、大蔵省の意向等もよくわかりません。従つて我々の出しております予算そのものがそのまま承認されるかどうかということも申上げかねるのでありますが、現在出しております予算は六百十九億に上つております。それは今申上げました二十九年度の工程繰延べ等に対して、できるだけこれを三十年度において取返すということばかりでなく、最近町村合併に対しまして、通信機関を合併した状況に適応するように改善をしなければならない、この要望は相当以前からも強いのでありまするが、今日のごとく著しく町村の合併が行われますと、一つの市内におきまして市外通話が行われている、或いは一つの市内に幾つも局が現存している、そうしてその間に相当な通信の円滑を欠いているというような事態が発生いたしますので、これに対しましては、漸次改善する方針を立てなければならないというので、その金額が約三百億に上るのであります。これを八カ年間に完成という目標の下に、三十年度において町村合併に対する通信機関の改善という名目の下で四十億の予算をこの中に含まして要求している次第であります。  以上簡単でありまするが御説明申上げます。

島津忠彦自由党

○委員長(島津忠彦君) 御質疑のある方は御発言を願います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 只今の二十九年度の予算の進行経過の報告を伺つたのですが、公社になつて以来の電話の架設の拡充強化、それからマイクロ・ウェーブの中継局の設置その他全般的な一つの年度計画を持つておられるのですが、只今の御説明による予算の進行程度は、公社が持つておられる年度プランというものに対して、大体十一月現在として、どのくらいのパーセンテージが進行しておるのか、今言われたように募債等が意のごとくならん、これはデフレの影響等もありましようけれども、物価は横ばいになつておるように私は思うのですが、大体今の御説明の予算の進行程度が、五カ年計画に対比して、百パーセントのものに対して大体どのくらい来年の三月末までに進捗するというお見込みが若しおわかりになれば、そのパーセンテージですね、募債の困難その他諸般の事情によつて進行しないというのは何パーセントある見込みか、わかれば一つ御説明願いたいと思います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 加入者の工程並びに市外線工程は、私どもとしましては先ほど申上げましたように、予算に計上されておる工程を下ることのないように努力いたしております。その上に御承知の通り予算の弾力条項がございまして、受益者負担の社債は、三十億まで弾力条項によつて多く募集できるわけであります。これに伴つて加入者の負担金も殖えるわけでありますから、それによつて我々は工程を予算よりも殖やして参らなければならんようになるわけであります。でありまするから加入者工程につきましても、市外線工程につきましても、予算に計上されておるものよりは多く実行に移つております。そうして大体その工事の状況はだんだん準備も順調に参つておりまして、毎月平準化して工事をし、且つ開通もできるだけ早くするようにいたしております。今のところ、今年度中における加入者の開通の平均収入は約五カ月ぐらいになるのではないかと思います。従つて相当開通も促進されておる状況でありまして、デフレーシヨンに邂逅いたしまして、我々といたしましては、成るべく収入を図る方法を一面において講じなければならないという意味におきまして、極力弾力条項一ぱいに受益者負担の社債並びに負担金をとり、且つ工程を促進いたしまして、収益の上る月数を多くして行くように努力いたしておる次第であります。併し先ほど申上げました基礎工事はそのために犠牲になつておりまして、本年度予定いたしております局舎等につきましては、一部分後年度に繰延べてしまいまして、そのために三十年度或いは三十一年度にその悪い影響が現われやせんかということを恐れておるわけであります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは公社が発足して一つの五カ年計画というものを持つていらつしやつて、殊に建設勘定においては、はつきりしたプランをお立てになつて、それに対処して借入折衝、まあこの場合で言えば募債、加入者の引受ける負担金、それから電話設備の負担金、こういつたようなもので大体五百三十六億ということで年度別にプランをお立てになつて、それと睨み合せた上の基礎工事その他の建設勘定というものが示されておるわけです。ですから只今のお話によると、募債のほらは、公募する債券は三分の二に満ちていない、今後この四カ月の間に果して二十数億のものが消化し切れるかどうかということは非常に不安だということをおつしやつておる。これは私も同感です。極めて私も困難じやないかと思うのです。そういたしますと、電電公社のやつておる電信電話、殊に電話の拡充強化に対する既定のプラン、これを実行するということになれば、やむを得ないと思うのですが、ここに十一月までの二十九年度の実行予算の過程を見ますと、すでに予算を下廻ること三十七億四千万円以上になつている。一方においては非常に電話が普及して来る、そうして従来の市外電話が、例えば長崎、名古屋、大阪等に対して普通通話になつておる。こういうことになつて来て、むしろ電話収入が下廻つて来る。これは先ほど来おつしやつたように、デフレーシヨンの影響で電話を使用する度数が減るということも勿論これは私考えられると思うのです。併し一方においてサービスを改善して、そうして収入が下廻つて来るという現象は、公共企業体として考えると、これは一つのジレンマじやないかと思うのです。こういつたようなことが更に電話のサービスが改善されればされるほど、ここに示されているような電話収入が次第に算術級数的に下つて来るということ、これは経営から言えば由々しき問題じやないかと思います。先ほどおつしやつたように、三十年度、三十一年度、三十二年度と既定の電話の普及が進行すればするほど、こういう傾向が強くなるのじやないか。これは現状の電話料金ということを土台として考えますと、そういうことは予想されるんじやないかと思う。この点に対してのお見通し、並びにそれに対するカバーをするのには一体、電話料金を上げればこれは一番早くていいかと思うのですが、そのほか合理化等の方法によつて、この宿命的な傾向がチエツクできるかどうか、この点一つ御所信を伺いたい。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) これは仰せの通りサービスの改善に対しまして、如実に収入単金というものは減ることは仰せの通りでありまするが、併し我々はこれに対して、単に手を拱ねいて見ているわけには行かないのであります。従つて事業の合理化ということに対して極力努力しておる次第でありまして、先般合理化審議会において、公共企業体の合理化についていろいろと御審議を頂いたのでありまするが、私どもはその御趣旨に従つて合理化を推進して行こうという考えであります。で、その一端といたしましては、公社発足以来今日まで、我々は人員の増加を極力抑えて行つておるということであります。そうしませんと業務増進に伴つて思うだけの人をかけておつたのでは、結局支出のほうが増加する一方でありまして、待遇改善等も現実に行い得ないような事態になりますので、我々としましては、できるだけ人員の増加を抑えて行きたい。  次には、従来建設単金というものは或る程度想定されておるのでありますが、これを新技術を導入することによつて建設単金を極力下げて行くという工夫をしておるわけであります。従つて同じ金額をもつて余計の工程をやるように努力しておる次第であります。この点はすでに御説明も申上げたように新しい技術を導入するということは、単に新規な技術を好むという意味ではありませんでして、経済化を図るということを根本の精神として導入して参るつもりでありますから、相当な効果を挙げ得ることと思つておるわけであります。  なお設計等につきましても極力経済化を図つておりまして、必要以上に大きなものを作るということは極力避けなければならない。そうかといつて、目前だけの小利を見て小規模に過ぎたために、二、三年たつと又更に増設しなければならんということも避けるようにして、最も経済的な設計を勘案いたしまして、これを実行に移すという方法をとつております。併しいずれにいたしましても、かような方法をやることは漸進的にやる以外に方法はないのでありまして、現在の減収の傾向というものを根本的に解決する途としては、必ずしてそれをもつて満足し得るかどうかということを疑問に思つておるわけであります。で、私どもとしましては、二十八年度に料金改訂をお願いいたしまして、その当時二割五分の料金改訂が実行されておるならば、いま少し建設において後年度に繰延べるということも避けられ得たのではないかと思つておるのでありますが、遺憾ながら御査定を受けましたので、もう一度我々としましては、この料金制度の合理化を図らなければならない。それは現在の料金制度が必ずしも満足なものでないばかりでなく、その他の種々の事情から考えまして、この料金制度を合理化すると同時に、もう一度適当なときにおいて料金値上げをお願いすることによつて自己資金を作つて、そうして今度の五カ年計画ばかりでなく、次に来たるべき第二次五カ年計画を実行するところの財源としなければならないというふうに考えておる次第であります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 最後に、ちよつと問題が予算と離れますが、マイクロ・ウエーブの中継の問題ですが、現在東京から大阪までおやりになるのは四千メガサイクルの設備をしておられるのですが、途中六つか七つの中継所を設置して而もこれは人員がある、いわゆる無人中継所でないということでおやりになつているのですが、どうも最近のマイクロ・ウェーブの中継の技術の動向が多少変つて来るのではないか、素人の私が申上げるのは甚だ僭越ですが、ということは、むしろ現在の電電公社のやつているマイクロ・ウェーブ・ステーシヨンの距離は大体三十マイルから三十五マイル、メガサイクルはむしろ下げてパワーを大きく、その数倍、例えば百七十キロ、五十マイルから七、八十マイル、二百五十キロ内外の間隔を置いてやる、而もこれは無人中継でやるというのが、大体今日の先進国のいわゆる最近のマイクロ・ウェーブ中継に対する傾向ではないか。単にUHFばかりでなくVHFの極超短波のやはり中継ということも、今日は非常に何といいますか、増大する傾向にある、こういうような傾向に若しあるとすれば、現在東京—大阪間のマイクロ・ウエーブの中継、四千メガサイクル、三十五マイル間隔でやつているということが、今後のマイクロ・ウェーブの中継の発達の方向から言えば、今後設置されるマイクロ・ウェーブはやや今日とは異なるのではないかというようにも考えられるのですが、この点について、公社として非常に重要な将来のマイクロ・ウェーブ、電信電話、テレビ、ラジオということを考えると、これは真剣に考えなければならない問題だと思うのですが、この点に関して具体的なそういう方法があるのかどうか、若しあるとすれば、公社として一体どういうようにこれを今後の建設において是正、調整されるのか、若し御意見があればお話を承わつておきたい。

佐々木卓夫日本電信電話公社施設局次長

○説明員(佐々木卓夫君) お答えいたします。只今の点でございますが、我々のほうの考えといたしましては、これば一ルートに何回線をとるかということによつて方式が変つて来るわけでございます。それで現在東京—大阪間及び福岡—札幌のルートに計画いたしておりますのは、最終的に一ルートに四百八十回線までとることを予定してそういう設計で進めておるわけであります。従いましてこの中継間隔につきましても、これらの四百八十回線をいずれも安定な商用回線として使うことをベースに設計いたしておりますので、中継所間隔は当然只今お話のように大体五十キロ前後を標準といたして設計いたしておりますが、たが列国の事情を見ますと、只今のお話のように百五十キロ程度まで延ばす場合もあるのでございますが、これはその一ルートに乗つけるチャンネル数が非常に少い場合、或いは周波数がもう少し下のUHF或いはVHFの周波数の場合において、而もチャンネル数が少い、こういう場合にそういう方法がとり得るのでございまして、公社といたしましても、この縦断の主要幹線には、只今申上げました四百八十チャンネルまでとれる四千メガ或いは六千メガでルートを構成する方針でおりますが、ローカルの区間につきましては、只今お話のございました中継所間隔を延ばしてチャンネル数を多少少い二百四十チャンネル、或いは場合によりましては六十チャンネル、こういう施設も計画いたしたい、かように考えております。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 先ほどの三十年度の予算についての御説明があつたのですが、特に町村合併の問題についての一応計画も八カ年計画ということで出されているようですが、これは現在において町村合併乃至は現在町村合併が殆んど確定的だという現状に立つての計画だと思うのですが、併しまだまだ町村合併も今のところ大体の全貌が殆んど確定的になつたとまだ言い得ない進行過程じやないかと思うのですが、そういたしますと、八カ年計画という相当長期の見通しを立てての計画になつていますから、これが一年なり或いは二年なりたつた後においては、今予想されているよりも更に町村合併のまあ規模といいますか、内容が大きくなつて参ることも考えられるわけなんですが、そういつたような点はどういつた程度の見通しに立つて作られた計画なのか。まあここに出された約三百億という程度のものは、そういう意味では更に増大化する可能性もあるのじやないかと思うのですが、そこらあたりの考え方どんな一体認識の上に立つて作られた八カ年計画か、少し御説明を願いたい。

田辺正日本電信電話公社運用局長

○説明員(田辺正君) 只今お配りいたしました資料は、ここに書いてございますように、本年七月一日現在におきましてのものでございます。お話のように、只今町村合併が進行中でございまして、大体最近までに約三分の一程度が合併されたということを承知いたしております。従つて今後完成いたしました場合には約三分の二程度が殖えて参るというふうに一応考えられております。従つて只今の考えております程度のまあ少くとも約二倍程度の合併の局が殖えるのではないかという考えでございます。それで町村合併をいたしました以上、通信機関をできるだけ町村合併の線に沿うように改善しなければならんわけでありますが、一方五カ年計画を充実いたしまして電話の整理を図つているわけでありますが、結局これは簡単に申上げますれば、資金の問題になるわけでございます。毎年五百億乃至六百億のうちどのくらいの資金を町村合併に投ずるかという問題についてでありますが、従つて今後におきまして町村合併の全体の姿を一層的確につかみまして、そうして改善の資金として幾ばくを要するかということを算定いたしまして、もう一遍この問題は一層徹底して考えなければならないと考えているのであります。差し向き来年度といたしまして四十億円、これは政府出資ということに我々としては希望しているわけでございますが、要するに利子のつかない金というもので四十億円を考えているわけでありますが、来年度以降におきましては、只今申述べましたような町村合併の全貌というものを一層的確につかんで、そうしてそれに応ずる改善の方法、なお改善の方法につきましては、ここでは一応六キロ未満は合併して、それから六キロ以上の遠いところは合併しないで市外線を増加することによつて通話のサービスはともかく改善しようというふうな考え方でおるわけでございますが、この合併の方法につきましても、なお経済的に又有効に行うために更に研究をしなければならない点が非常に多いと考えております。そういうふうな合併の方法も併せ考えまして、町村合併の全貌の把握の上に立ちまして、全体としての改善計画というものを先ずもう一遍立ててみる、そうしてそれをどういう方法にやつて行くか、殊にその速度をどのくらいにして参るかということ、これは只今実行中の五カ年計画との関連もございまして、この際数字的にまだ申上げる段階には至つていないわけでありまするけれども、考え方としては、今申上げたような方法で参りたいというふうに考えております。勿論私どもといたしまして、町村合併というものがこれは国の方針としてとられたものでありまするからして、それにできるだけの協力はいたさなければならんと考えておるわけでありますが、併し一方公社の我々のほうの事業の財政状況というものを併せて考えますというと、町村合併に多くの金を投ずるということは相当困難な実情にあるということであります。と申しますのは、只今申上げましたように、近いところ、六キロ未満はこれは合併して、そして六キロ以上は市外線を殖やしまして通話のサービスをよくするという一応の方針でございますが、六キロ未満の町村が合併いたしました場合に、今の方法でやりますというと現在以上に赤字がなお殖えるわけであります。現在地方の諸局におきましては、毎年数十億の赤字を生じておるわけでありますが、六キロ未満をやりました場合にも、現在以上に赤字が殖えるのでありまして、経済的にペイすると申しますか、現在のペイということではございませんで、少くとも現在程度の赤字が殖えないという線を抑えますというと、むしろ六キロ以下の、短かくなりまして大体四キロの程度になるわけであります。併しまあ町村合併という、ああいう国の方針に協力するという意味から申しまして、六キロ程度に延ばしたわけでありますが、従つてそういうふうな町村合併というものが、私たちの事業の財政にとりまして、収支の面のみに着目して考えますというと、今申上げましたような状況になつて来るのでありまして、そこにも又我々として一つの問題があるというふうに考えておるわけであります。大体町村合併につきましての只今の考えは以上でございます。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 なお、今言われる御説明になつた点は一応事情としてわかるのですが、いろいろ地方なんかの現在の状況を見てみますと、町村合併に伴う通信施設の整備といいますか、そういつたような問題について、町村合併が実現した後に、こういつたような問題について非常に強く現場に、或いは地方の電話局あたりに対して是非その管理区域の統合をやつてもらいたいとか、まあ新しい自治体の村なら村の役場の何といいますか、出張所みたいなところの連絡等の問題が現実の問題として非常に問題になつて来て、やかましく電話局あたりに要請があつた。併し現実にはなかなかそういつたことにも行かないということで問題になつておる個所が全国的に相当あると思うのです。で、特に町村合併に伴つて電電公社として当然それに対して全面的に協力をできるだけしなければならんということには、町村合併促進法の中にも、政府としてもそういつた点が規定せられておるような関係もあるだけに、町村合併の問題については、相当事前にこういつた通信の問題について、通信施設の問題等については、今日の状況等について、或いは又見通し等についての連絡をとるようなことも、私は自治体の方面からやつてもらう必要もあるのじやないかと思うし、又当然電電公社側としても、そういつた町村合併の問題について、実現された後にその問題は問題になるというのじやなくて、事前に十分に横の連絡をとつて、町村合併になつたからといつて、そのことによつて直ちに右から左に通信施設の改善を図るということは、必ずしも現状においては要望に副い得ないというような場合については、十分にそういつたようなことを事前に私は事情を理解してもらい、更に早急にそういつた問題の解決についても積極的に協力を願わなければならんという問題があると思うのです。今日いろいろな問題が非常に電通事業の場合についてはあるものだから、町村合併の問題についてはいささか受身になつておる傾向が私はあるのじやないかと思う。従つてそういつたことについては、是非自治体方面に対して県知事或いは市町村、こういつた方面の自治体に対して、電電公社として積極的に私は連絡をとつて、町村合併に伴う通信施設の整備拡充の問題については十分に事前に連絡をとつてもらつて、一つ遺憾のないような対策を講ずるようにしようじやないかというようなことで、是非一つ横の連絡を十分にとつてもらうことが必要じやないか、そうすることが無用の、町村合併になつた後におけるいろいろ通信施設の問題についての問題を起すことを多少でも緩和させて行く一つの方法じやないかと思う。現にいろいろ地方で町村合併の問題に伴つてのこういつた通信施設の問題については、非常に現場で四苦八苦しておるような事情も私若干耳にいたしておるのですが、今後雨後のたけのこ式に、こういつた問題はどんどん出て参るだろうと思うのです。ところが、なかなか今のこの示されておりまする八カ年計画というものも極めてこれは隔靴掻痒の感が私あるわけでして、而もそれが更に増大される可能性もあるということになつて来ると、町村合併はしてみたものの、全然一つの村、一つの町の中での通信の連絡すらうまく行かないということになると、町村合併の趣旨、或いは町村合併によつてむしろ逆に非常に不便をもたらしたというような結果になつて来ると思うし、そのことが一にかかつて通信のいわゆる、非常に何といいますか、整備されておらないということに原因するというようなことで強い批判を受けることにもなると思いますし、十分にそういつた点で事前の御連絡なり、いろいろと打合せ等をなさることが必要だと思いますし、それから又町村合併の問題に伴つて、通信施設の整備はこれはまあ独立採算制という公社の建前から行くと、主として私はむしろ採算の合わない問題だと思う。併しその性格たるや極めて公共性が最も強い実は問題であるだけに、むしろ積極的に、第一義的に取上げて行かなければならない事業じやないかと私は実は思う。併し如何せん、財源的な問題等の関係において必ずしも実情に副い得ないという現実の問題にぶつかつておるのです。そこらは先ほど言われた運用部資金あたりの金を政府出資によつて解決して行くということが、政府当局としては当然私は考えられて然るべきだと思うのですが、これはひとり電電公社だけに御説明を願つても無理だと思うのですけれども、少くとも政府当局はこの問題についてはよほど思い切つた施策をこの際考え、且つ長期計画等を立てられる必要がある問題だと私は思うのです。まあ併しそういつた資金的な問題はさておいて、私は只今お伺いしたのは、もう少しこの問題については電電公社そのものが積極的に横の連絡をとつて、この問題に対しては一つ遺憾のないような対策を立ててもらいたい。又そういうことについて今日どんなふうな実情にあるのか、一つ現況をお伺いいたしたいと思うのです。

田辺正日本電信電話公社運用局長

○説明員(田辺正君) 只今久保委員のお話は誠に御尤もでございます。実は一つの行政区域の中に二つ以上の電話局があるものは、この表にもございます。非常に多うございまして、而も町村合併前から相当多数あつたわけでございます。それでそういうふうな町村合併前にありましたそういう事態の救済につきまして、今日までできるだけのことはして参つたわけでございますが、なかなか資金が思うように得られませんので、その救済も極めて不十分、不徹底に終つております。今後この問題を推進して参るにつきまして、これらの中に関係り市町村、或いは府県などと十分連絡をとつて参ることは極めて必要でございます。又或る程度、今日まで通信局を通じまして、そういう点につきましても配慮をして参つたわけでございます。今後そういう点につきましては、一層関係方面との連絡を密にいたしまして、必要な御援助は受けて参りたいというふうに考えております。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 それから更に三十年度の予算とも関係があるのですが、局舎の問題なんです。この局舎の新築を要し、或いは又増築等を要するという問題、これは従来から非常に私憂慮しております問題なんですが、昨年の例の五カ年計画でも、局舎問題についての質問をいたした際に御答弁があつたところによると、五カ年計画の中で現在焦眉の急として新築をしなければならない局舎、この局舎のおおよそ半分程度、あの五カ年計画が計画通り実施できたとしても、実現できないのじやなかろうかという、極めて悲観的なお話だつたのですが、その五カ年計画は当初の予定は二年度目において更に相当圧縮される、更に実行計画は、デフレ、その他先ほど来御説明があつた理由で、これ又更に圧縮せざるを得ない。それから先ほどの総裁の御説明によつても、局舎等の諸設備は次年度に繰越さざるを得ないという問題が、この二十九年度予算の決定後における実施状況からの新しい問題として、そういう事態が出ておるという御説明なんですが、そうなつて参るとデフレ、その他による減収、これのしわ寄せがそういつた局舎問題に更に寄せられるということになろうかと思うのですが、そうすると局舎問題については見通しが殆んど立たないというような今日現状にあるのではないかと思うのですが、勿論電電公社の場合の局舎という問題は、単に人が入る局舎というよりも、むしろ非常に重要な、厖大な施設を収容する局舎ということになりまする関係から、単に局舎計画という計画では立たない。新しい改式というような問題との関連性において、簡単に局舎計画というものは立ちにくい性格のものだと思うのです。そこに非常に困難性はあるでしようけれども、併しいずれにしても局舎問題という問題は、例えばそこに働く従業員の立場から考えれば、職場環境、或いは又現在郵政省の傘下の郵便局との共同局舎になつておるというようなことから、これは見るに堪えない非常に劣悪な職場環境になつておるところもありますし、又事業の運営上からいつて、電話の増設が全然行えないというような行き詰まつた局舎も全国的に非常に実は多いわけです。そう言う点考えますると、三十年度の予算の、予算案ですが、予算案の方針から参りますると、一体局舎という問題を眺めてみた場合、局舎の新築という問題を眺めた場合でも、どういう一体見通しになるのか、非常に見通しが困難だという状態になつておるのですが、併し、といつて、私は漫然とその年度毎における情勢に委せるより方法はないのだという程度では、あまりにも事態は非常に緊迫した状況に局舎問題はあると思うのです。従つて局舎の問題、これの解決については前々から私強く指摘もし、要望もいたしておることなんですが、一日も早く局舎問題の解決を図らなければならない問題として、公社では三十年度の計画を一応立てるに当つて、この問題がどの程度の一体年数で解決できるであろうという大体の見通し程度でも少くともお持ちになつておると思うのですが、だんだんだんだんと尻つぼみになつて行くような傾向にあるのですけれども、局舎問題に対しては一体どういう計画を持つておられる、或いは見通しを持つておられるのか、お伺いしたいと思います。

佐々木卓夫日本電信電話公社施設局次長

○説明員(佐々木卓夫君) お答えいたします。先ほど総裁からも二十九年度の実行計画についてのお話がございましたが、あのお話のように、デフレの影響並びに予算節約、こういつた関係でお話のように二十九年度に予定いたしておりました基礎工事、これは局舎が主たるものでございますが、そういうものを約二十数億後年度に繰延ばしております。それで結局当初の予定から考えますと、そういつた基礎工程が五カ年のうち三十年度、三十一年度、三十二年度と、この後半期に結局しわ寄せになつた、こういうことだろうかと思います。これに対する我々の対策といたしましては、先般内部で局舎設計方針というものを再検討いたしまして、極力実用本位の設計で行くというふうにいたしまして、局舎の建設関係を合理化する、こういつた手を用いまして、成るべく当初の計画を実施しておる、こういうことで目下取運び中でございます。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 この局舎問題は私先ほど申上げたように、将来の増設或いは改式問題等の関連性におきて考えなければならない、いわばこれは業務と施設との間におけるいろいろ十分成る計画を立てられる必要のある問題だと思うのですが、只今のお話で当面の二十九年度の局舎計画といつたようなものが五カ年計画の後年に繰延べなければならないという事態になつて来たのだという御説明で、事情は事情として一応わかるわけですが、ただ私のお伺いしたいと思いますのは、一体局舎問題はこれから新しく電電公社の下に直轄化される局舎、そういつた問題は別としても、当面どうしても解決しなければならないのだという局舎が現実に実はあるわけですから、そういつた問題について、一体どの程度の年数をかけて局舎問題を解決しようとしておられるのか。これは局舎問題という立場から見て私はお話を申上げておるのですが、事情はそれより以上に困難な事情もあるわけですけれども、つまり局舎問題を解決するのに、現在何局ぐらい局がある、その中には勿論土地を買収してあるところもあるでしようし、又局舎を新築するに当つて土地そのものをむしろこれから買収しなければならんというようないろいろなケースがあるだろうと思うのです。併しそういつたような現状と、更にそれに対する何カ年度ぐらいで局舎問題としてはぜひ一つ解決をしたいのだという、少くとも公社としてのそれこそしつかりした一つの計画というものは、当然局舎問題に対して持つておられるのが至当だと私は思うのです。その計画をぜひ一つ公社の少くとも決定版的な計画というものを一つ御提出願いたいと思うのですが、これがいざ現実に実施される間には、それこそその年々における予算計画の関連性から、結果がどうなるか必ずしも保証の限りでないと思うのですが、併し少くとも公社当局としての私は計画、まあ案ということになるでしようけれども、そういうものを一つ早急に、できるだけ早急に作つて御提出を願いたい。これは資料の要望になると思うのです。一つお願いしたいと思います。委員長のほうから一つお願いをして頂きたい。

島津忠彦自由党

○委員長(島津忠彦君) ほかにございませんか。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 町村合併は促進法でも期待されていることでありますが、これに対して明年度二百九十三億予定しておる、これは公社は政府出資を期待しておる、こういうことでございますが、この予算には政府出資四十億入れておるのです。これはどういう計算になつているのですか。

田辺正日本電信電話公社運用局長

○説明員(田辺正君) 二百九十三億は七月末現在のものを基礎にいたしました総額でございまして、三十年度はそのうちの四十億を予定しておるということであります。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 今その折衝の四十億にした計算の基礎、それが今郵政省なり大蔵省との話合いはどういうふうに進んでおりますか。これは国会としても側面からいろいろ援助する必要もあると思いますが、その間の事情を詳しく一つ。

秋草篤二日本電信電話公社経理局長

○説明員(秋草篤二君) 只今田辺局長から御説明申上げましたように、一応の総額でありまして、私どもそれを現在直ちに一年度でまあやれるということは、気の弱い話のようでありますが、考えてはおらなかつたわけであります。一応四、五十億という目鼻を立てましたが、四十億程度のものを五カ年計画の瘤としまして政府に提出し、これを要望しようという案であります。どんな程度の折衝であるかと申しますと、三十年度の予算全般について、先ずもつて郵政省、郵政監理官のほうの説明を完了いたしまして、それから大蔵省のほうの主計局或いは理財局のほらの説明を過去一カ月半に亙つて詳細完了いたしました。併しながら先ほど久保委員からの御質問もありました通り、私どもは一方直接監督官庁ではございませんが、自治庁或いは市町村協会、こういう方面にも、数回に亙つていろいろ陳情して、側面からの御協力、御援助を依頼して参つておるわけであります。これに対してまあ政府当局からも、私どもの原案に対して、どの程度の政府としての方針を査定しているか、大体作業は終りかけているのではないかと思いますが、まだその決定を聞いてはおらないのであります。やがて近いうちに何らかの内示があるんではないかと思つております。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 二百九十何億というのに対して四十億というのは、極めて私は消極的な、別に山をかけろとは申しませんが、要求額が全部とれない。町村合併のこれだけの重要な問題でありますので、二百億以上の必要があるなら、それをもう少し私は積極的に、今地方自治庁その他のお話がございましたが、いわゆる国会にももつとお話になり、与党の方面にももつと、これは是非やりたいという熱意をお示しにならなければ、今の緊縮財政でなかなかこれは割り込むことはむずかしい問題だろうと思います。そういう点において公社が非常におとなしいというか、意気地がないというか、私はどうも積極性がないように思うのです。あなた方だけで郵政省にも大蔵省にも事務的な説明はされたというように今伺つていますが、これで四十億最小限度やれるような見込みをお立てになつたのですか。若しできなければ、もつと輿論にも呼びかけ、地方自治体にももつと援護してもらう、或いは国会にも、或いは政党にも、是非これが必至だということの強い認識を持つてもらうように、もう少し肚を据えて行かなければならん。私ども今日初めてこの数字を伺つたのですが、今までこういう問題について、国会に対して一度もそういう話がないのであります。与党の政党などに対しても、そういうようなことも十分積極的な努力をしていらつしやるかどうか。こういうようなことで、あなた方が事務的の折衝だけで、どれくらい一体出資が期待できるものか。社債の問題もいつもじりじり削られてしまう。僅か四十億要求して、それすらも、事務的な説明を今されておるということで、そういうような極めて消極的な態度で、この大事な問題が解決できると思いますかどうか、総裁の御意見を伺います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 只今非常に気が小さいというお叱りを頂きまして恐縮に存じます。実はこの問題につきましては、私どもも従来の国家財政の状況から推測いたしまして、もつともつと要求して行きたいと思いましたけれども、究極、政府出資という形において大蔵省はそれを承知されるかどうかということに対して懸念をしたわけであります。これは町村合併によつて通信機関の改善をして行きますと、むしろ減収にこそなれ、決して増収にはならない。従つて公衆の利便は非常によくなりますけれども、これは公共事業の性格として、当然義務的にやらなくちやならん仕事でありまするから、これは独立採算制をやつておる公社自身として、到底予算上それを捻出することは困難である。でありまするから、先ほど経理局長からも申しました通りに、金利を払わないで済む政府が投資をすべきじやないだろうか。従来電信電話事業は政府事業ということになつておりまするけれども、今日まで政府が出資をせられた金額は百八十一億であります。而も再評価いたしますると、大体五千億に近い財産を持つておるというような事態なんでありまして、政府事業としての面目が殆んど失われておるのじやないだろうか。でありまするから、今後政府事業としてこれをやつて行くならば、当然政府が本来拡張に対しても出資をされるべきものだと我々は思いまするけれども、併し公社になりました趣旨から申しまして、かような町村合併の大きなものに限つて政府の出資をお願いするよりほかに方法がないということを考えますると、政府に今直ちに二百九十三億というような大きな予算の、たとえ半分或いは三分の一というものを要求いたしましても、根本のその方針それすらがはつきりしておらんのであるから、到底金額だけ出してみても意味をなさないのじやないだろうかという意味におきまして、気が小さかつたのですが、四十億の政府出資をして頂きたいということを申出たのであります。それと同時に先ほど運用局長からも説明がありました通り、今後町村合併の進行するに従つて、現在の二百九十三億というものが、それで足りるかどうか、もつと金額が大きくなるんじやないだろうか、そういうような場合において、先ず我々四十億政府出資というものの端緒を開いて頂きて、それによつて後年度においてそれを促進して行くという方法をとるのがいいのではないだろうかという考えの下に、四十億という金額を推定して出したわけであります。なおこの問題につきましては、只今お叱りがありましたけれども、自由党の政調会から呼出しがありまして、その際にもよく御説明しておきました。そして自由党としましても、これは非常に重要なことであるからもつと強く政府に要求すべきである。自分らも十分そのことは政府当局に申込んでおくからということでありました。その後更に衆議院の電通委員の理事の方だけに又お目にかかりまして、その際にも町村合併の問題については、極力政府を鞭達するからというお言葉を頂いて、我々非常に力強く感じておるわけでありましたけれども、町村合併の問題が国会で提議されましたときに、必然的にこれに伴うところの通信機関その他の解決をしなければ、名前だけ町村合併いたしましても、事実問題としましては非常な不利な面が伴うのでありまするから、これは電信電話事業ばかりでなく、すべてのものに対して、同時に予算的措置が行われなければならなかつたんではないだろうかというふうに考えておつたわけであります。併しその方針をはつきりしておらなかつたものですから、我々は一応四十億という金額を出したのでありまして、今後三十一年度、三十二年度において一層その金額を殖やして促進するという方法をとることを努力するつもりであります。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 大変信念が動揺しているといいますか、非常に臆病なと申しますか、もう少し私は筋の通るところはたとえ敗れても堂々と主張すべきであつて、最初がこらだつたからどうももう一つ言いにくいとか、言うてもむずかしそうだからとかいうて、私はこの緊縮財政の中にたとえ若干でも、当然要求すべき政府出資をなかなか私は獲得するのはむずかしいと思うのであります。今お話のように最初から無理があるならば、町村合併促進法のできるときに、公社として、それは御尤もでございます。それに対してはどういうふうに政府は将来なさるかということを私は強く言つておくべきであつた。ここになつてどうも独立採算の公社で、この趣旨に従えばむしろ減収になるからやりにくいと、併しこういうふうになつているから仕方がないから、甚だおそるおそる極めて僅かなものを要求して、而も今のは自由党の政調会で御説明があつたというお話がありましたが、参議院の委員会等には一向お話もございませんし、もつと私は国会としても国民を代表して、バツク・アツプして強力にやらなければ、今の状態じや、失礼ですけれども、四十億も全然とれないのじやないか。そのときになつてこれは又仕方がないといつて泣寝入りをして、一方では促進法があるんですから、合併するときにはそういうことを相当みんな希望してそれができなければ、地方民は非常に失望をする。公社何しているかということになつて来る。委員会までが甚だ無力なことになつてしまう。どうも私は最初からもう少し腰を据えて独立採算なら独立採算でいいんですが、それならこういう問題に対しては、我々は政府の出資がなければできませんぞとはつきりと、及び腰でなしに腰をきめるようにして頂きたい。そういう点において非常に私は独立採算の公社でありながら、如何にも政府に隷属したようなおそるおそるの手探りの態度だと私は思うのでありまして、これで私は少なくとも四十億でもとれるかどうか、失礼ですけれども、今のところでは非常にむずかしいと思つております。そういうときに、地方の折角町村合併促進をやつても、通信施設が一向よくならない。ますます不満の点が大きくなつてくる。私ども関係をする委員会としては非常に遺憾に思うのですが、もう少し筋を通し、腰を据えて堂々と私は要求すべきは要求して欲しいと思います。何かそれに対する御信念、御自信がおありでしたら伺つておきたいと思います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 誠に私としましては非常にこう臆病な考えであつたことは争えないのですが、どうも従来の私どもの考え方が或いは誤つているのかも知れませんけれども、予算要求のときに、とかく厖大な数字を出しまして、そうしてその結果、ただ削られてしまうというような予算を出すことは、結局従来の勧業の一つの幣である、でありますから公社になつた以上は、我々は出来るだけ実行の可能性ということを頭において予算を編成しなくちやならない、そういう意味におきまして従来の公社の予算を作つておりました関係上、この町村合併につきましても、政府としてあきれるような大きな数字を出して不可能なことを強いるというようなことは極力避けたい、併し一度出した以上は十分にそれに対して確信を持つて大蔵当局に説明をして、政府としてもそれを承認して頂くようにしようという考えでおります。でありますから今のお言葉の通りに、四十億という金は我々としましては一歩も譲らんで政府当局と折衝しようという考えでありますので、どうかその意味におきまして、当委員会におきましても、極力政府を御鞭撻頂きまして、四十億の金額を必ず政府が承認されますように御尽力頂くことをこの機会にお願い申し上げます。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 ちよつと他の話なんですが、先般一度私この委員会でお尋ねしたときに、まだ途中だからというお話だつたのですが、内閣に設置せられていろいろと昨年以来審議をされておつた臨時公共企業体合理化審議会という審議会を作つて、その中の総裁も一構成メンバーになつておられたようですが、成案を得て、ここへ答申の内容もプリントで今日頂いたんですが、内容はよく拝見しておりませんけれども、どういう狙いでもつて今こういつた審議会が直接的な目的のために設置されたのか。或いは又審議会での答申の内容で真新しい、殊に又公社当局から見ても是非こういつた問題については更に改善を必要とするのだというような主要な点についての若干の一つ御報告を兼ねての御説明を伺いたいと思います。

秋草篤二日本電信電話公社経理局長

○説明員(秋草篤二君) 私どもの、只今久保委員からの御質問の臨時公共企業体合理化審議会については、梶井総裁が委員として終始出席いたしました。私も事務を担当する幹事でございました関係から、ほんの概略でございますが、簡単なものを御説明申上げたいと思います。  この設置の趣旨については、お手許にございます冊子の一番後ろのほうに、閣議決定の要旨、それから内閣総理大臣のこの合理化審議会の原会長に宛てての諮問第一号というものがございまして、設置の理由或いは審議のやり方、目的というものが謳つてございます。併しながらこれにつきましては、極めて内容は漠としておりまして、税制改革審議会とか、或いは財産評価審議会とか、まあそうした具体的な大筋を目標にして結論を取上げて行くというような審議会と違いますので、現在運行しております公共企業体についてのあらゆる点、角度からの経営内容でも、或いは制度的の問題でもかまわずに、検討して結論を出せという要望であつたように記憶しております。約七カ月に亙りまして誠に熱心な審議会でございまして、私ども事務当局が批判するのは大変おこがましゆうございますが、稀にみる熱心な審議会であつたと私は考えるのであります。毎週一回ございましたが、一遍だけやめた週がございますが、あとは全部欠さず毎週必ず水曜日に行われており、殆ど委員の方々も欠席なく審議されまして、私ども公共企業体に身を置くものにとつては、この審議の経過というものがむしろ非常に参考にもなり、啓発されたというように感じます。  答申の結論は、お手許の冊子の一番先に出ておるような次第でございまして、これを概括的に、批判がましくなりますが申上げますと、さしてめざましいあつというような改革案というようなものはございません。併しながら現在の仕事をやる上において、いろいろな示唆を受ける点もございます。又公社側から言いますと、日頃郵政省、大蔵省、行政管理庁、会計検査院或いは国会と、いろいろな官庁なり、角度から監督を受けておりますので、こうした方々にも率直に公社の実情も知つて頂き、或いは時には公社の要望なり、公社の機能も知つて頂くという非常にいい機会であつたのではないかと思うのであります。  一番先に経営形態というような非常に大きな問題が掲げてございますが、電信電話公社につきましては、一応民営論というようなものの検討もやつてみる必要があるというので、検討が行われましたけれども、現在の公共企業体というものが一番よろしいという結論でございます。  それから三番目になりまして、経営機関は、大体経営委員会の問題について触れているようであります。その前に申上げたいことは、この三公社を通じまして、この答申書の内容を私が申上げるのは非常に変な話でございますが、国鉄、専売、電電と三公社についての批判なり、いろいろな結論というようなものは、今一番電電公社に対していいものの見方と申しますか、批判というものをしておるように受取られるのであります。これは一つ御覧になつて頂けばおわかりと思います。  これは少し話が前後いたしましたが、そこで経営委員会につきましても、電電公社につきましては、現在の経営委員会がまあ一応執行委員会……、議決機関と執行機関との間の関係が多少不明解な点があるけれども、現状のやり方もうまく行つて差支えないじやないかというようなことでございました。  それからこの問題の要点を概括的に言えば、やはり財務会計制度と人事、給与というような問題に集約できると思うのであります。たくさんの項目がございますが、やはり日子を費やしたのも財務制度の問題と労働関係、給与関係の問題に大部分の議論を集中いたしたのであります。私ども公社が最も強く要望したものは予算制度に関してでありまして、これは終始私どもは純計予算制度と申しますか、基準予算制度でない現在の予算制度は不適当であるということを強く総裁から述べて頂きました。三公社はそれぞれその主張にニユーアンスはありますが、大体において同じような主張でございましたが、各電電部会、国鉄部会、専売部会の答申には、又それぞれの強さがありまして、私どもの電電部会で四人の又委員が小部会を作りましたが、これは殆んど電電公社の基準予算制度は正しいというような結論でありました。  それからもう一つ、話が前後いたしますが、委員会のほかに臨時に経理専門委員会、労働専門委員会というものが純然たる学者、部外者から構成されまして、大いに意見を述べて頂いたのでありますが、そうした経理専門委員会におきましても、予算制度は基準予算制度を採用すべきであるというような結論でございました。ただ国鉄部会の意見は多少違つておつたようでありますが、最後的にここに出ておるこの姿は、少くとも電電公社は現在非常に企業的に行われておる、それから収支の状況も一応安定しておる、そういう点でここで企業的に伸ばしてやるために、従来の官庁予算的な性格から脱却して、基準予算制度にしたらいいじやないかという希望が比較的強く現われておるように感ぜられるのであります。細かい点では資産再評価とか減価償却とか災害準備金、退職準備金、原価計算及び益金納付、財産管理というようなもの、或いは運賃、料金決定の方針、運賃、料金決定の原則、こうしたものはかなりテクニカルな問題でありまして、特に私ども画期的な大きな問題として掲げて要望したものではないのでありますが、かなり熱心にこれも議論され、私ども日常この事務を今後取扱い、運用する場合にはかなりこれを参考にしていきたいと思つております。  それからその次に大きな問題として労働関係、給与関係、そうした問題が先ほど申しましたように、非常にたくさんの時間が費やされたのでありますが、何といつてもその中でも給与総額の問題、それから業績賞与の問題が非常に大きな問題でありました。労働委員会でもこれが議論されたのでありますが、給与総額制度につきましては、私どもは理論としては、現行給与制度を撤廃してもらいたいということを要望したのでありますが、現状からいたしまして時期尚早の感があるということに結論はなつて、暫らくこのままというようなことであります。業績賞与についても、現在の業績賞与のやり方というものについては、なかなか明快なものではない点があるのでありますので、こういう点をもう少し明快にすべきである、併し業績賞与そのものは、是非とも公共企業体においては必要であつて、これを活用すべきである、こういうことが結論であります。併しやはり予算制度と同じように、両者ともさして非常に画期的な一つの改善案という意見ではないと思つております。  それから労働関係、これは停年恩給制度、退職金の制度、それから現在の調停、仲裁の制度、それから多少労働基準法に関する問題というような点がございましたが、これも停年、恩給、退職金についてみますと、三公社のうちでそれぞれ多少の条件が違いますので、それぞれ要望する向きも違つておりましたが、まあ大体私どもが考えているような方向には行くべきであるというような結論に考えております。  資金調達も非常に長々しく欠いてございますが、要は政府も、先ずもつてこの公共企業体の本命の金は政府資金でなければならない、それから外部資金である電電債とか、そうしたものは、第二義的に考えるべきではなかろうかというようなのが論旨でございます。その間に大分公社に対する金の使い方に対する警告もございますが、或いは又国鉄の不経済線とか、いわゆる公益性と企業性との調整というものについて、随分いろいろな議論もあつたようでございますが、そこはそういう点が、資金調達という名目にはちよつとおかしいのですが、書いてございます。結論は、政府は資金の供給に対してもつと充実を図つて、政府資金というものを第一義的に考えるのが公社の姿ではなかろうかというのが趣旨でございます。  大体こんなところでございますが、公社と監督官庁とはおのずから多少の意見も違います。殊に大蔵省と私どもの意見とはかなり違う点がある、見解の相違もございますので、この間の議論はかなり活溌に行われるかと思つております。従いまして結論は、紙に書いた十数頁ございますが、私はこの七カ月の経過によりまして、いろいろ又監督官庁にも知つて頂く点があつたと思いますし、又監督官庁から私どもがいろいろ啓発を受けるという点もあつたかと思いますので、今後の仕事の運用、予算の運用、仕事の実行という点においては、かなり参考にはなつたというふうに考えております。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 この合理化審議会の答申案は、どういうように政府で取上げられるか、今後又これに対する扱い方等については、別途又郵政大臣に十分にお聞きすることにしたいと思いまして、まああまり本日直ちに御質問をいろいろ重ねることもどうかと思いますので、遠慮したいと思いますが、ただこの中で一点だけ、給与問題等について、いろいろと抽象的な文章で書かれておるようですが、大きな原則としては、給与制度の問題についても、この内容として書かれておりますことは、従来の制度を、一応給与総額というようなものの撤廃というところまでの意見にはなつておらないようなんですが、ただ併し少くとも結論として、給与総額制度を存続するとしても、十分公社制度の作られたその趣旨から考えて、給与問題については、やはりその公企体に副つたような、特殊事情というようなものを十分に勘案して、給与のいわば弾力性のある給与制度というものがつくられなくちやならんというようなことを謳つておるのですが、最後のそこのところが非常にこの答申案としては私は主眼点じやないかと思うのですが、具体的にはこれ以上のものはあまり論議としては出なかつたのかどうかですね。もし補足できるような内容でもあるのであれば、若干御説明を伺いたいと思うのですが、如何ですか。

秋草篤二日本電信電話公社経理局長

○説明員(秋草篤二君) 給与問題につきましては、細かに労働専門委員会報告というのが、頁が打つてありませんが、ここにございまして、まあ特にこのほかに補足すべきものがあるかと申されても、先ほど申しましたように、電電公社の部外では、この給与総額制度というものの撤廃を終始主張して参りました。それから労働専門委員会ではやはり理論的に考えて、現在の公企労とか、仲裁裁定とかいう線と噛み合わせての関係から、理論的に考えて給与総額制というものは不合理である、こういうような結論があつたのでありますが、これに対しては当然大蔵省、まあ監督官庁から、現実の給与政策、労働政策というような現実論が強く叫ばれまして、実際的にはなかなかむずかしい問題であるというようなことを、結局委員はくみ取られまして、十四頁にあるような結論になつたと思つております。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 まあ合理化審議会の問題は、私は更に御質問いたすことは又別の機会に譲つて、特にまあ今当面の電電公社そのものとしても重要な問題にばつておりまする例の全電通と公社とり間における給与問題をめぐつての紛争状態、特にすでに昨日あたり、調停案も出されたようですけれども、併し結果は、内容そのものはゼロ回答と言われておるような回答になつておるよりですが、この問題をめぐつて、特にやはり今日の緊急事態としては、すでにまあ公労協での第四波の実力行使ということも実施せられておるような状態であるようですが、まあこの問題に対して今日政府当局は、新聞等で伺いますると、警告を発する云々というようなことの報道を見るわけなんですが、根本的に給与問題に対する態度、こういつたような問題についての態度も表明されておらないし、まあこの問題については郵政大臣に十分にお伺いしてみたいと思うのですが、ちよつと大臣がお見えにならないので、総裁のほうにお伺いしたいと思うのですが、やはりまあ紛争状態の惹起されるということは全く好ましくないことであつて、少くとも給与問題について数カ月前から問題になつておりまする問題について、何ら実は今日まで手が打たれておらない。年の瀬も押迫つて例年のようなことが繰返されておるというようなことについては、少くとも電通委員会としても重大な関心を持つておる問題なんですが、昨日出された調停案そのものの内容に対しての公社の考え方なり、それから又この問題に対する公社の今日の態度、そういつたような問題について、総裁のほらから一応経過的な御説明を伺いたいと思います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 組合との関係については、待遇改善その他についてしばしば団体交渉をいたしました。併し組合の要望せられるようなベース・アツプ、或いは年末賞与二カ月ということになりますると、我々としましては、その財源を十分に持たないために、応ずることができないわけであります。財源につきましては、すでに先ほど申しましたように、このデフレの関係上むしろ減収状態になつておるのでありまして、到底それらの財源を今捻出することは困難でありますばかりでなく、例えば本年度におきましては三カ月、又は四カ月の経費だけしか要らないわけでありまするけれども、三十年度になりますると一年間の給与総額の増額がここに出て来るわけでありまして、従つて予算措置が十分確定しない限り、本年度だけ実行して、来年度においては更に又もとへ復するというようなことは、到底できないことでありますので、我々としましては、現在の状態においては先の見通しもまだ十分でないからして、一応組合の要望に対して応じられないということを申して来たわけであります。その結果調停委員会に出されたのでありまするが、調停委員会に対しても、我々は実情を縷々説明いたしまして、その結果は、調停委員会が今回のような回答をされたわけであります。併し我々としましては、全然組合の要望しておられることを無視しておるわけではないのでありまして、できる範囲においては少しでも是正して行きたいという意味で、現在の給与の各人に対する不均衡というものにつきましては、これを是正して行くだけの努力をして行きたいという考えでおります。併しこの不均衡もどの程度を是正し得るかということも、やはり財源に基くものでありまするから、今後これらの問題につきましては、我々は組合と更に折衝を重ね、又自分たちでも研究して善処して行きたいという考えであります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 今日の経済状態からいつてベース・アツプというようなことは許されないのだというような、今ちよつと御答弁かと思うのですが、とにかく調停案の内容を見ましても、それから調停案が出ない公社としての当初要求書を出されたときの回答というものも、ベース・アツプはこの際困難であるという極めて簡単な回答になつておるようですが、従つて組合から出された要求の内容が、金額そのまま妥当であるかどうかは別としても、要するに要求に対してはべース・アツプは行わないのだという極めて正面から要求そのものに対して否定をしたような態度を従来から堅持しておるわけなんですが、併し少くとも、私はやはり遡つて、公社のそういう態度をきめられた原因、直接原因というものは、やはり政府そのものの、何といいますか、ベース・アツプを行わないという例の人事院勧告そのものを、これを国家公務員法に基いて考えまするならば、当然出されなければならない人事院勧告そのものを出されないで、今日いわゆる遷延して、人事院そのものにとつてはまさに公務員法違反の私は怠慢だと思うのですけれども、それに軌を一にして、やはり政府の方針からいつて極めてベース・アツプを行うことは困難だからといろ、そういつた他力本願的な立場から私はベース・アツプを行うことはできないのだというような態度をとつておられるように実は考えられるのです。併しまあ、そうだとすれば非常に遺憾なことであつて、財源がないという当面の二十九年度の予算なら予算の規模の中でのベース・アツプということは、これは確かにどうも予想されておらないことですから、予算上は困難かも知れない。併し、べース・アツプを本当に全然行わなくてもいいのだというふうに少くとも判断せられることは、私はこれは非常に客観的な経済状況、物価は横ばいだといつても、その横ばいと調停案等でも言つておられるようですが、おおむね横ばい状態だというような言葉を使つておられますが、併し厳密に検討してみるならば、一年或いは一年半前の、あの昨年の仲裁裁定等に掲げられた当時の物価の状態と今日を比較してみた場合、少くとも人事院でも勧告を行わなければならない程度の物価上昇になつておるというようなことも、政府の発行しております経済指表等を検討してみても私は結論的に言えるのじやないかと思つておりますが。それから昨年の年末の仲裁裁定に掲げられた問題にしても、これが政府によつて完全に時期的に実施されなかつたというような問題もあるわけですし、そういつたような問題を考えてみると、少くとも、全然ベース・アツプを行わないのだという態度は、忌憚なく言えば、これは誠にけしからんという気持がするのですが、而も、そういつたことに対してそういう態度によつて、紛争状態の解決は私は勿論できないだろうと思うし、当面のやはり対策として考えなければならんことは、ただ予算がないというだけの問題じやなくて、予算がないとするならば、補正予算というようなことで、何とかやはり経費を捻出するというようなことも考えなければならんでしようし昨年の年末手当の際にも問題になつたことですけれども、昨年なんかの場合には、予算がないからということではなくて、他との均衡とかいう全くつまらない均衡論を持出されて、遂にべース・アツプの問題にしろ、或いは年末手当の問題にしろ、ほかへ公社としては足並みを揃えた、低いところへ足並みを揃えた結果に終つているわけですが、本年の場合、ベース・アツプという問題は真剣に私は考えておられるとするならば、これ又予算がないという単なる理由ではなくて、もう少し積極的にこういつた問題について取組む気持があつてもいいのじやないか、特に当面の第三波或いは第四波というすでに実力行使段階に入つている労務対策というか、労務管理の立場から考えても、この問題について、ただ成り行きにまかせているという程度の消極的な態度では私は相成らんと思うのです。而も今総裁の言われた、内部における若干の不均衡是正というような問題を言われておりますが、まあ、これは給与問題、特にベース・アツプ問題とは全然関係がないといつてもいい私は問題だと思うのです。少くとも、このベース・アツプそのものに対して、仮に組合側の要求が全面的に納得できないとしても、それならばそれで、公社としてはどの程度のベース・アツプを行うのが妥当か、こういう私はやはり妥協案といいますか、中間的な案というものは作られなければならんと思うのですが、頭から否定をしてしまつたような形でずつと突き進んで参つておるのですが、そういうことでは、少くとも電通事業は、先ほど来からも言われておりますように、非常に重要な拡充計画といつたようなことも着々とやつて参らなければならない実情にあるわけでして、単に従来からの施設を維持し、これを運用して行けばいいという程度の、それこそ横ばい状態にある電通事業の場合ですと、或いは若干消極的であつてもやむを得ないというか、そういつたこともあり得なるのじやないかと思うのですけれども、少くとも上昇過程にある電気通信事業の現状からするならば、給与問題等についても私はやはり真剣に従事員の生産意欲に対して応えて行くという態度がなければならんと思うのです。ところがやはりいわば月並みの、経済はほぼ横ばい状態にあるというような認識の仕方で給与問題の解決に当つて、全然ベース・アツプを行う必要がないのだというその態度は、私は公社としてあまりにも自主性のない、一般国家公務員に対する政府の態度をそのまま踏襲しておられる態度じやないかと思う。そのことは少くとも公企体に移行された電電公社の態度であつてはならんと思いますし、今の事態に対する解決策になるかならんか、一体そういつた見通しをどのように考えておられるかお伺いをしたいと思います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 私ども電信電話事業の責任者としましては、勿論これに従事しています人々の待遇については常に念頭を離れないわけであります。併し先ほど秋草経理局長から御説明いたしましたように、我々の予算の構成上、給与総額というものが限定されておるわけであります。この給与総額そのものが限定されておる限り、待遇改善というものがしかし簡単に行かないということであります。でありまするから、合理化審議会におきましても、極力給与総額というものの撤廃を希望したわけであります。又若し給与総額の撤廃が時期尚早であるというならば、これに弾力条項を是非もつと大幅に付与してもらいたい。そうして我々としましては、従来のように画一的にベース・アツプするということよりもむしろ報奨制を確立しまして、よく働く人に対してはよく報いるという方針をとらない限り、事業の改善というものが望まれないという意味におきまして、報奨制度についても強く主張したわけであります。この問題につきましては、相当合理化審議会でも考慮して頂いたのでありまするけれども、一方において先ほど御説明したようなはつきりした結論に到達することができなかつたのでありまして、現在の段階におきましては、依然としてやはり給与総額の制限もありますし、又報奨制度についても画然たる方針がきまつたわけではないのであります。そういう意味で私どもは決して単に他との均衡というようなことのみにとらわれてベース・アツプを全面的に拒否しておるという意味じやなくて、結局独立採算制をとつておりまする公社としましては、予算上並びに資金上の措置ができない限り、組合に対して確約をすることができないという束縛を受けておるわけであります。でありまするから、我々は自分の与えられた予算並びに資金の範囲内において、できるだけ不均衡を是正してみんなをよくして行こう、又将来において予算並びに資金上の許す範囲において待遇の改善をやつて行きたいという考えを持つておるのでありまして、現在の労働攻勢に対して如何なる措置がありやと言われますると、現状においては予算並びに資金の関係上、処置がないのでありまするから、我々は組合に対して公共事業の重要性をよく申し、又我々の経理状況をよく説明いたしまして了解を求めるように努力しておるわけであります。その点については、組合のほうでも我々の説明を或る程度諒としておりますけれども、併しどらも現在の組合運動というものがやや逸脱して行くような虞れがあるのでありまして、かようなことがあつては公共事業として公衆に多大の迷惑を及ぼすのではないかということを懸念しておるわけであります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 先ほどの予算の説明のところで、御説明を承わつて本年度の予算について約三十億程度の節約額が見込まれるというようなことの御説明があつたのですが、これは勿論政府が全般的にそういう節約を行うのだという、これは例年或る程度やつておられる手かも知れませんが、ともかくそういうことを本年の場合もやつておられる。私は成るほど予算総額という問題だけから考えれば、これは当然年度初頭において予算が決定せられる際に、予算総額というものが予算総額制度という形で決定せられているのでありますから、その場合の予算の積算の仕方は当時におけるベース、これを基準にしてはじき出すのですから、これはそこに何らの余分があろうはずがない。だからそういう予算総額かきめられているからということだけで私は逃げられる問題ではないと思うのです。当然従つて予算総額を殖やすという、これは手続的には補正予算というような形で補正をやられれば解決する問題なんです。ただ金をどう捻出するかという問題になれば、確かにこれはそう簡単には行かないと思うのですが、少くとも本年度の予算だけを考えても、三十億という予算節約、これも私は他の会計においてもそうですけれども、単に二十九年度の初めから予想せられた三十億ではないと思うのです。そういういわゆる水増し予算というようなものが作られているとは私考えないのですが、そうなつて参れば一割程度の予算の節約にしても、これはやはり全従業員のいろいろな創意工夫というような努力の結果でもあろうかと思うのです。従つてそういう金額は、私は少くともこういつた給与の改訂等に政府としても十分に当てられる原資だと思う。ところが先ほどの御説明を伺つていると、デフレによる減収だ、言い換えれば私は政府の全く政策、政府のやり方、こういつたようなものから出て来たいわば尻ぬぐいに三十億程度でもまだ間に合わないのだというような形で二十九年度の節約額の使用を考えておられるように承わるのですが、勿論予算総額で枠がはまつているのだという問題、これは現実問題としてまさにその通りですけれども、併し今言つたような節約を行うというような形で一つの方法が考えられるでしようし、更には明年度予算の編成において、相対的に睨み合せて解決して行く方法もあるだろうと思う。従つてベース・アツプを一銭も認めないのだということそのものは、私は当面の事態の解決には毛頭ならんと思うし、総裁が若干組合運動の逸脱的な傾向に行くような問題についても非常に重大な関心を持つているのだというような御発言がございましたけれども、組合運動の逸脱云々という問題よりも、私は労働行政の問題にしても、特にこういつた年末等における給与問題に対して、全く今の政府のやつているやり方というものは、動げば抑えるのだという一方的な対策にばかり汲々としておられる傾向が非常に強いわけです。少くとも事業の勿論能率の向上という問題、或いは又労働運動のそれこそ健全な発展を考えれば考えるほど、給与問題という問題は私は真剣に考えて行かなければならない問題だと思う。ところが一銭もベース・アツプはやらないのだという状態の下に、組合運動が若干逸脱する傾向があるのだとかなんだとか言われることは、誠に木によつて角を求めるというか、何ら問題の核心に触れた解決策ではないと思うのです。少くとも電電公社の立場から見た場合に、当面のベース・アツプという問題について、私はやはりもう少し具体的に誠意のある解決策が出されていいのじやないか。特に予算上の問題については、先ほども御説明のあつたような節約額、それから又その他の努力、こういつたようなことによつてやろうと思えばやれないことはないという印象を先ほど来の御説明を聞いておつて受けるのですが、給与総額がきまつておるからという問題は、これは技術的な問題だと思う、手続的な問題だと思うのです。そういつたようなことについて、今まで当然公社当局としても、郵政大臣なり或いは大蔵当局に直接に私は強硬にいろいろ折衝せられたのかどうか、そういつたような経緯も先ほどの節約額の問題と関連して一つお聞かせ願いたいと思うのです。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 二十九年度予算につきまして約三十億節約いたしましたというのは、これは物件費で節約したわけであります。従つて人件費、即ち給与総額のほうは全然節約をしているわけではないのであります。でありまするから、給与総額が限定されている限り、物件費を節約したからといつて直ちにそれを流用するというわけに行かない。又実際に過去において我々が増収対策といたしまして、収支の差額が予定以上に上りましたときには、これは能率向上対策として報奨制で従業員に還元するということをやつているわけです。この場合におきましても、勿論大蔵大臣並びに郵政大臣の承認を得なければならないのであります。ところが今回の場合においては、収支の差額が予定よりも減つても、殖えないという状態にありまするから、能率向上対策としまして給与総額のほうへ廻して行く資金さえもないという実情になつているわけであります。そういうわけでありますから、我々が郵政省並びに大蔵省に如何ように交渉いたしましても、現在の給与総額がきめられている限り、これ以上に出すことが実際問題として困難な実情にあるのであります。併し我々は給与総額につきましても、全然節約をしないというわけじやないのでありまして、できる限り機会あるごとに人件費の節約もしておりまするから、それによつて不均衡の是正をやつて行きたいという考えを持つているわけであります。不均衡の是正ということは、一様に皆の人がベース・アツプするという意味ではないのでありまして、今まで不幸にしてその待遇が他に比して悪い人は成るべくこの際に改革して行きたい、そうして皆が乏しい給与であつても公平にもらうように我々としてはしなければならないということを考えているわけであります。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 物件費の節約という話は、これは私もお伺いしなくても或る程度推測をいたしているわけですが、だからそれは当然予算の組替えということにもなるでありましようし、補正をやらなければできない問題ですから、単に所管大臣の承認を得るという程度のこれは問題じやないのです。ただ私は併し、総額においてそういう方面の節約もなされれば、全然その公社総予算額の枠外から予算を見つけて来なければならないという金ではないと思う。従つて少くともそういうような積極的な態度をもつて郵政大臣なり、或いは又大蔵大臣等に対して折衝せられたのかどうか、そこを実はお尋ねいたしているのです。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 積極的にと申しましても、事実独立採算制になつているものですからして、予算上並びに資金的な裏付けがない限り、如何に強く我々が折衝いたしましても実現は困難だというわけでありますので、資金的に我々は裏付けがないものですから強く折衝もいたしませんでした。

久保等日本社会党(第四控室・左)

○久保等君 今日の状態を私は何とか早急に平和的に収拾するといいますか、収める意味で、単にその推移を眺めているという状態、そういうことではまあないという今の総裁の具体的に言われていることは、給与の不均衡是正というようなことを、それこそ一つの具体的な誠意というか、努力することを御答弁として言われているわけですが、その問題の程度では、私は今日今問題になつております問題の解決策にはならないと考えるわけですが、従つて特に政府の一般的なベース・アツプ対策、労務政策という問題としては、又別の機会に大臣から十分にその点究明をしてお聞きしてみたいと思つていますけれども、併し私は公社当局としてもう少し積極的な、これは公社だけの問題としては勿論政府としてもなかなかうんとは言わないだろうとは私は推測されますけれども、併しそういつた給与総額の是正というような問題は、仮に紛争状態が起らないでも、平常においてもこれは当然取上げてやつて行かなければならん問題だと私は思います。そういう面から行きますならば、当面の解決策にはならないと思うし、もう少し十分に私は郵政大臣とも連絡をとる、というよりも、郵政大臣に対して具体策を献策ずる、又それの実現に努力するという案を持たれて然るべきだと私は考える。今いろいろと答弁をお伺いしまして、少くともそういつたような対策をお持ちになつておらないことについて非常に私は遺憾に思うのですが、併しあまりいつまでここのところで押し問答いたしたところで事態の進展にはならんと思いますが、少くとも今足元に火のついておる状態、これを解決するという立場からでも更に具体的な案を立てられることが私は非常に緊急の問題じやないかというふうに考えるわけです。従つてそういつた面についての努力をこの際一段と公社当局にも御願いいたしたいと私は思います。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 今の久保委員の質問に関連するのですけれども、これは我々電電公社法を作つた審議の経緯、それから給与総額の場合でも、国鉄とか専売公社の場合とは違つて、何といいますか、経済事情の変動とかその他予測することができない事態が起きた場合においては、国会の議決を経た範囲内において臨時に給与を支給することができる。これは他の公社に比べて給与総額においてもせめてそれだけの弾力性を設けた。それはそれとしまして我々は何故公社にしたか、従来の官業から公共企業体にしたかということは、一面においてはやはり自主独立な採算、従つてその裏においてはあくまで能率主義で行くのだ、これが根本の私の精神だつたと理解いたします。それでこうしてもう昨日で公共企業体中央調停委員会からの調停案が出されてこれを経営、労働両方において呑め、こういう今形になつておつて、労働組合のほうではすでに今日あたりから第四波の争議を始めるという状態になつて来ておる。そうなりますと、毎年、殊に年末の非常な繁忙期に電報が滞積をしていろいろな方面に支障を来たす。これは年中行事のようになつて来ておるわけです。そこで経営者としても、先ほど梶井総裁からもおつしやつたように、ないものは出せないじやないか、これは誠に妥当な答弁だと私は思う。それからもう一つは、今悪平等式のものはこれはいけない、こういう御意見も私は或る程度まで首肯ができる。併し一面において、公社になつたということは、官業化してはいかんということです。そこがやはり最後にしぼり出した表現は、給与をどうするかという問題です。今組合が要求しておるような給与べースのべース・アップということも問題でありますが、それから最低年齢者の給与の基準を定めるということについても、これは組合の要求に対する公社の見解は、どつちが悪いということは今私は言えません。ただ併し公社として考えなければならんことは、官業化してはいけない。大蔵省の制約を受けて、官公労の給与基準にこれに拘束されて行くということは、これは先ほど申上げたように、公社の本質として官業化という傾向に非常に走るのじやないかという疑いを生じて来るわけです。そこでこれは先ほど来総裁が御説明になつたように、大体来年の三月の末で四十一億の欠損だ、節約を九億緊縮が三十億大体三十九億と踏んで、この収支を何とか辻褄を合せたいという御意見でありますが、こういう事態においてこれは一歩経営者の立場から考えてみて、公社の公共企業体の事業経営としての立場から見て、悪平等式な賃金のベース・アツプはこれはできない。これは私も一つの論拠だと思うのです。併しながらやはり能率主義だ、電電公社法にも規定がありますように、職務の内容と責任によつて賃金をきめる、差等を設ける、これは私は正しいと思う。そういうことになればやはりこの給与の、経営者として組合の要求するような悪平等式のベース・アツプはできないけれども、併し部分的には業績によつて、職務の内容によつて賃金を格付けするということはこれは私は当然行わなくちやならん問題だろうと思う。  それからもう一つは、今も出た年末のボーナスの給与につきましての問題であります。これも公社から言えば、どこかでこれは業績に対する一つの賞与、ボーナス、こういう意味でやるのでありますから、この点においてはこれは赤字であるから金がないのだ、これは勿論私は一つの妥当な口実だと思うのです。もう一歩これは考えてみますと、たとえ赤字になつても一つの業績が出たら、総花式でない、そういう特定の業務上の功績によつて、それによつて非常に業務の改善をしたとか、こういう人は私はもう一つのメリツト・システムということから言えば、たとえ赤字であつてもおやりにならなくちやいかんと思うのです。こういうような点で私は、今組合の要求していることと非常な幅があるかも知れませんけれども、併しでき得る範囲でやるのだという誠意を示して頂けば、組合のやはりそういつたような気分というか気持も違つて来るのじやないか。何もないのだというのじや話にならない。そういうことが私は一つの考えらるべき問題じやないかと思う。もう一つは、名目上の賃金は殖やせない、予算によつてしぼられ、今日殊に四十億円に余る赤字であるから、給与総額の面でこれを殖やすことはできない。併しながら名目賃金は殖やすことはできないけれども、実質賃金で殖やすことができるということも、私は経営者として誠意を持つた場合は考えてやらなければならん。例えば住宅問題或いは共済組合の資金の強化、或いは恩給とか共済組合の給付を、これを統一、一元化してそうしてまあ生活の一つの保障的な安心感を与えるとか、こういつたような給与総額にかかわらない実質賃金を殖やすという努力をする余地があるかどうかということを、私は当然公社の企業形態からして、賃金の妥当性をどうするかという点において、この二つをやはり考えなくちやならない。これは黒字であつた場合も、これを他の産業、或いは公共企業体に一〇%、二〇%増して払つてみたところで、これも今日の物価政策から考えてインフレを抑えるという場合においてできない。このような場合においては、これは賃金を下げるか人を減らさなければならない。賃金を下げるというのはこれは一番いい方法でありますが、併し長い目で見て、殊に公社の経営としてそういうことがいいかどうかということは私が論ずるまでもない。論外だと思うのです。この二点について、私は今日の団体交渉の過程がうまく行かない、調停案も出て、大蔵省からも一つの制約を受けてできないということになれば、然らば今日の状態で何か労働者に、職員に納得し得るプラス・アルフア、ゼロにプラス・アルフアというものを加えるだけの努力をしなければならないのではないか。この点に関して御研究になつたことがあるのか、或いはそういうことは今日の経営委員会としては許さんというお見通しでそういうことは問題にせられないのかどうか、抽象的でよろしゆうございますから、この点に関する御見解を伺いたいと思います。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 終戦以来インフレーシヨンの増進に伴いましてベース・アツプという問題はしばしば行われたのであります。その際には、要するに物価に対して非常に給与が低過ぎる、従つてこの場合におきましては一様に、機械的に全体のベースを上げなければならないという状態になつておつたわけであります。従つて今日その給与の全体をみますると、何となくその人の勤惰、能力ということに関係なく、一様に勤務年数とか年齢ということによつて給与がきめられてしまう。然るに電電公社のような独立採算制をやつておる場合におきましては、中には非常に事業に対して貢献し、勤勉な人もおるわけであります。又中には心がけが悪くて怠けておる人もおるわけであります。従つて事業をよくして行くというためには、これらのよく働く人にはできるだけ報いて行く、怠けている人には報いて行かないというような報奨制度が十分に行われない限り、本当に人事の管理というものはうまく行かないということを我々は感じておるわけであります。そういう意味におきまして、このたび調停委員会からも勧告がありました通りに、この従来における不均衡を是正して行く、是正して行くということは、やはり資金が或る程度要るということであります。つまり現在もらつている人を一面において下げ、一面において殖やすというのですと資金が要らないのでありますが、現在もらつている人はまさか下げるわけには行きません。そうすると中でも特に成績のいい人に対しては均衡を得ていないのでありますから、その人に対しては少しでも余計上げて行くという意味におきまして、我々は全くゼロとは考えていないわけであります。  それからもう一つ、名目的に給与が上らなくても、実質的に待遇改善の途はないかというお尋ねでありますが、これは公社発足以来、我々見ておりますと、一番問題になりますのは住宅の問題であります。たとえ勤務したくても非常に家庭が不自由な状態におりましては主人が働くわけにはなかなかうまく行かない。でありますから我々はこの機会に極力経費の捻出をいたしまして、住宅問題を解決して行きたいという考えの下に、住宅に対する五カ年計画を立てました。そうして年々歳々従業員の住宅を建てて行こう、それについては独身者のためにはアパートを建てて行く、又家庭を持つている人には独立した家屋、長屋になるかも知れませんが、ちやんとした家屋を作つて行こう、但しこれ又十六万人の従業員がおるわけでありますから、全部が満足するようなわけには一挙にできない、年々歳々計画を立てて或る一定数の住宅を建設しております。これによつて家庭に潤いがあるように、又家庭の生活が安心して行けるように、従つて公社に出ましても後顧の憂いなく働けるようにして行こう、そういう方針の下に五カ年計画の中へ織込んで、一定の金額を住宅のほうへ向けておりますばかりでなく、又一方におきまして病院の管理、又リクリエーシヨンの設備その他につきましても、極力実行を進めておる次第であります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 まあ公社として当面する組織は、全電通は、これは全逓時代と今日を比べてみると、非常に何といいますか、堅実な組合になつているわけであります。大体団体交渉をする場合、これはやはり組合が無理なことを言つても通らないということは勿論知つている。それから経営者のほらが無理なことを言つても、これは組合としてはいろいろな調査をしておるし、これも通らない。で、私は一つのこれは公社として、経営者と組合との間に一つの新しい雰囲気といいますか、信頼さえあれば、こういう揣摩臆測でもつてお互いにからみ合つて、人を減らすということはなくなる。又、そらなければ真の団体交渉は成立しない。これは御承知のように、アメリカにおきましての資本主義でも極端な報奨主義をとつている。一方、共産主義国家においては、最低量のノルマを、基準を設けて、これを貫行しない場合においては正規の賃金を払わない。これは結果においてはどちらも同じものだろうと思うのです。で、公社としては、官業でもなし、又産業形式のいわゆる利益追求の一般の民間企業でもない、その中間の一つの国家の代行機関でありますから、独立採算をやはりとらなければならない。給与制度におきましても、報奨主義をとる一面において、ノルマのいい制度をとるべきじやないか。勿論職種によりましてそういう測定のむずかしい場合があるかも知れませんが、併し今日ソ連におきましては、あらゆる部門、職業において、ノルマの測定ができているわけです。そういう構想を十分一つお考えになつて、成長して来て、組合と経営者の側とが誠意を持つて、労働組合を土台とし、又諸般の事情を考えて、膝つき合えば私は或る一つの線が出るのじやないか。そこで年末になると、年中行事のように行われる争議の中でも、電力とか石炭とかの、やはり社会にとつて不利益なことも避け得られるのじやないかと思います。これは設備としては非常にいいのでありますが、少くとも最後にできた日本の厖大な公社経営、この経営の責にある人は、やはりそういつたような一つの計画を立てて行く、これは経営者に対しても、組合の側に対してもやはり私は要求すべきことだと思うのですが、こういつたような新しい一つの行き方をここで作つて行かれる、その適当な組合であり、又経営者であるというふうに考えるのでありますが、どうかこの組合の要求と経営者の考え方の食い違い、これを調整するのには、私は結局さらけ出して、何もかも秘密のない数字の上に立ち、又机上の上に議論すれば到達の線が出るのじやないか。それによつて不幸な事態が避け得るのじやないか。これはもう質問ではありませんが、そういうような線で一つ新しい公社経営の労使関係というか、経営と労働というものに対する関係の、新しいものを一つ生むだけの気魄を持つておやりになればいいのじやないか、私はそういうように一つ動向を向けて行くように努力をされんことを強くこの際要望しておきます。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 只今非常に有難いお話を伺いましたのですが、私どもとしましては、勿論資本家でもありません、従つて公社の従業員は我々皆同僚と思つております。でありますからその間に駈引もなければ包み隠しもないわけでありまして、すべてを打明けて協力を求めているわけでありますから、今のお話の通りに今後努力して行くつもりであります。

島津忠彦自由党

○委員長(島津忠彦君) 速記とめて。    〔速記中止〕

島津忠彦自由党

○委員長(島津忠彦君) 速記始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時六分散会

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