通商産業委員会 第36号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/04/27
会議録
○理事(海野三朗君) 只今より通商産業委員会を開会いたします。 初めに通商産業省関係法令の整理に関する法律案について、政府側の提案理由説明をお願いいたします。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今議題となりました通商産業省関係法令の整理に関する法律案の提案理由について御説明申上げます。 法令の整備改廃につきましては、行政事務の簡素化の一環として、かねて検討中でございましたが、結論を得たものから逐次整理改廃を行うこととし、本法律案におきましては、先ず通商産業省関係の法令のうち、すでに実効性を喪失しているもの十三件について、廃止の措置を講ずると共に、現在有効に施行されているもののうち、輸出品取締法、外国為替及び外国貿易管理法、火薬類取締法及び計量法の四法律につきまして、一部の整理又は簡素化を行うことにいたしました。 廃止法令十三件につきましては、これらの法令は、すべてすでに死文化しているもの、又は存在の意義が消滅しているものでございまして、廃止いたしましても全く支障のないものでございます。 次に輸出品取締法の改正では、聴聞会の制度を簡素化することといたしました。 外国為替及び外国貿易管理法の改正では、同法上の貴金属の範囲を金に限定すると共に、一般の立法例に倣い、不服の申立に対する決定に関する訴訟手続を、一般の行政事件訴訟の手続に委ねようとするものであります。 火薬類取締法の改正では、火薬類の輸出の届出制度を廃止することといたしました。 計量法の改正におきましては、ガス事業法の制定に伴い、ガスの熱量計に関する規定を削除し、計量証明事業者に計量器使用事業場の指定の制度を適用する等の改正を行うことといたしました。 現在有効に施行されている通商産業省関係諸法律のうち、本法律案の内容をなしておりますものは、以上の四件でございますが、すでに商品取引所法等の簡素化につきましては、別途単独の改正法律案を提案いたしており、更に今後も法令の簡素化を図るため、鋭意研究いたしたい所存でございます。 何とぞ十分御審議の上、可決せられますようお願い申上げます。
○理事(海野三朗君) 本件の審議は次回に譲りたいと思います。 —————————————
○理事(海野三朗君) 次に、MSA協定と国内産業との関係に関する件を議題といたします。MSA関係の四協定。一、日米相互防衛援助協定。二、米国農産物購入協定。三、経済的措置協定。四、投資保証協定の国会における審議も、御承知の通りいよいよ大詰めとなつて参りました。当委員会においても独自の立場において、MSA関係を取上げて問題点を究明する予定にしていたのでありますが、日程の都合により延び延びとなつて今日に至つたのであります。今日となりましては、審議時間幾ばくもなく、十分に問題点を検討することのできないのを遺憾に存じますが、問題を搾つて、MSA協定が今後の我が国産業経済に如何なる影響を与えるかという点について、政府関係当局の説明を求めると共に、これに対する質疑を進めて参りたいと存じます。これにつきまして大臣の御説明をお願いいたします。
○国務大臣(愛知揆一君) 今日、私積極的に御説明いたしまするよりも、御質問の事項につきましてお答えをするということのつもりで伺つたのでありますが、只今委員長からお話がございましたので、一応概括的な御説明を申上げ、更に御質疑に応じまして御答弁申上げることにいたしたいと思います。 MSAの協定と今後の我が国の国内の産業の関係というお話でございますが、今回の協定で、四つの協定があるわけでございます。端的に最も直接に今日の日本の経済に関連を持ちまするものは、一つはMSAの五百五十条に基きまする協定と考えるわけでございます。いわゆる農産物の購入に関する協定と経済的措置に関する協定、これが直接只今のところ日本経済に関連を持つものと考えるわけでございます。で、これにつきましては、すでにいろいろの機会におきまして、相当詳しく論議が重ねられたわけでございまするので、極く概略御説明をすることにいたしたいと思います。 先ず農産物の協定でございますが、昨年度の凶作によります食糧不足を補いまする現実の必要が我が国にあつたわけでございます。で、その現実の必要に基きまして、又且つMSA五百五十条によりまする過剰農産物の輸入につきましては、外貨を使用することなく、円貨で購入することができ、又その円貨は日本における米国の域外買付に使用せられるということに相成つておりまするし、更にそのうち二割は国内産業の増強のための贈与となるというような点におきまして、いずれも我が国にとりまして有利な点が多いと考えましたので、この二つの協定を結んだわけでございます。 それからこのMSA五百五十条の運用のために、運用のためにと申しまするか、この関係で農産物の購入に関する協定と、それから経済的措置に関する協定、この二本建に協定をしたわけでございますが、これは農産物の購入に関する協定は、いわば売買契約を内容とするものであるのに対しまして、経済的措置に関する協定は、贈与されまする分についての援助に関するものでございまするから、法律的にその性質を異にしておる。それから特に経済的措置に関する協定は、経済的な問題として国内のいろいろの関係において関係が深いわけでございますから、そういう関係で二つに分けてあるわけでありまして、特に二つのうちでも後者を中心として御説明するほうが適当かと考えるわけでございます。それからこの贈与になりまする千万ドル相当分の三十六億円と、それから全体の五千万ドルの中の千万ドルを除いた四千万ドルとの関係でございまするが、四千万ドル分は、主として日本国内におけるところの米国のいわゆる域外調達に使用されるものでありまして、併しながらこれは従来域外調達分としてアメリカ側で計画いたしておりました本年六月までの大よそ七千万ドル余りという米ドルによつて日本国内において支払われますところの、いわゆる域外調達分からは別のものであつて、いわゆるプラス・アルフアーの買付になるわけでございます。それでその四千万ドル相当分の日本国内において円貨を以て支払われまする域外調達と、それから千万ドル分は日本に対する贈与になりますから、その分は日本側が協定の文言に従いまして、基本的な点については両国が話合い、その話合いに基いた具体的な使用方法については、我が国におきまして適当と認める会社その他に対する融資というようなことに相成る恰好になるわけであります。それでその千万ドル分の使い方について更に具体的な点はどうなるかと申しますると、実はこの点につきましてはまだ細かい点につきまして十分の打合せが米国側ともできておりませんし、又日本政府部内におきましても、実は最終的に政府部内としての意見が一致しておるということも言えない段階でございまするので、的確にその内容について御説明することはまだできないのでありますが、併し基本的な点につきましては次のようにきめておるわけでございます。で、これは現在予算委員会におきまして御審議を願つておりまする経済援助資金特別会計というものを設置いたしたいということが第一点でございます。その特別会計の歳入として三十六億円の贈与されまする円貨を組み、又歳出としてその三十六億円並びにこれの運用に伴なつてできるであろうところの若干の利子の収入というようなものを以て歳入にいたしておるわけでございます。で、この千万ドル相当分の円貨の運用の対象でございますが、これはやはりMSA援助の一環でありまするから、主として航空機、武器、火薬、艦艇等の防衛産業を考えておりまするが、防衛産業と申しましても、広い意味から考えてその関連産業というような面まで着目すべきものであると考えておるわけでございます。なお、我が国の防衛産業の育成上、真に試作研究を行う必要が生じました場合のこれに対する資金供給の方法につきましても、目下関係各省の間で検討中であるわけでございます。それからこれらの必要な向きに対しての供給の方法でございますが、原則としては開発銀行を通しまして、開発銀行の融資によつてこの実行をいたすことになるはずでございます。而して開発銀行からの融資の方法をとりますのでありますが、その場合はこれらの融資の対象になるところの企業が、いわゆる自己調進やその他いわゆる民間資金の調達を以てしては資金調達が困難な分についてこの資金を利用することが適当かと考えておる次第でございます。大体先ほど申しましたように、MSA全体と申しますと非常に大きな問題でございますが、特に国内産業につきまして直接に関連があると思われまする部分につきまして一応搾りまして、その点について極く概略御説明申上げた次第でございますが、先ほど申上げましたように、御質問に応じまして更に詳細にお答えすることにいたしたいと存じます。
○理事(海野三朗君) 只今の説明について御質疑がございましたら……。
○石原幹市郎君 只今大臣からいろいろお話があつたわけでありまするが、特にMSA関係の経済援助関係等の問題についてこの機会に一、二伺つておきたいと思います。一千万ドルの小麦資金でありまするが、これはどういう産業に、又どういう額が投資されることになるのでありまするか、そこらのことが、私少し遅れて参りましたので、すでに御説明が若干あつたのかも知れませんが、もう少し具体的にお話を願いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) この三十六億円の詳細な使途につきましてはまだ決定を見ておらないわけでございまして、この点は詳細に御説明することができないのが非常に遺憾でございますが、大体の考え方を申上げたいと存ずるのであります。それは先ほど申上げましたように、MSAの協定のその一部としてこの三十六億円の問題ができておりますのでありますから、協定文から申しますれば一般の工業力の増強ということにも勿論使い得るのでございますが、この経緯から申しまして、一応いわゆる防衛産業というものが中心に考えられると思うのであります。そこで防衛産業のどういう面に使われるかと申しますと、防衛産業を大きく分けて見ますると、大体武器の関係、それから火薬の関係、艦船関係、航空機関係、大体大きく分けますと四つになると思います。更に武器関係のうちで、重砲弾とその他とでも、分ければ更に細かくなるかと思うのであります。その中でこの三十六億円をどういうふうに割振るかと申しますと、私どもの考え方といたしましては、昭和二十九年度中にすでに成立いたしました昭和二十九年度の本予算におきまして、先ず保安庁が国内で発注を予想されるというようなこの関係のものが相当ございますが、二十九年度において保安庁が日本国内において発注すること確実であると認められるもの、これが一つ。いま一つは、JPA、又アメリカ側が域外発注等といたしまして、やはり今後一年間くらいの間において注発することが確実と認められるもの、この二つの発注確実と認められるものを消化し得るだけの設備を補強いたしておきたいということを先ず第一に考えて見ておるわけでございますが、ところがさような考え方をとりました場合に、先ほど挙げました四つの種類のもののうちで相当事情が違うのであります。即ち、先ず武器の関係で申しますると、銃砲弾関係は、従来におきましても域外発注約七千三百万ドル程度はすでにこなしておるのでありまして、一部口径の違う銃弾等について、今後発注を予想されるものについて或る程度の設備資金が必要かと考えられるわけでございます。それから火薬の関係につきましては、無煙火薬とそれから砲弾装填、信管組立という関係で、今後発注を予想されるものについて或る程度の設備を拡充新設しなければならないというふうに考えられるわけであります。それからいま一つは、艦艇の関係でありますが、これも申すまでもなく今日本の造船力がむしろ遊んでおるのでありまして、例えば軽量で出力の高いジーゼルの関係で或る程度の設備を拡充しなければならない、それからノン・マグネテイツクの構造のジーゼルについて、やはり同様或る程度の設備を拡充しなければならんようでございますが、総体として見ますると、そう大したものではないように考えられるわけでございます。以上、武器、火薬、艦艇につきましては、それぞれ大体武器関係におきまして約六億円余り、火薬関係につきまして五億円余り、艦艇関係につきまして二億余り、大体十四、五億円の設備資金がございますれば、今予想されるところの発注は全部一応こなし得るだけの整備ができるように考えるわけであります。一番大きなものは航空機の関係でございますが、航空機の関係につきましては、これは或いは保安庁当局からお聞きとり願つたほうが正確であると思いますが、大体常識的に申上げますると、一年度間に国内の訓練用の航空機、プロペラの練習用航空機が数十機という程度のところがこれはまあ発注確実と申しますか、当然国内で作らなければならんものだと思いますが、それ以上になりますると、いわゆるジエツト等についての研究、試作というようなもの、これはあえて軍用だけではございませんが、民間航空その他の関係におきましても、どのくらい整備しておいたらいいだろうかということが一つ問題になるわけであります。この関係は金額的に申しますると相当大きなものになるのではなかろうかと思います。それから航空機の関係におきましても、若し国内の練習用プロペラ飛行機以上に或る程度のものを装備しなければならないといたしますと、その機体の関係とか、原動機の関係とか、或いは修理でありますとか、附属品でありますとか、そういうものについては相当多額の設備資金が要るわけでございます。従つて主として航空機関係等についてどういうふうにその辺のところを整理をし、整備をするかということ等につきまして、先ほど来お断わりいたしておりますように、まだ十分な計画というものができておりませんわけでございます。 大体以上申しましたことで一応このいわゆる防衛産業関係の必要とする資金を計算して見まして、そのうちで従来もそうでございましたが、例えば開発銀行は勿論でありますが、市中金融機関からもコンマーシヤル・ベースで融資を受けているものも相当ございます。今後におきましてもそれは可能であると思います。そういうものを差引いて足らないと思われるものをこの三十六億円の中から調達をして行く、そうして更にそのほかにいわゆる関連工業とか、基礎的な関係において必要とするいわゆる平和的な利用の面も相当殖えると思いますが、割振りができるのではなかろうか、大体こういうふうに考えておるわけでございます。
○石原幹市郎君 ちよつと関連工業というようなことのお話にも触れられたのでありまするが、今挙げられた武器、火薬、艦船、航空機、こういう一連の防衛産業等でありまするが、その基幹をなして重要な地位を占めまする通信機械工業であるとか、或いは車両その他いろいろあると思うのでありまするが、こういう業体に対しましては今回のMSA協定はどういう影響を持つかといいますると、これらの関連産業、一環産業に対しても相当なやはり施策を確立して行かなければならないと思うのでありまするけれども、そういう面につきましてもう少しお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申上げました通り、私どもの考え方といたしまして、これはいささか余談に亘つて恐縮でございますが、この防衛関係の産業につきまして、財界の一部等におきましては相当大規模な将来を見越しての計画を持つておる向きもあるのでありますが、現在の政府としての立場におきましては、そういう考え方はとらずに、取りあえず二十九年度中におきまして、日本自体において、或いは外国から域外発注を受けること確実と思われるものをこなす程度のものにとどめたい。それから特に域外発注その他につきましては、仮に域外発注が将来なくなつた場合においても、国内的にこれを維持することが適当であるという程度のものに考えて見たいというふうに考えておりまするので、一般的に計画を拡げて、その全部に総花的にこの三十六億円を割振ろうという考え方はとつていないわけでございます。 ところで只今の御質問でございますが、現在の状態を見ましても、通信機械でございますとか、そのほかの、大分けに四つに分けて申しましたが、直接これらに関連するものとしてどうしても準備をしなければならないものもあるようでございます。これは当然この計画の中に織込むべきであると考えます。それからそれ以外の部分につきましては、日本自体の経済自立や、或いは輸出工業やその他の面を総覧いたしまして、基礎的にこの際拡充することを適当であると思うものがあり、且つ、これに対して資金の割振りの余裕がありまする場合には、当然それらについても資金の配当を考えて然るべきものである、大体こういうふうに考えておるわけであります。
○石原幹市郎君 まあこの小麦資金の関係の一千万ドル、それから四千万ドル近い域外調達の問題がありまするが、更に仄聞するところによると、そのほかに六千万ドル前後くらいの域外調達といいまするか、そういうようなことも考えられておるやにも聞くのでありまするが、只今までの説明で、そう防衛産業の確立の面について大規模にということは考えられないというお話でありますが、これだけのものを消化して行くということを考えまする際に、一千万ドル、三十六億円でありまするが、これだけの金では如何にも少額に過ぎるように考えられるのでありまして、不足分の金融の途はどういうように講ぜられるつもりであるのか。先ほどいろいろ金融機関その他からの何を得て、足りないところをこれでやつて行くんだという意味のお話もありましたが、一億ドル近いものの発注があるという、調達があるというふうに考えて行きます際には、この一千万ドル程度のこの金で、いろいろな産業の受注能力を確立して行くという点が、若干疑問のようにも思えるのでありますが、この点、大丈夫なんでしようか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申上げましたつもりでありますが、昭和二十七年の四月頃から、このいわゆる防衛産業が開始されたのでありますが、それから約一年ちよつと、で二十八年の六月ぐらいまでの間に七千三百万ドル程度のいわゆる武器関係の域外発注を受けておるのであります。で、これは主として銃砲弾がその中心でございましたが、大体その程度の注文でございまするならば、勿論その価格その他に相当の問題がございますが、生産の能力といたしましては、銃砲弾関係等は今後七千数百万ドルと今予想されておりますが、ここ数カ月の間に出るであろう注文だけは、十分こなして行くというだけの設備は実はあるのであります。それからその関係で、例えば過去一カ年間にどれだけの金融が国内的になされておるかと申しますと、やはり砲弾関係の武器の関係では、今申しました程度の設備の修理その他に五千万円が開発銀行から融資されておる。この程度で、非常に僅かなものでございます。それから火薬の関係で申しますると、過去一カ年間に開銀から融資をされました額が四億円程度のものでございます。従つて、この三十六億円というものは、見方によりますると非常に少いようでございますが、半面先ほど申しましたように、今後一年間で発注が確実であると予想されている程度のものを搾つて見ます場合に、それに必要な設備資金という観点から見ます場合には、必ずしもこれは少くないのでありまして、先ほど申しましたように、他の金融機関からも受けることができるであろうところの資金の額など、それを更に考え併せまするならば、資金的には或る程度の余裕ができるのでありまして、その余裕の分を私どもの希望から言えば、例えばジエツト・エンジンの試作とか、研究とか、或いは先ほど御指摘がありましたような関連の産業、或いは精密機械類の試作、研究とかいつたような方面にも、若干これを配当し得るのではなかろうかというように考えておるわけでございます。
○石原幹市郎君 そこで実は先日、米国における可燃性織物の適用除外を通産委員会で議決いたしまして、アメリカの大使館に委員長以下我々数名のもので行つたのでありますが、そのとき、向うの商務官その他の係官のものの話によりまして、非常に大騒ぎしておるけれども、金額的に見ると、年間七百万ドルから八百万ドルの問題であるが、実は先般も日本に、たしか武器関係だと思うのでありますが、六百万ドルか七百万ドルかの注文をしておるのに、それができなくて流れてしまつた。一方こういうものがどんどんあるのに、僅か八百万ドル、九百万ドルの問題で大騒ぎしておるのはおかしいじやないか。これは問題の本質は違いますけれども、金額的に見た場合にそういうことも考えられる。その一例として、折角大きな注文が出ているのに、その注文を流してしまうじやないかと、こういうことはよほど日本としても考えて行くべき問題じやないかということを商務官その他が、委員長以下我々に相当厳しく話があつたのであります。そういうような事例が頻々としてあるのかどうか。又あるとすれば、如何なる原因からそういうことは起つているのかどうか、おわかりの範囲で、一つお話願いたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今のお話が、具体的にアメリカの商務官がどのケースを指しているのか、私、只今わかりませんけれども、先ほどもちよつと申しましたように、これは設備が足りない、或いは機械が足りないということよりも、実は私はむしろ価格の問題じやないかと思います。或いは又予想される検査その他の関係から、或いは商談が破棄されたと申しますか、商談が成立たなかつたんじやないかと思うのであります。これはいわゆる出血受注と申しますか、そういうことはもう原則的に、原則的にと申しますか、こちらとしては困ることであつて、適正な経理によつて経理をし、生産をしたものは、それから割出されたところの価格で買つてもらうわけでございますが、相当実は率直に申しますと、無理な価格を要請されたり、或いは非常に手厳しい製品に対しての検査があるというようなことで、結局それが企業としての非常な負担になりまするようなことが予想される場合において、業界のほうでこれを見送るということもあるようでございまして、そういう関係ではなかろうかと思うのでありまして、問題はそれにしても非常に重大な問題だと思いますが、この設備の不足という点から来ているものは、私は比較的少いか、殆んどないのではなかろうかと考えているわけでございます。
○石原幹市郎君 私も具体的に、どの会社に対するどういう問題であるということは聞かなかつたので、まあこれ以上のことはわからないのでありますが、今大臣が言われたようなことであるとしても、そういう問題はやはり今後にも残るというか、十分想像し得る、あり得る問題ではないかと思うのでありますが、まあそういう問題に対してどういうふうに対処するか、どういう考えを持つておられるかという、まあ非常に答えを求めることもむずかしいことかも知れませんが、今後相当大きな注文があることも予想されるのでありますから、一層そういう問題の影響が大きくなつて来るのじやないかと思うのであります、こういう問題に対して、如何に対処する考え、方針を持つておるかというようなことについて、重ねてお伺しておきたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 本来この防衛産業といいますか、軍需産業、兵器産業ということになりますと、本来の意味においてのさような産業においては、政府が相当の助成措置を講じなければ、私は無理だと思うのであります。即ち例えば融資に際して特に条件を緩和することであるとか、或いは場合によれば補助金を出すとかいうことまで考えなければならん性質の問題だと思うのであります。併し私どもは、現在のところさような意味の、本来の意味における兵器産業というようなものは、まだ考える段階でもございませんし、私どもはそこまで考えておりません。そこで現在の外国から来るところの域外発注については、やはり一種の輸出産業と同じように考えるべきではないかと思うのでありまして、例えばこの三十六億円の資金を、開発銀行を通じて融資をいたします場合に、どれくらいの例えば金利で、条件で貸すかというような場合に、相当の程度に配意することは可能でもあるし、これをしなければならないと思いますが、その程度以上のことは考えられないのではなかろうか。従つてこれは見方がいろいろございましようけれども、少くとも話合いの問題であつて、発注者が納得をしてくれるような程度の価格がきまり、又それに対して、受注者がこれで出血をしないで或る程度の利潤を儲けて売ることができるというふうに、このほうも納得をする価格で商談が成立することを期待し、又政府がその間にあつていろいろと斡旋をするということは、できるだけのことをしなければならんと思いますが、それ以上に私は、仮に今後の仏印とか、その他の方面の戦火が拡大するというようなことがあるとしても、あんまり現在発注があろうからといつて、無理をして、いわゆる防衛生産の規模を特に不均衡に拡大するというようなことになりますると、国内の経済の経済単位としても如何かと思いますし、将来におきまして非常にこれは困つたことにもならうかと思うのでありまして、そういう点を十分考えて行かなければならない。私はむしろそういう点において、防衛産業というものについては、私は今日のところ消極的だと言われるような態度がこの際必要ではないかと、私はそういうふうに考えているのでございます。 それからなお、いわゆる防衛産業等については、濫立をしたり、競合をしたり、不必要に拡大して過剰設備になつたりすることは、そういう意味から特に厳重に配意しなければならないと思つているのでありまして、すでに武器のほうの関係では拠るべき法律も作つて頂いておりますし、又政府として諮問いたしまする審議会もできております。只今航空機については、まだそこまで行つておりませんので、当委員会でも現在御審議を願つておりまする、航空機製造事業法の一部改正というものを法律として作つて頂いて、いわゆる許可主義、認可主義というようなことを是非やらして頂きたいと、こういうふうに考えておりますのも、そういつたような考え方の現われであるつもりでございます。
○石原幹市郎君 只今のそういう、出血受注と言いましたか、こういうふうなことから、いろいろ問題が一面起るということも十分考えられることであります。こういう面に対しまして、日本の業界がむしろ競争し過ぎて、不当な値段で引受けて、みずからが値段を下げているというような傾向、これは前々からも非常によく言われておる、やかましく論じられていることでありますが、こういう問題に対して、何でございますか、武器等製造法、或いはその他のものに基いて、通産当局として業界を指摘するというか、或いは監督する、制限する、こういうことは今の建前ではできるようになつているのでありましたか、どうでありますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 大体今の武器製造法、それから今度御審議を願つておりまする航空機製造事業法によりまして大体今のようなことはできるつもりでございます。 それからなお、そのほかに、行政的な問題として、例えば日本の現在の防衛生産につきましては、旧軍工廠の設備というようなものが相当大きな要素になるわけでございまするが、これにつきましては、行政上の問題でございますが、必要な閣議決定等をいたしておりまするし、又その活用方法につきましても、払下というようなことは原則的にとらずに、貸下、臨時貸与の方式によるというようなことにいたしている等、法律を用いざるものにおきましても、行政上相当の統制的措置と申しますか、表現は悪いかも知れませんが、これができるようになつているつもりでございますが、若し現状を以てしても足りない場合には、更に一段と進んだことも必要かと考えている次第でございます。
○石原幹市郎君 それから今後この造船、艦船関係の産業の非常に問題が関係をして行くわけでありますが、只今現状におきまして、この造船業界が非常な停頓をしておりまして、極端に言えば、この年末には活用される船台が五、六台くらいになるのではないかというようなことまで言われて……、今の状況において行けばなるのじやないかというようなことまで言われているようでありますが、今後こういう、それに関連してのその下請関係の中小企業は殆んど壊滅というか、火の消えたようにまあなつている。併し今後こういう防衛産業に関連してのいろいろの受注が起つて来るとすれば、今そういう下請関係、そういう業体が非常に壊滅して四散するというようなことでもどうかと思われるのでありまして、この造船関係、その他の下請中小企業に対して、現在どういう措置をされているか、手を打つておられるか。簡単でよろしうございますから……。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ず第十次造船計画につきましては、御承知のようないろいろな事件が起つておりますることが、何と申しましてももう決定的な一つの原因になりまして、非常に遷延いたしておりますことは誠に遺憾に存じております。 それから船台のお話でございますが、実は今年中くらいじやなくて、差迫つてもはや船台が皆がら空きになるというようなことすら予想されるような次第でございますので、先般来運輸省を中心にいたしまして、非常に速急に手当をしなければならないということで、代案を立てておりまして、第十次造船計画全体について、或いは十七万総トンと言い、或いはそれを少し下廻つてもという全体の計画がございますが、これは私どもが非常にこの点を推進しておるつもりでございますが、取りあえず数社で数万トンだけでもいいから、とにかく融資のできることを片端から取上げて、急場を凌いで措置して行かなければならないというような考え方によりまして、措置の手を進めておる次第でございます。それから同時にそれと並行いたしまして、昭和三十年度以降、第十一次造船計画以降においては、到底現在までのような方式だけではやつて行けないのではなかろうか。即ち開銀と市中銀行との協調融資だけでは到底やつて行けないのではなかろうか。ただ今日の段階におきましても、造船が国策として第一級に位する重要性のあるものであるとするならば、例えば海事金融についての特殊の制度というものを作る必要がある。それに対する政府のはつきりした態度を打出すことによつて、逆に当面しておる第十一次造船計画についても、そこまでへの移り変りの一つの段階として解決ができるし、又そういうふうに持つて行かなければならないというふうなことで、先般来関係閣僚の懇談会等も進めておるようなわけでございまして、海事金融公庫という制度を果してよしとするか、或いはそれに代る具体的な速かにできる案があるか、そのいずれが結論として出るかわかりませんが、これ又早急に結論を出すことに相成つておりまして、只今むしろ運輸省の案を、大蔵省においてその適否を検討しておるような段階にあるわけでございます。 それから次にこの防衛関係の艦船の問題でございますが、これは御承知のように普通の貨客船とか、或いはタンカー等と違いまして、非常にこれは設計が複雑なものであるようでございます。又内部の艤装いたしまする装置等につきましても、非常にこみ入つたものであるらしいのでありまして、これも常に国会におきましてしばしば御非難を頂いておるのでありますが、保安庁の艦船の発注計画が遅れるということも、実はそういうところに大きな原因があるわけでございまして、現在この造船界の悲境を打開するために、私どももせめてこの予算で御承認を願つて、保安庁の艦船の発注だけでも、具体的にどんどん進めようといたしておるのでありますが、その設計等の関係で、予期通りに早くは行つておりませんが、このほうも、併せて日本の造船界の沈滞を防ぎまする副作用をも期して、このほうもできるだけ早く具体的な注文が出せるようにいたしたいということで、保安庁その他関係の方面におきましても、十分に努力をいたしておるようでございます。
○石原幹市郎君 もう一点聞いておりました、関連しておる中小企業、下請、その他関連の中小企業に対しては、何か当面手を打つておられますか、どうか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは、実は造船の関係におきましては、その大もとが只今申しましたようなわけで、新規の発注が止つておりますので、その新規の発注分に関連した措置というものは実はできておりません。併し従来のこのいわゆる一般の下請企業に対する関係において、支払が遅延したり、或いはその他のいろいろのルートから下請が止つており、且つ打開し得るものにつきましては、他の一般の例に倣いまして、例えば公正取引委員会を通じて、その措置その他については、措置をいたしておることは当然でございます。ただ、今申しましたように、これは結局根本のほうを早く打開しなければなりませんので、関連する企業は勿論のこと、従事しておりまする労働者諸君の問題としても、非常に大きな社会問題になりつつあるのでありまして、この点は私ども非常に心配をいたしまして、一日も早く基本の、さつき申しましたような点が打開されること、これを何よりも先に取上げてもらわなければならないと考えておるわけであります。
○石原幹市郎君 私も大臣の最後に言われたことは、一つのこれは大きな社会問題で、一つの社会不安をも醸成しつつあるというような情勢であると考えられまするので、この点は一つ十分よく……、ひとり通産省だけの問題ではありませんが、運輸省、或いは労働省その他とよく連携されて、万全の対策措置を講じておいてもらいたいと思います。これと同じような趣旨というか、立場にある、先般もこの委員会で武器関係の日平の下請関係のいろいろの実情調査が行われたのでありますが、これらもやはり今後相当の受注があるとすれば、折角ここまで来ておる一つの武器製造会社でありまするので、これが壊滅するということも、将来の防衛産業として一つの問題であるし、又下請関係の、延いてはそれらの関連する広範囲の社会問題等も起きると思うのであります。これらの問題についても万遺憾ない一つ対策を講じて頂きたいということを希望いたしまして、私の質問を終ります。
○理事(海野三朗君) ちよつとそれに関連いたしまして私からお伺いいたします。防衛産業第一主義的な立場は私はとらないところでありますけれども、立場の相違は暫らく別の問題といたしまして、防衛産業が成立つためには、その基盤を成す基礎産業が確立していなければならないと思うのであります。然るに現在この石炭なり、鉄鋼なりという基礎産業は、頗る深刻な危機に見舞われております。これらの産業はそのまま放任しておいて、いわゆるその上部のほうの構造たる防衛産業が果して確立し得るものと考えられるでありましようか。この政府の石炭対策については、当委員会におきまして、この前も縷々西田委員から述べられたところでありますが、抽象的にはしばしば大臣の意見が述べられておりまするけれども、この際この石炭とか、鉄鋼対策についての御意見、これが確立しておりませんければ、この防衛産業の問題の根底ができなくちや駄目じやないか、現在の鉄鋼業の有様を考えると、誠に申せば風前の燈火のような感じがするのであります。この点に対して大臣の御所見を承わりたいと存じます。
○国務大臣(愛知揆一君) この点は全く御尤もでございまして、そういうお考えと私は同じ考えでありまするからこそ、防衛産業、防衛産業といつて一部のかたが言われるのに対しまして、私は基礎のほうがより大事なのであつて、当面の防衛産業については、先ほどから縷々申上げておりますように、買手がはつきりしておる、而もそれが過剰設備にならないように、それから特需にいたしましても、将来ぽつんとなくなつたらそれつきりになりそうなものに血道を上げることは、私は今日とるべき策でないということを、私は基本的に考えておるつもりでございます。従いまして、財界の一部の方面からは、防衛産業に対して、政府が全く熱意がないといつて御批判を頂いておるような感じがするわけであります。 それから鉄鋼につきましては、いわゆる合理化対策、その他細かく具体的に考えておりますが、場合によりましては政府委員から御説明いたします。
○政府委員(徳永久次君) 鉄鋼界が本年度になりまして相当苦しい立場になつておることは御承知の通りであります。併し戦後になりまして基本的に歩んでおりまする線というのは、そう方針を間違つておるとは私ども思わないのであります。と申しまするのは、戦後におきまして、一つの日本の基礎産業としての実力を備えるだけのいろいろな努力が行われたわけであります。第一の点といたしましては、原料面の対策として安定した原料ソースというものを如何にして獲得するかという点につきまして、鉄鉱石、石炭両面に亘りまして、或る程度の成果を挙げておるわけであります。ただ大陸と遮断されました関係から、戦前よりもやや不利な条件になつておるということもございまするので、それは経済問題以上の要素もありまして、目下の環境の中で止むを得ない事情ということもあるわけであります。さような制約の許す範囲内におきましては、最大限の努力を続け、又今後も続けつつあるということは言えると思います。 それから更に合理化の問題にいたしましても、設備の近代化に、むしろ日本の他の産業部門に比べましてこれまでは大胆に手をつけたというふうにも見てよろしいのではないかと思うわけです。と申しますのは、過去両三年来におきまして千百億程度の設備近代化のための投資をいたしておるわけであります。ただ全体的に見渡して見ました場合に、まだ日本の鉄鋼業の基本的な設備であつて、旧式過ぎる設備というものも残されておりますが、そういうものの更新というものも当然考えて然るべきだと思いますが、それは量的に考えますとそう大きなものは残つていない。まあその程度の、あと残り若干のものが改設されまするならば国際的に見ましても決して見劣りのする設備ではないということになるのではないかというふうに考えておるわけでありまして、現に戦後原料市場もよくなつた点もございますけれども製鉄から製鋼、圧延に至りまする各種の技術的な工率と申しますか、というものを見てみました場合に戦前に比べまして格段の進歩を遂げておりまして、国際的に見ました場合に優るとも劣らないだけの実力を挙げておる、それが何よりも結論的に示した設備の合理化或いは技術導入等による国際的に一本立ちのできる産業としての戦後の企業家側の努力であり、又政府もできるだけの援助をした結論であるというふうに考えるわけでありますが、ただ本年度になりまして相当苦しいのじやないかと言われておりますことは只今まで到達しておりまする生産レベルというもの、この全体のスケールというものを考えて見ました場合に、日本の産業の基礎産業として十分なだけの、差当り数年分を考えて見ましても、だけの能力というものを備え、且つその実生産を挙げておるということになつておると思うのでありますが、本年度の見通されまする国内の一般的な経済状況から見まして基礎資材でありまする鉄鋼といえどもその一般的な消費減退傾向というものの影響を免れ得ない点もございまするし、又半面におきまして、輸出面におきましても国際的な過剰生産の気味になつておりますることから来る国際競争の激化という環境の中に立向つて行かなければならないというふうな悩みを持つておるわけであります。併しながらこの今到達しておりまする生産レベルというものはそう軽々に引下げることは望ましいとも我々は今考えないわけでございまして、と申しますのは産業の性格からいたしまして一つの装置産業的な性格を持つておりまするがために生産規模の縮小ということが同時にコスト高の原因を招来もいたしますし、又産業が原料の大部分というものを輸入に仰いでおりますというようなことから 〔理事海野三朗君退席、委員長着席〕 日本の経済自身の国際収支バランスという点からも鉄鋼業に対する点もありまするし、又日本の将来の東南亜市場等の将来の需要の分ぐらいは日本が賄えるだけのレベル、能力というものを持つておることも必要と考えておりまするし、いろんな点から考えまして余り縮小規模になることは望ましくないということから、私ども内需は或る程度減退するとしても輸出には極力馬力をかけてがんばつてもらいたいということを鉄鋼業界に要求いたしておるわけであります。先ほど申しましたように国際競争も非常に激化いたしておりまするけれども、基本的に日本の鉄鋼業の競争条件というものはそうよそから見劣りしておるわけでもありませんので、日本がつらくて悩んでおる際にはよその国もつらくて悩んでおるのでありまするので、日本の悩みイコール諸外国の、競争各国の悩みでもあるわけでありまするし、いわばがんばるだけがんばつたものが勝つというようなことになるということも考えられるわけでありまして、さような意味から現状が非常に苦しいということも万々承知もいたしておりまするけれども、この危機というものを何とか克服してもらいたいということを企業者側にお願いをし、又企業者側としても日本の経済全般の中における鉄鋼業の地位と責任というものを十分自覚しながら渾身の努力を払つているというのが現在の状況でございます。苦しいと言いながら本質的にそう見劣りしているものでもない、又過去の努力がそう間違つているとも考えませんし、今後苦しい際の悩みから更に一層の将来の発展の条件というものも変つて来るのじやないかというようなことも考えているわけであります。我々格別の、いわゆる開銀資金の援助とか、補助金とか、そういう形の援助の面についていろいろなことをしてはいないということはあると思いますが、方向としても間違つてもいないし、企業者側としても、できるだけの努力はするというふうに考えている次第でございます。
○海野三朗君 この当面の困つている問題といたしまして、鉄鋼業に対する金融の問題はどういうふうに解決されるつもりでありますか。この点をお伺いいたしたいと思います。金融の問題です。
○政府委員(徳永久次君) この点は、実は私ども目下問題が金融の問題でありまするので暫らく様子を見ているというのが現在の態度でございます。と申しますのは、デフレ政策の一つの手段としまして、輸入金融が自動的に金の流れる式になつておつた、従来の制度であります別口外貨というものが廃止になつたのであります。別口を廃止したということと、必要な輸入資金を見ないということとは問題は違うのでありまして、鉄鋼業の原料輸入に必要とする金というものは当然見られて然るべき金融であるというふうに私ども考えているわけであります。併しながら、又日銀もさような意味で別口は廃止しても何とかなるべきものはなるであろうというのでやつておられるというふうに私ども承知いたしているわけであります。ただ現実の問題といたしましてその切替えが急激でありましたがために、そのための金融が市中金融の中にうまく溶け込まないので、大口であつたため溶け込まないで、溶け込む過程の悩みを現在しつつあるというのが現状であると思うわけであります。その悩みを経て極力最大限に市中金融の中に押込まれることが即ちデフレ政策の効果を発揮するゆえんともなるわけでありまして、今まで別口の融通措置を受けておりました企業が経営的に問題がある、或いは不良資産があるとか、過剰な滞貨を抱えておるとか、先があやしいとか、そういう不安から金が付かないということであるわけではないのでありまして、そういう面については十分の信頼なり安心なりというものは持たれてはおりながら、ただ一時的な問題といたしまして、金額等が大き過ぎた、又急にその影響が来たということから金融界全般の問題としてもたもたしておるということでございまして、早晩ほどほどのところに解決されるものと私どもは期待もいたしておりまするし、又金融界の関係者はそれだけの十分の聰明さというものはお持合せがあるものと実は思つているわけであります。業界としまして実情を率直に金融機関に訴えながら、金融機関側の善処を期待しておるというのが現状でございます。私ども将来の需要の見方等につきまして金融機関側からの或る種の質問もあれば、いつでも答えるつもりで勉強もいたしておりますけれども、まだ現状はいろいろな妥当な結論を得るその生みの悩みの過程であるというふうに私どもは了解いたしておるわけであります。
○海野三朗君 今現存は御承知のように八幡、富士は、まあ国策に副うてできた会社でありますが、市中銀行から相当の金を今集めておるのでありまして、そうして支払なんぞもあの大会社が遅延しつつあるんであります。それで今産業が、ここに若し一頓挫を来たすようなことがあれば、これは大きな問題であると思うのでありますが、その金融関係につきまして大臣の一つ御決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 金融の問題につきましては前にも申上げたと思いますが、私はこの際の時期におきましていわゆるデフレ的な金融の引締政策をとるということは、私はどうしても必要なことでもあるし、適当なことだとも考えております。ただこれがその方法がよろしきを得ないために、事志と違うような予想せざる事態を引起すようなことは避けなければならないことは申上げるまでもございませんが、これは口で幾ら申上げましても、結局何といいますか、本当のこれはお座なりなことになると思うのでありまして、私はむしろ実際上の適時適切な措置を常にとり得るような態勢にして参りますことが最も適当なことではなかろうかと思うのであります。申上げますと、これはどうしても抽象的になるのでありますが、今お話のような、例えば八幡、富士に相当の不払とか、或いは遅延とかがあれば、これはこれとして常に私どもも注視はしておりますが、そのようなことが相当顕著であるような場合におきましては、これに対して措置するのが当然でございますが、まだそんなに大したことではないんじやなかろうか。私どもも常時注視しておりますが、さように見ておりますが、御承知のように私どもとしては、常に日銀は勿論でございますが、特にこういうときでございますから、金融機関との間の連繋、情報の交換ということについては、特に通産省は本省、地方を通じてできるだけ今一生懸命に連繋を取つておるような次第でございますので、口で言えば適時適切にとか、或いは根本の方針としてやろうとすることが却つて角を矯めようとして牛自体を殺すようなことを防ぐことに全力を挙げるということを申上げるだけのことになるのでございますが、十分御心配のようなことが起らないようにこの上とも注意して参りたいと思います。
○小松正雄君 私はこの際二、三点大臣にお伺いしたいと思つておりますが、さつき石原委員の御質問の中に大臣の御所見に将来防衛関係の産業に対しては国が相当な援助をしなくちやならないときが来るであろう、こういう言葉がありましたが、そういうことになりますと私は、本年度MSAによつて受入れられる三十六億乃至五十億以上の援助資金がある、この援助資金を兵器産業のみに融通される予定であるというようなことをおつしやられたのでございますが、さように考えていいのでございますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ず第一点でございますが、私はさつき申しましたのは、日本がこれからそういうことをやるということを予想して申上げたのではございませんで、まあ何といいますか、教科書的な意味におきましてそもそも兵器産業はという意味で申上げたつもりでございます。只今近い将来において日本が兵器生産に対して、本腰を入れる。そうしてそれには助成なり保護なりを加えなければならん、こういう意味で申上げたものでは全然ございません。従つて今回の三十六億円の配分についてもMSAの一環として出て参つたというこの経緯から申しまして、又域外調達をこの段階においてはアメリカがやりたいと思つているものが十分こなしたいという配意からいわゆる防衛産業に相当部分が配当されることは適当であるけれども、それ以上にいわゆる防衛産業というものに対して保護とか、助成ということを考えてはおりません。むしろ濫立や過剰設備を防ぐために法律や審議会の運用によつて着実な適正なる規模なり、或いは小規模内において働いて行けるようにしたいという、こういう気持で申上げた次第でございます。
○小松正雄君 この兵器産業に関して今後そういつたことによつて国が援助しようという考え方を持つておらないが、今日のこのMSAによる援助資金というものは当然兵器産業に入れるものであるというふうに御答弁があつたようですが、考えまするが、そういたしまするとこのMSA援助というものがいつまで続くかというようなことについての見通しを伺いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は当然この三十六億円が防衛産業というふうには考えておらないのでございまして、そのことはさつきも申上げましたようにMSAとして出て来たものであるからということが一つと、それからいま一つは域外調達が円、ドル合せて一億ドル相当額が今日期待されておりますが、差当りのところ、併しそれにしても武器弾薬、火薬、航空機、船舶というようなものにそれぞれ相当のやはりこれを消化するためには設備資金が必要である、これらのものの発注を充足することは、即ち日本の今日における経済自立上貢献するところが偉大であると思いますから、そのようになりましたものの相当部分はその設備資金に入れることが適当であると考えるということを申上げたつもりでございます。 それからMSAがいつまで続くかということでございますが、これは私はそう簡単にいつまで続きますと思いますと申上げることは、却つて誠実でないと思います。これについては、私は確たる、何年続くかというようなことは申上げることはできないとお答えしたほうが適当かと思います。併しながら、MSAと申しましても、いろいろのことが考えられますが、私は将来の見込として、日本の自衛力の増強ということに先ず限定して考えて見まするならば、恐らくMSAの援助それ自体はいわゆるエンド・アイテムによる援助であろうと思いますから、完成兵器の援助であろうと思いますから、それだけをとつて見れば、これは当然日本の財政なり経済なりが負担すべきものをしないで済むという意味はございましようが、日本経済自立に対する積極的な経済的な意味というものはむしろ乏しいのではないかと考えます。従つて、これからの経済自立を計画いたしまする場合には、私はやはり本年度において考えておるような考え方というものが私は正しいのではなかろうか。即ち、徒らに防衛産業というようなものを非常に大きな計画をすると、経済単位としてもこれは維持ができない、更に維持しようとすれば、日本の国内外において戦争が起ることを前提にしたり、それを期待をしなければキープ・アツプできないというような計画は私は絶対に避くべきものだ、こういうふうに考えております。
○小松正雄君 大臣はこのMSA援助というものがいつまで続くかわからないということについては見通しは言えない。第二に、この援助資金というものは当然防衛に関連するこういつた兵器産業にやることのほうがよかろう、そして又これによつて防衛力に関連して増強させよう、こういうふうにお考えになられておるものの、若しこれが援助がないということになつた場合には、国の施策として防備力増強の一環である兵器の製造というものに中心を置いておられる今日の吉田内閣が、そういつた援助資金がないようになつたらこれを捨てるという考え方であるのかどうか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ずこれも又お断りしなければならんと思うのでありますが、私がいわゆる狭義のMSA援助というものは、将来或る場合におきましても、これはエンド・アイテム即ち軍事上の完成兵器の援助ということを申上げたのであります。その次は、言葉が足りなかつたと思いますが、いわゆる経済的措置に関する協定というようなものは、これは例えばアメリカにおきまして農産物が過剰である限りにおいては、むしろアメリカが日本に対して買つてくれということを今後においても言うでございましよう。その際過剰農産物の代価に相当するものの使用方法については、これは日本側におきましても十分にこれからの交渉の対象の問題であります。その際今回の三十六億円に相当するようなものは、或いは日本の農業開発に使い、或いは住宅の建設に使い、或いは教育方面にも使うというようなことは他国にも例があることでありますから、私は日本の立場においては、さような意味のMSAの一環ではございますが、過剰農産物の売上代金等の使用については、今後の問題として日本側といたしましても十分平和的な利用の方面を考え且つこれを交渉の議題に上せるということは当然これは日本的な願望でなければならない、こういうふうに考えるわけであります。 それから第三に、只今お尋ねになりましたが、将来の防衛産業を広い意味では否定をしながら、今日の三十六億円の使途は、防衛産業に主として考えるのは矛盾ではないかという趣旨のお尋ねがございましたが、私はさつきからくどく申上げておりまするように、特需を受入れる、域外調達を受入れて日本でドルを稼ぐ、そのドルを稼げることが確実であるが、設備のほうで若干足りないということが目前の問題であるならば、その設備に対してこの三十六億円の資金の一部を割くということは私は当然考えてよろしいことだと思います。同時に、この三十六億円の使い方については、それ自体が、特需がなくなつた場合、域外調達がなくなつたような場合に死んでしまうようなものであつてはならないのでありまして、その点は、特需の受入れ方、それからこの三十六億円の金の使途の場合に、十分にこれは将来過剰にならないように、或いは域外調達がなくなつた場合にでも、この程度のものは日本の国内の平和的な、或いは防衛の必要から言つて、最小限度このくらいは必要であろうと見られるものに限定すべきである、私はこう考えておるのでありまして、決して将来の構想との間に矛盾はないと考えます。
○小松正雄君 有体に申しますと、援助資金があろうとなかろうと、防衛関係であるその防衛産業というものに対しては、あらゆる施策を講じて政府としては永久にこの産業の発達というか、継続のできるように進めて行くという考えがあろうかと思いまするのは、先ず御説明のありました中でも、初めて今年受入れられるこのMSAによつて、防衛関係の産業に対する一つの現われである研究費、或いは研究をするということがありましたので、第一年度からこれらの兵器を作るための研究をするという立場から考えましても、相当なる御決心を以てこの防御兵器産業に関しては規制をするというお考えがあろうと思いますが、この点どうですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 研究試作という関係におきましては、私どもはこれはまあ余談になつて恐縮でございますが、あたかも自衛力の漸増について、御承知のように、現政府は二十九年度の自衛力増強の計画だけしか持つていないのであります。あたかもそれと同じように、防衛産業についてもその程度に照応するだけのこじんまりしたものしか予想いたしておりません。それから将来の体制といたしましても、こじんまりした自衛力を培養するに足るだけの防衛生産というものを予想すべきである。その場合に、最も効率的で合理的な防衛の研究ということは私は必要だろうと思うのでありますが、特にそのうちでも航空関係のジエツト・エンジンの研究、試作というようなことは、これはあながち兵器としての航空機だけの問題では私はないと思うのであります。現在民間航空にジエツト機が用いられておることはまだ少いのでございますが、すでに軍関係の軍用機については、もはやプロペラの飛行機は時代遅れであるとさえ断定されておるくらいでありまして、近い将来に航空関係は恐らくジエツトにすべてが転換するのではなかろうか、或いは現在のジエツトでさえ時代遅れだと言われるくらいでございまして、こういう面におきましては、あたかも原子力の平和的な利用ということをこの際国を挙げて考えなければならないということと同じような意味におきまして、これらの研究や試作というものにはたまたまお金のある場合、そのお金の一部を割いて研究に充てるということは私は今日の日本の立場としてむしろ当然ではないか、こういうふうに考えます。
○小松正雄君 援助資金の支出についてでありますが、発注をする関係省の大臣が思うままにこの金を特別会計とは言いながら使つていいということであるか。もう一つは、このMSA援助資金の中の何ほどが通産大臣として支出の上に権利といいますか、特権的な金額がどのくらいになるかということをお伺いしたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほども御説明いたしましたように、この三十六億円は援助資金特別会計の資金として計上され、設定されたものでありますから、通産大臣としては自由になる金は一文もございません。いわんやこの金の使途は先ほど申しましたように、開発銀行を通じて原則としてコンマーシヤル・ベースの融資によることが最も適当であると考えておりまするから、政府の計画としてこういうものについてこれだけというあたかも開発銀行の融資計画につきまして閣議決定を以て産業別の大枠を決定するのと同じような方式をとりますから、その意味において閣議の決定の一因子としての通産省の立場というものが考えられると、こいうふうに考えております。
○豊田雅孝君 途中から出ましたので或いは重複するかと思いますか、その点は一つ御容赦を願つておきたいと思いますが、三十六億円の使途の問題、いろいろ今までに質疑があつたようでありますが、これが今後援助が継続するか否か、要するにその資金がどの程度の額に上つているか否かによつて、これの有効使用の途が変つて来るだろうと思うのでありまして、そういう面について来年は少くとも一カ年間は援助があるだろうと思いますが、更に今後何カ年ぐらいは援助がほぼ確実であるという見通しができるかどうか、そういう点と、更に第二点といたしましては、防衛産業に対しまして融資形式で使用させるというお話のようでありますが、これが航空機、或いは艦艇等の兵器産業のみに限定せられるのか、或いは関連産業にまで及ぶのか、関連産業に及ぶといたしますると、その及ぶ基準はどういうふうに考えておられるか。 第三点といたしましては、アメリカ側の了承を必要とするものと、或いは筋としては必要でないということかも知れんのでありますが、すでに仄聞するところによりますと、アメリカ大使館に日参しておるというような噂も伝わつておるようでありますので、そのアメリカ側の了承を必要とするか否かについて形式的並びに実質的な点を伺いたいと思います。時間の関係がありましようから、以上三点一括いたしまして伺いたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 第二点は先ほどから縷々御説明申しておりますので、簡単に申上げることにいたしまして、第一点と第三点を中心にお答えいたしたいと思います。 今後の問題でございますが、これも先ほど来申しておりまするように、私一個の推測ではございますけれども、MSAといつて独自のいわゆる経済援助的なものは現在のアメリカの動向から申しまして多くを期待することはできないと思います。軍事援助としてはいわゆるエンド・アイテムの制度というものが行われるのでございましよう。そうして経済関係の問題としては恐らく過剰農産物の関係においての援助ということが今後も続くだろうと思います。すでに今年一月の、御承知のアイゼンハウアー大統領の教書にもございますように、今後三年間に約十億ドルの過剰農産物によつて対外援助をする。しかすれば三等分すれば三億三千万ドルが今年に考えられておるのでありましようし、そのうち幾らを日本に期待できるかということは今後の問題であると思います。ただ私はこの場合におきましても非常に注意しなければならんと思いますのは、こうした趣旨の農産物による援助というものは、日本の場合におきましても多きが故に尊きものではないと思うのでありまして、むしろ場合によりましては或る程度オツフアーがあつても条件によつては相当考えなければならんのではないかと思います。これは御承知のことでありますからくどくは申上げませんけれども、例えば今までのやり方で言えば他の国から正常のルートによつて買つたものを切つて、この過剰農産物を買うことはできない建前でございます。それから利点としてはドルを使わないで円で買えるということが利益ではございますが、その代り金が贈与になる分がどのくらいの分量になるか。又その代り金の円貨で以て日本国内の域外発注にアメリカでもドルの支払というものがそれだけ少くなるということであれば非常に日本としては不利であるということを考えなければならない。又綿花などが仮に買えるといたしましても、その綿花を使つて製造した製品にいろいろの条件をつけられるということがあつてもこれも日本にとつては不利だと思います。従いまして今後のそうした種類の援助につきましては十分に日本の立場というものをはつきり打出して、よい話に持つて行くようにしなければならないというふうに考えるわけでございます。 それから第三点の米国の了承を必要とするかしないか。これは協定に掲げてある通りでございまして、両国の話合いに基いてこの三十六億円の使用方法を決定しなければならんわけでございますが、この話合いは協定の文字通りでございまして、大きな点だけで形式的には十分なものであるというふうに考えております。 それから実質的にはどうかというお話であり、現にアメリカと非公式に話合いをしているのではないかというお話でございますが、これは実は形式的な法理論は別といたしまして、先ほど来私が力説しておりますようなこの三十六億円の使途を考える場合には、アメリカのほうがJPAその他でどれだけのものをどういう会社に発注をするか、価格はどういう程度で発注をするか、これをはつきりつかんで、そうしてそれを消化するために日本の国内の設備がどれだけ足りないということに対して、この三十六億円を使うのが最も私は合理的なやり方であろうと考えます。従つて私どもは三十六億円の使途を考える先ず第一の前提は、彼らが何をいつ如何なる価格でどこの会社に発注をするのであろうかということをはつきりつきとめたい。そうしてそれを現有の設備その他と比較勘考いたしまして、足らざるところに三十六億円の一部を配当する、こういうことが最も合理的であると思いまするが故に十分にこれはアメリカ側との相談が私は必要であると考えておるのであります。 その関係においてこの第二点の御質疑に関連いたしますが、兵器を中心とするとか、関連産業が主かというお話でございますが、私は先ほど来申しておりまするように、保安庁の発注が確実であるものについて足らざるものの設備資金をこれで充当したい。足らざるものというのは市中金融や開発銀行で普通の今まで計画されておつたものの範囲内で行けるものはそれで行つてもらいたいのでありますが、足らざるものはこの三十六億円の一部を使つてもらいたい。それで今申しましたように米国との関係においてどうしても必要とする設備資金をこれで調達したい。そうしてできるならばそれに更にプラスをいたしまして、航空関係などの試作とか研究とかいうものの費用をこれに充てたい。それから更に若しできますならば通信機械でありますとかその他の附属品でありますとかいうような関連産業のことも考えたい。順位としては大体こういうふうな順位で考えて参りたいと思います。そうして私どもが単なる試算でございますが、そうやつて試算をして参りますと、欲しいと思う金が四十数億になるのでございますが、通計いたしますと、それを三十六億円に更にどこかを削つて圧縮することができれば一番合理的な使途になるのではないか、こういうことで考えておるのでありまして、それらの細かい点、特に研究や試作や或いは、特にジエツト機の試作というようなことにこの金を廻すということになると、コンマーシヤル・ベースの開銀の投資、融資だけでは困るのでありまして、場合によつて出資その他の使い方をしなければならんのではないかと思いますし、これは協定上、それから特別会計法上はそういつた使途は可能なのでありますけれども、そういうことが適当かどうかという点について実は大蔵省その他の方面とまだ最終的に話がきまつておらないわけであります。その話がきまつてないということはさつき申しましたように、米国側との事務的な話合いも一方において十分固めなければならないというような点からこの最終決定が遅れておりますことは私としても遺憾と考えておる次第でございます。
○豊田雅孝君 今の御説明に関連いたしまして今後このMSA援助をめぐつて計画的な発注、それから計画的な融資、そういう面での総合計画と申しますか、そういうものをお考えになつておるでありましようか。若しお考えになつておるようでありますと、これを具体的な機関としてはどういうものにそれをやらせるかという点を一点伺いたいと思います。 第二点としましては航空機、具体的に申しますと、ジエツト・エンジンの関連産業といたしまして、例えばチタンには及ぶ、併しながら特殊鋼については及ばないというようなことがあろうかと思うのでありますが、若しそうだとしますと、チタンを融資対象に取上げ、特殊鋼についてはその対象にはしない、これは基準としてはどういう点に目安を置かれてさように考えられるのか。これは一例でありますが、この例から全体的に見てどの程度のものは融資対象にする、どの程度のものは融資対象にしない、関連産業の中でもそこにおのずから別があるだろうと思うのでありますが、これの具体的基準というようなものを明らかにしてもらえたらと思うのでございます。
○国務大臣(愛知揆一君) 第一のお尋ねでございますが、これはやはり実態がはつきりすることが第一であつて、これは私の私見でございますが、徒らにこの程度の、実は防衛産業というようなもののために機構いじりなどは私は如何かと思つて、第二義的なものだと考えておるのでありまして、その実態は、通産省が一番適当でありますから、通産省が中心になつて実態的な計画をやり、これを保安庁なり、経済審議庁なり、或いは大蔵省なり、運輸省なり、それらと緊密な連繋の上に計画を積み上げて参りたいと考えております。将来問題として何か特殊な計画、機関というようなことも或いは考えられるわけでございましようが、私は飽くまでも実態のほうが先である。それからこれも私見で恐縮でありますが、今私は日本で防衛産業というものは余りに騒がれ過ぎているのじやないか。先般予算委員会で率直に申しましたが、いい意味でも悪い意味でも余りに防衛産業というものが大きく騒がれ過ぎている。試みに過去における資金計画、特に設備資金の実績などを御覧頂きましてもわかりますが、極めて微々たるものであります。過去においてはいわゆる旧軍工廠等の活用によつて砲弾が中心であつた関係もありますが、極めて僅かな金によつて相当大きな特需などを調達しておつたのでありまして、そういう点も考えて見まして、財界の一部等で期待かあるようでありますが、大きな機構を作つて、大きな将来に対する防衛産業の大計画を作ろうというようなことについては、私は個人的にはにわかに賛成できないという態度を従来もとつて参りましたし、今後もとつて参るつもりであります。 それから関連産業の範囲と定義でございますが、実はこれは私どもは私どもなりにいろいろな研究案を持つているのでありますが、一口に申しますと、例えばジエツトの試作等について仮に出資が許されるといたしますると、それだけに十億乃至十二億の金が欲しいわけであります。そういう大きな金が入るか入らないかによりまして関連産業のどこで切るかということが非常に変つて参りますのでありますが、ただざつと考えまして、そのジエツトを除きましても只今お話の特殊鋼等までに至りますることは金額が何しろ三十六億円でございますからちよつと困難ではなかろうかというふうに考えております。
○豊田雅孝君 これは具体的な基準というようなものを設定せられて、それによつて融資対象をおきめになるというところまでは行つておらんのでありましようか。
○国務大臣(愛知揆一君) その点は先ほど来申上げておりますので、或いはそれなら抽象的とおつしやるかも知れませんが、そこの具体的基準はくどいようでございますが、先ず第一に保安庁は従来は空砲と申します例の発火演習でございますとか、それなどに消耗される空砲関係の発注を国内でやつているだけで、あとは全部武器は貸与を受けておりまして、それらにしても空砲関係で約一億円の発注を国内にやつておりましたが、二十九年度予算以降におきましては、例えば練習用プロペラ飛行機を初めといたしまして、相当部分が国内で発注されることとなりまして、艦船でも勿論でございます。そういう保安庁が二十九年度予算で御承認を得ておつて、而も日本国内で発注するものが確定しているそれが第一、第二にJPAその他先ほど申しておりますように、今頻りとアメリカ側と具体的に打合せをしておりますが、何をいつまでにどの価格で日本に発注するかといういわゆる域外調達の関係が第二、この二つの発注の見込確実なものを消化しなければならない設備で足りないものをこの三十六億円の中から設備資金として充当する、これが基準の第一でございます。それで一体どのくらいになるかと申しますと、場合によりますと、三十六億の相当額までがそれに行くことになるかと思います。それに充当した残りのものについて先ほど申しておりまするジエツトの問題がその次にある、このジエツトの問題の細工如何によりましてその他の関連産業に及び得る範囲が或る程度広くなる、こういうことでありますので、具体的基準としては今申しましたようなものを持つているわけでございます。
○委員長(中川以良君) それではお諮りいたしますが、通産大臣は三時半よりお約束がございますので、今までおとめしておつたのでありますが、本日は大臣に対する質疑はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) それでは次にお諮りいたしますが、只今地方行政委員会におきまして審議をいたしております地方財政法に対しまして電気料金の問題に関連いたしまして当委員会においていろいろ審議いたしました結果、地方行政委員会に修正の申入をいたしたいと存ずるのであります。本問題につきましては御承知のごとく当委員会においては数次に亘つていろいろ審査いたし、且つ又先日は連合委員会を開会いたしまして、各委員より熱心なる御質疑を頂いたのであります。これに基いて検討いたしましてもどうしても当委員会といたしましては今後電気事業は公益事業といたしまして、その運営が健全に参り、且つ事業者側に対しまして公益事業としての立場から十分なるその効果を発揮いたし、各産業その他民生の安定に資しまするためにもこの際地方税の今回提出されました政府原案に対しまして修正を加えたいと存ずるのであります。そこで本日午前中に先般御質疑を賜わり、又御質疑を予定しておられました各委員のかたの御参集を願いまして、懇談会をいたし、大体修正の点を取りまとめたのでございます。そこで修正の点をお諮りをいたしまする前に、先に一言申上げたいことは、当委員会が電気料金の問題に対しましても飽くまで厳正なる立場の下に飽くまで公正にこれを検討いたして参りましたので、今回地方税の修正をいたしますることは、ただ単に我々は電力会社の便を図る意味において研究いたすのではないのでありまして、本日も懇談会の席上各委員からもこの点が御指摘があつたのでありまするが、委員長といたしましても全くその通りでございまして、電力会社のいわゆる経営の合理化、更に技術の向上、いろいろな贅費の節約等幾多指摘をいたしまするべき点が数々あるのであります。今日も特に天田委員からも御指摘がございまして、某電力会社におきましては従来の営業所を支所に昇格をしてたくさんの支所を作つて非常な無駄な経費を使つており、現場におけるところの一般需要者にサービスをいたす従業員の数は充実をしていないと、こういう点にも非常に電力会社の経営に対し疑義がある。殊に首脳部の公益事業といたしての立場からの決意というものに対して、非常に我々は疑わざるを得ないというような御指摘があつたのであります。こういう点は全くその通りでございまして、先ずこの修正案を皆様方に御了解を頂きまする前に公益事業局長より電力料金の原価計算並びに会社の運営の種々の点における監督等につきまして、当委員会が常に申しておりまするように、今後とも厳重にそして誤りなくおやりになる御決意がおありかどうか、この点に対する当局といたしましてのお立場を先ず明らかにして頂きたいと存じます。
○政府委員(中島征帆君) 只今電力会社の経営の内容、或いは監督官庁といたしましてのそれに対する監査、或いは原価の査定等につきまして、当局として厳格なる態度を以て臨むかどうかというふうな御趣旨のお話でございましたが、甚だ只今までの経過におきまして、或いは電力会社の自体におきましても経営上いろいろ批判さるべき点もあつたかと存じます、又我々の監督の至らざる点もありましたかと思いますが、今後におきましても、勿論従来におきましても同様であります。けれども、今後は一層こういう点につきましては更に厳重に監督いたしまして、只今の御注意の点につきましては万全を期したいと思つております。具体的に申上げますと、先般電力会社におきまして料金の改訂の申請をいたしました前後におきまして、当局としてもその前後において種々注意をいたした点もございますが、会社自体におきましてもあのような申請をいたしましたことに関連いたしましてみずからもかなり反省を加え、又その後の経営方針につきましては種々改善を加えて努力いたしておるわけでございます。又我々のほうといたしましても、提出されました原価計算の内容につきましては爾来極めて慎重に且つ厳密な計算をいたしまして査定案を作成いたしておるわけでありますが、まだ結論までは到達いたしておりませんけれども、この過程におきましては特にあらゆる点から検討いたしまして、会社案につきましては極めて厳密にこれを研究をいたしまして、その結果において、如何なる角度から見ても公正妥当だという線が出るような目標を以て努力いたしておるわけであります。なお先ほど一つの例としまして某社の支社の問題が出ましたが、この点、恐らくこれは東京電力のことだと思うのでありますが、東京電力におきまして最近地方の機構を改革いたしまして、従来支社、営業所、出張所、こういうふうな三段階のありましたものを支社とそれから出張所、この二段階にいたしましてサービスの改善を図るというふうなことをいたしております。その結果は未だ十分批判するところまで来ておりませんけれども、会社の狙つております趣旨は従来出張所から営業所を通じて支社に来る、それから支社から事案の内容によつては本社まで来るというふうな段階になつておりましたのを、サービスを迅速に且つ的確にいたしますために、支社本位にするということを原則といたしまして、支社にかなりな陣容を集中いたし、且つサービス・カーその他のいわゆる機動的な設備もそこへ設けまして、営業所を廃止いたしまして、その下に各出張所等を直結するという、それによつて需用家から比較的手近な出張所その他に対しましての申出等が直ちに支社に反映して、支社からそれに対応する処置が迅速にできる、こういうことを狙つていたしたわけでございます。で、その際に人員の点に関しましては従来からある人員をそのままこれを増加することなく支社或いは出張所に再配備したいという考えでございまして、その機構改革によつて特別に経費を増す、或いは人員が増加するというようなことはないのでありまして、こういうふうなことを、説明を一応聞いております。その成果如何は今後又実績を十分見ました上で我々としても検討しなければならんと思つておりますが、それやこれやで今後会社の経営のやり方につきましても更に一層十分なる監督を加えまして、又我々としても従来の監督の不十分であつた点は更に一層自省をいたしまして今後電力会社の経営の合理化或いはその無駄の排除ということにつきましては需用家一般の御迷惑にならんようにできるだけの努力を払いたいと思つている次第でございます。
○委員長(中川以良君) 只今の御答弁によりまして私ども了承し得るのでありますが、併しこの問題は飽くまで一つ政府当局も真剣に而も厳格に一つ対処されまして誤りないようにして頂きたいと思います。 当委員会といたしましては、会社のこういつた合理化、あらゆる無駄の排除等によりまする電力料金の値上げに対しまする抑制が少しでも余計できるような、又一方他面政府が施策を以ちまして税制の面に対する特別な考慮を払つて、そうして電力料金に対する値上げに響く点を少くしようという両方面を真剣に考えているのでございますから、その点も十分当委員会の立場をよく了承を頂きまして監督官庁としての十分なる今後の責務を全うせられんことを特にこの機会にお願いを申上げる次第でございます。 なおこの電力会社の経営の問題その他原価計算の問題等につきましては、いずれ改めて又委員より御質疑があると存じますのでその際に又御答弁をお願いいたしたいと存じます。 そこで委員の皆様にお諮りいたしまするが、地方行政委員会に申入れまする修正案につきましてはお手許に印刷物を以て差上げておりまする修正案要綱において御承知を願いたいと存じます。 先ず第一点は固定資産税の税率の特例を設けようとするものでございます。これは従来の現行法によりますると、標準税率が一・六%になつておりますものが今回の改正案では一・五%になつておりまして、而も二%までの幅を認めているのであり、二%までは許可なくして二%まで持つて行く幅を認めており、更に許可を得るならば二・五%までは上げられることになつております。これが若し濫用されまするときには政府が当初予期しておつたような税の値下げにならずして値上げになるのでございます。これはお手許に差上げてありまするところの参考資料によつても明らかにされております。そこで固定資産税を〇・七%ということにはつきり規定をしようとするものでございます。 それから次は電気ガス税につきまして、従来は百分の十を取つておりました。私どもは電気ガス税というものは、どうも税の公平なる考え方から申しますると、電気ガス税が一部の産業には免除をされて、或る多数の産業にはこれがかけられるというところに大きな矛盾があるのでございまして、電気ガス税というものは、むしろ我々今後日本の産業の立場から考えまするときに、又民生の本当の公正なる安定という立場から考えましても、電気ガス税のごときものは、当然これはなくすべきであるということが論じられるのでありまして、先般この委員会においても、いろいろと御論議をされたところであります。そこで、この電気ガス税につきましては、更に地域差の問題に関連をいたしまして、本日の懇談会でお話があつたのでございますが、地域差の、いわゆる北陸、中国等を比べるときには、この税は電気料金を基準としてかけられるために非常に不公正である、むしろ、この電気ガス税をかけるといたしましても、標準電力料金というものをきめて、それにかけて行くべきじやないか。全国一律にすべきだという議論であります。これが本当に公正じやないかという議論も本日出たのでございまして、これは全くその通りでございます。この点は今日直ちに修正に持つて参りまするときには、その算出法その他に非常に困難を極めるのでございまして、先ずこの際は、電気ガス税は将来全廃するという目途の下に、百分の十を百分の五と一応いたして置こうということの議がまとまつた次第であります。この点は、まあ皆様に御承認を頂きまするこの際において、特に公益事業局長から、この電気ガス税の矛盾について、当委員会で考えておることに対しまする一つ御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(中島征帆君) 只今の委員長からお話がありました点、私どももその通りだと思うのであります。現在におきましては、地域差がついたそのままの形で、高い地域におきましては、それだけ絶対数としては高い電気税を支払つて行かなければならない。こういうことになつておりまして、その点に関しましては、まあ地域差で、地域差が仮に不公平であるとすれば、更にその不公平を助長しているという関係もございまして、その面におきましては適当でない、このように考える次第であります。ただ負担する側のものから考えまして、仮に一定の金額で電気税をきめました場合におきましては、電力料金を支払うその全体の額如何にかかわらず、使用しました電力量に応じまして、一定の電気税を支払う。つまり支払う電力料が非常に高くとも少くとも一定の量を、キロワツト・アワーを使つた限りにおいてはそれに応じました電気税を支払うということになりまして、一面においてはそのほうがなお不公平じやないかという意見も出て来る余地もおります。つまり税というものは支払能力に応ずるものであるということであるとするならば、電気代というものに対する、総額に対する何%というふうにかけるのがその趣意においては合致するのだと、こういう趣旨から言いますと、現在のやり方が一応妥当だという意見も出て来るわけでありますが、もともと地域差そのものが問題になつております今日におきましては、その点につきましては又議論があろうかと思います。その点を仮に修正いたしますとすれば、いろいろな方法があるかと存じますが、只今御指摘の、お話のように、一定の標準の電力料金を電気税に関してのみ定めまして、それに対する率を定めるという方法も一つの方法でありましようし、又今後改訂によりまして、どういうふうな地域差になりますか、これは開いて見ないとわかりませんですが、全国九地区が、若干の差異がありましても、このグループによつて二つ、三つ、或いは四つぐらいのグループに分けられるということになりましたならば、その分けましたグループごとに率を若干ずつ変えるということも、一つの方法であろうかと思います。そういうふうに、まあどの方法が一番妥当であるか、或いは現在のように同率にするほうが一番簡単で明瞭であるか、或いはそのほうがむしろ公平であるかというような点につきましては、更に具体的に議論の余地があると思いますが、いずれにいたしましても電気税をできるだけ軽減して行くということと、それからその賦課徴収の方法をできるだけ簡便化するということが必要であります。現在一律に一割ということになつておりますことが、電気税の徴収に極めて手数を省いている関係になつておりまして、これが公平の見地から余りに複雑な手続を要する、計算を要するということになりますと、その手数が非常に増しまして、従つて徴収経費というものはむしろ増加する関係にもなりますので、その点も併せ考えまして、各方面に対しまして最も妥当だという線を出しますことが必要だと、こういうふうに考えられるわけであります。現在我々電気のほうの事務当局といたしまして、どういうふうな制度が最も適当であるかというところは、まだ十分に研究いたしておりませんけれども、只今まで委員長のお話、或いはその他の方面から出ております議論につきましては、いずれもそれぞれ理由のあることと思いまして、こういう点は十分研究すべき問題だと思います。
○委員長(中川以良君) 只今の御答弁のごとく、今直ちに新らしい方途による修正は困難な事情もあるようでございまするので、一つ当委員会における論議をされております点等をも、十分に御洞察頂きまして、将来この電気ガス税が全廃になればこれは問題ないのでありますが、仮に残るとしますれば、どういう形のものが本当に正しい形であるかという点を、今後とも当局において御検討を十分に頂きたいと思います。 それから附則が二つございますが、3と4、これは今回修正をいたしましても、予算措置が伴わない関係上、本年度に限つての特別なる措置を謳つているのでございます。但し固定資産税につきましては、現在の法律案によりますると、先ほどお話いたしましたように、各市町村におきまして、一・五%から二%までは自由に操作ができるということになつておりますのを、この操作はできないことに、一応一・五%に釘付をされることに相成る次第でございます。 それから5の第三百四十八条第二項第六号につきましては、これは固定資産税の非課税の筋囲につきまして、ここにございまするように「水力発電所における魚道及び流筏路、公共の被害防止のために施設せる煤煙防止装置」等を加えまして、不合理を改めておる次第でございます。 大体かような修正案を本委員会の決議といたしまして、地方行政委員長に申入をいたしたいと存じます。御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) それではさようにいたします。 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。 それでは地方行政委員長にお申入をいたしまする説明並びに申入に関する件を次のように申上げます。 地方税法の一部を改正する法律案の修正申入れに関する件 昭和二十九年四月二十七日 参議院通商産業委員会委員長 中川 以良 地方行政委員会委員長 内村 清次殿 標記の件左記によりその実現方御取計らい下されたく此段御願い申上げます。 追つて当委員会といたしましては電気事業の税負担軽減につきお願い申上げますと共に、料金の原価その他電気事業の経営につきましても十分なる注意を払い、両々相待つて料金の高騰抑制につき努力いたす所存でございます。 修正案要綱 1.第三百五十条の次に左の一条を加えること (固定資産税の税率の特例) 第三百五十条の一 電気事業者が電気の供給の用に供する固定資産に対しては固定資産税の税率は前条及び第七百四十一条の規定にかかわらず百分の〇・七とする。 2.第四百九十条を次のように修正すること(電気及びガス税) 第四百九十条中の百分の十を百分の五とする。 3.附則第二十六号を次のように修正すること(固定資産税) 『新法第三百五十条第一項中「百分の一・四」とあるのは「百分の一・五」と』の 次に『新法第三百五十条の一中「百分の〇・七」とあるのは「百分の一・五」と』を加える。 4.附則第三十三号を次のように修正すること(電気及びガス税) 『新法第四百九十条中「百分の五」とあるは昭和二十九年度に限り「百分の十」と する』を冒頭に加える。 5.第三百四十八条第二項第六号に次の事項を加えること(固定資産税) 「水力発電所における魚道及び流筏路、公共の被害防止のために施設せる煤煙防止装置」 地方税法の一部を改正する法律案の修正申入れに関する説明書二九・四・二七 参議院通商産業委員会 一、修正を必要とする理由 御承知のごとく世界経済の後退期に当り、国際物価の漸落に伴いまして国内の物価高は輸出の不振、手持外貨の激減という結果を露呈し、物価の引下は我が国経済安定のための重要課題となつているのであります。他方敗戦後の諸条件を考慮しました自立経済計画の一環として発足しました電源開発工事は国民的支援の下に順調に進行しまして、二十八年度以降順次竣工する運びとなつたのでありますが、高物価時代の建設に係りますのでこれらが運転に入り、税の対象となりますと、その負担は既設設備に比して著しく過重となりますので、地方税法におきましては発電施設等に対する固定資産税の課税標準の特例、法人税法に対しましては増資資金に対する配当金の一定限度に対する損金算入等が政府案に取り上げられているのであります。その他開銀金利の引下等もありまして、これらを合せて年間約四十六億円の軽減を政府は期待いたしていたのであります。 然るに電気料金の改訂申請につきまして当委員会にて調査いたしました経過におきまして、又政府の料金改訂に関する聴聞会の結果より見ましても税金及び金利の引下によつて値上の幅を極力圧縮されたいとの意見は最大多数を占めていますので委員会としましては世論に従い税法関係につきまして調査を進めて参りましたところ、種々の問題のあることが明らかとなつたのであります。その詳細につきましては後に申上げますが、 (一)電気料金改訂案に対する世論の強き反響より見まして税金及び金利引下の必要性は政府案の立案当時よりその比重を加えたこと。 (二)それにもかかわらず法案の内容は衆議院修正により一部改善を見た面もありますが、なお欠陥を残し、このままでは政府の当初期待した負担軽減の効果は殆んど消滅する虞れがあること。 等の理由により修正をお願いするのやむなきに至つた次第であります。我が国が直面しております国際経済面より見ますなら電気事業に対し本年度において負担の大幅軽減が極めて望ましいのでありますが、予算がすでに決定した事情もありまして、地方財政に対する過度の影響なきようおおむね次年度以降に期待をかけている次第でありますが、なお地方財政に対して多少の収入減となる面につきましては地方財政内部の操作及び政府との御折衝により特定市町村に過大の負担とならないよう御配慮を願います。 電気料金との関連におきまして強く御願い申上げるゆえんは電気事業者の負担軽減が原価主義を貫く電気事業会計を通じまして消費者負担の軽重と直結され、その間政府及び国民の厳重なる監視の下に置かれ、事業者擁護とは別個のものであります。実質的にも、又心理的にも物価に対して大きな影響があるとされます電気料金の高騰を極力抑制するため税制上許し得る限りの措置をお願いする以外に他意なきことを深く御省察頂きたいのであります。 二、修正案の概要 修正をお願いする項目は、(イ)固定資産税の税率の特例(要綱第 一)(ロ) 電気ガス税々率の改正(要綱第二)、及び(ハ) 固定資産税の非課税 の範囲に水力発電所における魚道及び流筏路、公共の被害防止のために施設せる煤煙 防止装置の追加(要綱第五)の三点であります。 三、固定資産税 第一点の固定資産税の税率の特例とは衆議院送付案の固定資産税の税率として標準 税率百分の一・四及び制限税率百分の二・五(第三百五十条)及び道府県が大規模償却資産に対して賦課し得る税率を定めた第七百四十一条の規定の電気事業用固定資産に対する適用を排除して確定税率とし、その税率を百分の〇・七に定めようとするものであります。但し税率の半減は地方財政の関係から本年度は不可能と思われますので、要綱第三によりまして昭和二十九年度に限り百分の一・五とし、地方団体に対し標準税率における税収は確保するが、超過税率の適用はこれを排除することといたしたいのであります。 その理由と致しましては別紙「電気事業用固定資産税の税率」に説明いたしてある通りでありますが、なお、資料一、に示しましたごとく電気事業設備に超過税率の適用されました市町村数一三八〇における推移を見ましても超過件数は年々急激に増加いたしまして昭和二十八年度におきましては八三%に及び、まさに超過課税は電気事業に集中せられる観を呈しているのであります。これを資料二によりまして自治庁発表の超過課税市町村数と電気関係超過課税市町村数と比較しましても二十七年度におきましてすでに五九%は電気関係に該当いたし、二十八年度以降は誠に恐るべきものがあるのであります。 超過税率の面より見ましても資料第四にありますごとく二十八年度におきまして二%が最も多くなつていまして、改正法案に規定されましごとく本年度が市町村にて全額を徴収し得る最終年度であるという特殊事情を考慮いたしますと、大多数の市町村が二・〇%に集中することは当然予想されるところであります。 資料三によりましてこの間の事情を考慮して計算いたしますと、通産省が政府案により期待いたしました税額五七億円はこれらの事情及び評価並びに補正の変更等によりまして一〇〇億円に激増いたし、法人税或いは金利等の引下げによる減額は固定資産税の増加によつて、帳消しとなるのであります。 四、電気ガス税、その他 電気税が必需品に対する大衆課税として非難多きことにつきましては改めて御説明の必要はないと思います。 問題は財源措置の如何によるのでありますが、電源開発に伴う原価増加を幾分でも吸収するため、成るべく早く廃止を望むものでありますが、差当り三十年より半減することとしまして第四百九十条の本則において税率を百分の五と改正いたしますと共に要項第四によりまして昭和二十九年度に限り現行通りの百分の十の税率を適用せしめることとしてあるのであります。 第三点の魚道、流筏路及び煤煙防止措置等は専ら一般公正のために施設されるものでありまして、他の非課税指定物件との均衡上追加を妥当と考えるものであります。要綱記載事項以外におきましても事業税における外形標準課税の問題その他があるのでありますが、今回は割愛したのであります。 電気事業用固定資産税の税率 終戦による国土の喪失、原材料自給度の低下、人口の激増等の悪条件下において我が 国が経済的に生きるために策定された経済自立計画の基盤として電源開発工事が大規模 に進行中にて、ここ数年間に順次完成される予定である。併しながら物価の高い時期に 施行されているから電力原価の高騰は避けがたい実情にある。併しながら国際物価は国 内に比して二—三割安にて、輸出生産及び国民生活と直結する電力料金の原価引下には あらゆる方法を講ずる必要がある。固定資産税は料金原価に含まれる最大の税金にて、前記の見地から大幅の引下を要するが、予算の決定した今日としてはそれも望みがたく、次の措置を希望する。 一、「発電、変電、送電施設等に対する固定資産税の課税標準の特価(第三四九条の二、第一項、附則第二六号及び二八号)の存置を要す。」 本条項は電気事業の現状を考慮し、新規発電設備の割高による料金の急騰を防止するために立案されたものである。最近の水力発電所工事費は本年度経済審議庁の計画に見るもキロワツト当り約十二万五千円であつて、第二次再評価後の既設設備三万三千円に比して約四倍に上る。更に発生電力を需要場所に伝えるための送電、変電設備をも入れて考えれば五倍にもなる。 なお、開発の進行と共に毎年約一千億円程度の資産が増加するから本特例がなければ毎年十五億円の固定資産税が累加されることとなり、負担を急増する。 二、超過課税の適用除外を要す。 電気事業の資産に対しては超過課税の事例が年々増加し、経営合理化を阻害しているから左記の理由により超過課税の適用除外を必要とする。 (イ) 電気料金は法律の定めるところにより主務官庁にて原価内容を厳重に査定して認可する。その際固定資産税のごとく税率に幅のあるものについては料金を最低とするための標準税率により織込まれるが、賦課の際に市町村の課税権により制限の範囲にて任意に賦課し得ることは公共のために妥当でない。 (ロ) 今回の改正案によれば第三五 〇条第二項以下にて百分の二を超過する場合の制限規定、衆議院修正により制限税率の引下があるが、半面には(1)百分の二以下は自由との印象を与えること。(2)第三四九条の三号により市町村にて全額徴収し得るのは本年が最後の年であること。(3)新規発電設備等に対する課税の特例の規定により税収の減少する町村が超過課税によりその減収を補う傾向あること等の複雑な条件があり、政府提案の電気事業負担軽減の目的が達成されない。数字的にこれを示せば新規発電設備等に対する特別措置により二十九年度減税額は六億九千万円と見込まれているが、税率が百分の一・五から二・〇に上ると二十億円の増税となる。 (ハ) 自治庁の資料により算出すると別表に示すごとく償却資産に対する税負担の実績は電気事業に対する平均税率が一・六七%にて最も重いが、その他の償却資産に対しては〇・九二%にて著しく低い、又、金額的には土地家屋に対する税額が電気事業資産の十数倍に上るから財政計画としても調整が可能である。 (ニ) (イ)の理由よりすれば、本適用除外は国の料金統制を受けるガス事業、鉄道軌道等に対しても同様である。 それでは只今のような説明並びに申入で御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) それでは御異議ないものと認めます。
○海野三朗君 明日の委員会の質問、ちよつとやらしてもらいます。
○委員長(中川以良君) はあ、畏まりました。 それでは本日はこの程度にいたしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川以良君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会