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19回国会参議院1954/09/18

通商産業委員会 閉会後第9号

発言数
104
登壇者
12
会派数
5
開催日
1954/09/18

会議録

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 只今より委員会を開会いたします。  本日は、昨日御決定を願いましたように、電源開発株式会社よりおいでを頂きまして、電源開発につき調査をいたしたいと思います。御承知のように電源開発会社は、設立後二年を経過いたしまして、今後は我が国の電源開発促進のためにいよいよその役割は重要性を加えて参つたと思うのであります。特に先般は正副総裁の交代がありまして、今後に期待するところ大なるものがありまするので、本日御出席を願い、会社の事業運啓上の御説明を願うことになつた次第であります。  この際参考人の御両所に御挨拶を申上げたいと思いますが、本日は御多用のところを当委員会のために御出席下さいまして有難うございました。冒頭に申しましたような次第で、会社の事業がいよいよ活況に入りつつある際でございまするが、本日は我々のために会社の電源開発の模様、それから事業の運営状況及びこれに伴いまする各般の問題等につきまして、腹蔵のないお話を承わりたいとお願いいたす次第であります。順序といたしまして最初に総裁或いは副総裁から事業一般につきましてお話を願いまして、その後各委員からの質疑にお答えを願いたいと、かように思つております。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 私は電源開発会社総裁に就任いたしました小坂順造でございます。本日は当委員会のお招きによりまして、当社設立に対し、特に御同情を得、且つ御指導をこうむりました各位に御面会をいたして謝意を表すると共に、所懐の一端を申述べる機会を得ましたことは欣幸に存ずる次第であります。この際私が取りあえず当社を預かりまして運営する心がまえと申しますか、或いは構想と申しますかについて言申上げたいと思います。  申すまでもなく当社は電源開発促進法によりまして設立されました国策会社でありまして、資金は全部公金であります。故にその運営は国会の決定、これに基く政府の指示によることは勿論でありますが、本が国民の税金によつて形成せられたる事業でありまするが故に、その成果は成るべく、一般国民に還元するよう心がけてやりたいと思います。これが私の経営に対する根本の理念なんであります。但しこの促進法を拝見しますと二十三条の二項には、完成した発電所は、貸付若しくは売渡すことができるということが書いてあります。併し又第三項にはその設備を保有し電気事業者にその電気を供給すること、即ち卸売をなすことができると並べて書いてあるのであります。然るに簡単に並べてありまするが、その運営上並びに、結果については、甚だしい相違があると思うのであります。仮に第二項の売渡の項について考えますと、電力会社が開発会社の作つた発電所を買うといたしましても、莫大なる資金を要するものでありまして、その調達が今電力会社において、可能であるかどうかということも考えられます。又電力会社の資金は、開発会社の資金と違つて、高金利であります。ざつとした見方でも、電力会社の利率は八分九厘というものになつております。高金利により、電力料金の原価が高くなるということは勿論でありまして従つて一般の需用者がそれだけ負担を多くするということになると思うのであります。然らばその電力会社は資金を自分で調達することができないから、開発会社の負債を肩替りをするか、こう考えて見ますというと、当社の資金は前に申上げました通り、政府資金でありますから、肩替りすると、民間会社であるところの、電力会社の大部分は政府資金が主なものになつて来る。そうすると、会社の性格が全く違つて来ることになつて、これも非常に困難な事情になると思うわけであります。又当社の方面から考えて見ますと、譲つてくれ、欲しいというのは、各会社は、できた発電所が欲しいので、難工事で格高のものは御免こうむるというような態度をとることは極めて明瞭であります。そうすると当社は格安なものが皆とられてしまつて、極めて不利益な発電所だけを持つて行くということになりますから、これでは当社の経営が成立たない。それと共に結局は国民の負担を増すことになつて、国民に迷惑をかけるという結果になると思いまして、第三項による運営は私は不可能であると、こう思つております。故に第三項によつて運営をして行く。即ちできた発電所は自分で保有して、電力を各電気公社に卸売をして行く、これで行くよりほかにないというように考えておるのであります。今日こういうようなことは、空論を申上げるようにお考えになるかも知れませんが、これらは非常に切迫した問題でありまして、どうしてもどつちかに踏切つて行かなければ、経営が困難だと思うのであります。即ち佐久間の発電所が来年度中には先ず成立するように急いでおるのでありますが、これが四十三万キロになる。この電気を東京と名古屋と分けて、これは両者の希望は、自分の都合のいいものだけをとろう、そうするとその間の融通が十分に行かない。向うでは成るだけ小さな送電線で間に合せておきたいと、こう考えるのであります。当社とすると、それはやはり国家の重要な資源であるから、如何なる場合にもどこへでも売れるものにしなくちやならん、これは送電線は最大の送電線を作つて、東京と名古屋を繋ぐ、更に関西も繋ぐ、国家の大動脈を作らなければならん、これによつて国民の税金によつてできた大きなものは、日本国中できるだけ都合よく行くならば供給するようにしたいと、こう考えております。この送電線を作ることについて、すでにこれに対する考え方は、はつきりさせなければならんところに来ておると思うのであります。  それから次に私が考えておりますのは、工事の施工を慎重にするということであります。これも当り前のことできまり切つたことでありますが、ところが言い切つたことが、なかなかそう行かない場合が多いのでありますから、私はこの点について、特に申上げたいのであります。それは当会社の仕事は皆多額の資金を要し、非常に困難な仕事である。いろいろな方面の錯綜したる関係で、各省との関係の複雑したものが仕事の主体となつておるものでありますから、若しこれに誤ちがありました場合には、国家に与える損害というのは莫大なものと思う。これについては特に慎重に考えたいと思うのであります。即ちできるだけ自分が確信のできるだけの調査をして、設計等について、十分の理解を得るまで私はしたくない、そのために多少の時を失う、或いは資材を失う、これは将来の堅実なる、安いいい電気を作るために止むを得ないことと考えておるのでありまして、この点については、或る方面からいろいろ非難があつても私はどうしても調査としては、できるだけの骨を折つて見たいと思うのであります。例えば今日すでに問題になつておる佐久間発電所の下に秋葉という発電所がありますが、これはなかなか難工事で業界でも問題になつておるようであります。それから庄川の上流に御母衣という発電所があります。これが発電所の原形を作るときに、断層があるというのでなかなか問題になつております。こういうようなものについては、よほど十分な調査をしなければならんと思つておるのであります。私は過日各電力会社の社長に対して書面を送りまして当社の難工事については、成るべく世論を聞きたいと考えておるから、うちの者ばかりでなく、世論を聞きたいから、あなたのほうの会社の若手の有能なる技術者、電気関係、土木関係の有能な者を指名しまして、九会社にこの人に時を貸してくれ、今の秋葉の発電所の敷地、それから御母衣の発電所の敷地を見てもらいたいから、これらの人に時を貸してもらいたいという手紙を出しました。そうしたら各会社とも心よく承諾してくれまして、当月末までには各電力会社の土木の権威者等がこちらのものと一緒になつてそれらの地を視察して、こちらで今まで調べたものを検討し、それに対する隔意なき意見を述べてもらうことにいたしております。これらもできるだけ慎重にしようという心組から出たことであります。或いはこれも慎重にするのは当り前じやないか、今更そんなことを言う必要はないじやないかというかたがあるかも知れませんが、私がそういうことを言わなければならんのは、この会社に入つて僅かだつと、この会社で第一回に作つた膽澤という発電所、それが一月に竣工して六月に漏水を始めた。これは奇怪千万で、私もとにかく若いときは電力会社の仕事に携つた者でありまして、幾つか発電所を作つておりますが、やめてから四十幾年、未だ曾つて故障を起したことを聞かない。作つて半年たたないうちに漏水が始まつたということはどうしたことか。それで先ず会社の者をいろいろやつて調べて見ました。それから私の懇意の権威者等にも行つて見てもらつた。ところがその報告は私はいろいろの人の悪口を言うためじやありませんが、どうも設計も頗る欠陥がある。それから監督にも頗る欠点がある。施工する著も甚だ不用意である。こういう結論なんです。こういうことであつては幾ら急いでやつても何にもならん。これは要するに急いでやつたという仕事の幾つかはこういうことになつて来たと思う。余り急いだためにこういうことになつちやつたと思う。私は一遍やつてやり直すということは、前の倍も金がかかるということなんですが、こういう馬鹿げたことに国家の金を使うということは馬鹿げたことですが、特に設計と調査には電力関係会社の者だけでなく、広く世間の意見を聞くべきだと思う。特にこういうことを言うのは甚だ恥ずべきことでありますが、こういうことを申上げるのも、将来かくのごときことのないため、そうしてその原因等については、その道の権威者を選んだつもりであるから、調査委員会を作つて根本を徹底的に調べて将来のいましめにしたいと考えておるような次第であります。  それから第三に申上げたいことは、開発会社は国内最大の需要者である。だから物の買い方について全く代るべきもののない、或いは能力の甚だしく違うものは、それは外国品に依存しなければならんが、できるだけ国内品を使う、そうして国内のメーカーと提携してお互いに励まし合つて日本の、内地の産業の興隆の弱興を担つて行きたい、こういうことを考えております。  この三点が私が今考えておることでございますが、なお御質問によつてお答えいたすことにいたしまして、大体私が申上げるのは以上の三点であります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 有難うございました。  次に副総裁のほうから何か御意見ありましたら……。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 私は先般任命を受けました副総裁の藤井崇治であります。どうぞよろしくお願いいたします。御多用中のところお招きにあずかりまして、会社の実情等につきまして御説明申上げる機会を得ましたことを深くお礼を申上げます。会社の方針等につきましては只今小坂総裁から述べられた通りでありますので、私は総裁のその方針を体して、一体となつて会社の運営に万全を期したいと存じております。私から特別に進んで申上げることもなく、先ほどの総裁の言葉で大体尽きていると思いますので差控えさして頂きまして、あとは御質問に応じまして適当にお答え申上げたいと存じます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それではこの際質疑に入りたいと思いますが、一、二点私より最初に承わつておきたいと思います。只今総裁から会社運営の基本方針を承わりまして、大体我々も全部同感に思うわけであります。殊に今後会社がどういうふうな事業の経営方向に進むかという点につきまして伺いたいと思つておつたのでありますが、いろいろお話がございましたので又これは他の委員からの質問に譲りたいと思います。それから膽澤発電所の漏水問題等についても積極的なお話がありましたので、よくわかりました。我々が承わりたいと思つて触れられなかつた問題の一、二でありますが、先般電力料金の値上げの問題等と関連いたしまして、我々が最も疑問に思い、それから将来の電力問題について、どうして行つたらいいか悩んでおる問題でありますが、それは今回の電力料心の値上げ改訂の一番大きな原因になつておるのは各電力会社の電源開発に伴いまするコストの増嵩ということが一つの大きな原因ではなかつたかと思います。殊に最も電源開発を多くやりました水力地帯の北陸電力であるとか、東北電力というようなところは一番値上げの率において高率の値上げをし、地方民の非常に協力を得て一生懸命に電源開発をやつたところが、結果においては一番の値上げをしなければならんようになつておる。これでは将来の電源開発の上において、地方民の協力を求めることが、いろいろの点において非常な問題が生じて来ると思う。掘下げて検討すれば、全くその通り電源開発に非常に費用がかかるのでありますから高くなることは当り前なんでありますが、そういう点について電源開発会社総裁として今後こういう問題をどういうふうにして行つたらいいか。我々いろいろここで離しました点では、開発資金の金利の引下げであるとか、或いは税の減免の問題であるとか、それからその他工業費の節約等についていろいろ検討しなければならない。  次にお伺いしたい問題として考えておりますのは、補償の問題等いろいろございますけれども、こういう点について一つ御意見を伺いたい。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 電力の値上げについては、私はもと自分がこういつた立場に立つ前に私は値上げに反対であつた。どういうわけかというと、前の発電所を我々が開いたときには一キロ二百円から四百円とられた。自発の出資でそのまま向うに行つて馬鹿安いものだ。そのままやつている。今度作れば一キロ十万から二十万かかる。大変な違いですから、金利において高くなるのも当り前だと思いますけれども、まだ発電所もできない前に公益事業委員会が二回続けて値上げをした。これはどうもものができておらないうちに先を見越して値を上げるということは便宜な方法であるが、併し原価が上つてから値を上げるならわかるが、初めから値を上げるのは変な話じやないかということで、公益事業委員会の態度に反対をしておつたのであります。併しこれも原価が高くなる場合には止むを得ないと思いますが、電力会社のほうのことは私余りいろいろ意見を申上げるのは差控えたいと思いますが、電源会社としてはこう考えております。今申上げたように、私は各電力会社と十分協調して行きたいと考えております。そうしてできるだけ安い発電所を作り、安全な安い発電所を作つて、そうしてそれを卸売をすることは、やはり比較の問題になりますけれども、比較的電気を安くすることになつて行くのではないか、こういう考えで、やはりこの開発会社が発電所を持つていることのほうが金利の点からも却つて安い電気を各電力会社に供給し得るのであつて、需用家に又それが行くのであるから、持つていること自体が今の料金政策の面には非常に有効な結果になるのじやないか、こう考えておる次第であります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) これは電源開発会社だけの問題としてでなく、いわゆる将来の電力問題としての御意見もまあ承わりたいと思うのでありますが、例えば造船なら造船の資金は非常な格安な金利を持つている。ところが今日本で最も喫緊のことでありまする電源開発に対する金利というものは、まあ最近一部の値下げをしたようでありまするけれども、造船その他に比べますると、非常な高金利のものを出していると、こういうような点につきましてここでも大分論議されたわけでありまするが、電源開発、電力に深い造詣を持つておられる参考人としての御意見を承わりたい。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) お説の通りだと思うのでございますが、御承知のように水力電気の料金のコストを構成いたしますものは、大部分が金利と減価償却金でございます。特に金利が非常に大きな要素を成すのでございまするから、電力料金を引下げまするには、どうしても金利の面で有利な措置を講ずる必要があろうかと思うのであります。そういたして見ますれば、今お説のように、電力料金をどうしても引下げて行かなければならない。国の産業政策、或いは物価政策の面からどうしても引下げて行かなければならないといたしますれば、この面で何らかの特別の措置を講ずる必要があろうかと思うのであります。御承知のように現在の電源会社の資金は、政府の出資金と、それから借入金でありまするが、出資金につきましては、まあ五カ年間は無配当ということになつておりまするが、これは将来やはり配当を非常に抑制して行く、或いはこれを無配当で御辛抱願うという線を堅持いたしますると同時に、借入金につきましても、成るほど一部の利下げはして頂きましたけれども、これは何らかの方法で更に利子をうんと引下げて頂くというような特別措置を講ずるのでなければ到底コストの引下げはできないのではないかと思います。勿論設計なり施工上におきまして、できるだけコストを引下げて、無駄な経費をかけないようにいたしまして、その建設費自体を少額で済ませるということに対して私どもは格別の努力をしなければならないことは申上げるまでもないのでありまするが、そういうことに加えて金利の面で特別の措置を講ずるということは必要であろうと思うのであります。この点につきましては、今後国会の格別の御配慮をお願いしなければならないようになるのではないかと存じております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) もう一点、先ほどもちよつと触れたのでありまするが、やはり電源開発で非常な大きな問題になりまするのは補償の問題であろうと思います。水没地の補償の問題であろうと思います。これはだんだん補償額が大きくなつて、いろいろ問題も起きておるわけでありますが、併し又一面から考えれば、祖先伝来の自分の郷土を失つて他に行かなければならんのでありまするから、これをまあむちやくちやに一方的に抑圧するということもできんかと思うのであります。御社におかれましては、佐久問或いは御母衣、最近では田子倉とかいろいろ貴重な経験を重ねられたのでありまするが、それらの経験に基きまして、現行法規上で、法規に対して、まあどういう希望というか、改正意見を持たれるか、これは一般業界の方面からもいろいろ意見が提出されておる面もあるのでありまするが、極く簡単でよろしいし、それから又後刻書面等で頂いても結構なんでありまするが、こういう補償対策の問題について何か御意見がありましたならばお聞かせを願いたい。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 只今の御質問のように補償問題は、工事費を安くするという面ばかりでなく、工事促進の意味におきましても、極めて重大な問題でございまして、私ども当事者といたしましては、これが措置について非常に苦慮いたしておるのでございまするが、現在では私どもずつとその土地に住みなれた人たちのこれは利益ご侵すことになるのでありまするから、慎重を期することにいたしますると同時に、地元の方々の立場を十分考えながら地方の官庁とも十分連絡いたしましてできるだけの措置を講じて参つているのでありまして、すでに工事を進めております佐久間等につきましては、これは極く僅かの、僅かと申しまするか、ただ一人の人を除きまして全部の解決が済んでおります。それから新聞等にいろいろ伝えられております田子倉の問題でございまするが、これもいろいろ努力いたしました結果、大部分の地元民の御了解を得まして実は一昨日大体の契約を取結ぶようなところまで進んで来たのでありますが、併し田子倉におきましてはまだ極く僅かな、これは只今のところ五名でございますが、五角の方の同意を得ておりません。努力した結果なお同意を得ていない方々との話合いはなかなか困難でございまして、これは止むを得ない場合におきましては、現在の法令の運営といたしましては土地収用法を適用して頂く以外は方法がないのでありまして、実はすでに田子倉地点に対しましてもその手続に入つているような次第でございます。これは今後といえども当時者相互間におきまして、できるだけ平和裡に穏やかに話を進めまして妥協いたしたいと考えておりまするが、この補償問題について二つの問題があるのであります。これは金銭で解決し得る場合と、それから金銭上の問題で解決し得ない、例えて言えば数百年住みなれた祖先伝来の土地を去ることができないといつたようなこれは感情とでも申しまするか、そういう問題に根ざしたものと二様に分けることができると思うのでありますが、前に申上げました金銭で解決し得る問題にいたしましても、これも限度があるのでございまして、先ほども、御質問にございましたが、非常にこれが多額なものになりますると、建設費に響いて参りまするし、勢い電力料金にも影響を及ぼして来るわけであります。のみならずこれは他の事業、国で行われておりまする、建設省或いは農林省で行われておりまするいろいろの諸事業にも影響を及ぼすのでございまするから、軽々にそう金で解決しさえすればいいというので、むやみな補償額を払うわけにも参らないと思うのであります。金額の問題についてもなかなかむずかしい問題があるのでありますが、後に申しました感情に根ざすと申しますか、住みなれた祖先伝来の土地を去ることができないといつたような場合におきましては、これはその尊い感情と、一方は電源開発しなければならんといつた公の見地に立つた、いわゆる公益の見地に立つた問題との調和でありまして、これはなかなか議論をしても尽きません。そこで現在の法令といたしましては、土地収用法に頼る以外にないのでありますが、土地収用法は御承知の通りなかなか手間もかかりまするし、又問題解決につきまして隔靴掻痒の感あるような点が多々あるのでありまして、つきましては私どもといたしましては、内々今後特別の法令を作つて頂く以外に方法はないのではないか、こう考えまして、実は関係官庁のほうにも特別の御配慮をお願いいたしておるような次第であります。これは私どもの希望といたしましては、今一歩進んだ、そうしてもつと簡略にできまするところの土地収用法の改正案と申しまするか、或いは新らしい立法になるかも知れませんが、とにかく新らしい立法措置をとつて頂きたい、かように考えておる次第でございます。なおその問題につきましては、若し御参考に御必要でございますれば、私どもの抱いておりまする具体的の案はないでもございません。まだこれは未定稿でございまするので、未熟なものではございますがないでもありません。若し御必要でございますればこれは別途後にお届けさして頂きたいと存じます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 当委員会といたしましても、この補償対策の問題は是非検討をして見たいと思つておりまするので、別の機会で結構でございまするから、何か御案がおありでありましたならば御提出願いたいと存じます。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 小坂総裁さんを初めといたしまして、電源開発会社の首脳部の方がお見えでございますし、通産の当局の方もおいでになりますので関連をいたしまして一つ三点ほど伺つて見たいと思うのであります。  第一は電源開発会社は国の資金で事業を行う関係から、毎年事業計画が政府の認可を受けてその仕事をやつておりますし、変更の場合にも又政府の認可を受けて仕事をやるという建前になつておりますることは当然のことでありまするが、併し工事というものはいわゆる生きものでありまするから、不測の事態によりまして工事が遅れる場合もりますると共に、半面いろいろの人員とか、その他いろいろの関係努力によりまして、仕事が非常にはかどるというようなこともあり得るのであります。又調査の地点におきましてもかようなことも言えるのであります。かような意味合におきまして、今現在工事をやつておりまする地点とか、調査しておりまする地点、この地点の実際優先的にどれとどれをやつているというような、いわば今工事をおやりになつているうちでも、その工事がどことどこが一番力を入れてそうして優先的にやつておるかというような御方針があると思いまするが、その点を第一に私は承わりたいと思いまするし、それからそれに関連いたしまして、先ほどからお話がありまするように、いろいろ地元に対する複雑な問題がたくさんに発生いたして来ておると思うのであります、従つてその地方的な利害等を考えますときにおきまして、政府におきましても十分そういうことを、事情を判断はいたしておると思いまするけれども、開発会社のほうは現地におらるるだけに更に私はよくそういう現地状況がおわかりになつておりまするので政府当局とも十分な協議をなしてこの工事、或いは調査等をおやりになつておるのであると思いますけれども、私は先ほど申上げたような政府の資金でやります関係上事業計画を政府から認可を受けてやるというふうで、政府の指図を受けてやるというようなことにはなつておりまするが、半面私は積極的にいわゆる電源開発会社がむしろ積極的に政府のほうに強く呼びかけて仕事をやらなければならんと私は考えているのであります。かような、要するに受動的或いは動的な点に対しまして本当に政府と電源開発会社とは虚心坦懐で進まなければならないと思いますが、こういう点に対してどういうふうに現在おやりになつているか、この点を第一に伺いたいと思います。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 只今御質問の点でございまするが、予算を使いまする面から申上げますると、大原則はすでに着工している地点につきましてはできるだけ全力を挙げましてこれは予定の工期、できることならば更にそれを繰上げて一日も早く完成をさしたい。勿論これにつきましては先ほど総裁からもお話がございましたが、工事施行上におきましては万金を期さなければなりませんが、そういうことは当然のことといたしまして、できるだけ予算はすでに着工した事業地にできるだけ全力を挙げて行く。その次は、大体予算を立てまする場合に、この地点は勿論政府からの建設命令もございますけれども、それを土台にいたしまして補償その他の問題で早く解決しておよそいつ頃からは着工できるという見当を立てまして、それに間に合う、大体見当通り行くというようなところに金を充当するというので、金の配分をいたしております。従いまして現在の実情を申上げますならば北のほうから申上げますと、すでに着工いたしておりまする北海道の糠平、足寄地点、これに対しましては計画通りの金をこれに投入いたしまして仕事を進めておりまして、これは一部分は予想以上に、一部分は計画通りに工事が進んでおります。それからその次は、これはもうすでに工事は完成したのでございますが、先ほど来問題になつておりました東北地方の膽澤猿ケ石地点でございますが、これは工事費を使つてしまつております。これは工事が完成しておりますので、これは問題ではございません。それから西に移りまして現在工事が着々進んでおります佐久間地点に対しまして予想通りの、これは進行いたしておりますが、経費も大体予算通り使つております。それから更に西に参りましてこれは近畿地点でありますが、奈良県の西吉野地点でございます。これは政府の総合開発の一環として電気部面を私の会社でやつておるのでありますが、これも予算は予算通り使つておりますと同時に、工事も大体予定通り進捗いたしております。現在工事が着々進んでおりますのは以上の地点でございまするが、私ども手ぐすね引いて一つ工事に早く着手したいと考えておりますのは田子倉の地点でございます。これは補償等の関係で今日では予定より若干遅れておりましたが、先ほどもお話に出ましたように大体着工のし得るような状態に近付いて参りましたので、年内には工事に落手し得ると思いますので、これは現在私ども立てている予算をそのまま使い切つてしまえると思つているのであります。更に新潟県の黒又地点、或いは非常に問題になつて、紆余曲折を経て解決いたしました奥只見地点の準備工事、それから先ほど総裁からお話の出ました佐久間の下流の秋葉の地点、これも権威者を集めて設計上の検討をしてもらいますが、完成次第これは着工いたしたい、こう考えております。本年度の予算は大体それで予算を使い切つてしまうのでありますが、なお多少の予算の差繰りをいたしまして、九州の球磨川地点はすでに補償問題も解決いたしておりますので、近く工事に着手いたしたいと思つております。すでに道路等の準備工事には入ることにいたしております。さようなわけでございますので、大体私どもは実情に即した金の使い方をいたしまして大体計画に齟齬を来たさないようにいたすつもりでおります。なおその他の地点につきまして、或いは準備命令をもらつた地点、或いは調査をすることになつております地点につきましてはこれは予算といたしましては大した金額ではございませんが、将来予算の差繰りができるようになつたらすぐ着工し得るように着々準備を進めておるような次第でございます。  次に積極的に一つ会社のほうで政府に働きかけて工事をやつたらどうか、こういうお話でございまするが、この問題につきましては実は官庁と会社との間におきましての連絡は極めて緊密でございまして、通産省の監理官は毎週のように会社にお見えになりまして、担当者と数時間に亙つて事務的にいろいろの打合せを願つております。なお我々首脳者と通産省の首脳者との間におきましても、私どもも役所にも参りまするが、月に二回は日をきめまして連絡に遺憾なきを期する、通産省に中心になつて頂きまして或いは大蔵省に、建設省に、農林省に、関係の方面にもそれぞれいろいろ連絡をつけておるのであります。私は曾つて官庁の経験があるのでありますが、昔と打つて変りまして非常にその点の連絡がよくなつているのでありまして、私どもの調査した資料等に基きまして私どものやりたいことに対してはむしろ官庁が積極的に応援して頂いているようなわけでございます。この点はまあこの席を借りて官庁の提燈持ちをするようでありますが、事実を申上げまして皆さんにお喜び頂きたいと思うのでございます。簡単でございますが……。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ちよつと各委員に申上げますが、総裁その他は大体十三時までということになつておりますので、質問者もたくさんあると思いますが、答弁の方もそのお含みで御進行願いたいと思います。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 全国的の注視の的でありました只見川の電源開発でございますが、これは分水案、本流案、即ち新潟県の分水案、福島県の本流案、この問題が先ほども藤井参考人からお話にありましたように非常な問題となりまして、最近その新芦県と福島県と紛争を続けていたのでありますけれども、これは技術的な問題、又食糧増産という大きな国家的の問題、総合開発というようないろいろの問題からしてさしもの重大な紛争も政府が両県の面子を立てて解決して頂いたということは関係いたしております私ら県民といたしまして政府に対しましてその当時実は深甚の敬意を表したものであります。その政府の原案というものは二十八年度から田子倉、奥只見及び黒又の第一発電所は同時着工するということ、それから田子倉は三十二年十二月完成をするということ、奥只見は三十三年十月完成をするということ、黒又の第一発電所は三十一年十一月に完成をすること、というようなことの一応の条件が付きましてこの妥協が成立いたしたのであります。更に奥只見の発電所が完成いたしまするところのこの三十三年の十月、それより前に奥只見から分水をいたしまして黒又川に落す、即ち七千三百万トンの水を黒又川に分水をする、その反対に豊水期には三千万トンの水をいわゆるコンパクトするということもそのときの条件に相成つておつたのであります。従いましてこの三点の工事は着々と電源開発会社によつて進められているのでありますけれども、巷聞伝えるところによりますと、この奥只見から七千三百万トンの分水をするということが即ちトンネルを開鑿いたしまして、黒又川に落すということが延びるとか、或いはやめるとかいうような取沙汰がされておりますが、これは全く私は嘘であるというふうに考えております。デマであるとは考えておりますけれども、我が新潟県といたしましては、食糧増産、それから総合開発の立場からいたしまして、是非ともなければならんところの潅漑用水であります。この潅漑用水が若しもさようなデマによりまして頂けない、そういうことになりましてもらえないということになりますと、それこそ新潟県の食糧増産には根本的な食い違いを生ずることに相成るのでありまするが、果してさような世間で言わるるようなデマが真実であろうかどうか、このことに対しては新潟県におきましても非常に心配いたしまして、再三通産当局並びに電源開発会社に対しまして実は伺つておるのでありまするが、未だにはつきりとしたさようなことに対する御回答がないように私は聞いておるのでありますが、この際に電源開発会社並びに通産当局に対して一つ弁明をお願い申上げたいと思うのであります。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 只今の田子倉、奥只見、黒又の問題でございまするが、これは補償問題、その他調査が非常に手間取りました関係上、多少の着工は延期はいたしましたものの、すでに私どもは予算もちやんと本年度それだけのものを着々準備を進めておりまして設計等についても鋭意現在検討中でございまするので、これはそう遠くないうちにそれぞれ着工し得ると思つておりまするし、勿論計画の変更等は全然行なつておりませんから、その点はどうか御安心願いたいと思います。

西川彌平治自由党

○西川彌平治君 それで私はもう二言だけお願いを申上げますが、この三地点に対する予算その他の関係で幾分遅れておるということに対しましては、これは万止むを得ざるものと私は考えておりまするが、黒又に対する分水計画、即ちさようなその分水計画に対する設計は着々と御進捗になつておるか否かということについて一つだけ伺つておきます。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) これは測量も着々進めておりまするし、設計もそういうふうに進めておりまして、先ほど申しましたように分水するということについては私どもはもう全然考え方は変えておりません。御安心願いたいと思います。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 只今藤井さんから申上げました通り、既定方針通り分水計画は勿論実行いたしますし、その工事も、実際の新潟側の水の計画に遅れないように進めておりますので、その点全然御心配ないと思います。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 今西川委員からちよつと触れられましたが、田子倉、奥只見の賠償問題、あの奥のほうに過日行つて見たのでありますが、数十戸の人家がありまして、百姓屋であるというお話でありましたから、そうかと思うて行つて見ましたら、なかなか立派な大きな古い町でありました。半鐘なんぞもあり、旅館なんぞも百姓屋にあらずして立派な何々旅館というものが二、三軒あつた、ああいうふうなところの、つまり賠償問題については、ほかに移転すべき土地をお世話なさつておるのでありますか、ただ金だけくれるからお前たちどこへでも行けという交渉をしていらつしやるのであるか、その点を藤井参考人にお伺いいたしたい。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 補償問題につきましては、金のみで解決するということが望ましいことは私ども全然同感でございまして、実は替地その他の方法によつて農家のかたであれば、新らしく入つた金によつて従来の農法を新式の農法に切替えてもらう、こういうような方向に持つて行つてもらいたいと思いまして、実は県当局ともいろいろお話をいたしておる次第でございます。県でも、これは福島県の例をとりましても、福島県でもそういうことを弔点に置かれまして、あそこに相談所を開設しておられるような次第であります。現に本日田子倉の部落の方々が三十数名の方が、これは愛知県の豊橋市のそばに高師、天白という所がありますが、元の騎兵連隊の練兵場の附近だと思いますが、そこの開墾は非常にうまく行つておるのでありまして、すでに佐久間の方面の方々もそこに行つて相当うまくやつておられる方々もありますので、実は佐久間のその実情を愛知県の方にお願いいたしまして田子倉方面に行つて説明して頂きましたところが非常に興味を持たれまして、その結果本旦二十数名の方が田子倉のほうからこちらへおいでになりまして、一遍その現地を見ようというので、多分一両日中に愛知県のほうへおいでになつて現地を御覧になるような情勢になつておるのでありまして、私どももできるだけかような方法で補償問題を解決したい、かように考えております。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 小坂総裁にお伺いいたしたいのでありますが、電源開発会社と九電力会社に対しましてのあなたの御構想を承わりたいと思うのであります。つまり発電所で以て売らせるほうは九電にやらせるというふうなお考えであるか、その辺のあなたの御構想をお伺いいたしたいと思います。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 只今の問題は、世間では大分いろいろ噂しておるようでありますが、私は九電力会社と相共に提携して行けると確信しておるものであります。従つてこの建設事務についても、九電力会社の地元に皆電気を発電所は売るということにすると、これはその地元だけがよくて広い需用者が無関係であつて租税でできたものとしては適当でないから、大送電線を大阪まで作つてそうしてこれによつて電気を、或る所はダブついていて困る、或る所は逼迫して困るというようなことをできるだけ調整したいということを考えております。九電力会社のそれぞれの状況に応じて売るつもりでありますから、今九電力会社の、今あなたのおいでになる前に申上げたかも知れませんが、すべて協力を求めて、発電所の設計などについても協力を求めて、それぞれその権威者の出張も求めております。で、成るべく安い発電所を作つて良質の発電をして、そうしてそれを各電力会社に売つて共に成るべく廉価の電気を供給するということに努めております。九電力会社の存在と、この開発会社とは、何も扞格するところはない、相協力して行けると、こう私は考えておる次第であります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それでは私その点についてちよつと小坂総裁に承わりたいのでありますが、電力会社にいろいろ電気を供給して売る場合に、例えば東北電力と東京電力へ売る場合の売値ですね、そういうものはどういうふうな考え方を持つておられるんでしようか、東北電力と東京とはいろいろ違う、極端に言えば西のほうへ行けば非常に違う、こういう場合に電発から売られる場合にはどういう構想ですか。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) これはいろいろ構想があつて、私の理想通りに行くかどうかわかりませんが、これはやはり原価、つまり発電原価ですね、それに所定の金利を加えたもので、それからやはり距離が遠くなれば、やはりロスが多くなりますから、そういうものを加算したもので大体均一した値段で売るのが本当じやないかと、こういうふうに考えておるのですが、その地元だけが或る特殊な供給を受けるということになると、地元だけが得をする。併し地元に水害などの相当な迷惑をかけておりますから、この点について幾分の便宜を図るということは止むを得ないと思いますが、大体は同一原価で売りたいというふうに考えておるのですが、これはまだ私のほうで構想を練つたわけでも何ともありませんので、私が今漫然思い付いたことで申上げた次第であります。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) この委員会でもいろいろ研究し、これは非常に意見が分れるところでありまするけれども、まあ一部にはこの電力料金というものは、このいわゆる地域によつて発電原価が非常に違うわけでありますが、安くできる所は当然安くていいのじやないか。つまり地域差が当然あつていいのじやないかという非常に強い意見と、それからこういうものは或る程度全国平均化されたものでなきやいけない、まあ日発あたりでは当時そういう考え方であつたろうと思いますが、そういう意見と二つあるわけでありまするが、これは日発という意味でなしに、多年電力事業に造詣の深い小坂参考人としてどういう考えを持もつておられますか。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 詳しいことは藤井君のほうが詳しいからそのほうからお聞き願い、いと思いますが、私はやはり地域差は成るべく少くして行きたいと思うのです。それは地域差が電力にあつても、電力の高い所はほかに又物資で非常に豊かなところもありますししますから全然同じということは言われませんけれども、成るべく地域差を少くしたほうがいいと、こういうことを考えております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 私こういうことをお尋ねをするということは、電発会社が将来この電力の卸売までやろうという御構想を持つておられる。先ほど承わりますと、それも一つの考え方、理窟じやないかとも私感じますので、そういう場合にはやはり結局この九電力会社にどういうふうななにで売るかという問題が非常に関連を持つと思いましたのでお尋ねしたのであります。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 今小坂総裁からお話がございましたように、電力料金のきめ方でございますが、根本的に全国を均一にやるか、或いは等差を付けるかというようなことは根本的には政府にきめてもらわなければならない問題でありまして、政府の政策によつておのずから行き方は定まると思うのであります。そうして、併し電源開発会社が会社という形態をとりまする以上は、損をするということは、これは考えられない問題でありまするから、従つて全体の料金といたしましては、これは政府が特別な補給金でも出されれば格別でありますが、そうでない限りにおきましてはどうしても総合原価主義ということを捨てるわけには行かないであろうと思うのであります。そこで私どもはこれを全国を均一の料金にするか、勿論均一の仕方にも、只今総裁からお話のありましたように、多少発電地帯におけるところの特殊性を考えまして、多少の差を付けるといたしましても、まあ均一にやるということになりますれば、或る地帯においては損をする、併しある地帯においては利益を得るが、総合的には原価を割らないということで、きめて行く以外に方法はないのではないかと思うのであります。いずれにいたしましても、電力料金はどうして公平の原則を貫くか、又総合原価主義をとる場合に、原価主義をとりまする場合に、金利如何が、先ほどもありましたように原価に非常に影響を及ぼすのでありまするから、この金利を引下げるために政府の持つておりますところの株式に対する配当をどうするか、或いは借入金の金利をどうするかというような問題は非常にむずかしい問題であるのでありまして、そういう点を考えまして、これは政府といいますか、国の方針に従いまして案を立てる以外に方法はないと思いまするが、御承知のように電源開発会社の料金はこの審議会の議を経ることになつておりますので、私どもまあ審議会に出しまする場合に、今言つたような基本的な考えを持つて国策にマッチした一つの料金の建方で進んで行きたいと、こう考えております。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 大体藤井君の説明は私の考えと同じでありますが、私が申したことにちよつと附加えておきます。それは、これは政府の政策であつて、私どものみが考えるべきことではありませんけれども、産業経済の後進地ですね、それには幾らか特別に考える必要があるのじやないか、これを同一料金といううちに、産業後進地に対する料金としては政府のお考えによることでありますが、幾分考えるべきことがあるのではないか、こういうことだけを負荷ておきたいと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それはつまり結局政策料金ということになりますが、その原価とか、ロスの関係、距離、そういうことはどうであろうとも後進地域には幾らか面倒を見てやらなければならんということは、原価主義を離れて政策的な料金になりますね。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) そういうことも幾らか加味します。北海道であるとか、東北であるとか、そういうとこるは全然同じにしたらいつまでたつても産業が興らない。幾らか産業を振興させるには考えるべきだと思います。

高橋衛自由党

○高橋衛君 只今の点につきまして関連してちよつと御意見を伺つておきたいと存ずるのでありますが、もとより電力料金を、例えば電発で以て却売までやる場合におきましても如何にきめるかということは国において、又は国会等においてきめるべき性格のものではあると思いますが、とにかく御意見を承わる以上我々としても念を押しておきたいと思います。  先ほど総合原価主義ということをお話になりましたが、総合原価主義という言葉は全国の開発した電力全部を総合して一つにお考えになるか、例えば九州における球磨川の場合に、その球磨川の発電所の原価、又は奥只見の原価、それはもう平均してお考えになるのか、それとも奥只見は東北と関東とそれぞれ供給所がある、その東北と関東を二つに分けることはできない、併し球磨川の発電原価というものと奥只同一料金といううちに、産業後進地に対する料金としては政府のお考えによることでありますが、幾分考えるべきことがあるのではないか、こういうことについお伺いいたします。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 私が総合原価主義と申上げましたのは、全国を総合しての原価でございまして、一つ一つの発電所につきましては、或いは儲からないという地点があるかも知れませんが、又非常に安くできた発電所がございまして、そういうものについては儲かる。或るものは高いが或るものは安い、それを総合いたしまして平均してどうだ、どういう料金できめるか、こういう意味の総合原価主義という意味を申上げたわけであります。

高橋衛自由党

○高橋衛君 もう一点、それならばお伺いいたしたいと思いますが、そうすれば総合原価主義というものは、結局発電原価というものは年々違つて来る。新らしい発電所が守成するに従つて年々その総合原価というものが違つて来る。例えば奥只見の発電所ができたことによつてこれだけの電力量の供給を受けられる。その条件を基礎にして何らかの工業を興すとする、そうするとその工業というものは将来も大体その単価で以て行けるという前提の下にこれはできないかということ、原価について如何にお考えになつておりますか、その点はどうですか。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 年々違つたものが出るということもこれは止むを得ませんが、私どもは大体長期に亙りまして計画を立てまして全体の見当をきめまして、或るものに対しては若干のアローアンスも見なければならんかと思いますが、そういう見地に立つて計画を立てて行きますので、そのとき出たとこ勝負というような料金は成るべく避けたい、こう考えております。

武藤常介改進党

○武藤常介君 只今小坂総裁からの運営の方針につきまして伺いましたが、私は至極結構であると伺つておりましたが、たまたまその際電気の料金の値上げの問題につきまして現在の設備の状態ではそう料金も上げなくてもよかつたのであろうと、けれどもが将来を見越して料金を値上げしたというように思つておるが、これは面白くないのではないかと、こういうふうに仰せられたように存ずるのでありますが、そういうことでございましたか。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 只今おつしやつた通りであります。それは公益事業委員会が引絞いて料金値上げをやりましたが、あれは一審会社が楽な方法ですけれども、ああいうことは新らしい発電所ができて原価が高くなりもしないのにもとのままで以てすぐ値を上げて行くということは不適当である、こういうことを私考えて、そのときには反対したと、こういうことを申上げたので、今おつしやつた通りであります。

武藤常介改進党

○武藤常介君 只今その問題はわかりましたが、そのお話のうちに従来の設備資金というものは極めて安かつたのであるが、将来は非常に、一キロ二十万ですか、というような多額を要すると、こういうふうなこともお話がありましたが、この分で参りますと、現在設備中の電気が完成いたしましたならばその料金というものは一体これはまだはつきりしないでしようが、見込は現在とどういうふうに違つたものでございましようか。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) これは誠に申訳ございませんが、まだそこまで細かい調査をいたしておりませんので、只今ちよつと申しかねるのでございまして御了承願いたいと思います。

武藤常介改進党

○武藤常介君 電気の開発は国策として他の見地からもどうしても必要なんでありましようが、国策として取上げてやる以上は、関係しておる会社のかたは将来はどんなものになるだろうと、これくらいの目安はついておるかと思うのでありますが、万一これが非常な開発をやつた結果がプール計算になりまして、総合計算になりまして、それが非常に料金の高いものになる、けれどもこれは産業上どうしても必要であるからして開発せなければならんと、こういうことからやりまして、その料金が高くなりました際にいわゆる一般大衆の電力というものに対しては将来はその影響を受けて上るようなことになるでしようか、それともそういう方面にはやはり秘来通り低物価によつて料金を上げないようにするようにお考えになつておりますか、関係会社であるから相当お考えになつているだろうと思うのですが。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) これは勿論最終の料金は電力会社のほうの料金でございまして、私ども予断することができませんが、電源開発会計といたしましての見当といたしましては相当下つて来る見込でおります。と申しますのは、まあこれは水力電気の建設費というものは大きな地点になればなるほど単位当りの建設費がずつと下つて来るのでありまして、現在電源開発会社が計画しておりまする地点は御承知のような佐久間にいたしましても、或いは只見川水域にいたしましても非常に大きな地点で曾つて日本になかつたような地点でございまするので、今私どもの見込といたしましても非常に安いものになつております。例えて言えばまあ佐久間に例をとつて見ましても二円三、四十銭、一キロワツト・アワーの二円三、四十銭くらいでまあでき上るつもりでおりまして佐久問のような非常に質のいい石炭の代用になるような電気でもそういうふうになるのでありまして、これは少くとも今の計画が完成いたしますると、大体まあ十銭、少くともどんなに見知られましても十銭くらいな卸売料金に下つて来るということは、これは大ざつぱに考えまして只今申上げ得られるかと存じております。

武藤常介改進党

○武藤常介君 料金の問題を伺いまして大変私喜ばしく存じます。それから建設中工事の施行がどういうふうであつたか、そのために漏水があるというようなお話を伺いましたが、この最近一般官庁の建設事業でも昔とは違いまして会計検査院も相当やかましくて、まあ工事も完全には行つては参つたようでございますが、それは会社であるからどういうふうになつていますか。セメントを使う工事等は季節に非常に支配されまして、そのために期間の問題から無理をするというようなことが往々にしてあるように思います。形の上ではなかなか立派にできましてもその内容がその季節の関係から極めて不安心な工事が各方面にあるようでございますが、先般北海道に参りましていろいろ工事のことを伺いましたところが、やはり政府の予算というものと工事というものはマツチしないのでどうも工事を急がれる、それで非常に因つておるという話を伺つたのでありますが、開発会社のほうではそういうことはどういうふうに言つておりますか、参考にお伺いしたいと思います。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) この季節においてセメントの工事に影響があるということはこれは高冷地におきましてはこれは勿論言い得ることでございまして、私どもはそういうセメントを打つことに非常に支障になるような季節には工事はやらせないようなふうに言つております。  それで先ほど予算との関係の話が出ましたが、政府の予算は年度で切つてございまするが、私どもは大体その政府予算というもののまあ非常に欠点と申しますか、年度で打切つて行くために現われて来ます欠点は或る程度よく承知しておるつもりでございますので、その弊害を避けるためにまあ万全を期して寒い所の工事に対しましては成るべく気候のいい時に全力を挙げて行くと、こういうふうに金の配分もいたしておりまするのでこの点は政府の工事とはいささか趣きを異にしておるのではないかと存じております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 私からなおもう一点承わつておきたいのでありまするが、先ほど小坂総裁が今後工事をやつて行く上においてはできるだけ国内品を使用するようにして行きたい。これは誠に尤もなお話と思うので承りますが、併し今までの様子を見ておりまするというと、佐久間ダムの水車発電機の入札におきましても外国メーカーを入札に加えて、結局結論は日本のメーカーに落ちたようでありまするが、非常に無理をしたのではないかというような噂も出ておるわけであります。今後こういう問題に対してどうされるか。どういう方針をとられるか。それから佐久間の工事につきましては米国のコントラクターが入りましてジヨイントベンチユアと言いますか、ああいう形をとつておられるのでありますが、この行き方は今までのところどうであつたか。今後いろいろ大きな工事が又出て来るわけでありまするが、今後の工事に対してもこういう構想をとられるか。それとも先ほどの国内品の使用というような考え方から純日本的にやつて行く構想を持たれるとか、狙いについてお伺いいたしたいと思います。

藤井崇治電源開発株式会社副総裁

○参考人(藤井崇治君) 先ほど総裁から申上げましたように会社といたしましては国産品で間に合う限りにおきましては国産品を使うという方針は従来もとつておつたのでありましようが、今後これを一層強化して行きたいと考えております。ただ大きな機械等になりますると、日本国内でもメーカーが非常に限定されておりまして、そういう少数のメーカーによつてのみやられるということになりますると、或いは価格の吊上げというようなことも免れないような場合もなきにしもあらずでございまするし、又何と言いましても日本の工業が非常な躍進は遂げておりまするものの、まだいささか後進性がなきにしもあらずでございまして、日本の技術の進歩、或いは日本の価格を或る意味において抑制するというような政策的な見地からときには多少外国品を入れるということも止むを得ない場合があるかも知れませんが、できるだけこれは国産品でやつて行きたい。実はそういう見地からいたしましてメーカーの品物をできるだけ品質のいいものにさしたいという考えから私の会社につきましては近く機械の専門家を会社に採用いたしまして使用者の立場からこの機械の検討をする、そうして欠点をメーカーに知らしてやつて共々に国産品の向上を図つて行くという措置をとることにいたしております。なお先ほど佐久間等の機械等の問題につきまして今後も輸入するのかという御質問でございましたが、(「当時の請負形態」と呼ぶ者あり)ジヨイントベンチユアのごの問題についてはまだ私どもジヨイントベンチユアでなければならないとも考えておりません。又ジヨイントベンチユアを全然排斥しなければならないとも考えておりませんが、日本の国内におきますジヨイントベンチユアはまだ初期のものでございまして外国にもいろいろ形態があるようでございますが、国内におきましては完全なジヨイントベンチユアという形式はまだとられておりませんので、まあこういうふうな時勢でございまするのでこの工事もできるだけ国内の業者にやらせるということにならざるを得ないと思いまするので、そういたしまするとジヨイントベンチユアという問題もまだ本当のものになるのは若干時日がかかるのではないかと考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 折角の機会でありますからあと五分ありますから時間を厳守して小坂総裁に伺いたいと思うのでありますが、現在の九電力によるところの、原価主義の方式は真の公益性を発揮する場合には非常に支障があるのではないかと私はこう思うのです。そこでその方面に御研究をしておられる総裁から、一方にまあ電力の国営というような形もありますけれども、私としては少くとも公益性を真に発揮するために公社制度ぐらいにまで前進しなければ真に電力の公益性というものは発揮できないのではないかと、かように思いますが、現在の九電力による制度というものはこれは絶対的のものにお考えになつておるか、この御意見を伺いたい。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 非常なむずかしい御質問で甚だ答弁に窮するわけでありますが、どうも、併し私は先ほど申上げました通り、今の制度であつても、おのおの連絡を密にして行くことにおいて、おつしやる欠点は相当に除けるのじやないかと思います。どうも何かというと、すぐ日発に対していかんじやないかとよく言われて、なぜ日発が悪いのか、こういうことを私は聞いて見たい。これは集中排除法というものはアメリカが日本を弱化するためにやつた法律であつて、アメリカは果してあのときに九分割することが日本にとつて絶対に必要なものかどうかということは相当研究の余地があると思います。現に憲法の改正すら研究される場合であれば、これはやはり研究さるべき余地があると思うのであります。あれは必ずしも九分割しなければならん必要はない、或いは本土二分割だけでよかつたのじやないか。とにかく有無相通じて、電力を余り地域差のある電力を供給するということは、電力の公益性から考えて適当でないと考えますから、それを我々はできるだけ地域差を少くするようにしたいということで、この大送電線を作つて、そうして有無相通ずることにして行きたい、こう考えておる次第であります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうしますと、今の制度には、やはりいろいろの欠陥はお認めになる、そこで公社というのは一つの案でありますが、公社案というようなことも一つのやはり考え方だということにはなりますか。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) まだ私はそこまでは考えておりません。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 時間もございませんから、私は実はかようなことを申上げるのは、一つの事例ですが、過日北海道へ行つて開発計画等をいろいろ私は私なりに調べて見た。ところが北海道の開発と言いましても、北海道は四百五十万の人口で人口が殖えない、従つて賃金は東京並みに労務者が一日六百円、五百円しておる、電気はほかよりも高い。こういうことで、基本的な労務費、電力というようなものが、他の地域よりも古いところにおかれて、北海道の開発というものはあり得ない。そういう面から考えまして、電気の問題だけ捉えても、やはり、北海道の電力には、北海道の特殊性を認めて特殊なやはり電力の供給というようなことを考えなければいけないのじやないか。ところが現在の組織においては、それは不可能だという点等を考えまして、これは各地域ごとにそういう問題が考えられるのです。そういう問題から考えまして、今のようなことをちよつとお尋ねしたのですが、重ねて同じことを伺うようですが、御所見を伺いたいと思います。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 只今公社制度まで行くがいいかどうかということは考えておりませんが、大体分割形態で行くけれども、地域の状態に鑑みて特殊料金を考えなくちやならんということを申上げておいたのでありますが、これはやはり大体政府の方針でありまして、私どもだけできるめことではありませんから、どうもこれに対するはつきりしたお答えを申上げかねる次第であります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 勿論政府のほうできめることでありますけれども、これは自他共に許す権威者の小坂先生でありますから、その御意見というものは、我々はこの機会において、非常に我々は参考以上の意見になるのでありますから、ざつくばらんに若し総裁としての御意見でいけなければ、個人として一つ我々をお導き願いたい、こう思うのでする

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 少し老人になりましてどうも新らしいことはわかりかねるのでございまして……。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 最後に一点だけ、いずれにしても、現行の制度には、多少の欠陥はお認めになる、こういうことだけは事実なんでありますか。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 同様に考えております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) それでは電源開発会社に対しまする質疑はこの辺で終りたいと思います。  最後に参考人諸君に御礼を申上げたいと思います。本日は我々のために御多忙、而も荒天のところを御出席を下さいまして、いろいろ腹蔵のない御意見を御開陳願いまして、誠に有難うございました。会社の使命いよいよ重大を加えておるときでございますから、日本の経済再建のために一層の御健闘あらんことをお願い申上げまして、御挨拶に代える次第であります。

小坂順造電源開発株式会社総裁

○参考人(小坂順造君) 只今委員長より非常に御丁重なる御挨拶をこうむりまして恐縮でございます。どうかこの我々の隔意なき意見を申上げたのでありますから、何とぞ隔意なき御指導にあずかりたいということをお願いしておきます。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 有難うございます。  引続きまして先ほどちよつと申上げましたように、通産大臣は昨晩から発熱で丁度今三十八度五分の熱であつて、今日明日は医者から絶対静養を命ぜられておるので、政務次官が代りに参つておりますから、暫らく質疑を続行して頂きます。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて下さい。  実は昨日と本日に亙りまして通産委員会を開会したのでありまするが、今回の委員会の主たる目的は、当面のこの電力料金改訂の問題につきまして、我が委員会といたしましては、もう数回に亙りましてこの料金問題については検討を加えて来ておつたのであります。政府のとつておりまする低物価政策等から考えましても、今回の改訂案については、我々といたしまして全面的に賛成はできないという見地から、調査を続けて来ておつたのであります。先般の委員会におきまして、通産大臣より、政府当局が考えておりまする最近の電力料金値上問題に対する考え方は聞いたのでありますが、我が委員会としては、それにまだ納得いたしていなかつたのでありまして、その大臣臨席の下におきまして、次の委員会を十七、十八日の両日に電力料金問題を中心にして開くということを申入れました。その際に十分我が委員会の意向を申入れた上で、御決定を願えることだと我々は考えておつたのであります。併し遺憾にも、丁度前委員会と今回の委員会の間の去る十三日に、突如として政府案が、政府の案というのか、認可案というのが発表されました。我々昨日から委員会を開いたのでありますけれども、事後の委員会になつてしまつた。而もその時期、内容等につきまして、今回の委員会があるということを、十分政府は了承しながら、我が委員会に対して何らの連絡もなしに突如としてやられたということは、極めて遺憾とするところでございます。今後こういうことがありましたならば、通産当局と我が通産委員会の間に、まあ非常に溝ができることにもならんかとも考えられるのでありまして、十分一つ今後は慎重に考慮せられまして、かかることのないように御考慮願いたいと思います。大臣欠席でありまするので、この間の経緯は、政務次官のほうからよく大臣のほうへ伝えて頂きたいと思います。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 只今委員長からの発言がありまして、政府当局としては誠に恐縮に存ずる次第であります。御趣旨の点は十分尊重に値いするものであると思いますので、この点を誤りなく大臣に伝えまして、将来委員会とそういうふうなことのないように努めるべく私も努力いたすつもりであります。  以上御了承をお願いしたいと思います。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 只今政務次官から釈明を聞きましたが、本当から申しますと、これはちよつと遺憾の意を表明せられただけでは済まない。世間ですでに流布されておることは、電力会社と政府当局との闇取引が行われたという風評さえ私は聞いておる。この通商産業委員会で盛んに論議せられ、又一般の参考人からも聞いておつて、すでにこれに対しては明らかに世を挙げて反対しておるときに当つて法人税、固定資産税とか、或いはその金利とかそういう方面に骨を折らずしてぼつこり上げてしまう。昨日企業局長の説明によれば、数字の上では大して上げたように見えないけれども、事実二百五億という増収が見込まれておる。そういうようなことをわざわざ我々委員会が開かれる前に当つてぼつこり世間に発表される。そういうことが、私ども通商産業委員として何の面目あつて大衆にまみえますか。私は通り一遍の釈明だけでは承服できない。大衆に向つて、何のために我々参議院議員に選ばれたのか。県を代表し、全国を代表して出て来ておる。それが我々の知らない間に抜打的に発表したというのは何事か、我々の面目は丸潰れだ。私はこのことに関しては限りなき忿懣を覚えるものであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 私は一応今懇談会できまつた線で委員長が幕を引かれたのですから、それにとやこう言うわけではございませんが、元来本委員会の電気料金に関する検討というものが、電力会社が営利会社であるから飽くまでもびた一文も如何なる場合といえども上げてはいかん、こういうようなことで検討いたしておるのではない。併し我々通産委員としては、まだ十分値上げというものに納得できないというところから検討を続けて来たわけなんです。而も私ども考えなければならんのは、政務次官の国許からもかなり多くの電気料金問題に対する請願が参つておる。これを本委員会の検討を経て、本委員会においても議決されておることなんです。こういうことがあるからこそ、我々はこの問題について深い関心を持ち、検討をしておるわけなんであつて而も私はそのときにおられない政務次官が今日来ておられるのに、追打的なことを申上げるのではありませんが、事務当局としてはそのときには来ておられた。それらの一体連絡は何をしておるのかと言いたくなる。そのときにいない政務次官がおつて、それに文句をつけるということは私としても忍びがたいところであるけれども、一体そうした連絡をするためにこそ大臣の来ないときも事務当局は来ておるのであります。何をねぼけておるかということになる。ですから二度と再びかような処置のないようにすでに委員長も申されましたけれども、重ねて私はこの点を十分気を付けて頂きたいと附加しておきます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 電気問題について伺いたい。これから肥料審議会にいらつしやるそうですから、電気料金と肥料の問題でちよつと特にこの問題を確答を得ておきたいことがあります。  それは今回肥料審議会にかかつておる硫安価格八百二十八円というものの中には、今回政府がきめられました新らしい電気料金というものはコストの中に入つておりません。併し政府は、この場合はメーカーの犠牲によつてこの電気料金は吸収してもらう、こういうことを言つておりますが、これは電気料金が不確定の場合止むを得ざる処置であつて、今日のように電気料金が確定した場合には、正式なコスト計算の中に当然電気料金の値上げというものは入れるべきじやないか、かように思いますが、その点は如何でございましよう。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 只今河野委員からの質問でありますが、まだはつきりした具体的な影響は現われておりませんので、今まで通りの考えで臨んでおるわけであります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 はつきりしたことがないと私は何とも言えない。元来電力会社と各硫安会社との特約契約は今後の問題でありますけれども、相互において特約されたものは通産省が認可するわけであります。その場合に幾ら以上は認可しない、認可の場合には、何円の範囲内だということはあなたのほうの腹ができているわけでしよう。その線においてもう実質上は硫安会社の電力料の値上げというものはさまつておるはずでしよう。そうじやないのですか。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 硫安に要する電気の料金は御承知の通り特約制度になつております。まだ特約をいたしておりませんので、只今申上げたような答弁になつたわけであります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私もその程度のことは知つております。特約はこれから相互でやるのだけれども、それは電力会社と硫安会社と勝手にできるものじやない。相互で話合つた結果を通産省へ持つて行つてあなたの手許において認可するわけでありますが、その場合に政策料金として幾ら以上は硫安工業に関しては値上げを認めないという線があるはずでしよう。そうじやないですか。それなら幾ら以上げないという線においてコストの中に入れるべきじやないか。そうじやないのですか。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) 事務当局から一応御説明いたします。硫安用の電気は普通で行きますと、非常に大幅な値上りになりますが、一定の値上り以上にならんようにということで特約をする、そのところまでが一応我々のめどであります。併し今後できるだけそれを更に下げるというふうな趣旨において特約を結ばせるつもりでございますが、いま一点は、特約につきましては一年間の電気の使い方によつて約定をいたしますので、来年の上期というものがこの内容に入つて来るわけであります。ところが上期に関しましては先般来申上げております通りに更に来年の春までにいろいろな措置を講じまして、電力料金のレベルに下げるということに努力をするということになつておりますので、従つてそういうような意味においても一応特約ができましても、更に来年の春までにはそれが又変るかも知れん、そういう意味でそれはまだ確定しておらないということになります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 もつと率直に答弁して下さい。ほかのかたに迷惑をかけてはいけませんから、もう時間が十二時半ですから……。仮に現在一円のものを一円三十銭、一円四十銭ということを持約契約で相互の間に了解ができて通産省へ持つて来ても許可するのかどうかということです。あなたのほうでは従来から一円の物なら一円二十銭以上は認めないとか、一円十五銭以上は認めないとか、或いは又一円三十銭以上は認めないとか、こういう腹がまえがなければ、この間から政策料金というようなことは言えないでしよう。一体どういう腹ずもりがあるのか、それを伺つておる。その腹ずもりがあれば、その腹ずもりをコストの中に入れたらよいじやないか、こういうことです。

中島征帆通商産業省公益事業局長

○説明員(中島征帆君) それは先ほど申しましたように、一般の値上り率以下にとどめる、これが一応の腹ずもりであります。併し以下でありまして、できるだけこれを又更に下げるように努力をいたしますから、どの程度織込んで行くかということを最大限度見積れば別でありますが、具体的には又今後更に下るかも知れないというので、実際の値段はきまらない。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 甚だ無責任な答弁で困りますけれども、私らがいろいろ申上げておるのは、電力料金を認めてやつて肥料の価格を高くしてやれという趣旨ではないのです。  次に伺いたいのは、今度、それでは今度の電気の値上げというものはコストの中に織込むごとを認めないというのならば電力会社は貸勘定になる。それでこの次の肥料価格の改訂の際に現在の貸勘定は消費者のほうに埋合せをしなければならん義務があるかどうか。これはどこまでも電力料金が変るとメーカーのコストの中に吸収した。これは吸収しつ放しで次の硫安価格の改訂のときに消費者のほうにこの貸勘定を、これを今度プラス・マイナスさせる意思があるかないか。これをはつきりしてもらいたい。とかく従来のきめ方で行きますと、代か五円か十円のものを借りて、その次に二十円か三十円のお釣をとられるのが従来の農村側の犠牲なんです。それを心配するから私は言う。メーカーが自分で通産省と協力してこれは吸収してやる、問題は将来に残さないということをはつきり政府が責任を持つならそれでいいのです。その点はつきりしておりますか。

吉岡千代三通商産業省軽工業局長

○説明員(吉岡千代三君) 只今御指摘の点につきましては、先般参議院の農林委員会におきまして、大臣から次のような趣旨でお答えをいたしております。その要点は、先ほど公益事業局長から申上げましたように、肥料については極力影響を軽微にいたしたい。併し絶対に一銭も上げないというところまでは保証できない。従つてこれは非常に無理であるかも知れないけれども、併し今後における電力料金の値上りを理由にして、今回政府原案として諮問しておる最高価格を上げる、電力料金の値上りを理由としてこれを引上げるというようなことは極力避けるようにいたしたい。こういう趣旨のお答えをいたしておりますので、そのことを御了承を願いたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 極力避けるというような言葉でなしにですよ、今度コストの中に織込まなかつた分は完全にメーカーが吸収してこれをあとの勘定に廻さない、廻させないという通産省のはつきりしたここで言明を頂かなければ困るのです。それはそういうような言明をして頂きたいと思う。

吉岡千代三通商産業省軽工業局長

○説明員(吉岡千代三君) その点につきましては只今公益事業局長からお答え申上げましたように、現状のままで行つた場合の一般の値上り率というものは一応想定されるわけでございますが、この点につきましては御承知のように今後電力会社に対する金利、税制、又電力会社の企業努力等によりまして、その一般の値上り率そのものを極力引下げるようにしたい。そういたしまして硫安につきましては、その一般の値上り率の範囲内にこれをとどめるように措置するというのが通産省としての方針でございますので、それらの点に極力努力いたしまして、先ほど申上げましたような電力料金の今後の値上りによつて最高価格の改訂を必要とすることのない程度に今後それらの施策によつて努力をいたして参る、こういう決心でおる次第でございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 これはね、公益事業局長の問題じやないのですよ。具体的に言いましよう。私は今度の電力の値上げによつて大体私が承知しておるところでは、硫安の場合電解で十二、三円、一叺についてですよ、ガス法で六、七円上るということをもう皆言つております。平均いたしましても八、九円は一叺上るということを言つておる。硫安製造会社のほうにすれば、即ちコストの中に織込まれたものを、七、八円というものを消費者に対する貸勘定と心得ておるわけです。これをこの次の硫安価格の改訂のときに七、八、九円の貸勘定というものはどこまでも生きていて、この次の硫安価格改訂のときにあなたのほうが計算を出したものにこの貸勘定の八、九円というものをプラスするのかしないのかということを開いているのです。そういうものはプラス・マイナスの勘定からもう除いて行く、こういうのか、それを伺つているわけなんです。それを伺わないと困るのですよ、これは……。従つてこれは公益事業局長の問題じやない。政務次官、若しくは軽工業局長からこれを伺いたい。それがはつきりしないと困るのです。どうなんです、これは……。

吉岡千代三通商産業省軽工業局長

○説明員(吉岡千代三君) 繰返すようになりますが、今後の金利、税制等の施策によりまして、今後における電力料金の値上げを理由として最高販売価格の引上げを必要とすることのない程度に値上り率をとどめたい、こういう決意でおるわけでございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私がお尋ねしていることがわかりませんか。八百二十八円というものが出ていますね。併し電力料金の値上げによつて、仮に十円高くなるということになれば、八百三十八円が本当の値段である。併しこの十円の幅というものは、電力料金の値上げというものは、この際は硫安工業のコストの中に吸収してもらう、こういうことをあなたのほうは硫安業者に了解を得たとおつしやる。ね、ところが、この了解の内容というものは、この際はこの十円はお前のほうで吸収してくれ、この次の硫安価格の改訂のときにこの君たちのほうに借りたところの十円というものはこの次埋合せてやる、こういう約束になつていると困るから、それはどうか、こういうことを聞いているのです。それは一体硫安工業なんかどういう了解の内容になつているか。了解ができようができまいが、政府の方針としては一体この十円の問題は将来に残さないということになつているかどうか。それを伺つているのですよ。

吉岡千代三通商産業省軽工業局長

○説明員(吉岡千代三君) 審議会は只今も継続中でございますが、審議会におけるメーカー側の事情といたしましては、今回の諮問案には電力料金の引上げは当然入つておらない、これは御指摘の通りでございます。そこで将来電力料金の負担が加重された場合に、メーカーとしてはどうであるかという問題につきましては、それはその値上りの程度にもよるのであつて、例えば一円上つたから一円上げてくれ、そういうことは申上げません。併しこれはメーカー側といたしましても現在幾ら上るかということは勿論予想できないことでありますので、幾ら上つても吸収するというようなことは勿論メーカーとしてはそういう約束はできない。又今回諮問しております原案といたしましては、そういう電力料金の値上りの余裕というものは見込んでおらないわけでありまして、これを除外して計算しておるわけであります。従いましてメーカーとしてそういう主張をすることはこれは当然であると思います。従いまして問題は今後政府の施策によりまして通産大臣といたしましては、先ほど申上げましたように今後電力料金の値上りを理由として最高価格の引上げをする必要のない程度に値上り率をとどめるように持つて行く決意であるということを御答えいたしておりますので、私どもといたしましてもその方針の下に今後具体的に公益事業局と打合せいたしましてこれらの点を処理して参りたい、こう考えておる次第でございます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 どうも非常にほかのかたに迷惑がかかるので、委員長から一つ私の意のあるところを政府に質して下さい。  私が申上げておるのは、今後の電力料金は合理化によつて下るとか、上るとかということを言つておる。合理化によつて下れば当然それだけ硫安のコストは下るし、それだけ又消費価格の下るのは当り前です。その場合に今度の、仮に十円というメーカーからの貸勘定というものがあとに問題が残つては困ると、こういうことです。だから今回仮に八百二十八円できまつた。ところがこの次の硫安価格の改訂のときに電力料金は合理化その他によつて八百十八円になつたという場合に、メーカーのほうにすれば八百十八円ということを政府が言われるけれども、この前電力料金の値上げの場合に値上げを認めてくれなかつたから、この貸勘定の十円を十八円にプラスしてもらつて相変らず八百二十八円でやるのは当然だというような計算で要求された場合にどうするかということです。私は当然そういう問題が起ると思うので、それを今それをお尋ねしておるわけです。これははつきりしておかなければいけませんよ。私の尋ねていることがよくわかりましよう。これをまともに答弁して下さい。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 私からも重ねて伺つておきますが、今回の電力料金の改訂に当つて政府その他で特に考慮といいますか、心配しておる問題はこれが直ちに農村の肥料価格等に大きな影響を与えちやいけない、或いは農事用電力に与えちやいかん、こういう点が最も関心を払つておる重大ポイントでありまして、我々もこれらの点をよく究明した上で電力料金の認可があるものと期待しておつたのでありますが、その機会のないうちに突如として認可があつたわけであります。政府その他においてもこれらの点については十分研究考慮された上のことであろうと思うのでありまして、河野委員から数回に亙つて御質問がありましたが、こういうことに籍口して、籍口と言えば悪いのでありますが、将来の肥料価格の値上げの原因というようなことにもならんとも限らんと思うのでありまして、こういう点について政府は硫安価格、農村関係等については十分考慮をして問題のないような処置をとつて行きたいと、こういう気持であるかどうかということを政務次官からも御答弁を願つておきたいと思います。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 只今再三の河野委員からの御質問でありますが、問題の十円が後腐れになるようなことがないかどうか、それから政府がこれに対して了解とか何かあるかどうかというふうなお話でありますが、そういうことはございません。私どもはできるだけ消費者に価格が上つて迷惑をかけることのないような万般の措置を今後十分とるつもりであります。この点御了承を願いたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私はそういう抽象的なことを伺つておるのじやない。一体これは問題をあとに残すか残さないかという問題です。それを伺つておる。これは今度の硫安価格の改訂に、幾度も申上げますが、電力料金の値上げは現実になるにもかかわらず、これをメーカーに吸収させて八百二十八円という原案を出したのだ。これは政府の努力を私は多とします。メーカーの協力もこれを多とします。併しこの場合だけ協力しても、この勘定をあとに残してこの次のときにこれだけの埋合せをさせるということじや何にもならんわけです。アメリカの援助と同じなんでするさんざつぱら国会で感謝決議をさしておいて、もらつたと思つておつたらあとで返せという、それと同じことになつてはいかんから、これは消費者のほうの側から見れば政府の努力によつてメーカーのサービスとしてとつていいかどうか、それをサービスでなくて一時的な借りととるかどうかということを伺つておる。言葉が非常に悪いですけれども、私の伺つておることはわかるでしよう。それならそれに対してまともに具体的に答弁して下さい。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 重ねてお答えを申上げますが、政府諮問案の程度に最高の価格が決定された場合は、河野委員の言う通りあとに問題を残さないという政府の方針でございますから御了承願います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 そうすると、仮に八百二十八円が相互の妥協によつて八百二十円にきまつたという場合に、八円だけメーカーがまけたのだ、そうするとこれは問題はあとに残るでしよう。又残すことを政府も止むを得ない、こう言われるのですか。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 只今その問題は審議会で折衝中でありまして、まだ決定されておりませんから、それを前提としてお答えすることは差控えたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 勿論審議会という組織がありますから審議会の論議に我々待つべきでありますけれども、ただ電力料金の問題がここまで具体化した場合には、我々としても当然これに対して意見を述べるのは当り前であります。審議会でどうきまりましようとも、我々は国会議員としてこの問題を質さなければならない。そういうことで我々に肩すかしを食わせようといつたつてそうは行きませんよ。今伺つておるところによると政府は何もきまつていない。そうして農家のほうを偏して、メーカーの犠牲によつて電気料金の値上げはコストの中に入れたのだ、こう農家を喜ばしておいて一時喜びになつてこの次にしつペ返しをする。我々それを心配するから言うのです。それなら初めから堂々と十円上つたら十円をコストの中に入れたらどうです。百姓もそういう借勘定したくないのですよ。私は百姓の代表として言う。所の値上げや何かとは違う。電力料金は公定価格である。公定価格の電力料金が値上げになつたら当然コストの中に入れるべきですよ。入れてすつきりしたらいいですよ。それを入れもしないでおいて農家のほうを喜ばしておいて、生産会社も又貸勘定をしておいて、あとになつてお釣をとろうとしてもそうは行きませんよ。政務次官として農民の立場はよくわかると思う。米で犠牲を負わせる、麦で犠牲を負わせる、そうして電気の問題でこういうふうな乱暴なことをする。又次に硫安の問題でこういう乱暴なことをする。それで私は言うのですよ。こんな問題をなぜはつきりしないのですか。確かに電力会社は硫安工業と交渉しているじやありませんか。私がさつきも申上げたように一叺で八円も九円も上るのですよ。この問題は、八円、九円は大きな問題です。そこでこういうものが妥協して七円や八円下げて見たところで丁度それに相当するようなものが電力料金に引つかかつて来る。これはあとで釣をとられるのですよ。事務当局と離れて政務次官は一体どうなんです。  それから私はついでに時間の関係があるから申上げますが、これは審議会はどうであろうと、我々肥料需給安定法を制定した責任者として申上げますが、今度の公定価格の八百三十八円というのは一体何です、八百二十八円は公定価格でしよう、精神は……。それを限月手当とか何とかいつて、これはこの間から私はあなたのほうにも忠告申上げている、法制局の最終の意見を聞いたかどうか……。八百二十八円であげるといつても八百二十八円ではあがりませんよ。やつて見なければ八百三十五円になるか、八百二十円になるかわからないでしよう。やつて見なければわからないようなものを一体誰が責任を持つのですか。法律にはちやんと原価計算をしてそうして公定価格を決定すると書いてある。然るにあなたのほうの公定価格は表面は八百三十八円だ、そうして精神上は二十八円だというのです。二十八円で必ず責任を持ちますか。そういう持てないような公定価格の仕組は私はいけないと思う。この間から伺つていると法制局の最後のOKをとつていないというが、とらないままで審議会で結論が出ますか。我々はこれは法律の精神に照らして、どこまでもこの原案を通すなら問題にします。八百二十八円でどうして責任を持つのですか。責任を持つ方法を教えて下さい。これは事務当局から教えて下さい。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 委員長からもちよつと関連して一言聞いておきたいと思うのでありますが、河野委員が今一叺で平均八、九円上るということを行つておられますが、今の計算から言えばそういうことになるのですか、どうですか。そういう点私からも聞いておきたいと思います。

吉岡千代三通商産業省軽工業局長

○説明員(吉岡千代三君) 現在電解法、ガス法を通じまして平均いたしますと、大体電力費がトン当り約二千円、原価に対しまして九%程度になつていると思います。そこでこれを叺当りに換算いたしますると、大体八十円程度になるわけであります。従いましてその辺から一叺七円とか八円という計算が一応立て得るわけであります。ただ問題といたしましては、御承知のように来年の四月以降の電力料金につきましては現在未決定であります。又政府の方針といたしましては金利面、税制面、又電力会社の企業努力によりまして、その値上り率を極力低くするという方針の下に今後進むということになつているわけでございますので、その面から申しまして今回の諮問案の対象といたしております二十九肥料年度、即ち本年の八月から来年の七月までを通じました電力料金の値上率というものは、一般の値上率自体もはつきりしない、言葉を換えて申しますと何らの施策を講ぜずしておればその程度になるであろうということは一応言えるわけでございますが、その点につきましてはいろいろの今後施案を講ずるという方針でございますので、その点から申しましてはつきりした値上率というものが、年間を通じての率というものは現在のところまだ決定できないという点が一つでございます。  それからいま一つの点といたしましては、電力料金の値上りは十月以降の問題でございますし、肥料につきましては八月から来年の七月までの問題でございますので、その関係から若干の年間を通じての値上り率はややそれよりも低目になる。そこでむしろ問題は先般決定を見ました硫安の毎月の生産計画というもの、これを豊水期渇水期を通じまして如何にその電力の供給量の面と組合せて参るか、料金の問題もございますが、同時にこの月別の供給量の問題が非常に大きなポイントであることはよく御承知の通りでございますので、その両面につきまして只今具体的に公益事業局ともいろいろ御協力を願いまして作業を進めている現状でございます。そういう意味合から今回の諮問案といたしましては電力料金の値上りは除外してこれを諮問していると、こういう次第でございます。  それから限月の問題につきましては、前回申上げましたように従来の取引関係、又肥料需要期と不需要期の関係、それから電力の豊水期と渇水期の関係、これらの関係がございますので、取引の実情といたしまして若干の限月差をつけるという点はこれは実情に適した措置であると考えております。その場合の方法でございますが、これは前回も申上げたかと思いますが、肥料のメーカーも数が僅かでございますし、又買手といたしましては全購連その他幾つかの商社を押えておりますれば一般的に監視の目も十分に行き届くと考えるのであります。法律上の最高価格は限月差の最も高いところにおきまして、月別の最高価格につきましてはこれを行政指導を以て十分責任を以て取高価格を超えることのないようにやつて参れるという確信は持つております。又農林当局といたしましてもそういうほうがむしろ現実的であろうというような御意見でございますので、只今のところそういう方法で処理いたしたいと考えております。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 どうも私は東京の話をしておるのにあなたは大阪の話をしておつて困つてしまう。最初の話は、私は将来の電力の合理化によつて云々と、これは何も硫安工業だけが問題じやない。あらゆる工業が電力の合理化をやつて電気を下げる、そうして物価を下げる、この線に沿つて政府がやるのは当然なんです。それは当然でありますが、そうして合理化によつて十円仮に下つたらものを、下げるべきものを今回の決定の場合に十円貸しがあるからそこでプラス・マイナス・ゼロだという措置をとられては困るから、そういうことは絶対にいたしませんというお答えを私は今求めておるわけです。その答えができないはずはないでしよう。  それと、その次のこの公定価格の設定の問題は取引の実情々々とおつしやいますけれども、法の精神を無視してはいけませんよ。取引の実情以上に法の精神というものはより一層権威があるんです。あなたがたが農家に保証するのは八百二十八円でしよう。八百二十八円をあなたがたのほうは如何にもメーカーなり商社なりを数が少いから、それを行政指導して責任を持つというのは、それは少し言い過ぎですよ。言い過ぎと思いますけれども、併しあなたが八百二十八円以上に平均ならないという保証をされるならば、八百三十八円になつた場合はあとで計算をしてメーカーから取戻すというならいい、そういうことができておりますなら、それならいい。仮に八百三十円になつたという場合は、差額というものはメーカーから取戻しますか。仮に取戻して見たところでその差額二円というものを農家に戻しようがないじやないですか。あなたがどこまでも八百二十八円になるように指導するとおつしやいますけれども、そんなことはできるもんじやないですよ。それとも如何なる方法でやるんですか。行政指導ではそんなことはできませんよ。それほど今の国民は道義心が高くない。特に商社はそれほど道義心なんか持つていない。儲けさえすればいい。罰金を払つても儲けになればいいというのが遺憾ながら今の世相なんです。あなたはそういうことができますか、八百二十八円を必ず保証しますか。政務次官、八百二十八円を保証しますか。全国の農民に八百二十八円以上にならないと保証いたす、手段方法は問いません、あなたはそれを言明されますか。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 硫安会社に今度負担させた値上分はこの次の会計のときに当りまして更に遡つて消費者である農民には決して負担はさせないという決意を持つております。御了承を願いたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 次の問題、八百二十八円を政務次官保証しますか。今の制度では絶対に保証する方法なし。私ははつきり結論を持つているんだが、併しあなたがあなたの尽力を以てメーカーを指導し、商社を指導してこれをやれるという確信があるならここで言明して下さい。八百二十八円以上にはいたさないとはつきり言明をして下さい。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) その点ははつきりわかりませんから事務当局に説明させます。

吉岡千代三通商産業省軽工業局長

○説明員(吉岡千代三君) これは申しげるまでもないことでございますが、公定価格のきめ方に限月別にこれをきめる方法と、それから先ほど申上げましたような方法と二つあると思います。そこで現在の限月別の価格は今般決定を見ました二十九年度の月別の生産計画を基準にいたしまして、それに基いて年間の加重平均が八百二十八円になるようにこれを按分しておるわけでございます。そこで只今御指摘のよう仮にいろいろの関係で月別の生産 量が計画より変更して参つた、こういう場合におきましては、これは仮に月別に最高価格をきめておきましても今後一年間の月別の生産量を一トンも間違いなしに予測するということは実際問題として困難であると思いますので、その点は、毎月の現実の取引価格は月別にきめました行政上の価格以内に抑えるということは可能でございますけれども、いろいろの関係で月別の生産数量が変更したという場合におきましては、これは如何なる方法で最高価格をきめておきましても若干のそこに誤差と申しますか、そういうものが出て来ると思います。従いましてこれをどうするかという問題は将来の問題ですけれども、理論といたしましてはそういう形において出て参つた若干の誤差は来年度の最高価格決定の際にこれを調整して行くという以外に方法はないんではなかろうか、こう考えております。なお申すまでもなく今回決定を見ました最高価格は、これはいわゆる生産者の出荷価格でございますので、生産者の段階におきましては私どもはこれは十分に行政指導を以て月別の行政上の最高価格を上廻らないように出荷させるということにつきましては、これははつきり責任を以て申上げ得ると思います。その他の流通段階におきましてもこれは流通段階の価格は一応形の上におきましては法律の対象になつておらない。これは申上げるまでもないと思いますけれども念のために附加えておきたいと思います。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 私の質問がまずいのか答弁が悪いのか知りませんが、大変長くなつて相済みませんが、私は最後にこの問題につきましては仮に審議会がどうあろうとこの問題はあとに残します。というのは、法の精神はあなたのほうの八百二十八円は最高であつて、これは責任を持つというのが政府の立場でなければならん。ところが八百二十八円になるか、三十円になるか、三十五円になるか、やつて見なければわからんような政府原案というものはこれは完全に私はいかんと思う。而も次年度においてこれをアジヤストするとおつしやいますけれども、次年度においてアジヤストできるわけはないじやありませんか。次年度にアジヤストするときには前年度の調整の結果が出て来ないじやないですか。こういうことでいろいろ議論をしても仕方がありませんが、要するに今の政府原案というものは二十八円というものを絶対に法律の建前から農民に保証しなければならんのに保証の裏付が何も内容的にない、こういうものは我々は承服できないのです。どういうことか、これを私はもう少し詳細に御答弁を頂ごうと思いましたが、御答弁を聞けば聞くほど政府はそれに対して保証する何ものも持たないと、こういうことなんです。こういうことで一体私は法律の精神に照らして絶対に承服しない。次の委員会に、私は委員長に今からお願いしておきますが、法制局に一つこの問題についての見解を質したいと思いますから、その機会を与えて頂きたい、かように思います。なお政府においてはこれに対して附加えて答弁があればもう一遍して頂きたいと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) ありませんね……、答弁ないそうであります。時間の都合もありますし、政府委員のかたも次の審議会へ出なきやならんというので、若し御質問があればあと極極簡略に一つ願います。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 通産行政上重大な問題でありまするから、前国会において当委員会としても重大な関心を寄せておつたこの帝石の首脳部の人事問題であります。これが再び登場しているので、これを緊急質問を大臣にしたいと思いましたが、大臣は熱が出て出て来られない。恐らく総理が外遊前は皆閣僚が熱が出るのであろうと、まあ私は考えておるのでありますが、(笑声)このことは大臣には次の委員会のときに答弁を願うことにしまして、このことについて政務次官としてわかつておる範囲だけでもお答えを願いたいと、こう思うのであります。この帝国石油会社においては来る九月二十日臨時株主総会を開いて社長以下の首脳部の人事を決定することになつているが、仄聞するところによると、田代現社長は任期満了を機会に引退して、いわゆる株主派と称せられる菊池、南一派のボス鮎川義介氏が社長候補として新役員に選任され、通産当局もこれを了承しているということであるのです。で、愛知通産大臣は前国会において石油関係工法案を当委員会において審議した際に、当局はいわゆる株主派の策動を抑えて社長派を支持し、これを中心として帝石人事を解決すると共に、帝石をして我が国の石油国策を推進せしめ、名実共に兼備えた国策的会社に守り立てて行くということを明されたのであります。然るにそれ以来幾ばくもまだ日数もたたないのにおよそ大臣が言明した事柄とは逆な結果が現われようとしておるのである。而も通産当局が承認しておるというに至つては我々は大臣の曾つての言明、その政治的責任がどういうふうな関係にあるかという点をとくと確かめなければならない、こう思うのであります。ところで質問の各点でありますが、先ず第一に今春以来通産当局は帝石の株主派の策動に対して如何なる措置をとられたか、同時に社長派を如何に支持して如何なる対策を講ぜられてあつたか、これが第一番に伺いたいところであります。  第二に、鮎川氏を社長候補とする今日の新役員に如何なる理由によつて内々この承認を与えられたか、今回の取締役の候補者鮎川氏、岸本氏、城戸氏はすべて株主派の代弁者である、今回の人事がこのまま決定するということは社長派が完全に負けるのである。換言すれば株主派、菊池、南一派の策動が完全なる勝利を博した、そういうことを意味しておる。蒔石は遂に株主派によつて占領された結果になつておるのではないか。大臣は何故に事態が発生するのを何らなすところなく放置して最後の土壇場においてこれを承認されたのか、どういう理由によるかということが第二点。  第三には通産省代表者として前中小企業庁長官岡田君を新役員に加えられようとしておるのでありますが、岡田君は帝石の役員として適任者であるかも知れない、併しながら鮎川氏の社長就任と交換条件としたような感じが抱かれるのであつて、今回の措置は通産官僚の売込みとしてもまずいし、岡田氏個人にとつても不幸であり、適当なる策であるとは私は思わない、これが第三点。  殊に今回の人事については田代現社長の意向はどの程度まで取入れられるのであるか、恐らくは田代氏も賛意を表したと言われるかも知れないけれども、一切のお膳立てを揃えた上で詰腹を切らされたのが真相ではないか。  第五番目に、私は鮎川君の人物を云々するのではありません。併し彼は曾つて満州重工業において相当な活躍をした。満州重工業は侵略工業であつた。そのいわくつきの人間を又この帝石に持つて来る。東南アジアのビルマなり或いはインドなり南方方面の皆が今日我が日本に期待するところから想像しますれば、将来日本のこの開発事業というものは必ず東南アジアに伸びて行かなければならない、そういうときに当つてこの鮎川氏が社長であるということは果して東南アジアの人たちに如何なる感じを与えるか。私はその点から考えますと、個人としては実に立派な人ではありますけれども、この社長としては不適任であると私は考える。この点について大臣のはつきりした答弁を伺いたいと思つたのでありまするが、このことについて次官としておわかりになつておる点だけの御答弁をお願いしたいと思います。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 只今の御質問でありますが、私は帝石の人事につきまして、大臣に代つて答弁をするだけのことを知つておりません。どうぞこれは大臣出席の際に詳細にお聞き頂きたいと思います。なお大臣は熱を出しましたが、過労のための熱でありまするからして、そう長く熱が続くことはないと考えますので、成るたけ早く過労が直りまして、速かにこの委員会に出るようにお医者さんにもよく頼んでおきますから、そのときに一つ海野委員から御質問あられんことを希望いたします。私はその経緯についてはあずかり知つておりません。なおこの際私から皆さんにお願いしたいと思つておりますが、私は政務次官になつてからそう日がたつておりませんので、而も勉強が足らないので、お聞きの通りたどたどしいところの答弁をいたしましたことは、顧みて恐縮に存ずる次第であります。そのために皆さんに余計の質問をさせるというようなことになつたことは、申訳ないと思つております。併し私自身の答弁に対する皆さんの御不満については、只今のような事情でありまして、決して委員の皆様方を肩すかしをするとか、ごまかしするということは毛頭思つておりません。できるだけの誠意を以て率直にお話いたすつもりでありまするからして、どうぞ今日あたりの答弁を不満とされましても、今後遠慮なく率直に御質問を頂きたいと思います。私も率直に御答弁いたしまして、できるだけ期待に副うように今後勉強いたしたいと思いますから、その点善意の態度で似てお臨み頂きますならば大変幸いに存じます。今後の委員会の運営等、政府との関係もありますので一言この際この点御了承を願いたいと存じます。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 もう一点私お知慧を拝借したいと思うのであります。先ほどの電力の問題でありますが、国を挙げて皆反対しておる。あの山形県におきましても、党派に関係なしに自由党の人も社会党の人も皆挙つて各所からこの反対陳情にやつて来た。ところがその話がまだきまらないうちに、ぽかつと抜打的に料金の値上げを発表された。私どもは如何なる態度で大衆にまみえたらいいのでありましようか。一つお智慧を拝借したいと思います。私はどうしていいかわからない、実際ですよ。何とかここに釈明するところがなければ私は困りますよ。お知慧を拝借したい。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) 只今海野委員の意見は実は私も同感なんであります。私言いそびれてしまつたのでありますが、お智慧をむしろ私どもが少いために委員のかたがたからでもお聞きいたしますれば、政府に反映させる上に大変いいと、こういうふうに考えておるわけであります。非常に意見は同感なんでありますが、そういう点一つ御了承願いたいと思います。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) どうですか、大分時間も……。

海野三朗日本社会党(第四控室・左)

○海野三朗君 それでは私もうしようがありませんから、世間では政府が闇取引をやつたというところの評判が専らなんであります。で、こういうふうなことをやつたということは、それは法規上は差支えないことでありましよう、併し妥当ではなかつた、それでこれは確かに通産当局の黒星であるというふうに私は考えてよろしうございますか。

加藤宗平自由党通商産業政務次官

○説明員(加藤宗平君) どうも白星か黒星か二者択一の段階に立つたわけで、なかなかむずかしいのでありますが、これはどうも政府と皆さんがたの意見の相違ではないかと思うのでありまして、私から黒星だと申上げるまでには実は心が成熟していないわけであります。どうぞ一つ御了承をお願いいたします。質問の趣旨はよくわかつております。

石原幹市郎自由党

○委員長(石原幹市郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後一時十七分散会

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