通商産業委員会 閉会後第6号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/09/07
会議録
○委員長(石原幹市郎君) ではこれより通商産業委員会を開会いたします。 公報で御通知申上げました通り、本日と明日の二日附に亙りまして貿易政策に関する件と、それから中小企業に関する件、それから明日午後一時ぐらいから電気料金の問題も附加えまして議題にいたしたいと思つております。貿易政策に関しましては、まあ改めて申上げるまでもなく現下日本の喫緊の問題でございまして、現在朝野の問題となつておりまするデフレ政策も結局本をただしましたならば如何にして輸出を増進し、経済の自立を達成し得るかというところに端を発しておるのでありまして、従いましてこの貿易政策を検討することは当委員会に課せられました正安使命の一つであろうと思います。幸いに輸出はこの六月、七月と伸びましてまあ輸入の減少と相行つて国際収支は貿易だけで黒字になることになつておりますが、果してこれが健全なる輸出の伸びによつたものかどうかというようなことは相当検討を要する思うのであります。たまたま通産省におきまして輸出十七億四千万ドルを目標に産業政策の全面的な立直しを企図されておるようでありますので、先ずこれらの点を中心に審議を進めて参りたいと思います。この点に関しましては、通産大臣も前回の委員会におきまして、この次の委員会ぐらいで大体この輸出十七億四千万ドルを目標とする産業政策について説明できると申されておるのでありまして、まあ一応大臣からこの政策の構想を明らかにしてもらいまして、それから具体的のことを政府当局に更に引続いて御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 只今委員長のお話のございました主として貿易関係の計画の大要につきまして取りまとめましたことをこれから御説明いたしたいと思います。 先ず只今委員長も御指摘になりましたように最近の我が国の経済情勢を広く概観いたしまするに、昨年末以来実施して参りました緊縮政策は漸くその効果を現わしておると存ずるのであります。例えば卸売物価は年初来最近では大体九%強の下落を示しておりまするし、国際収支の面におきましても四月以来漸時好転いたしておりますが、時に六、七、八月と相次いで若干の受取超過を見るようになつております。併しながら一面最近に至りまして、緊縮政策の好ましからざる影響の半面といたしまして、商社や企業の倒産するものも相当多い、失業者も又漸次増加の趨勢を辿つておる。いわゆる金融引締政策のみではその効果は漸く限度に達せんとしつつあるように見受けるわけであります。 又更に目を外に伝じますると、ジュネーヴ会議の成果、インドシナにおける休戦の成立に伴いまして、大勢は漸次動乱よりもむしろ安定へと移行しつつあるように見受けるわけでございまして、世界各地域における貿易競争は次第にその激しさを加えんとして来ておるのであります。又すでに経済基盤の強化を完了し、通貨価値の安定を終了した西欧の各国、特にイギリス、西ドイツ等におきましては、近く通貨の自由交換性を回復して自由貿易主義の旗幟の下にそれぞれ貿易の拡大に一層の努力を傾注せんとしておる情勢でございます。こういうときでございますが、これらの状態から我が国の経済桁勢を観察いたしますると、前々から申上げましたように、戦後において生産は著しく回復、増大はいたしました、併し資本蓄積が不足なために、産業の基盤は米だ脆弱であります。又人口は年々増加の一途を辿つて、いわゆる追加輸入が重圧となつております。従いまして、現状のままを以ていたしますると、今後一層輸出を増加し、輸入を抑制しようとしても、そこにおのずから限度があると考えざるを得ない面もございます。又最近特需の収入はどうしても漸減的傾向を現わしておりますから、我が国の国際収支の均衡回復は非常に困難の前途を辿らざるを得ないのでございます。そこで何といたしましても、やはり国内においては緊縮政策を総合的且つ合理的に推進する。失業の救済に努めるということを図りますと共に、我が国産業の健全化、経済基盤の強化ということに努力をいたし、できるだけ速かに物価を更に対外的な割高から是正するようにいたさなければならないと思います。併しそれもこれもいわゆる経済外交の遂行によるほか、いろいろの考え方かございましようが、輸出の振興を図るということに帰着すると思うのでありまして、我が国の経済の終局の目標に、この国際収支をできるだけ均衡させる、拡大し且つ均衡させるということにあると思うのであります。そこで通産省といたしましては、御承知のごとく前々から全体の経済政策を相当長い目で見て、総合的に推進することの中核としては輸出計画というものをはつきり策定いたしたい、こういう念願をいたしまして、実は数カ月に亘りまして、当初はいつになつたならば、二十億ドル程度の輸出が確保ざれるのであろうか、できるだけ最近の年において二十億ドルの輸出を完遂したいものであるということを一つの目標にして作業を進めて参つたわけでございます。ところで結論から申しますると、その作業の結果は大体十七億四千万ドルというようなところに目標を差当り置かざるを得ない、併し逆に見れば、十七億四千万ドル程度は正常な輸出、努力によつて、いわゆる人為的ないろいろのリンク制度でありますとか、或いは補助金制度であるとかいうようなことを考えずに行き得るところであるというような結論になつたわけでございまして、これを一つの目標にして、今後の政策を推進して参りたいと考えたわけでございます。幸いにして、一方政府の与党である自由党におきましても、先般来そういつたような我々の考え方を全面的に取入れて、本日の新聞によりますると、全体の考え方が一応取りまとめられたようでございますが、この輸出計画、輸出目標というものが大体私どもの考えましたことを取り入れてありますことは、私どもとしても誠に結構であつたと考えます。 そこで今度は具体的に内容に入りまして御説明いたしたいと思うのでありますが、今日「新輸出計画について」という簡単なものではございますが、出願をお配りしてございます。これが私どもの考えました結論を集約いたしたものでございますが、更にこれに基いて詳細な点につきましては後刻通商局長その他から御説明することにいたしたいと思います。さて、この書類を御覧頂きますと、第一は、計画作成の基本的な考え方を綴つてございます。第ニには、輸出計画の概要を綴つてあるわけでございます。この二点につきまして、順次御説明いたします。作成の方針の第一は、目標の年度において正常な貿易によつて極力国際収支の改善を図ることを目途として作業を行なつたわけであります。それから再三は輸入についてはどうしても食糧、原材料、或いはその他の工業力を活用いたして参りますためには、二十億ドルベースの輸入はどうしても絶対日本経済自立の上に不可欠であると考えるのであります。勿論一億ドル程度の出入りは、或いは考え得るかと思いますけれども、概して申しますれば、食糧等について平年作を前提として考えまする場合に、大事をとりました場合、最低限度二十億ドルの輸入というものはどうしても必要であろう、こういうふうに考えますので、これに相対応するような、適応するような輸出構成の変化なり、或いは自給度の向上というものを考えて、輸出計画というものを作ろうという考え方をとつたわけでございます。 第三には、同時に産業の実態なり市場の条件なり、当該商品の予想国際競争力等の観点から、実現の可能性を強くすることに努めたことであります。机上の空論やデスク・プランに終りませんように、先ず内地における輸出の因を作る産業の実態を或る程度見通すこと、それから売れるほうの、市場の条件等について見通しを立てること、更に第三国、商品の競争力が今後どうなるであろうか、或いは輸出国として考えられておるその市場において、新たな競争力が起るのではなかろうかというようなことを、相当の程度、できる限りの勉強をいたしまして、実現の可能性ということを重視するべく努めたつもりでございます。それから第四は、目標年度におきましては、先ほども申しましたが西欧の主要諸国の通貨の自由交換性というものが相当の程度回復するものと前提をいたしまして、国際競争力のある物資に重点を置いて、輸出の伸長を図ることとしたわけであります。ただ単に現状がこうであるからという単純な予想でなく、特に国際競争力がありそうに思われる、或いは現にあるものに重点を置きました。第五は、中共向けの輸出でありますが、将来特需の減少に見合いまして、品目別についてもかなり大幅な措置が講ぜられるものと想定いたしたのであります。これは現在の政策としては、一つは、品目の緩和ということに努力をしておることは御承知の通りでありますが、その品目の緩和ということを前提にしつつ、而もそれにかなり大幅な期待を或る程度持とうとするわけであります。 大体以上申しました点が計画作成の基本的な考え方でありますが、今度は計画の内容につきまして申上げますると、先ず輸出目標は、只今申しました通り、目標年度においては、市場別、商品別に十分な考慮をいたした結果、十七億四千万ドルということを想定して参りたいと思うわけでございます。この数字は二十八年度の実績に比べますと、約五億ドルの増加となるわけでございまして、なかなか困難な目標ではあろうと思います。 それから市場別の計画は、先ず筋一に通貨別に輸出計画を作つたわけでありまして、先ほど申しましたように、相手国の市場の事情、将来性、輸入市場の策南アジア方面への転換及び先進国向け輸出の強化等を考慮して主要国ごとにこれを横上げ、各通貨地域別、市場別の目標を算定したのであります。現在の実績等で見てみましても、例えば輸入についてはドル地域からの輸入が非常に多いというようなことも考えまして、今後とるべき日本の貿易政策としては、輸入市場の、ここにもあります転換ということも考えなければならない、又これは輸入市場の転換ということは、大所高所からの政治的な立場からもかなり考えなければならん問題だと思いますが、そういう点を考慮に入れたことも当無であります。こういつたような考慮をいたしますと、最も伸長高の多いのは、スターリング地域向けの輸出でございまして、これに次いでドル地域向け、オープン・アカウント地域向けの順序に相成るわけでございます。 更にこの地域別の輸出伸長の見通しについてここに表がございますが、御覧の通りと思いますが、例えばドル地域で申しますと、二十八年度の実積は四億五千三百万トルでありますものを六億二百万ドル程度にいたそうとするわけであります。スターリング地域につきましては、三億三千四百万ドルを六億九百万ドルにしようとするわけであります。オープン・アカウント地域につきましては、四億五千七百万ドルを五億二千九百万ドルにしようとするわけでございます。その右側にこの伸長の高、それから伸長の率を掲げてございますが、スターリング地域に対する一八二%というのが最も大きな比率を占めるわけであります。なお現状二十八年度の実績と、目標年度との間におきましては、例えば現在スターリング地域向け輸出は総輸出の二割七分でありますものを、三割五分にしようというのであります。ドル地域については三割六分であつたものを全体の三割五分、全体の比率から言えば、ドル地域向けはちよつと下るということになるわけであります。 それからその次に山南アジア向け輸出計画でございますが、東南アジアの市場については購買方の面から大きな制約があることは申すまでもございません。そこで目標年度において市場転換による一億ドルの輸入の増を考え、それと一億三千万ドルの出超計画を考慮しても、輸出は七億ドル程度と見込まれるわけでございます。その結果、伸長高は一億八千万ドルと相成りまするので、全伸長高の三割七分に過ぎないのでありまして、目標年度における東南アジアの輸出構成の比率は、二十八年度の実績よりも下廻るということは先ほどの表のところで御覧の通りでございます。 それから中共貿易につきましては、米、大豆、石炭等の市場転換を考えまして約七千万ドルの輸入を計画し、これと同額の輸出を期待いたしたわけであります。で、この際中共向け禁輸の緩和についてはかなりの措置が講ぜられるものと想定したのであります。これは御承知のごとく、今年に入りましてから、輸入は今年の一月から大体半年の間の輸入が千九百万ドル程度であります。これは昨年に比べますと、昨年は年間で大体そのぐらいだつたものが、今年は半年でそのぐらいになつておりますから、相当の中共からの輸入は伸びておるのでありまするが、一方日本から中共への輸出につきましてはまだ遥かにそれに及ばないのでありまして、特にこの禁輸の緩和ということがここにも書きましたように相当大幅に講ぜられないと、七千万ドルの同額の輸出ということは期待できません。又、中共貿易につきまして、これは私の一個の私見でございますが、非常に大幅に、というよりは徹底的に緩和されたという場合を考えましても、現在の状態においては九千万ドルの輸出ということはもう最大限度のことであるというふうに考えておるわけでございますから、この出入り七千万ドルというものはかなりの他の条件が熟さなければいかんのではないかと考えられます。 それから東南アジアの輸出伸長の見込につきましてはこの第一表に数字が出ておりますから、これによりましてお読み取りを願いたいと考えます。 その次に商品別の輸出の計画でございますか、これも第三表に商品別の輸出伸長の見込がございますから、それと見合せて郷覧頂きたいのでありますが、先ず商品別の輸出伸長状況を見ますると、機械一億二千百万ドルの伸びを示しておると書いてございますが、これは計画がそういうふうになつておるのでありますが、これは主に軽機械類及びプラントの一部の輸出増を考えておるのであります。それから繊維製品の伸びにも大きなものを期待しておるのでありますが、これは紙を含んでおるのであつて、繊維の中でも生糸、化繊布及び二次製品の輸出の増加というものがこの繊維の中で輸出を期待しておるものの主な部分でございます。 それからその他では農水産物及び雑貨が依然相当大きな輸出の比重を占めておるのでありまして、鉄鋼製品については輸出の伸び悩みということが考えられます。 それから輸出品を考えまする場合その構成の中で重化学工業化の傾向は鉄鋼の輸出構成率の減少というものを見込みますと、僅か四%程度の前進なのでありますが、これは重化学工業製品の主たる輸出市場でありまする東南アジアに先ほど申しましたが購買力その他の関係で輸出の伸長が未だ大して期待できないことと、我が国における輸出競争力や販売態勢にまだ欠けるところがあるといつたような事情に上るのであつて、そう大して大幅の伸長度合は望めないと思うのであります。 第三表は説明を省略させて頂きますが、大体ここで主な商品別の伸び工日の見通しを掲げたものでございます。 それからその次に今度は現存大したことはなくても輸出の伸びが期待できる産業、或いは言葉を換えて言えば輸出として適格な性格を持つておる産業というものの今後の伸び方を見通したわけでございます。それは最後の頁の第四表に概略出ておりますが、どういうものを称して輸出適格産業として取上げたかと申しますと、外貨の手取率が高く且つ加工度の高い商品で今後相当大幅に輸出の伸びが期待し得る適格商品を六つの部類に類別しまして、その振興対策を総合的に検討いたしたのであります。これらの輸出適格産業によりまして輸出が四億九千七百万ドルの増加であります。そのうち三億九千万ドルはこれによつて稼ごうというわけでございます。比率にして七八%をこれによつて稼ごう、こういうわけでございます。 それから輸出適格産業は今後における振興対策の重点を置くべき対象でありますると共に、その対策は総合的且つ強力に行わなければ目標の達成は困難であることは申すまでもございません。一方これ以外のものでも目標年度においてなお三七%という輸出比率を占めておりますので、従来の輸出振興対策は依然として推進してやることもこれまた申すまでもないことでございます。 さて輸出計画を作りましてもさつき申しましたようにテーブル・プランに終つては何にもなりませんので、この計画を具体的に推進する努力と機構とが考えられなければならない。これには全産業政策、経済政策や財政金融政策もここに集中して来なければならないと思うのであります。差当り貿易という点、或いは輸出ということに限定して考えて見ました場合でありましても、少くともここに掲げたような三つの対策は必要であろうと思うのであります。一つは市場分析を徹底すること、一つは産業別の振興対策を具体化すること、第三はこの計画達成のための推進組織を設置したいということであります。市場分析の徹底につきましては第十九国会以来いろいろの機会に申上げておりますように、例えば在外公館の経済関係を充実することもそうでございましようし、従来のジェトロというようなものを拡大強化して一元的なものにしたというようなこともその具体策の現われであります。国際見本市であるとか、いろいろの方法がここに考えられて来ると思います。それから産業別振興対策につきましては先ほど申しましたようないろいろ金融対策や税制対策或いは企業診断とかいろいろのことがこれもあると思います。そういつたようなことの推進をいたしますために、政府として全体的に輸出推進について大きな意図をはつきり表現し且つ具体的な効果を狙いますために、通産省としては輸出振興のための最高会議といつたようなものを作ることが適当ではなかろうかと考えております。まだ政府の方針として決定するには至つておりませんが、通産省としてはこの計画推進のために是非必要な考え方であると思つておりますが、更にそれと相照応し、或いはその下部機構となつて各産業別、経営別に具体的な輸出振興のための機構というものも考えたならば相当の効果があるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 大体以上がこの新らしい輸出計画について考えました大綱でございますが、勿論これは前々から申上げておりますので更に附加えて申す必要はないと思いますが、これの実質的な輸出振興対策としては、輸出品のコストの引下げのために効果的な手を打つて引続き行かなければならないと思います。それから輸出金融の優遇措置や輸出所行に関する税法上の特別措置も更に強化いたしたいと考えております。それから一面為替操作等によるいわゆる人為的な輸出政策というものは成るべく速かに廃止するように努めなければならないと思つております。それから商社の対外競争力を高めるために統合強加を図らなければならないと思つておるわけであります。又生産業者のみ、又は生産業者を主体としてこれに輸出業者を加えたものによつて輸出に関する協定などが結び得るようにするということも必要であろうと思いますし、アウト・サイダーもこれを律し得るような組合にするということもやつて参らなければならないと思つております。これらのことは諸般の内容的実質的な政策でございますが、これを相ともどもに推進して行かなければならないということは当然のことと考えておるわけでございます。 大体以上を以ちまして私の説明を終らして頂きまして更に細かい説明を申上げたいと思つております。
○委員長(石原幹市郎君) 大臣に対する質疑は明日の午後ということにいたしまして、引続きまして通商局長から最近の貿易の趨勢というような問題について補足説明をして頂きます。 それから更に外務省の経済局長から経済外交の現勢といいますか、ガット加入の問題、或いは通商協定の進捗状況、或いはこの頃いろいろ話の出ております米国の関税問題、こういうような問題について引続き説明を求めたいと思います。
○説明員(板垣修君) 私から最近の貿易の事情について御説明を申上げます。資料を配付してございます。最初にこういうような外貨手持状況というのがあります。これを御覧願いたいと思います。この表の順序は必ずしも適当でないのでありますが、便宜上この順を追つて柳説明を申上げたいと思います。 最初に最近の外貨手持の状況を御説明申上げますと、御承知のように全体として最近では非常に外貨の子持が減つて参つておるのであります。これをドルについて見ますというと、五三年の九月を御覧になりますと、八億八千三百万ドル、これが大体今までの過去における日本のドル手持の最高額であります。これを境といたしまして、それ以後毎月少しずつ減つて参つております。そうして今年の六月では五億三千二百万ドル、約三億五千万ドルばかりの減少を、示しておるわけであります。 それからポンドについて見ますると、左側がポンドで右側がドル換算でございますが、ポンドのほうで見ますると、五二年の六月の状況が一億二千六百万ポンドという巨額なポンドを日本が持つて、いたことは御承知の通りであります。これがピークで、ありまして、それから急激に減つて参りまして、五三年の中頃、八月頃になりますと、これが、二千八百万ポンドというふうに減り止した。それから多少殖えておりますのは、ポンドがこれ以上減りましてはポンド貿易上の資金繰りに因りますので、スワップとかそういうようなことでドルから借換えたりそういうことをいたしまして多少殖えておりますが、今度の受取といたしましてはずつと減つて参つております。殊に五四年の一月、二月、三月は再びポンド地域からの輸入超過がありまして、二千五百万ポンド、二千四百万ポンド、二千六百万ポンドというふうに減つて来ておりますことは御承知の通りであります。結局日本の本当の意味の外貨と申しまするのは、ドルとポンドでありますから、この二つを加えまして全体の経過を見ますると、大体五二年度は、ポンドとドルと合せまして、合計で十億ドル台であつたわけであります。それが五三年の一年間に約一億ドル減つたわけであります。即ち五二年の十二月は十億九百万ドル、ドルとポンドの合計でございますが、それが五三年の十二月には九億八百万ドルということになりまして、大体一億ドルがこの一年間に減つたということが言えるのであります。それが五四年、本年に入りましてから非常に入超になりまして、急激に減りまして、今年の四月には一億ドル、従つて九億八百万ドルから七億八百万ドルというふうに急激に、三カ月間で一億ドルも減つておるのであります。六月になりまして、六月の合計が六億五千四百万ポンドでありますから、更に五千万ドル減つております。併しながら本年の四月以降になりましてからは、外貨予算も多少殖えましたし、それから輸入事情というものも、引締政策の結果減り、一方受取のほうも殖えて参りましたので、最近は減り方は多少鈍化の状況になつておるわけであります。 次に清算勘考の貸越でありますが、これは例えば御承知のように債権であります。従つて通常の状態ならばこの数字が殖えることは、日本の債権として結構なのでありますが、現状におきましては、これが余りに殖えることは、結局現金にならない債権だけが殖えるという状況でありまして、現状においては、この数字が余りに大きいということは好ましくないわけであります。それがこの表で御覧になりよすとわかりますように、五二年の六月には、一億三千四百万ドルといよううな大きな数字になつておるのでありますが、これがだんだんと減りまして、五三年中は比較的或る意味で減つて、順調な経過を辿つていたわけであります。それが本年の三月以来殖えたのでありまして、三月には一億ドル、四月には一億二千四百万ドル、五月には一億二千五百万ドル、六月には一億三千五百万ドルというふうに殖えて参りました。これは主としてインドネシア、或いは韓国というようなところに対する貸越勘定の残高でありまして、これが解消については非常に私どもは頭を悩ましておる次第でございます。従いまして、一番最後に、合計の外貨保有高を書いてありますが、先ほど御説明申上げましたようにドル、ポンドの合計、清算勘定というものは、一応別に考えたほうが便宜ではないかと考えるのであります。 外貨の保有手持状況につきましては、以上のような状況になつております。 次に、最近における主要輸出商品価格国際比較というものを表で差上げてございますが、これはなかなか調査は困難でありまして、ここに挙げておりますものも非常に断片的であり、全体としても完全なものではないのであります。併し大体の傾向はわかると思いますが、結局最近の状況におきましても、国際価格に比べまして競争力のあるもの、或いはむしろ国際価格よりも下廻つているというのは綿糸、人絹糸、主として繊維製品であります。 綿糸について見ますると、今年の六月で二十番手でポンド当り五十一セントという数字になつておりまして、大体本年の初頭の価格に戻つておりまして、これはその他のイギリス、イタリアと比べましても相当低い価格になつております。 それから人絹糸を見ますると、これも大体同じで、他の国際価格に比べましてずつと下廻つておる状況にあります。併しながらその他の輸出商品、棒鋼であるとか、厚板、それからアルミニユーム、セメント等を見ますると、これは皆やはり国際価格より割高な状況になつておるわけであります。自転車もやはりまだ割高のようであります。それからミシンは、これは御承知のように日本品のほうが安いのでありまするが、むしろ最近の問題は余りに安く売り過ぎて売込先で問題を起しておるという状況になつておるわけであります。一番最後にありまする硫安、これも最近はなかなか東南アジアにおきましては需要が多いのでありまするが、まだ価格におきまして少し国際価格を上廻つておるという状況でございます。 次に地域別の輸出入額の推移という表がございます。これで最近の輸出輸入の状況を見てみまするというと、先ず輸出につきましては御承知のように昨年、一昨年は大体十二億七千万というところで同じ数字を示しておるのであります。これを月平均で見まするというと大体一億六百万という数字になります。でこれを本年の一月からの数字について見ますると、一月は九千四百万でそれを下廻つておりまするが、三月以降は漸次この数字を遥かに上廻つておるのでありまして、殊に七月は一億四千二百万というような大きな数字を示しております。輸入につきましては一九五二年が二十億ドル、昨年は御承知のように二十四億ドルというような大きな数字を示したのでありますが、これを月平均で見ますると、一昨年が一億六千九百万、昨年は月平均一億ドルということであつたのでありますが、今年の一月、二月、三月、少しずれまして四月頃までは、やはり昨年からの緊急輸入の分が今年になつて入つて参りましたので、非常に大きな数字になつております。併しながら六月頃から漸次この数字が減つて参りまして、輸出輸入というものが大分バランスが合うようになつて参つておるのであります。これのドル地域、スターリング地域、清算勘定地域というものの紬かい表がございますが、これは省略いたしたいと存じます。 それから次に主要商品の輸出金額及び数量の実績を昨年と一昨年の分で出しております。これは実績だけの数字でございますので、御説明は省略さして頂きたいと存じます。 それから次に主要商品の輸入につきまして金額と数量とを御参考までに掲げておきました。 それから次に、では今年の二十九年度の輸出見通しはどうかという問題でございます。これにつきましては私どものほうで最近まだ作業をしておりまして、ここに掲げてあります数字よりは少しは変るかも知れませんが、大体においてそう大きな変化はないと見ております。大体本年の上半期の輸出状況が予想外によかつたために、年間を通じまして下半期は多少上半期のような調子では行かないという見方をしておりまするが、年間におきましては大体十三億七千万、或いは十三億八千万という数字になるのじやないかというふうに考えておりまして、昨年一昨年よりは一億ドルちよつと上廻る数字が出るのではないかと私どもは予想しております。でこれを品目別に、グループ別に見ますると、食糧及び飲料が一億三千七百万ドル、これは昨年は一億三千百万ドルでありまして、少し上廻る。繊維は昨年より大分上廻りまして、昨年の四億六千万に対しまして五億四千七百万という見通しでございます。本材及び木製品は、これは余り変化はなくて五千二百万。動植物産品は二千二百万。油脂及び蝋類は千八百万。化学製品は五千九百万、これは昨年より少し落ちる見通しでございます。それから金属は昨年より少し上廻りまして二億八百万という見通しを立てております。それから非金属鉱物は七千万。機械は、大体昨年と同じ程度で一億八千七百万、その也雑が七千五百万、合計十三億七千五百万という数字が出ております。主として、従つて本年度の輸出増の主なる原因は、やはり繊維製品の輸出噌であります。昨年よりも大体八千万ドルくらい殖えるという見通しに立つておるわけであります。右のほうに主な商品別につきましてその金額と数量の一応の予想表が出ておりますので、御覧を願いたいと存じます。 それから次には昭和二十九年、本年度の四月から九月、即ち上期の輸入貨物の外国為替予算の実施状況でありますが、御承知のように本年の外貨予算の編成に当りましては、昨年二十四億というような大きな輸入がございましたので、本年は少し締めまして、大体支払ベースで二十億ドル台を維持するという見地の下に予算を組んだわけでございます。上半期は大体この合計の左の欄にありますように十億七千二百万ドルという予想を組んだわけであります。これにつきまして現在はまだ上期の予算の実施途中でございますので、全額今まで公表いたしました分はこの右側にあります合計の六億八千七百万にしか過ぎませんが、これは今後九月末までにもう少し公表は殖えると思います。併しながら上期の実施状況を見てみますると、金融引締政策というようなものの効果もありまして相当輸入需要は減つておりまして、本年度上期は相当程度の末使用残が出る予定でありまして、これが下期の予算に金繰りといたしましては繰越されるということになるわけであります。それで二十九年度は国際収支の見通し上支払超過はどうしても或る程度止むを得ないのでありまするが、できる限りその金額を減少することを考慮いたしまして、先ほど申上げましたように輸入負物予算といたしましては上期当初は十億五千万ドル、実際の予算といたしましては多少その後追加がございまして十億七千万ということになりまして、下期は十億九千万ドル見当で、手間の予算といたしまして二十一億四千万、実際の支払ベースといたしましては二十億ドルの支払ということで行く方針でありまして、下期の予算につきましても、まだ具体的な品目別の予算は只今作業中で結論は出ておりませんが、大体本年当切の予定に従つて下期の予算を編成したいというふうに考えております。 最後に特需の関係の表がございます。これで御覧を願いますると、特需は非常な最近は減少の傾向を示しておりまして、一九五二年は最高の特需収入があつた年でありまするが一月平均で見まするというと六千八百七十万ドル、年間で八億三千四百万の特需収入があつたわけでありまするが、五三年は少し落ちまして、年間で八億一千二百万、月平均で六千七百七十万というように少し落ちたのでありまするが、本年に入りまして、この表で一番最後の欄で御覧願いますように、非常に減つて参りました。一月三千四百万、二月は少し殖えましたが五千二百万、三月四千三百万、四月四千九百万、五月四千七百方、六月五千五百万というふうに減つて参りました。一—六月の上期の平均でも四千七百万、昨年の六千七百万に比べまして月平でも二千万くらいの減になつておるわけであります。七月はちよつと殖えておりまするが、これは毎年予算の切換時でいつも殖えるのでありまするが恐らく八月以降は又うまく行つて一—六の平均程度の数字に落ちるのではないかというふうに考えております。本年度の年間の特需の見通しといたしましては最高六億ドル、悪くいたしますれば六億ドルを少し切るのじやないかというふうに私どもは見通しをしております。 簡単でございましたが、一応最近の貿易情勢について……。
○委員長(石原幹市郎君) 有難うございました。 加藤通産政務次官初めでございまするので、ちよつと御挨拶申上げたいそうであります。
○説明員(加藤宗平君) この機会を借りまして御挨拶を申上げたいと存じます。私加藤宗平であります。今回通産政務次官に就任いたしまして、皆様とは最も親しい場に立つておるわけでございます。然るにかかわらず、私自身顧みまして甚だ微力で、そして又通産行政に対しましてはいわゆるアマチュアであります。考えてみまするのに、第二次世界大戦後における政治構造の変革は経済面にも非常に複雑多艇な様相を示しております。この間に処しましての内外に亘る通産行政というものは、これ又非に複雑そして微妙であることを思わないわけには参らないのであります。就任早々でまだ的確に通産行政を把握いたしまして、そしてこれを表現するという、教養の面におきましても、技術の面におきましても、甚だ未成熟の状態にあります。併し全力を尽して行きたいと思います。何分とも委員各位におかせられましてはどうぞ寛容なる気持と善意を以て今後お付き合い下されんことを特にお願いを申上げまして、私の挨拶とする次第でございます。
○委員長(石原幹市郎君) それでは引続きまして、外務省のほうから経済外交の現勢というようなことについてお話を承わりたいと思います。
○説明員(朝海浩一郎君) 只今御指摘のありました日本のガット加入の模様と、その機会に従来の経緯も簡単に申述べさせて頂きまして、それからその次にアメリカの日本に対しまする関税、輸入の動きと、それから日本の通商航海条約の締結の各国との締結状況につきまして簡単に御説明申上げたいと思うのであります。
○森崎隆君 ちよつと御説明の前に……、別に資料はございませんか。
○説明員(朝海浩一郎君) 資料はございません。私も詳細に予告を受けて参りませんので、資料はございません。 ガットにつきましては、これは我が国が直ちに加入いたそうと思つたのでございますが、これは御承知のようにアメリカが大規模な関税交渉をやる時期にございませんものでして、従いまして仮加入という非常に暫定的な状態に甘んずるはかなかつたのでございますが、この八月にガットの会期間委員会がジュネーブで開かれました。そこで会期間委員会に対しまして日本は、これは会期間委員会でございますが、日本のほうから今産行われます締約国の会議には日本の加入の問題を上程さしてくれということをこの会期間委員会に申入れまして、いろいろいきさつもございました、その結果会期間委員会は、それじやこの日本との関税交渉を行うために第九回、この次の会議は第九回の締約国の会議でありますが、第九回の締約国の会議にこの日本の加入の問題をかけるということにきまつたわけでございます。そしてこの第九回の締約国の会議は十月二十八日からジユネーヴにおきまして開催される予定でございますが、この第九回の会議に勧告されて、この会期間委員会の勧告は採択されるということを前提といたしまして、ガットの事務当局から、日本との関税交渉に参加を希望する国は、成るべく九月の十五日までに参加を希果するんだということをガットの事務当局に申入れてくれ、それから資料や譲許の要求表は遅くも十月の三十一日までに交換してもらいたい、関税交渉をやる国と国との間において交換してもらいたい、こういうことをガットの事務当局が言つておるわけであります。それにすぐ引続きまして目下我が国も関係の国に対しまして、日本と関税交渉をしてもらいたい、そうして関税交渉した結果、日本がガットに加入することかできるようば状態を作つてもらいたいということを、個別に未だ我が国から各国に申入れているのが現在の状況でございます。そしてアメリカのほうは御存じのように、この会期間委員会におきまして、日本の加入のための関税交渉を援助するために、日本がアメリカに対して主たる供給国でないような品目についても、アメリカはほかの国と関税交渉をする、つまりはほかの国に対して日本との関税交渉を、何と申しますか、よりアトラクテイヴにするために、アメリカも日本の関税交渉側面から援助するということを明らかにしてくれておるのでありますが、この結果関税交渉参加国と日本との間に譲許要求表の交換を行いまして、そうして十月二十八日から開催される予定の第九回の締約国の会議で、日本の加入という原則か採択されまするというと、すく関税効用が開始されまして、その開始されます時期は、恐らく来年の二月頃になるんではなかろうかと思います。相当長い交渉でございますし、日本といたしましては初めての経験でございますので、又日本は各国と同時に関税交渉をやらなければならないという非常に複雑した交渉がニ月からジユネーヴで行われることになるわけであります。そうしてその交渉を行いました結果、更にその次の又締約国の会議を開きまして、その締約国の会議が三分のニの多数で日本の加入を可決してくれれば、そこで日本かガットに正式に加入することができる。その加入の時期につきましては、これは勿論いつ締約国会議が開かれるかわかりませんので、的確に申上げかねますが、まあ時期は来年の中頃以降ではなかろうか、幸いにしてうま日本が、加入の原則が三分のニの多数で可決されますれば、来年半ば以降に加入は実現されるのではなかろうかというふうに私どもは希望いたしておるわけであります。それから、その会期間委員会の際に、日本の代表からいろいろ説明をいたしましたのに対しまして、三十一カ国から発言がございました。日本のガット加入に対しまして無条件で賛成してくれた国は、パキスタン、ドイツ、スウエーデン、ベルギ一、オーストリー、ウルクアイ、オランダ、ドミニカ、ノールウェー、こういう国が賛成してくれました。それから多少の条件を附けて賛成した国もあります。それから明らかに留保いたしました国はイギリスとフランスであります。このニ国は明確にその立場を留保いたしておりますか、その他の国につきましては、或いは賛成、或いは条件を附けておりますので、この条件を解いて日本と関税交渉を持つてくれるようにという交渉を目下個別的に外交の経路を通じまして各国と交渉いたしておるのが実情であります。 それからその次にアメリカの日本に対する関税引上けの空気申上げますと、これは私どもワシントンにおきまして、又東京におきまして常にアメリカ側に対して申入れておるのでありまするが、日本の経済援助というものはグラントであるとか、そういう形ではなくて、日本が出してるものをどんどん買つて、そうして日本にドルを与えてくれることが一番日本の経済に役立つゆえんなんであるということを指摘いたしておるのでありますが、アメリカ政府のほうはまあそれといたしまして、併しアメリカの業界の空気がいろいろございます関係上、今までいろいろな問題につきまして、関税引上げの空気がうん醸して来ておるのであります。例えば毛編の手袋でありますが、それが一つの例でありますが、これも関税委員会にかけられて相当問題になりました。こららから反駁資料を整備いたしてアメリカに送つておりますが、それから又木ねじも七月上旬にアメリカの関税委員会が輸入業者並びに製造業者双方から意見を出せということを言つたことがございますが、これも相当問題になります品目でございます。それからミシンにつきましては先ほど通商局長からもお話がございましたが、相当日本のミシンが安い値段でアメリカに輸出されますので、日本といたしましては恐らくそういう安い値段で売る必要はないんじやないかと思うのでありますが、安い値段で売られますために大きな恐慌、恐慌というほどのこともないのありましようけれども、業者の間に相当の騒ぎを醸しておるということもございます。それから又カメラや「まぐろ」の缶詰などの関税引上げについても、これは依然としてくすぶつておるという状態にありますことは御存じの通りでございますし、それから「えび」につきまして、これは最近生鮮と冷凍の「えび」に三五%の従価税をかけるというので、従来は無税でありましたが、これを八月八日に下院に一議員が提出いたしました。これは日本といたしまして非常に痛いのでいろいろ交渉いたした、又いたしております経緯もあるのでありますが、そのほか細かいものでは「ます」なんかにつきましてもごたごたがございましが、こういう品目につきましてなかなか向うの製造業者との利害関係が一致いたしませんので、最近スイスの時計のように引上げが実現いたしました例もございますので、日本のワシントンにあります大使館に資料を送りまして、政府の筋を通じまして反対運行を行いますほかに、米国輸入業者と協力いたしまして弁護士を頼んで関税委員会の公聴会などで日本が反対意見を述べるというふうな手を打ちまして、できる限り、殊にガットの加入に対しまするアメリカのそういう好意のある関税交渉の趣旨から見ましても、アメリカ自身が日本からのこういう品物に対する関税の引上げをやることはやめてもらいたいという交渉をいたしておるわけでございます。 それから最後に日本と各国との通商条約関係でございますが、これは本年の三月末の現在で国交未回復国は二十五カ国あるのでありまして、戦前殆んど日本はすべての国と通省航海条約を結んでおつたのでありますが、戦前の条約回復国が十一カ国、それから新条約の締結国はニカ国に過ぎないというふうな状況にございます。これを更に細分して申上げますというと、国交回復、又は新たに交交を樹立いたしました国は五十七あります。五十七の内訳は、条約批准書を寄託した国が四十一ございます。それから交換公文によつたものが十四、それから事実上大公使を派遣しておりますものや、それから中立国が二、こういうふうな内訳になつております。又木回復の国でありまけれども領事や在外事務所の関係で国交回復に準ずるような国が三つございます。又如何なる形の国交もない国が十六ございます。先も今申しました国の中には日本が承認しておりません北鮮、中共、東ドイツ、外蒙古、それはその国の中に入れておりませんが、こういう内訳になつておりますし、通商航海条約の締結の状況は満足に行つておらないのでありますか、これは例えば一番日本が重視をいたしておりますイギリスとの関係を見ますと、日本との経済競争にあります立場とか、相当日本に対する感情がまだ悪いという関係がございますとか、或いは差当り日本と通商航海条約をそんなに急がなくても痛痒を感じないという事情があるとか、そういう関係からいたしまして、私どもは機会がありますごとに、例えば日英会談におきましてイギリスと交渉いたしますときには、早く日英通商航海条約を作るようにということを申入れておりますし、又最近セイロンの代表が参りましたときも、日本とセイロンとの通商航海条約を早く作ろうじやないかということも申入れておるのでありますが、機会みてそういう交渉はいたしておりますが、現在は国際的に昔のような満足した平等な地位には回復することはなかなか道が遠いという状況にある次第でございます。
○海野三朗君 今のについて質問があります。
○委員長(石原幹市郎君) ちよつと速記をとめて下さい。 (速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて下さい。
○河野謙三君 農林省、通産省の関係の局長が御出席でありますから、この前の通常国会のときの肥料の法案の審議の経過において、加里肥料についての政府の扱い方については愛知通産大臣兼経済審議庁長官から言明があつたので、その方針はその後現政府の加里肥料に関する政策として倣として踏襲されていると思います。と申しますのは、内容はこの前の肥料の審議会のときに、問題はむしろ硫安でなくて過燐酸と加里だ。これが非常に不足の状態を告げていそので、末端の価格が徒らに中間搾取よつて三割乃至五割高いじやないか、だからこの際にこそ加里肥料を需給調整法の中に品目を追加すべきである、こういうことを申しましたのに対して愛知通産大臣ははつきりと、これは速記を御覧願つていると思うのですが、同時に今日御出席の経済局長はそのときにおられた、それはそうしなくとも加里の市況の改善については輸入量について外貨について優先的に考えることによつて、若し不足を来たすようなときには外貨を追加して加里肥料の安定を図ると、こういうことをはつきり言われた。先ずこれを、私の申上げたことと、大臣の言われたことに関連いがあつたかないか、先ずそれを前提として伺つておきます。
○説明員(小倉武一君) 只今の御質問のような趣旨で通産大臣も御答弁になつたと思います。
○河野謙三君 そうするとその後加里の市況は改善されておりますか、されておりませんか。これは農林省の所管でありますが、農林省は末端の価格についてどういうふうに、あなたの手許に調査が来ておりますか。
○説明員(小倉武一君) その後加里の手当につきましては外貨予算で当時御承知のようなことで進行して参つております。その後著しい改善というわけには参りませんけれども、特別に併し値が上るといつたようなこともございません。併し御指摘のように特に改善されたというようなこともございませんので、丁度下半期の外貨を組む時期になつておりまするので、その節に従来の需給関係を再検討いたしまして必要な措置をとりたい、かように存じまして、只今その期の外貨の組み方について関係の向きと折衝しておるのであります。
○河野謙三君 その後上つていないのですね。現にあなたの手許にもそれぞれ所管の疎からの行政報告が行つておるはずですが、春以来あなたのほうで責任を持つて硫酸加里は標準価格は九百五十円だ、これがすでに高過ぎる。併し一応あなたのほうが九百五十円だと言つておるのに、今だに春から秋になつて秋肥料の時期にもかかわらず千四百円、ひどいのは千六百円で取引されている事実は、これはあなたが御存じのはずです。塩化加里にしても、あなたのほうの標準価格については一貫目三十円も四十円4高く取引されている。昨日私が事情を聴収したのでは塩化加里を商人間の取引で千二百円で売つている。こういうことに対して何にもその後輸入の手当もしない。さればといつて法的措置もとらない。これは結果において愛知通産大臣の食言です。これをどうされるのですか。これはむしろ通産省からも御答弁願いたい。一体これは統制するのですか。三割も五割も、而も過去一カ年に亘つてこういう不当な価格が続いている。これを放任されるということは一体何か理由があるのですか、それとも、愛知通産大臣が言われたようにここで速かに外貨の割当を優先的に加里のほうに持つて行つて、そうして量的に加里の価格を安定させるという方途をとらなかつたのか、それとも外貨の関係でそれができないのか、それから肥料の需給調整の中に品目追加を政令によつてやるという準備をされているのかどうか、一つ私は具体的に御答弁願いたい。
○説明員(吉岡千代三君) 軽工業局の立場といたしましては、御承知のように加里につきましては農林省と、輸入につきましては通商局の関係でございますが、肥料全般につきまして取扱つております関係から、先月以来新附等に加里の値上りというふうな記事もいろいろ報道されておつたような関係もございまして、農林省のはうに早速御連結いたしまして、若し追加輸入の必要があれば至急に我々のほうでもお取次きをいたしたいということを申上げまして、その後数量等につきまし農林省で御検討願つておつたわけでありますが、最近相当量追加輸入してもらいたいという御要請がありまして、御指摘のようにこれは輸入されたものがそのまま別段特別の加工等もされずして、而も全体の三分の二以上が各系統機関を通じて末端に流れておるのでありますから、この際としては通商局においても農林省の御要望の数量を細かく査定等を成るべくせずして、まあ俗に申しますと多少だぶついても、だぶつけばあとで別段それが横に行くというふうなこともないのであるから、そういう趣旨でお考えか願いたいということで、最近におきまして大体通商局におきましても、農林省とお打合せした数量について追加輸入の計画を考えるという形になつております。それでこれは下期の輸入計画の追加として御要望があつたようでありますが、でき得べくんばこの下期の追加として考えてもらいたいということを申しておりまして、通商局のほうでもその点についての御考慮を願つておる。ただ多少その間に時日をとりましたのは御承知のように従来硫酸加里と塩化加里とが両方輸入されておつたのでありますが、これは御承知のように塩化加里のほうが価格におきましても相当安いわけでございまして、又これを使う技術等につきましてもほぼ差支えのない状態に来ておるというふうな関係もございまして、この際としては塩化加里を主体にして追加輸入計画を立てるという点につきましていろいろ最近まで話をいたしまして、大体そういうふうにまとまつて参つておりますので、近くその趣旨輸入が行われるというふうに考えます。
○河野謙三君 農林省から要請があつた、それに対して大体それをやつてもらう、こう言われますけれども具体的の数字は何も伺つていないが、数字を発表して経済的に非常に悪い影響を及ぼす場合と、発表して非常に効果を増す場合とあるわけですが、この場合には進んで今度これだけのものを追加輸入するということを発表することによつて、あなたたちの企図しておるところの市場の安定が図られるのであつて、数字を発表できない理由がないと思うのですが、要は農林省が追加を幾ら要求されたか、追加要求が幾らで、その過加要求の結果トータルで年間幾らになつたのか、これを一つ知らせて頂きたい。
○説明員(小倉武一君) まだ話を進めている途中でございまして、幾らになつたという、そういう政府部内の一応の案としてもまだきまつておりません。ただ農林省から通産省に話合いをしているものとしましては二十五万トンの話合いを基礎にしましてそれがもつと小さいとどうであるかということで通産省の為替関係の御意見もございます、いろいろ検討を只今いたしております。
○河野謙三君 そうしますと二十五万トンというのは勿論K20ではないのですね。そうしますと当初はたしか六十万トンと承知いたしておりますが、昨年は七十万トンの実績に対して六十万トン、追加二十五万トン、年間を通じて八十五万トンを農林省は要求しているんですか。
○説明員(小倉武一君) ちよつと言葉が足りませんでしたが、当初の年間計画計数で三十万トン、下半期で十五万トン、それに十万トン足しまして二十五万トン、こういうことでございます。
○河野謙三君 それは下期とか上期ということも結構ですが、年間を通じて大体幾らを目標にしているんですか、農林省の要求は。
○説明員(小倉武一君) 三十万トンに十万トン足しまして四十万トン……。
○河野謙三君 そうすると加里肥料にして八十万トンということですか。
○説明員(小倉武一君) さようであります。
○河野謙三君 それに対して通産省は何か御意見がありますか。私はそれでも非常に少いと思う。今のような加里の市場が硬化している場合少いと思う。加里の価格を安定させる上に余り効果がないと思うのです。何かそれさえ経済局長から聞きますと、通産省のほうで最終の決定がないというのです。もう一つ伺いたいのは、一体加里の輸入の枠をきめるについて通商局はどういう立場なんですか。通商局長は来ておりませんか。
○説明員(板垣修君) 只今の加里の問題につきまして、私まだそういうような報告を受けておりませんが、一般的にそういう外貨予算の編成につきまして通商局の立場といたしましては原局なり或いは農林省その他の関係省からこれだけの輸入の必要があるというような依頼を受けました際に、通商局といたしましては全般的な輸入貨物予算の資金繰りの関係から多少これは減るか、減らんかというようなことを申上げることがございます、併し全体として国の産業を維持する上に必要な場合には大体において原品その他関係省の立場を尊重する立場をとつております。
○河野謙三君 そうすると、通商局は加里に限らず輸入物資についての外貨は外貨全体の枠の範囲内でチェックして行かなければいかんということで、これは加里肥料が必要であるか、必要でないかというのは、原局の意見に任せるわけですか。
○説明員(板垣修君) その通りであります。
○河野謙三君 それ以外の意見は挾みませんね、通商局は。それ以外は通商局は意見を挟みませんね。例えば、私は心地悪く申すのではありませんが、例えば硫酸加里が必要か、塩化加里が欲しいかというときに、通商局か例えば技術的な問題等から農林省が硫酸加里を減らして塩化加里を殖やしてくれという場合に、それは硫酸加里を入れるべしというあなたのほうの意見を挾みますと、あなたの通商局としてはこれは越権ですね。
○説明員(板垣修君) たまたま通商局におきましてそういう専門知識のあるものがありまして、それに対して意見を述べることがありますが、最終的には原局なり責任省の意見に従う方針であります。
○河野謙三君 そうしますと、外貨の枠の範囲内においてやりくりしなければならない。絶対量がきまつているのですから行原局からの要求は全部満たされない、一方を削らせば一方を殖やす、一方を殖やせば一方を減らす、こういうことをやるのが通商局、そうだとすれば今度の加里肥料の場合はあなたの方の大臣が、而も紳士であつて僕は尊敬しているあの大臣が、ほかの外貨は割いても加里肥料が硬化したときには優先的に外貨の枠は殖やしますと、こう育つている。これは間違いがない。今私が附きそこないでないということは経済局長も附きましたと、こう育つている。これに対して何と通商局は……。而も秋の肥料です。農、家は現に買つている、時期を失してはいけない。ここで早くきめてもらわないと十月になつてからきめても話にならない。十月は、百姓のことはあなたよく御存じないでしようけれども十月になつたら秋の肥料は終つてしまう。ここできめなければならない。ここで即刻きめて下さい。
○説明員(板垣修君) 御指摘のような事情があるとすれば御趣旨に副つて善処いたしたいと思います。
○河野謙三君 然らば明後日まで委員会がありますから、この三日間の委員会のうち明日と言いません、明後日でも結構ですが、できれば明日でもやつて、その間に通商局から愛知さんに、こういうことは前の国会からのいきさつがあつてこういう意見があつた、それらに対して返事をしろとよくお伝えになつて、そして明日か明後日の間に具体的に御返事を頂きたい、かように思います。差支えございませんか。
○説明員(板垣修君) 承知しました。
○河野謙三君 然らばもう一つ外貨の問題ですが、過燐酸も同様に市場は余りないということですが、改善されておりません。これに対して燐鉱石の追加を十万トンとか十五万トン、これは内需用ですか輸出用ですか、この点一つはつきりとお答え願いたい。
○説明員(小倉武一君) 内需用です。
○河野謙三君 そうすると、これは過燐酸の輸出の商談が活発になり、これは結構です、結構ですが、過燐酸の輸出によつて過燐酸の内需の需要を圧迫するような危険がございませんか。こういうことなんですよ。輸出用の燐鉱石と内需用の燐鉱石を分けているというけれども、どんどん輸出のほうを先にきめて行くから内需用の燐鉱石の手持を輸出のほうに廻すので、あとから入つて来るということになる。そこの問において時期的の食い違いがあるために結局帳面ずらは分けてやつても輸出用の過燐酸が内需を圧迫している事実がある。今後輸出用の燐鉱石に対して先貸をするということは慎んでもらいたいと思いますが、どうですか。
○説明員(小倉武一君) 輸出用のものにつきましては、輸出がありました後にそれに見合う燐鉱石を別枠として輸入するということになつておりますので、僅かなときはまあそれでいいと思うのですが、輸出が相当伸びる季節には内需用の燐鉱石を先にするということになりまして、場合によりましては御指摘のような心配もあり得ることです。現在そういう状態でないかと思いますが、我々も多少検討いたしておりまして、場合によりましては従いましてそういう事態に対処するために輸出用の燐鉱石を先にいたしまして輸入して頂くといつた措置が必要かと思います。そういう観点については只今最近の輸出のオフアーなども考慮いたしまして検討を加えております。
○河野謙三君 検討を加えるのではなくて、そういうようにあなたも内需を非常に圧迫する危険があると言われておるのですが、現に圧迫しておる。でありますから今後輸出の燐鉱石につきましては、過燐酸につきましては輸出用の燐鉱石を以て充てる、内井川の燐鉱石でそれに有無相通ずるようなことはしないということをはつきり言つてもらわなければ困りますよ。私は三十トン五十トンのことを言つているのではない。少くともあなたの認識においてそういう危険があるのだから、そういうことは今後輸出を扱う場合に絶対やらないということを一つ占つて頂かないと困る。
○説明員(小倉武一君) そういう原則をここで私からとるというわけには、ちよつと申上げるわけに参らんのでございます。輸出のために内需用の燐鉱石に支障があるといつたような場合は輸出についてむしろ考えて頂くといつたようなことで逆に燐鉱石の輸入を促進する、こういう行き方で私どもとしてはやりたいと、お説のようにはつきり分けてしまつて輸出用の燐鉱石というようなことがはつきりきまればよろしいのですけれども、過燐酸の輸出がそう計画的にあらかじめ予定いたしましてそのための燐鉱石は如何かという誉覚込むこともなかなかむずかしいような実情でございますので、今までのようなやり方でなお輸出により内需の阻害されないような工夫を加えて行きたい、かように存じます。
○河野謙三君 私は早く質問をやめたいと思うが、どうも不徹底でありますので、それでは、そう機械的にものを考えないで輸出用のものに内需の燐鉱石を廻すこともあるけれども、内需は、若し内需の市価が硬化した場合には輸出用の燐鉱石を内需に廻すことができるというのはありますか、できますか、それは。
○説明員(小倉武一君) 輸出用の燐鉱石といつて、特別あらかじめ外貨を組んでそれを輸入しておるということはどうもありませんので、従いましてその輸出用のために内需が圧迫されるというようなときに輸出用の燐鉱石を内需に廻すというふうな措置はちよつととりがたいのではないかと思います。
○河野謙三君 そうでしよう。輸出用のやつを内需に廻すことはできない、それでは取られつ放しではないか、あなたのは取られつ放しでしよう。あなたの言うようにそう窮屈に考えられない、輸出用のやつを内需に廻すこともあり得るというのなら今度は内需用のやつを輸出用に廻す、こういうこともある、だからこれは今はつきりきめておかなければならない。
○説明員(吉岡千代三君) ちよつと補足いたしたいと思いますが、御指摘のように最近韓国、中共、台湾向けに相当輸出の引合が旺盛でございます。これは成るべく硫安だけでございますと御承知のように輸出余力が非常に窮屈でございますので、でき得べくんば過燐酸石灰なりほかの石灰窒素の輸出も加えたいという趣旨におきまして、成るべく輸出を殖やしたいという気持を持つております。 そこで先ほど御指摘の点でございますが、内需との関係におきましては内需の価格の調整の意味におきまして大体常時二十万トンのランニング・ストックを持ちたいということにいたしておりますが、それ以外に三万トン程度を輸出用の前渡しと申しますか、そういう形で現在確保しておりまして、それによつて御指摘のような輸出の増加が直ちに国内価格の高騰ということにできるだけならないようにという措置をとつておるのでございます。それでなおこの程度の数量で不足するということになりますれば今後この調整用の数量につきまして史に検討を加えましてこれを補充するということを考えたいと思つております。
○河野謙三君 それでは私は最後に時間がありませんから他日に質問は譲りまして要望だけ言つておきます。 農林省も通産省もですが、特に通産省においては燐鉱石の取扱についてもつと厳重な監督なり指導をして頂きたいと、内容は言いません、それを私は特に強く要望します。 それと、目下開かれている肥料審議会の経過につきましては当然政府は、かように休会中といえども通産委員会なり農林委員会が開かれるのでありますからそのときを捉えて積極的に私は肥料審議会に政府の出しました原案の説明なり審議会の経過というものは説明して然るべきではないか、かように思いますが、如何でございますか。これはあえて答弁を求めませんけれども、これを強く私は要望しておきます。
○海野三朗君 私はガットについてちよつとお伺いしたいのですが、イギリスもフランスも保留したと言われましたけれども、あれはどういうことを意味しておるのでしようか、それについてちよつと御説明を伺いたいと思うのです。
○説明員(朝海浩一郎君) イギリスもフランスも、今の御質問は非常に専門的な御質問なんですが、保留したということで私のほうから、日本のほうから説明を求めておりますけれども保留は保留だということで、保留の意味につきましては申しておりません。但し、これは従いましてイギリスもはつきり今度締約国の総会にかかつたときにお前のほうはノーというのだぞということも言つておらないのでありますが、今までの経過から申しますというと、日本が競争関係にあります、ということも非常に大きな原因だろうと思いますし、それから又御承知の日本のいわゆる不正競争の問題もございまして、なかなかこの保留は単に一時保留したというような保留ではないのじやないかというふうに私どもは見ております。 それからフランスにつきましてもこのイギリスよりも史に明確におれは人の関税交渉することは邪魔しないけれども、自分の国は日本とは関税交渉もしないし、入ることに反対だという露骨なことは言いませんけれども、恐らくイギリスよりも強い意味の反対の意思表示をいたしているのじやないかと私どもは考えております。
○海野三朗君 そうすると、つまり日本のガット加入を向うは保留したということは我が国に対して例えばどんな方面に強く響く結果になりましようか。
○説明員(朝海浩一郎君) イギリスの場合について申上げまするというと、イギリスはすでに事実上日本と最恵国待遇を交換して船舶の出入に対しまして、或いは又物資に関しまして最恵国の待遇を与えておりますので差当りイギリスが入らないから日英の関係ばかり非常にお互いに不利な関税をかけ合うというふうなことはないと思います。イギリスの今までの立場、日本は入れない、入れないけれども自分と日本との間は差当り最恵国待遇で待遇をよくし合つて行こうじやないか、それで不自由はないじやないか、こういう態度をとつておりますので日英の関係から見ますというと、日本の加入がイギリスとの関係で関税交渉はできませんでもそう大した痛痒はないじやないか、こういう立場をイギリスとしてはとつておるようでございます。
○海野三朗君 もう一つ私はお伺いしたいのは、そのイギリスがこれを保留したということが、つまりそのネックはどういうところにあるとお考えになつておりますか。
○説明員(朝海浩一郎君) 結局このネックはまあ日英間の経済国際場裡におきまする経済競争にあると思います。プラス、まだ戦後日も浅いものでありますからイギリスの日本人に対しまする感じは必ずしも釈然としておらない、そういう背最がありますところにプラスいろいろな事情殊にスタリング地域におきまして相当日本の、殊に繊維品が出ておりまして何かしらんがかなりな刺激を与えておる、こういう国民の、イギリスヘの日本に対する強い心理的背景がありますので、それは政府は日英関係につきましてどういう感じを持つておるか、若し、的確に申上げられないと思うのでありますが、そういう強い感情に対しましては政府も考慮せざるを得ない。従つて日本のガットの加入につきましてもそう簡単に同窓の意思表示をするわけに行かない。こういうことが現在のイギリスの日本に対しまするガット加入に対しまして保留的な態度をとる、又この前仮加入の際には反対的な態度をとつた理由の根本ではなかろうかと思つております。
○海野三朗君 もう一つ、それに対しては政府当局ではどういうお考えを持つていらつしやるのか、それに対する対策を一つ、御構想を承わりたいと思うのです。
○説明員(朝海浩一郎君) どうもこの御構想は非常に政策の事項に亘りますので私のような一事務官から申上げかねるのでありますが、私が訓令として承わつておりますことは、要するに日本の不正競争、殊に競争はこれは止むを得ませんけれども、競争の中に不正の要素が若しイギリスの主張しておるようにありといたしますならば、又かなりあるように思われるのでありますが、そういう不当な神経を刺激する不正競争はやめなければならないのじやないか。又もう私は先に申上げました対日感情の問題、これはどうも貸すに時日を以ていたしませんというと急にどうこうというわけにも行かないと思うのでありますが、全英に亘りまして日本の前に戦争で捕虜になつた者が、虐待を受けて捕虜になつた者がほとんど全英に散らばつておりますのでこれは急にどうこうと申しましても貸すに時間を以ていたしませんとなかなか治らないと思うのでありますが、片方の経済競争、殊に競争に伴う不正競争はこれは除去して行かなければならないのじやないかと、これは私どもも常にやかましくその競争の中から不正の要素は除去してそうして話合つて行かなければならない、それをやらないというと日本のガット加入も遅れて来るのじやないかということを関係通産省その他にも申上げておりますし、又業者にも機会のあるごとにそれがイギリスのガット加入を渋つている一つの原因であるということを申上げまして不正競争、競争は止むを得ないけれども、その競争の中から不正競争に類する分子を除去することに努めてもらいたいということを申上げておるわけであります。
○海野三朗君 有難うございました。
○委員長(石原幹市郎君) 今日はこのくらいで如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) それじやちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて下さい。 それじや本日はこの程度にいたしまして、明日十時から続行いたします。 午後三時二十七分散会